ここは人間とポケットモンスター、ちぢめてポケモンが共存する世界。
この世界では、ポケモンと人間が共に生活しており、色々な付き合い方がある。ポケモンと築き上げてきた歴史には、協力して生活を楽しく過ごしてきた美しい時代や、共に外国と戦争をしてきた残酷な時代がある。
そして現在、ポケモンバトルという人間とポケモンが協力し競い合う、美しい在り方がうまれ、ヒト、ポケモン共に楽しく暮らしている。
ここカイド地方でまたポケモントレーナーとして、旅立とうとしている少年が1人。彼の名は、『ユウト』相棒のムウマと共に今、。
ユウトママ「ユウト〜!早く支度なさい〜!」
ユウト「わかってるよ!いまやってるよ!!」
僕の名前はユウト。先月で10歳になった。晴れてトレーナーとして旅に出ることができるのは10歳からで、ママとは誕生日を迎えた次の月から旅に出てもいいと5歳の時に約束していた。そして今日、僕は旅に出る。
ユウト「よし、。行ってきます、ヤカギリ様。」
ユウトママ「ヤカギリ様に挨拶はしたの?」
ここヤカギリタウンでは、ヤカギリ様っていう神様を祀っている。厳密にはポケモンらしいんだけど、僕は歴史には弱いからよくわかんないや。とりあえずうちにあるヤカギリ様の魂が入ってるとされてる木片にいつもなにか大きなことがあるたびに挨拶している。
ユウトママ「そうそう、今日から旅に出るユウトのためにって何か用意しているらしいから、4番道路に出る前に博士の所に行ってきなさい。気をつけて行くのよ。次の街に着いたら連絡ちょうだいね。」
ユウト「うん!じゃあ、行ってきます。」
僕はこの日のために買ってきた今カイド地方で大流行中のシューズ、ピカMAX95を履いて、玄関の扉を開け、外に出た。日差しが僕の目に入り込む。
まずは、家を出て3分程のところにあるポケモン研究所に寄った。
?「おお!ユウトくん!!今か今かとまってたよ。」
ユ「ベル博士!一体何のようです??」
ベル「今日は君の大事な1日。トレーナーとしては小さな一歩でも、君にとっては大きな一歩になるはず。そんな一歩を手助けするいい子をあげようと思ったんだ!まぁこの言葉はある有名な博士の受け売りだけどね。」
ユ「いい子って、、もしかして!」
ベル博士はカイドから遠い、イッシュ地方から来た人だ。どこか抜けているところを感じるし、博士と呼ぶにはとても若い人だけど、この若さでバトル、研究ともに申し分ないらしい。僕にとっては小さい頃から遊んでくれてた近所のお姉さんだからなんとも凄さを感じれないけど、尊敬するべき人らしいんだ。とても可愛らしくて、博士とはおもえないんだけどね。
ベル「はい。このボールにはあるポケモンのタマゴが入ってるわ。育て屋さんから身寄りがなく、一体なんのポケモンかわからないから研究にも丁度いいと思うから引き取ってって頼まれて。私はこのタマゴの外見からある程度の予想を立てているからなんのポケモンかはわかるけど、初めてトレーナーとして出会うポケモンだろうし、この子、タマゴから生まれるってことでトレーナーとしてはじめての一歩にはちょうどいいかなって思って。」
ユ「いいんですか!ありがとうございます!」
僕はボールからタマゴを出してみた。紺に緑の混ざった少し暗い色に所々赤紫の模様が入ったタマゴだ。
ベル「それと、モンスターボールと、これ!ポケモン図鑑!この図鑑があれば初めて見るポケモンでも既にわかっている情報を知ることができるよ。ほんとはこの図鑑を埋める手伝いをして欲しいんだけど、それは二の次でいいからね。そのタマゴの子とともに、旅を楽しむことを大事にしてください。」
ユ「何から何までありがとう!それじゃあ行ってきます!!」
そう言って僕はポケモン研究所を後にして、4番道路へと足を踏み入れた。
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file.1ヤカギリタウンのユウト▼
ユ「あ!あのポケモンは!」
僕の名前はユウト。僕の父さんみたいな立派なトレーナーになるために旅に出たばっかり。とりあえずは次の町、オズボンタウンに向かうために4番道路を歩いてる。その道中でポケモンを捕まえようと思うんだけど、僕の手持ちには今なんのポケモンが生まれてくるかわからないタマゴしかないんだ。タマゴは暖めると早く孵るらしいからボールから出して抱えて歩いてる。だから戦うことができないからなんとか戦わなくてもすんなりボールに入ってくれそうな子を探してるんだけど、丁度今見つけたんだ!
図鑑「ムックル。むくどりポケモン。たくさんの むれで こうどうする。 からだは ちいさいが はばたくちからは ひじょうに つよい。」
なるほど、。はばたいたらきっと捕まえることはできないから、、バレないように、、
ユ「((いまだ!!))」
ムックル「ムク?!ムックルルルル!!」
ボールを投げた瞬間、羽根で打ち返され、逃げられてしまった、。
ユ「むうぅ、。あ、あれは?」
図「デルビル。ダークポケモン。なかまだけで わかりあえる なきごえで おたがいの いちを たしかめながら えものをおいつめる。」
目の前の木陰ですやすやと寝ていたのはちょっとおっかなそうなデルビルだった。しかしよく見るとそのデルビルはただ寝ていたのではなく、背中からお腹にかけて三本の大きな爪で切りつけたようなキズがあった。この状況からユウトはこのデルビルは何かのポケモンに傷つけられ命からがら逃げてきて、木陰で力尽きてしまったんだ、と想像した。」
ユ「あ、あのままだとまずい!どうにか、とりあえずこのボールに入ってもらって、ポケモンセンターに!!!ごめんよタマゴ、とりあえずこのボールに。」
ユウトはタマゴをボールに戻した後すぐにデルビルに声をかけた。息はあるが反応がないために、とりあえずボールでゲットする形でボールに入れた。そして4番道路を一気に走りぬく。2〜30分走っただろうか、4番道路は結構短く、どちらかというと町から町への道ではなく、初心者が初めてポケモンを捕まえる場所であったことが不幸中の幸いであった。
ユ「ジョーイさん!このボールの中の子をお願いします!すごいケガをしているんです!」
ジョーイ「わかりました。とりあえず落ち着きましょう。天国に行ってしまっていない限り、私達に治せないポケモンのキズはありません。」
ジョーイにデルビルを預けて一時間。ジョーイがキズの治ったデルビルを連れてユウトに近づいてきた。
ユ「あぁ、よかった、お前元気になったんだな。」
ジ「その感じだと、この子はあなたの子じゃないみたいだけど、。一体どうしたの?」
ユウトはジョーイに事情を説明した。ジョーイ曰く、ボールに入れたのは懸命な判断だけども、ボールに入れた以上このデルビルのトレーナーはユウトになってしまったという。どうやらデルビルはボールに入れられる瞬間まで記憶が残っていたようで、デルビルはとてもユウトに懐いている。
ユ「このデルビルは僕が大切にします。痛々しい出会いだったけれども、きっとそれも大事な出会い。何よりこんなに懐かれちゃあ、このままバイバイなんていきませんしね。」
ジ「そうね、それがいいわ。そういえばキズにばその子のじゃない毛がついていたわ。この毛は、ザングースのものね。。やはりあの道路には、。」
ユ「その、ザングースが何かあるんですか?」
ジ「4番道路にはトレーナーに捨てられたザングースがいるの。それも酷いトレーナーでね、捨てるときに炎のポケモンでかえんほうしゃを使って追っ払う形で捨てたらしくて、そのザングースは背中に大きな火傷を残して今も4番道路に住み着いてて、。よほど捨てられた時の記憶が鮮明で、トラウマなのかわからないけど、トレーナーはもちろん、そのトレーナーが持っていたと思われるポケモンだけが攻撃されるの。そのザングースはこの町では『焼き怨の獣』なんて言われてて、。でもデルビルの場合は鼻がいいから自分の敵で、自分より強いポケモンとは接触しないように生活してて、接触したとしても群れで生活するはずだからこんなおおごとにはならないはずなんだけど、。」
ユ「なるほど、。すいません、色々なことしてもらっちゃって。ありがとうございました!」
話からユウトはある1つの答えを導き出した。このデルビルはなんらかの理由でその『焼き怨の獣』と戦わなくてはいけなかったのではなかっただろうか。ではその理由とは。デルビルの仲間が関係しているんじゃあないだろうか、。
ユ「出てこいデルビル。なぁデルビル。お前、ザングースにやられる時一匹じゃなかったろ。それか、ザングースに何か、仲間を傷つけられるようなひどいことされたんだろ。そうじゃないか?」
デルビル「…グルルルル」
デルビルは目に大粒の滴をつくった。答えたわけではないがその表情からユウトは悔しさと、悲しみと、怒りを感じとった。
ユ「…いこう。」
こんな感じでやらせていただきます。初心者ゆえまだまだ見づらいこともあると思いますので、なにとぞアドバイスや感想をお聞かせください。
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file.2 悲しみのスカータスク▼
ユウトとデルビルは4番道路へ戻り、木々の間を走り抜ける。デルビルの表情とても険しく、その表情をみるユウトの額には冷たい汗が流れる。
(デルビル…一体なにがそんなにもお前を焦らせるんだ)
デルビルの跡を追うようにユウトは走っていくと、だんだん人が足を踏み入れないような、背の高い草の生えた道へと入っていった。それからしばらく、ズボンが所々緑色になりながら進むと、突然ひらけた場所に出る。大体100メートル四方か、その真ん中に大きな木が一本生えていた。
「ガルルル…ワンッッ!ワンワンワンッッッ!!」
「どうしたんだデルビ…」
デルビルとてつもない勢いで鳴くので、声をかけようとするとその木から大きな影がズズンと音を鳴らしながら自分たちの目の前へ降りてきた。白い毛並みにカミナリ模様の赤い毛がまじって、鋭い目と耳と爪を奮い立たせた一匹のポケモン。こちらからはあまり見えないがどうやら背中には大きな火傷があるみたいだ、肩にもその火傷の先端がみえるほどに。そのポケモンの爪は血に塗れていた。その血の臭いはとてもケモノ臭く、どうやら鼻の良いデルビルにとっては一体何者の血なのかがわかっているようだった。そう、そのポケモンの影に隠れ見えづらいがきっとあれは、こいつの、
「お母さん、か…」
そのヘルガーはピクリとも動かなくなっており、腹の部分ががっぽりと大きな穴が開いており、肋骨が露出していた。しかし、そのポケモン、ザングースの爪と、ヘルガーの毛についた血は乾ききっている。こちらからはたしかによく判断はできないが、きっともう息はないだろう。そんな姿を見てしまっているデルビルにはかなりの精神的苦痛だろう。そう思ったユウトはデルビルの顔を覗くと意外なことに、そのデルビルの目は一切濡れていなかった。むしろその目は冷静で、落ち着いており、そのポケモンから全く目を離さず、とはいいつつも、その奥底では黒い炎が燃えていた。ドス黒い色をしているクセに、澄んでいる。きっとこのデルビルにはこいつを倒すことしか頭にないんだろう。しかし、至って冷静で、しっかり周りを見れている。その証拠に、ザングースがもし奇襲をかけてもいいよう自分の周りにはなにもない状態を保ち、走っている時すら常に俺から10mは距離を保っていた。こいつは、。
「よし、デルビル。僕の名前はユウトだ、今日からお前のトレーナーだ。僕にとっての初めてのポケモンがおまえなんだ、そしてあのザングースとの闘いがデビュー戦だ。僕はある程度の命令は出すけども、正直初めてだから下手くそだと思う。だから、自分にとって今はまずい、できないと思ったら無視してくれ、自分の命を第一に、だ。よろしく頼むぞ!」
デルビルはこちらを向かない。だが、ちゃんと話は聞いてくれていたようだ。
「デルビル!こうそくいどう!!」
「ワオオォン!!」
雄叫びをあげながらデルビルはザングースの周りを駆ける。
「グゥゥゥウァウ!!!!」
ザングースはその大きな爪を振り回している。一見無闇に振り回しているようだが、戦いの慣れがこの結果なのか、常にデルビルが飛んできそうなあたりで振っており、デルビルが飛びついてくることを防いでいる。
「デルビル!かみつくだ!!」
デルビルは指示を出すコンマ何秒か前には飛び出していた。言う事を聞かなかったというよりは、どちらかというと考えが一致していたと言った感覚だった。しかし、ザングースはこの指示を聞き逃さなかった。とっさに飛んできたデルビルに爪を振りかざす。しかしこの指示を出す前のコンマが効いたようだ、噛みつくまではいかないもの、その鋭い牙がザングースの腕を切り裂き、そのまま走り抜けていく。
「グゥスゥゥゥゥゥウ!!!」
一瞬ザングースの足がもつれる。その一瞬をユウトは逃さなかった。
「左足に向かってでんこうせっか!!!」
デルビルは体をひねり返しザングースに向かって走ってゆく。頭についた骨のような部分がザングースの左足は目掛けてゆく。ザングースは爪を振りかざすが体勢が良くなかった。次の瞬間その爪は宙を切り裂いていた。デルビルがまたしてもザングースに速さ勝負で勝っていた。最初のこうそくいどうがパンプアップにでもなったのだろうか。ザングースは宙へ舞い、そのまま体を地面へ叩きつけることとなる。
「ガハッ?!」
「いまだ!かみくだく!!」
デルビルはザングースの右腕に噛み付いた。相当の痛みなのだろう。ザングースは口から血が出るほど大きな声で悲痛の鳴き声を出した。その次の瞬間。ザングースの爪がデルビルの左足を突き刺していた。
「デルビル!!!!」
「フキャァァァアッ!!!」
血飛沫をあげながらデルビルはザングースから距離をとった。ザングースもすぐに立ち上がったものの右腕を抑えながら膝をつく。どちらもかなりの重症となった。デルビルは先ほどかなり大きな鳴き声を出したくせにすました顔でいる。きっと、かなりの痛みのはずだがアドレナリンのようなものと、母を思う精神によってある程度痛みを和らげてるのだろう。だとしても、左足の感覚はないはずなのに、凛として立っている。
「お互いかなりのダメージ。一度の攻撃がこんなにもダメージを生むなんて。。次が最後だろう、。」
そう呟いた瞬間デルビルはまた走り回る。左足は地につくたび血をブシュブシュと音を立てながら噴出している。ザングースはその姿を見てとても怯んでいるようだ。
「デルビル…。デルビル!!!でんこうせっかァッ!」
デルビルはまたザングースの足元に向け走っていく。今回はやらせまいと、ザングースは爪を振りかぶり正面衝突のために身構えている。その瞬間ユウトはデルビルを信じ、大きな声である指示を出した。
「今だ!そいつの顔面にあびせてやるんだ!ひのこ!!!」
デルビルは体を反転してザングースの顔めがけて思い切り火を吹きかけた。その火、いや炎はひのこなんて代物ではなかった。まるで、赤き龍リザードンのかえんほうしゃのような。
「ぐぅぅぅぅがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
ザングースは大きな声をあげながら倒れ込んだ。それをみたデルビルはザングースにとどめをさそうとはしりこみ、もう一度食らわしてやると大きな口を開けた。
「やめろ!デルビル!!やめるんだ!落ち着け!!」
ユウトはデルビルにおおいかぶさるような形で止めに入った。デルビルは何故だと聞くように暴れる。ユウトは必死に止め続ける、落ち着け、落ち着けと何度も言い聞かせながら。デルビルは暴れ続けた。先程までとは違い母の仇を取れない事への苛立ちが、はたまた違うことを思っているのかわからないが、涙をボロボロと落としながら。
「デルビル落ち着くんだ…お前の気持ちはよくわかる。だが、ここでザングースを殺してしまうということは、お前の母を殺したザングースと全く同じ行動を取るということだぞ!憎しみや感情に任した殺害はただのわがままに過ぎない!!生きていくための摂取や、事故とかとは全く違うんだぞ!!!」
デルビルはどうやらその事を止められた時には気づいていたようだ。そのために自分の情けなさと、今の自分を母が見たらどう思うかと考えると涙が出てきてしまったようだった。次第にデルビルは暴れることをやめ、静かになった。ザングースは今のユウトの言葉を聞いていて、デルビルと似た感情を持ったようだった。ザングースの目にはもう自分を捨てたトレーナーへの憎しみが消えていた。…
程なくして、ユウトはザングースの手当てを終え、ヘルガーの埋葬も済ませていた。デルビルはヘルガーが埋まっている土へ頬擦りしていた。デルビルは母の温もりを最後の最後まで感じ取ろうとしているようだ。その側へユウトがしゃがみデルビルを抱きしめる。
「デルビル。お前は強いよ、ほんと。僕が君を抑え込んだ時、本当に敵討ちをやめれるなんて、君は本当に強いしえらい。ごめんな、こんなきついことさせてしまって。でも、もう済んでしまったことは心の奥底に仕舞い込むんだ。前に進むことしか生きているものは許されていない。だからデルビル、ザングースを許してやることはできないだろうか。あいつはかなり悪いことをしてきたが、どうやら殺してしまったのは君の母だけらしい。だからあいつに償いのチャンスを与えてやってくれないか。それをできるのは君だけなんだ。ザングースもとても酷い境遇の中生きてきたんだ。あの背中の火傷みただろう、。本当に悪いのはあんな心にしてしまったトレーナーなんだよ、。」
デルビルはどうやら許したわけではないが、ザングースのことも理解し、すでにザングースへの攻撃意識は消し去っていた。それはザングースも同じだった。
「ザングース。君はどんな境遇であれ、やってはいけないことをしてしまった。この罪は一生償っていかなくてはならない。君はこれからどうする?」
ザングースはどうするべきなのかわからないという顔をしていた。ユウトはザングースに問いかける。
「俺たちと、くるか?」
すいません、こんな長くなってしまって。。ほんと、区切りがつかなくて、こんな長く書いたのは本当に初めてで、。許してください、。
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file.3 一歩▼
僕はザングースへ一緒についてくるかと投げかけた。きっと今回のことを機に反省したとしても、この森では他のポケモンと仲良く過ごすことなんてできないだろうし、もちろんそれは仕方がない、悪くいえば自業自得である。そんな思いもあってか、ユウトはそう投げかけたのであった。しかし、ザングースは首を横に振った。
「そうか、でもここにはいられないだろうな。いったいどうしたら、。」
ユウトはそう頭を抱えた瞬間にあることを思いつく。
「そうだ!ザングース。お前がどれだけ反省していたとしても、どんな過去があろうともお前がしてしまったことの罪は決して許されない。だから、せめてもの償いとして、。これからはポケモンを助ける、救うといったように、みんなの支えになればいいんじゃないか?」
ザングースはその言葉の意味が理解できないでいた。そんな困惑しているザングースの腕をひっぱりついてこいと言わんばかりに、ユウトは走り出す。
ほどなくして、先程デルビルを直してもらったポケモンセンターについた。
「ジョーイさん!このデルビルとザングースをお願いします!」
「あら!どちらも大変な怪我を負ってるじゃないの!ラッキー!緊急治療室へ!!」
ザングースとデルビルの治療が終えたあと、ユウトはジョーイにあることを持ち出した。
「見てもらってわかったと思うんですけど、このザングースは、この町で噂のザングースです。こいつはこのデルビルの母親を殺していました。しかしデルビルとしては許したわけではないのですが、ザングースの気持ちもわかってくれてるみたいで、その、もしよかったらなんですけど、このザングースをポケモンセンターで、ラッキーみたいに働かしてやってくれませんか。このザングースも、もとはといえば悪いのはトレーナーだし、でもやってはいけないことをしてしまったので、贖罪として、ポケモンを救う仕事に携わらせてあげたいんです。」
ジョーイさんはその話を聞いた後、快くその提案を受け入れてくれた。ザングースはこれからポケモンセンターの手伝いのもと、罪を深く反省していくことだろう。ザングースにとってトレーナーと一番触れる職であるからフラッシュバックを起こすかもしれない。でも、それでもこの機会は良いものとなるだろう。
「デルビル。僕たちがここに戻ってくる頃にはザングース、いいやつになってるかなあ。」
ポケモンセンターを後にしたユウトたちは6番道路を進んでいく。この道の先には、マリマソシティと呼ばれる街がある。きっとそこのマリマソジムがユウトたちにとって初のジム戦となるだろう。
「あ!そういえば色々なことが重なって、ちゃんとスタートきれなかったなぁ。残念だ、。あ、デルビル。僕の名前はユウト。成り行きでお前のトレーナーになったけど、これからよろしくな!早速なんだけどさ、お前に名前をつけてもいいかな。なんか、デルビルって呼ぶの変だよな。僕のこと「ヒト!」って呼んでるようなものだもんな。いいかい?」
デルビルは了承するように軽くワンと吠えた。
「そうだなぁ…。君はリーロスだ!なんでかって?僕の好きなギタリストから撮った名前だ!クールだろ!」
デルビルの名前はリーロスとなった。このリーロスとはこの先とても長い時間を過ごすこととなるだろう。そんなこんなでリーロスとユウトは並んで歩いていると、
「ん?あぁ、これは僕が旅に出る時にポケモンの博士からもらったタマゴだよ。中は教えてくれなかったから一体なんのポケモンかわからないけど、もしかしたら無精卵で何も入ってなかったりしてね。うはは…?!タ、タマゴにひびが!!う、産まれるのか?!」
突然抱えていた混色のタマゴが揺れ始め、ヒビが入ってきた。徐々に殻が割れていき、中のポケモンの顔が見える隙間ができた。その隙間からユウトとデルビルは覗き込む。
「こ、このポケモンは!!」
私、デイビッド・リー・ロスが好きなんですよね、。
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