LegenLife~レジェンライフ~ (零華〜幻〜)
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第一章 一節 それは、絶望の物語

こんにちは!零華です!
今回は初のオリジナル作品を書いていきたいと思います!
二次創作同様ゆっくりマイペースですが、お付き合いよろしくお願いします!


...血の匂い。訓練で嗅ぎ慣れた匂い。私もレイも。

この世界には魔法というものが存在する。

魔法は誰にでも使え、基本はちょっとした攻撃魔法や治癒魔法が使える程度だが。

蘇生魔法や即死させるような魔法、いわゆる超魔法と言われているものが使える人間がこの世に生まれてくる。

超魔法が使える者たちは『レジェンダリー・フラクト』通称《伝説の命》と呼ばれる。

その能力のせいで命を狙われることも多く、幼少期の才能が開花する前に暗殺されてしまう者もいる。

それを防ぐために120年ほど前から0歳から18歳のものを対象に各地の施設で保護されている。

保護されると訓練を18歳まで受け、施設を出た後自分の身を守れるようにする。

今、私とレイはまさに施設で保護され訓練を受けている。

私とレイは、普通の人間である母と《伝説の命》である父の間に双子として生まれた。

確立で言えば本来はどちらも普通の人間か、あるいは片方が普通の人間で片方が《伝説の命》で生まれてくる。

しかし、奇跡に奇跡が重なったのか...私たちは二人とも《伝説の命》で生まれてきた。

そのため二人とも保護され訓練を受けている。幼くして保護されたため、母と父の顔は覚えていない。

訓練は最初こそ苦痛など無く楽しかった。でも、時が経つにつれて楽しさは消え、苦痛となった。

毎日毎日繰り返す。戦い、返り血を浴びる日々。もう慣れた。でも、命を奪うこの行為は嫌だ。

訓練のためだけに、私たちのためだけに奪われていく命。当たり前のように奪われていく。

私たちはこんな事をしたいわけじゃない。...いや。むしろしたくないのだ。私もレイも。

私たちはずっと、ずっと、何年も前から話していた。私たちの理想の生活。それは...

普通の人間たちのように平凡に、平和に、暮らすこと。命を奪う必要のない。穏やかな生活。

レジェンダリー・フラクト《伝説の命》なんて関係なく暮らしていくこと。

そんな生活をしたい。この施設から出ることができたならレイと新しい家族とで静かに...

そんなことを考えている間に訓練の時間が終わる。終わると同時にレイが私の元へ走って来る。

「レナ~!聞いて聞いて~!今日の訓練ね!成績一位だったよ~!」

「それ毎回じゃん!wでもよく頑張ったね!おめでとう!」

「うん!...でもレナも毎回一位でしょ?何で喜ばないの?」

私は黙り込んでしまう。双子の姉として、嫌だとか、嬉しくないとか、弱音をいってはいけない。弟を不安にしてはいけない。そう思っていたから。

「レナ...?どうしたの?何で黙ってるの...?何でうつむいてるの...?」

恐らく心配してそう問いかけられているのに、私はプツンときてしまった。

今まで思いを溜めていた分、感情的になってしまったんだと思う。

「...この訓練は嫌いなの!何の罪もない、ただ訓練のためだけに集められた外の人たち。それを当たり前のように殺していく私たち...自分で言うのもなんだけど、訓練を受けている時に平気で武器を振り、人を殺している自分がすごく嫌い。考えているだけで反吐が出る。」

私は熱が入り、つい言い過ぎてしまった。気づいてはっとした時にはもう遅かった。

レイの瞳は罪悪感を抱えているのと、自身への嫌悪を思わせるように黒く光っていた。

「レナ...なんかごめん...僕、無神経にレナに聞いちゃった。少し考えれば、レナのこと考えれば、レナからの答えはこうなるって分かっていたはずなのに...僕のためにレナは感情を抑えてたのを知っていてはずなのに...僕は...僕は何で...こんな事を...レナに...」

私こそ分かっていたはず。この事に関しては...レイのほうが人一倍嫌っており...

人一倍訓練で当たり前のように人を殺し、命を奪っている事に罪悪感を持っていて、そして...

人一倍、誰よりも自身を嫌悪して嫌っている事を。それを思い出さないように明るく考え、明るく接して自身を偽っている事を。分かっていたはず。

レイの手は強く握られ、今にも血が出そうになりながら細かく震えている。

目からは大量の涙。その瞳からは変わらず罪悪感と自己嫌悪を思わせている。

「レイ...嫌なこと思い出させてごめん...ごめんなさい...!」

私は懸命にレイに謝り、慰めていた。そんなことが償いになどならないと知りながら。

そう。これは私たち双子の絶望の物語。




いかがでしたしょうか?
なるべく頑張って書いて更新していきますのでよろしくお願いします!!
(↑前作でも確か言ってますごめんなさいw)


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