様々な世界と神化の旅 (卯皐月)
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プロローグ

初めての投稿なので、どこか違和感を感じたら遠慮なくご指摘ください。
m(_ _)m


 俺は先ほど信号無視をした車にはねられ死んだ。信号無視をした車がかなりの速度を出していたらしく、はねられた俺は即死だった。しかし、気が付くとどこまでも広がっている真っ白な空間にいた。

 

「どこだよここ!?」

 

 ──────いやマジでどこ!? 

 

 辺りを見回したが辺り一面真っ白で何もなかった。

 

「やぁ、ここは神の間だよ」

 

 声がした方へ振り向くと、黒髪の美少女がいた。

 

「神の間? あの、誰? なんで俺はここに?」

 

 俺が混乱しながら質問すると、美少女はあわてて言った。

 

「ちょっと待ってって、一つずつ質問に答えていくから落ち着いて!」

 

 俺は少しの間、深呼吸をして落ち着き再度、美少女に気になることを聞いた。

 

「じゃあまず、君は誰?」

 

 ──────まあこんなことができるのは神様くらいだろうけど

 

「君の考えてるとおり僕は創造を司る創造神だよ、そして君をここに連れてきたのも僕さ」

 

 やはり俺が考えていたとうり神様だったようだ。

 

「やっぱり神様だったんですね、というかナチュラルに心をよんできますね」

「まあ神だからねそれぐらいできるよ」

 

 俺はまあ神様だったらそれぐらい軽くできるよな、と思いながら次の質問をした。

 

「えっと、次の質問なんですけど、何で俺はここに連れてこられたんですか? 展開的には神様転生だと思うんですけど」

 

 ──────定番の間違えて殺っちゃったから転生させてあげるよとかかな? 

 

「転生させるという所は合ってるけど、僕は君の死とは関係ないよ、輪廻の輪にのっていた君を連れてきたんだ、神になってもらうためにね」

 

 創造神様の言葉は予想外の言葉だった。

 

「うん? え? 神になる?」

 

 俺がそう言うと創造神様は申し訳なさそうに言った。

 

「うん、最近やってはいけないことに手を出していた神を裁いたら神の総数が減って人手が足りなくなったんだ、だから新しい神が必要になったんだ」

「ならなんで俺なんですか? 他の人でも良かっんじゃないんですか?」

 

 俺がそう聞くと創造神様はその理由を答えてくれた。

 

「えっとね、君は魂の質、大きさが他の人とは桁違いだったんだ、そして魂の質が良く、大きいと最初に与えられる力が増えるんだ」

 

 ──────なるほど、いうなれば転生特典がふえるのか。

 

「そうだよ、だから君を選んだんだ、あと転生した後に色々な世界に行ってもらうよ」

 

 創造神様の言葉によると一つの世界にとどまるのではなく様々な世界に旅するかんじになるようだ。

 

「君に行ってもらう世界は君の世界のアニメやゲーム、小説の世界だよ」

 

 その創造神様の言葉にアニメやゲームが大好きな俺は喜んだ。しかし、次の言葉を聞いて俺は凍りついた。

 

「それで、まず君に行ってもらう世界はノーゲームノーライフゼロだよ!」

 

 ノーゲームノーライフゼロを知らない人の為に軽く説明すると、この物語は神々が唯一神の座をかけ、自分の手駒である種族を創り大戦をしているなか、その大戦を終わらせるために主人公のリクとヒロインのシュヴィとその仲間達が誰にも気づかれないように戦況を操り大戦を終わらせるがリクとシュヴィが最終的に死んでしまうという悲しい物語である。

 なぜ、俺が凍りついたかというと神やその神が創り出した種族が強すぎるからだ。弱い方の種族である獣人族でさえ、圧倒的な身体能力を持っていて上位の個体は血壊という技で身体能力を強化し、身体能力を物理限界まで強化することができるのだ。

 つまり、死亡フラグがそこら辺にごろごろ転がっているのだ。

 

「まじですか……」

 

 絶望して、orzとなっている俺の肩に創造神様は手を置いてとても良い笑顔で言った。

 

「死んでも復活するような能力あげるから頑張って!」

「そういう問題じゃないですよ!? まあ、ありがたく能力は貰いますけど」

「あ、そうだ君は特典として何が欲しい?」

 

 創造神様が俺にそう言ってきたので俺は創造神様から紙を貰い、欲しい特典を書き出した。

 

 ───────────────────────

 ○欲しい特典

 

 ◆ノーゲームノーライフの機凱種の身体と能力

 

 ◆エヴァンゲリオンの使徒のコアで、永久機関である生命の実

 

 ◆第4使徒のラミエルと同じ強度のATフィールド

 

 ◆生命の実から生成されるエネルギーを使って自己の強化や改造ができるようになる

 

 ◆生命の実から生成されるエネルギーを使って望んだ性質の物質を作り出すことができるようになる

 

 ◆あらゆるものを解析可能にする

 

 ◆ゲームの様なメニューの様なものが使えるようになる

 

 ◆精神的に強くなる

 

 ◆超再生能力を得る

 ───────────────────────

 

 これぐらい能力があれば早々死ぬことはないだろうと思い、書いた紙を創造神様に渡した。ちなみに、機凱種とは連結体 (クラスタ )というむれでつながって行動をしている種族で一機が他種族の攻撃により破壊されても、その攻撃を他の機体が模倣し再現することが出来る。そのため理論上は無限に強くなることが出来るというとんでもない種である。

 

「まだ余ってるけどどうする?」

「マジですか」

 

 めちゃくちゃデタラメな能力書いたのにまだ余ってるのか。しかし、ごく普通の一般人だった俺がこれ以上の力を望んでも使いこなせないだろうしな。

 

「やめときます」

「わかったよ、あ! そういえば言うの忘れてたんだけど一つの世界に行くごとに課題を出すからクリアしてね!」

 

 課題か、難しくなければいいんだが。

 

「了解です」

「課題を終わらせたら、いつでもここに戻ってこれるようになるよ! ここに戻ってきたらすぐに次の世界に行ってもらうけどね」

「分かりました」

 

 創造神様は横に出現した紐を引っ張りながら言った。

 

「それじゃあ、行ってらっしゃい!」

「え?」

 

 急に足下の床がパカッと開き、俺は落ちた。

 

「はぁーーーーーー!?」



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能力確認!

わかりにくいところがあればご指摘ください。
(^ω^)


 創造神様に落とされた後、俺は意識を失い気付いたら真っ暗な空間にいた。しかし、身体が機凱種だからなのかすぐに視界が通るようになった。

 

 周りを確認しようと思い、起き上がろうとすると

 

「うわっ!?」

 

 いきなり、頭を後ろに引っ張られ倒れた。慌てて自分の後頭部を確認すると、人間だったときよりもだいぶ伸びた髪があった。

 

 先程、頭を後ろに引っ張られたのは、俺が自分の髪をおさえて立ち上がろうとしたからみたいだ。

 

 今度は、髪をおさえないように立ち上がろうとすると普通に立てたので、周りを確認すると、俺はどこかへ通じている道のある、5×5mの岩で囲まれた空間、つまり洞窟の中にいるようだった。そして、足下に手紙が落ちていた。

 

 手紙を調べると、創造神様からの手紙だった。

 

 ───────────────────────

 

 ごめんね、君に能力の使い方を教えるのを忘れてたよ。

 とりあえず、メニュー以外の能力の使い方は、メニューのヘルプの所に書いてあるからメニューの使い方だけ書いておくね。

 メニューは視界の右下の方にある、マークを意識しながら開け、と考えるとメニューを開けるよ。あと、課題もメニューに書いてあるからね。

 あと、余ってた魂の容量を使ってメニューを改造しておいたよ。

 そこはしばらくは安全だよ、それじゃあ頑張ってね。

 

 創造神より

 ───────────────────────

 

 いつこの洞窟が吹き飛ぶのか不安だったが創造神様曰く、しばらくは大丈夫らしいので能力の確認をするか。

 メニューにどのような改造をしたのかわからないが、とりあえずメニューを開こうと思い視界の右下を確認すると手紙に書いてあったようにマークがあった。

 マークを意識しながら開けと考えると、視界の左側にメニューが表示された。

 

 ──────

 ステータス

 ──────

 ──────

 クエスト

 ──────

 ──────

 オプション

 ──────

 ──────

 ヘルプ

 ──────

 ──────

 通信

 ──────

 現在時刻0:00

 

 ヘルプを意識するとヘルプが表示された。どうやら意識するだけで表示されるらしい。

 ヘルプを開くと、能力の使い方が書いてあった。

 まず、生命の実から生成されるエネルギーについて書いてあった。

 

 

 ──────

 生命の実

 ──────

 生命の実から生成されるエネルギーは基本的に、身体を動かしたり戦闘行為をするために使用されるため、貯蓄される。しかし、余剰エネルギーはポイントに変換される。しかし、戦闘行為のために貯蓄されたエネルギーをポイントにまわすことも可能である。

 

 

 新しくポイントという言葉が出てきたため、文のポイントと書かれている所を強く意識するとポイントについてのヘルプが表示された。

 

 

 ──────

 ポイント

 ──────

 貯蓄エネルギーが変換されたもの。

 望んだ性質の物質を生成する、またはステータスの能力パラメータを上げるときに消費する。

 ステータスに残存ポイントが表示されている。

 能力パラメータを1上げる毎に10消費する。

 スキルを1強化する毎に1000消費する。

 スキルの作成時に消費する。

※自己改造には貯蓄エネルギーを使用する。

※ポイントを貯蓄エネルギーに変換することも可能だがロスが生じ、25パーセントのエネルギーが消失する。

※スキルを作成する際、作成するスキルが強力である程消費するポイントが増加する。

 

 

 どうやら創造神様はスキルというものを強化や作成できるように改造してくれたらしい。このスキルについて気になったが先に特典として頼んだ物質の生成について調べた。

 

 

 ──────

 物質の生成

 ──────

 ポイントを消費する。

 望んだ性質が物理法則により反する程消費するポイントが増加する。

 より正確に構造、または性質を理解し、正確に想像できている程消費するポイントが減少する。

 生成の仕方は生成したい物質を想像しながら『創造《クリエイト》』と唱えると生成される。

 

 

 このヘルプを読みながら俺は内心で、ガッツポーズした。

 ガッツポーズをした理由は、構造または性質を理解し、正確に想像できている程消費するポイントが減少するという所にある。

 俺の身体は機凱種で、機凱種とは機械でできた種族でデータを正確に保存することができる。そして、俺はあらゆるものを解析できる。つまり、生成した物質を解析しそのデータを保存することで、次に同じ物質を生成する時にはポイントの消費を抑えることが出来るのだ。

 

 物質の生成について考えるのを終えたところで、俺は自分の容姿について気になったのでさっそく鏡の代わりになるものを生成しようと思い、現在のポイントを確認しようとステータスを表示した。

 

 

 ──────

 ステータス

 ──────

 

 名前 なし(設定可能)

 

 性別 無性別

 

 年齢 0歳

 

 種族 半神半機凱種

 

 ────────

 能力パラメータ

 ────────

 

 STR 1.000

 

 VIT 1.000

 

 AGI 1.000

 

 ──────

 スキル

 ──────

 

 △不滅

 △完全解析

 ◆超再生+0

 ◆模倣+0

 ◆精神強化+0

 ◆生命の実+0

 ◆ATフィールド+0

 ◆物質生成+0

 ◆変形

 ◆疑似精霊回廊接続神経

 ◇ 能力作成可能

 

 ────────

 ショートカット

 ────────

 

 ○ 設定可能

 

 ──────────────────

 ポイント 1.000

 ──────────────────

 

 

 名前とか性別とか種族とかめちゃくちゃ気になるものが書かれていたが、そっちは置いといて、ポイントを確認すると1000ポイントあった。

 鏡の代わりになる金属板の生成にどれぐらい必要になるか分からないからとりあえず生成する事にした。

 20×20cmで厚さ0.5cmの銀色の金属光沢のある滑らかな金属板、と出来る限り正確に想像しながら『創造』と、唱えると目の前に金属板が出現したので慌てて落ちないように取ると、自分の顔が映し出されていた。その顔を見て俺は愕然とした。

 金属板に映っていた俺の顔は、髪色は薄い水色だったがノーゲームノーライフゼロのヒロインである、シュヴィの顔と瓜二つだったのだ。

 

「無性別だとしてもせめて男性型の機凱種が良かったよ!」

 

 と、orzとなりながら叫んだ。すぐに、はっとなり周りを確認したが誰も近づいてくる様子が無かったのでとりあえずほっと、息をはいた。創造神様からの手紙にはしばらく安全と書かれていたが、もし他種属に聞かれていたら戦闘になっていたかもしれないからだ。

 創造神様に機凱種の男性型と指定して言わなかった自分もわるいが、察して欲しかった。それと、原作を知っている俺としては、主人公達を見捨てるのは無理な話だから、いずれ主人公達に合流するつもりだったのに合流した後、どうやって説明しよう……。また、考えることが増えたよ。

 

 気を取り直して俺は消費したポイントを確認すると977になっていたので、今の鏡の性質を持った金属板の生成で23消費したようだ。

 次に、どれほど消費ポイントが削減されるのか検証するために、なぜか使い方を理解していた完全解析で金属板を解析して、もう一度生成すると1ポイント消費していた。

 どうやら、金属板の生成に使用したポイントが少なすぎたらしくどれほど削減されるのか正確にはわからなかった。しかし、とても削減されるというのがわかったのでとりあえずよしとする。

 

 次に何を調べようか迷ったが、先程気になったスキルについて調べようと思い、スキルのヘルプを表示した。

 

 

 ──────

 スキル

 ──────

 物理法則を無視する異能の力。

 貯蓄エネルギーを消費して発動する。また、任意に発動出来るものと常時発動しているものの2種類ある。

 ポイントを使い強化可能。また、作成も可能。

※強化に必要なポイントは強化の度合いによって増加する。

※作成に必要なポイントは作成するスキルが強力である程増加する。

※スキルの前につく記号が◆の場合強化可能である。

※スキルの前につく記号が△の場合強化不可能である。

 

 

 無茶苦茶なものだった。

 物理法則を無視するということは、ノーモーションで瞬間移動したり、生身で上空数千メートルから飛び降りて無傷ということが可能なのである。

 いかに無茶苦茶かわかるだろう。

 

 今どのようなスキルを持っているか調べると不滅、超再生、精神強化、生命の実、ATフィールド、完全解析、模倣、物質生成、変形、疑似精霊回廊接続神経の10個のスキルを持っていた。

 一個一個ヘルプで調べていくと、不滅、超再生、精神強化、生命の実、ATフィールドが常に発動しているスキルで、完全解析、模倣、物質生成、変形、疑似精霊回廊接続神経が任意のタイミングで発動できるスキルという事がわかった。ただ、常に発動しているスキルのなかで例外としてATフィールドだけ自分の意思で自由に操ることができるようだった。

 

 使い方は不思議なことに完全解析と同じようになぜか既に理解していた。

 

 

 

 

 




残りのポイント976

設定を凝りすぎて話が進まない(´;ω;`)


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外の世界

 ずっと能力の確認をしていて忘れていたが、俺は今服を着ていなかった。

 

 機凱種の身体だから裸でも問題は無いが人間の感性が残っている俺は普通に恥ずかしい。しかし、俺は今着れる服なんぞ持っていない。

 

 持ってないなら作ればいい。ということで、物質生成で灰色の生地の動きの邪魔にならないような半袖半ズボンを6ポイント使って生成したところで翼と疑似精霊回廊接続神経の尻尾がある事に気がついた。

 

「これ収納出来んのかな?」

 

 変形を使ってみると簡単に収納出来た。しかし尻尾を収納している時は疑似精霊回廊接続神経が使えなくなるようだ。まあ、封印するつもりだしいいか。

 

 これで服の問題も解決っと。あ、名前も決めてなかった。

 

 この身体で前世の名前を使うと不自然だし、種族は半機凱種(エクスマキナ)だからマキナでいいか。

 

 ちなみに先程ほど封印すると言った疑似精霊回廊接続神経とは、星の精霊回廊から精霊を吸い上げ殺し、膨大なエネルギーを生産できるが精霊を殺すため霊骸という物質を生み出してしまうといったものである。

 

 

 

 そろそろここを出てリク達に合流したいから課題を確認してここを出るか。

 

 俺は課題が書いているだろうクエストを表示した。

 

 

 ──────

 クエスト

 ──────

 星杯(スーニアスター)を解析し概念を理解しろ。

 

 

 星杯(スーニアスター)とは、種を創造を行えるレベルの魔法を行使できる神霊種(オールドデウス)を一人に限定するために設定された概念装置である。すなわち、この星杯(スーニアスター)を手にした者が唯一神になれるため、これを求めて大戦が起こった。

 

 原作ではリクが星杯(スーニアスター)を出現させてたからその時に解析させてもらうか。

 

 さて、大体の能力の確認が終わったから洞窟を出るか。

 

 洞窟を歩いて行くと外に出た。

 

「さすが、星をも殺したと言われる大戦だな、自然のしの字も無いな」

 

 空は、生命に有害である霊骸が飛散し、それによって赤黒く分厚い雲がかかり薄暗くなり、そして地は枯れ果て所々ひび割れていた。

 

「リク達に合流したいけど今、原作前なのかすでに始まってるのかもわからないしなぁ」

 

 リク本人を見つけたら今どのくらいなのかわかるから、とりあえずどこにいるか探すスキルを作って探すか。

 

 というわけで作ったスキルがこれ。

 

 ──────

 座標探索

 ──────

 指定した人または、物の座標がわかる。

 指定出来るものは自身の知っているものだけである。

 指定数は最高5つである。

 指定する時にポイントを10消費する。

 

 

 色々な制限をつけたがこのスキルを作るのに129ポイント消費した。

 

「どんどんポイントが減っていくなぁ」

 

「まあ、ポイント気にしててもしょうがないしリク探すか」

 

 座標探索でリクを指定すると、だいぶ遠くにいる事がわかった。

 

「遠いから体慣らしに走っていくか」

 

 魔法を使うと他種族に精霊を感知されるかもしれないから、素の身体能力で走って行くことにした。

 体に慣れていないため何回か転ぶと思っていたが、機凱種(エクスマキナ)の体だからなのか思い通りに動いた。

 

 

 少しすると破棄された森精種(エルフ)の都市が見えてきた。

 座標探索によると都市の中にいるようだった。

 

「あれ? ここってリクがシュヴィと会うところじゃね?」

 

 そう、原作ではここで主人公のリクがヒロインのシュヴィと出会うのだ。

 

 ここでシュヴィかリクに見つかると、リクがシュヴィを人の里に連れて帰るというイベントが無くなってしまうかもしれないから、二人のやりとりが終わって帰る直前に接触しようと思い、姿を隠しながら探した。

 

 少しの間探していると、人類種(イマニティ)の青年に馬乗りしている機凱種(エクスマキナ)を見つけた。

 

 この人類種(イマニティ)の青年が主人公のリクで、機凱種(エクスマキナ)がヒロインのシュヴィである。

 

 俺は二人の会話が終わるまで待とうと思い、隠れ続けた。

 

 

 ───────────────────────

 

 

 リク視点

 

 俺は墜落した地精種(ドワーフ)の空中戦艦にあった地図に載っていた森精種(エルフ)の滅ぼされた都市を目指して馬を走らせていた。

 

 森精種(エルフ)に関する情報は極めて高度で、そして貴重なものだ。

 

 奴らは触媒を必要としない魔法で、全てを片付けるため、集めた知識も欠落が多かった。

 

 そして、さらに知識を集めるため遺跡を探索していると、何かの気配を感じ取り振り返るが何もいなかった。

 

 ──────気のせいか? 

 

 フッと背後を何かぎ通るのを感じた。

 

 ──────いや! 何かいる!? 

 

 そう思うや否や全力で逃走しようとするが何らかの魔法を使われ吹き飛んだ。

 

 気づくと裸の少女に見えるものに馬乗りされていた。

 

 ──────機凱種(エクスマキナ)!? 

 

「……【検討】……状況整理中……」

 

 ──────落ち着け、こいつらは『連結体(クラスタ)』という群れで行動するためここで敵意を向けることは全機凱種(エクスマキナ)との敵対を意味する。

 

 ──────抵抗するな……。

 

「おにぃちゃん、もう我慢出来ない。私を女にして」

 

「はぁ?」

 

 次の瞬間、唇を奪われた。

 

「【問題】……理解、不能」

 

 ──────理解不能はこっちだクソが! 

 

「【推測】……該当シチュエーションでは、充足できない?」

 

「あいにく俺はお前達に観察されて興奮する程、変態じゃないんでね」

 

「【疑問】……お前達とは、誰?」

 

「とぼけるなよ、全部『連結体(クラスタ)』とやらに筒抜けなんだろ?」

 

「【否定】当機は『連結体(クラスタ)』から連結解除されている」

 

「連結解除? ……単独ってことか」

 

「【肯定】」

 

「それで……、その彷徨える機凱種(エクスマキナ)が人間の俺になんの用ですかって聞いてもいいのかな」

 

「【解答】人間が交わす独自言語を解析する、心という独自言語」

 

「心……」

 

「【理由】当機は心の存在に関して調査、解析の実行過程において論理破綻を多発し、破棄された。以後単独で観察を続けている」

 

 ──────観察ね……、自力で心の解析をして『連結体(クラスタ)』に戻してもらおうって魂胆か。

 

「【要求】肌を重ねる、皮膚組織接触を用いた独自言語は心を交わす行為と推定、当機と生殖行為を「断る!!」

 

 俺はすぐ自殺出来るように首もとにナイフを持ってきて言った。

 

「【代案】当機を欲望のまま蹂躙して問題ない……穴ないけど」

 

「しねぇよ、てか無ぇのかよ!!」

 

 機凱種(エクスマキナ)の少女は無言で立ち上がった。

 

「【典開(レーゼン)】──遊戯001『チェス』──」

 

 すると少女の頭の上がひかり、その光が輪郭線を描くようにチェスのシルエットが浮かび上がり、具現化した。

 

 ──────こいつが……機凱種の武装展開……! 

 

 俺が機凱種の武装展開に驚いていると、おもむろに少女が言った。

 

「【勝負】ゲームを申し込む」

 

「【条件】当機が勝てば当機を持ち帰り、生殖行為の実践を要求」

 

「よりによって、チェス……だと? 機械種族、演算機相手に勝ち目ないだろ」

 

「で、もし俺が勝ったら?」

 

「【解答】当機を持ち帰り生殖行為の実践を許可」

 

「どっちも変わんねぇよ!!」

 

「まあいい、どのみちこのまま逃してはもらえねぇだろうから、言う通りにしてやるよ」

 

「【結論】条件に従いゲームを実行」

 

「ああ、ただし条件はちょっとばかし変更させて貰うぞ」

 

 

 ■■■

 

 

 ──ゲームは、一方的だった。

 俺は、わずか二十九手で敗北した。予定通り。

 

「くそ、俺の負けだ。……仕方ねぇ、約束通り『集落』へ案内しよう」

 

 高度な演算を駆使する機械種族相手に、最善手を読み合うゲームで勝てるわけがない。だから俺は──敗北した方が有利な条件──を提示した。

 そして、……うまくいった。

 

 

 

 俺は帰宅した後、起こることを考え頭を抱えながら立ち上がり、いざ帰ろうとした時、後ろから声がかけられた。

 

「ちょっとそこのお二人さん、少し俺の話を聞いて貰えないかな」

 

「なッ!?」

 

 ──────気配を感じなかった……!? 

 

 俺は飛び跳ねるように後ろへ振り向いた。

 

 すると、先程チェスをした機凱種(エクスマキナ)の少女に瓜二つの質素な服をきた機凱種(エクスマキナ)がいた。




残りのポイント831
やっと原作に入れた!
。゚(゚´Д`゚)゚。


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