ぜいきん!「脆弱転生者と脳筋ゴリラ」 (大賢者こんすけ)
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プロローグ
遂にです!遂にですよ!!前々から少し話をしていた合作のプロローグと1話が完成致しました!!お相手はあの有名書き手のヌタウナギ先生です!!いやぁーね、何故知り合ったのかって話から入るべきだと思うんですけど、あれは……私とヌタさんが前前前世くらいの頃……え?話が長くなるからやめろって?あ、ハイ……簡単に言えば、
楽しかったですよ?投稿するから9時締め切りにしましょう!って言ってから9時になってどちらも完成してない(泣)って双方が双方に泣きつく暑苦しいホm……
この作品は合作と言うより、同じ世界で双方が違う主人公を素に世界を紡ぐクロスオーバーとなっております。それでも全然イイよー!ローラだよ〜!キャハハって人は今すぐブラウザバックしてTwitterでローラさんに謝ってきてください。
と、まぁ、こんな御託は置いておいて、ここから始まるのはみんな大好き異世界チートとは少し違う異世界チート生活です。では、お楽しみください!!
ここは王都、様々な種族の生き物が暮らす、この王国の最大都市である。この王都の露店街で、ひとりの男と小さな女の子が歩いていた。女の子の手には先程露店の店主に
「ほら言っただろ?ティオちゃんはお母さんに似て男を扱うのが上手いんだから上手にすればなんだって買ってもらえるって」
男がそう言うと女の子は少し困ったような顔で答える、
「でも、お母さまがあんまり人に奢ってもらっちゃいけませんって言ってたよ?」
「気にすんなって、どうせリーナならバレないよ」
こんな会話だけ聞いていればちょっと真面目な女の子とふざけた父親に思えるかもしれないが、残念ながらそうではない。異世界だからこの年齢差で夫婦?いや、それは流石に異世界でもアウトだ。この女の子はこの男の友人の娘である。この娘の両親が忙しかった為、偶々王都に出かける予定だった男の家族にこの娘がついてきたという訳だ。まぁ、この男に子守をさせると子供に変な知識を吹き込むからよろしくないのだが……。
「じゃあ次はティオちゃんのお父さんに何でも買ってもらえる方法を教えてあげようかなぁー」
また男は女の子に変な入れ知恵をしようとしていると…
「こらっ!またティオちゃんに変な事吹き込んでるでしょ!!」
男は背中に精霊強化の施された拳をモロで受け、吹き飛ぶ。
「い゛っ゛て゛え゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛!゛?゛!゛?゛」
数メトル飛び、地面に顔面からスライディング着地してから、男は大声を上げながら起き上がった。
「やっば…出血したかも…バビル!医療魔術師呼んで!」
男は己の事を殴り飛ばした女性の隣に立っている自分の息子に助けを求めると…バビルと呼ばれた少年は
「父さん…流石に息子の目の前で友人の娘を溺愛するのは人としてどうよ…しかも医療魔術師は王宮にしか居ねぇし…」
齢11にして様々な事を達観視しているような目の少年バビルは吹き飛ばされた父と吹き飛ばした母を交互に見ながら大きなため息を漏らす
「あのさぁ、めちゃくちゃ人の目を集めてるからどっか別のところに移動しようぜ?」
「「え……?」」
バビルに言われ、大人2人は周りを見回すと、周りの目が完全に自分たちに向けられていた。中にはクスクスと笑う者や、
「お?修羅場か?」
などと囃し立てる者も居る。更に、
「何事だ!そこをどけ!憲兵だ!!」
憲兵…いわゆるお巡りさんも出てきた。
「やっべぇ…シェヘル!逃げるぞ!!」
「わかったわ!みんな!私の近くに来て!」
バビルの母であり、男の妻であるシャヘルは、手に翠の紋章を、光らせながら言い放った。
「『精霊召喚・シルフィアの風』!」
その一声でシャヘル達の周りに渦巻く風が現れる。
「ぶわっ!?な、なんだ!?」
突然の事に驚き、憲兵がたじろいでいるすきに風は勢いを増し、覆い隠す様に4人を包み込んだ。そして、その風が止むとそこ居た4人は風と共に消えてしまったのだった……
王都から少し離れた静かな平原にある大きな木の下に突然、渦巻くような風が生まれる。その風の中から先程まで王都で騒ぎを起こしていた4人が現れた。
「ふいーっ、今のは危なかったなぁ」
「そもそも父さんと母さんが騒ぎを起こすからでしょ?」
「「だってこの
最早仲が良いのか悪いのかが分からない2人を見て、バビルはまた大きくため息をつく。
しかし、少女はくすくすと笑い始めた。
「ちょ…ティオちゃん…そこ笑うとこ…?」
「ごめんなさいフフッ……い、いや…だって……」
笑いながら謝ってくる少女を見ていた2人もこうなると恥ずかしくて喧嘩などできる筈がない。
「じ、じゃあしょうがない…別の話するか…」
「そ、そうね…」
「こんな話はどうだ?ティオちゃんのお父さんの友達の冒険者の話!」
「ちょっ!?その話は…!」
シェヘルが止めようとするも、
「何そのお話!?聞きたい聞きたい!!」
と目を輝かせる少女に押し切られてしまう。
「じゃあ話すぞ…?昔々……と言っても15年くらい前のお話…」
こうして彼が話し始めたのはひょんな事から、世界を救ったダイナマグと友人になった転生者の話…そして、この話は形や内容を少しずつ変えながら語り継がれるおとぎ話の元となったお話…題名はまぁ…『脆弱転生者と脳筋ゴリル』とでもしましょうか……
次回!例に漏れずよくある流れで主人公死す!デュ○ルスタンバイ!!
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第1話
目が醒めるとそこは見知らぬ
………は?
勢い良く起き上がり、周りを確認する。生憎人影は見えず、そこにあるのは只々広い空間のみだった。前後左右どこを見ても視界が捉えきれる距離まで床が続いており、向こう側には黒く濁った
こんな三流小説みたいな導入にどう対応すればいいのだろうか……それにしても少し前の事が全く思い出せない、何故こんなところに連れ込まれたのだろう……思い当たる節が全く見つからない。
「しかし、ほんとに此処は何処なんだ?」
理解が追いつかず本音を漏らす。すると、俺の呟きに応えるように前から甲高い声が響いた。
「ようこそ!転生の間へ!」
声に驚き前を見るとそこにはいつの間に現れたのやら、如何にもな天使な立っていた。
「やぁ、
「俺は無教派ですよ」
「なんでそうなるかなぁ!?」
中性的な顔立ちのそいつ(分類がわからないのでここでは「そいつ」と呼称する)は俺の答えを聞くとアニメキャラの様な反応を見せた。
「違うよ!青人さん!私は転生担当の天使ですよ!」
「天使ってあれでしょ?あの、世界中で22億人くらいが信者のあの宗教によく出てくるあの天使でしょ?だから、俺は無教派だって言ってるじゃないですか」
宗教勧誘の方法が最近はここまで強行的になっているのか……ほんとに辞めてほしいものだ…また、俺の中での「宗教」という概念の価値が落ちていくじゃないか…
「違いますよっ!!確かに私は天使ですけど………ってそれは自分で言ったのか……じゃなくて、私は天使ですけど、宗教には全く関係ありませんよ!!」
ほんとに宗教は関係ないのか………?どこぞのアニメで、温泉街に行ったら問答無用でそこらじゅうから宗教勧誘されて疲れ果てる主人公を見た事がある俺は入信には中々に慎重にいきたいのだが…
「そんなことより…「そんなことよりって………」お前が転生担当の天使ってのはほんとなのか?」
「ッ……ほ、ほんとですよっ!も、もしかして疑うんですかっ!?」
「疑いませんよ。んー…なら、俺の死因は?」
「はい、岡下青人さん…貴方の死因は【溺死】です」
やっぱりか……………ようやく思い出せた。
「溺死ってやっぱりあいつ等が……?」
俺の問いに自称転生担当の天使は暗い表情で頷く。
「はい、青人さんが亡くなった原因はあのいじめっ子グループです」
いじめっ子……か……そんか小学生のガキ大将みたいな括りで良いのだろうか……あの馬鹿共は…
「やっぱり人殺したからあいつらも少年院送りになるんですか?」
「いえ、あのグループは巧妙に青人さんの死体を川に流し、死後から数日後に海に漂流しているところを発見される予定です」
「ん?予定?」
「はい、青人さんは現時点で死後20分程度なので、まだあのグループは殺してしまったことで焦ってますよ。見ます?」
そう言いながら天使は手に持っていた本を開く。すると、その本からホログラムのように映像が飛び出した。そこには水の中で動かなくなっている俺とそれを見ながら焦り、何処かに電話をしているグループのリーダーと喧嘩を始めているが取り巻きが映されていた。
「自分の死体見ながら思うのもあれなんですけど、なんか…滑稽ですね…」
「ハッ!?す、すいませんっ!!やっぱりこういうのはこんなにホイホイ見せちゃいけませんよね…」
「いや、気にしてませんよ」
この天使、ことあるごとに謝るなぁ……と思いながら、多少愛想笑いを含ませフォローする。
「っと……本題からかなり逸れていましたね。そろそろ、転生の話を始めましょうか」
天使が真面目な顔になった。さっきまでふにゃふにゃのロリ顔だったのに…
「取り敢えず始めに、貴方は転生を望みますか?それともこのまま天国か地獄に送られることを望みますか?」
「天国と地獄って本当にあるんですか!?」
「んー、なんと言えばいいのでしょうか……貴方方、人間の思い描く天国地獄ではありませんけど、天国は『善人の過ごす幸せの象徴である場』であり、逆に地獄は『悪人を裁く戒めの象徴である場』なので、その人その人によって違う天国地獄がある……と云う感じでしょうか…」
なるほど、全くわからん。
「簡単に言いますと、貴方がもし天国に行くならそこは貴方が望む最高の幸せが味わえる場です。逆に地獄ならそこは貴方が拒む最悪が味わえる場…ということになりますね」
天国だとロリやお姉さんとハーレム、地獄だとガチホモと毎日プロレスごっこって感じか………地獄って怖いな…
「じゃあ、転生ってのは?元の世界に?」
「転生というのは少し前に加わった選択肢なのですが、最近、異世界を望んで自殺する人間が増えましてね……そういう人間は天国でもなく自殺でもない虚無を彷徨う運命になるのですが、それは流石に可哀想じゃないですか、まぁ、そんな理由で命を無下にする人間には天国や地獄は似合わないのですけどね。まぁ、そんな理由で、急遽、他の神のが管理していた異世界にこっちの人間を流れ込ませてそちらの文化を発展させようって計画が始まったわけなのです」
ずぅーっと喋ってたな……ゼェゼェ言ってんじゃん……そう思うが、話を進めないわけにもいかないので質問をぶつける。
「その……異世界ってのはどんな…?」
「ゼェ………ゼェ………あ、あぁ……それは貴方方が大好きならいとのべる…?の様な世界ですよ」
「まじかよ」
「勿論、剣と魔法の世界です」
「やったぜ」
「しかも、天使特権で、転生者にはチート能力や貴方の望む能力、アイテムなどを一つだけ持っていけます!」
えっへんと胸を逸らすが、そこには平面しか映らなかった。それにしても、到れり尽くせりだなぁ。
「じゃあ、転生します」
「まぁ、焦ることはありませんよ。ゆっくり決m…え?今、転生するって言いました?」
「え?はい、転生しますよ。チート能力とか武器とか持っていけるんでしょ?」
「即決ですか。では、手っ取り早く済ませましょう。この中から好きなアイテム、能力を一つ選んでください」
RPGのメニューの様なパネルが目の前に現れた。そこには律儀に「チート能力」「チート武器」「その他(書き込んでください)」の三種類の選択肢が出てきた。取り敢えずチート能力を押して見る。
チート能力
身体強化系 1058件
独自能力 205件
禁忌能力 36件
あれ?少なくね?
「能力ってこんなに少ないんですか?」
「あぁ、それは前までの転生者が望んだ能力がどんどん追加されていってる為です。このメニューは転生者が能力を追加するたびに更新されていくのです!」
あぁーなるほどね。そういう系か
次はチート武器を見るか…
チート武器
剣 48件
槍 17件
杖 4件
斧 3件
銃 684件
弓 86件
と、様々出てきた。でも、種類別なので一つ一つの数は少なめだ…銃を除いて……
「異世界に銃って世界観ぶち壊しますよね」
「異世界で銃を持って無双は誰もが見る夢だ!とか語る人もいましたよ?」
それで良いのか転生者よ………あ、俺も転生者か。
そのとき、ふと頭に某ゲームで俺が愛用していた「世界樹の杖」というアイテムがよぎった。杖を押してあるかどうかを確認する。
杖
キルケーの杖
ケーリュケイオン
閨匁摶 繧ッ繝ェ繧ケ繝?ぅ繧「繝ォ
魔法の杖(すごいやつ)
なんか聞き覚えのあるような杖と文字化けしてるやつ、あとすごいやつ(小並感)の名前が並んでいた。
「すみません。武器の製作ってできますか?」
「武器屋みたいな言い方しないでくださいよ。まぁ、その他からできますけど…」
「脳内にイメージ図を浮かべたらそれっぽいの作れます?」
「あー、それもできますよ!」
その他を押して、あの世界樹の杖を思い浮かべる。少しゴツゴツしていて、THE・杖!って感じの木の杖だ。
「できました!こんな感じですかね?」
天使に差し出されたのは紛れもなく俺の知る世界樹の杖だった。
「これだっ!これこれ!!」
「ご期待に添えた結果になって良かったです!では、この杖の能力を決めましょう」
能力を2つまで自由に付けて良いとのことだったので、俺は
「魔法攻撃力倍加」と「世界樹の杖から『世界樹の雫』の精製」
を付与した。
「では!只今より岡下青人さんを異世界に転送致します!転送先はグライトニー王国の王都のどこかバレにくいところ!」
「そんな大雑把で大丈夫なんですか!?」
「私は天使ですよ?その編は力技でどうにかします!」
思いっきり先行き不安だけど、ここから始まるんだ!俺の異世界生活が!!
俺を淡い光が包み込む。その光は増幅し、やがてバチバチと電気を帯びはじめる!
「なんかよくわからんがかっけぇ!」
そして俺の身体は少しずつ宙を浮き始め………
「あ、転生座標間違えた」
「えっ!?」
そこで視界全体がホワイトアウトした………
目が醒めるとそこは見知らぬ廃教会だった。そして爆音と共に彼は現れた!次回、「爆ぜる身と爆ぜろリア充」この次もサービスサービスゥ!
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