ガールズバンドは○○したい (ぽぽろ)
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番外編みたいもの
山吹沙綾に膝枕をしてもらいたい


皆、というか人間には疲れた時などのふとした時に誰かに甘えたいと思う時は無いだろうか

男は疲れた時には母性を求める。

そしてバブみでおぎゃっておギャル丸に変身する

 

何が言いたいかと言うと、僕は山吹沙綾ちゃんに膝枕をしてもらいたいのだ。

丁度用事が重なってあまり休む暇も無く、精神的にも肉体的にもとっても疲れている状態だ。

更にそこから万年人不足のcircleに毎日のように駆り出され、ヘトヘトだ。

その疲れを女の子の膝枕で癒そうと思う。

疲れた時は女の子の膝枕が効くって古事記にも薄い本にも書いてあるしね!

 

膝枕をしてもらう予定の沙綾ちゃんの詳しい説明は省くが山吹沙綾ちゃんは、身体が弱い彼女の母、千紘さんの代わりにお店を手伝い、弟の純くんと妹の紗南ちゃんのお世話もしている面倒見のいい女の子だ。

それは僕、桐生千夏(きりゅう ちなつ)にも当てはまる。

ていうか誰にでも分け隔てなく優しい。

だから頼めば膝枕をしてくれそうな気がする

今、その作戦を実行する。

 

───────────

 

そして、僕は今山吹ベーカリーでせっせと店先を掃除している

身体と肉体的の疲れを癒すために肉体と精神に疲れを増やすって何か皮肉……

 

「お疲れ様。千夏疲れたでしょ」

「うん、全然大丈夫だよ。」

「……今日みんなの仕事殆ど1人でやってたのに?」

「まぁ…その……あはは……」

「あははじゃない。休んでいいよっていうか休んで」

 

エプロン姿でプクッと頬を膨らませ、お玉を持っている手を腰に当て怒っているようだが、僕にとってはただの可愛い仕草にしか見えない。

あと沙綾ちゃんには僕が下心満載でこんなに頑張っているのは分からないんだろなぁ……

 

「いや、まだ少し仕事残ってるし……」

 

働けば働く程膝枕をしている可能性が高くなるし。

働けば働く程可愛い女の子に膝枕をして貰えるってなれば世の中は変わるんじゃなかろうか。

皆喜んで残業しちゃうね

そしたらブラックもホワイトも無い幸せな世界に変わっちゃうね!

よし、今度偉い人に相談をしてみよう

 

「もうそれはお父さんに任せてさ、ご飯食べなよ。」

「いや、流石にそれは悪いよ。」

 

女の子の料理を食べられるとはいえ流石にそれは気が引けると言うもの。

ならなんで僕は膝枕を頼もうとしているのだろう。そっちの方がハードル高いのにね

 

「あ~あ、そしたら折角作ったのに無駄になっちゃうな~純も紗南も一緒に食べたいって言ってたのになぁ~残念だな~」

 

わざとらしく大きな声で独り言を零す沙綾ちゃん

まぁ、そういう事なら

早く膝枕して貰って帰ろうと思ったのに……

家にもしかしたらある人がいるかもしれないし。

 

やった!

 

小さくガッツポーズをしている沙綾ちゃん。なぜ?

 

─────────

 

その後は沙綾ちゃんが作ったという夜ご飯を頂き、

『帰るの遅くない?家に入ってもうご飯作ったんだけど?』と言ういつもの人の怒りのこもったメールに返答し、必死に宥めて過ごした。

ご飯も食べ終え後片付けをしている沙綾ちゃんに僕はチャンスだとばかりに本来の目的を果たすべくこう言った

 

「沙綾ちゃん。」

「ん?何?」

「僕に膝枕をしてください!」

 

床に頭をつけ完璧に地に伏せる。所謂土下座という奴だ。

 

「ふぇ!?」

 

どこぞの迷子少女の様な反応をした後、顔が茹でダコの様に真っ赤に染まる。

 

……もしかして引かれた?

 

いや、それが当たり前か。

同学年の女の子に膝枕を頼み込む男子高校生…

完全に通報案件ですありがとうございました。

次回は鋼の檻で囲まれた場所でお会いしましょう。

 

「ぃぃょ………」

「え?」

「……いいよ?」

「いいの!?」

 

まさかのOKでした。これで檻の中に入って生活をするになるのが少し遅くなったね!

いや、入る予定は無いけど

沙綾ちゃんの部屋へとその後通された。

お顔真っ赤っかで。

 

────────

 

人の……特に異性の部屋に入るのは緊張するものである

しかし僕は膝枕をして貰えるという嬉しさでルンルンしていた。

可愛らしいぬいぐるみ等が飾られた女の子らしい部屋に通された僕。

彼女は深呼吸をして気持ちを落ち着けていた。

よしっ!と小さく意気込んで正座して座り、こちらを向きポンポンと自分の膝を叩いた。

準備は出来たみたいだ。

 

彼女に近づき失礼しますと一言断ってからエデンへと寝転んだ。

女の子らしいすべすべのハリのある太ももの柔らかい感触が何とも言えない。

更に漂ってくる女の子の甘い匂い、下から見える少し恥ずかしがっている表情が合わさり僕はもう瀕死だ。

 

暫くするとある程度慣れたのか白く細い、透き通った綺麗な手で僕の頭を撫でてくれた。

 

「ねぇ、なんで膝枕なんて頼んだの?」

 

優しく撫でながらそう尋ねてきた。

 

「最近ちょっと疲れててさ。」

「ふ~ん。」

「なんで笑ってるの……」

「別に~人に頼るのはいい事だよ。また疲れたら私を頼ってね。また膝枕してあげる。」

微笑みながら、彼女はそう言った。

その笑みは聖母の様に僕を包み込み、心が暖かくなる様な気がした。これが包容力だろうか。

流石ポピパのママは違うや……

あの個性の塊みたいなメンバーを纏めるだけの事はある。

そしてつい眠気が来た僕はそのまま寝てしまった……

起きた時には疲れなんて吹っ飛び、魔剤なんて飲むより身体が軽くまた1ヶ月くらい元気に働けそうな気がした。

 



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本編
白金燐子とゲームがしたい


タイトル変更しました。


「朝だから早く起きて」

「ん……」

 

いつもの様にやってくる朝早いモーニングコールを軽く流して軽く携帯をチェックし、近くの机に投げ二度寝する………のを腹パンで防がれる。

 

痛てぇ………

 

今日は土曜日、休日だぞゆっくり寝かせて……

早くに起こすなというか平日でも6時半に起こすな。

普通に7時半で間に合うのに1時間も早く起こすとか嫌がらせか。

 

と前回散々ある人とかいつもの人とか言って伸ばした幼馴染に対して心の中で毒づく。

すると、こちらを見て

 

「どうせあたしに対して何か言ってるでしょ」

 

とこちらを見透かした様な言葉を受け心臓がヒエッヒエッという天ぷらをした後もそもそと幼馴染が作ってくれたり朝ごはんを食べる。

 

あれ、テンプレだっけ?

 

作ってくれた本人は朝練とか何とかでさっき出かけた。

話を詳しく聞いてないしね。今だってスマホ版のNFOやってるし。

 

前は疲れで頭がおかしくなって膝枕なんて頼んでしまったが朝の僕は…と言っても朝は血圧が上がらずどうもテンションが低い。

ここらでガチャでSSRでも出たら話は変わるけどね。

 

まぁ、皆のお望み通り爆死しましたとさ

 

ご飯も食べ終わりゆっくりしていると携帯の連絡アプリにメッセージが届いていた。

内容としては燐子さんからで、こんな感じだ

『今暇だったら一緒にゲームしませんか?』と。

 

もちろん今暇していたので

『大丈夫です。今からNFOとボイスチャットの準備しますね』と返信した。

 

「既読つくの早ぇ……」

燐子さんも暇だったのだろうか。

一応あの人受験生だったような……?

 

なんて考えていると、

『あの…家に来てやりませんか……?それの方が沢山ゲームありますし…』と返ってきた。

 

え?うち………UTI……………家?

燐子さんの家………?

 

思わずフリーズしてしまった。

しかし、既読がついたまま何も返信が無かったのを不思議がったのか燐子さんは

『あの…やっぱりご迷惑でしたか……?』

 

と送られてきた。そして僕は即座に

『行かせてください!』と返信した。

 

─────────

 

燐子さんの家は流石に金髪破天荒天真爛漫のお嬢様には負けるものの結構裕福な家庭だ。

なのでお宅が一般家庭と比べると大きいのだ。

それのせいか、家の目の前で緊張してしまっている。

 

ふぅ~と息を大きく吐いてインターホンに手をかける。

ピンポーンと聞きなれた音が中で鳴り響く。

それと同時にとてとてと言う足音を聞こえる

 

「中に……どうぞ……」

 

そして僕は燐子さんの部屋へと招かれた。

 

─────────

 

……でゲームを始めたのは良いんだけど

 

「ふふっ…また私の勝ち…ですね。」

 

燐子さんがくっついていて肌の感触が伝わって集中出来ない!

 

「燐子さん近くありません?」

「近く……ないと…思いますよ?」

「絶対近いですよ」

 

どんな状態かと言うと今は大きめのソファに2人で座っているのだか肩がくっついている距離と言えば分かるだろうか。

燐子さんから3センチ離れると、3センチ詰めてくる。

10センチ離れると10センチ詰めてくる。

そんないたちごっこを最初は繰り広げていたが諦め、直接言うことにした。

 

「また…私の勝ち……ですね。」

「うぅ…」

「どうしたんですか……?いつもの千夏さんに比べて少し弱いような…気がします…」

「燐子さんみたいな美人にくっつかれて心中穏やかじゃないんですよ。一応僕男何ですよ?そこら辺分かってやってます?燐子さん。」

「美人…わっ、私が……」

 

いきなりボンッ!と顔を赤く染める。

今日体調でも悪いのかな?

 

「どうかしました?燐子さん。」

「い、いえ…別に何も……」

「なら続きやりましょ!負けたままじゃ自分の気が済まないので!」

「そうですね…やりましょうか……!」

 

その後、2人で朝までやり続けた。

 

─────────

 

「どうしましたか?白金さん。大変眠そうですが…」

「すいません氷川さん……実は…昨日徹夜で千夏君と(ゲームを)シてたんです…

千夏君負けず嫌いで中々寝かしてくれなくて……」

「ねぇ、友希那。千夏って今日カウンターにいたっけ~?」

「今日は月曜日だしいるはずよ。

それにしてもリサ、顔が怖いわ……」

「別に怖くないって~♪ちょ~~~っとお話するだけだから♪」

 

その後circleのロビーではギャルの様な少女の前でひたすら正座をしながら頭を下げる少年が居たとか。




主人公説明
名前 桐生千夏
学校 まだ未定
学年 2年生

無意識的に彼女らの母性本能をくすぐっているため、沙綾と千聖とリサとつぐみと美咲辺りの世話好きな人に弱い。
食や服に無頓着のせいでその辺は幼馴染である奥沢美咲の世話になっている。
彼は知らないが、さっきの5人で誰が良い世話が出来るか争っているらしい
今の所の1位は幼馴染の立場を利用した美咲


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白鷺千聖はイチャイチャしたい?

主人公のキャラが定まらない。
あ、学校は花咲川になりました。幼馴染が花咲川だからねぇ……


7連続出勤という地獄を乗り越えた先にあった渇望していた休み。

肉体的な精神的な疲労が半端ない。

こんな日はゆっくりと昼寝をするに限る。

とゴロンと寝そべると同時に電話がかかってきた。

かけてきたのは千聖さんみたいだ。

 

『はい、もしもし?』

『もしもし、千夏?』

『はい、なんでしょうか?』

『今日は空いているかしら?』

『今日は風邪を引きまして』

『あら、それはお大事にね』

『っていう妄想で忙しいです。』

『……要するに暇って事ね。なら私と一緒に新しく出来たカフェに行きましょ?

集合はいつもの所ね』

『だから今日はいそが………「切れてるし」

 

一方的に約束をするだけして切っちゃったよ。あの人……

取り敢えず遅れるとお説教確定なので早く行くしか他にない。

嫌だなぁ……寝ようと思ってたのに

 

───────────

 

頑張って準備を終わし、いつもの集合場所へと向かうと千聖さんは居ないみたいだ

ふぅ、と一息入れようとしたら視界が真っ暗に染まった

 

「あなたに電話してからここまで来るまで何分だ♪」

「そこは『だ~れだ♪』じゃないんですか!?とっても怖いんですけど!」

「貴方が来るまで8分53秒掛かったわ。全く私を待たせるなんて。」

「これでも急いだんですって!」

「まぁ、許してあげるわ。」

 

何とかお説教を免れた……

千聖さんはとっても理不尽だ。

 

「あれ、今日花音さん居ないんですか?」

 

いつもは千聖さん花音さんそして僕の3人で行ってるのだが今日は花音が見当たらない。

何処かで迷子になっているのだろうか。

 

「今日は花音は呼んでないわ。大変申し訳ないのだけど……」

「何かあったんですか?」

「実は花音用事あるって言われたのよ」

「へぇ、今日は2人きりなんですね。」

「そうよ。"2人きり"よ。」

 

今どこに2人きりを強調しないといけない要素があったのだろう……

 

「それでは行きましょうか。時間が勿体ないわ。ちょうど電車が来たみたいね」

「そっちは逆ですよ。あぁ!、もうしょうがないですね。」

 

千聖さんと手を繋ぎ、引っ張っていく。

男とは全く違う小さくて、そして柔らかくて暖かいそんな手だった。

よく人を抓る時のあの馬鹿力を持っている手とは思えない。

 

あぁ、千聖さんごめんなさい謝りますから手を握っている逆の手で脇腹を抓らないで下さい

恨みを込めて千聖さんの方をチラッと見ると、千聖さんはプクッと頬を膨らませていた。

 

さっきの奴痛かったんですけど(可愛いですね千聖さん)

 

あ、本音と言うことが逆になった

 

「か、かわっ///」

「川?川に行きたいんですか?」

 

川でバーベキューとかするのもいいね。パスパレの人達誘おうか。

そして顔を赤くした千聖さんは咳払いをして

 

「じょ、女優の私を口説こうなんて」

「別にそのままの事実を言ってるだけなんですがねぇ……」

「そ、そういう所よ!」

「え?今の何かダメなんですか?」

「貴方は女誑しね。」

「いやいや~僕の事好きな女の子は居ませんて。」

「かなり重症だわ……」

「え!僕なんかの病気なんですか!?」

 

はぁ。と呆れたようにため息を着いた千聖さん

僕何か悪いことした?

 

「ほら、着いたわよ。ここが目的のカフェよ。」

 

色々と話してたらも着いてたみたいだ。

時間って過ぎるの早いね

 

「何にします?」

「そうね…コーヒーと何かケーキを食べようかしら。」

「僕はちょっと小腹が空いたので軽食あったらそれ食べる事にします。」

「ふふっ。ここはナポリタンが美味しいらしいわよ?」

「ならそれにします。」

 

たまにはこんなにゆっくりと誰かと無駄話をしながら過ごす休日もあってもいいかもしれない。

 

────────

 

『って事があったんですよ花音さん。』

『千聖ちゃん……積極的だなぁ…』

『今日用事あったんでしたっけ?』

『え?あ、う、うん!そうだよ?』

『次は3人で行きましょうね。』

『そ、そうだね。』

 

プチッ

 

「3人でかぁ。千夏君のバカ……」

 

───────────

 

後日

ドタドタと走りながらこちらに走ってくる香澄ちゃん

 

「昨日ね!千聖さんのちょまったーでね!デーt「ごめんちょっと待って?」うん?何?」

「ちょまったーって初めて聞いたんだけど」

「えぇー!千夏君ちょまったー知らないの?!」

「僕ツ○ッターしか知らない。何そのどこぞの金髪ツンデレさんが言ってそうなセリフの奴」

「今とっても人気なSNSなんだよ!って…それはどうでも良くて!問題はこれなんだよ!」

 

可愛らしい星の形をしたケースに入れられたスマホの画面を見ると昨日のカフェの写真が上げげられていた。

その写真には千聖さんとケーキの写真。

……これは自分を見せたいのかケーキを見せたいのか分からん。

そして端の方にチラッと少しだけ僕が映っていた

 

「これって千夏君じゃない?何かネット上で彼氏疑惑が上がっててね?」

「……香澄ちゃん。夜道気をつけるね。」

 

千聖さん……『大切な人とデートです♡笑』はないと思うよ?




今思いついた。
主人公くんは同い年にははっちゃけて、年上には1歩引く感じにします。


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氷川日菜と星が見たい

沢山の評価、感想ありがとうございます。とても励みになります


「寒いので帰りましょうよ~日菜さん」

「だ~め! 冬の大三角形とか見れるかもしれないよ?」

「別に見なくても……」

 

 とぶつくさ言いながら日菜さんについて行く僕。休憩がてらに上を見上げてみると空には満点の星空が浮かび上がっていた。

 

「わぁ……綺麗……」

「ホントだね……」

 

 すっかり星の綺麗さに見蕩れていた。

 今、僕は氷川家次女、氷川日菜と星を見に河原まで来ていた。まぁ、無理やり連行されたみたいなもんだけど。

 

「誰も居なくてちょうどいいね」

「だってあたしが来る穴場だもん!」

 

 望遠鏡を持って落ち着きなく、はしゃぐ様子は、まるで子供のようだった。

 土手にビニールシートを敷き、そこに座る。

 

「あ! あれ乙女座のスピカだ! そしてあれは北極星のポラリス! はちぶんぎ座もテーブル山座もある!」

「それって日本じゃ見る事出来ない星じゃなかったっけ……?」

「えへへ~バレちゃった」

 

 ペロリとお茶目に舌を出す日菜さん。

 

「そう言えば来る途中にポテト買ってきたので食べましょう」

「ポテト! ほんと!?」

 

 行く途中についでにと思って買ってきたポテトと聞いた途端目をキラキラとさせて、ポテトが入っている袋に飛びつく日菜さん、ポテトも口いっぱいに詰め込んで食べている。

 そして、やっぱり紗夜さんと姉妹なのだなと思った。

 

 ──────

 

 ポテトも食べ、本格的に星を見るぞ! という時に日菜さんはポツリと呟いた。

 

「あたしにとって星ってよく分からなくてるんっ♪ ってくる面白いものなんだ。皆と違って、天才って言われるあたしはなんでも分かっちゃうし出来ちゃう。だから日常がつまらなかった。でも星はまだまだ分からない事や見つかってない星とか沢山あってそこにあたしは惹かれるんだ」

「へぇ~何か星が分からないけど面白いって分かるような気がします。まだまだ宇宙とかには分からない事が沢山ありますしね」

「やっぱりなっちゃんも分かってくれる!?」

「まぁ、ええ」

 

 なっちゃんとは僕のあだ名みたいなものである。

 

「やっぱり君はるんっ♪ って来る!」

 

 そこから日菜さんに星に関する話を聞いていた時、ハクチ! という可愛らしいくしゃみが隣から聞こえた。今まで星に見とれていて忘れていたが今は冬。夜なんてとても寒い。厚着をしていても寒いものは寒いのだ。

 

「ジャンバー入ります? いや、答える前に掛けるんですけどね」

「それだとなっちゃんが寒いじゃん!」

「いや、僕はこれでも男なんで大丈夫ですよ。日菜さんが着てて下さい。アイドルだし、何より女の子なんですから体を冷やすのは良くないですよ。風邪でも引かれたら困ります」

「……っ! でっ、でも! なっちゃんも……なら……一緒に着ようかうん、それがいい!」

 

 日菜さんは僕が掛けたジャンバーを広げ僕にも掛けた。

 男物とはいえそこまで大きくはないので、日菜さんとピッタリくっついている。

 

「案外恥ずかしいね……」

 

 頬を赤らめる日菜さん。案外初心なんだ。

 

「僕とくっつくのは嫌でしょうに。やっぱり日菜さんが……」

「ヤダ!」

 

 そして僕は諦めたのだが、ここぞとばかりにくっついてくる。

 腕には柔らかい2つの大きな膨らみ。そして温もりが伝ってきている。

 このままでは理性が粉々に砕け散ってしまうので、空を見上げる。

 

「あぁ……日菜さん。月が綺麗ですよ」

「ふぇ……? それってプロポーズじゃ……」

「え? 日菜さん何かのプロなんですか?」

「え!? 違うよ。

 ……だよねぇなっちゃんには分からないよね……」

「何かバカにされた様な気がします」

 

 ちょっとムスッとすると、日菜さんが恥じらいながらこう僕に尋ねた。

 

「ね、ねぇ、なっちゃんってさ、好きな人って……いる?」

 

 好きな人、好きな人ねぇ……

 

「好きな人……日菜さんとか結構好きですよ」

「ふぇ……?」

 

 ボンッといきなり日菜さんの顔は赤く染まった。あれ? 何か変な事言ったかな? 

 

「へ、へぇ、あたしの事好きなんだ」

「はい、好きですよ。あと千聖さんもそうですし、イヴちゃんとか彩さんとか。パスパレの人皆好きです」

「そういう事じゃないのに……」

 

 いきなりとボソボソと呟き始めた日菜さん。

 

「あたしね~実は好きな人居るんだ」

「へぇ~事務所とかは大丈夫なんですか?」

「うん! ちゃんと申請を出せば大丈夫なんだけど……」

「だけど何ですか?」

「相手が気付いてくれないんだよね~」

「日菜さんに好意を向けられてるのに気づかないなんて、クズ野郎ですね」

 

 アイドルっていうか女の子に好意を向けられてるのに気づかない奴なんているのだろうか。

 

「すっごいブーメラン発言だ……」

「何でです? っていうかどんな人なんですか、日菜さんが好きな人って」

「えっとね……とっても優しくて面白い、そしていっぱい皆から好意を持たれてて、それに気づかない。いくらあたしが2人で星を見に行っても、どんなにくっついてもどんなにアプローチをかけても気づいてくれない鈍感さんかな~」

「皆から好意持たれてて気づかないって同じ男としてふざけんなって話です」

「うん、そして皆好きだから競争率が高いの。今回だって、誘うまで苦労したんだ~」

「へぇ~僕はモテないので羨ましいです」

「へぇ~」

「何でこっち睨むんですか」

 

 そんな他愛もない話を話しながらその後は過ごした。

 でも最後には……

 

「あ! 着いてきてくれたお礼上げるね!」

「お礼って別にいらな…………」

 

 要らない。そう言おうとした時に頬に絹の様な柔らかい感触と暖かさを感じた。

 キスをされたと気づくのに時間はかからなかった

 

「なっ!」

「えへへ~しちゃった」

 

 きっと僕の顔はリンゴの様に赤かっただろう。

 この冬の寒い夜風が早く顔の熱を早く冷ましてくれる事を願うばかりだ。

 

 ─────

 

『って言う事があってですね、驚きじゃありません? 日菜さんに好きな人がいるなんて』

『いえ、別に私でも知ってましたが……』

『嘘!?』

 

 電話の相手は氷川日菜さんのお姉さんの氷川紗夜さん。星を見に行った事について詳しく教えて欲しいという事で電話を掛けられたのだ。

 やっぱり妹が心配だったんだな……

 

『日菜はいつも家でもその人の事ばっかり話してますよ。星を見に行った。とかポテトを食べに行った。とか』

『本当に日菜さんはその人の事が好きなんですねぇ~』

『日菜の好きな人の予想ってつきましたか?』

『いえ、さっぱりなんです』

『何とも千夏さんらしいと言うか……』

『バカにしてません?』

『そんな事無いですよ。それならヒントを上げます。私も好きな人です』

『紗夜さんも……? 姉妹で同じ人を好きになるなんて大変ですね。頑張って下さいね。応援してます』

『えぇ、本当に気づいてくれなくて大変です』

 

 氷川姉妹をも誑かす不埒な男…………

 ふむ、謎は深まるばかりだ。




お正月記念の話を出そうと思ってますが、多分無理そう


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今井リサはお説教したい

タイトルを『ガールズバンドは○○したい』に変えて、1話を書き直そうか考え中です。



 今日は休日、皆が愛してやまない曜日土曜日。

 五日間の学校という地獄を乗り越えやっと手に入った2日というあっという間に終わってしまう休み。日本は週休5日制にすべきでは? 

 皆もっと休もうよ! 

 ほら、椅子に1時間座っていると寿命が少し縮むって言うでしょ? 

 

 そんな愛すべき休日だが僕は今何しているかと言うと……

 

「ねぇ聞いてる?」

「聞いてます聞いてます。めっちゃ聞いてます」

 

 休日に僕は…………自室で…………

 

 土下座をしていた。

 別に悪い事してないのに。

 て言うか僕のプライバシーはどうなってるの? 

 自然に入ってきたけれども

 鍵は美咲しか持ってないはずだけど……

 くそ! 我が幼馴染は絶賛練習中だから、問い詰めることも出来ないし。

 

「だからさ、アタシに言う事あるんじゃない?」

「えっと……あけましておめでとうございます?」

「そうじゃなくてさ! ほら何かしたじゃん?」

「何かした事……あ、有咲ちゃんに年越しの時地球にいなかったぜ! ってメッセージ送りました!」

 

 返ってきたのは呆れたような奴だったけど。

 

「違うよ。日菜とちゅーしたらしいじゃん!」

 

 ちゅーって何かえっちな響きだね。

 キスって言うより何か……エロい。

 

 …………っていうか何でバレてるんだ? 

 僕は言った覚えは無いし言ったらツンデレ金髪盆栽少女から毒舌を貰う事になるし、目の前のギャルから叱られるし、腹黒女優からお説教の後抱きつかれて一夜を過ごす事になるし。

 幼馴染からは飽きられてご飯が無くなるかもしれないし。

 

「日菜が教えてくれたんだ~」

 

 あのシスコンポテトアイドルめ! 

 今度冷凍ポテトでぶん殴ってやるわ! 

 

「嬉しかったでしょ? 日菜もとっても嬉しそうだったし」

「いや、頬っぺたですよ?」

「嬉しかったでしょ?」

「……怒ってます?」

 

 なんだろ。言葉の端々に怒りを感じる。

 別に僕からした訳ではないんだけどなぁ

 

「……別に? まったく、全然、怒ってなんか無いよ」

「怒ってるじゃないですか……」

「別に怒ってないって」

「じゃあ何で僕の机に置いてあった飲みかけのペットボトルが握りつぶされてるんですか? それ硬い奴じゃありません? い・○・は・すじゃないですよ?」

「だから怒ってないって!」

 

 僕がちょっと視線を下に逸らした時に見えてしまった。

 いや、よくよく考えれば僕が床に、リサさんが僕のベットの上に脚を組んで座っているわけで、歩けば折れてしまうんじゃないかと思う程の細い脚、むちむちの太ももと辿っていけば、その奥に隠された布の秘宝へと辿り着く。

 

「見せてるんだよ?」

「え……?」

 

 心を読まれた……? 

 いや、そんな事はありえない。

 って言うか僕に見せてもいい事なんて無い。

 他に何かあるのか……? 

 ネイルかな? 

 わぁ、爪がピンク色でキラキラ光ってやがる! 

 ネイルは辞めたはずなのでつけ爪と言う奴なのだろう。

 

「まず女心を学ぼうか」

 

 呆れるようにそう言ったリサさん。

 女心? あぁ、あの男性に対して一方的に自分達の心が分かれと押し付け、それが当然かの様に振る舞い、その癖に男性の気持ちは分かろうとしない女心ね。

『何がいい~?』って聞いたら『何でもいい』って言ったくせにこっちが提案すると『え~ヤダ~』とか文句言われるという理不尽な奴が最たる例だよね。

 

 でも何故それを僕に学べと? 

 

「?」

 

 リサさんの言ってる事が分からん。

 

「まぁいいや。えっちな本無いかな~」

「あっ、ちょっ、やめ……」

 

 ベットの下を漁るリサさん。

 エロ本なんてある訳ないじゃん。

 見つかって、幼馴染に捨てられるんだから。

 

 本当に恥を忍んでコンビニの店員さんに持っていき、バックに入れて誰かに合わないかドキドキしながら持って帰り、家でも誰か入って来ないかドキドキしながら読むっていう苦労をあいつは何も分かっちゃない! 

 

「そんな焦るって事はあるのかな~☆」

「いや、無いですけど、何か部屋を漁られるって恥ずかしくて」

 

 って言うか男子高校生の部屋に入るって事の意味この人はよく分かってるのだろうか。

 襲われても何も文句言えないぞ。

 僕なんて視界にすら入ってないって事か。

 それか僕がヘタレだと言いたいのか! 

 

 それかリサさんは男子に全く興味が無いじゃないか? 

 だって友希那さんの世話めっちゃ焼いてるし。

 はっ! リサさんは百合なのでは? 

 

『友希那ぁ~ここ沢山濡れてるよ?』

『リサ……やめてちょうだい……そこはダメよ……///』

『やめな~い☆』

『ならお返しね』

『あっ……友希那……そこダメ……///

 やばいよぉ……友希那ぁ……///』

 

 おっとこれ以上の妄想は色々やばいからこの辺にしとこうか

 

 こんな感じの濃密な百合が行われてるのでは? 

 ぐへへ、百合はいいぞぉ~

 

「……何か変な事考えてるなぁ~?」

「いえ、別に愛の形は人それぞれですし、僕的にはもっとして頂きたい次第です」

「どういう事?」

「なんでもないです」

 

 するとリサさんは口を猫の様なωの形に歪めてた。

 

「教えてくれないなら、お姉さんちゅーしちゃおうかな~」

 

 唇をこちらに少しずつ近づけて来る。

 とっさに顔を離そうとしたがガシッと顔を掴まれた。

 必死に抵抗してるがジリジリと近付いてくる唇。

 

 

 そんな諦めかけたその時! 

 

「ただいま~」

 

 救世主は訪れた…………

 

「……何してんの?」

 

 ドア付近でジト目で見てる幼馴染。

 見てないで助けてくれ……

 幼馴染が襲われてるんだから。

 

「隙あり!」

 

 すると前に感じた様な暖かい感触が頬っぺたに。

 

「んなぁ!」

「えへへ~しちゃった☆」

「千夏、あんた今日ご飯無しね」

「やめてぇ! 僕を殺す気!?」

「もっとする……?」

「リサさんちょっと黙ってて!」

「もぅ……酷いなぁ、もう1回しちゃえ!」

「千夏、ご飯抜き1週間ね」

「やめてぇ!」

 

 そんなこんなでリサさんの日菜さんとキスをした事の尋問は終わった。

 

 

 あ、ご飯は謝り倒してありつけました。

 




今回の裏設定
奥沢美咲
エロ本ダメ、絶対。でも黒髪幼馴染系なら許す

今井リサ
別に気にしないが気づかない程の速さでエロ本を競馬の雑誌に変えることが出来るスキルを持っている

感想乞食に変身しそう……


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弦巻こころは連れ去りたい

前回が日刊ランキング33位に入ってました。ありがとうございます


 サンサンと照りつける太陽、白い砂浜、青い海。そしてそこにはその場所に似つかない黒いスーツを来た人達と水着姿の男女。

 

 そう……僕はいつの間にか連れ去られていた……

 いつも通り家で寝てたと思ったら次に目を開けたらこれだよ? 

 トンネルを抜けるとそこは雪国であったでは無くて、(トンネル)を(無理やり)抜け出(される)すとそこは島であったってか。やかましいわ

 

 この事の元凶の人物は今僕の隣でニコニコしながら立っている彼女だろう。

 眩しい太陽の光に照らされて彼女の金色の美しい髪を照らしている。

 

 皆さんも知っているであろう彼女、弦巻こころ。

 弦巻グループの一人娘であり、彼女のボディーガード的な存在の黒服の人によって彼女の願いの殆どは叶えられる。

 彼女を簡単に言うとしたら破天荒、天真爛漫辺りだろう。

 

 彼女の父は世界を股に掛ける弦巻グループの創設者であり、顔も広く人脈も豊富だ。

 ずっと辿って行ったらもしかして世界の闇にまで届くかもしれない。

 6人くらいを経由すれば世界中の人と繋がることが出来るというスモールワールド現象もきっとここを経由すると1発だろう。

 

 そんな父の一人娘なのだ。破天荒極まりない。

 

「ね、ねぇ、何で僕はここにいるの? ここは何処?」

「あたしが連れて来たからよ! あたしは貴方とここに来たかったの! そして、ここはお父様の持っているある島よ!」

 

 元気いっぱいにそう答えてくれた。

 島を所有かぁ……金持ちのやる事は違うね。

 って、へ、へぇ~僕と来たかったんだ……

 おっと、深く考えては行けない。

 きっと友達をお気に入りの場所に連れてきたいとかそんな事だろう。

 全く! 思わせぶりな態度しちゃってさ! 

 

「もぅ……! 全くとってもニブチンさんだわ……」

 

 そんな事を考えていると呆れる様な表情をしたこころちゃんが。

 あれ……? 僕何かしたっけ? 

 

 そしてこころちゃんはこちらに手を差し出してきた。

 

「一緒に遊びましょ?」

 

 今僕達を照らす太陽よりも明るく暖かい笑顔でそう言った彼女。

 その笑顔につい見蕩れてしまっていた。

 

「ん? あたしの顔に何かついてるのかしら?」

 

 こてんと首を傾げる彼女。

 

「別に何もないよ。こころちゃんは可愛いなって思っただけ」

「ふふっ、貴方だってとってもキラキラしててカッコイイわ!」

「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」

「お世辞じゃないわ、あたしの本心よ。あたし、お世辞って堅苦しくて嫌いなの」

「へへっ、ありがとう。こころちゃん」

「さぁ! 遊びましょ?」

 

 そして、僕達は海に駆けた。

 泳いだり、水を掛け合ったり、黒服さんが用意してくれたココナッツジュースを飲んだり、高級な昼ごはんに舌鼓を打ったりと中々に充実していた。

 優雅な休日の過ごし方だ。

 

 ***

 

 楽しい時はあっという間に過ぎるもので、いつの間にか日は沈みかけ、さっきまでの綺麗なマリンブルーの海は沈みかけた太陽に照らされ真っ赤に染まっていた。

 

「今日は楽しかったかしら?」

「うん、色々楽しめたよ。いい気分転換になったかもね」

「そう……! それなら良かったわ! 貴方今とっても素敵な笑顔をしてるわ!」

「無理やりだったけど連れてきてくれてありがとう」

 

 綺麗な夕日をバックにこころちゃんに感謝を述べる。

 しかし、何故かこころちゃんは俯いていた。

 少しすると意を決した様に顔を上げた。

 

「とっても大事なお話があるんだけどいいかしら?」

「うん。何か悩み事?」

「そうじゃないわ。あのね……実はあたし……貴方の事が……」

 

 んあ? 足に痛みを感じたから下を見てみると何と小さいカニが僕の足を立派なハサミで挟んでいた。

 痛いなこの野郎。

 しゃがんででカニを捕まえた。

 案外可愛いなこいつ。

 

「見て! こころちゃん。カニだよ! カニ好きだよね! カニ「の事が好きなの!」やっぱり?」

 

 やっぱりこころちゃんカニ好きだよね。

 こころちゃんに好かれるカニ羨ましいなぁ……

 羨ましいぞ! カニオ

 

「貴方の鈍感さは天才的ね……

 普通はあんな風にならないわ……練習したのに」

「ん? やっぱりカニ嫌い?」

「いいえ! あたし、貴方の隣に立てるようにこれから頑張るわ!」

「え? あぁ、頑張って……?」

 

 何故僕の隣に立つ必要があるんだ……

 いつでも空いてるよ? よく一人でいるし。

 そんな感じで僕の1日は終わった。

 

 ***

 

 家に帰った後、美咲にこころちゃんがカニに告白してた事を話したら

 

「はぁ? 本当に最低。今日ご飯無しね」

「えぇ! そんなぁ! 謝るからそれだけはご勘弁を!」

「人の気持ちを聞かない人には食べさせない。っていうかこころ約束破ったなぁ」

 

 約束……? 

 その後は謝り倒してご飯を食べた。

 最近、何か僕ご飯よく抜かれそうになるなぁ……

 でもちゃんと準備してくれる美咲好き。

 

 そして、さっき『こころにちゃんと謝る事』と言われたから

『今日何かごめんね?』

 と送ったら

『全然大丈夫だわ! 今日は急ぎすぎたわ。

 逆に聞かれたら美咲に怒られてしまうわ』

 と返信された。

 

 美咲に怒られる……? なんだそりゃ




今回の裏話

弦巻こころ
美咲と告白する時は雰囲気に流されないで2人一緒にという約束をしている。
千夏の隣を虎視眈々と狙っている。
最近、料理を勉強し始めた。大好きな人に食べて貰いたいから
おや…?黒服の人達の様子が……


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市ヶ谷有咲はやめさせたい

何か新しいバンド来るらしいですね。
モルフォンとか何とか。どくタイプなのかな(?)



 椅子や机等のアンティークなものが店先に並んでいる流星堂に僕、千夏は居た。

 目の前には腕を組み不満そうな顔をしたこの流星堂の主、有咲ちゃんが。

 そして僕はその前で正座をしていた。

 わぁ、なんか最近も正座した気がするぞぉ? 

 その内『100日後に正座する千夏』っていう漫画が青鳥(Twitter)で出来ないかなぁ……

 ただの礼儀がなってない人かな? 

 

「おい! 聞いてるのか!?」

 

 ひぃ~~! 怖すぎてコマになるぅ! (?)

 

「だから私は、いつも言ってるだろ?発言には気をつけろって」

「別にさっき会った人に『可愛いね!』って言っただけじゃん。

 なんか特殊な髪色だったけど」

 

 可愛い人に可愛いと言って何が悪いのか! 

 さながら、僕の今の気持ちは地動説を唱えたガリレオガリレイの気持ちだよ! 

 でもさっきの子ピンクと青?みたいな髪色で小学生が持ってる傘みたいだったよね。

 

「あんな風に色んな人を誑かせられると困るんだよ……」

「え? 何で有咲ちゃんが困るの?」

 

 別に褒めてもよくない? 

 あ、さっきの子何か顔赤かったから、風邪ひいてたのかなぁ? 

 僕を見ると赤くなってた。

 

 

「えっと……それはだな……

 ってそんな事は良いんだよ!」

「説明責任放棄したぁ~」

「そんな事より、私が言いたいのは誑かすような事をいうな! って事だ!」

 

 え~誑かしてなんか無いよ。

 第一に僕が誑かしても靡く人なんて居ないだろうし。

 僕の事を好きな人がいる訳でもない。

 は~モテないって辛いね。

 なんたって、バレンタインの時にロッカーに沢山のチョコを詰められるっていう嫌がらせを受けるくらいだからね。

 

 あれは嫌がらせだって、千聖さんに教えてもらった。

 

「それと、その……」

「ん?」

「これから私だけに言えよ! そういう事は!」

 

 あ~なるほど。可愛いって言ってもらいたかったんだね。

 可愛い奴め。

 

 ───────

 

「あ~~り~~さ~~! 

 お昼だよ~!」

「うわぁ~~抱きつくな香澄!」

「だって、昼休みだよ!?」

「お前さっき4時間目の時も似たような事言って無かったか…………?」

「あれ~? そうだっけ?」

 

 戸山香澄が親友の市ヶ谷有咲に抱きつく、いつもの昼休み。

 だが、今日はいつも違う。

 

「こんにちは~」

 

 そう、僕が彼女の所に行くのだ! 

 

「あれ~~? 千夏ちゃんじゃん! 珍しいねぇ~」

「そうだね。香澄ちゃん」

 

 いつも誰かに連れ去られて居るからね。

 何処ぞの腹黒女優に! 

 

「あ、そうだ。有咲ちゃん可愛いね」

 

 よし、目的達成。

 ミッションコンプリート

 少し教室が色めきだってるな。

 何でだろ。

 

「ちょっ……おま……何で今言うんだよ!!!!」

 

 去り際にそんな叫び声が聞こえた。

 何でって時間ある時って昼休みじゃん。

 さてと、早く戻ってお弁当食べよ。

 すると、誰かからガシッと肩を掴まれた。

 

「ねェ? 千夏、どういう事? ちょっとオハナシする?」

「何か怖いよ沙綾…………」

 

 何もしてないじゃん! 

 

 そして僕の昼休みはまたまたお説教される事になった。

 




新しいバンド来たらその子達も書きたいんですが、最近まったくバンドリを触ってない、アニメも見てないせいで時間が掛かりそうです。


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奥沢美咲は一緒にいたい

お久しぶりです。久しぶり過ぎて、書き方を忘れて………今回は軽めです。二、三ヶ月遅い自粛推奨小説


今のご時世、ステイホームや自粛だとテレビで散々色んな人が呼び掛けている。

それでストレスが溜まるだとか、色々皆さんは大変な思いをしていらっしゃるのだろう。

だが!僕には関係ない!何故なら僕は元々引きこもりに近いから、苦ではない!

あっはっはっはっ!

 

「…………で?何で美咲居るの……?」

「いつもの事でしょ?」

 

いや、それはそうなんだけどさ。

今不要不急の外出を控えろって言われてるのご存知ない???

 

「家、隣だし。」

「あ、そっか。」

 

コンビニより近いね!

さてと、僕はやるべき事を………

 

「み゛さ゛き゛~ひ゛ま゛~!」

「アンタは子供か……」

 

ま、マッマ……(?)

やる事やり尽くしちゃって無いんだよ……

 

「しょうが無いな………ゲームでもする?」

「するする!」

 

ゲームって最高の暇つぶし解消装置だよね。

ずるずるとゲーム機が入った棚から取り出し、コンセントを繋ぎ電源を入れる。

そして、コントローラーを片方渡して準備は万端。

 

……………なのはいいんだが

 

「何で僕にくっ付いてるの?」

 

今くっ付いていると『密です』って言いながら、某都知事が風で吹き飛ばしてくるんだよ?知らないの?

 

「別にいいでしょ。幼馴染なんだし。」

「それをなんでも許される便利な免罪符だと思ってない?」

「小さい事は気にしない方がいいの。」

「小さいかなぁ………?」

 

最近、circleにもバイトに行けてなくて他のガールズバンドにも会えてないわけで、夜に鬼のように届く千聖さん、彩さん、つぐみ、リサさん、こころ、沙綾からの電話がある訳で沢山寝れるはずが睡眠不足である。

何で夜遅い時間に三時間、四時間以上喋ってるんですかね。

 

その後は色々とゲームを2人でしていた。

そんな途中で

「おい、僕の1m範囲内に近づくなよ!」

「ゲームの中でも対策しても意味ないと思うんだけど」

「そっか。」

「あのさ………千夏」

 

楽しくゲームをやっていた美咲が落ち込み気味に顔に影を落と始めた。

悩みとかあるのだろうか。

ゆっくりと手元にあるジュースを口に含み、飲んだ…………

 

「ん?何」

「千夏はさ、好きな人っているの?」

「ブッー!」

 

のを吹き出した。

 

「汚いって……」

「いきなりそんな事言うからでしょ!」

「で?いるの?」

「いやぁ、どうだろうなぁ」

 

ここで、僕の知り合いのガールズバンドの彼女たちを思い浮かべる。

黒い笑顔の千聖さん、黒い笑顔の沙綾、黒い笑顔のリサさん

あれ………?もしかして僕って怒られてばっか?

うぅ、思い出しただけで寒気が。

何で恐怖の笑顔しか出てこないんだ……

 

「般若………」

「え?何」

「何でもない。こっちの話」

 

もう一度思い浮かべる。弄るとなんとも楽しい流星堂の娘、パン屋の娘や星のキラキラ少女、チョココロネ少女にうさぎ天然おバカさん花園さんを初めとして、お金持ちのお嬢様等色々な人を接してきた。

彼女たちといるのは何とも楽しいものだ。

 

「う~ん、居ないんじゃないかな。」

 

でもなんというか友達としてしか見れないんだよね。

まぁ、僕に選べるほど皆に好かれてないんだけどね……

自分で言ってて悲しくなったよ。

「でも皆、友達としてだけど好きだよ。優しくて面白くてハッピーになる。心が熱くなったりする。ずっと、一緒にいても飽きない個性豊かでね。」

「濃すぎる人もいるけどね……」

「でもやっぱりその中でも美咲は特別かな。ずっと一緒に居たわけだし。」

「え……?///」

「面倒くさがりながら、いつもご飯を作ったりお世話してくれる優しい女の子はあんまり居ないよ。」

「あたしが特別?」

「そうだね。」

 

幼馴染なんだし。友達以上の関係でそれよりも、もっと親密な家族の様なそんな感じの

 

「あたしが皆から1歩リードしてる……?」

 

急に何かブツブツ言うの怖いからやめません?美咲さん、呪文ですか?

 

「ありがと。」

「いえいえ。」

 

 

****

 

ある連絡アプリでのグループの会話

美咲「千夏はあたしが特別みたいですよ」

千聖「は?」

☆LISA☆「は?」

沙綾「は?」

つぐみ「は?」

千聖「これはお説教が必要かしら。彼に」

☆LISA☆「いいねぇ!もっと私たちの良さを分かってもらわないと………」

つぐみ「私だって…!」

沙綾「純と紗南に弱いから頼んで無理やりにでもうちの店継いでもらおうかなぁ……」

 




ね、ネタがない!


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美竹蘭は記憶を失わせたい

え?前から2、3ヶ月立ってる?
あちゃ~読者の皆様と私とでは住んでる世界の時間の経過が違うみたいですねぇ~
私の場合まだ3日しか経ってないんですけど嘘つかないでください!
あ、今回キャラ崩壊酷いです
前回のあらすじ
美咲マッマ……(?)


皆様、大変ご無沙汰しております。

僕は今大変な状況に見舞われております。

そこで、聡明なる皆様にご相談したいのですが、家に鈍器を持った赤髪メッシュの入った友達がこちらを殴る気満々でいる時にはどうしたら良いのでしょうか?

殴られればいいのでしょうか?

でも痛いのは嫌なのです。

 

「えっと………蘭ちゃん?」

「なに?」

「ココア飲む?うさぎは居ないけど」

「?これを終わらせてから飲む。」

 

辞めてくれる気配がないや!

 

「何で僕を殴ろうとしてるの………?」

 

手の震えが止まらない。で、でもこれは武者震いだから!怖くて震えてる訳じゃないから!

え!?今から入れる保険があるんですか!

入ります!入りますから助けてください(泣)

 

「何で僕を殴ろうと……?

「千夏の記憶を消す為」

「僕の記憶を消す為………?」

 

え?何僕の記憶を消してなんかいい事ある?

 

「それは……その……千夏の記憶を消して、幼馴染とか恋人のポジションを………って何言われんの!」

「ボソボソ喋られても分からないし何ならよく分かんないけど自爆だよねぇ!?あと危ないからその鈍器を振り回さないで~!」

 

蘭ちゃんが顔を真っ赤にしながら振り回す鈍器を紙一重で躱す僕。

本当に危ないなぁ!殺す気か!

 

「はぁ……はぁ………」

 

いくらバンドとかで、体力が鍛えられていると言ってもか弱き女の子。

男である僕に体力では勝てない。

毎日こころちゃんに地の果てまで追いかけられる鬼ごっこをしてなければ当たっていた……

あの子運動神経良すぎて、3階から飛び降りても無傷で追いかけてくるからね。

怖いね。

 

「お腹すいたでしょ?これでも食べて。」

 

目の前には美味しそうなホカホカのご飯に、味噌汁、卵焼きに鮭の塩焼きと典型的な日本食でありながらどれだけ食べても飽きないような最高のご飯が並んでいた。

とっても美味しそう………

 

ん?待てよ……

さっきまで人に殴りかかろうとしてた蘭ちゃんが何故いきなりご飯なんて……

はっ!

 

「……これに何か入ってない?」

 

ピクっと蘭ちゃんの肩が動いた。

 

「は、はぁ?そそそそそんなの入ってるわけないじゃん!馬鹿なの?」

「うん、まずは嘘を隠す努力はしよう?」

 

モロバレじゃん。モロバレルじゃん(?)

 

「何入れたの?」

「記憶を消せる薬。こころに頼んだ」

 

何でそんなに僕の記憶を消すことにこだわっているのか。

記憶を消して日常生活に困らせてやるぜぇ……っていう新手の嫌がらせかな?

 

っていうか最近、黒服の人が忙しそうにしていると思ったらそんなものを作っていたのか。

変に権力を悪用しないで頂きたい。

 

「で?その手に持っている花瓶はどこから?」

「家から持ってきた。恥ずかしかった。頑張った。褒めて」

「頑張りどころが違うんだなぁ……」

 

多分、良い奴っぽいからウン万円だよね。

勿体ないなぁ……

そして、いつもと蘭ちゃんが何か違う様な……

いつにも増して積極的というか、距離が近いというか……

今だって僕の隣に擦り寄るようにいるもん。

めっちゃいい匂いする。

何で女の子ってこんなにいい匂いするんだろう。

 

うわ、何かさっきの自分で言ってて気持ち悪いと思った。

 

はっ!

 

「ちゃんとソーシャルディスタンスを守るために1、2メートル離れようか。」

「私に近づかれると私の事がす……好きになるから?」

「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡並の拡大解釈にお兄さんびっくり。」

 

顔真っ赤して、恥ずかしいんなら言わなければ良かったのに……

 

「何か今日いつもと違くない?積極的というかなんというか……」

「だって、記憶消したら忘れるんだから」

「まだ諦めてなかったの!?」

「あたしも変わろうと思って。皆に負けない為に。美咲にもつぐみにも誰にも……

「皆に負けない…………?」

 

何か皆で勝負してるのかな。

もしかして、皆で対バンライブ!?

誰もそんなこと言ってなかったよ?

僕だけハブかれてる……泣きそう。

 

***

 

「ねぇ……モカちゃん、その凍ったフランスパンはなに?」

「なっちゃんの記憶を消そうと思って~~」

「…………はっ?」

 

「紗夜さん、何でそんな冷凍ポテトを構えてるんですか?」

「千夏さんの記憶を消そうと思って」

「なんか僕の記憶を消す事があなた達の中でブームにでもなってるんですか?」

 




Q 美竹蘭を一言で表すなら?
A 蘭
原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡で20文字くらい稼げるんだよ凄くない?
一色いろはすネタぶち込もうか迷ったけど、
いま考えるのめんどくさくて
ろくでもないのしか思いつかなくて
はぁ……(ため息)


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山吹沙綾は甘やかしたい

約半年ぶりですね。(定型文)
某小さな魔王様の眷属の浮気の小説読んでたら書きたくなったので。
あの八潮瑠唯ちゃん好き。
よく間違っている人がいますが紗綾じゃなくて沙綾ですからね!!!
前回のあらすじ
記憶喪失系主人公製造の裏側


口笛を吹きながら散歩でもしたくなるような爽やかな陽気の休日の朝、そんな中僕は惰眠を貪っている。

昨日のcircleのバイトですっかり疲れ果てた。

そんな中午前10時過ぎくらいに目を覚ましリビングで降りていくと、何やらとても美味しそうな匂いがした。

 

「美咲は確か今日練習って言ってたよね……」

 

幼馴染では無いとすると一体誰なのか。

色々頭に思い浮かぶ人はいるが起き抜けだからなのか、頭が働かないので考えるのをやめる。

そして、扉を開けるとさらに強くなる美味しそうな香ばしい香り。

 

「あ、おはよう。お寝坊さん。」

 

山吹沙綾、彼女がキッチンに立って朝ごはんを作っていた。

 

「おはよう………?」

「うん、おはよう。」

 

暫く目の前の状況が呑み込めずリビングと廊下を分けるドアの所に立ち止まっていると少し困った様な笑みを沙綾は浮かべた。

いや、困ってるのは僕なんだけど。

 

「髪の毛、寝癖付いてるから直してあげるね。」

 

一旦鍋の火を止めスリッパをパタパタと鳴らしながら近づいてきて髪の毛を水で軽く押さえつけるように触る。

 

「うーん、取り敢えずこんなものかな。うん、かっこいい!朝ごはん食べよう?もう出来てるから」

「あぁ……うん」

 

まだ頭が回ってない僕はそんな生返事しか出来なかった。

 

***

 

そして、椅子に座って机に沢山並べられた色とりどりの美味しそうなご飯を食べようと箸を持とうとしたが…

 

「あれ、箸がないや。」

 

しょうがない。取ってくるか。

 

「あ、箸ならここにあるよ。」

 

いつも使っている少し色褪せた箸は沙綾が持っていた。

 

「ありがとう」

 

受け取ろうと手を伸ばすが上に高く上げた沙綾

そして、何故か隣に腰を掛ける。

あの……えっと……なぜ隣?

あと箸返して

 

「私が食べさせてあげようと思って。」

「僕そこまで赤ちゃんじゃないよ???」

 

僕を何だと思っているのか。

他人が居ないと何も出来ないダメ人間だとでも思われているか。

失礼な!確かに家事は何も出来ないし美咲に任せっぱなしだけどその分僕にも出来る事は多分いっぱいあるだろうし…………

あれ?僕ってダメ人間?

それでも1人でご飯を食べれないほどでは無い。

 

「いいのいいの。私がやりたいだけなんだから。」

「僕はとっても恥ずかしい気持ちなんだけど」

 

同級生の女の子にご飯を食べさせて貰うなんて飛んだ羞恥プレイだ。

いくらポピパの中で母性がある沙綾ちゃんと言えど恥ずかしい。

 

「ほら、あーん」

 

ふっくらホカホカに炊き上がっているご飯を箸で掴み口の前に差し出してくる。

その炊き上がったばかりのご飯の湯気が僕の顔を包む。

そして顔に香り高い香ばしい匂い、ふっくらと炊き上がったツヤツヤの米の一粒一粒が僕を催促するかのようにいるように見えた。

 

「いや、僕一人で食べれるって………」

「ほら、あーん」

「あの、僕一人で……」

「ほら、あーん。」

 

ダメだ。沙綾ちゃんは、ほら、あーんBOTになってしまった。

それかRPGで冒険に出るまで、「さあ、行くのだ!」しか言わなくなる王様状態。

無限ループに僕は囚われた。

この無限ループを抜け出す方法はただ一つ。

肯定をする事。この場合は差し出されたご飯を食べること。

無限ループに入ったら一体どうなるのかは、さあ沙綾(?)

 

諦めた僕は差し出されたご飯を食べた。

1回くらいならまだそこまでじゃないからね!(フラグ)

 

「はい、次」

 

え?(絶望)

1回で終わりじゃないの?

 

「全部これで食べさせてあげる。」

 

***

 

あのまま朝ごはんを全てあーんで食べされられるという羞恥プレイを耐え抜いた僕は今新たな困難に陥っている。

今は対して広くない机に2人肩を合わせて座っているのだが………

 

喉の乾きを覚えた僕は机の上に乗っているマグカップを取ろうと手を伸ばす。

…………のを沙綾が弾く。

 

「はい。」

 

沙綾がマグカップを持ち僕の口の前に運ぶ。

そう。僕に何もさせてくれないのだ。

全て沙綾がやってしまう。

介護される高齢者の如く、生まれたばかりの赤ん坊の如く。

何か食べる時も飲む時も全て沙綾抜きでは出来ない。

トイレまで着いてこようとしたのはびっくりした。

 

「あの……僕赤ちゃんじゃないからここまでされなくても……」

「え?」

「あ、いや何でも無いです。」

「そっか。」

 

あんなドスの効いたえ?を初めて聞いた。

千聖さんよりもこの時は怖いと思ったね。

 

甲斐甲斐しくこれが生きがいと言わんばかりに嬉しそうにお世話というか介護をする彼女を見ていると、母性と言うよりもダメ男生産機みたいな感じがする。

まぁ、万が一も僕が同級生に母性を感じてママ!何て叫ぶことはありえない!(鋼の意思)

 

「膝枕してあげよっか?」

 

ママァ!(砂の意思)

 

***

 

僕は膝枕+頭なでなでという悪魔的なコンボを食らっている。

それと一緒に女の子特有の甘い匂いの中にパン屋の娘らしいパンの香ばしい美味しそうな匂い、服が太陽に照らされた匂いが心を落ち着かせる。

……今の変態みたい。

 

時計を見るともう18時過ぎ。

外は既にくらい。

 

「そろそろ帰んなくてもいいの?」

「18時か……うぅ…このまま泊まりたいけど、紗南とかの面倒も見なくちゃいけないからもう帰んないと………」

「そっか、ありがとう。沙綾ちゃん。」

「どうしたしまして、またやって欲しくなったら呼んでね?」

「いや、僕が呼んだわけじゃ…」

 

ガチャンと忙しなく荷物を纏めて扉を閉めて出ていった沙綾ちゃん。

結局何がしたかったんだろう。

世話がしたかっただけ…………かな。

 

甘やかされるのっていいなぁ。




山吹沙綾
主人公を自分無しに生きられないように日々主人公を甘やかす事に命を燃やす少女。
美咲が居ないと聞いたらいつの間にか、主人公の元へと駆けていたらしい。
今回で大分手応えを感じた様子。
頑張れ、籠絡まであと少しだ!

太陽の匂いと書くととてもいい匂いの様な気がするが、太陽の光によって死んだダニの匂いと書くと同じ匂いでも何だか不潔であまりいい匂いと思えなくなる叙述トリック。


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倉田ましろは隣に立ちたい

4ヶ月ぶりですね、今進藤あまねブームが自分の中で来ているので。気がついたら何か出来てた


ここら辺には3つ程高校がある。

蘭ちゃん、友希那さん達が通う羽丘学園、僕や美咲等が通う花咲川学園、それともう1つ、ましろちゃん達のMorfonicaの人達が通うお嬢様学校、月ノ森女子学園。

3つの学校もまあまあ距離的に近いものだから、合同イベントなんてあるもので、その実行委員に寝ていたらいつの間にか選ばれていた。

男手は必要だろうという事で選ばれた訳なのだが、満場一致に近かったらしい。有咲だけは反対してくれてたらしいけど。

 

そんな訳で羽丘との合同文化祭の次は月ノ森女子学園との合同イベントになった訳で。

それの会議を先程終わったのだけれど、お嬢様学校って言うだけあって皆上品で、何とも気後れしてしまう。

学校の設備も何もかもが規格外。

そんなこんなで中庭で黄昏ていたら見慣れた顔を見つけたので声を掛けた。

 

「あ、ましろちゃん」

「え!?あぁ!千夏さん!何でここに…?」

「今度花咲川と合同イベントする事になったらしくてね、その実行委員だよ」

「大変そうですね……」

 

僕の座っていたベンチの隣にましろちゃんが腰を掛けた。

……何か肩がくっつく位近いけど。まぁ、久しぶりだからね。

 

「もう疲れたよ。でもさすがお嬢様、テキパキと終わってついて行くので精一杯」

「Morfonicaの他の人たちも千夏さんに会いたがってましたよ、まぁ、あまり会って欲しくないけど……

「そうだね、後で顔を出そうかな、いやぁお腹空いたなー」

 

もう陽も沈みかける途中で今日の朝言われてドタバタとしていたのでお昼も食べれてない。

 

「家で食べませんか!?」

「いやぁ、それは一家団欒の時間を邪魔出来ないよ」

 

沙綾ちゃんや蘭ちゃん、つぐみちゃんにこんな言い訳を言っても『君は僕の息子の様なものだ』とか『え?もう家族だと思ってた、娘にもっと頑張ってもらわないとね』とか言われる。部外者なのにメッセージアプリで山吹家、美竹家とかの家族のグループに入っている。何故?

 

「そうなんだ……」

 

しゅんと落ち込んだ様子のましろちゃん。

 

「あ、じゃあ二人で洋食屋さんでも行かない?」

「二人……で?」

「うん、そう。二人で」

「それって……デートかな?」

「まぁ、見方にも寄るけどそうだね」

「行きます!」

 

勢いよくそう答えたましろちゃん。きっと彼女もお腹が減っていたのだろう。

 

§§§

 

洋食屋さんで僕はハンバーグをましろちゃんはビーフシチューを注文して、最近のバンドの様子何かを話しながら待つ。

 

「どう?最近Morfonicaは」

「はい、結構順調ですよ。皆頑張ってます」

「久しぶりに見に行こうかな…」

「ぜひ!!!来てください!」

 

最初はオドオドとしていたのに今はもうすっかりちゃんと喋れるようになって成長を感じる。

 

「そう言えば千夏さん、彼女っている……?」

 

まぁ、こっちと違って完全な女子校の月ノ森と比べたらやはり男がいるこっちは恋愛的な意味で女の子らしく気になるようだった。

 

「僕は居ないよ。欲しいんだけれどね」

 

僕と仲良くしてくれる人は沢山いるけれど、僕を好きな人がいるかと言ったらきっと居ない。でも恋人のいるリア充生活も羨ましくはある。

 

「そうなんだ……じゃあどんな女性が好みなのかな?」

「うーん、難しいな」

「じゃ、じゃあ私みたいな女の子と瑠唯ちゃんみたいな大人っぽい女性ならどうかな?」

「ましろちゃんはいかにも女の子っぽくて可愛いくて好きだし瑠唯ちゃんは大人っぽくてかっこよくて好きだよ」

「そういうことじゃないんです!」

 

可愛く頬を膨らませて不満を表しているましろちゃん。つい童顔と相まって子供っぽくて笑ってしまった。

 

「千夏さんは私の事は嫌いですか…?」

「僕はましろちゃんの事は好きだよ」

「その鈍さははもう才能レベルだよ……」

「えぇ……何が」

 

ただ返しただけなのに。これ以上何を言えばいいのか。ましろちゃんは頑張り屋で臆病な所もあるけど人を気を配れるいい子だし、好きなのは間違ってないのに

呆れたような目でこちらを見ても僕には分からない

 

「千夏さんの隣に立てるように頑張ります!」

「ならまずはそのビーフシチューに残った人参を食べようね」

「えっと……あの……その……」

 

何で僕の隣に立つのに頑張るのか分からないけれど目標があるのはいい事だ。

そのままでも可愛いけれどね

 

ましろちゃんと別れて帰路を辿っている時携帯がメールが来たことを知らせる電子音が鳴った。

送り主は七深ちゃんみたいだ

 

『今度私ともデートしてくださいよ〜』

 

……あの子には千里眼でも付いているのだろうか

 




倉田ましろ
今のままではリサ、沙綾、美咲を初めとする強力なボスに勝てないと思い最近料理や家事を始めたらしい。
お父さんは一人暮らしするのかと思って影で泣いた。
主人公には後輩系で攻めようと思っている。全てが可愛い

広町七深
練習がてら出しただけ、友情出演
主人公の事なら何でも直ぐに感じ取れる。
ましろばっかり狡いと次の日主人公が会議終わると同時に突撃した。可愛いね

市ヶ谷有咲
主人公とMorfonicaと仲良くするのを阻止しようと思ったら失敗した模様


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