ダンジョンに出会いを求めて (リーシュ)
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第零章 僕の始まり
始まり


この度はこの小説を開いていただきありがとうございます。
作者のリーシュです。この作品は僕がちょこちょこ自己解釈して書いてますので、それ違うだろとか思われるかもしれませんが、気軽に読んでもらえると嬉しいです。


「ベル!!」

誰が呼んだのだろう、僕の名前を呼ぶ声がした。

「大丈夫か!?ベル!?」

また聞こえた、とても聞き覚えのある優しい声だ。

「な…に…?」

そう聞き返す。声の主は安心したようにこう話しかけてきた。

「ベル()が、ゴブリンに襲われていると聞き急いで駆けつけたんじゃよ」

ゴブリン?…思い出した…僕は森に遊びに行って…ゴブリンに…

そこで不意に思い出す。僕は友達と二人で遊びに行ったのだ。

「ねぇ…おじいちゃん、シンは?」

記憶が曖昧でよく思い出せない。

「シンはワシに教えにきてくれたんじゃよ…。ベルがシンにおじいちゃんを呼んできてくれと言わなければワシはベルが襲われてる事に気づかんかったじゃろう…本当によく生きててくれた…」

そういい、おじちゃんは僕を強く抱きしめてくれた。

「そっか…でもゴブリンはおじいちゃんが?」

そういうとおじいちゃんは少し黙り込んで

「いや、実はなベル、お前を見つけたときにはゴブリンどもはおらんかったんじゃ」

それを聞き疑問が出てくる。じゃあどうして僕は無傷で生きているんだろうと。

不思議な顔をしているとおじいちゃんがこう言ってきた

「ベルを見つけたときにな、ベルが肌身離さず持ってるそのお守りが光っておったのじゃ。まるでベルを守るかのようにな」

そう言われお守りに手を触れる。Tの形をした黒い金属でできているもので僕が生まれたときに両親から贈られたものらしい。

「兎にも角にもベルが無事で何よりじゃ、さぁ家に帰ろう」

そう言われおじちゃんにおんぶをされる。

「ありがとう、おじちゃん」

「何、これぐらい孫の為じゃ」

そんな事を言いながらお守りに触れ守ってくれた事に感謝をする。

そして僕はおじちゃんに頼む事にした。

「おじちゃん」

「なんじゃベルよ?」

「僕に、戦い方を教えて」

「それはどういう意味でじゃ?」

「今回はお守りが守ってくれたからよかったけど次もそうなるなんてわからない」

「………」

「だから、お願い。それに」

「それに?」

「僕は英雄になりたいんだ」

「……そうか」

そういうとおじいちゃんは黙ってしまった。ダメって言われるのかなって考えてると

「…わかった」

と答えてくれた

「…!ありがとう!おじいちゃん!」

こうしておじいちゃんに稽古をつけてもらう事になった。

「それもそうだけど、おじいちゃんお腹減ったね」

「今日はシチューじゃよベル」

「やったー!!」

そんな日常会話をして家路につく。

このとき僕の目の色が変わっていた事に僕とおじちゃんは気づかなかった。

緑がかったライムグリーンに。

 

 

 




この度はこの章を読んでいただきありがとうございます。
今回はベルがお守りに守られて、おじいちゃんに戦い方を教わる約束をしたシーンですね。お守りは一体何コ・フレームなんだ…。次はかなり場面が飛んでベルがオラリオについて神様と会うシーンを書こうと思います。


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別れと出会い

この小説を開いていただきありがとうございます。感想をくれた方、お気に入りに登録してくれた方々、ありがとうございます。引き継ぎのんびり書いていくのでよろしくお願いします。


僕がゴブリンに襲われてから8年の歳月が過ぎた。

 

その間は常におじいちゃんに鍛えてもらった。

 

生き残る術、モンスターの弱点、体の鍛え方から様々な事を教わった。

 

そしておじいちゃんの死。

 

最初の一週間はやる気も何も起きなかったけど、このままじゃ駄目だと思い、僕はおじいちゃんとの約束を思い出し、誕生日まで自分を鍛える事にした。

 

「よいかベル?オラリオに行ってもファミリアに入らなければダンジョンにはもぐれん。だから14歳になるまではしっかり体を鍛え、知識を蓄えるのじゃ。よいな?」

 

これがおじいちゃんとの約束。

 

そして今日、僕は14歳の誕生日を迎える。

 

「バックパックに、食料、水、お金に、お守り、あと剣と…着替えもあるね、よし!準備万端!」

 

そして僕は14年間住んだ家を出る。 

 

「いってきます。おじいちゃん」

 

おじいちゃんのお墓参りをしてから、馬車の乗合場に向かう。

 

「すみません、オラリオに行く馬車はどれですか?」

 

そう聞くと

 

「おう、オラリオならあの馬車だ…ってベルじゃねえか!オラリオに行くってこたぁ今日が14の誕生日か?」

 

村で馬車の停留所を管理してるおじさんにあった。

 

「はい!なのでみなさんに時間のあるときにまた戻ってくるのと、おじいちゃんのお墓参りをお願いします。」

 

「おう、任せとけ!あとなんだ、気をつけて行ってこいよ?特にシンなんかお前についてくって聞かなかったんだからな」

 

「あはは…」

 

実は他にも色々あった。友達のシンは実は男の子じゃなく女の子だったのだ。

 

昨日、明日オラリオに行くと話した時は私も行く!と言われ泣きつかれるほどに仲良くなっていた。

 

「じゃあそろそろ出発みたいなので、またいつか」

 

「おう、じゃあまたなベル」

 

話を終え馬車に乗り込む。

 

僕の住む村からオラリオまでは約2週間かかる。

 

「その間にも鍛錬は欠かさずしなきゃ」

 

そう思いながら馬車が動き出すのを待った。

 

馬車に乗り1週間経った頃、ある森の近くで一晩休みをとる事になった。

 

僕はこの日まだ鍛錬ができていなかった為、森の奥に行き鍛錬をしようと思っていた。

 

森を奥に向かって歩いている時、水の音が聞こえた。

 

鍛錬をした後はかなり汗をかくのでついでに水浴びをしていけばいいかと思い、水の音が聞こえる方に歩いて行った。

 

そして、月明かりの照らす綺麗な湖に出たのだった。

 

「…綺麗な湖だなぁ…」

 

そう思い感慨ふけっていると、水の跳ねる音が聞こえた。

 

急いで音がした方を向くとそこに白がいた。

 

純白の毛に額に伸びる一角、馬のような体だがそれとは違うと感じた。

 

急いで構えをとるが、その一角獣はこちらをじっと見つめるだけだった。

 

不思議に感じた僕は構えを解く、すると一角獣がこちらに歩み寄ってきた。

 

そして一角獣は僕の数歩前で静止した。

 

まるで此方が歩み寄ってくるのを待つように。

 

僕は警戒を緩める事なくゆっくりと近づいた。

 

そしてゆっくりと右手をその一角獣の頭に触れた。

 

その瞬間体を何かが走り抜けた。僕はそれに驚き目をつぶってしまった。

すかさず目を開けるとその一角獣はいなくなっていた。

 

「なんだったんだろう、さっきの一角獣…」

 

僕は1人湖畔に立っていた。

 

「深く考えてもしょうがないか、鍛錬しよう」

 

気持ちを切り替え僕は鍛錬を始める。その時お守りが白く色が変わっていた事に僕は気がつかなかった。

 

 




今回もこの小説を読んでいただきありがとうございます。
ごめんなさい、今回は紐神さまと会うシーンを書く予定だったのですが…ベルくん強化したいンゴと思いどうすっかなぁーと考えていたら、謎の白い一角獣と遭遇するというシーンが頭の中に。一体何コーンなんだ…ちなみにベルくんのメイン装備は普通の片手剣です。あとは投げナイフも使ったりします。次回こそ紐神様と会うシーンを書きます。


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第一節 ベルとオラリオと神様と
紐神様


今回も読んでいただきありがとうございます。感想やお気に入り登録ありがとうございます!引き続きゆっくり書いていくのでよろしくお願いします。


ガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトゴトン

 

微睡む意識に聞こえていた馬車が移動する音が聞こえなくなる。

 

「…っん…ついたのかな?」

 

目を開き周りを見渡す。

 

大きな外壁はまるでお伽話に出てくるお城のようで大通りは城下町のようだ。

 

「ここが…オラリオ…」

 

あまりに予想よりかけ離れていてより僕は心踊った。

 

「ここから、僕の冒険が始まるんだ…」

 

そして僕はおじいちゃんに教わった事を思い返しまずギルドに向かう事にした。

 

「えっと確かギルドはバベルの近くって話だったけど…」

 

しばらくバベルに向かって歩いていたが予想以上に人が多い。今にも人に流されそうだ。

 

「おっとと…あぶないあぶない」

 

人にぶつからないよう気をつけながら道を進む。

 

暫くすると冒険者らしき人達が沢山見えてきた。

それと同様に冒険者が出入りする建物も見えてきた。

建物をよく見ると共通語でギルドと書いてあった。

 

「よしっ取り敢えずファミリアの所在地と地図を借りないとな」

 

ギルドに足を踏み入れると視線が僕に集まる。

 

(うっ…やっぱり僕ってそんなにひ弱そうに見えるのかな…)

 

そんな視線に耐えられなくなり僕はさっさとカウンターに向かう。

 

「すみません、ちょっとお聞きしたいんですけど…」

 

「はい、本日はどう言ったご用件でしょうか?」

 

「あの、実は冒険者になりたくて、今日オラリオに来たばかりなので、ファミリアの所在地と地図をお借りしたいんですが…」

 

「分かりました、では職員を変わりますのであちらの席でお待ち下さい」

 

「分かりました」

 

そう言われて指定された席に着く、しばらく待つとギルドの職員さんがこちらに歩いてくるのが見えた。

 

「はじめまして、今回ご用件を対応させていただくエイナ・チュールです。よろしくお願いします。」

 

そう挨拶をしてきた。

 

(綺麗な人だなぁ……)

 

そう惚けていると心配そうに声をかけられた。

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

「あっはい、すみません。僕はベル・クラネルです。今日はよろしくお願いします」

 

「では、こちらが地図とファミリアの所在地です。何日ほど地図をお借りになりますか?」

 

「えーっと、取り敢えず余裕を持って3日でいいですか?」

 

「はい、では3日で300ヴァリスになります」

 

「えっと…はい、これでお願いします」

 

「はい…では確かに」

 

「ありがとうございます、チュールさん」

 

「いえいえ、ではクラネルさん、3日後お待ちしております」

 

チュールさんから地図を借り僕はギルドを後にした。

 

そこからは最悪と言ってよかっただろう。

やっぱりと言うべきか僕の外見はぱっと見、ひ弱な少年にしか見えないようで、どのファミリアにいっても門前払いを喰らうか、ファミリアに入るためのお金を用意してこいなど様々だった。

そして30件目のファミリアに門前払いを喰らった、更に今日の宿をどうしようか考えて歩いていると道に迷ってしまった。

 

「どうしよう…しかもここ確か…ダイダロス通りだっけ?……何ここ、どれだけ複雑なんだろう…もう迷路だよ…」

 

途方に暮れて迷っていると

 

「大丈夫かい?君?」

 

そう声を掛けられた。振り向くとそこには女性しては大きき胸を持ちながらも、容姿は少女を思わせるような女性が立っていた。

 

あまりに可憐ながらも不思議な雰囲気を出す相手に僕は少し警戒をしたが、そんな事をしてる暇はない事を思い出し、正直に話す事にした。

 

「実は……」

 

しばらくして話終わるとその少女は

 

「なら、僕のファミリアに入らないかい?」

 

そう言ってきた。

 

「えっ?もしかして、神様だったんですか?」

 

「君もそんな風に思ってたんだね…」

 

「あぁっ!ごめんなさい!そういうつもりで言った訳じゃ!」

 

凹んでしまった神様をなんとか元気になってもらい話の内容を戻す。

 

ちなみに神様の名前はヘスティア様と言うらしい。

 

「すみません神様、それで、ファミリアに入らないかいって言うのは…」

 

「あぁ、ごめんね。実を言うと僕はまだ眷属がいないんだ、だからねベル君みたいな子が眷属になってくれたら嬉しいなぁって」

 

その話をしている時の神様はとても悲しそうだった。さらに僕にはこう言っている様にも聞こえた。

 

「僕を1人にしないでくれ…」

 

その言葉は卑怯だ。

そう思ってしまった。

僕も1人だ、唯一の肉親のおじいちゃんさえ死んでしまった。

だけど、こうも思えた。僕はこの神様と会う事が運命だったのかもしれないと。

だからだろう、僕はすんなりとこの言葉を紡いだ。

 

「はい、神様。僕を眷属に、家族にして下さい」

 

と。

 

それから僕と神様は、神様がお世話になっていると言う本屋さんで神の恩恵を刻む儀式をした。

神様はファミリアのホームでやりたかったと言っていたが僕はこれでも構わないと思った。

そしてステイタスを確認していた神様が変な声を上げた。

 

「どうしたんですか?神様?」

 

「あ、あぁ、ごめんよベルくん。恩恵をあげたばかりなのにベルくんはスキルを発現してたからびっくりして…」

 

「え?スキルですか?」

 

「うん、はいこれ」

 

 

 ベル・クラネル

 Lv. 1

 力: I 0

 耐久: I 0

 器用: I 0

 敏捷: I 0

 魔力: I 0

 NT : I

《魔法》

 

《スキル》

【NT-D】

・特定条件時強制発動

・全ステイタス上昇

・擬似ランクアップ

魂交代(ソウル・チェンジ)

・NT-D発動時強制発動

 

 

「なんですかこれ…」

 

「僕も初めて見るよ、こんなスキルは…」

 

僕自身も唖然としてしまった。NT-Dというスキルは発動条件詳しく書かれていない、しかもその下のスキル魂交代(ソウル・チェンジ)これはNT-Dが発動した時だけ強制的に発動するスキル。

関連のあるスキルだと言うのは分かるけど一体どんな事が起きるのか分からない。

どうしたものかと考えてるとお腹がなる音が聞こえた。

 

「お腹空きましたね」

 

「そうだね、もうそんな時間か」

 

「神様、ご飯食べに行きませんか?」

 

「おっ!いいねベルくん!」

 

「でも、僕今日オラリオに来たばっかりなのでいいお店教えて下さい」

 

「まっかせてくれたまえ!」

 

スキルの事は後でまた考えよう。それよりも今は、

 

「神様、これからよろしくお願いします」

 

「あぁ、僕こそよろしくな!ベルくん!」

 

この神様とご飯を楽しく食べに行こう。

 

 

 

 

 




この小説を読んでいただいてありがとうございます。実を言うと作者は、ダンまちの知識がアニメからしか得てないので、ベルくんがオラリオにきた時のお話を詳しく知らないのです…なので今回の話はかなりの難産でした…
さて、これでベルくんはヘスティアファミリアになった訳ですが、スキル、とんでもないものが発現してましたね。あとは発展アビリティにNTが…これからベルくんはどうなっていくんでしょうかね。
また近いうちに更新しますので、楽しみにゆっくりとお待ち下さい。


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ダンジョンへ

投稿が遅れ申し訳ありません、リーシュです。リアルの方が忙しくなかなかまとまった時間が取れず遅れてしまいました。感想やお気に入り登録してくれた方々、誤字指摘をしてくれた方ありがとうございます。これからもゆっくり頑張っていきます。


ファミリアに入って2日目、僕は借りた地図をギルドに返しに行った際、冒険者登録をした。

その時、僕の担当アドバイザーになったのが、地図を借りるときに対応してくれたエイナ・チュールさんだった。

 

「ではベル・クラネル氏、ダンジョンに潜る際の注意事項やモンスターの特徴、などみっちりお教えしますね」

 

「あの、一応それなりに知ってるのでもうダンジョンに潜りたいんですけど…」

 

「では、テストをしましょう。それで満点を取れたら今日からダンジョンに潜る事を許可しましょう」

 

「分かりました」

 

そんなこんなでテストをする事になり、チュールさんにペンとテスト用紙を渡された。

 

「では、試験時間は1時間としますので、終わり次第声をかけてください」

 

「あ、はい。わかりました」

 

そして、テスト用紙を見ると

 

「……ん?」

 

あまりにも簡単な内容ばかりであった

 

「……んんんん!?」

 

こんな内容では10分もかからないと思い、早速解答を用紙に書き始める。

そして、見直しを含め15分だった頃に僕は声をかけることにした。 

 

「あのー、チュールさん終わりました」

 

「えっ!?もうですか?」

 

「はい、見直しもして空欄もないので、採点お願いします」

 

「わ、わかりました」

 

そう言うとチュールさんは引きつった笑顔をしながら採点をし始めた。

 

5分後採点が終わったらしく、驚いた様な顔でこちらに話しかけてきた。

 

「クラネル氏凄いですね、満点です」

 

そう言われて内心少しホッとする、簡単と分かっていても少し緊張してしまうものだ。

 

「いえ、それもこれも祖父が僕にみっちり教えてくれたからですよ」

 

「そうなんですね、クラネル氏の祖父様は素晴らしいお方なのですね」

 

「はい、とてもいい祖父でした…あ、あと僕の呼び方なんですけど、クラネル氏っていうのはちょっとこそばゆいんで、名前の方で読んでもらえたら…」

 

「あ、それでしたら私のこともエイナと呼んでもらっていいですか?」

「分かりましたエイナさん、よろしくお願いします」

 

「はい、こちらそよろしくお願いします、ベルくん」

 

「はい!」

 

それからエイナさんと今日は第1階層までしか潜らないと決め、大まかなギルドの機能などを聞き僕はダンジョンに向かった。

 

そして僕はダンジョンのに足を踏み入れた。

 

 

 

「ここがダンジョン第1階層…」

 

流石に入り口近くだからか、あたりを回すがモンスターが見当たらない

 

「少し歩き回るかな」

 

そう呟き警戒しつつ歩き始める、しばらくするとルームと言われる少し

広い場所に出た、そこにコボルトが1体いた

 

「コボルトか、よし…」

 

僕は剣を抜かず腰に付けているバックパックからナイフを取り出し、構えた。

腕を引き絞りコボルトの頭に向けてナイフを投擲する。

すると吸い込まれる様にコボルトの頭に直撃し、そのままコボルトは灰になってしまった。

 

「え?」

 

弱い、そう思ってしまった。

外のコボルトはナイフを投げた時点で音に気付くか頭に当たっても数十秒は生きているのだが…

 

「即死って…」

 

ダンジョンのモンスターの方が地上いにるモンスターより強いと聞いていたのだがこれでは何とも言えないと思ってしまった。

 

「次のモンスターを探すか…」

 

次は剣で倒してみようと思い、ナイフと魔石を回収してルームを後にした。

「ん?これって…」

 

しばらく歩いていると2階層に降りる階段を見つけた。

 

「この先に行きたいけど、エイナさんと約束したからマッピングだけして反対側の通路を行ってみるか…」

 

素早くバックパックから1階層をマッピングしていた紙を出し書き足していく。

書き足し終わり、奥の通路に進むとゴブリンが3体いた。

 

「ゴブリンか…奥にいる一体は剣でいいとして、手前の二体はナイフでいいか」

 

そう呟きナイフを構えて投擲する、ナイフは手前の2匹の頭に命中し灰になる。そして奥のゴブリンに抜剣し近づき袈裟斬りにする。

 

「ふっ!」

 

「グギャア!!」

 

そう短い断末魔を挙げて灰になった。

 

「うん、やっぱり手応えがないなぁ…」

 

少し物足りなさを感じながら投げたナイフと魔石を回収する。

 

「あれ?魔石2個しか…あっ、さっき魔石ごと切っちゃったか…ん?」 

 

よく見るとゴブリンの角が落ちていた

 

「これ、ドロップアイテムか、稼ぎが減ったかと思ったけどそこまでじゃないか」

 

気を取り直しさらに探索を続ける為に進んでいくが

 

「モンスターに遭遇しない…もう今日は上がるか…」

 

1階層だけという約束もあるので今日はここまでにして切り上げることにした。

 

 

 

 

ギルドに戻るとエイナさんがこちらに声をかけてきた

 

「ベルくん、お帰りどうだった?」

 

「ただいまです、いやぁモンスターと戦ったんですけど手応えがなさ過ぎて…明日からは2階層に潜りたいと思ってるんですけど…」

 

「手応えがなかったって…ちなみに今日は何体モンスターを倒したのか教えてくれる?」

 

「えっと、あんまりモンスターに遭遇しなかったんでコボルト1匹とゴブリンが3体ですね」

 

「初日に4体かぁ、まあ1階層だし、それだけ遭遇すれば良い方だね、でも初日に4体も凄いね」

 

「そうでもないですよ、オラリオに来る前は村でモンスターを狩ってたんでちょっと物足りないぐらいです」

 

「へ、へぇーちなみに今までどんなモンスターを狩ったか教えてもらえる?」

 

「えーと、一番大きいモンスターならオークでしたね。と言っても年に1〜3体見かけるか見かけないかだったんでそうでもないですよ?」

 

「それでも恩恵なしでオークを狩れるってベルくんどれだけ凄いの…」

 

「いやぁ、おじいちゃんに鍛えてもらいましたから」

 

「へ、へぇー」

 

そんな話をしながら、明日から2階層探索の許可を貰いつつ換金所に向かう。

 

「お願いします」

 

袋から出したのはゴブリンの魔石2個とコボルトの魔石1個、ゴブリンの角1本

 

「はいよ、全部で4350ヴァリスな」

 

「ありがとうございます」

 

「初日に4350ヴァリスって、ベルくんすごいね」

 

「ドロップアイテムがあったからですよ」

 

4350ヴァリス、それなりの額になったと思い晩ご飯のメニューを考えながら、エイナさんに別れを告げ帰路に着く。

 

「えーと卵が25ヴァリス、肉が60ヴァリス、じゃが丸くんが4つで120ヴァリス、パンが50ヴァリス…うん、こんなものかな」

 

今日は卵と肉を焼いてパンに乗せて食べる事にした、じゃが丸くんはそのままで美味しいので副菜になると思いプレーン味を買った。

 

「神様待ってるだろうなぁ」

 

そう呟き今朝教えてもらったホームへ急ぐ、5分ほど走るとホームが見えてきた。

ホームの中に入り声をかける。

 

「神様、ただいま戻りました」

 

「おっかえり!ベルくん!」

 

そう言いながら神様は突撃してきた、だか僕の手には今晩の食事の材料がある為片手で神様を受け止める。

 

「神様危ないですから、ちょっと待ってください!」

 

「あぁ、済まないねベルくん、あまりにも帰ってくるのが遅いから心配してたんだよ」

 

「ダンジョンの帰りに今日の晩ご飯の材料を買ってたんで遅くなったんですよ」

 

「え?ベルくん料理できるのかい?」

 

「えぇ、まあ人並みですけど」

 

そう言い家を出る際にバックに入れて持ってきた料理道具と調味料を出していく

 

「ほぇーなかなかにいろんな種類があるんだね」

 

「えぇ、でもこれでもまだ少ない方なんですよ?」

 

そう話しつつ卵を火にかけたフライパンの上に落としていく、その後少し水を加えて蓋をして1分待つ、その間に買った肉とパンを切り分け、切り分けた肉はフライパンに乗せ、塩胡椒を振りかけ焼く。

パンは軽く焼き、表面にマヨネーズと粒マスタードを混ぜたソースを塗り、焼けた目玉焼きを乗せる。

焼いた肉とじゃが丸くんを皿に乗せて完成。

 

「おぉーベルくん美味しそうだね!」

 

「ありがとうございます。取り敢えず食べましょう」

 

「そうだね!いただきます!」

 

「いただきます」

 

こうして細やかながら僕たちは晩ご飯を平らげて行った。

 

「美味しかったぜベルくん!」

 

「それは良かったです。それじゃあステイタス更新お願いします神様」

 

「わかったよ、ベルくん。じゃあベットにうつ伏せになってくれ」

 

そう言われベットにうつ伏せになる。

それから神様がステイタスの更新をしていく。

かれこれ2分近く経ったところで声をかけられた

 

「終わったよ、ベルくん」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

ベル・クラネル

 Lv. 1

 力: I 0 → I 68

 耐久: I 0 → I 0

 器用: I 0 → I 68

 敏捷: I 0 → I 30

 魔力: I 0 → I 0

 NT : I

《魔法》

 

《スキル》

【NT-D】

・特定条件時強制発動

・全ステイタス上昇

・擬似ランクアップ

魂交代(ソウル・チェンジ)

・NT-D発動時強制発動

 

 

「力と器用が結構上がりましたね、敏捷はそこそこで」

 

「だけど耐久が上がってないね」

 

「攻撃もらってないですから」

 

そんな話をしながら僕は明日のダンジョン探索に想いを馳せていた。




今回も読んでいただきありがとうございます。今回は初めてダンジョン探索をする所を書きました。とはいえ、あまり戦闘シーンもないのでそこまでダンジョン探索してるとはいえないですね。前書きにもあるように最近日常生活の方が忙しくあまり時間を取れなくなっていますが、それでも時間がある時に書いていきますのでよろしくお願いします。


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冒険者2日目

投稿がかなり遅くなりました…申し訳ないです…

お気に入り登録ありがとうございます…

これからも頑張ります…

※指摘いただいた誤字を修正しました。


冒険者になって2日目。僕は第2層にきていた。

 

「うーん、確かに1階層よりモンスターは多いけどそれでもたった5体かぁ…」

 

やっぱりというか案の定というか第2層も手応えがなかった。

 

「やっぱり下の階層にいかないと強くなれなさそうだなぁ…」

 

第2層のマッピングが終わり、第3層への階段に戻ってくる。

正直11階層ぐらいまで降りても問題なさそうと思ってはいるのだが、エイナさんにきつく注意されている為、手応えを確認しながら徐々に階層を下げる事にしている。

 

「取り敢えず今日は4階層への階段までにしておくかな」

 

今日の目標を設定し、3階層への階段を下る。

3階層に降りると早速、コボルトが5体ほどルームにいるのが見えた。

バックパックから筒を取り出し、コボルト達の中に投げ込む。

筒の落ちた後に反応してコボルト達が振り向き、光と爆音を直に浴びる。怯んだのを確認し、剣を抜き流れるようにコボルト達を倒していく。

 

「ふぅ…念の為使ったけど…いらなかったなぁ…」

 

投げたのは閃光筒。

おじいちゃんに教わった生き残る術のうちの一つで、特殊に配合した火薬と小さい火の魔石を組み合わせる事によって、光と爆音で相手を怯ませることのできる道具だ。

 

魔石を回収し、マッピングを始める。ちなみにこのマッピングだが、これはエイナさんに問題なくソロで探索できるという信頼をもってもらう為にしている。

その後はゴブリンを2体、追加でコボルトを3体倒して計10体で今日の探索を終わる事にした。

 

 

ギルドに足を運んで換金所に向かっているときエイナさんから声をかけられた。

 

「ベルくん、今日の探索上がり?」

 

「はい、ちょうど換金に寄ろうとしてた所です。あ、それと、3階層までのマッピング終わりましたよ。明日は4階層のマッピングをしてきますね」

 

そう話し1階層から3階層までのマッピングした紙を渡す。

 

「……うそ、本当にできてる……」

 

「だから、言ったじゃないですか。村にいた頃はモンスターを狩ってたって。正直11階層にいるオークとか、ハード・アーマードとかと戦いたいんですけど…」

 

「流石にそれは許可できないよ。冒険者なりたての人がパーティも組まずに11階層にソロで降りるなんて」

 

実際昨日なったばかりではあるから文句は言えないのだが。

 

「ですよね…」

 

そう凹んでいると

 

「だけどこの分なら6階層までなら許可できるかな」

 

と、言ってもらえた。

 

「え?本当ですか?」

 

正直許されるとは思っていなかったので予想以上に嬉しくなってしまった。

 

「うん、けど危なくなったら速攻で退却する事!いいね?」

 

「はい!」

 

元気よく返事をしている僕をみてエイナさんは仕方ないなぁ、という顔をしていた。

 

それから換金所で魔石を換金をしてもらい、今回の稼ぎは4200ヴァリスとなった。

 

「10体でこれだけかぁ…」

 

正直かなりしょっぱい。

 

10体倒してこの程度の額だといつになったらまともにホームを構えられるのだろうか。

 

現在のホームは廃教会の地下なのだ。文句を言うつもりではないのだがあのままだと冬が来た際、凍え死んでしまいそうだ。

 

それに神様は今は普通の人間と何も変わらない状態なので風邪もひくし、熱も出す。それだけで死んでしまう可能性だってある。

 

なので性急にまともなホームを構える必要がある。

 

「神様としっかり話さなきゃなぁ…」

 

考え事をしていたせいか、曲がり角から出てきた人に気づかなく、ぶつかってしまった。

 

「あっ…ごめんなさい、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、大丈夫だ。そちらの君も大丈夫か?」

 

仮面を被った男の人だった、髪は僕と同じで白髪、身長は僕より30センチほど高い人だ。謝るため頭を下げた際にその人の物であろうポーションが地面で割れているのに気づく。

 

「すみません、ぶつかった拍子に割らせてしまったみたいで、弁償させて下さい」

 

「あぁ、売り物の一つがダメになってしまったか。…弁償はしようとは考えなくていい、それよりきみは冒険者かね?」

 

その人はポーションが割れたのをしょうがないと言う顔をしてそう話を続けてきた

 

「えぇ、そうです。と言っても2日前になったばかりですけど」

 

「そうか、私はモンターク商会のモンタークという。主にポーションや日用品、その他もろもろなどを取り扱っている。なので今後のアイテムを揃える際に贔屓にしてもらえれば……」

 

そうモンタークさんは僕に言ってきた。

 

正直な話、ポーションや日用品を買う際色んなお店を回らなければならない為、1箇所のお店で色んなものをまとめて買う事ができるのはかなりありがたい。

 

「分かりました、ぜひ行かせてもらいますね。それと、僕の名前はベル・クラネルです。よろしくお願いします」

 

そう答える事にした。

 

「では、クラネルくんと呼ばせてもらおう」

 

それからお店の品揃えの話やお店の場所などを聞き少し歩いたところでモンタークさんと別れた。

 

「明日、モンタークさんのお店に行ってポーションとかの値段を確認しよう」

 

明日の予定を考えながら僕は帰路に着くのだった。

 

 

 

 

 

「やっと会えたな、ベル・クラネル…さて、君のこれからの成長が楽しみだ…」

 

 

 

ベル・クラネル

 Lv. 1

 力: I 68 → I 98

 耐久: I 0 → I 12

 器用: I 68 → I 88

 敏捷: I 30 → I 67

 魔力: I 0 → I 0

 NT : I

《魔法》

 

《スキル》

【NT-D】

・特定条件時強制発動

・全ステイタス上昇

・擬似ランクアップ

魂交代(ソウル・チェンジ)

・NT-D発動時強制発動




今回も読んでいただきありがとうございます。

モンタークさん一体誰なんだ…

次回もお楽しみに


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モンターク商会とダンジョン

ついにやってきましたモンターク商会。

店員さんの名前を要確認です。

では本編をどうぞ…


「こんにちわー」

 

今日は昨日知り合ったモンタークさんのお店に買い物に来ている。

 

「「いらっしゃいませ」」

 

声をした方を見ると女性の店員さんがレジにいて、もう一人の声は商品を並べている男性の店員さんだった。エプロンをしていてネームタグがついており、女性の方はジュリエッタさん、男性の方はガエリオさんというらしい。

 

「すみません、昨日モンタークさんと約束して来たんですけど、いらっしゃいますか?」

 

そう聞くとガエリオさんが

 

「マク…店長は今裏にいますから、呼んできますね」

 

そう言ってジュリエッタさんに声をかけていた。ジュリエッタさんが裏口へ声をかけてしばらくすると、モンタークさんが出てきた。

 

「モンタークさん、昨日ぶりです」

 

「やぁ、よく来てくれたクラネルくん。さて今日は何をお買い求めかな?」

 

「はい、実はクロスボウの矢がほしくて…」

 

「クロスボウの矢か…確かそれならガエリオ、3番の棚の上から2段目にないか?」

 

「あぁ、ちょっと待て…あったぞほら、マク「私はモンタークだ」…すまん、店長」

 

ガエリオさんとモンタークさんのやり取りを聞きながら予算の確認をしていた。予算は昨日と一昨日の稼ぎを合わせて8295ヴァリス、へそくりを合わせればもう少しあるが、それはもしもの時に使いたい。

 

「それで、何本ほど御所望かな?」

 

「えーと取り敢えず50本ほどお願いします。ちなみにいくらぐらいですか?」

 

「我がモンターク商会は10本セットで1200ヴァリスで売っている、ちなみにオラリオでの平均額は1500ヴァリスといったところだ。5セットで6000ヴァリスと言いたいところだが、クラネルくん君は一昨日に冒険者になったばかりと言っていたね、なら3割引の4200ヴァリスでいいよ」

 

「え、そんな悪いですよ!昨日だって売り物のポーションを割ってしまいましたし、定価の6000ヴァリスでいいですよ!」

 

「クラネルくん、これは私見なんだが君は相当戦い慣れているね?だからこれは私からの先行投資と思ってくれていい。だか、君もそれでは納得しないだろう。ではこうしよう、君は我々が出すクエストを受ける、その際のドロップアイテムを一つ売るこれでどうだろうか?」

 

「それだとモンタークさん達のメリットが無いじゃないですか」

 

そう話しているとガエリオさんが

 

「そうでもないぞ、クラネルくん」

 

「え?」

 

「そうだな?店長」

 

「あぁ、こちらがクエストを出す際はクラネルくん、君を指名するんだ。その際要求量より、多めに取ってきてもらう。多めに取ってきてもらった分はギルドではなく直にこちらに持ってきてもらう。それを我々が買い取り、我々が売る。そうする事でその差額が我々の利益となる」

 

「???」

 

「まぁ、わからなくても無理はないさ、取り敢えずギブアンドテイクの関係だという事を覚えてもらえればいい」

 

「は、はぁ…」

 

「まぁ、これからよろしくなクラネルくん、贔屓にしてくれよ?」

 

そうガエリオさんに声をかけられる

 

「あ、はい。ガエリオさん」

 

そう答えると不思議そうに

 

「あれ?俺名前教えたっけ?」

 

と聞いてきた。(いや、ネームプレートあるでしょうに…)

 

「ネームプレートに名前がありましたから」

 

「あっ、そっか。すっかりわすれてたや」

 

そんなやり取りを見てジュリエッタさんは

 

「ガエリオ、あなたって人は…」

 

と、残念そうにガエリオさんを見ていた。

その後4200ヴァリスでミニクロスボウの矢を買い、皆さんに見送られて僕はダンジョンに向かった。

 

 

〜                     〜

 

 

「ふっ!」

 

現在は4階層でゴブリンと戦っている。

昨日と一昨日はまともに戦わなかったので試しに剣だけで戦っている。

 

「グギャア!」

 

ゴブリンの右腕を断ち切り、その際ゴブリンの左腕の攻撃を左手で防ぐ

 

(軽いなぁ…)

 

そう思いながら左手を掴み上に投げる。

 

「グギィ!?」

 

ゴブリンの驚愕する顔がゆっくりと重力に従って落ちてくる。

僕はその間に剣を構え直しタイミングを待つ。

 

「ふぅ〜……………………っシ!」

 

ゴブリンが落ちて地面に当たる前に剣で2度斬る。

結果落ちてきたのはゴブリンの魔石だけだった。

 

「ゴブリン軽かったなぁ…」

 

そう呟きながら魔石をひろう。因みにマッピングももう終わっている。

しばらくしているとダンジョンの壁からゴブリンが産まれてきた。その数6体。左手の籠手につけていたミニクロスボウをゴブリン達に撃ち込む。

 

瞬く間にゴブリン達の頭に直撃し、ゴブリン達は一言も声を発する事なく魔石になっていった。

 

「クロスボウでも一撃かぁ…」

 

このミニクロスボウは僕が山に住んでいた頃に作った物である。

ちなみにミニクロスボウの弦は、通常のクロスボウの矢を撃っても大丈夫な様に作ってある。

 

モンスターを相手にするなら剣でいいのだが、猪や鹿などを狩る際に弓矢を使う必要があった。

 

だが、それだと取り回しが効きづらいためおじいちゃんに教えてもらった知識の中から作り出した。

 

威力は通常の弓矢の3倍、クロスボウの1.2倍の威力があり、大抵の猪や鹿は頭に打ち込むだけで矢が貫通する。因みに連射も10連射までなら可能の優れものだったりする。

 

これを使って村のみんなに見せて使った時は度肝を抜いてしまった。シンはあからさまに褒めてくれたけど…。

 

そんな事を考えて探索をしていると、6階層に到着していた。

 

「ここが6階層…ウォーシャドウが出てくるのか…」

 

ウォーシャドウは冒険者の間では7階層の『キラーアント』と並んで『新米殺し』と呼ばれているらしい。

 

「新米殺しねぇ…それって5階層までの戦闘に慣れきった人たちが油断してそうなってるんだろうなぁ…」

 

そう呟きながらマッピングを始める。しばらくするとその新米殺しの1体、ウォーシャドウが3体いるのを見つけた。

 

「本当に影みたいなんだ…一応剣とかで倒せるってエイナさんは言ってたけど…念の為にアレをするか…」

 

抜刀をし集中する。剣を包むように魔力を纏わせる。そして剣に薄く光が宿ったところで一気に振り抜く。

 

「…よし…」

 

これは昔おじいちゃんに色々教えてもらっていた頃、魔法を覚えたから魔力が使えるようになるというのに疑問を抱き、魔法を覚えてなくても魔力自体は使おうと思えば使えるのではないか?

 

と思い実験を繰り返した結果、完成した技である。

『マジック・エンチャント』そのままの意味で魔力を剣に纏わせるだけである。

属性は無いためただ魔力が剣に纏わりついているだけである。

だが、剣に纏わせているため剣だけでは斬れない物、岩や炎など斬る事ができるようになる。

 

マジック・エンチャントをした剣を構え、ウォーシャドウと対峙する。

 

「ふっ!」

 

思いっきり踏み込み、ウォーシャドウの死角に飛び込み頭を斬り飛ばす。

いきなり仲間が消えた事に戸惑っていた残りのウォーシャドウだが、こちらを見つけるとすぐ様攻撃を仕掛けてきた。

 

「ウォーシャドウの厄介な攻撃は伸びる鉤爪、けどそれすら斬られたら君たちはどう反撃してくるのかな?」

 

「キィヤァァ!!」

 

そう言いながらウォーシャドウの鉤爪を斬りながら懐に飛び込む。

 

「はっ!」

 

右足の付け根と思われる場所から左肩まで一気に振り抜く。

断末魔を挙げる暇もなく2体目のウォーシャドウも灰と魔石になっていく。

3体目のウォーシャドウは僕が剣を振り抜いた瞬間を狙って鉤爪を伸ばしてきた。

それを確認した僕は右手の籠手で受け流す。ウォーシャドウの鉤爪はダンジョンの壁に刺さり抜けなくなっているようだ。

 

「はぁぁ!」

 

鉤爪が抜けずに苦戦してる間に僕は懐に飛び込み、2体目と同じく剣を振り抜いた。

 

 

 

〜                     〜

 

 

 

「12000ヴァリス…うん、結構稼げたかな」

 

バックパックがドロップアイテムをと魔石がいっぱいになり、僕は探索を切り上げて戻ってきた。

 

「あ、ベルくん」

 

今日の稼ぎを確認しているとエイナさんに声をかけられた。

 

「こんにちは、エイナさん」

 

「今日は何階層まで行ったの?」

 

「はい、6階層まで行っていきました」

 

「え?てことはマッピングも…?」

 

「はい、終わってますよ」

 

そうしてエイナさんにマッピングした紙を渡す。

 

「はぁ…ベルくん君は本当に冒険者3日目なんだよね?」

 

「そうですよ?ていうかエイナさんが僕の担当アドバイザーじゃないですか」

 

「いやぁ…正直いうとベルくん、凄すぎるのよ。アビリティ評価はまだオールIなんでしょ?なのにウォーシャドウを余裕って…」

 

あからさまに疲れたような顔をするエイナさんに少し申し訳ない気がした。

 

「す、すみません」

 

「そう思うならパーティでも組んでくれると嬉しいんだけどね…」

 

「あ、あはは、ははは…」

 

すみません、ソロで

 

 

 

 

ベル・クラネル

 Lv. 1

 力: I 98→ H 125

 耐久: I 12→ I 33

 器用: I 88 → H104

 敏捷: I 67 → H109

 魔力: I 0 → I 47

 NT : I

《魔法》

 

《スキル》

【NT-D】

・特定条件時強制発動

・全ステイタス上昇

・擬似ランクアップ

魂交代(ソウル・チェンジ)

・NT-D発動時強制発動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます。

いやーガエリオとジュリエッタがモンターク商会の店員になってますね。

ちなみにベルくんは色々と道具を作れるようになってます。

次もゆっくりと書いていきますのでよろしくお願いします。


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