《凍結》アズールレーン 異世界艦との遭遇 (G大佐)
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アズールレーン 異世界艦との遭遇

前作『学園艦が鎮守府に着任しました』の続きとなります。まだ最終話まで読んでないという方は、ご注意下さい。

また、アズールレーンに関しては、艦これ以上に知識不足です。アニメを途中から見直した程度ですので、何卒ご容赦を……。

追記)感想の受付が、ログインユーザーのみになってました。非ログインユーザーからも受け付けられるように設定し直しました。


 その世界は、戦いに満ちていた。

 

 突如現れた謎の存在、“セイレーン”。奴らの襲撃を受けた人類は、4つの国家から成る軍事連合“アズールレーン”を結成した。

 

 幾度の戦いにおいて、セイレーンの撃退に成功した人類。しかし、今後どのように対処をするかで、意見が分かれてしまう。

 

 

 人類の力をもってセイレーンを撃退すべきと主張する“ロイヤル”と“ユニオン”。

 

 敵の力も利用すべきと主張する“重桜”と“鉄血”。

 

 

 やがて対立は深まり、重桜と鉄血は離反。そして“レッドアクシズ”という新たな勢力を作り出した。

 

 アズールレーンとレッドアクシズ、そしてセイレーン。

 

 3つの勢力による戦いは、終わりの兆しを見せない。

 

 だが、ある変化が訪れることになる……。

 

 

 

 

 

 大雨が降る中、『ラフィー』『ジャベリン』『ユニコーン』の3人は進んでいた。

 

「セイレーンを追っていたら、こんな嵐が来るなんて……!」

「先に進んだの、失敗……」

「分かってるよぉ! でもさっきまで晴れてたじゃん!」

「け、喧嘩は止めようよぉ……」

 

 彼女たちは、『セイレーンが頻繁に目撃されている海域に、何らかの変化が発生している。調査せよ』という命令を受けて、調査任務に当たっていた。

 すると、普段は遭遇しない筈の海域でセイレーンと遭遇した。しかし、ジャベリン達には目もくれず、()()()()()()()()()()()()()()、奴らは他の海域へ逃げようとしていた。

 さすがに人間の生活圏まで行かれては困るため撃破したのだが、「この先に何かある」と察したジャベリンは、基地にいる艦船に報告をし、許可をもらった上で進撃した。

 

 その結果、今いる海域に着いた途端、暗雲が立ち込め雷が鳴り響き、雨風が吹き荒れる悪天候と化した。波も高くなっており、速度も思うように出せない有様となっていた。

 

「何でこんな急に……。まさか、さっきのセイレーンの動きと何か関係が……」

 

 その瞬間、一瞬だけ目の前がピカッと白くなった。それから少し遅れて……

 

 

 ドゴォォォォォォン!!

 

 

 鼓膜が破れるのではないかと思うほどの轟音が鳴り響いた。

 

「うぅぅ……。もう嫌だぁ……」

 

 雷が落ちた音に、ユニコーンはすっかり泣いてしまっている。ラフィーが撫でて慰めてはいるが、それでも悪天候が続く今では、焼け石に水であった。

 

(私がむやみに進撃しなければ、こんな事にはならなかったんだ! 私が何とかしないと!)

 

 自分に責任を感じているジャベリンは、この場を切り抜けるための方法を模索しようとする。

 

 その時だった。

 

「ジャベリン、あそこ」

「どうしたの、ラフィーちゃん?」

「光ってる」

「え?」

 

 ラフィーが指をさしている方向へ目を向けると、チカチカと小さな光が点滅していた。

 

(モールス信号?)

 

 点滅する光が信号だと理解するのに、時間は掛からなかった。

 

「『コノママ 真ッ直グ 接近セヨ』? もしかして、誰かが助けに?」

「ジャベリンに任せる。でも、ユニコーン怯えてる」

 

 ラフィーは、ユニコーンを撫でる手を止めていなかった。それを見たジャベリンは、先程の信号が罠であるという考えを捨てた。

 

(今は気持ちを整理しなきゃ!)

 

 ジャベリンがユニコーンの手を取る。

 

「もうちょっとだけ、頑張れる? さっき信号を送った人が助けてくれるかもしれない!」

「……うん。ユニコーン、頑張る……」

「このままゆっくり進むよ! 波に浚われないように気を付けて!」

 

 信号はなお光り続けている。その光を目指して、ジャベリン一行はゆっくりと進み始めた。

 

 

 

 

 

「何……これ……」

 

 ジャベリンの声が震える。空は暗いが、目が慣れたのか、自分たちの前にある存在を見ることが出来た。

 

「島……? 違う……()()()()()だ……!」

 

 目の前には、島ではないかと見紛うような艦船……形状から見て『超巨大空母』とも言えるような物が存在していたのだ。

 

「どの艦船よりも、ずっと大きい……。こんなの見たことない……」

 

 すると、人が渡るであろうスペースから、誰かが走ってきた。

 

「おーい! 大丈夫かー!!」

 

 その女性は、マントのような物を身に着けていた。髪型もドリルツインテールなのが特徴的だ。

 

「今からロープを下ろすから、それで登って来てくれー!」

「わ、分かりました!」

 

 何が何だか分からないが、警戒して身動きが全く取れないよりも、今はこの状況を何とかしたかった。何より、ラフィーとユニコーンを休ませてあげたいという気持ちもあった。

 

 下ろされた縄梯子を使って、超巨大空母へと乗り込む。3人が無事に上がれたことを確認した女性は、頷いた。

 

「よし、何とか無事だったな! 本当は自己紹介したいところだが、中で話すとしよう」

「は、はい……」

 

 その女性の勢いに押されるがままに、ジャベリン達は艦内へと案内された。

 

 

 

 

 

「どうだ?」

「駄目ですね……。鎮守府と連絡がつきません。この嵐のせいでしょうか……」

 

 ブリッジにて、二人の女性が会話をしていた。

 

 一人は、銀色の髪の中に、犬のような耳がピョコンと生えている。同じように尻尾も生えていて、時折揺れている。着ているのは割烹着だ。

 もう一人は、ダークグレーの軍服を着ている。軍刀のような物を携えており、軍帽の下から見えるその鋭い視線は、嵐の海へ向けられていた。

 

「我々はあの時、各鎮守府が集まる合同演習のサポーターとして行動していた筈だ。しかし、天候が急変し、落雷によって視界が白くなったと思ったら……」

「私たちは、『この艦』にいたんですよね……」

()()()()……。()()でいつも見ていた光景だったな」

「ですが、どうして私たちはブリッジに居るんでしょう? 私たちは別々に動いていたのに……」

「何より……お前たちの姿()()()()()()()ことも、驚きだな」

「はい……。あっ、そういえば、さっきの子たちは大丈夫でしょうか? 3人だけのようでしたけど」

「今、他の奴が向かっている。落ち着いたら、彼女らから話を聞くとしよう」

「分かりました」

 

 割烹着を着た女性の尻尾が、フワリと揺れる。一方、軍服の女性は再び海へと視線を戻した。

 

「いったい何処なんだ、ここは……」

 

 女性のつぶやきは、嵐の音に消えていった……。

 




いかがでしたか? 時間を見つけ次第、書いていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。


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自己紹介

色々と調べながら書いてますが、上手く書けてるでしょうか……?

それでは、どうぞ。


「ん、んん……?」

 

 ジャベリンは、瞼をゆっくりと開き、目を覚ました。

 

「ここは……何処だっけ?」

 

 目の前に広がるのは、見たことのない天井。自分が横になってる場所はソファだろうか。

 

「ジャベリン、起きた」

「おはよう~」

 

 体を起こすと、向かい合うように設置されていたソファに、ラフィーとユニコーンが座っていた。

 

「そうだ……。確か私たち、嵐に遭って……」

「大きな船に助けられたの。そしたら、眠くなっちゃった」

「それで私も寝ちゃってたのね」

 

 すると、ドアがノックされた。ジャベリンが返事をすると、驚くべき人物が入ってきた。

 

「お目覚めになったようね」

「え……? アークロイヤル、さん……?」

 

 自分が所属する『アズールレーン』。そこへ同じく所属している、ロイヤルの空母『アークロイヤル』が居たのだ。

 しかし、服装が違う。自分が知ってるのは黒髪で青い服を着ていて、そして……可愛いものに目が無い。だが目の前の女性は違う。全体的に白っぽい服を着ているし、不思議なことに、顔は同じでも雰囲気が違うのだ。まるでお嬢様のように感じる。

 すると、目の前の女性は怪訝な顔になる。

 

「私のモデル艦は、確かにアークロイヤルですわ。ですが……。ふむ、どうやら貴女の知り合いに似ているようね」

「え? モデル艦? それに知り合いって……」

「他人の空似と言うものですわ。私の名前は、『聖グロリアーナ女学院』、通称リーナですわ」

「が、学院???」

 

 ジャベリンたちの頭に、大量のハテナマークが浮かぶ。聞き慣れない単語も出てきて、ますます混乱してきた。

 

「詳しいお話は、私やその仲間がしてくれますわ。起きたばかりで申し訳ないけれど、来てくれるかしら?」

「は、はい……」

 

 とりあえず、頭を空っぽにしておこう。ジャベリンはそう決意した。

 

 

 

 

 

 3人は、巨大空母のブリッジにいた。そこには9人の女性と1人の少女、合わせて10人が自分たちを見ている。

 

(何で、重桜の人も居るんだろう……?)

 

 少女と割烹着を着た女性、そして茶色いジャケットのようなものを着ている人。この人たちは、動物の耳や尻尾が生えているため、分かりやすかった。

 だが、ダークグレーの軍服を着た女性、嵐の時に助けてくれたマントの女性、ジャージのような恰好で楽器を弾ている女性に、少女ほどではないが小柄な女性は分かりにくい。

 そして、カウボーイの格好をしている女性。恐らくユニオンだろうが、ラフィーが何も反応しない事を見ると、違うようだ。自分も見たことが無い。

 

 本来ならば、すぐ戦闘が勃発してもおかしくないというのに、そのような空気が全く感じられなかった。

 

「起きて早々、申し訳ないな。まずは自己紹介しよう。私の名前は黒森峰。正式名は黒森峰女学園だがな」

 

 軍服の女性が名乗ってくれた。そして気付いた。胸にある黒十字のマーク。確かあれは鉄血の艦も持っていた筈だ。つまり、今この場には、アズールレーンとレッドアクシズの2つの派閥が居ることになる。

 

「アンツィオ高校だ! アンツィオでもドゥーチェでも、好きなように呼んでくれ!」

「ボクは継続高校。よろしくね」

「プラウダ高校よ! 体はちっちゃいけど、そこは弄らない事! 良いわね?」

「知波単学園であります! どうかよろしくお願いします!」

「私はサンダース! サンダース大学付属高校ってのが正しいけど、長いからサンダースでOKよ!」

「BC自由学園のフリーよ~」

「改めまして、聖グロリアーナ女学院こと、リーナですわ」

 

 多くの女性が名乗ってきた。いずれも個性豊かな人たちだ。

 

「県立大洗女子学園こと、大洗です~。こちらは娘の愛ちゃん~」

「愛です! よろしくお願いします!」

(娘!? KAN-SENの親子!?)

 

 確かに二人は、親子のようによく似ている。だが姉妹艦の繋がりはあっても、親子関係というのは聞いたことが無かった。

 しかし、驚いて固まってる暇はない。相手が名乗ってくれたのだ。自分たちも名乗らなければ。

 

「えっと、私たちは、“アズールレーン”ロイヤル所属の、ジャベリンです!」

「け、軽空母のユニコーン……」

「ユニオン所属のラフィー」

 

 すると、女性たちがざわめきだした。何か失礼な事を言ってしまったのだろうか。もしかしたら、アズールレーン所属と言うのがいけなかったのかもしれない。何せ向こうには、鉄血や重桜の人もいるのだから。

 

 

「す、すまない……。アズールレーンとかロイヤルとか、()()()()()()()()()()

 

「「「…………え?」」」

 

 

 ブリッジに、奇妙な空気が流れた。




読んでくださり、ありがとうございました。


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常識のすれ違い

大変長く待たせておきながら、今回は短めです……。申し訳ありません。そろそろ本格的に忙しくなってきましたので、更新がいつになるか分かりません。

それと、お気に入り登録・評価、ありがとうございます!

それでは、どうぞ!


「え……。『何を言っているんだ』って、どういうことですか? 私たちは『アズールレーン』に所属する艦です。ロイヤルとユニオン、そして鉄血に重桜の方々も知ってるのでは?」

「ふむ……。いずれも聞いたことが無い。私たちはそれぞれ、横須賀・佐世保・呉といった鎮守府に所属しているのだが」

「サセボ? ヨコスカ?」

 

 ジャベリンは、黒森峰たちの言っていることが分からなかった。

 

 ロイヤルとユニオンは言わずもがな、アズールレーンとは軍事連合である。ましてや自分たちが所属する陣営が分からないなど、正直に言うと常識外れにも程がある。

 それに、ヨコスカやサセボといった()も聞いたことが無い。どこかの小さな国の集まりだろうか。

 

「ねぇ、ジャベリンさん。良かったらボク達に、その『アズールレーン』と言うのは何なのかを教えてくれないかい? その代わりに、ボク達が知っていることも話そう」

「ちょっと、継続! 勝手に話を進めるんじゃないわよ!」

「いや、確かめたいこともあってね。もしかしたら、すれ違いを起こしているかもしれない」

「なるほど、すれ違いが大きくなってaccidentになるのを防ぐためね」

「ふ、ふふん! プラウダは分かってたわよ? えぇ勿論!」

「本当か~?」

 

 継続にプラウダにサンダース、そしてアンツィオが話してるが、『すれ違い』とは何だろうか?

 

「は、はぁ……。まぁ良いですけど……」

 

 そして説明する。セイレーンの事、アズールレーンの事、そこから離反した組織としてレッドアクシズが現れ、そこは主に重桜と鉄血によって結成されている事。そして、KAN-SENとメンタルキューブの事も。

 

「なるほど……」

「黒森峰殿、これは……」

「みんなも薄々気付いているだろうな」

「あ、あの、どういう事でしょうか?」

 

 ジャベリンたちを除く女性全員が、ざわめき出す。中には「聞いたことのない言葉ばかりだ」「人類同士で争ってる場合では無かろうに」「セイレーンは、深海棲艦とは違うかもしれないわね」等と言った声も聞こえてくる。

 

「ジャベリン、と言ったかな? これから私たちが話すことは、とても荒唐無稽な事だと思う。だが、最後まで話を聞いてほしい」

「わ、分かりました……」

 

 黒森峰は目を瞑り、小さく息を吸って深く息を吐く。そして目を開いて、真剣な顔でこう言った。

 

 

 

 

 「我々は、異世界からやって来た艦だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ジャベリン達が進んでいたルートを辿るように、3人の女性が海を駆けていた。天候は快晴で、雲一つない。

 

「あいつ等、本当にどこ行ったんだよ!?」

「落ち着いてください、クリーブランド様」

「落ち着いてられるかよベルファスト! ジャベリン達の連絡は途絶するし、帰って来てないんだぞ! 何かあったに違いない!」

「レッドアクシズに拉致されたか、何かトラブルが起きて連絡も帰港も出来なくなったか、だな……」

「エンタープライズもそう思うか?」

「推測にすぎん。だが、誰かが動かなければ、何も始まらない」

 

 そして3人は気付く。目の前に見えてくる影が段々大きくなってくることに。

 

「……なあ。あんな所に島なんてあったか? て言うか、島なのか? あれ」

「……分からん。もしかしたらジャベリン達の件と関係があるかもしれん」

 

 3人は速度を上げて、島らしき物へと接近していった。




読んでいただき、ありがとうございました。

後半に登場した艦船たちの口調、間違ってたらすみません…。

それでは、次回をお待ちください。


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話し合い

お待たせしました。そろそろ本格的に忙しくなってきたかもしれません。

それでは、どうぞ!


 ジャベリン達は、ポカンとなった。真面目そうな雰囲気を漂わせる女性、黒森峰の口から語られたのは、「我々は異世界からやって来た」というものであった。とてもじゃないが、信じることが出来ない。

 

「異世界からって、何を言ってるんですか?」

「そういう反応が普通だろうな。だが、言った筈だ。『最後まで話を聞いてほしい』と。我々の世界がどういったものかを説明させてくれ」

「……分かりました」

 

 すると、大洗と呼ばれていた女性が、何かの装置の方へ向かった。

 

「あら? レーダーに何か反応です。3つですね~」

「ふむ、もしかしたらジャベリン達の仲間か、もしくはレッドアクシズとやらの者かもしれんな」

「私たちが対応してきますわ。黒森峰さんと大洗さんは、私たちの世界の説明をお願いします」

「承知した」

「愛ちゃんはどうする~?」

「お母さんとここにいる~!」

 

 お互いに対峙している派閥の艦だというのに、その連携は目を見張るものがある。他の者たちはブリッジを後にして、残ったのは黒森峰と大洗、そして愛と呼ばれた少女の3人だけとなった。

 

「では、話すとしようか。我々の世界のことを」

 

 

 

 

 

 

「深海棲艦、ですか……」

「怒りや悲しみといった感情が集まることで生まれた存在……。特に怒りによって生まれた深海棲艦は、攻撃対象に見境が無い。怒りの者同士による争いは無いのだがな」

「そして、人間同士による争いもないと言っていましたが、それは……」

「うむ。そちらの方では、セイレーンの技術を利用した勢力が存在しているのだろう? だが、我々の方では、深海棲艦の技術を利用するという概念が無いんだ。向こう側から歩み寄ってきた例と言えば……」

 

 黒森峰の視線を追うと、愛が大洗にレーダーの事を教えてもらったりしていた。

 

「元は深海棲艦だった、愛くらいだろう」

「え? あの子って、その深海棲艦という敵だったんですか?」

「種族だけで見れば敵かもしれん。だが、彼女を中心とした一部の深海棲艦は、我々と話をすることを求めてきた。我々はそれに応じ……。まぁ、紆余曲折あって、今に至るわけだ」

「……平和なんですね」

 

 ジャベリンは思う。「どうして敵が違うだけで、こうも世界が違うのか」と。ほんのちょっとのすれ違いで、ここまで変わるとは思わなかった。

 その様子を見た大洗が、声を掛けた。

 

「でも、まだまだ私たちの世界も、平和とは言えないわ~。深海棲艦は全員が敵だと思ってる人もいるし、怒りの深海棲艦も完全に居なくなったわけじゃないの。それに、政治的な意味での人間の争いがあって、それに巻き込まれたこともあったのよ~……」

「あぁ。こちらにはこちらの、我々には我々の事情があるということだ。『人間同士で争ってる場合じゃない』と余所者の我々が言っても、こちらの世界の人たちからすれば『何も知らないくせに偉そうに言うな』と返されるだろう」

「そんな……」

 

 そんな時だった。ブリッジのドアが開けられる。

 

「大変だぁ!」

「アンツィオ、どうした。何かトラブルか?」

「アズールレーンとレッドアクシズの対立、思ったよりも深刻だったみたいだ! アズールレーンの艦船達が来たんだが、私たちがジャベリン達を拉致したと思ってるらしい!」

「えぇ!?」

「誰が対応した!?」

「……知波単だ」

『『『…………あぁ』』』』

 

 見た目が重桜の艦船である知波単が、アズールレーンの艦船に対応してしまったという。誤解が生まれるのも無理はないと、黒森峰たちは納得してしまった。

 




さて、最後でトラブルが起きましたが、どうなるてしょうか。

次回をお待ちください


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