ソフィーのアトリエ~不思議な貞操観念の錬金術士~ (伊倉米磁)
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1.大人のおつきあい

「だから違うって言ってるでしょ!」

 もう日も落ちた村はずれの丘の上、ソフィーのアトリエの中からそんな怒鳴り声が響いてきた。

「いいえ、そんな事はありません、この素材はこう詰めるべきです。それが定石でしょう」

「だーかーらー! これはこっちだって!」

「私の錬金術の技術を学びたいと言ったのはソフィーです。今は分からないかも知れませんが……」

「その定石が古いって言ってるの!」

 ぴき、と人形の艶やかな眉間にシワがよる。見るものが見れば製作者の技巧に感動しそうな光景だが、そんなものに気を払う人間はこの場に居なかった。

 ソフィーが知識の大釜をめぐる騒動を片付けて、さあこれからも錬金術を学び続けよう、となった時、当然のようにプラフタに師事を仰いだ。プラフタも二つ返事で了承し、修行の開始となったのだが……

「ふ、古いとはなんですか。時代を超えて受け継がれるのが定石というもので、ソフィーもいつかきっと……」

「効率的じゃないでしょ、今この調合で!」

 そう返すソフィーも、昔からの親友でさえ見たことがない、というくらいにヒートアップしている。プラフタへの全幅の信頼があってこその態度だ。モニカあたりが見れば少し嫉妬するくらいに。

 だがそれも、当事者からしてみれば気付く余裕などなく、二人の口論は熱を増していき、ついには決裂した。

「もう知りません、ソフィーはこれから一人でやっていってください」

「うーっ! プラフタなんか、よその子になっちゃえ!」

 子供か、という言葉の応酬を最後に、機械のように正確な歩調でプラフタが出て行くのを涙目で見ているソフィーは、ぶうっと頬を膨らませて、ベッドの上で体育すわりになって愚痴り始めた。

 と言って、いつまでも怒っていることが出来るような性格ではないソフィーの事、10分もすれば後悔し始める。

「プラフタ……追い出しちゃったけど大丈夫かな……ひもじい思いしてないかな……うちに帰ってきてくれるかな……」

 この町でそうめったなことが起きるとは思えないが、万が一の事を考えてしまって急激に不安が心を浸していく。たとえ暴漢が現れようと単身でボコボコに出来るプラフタがどんな危険に見舞われるのかは特に考えてはいなかった。

 結局すぐにソフィーは家を飛び出して行った。

 きょろきょろと、むしろ迷子の子供のように視線をめぐらせながら町に下りていくと、あっけないほどにプラフタはすぐ見つかった。

 ただし、モニカの家の前で。

 プラフタが首を振って、モニカが苦笑して。なにかを喋った後、プラフタはモニカの家に入って行き、普通に扉が閉まった。

「あ、はは……」

(プラフタ、今日はモニカの家に泊まるんだね……大丈夫だね……)

 ほっとしたのも一瞬、じくじくと胸が痛み、寂しさに涙がにじみそうになる。肩を落としながら、すぐに家に戻る気分にもなれず……モニカの家を通り過ぎて、町に下りて行った。

「はぁーっ……」

 ソフィーに似つかわしくない重苦しいため息をつきながら、町の中央にある噴水まで歩いてきていた。夜の闇に包まれた広場には人の気配はなく、しかし独りの家の中とは違って町の明かりに遠巻きに包まれたこの場所は何故だか落ち着いていくような気がした。

「おや、どうしたんだい?」

「ひゃっ」

 誰も居ないかと思っていたが、噴水の影に誰か居たようで、突然声をかけられて、小さく悲鳴を上げてしまった。振り向いてみると、いつも広場でよく見る顔だった。

 名前は知らないが、一流の冒険者だ。冒険しているところを見たこともないが。

「えっと……」

 普段なら笑ってなんでもない、と言って歩き去る所だが、ソフィーは今無性に人恋しかった。なので、

「はぁ……聞いてくれますかー?」

 などと言いながらがっくりと肩を落として、全身で気持ちを表現しながら男の隣に腰掛けた。その近さに男が内心ドキッとしていると、ソフィーの愚痴が始まる。ふんふんと相づちを打ちながらじっくりと聞いてくれる男に、ぽつぽつと話を続けていくソフィー。一区切りついたところで、ようやく男が喋った。

「つまり……師匠と指導方針について話し合っていた、と。でも聞いてる限り、ソフィーもそのプラフタって師匠のこと嫌いじゃないんだろ?」

「うー、そりゃ、嫌いなわけないですけど……」

「じゃあ素直に謝ればいいんじゃないか?」

「分かってるんですけどぉ……」

 どうにも煮え切らない事ばかり言うソフィーに腹を立てることもなく、一流の冒険者はバックパックから数本のビンとコップを取り出した。

「ははは。まあ気持ちは分かるよ。そういう時は、酒でも飲んで寝てしまうのが一番だぜ」

 ちゃぷ、と目の前でビンを振ってみせる。ソフィーは苦い顔を返した。

「えー? お酒の味って、私あんまり……」

「飲んだ事あるのか?」

「いえ、無いですけど……アルコール抜きのを、カフェでちょっと」

「ああ、マスターのあれか。でも、もっと良い飲み方があるんだよ」

 言いながら、男はコップに少し……に見える量の酒と、ほぼ透明な液体を注いだ。

「りんごジュースに酒を混ぜるんだ。これが結構美味いんだよ」

「あ、なるほど……ジュースならちょっと飲んでみたいかも」

 どうぞとコップを手渡され、両手で持って口付けてみると、りんごジュースの味と香りに、強烈な香りと熱い舌触りと喉越しの混じった、これまで経験したことも無い飲み物だった。

「ん、わ……! 前に飲んだお酒とは全然ちがう……」

「だろ。それも結構お高い、良いやつだからな」

「え? 良いんですか、そんなお酒を」

「いーのいーの。ソフィーとは初めて話したけど、依頼を何度かやってもらってるからさ。何かお返しがしたくなったんだよ」

 そういわれて、ソフィーの表情がようやく明るくなった。

(そっか……私、色んな人の役に立ててる……もう昔みたいに、独りじゃないんだ)

 その事実がすとんと胸に落ちて、さっきまで感じていた居ても立ってもいられないような寂しさが、かなり薄れていくのを感じた。こんな気持ちなら、明日の朝一番でプラフタに謝りに行く事だって出来そうだった。

「……ありがとう、ございます。嬉しいです」

「そうか。なら何よりだ」

 そうして、月明かりに照らされて静かに酒を酌み交わす、ソフィーにとって始めての大人の夜が過ぎていった。

 

 

「んっくんっく……ふはーっ……もういっぱい!」

 その数十分後、赤ら顔のソフィーが男にコップを突き出し、お代わりを要求していた。男も苦笑しながら、簡単なカクテルを作る給仕係を努め続けた。

「んごっごっごっ……あ──っ、おいしーっ!」

 ふにゃふにゃになって男に体を預けながら、初めての酒を多いに楽しむソフィーだったが、不意に目をしばたかせたと思うと、

「むにゃ……ぷらふたぁ……」

 いきなりスイッチが切れたように眠り始めた。はぁ、と微笑ましいものを見る眼差しで男はそれを見守り、ソフィーの飲みかけの酒を煽ると、片付けてから軽い体を丁寧に抱き上げて、丘の上……ソフィーのアトリエまで歩いていった。

 

 

 ここで終われば単なる思い出の1ページで済んだ所だったが、事件は男がソフィーをベッドに横たえて、靴を脱がしてやろうとした時に起きた。

 夜なお明るいアトリエの中で、自然に脚を広げた格好で眠るソフィーの、純白のパンティに包まれた股間をばっちり見てしまったのだ。まばゆいばかりの太ももに連なるそこは、中心……マン筋の左右が見て分かるほどにふっくらと盛り上がり、熟れた果実のように柔らかそうな陰唇がその薄布一枚を隔てて自己主張しているかのようだった。

 光に誘われる蛾のように、ふわりとソフィーのスカートをめくり上げ、これまで誰も見たことのない恥部をじっくりと観察した。顔を近づけて臭いを嗅ぐと、酒を飲んだ影響か若干の汗臭さと、それ以上に少女の甘酸っぱい性臭が存分に感じられ、男の劣情にさらに火が点いた。大胆にも腰を持ち上げるようにして下着を一息に脱がせると、予想通りに白いもちもちとしていそうなふんわり膨らんだマン肉と、おそらく手入れも碌にしていないのだろう、薄めながらも全周囲に生えている陰毛のコントラストをばっちりと拝む事が出来た。

 さらに調子に乗って、プニプニの肉を左右に割り開き、美しいピンク色をした中身に舌を這わせた。

「はぁっ、ん……」

 うっとりと、もれるようなため息がソフィーの唇から漏れるが、もはや男は止まらない。真夜中で誰が訪れるでもないアトリエの中で、いつもの格好にノーパンの状態でソフィーはぴちゃぴちゃと股間を舐められ気持ち良さそうに吐息を漏らし続ける。

 目を覚ます気配の無いソフィーの、唾液でぬらぬら光る勃起したクリトリスを見つめながら、男はとうとうソフィーのスカートを脱がした。そして自分も全裸になり、ついでソフィーの上も脱がしていく。まだ気持ち良さそうに眠ったままのソフィーのピンク色をした乳首にむしゃぶりついた。

「あっ、んんっ♥」

 ねろねろと舌で転がしてやると、これまでよりもさらに快感の度を増した吐息が漏れる。完全に女の喘ぎ声になっていた。男は目が覚めないようにそれほど強い刺激は与えず、しかしクリトリスや周りの肉もやわやわと刺激し続けて何も知らない少女に性欲を植え付ける事に腐心する。

「はぁーっ♥ はぁーっ♥」

 数十分も続けてやると、ソフィーは全身を桜色に上気させ、口元にはよだれの跡、胸や腹には玉のような汗を浮かべていた。くち、くち、と粘っこい愛液を指先で弄びながら、慎重に膣に挿入していく。ぴくん、ぴくんと痙攣するものの、拒絶はされていないのを確認しながらヌルヌルと侵入していくと、ぷりぷりと弾力のある壁に行き当たった。真ん中には穴が開いており、指の一本くらいなら入りそうだ。ソフィーのこれから失われる処女膜に触った唯一の男になった一流の冒険者は、ゆっくりと慎重に膣内をほじくり回し、ソフィーの処女穴の感じるポイントをいくつか確認した後、自分の肉棒にたっぷりの愛液を塗り馴染ませた。

 寝ているうちに体を弄ばれた快感で自然に股を開いているソフィーの脚をそっと持ち上げ、本格的に男を受け入れる体勢にさせてから、これから処女で無くなるソフィーのクリトリスや陰唇の感触を肉棒にこすり付けて味わう。

 くぷ、ぷちゅちゅ、と卑猥な音を立てて、熱くぬかるんだソフィーの膣が男の肉棒を熱烈歓迎で迎え入れた。拒むようでもなく、奥へと飲み込むような膣の蠕動はついさっき膜を確認した男でさえ本当に処女かと疑いたくなるほどだった。

「あ、ん──っ♥ はぁっ、はぁっ♥」

 快感のボルテージが一段階上がったようにソフィーの艶めいた寝息も激しくなる。だが目を覚ますことなく、ぷちんと軽い抵抗の後にあっけなく姦通が済んだ。

「んっ、あ……ふぇ……」

 そこでようやく、ソフィーが目を覚ます。

「ふぁれ……ぼーけんしゃさん……?」

 だがその目はトロンと酒とセックスに酔っ払っており、とても正気とは見えない。男は大胆にも、酒瓶から一口含み、ソフィーの初めてのキスをも無造作に奪った。

「んっ、ふぅー……♥」

 こく、こくと可愛らしい嚥下の音と共に、男の唾液と酒を恍惚とした笑みで飲み下していくソフィーの心には、ふわふわとした幸せが渦巻いていた。

 それこそが男の飲ませた名酒の『効果』であり、『酔いが長引く』、『幸せ気分』『二日酔いしない』という強力な布陣であった。

 ずぶずぶと自分の深いところに侵入してくる男の熱さ、太さ、硬さが。無遠慮に舌を絡め、口の中を余すところ無く舐めまわす舌と舌との絡み合いが。ソフィーの心の奥底で、幸せという感情と結ばれて、べっとりと癒着していくのを、レイプされている当のソフィーが一番の歓喜を持って迎え入れていた。

(これ、すっごい……気持ちいい……♥♥♥)

 ぐっぷりとソフィーの浅い膣を征服した男の肉棒は、余裕を持って穢れを知らなかった子宮口に亀頭をこすりつけ、汚らしいレイプ魔の先走り汁をそこに塗りこめる。刺激が強ければ強いほど今のソフィーには幸せに感じられ、ポルチオ性感を自分で開発するかのように自分から大股開きになり腰を密着させる。そのまま不器用に腰を揺らめかせ、亀頭と子宮口が熱烈なキスを繰り返しているように擦れあった。

 何もせずとも自分から蕩けていくソフィーに気を良くしたように、男もソフィーの首筋に唇を這わせ、マーキングのようにキスマークをつけていく。だが過去にも同じような手口で女をハメた経験のある男は、ここで力を入れすぎると酔いが逃げてしまう事をよく知っている。じっくりと、ソフィーの幸せを尊重するかのようにほとんど動かず、時折口を湿らす程度に酒を含んで、ソフィーにキスで分け与える。最初は無反応だったソフィーも、酒で学習させられて、いつしか酒無しでも唇を少し尖らせてエロティックなキス待ち顔を晒すようになった。快楽に自分から腰を振っている彼女の期待に応えるべく、濃厚に舌を絡ませ、歯茎も何もかもを丁寧に舐めまわすと、肉欲にぬれたソフィーの目が微笑むように細められた。

 銀の糸を引きながら唇を離し、そろそろ本格的に犯すことも出来るかとそっと胸を揉んでやると、

「ふあぁんっ♥ はっ♥ あああっ♥」

 とろとろに蕩けきった、生娘には決して出せない男をその気にさせる声音で甘い声を上げ、きゅ、きゅ、と膣を締めて腰をゆらゆらと振り、期待するような眼差しを男に向けた。

 ようやく、男はソフィーの白く細い腰を掴み、思い切り腰を引く。粘質な音と共に二人の股間が離れ、そして一瞬後にぱぁんっ! と男の筋肉質な下腹部と、ソフィーのむっちりとした陰唇がうち合わさる、紛れも無いセックスの音がアトリエの中に響いた。

「ああっ!」

 悲鳴のような声がソフィーから漏れるが、表情を見れば一目で分かるほど、男の肉棒に貫かれた事に幸せを感じていた。その様を見届けて、男は打って変わってリズミカルに、いっそ機械的なほどに一定の速度でピストン運動を始める。

「あっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥」

 まるでオルゴールのように、男の腰使いに合わせてソフィーが悦びに喘ぐ。

 その視線は寝そべったままベッドの天蓋に向いており、男のことなどちらりとも見ない。男を拒絶しているのではなく、今のソフィーの頭にはセックスの幸せの事しかなく、肉棒にあわせて腰を振るだけの肉人形を化してしまっていた。

 これは男は知らないことだが、ソフィーは裸と言ってもアクセサリをまだ身に着けており、全能の力をはじめとする錬金術の粋を集めた超高品質もあいまって、冒険者の男など軽く凌駕するほどの肉体性能を維持していた。

 だが、目の前のレイプ魔を払いのけることには使わず、滑らかに腰を振って、より深い快楽を味わう事にだけ全力を注いでいる。

 親友が、周りの大人が、何よりプラフタが愛情を持って接してきた、初恋さえまだ経験していないソフィーという可憐な少女が、酒によって生み出された人生で初めて感じる圧倒的なまでの多幸感に溺れて、つむじからつま先まで淫売のように肉欲に蕩けていく様を、名前さえ知らない冒険者の男がじっくりと観察していた。

「んあっ、あ──っ、あっ、あぁっ!」

 そうしてピストンを繰り返すうち、ソフィーの瑞々しい肉体が震え、喘ぎ声も切羽詰ったように切なげで悲鳴のように大きくなる。痙攣を繰り返す膣の感触を最高の美酒として味わいながら、男はやはりペースを乱さずにソフィーの膣をほじり続けた。

「ああ──っ! あ、ぁああ────っ!」

 髪を振り乱し、両脚をV字にぴんと伸ばして、全身でセックスの快楽を表現するソフィーは、もはや手馴れた商売女の演技のようでさえあった。誰が、これが全て本心からの行動であり、さっきまで処女だったと想像できるだろうか。

 パコパコという股間の鳴らす間抜けな音と、ソフィーの粘つく愛液の立てる水音がアトリエに充満し、数時間前までプラフタと笑いあっていた空間は名前も知らぬ男とセックスをするためのヤリ部屋に堕していった。

 それにトドメを刺すように、男の力強い一突きがソフィーの子宮口に突き刺さり、プラフタを人形にしたときの喜びとは比べ物にならない大いなる幸せがソフィーの心全てを甘く蕩かし、祝福の熱いシャワーを顔や胸に浴びて、初めて嗅ぐ精液の臭いを幸せの象徴として心の深い部分に刻みつけながら墜ちるように眠りについた。

 

 

 

(あー……なんかあったかい……プラフタ……?)

 翌朝、日の出と共に目を覚ましたソフィーを暖かな感触が包んでいた。

 それは当然プラフタではなく、男のたくましい胸板と腕枕だ。

(は、え? なんで……!?)

 一瞬にして覚醒するが、絶句して声が出ない。昨日の記憶を探ってみると、

(…………!!! わ、私、あんな、えっちな……!)

 しっかりと、細大漏らさず、昨晩のセックスの事を思い出す。溺れるほどに幸せな思い出として。酒に酔わされ強姦された事を思い出したのに辛い気持ちにならないのは、果たしてソフィーにとって幸せであったかはともかく、あまりに破廉恥な行いに顔は真っ赤になり、背中に嫌な汗が流れ出す。

(なんでだろ……ひどい事されたはずなのに、怒る気になれないや……)

 思い切り張り倒して刃物の一つも突き刺してやる位の罪深い事をしたはずの男に対して、ソフィーはそんな感情を抱いてしまっていた。それは昨晩のセックスの気持ちよさや、男が非道であったが暴力は使わなかったことや、

(男の人の腕の中って、何か安心する……)

 たっぷりと幸せを覚えこまされたせいで、ソフィーの中で『男』との距離感が狂っている事、

(なんだかお父さんに抱っこされてた時みたい……)

 ソフィーに巣くっている寂しさを一時的にでも綺麗に消してくれる狂おしい肉の交わりの味を、酒が抜けた今でも心の中で求め続けている事、それらがない交ぜになって、慈愛とでも言うべき感情を引き出していた。

 二人して全裸で、一つのシーツにくるまれていると、ここが自分のアトリエであることを忘れてしまいそうになる。

(自分の……アトリエ?)

 大事な事が脳裏を掠め、ざっと血の気が引いた。

「ああ────っ! やばい! プラフタが帰ってきちゃう!」

 がば、とベッドで立ち上がったソフィーの裸身が朝日に照らされ、乳首の傍にくっきりと残されたキスマークが照らされ、愛液に湿ったままの股間がきらめいた。

「んお……?」

 一流のレイプ魔が目を覚ますと、ソフィーは猛然と食ってかかった。

「なんてことするんです! 私に、その、ひ、ひどい事を!」

 見下ろしている体勢とはいえ、全裸のせいで大して迫力も無い。さらに本気で怒っている様子でもないため、酒で気の大きくなっていた昨夜の蛮行を思い出した冒険者は自分の命がつながった事にまず安堵した。

「こ、こんなことして、せせ、責任を」

 言いながら、自分がどんな行為をしたのかに今更思い至って赤面していくソフィーに、男は真面目腐った顔で、

「いや、すまない。これもまた、大人のお付き合いなんだよ。一度抱いたくらいで恋人面するつもりは無いから、安心してくれ」

 いけしゃあしゃあと言い放った。

「ええっ?」

「ソフィーもほら、昨日の沈んだ気分なんかどこかへ飛んで行っただろ?」

「あ、う、いや、それは……そう……かな?」

 タチの悪い事に、男の言うとおりにソフィーの心は軽やかだった。それは処女を強姦で奪われた事を嘆く機会を一生奪われるという事でもあったが、男に言わせれば、気持ちよく処女を棄てられて大人になったという所か。

「そういうことさ。こうやって皆大人になっていくものなんだよ」

 男は上半身を起こすと、間抜けにもマンコを目の前に差し出すように仁王立ちのままのソフィーの股間にむしゃぶりついた。

「ひゃああっ!?」

 股の間に顔を挟んで閉じられないようにした上で、じゅるるっ! と大きな音を立ててクリトリスも膣口も刺激してやると、

「ちょっ、やめっ、あっ♥ んっ♥」

 男の頭に両手を乗せて、腰が抜けたようにソフィーの体がくずおれ、されるがままにクンニを受ける羽目になってしまう。昨夜のように愛液が溢れ出したソフィーの膣の具合を舌でかき回して確かめると、トサッとベッドにうつ伏せに転がした。シラフで犯すには、面と向かっているよりも肉棒を純粋に感じやすい後背位が一番だ。今のソフィーの体がセックスを覚えたてのサルになっている事は、ちょっと舐めただけでぐしょ濡れにしたことで確認できている。

 慌てて立ち上がろうとするソフィーに後ろから覆いかぶさって、ヘッドボードに互いの両手を恋人のように重ね、膝立ちの体勢で挿入した。

「あっ♥ はっ♥ あっ、あっ、あっ♥♥」

 酒が一滴も入っていないソフィーが、肉棒を深く咥え込む程に女の貌に変わっていく。体を密着させて少女の滑らかな尻と背中の感触を楽しみながら、男は余裕の表情でゆったりと腰を使った。

「気持ちいいだろ? 大人の付き合いってのは、酒も、セックスも、気持ちいいものなんだよ。ソフィーも素直に受け入れてくれると嬉しいな」

「きもひっ♥ いいけどぉ♥ こんなの、だめぇ♥」

 体はとっくに蕩けているが、ほんの少し残った乙女らしさを残すソフィーの、無防備な子宮口を亀頭で撫で回す。

「んいひっ♥ それだめっ、だめだめだめっ♥」

「大人の男と女は、こうやって寂しい時にお互いを幸せにするものなんだよ。何もおかしい事じゃないんだ」

 ソフィーの周りには奇跡的に一人も居なかった、悪い大人の甘い毒が、子宮口を通じて全身に回っていく。

「はぁ……いい、の……? これ、気持ちよくなって……幸せになって、いいの?」

 何も知らない少女が、今、心から男に股を開いた。それを祝うようにニッコリと微笑みかける。

「ああ、もちろん。寂しくなったり、気持ちよくなりたくなったら、何時でも俺に相談してくれよな」

 大きな充実感に、甘く射精してしまいソフィーの子宮がまたも男の欲望に塗れ、穢れていく。それを知覚したかのように雌の声で甘く一啼きして、ソフィーは大人の付き合い方を教えてくれた男に振り返った。

「じゃあ、いっかいだけ♥ いっかいだけ、あのふわふわ♥ってするの、して♥」

 清らかな朝日に照らされる中、男女のシルエットが一つに重なっていく。

 

 

 運よく誰も通らなかったアトリエの前には、昼すぎまでソフィーの幸せそうな喘ぎ声と、ベッドの軋む音が響いていた。



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2.錬金術士として

 ソフィーが酒によってレイプされ、翌朝にすぐ同意の上でセックスを始めてから、何時間も経った。真昼を少し過ぎたところで、ソフィーはベッドの上で尻を高々と突き出した体勢で突っ伏し、股間からは愛液のよだれが糸を引いていた。背中には精液が好き放題にぶちまけられ、いくつもの精液だまりと、激しいセックスによってそこから放射線を描くように精液が伝った跡が残っており、この体勢でずっと盛ってきた事がありありと伺える。

(きもちいー……)

 喧嘩別れしたプラフタのことなど、跡形もなく吹き飛んでしまうほどにセックスの快感、幸福感は圧倒的だった。体の中にゆるく渦巻き続けている絶頂の余韻をスープ皿を舐めまわすように浅ましく貪りながら、ようやくソフィーは正気を取り戻し始めた。

「ん……ああっ! やばいやばい! こんなことしてる場合じゃなかった!」

 日の出から今まで夢中になってセックスしていた事実など放り捨てて、ただのおぼこい錬金術士だった昨日までと同じように、驚き慌てふためく。

「お? ああ、ソフィーの師匠が来るかもって話か」

 後ろを振り向くと、全裸でプラフタの椅子に座っている男が水を飲んでいた。

「そう! そうだからさっさと出てってください!」

 自分をセックス漬けにした男に、勢いよく叫ぶ。その顔にはもう照れはなかった。全裸で乳首も愛液をたらしている股間も隠さずに、びしっと指を突きつけて、着替えさせてアトリエから追い出す。

 精液でガビガビになった背中を、あまりものの破れた紙片でガシガシぬぐってから風呂場でピュアウォーターを頭からかぶって体用のブラシも使って綺麗に落とす。愛液と精液の性臭が満ちているアトリエの窓を、正面以外開け放ち、換気しながらベッドのシーツを剥ぎ取り、しつこくこびりつく精液を聖水まで使って念入りに落とした後、変なシミになっていないか広げて確かめて、外にある物干しに掛けておいた。

 全裸で外に出てしまった事に慌てながら、いつもの服をそそくさと着る。すんすんと鼻を鳴らして臭いをかいで見ると、どうしても昨日の臭いがまだ残っているような気がするので、そよ風のアロマを焚いて誤魔化しておいた。

「ふうっ。ようやく格好ついたかな? これでプラフタのところに行ける……」

 昨日からこっち、大変な事がありすぎてもう怒りなどどこかへ行ってしまった。そうするとソフィーに残るのは寂しさだけだ。昨日はセックスで寂しさを紛らわせていたが、それはさておいてソフィーはプラフタに会いたくて仕方なかった。

 そのまま家を飛び出し、モニカの家の前でたるに腰掛けて不機嫌そうに貧乏ゆすりしていたプラフタを発見し、涙ながらに飛びついた。

「ふんっ。ソフィーは私のことなどいらないんじゃなかったんですか?」

 つんと顔を逸らしたプラフタだが、その口元はにやけを堪えようとひくひく引きつっていた。

「うわーん! プラフタ、ごめんなさいぃ──!」

 ぎゅうとプラフタに抱きついて頬ずりするソフィーは、まるで母親に甘える子供のようでもあった。プラフタの人形の胸にソフィーのノーブラの胸が押し付けられる。男とセックスした後に慌てて片付けたので、今はノーパンノーブラで外に出てきたのだった。服自体の布が厚めだったのでプラフタはそれに気付かず、慈愛の表情を浮かべてソフィーの頭を優しく撫でる。

「はいはい、しょうがないですね、ソフィーは……さ、家に帰りましょうか」

「……っ! うん!」

 穢れない満面の笑みで、ソフィーが頷いた。

 二人はアトリエに帰っていき、また錬金術の修行を始めた。さっそく材料を取り出そうとコンテナを開けたソフィーは、かすかに漂う匂いにコンテナの口をなるべく閉じて中から材料を取り出す。

 プラフタは人形の体では錬金術を使えないので、コンテナの中身を覗いたりはしないが、そこにはソフィーが昼過ぎまでセックスに夢中になった唯一の物証となる、精液で黄ばんだ破れた紙片が大量に納められていた。

 たったそれだけの臭いで、ソフィーは雌の貌が表に出て来そうになるのを堪えねばならなかった。このままコンテナを開け放ち、紙片を取り出して鼻にくっつけて思い切り精液の臭いを胸に吸い込んでオナニーしたい衝動を押さえ、背後に居るプラフタに純朴な少女の顔で振り向く。

 そうして、いつもより手際悪く、コンテナと釜の前を往復する回数を増やしたりしながら、錬金術を勉強していった。

 プラフタが寝静まった後、ソフィーは一人起き上がり、こそこそとコンテナを開け精液付き紙片を取り出す。昼間は出来なかったので、臭いを思い切り堪能し始めた。

(はぁ……くらくらする……昼間のおちんちん、思い出しちゃう……)

 このまま家を抜け出して、広場まで行って、あの冒険者を誘って朝までセックスしたい。そんなことを思いながらパジャマを脱いで下半身裸になり、膝立ちのまま膣に指を出し入れして気分を盛り上げていく。

(でも、あの人との子供が出来るのはやだな)

 初めて体を許した男だし、何度でもセックスしたいと思っている相手だが、好きでも嫌いでもない、ソフィーにとって心の底からどうでもいい相手だった。男の人格など、セックスの添え物でしかなかった。

 そんな男と子供を作ったら、プラフタが泣いて怒り狂うだろう。それは嫌だった。

(子供は作りたくない……気持ちいいセックスだけしたい……)

 奇しくも昨夜の男のような下種な思考に身をゆだね、くちゃくちゃと緩く膣をかき回しながら、ソフィーはつらつらとその方法を考え始めた。

(子供は、精液を私の中に注いだら出来るわけだから……そうならなければ大丈夫で……どういう道具がいいかな……)

 ソフィー自身気付いていなかったが、プラフタの手引きでなく、完全独自のレシピを考案するのは今回が初めてだった。ソフィーのセックス好きは、当然のように錬金術士としてのソフィーにも大きな影響を及ぼそうとしていた。

(おちんちんに、カバーみたいな……そう、私におちんちん突っ込んで……精液を、カバーにびゅーって……)

 やがて、急速に考えがまとまっていき、

(私の中で精液を吐き出すためのカバー、だから……トイレ……カバー……)

 ぴこーん! とソフィーに電撃走る。

「よし、ソフィレットカバーと名づけよう♪」

 こうして、今後文明が続く間永劫に、ソフィーは男達の精液便所として歴史に名を刻む事となった。

 そんな事はどこ吹く風で、さっさとレシピをまとめ上げ、音がしないようにこっそりと試製品を作り上げる。効果は極薄、熱さを感じる、破れない、さらに高品質だ。

「んー。これなら明日からセックスし放題かも♥」

 拾ってきたエロ本を隠す子供のようにこそこそとコンテナにソフィレットカバーをしまい、ソフィーは上機嫌でベッドに入って眠りについた。

 翌朝、プラフタがこんな事を言った。

「ソフィー、私も、町で働こうかと思っています」

「ええっ!? いきなりどうしたの、プラフタ!」

 目をむいて驚くソフィーに、プラフタは可愛らしく唇を突き出して、むっとした表情で応える。

「なんですか、その驚きようは。私もこの町の一員ですからね。外に採取に出かければ生活に苦労はありませんが、教会のお手伝いでもしてみようかなと思ったのです」

「そ、そーなんだ。うん! いいことだと思う!」

「へえ、ソフィーは私が働きに出て良いんですか?」

 からかうようなその口調に、今度はソフィーがむっとすることになった。

「えー、何が言いたいの、プラフタ?」

「私がいつも傍に居ないと、ソフィーが泣いて寂しがるかと思いまして」

「ち、ちがうもん! それくらい大丈夫だから!」

 顔を赤くして否定しながら、二人して笑いあった。結局、ドールメイクでブライトソウルに変えてからプラフタは出かける事になった。

「今日は3時くらいには帰る予定です」

「うん。行ってらっしゃい」

 手を振ってにこやかに送り出した。

(今まで大して気にしてなかったけど、プラフタの最初の服って凄くエッチだよね…………)

 自分があんな服を着たら、絶対に恥ずかしくて一歩も家の外に出られないだろう。セックスして性欲に濁った眼差しで見て、初めて理解できたソフィーだった。

(やっぱり、ああいうアソコもお尻も、おへそも見えてるような服を着たら、男の人はやる気になるのかな……レオンさんの服も胸の谷間出てるし、後ろがめくれ上がって……あのスカート後ろからセックスしやすそうだよね。私に作ってもらった服も、結構薄くてひらひらして、おへそ出してるし……大人のお付き合いとして、セックスを意識した服装になってるのかな)

 レオンのセンスに精液や愛液を引っ掛けるようなことをぼけっと考えていた。

 

 

 プラフタを送り出してまずソフィーがしたのは、当然ソフィレットカバーの量産である。精液つき紙片がなくなるのはちょっと惜しかったが、手持ちの材料全てを使い

尽くして、100個ほどは作りまくった。

 作ってみて気付いたが、このソフィレットカバーは、精液を溜めて採取する事にも使えるようだ。ためしに水を入れてみたところ、ちょっとした皮袋ほどの大きさに、パンパンに詰めて口を縛って上下に振ってみても、まだ破れないほどの伸縮性を持っていた。

「えへへ……精液の、品質かあ……」

 この地方を駆け巡ってきたソフィーでも、男の精液を錬金術の素材として見たことは一度もなかった。

「そう、そうだよ……素材の採取は、錬金術の基本だし……これからいっぱい、何度でも、定期的に、採取しないと……」

 マンコをうずうずさせて、セックスをするために自分に言い訳をするソフィーは、確かにある意味大人になったといえるかもしれない。

 ドアをそっと開けて、きょろきょろと不審者のように誰にも顔を会わせず町に下りたソフィーは、教会前の噴水でボケっと突っ立っている自分の初めての男に物陰から声をかけた。

 ここまで来るのにモニカに見つからないように隠れているし、ジュリオも同じ広場に立って辺りを見回しているし、何よりプラフタとパメラが子供たちの相手をしているのがはっきりと見えている。

「どうかしたの、ソフィー?」

 すっとぼけた顔で声をかけてくる男の手を引いて、隠れながら引き返した。「実は、こういうものを作ったんです」

 と言って、今はくるくると巻かれて円盤状のソフィレットカバーを突きつける。熱を感じやすい黄金のプニプニ玉製のゴム質の袋は、無意味にゴージャスな感じだった。

「えっと? なに、これは」

「これはですね、おちんちんに袋を被せたままセックスすれば、精液が私の中に出ずに袋にたまるっていう道具です」

「あー……なるほど。簡単確実に避妊が出来るわけだ。凄いなソフィー! で、何ていう名前なんだ?」

 何回か女を食った男は、子供が出来た時の面倒さをいやと言うほど知っていた。なので素直に心から賞賛する。

「ふっふっふ……それはですね、ソフィレットカバー! って名前です!」

 ニヤリとドヤ顔で自信満々に発表したその名前に、さすがの男の表情も一瞬固まるが、何とか取り繕った。

「そ、そうか。ソフィレットカバーね、うん。どういう由来……あー、いや、そんな事はいいか」

「それはですね、私というトイレに精液を出すためのカバーなんです!」

 わざわざ聞かないでおいてやった男の気遣いを無視して、胸を張って答えた。

「そ、そうか。これはどうやって使うんだ? 巻いてあるのかな?」

 とにかく話を進めようと話題を振ってやると、それにもニッコリと笑顔でソフィーは答えた。

「えっとですね、このさきっぽの精液だまりを指で押さえて……あ、やっぱりおちんちんがあったほうが分かりやすいと思うんで、脱いでくれます?」

 錬金術師として始めて独力で開発したレシピなので、嬉々として使い方をレクチャーする。

 元からセックスのためにソフィーの家に来たので、躊躇無く全裸になる。ソフィーにとってはその程度はもう動揺の対象にもならず、ギンギンに勃起させた肉棒に見蕩れながら男の前に膝立ちし、臭いが伝わってくるほどに股間の近くに顔を寄せてソフィレットカバーを男の亀頭に乗せた。

「こうやって、くるくるーって。わ、おちんちんが薄く光ってるみたい」

 金ぷにの伸縮性でぴったりと張り付いたソフィレットカバーに包まれた肉棒は、もはや性臭も無く、例えるなら動物の生肉から食卓に並ぶ食肉に加工されたように、男という無駄な要素を排除して純粋なセックスのための肉塊と化したように、ソフィーには思われた。

「お、これは凄いな……じゃあ早速、脱いでくれよソフィー」

「え? ん……」

 これからセックスをするのだから当然の要求かもしれないが、自分でも意外なくらいに、目の前の男に肌を晒すのは抵抗感があった。何も知らなかった昨日までと同じ位……というのはさすがにソフィーだけの感想で、抵抗感くらいで済んでいるのは男を知った女でしかありえなかった。

「あの、このままとか……」

「ええ? ここまで来て生殺しは勘弁してくれよ」

 既に自分の体を隅々まで嘗め回している男に服の下まで透かし見られるような視線を向けられるのは、正直不快感がある。だがソフィーもここまで来たらセックスしたくてしょうがない。

「じゃあ、コートと、……パンツだけ、脱ぎますから」

 コートをコート掛けにかけてから、前かがみでスカートの中に手を入れ、するりと脱ぎ捨て、部屋の隅の洗濯籠の中に放り込む。

 酔ったまま運び込まれたあの日と同じような体勢で、パンツを穿いてないソフィーがベッドに横たわり、顔を背けた。男は柔軟にソフィーの趣向を取り入れて勝手知ったるソフィーとの同衾を受け入れた。

 既にヌルヌルに濡れてつんと刺激的な甘酸っぱい臭いを漂わせるソフィーのスカートの中に顔を突っ込んで股間にむしゃぶりつく。

「ふあぁっ♥」

 唇がクリトリスを包み込んだ瞬間に甘い声を漏らし、舌で転がされるたびにソフィーのほっそりとした白い脚は持ち上がり、スカートを自ら捲り上げて、極自然に男に股を開いていく。男はクリトリスへの反応の良さを確かめてから、膣口にそっと指を挿入し、愛液をまとわり付かせながら膣内の感じるポイントを探り当てる。

「ひんっ♥」

 恍惚としたソフィーの声が、Gスポットをなぞり上げる度に鋭く息を呑むような調子に変わり、セックスに没頭し始めたのが伝わってくる。

 そろそろかなとスカートをズリ下ろすと、ソフィーから腰を上げて手伝ってきた。やはり、急激にセックスに慣れたために、まだ処女の頃の恥じらいが残っているだけのようだ。だがそれも、少しクンニしてやれば吹き飛んでしまうようなうすっぺらいものでしかない。

 それを確認して、男は下半身丸出しになったソフィーのGスポットを絶頂しない程度に刺激してご機嫌を取りながら、

「上も脱いでくれ」

 言葉すくなに命令……いや頼みを口にした。

「うん……」

 自分の処女を無理やり奪った男を家族の居ない間に家に連れ込み、セックスしたさに素直に股を開き、服を脱ぎ捨てるソフィーを見て男の胸に充実感が溢れてくる。

 その余裕がソフィーに対する優しさとなって出てきていた。

「さて……じゃあ早速、ソフィーを俺の精液便所として使わせてもらうかな」

 ソフィーは女としての尊厳など放り捨てて、蕩けるような笑みでその言葉を受け入れ、緩く曲がったままの脚を持ち上げ、自分の指で性器を広げて見せた。

「うん……♥ 入れて♥ 私の中に入れて、精液だして♥」

 ぐぷ、と肉棒の挿入と共に愛液が溢れ出し、みだらな音を立ててソフィーの股間の下のシーツにシミが広がっていく。

「お、ほおお……こりゃ、不思議な感じだな。薄皮被せているからどうかと思ったが……十分熱さも伝わるし、マンコのヒダまで感じ取れそうだ……」

「えへへ……でしょう? 精液びゅーびゅー♥って出して、もっと実験してみて♥」

 囁くような優しいソフィーの声音が男の耳に染み入り、勃起の硬さを増した。細い腰を掴み、遠慮なく腰を打ち付けあう。

「あっ、あぁ──ーっ♥」

 三度目となるセックスで、ソフィーは慣れ始めていた。昨日のように我を失うほどに狂乱しては居ないが、落ち着いて自分から股を開いて受け入れている分、今が一番気持ちよさを深く堪能できている。

 正常位で向かい合い、抱き合って、乳首をこねられディープキスを激しく交わす。愛情も、子供を作るという目的も存在しない、純粋な快楽目的のセックスは、ソフィーにも男にも妊娠の不安を棄てさせ、セックスへの集中を促してくれていた。

 ソフィーは足を高々と上げ、胴に脚を絡ませて、男の背中の真ん中辺りで足首を組み、正常位でありながら腰から下を完全に浮かせて男の動きに合わせて一番気持ちいい所に肉棒を誘導する。背骨から全身に波及するような痺れを、真っ赤な顔でよだれをたらしながら、貪欲に受け入れていった。

「あ゛っ♥ あ゛っ♥ あ゛っ♥」

 やがてソフィーにも限界が訪れ、ずっしりと重く深い快楽を表現するかのように、獣のいななきのような、低めの声音で意味を成さない喘ぎ声が漏れ始める。切羽詰った表情からは、今にも爆発してしまいそうな快楽を、より大きな絶頂のために全力で押さえ込んでいるのが良く見て取れる。幾筋もついた涙の跡とよだれでべとべとになった口元、そして男の顔の少し上の虚空に彷徨わせた視線が、ソフィーの感じる快楽の深さを示していた。

 射精のためにソフィーの深いところに亀頭をこすりつけ、子宮口の弾力のある熱い感触を感じながら、一番奥で射精した。

「お゛っ、ほ、おぉぉぉ……♥」

 肉棒の脈動に感じているのか、膣内射精された事に興奮しているのか、ソフィーはうねうねと膣全体を蠕動させて精液を搾り取ってきた。一切逆らわずに、気持ちよく全部出し切らせてもらう。ソフィレットカバーに阻まれて、熱い精液が子宮口の前で袋になって膨らんでいく。不思議な感触に、男がくいと腰を突き出して、それをソフィーの一番奥に押し付けた。

「あっ、は……♥」

 その瞬間、痙攣するように膣全体がぎゅ、ぎゅと収縮し、男の最後の一滴を搾り取る。ソフィーはゴム質の袋に包まれた射精したての精液が子宮口に押し付けられる感触で絶頂を決めたのだった。

 そのまま1分ほど挿入したまま二人して余韻に浸り、男はソフィレットカバーに包まれた肉棒を引き抜いた。ずっしりソフィーの拳半分ほどの精液が半透明の金色に包まれて白濁を晒している。

「わあ……♥ こんなに出るんだ♥」

 男のことはそっちのけで精液に熱っぽい視線を送り、嬉々として手を伸ばして、手ずからソフィレットカバーを外し、スン、と臭いをかいでから口を縛る。掌に載せてずっしりとした重さと熱さを笑顔で感じながら、

「品質……43かあ。まあこんなものかな? よくわかんないや」

「えっと……ソフィー?」

「ああ、すみません。今日はお昼くらいまでできるけど……まだします? ソフィレットカバーはたーくさんあるから、どんどん射精していいですよ♥」

 にこやかに笑うソフィーに、何か底知れないものを感じながら男は頷いた。

「はーい♥ じゃあつけましょうねー♥」

 ソフィーは舌なめずりしそうなほど上機嫌で新しいソフィレットカバーを取り出すと、口に咥えた。精液だまりを舌と上あごで押しつぶし、目を細めて笑みを浮かべながら、髪が垂れないように手で押さえ、もう片方の手で男の肉棒の根っこ握って固定する。

「んー♥」

 そのまま男の亀頭に口付けて、唇をヌルつかせながらどんどんくわえ込んでいく。男がソフィーの喉に締め付けられる熱い感触を感じた次の瞬間に、口を離した。

「ぷはぁ♥ おっきかったけど、ちゃんとつけられた♥」 

 無邪気とさえいえるほどセックスの事しか考えていないのが丸分かりな満面の笑みを浮かべるソフィーに、射精後の男が完全に硬度を取り戻した。

 無言で押し倒し、言葉さえなく男はソフィーを犯し始める。ソフィーも会話など望んでおらず、すぐさま脚を男に絡めて、腰を振って膣を締める事に夢中になった。

 今度は深く抱き合い、お互いに首筋に顔をうずめるような形で、膣の奥を重点的にほじくり回す。

「はっ、はっ、はっ♥」

 まだ朝も早く、日差しも柔らかい時間帯から、ベッドの上で一塊の肉塊となってうごめき、卑猥な水音を上げている男とソフィーは、アトリエの中で強烈な違和感を放っていた。

 実のところ、冒険者の男はソフィーの可憐な笑顔に、自分の女にしたいという欲望を持ち始めていたが、ソフィーの側はそんな事はどこ吹く風で、ひたすらに肉棒の感触に集中し、男にすがり付いて硬い胸板に乳首をこすりつけ、一突きごとにクリトリスに丁度いい刺激が来るように全身運動でセックスを心行くまで楽しんでいる。

 男にとっては必死に自分の首にしがみつくソフィーの腕が、心の底から気持ち良さそうな耳元で聞こえるソフィーの美しい喘ぎ声が、自分にぴったりとかいがいしく合わせて別の生き物のようにうねるソフィーの下半身が、愛情を示しているかのように錯覚してしまうのも仕方ないかもしれない。それほどに、性の快楽を全肯定してセックスを楽しむソフィーは淫らにして可憐だった。

 しばらく荒い息遣いに混じるソフィーの喘ぎを堪能しながら腰を振っていると、膣が精液を催促するようにうねり始める。

「あっ……♥ 来る、また、あの感じ、きちゃう……♥」

 ソフィーは恋人に甘く囁くように自らの絶頂が近いことを告げる。気を良くした男は、一日で言を翻し、恋人気取りでそれに返した。

「その感覚は、イクっていうんだよ。言ってごらん」

 ソフィーにまたセックスを深く楽しむ知識が与えられ、これまであやふやだった絶頂にはっきりと名前と形が与えられる。

「はぁ♥ イクっ、わ、私、もう、イく……♥」

 ぎゅっと目を閉じて、一番奥のポルチオを刺激するようにカクカクと鋭く腰を振るソフィーが勝手に絶頂の階段を上り始め、男も合わせて子宮口をこね回すために腰をグラインドさせた。

「ああっぁあっ♥ イクっ、イクイク、いっ……♥ あぁ──っ♥」

 トロトロに蕩けた声で絶頂し、膣のうねりにあわせて男も射精した。ソフィーは絶頂しても男にしがみつきへこへこと力なく腰を振り続け、恋人のように男の射精を促す。男は恋人気取りでソフィーを優しく抱いて、汗ばんだ背中をなでてやった。

 しばらくして余韻から戻ってきたソフィーは、するりと男の腕を除けて、いとおしげに膣から抜けた薄金色の肉棒の先に垂れ下がった精液だまりに手を伸ばした。また袋を縛って掌に乗せて、じっと見つめる。

「39……大体同じかな……」

 意味不明な言葉を呟きながら、クルリと男に振り向いて、にっこりと笑った。

「もう一回……するよね♥」

 心臓をつかまれたように胸を高鳴らせ、男は頷いた。

「まあ、ちょっと休ませてよ。前も思い切り出したから、しばらく立たないし」

「えー? どうにかならないんですか?」

 ベッドに座り込む男に四つんばいで近づき、萎えた肉棒を持ち上げふにふに握る。

「じゃあ、ソフィーがしゃぶって立たせてくれ」

「しゃぶる? 口に含むんですか?」

「ああ。歯は立てないでくれよ」

 そういえば、と先ほど被せたときの事を思い出す。ソフィーの初フェラは、避妊具を被せるためのものになったのだ。

 その事実にまた硬度を取り戻しながら、勢い良くぱっくりとくわえ込んだソフィーの口内の熱さを堪能した。幼さを残した少女が、鼻の下を伸ばしてうっとりと肉棒を咥え込む光景は例えようも無く淫靡だ。

「はふっ……♥ はむ、ちゅ、じゅるっ♥」

 誰に言われるでもなく、ソフィーは唾液を絡め、舌で亀頭を撫で回し、膣のように卑猥に刺激を与えてくれる。その事実にさらに増長して、男はソフィーの頭を優しく撫でた。それをスカすようにソフィーは頭を下げて深く咥え込む。男が追いかけて頭を撫でると、

「じゅるるっ♥」

 完全に勃起した肉棒から出る先走りをすすりながら、ソフィーが顔を上下に動かしてさらに高度なフェラを始めた。無意識に男の手を、セックスの快楽に余計な不純物として捉えているのだった。

 だが、肉棒への愛情はたっぷりなため、男はそれに気付くことは無い。深くくわえ込み、すすりながら顔を上げる際に時折カリを掠めるソフィーの八重歯のアクセントに急激に射精感が増してきた。

「ぷはーっ♥ もう大丈夫だよね♥」

 という所で、ソフィーが身を起こす。精液臭いヌルついた唇を舌なめずりして掃除しつつ、いそいそとソフィレットカバーを付けた。

「次は、ソフィーが上になってくれよ」

 もうソフィーは自分のものと信じて疑わない男は、恋人に向ける笑みでソフィーに騎乗位をリクエストした。

「上……そっか、自分で腰を使えるんだ♥ うん、いいよっ♥」

 全身を上気させて屈託の無い笑顔で、ソフィーも受け入れた。

 ベッドに寝そべった男に、がに股のソフィーが覆いかぶさり、自分の股間が男の棒と位置があっているか確認しながら、腰を下ろしていく。

 何時間も肉棒でかき回された膣は、愛液で薄金色の肉棒をべとべとにしながらおいしそうにくわえ込んでいった。

「はぁ……♥ はいったぁ……♥」

 恍惚の表情で呟くソフィーは、男の反応も待たず腰を前後に振りたくり始めた。少し上に反り返った形の男の肉棒は、ソフィーの子宮口の一番いい所にはほんの少し、届いていない。それを今日のセックスで思い知ったソフィーは、下半身だけをぐんと突き出して、何とか最高に感じるポイントへ当てようと、目を閉じて鼻息を荒くしながら必死に腰を振り続ける。

「ふぅっ♥ ふぅっ♥ ふぅっ♥ ふっ♥ ふっ♥」

 小便を漏らしたように男の下腹部をべとべとにして、腰をうねらせるソフィーを鑑賞しながら、時折男は小さく腰を突き上げる。そのたびにソフィーは少し高い喘ぎ声を上げて膣をきゅっと締めてくれる。

「はうんっ♥ ふぅっ♥ ふぅっ♥」

 ソフィーの喘ぎ声をおもちゃのように扱い、熱い肉ひだにまとわりつかれる膣内の感触を気楽に味わった。

 だんだんソフィーは体を後ろに倒して行き、両手をベッドについたままブリッジのように背をそらして小刻みに腰を上斜め前に突き出し始める。一番いい所に当たるポジションをついに見つけ出して、男には見えない角度になった顔に性欲に蕩けてあいまいになった笑みを浮かべた。

「あ゛っ♥ あ゛っ♥ あ゛──ーっ♥」

 そして、もはやいつものことになった低い喘ぎ声で絶頂が近いことを男に教えた。ずん、ずんと男からも力強い突き上げをくらい、そのたびに膣がうねる。フェラで射精寸前まで行っていた男は、ソフィーの腰を掴んで固定して、溜めに溜めた射精を子宮口に押し付けた。

「い゛、ぐぅ────っ♥」

 下半身全体をぶるぶると震わせて、のけぞって舌を突き出してソフィーは激しく絶頂した。今までよりさらに大きな快感のようで、先の二回の射精と違って精液を搾るような理性を感じさせる膣の動きは無く、不規則に膣全体が痙攣している。それはそれで気持ちが良く、男は射精しながら小さく腰を使って、ソフィーの子宮口にゴムに包まれた精液を押し付けて小さく絶頂させ、搾り取る動きをさせた。

 ソフィーの細腕が支えをやめ、パタリとベッドに仰向けに倒れる。男が肉棒を抜いても、がに股で愛液に塗れたクリトリスが勃起した股間をさらけ出したまま、しばらく絶頂に浸っていた。

 数分でゾンビのように起き上がると、また精液の袋詰めを見つめる。

「41……やっぱり、こんなものかな……」

 そして、気だるげながら滴るような肉欲を滲ませた笑みを男に向けた。

「まだ、できるよね……♥」

 

 

 結局、乳首を舐めさせ手コキで勃起を取り戻してから、もう一度、対面座位でソフィーの全身を腕の中に味わいながら、男は射精した。さすがに立て続けにヤリまくっ

て腰が痛くなってきたので、抱き締めているソフィーに話しかける。

「くぉお……もう、今日は出そうに無いぜ……」

 そう言われたソフィーは、肉棒を名残惜しげに膣をうねらせた。

「そうですか……もうそろそろプラフタも戻ってきちゃうし、そろそろいいかな……ねえ、明日はもっと精液だしてくれる?」

 後戯のように気だるく落ち着いた雰囲気の中、ソフィーはそんなことを言った。

「え? いや、毎日これは無理かな……」

「えーっ……そうなんですか?」

 ソフィーは落胆を隠せず、不満たらたらの声音で言った。男は取り繕うかのように

「まあね、ソフィーみたいな可愛い子なら何とかこのくらいは頑張れるかも……」

 と言うような事を言ったが、そもそもが今これくらいの射精でもソフィーは満足しておらず、落胆が消えることは無い。可愛いという褒め言葉にも、何の魅力も感じなかった。

「はぁ……じゃあ、冒険者さんの知り合いを紹介してください」

「えっ……」

 全裸で抱き合い、萎え始めた肉棒を膣に挿入させ乳首を触れ合いさせながら、ソフィーと男の心はどこまでも離れていく。

「口が堅くて、セックスが上手くて、精液いっぱい出せる人を紹介してくださいよ。その人にも精液貰いますから」

 こうして、ソフィーに名前を覚えてもらう事さえ出来ず、男の芽生え始めた恋心は踏みにじられつばを吐かれて棄てられる事となった。

「あ、ああ……分かった、よ」

 萎えた肉棒の作った隙間から精液を漏らしてしまい、ソフィーに怒られながら男はすごすごと帰り支度をするのだった。



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3.腰を振ったら生まれる知らない知識

 プラフタが出かけている間に家に男を連れ込んで、存分に避妊セックスを楽しんで精液を搾ってから放り出した後、ソフィーはシャワーでざっと汗と性臭を流し、レオン製の服に着替えてベッドメイクをしてアロマで臭い消しをしてから、家を出る。

(精液って……何が作れるかな)

 そんなことを考えながら、足はストリートへ向かう。行き先はコルの店だ。

「コルちゃーん。こんにちは!」

「いらっしゃい、です。今日は何を買いますか?」

「ゼッテルの補充は済んでる?」

「はいです。……はい、丁度です」

 複製を頼んでおいたゼッテルを全部買い取り、そそくさと家に帰る。

「さぁて……やるぞー!」

 元気いっぱいの笑顔で町を駆け抜けていくソフィーが、つい一時間前まで男の上で腰を振っていた事を、今はまだ誰も知らなかった。

 どさ、と束になったゼッテルを机の上に積んで、羽ペンを取り出して考え事を始めた。いつものようにレシピをあの図鑑に書き込んで精液を材料にしている事をプラフタが見たら卒倒してしまうだろう。かといってメモも書かずにレシピは作れない。だからいつかプラフタが言っていた様に、燃やしやすく証拠隠滅しやすいゼッテルにレシピを書き込むのだ。

「うーん、まずは私の記念すべき初オリジナルレシピ、ソフィレットカバーを書き込もうかな?」

 書こうとして、ふと手が止まる。それよりも先に、精液の素材としての性質を図鑑と同じように記しておくべきだろう。ソフィーは懐に手を入れて、使用済みの精液入りソフィレットカバーを取り出した。プラフタがコンテナの中を覗き込んだことは無い、はずだが、念には念を入れておいたのだ。ゴム質の薄膜越しに感じる粘質な……

「あれっ」

 と思いきや、水のように普通の液体だった。

「あっれー? 中に射精してもらった時は、もっとどろどろしてたよね」

 手にとって確認したから、間違いない。熱く、粘つく感触を良く覚えている。

「うーん、こんなに早く劣化しちゃうなんて……これ、使えるかな……」

 調べてみると、まだ使えるようだ。品質が落ちたりもしていない。錬金術の材料としては、まだ変性していない。

「わー、不思議。……けど、すぐ駄目になっちゃうようなら何か考えなきゃ」

 久しぶりに未知の素材を見つけたワクワクでソフィーの目がキラキラと輝く。テンションを上げたままに、メルクリウスの瞳で分かった精液の性質を書き写し始めた。

 カテゴリは水、神秘の力、精液。最後一つは聞いた事の無いカテゴリだが、実体験から理解できる。精液をぬぐった紙片と袋に入った精液は、素材として互換性があるのだ。ソフィレットカバーのレシピは(精液)、黄金のプニプニ玉、(中和剤)となる。他の素材で言うと、うに袋の素材には『赤うに』も『うに袋』も使えないので、カテゴリ(うに)は成り立たないことが分かる。

(まだカテゴリがあるなんて! こういう素材もあるんだ!)

 ムラムラと知的好奇心を書き立てられ、ささっと情報をまとめる。

「うーん、まずは何から作ろうかな……保存できる形に濃縮するか、それとも何か簡単な薬なんかを考えてみるか」

 掌に乗っていた精液袋をつまみ上げ、眼前にぶら下げる。頬杖を付いて期待の新星を見つめる瞳は、まるで恋する乙女のようだった。

 じっと見つめているとまるで何か自分に訴えかけてくるような、そんな心のときめきをソフィーは感じていた。

「ふーむ……」

 ベレー帽を机に置いて背もたれに体を預け、何を考えたか上を向いて額にぺとりと精液袋を乗せた。なんとなくその方が考えがまとまる気がした。

(保存のために濃縮して固めるとなると……石? 宝石? どんなものになるかな)

 錬金術にはイメージが大事というプラフタの言葉に忠実に、完成品のあるべき姿を克明に思い描いていく。

(精液の結晶……似たようなものは……精霊の結晶? ちょっと違うかな? 他には……あっ、そうだ。ソウルストン! 魂が固まったものかもって、プラフタが言ってたなあ。精液も、命になるわけだから……魂の素? みたいなものだよね)

 明確な方針が思い浮かぶと、どんなものを作っていいかがどんどんはっきりしていく。宝石や石を作る時のレシピを参考に、精液の塊のレシピを組み立てる。

「これは行けそうかも! どんな名前にしようかなぁー♪」

 お菓子を作った時にも自分の名前をつけたが、あくまでフィナンシェのアレンジ、お茶のアレンジとしてのレシピでしかなかった。今回のものは、少なくともソフィーの認識の中ではオリジナルだ。グルグルと頭の中で候補がめぐり、決定した。

「ととのいましたっ! ソフィルマストーン!」

 頭上にぴこーんと電球が灯ったような明るい笑顔で、余人には理解されないセンスの名前をつけてソフィーはご満悦だった。

「よしよし、こんなに早くレシピがまとまるなんて、絶好調じゃん!」

 がたんと椅子を鳴らして立つと、早速レシピの実践に入った。

「今日絞りたての精液と、形を整える錬金粘土、さらに鉱石二つにエリキシルっと」

 ぐるんぐるんかき混ぜていると、想像とはちょっと違った結果が待っていた。

「あっ、やば……」

 バランスを崩した錬金術のエネルギーが素材を自壊に追い込み、ボフッ! という黒煙を吐いて失敗に終わる。

「うえっ、けほっ、けほっ……」

 覗きこんでいたソフィーの顔はもろに煙に塗れ、顔が黒くなった。

「あっちゃー、失敗しちゃった……精液の力が小さすぎて消えちゃった」

 この程度でめげるソフィーではない。再度錬金をしようとした。

(あっ、でも精液4つしか持ってなかったんだ。後3つしかないよ……)

 いつも採取に出かけてはバックパックをパンパンにして帰ってくるソフィーとしては、4つなどという限定素材はそれこそドンケルハイトや竜核に匹敵するほどのレア

素材だ。

「2つにケチってもしょうがないか。じゃあ3つでやってみよう!」

 すると今度は、成功寸前まで行って、やはり失敗した。これにて手持ちの精液は全部使い果たしてしまったわけだ。

「はぁ……精液が全然足りないや。あの冒険者さんに、早く男の人を紹介してもらわなきゃ。えと……精液、どのくらいあれば足りるかな」

 今の失敗で、おそらく必要分は4つと分かった。 そして成功した場合の所要時間は経験からして6時間ほどだろう。

「一日に4つ作れるとして、精液袋16個かぁ」

 常識的な素材で出来ていれば、コルネリアの複製錬金術でいくらでも増やしてもらえるところだが、プラフタに見つかれば成分を分析されてしまうかもしれないので、

それは出来ない相談だ

「結局4つじゃん。作る時は1週間くらいがーっと作り溜めしたいし……そうなると、80個の精液が必要で……精液を集めるソフィレットカバーを作るのに精液を使いたいから、そのストックも考えて……100個くらい。ざっと計算して、25人くらい男の人が居たら、使う精液には不自由しなさそうかな?」

 たくさん男を用意すれば、それだけ品質の高い精液にも出会えるかも知れない。何よりも、

「ごくっ……25人かぁ……♥」

 ソフィーは頭の中で列を成す25人の男達に股を広げて受け入れる自分の姿を想像する。思い切り大きな肉棒で一番奥を突きまわし、頭が真っ白になるほど快感を叩き込んでから、熱い精液を薄膜越しに吐き出していく。それが終わって男が退くと、もう次の男はゴムをして待っていて、股を開いたままのソフィーに覆いかぶさりセックスが始まる。そうやって順繰りに自分に精液を吐き出して、全員が終わる頃には最初の一人が回復していて、ソフィーはいつまでも股を開き続ける……

「はぁ……♥ 楽しみ♥」

 常人なら無間地獄となるような光景を思い描いて股間を湿らせるソフィーは、誰も知らないままに引き返せない道をスキップで進んでいくのだった。

 タッチの差で、

「ただいま戻りました」

 ガチャリ、と扉が開いて、プラフタが帰ってきた。

「はうぁっ!?」

 腰をくねくねさせて悦に入っていたソフィーは珍妙なダンスを踊って誤魔化し、プラフタに呆れられるのだった。

 

 

 翌日。精液を切らしたからという痴女も真っ青な理由で、ソフィーは男に会いに来ていた。

「えっと……始めまして」

「お、おう……」

 宿屋の一室にて、借りてきた猫のようにおとなしいソフィーの目の前には禿頭で口ヒゲを生やした筋肉の塊のような大男が立っている。その隣には苦い顔をした冒険者が居た。ソフィーは冒険者の方には目もくれず、おずおずと、しかし我慢しきれないとばかりに男の全身に好色の目を向けた。

(おっきい人だなあ……おちんちんもおっきいと良いけど)

 錬金術の素材集めと言いつつセックスも楽しむ気マンマンのソフィーが生唾を飲んでいる一方、相手の男は未だに困惑していた。視線を逸らして傍らに居る冒険者に向き、声をかける。

「なあ……本当に、このお嬢ちゃんと、その……なんだ、あれ……していいのか?」

 どう見てもそんな乱れた風には見えない、目の前のあどけなく活発そうな少女を前にして、シモの話をするのが躊躇われ、歯切れの悪い言葉を口にする。

「ああ。そうだよ。本人が現れたんだから間違いないだろ。まあ気持ちは分かるから俺からハッキリ聞いてやるよ。ソフィー、この男は口が堅くて体力もある。こいつと……セックスしに来たんだよな」

「はい……セックスして、精液貰いに来ました」

 ポッと顔を赤らめて俯きがちに、しかし媚びるように熱を帯び始めた視線を禿頭の男に向けて言う。その声音は囁くように優しく、しかしハッキリと男の耳に届いた。

 目を見開いて鼻息が荒くなる男を見てひっそりと微笑むソフィーを目にした後、冒険者の男は立ち去ろうとする。

「あっ、行っちゃうんですか?」

 その背中にソフィーが声をかける。

「……なんだよ。俺はもう良いんだろ?」

 はて? と、ソフィーは悪びれる気配もさせずに首をかしげた。

「そんな事ないですよ? この人と終わったら、貴方にもしてもらいたいし」

 にっこりと、セックスの期待に紅潮し始めて恋する乙女のように見える顔で微笑みかける。その言葉に、男二人が目を丸くした。禿頭の大男は、いよいよソフィーが見た目に反してとんでもない淫売である事を理解し、冒険者は棄てられた子犬が餌を与えられたように活力を取り戻した。

「おっ、おう! そうだよな! じゃあ」

「今のままだと精液足り無そうだから。あと20人位は紹介して欲しいです」

 顔の横で可愛らしく両掌を合わせておねだりするソフィーがもはや少女の姿をした名状しがたい何かのように見えて、冒険者は言葉も無く頭を縦に振るしかなかった。

 

 

 ふらふらと冒険者が出て行くと、大男とソフィーが二人きりになった。

「ごくっ……本当に、いいんだよな、お嬢ちゃん」

「はい♥ あ、でも……これを、ちゃんとつけてくださいね」

 避妊具を渡して、コートとパンツだけを脱ぎ、ベッドに腰掛ける。

「それと……最初は、ちょっと恥ずかしいから。貴方から、して欲しいです」

 ほんの少し脚が開き、赤いスカートの奥に隠れたソフィーの股間が露わに……されなかった。ソフィーが手で隠してしまったのだ。白く滑らかなソフィーの内腿のぎりぎりまでが男の目に飛び込んできた。

 男はもどかしそうに急いで全裸になり、ソフィーに近寄った。

「これは……どうやって付けるんだ?」

「あ、つけてあげますね」

 そう言って素直に両手でソフィレットカバーを受け取るので、ピンク色の割れ目が無防備に男に晒される。ちらちらと下を見て勃起を激しくする男に、

「わぁ……♥ おっきくて、かたぁい♥」

 うっとりと蕩ける笑みを浮かべて肉棒に魅入るソフィーは気付かない。といって、気付いたところで恥ずかしがって股を開いたままにするだけだったろう。

 スムーズに装着が終わり、鼻息を荒くした男がスカートの中に頭を突っ込む。赤ん坊のようにふにふにのソフィーのマン肉に顔をうずめて、じゅばっ! じゅばっ! と派手に音を立ててすすり始めた。

「ああっ♥ おとっ、凄い、なっちゃってる♥」

 ほんの少し残ったソフィーの羞恥心が、二人目の男の新鮮なクンニによって吹き飛ぶ。ちょりちょりとしたくすぐったい様な刺激はヒゲの物だろう。鼻息の熱さも何もかも、ソフィーは股を開いて受け入れた。

 乱暴なほどにのたうつ舌が、敏感な外性器をまんべんなく蹂躙し、ソフィーは全身をくねらせて性感を味わう。

 だが腰から下は男の丸太のように太い腕でがっちりと固定され、逃がすことの出来ない強烈な快感に身もだえした。

(すっごぉい♥ 人によって全然違うんだ……もっとたくさんの人とセックスできたら、どれだけ気持ち良いんだろ♥)

 蕩けていく頭で、更なる肉欲の宴を想像して昂ぶっていく。

 じゅる、じゅると溢れる蜜を啜られる音に酔いしれながら、ソフィーは早速絶頂を決めようと脚をぴんと伸ばした。が、その寸前で口ひげを愛液でぬらした男が体を起こした。野獣のような目でソフィーの衣服を剥ぎ取るのを腰を浮かせたり紐を緩めたりして手伝って、既に準備万端の裸身を、初対面の男に晒す。

「どうぞ……♥」

 目を細めてリラックスした笑みで男を誘惑し、ソフィーの倍はありそうな体格の大男が華奢な少女にのしかかった。

 ずぶ、とまさに突き刺すような感触と共に、男の剛直がソフィーに埋まっていく。愛液にぬめり赤ピンク色に充血した粘膜が、痛々しく見えるほどに押し広げられ、膣口は綺麗な円を描くように男の肉棒の形に変形した。

「ほっ、お゛っ♥」

 ずしん、と体の心まで響くような衝撃を覚えて、ソフィーは無様な声を上げて串刺しにされる。その表情は歓喜に歪み、金魚のように空気を求めて開閉する口にはよだれにたっぷりと濡れ光る可愛らしい舌が踊り、男はむしゃぶりつきたくなった。

 我に返ったソフィーはそれを察して、唇を少し突き出して、チュッ、と吸い付くような可愛らしい音を鳴らす。初対面の少女にキスの許可を貰い、どこか夢見心地の男がふらふらと誘われ、唇が触れ合う。すぐに舌を絡めるキスになり、あっという間に唾液を交換し合う激しいものに変わって行った。

「ぷはっ♥ キス、きもちい♥ 口の上の方舐められるの、ゾクゾクしちゃいます♥」

 そう言って乙女の唇の神秘性を投げ捨てて気持ちよくなる弱点を自分から晒していくソフィーの口内は、もはやセックスのための粘膜になりはてていた。名も知らぬ男の唇を、顔の角度を変えながら一番気持ちよくなるように貪り、言葉を交わせなくなった上の口に変わって両脚を絡めて膣をきゅんきゅんと締め、今度は下の口で本格的なセックスをおねだりする。

 その顔は興奮と必死にキスした酸欠とで紅潮し、見ているだけで幸せが伝わってくるような満面の笑みを浮かべている。

 淫売かと思えばまったく摩れておらず、屈託無く笑いながら誰にでも股を開く、まるで万華鏡のように変わるソフィーの態度に頭がくらくらしながら、男は新品同様の若い女の膣を、熱の伝わる薄膜越しにガンガン腰を使って付きほぐした。

 腰を突き入れるたび正確に的確に、きゅっとソフィーの膣は締まり、ただでさえぷりぷりとはじけるような肉ひだを掻き分ける快楽にアクセントを加えられて、金玉が競りあがってくるのを止められない。

「んっ♥ ぐっ、ふぅっ♥」

 パン、パンと肉を打ち付ける激しいピストンに、ソフィーの喉からは搾り出すようなうめきにも似た声が漏れ、ぎっし、ぎっしとベッドを軋ませた。窓からは朝方の日差しが二人を細く照らし、ベッドに突っ伏してうずくまるような姿勢の大男の、その腹の両脇からはソフィーの白い脚がにゅっと突き出し、背中の真ん中で余裕無く足首が絡み合う。大男の腋の下からは、ソフィーの細い腕が伸びて分厚い肩を小さな手で必死に掴んでいた。

 一撃一撃が上から押しつぶすようなその突きを、むっちりとした大陰唇と恥骨で受けるたび、ソフィーの背筋にビリビリと電流のように鋭い快楽が走り、膣のうねりも激しくなる。

(これっ、いい♥ セックス、すごい♥)

 幸せすぎて頭が馬鹿になったソフィーに体育会系のガツガツした激しいセックスの快楽が刻み込まれて、ソフィーの男の趣味がますますセックス偏重のものになっていく。

(明日から、男の人を見る目、変わっちゃうかも……♥ ホルストさんとか、結構体格良いよね……ジュリオさんもすっごく鍛えてるはずだし♥ これからしばらく、毎日始めての男の人とセックスできるなんて……♥)

 今自分の膣を往復している男に新婚初夜の花嫁のように愛しげな熱っぽい視線を送りながら、他の男を咥え込む期待を膨らませ、ソフィーは目を細めた。

 みちっ、と腹の中から音がした錯覚と共に男の肉棒が膨れ上がったようにソフィーの膣内で存在感を増す。射精の合図だとすんなり理解して、小刻みに膣を締め、優しく射精を促してやると、刺激が強すぎたのか男はのげぞって久しぶりに二人の唇が離れた。

「ぐっ、おお……」

 天を向いて野太くうめく男を可愛いと思いながら、ソフィーも意識が白く蕩けていくような甘美な絶頂を受け入れ、全身を脱力させてびくん、びくんと痙攣するに任せて快楽を余すことなく味わう。

 棒の中をせりあがってくるのが感じられる脈動と、膜越しに叩きつけられる精液の勢いをデザートのように感じながら、ほう、と熱いため息をついて射精が続くように腰をうねらせて刺激を与え続けた。

 行為が終わった直後の二つの荒い息と共に、ズルズルとソフィーの膣内から巨大な存在感が抜け落ち、ぽっかりと外から子宮口まで覗けるような肉の洞穴が出現した。次の瞬間にはにゅるんと速やかに閉じて、先ほどの痴態にそ知らぬ顔をするような乙女そのものの控えめな性器がそこに残る。

「わぁ……♥ たっぷり射精してくれたんですね♥」

 全力で搾り取られて脱力している男の股間に、ウキウキと四つんばいでソフィーが近づき、丁寧にソフィレットカバーを外し精液袋の口を縛る。ずっしりとゲル状の精液がソフィーの掌の上に広がった。

「70! やっぱり人によって全然違うのかなあ」

 新しいおもちゃを手にした子供のように精液を見つめて瞳を輝かせるソフィーを、

(あんなにはしゃいじまって、可愛いもんだ)

 男は射精後の気だるさに任せて深く考えもせず見つめていた。

 賢者タイムを満喫している男にソフィーが向き直り、上目遣いに猫なで声を出す。

「あの、あのぉー♥ もっと、セックス……出来ます、よね?」

 今日あったばかりの男に交尾をせがむ為に色目を使うやり方を、この日からソフィーは本格的に覚え始める。

 窓の外からは客を呼びこむマルグリットやオスカー、レオンの声がもれ聞こえてくる。ちらりとそちらの光差す方を眺めてから、ソフィーは目の前の筋肉達磨のような大男に幸せいっぱいの笑顔を向けて、両手を差し上げ、M字に思い切り股を広げて、新しいゴムをつけたその肉棒を迎え入れた。

 そのまま、汗みずくになって必死に腰を振る。二回目に入って両方共に余裕が生まれ始め、じっくりと行為を楽しんだ。

 ソフィーの目的からすれば一回は短ければ短いほどいいはずだが、今日あった男の股間に一発でほれ込んでしまったソフィーは男の望むがままにセックスを長引かせ、射精間際になると男の手を優しく握って、

「まだ……もっと♥」

 と甘く囁き、ピストンを止めさせて、男に胸を弄らせ、気だるく触れ合うだけのキスをして射精感が引くのを待たせた。恋人のように見つめあいながら、肉棒と膣の痙攣だけで愛の言葉を交わし、気分を高める。

 そうしてまた腰を打ち付けあうだけの一つの肉塊に戻り、くわえ込んだ肉棒を思う存分に楽しんだ。

 一体何時間ハメ続けているのか、ベッドのシーツはぐっしょりとぬれそぼり、汗みずくになったソフィーは全身茹だったように肌を赤くしている。いつ頃からか絶頂感がずっと続き、涎と涙と、男から垂れる汗にぬれた顔はネジが外れたように緩い笑顔を浮かべていた。

 ついに男の射精の時が訪れ、ソフィーの腰を抱え込み、ねじ込むように深く突き刺した姿勢で、染み出るような長い射精を始めた。

「ああ……♥」

 ソフィーは目を閉じて、短く感嘆の吐息を漏らす。股間で通じ合う二人には、もう派手な喘ぎなど必要ないと言わんばかりの、万感こもった絶頂の吐息だった。

 ドロドロと子宮口に押し付けられる精液を感じながら、さすがに精根尽きはてたようにソフィーに体重を預けのしかかってくる男を、優しく抱きとめる。ベッドに顔を突っ伏した男に頬を寄せて、優しく背中をさすって男の精力的な行為を称えながら、しばらくその体勢で浸り続けた。

 やがて身を起こし、少し照れくさそうな顔ではげた頭を掻く男と、二人にしか通じない微笑を交わす。どさ、と力尽きたように添い寝の姿勢をしてくる男に、ソフィーは極自然に腕枕の中に納まり、身を寄せ合った。

「ふぅ……♥」

 眠る寸前のような、ゆったりとした吐息がどちらからとも無く漏れ、昼の強い日差しが漏れる窓から入る涼やかな風が、二人の汗とソフィーの愛液で蒸す部屋を吹き抜けていった。同時にソフィーの性臭が外に漏れ出して行き、誰にも気付かれぬまま風に吹かれて消えていった。

 男もソフィーも、無言だった。口を開けば、通じ合っているような奇妙な錯覚はすぐ消えてしまう事をどちらも分かっていた。股間でしか交流を持ったことの無い生臭い関係なので、当たり前ではある。

 先に動いたのは、大人の意地がそうさせるのか、男だった。

 無言で起き上がりゴムを付けると、ソフィーは甘えるように腕を上げ、男はぐずる子供を起こすように優しく抱き起こす。

「んっ!」

 目を閉じてくい、とおとがいを上げたソフィーは、目覚めのキスをねだる新妻のように美しかった。唇を重ねると、男の肉棒がまた硬度を取り戻し始める。ちらりとまぶたを開けてそれを盗み見たソフィーは、中指と薬指の間を広げて、真正面から亀頭とカリを揉み解すようにしごき上げ、さらに勃起を促した。

 ちゅ、とお互いに唇を吸う音を立てながら顔を離し、股を広げたソフィーに、男がすんなりと挿入を達成する。

「おっきぃ……♥ これ、大好き♥」

 数時間ぶりに意味のある言葉を喋り、また惰性に溢れたセックスを始めようとするソフィーの腰を深く抱き、男がひょいと体を持ち上げた。

「わわっ!?」

 驚きに目を丸くして何とか男の首にしがみつくと、目の前の男の目にいたずらな光が浮かぶ。ソフィーはぷぅ、と頬を膨らまして抗議するが、男が腕の力を緩める度、ずっしりと、自分の膣だけで体重を支える異様な挿入感が襲ってきて、小さな怒りなどすぐ忘れて顔を蕩けさせ始めた。

 子供のように男に抱っこされ、立ったままで行う初めての行為も、お気に入りとして脳内メモの付箋に残された。

「んーっ♥ なんか安心しちゃうな♥」

 父親にもしたことが無いであろう程に男の胸板に頬ずりして体をこすりつけ、太い腰に何とか絡めた脚の力を入れたり緩めたりさせて体を大きく上下させ、親に甘える子供の心と雌の性欲を同時に満たす。完全に大きな子ども扱いでガシガシと頭を撫でられ、猫のように喉を鳴らして目を細めた。

 そうかと思えば薄く開けたまぶたの向こうに肉欲に揺れる瞳を見せ男の力強い腰使いを催促する。正常位よりも一撃が重く鋭く、先ほどとは打って変わって即座に同時絶頂をする動きで高まっていく。

「はぁっ、あっ、イクっ、イきますっ♥ だしてっ、せーえき♥」

「おおっ、出すぞ……!」

 ゆっさゆっさと、立ったままなので少し不器用な動きで、息を合わせて絶頂を迎えた。

「あっ、あ──ーっ……♥」

 まだまだ衰えない射精の勢いに追加の刺激を貰いながら、男の腕の中でソフィーはもだえた。

 

 と、前触れも無くドアが開く。冒険者の男がそろそろだろうと順番を交代しに来たのだ。

「うおっ……まだやってたのか。そろそろ、どうだ?」

 全身茹で上がったままのソフィーが、トロトロに出来上がった笑顔を冒険者に向ける。

「うんっ♥ とっても気持ちよかった♥ せーえき、三回出してもらったの♥」

 新婚初夜の寝室に踏み込んでしまったような気まずさを感じながら、回数で勝ったと誇ればいいのか、三回でソフィーを満足させて恋人のような雰囲気を漂わせている男に嫉妬すればいいのか、しばし煩悶とした。

 

 結局、出来上がったソフィーを美味しく頂くことにして、禿頭の大男にはしばらく部屋を出てもらうように頼んだ。

 他の男にネジを外してもらったソフィーをじっくりと可愛がり、維持と根性で5つの精液袋をソフィーの腰に並べて、酔っ払ったような赤ら顔で裏口から一人で歩いて帰らせたときには、既に日付が回っていた。



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4.無限採取ポイント

 ソフィーが自分から男を誘って一日中避妊セックスを楽しんだ一週間後あたりから町にはとある噂が流れ始めた。町外れに住んでいる錬金術士の少女が、誰にでも股を開く淫売になった、と。

 この噂は、ソフィーの近くに居る……少なくともソフィーが名前を知っているような人物、また面と向かって注意に行くような道徳的な男や、淫売と聞いて眉をひそめて軽蔑を露わにするような女衆には絶対に秘密にされ、ソフィーの若い身体に劣情を抱く町の男の間でだけ速やかに広まっていった。

 そして、実際に概ね真実と言える内容だった。

 間違っているのは『誰にでも』の部分で、ソフィーは一流の冒険者のツテを使ってその名に恥じぬ屈強な男達にだけ宿屋や郊外、時には路地裏で股を開き、自ら開発したソフィレットカバーという避妊具兼精液採取袋に精液を吐き出させると言う名目で色々な男とのセックスを大いに愉しんでいた。最初に紹介してもらった後もたびたびプラフタが寝た後に家を抜け出し、宿屋で一晩中男にまたがり腰を振ったりすれば、当然ギシギシとベッドは軋み、そこに夜道を歩いているソフィーの目撃談を加えれば自明の理と言うわけだ。

 この程度なら、たとえばモニカ辺りが聞けば

「もう、また昼夜逆転して採取に出かけてるの? 今度注意しなきゃ」

 と勝手に勘違いしてくれるようなものでしかない。だが、夜な夜な路地裏や近くの林から若い女のうめき声が聞こえ、頻繁にソフィーが夜歩きしているとなると、いよいよ噂が真実味を帯びてくる。辛うじて、噂の渦中にあるソフィー自身はいつも通り明るく元気な笑顔で町を駆け抜けていくので、まだ確証が持てないという所だった。

 そうして男達が劣情を持ってソフィーを見ると、確かに顔立ちは整っているし、人助けの依頼をたくさんこなして勤勉で優しいし、気付かないのが不思議なほどの器量よしといえた。子供から大人になるわずかな間の美しさを宿した花の乙女と言うべきその身体は、走るたびに躍動する太もも、可愛らしいハートのシルバーペンダントの揺れる、開かれた胸元のまばゆい白さで男達の目を奪った。ヒソヒソと、最近大きくなったとか男に揉まれて垂れ始めたと下種の勘ぐりをしながら、頬を上気させて駆け抜けていくソフィーの、前から見た時とは違って無愛想なコートしか見えない背中が小さくなっていくのを見て、男に抱かれに行くために走っているのではないかと、ソフィーを妄想の中で肉便器として扱っていた。

 勿論、ソフィーは男に抱かれるため『だけ』に走っているわけではない。男に抱かれるのはもののついでである。結局は男に股を開くために駆けつけているので男達の下劣な想像は正解でもあった。

 ではどこに行くのかと言えば、町の南東に歩いて数時間行ったところにある、巡礼街道と呼ばれる巡礼者のための粗末な小屋が立ち並ぶところである。ソフィーは巡礼街道を斜めに抜けて行き、街道南の森の中に町からものの10分程度でたどり着いた。

 錬金術のブーツの力と、装備によって魔王も一ひねりに出来るほどに強化されたソフィーの身体能力あっての走破である。

「ふーっ。みんなー! おまたせー! お昼作ってきたよ!」

 たくさん入るバックパックを揺らして示して見せたのは、むくつけき男の集団だ。その数、16名まで膨れ上がった。いずれ劣らぬ凄腕の冒険者であり、勿論全員がソフ

ィーを介した穴兄弟である。

 ソフィーの明るい声と走って上気した頬に浮かべた輝く笑顔に、全員が恋人を見る目で振り返った。

 

 

 さまざまな場所で男をとっかえひっかえしてきたソフィーは、いつもつき合わせて悪いからとか、疲れさせてないか心配、と理由をつけて、男と一対一の時にプレゼン

トを贈った。

 一日中セックスをした後の気だるい中で、桃尻を見せつける全裸で美味しいお茶を淹れてみたり、そろそろ限界が訪れそうな男に、疲れの取れる錬金術のドロップの一粒を口移しで舌を絡めあいながら一緒に舐めてみたり、時には人気の無い綺麗な花畑に二人きりになって、肩を寄せ合って「あーん」とおいしいベーグルを食べさせて、スタミナを十分回復してから開放的な青姦をしたり。

 その全ては、ソフィーなりに気持ちいいセックスをして精液を搾らせてもらうための誠意というか、対価と思って出た行動なのは言わずもがなだった。プレゼントの高価が最大限になるように、心を繋ぐハートペンダントをきっちりと装備しているのだから。

 だが男からすれば献身的で料理が上手く、シモのほうは玉がカラになるほど絞りだす上タダで股を開き、度々無邪気な笑顔を向けてくるソフィーと何度も体を重ねていると、「コイツは絶対に俺に惚れている」と思うのも仕方が無いと言えるだろう。

 それが16人、さらにこの短期間となると、当然ながら一日に何人くわえ込んだか分からない。セックス中の栄養補給、後のお茶など全員漏れなくご馳走になっているし青姦デートに男と腕を組んで出かける時点で、ソフィーの大きなバックパックには既にずっしりと大量の精液袋が入っていた。

 そういうあれこれを見てみぬ振りをしたり、我慢できずに本気で殺し合いになりかねない真剣を抜いた喧嘩をしたり、そのたびに「喧嘩はだーめ!」と、どちらの男の肉棒も咥えた口で、純朴な少女のように嗜めてくるソフィーに逆らえずにお互いの不甲斐なさを男同士で共有しあったりした。

 不思議なもので、セックスさえ絡まなければ快活可憐な少女であるソフィーを中心に据えるとそこまで男同士もぎくしゃくせず、むしろこれを機に新しい冒険者パーティが結成されたりもした。ひそかにこれを「穴兄弟の固めの杯を交わした」などと自嘲交じりにソフィーの居ない所で語り合った。

 

 

「おう、お疲れ。こっちは順調だぜ」

 毎度ながら少年のようにソフィーに見蕩れる男達の中で、一際体格が良く禿頭の男が返事をする。ハッとして先を越された事を取り繕うように周りの男達も口々にソフィーを労った。

 16人もの男が半裸で集まっていると、それだけで胸が悪くなるような汗臭さがあるが、いつも男の腕に抱かれて個別にその臭いを嗅いでいるソフィーにとっては、変わった香水程度にしか感じない。輝く笑顔のまま、ピクニック用のシートをバックパックから出して広げ、四隅に厚紙の箱を重しで置いていく。人数分のあったか~いおやつのお供のピロソティーとお腹にたまるふわふわベーグルサンドを用意した。半裸の男達がタオルで汗を拭きながらわらわらと集まり、和やかに円座で食事が始まった。恋人どころか、大して深い関係にさえ見えない気軽な雑談と共に食事が終わると、男達は作業に戻る。

 ソフィーがどうやってか大量に持ち込んだキーファやスプルースと言った木材をノコギリや釘金槌と言った大工道具でトンカンギコギコと加工し、森の中に隠れた小屋を作っているのだ。

 

「宿屋とか、人に聞こえる場所でするのってちょっと嫌かな……それに、どうせだったら皆も遠慮なく何時でも出来る場所が欲しくない?」

 

 このように、ソフィーが人目を避けて朝から晩まで男に股を開き続け、バックパックが精液袋だけで満杯になる位セックスし続けることが出来る場所が欲しいと、照れくさそうに、髪をくるくる弄りながら、気持ち上目遣いで男達におねだりしたのである。満場一致で頷いた哀しき男たちは、逆ハーレムの主のためにせっせと労働に勤しむのだった。

「な、な、ソフィー。俺達、8交代制くらいで休むことにしたんだよ」

 鼻の下が伸びないように懸命に表情を取り繕いながら、男が二人ソフィーに近寄ってきた。

「へー。そうなの。いつ休憩になるか分からないね、それじゃ」

 にこやかに、にべも無く切り捨てられ、肉棒を突っ込んでない時のソフィーのナチュラルなそっけなさに恋心を痛めつつソフィーの両脇すぐ傍に座る。両側から肩を寄せて、息のぴったりあった動作で無防備に女の子座りしている白い太ももの内側に手を滑らせ、男の膝に乗せるようにぱっかりと股を開かせる。

「やー、もう。恥ずかしいよ」

 風でスカートが揺れたくらいの羞恥で顔を赤らめ、そっとスカートを抑えた。

 これはOKの合図だ。

 一体どういう貞操観念をしているのか、ソフィーはこちらからボディータッチをしない限りは一切セックスの臭いを漂わせない、ただの町娘のように振舞う。男たちがソフィーをヒイヒイよがらせながらようやく掴んだ法則によれば、ソフィーにその気がある時は羞恥を煽る……スカートをめくるなどと云った行為が許される。そのまま状況が許せば、愛撫してパンツを脱がすだけで、精液が出なくなるまではセックスを続けることが出来る。人が来たりソフィーの時間の都合で抜けることがあっても、ソフィーの方からセックスに満足したとか、あるいは疲れたから止めようと言われたこ

とは無い。

 だから男達は強気で、両手で阻まれたソフィーの股間に向かって、滑らかな内腿に手を滑らせて行った。

「んっ、やだ……♥ くすぐったいよ♥」

 ただ置かれているだけの両手がスイングドアよりも簡単に男達の手でどけられ、二人の男の無骨な手が、ソフィーの下着の上からクリトリスや膣を弄んだ。

「はぁ……♥ あぁ……♥」

 うっとりと、快活な少女の仮面に肉欲が滲んでいく。

 今日のソフィーの下着は裾にフリルが付いている。その手触りで、男達は

(今日はオレンジ色か)

 ソフィーの下着の色まで正確に当てる事が出来るようになっていた。いつも真っ先に脱がせているので、誰にとっても印象的なのだ。

 その可愛らしい下着が愛液塗れになるのを防ぐため、両側からパンツを脱がそうと指を掛けた。二人の男に両肩を抱かれ慣れた動きで、赤ん坊が母親に小便をさせられるような大股開きのソフィーは腰を浮かせる。こともなげにするりとパンツは太ももを滑っていき、ソフィーは脚を曲げないままに揃えて上に伸ばし、正面で作業している最中の男達に既に濡れそぼっているマンコを見せ付けた。

 突き刺さるような欲望の視線を受け止めるソフィーの笑顔は、小憎たらしいほどに先ほどまでと同じ清らかな少女のものだ。ただその瞳の奥に妖しげな肉欲の光がきらめき始める。その光に魅せられ続けている男たちは、一人はソフィーの股を開かせ股間にしゃぶりつき、一人はソフィーの唇を奪って胸をもみしだきながら服を脱がせ始めた。

 さらさらと、真昼の太陽が作る木漏れ日の中を涼やかな風が吹きぬけていく。そんな和やかな自然の中で、小屋を作る騒音は森に吸われて街道まで届くことは無く、勿論それ以上にひそやかなソフィーの雌の本性が暴かれていくよがり声と、上の口も下の口もたっぷりとあふれ出すヨダレが奏でる淫らな水音は男達以外の鼓膜を揺らす事は無い。

 先ほどまで和やかに食事をしていたピクニックシートの上に、ソフィーの衣服が脱ぎ重ねられていく。全裸にされて唇を重ねて舌を積極的に絡め、男の太い指で乳首を弾かれる感覚を目を細めて堪能し、もっと膣の奥まで舐めて貰えるように180度近く股を開くソフィーは、まるで風呂に入っているようなリラックスぶりだった。

 何度も股を開くことで男達も変な風に耐性が付いてしまったのか、最近はこうして複数を同時に相手にすることも多い。中には、他の男としている最中のソフィーを見学して勃起させ、前の男が精液を出し切ったあとの、いい感じに頭の中まで茹だったソフィーをあられもなくよがらせるプレイに嵌ってしまう様な男もいる。それでも恋人扱いしたがるのだから、男達に肉棒で良く手入れされて、ソフィーの人を惹きつける魅力も磨きが掛かっているようだった。

 

 木漏れ日に幻想的に照らされるソフィーの身体は、もはや以前とは変わり果てている。ぷりぷりに張りのあった胸は少し垂れ始め、男を誘うように柔らかそうな質感に変わりつつあったし、何より透き通るようなピンクだった乳首と乳輪は毎日男にしゃぶりつかれ茶色く変色し、二周りは大きくビンと勃起していた。

 股間は更なるショッキングな変化を遂げており、むっちりと柔らかい大陰唇はデカチンとハードなセックスが大好物になったせいで脚を広げただけでぱっくりと開いてしまっており、男を欲する声を上げるように開いた小陰唇の端も少しずつどどめ色に変色しつつある。

 さらに、肉欲に浸る日々の中でソフィーは肛門も男達に差し出していた。少し撫でただけでてらてらと濡れそぼる少女淫売の微グロマンの下では、ぱく、ぱくと物欲しげに菊のすぼまりが開閉している。

 だが男達にそれを忌避する様子は無い。彼らにとっては、セックスの絡まないところではつれないソフィーに残す事ができた、唯一の爪あとであり、希望の一矢であった。

(まともな恋愛なんか出来ないような身体にしてやる)

 という思いで、それぞれソフィーの体を開発し、肛門を犯し、喉奥を性器にし、腋で感じるように仕込み、男の肛門を舐めさせ、野外で放尿、脱糞シーンを視姦した。

(そして俺以外の男がソフィーのグロい身体に飽きたら俺のものにする!)

 と、全員が思っているのでソフィーの身体は際限なく淫売にふさわしいものに変貌していった。勿論ソフィーに集う男は増えるばかりで一人も減っていない。

「はぁっ……ん、あぁ……♥」

 むずがるように腰をくねらせ、悩ましげな声を上げる。ソフィーに愛想よく腰を振ってもらうために、最初はクリトリスを重点的にせめて、小さく早く絶頂させる。男達も慣れたものだった。

「ふぅうー……♥」

 視線が虚空を彷徨い始め、熱いため息を突き出したら、そろそろ挿入のお許しとなる。男二人はピクニックシートにさりげなく置かれていた避妊具、ソフィレットカバーの箱に手を伸ばし、素早く装着する。アイコンタクトにより、クンニしていた方が無言でソフィーの膣に肉棒を突き出し、当然のようにセックスが始まった。

 ぐぷっ、ぐぷっとどんな商売女でもここまで下品な音は立てないと言うほどに粘質な愛液が男の剛直で掻き出され、大きな音を立てた。依然辺りに響き渡る大工の音にかき消されて行くが、よどみない動作で作業を続ける男達も股間を膨らませ、ギラギラとした欲望をソフィーに向けている。

「はぁっ♥ んあっ♥ あぁっ♥」

 大きく花開いた性器に突っ込まれてみっちりと膣口を広げているソフィーは、始まったばかりのピストンを味わうようにうっとりとした雌の表情で、しかし大げさに喘いだりはしなかった。このくらいはもはや前菜に過ぎないのだ。

「ねぇ♥、どうっ、する? お口? それっ♥、とも、お尻っ、で、しちゃう?」

 男に組み伏せられて自ら脚を絡めて情熱的に腰をくねらせながら、傍らで自分を見つめているもう一人の男に、にこやかに話しかける。ポルチオをごんごんと突かれる衝撃で声にビブラートがかかり、隠し切れない快楽が滲むことで、えもいわれぬ淫靡な囁き声となって男を誘惑した。

 ある意味いつまでも見ていたい位の美しさだったが、放っておくと膣にくわえ込んでいる男に夢中になって話を聞いてくれないという最悪の事態になるので、速やかに返答する。

「そうだな。さっそく2穴させてもらうとするか」

 それを聞いたソフィーはバラのように頬を紅潮させ、答えた男でなく交尾相手の男に腕を伸ばし抱きついた。誤解無くその意を汲んでソフィーを抱き起こすと、今度は男が仰向けになる。

 後ろを振り返りながらソフィーは愛液と腸液に焼けて茶色く、ぽっかりと肉棒で拡張済みの尻穴を両手で広げて男に直腸内壁まで見せびらかした。

「ん、どーぞ♥」

 後ろからソフィーの男に抱かれなれた身体に抱きつき、清純さを保っている髪に顔をうずめて瑞々しい少女の香りを堪能した。ぬぷぬぷと、膣同様いつまでもきつい尻穴に腰を突き出し、先のほうに感じる腸壁越しの子宮を確かめる。

「あっ……♥ そこ、いい……♥」

 うっとりと子宮の性感開発を受け入れて、ソフィーが二本の巨根をくわえ込んだ下腹部を波打つようにくねらせ始めた。ぎゅうぎゅうに締まりながら肉ひだがこなれて柔軟性も増してきたソフィーの肉穴は、男に容赦なく射精を促してくる。

 二人がかりでもソフィーに絞られる男達は反撃のために共に右手を使ってソフィーの垂れ始めた胸を揉む。男達が努力して乳首イキを覚えさせた、ここもソフィーの数ある弱点の一つだ。

「はぅんっ♥ んっ、あっ、あっ♥」

 ソフィーの喘ぎがもう一段階高くなり、男達は力強く腰を打ち出し、さらに崩しに掛かった。

 カン、カン、カンという釘を打つ騒音に、だんだんソフィーの喘ぎの大きさが追いついていく。当のソフィーはもっともっととせがむ様に背を逸らし、無防備に胸を張って、腰のグラインドを大きくさせた。

 歯を食いしばって耐えていた膣側の男が、ここで耐え切れなくなり思い切り突き上げて、浮き上がったソフィーがぴんと脚を伸ばした。

「ああっ、あーーーっ♥」

 跳び箱を飛ぶような美しいフォームで、全身を痙攣させてソフィーが絶頂する。それに応じて直腸のうねりも激しくなり、後ろの男も連鎖的に射精してしまった。

「ああ゛ーーーーっ♥」

 二重底になった深い絶頂に、ソフィーは天を仰ぐように顔を逸らして、動物のように遠慮なくイキ声を上げた。そのまま数秒間痙攣し、くったりと後ろの男に身体を預ける。

「はぁ……♥ よかったぁ……♥」

 小さな呟きは、そよ風に乗って全員の耳に届いた。心から満足していることが伝わってくる甘い声に、男がなけなしの達成感を得る。

 ぎゅ、ぎゅと両穴に咥えた肉棒から残った精液を搾り出した後、腰を浮かせて抜き取り、二つの精液袋を採取した。

「ふふっ、67のー、53っと」

 ぽいぽいとバックパックに放り投げて、ピクニックシートに広がっているコートのポケットから何か取り出し、半勃ちのまま立ち上がった男達の前にひざまずいた。当たり前のようにその肉棒に口付け、ちゅぱ、ちゅぱと鈴口にねぎらうような吸い付くキスをしてから亀頭をぱっくりくわえ込み、頬をへこませて

「じゅぼっ、じゅるるっ!」

 下品な音を立てて尿道に残った精液を啜り上げる。そして喉奥までくわえ込んで、やはり唾液も残さぬように強く吸い上げ、ひょっとこのような口を晒した。ぽんっと亀頭から口が離れた時には、薄くソフィーの唾液だけが残る肉棒が残される。それを先ほどポケットから取り出した精霊織りの帳で丁寧に拭い、ようやく顔を上げて、

「精液だしてくれて、ありがとうございました♥」

 と明るい笑顔でにっこりと男に挨拶した。

 もともと、精神的に優位に立ってソフィーと生でしようと考えた男のやり始めた習慣だったが、ソフィーは「なるほど!」と即座に了承し、今のような明るくいじらしい声での挨拶になってしまったのだ。勿論、生でしようとするとやんわりと、全裸にアクセサリ装備だけでも冒険者の数倍はある腕力で押しとどめられてしまった。

 これはこれで新鮮でいい気分になるので、男はあきらめて情報を共有し、皆してソフィーをかしずかせ始めたというわけだ。

 二人目にお掃除フェラと挨拶が終わる頃には、次の二人が既に全裸でソフィーに群がり、ぬかるんだ穴に即座に挿入する。

「それじゃ、がんばってねー♥」

 可愛らしく手を振って応援してくれるソフィーの声が男を元気付ける。

 既に違う男をくわえ込んで腰を振り始めていることは意図的に無視して、大工仕事を再開するのだった。

 それから何時間もの間、作業している男たちの傍でソフィーの喘ぎ声と肉を打ち付けあう音は途切れる事がなかった。あくまで休憩という事で、ソフィーも男達も我慢せず射精し、10分から20分ほどで一緒に絶頂し、作業する時気持ち悪くならないようにと丁寧にソフィーに掃除してもらって、次の男の相手をする。

 バックパックの中にはうずたかく山になった精液袋が、ソフィーの愛液の臭いを立ち上らせていた。

 日が落ちるまでに50ほど搾り取って満面の笑みを浮かべるソフィーは、だらしなく股を開き脚を投げ出して座っている。その視線の先には、

「ふーっ。ようやく形になったな」

 力自慢の男達による努力の結晶が、ログハウスの姿をとっていた。

 決してベッドしか置けないような粗末なものではなく、ソフィーのアトリエ程度の広さがある。人に見せられないような事ばかりする予定なので窓にガラスは無く、上を支点にして開く形式になっていた。

「うわー、予想よりずっと凄いよ!」

 目を丸くして驚くソフィーにニヤリと男達が笑った。

「後は、家具を色々入れれば大丈夫だろ」

「家具かあ。やっぱりベッドはおっきくてふかふかなのがいいなー♥」

「つってもな。あんまり買いまくったら普通にばれるぞ、ソフィー」

「うーん、そうだよね。じゃあまあ、ベッド台だけ作って欲しいかな。マットとシーツは何とか作ってみるから」

「おう、任せろ」

 家具屋の息子だという一人の男が返事をする。冒険者などという過去に色々あるのが当たり前の職についているだけあって、意外なほど豊富な人材が揃っていた。

「ん、お願い♥」

 日が落ちて冷えてきたので、ようやくソフィーが立ち上がり、コートをごそごそ探る。一日中男の肉棒を拭ってきた精霊織りの帳は黄ばんで吐き気がするほど濃い精液の臭いが漂っていたが、こともなげに精霊の涙を振り掛けてくしゃくしゃと馴染ませると、新品同様に真っ白の布がそこにあった。それで全身を拭い、全裸のソフィーを男達がじっと見つめる中平然と着替えていく。

 パンツを穿いた時、

(んっ?)

 違和感がしたが、手を止めることなく全てを着終わる。

「それじゃ、今日はお疲れ様でした!」

 ぺこりと笑顔で頭を下げる少女が、今日一日中グロマンを晒して男に腰を振っていたなどと想像できる人間は居ないだろう。

「おう、またな」

 だから、ではないが……男達も、まるでただ昼食を差し入れてくれただけの親切な町娘にするように、爽やかに挨拶をして、走り去るソフィーを見送った。

 

 

 日暮れになってアトリエに戻ってきたソフィーに、台所に居たエプロン姿のプラフタは鍋に蓋をしてドアに向かった。

「お帰りなさい、ソフィー。シチューが出来てますよ」

「やたっ! 手を洗ってくるね!」

 少しだけ『採取』に出ると言って出てきたので、プラフタは夕食を作って待っていたのだ。戻り際エプロンを解いて座る椅子の背もたれにかけ、火傷の心配の無い小さな素手で鍋をガッと掴んでテーブルの鍋敷きに載せた。その間に汲み置きの井戸水で手を洗ったソフィーは皿とスプーンを2膳用意する。取り分けるのを笑顔で見守るソフィーに、プラフタも微笑み返した。

「いただきまーす!」

「いただきます」

 そして今日も夕飯が始まる。最近はもっぱらプラフタが喋る事が多かった。今日は子供達が、とか、教会の手伝いで起きた事を淡々と、しかし楽しそうに語るのだ。

 ソフィーも釣られて笑顔になって、うんうんと頷きながらそれを聞く。

 勿論、プラフタもソフィーが最近行っているらしい新しい調合の事を聞きたいのだが、錬金術の技術はたとえ師弟であろうと軽々しく訊いてはいけない、という古き善き錬金術士であるプラフタは、決して突っ込んで訊くことはしなかった。

 食事が終わると、流し台に二人並んで洗い物を片付ける。ジャンボサイズの精霊の涙をスポンジに垂らして、万能洗剤の如く油だろうがなんだろうが汚れを水と化してしまうのですぐに終わった。

 その後は寝るまでソフィーは机に向かって書き物、プラフタはゆったりと読書をして過ごし、ソフィーが、んーっ、と伸びをした所で

「そろそろ寝ますか? ソフィー」

 とプラフタが声をかけた。

「そうする。お休み、プラフタ」

 目蓋をこすりながら、さっさとパジャマに着替えて、ベッドにもぐりこんだ。

「おやすみなさい、ソフィー」

 優しげな声音でそう言った後、プラフタはランプを消す。ソフィーが笑顔で掛け布団を上げて招くのに微笑み返し、向かい合って目を閉じた。どういう理屈かは知らないが、本だったときも寝ていたようなので魂となっても睡眠は必要のようだ。

 とても寝つきが良くまず起きて来ないプラフタに感謝しつつ、その美しい寝顔をじっと30分ほど眺め続けた。

 完全に寝入ったと確信出来た後、ソフィーはそっとベッドを抜け出す。机の上の小さなランプを点け、音が鳴らないように気をつけて椅子を引いた。そのままするりとパジャマのズボンを下ろすと、腰掛けて手鏡で股間を確認する。

「やっぱり。パンツの脇からはみ出ちゃってる」

 男達と一日中順繰りにセックスし続けた結果、ついにソフィーの大陰唇はパンツをはいていても隠せない位に開ききってしまった。

 だが、その顔に悲嘆の色は見られない。

「ふっふっふ……皆驚くぞー……♪」

 それどころか、いたずらが成功すると確信しているかのようにニンマリと笑った。机の上の考案中のレシピが書かれたゼッテルが、頼りないランプに照らし出される。引き出しからこぶし大の白い石を取り出して、そっとその上に置いた。

「今日こそは完成させるんだから! ソフィルマストーンを二個、別々に使えばこれが実現できるはず……」

 机の上に置いたソフィルマストーン……精液の力を凝縮した石を掴み、じっと見つめた。手に持った感触は生暖かい。ソフィーにとっては射精したての精液を感じさせる手触りのよさだ。きゅっと握り締めると、遠くから響くように声が聞こえてくる。

『ソフィーを孕ませたい』

『ソフィーにいつまでも可愛くいて欲しい』

『ソフィーをもっと気持ちよくしたい』

 そんな、純粋な欲望の声が聞こえてくる。ソフィーには普通の素材ではまだ聞こえないが、このようにソフィー自身が搾り取った精液でのみ、その力を凝縮する事で素材の声を聞く境地に至っていた。

 この声が聞こえたからこそ思いつけたレシピであるだけに、その効果も強力らしく上手く調合をまとめるレシピを考案するのに手間取ってしまっていた。

 最後の確認としてレシピに目を通し、ズボンを穿いて材料を手に立ち上がった。ぺたぺたとスリッパ履きで錬金釜の前まで歩き、むんと気合を入れる。

「よし……これとこれと……」

 石に油、そして薬を投入し、真剣な目をして鍋をかき回し始めた。

 

 

 そして、夜が白み日が昇り始める頃、ついにそれが完成する。

「で、できた……!」

 金色の容器に入ったそれは、固めのジェル状になった軟膏だ。ごくりと固唾を飲んで効能を確認し、

「やった!」

 プラフタを起こさないように小声で、しかし大きな充実感を感じながらガッツポーズを決めた。

「ふーっ……私はもしかして天才かもしれない……」

 クールに決めているつもりなのか目を閉じて息を細く吹きつつ、パサパサと衣服を脱いで全裸になる。さっそく、容器からたっぷりと指で掬って、まずは自分の両胸に揉みこむように塗り始めた。窓際にある棚に腰掛けつつ、片足を上げてビラビラの肉の花が咲き誇る自分の股間をキッと睨みつけ、そこにもたっぷり塗りつける。念入りに膣穴にも指を入れ、指の届く限り塗りつけた。

 ものの一分で、効果は現れ始めた。ずくん、ずくんと心拍にあわせて疼痛感が走りソフィーの身体に変化が訪れる。茶色く変色していた乳首からじわじわと色素が薄くなり、男を知らなかった頃の可憐な薄ピンクに、男に吸われて伸びる前の控え目な大きさに戻っていく。さらに垂れ気味だった乳房全体もハリを取り戻し、つんと前を向く釣鐘型の美乳になった。

「おおお……!」

 レシピの完成に目を見張るソフィーは、がばっと脚を開いて熱くなった股間に注目する。そこには、例えるなら白パンのサンドイッチの隙間からイチゴジャムがほんの少し顔を出しているような、赤ん坊のようにシンプルな割れ目があった。

 恐る恐る自分の股間に手を伸ばして触れてみると、自分のものながらドキドキしてしまうほどにもっちりと指に吸い付くような柔肌がこんもりと中身を覆っているのが感じられる。手鏡を構えてぱく、と片手で割り開くと、朝日に照らされたソフィーの小陰唇は鮮やかな赤ピンク色で膣口の周りを上品に彩っていた。

 そっとその秘唇をなぞってみると、甘美な痺れが背筋を走っていく。

「んっ……♥ 完成! 名前はねえ……オーソフィーかな」

 そろそろ自分の名前を入れるのも面倒になってきたソフィーは適当に命名した。

「えへへ……皆、驚くだろうなー。やっぱり、いつまでも綺麗な方がいいよね」

 プラフタが起きて来る前にと、いそいそと服を着ていくソフィーは、ばれない様に後片付けをしてから、じんじんと熱を持ち続けている胸と股間に満足して6時間ぶりにベッドにもぐりこみ、すぐ寝息を立て始めた。

 薬はソフィーの身体の中まで浸透し、いつまでも若々しく……男の求める身体に作り変えていく。ジワジワと胸が張っていき、子供も生まれていないのに母乳が蓄えられ、膣の中ではより多くヒダが形成され、男を喜ばせるためのしごき穴に生まれ変わる。

 その事を知ってかしらずか、ソフィーは穢れを知らぬ乙女の顔をして、プラフタに寄り添って眠り続けた。

 

 

 ヤリ部屋の完成と共にお披露目されたソフィーの生まれ変わった体は、男達の努力を簡単に全否定してみせるもので、内心に少しの落胆を残しながらもやはり新品同然の美マンの魅力には勝てず、大歓迎を持って迎え入れられたのだった。



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5.愛の交錯

 ソフィーが男達に股を開きながら作らせたヤリ部屋で、いつものように男の前に跪いて射精直後の硬さを残した肉棒にしゃぶりついていた。

 ちゅぱ、くちゅ、という粘つく水音を立てて肉棒をひとしきり舐め、掃除を済ませたソフィーは唇の周りに残った男の体液を舌で舐め採りながら立ち上がった。

「いつも精液ありがと♥」

 既に服を着てこれから帰宅するソフィーは、ぷらぷらと目の前の男の精液が入った黄金ぷに製の袋を揺らして、いつもの挨拶をする。ベッドに再び座って余韻を味わっている男に背を向けドアに向かって歩いていき、ふと立ち止まった。

「あ、そうそう。精液も大分たまったから、しばらく精液の採取はお休みね」

「ええっ!?」

 男は寝耳に水で目を見開いた。このところの生き甲斐になっていたソフィーとのセックスを、こともなげにお預けを食らったのだ。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ! どのくらい!? どのくらいの間だ?」

 取り乱して駆け寄ってくる男に、気楽に首をかしげてソフィーが答える。

「えっとね……なんだかんだで200個以上たまってるから、大体3,4週間くらいかな」

 後頭部をぶん殴られたような衝撃を受けて、よろめく。

「俺は……俺は一体何を生き甲斐にして生きていけばいいんだ……」

 筋骨隆々の男がよろよろとその場に膝をつくのに苦笑して、丁度いい位置に来た頭をソフィーが優しく抱きかかえた。

「もー。そんなにガッカリしないでよ。……いーっぱい精液使ったら、また皆にたっぷり出してもらいに来るから! ね?」

 近頃二周りは大きくなって、巨乳と呼んでもいいほどのボリュームを主張する胸に包まれ、一時男は夢見心地になる。が、それもしばらくはお預けなのだ。名残を惜しんで、すうはあと匂いを堪能した。

「あぁ……本当に寂しいぜ。週に1度位は付き合ってくれてもいいんじゃねえか?」

「あー、私、教会のお祈りとか行くの苦手なんだよね……調合してるといつの間にか2,3日終わってるから、週に一度って言っても結局忘れちゃうと思うんだ」

 幼馴染にも何度と無く指摘された悪癖をばつが悪そうに白状しながら、顔の前で手を合わせて、ぺこりと頭を下げた。

「ううむ……じゃあせめて、皆に手紙を書いて知らせてくれよ。俺が言っただけじゃ殴り合いが起こっちまうぜ」

「そお? じゃあまあ、手紙を書いとくね」

 さらさらさら、と書き記し、久々に精液袋以外のものが詰まったバックパックを再び背負って、ソフィーは去っていった。

 残された男はポリポリと頭をかきながら、苦笑いで見送るしかない。何度となく連続絶頂させて品性のカケラも無いアヘ顔にしてセックス漬けにしたつもりでも、あの調子でソフィーは飄々と日常を取り戻してしまうのだ。それもまた魅力的だと思ってしまった男の負けであった。

 

 

 一方のソフィーは鼻歌を歌いながら、自分の家に歩いて帰っていく。このところヤリ部屋に入り浸ってセックスばかりする毎日だったが、そのお陰で当面困らないだけの精液袋の山を手に入れていた。犯されている最中に考えていたいくつかの構想をレシピにまとめて、ストックを気にせずガンガン調合できるかと思うと心が弾む。

 坂を上りきってもうすぐ自宅という所で、声をかけられた。

「お、おいっ!」

 顔を向けてみると、中肉中背という感じで取り立てて特徴の無い若い男が、緊張にガチガチになってソフィーを見つめていた。

「えっと……?」

 なんとなく顔を見たような気がするが、やはり思い出せない。格好を見るに、町の人間である事は確かだろう。

「あ、あんたが、お、大勢の男と、寝ているの、し、知ってるんだぞ!」

 いきなり支離滅裂……でもなんでもなく真実を告げた男に、ソフィーの目が冷たく細められる。

「言っていいことと悪いことがありますよ」

 外見からは想像もつかないほどの重圧を食らって、男はさらに怯んだ。

「い、いやその、お、俺は、俺も、一回してくれないかなって、だけで」

 ふぅーっ、と鼻から息を吐いて、ソフィーは

「付いて来て下さい」

 男を誘って林の中に足を踏み入れた。

 OKが出たと思った男はまた調子に乗って声を上げる。

「へ、へへへ。やっぱりビッチだったんじゃないか!」

「……さっさとズボンを下ろしてください」

 ニヤニヤ笑いながらズボンを下ろすと、ビンビンに勃起した、しかし少々小さめの肉棒が現れた。

「ふーん……」

 無感動にそれに避妊具を一瞬で取り付け、そのまま正面から片手でたくみにしごき上げる。男達に散々仕込まれた手わざの熟練は凄まじく、

「ちょ、うぉっ、あっ、あっあっ」

 男の一番弱い所をあっという間に把握し、最速で射精に導いた。

 掌に感じる射精の勢いもいつも感じているものに比べれば頼りなく、雑に尿道の精液をしごき上げてさっさと精液袋の口を縛る。

 気を取り直してソフィーに顔を近づけてくる男にばっちり目を合わせて、

「はぁ……精液の品質、5。無価値」

 はっきりと軽蔑の意思をこめてソフィーが言い放つと、男としての大事な何かを、ザクリと刺されてしまったように男が硬直した。スタスタと足早に立ち去っていくソフィーの背中を追いかけることができない。

 ガサガサと茂みから出てきたあとも、ソフィーは足早に歩き続けた。そして自宅が見えてきてようやく、

「はぁああぁーっ……怖かったぁ」

 膝を抱えて座り込んだ。

「やっぱり、そろそろ皆に知られてるのかなあ。あの部屋を作っておいて良かった」

 しばらくうずくまったままぷるぷる震えている手足を何とかなだめて、すっくと立ち上がる。

「あの人、放っておいて大丈夫かな。『皆』に相談してみようかな……」

 皆という言葉を、いつの間にかモニカやオスカー達よりも四六時中繋がり合っている男達に向けて使う事が多くなっていた。

 と、後ろから足音が聞こえ、パッと振り返る。そこには『皆』の一人である冒険者の男が立っていた。

「よ、ソフィー。しばらくアッチは休むんだって? 驚いたぜ」

 気さくに、しかし直接の言葉を吐かない様に配慮した男の挨拶で、ソフィーの緊張がようやく解けた。

「うん……ごめんね? 皆からもらった材料で、しばらく錬金術に集中したいから」

「いや、いいさ。ところで、何か困ってる事があるんじゃないか?」

 どきり、とソフィーの胸が跳ねた。

「いや、難しい話じゃないんだ。さっきソフィーの様子を、ちょっとな」

 あさってのほうを見て頬をかきながら男に言われ、ソフィーはかぁっと羞恥で赤面した。

「うええっ!? み、見てたの!?」

「あー、まー、ちょっとな。いきなり茂みに連れ込んで、即ヌキしだしたから驚いて声をかける間も無かったぜ」

 人生で忘れたい汚点ナンバーワンに上り詰めてしまった思い出を見られていた絶望に、ソフィーは頭を抱えてまたうずくまった。

「ああー……最悪……」

「まあまあ、そう言うなって。あの男にはちょいときつーいお灸を据えて、口封じしといたからよ。変な噂にはならないと思うぜ」

「うー……、本当?」

 ちょっと涙目で上目遣いに言うソフィーに、男は膝に手を突いて中腰で笑いかけ、頭をガシガシと撫でる。

「ああ、本当だ。安心してくれていいぜ」

 その言葉に、鼻を啜りながら立ち上がると、ぺこりとお辞儀した。

「本当に、ありがとう!」

 そして顔を上げたときには、いつもの明るい笑顔を浮かべていた。

「で、でな? そのー、礼を要求するわけじゃないんだけどよ、あの、ほら」

 今度は男の方が顔を明るくして落ち着き無く目を泳がせると、ソフィーは瞬時にその意図を悟り、笑みを深めた。

「もう、しょーがないなー。……一回だけだからね? 早く済ませるよ?」

 上機嫌で男に歩み寄り、そのたくましい腕に腕を絡ませ、すこし寄りかかるようにして近くの林の中へ歩き始める。その姿は、大人と子供のような体格差でありながら盛りのついた恋人同士にしか見えないほど、しっくりと馴染んでいた。

 十分林の中に入って周りから見えなくなると、そっとソフィーが離れ、前かがみになってスカートの中に手を伸ばし、見えないようにパンツを脱いだ。膝辺りまで脱いだところで、右足だけを抜いて、木に寄りかかってパンツの引っかかった左脚を上げる。赤子のように無垢でありながらむっちりと肉感もあり柔らかそうなソフィーの大陰唇が、引っ張られてほんの少し中身を覗かせているのが男にも見て取れた。

「はい、どーぞ♥」

 男がマンコを弄る前からこんなにも優しく微笑んで誘ってくれるソフィーはかなり珍しく、ソフィーに不振がられない程度に感動をかみ締めた。お互いに立ったままだと普段よりもずっと強く体格差を感じる。ズボンから既に勃起している肉棒を取り出して避妊具をつけソフィーに覆いかぶさるように抱きつくと、一旦中腰になって下からまだほんの少し濡れ始めた程度の肉穴に優しく挿入した。

「んぅ……♥ まだ、きつい、かも……♥」

 囁くようなその声は、言っている事に反して既に艶めいている。普段より強い摩擦感さえも新しい快感として感じているのだろう。男の方も、無数のベロでもみくちゃにされるような普段の蜜に満ちた穴と、抵抗がきつくハッキリとヒダの一つ一つまでこすれる感覚のある今の穴とを比べてるように、じっくりゆっくり腰を使った。

 しかし、何十と身体を重ねてきた二人なので、あっという間にソフィーの膣は濡れそぼって行き、いつものようにスムーズで力づよいピストンが始まった。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ♥」

 ソフィーの荒い息遣いを胸の真ん中に感じながら、ぱん、ぱん、と体勢ゆえに控えめな、下腹部を打ち付けあう音を誰も居ない林に響かせて、二人は心と身体を一つにした充実したセックスを楽しんだ。

 ソフィーの膣を細刻み締めてくる催促にしたがって、男はスパートをかける。せめて一番気持ちよくしてやるために、ソフィーの大好きなポルチオをゴリゴリと苛め、深いところを重点的にかき回す動きで絶頂のタイミングを合わせた。

「あっ、ああっ……イク、イクぅ♥」

 胸板に感じる切なげなソフィーの声の振動と、その小さな体の絶頂痙攣を味わおうと強く抱き締めながら、男はソフィーの奥で射精した。ソフィーからも抱き締め返され、いつものように膣をうねらせて最後まで搾り取ってくれる。

 ぬぽっ、と引き抜くと、巨根の先端からモーニングスターのように精液溜めが垂れ下がっていた。しゃがみこんで精液袋を回収し、いつもよりも心なしか愛情のこもった掃除をしてもらい、濃密なひと時は終了した。

「本当に、助けてくれてありがとうね」

 男に背を向けて歩いていくソフィーは一度振り返って、まぶしい笑みで大きく手を振って家へと帰って行った。

 そうして、自宅の前までついたソフィーは、プラフタに悟られないように精液の味が残る口を井戸水でゆすいで、少し汗の匂いがしたので精霊織りのハンカチで拭ってから、ドアを開いた。

「ただいまー!」

「お帰りなさい、ソフィー」

 昼下がりを過ぎて、プラフタも帰宅していたようだ。駆け寄って笑顔で抱きつくソフィーはまるで子供のようで、つい先ほどまで男と立位でしっぽりハメていたようにはまったく見えなかった。

「もう、どうしたのですか? 最近すっかり甘えん坊になってしまいましたね」

 そういいながら満更でもなさそうにソフィーを抱き返し、プラフタは微笑んだ。

「えへへ……プラフタが子供の扱いを覚えたからかな? なんか、前よりおかあさんって感じがする」

「おかあさん、ですか……私には子供が居ませんでしたから、ソフィーにそう言われるのは不思議な感じですね」

「やだった?」

「いいえ、そんなことは。……ソフィーのお母さん役なら、喜んで引き受けますよ」

「やたっ!」

 そう言って頬ずりしてくるソフィーを抱いて、プラフタは背中を優しく撫でる。ひとしきり満足してから、

「やー、なんかやっぱり照れくさいね」

「ふふっ。甘えたくなったらいつでも言ってくださいね、私の可愛いソフィー」

 ノリノリで慈愛の表情を向けるプラフタに、ソフィーは赤くなってむにゃむにゃとくすぐったげな笑みで答えた。

 ようやく身体を離すと、ソフィーはコンテナに手早くずっしりと溜まった精液袋の山をプラフタに見えないようにしまっていく。プラフタは上機嫌で鼻歌を歌いながらエプロンを着用し、夕飯の支度にかかった。

 ブライトソウルのむっちりとした光沢のある尻を眺めていると、ソフィーの中でムラムラと欲望がわきあがってきた。

(ソフィルマストーンは宝石、神秘の力のカテゴリ値を持ってるから……あとは、今進めてるレシピでエリキシルと糸素材の精液素材を作れば……ふふっ)

 オーソフィーというどんなグロマンでも赤ん坊のそれのように美しく戻してしまう化粧品を作り出してからも、ソフィーはいくつかの精液レシピを考案していた。

 動物の骨の芯とぷにのガワに精液の性質を組み込んで執拗にGスポットや子宮口を責め立てる生きたディルド、エンゼルリボンと精液を組み合わせ卑猥に裸身を飾り立てるセックス目的の下着、男に精子の生産を促しソフィーがより快楽に耽ることができる甘い香りのお香などなど。

 下半身の欲求に塗れたレシピを考案してきたソフィーの次の目的は、ついにプラフタを対象にしていた。

(プラフタにおちんちんを生やしてセックスしたら……最高に気持ちいいだろうな)

 うっとりと微笑んで夢想する。男達ともずいぶん打ち解けて手馴れたセックスをするようになったが、それでも大好きなプラフタとはさすがに比べられない。

(プラフタのおちんちん、どういうのにしようかな♥ やっぱり、すっごく大きくて私の一番いい所に当たって、カリはデコボコにして……♥)

 大好きなプラフタには最高の肉棒を持たせたい、ソフィーの独特すぎる乙女心により、人間離れした卑猥な逸物を生やされる事が確定したプラフタだった。

 机に向かって、真剣な顔で自分の理想とする肉棒の外形、寸法に至るまで、詳細に書き出していく。その途中でさらに閃き、

(そういえば、プラフタって感覚ないんだっけ? 精液も魂に似た力を持ってるし、プラフタの魂に繋げれば気持ちいいのを感じられるようになるかな。そうだ、射精はどうしよう? 皆のをそのまま入れるんじゃつまらないし……濃縮した精液の力を、また精液に還元する機能を持たせないと……あっ、それならついでにこういう機能も……)

 ひらめきがひらめきを呼び、走り出したソフィーのペンは止まらない。結局プラフタが夕飯に呼ぶまで書き続け、食べ終わって寝るまでも書き続けるのだった。

 

 そしてプラフタが寝たあとに起きだして、また机に向かう。

 ソフィーは精液の力を凝縮して作った宝石、ソフィルマストーンを握り締め、その素材が訴えてくる声に耳を傾けていた。

『ソフィーを孕ませたい』

 どの素材も、一番大きい声はこれだ。

「やっぱり、皆は私に子供を産んで欲しいのかな」

 さすがのソフィーも、セックスというものが快楽目的ではなく、子供を作る行為という事はわかっている。それは知識としてあるし、最初はとにかく膣やポルチオをかき回されて気持ちよくなれば良いと思っていたソフィーも、錬金術の秘薬で膣内も子宮口も敏感にしている最近のセックスでは、子宮口の奥、子宮がジンジンと熱を持ち物足りないという声を上げているような感覚を得ていた。

「精液を、子宮に入れるのって……そんなに気持ちいいのかな」

 うっとりとセックスのときの顔になって、生暖かいソフィルマストーンに口付けると、お掃除フェラのときの精液の味が蘇ってきて、目を細めた。

「子供……子供かあ。私も、子供を生めるような歳になったんだなあ……」

 ぎし、と椅子に背もたれて、天井を見上げる。

 両親を早くに無くし、祖母も天に召されて、この家に一人ぼっちで過ごしてきた。今では家族といったらプラフタが居るが、このまま自分は一生独りぼっちなんじゃないかと涙しながら寝たこともある。

「そんな私が、もうお母さんになれるんだ……」

 子供を産んで、新しく家族を増やす。それは、ソフィーにはとても素敵な想像に思えた。

「産んで、みようかな」

 男達の優しげな笑みが、セックスの気持ちよさが、子宮の疼きが、ソフィーに前向きな決断をさせようとしていた。しばし目を閉じて、静かに考えに耽る。

「……うん。やっぱり、初めて産むのはプラフタの子供がいいな」

 ベッドの中ですやすやと眠るプラフタに穏やかに微笑んで、常識など投げ捨てた結論に向かってまた全力でレシピを書き上げていった。

 

 

「ふうーっ……こんな感じかな」

 おおよそのレシピは完成した。後は細かい部分を詰めるだけだ。ソフィーは錬金釜の前まで移動して細心の注意を払ってそれを作り上げる。所要時間はおよそ一時間。夜明けまでに5,6本しか作れない。

 ごろり、と錬金釜のそこに調合されたそれが転がる。身を乗り出して掴み上げるとそれは男性器であった。ソフィーはそれを脇の棚において、下半身裸になる。

「作ってから調整するのじゃ遅いし、ちゃんと試しておかないとね」

 人間から生えているのを摘み取ったような生々しい質感を持つそれは、中間部分が一番太く、根元と先端……カリ首に向かって細くなる、バナナのようなカーブを描いていた。一方の先端には亀頭が張り出し、キノコどころか半分になった雨傘の如く、デコボコに突起が突き出している。さらに裏筋部分には、肉のブラシのようにヒダが生えそろっており、おおよそ人間のものではありえない、ソフィーをよがらせるためだけの特別製であった。

 これを生やしたプラフタとのセックスを思い浮かべるだけで股間を湿らせ、錬金釜の前でがに股になり自分で穴にあてがって愛液をまぶし、挿入した。ぬめる両手ではなかなか前に進まないほどの太さに難儀しながらも、毎日のように太い肉棒を咥えてきたソフィーの膣穴は柔軟に受け入れていった。

 一番太い部分を過ぎると、ずるずると独りでに飲み込まれていくように、肉棒がソフィーの可憐な膣に収まっていく。

「ふぅ……♥」

 熱っぽく、肉欲に濡れた視線を中空に彷徨わせ、ソフィーは腰を揺らめかせて最高の肉棒候補に下の口でしゃぶりつき、品評を始めた。

「んっ……♥ 亀頭は、やっぱりもうちょっと滑らかな方が好みかな……でも、このそり具合……ちゃんと、一番いい所に当たってる♥ それに、裏筋につけた肉のブラシ……これ、予想より気持ちいいかも……♥ もうちょっと増やしてみようかな♥」

 ぬぷ、ぬぷ、と下端を握ってピストンをしてみるが、気持ちよくても男のピストンのように力強くはないため、どうにももどかしい。だが今の目的はイくことではないので、ソフィーは何とか我慢する事にした。

「うん、一回目だけど、いい感じ♥ これなら2,3回で終わるかな」

 そうして、下半身裸でプラフタに生やす予定のディルドをぐっぽりと膣穴で咥えこんだまま、ソフィーは次の調合を始めた。

 真ん中が一番太いため、返しのように抜きにくくなっているディルドをずるずると引き抜いて、新しいものをまたすぐにくわえ込む。今度は亀頭が少し物足りず、それからも何度かトライアル&エラーを繰り返して、何とか夜が明ける前にソフィーにとって最高の肉棒を作り出すことに成功した。コンテナにそれらを突っ込んで、ひとまずソフィーは眠りについた。

 

 それから、日々は飛ぶように過ぎていった。

 朝プラフタが出かけると、ソフィーは大手を振って精液をコンテナから取り出し、新しいレシピのために調合を始める。2回目の調合の途中辺りでプラフタが帰ってくるのでその頃には片付けておき、調合中の材料はさすがに分からないはずなので何食わぬ顔でプラフタのための特別レシピを完成に近づけていく。

 教会の仕事は休日も変わらず存在するために、プラフタの休みの事を考えなくて済むのは助かる所だったと言えるだろう。

 そうして、難度の高いいくつかの課題を新しい素材を調合する事でなんとか克服し一ヶ月半も過ぎる頃にはついにプラフタの身体に手を入れる段階までたどり着いた。

 

「はー……ついにここまで来たんだ……結構てこずったなー。本当に難しかった……でもこれで目指した機能は全部出来たし、ついにプラフタにお披露目できる!」

 うきうきと、コンテナから素早く取り出せるように材料を準備して、プラフタの帰りを待つ。なんどもレシピの内容を確認し、材料が全部そろっているか見直し、手順を頭の中で繰り返しているうちに、ついにプラフタが現れた。

「ただいま戻りました、ソフィー……ん? どうしました、そんなところで」

 いつもなら机か錬金釜の前だったので、コンテナに腰掛けたままのソフィーを見て小首をかしげて声をかけてきた。

「お帰りプラフタ。んふふー、あのねプラフタ、久しぶりにドールメイクしようと思って」

 にやにやと、上機嫌でソフィーはプラフタに返事をした。

「ああ、それで私を待っていたんですか? 声をかけてもらえれば、1日くらい仕事を休んでも良かったんですよ?」

 今は教会で子供と接する事が多いのでなるべく露出の少ないブライトソウルをずっと着ているが、最初の服にはやはり思い入れがあるし、ウィンディアやフローライトなど気分を変えた服もやはりすてがたい。

 500年たっても衰えない女心で着替えを楽しみにするプラフタに、ソフィーは

「えへへ、今日のドールメイクは一味違うからね。私の研究の集大成って感じ」

 いたずらな笑みで返した。

「ほう……それはそれは。では楽しみにさせてもらいましょう」

 母親然とした柔らかい表情の中に、熟練の錬金術士の理知の光が宿る。プラフタはいつもの位置に立ち、どうぞ、という表情でソフィーに微笑みかけた。

 そしてソフィーは、ついにプラフタの目の前に精液で出来た素材の数々を並べる。

「うん? それは……なんです? 見たことがない素材ですね」

「私の特製でーす」

 まずはエリキシルの『天の川の粉』。調合によって作られるエリキシルというのはかなり貴重で、真紅の石、賢者の石という規格外と失敗作の灰を除いては錬金粘土一つしか存在しない。プラフタを作る材料となったその粘土の高度さに敬服しつつも、ソフィーは竜素材のエリキシル属性に目を着け、星の粉の火薬属性を精液属性に置換した粉末を作る事に成功した。

 そして糸素材『生命の尾』。これは比較的すんなりと製作でき、錬金粘土ベースの丈夫な精液糸を作った。さらに元から宝石である『ソフィルマストーン』、そして神秘の力素材は、まんま『精液袋』を取り出していく。

「ちょ、ちょっとソフィー? その袋はなんですか? 黄金ぷにのような色ですが」

 聞こえたツッコミは聞こえないフリで、ちゃっちゃかプラフタを改造していく。

「ふーっ! これなら見たことも無いやつが出来そう! 楽しみー!」

 Wiseはゼロどころかマイナスまで振り切り、CuteとFoolは無限大の方に振り切り、Braveには変化なしというとんでもないバランスで、さらにソフィーの仕込んだ仕掛けの準備もプラフタに気付かれないように終わらせ、ついにその改造が実行された。

「ソフィー! 一体何を……!」

 取り乱し始めるが、さすがに暴れて逆らったりはしない。改造は滞りなく終わり、そこには……普段とほとんど同じ、白い薄着のプラフタが立っていた。

「うー、ん……? あら、なんだか……変な感じが……」

 プラフタが身をよじると、全身にむずがゆいような感覚が広がる。

「ふあぁっ! こ、これ……まさか、感覚が?」

「おっ! まずは一つ目、ちゃんとできたみたいだね」

 自分の実験の成功を見届けるソフィーの瞳はキラキラ輝いていた。

「ソフィー、まさか私に、感覚を取り戻させるために……」

 思わずジン、と胸ならぬ魂の内が感動に熱くなるプラフタだが、

「んー? それはまだついで! まだまだ驚くところがたくさんあるから!」

 そう言われてプラフタが自分の身体を見下ろしてみると、着ている服はほぼデフォルトの白い服のようだった。だが、胸の頂点にぽっちりと盛り上がっている箇所がある。

 まさか、と思いながらも、さすがにソフィーの目の前で乳首を弄る勇気は持てず、腕や肩の後ろ側を見ていますよというフリをして体を捻る際に、二の腕を胸に押し付けてみる。

「んっ……♥」

 500年ぶりに感じる乳首の快感は、プラフタの魂に甘く染みとおっていった。

(まさか、これもソフィーが……いえいえそんな、あの無邪気なソフィーがこんな、気持ちよくなるためだけの機能なんてつけるはずが、いやしかし錬金術で改造したのはソフィーで……いえ、きっとフリッツが気を利かせて胸の中身まで造ってくれていたに違いありません。職人の心遣いならばこれもまた仕方のないことですね。私の身体がどうなっているのか、後でちょっと、ちょっとだけ確かめてみましょう)

 と、サラっと後でオナニーをする事を心の中で決めて、今度こそ本当に全身を見渡す。身体を動かすたびに、自分のものでないような感覚の波が沸き起こる。だがそれも、しばらくすると馴染んでいった。確かに人間として生きていた頃は、全身に感覚があるのが当たり前だったのだ。それを懐かしみ、ソフィーに感謝していると、ようやく普通の感覚以外のものを感じることが出来た。

 下腹部に、暖かいものを感じる。それは先ほどの乳首の時にも似て、プラフタを甘く魅了する快感の波だ。そっと下腹に手を当ててみると、やはりその奥に快感の源があるように感じられた。

「ソフィー、全身の感覚とは別に、何かお腹の中が暖かいような気がするのですが、これは何ですか?」

 良くぞ訊いてくれた! とソフィーの顔に満面の笑みが広がる。

「うん、教えてあげる♪」

 プラフタの手を引いて、ベッドに歩いていく。

「あっ♥ ソフィー、まだ感覚に慣れていないので、もっとゆっくり……♥」

 まるで男の逸物を受け入れた乙女のような事を言って、おっかなびっくりプラフタが歩き出す。

 ソフィーの柔らかな手に握られる感覚、歩いて服が体にこすれる感覚、足が床を踏みしめる感覚、その全てがプラフタにとって心地よかった。

(こんなにも、感覚というのはいいものだったのですね)

 人らしさを取り戻した感慨に、全般的に感覚が少し性的に偏っている事にプラフタは気付かず、おとなしくソフィーについていってしまう。そうやって油断しているところを素早くソフィーに抱きかかえられ、

「ぽーん!」

 ベッドの上に放り投げられた。

「ひゃあんっ♥」

 たったそれだけで、プラフタは甘い声を上げてしまう。さすがにはしたない声を上げた自覚があるのか、顔を赤くしてソフィーから顔を背けた。その胸の高鳴りも、熱くなる顔の感覚さえも心地よいと感じた。

「ち、違うのです、これは……ちょっと、感覚が戻ったばかりで、くすぐったくて」

「うんうん、くすぐったいんじゃしょうがないよね♪」

 からかわれたと思ったプラフタが、目をギュッと閉じてしまう。そしてそれが、最後の大きな隙になった。

 ぱちん、と股間で留め金が外れるような音がして、ソフィーの指がプラフタの股間に触れる。これまでとは比べ物にならない大きく鋭い快感の波が来たと理解した次の瞬間、目を閉じたままのプラフタにも分かるほど、自分の中からずるりと棒状のものが突き出して、天に向かってそびえたのが分かった。

「えっ……? …………え?」

 うっすらと目を開いてみると、

「はぁ……♥ やっぱり、プラフタにおっきくて、えげつなぁーいおちんちんが付いてるの、最高に興奮する……♥」

 うっとりと、見たことも無い淫靡な表情で目を細め、頬を紅潮させて、プラフタから生えたそれ……あまりに歪だが、まごうかたなき男性の生殖器の根元を握り、先端の傘のように張り出した部分にじっと熱い視線を注ぐソフィーがそこに居た。

 何かの見間違いではないか、実はソフィーは目を閉じている間に居なくなり、知らない人が現れたのではないか、股間に突き出しているのは戦闘に使う部品であり、生殖器などでは無いのではないか。そんな現実離れした仮定をしてみるが、やはりどう考えても自分の股間から直接生えた男性器を、愛するソフィーが肉欲に目を光らせて今にもしゃぶりそうなほど顔を寄せて見つめている。

 開いた口がふさがらないプラフタと、口を大きく開けたソフィーが一瞬視線を交わし、笑みを深めたソフィーがぱっくりと自分の欲望が余すことなく反映された巨根をくわえ込む。

「っ……! かっ、あっ……♥」

 たったそれだけで、プラフタの脚が反射的に跳ね上がり、ソフィーにだらしなく股を開いた格好になってしまう。

 ソフィーはそんなプラフタの様子を事細かに観察しつつ、優しく優しく、普段男にするお掃除フェラよりも数段刺激が弱くなるように、唾液をたっぷりとまぶし、繊細な舌使いでプラフタを舐り続ける。

 たったそれだけで、プラフタの表情が見る間に肉欲に蕩け、ソフィーにされるがままになってしまった。

「そ、ソフィー、あっ♥ こ、んな♥ ことぉ♥ いけません♥」

 ぴくん、ぴくんと肉棒を跳ねさせながら、上体を起こす事も出来ずに言ってくる。

(プラフタ可愛いーっ♪)

 ひょっとこのような口で肉棒を頬張るソフィーを上機嫌にさせるだけであった。

「くっ……♥ だめ、です……♥ やめ♥ なさいっ♥ ソフィー♥」

 刺激にもなれて、ようやく抵抗のためにプラフタが手を伸ばしてくると、ソフィーはその手が頭に掛かったところで舌の動きを一段階早める。

「きゅうぅんっ♥」

 天にも昇る快楽がプラフタの全身を走りぬけ、ソフィーを引き剥がすどころかより深くしゃぶらせる様に上から押さえつけてしまう。男達に開発された喉奥をついにプラフタの肉棒に使わせて、ソフィーは愛情をたっぷり込めたラブマチオで、プラフタに肉棒快楽の素晴らしさを教え込んでいく。

 500年ぶりに感じる性の快感、それも未知の男の快感を、毎日欠かすことなくしゃぶり、精液を啜り、後処理まで完璧に覚えたそこらの商売女よりもずっと上手い技術を持つソフィーに、さらに愛情をも上乗せして喉奥まで使った奉仕をされては、生娘同然のプラフタにはもはやなす術も無く、だらしなくがに股になって自分からせがむように腰を突き上げ、ソフィーの愛情たっぷりのあつあつの口内に全身どっぷりと浸ってしまったかのような抜け出せない快楽の沼にはまっていた。

「ふあぁ……♥ ああぁ──……♥」

 完全に快楽に骨抜きにされてくにゃくにゃになったプラフタを見届けてから、ずるずると長い肉棒を喉奥から引き抜いていく。ねっとりとソフィーの唾液に塗れた肉棒を見下ろして舌なめずりすると、服を全て脱いで全裸になった。プラフタの股間の上で中腰になって、自分の唾液にぬめる肉棒を掴み膣口に導いていく。

 蕩けきったプラフタは、夢見心地のままそれを眺めていた。幸か不幸か、正気を取り戻す前にソフィーの膣に肉棒は飲み込まれていく。

 錬金術の秘薬まで使用して具合がよくなっているソフィーの膣内は、愛するプラフタから生えた、ソフィーの考えぬいた一番気持ちいい肉棒を大歓迎で迎え入れた。

 細やかなヒダの一つ一つがプラフタにすりより、唾液よりもねっとりとした愛液が豊富に満ちる膣穴が、ソフィーが最近いつも帰ってきたときにするように優しくしっかりと抱き締めてくる。

「あっ♥ ああぁああああっ♥」

 あまりの快楽にのけぞり腰を突き出してしまい、最後の一突きはプラフタからすることになってしまった。むちゅぅ、と一番奥の肉厚なポルチオと子宮口が鈴口に熱いキスをするように吸い付いてくる。魂が壊れるかと思うほどの快楽を流し込まれ、プラフタはしばらく、ビクンビクンと全身を痙攣させて、喋る事もできずに荒い息を吐き続けた。

「そ、ふぃー……♥」

 数分間はそうしていただろうか、ようやく言葉を吐いたときには、もう掣肘するような気配さえ消えてしまっていた。

「うんうん……♥ セックスってとっても気持ちいいでしょ♥ プラフタと、ずーっとしてみたかったんだー♥」

 股を開いてプラフタの規格外の肉棒とずっぽりと結合中の整った膣穴を晒しながらソフィーはいつものように明るい笑顔をしていた。言葉の内容を吟味する間もなく、むにゅりと大きくなった胸を押し付けて、ソフィーがのしかかってくる。

(裸で抱き締められると、こんなにも気持ちいいのですね)

 程よく弾力を感じる胸、するすると絡みついてくるしなやかで柔らかな手足、その全てが心地よい暖かさで、ソフィーの存在を強く感じさせた。

 そうして呆けている間に、プラフタはいつの間にか上になっている。抱きついてきたソフィーがプラフタごと寝返りをうち、ひっくり返したのだ。不思議な事に人形の体でも頭を上にするとほんの少し冷静になるのか、プラフタの目に理性の光が戻ってくる。

 理性を取り戻して目の前を見てみると、両手はソフィーと指を絡めて握られたままベッドに付いている。丁度、自分がソフィーを犯すために組み伏せている格好だ。上から見下ろすソフィーの表情は優しく、穏やかな笑顔を浮かべている。普段と違うのは薔薇色に紅潮した頬と、こちらを誘うような妖しげな目の奥の光だけだった。

「きて♥ プラフタ……♥」

 全てを受け入れるような、慈愛に満ちた、ソフィーからのセックスを誘う言葉が、プラフタの耳朶を甘くくすぐった。これまで生きてきて感じたことの無い胸の高鳴りが、プラフタの腰を突き動かさせた。

「「ああっ……♥」」

 プラフタとソフィー、二人の美少女が肉欲の悦びに震える声を唱和させる様は、まるで天界を描いた絵画のように美しく淫靡だった。

 熱くぬかるむソフィーの膣を前後するたびに、全身が蕩けそうな快楽が訪れ、プラフタは夢中で腰を振りたくった。

「あんっ♥ はぁんっ♥」

 その度にソフィーはたっぷりと媚を含んだ声を上げて、プラフタに悦びを伝える。ソフィーに両手を掴まれて不自由なプラフタがへこへこと不慣れな様子で腰を振るのを、その細い少女の腰に絡ませたソフィーの脚が補佐し、突き出しを力強くさせ、二人の快楽をより強くした。

 強すぎる快楽に朦朧とするプラフタの上体がだんだん降りてきて、ソフィーの体に突っ伏してしまう。ソフィーは位置を調節して、そっとプラフタの唇を奪った。

「んっ……ふぅ……♥」

 股間でつながり、唇を優しく舌でなぞられ、蕩けるほど柔らかなソフィーの唇と重ねられ、熱くてソフィーの味がする舌を極自然に口内に受け入れる。

 プラフタは今、ふやけそうなほどのソフィーの愛情の海の中をたゆたっているような気分だった。舌を、肉棒を、ソフィーの粘膜とこすり合わせるたびに、深く深く、ねっとりとした愛に沈みこんでいく。誘われるがままに舌を絡め、腰の動きが滑らかになっていく。夢中になってソフィーの唾液を飲んだ後、ようやく唇を離した時にはもはや錬金術の師弟ではなく、愛を交し合う二人の乙女の姿しかなかった。

 比喩でなく瞳のうちに星の輝くプラフタの人形の目に、セックスを続ける意思を確かに感じ取って、ソフィーは満足げににっこりと笑った。

 それを合図と取ったか、プラフタが本格的に大きく腰を降り始める。

「ふぅっ、ふうぅっ……!」

 初めての肉棒からの快楽に自分も身体を痙攣させながら、一生懸命に腰を使って自分を求めてくるプラフタに対して、ソフィーはこれまでの人生の中で、一番甘く、一番媚を含ませて、一番愛情を込めて喘ぎ声を上げ、プラフタの肉欲を煽りに煽った。

「ああっ♥ うあぁあっ♥」

 ソフィーの膣にもみくちゃにされる快楽に耐え切れず、プラフタがあごを上げて腰を止めそうになると、ソフィーが脚で補助をして動きを止めさせない。

(そろそろ、くるかな……♥)

 慣れない内はすぐにやってしまうという知識を男達から教わっていたので、特別に初回だけタイマー製で機能を解放するようにしておいたのだ。

「ふっ、ふ──っ、ふーっ♥」

 人間だったら涙を流しているであろう必死な表情で、肉棒の快楽に突き動かされて腰を振るプラフタに、ついにその瞬間が訪れる。

「あっ、ああああああああああああっ!!」

 頭を真っ白にする、今までのともさらに次元の違う快楽に、プラフタが叫び声を上げ、どすん、とソフィーの子宮口を正確に突き刺したまま、プラフタの射精が始まった。

 びゅくっ、びゅくっ、と自分の膣の一番奥で、プラフタの精液が子宮口に勢い良く浴びせかけられる。プラフタの規格外に大きいカリ首が、膣に逆流する事を強力に阻み、膨らんだ膣奥から子宮口へ、どぷどぷと精液が流入していった。

「はーっ♥ はーっ♥」

 当のプラフタは、長い長い射精の快楽に頭を真っ白にして、真っ赤な顔でソフィーの手をギュッと握り締めて、ただじっと精液を吐き出し続けている。

 ソフィーもまた、プラフタと生でセックスし、膣内射精を受けて、今までの中でダントツに大きな快楽を感じていた。それだけでなく、今まで感じたことの無い、大きな充実感に心を満たされていた。

「ああ……♥ プラフタの精液、私の子宮に流れ込んでる……♥」

 うっとりと夢のような時間を、二人で恍惚と共にかみ締める。

 やがて、ようやく収まった射精絶頂から戻ってきたプラフタが、とても気まずそうに、しかし何か言わなければならないという義務感により何とか顔を逸らすことなくソフィーと視線を絡ませる。

「あ、あの……その、ソフィー……」

「気持ちよかった? プラフタ」

 ゆったりと微笑むソフィーが身じろぎするだけで、今も勃起したままの肉棒に膣がこすれ、腰に絡む太ももの暖かさと柔らかさも相まってうっとりと理性を持っていかれそうになる。

「そ、そうでは、なく……」

「えーっ? ねーえー、気持ちよかったでしょ? ねーねープラフター」

 唇をちょっと尖らせて不服の声を上げるソフィーは、いつものようにプラフタに甘えているようにしか見えなかった。その裸の胸には汗が浮かび、艶やかなピンクのソフィーの乳首が可愛らしく勃起している。そのギャップに、またプラフタの気分が高揚していく。

「うっ、うう。…………よかった、です」

 コルネリアのようにぼそぼそと、顔を赤らめてプラフタが搾り出した声を聞いて、ぱあっとソフィーが笑顔を取り戻した。

「ふふっ♥ 私も、すっごく気持ちよかったよ♥ 今までで一番よかった♥」

 その笑顔はどこまでも純粋で、プラフタの知るソフィーのものだった。

「うれしいな……プラフタとセックスするの、私とっても楽しみにしてたんだ♥」

 そう言って、自分の下腹部に優しげな視線を向ける。

「それに、プラフタの子供を産むのも、すっごく楽しみ!」

 ぽけっと快楽に浸りながら聴いていたプラフタにも、さすがに流せない一言が混じった。

「えっ、ソフィー……? 今なんと?」

「ん? プラフタが今私のなかにびゅーっ♥ って出してくれた精液、あれはちゃーんと子供が出来る機能があるんだよ♥」

 満面の笑みで、錬金術の成果を自慢し始める。

「あのね、プラフタの身体にね……」

 良く見るとプラフタの今着ている服にはデフォルトの服に色々金具のついたものでシースルー素材のヘソ周りの服にある留め金を、挿入されたままの体勢でソフィーが優しく外していくと、ぺろんとプラフタの腹が露わになった。

 その整ったへそに指を突っ込んで、クイと中で引っ掛けるように指先を曲げてから引っ張ると、ぱかりとプラフタの下腹部が開いた。

「はっ?」

 人間だったら大手術中のようなグロい有様だが、人形の身体の中はフリッツの作った消化器系のピンク色の管が通っているくらいで、ショッキングな光景でもない。

 蓋のすぐ下には、ハート型の風船のような、ピンク色の何かが収められていた。全体に丸みを帯びていて、ハートの下の部分は対外へ通じる肉厚な管……おそらく膣を模したものにリング状のパーツで接続され、上の二つに分かれた部分は円を描くような肉の管に接続され、その先に白く丸いパーツが付いて居る。

 プラフタの知識で言うと、子宮と卵管、卵巣に見えた。卵巣に見えるものからは細めの管がこれもまた膣のようなパーツと同じように股間へ伸びている。

 ソフィーがベッドの脇にいつの間にかぽつんと置いてある白い石を子宮のようなパーツに押し当てると、両者が淡く光りだし、溶けるようにして石が子宮に吸い込まれていく。

「これが一番苦労したんだー。精液の力を凝縮した石から、プラフタ自身の精子を作って精液にするの。他にも機能があるんだけどまあ、それは追々ね♥」

 ありもしない血の気が引いていく音が、プラフタの耳に届いた気がした。とっさに腰を引いて肉棒を抜こうとするも、ソフィーの熟練の脚と膣の動きから生まれる快楽に腰砕けになってしまう。

「ちょ、ちょっと、冗談ではすみませんよ、ソフィー、今すぐに抜いて……」

「冗談じゃないよ。私、プラフタの子供が産みたいの」

「駄目ですよ。私は女なんですよ? こんな事をして、ソフィーが周りからどういう目で見られることか。それに、ソフィーなら今にきっと素敵な男性が……」

「その素敵な男の人と結婚して、それでプラフタはどうするの? 私から離れて行っちゃうの?」

 うっ、と言葉に詰まる。これまで考えた事もなかったが、新婚のソフィーのそばに自分の居場所はあるだろうか? いや、夫を差し置いてそんな居場所を作っていいのだろうかと自問してしまった。

「そんな事する位なら、私男の人と結婚なんてしないもん。プラフタと結婚して、プラフタの子供を産むから」

 じわりとソフィーの瞳にめったに無い涙が溢れ、哀しげな表情とは裏腹に宝石のようにキラキラと輝いた。

「いや、しかしですね……」

 肉棒の勃起も収められず、繋いだ手を振りほどく事もできないプラフタには、それ以上の言葉をつむぐ事ができない。

 たっぷりと沈黙した後、プラフタは観念したように苦笑した。

「はぁーっ……泣く子には勝てないといいますか、泣くソフィーには勝てませんね」

「それじゃあ、プラフタ!」

「もう……好きにしてください」

 投げやりに笑うプラフタに、ぷうとソフィーが頬を膨らませる。

「むー! プラフタはお腹の子のお父さんになるんだから! そんな投げやりじゃ駄目だよ!」

「えぇえぇ、分かりました。……ソフィー、愛してますよ……これでいいですか?」

 言った後、照れくさそうに目を逸らすプラフタがとても愛しくて、ソフィーは身体を起こしてがばっと抱きつき、またグルンと半回転して、プラフタを押し倒す格好に戻った。

「うん、私も、プラフタのこと愛してる」

 どこまでも嬉しそうな笑顔のソフィーに、プラフタも絆されて微笑みを返した。

「これからプラフタには、セックスの気持ちよさをたーっぷり知ってもらうから♥」

 さっそく妖しい肉欲の光を灯らせたソフィーが、ついに本気で腰を使いプラフタとセックスを始める。

「今日は二人きりだけど、明日からは色んなことしようね、プラフタ♥」

「ソフィー? それは、どういう……」

 プラフタの疑問はソフィーの激しく上下する腰にかき消され、二人の少女はベッドの上で身体を弾ませて、たっぷりの愛情と肉欲を絡めあってセックスに耽っていく。

 

 

 この日、ついに最愛のプラフタと子作りセックスを一日中楽しんだソフィーは、その子宮に新たな命を確かに宿すのだった。

 次の日からソフィーのアトリエは、ソフィーと、プラフタと、プラフタのまだ知らない屈強な男達16人の愛の巣と化していった。



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6.ソフィーの家族

 ソフィーに押し切られて子作りセックスをした翌日。

 珍しく日の出と共に目を覚ましたプラフタは、右側にとても柔らかく暖かい感触を感じた。それだけでなく全身が暖かく、感覚を取り戻したのだと思い至る。布団に包まれるこの安心感もまた、500年ぶりの快感だ。

「むにゃ……ぷらふたぁ……」

 そして右腕にしがみつき、柔らかくも重量感のある胸を押し付けてくるソフィーの格別の暖かさに、目を細めた。

 ソフィーも自分も全裸だ。弟子であり娘のように思っていたソフィーに、性感を蘇らせられ、肉棒を生やされ、巧みな性技で主導権を握られ……流されるままにソフィーを受精させる射精を、何回も、奥深くで放ってしまった。

 その快感がフラッシュバックしそうになり、プラフタは目を瞑って深呼吸した。一晩たってようやく馴染んできた感覚は、こうして収める事も出来るようになり始めている。

(もう少し早く、この制御を身に付けていれば……)

 と思いかけるが、やはり無駄だろう。ソフィーの、別の生き物のようにうねる腰使いと、まるで口内のように自由自在に肉棒を刺激し、搾り取るような極上の膣穴の相乗効果は、多少感覚になれたところでどうなるものでもない。

(それに……)

 心から安心しきって自分に抱きついてくるソフィーが、プラフタは愛おしかった。道ならぬ恋といえば、そうなのかもしれない。若き少女の今後の人生に影を落とす判断かもしれない。それでも、ソフィーが自分とずっと一緒に居たいとはっきり示してくれた事がプラフタには嬉しかった。

(人間の身体を棄てた後で、お母さんどころかお父さんになるなんて、不思議なものですね)

 裸身のソフィーを抱き寄せる。その柔らかな全身の感触が、プラフタに幸せを実感させる。間近で見るとシミひとつ無い木目細やかな肌は触った感触も柔らかく、いつまでも抱き締めていたいくらいだ。乳首同士がこすれ、寝起きから艶めいたため息を漏らしてしまう。自分に比べてかなりボリュームの出たソフィーの胸からは昨夜母乳まで飛び出した。思わず夢中になってすいつき、仄かに甘い500年ぶりの味覚を楽しんだのだが……

(妊娠が原因……ではありませんね。さすがに早すぎます)

 他にも色々と気になることを言っていたし、いずれ何か説明があるだろう。そう気を取り直して、もう少し深くソフィーを抱き締めなおす。肌と肌を合わせるたびに、無いはずのプラフタの心臓が高鳴る。昨晩のソフィーの痴態を思い出し、下腹部が熱を持ち始める。もし肉棒が生えていたら、眠ったままのソフィーに挿入してしまっていただろう。

 プラフタは、もはやソフィーを性的な対象として見ずには居られなかった。人形の手が受胎した乙女の背中を、尻を、なでさすり始める。

 ぱちり、とようやくソフィーも目が覚めた。

「おはよ、プラフタ」

 ほんの少し進めば唇が触れ合う距離で、ソフィーは笑った。自分が無意識にしようとしていた事に慌てるプラフタを見て、

「朝からしたいの? いいよ、一回抜いちゃお♥」

「あ、いや、これは……んむぅっ」

 ソフィーはキスでプラフタの言い訳を塞ぎ、熟練のキステクでプラフタを虜にしながら、股間に手を伸ばし肉棒を解放させた。プラフタの身体の機能とはいえ、性欲に対応して常に勃起などしたら、覚えたてのサル状態のプラフタが子供達の目の前にとんでもないものを突きつけることになるかも知れないからだ。

 その他にも目論見はあるが、プラフタの肉棒はソフィーだけが出したりしまったり出来るような機構にしておいた。十分なれた後に、プラフタが自分で出し入れできるように改造していくつもりだ。

 昨日と変わらない極悪な自分好みの巨根を優しくしごき上げて勃起を促しながら、ソフィーはプラフタの上を取り全身をその人形の身体にこすり付け始めた。脚を絡め胸同士をむにゅむにゅとこすりつけ、肉棒を大陰唇で撫でるように腰を振る。

「うふふ……プラフタ、気持ち良さそう……これからは何時でもシてあげるからね」

 普段の甘えるソフィーとは一転、セックスの時にはどこまでもプラフタを甘やかすように優しく囁いて、そっと口付ける。

「あぁぁ……♥」

 ソフィーの磨き上げたテクニックの前に、プラフタは夢見心地でなすがままになるしかない。十分膣が濡れそぼったところで、ソフィーは腰を上げてプラフタの凶悪な肉棒を半分くらい咥え込んだ。

「はあぁあ……♥ やっぱりこのおちんちん、一番良いよぉ♥」

 そのまま、一番奥へは飲み込まずに先端と半ばを往復する滑らかな腰使いで、プラフタの亀頭を膣肉で蹂躙する。がぽっ、じゅぽっ、と豊富な蜜を凶悪に張り出した亀頭が掻き分ける水音が、早朝のアトリエに響き渡り、ソフィーの愛液の臭いが部屋に立ちこめ始める。

「ソフィー、ああっ、ソフィー♥ もう、もう、私はっ♥」

「うん、出して……♥ プラフタの精液、私の中、だしてっ♥」

 ものの数分で切なげな顔をするプラフタをソフィーは優しく抱き締め、唇に吸い付くキスをして射精を促した。

 どぷ、どぷ、と大きく肉棒が跳ねるのと同時に、ソフィーの膣内をプラフタの精液が満たしていく。二人ともが恍惚の表情で、じっと注ぎ注がれる感覚を味わった。

「はーっ、はーっ、はーっ♥」

 射精の余韻で動けないで居るプラフタにソフィーがもう一度優しく口付けをして、切り替えるようにパッと明るい口調で言った。

「おはよ、プラフタ♥ 今日は私が朝ごはん作ってあげるね♥」

 新妻そのものの甘く蕩ける笑顔にプラフタがどぎまぎしているうちに、ソフィーはベッドを離れ、裸にエプロンで、股間からほんの少しの精液を滴らせながら朝食を作り始めた。

 しばらくすると、卵とバターの混じったものが焼けるかぐわしい匂いが漂ってきてセックスの残り香を薄めていった。

「でーきたっ。プラフター! ごはんだよー」

 裸にエプロンのまま、ソフィーがトーストしたパンと、スクランブルエッグと牛乳を二人分テーブルに並べていく。そのままそそくさと衝立の向こうに歩いて行き、すぐ戻ってきた。

 まだまだ気恥ずかしいプラフタが、服を着てソフィーの対面に座る。

「い、いただきます……」

「いただきまーす!」

 朝勃ちをソフィーに膣内射精して処理したプラフタだけが気まずい顔をしている。だが、そんな気まずさなど食事を口にした途端に吹き飛んだ。

「おいしい……!」

 500年ぶりの味覚に目を見開くプラフタを、ソフィーがニコニコ笑顔で見つめる。その無邪気さに、プラフタもようやく苦笑を一つして、いつものように和やかな食事

が始まった。

「……そういえば、ソフィー、さっきのその、出したあれは、大丈夫なのですか?」

 あらかた食べ終わったところで、プラフタが切り出した。

「ん? 大丈夫って、なにが?」

 きょとんと目を丸くして、ソフィーが答える。

「えっと、その、垂れたりとか、そういう……」

「ああ! それならへーきだよ。今栓してるから」

「せ、ん……? え? それはあの……あの穴に……」

「うん。見る?」

 見るとも言っていないのにソフィーは立ち上がり、エプロンの裾をつまんで持ち上げた。ソフィーの赤ん坊のような割れ目が水色の棒を飲み込んでいるのが清らかな朝日に照らし出され、その美しい光景にまたプラフタの股間がうずき始める。

「み、見せなくていいです!」

 顔を赤くして俯いてしまうプラフタをけらけら笑って、ソフィーは二人分の食器を流しにもって行くと、ようやく着替え始めた。ソフィーの傍にいるとまた我慢が効かなくなりそうなプラフタは、洗い物を始める。

 すぐに終わってしまい、プラフタもソフィーとは離れた場所で着替える。セックス用にパーツ単位で脱ぐことが出来る破廉恥なプラフタの服は、ドールメイクではなく単純に用意されたブライトソウルの服を着込む事で表面上はまともになった。

「行ってらっしゃい、あなた♥」

「からかわないでください、もう……」

 新妻気分を出してもじもじと言うソフィーに、起きてから散々振り回されたプラフタがつんと横を向いた。

「ごめんごめん。じゃあ、行ってらっしゃいのちゅー♥」

 目の前に来たプラフタの頬にソフィーがキスすると、むぅと文句を言いたげな表情をしながら、顔を赤くして口元を緩めた。

「ふぅ……行ってきます、ソフィー」

 苦笑を一つしてから、今度はプラフタからソフィーの唇にキスをする。目を丸くして呆けているソフィーの様子にようやく溜飲を下げたプラフタは、町へ続く坂道を下っていった。曲がり角でちらりと後ろを伺うと、家の前ではソフィーが満面の笑みで手を大きく振っていた。

「いいものですね……家族というものは」

 少し前まで娘のように感じていた相手が、今は愛しの妻というのが少し複雑ではあるが、プラフタは胸に満ちる暖かな感慨にしたがって、柔らかな笑みを浮かべた。

 

 

 一週間ほど、そんな新婚生活を楽しんだ後のこと。

「おかえりープラフタ! セックスしよ♥」

 いくら何でも帰宅一番これは無いだろう、と白い目をソフィーに向ける。アンブロシアの花冠とエンゼルリボンをつけ、薄手の、下着のようなワンピース姿だ。

 少し前までのソフィーなら天使のような可憐さというところだが……乳房の下の胴回りを一周するフリルのラインに付いている二つの三角の布で胸を覆い、その三角の頂点から肩紐が伸びるという大胆に肌を露出している服装は、母乳が溜まって巨乳と化した胸を惜しみなく強調し、ぽっちりと乳首まで浮かび上がらせ、放埓な性欲と淫靡さを醸し出してしまっている。

 ソフィーはまったく悪びれずにプラフタに体当たりのように抱きついてきて、まだまだ敏感な頬に頬ずりした。

「ちょっとソフィー、貴女は母親になる身なんですから、もう少し慎ましさをですね……きゃっ!?」

 抗議するひょいとプラフタを抱き上げて、ベッドに押し倒す。

「ですから、これから二人で生活していくのならちゃんと食事もとらないといけないのであって、こんな事ばかりしているのは……」

「ご飯はちゃんと用意したよー。今日は久々にシチュー!」

 下から見上げるソフィーの顔は、嬉しくて嬉しくてたまらない子犬のような笑顔だったが、四つんばいになった姿勢だと形良く真下にぶら下がるソフィーの胸の圧倒的な質感に目を奪われてしまう。

「あっ、今私の胸みたでしょ♪ 触りたい? 触っていいんだよー? うりうり♪」

 ほんの少しソフィーの身体が左右に揺れるだけで、二つの水蜜桃がゆっさゆっさと重量を感じさせる揺れ方をする。ジワジワとプラフタの手が持ち上がっていき、ついにその二つの胸を掴んだ。

「あっ……♥ 触って♥ いっぱい揉んで、プラフタぁ♥」

 娘のように、新妻のように、商売女のようにソフィーに甘い声で囁かれ、誘われるがままに優しく胸をもみしだく。どんどん熱っぽくなっていくソフィーの視線に魅入られ、どちらからともなく唇を重ねた。

 プラフタが熱く絡みつく吐息にうっとりとキスに浸っていると、ソフィーの手が股間に伸び、待ちわびていた解放が訪れた。ソフィーの性欲をそのまま形にした、女を泣かせる以外に使い道の無い肉の棒がギンギンに勃起してソフィーの腹をぺチンと叩いた。キスをしたままのソフィーが目だけで笑って、器用に腰を使って挿入する。まだまだ慣れない挿入の際の快感に震えるプラフタを、ソフィーが抱き締めた。

 そっと銀の糸を引いて唇を離した時にはもう嗜めようという雰囲気はどこにもなく腰を振りたくてたまらなくなっている。

「プラフタが上になってみる?」

 優しげ声で瞳を覗き込んでくるソフィーに、気恥ずかしげにプラフタが頷く。ごろんとつながったまま転がって半回転した。

 ぎこちなく脚をぴったり閉じたままプラフタが腰を使い始める。

「んっ、あぁっ♥」

 腰を振るたびにソフィーの膣のヒダが絡みつき、プラフタの先端近くに生えた肉ブラシと淫らに擦れ合う。背筋に上ってくる快感の痺れに、いちいち引っかかりながらそれでも腰を止めようとしない肉欲に取り付かれたようなプラフタの姿を、ソフィーはうっとりと観察し続けた。

 しばらくすると、荒い息をついてメロメロになってしまったプラフタがソフィーの胸に突っ伏してくる。ソフィーの膣に肉棒をしごかれる快楽に腰砕けになってしまっていた。

「プラフタってば、きもちよさそー♪ そんなに私の中におちんちん出し入れするの気持ちいい?」

「恥ずかしい事を、言わないでください……」

 経験豊富な商売女に翻弄される少年のように、プラフタはソフィーの豊かな胸に顔をうずめて楽しげな視線から逃れた。

「ふふっ、でもプラフタ、そんな腰の使い方じゃなかなか射精できないよ?」

「うっ、射精って……」

「射精、したいでしょ? 私の中にびゅうぅー♥ って、精液注ぎ込むの、とっても気持ち良いよ……?」

 プロポーズしてから毎日たっぷりとしている、頭が真っ白になるような快楽を思い出させるように、ソフィーはプラフタの耳に口を寄せて、熱く甘く囁いた。

「どうしろって言うんですか……」

 ソフィーに弄ばれっぱなしでプライドを傷つけながらも、プラフタが尋ねる。

「こう、するのっ」

 ソフィーはプラフタの腰に絡めていた脚を伸ばし、かかとでプラフタの両膝の間に割り込んだ。そのまま引っ掛けるように両脚を開かせ自分もM字に股を開いていく。

「こ、こんなはしたない格好……!」

 今更過ぎるその言葉にくすりと微笑み、ソフィーがキス一つで文句を封じた。「いーのいーの。気持ちよくなるのが大事なんだから。もっと腰を使って、ガンガン

私を突いてみて♥」

 だんだん興が乗ってきて、セックスの快楽にキラキラと目が輝きだしたソフィーに言われるがまま、膝を支点にして腰の入ったピストンでプラフタが動き始めた。

 プラフタは肉棒の快感に飲まれてしまって気付いていないが、ピストンのために開いた股には桜貝のごときひっそりとした女性器が愛液を滴らせていた。ソフィーのむっちりとしたそれと比べて薄く、スラリとした大陰唇の狭間から、プラフタが大股を開いてようやくチラリと見える程度の、人形師フリッツの手による究極に整った小陰唇が宝石のように艶やかにプラフタの股間を彩っている。

 そんな美しい割れ目のすぐ下、クリトリスがあるべき場所からプラフタの腕ほどもありそうな醜悪な巨根が生えている様は、歪で甘すぎる性感に振り回されるプラフタを象徴するような光景だった。

「あっ、ああっ! ソフィー、ソフィーっ♥ もう、私はっ♥」

「うんっ、いいよっ、いいよっ♥ 射精して、プラフタっ♥」

 お互いにただ名前を連呼して愛を確かめ合いながら、二人して絶頂に上り詰めていき、プラフタが射精した。

「あっ、あ゛あ──ーっ……♥」

 体中から肉欲が漏れ出て行くような声を絞り出し、ぐったりとソフィーに突っ伏しながら生膣射精を行うプラフタは、とても幸せそうだった。

 息を何とか整えさせようとしているプラフタに、ソフィーが腰と膣を使って二度目の催促をする。

「ちょ、ちょっと……まっへ……」

 ろれつの回らないプラフタに配慮しているのかいないのか、優しく腰をグラインドして硬度を取り戻させ、なし崩しで腰を使わせ、息も絶え絶えのままに射精させる。

 全身全霊を振り絞ったようにソフィーにしがみつき、射精するだけの置物になってしまったプラフタの背を優しくなでさすり、ソフィーは声を上げた。

「みんなー! そろそろ入ってきてー!」

 射精快楽で頭が茹ってしまってまともにものを考えられないプラフタは、ドアが開いて誰かが入ってきても反応できなかった。

「うおっ、本当に生えてる……」

「いいのか、これ……」

「でもソフィーと別れるのは嫌だしな」

「だなぁ」

 4人の筋骨隆々の男達がソフィーのアトリエに気まずそうな顔で入ってきた。

「いらっしゃい♥ プラフタは今トロトロになってるから、今のうちに入れちゃっていーよ♥」

 あっけらかんとプラフタの下から肩越しに男を見やって言うソフィーに、さすがの男達も呆れを隠し切れなかった。

 とは言え、ここまで来ておいて何もせずに帰るなどありえない。それにプラフタの可憐な少女という言葉をそのまま形にしたかのような完璧な身体を見て、反応しないわけもなかった。

「ふーっ、じゃあ覚悟決めて、やりますか」

 男達は頷きあって服を脱ぎ、あらかじめじゃんけんで決めておいた順番に従い一番手の肉棒がプラフタの、500年前からも男を知らぬ膣口に突きつけられる。

 くに、と無骨な指でプラフタの尻を掴んで片側だけ性器を広げてやると、てらてらと愛液に濡れた鮮やかな小陰唇の色が目に飛び込んでくる。

 汚いことなど何も知らぬ少女という風情のその性器のすぐ傍からは凶悪に野太い肉棒が飛び出しており、プラフタの身体の下で目いっぱい股を広げているソフィーの膣を貫いている。見た目だけは赤ん坊のように無垢なソフィーの性器が大きく丸く口を開き、肉棒の太さにあわせた綺麗な円を描いている。秘薬によって体を手入れしているソフィーの股間は、シミなど一つもなく艶やかな肌色だった。膣口のすぐ下に、男達が散々開発してきたケツ穴がパクパクと物欲しげに開閉しているが、これも茶色どころか鮮やかな赤ピンク色だ。

 上も下も可憐な少女にしか見えないのに、まるで男に犯されるためだけに変わり果ててしまったような、そんな背徳感を感じて男はさらに剛直を硬くした。

「じゃあ、初物……いただきますっと!」

 プラフタの薄い尻に手を乗せて、ソフィーを犯すために開いていた股に後ろからペニスを挿入する。

「ふぇっ? ふああああああっ!?」

 そこでようやく意識を取り戻したプラフタが驚きの声を上げた。

「あ、おはよ、プラフタ♥」

 ソフィーが新婚の夫を起こすように屈託無く微笑みかけた。

「えっ、えっ?」

 混乱するプラフタに、

(やっぱり止めといた方が)

 という視線を男が送るも、

(だーめ♥ プラフタを気持ちよくしてあげて♥)

 目を細めて笑うソフィーに、無言で続行指示を出されて男がプラフタの窮屈な膣から腰を引き、もう一度力強く挿入する。

「んいぃいいっ♥ そふぃっ、ソフィー♥ たひゅ、けふぇ♥」

 それだけで快楽に蕩けた顔を晒しながら、ソフィーに知らない人に犯される自分を助けて欲しいと懇願した。

「大丈夫だよ、プラフタ。この人たちは私とずーっとセックスしてくれてる、優しい人たちだから。プラフタのことも、ちゃーんと気持ちよくしてくれるよ♥」

 男は苦笑と共に、だんだんスムーズになるピストンを繰り返す。

 混乱のさなかにあるプラフタには意味不明でしかなかったが、とりあえず膣の中を前後する肉棒が止まらない事は理解した。肉棒の快楽より後に味わう女性の快感は、もともと女性であるプラフタの魂に抵抗無く染み込んでいく。激しい波のような肉棒快楽と、大きなうねりのように抗いがたい膣穴快楽を一度に受けるプラフタはもはや理性を維持する事もできず、快楽を受け止め喘ぐ事しかできない、性欲処理人形と化した。

 そのままソフィーと男でプラフタをサンドイッチにし、馴染ませるように穏やかに腰を使って、気絶しない程度の快感を与え続ける。

「あ゛ーっ♥ んっ、ういいぃいぃぃっ♥」

 言葉を忘れたように、快感の発露としてうめき声を上げるプラフタは普段の知的な様からは想像もつかないほど快楽の虜になっている。ソフィーはそのいやらしい表情を間近で見つめ、プラフタの負担にならないように小さく絶頂した。男が突くたびにプラフタの肉棒がソフィーの一番いい所をえぐって、かなりキてしまっているので、絶頂間近の身体を何とかなだめながらプラフタが性感に慣れるのを待っている。

 プラフタの小さい膣が男の巨根でかき回される淫らな水音がアトリエの中に響く。男の方も、ソフィーとは違う、本物の清らかな少女のようにこなれていない窮屈なプラフタの膣に射精寸前だった。しかも、今日はいつもと違って避妊具をつけていないため、柔らかな膣肉の感触がいつもよりはっきりと感じられる。

 溜まらず男がうめき声を上げる。

「おおっ……ソフィー、もうそろそろ、出ちまうっ」

「うんっ♥ もう、私も、イキそう♥ プラフタの奥に、精液出してっ♥」

 ガンガンと腰を使われてプラフタのよがり声が高くなり、男がぴっとりと腰を密着させる。プラフタが生まれてきて始めて経験する、膣内射精を決めた。

「あああああ──ーっ♥」

 のけぞって叫び声を上げるプラフタの肉棒からさらに射精を受けて、ソフィーも絶頂する。

 男と女の膣内射精を同時に味わったプラフタは、糸の切れた人形のようにソフィーに突っ伏して、しばらくピクリとも動けなかった。

 

 

 それから10分ほどもしただろうか、ようやく失神から戻ってきたプラフタは、さすがに怒気を滲ませてソフィーを睨んだ。

「ソフィー……どういうことか、説明してもらいましょうか」

 そう言って肉棒を抜こうとするプラフタの腰にソフィーが脚を絡めようとするが、ぎろりと睨まれてすごすごと解放した。

 そのまま立ち上がろうとしたが絶頂しっぱなしで腰が抜けていたのか、ぺたんと尻餅をついてしまう。何とか片膝を立てて格好をつけ、後ろで直立不動になっている男達を見やり、赤くなって目を逸らした。筋骨隆々の男達が野太い巨根を晒しながら立っているのをみて恥らう程度には、プラフタも乙女の部分を残していた。

 男達にとってはそんなプラフタの反応が新鮮で、叱られると判っていても勃起を収める事ができない。

 プラフタは見ていないので分からなかったが、男達は竿が濡れそぼっており、気絶しているプラフタの膣穴をひとしきり楽しみ、他の男達はソフィーに口と手で相手をしてもらって勃起を維持していたのだった。

「あなっ、あなた達は、うちのソフィーになんてことをしてくれるんですか!」

 赤くなりながらも怒りで睨みつけ、男達がたじろぐ。

「いや、あの、それは私からね?」

「ソフィーはだまってなさい」

「ひえぇ……」

 ようやく少女の股間から生える肉棒の勃起がベッドに伏せる程度に収まってきて、理性を取り戻しつつあるプラフタの怒りにソフィーは首をすくめた。

「え、ええと……自分達はそ、ソフィー……嬢、に、錬金術の素材を提供する約束をしていまして、ですね……」

 ソフィーの師匠だというこの少女に、先ほど犯しておきながらどういう距離感で接していいのか分からず男は言葉を選びながらつっかえつっかえ答えた。

「素材……」

 ギロリと今度はソフィーに視線が戻ってくる。

 

 そしてようやく、プラフタに事の起こりから今までのいきさつが語られた。

 始めは酒の上の勢いで肉体関係を持ってしまったこと。

 精液が錬金術の材料になる事を思いついて、自分から頼んで男に抱かれた事。

 一人では足りないので、他の男を紹介してもらって、毎日のようにセックスを楽しんでいたこと。

 最近ではヤリ部屋まで自作して、そこで何日もセックスしっぱなしの日々を送っていた事。

 500年前から清い身体を保ってきたプラフタには想像もできない、肉欲に爛れきった毎日を赤裸々に、楽しげに語られて、胸ならぬ魂の裡にぐつぐつと黒い感情が沸き起こってきた。

 

「ソフィー……貴女という人は……! 私というものがありながら! この男達とも楽しんでいたということですか!」

 そういいながらムクムクと勃起と取り戻すプラフタは、もう肉棒の快楽に染まってしまっていたのだろう。ソフィーを抱く対象として見ている事が丸分かりな、嫉妬の発露であった。

「で、でもでも、この人たちとしないとプラフタと子供を作る方法が見つからなかったわけだし!」

「だからって、私と子供まで作っておいて、こんな関係……裏切られたと思って当然じゃないですか!」

 ごくごく全うな論理にソフィーは口ごもるが、将来設計としてここで引いてしまうわけには行かない。がばっとプラフタを押し倒し、嫉妬で勃起したそれを素早く膣に収めてしまう。

「ああっ♥ ちょっと♥ ソフィー、こんなことで誤魔化されるなんて、思わないでくらひゃい♥」

 上下左右前後に複雑にうねるソフィーの腰にすぐに蕩けだすプラフタは、もう押しのける事ができない。

「ほらほら、皆も今のうちにプラフタに入れちゃって!」

「おいおい……」

 冷や汗をたらしながら自分でしごいて何とか勃起を回復し、男達がベッドに上がりこんでくる。

「あっ、あなた達、だめっ、だめですよっ♥」

 完全にレイプとしか思えない言葉だが、その声はソフィーの膣に包まれる快感に蕩け、自分から腰を使って突き上げ始めてしまっている。だらしなく開いた股間にある女の方の性器からはトロトロと愛液が滲んでいて、完全に出来上がっていた。

「ええい、ままよっ!」

 2番手になっていた男が覚悟を決めてプラフタに挿入する。

「んいひぃいいぃ♥ らめっ、これらめなんですぅ♥」

 何度も絶頂してほぐれてきた狭い膣穴に思い切り突っ込むと、プラフタが全身を痙攣させてあっけなく絶頂した。

「ね、ね? セックスって気持ちいいでしょ? プラフタにも分かってほしーな♥」

 腰を上下させてプラフタの思考を快感で麻痺させながら、ソフィーは猫なで声でプラフタにおねだりした。

「らめっ、らめにゃあぁああああぁああぁ♥」

 

 

 膣を犯し、膣を犯され、頭の中がグチャグチャのプラフタに対する説得セックスは何時間も続いた。

「いぐっ♥ いぐいぐぅ──ー♥」

 絶頂人形と化したプラフタの股間は、いつの間にか肉棒が仕舞われて少女のつるりとした股間になっていた。今は後ろから腕を掴まれて上体を無理やり起こされて、後背位セックスで絶頂しているところだ。その正面ではソフィーがプラフタと同じような格好で後ろの男を咥え込んでいる。

 錬金術で妊娠したか確かめる道具を使って、既にきっちり着床した事を調べていたので、どちらも避妊具を使わない生のセックスだ。ついにソフィーと生膣セックスをする事ができた男は、あまり激しくしすぎて流れてしまわないように気を使いながら夢にまで見た愛するソフィーの生膣を思う存分に蹂躙する。

 プラフタと違って腕をつかまれずとも自分で体を起こしているソフィーは、正面のプラフタに抱きついて汗をかかないその身体をぎゅっと抱き締めた。男に貫かれてあられもなく乱れるプラフタの姿に、これまで感じたことの無い焦燥感にも似た不思議な高揚を感じて、きゅうきゅうと膣をうねらせた。

「あぁ……プラフタがセックスしてる所見るの、すっごくドキドキするよ……♥」

 男達にとってはおなじみの、性欲でタガの外れたソフィーの発言だったが、実際にプラフタにいとおしげにキスしながら言われると、その淫靡さは普段の比ではなかった。

 ソフィーのむっちりとした尻を掴んで腰を使う男が耐えかねたように声を上げる。

「くうぅ……ソフィー、もう、出していいか? 中、中にっ……!」

「うん♥ いいよ♥ 赤ちゃんできないけど、私の中に精液出して、いいよ♥」

 愛する女の、既に他の……女の精子で受胎済みの子宮に、初めて許されて精液を浴びせかけた。記念すべき男の大量の精液が、細く空いたソフィーの子宮口を通じてトロリトロリと子宮に侵入する。

「おおっ、ほおぉおぉ……」

 何ヶ月も夢見てきた、ソフィーへの膣内射精が叶い、男は達成感に天を仰いだ。

「おらっ、次俺な!」

 出し切ったところで即座に次の男がソフィーに覆いかぶさり、ぶじゅっ、と収まりきっていなかった精液を掻き出しながら鼻息も荒く犯し始める。

「はぁ……♥ 子宮に精液入れるのって、すっごく気持ちいい♥ プラフタもそう思うでしょ?」

 至近距離からプラフタの瞳を覗き込みながらソフィーが問いかけると、ほんの少しだけプラフタが瞳を逸らした。

「ふふっ、やーっぱり♪ プラフタ、もうとっくに正気に戻ってるでしょ♥」

「……っ! あっ、ああっ♥」

 明らかに身体を硬直させて動揺し、男に貫かれて快感に身もだえする……振りをするプラフタに、ソフィーは指をフェザータッチで這わせ始めた。

「良いんだよ、プラフタ♥ 私がプラフタのこと、エッチな身体にしちゃったから、プラフタがセックスに夢中になっちゃうのは、仕方ない事なんだよ♥」

 ソフィーの甘い甘い声に耳元で囁かれ、プラフタは反射的にヒクヒクと自分から膣を痙攣させ、肉棒を味わってしまう。

「私と、プラフタと、皆で、家族になりたいんだ♥ だから、プラフタも私と一緒にセックス大好きになろ?」

 正面には優しく微笑むソフィー、後ろからは抗えない快感を叩き込んでくる肉棒に挟まれ、プラフタはついに陥落した。

「私……私も、これ、このおチンポ好きぃ♥ セックス、すごいのぉ♥」

 その台詞に興奮した男が思い切り腰を降り始め、今度こそプラフタが振りでなく正気を失って迎え腰で男と息を合わせてセックスを始める。その淫靡な姿にソフィーは全身を震わせ、後ろの男に流し目を送って続きを要求した。

 

 それから底なしの性欲を持つ女二人が男四人を絞りつくし、最後には男達が町の宿屋に帰って行った後、精液を膣や尻穴から垂れ流してまだ肉棒を硬くさせたプラフタが男顔負けの力強い腰使いでソフィーを犯し続けていた。

 翌朝に精液の臭いに包まれて目覚めた時には、プラフタは両手で顔を覆ってすすり泣いてしまっていたが、ソフィーに優しく抱き締められて全身を撫で回されながら、甘い言葉で延々と説得された末に男達とこれからもセックスする約束に同意してしまっていた。

 

 

 それからの日々は、穏やかに流れていく。

 何ヶ月かしてソフィーの妊娠した腹が目立ち始めると、ヤリ部屋を使ったハードすぎるセックスは控えるようにプラフタが言った。

「だから、その……私が代わりに行って、精液を採取してきますから」

 その顔は赤く、どこか後ろめたいようにソフィーから目を逸らしている。すっかりセックスが好きになったくせに、まだどこかで照れを残すプラフタの姿は、ソフィーにとって特別に肉欲をそそるものでもある。

 普段の明るい笑顔からさっと淫らな女の顔に切り替わり、

「いっぱい、楽しんできてね……♥ 帰ってきたら、どんな風に気持ちよかったか、プラフタに説明してもらうから♥」

 真っ赤な顔をして頷くプラフタに、また無垢な少女の笑顔に戻る。

「じゃあ、いってらっしゃい!」

 手を振って送り出した。

 アトリエの中に戻ると、そこには掃除をしていたり本を読んでいたり洗濯をしていたりする男達が居た。

「おう、お疲れさん。……プラフタは、今度は何日で帰ってくるかねえ?」

 一度、男の当番が切れないように頑張ってみた結果、二週間はぶっ通しで腰を振っていたことがある。しかも膣内射精の場合は生でセックスしているのだ。プラフタの子宮は実はカートリッジ式になっており、男の精液を袋ですすり上げて保存する事ができるようにもなっている。その機能で、10人以上の精液のカクテルを子宮で作り、何袋もバックパックにしまいこんで何時までも男を求めるプラフタは、ソフィーとはまた一味違った魅力で男達を虜にした。

 

「ほらっ♥ 精液っ、出しなさい♥ ソフィーにはもっと出したんでしょう♥」

 小柄な少女ながら中身は500歳を超える錬金術士であるため、年上として振舞うプラフタは、ソフィーの居ない場所ではその傾向が顕著になった。ソフィーよりもさらに騎乗位を好み、女教師のように命令口調で、事あるごとにソフィーを引き合いに出し自分の興奮を煽る。

 プラフタ自身にも生えているからだろうか、口淫や手淫での肉棒の扱いはあっという間にソフィーと遜色無いレベルまで達していた。慈しむように優しいソフィーとは違い、少し乱暴なくらいの刺激はまるで自慰のときのように丁度良く、ツボを心得ている。

「どうですっ♥ ソフィーのフェラと、どっちがいいですか♥」

 少しイジワルで悪戯な、小さい年上の女性という新鮮味に、何人かプラフタで抜いた方が多いような男さえ現れているのだった。

 

 

 そういうプラフタの乱れぶりを男に聞いて全部知っているソフィーは、夢見るような視線を窓の外に向ける。

「はぁ……♥ 見てみたいな、私が居ないところのプラフタのセックス♥」

「へいへい……映像を記録できるような道具でも作ったらどうだ?」

「それだっ!」

 こうして、日々は穏やかに、優しく過ぎて行った。

 

 

 

 さらに何ヶ月も過ぎて、ついにソフィーの腹は丸く膨らみ、出産間近になった。ゆったりとした枕に背を預け、穏やかに寝そべっている。

「はぁ……ついに、ソフィーに子供が産まれるのですね」

 前と代わらぬあどけない顔には蕩けるような笑みが浮かび、ベッドの脇から上半身だけを乗せ床に膝を着いているプラフタに微笑みかけていた。

 プラフタのじぃっと見つめるその先には大きくなったお腹がある。

 服装は以前着ていたのと同じ、下着として使っている肩紐のワンピースだ。

 妊娠前から母乳が溢れていた胸は、それでもさらに一回りほど大きくなり、胸を覆うための三角の布はほとんど足りなくなって、ソフィーの乳輪をぎりぎり隠す程度しか無い。胸の下からすぐに始まっている腹のふくらみは、少女趣味なフリルのワンピースに強烈な性のスパイスを効かせてしまっている。

 ソフィーの清らかな笑顔とのギャップも相まって、今のプラフタには興奮を煽るような淫らな美しさだ。

 そっと壊れ物を扱うように、ソフィーの体温を感じる腹を手で撫でた。

「うん。プラフタと私の、初めての子供だよ」

 そして何より、

「次は俺たちの子供を産んでもらいたいもんだぜ」

 淫らな身体を清らかな笑顔とワンピースで包んだソフィーは、ベッドに穏やかに横たわったまま、男に股を開いているのだった。

「むー、それは……あっ♥」

 唇を尖らせて嫉妬しようとしたプラフタもまた、後ろから挿入している男の動きに嬌声を上げてしまう。

「プラフタはいいよなー、ソフィーに真っ先に子供を仕込めてさ」

 ねちねちと、慣れた動きでプラフタの大好きなGスポットをこねくり回してくる。

「だ、だぁって♥ それはぁ♥ ソフィーが私をぉ♥」

 声が艶がかり、先ほどまでの穏やかな空気はあっという間に肉欲に染まった。

「んー、それもそうだね。

 じゃあ次からは、皆の子供を順番に産んでいくってことで♥」

 プラフタの子供を孕んだ子宮を違う男の肉棒で優しく突かれながら、ソフィーは気楽に宣言した。

「おっ、マジ!? やったぜ!」

 ソフィーとプラフタは、男の勃起が強くなったのを同時に感じる。

「でも、16人も居るから……最後の人の子供を産む頃には、プラフタとの子供は今の私と同い年くらいになっちゃうよ? それまで皆、ずーっと付き合ってくれる?」

「へっ! 今更だぜ。もう俺たち全員、この町の、ソフィーの家の墓に骨をうずめる気だよ」

「ああ。とっくに話し合ったさ。誰も降りやしねえから順番争いも大変だ」

 その言葉に、ソフィーとプラフタは顔を見合わせて、クスリと笑った。

「本当? 私、もうおばちゃんになってるかもよ?」

 からかうようなソフィーの返しにも、男達はまったく動じない。

「何言ってんだか……秘薬を使えば何時までも若いままで居られるんだろ?」

「えへへ、ばれたか」

 照れ隠しにむにゅむにゅと膣をうねらせてくるソフィーに微笑みかけて、男も大きなお腹を撫でた。

「あっ、今お腹けった♥」

 ソフィーはそっと両手で腹を抱えて、赤ん坊に思いを馳せる。

「こんなに大きな腹してまだセックスしたいってんだから、産まれて来る子供も大変だな……ソフィー、この子はお前みたいにセックス狂いにするんじゃねーぞ? ソフィーとプラフタの子供なら凄い美人が産まれて来るに違いないんだからな」

 今や女二人よりよほど常識的な男達がお小言を口にすると、ソフィーは唇を尖らせた。

「むー、失礼しちゃう! 私はただ気持ちいいの好きなだけだもん」

「そういうのをセックス狂いっていうんだよ。プラフタみたいにな」

 ふと脇を見てみると、さっきまでソフィーの腹を撫でて父親になる感慨にふけっていたプラフタはもう男のピストンに夢中になっていた。

「はぁっ、はぁっ♥ ちんぽっ、もっとGスポこりこりってしてぇ♥」

 くすくすとその様子を微笑ましく見守る男とソフィーも、自分の子供を孕んだ女の前で他の男とのセックスに夢中になるプラフタも、全員色欲におかしくなっているのかもしれない。だが、プラフタとソフィーの二人で秘密のうちに教会で結婚式を済ませ、親友はじめとした知り合いたちにプラフタとの結婚そして男達との同居を包み隠さず話し、呆れられながらも持ち前の明るさでなし崩しに現状を容認させてきた。

 ソフィーはソフィーとして、プラフタはプラフタとして、一番大事なところをしっかりと保ったままに、今の穏やかで淫らでたくさんの家族に囲まれた生活を手に入れたのだ。

 そろそろイキそうだったので、ソフィーはぺロリとワンピースの裾をあげる。空気に晒されたその大きなお腹は、妊娠線などといった生理現象とは無縁の、宝玉のように滑らかで一点のシミも無い美しいものだった。秘薬の調合を研究し、美容とともに母体の健康を保つという効果を持たせたのだ。

 くっちゅ、くっちゅと男が気を使って浅いところでピストンを繰り返すのに集中しジワジワせり上がってくる快感に逆らわずソフィーは絶頂した。

「くぅっ!」

 びゅるっ、びゅるっとソフィーの孕んだ腹に精液が降りかかる。寝そべったままのソフィーの口元に男が股間を差し出すと、ゆったりと時間をかけてお掃除フェラをしてくれる。

「ふうぅー……」

 気だるい中でソフィーの腹に掛かった精液を、錬金術で暖められていた蒸しタオルで優しく拭ってやり、股間も綺麗に拭いたあとソフィーのワンピースを元に戻した。

「ありがと♥」

 童女の笑みで手を差し伸べてくるソフィーの手を握り、その額にキスをして男は部屋から出て行った。

 その頃には、プラフタも大きく痙攣して絶頂し、照れくさそうに身体を痙攣させながら後始末をし、出て行く男を愛情たっぷりのディープキスで見送って、ソフィーの待つベッドに帰ってくる。

 時間は夜、もう寝る時間だった。

「良かった? プラフタ」

「はい、とっても♥」

 隣り合って仰向けに寝る二人の手は、自然に絡み合い握られていた。

「……ソフィー、その……本当に、皆の子供を産んでいくつもりなのですか?」

「ん? 本気だよ。プラフタも……その方が興奮するでしょ?」

「そ、ソフィーじゃあるまいし、そんな事は」

「えー、うっそだー。私が皆とセックスしてるって言った時、おちんちん大きくしてたでしょー♥」

 プラフタが四六時中股を開く女にされる寸前のことを蒸し返され、むくれた。

「それは、その、ソフィーを取られたくない一心でですね……」

「プラフタも、もう皆とのセックス大好きになったしそんな事無いってわかるよね」

「いや、でも……」

「大丈夫だよ、これから先プラフタの子供、何十人だって産んであげるから」

「そんなに寿命がもたないでしょう」

「んー? ホムンクルスの身体を作って、そっちに魂を移せば大丈夫でしょ」

 しばし、沈黙が流れる。

「……本気、ですか?」

「うん。錬金術が使えて子供を産めるホムンクルスを頑張って開発してみるつもり。まあできなくても、普通のホムンクルスに魂を移すけどね」

「どうして、そんな……」

「私は、プラフタとずーっと一緒に居たいから。だから、この先500年でも、1000年でも……プラフタの終わりまで、付き合うよ」

「ソフィー……貴女はどこまでも、突拍子もないことばかり言いますね……」

 そう言いながら、プラフタの声は震えていた。

「そういう所、ルアードを思い出しますよ。私よりよっぽど似ていますね」

「あははっ、それ褒めてないでしょ」

「褒めてますよ」

「ほんとー? ……でも、たとえ錬金術が使えなくてもプラフタと二人なら何時まででも楽しいと思うんだ」

「またそんな楽観的な……500年という歳月はそんなに軽くありませんよ」

「えー、私にもプラフタ好みのおちんちんをつけて、プラフタのホムンクルスの身体にもおちんちんつけたら、二人でずーっと楽しめるよ?」

 シモに偏りきった思考に、プラフタは眉をひそめた。

「すぐそういうことを言う……」

「それでさ、マンネリになったら人の居るところに言って、いい感じの、セックス上手そうな男の人を探して、一緒に誘惑して……そんな感じで、楽しくやってけると思うんだよね」

「あの、ソフィー? 一応私には破滅の錬金術が世に広まるのを防いで、正しい錬金術を後世に伝えていくという役目がですね」

「大丈夫大丈夫、私とプラフタの子供をたくさん作って、その子達に錬金術を広めていけば、きっと悪いようにはならないよ」

 明かりを消した部屋の中で穏やかに微笑むソフィーはどこまでも朗らかで、プラフタはいつものように苦笑した。

「ふふっ。ソフィーがそういうと、本当にそうなりそうですね」

「なるよ、きっと。だから今は、お腹の中のプラフタの子供を頑張って産むね」

 透き通ったその笑みは、もしかしたらソフィーが初めて見せる母親の笑みかもしれなかった。

「……ええ」

 良く分からない感情で胸がいっぱいになったプラフタは、短く答えた。

「……ソフィー」

「うん」

「愛しています、ソフィー」

「うん、私も。プラフタ、愛してる」

 

 

 ソフィーの腹はプラフタの精子で孕んだ子で膨らんでおり、プラフタの子宮には男達何人もの精液をすすってカクテルしたものがなみなみと満たされている。

 それでも、愛する二人は無垢な寝顔で寄り添って眠りにつくのだった。



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