鬼滅の刃~月を継ぐ者~ (雪楓❄️)
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鬼狩り

リハビリついでの新作です!


良ければ読んでいってください!


「安らかに眠ってください」

 

静かな街並みの中、異様な雰囲気に包まれている二つの影。

一方はもう一つの影に背を向けその手に持つ獲物を収める。そして、もう一つの影は街並みと同様に静かに瞼一つ動かすこともなく立ち尽くしている。その影は、もう一人がその獲物を収めるころには砂のように崩れ、その姿を消した。

 

「…冷えますね」

 

そう呟いた少女の腰には廃刀令のこのご時世にはあってはならない、少女という風貌とは似ても似つかない日本刀。

その少女は先ほどの出来事などなかったかのように、静かな街並みを歩いてその場から消え去っていった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「…………鱗滝さん、お久しぶりです」

 

「雫か。相変わらず、元気そうで何よりだ」

 

私の目の前にいる、天狗のお面を被った如何にも怪しい風貌の人は、鱗滝左近次。私を育ててくれた恩人である。

 

「そう言えば、義勇から紹介された彼どうでした?」

 

私が久しぶりにここを訪ねた理由は、義勇がこの間言っていた少年の話を聞いて好奇心を抑えられなかった結果なのだ。

とはいえ、義勇からその少年の話を聞いたの自体半年ほど前のことでありその少年と義勇さんが会ったの自体1年以上前の話らしいのだが。

 

「あぁ、あいつなら立派に選別を通過したよ」

 

「そうですか。それじゃあ、そのうちどこかで会えるかな」

 

ここ最近。鱗滝さんの弟子が選別を通過したという話を聞かなかった。理由はわからないが、義勇が最後という認識だ。私は鱗滝さんに弟子とは認められていないから。

 

「それじゃあ、私行きますね。お元気で」

 

「あぁ、達者でな」

 

私は一礼して、その場を去った。

 

 

◇◇◇◇

 

 

「…………よく頑張って戻ったね」

 

鱗滝さんと別れて、少ししたころお館様の元に私は居た。

柱が3人招集されているのを見るにかなり上位の鬼が出たのだろう。

 

「私の剣士たちは殆どやられてしまったのか。そこには、”十二鬼月”がいるかもしれない。”柱”を行かせなくてはならないようだ。義勇、しのぶ、雫」

 

私の前に座るお館様の腕の中にいる鎹鴉の報告からして、柱を3人招集した理由のも納得がいく。

今尚、戦っている隊士たちを救出しなくてはならないから。

 

「「「御意」」」

 

「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに。冨岡さんもそう思いません?」

 

「無理な話だ。鬼が人を食らう限りは」

 

相変わらずの義勇の無骨な対応。しのぶも、反応楽しんでるし。

 

「二人とも早くいくよ?」

 

「あっ、雫さん早いですよ~」

 

「おい、待て」

 

お館様の前だというのに、緊張感のない二人を置いて私は一足先に那田蜘蛛山へと向かった。




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那田蜘蛛山

連日投稿出来ました!!


奇跡的なので、これが続くように頑張ります……」


「…むぅ」

 

”隠”を連れていくしのぶとは別に、義勇と共に那田蜘蛛山に到着した私なのだが、いつの間にか居なくなった義勇のせいで迷子と化してしまった。

道であれば迷うなんてことはないのだが、残念ながらここは山奥。目的地の場所すらわからない上にこんなところに放置されては誰でも迷子になるというものである。

 

「なにか、ないかな?」

 

この山にはかなりの数の鬼殺隊員がいる。彼ら、もしくは鬼の痕跡が見つかればと思い私は辺りを見渡した。

 

「あれは…………?」

 

少し東の空に、大きな糸の先のようなものが見えた。

その糸には人の足のようなものが絡まっており、上下に少しだが揺れている。

私は足が見えたところで、すでにそちらに向けて走り出していた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

私の視界が開けたときには、既に勝負はつこうとしていた。

小さな鬼が目の前に倒れている鬼殺隊員に手を下そうとしているところだった。

 

「…月の呼吸 参ノ型 三日月」

 

前方に回転しながら斬撃を放つ田単純な型。

それ故にこの技は使い手によって威力に天と地の差ができる。

 

目の前の鬼を斬るためではなく、鬼と鬼殺隊員との間に入るために私は型を放った。

 

「よく頑張ったね。あとは私が片付けるから安心してね」

 

今にも意識を飛ばしそうな少年。彼が目の前の下弦の鬼をここまで追い詰めたのだろう。

 

「さて…」

 

私の言葉なんて待つことなく、目の前の鬼は血鬼術を放ってきた。

 

”血鬼術 刻糸輪転”

 

前方から迫る糸。

周りの木が豆腐のように切れていく。

 

「全集中・月の呼吸 六ノ型 朔月」

 

月の呼吸唯一の防御の型。

義勇さんの”凪”とは違い受け流すというイメージではなく、相手の技に斬撃を合わせその力を利用して反撃に転じるのがこの型。

 

「さようなら」

 

鞘へと日輪刀を戻す。

鬼の首が落ちたところで、先ほどの彼の様子を見ようと振り返るとその先に見覚えのある影を見つけた。

 

「……人を喰った鬼に情けをかけるな」

 

到着するなり、労わるように私が斬った鬼の服に手をかけている彼に義勇さんは言った。

 

「義勇の言う通りだよ。鬼に隙を見せたら、こっちがやられるしそれによって大切な人まで危険にさらすことになる。でも、義勇死者を踏みつけるのはダメ」

 

そう言いながら私は義勇の足をどかす。

未だに倒れている少年も私の言ったことに少しは納得してくれたのか、義勇さんを睨むのをやめた。

 

「…あれ?その子……」

 

少年の身体の下に守られるように抱えられている少女。その少女の雰囲気は人間のそれではなかった。

だが、それを尋ねるのは新しい来訪者によってさえぎられる。

 

「義勇、ごめんなさい」

 

「えっ?」

 

私は唖然としている義勇さんの頭を思いっ切り下に押し付けた。

 

 

ガキィィィン

 

刀同士が交わることで起こる甲高い音が静かな山に鳴り響く。

 

「あら?どうして邪魔するんですか?雫さん」

 

「今の防いでなきゃ、この少年に当たってたよ」

 

新しい来訪者。それは、味方であるはずのしのぶ。

もちろん、敵になったわけではないがそれでもこちらに刃を向けている理由。それはこの少年がかばっている少女だろう。

 

「冨岡さんも鬼とは仲良くできないって言っていたくせに何なんでしょう?そんなんだから、みんなに嫌われるんですよ」

 

「俺は嫌われてない」

 

そう言いながらもこちらを見る義勇に、私はただ微笑むことしか出来なかった。

 

「坊や、坊やが庇っているのは鬼ですよ。危ないですから離れてください」

 

若干ショックを受けている義勇を他所にしのぶさんは背後の少年に語り掛ける。

流石に庇っている少年もそのことには気が付いていると思うが、それに加え鬼であるにも関わらずあれだけの傷を負いながらもなぜあの少女は彼を襲わないのか。

 

「ちっ……!!違います、いや違わないけど…あの妹なんです。俺の妹で、それで」

 

彼のその告白はこの状況を納得させるには十分ではなかったが、私が彼を庇う理由としては十分すぎた。

私には出来なかったことを、彼はやろうとしているのだから。

 

「まぁ、そうなのですか。可哀想に……。では……苦しまないように優しい毒で殺してあげましょうね」

 

しのぶのその言葉は少年に絶望を与えるのには十分だっただろう。

彼からしたらこの場に柱が3人。うち一人は顔見知りとはいえ、あと2人は敵に見えていることだろう。顔見知りの一人も鬼である妹を庇ってくれるとは思ってもいないだろう。

 

「……動けるか?」

 

義勇のその言葉は私を驚かせるには十分だった。

あの義勇が鬼を庇うことを容認するとは思いもしなかった。

 

「動けなくても根性で動け。妹を連れて逃げろ」

 

そういわれた少年はの表情は驚きで包まれていた。

それはそうだろう。敵だと思っていた人が味方だったのだから。

 

「……はぁ。そんな身体で人一人庇いながら、逃げられるわけがないでしょう…義勇が連れて行ってください」

 

私の言葉に3人とも驚きの表情を見せるが、義勇はすぐさま少年を抱えるとその場から去った。

 

「これは、隊律違反なのでは?」

 

「まぁ。罰なら後で受けるよ」

 

そう私が言ったところでしのぶは刀を鞘へと納めてくれた。

 

「………雫さんのことです、なにか理由があるのでしょう」

 

そう言ってしのぶはリラックスした表情へと変わった。

鬼殺隊員の誰もが何かしらの志を持っている。その理由にその人の過去が関わっていることも多く、過去に触れることは本人から話さない限りほとんどしない。

しのぶも義勇も、そして私も。過去になにかを持っているのだ。

 

「伝令!伝令!カアァ」

 

静寂を破るように鎹鴉の声が鳴り響く。

 

「炭治郎・禰豆子両名ヲ拘束。本部ヘ連レ帰ルベシ!!」

 

「炭治郎及ビ鬼ノ禰豆子、拘束シ本部ヘ連レ帰レ!炭治郎額二傷アリ。竹ヲ噛ンダ鬼禰豆子」

 

「「っ!?」」

 

この伝令により、先ほどの少年とその妹は”隠”によって産屋敷に運び込まれた。

半年に一度の”柱合会議”が開かれるこのタイミングで。

 

 

 

 

 

 

 




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柱合会議〜前編〜

お久しぶりです。


あまり更新頻度が高くないこと、本当に申し訳ございません。

これから少しずつ頑張っていきたいと思います。


(…………みんな無事か、不死川さんはまだかな)

 

半年に一度とはいえ、みんなの顔ぶれが全く変わることなく集まれることほど嬉しいことはない。

 

「あっ、雫さ~ん」

 

私の姿を見るなり弾丸の如き速さでこちらに来るのは、甘露寺蜜璃。

私と同じ年のはずなのに、なぜか私を姉みたいだと慕ってくれているのだが、これも多分彼のせいだ。

 

「久しぶりだな、夜月」

 

「お久しぶりです、悲鳴嶼さん」

 

悲鳴嶼さんは柱の中で唯一私の事を年齢通りに扱ってくれる。他の柱はなぜか人の事を年上扱いしてくる傾向があり、宇随さんも不死川さんも伊黒さんも私よりも最初こそあれだったがいつの間にか年上にも関わらず敬語を使ってくる。

 

「…………雫さん、変わらぬようで」

 

蜜璃が私を姉扱いしてくる元凶。炎柱・煉獄杏寿郎。

蜜璃は彼の継ぐ子で、彼自身代々炎柱を継いでいる煉獄家の嫡男で、柱の中でも上位の実力を持つのだが、彼が柱になる前に一度鬼狩りを共にしたとき以来、人の事を姐さん呼ばわりしてくるようになった。今では、名前を呼んでくれるようになったが、柱が私に敬語を使ったりするのは煉獄さんの影響だと思っている。

 

「煉獄さんも、相変わらずですね。それよりも、彼大丈夫なんですか?」

 

那田蜘蛛山でかなりの傷を負っているにも関わらず、地面に捨てられるように寝ている彼。癸である彼が、下弦とはいえ十二鬼月をあそこまで追い詰めたのは称賛されることで、あのような扱いはかなり可哀想な気もする。

事情を知っている義勇は、遠くで知らないふりをしており、彼を運んできた隠は必死に彼を起こそうとしている。

 

「…………おいっ、起きねぇか!柱の前だぞ!!」

 

無理やり身体を揺さられ、彼は漸く目を覚ました。

開いた瞳は、状況がいまいち掴めていないことがわかるほどうろたえていた。

 

「ここは鬼殺隊の本部です。あなたはいまから裁判を受けるのですよ。竃門炭治郎くん」

 

優しいのか、冷酷なのか。

しずくは簡潔に彼の置かれている立場を伝える。

その言葉に、ほかの柱も反応を示した。

 

「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」

 

「ならば、俺が派手に頸を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せていやるぜ。もう派手派手だ」

 

「あぁ…………なんというみすぼらしい子供だ。可哀想に。生まれてきたこと自体が可哀想だ」

 

揃いも揃って、過激な発言である。

確かに鬼を庇うなんて本来ならばありえないこと。だが、それでも私は彼とあの鬼は何か特別なような気がした。

 

「…三人とも、彼から離れてください。お館様のご判断でここに連れてこられたんですから、勝手なことはしないでください」

 

「そんなことは言っても、夜月さんは冨岡とともにそいつらを庇ったと聞いた。隊律違反をしてまでそいつらには庇う価値があるのだろうか?」

 

「まぁまぁ、雫さんにも考えがあるのでしょう。それよりも私はこの少年から話を聞きたいですよ」

 

答えにくそうにしている私を、横目にしのぶは会話を断ち切り話題を変えてくれた。

 

その言葉を聞き、竃門くんは懸命に息を吸い込んだ。

そのことにより、痛めていた肺に激痛が走ったのか咳込んでしまった。

 

(…………大丈夫かな)

 

医療に精通していないため、私に出来ることはなにもなく、しのぶが彼の面倒を見てくれている。

 

「……俺の妹は鬼になりました」

 

彼のその言葉に私は息を呑んだ。

あの子のことを思い出してしまったから。

私の呼吸の元の使い手であり、私たちの一家を襲ったあの鬼。その鬼により、攫われたあの子のことを。

 

「…………おいおい、なんだか面白そうなことになってるなァ」

 

私の意識は背後からの声により戻された。

 

「困ります、不死川様。どうか箱をお放しくださいませ」

 

隠からしたら、大慌てなのだろう。

しのぶに任されたにも関わらず、同じ柱である不死川さんに邪魔をされてしまっては隠としてはどうしようもない。

 

「不死川さん、勝手なことをしないでください」

 

しのぶが若干怒り気味に言うが不死川さんは聞く耳を持たずに、手に持っている箱を日輪刀で突き刺した。

箱から血が垂れてきている辺、中の鬼に間違いなく刺さっている。

 

「不死川さんっ…………」

 

私が不死川さんを止めるよりも前に、竃門くんは隠の拘束を抜け不死川さんに迫った。

 

「やめろ!!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ」

 

それまで静観を決め込んでいた義勇が大声を出したことで、一瞬不死川さんに隙が出来、竃門くんの頭突きがもろに不死川さんにはいった。

なおも、対立する二人はたった一言で静まった。

 

「お館様のお成りです」

 

襖の奥から現れたお館様に私たちは首を垂れ、その場に膝をついた。

 

「お早う皆、今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな?顔ぶれが変わらずに半年に一度の”柱合会議”を迎えられたこと、嬉しく思うよ」

 

いつ聞いても心地よいお館様の声に、先ほどまでのピりついた空気が少し和らいだ。

 

「お館様におかれましてもご壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」

 

「ありがとう、実弥」

 

「畏れながら、柱合会議の前にこの竃門炭治郎なる鬼を連れた隊士についてご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか」

 

不死川さんの疑問は最もだ。

わざわざこの場に連れてきたということは、お館様には考えがあるのだろう。

 

「そうだね、驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そして、みんなにも認めてほしいと思っている」

 

お館様の返答は、予想の斜め上をいっていた。

鬼殺隊内においての鬼の存在を容認してほしいと仰ったのだ。

 

(…………除隊でもなく、容認か…………)

 

お館様のお言葉とはいえ、鬼の容認を素直に鵜呑みにできるものなど鬼殺隊にましてや柱にはほとんどいない。

もちろん反論は出る。それに対してのお館様の対応は私を更に驚かせた。

 

(…………鱗滝さんがそこまで)

 

お館様から伝えられた鱗滝さんからの手紙には、”もし禰豆子が人に襲い掛かった場合は、竃門炭治郎・鱗滝左近次・冨岡義勇が腹を切る”とのことが綴られていた。

3人もの命がかけられているという事実。禰豆子の存在を否定するには、それ相応の代償を支払う必要があるということだ。

 

「それに、雫がこの2人のことを庇ったという事実もある。なぜ、庇ったのか説明してあげてもらえるかな、雫」

 

「はい。私が庇ったのは彼女が重度の怪我を負っているにも関わらず、目の前で血まみれの竃門くんを襲う様子がなかったこと。そして、彼女からはほかの鬼とは別のものを感じたという二点からです」

 

私はあの時感じたことをそのまま話した。

あの子”禰豆子”は、ほかの鬼とは明らかに違う。そう感じた。

 

「雫も言う通り、禰豆子が人を襲わないということは事実としてある」

 

「しかし、お館様。その鬼にとって、竃門炭治郎は肉親であります。肉親以外であれば、襲う可能性は否定できません」

 

それでもなお、不死川さんたちは認めることはできないのだろう。

しかし、お館様の返答により再び私たちは驚かされた。

 

「それに、炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」

 

「っ!?」

 

今まで誰一人、その片鱗すらつかめていない鬼舞辻と遭遇しているという事実。そのことに、お館様の御前にも関わらずみな取り乱した。

しかし、お館様が口元に指を立てたことにより、みな冷静さを取り戻した。

 

「鬼舞辻は炭治郎に向けて追ってを放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない。恐らくは禰豆子にも、鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ。わかってくれるかな?」

 

お館様の考えは頭では理解できても、人によっては到底受け入れられるものではないだろう。

鬼を滅するために、鬼殺隊にいるのに鬼舞辻の尻尾をつかむためとはいえその鬼を守れというのだから。

 

「わかりません、お館様。人間ならば生かしておいてもいいが、鬼は駄目です。承知できない」

 

ザシュッ

 

こういった時の不死川さんの行動力というのは、驚かされるものがある。彼は自分自身の腕を切りつけたのだ。

彼の血の特異性を利用して、彼女が人を襲わないということを否定するつもりなのだろう。

 

「お館様…!!証明しますよ、俺が鬼というものの醜さを!」

 

そう言うと不死川さんは切りつけた腕から流れ出る血を彼女の入っている箱へと、垂らした。

 

「不死川、日なたでは駄目だ。日陰に行かねば鬼は出てこない」

 

「お館様失礼仕る」

 

伊黒さんに言われるなり、不死川さんはお館様に一言告げ箱と共に屋敷内に入った。

 

「禰豆子っ」

 

竃門くんは止めに入ろうとするが、伊黒さんに思いっ切り肺を抑え込まれてしまった。

 

(あんなに抑えたら…………)

 

肺をあんなに圧迫してしまっては呼吸ができない。

止めに入ろうかと思ったが、それよりも早く義勇が動き出しているのがわかったため私は動くのをやめた。

 

(義勇があんなに肩入れするの、珍しいな………)

 

義勇は彼が選別で死んでから人と関わることを避けるようになっていた。もしかしたら、義勇は彼の姿を竃門くんに重ねているのかもしれない。

 

「…………もう無駄だよ。不死川さん」

 

不死川さんの計画は結果からいえば、失敗した。禰豆子は箱から出てきたものの彼の腕から垂れ流れている血の匂いを嗅いでも彼に襲い掛かるようなことはしなかった。

 

「彼女が人を襲わないのはこれで証明になったでしょ?二度も私は彼女が人を襲わない事実をこの目で見てる。だから、もしこれでも納得が出来ないというならその子が人を襲った時は私も腹を斬る」

 

流石にこの発言にはみんな目を見開いて驚いている。

私はこの子たちに賭けてみたかった。私自身には出来なかったことでもあるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

中途半端ですが、少し長くなったのでいったん切りました。
この辺り、会話が多く間延びしてしまい申し訳ございません。


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次回、十六夜の昇る頃(魔法科高校の劣等生)を更新予定


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