永夜の刃 (マグロトロ)
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主要人物紹介

完全自己満足。
黒死兄さんの刀を持つ剣士が居てたまるか。

随時更新予定


月詠(つくよみ)

165cm 45キロ

好きな食べ物 筍ご飯

白髪の少女。幼少期に家族が鬼に襲われ一人だけ生き残ってしまった。

鬼に襲われ、家族の死体を見たショックで記憶が朧げになっている。家名すらも忘れ、自分の名前だけしかわからない状況で山を徘徊しているところを師匠に助けられた。

同年代よりも刀の才能がずば抜けているせいか、慢心し隙を作る事が多い。

慢心は自分よりも強い相手であっても行ってしまい危険。上弦の鬼にすら慢心する始末である。

命の恩人であり、自分を育ててくれた師匠に敬愛の念を抱いており、いずれ彼自身の役に立ち彼よりも強くなって見せると意気込んでいる。

呼吸法は夜の呼吸。大勢いる隊士の中でも一人しか使えない呼吸法である。

鬼を狩る事理念は強くなりたいだけ、どんな鬼も師匠よりも強くなる為に首を切る。

師匠の行動が全て正しいと思っている狂信者、彼から刀を貰ったときには一晩中はしゃいだとか。

階級は乙。

 

 

 

夜の呼吸

 

壱ノ型 宵闇

 

抜刀して横薙ぎに一閃する。

脚力を生かして二段攻撃にする事も可能。

 

弐ノ型 無眼残花•冷血

 

敵を切り上げるようにして正面に三連の斬撃を放った後刺突する。

 

漆ノ型  月華葬儀•晩誕

 

超スピードで敵に近づき刀を斜めに一閃する。

足先から首まで両断できる夜の呼吸最高火力の型。

 

 

 

師匠

 

月詠を山で拾った男。長い黒髪を後ろで縛り、人間とは思えない六つ眼。

さらに額や首元から頰にかけて揺らめく炎のような黒い痣がある。

紫色の着物を着ており、腰に禍々しい目玉の様な装飾が施された鞘の刀を差している。

月詠に対して自身の呼吸法を教えるが人間離れした剣技を月詠が使う事は出来なかった。

月詠を拾った理由は才能があったから。化け物じみた見た目に反して料理も出来る。

月詠が最終選別に行く時に、体から刀を生み出すと言う人間離れした行為を見せたが、月詠はただ狂ったように喜んではしゃぎ回っただけだった。

月詠には呆れながらも実力は認めている。

 

月詠を育てたのにはある目的があったのだが…

 

月詠の呼吸法は師匠の呼吸法を自分でも支える様に改良した物であり、同じような動きが多い。

ただしオリジナルの呼吸を使う師匠の型の方が殺傷能力も攻撃範囲も段違いである。

 

 

 

童磨

 

上弦の伍。二対の扇を持ち、七色の瞳を持った万世極楽教の教祖。

鬼舞辻無残による指令を受けて名もなき山に立ち寄った際、月詠に出会った。

情報が一番価値がある物だと理解しており、舐めた態度を取りながらも相手を観察し、記憶する。

彼の血気術は気候すらも変えてしまう程強い冷気を操る。それに自分と同じ様な力を持つ氷人形を作りだし、遠隔起動する事ができる。

 

 

 

 

 

 



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永夜の刃

童磨カッコいいよね。アニメの声優誰になるかな


「やぁやぁ初めましてお嬢さん、俺の名前は童磨。今日は…良い夜だねぇ」

 

雪が降る深夜、私は奴に出会ってしまった。

任務に向かう途中に出会ったその鬼の七色の右目には“伍”と言う数字が刻まれており、左目には上弦と言う字が浮かんでいる。

【十二鬼月】…鬼舞辻無残の直属の鬼であり、他の鬼とは掛け離れた力を持っている。その力は通常の隊士では文字通り刃が立たない程だ。

それにしても運が悪い、頼れる仲間は皆他の任務に行ってしまったというのに上弦の鬼との会敵……情報を聞き出すにも一人では取り逃しかねない。

仕方があるまい、ここでこの鬼の首を断つ…

 

「夜の呼吸… “弐ノ型”」

 

腰の刀に手をかける。鬼の首に狙いを済ませ大きく息を吸う。

不気味に笑うその鬼は二対の扇を構え、こちらの出方を伺っている様だ。

 

「無眼残花•冷血」

 

「んん…見たことのない技だなぁ」

 

……受け止められた?

あの黄金の扇に私の弐ノ型が?

 

「君なかなかやる様だね、今のは俺でもちょっと危なかったかな」

 

「嘘つき」

 

「嘘なんてついてないぜ?今のが当たってたら半分くらい首が切られてたからな」

 

…やはり冷血じゃ首を削りきれない。

一発で、一撃で、胴体から首を分かつ一撃を放たなければあの鬼は倒せないだろう。

それに外気温の影響か呼吸をするのが苦しい。全集中の呼吸が乱れるのも時間の問題だろう。

ならば一番殺傷能力が高い漆ノ型で決めるしかない。

 

「…夜の呼吸」

 

この一撃で、首を断つ。あの扇ごと!

 

「月華葬儀•晩誕!!」

 

血気術 枯園垂り

 

ガキィィィン!!!

 

「凄いな、俺の腕を吹っ飛ばすなんて」

 

鬼は冷気を纏った扇を私の刀にぶつけて来た。

漆ノ型は諸刃の剣、ありったけの力を乗せて胴体ごと首を切ることも容易いのだ。

それなのにも関わらずこの鬼は一本の扇に左腕だけで首を守り切った。これが上弦の鬼、無残直属の最強の鬼……!

 

「次で…決めるッ!」

 

「(…無残様から頼まれた例の件、蔑ろにしてこの娘と戦ってるのは不味いかなぁ)」

 

「(この娘が使う呼吸…見た事がない、記憶しておこう)」

 

「(もう少し技を見させて貰いたいけど…時間もない)」

 

「俺には時間が無い、もう少しで日の出だ。」

 

「だから、君の相手はこの子にしてもらうよ」

 

血鬼術 結晶ノ御子

 

鬼に似た小さな氷の人形が二体、残った右手の扇から現れる。

 

「ごめんねぇお嬢さん、じゃあさようなら」

 

「待てッ!」

 

鬼はこちらに手を振ると冷気と共に姿を消していた。

残っているのは二体の氷人形。

さっさと片付けてあの鬼を…

 

血鬼術 蓮葉氷

血鬼術 散り蓮華

 

「なっ…」

 

氷人形が放った小さな氷の粒が足に突き刺さり体勢を崩してしまった。

先に放たれた大きな蓮の花のような氷に触れた瞬間瞬く間に左腕が凍結する。

 

「いっ…!」

 

血管に氷の針を刺されている様な痛みに思わず声を上げてしまう。

抜けようとしたが足に絡まった氷の蔓が邪魔をする。

 

血鬼術 蔓蓮華

 

呼吸も覚束ない、視界もぼやけてくる。

肺が凍えて、目が凍てつく。

 

薄れゆく意識の中、師匠の言葉を思い出す。

 

「…お前には…才能がある」

 

師匠はそう言ってくれた、私に剣の使い方を教えてくれた

それなのに私は貴方を超えて見せるって大口叩いて、このザマ。

上弦の鬼すらまともに倒せなかった。

 

ごめんなさい師匠。私は貴方に答えられなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………月詠……」

 

「……私を超えるのでは…無かったか…」

 

 

 




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永遠の如き夜の唄-序

黒死刀の正式名称ってなんなんだろう。
月輪刀と呼ぼう()


世界が沈む静寂の夜、月は憎たらしく私を嘲笑う。

目の前に広がる光景、赤い赤い水溜りに無造作に置かれた肉塊。

家族だった物達が肉に成り下がる。

それは唐突に現れた、化け物。角の生えた人型の怪物。

 

「今日はついてるなぁぁ?飯がこんなに食えるなんて」

 

舌を鞭のようにしならせる化け物がこちらにジリジリと迫ってくる。

私はまだ小さい、大人に敵うわけがない。

 

「お前は子供だからなぁ…選ばせてやるよ。」

「父親みたいに頭から喰われるのがいいか?母親のように足先からゆっくりと喰われるのがいいか…どっちがいい?」

 

手がガタガタと震える。どう足掻いても死ぬ、死にたくない死にたくない死にたくない…

勝てないなら逃げろ、逃げる時間を稼ぐ方法を探せ。

頭を回転させろ月詠、死にたくないのなら考えろ。

……そうだ。あれなら少しくらいは時間を稼げるかも知れない。

タンスの中に入っているあれさえ有れば。

 

 

「……一思いに殺されたい。ちょっと待ってて欲しい」

 

「そう言って逃げるガキが多いからなぁ。俺もついてくぜぇ」

 

「勝手にして」

 

化け物は私の後ろをついてくる、隙を見て逃げ出す事は不可能なようだ。

襖を開け、居間に辿り着く。失敗したらただ死ぬだけだ。

天井の収納箱に手を掛ける。背が足りないので麦酒の入っていた箱を段にして手を伸ばす。

 

「そこに何が入ってるんだぁ?」

 

「すぐに死ねるように」

 

化け物は不思議そうに収納箱を覗き込む。その瞬間を狙って段差から飛び降りるようにして収納箱を開く。

するとバサバサと音を立てながら大漁の紙が降って来た。

 

「なんだこりゃぁ!?」

 

化け物は紙を払い除けるのに必死で上から降って来る切り札の存在に気付かない。

自分の身長より少し小さいくらいの大きな刀が収納箱には入れられていた。それも鞘が無い状態でだ。

昔父親が質屋で買って来た大きな刀、赤い焼入れが施されている珍品だった。手入れもされずに放置されていた為所々錆びているが質量で化け物に突き刺さる。

 

「クソガキィ…!!テメェ鬼狩りかよ…!」

 

鬼狩り、そんな事はしてない。

ましてや親もそんな事はしていなかった。

 

背中から足にまで到達し、畳に突き刺さった刀を抜こうとする化け物。

しかし体勢上その刀を抜く事はできない、無理矢理抜くなら足を引き裂き胴を裂かなければならない。

今のうちだ、出来るだけ遠く遠く。コイツが追ってこない場所まで走るんだ。

 

 

 

 

私は無我夢中で雑木林を走った。風が冷たい、霜に焼かれた足が血を流す。

聞こえもしない声が聞こえる。それはあの化け物の声だったか、それとも家族の声だったか。

 

「そろそろ死んだらどう?」

 

その声はそう囁いて私を嘲笑う。嫌だ、死にたくない。

奇跡は起こったのだ、ならば諦めなければ救われる。そう母親が言っていた。

強く生きろ、辛いことがあってもそれを乗り越えるんだ。そう父親が言っていた。

死んでしまった家族の為にも私は死ぬ訳にはいかないんだ。

 

「あっそう。才能のないゴミが生きてても意味ないよ?」

「いつも逃げてばかり、自分の力に溺れて慢心して死ぬだけだ」

「そんなお前になんの価値があるんだよ?お前を生んだ両親が可哀想だよ」

 

寒さの影響かは判らないが記憶にモヤがかかったように思い出せない。

もう一つ、私は何かを忘れている様な気がする。それはとても大切な事だったような、違ったような。

 

「ほらね。そうやってお前は油断する」

 

目の前は崖だった。踏み止まろうと強く地面を踏み締めると足に激痛が走る、傷がまた悪化する。

奇跡的に止まれたがもう痛すぎて立ち上がれない。

 

「あっ」

 

地面に座った瞬間、崖が崩れた、つい口から声が漏れてしまう。

下が柔土だったから助かった。それに降り積もった雪がクッションになったらしい。もし岩肌だったらいくら小さい崖と言えど大怪我は免れなかっただろう。

心臓がドクンドクンと音を刻む、いつもより早いその音に苛立ちを覚えるが、そんな事はどうでもいい。

 

あの化け物からは距離を取った。こんな辺境まで来れば問題ないだろう。

正直な話、痛くて動きたく無い。問題ないと思いたいだけだ。

でも血塗れな身体、側に咲く彼岸花のお陰で来たとしてもバレない可能性も捨てきれない。

 

地面に寝そべりながら大きな月を見上げる。

綺麗な月だ、こんな私を見て嘲笑っている様にしか思えない私が憎たらしい。

もう帰る場所は無い、ならばあそこで死ぬのが正解だったのでは無いのか?

あの何処かで聞いた様なモヤがかかった声が導いた通りに。

 

死にたくないなんてほざいて、何をしようとしたのか。

いざと言う時には何もできず逃げ出すばかり、本当に声の言う通りだ。

こんな私で何かを為せるのか?いいや、為せるはずがない。

 

私に力が有れば、誰もを圧倒する絶対的な力。

人を守れる程の力が有れば私自身を守れるのだろう。

 

 

 

 

 

 

「……ほう…お前は……力を求めているのか」

 

「…それに……鍛えれば…一人前の剣士に慣れるかも…しれぬ」

 

「あの方も…喜んでくださるだろう…」




何年前の話なんじゃこれ


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