女性公務員がドラゴンメイドデッキで…… (ホワイダニット)
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女性公務員、仕事で学校の入学試験を受ける。
どうもはじめまして神です。いえ、嘘じゃないですよ?ただ、皆さんが想像するような神とはかなり違うとは思いますが。まあ、あれです。神と言う種が人間と同じ社会秩序で生きてると思って下さい。あっ、そうそう!這い寄る○○○子さんみたいなものです。まあ、邪神ではないので近い感じで、フィーリングでお願いします。
さて、そんなわたしはの仕事は新創世界管理局調査部の視察科に勤めています。つまり公務員です。仕事の内容は新しい世界が発生したらその世界に調査員を送り問題がなければ報告書と一緒に上に送り、問題があればその内容をまとめ下に送る。
この作業は1日で終わることもあれば数年がかりになることもありますが平均するとだいたい一週間位で終わります。
さて、実は今回ずいぶんと懐かしい世界に出張する事になりました。あれはそう、もうずいぶんと前にわたしが担当した遊戯王の世界なんですよいや~懐かしいですね~。しかも今回は売店のお姉さんではなく学生としてです。理由はお上からこの世界をWMMOゲームとして出すからテスターしろ、あと期間は三年との事。わたしはショックでした。なにしろ会社勤めの公務員に学生として三年を過ごせとのお達し、しかも指名ですから逃げられません。仕方ないので必要なものを準備しないといけません 、やれやれです。唯一の救いは……救いですかね?救いと思わないと駄目ですかそうですか。まあ、救いはアバターが使えることですか、それを使えば見た目だけならどうにでもなりますし。
あと、パックの購入金額って経費で落ちますか?って担当部長に聞いたら自腹に決まってんだろって言われました。仕方ないので少し前に衝動買いしたカードで作ったデッキを使うことにします。
次の日に改めて見直したデッキと向こうでのわたしの体になるアバターのデータを持って出社し、社員用のダイブルームにある装置を使って現場に向かいます。つまりわたしは今ゲーム前の待機状態な訳ですがここでハプニングが発生しました。
「お嬢様、我々ドラゴンメイド一同。お嬢様のデュエルモンスターズの精霊としてお嬢様の学生生活をサポートさせて頂きます」
わたしの前には持ち込んだデッキのモンスターカードであるドラゴンメイドが五人並んで目の前に並んでいたのだった。(キリッ)
いや、流石にこの状態はわたしも予想外で沈黙していたら融合モンスターでこの五人のリーダーらしいハスキーが説明してくれました。どうやらプレイヤーはランダムに一体から五体のデュエルモンスターズの精霊がデッキから与えられるみたいで、わたしは五体の精霊を引き当てたようです。更に向こうで精霊を増やすこともできるらしく、増やせるかどうかはプレイヤー毎に割り振られた幸運パラメーターに依存するらしい、この値は非公開の隠しステータスとの事。
「どうやらアバターのインストールが終わったようですね。それではお嬢様、出張先で使うお名前をお決めください」
そう言われてわたしは困りました、何せ仕事だから名前は本名で登録しようと思っていたから何も考えていません。それをハスキーに言ったら。本名は後に問題があるかも知れないとのことで却下との事、結局ドラゴンメイド五人と一緒に額を付き合わせ、議論を重ねて決めた名前は『ポーラ・ザーランド』となったのです。
・・・
「様……お嬢様」
ハスキーの声に目を開けると予定通りにデュエルアカデミアの受験会場に現出出来たようで、丁度遊戯十代とクロノス・デ・メディチのデュエルが終わったところでハスキー曰く入試デュエルというチュートリアル……つまりわたしの入試デュエルが行われるらしく。他にも初期に一緒にいる事になる精霊はこの世界で行動する際の簡単なナビゲーターの役割もあるのだという。
「つまり、これに勝たないと先に進めないと」
しかも、わたしの相手は遊戯十代と同じクロノスらしい。わたしはデュエルスペースでクロノスと向き合いデュエルを始める事になった。
「「デュエル!!」」
クロノス・デ・メディチ
LP4000
ポーラ・ザーランド
LP4000
「先行はクロノス試験官からどうぞ」
先行は譲りますよ。本当なら受験生であるわたしが先行を貰うのがセオリーなんですけど、わたしは後攻の方が強いので後攻を選択します。
「では、お言葉に甘えてワタシの先行、ドロー。ワタシはマジックカード、強欲な壺を発動。カードを二枚ドローするノーネ。」
クロノス
手札6→5→7
「さらにワタシは
「おい、クロノス教諭、暗黒の中世デッキのままじゃないか!?」
あーハイハイ、いいですよ~。なんなら
「ワタシは二体の
ほんと、あまり取り回しが良いわけじゃないアンティークデッキで1ターン目から召喚とか相変わらずどんな引き運してるんでしょうね。
「ワタシはカードを二枚伏せてターンエンドナノーネ」
クロノス
手札7→1
モンスター1
魔法・罠2
「わたしのターン、ドロー」
さあ、わたしのドラゴンメイドを見るがいい。
「わたしは手札からドラゴンメイド・ラドリーを攻撃表示で召喚」
「洗濯ならラドリーに任せるのです!」
ソリッドビジョンで現れたのは龍の角と尻尾を持ち、藍色の着物の上からエプロンを着た小柄な少女。
ドラゴンメイド・ラドリー
水属性/星2/ドラゴン族/効果
A500/D1600
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上からカードを三枚墓地へ送る。②:自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル7の『ドラゴンメイド』モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「攻撃力たったの500の小さなメイドに何が出来ますノーネ。それに入学試験でアイドルカードを召喚するなんてふざけているノーネ」
さっき十代に負けたのにまだ侮りますか。しかもドラゴンメイドをアイドルカード扱いとはますます捨て置けません。
「わたしはドラゴンメイド・ラドリーの効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上からカードを三枚墓地へ送ります」
するとラドリーは持っていた洗濯物を取り落とし、デッキの上からカードが三枚墓地へ送られる。
「デッキからカードを三枚も墓地へ?一体どんな意味が」
お掃除の時間です。
「魔法カード、ハーピィの羽根箒を発動。相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊します」
ラドリーが羽根箒を持つとクロノスの魔法・罠ゾーンのカードを次々に払っていく。
「お掃除でフィールドを綺麗にするのです」
ラドリーが持つハーピィの羽根箒で破壊されたカードは、ダメージ・コンデンサーと黄金の邪神像。
「黄金の邪神像が破壊された事により、邪神トークンを攻撃表示で特殊召喚するノーネ」
邪神トークン
星4/A1000
モンスターが増えましたか。しかし関係ありませんね。
「更にわたしは魔法カード、ドラゴンメイドのお心づくしを発動。このカードは1ターンに一度しか発動できない。自分の手札又は墓地から『ドラゴンメイド』モンスターカードを守備表示で特殊召喚する。わたしは、ドラゴンメイド・パルラを手札から守備表示で特殊召喚」
「ヤッホー、給仕の事ならこのボク、パルラに任せるといいよ」
現れたのは緑色の角と尻尾にメイド服を着たどことなく草を連想させる少女。
ドラゴンメイド・パルラ
風属性/星3/ドラゴン族/効果
A500/D1700
このカードの①②の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから『ドラゴンメイド・パルラ』以外の『ドラゴンメイド』カード1枚を墓地へ送る。②:自分・相手のバトルフェイズに発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル8の『ドラゴンメイド』モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「ドラゴンメイド・パルラの効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『ドラゴンメイド・パルラ』以外の『ドラゴンメイド』カードを墓地へ送る。わたしはドラゴンメイド・ルフトを墓地へ」
ドラゴンメイド・ルフトを墓地へ送り。
「更に魔法カード、ドラゴンメイドのお召し替えを発動。手札のドラゴンメイド・エルデとフィールド上のドラゴンメイド・ラドリーを墓地へ送り。エクストラデッキから、融合モンスター、ドラゴンメイド・ハスキーを融合召喚」
「皆様はじめまして。ドラゴンメイドの統括をしております、ハスキーと申します。お嬢様共々宜しくお願い致します」
現れたのはラドリーやパルラとは違い六本のドラゴンの角と白赤灰色の三色の尻尾を持った威厳漂う眼鏡をかけたメイドだった。
ドラゴンメイド・ハスキー
光属性/星9/ドラゴン族/融合/効果
A3000/D2000
『ドラゴンメイド』モンスター+ドラゴン族モンスター
①:自分・相手のスタンバイフェイズに、このカード以外の自分フィールド上の『ドラゴンメイド』モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターよりレベルが1つ高い、またはレベルが1つ低い『ドラゴンメイド』モンスター1体を自分の手札・墓地から選んで守備表示で特殊召喚する。②:このカード以外の自分フィールド上の表側表示のドラゴン族モンスターが自分の手札に戻った時相手フィールド上のモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを破壊する。
「攻撃力3000!?クロノス教諭の
「スッゲー!」
「ドラゴンメイド……おそらくシリーズ物のテーマデッキなんだろうが、ドラゴンメイドなんてカードは聞いたことが無い」
ポーラ
手札6→1
「バトル!」
さあ、終わりですよ。
「わたしはドラゴンメイド・パルラの効果を発動。このカードは自分又は相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札又は墓地からレベル8の『ドラゴンメイド』モンスターを一体選んで特殊召喚する。わたしはパルラを手札に戻し、墓地からドラゴンメイド・ルフトを特殊召喚」
パルラに変わって現れたのはパルラと同じ色をしたドラゴン。
「ヘッヘーン、どうだっ、ボクのドラゴン姿は!」
それはパルラのドラゴンとしての姿だった。
ドラゴンメイド・ルフト
風属性/星8/ドラゴン族/効果
A2700/D1700
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに一度しか使用できない。①:このカードを手札から捨て、フィールドの表側表示モンスター1体を対象に発動できる。このターン、その表側表示モンスターはフィールドで発動する効果を発動できない。②:自分フィールドに融合モンスターが存在する限りこのカードは効果では破壊されない。③:自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、手札からレベル3の『ドラゴンメイド』モンスター1体を特殊召喚する。
ポーラ
手札1→2
「そして、ドラゴンメイド・パルラが手札に戻った事により、ドラゴンメイド・ハスキーの効果が発動されます。このカード以外の自分フィールド上のドラゴン族モンスターが手札に戻った時に発動する。相手フィールド上のモンスター1体を対象にし、そのモンスターを破壊する。わたしが選ぶのは
「メイドクライシス」
ハスキーは
「やはり、機械はちょっとしたことですぐに動作不良をおこすのが難点ですね」
ハスキーってば自分で壊しておきながらこの言い様。そこに痺れる憧れる♪
「ドラゴンメイド・ハスキーで黄金の邪神像を攻撃」
ハスキーが邪神トークンを強烈な拳の一撃で打ち砕く。
クロノス
LP4000→2000
「さらに、ドラゴンメイド・ルフトでダイレクトアタック」
「くらえ~~!」
クロノス
LP2000→0
ルフトことパルラがフィニッシュを決めてわたしの入学試験デュエルは終わりました。
「クロノス教諭をこんなにあっさり倒すなんて。まさか……」
主人公。
ややオタク気味の女性公務員。上役から振られた仕事で遊戯王GX時代にダイブ、寮に入りこの仕事による自身の場違い感からのストレスから胃薬が常備薬になった。兄の影響で遊戯王のデッキを二つ所持しており強さはそこそこ、引き運が悪いときは普通に負ける。単一種族派。
神。
神と表記されるものの実際は別の何か。大体の事はできる力を持つがみだりにその力を振るう事はしない。日本に近い社会秩序を有する。
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