スイートプリキュア if ナルカミ対アラネマガツム (ノースパイオニア)
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オリ主設定

 タイトルにこうありますが、話が進むにつれ主人公以外のキャラクターや、オリ主と原作キャラとの関係等も書こうと思っています。


鳴上 哮汰(なりがみ こうた) CV VALSHE

 

 本作のオリジナル主人公。

 学校の帰り道に滅魔に襲撃されてしまった人々を目撃してしまったのち、自分も襲撃されかけたが突如現れた梟(ホースケ)から渡された変身アイテム、神楽器(かぐらき)を使ったことによってキュアナルカミに変身。

 以降は滅魔から人間を守る為に、そして元凶を倒す為に奔走する事になる。

 

 

 性格は一言で言えば厨二病真っ盛り。

 やや寡黙気味で自分勝手、他人のことなど全く感心がない。

 特にふざける事や喧嘩等の争い事を「無意味で無駄で不必要」とかなり辟易しており、それを行う輩は容赦なく罵ったり、遠回しに強烈な皮肉を浴びせたりする。

 

 

 しかし根は真面目な人間で、なんだかんだ言って助けたりアドバイスしたり、自分が原因で人が傷ついた時には深く悲観に暮れる。

 と言うか、前述の行動は彼の生真面目さから起因する物であり、決して非人情な人間ではなく自他共に厳しい性格なだけなのである。

 

 成績は一番とまでは行かないが殆どの教科は概ね優秀。体育に関しては中の上というくらい。(例えるなら、奏より遥かに上で響以下)

 

 髪の色は黒色で、背は響より少し下。

 顔は少し童顔。

 

 

 

 

 

 キュアナルカミ CV佐藤 利奈

 

 鳴上が神楽器によって変身した姿。

 見た目は大きなポニーテールをした少女で、服装白い着物と赤い袴に鉢金を付け、鎧を上半身だけ身につけた姿。

 使用する神楽器によって変身の仕方や戦法が異なっているが、それぞれに共通しているものがあり、

 

① 攻撃を続けると力が溜まり、溜まった状態で状態で特定の旋律を奏でると技が発動する。

 

② 何回も使っていると力を失い、攻撃力が下がる。

 攻撃した時に電気が出なかったり炎が出てこなくなったのがサイン。

 別の武器に取り替えて休ませると自然に回復して、また使用可能になる。

 

 詳細は以下の通り。

 

 

・風笛の場合。

 

 ド、レ、ラ、ドの音を4回くらい繰り返して吹いた後、笛を上に高く放り投げ、左右の親指と人差し指をくっ付け広げそれ以外の指を内側に折り曲げて(手でハートとダイヤを同時に作る感じ)「変身!」と叫ぶと変身する。

 

 武器は笛の様に吹くことのできる槍で属性は風。

 

・水弦の場合。

 

 3つの弦を押さえて、弾き、すくうを4回くらい繰り返した後三味線を上に高く放り投げ左右の親指と人差し指をくっ付け広げそれ以外の指を内側に折り曲げて「変身!」と叫ぶと変身する。

 

 武器は刀の仕込まれた三味線で属性は水。

 

・雷鼓の場合。

 

 バチを持って3回真ん中を叩いた後縁を一回叩く(ドン、ドン、ドン、カッみたいに)を4回繰り返した後にバチを上に高く放り投げ、左右の親指と人差し指をくっ付け広げそれ以外の指を内側に折り曲げて「変身!」と叫ぶと変身する。

 

 武器は小太刀の二刀流で属性は雷。

 

・炎叉の場合。

 

 音叉を何かに当て、音を響かせて後音叉を上に高く放り投げ、左右の親指と人差し指をくっ付け広げそれ以外の指を内側に折り曲げて「変身!」と叫ぶと変身する。

 

 武器は峰が向かい合わせになる様に設置された特殊な構造をした大太刀で属性は炎。

 

 




リスペクトをした物。

魔女兵器「男だったけど訳あって女の子になった主人公、特殊な力を持った武器を扱う。」

仮面ライダー響、鬼滅の刃「全体的な雰囲気、楽器を使って変身する、技の見た目」

ツクヨミ(ファイアーエムブレムif)、桜庭ネク(すばらしきこのせかい)「主人公の容姿と性格」

 


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第壱話 それぞれの始まり

 この世界には、まだまだ解明しきれてない物がある。

 例えるならば、イギリスのストーンヘンジはどうやってできたのか?

 世界はどうやって出来たのか?

 世界は本当に1つだけなのか?

 

 そしてこれもまた、その内の1つに当たる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 むかしむかし、どれくらい昔なのかと言うとかつて日本の時代が戦国時代と呼ばれていた頃、その時の北海道にある災が降りかかろうとしていた。

 

 それは雪害。

 

 連日連夜、身を刺すくらいでは済まされないような冷たい吹雪が吹き荒れ、気温は良くても零度、最悪の場合は氷点下三度にまでなり、もはやそこは現世ではなく八寒地獄としか言いようのない有り様になっていた。

 

 勿論こんな環境では生きとし生ける者達は暮らしていける訳もなく、次々と凍え死のうとしてしまい、人々が絶望してしまっていた時、2人の少女が現れた。

 

 1人は長い髪を後ろに束ね、鎧を付けた少女で、もう1人は長く青い髪を靡かせ、三味線に似た楽器を携えた少女だった。

 

 鎧の少女は「この災害は妖によるもので、その妖を討たなければみんな死んでしまうだろう」と言った。

 

 鎧の少女の呼びかけによって、アイヌの人々はこの妖による禍を祓うがべくカムイにお祈りと舞を捧げた。

 

 すると、あるアイヌ人の体が光り輝き、姿はみるみる変わっていき森羅万象の如き力を手に入れた。

 

 そして2人の少女とアイヌの少女は妖を討つがべく立ち向かい、最後は見事に攘い、アイヌを救った。

 

 それは、古事記にも記されていない全く新しい言い伝え。

 自然災害と言う名の神々の理不尽なる暴虐に人々が立ち上がり、祈る事でその厄災を立ち退け、人々の世界を救済した英雄達の伝説である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なぜこの話をしたのかと言うと、この話は─────これが渾然一体に混ざった話だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *   *   *   

 

 ここはメイジャーランド。

 一点の曇りもない川が輝き、晴れ晴れとした太陽に虹がかかっているという美しいとしか言いようがないくらい素晴らしき景色が広がっていた。

 

 そして現在、空中に浮遊しているコンサートドームでは楽器達自身によるオーケストラが行われていた。

 ティンパニーや木琴といった打楽器や、バイオリンやチェロといった弦楽器が等がそれぞれリズム良く、そして荘厳に音色を奏でていてその音楽に聞き惚れた観客達はまじまじとした様子で静聴していた。

  

 それが終わるとドーム中に観客達の拍手の音が響き渡り、静まったと同時に、

 

『我がメイジャーランドの女王、アフロディテ様のご登場~!』

 

 と言うアナウンスが流れた、するとドーム上部の台らしき所がライトアップされ、そこから長くてウェーブのかかった金髪を靡かせた、純白のドレスを着ている麗しい女性が姿を表す。

 

 彼女こそがこのメイジャーランドを納める王女、アフロディテ。

 

「皆様、本日はメイジャーランド大音楽会へようこそ! 次は恒例の曲、幸せのメロディをお聞きください。この楽譜は遠い昔からメイジャーランドに伝わる伝説の楽譜です。伝説の楽譜に書かれている幸せのメロディの力によって世界の平和と人々の幸せは守られているのです。では今年から新たにこの幸せのメロディを歌う歌姫を紹介しましょう。歌の妖精、ハミィ!」

 

 と言うと、奥から猫みたいな妖精が出てきた。

 彼女?が幸せなメロディの歌姫に選ばれた妖精、ハミィ。

 白い毛並みと小さな猫耳が特徴的な愛らしい子猫だ。

 

 両手を合わせ『ニャプニャプ~』と言うハミィ。すると、楽譜の音符が揺れだす。

 ?なハミィにアフロディテは空かさず注意をする。

 

「ハミィ?音符を操る力があるのよ?」

 

 と注意するアフロディテだか、初めてで慣れていないと察する。

 

「伝説の楽譜の音符は今の様に1年経つと楽譜から浮き上がって何時かは飛び去るとのことで、1年に1度、選ばれた歌の妖精が楽譜どおりに幸せのメロディを歌う事で魔法の力が生まれ音符はまた1年楽譜に染み込んで世界を平和にするパワーを放つの、今日はそのための大事な儀式と言う事だからハミィ、頑張りなさい」

 

 とアフロディテは言った、そして。

 

「分かったにゃ~、頑張るにゃ!」

 

 とハミィは答え、早速ハミィは幸せのメロディを歌う為に準備を行おうとした、その時だった。

 

 バン!

 

「はーっはっはっはっはー!!」

 

 何処からか笑い声がすると同時に照明が落ち、辺りは何があったのかと見回す。

 アフロディテも辺りを見回すと、

 

「幸せのメロディなど歌わせはしないゾ!」

 

 と言う声が聞こえる。

 アフロディテとハミィ、そして観客が上の声が聞こえた方を見てみると楽譜を奪った声の主が居た。

 

「メフィスト!!」

 

 伝説の楽譜は頂いたと宣言する彼を見てアフロディテは答えた。

 

「お~、ご機嫌麗しいなアフロディテ。この通り、伝説の楽譜は我がマイナーランドが頂くぞぉ」

 

「楽譜をどうするつもりなの!?」

 

アフロディテが質問すると同時にメフィストは楽譜を開いて掌を翳すと

、音符が動き出し配置が変わってしまう。

 

「楽譜を不幸のメロディに書き換えてやったぞ〜これでこの世界すべてを不幸のどん底に陥れる事が出来るぞ〜!!」

 

 と、メフィストが言うとアフロディテは呆れてこう答えた。

 

「楽譜を書き換えてもそれを歌う歌姫が居なくては何の意味もないし、ハミィがそんな歌を歌うわけ無いでしょう?残念だったわね?」

 

「残念なのは果たしてどっちかな〜?我らが歌姫!来いセイレーン!!」

 

 しかし、メフィストはニヤつくと大袈裟にアクションすると、彼の後ろの暗闇から黒猫が現れる。

 

「セイレーン!? なぜお前がメフィストと一緒に?」

 

 アフロディテは驚いた。

 

「久しぶりね、あい変わらずなのね?天然ボケの子猫ちゃん」

 

「褒めて嬉しいニャ!」

 

「褒めてないし!」

 

 キレて冷静さを失いかけるも、セイレーンはすぐに落ち着きを取り戻した。

 

「ハミィには悪いけど、本当の歌姫は私だから。私の歌声で世界を不幸一色に染めてみせるわ」

 

「待ちなさい!お前の歌声はハミィと同じくらい強いのよ!そんな事したら!」

 

 アフロディテはそういうも、その言葉を聞き入れず歌い始めるセイレーン。

 

「うえーん!!」

 

「うわぁーん!!」

 

 すると、その不協和音な歌声を聞いた人々は悲しみに包まれ、みな泣き出す。

 

「そうだ! その調子で歌い上げて不幸のメロディの楽譜を完成させ、この全ての世界を不幸のどん底に沈めてしまえ!」

 

 とメフィストは言った。

 

「させません!」

 

 しかしアフロディテは空かさず自身の力で音符を楽譜から分離させ、

集合体させると、その身を隠せと命じ何処かへ飛ばした。

 

「メフィスト!あなたの思い通りにはさせないわ!」

 

「よくも〜!!トリオ・ザ・マイナー!」

 

「お呼びで~」

 

 とセイレーンの後ろに三人の中年の男達が現れた。

 

「音符の後を追い全部かき集めて来い!不幸のメロディを完成させ、この世界全てを悲しみ一色に染め上げるのだ!」

 

「了解!」

 

 メフィストがそういうと1匹と3人は去っていった。

 

「そうはさせません!ハミィ、後を追うのです!」

 

「え?」

 

「心配はいりません!音符の精、フェアリートーンを一緒に連れて行けばきっと力になってくれるはずです!」

 

「分かったニャ! よろしくニャ~」

 

 フェアリートーンに言うと、ハミィは出発した。

 

 「ハン!あんなマヌケな猫じゃ探せまい!!それに伝説の楽譜はこっちにあるんだぞ!」

 

「それはどうかしら?音符が送った先には私達と共に戦う戦士が居ると言るのよ?」

 

「戦士?」

 

 勝利と余裕があるのか、メフィストは誇らしげに言ったがアフロディテは釈然とした態度で返答をした。

 

「ハミィ、必ず見つけて頂戴。音楽を愛し心にあの印を持った者達。伝説の戦士プリキュ……………?」

 

 何かを言いかけたが、後ろに何か気配を感じアフロディテはすぐに後ろを振り向くも、悲しんでいる観客以外何も見えなかった。

 

(今後ろに何かが………?気のせいかしら?)

 

「何だアフロディテ?よそ見をしてる余裕なんてあるのか〜?」

 

 

 

 

 ビョンビョンビョンと跳ね回り、出入り口付近に止まった飛蝗(バッタ)はそのミュージカルの残劇を、その複眼で見据えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    *   *   *   *   *

 

  ところ変わって、其処は言葉では形容し難き場所だった。

 

 廊下が、階段が、障子が四方八方にめちゃくちゃに設置されていて、中には天井に階段があったり、壁に部屋が横向きになって設置されているという摩訶不思議で不気味な場所だった。

 

 「…………」

 

 その中央、大きな鏡らしきものが設置されている場所で四人はそれを凝視していた。

 そこに映し出されていたのは、『使い魔』の眼を通じた景色………メイジャーランドの現状であった。

 

「何やのこれ?これが世界に幸せを贈る輩と不幸を贈る輩と?しょうもなさすぎるわ………」

 

 天狗のお面を付け、頭巾と袈裟(けさ)、そして篠懸(すずかけ)を身につけた山伏の様な格好をした緑髪の少女は、横たわって寝そべりながら得物である十字の形をした刃の槍を、鏡に突きつけてこうぼやいた。

 

「……………なんか地味……子供の喧嘩……」

 

 彼女の発言に続き、おかめのお面を付け、青い変わった形をした着物を着ている水色の髪の少女は三味線を弾きながら答えた。

 

「それにしてもらこの阿呆そうな男全然怖くないのだー、こいつが不幸だ何とか言っても説得力に欠けるのだー。」

 

 狐のお面を付け、半袖の着物を着て脚絆を付けている金髪の少女は両足をバタバタと上下に動かし、退屈そうにメフィストを小馬鹿にしていた。

 

「………………」

 

 そして、赤鬼のお面を付けた鎧甲の赤髪の少女は三人の会話に耳を傾けずに、無口のまま正座をしながらそれを見ていた。

 

「それにしてもー風吹(ふぶき )ぃー?何でこんな物撮ってきたのだー?」

 

 金髪の少女が風吹に尋ねるとすぐに返答をした。

 

「上からの命令ですわ、ちゃんと見張っときぃっと言われましてんよ、雷叩(らいこう)はん?」

 

「……… 炎響(えんきょう)?どうした…?」

 

 風吹が雷叩にそう説明している時、水色の髪の少女は赤鬼のお面を付けた少女の様子を伺うも、

 

「………………」

 

 炎響は何も喋らずただじっと正座をして、それを見ていた。

 

水弾(みびき)はん、炎響はんはこれからについて思案にくれとるんやさかい、そっとしておきいや?」

 

「…………!?」

 

 風吹がそう言ったと同時に炎響は何かを察したのか、鏡の向こう側の障子に駆け足で向かった。

 三人もそれに気づいたらしくすぐに炎響に付いて行った。

 

 炎響がガラッと勢いよく障子を開けると、そこには陰陽師の様な姿をした者と御影石で作られた墓の様なものが存在していた。

 

 四人はすぐに彼のもとに向かい、膝を折る姿勢をとった。

 

「お上様、お呼びでしょうか?」

 

 風吹が尋ねると彼はゆっくりと墓から離れて、両手を広げつつこう答えた。

 

「………時が来ましたぁ……」

 

 それを聞くと同時に、四人は歓喜の表情をしながら顔を上げた。

 

「…………今こそぉ……無意味でぇ、無価値でぇ、不必要な人間をぉ……滅ぼすのですぅ………それこそぉ……我らが神、アラネマガツムのぉ……御神託でございますぅ………まずぅ…風吹さぁん、よろしいですねぇ……他のみなさぁんもぉ………よろしくお願いしますよぉ………」

 

「合点承知!」

 

「了解ぃ………」

 

「解ったのだ!!」

 

「御意」

 

 四人の少女は、高らかに返答をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は現代。

 

 今日から始まるは、異なる世界から来た者達と異なる力を得た者同士達。

 

 彼らによる奇妙な縁によって綴られるは、奇妙奇天烈かつ摩訶不思議で、そして切なくて熱き物語。

 

 この先の行方は誰も知らない。

 

 さぁ、よってらっしゃい見てらっしゃい。

 

 

 

 

 



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第弐話 残酷なる邂逅

 ここは加音町(かのんちょう)

 この街には実は特殊なルーツがあり、それは1779年に楽器職人の調辺 音衛門(しらべ おとえもん)が住み着いて以降、楽器作りが盛んになり、音楽が住人にとって身近なものとなった結果、町中は日々楽しい音色に溢る町となった為に道路やオブジェや、建物が楽器に関係した形状をしているのが特徴的な町である。 

 

 その街の中のある学校、私立アリア学園中学校(しりつありあがくえんちゅうがっこう)から物語は始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン。

 

 下校の時間を示すチャイムが鳴り、帰りの挨拶を終えると周りのクラスメートはワイワイと騒ぎながら帰宅したり、部活に向かおうとする。

 そして少年は荷物を纏めて、さっさと教室を出ようとしたが。

 

「でさー、それでさー……」

 

「マジかよ!ウケるなそれー!!」

 

 ヤンチャなクラスメートがドアの前で喧しく会話をしていて、教室から出られなかった。

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

(どけ!!出れないだろ!!!)

 

 目付きの悪い少年に気付いたクラスメートは、驚きつつもそそくさと離れていき、少年は教室から出た。

 

 図書館で借りたい本を借りた後、下駄箱に向かう為に廊下を歩いていると。

 

「ちゃんと頼めば食べさせてあげるのに!」

 

「その上から目線が気に食わないの!だから頼みたくないの!」

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドン!!

 

(煩い!耳障りなんだ!!)

 

 部室と思われるドアを思い切り蹴り飛ばし、途中何が起こったのかと騒ぐ声が後ろから聞こえたが、少年は不機嫌になりながら下校した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え!?楽器が盗まれた!?」

 

「そうなんだよ………」

 

「………犯人は誰なんですか!?」

 

「それがね……分からないんだよ……ごめんね?君のお爺ちゃんがせっかく寄贈してくれたのに………」

 

「いえ、貴方は悪くないですよ………」

 

 少年はしょんぼりとした様子で公民館を離れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もう全部、消えてくれ!!世界は俺一人だけでいい、他人の価値観、いや他人なんて、無意味で無駄で不必要なんだ!禄でも無い思念に囚われて、なりふり構わず迷惑をかけて、踏み荒らす事しか能の無い他人なんかとは、一生分かり合えない!)

 

 こんな事を考えながら、少年は耳にイヤホンを付けて帰宅していた。

 

 これがこのお話の主人公、鳴上哮汰である。

 彼は他人と分かり合うことに疑問を感じ、一人でいることを好むと同時に他人と関わることを極度に嫌っており、イヤホンで音楽を聴いているのも、他者との関わりを絶つという表れでもある。

 趣味は音楽で、和楽器の演奏曲やエレクトロ系の音楽は好むがクラシック系は好みでは無い。

 

 そして鳴上は先程、市民館にて趣味である三味線を弾こうとしたのだが、何と盗まれていた事が分かったのだ。

 さらに三味線だけでなく、和太鼓や横笛も盗まれてしまったというのだ。

 

 そして、不貞腐れながら帰宅していたその時だった。

 

「!?」

 

 突然凄まじい風が吹き付けてきたのだ。

 

「こんな時期に春一番か?」

 

 春の始まりを示す風が四月過ぎなのにも関わらず吹いた事に疑問を抱いていると。

 

「何だ?この匂い?」

 

 よくわからない異臭がしたので、気になった鳴上は匂いの元へ向かう事にした。

 匂いの元に近づくにつれ、その匂いがいったい何なのかが朧気にも理解した。

 

「これは、血!?」

 

 湿っ気のある鉄の匂いを嗅いだ鳴上は、すぐにそれが血である事を理解していてしまった。

 そして匂いの元である公園に向かうと、とんでもないものを目にする事となってしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ!うわああああああああああああ!!」

 

 それは、血塗れになって倒れている大人の姿達のだった。

 腕や腹辺りに鋭い刃物で切られたかの様な傷が見られ、そこから大量の血が流れ出ていた。

 かなり凄まじい光景だった。

 

「な、なな、だ、大丈夫ですか!?」

 

 一瞬正気を失いかけるも、すぐに落ち着かせ無事かどうか呼び掛けようとしたその時、ビュウと強い風が吹き付けてきたのだ。

 一瞬鳴上はたじろいだその時、何故か右の頬が生暖かく感じたので様子を見てみると。

 

「!?」

 

 自分の右手に、真っ赤な血が付いていた。

 鳴上はまた混乱してしまった。

 

 (一体何だってんだ!?どうしてこんな傷………!?)

 

 混乱している時、一瞬風に包まれた何かを鳴上は目撃した。

 よく見てみると、それは両手らしき物に鋭い鎌の様なものを付けた、カマキリの様な物がウロウロしていたのだ。

 

 そして、一瞬こちらを凝視すると、

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

 自分の方に突進してきたカマキリに対して、空かさず鳴上は左側に回り込んで避難しようとしたその時、

 

「っつ!?何!?」

 

 一瞬右足に痛みが走り転んでしまったので、何が起こったのか見てみると、一瞬のうちに切られていたのだ。

 何とか起き上がり、逃走しようとするも右足の痛みが邪魔して思うように動かなかった。

 そうしている間にカマキリは、のしのしと近づいてきてしまい、遂には鳴上の目の前まで来てしまったのだ。

 

(や、やばい!殺される!!)

 

 カマキリが鎌を構え、振り下ろそうとしたその時だった。

 

「!?」

 

 自分の周囲に激しい気流が発生し、カマキリを吹き飛ばしたのだ。

 そして上から何かが降りてきたと確認した鳴上は、空かさず上を確認すると梟がバサバサとこっちにやって来たのだ。

 

(ふ、フクロウ?)

 

 梟は両足に笛のような物を持っていて、驚く鳴上をよそに笛を放り投げて来たのだ。

 

「な、何だよ?いきなり!?」

 

「ソノフエヲフケ」

 

「っつ!?喋った!?」

 

 人間の言葉を喋る梟に驚く鳴上を無視して、フクロウは会話を続けた。

 

「ソノフエヲフカナイト、オマエハアイツニコロサレルゾ」

 

「こ、殺されるって、何なんだよ!?」

 

 鳴上が戸惑っていると、カマキリの怪物は起き上がり鳴上の方に向かって来たのだ。

 

「ま、また来た!!」

 

「ハヤクシロ!!ハヤクフカナイトオマエハシヌゾ」  

 

 鳴上は状況が飲み込めず苛立っていたが、ここで殺されるわけにはいかないので渋々従う事にした。

 

「…………どうすれば良いんだ?」

 

「ケケケ、ド、レ、ラ、ド、ヲツヅケテヨンカイフイタアト、フエヲウエニホオリナゲテ、ヘンシントサケブンダ」

 

「そ、それで良いのか?」

 

「ア、フエヲナゲタアトノリョウテハ、オヤユビトヒトサシユビヲツケテホカノユビハウチガワニオリマゲルンダゾ!!」

 

「わ、分かったよ!」

 

 早速鳴上はフクロウに言われた通りの行動を行う事にしたのだ。

 

「えっと……ドシラド、だったよな……」

 

 

 鳴上が言われた音階で笛を吹くと、鳴上の周りに激しい気流が発生し、四回吹き終えたと同時に笛を放り投げた。

 そして、

 

「変身!!」

 

 と叫ぶと、気流は鳴上を纏った。

 その間、鳴上は奇妙な感覚に見舞われた。

 

 まるで、体が弄りまわされているかのような、そんな感触だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして周りの気流が掻き消えると同時に、鳴上は自分の体をすぐに確認した。

 体の節々が、肌が妙に柔らかく感じ、何より胸とお尻が妙に大きく

なっているのと、髪の毛が妙に鬱陶しいくらいに長い事を鳴上は確認すると、

 

(ま、まさか下の方は!?)

 

 空かさず鳴上は股のある物を触れようとするも、

 

(な、な、な、な、な、な、な、なぃぃぃぃぃぃぃ!!!)

 

 男性特有のアレも、なくなっていた。

 これらを持って、鳴上はすぐにある事を確信したのだ。

 

(お、俺、女になったのかぁぁぁぁぁぁぁ!!??)

 

 自分は、女になっていた。

 この現実ではあり得ない奇怪極まりない事態に、鳴上はまた混乱してしまった。

  

 その時、一瞬だけ怯んでいたカマキリの怪物はすぐに鳴上に向かって突進して来たのだ。

 

「や、ヤバい!」

 

 突っ込んできたカマキリに対して、ナルカミは思わず左腕を左に思いっきり振り払うと、

 

「グギャアァァァァァァァァァァ!!??」

 

 カマキリは道路側にぶっ飛ばされたのだ。

 これを見た鳴上は、

 

(……よくわかんないけど……これなら行ける!!!)

 

 好転を確認したナルカミはカマキリを倒すがべく突撃をしようとしたその時、上から槍が降って来たのだ。

 

「これは………槍か?」

 

「ソレヲツカエ」

 

 フクロウに言われるがままナルカミは槍を構えて突進し、カマキリを腹に突き刺した。

 

「ギャァァォァァア!!??」

 

 すると、カマキリは急な痛みに苦しんだのか、言葉にならない叫び声をあげたのだ。

 

 よし、効いている。

 この調子ならアイツを倒すことができる、と思っていたその時だった。  

 カマキリはナルカミの突きを素早く横っ飛びで回避すると、左腕を右側に、右腕を上に構えて素早く振り払う。

 すると腕から風の刃が発生し、ナルカミに向かって飛んできたのだ。

  

 すぐにナルカミはジャンプをして紙一重で回避した。

 すると、後ろからドドーンと何かが倒れて来たかのような音がしたので、後ろを見ると木が斜め掛けにパッカリと斬られていたのだ。

 

 どうにかして倒さねばと、思っていると。

 

「な、なんだ?」

 

 自分を持つ槍が、ブルブルと振動しているのを感じた。

 

「イマダナルカミ!シ、シ、ファ、ラトフケ!」

 

 フクロウがそう指示したので、すぐにナルカミは決められた音階を吹くと、ナルカミの槍が緑色に輝いたのだ。

 

【風の旋律 壱番 風突《かざづき》】

 

 そのままカマキリに向かって突きつけると、大きくて鋭い風の刃がカマキリを貫いた。

 

(成る程……攻撃を当て続けてエネルギーを貯めて、特定の音を出すとこんな感じに技が出るのか……よし!この調子で!!)

 

 そう考えたナルカミは再びカマキリに攻撃を加えようとするも、

 

 コンコンコンコン!

 

「痛い痛い痛い!何だよ!?」

 

 フクロウがいきなりナルカミの頭を突つかれ、攻撃できなかった。

 

「ブキハナンカイモツカウトチカラヲウシナイ、イリョクガサガルウエニセンリツモカナデラレナイゾ。」

 

「おい!じゃあどうするんだよ!」

 

「ケケケ、コイツニカエロ」

 

 フクロウはナルカミに、三味線のキーホルダーらしき物を渡した。

 それがナルカミの手に触れると、すぐに元の大きさになった。

 

「これは、三味線か?」

 

「ソウダ、ウシロノサオノブブンヲカクニンシロ」

 

 フクロウに言われナルカミは棹の部分をよく見てみると、2つの窪みがあったのだ。 

 そこをつまんで引っ張ると、中から水色の刀が出て来たのだ。

 

「これは、仕込み刀か?」

 

「ソウダ、ツカノブブンガバチニナッテイルカラ……ア、オイ!」

 

「どうした?」

 

「アイツニゲルゾ!」

 

 ナルカミがカマキリの方に視線を移すと、カマキリは翅を広げて何処かに飛び出そうとしていた。

 

「ヤバい!早く追いかけないと!」

 

「オチツケ!コウイウトキハ、カゼノセンリツデ、ドシトフクノダ。」

 

「分かった!と、その前に……変身解除ってどうやるんだ?」

 

「オイ!ドウスルツモリダ!!」

 

「救急車を呼んでこの人を搬送するんだよ!」

 

「……ヘンシンカイジョトツヨクアタマデネンジロ」

 

 そう言われナルカミは変身解除を行うと、すぐに119を取り救急車を呼んだ。

 そして男性から離れた場所でまた変身した。

 

【風の旋律 飛鳥】

 

 この旋律を吹くと、槍の尻側に風の羽が構成された。

 ナルカミはそれに跨り、カマキリを追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして場所は離れ、調べの館にて騒動は起こっていた。

 

「こ、これって……」

 

「か、カマキリ?」

 

 キュアメロディに変身した響と、キュアリズムに変身した奏は困惑していた。

 

 自分達は怪物、ノイズに変わってしまったレコードを浄化していようと闘っていた最中だった。

 しかしそれは突然現れたカマキリの怪物に阻まれてしまった。

 どうなっているのかと、ハミィに聞こうとしたのだが。

 

「ニャニャニャ!?あれはなんなのニャー!?」

 

 ハミィですら驚愕の声を挙げていた。

 そして怪物にした張本人である三人組と一匹のネコですら、

 

「ちょっとアンタ達!なんなのあの怪物は!」

 

「いやいや!知りませんぞ!バリトン、お前のせいだろ!」

 

「いや、私だって知りませんよ!」

 

「ちょちょちょ!!こっちに来ますぞ!」

 

 予想外の事態に困惑してしまっていた。

 カマキリが両手の鎌を彼らの方向に構え、そして振り下ろすと同時に真空波が炸裂、彼らを襲った。

 

「や、ややややややばいですぞ!!」

 

「ちっ!皆んな、ここは撤退よ!」

 

「「「了解〜!」」」

 

 黒猫がそう言うと、三人はすぐに何処かへ逃げていった。

 

「ちょ!逃げるなー!」

 

「ひ、響!よそ見しちゃダメ!」

 

「え?」

 

 奏の声に反応して振り向くと、カマキリが左腕を振りかぶろうとしていた。

 そして、

 

「がっ!」

 

 カマキリの振り払いをモロにくらってしまい、メロディは壁に叩きつけられてしまった。

 メロディが激痛で悶絶しているのを確認すると、標的をリズムに変えて彼女を襲おうとした。

 

「い、いや………」

 

「か、奏ぇ………」

 

 メロディは何とかしてリズムを助けようとするも、痛みのせいで体が言うことを聞かず動かなかった。

 そうしている間にも、カマキリはリズムに向かっていった。

 

(い、いや……ここで助けなきゃ女が廃る……それなのに……体が痛くて言うことを聞かない…奏と、まだ……)

 

 そして、リズムにカマキリの凶刃が襲い掛かろうとしていた。

 

「っ!!」

 

「リズムー!!!」

 

 メロディが叫んだその時。

 

「やめろー!!」

 

 槍に乗ったナルカミがやって来た。

 槍がカマキリの背中に刺さるのを確認すると、すぐに槍から降りてリズムの元に向かった。

 

「大丈夫か!?」

 

 ナルカミに呼ばれたリズムは、若干混乱しながらも返答をする。

 

「は、はい………貴方は?」

 

「それは後、早くこっちに!!」

 

 ナルカミはそう言うとリズムの手を引っ張り、メロディのもとに向かった。

 

「二人はここで待ってて」

 

「待ってください!貴方はどうするんですか!?」

 

「あれは私の獲物だから、任せて。」

 

 ナルカミがそう言うと二人はゆっくりと頷いた。

 それを確認するとナルカミは武器を双刃の大太刀に持ち替えて、カマキリのもとに向かった。

 

「さて、もう虫だけに虫の息かも知れないけど……容赦はしないわ、はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 掛け声を上げると同時に、ナルカミは大太刀を構えて突進した。

 

「「す、凄い…………」」

 

 ナルカミの戦いぶりを見て、二人は言葉を失った。

 彼女の動きは、二人のそれを遥かに凌駕していたからだ。

 カマキリはナルカミを始末するがべく一心不乱に両手の鎌で攻撃するも、その攻撃は全てかわされるか防がれていた。

 

 対するナルカミはと言うと、回避しつつも通り過ぎる際に斬り続け僅かずつではあるがカマキリにダメージを与え続けていた。

 そしてしばらくダメージを与え続けたナルカミは、一旦カマキリから離れ大太刀を構えると。

 

「よし…これで終わりよ!」

 

 ナルカミがそう言うと大太刀の刃の部分を叩く。

 すると刃が赤く発光すると同時に発火した。

 そしてナルカミは大太刀を構えるとカマキリに突進しカマキリに斬りかかった。

 

【炎の音響 四音 三炎環】

 

 一度目の袈裟斬りで右の鎌を斬り、二度目の横薙ぎで左の鎌を斬り飛ばす。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 そして最後に、カマキリの胴体に大太刀を振り下ろした。

 

「グギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 それと同時にカマキリの全身は燃え上がり、最後は灰となって消えた。

 

「「……………」」

 

「フニャー!カッコいいニャ!」

 

 戦いに呆気を取られ言葉を失い、ハミィが歓喜の声をかけて上げているとナルカミがこっちにやって来た。

 

「貴方達、怪我は無い?」

 

「は、はいっ!」

 

 リズムの聞くと、ナルカミはホッとしてその場から去ろうとする。

 

「あ、あのっ!お名前を!!」

 

 名前は?と聞かれたので少しだけ考えると、

 

「…………ナルカミ」

 

 そう答えると同時に、ナルカミは二人の元から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っと」

 

 ナルカミは人気のない所で変身を解除した。

 

「アラケズリデハアルガ、ウイジンニシテハジョウデキダゾ」

 

「うわ!お前いたのか!?」

 

「アタリマエダ、ワタシハオマエノメツケヤクダカラナ」

 

「目付役!?」

 

「ソウダ、オマエガアホウナコトヲシナイヨウニカンシスルノダ」

 

「な、何だよいきなり!」

 

「クワシイコトハカエッテカラダ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

 一人と一匹の会話を、山伏らしき者は静かに監視していてた。




 言っておきますが暫く(エレンが加入するところまで)は鳴上君は響と奏とは一緒に行動はしません。

 例えるなら黒ミューズの様に様子を見つつ彼女達に協力をすると言う形で話は進みます。(それでも一般市民やプリキュアでない時の響と奏とは接しますが)

 次回もお楽しみに。


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