*DEAR MY SISTER* (シンガポールの口からドバァしてるアレ)
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甘奈「ベゴニアの花」
『なーちゃんのことが、好き、家族だからとかじゃなくて、、、女の子として、甜花はなーちゃんのことが、好き』
私にとって甜花ちゃんの存在は自身の世界だった
もし甜花ちゃんがいなくなってしまったら、だとか、もし離ればなれになってしまったら、なんて考えただけで怖くて怖くて仕方がなかった
必要とされたかった、甜花ちゃんさえ私を必要としてくれればそれ以外は何もいらなかった
それだけが私の生きる意味だった
だから、好きと言ってもらえたときはとても嬉しかった言葉にならない感情で胸の中が一杯だった、今にも泣き出してしまいそうなほど幸せで幸せで、世界の誰よりも幸福だって思った
それから私と甜花ちゃんはひっそりと付き合ってる、当然お父さんやお母さんには内緒にしてるしプロデューサーや千雪さんにもこのことは言ってない、でももしかしたらあの2人は気づいているかもしれない、そのときは正直に話そう、嘘偽りなく私は甜花ちゃんが好きだって、家族だとかじゃなくて女の子としての甜花ちゃんが好きだって、甜花ちゃんがそういってくれたように私もそう言おう
本当は今日は甜花ちゃんと水族館にデートに行くはずだったけれど私が先日のレッスンで足首を傷めたせいで自宅療養となった
何日も前からプロデューサーにお願いしてせっかく甜花ちゃんと同じ日にお休みをいれてもらったのにどうしてこうなってしまったのだろうって、その日は悔しさと悲しさと申し訳なさでつい泣いてしまった
甜花ちゃんは全然大丈夫って行ってくれた
その日はゆっくりしようって、映画とか借りてきて一緒に見ようって、その優しさに触れてまた泣いてしまったのはさすがに情けなかったと思う
窓から射し込む光が部屋の中をうっすらと照らしていた
朝から2本も連続で映画を見るとさすがに頭が疲れてしまって、私と甜花ちゃんは少しだけ休むことにした
それが一時間と少し前のことだ、あまりにも幸せそうな寝顔を見てるとなんだか起こすのが勿体なくて結局そのまま甜花ちゃんをベッドに移動させて私もその横で横になっている
柔らかそうな髪に手を伸ばして少し撫でると甜花ちゃんはくすぐったそうにするとまた「にへへ」と言いながらすぅすぅと寝息をたてはじめた
ハラリと前髪が重力に従って落ちるといつも前髪で隠れている甜花ちゃんの顔がはっきりと見えた
なんだか新鮮でこれだけでも今日、こうして家で療養している甲斐があると思える
(あぁ、甜花ちゃんのためなら何だってできる)
そんなことをぼんやりと思った、この気持ちはおそらくいいものではないはずだ、このまま続ければ共依存に陥ってしまう、いやもう手遅れかもしれない、それでも今この幸せを手放すことはしたくない
そんなことを考えていると甜花ちゃんが目を開けていた
「ごめんね、、、なーちゃん、、、甜花寝ちゃってた、、よね」
いそいそと起き上がって頭もとの時計を確認する甜花ちゃん、大事な時間を寝てしまったことに気づいたみたいで「ひぃぅ、、」という可愛らしい声が聞こえる
そんな声を聞いたら少しだけ嗜虐心が燻られてしまう
「ご、、ごめ「ねぇ、甜花ちゃん、」、、どうしたの?」
被せぎみに私が言うと、私が怒っているとおもったのだろうか、甜花ちゃんは少しおろおろした様子で私の方へ向き直った
「甘奈もうちょっと寝たいかも、だめ?」
「えっと、、なーちゃんがいいなら、、」
「ありがと」
私はそういうと甜花ちゃんの首もとに両腕をまわすとそのままベッドに倒れこんだ、足首が少し傷んだが気にしない
そのままの勢いで甜花ちゃんを抱き締める、おずおずとだけど甜花ちゃんも私の背中に手をまわして優しく抱き締めてくれた
(温かい)
甜花ちゃんの温もりが伝わってくる、私のドキドキという心臓の音が伝わってしまいそうだ
「ねぇ、甜花ちゃん」
「なに?なーちゃん」
「んーん、読んでみただけ」
「?」
何度も何度も甜花ちゃんの髪を撫でる、柔らかな髪を撫でてあげると「にへへ、くすぐったい」と甜花ちゃんが笑った
私が甜花ちゃんを抱き締めるとその度に甜花ちゃんは優しく甘奈を抱き締めてくれた、映画を見るために明かりを消した部屋には外からの光が射し込んでいた、その光が甜花ちゃんの髪に反射して、キラキラと光っていた
この瞬間が永遠に続けばいいのにそう思って私は甜花ちゃんの髪を分けて不意討ちに、でもそっと唇を落とした
「!?////」
「こっちはいつか甜花ちゃんからお願いね」
私はそういうとそっと私の唇に人差し指を重ねた
大崎姉妹の純愛ものが増えないので書きました(自己供給)
増えなかったから、続き書きます
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