学園黙示録~魔法を持っていく物語:Re (武御雷参型)
しおりを挟む

プロローグ

書き直すことを決めてから何年の月日が経ってしまったのでしょうか?
リハビリを兼ねて書き始めました。


この日を境に、世界は一変した。皆が慣れ親しんだ世界は、もう無い。人類が見る世界の果ては、一体、どうなってしまうのであろうか………

そして、俺たちが待ち受ける結末とは………

 

 

 

 

どうなってしまうのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の青年が、愛車であるトヨタAE86に乗って、阪神高速5号湾岸線を走らせていた。

 

「今日も今日とて、仕事~一体、俺の休みはいつになる事やら~」

 

自作した歌を口ずさみながら、愛車のハンドルを握っていた。

 

「そう言えば、今日は学園黙示録の最新刊が発売される日やん。仕事帰りに本屋に寄って買いに行きますか。あの作品は、二次創作を書くにはもってこいの作品なんだよね~。だって、夢が詰まってるから。オリ主をぶち込んで、原作崩壊は無理でも、原作で死んで逝く人々を助けられるし。まぁ、他の作品でも同じことが言えるんだけどね~あっ、でも紫藤だけは、許せねぇ。あいつは、ただの害悪でしかない」

 

青年は、学園黙示録に登場する一人の男に恨みを持っている様子である。

 

「もし、転生できるんであれば、学園黙示録の世界に逝ってみたいかも。なんか、誤変換があった気が………ま、いっか」

 

青年は制限速度を遵守した上で、アクセルを踏み込む。

すると、一台の車が青年の車の後ろにぴったりとくっつくように走行していた。

 

「なんだ、コイツ。煽ってるのか? ご生憎様。俺っちは安全運転を心掛けてるんでね。それに、追い越し車線が空いているんだから、そっちに入れば良いのに………」

 

青年はバックミラーを見ながら呟く。だが、青年の言う通り、追い越し車線はガラガラで、いつでも追い越す事が出来るにも拘わらず、後ろの車は声援の車の後ろに引っ付いていた。

 

「気持ち悪っ‼ もう少しでPAだし、仕事まで時間があるから少し休憩でもしようかな」

 

青年は後ろの車を無視して、安全運転をしていた。すると、後ろの車が青年の車が、自分の事を無視して走っている事に腹を立てたのであろう。急速に速度を上げ、追い越し車線に出ると青年の前へと追い越していった。

 

「やっと、追い越していきやがった。さっさと行ってくれyッ⁉」

 

青年が呆れた様子で追い越していった車に言った瞬間、前へと出た車が急ブレーキを掛けたのである。青年はハンドルを追い越し車線へと切って難を逃れようとした。だが、青年はサイドミラーを見ることなく、否、正確には見る間もない状態だった為か、後方確認を怠ってしまい、追い越し車線を走っていた大型トラックと衝突してしまった。

青年が乗るAE86はトラックとの衝突により、車体を真っ二つにされてしまい青年は即死してしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは………」

 

青年は周りがやけに明るい事に気付き、目を開けた。するとそこは某緑の服を着た勇者の城の中庭の様な、緑の生い茂った庭の中で倒れている事に気付いた。

 

「なんで、ハイラル城が………」

 

「気付いたか?」

 

「ッ⁉」

 

青年の後ろから声がした為、青年は急いで振り返った。すると、そこには白い衣に身を包んだ一人の女性が青年を見下ろしていた。

 

「あ、貴女は誰なんですか? そして、ここは何処なんですか?」

 

「私は、貴方たちの言う所の、神様と呼ばれている存在です。そして、ここは生と死の間の空間と呼ばれる所です」

 

神様は青年の質問に答えるが、青年はなぜ自分がここにいるのかが理解できていなかった。

 

「生と死の間………まさかとは思いますが……俺は………?」

 

「はい、死んでしまいました。ですが、貴方の死は予想外の結果でした」

 

「どういう……ことなんでしょうか………?」

 

神様は青年の死が、予想外と言ったのである。青年はまたもや理解が追い付いていなかった。

 

「本来であれば、貴方は前の車に衝突して、奇跡的に大きな怪我も無く無事でした。しかし、貴方は無意識の中でハンドルを切った。これにより、後方から来ていた大型トラックと衝突。貴方は即死でした。因みに、貴方の死体は見せる事が出来ません」

 

「怖いもの見たさで聞くのですが、どんな状態なのか簡単に説明してもらっても?」

 

「構いませんわよ。貴方の死体はぺちゃんこ。これに尽きます」

 

神様の説明に青年は漸く、自分が死んでしまった事が理解してしまった。

 

「それで、俺は天国に行くのですか? それとも、地獄に行くのですか?」

 

青年は気を取り直して、神様に自分が行く先を尋ねると、神様は首を横に振った。

 

「先ほど、私が申し上げました通り、貴方の死は予想外の出来事。よって、貴方は天国にも地獄にも行きません」

 

「では、まさか俺はまたあの世界に戻って、浮遊霊としてだだ、彷徨えと?」

 

「いえ、もう一つの選択肢が残っております。転生です」

 

「マジで?」

 

「本気と書いてマジと読みます」

 

青年の言葉に神様は笑顔で答える。

 

「因みにですが、転生できる世界は異世界ですか? それとも、地球外生命体が地球を侵略し戦術機に乗って戦う世界ですか?」

 

「両方とも違います。因みに、私の上には最上神がおりますが、最上神が少し齧った世界な為、向かう事が出来ません。よって、貴方に選択肢を与えます」

 

神様はそう言うと、一枚の紙を青年の前に現す。

 

「こちらに、貴方の行きたい世界を書き込んで下さい。いけない世界は書こうとしても字が映りません」

 

「いきなりアナログかと思いきや、とんでもない紙だった」

 

青年は現れた紙に、自分が行きたい世界を書き込んだ。すると、紙にはしっかりと字が映し出される。

 

「書きました」

 

「拝見します………本当にこの世界に行きたいのですか?」

 

「はいっ‼」

 

神様は青年に確認すると、青年の目は輝きを帯びていた。

 

「………判りました。転生特典として最上神が愛してやまない世界のものを送るそうです」

 

「内容は聞いても?」

 

「残念ながら、貴方が転生してからのお楽しみだそうです。因みに、貴方も知っている物であるとも言っております」

 

「なるほど………判りました」

 

青年は理解した。自分が転生するのだと。だが、その前に聞きたい事があった。

 

「そうだ、一つ聞きたいのですが?」

 

「何ですか?」

 

「僕が事故をしてしまう原因となった車の運転手については………?」

 

青年が聞きたかったことは、自分を死に追いやった前の車の運転手の事であった。

 

「ああ。彼が本来、トラックと衝突して死ぬ予定でしたが、代わりに貴方が死んでしまった事により、彼は逮捕、起訴され危険運転致死罪に問われ、また、最も悪質と認められた事で、終身刑が課せられました」

 

「け、結構、重たいですね………」

 

「ええ、事故現場から逃走した事で罪が重くなってしまいました」

 

神様からの説明に青年は、なんとも言えない感情しか浮かばなかった。

 

「そろそろ、時間です」

 

神様がそう言うと、青年の体が少しずつ薄くなっていた。

 

「新たな世界で幸があらん事を」

 

「ありがとうございます」

 

青年は神様にお礼を言うと、姿を消した。

 

「さて、彼が行った先には何が待っているのでしょうか………」

 

神様は突然テレビを出すと、電源を入れ青年の事を見守ろうとしていた。

 

「そうだ、私の加護を与えましょう」

 

神様はそう言うと、祈りを捧げ始めた。彼の行く先に、どんな困難が現れても乗り越えられるように。

 




誤字脱字、感想、指摘、質問等ございましたら、どしどし送って頂けると、作者のやる気に繋がります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一話~始まり

週一更新を目指します。


一軒の家に、一人の少年が魔方陣から現れる。この少年こそが、神様から新たな生を受けた者であった。

 

「本当に転生した………ん? ん⁉」

 

少年は、鏡に映った自分を二度見してしまう。

 

「体が……子供の時代に戻ってる………? しかもご丁寧な事に、小学一年生の頃の俺か……」

 

少年の頭の中には、某名探偵の言葉を思い浮かばせてしまう。

 

「いや、確かに元々の年齢を考えると、確かにその通りなのだが………いや、違うな。いや、合っているのか?」

 

少年は何が何やらで、混乱をしていた。だが、すぐに落ち着き家の中を探索しようと考える。

 

「まずは状況整理からだな、うん」

 

少年はそう自分に言い聞かせると、隈なく家の中を調べ回る事にした。

 

「まずは自分がいる所だな……と言ってもここは寝室か……普通だな」

 

少年の目に映っているのは、大人一人分のシングルベッド一つに、大人用の机、デスクトップ・パソコン等、小学生にしては贅沢な品々である。

 

「次は別の部屋だな」

 

少年はそう言うと、寝室を出る。すると、廊下を挟んでいくつかの部屋がある事に気付く。

 

「こんなに部屋があっても、俺一人なんだし荷物置き場で肥しそうだな……でも、一応は確認だけでもしておかないとな」

 

少年はそう言うと一つ一つの部屋の扉を開けていき、中を確認した。だが、部屋の中は家具が一つもない唯の広い部屋だけしかなかった。

 

「この家を一人で過ごさないといけないのかよ………寂し過ぎるぜ、神様よ~」

 

少年はトボトボと歩いていくと、下へ続く階段があった。

 

「二階建て……と言う事か……それに、一階はリビングとかキッチンとかがある感じなのかな?」

 

少年は階段を降りて、一階の探索に入る。

そして、少年はリビングに辿り着くと、テーブルの上に一冊の本と一つのネックレスが置かれている事に気付いた。

 

「そう言えば、神様が転生特典は俺が転生してからのお楽しみと言っていたな……それに、あの本はどこかで見た覚えが………」

 

少年はそう言って、リビングに入り本を手にした。その瞬間であった。本が眩い光を放ち、少年を飲み込んでしまう。

 

「うわっ⁉ 眩しい‼」

 

少年は堪らず、本を落としてしまった。が、本が独りでに浮かび上がり言葉を放った。

 

『管理者の魔法紋を認証しました。夜天の書を起動します』

 

夜天の書から出た光はそのまま五つの人型になり、少年の前に現れる。

 

「我ら、夜天の書の守護騎士、ヴォルケンリッターが一人。夜天の書管制人格、リインフォース」

 

「同じくヴォルケンリッターが一人。烈火の将、剣の騎士シグナム」

 

「同じくヴォルケンリッターが一人。風の癒し手、湖の騎士シャマル」

 

「同じくヴォルケンリッターが一人。紅の鉄騎、鉄槌の騎士ヴィータ」

 

「同じくヴォルケンリッターが一人。蒼き狼、盾の守護獣ザフィーラ」

 

「「「「「我ら、貴方様に忠誠を」」」」」

 

ヴォルケンリッター達が少年の前で、忠誠を誓う態勢で名乗り少年を新たなる主として認め、忠誠を誓った。

 

「なるほど、いくつか質問があるのだが、良いか?」

 

「はい、何なりと」

 

少年の質問にリインフォースが答えると、少年は頷く。

 

「まず、神様から話は?」

 

「聞いております」

 

「次、以前の記憶は?」

 

「持っております」

 

「最後、収集は?」

 

「既に完成されたものですので、収集する必要はありません」

 

少年の質問に答えていくと、少年もようやく事態を理解した。

 

「判った。夫々、以前と同じように過ごしてくれていいぞ。お前たちの事は知っているからな」

 

「前世……の記憶ですか?」

 

シグナムからの答えに少年は頷いて答える。

 

「知っているとは思うが、俺はお前たちが住んでいた世界とは別の世界で住んでいた。まぁ、簡単に言うとパラレルワールドやな。魔法が存在しない世界と言えば判るだろう?」

 

少年の質問に全員が頷く。ヴォルケンリッター達の前の主である八神はやてが元々住んでいた地球は、魔法が一応、存在していた。だが、少年が住んでいた世界は魔法というものが存在しておらず、そもそも、魔法自体が御伽噺の様な存在であった。

 

「と言う事だから、俺が死ぬまでの間はよろしく」

 

「「「「「ハッ」」」」」

 

「そう言えば、自己紹介がまだやったな。俺の名前は山本俊輔。呼び方については好きにしてくれてもええけど、人前では主とかで呼ばない様に。特にシグナムとリインフォース」

 

俊輔から名指しで呼ばれたシグナムとリインフォースは心外だと言わんばかりに抗議しようとしたが、俊輔の前世の記憶の中に、はやての事を主と呼んでいたのは主に二人であることを知っている為、抗議しようにもできなかったのであった。

 

「まぁ、家の中までは規制しないけどな」

 

俊輔の言葉にシグナムとリインフォースは胸を撫で下ろす。

 

「さて、もう一つのデバイスだろうね」

 

俊輔が目をやる先には、ネックレスが浮かび上がっていたのである。

 

「さて、ちゃちゃっとデバイス登録をしないといけないな」

 

俊輔はそう言うと、ネックレスの方へと近づいていき魔方陣を展開する。

 

「マスター認証、山本俊輔。術式はミッド、ベルカの混合ハイブリット。次にデバイスに個体名称を登録。愛称(マスコット・ネーム)は、フォーカ。正式名称、フォートレス・カノン」

 

俊輔の登録にネックレスが輝き始める。

 

「フォートレス・カノン、セットアップ」

 

『Set Up』

 

俊輔の頭の中にはバリアジャケットの構想が浮かびあがっていた。

 

「(フォートレス・カノン。直訳すると要塞砲。形こそはレイジング・ハートとは似ていないが、登録と同時にデバイスの内容が頭に浮かんできた。と言う事は、バリアジャケットはなのは風にしても良いのかも知れないが………流石に安直過ぎる。と言う事はオリジナルティーを求めるのだったら………これだ‼)」

 

俊輔の体が輝き、光に飲み込まれた瞬間、俊輔が思い浮かんだバリアジャケットが俊輔の体に装着される。そして、フォーカはネックレスから、二丁の大型ハンドガンに形を変形させ、俊輔の手に収まった。

 

「うん、やっぱり俺はこれが、手に馴染むな」

 

俊輔が握っているハンドガンは、デザートイーグルに似た銃であった。なぜ、この銃なのかと言うと、俊輔は前世でサバゲ―を嗜んでおり、最も使っていたハンドガンはデザートイーグルであり、それ以外のハンドガンは何か物足りなさがあり余り使ってこなかったのである。※作者がデザートイーグルが大好きで、サバゲ―でも使っているからです。尚、理由も同じです。取り回しは良いんだけどね。どうしても、ハンドガン=デザートイーグルなんです。はい。

 

「さて、と。フォーカ、具合はどうだ?」

 

『問題はありません、マスター』

 

「なら、良かった。いきなり不具合がありますと言われても、神様にお願いなんてできないしな」

 

俊輔からの問いに答えるフォーカ。その答えを聞き俊輔は胸を撫で下ろす。

 

「さて、魔法の訓練を………と思ったけど、結界を張らないと、魔法の訓練は出来そうにないな………」

 

『マスター、神様より伝言を預かっております』

 

「伝言?」

 

フォーカから、神様から伝言を聞いた俊輔はニンマリと嗤うのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ございましたら、どしどし送って下さい。
作者のやる気に繋がります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。