輪廻転生 (鹿目 弥生)
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#1 生まれ変わる

1話「生まれ変わる」

世界には 人が住み 動物が住み 物体は動き 物質は意味を成す。これが当たり前のように起こっている

ある老夫婦の元にとても珍しく話題にもなった氷があった。

『絶対に溶けない氷』

これは老夫婦が見つけた氷で大切に大切に保管されていた。

ある日突然運命が変わった。世界から人が消えた。バタバタと倒れていく人々の中にもちろんあの老夫婦もいた

その日人類は終わりを告げた

その三年後動物たち生き物も全て死を遂げ世界には生命1つ残らなかった

 

 

 

それから数百年が経つ

またしても変化が起こった。この世の中にあった物質や物体に命が生まれた。

そして生まれ変わりを遂げた物体質はなんの感情も抱かずただこの世界を再建するために動き出していた。

時間が経つ、絶対に溶けない氷にも命が宿った。人間へと姿を変えると頭の中に誰かの声がよぎった

[君は感情を持たないただ1つの存在だ]

そう告げると声は消えてしまった

「さっきのは一体.....」

街を出るとそこには作業をする人々が広がっていた。その光景に異様を覚えた氷は近くの男に近づき話しかけた

「あの、みなさん働いてるんですか?無感情で働いているのでつい、」

と聞くとその男は持っていた刀を振りかざし氷の腕を少し切りつけた

「いっっ!!なんだよ!」

「働かないものなら要らぬのだ」

そう言って男は刀を振りまわす、そして氷が仰け反ったところで最後の一振り

絶体絶命のところに助けは来た

チャキン!

そこに立っていたのは長めの刀を持つ青年だった。

「危なかった、今こいつは処理する」

神技・逸 斬泊斬

刀が赤色に光り男の体を真っ二つにした

殺されちまうからさっさと働けよ!

と青年が言うので氷はお礼を言った

「あ!ありがとうございます!」

そう言って氷はささっと駆け出した

その言葉は一見普通であったが青年にとっては普通ではなかった

「な......!あの子まさか。」

青年はそう呟きその場から立ち去った

 

それから1週間が経つ

壊されたのは後に機械の生まれ変わりだったということが分かった。

機械の生まれ変わりは至る所に生産されていてこの働く社会の中で働かないものを殺すという使命の元動いていた。

氷の生まれ変わりはある街にたどり着く

そこは穏やかな雰囲気が醸し出されていて先ほどまでのピリピリしたものはない

たまたま居合わせた老人に話を聞くが何も答えてはくれなかった。

氷の者は困り果てていた。そこにこのあいだの青年がやってきた

「やーーーーーーぁっとみつけたぞ!!」

実はこの氷。あれから無意識に走り続け50kmほど先まで走っていた

「あなた!あの時の助けてくれた....」

「俺は鋭利 咲だ。んなことはあとでいい。

とにかくお前を呼んでいる"方"がいる」

着いてこい。と青年は手を引き走り出した。

連れてこられた場所はただの黒い扉だった

開いても何も無かった、だがドアが向こう側から開かれるとそこには空間が広がり館のようなものがあった

「こ、ここは?」

「ここは向こうの世界とはまた別の世界

敵の主格に見つからないための隠だ。」

「主格?」

氷の次の言葉を発しようとした時奥から1人の男がやってきた。

白髪に細身のすらっとした男性が大広間の奥の部屋からゆっくりと歩いてきた

とても顔が整っていて綺麗だ

「やぁ。来たんだね。君が噂の新入り君か」

氷はとぼけたように指を指しながら言った

「この人誰?」

「馬鹿野郎!!!頭を下げやがれ」

先程まで冷静だった鋭利は氷の頭に手を当て無理やり下げた

ウッ!!ってぇ、、、

青年は声を静めコソコソと話す

(この方はここの主。 城の生まれ変わり

城主 灌漑様だぞ!)

灌漑はニコニコとし優しく声をかける

「君は何も知らないからね、仕方がないよ

じゃあ、少しだけ君に説明するね」

「私の名前は城主 灌漑 先程言った通り[城の生まれ変わり]だよ。この屋敷も私が作った。この世はね少し変わってしまったんだ

ある一人の男のせいでね」

「男?」

「そう。名前は政変 命 この世を変えた男だよ

その男は人類や生命を絶滅させ新たな世界を作り出したんだ。私たちが生まれたのもその男のせいだよ 今まで存在のみだったものに事柄に生命を与えそして生まれ変わった私たちをあいつの道具として働かすのだ。でも...」

そう言いかけた時、新たな女の方が来た

柑橘系の色をした髪でとても元気がよく明るい女性だった

「ただいま戻りました!!」

「無事だったんだね、陽向。」

名前は陽向というらしい

「その男は?」

「この子は新しい子だよ 」

「なるほどですね!あ、また新しい街へ救助に行って参ります!」

そういって陽向は門を出ていった

「全く。陽向の元気には適わないな」

そう微笑む灌漑、青年は氷に対し話しかけた

「灌漑様は私たち一人一人に名前をつけてくれるんだ。陽向さんも俺も」

「そうなんですね、」

灌漑がそうそうとこちらを向いた

「話の続きだね、ここにいる我らを総じて名前がついている。【命殺連合】敵の主格命を倒すことが出来ればこの世界は前のように元に戻ることが出来る。そのために私たちは日々活動しているのだ。我々の仕事は世界の物質を救うこと。命は私たちを奴隷として働かせ、働かないものは殺すという使命のもとやっている。だからこそ私たちは街の方々を救うために動いているんだ。そして私たちには共通点がふたつある。1つ目は感情が芽生えていること これは重要で感情が突然変異によって生まれたものはある力を得ることが出来るそれを固有能力と言うんだ。でもまだ生まれたてだと発生しないから努力の賜物と言っていいね

そして2つ目は生前人間に特別な恩を持っているもの。このふたつがあるんだそう。君も」

「俺も.......」

「だからこそ君にはここに入って命を倒して欲しいんだ。みんなと協力して」

「分かりました、、俺。頑張ります!」

「ありがとう、遅れたね名前をつけよう

君は何の生まれ変わり?」

「俺は氷。絶対に溶けない氷です」

すこし悩んだ後によしと呟いた

「今日から君は[絶無 氷凍ゼツム ヒョウト]だ」

「氷凍......ありがとうございます!」

「これからよろしくね、氷凍」

「はい!!!」

そうして氷凍の任名式と入隊が決まった



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#2 炎主と雷主

いざ入ったはいいが特に何も出来ずにいるままでは意味が無い。氷凍は1つでも技を出せるように訓練が始まった。これが済むまでは外で活動することが禁じられている

鋭利「俺がお前の担当だ。覚悟しろ」

氷凍「はい!!で、何をすれば」

鋭利「まず第1に技というのは簡単ではない。真技、神技、心技の3つがある。これは使える物が限られていて人それぞれだ。俺はこの前出したように神技を使うことが出来る」

氷凍「それぞれに特徴はあるんですか?」

鋭利「そうだな、まず真技は出す動作を間違えることがなければ失敗しない。必ず命中する技が多い。神技は威力や性能ともに神の域なのだがレベルの高い相手となるとどうも反応が遅れるなどで当たらないこともある。心技は視覚が奪われた状態や動きが封じられた状態でも出すことが出来る超技だ、その代わり威力や命中共にそこそこ。俺は刀の生まれ変わりだ。刀へ力を全集中するため神技を選び特訓した。」

氷凍「俺もです、多分。直感ですが神技が合ってます、教えてください!」

鋭利「任せとけ!」

こうして鋭利は氷凍の訓練へと当たった

それから月日は経つ、あの頃の氷凍とは比べ物にならないくらいの姿となり明らかに上達はしていたのだが未だ技を編み出すことも生まれ変わりの特性も出せていなかった

そんなある日、村で事件が起こった

鋭利「はい!直ちに向かいます」

そういった鋭利は氷凍を連れ出しその村へと向かった、聞く話によると労働員が少し飲み物を口にしたところ殺されその周辺にいた機械すらも殺されていたとの事。聞いたことも無いパターンに動揺していた

その村につくと悲惨であった

燃え尽くされた家や破壊が行われている街

氷凍「酷い......」

鋭利「あぁ、、ん?あれは」

鋭利が指さしていた場所には人影があった

近づき話を聞こうとしたが煙が晴れた時その意識はなくなっていた

鋭利「お前。だれだ」

??「フフ。ハハハはぁーっはっは!」

その男の額には碁の文字が記載されていた

鋭利の顔は青ざめていた

その理由を氷凍に教える

氷凍「鋭利さん?」

鋭利「あいつの額の文字。おそらく間違いない。五能だ」

五能....それは政変 命が作り出した感情を持つ5人の脳者達のことである。

感情がある。すなわち技を保有しているということだ、機械なんかとは比べ物にならないほど強く破壊心を持つ。灌漑は以前五能について話していた。ただの機械などとは違うとても強い相手だ。

碁「初めまして![五能の碁]水門だよ」

鋭利「お前がこの街を破壊したのか」

水門「そうだよ!命様が破壊しろだってさ!」

鋭利「めちゃくちゃにしやがって許さねえぞ」

水門「見るからに君弱いよ。君からでる気迫そしてそこについてきてる君も。気迫が弱すぎて話にならない。楽しくない戦いは嫌いだよ」

鋭利「言ってくれんじゃねーか、」

鋭利は刀を構え技を出す

神技・双 遊郭

鋭利は水門の頭を背後に回りこみ貫いた

氷凍「やっ!!!つっっ!?」

やったと確信した2人だったが水門は貫かれたにも関わらず話し続けた

水門「面白い攻撃だ!君は神技を使うんだね」

とにこにこして答えた。刀は未だ水門の頭に刺さっている

鋭利「なんで、お前生きてやがるんだ、」

水門「ごめんね!俺は水の生まれ変わりだから体内は水なんだ、そんな攻撃は水化で無効できるよ、今度はさ!そこの君が来なよ!」

氷凍に向かって指を刺した

鋭利「氷凍!絶対に近づくな、こいつは強い」

すると水門はニカっと笑った

水門「高評価ありがとね!俺は弱いよ」

鋭利は貫いた刀とは別の刀を生み出す

神技・惨 速一閃

目に追えない速さで水門を貫いた

氷凍「は、速い」

鋭利「お前が水化する前に切り裂けばいい」

水門「君は僕が常に水化してないとでも思ってたのか?」

切り裂いた箇所は見る見るうちに治った

水門「お遊びも疲れたよ、そろそろやるか」

邪技・水玉

五能が使った邪技は五能だけが使える技で悪に染った感情による技である

水玉は小さい水の塊を四方八方に撒き散らす技であり触れた物はその塊に吸われてしまうものだった

触れた瞬間即行動不能のその技は完全に初見チートの技だった、いや寧ろわかっていた方が絶望だったのかもしれない。

その技から出た玉は想像を絶する量だった

鋭利「なんだ、これは。」

氷凍「鋭利さん、これは触れてはいけません」

鋭利「これに触れるなってか!?」

水門「!?」

氷凍は直感で"触れてはいけないもの"という認識をした。これは氷凍が感じたものであり確定でもないがこの直感は氷凍が初めに得たスキルだったのだが自信で気づくことは無かった。しかしわかった所で状況は変わらない

目の前に広がる無数の水玉に圧倒される

鋭利「こいつら全てを斬る!」

神技・肆 無双連斬

鋭利が放った技は自分の周辺を無双するかのように切り裂く技で速さ威力ともに最高峰

強いて言うならその場から動けないのがデメリットである

氷凍「凄い、全ての水玉を斬っている」

水門「やるね!!!!びっくりしたよ!」

鋭利「はぁ.....次はてめぇだ!」

全てを切り終えた鋭利は水門への技を用意

その瞬間背後に気配を感じた

それは残っていた水玉だった。

水門「一つだけフェイクだよ!水玉の中に本命の水玉.......なぜ触れたらダメと分かったのか謎だがそれでお前は終わりだよ剣士!」

氷凍「鋭利さんっ!!!!」

助けようと氷凍は走り出したが間に合う距離じゃなかった

氷凍「間に合えぇぇええええ!」

終わりを確信した鋭利は目を瞑る

(終わった.....明らかな俺のミスだ、悔しい)

そう思い歯を食いしばる

 

---何か物が焼ける音---

 

水門「なんだ、お前は」

額にシワを寄せ睨みつける

鋭利が目を開けるとそこにいたのは女だった

鋭利「あ、あなたは!?」

日向「危なかったねっ!」

ニコッと笑っていう日向だった

水門「次から次へと蛆虫が湧くね。」

日向がくるっと周り水門へ視線を合わせた

指を指し主張するように自己紹介をする

日向「私は炎の生まれ変わりであり炎の主である、炎舞 日向だ!覚えておけ」

氷凍「主?」

鋭利「俺らの位の中でも最上級の位だ、のし上がるのは大概だぜ。」

水門「威勢のいい女じゃんっ!俺は水の生まれ変わり五能の碁 水門だよ」

日向「五能にようやく会えたよ、楽になれ水門。今日ここで終わるんだ」

真技・逸 炎炎の朱雨(エンエンのシュウ)

日向が放った技は炎を雨状にし降らせる技だった、水門は技を構える

邪技 水飛沫

水飛沫を自分の頭上へと広げ炎を鎮火させた

日向「やるじゃないか水門!」

水門「すごい気迫だ日向。お前とは戦いがいがありそうだ!今度は俺からさ!」

水門は指の形を変え人差し指と中指だけを立てた形にした

空中上をなぞる様に動き日向の近くに急接近

そして技を発動する

邪技 水龍食い散り

その攻撃は日向の左肩へと当たった

日向「うっっ!」

即座に距離を置き肩を見るが攻撃自体はダメージがなかった

日向「なんだ今のは」

水門「まぁわかるよ 時期にね」

その言葉と同時に接触した箇所から龍の形をした水が現れたそして日向の身体を噛みちぎろうとする。とっさに反応した日向は

真技・惨 炎風熱化

自分の方に向けて打ち、水を蒸発させた

水門「さすがだ、これが主。やるじゃないか」

日向「褒められたところで嬉しくない」

水門「もしかして照れ屋か?日向は」

日向「ふざけるな!命の場所を吐け」

水門「無理だね、今お前をここで殺すから」

邪技 水た.....

水門の技を使う前に日向が技を出していた

真技・肆 上熱の牙

日向の拳が水門の右肩に直撃した

常時水化していた水門は腕の部分が蒸発により落ちてしまった

水門「がぁはっっ!右......腕.....がァァァァ!」

日向「これで終わりだ!水門!!!」

水門「やられてたまるかよぉ.......!!」

ポチャンっ....

次の1発というところで惜しくも水門は逃げてしまった。

日向「くそ、逃がしてしまった。」

鋭利&氷凍「あ、ありがとうございました!」

日向「もう少し早く来ればよかったね」

氷凍(俺が......動けていれば。)

日向「取り敢えずこのことは灌漑様に報告しに行かなきゃだから戻ろうか」

こうして3人は城へ向かった

 

ここはどこか分からぬ暗闇の空間

水門は傷を負いながらそこに来た

??「水門!やられたのか!」

嬉しそうな声で話しかけてきたのは五能の逸だった。

水門「なんだ、冷やかしに来たのか」

??「そんなつもりは無いよ!俺は命様に呼ばれたんだ。」

水門「じゃあここに......命様は.......」

政変 命「水門。その腕はどうした」

切り裂かれ落とされた腕を見られた水門は素直に応える。

水門「す、すいません。私が油断していて炎主を逃してしまいました。」

命「そうか。」

と言って命は水門のもう片腕をも落とした

水門「ぐわぁっ!!」

命「悪いが五能ともあろうやつが負け腰で帰ってきただと?笑わせるな。お前は今すぐに炎主の首をここに持ってこい」

水門「かしこまりました。」

水門は怒りを持っていた

これは命にでは無くあの3人だった

その場を離れた水門は怒りを抑えつつ憎しみを込めて発言した

水門「絶対に、殺してやる」

 

 

3人は隠し城へと帰還し報告を入れた

灌漑「そうか、五能が。早速ね」

日向「申し訳ありません、私がトドメを指していれば」

灌漑「気にすることは無い。命がここに来て五能を投げてきた意味。恐らく我々の確認だろう。向こうからしたら邪魔な存在だろう

恐らく日向、鋭利、氷凍は確実にマークされると思うから鋭利と氷凍の任務は一旦中断しよう。実力をあげてからでも間に合うよ」

鋭利「でも、私は大丈夫です。寧ろこれよりももっともっと頑張らないとなんで!」

灌漑「鋭利には氷凍を育てて欲しいんだ

氷凍には無限の可能性が眠っているからその可能性を開花させて欲しいんだよ」

鋭利「は、はい!分かりました。」

灌漑「氷凍も技を使えるように頑張ろうね」

氷凍「はい!!」

灌漑「よし、いいよ そして日向。少し話があるんだが。」

日向「はい......」

 

灌漑「こういうことだ」

日向「分かりました、任せてください!」

氷凍と鋭利は特訓を重ね、氷凍の技の発現と能力の発現を目的に1ヶ月が経った。

 

1ヶ月の時が経ち前とは確実に違う風格となっていた。氷凍は特訓の中で技を2つ、そして自分の能力までもを使えるようになった

能力は『氷結』触れたものを氷化させることが出来る。そして触れたものの温度を下げることも出来る

これを使いこなす事はまだ出来なかったが着実に形にしていた。

技のひとつは『神技・逸 氷塊』自分の拳を氷で纏い固くなった状態で放つ技である

ふたつめはまだ完成ではなく鋭利との協力を生しての技だった

特訓しているふたりの元にバチバチと音を立てながら歩いてきた男がいた

??「よぉ!お前らか、氷と刀の男は!」

鋭利「誰ですか、?」

??「お?俺を知らねーのかお前ら!」

バンッ!!と胸に手を当て叫んだ

雨鳴「俺の名は

雷主(ライジュ)雨鳴 思想(アマナリシソウ)だ!!!」

鋭利「ええっ!主の方だったんですか!?」

雨鳴「あぁそうだ。お前らに用がある

お前らだよな?五能の碁に会ったのは。」

氷凍「はいっ、僕達が出会いました。」

雨鳴「五能とかいう奴らは俺が全員ぶっ殺す。だからお前らついてこい。」

言われるがままに2人は連れていかれた

着いた場所は少し離れた廃れた農場だった

人の気配はなく機械も見当たらなかった

氷凍「ここは?」

雨鳴「ここはかつて世界一の農場だった。

世界一っていう基準は簡単でとにかく美味なものが採れていた。そこにいた農家の人達は昔、とても幸せに暮らしてたんだ。

なんでこんなに廃れているかわかるか?

ここの農場になんにも実らなくなったからだ。俺は調べ抜いた。そうしたら何が原因だったと思う?」

氷凍「僕の記憶の微かに残っている、洪水?」

雨鳴「そう、洪水だ。しかも人工的にな」

鋭利「なっ!?人工的?」

雨鳴「あぁ、その首謀者はこの農場に隠されたものを見つかることを恐れ廃れさせたと俺は思ってる。そしてここにまだそれが残っているともな、」

鋭利「でもそんなに大事ならもう既に回収してるんじゃ、、、」

雨鳴「なら、ここに結界を貼ると思うか?」

ガン!ガン!と目の前に壁があるかのように強く叩いた。いや、壁はあったのだ。見えない壁が。

氷凍「これは!?」

鋭利「結界......?」

雨鳴「これがあるということはまだ見つけれてないってことだ。何か気づかないか?」

鋭利「何かって、、?」

氷凍「待てよ。俺らが産まれる前にこの農場を破壊して、今も尚ここに眠っているものを探している人物はただ1人。政変 命」

雨鳴「そうだ。そしてその洪水は今、恐らくだが五能の碁 水門だ」

そういうと2人の方は青ざめていた

水門と命の関係性、そしてここに眠る秘密

命がけそうにも消せなかったこの農場に運命を変えるものがあるということ

雨鳴「お前らを連れてきたのも理由がある

お前らは1度水門に出会っている。水門は必ずお前らを殺しにくるだろう。だからこそあいつから全てを聞き出すんだ」

そうすると後ろから音がして3人は振り向く

水門「そうかそうか!」

とニコニコする水門がそこに現れた

鋭利「水門!!」

雨鳴「こいつが五能の水門か!?」

水門「刀のガキと氷のガキ、炎のあいつはどこに行った?あとそこのお前は誰だ」

雨鳴「日向は他の任務だ!俺の名前は雷の主"雨鳴 思想"だ!」

水門「なるほど、まぁいい。同じ主なら首貰ってってやるよ」

雨鳴「お前らは下がってろ。俺が格の違いを見せてやるよ。」

何も無い廃れた農場に突如現れた水門

雨鳴はニヤリと睨みつけた

雨鳴「俺は全てを守り抜く。この命をかけて」

 



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#3 五能の碁と過去

水門は雨鳴達の元へ現れた

雷の主 雨鳴は戦闘態勢となった

水門「はっはっは!主など瞬殺だ」

邪技・水沼地獄

辺りの地面は水のようになり足が沈む

底なし沼のようだった

雨鳴(なんだこれは、足が沈んでいく)

氷凍「鋭利さん......!!」

後ろを振り向くと氷凍が鋭利の腕を引きあげていた。範囲は広かったようで鋭利は雨鳴と同様に沈み始めていた

雨鳴「畜生、時間はもう無いってことか」

水門「お前らはここで終わりなんだよ.....

あの屈辱。二度と忘れねぇぞ。」

雨鳴「そんなの知るか!畳み掛ける」

心技・逸 雷轟

バチバチと両腕に広がる稲妻は一瞬にして水門の腹部を貫いた

ビリッ!!!

腹部には大ダメージを与える

心技・肆 伝雷鳴

貫いた箇所から全身に痛みが伝わる

水門はもがき苦しむ

水門「ぐわぁがぁっ!くそ、まだ、だ!!」

邪技・水玉

放たれたのは以前よりも数の多い水玉で当たりを覆うが伝わる雷がその水玉を弾く

雨鳴「効かねーよ!そんなん!」

ニヤッと水門は微笑む

水門「後ろ だぜ」

振り向くと未だに引っ張る氷凍と沈んでいく鋭利が居た、そしてそこには水玉が向かっていた。

雨鳴「お前ら!!!」

貫いた腕を外し急いで向かうが地面に足を取られるためなかなか進めない

心技・双 地鳴双雷

両足に力を入れ、地面を蹴り飛ばし一瞬のうちに氷凍達の元へ近づいた

うおおおおおおおおおぉっ!!!

氷凍に触れそうになっていた水玉は雨鳴へと触れた。その途端姿形を変え水玉へと吸収されてしまった

氷凍「雨鳴さん!?」

水門「そいつはもうなんも出来ねーよ。そしてお前も死ぬんだ氷のガキ。あいつのせいで少しビリビリしたがもう治った」

氷凍「水門。お前を許さないぞ、絶対に

鋭利さんが溺れる前にお前にトドメを指す」

水門「やれるものならやってみろよ

お前ごときが倒せるような俺じゃねーけどなあ??」

ああぁぁっ!と氷凍は突進する

神技・逸 氷塊

当たりはするがかすり傷で全くダメージにはならなかった。それに比べ水門が放つ技は圧倒的に氷凍の身体を崩壊させていった

水門「この程度か氷のガキめ」

氷凍「水門!貴様は絶対に、俺が倒す!」

水門「主を封じ込めた今お前に勝ち目はない」

邪技・水突

足をドリルのように鋭くとがらせ腹を貫く

受けた氷凍はあまりのダメージに吹き飛ばされた。吹き飛んだ先は沼で溺れる寸前の鋭利の元だった

鋭利「氷凍......あれでトドメを刺すんだ」

氷凍「鋭利さん!?でも、あの技はまだ未完成で使うにはとてもリスクが!」

鋭利「何が足りなかったのか、何を足せばいいのか。それをこの戦いでお前は学んだはずだ。だから出来る。お前なら勝てる」

そう言って営利は自ら出した刀を氷凍へ託した。氷凍は受け取り立ち上がる

水門「貴様らはここで全滅だ。殺した後にあの水玉を割る。主と隊員2人を抹殺。計画通り」

氷凍((考えろ、何が足りなかったのか。))

氷凍は考え思い出した、そして1つのポイントへと到達する

氷凍((あの時、そうだ。あの時雨鳴さんが使っていた"技"はこうしていた。それが恐らく技としてのポイントだ!!))

カチャンと氷凍は刀を構えた

冷気が身体に纏いつく

水門「刀は俺を切れないぜ!水だからなぁ」

氷凍「だからそこを狙うんじゃないか」

神技・双 氷刀一閃

一瞬のあいだに姿を消し、再び現れた時は水門の体を切り裂いている時だった

真っ二つに切れた水門は現実を受け入れれず戸惑う。

水門「なっ、なぜ世界が反転して見える。なぜ!私の下半身が見れるのだ!!なぜなぜなぜなぜなぜ!?体は切られたところから修復したはずなのに!っ!?」

触れて初めてわかった。水門は体を凍らせれていた。正確に言えば切られた箇所が凍っていた。

これは氷凍の技であり刀に「触れた箇所を凍らせ低温化させる」という能力を与えていた

しかしこれは完成では無かった

練習中何度も何度も試したのに切っても切っても凍ることはなかった。なぜか、それは低温化して凍らせても切り裂く速度が遅く切り裂いた時には既に常温になっていたからだ。

氷凍は意識が薄れていく水門に対し告げる

氷凍「雨鳴さんが出した技を見た。高速で僕らの所へ駆けつけ守ってくれたあの技は足に最も力を込めて踏み込んでいた、あの速さならこの技を成功できると確信した。」

水門「どこまで関わるんだあの雷め!!!」

氷凍「お前の負けだ。水門。」

水門「負け、私が負け、なぜ、負けっっ!?」

体が消えていく水門にふと記憶が蘇った。

 

そうだ.......思い出した。俺がまだ水だった頃の記憶だ。この農場だ、この近くの川が俺だったんだ。この農場はとても盛んで作物も多くとれていた、その近くの川で静かに流れていた、だがある日変わったんだ

その日は異例の大"雨"でとてつもなく悪天候

そして俺がいた川は溢れかえったんだ

でも本来は農場とは逆の方向に流れていくはずだった。あの日、確かそうだ命様が俺の流れを変えたんだ

溢れかえった川は農場へと流れ一夜にして壊滅へともたらした。あの日以降この農場に足を踏み入れたものはいなかった

そして命様が俺を五能にしてくれた、それ以来命様が全てだと思った。俺は何してたんだ悪いのは命じゃないか!こんなので死ぬのか?嫌だ!嫌だ!思い出した、全てあいつが憎い。命め!絶対に許さない、、、

はっ!と気づくとそこは暗闇に包まれた世界だった。永遠の闇に水門は閉ざされた

 

 

水玉が解除され自由になった雨鳴と地面から掘り出された鋭利

鋭利「やったな氷凍!」

氷凍「あの時の言葉が助かりました、それにあの技を完成にしてくれたキーである雨鳴さんもありがとうございます」

雨鳴「氷凍。鋭利。お前らには助けられた、礼を言わせてくれ。ありがとう」

氷凍「いえ!そんな.....あれは?」

と指を指した方向には碁の文字が記された玉が浮かんでいた。それを取りに行こうとする氷凍だったが思わぬ人が現れた

氷凍「だれだ。」

??「この玉は必要不可欠なんだ」

聞き覚えのあるその声は誰もが憎む最大の敵であったことを氷凍は認識する

氷凍「その声はお前、命だな!?」

鋭利「なっ!?」

驚きで動きが一瞬固まる一同に命は言葉をかける

命「初めてかな?君たちと会うのは。私は命、               

 この世界の王だ」

雨鳴「てめぇが命か!殺してやる!」

飛びかかろうとしたが未だに水門の技の効果が効いていて中々に体が動かない

雨鳴「くそ!!」

命「それじゃあ回収も済んだしここを去るよ」

そう言って逃げようとした命に氷凍は食いついた

氷凍「待て!臆病者!!!」

ピクっ、逃げようとした命は顔色を変えた

命「お前は誰に物を言っているんだ。貴様のその魂も私が創ったのだぞ」

飛びかかる氷凍を蹴り1発で跳ね返した

氷凍「ぐわぁっ!!」

後方へ蹴り飛ばされ氷凍は腹を抱える

すると上空から熱した炎が降りかかる

命「なっ、何だこの熱さは?」

空にいたのは炎を纏った日向だった

氷凍「日向さん!」

雨鳴「日向!なぜお前がここに」

日向「理由はあとだ!仕留めるぞ命!」

真技・惨 炎風熱化

 

その技を直撃したと思われたのだがそこに命の姿はなかった。

煙の中で逃げたのだろう

日向「くそ、逃がしてしまった。」

そしてしばらくすると日向がここに来た経緯を皆に話した。事前に感慨様が日向に向けてここの場所に命が現れるという報告を受けた。だから命が現れるまで待機していたのだと言う。だがその不意打ちすらも命は交わしてしまった。

氷凍「なるほど。そういうことだったんです

ね。でもこの目で命を見ました。」

雨鳴「あぁ、二度と忘れねぇよ」

4人は五能の碁を倒したことと命の報告をしに城へと向かっていった。

一方、命の方は......

命「クソがぁっ!!!!」

拠点へ帰った命は怒りのあまり味方の兵士を殺し尽くした。

命「許さない。あの氷野郎が私を臆病者と。

しかも感慨の奴、私が来ることを知ってい

たかのような主の向かわせ方じゃない

か。私の指が焼かれたあの女は許さない」

止まることなく溢れる怒りに呆然と立ち尽くしている見ている者が3人

五能の逸 五能の貮 五能の惨

逸「あーらら。最高の怒りじゃないか」

貮「しょうがないよ、だって指を焼いたし」

惨「主という奴らを殺せばいいんだろう」

3人は五能の中でもトップ3の実力能力全てを持ち命の信頼を唯一置いていると言っても過言ではない

そこに帰ってきた五能の肆が現れた

肆「何があったんですか!?」

あまりにも狂った状況に肆は戸惑う

命「五能の肆よ。氷の生まれ変わりをした小僧

を殺してこい。これは命令だ」

肆「分かりました、今すぐに。」

そう言って命令された肆は氷凍の元へ抹殺へと向かっていった

惨「我々の出番はあるのか?」

逸「大丈夫だろう!肆がやってくれるさ!」

貮「俺はそうは思わないがな」

これから氷凍へ休む暇もなく不幸が降り注ぐことになることを未だ氷凍は知る由もなかった。



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