俺の名前はリータ・コンプレック。才能溢れる期待の新人ハンターからのまさかの転落人生を歩んでいる人間だ。
俺は、基本的に大抵のことに関して天才的な才能があった。そしてそれは、念に関してもそうだった。
才能溢れる人間は念に対して基本的な知識や技術が無くとも無意識に「発」を作ってしまうことがある。
そしてその発は、大抵は使いにくく歪んだ発になってしまう。
そして俺もその歪んだ発を無意識に生み出してしまった1人だ。
『
操作系能力。歪んだ性癖から生み出された能力。
対象者をオカズに100回以上連続で自慰行為をし、射精することで対象者を意のままに操れる。
【制約】
・年齢が12才以下の者にしか通用しない。
・自宅の自分の部屋でしか使用できない。
・対象者の名前を知らないと使用できない。
・対象者の写真を見ながらしか使用できない。
・使用者はこの発を使用した後、1年間この発を使えなくなる。
・使用者はこの発以外の念能力が使えなくなる。
・この発の効果、制約、誓約、使用しているかどうかは念能力者に筒抜けになる。
【誓約】
・1日1回自慰行為を行わなければ使用者は一生勃起不全になる。
…これが俺の能力だ。詰んだ。俺の人生、詰んだ。特に最後の制約。こいつのせいで会うハンターの全てにゴミを見る目で見られる。
ちなみにこの念能力は俺がハンター試験を受け、合格した時に教えて貰った。俺がハンター試験を受けた時は俺は念能力者じゃなかったから、この発の内容を知らなかったのだ。(今も制約のせいで念の習得すらできてないけど)
いやぁ、何かおかしいと思ってたんだよね。審査官(特に女性)
はやけに俺に冷たかったし。ちなみに俺に発の内容を親切に教えてくれた人は残念さと侮蔑のこもった苦笑をしていた。
「折角才能があるのに残念だったね。遠距離から一方的に人を操れるとても強い能力なんだけどね」
そんなことを言っていた。畜生!!
制約のせいで絶や纏すらできない俺はハンター試験後直ぐにライセンスを売り、田舎に引っ越してニートになった。
たまに犯罪を犯してないかハンターが見に来たり調べたりすることはあったが、それ以外は平和にニートしている。因みに俺はなんやかんやこの発を使用したことはない。もしもあんなことがあったらと妄想はしても実行はしない典型的な変態チキン、小物野郎だからだろう。使わない発ってなに…。その発のせいで念能力が使えないって何…。
で、だ。ある日、俺がニートになってから1年が経とうとしていた日に、俺のところにとあるハンターがやって来た。また犯罪の取り調べかと思ったら、どうやら違うらしい。
何でも結構なお偉いさんらしく、3人の護衛を引き連れてやって来た。そして、ある写真を取り出してきた。
その写真に載っていたのは1人の男?であった。先端に針が付いた尻尾を持っていて身体も少し人と違う構造をしているためただの人ではなく、念能力が関係するものであることはわかった。どうやら名前をメルエムというらしい。
そして、その写真を俺に突き出したハンターはこう言ってきた。
「これで抜け」
えええええええ。
ーー閑話休題ーー
ことの流れはこうだ。
①キメラアントがヤバいらしい。なんか強いらしい。
②その王が産まれたらしい。人類滅亡レベルで強いらしい。
③その王で抜け。
強いけど、産まれてから1年も経ってないから、俺の念能力の範囲内だ。だから、抜け。
こういうことらしい。ふざけてやがるぜ…。
因みに報酬は1兆。ふぁ!?
人生滅亡の危機なのだから当然といえば当然だが…。
え?拒否権無し?あ、はい。
いや、ショタコンじゃないですし。というかロリ以外愛せないからロリコンなのであって…え?出来なければ殺される?
結局、俺は依頼を受けることになった。
俺の発に人類の未来がかかっている。ハンター協会は俺の自慰行為に様々な支援をしてくれた。
超強力媚薬、最先端技術の詰まったオナホ、体力や精力を回復してくれる念能力者などだ。俺の念能力は100回連続で対象者で抜かなければならない。だから、途中で他のオカズで抜くことは許されない。派遣された念能力者は万が一のことが無いように顔と身体が見えないように変な箱のような物に入ってやって来た。地獄であった。もう新しい性癖に目覚めそうなくらいだった。
というか連中、制約の「連続100回」を「睡眠すら取らずにぶっ続けで100回」と勘違いしてやがる。違うわ。同じ子をオカズに連続100回って意味だわ。
結局これを伝えても「問題は刻一刻を迫る」と環境の改善をしてくれなかったが。
で、まあ、結果から言えば、俺の発は成功した。
後半では念能力によって与えられた無駄に溢れ出てくる精力とどこに依頼して手に入れたのか分からない「王」の同人誌(腐ってる)を利用しなんとか乗り切った。
実際に「王」にあった時にはその護衛とかいう奴らに襲われたが、「王」を操って反撃した。余裕だぜ。
…というか、その護衛の中に猫耳美少女がいるんだけど。その子でなら余裕で抜けるんだけど。ああ…やべぇ…念能力のせいで性欲が収まらねぇ…今なら「王」を操ってあんなことやこんなことを…
と、思っていたら上(ハンター協会)の奴から「王」を操ってその配下を抹殺しろと命令された。
ええぇ。あんたらは鬼か。絶対「王」心折れるよ。え?「王」も直ぐに配下と同じ所に逝ける?やっぱり鬼じゃねぇか。
で、命令通り配下の暗殺を行ったが護衛とかいう奴らには逃げられた。特に猫耳美少女には顔を青くされて全力で逃げられた。畜生。
その後は協会に連れて行かれた先で色んな能力者たちが「王」を待っていた。
まず、対象者のオーラを空になった乾電池に詰め入れてオーラバッテリーにするという能力者が「王」のオーラを全部抜き取った。(因みにオーラバッテリーに蓄えられたオーラは術者が許可した者なら誰でも使えるらしい)
次に、「王」は実験室に連行され、そこで様々な実験を行われた。内容は俺も知らん。
その後も「王」に色んな処置がなされ、2ヶ月後くらいに俺に「王」に自害させるように命令がきた。なんとなく罪悪感があったが、結局は他人…と言うにはちょっと違うが、別にそこまで情が湧いているわけではない相手だ。結局は自害させた。
これで一通り俺の仕事は終わった。
…なんというか、人知れず世界を救った英雄は、誰にも評価されず、関係者にすらドン引きされてまた孤独になるんだなぁ。
その1年後、ちょうど俺の発のクールタイムが終わる頃、新しい依頼がくる。対象者は「モントゥトゥユピー」。こいつに俺の発を使えというらしい。
ふざけてやがる!!!!
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