ありふれていない世界最強メイド (ぬくぬく布団)
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ありふれていない世界最強メイドの設定+作者のやらかし 読んでも読まなくても大丈夫だ問題無い

布団「小ネタと作者のやらかしと設定です・・・ハズカシイ///」
深月「説明はしておかなければ読者の皆様方が疑問に思われておいでですよ」
布団「言わなきゃ駄目・・・?」
深月「ではこれらが設定と作者さんのやらかしです。そして皆様に注意を申し上げます」
布団「すまねぇ・・・あ、いえ・・・本当にごめんなさい」
深月「初期投稿からの読者様は「あぁそう言う事だったのね」と呟く筈でしょう。では皆様、ごゆるりとどうぞ」









――――――追申―――――――

読者様の希望によりステータスを記載致しました(※ステータスプレートでの奴ではありません)










神楽深月(かぐらみづき)

輪廻転生で前世の記憶を持っており、今世は女、前世は男という主役。今は完全無欠の超メイドで全ての仕事をこなすオールワークスを超える唯一無二の存在となり主である高坂皐月の絶対成る忠犬。もしも主に死を向ける敵勢が居たら処分する事に躊躇いは無い

幼少期には両親から酷く扱われ、そのストレスからリストカット。しかし皐月によって命を助けられ両親との絶縁も行ってくれた事に恩義が出来た。明るい性格の皐月の姿を見て自身の全てを捧げたいと思いメイドとしての修行を行い、やり過ぎだと思う程の経験を積む事となる。最年少で優秀なメイドとして完成された深月は軍人よりも強く、その噂を聞いたセレブ層達から雇用の手紙が沢山届くも却下し皐月の元へと仕える

たったの6年、されど6年――――――最初は矯正とメイドとしての仕事の全てを二年で完了、戦闘訓練一年、未開の地の地獄のサバイバルを二年、残るは知識と教養を一年。因みに地獄のサバイバルとは未開、未知の生物が存在する人工島で着の身着のままで放り出されると言うヤバイの一言である。深月本人も「よく生き残れましたね私・・・」と呟く程

約六年ぶりに再会した皐月に絶対忠誠を誓い時偶愛が暴走してしまうのはご愛嬌

今作のオリ主兼ハジメハーレムのサブヒロイン

 

ステータス

 

(魔物肉による変化前)

 

身長165cm 体重53kg Dカップ

 

トップ:85

 

アンダー:68

 

ウエスト:61

 

ヒップ:85

 

 

(魔物肉による変化後)

 

身長170cm 体重58kg Eカップ

 

トップ:90

 

アンダー:71

 

ウエスト:64

 

ヒップ:88

 

 

 

 

 

 

 

 

高坂皐月(こうさかさつき)

神楽深月の主人でお金持ちのお嬢様。秀才と呼ばれる程の頭脳に常識的な人とは誰とでも接する人でとても人気が高い。しかし告白する勇気を持つ者は誰一人とて居ないのは何故か?深月からのプレッシャーが凄まじいからである

今作のハジメのメインヒロイン

 

ステータス

 

(魔物肉による変化前)

 

身長155cm 体重48kg Cカップ

 

トップ:77

 

アンダー:62

 

ウエスト:55

 

ヒップ:78

 

 

(魔物肉による変化後)

 

身長163cm 体重52kg Dカップ

 

トップ:82

 

アンダー:64

 

ウエスト:52

 

ヒップ:80

 

 

 

 

 

 

 

 

南雲ハジメ(なぐもはじめ)

オタクで座右の銘は"趣味の合間に人生"。中学の時本屋で物色中にサブカルに興味を持った皐月と出会い一緒に遊んだりする程仲が良い間柄で嫉妬の視線が原作よりも増大している。ハジメの両親は皐月が遊びに来る事を快く思っており、尚且つ温かい目で二人を見守っている・・・ぶっちゃけた話し「お前達付き合っちゃいなよ」と言う事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書く前のオリキャラ設定としてメイドの名前は深月では無く、冥と言う名前にしていた!しかし布団は重大な事に気が付いたのだった!!

 

布団「今日の金曜ロードショー何じゃろな」

家族「大泥棒だってよ」

布団「ジ〇リじゃないんかーい」

家族「ジ〇リかー懐かしいな」

布団「紅〇豚にとなりの〇トロ・・・」キュピーン!

家族「懐かしいよなぁ」

布団(ヤベェ・・・名前がもろ被りしていやがる・・・変えなきゃ!)

 

そして少し書き貯めをしていた小説の名前を変更中・・・

布団「消さなきゃ消さなきゃ・・・修正修正・・・・・」

こんな感じでいろいろとやっちゃった感満載だったのである

 

 

 

 

 

 



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お嬢様のメイド・・・それは私です

布団「やぁ。布団が新たなるクロスオーバーを出すんだよ!だが忘れないで欲しい。この作品は息抜きと勢いだけで書いているから書留はほとんど無いんだ!最初のクロスオーバーが書き終わるまでは其処まで頻繁に投稿は出来ないから悪しからず!では楽しんでくれたまえ!」


~深月side~

 

皆様輪廻転生をご存知でしょうか?私事神楽深月(かぐらみづき)はそれを果たした者です。とは言いますが二次小説等にある神様転生とは違います。私は神様にも会っていないし特典?と言うのも無いですからね・・・しかし私は前世についてはっきりと覚えているのですが此処で大問題だったのです。それは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前世は男性、今世は女性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俗に言う性転換ですね。最初こそ戸惑いが有りましたが今では順応して女性としてしっかりと生きています

 

「深月ー紅茶が飲みたいから淹れてー!」

 

「畏まりましたお嬢様」

 

少々お待ちください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お待たせして申し訳御座いませんでした。さて、話は戻りまして前世と今世の違いについて説明と行きたかったのですがこれについては特に変わりはありません。死んでから産まれた年月が一緒、つまり異世界等と言うファンタジックては無く現代社会なのです。では何故にメイドの真似事をしているんだと突っ込みを入れている読者様に説明致します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は本物のメイドで御座います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘では有りませんよ?秋葉原等で見られるコスプレメイドとは違うのです。私がメイドになる切っ掛けはお嬢様との出会から遡る事になります。私の両親は屑でした――――えぇ、物の見事に屑でした!大事な事なので二回言いました。いきなり仕事がクビになったと覚えています・・・お酒に溺れる様に逃げて依存症となり当時四歳だった私に暴力を振るったのです。それのせいで男口調の俺と言う言葉を使い鬱憤を晴らすが如く八つ当たり、親からまた暴力と言った負の連鎖でした

約二年続いたそれに先に根を上げたのは私だった・・・私はどうしてこんな不当に扱われるのか―――――何故?何故?何故?疑問ばかりが頭を巡りたどり着いた答えは死。痛いのは嫌だ、もう楽になりたいと言う思考だけとなりナイフでリストカットした。目の前が暗くなり意識を失ったが目が覚めると知らない天井だった。曰くお嬢様が何かあると言って入っていった先の路地裏で私を見付けたとの事でした

当然私は当たり散らし、何故放って置いてくれなかったのか、何も知らないくせに等と言いお嬢様からの平手打ちを貰った。泣きながら「そんなこと言っちゃ駄目!」と泣きながら説教され、その場に居たお嬢様のご両親からも説教されたのは今の私にとって黒歴史でしょう。説教が終わった後は私の現状を説明し色々やって解決。両親とは絶縁し完全に無関係となり新しい今の名前を持って自由の身となりました

完全に一人立ち出来るまで支援をする話が上がっていましたが私はそれを拒否、そして地獄から救い上げてくれたお嬢様に恩返しをする為お仕えする事を必死に説得。そして出された条件――――それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私のありとあらゆる物。人生から血肉、髪の毛一本までお嬢様に捧げるという事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無論私は迷い無く了承、この身の全てをお嬢様に捧げることを誓いました。しかし問題は山積みで当時の私は男口調で喧嘩っ早い性格でそれらを矯正する為徹底的に指導され間違えればピコピコハンマーで叩かれ叱られを繰り返し直す事が出来ました。指導してくれた家の使用人の方達には頭が上がりません

パーラー・キッチン・スカラリー・ナーサリー・チェンバー・ハウス・スティルルーム・ランドリー・レディースそれぞれの役職全てを叩き込み最後の仕上げは戦闘訓練に

サバイバル。これに関してはやらずとも良いと旦那様達は仰っていましたが私はお嬢様を護る為に必要だと説明し数年の時を経て12歳で遂に獲得―――――――最年少でオールワークスを超えた唯一無二の存在となりました

上流階級・・・セレブの方達ですね。極々一部の方達には私のメイドとしての資質、軍人にも匹敵する戦闘能力、暗殺者も怖じ気づく等と噂されたりしました。正直私に此処までの才能が有った事にビックリしています。正直今でもそう思っていますが努力を怠らなければ天才は天災になり得ると思っています。お嬢様と約7年ぶりに再会した私は心の中で歓喜していました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お嬢様は天使に成られていたのです!愛くるしかった目は宝石のように輝いておりお肌もすべすべで!etc――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またしても申し訳御座いません、ついお嬢様の事を語ってしまいました。でも仕方がありませんよね?綺麗ですから。再会を果たした私にお嬢様は飛びついて喜んでくれました―――――――これだけでも昇天物ですね♪・・・・・お嬢様は誰にもあげませんよ?お嬢様の心はお嬢様の物、そして時には律する事も私の役目・・・その時には心を鬼にしてと思っていましたが噂に聞く所によると秀才、誰とでも等しく接するという大天使そのものでした。私はふと思いお嬢様に尋ねました「何故あの時私を助けてくれた」のかと―――――――――――曰く何か有るというだけでは無く運命的な物を感じたからだそうです。流石お嬢様、私が此処までの潜在能力を兼ね備えていると言う事を直感で理解してくれたのですね!それは正に運命の出会い!必然的にお嬢様と私は出会ったと言う事ですね!!←深月は暴走中

お嬢様を護る為中学からは同じ学校に入り色々とサポートに回りました。何故サポートに回ったのかですか?学生とは自らが何かをする為の施設です。今の状態で何もかも私がしてしまいますと何も出来ずそして発想も出来ずとお嬢様の未来の道が絶たれてしまうからという物です。まぁその心配も無くお嬢様自身から学生は学生の本分を忘れずにの範囲でと言われましたので将来はとてもしっかりとした主となるでしょう。とても楽しみです♪

しかしその学生生活の中でも最も忌避したい汚物が居ます。えぇ・・・天之川光輝というど腐れ野郎です!お嬢様に近づくなこの下郎!と声を大にして言いたいと思う程の極端なご都合主義者です。貴様がお嬢様に話し掛ける事によって嫉妬した周りからお嬢様に虐めを敢行しようとする輩がいましたよ・・・えぇ居ました。もう過去形ですから―――――――私自らがOHANASHIして遠くの方へと消えて頂きました。お嬢様の害と成る全ては私が排除致します。因みにお嬢様自身も鬱陶しく思って居るらしく放課後になると愚痴を漏らす程・・・・・これは何とかしなければと思い早速行動、信頼できる生徒に一旦お嬢様を預けど腐れ野郎とその取り巻きの女子達と男子達に警告しました

 

「貴方の様なご都合解釈主義者と傍観している幼馴染みの方達はお嬢様の教育に悪いので近づかないで下さい」

 

ど腐れ野郎は何か喚いていましたが無視、幼馴染みの女性が後でフォローしてきましたが忠告を少々入れてあの手この手でお嬢様に近づけない様工作をし無事見事に任務を達成致しました。まぁこの後お嬢様に程々にと怒られてしまいました・・・くっ!何て情けない!お嬢様に怒られてしまう等まだまだ精進あるのみです!!

その様な流れを幾つも経験、実行、そして中学二年のある日お嬢様の運命の出会いがありました。立ち寄った書店にて小説を探そうとするお嬢様・・・所謂オタク達が愛する小説に興味がお有りの事で赴きました。其処で目にしたのは同じコーナーにてどれを買うか迷っている男子学生を発見、何を思ったのかお嬢様はいきなりその男子学生に話し掛けどれが良いのか、どれがお勧めなのかと尋ね一冊の小説を購入。今思えばこれが運命の出会いその二と言う奴ですね・・・・・

 

その一は私の物ですので駄目ですよ?その二で我慢して下さい

 

そして小説を読んだお嬢様は物の見事にどハマり、あれから定期的にあの書店へと通う様になりました。そしてお勧めしてくれた男子学生と楽しそうにお話しておりあの様な新鮮な笑顔を持って笑っている姿を始めて見ました・・・あの男子学生侮れない!!お話も終わり新たなお勧めの小説を手に入れたお嬢様は何と男子学生と連絡先を交換していました・・・因みにあの男子学生の顔はお嬢様の美しさの余り赤くなっているご様子でした。あの男子学生は南雲ハジメと言う男子中学生で歳はお嬢様と同じ中学二年、ご両親はゲーム会社社長と漫画家・・・こう見ればあの南雲ハジメさんがオタクとなる運命は確定していたのですね

そして月日は経ち中学を卒業し高校へと入学、お嬢様は秀才ですので偏差値の高い高校へと進学するのだろうと思っていたのですが違っていました。平凡な高校――――――お嬢様ならもっと上の高校へと進学出来ると説得しましたが無意味に終わり原因を探す私と旦那様達。そして私はある一つの原因に気が付き皆様に説明すると・・・旦那様の目がこれまでに無い程無機質な物に・・・一方の奥様達女性陣はというと「あの子にも春が来たのね~。何時紹介してくれるのかしら~」等と言う方向に発展。旦那様は「娘は何処の馬の骨とも分からん平凡な男には渡さん!」と言い奥様に平手打ちをされ正座にてお説教をされていました。奥様は何時になっても怖いです

それとなく私はお嬢様に理由を聞くと南雲ハジメさんと同じ高校が良いと仰られました。理由はもっと楽しく同じ趣味の人とお話したいというありふれた理由ですが、私はお嬢様と毎日話している為理由は分かっている。いつも楽しそうに彼の事を話しているのでご自身の初恋に気が付いていないのでしょう・・・とても微笑ましいが何時如何なる時にライバルが現れるかもしれないので早く自覚して欲しいです。そして旦那様には申し訳御座いません。私はお嬢様の幸せの為ならばそれをサポートします・・・・・まぁぶっちゃけて言えば彼とお嬢様をくっ付けるつもりですのでご容赦して下さい

高校の受験も終わり羽根を伸ばしながらの最後の中学生生活を送る中、お嬢様がお出かけをするとの事。しかも内緒というハラハラ物・・・とは言え私はお嬢様のメイド、どの様な事があろうとその責務は変らない。落ち着きながらお嬢様へと付いて行く。休日もあって仕事服であるメイド服は周囲の視線が集まりかなり目立つ

 

まぁお嬢様の方が私よりも美しくて目立ちますがね!

 

歩いて行き足を止めたその場所には普通の一軒家。ごく普通のありふれた家、そして躊躇いなくお嬢様は呼び鈴を鳴らし相手方に自分の名前を告げると直ぐに玄関が空き南雲ハジメさんが出てくるが固まった。その視線の先は私で何か変な所でも有るのかと自分の服を確認するが問題は無く疑問が尽ず・・・お嬢様は「あぁ」と呟き彼に答える

 

「彼女は神楽深月。私の専属のメイド―――――ビックリした?生のメイドさんだよハジメ♪」

 

少しの間が空きハッと気付いた彼は「兎に角狭い家だけどどうぞ」と言いお嬢様と私は上がらせて貰うと――――待っていたのは暴走気味の彼のご両親だった

「メイドさん!?しかもモノホン!!」「我が世のネタがキターーーーー!」等と私に関する事だらけである。「えっと神楽さん僕の親が色々とごめんね?」ととても礼儀正しい謝罪、「私は気にしていないのでお構いなく」と伝えるとホッとしているご様子。恐らくご両親の暴走で落ち着きを取り戻したのであろう・・・それからはお嬢様と彼との二人だけの空間を作り私は台所を拝借、皆様の紅茶をご用意し配膳―――――私に関してはご両親方と出会いからのお話等、有意義な時を過ごすことが出来ました。因みに彼とお嬢様が何時くっ付くのかが楽しみなご様子でした。これはもうカウントダウン待ったなしと言う事ですね♪頑張って下さいお嬢様と心の中で応援しました。楽しい時はあっという間に過ぎ門限に間に合う様お嬢様に呼び掛け切り上げさせる・・・・・残念そうな顔を見ると心が痛くなりましたが仕方が無い事でした。ですがこれを切っ掛けとして何度もお邪魔をさせて頂いたので進展はあったと言っても過言では無いでしょう。彼の様な男性は奥手ですのでグイグイと押して行かなければ落とせないのです

そして高校の合格発表ではお嬢様を含み私も余裕での合格、美しさも含みダントツなお嬢様に新入生の挨拶を頼みに来た教師達に快く二つ返事をし始業式の新入生代表挨拶となりました。

 

これはビデオカメラを持参してお嬢様の記録コレクションに入れなくては!

 

あっという間に過ぎ去る日々、そして始まる高校生活に心が踊っているお嬢様。彼を見つけて名前を呼びながら近付き趣味の事について色々とお話をしているご様子。因みに私はメイド服での登校となっているので注目度は二番目でしょう←お前が一番目立っているよ!

義務教育は中学までなので高校からはお金の力と何故私がメイドなのかを説明し学校の方からは文句を言わせず特殊措置として認可をして頂きました。入学式を含め始業式も私の姿に驚愕する人達が多いですね・・・メイド服がそんなに変なのでしょうか?因みにお屋敷にて着衣しているメイド服よりも露出は少ないタイプです。(※お屋敷での着衣しているタイプはアズールレーンのベルファストを想像して下さい)肩口も胸元も開いてなくスカートはそれなりに長いので素肌が覗くという事は無く黒を基調とした服に黒いタイツ、白いエプロンという学校の黒い制服に近い基調としているので問題は有りません。無論お嬢様と同じクラスになる為にOHANASHIもしました

お嬢様のクラスには何と南雲ハジメさんが居るではありませんか!お嬢様は近付き一緒にお話をしておりとても楽しそうでした。しかし容姿端麗、新入生代表挨拶もした事で知名度がある事で彼に嫉妬の視線が降り注ぐのは必然となり絡まれたりしており注意しようとしましたが、彼の大丈夫だからという気持ち含んだ視線の為何もせずにいました。一方のお嬢様は彼が絡まれている事自体ご存じではありません。そんな感じであっという間に一年は過ぎ私達は二年生へとなりましたが、ここでも邪魔する厄介な奴――――――ど腐れ野郎と同じクラスとなりまたしてもご都合解釈でお嬢様を含め彼も迷惑していました。この一年またど腐れ野郎の被害が続くと思うと気が滅入ります―――――――そう思っていました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの出来事が起こるまでは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「これを書こうとした切っ掛けはメイドの目線からという物が無かったのがいけないんだよ!メイドって良いよね♪私もご奉仕してもらいたいんだ~!」


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メイドでも毒を吐くときはありますよ?

布団「ど、どういう事だこれは!いきなりお気に入りが61件だと!?」
深月「それは皆さんが私のお嬢様の愛を見たいと言う事でしょうか」
布団「此処はR-15ですよ?」
深月「大丈夫です。事故に見せかけて犯るのです」
布団「字が隠せていない!」
深月「冗談ですよ・・・心の奥底では致したいと思っていますが」
布団「取り敢えず我慢してね?」
深月「私はお嬢様のメイド、誘われない限りは大丈夫ですよ」
布団「うん・・・まぁ・・・はい」
深月「では始まります。皆様どうぞ宜しくお願い致します」




読者様の誤字報告有り難う御座います




~ハジメside~

 

憂鬱だ・・・また始まる。嫌な学校が・・・・・

 

月曜日、学校へと行っている学生ならば理解できるだろう。めんどくさい登校、勉強、付き合い等々それは人それぞれだろう。しかしながら南雲ハジメと言う少年はそれ以上に嫌な事がある。それは――――――

 

「よぉ、キモオタ!また、徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」

 

檜山を始めとした四人組からのいじめである。アニメやラノベが大好きなだけだと此処まで酷くはないだろう・・・しかしいじめとなる原因そのものはハジメの行動には無く

 

「南雲くん、おはよう!今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

その答えの一つは彼女である

彼女の名前は白崎香織、学校の三大女神の一角の一人である。いつも微笑の絶えず非常に面倒見がよく責任感も強い為、学年を問わずよく頼られている。これだけで分かるだろう?成績が平凡、授業では居眠りとしている為に不真面目生徒と思われている彼に快く思わない者、彼女を好いている男共からの嫉妬が原因なのだ

 

「あ、ああ、おはよう白崎さん・・・」

 

ホント何故彼女は僕に付き纏うのだろう・・・不思議で堪らないよ

 

ハジメはどうにかしてこの状況を脱したいと思っていると

 

「南雲君。おはよう。毎日大変ね」

 

「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」

 

「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」

 

お馴染み組の三人が声を掛けてきた。ハジメは心の内で「ナイスッ!」とグットポーズを取っていた

最初に挨拶をしてきたのが八重樫雫。白崎の親友でポニテ女子のお姉さま系の女性で、しっかりとしておりオカン気質

次はキラキラネームこと天之川光輝。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能と正に勇者タイプの男

そして最後となるは坂上龍太郎。天之川と親友であり努力、熱血、根性が大好きで細かい事は気にしないタイプの脳筋野郎

 

「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」

 

ハジメは"趣味の合間に人生"を座右の銘としている為直す気は全くと言って良い程無い

 

「それが分かっているなら直すべきじゃないか?いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから」

 

と、このように勇者天之川は何時ものご都合思考にて注意するが南雲自身何を言っても意味無いだろうと諦めている。そもそもハジメの両親がゲームクリエイターと漫画家でバイトをする程の将来設計が出来ているのである。クラスの中でも早い段階で此処までの将来設計が出来ているのは凄い所だろう

そしてハジメが妬まれているもう一つの原因とは

 

「やっほーハジメ君!( ^ω^ )おっはよ~♪」

 

彼女の名前は高坂皐月。お金持ちのご令嬢であり常識的な人とは誰にでも分け隔てなく接する三大女神の一人だ。しかし、南雲にとって彼女とはとても仲が良いのである。前話でも説明していたが、高坂は南雲を切っ掛けにオタクの仲間入りを果たしたからだ

 

「ねぇねぇハジメ君、先週借りたこのラノベが予想を遥かに越えて面白かったよ!今度は借りに行っても良い?」

 

先程までオタクのハジメをいじめていた四人組は何も言わない。いや、何も言えないのだ―――――彼女のファンは多く信者も・・・そして何よりも怖いのは彼女の側に居るメイド

 

「皆様おはよう御座います。そして南雲さんもお元気そうで何よりです」

 

神楽深月――――高坂皐月の忠犬、オーバーキラー、超人メイド等と噂が絶えない女性だ

 

 

 

~深月side~

 

不愉快な塵芥共はお嬢様が入室してから一気に何も言わなくなりましたね。まぁ当然でしょう・・・お嬢様のファンクラブ達に知られれば矛を向けられると自覚している事でしょうから。まぁ例えファンクラブの方達が見逃したとしてもこの私は見逃すという事は絶対にありませんし、生きている事を後悔させる程OHANASHIをいたします

 

「皐月に深月も、眠そうにして真面目に話しを聞こうとしない南雲と話すなんて香織と同様優しいな」

 

「私とお嬢様の名前を何時呼んで良いと言いましたか?お嬢様の許可を得ずに呼ぶ事は不敬ですよ」

 

「中学の頃から一緒だし、それに今もクラスメイト―――――名前で呼ぶのは当たり前だろう?」

 

本当にご都合解釈のど腐れ野郎は腹立たしい・・・お嬢様!早く私にこれを排除する様に申しつけ下さい!秒殺で終わらせますから!!

 

不愉快そうに天之川に視線をやり一言

 

「中学からって私はハジメ君と中学から一緒に遊んでいるから問題無いでしょ?そもそも遊んだ事が無い貴方にどうこう言われる筋合いは無いと思うのだけれど?」

 

「光輝君?私は私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」

 

殺気と嫉妬が入り交じった視線を浴びるハジメはビクッと肩を震わせた。檜山達四人は良からぬ事を企んでいるご様子

 

「え?・・・ああ、本当に香織や皐月は優しいな」

 

またしてもご都合解釈。これによって人生を狂わされた人は居るんじゃないかと思うばかりです・・・親はどの様に教育を成されたのでしょうか。その顔を見てお説教をしてみたい物ですね

 

ハジメもハジメで厄介極まりないなぁ・・・と心の中で思いこの空気から逃れたいが為、教室の窓から青空を眺めた

 

「ごめんなさいね? 二人共悪気はないのだけど・・・」

 

雫は人間関係の心情等を理解しているのでこっそりとハジメに謝罪をする。まぁハジメは「仕方が無いよ」と完全に諦めて苦笑いを浮かべるばかりだ

 

「お嬢様そろそろお席に・・・もうすぐチャイムが鳴ってしまいます」

 

「ありがとう深月。それじゃあハジメまた後でね?」

 

皐月は深月に手で制し席に座る様促し着席。そうすると丁度チャイムが鳴り教室に教師が入り午前の授業が開始される。ハジメは直ぐに寝始め、皐月はその姿をこっそりとカメラで保存、深月は皐月の様子を脳内に録音するかの如く見続ける。この光景は教師も見慣れた物で放置し時間は過ぎ去っていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ジメ―ハ―メ?もうお昼だよ?昨日はそんなに忙しかったの?」

 

ゆさゆさと肩を揺する皐月、そして目が覚めるハジメ

 

「高坂さんおはよう。うん・・・昨日は母さんのアシで夜遅くまで手伝っていたからね」

 

「あぁ~成る程ね」と納得した皐月は十秒でチャージできる定番のそれをハジメから奪い取り深月へと渡す

 

「今日という今日こそは何が何でもしっかりとしたご飯を食べさせるからね!深月!ハジメを捕まえて!!」

 

ハジメはハッとするがもう遅い

 

「では失礼致します南雲さん。少々強めに拘束をさせて頂きますのでご了承下さい」

 

後ろから羽織い締めをする深月。ハジメは逃れようと体を動かそうにも動かせずにいる・・・ハジメはただ逃げたいが為に拘束を逃れようとしているのでは無い。背中に当たる柔らかい物――――――深月のたわわなそれから逃げ様としているのだ。まぁ男子は嫉妬し女子はその男子達を極寒の視線で見る

 

「ではプスッとします」

 

「ちょ!?」

 

瞬間手足だけ自由が効かなくなり動きを完全に止められてしまったハジメ、深月は極細の針にてプスッと麻痺をさせただけである←普通は有り得ないし出来ません

 

「さぁこれで一緒に食べれるね?大丈夫!深月に食べさせるから何も問題は無いよ?」

 

本物のメイドによる「あーん」は特大の羞恥である。それを意図もたやすく実行する皐月・・・恐ろしい子である!

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当?よかったら一緒にどうかな?」

 

追い打ちを掛ける様にハジメの心は悲鳴を上げる

 

どうして構うの!?高坂さんじゃなくて何で貴方が構うの!?と言葉が飛び出そうになるが、我慢――――――――そして

 

「あ~、誘ってくれてありがとう白崎さん。でも僕は高坂さん達と食べる予定だから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

「てめぇ何してんだごらぁ!」と言わんばかりにギラギラとした視線がハジメに突き刺さる。皐月はニコニコしているが内心「どっか行けこいつ!」と思っているだろう・・・深月は「はぁ~」とため息を付き、この現状を嘆いている

 

「なら皆で食べようよ!」

 

まさかの爆弾発言に周囲がピシリッと固まった。「止めろ馬鹿!」と言いたげな皐月・・・深月は咄嗟に主の肩を抑え冷静さを取り戻させるとさらなる燃料が近づいてくる

 

「香織、皐月、深月。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

 

ハジメはギギギッと錆び付いたブリキ人形の様に声のした方向へ向くとご都合解釈大好き君が居た。香織についてはナイス~!で皐月に関しては関わるなぁ!と思いつつ苦笑いをしているが

 

「え?なんで光輝くんのゆ―――――――」

 

「南雲さんここの空気が一気に汚染されたので外で食べませんか?」

 

「深月の言う通りだね!ハジメ君!外に移動して一緒に食べよう?」

 

うぉおおおおおおおい!?どないしてくれるんだこの空気!!とハジメは深月に視線で訴えかけるが強制的に連れて行くと言わんばかりの強烈なお返しにため息が出る

 

(もういっそ、高坂さん達二人を除いて異世界召喚とかされないかな? どう見てもあの四人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。・・・でも正直異世界のメイドさんと神楽さんのメイドの差を見てみたいと思っている僕がいる・・・・・)

 

と思っていると、ハジメの目の前―――――天之川の足元に純白に光り輝く円環と幾多の紋様の輝きが現れ凍り付いた。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気付くが全員が金縛りにでもあったかの様に出現した魔方陣に視線が奪われる。深月は「お嬢様!」と主の皐月の手を掴み外へ出ようとするが、徐々に輝く速さが加速し教室全体を覆い尽くさんばかりに拡大、悲鳴を上げる生徒達に教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだと同時に光が全員を飲み込んだ

 

 




評価、感想等お気軽にどうぞ


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異世界召喚ですか・・・そちらのメイドは名ばかりの物ですね

布団「ダニィ!?お気に入りが115件だとお!?」
深月「それもこれも全てお嬢様の輝きがあってこその物です」
布団「主役はメイドさんなんだけどなぁ・・・」
深月「ではお嬢様の回を増やせば良いのです」
布団「うぐぅ・・・む、難しいけどやってみよう。(必ずやるとは言っていないけど)」
深月「駄目ですよ?唯でさえ誤字報告を心優しき読者様方から報告されているのですから努力して書いて下さいね?」
布団「ゲハァッ!」トケツッ

深月「では作者様は放置しましょう。ではごゆるりとどうぞ」








~皐月side~

 

教室に魔方陣の様な物が浮かび上がり光が爆発した後目の前に見えるは見た事も無い作りをした建物、いや・・・違う。古代から中世のヨーロッパの神殿に近しい造りとなっていることから転移もしくは異世界召喚・・・ラノベの異世界転移物が流行っている流れとよく似ているこの現状はとても良くない。周りには教室に居たクラス全員がこの場所へ立っている・・・恐らく転移の指定があの教室内だけの者と言う事なのかな?お弁当とかの物がこちらに無いからね

 

皐月は自身の手を掴んでいるメイドの深月に視線を向けると、彼女の手には学校の鞄が握られている。この事から身につけている――――もしくは触れているという条件でこちらに来たのだろうと予測が容易に出来た

 

兎に角様子を見ないとどうする事も出来無いし取り敢えずは静観しようかな?ハジメも何も言わず周囲を観察しているし、恐らくこの後の展開を予想している筈。そして恐らくこの召喚は私達を兵士としての召喚もしくは生け贄・・・

 

目の前に居る集団の中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い七十代くらいの老人が進み出て来た。全員がこの人物こそこの集団のトップなのだろうと感じた

 

「ようこそトータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様――――――歓迎致しますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた

 

 

 

~深月side~

 

咄嗟に鞄を回収出来た事に安堵した私。この中にはお嬢様の私服を数着、私の屋敷でのメイド服が入っている為、着たきり雀という最悪な事態は避ける事に成功ですね。しかしこの場所は大聖堂に似ている・・・となれば此処は神官等が居る場所という可能性が高いと言う事―――――――そしてお嬢様が現在読まれている異世界転移という小説と似た感じですね

お嬢様と南雲さんは周囲を観察そして最悪の想定を元に動く事になるでしょう。そしてあの豪華な衣装を纏った老人、覇気はありますがそれだけの人物――――――と言いたい所ですがまずは話しでも聞きましょうか。何事も情報が一番大切ですので・・・

 

深月はこれかの事について設計を立てて行こうと情報を聞き出す為注意深くイシュタルの言動を気付かれない様、自然体で観察する事にした

場所は移りテーブルが並べられている大広間へと全員が集められメイドの深月以外が着席、そして絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入って来た。生のメイドさんに全員目が向くが驚きは無い・・・そもそも学内で皐月に付き従う生のメイドさんをほぼ毎日見ている為殆どが慣れていた。まぁそれでも美女・美少女メイドである為、男子達は凝視している。しかし、それを見た女子達の視線は氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだがそれはお約束

ハジメの側にもメイドさんが飲み物を給仕するが凝視はせず、ただただ軽い会釈をもって感謝するが・・・背筋に悪寒を感じさせる程の視線が突き刺さり、そちらを見ると何故か満面の笑みを浮かべた白崎がジッと見ていた。ハジメは無視を決めた。そんな中良い表情をしなかった人物が一人―――――深月である。そして誰もが予想していなかった言葉が発せられ

 

「本当に貴方達はメイドなのですか?大方美女を宛てがい印象を良くしようとしたのでしょう・・・しかし問題は其処ではありません。この飲み物は全くもってなっていません!お嬢様が飲まれる分はこの私自ら用意致しましょう!さあ厨房へと案内しなさい!!」

 

全員がぽかーんと口を開けて呆けている。その間に早足を持って厨房へと消えて行く深月、皐月は小さく微笑みを浮かべていた。そして数分後にカートにカップ、ポット、茶葉を乗せて帰って来たのだが、彼女の後ろを付いてくるメイド達はズーンと沈み込んでいた。そしてここでも天之川の思い込みは激しく憤る

 

「深月!彼女達に何をしたんだ!いきなり違う世界に来たからと言って他人に当たり散らすなんてしてはいけない!」

 

皐月が「はぁー」とため息を吐き、深月は天之川を無視して皐月の元へ行き紅茶を慣れた手つきで入れ終わり差し出し終えた後、ご都合君い言い放つ

 

「彼女達はメイドとしての心構えが全くもってなっていません。メイドとは主に尽くす事、そして与えられた役割に全力を注ぐ事。基本すら出来ていないこの半端者達にこの私がお説教をし、手本となる仕事を示しただけの事――――大方私と自身の差にショックを受けているだけでしょう・・・全くもって嘆かわしい。一度この私自らが指導して差し上げた方が有益とも言えますね」

 

天之川は何かを言おうとするが馴染みの雫に首根っこを掴まれて元の場所へと着席した。ゴホンッと咳を一つ付きイシュタルは説明を開始する

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

ふむふむ成る程・・・魔人族が強くその使役する魔物もまた強い。人間族のパワーバランスが負けている為にこの勇者召喚を行ったと言う事ですか

 

更に簡単に言っちゃうと――――――「魔人族強すぎ!人間族滅んでしまいそうだから異世界から兵士呼べば良いじゃん」という事

 

「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にしてこの世界を創られた至上の神。エヒト様は悟られたのでしょう――――――このままでは人間族は滅ぶと。そしてそれを回避する為にあなた方を喚ばれこの世界より例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という救いを送ると。あなた方には是非その力を発揮し、エヒト様の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

これは不味いですね・・・エヒトと名を出した瞬間周囲の目は狂信者のそれと同じ類の目その物。そして何よりこの言い方では一方的に魔人族が悪であるという事

 

深月の読みは正しく、エヒトを信者とする者達は狂信者のそれだ。人間族の九割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の信徒は度々降りる神託を聞いた者は例外なく聖教教会の高位の地位に付くとの事と、神の意思を疑いなく嬉々として従うこの世界の歪さが酷い。しかし此処で突然立ち上がり猛然と抗議する人物――――――愛子先生だ

 

「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようって事でしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっとご家族も心配している筈です!貴方達のしている事はただの誘拐ですよ!」

 

通称――――愛ちゃん

 

この様な理不尽な行為を否定し、イシュタルに食って掛かる物の告げられる言葉に凍り付く

 

「お気持ちはお察しします。しかし・・・あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

「ふ、不可能って・・・ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

混乱しているだろう。しかし希望はへし折られる

 

「先程言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

 

「そ、そんな・・・」

 

ぺたんとその場に崩れ落ちる様に座り込む愛子先生、そして周囲もその理不尽さに腹を立てる

 

「嘘だろ? 帰れないってなんだよ!」

 

「いやよ! 何でも良いから帰してよ!」

 

「戦争なんて冗談じゃねぇ! ふざけんなよ!」

 

「なんで・・・なんで・・・なんで・・・」

 

「どうしてこんな事になるのよ・・・嫌だよぉ・・・・・」

 

殆どの生徒がパニック、ハジメも外見は冷静を装っていても内心は焦っていた。それ故、予想していた幾つかのパターンの中でも最悪の物では無かったので他の生徒達よりは平静さを取り戻していた。皐月もハジメ同様落ち着きを取り戻し静観、この先に待ち受ける何かに用心するかの如く見ていた

未だにパニックが収まらない中、天之川が立ち上がりテーブルをバンッと叩き、その音にビクッとなり注目する生徒達――――皆から目を向けられるのを確認して提案をする

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。・・・イシュタルさん、どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね?此処に来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えて良いでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

そう宣言した天之川。無駄に光るし、カリスマ性を持っている為、絶望していた生徒達は冷静さを取り戻しやる気になっている。女子の方は熱っぽい視線を向けているが、まぁイケメンは爆ぜろと言いたい

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。俺もやるぜ?」

 

「龍太郎・・・」

 

「今の所、それしかないわよね。気に食わないけど・・・私もやるわ」

 

「雫・・・」

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織・・・」

 

何をやっているのやら・・・あのど腐れ野郎は遂にやってはいけない所までやらかしてしまいましたね。無駄にカリスマ性を持っているからややこしい・・・あぁ周囲も皆賛同して行きます――――――――お嬢様と南雲さんは何も言わずに黙って聞いていますね。今は恐らくこれが正しいのでしょう。愛子先生は否定していますね・・・こんな中でも否定を貫くとは教師の鏡ですよ貴女は――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが夢であればですがそう言いますがこれは現実、その様な甘い考えは何時の日か大きな後悔を持って帰って来ますよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静観していた深月だが此処に来て厄介な矛先がこちらへと向く

 

「皐月も深月も俺達と一緒に戦おう!」

 

あぁこれは駄目だ。もう我慢が出来無いと手を上げそうになるが一旦冷静になろうと深呼吸すると、ツカツカとお嬢様がど腐れ野郎に近いて行く

 

「やっぱり皐月も戦ってくれるんだよな!よし!皆で地球に帰―――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お嬢様の平手打ちがど腐れ野郎の頬へとシュートッ!!何が起きたか分からなさそうに呆然とお嬢様を見るあれは見物ですね!お嬢様流石でございます!!

っと、こうして見ていてはいけませんね。このハンカチを水に濡らしお嬢様の綺麗な手を拭いて冷やさなければ・・・そう言えばこの世界は魔法は使えるのでしょうか?あそこにいるメイドに聞いて濡らせる魔法が無いか聞いてみましょう

 

 

 

OHANSSHI中―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、これで濡れハンカチが出来たのでお嬢様の元へと急がねば!待ってて下さいお嬢様~♪私が今すぐお嬢様のお手々を冷やします!!

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

うわぁ・・・高坂さんがあそこまで怒っているの初めて見ちゃったけどもの凄く怖い。取り敢えず黙って様子を見よう・・・そうする事しか僕には出来無いよ

 

「な、何をするんだ皐月!?」

 

「黙りなさい。そして私の名前を勝手に呼ばないで下さる?深月から散々警告したのにも関わらずに直す気配が無いとは最低ですね」

 

皐月の天之川を見る目は道ばたの小石程度の評価となった

 

「貴方のそれは言葉に重みの無い薄っぺらな正義という言葉を知った子供と同義、その果てに何が待っているか何が起こるかを理解していない・・・そして取り巻きの貴方達三人も理由無く私達に話し掛けないで下さい。直そうともしないその無責任と何時か何時かという先送りする事はもううんざりです。そして私はこの戦争には参加しませんので悪しからず」

 

そう言い放ち天之川君達が何を言っても無視を決め込み先生の元へと歩き、神楽さんも合流し濡れハンカチかな?それを高坂さんの手に巻き付けている。そっか・・・張った手も怪我をするから冷やしているんだ。流石本物のメイドさん・・・この世界のメイドさんよりも凄いって事が良く分かるね

だけど色々と観察して思った事、高坂さんが天之川君に反対した時のイシュタルが向ける目が敵対者とかそういった嫌悪感を出していた・・・多分神楽さんも気付いてか先生の側に移動させ側に離れない様にして周囲を注意深く観察している

 

ハジメはこの事からイシュタルを要注意人物の一人に上げ警戒をしながらこの世界でようやって生きていこうか考え始める

 

 




布団「どやぁっ!お嬢様視点出せたぜ!」
深月「全くもってなっていませんね!もっと半分近く埋める形で書きなさい!お嬢様のご偉功をもっと知らしめないといけませんのに!」
布団「主人公sideは多用出来るんだけどなぁ・・・」
深月「ちぃっ!今すぐ書き貯めている分を全て放出しなさい!さぁ出すのです!」
布団「書き貯めって何ですか?」
深月「せめてお嬢様の強さを表す所まで!早く次話を寄越しなさい!」
布団「頑張るんだよ?・・・・・それと読者さんはこの後書き見ているけど大丈夫?」
深月「・・・ゴホン、大変お見苦しい所をお見せ致し申し訳御座いません。ですが皆さんも気になりますよね?ですよね!」
布団「必死にアピールやめれ」
深月「さて、冗談は程々にしましょう」
布団「感想、評価バッチ来い!」
深月「でも作者さんのメンタルは豆腐より柔らかく脆いでしょう?」
布団「自分でもかなり気にしている事実を言わないで・・・」グスン
深月「少し弄りすぎてしまいましたね。私は作者ではありませんが生暖かい目を持って待っていて下さいね?誤字報告等ありましたら宜しくお願い致します」






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ステータス?メイドの私は既に決まっています

深月「作者さん・・・無理していませんよね?フリじゃありませんよ?」
布団「大丈夫だ、この回は設定をある程度決めていたから」
深月「もう一つのクロスオーバー小説は大丈夫なのですか?」
布団「ダイジョウブダヨーモンダイナイヨー・・・」
深月「反省していませんね!其処に正座しなさい!」


説教中・・・



深月「全く・・・作者の無計画さにはほとほと呆れてしまいますね」
布団「 」チーン
深月「それはそうと、読者の皆様の感想有り難うございます。作者の誤字報告もありましたのでとても助かっています」
布団「グフゥ」グサグサッ!
深月「では次のお話です。ではごゆるりとどうぞ」












~深月side~

 

お嬢様の口からハッキリとど腐れ野郎とその取り巻き三人組と理由無く関わら無いでと口にされたのでこれからはかなり心身的に楽になりますね。ハッキリと戦闘参加を決意した以上、戦いについて学ばなくてはいけない事から正直に言いまして期待なんてこれっぽっちもありません。幾ら潜在能力があるからと言ってもそれを扱う人間の力量が伴っていないとどうする事も出来無いのです

狂信者について行くと柵に囲まれた円形の大きな白い台座が鎮座しており、大聖堂で見たのと同じ素材で出来た美しい回廊を進みながら促されるままその台座にお嬢様を抱え乗ると、その台座には巨大な魔法陣が刻まれていました。すると狂信者が呪文を唱え

 

「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん――"天道"」

 

終わったと同時に足元の魔法陣が燦然と輝き出し、まるでロープウェイのように滑らかに台座が動き出して地上へ向けて斜めにおりていきます

因みに私達が居た場所は聖教教会は【神山】の頂上で召喚された様です。しかもその高さは凄まじく、雲海が見える程高い場所でした。普通は息苦しかったり寒かったりとするのですがおそらく魔法で生活環境を整えているのでしょう。そうして雲海抜け地上が見えた大きな町―――――ではなく国が見える。巨大な城と放射状に広がる城下町は主要都市と言えば良いでしょうか・・・台座は王宮と空中回廊で繋がっている高い塔の屋上に続いているようですね

演出としてこの様な光景を見せられればこの街は魔人族に滅ぼされ、瓦礫の山となるでしょう。それを防ぐ為には「あなた方の力が必要なのです!」等と言っている様な物ですね。現にど腐れ野郎はその様に感じているでしょう・・・正義とは人それぞれですが現実を理解していないこの者達に忠告しても遅いでしょうね

 

徐々に近づいていく地表、そして外の景色を静観しながら深月は皐月の忠犬として、外ある物をどう払うか考えている内に到着。そして一同は王宮の玉座へと案内されて行く

王宮は教会に負けないくらいの内装で、道中に騎士っぽい装備を身につけた者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違い、その一人一人の目が期待と畏敬の籠った視線であり何者であるか予想が出来ていたのだろう。ハジメは居心地が悪そうに最後尾を歩く。まぁこの中でこの様な視線を向けられて居ないのは深月ただ一人。メイド服を着ているから仕方が無いのである

そして巨大な両開きの扉の前に到着すると、両サイドに立っていた兵士二人がイシュタルと勇者一行が来たことを大声で告げて扉を開け放つ。イシュタルは悠々と、天之川達の様な一部例外を除いては恐る恐るといった感じで潜って行くが深月だけが兵士に呼び止められるが、皐月の一言でギョッとして謝罪し一同の元へと合流する

扉をくぐった先には真っ直ぐ延びたレッドカーペット、その奥の中央に豪奢な玉座があり、その手前で立ち上がり待っている初老の男性がいた

 

成る程、本来は王であるあの男性が立ち上がり待っていたとなる所を見るとこの狂信者は国王よりも地位が高いという事が確定致しました。お嬢様も南雲さんも気が付いた様で何よりです。周囲を見るにあの方は王妃、その息子の王子と娘の王女辺りでしょうか?

 

またもや深月の予想は正しく、国王の名をエリヒド・S・B・ハイリヒといい、王妃をルルアリア、王子はランデル、王女はリリアーナという。その他にも騎士団や宰相等の高い地位の者達が紹介されて行き、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能する。見た目は洋食のそれに近い物だったが、超メイドこと深月は厨房へと赴いて使われている食材、調理方法を見て学び自分の物とした。深月は皐月の為となるならば知らない知識を学ぶ事を当たり前とし、見ただけで覚えるという規格外な才能を持っているのだ

王宮では勇者達の衣食住が保証されており、訓練における教官等も現役の中から選ばれている。いずれ戦いに赴く為の親睦を兼ねてと言う事もある。晩餐が終わり各自に一室と割り振られる部屋に鎮座する天蓋付きのベッド―――――庶民の彼等からすると戸惑いがあるのだが皐月に関しては慣れたベッドの光景だった。ちなみに深月は一室を拒否、皐月の専属メイドと言う事で一緒の部屋で寝ているのである。そして皐月から一緒に寝ようという無茶ぶり命令により現在一緒に寝ている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お嬢様!お嬢様!お嬢様!お嬢様の匂いがああああああああ!クンカクンカスーハースーハー・・・・・フゥついお嬢様の愛が爆発してしまいました。お見苦しいところをお見せして申し訳御座いませんでした

 

こうして怒濤の一日が終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日から戦闘訓練と座学が始まるにあたって、銀色のプレートが全員分渡され騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれる物だ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

皐月は表裏と確認するがただの銀板ではないのではないかと不思議そうに思っているが内心ワクワク、深月は皐月のステータスについての心配をしていた

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう?そこで一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らすとそれだけで所持者が登録される。 ステータスオープンと言えば表に自分のステータスが表示される筈だ。原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな?神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクト?」

 

「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現出来無い強力な力を持った魔法の道具の代物の事だ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな・・・複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及している物としては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが・・・これは一般市民にも流通している。身分証になるからな」

 

各生徒達はステータスプレートへと血を魔方陣へと擦り付けると淡い光が灯る。周りの様子を確認した皐月もやってみる

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:1

天職:錬成師

筋力:5

体力:5

耐性:5

敏捷:5

魔力:5

魔耐:5

技能:錬成 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「・・・・・ナァニコレ」

 

自分の数値の低さに絶望している皐月に追い打ちを掛けるかの如くメルドはこう続けた

 

「全員見れたか? 説明するぞ、まず最初にレベルがあるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がり、上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

「ゴフッ!」

 

「お、お嬢様!?」

 

自分の血を擦りつけようとした深月だったが、OTL状態となった皐月を支えるのが優先な為中断する

 

「げ、現実が私を殺しに来てる・・・・・ゴホッ!」

 

更なる追い打ちを掛けるメルド

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させる事も出来る。魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなるのだがそこまで詳しい事は分かっていない。魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。そしてお前等用に装備を後で選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

「グペェ!?」

 

まだまだ追加攻撃は止まらない

 

「次に天職ってのがあるだろう? それは言うなれば才能で末尾にある技能と連動している。その天職の領分においては無類の才能を発揮するし、天職持ちは少ないぞ!戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、代物によっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが・・・百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくない物も結構ある。生産職は持っている奴が多い」

 

まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ!

 

「後は・・・各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

「  」チーン

 

現実は非情なり、ステータスが低い者なぞ誰も見向きもしない筈だ・・・というか間違いなくそうする。成長の伸び代が無いと言っている様な物―――――――そして追い打ちの中で一番酷い追い打ちに遭う

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性 全属性耐性 物理耐性 複合魔法 剣術 剛力 縮地 先読 高速魔力回復 気配感知 魔力感知 限界突破 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

皐月が否定した天之川のステータスがチートの権化であった

 

「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か・・・技能も普通は二つ三つなんだがな~、規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」

 

「いや~、あはは・・・」

 

因みに団長はレベルは62でステータスはおよそ300前後、という伸び代によっては速攻で追い抜かれてしまう程の物だった。色々と見込みのある者達が居てメルド団長はホクホク顔であったが皐月よりも前に「ん?」と言う声が漏れ「見間違いか?」等と言う始末そしてステータスプレートに異常が無いか調べ、何も無いと分かると

 

「ああーその・・・なんだ。錬成師というのは言ってみれば鍛治職の事だ。鍛冶する時に便利だとか・・・」

 

ハジメの天職は錬成師と歯切れ悪く説明するメルド団長に私は少し疑問が残りました。何故あそこまで歯切れが悪いのか?と、後方で戦線を維持する為には錬成師は重要なポジション・・・そこで一つの可能性が思いついたのです。南雲さんはお嬢様の様にステータスが低いのでは無いかという結論に至りました。そして彼を目の敵にしている塵芥共が調子に乗り出します。正直言って不愉快です――――――お嬢様にも同じ様な事をしたのであれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてお嬢様の命令で南雲さんを助けろと言われたのならば助けましょう

 

深月は待機、行く末を見つめる

 

「おいおい、南雲ってもしかして非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

 

「・・・いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

 

「南雲~?お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

檜山の取り巻き三人もはやし立て、強い者には媚び、弱い者には強く出る典型的な小物の行動に不愉快な視線が突き刺さるも全く気付かずに居る。檜山はハジメから奪い取る様にステータスプレートをひったくり、ステータスの内容を見て爆笑。斎藤達取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく。そしてクラスの一部の人達も失笑する

 

「ぶっはははっ~、なんだこれ!完全に一般人じゃねぇか!」

 

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

 

「ヒァハハハ~、無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」

 

とハジメを馬鹿にしている最中――――――

 

「あー・・・えっとだな・・・分かっていると思うが錬成師は・・・その・・・・すまん」

 

しんと静かになった取り巻きとクラスメイト達、何故か?それは皐月のステータスプレートを見たメルドの発した言葉だったからだ

 

「ハジメ君、同じ錬成師として一緒に頑張ろうね♪」

 

「そういえば高坂さんのステータスはどんな感じ?やっぱり僕よりも高いよね?」

 

にやりと悪い笑みを浮かべる檜山含む取り巻き男子達だがその全てを裏切る

 

「えっとね?私のステータスってハジメ君の半分の5なの」

 

更に空気が固まった事に気付くハジメ、そんな中フォローをしようとする愛子が近付き二人にステータスプレートを見せ―――――――

 

「南雲君、高坂さん、気にすることはありませんよ!先生だって非戦系?とかいう天職ですしステータスだってほとんど平均ですからね!」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

畑山愛子 25歳 女 レベル:1

天職:作農師

筋力:5

体力:10

耐性:10

敏捷:5

魔力:100

魔耐:10

技能:土壌管理 土壌回復 範囲耕作 成長促進 品種改良 植物系鑑定 肥料生成 混在育成 自動収穫 発酵操作 範囲温度調整 農場結界 豊穣天雨 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

死んだ魚の様な目をするハジメと皐月

 

「あれっ・・・どうしたんですか!?南雲君!高坂さん!」

 

愛子は二人に止めと言わんばかりの一撃を放つ

 

効果は抜群だ!

 

死んだ目をしながら逃避する様に標的を切り替える為、ハジメは未だにステータスプレートに何もしていない深月へと標的を切り替える

 

「そう言えば神楽さんのステータスってどうなのかな?様子を見てたけど高坂さんに付きっきりで確認していなかった筈だけど・・・」

 

「あっ・・・そう言えばそうね。深月のステータスってどんな感じ?」

 

この時全員が思っただろう。学校では運動能力抜群、男子すらをも上回るそれを考慮して二人目の勇者だろうと思っていた

 

「では確認致します」

 

小指に針を少し刺して血を一滴、表示されたステータスは

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:1

天職:メイド

筋力:250

体力:400

耐性:250

敏捷:350

魔力:400

魔耐:250

技能:生活魔法 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地 硬化 ■■制御 魔力制御 気配感知 魔力感知 家事 節約 交渉 戦術顧問[+メイド] 直感 心眼 極致[+剣裁][+拳闘][+体術] 限界突破 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

( ゚д゚)ポカーン

( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)エッ!?ショウゴウナニソレ!?

 

最早誰もが呆然としていた

 

「・・・ハッ!?いかんいかん余りにも凄まじく呆然としていた!」

 

そして小悪党四人含めクラスの全員は笑う事を許されない。もしも笑ったが最後、物理的なOHANASHIが待っている為である

 

「ふむ・・・もう少し欲を言えば耐性系統が高い方が良いですね」

 

ちょっと待てえええええええい!と突っ込みを入れたい程チートである。天職がメイドってそれ違う!―――――しかも勇者よりもステータスが高いという何とも言えないやっちゃった感が否めない

 

「流石~♪やっぱり深月は最強ね!私も鼻が高くて嬉しいわ!!」

 

るんるん気分の皐月はニコニコしておりとても良い気分だったのだが

 

「深月にそれだけの力が有るんだ!俺達と一緒に魔人族を倒そう!」

 

昨日の今日でこれである。絶対零度の視線を天之川へと向ける皐月はこう告げる――――――――

 

「ねぇ深月?あのご都合解釈者に本当の戦いというのを経験させて あ・げ・な・さ・い」

 

今までに無い底冷えした声に全員が驚愕する中、深月はただ一言―――――――

 

「了解致しましたお嬢様」

 

「徹底的に心という心をへし折って上げなさい」

 

「畏まりました」

 

こうして前代未聞、勇者Vsメイドの戦いが幕を上げる

 

 

 

 

 

 

 




布団「良い感じにバグレベルにしちゃったんだぜ!」テヘペロ
深月「やりすぎでしょうに・・・」
布団「全てのお仕事をこなして戦闘までも出来るメイドなんて居ないんだぁ!」
深月「それはお嬢様の為です!」
布団「職業はビックリだろう?」
深月「いえそれは全く」
布団「なん・・・だと・・・・・!?」
深月「お嬢様のメイドとは私ですので」
布団「本当に狂化されてないんだよねぇ・・・?」
深月「お嬢様ニウムが足りませんので補充してきます」
布団「あ、はい・・・どうぞ」
深月「感想や評価はお気軽に          お嬢様~♪」
布団「ではこの辺で終わりましょう次話までさようなら~」




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メイドは手加減して差し上げます

布団「たったの4話の投稿でUA9000越えにお気に入りが293件だとぉ!?どどど、どうなっていやがる!?」
深月「どんどんと伸びていますね」
布団「ぷ、プレッシャーに押しつぶされそうだ・・・」
深月「私は問題無いです」
布団「そ、それじゃあハジマルンダヨー」ガクブル
深月「では皆様、ごゆるりとどうぞ」




~深月side~

 

さて、お嬢様からの命令は徹底的に心をへし折り勝利せよとの事。ど腐れ野郎がこの戦いについてどう思っているか知りませんが私は全力で命令を遂行し他者がお嬢様への虐めが出来無い程の恐怖を植え付けて差し上げましょう

 

この世界へと持ってきた鞄の中には何も着替えだけが入っている訳では無い。ちゃんとした武器・・・暗器が入れられているので戦いは十全にそして万全の状態なのだ。訓練場の広場へと行くと木刀を手にしている天之川が居り、深月はこの試合の審判として自薦したメルド団長にチラリと視線をやるとそれに了承したかの様に頷いた

 

「ではこれより勇者達の試合を開始する。双方問題は無いか?」

 

「問題ありません!何時でもいけます」

 

「私としては問題だらけです。真剣も持たず何故この場に立っているのか不思議でなりません」

 

「しかし、メイドはその軽装で大丈夫なのか?胸元や腕が露出しているのだが・・・」

 

現在、深月の服装は屋敷でのメイド服――――――言うなれば実戦用のメイド服である為何も問題は無い

 

「このメイド服こそこの私の本来の動きに対応出来る服です。そもそもの問題として私が勇者(笑)の攻撃が一つでも当たるとお思いですか?」

 

「・・・そうだな。余計な事を言ってしまった様だな」

 

メルドは深月の歩く姿だけでその実力を確信していた。自分と戦った際このメイドに勝つ事が出来るのであろうかという心配がある中で天之川との対戦、本当の実力を見るのには持って来いのタイミングであったのだ

 

「光輝これを使え。それは聖剣で自身を強化したりと装備するだけで良いことずくめの物だ―――――教会も王も皆がお前にこれを使わせる予定だから丁度良いだろう」

 

天之川の手に聖剣が渡り今まで以上の力が沸く自身に驚きを隠せないでいたがそれも束の間、聖剣を深月へと向け告げる

 

「もしもこの勝負で俺が勝ったら皐月と深月は皆と協力し魔人族を倒す事を約束するんだ」

 

「また勝手に名前を・・・まぁお嬢様から了解も得ましたし良いでしょう。もし私に勝つ事が出来ればお嬢様と一緒に協力を致しましょう」

 

その言葉にニコリと笑みをこぼす天之川だが深月の本題は此処からである

 

「もし私が勝てば貴方は一生、お嬢様と私の名前を呼ばず、邪魔せずの不干渉を命じます」

 

「な!?何でそんな事を言うんだ!!」

 

「何故?そもそも私達の行く末を貴方が決める道理はありません。それを試合で勝利したからと言って協力させるというのは人生の縛りですよ?ならば貴方が負けた場合の不干渉は何も不思議では無いでしょう?試合に自分だけが得をする条件を押しつけて損をする条件は許さない――――――と。どちらが理不尽であるか一目瞭然でしょう?」

 

「・・・分かったその条件を飲む。だけど勝ったら!ちゃんと皆と協力する事を約束するんだ!」

 

「私に勝てたら、受け入れましょう」

 

条件は決まりお互いに相対

 

「それではこのコインが落ちたら瞬間開始だ」

 

そしてコインを上へと弾き回転しながら落ちてゆき―――――――チンッとコインが落下した音を合図に天之川が走り出し、深月の懐へ飛び込み一閃するが紙一重で躱される

 

「これで一回」

 

二撃三撃と続けざまに振るうも全て紙一重で躱して行く深月

 

「四回、七回、そしてこれで十回です」

 

段々と増えて行く回数に疑問を感じつつある天之川、自身が聖剣を振るう回数につれそのカウントは進み今では三十まで数えられていた。深月は大きく後退する様に跳躍、天之川と距離を取りため息を吐く

 

「三十回・・・これが何を指し示しているかご存じですか?」

 

天之川は深月の言葉を無視し攻撃を続ける為追撃を行う

一方この戦いの様子を見ていたギャラリーの中で気付いたのはごく少数、メルド団長や騎士団の軍人、八重樫、皐月の三人だけであった

 

「はぁ!?幾ら何でも強すぎるじゃない!何なの彼女は!メイドでしょう!?」

 

「ちょ、ちょっと雫ちゃん落ち着いて!?」

 

気が動転している八重樫を白崎がどうどうと落ち着ける中、メルドは冷や汗を掻いていた

 

(ただ者じゃないと確信はしていたがこれ程までなのか!?両者には隔絶とした技術の差がありすぎる。・・・もしも俺が彼女と相対する事になれば確実に殺されてしまうだろう。そろそろ彼女が反撃に出ると思うがどの様に攻め立てるか、彼女の主であるあのお嬢さんに心を徹底的に折れと言っていたがどの様にするつもりだ?)

 

興味深そうに深月を観察するメルド。天之川が攻撃を続けていて深月は回避するだけの光景に素人達は天之川が優勢だと考えていた

 

「どうだ!俺は皆を守れるだけの力を持っている!回避ばかりで手一杯で言葉だけなのは深月の方じゃないのか?」

 

「掠りもしない攻撃を続けて未だ理解出来ませんか・・・では次はこちらから攻めさせて頂きましょう。何の変化も無いただの棒振りに長々と付き合うつもりもありませんので――――――では行きますよ?」

 

振り下ろしに被せる様に横一閃にナイフを素早く滑らせた深月、先読にて咄嗟にナイフを避けようと体をずらした天之川だがそれは悪手であった。ナイフへと視線を逸らされたと同時に聖剣を持っていた手は手首を捻る様に関節を外され聖剣がこぼれ落ちる。痛み無く手首の関節を外された天之川は驚愕するが、この隙を見逃さず腹部へとペタッと手の平を当て寸剄に近いオリジナル打撃を打ち込む

 

「ガハアッ!?」

 

深月を中心に広がる衝撃の波紋は天之川を数十メートル吹き飛ばし口から吐血する程の強烈な一撃だった。地面へと膝を付き誰がどう見ても天之川の敗北だと疑わなかった――――――しかし深月の攻撃はそれだけでは留まらず顎の骨が砕けたりしない程度の絶妙な力でもって蹴り上る。強制的に天之川を立たせた後、鉄震靠擬きを打ち込み更に吹き飛ばし更なる追加攻撃をしようとしたが天之川は失神していた為に戦闘続行不能――――――

 

「この程度の動きにも付いて来れずあまつさえ気絶するとは・・・もっと手心を加えた方が宜しかったですね。これでは徹底的に心をへし折る事も出来ません・・・お嬢様に怒られませんよね?」

 

こうして一方的な試合は幕を下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神楽さんちょっと良いかしら?」

 

試合が終わったその日の夜、ハジメとの二人きりの空間を作った皐月に自由時間を言い渡され深月は鍛錬をしていた。その最中に八重樫が声を掛けてきたのだ

 

「何用ですか?勇者さま方にはお嬢様から干渉をするなとのご指摘があったと存じておりますが」

 

「それは光輝だけでしょう。私達三人に関しては干渉するなと言われていないし私は理由があって話しかけているだけ・・・それよりも今日の試合だけれど、あのカウントは光輝を殺した回数で間違い無い?」

 

「あらごめんあそばせ――――――という冗談は無しにしてお答えしましょう。八重樫さんの言う通りあのカウントは私があのど腐れ野郎を実際に殺せた回数です。まぁ最も最大限の手加減をしてもあの回数だと言う事ですので」

 

八重樫は最後に深月に何故強さを求めたのかを質問する

 

「何故神楽さんはそこまでして強さを求めたの?」

 

「全てはお嬢様の為、私の全て血肉や髪の毛一本に至るまでこの身を捧げて護ると誓いましたので」

 

「そう・・・神楽さんはとても強いのね・・・・・」

 

「八重樫さんもお強いでしょう?あのど腐れ野郎と比べれば」

 

「嫌味を混ぜないでくれるかしら?それとど腐れ野郎って・・・光輝は一応幼馴染み何だけど?」

 

「ど腐れ野郎で十分でしょう?貴女もあれを取り巻く女性達に色々とされていたのではありませんか?」

 

ビクッと図星を付かれたの様な反応をする八重樫、その様子を見る深月はクスクスと笑っている

 

「まさかカマを掛けただけで此処までの反応を頂けるとは予想していませんでした」

 

「それが本性?だとしたらとんでもなく意地汚いメイドね」

 

クスクスと小さく笑みを浮かべる深月にギロリと睨む八重樫だがそれは無意味、恐怖も何も感じない。怯ませる事も出来無い程度の睨みだからだ

 

「あれもこれも全てが私の本性ですよ?この様に遊び心満載の駆け引きも出来無ければお嬢様は守れませんから。それではお休みなさいませ」

 

足音を立てずその場から音も立てず去って行く深月に八重樫はため息を吐く

 

「どうやって現代社会であれ程の絶対なる忠誠心を持つ者が現れるって言うのよ・・・恐らく彼女は経験しているのでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人殺し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて!お嬢様は南雲さんと何か進展があったでしょうか♪何時二人がくっ付くのか楽しみで仕方がありません!

 

深月が妄想に耽りながらハジメに宛がわれた一室前に到着、それと同時に扉が開き皐月が出てくる

 

「お嬢様そろそろお時間です。お部屋に戻りましょう」

 

「ふふ、深月はいっつも私の事を思ってくれてるからとても助かっているわ」

 

こうして二日目の夜が終わり、本格的な訓練が開始されるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから二週間が経ちました。南雲さんは自身が戦闘に役立たないと理解したその瞬間にサポートの為の訓練、知識の詰め込みを行っていますね・・・何故私が知っているかですか?お嬢様の益となる情報は新鮮な物程良いからです。お嬢様もお嬢様で一緒に知識の詰め込み、お互いが駆け足で二人三脚をしている光景は微笑ましいですね・・・ここは一つお嬢様方に頼み事でもしてみましょうか?きっとお二人の共同作業で作られる筈ですので更なる効果が期待できそうです!有言実行!速攻です!!早速頼みに行きましょう♪

 

深月は勉強をしている二人に近付き頼み事をする

 

「お嬢様、南雲さん。お勉強も宜しいですが煮詰めすぎるのも効率が悪くなる恐れも御座いますので少し休憩されては如何でしょう?そして図々しくもお願いが御座います」

 

「そうだね・・・偶には休憩を入れないと効率良く学習なんて無理だよね」

 

「それじゃあ少しだけ休もうハジメ君。深月も私達に何かお願い事があるみたいだから」

 

「それで?神楽さんは僕達にお願いがあるって言ってたけど・・・それはどいう事?」

 

「実は折り入ってお願いが御座います。私は暗器を主体で戦うのですがどうしても大きい得物、刀に似た得物が欲しいのですが錬成にて作る事は出来ませんか?」

 

二人は深月のお願いに色々と考え案を出して行く

 

「刀か・・・素材があれば似た形の物が作れるかもしれない」

 

「資料館や博物館で本物の刀を見て触った事があるよ私!形もしっかりと印象強く覚えているから枠組みを作るぐらいなら大丈夫!」

 

「なら僕はネットやテレビで得た知識を元に刀身を作ってみるよ!」

 

創作意欲が降って沸いたのか、あれをこうしたら―――――これをどうしたら等とポンポンと出てくる。オタクのハジメと皐月はこの手の話題が大好きなのだ

 

「それじゃあ僕は鉱石を使えるかどうか聞いてくるよ!」

 

「いえ、お嬢様の事も含めると一人一人では無く三人纏めての方が手早く済みます。幸いにもメルド団長のスケジュールを前もってお聞きしていましたので何処に居るかは把握しております」

 

「それじゃあ三人で行こう!」

 

早速図書館から出てメルド団長がいる場所へと向かっていると丁度仕事が終わったのか対面から本人がやって来た

 

「メルド団長、今大丈夫ですか?」

 

「ん?坊主にお嬢さんとメイドじゃないか?一体どうしたんだ三人で俺に何か用事か?」

 

「私の武器を作って頂く様お願いをしたのです」

 

「それに私達の錬成の練習にもなるからね?」

 

「もしも刃が欠けて使い物にならなくなった場合に素材があれば元通りに直せるかもしれないから練習をしたいという事なんです」

 

感極まったのか、メルドは泣いていた

 

「坊主やお嬢さんの意気込みは心に響いた!任せろ!俺が今すぐ許可を貰ってくるから此処で待ってろ!」

 

走って何処かへと行ったメルド。恐らく重鎮達に許可を貰いに行ったのだろうと容易に推測できる

 

「簡単にお願い出来ちゃったね」

 

「あの方はしっかりとした人ですからやる気に満ちた南雲さんのお顔に思う所があったのでしょう」

 

「そうだね~今のハジメはとっても生き生きしてて自分の様に喜ばしいよ!」

 

「ちょ・・・恥ずかしいよ。と、取り敢えず僕はトイレに行きたくなったからちょっと待っててね。直ぐ戻ってくるから」

 

皐月と深月に一言残しトイレへと急ぐハジメ――――――

二人から少し離れた場所になると横から唐突に衝撃を受けて転んでしまった。其処に居たのは檜山が率いる小悪党四人組でハジメにちょっかいを掛け始めてきた

 

「よぉ、南雲。なにしてんの?そんなに急いで何処行こうってんだよ?無能は無能らしく地ベタに這いつくばってろよ」

 

「ちょっ、檜山言い過ぎ!いくら本当だからってさ~、ギャハハハ」

 

「訓練もせずに毎日図書館に通うとか小学生かよ!マジ笑えるわ~、ヒヒヒ」

 

「なぁ大介。こいつさぁ、なんかもう哀れだから俺らで稽古つけてやんね?」

 

最悪だ――――――とハジメは感じた。ここ最近は皐月達と一緒に居た為に絡まれていなかったがこのタイミングで絡んでくるとは気が緩みすぎていた

 

「あぁ?おいおい信治、お前マジ優し過ぎじゃね?まぁ俺も優しいし?稽古つけてやってもいいけどさぁ~」

 

「おおいいじゃん。俺ら超優しいじゃん!無能のために時間使ってやるとかさ~。南雲~感謝しろよ?」

 

皐月達からは見えないが其処を通るクラスメイト達は見て見ぬふりをする為どうしようも出来無い

 

「僕は今からとても大事な仕事が入っているから、放っておいてくれていいからさ」

 

やんわりと断りを入れるハジメだが

 

「はぁ?俺らがわざわざ無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの?マジ有り得ないんだけど。お前はただ、ありがとうございますって言ってればいいんだよ!」

 

そう言ってハジメの脇腹を蹴り上げる檜山。痛みに顔をしかめながら呻くが振るわれる暴力にだんだんと躊躇いを覚えなくなって来ている。檜山はハジメを人気の無い場所へと連れ込み突き飛ばす

 

「ほら、さっさと立てよ。楽しい訓練の時間だぞ?」

 

「ぐぁ!?」

 

背中を強打

 

「ほら、なに寝てんだよ?焦げるぞ~。ここに焼撃を望む――――火球」

 

火属性魔法による攻撃を転がる事で危機を脱したが

 

「ここに風撃を望む――――風球」

 

続く風魔法は避けれずに腹部へと直撃、吹き飛ばされ胃液を吐き出しながら蹲る

 

「ちょ、マジ弱すぎ。南雲さぁ~、マジやる気あんの?」

 

南雲を容赦なく蹴り続ける檜山、ハジメはずっと続く四人の虐めを耐える耐える耐える――――――痛みによる苦痛を漏らしゲラゲラと笑う四人が更なる追撃をせんとハジメに攻撃しようとした時

 

「ねぇ?ハジメ君に何をしているのかな?」

 

サアーっと青ざめた顔を声がした場所へ向けると其処には笑っているが全く笑みが含まれていない目を浮かべた皐月の姿であった

 

「ねぇ?何してたの?誰がどう見ても虐めをしているとしか見えないよね?」

 

「いや、誤解しないで欲しいんだけど・・・俺達は南雲の特訓に付き合ってただけで」

 

「何やってるの!?」

 

その声と共に駆け付けてくる女の子は檜山達が惚れている白崎だったからだ。そして白崎だけで無く、天之川、坂上、八重樫とオールスターが勢揃いである。檜山達はハジメにしていた行為は特訓だと言い張り弁明をしているが

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではこれを見てもまだそう言い切れますか?」

 

最凶最悪の最終兵器が登場―――――――その声と同時に深月の進路上のクラスメイト達がザッと道を空ける。最早どこぞの覇王と呼んでも過言では無い。深月がその手に持つ物それはス〇ホ、本来であれば充電が切れている筈なのだがソーラータイプの充電器を持っていた為動いているのだ。そしてそれから流される映像と音声にどんどんと顔色を悪くする四人

 

「特訓ねぇ・・・それにしては随分と一方的みたいだけど?」

 

「いや、それは・・・」

 

「言い訳はいい。いくら南雲が戦闘に向かないからって同じクラスの仲間だ。二度とこういうことはするべきじゃない」

 

「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」

 

その間に深月は南雲の手を握り暖かな光が灯る

 

「神楽さん・・・これは一体?」

 

「大丈夫ですよ南雲さん?これは私の技能の一つ気力操作。文字化けで見えなかったと思いますがこれはそれです―――――この気力とは現代で言う所の気功術の一つです。細胞の活性化を促進させ自然治癒能力を向上させる事です」

 

あっという間にハジメの傷は癒え肌のつやも良くなる程回復した

 

「今回は私の気を送る事で直ぐに癒えましたが本来はもっとゆっくりなのですよ?過度な期待は危険ですのでご注意を」

 

「あ、ありがとう神楽さん。本当に助かったよ」

 

「南雲君はいつもあんな事されていたの?それならいっその事・・・私が

 

「いや、そんないつもってわけじゃないから!大丈夫だからホント気にしないで!」

 

「だが、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう?聞けば、訓練の無い時は図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬にあてる。南雲も、もう少し真面目になった方が良い。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」

 

あわあわとするハジメに天之川が水を差し空気が重くなっていく中パンッ!と手が鳴らされそちらを向くと皐月が無機質な表情を持って深月に命令を下す

 

「ねぇ深月?虐めをしている奴らを見ていると思う事が一つだけあるのだけど何か分かる?」

 

「ではご命令をお嬢様。私は躊躇いも無くその命令を実行致します」

 

「虐めをするのならそれ相応の報いが返ってくるのよ?撃って良いのは撃たれる覚悟のある者だけ――――――と言う事でハジメが受けた傷を全てあの四人に与えなさい」

 

「な――――ま、待っ―――――――――――」

 

天之川の声よりも先に鈍い音が鳴り響く。深月が四人の懐へ一瞬で入り込み脇腹へ殴り四人は苦痛により蹲るが手袋に刻み込まれた魔方陣から風属性魔法を放ち上へと撃ち上げ、空中へと飛び上がり四人の背に向けて回し蹴りを叩き込んだ。ドチャッという音を立て地面へと落下し、それを追撃しようとしたが

 

「深月、そこでストップ。これ以上は死ぬかもしれないから終わりよ。そしてそこの塵芥四人、もしもハジメ君に何かしたら殺すからそのつもりでね?――――――――さてと!ハジメ君、一緒に武器を作りに行こう!」

 

ハジメの手を掴み強制的に連れて行く皐月、白崎は無機質な目で睨付けるも鼻で笑われる始末。その後メルドから許可を貰ったハジメ達は失敗に失敗を重ねたが遂に深月の武器、日本刀擬きを完成させた

 

 

そしてメルドから発表された実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へと遠征が決まった

 

 

 

 

 




布団「ゆ、勇者(笑)は大変な事を・・・」
深月「所詮は口先だけの甘ったれど腐れ野郎です」
布団「お、おうソウデスネ・・・」
深月「南雲さんとお嬢様が"二人で"作り上げる武器、とても楽しみです」
皐月「任せて!」
布団「此処は後書きの場所やで?」
深月「それは今更だと言う事です」
布団「か、感想マッテルンダヨ?」
深月「何時までびくびくしているのですか!待っている読者様も居るのですからもっとシャキッとして下さい!」
布団「ひょ、評価もお気軽にどうぞ・・・です?」
深月「チキンハートな作者ですね・・・だからメンタルが豆腐より脆いのですよ」


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頑張って下さいお嬢様!メイドはお二人を応援致します

布団「・・・」
深月「どうかされましたか?」
布団「釣りに行ったけど何も釣れなかったので投稿するの」
深月「その様な時も御座いますよ」
布団「読者の皆よ作者にモチベを分けてくれぇー!!」
深月「では皆様、ごゆるりとどうぞ」




~ハジメside~

 

メルド団長からオルクス大迷宮への実戦訓練を兼ねての遠征が言い渡された僕達は迷宮に近い冒険者達の宿場町の【ホルアド】に到着、何でも王国直営の新兵訓練用の宿屋があるらしく其処に泊まる予定だ

宿屋に到着し室内を見ると王宮と比べると質素な作りのベッドだけど僕にとってはごくごく普通の作りに落ち着く。本来は二人部屋なのだが僕だけ一人部屋でとても気が楽だ。・・・べ、別に寂しく何てないんだから!

今回の訓練では二十階層までの予定だそうで、その辺りまでなら僕でもサポーターとして役立てる範囲内との事だ。メルド団長本当に申し訳無い・・・

 

心の中でメルドに謝罪し、予習を行おうと借りてきた迷宮の魔物図鑑を読もうとしたが辞めた。地球で皐月とゲームを一緒に長々と遊んでいた際、深月から「やり過ぎては明日に響きますよ?」と言う注意を受けていた事を思い出していた。明日は低層とはいえ命の危険のある迷宮、注意力を損なわない様にする為寝る事にしたのだ

しかし、ハジメが寝ようとした時に扉がノックされ、深夜の唐突なる訪問にびっくりした

 

「南雲くん起きてる?白崎です。ちょっと良いかな?」

 

一瞬硬直したハジメだが、女性を待たせるのもいけないので慌てて扉を開けると―――――純白のネグリジェにカーディガンを羽織った白崎が立っていた

 

「・・・なんでやねん」

 

「え?」

 

余りにも想定外で、驚愕な光景につい関西弁で突っ込みをを入れるハジメにキョトンと白崎。ハジメは気を取り直してなるべく白崎を見ない様用件を聞く

 

「えっと、どうしたのかな?何か連絡事項でも?」

 

「ううん。その、少し南雲くんと話したくて・・・やっぱり迷惑だったかな?」

 

「・・・どうぞ」

 

小心者のハジメは断る事が出来ず扉を開いて部屋の中へと招き入れる。何の警戒も無しに部屋へと入って来る白崎にハジメは「警戒心無さすぎだろ!」と密かに思いつつ部屋に置かれているテーブルセットに座らせた

それに続く様にノックされる扉に「今度は誰だ!」と思いながら扉を開くと見知った顔―――――皐月が居たのだ。冷や汗を掻き顔を青くするハジメに気付き笑顔を浮かべながら質問をしていく様子は蛇に睨まれた蛙の様だ

 

「何故顔を青くしてるのかなハジメ君?中に見られたらいけない"者"が居るのかな?」

 

高坂さんは何でそんなに感が鋭いの!?明らかに確信してるじゃないか!どどど、どうやって乗り切れば―――

 

と思考を加速させ最適解を導き出そうとしたが、ここで天然がやらかす

 

「南雲くんどうしたの?誰か来たの?」

 

ピシリと空気が死んだのを確信した。修羅場になると思っていたハジメ、当然白崎の目は無機質な物へと変わったが皐月の方は変わらず自然体だ。ほっ―――と息を吐くハジメに皐月は追い討ちを掛ける

 

「私も部屋に入れてくれるかしらハジメ君?錬成師同士で明日の事と深月について二人で話したいのだけれど・・・あぁ先に天然ビッチとお話しても大丈夫よ?」

 

「だ、誰が天然ビッチなの!?」

 

ヒェエエと心の中であわあわしているが此方にヘイトが向かない様黙りとしている

 

「ハジメ君の―――いえ、男性の部屋にその様な格好で入室する時点でそう思われても不思議ては無いと言う事よ?」

 

自身の格好を再び見直した白崎は沈黙した後、顔が一気に茹で蛸状態となりモジモジとしている。皐月は興味を無くし部屋の外へと出た

気まずい空気を絶ち切る為、ハジメは白崎に尋ねる

 

「えっと・・・白崎さんは僕と何を話したくて此処に?もしかしなくても明日の事についてなのかな?」

 

ハジメの質問に頷き険しい表情で告げる

 

「明日の迷宮だけど・・・南雲くんには町で待っていて欲しいの。教官達やクラスの皆は私が必ず説得するから。だから!お願い!」

 

「えっと・・・確かに僕は足手まといとだは思うし、流石にここまで来て待っているっていうのは認められないと思うんだけど」

 

いきなりの事でハジメは誤解をしたが、白崎は慌てて弁明して深呼吸して自分を落ち着かせてから切り出す

 

「あのね、なんだか凄く嫌な予感がするの。夢を見てて南雲くんが声を掛けても全然気がついてくれなくて・・・走っても全然追いつけず、最後は消えてしまうの・・・・・」

 

「・・・そっか」

 

とても現実味を帯びている夢、しかし夢だからと言って待機が許可される程この世界は甘くない。例え許されたとしても批難の嵐があり、ハジメが居場所を失うのは目に見えているだろう。それ故にハジメの選択肢は行く意外の選択はあり得ない

 

「夢は夢だよ白崎さん。今回はメルド団長率いるベテランの騎士団員も居るし、僕と高坂さん以外クラス全員チートじゃないか。敵が可哀想に見える程だと思うよ?実際僕は弱い所を沢山見せているから、そんな夢を見たんじゃないかな?」

 

「で、でも・・・」

 

中々引こうとしない白崎にハジメはこう付け加える

 

「いざって時には高坂さんの側にいて神楽さんに守ってもらえる様にお願いをするよ」

 

まぁもしも駄目って言われたら高坂さんに泣き付けば何とか行けるかもしれないからね・・・

 

何やら白崎が小声でブツブツと呟いているがハジメには聞こえず

 

「ハジメ君お話はそろそろ終わったかしら?こちらの用事も早く済ませたいのだけれど」

 

丁度良く話を切り上げようとしたハジメに皐月から声が掛かる

 

「あ、うん分かったよ。白崎さんも態々僕を心配してくれてありがとう」

 

「何で其処で神楽さんの名前が出るの?私は治癒専門だし、怪我をしても直ぐに治せるのにどうして南雲くんは神楽さんに頼るの!?」

 

「え、え~っと・・・白崎さん大丈夫?何処か具合でも悪いなら直ぐに休んだら良いと思うよ?」

 

ハッ!?と我に返った白崎は慌てて平静を取り戻し「大丈夫大丈夫!」と返事をする

 

「そっか、それならよかった。白崎さんは治癒師で戦線補助には欠かせない人だから今日はもう部屋に戻って寝た方が良いよ。僕も高坂さんと早めに話を切り上げて明日に備えないとね」

 

「う、うん・・・それじゃあ南雲くんおやすみなさい」

 

「おやすみなさい白崎さん」

 

白崎は扉を開け皐月と入れ違う形で外に出て自分の部屋へと戻る。その背中を無言で見つめる者が居り、その者の表情が醜く歪んでいた事は殆どの者が知らない

皐月が南雲の部屋へと入る。因みにこの時の皐月の服装は普通の服装で、ネグリジェの様な思春期の男子に目の毒の様な物で無く長袖と膝下部分まで隠された服装だ

 

「ハジメ君に提案が有るの。深月の武器を追加で作ろうと思っていてね?ツインダガー系の武器デザインでアイデアが欲しいの。何か良さげな形有る?」

 

ハジメは何故深月にもう一つの武器が必要なのかと問うと

 

「深月はね?器用なのよ。初めて触る武器であろうと問題なく扱える・・・でもそれだと一番の長所である技量を十全に使え無いし本人も暗器系の武器を主に使用しているって言っていたでしょう?実際問題よく素振りしたりするのにそのタイプを使っているのよ」

 

「えっ、それ本当!?」

 

「それに理由はもう一つ有るのよ?迷宮が洞窟タイプだと片手剣や刀みたいに中途半端に長いと取り回しが難しくなるし、短刀系なら事故も無いでしょう?最も深月がそんな失敗するとは思えないけれど」

 

「確かにそうだよね・・・二次創作系に出てくる完璧超人メイドが形を持ったと言っても過言じゃないからね」

 

ハッキリ申しまして神楽さんの仕事内容を聞いた時に休みが無いじゃん!って突っ込んだ事があったな~。しかも答えが全てはお嬢様の為にっていうね・・・忠誠心がとんでもない程高かったのは今でも思っているよ。どうしてそれ程までの忠誠心が有るのか聞いても教えてくれなかったし・・・まあ仕方がないね

それにしてもツインダガーか・・・某デスゲームの黒の剣士のは片手剣二本だから邪魔になりそうだし、某正義の味方の中華剣の方が良さそうだね。技量が高いと言う事は手癖が悪いとも捉える事が出来るし・・・よっし、そうしよう!!

 

「コンセプトは決まったよ。高坂さんは知っているかどうか分からないけど某正義の味方が使っていた中華の夫婦剣にしようと思うんだ」

 

「中華剣・・・直剣と違い刀身が曲がっているから深月の技量なら受け流しも出来るかもしれないからピッタリかも。ハジメ君、一緒に夫婦剣を作ろう!きっと喜んで使ってくれるわ!!」

 

夫婦剣作ったらあの刀擬き使ってくれるのかなぁ・・・

 

「それに深月ならあの刀も必ず使ってくれるわ!」

 

・・・本当に高坂さんは僕の考えた事が分かっているんじゃなかろうかと思うよ。何でピンポイントで思っている事をフォロー出来るか不思議で不思議で堪らないんだけど

 

その疑問を忘れようと集中して夫婦剣のデザインと形を説明、皐月が何処からか持ってきていた鉱石を使用しハジメが錬成。それに続く様皐月も錬成にて整えおおよその形を作り其処から二人で力を合わせて一つ一つを凝縮する様に錬成

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「やったー♪」」( ´∀`)人(´∀` )

 

黒と白の双剣が完成し、二人は息を吐き出しハイタッチをする。あくまでも小さな声で、周りの迷惑にならない程度でだ

 

「いやぁ~見事に綺麗に仕上がって良かったよ!それもこれも高坂さんが居てくれたからだし僕一人だけだと此処までの完成度は出来なかったよ」

 

「それを言うならこっちも。ハジメ君が居なければこの夫婦剣を作る事も出来なかったわ!」

 

互いが誉め、そして謙遜する――――こう言う所だけ似た者同士で微笑ましい

 

「ハジメ君・・・明日はいよいよ大迷宮に入るけどこれだけは約束して。錬成師は一人じゃ無い―――――私も居るから何かをする時は二人一緒だよ?」

 

「うぇい!?ちょっと高坂さんそれはフラグだよ!建てないで!?ホントお願い!!」

 

皐月はしっかりとしていて秀才なのだが、ハジメの前となるとボロボロとメッキが剥がれる。某運命のうっかり娘よりかはマシな部類だろうが、別のベクトルから見ればそれと同等かそれ以上だろう・・・まぁメッキが剥がれると言うよりも本当の素顔と言った方が良いのだろう。ハジメもそれに気付いている為、余りツッコミは入れたりしない

 

「フラグ?―――――――あ・・・・・」

 

「ま、まぁフラグは建てたとしても折る事も出来るから問題無いよ!」

 

「ごめんね・・・・・」

 

ヤメテ!?そのショボンとした姿を神楽さんに見られたら僕何されるか分からないから!?と、取り敢えずフォローして部屋に帰さないと・・・もうそろそろ寝ないと明日に響きそうだよ・・・・・

 

皐月に出来うる限りのフォローを入れ送り届けるハジメ。「おやすみ」と言い来た道を早足で引き返して行き自室にたどり着いたと同時に眠気が一気に襲って来た。そのまま真っ直ぐにベットへダイブ―――――――ものの数秒で眠りへとついた

 

 

 

 

 

~深月side~

 

お嬢様は南雲さんとうまくやっているでしょうか?・・・しかしながら暇ですね。お嬢様から南雲さんの部屋へ近づくなとのご命令もされましたので尚更でし、今し方お部屋の掃除等も全て終わらせましたしどうしましょうか?

あぁ良い事を思いつきました!技能の再確認を行いましょう。これなら時間も潰せますし、派生技能だったでしょうか・・・それも手に入る可能性も有りますしね

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:5

天職:メイド

筋力:500

体力:700

耐性:400

敏捷:650

魔力:800

魔耐:400

技能:生活魔法 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地 硬化 ■■制御 魔力制御 気配感知 魔力感知 節約術 交渉術 戦術顧問(メイド限定) 直感 心眼 極致[+剣裁][+拳闘][+体術] 限界突破 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

当初よりもレベルやステータスは向上している物の技能に至っては何も習得出来ていません・・・

↑ステータス向上は化け物級ですよ!

兎に角努力ですね・・・生活魔法に関してはお掃除です。正直私自身がやった方が早くて良いと思っていたので最初の確認だけしか使っていませんでしたね―――――これが成長し便利だと言って頼ってしまうと・・・こう・・・・・負けた気分になってしまいますし。私の技術が魔法に負けるのは許せないのです!

 

深月は嫌々ながらも生活魔法の清潔を発動、しかしながら床の汚れが少し落ちる程度だった

 

何なんですかこの生活魔法は!最初に確認した時もそうでしたが、汚れを落とすだけだとは何とも言えない使いにくさですね。汚れを落とすだけ・・・いっその事現代の清掃機器が出現し魔力で動かせれば時間も短縮できお嬢様の為にもっと尽くすことが出来るのですが

 

絶対に有り得ない事を思いつつ清潔――――すると床の超細かい埃まで一カ所に固まるかの様に集まる光景に唖然、まるでダ〇ソンの様な強力な吸引力で埃を集めた様だ。余りにも驚愕して深月の思考はストップ・・・直ぐに再起動した後

 

「はい?・・・・・何ですかこれ」

 

今起きた光景を有り得ないと思いつつもう一度清潔―――――先程と同じ様に埃を集める

 

「いやいやいや・・・確かに私は掃除機が使えたら今以上に埃は取れると思っていましたが、えっ?生活魔法とは本来こういう代物なのですか!?」←違います

 

ここで深月は慌ててステータスプレートを確認し

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:5

天職:メイド

筋力:500

体力:700

耐性:400

敏捷:650

魔力:800

魔耐:400

技能:生活魔法[+精密清潔][+想像操作] 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地 硬化 気力制御 魔力制御 気配感知 魔力感知 節約術 交渉術 戦術顧問(メイド限定) 直感 心眼 極致(剣・拳・体術) 限界突破 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「えぇー・・・」

 

最早有り得ないと言わんばかりに頭を痛める深月。恐らく追加された派生技能の精密清潔と想像操作でこの様な現象が起きたのだろうと予測、精密清潔は恐らく超高性能掃除機の吸引力がこれとなったのだろう。最近の掃除機の力は凄まじい物だからね!さて続いて想像操作、これも掃除機の機構を完全に理解していた為の物だろうと予測される

 

掃除機をイメージしてこれ程とは凄まじい・・・洗濯機等も試したいですが流石に無理ですね。もしも脱水まで出来たとしても乾燥出来るかも怪しい。今日はこれまで―――――――と思いましたがこれだけは確認しておきましょうか

 

イメージするは頭皮と髪質――――――シャンプーやリンス、トリートメントによるさらさらの髪という馬鹿げた物。だが侮るなかれ、女性にとって髪は命と言う人も居るので重大案件、異世界にはその様な物は無いのでもしかしたらこの魔法でどうにか出来るのでは?と自身の髪で挑戦して呆気なく成功。これで皐月に褒めて貰えるとルンルン気分で反復練習して気が付いてしまった。深月は生活魔法の虜になってしまったと言う事に!ショックで落ち込む深月曰く

 

「生活魔法の誘惑に勝てませんでした・・・」

 

と真っ白になりかけていた所で皐月が帰って来て深月を励まし制作した夫婦剣をプレゼントして事なきを得た

因みに派生技能で全体清潔・清潔鑑定と言った清潔に関しての技能が増え想像操作は清潔操作へと進化した

 

 

 

 

 

 

 




布団「燃えろ作者の魂!」
深月「お嬢様が居なければ燃え尽きる所でした・・・」
布団「魔法には勝てなかったよ」
深月「お嬢様が第一ですので仕方が無いのです」
布団「時短になるからどうしてもね?」
深月「ファンタジーの力とは凄まじい物でした」
布団「もうそろそろ読者とのお別れですね」
深月「感想や評価はお気軽にどうそ宜しく御願い致します」


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メイドはお嬢様と離ればなれになりました

深月「凄まじい伸びですね」
布団「何故こんなに伸びたんだ?」
深月「まぁ良いではありませんか。お気に入り件数が500を突破しましたよ!」
布団「もうすぐあっちのよりも多くなりそう・・・」
深月「UAもそろそろ20,000突破しそうですね」
布団「お気に入り500件突破記念とか書いた方が良いのかな?」
深月「本編が終わってからIFの物語を書けば宜しいのでは?」
布団「R―18は流石に厳しい・・・作者の文才が無いからね・・・」
深月「そこは読者様のご要望と言う形で良いのではないでしょうか?」
布団「せ、せやな」
深月「長々と喋るのも悪いと思いますので切り上げますね?では皆様、ごゆるりとどうぞ」


~深月side~

 

迷宮の入り口前まで来た私ですが想像していた雰囲気とは違っていました。立派な入場口があり職員の方がチェックをする中々に厳重な物ですね・・・周囲には露店等もある事から迷宮都市と言っても過言では無いでしょう

 

深月は少し目を向ける程度だが皐月は物珍しさにキョロキョロとしている

 

お嬢様は周りが気になるご様子ですね・・・おや?メルド団長様が立ち止まられましたか。恐らく注意点等の再確認を行うつもりでしょうか、ならばこの隙に露店の食べ物を買っておきましょうか

 

メルド団長のあつーいお言葉が言い渡されている最中に深月は気配を周囲に溶け込ませ露店へと行き数分も待たずに買い終え合流、あつーいお言葉は丁度終わった所であった

 

「お嬢様、こちらは先程露店に出されていた串焼きです」

 

「流石深月!ありがとう♪」

 

「メルド団長に見つかったら怒られるんじゃ・・・」

 

「問題有りません。気配を溶け込ませて買いに行きましたのでバレていませんよ?―――――南雲さんの分もありますがどうですか?」

 

「・・・いただきます」

 

深月達は一番の最後列なので前の人が気付く事は無い。後ろにも騎士は居るのだが深月が渡した串焼きを食べた事で口止め料を払った事となっているので問題になったりはしないのだ。迷宮へと入って行く一同、中は真っ暗では無く、緑光石という特殊な鉱物が光る事で松明等の明かりが無くともある程度視認する事が出来ている

 

「よし、光輝達が前に出て他は下がれ!交代で前に出てもらうから準備しておけ!あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいがたいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

しばらく歩いていると隊列が止まりメルドの声が響いた。異世界に来て初めて魔物との戦闘だが、危なげなく纏めて葬り去った

 

「よくやった!次はお前等にもやってもらうから気を緩めるなよ!」

 

着々と進む中ハジメ、皐月、深月の三人は殆ど魔物を倒す事が出来ていない。倒そうにもこちらに到達する前に倒されている為仕方が無いのである。まぁその分錬成によるサポートで魔物の動きを阻害したり止めたりとしている

 

(これじゃあ完全に寄生型プレイヤーだよね・・・はぁ~)

 

錬成の練度が少しずつ上昇していると感じられるのだが欲を言えばもっと上がって欲しいのだ。ハジメと同じ様に皐月もため息を吐きショボンとしている。時々白崎から視線を向けられるハジメ、昨日見た夢の性か普段よりも多く見られている。そしてハジメは朝から不気味な視線をずっと感じており、今も尚感じる・・・周りを見ると霧散しまた見られ、霧散、見られ、霧散と言った感じなのだ。そうこうしている内に二十階層へとたどり着いた

 

「擬態しているから周りをよ~く注意しておけ!」

 

すると前方の壁が突如変化したそれは擬態能力を持ったゴリラの魔物であった

 

「あれはロックマウントだ!あの腕は豪腕だから注意しろ!」

 

注意と同時にロックマウントは巨大な咆哮を上げ全体を硬直させる

 

「ぐっ!?」

 

「うわっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

その隙を見て傍らにあった岩を砲丸投げの様に後衛組へと投げつけた。迎撃をしようと魔法を発動しようとすると岩が変化、それもロックマウントだったのだ。ロックマウントがロックマウントを投げつけてきたと言う事、しかもその姿が某大泥棒ダイブと笑顔というのも合わさり「ヒィ!」とと思わず悲鳴を上げて魔法の発動を中断する後衛組

「いっただっきま~す」と聞こえそうな勢いで飛んでくるロックマウントと後衛組の間に割り込む一人、メイドの深月である

 

「この汚物が。お嬢様のお目が汚れるので即刻消え去りなさい」

 

後衛組から深月の胸へと標的を変えて飛んでくるロックマウントと交差、深月は無傷で服にも触れる事も許さず首を刀擬きで切断。クルクルと飛んで落ちて来るそれを更にに切断し、細切れと化した

余りにも早い抜刀にて切った刃には血糊はほとんど付着していない。それでも汚いと思ったのかポケットから布を取り出し全体を拭き納刀、桁が違うその攻撃速度は凄まじい光景だった。そして後衛組の綺麗所たちが襲われそうになった様子を見てキレる若者、ご都合思想大好き勇者天之河である

 

「貴様・・・よくも香織達を・・・許さない!」

 

怒りを露わにした天之川に呼応する様に聖剣も輝き

 

「万翔羽ばたき、天へと至れ――――"天翔閃"!」

 

「あっ、こら!馬鹿者!!」

 

メルドの声を無視して大上段に振りかぶった聖剣を一気に振り下ろした瞬間、強烈な光を纏っていた聖剣から斬撃が放たれた。それはロックマウント両断し奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった。破壊し尽くした後「ふぅ~」と息を吐きイケメンスマイルで白崎達へ振り返った天之川にメルドは笑顔で拳骨を入れる

 

「へぶぅ!?」

 

「この馬鹿者が!気持ちは分かるがこんな狭い所でここが崩落でもしたらどうするつもりだ!」

 

「うっ」とバツが悪そうに謝罪する天之川、それをフォローするように慰めを入れるお馴染み組

 

あぁ汚い。切るのでは無く蹴り飛ばすべきでしたね。しかもあのど腐れ野郎は向こう見ずですね。近くに居たら何かしらありそうで怖くて堪りません。しかし迷宮とは不思議です・・・少しだけ調べてみましょう

 

「お嬢様、私はこの迷宮の壁を調べてみたいので少しだけ離れます」

 

「目に見える場所には居るよね?」

 

「勿論です。少し後ろの壁で見張りを兼ねた調べ物ですから」

 

「はいは~い了解。大丈夫だと思うけど気を付けてね?」

 

深月メルドに一言入れ隊列から少し離れ後方の迷宮の壁を観察する

 

見れば見る程不思議ですね・・・どうして光っているのでしょうか?恐らく壁に含まれる何らかの物質の性質による物だと思いますが現時点では不明ですね。それに多少持ち帰っても怒られないでしょうし色々と実験してみるのも有りですね。あそこに転がっている石が丁度良さげなので持って帰りましょうか

 

側にあった石を拾おうとしゃがみ―――――――

 

「団長!トラップです!」

 

「「ッ!?」」

 

突如として光る部屋、そして部屋の外に出ていた深月。もうお分かりだろう・・・深月を残して他の全員は姿を消してしまったのだ

 

「お、お嬢様・・・・・」

 

自身の主も転移のトラップに巻き込まれたと判断した深月は直ぐ様行動、異変があった部屋の中へと入り見渡すと鉱石が上の方から覗いていた。これに仕込まれたトラップに巻き込まれたと判断し、その鉱石へと触るが何も起こらず思わず舌打ちを鳴らす深月

 

「冷静になりなさい深月・・・お嬢様が読んでいた小説の展開としては下層へと飛ばされたりした筈・・・それならトラップという仮説も成り立ちますね」

 

覚悟を決めた深月は全速力で走り集中力を極限にまで高め下層へと降りて行く。道中に出てくる魔物は刀擬きで首を切り落とし放置、先へ先へと急ぐ深月、運命の分岐まであと少し

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:7

天職:メイド

筋力:530

体力:750

耐性:440

敏捷:700

魔力:850

魔耐:440

技能:技能:生活魔法[+精密清潔][+清潔操作][+全体清潔][+清潔鑑定] 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地 硬化 気力制御 魔力制御 気配感知 魔力感知 家事 節約 交渉 戦術顧問(メイド限定) 直感 心眼 極致[+剣裁][+拳闘][+体術] 限界突破 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

~皐月side~

 

光が収まると私達は全員十メートル程の幅がありそうな橋の上に居た・・・だけど緑石や手すりもないこの場所は不味い・・・下は真っ暗闇の奈落、端の両奧に見えるは階段。奧は下層へ後ろは上層へと繋がっている事が直ぐに理解出来た

 

「お前達、直ぐに立ち上がってあの階段の場所まで行け!」

 

しかし後ろには大量の魔物が出現し行く手を阻んでおり撤退は叶わず、そして通路側からは大きな魔物が出現しメルドは呻く様に呟いた

 

「まさか・・・ベヒモスなのか・・・・・」

 

そして放たれる大きな咆哮を合図にメルドは正気を取り戻し矢継ぎ早に指示をだしてゆく

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

「アラン!生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ!カイル、イヴァン、ベイル!全力で障壁を張れ!ヤツを食い止めるぞ!光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さいメルドさん!俺達もやります!あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう!」

 

「馬鹿野郎!あれが本当にベヒモスなら今のお前達では無理だ!ヤツは六十五階層の魔物―――かつて、"最強"と言わしめた冒険者が束になっても歯が立たなかった化け物だ!私はお前達を死なせるわけにはいかない!さっさと行け!」

 

メルドの指示に従わない天之川、どうにか撤退させようと再度メルドが光輝に話そうとした瞬間、ベヒモスが咆哮を上げながら突進して来た

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず―――――"聖絶"!!」」」

 

強力な守りの障壁がベヒモスの突進を防ぐが衝撃は凄まじく石橋が揺れる程の強烈な代物だ。そして道を塞ぐ様に出現している魔物、トラウムソルジャーは今までの魔物よりも一線を画す戦闘能力を持っており生徒達はパニック、騎士団員のアランが落ち着かせようとするも誰の耳にも届いていない

生徒の一人、園部が後ろから突き飛ばされ転倒し呻きを上げ真正面へと視線を移す。そこにはトラウムソルジャーが剣を振りかざしており

 

(あ・・・私死んだ)

 

頭部へと振り下ろされるそれにどうする事も出来ずに直撃する瞬間、地面が隆起し剣はずれて地面を叩きつける

 

「え・・・あ・・・」

 

呆気に取られる中地面の隆起は止まらず、滑り台の様に変化し奈落へと落ちて行く

 

「早く前へ!冷静になればあんな骨どうってことないよ。うちのクラスは僕を除いて全員チートなんだから!」

 

「ハジメ君!反対側もそれなりに落としたわ!」

 

「あ、ありがとう!」

 

その一言を残し園部は駆け出して行く。ハジメと皐月は魔力回復薬を飲みながら次々と錬成、トラウムソルジャーの足下を崩し、固定し、出っ張らせたり等の動きを阻害する様に立ち回り状況を冷静に分析して行く

 

「なんとかしないと・・・必要なのは・・・強力なリーダーで高火力の人・・・」

 

「正直言って頼りたくは無いけどどうする事も出来無いとなると一人しか居ないわよね」

 

「だね・・・天之川君!」

 

ハジメと皐月は天之川達が居る前線へと走り出す。一方の前線はと言うと――――ベヒモスの猛攻は続いており、障壁には幾つものヒビが入っている状態だった

 

「ええいくそ!もうもたんぞ!光輝、早く撤退しろ!お前達も早く行け!」

 

「嫌です!メルドさん達を置いて行くわけにはいきません!絶対、皆で生き残るんです!」

 

「くっ、こんな時に我儘を言うな!」

 

メルドは苦虫を噛み潰したような表情になりながらも刻々と悪くなって行くこの状況をどうにかするべく思考を続けるがどれも無理だった。全てはベテランの騎士や冒険者達でないと対処出来無い物だったのだ

 

「光輝!団長さんの言う通りにして撤退しましょう!」

 

八重樫は状況判断がしっかりと出来ているのだ天之川を諌めようと腕を掴み後退させようとしているが

 

「へっ、光輝の無茶は今に始まった事じゃねぇだろ?付き合うぜ光輝!」

 

「龍太郎・・・ありがとな」

 

「状況に酔ってんじゃないわよ!この馬鹿共!」

 

「雫ちゃん・・・」

 

脳筋馬鹿の言葉に更にやる気を見せる天之川に舌打ち。そんなやり取りをしていると後ろから

 

「天之河くん!」

 

ハジメと皐月が到着

 

「なっ、南雲!?それに皐月!?」

 

「どうして二人が此処に!?」

 

「早く撤退を!皆の所に君がいないと誰が引っ張っていくんだ!」

 

「いきなりなんだ?それより、なんでこんな所にいるんだ!此処は君がいていい場所じゃないし俺達に任せて南雲や皐月は非戦闘職だろ!?」

 

「貴方がメルド団長の指示に従わずに後方へ来ないから皆がパニックになっているんでしょ!」

 

「一撃で切り抜け皆の恐怖を吹き飛ばす力が必要なんだ!それが出来るのはリーダーの天之河くんだけでしょ!前ばかり見てないで後ろもちゃんと見て!」

 

「ああ、わかった。直ぐに行く!メルド団長!すいませ――」

 

「下がれぇー!」

 

遂に障壁が砕け散り突破を許してしまう

 

「くそっ!神意よ!全ての邪悪を滅ぼし光をもたらしたまえ!神の息吹よ!全ての暗雲を吹き払い、この世を聖浄で満たしたまえ!神の慈悲よ!この一撃を以て全ての罪科を許したまえ!――――"神威"!」

 

土煙が立ち込めるがお構いなしに聖剣の極光を走らせ光が辺りを満たし白く塗り潰し、激震する橋に大きく亀裂が入っていく。しかしベヒモスの体は無傷、天之川達に追撃をせんと角に魔力を溜めようとした瞬間足下の地面が陥没し下半身が地面へと埋まる

 

「坊主にお嬢さん・・・・・やれるんだな?」

 

「「やります・・・絶対に保たせてみせます」」

 

「そうか・・・後で助ける。だからその間は頼んだぞ!」

 

「「はい!」」

 

メルドはハジメと皐月にベヒモスを任せ全員を後方へと連れ下がる

 

「待って下さい二人がまだっ!」

 

「坊主達の作戦だ!ソルジャーどもを突破して安全地帯を作ったら魔法で一斉攻撃を開始する!もちろん坊主達がある程度離脱してからだ!魔法で足止めしている間に帰還したら上階に撤退だ!」

 

「なら私も残ります!」

 

「ダメだ!撤退しながら、香織には光輝を治癒してもらわにゃならん!」

 

「でも!」

 

食い下がる白崎にメルドは一喝

 

「あいつらの思いを無駄にする気か!」

 

「ッ!?」

 

後方へと下がる前衛組、ハジメと皐月は蟻地獄の様にベヒモスを下へ下へと沈み込ませる様に錬成。ベヒモスも上へ上へと登る様に足掻いているので一向に沈まず浮かずの状態を保っている。錬成し続けるハジメは内心で一人ではここまで上手く出来なかっただろうと思っていた。隣をチラリと見れば自分よりも低いステータスの皐月が苦しそうな顔をしつつも手伝ってくれており、「自分も頑張らなくては」と限界以上の力を発揮出来ているのだった

 

「ハジメ君苦しくない?」

 

「大丈夫!僕よりもステータスの低い高坂さんも頑張っているんだから僕はもっと頑張らないと神楽さんに怒られちゃうよ!」

 

やっぱりハジメ君は凄い・・・私は一杯一杯なのにステータス以上の力を行使しているようにも見えちゃうよ

 

皐月は後方はどうなっているだろうと気になり始めていると閃光が光ったり激音が響いたりする回数が減っており、ようやく退路の確保が出来た辺りだった

 

「皆、待って!南雲くんと高坂さんを助けなきゃ!二人であの怪物を抑えてるの!」

 

「何だよあれ、何してんだ?」

 

「下半身が埋もれてる?」

 

「そうだ!坊主とお嬢さんがあの化け物を抑えているから撤退出来たんだ!前衛組!ソルジャー共を寄せ付けるな!後衛組は遠距離魔法準備!もうすぐ二人の魔力が尽きる。アイツが離脱したら一斉攻撃で、あの化け物を足止めしろ!」

 

直ぐに逃げたいとする生徒達に激を入れ準備をさせる中、檜山は昨日の光景を見て嫉妬から憎悪の感情を溢れさせていた。檜山は白崎に好意を抱いており昨日の・・・ネグリジェ姿でハジメの部屋へと入って行く姿を見ていたのだ。その時の事を思い出した檜山はベヒモスを抑えるハジメを見て、今も祈るようにハジメを案じる白崎を視界に捉えほの暗い笑みを浮かべた

その頃ハジメはタイミングを見計らっていた。隣に居る皐月の具合は目に見えて分かる程疲れており顔色も悪くなっている状態だ。「早くしてくれ」と内心で焦りつつもベヒモスを逃がさない様錬成を続けていた時、ピシッと石橋に数十の亀裂が入った。それを見て全力の錬成、陥没した足下にベヒモスは一瞬行動が出来無くなりハジメは隣の皐月を背負い全力で走り出す

 

「今だ!後衛組魔法を放てえー!」

 

あらゆる属性魔法がベヒモスへと殺到、次々と着弾しベヒモスの足止めをしており一瞬気が緩んだハジメ。だが放たれる魔法の一つ、火球がクイッと軌道を曲げハジメへと誘導されたのだ

 

(なんで!?)

 

途中で止まろうとして直撃を避ける事に成功をしたが、着弾の衝撃波をモロに浴び来た道を引き返すように吹き飛んだハジメ。無論背負っていた皐月も同様でベヒモスの近くまで吹き飛んだ。三半規管が揺れ上手く立ち上がれないでいるハジメだが、皐月は吹き飛んだ衝撃なのか何処かにぶつかった為に気絶しておりピクリとも動かない。体に鞭を打ち皐月の側まで近付き腕を肩へと回しその場を離れようとするが亀裂の入った石橋が崩れ始めた

 

「グウァアアア!?」

 

ベヒモスも爪を使い必死に足掻くが崩落に巻き込まれ奈落へと消えて行きハジメ達の足下も崩れ底なしの闇へと落ちて行く

 

(もう・・・駄目だ・・・・・)

 

落ちて行く中ハジメは皐月を一人にさせない様、抱き寄せ小さくなっていく光をずっと見続けた

 

 

 

 

 




布団「メイドさんは今回不注意ですね」
深月「お嬢様ああああああああ!」
布団「ではこれからも頑張って書いて行くぞ!」
深月「・・・感想や評価も宜しくお願い致します」


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お嬢様が居ない・・・ならばメイドも追うまでです!

布団「あれれ~おかしいぞぉ?たったの三日でお気に入り件数伸びすぎていませんか?」
深月「まぁ良いではありませんか。その分皆様がお待ちしているの筈ですよ」
布団「ゲームするよりも、小説書くのが有意義・・・なのかな?」
深月「では頑張って執筆なさって下さい。文字数も見やすい程度でお願いしますね?」
布団「おまりにも長いと疲れちゃうの」
深月「投稿間隔も長くなってしまいますからね」
布団「取り敢えず出している小説は完結させる!」
深月「逃亡しないで下さいね?」
布団「出来れば一週間に一話か二話のペースで頑張る」
深月「作者さんには並列しながら頑張って貰いましょう。そして読者の皆様方、誤字報告とても感謝しております。それでは皆様、ごゆるりとどうぞ」


~深月side~

 

お嬢様達が罠に掛かり、何処かへと転移されてしまいました。私は先へ先へと急ぎ下の階層へと降りて行きます。どうして道行きが分かるですか?騎士団の方達から、マッピングされた地図を複写させて頂き手持ちに持っているからですよ。備えあれば憂い無しとは正にこの事ですね・・・最短距離で行けますから時間のロスも少ないですしね?「罠とか有るだろ!」と言いたげな画面前の貴方達に言いましょう。この程度の罠なぞメイドには通用しません!実戦訓練の地獄に比べれば全てが生ぬるいです!全て目で見て反応出来ますので問題無いのです!←それはあんただけだ!!

走って走って、一気に四十階層まで来れたのは良かったのですが、これから先のマッピングは無し。頼れるのは己の経験のみ。焦りもありますが、一度ここで深呼吸をして集中力を更に高めましょう。風の通り道を見つけ、反響する音を頼りに下層へと降りて行き、もうそろそろ五十五階層。少しづつではありますが極小さな音――――――悲鳴と轟音が聞こえてきましたね。お嬢様の所まで後少しですね!

 

深月は更に走る足に力を込め速度を上げ下層へと降りて行く。とうとう六十五階層へと到達。その光景は白崎を羽交い締めしている天之川と八重樫、目や口を手で覆うクラスメイト、メルド達騎士団の面々も悔しそうな表情を浮かべている物だった

深月は直ぐに周囲に皐月が居ないかを確認するが、居ないという最悪の状況だった。この面々の中で居ないのはハジメと皐月の二名、そしてこの暗い雰囲気、更には崩壊した石橋――――答えを導き出すには簡単すぎていた

 

「離して!南雲くんの所に行かないと!約束したのに!私がぁ、私が守るって!離してぇ!」

 

「香織っ、ダメよ!香織!」

 

「香織!君まで死ぬ気か!南雲はもう無理だ!落ち着くんだ!このままじゃ体が壊れてしまう!」

 

あのど腐れ野郎は他人の気持ちを理解しようともしませんね。・・・白崎さんについてもどうでもいいですね。私の大切な者はお嬢様だけですし・・・まぁ、南雲さんも大切ですよ?お嬢様の大切なご友人(今現在は)ですので。しかしあのど腐れ野郎は言葉をもっと選ぶべきですね。それでは余計に悪化するというのに・・・皆さん私が気配を消しているから気付かないのでしょうがこれは酷すぎますね

 

「無理って何!?南雲くんは死んでない!きっと助けを求めてる!」

 

案の定これだ―――――天之川の白崎を気遣っての言葉は一番言ってはいけない物だった

すると、メルド団長がツカツカと歩み寄り問答無用で白崎に手刀を落とした。一瞬痙攣し、そのまま意識を落としぐったりとする体を抱きかかえ天之川がメルドを睨むも八重樫に制される

 

「すいません。ありがとうございます」

 

「礼など止めてくれ。もう一人も死なせるわけにはいかない。全力で迷宮を離脱する間は彼女を頼む」

 

「言われるまでもなく」

 

「私達が止められないから団長が止めてくれたのよ。分かるでしょ?今は時間がないの。香織の叫びが皆の心にもダメージを与えてしまう前に、何より香織が壊れる前に止める必要があった。・・・ほら、あんたが道を切り開くのよ。全員が脱出するまで。・・・南雲君も言っていたでしょう?」

 

「そうだな、早く出よう」

 

目の前でクラスメイトが二人死にクラスメイト達の精神は多大なダメージが刻まれ誰もが茫然自失といった表情で石橋のあった方をボーと眺めて中には「もう嫌だ!」と言って座り込んでしまう者も居た。天之川はカリスマ性を発揮させ声を張り上げる

 

「皆!今は、生き残ることだけ考えるんだ!撤退するぞ!」

 

ノロノロと動き出すクラスメイトの中に一人だけ悪どい笑みを浮かべている者を深月は見逃さなかった。気配遮断をしたまま近付き首根っこを捕まえた

 

「グエッ!?」

 

『!?』

 

皆が振り向いた先には、冷徹なる目で見下ろすメイドの深月がいた

 

「な!?みづぅおばぁ!?」

 

案の定、深月の事を名前で呼ぼうとした天之川は殴られる

 

「て、転移に巻き込まれなかった筈じゃ!?」

 

「えぇ巻き込まれませんでしたよ?お嬢様を追って最短距離を走って来たまでです。周囲の状況から察するに大体は理解出来ましたが、どうしてお嬢様が居ないのでしょうか?貴方達はこんな骨如きに手を焼いていたと?」

 

この場に居なかった者の身勝手な物言いにクラス一同が怒り出す

 

「手を焼いていただと?巫山戯るな!俺達は精一杯やったんだ!」

 

「神楽さんは、この場所に居なかったから私達の気持ちなんて何も分からないのよ!」

 

「そうだそうだ!一人だけ安全な所にいやがって!」

 

「何様のつもりよ!」

 

ギャーギャーと喚くクラスメイト達を黙らせるかの如くナイフを投擲。ガンッと地面にヒビが入る程の威力に全員が押し黙った

 

「あれはこの骨達が転移で出ている魔方陣だったので先に潰しました。さて、何があったのかちゃんと説明して下さいね?」

 

笑ってはいるものの怒気を発している深月に皆恐れた。そんな中でもご都合解釈勇者は口を開く

 

「それよりもまず檜山を離すんだ!何故彼を掴んでいるんだ!」

 

クラスメイトや騎士団全員がそれを思っていた

 

「何故?まぁ説明をする前にある程度の状況予想ですね。恐らく貴方達は、転移した後何かと戦っていたのでしょう。ですがそれはどうでも良い事です。私が一番聞きたかった事は、何故この塵芥は笑っているのかですよ?普通は絶望なり恐怖の表情が見える筈なのですが余りにも違う・・・恐らく南雲さんが死んで万々歳と喜んでいるのでしょう?」

 

「ち、違う!俺じゃねえ!」

 

「俺じゃ無い?それは何かしら事故があって、それを引き起こした者が使う言葉ですよ?」

 

どんどんと顔を青ざめさせて行く檜山、それを敬遠するように見つめるクラスメイト達

 

「そんな事を言うんじゃ無い!あれは事故だ!確かに魔法が南雲に当たったからとしても、わざとやったというのは有り得ない!」

 

深月は天之川の言い分にため息、ヤレヤレと頭に手を当てて呆れ果てていた

 

「・・・分かりました。えぇもう結構です――――――あなた方とはこれ以上付き合う気も失せました。フレンドリーファイアをする者達と一緒に居るのも嫌ですので、丁度良いですね」

 

「丁度良い・・・だって?」

 

「何をするつもり?」

 

「・・・まさか!?」

 

クラスメイト達は全くもって理解していない中、メルドや騎士団の者達は理解した。この後の深月が取る行動を

 

「お嬢様と南雲さんを追わせて頂きます。最短距離で―――――ですがね?」

 

崩れた石橋へと躊躇無く進んで行く深月、この行動で周囲も何をするか理解出来たのだろう。全員が制止の声を上げるが無視―――――そして

 

「では皆さんお達者で。それと塵芥の処分は任せますよ?もし何もしなかったのであれば、周囲が止めようと私自ら殺して差し上げますので」

 

最後の宣告を告げ、躊躇いなくその身を奈落へと投げ出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

肌に刺さるほのかな暖かさに目を覚ますハジメ

 

「うっ・・・痛っ~、此処は・・・僕は確か・・・」

 

「ハジメ君!良かった・・・良かったよ~!」

 

濡れているにも関わらず目を覚ましたハジメに抱きつく皐月

 

「ちょっ!高坂さムグッ!?」

 

ふらつく頭だが、柔らかな物によって包み込まれ混乱するハジメ

 

「目を覚まさないから心配で心配で!」

 

「わ、分かったから一旦離れて!?」

 

皐月を一旦離して、自身に何があったのかを思い出すハジメ

 

「・・・そっか。僕達は橋が崩れて・・・落ちたんだ」

 

だんだんと頭が回り始め理解する。ハジメと皐月が助かったのは幸運の賜物だ

 

「よく思い出せないけど、とにかく、助かったんだな・・・ハックシュン!さ、寒い・・・」

 

「ちょっとまってて。魔力も大分回復してきたから暖を作るから―――――求めるは火、其れは力にして光、顕現せよ、"火種"」

 

魔方陣を描き詠唱、皐月の拳大の炎で二人は暖を取りこれからの事について話し合う

 

「どうしようか・・・」

 

「どうするって言っても上に登るしか無いと思う・・・」

 

「かなり落ちたけど・・・帰れるのかな・・・」

 

二人の胸の中に不安が募り心が折れそうになるのをグッと我慢、何よりも違うのは一人では無く二人だと言う事だろう

 

「やるしかない。どうにかして地上に戻ろう。大丈夫、きっと大丈夫だ」

 

「そう・・・だよね。うん!頑張ろうハジメ君!」

 

数十分程経てば服も乾き二人は出発する事にした

長い時間歩いていると、巨大な四辻の分かれ道に辿り付いた二人。岩陰に身を潜め何処へ行こうかと考え、奥の方で何かが動いたと気づきそっと息を潜める。そこから様子を伺うと白い毛玉がピョンピョンと跳ねている。見た目はまんま兎なのだが中型犬に匹敵する大きさ、活後ろ足が異様に発達した姿。そして何よりも目に付いたのは赤黒い線がまるで血管のように体を走り、ドクンドクンと脈動していたのだ。明らかにヤバそうな魔物なので二人はジェスチャーで兎に見つかりにくい通路へと入ろうとタイミングを見計らっているとスッと背を伸ばし耳を忙しなく動かし周囲を警戒し始めた

ギクリと動きを止め様子を更に伺っていると、白い毛並みの狼のような魔物がウサギ目掛けて岩陰から飛び出したのだ。ハジメも皐月も兎が狼の魔物に食われると思っていたが予想の斜め上を行く物だった。兎は空中へとジャンプ、そしてそこから繰り出される蹴りにて狼の首をへし折り、そのまま頭を粉砕、そして極め付けは空中を踏みしめて勢いを付けての蹴りにて倒した

 

(・・・嘘だと言ってよママン)

 

(あんなの兎じゃない!伝説の超兎でしょ!?)

 

二人して一旦下がろうとした瞬間

 

カラン

 

ハジメが小石を蹴ってしまったのだ。そして兎と目が合い見つめ合っていると皐月がハジメの左手を掴み一気に駆け出す

 

「走ってハジメ君!」

 

そして爆音、先程までハジメが立っていた場所に兎の蹴りが直撃していたのだ。衝撃は凄まじく、爆発があったかの様な代物で小石などが飛んで来たがそんなのはお構いなしに追撃が来る。とっさにハジメは錬成にて壁を作り防御、しかし壁を突き破りその足は皐月の右腕に直撃

 

「―――ッ!?」

 

声にならない悲鳴を上げてハジメ諸共に吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。ゆっくりと近づいてくる兎にずり下がる事で距離を取る事しか出来ず、片足を大きく振りかぶった兎

 

(・・・ここで、終わりなのかな・・・)

 

(ごめん深月。私死んだ―――――――)

 

だが何時まで経ってもその衝撃は来ない。恐る恐る目を開き兎を見ると震えていたのだ

 

(な、何?何を震えて・・・これじゃまるで怯えているみたいな・・・)

 

(震えて?ッ!兎以上の捕食者が此処に居るって事!?)

 

それはハジメ達が逃げようとしていた右の通路から出て来た白い毛皮を纏い長い爪を持つ魔物だった。その爪熊がいつの間にか接近しており、蹴りウサギとハジメを睥睨していたと言う事だ。

 

「・・・グルルル」

 

突然爪熊が唸りだす事で自体は急変。兎は脱兎の如く逃げ出したが、それよりも素早い動きにて爪を一閃ずるりと体がずれ絶命した。ハジメと皐月も逃げようと立ち上がり走るが、風が唸る音がして衝撃――――二人は吹き飛ばされ違和感を覚える。先程までしっかりと繋いでいた手の感覚が無かった――――そして爪熊が咀嚼している物体。それは二人の腕、理解したと同時に押し寄せる痛み

 

「「あ、あ、あがぁぁぁあああーーー!!!」」

 

絶叫する二人。ハジメは左肘から先を皐月は右肩から先をと手を繋いでいた所をまとめてやられたのだ。原因は何か――――それは爪熊の固有魔法、あの三本の爪は風の刃を纏っており最大三十センチ先まで伸長して対象を切断できるのだ

ハジメは痛みに動けずその場で蹲っているが皐月は痛みを堪えながら後ろ側の壁に錬成を行使

 

「れ"ん"せ"い"!」

 

人が屈んで入れる大きさを作り出した後、左手でハジメの右手をひっ掴み奧へ奧へと錬成を行使する。しかし回数は少なく途中で意識を失い動けるのはハジメだけとなった。爪熊は獲物が逃げた穴を削り外へと出そうと壁を削る

 

「う、うわあああああああああああ!」

 

ハジメは恐怖しながらも口で皐月の首元の服を噛みしめ奧へ、奧へと錬成をして行く

 

「ふ"ぇんせぇ!ふ"ぇんせぇ!ふ"ぇんせぇ!ふ"ぇんせぇ!」

 

力が続く限り前へ前へと進み遂に壁が変化し無くなった―――――――魔力が尽きたのだ。そこからは意識が朦朧とし真っ暗闇へと落ちて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

~深月side~

 

「最短ルートとはいえ選択を早まったかもしれませんね・・・」

 

深月はハジメ達よりも上層で川から上がり濡れた服を乾かし考えていた。流れる川は、この先も続いており下へと落ちて行き滝の様で、更に下へと流れ続いていた

 

お嬢様と南雲さんは何処まで流されたのでしょうか・・・此処は落下地点の場所に近いですが、最悪の場合は下へと落ちているという事でしょう。しかし確証も無いまま下へと降りてしまうと駄目ですからね

 

思考に耽っている深月の後ろから轟音、岩を押しのける様に出て来たそれはベヒモスだった。落下してから瓦礫が上に積もり自由が出来なかったのだ。しかしその瓦礫全てを除けた事により動ける様になった。周りを見渡し目に付いた深月に八つ当たりをしようと殺気を込めた目を向けてしまった

 

「迷宮の魔物というのは此処まで勘が鈍い物なのでしょうか?能ある鷹は爪を隠す。それは生き物であれば当然の事だと思っていたのですがそれすら理解出来無いとは嘆かわしいですね・・・」

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

咆哮と同時に突進、そして腕を振り上げて叩きつけた。ベヒモスは、反応もせず唯見ている事しか出来ないでいた人間を潰したとお―――――

 

「潰したとお思いですか?そしてさようならです」

 

振り下ろした手の上に潰したと思っていた人間が傷付く事無く立っていたのだ。驚愕し一瞬固まったと同時に視界が180度反転、回る景色の最後に見た物は自身の首から上が無い体だった

神速の一閃により首が跳ね飛ばされたベヒモスはぐらりと傾き倒れ、深月は血糊が付いていないか確認するとほんの少しだけ付いており、尚且つ刃が少しだけ欠けていたのだ

 

「最低ですね私は・・・お嬢様達が丹精込めて作って頂いたこの刃を欠けさせるとはまだまだ未熟です」

 

普通は刀その物が折れても不思議では無いと突っ込みたいが、それは深月だから仕方が無いとしておこう。血糊を川の水で落とし一閃、それだけでほぼ全ての水気は飛び僅かに湿っている程度―――――血糊が付いたままよりも遙かにマシな部類だ

 

「兎に角、この階層の全てを調べて下へと降りていきましょう!長い道のりですが頑張るのです私!お嬢様なら機転を活かして生き残っている筈です!いえ絶対そうです!!」

 

近くの洞窟の道へと入っていく深月、襲う魔物は全て切り捨て一つ一つの道を調べて何も無ければ下層へ―――――と無限に続く様なそれを皐月が見つかるまで辿って行く。しかし深月も生きている人間である。飲み水は川の水からと大丈夫ではあるが、食べ物は無く日に日に増して行く飢餓感が襲い来る中それを我慢し探索を続けていきとうとう出会った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメと皐月の腕を奪い去った爪熊に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして見たくなくても目に入るそれ――――――――下層へと続く広間のその足下にある布切れ。それは皐月の服の一部で、極限状態の深月の冷静さを崩壊させるには十分過ぎる物だった

 

 

 

 

 

 

 

「きっ―――――――――貴様あああああああああああ!!」

 

目に殺意を孕ませた深月は、爪熊へと襲い掛かった

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「死の宣告をしましたね・・・」
深月「勿論です」
布団「どうなるのかねぇ~」
深月「私個人としては、殺りたいのですが」
布団「あの場で殺らなかったのは?」
深月「今は未だ情報が不足していますから。あの場で殺って異端認定されてしまえば後々の行動に響くかと」
布団「成る程!」
深月「そろそろ後書きからもお別れですね」
布団「頑張って書いて行くんだよ!そして沢山上がる誤字報告は、とても有り難いです」
深月「感想、評価。どうぞ宜しくお願い致します」


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お嬢様と南雲さんの回ですメイドは出ません。空気を読みますので

布団「これから忙しくなるので投稿をしておきます」
深月「この話では私は登場致しません。悪しからず」
布団「投稿間隔が少し長くなるのは申し訳ないです・・・」
深月「・・・ゲームではありませんよね?」
布団「仕事だからね?忙しくなると言われちゃったよ!」
深月「毎日少しずつ書いていけば何とかなりますよ」
布団「そして誤字報告有り難う御座います。とても助かります」
深月「では読者の皆様方寒さに気を付けて、ごゆるりとどうぞ」




~ハジメside~

 

ハジメの頬に定期的に当たる水が頬を通り口の中へと入って行く感触に意識が徐々にではあるが回復、その事を不思議に思いつつゆっくりと目を開く

 

(生きてる?・・・助かったの?)

 

疑問に思いつつ上体を起こそうとするとガンッと天井に頭をぶつけ、自身に何が起きたのかどうなったのかを少しづつ鮮明に思い出して来た。奈落へ落ち兎の攻撃に吹き飛ばされ爪熊に出会い、そして攻撃をされた・・・そして腕を食われた事を

そして理解したと同時に襲い来る幻肢痛に腕を押さえて有る事実に気が付く。切断された箇所は肉が盛り上がり傷を防いでいたのだ。しばし呆然としているとある事実に気が付いた

 

「そ、そうだ高坂さん!高坂さんも腕を切られたんだ!」

 

慌てて探し自身の横に居りそっちの方にも水滴が滴り口の中へと入っており傷が塞がっていた。この事からハジメはこの水が何処から流れ出ているのかを辿り錬成、すると青白く発光する鉱石から出ていたのだ。しばし見惚れていたが皐月の事を思い出し鉱石の周辺を広く錬成、そして四苦八苦しながらその場へと引きずる形で移動させた

そして錬成していた時に気が付いた点、この水を飲むと魔力が回復し傷も治ると言う事だ。ハジメはこの鉱石についてふと思い出した―――――――皐月と一緒に知識を蓄える為に図書館へ行き文献の中に伝説上の鉱石"神結晶"という遺失物扱いされた鉱石だと言う事。その神結晶から流れ出た水は"神水"、正に自身の欠損を除く傷を癒やしたこれは紛れもなく神水であると確信した瞬間だった

だがしかしこの神水や神結晶があるからと言って何が出来ると言うのだろうか。外は爪熊の様な自身を餌としか見ていない捕食者が集う迷宮、そして助けが来ないこの状況にハジメの心は完全に折れていたのだ

 

「誰か・・・助けてよ・・・・・」

 

小さな呟きと共に襲い来る睡魔の誘惑に勝てずその場で寝るハジメ。この言葉は誰にも届かない・・・皐月も気を失っているからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一日が経過、ハジメは殆ど動かず丸まっており絶望していると

 

「うっ・・・ここは・・・何処?」

 

皐月が起きた事に気が付いたハジメ

 

「高坂さん気が付いた?」

 

「え・・・あぁ・・・・・ハジメ君。あれからどうなったか分かる?私はあの熊に腕をやられてからあんまり分からないのだけれど」

 

爪熊からの攻撃で激痛が走る中、必死に死にたくないという思いから壁を錬成しハジメを引っ張った皐月のお陰で助かった様なものだ。その事実にハジメは心が痛い気持ちで一杯だった。何よりも目に見えている其れ―――――自身が左腕の肘から先が切られたという点に対し皐月は利き手の右肩から切られているからだ

 

「あれから僕は高坂さんを引っ張って錬成してどんどん奧へと進んでいったんだ・・・そして偶然見つけたこの光る鉱石――――――――文献にあった神結晶で、その流れ出た水で僕たちの傷が塞がったんだと思う」

 

「・・・そう。これからどうしよう」

 

現実を直視している皐月はこの迷宮において自分達が生態ピラミッドの中でどの位置づけがされているのかは十分過ぎる程理解していた。故にハジメ同様心が折れていたのだ

 

「私達死んじゃうのかな・・・」

 

「・・・・・」

 

否定する事が出来無いハジメは沈黙、そして皐月の側で抱きしめる様に横になる。その様子で皐月も理解したのであった。ハジメもまた自分と同じ様に理解し絶望している事に

二人はそのまま眠りに付き起きては神水を飲みと繰り返すだけとなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に数日後、あれからどれ程の時間抱きしめ合っているのか理解出来無い二人は心の中で思っていた

 

(どうして僕(私)がこんな目に?)

 

飢餓感と幻肢痛が襲い来るそれを紛らわすかの様に神水を口にし苦痛の微睡みと覚醒を繰り返し―――――繰り返し――――そしてハジメと皐月は神水を飲むのを止めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうこの苦痛を終わらせたい・・・・・だけど死にたくない。まだ生きたい

 

 

 

 

 

 

 

 

ただそれだけだった。更に数日が過ぎ頭の中には疑問ばかりが押し寄せていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なぜ苦しまなければいけない・・・僕(私)達が何をした・・・)

 

(何故こんな目に遭っている・・・何が原因だ・・・)

 

(神は理不尽に誘拐した・・・)

 

(クラスメイトは裏切った・・・)

 

(ウサギは見下した・・・)

 

(アイツは腕を喰べた・・・)

 

(何故僕(私)だけで無く彼女(彼)まで巻き込まれた・・・)

 

二人の思考がドロドロと真っ黒に塗りつぶして行く。無意識に敵を探し求める中でも飢餓感と幻肢痛は治まらず、思考を暗い感情へと導いて行く

 

(どうして誰も助けてくれない・・・)

 

(誰も助けてくれないならどうすればいい?)

 

(この苦痛を消すにはどうすればいい?)

 

更に数日が経ち憎しみや怒りといった感情は無くなっていた。黒く染まった感情を持っても何も期待出来無いし収まる事も無い

 

(俺(私)は何を望んでる?)

 

(俺(私)は"生"を望んでる。)

 

(それを邪魔するのは誰だ?)

 

(邪魔するのは敵だ)

 

(敵とはなんだ?)

 

(俺(私)の邪魔をするもの、理不尽を強いる全て)

 

(では俺(私)は何をすべきだ?)

 

(俺は、俺は・・・)

 

(私の道は・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に数日が経過―――――

ハジメの心の中にはただ生きる事だけ。憤怒も憎悪も理不尽もクラスメイトの裏切りも魔物の敵意も今は居ない守ると口にした物も全てどうでも良い。ただ側に居る不出来だった自分を守ってくれた皐月以外は眼中に無い。ただ単に皐月と一緒に生き残ると言う事

皐月の心の中も殆ど一緒で、生き残る以外は殆どどうでも良い。自分の側に居るハジメと一緒に生き残りたいと言う事。二人は確固たる意思を持った時気が付いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皐月(ハジメ)が好きだと言う事に。そして更に記憶を思い出していくと、何故深月が二人だけの空間を作り出していたのか―――――深月は皐月の幸せだけを思い行動していた事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く、くははははははは。あっははははははははは!」

 

「ふふっ、ハジメ笑いすぎ」

 

「いや、すまんすまん。そして気が付いた事があったんだよ。俺は何で今の今まで気が付かなかったんだよって今更ながらに思ったんだよ」

 

「それなら私もよ。気が付かなかった―――――こんな事になるまで気が付かなかった」

 

「それじゃあ俺が考えている事分かるよな?」

 

「分かるに決まっているでしょ?」

 

「なら"いっせーの"で言うか?」

 

「違うでしょ?それは私から言うのが理想でしょ?」

 

「男からすれば理想だな」

 

皐月は一呼吸置いてハジメに告げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、高坂皐月は貴方を心の底から愛しています」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてハジメの答えも決まっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は高坂皐月、お前を心の底から愛している。何処までも俺と一緒に付き合ってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。これから永遠にお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして二人は晴れて恋人・・・・・いや、結婚前提としたお付き合いを誓い合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃあいっちょやるか皐月」

 

「勿論よハジメ」

 

「「錬成の特訓の開始だ(ね)」」

 

「そして」

 

「邪魔する奴は」

 

「「殺す!殺して喰らってやる!」」

 

こうして奈落の底で無能と呼ばれた者達は変貌した瞬間であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから幾度も錬成の訓練をし、速度、範囲、正確性、を求め、成果は有り有りと目に見えて分かる程にまでとなった。慎重に慎重を重ねゆっくりと気配を出来るだけ殺しながら二尾狼の後を追跡して行くと四頭の群れを作っていたので、ハンドサインにて一匹一匹確実に壁の中へ閉じ込め引きずり込む作戦に出た

結果は上々、一匹また一匹と消えて行く仲間に疑問を覚え壁を背に警戒していたが仇となったのだ

 

「グルゥア!?」

 

後ろの壁が下半身を飲み込む様に蠢き、固まり、ゆっくりゆっくりと拘束したまま引きずり込む事態に悲鳴を上げる二尾狼。見事に成功したのであった

 

「さぁて、生きてっかな?まぁ、俺達の錬成に直接の殺傷力はほとんどないからな。石の棘を突き出したくらいじゃ威力も速度も足りなくてここの魔物は死にそうにないし」

 

「そうよね。現に錬成で巨大な棘を錬成して刺しても傷なんて無かったし普通じゃ無理ね」

 

「窒息でもしてくれりゃあいいが・・・俺達が待てないなぁ」

 

呻き二人を睨付ける二尾狼だが全く身動きが取れず拘束されている為、怯えもせず淡々とどうやって殺そうか思考中

 

「よし決めた掘削するか!」

 

「良いわねそれ!遠くから安全に捻り込む様に殺せるから安心ね!」

 

ニヤリと笑うハジメと皐月の目は完全に捕食者のそれで、右腕を壁に押し当て錬成を行使。明確なイメージを持って少しずつ加工していくと、螺旋状の細い槍の様な代物が出来上がった。更に、加工した部品を取り付け槍の手元にはハンドルのが取り付けられた

 

「さ~て掘削、掘削~!」

 

二尾狼達に向かってハジメはその槍を突き立てるも硬い毛皮と皮膚の感触がして槍の先端を弾く

 

「やっぱり刺さんないよな。だが、想定済みだ」

 

皐月はハジメの作った掘削槍を興味深そうに観察、ハジメは上機嫌に槍についているハンドルをぐるぐると回し、それに合わせて先端の螺旋が回転を始めた。これは硬い皮膚を突き破るために考えたドリルで、体重を掛けながらハンドルを回して行くと少しずつ先端が二尾狼の皮膚にめり込み始めた

 

「グルァアアー!?」

 

「痛てぇか?謝罪はしねぇぞ?俺と皐月が生きる為だ。お前らも俺らを喰うだろう?お互い様さ」

 

そう言いながら、更に体重を掛けドリルを回転させる。二尾狼が必死に暴れるが、周りを隙間一つなく埋められている為不可能。そして遂に、ズブリとドリルが二尾狼の硬い皮膚を突き破り体内を容赦なくグリグリと破壊して行き断末魔の絶叫を上げた。しばらくするとビクッビクッと痙攣しパタリと動かなくなった

 

「よし、取り敢えず飯確保」

 

「お腹空いたわねハジメ?」

 

「そうだな。取り敢えず残りの三匹も殺しておくか」

 

嬉しそうに嗤いながら、残り三頭にも止めを刺し、全ての二尾狼を殺し終えたら錬成で二尾狼達の死骸を取り出して二人で毛皮を不器用ながらも剥がし、飢餓感に突き動かされる様に喰らい始めた

 

「あが、ぐぅう、まじぃなクソッ!」

 

「うぇええ、不味すぎるよぉ。こういう時に深月が居たら美味しくしてくれそうなんだけどなぁ・・・」

 

愚痴を吐きつつも咀嚼する二人。悪態を付きたくなるのも当然の物で、えぐみのある硬い筋ばかりの肉と言えば理解出来るだろう。二人しておよそ二週間ぶりの食事に胃がビックリしてキリキリと悲鳴を上げるが何のその、生きる為に次から次へと飲み込んでいく。その姿は完全に野生児その物だ。神水を飲み水として食べ続ける二人に突如異変が襲いかかる

 

「あ?――――ッ!?アガァ!!!」

 

「ハジ――――ッ!?ウギッ!!」

 

突如全身を激しい痛みが襲って来たのだ。まるで体の内側から侵食されている様なおぞましい感覚・・・その痛みは時間が経てば経つほど激しくなる

 

「ぐぅあああっ。な、何がっ――――ぐぅううっ!」

 

「いっ、ぎぃいいいいいい!」

 

耐え難い痛みと自分を侵食していく何かに襲われ地面をのたうち回る。幻肢痛など吹き飛ぶような遥かに激しい痛みだ。ハジメと皐月はは震える手で懐から錬成にて作り上げた石製の試験管型容器を取り出すと、端を噛み砕き中身の神水を飲み干すと効果を発揮し痛みが引いていく―――――――がしばらくすると再び激痛が襲う

 

「な、なんで!じんずいがぎがあああ効がな"いの"!?」

 

「ひぃぐがぁぁ!!なんで・・・治らなぁ、あがぁぁ!」

 

二人からドクンッ、ドクンッと体全体が脈打ち至る所からミシッ、メキッという鈍い音が聞こえ始める。体の筋繊維、骨格が悲鳴を上げて破壊、そして神水の効果で治り、またしても襲い来る激痛。二人は絶叫を上げながらのたうち回り地獄を味わい続け、ひたすらに耐える

すると体に変化が現れた。日本人特有の黒髪は真っ白となり、筋肉や骨格が徐々に太く体の内側に薄らと赤黒い線が幾本か浮き出て来たのだ。幾何も続くその苦痛を耐え続け痛みが来なくなった所でようやく地面へグッタリと大の字で寝転んだ

ハジメは筋肉質な体となり以前よりも背が高くなっていた。皐月の方ももの凄い変貌を遂げ、筋肉は目に見えて浮かんではいないが密度が高く、そしてそれの基礎となる骨の密度も上がっているのだ。そしてハジメ同様以前よりも背が高くなっており、胸は大きく、ウエストは引き締まりと女性が羨む体型と変貌したのだ

 

「・・・そういや、魔物って喰っちゃダメだったか・・・アホか俺は・・・」

 

「・・・でもしょうが無いでしょ?食べなきゃ死ぬんだからこうなったのは必然、ハジメが悪い訳じゃ無いわ」

 

「しっかし俺の体どうなったんだ?何か妙な感覚があるし・・・」

 

「私も同じく、変な感覚があるわ」

 

体の変化だけでなく二人は体内にも違和感を覚えていた。温かい様な冷たい様な?どちらとも言える奇妙な感覚で、意識を集中してみると腕に薄らと赤黒い線が浮かび上る

 

「うわぁ、き、気持ち悪いな。なんか魔物にでもなった気分だ。・・・洒落になんねぇな」

 

「こ、こういう時はステータスプレートを見るのが一番よね?」

 

存在その物を忘れていたステータスプレート。二人して入れていたであろうポケットを探ると無くしてはいなかったようで一安心、そしてこの異常について何か表示されていないか確認する為覗くと

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:8

天職:錬成師

筋力:100

体力:300

耐性:100

敏捷:200

魔力:300

魔耐:300

技能:錬成 魔力操作 胃酸強化 纏雷 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:7

天職:錬成師

筋力:80

体力:250

耐性:80

敏捷:180

魔力:280

魔耐:280

技能:錬成 魔力操作 胃酸強化 纏雷 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「「・・・なんでやねん」」

 

二人して驚愕のあまり思わず関西弁でツッコミを入れる。それはそうだろう。ステータスは軒並み上昇、派生技能が三つ追加しかも未だにレベルが一桁台であるからだ

 

「「魔力操作?」」

 

二人は互いを見合い、魔物肉を食べてから感じる奇妙な感覚は魔力なのでは?と推測し、集中して"魔力操作"とやらを試みる。すると赤黒い線が再び薄らと浮かび上がり掌に集中させると、ぎこちないながらも奇妙な感覚・・・もとい魔力が移動を始めた

 

「おっ、おっ、おぉ~?」

 

何とも言えない感覚に戸惑いを覚え、錬成を試みるとあっさりと地面が盛り上がる

 

「マジかよ。詠唱要らずってことか?魔力の直接操作はできないのが原則の筈だが例外は魔物・・・やっぱり魔物の肉食ったせいでその特性を手に入れちまったのか?」

 

「見て見てハジメ!これ凄い!私、某忍者の千鳥を再現出来たわ!」

 

冷静に分析していたハジメが皐月の声に反応しそちらへ目を向けるとバチバチと左手に雷を纏わせて構えている皐月の姿だった

 

「・・・もしかしなくても魔物の固有魔法はイメージが大事って事か?」

 

「多分そうかも。左手で"纏雷"を使用したら静電気みたいにバチバチっと纏わせたらいけるかな~?ってイメージしたら出来ちゃった♪」

 

「成る程なぁ。んじゃあ最後の"胃酸強化"ってのは大体予想が付くんだが・・・」

 

「それしかないと思うわ」

 

二人は再び二尾狼から肉を剥ぎ取り纏雷を使い肉を焼くと悪臭が酷くこれを耐え、こんがりと焼き上げた肉を食べる―――――――

十分程経過しても先程の様な激痛は襲ってこず、次々と肉を焼いて食べる。量を食べても激痛が襲ってこないので理解する二人

 

「胃酸強化なぁ・・・便利だな」

 

「お肉は美味しくないけど、飢餓に苦しむ事が無い分マシね」

 

二人は二尾狼達を食べ尽くした後に一度拠点へと戻り一日は終了、翌日からは錬成や纏雷と言った他の技能鍛錬を行っていると派生技能が備わったのだ

 

"鉱物系鑑定"

王都の王国直属の鍛冶師達の中でも上位の者しか持っていない技能で、この技能を持つ者は鉱物に触れてさえいれば簡易の詠唱と魔法陣だけであらゆる鉱物を解析出来るとても便利な代物なのだ。潜在的な技能ではなく長年錬成を使い続け熟達した者が取得する特殊な派生技能である

それから二人は迷宮内の鉱石を探す為彷徨い調べて行くと、切り札―――打開策となる代物を見付ける事に成功したのだ。その名は"燃焼石"と"タウル鉱石"と言う二つの鉱石で、燃焼石は現代知識で言う所の火薬に近しい物で、一方のタウル鉱石は衝撃と熱に強く冷気に脆い鉱石だ

これらと皐月が見たと言う実物の拳銃を元に錬成を何度も試行錯誤、失敗に失敗を重ねて遂に完成したのだ

 

「・・・これなら、あの化け物も・・・脱出だって・・・やれる!やってみせる!」

 

「私もお荷物にならない程度だけど頑張るわ!」

 

「皐月は無茶してくれるなよ・・・俺と違って肩から切られてんだから体重バランスが悪いだろ?利き手でもないしよ」

 

「それは練習と実戦を持って克服するに決まっているでしょ」

 

「・・・それもそうだな――――――俺の背中は任せたぞ皐月」

 

「私の背中も任せるわハジメ」

 

ハジメと皐月が持つ其れは大型のリボルバー式拳銃、名はドンナー。魔物を食べてから成長したステータスのお陰で力等に関しては問題無く、罠などの知識、経験も学ぶ事が出来たのだ。因みに水の上を歩いていた蹴りウサギを纏雷で感電させた後ドンナーで撃ち殺したりと検証と実戦も兼ねる事も出来たのである。そして二人のステータスはというと

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:12

天職:錬成師

筋力:200

体力:300

耐性:200

敏捷:400

魔力:350

魔耐:350

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:12

天職:錬成師

筋力:180

体力:270

耐性:180

敏捷:350

魔力:350

魔耐:400

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

皐月は殆どがハジメのステータスと同じ位で、魔耐の数値と技能の数だけが上である。天歩は蹴りウサギを食べて得た技能で、何回も地面とキスをしつつも自分の物と出来たのだ

二人は現在の装備を確認、不備等もチェック、無し―――――――

 

「よし、遂に来たぜこの時がよ!」

 

「うふふふ、待っててね爪熊さん♪」

 

「「今度は逆に俺(私)が喰らってやる(わ)!」」

 

途中で遭遇した二尾狼はドンナーにてヘッドショット、頭部を粉砕し奧へと進んで行く。すると響くうなり声と金属音に二人は不思議に思った

 

「あぁん?このうなり声は爪熊の野郎って分かるが金属音ってのが分からねぇ。クラスメイトの連中がチートの集まりだろうとここまで深部へと潜る事なんて不可能なんだが・・・」

 

「それよりも今はこの現状の様子を見なきゃいけないでしょ?可能性としては魔人族って線も否めないし」

 

「あぁそうだった。魔人族っていう奴らが居たんだったな。うっかり忘れてたぜ」

 

「私はあそこの岩陰から様子を見るわ。ハジメは対面をお願いね?いざとなれば挟み撃ちの形で殺せば良いし」

 

「だな。・・・ここで別れるぞ」

 

「気を付けてね」

 

「どっちがだよ。皐月の方こそ気を付けろよ」

 

二人はこの迷宮の階層を庭の様に把握しているので二手に分かれ敵対したならば確実に仕留める為に分けれて岩陰に待機。そしてゆっくりと様子を伺う様に様子を見ると二人は驚愕した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのトラップから離れ離れとなったメイド―――――――深月が爪熊と戦っていたからだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




布団「エンダアアアアアアア!」
深月「ようやくお嬢様と南雲さんがお付き合いに!私はとても喜ばしいです!」
布団「あの二人は、もう付き合っちゃいなよ。レベルの仲良しさんでしたからなぁ」
深月「作者さん」
布団「何でしょう?」
深月「無理をしてはいけませんよ?」
布団「だ、大丈夫な筈・・・」
深月「体調管理も本人次第ですので、私がどうこう言える事ではありませんが」
布団「頑張って執筆するさ」
深月「ではこの辺りで終わりに致しましょう」
布団「読者の皆!体調管理に気を付けてね!」
深月「感想、評価等もお気軽にどうぞ。それと、寒暖差に気を付けて下さいね?」


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メイドは死力を尽くします

布団「さみぃ!」
深月「冷え込んできましたね」
布団「執筆速度が落ちそう。ってか、確実に落ちてる」
深月「頑張って書いて下さいね?」
布団「今年一杯までにオルクス迷宮攻略(執筆)したいなー」
深月「ゲーム等は程々にして下さいね?」
布団「・・・はい」
深月「読者様も待って下さっているので始めましょう」
布団「刮目s―――――――」
深月「作者は放置して始めましょう。読者の皆様方、ごゆるりとどうぞ」







~深月side~

 

時間は少し巻き戻り――――――

 

「きっ―――――――――貴様あああああああああああ!!」

 

皐月の衣服の一部の残骸を見て激怒。そして殺意を孕ませた目を持って爪熊へと一直線に駆け出した

 

「グゥウ!?」

 

死角からいきなり躍り出た深月は懐近くまで一気に近付き刀を一閃。しかしここまでの道中で沢山の魔物を切り続けてきた為に切れ味は落ち、表面を薄く切る程度で精一杯だった

 

「ちぃ!硬い!!」

 

振り下ろされる爪熊の一撃を紙一重で回避しようとしたが言いしれぬ悪寒を感じ横っ飛びに回避、すると先程まで立っていた地面に切り傷が付けられていた

 

「斬撃を飛ばす固有能力ですか・・・なら直線上に入らなければ良いだけの事です!」

 

縦に振り下ろされる腕には横飛びで回避、横に振り出される腕は攻撃の出だしの所で腕を斜めに切り流し、そしてその切り返しで爪熊を傷付ける。だが無情にも幾度にも渡り酷使してきた刀は遂に根元から折れてしまったのだ

爪熊は厄介な刃が無くなった事で揚々と攻撃に転じるが、深月は手に持っていた柄を爪熊の口へとピンポイントで投擲、運良く中に入ったそれは隙を生じさせるには十分だった。怯んでいる内に距離を取り太股部分に張り付ける様に装着していた夫婦剣を構えて一呼吸入れる。爪熊も口の中から柄を吐き出し終え更なる怒りを含んだ目で深月を睨付けている

普通の人間であればこの睨みだけで足が竦んで動けないのだが、数多なる地獄のサバイバル(生死問わず)を生き抜いてきた深月にとっては動物も魔物も変わりない。魔物はちょっと特殊能力を持った動物程度に思っている位

 

「せいっ!はぁっ!」

 

「グゥウウウ!」

 

先程までとは違い切って流す事は出来無いが、超接近戦にて振るわれる二刀の刃は踊る様に舞ながら爪熊の体を傷付けて行く。ボロボロとなった刀とは違い新品同然の夫婦剣の切れ味は良いのだが、切断には至らない

そして何よりも深月とて人間・・・あの日からずっと何も食べておらず、水だけ飲む生活だった。だが階層全てを探索して下層へと潜る行為は、想像以上の体力と精神力を削っており、不調が何時襲い掛かってくるかも分からない為にずっと張り詰める様な警戒をしていたのだ。何時決壊しても不思議では無いそれは最悪のタイミングで襲い掛かる

 

「ッ――――――!ゴボッゴホッ!」

 

耐え難い痛み、胃から沸き上がる熱を持った其れは大量の血

吐血により一瞬の間だけ視界を一瞬寸断させる。タイミングは最悪、回復した視線の先には振り下ろされて行く腕

 

「クッ!?―――――――――――――――いっづあ"あ"あ"あ"あああああ!!」

 

振り下ろされた腕を回避したまでは良かった。だが回避に手一杯になった深月は爪熊の突き出される腕が腹部に直撃、爪に貫かれる形で被弾したのだ。そのまま地面へと押さえつける様にされた状態は正に絶体絶命、顔に食らいつかんと前目に迫る頭部。だが未だ手に持っていた片方の剣を爪熊の片目へ突き刺す

 

「グゥアアアアアア!?」

 

切り潰された激痛により深月の上から離れ目を押さえている。深月も引き抜かれた爪から血が大量に出ているが、その痛みを堪え肉薄、もう一方の目に向かってもう片方の剣を"下から抉る"様に刺し貫く。体の構造的に其れは脳へ一直線の攻撃なのだが、目を刺し貫くが骨を貫通するには至らなかった。横へと振るわれた腕に当たり壁際へと弾き飛ばされた深月

 

「・・・申し訳御座いませんお嬢様」

 

擦れる様に呟いた一言、薄れ行く目で見た光景は頭部が粉砕された熊の最後だった。そして其処で完全に意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~皐月side~

 

ヤバイ・・・私のメイドが強すぎる件について

 

皐月がハジメをチラッと見るとそちらも驚愕している様子で呆然としていた。自身が見ただけで恐慌状態に陥った爪熊と相対して攻め込んでいるという光景だったからだ

ハンドサインと言うよりもジェスチャーに近いだろう。皐月とハジメはテンパった感じでワタワタと表現していた。ハジメの心の内と皐月の心の内は殆ど同じ感じで

 

(おいおい嘘だろ・・・神楽の奴?あんな近距離で攻撃を回避したり切り流したりしてんのかよ!俺が初めて出会った時は恐怖で怯えて動けなかった位ヤバイ奴だぞ!?)

 

(深月が凄いって分かってはいたけどまさか此処までとは思っていなかったわ。あの爪熊に接近戦で挑むなんて怖くないの!?)

 

二人で作った刀で切り結んでいた深月に驚愕していた二人、互いに見合いどうするかをハンドサインで決めようとした瞬間だった。キィンッというかん高い音が聞こえ深月の方へと目を向けると手に持っていた刀が根元から折れた音で、援護をしようと思ったのだが深月はその隙も与える事無く柄を爪熊の口の中へと投げ込んだのだ

 

(嘘やん・・・)

 

(曲芸か何かですか?)

 

あの攻防の中の一瞬でその様な判断をし行動した光景に更に驚く二人、そして再び見合い

 

(幾らあいつでもこれ程までの芸当は出来無いと思わないか?)

 

(正直そう思うわ。私の深月がいくら優秀だからと言ってこれ程出来るなんて思いもしなかったわ)

 

(俺が思うに迷宮の幻影を作り出す、もしくは象った敵だとしたらどう思う?)

 

(可能性としては有り。だけど・・・)

 

(どうした?)

 

(あれは深月本人だと私の勘が囁いているのよ)

 

(だがもうちょっと様子を――――――)

 

「いっづあ"あ"あ"あ"あああああ!!」

 

絶叫が聞こえ目を向けると腹部を爪で貫かれ押し倒された深月の状態だった

 

(ヤッベェ!)

 

(ッ!)

 

ドンナーを構えようとするもそれよりも先に届かんとする牙だが、深月の片手剣は目を突き刺す事でその危機を脱したのだ

 

(ハジメごめんね・・・)

 

(皐月のお願いじゃ仕方がねえか。俺が撃つから神水持って行けよ)

 

壁際へと飛ばされた深月、ハジメは両目を潰された爪熊の頭部に向け発砲、頭部を粉砕させたのを確認して皐月は走って行き気絶した状態ではあるがなんとか一つを飲ませ、もう一つを傷へと掛ける事で傷は無くなった

ハジメは爪熊が本能に絶命したかを確認し終えた後、皐月の側まで爪熊を引きずりながら移動した

 

「どうだ皐月?」

 

「やっぱり深月よ。私の勘がそう囁いているわ」

 

「皐月の勘は伊達じゃないから間違い無いだろうな。だが分かっているよな?」

 

「分かっているわ。"敵なら殺す"でしょ?まぁ深月なら私に付いて来るから大丈夫よ」

 

「このままは危険だし錬成で拠点を作るとするか」

 

「お願い」

 

ハジメは壁を錬成、大きく空洞状に作ったその中に入る。勿論倒した爪熊もだ

リベンジする事は叶わなかったが、「まぁいいや」と言う事で気にせず肉を剥ぎ取り纏雷で焼いて食べたのであった。こうして新しい技能も手に入れたハジメと皐月は深月が目を覚ますまで拠点で待機する事とした

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:17

天職:錬成師

筋力:300

体力:400

耐性:300

敏捷:450

魔力:400

魔耐:400

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 風爪 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

高坂皐月 17歳 女 レベル:7

天職:錬成師

筋力:250

体力:350

耐性:250

敏捷:430

魔力:450

魔耐:450

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合] 魔力操作 胃酸強化 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 風爪 直感 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~深月side~

 

夢・・・と言うより走馬燈みたいな物ですね

お嬢様と出会い、教養を身に付け――――訓練―――修行――――サバイバル・・・本当に色んな事がありました。異世界へ拉致されても頑張るお嬢様、そして離ればなれになった。必死に探したけれど、見つからない見つからない見つからない。痕跡を見つけたと思えば其れは血が大量に付着したお嬢様の服の一部。爪が発達した熊と戦い・・・・・戦い?どうなったのでしょうか・・・確か最後はトドメの突きが失敗して腕ではじき飛ばされてからが分かりません

しかしこの匂い・・・悪臭に混じった匂い。微量ながらもこの濃厚な匂いは・・・良く知る男性と―――――――――

 

「お嬢様!!」

 

カッと目を見開きガバッと体を起こした深月、そして横に目を向けると白髪の男女二人。そして気が付き女性の方へと抱き付く

 

「お嬢様お嬢様お嬢様!申し訳御座いません申し訳御座いません!この深月が側を離れなければあんな塵芥共の蛮行を行わせる事など無かったと言うのに!申し訳御座いません!!」

 

深月が涙を流しながら皐月に謝った

 

「え~っと深月?大丈夫だからね?私生きてるから」

 

「ですが・・・ですが!お嬢様の利き腕が無いのは私が至らなかった為で御座います!申し訳御座いません!だから捨てないで!捨てないで下さい!」

 

余りの変りぶりにアワアワと焦る皐月

 

「あー・・・まぁ何だ?皐月は神楽を見捨てるなんてしないと思うし有り得ないぞ」

 

「南雲さんは私とお嬢様の出会いを知らないから楽観的に捉えられているのです!私の人生はお嬢様の幸せの為に全てを捧げているのです!ましてや利き腕が無くなると言う最悪が!お嬢様を守ると誓った私を不出来に思い捨てられる可能性が少しでも有るのです!!」

 

「えっとね深月?私は捨てないし手放すつもりも無いからね?だから・・・えっと、落ち着いて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土下座で謝る深月を諫める事数十回、ようやく落ち着きを取り戻したら起きてからの出来事を思い出し赤面しているのである

 

「た、大変お見苦しい所をお見せして申し訳御座いませんでした・・・先程までのは忘れて下さい」

 

深月の意外な一面を知ったハジメは笑っていた

 

「神楽は皐月一筋なんだな。ハッハッハッハ!なら俺達の敵って事は有り得ないだろうな」

 

「何を仰いますか南雲さん、私がお嬢様の敵となる?そうなってしまえば私は自らの首を吊りますよ」

 

「そうか・・・俺の名前を呼ぶのはハジメで良いぞ」

 

「ではハジメさんとお呼び致します」

 

「敬語は無しでお願いしたいんだが・・・・」

 

「私はメイドですのでそれだけは譲れません。では私の事も神楽ではなく深月とお呼び下さいハジメさん?」

 

「そ、そうか・・・分かった深月」

 

深月の絶対譲れない信念に強制的に納得させられたハジメ。典型的な女性に尻を敷かれる男性の姿だ

 

「それにしてもハジメさんとお嬢様の雰囲気がどことなく変っていますが何か有ったのでしょうか?あぁ髪の色とかではありませんよ?こう・・・距離感的な感じです」

 

迷宮に入る以前と比べ二人の雰囲気が変っている事にいち早く気が付いた深月、それは正にその通りである

 

「深月、私からせつ――――――」

 

「いや此処は俺から言うのが良いだろう。まぁ何だ・・・俺と皐月は将来を誓い合った仲となった。結婚前提のお付き合いって奴だな」

 

「と、言う訳で祝福してくれるわよね深月?」

 

「ふむ」と納得し素直に祝福する深月

 

「おめでとう御座いますお嬢様、ハジメさん―――――――いえ、結婚前提のお付き合いと言う事はハジメさんを旦那様とお呼びしたら宜しいのでしょうか」

 

「お願いだから止めてくれ!俺の事はハジメで固定してくれ・・・本当に頼む」

 

「まぁ今は良いでしょう。ですがお嬢様とご結婚されたら必然的にそう呼びますので悪しからず」

 

「あ、はい」

 

こうしてハジメの将来は旦那様呼びが確定したのであった

 

 

 

 

 

 

深月はハジメと皐月が奈落へと落ちてからの経緯を聞いて暗い顔をしていたが、「過ぎた事」と言う事で無理矢理納得させステータスの事も説明した

 

「成る程・・・魔物の肉は有毒ですがこの神水が有れば大丈夫だと言う事なのですね」

 

「そうそう。不味いけど技能が手に入るのは捨てがたいからな」ニヤニヤ

 

「深月も食べなさい。私に尽くしてくれるんでしょ?」ニヤニヤ

 

「では食べましょう。食べてお嬢様に害成す者全てを排除致しましょう」

 

神水を片手に爪熊の肉を食べた深月、因みにハジメと皐月は激痛については話していないのだ。「お前も道連れだ!」と言いたげな笑みを浮かべながら勧めたのだ

もっきゅもっきゅと今までの空腹を埋める様に食べ進めて行き、訪れる痛み

 

「っ!?い、痛いですね・・・神水を飲んでおきましょう」

 

少し顔を歪めた程度の深月に対し二人は「何故だぁ!?」と内心呟いたのであった

 

「筋肉断裂、復活の繰り返し・・・超復活ですね。まぁこの程度ならば地獄のサバイバルで体験済みですし今更感が否めないです。しかしこの骨格を作り替えようとする痛みは凄まじい・・・立つ事が出来ません」

 

「地獄のサバイバルってそんなにヤバかったの?」と言いたげにドン引きする二人を置いて深月の体からゴキッ、メキッ等の鈍い音が時偶聞こえるがやがて聞こえなくなる。それを確認した深月は立ち上がり体の隅々をチェック

 

「骨格が歪んだり等の事はありませんね・・・問題としては少々背が高くなった事と少し引き締まったウエストですね。服は紐で縛れば大丈夫なのですが、背丈に関しては少々慣れなければ戦闘に支障が出る恐れが有りますね」

 

パパッと一通りの動きと体型をチェックし終えた深月、しかし二人の視線はそっちでは無く頭部・・・髪であった。魔物を食べた事により白く変色した二人とは違い深月の髪は白に近い銀色―――――アニメやゲームに登場する様なメイドとなってしまっていた

 

「「何故に銀髪・・・」」

 

その呟きから深月は自身の髪をチェックし変っている事に疑問を覚えたが支障をきたしている訳でも無いので気にせず、ハジメと皐月を見て一言

 

「時に、お嬢様にハジメさんはちゃんと水浴びしていましたか?」

 

「あーそういや錬成の鍛錬ばっかりやってて忘れてたわ。ってかやらなくても生きていけるし」

 

「私達は弱かったからそんな余裕が無かったのよ。と言っても浴びなくてももういいやって思っているわ」

 

「・・・・・」ゴゴゴゴゴッ

 

「「ヒィッ!?」」

 

「お・ふ・た・り・と・も?服を脱いで私に預けて下さい」

 

「ちょ!?服脱いだら俺と皐月は全裸になるんだが!?」

 

「ぬ・い・で・く・だ・さ・い」

 

「いy―――――――――」

 

「ハ・ジ・メ・さ・ん?」

 

「・・・ワカリマシタ」

 

深月の圧によりスゴスゴと引き下がるしか出来無かったハジメだが、流石に女性の前で全裸になるのは抵抗があり迷っていた。しかし深月によって強制的に衣服を脱がされてしまった。因みに皐月は深月に頼み脱がせて貰っていたのである

二人の衣服を持ち生活魔法の派生技能、清潔操作と全体清潔を同時に行使――――――思い浮かべるは洗濯機、布に付着した小さな汚れが剥がれ落ちるイメージを持って血濡れ、土汚れをどんどんと落として行く。そして綺麗な状態、正に新品同然とも言えるまで汚れを落とす事に成功

 

「では続いて洗髪です。お二人共こちらに来て下さい」

 

清潔操作、全体清潔、精密清潔を行使、傷だらけでごわごわしていたハジメと皐月の髪はサラサラと滑らかさを取り戻したのだ

 

「なぁ深月、体に生活魔法はやらないのか?」

 

「此処に濡れタオルが御座いますよ?」

 

「え・・・いや・・・深月がやった方が早――――――」

 

「あ・り・ま・す・よ・?」

 

「ハイ・・・」

 

深月は皐月の体全てをフキフキ、ハジメは自分の体をゴシゴシと洗うが背中と右手は拭けず「これでいいか」と思ったが持っていたタオルを深月に奪われ、綺麗な状態となったそれで背中をフキフキとされておおよそ清潔となり服を着終えた二人は何気にグッタリとしていた

 

「深月を怒らせるとヤバイな」

 

「私達を思っての事だけど怖かったわ・・・」

 

「あの無言の圧力を加えた決定に逆らえねぇ」

 

「ねえハジメ。深月の武器どうする?」

 

「あぁー、タウル鉱石で硬い武器を作っておくか。何なら拳銃を持たせてみるか?」

 

「私達の出番が無くなるわよ」

 

「剣だけにしておくか・・・」

 

二人はタウル鉱石を使用し黒い刀を生成

ハジメ命名:黒刀【霧斬(むざん)】 深月が使う事で無残にも細かく斬り殺され黒く変色した刀

―――という設定付けた名前だ。一方深月は名前は気にせず、唯即戦力となる武器が出来ただけでご満悦

そして二人で作った夫婦剣も新しく一新

皐月命名:黒双剣【対極(ついきょく)】 ハジメと皐月が作ったのは以前使用していた夫婦剣、それはそれなりに頑丈さをコンセプトに作っていたので、タウル鉱石で覆う形で新しく作られた。深月に渡すと「ふむ」と呟き一つを投擲、するとブーメランの様に戻るそれを危なげなくキャッチして「これは戦闘の幅が広がりますね」との事だった。ハジメは「何処ぞの正義の味方かよ・・・」と呟いたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!もうちょい錬成速度を上げねぇと足下掬われちまいそうだな!」

 

「反動は大丈夫だとしてもまだ精度が足らないわ」ドパンッ

 

武器制作が終わった後も錬成の鍛錬をするハジメと射撃訓練を行っている皐月。そして屠られて行く魔物達はドンマイとしか言えないだろうが、それは襲ってきた為なのでそうとも言えないのだ

 

「しっかし油断している訳じゃ無いんだが、拠点からあまり離れるなって過保護すぎるんじゃねえか?」

 

「トラップの時に対処出来無かったのを未だ引きずっているみたいよ」

 

深月は準備しているのだ。ハジメが提案したそれは危険極まりない物だったがそれに賛成、下層へと続く迷宮の最下層まで行くと言う物だった。何故か?ハジメと皐月は「教会は危険だからこのまま離脱」という考えで、深月に至っては「教会は何時爆発しても可笑しくない程危険な爆弾、そしてエヒト神はそれ以上の危険性が有る」と述べ、一同の考えは「迷宮潜って魔物肉食べて強化しまくっちゃえ!」と言う事

明日から潜るとは言えそのまま何もせずでは無く「己の研磨を如何なる時も絶やさない事が最も大事」だと深月の言い分はとても重要だと理解している二人はそれぞれの気になる、不十分な部分を徹底的に反復練習して向上させて行く。そんな集中した訓練を終え拠点に戻るとムワッと溢れ出る良い匂いに、二人の腹の虫が大きな音を立てる。滴る涎を気にせず匂いの原因となる一点は、深月が調理している魔物肉の物であった

 

「ちょっ!?深月!おまっ!?それ魔物肉じゃねぇのか!?」

 

「悪臭じゃなくて良い匂い・・・ジュルリ―――――――ハッ!?」

 

「お帰りなさいませ、お嬢様にハジメさん。調理はもうすぐ終わりますので今しばらくお待ち下さい」

 

何故?と疑問に思いながら何度も喉を鳴らし待ち続ける二人。そして出されたそれは赤黒い液体がたっぷり掛かったステーキだった。見た目はグロテスクで魔物肉を焼いた上に血を掛けた様なそれは普通の常人であれば食欲が無くなるだろう・・・しかしこの場で腹を空かせている二人は生の魔物肉を喰らったことがあるのでその様な事は全く気にならないのである

 

「二つの尻尾を持つ狼のステーキです。筋切り等の下処理も済ませていますのでどうぞご堪能下さい」

 

「うぐ・・・匂いは良いんだが」

 

「食べるとあの言い知れぬえぐみがあるのよね・・・」

 

深月が完璧超メイドだとしても調味料の無いこの場でえぐみ等を取れるとは思っていない二人は一口サイズに切られたブロックを頬張り―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うまあああああああああああああああい」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「素直な感想有り難う御座います♪」

 

「この淡泊な味わい!脂は多く乗っていないが、噛んだ瞬間に溢れ出る肉汁!」

 

「所々硬く、そして柔らかくの飽きさせない食感!」

 

「「正しく食べ物だ!」」

 

モリモリと食べ進める二人は皿の上のステーキが直ぐに無くなりハッと我に返ると、もっと味わって食べるべきだったと言わんばかりに絶望としているが

 

「まだ沢山有りますので焦らなくてもお肉は逃げませんよ?」

 

「「おかわりー♪」」

 

深月の一言で完全復活して、おかわりの肉をモリモリと食べて行く最中にハジメは疑問に思った

 

「そういや魔物肉が何故此処まで美味しくなるのかが不思議で堪らないんだが・・・」

 

「そうよね・・・深月何かやった?」

 

「そうですね・・・生活魔法の清潔で血抜き等の下処理が出来ると把握出来ましたので、味見をしながら少々このえぐみが消えたら良いな~と思いつつ清潔を使ってみたのです」

 

「「なんでやねん!」」

 

ツッコミを入れつつ理由を考えるハジメはある一つを思い出す

 

「ちょっと深月のステータスプレートを見せてくれ」

 

「困った時のステータスプレートね。何かしらの良い原因が見つかると良いのだけど・・・」

 

「私も迷宮に入ってから一度も見ていませんね」

 

深月はポケットに仕舞っていたステータスプレートを取り出して二人に見せると――――

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

神楽深月 17歳 女 レベル:33

天職:メイド

筋力:1500

体力:2500

耐性:1500

敏捷:2500

魔力:2000

魔耐:1500

技能:生活魔法[+完全清潔][+清潔操作][+清潔鑑定] 熱量操作 気配遮断 高速思考 精神統一 身体強化 縮地 硬化 気力制御 魔力制御 気配感知 魔力感知 家事[+熟成短縮][+魔力濾過][+魔力濾過吸引] 節約 交渉 戦術顧問[+メイド] 纏雷 天歩[+空力][+縮地] 風爪 魔力操作 胃酸強化 直感 心眼 極致[+剣裁][+拳闘][+体術] 限界突破 言語理解

称号:メイドの極致に至る者

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「なぁにこれ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精密清潔と全体清潔は無くなり完全清潔へと統合、そして家事の技能から派生で熟成短縮・魔力濾過・魔力濾過吸引と三つが新たに追加、最初の熟成短縮は分かるのだが残りの二つが意味HU☆ME☆I☆である

 

「魔力濾過?・・・それに魔力濾過吸引?どういう技能だ?」

 

「魔力濾過って事は有害を無害にさせるって事かしら?魔物肉が有害魔力を保有して食べれない事を前提にしたら理屈は通るわね・・・」

 

「最後の魔力濾過吸引だが・・・濾過した行き場の無い魔力を自分の魔力へと変換していると仮定しよう。料理して清潔とかやっていた時に疲労感は無かったのか?」

 

「そう言えば妙に力が沸き上がる感じでした・・・となると、ハジメさんの予測が正しいという事でしょうか?」

 

「手から他人の魔力を吸収して自分の物に出来たとしたらとんでもないスキルよね」

 

試しに皐月は纏雷を指先に使用し、深月は掌を近くに持って行き魔力濾過吸収を発動すると微々たる量ではあるが吸収されていった

 

「流石に超ぶっ壊れ性能では無かったか」

 

「流石の深月でもぶっ壊れでは無かったと言う事ね」

 

皐月の悪気無い一言に深月は一瞬だけムッとしたが直ぐに隠しある実験を試してみる事に

 

「ハジメさん、もう一度纏雷をお願いします。少し試したい事が御座いますので」

 

「お、おう。別に良いが無茶はするなよ?」

 

「大丈夫です」

 

先程皐月がした事をハジメが同じ様に使用、そこから深月は完全清潔と清潔操作と魔力濾過吸収の三つを行使した

 

イメージは掃除機と同じ様に掌に纏雷の魔力を集めて、完全清潔により私に対して有害な部分を消し去った綺麗な魔力を全身に纏わせる!

 

ハジメの指先の纏雷は深月の掌に集められ一瞬で綺麗な魔力となり、そのまま全ての魔力が深月の身体中に行き渡る

 

「やりましたよお嬢様!」

 

「「なんでやねん・・・」」

 

こうして深月は相手の魔術攻撃を無効化して自身の物へとする技を編みだし、その理不尽さを目の当たりにした二人。こうして最強戦力が更に強化されたのだった

 

 

 

 

 




布団「何故、熊にやられたのかって?」
深月「私も人間ですよ?」
布団「半月近く絶食+気が抜けない状態。後は分かるね?」
深月「ストレスマッハという奴ですね!」
布団「ステータスはチートなのにね♪」
深月「ですが良いのです!私は遂にお嬢様と合流する事が出来たのですから!」
布団「そして胃袋を掴んでいくぅ!」
深月「三大欲求の一つを確保しておかなければなりませんからね」
布団「おっと、そろそろ時間ですね」
深月「ですね。読者の皆様方、感想、評価等お気軽に宜しくお願いします」
布団「そして誤字脱字報告に日々感謝しています!」
深月「今回も見直ししましたよね?」
布団「十回やった。けど作者は良く見落としちゃうから赦して・・・」


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