これが雪ミクちゃんですか (天狗の仕業)
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これが雪ミクちゃんですか

 

ある日のことである。

宇宙人が地球に降り立った。

そしてその驚異的な力を人類に見せつけた。

このまま地球は宇宙人に支配されてしまうのだ、と人々が絶望に打ちひしがれた。

そんな時、その宇宙人は告げた。

 

 

 

「おい、デュエルしろよ」

 

 

そういうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

「なんで?(憤怒)」

 

 

訪れたコンビニが10軒目を迎えた時、俺はついにそのイライラを爆発させた。

初めの内は「ま、そういうこともあるやろ」と余裕のある態度でいられたが、二軒目、三軒目と当てが外れるにつれその余裕は無くなっていったのだ。

これは許されない。訟訴も辞さない。俺はなんのためにこの場所に足を運んだのか。どういうことだってばよ?という困惑と怒り、この感情をどこにぶつければいいのか。そんな状況に陥っていたのだ。

 

「どうしてなんだ…どうしてこうなっちまうんだ?」

 

無意識にそう呟いてしまう。

だって、そうではないか。俺が今欲しいと思っていたもの、長年お世話になった物がこの場所、コンビニエンスストアに無いと言うのなら。それは、悲しいことではないか。

だからつい呟いてしまったのだ。この悲しみは何処にいけばいいのだ。なんで人類から争いはなくならないのだ。そんな堂々巡りを続けて立ち尽くす。それが今の俺の姿だ。

 

 

コンビニエンスストアに、エロ本がない。

 

 

これは許されない(憤怒)

 

 

──うせやろ!はー、つっかえ!ほんまに使えんわ〜。やめたら、この仕事(コンビニ)?エロ本がないやん!どうしてくれんのこれ?エロ本が欲しくてコンビニに入ったの!

 

俺はスマホで『コンビニ エロ本 無い』と検索する。すると、今年9月から殆どのコンビニでエロ本は置かなくなったことが判明。そんなバカな。そんなことが許されていいはずがない。

確かに違和感は感じていた。巡ったコンビニが5軒目を迎えた時にはすでに「妙だな…」とコナンくんが犯人捜しをする時ばりに疑問を感じていた。今まで当然のように存在した物がないのだ。疑ってかかるべきだろう。いや、むしろ俺はこの時すでに答えを導き出していたのかもしれない。ただそれを認めたくなかっただけなのか。今となっては、分からない。

だが俺は信じていた。次のコンビニにはあるだろう、次は、次こそはと。そう信じて選んだ道を歩き続けた。このときだってそうだ。なんか知らんけどこのパックが欲しいとせびってくるロリに「一つだけだぞ」と奢ってやって、近いコンビニを検索し、そして進み続けた。その繰り返しだ。

その結果がこれではあまりにも、救われないじゃない。

大丈夫だよ遠坂、俺も、これから頑張っていくからとは言えない。むしろふざけるな、ふざけるな!バカヤロウ!!である。

 

コンビニで、エロ本を買うことに意味があるんじゃないか。

 

俺は固く拳を握る。

 

誰だってそうだっただろ?若い時、誰だってコンビニに入ったらバレないように、エロ本コーナーに目をむけた筈だ。興味を向けたはずだ!それのなにが悪いってんだ!それが楽しみだったんじゃねぇか!確かに倫理的には良くないのかもしれない。ガン見してるのがバレて次の日にはあだ名がキングオブエロリストになったりもした。良いことばかりじゃなかった。でも今となっては、俺に欠かせないモノなんだよ!コンビニにエロ本があって、それを手にする。それがオレなんだよ!!それの何が悪いってんだ!なんでそんな簡単なことも分からないんだよ。

いいぜ、青少年健全育成条例。お前がそんな簡単なことがわからないで、コンビニからエロ本を消したっていうのなら…まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!

 

傍目からバカじゃねぇの?と思われるに違いない俺。そんな俺にトテトテとロリが近づいてきた。

青い着物に白い髪留めしたロリ。コイツと会うのは訪れたコンビニと同じ10回目である。というかまたしてもこのロリ、カードパック持ってる。女なのにカードファイターとは珍しい。ふつうこのぐらいの歳の子はプリティでキュアキュアなんじゃないかと思う。まあでも、変わってるけどなかなか可愛い子だし、オジさん買っちゃうぞバリバリー。

そしてロリにカードを渡して次のコンビニに向かう俺。バカヤロウお前俺は勝つぞお前という精神である。退き際を間違えたとも言う。天文学的数字ではまだ可能性は残ってるのである。俺は運命と戦う。そして買ってみせる。

 

 

そうして迎えた11軒目。その緑を基調としたコンビニの入り口に、ある少女が立ち塞がるように現れた。

白い髪に、白青の着物を着たその少女。

その姿を見て、俺は確信する。

 

そうか、雪ミクかあ(納得)

もうそんな時期でもあるんだな。このコンビニじゃあ毎年のことである。しかしコスプレイヤーまで用意するなんて、今年の力の入れようはハンパじゃないぜ。

一人そう感想を心の内で呟いて、コンビニに入るためゆっくりと少女の横を通りすぎる。しかし、まわりこまれてしまった。

 

ひょ?…もう一回チャレンジする。

 

しかし まわりこまれてしまった!

 

 

なんだコイツ(驚愕)

表情にはださないが中々ビクってる俺。この子なんなの怖い、と畏怖の念。

 

驚き固まってしまった俺に、雪ミクはカードの束を差し出しながら言った。

その言葉を要約すると、『おい、デュエルしろよ』ということみたいだ。

 

俺はその言葉で、少女の持ってるカードがデュエルモンスターズであると理解させられ、そうして次に、二年前に起きたある事件のことについて思いだした。

 

 

 

 

 

「ほな、また…」

 

 

そう言って、俺とデュエルしろと告げた宇宙人は姿を消した。

宇宙人はデュエル宣言の後、三つのことを人類に約束させた。

一つ目、デュエルして勝ったら地球の支配はやめる。

二つ目、三年間の猶予を与えてやる。死ぬ気で頑張れ。

三つ目、あと絶対レギュレーションは守れよ?もし破ったり反則的なカード使ってきたら即ブッパだかんな?

 

その約束を聞いた人々は困惑した。そして言った。

 

「デュエルって?」

 

宇宙人は答えた。

 

「ああ!」

 

人々はさらに踏み込んで聞いた。

 

「遊戯王デュエルモンスターズのことでいい?」

 

宇宙人は頷いて言った。

 

「ああ!!」

 

人々は疑問を隠さずに言った。

 

「どうしてカードゲームで地球のこれからを決める必要があるんですか?(白目)」

 

宇宙人は満面の笑みで言った。

 

「だって当然だろ?決闘者なら」

 

 

そういうことになった。

 

 

 

 

 

遊戯王デュエルモンスターズ。ただのカードゲームであったそれは、二年前のある出来事から国技レベルまで扱いが変わった。

そして変わったのは扱いだけではない。そのある出来事から、自身をデュエルモンスターズの精霊だと宣う不審者も現れるようになったのだ。

謎が謎を呼びすぎている。最近ではそれに疑問を抱かなくなってる人が多すぎてあれだけど。まあ命かかってるしね。しょうがないね。俺は雪ミク(精霊)を再度目に納めてそう思う。

そういえばあと一年で地球滅亡かーと思い出した俺は、まあそれもしょうがないことであると納得する。だって経済は変わらず回るからね。カードゲーム会社の株価はやばいらしいけど。まあ俺には関係ないことであるけども。

 

とりあえず俺は笑顔で勧誘してくる雪ミク(精霊)に「やめとくわ」と返答した。

だってルールもよくわからないし、残当である。昔友達に聞いてみたことあったけど、「一見複雑そうにみえて複雑だぜ!」と言われたから「あ、そっかあ」と手を引いた。別に楽しいならやってみようと思っただけだったからね。 難しいならやめとくかなと思ったのである。

 

雪ミクは俺が断ると思ってなかったのか笑顔のまま固まり、続けて焦りつつ「いやいや、命かかってるよ!あと期限まで一年もない!」と詰め寄ってくる。

 

しかし俺は努めて冷静に言う。

 

大丈夫大丈夫、俺じゃなくて別の人にやってもらって?

 

これは常識的に当然なことである。あの宇宙人事件から、今ではデュエルモンスターズ宇宙人対抗専門学校みたいのも出来たりして、そのカードゲームに詳しい人がいるのだ。その人にやって貰えばいい。

というか最近は一般人でも普通にプレイ出来るようになってる。ルールを知らない俺の方が珍しいくらいだ。

 

 

「全然大丈夫じゃない!他人事すぎ!お母さん泣くよ!?」

 

お前に俺の母親の何が分かるっちゅうねん、と物申したい現在。しかし俺は大人なのでそれを流し、なんとなく少女になんで俺なんすか?と聞いてみる。するとよく分からんけど親和性が〜うんぬん、気にいったから〜うんぬん理由を言ってきた。後半理由になってなくねと思ったが、俺はそれを聞き「やっぱやめとくわ」と言った。めんどくさそうだし。

 

愕然とした雪ミク少女は「もうハニトラしかないのか(絶望)」と言ってるけど、ウッソだろお前。ハニトラする前にハニトラすることバラすなよ頭エロ本か?と失礼なことを思ったりしたので、オブラートに「変態さんか?」と言ってみる。めっちゃキレた。怖い(自業自得)

 

とりあえずご縁がなかったということで、と俺は雪ミク少女に告げコンビニに入ろうとする。しかし雪ミクはまたしても俺の服の裾を掴むことでそれを食い止める。そして少女は「出来る出来る絶対出来るどうして諦めるのよそこで!」や「あ、アンタこのままダラダラリーマンになるんだ。アンタの人生それでいいんだ!」とバクマンってくる。いやもうリーマンになってるわ。というか初対面でそれも失礼じゃねえ?

 

しかし強調するが、俺はもう大人なのである。だから少女にこの世の真理を教えてやることにした。

 

「大丈夫だ。人類のこれからだって、別の人が頑張ってなんとかしてくれるから。だからお前も別の人探して、頑張ってくれ」

 

そういえば少女はさっきこう言った。他人事すぎる、と。

その通りである。でも、真理であるとも俺は思う。

なんだってそうなのである。今回のデュエルうんぬんに限らず、全てのことで自分でなくてもいいことはザラなのだ。

大人になるということは、自分を知るということ。そして誰かに頑張ってもらって、自分はその頑張りを見届けるしかないということである。なんだって責任は付き纏う。だったら大事なことは他の人に任せた方が安心する。

頑張れ、いい言葉である。俺は大好き。何をどう頑張れとは言わないのが特に。

 

そんな俺の思考を読んだのかは分からないが、雪ミク(精霊)は怒りから顔を赤くし、肩を震わせ始めた。

怖い(白目)

というかこちらを見限るようなこと(本心)を言ったら早く立ち去ってくれるかな、と思ってたが、すみません、まーだ時間かかりそうですかねぇ?(困惑)

早くエロ本探さなくちゃ(使命感)

俺は少女を目の前にスマホをいじる。もう次のコンビニを探すことにしたからだ。バカ野郎お前俺はエロ本買うぞお前!

 

雪ミク(氷の魔妖─雪女)はそんな俺の姿を見て、遂に堪忍袋の緒が切れたらしい。めちゃくちゃ恐ろしい剣幕で、ブチギレながら叫んだ。

 

 

「頑張ってじゃねえよお前おい──オメェもガンバんだよおおおお!!!!!」

 

 

 

正体現したね(白目)

 

 

 

 

 

 

宇宙人との決闘まで、残り一年。






最近面白い遊戯王二次小説を見たので初投稿です。
頑張って。


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カニクリームコロッケ

あと一年で人類滅亡。そしてそうならないためにはデュエルで勝つしかない。

そう聞いたらほとんどの人がこう言うだろう。俺たちもその例に漏れず、それを言葉にした。

 

「ヤバイですね」(ペコリーヌ)

 

「ヤバイわよ」(キャル)

 

六畳ぐらいの小さな部屋。借りてるアパートの一室で俺と雪ミク(雪女)は現在おかれている状況を確認していた。

雪ミクが正体現したねした後、コンビニからデビルバットゴーストで逃げた俺。しかし何故かこの子はアパートの前で待ち伏せしていたのだった。

 

まあ、あれだ。そう、怖い(白目

 

「とりあえず、私たちは勝たなくていけないのよ。じゃないと本気で死ぬわ。本気と書いてマジ、大マジよ」

 

そこんとこホントにわかってる?と溜息とともに雪ミクは俺に言葉を続けた。

そして立ち上がり、俺の押し入れから俺の秘蔵のワインを取り出し、俺のコルク抜きを勝手に使って堂々とガブ飲みしながら俺の言葉を待つ。

まぁ、色々聞きたいことはあるんだけど、とりあえず聞くのは怖い()ので、彼女の犯行はスルーして逆に質問することにした。

宇宙人と戦うぞというやる気はまあ分かったんだけど、──そもそも宇宙人と勝負する『権利』って、俺にはないでしょ?ということである。

 

宇宙人とデュエルする経緯。それの詳しい話──

宇宙人が現れ、「人類滅ぼすわ。ほな、また」したのは二年前。それは覚えていた俺。だがデュエルで勝負する以外の詳しい概要、つまり決まりは分かってなかった。で、今スマホで検索してみてわかったこと、それは宇宙人と勝負出来る人数には『限り』があるということだ。限りは、なんとたった二人だけ。チャンスは二回。そのうちの一回でも宇宙人を負かしたら人類滅亡回避らしいが……

 

まぁ、まず始めにその限りを決める方法、宇宙人と戦う権利を得るための方法を分かりやすい例で解説しよう。

プロ野球と似たようなものである。

日本のプロ野球は、シーズン開幕して色んなチームが戦う→そして期間が経ったら上位チーム同士で戦う(クライマックスシリーズ)→いよ、日本一!(日本選手権シリーズ)

というふうになっている。たしか(曖昧

 

そして、これを今回の宇宙人とのデュエルに置き換えるとこうだ。

 

ポイント獲得制で様々な人とデュエルし始める(二年前から始まった)→時間がたったらポイントの高い人同士で戦わせる(あと半年後)→一番になった人が代表で宇宙人に挑む(あと一年後)

 

なるほど。

──つまり、手遅れじゃな?(スタートダッシュ失敗

 

考えてみたら簡単で、そんな大事な代表(人類滅亡するか否かの)責任者をパッと「じゃあ君で!」と決めるわけにはいかないのである。その重要な権利は最も強い人が獲得しなくていけないのだから、何回も戦ってより勝てる可能性が高い人を厳選していくのだ。素人でもその方法をとるだろうな、と俺は他人事ながら納得する。

そういえば昔そんなことをニュースで言ってたなあとスマホ片手に思い出した俺。やる気満々なのは悪いけど、水を差させていただくぜ。

俺は顔を上げ、彼女の目をしっかりと見ながら「権利がなー、手に入ればなあー、俺もなー」と残念がって言う。これを突破口として逃げる次第、今日の俺は知的だなと確信した。だめだ…まだ笑うんじゃない…堪えるんだらとニヤけながら彼女の言葉を待つ俺であったが、俺の予想とは裏腹に雪ミクはニヤリと笑って、こう答えた。

 

──でぇじょうぶだ。ライディングデュエルがある、と。

 

 

なるほど。

 

 

 

新しい単語増やさないでくんない?(憤怒)

 

 

 

 

 

 

 

宇宙人は「自分に挑める人数は二人だけだ」と人類に告げた。チャンスは二回。同じデュエルでなく、別々のルールに則ったデュエルを極めた者たちでないといけない。

一人はオーソドックスなスタンディングデュエルを行う者。二本足で立ち、確かなタクティクスを構築して堂々と戦うデュエリスト。

そしてもう一人は、確かなフィールを極めた、風と共に戦うライディングデュエルを行う者でなくてはならない、と宇宙人は人々に語った。

 

 

人類は首をかしげ、言った。

 

 

「ライディングデュエルって?」

 

宇宙人は答えた。

 

「ライディングデュエル。それはスピードの世界で進化した決闘。

そこに命を賭ける伝説の痣を持つ者を人々は5D'sと呼んだ──!」

 

人類は何言ってんだコイツ?と思いながらも、分からないことを正直に質問した。

 

「フィールって?」

 

 

宇宙人は間をおき、考えた末に言った。

 

 

「なんだろうね?」

 

 

続けて「フィールを感じるんだ」と言って宇宙人は姿を消した。

 

人類は慌てた。フィール?フィールってなんだ?と日夜議論した。ライディングデュエルはバイクに乗ってやればいいということは理解できたが、フィールだけは分からなかったのである。

そもそも何をもってフィールと言うんだ?

超能力的なサムシングで相手のバイクを破壊すればフィールを極めたと言えるのか?

でもフィールで相手のフィールを無効化するフィールもあるぞ?

いや、やっぱりフィールってなんだ?

と堂々巡りである。

そして一ヶ月間それを繰り返し、議論する責任者は疲労困憊になった。だが、彼らはその状況に置かれながらも、たった一つの確かな結論を導き出したのだ。それは、

 

 

──それは、デュエルの中で見つけるしかない。

 

 

そういうことになった。

 

 

 

 

 

 

「でもライディングデュエルを行うには専用の道路とDホイールがないと出来ないでしょ?それらの開発に着手したのが二年前。そして出来たのがつい最近の話。つまりライディングデュエルなら、スタンディングと別枠だからペーペーの初心者な私たちにもまだチャンスはあるってことよ!」

 

してやったりとドヤ顔で説明した雪ミク(意味⭐︎不明な単語追加しやがってフッキューユッキ)に「なるほど」と頷き理解を示した俺。まぁ大体分かった(分かってない)俺は、確かにユッキ(雪ミク)の言った通りならまだチャンスはあるだろうな、と理解する。しかし、コイツのにやけ顔イラッとくるぜ!と思うと同時、俺は彼女に言う。

まああたり前の話なんだけど。

でも、それって根本的な解決にはなりませんよね?(ミストさん感)ということを掻い摘んでユッキに説明することに。

質問形式で。

 

Q1.デュエルって?←俺

A.ゑ?←雪ミク

 

Q2. イメージしろ・・・. 俺たちは今、 地球によく似た惑星「クレイ」に現れた霊体だ・・!! ←俺

A.お前の勝手なイメージを押し付けるな!←雪ミク(憤怒)

 

Q3.ライフで受ける!!←俺

A.──ありがとうございました、いいバトルでした。←雪ミク(白目)

 

雪ミクは俺の質問を聞き、次第に納得していき言葉を失った。

完全に理解したのだろう。そもそもの話で、それが俺が他人事になる理由でもあるわけで。

つまり俺は、その『デュエル』の初心者でもあるからね?

 

 

しょうがないね(論破)(ドヤ顔)(コロンビア)

 

 

 

 

「アニメ観れば分かるから、いや分かれ!」と言って、ユッキは布団に潜り込んでふて寝した。

 

そうして、彼女が小さな寝息をたてはじめたのを確認した俺。そして理解した。

 

 

丸投げかあ。たまげたなぁ(白目

 

 

 

 

 

 

 

三時間後。パソコンでアニメを見てデュエルを覚えた俺は「なぜオレはあんなムダな時間を…」と三井になったあと、寝転びながらテレビゲームをし始めたユッキに「覚えたけど、デュエルする?」と言ってみる。

するとユッキは「……でもFPSやめられないんだけど」と宣ったので首根っこ捕まえて地面に引きずり倒し鳩尾にダイレクトアタック!した後デュエルを始めることにした。

 

そういうことになった(逆襲)

 

 

 

 

「右手のカードにプライドを!左手のディスクに魂を宿し!この私に挑んできな!海馬ァ!──デュエル!!」

 

そう言った雪ミクを尻目に、俺のターン。ちなみにライフは4000らしい。そしてディスクはない。テーブルデュエルである。

 

先行はドローできない。アニメで学習した俺は正しいステップを踏み、メインフェイズ。先行は攻撃できない。そして、よし。この状況なら……

 

俺は──

 

 

 

「俺はコモンメンタルワールドを発動!」

 

 

 

 

《コモンメンタルワールド》

永続魔法

自分がシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功する度に、相手ライフに500ポイントダメージを与える。

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

「次に手札から《翼の魔妖─波旬》を召喚!波旬の効果で《麗の魔妖─妲姫》をデッキから特殊召喚!レベル1波旬にレベル2妲姫でシンクロ召喚!《轍の魔妖─朧車》!!この瞬間コモンメンタルワールドの効果、相手に500ポイントのダメージを与える!そして妲姫は《魔妖》モンスターがエクストラデッキに特殊召喚された時に、墓地から蘇生できる。妲姫を再度特殊召喚!」

 

 

 

「ゑ?」LP4000→3500

 

 

 

「これを繰り返す!!妲姫と朧車でシンクロ召喚!《毒の魔妖─土蜘蛛》!コモンメンタルワールドで500ダメージ!妲己を蘇生!合わせてシンクロ召喚!《翼の魔妖─天狗》!500ダメージ!!妲姫蘇生!シンクロ!《麗の魔妖─妖狐》!500ダメージ!妲姫!シンクロ!《骸の魔妖─餓者髑髏》!500!!妲姫と餓者髑髏で今度はリンク召喚!《氷の魔妖─雪女》!!妲姫を墓地から蘇生!」

 

 

「ぐああああ!!(クソでかい叫び)だ、だけどようやく打ち止め」

LP3500→1500

 

「さらに《死者蘇生》を発動。墓地から波旬を特殊召喚する!」

 

「ひょ?」

 

 

 

《死者蘇生》

通常魔法

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

 

 

 

 

「」

 

 

「よって俺は二体目の《轍の魔妖─朧車》をシンクロ召喚でき、二回目のループに入ることができる!」

 

「やめろ!そんなことしちゃいけない!!(ATM)」

 

「妲姫と朧車でシンクロ召喚!《毒の魔妖─土蜘蛛》!コモンメンタルワールドで500ダメージ!妲己を蘇生!合わせてシンクロ召喚!《翼の魔妖─天狗》!500ダメージ!!妲姫蘇生!シンクロ!《麗の魔妖─妖狐》!500ダメージ!妲姫!シンクロ!《骸の魔妖─餓者髑髏》!500!!」(コピぺ)

 

 

「やめろぉおお!!うわぁああああ!!!(マインドクラッシュ)」

LP1500→0(ピー

 

 

 

 

 

 

デュエルが終わり、ユッキは「イワァァァァク!!!」と叫んで倒れこんだ。そんな彼女を尻目に「俺の勝ち!

何で負けたか、明日まで考えといてください。そしたら何かが見えてくるはずです。ほな、いただきます」と言って俺はペプシを飲んだ。

ユッキ(YOU LOSE!)はショックからか痙攣しながらも「よくぞ私を倒した…そして魔妖デッキの回し方を覚えたわね。もう教えることは何もない」と言い放った。やっぱFPSやめられなかった奴は言うことが違うな、と俺は彼女の教え(笑)を把握した。

 

「私たち魔妖は《麗の魔妖─妲姫》を起点として連続シンクロ召喚するカテゴリー。どれだけ速くシンクロできるか、どれだけ多く妲姫ちゃんを過労死できるかを競うデッキよ。でもこの様子なら問題ないわね……やはりあなたには才能がある。すでにこの特別なスピードシンクロ召喚の境地に達しているとは…」

 

やはり天才か…とか語り出したユッキ。才能があるとか言われても、この話の流れじゃデュエルの才能より、ブラック会社の社長になれる才能の方が高いって言われてね?と思った俺。

そんなよく分からない空気の中、ユッキは「この感覚を忘れないようにしなさい。明鏡止水の感覚を…」とか宣い始め、厨二雪ミクになった。

ごめん、バカじゃないの?言いかけた俺より先に、ユッキは真剣な顔をし続けて言う。

この連続スピードシンクロこそ、ライディングデュエルにおける最も大事な召喚方法なのだと。そう、このスピードの限界を超えたシンクロ──

 

 

 

「これを──アクセルシンクロ召喚と言うわ……!!」

 

 

 

 

アクセルシンクロ……!!(愕然)

 

 

めちゃくちゃカッケェ…(サム8)

 




最近好きな小説が更新されないので初投稿です。

頑張って(二度目


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