遊戯王~運命に抗いし決闘者~ (黒夜叉)
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第1章:運命の歯車
プロローグ


 リンクモンスター。それは、新たに開発された新しい召喚方法で召喚されるモンスターである。

 彼らの登場によってデュエルモンスターズは、大きな革命となり、新しい時代が訪れることになった。

 さらに、今までとは大きくルールやモンスターの配置等ガラッと変わることになった。

 一つは、エクストラデッキのモンスターは『エクストラモンスターゾーン』という2箇所の場所にしか出せなくなった。無論、エクストラデッキに表向きで存在するペンデュラムモンスターも同様である。

 二つ目は、リンクモンスターにはリンクマーカーという、モンスター枠に八方向に向けられた矢印があり、赤くなってる矢印の方向に、エクストラデッキから特殊召喚されるモンスターを普通のモンスターゾーンに出すことが出来るというもの。この矢印は相手のモンスターゾーンにも向けられているものもあり、位置によって自分と相手の有利不利が決まることになる。

 この変更によって、大きく弱体化されたデッキが数多く現れることになってしまう。そのため、政府がこの事を発表すると大規模なデモが起きる寸前にまでなってしまった。彼らの主張は主に二つだ。

 一つは、多くのデッキが弱体化されるがどういった対策を練るのか。

 二つ目は、今後確実にリンクモンスターの獲得競争が始まり、リンクモンスターの値が馬鹿みたいに上がってしまう恐れがあるため、手に入らない自分たちはしばらくリンクモンスター無しで戦えというのか。

 このことに対し政府は緊急会見を開き、各デュエリストに一人十五枚までリンクモンスターを配布することを約束し、なおかつ過去テーマにも沿ったリンクモンスターもこれから出現するので安心して欲しいと今後の計らいを示した。

 この発表がされたことによりデモは起きず平穏に解決された。

 

 さて、突然話は変わるのだが、一昔前までこの世界では戦争が行われていた。

 ある日突然、異世界から侵略に来たと謎の組織から声明が出され、様々な国をソリッド・ヴィジョンで具現化されたモンスターを使って破壊活動を行った。本来ならソリッド・ヴィジョンはデュエル全体に質量を持ったエネルギーによってモンスターを実態化し、迫力のあるデュエルを楽しむために開発されたものだ。

 しかし、今回の謎の組織がシステム中枢にハッキングし、数多の手下を引き連れて街々を破壊するという残虐な行為を行ったのだ。

 大勢の死者を出すことになり、国々は破滅の一途を辿ることになった。誰もが絶望を感じ、諦めて生きるのを辞めた者もいた。

 しかし、この時ある男が立ち上がっていた。男は謎の組織相手に一人で立ち向かっていき、数々の強敵を打ち倒していった。その実力は圧倒的であり、男は一気に組織の幹部へと迫り、見事謎の組織を滅ぼすことに成功した。

 だが、男は戦争に勝利すると同時に謎の疾走を遂げてしまった。

 その際、ある神話を記した本を残した。主な内容は、異世界には伝説と呼ばれる5人のデュエリストが存在し、それぞれが世界を救ったという物語だ。その中で、一際目立ったのが『冥界のファラオ』という記述だった。男がこれを残したことに何を意味するのか。あるいは、なにかを暗示しているのか。男は詳しくこれを言及しなかったため今では七不思議の一つである。

 そして今回始まるのは、ある青年が壮絶な運命と戦争に巻き込まれていってしまう物語である。今でこそ平穏な生活を送っているが、次第にその歯車は崩れていってしまう。果たしてそこにあるのは救いか滅びか……。僕達はその一連の物語を僕達は見ていくとしよう……。



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第1話:ファーストデュエル

空に飛び交う近未来の飛行船。近くには国のシンボルであるパラディースタワーがそびえ立っている。高さは600メートルあり、世界一のタワーとして有名だ。

 ここは”ギュネッシ”。世界一の経済や化学力がトップの国である。各国から沈むことの無い”太陽の国”と呼ばれている。

 今の季節は冬である。今年は温暖気候であり気温が例年より高いとニュースでよく報じられていた。しかし、今日はいつもより肌寒く街の人々は暖かい格好をしている。

 ギュネッシの南東にテーマパークのように広大な”タンヨル公園”がある。東京ドーム四個分とかなり広い。敷地内には大自然が広がっており、様々な施設や大きな池が存在する。

 入口近くには遊具が立ち並ぶ広場があり、そこで小さな子供たちが和気あいあいに遊んでいた。ベンチ等の座る場所にはママ友同士が楽そうな会話を交わしていた。

 その端っこで二人の青年がお互いに向かい合って立っていた。

 一人は黒髪に青い瞳、”Cyberse”のロゴが入ったフード付きの上着に紺色のデニムズボンを履いた『神崎天輝』という青年と、金が入り混じった黒の髪の毛に赤色の瞳、デニム生地の上着に黒いレディースズボンを履いて、茶色いカバンを肩にかけた『陽炎玲斗』という青年だ。

 両者の腕には無展開のデュエルディスクが装着されている。このデュエルディスクは先日政府から支給されたばかりの新型のデュエルディスクだ。先月に開発されたソリッド・ヴィジョン・ネットワークと呼ばれるギュネッシ全体に張り巡らされた質量を持つネットワークに繋げることが出来る。これに繋げることによってモンスターを実態化させることが可能になった。

 二人は早速それを試しにここへやってきた。実はそれらともうひとつ配られたものがあった。それは、”リンクモンスター”だ。リンクモンスターとは、プロローグで説明した通りの認識で構わない。二人はせっかくやるなら晴天の下でやりたいと思い、この公園へやってきた。ちなみにどうしてこの公園を選んだのか…。それは”ただ家から近かったから”と大したものでは無い。

 

「よう、玲斗。リンクモンスターを早速手にしたようだな」

 

 天輝はデュエルディスクをなぞりながら言った。付けられたモニターには、政府から送付された手紙が映し出されている。

 

「うん!さっき配られたよ。天輝君も受け取ったんでしょ?」

 

 無邪気に玲斗が言った。玲斗のモニターにも同様に映し出されていた。

 

「ふっ、もちろんだ。非常にかっこいいモンスターが手に入ったから楽しみにするんだな」

 

 ニヤリと笑う。それほど自分もモンスターに自信があるようだ。まぁ、それは玲斗にも同じことが言えるが。

 

「それは僕も同じだよ!ねぇ、もう始めようよ!」

 

 玲斗はデュエルディスクを展開させた。もう待てない様子らしい。

 

「いいだろう、では始めるとするか!!」

 

 天輝もデュエルディスクを展開させた。すると、お互いのデュエルディスクから長さ3メートル、高さ4メートルのドーム型の空間が合体するように二人を包み込んでいった。デュエルディスクが、ソリッド・ヴィジョン・ネットワークを使って暗号化されたシステムを作動させ、質量を与えた空間を出したのだ。この空間の中なら、質量を持ったソリッド・ヴィジョンを使用することができ、モンスターを実態化させることができる。

 広場でこの空間が展開されたことにより、周りの人達がどんなデュエルが始まるんだと興味を持って続々集まってきた。ある程度の観客が集まったのと同時に、二人は準備を整えた。

 

「よし、準備は整ったぞ!」

 

「僕も!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

LP:4000

 

初期手札5枚

 

リンクルール適用

 

 この世界では、デジタルのカードを使ってデュエルをする。両者の右目側にデジタルのカードをVRで視覚化するためのギアが装着されていて、デジタルのカードは常にギアによって確認することが出来るのだ。

 デュエルディスクから5枚のカードが放出され、二人の前に手札として現れた。玲斗は赤色、天輝は青色をしている。

 その手札を見て二人は戦略を組みたてていく。

 デュエルディスクのモニターにルーレットが映し出された。針は玲斗で止まった。

 

「僕が先行だね!行くよ!」

 

 玲斗は1枚のカードを選択した。

 

「現れろ!『転生炎獣Jジャガー』!」

(サラマングレイトジャックジャガー)

 

 金と黒の装甲に、顔に赤い炎のようなツノが生え、背中に五つの炎を噴出する黒い突起物がある虎のような獣の容姿をしたJジャガーが現れた。ぐぉぉぁぉぉ!!と雄叫びを発する。

 

 「まずは様子見!」

 

 玲斗は1枚のカードを手にし、地面に伏せた。

 

 「ターンエンド!」

 

LP:4000

 

 

手札3枚

 

 

フィールド

 

 

転生炎獣Jジャガー

 

 

伏せ1枚

 

 

 

 

天輝

LP:4000

 

手札5枚

 

フィールド

 

無し

 

「俺のターン!」

 

 天輝はカードを1枚引いた。

 引いたカードは『サイバース・ウィザード』。彼が一目で気に入った下級モンスターだ。

 

「来い!ネットの魔導師『サイバース・ウィザード』!」

 

 青くキラキラと光る線の入ったマントを羽織った電子体の魔術師が天輝の目の前に現れた。手には先端に青い玉が3つ浮いた杖を所持している。

 

サイバース・ウィザード

攻撃表示

ATK:1800

 

「Jジャガーと攻撃力が同じだから、天輝君も様子見?」

 

 天輝はニヤッとした。

 

「いいや、これで終わりではないぜ!サイバース・ウィザード!Jジャガーを守備表示にしろ!サイバース・アルゴリズム!」

 

サイバース・ウィザードの杖から放たれた青い閃光によってJジャガーはその場におすわりしてしまった。

 

転生炎獣Jジャガー

攻撃表示→守備表示

ATK:1800→DFE:1200

 

「Jジャガーが守備表示になった!?」

 

 玲斗は驚いた。まさか守備表示にされるとは思ってなかったからだ。そんな玲斗をよそに、天輝はバトルフェイズへ以降した。

 

「サイバース・ウィザード!Jジャガーに攻撃!イリュージョンスパイク!」

 

 サイバース・ウィザードが発動したデジタルの魔導陣から白い光を複数出し、Jジャガーへ連射して破壊した。その一部が玲斗に当たり、何故かダメージを与えた。

 

玲斗LP:4000→3400

 

「くっ…!」

 

 サイバース・ウィザードには対象にしたモンスターに攻撃した場合のみ貫通ダメージを与える効果を持っている。天輝はそう説明した。

 

「そういうことか!中々強力な効果を持ってるね!」

 

「ふっ、早速ライフは頂いたぜ。これでターンエンドだ」

 

 天輝は最後に2枚伏せてターンを終えようとした。

  しかし、ここで玲斗が伏せていたカードが表向きになった。

 

「おっと、終わる前にこのカードを発動するよ。『サラマングレイト・ギフト』!

手札の『サラマングレイト』を捨て、さらにデッキから『サラマングレイト』モンスターを墓地へ送ることでドローできる」

 

「墓地を増やし、なおかつドローしたか」

 

 墓地肥やしにドロー。非常にいいアドバンテージを玲斗は得た。

 

 

天輝

 

LP:4000

 

手札3枚

 

フィールド

 

サイバース・ウィザード

 

伏せ2枚

 

 

 

 

玲斗

 

LP:3400

 

手札3枚

 

フィールド

 

 

サラマングレイト・ギフト(永続罠)

 

 ライフ面では天輝が押している。だが、玲斗の使う転生炎獣デッキはここからが神領発揮となる。

 

「僕のターン!」

 

  玲斗は早速リンク召喚を決めるため、手札のモンスターを選択した。

 

「よし、天輝君。先にリンク召喚もーらい!手札から、『転生炎獣ガゼル』を召喚!」

 

 両手両足の左右から炎が噴出している赤と白の容姿をしたガゼルが遠くから走ってきた。後ろから玲斗を飛び越えると、目の前に着地した。

 

転生炎獣ガゼル

攻撃表示

ATK:1500

 

「ガゼルの効果により、デッキから『サラマングレイト』カードを墓地へ送ることが出来る。さぁ行くよ!

燃えろ、灼熱を纏う炎のサーキット!」

 

 玲斗が立っている上の空間に穴が空いた。その中に、八方向に矢印が向いた全体的に刺々しい色合いをした四角い形のゲートが、燃えている状態で出現した。

 

「アローヘッド確認。召喚条件は、レベル4以下の『サイバース族』モンスター!

僕は、ガゼルをリンクマーカーにセットするよ」

 

 ガゼルが赤色の光に変わり、ゲートの下矢印部分に吸い取られた。その部分が赤く光る。

 

「サーキットコンバイン!

 リンク召喚!『転生炎獣ベイルリンクス』!」

 

 ゲートの中心部分から勢いよく赤い光が噴出され、地面に衝突すると全体的に機械基質で、背中にある八つの突起物と尻尾から激しい炎が噴出している猫のような容姿をしたベイルリンクスが現れた。

 

 

転生炎獣ベイルリンクス

ATK:500

リンクマーカー:下

 

 

「これがリンクモンスター……いいじゃないか!

演出、召喚方法……共に最高だ!」

 

 天輝は目を輝かせていた。始めて目の前で見るリンクモンスター。何ヶ月も待った甲斐があったと心の底から思った。

 

「そうだね!すごくテンションが上がるよ!」

 

 リンク召喚を決めた玲斗も、テンションが上がっていた。

 そして、ベイルリンクスの効果を忘れずに発動した。

 

「さぁ、ベイルリンクス!効果発動だ!

デッキから『転生炎獣の聖域』をサーチする!」

(サラマングレイトサンクチュアリ)

 

ベイルリンクスの尻尾が燃え、その中から1枚のカードが射出され、玲斗の手に渡った。

 

「そして、墓地に存在する『転生炎獣スピニー』の効果で自身を特殊召喚!」

 

 赤と黒を基調とした刺々しいアルマジロの容姿をしたスピニーが地面から出現した。

 

 

転生炎獣スピニー

守備表示

DFE:1500

 

 

 転生炎獣というデッキ……中々の展開力だな。これは厄介になりそうだ。天輝の顔に一滴の汗がしたたり落ちていった。

 

「再び現れよ!灼熱を纏いし炎のサーキット!」

 

 玲斗の上空にもう一度ゲートが出現した。

 

「召喚条件は、炎属性の効果モンスター二体以上!僕はスピニーとベイルリンクスの二体でリンクマーカーにセット!」

 

 二体が再び赤色の光に変わり、今度は上下の矢印に吸い取られていった。

 

「サーキットコンバイン!

リンク召喚!

炎と共に現れろ!

『転生炎獣サンライトウルフ』!」

 

 ゲートから激しい炎と共に現れたメタルフォルムのオオカミの容姿をしたサンライトウルフが、アクロバットに地面に着地した。グルルルルと唸り声を出す。

 

 

転生炎獣サンライトウルフ

ATK:1800

リンクマーカー上下

 

 かっこいい登場の仕方をしたサンライトウルフ。何故か、玲斗が天輝に向けて微笑みを見せている。それに気づいた天輝は首を傾げた。

 

「どうした、もうターンを終えるのか?」

 

 玲斗は首を横に降った。

 

「ううん、違うよ。天輝くんにね、このデッキの真の姿を見せてあげようと思ってね」

 

 玲斗はテヘッとした。何かを企んでいる顔だ。

 

「真の姿だと…?いいだろう、見せてみろ!」

 

 真の姿……つまり、もっと熱い何かを見ることが出来るということか。天輝は心の中でワクワクしていた。

 

「僕は先程サーチしたフィールド魔法、転生炎獣の聖域をセット!」

 

 玲斗が立っている場所にサークルが出現した。さらに、その後ろに3つの、今でも噴火しそうな火山が地面から盛り上がって来た。見るだけで汗が流れ落ちてきそうな熱気だ。

 

「これにより、転生炎獣リンクモンスターを転生させることが可能となる!」

 

 転生だと?どういうことだ……。デュエルモンスターズにて転生など聞いたことが無いため天輝は戸惑う。そんな天輝を見て玲斗は少し嬉しく思った。最初からこれを見せたくてうずうずしていたのだ。ある意味でのサプライズだ。

 

「さぁ、サンライトウルフよ。転生し、新たなる力を手にせよ!」

 

 サークルが眩く輝き、後ろの火山が大噴火を起こすとサンライトウルフがマグマに飲み込まれていってしまった。

 

「転生リンク召喚! 転生炎獣サンライトウルフ!覚醒!」

 

 サンライトウルフを飲み込んでいったマグマが徐々に割れていき、中から炎を伴ったサンライトウルフが現れた。

 

「どういうことだ……一体何が起きたんだ!説明してくれ!」

 

 初めて見る光景のため、天輝は早く知りたくてたまらなかった。

 

「転生炎獣の聖域は、1ターンに1度、転生炎獣リンクモンスターをリンク召喚する際、同名モンスターなら一体のみで出すことが出来るんだ」

 

「なるほど…。つまりサンライトウルフを素材にサンライトウルフを召喚した……ということか」

 

「そういうこと!

そして、転生したサンライトウルフは新たな効果を得る!

墓地より『サラマングレイト・レイジ』を選択し手札に加えるよ」

 

 

「転生することで新たな効果を得る。なるほど、面白いテーマだ」

 

 今までにない戦法をする転生炎獣デッキ。現実世界でも環境トップに入る程である。

 

「でしょでしょ!じゃ、サラマングレイト・ギフトの効果を忘れずに発動するね。

ギフトは転生リンクしたモンスターが存在する時、転生炎獣モンスターを1枚捨て2枚ドロー可能になる。うん、これでターンエンドかな」

 

玲斗は一枚伏せ終了した。

 

天輝「これは負けてられないな…!」

 

 

玲斗

 

LP:3400

 

手札4枚

 

 

フィールド

 

転生炎獣サンライトウルフ

 

伏せ一枚

 

サラマングレイト・ギフト

 

転生炎獣の聖域

 

 

 

 

天輝

 

LP:4000

 

手札3枚

 

フィールド

 

サイバース・ウィザード

 

伏せ2枚

 

 

「俺のターン!」

 

 サンライトウルフをちらっと見る。伏せが一枚あるが、攻撃力は1800。なんとか倒せそうだ。

 

「行くぞ!来い、『ドラコネット』!」

 

 顔と手足の無い水色の体に深い青の線が入ったドラゴンのような姿のドラコネットが天空から現れた。

 

ドラコネット

攻撃表示

ATK:1400

 

 

「ドラコネットは、1ターンに1度仲間を呼ぶことが出来る。来い、ビットロン!」

 

 マスコットの様な何とも可愛らしいモンスターが現れた。

 

 

ビットロン

守備表示

DFE:2000

 

 

「さて、ここからだ!」

 

 早速リンク召喚を決めようとするが、玲斗がそれを阻止した。

 

「おっと、天輝くん。残念だけどさせないよ!僕はトラップカード!サラマングレイト・レイジを発動!

フィールドに転生リンクした転生炎獣モンスターが存在する場合、そのリンクマーカーの数だけ相手カードを破壊する!」

 

 禁止に匹敵するような強力な効果を持った罠カードだ。そんな効果に驚かずにいられなかった。

 

「なんだと!?」

 

 サンライトウルフが放った鍵爪の炎でドラコネットとビットロンは破壊されてしまう。これでリンク召喚は不可能となった。

 

「どう?中々強力でしょ」

 

 天輝は呆気に取られたが、これがデュエル。何が起こるか分からない。

 

「なんてカードだ……。仕方ない、カードを一枚伏せターンエンド」

 

「その時、ギフトの効果を発動しておくね」

 

 

天輝

 

LP:4000

 

手札2枚

 

 

サイバース・ウィザード

 

 

伏せ3枚

 

 

玲斗

 

LP:3400

 

手札5枚

 

フィールド

 

転生炎獣サンライトウルフ

 

サラマングレイト・ギフト

 

転生炎獣の聖域

 

 伏せはあるが劣勢な天輝だが、ここからどう巻き返して行くのだろうか……。




次回『降誕!ダブルエース!』


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