絶対サクラ戦線ゴールドソーサー (御朱印メグリ)
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第1話:ほないただきます。

僕の名前は、本多慶介。中学4年生だ。

 

絵に描くような平凡な中学生の僕だったが、その日常は突然変わった。…そう、異世界に飛ばされたのだ(な、なんだってー!?)。

 

_______

 

 

飛ばされた先は、神々に愛されているか最近怪しくなってきた『エオルゼア』の地。エオルゼアとは、鹿の角がついた「せ〇と君」のような坊主がいる世界だ。

つまり、ほぼ奈良県だと思ってもらえばいい。

 

 

拙者「どうしよう、まずはニックネームをつけるか」

 

 

熟考した結果、拙者の名前は「ユニクロ」とした。

命名理由はこの時点でもうご存じだと思うが、やはり万能なヒートテックがあるのがデカい。ただ、最近ちょっと高めの商品も多く、田舎は混んでる店があるのはネックだ。

 

つまり、ネックネームだ。

 

_______

 

そして、なんだかんだで物語は終盤となった。

 

しかし、突如大事件が起きる。

優勝者が最下位の人の外見・種族を無理やり指定して変化させる、命がけのコンテンツが実装されたのだ。

 

コンテンツの名前は、

 

【麻雀対決!絶対サクラ戦線ゴールドソーサー】(バーン!)

 

 

そう、対決する内容は麻雀なのだ。

ちなみにゴールドソーサーとは、現金に換金ができないカジノのようなものだ。要は田舎のスーパーの2階のダイソーの横にあるメダルゲームコーナーのことである。

 

___________

 

 

拙者「絶コンテンツか…まずは麻雀に慣れなければ。」

 

 

案外これが難しい。

麻雀(マージャン、繁体字: 麻將、簡体字: 麻将、英語: Mahjong)とは、テーブルゲームの一種である。牌を使い、原則として4人で行われる。中国を起源とし、世界中で親しまれている(wikipedia)。

 

ルールを簡単に言うと、牌の絵合わせみたいなものだ。2.3.3.3、3で合わせれば良かろうなのだ。

 

 

拙者「ドンジャラやな…余裕やで」

 

___________

 

拙者は(NPC相手に)鍛えに鍛えた。

タバコの吸い型が転がる地下の体育会系の部室でやるイメージだった麻雀は存外楽しく、深夜2時ごろまで熱中した(実話)。

 

そして一か月経つ頃には、初段になっていたんや。最初は9級からやからこれはえらい進歩やで。

 

 

拙者「あいつはララフェル…あいつもララフェル…ふふ…」

 

 

この時にはターゲットは決めていた。共に戦場を駆け、苦楽を共にし、

「うまほしい^^」

「右って誰から見て右ですか?」

「戦士よりDPSが低い 」

と真剣に言い合った仲間たちだが、もはやそんなことは関係ない。人は生ある命を最大限全うすることが大事なのだ。

 

 

拙者は、早速友人の4人に誘いをかけた。

 

 

しかしこの後、壮絶な運命の歯車に翻弄されることになろうとは、この時には思いもしなかったユニクロであった…。

 




5ビューくらいついたら続き書きます。


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第2話:奈落に堕ちる者

拙者は今、おやきが食べたい。

おやきは小麦粉の皮にあんこや野沢菜などを包んで食べる、長野県の郷土料理だ。昔から長野周辺では、冬に備えて米の代用食として受け継がれていた。

ちなみに拙者は長野とは縁もゆかりもない。

 

 

さて、大会待ち合わせのチョコボスクウェアに来た。ここはいつも閑散としており、待ち合わせにぴったりなのだ。

 

 

拙者「うーん、まだ誰も来ていないでござるな」

 

 

そうそう、4人招集と言ったが、1人来れなくなった。

名を「ブノシ・ホンダ」と言う。

 

自慢の愛車・ガレリアで向かっている途中、車なのになぜか立ち乗りが原因で事故に逢ったらしい。立ち乗りはララフェルだから仕方ないのだが。

 

加えて、視界の悪いガーロンド・ディフェンダーヘルム(バケツ)を被っていたとの証言もある。

 

 

_______

 

???「おーい!」

 

在りし日のブノシを偲んでいると、他の3人が来た。

 

アウラ♀「ゴメンゴメン、待った?」

 

ロスガル♂「途中でケルベロス先生に絡まれちゃってさぁ」

 

ヒューラン♂「まじキチーッスよ!!雑魚がやばいんスよ!!」

 

 

______

 

順に紹介しよう。

 

 

■アウラ♀は『OK・グーグル』。

 

ジョブは学者。料理が得意だが仕事は大嫌い。口癖は「お世話になっております。お時間過ぎての依頼で大変お世話になっております」。

二つ名は【Apple使いのOK】。

 

■ロスガル♂は『ファイナル・ガンダム・則夫』。

 

ジョブは赤魔道士。温厚だが、いつも脱いでいる。そのギャップが初対面の人を、あっ(ヤバい)と言わせる。口癖は「スネリン」。

二つ名は【則夫100%】。

 

■拙者と同じ種族、ヒューラン♂は『アハール・アハール』。

 

ジョブは機工士。ヴァナ・ディールも走破した猛者。

 

口癖は、「例えば『3+3=6』という数式がある。今回のケガで3に何を足したら6になるのか? それが3であるということがはっきり分かった」。

二つ名は【永遠の髪型探し・アハール】。

 

 

ちなみに拙者の二つ名は、【品質と安さのユニクロ】だ。できれば品質の前に、「高」を入れてほしかったが、語感を優先した。

 

_______

 

 

則夫「早速やろうぜ!!」

 

アハール「お、この台空いてるっス!!」

 

OK「オラさっさと席につけや!」

 

 

ちなみに3人ともリアルで麻雀をしたことがあるらしく、腕に覚えがあるらしい。だが、拙者も今や(NPC相手に)鍛えに鍛えた剛腕となっている。負けないだろう。

 

 

拙者「(もらったな…)よろしくお願いいたします」(マクロ)

則夫「よろしくお願いします」(マクロ)

アハール「よろしくお願いします」(マクロ)

OK「よろしくお願いします」(マクロ)

 

______________

 

我々は席に着いた。

眼前には、柚葉色を思わせる濃く暗い緑色のフィールドが広がる。鮮やかなフェルト地ではない。高級なラシャだ。それは拙者の不安な心象を暗示するような色にも見える。

そして、理路整然と並べれた牛骨製の牌。色とりどりのデザインとは対照的に、イーピンがアーリマンの目のように不気味に映る。

 

 

拙者「(チッ、緊張してるのか・・ええい、ままよ!)右上隅コモク!!!」

 

 

かくして、戦いの舞台は切って落とされた。

 



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第3話:前半戦

※麻雀が分からない人用に分かりやすい用語を使っています※


今日(11月29日)はいい肉の日だ。

 

さて、対局が始まった。対局は全4Rだ。1ラウンドにつき4局行われる。

 

また、勝利条件は前述の通り牌の絵を合わせた者が勝利となる。

 

皆点数を持っており、勝者が敗者の点数を奪う。

 

点数は絵合わせの種類次第で決まり、4ラウンド終わった時点で一番点数が高い人が勝者だ。

 

さきほどトイレに立ったOKちゃんと則夫が戻ってきた。席に着いた瞬間、牌が自動で配られる。

 

拙者「ふむふむ…悪くない形だ。」

 

則夫「圧制だな…」

 

アハール「さぁ、やるっスよ!!!最初は俺からっス!」

一番最初に行動する「親」も自動で決まるシステムだ。

 

_____________

 

<ラウンド1>

 

アハール「うおおおおおおお!」(パシーン)

 

【西】の牌を出した。威勢の割には普通だ。

 

OKちゃん「次は私ね」(パシッ)

 

これまた【西】。字が入っている牌は少なく、揃えづらいので不人気なのだ。

 

淡々と試合は進む。序盤から不気味だ。心なしか皆緊張しているようだ。

それはそうだ。負けたら手塩にかけて選んだキャラクターを種族ごと変えられるのだから。

 

_____________

 

あっという間にR1は終わった。勝者は…アハールだ!

 

アハール「次も勝つっス!勢いがあるときは勢いに乗るッス!!これが…俺の物語だ!!!(っス)」

 

《♪フォンフォン…♪》R1が終わって休憩中、則夫のリンクシェルが鳴った。リンクシェルとは、いわばらくらくフォンみたいなものだ。

 

OKちゃん「誰からー?」

 

則夫「ブノシだった。もう会場に着いたって。場所は教えたからもうここにくるかも」

 

アハール「それは良かったっス!!てか周りよく見ると結構人多いスね。麻雀人気やべーーっスよ!!!」

 

少ししてブノシが到着した。大きなけがはなさそうだ。

 

拙者「では第2ラウンドにうつるでござるよ!」

 

OKちゃん「次は勝つわよー!」

 

 

ちなみに拙者は鳴きまくったが負けた。ていうか、鳴きすぎて詰んだのだ。

 

___________

 

<ラウンド2>

 

順番は、前の戦いの勝者からだ。

 

アハール「うおおおおおおお!」(パシーン)

 

【西】の牌を出した。威勢の割には普通だ。

 

 

―ラウンド2の半分が終わった。ここまでは則夫の優勢だ。しかも、点数が高い。

 

アハール「ラウンド1で勝った点数分すでに奪われたっス…」アハール、どんまい。

 

そして、あっけなくR2が終わった。制したのは、則夫だ。

 

OKちゃん「たまたまね…。次は取り戻すわ」

 

則夫「圧制!!!一番いい遊び方をしてるぜ!!!」

 

拙者「なんでや…原因がわからへんで…安いのはいいことやから、品質か?」鳴きすぎたせいである。

 

ちなみに拙者はすでにピンチだ。点数がない。

 

今の順位はこうだ。

 

則夫100%>アハール>OKちゃん>僕

 

アハール「則夫に運が向いてきたっスか…」

 

則夫「基本的にその質問に対しては、はいとお答えします。」

 

アハール「アスラ鯖にはホモが多いのでしょうか?」

 

則夫「基本的にその質問に対しては、はいとお答えします。」

 

 

だがしかし、ここからまさかの意表を突く展開になるとは、誰も気づいてはいなかったのである。

 



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第4話:神の見えざる手

<ラウンド3>

 

則夫「圧制!!!!!」(どんがらがっしゃん)

 

R3が始まった。各々5回くらい回っただろうか。

 

ブノシは後方で目まぐるしく動き、みんなの牌を見ている(バケツかぶっているから見えてるかは分からないが)。

 

その時。

 

則夫「リ――――チ!!!!」

 

ラグビー日本代表ではない。アガリ一歩前の宣言だ。

リーチすると、後は絵がそろう牌が出た時点で勝利だ。則夫の次は拙者の出番だ。

 

拙者「あっれれ~おかしいぞ~?」

 

自分の多くの牌が、赤く点滅している。これはゲーム機能で危険信号を示す兆候だ。

 

仮に則夫が絵が揃う牌を拙者が捨ててしまうと、それを取って則夫は勝利となる。危険信号は、揃う可能性が高い牌が赤く示される、いわばあがりを防ぐお助け機能なのだ。

※ちなみに卓に捨てられた牌から危険度を予測判定しているためこの機能は必ずしも正確ではない

 

拙者「うーーん、一応捨てて安全そうなのもあるけど、でもこれ揃えたいし、邪魔な赤い牌を捨てるやで」

 

_____________

 

・・・

 

・・・

 

セーフだ。則夫はリーチのままだ。

 

しかし。

 

拙者が捨てた瞬間、則夫の表情があからさまに曇った。

 

拙者「(そんな表情に出さなくてもw)」

 

アハールとOKちゃんも巧みにかわし、一周してまた拙者に回ってきた。

 

拙者「肉を切らせて骨を断つやで!!」

 

また危険な牌を捨てた。

 

・・・

 

・・・

 

セーフだ。

 

_____________

 

拙者「おん?」

 

拙者は見逃さなかった。

 

則夫の表情は、残念というよりも「不思議だ」といった表情をしている。

 

その後も、拙者はリスクを承知で、危険な牌をどんどん卓に捨てていった。しかし、則夫はリーチのままあがれない。

 

拙者「(なぜ危険な牌を出しても無事なんや? たまたまか? OKちゃんとアハールが持っている牌が欲しいのか? スクエニの機能がダメなのか? FF16いつ?)」

 

 

その後も、則夫はあがれない。卓上の牌は少なくなっていく。

 

_____________

 

 

拙者「まさか…」

 

一つの考えが脳裏に浮かんだ。

 

いや、ありえない。でもこのアイデアは、則夫が勝ち続ける理由とも整合性がとれる。

 

「考え」を確かめるため、拙者はある人物の動きを注意深く観察することにした。

 

 

その後、勝利者が出ぬまま、勝負は引き分けとなった。

_____

 

 

拙者「ちょっとトイレに行くでござるよ」

 

拙者はトイレに向かい、個室で頭を整理した。

 

拙者「(本当にそうでしょうか?…いや!)あるわけ!ある!!!」

 

 

 

則夫が勝ちつづけた理由。それは、一言でいうと「ブノシの壁役」だ。

 

 

つまり、則夫とブノシが組み、他の対戦者の後ろに立って手牌の中身を見たうえで、サインで則夫に教えていたのだ。

特に今日は人が多く、とても賑やかで動きを悟られづらい。

 

拙者「ブノシの到着の連絡が来たのは、則夫宛だった。そして頭のバケツ…これで目の動きを読み取られないようにしていたんだ。」

 

「このトリックは麻雀界では【壁役】というが…なるほど、ブノシはタンクだ。」

 

危険な牌を捨ててもセーフだったのは、拙者が安全な牌を捨てると先読みしたうえで、それを待っていたのだ。

 

そして、初心者の思考が一番読みやすいと、拙者がターゲットにされていたというわけだ。

 

 

この時点でこの勝負の『神の見えざる手』に気付いた。

 

ガレリアの事故もわざとだ。前々から二人で結託していたのだ。

 

きっと二人は見たかったのだろう、美しい拙者が醜い姿に変わる姿を!!ああ!!

 

だが、じっちゃんの名にかけて、真実はいつも一つだ。

 

_____

 

ただ、トリックが分かったところで、どう逆転できるか。

 

リスクがある牌を捨て続けるのもうまくいくとは思えない。拙者はどうすればよいか考えながら戻った。

 

拙者「ぁ痛っ!!」

 

考えごとをしていたためか、一つ手前の卓の角に当たって転んでしまった。

その卓で麻雀を打っていた人があわてて声をかける。

 

海・ウォーター「大丈夫ですか?」

 

ティコス・アピネ「ユニクロ、あなた疲れてるのよ」

 

拙者「すまんやで」

 

アハール「大丈夫っスか?やべー――っスよ!!」

 

拙者「大丈夫でごわす。…よし」

 

拙者「(勝負事は別発想・逆発想・異発想!これが大事なんざんすよ!)」

 

拙者は深呼吸しながら、勝負卓に着いた。

 

 



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第5話:絶対サクラ戦線ゴールドソーサー

《前回までのあらすじ》

 

大根は、多種多様な比喩をされる。根菜・白肌・役者・脚・お尻・サボテンダー…。

だが、やはり一番はおでんだ。おでんはおいしいのだ。

おでんはチ〇太の大好物だが、お〇松さんが流行ったのはもう3年ほど前だ。

どうでもいいけど、チ〇太って伏字にすると色々やべえな。

 

____________

 

 

後ろから牌を見られ、リスク牌を出さざるを得ず、かといってアガらないと負けになる…。卓に座った拙者を、則夫は不敵な笑みを浮かべて見つめる。

 

則夫「(今のトイレの間…あやつ、気づいたか。しかし気づいたところで勝つ術は無かろう…フハハ。圧制!!!)」

 

OKちゃん「うーん、則夫100%強いわね。皆!則夫を勝たせちゃだめよ!」

 

則夫「あ!ずるい!」

 

アハール「いいですともっス!」

 

OKちゃん「何言ってんの。この前の人生どん底ゲームでも1位だったでしょ!」

 

人生どん底ゲームとは、日本全国の小学生の作った泥団子を買いながらゴールを目指すゲームである。いかに買いたたくかがポイントで、小学生が泣きわめく様はまさに地獄のようだ。

 

OKちゃん「ちなみに私が勝ったら、髪色ピンクで顔を黒くした巨大なルガディン(女子)に変えさせるわよ♪」

 

アハール「ワーオ」

 

拙者「桜餅みたいな色でござる…」

 

OKちゃん「さぁ!!まだ勝負はこれから!正々堂々と勝負よ!」

 

この宣言で、(普通に反則だが)則夫を他の3人が囲むというバトルラインが形成された。

後年、この世界を巻き込んだ大戦は、桜餅の名を冠して『絶対サクラ戦線ゴールドソーサー』と呼ばれることになる。

 

___________

 

 

則夫「まあ、しかし、吾輩が負けることはない。100%だからな!」

 

OKちゃん「何言ってんの、もぐわよ」

 

再び順番が回る。拙者は危険牌を出しつつ機会をうかがった。

 

卓の残り牌は12個。もう残りがない。拙者が牌を取る。続けざまにブノシがサインを送る。

 

則夫「(卓状況から見るに、あいつは吾輩が求めている牌を捨てざるを得ない…!勝った!)」

 

その刹那!

 

拙者「リーチ!」則夫「え?」

 

そして、思考が整理できないまま…

 

拙者「これが!拙者の!!!勝負牌じゃああああ!!!ロン!」

 

____________

 

 

大逆転だ。点数も高く、一気に首位に躍り出た。3Rを制したのは拙者だ。

服を変え、常識を変え、世界を変えていく…ユニクロです!!!

 

則夫「な、なぜだ…計算違い?おかしい…揃うはずがないのに…」

 

拙者「ふっふっふ、甘いな!!」(ジャラジャラ)

 

則夫「何をしたのだ…ウゴゴゴ…」

 

拙者「フ、ちょっとした“工夫”をしたのさ」

 

則夫「な、なにぃいい」

 

拙者「それはまた次話で」

 

そして、ここから拙者の怒涛の快進撃が始まる、はずだったのだが…

 

【つづく】



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第6話:終局

…結論から言おう、大会を制したのは「OK・グーグル」だ。

 

その前にまずは拙者が制した3Rについて。

 

3Rは則夫の計算が狂った。いや、拙者が意図的に計算を狂わした。

 

仕組みはこうだ。

【元来そこにはない牌】を増やしたのだ。トイレからの戻り途中、隣の卓にわざとぶつかり、白牌を一つくすねた。海とアピネのあの卓だ。

 

そしてその牌をさりげなく自分の牌に混ぜたのだ。

 

「無いものがある。」

 

 

ここで則夫の計算は狂った。本来は4つしかない白牌が5に増えたのだから。

 

ちょっとかっこいいことを書いてるがめっちゃ違法である。

 

___________

 

だがしかし、うまく工夫したユニクロも次のラウンドにはその手段を使えなかった。

 

なぜなら、そもそも白牌がリーチしていないと使えないからだ。

鳴きのユニクロも異名も対人戦では勝てないのだ。

 

則夫も次のラウンドには平静さを取り戻したが、ズルをしているにも関わらず、OKグーグルには勝てなかった。

 

 

なぜか。

 

OKグーグルは、普通には見えない特殊な塗料を、マニキュアとして爪に塗っていた。このマニキュアは専用の眼鏡をかけることで発光が見える仕組みとなっている。

 

これを10指でそれぞれ色を分け、自分の手元に牌が来たところでひとつひとつ塗っていたのだ。

 

大会前にトイレに行っており、どうやらその時に塗ったらしい。この大会は男子が三人で女子は一人。ばれるはずもない。

 

そして、R4にきた時点でほぼすべての牌が発光していた。そう、OKグーグルの目には、牌の絵柄がまるで神のように手に取るようにわかったのだ(違法なのだが)。

 

ちなみに最下位はユニクロである。

___________

 

 

《After time- At.喫茶「あおざくら」》

 

拙者(桜餅)「うーん、でかいからタンク見やすいでござる!いいでござるー!」(実話)

 

喫茶オーナーのロッテが笑う。

 

ロッテ「ゆるりといい感じですね!」

 

則夫「なんかいろいろおかしくねえ?なんであんな展開になるのw」

 

ブノシ「それ俺らが言えないような…」

ブノシが小声で言う。

 

海・ウォーター「そういえばうちの卓、牌がどっか行ってみんな探してたw」

 

OKちゃん「まあまあ…終わりよければ全て良し。皆まだまだ青いわね」

 

アハール「青くてもいい!オトナぶって カッコつけてさ。言いたいことも言えないなんて絶対イヤだ!そんなんじゃ なにも変えられない!オレ・・・この青さはなくさない」

 

ティコス・アピネ「アハール、あなた疲れてるのよ」

 

fin.



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