電車でS(相模) 〜勝利(賞金)の為に〜 (名無しの音)
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1話「プロローグ」

今回からこの物語を書いて行く「名無しの音」と言います!よろしくー

初めての二次創作作品、未完にならないよう、気をつけます。


それではどうぞ!


..........ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。

 

「大和、通過」

 

町の灯りが殆ど消えた深夜、私は愛車の11000系をかしわ台の車両センターから西横浜駅の留置線へと回送している。

 

いつもは夜の運転はしないので、結構新鮮だ。

 

「次、瀬谷駅、4番線停車」(チーン)

 

ブレーキをかけて停車する。

 

「えっと、ここで通過列車の通過待ちか。」

 

少し時間があるので駅員さんと会話をする。

 

「お疲れ様です。」

 

「お疲れ様です。」

 

「珍しいね、臨時回送なんて」

 

「そうですねえ.....あ、そういえば何でこの駅で通過待ちをするんですかね?」

 

「そっか、お前いつもは始発を担当しているから知らないのか「電車バトル」」

 

「「電車バトル」?何なんだ、それ?」

 

「それはな、d「ファーン!!」お、来たぞ!アレが電車バトルだ!」

 

やって来たのは我が社の新型、12000系と....え、「東急5050系」!何で東急の車両が相鉄に!?

 

「何ですかアレ!何で12000系と5050系が並走しているんですか!しかも12000系は逆走しているし!?」

 

「えっとな、コレには訳があってな、我が社は実は赤字でこの電車バトルの賞金が、我が社の生き残る唯一の道なんだ。分かってくれ」

 

「・・・・」

 

「お、おい。どうした?」

 

「.......か、カッケェ」

 

「分かる!俺も試験に合格出来てれば電車バトルの運転士になってたのに!」

 

「.......俺、電車バトルの運転士になるよ、お前の思いを背負って」

 

「いや、難いぞ。毎年20人が養成学校に行くけど卒業出来るのは0人、良ければ1人とそんなだぞ」

 

「それでも受けるよ。」

 

「なら俺からも駅長経由で推薦してやるよ」

 

「え、マジ!ありがとう!」

 

「頑張れよー!」

 

「おう!」

 

そう言い、ノッチを力行に入れ、列車を発車させた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

あれから数年が経過した。

 

あの後、お偉いさんにお願いして養成学校に行って様々な事をやった。

直流1500Vが流れる電車バトル養成ギブスを使って正しいマスコン操作をするのは勿論。

JR池袋駅の改札機の中の人になって切符、ICカードの確認を瞬時にやったり、何故か警察学校と共同訓練をしたりと厳しい訓練を積んできた。後、危険物取扱者甲種を新たに取得出来たりもした....要らないけど。

 

 

 

 

そして、遂に、、、俺は、、、、、、「養成学校を卒業する事が出来た」

 

 

 

 

いやー長かった!

後、愛車の11000系も通常仕様から大幅な変更がなされた。

最高速度が120kmから165kmに上げ、車体の軽量化をしたが、ATCも積み込んだので-1.9tと、余り減らせなかった。

見た目は他車両との差別化の為変更させており、オレンジ色とネイビーブルーを窓下に入れており、相鉄のマークの下には「SOTETU」では無く、「SHD(Sagami High speed Drivers)」と書かれている。

形式も11000から11000Dと改められた。

 

試運転で横浜-海老名間を走行して見たが、全くの別物だと横浜を出た瞬間に感じ取った。

今からバトルが楽しみだ!




SHD(Sagami High speed Drivers)(サガミ ハイスピード ドライバーズ)

相模鉄道、通称相鉄社内のプロ運転士(D修行を終えた者達)を集めて結成したチーム。
何だかんだあって仮名がそのまま使われている。

因みにSHDのDはDream(夢)と言う意味も含まれている。(運輸のみで黒字経営するのが夢)



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2話「初めてのレース 相鉄本線、相鉄新横浜線、JR直通線、埼京線」

はいはーい「名無しの音」でーす。

今回は早速バトル!「〜〜」が多いですけど許してください。


それではどうぞ!


現在池 「海老名駅」

 

 

「来たか、新人。俺は本郷 悠(ほんごう ゆう)愛車はこの12000だ、よろしく」

 

「どうも、小境 直樹(こざかい なおき)です。愛車は11000Dです。よろしくお願いします」

 

「それじゃあルールを説明するぞ

レース区間はここ海老名駅から横浜駅まで、先に終着駅に入線した方の勝ち。自分の車両が自走出来なくなった場合、相手の勝ち。賞金は無し。これで大丈夫か?」

 

「大丈夫です」

 

そう言いそれぞれ車両の点検をはじめた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「両者準備は良いな!それじゃあカウント始めるぞ!」

 

「5」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「GO!」

 

スタートと同時に両者の車両が勢いよく海老名駅を発車する。

 

「おぉ始まったぞ!先行は11000Dだ!」

 

「後ろの12000は11000Dに喰らい付いたまま一切動かねぇ、こっからどうなるんだ!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「へっ、せいぜい前を走る気持ち良さを今の内に味わっておけよ、こっちは新型の12000。

同じE233系をモデルにしているとは言え、向こうは平成の車両。こっちはそれに加えE235系の最先端技術も導入させている「令和の車両だ!」(製造年が令和元年).....いつでも抜かせる事を頭に入れとけよ、新人」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「さがみ野駅通過、特急電車を運転している時とは比べ物にならないくらい早い。くっ、そしてカーブで減速するから少しずつだが距離を詰められている。どうすればあの12000から逃げ切れるんだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「こちら瀬谷駅。両者スゴいスピードでカーブを過ぎて行ったぞ!スゲェよ、こんなレース初めてだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「二俣川駅通過、......畜生、あいつ、カーブの立ち上がりが俺よりウマい。これじゃあゴール前に抜かすのはキツい。……「アレ」使うか」

 

そう言うと〇〇は携帯使いとある所に電話を掛けた。

 

「おう、俺だ。作戦変更だ「アレ」を使う。ポイントを切り替えとけ」

 

『分かった。くれぐれもホームに擦るとかはするなよ』

 

「分かってる分かってるって!それじゃあ」(ガチャ)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「見えた西谷駅!通過番線は4番線か。.......4番!?」

 

ブーブーブー

 

「はい、11000D運転士です」

 

『よぉ新人、ルート変更だ。終着駅は「新宿駅」だ!本来お前の車両じゃあ入れないVIPラインだ。感謝しろよ』

 

「はぁ!?ふざけんな!なn『ガチャ』あの野郎切りやがった。ムカついた!この勝負っ絶対に負けられねぇ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「こちら西谷駅、聞いてくれ、、、両者の車両が予定とは違う「相鉄新横浜線」に入って行ったんだが。どう言う事だ?」

 

『えぇ⁉︎こっちも知らないぞ!と、とりあえず西谷から先の奴に連絡しておいてくれ』

 

「了解」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「羽沢横浜国大駅通過、くっ、ライトを照らしても前が見づらいしずっとトンネルで今何処に居るのか分からない!貨物線だからカーブが緩いのが唯一の救いだな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ヨシッ!鶴見駅通過!この路線を知っているのは相鉄社内でも6人だけ、あの新人は一度も通った事が無い路線に怯えてノッチを緩めるかと思ってたが、やるじゃねぇか。だがこの勝負は先輩として絶対に負けられねぇ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「武蔵小杉駅通過、良かったやっと知っている路線だ。って、うわっ!何だこのカーブ、結構急なのにカント角が小さい!減速しないと無理か...」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「引っかかったな!この路線の落とし穴は西大井〜大崎間の急カーブ。東海道貨物線の高速コーナーで油断している所に来るから思わず必要以上のブレーキを掛ける。この路線を毎日走っている俺しか出来ない技だ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「渋谷駅通過、後少し。頼む!このまま1位を!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いや無理だ!俺の勝ちだー!」

 

 

 

ゴール!

 

 

 

「勝者!11000D!」

 

「よっしゃあ!!勝てたー!!」

 

「畜生、何で俺が....」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

その頃、イーストデッキでは一人の女性が勝負を観戦していた。

 

「馬鹿だな〜本郷さんはー、相手はカーブが苦手なのに高速コーナーだらけの新横浜線を使うなんて。あのまま横浜に行ってたら和田町駅くらいで抜かして圧勝だったのに。

 

.....でもこのままだとこっちに風評被害が来るから新人君には悪いけど負けてもらうよ、私の20000で」




本郷 悠(ほんごう ゆう)

相模鉄道、SHD所属のドライバーの一人、愛車は12000系、ホーム路線は相鉄新横浜線、JR直通線(西谷-新宿駅間)

様々な所にコネがあり、そのコネを駆使して愛車を日々パワーアップ(改造)している。レースの戦略などは考えず、勝てば良いんだよ!の理論。


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3話「神頼み 相鉄いずみ野線、相鉄本線」

はいどうもー「名無しの音」です!

今回は「正々堂々」勝負します!(本当だよ。)

それではどうぞ!


数日後、湘南台駅

 

「やあやあ新人君。初めましてだね。私は桜森 奈緒(さくらもり なお)愛車は20000系だよ。

ホーム路線は本当は本郷さんと同じで新横浜線何だけど、ほら、まだ東急目黒線方面の線路は出来てないでしょ。だから今はいずみ野線がホーム路線になってるよ。よろしく」

 

「どうも、小境 直樹です。愛車は11000Dです。ホーム路線は相鉄本線になってます。

後、新人君は辞めて貰えると嬉しいですね」

 

「あら、嫌だった?ちょっとショック……ってもう初めてしまいましょう!ルールは一緒でルートは湘南台から横浜まで。本郷さんみたいにルートを変える事は誓ってしないわ。これで大丈夫?」

 

「大丈夫です」

 

「それじゃあカウントお願い」

 

 

 

「両者準備は良いな!カウント始めるぞー!」

 

「5」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「GO!」

 

カウントがゼロになった瞬間、それぞれの車両が唸りを上げ、湘南台を勢いよく飛び出した。

 

 

 

「最初のバトルから成長してるらしいけど、ここから先行けるかな?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「うおっ、いきなり左カーブかよ。これじゃあスピードが出せない!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「早速スピードを落としたね!ここ、いずみ野線は相鉄本線(海老名-二俣川)より路線距離、カーブの数は少ない。だけど相鉄本線に比べ一つ一つのカーブが急カーブになっているテクニックコース!カーブが苦手な新人君には弱点だらけの路線さ!それじゃあ私は先行くねー!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いずみ野駅通過。くぅ、カーブが終わったと思ったらまた直ぐにカーブ。直線区間は無いのか

 

 

 

 

....って、うわっ!?眩しい!何だこの光は?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「弥生台駅通過。アハハ!また引っ掛かった!いずみ野線第二の落とし穴はトンネル突破後直ぐの駅!

日中なら問題無いけど、今は深夜。真っ暗で長いトンネルを出た瞬間、暗闇に慣れた目が駅の照明に思わず目が眩む! これが新人とベテランの経験の差さ!」

 

実はいずみ野駅を通過した時、奈緒はポケットからサングラスを取り出し、装着していたのだ。

これによって奈緒は、駅の照明で目を眩ます事無く通過出来たのだ!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「...このトンネルを越えたらいずみ野線最後の駅、南万騎が原駅だ。.........見えた!って、また眩しい!って右カーブ!?くっ、また離された。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「これでいずみ野線区間は終わる。これでもうサングラスは要らないね!.....11000Dとは、結構離せた。後は逃げ切るのみ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「こちら二俣川駅だ、20000系が先行してる!やっぱりいずみ野線区間で苦戦してたんだ!」

 

「これじゃあ11000Dの2連勝は無理かもなぁ」

 

「いや行けるって!あいつなら。だって俺の意思を継いでんだぞ?」

 

「っ!?.......なら、行けるかもな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「西谷駅2番線通過。良し、ちゃんと本線だな!」(正直疑ってた)

 

ブーブブー

 

「はい、11000D運転士です」

 

『ちょっと!疑ってたの!ヒドい!』

 

「すいません。でも、『「でも」じゃない!罰としてバトル終わったら勝者にケーキを奢る事!』

 

「それは無理ですね。だって俺はこの勝負、勝ちますよ!」

 

『言ったね、じゃあ高いの奢らせてやる!覚悟しててね!』ガチャ

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「今までで一番やる気出て来た!この勝負、「ケーキの為に」絶対逃げ切って見せる!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「星川駅通過、勝つとは言ったけどこのままだと負けてしまう。仕掛けるか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「何か仕掛けようとしてるけど西横浜駅から先は上下線の間に架線柱があるから無駄だ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「天王町駅通過!ええい!もう勝つにはこれしか無い!仕掛けるなら、「今!」」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「抜かさせた!ってえ!?あれじゃあオーバースピードよ!このカーブは制限55の相鉄線最大のカーブ!カーブが苦手の貴方には曲がりっこ無い!......くっ

 

 

......アレは!「複線ドリフト」!なんであの技が、」

 

 

奈緒は直樹の11000Dの脱線事故を覚悟したが、正樹はなんと!「複線ドリフト」をしてこのカーブを高速で抜けて行ったのだ。この光景に天王町、西横浜駅の観客は、連絡をするのも忘れ、唖然とドリフトをしたカーブを見ていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ゴール!」(横浜駅終了のお知らせ)

 

「勝者!11000D!」

 

「ぐわあー負けたー!」

「勝った!」

「スゲェ!あの20000に勝つなんて!」

 

 

「おめでとう、スゴかったよ。おかげで楽しいバトルが出来たよ」

 

「ありがとうございます!こちらも楽しかったです!」

 

「ところでさ、直樹君、天王町-西横浜駅間の複線ドリフト、アレ、どうやったの?」

 

「アレは、正直勝ちたい一心で一か八か、神頼みでやって、たまたま成功したって感じです。」

 

「神頼みって、スゴいチャレンジャー精神だね。お姉さん気に入ったよ〜。だけど注告。それ、いつか後悔するよ。」

 

「っ!....そうかもしれませんね。だけど俺的にはこれで良いんです。」

 

「....そっか」

 

「.............後、奈緒さん」

 

「何?」

 

「俺、景品のケーキ奢るは要りませんから」

 

「じゃあ他になんか要求するの?...もしかしてお姉さんの体⁉︎、駄目だよ初めては好きな人と決めてるから!あ、でも社内恋愛ってのもアリだなぁ〜」(アセアセテレテレ)

 

「いや、そうじゃなくて」(キッパリ)

 

「あっ、そう」(しゅん)

 

「コーナーの曲がり方を教えて欲しいんですけど」

 

「あ、そんなので良いの?」

 

「はい」(頷き)

 

「じゃあそれで決定!それじゃあ私は朝から運用があるから明日ね〜」ノシ

 

「はい!ありがとうございました!」

 

そう言うと奈緒さんは愛車の20000系と共に横浜駅を去って行った。俺も少し経った後、同じく横浜駅を後にした。




桜森 奈緒(さくらもり なお)

相模鉄道、SHD所属のドライバーの一人、愛車は20000系、ホーム路線は今の所、いずみ野線(二俣川-湘南台駅間)
将来的には相鉄新横浜線、東急新横浜線(西谷-日吉駅間)になる予定。

20000系を愛車にした理由は「可愛かったから」だそう。(10000系と悩んだエピソードがあったりなかったり)
対戦路線の特徴をよく理解し、万全の対策をしてレースに挑む。(今回の話だとサングラスなど)


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4話「ぬくぬく」

どうも「名無しの音」でーすよー

今回は平和回です。....偶には良いよね!

それではどうぞ!


「はぁ〜、平和ですねー奈緒さん」(お茶を飲みながら)

 

「そうねぇ、最近はバトルを挑まれる事は無いし、本郷さんは君とのバトル後勝手に他社線を使った事がバレて数日の謹慎と数週間の運輸業務禁止でその間愛車の12000系を没収、我が社で一番過酷な横浜駅で駅員業務中だし、…あ、茶菓子切れちゃった。新しいの取ってくるね」

 

「いや、俺が持ってきますよ、だから奈緒さんはこのまま温まっていて下さい」

 

「ごめんね〜それじゃあよろしくね。......はぁ〜このままだと直樹君の紐になっちゃう可能性アリだよ」

 

「取って来ました〜、ん?、どうかしました?」

 

「いや、なんでもないよ。ほら、早くコタツに入りな」(ぬくぬく)

 

「はい.....ふぅ〜あったけぇ〜」(ぬくぬく)

 

 

タッタッタッ

 

 

バンッ!!!

 

「!?、誰だ!」

 

「そんな事はどうでもいい!てか何ぬくぬくしてるんだ!俺も入れろ!羨ましい」

 

「「アッハイ」」

 

「それじゃあお邪魔します。...暖か〜。やっぱ今の季節、コタツに限りますねー。ねぇ「SHDのメンバーさん」」

 

「そうですね〜あ、お茶と茶菓子をどうぞ、寒かったでしょう?」

 

「あ、どうもすいません、いただきます。」

 

 

 

〜〜〜(そっから数十分間3人でぬくぬくしてた)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「...って、こんなぬくぬくしてられない!おい、SHDのメンバー共、俺は「小田急」から来た、現社長、小田 総三(おだ そうぞう)の一人息子兼運転手の小田 源三(おだ げんぞう) 社内では「源ちゃん」って呼ばれてる者だ!」

 

「「源ちゃん」って何かどっかの携帯ゲームソフトみたいな名前だな」

 

「それって「建築屋の源さん」の事?それなら家にあるけど」

 

「「やりたい!」」

 

「あ、なんで小田急のヤツがSHDの(今決めた)オフ会に来ようとしてるんだ?」

 

「(ピキッ)別に良いだろそんくらい。源ちゃん源ちゃん呼ばれているけど元のゲームはやった事ないんだ」

 

「いや、ダメだ。ゲームがプレイしたいなら俺を倒してみろ!」

 

「(ピキッピキッ)フンッ、新人が!神奈川県しか走った事ない田舎者が言うんじゃねぇ」

 

「いや、俺はもう新線使って新宿まで走った事あります〜...あ、もしかして相鉄新横浜線を知らないの?そっか〜なら仕方ないか〜」

 

「(ピキッピキッピキッ)...ならバトルだ!金曜日2時に小田急小田原駅に来い、バトル路線は小田急小田原線だ!....覚えとけよ。」(ガチャ、バタン)

 

「おう、覚えてたらな〜」

 

「ちょっと、あんなに煽って大丈夫なの?」

 

「大丈夫ですよ。あの人社長の息子さんらしいじゃないですか、だから本ナントカさんみたいにいきなり千代田線に変更して東京メトロさんに迷惑かけるとか会社に泥を塗る事は出来ないでしょうし」

 

「確かにそうだけど...」

 

「まぁまぁ、今はコタツでぬくぬくしましょう?金曜日までは後3日もありますし」

 

「そうね、まぁ私には関係ない話だし、後、他社とバトルする際は賞金の為に絶対に勝ちなさい」

 

「分かってますよ」

 

「よろしい(フフン)」

 

その後もぬくぬくし続けた。




小境 直樹(こざかい なおき)

相模鉄道、SHD所属のドライバーの一人、愛車は11000D(11000系)、ホーム路線は相鉄本線(海老名-横浜駅間)

最近入ったばかりの新人、15人に1人しか出来ないドリフトを習得している。

戦略は余り無く。対戦路線を1、2回乗ってみた後、対戦に挑む。
だが、実際高速で走るのとは訳が違うので余り効果は無い。


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5話「特急型VS通勤型 小田急小田原線」

どもども〜「名無しの音」デース!

今回はバトル!盛り上がって来たぜー!イェイ!

それではどうぞ


あれから3日、バトル当日(金曜日)小田原駅

 

「...来やがったか。新人」

 

「おう、ちゃんと来たぞ「源ちゃん!」」

 

「お前だけは俺の事を源ちゃん呼ぶな!」

 

「まぁまぁ源ちゃん、まずは愛車見せてよ」

 

「チッ、見せてやる。これが俺の相棒!「小田急60000形MSE」だ!お前らの路線には無い「特急用」の車両だ。どうだ羨ましかろう?」

 

「へぇ〜、MSE4両か。」

 

「ん?何か文句あるか?」

 

「いや、このMSE、お前と似てるな」

 

「お、そうだろう。俺みたいに高性能で、適用力もあってイケメンフェイスだよな!」

 

「いやな、MSEってお前の名前くらい座席硬いし」

 

「(ピキッ)この野郎、我が社のエースのロマンスカーをdisりやがって...」

 

「ほら、短気な所もそっくり、両数短いし」

 

「座席は人間力学に基づいて作られた物で、両数が短いのは運用のしやすさを考慮した結果なのと軽量化の為だ」

 

「はいはい言い訳乙〜それじゃあ始めましょうねー」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「それじゃあカウント始めるぞ!」

 

「5」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「GO!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おぉこの路線、走りやすい。やっぱりロマンスカーが走るからかカーブは緩やかで直線が長いのか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「新松田駅通過。さて、こっからどうなるかな?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「くっ、何だこのカーブは、右に行ったり左に行ったり。まるでいずみ野線見たいだ、しかも上下線の幅が広いから複線ドリフトが出来ない!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「くっくっくっ、この小田原線は新松田駅あたりからは山を縫うからカーブが続く、そして後に複線化したから新線と元線とは高さ、カーブ角度などが違うのさ。だから俺はいつも単線でタイムアタックをしてこの区間に備えていたんだ。それじゃあな!新人通勤車!」(ミュージックホーン鳴らしながら)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「鶴巻温泉駅通過、ここからは長いストレート。ここで少しでも差を詰める!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「フンッ、笑わせる。ストレートで追いつく?馬鹿か?こっちは特急用、向こうは通勤用だ。しかもこっちは両数を短くして最高速度も上がってるんだ。追いつく所か、差が広がるだけだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「本厚木通過。良いぞ、食いつけてる!このままあそこまで持ってくれ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

鶴川通過。畜生、食い付かれてる。もっとパワーを入れないと」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「来た!向ヶ丘遊園駅!ここからは小田急の複々線区間、高架、地下化で良く整備されたこの区間なら!思う存分スピードもドリフトも使える!この区間で「抜かす!」」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おいおい、勘違いして無いか?この区間はお前にとって有利な訳ではない。この俺も有利な区間だ!

地元の走り、覚えとけ!行くぞ、フルパワー!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「こちら豪徳寺駅、両数がスゴい速さで通過して行って、11000Dはドリフトですよ!本当、初めてみた。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「代々木上原駅通過、やっぱり抜かせない!やっぱり新宿駅が最後の仕掛けポイントか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「もう俺の勝ちだ。カーブで抜かすのだったら代々木八幡駅だったが生憎今は島式ホームしなっていて仕掛けるのは無理、終わったな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「最後!新宿駅地下ホーム。ココだ!行けー!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「な、何だその加速は!?ありえない!こんなのありえない!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ゴール!勝者、11000D!」

 

「いよっしゃー!!」

 

「な、何故負けたんだ。車両の改修も、車両両数を減らし、車両を軽くして関東一に登り詰めた。複々線区間でも抜かされていなかったし、何故だ。」

 

「教えてやる。お前が今回負けたのはその「軽量化」だ。お前は車両を軽くし過ぎたんだ。だから最後の地下への勾配の加速に乗れず俺に抜かさせたんだ。いいか、新人の俺が言えた者じゃ無いが、車両は「バランス」で決まる。極端に高いじゃ駄目なんだ」

 

「そっか、そうなのか。バランスか、勉強になったよ」

 

「それじゃあ賞金は「相模鉄道」でよろしく〜」

 

「...ちゃっかりしてるな、噂通りだ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「へぇ〜あのロマンスカーに「スピードで」勝ったの、ならこの子にとって良い相手になるかも。久しぶりにやりましょうか。....フフッ」




小田 源三(おだ げんぞう)

小田急の現社長、小田 総三(おだ そうぞう)の一人息子、愛車は60000形MSE(4両)、ホーム路線は小田急小田原線(小田原-新宿駅間)

「軽量化=勝利の鍵」と考えており、愛車である60000形の車体は特注のマグネシウム合金(アルミニウムより軽い金属)で出来ていて、関東一軽い電車と知られている。


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6話「カイゾー!」

はいはいはーい「名無しの音」でーす

今回は4話と同じくぬくぬく会!

後は、次回のバトルに備えてなんかします!

それではどうぞ


「俺は帰って来た!」

 

「あ、本郷さんじゃん、どうだった?横浜駅の業務は?」

 

「地獄だった。もうこんな事はしない。絶対に」(ガクブル)

 

「横浜駅の業務ってそんなに大変なんですか?」

 

「聞くな、新人。もう思い出したく無いんだ...」

 

「直樹君は駅員研修ってどこでやったの?」

 

「え、三ツ境駅ですけど」

 

「あー、あそこって結構利用者いるよね。大変だった?」

 

「いや、電車バトルよりは楽だったとでは思ってますよ?」

 

「あ、そういや新人、お前宛てに手紙だ」ピラッ

 

「誰からですか?」

 

「知らん、送り主の所にはタバコ吸ってサングラスを付けたワルパンダの絵しか書いて無いし」

 

「パンダ?上野動物園とか?」

 

「いやいや、そんなパンダ動物園に居たら嫌だよ」

 

「まぁとりあえず開けてみましょう。」

 

「えっと、『ドラッグレースのお誘い』?何ですコレ?」

 

「「ドラッグレース!?(だと)」」

 

「何で急にあのバケモノが.....3年も動き無しだからてっきり........」

 

「あの、ドラッグレースって何ですか?」

 

「ドラッグレースってのはね、簡単に言うと短い距離でどのくらい早くゴール出来るかを競うレースよ。短距離走と一緒ね」

 

「へー、あ、本当だ。レース区間が成田湯川駅から印旛日本医大駅の1駅だけだ」

 

「因みにレースまで後何日?」

 

「レース当日が〇月〇日、約2ヵ月ありますね」

 

「「直樹君(新人)、このレース、受けよう!!」」

 

「どうしてですか?」

 

「このドラッグレースの相手、今まで私らから奪った賞金を貯めてるの。そして勝てばその奪って貯めている賞金を入手出来るの」

 

「どうして貯めるのですかね?使っちゃえば良いのに」

 

「...相手のチームはね、潤ってるの、旅客運用で」

 

「後、車両はどうするんだ?相手は最高速度230キロだぞ。それに比べこっちは165キロ、このままだと負け確定だぞ」

 

「そりゃあ方法は一つでしょ」

 

「一つ?」

 

「改造よ!(魔)改造!!」カイゾー!

 

「おい今なんか一瞬違う意味にならなかったか?」

 

「まぁまぁとりあえずかしわ台車両センターへ向かおうか」(現在地西横浜車両留置場)

 

「嫌な予感しかしない。まぁ、俺には関係無いか!頑張れよ、新人!」

 

「え、何に頑張れば良いんですかー!本郷先輩ー!」(ズリズリ)

 

 

 

ガチャン!

 

 

 

「強く生きろよ、新人。....さて!お菓子食べるか!」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

場所変わりかしわ台車両センター

 

「沙織ちゃん〜来たよ〜」

 

「お、待ってたよ!奈緒ちゃん、それとお噂の新人君!」

 

「こんにちは。小境 正樹です。新人君と呼ばないで貰えると嬉しいです」

 

「どうもね、私は栗原 沙織(くりはら さおり)。一応SHD専属技術員なのだけど、人手不足でかしわ台車両センターの車両整備士も兼ねてるよ。よろしく。正樹君」

 

「でさ、沙織ちゃんには今回、彼の愛車である11000Dの(魔)改造をして欲しいんだけど」

 

「オッケーだよ!奈緒ちゃん!で、具体的にはどこを(魔)改造するのかな?」

 

「えっとね、2ヵ月後にドラッグレースをするから、それに対応した(魔)改造をお願い」

 

「了解だよ!それじゃあ彼の愛車はお預かりするよ。(魔)改造が終わったら連絡するからそれでよろしく!」

 

「分かった〜それじゃあね〜」(直樹を引っ張りながら)

 

 

 

 

 

〜〜〜〜それから一ヵ月半経過〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「お待たせ!出来たよ!」

 

「おぉ結構変わったね〜」

 

「まずモーターはー、えっと、何か大阪で安く売ってた高出力モーターをちょっと改良した物を搭載してるよ!」

 

「あの、それ大丈夫ですよね?いきなり爆発とかして俺の11000Dが壊れたりしないですよね?」

 

「大丈夫だよ!何かとある模型屋で作られた試作品モーターだったらしいんだけど、私が改良に改良を重ね、新品よりずっと良いモーターにしたから大丈夫!安全性は私が証明するよ!」

 

「それなら、まぁ」

 

「それじゃあ説明を再開するよ。高出力モーターに変えたからマスコンもそれ用に変えて、ブレーキ性能も同じように上げたよ。後、台車も超高速度対応の物に換装したからちょっと走り方が変わっているから慣れて置いてね」

 

「台車が変わるだけで走り方変わるんですか?俺、運用で偶に8000系とか運転しますけど感覚は余り変わりませんでしたよ?」

 

「低速と高速とでは全く違うのよ、正樹君も経験したでしょ?」

 

「そうでした、正直、完全に忘れてました」

 

「はぁ〜、最後ね、集電力を高める為に電気が通り易くて空気抵抗をを考えたD仕様のパンダグラフにして、軽量化の為に保安装置をATS、ATC両対応の物に変えたくらいね。...本当、これについては最初見た時アホかって思ったよ。まさか両対応じゃなくてそれぞれATS装置、ATC装置の2つを別に取り付けていたとはね」

 

「アハハ、でもそうした方が安かったですし」

 

「確かに両対応の物に換装するよりはATC装置を別に取り付けた方が安いけど、重量増えるし、配線が複雑になって整備士泣かせだし、間違えて両方起動したらエラー起こして自走不可になるかもしれないしで将来を見据えると両対応の物にした方がずっと良いのよ」

 

「そして注意ね。今貴方の11000Dは加速力がバケモノ級なの。その加速力で営業運転をすると急発進、急停車と乗り心地は最悪よ。だから営業運転用にロック機能を追加してるの。そのロックが掛かっている時は最高速度が他と同仕様の120キロ、加速力とかも他と同じレベルになるから。この11000Dで営業運転をする際はロックを必ず掛ける事!オッケー?」

 

「オッケーです。ありがとうございました」

 

「それじゃあレース頑張ってね!」

 

「はい!頑張ります」

 

そう言って11000Dと共に車庫を出た。




栗原 沙織(くりはら さおり)

相模鉄道、SHD専属技術員の一人、愛車はモヤ700系、走行可能区間は相鉄線内のみ(相鉄本線、いずみ野線、相鉄新横浜線(現時点では羽沢横浜国大駅まで)、厚木線)

人員不足の為かしわ台車両センターの整備士も兼任している。
(魔)改造を得意としており、家にある家具の一部は沙織の手により(魔)改造された物がある。

車両整備、改造以外に、相鉄線内のバトルで事故が起きた際、当該車両の甲種輸送も行っている。


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7話「ドラッグレース 京成成田スカイアクセス線」

ヘーイ!「名無しの音」デース!

今回はドラッグレース!

「高速進行と警戒進行が一緒になってる信号機なんて無いだろ!」と言う方がいると思いますが電車でDでもあった宝塚駅の渡り線みたいに気にしないでくれると嬉しいです。

それではどうぞ!


〜成田空港駅〜

 

「遅いな〜いつになったら来るんだよ。もう集合2分前だぞ」

 

「まぁまぁ本郷さん。あの人の事だし集合時間ピッタリに来るんじゃない?3年前みたいに」

 

「だろうな、...お、来た」

 

キィー!ガタン、ゴトン。...プシュー

 

「丁度2時0.分00秒、相変わらずだな」

 

「当然、時間は厳守する物でしょう?」

 

「えっとこの人は?」

 

「この人はなt「天狼 あずみ(てんろう あずみ)愛車は京成スカイライナーAE形よ」

 

「どうも、小境 直樹です。よろしくお願いします」(綺麗な人だなぁ)

 

「君、ドラッグレースは初めてよね」

 

「あ、はい!」

 

「それじゃあ一応ルール説明を、....と言ってもルールは電車バトルと変わらないからいいか。レース区間は成田湯川駅から印旛日本医大駅までの1駅、この先の事も言うと成田湯川駅通過線2、3番線からスタート。準備が出来たら警笛を鳴らす事、スタートは2、3番線の間にある信号機が高速進行になったらスタートね」

 

「すいません、それなら成田湯川駅集合でも良いんじゃ無いんですか?」

 

「あぁ、ここからスタート地点までは慣らし運転よ私はもうやっておいたから貴方が先行で向かって頂戴」

 

「分かりました。それじゃあ出発します」(ファーン)

 

警笛を鳴らし成田空港駅を後にした

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「成田湯川到着。...この信号機か。……一応点検だけしとくか」

 

「...良し、準備完了っと」(ファーン)

 

ペダルを踏み、準備が出来た事を知らせる。

 

『ファーン』

 

向こうも丁度準備が出来たらしく警笛を鳴らした。

 

すると信号機が発光し、動き始めた。

「停止」(5)

 

「警戒」(4)

 

「注意」(3)

 

「減速」(2)

 

「進行」(1)

 

「高速進行」(GO!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おぉ始まった、スゲェな!阪神ジェットカーだなんて比べ物にならないくらいの加速だ。VVVF外してんじゃねぇかぁ!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「うぉ!スゴい加速だ椅子固定式じゃ無かったら吹っ飛んでたかも」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いいねぇ!この加速、全く変わってない!行くわよAE形!バーンアウトしてでも最速であり続けるわよ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ギーーキギーーキィーーー

 

「やっぱスゲェ!両車高速コーナーなのにスゴいフランジ出して走ってやがる!しかも数秒で通過したんだぞ!俺多分この後新幹線のフル加速見ても遅いって感じてしまいそうだ。本当何キロで走ってるんだ!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「てっきり直ぐぶっち切って勝ちかと思ったけどさては今回の為に改造したね!だけど私もこの子もこれからが本番!「ギシャー!!」っく、何で!?今日の天気は曇りで雨は無い。だから空転は無いはずなのに!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ん?AE形の食い付きが弱い、今の内に!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「抜かされた!けど空転は今治った。差は少し、抜かし返して勝つ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「頼む!このままゴールしてくれ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「抜かせ!!」「逃げ切れー!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

finish!

 

 

 

「勝者僅差で11000Dの勝利!」

 

「あ〜あ、負けちゃった。...いやでも三年ぶりだし仕方ないよね〜」

 

「往生際が悪いぞ」

 

「うっ、そうですね。仕方ない、また集めて釣る事になるよね」

 

「俺もお手伝いしますよ」

 

「じゃあ賞金返して」

 

「それは無理です。こっちは経営難なんですから」

 

「…冗談よ、最初から分かってたし。それじゃあ私はちょっと成田空港に寄って帰るわ、またね」

 

そう言い天狼 あずみは相棒のAE形と共に成田空港方面へ列車を走行させて行った。




天狼 あずみ(てんろう あずみ)

京成電鉄所属で唯一のドラッグレース担当、愛車はスカイライナーAE形、ホーム路線は京成成田スカイアクセス線、北総鉄道線、京成本線(成田空港-上野駅間)

ドラッグレースを始めてから負け知らずで、手応えのある相手が現れるまで休止する事を決意し、3年間休止していた。時間絶対遵守を掲げており、営業業務では勿論、プライベートでも時間厳守で行動している。戦略は無く、天候、湿度によってレースの開催日を決めている。


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8話「新年」

どうも「名無しの音」です。
お待たせしました!更新再開です!

今更正月のお話ですけど気にしないでもらえると嬉しいです。
それではどうぞ!


1月2日

 

「ふう〜、やっと終わった〜」

 

「お疲れ、新人」

 

「あ、どうも本郷先輩。お疲れ様です」

 

「ただいま〜。お、本郷さんに直樹君。そっちも業務終わったの」

 

「はい、やっぱり新年は大変ですね。車両も運転士も足りないからってSHD(こっち)にも運転業務を押し付けてくるし。」

 

「アハハ、でも毎年の事だから「慣れておいてね」」

 

「そうだぞ新人。これも慣れだ」

 

「何かここ慣れなきゃ行けない所多過ぎません?」

 

「「いや、そんな事ない(ないよ)」」

 

「..................そうですか」

 

「「(良かった〜。誤魔化し成功!)」」

 

その後、SHDのメンバー(+α)で上星川駅の神社にお見舞いしに向かった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

その頃、〇〇鉄道〇〇線〇〇駅事務室

 

 

 

 

「ほぉ、弱小鉄道にいる負け知らずの運転手(ドライバー)か」

 

「えっ!何それ!面白そう!......ねぇご主人、一回バトルして「潰して」あげようよ!」

 

「どうせ社内最強ってオチだろ。興味ない」

 

「ですがこの運転手、あの「天狼 あずみ」に勝利しています」

 

「うるせぇ、ロボットが喋んな」

 

「ちょっとご主人!つーさんはロボットじゃなくて「対Dドライバー特化型オートAI、マーク23号機」だよ!」

 

「うっせぇ!分かってんだそんくらい!長いからロボットって呼んでるだけだ!」

 

「じゃあ「つーさん」って呼んでよ!ご主人が名前が長いって言うから付けたのに!」

 

「そんな気の抜けるような名前言えるか!てか主人に逆らうな!」

 

「だってご主人、いつまで経っても私の事愛してくれないんだもん!」

 

「はぁー、ちゃんと愛してやってるだろ、ほら」(なでなで)

 

「んっ、気持ちいい.....................確かに愛してくれてるけど、そう言う意味じゃない」

 

「何か言ったか?」

 

「ううん何でもない♪」

 

「そうか......」

 

「.........で!その運転手とバトルしていい?」

 

「いいぞ、ただし所属先を偽って挑めよ」

 

「やったぁ!ご主人大好き!それじゃあ行ってくる!行こうつーさん」

 

「あ、ロボットは置いて行け、連れてったらどんだけ偽っても直ぐにバレるだろ」

 

「はーい。.........それじゃあ行って来まーす!」

 

 

 

 

(バタンッ)

 

 

 

 

「.....................................本当に大丈夫かアイツ?」(ちょっと本気で心配になって来た)




つーさん

正式名称「対Dドライバー特化型オートAI、マーク23号機」

金属製、立方体をしており、自走不可、取っ手が無いので抱き抱えて運ぶ

Dバトル時、ドライバーにこの先の線形、相手の攻撃予測を伝える事が出来、その他に電気制御を乗っ取る事で、車両の自動運転化も可能。


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9話「無口運転手 京王線」

どうも「名無しの音」でーす。

今回はバトル会!お楽しみ下さい!

(ちょっとした小ネタ何だけど、この小説の登場人物、主人公以外のSHDのメンバーを除き、全員名字を駅名から取っています。分かりますかね?(因みにSHDのメンバーは主人公除き全員相鉄沿線の土地名から取っています))


〜京王八王子駅〜

 

終電も終わり、コンプレッサーの無機質な音が響く京王八王子駅

1番線には「競技」の幕を出した7000系が停車している。

ホーム上には真新しい京王の制服を来た女性運転士が懐中時計と新宿方面の線路を交互に見ている。

 

ファァン、ガタン、ガタガタガタガタン、ガタンゴトン。プシュー

 

電子警笛を鳴らし、小境 正樹が運転する相鉄11000Dが入線して来た。

 

「へぇ〜ここが京王八王子駅か。何か大和駅みたいだな。同じ1面2線だし駅出たら直ぐ地上だし

 

 

.........で、アンタが今回のバトルの相手って事か」

 

「・・・」こくり

 

女性運転士はこくりと頷いた後、名刺を差し出し7800形に乗り込んで行った。

 

「(山田 南 か、悪いけど通訳が必要なんじゃないか?)」

 

正樹も、そう思いながら11000Dに乗り込む。

運転台にはいつの間にか紙が置いてあり、そこには『バトル開始は目の前の出発信号、準備が出来たらブザーを鳴らして下さい。後警笛はビックリするので鳴らさないで下さい』と書かれていた。

 

(いつの間に……まぁいいか) ビー

 

準備が完了したのでブザーを鳴らす。

 

そうすると、起動してあるATC装置が動き出し。車内信号赤の状態でベルが鳴る。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

チンッ(赤)

 

チンッ(赤)

 

チンッ(赤)

 

チンッ(青)(GO!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「駅を出て最初のカーブが怖かったけど以外といけたけど抜かれたか…長沼〜高幡不動間の直線で抜けるかだな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・・」(北野通過、次の長沼の少し先から高幡不動の手前までは京王線最初の直線、あの性格から見て仕掛けてくる筈)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……良し!長沼駅通過!………ここだぁ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・・」クスッ(当たり。だけど読めてるからその攻撃は無駄)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「躱された!……くっ駄目だ!この先の線形は知らないし、さっきからカーブばかりでスピードが出ない!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「.....通過」(聖蹟桜ヶ丘駅通過、ここから府中駅までは連続S字カーブ。この間に引き離す)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「分倍河原駅通過ぁ!この線形、いずみ野線みたいだ.....そして何でかこの路線スゴく走り辛い、何故だ?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「チッ...」(府中駅通過、これで連続S字カーブは終わり、引き離す事は出来なかったけど距離を空ける事は出来た。この先は相手の得意な直線だけどここは京王線、変則的な「馬車軌道」が使われている。

荒々しいバトルとは裏腹に細かいコントロールが求められる電車バトルでは慣れていないと馬車軌道は完全な死角からの『回避できない』攻撃、馬車軌道での走り方を知らない相手は、調子が出ずどんなに得意な線形でも負ける。これが京王が手強い相手と言われる理由よ)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「西調布通過!ここからは地下区間か?...うおっホームが島式外側だからカーブがキツい!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「..............................!?」(調布通過。この駅は上り線がホーム側右カーブ、こっちは逆側左カーブ、相手と違ってこっちはドリフトで高速で抜けられる。そして相手の方が坂が急、これで更に距離を離せた筈……!? どうして逆に追いついているの!?もしかしてパワーで!?)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「良し!国領駅通過!加速力強化しておいて良かったぁ...おかげで上り坂でも速度変わらずで通過出来た。沙織さんには本当感謝だな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?!?!?」(ありえない!?聖蹟桜ヶ丘〜府中駅の連続S字カーブと馬車軌道と調布駅の坂&ドリフト出来ないカーブで本当なら振り切れていてもおかしくないのに!?それなのに私に追いつく!?ありえない!?ありえない!?!?)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!、今だ!行っけー!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?......チッ」(しまった!?抜かされた!抜き返さないと!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「明大前通過!このまま逃げ切れれば!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!!!」(抜かす抜かす抜かす絶対抜かす!!!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「笹塚駅通過!このまま行っけー!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!!!」(駄目!このまま地下に入ったら勝負が確定する!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「行っけー!!」「!!!」(抜かせー!!)

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

『finish!!』

 

 

 

 

 

 

 

「いよっしゃー!!!!勝てたーー!!!!......それにしてもスッゴい早かったよな。カーブとか勾配を完璧に熟知してるって感じで.....

 

 

 

 

 

 

......ん?そう言えば相手の7000は?」

 

 

〜その頃笹塚-新宿駅間〜

 

 

「申し訳ございません。国領駅付近から動揺していて、八幡山駅付近で抜かされてそのまま...」

 

『ーーー』

 

「はい、大丈夫です。隠蔽などはすでに」

 

『ーーー』

 

「了解致しました。それでは、はい。申し訳ございません」ガチャ

 

「......くっ、大手なんていう名ばかりの弱小鉄道が...」




山田 南(やまだ みなみ)

京王電鉄所属のDドライバー、愛車は7000系(6両)ホーム路線は京王線(京王八王子-新宿駅間)

人見知りで基本無口、バトルなどで不意を突かれると怒る。


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10話「嘘発覚」

どもども〜「名無しの音」でーす。

今回は日常会、バトル会は次回の予定です。

それではどうぞ!


ガチャ

 

「ただいまでーす」

 

朝ラッシュが終わり、乗務員が疲れ果てた頃、直樹が西横浜駅横にあるSHD帰って来た。

 

「お帰り〜…遅かったねぇ」(^^)

 

「あ、奈緒さん。ど、ドウシタンデスカナニカアッタンデスカ」(ー ー;)

 

「それはね、君が7時台になっても帰って来なかったせいで本来休みだった私の時間が消えたからだよ〜」(^^)

 

「すいません。実はバトル終了後、相手の車両がいなくて探してたら遅くなりました...」

 

「え、じゃあ賞金は?」

 

「それは口座に振り込んでくれるそうです」

 

「良かった〜京成とのバトルである程度相鉄新横浜線の建設費でかかった借金は返済出来たけどまだあるからね。しかもバトル会場までの輸送費や、バトル線路規格に合う台車の入手は自腹だからね。電車バトルもただの美味しい話じゃ無いのよね〜」

 

「えっ、あの新線って借金して作ったんですか!?...てっきり県と国の補助金とかでギリギリ間に合ったのかと思っていたんですけど...」

 

「はっ、県や国の補助金なんてスズメの涙程度だったわよ...何が「大手私鉄だから金あるだろ?だから少なくても問題無いだろ?」よ。確かにうちは大手私鉄になってるけど小田急や東武の様に有名な観光名所は無いし、京成や京急の様に空港も無いし、秩父鉄道や西武がやってる貨物事業は国鉄に奪われたし、いずみ野線事業は後ちょっとの所で国からストップが掛かるし、最弱よ!最弱!!だから横浜高速鉄道さんに頭下げたり小田急さんによしみで周遊きっぷだとか売ってるけど利益少ないし、そしてやっと出てきた利益は殆どお前らが税として取ってって残った分も設備の整備費や人件費に消えてくの明細書提出したから知ってるでしょ...それなのに「そんな紙知らない」」って何なのよ、あの時確かに直接手渡ししたでしょ...それなのに.............それなのに!!」

 

「とりあえず落ち着いて下さい!奈緒さん!」

 

「そうだぞー甘いもん食べて落ち着けー」

 

「クニ、ケン、オエライ、〇ス」

 

あの、本郷先輩。コレ地雷踏んだ感じですよね...

 

そうだな、アイツは元々運転手じゃ無くて本社で経理と財務をやってたからな。入社早々社長が新線建設と言う博打行為をして建設費とかで火の車だったから徹夜ありありのちょいブラックで、軽く病んでたからなぁ。正直あそこまで立ち直れたのは奇跡と言えるよ。本当

 

 

ガチャ

 

「おーす!SHDメンバー共。小田急の跡取り小田 源三様が来たぞー。菓子と茶を出して持てなせ〜....っておぁ!?こりゃ何事だ?」

 

「おぉ源ちゃんじゃないか!ちょっと待ってて、今どうにかするから。さて、奈緒さんちょっとこっちに」(手招き)

 

「おい、アイツ一人でどうにか出来るのか?」

 

「地雷を踏んだ本人がどうにかするって言ったんだ。どうにかするだろ」

 

「それじゃあいいけど」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜数分後〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「お待たせしました!私、復活!!」

 

「おい新人、どうやって復活させた。もしもの為に教えろ」

 

「それは簡単ですよ、チョコレートみたいな一口サイズの甘いお菓子を口に投げ込むだけです。めっちゃ簡単」

 

「それは簡単過ぎないか?」

 

「いいじゃ無いですか、簡単で......それで、今回はどうして来たんだ源ちゃん?前回みたいに「何となく〜」だったら追い出すぞ」

 

「いや、今回はちゃんと理由があるんだなぁ〜.....で、どうだった?京王でのバトル。負けただろ?そうだろ?...やっぱりな〜京王線は馬車軌道って言うお前が走った事の無い線路幅でな、それが〜」

 

「勝手に負けた事にするな。勝ったよ」

 

「え!? …と、と言う事は負けたのか?あの若葉台さんが?嘘だろ」

 

「ちょっと待て源ちゃん、誰だ。その若葉台さんって?」

 

「何言ってんだ?若葉台 京斗。京王電鉄唯一のD運転手(ドライバー)だろ」

 

「その人って女性で、愛車が7000で、バトル時に偽名を使ったりするか?」

 

「?、何言ってんだ若葉台さんは男性で、愛車は8000系だ。本当は2人いたんだけどな、一人がs........ん、ちょっと待て、じゃあお前は昨日誰とバトルしたんだ?」

 

「えっと、名前が山田 南って言う服装から見て多分女性運転手で、始終無口でバトルには7000系を使ってたな。線形を熟知してるらしいからてっきり京王のD運転手(ドライバー)かと思ってたんだけど」

 

「京王電鉄の路線を熟知している女性運転手か........................あ!一人いたぞ」

 

「名前は?」

 

「田無 めじろ、元京王電鉄所属で現在は西武電鉄所属のD運転手(ドライバー)だよ。

5年前、西武に移籍したんだ。移籍後はレース情報が流れて来なかったからてっきり整備士としてやってるのかと思ってたけど変装してたのか...それなら納得だ」

 

「因みにその田無 めじろさんは瞬間移動とか出来たりする?」

 

「は?瞬間移動とか人間じゃ無理だろ。」

 

「だよな〜(それじゃああの紙はどうやって置いたんだ?)」

 

その後、運用の時間となり解散した。




社長

相模鉄道(相鉄)の社長。先代のある時から急に不景気になり、その打開策でいずみ野ニュータウン計画を実行したが、国によりストップがかかり失敗に終わる。その後、延伸計画書を読み漁っていると神奈川東部方面線が目に止まり、藁にもすがる思いで延伸を決定。結果成功したが、利子は返済出来ているだけのリボ払い状態で借金の元金や設備の整備費は払えず。「D事業は儲かる」という風の噂を聞きつけ、更に借金をしSHDを設立しバトルで得た賞金で借金の返済、設備の整備費などに当てている。

桜森 奈緒が病んでしまった元凶でもある。


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11話「敗北 西武新宿線」

はい!どもども!「名無しの音」です!

今回はバトル回!

いや〜楽しみだぜ!(バトル回って書くの簡単で楽しい(書くまでが大変だけど))

それではどうぞ!


〜新所沢駅〜

 

深夜の新所沢駅、ホームには西武2000系と同じく6000系が静かに留置されており、ホーム上には京王の制服ではなく西武の制服を来た山田 南こと田無 めじろとその主人?である藤沢 秋津が静かに待っていた。すると突然直樹の11000Dが大きなフランジ音を出し勢いよく入線して来た。

そしてその後に追いかけて本郷 悠を乗せた奈緒の20000系も入線して来た

 

 

「やっと来たか」

 

「あぁ!手紙に書いてあった様にな、藤沢(ふじさわ) 秋津(あきつ)!そんな事より返せ!俺のそうにゃんグッツ!」

 

「それはバトルに勝ったらだ」

 

実はこのバトルの2日前、直樹がX年かけて集めた大事なそうにゃんグッツが盗まれており、グッツがあった場所には「グッツを返して欲しければ2日後の深夜、お前の愛車に乗って西武新所沢駅に来い」と書かれた手紙が置いてあり、色々調べた結果。送り主が「藤沢 秋津」だと判明し、ここに来ていたのだ。

 

「てか俺のグッツどうやって盗んだ!家のグッツ棚にちゃんと閉まっていた筈なのに!」

 

「それは俺の部下(下僕)に命令してやっただけだ。報告によると空いてる窓から入ってやったらしいがな」

 

「嘘だろ!?防犯完璧のマンションの12階だぞ!?」

 

直樹君って、意外といい所に住んでるんだね」ヒソヒソ

 

あぁ、俺よりもいい所に住んでやがる。正直ざまあみろだ……」ヒソヒソ

 

「てかなんでこんな事して呼び出した!」

 

「それはお前には運転士を辞めてもらう為だ。コイツの事もバレたらしいしな、口封じってやつだ」

 

「っ………そうか、それじゃあさっさと始めてくれ」

 

そう言って直樹は11000Dに乗り込んだ。

 

「分かった。安心しろ、お前が負けて運転士を辞めたらお前の11000Dの11000系へ戻す改造は西武が責任を持ってやってやるww………おい、お前の2000借りるぞ」

 

「了解ですご主人!はい、これがマスコンと鍵ね!」

 

「おう」

 

そう返し、秋津も愛車ではない2000に乗り込んだ。

 

え、これを読め?分かりましたけど……『それじゃあルールを説明します。レース区間は南大塚駅から本川越駅間にある脇田信号場から終点西武新宿駅まで、まず脇田信号場にまで戻り進行方向を転換した後信号場の信号機が青になったらスタート。カウントは無線で言う。』…これでOK?」

 

「分かった「了解」」

 

了運転士が了承するのと同時に相鉄11000Dと西武2000系が新所沢駅を出て脇田信号場(本川越方面)へ車輪の調子を確かめながら進んでいった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

プシューシューコッ、プシュー…

 

新所沢駅を出て10分、スタート地点に着いた二人は運転台から鍵(とブレーキマスコン)を抜き新宿方面の運転台へと速足で移動した。そしてどちらも準備が完了した頃、無線から声が聞こ始めた。

 

『ヤッホーご主人!スタートカウントダウンは私が担当するよ!いくよー!』

 

『5』

 

『4』

 

『3』

 

『2』

 

『1』

 

『GO!』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「良し!先頭に出れた!西武新宿線の難所は東落合-高田馬場駅間の右カーブくらい、それまでの距離を離せればいける!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふんっ、浅はかだな。西武新宿線、いや西武線の難所は他社線とは違う所を体験させてやる」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「挟山市駅通過!まだ追いついて無い!だけどなんだかこのカーブ曲がり難いぞ?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「チッ、もう気づき始めたか。だが無駄だ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「新所沢駅通過、なんだか上手く行き過ぎてる感じがする…なんか嫌な感じがするな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いいぞ、そのまま前を呑気に走っておけ…くくっw」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「所沢駅通過……っ!ブ、ブレーキ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「お、やっとハマったか、だが横転はしなかったか…まぁいい。どうせこの後抜かすんだ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「危なかった……所沢駅出た直ぐのカーブ、走ってる途中で急に一瞬内輪が浮いたぞ。もう少しスピードを出していたら今頃……か、考えるのは辞めとこう」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「安心している所悪いが今度は右カーブだ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「うわっ!また内輪が!…クソっ、どうして相手は内輪が脱輪せずに曲がれr「ギシャー」!?、今度はなんだ!…速度が上がったり下がったりを繰り返している!?

そしてこの音はなんだ!?………もしかして「空転」してるのか?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「チッ、事故る前に気づいたか…そう、ここ西武線のカーブはカントが他社線に比べだいぶカントの傾きが緩い。そして上り坂は80キロ以下なら問題なくいけるがそれ以上の高速走行時には絶妙な調整により空転しやすくなる。

このカーブ、坂を問題なく走れるのはこの西武新宿線の為だけに調整(チューニング)されているこの2000だけだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「東村山通過……「シャー!!」、駄目だ!加速しても空転しやすくなるしカーブじゃ内輪が浮くからスピードが出せない!…「ファーン」…くっ、抜かされた!ノッチを「ギシャー!」クソっ今は勾配で加速したら空転するか。…どうやったら空転せずに行ける。考えろ、考えるんだ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「小平通過、良くここまで脱線せず付いて来れたな。面白い!面白いぞ! だが、これで終わりだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「良し、先を見る限り勾配なしの直線。これで抜かし返す!いっけー!!……………ん、…あれは!?ブレーキ!「ギキーシャーギー!!!」まずい!このままじゃ脱線する!ひ、非常ブレーキ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「花小金井通過、あのブレーキ音からして非常ブレーキを使って回避したか!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「田無通過!…駄目だ、東伏見までには追いつくか抜かさないと勝負が決まる。ノッチ4!「キー!ギシャー!」…もう空転だからってノッチを緩められるか!ノッチ最大!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おぉ、空転しながら来たか!面白い!空転しながら追いついて来たやつはお前が初めてだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「追いついて来てる!このまま行けb「バン!!…シュー」…何だ!…クソっ、マスコンを動かしてもスイッチを入れ直しても駄目だ!……俺の負けか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

直樹の11000Dが突然の爆発により走行不可になり、研修通り対応してた所。見えなくなる程先に行った筈の今回のバトル相手藤沢 秋津が乗る2000が逆走し11000Dの所に近づいて来た。

 

「…今回のバトルは、公式ルールに則るとお前の負けになるんだが、そもそも今回のバトルは教会に知らせていない非公式のバトルだ、後俺がお前の事を気に入った。これで潰すのは惜しい。どうせなら俺のホーム路線で俺の愛車によって潰したい!…と言う事で今回のバトルは無かった事にする。だからお前のグッツは返さない。3ヶ月やる、その間に勝てる様にしとけ。以上」

 

そう言うと藤沢 秋津は2000に乗り込み去っていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

約1時間後……

 

「お待たせ〜直樹君。とりあえず車両見せてね〜……………あー、これは空転し過ぎてモーターが逝かれたね、後車輪もヤバいかも。そしてちゃんと非常時の取り扱いが出来てるね、良かった〜…フランジが結構削れてるからそこに仮台車を設置すれば低速なら大丈夫そうだね …それじゃあ連結して帰るよ」

 

「分かりました。すいません負けてしまって」

 

「いいよ いいよ。無かった事になったからこっちが賞金を払う必要も無いし…………だけど沙織ちゃんには後でちゃんと謝っておいてね。多分修理に10日くらい徹夜してもらうだろうし」(ほい連結完了)

 

「え、それ沙織さんが倒れてしまいませんか?」

 

「大丈夫〜大丈夫〜、かしわ台車両センターの整備員は車両整備以外に土木、建築、線路敷設、電気設備工事を二ヶ月間連続で出来る様に訓練してるから」

 

「あの、それって労働k「気にしちゃ駄目だよ」」

 

「労d「気にしちゃ駄目ダヨ」」

 

「r「気ニシチャ駄目ダヨ」………ハイ」

 

「分かればよろしい」(フフン)

 

(⌒▽⌒)「(もうやだこの会社ブラックすぎ)」

 

(^^)「(今度そんな考えを持ったら●●●●●しちゃうぞっ♪)」

 

( ;∀;)「(……………ハイ…)」

 

そんな会話をしながら直樹、奈緒、悠を乗せた20000&11000Dは帰っていった




藤沢 秋津(ふじさわ あきつ)

西武鉄道所属のDドライバー、愛車は西武6000系(更新済み)、ホーム路線は西武池袋線(吾野-池袋駅間)

西武鉄道所属の数ある運転士のトップで他の所属メンバーを奴隷の様に扱っている。
例え反発されてもバトルで圧倒的な力でねじ伏せるので、反抗する者はもういない。

自ら喜んで従っているのは田無 めじろくらいである。


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12話「特訓」

どうも「名無しの音」です!

今回は無駄話が多い気がする(でも一応凝っといたんです…(航空写真とかで確認してもらうと分かります)

それではどうぞ!


西武新宿線とのバトルが終わって数時間後、時刻はすっかり朝6時を過ぎる頃。

20000系は仮台車を履いた11000Dを30キロ程度の速度でノロノロと回送されやっとかしわ台車両センターに到着し、2編成はそのまま栗原 沙織が待つ工場内にゆっくりと入線した。

 

「遅かったねー……って、うわぁ…これは酷いね」

 

「一応簡単見た所モーターは全部駄目、前5両と後ろ3両はフランジは無いに等しい状態で、多分一部の機器とパンタグラフも駄目になってるかも」

 

「応急処置は?」

 

「仮台車と、ケーブルを外して置いたくらい。それとブレーキも駄目だろうからJR貨物さんにお願いして車掌車を借りて引っ張って来たよ」

 

「奈緒ちゃんお疲れ様、それじゃあ後は私達に任せて!」

 

「沙織さんすいません。11000Dの事お願いします」

 

「いいよいいよ気にしないで……それじゃあ詳しく見て行くから終わるまでちょっと待っててね」

 

「「はい」」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「お待たせ〜確認終わったよ〜」

 

「どうでした?」

 

「奈緒ちゃんの言う通り、車輪、モーター、ブレーキと足回りは全滅。走行機器は外傷がスゴいから一部交換が必要そしてパンタグラフも限界が来てたっぽいね。無事なのは車体だけだよ」

 

「どのくらいかかりますかね?」

 

「そうだね、今は他に整備する車両も無いし、2ヶ月くらいかな?………あ、でもモーターは変えが無いんだよね」

 

「沙織さん、今使ってた前のモーターってあります?」

 

「前付けてたモーター?一応取っといてあるけど?もしかしてそれを付けるの?今のモーターより出力もノッチ数も減るけどいいの?」

 

「それでもいいんです。お願いします」

 

「......分かった、それじゃあ前のモーターを取り付けておくね」

 

「ありがとうございます」

 

「直樹君、前のモーターで本当に大丈夫なの?」

 

「大丈夫ですよ、あのバトルでの敗因はモーターの出力が高すぎたのと俺がモーターのスペックに技術が追い付いてなかったんだと思っているんです。それに前のモーターの方が細かい調整が出来ますし、俺にはそっちの方が良いと思ったんです」

 

「へぇ〜、確かにあのバトルでは直樹君空転ばっかりしてたしね。その選択が正解なのかも」

 

「良し!それじゃあいきなりですけど奈緒さん、俺に指導につけてくれませんか?!」

 

「いきなりだね、でもどうするの?君の11000Dは使えないよ?」

 

「それはアレを使います」

 

「アレ?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜小田急線、大野総合車両所、小田急Dプロジェクト事務所〜

 

「おらぁ!」ドカンっ

 

「「「「「「!?!?」」」」」」

 

「おっす源ちゃん!遊びに来たぜ!」

 

「おいおいおいおい!何してんだ!」

 

「良いじゃん別に、……あ、どうもで〜す。いつも源ちゃんをお世話してま〜す」

 

「「「「「あ、どうも」」」」」

 

「何普通に返事してんだ!てか不法侵入!どうやってここに来た!」

 

「え、普通に奈緒さんの20000系でこう、スイ〜と」

 

「なんでだよ!なんで入れちゃうんだよ!海老名の連絡線はもう無いのに!俺はお前の所行く時はわざわざ海老名検車区で留置して来てるんだぞ!?.........どうやってだ、前のバトルの時はJR、千代田線経由で来たって言ってたけどその場合はこっちにも情報が来る筈だし

 

「いやいや、そんな遠回りはしてないよ、横浜線でちょちょいよ」

 

「はぁ!?横浜線との連絡線なんて聞いた事ないぞ?」

 

「まぁ俺も最近しった連絡線なんだけど相鉄新横浜駅から横浜線に通ずる連絡線が秘密裏に建設されたらしくて〜......それ使った」

 

「ん?俺横浜線に地下に行く線路見た事無いけど?」

 

「いや〜面白かったよ、なんか普段は業務用車両の引き込み線何だけど使う時は線路が下がって地下トンネルに繋がるんだ〜」

 

「ズリいぞ、そんなロマン溢れる連絡線所持して」

 

「いや小田急にもあるよ、てかそれ使って来たんだけど」

 

「いやいや、嘘おっしゃい」

 

「いや本当、横浜線の町田手前から相模大野駅の新宿方面にある留置線に繋がる連絡線だよ」

 

「マジか…気付かんかった」

 

「結構前からあったっぽいけどな」

 

「俺今度からその連絡線使うわ」

 

「おう、どんどん使え〜」

 

「てか結構脱線したな……何しに来た?」

 

「あぁやっと本題ね、ちょいと小田急さんの訓練シュミレーター貸してくれ。D用の」

 

「はぁ?いやに決まってるだろ」

 

「あ〜そんな事言って良いのかな〜貸してくてなかったら源ちゃんが週4のペースでかしわ台車両センターにだらけに来てるって報告しちまおっかな〜」

 

「チッ、汚いぞ!」

 

「うるせぇ!お前が言うな!」

 

「うぐっ、分かった………ほらよ、3つ隣の部屋で鍵はこれだ」

 

「あんがと源ちゃん!それじゃあな〜」

 

「直樹君、だから今まで注意も何もして来なかったのね」

 

「いや、アレは偶然思い付いただけ」

 

「え、あっそう」

 

「それじゃあご指導よろしくお願いします」

 

「はいはい、厳しく行くよ」

 

「頼みます」

 

こうしてD用訓練シュミレーターを使っての特訓が始まった。




小田急Dプロジェクト事務所

小田 源三含め数人が所属している。因みにメンバー全員愛車はロマンスカー


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13話「車両復活?」

は〜いどぉ〜う〜もぉ〜「名無しの音」でぇ〜す〜

今回も日時回でぇす

そういえば初めてじゃない?連続日常回??

それではどうぞ!


特訓開始から約一ヶ月後……

 

『訓練結果 54点』

 

「だー!なんでこんなに操作性が悪いんだ!」コノポンコツ!

 

「操作性が悪いんじゃ無くて直樹君の運転が荒過ぎるからだよ」

 

「それでも俺、今まで源ちゃんとか本郷先輩にも勝ってきましたけど?」

 

「う〜ん、そうなんだよねぇ……なんか実際のバトルの時の直樹君と今のシュミレーター時の直樹君、なんか違和感を感じるのよね……………あ、そうだ」

 

「ん?奈緒さんどうしたんですか?」

 

「うん、ちょっと待っててね

 

……もしもし、…うん。それでね、ちょっとお願いがあって………うん分かった。それじゃあ今から向かうからお願いね」pi

 

「誰と電話してたんですか?」

 

「沙織ちゃんとよ、11000Dの修理終わったかって聞いたの。終わったって」

 

「あれ?でも修理には二ヶ月くらい掛かるって…」

 

「まぁまぁとりあえず行こうよ」

 

「……はい」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

かしわ台車両センター

 

「沙織ちゃん、直樹君の11000Dもう出来てる?」

 

「うん!出来てるよ……この通り!」

 

「おぉ俺の11000Dが遂に復活!!…………ってあれ?なんか短くなってない?後ラッピングされて無い様に見えるのですが…」

 

「うん、君の11000Dが短く見えるのは錯覚じゃないよ」

 

「え、じゃあどうゆう事ですか?」

 

「いやね、奈緒ちゃんが「今修理の終わってる車両で編成して使わせて」って言われたから言う通りに今修理が終了してる4両で編成させたよ、ラッピングについては「走行機器の修理だけ終わっている」訳だからまだやって無いよ」(因みに比は1M3Tね)

 

「それじゃあコレで特訓しようか」

 

「いやでも10両じゃないから調子とか…」

 

「大丈夫、ちょっと空転しやすかったりパワー不足を感じるかもしれないけど私はSHDの中で唯一短編成を扱っているプロだから安心して?」

 

「短編成と言ったって俺の11000Dとたったの2両しか違わn「行くよ」………はい」

 

「えっと…何かごめんね。…後、頑張ってね?…特訓」

 

「h「ガチャン」………」

 

「……後、車体を擦ったり傷付けたりしないで欲しいな〜って、伝えたかったなぁ……」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

バトル1週間前

 

『訓練結果 96点』

 

「よっしゃあ!遂に95以上に行けた!」

 

「うん、これで特訓終了だね。やっぱりシュミレーターだけじゃ無くて実際の車両を使った方が良かったぽかったね」

 

「よし、この力で絶対俺のそうにゃんグッツを取り返してやる!」(ついでに圧勝して俺と同じ目に合わせてやる…フハハハハハ!!」

 

「!?……直樹君いきなりどうしたの?」

 

「あっいや、何でもないです……はい」

 

その2日後、11000Dの修理が全て終了し、バトルの準備が整った。




11000D

車両戸籍上は11000系の0編成。
プロトタイプとして製造され、資金不足&車両不足の為運用に回す事となり戸籍登録されて現在に至る。

製造当初5両で製造されその後5両新規製造し10両編成となる
11003編成製造後に作られた為少しプロタイプである元の5両とはドア窓の形などの差がある。


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14話「新技 西武池袋線」

〜吾野駅〜

 

「…え、前回同様私が説明するの?……まぁいいけど。

 

レース区間は西武池袋線吾野-池袋駅間。飯能駅までは単線の為、この駅を出発して先頭が2つ目の閉塞信号機を通過するまで徐行運転とし、先頭が2つ目の閉塞信号通過後全開走行でバトルを開始する事。なお小境 直樹にはハンデとして徐行区間での先行を許可する

 

………なんかスッゴい上から目線でムカつくわね。直樹君!こんなやつ特訓の成果でやっちゃって!!」

 

「h「それじゃあカウント始めます!」………。。。」

 

 

「5」

 

 

 

「4」

 

 

 

「3」

 

 

 

「2」

 

 

 

「1」

 

 

 

「GO!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「出発進行」

 

プシュー、ガタン……ゴトンっ………

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「なんか大きく変わったと期待していたんだがな……モーターを変えただけか。しかも音から見て出力が低いやつを使っているな…正直ガッカリだ」

 

ファァン……ガタン………ゴゴトン………

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「2つ目の閉塞信号機………通過!良し、全力走行開始!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「やはり加速が前回の走りに比べ劣ってるな。コレなら余裕で廃車にでも出来るだろ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「武蔵横手通過…離す事はやっぱり無理か………でも勝負は複線からだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「高麗駅通過…ただアイツの後ろ走るのに飽きてきたしちょっと仕掛けるか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「…………!?、なんでいきなり複線になってるんだ!?そして早速仕掛けてきた!……くっ油断した、飯能までは単線かと思ってたのに」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おぉおぉおぉ!目に見える程慌ててんなぁ!飯能過ぎるまで抜かさない予定だから慌てる必要はないってぇのになぁ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

キキーキシャーギギー

 

「飯能到着!早く入れ替えだ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………飯能到着したし、さっさと抜かしてゴールするか」ブレーキハンドル良しっと

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「元加治通過……ここ辺りは線形がいいから推進運転で抜かれない様に注意しないと……小田急小田原線みたいに上下線が離れている区間が多いから仕掛ける攻撃をある程度予測出来るのはありがたい」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「チっ…直ぐに廃車に出来る予定だったんだがな。アイツ新宿線の時と違ってここの線形に慣れてやがる…………前言撤回だ、こりゃあ思った以上に面白いバトルになりそうだ」ニヤァ

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「入間市通過……ここのカーブも複線ドリフトは無理か………でも奇跡的に小田急のシュミレーターで小田原線もついでに練習したからか自分が思った以上に走れる!こりゃあこのまま逃げ切れる!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「小手指通過、ここから先のカーブは複線ドリフトが可能になる…今までやってたつまらんタイムアタックじゃあ無く相手がいるバトルの開始だ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「所沢通過、ここもドリフト無理か……!?、どう言う事だ!?アイツ、俺の11000Dが上り線を遮っている筈なのに複線ドリフトをしてる!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「やっと気がついたか…俺が何の考え無しに下り線を選ぶものか、この一番内側にある線路は所沢駅からJR新秋津駅へと通ずる連絡線だ!普通ならこのカーブは上下線の間隔が広いのもあってドリフトは不可能だがこの連絡線と下り線の間隔は丁度複線間隔ピッタリになってるんだなぁ……これで減速しないと曲がれないヤツとはおさらばだな」ファァン

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……清瀬通過、駄目だ。急なカーブが無いから仕掛けても直ぐに反応される……どこかに仕掛けられる場所はないのか?!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ひばりヶ丘通過。石神井公園駅から練馬までは複々線があるが上下線の間には柵があるから仕掛ける事は出来ない。そしてこの先は住宅地を縫う線形だからスペース的にゴールの池袋まで複線ドリフトは出来ない……終わりか」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

大泉学園通過…ここからは小田急の時と同じ容量で行けば抜かす事は出来なくても食らいつくくらいは出来る筈だ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「中村橋通過…未だに食いつかれてるか。だがこの先は一切仕掛ける事は出来ないから食いついても無駄だ、さっさと離れろ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「江古田通過、くっ、この先は複線ドリフトが出来ない様になってる。そのくせドリフトが出来れば仕掛けるには絶好のカーブばかりだ……アレを使うか、いやでもアレは一回しか成功した事が無い……どうすればいい」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「東長崎通過、さっきから仕掛けようとしてる様だがもうすぐ終点の池袋駅だ。このままお前は終わりなんだよ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

椎名町駅通過!ここしか無い!いっけー!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?、何故カーブでスピードが上がっている!?複線ドリフトは不可能の筈だ!くっ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「最後!JRを跨ぐ制限40の急カーブ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「…くしょう…畜生ー!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

finish!

 

 

 

「………なぜだ…何故あのスピードでカーブを曲がる事が出来た」

 

「それは片輪ドリフトをしたからですよ」

 

「あの区間はS字カーブだ。荷重移動を使って行う片輪ドリフトじゃあ間に合わず今頃民家に突っ込んでる筈だ」

 

「あの技は普通の片輪ドリフトじゃなくて遠心力を使った荒技なので荷重移動とか面倒な事は考えず複線ドリフトと同じ容量で使えるから間に合ったんだと思います……あっ、弱点は急カーブでしか使えないって所ですかね」

 

「…小学生でも思いつきそうな単純で危険な技だな。そんな詳しく説明されても絶対使わないしそもそも使いたくないわ」

 

「でもその単純な技で負けたのは何処の何奴だ?…おっ?」

 

「運転は危険過ぎて未熟だと感じたが煽りスキルだけは高いみたいだな……奪ったグッツ全部破壊してやろうか」

 

「あるェ?勝負に勝ったらグッツは約束通り返される筈だけどォ?」

 

「返すとは言ったが「そのままの状態で」とは言ってないが?」

 

「すいませんでした早く返して下さい…」

 

「はぁ……俺はもう行く。グッツはもうSHDの事務所に送ったから自分で受け取りに行け……じゃあな」

 

そう言うと6000に乗って池袋駅を去っていった。

 

「………………俺も帰るか。いつまでも他社線のホームを占拠してられないし…ってあちゃー、またフランジがヤバそう。コレはまた怒られそうだなぁ……せめて線路にスプリンクラーでも撒いてて欲しかったな……はぁ」

 

そう愚痴りながら真夜の池袋駅を去った




片輪ドリフト

一般的に知られている方法は荷重移動のテクニックの応用で意図的に強い荷重移動を作り出しイン側のフロント荷重をめいっぱい抜いて行うが技自体の難易度が高くS字カーブでは間に合わず使えないなど複線ドリフトよりも自由に効かないので覚えているドライバーは二十数人程度だが直樹が使った片輪ドリフトは遠心力を使った簡単な物なので簡単に覚えられ複線ドリフトと同じ様に使えるが遠心力が弱い緩やかなカーブでは使う事が出来ない。


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15話「経営安定?」

どうも「名無しの音」です!

今回は日常回です!

それではどうぞ!


「ふっふっふ…どうやら最速の一匹狼Azusaだけではなくて、奴隷使いのAkituまでやられてしまうとは……予想外だったな」

 

「ゆ、夢ちゃん。あずささんと秋津さんを変な二つ名で呼んじゃだめだよ…」

 

「えーいいじゃん別に、大手所属なのにルールも知らない会社に負けちゃったんだしさ〜」

 

「それでもだよ、私達関東D連盟は違反をした会社に鉄槌を下す為に心痛めてやってるんだから、多分心のスキが大きかっただけだよ」

 

「にしてはあずさは楽しそうにやってたけどね」

 

「あずささんはそういう性格だから…」

 

「もうその辺にして下さい。相手はD運転手になって日が浅いとはいえかなりの強敵です。藤沢が倒されてしまった今、これ以上勝ち上がって調子に上がられると株主の方などに見限られてしまいます。ここは私が行きましょう。直通相手だから大目に見て来ましたがいい加減うちの路線を勝手に走られるのはもうウンザリですしね」

 

「え、どうせそう言いながら部下を向かわせるだけでしょ?しかもアンタ達の車両と運転方法って全部同じだから飽きちゃったんだよね、いい加減運転方法一つ一つにマニュアルのやめたら?だからいつまでも過去のしがらみから抜け出せないのよ」

 

「夢ちゃん、その辺で」

 

「へぇ、言いますね。それでも公務員なんですか?」

 

「あぁ?公務員だから煽りもしないなんて思ってるの?あいにく公務員も人間なのよ…だからアンタは大人しくD向けの新型車両でも開発してなさい。私達が潰すわ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あー暇」

 

「はぁ…直樹君それ何回言うのよ」

 

「えーだって最近はダイヤ改正で全然営業で飛ばせなくなったし、運営も少しずつだけど安定して来たからバトルする必要も無くなって来たし……あれ?完全に俺らいらない子じゃん」

 

「まぁ確かにその通りだよな…はぁ、いい加減快速運用は飽きて来たわ」

 

「あ、本郷先輩お疲れ様で〜す」

 

「お、おうお疲れ……やつれてる感がヤバいな、まるでこっちに来た時のお前みたいだw

 

「……ッ!?あっあの時の話はしないでくださいよ!」

 

「悪ぃ悪ぃ…でもこれはバトルとかしないと一緒このままだぞ、コレは」

 

「だよね……でも社長から『経営安定して来たし電車バトルなんてギャンブルみたいな事は出来ないよねっ!だからバトルしないでね!』って言われてるからね……はぁ誰かバトルせざるを得ない状況とか作ってくれないかなぁ…」

 

「いやぁ……無理だろ、社長の事だしまた会社が潰れる危機が来ない限りはないだろうな」

 

「分かってるよ……それくらいは」

 

「「はぁ………………」」

 

ジリリリリリリンッ……ジリリリリリリンッ………

 

「おーい、誰か〜?電話だぞー」

 

「電話くらいとってよ……」

 

「おっと、それは無理だ…今いい所なんだ」オリャッイケッ

 

「はぁ………もしもし、こちらSHDです……あ、社長ですか…………はい」

 

「珍しいな、社長から電話なんて…いつもはメールとかファックスなのに」

 

「緊急の用とかじゃ無いんですか?」

 

「はい………えっ!?……はい……はい分かりました……はいそれじゃあ」ガチャリ

 

「おースゲェな新人、当たりだ」

 

「わ、わーい」

 

「いやいや当たっても全然嬉しく無いんですけど……」

 

「あの、話していい?」

 

「あ、忘れてた。それでなんだ社長直々の急用ってのは?」

 

「『D連盟からバトル挑まれたから勝ってきて』だって」

 

「へ〜良いじゃん…てかバトルするな言っておきながらバトルさせるのか……」

 

「『因みに負けたら倒産するから絶対勝ってね☆』だそうよ」

 

「はぁ!?え、じゃあこのバトルに負けたら俺ら路頭に迷うって事か??」

 

「そういう事になるね……アハハ」

 

「因みに日程は?」

 

「今夜だって……」

 

「マジか…行けるかこれ?」

 

「行けます、いつでも出来る様に準備はしてましたし、体力も有り余ってるんで見せてやりますよ」

 

そう言うと直樹は腕を大きく回した。




D連盟

関東を初め中部、関西など地域にそれぞれ存在し、Dバトルの告知、事故の際のバックアップなど健全なバトルを行おうと活動をしている。

因みに電車バトルを行なっている各社を繋いでいる秘密の連絡線を保有しているのはD連盟である。



そして相鉄はD連盟は未所属である。


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16話「姉の意地 東京都交通局大江戸線」

どうも「名無しの音」です!

今回はバトル回!

地下鉄ってバトルに向いて無いよね………(どうして選んだんですか???)

それではどうぞ!


「まずははじめまして、私は関東D連盟会長青山 夢(あおやま ゆめ)」

 

「関東D連盟副会長青山 のの(あおやま のの)です」

 

「これよりSHD…相模鉄道を解体します」

 

「あの、なんで俺らには一切関係ない連盟が勝手に解体とか言ってるんですか?あぁ?」

 

「うるさいなぁ…本当ならこんなバトルでどうこう決めるなんて面倒な事はしないんだからあんたら泣いて感謝を述べるべきでしょ?」

 

「ピキッ……ねぇ、このバトル私にやらせて」

 

「あ、はい」

 

「ありがとう」

 

「…大丈夫か?今回はお前路線の下調べもしてないだろ」

 

「そうだけどいい加減私も限界なの」

 

「ぁ………わ、分かった……程々にな?」

 

「努力はする………………という事で私が相手になるわ」

 

「……あら、もう別れの挨拶は済んだ?」

 

「えぇ、もう終わりにするわ……今までの私だと括って油断しないでよ」

 

「そう?私から見れば何ら変わってない様にしか見えないんだけど」

 

「夢ちゃん」

 

「……はいはい」

 

「それでは改めてルール説明を、バトルは2回、それぞれの区間は都庁前から飯田橋、六本木を経由して光が丘までと渋谷から浅草まで、一回でもそっちが負けたらその時点で終わりです。それでは頑張ってください」

 

「納得出来ないけどやってやるわ」

 

「ふんっ、あんたなんか坂も登れずスタックすればいいのよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……5!」

 

「4!」

 

「3!」

 

「2!」

 

「1!」

 

「GO!!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……流石は地下鉄、急カーブの多さはいずみ野線とは比べ物にならない」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふん、やっぱりカーブに強いのは情報通りなんだ……だけどこの先の区間で引き離してあげる」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……なんでこんなにトンネルが狭いのよ!しかも単線トンネルだから相手より前に出てるのかも分からないし」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「牛込神楽坂駅通過、どうやらカーブにビビっちゃったのか全然スピードを乗せてない…はぁ〜あ変わったって一体なんだったのかしら」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……大丈夫なのか…アイツ」

 

「奈緒さん自身でバトルを引き受けたんですから大丈夫では?」

 

「いや、都営大江戸線はただの地下鉄ではなくリニア地下鉄だ」

 

「それが何か問題でも?」

 

「リニア地下鉄ってのは急な坂でも登れる様に線路の間にあるプレートに自身の車体を引っ付かせて走行している。これだけなら坂に強いとまでしか思わないが磁力によって常に線路引っ付くって事はある程度無茶な速度を出しても何事もない様にカーブを曲がれるって事なんだ」

 

「別にそれは問題無いのでは?だって走行環境は相手と一切変わりありませんよ?」

 

「いや、相手と決定的に違う点が一つある」

 

「え?……という事は車両ですか?」

 

「そうだ、相鉄20000系は最悪な事に「アルミニウム合金」で出来てる」

 

「という事は……」

 

「あぁ、20000はプレートによるサポートを受けられない。だからかなり不利なバトルになってる……10000ならステンレス鋼だからサポートを受けれたかもしれないってのに」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「汐入駅通過…駄目、駅のホーム越しにはテールライトしか見えない……こっちは限界ギリギリを攻めてる筈なのにどうして差が縮まる所か伸びてるのよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「麻布十番駅通過、普段のバトルだったらここで内線外線で高低差が違うから一番気をつけるべき所なんだけど……その必要は無いわね。見たところ着いていくのが精一杯って所……あーあ、つまんない」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「本当になんでこんなにトンネルが狭いのよ…もっと広ければ今頃抜かせたのに」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「青山一丁目駅通過、この先の国立競技場駅を出た所には45‰の上り坂、今までは加速がつけられる様にほぼ同じ‰の坂があったけどここにはない、大人しく失速して手歯止めかけて泣いてなさい」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「国立競技場駅通過…!やっと相手の編成全体見える複線トンネルに来た!……くっカーブが、やっと相手の車両を捉えたってのにここで更に引き離されてたまるもんですか!……もう車体の事とか考えるのやめた!ここでなんとしてでも差を縮める!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「なんで上りなのにちょっとずつ差が縮まり始めてるのよ!……こうなったら更にペース上げて暗闇しか見えなくしてやる!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「どんどん差を縮められてる……これなら行けるわ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おっ、来たぞ!」

 

「まだ青山 夢の方が先行してる……でも奈緒さんもどんどん差を縮めている………これなら!」

 

「あぁ、だがこの先中井を出たら上りになる、それまでに抜かせれるかが勝負の鍵だ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「西新宿五丁目通過……なんでさっきまでと違って威圧感を感じるのよ!……駄目、私は青山夢、D連盟会長…あんな責任知らずには負けてられないのよ!……最新技術の結晶であるこの子の力を見せてやる!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「中井駅通過…もう追いついた!このまま追い越せば」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「駄目、ここで抜かさせはしない!!このままフルスロットルで引き離さなきゃ!!………あっ、この先はカーブ!スピードを落t」

 

ガキィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

「緊急停止!」ピーーーーーーー

 

ガタガタガタっガガッカガッンゴカガタンッ…………

 

「…………………私の負けよ………ごめんねのの、後よろしく

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………このバトルは青山 夢の12-600が自走不可になった為SHDの勝利とします。次のバトルは渋谷から浅草までのバトルとなりますのでレース開始地点にに移動の程お願いします……それでは失礼いたします」

 

そう言うと青山 ののは乗務員室へ入っていった。




青山 夢(あおやま ゆめ)

東京都交通局に所属し関東D連盟会長である。
愛車は12-600形2次車、ホーム路線は大江戸線(都庁前-飯田橋-六本木-光が丘)

青山 ののとは双子の妹であり、姉として誇れる為、妹に負担をかけない為に様々な役職を率先して受け持っている。

愛車の12-600形は他の同形式と違い床下、車輪に磁気を纏っており通常の線路でもある程度の保持力を持っている。
その為営業に入る場合は通常の12-600形と違って新幹線車両の様にカバーがかかっている。

……が磁力が強いのか精密機器に持って乗車すると偶に壊れるらしい(車両搭載機器は磁気カット加工施工済み)


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17話「邪魔者 JR中央・総武線各駅停車」

〜中井駅〜

 

「もう、迎えなんて必要なかったのに」

 

「いや、ここは勾配が急だからと車両が登れなかった時に奈緒さんだけでもって思って」

 

「そっか……ありがと………でも大丈夫、私は先にゴールの渋谷駅に移動してるね」

 

「無駄足だったなw」

 

「くっ…………えっと…………………移動しますか」

 

「待たせちゃ悪いしな…だけどどうする?遠回りしたくないからJR中野駅に留置してるけど」

 

「え、そのままJR線で浅草行けばいいんじゃ無いんですか?」

 

「直樹君、JRは浅草駅には乗り入れてないんだよ…」

 

「マジですか…知らなかった………じゃあどうするんです?」

 

「中央線ホームに入れてるから一旦三鷹に行って総武線に転線した後東西線に入って連絡線を経由すれば一番楽だな……だけど少し時間がかかるから新人だけ先に浅草駅に行って説明しておいてくれ。車両は俺の12000を使って11000を牽引して持ってくわ」

 

「分かりました!それじゃあお願いします」

 

「おう」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ガタン…ゴトン……ガタン…ゴトン

 

「……高円寺通過、意外と三鷹での転線に時間がかかっちまったな、でももうすぐ中野だ。ここで東西線に入れば後は連盟が話通してくれてるから道なりで良いんだな」

 

「…………」

 

「ん?なんでこんな所にE235が走ってるんだ?……まぁいいかどうせもう中野だ。気にしなくてm「ガシャンッ」……ん?……は?なんで11000との連結が解除されてるんだ?」

 

『それはな、私が解除してやったからだ。出来るなら小境 直樹が運転してた方が良かったのだが…まぁどっちでも潰せるからいいか………青山 夢が敗れた今このままだとSHDが存続する確率は50・50。そんなコイントスの様な物は信用出来ない…だから今ここで終わらせてやる。安心しろ、お前が勝てば11000はアイツの元へ、負ければ長野行きだ。区間はここから秋葉原まで、私はJR東日本Dプロジェクト代表、名は東道 鉄矢(とうどう てつや)、全力でもがけSHD』

 

「……さっきから好き勝手言いやがって、直通相手の仲で話は聞いててやったがムカついた!絶対負かす!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「JR線はほぼ全ての路線が基本的に直線でスピードが乗りやすい線形をしている。だがそれは列車線に限った話、総武線や京浜東北線の様な電車線は線形改善もあまりされず、他路線を跨ぐ、狭いスペースに駅を作ったりしているからJR指折りのテクニックコースと化している……だから普通の奴なら絶対に避けたがる。だから今回はあえて総武線を選んでテクニックで勝とうとしてる様だが無駄だったな…………生憎様テクニックなら散々相鉄本線で鍛えてんだよ!一泡…いや二泡も三泡も吹かしてやるぜ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「大久保駅通過、流石ちょろまかと動き回るのは上手いな。だがこの先は一気に坂を下り山手線をパスしてからのS字カーブ、そして新宿駅からは右へ左へのヘビーカーブ、普通なら何回も走り込みをしないと突破出来ない区間だ、さてどう切り抜ける?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ふっ、舐めんじゃねぇ…てめぇはバトルをレースと勘違いしてやがる。バトルは使える物は何でも使って勝利を掴み取る物だ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!…なる程、中央線の線路を使って複線ドリフトか……だが私だって伊達に代表やってるんじゃ無いんだ。代表ってのは支持されるだけの強さがあるやつだけがなれる物だ。縛りの中での最速って物も分からない小童が強さの象徴であえう代表の私を負かすのは不可能なのだぁ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「市ヶ谷駅通過…くそっ、何でこっちは複線ドリフトでコーナーを最速で抜けてる筈なのに…どうしてアイツはブレーキングで俺の12000に着いて来れるんだ!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ずっと後ろから着いてきたが変わらないな、どうやら性能的にはE233に角が生えた程度だな。こんなにも早いペースで行けてるのはテクニックだろうな……はぁそろそろ前に出るか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「飯田橋通過、……はっ、抜かされた…デタラメだろ、こんなあっさり抜くなんて、そんなに実力差があるのか……だが、それでも負ける訳には行かないんだよ!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「水道橋通過、もう秋葉原駅までは1駅、もう無理だな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……チャンスは…………ここだ!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?何ィ!中央線をパスした後の勾配を使って加速だと!?……だがどうせあの12000はE233と皮だけ変えた模造品だ、どうせ遠心力に負けて御茶ノ水の左カーブで吹っ飛ぶだけだ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「いや、こんな西横浜手前のカーブよりも緩いのなんて、直樹(アイツ)なら済ました顔して突破するんだろうな……それだったら俺でもやれる!!!行っけぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?……曲がっただとぉ!?ふざけるなぁぁ!!!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ゴーーーーーーーール!!!!!!!!!!!!勝者、12000!」

 

「それじゃあ約束通り11000Dはアイツの所に届けろよ」

 

「あぁ、私の優秀な部下達だ、今頃もう届いてる筈だ」

 

「青山姉妹は信用出来てないのに部下の事に関しては変に信頼してるんだな…」

 

「言っただろう、代表とは支持されるだけの強さがあるやつだけがなる物だ。支持されるって事は互いに信頼していないといけないんだ……つまりはそういう事だよ」

 

「なる程な……」

 

「それよりいいのか、早く行かないとバトルを観戦出来ないぞ?」

 

「そうだな、じゃあ俺は行くわ」

 

「あぁ、最初はSHDなんて目障りな存在だと思ってたが変わったよ、君達には勝ってほしい……直通相手だからってのもあるけどね」

 

「……そうか」

 

そういうと12000は新宿方面へと走っていった。




東道 鉄矢(とうどう  てつや)

JR東日本Dプロジェクト代表で愛車、ホーム路線は特にないがE235系が一番使いやすく、山手線でよく走り込みをしている。
自分がJR東日本Dプロジェクト代表である事に強い誇りを持っており、
走りは研究に基づき編み出されたマニュアルを完璧に実行し、高い走行技術を持っている。


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18話「逆転 東京メトロ銀座線」

どうも名無しの音です!

今回は本編最後のバトル回!

最後だから何かスゴいという訳ではありませんが楽しんで頂ければ幸いです!

それではどうぞ!


〜浅草駅〜

 

「……もうすぐ来るそうですよ」

 

「あ、あぁ…ありがとう、教えてくれて」

 

「いえ…」

 

「………」本郷先輩早く来てぇぇぇぇぇ!!!!このままだと空気でバトル所じゃなくなるからぁぁぁ!!!!

 

ゴトン……ガタンゴトン………プシュー

 

「………あれ、11000だけ?本郷先輩の12000は?」

 

「失礼いたします、本郷 悠様はゴールで待つそうですので代わりにお届けに来た次第でございます」

 

「あっ、はいどうもご苦労さまです…」

 

「………それじゃあ車両も届いた事ですし始めましょうか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……それでは、バトル開始までのカウントダウンを行います!」

 

「5!」

 

「4!」

 

「3!」

 

「2!」

 

「1!」

 

GO!!!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「…やっぱり先行された………だが銀座線は比較的起伏が少なく、カーブがなだらかなだから抜かせるはず!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「上野駅通過、銀座線は起伏も、カーブも目立った難所がどこにもない路線ってよく言われるけど、実際は違う……確かに目立った起伏はない…だから初めて走る人には分からないけど私は分かってる。緩やかな坂でもタイミングが合えばただの力行なんかじゃ比べ物にならない程の加速が出来る事。そしてそんな隠された坂はこの銀座線には沢山あるって事も………しかも銀座線は地下鉄、複線ドリフトも片輪ドリフトも出来ない狭い空間。そんな所ではいかに早く加速して走り抜けるかが勝負を分ける。この勝負、勝てる!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「くっ…なんであの1000系はあんなに加速が速いんだ……ついて行くのもやっとだ…………」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「神田駅通過、ここのカーブで一気に差を開ける!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「くそ、どうしてあんなに小さな車体であんな加速が出来るんだ………あの加速はゴムタイヤでも履いているんじゃ無いだろうな?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「虎ノ門通過、銀座線は渋谷-浅草を真っ直ぐ繋いでるから全線を走るのに所要時間が少ない。

だから大体の運転手は何も分からず、何も出来ず敗れて行く。この人も一緒だ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「………あーーーーもう!!考えるのはやめだやめ!ここは俺らしい突っ切って勝つ!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……4両分も離せた。しかも今溜池山王駅を出たからもうこれでおしまい」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「赤坂見附駅通過、ここだ!もうモーターが逝かれてもいい!!負けたら全部無に帰るんだ!!最後くらい限界を超えてやる!!!!!!うおおおおおおお!!!!!いっっっけぇぇぇぇええええええ!!!!!!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「え!?なんで上り坂で逆に加速してるの!?いや…ありえない……なんなのその馬鹿力!?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「もうカーブが知るか!地下鉄だから四方を壁で囲われているからこそ!無理が出来る!!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「!?!?車両を壁に擦らせてその反動で擬似的な振り子を生み出してる!?……これが後の事を考えないからこそ行える技………ごめん夢ちゃん。この人達には勝てないよ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「「ゴーーーーーーーーーーーール!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

「勝者!11000D!!!よってSHDの完全勝利です!」

 

「という事は?!」

 

「相鉄を潰す話は無しよ、おめでとう」

 

「よっしゃあああああ!!!!!!!」

 

「………ごめん夢ちゃん。勝てなかった」

 

「ううん、ののはスゴいよ、あんな常識外れな走りに最後まで着いてきてゴール出来たんだから…私はゴールする事も出来なかったし」

 

「違う!夢ちゃんは昨日からずっと寝ずに仕事してたから、もし私が変わりやったあげれたら今g」

 

「のの、それは言っちゃ駄目……ほら私達はD連盟の会長、副会長なんだから最後まで誇らしく…ね?」

 

「うん……分かったよ夢ちゃん」

 

「………SHDの皆さま、大変お見苦しい物をお見せしました。この後、バトルの賞金をお渡ししますが、振り込みの方がよろしいですか?」

 

「あ、はい…振り込みでお願いします」

 

「分かりました。それではお手数ですが後日こちらの番号にお電話ください」

 

「はい、分かりました」

 

「この駅は3時には明日の為閉めさせていただきますのでそれまでに移動の程お願いします。それでは失礼いたします」

 

「ね、ねぇ…あなた達は今後どうするつもりなの?」

 

「…………私達は、Dドライバーを引退して連盟の会長、副会長の座を降りようと考えています……今回のこのバトルは連盟の中でも賛否が分かれた中で強行して結果していますから、責任を取るにはこれが一番分かりやすいと思いますし」

 

「Dドライバーを引退するんですか?」

 

「はい、その予定です」

 

「私は嫌だな、だってバトルをやり切れて無いもん」

 

「確かに、正直青山 夢(お前)にどれだけの技が通じるか試してみたいしな」

 

「俺も、出来るならもう一度ののさんと戦ってみたいな」

 

「で、でもそれじゃあ連盟のみんなに示しが取れないんじゃ」

 

「……そんな事はないぞ」

 

「あ、源ちゃん」

 

「おう、勝ったって聞いたから祝いに来てやったぞ」

 

「なんの用よ小田 源三」

 

「だから言っただろう、お祝いだって………別に責任なんかとらなくても良いんじゃないか?そもそもこのD連盟ってみんなでわいわいDバトルをする為に作ったグループなんだからさ」

 

「でも」

 

「ほら、今回は初犯だし、誰も被害を受けなかったんだしさ…コイツらもバトル出来てなくて暇だったから丁度良かっただろうし、誰もお前らの事は責めないよ」

 

「夢ちゃん、やっぱり私、まだバトルしたい」

 

「のの……」

 

「それでも許せないだったらさ、今後は絶対こんな事しないって誓う、そしてそれをずっと守る。コレでいいと思うよ」

 

「小境 直樹………分かった。Dドライバーを引退するのはやめるわ」

 

「やったぁ!じゃあ今後またバトルしようね!」

 

「あっ……うん」

 

「お〜い、そろそろ3時になるから程々にな」

 

「了解〜……じゃあそろそろ帰るね」

 

「うん、今回は本当にごめんなさい」

 

「いいよ、久々のバトルだったから楽しかったしな」

 

「あぁ、またバトルしてくれな」

 

その後直樹達はかしわ台へと帰って行った。




青山 のの(あおやま のの)

東京メトロ所属、関東D連盟副会長で愛車は新1000系(東京メトロ)でホーム路線は銀座線(渋谷-浅草)である。

青山 夢は双子の姉であり、出来るなら普段から頑張っている青山 夢のサポートをしたいと思っている。

性格からか、線形の少しの起伏などに気付きやすく路線の性格などを理解する能力が強い事から苦手な路線は無いと言ってもいい。


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19話「エンディング」

どうも「名無しの音」です!

今回は最終回!………長かったぁ……………

正直途中完結出来ないかもしれないと思っていましたが無事完結させる事が出来てとても嬉しいです!

それでは、どうぞ!!


プーーーーーーーーーーーー

 

『4番線から急行、横浜行きが発車いたします。閉まるドアにご注意下さい。次は終点横浜です』

「4番線ご注意ください急行横浜行きのドアが閉まります」

 

ピンポーンピンポーンピンポーン

 

ビー

 

シューーー

 

「二俣川発車、次横浜停車」チンッ

 

 

あのバトルから早いものでもう5か月が経とうとしている。

 

夢さんとののさんはあの後もDドライバーとして活動し、連盟では会長、副会長も引き続きしている。

 

因みに5か月経ったからといって何か変化があったという事はなく、みんな今まで通り電車バトルしたり運用について営業列車を運行したりと自由に活動している。

 

「鶴ヶ峰通過」

 

あっ、でも最近はそろそろ関東だけでバトルをするのは飽きてきたっていう意見が増えて来たから関西、中部D連盟の人達と交流会を開いてバトルしようっていう動きが見られ始めた。

 

俺も関西の私鉄とは一回バトルしてみたいと思った事があるから楽しみである

 

「西谷通過」

 

後、ほかにあった変化は、Dプロジェクトがかなり一般に取り上げられる機会が増えた気がする。

 

この影響からか、D連盟のHPがかなりの頻度で更新される様になって来たのと。

今まではちょっとグレーみたいな競技だったか、D連盟公式バトルはある程度ルールが設けられる様になった。

 

このくらいか………考えてみれば変化はそれなりにあったのかな?

 

「上星川通過」

 

あ、そういえばあれから一時期SHDが会社を救った英雄にとして神聖化された事あったなぁ…まぁあれは同僚の悪ふざけだったんだけど、いつの間にか伝染して神聖化されてしまったという事があった。

 

まぁ今は落ち着いたが未だに近寄り難い雰囲気があるのかDドライバーの免許が難しいからなのかSHDのメンバーは2人しか増えてない。

 

しかも2人とも女性っていうね。肩身が狭い……

 

「和田町通過」

 

でも腕は確かなんだよね。2人とも飲み込み早いし、シュミレーターは本郷先輩に偶にだけど勝ってるしで期待のエース達だ。

 

それに負けてられないと俺含め奈緒さんも本郷先輩も最近は回送スジや、試運転スジでちょっと練習する事が増えた気がする。

 

「星川通過」

 

因みによくSHDに顔を出してた源ちゃんは未だに結構な頻度でやって来る。そのせいかもうすっかりSHDの関係者みたいに認知されてしまって、最初あの新人エース2人もSHDのメンバーかと勘違いしてた程だ。今はもう勘違いはなくなったけど2人のおじさんみたいな立ち位置に落ち着いてしまっている。

 

 

………お前小田急所属だろ(超今更)

 

「天王町通過」

 

他の人だと、まずあずみさんは京成に所属してはいるのだが、新たなバトルの相手を探す為にAE形と共に世界一周の旅に出た。

 

因みに輸送費は自腹だそうだ……あずみさんってお嬢様か何かだっけ?

 

「西横浜通過」

 

田無さんはずっと変わらず秋津にくっ付いて行動している……てか2人は結婚した。

予想は出来たけどいきなり結婚とは正直今でもツッコミたくなる事でいっぱいだ。

因みに秋津は結婚してから暴君みたいな奴から嫁思いだけどちょっと意地っ張りな夫へとジョブチェンジしてたり……

初めて知った時は源ちゃんと一緒に盛大に笑ってやったのは良い思い出だ

まぁ2人とも幸せそうだし別に良いかなとは思ってる

 

「平沼橋通過」

 

本郷先輩はあのバトル後、もっと高みへ行きたいと思ったらしくDドライバーを抱える会社に片っ端から行って、バトルして勝ったら次、負けても勝つまで挑戦するのループと、道場破りみたいな事を繰り返している。

だからなのかこっちに帰ってくるのは偶にでどこかあずみさんみを感じた。

 

沙織さんは車両整備の手際の良さ、人の良さなんかが重なって今ではSHD専属技術員長兼かしわ台車両センター整備員長と相変わらずの掛け持ちだがどちらも昇進するという何かスゴい事になったいる。

………今後もよろしくお願いします。

 

奈緒さんは今もDドライバーとして活動しているが最近は本社での書類仕事が主になって来ており、偶に元気の無い顔を見せる時があるから心配だが本人は充実しているっていうから大丈夫なのかな?

……一応今度ケーキでも奢ろうかな

 

『まもなく横浜、横浜終点です。JR線、京急線、東急線、みなとみらい線、横浜市営地下鉄線はお乗り換えです。お忘れ物のない様ご注意下さい。本日も相鉄線をご利用いただきましてありがとうございました』

 

「横浜停車」

 

ゴトン……ガッタン……キィ……キィィィ……シュー

 

『横浜、横浜です相鉄線をご利用いただきありがとうございました』

 

「この後は、西横浜まで回送だな……」

 

「お、直樹じゃんお疲れ」

 

「あぁ、お疲れ…あれ?お前って瀬谷駅担当じゃなかったか?」

 

「いや最近横浜駅の人手が足りないって言うからヘルプやってる」

 

「なる程……」

 

「それにしてもお前、もうすっかりDドライバーってオーラかましてんなぁ」

 

「そんな事無いだろ、普通だよ普通」

 

「そうか?……まぁ良かったな、これからも頑張ってくれよ」

 

「おう!」

 

そう言い海老名側運転席へ移動を始めた。

 

「あ、ここラッピングが剥がれかかってる……もういっそのことみんなと同じ様に塗装してもらおうかな………いや、そうしたら10000系と見分けがつかなくなるからいいや………よし着いた」

 

「行き先種別回送確認」

 

「レバーサー前」

 

チンッ

 

「ATSよし、種別回送確認」

 

プーーーーーーー

 

『2番線から回送電車が発車いたします。ご注意くださーい』

 

「入れ替え進行、回送、西横浜電留1番線停車」

 

軽く警笛を鳴らした後、横浜駅をゆっくりと発車した。




電車バトル

ドライバー一人一人が思い、夢を持って挑む競技。

バトルは基本的に営業列車のいない終電後から始発までの時間に開催される
バトル開催日、場所に関してはゲリラバトルでもない限りD連盟HPに行けば掲示しているのでチェックしてみよう。

詳しくはこちら↓
24時間いつでもどうぞ
htps;//densyabat〇rurenmeiinf〇rmation,ccc〇m
               アクセスお待ちしてまーす


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