使役の勇者 何しますか? (火桜 葵)
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番外編・特別編
番外編 バレンタインデー


毎日更新8日目です


この中で、そのあとの様子を見たいものをアンケートにしときますので投票をお願いします


2月14日

日本でいうところのバレンタインデー

女性が意中の男性にチョコレートを渡す日である

友チョコや義理チョコなるものもあるらしい

他の国では逆の男性が女性に渡すところもあるらしい

 

前の世界では妹ぐらいにしか貰えない大変寂しいイベントではあったけど

まぁ?ウルトラハイパー可愛い俺の妹からのチョコだし?

別に同級生に貰えなくたって寂しくなんかなかったし~!!

はぁ、止めとこ虚しい

 

 

まぁ、そんなわけで…今日はバレンタインデーということで俺が今しているのは

チョコ作りだ

ナオフミと二人でチョコを作りセツ達にサプライズしようという粋な計らいである

 

「ナオフミ?そっちはどうだ?」

「あぁ、こっちは粗方終わったんだが、少しインパクトが足りない」

「なるほど。隠し味とかどうだ?チョコに何が合うのかは分からんけど」

「隠し味か、良いかもしれないな。無難なところはミルクな気がするが、他には何を………………」

 

男二人でパーティーメンバーに渡すためのチョコを作ることになるとは前なら考えもしなかったことだな

なにげにナオフミの料理スキルが高いのが恨めしい

まぁ、これでも料理は色々と教えて貰ってるので俺の技術も凄い上がっているけど

 

 

 

 

「よしっ、完成した!!」

試行錯誤の末に自分なりのバレンタインチョコが完成した

 

チラリとナオフミの方を見てみると満足げにしているのでどうやらナオフミも満足いくものが出来たらしい

 

「どうする?すぐに配りに行くか?ここだと保存方法も限られてくるし、さっさと渡した方が良いと思うけど?」

「そうだな。早めに渡しておいた方がいいだろう」

「ん……それじゃあ。みんな集めて渡すか」

 

 

 

 

 

「んなぁ、んで?どうしたんだ?急に集めて」

「ん?待て待て、全員揃ってからな」

 

今のところ集まっているのは、俺ナナチ清姫セツ、ナオフミフィーロである

 

「しかし、ラフっちが遅れてくるのは珍しいな。婦長やオルタが遅れてくるのはいつものことだけど」

「確かにそうだな。なんだかんだ言って、こういうときにすぐ集まるのはオルタじゃないのか?」

「まぁ、確かにそういえばそうだけど。噂をすればなんとやらだな」

 

「はぁ、はぁ……すいません……ナオフミ様……遅れました」

「お姉ちゃん達おそ~い」

「もとはと言えばアンタがっ、はぁもう良いわよ」

「すいません、オルタさん」

「別にアンタが謝ることじゃないわよ。あそこの鳥娘が悪いんだから、それであのバーサーカー、まぁ今の私もそうだけど。どこにいんのよ?」

「ここにいますよ」

「ひゃあっ!!い、いたらいたで返事しなさいよ!?」

「だから返事したでしょう?」

「~~~~っ!はぁ、もう。それで?何で集められた訳?」

 

「お前達元気だなぁ。いやまぁ、今日はバレンタインデーということなのでナオフミと俺からのチョコのプレゼントです」

「一応手作りだ」

 

「「「「「「あっ」」」」」」

 

「まさかその反応」

「そのまさか、なんだろうなぁ」

 

「チョコ交換会とするか」

「そう、だな」

 

 

 



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何しますか?
プロローグ 召喚


後悔はしてません、反省はしてます


俺は普通の毎日を暮らしていたのだ

高校に通って、勉強して、休み時間にはそれなりに友達と話して、家に変えれば飯を食って好きなゲームで遊ぶ。

好きなラノベを読んで、風呂に入って

歯を磨いて寝る。

 

極普通の毎日だった

 

それでも普通に過ごしていても

 

死は訪れるのだ

 

そうして俺は死んだ

 

死んだ、筈だった

 

だが、何だ今の状況は

 

周りには男達が居て、見渡せば様々な騎士達が居る。

前を見れば玉座にふんぞり返る王が居る。

 

何だこれ、死んだ筈だったのに

また人生をやり直すことに俺はなったのか。

あの世界に未練がある訳でもない

別にそういう訳じゃない、けど

 

せめて、せめてッ!!

 

「勇者なんて面倒な職業を押し付けないでほしかった」

 

どうやら俺は勇者として異世界に行ってしまったようです

 

 

 

↑↓←→

 

 

「どうしてこうなった………」

 

「まぁまぁ、今更気にしても仕方ねぇって」

 

金髪のチャラ男風の男が俺を慰めようと肩を叩いてくるが、若干距離が近いので少し離れていてほしい。

 

「モトヤスさん、嫌がってますよ」

 

何か止めるようにチャラ男に言ってくる天パの高校生かな?多分

俺と同い年そうな見た目ふんわりした感じ

 

「お?ごめんな!」

 

元気よく謝ってくるが、それは謝ってるのか

 

「あ、はい……」

 

俺は逆に元気なく相手に言葉をそれとなく雑に返す。

 

正直に言って今は傷心中だ、話しかけないで誰も話しかけないでほしい。

 

「はぁ~」

 

「辛気臭いため息を吐くな」

 

「すいません」

 

壁に背中をつけて此方を睨み付ける

黒髪の高校生かな?

第一印象は中二病患者っぽい

 

「それで、どうするんだ?食事までに情報を話し合うんだろ?」

 

そんな話があったのか

そんなことを思う俺である

 

この男性は少し他の人より優しめ、というか普通の大学生っぽい

色々と共感を持てたりするかもしれない

 

「そうだったな」

 

「そうですね、それで1つ思っていたことがあるんですが良いですか?」

 

「何だ?」

 

「ヘルプを見てて思ってたんですが、これってゲームみたいじゃないですか?」

 

「ゲームだと?」

 

ヘルプだと?

なにそれ、そんなのあったの?

横でゴチャゴチャ話し合ってるが、とりあえずヘルプというものを確認する

 

視界を動かすと何やらアイコンのような物が見えた

確かに、これはゲームっぽい

 

ヘルプらしきものを覗いてみる

なるほど、色々書いてある

 

覗いてみて色々興味深い単語が色々あった

 

『勇者武器』『ステータス』『サーヴァント』『令呪』『ガチャ』『聖晶石』

等々

 

勇者武器以外の単語は俺が見たことある単語だ

 

サーヴァントや令呪

 

これは俺がやっていたFGOというゲームや俺が見ていたアニメFateシリーズに出てくる単語だ

 

少し俺は興奮してる

 

もしかしたら、この世界でサーヴァント達と会えるのかと

 

「おい」

 

年甲斐もなく、いや年相応か

ドキドキしてる

 

「おい」

 

この世界に来て初めて良かったと思える出来事が今、俺に起きてる

 

「おい」

 

これなら勇者になったこともどうでもいいと思える程にだ

 

「おいっ!!」

 

「はいっ!?」

 

「さっきからずっと黙りっぱなしで、お前も自分が知ってる情報を話せ」

 

中二病患者が俺に怒鳴るように喋ってくる

 

「え~と、何の話をすれば」

 

「まずはお前の世界の話だ」

 

「俺の世界の話??皆さんと同じところから来たのでは?」

 

まぁ俺は一度死んだのだけど

 

「いや、どうやら俺達は別々の世界、日本から来たということは同じだが別時空から来たみたいだ」

 

「別時空?」

 

剪定事象的な?

 

「言っても俺が過ごしてた世界は平凡ですよ?

能力で戦う訳じゃない、剣を持つ訳でもない、ましてやVRゲームの、ゲームの世界でデスゲームをしたり何てもしない在り来たりな世界ですよ」

 

「そうですか、ならこの世界に似たゲームを知ってますか?」

 

「この世界に似たゲームですか?でも、世界観的にこういうゲームがあっても不思議ではないので、俺が知らないだけであるかもですね」

 

「そうですか、なら次の質問です」

 

次とな、いつまで続くんだ。

 

「はぁ」

 

「ここにはどういった経緯で来ましたか?」

 

「どういった経緯?え~と、死んで?」

 

「それは分かってます、どんな風に死んだのですか?」

 

周りを見ると興味がありそうに聞き耳を立てている

 

どのように死んだって、あれ?

死んだ直後の記憶がなくなっている?

 

「どうしとんですか?難しい顔をして」

 

「いや、死んだっていうことはハッキリと分かるんだけど、何で死んだのか覚えてないんだ」

 

鮮明にクッキリと死んだっていうことは覚えてる

 

 

「なるほど、記憶喪失ですか。死んだショックでなくなってしまったのでしょうか?それなら最後の質問です。

貴方の武器は何ですか?見たところ何も装備していないようですが」

 

「武器?」

 

確かに良く良く見れば誰もかしもが、武器を装備していた

 

そして盾

 

盾?盾って武器なの?

鈍器ではあるかもだけど、マシュとかの前例もあるし

 

そして俺の掌をみる、何も握ってない

もしやと思い手の甲を見てみると、やはり赤い何とも言えないような形の令呪が浮かび上がっていた

 

そうしたら俺の武器は何なのだろうか?

魔術?マスターであること?それとも指揮者?使役者?

 

「よくわからないかなぁ、言うなら

使役の勇者っていうのが当てはまるかな」

 

「使役、近いものでサモナーでしょうか?」

 

「サモナー、か。盾と同じでハズレという程でもないがハズレ枠の職業だな」

 

「ハズレ枠?」

 

「あぁ、確かに俺がやってたゲームでもハズレ職業だったな。モンスターを使役したとしても、中レベルな中級のモンスターが限度」

 

「そして、モンスターを戦闘に出すのに時間が居る」

 

「最後に、モンスターに戦わせるよりジブンデ戦った方が効率がいい」

 

代わり代わりに、貶されていく俺の職業

別にいい、サーヴァント達が本当に仲間になるならば俺には今なんと言われようとも心は砕けない

 

そのあとは普通に食事して寝た

 

 

 

 

 




あー、暖かい目で見守ってください

更新は遅いです、少し溜めてますが遅いです


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仲間

作者、思ったより人気出てて吃驚してます

1話が良かったからって続きが面白いとは限らないんだよ!?
分かってますか!?読者さん!?
ありがとうございます!!


「勇者様の御来場」

 

その声と共に、レッドカーペットらしきものを歩いていく俺達5人

 

周りをチラチラと見ると、前日には居なかった人達が沢山いた。

あれが仲間候補だろうか?

 

普通に俺は仲間は必要無いんだけど

まぁサーヴァントが確実に仲間になるという訳じゃない以上一人二人仲間は欲しいところかな。

 

 

そしてどうやら、こちら側が仲間を決めるのではなく、相手側が使えたい勇者を決めるらしい

 

そのシステムは賛否両論あると思うのだが?

 

冒険者達全員が勇者の後ろに並び終えた

 

結果は……槍、4人 剣、5人 弓、3人

俺、1人 そして盾、0人

 

これは流石に酷い

 

「勇者さま、おねがいします!」

 

俺の後ろに並んだ少女が話しかけてくる

顔は美しいというよりは可愛く

小柄な体型で守ってあげたくなるような感じ

だけど、服装はアサシンだった

腰に短剣やらナイフやら色々と物騒な物を着用し、服装は動きやすそうな服装に上から羽織るように被るポンチョみたいな物。因みに色は黒色

 

 

「あー、よろしくね」

 

「はいっ!」

 

元気いっぱいだなぁ、可愛らしい

そして事を見守るべく、話を聞いていると

槍のところにいた赤髪の女が盾の人のところに行くと言っている

 

何か、嫌な気配というか

う~む苦手な部類だ

 

「勇者さま、勇者さまっ」

 

俺の服の袖をクイクイと後ろから引っ張って俺を呼び掛けてくる

 

「どうした?」

 

「あの人、この国の王女だよ?」

 

「嘘っ!?……本当に?」

 

驚きすぎて大声を出してしまい周りに奇異の目を向けられた為に続きは小声で話す

 

 

「うん、私見たことあるよ?もう1人青髪の時期女王の王女が居た気がする」

 

時期女王が居る王女、それが身分を隠して男の元へ

 

「ほーん?何か臭うな」

 

妙な勘繰りをするが、俺には関係ないことか

 

「私臭い?」

 

「違う違う、臭くないよ」

 

俺がそう伝えるも、気になるのかクンクンと自身を匂う

まぁ確かに少し鉄臭くはあったが

 

血の臭いかな、多分

殺ってきたあとなのかな、怖いや

 

それでもなんと言うか、ジャックに通じる何かがあるから俺は何とも思わないけど

 

雰囲気というか、ジャックと共通点が多い

ロリアサシン、ナイフやら短剣を扱うところとか

あと髪色とか

 

 

それにしても可愛いな、抱き締めたいくらい可愛いけど

そんなことしたらグサリッてされそうだから止めとくけど

あと絵面的にアウトだし

 

ロリコンじゃないよ?単にこう、小動物を愛でる感じの感情だから

 

「えへへ」

 

何か照れてらっしゃる

 

「でも、そんな酷いことは私しないよ?ギュッてしたいならしてもいいんだよ?」

 

ゴハッ!!な、なんて可愛さだぁ

この心も読まれているのかもしかして?

 

「平然と読心術を使ってくるのやめてほしいな」

 

「ぜんしょします」

 

「それって、しないってことだからね?」

 

取り敢えずお金を貰えるらしいので、貰ったらここからすぐに出ることにした

 

 

○□△◇

 

「さてと、まずは自己紹介するか」

 

「はいっ、名前はシロハナノセツと言います、特技は殺すこと、人でも魔物でも獣でも勇者さまが言うなら殺せるものは殺します。好きなことは武器の手入れ、お料理です!

以外と私は器用ですので、色々出来ますよ!」

 

 

まぁアサシンっぽいからそうだとは思ってたけど、特技を自重してほしい

 

「名前は、この地域で言うなら大分変わってるんじゃないか?」

 

「そう?普通だと思うけどなぁ」

 

「そっか、料理が好きって言うのは以外だったかな。これからは何て呼べばいい?」

 

「料理はまだ上手く作れませんが、好きなように呼んでください。勇者さまが呼ぶ呼び方なら私は何でも喜びますよっ!」

 

勇者に何か憧れでもあるのか

名前、名前かぁ

 

シロ、ハナ、シロノ、ユキ、ユキノ、セツ

 

「取り敢えず今はセツでいい?」

 

まぁ、愛称は仲がよくならないとダメかな

下の名前もどうかとは思うけど

 

「分かりました、このセツ勇者さまを支えたいと思います!

不束者ですが末長くよろしくお願いします」

 

「最後の台詞は使いどころが違う気がするけど。

俺の番か名前は神ノ木 野良。あんまり好きな名前じゃないけどね

特技は特にないかな、好きなことは読書、ゲームとか、あとは道具作りとか色々」

 

「ノラさまですか?これからはノラさまとお呼びした方が良いですか?」

 

コテンと首を横に傾げて俺に名前の呼び方を聞いてくるセツ

 

可愛いなぁ~もぉ~

 

「うーん、あんまりそれは好まない呼び方だからせめてカミキって読んでくれる?友達が付けてくれたあだ名なんだ」

 

昔にノラって呼ばれるのが嫌だったときに友達が付けてくれたあだ名だ、本当に仲がいい親友とも言える人はノラって俺のことを呼んでたけど

 

アイツ元気にしてるかな、エロ本の立ち読みなんてこと未だにしてるんだろうか?

最近はコンビニから消えたからなぁ

 

おっと、どうでもいいことを思い出してしまった

 

「カミキさまですか?分かりましたこれからはカミキさまってお呼びしますね!」

 

「うん、よろしくね。さてと、準備とか色々したいし武器屋とか近くにある?」

 

「う~ん、あっ!それならオススメのお店がありますよ」

 

武器屋に着くまでに、セツが美味しい匂いに、まぁ俺もだけど釣られて肉串を買ったり、甘い何かを買ったりしてた

 

セツにも見た目らしい子供っぽいところがあって少しホッとした

そうじゃなきゃ、これからどう付き合っていければ良いのかわからなかっただろうし

 

「あっ、着きましたよっ」

 

「如何にもな感じな店だなぁ」

 

ゲームでよく出てきそうな、ザ・武器屋みたいな気がする

 

 

「それじゃ入るかなっ…どわっ!!」

 

ドアを開けた瞬間に俺の顔の本真横を何かが通り抜けた

 

セツに当たってないか急いで確認する

 

「大丈夫か!?」

 

「だいじょ~ぶです」

 

セツを見ると片手で剣の柄を逆手で持っているのが見えた。

まさかこれがさっき飛んできたのか?

 

というかよく取れたな、じゃなくて

これは、文句の1つでもいってやらないと気がすまないぞぉう!?

 

「おいっ!!危ないだろ!」

 

俺が怒鳴り散らした先に居たのは

 

「その、すまん」

 

「おぉ??盾の勇者?」

 

最初にあったときのジャージ姿のままの盾の人だった

 

「あ、あぁ、そうだけど」

 

「何で盾の勇者がここに居るんだ?武器って必要なの?」

 

盾を持ってるなら武器なんて必要ないのでは?

タンク職がアタッカーになったところで何の意味があるっていうんだ?

 

仲間に攻撃を任せておけば……

 

「あぁ、そっか。確かにな自分でやらないと駄目だよな」

 

 

あの赤髪に任せるにはちょっとな、とは思うしな

 

因みに主にマシュマロナスビは別です

 

「何か言ったか?」

 

「いや、何も。それより武器が飛んできたんだけど、気を付けてほしいんだけど」

 

「悪かったな、俺も剣を握ったらなんと言うか弾かれたみたいに飛んでいってな」

 

弾かれる?

 

「どういうことだ?」

 

「いや、専用武器以外は使えないみたいでな」

 

「え、なにそのクソゲー」

 

「俺もそう思う、はぁ何てこった攻撃力に期待は出来ないな」

 

ふむ、やはり盾で攻撃すれば良いのでは?

でも見たところあまり強そうな盾じゃないか

マシュマロナスビの円卓の盾には及ばないな

 

「なぁなぁ」

 

後ろから肩をトントンと叩きながら盾の人に呼び掛ける

 

「なんだ?」

 

少しだけ、機嫌が悪そうだ

そんな盾の人にキメ顔で

 

「盾ってな、武器なんだぜ?」

 

そう言った

 

「バカなの?」

 

そう言われた

 

そんなにドストレートに言わなくてもよろしいじゃないですか?

 

「カミキさま、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫、精神的にはアレだけど。取り敢えずその剣は返しておいてくれる?

盾の人が武器を装備出来ないとなると俺も多分装備出来ないだろうし」

 

まぁ、武器を持ってない俺が使えるか使えないかは分からないけど

 

「分かりましたっ」

 

素直に店の奥に居たスキンヘッドのオヤジさんのところにトコトコ歩いていって武器を手渡すセツ

 

和む

 

「おっ、ありがとな。んで、今日はどうしたんだい?嬢ちゃん」

 

話し方から察するに常連なのかセツは

 

「今日は私の用じゃないです、カミキさまの武器を調達、の予定だったんですけど

今回は防具だけ貰えますか?」

 

「あいよ、だけど盾のアンちゃんが帰った後でも良いか?」

 

「うん、それで良いよ」

 

「それなら少しの間、武器でも見ながら待っててくれ」

 

「はーい」

 

話が終わったのかコッチに戻ってくるセツ

 

「盾の勇者の人が帰ってから、カミキさまの番だってテンチョーが言ってたよ」

 

「そっか、ありがとうセツ」

 

頭をクシクシと少し乱暴気味にセツの頭を撫でてやる

 

「ふわぁ、もっとしてくださいっ!」

 

気持ち良さそうな顔をしてナデナデを更に要求してくるセツ

 

「セツは可愛いなぁ、もっとしてやるっ!!よーしよし!」

 

「うみゃぁ~」

 

猫みたいだなぁ

 

そのあとは盾の勇者の装備が終わるまでひたすらセツの頭を撫でてやった

盾の勇者の着替えが終わった頃にはふにゃふにゃになってピクピクしていた

 

「やっべぇ、事案だわコレ」

 

此方の様子を見たのか着替えが終わった盾の勇者が近づいてくる

 

「ヤバイな、これは可愛いよ」

 

「手を出すなよ?」

 

「子供に手なんか出すか、事件だわ」

 

「そうだわな、さて着替えは終わったのか?」

 

鎖帷子を着ている盾の勇者

 

「ふむ、背伸びしてるみたいだ」

 

「ほう、端的に言うと?」

 

「似合わないことは無いんだけど違和感があるみたいな、実質似合わない」

 

最終的にズバリと言う

 

「だよなぁ、まぁ俺はこれから少し外に出てくるよ」

 

本人も少し自覚があるのか苦虫を噛み潰したような顔をする

 

「そうか、気を付けてな」

 

「気遣いどーも」

 

そう言って店から出ていく盾の人、そのあとを追って赤髪も出ていく

少し此方を睨んでいたのは気のせいではないだろう

 

 

 

 




一週間づつ出していく予定でしたが、2日おきにします


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戦闘(?)

盾の人が店を出ていった後も俺は店に居た

 

 

「あの、1つ良いですかね」

 

「なんだ?」

 

何故、何故にッ!!

 

「この服装何ですかっ!?」

 

「似合ってるじゃねぇか」

 

うん、似合ってる。自分でも思う

ビックリするぐらい様になってる

 

でも、でもさ?1つだけ言わせて?

 

「何で魔術礼装・カルデアなんだよぉ」

 

「カミキさま、決まってますっ」

 

キラキラした目線で、純粋に悪意なく言ってくるセツ

確かに、良いと思うよ?

この礼装、だけどファンタジーに来たのにそういう服装じゃなくて、この礼装だなんて

 

「というか何でそもそもこんなのが?」

 

「あぁ、それか?うちではあんまし扱わない類いの装備なんだがなぁ。知り合いが置いていったんだよ、それなら今回は丁度いいしな。

魔法的付与が施してあって、着るだけで支援魔法が適正関係なく使えるっていう代物だぜ?」

 

だろうね礼装だし

この場合使えるのは

 

応急手当

瞬間強化

緊急回避

 

この3つだと思うけど、どうなんだろうか

ちゃんと使えるのか、そもそも効果が一緒だとは考えづらいし

 

「まぁ、貰い手が居なくてずっと仕舞ってたモンだ。気兼ねなく貰っていってくれ」

 

え?今、なんと?

これが、無料?

多分だけど普通に貴重品だと思うよ?

 

「何でってぇ顔をしてるな。そこの嬢ちゃんには昔に色々、今でもだが世話になっててな」

 

「色々?まさか、変態か?」

 

「ちっげぇよッ!!そういう意味じゃねぇ」

 

「デスヨネー」

 

こっわ、スゲェ怖い。あの、顔面からの圧力は体が震えるものがあるな

 

「なら、また懐が暖かくなった頃に」

 

「お?気前が良いな?そんときは利用を待ってるぜ?」

 

「はいっ!」

 

そう言って店を出る

顔面の割には案外好い人だ、ああいう人は好ましい

 

本当にまた今度利用させてもらおうかな

 

 

 

 

 

 

 

<≧>≦

 

場所は変わり国の外 草原

 

「さてと、早速戦闘の練習を…しようと思ったけど色々と試したいことがあるんだけど良い?」

 

「セツはカミキさまの指示に従いますっ」

 

うぐぅ、一つ一つの造作があざと可愛いんだよなぁ

 

「うん、ありがとう。それじゃ早速…」

 

礼装を通して魔術を行使する、イメージは

自身のパイプに更に補強して長さを加え目的の場所まで繋げる感じ

 

何とかコツを掴み、1つの魔術をセツに向けて扱う

 

【瞬間強化】

 

魔術を行使した相手、セツに視線を向けると少し肩をピクッと震わせて、手を握ったりしてる

 

「何というか、力が上がった気がします。これはカミキさまが?」

 

何時もとは違う、真剣な眼差しで射ぬかれたので、少し恐縮してしまう

 

「あぁうん。一応ね、どんな感じ?違和感とかはない?」

 

「違和感は、ないです。少しだけ席を外しても?」

 

「あ、うん。はい良いです」

 

「それでは」

 

一言だけを残して一瞬にしてその場から消え去るセツ

 

「えぇ、何アレ怖ぁ!!戦闘とかのことになるとあんな感じになるの!?

いや、それもギャップ萌えなのでは?

ふむ、そう考えると…………アリだな」

 

変態ではないから決して

 

 

それから数十分経った頃にセツが歩いて戻ってきた。

雰囲気は刺々しいもので、それはそれは大変な殺意です

自分には向いてはいないのは分かるけど、殺意とかが垂れ流し状態なのは些かというか、大分怖い

 

「カミキさま……」

 

「ハイッ!?」

 

「何でそんなに怖がっているんですか?」

 

そりゃ貴女、そんなのビビりますとも

ギャップ萌えとかバカなことを考えてたのは自分でした、怖いです

 

「そ、それで何をしに行ってたの?」

 

何とか話を反らそうと何をしていたか聞く

 

「少しだけ戦闘を、どれだけ出来るのか試してました」

 

「そ、そう」

 

ま、まぁそうだよね、支援系の魔術を使ったの俺だし、悪いのは自分だよな

 

勝手に事故完結しておいた

 

「ふぅ、それでこのあとはどうするんですっ」

 

あっ、雰囲気が戻った

スイッチを切り替えたのか、何時も通りのセツの雰囲気に戻る

 

「このあとは、そうだなぁ。俺、今戦える手段が無いしなぁ。う~ん、戻るか」

 

今日は、結局王国に何もしないで帰ることになった

 

戦果は無し

 

知れたことはセツが戦闘になると怖いってこと

 

 

 

 

 



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召喚

今回は長めです、もう少し長くても良かった


朝、目が覚めて

昨夜泊まった、宿の天井もしくは壁が見えると思っていた

 

なのに

 

何故、俺は縛られてるんだ?

 

まて、まてまてまて可笑しい可笑しい可笑しい

 

昨日は普通に宿に入ってセツと別れて部屋に入った。

そのあとは普通に寝た筈だよな

それなのに何であの、偉そうな王の前で、勇者〝三人〟の前で鎖でぐるぐる巻きにされてるんだ?

 

盾の人は縛られていないけど、横に立っているし

 

勇者三人は汚物でも見るかのような、ニヤリとした表情でそこに立ってるんだ?

 

「これは、どういう……」

 

「黙れ!!魔の手先よ!!」

 

言葉を遮られて、いきなり大声で叫ぶ王

 

「はぁ?魔の手先とか、えぇ?」

 

いやいやちょっとまて、何だよ魔の手先って、え?中二病か何かなの?

いや、そんな雰囲気じゃないよな

 

「お前は、歴史上何処にも存在しない勇者だ、いや、勇者と言うのも烏滸がましいっ!!」

 

「つまり、俺は歴史上何処にも存在しないから怪しい、それなら魔の手先とか短絡的な考えをしたのかぁ?」

 

バカなのか?っていう言葉は流石に口を紡いで言わないようにしておく

 

「黙れっ!!魔の手先よ!まだ話は終わってはおらん!!勇者としては居なかったが、1つお前の資料が見つかった」

 

「はぁ」

 

呆れたような声を吐き出す

 

あれだけ歴史上何処にも存在しないと言われていたにも関わらず、資料があったのか

 

「資料によれば、魔物を使役する勇者が異世界より現れる。その勇者世界に厄を振り撒き、人間すらも使役するだろう」

 

王自身が読むワケじゃないんだ大臣みたいなのが読んでるし

……そんなもんか

 

というか人間も使役出来るんだね、始めて知った

英霊が人間枠に入るなら使役出来るんだろうけど

 

というかさっきから周りをキョロキョロと見渡しているけど、セツが居ない

何処に行ったんだろう

 

まぁこんな爆弾の近くに居たいわけないか

ちょっち寂しいけど、まぁ個人の勝手だしな

というか勇者達、静かだな

 

盾の人は少し同情した目で見てくるけど

この人も何かあったんかね?

 

「それで、何かしらの罰が最悪死刑ですかね?何かあるんですか?」

 

実際に死刑なんかされたら堪ったものじゃないけど

死にたくないし

 

最悪ここから全力失踪で逃げる覚悟はあるぜよ

 

「そうだな……死刑はやらん……しかし、ここで奴隷として波への対抗手段として生きてもらう」

 

「………はいぃ!?はぁ!?人権考えてくださいよー」

 

「何を訳のわからんことを…引っ捕らえろ!!」

 

「「「「ハッ!!」」」」

 

「よしっ!!俺達も行こうぜ!!」

「ですね」

「チッ、面倒だな」

 

奴隷とか、嫌すぎる。それが王族の奴隷とか、この場合国の奴隷なんだろうけど

あんなクズの為に奴隷として戦闘兵器になるとか嫌すぎるんですけど?

 

というか勇者三人!?ノルなよ

 

あぁもう、どうしたものか

 

セツが居ない以上、ここに居る奴等に全力で捕縛されたら逃げられない

今のところは、ステータスは一般人程度なんだよな、俺

魔力、ゲームで言うMPが多いくらいで

 

どうしたものやら

 

切り札を出すか、いや、でもなぁ

ここで出して良いものか

 

最悪死んじゃうし、仕方ないか

一応、メニューを開いておく

 

勇者特有のステータス魔法

多分その中でも俺のステータス魔法は一風変わってるものだろう

 

何故なら、ステータス画面がFGO産の物になっているからだ

FGOをしている人なら分かるだろう

横にズラリと並ぶアイコン

編成、強化、召喚、等々

マイルームはまだ使えないみたいだけど

あぁ、他にも画面があるが黒くなってて見えない

 

さて、考え事をしているうちに、囲まれてしまった

 

即座にアイコンを押す

 

そのアイコンを勿論【召喚】

 

いやぁ、良心的だね

一度目の召喚は無料で一回引けて、星4確定

 

マジで良心的じゃね?

 

とりあえず、勇者三人がスキルを放ってくる体勢に移行したので俺も何時でも召喚できるように待機しておく

 

盾の人は、既に退出済みであった

 

いや、うん。それが正しいけどさ?もう少し何かあっても良かったんじゃない?

 

 

そして突っ込んでくる兵達

 

そろそろか、さて誰がこのピンチに来てくれるのかッ!!

 

「来いっ!!」

 

アイコンを視認させる

ロードに入り、目の前に一枚のカードが風を吹き散らしながら現れる

突然の反撃に少し怯む兵達

 

「何をしている!!早く捕らえろ!!」

 

「チッ」

 

時間がない為に、即座にそのカードを手に取る

 

バチバチと電気のようなものが走り、カードが金色に変わる

 

確定演出!!

 

カードの表側に描いてあった、絵は槍を持った兵

 

つまり!!

 

「ランサーッ!!」

 

カードが光を帯びて、俺の目の前で顕現する

 

それは全体的に紫色をした少女のようで、手にはランサーである象徴の槍が握られている

 

「パール、ヴァティー」

 

「こんにちは、マスターさん。っと、今回は少しばかり忙しそうなご様子ですね」

 

まさかのパールを召喚するとは

だけど、今は四の五の言ってる場合じゃない

 

周りがザワザワしてるが関係あるか!!

 

「パールッ!!頼む!!助けてくれ!」

 

恥も外見もなく、そこに居る少女に助けを求める

強化してない状態で行けるか……

 

「フフ、召喚早々。サーヴァント冥利につきますね……精一杯、尽くさせていただきます…」

 

何をするかと思えば槍を掲げ、口を開く

 

「てーい!」

 

少し気抜けのする掛け声ではあるが、攻撃力は充分である

青い雷のようなものが周りにバリバリと落ちていく

 

さすがの勇者達も予想外なのか

ポカンとしている

 

「それでは少し、失礼しますね?…よいしょ」

 

俺の側まで来て、そのままお姫様抱っこで抱えられる

 

「ごめん、瞬間強化は掛けとくね」

 

少し申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった

 

「いえいえ~、大丈夫ですよ~」

 

いや、少女に抱かれると言うのは、少しばかりキツイ

これをぐだ達は耐えてきたのか尊敬するよ

 

そのまま兵をバッタバッタと薙ぎ倒して行きながら、窓から飛び降りていった

 

飛び降りていったのである

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!こっわ、怖いぃ!!」

 

そんなの怖すぎるのだ

 

「あぁ、暴れないで」

 

少し乱暴に力強く抱かれる

あっ、幸せ。やわらか~

えっ、女の子の体ってこんなに柔らかいの?

肩に触れるだけでも昇天しそうなんだけど、幸せ

 

お陰で少し恐怖心が薄れる

 

パールヴァティーはそのまま屋根伝いに、国を飛び回っていく

 

「どこまで行くんですか?」

 

「と、とりあえず、国の外までお願いするけど、体力大丈夫?一旦何処かで休む?」

 

「実は少し、疲れました……休んでも、良いですか?」

 

何て声を出すんだッ!!

別にパール推しじゃないけどパール推しになっちゃいそうだよ

 

そのままちょうど良い感じの屋根が合ったのでそこで少しばかり休む

屋上みたいになってる

 

「改めてありがとう、助かったよ」

 

「いえ、お役に立てたのなら」

 

「それで、自己紹介でもする?」

 

少し気不味いのと、始めての女のコ相手で何を話せば良いのかわからなかったので取り敢えず自己紹介を

 

「そうですね、自己紹介、大事です!」

 

闇の後輩系の匂いがしなくもないパールヴァティーさんに少し冷や汗を垂らしているのは内緒

 

あの、シーンマジでトラウマ

 

 

「まずは俺からか、えーと名前は神ノ木 野良って言います男性、年齢は18

趣味は読書、ゲーム、道具作りとか新しい物を見つけること特技は、無いかな、料理は出来ないこともないけど男飯になっちゃう。一度死んでこの世界に来た、一応勇者だった人です」

 

「おぉ、それじゃあ私の番ですね、ランサー、女神パールヴァティーです

此度は清らかな少女の体を借りて顕現させていただきました

趣味は、そうですねぇ料理、でしょうか?愛する人への栄養は、やっぱり手作りではないといけませんから。これからもマスターのサーヴァントとして側に置かせてください」

 

「うん、ありがとう。これからもよろしくパールヴァティー、ランサーって呼んだ方が良い?」

 

「いえ、それについてなのですが、先程の戦闘。私をパールと呼んでいませんでしたか?」

 

あちゃー、やらかしたなぁ

確かに大声でパールと、呼んでた気がするなぁ

ちょっち気不味いなぁ

 

「いや、ごめん不快だったと思うけど「いいえ!!大丈夫です!!」…あっそう?ならこれからパールって呼べば良い?」

 

「はい!」

 

元気だなぁパール、さてと、このあとはどうしようかねぇ

必然的にこの国に留まる訳にはいかないしねぇ

 

まぁ、当所の目標というか目的は波に備えて訓練&仲間増やしだな

そのためにはガチャを引かなければ、その為には石を集めないといけない

 

石は、波を治める、強敵と戦う、クエストという名の、困り事を手伝うことで石をゲットすることができる

 

課金?残年なことにこれは、無課金性みたいだ

決して無理のない程度の課金じゃないからな?

 

 

「さて、どうしよっかな~一先ず、パールの強化を視野に入れていかないといけないからなぁ。でも種火が何処にも居ないんだよねぇ、はぁ」

 

先が思いやられる気持ちでいっぱいだな

 

仲間にする、といっても出来ればこの世界の住人も仲間に引き入れたい

土地勘も、常識も知らないわけだし

物知りくらいの仲間が欲しいわけだけど

 

はぁ、セツが戻ってきてくれたりしないかなぁ

 

「マスター?」

 

「どうした?パール」

 

「何か、向こうから来てますよ」

 

「はい?どれどれ、あぁ確かに何か屋根伝いに来てるな、しかもここに来ようとしてないか?」

 

「………してますね、追ってでしょうか?」

 

「う~ん、なんかそれにしては違う気がするけど」

 

徐々に目標人物が大きくなっていく

ほうほう、白っぽい髪色で、ボロボロの外套つきの黒い物を羽織っている

 

ありゃ?なんか何処かで見たことあるような?

 

誰だっけなぁ?

 

「マスター?」

 

「ん?」

 

「前、危ないですよ?」

 

「前?」

 

前が危ないとはどういうことだ?

ふと前に振り向くと

顔面に何かが覆い被さった

 

「へぶっ、な、なに!?」

 

いや、どう考えてもさっきの追いかけてきた人なんだろうけど

 

「ちょ、離して。だ、だれ?」

 

顔から話そうと引っ張って、力強ッ!!

絶対に離してなるものかという意志が感じられる程の力強さです

 

痛いです

 

「カミキさま、カミキさまぁ!!ごめんなさい、ごめん…ごめんなさいぃ~!!」

 

泣きながら相変わらず頭を抱き締めてくる

というか、カミキさま?

この世界で俺のあだ名を知ってる人なんてセツくらいしか……

 

「ああっ!?」

 

やっべぇ、完全に分かってなかった

今、俺に抱きついてるのセツだわ

道理で力が強いわけだ

 

さっきからパールもセツを退かそうと引っ張ってくれてるけど

ビクともしてないわけじゃないけど、未だに離れてくれない

 

「あの、セツ?少し離れて欲しいなって」

 

「嫌ですっ!!もう、絶対に離れません!!私が、グスッわたしがカミキさまを守るって……決めてたのに、なのに!!カミキさまから目を離して、一人で勝手に行動して、うぅ」

 

どうやら、本当に俺のことを心配してたみたいだ

こんなこと、嬉しすぎて泣きそうだ

 

でもね?

 

「~~~~~~~~ッ!!」

 

死ぬ、苦しい

 

「ちょ、ちょっと離れてください~!」

 

「ふえ?」

 

パールありがとう、でも少し遅かったみたい

 

勢いよく後ろに倒れる

そのまま後頭部を強打して、意識を途絶えさせた

 

意識が途絶える前に聞こえた声は、俺の名前を叫ぶセツと、マスターと叫ぶパールの声だった

 

俺、死んだりしないよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オチとかさぁ、どうなの?これ


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危害

少ないなぁ、文字数少ないなぁ

ご免なさいなぁ


目が覚めると、天井がなかった、天井どころか壁すらなかった

というか何もありはしなかった、端的に言うなら外だった、マジで森

森だよ、モリモリモーリー

 

 

「ふう~、はぁ~。一旦落ち着こう」

何故か少しだけ記憶に混濁が見られる、テンションも少し可笑しい

いや何でか全く分からないけど

あー、うん。徐々に記憶は思い出してきた

 

それで、セツ達は何処に行ったのだろう?

まさか放置ですか?こんな森中に?

流石にそれは寂しいというか、なんというか

実際のところ、不安すぎて死にそうなんですけど

 

「おーい、セツ~、パールー?」

 

遂に我慢が出来なくなり、二人の名前を呼んでみる

 

「呼びました?」

 

「い、居たの?」

 

突然背後からあらわれるセツに少しだけ戸惑う

 

「はい、わたしは一生カミキさまの元を離れないと誓いましたから、365日24時間60分60秒、食事のときも、入浴のときも、寝るときも、ずっとずっと離れません!!」

 

う~ん、何と言えば良いのか分からないなぁ。

こんな可愛い子にここまで言われるって言うのは嬉しいことだけど、何と返せば良いのか分からない

正直、少し怖い

 

 

「あ、うん。…はい」

 

まぁ、こんな返ししか出来ないわけなんだけど

 

「あれ?じゃあパールはどこに?」

「カミキさま…」

 

セツが居るなら、パールはどこだ?という話なので、べ、別に話を逸らした分けじゃないよ!?

 

少し睨まれながら名前を呼ばれる

こ、怖すぎる……あれ?目にハイライトがないよ!?

 

「な、なに?」

「知りません、わたし以外の仲間の人を勝手に増やすなんて」

 

嫉妬だ、嫉妬してる!?少し前まで凄い怖かったけど、やっぱり、あぁぁぁ可愛いよなぁ本当に~

それにしても、前より少ししゃべり方というか、雰囲気というか変わってるような気がするけど

気のせいかな?

 

「可愛いだなんて、えへへ」

 

「いや、本当に何で俺の心を読めるの?」

 

急な読心術に知っていたものだけど、真顔になってしまう

 

「これも従者としての必須スキルですよ?」

 

平然と当たり前のように言うセツ

そんなのが従者としての必須スキルだなんて堪ったもんじゃないぞ、そう言いたいけど……あれ?思ったけどこれも気づかれているのでは?

 

セツの方を見るとニコニコと何がそんなに楽しいのか笑顔である

 

「はぁ、セツには隠し事は無駄か、勝手に仲間を増やしたのは謝るよ、何で俺が謝らないといけないのか分からないけど」

 

「それなら良いですけど、そういえばあの紫の人は途中でいなくなっちゃいましたよ?」

 

「紫の人って……もしかして霊体化してるのかな?」

 

「カミキさま…?」

 

「何?」

 

何やら、真剣な面持ちで話しかけてくるセツ

 

「あの紫は、何処で見つけてきたんですか………?」

 

あちゃー、そういえばセツには詳しく話してなかったか

若干話すことを躊躇うものの、どうせバレてしまうことだろうものなので、簿かしつつ本当のことを言う

 

「あの人は、そうだなぁ。使い魔みたいな感じかなぁ」

 

「使い魔…?人間の使い魔なんて聞いたことありませんっ!!しかも、あんな、あんなっ!!」

「ちょっ、落ち着けって」

 

いきなり何故か騒ぎだすセツ

表情は何か鬼気迫る様子である

 

「ッ!………ごめんなさい」

「何をそんなに激昂してるのか俺には分からないけどさ?少し落ち着こうよ」

「はい……」

 

 

目で見てもわかるように、ズーンとした雰囲気を醸し出すセツ

この様子では、どうすることも出来ない

今後の計画を決めようと思っていたんだけどな、パールも何故か出てきてくれないし

 

第一の目標は、戦力の増強

その為には、ガチャを回すしかない

パールが今居ない以上、新しい英霊を引き当てるしかない

 

最悪、このガチャは……うん!よそう!!

こんなことを考えるのは良くないね!!

 

もしかしたら自分の持ってた英霊しか出ないんじゃないかとかいう考えは止めるべきだな!!

 

うん、ないよね?

 

取り敢えず、仲間を増やすためのガチャを引くには石を集めないといけない

星晶石っていう8角形の不思議な石だけども、ヘルプを見る限り石をゲットする方法は限られる

 

1つ、波なるものを鎮めること

これは、別に誰が鎮めようが関係なく、俺に石がガチャ一回分入ってくる

まぁ3個だね

 

2つ、人の困り事を解決する

ゲームっぽく言えば、クエストみたいなもの、これは、星晶片が3つ貰える。ゲーム同様、7つで1つらしい

 

3つ、強敵を倒す

ボス戦みたいだな、これは星晶石が5つ貰える、課金みたいな量だな

 

4つ、ログインボーナス

奇しくもゲームと同じシステムだ、吃驚することに種火も貰える

フレポは毎日貰えるようで、その日によって量が変わるらしい

呼符は貰えないっぽい

 

5つ、英霊との絆

こちらもゲーム同様、同じシステム

 

6つ、課金

課金である、そう課金

文字通り課金である。数々のソシャゲでも登場する課金システムだ、これも吃驚することに、同様のシステム

こちらのお金と交換でそれに応じた量の石が貰えるよう

 

沼に入らないようにしなければならないシステムである

 

いや、なんであるの?このシステム

 

ザッと言えば今のところ、これくらいしか石をゲットする方法はない

 

別に、英霊じゃないといけないなんてことはない

セツが良い例だ、この世界の住人を仲間にするのが良いのだけど……少し難しい可能性がある。

 

指名手配とかされてる可能性があるんだよな

だから、手っ取り早いのは………

 

「奴隷だよなぁ、金で解決できるし」

 

だけども、奴隷といっても流石に俺も心が痛む

痛むのを我慢して買う、ってなっても

今のところ、財産が心許ない

俺の財布には、空気も入ってない…かもしれない

 

 

つまりは、詰んでますってことだよね

 

 

セツは今なんか、体育座りして暗いオーラ出して、放っといてくれみたいな感じだ

 

「はぁ~~……」

 

「ひうっ」

 

俺の大きなため息と共に、ビクッとして、変な声をだす

 

なんか、プルプルしてる

まるで怒られるのを怖がる子供みたいで、何とも保護欲をそそられる

 

「ほら、いつまでもクヨクヨしてないで俺を手助けをしてくれないか?ずっと俺の側を離れないんだろ?」

 

「怒らないんですか?」

 

「ふむ、何に対して俺がセツに怒るのかは知らないけど、今は怒らないよ」

 

「わたしを、キライになりませんか?」

 

「今度はキライにならないかと来たか、う~ん、難しいかなぁ」

 

「………です、よね」

 

「キライになんてなるのは、難しそうだよ」

 

にやりと、少し自分でもクサいセリフだと思うけど、ちょっとしたイタズラが成功して口許を緩める

 

対してセツは、驚いた顔をして、口が開いて塞がらないといった様子でポカーンとしている

 

「キライに、ならないんですか?」

 

「しつこいな、何だセツはキライになってほしいのか?」

 

「そ、そんなわけないですっ!!」

 

「そうかそうか、なら別にいいんじゃないか?素直に受け止めても、卑屈になるなよ」

 

「っ!!はいっ!!」

 

 

この時、2人の絆は深まった…気がする

 

その後、俺がパールを見ることが無くなったし、何時しか耳に聞くこともなくなった

 

 

 




やっべぇ、パールさん殺しちゃったよぉ!!

前回感想で、良いですねぇとか来ちゃったものだから
最後少し変えたよ

まぁ、一生出ないとは言ってない、よね?


因みにセツちゃんは、チョロインです
主人公以外だとチョロくないですけど

主人公以外のやつがナンパでもしてきたら、ミンチにされますね文字通り


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所持キャラ (FGO) 随時更新予定 

私が持っているキャラ一覧です

一応この作品は今は出ないですが、いつかは他の原作(ゲーム等)のキャラ、モンスターを出したいので出す原作等の影響もあり随時更新予定です

 

出したい原作などはアンケして、出していく順番や、要らない原作を出さないようにしていきます

 

 

 

 

FGO

 

【説明】

これは私が持っている、持っていたサーヴァント一覧です

ですが、前のデータ前々のデータで持っていたサーヴァントも入っております

前々のデータには殆どサーヴァントは居ませんでした

前のデータと今回のデータのサーヴァントが超優秀です

 

今のところは、星4、5しか記載しません

 

読者の人が星1、2、3のサーヴァントも記載してほしいときは感想などで教えてください

 

 

覚えている限りサーヴァントを手に入れたとき等の情報も記載しておきます

 

 

カーミラ アサシン

前データの初期キャラ

レベル60

絆4

宝具2

 

エリザベート ランサー

前々データの初期キャラ

レベル50

絆3

 

マリー

前データの初期キャラ

レベル約40ほど

絆2?

 

エミヤ(アサシン)

前々データ所持

レベル50

 

マルタ

前々データ所持

 

項羽

前々データ所持

初星5

レベル60~70

絆4?

 

蘭陵王

前々データ所持

レベル40

絆4

 

茨木 童子

前データ所持

初めての課金キャラ

レベル17

未使用

 

新宿のアサシン

現データ所持

レベル50

絆5

 

不夜城のアサシン

前データ所持 現データ所持

レベル30~40ほど

未使用

 

ワルキューレ

現データ所持

レベル50ほど

絆5

 

マーリン

前データ所持

レベル91

聖杯1

絆6

 

スカサハ=スカディ

現データ所持

初星5

レベル86

絆5

 

ヘラクレス

前データ所持

絆4

 

パールヴァティー

前データ所持

レベル1~7?

絆0

 

ジャンヌ・ダルク【オルタ】(水着)

前データ所持

レベル90

聖杯1

絆7

 

アストライア

現データ所持

レベル40

絆5

 

タマモキャット

現データの初期キャラ

レベル56

宝具2

絆5

 

ジークフリート

現データの初期キャラ

レベル40

絆5

 

ラクシュミー

前データ所持

レベル50

絆5

 

現データ所持

レベル1

未使用

 

ステンノ

前データの初期キャラ

レベル40

絆5

 

メドゥーサ(槍)

前データ所持

レベル60

絆5

 

長尾 影虎

前データ所持

レベル90

聖杯1

絆6

 

メルトリリス (水着)

前データ所持

レベル 40ほど

絆2

 

沖田 総司 (水着)

前データ所持

レベル50

絆3

 

オジマンディアス

前データ所持

レベル40

絆1

 

ライネス・司馬懿

前データ所持

レベル86

宝具2

絆6

 

ニトクリス

現データ所持

交換キャラ

レベル40~50

絆4

 

ギルガメッシュ (術)

前データ所持

レベル60

絆5

今データ所持

未使用

 

織田 信長 (水着)

前データ所持

レベル50ほど

絆5

 

新宿のアヴェンジャー

前データ所持

レベル40ほど

絆4

 

アストルフォ (騎)

現データ所持

レベル10ほど

絆3

 

ナイチンゲール (狂)

現データ所持

レベル70

絆6

 

お爺さんセイバー

現データ所持

レベル40

絆5

 

 

アシュヴェッターマン

現データ所持

レベル23

絆2

宝具4

 

アナスタシア

現データ所持

レベル40程

絆5

 

アサシン・パライソ

現データ所持

レベル30程

絆5

 

フラン (狂)

現データ所持

未使用

 

メルトリリス

現データ所持

レベル43

絆5

 

魔神・沖田

現データ所持

レベル60

絆6

 

 

 

 

 




1月3日更新

2020年2月9日更新


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戦闘直前

2000文字台くらいが平均になってきてしまった


綺麗な青空、美味しい空気、風は地に生え揃う草々を揺らし、その原っぱには黒髪の青年が倒れ、今にも死にそうな顔をしている。

 

そう、俺である

 

「ぐ、ぐふぅ、セツさん。もうマジムリデス」

 

「カミキさま、あともう少しです、あともう少しでガチャを引けます。あともう少しで目標達成ですっ!!」

 

「流石にこれ以上の労働はキツい、明日になればログインボーナスが貰える、それで目標の量が貯まるんだから良いじゃ「ダメです!!」……えぇ?」

 

さて、こんなところで何を言い合っているのか、それは石である。ガチャを引くための石を集めているのである

 

俺は、ある時誓ったのだ、石を貯めると。単発で二度と引きはしないとっ!!

 

まぁ、何故そんなことに思い至ったのか、あの追われる身になった……あの日、あれから少しずつ国から離れて、今はちょっとした村にお世話になっている

それでも国からあまり離れていないので、前に兵士達が俺を探しに村にやって来たりもした、だけどこの村の人達は優しかった……本当に優しかった

世の人間達がクソ、ウ〇コに見えてくる程、優しい人達でいっぱいだった。

 

ここが天国かと、思いました。

 

 

「カミキさま、頭を動かすのではなく、手を動かしてください。私も一緒に頑張りますから、ね?」

 

「うぅ、セツの優しさも身に染みるよ。もう、本当に大好きだよ~」

 

「だ、だだだだだだ大好きっ!?……ぼふぅ…」

 

セツが急にボタンの連打音のような声を発し始めた瞬間、顔が真っ赤になって後ろに倒れてしまった。

 

「って!?倒れてしまったじゃない!!誰かー!!村の皆様ー!!助けてくださーーいっ!!」

 

「はいはーい、今着きましたよ~、ってわぁ……

セツさん、倒れるじゃないですか。どうしたんですか?今日はまた……」

 

「あ、エリさん。すいません、セツが倒れてしまって」

 

この人はエリさん、名前は日本っぽいが歴としたこちらの世界の住人、紫色の長髪が可愛らしい人だ

 

「大丈夫ですよ……こちらの方が都合が良いですし

 

「ん?何か言いましたか?」

 

何やら小さい声でボソボソと独り言を喋るエリさん。

もう少し大きい声で、ってまぁ独り言を大きい声で喋れって言う方が可笑しいか

 

「いいえ特に何も言ってませーん。それよりも、私の髪色を見ても、もう何も思わなくなったんですか?」

 

「え?あぁ、まぁはい。最近は何とも」

 

前まで、紫色の髪に何故か引っ掛かりを覚えていたのだ、何故に紫色の髪にそんな違和感と言うかモヤモヤすると言うかそんな気持ちを覚えたのかは今でもサッパリだけど

 

「ふぅ、それなら良かったです♪これなら私を必要以上に避けなくなって良いですもんね?」

 

何やら安心しきった息を吐き、悪戯っぽい顔でにやにやとしながら、そう俺に問い詰めてくる

 

「いや、別に避けては……いなくはなかったですけど」

 

まぁ、若干距離を取っていたのは否めない

 

「ま、まぁ、それはそれとしてです。セツを運ぶので手伝ってくれませんか?」

 

「そうですねぇ?貸し1つ…ですよ?」

 

嬉しそうに声を弾ませながらそう言うエリさん

そう言われると、困ってしまう。自分の立場を考え、その言葉を受け取る

 

「分かりました。それじゃぁ、また今度何か埋め合わせをしますよ」

 

「言質、取りましたからね?それじゃあ楽しみにしておきますね♪」

 

安易に受け取るべきでは無かったかと、少し後悔気味である俺だった。

その後、もう一人女の子が来て二人でセツを運んでいった

 

床を見ると、星晶石が何故か3つ落ちていたが、この世界で自分以外使うやつが居ないであろうことから拾って自分のものにしておいた。

 

 

その後もセツが起きてくる間に村の手伝いをして過ごし、晩御飯の頃にはセツも起き上がってきていた

 

そもそもの今回の労働は、村のクエストとして困り事が出ていた為に、それを解決して石を集めようとしていたのだが、不思議な3つの石によってより早く解決した

 

 

「さて、そろそろだな。準備はいいか?」

 

「はい、準備良しです」

 

これからの初の波に備えて、装備を整えている

 

「時間はどれくらいですか?」

 

「そうだな、あと5分ってところ。忘れ物はない?」

 

「ありません、それこそカミキさまの方が忘れ物があるんじゃないんですか?」

 

ニヤリと、悪戯顔なセツ

可愛らしく、今すぐにでも大声を上げたい気持ちだが、流石に抑えるべきだろう

 

一応忘れ物がないか確認をしておく

 

「俺は、大丈夫だよ」

 

今回の装備は……

セツ

いつもの黒いボロめの外套付きポンチョ

腰には左右に三刀づつの短剣とナイフ

後ろには一際目立つ、他のものよりやや大きめの短剣が1つ

軽めの胸当てと、肘当てなど、少し防御力を高めている

 

俺は、驚愕することにガチャから出た武器は使っても弾かれないようで、黒鍵を使っている

左右に6本ずつストックしておき、魔術礼装カルデアを着衣している

赤は、他のより3本多めである

後はカード状態の、【閃光】3枚と【集中】4枚

 

 

そして、大量の激辛麻婆豆腐である

 

もう一度言う………

 

「激辛麻婆豆腐だと!!」

 

「カミキさま、流石にそれは。空気が辛いです、目が痛いです。何ですかそれ本当に食べ物なんですか……っ!?」

 

セツも失礼なことを言うものだ、列記とした食物なんだよ、辛すぎるのは否定しないけどね

 

「さてさて、そろそろ始まるよ。気合い入れていこーう!!」

 

「おー!!」

 

00:01

 

カチという音と共に数字が1から0に変わり

 

00:00

 

視界が赤く染まる

 

 



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初・戦闘

やったねセツちゃん、文字数が増えるよ
あっ、ヤメテヤメテその刃物を置いて、ね?
あ、あぁ、あぁぁぁぁぁーー!!!

えれくとろっ!!

ほ、本編へ


「さて、ここは何処だ?村みたいだけど、というか他の勇者と離れさせられたんだけど、別に良いけどさ。何か仲間外れ感があるよね、うん」

 

人生で2度目の転移に若干戸惑っているらしい俺は次々に口から言葉を出す

 

「カミキさま、一人言も良いですけど、敵が来ますよ。指示をお願いします…!」

 

セツに怒られてしまった、少し気合いを入れ直さないと

 

「はいよー、と。それじゃあ、村だろうから人がいるかもしれない。

まずはそういう人たちを周りの敵を倒しながら助けていってくれないか」

 

「………………………分かりました」

 

「なんだ、その間は」

 

「初めての戦闘ですし、カミキさまと一緒に戦いたかったです」

 

ぶすっ、としているセツも可愛すぎて悶えてしまうが、とりあえずは勇者であるし、人民の命を助けないといけない……と思う

なのでセツにはやってもらわないと行けないのだ

 

「分かりました、後で埋め合わせ。何かしてくださいね?」

 

「分かってるよ、それじゃあ行こうか!!」

 

「はい!!」

 

気合いを入れた声をだし、双方向に両人とも別れていった

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、思ったより強いな」

 

別れてすぐに若干後悔しだす俺ではあるが、とりあえず黒鍵を敵に投げつけて対処していく

 

本当に危ないときは緊急回避等を使う予定でっ!?

 

「緊急回避イィィィィィィッ!?危ない危ない、考えてる側から使わされた。

それにしても2対1は流石に酷くないかなぁ~」

 

獣のような大型の魔物2体に若干の焦りが出るが、冷静に対処しなければ死ぬ

 

「一応こんなときの為のガチャアイテムだよな……」

 

俺はケチらずに消費アイテムとなってしまった概念礼装を使う

 

「【閃光】ッ!!」

 

カードを掲げて、唱える。すると大型の獣に空から降ってきた雷のような光に射たれものの見事に死んでしまった

 

実は【閃光】星1概念礼装なのだが、侮ってはいけなかった。今のように、礼装の名前を叫ぶだけであのような攻撃が敵一体に向けて出来るようになったのだ

 

但し、消費アイテムではあるが

 

使ってしまったせいで俺が持っていたカードは黒くなり、ボロボロと崩れてしまった

 

「出来ればお前にも使いたかったんだけど、お前にはこれだな」

 

獣のほうも先程の攻撃を見ていたせいか、当たらないように警戒体勢になっている

 

だが、それは命取りだ……

 

「出でよ!!伝説の麻婆よ!!【激辛麻婆豆腐】!!」

 

カードが形を変えて、俺の掌の上に落ちてくる

 

あまりの辛さに誰も食べれることがなかった、〝あの〟麻婆豆腐だ。

主に食しているのは愉悦神父と、その娘の痴女シスターくらいなもの。後は俺だ

 

さて、この麻婆豆腐をどうするか、お分かりですね?ニヤリ

 

俺は自分に瞬間強化をかける、少し体が軽くなり、力が沸いてくる。なるほどこんな感じなのか

 

獣さんも、何をするのか分かってはいないものの、この麻婆豆腐に恐れをなしておるのか若干体が震えている

 

「たーんとお食べ?」

 

 

その後、村人からの証言によると村中に村人の悲鳴とまた違った何とも言えないような悲痛な叫びが聞こえたという

 

あれは、悲しみの声だと言っていたそうな

 

 

 

「麻婆豆腐を食べて死んでしまうなんて、何て悲しい最後だろうか。南無三」

 

合掌

 

 

「さて、セツと合流しないと!

そろそろ波も収まりそうだし」

 

本人は呑気なものだ、まぁ俺だけどな

 

 

 

ヽヾゞゝ

 

視点は変わりセツちゃん

 

「今、何かおぞましい声が聞こえた気が……」

 

何やら男の声が聞こえた気がしたけど、とりあえず空耳だということにしておく。

いっぱい魔物を倒してカミキさまに褒めて貰わないといけないですからねっ!!

 

 

「うへへへ……ハッ!!いけませんいけません。いくらカミキさまが居ないからと表情をだらけさせてはいけないのです。よし!!頑張りますよ~!!」

 

パチッと自身の頬を叩いて、気合いを入れます

 

「それにしても、いっぱい色んな魔物が居ますね。此方では見ないものばかりです。まっ、関係ありませんね弱そうですし」

 

そう言いながら背後に居た骸骨っぽい魔物をバラバラに切り捨てて、足で踏み砕く

 

「やっぱり弱いです、今回はカミキさまの言う通りに人命救急をした方が良さげですね」

 

言うが早いか、村の中を駆ける。カミキさまを神の悪戯か見掛けない

私をカミキさまに会わせないとは、万死に値します、そんな神は必ず殺してやります

 

適度に村人を助けていると、急に魔物の数が減りだした、どうしたものか?

 

良く見ると、ある一ヵ所へと足を進めているようで、何処に言っているのか気になる私は魔物を斬り捨てながら、その場所へと進む

 

何とそこには人形の魔物……じゃなくて、盾の勇者と、亜人の狸さんが居ました

盾の人の奴隷でしょうか?

尻尾をモフモフしたいです、いや体と切り離して持って帰れば良いのでは?

駄目ですね、カミキさまが怒りそうですし、後は暖かくありません

 

何やら兵士らしき奴等と揉めているみたいです。そんな奴等、早く殺してしまえばいいのに、世のためにもなります

 

 

見ているだけなのも退屈なので、家の屋根から下りて戦うことにする

 

私が姿を見せると盾の人は驚いてるみたい、だけど言葉を出さないようで、戦いの方に集中している

 

魔物を殲滅している時に、何故か何かの叫びが聞こえてきて何事かと思った盾の人達が警戒していた

 

カミキさま、流石にそれは可哀想です

 

 

殲滅が終わった頃に空の亀裂が歪み初めて、赤っぽかった空は綺麗な青空に戻った

 

よし、魔物をいっぱい倒しました。これでカミキさまにも褒めら、れて……

 

「あぁっ!!編隊するのを忘れていましたぁ!!」

 

そのあと私が膝をついて落ち込んでいるときにカミキさまが合流して、私を慰めてくれました。カミキさまは私が頑張ったのを分かってくれたようで、ご褒美に頭を撫でてくれました

 

やっぱりカミキさまは優しいです!!

 

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

 

セツを探して村の中央の方へ行くと、盾の人達とケモミミ娘が居た、凄いあんなの居るんだ。モフりたいと思っていたが、その考えをすぐに捨てられされた

セツが、地面に掌と膝をついて落ち込んでいた。俗に言うorzの状態である

 

何事かと思いセツに聞くと、編隊機能を忘れていて、俺とパーティーを組むのを忘れていたらしい

沢山の魔物を倒したのに俺には伝わってないと落ち込んでいた

本人は沢山倒したと言っているので、倒したのだろう

 

証拠となる殆どの魔物は盾の人の盾に吸われてしまっているけど

 

そのあと必死にセツを慰めて、何をして欲しいかと聞くと褒めて欲しいと言うので、今度はセツを褒めて頭を撫でてあげると、にへらと顔を笑顔にして俺に抱き着いて来た

 

勿論、悶絶した。心がキュンキュンしました

yesロリータNOタッチのもと抱き締め返すことはしない。今までの行為の時点でアウトな気がしなくもないけど

 

盾の人とは少し話した、あのあと何が合ったかを話し合って意気投合した。

セツと盾の人のケモミミ娘が妬いていた

可愛い

 

盾の人の名前は、尚文と言うらしい

全然覚えてなかった

因みにケモミミ娘はラフタリアと言うらしいので、ラフっちと呼ぶことにした

だって長いし…名前

 

そのあとラフっちに尻尾を触らせてくれとセツと一緒に頼んだが、駄目だと言われた

変態ですか!?とも言われた、傷ついた

そのあとはセツをよしよしして傷を癒したです。

セツちゃんは天使だからね、ついよしよしと頭を撫でても仕方ないんですよ、だからナオフミよ、その変態を見るような目で俺を見ないでくれ

傷つく

 

 

波が収まって村に帰ったけど、どうやら国へと行かないといけないらしい

非常に面倒だったので、とりあえずガチャをしてから考えることにした

 

そこ、現実逃避とか言わない

 

 

 

 

 




麻婆、だいたいこれで何でも解決できます

次回はみんなのお楽しみ、ガチャとランサーとの勝負ですお楽しみに!!


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初・召喚

少しずつ、文字数を増やしていく

今回は少し遅れました、申し訳ありません


目の前は散々たる惨状、ガチャで引き当てた麻婆豆腐と星1概念礼装の多さは数知れず、何を思ってそこに立っているのか……あぁ、夢なら覚めてくれ…何て悪夢だ

 

「カミキさま……大丈夫ですか?」

 

「ハッ!?」

 

今、俺は何処に行っていたのだ

危ない危ない、もう少しで何かに目覚めるところだった。

助かったのは我が天使セツのお陰である。

この思いもセツが詠んでいるのか顔を赤くして、いやんいやんしてる。

いつものことなのでツッコまない。

 

「流石に今回は精神的にキツい、何でこんなに出ないんだ」

 

いや、本当に何も出ない、吃驚するくらい出ないのだ。

 

「あ…諦めないでください!!ここまで貯めてきたんです、次はきっと出ますよ…………出来れば男の人の方が良いですけど」

 

あぁ、セツに応援されると心が清み渡るような………ん?

 

「セツ?今、何て?」

 

「え?次はきっと出ますよ?」

 

首をコテンと傾げて人差し指を口許に添える。ぐぅ、あざとい

 

「じゃなくて、その次」

 

「男の人の方が良いって言いましたけど。あ、あぁあぁ別にそういう意味じゃないですよ!?ど、どうしよう…え~とえ~と」

 

俺の言いたいことを理解したのか途端に慌て出すセツ、可愛い。貴女が天使か!!

違う違う、落ち着け落ち着け

 

「あのごめん、俺の勘違いだって分かったから落ち着いて?」

 

「はい~」

 

しょんぼりしてる、あぁ可愛いなぁ!!

落ち着け、落ち着くのだ

 

ふぅ、よし落ち着いた

 

少しガチャ結果を整理すると、今まで出てきたのは……

 

麻婆豆腐 数えたくない

星1概念礼装 数えたくない

黒鍵 数えたくない

アゾット剣×5

マグダラの聖骸布×1

 

奇跡的にマグダラの聖骸布とアゾット剣が出たくらいで、あとは全て黒鍵か麻婆豆腐、星1概念礼装しか当たらなかった。

 

「なんだこりゃ」

 

流石に酷い、一番酷い時なんかは10連全て麻婆豆腐だった時あるし

いや、食べ物には困らないけどさ

あのときの村の人の顔とセツの顔と来たら、何て嫌そうな顔だこと

 

閑話休題

 

 

「さて、それで手元にはラスト10連分、出るかなぁ?」

 

少しながらの期待と、出ないだろうなという諦め半分でボタンをタップする

既に見慣れ始めた光景と共に、目の前で光が回りだす

 

1回目、激辛麻婆豆腐

2回目、青の黒鍵

3回目、激辛麻婆豆腐

4回目、激辛麻婆豆腐

5回目、赤の黒鍵

6回目、激辛麻婆豆腐

7回目、激辛麻婆豆腐

8回目、頑強

9回目、激辛麻婆豆腐

 

「今回は、駄目か。また石貯めるか、はぁ~」

 

「カミキさま!!」

 

既に諦めの空気で、村へと足を運ぼうとしていた俺に、大声で待ったをかけるセツ

 

「どうした?」

 

「あれ……」

 

あれ、の一言共に指差されていたのは未だに光続ける召喚サークルで、何事かと目を運ぶとそこには、今までの光景を変えるようなもので………

 

「確定………演出……っ!?」

 

 

金色に光るサークルだった

 

 

────────────────

 

「はぁ~、ナオフミ。今回のコレは貸しだからな?」

 

「チッ、知らなかったんだよ。お前が追われていたってのは」

 

少しヤサグレているナオフミ、やはり色々ナオフミにもあったのだろう

 

「それで……お前の後ろにいる奴は?

前は居なかっただろ?」

 

俺の後ろを顎で指すナオフミ

 

「あぁ、彼女は気にしなくても良いよ。

知りたいなら紹介するけど。

こっちとしてはあんまり手の内を晒したくはないかな。敵の足元に居るわけだし、呼ぶならバーサーカーと呼んでくれるか?」

 

「バーサーカーだと?狂戦士か?」

 

少し怪訝な表情なナオフミ、その心情は分からなくもない

 

「うん、まぁそんなところ。想像できないかもだけどね」

 

実際に、彼女を一目見て狂戦士だとは思わないことだろう

 

「それはそれとして、だ。後ろのアレを止めろ」

 

「あぁ、ムリだ」

 

後ろに振り向くと、そこには手をワキワキと厭らしい動きをさせながらラフっちを追いかけるセツ

ラフっちは悲鳴を上げながら逃げていく、でもセツも中々のもの気配を消しながら高速で動いている……遊んでるな

 

「チッ、お前の仲間のやり始めたことだろうが、責任もって止めろ」

 

ナオフミの機嫌の悪い声と共に俺の意識は前方へと引き付けられる

 

「セツは、多分ここに居る誰よりもステータス高いと思うからなぁ、力ずくだと止められないよ」

 

そう言うと、ナオフミはそれ以降喋らなくなり、歩を進めるだけの機械となってしまった

 

後ろへ振り向くと、二人はまだ追い駆けっこしてるみたいで…あっ捕まった

 

 

 

城へと着くと、一応変装をしておく

今回はあくまでもナオフミの付き合い、分かりやすく言うならツレションみたいなものだ

最近は日本のような食事から離れて日本とは比べ失踪な食事しかしてなかった為に豪華な食事にありつけるだろうと思って着いてきていたのだが……

 

「マスター、食べてはいけません」

 

「何故に」

 

「健康的な食事を」

 

今回は場を弁えてくれている?のかは分からないけど、静かに叱責をくれる

 

「バーサーカー、あれは食事とは言えないぞ。消毒液で過剰かと言うほど消毒した皿の上に食べ物を乗せるとかは流石に無理だ」

 

実際に、召喚してからの昼御飯でバーサーカーが食事を出してくれた。

俺が言った内容そのままで

 

「健康の為です、美味しくはなかったのですか?」

 

「いや、美味しかったけど。というかバーサーカーが簡単なものとはいえ、料理を作れることに驚きだった」

 

「少し、失礼です」

 

「はぁ、兎に角食べたら駄目なんだな?今回は我慢するよ」

 

残念だけど今回は我慢する、ここで関係を拗らせるのはやや悪手だ

目の前にはきらびやかで豪華な食事がテーブルの上に所狭しと陳列している、見るだけでゴクリと喉を鳴らすものだ

 

 

「はぁ………私が取ってきます、今回はそれを食べてください」

 

「本当に?目立ちすぎないでよ?」

 

これは相手がバーサーカー故の言葉だ

英霊事態が問題事を起こす奴等が多いが、豪胆な性格な人達が多いからだろうか?

 

「私をなんだと「バーサーカー」……私は狂っているわけではありません。そこで待っていてください、すぐに戻ってきます」

 

カツカツと靴の音を軽快に鳴らし、すぐに貴族、王族の人混みに紛れていくバーサーカー

 

「はぁ、少し疲れる。いい人ではあるんだけど」

 

「斬りますか、斬りますね。よし斬ります」

 

いきなり物騒なことを言い始めるセツ

 

「待て待て待て、というかどこから。さっきまで食事してたんじゃ」

 

さっきまでキラキラとした目で、食事を凝視していたセツなのだけど、食事は終わったんだろうか

 

「んん、あれは少し物珍しかったからで 決して惑わされていたわけではないです。そもそもカミキさまを置いて食事をしに行くわけにはいけません。

でもあの、バーサーカーの言葉には賛成です。 あまりむやみやたらにカミキさまに、ここの食事は食べらせられません」

 

「セツまで、何で」

 

「毒が入ってるかも」

 

「入っとるか、いや可能性は無くはないか?」

 

あの愚王だ何かしら問題が無いということはないだろう

 

「あっ、ノラさん食べてますか?」

 

そこに声を懸けてきたのは、ナオフミの仲間の一人であるラフっち

 

「おっ、ラフっち……は聞かずもがなだな。どう?美味しい?」

 

自分が食べられていない為に、ラフっちに味の感想を聞く

 

「少し気恥ずかしいですね、美味しいですよ」

 

「だろうなぁ、俺は今食べたらいけないから」

 

「みたい…ですね。あそこで料理をジーと睨んでる女性の方が居たので、ノラさんの仲間の人……ですよね?」

 

「一応ね、今日入ったばかりだけど。頼れる人なのは確かだけど、些か健康とか、治療に熱中しすぎる人だから」

 

「それは……」

 

 

 

「おい! 尚文!」

 

 

急にラフっちの言葉を遮ったのは、どうやら槍の勇者みたいだ

何をあんなに憤慨しているのか知らないけど、機嫌が悪いようす

 

バーサーカーに、マスターとサーヴァント内でのみ出来る念話で戻ってくるように呼び掛ける

 

あれから少しすると、ラフっちが兵士の奴等に連行されていってしまった、俺は見てるだけになってしまったが

セツとバーサーカーが助けようとしていたが止めた、あまりここで目立ちたくない

 

どうせ助かるだろうし

 

 

「しかし、これは面倒くさいことになったな」

 

目の前では、槍の勇者とナオフミが何故か決闘をするということで、少しばかり広めの場所で二人が相対していた

 

 

そうして槍の勇者が攻撃を仕掛けることで決闘が始まってしまった

 

 

 



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バーサーカー

遅れてしまい、本当に申し訳、ありませんでしたッ!!
この度は申し訳ございませんでした!!


作者、焦りに焦って書きましたのでクオリティーは下がっているかもしれません
それでは本編へ


「う~ん、やっぱりナオフミは攻撃力が無い分、槍には負けるか。何とか防御力が槍より高い分ギリギリ凌いでる感じだな」

 

現に、槍の鋭い連続の攻撃に耐えることしか出来てない

カウンタースキルでも持っていれば良いのだけど

 

「このままでは負けそうです。何か逆転の1手があれば良いんですが」

 

「まぁ、今のナオフミに何かあるとは思えないけど、やっぱり大盾で潰し殺すしかないのでは?」

 

「それは……どうかと」

 

苦笑めいた顔で、どうなんだと言ってくるセツ

まぁ、確かに普通はそうだよなぁ、でも、世の中、盾で敵を薙ぎ倒していく人達は沢山居るからなぁ

 

 

「おっと……いきなり面白いことしだしたなナオフミ」

 

まさかのマントの中に隠し持っていたバルーンで攻撃とは、中々に悪どい

バルーンは武器扱いにはならないのか。

つまり生物は武器にしても大丈夫ってこと?

もしかしたら、武器に魂とか突っ込んだり、人を武器に変えれば使える可能性があるってことかな?

 

それでも実用的じゃないか、道徳的にもコスパ的にも

 

「というか、やけに静かだけどバーサーカーどうしたんだ?」

 

バーサーカーなら騒いでいても不思議では……いや、少し偏見か。

彼女はもう仲間なのだ、そういうことは考えてはいけない。

暴れるときは暴れるんだろうけど、くぅ、でもまだ他のバーサーカーよりはマシか。

これが溶岩水泳部の皆様だったりすれば俺の胃がマッハで消し飛ぶ。

 

「ふむ、いえ特には……ですが盾が使えないなら他の武器を使えば良いのではないのですか?無理に自分に合わないものを使わなくてもいいのではないのかと、それに自身に無駄な傷を負わなくてすむ」

 

「あぁ、そうだけど。勇者は自分の武器以外は使えないみたいで……あっ」

 

「やっちゃいました、ね」

 

槍の仲間らしき、というか王女サマが風の魔法でナオフミを攻撃し、その隙をついて全てのバルーンを割り、ナオフミに決着をつけた

 

「うっわ~こりゃ、拗れるぞ~」

 

一対一の戦いと見せかけて、普通に外部からの攻撃とか、どうなんだろうか?

まぁ、どうせあの王が支配してる国だし、都合良く収まっちゃうんだろうな

スパルタクスでも召喚しようか?

おぉ~圧政者よぉ~

 

「いや、止めとこう。それでこそ胃が吹き飛ぶ」

 

「なんですって?胃が痛むのですか?今すぐに診察します治療します。見せてください」

 

「いや、あのこれはものの例えで……」

 

くそっ、バーサーカーの前であんな発言したら、こうなることは前から分かってたじゃないか!

完全に俺のミスだ、ヤバいぞ。このままじゃお腹を爆撃されても可笑しくないぞぉう!?

 

「見せなさい!!」

 

力強く言葉を投げ掛けてくる今年のサンタさん…じゃなくてバーサーカー

今年のサンタとかなんだよ!?

クリスマスイベントする前にこっち来ちゃったよ!!

 

ダメだ、怖すぎて思考が乱れに乱れてる。

止めて婦長さま、乱暴しないで

 

「あっ、いやあの」

 

「こうなれば力ずくですっ!!」

「そうですよ、力ずくです!!」

 

というか、セツさん!?そちら側なので!?

そうこうしてる間にもじりじりと近付いてくる二人、このままじゃ殺される!!

具体的に言うと目の前のバーサーカーに!!

 

「あっ!!いや、らめ、らめぇぇぇ~っ!!」

 

 

~青年剥かれ中~

 

 

 

「はぁ…し、死ぬかと……思っ、た」

 

一応、看護婦ではあるバーサーカー、えぇい面倒だ、どうせ皆察しはついてるだろうから今更心の中まで隠す必要があるか!!

ということで、ナイチンさんは何も無いことは分かったが、少しばかり不健康だと叱られてしまった

日本に居た頃は、健康的な食事ではなかったから、ジャンクフードが悪いんだ、お手頃で美味しいのがっ!!

 

閑話休題

 

それでビックリすることに、周りは俺達が騒いでも気にも止めなかった。

唯一勇者達が少し反応していたが、すぐに目線を外したようで、他の人同様気に止めないようにしていた

目立たないようにしてたのに、自分から目立ちに行ってしまった

 

「ハァー ハァー、ふぅ~はぁ~……ふぅ」

 

暴れに暴れて影響で乱れてしまった呼吸を何となく深呼吸して元に戻す

 

「大丈夫ですか?」

 

「あぁ、うん大丈夫」

 

背中を申し訳無さそうに、優しく撫でてくれるセツ

その優しさが心に染みてくる

それより、先程から目立つ格好のバーサーカーが目に入らない気が?

 

「バーサーカー?セツ?バーサーカーはどこに?」

 

「あの~、あちらに」

 

セツが指差したのは先程まで勇者二人が戦っていた庭である

バーサーカーは何と庭の中央のナオフミと槍の勇者の間に居た

急な闖入者に散ろうとしていた客たちもなんだなんだと戻り始めてる

 

こ、これはヤバいかもしれない

 

『バーサーカー、戻って』

 

『怪我人が居ます』

 

『いや戻って』

 

「『怪我人が居ます!!』」

 

「ちょっ、口に出てる」

 

はぁ、どうしよう本当にどうしよう

あぁなるとナイチンさんは止まらないぞう?

少しの怪我でもあぁなるのだから。まぁ、それがナイチンゲールの美徳……なのか?

 

それはそれとして、だ……

「セツ、一応逃げる準備「あぁっ!!お前は!!」……おぉう」

 

俺の言葉を遮るように大声を発してきたのは槍の勇者である、槍の勇者である

槍ィィッ!!

 

「少し遅かったですね」

 

「みたいね……参ったな変装が甘すぎたなぁ、それと目立ちすぎか」

 

まぁ、顔に布を巻き付けて服装を少し埃っぽく変えただけだし、バレるときはバレるよな イメージはアサシンの気分

 

いつかはハサンの一員に……いや止めとこう

ハサンの皆さんは好きだけど、自分がなるには境地が高すぎる

 

「それで、どうします?」

 

「ふむぅ、応戦?」

 

「少し厳しいです」

 

「それじゃあ……逃げるが勝ちってことか。よしっ!『バーサーカー撤退!!』」

 

「駄目です、患者が居ます」

 

「今回は、少し撤退だ。正直に言ってアイツ等を助けられる程、俺には余裕がないんだ」

 

「嫌ですっ!!」

 

「くぅ、仕方ない」

 

最後の手段に取っておきたかったが……

 

俺は自身の腕の袖を捲り、手の甲の赤い令呪を付きだす

俺の令呪にはそこまで拘束力はない、だけど。流石に全部ならどうだ、それに今は12時前だ

 

『「全ての令呪を喪って命ずる!!バーサーカー、全力で、捕まらずに撤退だ!!」』

 

出来るだけ具体的に指示を飛ばす、これで少しは拘束力が強まればいいんだけど

 

「くっ、私は患者をッ!!」

 

そこはやはりバーサーカーか、掴みにくいっ!!

そうしている間にも、攻撃してくる兵士たち。兵士たちはセツが文字通り捌いてくれているが、勇者達がいつ攻撃を仕掛けてきても可笑しくない

 

第三者の目で見れば、幼女に殺しを強要している青年、という風にでも見えるかもしれない

 

「セツ、時間は!?」

 

「大丈夫、です。あと5秒5、4、3、2、1……0」

『「この画の令呪を喪って命ずる!!撤退だ!!バーサーカー!!」』

 

「くそっ!!」

 

悪態をつきながらも、令呪による拘束力が漸く効いたのか、俺を抱えて撤退するバーサーカー、逃げる際での道はセツが開いてくれている

 

 

そうして、そのまま俺は2度目の逃亡を繰り返した

 




思っていたストーリーより大分ズレてしまいました
皆様は槍をコテンパンにしてほしかった人達も居るでしょう

正直に言います、何故こうなったのか私、作者にもわかりません!!

戦闘の機会はまた今度


ナイチンゲールはこんなキャラじゃねぇ!!
居れば、感想ください


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日常

本当ならもう少し文字数増えてる予定だったのに!!


 

 

村へ帰還して、そのあと

土下座させられていた、土下座させられていた

大事なことなので2回言いました、2回言いました

 

内心すごい焦って、ビクビクしてます

だって怖いじゃないかあの目線が、流石バーサーカー

 

「それで、何か言うことが?」

 

「すいませんでした、ナイチンゲールが患者を放っておく、なんてこと出来るわけないのに、それを強要させてしまったことは謝ります。ちゃんと考えればナイチンゲールがもっと納得出来る結果だってあったかもしれないのに」

 

「そうですね」

 

ナイチンゲールは否定しなかった、ひたすらにその目線で俺は射ぬかれるのみである

 

「すいませんでした」

 

「はぁ、良いです。頭を上げてください、汚れます」

 

ナイチンゲールのその言葉と共に頭を地面から離れさせる

少し、土臭い臭いがまとわりつく

 

「それで、ですが。貴方は私のマスターですね?」

 

「?……はい」

 

何故、今マスターなのかと問うのか?

疑問はあるが、ナイチンゲールのマスターであることには間違いないので、そうだと答える

 

「貴方はマスターだ、それならあのとき貴方が考えた最善の選択をしたと言うんですね?」

 

あのとき、自分の考えた最善の選択をしたのか?

あのときは、あれが最善の行為だと確かに思っていた

 

「そう、だけど。何が言いたいんだ」

 

考えても、ナイチンゲールが何が言いたいのかわからない

 

「ふう、私も少しあのときは冷静を欠いていました。マスターが倒れてしまえば私も倒れてしまう、確かに患者も大切です。それと同時に貴方も私にとって大切な人だ」

 

「えっ、ちょっ……えぇ!?」

 

突然の言い回しかたに戸惑ってしまう、流石に何かの間違いだろうと聞き返す

 

「いや、その誤解を生むような言いか…『ガシッ』ガシ?」

 

何かに腕を握られた感触があり、腕を見ると白い綺麗な小さな手が俺の腕をガッシリと握っていた。

少し恐れつつ正体は分かってはいるが、ゆっくりと、その手の持ち主を覗き見る

 

そこにはニッコリとした良い笑顔でいるセツが居た

笑顔なのに全くもって目が笑っておらず、何やら黒い雰囲気が漏れ出ていた

その雰囲気に圧され、顔が強張りひきつってしまう

 

「あの、セツ?」

 

「カミキさま?」

 

「は、はい?何でしょうか?」

 

少しずつ、腕を握る力が強くなっていく、このままでは冗談なく腕が千切れてしまう

 

「カミキさまにはセツが居ます、わたしが居ます、そうですよね?」

 

「ヒィッ!!」

 

いきなり黒いナニカが更に大きくなっていく

黒化するの!?オルタ?オルタナティブ!?

バーサーカーに助けを求めるべく視線を動かすが、バーサーカーは我関せずの対応で此方を見ようとしない……あっこっち見た

 

「ふふふ」

 

あ、アイツ!!わざとやりやがったな!?

絶対に根に持ってる「カミキさま?話は終わってませんよ?」

 

「は、はひ」

 

その後、エリさんが止めてくれるまで永遠にセツに問い詰められることになった

 

そのあと、セツが満足するまで頭を撫でたり抱き締めたりした

可愛すぎて萌死にしそうだった

セツのことを可愛がってたら今度はエリさんがオルタ化しそうになっていたりしたが、無事に一日を終えれた……

 



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奴隷購入

今回は文字数多めですが、深夜に一心不乱に書いたものです、クオは下がっているかもしれません
ご了承ください


それでは本編どうぞ


現在は早朝

俺達は──ナイチンゲールはお留守番──王国へとまた足を運んでいた

 

「それで、何故また」

 

セツが昨日問題を起こしたばかりなのに何故と聞いてくるが、これにはちゃんとした理由がある

 

「いや、戦力の増強で来たんだよ」

 

「戦力の増強?わたしが居れば充分です」

 

何言ってるんだみたいな目で見られるけど耐える、精神的ダメージがゴリゴリ来てるけど

確かにセツ一人でも充分すぎる程の戦力だ、パーティー編成したけど、ステータスが半端じゃなかったし

多分、俺が敵だったらセツに触れる前に細切れにされてると思うわけで……おっと考え込みすぎた少し脱線しかけてる

 

「う~ん、まぁそれもそうなんだけど、俺って一応さ指揮塔の役目を持ってる訳じゃないか?」

 

マスターだし、一応サーヴァントも居るわけだし、バーサーカーだけど

正直、扱いきれてないけども

 

「確かにそうですが、それがどうしたんですか?」

 

少し不思議そうな顔をするセツ、萌えだな

 

「それなら自分で戦うのも良いけど、出来るだけ後衛に回った方がいいな、と思ってあとは、ヘルプとか覗いてると仲間を増やせば増やすほど全体のステータスを上げれるみたい」

 

 

「はへ~、そんな機能が。というかそっちが本命ですよね?

それでも増やすとしてもどうやって増やすんですか?

この国で仲間を増やそうとしても難しいと思いますよ?」

 

確かに問題を起こしたばかり、というか絶賛指名手配中の俺がここで仲間を増やせれる訳がない

押してダメなら引いてみろ、それでもダメならスライドだ。

ということで正攻法ではないやり方で仲間を増やす、経験者にも一応聞いてはいる

早朝に待ち合わせもしてる

 

「奴隷でも買おうかなと」

 

「奴隷、ですか…………でも、いやうぅん、それでも、あぁ~んん~………確かにいいですけど、お金はあるんですか?」

 

少しの間悩ましげな声を出し、そのあとに何とか納得したのか、了承の意として軍資金はあるのかと聞いてくる

 

「これでもお金はあるよ、最初に国から貰ったやつと~、村の近くの魔物を倒した素材を売ってお金にしたのとか」

 

「いつのまに……」

 

「村の人からお金を渡されそうになったときもあったけど、流石にそれは断ったよ」

 

色々尽くしてもらってる村の人からお金を貰うとか、罪悪感がありすぎる

 

「この国で奴隷を買うっていえば、あそこしかないと思いますけど」

 

「多分セツが考えてるところと同じだと思うよ、待たせてる人も居るからさっさと行こー」

 

「待たせてる、人?」

 

セツが出発前に疑問の声をあげていたけど、気にしないようにした

 

 

▽△▼▲

 

少し怪しげなテントの前で立って待っていたのは、目付きの悪いナオフミと、今日も毛並みがモフモフしているラフっち

 

そのモフモフをモフモフして更にモフモフしたあとにモフモフしてから最後にモフモフしてやりたい

セツも同じ気持ちなのか、手をワキワキさせてる

 

ラフっちはその動作を見て、少し短い悲鳴をあげると、いつものようにおいかけっこを始めた

 

「遅い」

 

2人の和む光景を見ていると、ナオフミから若干の苛立ちの声が聞こえる

 

「いや、ごめん、俺も一応厄介者だから気を付けてここまで来たんだよ?」

 

実際そうなので、国の人から見つからないように細心の注意を払って移動していた

少し楽しかったのは否定しない、忍者みたいだった

 

「分かってる、ほらさっさと行くぞ」

 

「はいよ」

 

何処と無く、俺に優しく?なったナオフミのあとをついてテントに入っていく

その頃にはセツもおいかけっこをやめて俺の隣にいた……ラフっち、すごい疲れてる

少し可哀想に思えて、セツには自重させようと思う

 

 

テントの中は外から見たときより思った以上に広く吃驚した

あと、少し臭う、当然と言えば当然だけど

 

少し物珍しさにキョロキョロと見ていると、怪しい何かと目があった

何だと思うと、相手もこっちを見てくるのでこっちも相手を見てみた

すぐさま視線を外し、ナオフミの方へと視線を合わせたので、俺もそれに合わせてナオフミの方へ向く

 

 

「これはこれは勇者様。今日はお連れの方もいらっしゃるようで、今日はどのような後用事で?」

 

 

紳士然とした男が喋り出すと、ラフっちのことでナオフミと如何にもな話をしていた

そこ、イチャイチャしない目の毒です

 

「まぁ、俺も用事はあるにはあるが。先にこいつだ」

「おや?お客様で?勇者様の紹介となると、奴隷を御所望ですかな?」

 

いきなり話を振られてビックリするが何とか話をする。

この人、何か怪しいし怖いからさ

 

「えぇ、まぁ。そうですね、一応俺は戦えない部類の人間ですから、その為に奴隷をと。今回目辺りしそうなのが居ないなら居ないで経験になりますから少し見に来ました」

 

「ふむ、それでは今回はどれほど?」

 

恐らくお金のことを聞いているだろうと思い懐から金貨と銀貨が入っている袋を取り出す

 

「今回は銀貨400枚程持ち込んでます」

 

「なるほどなるほど、それでは今回は戦闘用の奴隷を所望のようですね、それなら少し値高くなりますが?」

 

「う~ん、見てみないと何とも言えないですし」

 

「それもそうですな、それではこちらに」

 

奴隷商のあとをついてテントの奥へと進んでいく、どうやらナオフミも着いてきてくれるようで大変心強い

 

「奴隷と言っても、人じゃないんですね。いや、ラフっちを見てたら何となく分かりますけど」

 

「メルロマルクは人間種至上主義ですからな」

 

「なるほど……それなら納得、厭にラフっちの仲間が国の中を歩いていなかったのか分かった」

 

全くもって居なかったわけではないけど、少し肩身が狭そうだったし、空気も落ち込んでいた

何となく、そうなんだろうな。とは思っていたけど

 

 

「それで、亜人と獣人の違いはお分かりで?」

 

「まぁ何となく、ラフっちみたいに人間の姿をしていながら耳や尻尾などの動物の特徴が一部出ているのが亜人、二足歩行等人間的行動が見られるが、姿は大部分が獣そのもので身体中が体毛で覆われていることが多く、戦闘能力が高いのが獣人、ですよね?」

 

「良く調べているご様子で、誰かに教わりましたかな?」

 

「いやぁ、この子に色々と教えてもらってまして、恥ずかしながら受け売りです」

 

「それはそれは、そしてですね戦闘能力が高い奴隷を扱うために使われるのが、奴隷紋というものがあり、指示1つで罰を与えることが出来ます」

 

「はぁ、なるほど。強い力を扱うために、より強い力で押さえつけると、合理的ではありますけど、うちの仲間が知ったら殺されそうな設計です」

 

あのバーサーカーに知られでもしたらビンタだけではすまないことだろう、確実に半殺しだ

そう思うと奴隷を買うのに少しブルってしまう

 

 

「ナオフミやい」

 

「なんだ」

 

「そんな無愛想な声を出さんでも、何か奴隷って面倒なんすね。まぁ人を飼うことと同じだしそういうものなんだろうけど」

 

「確かに面倒だな、俺のときも大変だった。ラフタリアを買ったときなんて、夜中に騒ぎだして眠れもしない。酷いときにはも「あぁーーー!!!駄目です駄目です!!それ以上は駄目ですナオフミ様!?」………いきなり何するんだよ」

 

どうやら知られたくない過去があるようでラフっちがナオフミの台詞を大声で遮る

なるほど、メンタルケアや病気を患っていたらそれを治すこともしないといけないのか。大変だなぁ奴隷

 

「とりあえず、この持ち合わせで買える奴隷を見させてください。あまり長居したくはありませんし」

 

「ほう、確かにそのようですな。それでは一度条件を確かめさせてもらっても?」

 

「おぉ、はい。え~と、出来るだけレベルは低め、戦闘が出来た方がいいけど、出来なくても良いです、最悪後衛をさせますし、あとは安めで」

 

「なるほどなるほど、それならこちらですな」

 

先程まで耳が壊れそうな程うるさかったが、少し歩くと静かになり、所々から啜り泣く声や、子供の叫ぶ声が聞こえる。

目を配ると、居たのは様々な老人や子供の奴隷

 

「ラフタリアが居た場所だな」

 

ぼそりと、喋るナオフミ

ここでラフっちがナオフミに買われた訳か、大変今更ではあるがラフっちはここに来たくなかったりするのではなかろうか?

 

まぁそれは俺が気にすることでもないか、ナオフミが気にすることだし

 

それより見る限り、それなりに居るみたいだ。

こういうのは自分で探し回って、これだ!!と思うのを買った方がいいのでは

なかろうか?

 

「あの、少し見て回っても良いですか?」

「えぇ、どうぞ」

 

奴隷商からの了承も得たので見て回ることにする

ここは子供と老人が多いみたいで、病気持ちも沢山居るみたいだ

 

沢山見て回り、そろそろ終わりを迎えようとしたときに、ふと目が止まった

そこに居たのはどうやら獣人のようで、だけど他の獣人より少し違うみたいで、何と言えばいいか分からない、何と現せればいいか分からない……けど多分これが運命と言うものなのかもしれない

その獣人を見た瞬間、俺はこの子を買うことを決めた

 

「おや?そちらがいいので?」

 

「おわっ!!び、ビックリした。突然現れるか?普通」

 

突然にょきっと隣から現れた奴隷商に少しばかり思わずビックリしてしまう

奴隷商は気にした様子もなく話を続けようとしている

 

「こちらは少し珍しい部類でして、何の種族か分からないのですよ。はい」

 

「分からない?未知の種族ってことですか?」

 

「いえ、そういうわけではありません。こちらを買うなら安くしておきますが?戦闘には向きませんし、愛玩用にも性的にも使えないとは思いますが」

 

「う~ん」

 

使えない使えないと連呼されて流石に可哀想だ、奴隷商の様子を見るに買われては売られの繰り返しでもされているのだろうか?

まぁ、そんなことで気持ちが揺るぐはずがない

 

「はい、この子をください」

 

そうして俺は初めて奴隷を買った

 

 

 

奴隷を買い終えるとナオフミと合流して、ラフっちと買った奴隷の子に呪いを掛けていく

どうやら呪いを掛けているときは痛みが発しるらしく二人とも若干の呻き声をあげていた

 

「それで、お前が買った奴隷か?戦闘用が欲しかったんじゃないのか?」

 

「そうだったんだけどね~、一目見てビビっとき……ふぁ!?」

 

またもや昨夜のときと同じ気配がしたので振り向くと黒い気配を振り撒くセツが居た

そういえば、セツのことを忘れていた

というか絶対に途中から気配なかったよね?

 

「セツさん、な、なにを今回は怒っているので、ででで…………?」

 

上手く言葉を喋れなく、壊れたラジカセみたいな感じになってしまってる

 

「何が運命ですか、一目見てビビっとですか、どうせそうですよわたしには魅力なんてありませんよ、ただの殺人鬼ですよ~だ」

 

今度は項垂れてしまって、地面にのの字を書いている

落ち込んでいる姿も可愛いので少しそのままにしておきたかったけど、流石に駄目だろうと励まそうと思っていると、ラフっちが励ましていた

 

「大丈夫ですよ、きっとセツちゃんの気持ちも伝わりますよ」

「ほ、ほんとかなぁ、だってだって。わたし役立たずだし、カミキさまのことだって───」

「大丈夫ですよ、私も今はナオフミ様に伝わってないですけど、いつかは……だから諦めちゃ駄目ですよ!」

「ラフタリアがそう言うなら、うん…わたし頑張ってカミキさまをメロメロにして落としてみせる!!」

 

 

 

何やら意気投合しているみたいだ、何を言ってるのか全くもって聞こえてこないけど

 

 

ナオフミの方を向くと何か奴隷商と話している様子、セツがラフっちと話し込んでるいるので俺はナオフミの方へ行ってみる

 

「何の話してるんだ?」

「ん?あぁ、魔物の話をしていてな……そういえばお前って使役だったか、何だったかの勇者だったよな?」

「え?そうだけど、それがどうしたんだ?」

「魔物使いだったりもするのか?」

「魔物使い? いや、別にそういう訳じゃないけど、生物なら使役できる可能性はなくもないと思うよ、一応使役の勇者だし」

「そうか」

「え?それだけ?」

 

何か少し釈然としないな、なんだろうこの気持ちは

 

少しモヤモヤするし、何か放置されてるので奴隷の子と話すことにした

 

「君を買った、一応主だけど、よろしく」

「………よろしく」

 

少し遅れぎみだけど、挨拶として握手をするために片手を付き出すと、ちゃんとし返してくれた

握った手は思っていたよりモサモサしていてずっと握っていたい気持ちに駆られる

一度その気持ちを押し殺して、再度コミュニケーションを取るべく手を離して、話しかける

 

「おぉ、話してくれた。それじゃあ君の名前は何て言うの?」

「………ナナチ」

 

間はあるものの会話はしてくれるようだ、これは時間が経てばさらにコミュニケーションをとれるかもしれない

それにしてもどこかで聞いたことのある名前だな?

 

「ナナチって言うんだ、俺はカミノキ ノラって言うんだ」

「カミノキ ノラ」

 

「そうそう、それでだけど、今から拠点に帰るけど、帰ったら話とか色々聞かしてくれる?ナナチとは仲良くしたいんだ」

「んなぁ」

 

ここまで元気のない返事は聞いたことないが一応了承の様子なので、ナナチの手を握ってナオフミの元まで一緒に歩いていく

手を握った瞬間に体がビクッとしていたけど、そのあとは特に何もなく普通に着いてきてくれた

 

ナオフミのところへ行くと、何か卵らしきものを持っていた、話によると魔物の卵らしい、小動物を飼って癒されたいのだとか

それは分かる、今のナオフミにはペットも必要だろう、病んでるし

 

俺とナナチを見た瞬間にセツがまた落ち込んでしまったが、俺が頭を撫でて手を繋ぐと笑顔に戻っていた。何やらナナチを敵視していたが…………ナナチはナナチでずっと下を向いている、これは重症だな。ナイチンゲール先生と一緒に治していかなければ

 

 

そのあと、村に帰ったあと無事に婦長に怒られてしまいました

主に体の傷などを放置していたことなど

 





さて、どこのメイドをインしたアビスの人なんだろうなぁ~
読者の皆さんからは批判の嵐かと思われます
ですが、私は出したいから出しただけだ、文句あるなら言えーー!!
私は精神的ダメージで死ぬけどな!!

こんなグダグタした作品ですが見てください嬉しい限りです、もう少しでお気に入り数100人いきそうです、何か記念になることをしたいです

あとはクリスマスイベントとかしたい


さて、セツちゃん。ヒロインの座を守りきれるのか!!
次回!!「変わりめくヒロインの姿」

次回にご期待!!


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奴隷の調教

前回、更新出来なくて申し訳ありませんでした

忙しく、いやポケモンとか全然してませんよ?いやいや本当本当、だから皆様怒らないで?
ん?後ろ?


あっ


「それでは、面接を始める」

 

「…………は?」

 

急に始まった面接に流石の鉄仮面ナナチも驚きの声を、というか戸惑いの声を出さずにはいられなかったらしい

 

「それでは、始める」

 

そんな声は聞いていないとばかりに、この茶番を続ける

そもそも何故こうなったか、それは俺の苦労の結果だとしか言えないが、言うならばナナチのことを詳しく知るためである。これでも名目上はナナチの飼い主である、誠に遺憾ながら

だけども婦長を誤魔化すのに苦労をしたものだ………流石にあそこで嘘でもつかなければ今頃国は燃え盛っていることだろう

 

いや、本当に大変だった

 

 

「今からする質問に、全て正直に話すんだ、話さないと後ろの人にどうされるか分かったものではないぞ」

 

「………わかった」

 

「……よろしい」

 

少し間があるもののこの良くわからない行動に付き合ってくれるようだ

因みに後ろの人とはセツである、何時しかのような黒い笑みをしながら俺の背後で佇んでいる………恐いです

 

「まず1つ、貴方の名前はナナチで間違いありませんね?」

「間違いない」

「ふむ、次に貴方の苗字は?」

「………ない」

 

ないとすると、孤児であった可能性がある?

そうなれば心の傷はより深いのではないだろうか?

仲間と引き離されたことも、親に捨てられたもしくは死んでしまった、そう考えれば心は闇で真っ黒だ

まぁ、奴隷の時点で傷は深すぎる程であるのだけど

少し質問を考える必要があるかな?

 

「ふむふむ、なら次は貴方は男ですか?女ですか?」

 

これは少し失礼な質問ではある、実際ナナチの姿では性別を判別しかねる

もし女の子であれば、身体中を俺とナイチンゲールにまさぐられていることになりそれはそれで大変嫌な気持ちであることは確実だろう。

村に帰ってきた当初は大変身体中が汚れていて傷が沢山ついていたこともあり、身体を洗浄し傷を癒すための作業で俺もナイチンゲールに手伝わされた。

 

「………一応、女」

 

おっと、これは思っていたより怒っている……気がするぞぉう?

 

「んん、それじゃあ次の質問だ……貴女に親族は居ますか?」

 

「……分からない」

 

分からないときたか、孤児の可能性が高くなってきたな。

どこで拾われて何時奴隷になったのか。ここらへんは奴隷商にでも今度聞いてみるか、あんまり俺のことは好いてはいないみたいだけど

 

「それじゃあ、ナナチの好きな物、嫌いな物や事を教えてくれ」

 

日常的なことのような質問であって、かなり重要的な質問だ。

好きなものには必ず何かしらの理由が付いてくるだろうし、嫌いなものやことだって同様だろう。

べつに俺が嫌なことをしてナナチに嫌われたくないとかじゃないから、違うから

 

「……全部が、ゼンブが嫌いだ大切なのはオイラの宝物だけ」

 

おや?

 

「そうかぁ、それでナナチの宝物って何かな?俺にも教えてくれる?」

「オイラの大切なミーティ、あの子だけは……」

「聞こえてないな、おーい、ナナチ?おーい?」

「────────」

「はぁ、おいナナチ」

「ぶみゅ!?」

 

ひたすら自身の世界に入り込んでいるナナチに、頬を両手で押し潰して口を塞ぐという罰を与える

あ、案外柔らかい

 

「ナナチさぁ?過去に何があったか、君の大切な人がどれだけ大切か、そういうことは俺は知らないよ。だからって訳じゃないけど一旦落ち着いて、俺にもゆっくり分かるように全部とは言わないから話してくれよ……話してくれればお前の辛さを俺も一緒に背負えるしさ」

 

「…………わかったよ」

 

 

そのあとナナチは過去に何があったか、その全てを話してくれた。

 

ナナチはスラム街の人間で、その頃はまだ人間の姿だったらしい

何時の日か、怪しい奴等にスラム街の子供達が連れ去られていったらしい

それはナナチも同様で、拉致されたあとは暗い地下のようなところで監禁されていたのだとか

 

あまり社交的ではなかったナナチは誰とも話すことはなかったらしい、そんなときに皆が暗く落ち込んでいるときに話しかけてくれたのが、ミーティという女の子だったようだ

 

その様子を見てか知らずか、他の子供達も少し明るくなり絆が深まったとか何とか

いつしか、地下から出てやるという気持ちを少しずつ持っていくようになっていたという

そんな辛い環境の中ででも耐えてきた子供たちに、突然の絶望が降り落ちてきた

 

子供たちを捕まえていたのは、ある研究者で主にキメラや、魔物の力を人に付け加えるなどという研究をしていたようで、そのためか監禁状態から脱すると同時に見たのは、捕まっていたのが子供だけではなく、少ないものの大人達も捕らえられていたということ

 

そのあとからは、沢山の子供達が人体実験の材料にされ、燃料にされたようだ

遂にナナチとミーティの番になった

そして不幸か幸運か二人とも実験が〝成功〟してしまった。

 

二人は貴重なサンプルとして燃料にされることはなかった

それでもまだ、二人で一緒に過ごせることがわかった二人はどうにか精神を支えあって生きていった

 

だが、そんなときに1つの事故が起きてしまった。

こういった研究にはよくあることであろう、比検体の暴走である

超人的な力を持ったソレは研究所を壊しに壊し、生物に襲いかかった

 

研究者である人間は研究の資料とミーティ、そして子供達を連れて研究所を捨てた

何故、そのときにナナチを置いていったのかは本人にも分からないらしい

言うには、死んでいたと思っていたんじゃないか?とか

 

そのあとは倒れていたナナチを荒くれ者が拾い、奴隷として売り付けられる

最初の頃は物珍しさに沢山買われていたらしいが、どこも買ったあとの気味悪さに返却していた

 

その見た目故に慰みものにされることはなかったが、変わりに頑丈になってしまった身体を攻撃して鬱憤を晴らすためのサンドバッグにされるために買われることが多くなったらしい

 

そんな日々に、もう諦めて全てを放り出そうとしていたそのときに俺がナナチを買ったみたいだった

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~」

 

「カミキさま、いつまで落ち込んでるんですか、ああいうのは良くある不幸事なんですよ?」

 

「そうか、そうだよな。そういう世界だしな、そっかまだマシな方か。それなら今後はその研究者のことも少しでも調べてみるか、こういうときにハサンの皆様が居ればいいんだけどなぁ。出はしないんだろうけど」

 

問題を解決するために買った奴隷が問題を増やすとは、これいかに

 

「カミキさまが、そこまでする必要があるのですか?所詮奴隷です……カミキさまがする必要は……」

 

「必要はある。俺はマスターだ、サーヴァントの願いは少しでも叶えてやらないと。本人がそう願っているかは分からないけどさ」

 

「でも……」

 

「でもくそもないよ。もしセツが困ってるなら俺は手助けするし助ける。出来る範囲でだけどね。俺も出来ないことはやらないよ、出来ないことは他の人に任せる。何て言ったって、使役の勇者だからな、人材には困らないさ」

 

「むぅ、カミキさまはズルいです。そうやって人をたぶらかして」

 

「そうかなぁ?それはともかくだ、メンタルケアも大切だろうな。

どこまで上手く出来るか分からないけど、とりあえず今は晩御飯だ。

あの子も美味しいご飯を食べれれば少しは元気になってくれるだろう。

……………その為にも婦長の魔の手から逃れなくては」

 

 

「ですね、それでもカミキさまも健康のためにもバランスの良い食事をしないといけませんよ?」

 

「うぐ、わかってるとも」

 

 

痛いところを突かれたが、これでも毎日婦長の検診を受けているし、病気になることはないだろう

 

その後はナナチも入れた新しいメンバーで食事を楽しみ、少し表情が明るくなったナナチを見て俺も少し胸を撫で下ろした

 

 

 

 

 




今回は少しナナチの過去に触れました、仮面の男は出ません
メイドインアビスからは今のところナナチとミーティしか出ません
少しこの世界に合わせて改変しています。なので原作よりは軽めになってことでしょう

それでは次回もお楽しみに



え?頭に刺さってるの?
気のせいですよ


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日常共に嘘つき焼き殺すガール

今回は遅れてしまいました

言い訳ですが、今回は少し難しく手間取ってしまいました

それでは本編どうぞ


 

 

「それじゃあナナチ、一応君は奴隷という立場な訳だから働いてもらう」

 

効果音にドンッと付きそうな感じで人差し指をナナチに向ける

バカ丸出しの行為なのは俺もわかってるので早々に止めてしまうことにする

 

「んなぁ、そうだな。オイラも一応奴隷な訳だし?それで何をすればいいんだ?」

 

何か暗いな、びっくりする程に

ナナチにはそこまで気負う必要はないとは言ってはいるけど、そう上手くいくわけないみたいだ

 

ひとまず、ナナチにさせたいことは言っておくべき

 

「ふむ、そうだなぁ。ナナチにはナイチンゲールの元で医療を教わってもらう」

 

「医術?何で?」

 

ぽかーんとした顔で意味が分からないと言うような感じで喋るナナチ

本人には悪いかもしれないけどプリティーである、やばいなケモナーになりそう

 

最近は良く、初期の頃より喋ってくれるようにもなってるし、俺的には大満足である

ナナチと喋ってたらセツがいつもオルタ化しそうになってるけど

 

「おっと、そうじゃなかった。ぶっちゃけて言えば……………まともな医者が欲しい」

 

「は?」

 

これまた何いってるんだみたいな眼で見てくるナナチ、俺はドMではないのでそんな眼で見られても興奮はしない

 

「驚くのも無理はない。そも言えばナイチンゲールは医療に、治療に関しては随一だ」

 

「んなぁ?別に普通じゃ」

「そうだな、医療以外のことなら普通の、それでもまぁ他の女性とは少し擦れてるけどそれなりに気の良い人だよ」

 

「それで、何か問題が」

 

「彼女の信念は『殺してでも患者を救う』だ。細かいところは他にもあるだろうが、大雑把に言えばこれがナイチンゲールその人を表してる……気がする。正直、俺もそこまで彼女と付き合ってきた訳じゃないから分からないんだけど」

 

ナイチンゲール自体は、ゲームでもあまり知らなかった。当てたには当てて使ってはいたけども、俺の中の認識では【バーサーカー部門・医術のヤベーやつ】っていう認識だったわけで、こんなこと本人に言えば何されるか分かったものじゃないけど

推しでもなかったし、あまり知らない

 

 

「んなぁ?」

 

困惑した表情で、暗にそれはどうなんだろうか?と訴えてくるナナチ

 

「どうもこうもないんだけど、実際それで沢山の人を救ってきたのは事実だし」

 

「んなぁ、んじゃあ、別にそれで良いんじゃね?困ったこともないと思うんだけど」

 

「うむぅ、そうだけど。婦長も前に少し手が欲しいって言ってたし、ナナチならちょうどいいじゃん?」

 

「ん~、そうだけどさぁ」

 

「なんか納得いってないな?それなら戦闘でもするか?辛さ的にはどっちも変わらないけど」

 

「変わらないのかよ。んまぁ、分かったよ。あのセンセーのところに行けばいいんだな?」

 

「センセーって……まぁそうかな、断られることはないだろうけど、断られたら言ってくれ。他の仕事を頼むから」

 

「あいよー」

 

気のない返事を交わしたあとにナイチンゲールの元へ歩いていくナナチ

少し太めの尻尾をフリフリと振らせている

その後ろ姿を見ていて1つ気づいた………

 

「アイツ上半身裸じゃん……女子なのに」

 

後で何か服を用意しといてあげようと思う今日この頃………

 

 

△▼△▼

 

外は静かなもので風の音しか聞こえない、どうやら村の人は皆寝てしまっているようだ

 

そんな中で起きているのは俺達4人は俺とセツ、最近はナナチも使っている1つの小屋に集まっていた

 

「え~、それでは第、えーと何回目か忘れましたが……ドキドキッ!?魔の麻婆豆腐ピックアップガチャを始めたいと思いま~す。いぇーい」

 

俺の少し元気無さげな、というか実際に元気のない声を出しながら少しお茶らけてみる

3人からは俺の目が死んでいるのが分かるだろう

 

「「「………………」」」

 

勿論そんなのに乗る3人ではないのだが……

そんな中で声を出してきたのはケモナー御用達、モフモフのぬいぐるみちゃんだ

 

「んなぁ?それって、一体なんなんだよ」

 

「あぁ、そういえばナナチは初めてだったっけ。実は俺って勇者なんだよ」

「ハァ?」

 

はい、渾身のHA?を頂きましたぁ~

何か日に日にナナチの俺を見る目線がドンドン下がってるような気がするんだけど、もしかしてバカにされてたりしないかしら?

 

「いやいや、本当本当。実際にその勇者の力で呼び出した〝最初〟の仲間が、そこにいるナイチンゲールなのだから」

 

「んなぁ~、よくわかんねーけど。センセーをアルジサマが召喚したってことか?」

 

「そうそう」

 

「とうとう頭が可笑しくなっちまったのか。センセー、アルジサマの頭がイカれちまった」

 

いやいや、俺の頭はイカれてなんてないから、というか酷いな。お前、俺のことそんな風に見てたのか

まって、何か目から鼻水が……

 

「それは元からです、手の施しようがありません。自然治癒をおすすめしておきます」

 

婦長も!?

 

「二人とも?そんなにカミキさまを苛めたらダメです」

 

口許に指でバッテンをして、ふざけ気味な二人を注意するセツ、んぐ……また目から鼻水が出てるよ

 

「うおぉぉ~、そんなことを言ってくれるのはセツだけだ~、ヨシヨシ~」

 

何時ものようにセツの小さい体を抱き抱えてその綺麗な白髪を乱暴に撫でまくる

 

「んぅ…カミキさまくすぐったいですぅ~」

 

やりすぎたら明らかに事案なので止めないとだが、セツの髪の毛の触り心地が気持ちよすぎる。サラサラしてるし

何か、良い匂いもする

 

 

 

「チッ、好感度稼ぎですか」

「センセー、漏れてる漏れてる」

 

 

 

 

 

「さて、大変場が乱れたところで、ガチャを引いていきたいと思います。準備は良いですか~?」

 

「「………いぇーい」」

 

どうやらまだ乗りは悪いようで二人とも早くしろという目で見てくる

というか婦長はキャラがブレているような気がするのだが

因みにセツは未だに俺の足の上に座ってる

二人の視線が痛いので一旦退いてほしいと言ったらガチトーンで…え?何で?って言われたから退けようもない

俺って地位的に上な筈なのに、何でこうも下にされているんだろうか?

 

「ふぅ、今回の召喚でマトモな人がどうか来てくれ」

 

目の前に表示されるボタンをタップして、10連ガチャを引く

 

結果は………

 

「全麻婆豆腐かぁ、これ確率上がってねぇ?」

 

………全て麻婆豆腐である、少し経つとカード形態になって激辛麻婆豆腐が十枚手元に落ちてくる

そのまま物質化出来ないこともないが、それをすると3人に後で殺されかねないのでカード形態のままで出るように願ったら、出た

 

それから続く20、30、40、50、60、70、80、90とサーヴァントが当たることはない

 

今のところ出たのは

何時ものごとくの麻婆豆腐先輩

星1概念礼装達

ライオンのぬいぐるみ×1

ガンド×1

赤色のリボン×1

 

一番意味不明なのは、赤色のリボンで最初から物質化して出てきていた

何処かで見たことあるようなリボンだが思い出せない

 

思い出せないということは大したことではないだろうと忘れることにして、いつも通り変わらない画面と共にボタンをタップする……そのとき突然突風が吹き付け、手に持っていた赤いリボンが召喚サークルの中に入ってしまった

 

そして唐突にも思い出してしまった。赤いリボン事態が概念礼装だと思っていたのが間違いだったのだ

 

光が収まると、そこにあったのはバーサーカーのカード

赤いリボンは吸い込まれたのかそこにはなく、見る影もなかった

 

赤いリボン、そしてバーサーカー

この2つの条件で思い浮かべられるのは………

 

『ますたぁ~?』

 

「ひぅ!!」

 

突然の幻聴、いや彼女が出現する前兆に俺は体を震わせ冷や汗が身体中から吹き出す

足の上に座っているセツも何かを感じ取っているのか眼を据わらせ、召喚サークルのほうを睨んでいる

 

カードが光り、光が形を変えてそこに居たのは和服ながらも頭の赤いリボンが似合う少女だった

 

「うふふ、サーヴァント、清姫。こう見えてバーサーカーですのよ?……安珍様?」

 

「う、あ……き、清姫…」

 

「はい!!…貴方の清姫ですよ!!ところで………」

 

俺はただ震える、ガタガタと震えている。

清姫は、今は俺の方を見ておらず、若干目線を下に下げている

 

俺より低めの位置に居る人物など、一人しか居ない訳で

 

「ふぅん、浮気ですか?」

 

つまりはセツを見ていて言ったわけで……

 

「あ、いや。そういうわけでは……」

 

……そんなことを言われてしまうと口ごもってしまうわけで

 

「本当ですか?」

 

最近よく見る黒い笑顔を清姫に向けられて何も言えなくなり口を完全に閉ざしてしまう

 

「さっきからズケズケと、何ですか」

 

俺の足上で俺を抱きしめて清姫を睨み付けている

 

「何ですかとは、貴女こそ何ですか?〝わたくし〟のマスターにベタベタとくっついて」

 

「はいぃ?何を言ってるんですか?〝わたし〟のカミキさまに言い寄って。さっさと消えてくれませんか?目障りですから」

 

こちらも黒い笑顔で中々にキツイ言葉を喰らわせるセツ

そんな言葉が切っ掛けか、何かがブチリと切れる音が聞こえ、それと同時に清姫の背後からユラユラと陽炎が見え始めた

 

あっ、駄目だこれは死ぬわ確実に死ぬと思って、そういえばと思いナナチの方を向き助けを求めるが親指をビシリと立てて頑張れよ、という意志が感じられる

 

「んなぁ、アルジサマも難儀だなぁ」

 

というか口から他人事のように喋る

 

それならばとナイチンゲールを見るがナイチンゲールも我関せずとこちらを見ようともしない

 

「そ、そんな」

 

その後もギャイギャイと2人の言い合いは続き、根負けしたナナチとナイチンゲールが止めるまで終わらなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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新たな始まりの幕開け

今回は?駄作です
そろそろ気分転換しようと思います、タグの通り亀更新になるかと思います


ある朝、勇者とは思えない健康的な日々を過ごし、村の為に様々な手伝いをこなしていた俺だが急な来客があった

 

「よっ、久しぶりだな」

 

前より親しげに話しかけてきたのは盾の勇者である、ナオフミ

最近何かと噂が広まりつつある勇者である

悪い意味でも良い意味でも

 

「あぁ、うん。久しぶり……元気してた?」

 

少し元気が足りないものの、明るく振る舞う

出来ているかは分からないが

 

「まぁな。お前も元気、か。って聞かなくても分かるな、どうしたんだ?前に買った奴隷か?」

 

俺の窶れている姿を見て、ナナチのせいでこうなっていると思っているナオフミ

 

「いや、ナナチは至って真面目な生活してるよ。今は医療のお勉強中」

 

「医療?……それなら何だ?他に何か問題でもあるのか?」

 

一瞬ナナチがなんで医療なぞ勉強しているのかと疑問に思っている様子のナオフミだけど、すぐに自己完結したのか、切り替えて話の続きを促してくる

 

「うん、まぁ他に問題はある。あとナオフミ、俺と一緒に居るときは嘘はつかない方がいい」

 

今でもきっと何処かに潜んでいるだろう。もしくはセツとギャイギャイ喧嘩してる清姫を思い浮かべ、注意しなければいけないことを伝えておく

 

「何でだよ」

 

「実は俺がこうなっている原因でもあるんだけど、その娘さ?嘘を嫌うんだよ、それは本当に嘘をついた相手を殺すくらいには」

 

「何だよそれ、狂ってるんじゃないのか?」

 

「あぁ、うん。狂ってるな」

 

間違いではないナオフミの言葉にどうしようもなく言葉に詰まってしまう

清姫、バーサーカーだし。狂戦士だしね

間違いじゃないんだよ

 

因みに1度、清姫の前で嘘をつきかけて令呪を一画使わされそうになった

そのときはどんなことを言いそうになったかというと、セツのことが愛してるか愛していないのか……とか。それの清姫verなどなど

羞恥プレイと嘘をつけば死ぬというデスゲームに胃が最近痛むようになった

 

婦長も婦長で、俺の腹を裂こうとするし

ナナチが居なかったら危なかった。まだまだ効果は微妙だが胃痛止めを貰った

人体について殆ど知れたらしいので、今度は薬剤を学ぶのだとか

非常に助かる、そのまま胃痛止めの効果を上げてくれ

 

「お前、本当に大丈夫なのか……顔面真っ青だぞ」

 

「え、マジで?……はぁ…最近問題事が多くてやばいんだよ……本当にさ…」

 

ここで死にそうなんていったら、セツ婦長清姫エリさんが飛んでくる。高速移動なんて目じゃない程に素早いのだ

痛つ、また胃が痛む

 

「大変だな、お前も」

 

「ん、まぁね。ナオフミは最近色々何かしてるんだって?聞いたよ」

 

「あぁ、金も稼げる情報も入る盾は増えるでメリットが多いからな」

 

「それはそれは、それで。今日は一体何のご用で……この村ですることなんてあんまりないと思うけど、なんかある?」

 

正直、本当にここですることなんてものはない

俺達が大体解決してるし

 

「あると言えばあるな……」

 

……あるのか

 

「ほう、何をしに来たので?」

 

「まぁ、簡単に言うなら人材のスカウトだ」

 

「スカウト、スカウトと来たか」

 

いや、確かに人材のスカウトなら俺のところに来るのは間違ってない。何て言ったって世界の宇宙の英霊達を召喚出来る……かもしれないのだから

 

「確かにうちには性能面で考えれば良い人材が揃ってる。だけど、多分誰も着いていかないと思うけど」

「あぁ、そんなことは分かってる。俺が欲しいのは…………お前だ」

 

「…………なんやて?」

 

 

△▼△▼

 

 

「それで村を出る準備をしてるんですか?」

 

横から自身の荷物の整理をしているセツが聞いてくる

 

「そうそう、ナナチはここに残りたいって言うけどさ。強引に連れていくけど、抜け道も出来たことだし」

 

「確かにあれは便利ですもんね…………こ、これで好きなときにカミキさまと添い寝。じゅるり」

 

「全部聞こえてるよセツちゃ~ん?」

 

清姫に毒されたのか、こういった欲望を隠さなくなったセツ

俺的には素直に吐き出してくれるのは嬉しい。こうやって好意を向けてくれるのも男冥利に尽きるのだけど、人前で特に清姫の前で堂々と言わないで欲しい

 

喧嘩するし、喧嘩するほど仲が良いという言葉の通り二人も仲良くあって欲しい

 

 

「さて、もうそろそろ出ないとだな。セツ準備できた?」

 

今まで出てきた礼装の整理や、カード入れのように作った革製のホルダーに星1概念礼装と黒鍵などの礼装のカード状態を突っ込むなどしたあと、セツに準備は終わったか聞く

 

「はい!セツ終わりました!!」

 

「元気があってよろしい。それじゃあナナチと婦長を迎えに行くか……清姫~、居るんだろ~?」

 

側に居るであろう清姫に声を掛ける、すると……

 

「はい~、貴方の清姫はここに居ますよ~」

 

背後からギュッと抱きしめてくる清姫

その際の背中に当たる柔らかな感触に……あっ、以外と大きい。着痩せするタイプなんだなぁ……などと考えてしまう

そんなことを考えたら、俺の心なんてセツには透け透けな状態の俺はどうなるかというとだが

 

「むぅ~!!……何ですか!!そんなの肉の塊ですよ!!……脂肪です!!カミキさまはそんなのが良いんですか………!?」

 

「いやぁ、そういうぷっ」

 

背後に居た清姫が今度はするりと正面に回り、その豊満な物を俺の顔に押し付け埋めさせる

 

 

「あらあら、負け犬の遠吠えですか~?マスターは勿論、私のような大きい胸がお好みですよね?」

 

嫌いと言えば嘘になる、男として仕方ないことであるのだ。仕方ないのだ!!

 

「ほら、マスターだってこう言ってますよ?」

 

「むかっ、何も言ってないじゃないですか。勝手に貴方がそう納得させてるだけでしょ?」

 

「さぁ?でも、あなたのような貧相な体で……で……はぅ…」

 

んむ?おっと、これは大変だ

何とかその大きな山から抜け出て、清姫に離してもらう

といっても本人は顔を真っ赤にして、ぼしゅ~と顔から湯気を出して放心状態だから普通に抜け出せたけど

 

多分いつものごとく、積極的に俺に絡んだは良いものの、その先の先の先を考えてショートしてしまったんだろう

つまりはピンクな方を考えてしまって、『ヤバい、どうしよう。そういうのは、あぁダメダメダメ!!まだ早いわ!!でも貴方となら……あぁ!!でも恥ずかしいーー!!』って感じだと思うのよ

年齢に見合い、乙女な部分も確りあるのが清姫である

 

セツもセツで清姫に釣られて考えてしまったのか同じようになっている

 

…………何だこれ

 

このままではどうしようもないので人を呼んで、運ぶこととした

 

△▼△▼

 

「来たか、準備は終わったのか?」

 

「準備は終わったよ。皆も連れてきたし」

 

部屋の片隅で行かない行かないとグズっていたのを、そのまま片手で引こ釣ってきたのをナオフミに見せる

 

「んなぁ~?オイラは行かねぇって言ったのによ~」

 

「知らん、連れていく。そろそろ俺もバーサーカー二人組も経験値を積まないといけないからな」

 

「オイラ、非戦闘員」

 

ブツブツと下からナナチが文句を垂れ流しているので、それを黙らすべく

そのピョコピョコと揺れる両耳をガシッと掴む

 

「んなっ!?」

 

ビクビクビクッと体を震わせて放心したナナチをそのままお姫様抱っこで抱える

 

「まぁ、本人は文句行ってるけど連れていく。というか連れていかないと心配だし」

 

「あぁ、連れていく側の俺が言うのもなんだが役に立つのか?」

 

ふむ、ナオフミは全くもって分かってない

ナナチがどれだけ役に立つのかを……

 

「この人……人?」

 

「んなぁ~?アルジサマさぁ、流石にそれは酷いぜ?ってか降ろせよ」

「ごめんごめん。あと、降ろしはしない逃げるし」

 

「まぁ、とりあえず役に立つよ。後衛と思っとけば良いよ、俺も一応後衛だし」

 

まぁ前衛で戦えないこともないのだが

 

「はぁ、分かった。それじゃあ行くぞ」

「……え?」

「どうした?」

「いや、あの。自己紹介とかしないの?」

「何でだよ、時間の無駄だろう。そんなもの移動中にでもすればいい」

 

「いやそうだけどさぁ、今朝から気になってたけど明らかに知らない鳥幼女が居るし。あれが噂の神鳥ってことは分かるけど」

 

チラリと横を見ると、人形態の状態でラフっちと清姫と騒いでるところが見られる

いや、清姫何してんの?そっち側なの?

明らかにナオフミ陣営と仲がよくなってる清姫に少しばかりの嫉妬を覚える

 

まだ、ラフっちに避けられてる感あるのに

モフモフしたい、とりあえずナナチをモフモフすることで我慢する

 

「あれは俺も何がなんだか分からん。育ていたらあぁなった」

 

「………そうはならんやろ」

「実際にそうなってるだろ」

 

「なるほど、ファンタジーに常識は通用しないということか」

 

また、胃が痛くなりそうだから考えるのを放棄する

 

「さて、それじゃあ行くか。新たなる冒険へ!!」

 

「テンション高いな」

 

「冒険らしいこと今までしたことなかったからね。最近やっとホトボリが冷めてきたから。俺も楽しめるようになってきたのかと」

 

「そんなに楽しいものじゃないぞ?」

 

「楽しんでなきゃストレスで倒れるわ」

 

「締まらないなぁ」

 

「だなぁ」

 

 

ぐだぐだと、今までの生活が終わり、新たな冒険が始まるのであった

 

追記、ナナチをお姫様抱っこしていたところ清姫と婦長とセツが嫉妬と怒りの目線を向けていたことを一つだけ言っておく

 

 

 

 

 




もっと他のキャラのセリフを増やしたい
3人以上になるとセリフとかいれるの忘れちゃう


運営に怒られたので、一部消しました。テヘッ
とか言ってる場合じゃないですが、読者さんに注意されたくせに修正しなかったバカは私です、これで前科が付いてしまった


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移動中

随分遅れてしまいました

すいませんでした(つд;*)


ガタガタと揺れる少し大きめの馬車、というより荷車に乗りながら素早く動く景色を眺める

 

隣を見ると、ラフっちが酔ってダウンしてる

隣で婦長が介護しているようで少しずつ体調は善くなってるよう

 

視線をまた外へ移し景色を見る

………何も見えん

 

「そういやさ」

「どした?」

「お前の仲間って奴隷じゃないんだよな?」

 

「違うけど」

「わたしは奴隷でも良いですけどね~」

「わたくしも構いませんよ~」

 

両サイドから俺の腕を胸に抱えるように抱く2人

セツからは、名前とは違って凄く暖かい体温を感じる

清姫は……うん、想像以上の大きい柔らかさに思考が 「あばばばばばッ!!??」

 

「ど、どうした!?」

 

「し、痺ればびれぶ」

 

急に感じる電撃のような痺れに、体を焼かれ口から煙が出ているような気がする

 

いや、実際に口から出てるかもしれない

ピクピクと痙攣する体にピトリと触れて大丈夫かと聞いてくる清姫

 

「だいじょっ…ごふっ!!」

 

今度は右脇腹からの衝撃

今度は何事かと見るが、そっちに居るのはセツだけで………あの、セツさん。何でそんな怖い笑顔でこっちを見てらっしゃるのでせう?

 

「にこっ」

 

「ごめんなさい」

 

いいか、女の子・女性がニッコリと笑っているときは素直に謝るのが吉

 

それにしても先程の電撃は一体なんなのだろうか?

 

「あの、婦長お願いします治療を……」

 

「……………」

 

機嫌が悪いのか珍しくブスッとした顔でラフっちの横に座って俺を無視する婦長

 

「無視やの!?」

 

俺がそう言うと、婦長はスクッと立ちあがりこちらを見る

 

「ふぅ、良いでしょう。治療します、えぇ徹底的に徹底的に!!」

 

「ひぇ」

 

婦長の気迫に思わず腰が引け、怯えた声を出してしまう

そこ、情けないとか言わない。マジで怖いから

 

「さぁ!!こっちに来なさい!!」

 

 

「いぃやぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」

 

狭い荷車の中で暴れまわる俺達に、意外にも止めたのはナオフミではなく鳥娘だった

 

 

その後、身体中を包帯でグルグル巻きにされた不審な人間が居たとか居なかったとか

 

俺ですけど

 

 

 

 

「んなぁ~目的地に着いたぞ~」

「植物がいっぱ~い」

 

痛む体を何とか起き上がらせて、前を覗きこむとツル型の植物に覆われるというより襲われていると言ったほうが正しいほど村が大成長した植物でいっぱいになっていた

 

「ふごふご、ふご?(意訳:なんじゃ、これ?)」

 

「いや、何言ってるか分からん」

 

包帯でグルグル巻きにされてどうしようもないので、黙ることにする

 

「異常ですね、こんなに植物が繁殖するとは」

 

まぁ、ファンタジーだからね

 

「燃やしてみましょうか」

 

それは止めてね清姫さん

 

「それならわたしも電気でボッと燃やしてみます」

 

だから止め、ふぁ?もしかしてあの電撃ってセツさん?

痛かった

ちょ、無言で頭撫でないで恥ずかしい。清姫も乗らないで

 

ナオフミにジトッとした目で見られながらも

荷車は村へと誘われていった

 

 




今回は、今回も?筆が進みませんでした
くっそ、ここでサーヴァントの説明をナオフミにしようと思ってたのに

なんか面倒になってきたな説明話書くの


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大繁殖 植物の里

すいませんです、今回はすごい短くなってしまいました
もう少ししたら流れ変えたり、量も増やすので許してください


 

村の中へと入ると、外から見た通り案の定。植物に侵されており、見るに堪えないことになっていた

 

話を聞く限り、槍の勇者が村の飢饉を救うために態々封印されていた奇跡の種とやらを村に与えたらしい

最初は実がなり、救われていたのだが……大繁殖が起きて現在の酷い有り様らしい

 

これは酷い

 

どうやら寄生能力もあるようで、何人かがヤられていた

ナオフミが除草剤をかけたりすると枯れてはいたために植物らしいところはあるよう

 

婦長は考えている通り、患者のいる村で介護をしている

助手的な立ち位置のナナチも婦長と一緒だ

 

そんな中で俺達が何をしているというと、まぁ尻拭いな訳である

 

そんな偉そうなことを言っている俺ではあるが、実際のところ何もしていない

俺のところに来る植物のツルノムチはセツが目にも見えない素早さで切り刻んだり、清姫が燃やしたりしている

 

村の人がやった燃やしは効かなかったらしいが、清姫の炎は効いているらしい

 

そうしてナオフミ&使役パーティーで奥へと進んでいく

奥へ進めば進むほど攻撃が激しくなっているが、どれも冷静に対処するセツ&清姫

 

このままいけば早く片付けられそうだ

 

そんな風に軽く考えていると、あっという間にボスらしき大物がいる空間へと出た

 

「てか、さっきから何を蒔いてるんだ?」

「んぁ?あぁ、除草剤だよ」

「寄生だけじゃなかったのか、効くの」

 

てっきり、本体から離されて幼体だから効くのかと思ってたけど、存外本体事態が耐久力低いのだろうか?

 

試しに、瞬間強化を自身に掛けて翔んできたツルを掴んで引っ張ると、面白いように簡単に千切れた

今のところ、礼装のレベルは2なのでスキルの効果もたいして高くない。それでこれなら耐久力は紙レベルのようだ

 

それならばと、後の戦闘はナオフミ達に任せて俺達は傍観することに徹する

 

しばらくすると、植物が茶色く変色して全てが枯れていった

どうやら終ったみたいなので、ナオフミと合流する

 

「おつかれー」

「おつかれじゃねぇよ。手伝えよ」

「そっちだけで終わらせられそうだったし。別に手伝わなくてもいいのでは、とか思って」

「はぁ、今度は手伝えよ」

「あいよ、ひとまずは残骸の処理しなきゃな。清姫~?おねが~い、強すぎないでね~」

大声で少し離れていたところにいる清姫に残骸を燃やしてもらうことにする

 

「ちょっ!!待て!!」

「ごめん!!少し待って!!……なに?」

「盾を解放したいからさ、少しだけ集めておきたいんだよ」

「なるほど、それじゃあチャッチャと終わらせよう」

「おう」

 

 

 

村からの帰りの荷車で、4両にも増えた荷車を見てため息を吐くナオフミ

以前より重量が重くなったせいか喜んでそれを引くフィロリアルの鳥娘、改めフィーロ

変態さんなのかな?

 

「それにしても、見事に押し付けられたな」

「やっぱりか。どう考えてもそうにしか見えないよな」

 

「まぁ、味は旨いし。ナナチ~?1つ要る~?」

 

フィーロの背中の上に乗っているナナチへと労いもかけて聞く

 

「んなぁ?今は要らねぇ~、あぁ、いややっぱ要る~」

「ほれっ、フィーロにもあげろよ~」

 

前方へ2つ投げ渡してやると器用に二人とも取る

フィーロは口で、ナナチは後ろ手で取っていた

 

「てか、何かってに食って。更に与えてるんだ」

「これだけ量があるなら少しくらいは良いだろ?」

「……少しだけだぞ」

 

やはり根は優しいのだナオフミは

ツンデレなのかな?

 

「今日も平和だな~」

 

そんなことを言いつつも景色を眺める……見えん

 

まぁ全くもって平和じゃなかった一日だが




アンケの結果、次回の召喚サーヴァントはツンデレ同人作家贋作聖処女水着黒化ジャンヌが召喚されることに決まりました、いつ召喚されるかは作者本人にも分からないです

次のアンケはペットです
フィーロ枠みたいな感じです


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災厄


いいか、ここから主人公が壊れていくぞ!!
良い方向にだけどな!!

それと毎日更新2日目です
詳しくは活動報告へ


鳥娘が引く荷車改め馬車で、少しの間だけ眠れたので、たまにはと少しナナチとコミュニケーションを取ろうとナナチの方へいくとナナチの毛が一部白くなっていた

 

「ナナチ、ごめん。ストレス感じてたんだな、こんなに毛を白くさせて……」

「んなぁ、ちげぇよバカ。そもそもオイラの毛は白いところあるし」

「それじゃあ、何これ」

 

ナナチの首もとらへんにくっついている白い毛玉みたいなのを詰まんで持ち上げる

 

「なんだこの毛玉あったか!!すごい手触りいいし、これはナナチに負けず劣らずだな、くんくん…花の匂い?」

「んなぁ~、何かいつの間にか付いてたんだよ、取ろうとしても取れねぇから。やっと取れてスッキリした」

「ふーん、しっかし何だろこれ」

 

丸まった毛玉が何か分からず只管手でモフモフ、さわさわと触る

 

「……ふぉう」

 

「ん?なんか言ったか?」

「んや?言ってねぇ」

「いやでも何か聞こえた気が……」

 

先程より少し強めにグニグニと触る

しかし、毛玉にしては弾力と言うか

暖かすぎると言うか

 

「………ふぉうっ!!」

 

「…………えぇ」

 

絶対に聞いたことある。どっかで聞いたことある鳴き声だ、ふぉうとかそんな鳴き声とか、Fate関連だとアレしかいない気がするんだけど……

 

「どうしたんだよ、そんなに見つめて」

「なぁ、ナナチ。この毛玉さ、毛を剥ぎ取って防寒具にしてみたいんだけど。どうだろう?」

 

そんなに正体を現さないなら少しだけ苛めても問題ないだろう

 

「ふぉうっ!?」

 

「んなぁ?そんなちっさいのじゃ何も出来ねぇよ」

「しかし、残念だな。このまま持っていったらナオフミに棄てられてしまうかもしれないな」

 

「ふぉう……」

 

何か悲しんでるな、この毛玉

しかし、一体どこで拾ってきたんだろう?

 

「まぁいいか。どうする?ナナチがコレ持ってるか?」

「んなぁ?いらねぇよそんなの……持ってけ持ってけ」

「ふむ、それなら持っていくけど……どこに仕舞うかな。とりあえずここに入れとくか」

 

腰に着けてるポーチに丁度1つ空きがあったのでそこに放り込んでおく

ポーチの中でもがいているが気にしない

 

後ろに戻ると、もうナイチンゲールは起きているようで清姫とセツは寝ている

二人で寄り添って寝ているところを見ると喧嘩ばかりしているのに微笑ましく思う

 

少しクスリと笑ってしまう。ナオフミもナオフミの方でラフっちが肩にもたれ掛かって寝ている

ナイチンゲールは静かに座って本を読んでいるので、俺もその横に座らせてもらう

 

「横、失礼します」

「……どうぞ」

 

許可が降りたので、隣に座りナイチンゲールが読み終わったのか隣に置いている本を1つ手に取る

 

「1つ貸してもらっても?」

「…勝手にしてください」

 

馬車の中での音は、寝ている者たちの吐息と紙を捲る音だけ

少し心地良い気持ち…………

 

 

 

 

 

「……………い、……なさい…」

 

…ん…何だ……あれ、いつの間にか寝てた?

 

「はぁ、起きなさい」

 

「う……ん、起きた……起きたから……眠い……」

 

「本当に仕方のない人だ。すみませんが、あともう少しだけ待ってもらえますか?」

 

「あぁ、あとでまた呼びに来る。飯が出来たら起きてくるだろ」

 

「あ~!せんせいとしょうかんのひとがいちゃいちゃしてる~」

「こら、フィーロ茶化すものじゃないですよ?」

 

「あぁ!?何してるんですか!?」

「う、うぅん……うるさぃ」

 

「はいはい、さっさと行きますよー」

「あっ!!ちょっ!?」

 

「騒がしい二人ですね」

 

ナイチンゲールの声が上から聞こえてくる

何だか居心地がいい、柔らかくて暖かい

優しく包まれているような……

 

「そんなに身動ぎしてはこそばゆいのですが」

 

またナイチンゲールの声が上から……………上から?

……………あれ?今どこで寝てる?

 

ゆっくりと目を開けると、ナイチンゲールがにこりと笑って俺を見ている

 

「やっと起きましたか」

「あ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

色んな感情が吹き出し、そこから即座に離れて、外へと飛び出す

 

「あっ、しょうかんのひと!!」

「ん?おいっどこ行くんだ!!」

「カミキさまっ!?」

 

後ろから呼び止める声が聞こえてくるが、無視してしまう

 

どれくらい走ったのか、1つ大きな木の下で座り込む

地面は少し冷え込んでいて、ブルッと鳥肌が立つ

 

ここなら、すこし頭を冷ませれるかもしれない

 

「フォウフォウ……」

 

何時からかポーチから出てきていたのか肩に毛玉が座っている

チラリと見るが、やはりそうだった

もしやと思っていたけど毛玉の正体はフォウだった

少しビックリすることだが、今は頭に入ってこない

 

プニプニと自分の柔らかい肉球で俺の頬を衝いてくる

 

「なんだよ、励ましてるのか~?」

 

「フォウフォウ、フォウっ!!」

 

「何て言ってんのか解らんよ。まぁありがと、あとこれからよろしく」

 

フォウの前足を手で握り上下に降る

一応握手のつもりだ

 

「はぁ~、これでもマスターらしく頑張ろうと思ってたのに。弱いところ見せたなぁ~」

 

「フォウ、フォウフォウ?」

 

「ん、ありがと。相変わらず何いってるのか分からないけどな」

 

 

不意にガサガサと音が鳴る

 

「誰だっ」

「私です…」

「な、ナイチっ…バーサーカー。どうしたんだよ」

「はぁ、どうしたも何もないでしょう。急に飛び出したものだから追いかけてきたのでしょう?」

「うぐっ、そうだったな。ごめん、すぐに帰る」

 

未だに戦闘体勢だったのを解き、そのまま歩いて帰ろうとしていると

急に後ろに引っ張られる感覚を覚える

何事かと振り向けば、服を引っ張るナイチンゲールが居た

 

「いえ、まだ帰らなくて良いですよ」

「……どうして」

「貴方は今、悩んでいますね?」

「……………」

「病気の治療だけでなく、メンタルケアも私のやるべきことです。さぁ、ここで全て吐いてしまいなさい」

「はぁ、最悪だな。こういうことは隠せないらしい、嘘をつけば清姫に殺されかねないしな。ここで吐いていたほうが懸命か……」

 

つらつらとナイチンゲールに話す、ナイチンゲールはそれを全て聞いてくれて

嫌な顔ひとつしない

そのせいか、何もかもが口から溢れ出てしまい。最後には話していないことなど無いほどになってしまっていた

 

「そうですか……しかし、それを貴方が気にすることではない。自分を強く見せることなど何の意味もない、生憎ここには貴方を嫌う人など居ないだろう。魔力量に関しては少しづつ改善していけばいい、何も全員を現界させる必要はない」

 

「そっか、なんかスッキリした気がする。これからはもっと楽に接していけそうな気がする……ありがとう、ナイチンゲール」

 

「いいえ、別に……これが私のやるべきことです」

 

「ナイチンゲールらしいなぁ?よし、皆も待たせてしまってることだし、帰ろうかな」

 

「…そうですね」

 

 

「あっ、カミキさま!!どこに行っていたのですか!!心配したんですよ!?」

「本当ですよっ!!」

 

帰ると清姫とセツが涙目で抱きついてくる

 

「いやぁ、ごめんごめん。流石に恥ずかしかった」

「そう、ですか?本当に大丈夫ですか?あのヤブ医者に変な薬でも注入されてませんか?」

「ヤブ医者って、婦長に怒られるぞ?」

 

「えぇ、少し私も機嫌を悪くしますね。セツ、少し来なさい」

 

「ひうっ!?た、助けてくださいカミキさまーーっ!!」

 

ズルズルと引っ張って行かれるセツを見届けながら、ナオフミの方へ行く

 

「やっと帰ってきたか。少し変わったか?」

「ん~まぁ、色々かな。婦長に説教されたよ」

「……そうか。まぁ何も聞かないが、気を付けろよ」

「ん?まぁ、ありがとう」

 

フサッと背中に何かが乗り掛かる

服から出ている首筋に毛が擦れて少しこそばゆい

 

「んなぁ~、アルジサマ帰ってきたのか。大変だったんだぞ~?」

「おぉ、ナナチか。どうりで良い匂いがすると思った」

「何言ってるんだよ。アルジサマよ~?お前がここから飛び出していったとき地獄絵図だったぞ?

オイラ死ぬかと思った、だけど必死に抑えたんだから少しくらい褒美があっても良いんじゃないのか~?」

「ちゃっかりしやがって。ほれほれ、こっち来いよ」

 

不思議そうな顔で俺の前まで来るナナチ

 

「はいはい、そのまま後ろ向いて~」

「んなぁ?何するつもりだよ、アルジサマァッ!?な、何するんだよ!?」

 

後ろからいきなりギュット抱き締めて、俺の膝の上に座らせる

 

「いやー、ご褒美?」

「それはオイラにとってのじゃなくてお前にとってのだろ!?」

「仕方なし、これもナナチがモフモフなのが悪い。ふわぁ~、すごい手触りぃ」

「んなっんなぁ~」

 

サワサワとナナチの全身をくまなく触りまくる

 

「ず、ズルいです!!私が怒られているときにカミキさまに撫でられるなんてーーっ!!」

 

ナイチンゲールの御叱りが終わったのか元気な声で叫ぶセツ

 

「おぉ、セツか、ほらセツもおいでおいで」

「は、はいっ」

 

そわそわとしながら近づいてくるセツの頭を優しく撫でてやる

 

「ふわ、ふわぁ~」

「しかし、これは大丈夫なのか。端から見ればロリコンに見えないだろうか?」

 

「…何してるんだ、飯出来たぞ。全てフィーロに食われても知らんぞ」

「おぉっと、それはヤバイな。二人とも食べに行くぞ~」

「んなぁ~」

「ふわぁ~、ハッ!い、いま行きます!」

 

「あら、ますたぁ?アサシンモドキを連れて。私も嫉妬してしまいますね?私も撫でてくれても良いんですよぉ?あんなところやこんなところ、まで」

「はいはい、清姫もこっちゃこいこい」

「えっ?ほ、本当にしてくれるんですか!?」

「いやいや、流石に俺にそんな度胸ないわ。今はこれで許してくれ」

 

セツにしたように清姫の頭を優しく撫でる

 

「あっ……こ、これはこれで。良い、ですね」

「お気に召してくれたなら良かった。さて、早く食べないと全部食べれちゃうぞー」

 

 

今日の夜はいつもより楽しくご飯を食べれたかもしれない

 

少し気分も軽くなった気がした

 

 

 

 




作者はシリアスが苦手だわかったか?


出してほしいキャラを書いてくれと言いましたが、どうやら書くと運対になってしまうようで感想が消されてしまいました
どうすれば良いのか分からないので助言を下さると嬉しいです

因みにツイッターのDMで言ってくださると出す確率が上がります
今のところの候補たちはこちら↓
静謐のハサン
源頼光
エドモン


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ドラゴン戦闘前

すみません遅れたのに、更に短くて
次回はもう少し長くしますので!!


毎日更新 3日目です!!


「しかし、これはどうすれば良いのか~」

 

ノラ Lv 11

セツ Lv 58

ナイチンゲール Lv 50

ナナチ Lv 9

清姫 Lv 38

 

俺のレベル低すぎ問題。てか、セツだけ高くないか……

困ったことにナイチンゲールのレベルが50で止まってしまった。どれだけ戦闘しようとこれ以上上がらなくなってしまっているのだ

 

ヘルプを見るところ何も書いていない

再臨しろということなのだろうか…

素材なんか持ってないぞ。大体ナオフミの盾に吸われるし

バーサーカーピースなんて1つも見たことないし

手にいれるとしてもシャドウサーヴァントを倒さないといけないわけで……無理じゃね?

 

「うがぁぁぁぁぁあっ!!」

「んなっ!?な、なんだよぉ。いきなり叫んでぇ~?」

「いや、ごめん。欲しいものがあったんだけど手に入らないみたいだからさ」

「んなぁ?まぁ、よくわかんねぇけど相談しろよ?」

「うん、ありがとう。今後強い奴が出てくると少し戦闘が厳しくなるかもな」

「んなぁ、大丈夫だろ。守りに関してはプロフェッショナルが居ることだし」

「確かに、そうだけど」

 

正直、ナオフミが居れば大抵の攻撃は防げるだろうけど……

困ったことにうちのパーティー、バーサーカーばっかだから全員紙装甲なんだよ

 

「はぁーーーーーーっ」

 

自然と大きなため息が出る

攻撃力は申し分ないけど、いかんせん防御力が足りない

少しの間、頭を抱えることになった

 

 

 

 

△▼△▼

 

 

「これは酷いな……土とか死んでるんじゃないか?」

「感染病が流行ってるらしいから……大丈夫そうだな」

「大丈夫すぎる以上に大丈夫だよ。流石だと思うよ。バーサーカーありがとう……でも、これだと俺が身動き出来ない」

 

毎度のごとく、ぐるぐる巻きにされている俺である

辛うじて視界が確保できるているだけである

 

「フォウ……フォフォーウ?」

「辛うじて大丈夫だよ、動けないことを除けば。健康面に関しては完璧」

 

フォウに関しては次の日になれば大抵言葉が分かるようになっていた

はいそこ、ご都合主義と言わない

 

 

「それにしても本当に酷い有り様だな」

 

村に着いたが地獄絵図だった。重病の人間たちが1つの施設に隔離され何人も集められている

心なしか空気も痛々しい。さて、こんな現場を見て即座に動くのはいったい誰か?

勿論ご存知、バーサーカー部門・医療のヤベーやつ ことナイチンゲール先生だ

 

最初はナオフミが薬を飲ませる予定だったらしいが、その薬さえも奪い取り

一人一人患者を見ている。

ビックリするほどに元気になっていく患者達をナオフミと微妙な目で見ているのが現状である

 

ナイチンゲールが治療を施している間に聞いた話であるが

どうやら感染の元は魔物の住む山から

らしい

最近ドラゴンを倒した剣の勇者が素材を大量に剥ぎ取って持ち帰ったらしいが

 

まぁ、大体骨や鱗を剥ぎ取って他は放置とかにして肉とかが腐ったんだろう

ナオフミの方を見たがどうやらナオフミも同じ考えのようなのか難しい顔をしている

 

「さてと、どうしようか。とりあえずナナチは婦長と一緒に居て、んでセツとバーサーカーは俺と一緒に」

「はい。ますたぁ」

「わかりました」

「んなぁ、あいよ~」

 

「ナオフミ、どうなった?」

「あぁ、今からドラゴンの死骸を処分しに行くことになった。そっちのメンバーはどんな感じだ?」

「こっちはサポーターとして俺と、アタッカーとしてセツとバーサーカーだな。婦長とナナチには残ってもらうことにする」

「そうか……よし、行くぞ」

「かしこまり~」

 

 

 



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閑話 主人公&セツ 紹介

FGOのステータス風に

凄いネタバレがありますので、見たくない人はブラウザバック

毎日更新5日目ー


カミキ

 

【クラス】ルーラー

 

【真名】神ノ木 野良

 

キャラ詳細

 

FGOで遊んでいたところ、急な光によって何故か異世界に呼び出された勇者の1人

前の世界では、普通の暮らしをしていた模様

サーヴァント達の影響か、少しずつコミュニケーション能力が上がっている

 

パラメーター

 

筋力C

耐久E

敏捷D

魔力A++

幸運C

宝具C

 

プロフィール

身長/体重 168㎝ 50㎏

 

出典 使役者の記録

地域 日本・異世界

属性 中立・善 性別 男性

 

 

 

プロフィール2

 

元々日本に住んでいた生粋の日本人で

変わったところは特にないという、主人公っぽい感じの人

 

異世界に来てからはサーヴァント達、主にバーサーカー達と旅をしている

 

主に使う武器は、黒鍵などのガチャから出た武器達

魔術は使えないどころか魔術回路は最高級の物、しかし知識がないため使えず

 

サーヴァント達が来てからはほとんどサポートに当たっている

 

 

プロフィール3

 

一応クラス適正はルーラーではあるが裁定者等ではなく

それはサーヴァントを従えていた為に多くの話を聞き中立に落ち着いただけ

他のクラスに適正がなくこのクラスに当て嵌められただけである

 

 

プロフィール4

 

〇使役の勇者 A

使役の勇者という枠組みで生きていた為の力

彼が使役する生物、物体は普段より大幅にステータスが増しレベルの上がる早さも早くなる

 

〇召喚者 B

今までの使役の勇者の中で二人しか使えなかった力である

勇者の力との親和性が高いと使える力で

召喚できる物や者は、お互いに違っているよう

 

〇異世界魔法 A

異世界で得た魔法の数々。それはどれを取っても高威力、使い勝手の良いもので様々なものがある

 

プロフィール5

 

『集うは我が仲間達』

ランクC 種別 召喚宝具

レンジ 1~999人 最大捕捉 500人

 

今まで使役してきたものたちを、一斉にその場に召喚する力

固有結界に近いもの

最大捕捉は、召喚できる人数である

 

 

【保有スキル】

 

使役の勇者 A

自身以外の味方全体に攻撃力アップ(3ターン)&バスター クイック アーツ性能を上昇(2ターン)&宝具威力をアップ(1ターン)&宝具オーバーチャージ(1ターン)状態を付与

 

召喚者 B

自身のアーツ性能をアップ(2ターン)&NPを大幅に獲得&自身に召喚者状態を〈宝具『集うは我が仲間達』の追加効果を得られる状態〉付与(2ターン)

 

異世界魔法 A

自身のアーツ性能をアップ(2ターン)&NPを獲得&無敵状態を自身に付与(3ターン)

 

【クラススキル】

 

騎乗C

自身のクイック性能をアップ

 

対魔力A

自身の弱体耐性をアップ

 

自己回復(魔力)B

自身に毎ターンNP獲得を付与

 

【宝具】

 

集うは我が仲間達

 

ランクC

種別 召喚宝具

カード Arts

 

「召喚者」が付与されている場合のみArts性能をアップ(2ターン)&宝具威力アップ(2ターン)&敵全体に防御力無視の超強力な攻撃&味方全体のArts性能をアップ(オーバーチャージで威力アップ)

 

【コマンドカード】

 

Quick×1 Arts×3 Buster×1

 

宝具カード

 

「……覚悟を決めろ……」

 

宝具

 

「これは……俺の物語、誰にも邪魔させはしない!!集えっ!!我が仲間達!!

道を切り開け!!」

 

 

 

 

セツ

 

【クラス】バーサーカー

 

【真名】???

 

キャラクター詳細

全てが謎の幼女らしきナニカ

見た目は白髪赤目のアルビノ以外に変わったところは見当たらない

 

使役の勇者に並々ならぬ執着心があり、サーヴァントにどこか復讐心というか怒りの感情が見え隠れしている

 

パラメータ

 

筋力C++ 耐久D++ 敏捷A++ 幸運E

宝具B+

 

プロフィール

身長/体重 140㎝ 体重 38㎏

出典 ???

地域 ???

属性 混沌・悪 性別 女性

 

プロフィール2

 

比較的に今代の使役の勇者のサーヴァントに対しては対応は丸め

今代の使役の勇者に捻れた凶悪な愛情を抱いている

使役の勇者が命令したことは殺人でも何でも遂行している

 

主に使用武器は

短刀、ナイフ等の取り回しが効きやすい小さめの武器や投擲できる武器を主に使う

 

プロフィール3

 

本来ならば、最適正クラスのアサシンの筈だがバーサーカー認定

バーサーカー認定なのは、彼女のなかの全てが狂っているからである

 

プロフィール4

 

???

 

???

 

???

 

プロフィール5

 

 

????????

 

プロフィール6

 

????????

 

 

クラススキル

 

凶化EX (A相当)

自身のバスター性能アップ

 

気配遮断 B

自身のスター発生率アップ

 

?? E-

自身に与ダメージプラスを付与

 

単独顕現 C

自身のクリティカル威力をアップ

即死耐性をアップ

 

コマンドカード

 

Quick×1 Arts×1 Buster×3

 

 

 

 

 



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相対 強敵


毎日更新7日目でさです


ドラゴンの死体の処理の為に山を登っているが、やはり下の村と同じように木々は枯れ腐って緑の1つも見えない

 

「これは……なかなかに……ぐふっ、重労働だ……な」

 

「何でそんなに疲れてるんだよ」

 

ナオフミが呆れた顔でこちらの顔を覗き混んでいる。止めろ気持ち悪い、男がするなと言いたいのも疲れて口から出てこない

 

「こちとら……山登りなんてしたことないし……はぁはぁ、お前達と違って魔力特価なんだよ……ぐふぅ、しかもバーサーカー2体連れてなんだ、魔力の消費が激しい

あとは、単純にレベルが低い……」

「はぁ……レベルはいくらなんだ?」

「11っす」

「ひっく!!何でお前そんなにレベル低いんだよ、俺でもそんなに低くないぞ」

「いや、多分他のやつらに補修がかかる代わりに俺のレベルの上がりが遅い……のかな多分」

「メリットばかりって訳じゃないんだな。お前が武器を持てるからって少し羨ましかったが…………」

 

「それでも沢山のメリットはあるけどな。仲間のステータスが大幅に上がったりレベルの上がり具合が早かったり。いっそのこと俺のパーティーに入るか?」

「いや、今はいい」

「……そうか。おっ、やっとついたか

…………臭いな」

 

臭いのもとには一際大きな死骸………ドラゴンゾンビってところか

まぁ、動いてないからゾンビとは言わないけどなぁ

 

「さて、どうする?燃やしとく?」

「いや、盾に吸わせたい。解体させて吸わせるぞ」

「それならセツお願い出来るか?」

「カミキさまのご使命ならば」

 

「GYo」

 

あれ?何か聞こえてきた気が?

気のせい?

 

「フォウフォウッ、キュフォーウ!!」

「どうした?何かッ」

 

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!」

 

「な、なんだ!?」

「ドラゴンの死骸が動き出したんだ!!」

「ハッ?フラグ回収ってやつか?」

 

あの状態で動くってどうなっているんだよ

いや、微妙に所々が再生していってるな

一番の致命傷も再生してしまっている

 

「バーサーカーは一先ず離れて。中距離攻撃に徹して!!」

「少しモヤモヤしますが、分かりました」

「セツはラフっちと鳥娘のフォロー」

「了解です」

 

「ナオフミ、これは行けるか?」

「勝てる可能性はゼロじゃない。相手は牙も爪も武器はない」

「なら、ゴリ押しの方が良いかもしれないな……何か来るぞ、セツ、バーサーカー退避!!いや、バーサーカー、敵の頭に攻撃できるか?」

 

「行けます!!」

 

俺が言うと即座に炎を出しドラゴンゾンビの顔に直撃させる

直撃させるとドラゴンゾンビは呻き、上空に毒のブレスを吐く

 

あれがモロに直撃していたと思うとゾッとする

「ナオフミ追撃出来るか!?」

「問題ない。二人ともいけるな!!」

 

「大丈夫~」

「私も行けます!!」

 

「気合い十分ってところだな。セツもバーサーカーも二人に負けるなよ」

「「はいっ!!」」

 

ドラゴンゾンビ戦が始まる

 

 

 

 



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激討戦

今回が思ったより少ない

毎日更新9日目です~

番外編のバレンタインデーの話を1話にしたのでアンケート若干ズレ気味ですが気にしないでください

それでは本編どうぞのすけ


「セツ、ラフタリア左右に展開!!足を狙え!!」

 

「分かりましたっ!」

「了解です!」

 

「フィーロはそのまま真っ直ぐ直撃、怯ませろ。ナオフミ、フィーロ攻撃あと入れ替わり、防御体制に入れブレスか尻尾攻撃が高確率で来る可能性がある」

 

「あぁっ、分かった」

「ぶ~、しょうかんの人に言われるの、や~」

「フィーロ我が儘言わないの」

 

「むぅ、むぅ~っ。いっくよーーーっ!!」

 

若干の遅れは取るものの命令を聞いてくれている

しかし、これはいいな、戦闘中になれば周りが広く見える

次に何が来るか分かる………気がする

直感スキルでも手にいれたか?

 

「GYo、GYOOOOOOOOOOOOOッ!!」

 

セツとラフタリアの攻撃でのたうち回るドラゴンゾンビ

ここまではいい調子だ

 

「セツ、ラフタリア。足の部位破壊完了ッ!!フィーロのあとにバーサーカー追撃っ!!」

 

「はい……それでは行きますっ、シャアアアアッ!!」

 

「────────ッ!!」

 

2度目の顔面への炎の攻撃に1度目と同様に悶えている

顔の傷を再生しようとするが、傷口が燃えているのでそれも出来ず……

 

「ナオフミッ!!防御っ!!尻尾攻撃だ!!」

 

………暴れまわり唯一残る尻尾での攻撃

勿論それも予想通り、ナオフミがしっかりとガードする

 

「ぐっ、重いなっ」

「耐えろナオフミ。よしっ、『瞬間強化』バーサーカー決めろっ!!」

 

「ええ……。はっ!えいやっ、シャアアアア!!」

 

「……邪魔をしないでっ!!」

 

ゲームで言えばBBBからのエクストラアタックだな

見事に攻撃が全て当たり、ドラゴンゾンビは大炎上していく

 

「おぉ、見事なものだな」

「うっわぁ、なんだよあれ。お前の仲間強すぎないか?」

「だから言ったじゃん、ステータスが大幅に上がるって、いやしかしここまでとは。再臨を1度もしていない状態でこれだと、最終再臨まで行けばどれだけの…………うぅっ、こんなに暖かいのに寒気がする」

「大丈夫か?……はぁ、だけどこのままだと素材は剥ぎ取れなくなるかもな」

「んあ?あ~、それはごめん。今度何か埋め合わせする」

 

主にガチャで外れたもので。あれらでも盾に吸わせれば何かしらの役に立つことだろう

 

「動かなく、なったな。どうやら本当に死んだか?」

「元から死んでるがな。ふぅ、やっと終わりか」

「少しそれフラグっぽくないか?」

「いや、流石に大丈夫だろ」

「………いや、本当にフラグっぽいな」

 

空を見上げると。何時しかの波の時のように空が濁り、大きな穴のようなものが空いていた

うっわ~、どっかで見たことあるわぁ~

このあとどうなるかとか目に見えてるわぁ

 

「ほら、お前がフラグ建てるから」

「俺のせいなのか!?そうだとしても回収が早すぎないか!?」

「はいはい、気を引き閉めて………あぁ、撤収っ!!」

 

空に空いた穴から降ってくる、怪物ども

それはどれもこれもが見たことある

つまりは、FGOのエネミーだった

 

恐怖の第2ラウンドである

 

 

 

 



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蛇竜


毎日更新11日目

全然話が進まない


「くっそ、聞いてないぞこんな展開は、どうしよ」

「どうしようもこうしようも無いだろう………ここで止めるぞ」

「流石、盾の勇者様。なんて茶化してる暇はないか、しかしバシュムか……セツが居れば勝てる可能性は無くもない?」

 

相手側のエネミーは

バシュム

ウリディンム

ムシュフシュ

竜牙兵

 

……お、多いな

 

「……消費魔力とか気にしてられないな……

ナオフミ、時間稼ぎできるか?」

「…何か、考えがあるんだな?」

「あぁ、あいつら。バシュムとかは分からないが他のやつは、骨の奴とかは倒せるかもしれない」

「分かった」

「任せたぞ」

 

ナオフミはそれ以上何も言わず、敵陣に突っ込んでいった

その背中を申し訳なく思いながら見るが、即座に目線を離し、目的の人物を呼び寄せる

 

 

△▼△▼

 

「エアストシールドッ!!シールドプリズン。くそっ、数が多いな、あとどれだけ、エアストシールドッ!!」

 

シールドプリズンを使ったというのに、それを突き抜けてエアストシールドでギリギリだとは、どんな馬鹿げた攻撃力だよ……

 

「ナオフミ様ッ!?大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ、一応な。だが、強いな。一体一体がさっきのドラゴンゾンビより強いぞ」

「このままでは負けてしまいます。フィーロも体力が着きかけているようですし」

「あぁ、だがアイツがコイツらを一掃することが出来るらしいが、それまで時間を稼げとのことだ」

 

「分かりました。私はナオフミ様に付いていくだけです」

「ははっ、それは頼もしいな。頼むぞラフタリアっ!!」

「はいっ!!」

 

 

△▼△▼

 

「我が令呪を持って命ずる。バーサーカー、真名 清姫よ。その全力を持って敵を屠れっ!!」

 

「はい……マスター。どうかご照覧あれ!」

 

 

手の甲に刻まれている、赤い令呪が1つ消え、自身から大量の魔力を清姫に捧げる

ステータスが魔力特化と言えど、思った以上に苦痛だ

 

「ナオフミッ!!退避!!」

「……!!分かった!!」

 

 

「あぁっ、マスター。この時をどれ程待ちわびていたことでしょうか……貴方に命され貴方に触れ貴方に声を説かれる。これほどの幸福がありましょうか……だから、どうかわたくしから、もう2度と離れないで……」

 

「……清姫?」

 

清姫の謎の言いように、近くにいた俺は戸惑い、清姫に声をかけようとするが……その声は清姫の周りから飛び出した青い焔に消されてしまった

 

『転身火生三昧ッ!!』

 

 

清姫はその姿を大きな青い焔の蛇竜に変えて敵へと突っ込んでいく

 

「ッ!……凄いな、俺でも熱を感じる」

「………そう、だな」

「どうした?」

「いや、何でもない」

 

一応戦闘中な訳だから今は余計な思考を取り除く

エネミー達が焼かれ、しばらくすると光になったり、黒い霧のようになって消えていく

ここら辺もゲームと同様か

 

そう、なると?

 

「ビンゴだな。素材も落ちてる」

 

「ふぅ、ふっ、はぁ………すいません、全て倒しきれませんでした」

「いや、大丈夫だ。疲れただろう、後衛で休んでおくといい」

「それでは、ダメですっ!!」

「はいはい、バーサーカーはバーサーカーなんだから大人しく」

「何だかクラス名が蔑称みたいになっていませんか!?」

「気のせいだよ……やっぱり残っているのはバシュムか、他にもチラホラ幾らか残ってるな」

「まだまだ、ってことだな」

 

まだまだ戦いは続く

 

 

 

 

 



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復讐の令呪


毎日更新16日目です!!

今回はいつもより長くなりました!!
え?べ、別に邪な考えがあったとかじゃないっすよ?

あっ、今回少しえっちなので注意お願いします!!
気分を害するものなのかもしれませんが、書きたかったから書いたので、謝りはします。すみません

だが後悔はしとらんぞ?


本編どうぞ!!




運営に対処されたら直談判だな


 

「く……そ、何で……負けた……負けたのか」

 

地面へと体を任せ、視界は地面を見るばかり

体力は残り僅かで、体が動かない

 

他の皆も今の俺と同じようになっているのだろうか、それほど今回の敵は強かった

まだ、俺達の手に余る 相手だった

 

「━━━━━━━━━━━ッ!!」

 

まるでバーサーカーのような鳴き声を漏らすバシュム

まだ、他のエネミーも少しばかり残っている

このままここで終わってしまうのか……?

ナオフミ達を巻き込んでおいてここで、ナオフミ達を死なせてしまうのか?

 

清姫も、セツも、ナイチンゲールも、ナナチだって

まだ、何も何もアイツ等と触れあえていないじゃないか……

寄り添おうって、本当に仲間になろうって決めたのに

俺が死んだら、どうなる?

バーサーカー二人は、魔力消費が激しい。俺が居なくなれば即座に消えてしまうだろう

ナナチは?ナナチは、自衛が出来ない。このままではまた奴隷商へ売られてしまうかもしれない

セツは、ダメだ強くても。今、ここで倒れてしまっている

 

このままでは、このままでは……そんなのはダメだ。ダメに決まってる

あぁっ、憎い力のない自分が憎い、心の弱い自分が憎い、今こうして俺を地に伏せさせている竜が憎い

腹立たしい、憎たらしい、怨めしい

 

ギリギリと噛み締める、歯茎から血が出る

その鉄臭い味にも苛立ちを感じる。憎いと思う

全て消してしまいたいと思う、どうなってしまっていいと思ってしまう

 

歯を噛み締める力を強めるたび、手を強く握る

血のせいか目の前まで赤く染まって見える

赤黒く染まる、視界が全て赤黒く染まる

竜の吐息がそこまで、頬に感じるほど近づいている

あぁっ、ぶっ殺してやりたい

 

もう既に何も見えない。その瞬間、体の感覚が消える

とうとう食われたかと、思ってしまう

 

しかし、違うのだろうまだ、考えれる。思考ができる

 

ジリジリとノイズのような音が聞こえる。酷く耳障りだ消えろ苛立たしい

 

怒りを感じるほど、音が大きくなる

何だ、うるさい。止めろ、うるさい。うるさいって

 

うるさいって言ってるだろ……ッ!!

 

音が消えない。頭の中に這いずり込まれているかのように強く激しく音が成る

 

気が付くと、目の前に文字が見える

 

【お前は復讐者か】

 

なんだそれは、復讐、復讐か

そうだな、あの竜には一発キツいのを入れてやりたいな

 

【お前は適任者か】

 

なんだそれは、適任、適任か

そうだな、マスターって意味なら適任者だろうな

 

【お前は世界を救うか】

 

どういうことだ、俺は、俺が世界を、救う?

はっ、そんなことがあってたまるか。そんなのは主人公がしてくれる

 

【ならば選べ、狂った者共の適任者よ】

 

選べ?どういうことだよ……こんな茶番に付き合ってる暇はないぞ

 

【選べ選べ選べ選べ選べ選べ】

 

なんだ、うるさいな。子供かよ……逆に俺が泣くぞ

 

【選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ、自分で決めろ己で決めろ、一考の余地なく。既に選択肢はない、結果あるのみ】

 

意味がわからん、選べなんて言ってるくせに。選択肢はないだと?

分かった、分かった。なら選ぶ、それでなにがあるかは知らないけど。何かがあるかもしれないしな

 

【適任者の承諾……選べ……

 

選べって言っても……あぁ、選べってそういうことか

復讐者もそういう……なら俺はお前を選ぶ

 

……確認、クラスを凶戦士へと格下げ。一時的なステータスの上昇、聖杯からのバックアップ……成功…抑止力……見逃し。それでは召喚する……汝の真名……】

 

 

「ジャンヌダルク・オルタ」

 

頭上から斬激音が聞こえる

 

「ふふっ、本当に仕方のないマスター。いいわ、助けてあげる。貴方はそこで無様に這いつくばってるのね……だから少しだけ待ってなさい、ボロボロのアンタの代わりに私が全部終わらせてあげる……」

 

ギュッと手を握りしめられる感覚がある、きっとアイツの声だろう。その少し優しげな声を聞いて俺は、一言だけ、ほんの一言だけ伝える

 

「……勝って」

 

「ッ!!んっ、分かったわよ。それじゃあ少し眠りなさい」

 

「ありが…と…う」

 

俺はそこで意識を途絶える

 

 

△▼△▼

 

 

不思議と柔らかい、頭に感じる暖かさと柔らかさ

スッゴい寝心地のいい枕だな

一体どんなものなのだろうと手で触る

 

「んひゃっ」

 

以外と柔らかくてスベスベしてる

 

「んっ…」

 

もっと触りたくなってくる。モミモミとサワサワと触りまくる

全体的に触ってみる。今度は触ってない反対側を触る

 

「ひぅっ、ど、どこ触って……!?」

 

さっきよりも少し、湿気がある。ふにふにとする

 

「あっ、んぅっ。だ、めぇ……やめっ、あぁっ、あふっ」

 

あれ?壁が柔らかい?天井もある?それにしては柔らかすぎるような?

 

「ばっ、か……ほんとに、洒落にならっ、うひゅっ!?」

 

さっきから聞こえるこれは何だろうか、妙に色っぽいというか、艶やかというか

 

あ、れ?……もしかして、これは、本当にヤバい状況なのでは……どうしよう猛烈に目を開けたくなくなってしまった

いやでも流石にここで開けないと殺される気が、あぁどうか…この声が清姫でありますように

 

目をゆっくりと開けると、ジリジリと瞼越しからではない光に目を焼かれ、視界が白く染まるが少しして慣れ始めてくる

 

そこにとんできた光景とは……おぉう、ダイナマイト

 

「あ、あんたねぇ!?起きてるなら起きてるって言ったらどうなの!?」

 

「……死にます」

 

あぁ、俺はなんてことをしてしまったんだろうか

自身の手を見る、あぁ、地味にねっとりと濡れてい「み、見るな!!」……ははっ、セクハラだわ。いやそれ以上だわ、死ぬ。もうこれはアウトですね、死ぬしかないねそれ以外の選択肢はない

 

それじゃあごめんなさい。生まれてきたことにごめんなさい

即座に黒鍵を物体化、心臓に一刺しそれで終わりだ……さらば世界

 

「バカなことしてんじゃないわよ!?いきなり、自殺とか……止めなさいよね、せっかくまた会えたのに。それじゃあ台無しじゃない。まぁ、さっきまでの行為を許すわけではありませんけどね?」

 

「すいません、手を放してください。死ぬんです、俺は今から死なないといけない。絶対にっ!!」

 

「だから止めないと言っているでしょ!?そもそも死んだら私も消えちゃうのよ、少しくらいは異世界観光とかしてみたいし」

 

そうだ、そうだった。俺が死ねばナイチンゲールや清姫も消えてしまう

あれ?……あれ?清姫やナイチンゲール、セツナナチ

…………あれ?

 

待て、まてまてまてまて。おかしい、あれ?清姫もナイチンゲールもこんなに素肌は晒してない、セツだって若干肌色が多いところはあるがそこまでじゃない。ナナチはそもそもモフモフの癒し

 

じゃあ、この人はいったい?ま、まさか、仲間じゃない人に…あ、あんな行為を?

そうだ、死のう。圧死?溺死?それとも二酸化炭素中毒?

 

「マスターちゃん。また変なこと考えてるでしょう?」

 

マスターちゃん?マスター?ということは、そういうこと?

しかし、俺は新しいサーヴァントを召喚した覚えなんて……もしかして、あれか?

本当にそうだとしたら、大変なことだ、なんということだ相手は聖女だぞ、反転しているとはいえ

いや、この際そんなことはどうでもいい、一番大切なのは俺自身が推しをこの手で汚してしまったことだ

すまぬ同士よ。俺は先に行ってるぜ!!

 

ハッ!!違うそうじゃないだろう

と、とりあえず謝らなければ

 

「あ、あの。ジャンヌさん、です、よね?」

「何よいきなり、改まっちゃって。昔はあんなことやこんなことを言っておいて……お、思い出しただけでも…うぅ……」

 

昔の俺ーーーっ!?何言った!?何言ってたの!?

え!?でもゲームの中の世界の話だよね!?

つまりは中の主人公が何か言った?おどれぶっ殺っ……女主人公だったそういえば。つまり百合!?

それはそれで……

 

「ご、ごほん。え~と、つまり貴女は俺が召喚したジャンヌダルク・オルタでいいんだよね?」

「そうよ、まぁクラスはバーサーカーだけど。貴方がいつまでもたってもアヴェンジャーで召喚しないから…」

「それはその……仕方ない」

「まぁ良いわよ。今更あーだこーだ言わない。だって…」

「だって?」

 

「だってこうして……マスターちゃんと触れあえるもの」

 

にこりと慈愛の満ちたようなその笑み、俺は胸を高鳴らせた

つまりは

 

「え、好き」

「………ふぇ?え、えぇ。うん、そうね落ち着きなさい、えぇとあれねうん……私も好きよ」

「……死んでもいい」

 

もうヤッバイ、胸どっきんどっきんしてる。はぁはぁ、ヤバい本当に死ぬかもしれない、あぁぁぁぁぁぁぁっ!!

何!?顔を赤らめながらの、オルタの好き!?

うわぁぁぁぁおっ!!俺も好きっ!!

 

もぉぉぉぉぉっ!!なんっでこういうことになるかなぁ!?

こういうことになるって聞いてたらカメラも撮って、録音もしてるのにぃ!!

いや、止めとこそうしたら俺の性的犯行も記録されてしまうし

 

「あの。オルタって呼んだら良いのか、なんて呼べばいい?」

「別に……何でも良いわよ。マスターちゃんの好きなように呼びなさいな」

「………うぐっ、ありがとうございます……それじゃあどうしよう。ジャンヌ、オルタ、ジャルタ、邪ンヌ…」

「なんで、後半にかけてネタになってきてるのかしらねぇ?焼き殺されたいの?」

「すいませんでした。え~と、それじゃあ~うーん?」

「そんなに悩むこと?まぁ、良いわよ。そこはもう少しだけ猶予をあげるから良く考えなさいな」

「出来るだけ、早く呼び名を決めたかったんだけど」

「……名前、教えなさいよ」

「え?」

 

「だから、その、あれよ。マスターちゃんの名前教えてって言ってるの」

モジモジとしながら顔を赤らめさせるジャンヌ・オルタ

ふぅ、尊い

 

「俺の名前ならいくらでも教えるけど、初めまして、え~と膝枕状態の申し訳ないですが、マスター カミノキノラ と申します 今後ともよろしく」

「それじゃあ、私もバーサーカー ジャンヌダルク・オルタ マスター?これからも改めてよろしくね?」

 

「あぁ、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だがしかし、ここどこ?」

「の…こほん…マスターちゃんのマイルームよ?」

「え?」

 

 

 




あっ、ジャンヌダルク・オルタの愛称はいつでも
私のTwitterで募集しておりますので、どうぞ好き勝手言ってください
DMでも何でもいいです!!ハーメルンのプロフィールにURL貼ってます!!

これからもよろしく~


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ヤンデレデレデレ

毎日更新20日目

今回は短くてすみません


 

マイルームから出て、外へ戻ると

外は地獄絵図と化していた

 

暴れるセツ、それを止めるナオフミ、倒れた清姫

呆然のラフっち、空腹の鳥娘

 

何が何だかわからず、ひとまずセツを呼んで暴れるのを止めてもらおうとするが、いささか気配がおかしく

俺はそのままセツに押し倒される

 

「あ、あの……どうしてっ!?つぅっ」

 

セツにいきなりがぶりと首筋を噛まれる

普通に痛いので止めてもらおうとセツをどけようとするも圧倒的なステータス差に押さえつけられたまま

 

「ふー!!ふー!!カミキさまが、カミキさまが全部悪いんです、カミキさまが全部ワルいんですから……っ!!」

 

セツの目はギラギラと黒く輝き、息も荒い

見ただけでただ事ではないことが見て知れる

 

「痛い痛い!!わかった、分かったから一度離れて!!」

「い、嫌ですよ。私はもう嫌です、我慢できませんから………もう自分でも制御出来ないんですから、今ここで誓ってください………一生私と居るってカミキさまの一生を私に使ってください……っ………ほら、早くしてください………そうじゃないと」

「それは、出来ない。俺の人生をセツだけに使うことは出来ない」

「そうですか、そうですよね。いつもそう言うんですから、私とは一緒には居られないって、こんなにもこんなにも私は愛しているんですよ!?なのに、なのに……どうしていつも私の気持ちを無視するんですかぁ……っ」

 

涙で瞳を濡らして、叫ぶセツからの突然の告白に、一瞬ドキリとしてしまうが……今は無視する

まさか、セツから告白されるとは思っても居なかった

これでは鈍感主人公を笑えないな

 

何て考えてるが………正直に言う

めっちゃドキドキしてる!!

え!?なにこれ!?モテ期なの!?

ふぁぁっ!!

 

が本音に近い、つまりどうしろと?

 

「………あんた何してるの?ロリコンだったっけ?」

 

ジャンヌもマイルームから出たのか、何故かアヴェンジャーの頃の服装をして俺の頭もとに立っている

 

「ろ、ロリコンちゃうわい!!」

 

ロリコンとかいう風評被害に全力で否を突きつける

 

「あなた、誰ですか……あとカミキさまはロリコンです」

「え!?」

「はぁ?私が誰かって?それは勿論マスターちゃんの恋人よ」

「え!?」

「こ、恋人!?そ、そんなわけないでしょ!?か、カミキさまはいつだって小さい女の子が好みなんですから!!」

「ふぁ!?」

「あらあら、見苦しいわねぇ。それなら何で今まさに告白を断られたのかしら?滑稽よね~」

 

や、止めてそれ以上燃料をそそがないで!!

 

「ぐっ、うぅ。そ、それなら私の方があなたより進んでいるってことを見せてあげますよ!!」

「え?ちょ、何すっんむっ!?」

 

急に頭を押さえつけられたかと思えば、自身の唇に柔らかい感触がする

 

この柔らかい感触がセツの唇だと気付くのに時間がかかってしまった

 

「ちょ!?な、何してるのよ!?」

 

「形勢逆転ですね。いかがですかカミキさま……私の、ファースト キス」

「………は、はいぃ」

 

セツの目のギラギラは無くなったけど、どうしよう今度は俺がギラギラしてしまう

色々とね!?色々とさぁ!?あるじゃん!?

 

「これでカミキさまは私のものですからね」

「もう本当に許して……」

 

 

 

 

 




もう本当に甘々なの止めてくれ

久しぶりの一人称なので少し変なのとモチベが上がらなくて文字数少なめ

次回は頑張ります


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復讐の令呪(改)


前回の話と前々回の話を合体させて。エロをなくしました
えー、正直に言います。後悔などないと言いましたが、えー後悔しかありませんでした。
あれのせいと言い訳になりますが、あれのせいで続きを書く気が起きませんでした。
消すのもなんだかな~と思い削除はしてません

この度は本当に申し訳ありませんでした。
今日中にもう一話書かせてもらいます…。


「く……そ、何で……負けた……負けたのか」

 

地面へと体を任せ、視界は地面を見るばかり

体力は残り僅かで、体が動かない

 

他の皆も今の俺と同じようになっているのだろうか、それほど今回の敵は強かった

まだ、俺達の手に余る 相手だった

 

「━━━━━━━━━━━ッ!!」

 

まるでバーサーカーのような鳴き声を漏らす毒竜

まだ、他のエネミーも少しばかり残っている

このままここで終わってしまうのか……?

ナオフミ達を巻き込んでおいてここで、ナオフミ達を死なせてしまうのか?

 

清姫も、セツも、ナイチンゲールも、ナナチだって

まだ、何も何もアイツ等と触れあえていないじゃないか……

寄り添おうって、本当に仲間になろうって決めたのに

俺が死んだら、どうなる?

バーサーカー二人は、魔力消費が激しい。俺が死ねば即座に消えてしまうだろう

ナナチは?ナナチは、自衛が出来ない。このままではまた奴隷商へ売られてしまうかもしれない

セツは、ダメだ強くても。今、ここで倒れてしまっている

 

このままでは、このままでは……そんなのはダメだ。ダメに決まってる

あぁっ、憎い力のない自分が憎い、心の弱い自分が憎い、今こうして俺を地に伏せさせている竜が憎い

腹立たしい、憎たらしい、怨めしい

 

ギリギリと噛み締める、歯茎から血が出る

その鉄臭い味にも苛立ちを感じる。憎いと思う

全て消してしまいたいと思う、どうなってしまっていいと思ってしまう

 

歯を噛み締める力を強めるたび、手を強く握る

血のせいか目の前まで赤く染まって見える

赤黒く染まる、視界が全て赤黒く染まる

竜の吐息がそこまで、頬に感じるほど近づいている

あぁっ、ぶっ殺してやりたい

 

もう既に何も見えない。その瞬間、体の感覚が消える

とうとう食われたかと、そう思ってしまう

 

しかし、違うのだろうまだ、考えれる。思考ができる

 

ジリジリとノイズのような音が聞こえる。酷く耳障りだ消えろ苛立たしい

 

怒りを感じるほど、音が大きくなる

何だ、うるさい。止めろ、うるさい。うるさいって

 

うるさいって言ってるだろ……ッ!!

 

音が消えない。頭の中に這いずり込まれているかのように強く激しく音が成る

 

気が付くと、目の前に文字が見える

 

【お前は復讐者か】

 

なんだそれは、復讐、復讐か

そうだな、あの竜には一発キツいのを入れてやりたいな

 

【お前は適任者か】

 

なんだそれは、適任、適任か

そうだな、マスターって意味なら適任者だろうな

 

【お前は世界を救うか】

 

どういうことだ、俺は、俺が世界を、救う?

はっ、そんなことがあってたまるか。そんなのは主人公がしてくれる

 

【ならば選べ、狂った者共の適任者よ】

 

選べ?どういうことだよ……こんな茶番に付き合ってる暇はないぞ

 

【選べ選べ選べ選べ選べ選べ】

 

なんだ、うるさいな。子供かよ……逆に俺が泣くぞ

 

【選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ選べ、自分で決めろ己で決めろ、一考の余地なく。既に選択肢はない、結果あるのみ】

 

意味がわからん、選べなんて言ってるくせに。選択肢はないだと?

分かった、分かった。なら選ぶ、それでなにがあるかは知らないけど。何かがあるかもしれないしな

 

【適任者の承諾……選べ……

 

選べって言っても……あぁ、選べってそういうことか

復讐者もそういう……なら、俺はお前を選ぶ

 

……確認、クラスを凶戦士へと格下げ。一時的なステータスの上昇、聖杯からのバックアップ……成功…抑止力……見逃し。それでは召喚する……汝の真名……】

 

 

「来い……贋作の英霊よ、聖女の裏側……

 

………ジャンヌダルク【オルタ】」

 

頭上から斬激音が聞こえる

 

「ふふっ、本当に仕方のないマスター。いいわ、助けてあげる。貴方はそこで無様に這いつくばってるのね……だから少しだけ待ってなさい、ボロボロのアンタの代わりに私が全部終わらせてあげる……」

 

ギュッと手を握りしめられる感覚がある、きっと彼女の声だろう。その少し優しげな声を聞いて俺は、一言だけ、ほんの一言だけ伝える

 

「……勝ってくれ」

 

「ッ!!んっ、分かったわよ。それじゃあ少し眠りなさい」

 

「ありが…と…う」

 

俺はそこで意識を途絶えさせる……

 

 

……訳にはいかなかった。

 

サーヴァントと共に戦う、マスターがここで倒れてどうする。

サーヴァントだけに、仲間だけに戦わせて俺だけ這いつくばってるのか?

ありえない。ありえていいはずがない

 

そもそも、まだ俺はアイツに一発入れてないだろっ!!

 

 

「ジャンヌッ!!」

 

「なっ!?あ、あんた。何してるのボロボロなのに、待ってなさいよ!!」

「ふ、ふははは!!バカが、俺がここで倒れるわけがなかろうッ!!俺はお前のマスターで、お前は俺のサーヴァントだ。1人で戦わせるわけないだろ!!俺もやるぞ……」

「はぁ、本当に仕方のない人ですね。分かりました、それじゃあ、よろしくお願いしますよマスター!」

「あぁ、わかってるよ。それじゃあ、一発キツいの入れてやるから待ってやがれよ毒野郎っ!!」

 

 

 

△▼△▼

 

 

毒竜 バシュムとの戦いは、無事終わった。

無事……ではないか。

俺自身もそうだが、ジャンヌもボロボロになりながらも戦ってくれた。

あの、一瞬の間だけステータスが上がっていたようで、思ったよりも苦戦はしなかった。

バシュムを倒せば周りのエネミー達も消え、空もいつものように青い綺麗な空となっていた。

 

バシュムを倒したあと、ドロップしたのは不思議な紫のような玉であった。

何かは良くわからないが、バシュムから出たものであろう。レアなドロップには違いない筈だ。

 

まぁ、なんだ。バシュムを倒した……とは言ったが俺は無情にも地に伏せている。

ジャンヌの膝枕の上で……だが。

 

つまりは、そのなんだ少しした現実逃避、みたいな。あぁぁぁぁっ!!推しにこんなことされてるとか心臓がはち切れそうなんだよっ!?

くそぉう……ヤバい、顔が赤くなってきたよ

 

「ねぇ……」

 

「ひゃいっ!!」

 

「なにその、変な声。ふふっ」

「か、からかわないでほしいのだけど」

「ごめんごめん。それで聞きたい、ことがあったん、ですけど。いい?」

「聞きたいこと……」

「えぇ、そう。そうよ聞きたいこと……なんで私を選んだの?」

「……選んだ……あぁ、あれか。……あれはね…あっ」

 

駄目だ、ジャンヌを選んだ理由が推しだったからだとか言えない。しかもバーサーカーになってて少し残念気味だとか言えない……。

 

「なによ、ちょっと気になるんですけど」

「あーえー、こ、これはまたの機会ということで……許してくれたりぃ?」

「しませんけど?焼く?焼いちゃう?」

「焼かれたくないです……でも人のさ?心とかをなんか聞いちゃうのはダメじゃないですかね?」

「……それもそうよね。良いわよ次で…」

「やたっ」

「でも!今度はちゃんと話してよねマスターちゃん…?」

「はひっ…」

 

うぉっ、そんな聖女ような笑顔で言われると頷くしかないじゃないですか……あぁもうっ!!

 

好きっ!!

 

 

ガリッ

 

「……ガリ?…ひっ!!」

 

ゾワゾワと、なにやら不穏な気配と寒気がする。

カタカタと震える身体を抱き締めながら、ゆっくりと横を見てみっ…「ぎゃぁぁぁぁぁあっ!!」

 

そこにはホラー映画の幽霊顔負けの、形相で此方を凝視してくるセツが居た。

いつものような黒い雰囲気を纏って。

 

「カミキさまぁ……誰ですかぁ?その泥棒猫はぁ?私からカミキさまを奪うというのですかぁ?」

「あばばばばばばっ!」

 

地から響くような、腹の底から出ているようなそんな低音で、俺のことを呼ぶセツ。そんな様子を見た俺は勿論、機能停止する……おぶぅあ

 

「なに?あんた……私が何ですって?」

「泥棒猫と言ったんですよぉ~、このビッチが……人のカミキさまを私だけのカミキさまをナニ勝手に、しゃしゃり出てきて……ぽっと出のお前みたいなやつが奪おうとしているのですかぁ?」

「なにかしら、私だって言いたいことがありますけど?私とマスターちゃんは昔からの付き合いよ。私から言えば貴女の方がぽっと出なんですよ……」

「あぅあぁぁぁぁぁっ!」

「ほら、あなたのようなところに居るからカミキさまが恐がってるじゃないですか早く放しくださいよ……ねぇ?」

「ひぅっ、きゅ~……」

 

俺、退場。この空気に耐えることが出来なかった。

 

 

 

 





申し訳ありませんでした。m(__)m


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交換券

今回二話投稿前のやつは別に見なくても見てもどちらでも大丈夫です
序盤は一緒ですし。



それでは本編どうぞ


「……なん……だと……っ!?」

 

俺は現在、事の状況に震えていた。それはもうガタブルと、今俺の手に炭酸を持たせたら一瞬で抜けるほど震えている。

だがしかし、だがしかしだ。デマという可能性もなきにしもあらず。

実はドッキリでした、みたいなこともあり得るかもしれない……だが、だがぁ~これはどうすればぁっ

 

 

『星5サーヴァント交換券』

 

朝目が覚め、ログインボーナスを受け取ろうとしたそのとき、これが手に入った。

嘘だろ運営!?マジかよ!?ふゃぁぁぁぁっ!!

しかし、これが他のサーヴァント、セツに見つかっては駄目だ。今は外に皆出ているが……だが、これはどうするべきか……。誰にする、誰にするべきなのだ?

 

一応、交換出来るサーヴァント一覧を……ひゅいっ!!

恒常サーヴァントのみだが、これはスゴい。

まさかの孔明先生だとぉう!?他には玉藻まで、カルナも!?しかもジャックまで!!

あぁぁぁぁこれはどうすればぁっ!!

 

「うむむむむむむっ……「カミキさま~?」…ひょえっ!?」

 

びっ、ビックリした。危ないところだった。交換券が見られるところだった。仕舞うのが遅ければ見つかっていた……ふぅ。

 

「どうしたんですか?やっぱり前の戦いで身体に不調が出たのですか?」

「あぁ、ごめん。少しボーとしてたから。ビックリしただけ、心配かけてゴメン」

「それなら良かったのです。ご飯が出来上がったので呼びに来ましたよ?」

「ありがとう。すぐに行く」

「冷めないうちに来てくださいね?」

「う、うん。わかったよー……なんとか行ったか。しかし、これを1人で背負うには重すぎる。だからと言って今このタイミングでナオフミにバラすわけにも……。はぁ、考えても仕方ないな」

 

 

その後の食事中も悩みに悩み、そのあとをどうすれば良いか悩んでいた。

ナオフミにさえも心配されるほどに……だ。

これはもう、耐えることが出来ない。

 

「ナオフミ、少し来てくれないか?」

片付けの最中のナオフミの肩を叩き、コソコソと呼ぶ。

 

「なんだ?俺は忙しいんだが……大事な用か?」

「あぁ、そうだ。俺の人生に関わる話だ」

「ふむ、なら行こう。他のやつにバレるのは嫌そうだな、あっちの茂みで話そう」

「ありがたい……」

 

場所を移動して

 

「実はなんだが、前々から隠していたことがあったんだが」

「どうした…」

「俺の仲間の、ナナチとセツ以外の皆居るだろ?」

「あぁ、やけに強いアイツらか……それがどうした?」

「実はなんだけど、皆は俺が召喚した英霊なんだよ」

 

「……英霊だと?つまり、なんだ。アイツらは昔死んだ偉人や英雄の霊だって言いたいのか?」

 

「その通りだ。ナオフミの世界にあったかは知らないが型月を地盤としたFateシリーズ、その系列であるFGOっていうゲームがあるんだが、その中で登場するのがアイツ達バーサーカーだ」

 

「FGO……俺も聞いたことがあるな。プレイしたことはないが、つまりお前はアイツらを英霊として使役してるってことなのか?召喚して?」

 

「あぁまぁ、言い方は悪いがそんな感じだ。かといって制限がない訳じゃないぞ?

実体化しているだけで俺は魔力を吸われるし、戦えば更に吸われる。

1人であれほどの人数をサーヴァントとして従えれるのは本当なら異常だ。バーサーカーなら尚更魔力の消費が激しい」

 

「なるほどな、それでお前が話したかったことはそれについて、魔力の消費についての問題についてか?」

「いや、そっちはもう少ししたら解決の目処がたつ。問題なのはここからだ……これを見てくれ」

「これは、なんだチケット?」

「あぁ、だがただのチケットじゃぁない。高レアサーヴァント一体と交換できるチケットなんだ」

「……なん……だと…っ!?ソシャゲの運営がそんなことをするのか!?」

「シーシー!!声が大きい……」

「す、すまん。だがこれは一大事だな、それでどんなやつと交換できるんだ?まさか、朝から浮かない顔だったのはこれのせいか?」

 

ピラピラと交換券をふるナオフミ。止めてくれそんなに粗雑に扱わないでくれ……。

 

「まぁ、そうだな。それのせいだな」

「そういうことか。だが、気持ちはわからなくもない。俺の立場だとしてもこれは悩む、お前のパーティーならバーサーカー?じゃなくて後方支援型のやつがいいんじゃないのか?攻撃力は充分だろ、防御力なら俺が居るしな」

「そうなんだよなぁ、うちのパーティー後方支援が居ないんだよなぁ。悩んでるのは玉藻と孔明、あとは普通に好きなジャックとか」

「玉藻……玉藻の前か、孔明はそのまま孔明と。ジャックはジャック・ザ・リッパーか?そうそうたるメンツだな」

「ナオフミとは世界観が同じみたいで助かるな。そうなんだよ、後方支援といえば孔明と玉藻なんだが……しかしなぁ問題があるんだよなぁ」

「どうした、問題って?」

「相性のいいサーヴァントが誰1人としていない」

「おぉう……それは困ったな。だがまぁ、俺達でカバー出来るところはあるだろうが…」

「いやまぁ、この孔明先生が居るかいないかで大分変わると思うんだよ。主にジャンヌとセツの空間感の癒しとかになる」

「あれは確かに、そうだな。あそこの三巴だな」

「ジャンヌとセツのやり合い双方への清姫のやり合い。俺が胃痛で死にそう……。そこに胃痛ポジションとして孔明先生をね、嵌めておきたいなと」

「お前が目標だから変わらないんじゃ?」

「それは言うなよ。俺だって薄々そうだろうとは思ってるけど……なにか来る?」

 

ピクリとこの世界で培われてきた感で、なにかを感じとる。しかしだが、この相手に俺が逃げ切れるわけがない。

 

「ヤバいな。逃げるか?」

「いやでも、もう遅いみたいだな」

 

ガサリと音がすれば、俺の胡座をかいた足の上にスッポリといつの間にか居るセツが……見つかってしまった。

 

「カミキさま~?朝から様子がおかしいと思ったら、こんなことを隠していたんですかー?私達に内緒で?」

「はぁ、すいません。でも、少し位は夢が見たかったんだよセツ。俺だって、男だよ。こういうワクワクとドキドキは何時だって味わいたいんだよ」

「カミキさま……」

「見つかっちゃったけどね。まぁでも、俺も色々とスッキリ出来たよ。隠し事をナオフミにも伝えられたしな。よしっ、決めた、俺が選ぶのは……っ!!」

 

 

△▼△▼

 

 

「これで、良かったのか?もっと他にも選択肢はあっただろうに」

「まぁ、これが一番の選択だよナオフミ君。それにほら、これ以上サーヴァントを増やすと俺もキツイからね」

「そうか…」

「なんだよー?そのにやりとした顔ー?」

「いーや、なんでも。やっぱりお前と一緒に来て正解だったなと思ってな?」

「ナオフミ……なんだよ、照れるだろぉ?」

「抜かせ……これからは、楽しいこともありそうで良かった」

「そっか、俺もそうだよ……」

 

使われた交換券は。ナイチンゲールの宝具として重ねることになった。本人はスンとした顔をしていたが、どことなく嬉しそうにしていたのは記憶に新しい。

そのあとは清姫やジャンヌが私達はどうしてだと少し怒っていたが、それは妬いていたとのこと。

 

セツも今回の選択に少し戸惑っていたが、それでこそカミキさまですよねっ!なんて言ってギュッと俺を抱き締めて女子トークをしている。

 

こんな平和な日々が続けばいいなんて、我が儘だし

続くわけもないけど、少し俺はそんな我が儘を願ってみるのだった。

 

 




今回の話はどうだったでしょうか?
前回より面白くなっているとこを私も祈って願います。

さてと、皆さんは星5交換券何を選びましたでしょうか?
勿論私はジャックを選びママになりました。

復刻も来ましたし、これからは大変ですね。石が足りませんよ……それではまた次回っ!!


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