セイバー・不屈の騎士 (初手降参)
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セイバー・不屈の騎士
俺はナダ。元々は普通のリュウソウ族やったんやけど、色々あってガイソーグになって、色々あってリュウソウジャーの皆に助けられて……色々? 色々って、そりゃ、色々や。言わせんな恥ずかしい。
んで、そのな? 色々あって、でもようやく、俺もリュウソウジャーの一員に、仲間に……なれてな?
なれて、な。
……
……なってすぐ死んだわ!! いやーハハハ、参ったなこりゃ、罰でも当たったんかなハハハ、皆で一緒にリュウソウチェンジする暇すらなく退場してしもたわ俺ハハハ!! いや俺の場合はガイソーチェンジなんやけどな、あ分かる? 俺だけ色々あって装備とか違うんやけど……見る? ほれ、これ。あ、いい?
でな? でな? 俺な、死んだってのはな? なんかいきなり現れたものごっつ強いやつに仲間の皆が捕まったからな? 俺が命がけで助けたからっつうカッコいいエピソードがあってな、いや命がけっていうか命落としたんやけどなハハハ
はぁ……
いやまあな? 俺の亡骸ごと、な? コウの力になったから、まあ、それはそれで悪ないんや。でもな? 一度くらい全員で必殺技撃ってみたかったなーとか? な? わかる? ねぇ君ら
……
……ところで俺の体、今どうなっとんや? つうかここものごっつ寒いやん。なんで?」
「えーと……ねぇマシュ」
「何でしょう先輩」
「随分……よく喋る人だね」
「そうですね」
時は2018年、漂白された地球の中、異聞帯ロシアの氷の大地、その片隅の洞窟にて。雷を利用してどうにかこうにかサーヴァント召喚を敢行した藤丸立香ら一行が出会ったのは、黒衣に身を包んだ……関西弁の男だった。
「あ、いや、あー、あー……なんか分かってきたで。うん。つまりな、今の俺は……サーヴァント、セイバー──ナダや。よろしくな?」
「はー、ここはそんなことになっとんやなぁ」
セイバー、ナダ。そう名乗った男と火を囲みながら、藤丸立香とマシュは互いに互いを見合わせていた。
何しろ、ナダはどうみても普通の人間なのである。鎧もなし、異形でもなし、気のいい兄ちゃんのようでしかない。この世界が白紙化した緊急事態とあっては、『ちょっと心もとないような気がしないでもないような……』とマシュはこっそり思って苦笑いしている。……いや、立香はといえば既にすっかりナダを信用していて、『何とかなりそうだね』と笑っているのだが。
そのナダはといえば、こっそり召喚の様子を見ていたもふもふな原住民パツシィと楽しげに戯れていた。
「えーと、ヤガやったっけな? あんたも大変やな犬っころ、おーよしよし」
「うるさいなお前撫でるな」
『なんだねあの男は!! サーヴァントって、もっとこう、ヤバそうなやつなんじゃないのかね!?』
『まあまあ落ち着いてください新所長』
『そうは言ってもだ!! この召喚に人類の命運がかかっていたのだぞ!? リコール!! やり直しは出来んのか!!』
マシュですらちょっと不安なレベルなのだから、シャドウ・ボーダーに残されたゴルドルフの不安はひとしおであった。ただでさえ青い通信機のモニターに、顔面蒼白の姿が写っている。
『大体何なのだ!! カルデアのサーヴァントが召喚されるんじゃなかったのか!? 不良品なのかね!? いやもう勘弁しなさいよ』
「うっさいなぁおっさん!! もっとちっちゃく喋れんのかいな!!」
『ひっ』
……当然その嘆きはナダにも聞こえていた。
ナダは通信機をやかましいと一喝して、しかし、それだけだった。
立香はそれを見て首を傾げた。
「……怒らないの?」
「いや、まあな。俺は最強って訳じゃあないし、出来ることも多くない。気持ちは解るんや」
ナダはそう笑う。しかしそれは自嘲も、諦めも含んではいなかった。不思議と、晴れ晴れとしていた。
「なああんた……マスター」
「ん、俺?」
「お前が俺の……新しいマスター、なんだよな」
「うん。……ナダの仲間だよ」
立香はそう言いながら、満面の笑みを浮かべていた。呼び出された騎士は初めて立香と会ったはずなのに、何故だか懐かしそうな顔をしていて、マシュはちょっと不思議に思った。
「ああ──お前のそういう笑顔、俺は好きやで」
その刹那であった。
彼らの身を寄せていた洞窟の、その入り口から、獣の轟きがこだましたのは。
「Grururrrrrr……」
一行は立ち上がる。声の方を振り返る。
「っ、魔獣!! しまった、俺の後ろをいつの間にか……」
「下がってくださいマスター!!」
「クリチャーチ……」
洞窟の入り口辺りから、魔獣が数体侵入してきていたようだった。マシュが立香とパツシィと共に洞窟の後ろに引き下がる。ナダを残して。
今戦えるのは、彼だけだ。
「また変なんが出てきたなぁ!! 何だあれ、騎士竜トリケーンみたいやな!!」
「ナダさん!! 戦えますか!?」
マシュがそう声を上げてみれば、一つ鼻を鳴らす音が聞こえてきた。
気づけばナダのその左手には、一本、紫の剣が握られている。
「もちろん。……ほんなら、俺の出番っつう訳やな」
『ガイソーケン』
紫色の剣。恐竜を思わせる銀色の鍔の剣。それが、青白い氷の洞窟の光を受けて、眩く光っている。
「……安心せえ、マスター。俺があんたらを守ったる」
「お願い、ナダ」
「ああ……マスター、か。……因果やなぁ」
そして彼の右手の中で、騎士の魂が展開する。
『ガイソウル』
『ガイソーチェンジ』
紫の鎧が浮かび上がる。闇より出でて光の中へ。紫の鎧は纏わりつく。黒衣の男を呑み込むように。──紫の鎧で姿を変えた、その者こそはかつて民を蝕み、使用者を蝕んだ悪魔の装備。しかしてそれは……正義に仕える七本目の剣であった。
ナダ。そのもう一つの名、そして真名。それは。
「ほな──不屈の騎士ガイソーグ、行くで!!」
不屈の騎士、ガイソーグだった。
この後は、
ヒエヒエソウルを思い出してしんみりするナダ
パツシィとなんだかんだ意気投合するナダ
剛健の騎士宮本武蔵
実はセイバーじゃなくてバーサーカーだったナダ
真名はガイソーグであってナダじゃないので全盛期のガイソーグにあった怨念に悩まされるナダ
今度は立香に救われるナダ
雷帝vs覚醒ガイソーグ&宝具キシリュウジン
とかあるはず
ナダ復活しろ!!
っていうかナダが必要な時にマックスリュウソウチェンジャーに変化するシステムで行こう!!
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