RIDER TIME 電光超人GRIDMAN (バース・デイ)
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2019:ハイパーエージェント

この本によれば、普通の高校生『常磐ソウゴ』……彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた。
オーマの日と呼ばれる日に、もう一人の私こと白ウォズの齎したウォッチの力で、『ジオウトリニティ』へと進化した常磐ソウゴ。
そこで彼は、未来の自分であるオーマジオウから全てのレジェンドの力を継承するように告げられる。

そして、彼が次に出会うレジェンドは、『コンピューターワールド』と呼ばれる世界で戦う、仮面ライダーの力とはまた別の力を持つ『ハイパーエージェント』で……、

おっと。

少々、先まで読みすぎました。




 

 

 

 

 

 RIDER TIME 電光超人GRIDMAN

 2019:ハイパーエージェント

 

 

 

 

クジコジ堂 昼

 

常磐ソウゴはお腹を空かせていた。

いつもなら昼食に大叔父の順一郎が全員分の食事を用意してくれるのだが、いつも通りの時間になっても食事が出てこない。

テーブルの上で空腹でダレている彼の背中を、隣に座る明光院ゲイツが叩く。

「しゃきっとしろ!!全く……。」

「だって~……お腹空いてうごけないんだも~ん……。」

「もう少し待ちたまえ、我が魔王。ご主人だって暇ではないのだ。」

「こうもお腹が減ってると……なんだか無性に、ガッツリ!行きたい気分になるよね……。」

「確かに遅いわね……順一郎さん、何かあったんですかー?」

呆れるウォズが首を振ると、ツクヨミが奥の方でこの店の主人である常磐順一郎を呼んだ。

すると順一郎が困った顔で炊飯器を持って台所から現れた。

「ごめんね皆、どうにも炊飯器の調子がおかしくてね……なんか爆発?したみたいで、すぐには直せないんだよ…。」

「えぇぇぇ!!?じゃあご飯どうするの!!?」

「うーん……あ、じゃあ折角だし、皆で何か食べに行こうか?ほら、ゲイツくんもツクヨミちゃんもウォズくんも、ここに来てから皆で外食なんて行った事無かったでしょ?」

「そうですね……順一郎さんのご飯が美味しいので、あまり気にした事ありませんでした。」

「嬉しい事言ってくれるねぇ…!ほら、何食べに行きたい!?何でも好きな物言って良いよ!」

「いや、連れて行ってもらえる俺達が行き先まで決めるのは……、」

 

 

「餃子!!餃子食べに行きたい!!ねぇねぇ餃子行こうよ餃子!!」

 

 

「……お前は少しは遠慮をしろ!!!」

 

餃子餃子五月蠅いソウゴに、ゲイツが怒ってしまった。

呆れてモノが言えないツクヨミとウォズを見て苦笑した順一郎だったが、『そうだ!』と何かを閃くと、本棚からこの街のグルメガイドを取り出した。

 

 

「ちょっと遠いけど、桜が丘町って言うところに美味しい餃子屋さんがあるんだって。そこ行こうか。」

 

 

「やったー!早速行こう!ほらほら立ってよゲイツ!ツクヨミもウォズも早く支度して!」

「腹が減って動けないんじゃ無かったのか……全く調子のいいヤツめ…。」

「これにばかりは同意するよゲイツくん。」

 

念のためにジクウドライバーとライドウォッチを手にして仕度をするソウゴ達。

順一郎が店に『臨時休業』の看板を下げると、5人は桜が丘町を目指して歩き出した。

 

 

 

 

桜が丘町 

 

「うんまい!!」

「美味しい……こんな美味しい餃子、2068年にも無かったわ…!」

「え?2068……?」

「なんでもないよご主人。ゲイツくん、タレを取ってくれ。あとタレにはラー油を入れてくれ。それとお冷と……あぁ、おしぼりの新しい物を頼んではくれないかな?」

「だから俺はお前の召使いか!!!」

 

桜が丘町の餃子屋にやってきたソウゴ達は、美味な餃子に舌鼓を打っていた。

それを見ながら店長はニヤニヤと笑い、厨房のすぐ前に座っていた客から鼻で笑われる。

 

「あのお客さんたち面白いなぁ。」

「自分の店の客を見ながらニタつくのは感心しないな。」

「別にいいだろう、変な意味じゃないんだし。昔のお前みたいに陰険な笑いしてないんだし。」

「昔の話は忘れてくれ……。さて、そろそろ行くよ。」

「えー、もうかよ。さっき来たばっかりじゃねーか。」

「仕事なんだ。」

「サイバーポリスか。すげぇよなぁ、昔は魔王の手下だったヤツが、今じゃ日本のネット社会の秩序と平和を守ってるなんて。」

「僕だけの力じゃないさ。それに、頼りになるパートナーもいるからね。」

 

そう言うと客は店長に右腕のリストバンドに似たアクセサリーを見せた。

店長は自分の左腕を右手で撫でると、懐かしそうに微笑む。

 

「アイツは、元気でやってんのかなぁ。」

「……さて、それじゃあお会計をお願いするよ。」

「あいよ。えーっと、特製餃子一皿と………ん?」

 

店長が会計をする為にレジを触る。

しかし、レジが反応をしない。

しばらくすると、レジが突然煙を吹き、火花を上げた。

 

それだけではない。

 

客に見せる為のテレビや、店に設置していた電話機、炊飯器や調理用の家電、電気を使うありとあらゆる物が突然発火や爆発を起こし始めた。

当然それにはソウゴ達も驚き、順一郎はあっ!と声を上げる。

 

「そ、それ!うちの炊飯器もおんなじように爆発しちゃったんですよぉ!いやぁ、怖いですねぇ最近の電化製品って!」

「コレは明らかに異常だ……。」

「確かに、コレはおかしい……まさか、」

 

 

「アナザーライダーか。」

「次元犯罪者の仕業か。」

 

 

「「え?」」

「なにやってんのウォズ!!外見て外!!」

 

ソウゴに背中を押されて餃子屋の外に出て行くウォズ。

外に出ると、街中のあらゆる電化製品が暴走を起こし、それ以外にもスマホやパソコンなどのネットワーク機器も異常を起こしていた。

 

 

「何コレ……?きゃあ!!」

 

 

バス亭でスマホを弄りながらバスを待っていた女子校生のスマホが突如光を放つと、そこからバグスターウイルスの様な結晶が出現。

それは人間ほどの大きさと形に収まると、歪な電子音声が流れた。

 

 

『GRIDMAN……!』

 

 

『ウゥゥゥ……!ウォオオオオオオ!!!!』

 

血のように赤いボディに錆びついた銀色のアーマー。

むき出しの牙と焦点の合っていない濁った色の瞳を持つ怪人。

タイムジャッカーが新たな王を生み出す為に作りだす、仮面ライダーの力を歪めて生まれた存在『アナザーライダー』

クウガ~ビルドまでのどのライダーとも異なる姿を持ったアナザーライダーは生まれると、彼が出て来たスマホを持った女子校生に向かって振り返る。

じわじわと手を伸ばしながら、その女子校生に歩み寄る。

 

 

『あ……あ、か………アカ……ネ……!』

「誰……?なんで私の名前を……!?」

 

 

「その子から離れろ!!!」

 

次の瞬間、アナザーグリッドマンを飛び蹴りで蹴り飛ばしたゲイツ。

そこにソウゴとウォズも駆け寄り、ソウゴとゲイツはジクウドライバー、ウォズはビヨンドライバーを腰に巻きつける。

 

『ジオウ!』

『ゲイツ!』

『ウォズ!!アクション!』

 

 

ライドウォッチを起動し、ドライバーに挿入する3人。

彼等の背中にそれぞれ異なる時計型の変身エフェクトが現れ、叫んだ。

 

「「「変身!!」」」

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!!』

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!!』

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!!ウォズ!!!』

 

 

常磐ソウゴは仮面ライダイージオウに。

明光院ゲイツは仮面ライダーゲイツに。

そしてウォズは仮面ライダーウォズに変身完了。

 

『ジカンギレード!ケン!!』

『ジカンザックス!You Me!!』

『ジカンデスピア!!ヤリスギ!!』

 

それぞれ武器を構えると、アナザーライダーへと向かっていく。

アナザーライダーは空中にモニターの様な物を出現させると、そこに『ACCESS CODE』と記された欄に『BARRIER SHIELD』と入力。

するとアナザーライダーの手元に禍々しいシールドが出現し、それでジオウ達の攻撃を防いだ。

さらにシールドの柄から剣を抜き取ると、それでゲイツとウォズを斬り伏せる。

 

「剣と盾か、厄介な奴だ……!」

「ねぇウォズ、アイツなんのアナザーライダーなの?」

「わからない……あのようなライダー、この本にも記されてはいない…。」

「まさかまた未来のライダー……?」

「いや、白ウォズが消えた以上、新たなライダーをこの時代に連れてくる事は不可能なはずだ。」

「我が魔王、ジオウIIならばどんなアナザーライダーであろうと関係無い。」

「わかった!」

「ならば俺も行こう。」

 

『『ジオウ!II!!』』

『ゲイツリバイブ!剛烈!!』

 

『あ………カネェ……!!』

 

ジオウとゲイツが強化変身をしようとした瞬間、アナザーライダーはシールドと剣を合体させ、巨大な大剣を作りだした。

それを振り回し、ジオウとゲイツが変身する前にウォッチを叩き落とす。

地面を転がったジオウとゲイツは変身が解除されてしまい、ソウゴと変身前のゲイツの姿に戻ってしまった。

「! 我が魔王!ゲイツくん!!」

『アカネェ……!!アァァカァァネェェエエエ!!!』

大剣を振り回し、ウォズと交戦し始めるアナザーライダー。

その戦いを眺めていた女子校生は、そのアナザーライダーに刻まれていた名前と年代を発見し、目を見開いた。

アナザーライダーの生まれた年代は『2018』

そして、刻まれていた名前は、

 

 

「『GRIDMAN』……グリッドマン……?」

 

 

『フューチャリングキカイ!!キカイ!!!』

 

「これでとどめだ。」

 

『ビヨンド ザ タイム!!フルメタルブレイク!!』

 

「!! やめて!!!」

「なにっ!?」

 

フューチャリングキカイへとフューチャータイムしたウォズがアナザーライダー……アナザーグリッドマンにとどめを刺そうとした瞬間、女子校生が叫んだ。

思わずウォズはその声に止り、その隙にアナザーグリッドマンは彼らの前から逃亡。

近くにあったパソコンに手をかざすと、その中へと入って行ってしまった。

 

「えぇぇ!?パソコンの中に入っちゃったよ!?」

「しまった!これでは奴を追えん!!」

 

 

「アイツはきっと、コンピューターワールドに逃げ込んだんだろう。」

 

 

「「……誰?」」

 

ソウゴ達に話しかけて来たのは、さきほど餃子屋にいた店長と顔見知りらしき客。

彼はメガネをクイッとあげながらパソコンの前に立った。

するとアナザーグリッドマンに壊れたはずのパソコンが急に立ち上がり、その画面をソウゴ達に見せつけてくる。

 

 

「コンピュータの中に……街だと……!?」

 

 

映し出された光景は、SFチックな風景の街。

全体的に緑色のラインの入った建物らしき物体が多く、その中にアナザーグリッドマンは出現した。

コンピュータの中で暴れはじめたアナザーグリッドマン、驚くソウゴとゲイツ。

眼鏡の客は『ふむ』と自分の顎を撫でた。

そこへウォズと先ほどの女子校生がソウゴ達の所まで戻ってきた。

客は女子校生を見ると、胸元の手帳を取りだし、彼女と手帳を交互に見る。

 

「君は、新条アカネさんだね?」

「どうして私の名前を……?」

「古い友人に君の事を気に掛けるように頼まれていてね。」

「………………。」

「信じられないかい?なら、コレを見てもらおうか。」

「! それ……!」

 

女子校生……新条アカネに男が見せたのは、自分の右腕に装着しているリストバンドの様な機械。

 

『アクセプター』だ。

 

アカネはこの機械に見覚えがあった。

ある少年が左腕に付けていた物と、形状は違うが間違いない。

『ハイパーエージェント』となるための機械……アクセプターだ。

半分蚊帳の外になっていたソウゴは首をかしげると、男に尋ねる。

「ねぇ、ところでアンタ誰?この女の子と知り合い……には、見えないんだけど……。」

 

 

「僕は藤堂武史。地球の、『ハイパーエージェント』さ。」

 

 

そう言うと男……藤堂武史は右腕をつきだす。

するとパソコンの画面が変わり、そこにアナザーグリッドマンとよく似た青い姿のヒーローが姿を現した。

 

『行くぞ、武史!』

「あぁ、行こう、シグマ。」

「え?行くって……?」

 

 

「アクセース!フラーッシュ!!」

 

 

右腕のアクセプターを左手で押した途端、彼の服装がコート姿から全身タイツのスーツ姿となり、パソコンの中に吸い込まれていく。

それに驚くソウゴ達……アカネだけはその姿を見て、どこか懐かしさを感じていた。

やがてパソコンの中に武史の姿が現れると、青いヒーローと武史の姿と重なり、合体。

合体を完了した青いヒーローはアナザーグリッドマンの下へと向かったが……、

 

 

「!? ちょっ、アイツ大きすぎるよ!!」

「パソコンの中では巨大化するアナザーライダーか……。」

 

 

アナザーグリッドマンの大きさは、青いヒーローの何十倍も大きかった。

どうやらこの世界に来るとアナザーグリッドマンは巨大化する能力を持っているらしい。

しかし、青いヒーローはうろたえない。

アクセプターが変化した右腕のグラン・アクセプターに力を溜めると、それを自分の胸元に押し当てる。

そして、

 

 

『オ……オォ……!?』

『はぁぁあ!!!』

 

 

 

なんと、青いヒーローはアナザーグリッドマンと同じ大きさまで巨大化。

この世界……コンピューターワールドに、今、ハイパーエージェントが再び降り立った。

 

 

 

『俺はハイパーエージェント、グリッドマンシグマ!グリッドマンに代わり、この世界を危機から救う者だ!!』

 

 

 

青いヒーロー……グリッドマンシグマと合体した武史は、アナザーグリッドマンと交戦開始。

グリッドマンシグマがパンチやキックで戦うのに対し、アナザーグリッドマンは先ほど使っていた大剣を使用。

アナザーグリッドマンの大剣を白刃取りし、アナザーグリッドマンの脇腹を蹴り飛ばす。

さらにジャンプしたグリッドマンシグマはグラン・アクセプターから光の刃を出現させる。

 

『シグマスラッシュ!!』

『グアァァ!!!ウゥ……アカネェ……!!』

 

シグマスラッシュが命中し、アナザーグリッドマンに大ダメージを与えた。

アナザーグリッドマンは、先ほどグリッドマンシグマの言っていたグリッドマンと呼ばれる者のアナザーライダー。

だが、ジオウやディケイドが他のライダーの力と同じ力を使えばアナザーライダーやライドウォッチにダメージを与えられるのと同じように、グリッドマンと同じ力を持つグリッドマンシグマならばアナザーグリッドマンにダメージを与える事が出来る。

 

 

「ねぇ、アカネって君の事だよね?あのアナザーライダー、どうして君の事を?」

「……………。」

「新条アカネ、君はさきほど、私があのアナザーライダーにとどめを刺そうとしたとき、私を止めたね?君は『グリッドマン』という存在に何か深い関わりがある……違うかい?」

「グリッドマンとはそもそも何者だ?仮面ライダーでは無いようだが……。」

「……グリッドマンは………私の………あ…。」

 

 

 

 

『シグマァァァァ…………!!ビィイイイイイイイイム!!!!』

 

 

一方その頃、ついにグリッドマンシグマはアナザーグリッドマンにとどめを刺そうとしていた。

グラン・アクセプターに溜めたエネルギーを一点集中、必殺の『グリッドシグマビーム』をアナザーグリッドマンへと放つ。

だがアナザーグリッドマンは間一髪でそれを回避し、グリッドマンシグマが現れた場所に向かって飛び上がった。

 

 

すると、パソコンの中からアナザーグリッドマンの上半身が出現し、彼はそのままソウゴとアカネの腕を掴む。

 

「え?うわぁああああああ!!!?」

「あ……、」

 

「ジオウ!!!」

「我が魔王!!!」

 

そして、アナザーグリッドマンに引きずられ、ソウゴとアカネはコンピューターワールドの中に引きずられて行ってしまった。

しかし先ほどの場所には二人は出現をせず、グリッドマンシグマも周りを見渡し茫然。

置いてけぼりを喰らっていた順一郎は泡を吹いて倒れ、一同はその場で固まるしかなかった。

 

 

 

 

その頃 タイムジャッカー

 

「あのアナザーライダーはなんなのさスウォルツ。あんなライダー、どの時代にもいなかった。」

「どーせ、アレを作ったのもアンタなんでしょ?」

 

ウールとオーラ、二人から問われるタイムジャッカーのリーダーであるスウォルツ。

だが彼は首を横に振り、二人に背を向けた。

 

「あのアナザーライダーは、アナザーライダーであってアナザーライダーではない。むろん、私が作った物でも無い。」

「どういう事?アナザーライダーだけど、アナザーライダーじゃないって……。」

「まさかアレ、仮面ライダーじゃない……って事?」

「この世界には、オーマジオウ以前にも『魔王』と呼ばれる者がいた。その魔王はあらゆる次元を破壊し尽くし、この世界にある『もう一つの世界』を通じ、この世界を侵略しようとしていた。」

「何の話……?質問に答えなよ。」

「お前の意見は求めん。」

 

そう言い残し、スウォルツは姿を消した。

オーマジオウ以前に存在した『魔王』……それに、自然発生したアナザーライダー。

アナザーキカイの時と同じか、それとも別の何かがあるのか。

何もわからないまま、ウールとオーラはその場に立ち尽くした。

 

 

 

 

とある高校 

 

「~~♪」

 

休み時間……屋上で『トマト人生』というトマトジュースを飲む一人の少女。

『Believe』の鼻歌を歌いながら、友人たちが来るのを待っていた。

以前まではそうでも無かったが、最近は空を見上げる度に街の平和に感謝するようになった彼女は、いつも通り空を見上げた。

すると、昼間だと言うのに空から流れ星の様なものが落ちてくるのが見えた。

 

「流れ星……?」

 

流れ星は途中で3つに分かれると、3つの光はそれぞれ別々の場所へと飛んでいく。

 

「割れた……。」

 

 

 

「おーい!六花~!」

「いやぁ、悪い悪い遅くなった。」

「……も~、遅いじゃん二人ともー。」

「おや、六花さんまたそんな六花さんに似つかわしくない物飲んでんの?」

「うっさい、なみこ。」

「どうしよう……このままじゃ進学危ういかもって……。」

「えー、やばいじゃんはっす……。あ、じゃあ内海くんに勉強教えてもらえばいいじゃん意外と頭良いし。」

「……六花最近あの二人と仲良いの隠さなくなってんよね。なんで?」

「別に隠してたつもりとか無いんだけど……別にいいでしょ、私が誰と仲良くやってても。ほら、早くお昼食べないと休み時間終っちゃうって。」

「「へーい。」」

 

 

 

 

その頃、アナザーグリッドマンによってコンピュータの中に引きずり込まれたソウゴ。

しばらく気を失っていた後目を覚ますと、彼は見知らぬ街の中にいた。

 

「いててて……え……どこ、ここ……?」

 

コンピュータの中とは思えないその街の光景に、ソウゴは呆然とした。

 



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2019:コンピューターワールド

とある記録によれば、普通の高校生『響裕太』……かつて彼はハイパーエージェントにして電光超人『グリッドマン』として戦う使命を背負っていた。
新条アカネを救うべく、グリッドマン同盟の仲間と共にアレクシス・ケリヴの野望を阻止した響裕太は、グリッドマンと別れ、再び日常へと舞い戻る。

しかし、その日常もつかの間……そしてそれを破るのは他でも無いグリッドマン自身と、我が魔王『常磐ソウゴ』であった。

失礼……ここから先はまだ皆さんには、『未来』のお話でしたね。



 

 

RIDER TIME 電光超人GRIDMAN

2019:コンピューターワールド

 

 

 

響裕太は記憶喪失であった。

と言っても、記憶が無いのは去年の夏頃から冬にかけての3、4か月の間のみ。

それ以前の記憶はもちろんあるし、今年に入ってからの事も鮮明に覚えている。

だが、その間の3か月の間の事がどうしても思い出せない。

友人の内海将は『いつか思い出せるよ』と、この話題になると妙に自分に優しい言葉を掛けてくれる。

 

「なんだかなぁ~……。」

「どうした裕太。またいつものやつか?」

「ねぇ内海、本当に俺大丈夫だよね?」

「別にどこもわるくねーってきっと。」

「だといいんだけど……。記憶喪失とかホント怖いんだけど……。」

「裕太気にしすぎなんだよ。無理に思い出さなくても、そのうち思い出すって。」

 

記憶の無い3か月間で、変わった事がいくつかある。

 

まずは担任教師……生徒に何の関心も示さなかった彼が、何故かこの3か月の間に積極的に生徒を助けてくれる熱血教師になっていた。

面倒事も進んでやってくれる、頼もしい先生だ。

 

それに内海……彼は元々人当たりの良い人間だったが、言ってしまえばそれだけだった。

今の内海はそれに加えて人助けやボランティア活動に積極的に参加するようになった。

以前理由を聞いたら、『一般人の俺に出来るのはこれぐらいだから』と笑って答えた。

 

そしてもう一つ、

 

 

「何してんの二人とも。次移動教室だから早くしなよ。」

「おぉ六花、やべっ、もうそんな時間か。行こうぜ裕太。」

「う、うん。」

 

 

宝多六花が何故か自分達に親しげに話しかけてくるようになっていた。

彼女と彼女の友達のなみこ、はっすの3人は合わせて通称『六花さん軍団』と呼ばれクラスでも上位の存在だった。

六花とは一度、春の球技大会の時に少し話した……その時の彼女の笑顔に、裕太は惹かれた。

そんな六花が、今は自分達に、まるで友達のように話しかけてくれる。

嬉しい事には嬉しいが、同時に少し虚しかった。

何故なら六花と内海が話していると、二人の間に、自分の知らない絆があるような気がしてならない。

 

「あ、そうだ内海くん、今度はっすに勉強教えてよ。ウチじゃもう面倒みきれませーん。」

「えぇ……六花さんのお友達、なんかちょっと近寄りがたいからヤダなー…。」

「別にそんな事無いって。」

「………相変わらず仲良いね、内海と宝多さん……。お、俺、先行くわ。それじゃ。」

「あ、ちょっ、裕太ー?」

 

教科書と筆箱を持ち、立ち去る裕太。

取り残された内海は頭を掻き、六花は苦笑した。

 

 

「『宝多さん』……か……。ちょっと前まで『六花』だったのに。」

「仕方ないよ。裕太は覚えてないんだから。グリッドマンの事も、グリッドマン同盟の事も。それに、新条アカネの事も。」

「わかってる。わかってるし、納得もしてる。でも……、やっぱ、少し寂しい気もする。」

 

 

内海将と宝多六花、それに響裕太の3人は、数ヶ月前、新条アカネの生み出す怪獣たちと戦う『グリッドマン同盟』を結成していた。

結成していたと言っても、六花の家にあるパソコンでグリッドマンに変身出来る裕太を、内海が3人纏めて同盟扱いしていただけだが。

最初は半分遊び感覚だったが、最後には立派な同盟を築いていた。

ただその頃の裕太はグリッドマンが宿っていたため、グリッドマンの人格の響裕太として生活をしていた。

戦いが終わりグリッドマンが故郷であるハイパーワールドに帰還したため、裕太の人格は裕太に戻って来た。

その為彼にはその間の記憶が無い。

 

 

「っていうかさぁ、そんなに名前で呼んでほしいならそう言えば……っていったぁ!!」

「バーカ。」

 

 

内海のスネを思いっきり蹴飛ばし、移動教室へと向かう六花。

痛みのあまりその場にうずくまった内海は、当然の如く授業に遅刻した。

 

 

 

 

放課後……裕太は一人で下校していた。

いつも一緒に帰っている内海は委員会の仕事で居残りだそうだ。

2年生に進級した内海は風紀委員会に入ったため、週一で委員会で町内の清掃活動をして回っている。

自分も何かしようかと思ったが、長続きしなさそうなのでやめておいた。

そんな裕太が自動販売機でコーラを買っていると、少し離れたところに見慣れたクラスメイトが背の低い銀髪の少年に校内名物スペシャルドッグを二つ渡している姿が見えた。

 

宝多六花だ。

 

「はい、アンチくん。」

「借りは必ず返す。」

「いいってそんなの。」

中学生ぐらいなのに、随分と義理堅そうな少年だった。

スペシャルドッグを大事そうに抱えて走り去っていくアンチと呼ばれた少年を見送った六花は裕太に気付くと、こちらに小さく手を振って来た。

裕太は一瞬驚き、赤面を必死に隠しながら六花のもとに。

 

「おっすー、今帰り?」

「あ、う、うん……宝多さん、も……?」

「うん。ウチ今日店番しなくちゃいけなくてさー。めんどくさー。」

「ハハハ……あ、そ、そうだ!何か飲む!?」

 

自分だけがコーラを飲んでいるのが気まずいのか、裕太はもう一度自販機に行って、ペットボトルのお茶を購入。

買ってきたお茶を六花に渡した。

 

「はい。宝多さん、炭酸苦手だったよね?」

「え?」

「あ、あれ……?もしかして違った……?」

「う、ううん。正解、ありがと。」

 

六花は裕太に炭酸が苦手だと言った事は一度も無い。

いや、正確には一度だけあるが、その時はグリッドマンと同化している裕太だった。

今の裕太はそれを覚えていないはずだが、やはり心のどこかではグリッドマンとして戦っていた記憶が刻まれているのかもしれない。

 

「そう言えば、あの二人は?」

「なみこは茶道部、はっすは補習。内海くんは?」

「内海は風紀委員会で町内清掃だって。」

「アイツほんと変わったねー。響くんはそういうのやんないの?」

「あー、いや、俺は……長続きしなさそうっていうか……俺、やんなきゃいけない事とか、あれをやれ、これをやれって、そういうの苦手でさ。」

「……そんな事無いと思うけど……。」

「どういう事?」

「なんでもない。」

「………あのさ、宝多さんってさ、内海と仲良いよね……。」

「あー、まー、そうだね。」

「やっぱり……二人、付き合ってたりとか……、」

 

 

 

『グルアァアアアアアアア!!!!!』

 

 

 

「!! 危ない!!」

「きゃっ!」

 

裕太が六花を突飛ばした途端、彼等の元に、上から禍々しい姿の怪人が降りてきた。

怪人は裕太の胸倉をつかむと、彼を持ち上げて投げ飛ばす。

 

「うわぁあ!!」

「響くん!!」

 

電柱にぶつかり、裕太はその場に倒れた。

怪人の姿をよく見てみると、その姿はどことなく、真の姿に戻ったグリッドマンに似ている。

身体には『GRIDMAN』と『2018』という文字が刻まれており、グリッドマンキャリバーを小振りにした様な大剣を背負っている。

怪人……アナザーグリッドマンは六花を見るとしばらく黙った後、再び裕太を掴んだ。

 

「ぐ……ガハッ……!」

『ヒビキ……ユウタ………!!』

「な、なんで俺の名前を……!?」

「響くん逃げて!!早く!!」

 

 

 

 

 

『タイムブレーク!!』

 

 

 

 

 

その時、突然アナザーグリッドマンの周りに『キック』という文字が並び、その文字がアナザーグリッドマンを拘束。

思わず裕太を放すと、次の瞬間、駆けつけて飛び上がった仮面ライダージオウが必殺のライダーキック『タイムブレーク』をアナザーグリッドマンに喰らわせた。

少し吹っ飛んだアナザーグリッドマンはさっき裕太が飲み物を買っていた自販機にぶつかるが、平然と立ち上がる。

 

「二人とも逃げて!!」

「響くん!!ねぇ響くん起きて!!」

「気を失ってるのか!だったらもうやるしかない!!」

 

そう言うと、ジオウはブレイドライドウォッチを手に取った。

本来ならばジオウIIで倒したいが、先ほどアナザーグリッドマンと戦った時に落してしまったせいで、こちらの世界に来た時には持っていなかった。

 

『ブレイド!』

 

ライドウォッチを鳴らし、ジクウドライバーへと装填。

ドライバーを回し、出現したアーマーをその身に纏う。

 

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!!アーマータイム!【Turn Up】ブレイドー!!』

 

 

両肩にブレイラウザーを模したショルダーアーマー、胸部と頭部に仮面ライダーブレイドに酷似したアーマーを装着し、ジオウは『仮面ライダージオウ ブレイドアーマー』へとアーマータイム。

ジカンギレードをブレイドのブレイラウザーの様に構え、その剣でアナザーグリッドマンの大剣……アナザーグリッドソードを迎え撃った。

 

 

 

 

その頃、現実世界 クジコジ堂

 

「祝え!!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ブレイドアーマー!!また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である!!」

 

 

「……急に何を言い出すんだお前は。」

「失礼、なにやら無性に祝わねばならない衝動に駆られてね。」

「オホンッ、話しを進めてもいいかな?」

 

急に祝いだしたウォズを置いておき、武史の話を聞くゲイツとツクヨミ。

なお、泡を吹いて倒れた順一郎は病院へ送られた、多分即日退院だろう。

武史は右腕のシグマ・アクセプターをゲイツたちに見せると、更に持って来たパソコンを開く。

パソコンの中には不思議な空間が広がっており、そこには先ほどアナザーグリッドマンと戦った青いヒーロー……グリッドマンシグマがいた。

 

「僕は藤堂武史、彼はグリッドマンシグマ。僕達は今、とある事件を追っている。」

「事件?」

「今から26年前、当時中学生だった僕達の世界は、次元を渡り歩く魔王『カーンデジファー』に侵略された。それを救ってくれたのが、僕の友達とグリッドマンだ。」

「魔王だと……?」

 

 

『カーンデジファーはグリッドマンとの戦いにより完全に消滅したはずだった。だが数ヶ月前、コンピューターワールド全体を脅かす事件があった。それが、新条アカネによるコンピューターワールドの破壊と再生。そこで起きた次元犯罪者『アレクシス・ケリヴ』と俺の兄でもあるグリッドマンとの戦いで生じたエネルギーを使い、魔王カーンデジファーが復活を果たそうとしている!』

 

 

「そのカーンデジファーっていうのが復活するとどうなるの?」

「世界中のありとあらゆる電子機器が誤作動を起こし、世界中がパニックに陥るだろう。そしてヤツはこの世界とコンピューターワールドを繋ぎ、怪獣をこの世界に出現させるに違いない。」

「ほう、怪獣とは興味深い。」

 

そこから武史はゲイツたちにグリッドマンに関する様々な情報を教えてくれた。

まずは自分がかつてカーンデジファーの手下であり、グリッドマンと戦う怪獣を作っていた事。

そのせいで多くの人間の命が脅かされた事。

数ヶ月前に行方不明になった少女、新条アカネがコンピューターワールド内でかつての自分の様な非道を行っていた事。

武史はグリッドマンに頼まれ、アカネが元の生活に戻れたかしばらく観察していたそうだが、杞憂だったようだ。

 

 

「ところで武史くん、一つお聞きしたいのだが……グリッドマンとは今どこにいるんだい?」

『その質問には俺が答えよう。俺の兄、グリッドマンは今、『ハイパーワールド』と呼ばれる我々の故郷にいる。』

「そのハイパーワールドとやらはどこにある?」

『『ハイパーワールド』はこの次元とは別の次元の宇宙空間に存在する。だが今回の事件を解決するには、グリッドマンの力が必要不可欠だ。』

「ソイツの力があれば、ジオウを助け出せるのか?」

「あくまで可能性の話だ。あのアナザーグリッドマンという怪物を倒す事が出来るのは、グリッドマンの力だけなんだろう?再びグリッドマンをこの世界に呼び、アナザーグリッドマンを倒す事が出来れば、もしかしたらソウゴくんとアカネさんを助け出せるかもしれない。」

「そうか……ならばやってくれシグマ。俺達はジオウを助けたい、お前達は新条アカネを助け魔王を滅ぼしたい、目的も手段も同じはずだ。」

『了解した。』

 

 

そう言うと、グリッドマンシグマは力を溜め、自分の意識を別の空間へと飛ばす技『グリッドシグマキネシス』を発動した。

しばらくの間、グリッドマンシグマは動かなくなったが、武史曰く、この状態はグリッドマンへの交信中の状態なので問題無いとの事。

その間に未来タブレットで今回の事件について調べていたツクヨミが緊急ニュース速報を見つけた。

 

 

「大変!皆、テレビをつけて!!」

 

 

ツクヨミに言われ、テレビをつける。

生中継で報道されていたのは、桜ヶ丘町やこの街全体での電子機器の暴走。

そして、街中に出現する人間サイズの小さな怪獣たち。

 

「!! もう怪獣が現れ始めたか!!」

「やはりあのアナザーライダー、カーンデジファーの力で生まれた物だったというわけか……。ツクヨミ、お前はここで待っていろ。」

「さぁ、行こうかゲイツくん。」

「シグマ、グリッドマンとの交信は?」

 

 

『……ダメだ、繋がらない……。グリッドマンは、ハイパーワールドにはいない……。』

 

 

「ハイパーワールドにいない?どういう事なんだ?」

『……もしやグリッドマンは……!だとすれば、武史。俺達に今できる事は、コンピュータを暴走させている怪獣と、復活したカーンデジファーを探す事だ。』

 

シグマがそう言うと、武史はパソコンの前でアクセプターを構え、ゲイツとウォズはドライバーを巻き付けて家を飛び出した。

それぞれの戦場へと向かいながら、3人は叫んだ。

 

「「変身!!」」

「アクセース!フラーッシュ!!」

 

 

 

 

再びジオウ達のいる街 ツツジ台

 

アナザーグリッドマンのアナザーグリッドソードを受け止めたジオウは、アナザーグリッドマンの腹を蹴り飛ばした。

立ち上がったアナザーグリッドマンはその視線を裕太へと向け、濁った声で喋りだす。

 

『ヒビキ……ユウタ……思い出せ……!私を……思い出せぇぇ……!!』

「なんなのあの怪物……!?響くんばっかり狙って……!」

『邪魔だぁあああ!!!』

 

六花を押しのけると、アナザーグリッドマンは気を失っている裕太を狙う。

だが、ジオウがそれを止め、必殺技を発動。

 

 

『フィニッシュタイム!ブレイド!!』

 

『ライトニング!タイムブレーク!!』

 

 

ジカンギレードを地面に突き立てると、ジオウの背中に3枚の巨大なラウズカードが出現。

ジオウはそのラウズカードを掴んでアナザーグリッドマンに投げつけて怯ませる。

そして怯んでいる隙に、雷を纏ったキック『ライトニングタイムブレーク』をアナザーグリッドマンへと放った。

爆散したアナザーグリッドマンはその場から姿を消し、ジオウはドライバーを外しソウゴの姿に戻る。

 

「君達、大丈夫!?」

「響くんが起きない……!きゅ、救急車!!ってあれ…?スマホ圏外になってる!?なんで!?」

「アナザーグリッドマンのせいで、電子機器が使えなくなってるんだ……。」

「アナザー……グリッドマン…!?アナタ、グリッドマンの事を知ってるの…?あ、いや、でも今は響くんを助けなきゃ……!」

 

ここから一番近くて裕太を休ませられるのは六花の家。

ソウゴが裕太を背負うと、ソウゴと六花は宝多家を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは………どこだろう……?

 

 

『………太。裕太!』

 

 

誰?俺を呼んでいる……?

 

 

『裕太!!』

 

 

パソコン……?

 

 

『私はハイパーエージェント、グリッドマン。』

 

 

お、おぉぅ……ぐ、グリッド、マン……?

 

 

『裕太、思い出してくれ。君の使命を。』

 

 

俺の使命?

 

 

『その為に、私は再びやって来た。思い出すんだ裕太!私達、グリッドマン同盟の絆を!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

宝多家

 

六花の家はジャンクショップと喫茶店が合わさった妙な店だった。

そこのソファに裕太を寝かせ、ソウゴと六花はテーブルに座る。

呼吸は安定しており、気絶しているというよりは眠っている様だった。

不謹慎だが、そんな彼を見て六花は少し微笑む。

 

「どうしたの?」

「……前にもこんな事あったなーって。」

「う……うん……?ここは……?」

 

その時、裕太がついに目を覚ました。

 

「目覚めた?」

「うぇ……?あ、あれ……?り、六花……?」

「! 響くん、今、『六花』って……!」

「ん?あ、あぁごめん、つい!!って、な、なんで俺、宝多さんの家に!?さっき怪物に襲われて……あっれー……?」

「なんだ……思い出したわけじゃないんだ……。」

「なんだか、不思議な夢を見てた。」

 

裕太は気を失っている間、夢を見た。

アナザーグリッドマンによく似た赤いヒーローの夢。

何故かそのヒーローは、パソコン越しに自分に語りかけてきた。

そう言えばその時の風景は、この店にそっくりだった気がする。

ちょうど店の入り口近くにある棚と棚の間に不自然に開いてる空きスペース……そこにすっぽりとはまるぐらいの大きさの古いパソコンだった。

 

 

「なんか、変な夢だったよ……グリッドマン……とかいう夢…。なんなんだろうあれ?内海じゃあるまいし、ヒーローの夢なんて……。」

 

 

 

「………………。」

 

やはり、裕太の心の中にはグリッドマンだった頃の記憶が染みついている。

断片的に当時の事を思い出そうとはしているが、どれも決定打にはならない。

裕太の口から『宝多さん』と呼ばれるたびに、六花は胸が痛くなる。

 

 

「裕太!!!大丈夫か!!!」

 

 

「え?う、内海…!?」

「お、良かったぁ~、なんとも無いのか~!いやぁ、焦ったわ~!」

 

急に店の中に、内海が駆け込んできた。

彼は裕太の姿を見ると、安堵で胸をなでおろす。

彼のその様子を見て、六花は首をかしげた。

 

「内海くん、どうして響くんが倒れたって知ってたの?」

「いやぁ、なんか、こう……頭の中に響いたっつーか……『裕太が危ない』って。」

「なにそれ、気持ち悪。」

「気持ち悪くはねーだろ!?」

「まぁ、とにかく!裕太が無事だったんだから良かったじゃん!」

「………え?誰?」

「そう言えば、誰なんだろう?」

 

と、ここでついに存在に気付かれたのが我らが常磐ソウゴ。

六花も内海も裕太にしか興味を示さないので、ずっとスルーされるのかと思っていたので、ソウゴは気付かれて笑顔になる。

 

 

 

「俺、常磐ソウゴ!王様になる男だ!」

 

 

 

「「王様……?」」

「ふざけてんの?」

「いやいや、マジで。」

 

六花から割とマジで蔑んだ目で見られたので、ソウゴは自分がどれだけ王様になりたいかをアピール。

ソウゴは自分が仮面ライダージオウである事を説明すると、アナザーグリッドマンについて裕太たちに話し始めた。

 

 

「あのアナザーグリッドマンと戦ってたら、パソコンの中に引きずり込まれて、気が付いたらここにいたんだ。なんだか街並みとかアニメチックだし、俺の身体もここに来てからなんか凄くアニメっぽいし……。とにかく俺、あのアナザーグリッドマンを倒す為にグリッドマンと会わなきゃならないんだ!」

「グリッドマンって、俺の夢に出て来た…?」

「……悪いんだけど、グリッドマンはここにはいないよ。」

「えぇ!?そんなぁ~……じゃあ俺、どうしたらいいの……?」

「いや、俺達に言われても……なぁ?」

「う、うん。」

「俺だけじゃ無くて、新条アカネって子もアナザーグリッドマンに連れられてこられたし、その子も探さないと……あーもー、やる事沢山だよ~!!」

 

 

「……アカネ……?」

 

 

 

 

 

 

その頃……アカネは、見慣れた場所で目を覚ました。

起き上がった時に鏡が見えたが、その姿はいつもの黒髪ではなく、少し色の入った銀髪。

髪形もショートヘアーになっており、制服もブレザーではなくパーカーを着こんでいた。

この姿は、数ヶ月前に自分が作ったコンピューターワールド『ツツジ台』にいた時の姿だ。

 

「私、どうして……?」

 

『アカネ。』

 

顔を上げたその先には、自分をここに連れてきた怪物……アナザーグリッドマンがいた。

アナザーグリッドマンはアカネの手を取り、アカネの目を見る。。

 

「あなたは、グリッドマン……?」

 

アナザーグリッドマンの後ろには、裕太が変身に使っていた古いパソコン……ジャンクが置かれていた。

 

 

 

 

 

現実世界

 

『アーマータイム!【カイガン!】ゴースト!!』

『フューチャータイム!ファッション!パッション!クエスチョン!!フューチャリングクイズ!クイズ!!』

 

「はぁああああ!!!」

「問題!西暦1993年の4月3日は土曜日である、○か×か。正解は、○だ!!」

 

『ツエスギ!!』

 

 

仮面ライダーゲイツ ゴーストアーマーと、仮面ライダーウォズ フューチャリングクイズの力により、現実世界に出現した怪獣を撃退していく。

今はまだ等身大サイズだが、怪獣と言うからにはもっと大きくなる可能性もある。

幸いアナザーライダーと違い、倒せば消えるのが唯一の救いか。

 

「さすがに、怪獣相手は骨が折れるな……。」

「藤堂武史とグリッドマンシグマがカーンデジファーを見つけるまでの辛抱だよ、ゲイツくん。」

 

現実世界の戦闘はゲイツたちに任せ、グリッドマンシグマと合体しカーンデジファーを探す武史。

だが、いくら探してもコンピューターワールド内に、カーンデジファーの痕跡らしきものは見当たらない。

襲い掛かってくる怪獣をなんなく倒せてはいるが、これではキリが無い。

 

 

『一体どこにいるんだ……カーンデジファー……!!』

 

 



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2018:アクセスフラッシュ

「この本によれば、セレブな女子高生『宝多六花』、彼女にはグリッドマン同盟の紅一点として響裕太と内海将をはべらせる未来が待っていた。」
「よっ!さすが我らの六花さん!」
「響裕太がグリッドマンとしての記憶を失い、焦燥感を感じるものの、今日も我らが六花さんはそんな響裕太をたぶらかし……、」
「わーお、情熱的~。」

ちょっ、まっ……何をしてるんだい?君達は……宝多六花の友人のなみこくんとはっすくんだね?勝手にナレーションを取られては困るのだが……。

「ねぇねぇ、この後ろに置いてる時計って使えんの?はっす持って帰る?」
「いやぁ、いらないかなぁ。」

あげないよ。オホンッ……では改めて。この本のよれば、普通の無職『常磐ソウゴ』、彼には魔王にして時の王者『オーマジオウ』となる未来が待っていた。

アナザーグリッドマンにより、コンピューターワールドのツツジ台に来てしまった常磐ソウゴ、彼はグリッドマン同盟と協力し、新条アカネの捜索を開始する。

一方その頃、藤堂武史ことグリッドマンシグマも、『魔王カーンデジファー』の痕跡を探す。

そしてついに、響裕太はグリッドマンとしての記憶を……、

「ところでここ、お客さんにお茶も出さないの?」
「見るからにお金無さそうだし、そこは触れないでやろう?」

いい加減帰ってくれないかな君達は。



 

 

 

RIDER TIME 電光超人GRIDMAN

2018:アクセスフラッシュ

 

 

 

ツツジ台 宝多家

 

「アカネの事を知ってるの、君……?」

「うん。あのアナザーグリッドマンは、新条アカネって子のスマホから出て来たんだ。そしたらアイツ、俺とアカネをこの世界に引きずり込んだ。」

「じゃあアンタ、新条と一緒で、神様の世界の人間……って事か?」

「神様?いや、俺は王様だけど……。」

「この世界に……アカネが来てる……!」

「ねぇ、さっきから何の話ししてるの?」

 

話しについていけない裕太とは反対に、かなりの動揺を見せる六花と内海。

そんな裕太を見ながら、六花はボソッと呟いた。

 

「もしかしたら、アカネに会えば響くんの記憶も戻るかも……。」

「わかんねぇ。でも、そのアナザーグリッドマンとか言うヤツを野放しにも出来ない。えっとアンタ……ソウゴだっけ?俺達にも協力させてくれよ。俺達、グリッドマン同盟なんだ。グリッドマンの事に関しては、力になれるかもしれないし。」

「ありがとう!これなら、いけそうな気がする!」

 

満面の笑みで内海の手を取るソウゴ。

そして彼らはまず、新条アカネのこの世界での自宅を訪ねてみる事にした。

六花の家の隣にあるお屋敷……今は空き家だが、ここにはかつてアカネが暮らしていた。

もう何も書かれていない表札の前に立ち、六花はドアノブを握る。

前にこの家に来た時は、アカネと別れた時だった。

その際、裕太もグリッドマンと分離し、六花と内海は大事な友人を同時に二人失った。

内海は裕太とはまた友達になれたが、裕太と六花の間には、まだ友達と呼べるほどでもない溝がある。

 

「それじゃあ……開けるよ。」

「お願い。」

 

ドアノブを回し、ゆっくりと扉を開けた。

中は普通の家のようだったが、人の気配は感じない。

 

「ここにはいないみたいだな。」

「アカネなら、絶対ここにいると思ったのに……。」

「新条アカネ…………なんだろう、俺、その人の事、知ってる気がする……。」

「裕太?」

「新条アカネ……グリッドマン……何だろう、この感覚……。」

 

自分の左腕を抑えながら裕太は顔をうつむかせた。

彼の中に眠る、グリッドマンの時の記憶が、ここにきて刺激されているのだろう。

裕太が苦しそうなので一旦外に出ると、街中を探し始めるグリッドマン同盟とソウゴ。

その最中に、ソウゴが皆に聞いて来た。

 

「ねぇ、君達、あのアカネって子とどういう関係だったの?」

「どういうって……なんつーか……俺はあんまし喋った事は無かったんだけど、クラスでは才色兼備才貌両全の最強女子、どんなヤツからも好かれる奇跡みたいな美少女って扱いだったなぁ。でも新条、怪獣とか好きで、その点では俺と盛り上がった事もあったっけな。」

「へー。ん?クラス?」

「アカネは自分の世界から逃げて来たんだよ。でも、最後はちゃんと自分の意思でそっちに帰れた。」

「宝多さん、その新条さんって人の事好きなんだね。」

「……うん、大好きだよ、友達だもん。」

「そっかー、いいね、友達って!俺もー、ちょっと前までは友達いなかったんだけど、今はすっごく頼りになる友達が3人も増えたんだ!」

 

ゲイツ、ツクヨミ、ウォズの顔を思い浮かべながら笑うソウゴ。

色々あったが、今ではトリニティになれるぐらい仲良くなれたと思う。

あれでもう少しゲイツとウォズの間に協調性があればもっといいのだが……。

 

 

しばらくの間、ソウゴ達は六花と内海が思いつく限りのアカネの行きそうな場所は粗方探した。

学校や公園、中野の中古ショップや彼女のお気に入りのコンビニ。

そのどこにもアカネの姿は見当たらなかった。

疲れたソウゴは河原の芝生の上に寝そべり、内海と六花も疲れ気味だ。

少し眠っていたおかげか他の3人よりは体力の残っている裕太が自動販売機で飲み物を買うと、それを3人に渡した。

ソウゴと内海にはラムネ、六花にはお茶。

 

「ありがと裕太!」

「あれ裕太?お前六花が炭酸苦手っての覚えてんの?」

「うん。前に宝多さんに教えてもらった気がするんだけど……。」

「私がそれ教えたの、前に一度きりだよ。ほら、キャリバーさんに飲み物買ってもらった時に……。」

「ってことは、裕太の記憶が戻りかけてるのか?アナザーグリッドマンってやつの仕業なのか?」

「? ねぇ、何の話し?」

「あー、実は俺、記憶喪失なんだ……と言っても、去年の夏から冬頃の間の記憶だけだけど……。」

「えー!?それやばいじゃん!?え、大丈夫なの!?」

「よくわかんないけど、多分大丈夫だと思う。」

 

 

「……大丈夫じゃないよ……。」

 

 

「……六花?どうかしたの?」

「……ハッ、ううん、なんでもない…。」

 

どうして記憶が無いのにそんなに平気そうにしているのか。

どうして自分とはまた友達になってくれないのか。

 

どうしてまた『六花』と呼んでくれないのか。

 

アカネとまた会える……それは嬉しい。

だが裕太の記憶が戻らないのは、悲しい。

今まで生きて来て、こんな情動は初めてだ。

喜びと悲しみが激しく自分の中に渦巻いている。

アカネと裕太の事を考えると、徐々に鼓動が激しくなる。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……!うっ……!」

 

 

「え、ちょ……宝多さん!?」

「おいどうしたんだよ六花!救急車……ってケータイ使えなかったんだっけ!?」

「六花の家に運ぼう!」

 

突然、六花が過呼吸に陥り、その場に倒れた。

裕太は六花を背負うと、ソウゴと内海と共に宝多家へと走った。

 

 

 

 

 

とある場所

 

『………来る……。』

 

アナザーグリッドマンが立ち上がり、外を見た。

彼が自分から目をそらしている間に、アカネはゆっくりと扉へと近づき、ドアノブに手を掛けようとする。

しかし、アナザーグリッドマンはその気配を感じとり、一瞬でアカネの目の前にワープしてきた。

アカネを壁際まで追い詰めると、彼女の前で首を横に振る。

 

「どうして私をここに閉じ込めるの……?」

『アカネ、ずっと、一緒。』

「アナタ、グリッドマンに似てるけど、グリッドマンじゃないね?」

『私は……アカネの、友達……!』

「うん、アナタは私の友達。だって、あなたは……、」

 

 

 

 

 

 

急いで六花を家へと運ぶソウゴ達。

家の近くまでやってくると、彼等の頭上に、アシストウェポンが出現するようなゲートが浮かび上がった。

その中から一人の超人が現れると、ソイツはソウゴ達の前でグリッドマンのようなファイティングポーズを取る。

 

アナザーグリッドマンだ。

 

アナザーグリッドマンは六花を背負う裕太を見つけると、彼に襲い掛かろうとする。

 

「うわっ!?」

「こ、コイツがアナザーグリッドマンか……!聞いてた通り、グリッドマンにそっくりだな……。」

「ここは俺に任せて、裕太たちは先に行って!」

 

裕太に襲い掛かるアナザーグリッドマンの攻撃を受け止めながら、ソウゴは生身で戦闘開始。

アナザーグリッドマンの攻撃をいなしながら、ジオウライドウォッチをジクウドライバーへと嵌める。

 

「変身!!」

 

『仮面ライダージオウ!!』

 

ジクウドライバーを回すと、ソウゴは仮面ライダージオウへと変身。

その姿を見ていた内海は、思わずガッツポーズを取ってしまう。

 

「うぉー!!生変身キタ―――!!!アクセスフラッシュもいいけど、こういうのもいいなぁ!!」

「なにやってんだ内海!!早く行こう!!」

『待てェ!!響裕太ァ!!!』

 

ジオウに目もくれず、アナザーグリッドマンは裕太へと迫り来る。

しかしジオウはアナザーグリッドマンを追いかけ、それを制止。

ジカンギレードを構えると、アナザーグリッドマンを斬りつけた。

 

『邪魔をするなァ!!』

「アンタ、なんで裕太を狙うんだ!!裕太だけじゃなくて、俺達の世界でアカネを狙ったのもそう……一体何がしたいんだアンタは!!」

『お前にはわからない……!!私を理解してくれるのは、私の友達と……カーンデジファーだけだぁ!!』

「カーン……デジファー……?」

 

 

 

 

 

 

(裕太!!)

 

 

 

 

 

「! またあの声……。」

「ど、どうしたんだ裕太?」

「……こっちだ、内海!」

「あ、ちょっと、待てって!!」

 

裕太と内海が六花を連れて、なんとかアナザーグリッドマンから逃げることに成功。

なんとか3人を逃がしきれたジオウは、置いて来たジオウIIを除き、現在持っているウォッチの中では最強のライドウォッチを手に取る。

 

 

『ディ・ディ・ディ・ディケーイド!!』

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!!アーマータイム!【カメンライド】ワーォ!!ディケイ・ディケイ・ディーケーイードー!!!』

 

 

『どうして邪魔をする!!お前は一体何なんだァ!!』

「通りすがりの王様だ!!……覚えておいてね!」

 

『ライドヘイセイバー!!』

 

アーマータイム最強形態の『ディケイドアーマー』にアーマータイムしたジオウは、平成ライダー全員の力を持つ剣『ライドヘイセイバー』を手に取る。

同じくアナザーグリッドソードを手に取ったアナザーグリッドマンと、剣を激しくぶつけた。

更にもう片方の手にジカンギレードも構え、アナザーグリッドマンの体勢を崩す。

 

『Hey!ビルド!』

『ビルド!デュアルタイムブレーク!!』

 

「おりゃぁああああああ!!!!」

 

ライドヘイセイバーで『ビルドデュアルタイムブレーク』を発動したジオウは、ドリルクラッシャーの様に回転するエネルギーを纏ったライドヘイセイバーをアナザーグリッドマンに突き立てた。

それが直撃したアナザーグリッドマンはその場に倒れ込み、再びヨロヨロと立ち上がる。

 

『あ……カネ……すぐ、戻る……。』

「!? アカネ……!?それって、新条アカネ!?」

 

アナザーグリッドマンが呟くと、彼は飛び上がり、ジオウから逃げてしまった。

だが今度こそアナザーグリッドマンを逃がさない為、ジオウは先ほどの戦闘で使ったブレイドウォッチを手に取る。

 

 

『ブレイド!』

『ファイナルフォームタイム!ブ・ブ・ブ・ブレイド!!』

 

 

ディケイドウォッチにブレイドウォッチをはめるジオウ。

すると彼のアンダーウェアはブレイドと同じ物に変化し、ディケイドアーマーに刻まれていた文字は『ディケイド』とバーコードから『ブレイド』『ジャック』へと変化。

顔面の頭部スクリーンもディケイドアーマーの物から仮面ライダーブレイド ジャックフォームの物へと変化し、背面にはオリハルコンウイングが出現。

 

これが仮面ライダージオウ ディケイドアーマーブレイドフォームだ。

 

飛び上がったアナザーグリッドマンを追う為、オリハルコンウイングを展開し、ジオウはアナザーグリッドマンの後ろを追いかけた。

しばらく追いかけていると、アナザーグリッドマンは一件の家に狙いを定め、そこの一室へと飛び込む。

 

 

「え……ここって……!?」

 

 

それを見て、ジオウは目を疑った。

 

 

 

 

宝多家

 

アナザーグリッドマンから逃げ出してきた裕太たちは、まず自宅のソファに六花を寝かせた。

彼女は気を失っているが変わらず苦しそうだった。

内海が水道で水を入れてくる間、裕太は六花の傍で彼女を見守る。

何故だろう……六花を見ていると、不思議と声が聞こえてくる。

 

(裕太!)

 

またあの声だ。

聞き覚えの無い、どこか懐かしい声。

いや……この声は、前から聞こえていた気がする。

記憶を失って以降の裕太が他人を思いやり、人の為になる事をするたびに、この声は心の中に響いていた。

 

 

「君は、誰なんだ……!!」

 

 

「うっ……!」

「! 宝多さん!!」

「うっ…………じゃ……、」

「え?」

 

六花が何かを呟いている。

裕太は彼女の声に耳を澄ませ、その音を聞く。

それを聞き、彼は目を見開いた。

 

 

 

「邪魔を………す、るな……!私を……理解、してくれるのは………私の友達と、カーン……デジファーだけだ……!」

 

 

 

「え……宝多さん……!?何を言って……!?」

「どうした裕太ー?」

 

 

ガチャンッ!!!

 

 

「「!?」」

 

突然、上の階から大きい物音がした。

硝子を突き破って、何かが入って来たかのような音だ。

六花の頭の上におしぼりを乗せると、裕太と内海は急いで二階へと駆け上がる。

二階に上がると、『六花の部屋』と『お兄ちゃんの部屋』と書かれた二つの部屋があり、物音がしたのは六花の部屋の方から。

部屋の主である六花がいないにもかかわらずに内側から鍵がかけられていた部屋のドアを裕太と内海は二人がかりでぶち破った。

 

 

 

 

 

「………響くん……内海くん………。」

 

 

 

 

 

「お前は……新条、アカネ……!?」

「え、この子が!?」

 

その中にいたのは、ショートヘアーと紫色のパーカーが特徴的な少女。

内海は彼女の顔を、一度たりとも忘れた事など無かった。

 

 

コンピューターワールド『ツツジ台』での姿の、新条アカネその人だった。

 

 

 

そして、彼女の目の前にはあの化物……アナザーグリッドマンの姿が。

 

「! 二人とも離れて!!」

「え?うわっ!?」

 

アカネの警告と同時に、アナザーグリッドマンが内海をぶっ飛ばした。

アナザーグリッドマンは再び彼らに襲い掛かろうとしたが、アカネはアナザーグリッドマンの腕を掴み彼を裕太と内海から遠ざけようとする。

 

 

「もうやめて!!あなたの目的は私でしょ!?」

『アカネ……うっ……うがぁぁぁ…………!!!』

 

 

次の瞬間、アナザーグリッドマンの姿は、まるでこの世界に現れた怪獣が消える時の様に消滅した。

消滅したアナザーグリッドマンは、六花の部屋の机がまるごと置き換わった古いパソコン『ジャンク』へと吸収されていく。

 

「なんでここにジャンクが……!?それに、どうして新条が六花の部屋に……!?」

「君が、新条アカネ……さん?」

「響くん……そうか、また記憶喪失なんだね……。内海くん、今すぐここから逃げて。」

「え、ど、どういうこと?」

「早く!!あのグリッドマンの正体は………!!」

 

 

 

 

「アカネ……。」

 

 

 

 

「! り、六花……。」

 

 

気づけば、入り口の傍に目覚めた六花がいた。

彼女は俯いたまま部屋に入ってくると、自分の部屋に置いてあるジャンクの前に立つ。

そしてポケットに手を入れると、そこからソウゴの持つライドウォッチと似ている機械を取り出した。

 

 

 

「………全部思い出したよ……私だったんだって……。」

 

 

「りっ……か……?」

「思い出したんだよ、全部。アカネが出て行ってすぐに、私の所に、あの宇宙人と似た人が現れた……そして私に、力をくれた。」

「宇宙人……アレクシスの事?でも、アレクシスはグリッドマンが……。」

「カーン……デジファー……!」

 

突然の六花の独白を聞き、裕太の頭には『カーンデジファー』という単語が浮かんだ。

カーンデジファーの名前を呟いた裕太を見ると、六花は悲しそうにジャンクの画面を撫でる。

 

「そっちの事は覚えてるのに、私達の事は覚えてないんだ響くん。」

「宝多さん…!?」

「それ。また『宝多さん』。私がどう接しても、どんなに笑いかけても、君が私を呼ぶ時は必ず『宝多さん』……『宝多さん』『宝多さん』『宝多さん』『宝多さん』!!ねぇ、どうして?どうしてまた『六花』って呼んでくれないの……?」

 

虚ろな目で、六花は裕太、アカネ、内海の順で彼らの目を見る。

そしてアカネの腕を引っ張ると、アカネを抱き締めた。

 

 

 

「私、ずっと寂しかったんだよ……。アカネはこの世界の人じゃ無い、響くんはもうグリッドマンじゃ無い、内海くんも変わろうとしてる。それはわかってるし納得もしてた。してたつもりだった。だけど諦めきれるわけ無いじゃん………私は、また内海くんの下らない話を聞きたいし、アカネとはずっと一緒にいたい、響くんにまた『六花』って呼んでほしい……!ねぇ、そう思うのって……そんなにいけない事なのかな……?」

 

 

 

 

「皆!!アナザーグリッドマンが……ハッ!!」

 

その時、ソウゴが階段を駆け上がって部屋に入って来た。

彼は逃げたアナザーグリッドマンが、六花の部屋へ入って行くのを見た。

もしやと思い駆けつけたが、すでに遅かった。

六花が抱き締めている少女……自分の世界で見た時とは違う姿だが、あれが新条アカネだと確信したソウゴは、アカネを救い出す為に六花に駆け寄る。

だが、六花は持っていたライドウォッチらしき機械を自分の前に掲げると、そこから発せられた衝撃波がソウゴを弾き飛ばした。

 

「ぐあっ!!」

「あの日から、私はずっとひとりぼっち……私を助けてくれるヒーローはいない。だったら、私が自分の手で、私の居場所を作るよ。アカネと同じように…。」

「ダメ……六花……!六花は……そんな事しちゃダメだよ……!」

 

 

『GRIDMAN……!』

 

 

そして六花は、ライドウォッチ……アナザーウォッチを起動した。

アカネを突飛ばすと、ジャンクが赤黒く光り、六花の全身をエネルギーで覆う。

電光超人だった姿は全身に装甲を纏い、まるでこの世界にいた時のグリッドマン……『プライマルファイター』の様だ。

 

 

 

これが、宝多六花/アナザーグリッドマンの本当の姿だ。

 

 

 

今までのアナザーグリッドマンは、六花の意識データのみがアナザーライダー化した存在だった。

その為彼女の口調とは似ても似つかず、本能のままにアカネと裕太を求めて彷徨っていた。

六花が自分がアナザーグリッドマンと自覚し、彼女自らが変身したため、左腕にあった歪んだアクセプターは、アナザーグリッドマンウォッチに変化している。

彼女はアナザーグリッドソードでは無く、電撃大斬剣グリッドマンキャリバーを出現させると、ソウゴに斬りかかった。

ソウゴはそれを間一髪でかわし、ジオウウォッチをジクウドライバーへと装填する。

 

「変身!!」

 

『仮面ライダージオウ!!』

 

 

仮面ライダージオウへと変身したソウゴはアナザーグリッドマンの腕を掴むと、壁を破壊して家の外へと飛び出した。

道路に着地すると、ジカンギレードを構えてグリッドマンキャリバーへとぶつける。

 

 

 

一方、家の中に残された裕太、アカネ、内海の3人は、しばらく言葉を出せなかった。

ようやくアカネが声を出すと、彼女はその場で膝をつく。

 

「六花……どうして………私が、あんな事しなければ、こんな事には……!」

「新条……。」

「……行こう、宝多さんの所に。」

「行こうってお前、行ってどーすんだよ!俺達じゃ行っても、ソウゴの邪魔になるだけだ!」

「だけど、宝多さんを放っては置けない…。」

「そりゃそーだけどさ……。」

「内海、俺……前から薄々思ってた。宝多さん、いつも少し寂しそうにしてたって。皆の前ではいつも通り振舞ってるけど、俺の記憶が無くなる前と今とじゃ、笑顔が少し寂しそうだったんだ。」

「六花が……だってアイツは、他にもいっぱい友達いるし……。」

「内海くん、ちょっと静かにしてて。」

 

 

「もしあの子がああなった原因が俺にあって、その手がかりが記憶から抜け落ちた俺の3か月間なんだとしたら……あの子を……六花を助けるべきなのは俺なんだ。それが俺にしか出来ない、俺のやるべき事なんだ!」

 

 

(待っていたぞ裕太!!その言葉を!!)

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、裕太は見覚えの無い、見覚えのある場所にいた。

彼の目の前には、アナザーグリッドマンに似た、赤い姿のヒーローが立っていた。

裕太は彼に見覚えがある……裕太は、彼の名前を呟く。

 

「……グリッドマン……。」

『そうだ。久しぶりだな、裕太!』

 

全てを思い出した。

 

ここは、グリッドマンとグリッドマン同盟が別れた場所。

そして目の前にいる彼こそ、3か月前共に戦ったヒーロー『電光超人グリッドマン』

 

「どうして……。」

『私は、あのアナザーグリッドマンが誕生した事で、ハイパーワールドから再びこの世界に……裕太の中に閉じ込められてしまった。だが、六花の本当の願いは君達との絆を取り戻す事だった。だからこそ君が『誰かを守りたい』と心の底から強く願った事で、アナザーグリッドマンを生み出したカーンデジファーの呪いを打ち破り、私とコンタクトを取る事が出来たんだ。』

 

六花の願いと、裕太の強い意志が、眠っていた彼の記憶とグリッドマンを呼び覚ました。

グリッドマンは裕太から一瞬目をそらすと、再び彼に顔を向ける。

 

 

『裕太……本来ならば、私はこんな事を言える立場では無い。この世界を救うためとはいえ、私は君の身体と記憶を乗っ取り、君や君の友達を危険にさらしてしまった。六花の心が歪んでしまったのも、元はと言えば私が君を選んだことが原因だ。それでも、私は君に協力を要請したい。私と再び一つとなり、この世界の……いや、私達の友の為に戦ってくれ!』

「グリッドマン……!俺からもお願いするよ!俺と一緒に、六花を助けてくれ!」

『今度こそ、本当の意味で、私と君は協力関係だ!君は私の力となり、私は君の力となろう!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい……裕太?裕太!!」

「…………内海、新条さん……。」

「響くん、それは…?」

 

目を覚ますと、裕太は再び六花の部屋の、ジャンクの前に立っていた。

どうやら彼等にとっては一瞬の出来事だったようだ。

アカネに指摘され、裕太は自分の左腕を見る。

そこには、かつてアレクシス・ケリヴとの最終決戦の際に出現した、アクセプターがあった。

 

「アクセプター……!?って事はまさか……!?」

「……大丈夫、今度はちゃんと『俺』だから。」

「響くん、記憶が……。」

「うん。行こう、皆!六花の所へ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ツツジ台高校前

 

『ギリギリスラッシュ!!』

 

アナザーグリッドマンと交戦しながら、ジオウは裕太たちの学校の前までやってきた。

異常に身軽な動きでジオウを翻弄しながら、アナザーグリッドマンはグリッドマンキャリバーを振るいジオウを切り刻んでいく。

この動きは、かつてグリッドマンと共に戦った新世紀中学生のメンバー……サムライ・キャリバーとそっくりだ。

 

「は……速い……!!」

『あなたがいなくなれば、もう誰も私の邪魔は出来ない。私はもうアカネも響くんも、何も手放さないんだ……今まで通りの生活に戻れるんだ……!』

「それって、本当に今まで通り?」

『どういう事……?』

「自分の手を汚してでも六花が取り戻したかったものを俺は知らない。でも、そんな俺でもこれだけはわかるよ。六花がそうやって失った物を取り戻しても、アカネも裕太も喜ばないよ。六花は、その事をきっと後悔する!」

『ッ………!そ、そんな事わかってる……!わかってても、やるしかないじゃん!!』

 

グリッドマンキャリバーが消滅すると、今度は彼女の両腕にアシストウエポン『バトルトラクトマックス』が装着された。

『剛力合体超人マックスグリッドマン』と同じ力を手に入れたアナザーグリッドマンは、その腕力でジオウを殴り飛ばす。

ふっ飛ばされた先で体勢を立て直すと、右腕のライドウォッチを手に取った。

 

 

『エグゼイド!』

『アーマータイム!【レベルアーップ!】エグゼイード!!』

 

 

全身に仮面ライダーエグゼイドのアーマーを纏い、ジオウはエグゼイドアーマーへとアーマータイム。

ガシャコンブレイカーブレイカーでアナザーグリッドマンの攻撃を相殺しながら、彼女の隙を探す。

 

 

「邪魔になるなら、どうしてアカネと一緒に俺をこの世界に連れて来たの!!止めて欲しかったんじゃないのかよ!!」

『わかんないよそんなの!!!私はただ、今まで通りの生活がしたいだけ……アカネがいて、響くんがいて、内海くんもはっすもなみこもいて、キャリバーさん達はいつもうちでくだらない話ばっかりしてて……そんな今まで通りの生活が……。あの日……アカネがいなくなってから、私と内海くん以外の全員の記憶の中からアカネもグリッドマンもいなくなった………私だけが取り残された気がした……退屈だった……この世界で、私は………ひとりぼっち……!』

 

 

 

 

 

「六花!!!!」

 

 

 

 

 

『………え?』

「ゆ……裕太!!将とアカネも!!」

 

息を切らしながら、ジオウとアナザーグリッドマンに現れたのは、響裕太だった。

その後ろを内海とアカネも追いかけてきた。

裕太はアナザーグリッドマンへと近寄ると、彼女に手を差し伸べる。

 

 

「六花……ごめん、全部思い出したよ。今までの事、全部。」

『響くん……。』

「俺が……俺達が君を助ける。それが、今の俺達がやるべき事なんだ。」

『私は………ぐっ………あぁああああああああ!!!!』

 

 

『GRIDMAN……!』

 

 

裕太の手を取ろうとした瞬間、再びアナザーウォッチが起動した。

それにより全てのアシストウエポンが宙に出現し、それらすべてがアナザーグリッドマンを覆う。

その姿は、グリッドマンの全合体形態とほとんど変わらない。

 

『超合体怪人フルパワーアナザーグリッドマン』だ。

 

 

合体が完了したアナザーグリッドマンはグリッドマンキャリバーを手に取ると、裕太たちを見据える。

その瞳に、もはや六花の意思を感じない。

アナザーグリッドマンを生み出した魔王カーンデジファー……その完全な傀儡と化してしまった。

 

「前の私と同じだ……アレクシスに怪獣にされた時の私と………響くん!!六花を……私の友達を、助けて!!」

「よっしゃぁ!!いっけぇ裕太!!ソウゴ!!」

 

『ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

『アーマータイム!ディーケーイードー!!』

 

ディケイドアーマーとなり、ライドヘイセイバーを構えたジオウ。

その隣で、裕太は左腕のアクセプターを構えた。

本来、グリッドマンへの変身はジャンクの存在が必要不可欠。

だがここはコンピューターワールド。

そして今の裕太は、本当の意味でグリッドマンと一つとなった。

大きく息を吸い込み、裕太は左腕をつきだす。

そして叫ぶ、あの言葉を。

 

 

 

「アクセース!!フラーッシュ!!!」

 

 

 

 

 

 ―君を退屈から、救いに来たんだ―

 

 

 

 

 

アナザーグリッドマンの脳裏に、裕太たちの声でそんな言葉を聞こえた気がした。

まばゆい光の中から、自分達とほぼ同じサイズのヒーローが現れた。

 

かつて自分達と共に戦った、ハイパーエージェント。

 

 

『行くぞ………裕太!!!』

「行こう……グリッドマン!!!」

 

 

電光超人グリッドマン

 

 

この世界に再び、夢のヒーローが降りたった。

 

 



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1993:ユメのヒーロー

…………ふむふむ……ほう!グリッドマンにはこんな秘密が……!

ん?おっと……失礼。この本(グリッドマン超全集)によれば、普通の中学生『翔直人』……彼には仲間達と共に魔王カーンデジファーと戦う『電光超人グリッドマン』としての過去があった。

電光超人と魔王との戦いから早26年……グリッドマンとしての使命はツツジ台に生きる少年『響裕太』へと託され、平穏な生活を送っていたかつての同盟達。

しかし、魔王カーンデジファーの復活により、その平穏は崩れ去ろうとしていた。

そしてついに、真の覚醒を果たしたグリッドマンが我々の前に姿を現すのであった。


 

 

 

 

RIDER TIME 電光超人GRIDMAN

1993:ユメのヒーロー

 

 

 

 

「六花……必ず助ける!!」

『共に戦おう、ジオウ!』

「うん!なんか……行ける気がする!」

 

フルパワーアナザーグリッドマンを前にして、並び立つのは仮面ライダージオウと電光超人グリッドマン。

まずはジオウがライドヘイセイバーを構え、フルパワーアナザーグリッドマンに斬りかかる。

それに対し、グリッドマンキャリバーをジオウにぶつけ、対抗するフルパワーアナザーグリッドマン。

ジオウを弾き飛ばすと、今度はグリッドマンの蹴りが彼女の眼前に迫って来ていた。

 

『グアアァ……!!』

『六花!目を覚ますんだ!!私だ、グリッドマンだ!!』

『グリッド……マン………ほろ……ぼす……!!』

「グリッドマン、コイツから……六花を感じない……!」

『まさか、貴様の中にいるのは……!!』

 

フルパワーアナザーグリッドマンはグリッドマンを殴り飛ばすと、グリッドマンキャリバーを地面に突き立てる。

そしてフフフと六花の声で笑うと、彼女の声と男の声が混じり合った様な声で高らかに笑い始めた。

 

 

 

「『フッハッハッハッハッハ!!!何十年ぶりではないか、グリッドマン!!』」

『貴様……カーンデジファー!!!』

 

 

 

魔王カーンデジファー……それは26年ほど前に、ソウゴ達の世界で暗躍した次元犯罪者。

当時中学生だった藤堂武史に次々と怪獣を作らせ、コンピューターワールドを破壊し日本を大混乱に陥れた男。

だが彼はグリッドマンと、当時中学生だったグリッドマンの仲間達により滅ぼされたはずだった。

フルパワーアナザーグリッドマンの力と体を得たカーンデジファーはジオウとグリッドマンの首を掴むと、地面に叩きつけ、マスクの下にある六花の顔でニタリと笑う。

 

 

 

「『ワシは確かに死んだ。だが、貴様とアレクシス・ケリヴの戦いのエネルギーを得て、かすかに残っていたワシの細胞が復活を果たしたのだ!!復活したばかりでは満足に動く事も出来なかったが、丁度いい傀儡がいたのでな……この女をワシの完全復活の手駒にする事にしたのだ!!』」

「そんな……そんな理由で六花を………!!」

 

 

『アクセスコード!バリアシールド!!』

 

 

左腕のグラン・アクセプターが光ると、聞き覚えのある声が鳴り響き、空中に出現したゲートから彼の愛盾『バリアシールド』が降って来た。

バリアシールドはフルパワーアナザーグリッドマンを弾き飛ばし、グリッドマンの手中に収まると、グリッドマンはシールドの柄を引き抜き、愛剣『プラズマソード』を引き抜いた。

 

 

『よ、ようやく出番か……。』

「キャリバーさん!!」

 

『いい頃合いだ、サムライ・キャリバー!!』

「うわっ!すっごい!空から武器が降って来た!!」

 

 

バリアシールドが光り、男の声が聞こえる。

この男はかつて『電撃大斬剣グリッドマンキャリバー』に変身していたグリッドマンの仲間の新世紀中学生『サムライ・キャリバー』

このバリアシールドはグリッドマンキャリバーの真の姿であり、電光超人が26年間ずっと愛用し続けていた武器だ。

フルパワーアナザーグリッドマンがグリッドマンキャリバーを振るうと、それをバリアシールドで防ぎ、それにより出来た隙をジオウがライドヘイセイバーで突く。

 

『グッ……おのれ……!!』

「すげぇぞグリッドマン!!ほら新条、新条も応援しようぜ!!」

「私も応援していいのかな……。」

「良いに決まってんだろ!!友達じゃねーか!!」

「う……うん!頑張れ!グリッドマン!!」

 

 

「誰も俺の応援はしてくれないのかー……なんか寂しい気がする……。」

 

『鎧武!』

 

『ファイナルフォームタイム!ガ・ガ・ガ・鎧武!!』

 

 

皆グリッドマンの応援しかしてくれない中、ジオウは鎧武ライドウォッチをディケイドライドウォッチへと装填。

右肩に『ガイム』、胸に『カチドキ』の文字が浮かび上がり、彼のアンダーウェアは仮面ライダー鎧武の物へと変化。

最後にジクウドライバーから鎧の前掛けが出現し、ジオウは仮面ライダー鎧武 カチドキアームズの力を持つ『ディケイドアーマー鎧武フォーム』へと変身。

ライドヘイセイバーの代わりに火縄大橙DJ銃の大剣モードを両手でしっかりと構え、グリッドマンと共にフルパワーアナザーグリッドマンを切裂いた。

 

 

『ぐぅぅ……フハハハ……!効かん……効かんぞ……!!』

 

 

「相手が固すぎる……!!だったら……!」

 

再びライドヘイセイバーを手に取ると、そこへ鎧武ライドウォッチを装填。

中心の針を3周回し、ジオウは腰を落とす。

 

 

『Hey!Sey!Hey!Sey!Hey!Sey!HeHeHeHey!!Sey!!鎧武!平成ライダーズ!!アルティメットタイムブレーク!!!』

 

『フィニッシュタイム!ディケイド!!アタック!タイムブレーク!!』

 

 

「おりゃああああああああ!!!!」

 

 

『アルティメットタイムブレーク』と『アタックタイムブレーク』の合わせ技がフルパワーアナザーグリッドマンに炸裂。

フルパワーアナザーグリッドマンは吹き飛ばされ、学校の体育館に激突した。

バレー部の部室の中に叩き込まれたフルパワーアナザーグリッドマンは周りの余計な物を破壊しながら再び立ち上がった。

 

『今のは効いたぞ……!おのれ、名前も知らぬ戦士め……!!えぇい!!邪魔だ!!』

 

(問川……。)

 

『ムッ?貴様、まだ意識があったというのか……鎮まれ!!』

「六花を返せ!!カーンデジファー!!」

『ぜ、全員で行くぞ……!』

『よし!行くぞ裕太!!』

 

 

『アクセスコード!ツインドリラー!!』

『アクセスコード!サンダージェット!!』

 

 

再び空にゲートが出現し、そこから更に二体のアシストウェポンが現れた。

 

新世紀中学生のボラーが変身する『バスターボラー』の真の姿、ドリル型メカの『ツインドリラー』

新世紀中学生のヴィットが変身する『スカイヴィッタ-』の真の姿、戦闘機メカの『サンダージェット』

 

二体のアシストウェポンは宙を舞い、レーザー光線でフルパワーアナザーグリッドマンを攻撃する。

 

『おらおらぁ!!偽物はとっとと引っ込め!!』

『俺、赤って落ち着きが無くて嫌なんだよね~。』

『すまない……。』

「グリッドマンの事言ってるわけじゃないと思うよ、多分……。」

 

 

サンダージェットの言葉に少し傷つきながらも、グリッドマンはグラン・アクセプターを更に構える。

 

 

『アクセスコード!ゴッドタンク!!』

 

 

『久しぶりだな!!皆!!』

 

更にゲートから、新世紀中学生のリーダー格だった男 マックスが変身する『バトルトラクトマックス』の真の姿、タンク型メカの『ゴッドタンク』が出現。

全てのアシストウェポンがグリッドマンの近くに集まると、グリッドマンは飛び上がり、ゴッドタンクの上に騎乗した。

飛んできたツインドリラーは4つのパーツに分離し、サンダージェットは変形してグリッドマンの上に飛来。

そしてゴッドタンクは脚部に、ツインドリラーは両腕と両肩に、サンダージェットは上半身にそれぞれ合体。

最後にサンダージェットに収納されていたヘルメットの角が展開され、バリアシールドとプラズマソードが合体した大剣『グリッドマンソード』を手に握った。

 

 

 

『「超神合体!!サンダーグリッドマン!!!」』

 

 

 

3つのアシストウエポンが合体したグリッドマンの強化形態、その名も『合体超神サンダーグリッドマン』

グリッドマンソードとグリッドマンキャリバーをぶつけながら、サンダーグリッドマンとフルパワーアナザーグリッドマンは格闘戦を開始。

パワーはほぼ互角だ。

 

 

「そこにいるんだろ!?返事をして、六花!!」

『無駄だ!この女の身体はワシが完全に乗っ取っている!ワシはこの力で、全世界を支配するのだ!!』

『そうはさせない……裕太の世界も直人の世界も、私達が救って見せる!!』

 

 

サンダーグリッドマンがフルパワーアナザーグリッドマンを掴んで投げ飛ばした。

地面に激突したフルパワーアナザーグリッドマンはグリッドマンキャリバーを落とし、そこにすかさずジオウが斬りかかる。

 

「目ぇ覚ませよ六花!!裕太たちが待ってる!!仲直りしたいんだろ!?」

『無駄だと……言っているのだ!!』

「さっき、俺にも頼りになる友達がいるって言ったよね!?実は俺さ、未来では魔王になるみたいで……俺の友達は俺を倒す為に未来から来たんだ。色々あって、何度もアイツとぶつかったけどさ………今では俺の、一番の友達になってくれたんだ!だから六花も戻れるはずだ!!好きなんだろ!?皆の事!!だったら、こんな形じゃ無くて、もっと心からぶつかれよ!!」

 

 

しかし、ジオウの声は六花には届かない。

カーンデジファーの人格のままのフルパワーアナザーグリッドマンはジオウを掴み、サンダーグリッドマンへと投げ飛ばした。

二人は地面を転がり、ジオウはディケイドアーマーから通常形態に戻ってしまう。

フルパワーアナザーグリッドマンはサンダーグリッドマンを踏みつけ、高笑い。

 

 

 

『もはやワシの中にあの女の意識は存在しない。いよいよワシは、現実世界を支配するのだ!!』

 

 

 

「やべぇ……アイツ、強すぎる……!立て!!立ってくれ裕太!ソウゴ!グリッドマン!!」

「……まだだよ。」

「新条?」

「まだ六花の意識は消えて無いよ。さっき、バレー部の部室の中に入った時、アイツ少し動きが止ったよね?」

「あ……あぁ、そういえば……でもそれがなんだってんだ?」

「六花はずっと、私が殺した問川たちの事を気に掛けてた。あそこは、私が怪獣で問川たちを殺した場所だったから……。」

 

それに……とアカネは続けた。

 

 

「本気で自分を心配してくれる人がいれば、どんなに暗い場所からだって抜け出せる。それを教えてくれたのは、六花たちだったから……!」

 

 

そう言うと、アカネは飛び出した。

彼女はフルパワーアナザーグリッドマンとグリッドマン、ジオウの間に立つと、腕を大きく広げる。

フルパワーアナザーグリッドマンは拾い上げたグリッドマンキャリバーをアカネの喉元に当てると、彼女の首に小さな斬り傷を作った。

 

 

「六花……私は六花の気持ち、わかるよ。」

『何を言っている?ワシはカーンデジファー……この身体の意識などもはや存在しない!!』

「私もあっちに戻った時、一人だったから。でも、頑張ったんだよ。勇気を出して学校のクラスメイトに話しかけたり、家族とも色々話し合ってみたんだよ。難しかったし、怖かった。でも、それが出来たのも、全部……六花たちのおかげだったんだよ。」

『どうやら、本当に死にたいようだな……ならば……!』

 

 

グリッドマンキャリバーを振り上げるフルパワーアナザーグリッドマン。

アカネの首を掴みながら、彼女にグリッドマンキャリバーを振り下ろす。

 

 

 

 

「六花たちがいたから、私は一人じゃ無かった!だから、六花も怖がらなくていいんだよ……おびえないで、もう……君は一人じゃ無い!」

 

 

 

 

『………なに……!?』

 

振り下ろしたグリッドマンキャリバーが、アカネに突き刺さる寸前に止った。

その後、フルパワーアナザーグリッドマンは苦しむように悶え、頭を抱える。

徐々に全身のアシストウエポンが剥がれ落ち、最後に残ったバスターボラーのヘルメットが地面に落ちる。

すると地面に落ちたアシストウエポンは光の粒子になって一つに集まり、アナザーグリッドマンウォッチとなった。

更にジオウがそれを拾い上げると、アナザーグリッドマンウォッチの表面が割れて崩れ落ち、中から年号部分に『2018』とライダーズクレスト部分に『1993』と記されたライドウォッチが出現した。

 

 

「コレは……グリッドマンのライドウォッチ!!」

『新条アカネの言葉が、六花に届いたのか!』

「いける……今なら、六花を助け出せる!!ありがとう、新条さん!!」

 

 

『グリッドマン!』

『ジカンギレード!ジュウ!!』

 

ジオウがグリッドマンウォッチを起動した。

ジカンギレードを構えると、それをジュウモードに変形させてグリッドマンライドウォッチをはめ込む。

その隣ではサンダーグリッドマンが胸にエネルギーを溜め、拳を握る。

 

 

 

『フィニッシュタイム!!』

 

 

 

『まだだ……ワシは……ワシは不滅なのだ!!!』

 

 

六花の意識により拘束されたアナザーグリッドマン。

そのアナザーグリッドマンを目掛け、ジオウとサンダーグリッドマン、二人のヒーローの必殺技が炸裂した。

 

 

『グリッドマン!!スレスレシューティング!!』

 

 

「『サンダー……!!』」

「W~~!!」

 

「「『グリッドビ――――――――――ム!!!!』」」

 

 

 

 

サンダーグリッドマンの『サンダーグリッドビーム』とジオウの『グリッドマンスレスレシューティング』がアナザーグリッドマンを捉えた。

アナザーライダーの力を失ったアナザーグリッドマンは六花の姿に戻ると、その場に倒れそうになる。

だがそれを、ギリギリの所でアカネが受け止めた。

 

変身を解除し、駆け寄るソウゴと裕太。

少し経つと六花は目をさまし、自分を心配そうに見る彼らの顔を見ると、ばつが悪そうに眼を逸らした。

 

 

「……皆………その、ごm、」

 

「「「ごめん!!!」」」

 

「え……ちょっ……なんで皆謝るの……?謝るの、どう考えてもウチだし……。」

「ううん、俺が六花の事ちゃんと覚えてれば………それに、記憶が無いからって色々勘違いしちゃってたし、俺………だから、ホント、ごめん……。」

「裕太は悪くねーよ!!記憶無かったんだし!!それよか、そんなに悩んでたなんて気づかずに、無神経な事言ってた俺が一番スイマセンでしたでしょ!!」

「それを言うなら元はと言えば全部私のせいだし……六花の事も、響くんの事も……。」

「でも今回一番悪いの私じゃん。皆に謝れるのは、なんか違うって言うか……。」

 

気付いた時には、全員笑っていた。

裕太も、内海も、六花も、もちろんアカネも。

手に入れたグリッドマンライドウォッチを見ながら、ソウゴも微笑む。

彼は六花の前に立つと、彼女に笑いかけた。

 

 

「いいよね、友達って!」

「……うん、そうだね。」

「そりゃもうグリッドマン同盟ですから!なっ、裕太!」

「あぁ!新条さんも!」

「私もいいの?」

「当たり前じゃん。アカネだって、私達の友達なんだから。」

「じゃあ俺は俺は?」

「ソウゴは……うーん……友達だとは思うけど、グリッドマン同盟って言われると微妙かも……。」

「えー!?なんで!?」

「だって、円谷と石ノ森って別会社じゃん。」

「そんなぁ~……。」

 

 

 

 

 

 

 お  の  れ  グ  リ  ッ  ド  マ  ン…………!!!

 

 

 

 

「!!」

 

背後の殺気に気付き、裕太が振り返った。

先ほどアナザーグリッドマンが倒された場所に、黒い靄のような物が浮かんでいる。

それらは一つに集まると、黒いマントを羽織った怪人の姿へと変わり、バサッとマントを翻す。

 

 

『だが……すでに十分なエネルギーは補給し終わった……!現実世界でお前達の仲間が倒した怪獣たちのエネルギーがな……!』

「カーンデジファー……!!」

『ワシは魔王カーンデジファー!!いよいよワシは、現実世界を侵略するのだぁ!!フッハッハッハッハッハ!!!!』

 

 

アナザーグリッドマンとなっていた事で、エネルギーの補給を済ませてしまった魔王カーンデジファー。

その体が再び黒い靄のようになると、カーンデジファーは近くの電柱の中に吸い込まれる。

そして電線を通りながら、この街の電力エネルギーを更に吸収。

やがて彼は空にゲートを開くと、その中へと吸い込まれて行った。

 

 

「このままじゃアイツが外の世界で暴れる……!!俺、行かなきゃ!!あ、でもアカネどうしよう……。」

「あそこがアカネたちの世界に繋がってるの?」

「………常磐くん、だったっけ?私の事は気にせずに先に行って来て。」

「でも……。」

「大丈夫。私を信じて。」

「………わかった!」

「ソウゴ、俺に……っていうか、グリッドマンに考えがあるんだ。向こうに着いたら、藤堂武史って人に伝えてほしい。」

 

 

裕太からメッセージを受け取ると、ソウゴは再び仮面ライダージオウに変身。

更にそこからディケイドアーマーブレイドフォームに強化変身を遂げると、オリハルコンウイングを広げた。

間もなくゲートが閉じる……急がなければ。

 

 

「それじゃあ、皆!!元気で!!アカネ、後で絶対迎えに来るから!!!」

 

 

空に浮かぶゲートへと消えて行くジオウ。

彼に手を振った後、グリッドマン同盟の4人はすぐに六花の部屋の、ジャンクへと向かった。

 

 

 

 

 

 

その頃、現実世界

 

街に出現した怪獣を殲滅したゲイツとウォズは、ボロボロになりながらもクジコジ堂に戻って来た。

そこにはすでに武史もおり、彼は倒れそうになるゲイツに肩を貸す。

 

「おっと……大丈夫かい?」

「あぁ……問題無い……それより、カーンデジファーは見つかったのか?」

「いや。コンピューターワールドのどこを探しても、カーンデジファーらしき存在は見当たらなかった。」

「我が魔王は?」

「アナザーグリッドマンと合わせて、まだ見つからないわ。コンピューターワールドにいるのは、間違いないんだけど……。」

『もしかしたら、彼等はツツジ台にいるのかもしれない。』

「ツツジ台?シグマ、どこなのそれは?」

『ツツジ台とは、新条アカネの作ったコンピューターワールドだ。あの世界に外側からアクセスできるのは、グリッドマンだけ……。もしあのアナザーグリッドマンがツツジ台に潜り込んでいたら、常磐ソウゴが自力で脱出する以外に方法は無い。』

 

グリッドマンシグマの読み通り、ソウゴとアカネはツツジ台にいる。

そこであった事件の事は、彼等は何も知らない。

やがて徐々に辺りが暗くなってきはじめた。

もうそんな時間かと、ウォズがカーテンを閉めようとしたら、ツクヨミがある異変に気付く。

 

 

「待って……まだ16時よ。いくらなんでも暗くなるのが早すぎない?」

「………まさかもうすでに……!!」

 

 

何かに気付いたのか、武史が慌てて外へと出た。

彼の眼前に広がっていたのは、あまりにも異様な光景。

 

空は黒い雲に覆われ、まるで台風の目の様に中心には切れ目。

その切れ目にはまるでタイムマジーンが出て来る時のような時空の歪みが生じており、その中からどす黒い靄が溢れだしている。

やがてそれらは一つの塊となり、巨大な魔王を形成した。

 

 

 

『フハハハハハハ!!!!ついに……ついに戻って来たぞ愚かな人間どもよ!!我が名は魔王カーンデジファー!!この世界の、新たな支配者である!!』

 

 

 

 

蘇った魔王……カーンデジファー。

 

その姿は26年前と変わらず、黒一色のマントを翻している。

手始めにカーンデジファーはデジファーソードを構えると、近くにあったビルを一刀両断してしまった。

 

 

「バカな……巨大すぎる……!!」

「あれがカーンデジファー……恐れ入った……これほどの敵とは……。」

 

ゲイツとウォズも、カーンデジファーの巨大さに恐れを無し、後ずさった。

しかし武史はアクセプターを右腕に巻き、グリッドマンシグマの宿るパソコンを持って走り出した。

 

「どこへ行くんですか!?」

「この世界で実体化したヤツと戦うためには、ただのパソコンではダメなんだ!!急いで桜が丘に戻らなければ!!」

 

武史に言われるがまま、ツクヨミはタイムマジーンを呼び武史を乗せる。

同様にゲイツもウォズをタイムマジーンに載せ、4人は桜が丘を目指す。

タイムマジーンの速さならば歩きでは時間のかかる桜が丘でもものの数分で到着し、武史は急いである場所を目指した。

そこは『INTERIOR SPACE彩』というインテリアショップであり、それを見たゲイツは呆れて肩を落とす。

 

 

「こんな時に何を買うつもりだ!?」

「違う。用事があるのはこっちだ。」

 

 

そう言いながら武史が入ったのは、『彩』の傍にある地下スペース……倉庫の様になっており、その中の一台、大事そうに布を掛けられた古いパソコンに手を触れた。

 

現実世界での、『ジャンク』だ。

 

武史が電源を入れていないにもかかわらず、勝手に電源が入ると、すでにグリッドマンシグマはその中に移動していた。

 

 

「なんだこの古いパソコンは?」

「グリッドマンの力の源……僕達の、原点さ。行こう、シグマ!」

『あぁ!一緒に戦おう、武史!!』

 

 

「アクセース!!フラーッシュ!!!」

 

 

いつも通り、アクセスフラッシュをしてパソコンの中に吸い込まれていく武史。

その様子を見守りながら、ツクヨミは未来タブレットでニュースを見ていた。

 

 

『皆さんご覧ください!!カーンデジファーです………26年前、我々を恐怖に陥れたあの魔王が、ついに帰ってきてしまったのです!!助けて……助けてグリッドマン!!』

 

 

「どうやら、この街の人間はグリッドマンの存在を知っていた様だな。」

「えぇ。それでも、今の若い子は知らない人も多いみたい。」

「26年前………1993年か。この本にも、クウガ以前の歴史については記されていない。我々にとっては、カーンデジファーは未知数の敵というわけだ。」

 

ウォズがそう言って、本を閉じる。

 

 

 

そして、カーンデジファーの目の前には、青いヒーローが降りたった。

グリッドマンシグマだ。

 

『はぁあ!!!』

『貴様はグリッドマン!!………いや、違うな。グリッドマンはあの世界に閉じ込められているのだから。』

『やはりグリッドマンは、ツツジ台に閉じ込められていたのか……!!どおりでコンタクトが取れないはずだ……。』

『貴様は何者だ?』

『俺はハイパーエージェント、グリッドマンシグマ!!グリッドマンの弟……そして、お前の因縁の相手でもある!!』

 

グリッドマンシグマが、ついにカーンデジファーに殴りかかった。

デジファーソードを躱しながら、グリッドマンシグマはカーンデジファーにパンチやキックを命中させる。

しかし、スペック上ではグリッドマンと同等の力を持つグリッドマンシグマの攻撃にもかかわらず、カーンデジファーはダメージを受けている様子は無い。

 

『馬鹿な……!?』

『フハハハハハ!!ワシはアナザーライダーの力をそのまま受け継いだ!!今のワシに、グリッドマン以外の力は通用せんわ!!!』

 

 

元の姿と、以前よりも強い力を手に入れたカーンデジファーは終始グリッドマンシグマを圧倒し続ける。

それでもグリッドマンシグマは負けじと、人々を守りながらもカーンデジファーへと反撃。

だが、通用しない。

 

『む?貴様……もしや、武史か……?ほう……貴様がハイパーエージェントになるとはな。』

「カーンデジファー……この世界を、お前の好きなようにはさせない!!」

『フッハッハ!!ワシと共に世界を滅ぼそうとした男が今更何を言う!!』

『武史はお前とは違う!!今の武史のパートナーは、俺だ!!』

 

そう叫び、反撃するグリッドマンシグマ。

だが、突然彼の後ろにゲートが開き、そのゲートに通じるコンピューターワールドの中から、二体の怪獣が現れた。

 

火炎怪獣フレムラーと、冷凍怪獣ブリザラーだ。

 

二体の怪獣はグリッドマンシグマを後ろから攻撃し、彼を地面に叩き伏せる。

そしてその顔面を、カーンデジファーが踏みつけた。

 

『ぐっ………!』

『今のワシは、全ての怪獣を思いのままに生み出せる。もはやこの世界は、ワシに物になったのも同然なのだ。』

 

 

 

 

 

「このままじゃやられる……どうにかして助けないと!」

 

グリッドマンシグマのピンチに、ツクヨミは焦りを感じてゲイツとウォズに言った。

しかしゲイツもウォズも顔をうつむかせる。

 

「助けたいのはわかる。だが、奴の大きさが違い過ぎる……。」

「ざっとみてタイムマジーンの3倍以上。正直、私とゲイツくんが加勢した所で、シグマの足手まといが増えるだけだ。」

「そんな……どうすればいいの………。」

 

 

 

ドカッ!!うわっ!いってぇ……!

 

 

 

「!」

 

突然下から物音が鳴った。

更に聞き覚えのある声がしたので、急いで3人は地下に降りる。

するとそこには、ジャンクから出て来たと思わしき彼らの魔王の姿があった。

 

「ソウゴ!!」

「ジオウ!!」

「我が魔王!!」

 

 

「いててて……あ、ただいまみんな!」

 

 

常磐ソウゴが帰って来た。

彼の手にはグリッドマンライドウォッチが握られており、それを見たウォズは目を丸くした。

 

「そのウォッチは……!」

「新条アカネはどうしたジオウ?一緒じゃないのか?」

「説明は後だ!それより、人を探さないと!」

「人?」

「うん。藤堂さんならその人の居場所を知ってる筈なんだけど……もう戦い始めちゃってるのか~……。」

 

はぁ~と、ため息をつきながら頭を抱えるソウゴ。

彼はグリッドマンウォッチを握りしめ、とある人物を探す為に地下室から飛び出した。

すると外には見覚えのある男が立っており、彼はソウゴ達の話を聞いていたのか、ソウゴ達に『よっ!』と挨拶をしてきた。

 

 

 

「その必要は無い。君達が探そうとしてるのは、多分俺だ。」

「あなたは………餃子屋の店主さん……?」

 

 

 

そこにいたのは、順一郎に連れられて食べに行った餃子屋の店主だった。

 

彼はソウゴの手にあるライドウォッチを見ると、ふむ、と顎に手を当てる。

ソウゴは彼に近づくと、グリッドマンライドウォッチと彼の顔を交互に見た。

 

 

 

「アンタが、翔直人?」

「いかにも。俺の名前は翔直人。グリッドマンのパートナーだった男だ。」

 

 

 

餃子屋の店主……直人はグリッドマンシグマとカーンデジファーを見上げた。

カーンデジファーの復活を知り、いても経ってもいられずにジャンクの部屋に駆けつけたらしい。

直人はソウゴ達と共にジャンクの前に行くと、懐かしそうにジャンクを撫でる。

 

「これほど身近にレジェンドがいたとは……!」

「グリッドマンに頼まれたんだ。『自分を直人に会わせて欲しい』って……そして、コレはアンタの力だ。」

「グリッドマンか……懐かしいな。」

 

ソウゴからグリッドマンライドウォッチを受け取る直人。

するとジャンクに再び光が灯り、そこには、ソウゴと共に戦った響裕太が映し出されていた。

 

 

 

『えっと………アナタが、直人さん……?』

「君は?」

『あ、響裕太です。グリッドマンやってました!』

「そうか、君が……!」

『お願いします!俺と一緒に、グリッドマンとして戦ってください!!』

「………あぁ、もちろんさ。そのつもりで俺はここに来たんだから。」

 

 

『グリッドマン!』

 

直人がグリッドマンライドウォッチを起動した。

ライドウォッチの力が彼の左手に宿り、やがてその力はアクセプターの形を形成する。

現実世界とコンピューターワールド……二つの世界でそれぞれアクセプターを構える翔直人と響裕太。

初めて出会う二人だったが、お互いに懐かしさを感じていた。

何故なら響裕太はグリッドマンだったから。

そして翔直人とその仲間達は、グリッドマンのモデルとジャンクの生みの親なのだから。

 

 

 

「『アクセース!!フラーッシュ!!!』」

 

 

 

それぞれの世界でアクセスフラッシュを行う二人。

コンピューターワールドでは裕太はグリッドマンに変身し、現実世界では直人は合体用スーツに変身を遂げる。

そして直人がジャンクに吸い込まれると、向こうの世界のジャンクの前に出現し、そこにいたグリッドマンと一体化。

現実世界へ向かうゲートが出現すると、現実世界側のジャンクにパスワードの入力画面が現れた。

 

 

 

『戦闘コードを打ち込んでくれ!アクセスコードは、『GRIDMAN』!!』

 

 

 

ジャンクの入力画面に、ゲイツがアクセスコード『GRIDMAN』を入力。

すると今度は画面に『Special Signature to Save a Soul GRIDMAN』と表示され、グリッドマンのステータス画面に変化した。

 

 

26年

 

長い月日と、様々な思いを重ね、直人と裕太という二人のパートナーと合体を遂げたヒーローは、ついにこの世界に姿を現した。

 

全長約70メートル、体重約6万トン

 

巨大なボディと、それより大きな優しさを持つ、かつて日本中の子供たちが憧れたヒーローの姿がそこにはあった。

 

 

「ほらほらウォズ!いつもみたいに祝ってよ!」

「我が魔王がそれをお望みとあらば、喜んで。」

 

 

カーンデジファーの前にそびえ立つ、赤いハイパーエージェント。

その登場に、かつて子供だった者は手に汗握り、今の子供たちは歓声を上げた。

 

 

 

「祝え!全時空を股に掛け、世界を悪の魔の手から救うハイパーエージェント!その名も電光超人グリッドマン!!今まさに、誰もが待ち望んだ『夢のヒーロー』が、この地に降り立った瞬間である!!」

 



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1993:ユメのUNION2018

『ご覧ください皆さん!!グリッドマンです!!26年前、私達を魔王の脅威から救ってくれたグリッドマンが、今再び、我々の前に姿を現したのです!!』

 

ラジオから聞こえるアナウンサーの興奮気味の声。

それを聞きながらソウゴ達は、この地に舞い降りた電光超人を見上げる。

翔直人と響裕太と合体し、真の覚醒を果たしたグリッドマンは、カーンデジファーの前に立ち、構えを取る。

カーンデジファーはデジファーソードを両手に構え、グリッドマンを睨みつけた。

 

『どこまでもこのワシを追って来るかグリッドマン!!』

『私の使命は、お前のような邪悪な心を持つ者から、この世界を守る事!お前がこの世界を脅かす限り、私は何度でもお前の前に立ちふさがる!!』

「随分しつこいじゃねーか、カーンデジファー。もう26年も経ってるんだ、いい加減諦めろ。」

『六花の心を傷つけた……お前だけは許さない!』

『小癪な!!』

 

 

走り出すカーンデジファーとグリッドマン。

カーンデジファーがデジファーソードを向けると、グリッドマンはそれを躱す。

更にカーンデジファーを自分の足に引っ掛けてバランスを崩させると、体勢を崩したカーンデジファーを掴み、地面に叩きつけた。

だがカーンデジファーはすぐに起き上がり、グリッドマンの腕を掴む。

グリッドマンの腕を掴んだまま彼を振り回すと、ソウゴ達のいる方向に向けてグリッドマンを投げ飛ばした。

 

「あわわわやばい!!こっちにくる!!」

「どこにも逃げ場が無いぞ!!」

 

慌てるソウゴ達だったが、彼等の前に、起き上がったグリッドマンシグマが立ち、飛んできたグリッドマンを受け止める。

二人共もその場で膝をつくが、お互いに手を取り合い立ち上がった。

 

『待っていたぞ、グリッドマン!』

『待たせてすまなかったシグマ。共に戦おう!』

「直人、君のその姿を見るのは何十年ぶりかな。」

「正直、まだ全然勘が戻ってこないわ。っていうわけで、頼りにしてるぜ裕太くん。」

『はい!!』

 

二人同時にカーンデジファーに襲い掛かるグリッドマンとグリッドマンシグマ。

だがカーンデジファーはデジファーソード二刀流でグリッドマンとグリッドマンシグマ両方の攻撃を防ぎながら、二人同時に地に伏せる。

この強さ……26年前以上だ。

それほどアナザーライダーの力は強く、グリッドマンとグリッドマンシグマの二人の戦闘力を圧倒している。

その様子を見ながら、ゲイツは拳を握り、その場を離れようとする。

 

「どこに行くのゲイツ?」

「グリッドマンの加勢に決まっている!タイムマジーンでは心もとないが……行かないよりはマシだ!」

「先ほど私が言った通り、私達ではグリッドマンの足手まといにしかならないよ。それに、さっき君が言ったはずだ、大きさが違い過ぎると。」

「ならばこのまま指をくわえて見ていろと言うのか!!」

「まぁまぁ、ちょっと待ってよゲイツ。」

「ジオウ………何か考えがあるのか……?」

「ううん。でも、俺達には俺達にしか出来ない、俺達のやるべき事がある。」

「やるべき事?それはなんなのソウゴ?」

「うん。それはね………、」

 

 

 

 

その頃、ツツジ台…

 

『ぐあぁああああ!!!』

「裕太!グリッドマン!!」

 

ジャンクを六花の家の一階……『絢JUNKSHOP』の、今までジャンクがあった場所に移した内海達は、ジャンクを通じてグリッドマンとカーンデジファーの戦いを見ていた。

裕太と直人の二人と合体したグリッドマンがグリッドマンシグマと手を組んでいるにもかかわらず、それを圧倒するカーンデジファーの恐るべき戦闘能力に驚愕する。

 

「くそっ!!こっちじゃ見てるだけしか出来ないのか俺達は!!」

「響くん……グリッドマン……お願い、勝って……!」

「……こんな時、アレクシスがいたら……。」

 

 

 

 

「何も出来ないから、何もしないつもりか?」

 

 

 

「! 君は……!」

 

その時、店の中に、銀髪の少年が入って来た。

赤と青のオッドアイを持つその少年を見て、アカネは目を丸くする。

 

 

「アンチ……!生きてたの……!?」

「新条アカネか。」

 

 

彼の名は『アンチ』

かつてアカネが作った、人間に擬態できる自我を持つオートインテリジェンス怪獣。

グリッドマンを倒す為に作られた怪獣だが、心を持ったため新たな戦士『グリッドナイト』へと生まれ変わった少年だ。

以前アカネの目の前でアレクシス・ケリヴに剣で貫かれて死んだものかと思っていたが、なんとか一命を取り留めていた様だ。

 

「アンチくん、どうしてここに……?」

「借りを返しに来た。」

「借り?」

「昼間、この女に食べ物を貰った。だからその借りを返す。」

「六花、アンチに食べ物あげてくれてるんだ?」

「アハハ……うん、まぁ、たまに……。」

 

時々アンチを見掛けては六花は彼に食べ物を与えている。

六花からすればただの親切だが、アンチからすればそれだけで彼は六花の為に命を掛ける事が出来る。

アンチとはそういう男だ。

 

「でも、お前が来た所でどうしようもねーよ……相手は神様の世界にいるやつなんだぞ!?グリッドマンと合体できる裕太はともかく、お前じゃあそこには行けねぇ!」

「そうか。」

 

内海がそう言うと、アンチはジャンクの前に立つ。

そのまま彼の姿は光になってジャンクに吸い込まれ、店の中全体に電流が迸った。

 

 

 

「うわっ!?なんだコレ……!?まぶしっ!!」

「うっ……ってアレ!?アカネ、それ……!」

「え?」

 

 

 

余りの眩しさに目をふさいだ一同。

目を開けた時、アカネの右手に、紫色のアクセプターが装着されていた。

その外見は直人や武史の物とは異なり、覚醒前の裕太が付けていたアクセプター……プライマルアクセプターと同型だった。

 

「アンチ……コレって……!」

「そうか!グリッドマンや裕太が神様の世界の人間と合体すれば向こうに行けるように、グリッドナイトも神様の世界の人間……新条と合体すれば向こうに行ける!」

「じゃあ、アカネがアンチくんと!?」

 

自分の右手のプライマルアクセプターを見つめながら、しばらく考え込むアカネ。

少し目を閉じた後、彼女は目を開け、ジャンクの前に立った。

 

「私行ってくるよ六花、内海くん。」

「アカネ!!」

「私はここで、大事な事を教えてもらった。だから、絶対にここを守りたい。大丈夫だよ、ちゃんと戻ってきて、今度は……ちゃんと皆とお別れするから。」

「……わかった。よし!行ってこい新条!」

 

内海と六花に背中を押され、右腕を構えるアカネ。

そのポーズは、かつての裕太と丁度左右対称になっていた。

 

 

「アクセス……フラーッシュ!!」

 

 

 

 

 

 

現実世界

 

現実世界のジャンクから紫色の光が放たれた。

その光はジャンクを通じて街の電線を通り、グリッドマン達の下へと向かう。

そして、光はグリッドマンとカーンデジファーの間に落ちると、そこから紫色の巨人を生み出した。

出現した紫色の巨人はカーンデジファーを殴り飛ばすと、軽やかにジャンプし、グリッドマンとグリッドマンシグマの間に降り立つ。

 

 

『誰だ?』

『お前は………グリッドナイト!!』

『グリッドマン、お前は俺が倒す。だからお前が奴に倒されないために、俺がお前を守る。』

 

 

その名も、グリッドナイト。

グリッドマンやグリッドマンシグマとは異なるメカニカルなボディを持つ、電光超人を守る電光騎士だ。

 

 

『どうしてグリッドナイトがこの世界に……!?』

「私がアンチと合体したからね。」

『その声……新条さん!?』

「新条アカネだと!?ハハハ……まさか、昔の僕と同じような事をしていた君が、今の僕と同じ道を辿るなんてね……。」

 

 

並び立つ3人の電光超人。

翔直人、響裕太と合体した電光超人グリッドマン。

藤堂武史と合体した電光超人グリッドマンシグマ。

そして新条アカネと合体したグリッドナイト。

3人は一斉に走り出し、カーンデジファーに襲い掛かった。

だがカーンデジファーも一人では無い。

火炎怪獣フレムラーと、冷凍怪獣ブリザラーがカーンデジファーを守る様にそびえ立つ。

グリッドナイトがフレムラーを、グリッドマンシグマがブリザラーをそれぞれ相手に取り、グリッドマンはカーンデジファーと交戦を開始。

そしてそれをサポートするため、ツクヨミがジャンクの前に座りゲイツとソウゴがその昔直人の仲間が書きためたグリッドマンの資料をかたっぱしから彼女に渡す。

ウォズはスペシャルドッグを食べ始めた。

 

「何食ってんだウォズ!!お前も働け!!」

「焦っていてはいい結果は出ないよ、ゲイツくん。」

「あった!あったよツクヨミ!これをジャンクに打ち込んで!」

「わかったわ。聞こえるグリッドマン達?今からアシストウエポンを転送するわ。」

 

ソウゴがツツジ台で見たサンダーグリッドマン。

アレがかつてこのジャンクで作られた物ならば、きっと今のグリッドマンも使える筈。

そう考えたソウゴの提案により、見つけ出した資料に記されたアクセスコードを入力し、グリッドマン達に支援メカを転送。

 

 

「アクセスコード!バリアシールド、サンダージェット、ツインドリラー、ゴッドタンク、ダイナファイター、キングジェット、Go!!」

 

 

ツクヨミがノリノリでアクセスコードを入力すると、グリッドマン達の元にゲートが開き、そこから大量のアシストウエポンが出現。

本来これだけのアシストウエポンを同時に転送すればジャンクは処理落ちを起こしてしまうが、それを防ぐためにツクヨミの未来タブレットをジャンクに接続し、一時的に容量を引き上げている。

転送されてきたアシストウエポンに向かい、グリッドマンとグリッドマンシグマが飛び上がる。

グリッドマンは新世紀中学生だった3つのメカと、グリッドマンシグマはキングジェットとダイナファイターとそれぞれ合体を果たした。

 

 

 

『『「超神合体!!サンダーグリッドマン!!!」』』

 

『「合体竜帝!!キンググリッドマンシグマ!!!」』

 

 

 

グリッドマンはサンダーグリッドマンに超神合体。

ダイナファイターが変形したドラゴニックキャノンを構え、グリッドマンシグマはキンググリッドマンシグマに竜帝合体。

冷凍怪獣ブリザラーの冷凍ガスがキンググリッドマンシグマを襲うが、彼はびくともしない。

体内から発せられる超高温のエネルギーが、絶対零度を誇るブリザラーのガスを無効化している。

ガス攻撃を無駄だと判断したブリザラーは、今度はキンググリッドマンシグマに肉弾戦を仕掛けてくるが、それでも一切のダメージは通らない。

 

 

『これでとどめだ!!』

 

 

ブリザラーを殴り飛ばすと、ドラゴニックキャノンをブリザラーへと向ける。

全身のエネルギーがドラゴニックキャノンへと注がれ、最強の必殺技をブリザラーへと叩き込んだ。

 

 

『シグマァァァ……ドラゴニック、ビーーーーーーーーーーーム!!!!!』

 

 

『ギャオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』

 

キンググリッドマンシグマの必殺技が、ブリザラーを貫く。

砕け散ったブリザラーは爆発するのではなく、まるでパソコンのデータが消えるかのようにあっけなく消滅した。

 

 

 

ブリザラーの兄弟怪獣、火炎怪獣フレムラーと交戦するグリッドナイト。

軽やかな動きでビルからビルへと飛びまわり、フレムラーを翻弄。

彼は飛んできたバリアシールドを手に取ると、そこからプラズマソードを引き抜く。

更にそこに自分の力を注ぐと、プラズマソードは形状を変えて大型化し、グリッドナイト専用武器『グリッドナイトキャリバー』へと変化した。

 

「まさか君とこうなる日が来るなんて、思わなかったよ。」

『俺もだ。』

「しぶとく生きてたら何が起きるかわかんないね、お互い。」

『そうだな。生きてさえいれば……何が起きても不思議では無い。それが命だ。』

「怪獣の君に命のどうこうを言われるなんてね。ホント……君は失敗作だったよ。」

『あぁ。俺はお前の失敗作だ。』

「じゃあアンチ、失敗作なら失敗作なりの意地っての見せてよ。」

『わかった。』

 

グリッドナイトキャリバーを逆手に構え、フレムラーでは対応できない速度で走り回るグリッドナイト。

やがて彼は一瞬止まると、その一瞬でフレムラーを頭から一刀両断してしまった。

フレムラーはブリザラーの様にあっけなく消滅し、グリッドナイトは剣を降ろす。

だが、次の瞬間、彼は背中から何者かにエネルギー波の様な物を浴びせられた。

振り向くと、そこにはグリッドナイトの怪獣態である『臥薪嘗胆怪獣アンチ』とそっくりな怪獣……『忍者怪獣シノビラー』がいた。

 

 

『ご覧くださいカーンデジファー様!!この者は、このシノビラーが倒してご覧に入れましょう!』

「あの怪獣、喋って……!」

『俺と同じタイプの怪獣か……。だが!!』

 

 

グリッドナイトの目が光る。

すると彼の右手に新しく出現したプライマルアクセプターから、3つのアシストウエポン……『バスターボラー』『スカイヴィッタ-』『バトルトラクトマックス』が出現。

元々グリッドナイトにはグリッドマンをコピーする能力があった。

グリッドマンとの戦闘データを解放する事で、コピーしたアシストウエポンの力を実体化させたのだ。

そして彼はアカネと共に、3つのアシストウエポンとグリッドナイトキャリバーと合体を果たす。

 

 

『「超合体騎士!!フルパワーグリッドナイト!!!」』

 

 

頭部の構造上、ヘルメットは装着できず、フルパワーグリッドマン時にある胸部のパーツが無い事以外はフルパワーグリッドマンと同等の姿になったグリッドナイト。

彼はシノビラーを掴んで空中に放り投げると、両手で握ったグリッドナイトキャリバーを高く掲げる。

 

 

『フルパワーチャージ!!』

 

 

そして落ちてきたシノビラーに、アカネと共に強烈な必殺技を放った。

 

 

『「ナイト!!フルパワー……フィニーーーーーーーッシュ!!!!」』

 

 

 

『カーンデジファー様ぁああああああああああ!!!!!』

 

グリッドナイトの前にあっけなく散ったシノビラー。

フルパワーグリッドナイトはグリッドナイトキャリバーを再び逆手に持ち変えると、キンググリッドマンシグマと共にサンダーグリッドマンの下へ向かった。

 

 

お互いの腕を掴みあい、取っ組み合いを始めるカーンデジファーとサンダーグリッドマン。

二人の力はほぼ互角……だが、わずかにサンダーグリッドマンの方が強い。

サンダーグリッドマンはカーンデジファーを持ち上げると、そこに強烈なパンチを叩き込む。

倒れたカーンデジファーに、サンダーグリッドマンは拳を突きつける。

 

『サンダーァァァ………グリッドォォォォ………ビーム!!』

 

必殺のサンダーグリッドビームが命中し、カーンデジファーは雄叫びを上げる。

勝負をつける為、サンダーグリッドマンは走りだし、キックを放つが、カーンデジファーは間一髪でそれを躱した。

そこへ、キンググリッドマンシグマとフルパワーグリッドナイトが駆けつける。

 

 

『もう勝負はついている、カーンデジファー!!』

『おのれグリッドマン……またしても邪魔を……!!』

「もう諦めるんだカーンデジファー。お前じゃ僕達には勝てない。」

『………フッハッハ……武史、この愚か者め……!!ワシは、不滅なのだ!!』

 

 

勝利を確信した彼らは、一瞬油断をした。

 

カーンデジファーの投げたデジファーソードに、誰も対応できなかった。

その剣はサンダーグリッドマンを貫き、サンダーグリッドマンはその場に倒れる。

カーンデジファーは剣を引き抜くと、その先端に刺さっていたグリッドマンライドウォッチを手に取った。

 

 

『グリッドマン!!』

「直人!!しっかりしろ!!」

『フハハハハハ!!!!見るがいい武史!!そしてグリッドマンよ!!これがワシの究極の姿だ!!』

 

 

 

『グリッドマン!アーマータイム!!【BABY DAN DAN!】グリッドマーン!!』

 

 

 

ライドウォッチを起動すると、カーンデジファーの身体がアナザーグリッドマンと融合した様な姿に変わって行く。

全体像はグリッドナイトの様に代わり、頭部はカーンデジファーをアナザーライダー風に歪ませた形状に変形。

 

 

カーンデジファーとアナザーライダーの力が完全に融合した、『カーンナイト』だ。

 

 

 

『全ての生命に、安らかな死を!!』

 

 

そう叫び、カーンナイトは片手を振るう。

するとサンダーグリッドマン達に無数の雷が落ち、キンググリッドマンシグマもフルパワーグリッドナイトもその場に膝をつく。

 

『ぐっ………ま、まずい……このままでは……!直人とのアクセスフラッシュを維持できない……!!』

「くそっ!!俺達じゃカーンデジファーには勝てないのかよ!!」

 

ライドウォッチを奪われてしまった今、グリッドマンとしての使命を終えている直人とのアクセスフラッシュはそう長くは続けられない。

この世界の人間である直人との合体が解ければ、グリッドマンと裕太はこの世界で活動する事は出来ない。

 

 

『やめろぉぉおお!!!』

 

 

立ち上がったフルパワーグリッドナイトがカーンナイトに体当たりしてきた。

だがカーンナイトは多少ふらつきを見せるが、すぐにフルパワーグリッドナイトの頭を掴み、地面に叩きつける。

 

 

『新条アカネ、お前には感謝しているぞ。お前の情動のおかげで、アレクシス・ケリヴはワシを蘇らせるほどの力を得ることが出来た。どうだ?このワシと組めば、お前の望む世界を与えてやっても良いのだぞ?』

「そんな物……いらない。」

『何故だ?』

「どんな世界でも、そこにいる人達を自分の都合で勝手に動かしていいわけがない!」

『残念だったな……新条アカネは、お前が操れるほど簡単なヤツではない。』

『そうか。ならば死ぬがよい!!』

 

 

フルパワーグリッドナイトを掴み、キンググリッドマンシグマにぶつけるカーンナイト。

今にもアクセスフラッシュが解けそうなサンダーグリッドマン。

絶体絶命だ。

 

 

 

「グリッドマン達がやられるわ!」

「ジオウ!!」

「………大丈夫。ゲイツ、ウォズ、さっき話した通りだ。行こう。」

「やれやれ……その決断力と判断力、我が魔王ながら恐れ入るよ。」

 

『『『ターイム、マジーン!!』』』

 

 

 

 

 

 

ツツジ台

 

ジャンク越しにグリッドマンを見守る内海と六花。

グリッドマンもグリッドナイト……裕太とアカネがなすすべなく一方的にやられている。

あまりの惨状に、六花は目をそらしてしまう。

 

「もう駄目……見てられない!」

「目を逸らしちゃダメだ!……俺達はグリッドマン同盟なんだ………たとえ何も出来なくても、裕太たちの事をちゃんと見てやらなきゃダメなんだ!」

「でも……響くん……アカネ……。」

 

 

『ぐっ………六花………内海………!』

 

 

その時、ジャンクから裕太の声が聞こえた。

思わずジャンクに身を乗り出す二人。

裕太の声に、耳を研ぎ澄ます。

 

 

 

『皆の力が必要だ……!俺と、直人さんと、グリッドマンに……もう一度、力を……!!』

 

 

 

カッ!と、ジャンクから激しい光が放たれた。

あまりに眩しさに目を瞑る二人……そして、次に目を開けた瞬間、二人の左腕に金色の機械が巻き付いていた。

 

プライマルアクセプターだった。

 

 

「アクセプター!?俺と六花に!?」

「響くんが呼んでる……私達を……。」

「……どうする、六花?」

「……行くよ、私は。怖いけど、響くんの力になりたい。内海くんももちろん行くでしょ。」

「当然!それに合体は、最近のウルトラシリーズじゃ定石だしな!」

「フフッ、何それ。気持ちワルッ!」

「気持ちワルかねーでしょ!」

 

 

その頃、現実世界で戦うサンダーグリッドマンの中にいる裕太にも変化が訪れていた。

彼の左手のアクセプターが砕け散り、中からかつて彼が使っていたプライマルアクセプターが出現。

それを見ながら、直人は裕太の肩を叩く。

 

 

 

「裕太。昔、俺達は全員一丸となって戦っていた。だからカーンデジファーに勝てたんだ。今度はお前の番だ。戦う勇気があれば、誰もが皆ヒーローになれる。行け、裕太!」

 

 

 

サンダーグリッドマンの中で、左腕を上げる裕太。

ジャンクの前で、左腕を上げる内海と六花。

3人は同じタイミングで叫ぶ。

あの言葉を。

 

 

 

「「「アクセス!!フラーーーッシュ!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

現実世界

 

『これで最後だ……死ぬがいい!!グリッドマン!!!』

 

カーンナイトがデジファーソード二本を合体させ、サンダーグリッドマンに突き立てる。

そしてそれをサンダーグリッドマンに思いっきり振りかざした。

だが、

 

 

『なに!?』

 

 

『感じる……!内海と六花の力を……!感じる、新たな力の目覚めを……!』

 

サンダーグリッドマンはデジファーソードを片手で掴み、それをへし折った。

彼はそのままゆっくりと立ち上がり、目を光らせる。

 

次の瞬間、サンダーグリッドマンを覆うアシストウエポンが全てはじけ飛んだ。

 

中からは生身になったグリッドマンが現れるが、その姿はカーンナイトの知る電光超人の姿では無い。

今の自分……いや、グリッドナイトと同じ強化アーマーに身を包み、左腕のグラン・アクセプターは、プライマルアクセプターへと変化していた。

この姿は以前、本来の力を出せないグリッドマンが取っていた仮の姿と同じ。

しかし、グリッドマン同盟にとってはこちらの姿こそが自分達の知るグリッドマンであり、26年の年月を経て生まれ変わった、新たなグリッドマンの姿。

 

 

『SSSS.GRIDMAN』

 

 

それが、この姿のグリッドマンの、新しい名前だ。

 

 

 

『うぉおおおおおおお!!!!』

 

 

グリッドマンはカーンナイトの顎をアッパーで殴り上げ、彼を空中へと飛ばす。

そして軽やかな動きでビルからビルへと飛び移り、空中から超電撃キックをカーンナイトへと放った。

地面に叩きつけられたカーンナイトは立ち上がり、アナザーグリッドマンソードを手に取る。

 

 

『どこにこれほどの力を……!?』

『お前は知らないだろう!!本当に信頼できる友達を持つ素晴らしさを!!コレは私の友が与えてくれた力!私と共に戦ってくれた直人、私に戦う力をくれた一平、私に優しさをくれたゆか、私と使命を共にした裕太、私と友情を育んでくれた内海、私を信じて見守ってくれた六花……彼等だけでは無い!グリッドマンを信じる人々がいる限り、私は何度でも立ち上がる!!それこそが、ハイパーエージェント『グリッドマン』だ!!!』

 

 

 

アナザーグリッドソードすらも素手で折り、グリッドマンは飛び上がる。

プライマルアクセプターを掲げると、フルパワーグリッドナイトとキンググリッドマンシグマの身体が輝き、二人はプライマルアクセプターの中に吸い込まれ、グリッドマンと一体化していく。

 

 

 

『今こそ全員の力、合わせる時だ!!!』

 

 

 

グリッドマンが叫ぶと、上空にゲートが出現し、そこから無数のアシストウエポンが出現する。

 

ダイナファイター、キングジェット、バトルトラクトマックス、バスターボラー、スカイヴィッター、そしてグリッドマンキャリバー。

 

ダイナファイターはキングジェットと合体し、超大型飛行メカ『ドラゴンフォートレス』に。

残りの4つのアシストウエポンはグリッドマンの全身に合体し、『フルパワーグリッドマン』に。

更にドラゴンフォートレスにフルパワーグリッドマンが騎乗し、上空へと舞い上がった。

 

 

 

 

『『『究極合体超人!!アルティメットグリッドマン!!!』』』

 

 

 

 

全アシストウエポン、全電光超人、そしてグリッドマン同盟の4人と武史、直人と合体を遂げた最強形態『究極合体超人アルティメットグリッドマン』

天高く舞い上がると、ドラゴンフォートレスの全銃口が開き、アルティメットグリッドマンの両肩のドリルと大砲が前を向く。

そして両拳を重ね合せ、そこに全てのエネルギーを集中させると、最強の一撃をカーンナイトへと放った。

 

 

 

 

『『『アルティメットォォォォ……グリッドォォォォォォォ………ビィィィィィィィム!!!!』』』

 

 

 

 

『馬鹿な……こ、こんなはずでは………ヌアァアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』

 

 

 

巨大な爆発と共に、消えて行くカーンナイト。

だが、その爆発は周囲の建物を破壊せず、爆発に巻き込まれた街を修復し始めた。

 

コレはグリッドマンの修復の力『フィクサービーム』の能力だが、アルティメットグリッドマンはその力をグリッドビームに乗せて放つ事が出来た。

破壊された街は一瞬で元の姿を取り戻し、地面に着地したアルティメットグリッドマンからアシストウエポンが外れ、元の姿のグリッドマン、グリッドマンシグマ、グリッドナイトに分離した。

 

 

『やりました!!グリッドマンが再び、私達人類を魔王の魔の手から救ってくれたのです!!』

 

 

アナウンサーがラジオで人類に、グリッドマンの勝利を伝える。

ついに魔王カーンデジファーを倒した………グリッドマン達は勝利を喜び、3人の電光超人は拳を合せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦1993年

 

「早く来いよゆか!置いてっちまうぞー!行こうぜ一平!」

「おう直人!」

「待ちなさいよー!バカ直人ー!」

 

自転車でいつもの秘密基地に向かう3人の少年少女たち。

そんな彼らが過ぎ去った後の住宅街に、2メートル程の大きさのゲートが出現した。

そこから出て来た黒いマントの男は、その通りすがって行く少年たちに向けて右手を向ける。

 

 

 

 

「現在のグリッドマンを倒せないから、ライドウォッチの力で過去に戻って、まだ子供だった頃の翔直人を消す……か。」

 

 

『!!』

 

 

 

黒マントの男……消滅する寸前にライドウォッチの力で自分の一部を過去に飛ばしたカーンデジファーは、後ろから声を聞いた。

少年の頃の直人たちの姿が見えなくなると、カーンデジファーは後ろを振り返る。

そこにいたのは、3体のタイムマジーンと、それに乗ってこの時代にやって来た3人の男。

 

「成程な、まさかグリッドマンに一度倒された貴様が、こんな作戦に出るとはふつう思わない。」

 

 

「だけど、それは俺がすでに視た未来だ。」

 

 

そこにいたのは、常磐ソウゴ、明光院ゲイツ、ウォズの3人。

ソウゴは予め、カーンデジファーがグリッドマンに倒され、この時代に来る未来を視ていた。

だからこそ、グリッドマンを信じ、先手を打ってタイムマジーンでこの時代にやって来た。

 

『どこまでもワシの邪魔を………!!』

 

『グリッドマン!』

 

グリッドマンライドウォッチを起動し、カーンデジファーはアナザーグリッドマンに変身。

ソウゴ達もそれぞれドライバーを巻き、同じようにライドウォッチを起動する。

 

『『ジオウII!』』

 

『ゲイツリバイブ!疾風!!』

 

『ウォズ!!』

 

「行くよ、ゲイツ、ウォズ。」

「おう。」

「お供するよ、我が魔王。」

 

ソウゴはジオウIIライドウォッチを二つに割り、ジクウドライバーへ。

ゲイツはゲイツライドウォッチとリバイブライドウォッチの疾風をジクウドライバーへ。

ウォズはウォズミライドウォッチをビヨンドライバーへ装填。

 

『アクション!』

 

全員の待機音声が鳴り響き、後ろにはそれぞれの変身エフェクトが出現。

3人は同時に叫び、ソウゴとゲイツはジクウドライバーを回し、ウォズはビヨンドライバーを閉じた。

 

 

「「「変身!!」」」

 

 

『『ライダータイム!!仮面ライダー!!(ライダー!)ジオウ!(ジオウ!!)ジオーウ!!II!!!』』

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!!リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!リバイブ疾風!疾風!!』

 

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!!』

 

 

ソウゴは仮面ライダージオウIIへ、ゲイツは仮面ライダーゲイツリバイブ疾風へ、ウォズは仮面ライダーウォズへ変身。

全員で武器を構えると、アナザーグリッドマンと戦闘開始。

まずはゲイツリバイブが猛スピードでアナザーグリッドマンとの距離を縮め、ジカンジャックローでアナザーグリッドマンの持つデジファーソードを抑え込む。

そこへウォズがジカンデスピアのカマモードで追い撃ちを掛けて行く。

 

 

『ワシは魔王カーンデジファーなのだ!!全ての物は、このワシの下にあるべきなのだ!!!』

「悪いな。魔王ならもう間に合っている。」

「その通り。我々の世界に君臨すべき魔王は、ただ一人で十分である。」

『何だと!?誰なのだそれは!!』

 

「俺だ!!!」

 

『ライダー斬り!!』

 

 

ジオウIIのサイキョーギレードの一撃が、アナザーグリッドマンを捉える。

吹き飛ばされたアナザーグリッドマンに、ジオウII達は更に叩き込んでいく。

 

『ジカンギレード!!』

 

『サイキョー!フィニッシュタイム!!』

『フィニッシュタイム!リバーイブ!!』

『ビヨンドザタイム!!』

 

 

ジカンギレードとサイキョーギレードを合体させ、サイキョージカンギレードを作るジオウII。

彼よりも先に、ゲイツリバイブとウォズの二人のライダーキックがアナザーグリッドマンに炸裂。

 

 

『百烈!!タイムバースト!!』

『タイムエクスプロージョン!!』

 

 

二人の攻撃を、間一髪デジファーソードで防ぐアナザーグリッドマン。

だが、その次に待っているのは魔王の攻撃。

 

 

『ジオウサイキョー!!キング!!ギリギリスラッシュ!!』

 

 

「おりゃああああああ!!!!!」

 

 

『 ジ オ ウ サ イ キ ョ ー 』の文字を叩き込み、アナザーグリッドマンを切裂くジオウII。

しかし、アナザーグリッドマンはそれを躱す。

だが、それでいい。

これはすでに、彼が視た未来だ。

 

 

「ゲイツ!今だよ!」

「了解した!」

 

 

アナザーグリッドマンが攻撃をかわした先には、すでにゲイツリバイブがいた。

ゲイツリバイブはジカンジャックローをアナザーグリッドマンに突き刺すと、彼の中からグリッドマンライドウォッチを引き抜く。

当然アナザーグリッドマンは抵抗しようとするが、ウォズがジカンデスピアをアナザーグリッドマンの首元に当てて抵抗を許さない。

そして、ゲイツリバイブの投げ渡したグリッドマンライドウォッチを受け取ると、ジオウIIはそれを起動する。

 

『グリッドマン!』

 

ジオウIIライドウォッチを取り外し、ジオウライドウォッチをジクウドライバーへと装填。

更にグリッドマンライドウォッチを左側のスロットに差し込み、ジクウドライバーを一気に回す。

 

 

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!!アーマータイム!【BABY DAN DAN!】グリッドマーン!!』

 

 

 

音声が鳴り響き、ジオウにアーマーが装着される。

両肩にはアクセプターに似た装飾、胸部にはグリッドマンと同じくトライジャスターが装着。

グリッドマンに似た顔面のパーツには、目にも見える『グリッドマン』の文字が。

グリッドマンの力を得たジオウ……ウォズは手を広げ、その誕生を祝福する。

 

 

 

「祝え!ライダーだけでなく、あらゆるヒーローの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ グリッドマンアーマー!!魔王を騙る不届き者に、真の魔王が鉄槌を下す瞬間である!!」

 

 

 

グリッドマンアーマーを装着したジオウはジクウドライバーに装着された二つのライドウォッチのボタンを押す。

腰を落としてグリッドビームの体勢に入ると、グリッドマンと同じく腕を回す。

 

 

『フィニッシュタイム!グリッドマン!!』

 

 

「決めろジオウ!!」

「さぁ、我が魔王!」

「うん!!はぁぁぁぁ…………!!」

 

両肩のアクセプターに力が溜まる。

そしてアナザーグリッドマンに狙いを定めると、ジオウはグリッドビームのポーズを取り、そこからさらに両手を顔の前に持って来た。

 

 

『アクセス!!タイムブレーク!!』

 

 

 

「グリッドォォォォ…………目からビーーーーーーーーーーーム!!!!!」

 

 

 

『おのれ……おのれ仮面ライダー……おのれグリッドマアアアアアアアアアアアアアン!!!!!』

 

 

 

ジオウの顔から放たれた『グリッドマン』という文字の形状を取ったビームは、アナザーグリッドマンを完全にとらえた。

アナザーライダーを倒すには、元のライダーの力が必要。

すでにグリッドマン本人により本体自体を倒されていたカーンデジファーの一部であるアナザーグリッドマンは、ジオウの必殺技を受け、ついに爆散。

 

こうして、新条アカネの世界で生まれた宝多六花の悲しみの象徴であるアナザーグリッドマン……カーンデジファーは完全に消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ツツジ台

 

全ての戦いが終わり、グリッドマンと合体していた裕太、内海、六花の3人と、グリッドナイトと合体していたアカネは、六花の家のジャンクの前に戻って来ていた。

彼等の隣には電光超人の姿に戻ったグリッドマンと、人間態に戻ったアンチ、そしてソウゴも一緒にいた。

アカネのプライマルアクセプターと、ソウゴのディケイドライドウォッチの力を併用すれば現実世界に帰れるらしい。

 

 

『裕太、内海、六花、ジオウ、そして新条アカネとグリッドナイト。君達の協力に感謝する。』

「ったくよー……グリッドマン。次は俺に宿れっつったじゃんよー。でもまぁ、また会えてうれしかったぜ。」

「グリッドマン。本当に色々ありがとう。君がいなかったら、俺は大事な事を忘れたままだった……俺は、本当の友達を持つ大切さを、皆に教わった。本当にありがとう。それからソウゴも。」

「俺は何もしてないよ。勝てたのは、裕太たち皆のおかげじゃん。」

「グリッドマン。これでお前は俺に借りが出来た。いずれ返せ。」

『わかった。その時は、いくらでも相手になろう。』

「約束は守れ。それが礼儀だ。」

「ププ……グリッドマン、怪獣に礼儀教わってるし。」

『ぜ、善処しよう。』

 

 

アカネよりも一足先に、グリッドマンはこの地を経つ。

彼にはハイパーエージェントとしての次の任務がある。

名残惜しそうにしながらも、グリッドマンは出現したゲート……パサルートをくぐり、この世界を後にした。

 

グリッドマンの姿が見えなくなると、次はいよいよアカネとソウゴとの別れだ。

 

ソウゴに背中を押され、アカネは前は六花としか出来なかった別れの挨拶を、一人ずつにしていく。

まずは内海からだ。

 

 

「内海くん。内海くんとはもっと怪獣の話、したかったな……。」

「俺的には怪獣だけじゃなくて、もっとヒーローの話とかも出来ると嬉しなーって……ダメ?」

「アハハ、ヒーローかぁ。ヒーローってあんまり好きじゃ無かったんだけど、これからはちゃんと見てみようかな?内海くん、私と友達になってくれてありがとう。」

 

 

内海に挨拶をすると、次は裕太の方に。

 

 

「響くん。響くんとは……その、色々、あったね……。刺しちゃったりとか……。」

「全然気にして無いよ!って、今の俺が言うのも変だけど………。新条さん、俺が記憶喪失になって初めて学校行った時、弁当忘れた俺にパンくれたよね。あれ、ホントに嬉しかった!俺達は知ってるから、新条さんが本当は優しい人だって。だから、向こうの世界でも元気で。」

「………響くんさぁ、他の女の子にそんな事言っちゃダメだよ?そっちも元気でね、六花をよろしく。響くん、私と友達になってくれてありがとう。」

 

 

裕太の額を軽くつつくと、今度はアンチの方へ。

 

 

「アンチ。えっと………ちゃんとご飯食べてる?」

「問題無い。」

「そっか……あ、お風呂も入らないとダメだからね、臭いから!あとご飯食べたらちゃんと歯を磨いて、服もちゃんと着替えてよ!」

「わかった。」

「……君には色々酷い事しちゃったと思う。」

「気にするな。」

「君は少しは気にしようね。全く……そういう所が失敗作だって言ってんの!でも、失敗作も悪くないかもね。アンチ、私の所に生まれて来てくれてありがとう。」

 

 

最後にアンチの頭を乱暴に撫でるアカネ、最後は六花の方に。

しかし、六花はずっと顔をうつむかせたままアカネを見ようとはせず、体の前で手をもじもじさせていた。

 

 

「アカネ……その………私と違って神様じゃないし……だから、ホントはもう二度とアカネとは会っちゃいけないって言うか………あー、もう、何言ってんだろ私……とにかく!向こうでも……元気、でね……。ずっと、応援……して、してるから……だから……、」

「六花。」

 

 

ポンッと、裕太と内海が六花の両肩にそれぞれ手を置いた。

彼女はそれでハッとし、その時初めてアカネの顔を見れた。

アカネの顔は、前の別れの時と同じく泣いていたが、前の時とは違い笑顔だった。

そのアカネの顔を見る六花に、裕太が呟いた。

 

 

「自分の気持ちに嘘をつかなくてもいいんじゃないかな?きっと新条さんも、六花の本当の言葉を聞きたいはずだから。」

「あ………。」

 

 

そう言われ、六花の中が我慢していた物が一気に決壊した。

彼女は流れる涙を止める事が出来ず、思わずアカネに抱き着いた。

 

 

 

「アカネェ!!嫌だよ……離れたくないよ……!ずっと一緒にいてよ……!もう二度と会えないなんて嫌だよ……寂しいよ……!一緒に学校に行こうよ……放課後一緒に遊んで、来年は受験だから一緒に勉強して、皆で一緒に卒業して……大人になってもずっと仲の良い友達でいたい!アカネと一緒なら、絶対に楽しい!響くんも内海くんもなみこもはっすも皆一緒に……!!」

「六花。」

 

 

 

六花を抱き締め返すアカネ。

この時間がずっと続けばいい……お互いにそう思っただろう。

だが、そういうわけにはいかない。

アカネは六花の顔を見つめ、微笑んだ。

 

 

 

「六花、私と友達になってくれてありがとう。…………またね。」

「! うん……うん……!アカネ………またね……!」

 

 

 

力の抜けた六花を裕太に託し、アカネはジャンクに向かい合いプライマルアクセプターを構える。

その隣でソウゴもディケイドライドウォッチをジャンクにかざす。

 

「もういいの?」

「うん。伝えたい事は、もう伝えたから。」

「そっか。……あ、ちょっと待って。」

 

そう言うと、ソウゴはポケットからグリッドマンライドウォッチを取りだし、それを裕太に渡す。

裕太もソウゴからそれを受け取ると、しっかりと握りしめて自分の胸元に押し当てた。

 

 

「後はよろしくね、裕太。」

「うん。そっちも、新条さんをよろしく。ソウゴ。」

「……なんか、行ける気がする!」

 

 

やがて、ジャンクが光り、ソウゴとアカネは姿を消した。

その瞬間はあっという間で、まるで今までが全部夢だったんじゃないかという感覚に襲われたが、手に握るグリッドマンライドウォッチがそれが夢じゃ無い事を証明していた。

 

 

 

 

 

 

 

数日後……現実世界 桜が丘町

 

 

「美味い!!やっぱ直人さんの餃子は最高だなぁ……ねぇ皆!」

「あぁ!コレは本当に美味い!!……ってウォズ!!それは俺の餃子だ勝手に食うんじゃない!!」

「早い者勝ちだよゲイツくん。」

 

グリッドマンが去り、再び直人の餃子屋に足を運んだソウゴ達。

特に直人に用事があったわけではないが、ここの餃子の美味さは癖になる。

もはや週一で食べなければ落ち着かない。

騒ぐ男3人を呆れた眼で見ながら、ツクヨミが直人に尋ねた。

 

「そう言えば、藤堂さんはどうしたんですか?」

「武史はシグマと一緒に、次の仕事に行ったよ。この街での仕事はひと段落したんだと。ほい、野菜餃子お待ち。」

「ありがとうございます。うわぁ、美味しそう……いただきます!あら?なんだか新食感……!」

「わかる?それ、中にトマト入ってんの。新しい常連さんがトマト好きって言うから、試に作ってみたのよ。お、噂をすれば……へいらっしゃーい!!」

 

直人が入って来た客に大声であいさつした。

入って来たのは女子校生の3人組。

制服はこの辺では一番近い、ツツジ工業高校のモノだった。

 

 

「ねぇアカネ、ホントにお昼ここで食べんの?」

「大丈夫だよ。ここ、すっごく美味しいから!」

「へー、アカネがそう言うならそうなんだろうね。」

「私のおすすめはねぇ……あ、おじさーん!野菜餃子のトマト入り3人分くださーい!」

「はいよー!」

 

 

 

 

 

 

 

こうして、グリッドマンの力は響裕太に受け継がれ、グリッドマンを巡る常磐ソウゴの戦いは幕を閉じた。

 

新条アカネがどのような未来を歩むのかは、彼女次第。

 

そして、常磐ソウゴが次に出会うレジェンドは………『仮面ライダーアギト』、津上翔一。

 

更にツクヨミに隠された秘密が少しずつ紐解かれ………おや?どうやら皆さん、すでにご存じの様で。

 

これは失礼、この物語は皆さんにとってはすでに、『過去』の出来事……でしたね。

 

 

 

 

RIDER TIME 電光超人GRIDMAN

1993:ユメのUNION2018

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツツジ台高校 放課後

 

『平成最後のユートピア!『Arcadia』です!さて、本日の企画は~……、』

 

「お!それ『Arcadia』の新作動画じゃーん!まだ見て無かったんだよね~!」

「へー、問川たちも『Arcadia』好きなん?あたし断然ヤマトくん派~!」

「私今井ちゃーん!でもほら、うち中華料理屋じゃん?動画見てうるさくしてると怒られるんだよねー。」

 

スマホでYoutubeを見ながら、盛上がるなみこ、はっすとクラスメイトの問川。

そこへ偶然通りががかった裕太が3人に尋ねてきた。

 

「ねぇ、六花知らない?」

「六花?」

「今日店番あるとかで先帰ったよ。」

「そっか、ありがとう。」

 

六花が先に帰った事を知り、裕太は鞄を持って帰路につく。

今日は内海は風紀委員会の仕事で帰りは遅くなるそうだ。

学校を出て、しばらく歩いていると、アンチともう一人……見覚えのある少女が一緒にいるのが見えた。

二人は彼の探し人からスペシャルドッグを一つずつ貰っており、ペコリと頭を下げる。

 

「借りは返す。」

「だから良いって。」

「ダメだよ~、うちの家訓だよ~?」

 

むりやりお礼の約束をつけると、アンチと少女はその場から立ち去る。

裕太は自動販売機でお茶を買うと、それを持って六花の下へと駆け寄った。

 

「六花!」

「ん?あ、響くん。今帰り?」

「うん。あ、これどうぞ。」

「ありがと。私に何か用事?」

「えっとー……いや、ほらー、今世の中物騒だし、一人で帰るのは危ないから送ろうかな~って……。」

「アハハ、嘘下手すぎ。いいよ、一緒に帰ろ。」

「あ……はいっす。」

 

六花の隣を歩き、一緒に帰る裕太。

アカネとソウゴと別れてしばらく、六花は立ち直れなくて3日ほど学校に来れなかった。

数日前から登校してきた六花はまだ本調子では無かったが、なみことはっすという奇跡的に空気の読めない友人二人のお蔭で多少元気を取り戻した。

彼女が元気になるまでは自分達がちゃんと支えよう、内海とそう約束した。

それに、アカネからも六花を任されたし、何より裕太は六花の事が……、

 

 

「この街はさー。」

「え?」

 

 

突然、六花が口を開いた。

 

 

「この街は、どんどん変わって行ってるよね。新しい建物や新しい人がどんどん入って来て……ちょっと前まで、こんな事無かったんだよね。」

「そうだね。ちょっと前まで、この世界はこの街しか無かったんだし。」

「アカネも、向こうで変わろうと頑張ってるんだよね。………私も、変われるかな……新しい自分に。」

「!」

 

 

六花がそう言って、裕太は思わず拳を握った。

今なら、言いたい事が言える気がする。

意を決し、裕太は六花に向かって口を開く。

 

 

「か、変われるよ!少なくとも………俺と、六花の関係は………これから、いくらでも変えられる……!」

「響くん?」

「六花!俺………俺、ずっと……!」

 

 

裕太が自分の想いを言葉にしようとした瞬間、六花が左手の人差し指を裕太の口に当てた。

驚いて面を喰らう裕太、それを見て、六花は久しぶりに声を上げて笑った。

そして再び手を自分の後ろで組むと、裕太に言う。

 

 

 

 

 

「その先は、私が変わってから、もう一度聞かせてよ………裕太。」

 

 

 

 

「! 六花、今……俺の名前……!」

「ほらほら、早く帰りますよー。私店番あるんで、お先ー。」

「あ、ちょっ……待ってよ六花!!」

「~~♪」

 

自分がどれだけ変わっても、どれだけ強くなっても、たとえ電光超人になれても、六花には一生勝てない気がする。

上機嫌に『Believe』の鼻歌を歌う六花を見ながら、裕太は心底そう思った。

 

 

 

 

 



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