ブレンド・BS (牧弥潤巳)
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キャラクター設定を投稿します。キャラ変更事項も一緒にだしてめす。


オリキャラ

 

紅晴翔(16)

 

身長160cm

 

体重54kg

 

誕生日 11月5日

 

使用デッキ 光導 ???←これは割と数回しか使わないかもです。

 

詳細

 

一ノ瀬学園に通う高校2年生。スティーレでは平日はホールで休日はキッチン担当。属性はクールキャラ←この時には伊達メガネをかけている。

 

素は割と下向きな性格で、周りからは頼られるのに自分は友達があんまりいないと思い込む程の結構なネガティブ思考。勉学に関しては優秀レベル。天才とまでは行かずとも、中々の高成績を維持している。バトスピ界では自分の名前が相当広まっている事に最近気づくほど、ネットや噂には疎い。スマホは持っておらず、アイパッドを使用している。(極度な機械オンチな為、自分から持たないようにしている。)

 

奏多と出会うまでは親の都合上、海外で暮らしていた。相当な天然たらし、鈍感というラノベ主人公体質、肝心な時に言葉を間違えるなどで、誤解される事がたまにある。

 

花坂奏多

 

身長156cm

 

体重49kg

 

誕生日 3月20日

 

使用デッキ 星竜

 

詳細 晴翔と同じく一ノ瀬学園に通う高校2年生。普段はメガネをしているが、外に出る時はコンタクトにしている。基本的に現実的な性格で、言うべき事はズバッと言うタイプ。そのせいか少し敵を作ってしまうのがたまにキズ。身長と体格がかなりのコンプレックスで、そこを言われると少し怒り気味になってしまう。

 

晴翔とは小学校からの友人。色々あった後、晴翔と親しい関係に←(ここは後で変更します)今は晴翔のネガティブ思考をなんとかする為に奮闘中。バイトはしていないが、スティーレには晴翔が何かやらかさないか心配でよく来ていたので、スティーレメンバーとはかなり仲が良い。

 

後々晴翔の周りの女性関係、恋愛事情を担うことになり、胃腸薬を常備する事になってしまう。

 

キャラクター変更

 

ブレンド・S side

 

ディーノ

 

使用デッキ 天霊

 

基本的には原作と変わらないが、スピリットやアルティメットを召喚する時、マジックを使う時に可愛いや、少しおかしな発言をして紅葉や麻冬に制裁を加えられる事がしばしば。実力面ではスティーレで1・2位を争う程で、晴翔と結構互角に渡り合う。

 

苺香とはスティーレでの初対面の為、恋愛感情は抱いていないが、晴翔を弟のように可愛がっているため、晴翔と苺香にくっついて欲しいという思いがあってか、たまにズレた発言をして、晴翔にしばかれる事が多くなる。←後々晴翔を制裁側に向かわせる事になる。

 

 

 

秋月紅葉

 

使用デッキ 爪鳥

 

こちらも原作とあまり変わっていないが、オープニングスタッフの1人で、いずれ夏帆とくっつきます。←(作者は秋夏帆の絡みが大好きなので。)キッチン担当でディーノの制裁側。晴翔とは当初キッチン担当同士、晴翔が割とアニメを見ているという事で結構話があったりする。バトスピでもお世話になったりしているので、プライベートで一緒に出掛けたりも少々。

 

晴翔をキッチン担当からホール担当に移動させるとディーノが言った途端、マジギレし、交渉の結果、平日のみをホール担当にさせる事に渋々了承。かなりの百合推しの為、恋愛事情に関しては鈍く、結構なところまで言わないと気付かない。

 

桜ノ宮苺香

 

ヒロイン候補

 

使用デッキ 剣獣

 

原作とはあまり変わらず、天然でドS発言を繰り出したりする為、スティーレではドS担当を担っている。駅前で偶然晴翔とぶつかった時、スティーレに誘われたときには優しくかっこいい人程度で、話すごとに彼が海外で少し暮らしていた事を知り、尊敬していたが、後々晴翔の事情、本音、葛藤を知り、支えられる人になりたいと思い、好意を寄せる。

 

日向夏帆

 

使用デッキ 皇獣

 

原作とあまり変わらず、結構フレンドリーで明るい。スティーレではツンデレ担当で、オープニングスタッフの1人。同じくオープニングスタッフの紅葉とは同じオタクの為か結構仲良し。バトスピ歴は割と長い為、晴翔がスティーレに来た時には大興奮し紅葉と共にサインをもらいに行く程。実力面では紅葉と互角くらい。ポーカーフェイスが苦手な点もあり、たまにそれが原因で負ける事かしばしば。

 

星川麻冬

 

使用デッキ 武装

 

原作と変わらず、ホール担当で妹キャラ担当、接客では明るくリアル妹の如き接客をしているが、素では大人しく、年齢に相応している。晴翔がチャンピオンシップで不在の間に入り、終わった後に晴翔と対面。晴翔からは頼れるお姉さんみたいと言われ晴翔に対し少し姉っぽい口調で話す傾向も。実力面は紅葉と夏帆を圧勝するが、ディーノや晴翔には一歩及ばず。

 

ぼくたちは勉強ができないside

 

緒方理珠

 

ヒロイン候補

 

原作と変わらず、理系においては天才級だが、文系に関してはからっきし。最初は晴翔を警戒していたが、徐々に打ち解けて行く。無自覚で好意を寄せているが、無自覚の為、やはり自分ではわからない。ゲームで勝つために心理学を学ぼうとしている。バトスピはしているが、実家がうどん屋の為、出前帰りに息抜きをしたりくらいで、嗜むくらいでやっている。

 

古橋文乃

 

ヒロイン候補

 

使用デッキ 光導

 

こちらも原作とは変わらず、文系では天才級だが、理系はダメダメ。数式を見ると頭が真っ白になり、解くことが難しい。晴翔の事は良い友達と考えているが、後々好意を寄せるようになる。母親が他界する前、一緒に星を見ており、そこから天文学を学ぼうとしている。

 

関城紗和子

 

性格とかは原作と変わらないが、晴翔と家は向かい同士で、俗に言う幼馴染み立場。あだ名でお互いを呼び合う仲で、よく晴翔の家に遊びに来る。友達作りの際は少し不器用な為、あまりいない。晴翔もそれはわかっている為、追い出そうとはせず、暇な時ならあそんでいる。本人は晴翔の事は恋愛対象としては見ておらず、最初の友達だから大事にしている。むしろそろそろ誰かとくっつけと考えることがしばしば。

 

武元うるか

 

ヒロイン候補

 

使用デッキ 異合

 

原作と変わらず体育系統では圧倒的な実力を誇る天才だが、勉学は全くダメダメでいつも晴翔にノートを貸りては丸写しでやっていたが、晴翔が教育係をすることによって、少しずつだが、成績が伸び始める。中学まではただ単にノートを見せてくれるくらいしか考えてなかったが、晴翔がなんでノートを見せてくれるのかを偶然聞いた為、晴翔に好意を寄せる。しかし、予想以上にテンパったりと結構純情な乙女っぷりを見せる。




ぼく勉sideの投稿は後々ここに載せていきます。


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本編
はじめてのドS(前編)


ごめんなさい。懲りずに新作だします。前作よりははるかにカードプールを広くしておりますのでお許しください。


ここはカードゲームバトルスピリッツのチャンピオンシップ決勝大会の会場。今、ここでは1人の少年と1人の大人とのバトルが白熱していた。

 

少年のライフは1つ大人のライフは2つ、互いに手札は1枚ずつだった。ここで少年のターンで勝負に出た。

 

???「超神光龍サジットヴルムノヴァでアタック。アタック時効果で、ホルアクティを破壊。さらに界放の効果。系統【光導】を持つサジットヴルムノヴァがいるので、ライフを一つもらいます。」

 

「フラッシュタイミング、ホルスの神技:4を使用。デッキを三枚オープン。」

 

ホルスの効果でオープンされたカード

 

天空の双璧イネブヴァルチャー

 

ゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラ

 

天空鳥ナイルバード

 

「(ここでイネブヴァルチャーを出してもBP勝負でどのみち破壊される。残りの札は英雄獣の爪牙だし、だったら、なるべくデッキをめくって決め札を引きやすくする)ゴッドシーカー天空鳥キジバトゥーラを召喚。召喚時効果でデッキを4枚オープン。」

 

オープンされたカード

 

三十三代目風魔頭首ヤタガライ

 

天空の双璧イネヴヴァルチャー

 

天空鳳凰ホルアクティ

 

ホルスの天空神殿

 

「天空鳳凰ホルアクティとホルスの天空神殿を手札に加える。ヤタガライは自身の効果で手札に。」

 

???「フラッシュタイミング、マジック、サジタリアスドローを使用します。」

 

「はぁ!?」

 

???「創界神ダンがいるので合計BP20000以下のスピリットを破壊します。キジバトゥーラを破壊します。フラッシュがあればどうぞ。」

 

「フラッシュはない。」

 

???「こちらもないです。」

 

「くぅ・・・!ライフで受ける・・・」

 

大人のライフがゼロになり勝敗が決まった。

 

「負けました。」

 

???「ありがとうございました。」

 

アナウンサー「決まったぁ!!今年のチャンピオンシップ優勝は、紅晴翔さんだぁぁ!!」

 

スタッフ「トロフィーです。」

 

晴翔「ありがとうございます。」

 

トロフィーを受け取った晴翔に先程勝負していた大人が近づいてきた。

 

「最後の手札はサジタリアスドローだったか。なんでメインで使わなかったんだ?」

 

晴翔「あの場合だと、確実にホルスの神技を使うのはわかってましたし、ダンの神技が使えなかったから、破壊できるカードとしておいておこうかなと。」

 

「・・・完敗だ。」

 

アナウンサー「アルティメットバーサスからの快進撃が止まらない!これで紅晴翔さんは5連覇目。彼の無敗記録を止めるものは現れるのかぁぁぁ!!」

 

晴翔side

 

俺は紅晴翔。バトルスピリッツ、通称バトスピをやってて、ついさっき5連覇を達成したばかりだ。チャンピオンシップがやっと終わって、家に帰って来れたよ。

 

晴翔「はぁぁ・・・久しぶりの我が家だぁ!」

 

???「ほれ。オレンジジュース。」

 

晴翔「サンキュー。奏多」

 

オレンジジュースを渡したのは花坂奏多。こいつもバトルスピリッツをやっている俺の数少ない友人である。

 

奏多「5連覇目おめでとさん。」

 

晴翔「ん。今回も運に救われたなぁ。あのタイミングでサジット引けなかったら実質負けてたし。」

 

奏多「運も実力の内だ。はい。」

 

晴翔「なんだこれ?」

 

なんか書類とカードケースを渡された。ケースは間に合ってるんだけどな。

 

奏多「S級バトラー昇格書。なんでも今、3Dバトルシステムってやつを作ってるみたいでさ。そのケースがあれば、新しく作られるバトルスタジアムに行かなくてもバトルできるんだよ。といっても、S級同士じゃないとだめだけどな。」

 

晴翔「ふーん。それは面白そうだな。ふわぁ。」

 

奏多「寝るのか?」

 

晴翔「明日からバイト復帰だから早めに寝る。」

 

奏多「7時に来るぞー。」

 

晴翔「んー。」

 

奏多が出て行った後、3Dバトルと聞き、少し楽しみになってきた。多分今年はそれでバトルするのかと考えると中々寝付けなかったのは別の話。

 

苺香side

 

私は桜ノ宮苺香です。高校2年生です。今は海外留学の為にアルバイトを探しているのですが・・・

 

苺香「あ・・・ああ・・・」

 

書類には不採用と書かれており、またダメなようです。原因は私の目つきの悪さだとわかっているのですが、

 

愛香「苺香。そろそろ夕食の時間です・・・」

 

苺香「ギロッ・・・」

 

愛香「ひっ!どうしたのですか?そんな怖・・・ん゛ん゛、悩ましげね目をして。」

 

苺香「愛香お姉さん。」

 

私の姉の愛香お姉さんです。どうやら睨んでしまったようで怖がらせてしまいました。お姉さんに事情を説明しました。

 

愛香「あらあら、受からなかったのですね。」

 

苺香「やはり、この目つきの悪さがダメなようで。」

 

愛香「苺香は海外留学がしたくてバイトを探しているのですよね?それでしたらお父様に相談してみてはいかがでしょうか?」

 

苺香「だっ、ダメです!ちゃんと自分自身でお金を貯めて行きたいんです。じゃないと・・・向こうへ行っても一人じゃなにもできなくなる気がするんです。」

 

私の真剣な表情を見てか、お姉さんはどこか安心した顔をしていました。

 

愛香「そう・・・大丈夫ですよ。苺香ならきっといいバイト先が見つかりますよ。」

 

苺香「お姉さん・・・私、頑張ります!」

 

愛香「ファイトオーですよ苺香!」

 

次こそは採用を目指して頑張ろうとしたのですが、電車で面接先へと向かおうとしたのですが、電車の遅延が起きていました。

 

苺香「(な、なぜ、バイトの面接の時に限ってこういうことが起きるのでしょうか・・・隣駅ですし、こうなれば走って行きましょう。)」

 

苺香「あ!念の為に今回は伊達メガネをかけて行きましょうか。これで少しはこの目がカモフラージュされるかと。」

 

私がメガネをかけ走ろうとしたとき、

 

ドンッ

 

誰かとぶつかってしまいました。謝らないと!

 

苺香「あっ!申し訳ございません!」

 

晴翔「いえ、こちらこそ。」

 

ふと顔を上げると、少し私より背が高い男の人でした。目が合った時にすごくかっこいい人だなと思いました。なんだか見ていたらすごく恥ずかしくなってきました。

 

苺香「し、失礼します!」

 

晴翔「はい。」

 

足早に歩いて行きました。素っ気なかったでしょうか。ですがこうでもしないとドキドキしてどうにかなりそうです。ですが・・・

 

苺香「(今日はいいことがありそうです。)」

 

駅を通り過ぎ、走って面接先へと向かいました。一瞬、もう一度会えるかなと考えていましたが、この時は、さっきの人にまた会えるとは思いもしませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カードプールは序盤は神煌臨から開闢の剣で、そこから最新パックまで徐々に伸ばしていきます。それではまた!


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初めてのドS(中編)

第2話です!それではどうぞ!


晴翔side

 

ここは喫茶店『スティーレ』見た目はどこにでもある喫茶店なんだが、色々と変わっている店だ。

 

???「はい、ゲイルフェニックスホルスでアタック。」

 

???「あぁー!もうまた負けたー!」

 

???「手がバレバレなんだよ。もう少しポーカーフェイスを覚えろ。」

 

店からどうやら声が聞こえてきた。そのやり取りから相変わらずだなぁと思い、ドアに手をかけた。

 

晴翔「おはようございます。」

 

夏帆「あ!晴翔くーん!5連覇おめでとうー!」

 

彼女は日向夏帆さん。『スティーレ』のオープニングスタッフで、現在高校3年生。金髪をツインテールにしている。それと彼女の金髪は地毛らしい。

 

晴翔「ありがとうございます夏帆さん。でも実際運勝ちなところもありましたから、嬉しいんですけどなんだかなぁと。」

 

紅葉「謙遜しすぎだ。ちょっとは胸張って勝ってきたでいいんだよ晴翔。」

 

晴翔「秋月さん。おはようございます。」

 

紅葉「おう。」

 

秋月紅葉さん。夏帆さんと同じくオープニングスタッフである。この2人って、なんか仲が良くて、どこかもどかしい感じがある。ぶっちゃけこの2人付き合ってんじゃね?って考えるくらいまである。それとこの人の下の名前『もみじ』じゃなくて『こうよう』ね。

 

晴翔「店長は?」

 

夏帆「休憩室で寝てる。」

 

晴翔「また深夜アニメ見てたんですね。じゃあ準備してきます。」

 

察しがついてしまうほどどうしようのない店長ですが、人当たりが良い人なので、あんまり怒れない。

 

晴翔「よし!頑張るぞ!」

 

制服に着替えてホールに戻ると、夏帆さん達が不思議そうに窓を見ていた。

 

夏帆「ねぇ・・・どうしたんだろうあの子。」

 

晴翔「ん?何がです。」

 

紅葉「なんか鏡とにらめっこしてるな。」

 

晴翔「あれ?あの子さっきの。ちょっと行ってきますね。」

 

俺は頬を引っ張っている、今朝駅でぶつかった子に話しかけた。

 

晴翔「そこの君。何やってるの?」

 

苺香side

 

苺香「はぁ・・・また落ちてしまいました・・・もうこれで、件数も覚えていません。」

 

あの人と会って良いことがあると思った矢先に、面接に落ちてしまい、落ち込みながら歩いていると、鏡があり、今の私を写していました。

 

苺香「(やはり、この目つきの悪さがいけないんでしょうか)」

 

頬と目を引っ張って伸ばしていたら・・・

 

晴翔「そこの君、何やってるの?」

 

苺香「え?えっと・・・あ、あなたは先程の。」

 

今朝駅でぶつかった人に会いました。どうやら本当に良いことがありました。

 

晴翔「あーやっぱり。鏡なんて見てどうしたの?」

 

苺香「それが・・・」

 

私は彼に事情を話しました。すると彼は少し考える素ぶりを見せると、なにかを思いついたような顔をしました。

 

晴翔「なるほどなぁ・・・ねぇ、君はバイト先を探してるんだよね?」

 

苺香「はい。」

 

晴翔「じゃあちょっと待っててね。」

 

彼はお店に入って行きました。今更ですが、彼はここで働いているようです。

 

晴翔「ちょっと。」

 

苺香「?はい。」

 

彼にこっちに来てとジェスチャーで言われたので、言われるままお店に入ると、ブランドヘアの男の人と、金髪のツインテールの女性がいました。

 

晴翔「店長、この子がバイト先を探してて、ちょうど募集してるなら雇ったらどうです?」

 

苺香「え!?」

 

ディーノ「この子デスか?君は・・・晴翔クンの彼女ですか?」

 

苺香「え!?えっと・・・」

 

彼女と聞かれてしまい、全身から熱がこみ上げてくるのがわかりました。あたふたしている中彼がフォローに入りました。

 

晴翔「違いますよ。今日駅でたまたまぶつかっちゃって。それで、バイト先を探してるみたいだったからどうせならと思ったんですけど、どうですか?」

 

ディーノ「構いまセンよ。晴翔クンにはお世話になってマスし、それにあなたも可愛いから歓迎しマス。」

 

苺香「本当ですか!?あ、でも・・・接客ですよね?私目つきが悪いんですが、大丈夫ですか?」

 

晴翔「そこら辺は大丈夫だと思うぞ。ね?店長。」

 

ディーノ「ハイ。全然問題ないデスよ!ゾクゾクします!」

 

苺香「ゾクゾク?」

 

晴翔「ま、まぁ最後のは気にしないとしても、とりあえず今日1日ここで仕事してみたら?正式に入るか否かは体験してからで。どう?」

 

苺香「は、はい!大丈夫です!」

 

晴翔「じゃあ自己紹介から・・・あ、秋月さんいいところに!」

 

今度は違う男の人が来ました。彼もここのスタッフのようです。

 

紅葉「なんだ?新入りか?」

 

晴翔「体験バイトってところです。」

 

紅葉「なるほど。」

 

夏帆「じゃあ私から、日向夏帆。ホール担当。よろしくね!」

 

紅葉「秋月紅葉。キッチン担当。よろしく。」

 

ディーノ「私はディーノって言いマス。キッチン担当!ついでに店長もやってマス!」

 

晴翔「最後は俺だな。紅晴翔。平日はホールで、休日はキッチン担当。よろしく。」

 

苺香「さ、桜ノ宮苺香です!よろしくお願いします!」

 

ディーノ「ハイ!末永く晴翔クンをよろしくデス!」

 

晴翔「え?なんで俺?」

 

その後、更衣室に案内してもらい、制服に着替えてもう一度ホールに出ました。

 

夏帆「キャー!可愛い!似合う似合う!」

 

ディーノ「ハイ!とても可愛いデス!」

 

苺香「あの、紅さんは、似合ってると思いますか?」

 

晴翔「うん。似合ってるよ。」

 

苺香「そうですか・・・///」

 

その後、店長さんが色んな角度から写真を撮っていたのですが、

 

紅葉「店長は働け!」

 

秋月さんから蹴りを入れられていました。いよいよ開店の時間が来ました。

 

苺香「(初めてのバイトです。失敗しないように頑張らなくては)」

 

苺香「お仕事は、まず何から始めればいいでしょうか?」

 

ディーノ「そうデスね。苺香サンには是非、ドSキャラをお願いします!」

 

苺香「どえっ・・・どっ・・・え!?」

 

あまりにも接客とは関係ない単語が飛び出て困惑していると、紅さんが苦笑いしながら説明してくれました。

 

晴翔「あはは・・・驚くのも無理ないよ。ここって、各属性のキャラクターになりきって接客する喫茶店なんだよ。例えるなら、メイド喫茶とか執事喫茶とかだね。ちなみに俺はクールキャラ担当で、夏帆さんがツンデレキャラ担当。」

 

苺香「(つんでれ?くーる?)」

 

よくわからない単語がずらずらと出てきて訳が分からなくなりました。

 

夏帆「苺香ちゃんってドSキャラできるかな?」

 

苺香「具体的にどういった接客でしょうか?」

 

ディーノ「お客さんを冷たく、汚物を見るような目で見下して罵りまくってくだサイ。」

 

苺香「お客様ですよ!?」

 

接客にあるまじき行動をしろと言われているのですが、完全にダメなような気がしてなりません。

 

ディーノ「大丈夫デス!そういうの大好物な方もいるんデスよ!さぁ来ましたよ!」

 

苺香「わわっ!」

 

こうして、私の初めての接客が始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・どうすれば良いのでしょう。

 




少しずつバトスピとも絡めていきますが、このカード、デッキを使って欲しい、といった数少ない読者様のなかにバトスピをやってる方がいればリクエストを受け付けたいと思います。(未使用のデッキやカードの場合、プレミするかもしれないですがご容赦を)それではまた!


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はじめてのドS(後編)

大分遅くなりましたが、バトルに入る前までです。それではどうぞ!


どど、どうしましょう!ドSって、一体どうすれば・・・

 

「あ、2人なんですけど。」

 

お客様が何かを言っているようですが、緊張して全然聞こえません。まだ店長さんからちゃんとお聞きしていないのに・・・あぁ、何で・・・何で・・・

 

苺香「何で来たんですか?」

 

「あ・・・///」ゾクッ

 

「ごめんなさい///」ゾクッ

 

やってしまいました。つい咄嗟に酷い事を口走ってしまうとは。しかし何故顔が赤いのでしょう?熱でもあるのでしょうか。

 

苺香「ええっと・・・」

 

オムライスにケチャップをつけるサービスを頼まれたので、実行しようとしたのですが、緊張して手が震えてしまって・・・

 

お客様の顔にかけてしまいました。

 

晴翔side

 

プルプルしながら接客してた桜ノ宮さんがどうにも初々しいなと思っていた矢先、思いっきりケチャップをぶちまけて客にぶっかけやがった。多分本人はやってしまったと感じているようだが・・・

 

苺香「・・・」

 

どう見ても汚物を見る目でしかない。心なしか客も顔を赤くしてるし、これもしかしていい線いくパターンじゃね?

 

夏帆「ありゃー。フォロー行った方がいいかなぁ。」

 

晴翔「いや、多分必要ないですよ。」

 

10秒くらいフリーズした後、謝罪が来る・・・かと思いきや。

 

苺香「き、汚い・・・」

 

まさかのそっちかぁ。まぁ大体は予想できてたけども。

 

「ありがとうございます!!///」

 

苺香「え、ええっ!?」

 

晴翔「ね?」

 

夏帆「おー。」

 

客達は最高だったのすごかったのと言って満足そうに出て行った。因みにケチャップの件は俺がストックの分を渡してブタとエサと書いていたようです。

 

苺香「行ってらっしゃいませ。二度とお帰りにならないで下さいね。」

 

そしてとどめでこれである。マジで才能あるよ?君。滅茶苦茶顔青ざめて震えてるけど、相手大満足だったからね?

 

苺香「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいーー!酷い事いっぱいしてごめんなさい!また来てください!お待ちしています!!」

 

晴翔「桜ノ宮さん。ドアに言っても何も返ってこないよ?」

 

苺香「あのっあのっ!あれで良かったのでしょうか!?お客様を怒らせてしまったのでは!?」

 

夏帆「上出来よ!いいドSっぷりだったわ!」

 

紅葉「ゴミを見るような目つき、最高だったぜ!」

 

みなさん大絶賛ですね。

 

苺香「褒められてあるんですよね?」

 

晴翔「もちろん。その証拠に、店長を見てみ?」

 

指差した先にいた店長は、鼻血を大量に流してぶっ倒れていた。

 

苺香「店長さーーん!?」

 

・・・よくあれで貧血になんないよなぁ。

 

夏帆「あ、晴翔君、女性のお客さんきたよ!お願い!」

 

晴翔「了解です。」

 

やっとかと思い、伊達メガネをかける。

 

苺香「え?」

 

夏帆「晴翔君は基本、女性のお客さんを相手にしてるんだよ。キャラがキャラだし、男の人には向かないから。」

 

さてさて、それじゃあやりますか。少しわざと咳き込むように見せ、接客開始だ。

 

晴翔「よほど暇してたんだな。席なら空いてるから適当に座っとけ。水持ってくっから。」

 

苺香「なんか、ガラリと変わりましたね。コツとかあるのでしょうか?」

 

夏帆「というより、アレが素なんだよ晴翔君って。だからキャラを演じてるというよりは素を少し出してるって感じ。」

 

晴翔「で、注文は以上か?」

 

「はい。あの、後このバトルサービスをお願いします。」

 

晴翔「了解した。持ってくるまで注文した料理を食べて待っててくれ。」

 

バトルサービス人気だなぁ。まぁ公式から3Dバトルが実装される事を知ってるからなのか。

 

晴翔「オーダーです。」

 

紅葉「はいよ。」

 

晴翔「デッキ持ってくるんで、誰か料理運んでて下さい。」

 

夏帆「オーケー!任せて!」

 

休憩室にデッキを取りに向かったのだが、何使おうかな。まぁ【光導】でいいか。

 

苺香side

 

苺香「バトルサービス?」

 

夏帆「料理を3品以上頼んだ人限定で、晴翔君とバトスピをすることができるサービスの事だよ。といってもそれは私達も変わらないけどねー。」

 

苺香「バトスピって、バトルスピリッツの事ですよね?」

 

夏帆「そうそう。苺香ちゃんもやってるの?何のデッキ使ってる?」

 

目を輝かせながら夏帆さんが聞いてきました。

 

苺香「あ、はい。私は剣獣デッキを使ってます。といってもお兄さんからもらった物ですが。」

 

ディーノ「ちょうど良かったデスよ!今から説明しようとしてたのデ。因みにワタシは天霊デッキを使ってマス!」

 

紅葉「これが可愛いとかなんとかで大分時間かかるけど、店長結構強いぞ。晴翔と五分くらいだし。」

 

夏帆「そうそう。私や秋月君がギリ勝てるかくらいだからさぁ。最初に対戦したときはビックリしたよ、二重の意味で。」

 

ディーノ「そんなに弱く見えマスか!?ワタシって!」

 

店長さんもどうやらお強いようですが、紅さんってそんなにお強いのかと気になったので聞いてみました。

 

苺香「あの、紅さんってそんなに強いのですか?」

 

「・・・」

 

あれ?何故かみなさんが目が点になったような感じでフリーズしました。何か変な事言ったのでしょうか。

 

夏帆「え、苺香ちゃん、知らないの?」

 

苺香「え?何がですか?」

 

紅葉「まぁ見ればわかる。始まるぞ。」

 

晴翔「待たせてしまったな。それでは・・・」

 

メガネを外し、デッキを準備した紅さんの雰囲気がまた変わりました。

 

晴翔「始めましょうか。」

 

「は、はい。///」

 

『ゲートオープン、界放!』

 

紅さんってどんなデッキを使うのか、少しワクワクしているのは秘密でお願いします。

 




まだまだ使って欲しいカードを募集中です。そしてアンケートを締め切らせていただきますが、コラボカードは使わないようにします。それでは、また!


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最近のバトルは案外早く終わる事がある

第4話です。いよいよ晴翔のバトル回ですが・・・

そして新展開の前触れです。それではどうぞ!


プレイマットを準備し、ライフにコアを5つ、リザーブに3個、そしてソウルコアを1個置いたのち、互いにデッキをシャッフルし、交換シャッフルを行った。そして、手札を4枚引き、準備は整った。

 

晴翔「先攻か後攻、どちらにしますか?」

 

「じゃあ先攻で。」

 

晴翔「どうぞ。」

 

第1ターン

 

「では、スタートステップ。コアステップはなしでドローステップ。メインステップ。コスト2を支払って、創界神セトを配置します。」

 

「神託の効果を発揮。デッキの上から3枚を破棄します。」

 

セトに効果で破棄されてカード

 

セトの剛腕神殿

 

ゴッドシーカー砂海祈祷師ケルドマンド

 

砂海の武王ビャッコウラー

 

「対象のカードが2枚の為、セトの上にコアを2個乗せます。これでターンエンドです。」 

 

 

ライフ:5

 

リザーブ:2

 

トラッシュ:2

 

手札:4

 

第2ターン

 

晴翔「では、ターンをいただきます。スタートステップ。コアステップ。ドローステップ。メインステップ。創界神ネクサス創界神ダンを配置します。」

 

晴翔「神託の効果でデッキを3枚破棄。」

 

ダンの効果で破棄されたカード

 

超神光龍サジットヴルムノヴァ

 

天星十二宮氷星獣レオザード

 

天星十二宮炎星竜サジタリアスドラゴン

 

晴翔「対象のカードが3枚。よってダンに3個コアを置きます。続けてダンの効果で、神託で破棄された系統【光導】を持つカードを全て手札に加えます。そしてもう1枚ダンを配置。これでターンエンドです。」

 

晴翔

 

ライフ:5

 

リザーブ:1

 

トラッシュ:4

 

手札:6

 

苺香「あれは【光導】デッキというものですよね。」

 

夏帆「そうそう。しかも落としたのがあの3枚だからなぁ。」

 

紅葉「これ、相手防御札なかったら詰みじゃね?」

 

苺香「え?」

 

第3ターン

 

「スタートステップ。コアステップ。ドローステップ。リフレッシュステップ。メインステップ。ゴッドシーカー砂海祈祷師ケルドマンドを召喚します。」

 

「神託の効果でセトにコアを1個追加。召喚時の効果でデッキを4枚オープンし、その中のセトと、系統【界渡】【化身】を持つスピリット、またはアルティメットカード1枚を手札に加えます。」

 

ケルドマンドの効果でオープンされたカード

 

創界神セト

 

ゴッドシーカー砂海祈祷師ケルドマンド

 

アルティメットサジットアポロドラゴン・エピタフ

 

太陽の砂海王ラムセトス2世

 

「対象はセトとラムセトス2世を手札に加えます。更に2枚目のセトを配置してターンエンドです。」

 

 

ライフ:5

 

リザーブ:2

 

トラッシュ:3

 

手札:4

 

晴翔「では・・・詰めさせていただきます。」

 

「え?」

 

第4ターン

 

晴翔「メインステップ。天星十二宮氷星獣レオザードを召喚。」

 

晴翔「ダンに神託。そしてアタックステップに入ります。レオザードでアタックします。アタック時の効果で【星読】を使います。デッキを1枚オープンします。」

 

星読でオープンされたカード

 

天星十二宮氷星獣レオザード

 

晴翔「天星十二宮氷星獣レオザード、系統【光導】だった為、ターンに1回このスピリットを回復します。フラッシュタイミングがあればどうぞ。」

 

「な、ないです。」

 

晴翔「こちらのフラッシュタイミングでソウルコアをトラッシュに置き、煌臨を使います。煌臨対象はレオザード。天星十二宮炎星竜サジタリアスドラゴンに煌臨します。」

 

晴翔「神託によりダンにコアを追加します。煌臨時の効果でトラッシュのコアを全てサジタリアスドラゴンに乗せます。」

 

「あ・・・(察し)フラッシュはないです。」

 

晴翔「では再びフラッシュタイミングでソウルコアをトラッシュに置き、煌臨を使います。対象はサジタリアスドラゴン。コストは6、よって煌臨可能に。超神光龍サジットヴルムノヴァに煌臨します。」

 

晴翔「ダンの効果で神託。更に煌臨時の効果でBP20000以下のケルドマンドを破壊します。」

 

「こ、こちらのフラッシュはないです。」

 

晴翔「こちらもありません。」

 

「ら、ライフで受けます。」

 

ライフ5→3

 

晴翔「回復しているサジットヴルムノヴァでアタックします。【界放】の効果で、ダンの上から3個コアを乗せることで、系統【光導】を持つスピリット1体につき、相手のライフを1つボイドに置きます。サジットヴルムノヴァの【光導】が入っているので、ライフを1個ボイドへ。」

 

ライフ3→2

 

「フラッシュ・・・は、ないです。」

 

晴翔「こちらもないです。」

 

「ら、ライフで受けます・・・」

 

ライフ2→0

 

winner 晴翔

 

「ま、負けました・・・」

 

晴翔「ありがとうございました。」

 

苺香side

 

え?わずか4ターンで終わったのですか?あまりに早すぎたので驚きが隠せません・・・

 

苺香「こ、こんなにあっさり・・・」

 

紅葉「だから言ったろ?早く終わるって。」

 

夏帆「あれは流石に回りが良すぎたね・・・」

 

秋月さんも夏帆さんも、顔を引きつらせていました。

 

「やっぱり噂通りの人です!ありがとうございました!」

 

晴翔「あ、はぁ。どうも。」

 

そのお客様が帰ってすぐに、お店が閉店しました。

 

ディーノ「さすがデスね!晴翔君。」

 

晴翔「いや、これはさすがに回りが良かったから・・・」

 

照れている、というよりは苦笑いしています。やはり今回のバトルは運勝ちだと思っているようです。

 

紅葉「相変わらず謙遜してるなお前。」

 

苺香「でも、紅さんが本当にお強いのはわかりました。何と言いますか。凄いの一言です。」

 

夏帆「でしょー!だって晴翔君だもん!」

 

紅葉「何でお前が自慢してんだ。」

 

みなさんとこうしてお話して、楽しくお仕事ができる場所が見つかりました。それに、目つきの悪い私を受け入れてくれることはもうないかもしれません。

 

苺香「私・・・決めました。」

 

『?』

 

苺香「私、上手くできるかわかりませんが、精一杯頑張りますので、どうかここで働かせてください!」

 

ディーノ「ハイ!絶対幸せにしマス!晴翔君が!」

 

紅葉「受け答えおかしいぞ店長。」

 

晴翔「なんで俺なのかはスルーなんだ・・・」

 

これから留学費を貯める為、精一杯頑張ります!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春というのは様々な終わりと始まりの季節。バトルスピリッツも神煌臨編が終わり新編、そして3Dバトルの実現が始まろうとしていた。

 

そして人間関係の変化も春という季節が多い。

 

???「また・・・ダメだったか。となると次は・・・」

 

???「彼ならどうにかできるのかもしれないね。

 

 

 

 

 

紅晴翔君・・・」

 

これから晴翔に様々な変化がこの春に訪れるとは、彼は当然気づいていない。




光導強いですよね。

後ほど晴翔が使ったデッキをあげたいと思います。それではまた!


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得のある話の裏には必ず何かがある。

第5話です。投稿後にタグ追加します。それではどうぞ!


春休み・・・基本的には1週間から2週間前後の比較的に短い休み。その春休み最終日というなんとも憂鬱になりかける日に・・・

 

晴翔「え、えっと・・・なんのご用件があって呼び出したのでしょうか・・・学園長。」

 

俺の通ってる高校、一ノ瀬学園の学園長に呼び出しくらった時点で、もう嫌な予感しかしない俺、紅晴翔だった。

 

学園長「ふむふむ。紅晴翔君。ずば抜けた教科はないものの、全教科8割以上の成績を維持、生活態度も申し分ない。加えてアルバイトとの掛け持ち、ならびにバトルスピリッツでの大会5連覇。非常に優秀な生徒だ。」

 

晴翔「は、はぁ。それで・・・実際の用件は。」

 

5連覇まで知ってるとは思わなかったけども、話を聞くために用件を聞き直した。

 

学園長「あぁ、そうだったね。紅君。君は特別VIP推薦を知っているかね?」

 

晴翔「あぁ、はい。確か成績が特に優秀な生徒が選ばれる、付属の大学に無試験で入れて、学費を学園側が持つっていう、アレですよね。」

 

学園長「そう。君をその、特別VIP推薦に入れようかと考えている。」

 

・・・嫌な予感が的中した。できることならもう帰りたいんだが、流石にそれは失礼すぎるので、最後まで話を聞くことにした。

 

晴翔「・・・はぁ、それで?」

 

学園長「随分と暗いね。普通は喜ぶ物だと思うのだが。」

 

晴翔「・・・普通はね。」

 

学園長「?」

 

この人は少し動揺したようだ。

 

晴翔「そんな特別な枠をわざわざ差し出すということは、何か相応の条件があるんですよね。」

 

そう。そんな良い話がタダで舞い込む程、世の中は甘くはないということ。簡潔に言えば、絶対面倒な事が一緒に来ると考えたわけで。学園長が押し黙るのを見て、図星だと思い、やっぱりかと心の中でため息を吐いた。

 

学園長「・・・察しがいいね。そう。君を特別VIP推薦の枠に入れるが、条件がある。・・・入りたまえ。」

 

「失礼します。」

 

ノックが聞こえた後、2人の少女が入って来た。見た瞬間頭が真っ白になった。いいや、ならざるを得なかった。

 

学園長「君も知っていると思うが、我が校に去年入学してきた天才。古橋文乃君と緒方理珠君だ。」

 

知らない訳がない。この2人は俺と同学年。いや、それ抜きにしても、この学園でその名を知らない人はいない。

 

緒方理珠・・・数学・物理系の科目で他の追随を許さない。身長が143㎝と割と小柄な為、別名【機械仕掛けの親指姫】と呼ばれている理系の天才。

 

古橋文乃・・・現代文・古文・漢文といった文学においてひたすらトップを駆け抜ける文学の天才だが、普段の授業では居眠りをしている為、別名【文学の森の眠り姫】と呼ばれている。

 

しかし、なんでそんな天才2人が絡んで来るんだ、全く理解できないんだけど。

 

・・・え?俺?いや他の人にはバトスピやってるって言ってないから全然噂になってないぞ。ぼっちじゃないからな?友達は少なからずちゃんといるからな?

 

学園長「紅晴翔君!君を特別VIP推薦に入れる条件として彼女達の志望大学合格を目指した教育係を命じる!」

 

晴翔「・・・はぁ?」

 

・・・本当に良い話にはロクなことがなかった。

 

 

晴翔「・・・」

 

「・・・」

 

だんまり状態がかなり続く。いやまぁ仕方ないんだけども、同じ科目の時に同じ教室なのに覚えられてないのは地味に傷ついた。

 

晴翔「えっと・・・とりあえず今日俺今からバイトだから、今回はそこでやるか。色々事情も聞きたいし。」

 

文乃「う、うん。」

 

とりあえず今日はスティーレで勉強することになったけど、わかんねぇ。俺がこの天才2人に何を教育すんの?逆に教育する箇所あんの?ないと思うんだけど。てかないんじゃねぇの?

 

理珠「教育係、これで何人目になるんでしょうか?」

 

晴翔「ん?」

 

理珠「もちろん生徒では初めてですが、どうせあなたもこれまでの先生達と同じように、私達を見捨ててたらい回すに決まってます。」

 

緒方が冷たく言い放つと、古橋はいきなり涙ぐむ。

 

晴翔「ちょっ、捨てられた仔犬のような目・・・あのな、頼まれた以上、たらい回すなんてことはしねぇよ。これでも頼みごとには慣れてるからな。」

 

文乃「本当!?良かったね!りっちゃん!」

 

古橋はいきなりテンションが上がったけど、緒方はまだ疑っているようだ。信用されてないな。まぁ無理もないけど。

 

晴翔「着いたぞ。」

 

文乃「喫茶店?」

 

晴翔「【スティーレ】、俺がバイトしてる所だ。多分他の人達も入ってるはずだから入っても大丈夫だと思うぞ・・・おはようございまー・・・す。」

 

入ると小学生くらいの女性が店長の上に乗っかって髪を引っ張っていた。

 

苺香「えぇと、紅さん、おはようございます。」

 

晴翔「ん。おはよう。・・・どうかしたか?」

 

苺香「あの、何故一ノ瀬学園の天才2人が紅さんといるのですか?」

 

晴翔「あぁ、それは・・・」

 

桜ノ宮に一応事情を説明すると・・・

 

苺香「教育係?天才のお2人にも苦手なものってあるんですね。少し意外でした。」

 

晴翔「ていうか話を聞く限り、俺と同じ高校だったんだな。」

 

苺香「はい。明日から高校2年です。」

 

晴翔「マジの同い年じゃねぇか。」

 

苺香「そうですね。」

 

フリーズしていた2人が現実に戻るとあたふたし始める。まぁ仕方ないか。小学生くらいの女性が大人に乗っかってるんだから。

 

文乃「え!?小学生が大人に暴力を!?」

 

なんかもう一度見ると今度は背中に蹴りを入れていた。確かに傍からみたらそうかもしれないけど、事情を説明するか。

 

晴翔「確かに見た目はアレだけど、俺らより年上だぞ。」

 

理珠「そうなのですか?」

 

麻冬「あら、晴翔。」

 

晴翔「おはようございます麻冬さん。今日確かシフト一緒でしたね。」

 

そう、彼女は星川麻冬さん。俺の少し後に入ったホール担当である。因みにその時俺はチャンピオンシップ決勝大会があったから入った直後の事は知らないけど、見た目抜きにしたら、普通に頼れるお姉さんって感じだ。あとホールに入ったら当然キャラがはいるのだが、それは後程説明しよう。

 

麻冬「おは。で、そっちの2人は?」

 

晴翔「実はカクカクシカジカで。」

 

麻冬「なるほど、勉強教えるのね。私は別に構わないわよ。少し教えながらだったらカバーできるし。」

 

晴翔「助かります。えっと、店長も大丈夫ですか。」

 

ディーノ「は、ハイ、大丈夫デスヨー。晴翔くんは本当に誰にも優しいデスネ。」

 

・・・誰にでも優しいんじゃないんですよ、それぐらいしか取り柄がないだけです。

 

麻冬「ほら、シャンとする。」

 

ディーノ「分かりまシタ〜」

 

・・・なんか麻冬さんが上司に見えるのは俺だけなのかな?

 

晴翔「つーわけだから、ちょっと待っといてくれ。着替えてくる。」

 

文乃「う、うん。」

 

麻冬「あ、それと晴翔。」

 

晴翔「はい?」

 

突然麻冬さんに呼び止められ、どうしたのかと思うと。

 

麻冬「2日遅れだけど、5連覇目おめでとう。弟達と携帯の中継で見てたわよ。」

 

晴翔「そ、そんな!あれ実際運勝ちでしたし、褒められるような事じゃ。」

 

麻冬「謙遜しすぎ。少しは胸を張っていいのよ?5連続で優勝なんて、そんな易々とできる事じゃないんだから。」

 

晴翔「あ、あはは・・・き、着替えてきます。」

 

その場にいるのが少し照れくさくなり、更衣室に向かった。教育係についてどうすればいいのかとかは着替えてからでいいか。

 

 

 

そう・・・そんな軽い気持ちでいた俺は予想を遥かに超えた現実に直面する事になるとは、これっぽっちも考えていなかった。

 




第5話終了です。それとデッキリストは誠に勝手ながらここで投稿したいと思います。文字数が余裕で足りませんでした。

晴翔の光導デッキ(序盤)

スピリット

超神光龍サジットヴルムノヴァ 3

光導神ゾディアックピオーズ 2

天星12宮炎星竜サジタリアスドラゴン 3

天星12宮氷星獣レオザード 3

天星12宮雷星獣ドラグ・タウラス 3

天星12宮光星姫ヴァージニア 3

天星12宮樹星獣セフィロ・シープ 3

天星12宮水星機アクエリーズナー 2

天星12宮鋼星騎スコルリッター 2

ネクサス

創界神ダン 3

馬神弾 2

侵されざる聖域 1

マジック

クローズドジェミニ 3

サジタリアスドロー 3

カプリコンホール 2

ブレイヴ

光導星剣ゾディアックソード 2


合計40枚

こんな感じです。当然デッキリストはどんどん追加、変更していくのですが、「なんでこれ入れてるんだよ」というのをコメントはお控えくださればと思います。デッキ自力で組むの下手なので、次回はいよいよ苺香初陣までのお話を投稿します。それでは、また!


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得のある話には必ず何かがある。(苺香視点)

第6話です。どうぞ!


こんにちは、桜ノ宮苺香です。なかなか見つからなかったバイトもようやく見つかり、これで夢の留学費を貯められそうです。今日も頑張って働きます!

 

自分に活を入れ、ドアに手を掛けてお店に入ったのですが・・・

 

苺香「おはようございます!・・・!?」

 

視線の先には、縮こまって泣いている店長さんと、店長の背中に乗っている小学生くらいの女の人がいました。

 

苺香「店長さん。何をしているんですか?」

 

思い切って店長さんに聞いたら泣き声で

 

ディーノ「苺香さん!助けてくだサイ!いじめられているんデスー!」

 

すると女の人が店長さんの頭にチョップを加えました。

 

???「自業自得でしょ?仕事中に寝るのが悪い。」

 

ディーノ「だって寝不足なんデスよ!大目に見てくだサイ!」

 

???「深夜アニメ見て寝不足なんでしょ?だったら録画してみればいいじゃない。」

 

ディーノ「リアルタイムで見ることに意味があるんデスー!」

 

連続でチョップを与えているところを見て、なんとなく微笑ましいなと思い。

 

苺香「店長さんって・・・子供さんに好かれやすいんですね!」

 

ディーノ「NOOO!!」

 

晴翔「おはようございまー・・・す。」

 

どうやら紅さんも来たようですが・・・え?一ノ瀬学園の制服という事は同じ高校のようですけど、何故天才と謳われている二人、古橋文乃さんと、緒方理珠さんと一緒にいるのでしようか。そもそも開店前なのに大丈夫なのでしょうか。あ!とりあえず挨拶をしなくては!

 

苺香「えぇと、紅さん、おはようございます。」

 

晴翔「ん。おはよう。・・・どうかしたか?」

 

苺香「あの、何故一ノ瀬学園の天才2人が紅さんといるのですか?」

 

晴翔「あぁ、それは・・・」

 

ひとしきり事情を紅さんから聞きました。特別VIP推薦に入れると聞いたのもすごいのですが、何よりお2人に苦手な科目があったのに驚きました。

 

苺香「教育係?天才のお2人にも苦手なものってあるんですね。少し意外でした。」

 

晴翔「ていうか話を聞く限り、俺と同じ高校だったんだな。」

 

苺香「はい。明日から高校2年です。」

 

晴翔「マジの同い年じゃねぇか。」

 

苺香「そうですね。」

 

文乃「え!?小学生が大人に暴力を!?」

 

店長さんの方を見たら今度は女の子に蹴られていました。するとこちらを、正確には紅さんを見ました。

 

麻冬「あら、晴翔。」

 

晴翔「おはようございます麻冬さん。今日確かシフト一緒でしたね。」

 

え?ここで働いている方のようです。ですが、先程までの行動を見る限り、店長さんの上司の方に見えてしまいます。

 

麻冬「で、そっちの2人は?」

 

晴翔「実はカクカクシカジカで。」

 

どうやら先程の件を説明してあるようです。

 

麻冬「なるほど、勉強教えるのね。私は別に構わないわよ。少し教えながらだったらカバーできるし。」

 

晴翔「助かります。えっと、店長も大丈夫ですか。」

 

ディーノ「は、ハイ、大丈夫デスヨー。晴翔くんは本当に誰にも優しいデスネ。」

 

確かに、ほぼ初対面の私の事情を知ったら、ここで働かせてくれるという話になったのは紅さんのおかげですし、感謝しています。

 

・・・一瞬、紅さんの表情が曇って見えたのは私だけでしょうか。

 

麻冬「ほら、シャンとする。」

 

ディーノ「分かりまシタ〜」

 

晴翔「つーわけだから、ちょっと待っといてくれ。着替えてくる。」

 

文乃「う、うん。」

 

麻冬「あ、それと晴翔。」

 

晴翔「はい?」

 

麻冬「2日遅れだけど、5連覇目おめでとう。弟達と携帯の中継で見てたわよ。」

 

5連覇?なんの話でしょう?そういえば、紅さんの実力のお話になった時、皆さん変でしたから。

 

晴翔「そ、そんな!あれ実際運勝ちでしたし、褒められるような事じゃ。」

 

麻冬「謙遜しすぎ。少しは胸を張っていいのよ?5連続で優勝なんて、そんな易々とできる事じゃないんだから。」

 

晴翔「あ、あはは・・・き、着替えてきます。」

 

紅さんは照れながら更衣室に向かいました。店長さんもキッチンに入ったようで、私と麻冬さんと呼ばれてた方と、緒方さんと古橋さんが残りました。

 

苺香「ええっと、同じホールのスタッフさん・・・ですよね?」

 

麻冬「そ。あなたが新人の子ね。私は星川麻冬。よろしく。」

 

小学生でしょうか?いや、それはさすがにないと思いますけど・・・けど最近の子は成長が早いと言いますし、やっぱり小学・・・

 

苺香「ひゃっ!」

 

麻冬「大学生。何考えてるかくらい、分かるんだからね。」

 

苺香「・・・ところで、先程の5連覇というのは一体・・・」

 

麻冬「晴翔は少し前にバトスピチャンピオンシップで優勝して、5大会連続優勝をしてるのよ。」

 

苺香「えぇっ!?そうなのですか!?」

 

夏帆さん達が微妙な顔をしたのにも納得が行きました。

 

理珠「バトスピ・・・」

 

文乃「りっちゃん?」

 

理珠「いえ、なんでもありません。」

 

緒方さんが少し顔が険しくなっていました。もしかして、緒方さんもやっているのでしょうか?

 

夏帆「おっはよー!」

 

苺香「あ、夏帆さん。おはようございます。」

 

夏帆「おはよう。あ、麻冬さんもおはよう!」

 

麻冬「おは。」

 

夏帆「あれ?この子達は?新しい子?」

 

苺香「い、いえ。実は・・・」

 

晴翔「悪い。ちょっと待たせた。」

 

話しているうちに紅さんが戻ってきました。

 

文乃「あ、ううん!大丈夫だよ!」

 

夏帆「晴翔君おはよう!」

 

晴翔「おはようございます夏帆さん。」

 

夏帆「晴翔君の知り合い?」

 

晴翔「まぁ、そんな所です。席一つ借りますね。」

 

夏帆「どうぞどうぞ。私達着替えてくるねー。」

 

更衣室に向かったのですが、ずっと妙な感覚が残っていたのですが、気のせいということにしました。

 

晴翔side

 

晴翔「・・・さて、そろそろ本題に移るか。じゃあまず、志望校は?どの科目受けるかとか決めてんの?」

 

理珠「まだどこかは決めていませんが、文系・・・」

 

文乃「理系・・・」

 

二人『の、大学に。』

 

晴翔「・・・」

 

え、逆じゃね?ま、まぁやりたい事がそこに繋がってるみたいだけど、それでも苦手分野でも、そこそこ取れるはずだ。そう思い大学のセンター試験の問題集を取り出した。

 

晴翔「そろそろ開店だから俺は少し外すけど、これ解いといてくれ。わからなくなったら聞く事。」

 

二人『わかりました。』

 

とりあえず今は仕事に集中しないとな。

 

夏帆「お待たせー!じゃあ、頑張るよー!」

 

苺香「はい!・・・あれ?」

 

晴翔「どうかしたのか?」

 

苺香「いえ、麻冬さんもホール担当という事は属性があるんですよね?どんな属性なんですか?」

 

晴翔「あぁそれは・・・」

 

苺香「?」

 

視線を向けると、麻冬さんが頬をペチペチ叩いていた。

 

麻冬「仕事モード、ON・・・さぁ〜て!お兄ちゃん達を迎えに行かなきゃ⭐️お兄ちゃ〜ん待っててね〜♪」

 

そうこの人、属性が妹なのである。まぁ、色々あってんだろうが、ここまでできるのは普通にすごいとおもうが、当然と言うべきか、桜ノ宮はフリーズしていた。

 

苺香「す、すごいです。」

 

晴翔「だろ?」

 

苺香「私も見習わなくては・・・」

 

ディーノ「あ、苺香さん。ホイップの補充を先にお願いし・・・」

 

苺香「は?無駄吠えうるさいですよ?駄犬。」

 

ディーノ「ご、ゴメンナサイ・・・」

 

苺香「店長さん!?ご、ごめんなさい!」

 

いや、君謝らなくていいよ?だってあれ喜んでるだけだし。

 

麻冬「うわぁ〜い。お兄ちゃんお帰りー!こっちきてきてー!」

 

妹のような純粋な接客の麻冬さん。

 

夏帆「別に待ってたわけじゃないけど、たまたま席空いてるから適当に座れば?」

 

リアルには存在しないツンデレキャラの夏帆さん。

 

苺香「また帰ってきたんですか?邪魔にならないところで、黙って座っててください。」

 

ゴミを見る目つきで客を喜ばせる桜ノ宮。

 

ディーノ「にぎやかになりまシタねぇ」

 

紅葉「優しさ成分が足りない気がするがな。」

 

・・・というかとことん変わってるなこの店。あれ?何か桜ノ宮が困っているようだが。

 

晴翔「どうかしたのか?」

 

苺香「ええっと・・・バトルサービスの時って・・・」

 

晴翔「あぁ、なるほど。・・・彼女と勝負がしたいんだな。」

 

「は、はい!」

 

晴翔「なら少し待っててくれ。準備をする。」

 

休憩室に入ると桜ノ宮がお礼を言ってきた。

 

苺香「ありがとうございます。」

 

晴翔「客が食べてるあいだに、デッキを準備するんだよ。持ってきてるか?」

 

苺香「は、はい!」

 

桜ノ宮はデッキを取り出し、ホールに戻って行った。

 

夏帆「お!苺香ちゃん初陣だね!頑張って!」

 

苺香「はい!」

 

バトル専用のテーブルに座る。

 

苺香「お、お待たせしました。」

 

「はい。じゃあ始めましょう。」

 

苺香「はい!」

 

二人「ゲートオープン、界放!」

 

どんなバトルをするのか楽しみだ。

 

 




そろそろタグにつけてあるラブコメとかを入れていこうと思います。では、また!


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スティーレ初陣 想獣VS剣獣

苺香初陣です。デッキリストは後書きにあります。


苺香「先攻か後攻かを選んでください。」

 

「後攻で。」

 

苺香「では、先攻をもらいます。」

 

夏帆「苺香ちゃん、初めてなのに結構落ち着いてるね。」

 

麻冬「晴翔・・・あなた何か吹き込んだの?」

 

晴翔「ちょっとアドバイスをね。」

 

それはバトルサービスまでの時間、休憩室での事である。

 

苺香『いつも通りに・・・ですか?』

 

晴翔『あぁ。バトルサービスだろうと、やる事はバトルだ。いつも通りのバトルをすればいい。下手に緊張すると、自分のバトルができないからな。』

 

苺香「(紅さん。私、頑張ります!)」

 

第1ターン

 

苺香「スタートステップ。ドローステップ。メインステップ、創界神ヘルメスを配置します。配置時効果でデッキを3枚破棄します。」

 

ヘルメスの効果で破棄されたカード

 

ゴッドシーカー ジャガ・バルバ

 

七大英雄獣 アガメムノン

 

英雄獣の爪牙

 

苺香「対象のカードは2枚。ヘルメスにコアを2個置きます。続けて英雄獣の爪牙の効果で、このマジックを手札に加え、ボイドからコアを1つヘルメスに置きます。更にバーストをセットします。これでターンエンドです。」

 

苺香

 

ライフ 5つ

 

手札 4枚

 

リザーブ 2個

 

トラッシュ 2個

 

第2ターン

 

「スタートステップ。コアステップ。ドローステップ。メインステップ。ゴッドシーカー猫女神バステトを召喚します。」

 

紅葉「うわぁ、よりによって想獣かよ。」

 

麻冬「これ、もしかしたら次のターン終わるんじゃない?」

 

晴翔「いや、それは多分ないですよ。」

 

ディーノ「ハイ。晴翔君の意見に賛成デス。」

 

「召喚時の効果でデッキを3枚オープン。」

 

バステトの効果でオープンされたカード

 

創界神ラー

 

闇輝石六将 幻想獣神キリンクス

 

ゴッドシーカー猫女神バステト

 

「対象のカードは創界神ラーと闇輝石六将 幻想獣神キリンクス。残ったカードはデッキの下へ送ります。」

 

苺香「召喚時の効果を使ったことにより、バーストを発動します。」

 

「え?」

 

苺香「闇輝石六将 砂海賊神ファラオムです。バースト効果で、まずはこのスピリットを召喚します。更に、『このスピリットの召喚/煌臨時』の効果を持つスピリットを破壊し、『相手のターン』なら直ちにターンを終了させます。そして系統【界渡】をファラオムは持っているので、ヘルメスの神託の効果でコアを1つ追加します。」

 

「た、ターンエンドです。」

 

 

ライフ 5つ

 

手札 6枚

 

リザーブ 1個

 

トラッシュ 2個

 

夏帆「わーお!」

 

麻冬「なるほど、ファラオム積んでたのね。これはまだなんとかなるかもしれないけど。」

 

ディーノ「ここまでは及第点デス。むしろここからが本番デスよ。」

 

夏帆「店長今回厳しくない?」

 

晴翔「まぁ、デッキが防御札ないと詰みっていうタイプですからねぇ。さぁて、お手並拝見としますか。」

 

文乃「うわぁ、なんかよくわからないけど、あの子すごいねりっちゃん。」

 

理珠「あれくらい、私にも・・・」

 

文乃「りっちゃん?」

 

緒方理珠が少し対抗心を抱いていたのは誰も気づかない。

 

第3ターン

 

苺香「スタートステップ。コアステップ。ドローステップ。リフレッシュステップ。メインステップ。ゴッドシーカージャガ・バルバを召喚します。ヘルメスの神託発揮。更に召喚時の効果でデッキを4枚オープンします。」

 

ジャガ・バルバの効果でオープンされたカード

 

創界神ヘルメス

 

七大英雄獣 ヘクトル

 

ヘルメスの竜巻神殿

 

英雄獣の爪牙

 

苺香「対象のカードはヘルメス、七大英雄獣ヘクトルを手札に加えます。更にその後、ヘルメスの竜巻神殿の効果で、オープンされたこのカードは手札に加えます。同様に英雄獣の爪牙を手札に加えます。」

 

夏帆「これ、事実上全回収じゃない?こんなの稀にしかないよ・・・」

 

晴翔「風が向いてきましたね。」

 

苺香「そして、ヘルメスの竜巻神殿を配置します。不足分のコアはファラオムから取ります。配置時効果でボイドからコアを1個を自分のリザーブに置きます。更に、ヘクトルのアクセルを使用。ボイドからコアを1個をトラッシュに送ります。そしてバーストセット。これでターンエンドです。」

 

苺香

 

ライフ 5つ

 

手札 5枚

 

リザーブ 0個

 

トラッシュ 7個

 

第4ターン

 

「(これ・・・マズいような・・・)メインステップ。創界神ラーを配置します。配置時の効果でデッキを3枚破棄します。」

 

ラーの効果で破棄されたカード

 

子フィンクス

 

子フィンクス

 

子フィンクス

 

「対象のカードは3枚なので、神託の効果でコアを3個置きます。そして子フィンクスを召喚します。神託の効果でラーにコアを追加します。」

 

理珠「ん?ちょっと待ってください!」

 

文乃「りっちゃん?」

 

理珠「本来バトスピは最大まで3枚までしか同じカードを入れる事ができないはずです。4枚目があるなんて、ルール違反ではないですか!?」

 

緒方理珠が物申したことで、晴翔は少し驚いた。

 

晴翔「緒方お前・・・バトスピやってるんだな。」

 

文乃「どおりでりっちゃん、さっきからチラチラ見てたんだね。」

 

理珠「そ、そんな事は・・・」

 

少し目を逸らすが、図星のようだ。

 

晴翔「まぁ、説明するとだな、確かにルール上は最大3枚までしか同カードは積むことができない。けど子フィンクスの場合は自身の効果で最大3枚のところを20枚まで積むことができるんだよ。」

 

理珠「あんな召喚しやすいカードを20枚ですか!?」

 

晴翔「そそ。だからさっき次のターン詰むとかいってたろ?あれは子フィンクスを並べて回復させたり神煌臨させたりで速攻で決めるデッキなんだよ。」

 

「ラーの神技を使用します。デッキから3枚オープンします。」

 

ラーの効果でオープンされたカード

 

子フィンクス

 

子フィンクス

 

子フィンクス

 

「合計コスト8まで系統【想獣】を持つカードを手札に加えるので、子フィンクス3枚を手札に加えます。」

 

理珠「ま、また、子フィンクス・・・」

 

晴翔「ラーの神技って、子フィンクスを釣ってくるのにはうってつけだからなぁ。」

 

「バーストをセットして、アタックステップ。子フィンクスでアタックします。子フィンクスのアタック時の効果で、系統【想獣】を持つスピリット、今回は子フィンクスを召喚し、デッキから1枚ドローします。」

 

苺香「フラッシュタイミングは、こちらはないです。」

 

「では、フラッシュタイミング、ラーのコア1つをアタックしている子フィンクスの上に置き、神煌臨を使います。よって子フィンクスの上に、太陽神獣セクメ・トゥームに煌臨します。ラーの神託によりコアを追加。」

 

麻冬「やっぱり握ってたわね。あそこからシアーハートに繋げられたらもう終わりよ。」

 

「煌臨時の効果で系統【想獣】を持つスピリット1体につき、相手のスピリットをBP−10000し、0になったら破壊します。よって、ジャガ・バルバのBPを−10000し、破壊します。」

 

苺香「フラッシュタイミングはないです。」

 

「こちらもないです。」

 

苺香「ライフで受けます。」

 

ライフ5→3

 

苺香「ライフ減少により、バーストを発動します。」

 

「今度はライフ減少・・・」

 

苺香「選ばれし探索者アレックスです。アレックスの効果でまずはこのスピリットを召喚します。その後、ボイドからコアを1個リザーブに置くか、デッキから1枚ドローするかを選択します。今回はボイドからコアを1個追加します。そして、このバトルが終了した時点で、アタックステップを終了します。」

 

「うっ、ターンエンド・・・」

 

 

ライフ 5つ

 

手札 5枚

 

リザーブ 0個

 

トラッシュ 3個

 

夏帆「苺香ちゃん、ちゃんと速攻対策してたんだね。けど何でドロー選択しなかったんだろう?」

 

麻冬「あの場合だと、コアブーストが正解よ。速攻対策は、防御だけに拘ってたらダメだもの。特に、召喚さえできればほぼ手札切れを起こさないような想獣相手にはね。」

 

晴翔「持久戦になればなるほどコアも増えますから、今以上に並べられて防ぎ切れず負けるってパターンもありますからね。できれば桃源郷敷かれて子フィンクス並べてデッキをグルグル回される前に仕留めないと。」

 

第5ターン

 

苺香「スタートステップ。コアステップ。ドローステップ。リフレッシュステップ。メインステップ。2枚目のヘルメスを配置します。では、英雄獣 老将タイガー・ネストールを召喚します。」

 

苺香「召喚された事によりヘルメスの神託が発揮されます。召喚時の効果でボイドからコアを2個このスピリットに置きます。更に、相手のトラッシュのカードを全て除外し、3枚除外するごとに相手よスピリット1体を重疲労させます。よって、セクメトゥームを重疲労させます。」

 

紅葉「桜ノ宮のやつ、何する気なんだ?」

 

晴翔「当然、このターンで詰めるんですよ。」

 

『えぇっ!?』

 

晴翔の言動にディーノ、麻冬以外が驚愕する。

 

夏帆「でも無理じゃない?だって、相手にシアーハートがあったら完全にアタックできないじゃん!」

 

麻冬「夏帆・・・あなたヘルメスの神域の効果忘れたの?」

 

ヘルメスの神域はコスト4以上の系統【剣獣】を持つスピリット全てはBP+10000され、ターンに1回回復させる効果である。これを使えば、シアーハートアタックの対象をすり抜ける事ができるのだ。

 

紅葉「あぁ、そういう事か。けどバーストはどうするんだ?」

 

晴翔「多分ですけど、あのカードを積んでると思いますよ。」

 

苺香「そして、七大英雄獣 光速神王オデュッセイバーを召喚します。ヘルメス2枚の神託発揮。更に、兜魔神を召喚します。」

 

晴翔「ね?」

 

紅葉「そういう事か。」

 

ディーノ「これは、決まりまシタね。」

 

苺香「オデュッセイバーを左に、タイガー・ネストールを右に合体させます。そして、アタックステップに入ります。その時にソウルコアをトラッシュに送り、煌臨させます。煌臨対象はタイガー・ネストール。七大英雄獣 剛勇士ヘラク・レイオスに煌臨させます。」

 

晴翔「やっぱり握ってたなぁ。」

 

苺香「ヘルメスの神託を発揮します。オデュッセイバーでアタックします。界放の効果で、相手のスピリット2体を手元に置きます。セクメトゥームと子フィンクスを手元に置きます。」

 

「あっ、やべっ・・・」

 

苺香「更に、緑の創界神ネクサスのコアを1つオデュッセイバーに置く事で、次の『自分のスタートステップ』まで、相手はその手元のカードを使用できません。そして、ヘルメスの神域の効果で、ターンに1回回復させます。」

 

「フラッシュタイミングは・・・ない、です。」

 

苺香「こちらもないです。因みに、オデュッセイバーの効果で、相手の手元のカード2枚につき、緑のシンボルを追加するので、今はトリプルシンボルです。」

 

「ら、ライフで受けます・・・」

 

ライフ5→2

 

「バーストは・・・」

 

苺香「兜魔神の左のアタック時の効果で、このターン、合体スピリットのアタック中は、相手はバーストを発動できません。」

 

「ですよねぇ〜」

 

苺香「オデュッセイバーでもう一度アタックします。」

 

「ライフで、受けます」

 

ライフ2→0

 

Winner 苺香

 

苺香「あ、ありがとうございました。」

 

こうして、勝利を飾った苺香。このバトルを見た晴翔はというと。

 

晴翔「(これ・・・面白くなりそう)」

 

と、影で感じていたようだ。

 

 




苺香のデッキ

七大英雄獣 高速神王オデュッセイバー 3枚

七大英雄獣 剛勇士ヘラク・レイオス 2枚

パキラファックス 3枚

ゴッドシーカージャガ・バルバ 3枚

七大英雄獣 アガメムノン 2枚

七大英雄獣 ヘクトル 3枚

英雄獣 ペイリートゥース 3枚

選ばれし探索者アレックス 2枚

闇輝石六将 砂海賊神ファラオム 2枚

七大英雄獣 疾風王アキレウザー 2枚

英雄獣 老将タイガー・ネストール 3枚

創界神ヘルメス 3枚

幼き創界神ロロ 2枚

ヘルメスの竜巻神殿 2枚

英雄獣の爪牙 3枚

白晶防壁 2枚

合計40枚

以上が苺香のデッキです。しばらくはこれで行こうかと思います。それではまた!


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紅晴翔は誤解されやすい

お待たせしました!今回はバトル無しです。それではどうぞ!


苺香「か、勝ちました!」

 

バトルが終了し、勝利したことで苺香は喜びを見せたが、夏帆がすぐに近づく。

 

夏帆「あ、えっと、苺香ちゃん・・・一応、キャラ演じないと・・・」

 

苺香「え?」

 

「あ、ありがとうございました。」

 

苺香「はい!ありがとうございました。二度とお帰りにならないでくださいね!」

 

しれっと帰って来んなと発言できる苺香を見て、スタッフ全員は素質あるなと考えたのだった。

 

晴翔「・・・マジでドSの才能あるよ?お前。」

 

苺香「?」

 

なんだとわからない顔をしている苺香。本当に天然でやっているようだ。

 

晴翔「・・・と、そうだった。お前ら、テキストどうだ?」

 

自然と苺香のバトルを観戦していた文乃と理珠。晴翔の問いに一瞬フリーズし、プルプルと震え始めた。そしてテキストを見ると・・・全く解かれておらず、白紙だった。

 

二人『・・・全然分かりません!』

 

晴翔「え・・・えぇ〜・・・」

 

さすがの晴翔もこれには戸惑っていた。

 

理珠「これは問題が間違えています!【登場人物の心情を捉えろ】なんて、化学では解明されていない脳の全構造を解けと言っているようなものです!」

 

膨れっ面になりながら、少しズレた言い訳をする理珠。

 

晴翔「(な、何と理的な言い訳)・・・ん?」

 

文乃「イヤァァァ!見ないでぇ!数式見ると頭真っ白になっちゃうダメダメな私を見ないでぇ!・・・どうせ私は、虫けらにも満たない下賤の輩・・・」

 

文乃はというと、とてもネガティブになりながら縮こまっていた。

 

晴翔「(コッチはネガティブになりすぎ・・・)」

 

一つため息を吐いた晴翔は、どれだけ楽観視していたかを本当に後悔した。だが、それ以上に気になっていることがある。

 

晴翔「・・・なぁ。一つ聞いていいか?」

 

二人『?』

 

晴翔「言っちゃ悪いけど、このままじゃ自分の目指す将来にはいけない。はっきりいうと、今までの先生の言う通り進路を変えるのが正解だと思う。それでも進路を変えないって事は、明確なやりたい事があるって事でいいんだな?」

 

キッパリと現実を告げ、その上で二人に尋ねる。それに対し、二人は黙り込む。

 

二人『・・・』

 

文乃「うん。」

 

理珠「そうです」

 

肯定の返事に、晴翔は少しほっとした。

 

晴翔「・・・そっか。なのに先生には全然理解してもらえない。それどころか自分のやりたい事を他人が決めた才能で潰そうとしている。」

 

理珠「バカにしてるんですか!?」

 

晴翔「・・・そういうの、悔しいよな。」

 

理珠「え?」

 

晴翔「言われっぱなしじゃ、いられないよな?」

 

文乃「どういう事?」

 

晴翔「簡単だよ。証明すればいいんだ。自分達は才能なんかに頼らない。自分の決めた道を行くんだって。」

 

文乃「え?」

 

晴翔「いやぁ、お恥ずかしいことに、俺も昔は全っ然何をやってもダメダメでさぁ。いくら頑張っても全然上手くできないし・・・だからまぁ、お前らのできない悔しさっつーの?それはよくわかる。」

 

できない事を必死で頑張っても全く結果に出なかった経験がある晴翔。だからこそ、二人の考えを肯定した。

 

晴翔「いくら天才だって讃えられても、自分のやりたい事ができないんじゃ、それげ幸せだなんていえないからな。だから・・・」

 

次の瞬間、晴翔はとんでもない発言を繰り出す。

 

晴翔「お前らの事・・・幸せにして見せるから、俺を信じて付き合ってくれ!」

 

理珠は完全に軽蔑し、文乃は顔を赤くし口をパクパク言わせている。

 

晴翔「あれ?」

 

麻冬「晴翔・・・あなた完全に言葉間違えてるわよ。」

 

頭を抱えていた麻冬。そう、間違えたのだ。晴翔は「自分がやりたい事をやろう。その為なら協力する」という意味でいったつもりだったのだが、これは完全に告白と取られてもおかしくない。

 

文乃「えぇっ!?二人同時に愛の告白!?」

 

理珠「最低です。そこまで節操のない人だとは思いませんでした!」

 

二人の言葉でようやく晴翔はやらかした事に気づいた。

 

晴翔「はぁ!?違う違う!進路希望を変えずにこれから一緒に頑張ろうぜって意味で!ひとまずここで基礎をある程度勉強を・・・!」

 

文乃「な、なんだ・・・」

 

理珠「そういう事でしたか。」

 

文乃「あの、でも・・・」

 

二人『あ、ありがとう。』

 

少し顔を赤くしながらお礼を言う二人。晴翔はそれを見て少し顔を赤くした。晴翔はその後休憩をもらい、その時間で二人に勉強を教えていた。

 

晴翔「(とりあえずは二人にある程度基礎問題をやらせてる内に、課題の見直しとかやっとくか。VIP推薦抜きにしても、人に勉強教えて点数が下がりましたとか、目も当てられないから・・・)!?」

 

うとうとしていた文乃は晴翔の肩にもたれかかった。

 

晴翔「うわぁぁ!古橋!?」

 

文乃「あぁっ!ごめんね紅君。数式見てるとどうしても眠くなって・・・」

 

晴翔「お、おう。(すっげぇいい匂いしたすっげぇいい匂いした!・・・落ち着け紅晴翔。この程度で心惑わされてどうする)」

 

ここまで女性と急接近したことがない晴翔は少し戸惑っていた。

 

理珠「紅さん。」

 

晴翔「はい!?」

 

理珠「すいません。この設問の意味がわからないのですが。」

 

晴翔「ん?ど、どこだ緒方。」

 

理珠「ですからこの問2の・・・」

 

テキストをもちながら晴翔と距離を詰める理珠だが、近づき過ぎると当然、当たるものがあったりするわけで。

 

晴翔「だぁー!それは傍線部と同じ意味の文章を、次の選択肢から選べって意味だと思います!(絶対今当たった絶対今当たった!)」

 

晴翔はすぐに距離をとった。

 

文乃「あれ?紅君なんだか顔色悪いけど、大丈夫?」

 

晴翔「え?そ、そうか?」

 

文乃「熱でもあるんじゃない?」

 

心配そうな表情で顔を近づける文乃。

 

晴翔「(近い近い近い)」

 

対して晴翔は少し後ずさる。

 

理珠「確かに少しおかしいような・・・」

 

同じく理珠も不思議そうに顔を近づける。

 

晴翔「(だから近いっての!)」

 

二人が顔を近づける為、晴翔は机に突っ伏せた。

 

晴翔「(こいつらの教育係・・・想像以上に精神的ハードル高ぇ・・・)」

 

教育係を受けた事を色んな意味で後悔した晴翔だった。

 

晴翔のバイトの時間が終了し、更衣室から出てきたときには理珠の姿がなかった。

 

晴翔「あれ?緒方は?」

 

文乃「あ、りっちゃん。今日はお店の手伝いの日なんだよ。」

 

晴翔「お店?バイトでもしてんのか?」

 

文乃「ううん。りっちゃんのお家って、うどん屋さんなの。」

 

晴翔「そういうこと。(よくよく考えてみたら、俺こいつらが一部において天才だってこと意外全然知らねぇな。)」

 

帰っている中、文乃は2点のテスト用紙を見て、申し訳なさそうな顔をしていた。

 

文乃「こんなに付き合ってもらったのに、虫けら以下で本当にごめんね。」

 

晴翔「いや、まぁ、初めからできちまうより、伸び代がたっぷりあっていいよ。うん。」

 

苦い表情で、苦し紛れを言う晴翔。

 

文乃「そうだよね!紅君っていい事言う!」

 

晴翔「立ち直り早いね、君。」

 

文乃「よーし!頑張るぞー!」

 

晴翔「はいはい。」

 

文乃がついてこないのが気になった晴翔が振り向くと、文乃は空を見上げていた。

 

晴翔「どうかしたのか?」

 

文乃「あ、ごめんね!なんでもないの!」

 

晴翔「そうか?」

 

再び歩き出す晴翔だが、振り向くとまた文乃は空を見上げていた。そこから晴翔は一つの答えを見出す。

 

晴翔「星、好きなんだな。」

 

文乃「えへへ、実は・・・うん。好きなんだ、星。小さい頃からずっと。星が綺麗な夜だとついつい、死んじゃったお母さんの星、探しちゃうんだよね。」

 

それを聞き、少し晴翔は驚く。

 

文乃「ごめんね、何アホな事言ってんだって感じだよね。でも、それが夢のきっかけっていうか、その・・・私は星に関わって生きたい。その為には、理系の試験を通らなきゃなんだけど、私はどんな苦手な事だって克服して、天文学を本格的に学ぶんだ。」

 

生き生きと語る文乃。晴翔は少し安堵した顔を見せた。

 

晴翔「そっか・・・見つかるといいな。お母さんの星。」

 

文乃「く、紅君・・・わぁぁ!やっぱり変だよね!忘れて忘れて!高校生にもなってそんな子供みたいなこと・・・」

 

晴翔「別にいいと思うけどな。どんなきっかけだろうと、やりたい事があるのは普通にいい事だと思うぞ。」

 

文乃「あ、ありがとう・・・でもホントに本気でそういうの信じてるわけじゃないからね!」

 

晴翔「わかったわかった。じゃあ残り約2年間頑張らないとな。乗り掛かった船だし、俺も出来る限り協力する。」

 

それを聞き、文乃は晴翔に近づき、晴翔を見上げた。

 

文乃「今の、言質とったからね!」

 

その行動に晴翔は顔を赤くした。

 

晴翔「(・・・と言っても、まずはあの数式見るとってヤツをなんとかしないとな。そこを改善しない限りは進展はしないし。あと緒方は、情景と心情を読み解くのが苦手だからまずはそこからある程度・・・)って緒方!?」

 

理珠「紅さん。」

 

夜の公園で一人座っていた理珠を見つけた晴翔。流石に気になり声をかけた。

 

晴翔「何やってんだお前、こんな時間に公園で。」

 

理珠「出前帰りの息抜きですが?」

 

よくよく見ると椅子の隣におかもちを置いていたことで察した。

 

晴翔「出前帰り?(そういや、うどん屋っつってたな。)息抜きってバトスピ じゃんか。」

 

理珠「はい。ある程度形が整ったので、試していた所です。・・・1人回しで。」

 

晴翔「(悲しすぎんだろ!)」

 

理珠「実は私、バトスピやカードゲームのようなアナログゲームが好きなのですが、あまり周りで嗜む人がいませんので。」

 

晴翔「なるほど。ちょうど俺、デッキ持ってきてるし、相手しようか?」

 

理珠「紅さん。私に勝つおつもりですか?」

 

晴翔「(おおっ!何という自身に溢れた発言。こいつは厳しい戦いになりそうだ・・・)」 

 

と、思っていたのだが・・・

 

晴翔「さ、サジットヴルムノヴァでアタック・・・」

 

理珠「ライフで・・・受けます。」

 

意外にも、晴翔は完封したのである。

 

晴翔「(え?20戦やったけど・・・俺全勝しちゃった。しかもほぼ同じ勝ち方で・・・)ええと、緒方。お前ってもしかして・・・すこぶる弱い?」

 

理珠「うぅ〜!はい、とても。ですので先程私に勝つおつもりですか?と。」

 

晴翔「アレそっちの意味だったの?」

 

どうやら、意味合いが違ったらしい。

 

理珠「どうやら私は、確率や計算だけでは導き出せないもの・・・対戦ゲームなど、人の感情が関与するものが苦手なようで、人とゲームで対戦するとどうしても勝てません。」

 

晴翔「(あぁ・・・どおりで。)」

 

理珠「人の感情をもっと理解できれば、こんな私でもゲームで勝てるようになるのではと。」

 

理珠「その為に文系の試験を乗り越え、心理学を学びたいのです。」

 

晴翔「・・・ふふっ」

 

理珠「何故笑っているのでしょう?」

 

晴翔「いや、安心してな。そんなに本気なら、こっちも教えがいがあるし。」

 

理珠「紅さん・・・」

 

晴翔「ただなぁ、こんな時間に一人で公園に居座るとかはやめとけよ?こういう息抜きだったら、俺がいつでも付き合うからさ。中学生の従妹がいる身としてはほっとけないし。」

 

今回の居座りは流石に見過ごすわけにはいかず、少し注意する感じで話す。

 

理珠「いつでも?」

 

晴翔「いや、いつでもは流石に言葉の綾っていうか・・・」

 

理珠「いいえ。たまにしてくれるだけで、嬉しいです。よろしくお願いします。」

 

晴翔「お、おう。よろしくお願いします。」

 

先程の態度とは打って変わって、しおらしくなっていた理珠に、晴翔は戸惑った。そんなこんなで、ようやく自宅に着く。

 

晴翔「ただいま・・・って、誰もいるわけがないっての。」

 

???「いるわよ?」

 

両親は海外仕事の為、滅多に帰ってこない。だが、家から人の声を聞いた晴翔はリビングに向かうと、白衣を椅子にかけて当たり前のようにご飯を食べている少女がいた。

 

晴翔「・・・いや、なんでいんの?『セキ』」

 

紗和子「いいじゃない。別に今更でしょ?」

 

彼女の名前は、関城紗和子。晴翔と同い年で、一ノ瀬学園に通っている秀才だ。二人は小学生の頃に知り合い、彼女の家が晴翔の家の向かいだった為、彼女に晴翔の両親が合鍵を渡し、今は自由に出入りできるからかよく晴翔の家に遊びに来ている。

 

因みにこの二人は『セキ』『ハル』と呼び合うほど、晴翔とは奏多と同じくらいの古い友人だ。

 

紗和子「それにしても今日遅かったじゃない、ハル。バイト?」

 

晴翔「バイトもあったけど、なんか面倒な頼みごとされちゃってさぁ。」

 

あくまで教育係の事は言わない。

 

紗和子「そ。ご飯あるから置いとくわ。もう両親帰ってくると思うから帰るわね。」

 

晴翔「なんかしれっと晩ご飯作ってるし。」

 

紗和子「ついでよ。どうせ私も食べるんだし、ハルの家だもの。二人分くらい余裕だし。」

 

晴翔「セキ・・・」

 

感慨深くなった・・・のではなく、スティーレで考えが違えたのか、これはツンデレではと考えた晴翔。

 

晴翔「お前スティーレでバイトしてみない?第二のツンデレキャラで店長に勧めるぞ?」

 

紗和子「ケンカ売ってんのあんた。そもそも科学部入ってるのに、バイトなんてできないわよ。」

 

晴翔「あー、そうだったな。」

 

紗和子「じゃあホントに帰るわね。」

 

晴翔「ん。」

 

紗和子が帰ると晴翔は今日の事を思い出す。

 

ディーノ『晴翔君は誰にでも優しいデスね。』

 

優しい・・・それを聞いた晴翔は瞬間暗くなったが、すぐに戻った。晴翔はどうやら自分はそのつもりがないらしい。

 

晴翔「店長・・・それ全然違いますよ。俺はただ、やるべきことをやっているだけ。」

 

先程のフレンドリーな感じは消えて、暗い雰囲気が出てくる。

 

晴翔「変わらないとって・・・考えてるんだけどなぁ。難しいや。」

 

 

誰もいないリビングで、晴翔は一人呟いた。

 

 

 

 

 

 

 




今回は少し長めにしました。後ほど現在出てきているぼく勉sideの紹介もあげます。それでは、また!


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体育会系は時としてスキンシップが激しい。

第9話です、どうぞ!


理珠と文乃の教育係を引き受けた後日、今日から学校の為、今までより少し早く出なければならないので少し憂鬱になっていた紅晴翔。

 

晴翔「さて、出ますか。テキスト作ってて寝不足だし、できることなら始業式寝たい。・・・あれ?」

 

苺香「紅さん!」

 

晴翔「桜ノ宮か。家この近くか?」

 

偶然苺香と出会った。

 

苺香「はい。紅さん、寝不足ですか?」

 

晴翔「あぁ、あいつらのテキスト作っててな。」

 

苺香「教育係って大変ですね。」

 

晴翔「まぁ、慣らせばどうともないんだろうけど。」

 

???「晴翔ー!」

 

晴翔「ん?・・・げふっ!」

 

苺香「く、紅さーん!」

 

二人の後ろから少女の声がした途端、晴翔は首にラリアットをされ、苺香は悲鳴を上げる。

 

???「ノート貸してー。」

 

プルプルと怒りをあらわにしている晴翔に対しテンション高めに話しかける少女。

 

晴翔「・・・ゴルァ!出会い頭ラリアットやめろっつってんだろ!武元うるか!」

 

彼女の名前は武元うるか。スポーツ面では天才的な運動力を有している晴翔と同い年の少女。結構フレンドリーで、男女問わず友人が多い。しかし、勉強面は著しくひどい。

 

うるか「いやぁゴメンゴメン。あたし今日部活の自主練あってさぁ。てなわけで、今日の提出の宿題ヤバいんすわぁ。晴翔ならとっくに終わらせちゃってるよね?」

 

晴翔「うぐっ。」

 

うるか「はよ見して、写させて。てかよこせ。」

 

晴翔「同中とはいえ無遠慮ここに極まれり。お前なぁ、たまには自分でやってみろよ。」

 

うるか「わぁーん!頼むよ見せてくれよー!勉強嫌いなんだよー!」

 

晴翔「身もフタもねぇなぁおい・・・」

 

苺香「おなちゅう?」

 

どうやら苺香には意味が理解できなかったようだ。

 

奏多「同じ中学の略称。こいつと武元は同じ中学なんだよ。ついでに、俺もな。」

 

そこにちょうど晴翔を迎えに来た奏多と会う。

 

晴翔「あ、おはよう奏多。」

 

奏多「おう、にしてもどういう状況だこれ?」

 

晴翔「いつものだよ。」

 

奏多「それはわかるけど、こっちは?」

 

晴翔「最近、スティーレで働き出した子。同い年だよ。」

 

奏多「ほーん。」

 

苺香「さ、桜ノ宮苺香です。」

 

奏多「花坂奏多だ。まぁよろしく。」

 

二人が自己紹介をしあっている中、晴翔はうるかにノートを渡していた。

 

うるか「イェーイ!さっすが晴翔!心の友ぅ!」

 

晴翔「見るのはいいけど丸写しすんなよ?」

 

うるか「うんっ!ソッコーカンペキに写して返すからねっ!さんきう晴翔!」

 

晴翔「お前ホントにわかってんだろーな!?」

 

うるかは全力で走りながら学校へ行った。この二人のやりとりを見て奏多は少し呆れていた。

 

奏多「(武元は相変わらずだな。)」

 

始業式が終わり、晴翔は学園長に定期報告をしに行った。

 

晴翔「今回の、定期報告は以上です。緒方も古橋も、着実に成績を伸ばし始めてるところでして。」

 

学園長「なるほど。報告ありがとう。」

 

あながちウソではない。確かに少しずつだが点数が上がっている。

 

学園長「時に紅君。」

 

晴翔「はい。」

 

学園長「君は現在バトスピで5連覇しているチャンピオン。そして、最近3Dバトルシステムが導入されているそうじゃないか。」

 

晴翔「あーそういえばそんなこと言ってましたね。」

 

学園長「そこでだ、この学園のグラウンドにも、そのシステムを使用しているマシンを導入しようと思うのだが・・・」

 

晴翔「俺は構いませんけど、他の生徒はどうなんですか?」

 

学園長「そこに関しては既に投票をしていたのだが、導入して欲しいという意見が多かったね。」

 

意外にも、この学校でバトスピをしている生徒が多いことに少し驚いた晴翔だった。因みに晴翔が5連覇をしている事を知っており、それがきっかけで始めた人が多いことは晴翔は気づいていない。

 

晴翔「ならいいと思いますけど。」

 

しかしこれは言い換えれば学校でバトスピを堂々とできるということである。そこには晴翔も少しは興味をもった。

 

学園長「それともう一つ、武元うるか君とは、中学校時代からの友人らしいね。」

 

晴翔「はい。そうですけど、それが何か?」

 

学園長「圧倒的・天才的な運動神経有するスポーツ特待生にして、あまねく大会の自由形で優勝をかっさらう水泳部期待の星であり、学園の至宝通称【白銀の漆黒人形姫】」

 

学園長「しかし、学業の方はからっきし。」

 

そう。彼女は体育以外の科目がからっきしで他の教師も少し参っていたようだ。

 

学園長「本人は推薦を希望しているが、いやはやそれもどうなることか。」

 

晴翔は顔を青ざめる。これは嫌な予感しかしないと。

 

学園長「時に紅君。教育係、もう一人頼みたい子がいるんだけど・・・」

 

晴翔「絶対にI⭐︎Y⭐︎Aです。」

 

場所が変わって学校のプール。少しいつもよりやつれていた晴翔がいた。

 

晴翔「(って言いたかったけど、結局受けちまった。まぁ、こいつの勉強のできなさは流石に目に余るものがあるしなぁ。)」

 

プールの1レーンでうるかが練習をしていた。25mをとてつもないスピードで泳いでいた。

 

晴翔「(中学時代からすごかったけど、前よりも速くなってんなぁ。さすが未来のオリンピック候補。)」

 

泳ぎ終わるとゴーグルを外し、晴翔がいるのに気づいた。

 

うるか「あれーっ晴翔じゃん!何々覗きに来たわけ?もー、エロいなぁー!」

 

晴翔「ちげぇわ!ポーズ取んなくていいんだよ!ちょっと話があってな。」

 

プールから上がって来たうるかに晴翔は事情を話した。

 

うるか「晴翔があたしの教育係?」

 

晴翔「お前スポーツ推薦で音羽大学受けるんだってな。」

 

うるか「えー、何で知ってんの?スポーツ推薦なら勉強しなくていいもんね!」

 

晴翔「あそこ今年から文武両道推奨とやらで、大会の成績プラス、英語も試験内容に入ったのは知ってるか?」

 

それを聞いた瞬間、うるかは顔を青ざめフリーズした。すると突然ガクガクと震え始めた。

 

うるか「じゃあやめる。」

 

晴翔「テキトーかいオメーの人生。生憎こっちはすでに(強制的に)OKしちまったからなぁ。お前には是が非でも勉強してもらう!」

 

うるか「えーーーん!!勉強やだーー!!」

 

プールサイドを走ってはいけないのだが、そんなのはお構いなしで追いかけっこが始まった。

 

晴翔「待てやコラァ。」

 

しかし、流石の晴翔も体育の天才には勝てないようで。

 

晴翔「ちょっ、待て、ホントに・・・あっ」

 

バテ始めた晴翔は足を滑らせプールに落ちた。

 

うるか「ギャーー!晴翔ーー!」

 

すぐにうるかが助けにいったので、事が大きくはならなかった。

 

晴翔「悪い・・・」

 

うるか「もう、プールサイド走るからだよー。あたしも人のこと言えないけど。」

 

晴翔「それはそれとして武元。」

 

うるか「?」

 

きょとんとするうるかだったが、左手首を晴翔は掴んでいた。不幸中の幸いか、捕まえたのだ。

 

晴翔「捕まえたぞ。」

 

うるか「ウギャー!ヒキョーモノー!」

 

そこに文乃と理珠が訪れる。

 

文乃「あっ、いたいた。紅君ここだって学園長が・・・」

 

そこで見たのは、自分達の教育係が水泳部の女子を押し倒している状況だった。

 

晴翔「ククク。もう放さんぞ。」

 

うるか「やだー!はなせー!」

 

晴翔「バカめ抵抗しても無駄だ!これからたっぷり身をもって教育を・・・」

 

文乃「紅君!ダメェーーー!!」

 

止める為か文乃は消化器で晴翔の頭をどついた。

 

晴翔「げばぶっ!いってぇ!古橋てめぇ何しやがんだ!」

 

文乃「こここ、コッチのセリフだよー!」

 

理珠「最低・・・」

 

完全にドン引きした理珠。ゴミを見るような目つきだった。

 

晴翔「おわっ、汚物を見る目!?お前らなんか誤解してんだろ!」

 

理珠「別に。なんにせよ、私には1ピコメートルも関係ありませんから。」

 

うるか「あれ?うちの天才二人組じゃん!晴翔と知り合いなん?」

 

文乃「あ、えーっと。」

 

理珠「実は・・・」

 

二人はうるかに経緯を話した。

 

うるか「なるほど。天才にも苦手なもんがあるんだねー。いがーい。」

 

文乃「えへへ。紅君が一生懸命教育係をしてくれて、助かってます。」

 

うるか「ふーん・・・」

 

少し考える様子をしたうるかは、突然二人の肩を取り、自分に寄せる。

 

うるか「じゃあ仲間じゃん!あたしも今日から晴翔に、教育係、してもらうことになったから!」

 

文乃「わーっ!一緒だね!」

 

先程まで泳いでいた為、少ししぶきが出てくる。

 

理珠「あの、しぶきが・・・というか近いです。」

 

晴翔「はぁぁ!?武元お前なんで急にやる気に!?さっきまでの全力渋りはなんだったの!?」

 

うるか「まーまーいいじゃん。カタイ事は!」

 

女子三人組が盛り上がっている中、晴翔は不思議そうに見ていた。

 

晴翔「(なんなんだよもう・・・なんで古橋と緒方が来た途端に。意味がわかんねぇ。まぁ、どっちにしろ結果オーライってことでいっか。バイトも今日は休みだし、勉強はオフにするか・・・もう新しい構築済みデッキ発売してるだろうし、買ってから帰って寝よ)」

 

学校の帰り道、うるかは晴翔にかりていた1冊のノートを見て、中学時代を思い出す。

 

うるか『ねーねー紅!ノート写させてよー。』

 

晴翔『またか?武元。しゃーねぇな・・・丸写しはすんなよ。』

 

うるか『やったー。』

 

中学生の時からたまに晴翔にノートを貸りては丸写しをしていたうるか。その時はまだ便利な人くらいにしか思ってなかった。

 

うるか『へへ〜紅っていつもなんだかんだノート見せてくれるし、便利な奴!写し終わったら後は返すだけってね〜』

 

階段を上がり、晴翔にノートを返そうとしたところ、晴翔と奏多が話しているところに出くわした。

 

奏多『なぁ晴翔。お前いつも武元にノート写させてるけど、なんでだ?晴翔にメリット全然ないだろ?』

 

晴翔『いやー、流石に誰彼構わず見せるってわけじゃないよ?』

 

奏多『じゃあなんで?』

 

少し頬をかいて恥ずかしそうにしていた晴翔だったが、口を開くと。

 

晴翔『強いて言うなら・・・ただのお節介。』

 

奏多『はぁ?』

 

晴翔『だって武元、遊びも勉強も色んなもの犠牲にして、必死で水泳頑張ってるし。それを知ってる身としてはさ、ほったらかしはマズいかなぁって。』

 

本人なりに彼女がやりたい事を頑張っていることを知っている為、どうにも放っておけないという気持ちがあった。この頃にはもう、お人好しの性格があったようだ。

 

奏多『なるほどいつものやつか。お前ホントに詐欺に引っかかんなよ?』

 

晴翔『何度も言ってるけど引っかからないって!・・・多分。』

 

奏多『そこは言い切れや・・・』

 

その会話を偶然聞いたうるかは顔を真っ赤にしていた。

 

うるか「(晴翔が誰にでも一生懸命なのは知ってる。だったらせめて・・・!)一番!あたしに一生懸命にさせてやるんだから!」

 

因みに、晴翔にノートを貸りようと話しかける今朝は、自然に自然にと言い聞かせていたらしい。

 

 

結論、武元うるかは結構な乙女である。

 

 




次回はいよいよ3Dバトルに入るまでを書こうと思います。それでは、また!


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何度も告白してくる人は割と面倒くさい

第10話です、ではどうぞ!


晴翔「・・・だから、ここの『that』は『あれ』ではなく関係代名詞。『alow』は洗うじゃなくて『許す』な。英語で点を取るには、まず大前提として単語と文法を覚えないとダメだ。そして、スラスラ訳せるようになるまで同じ文章を反復して・・・って聞いてるか?武元。」

 

勉強会がスタートしてまだ30分も経たずに頭がショートしているうるか。これは晴翔も顔を引きつらせる。

 

うるか「もう限界だよー!!泳ぎたいよー!!暴れたいよー!!」

 

晴翔「お前なぁ、まだ始めて30分しか経ってないんだぞ?あと図書室で騒がない。」

 

理珠「武元さん。静かにしてください。勉強の邪魔です。」

 

バタバタするうるかにズバッと言う理珠。うるかは少し固まった途端・・・

 

うるか「せーい!」

 

理珠「ひゃう!」

 

うるかは理珠の胸を鷲掴みした。理珠は少し可愛い悲鳴をあげ、晴翔は突然の行動に硬直した。

 

うるか「リズりんちんまいのにおっぱいでっか!!Fはあんじゃないの!?」

 

理珠「ひっ、人の話を聞き・・・というかちんまくありません!」

 

うるか「ねーねー文乃っちは・・・」

 

文乃「あ、ごめんね・・・わたしちょっと用があって・・・ちょっとだけ抜けるね。」

 

晴翔「またか?最近多いな。忙しいなら手伝うけど。」

 

文乃「あ、ううん!全っ然大丈夫!すぐに戻るから!」

 

少し焦った顔で席を外す文乃。うるかは何かをひらめいたうだった。

 

晴翔・理珠「?」

 

山岡「こんにちは古橋さん。また呼び出してごめんね。」

 

文乃「あ、ううん大丈夫・・・それで・・・山岡君、今日は・・・?」

 

山岡というサッカー部のイケメンに呼び出されていたようだった文乃。二人きりのように見えるのだが。

 

晴翔「おい武元。無理矢理引っ張りだしてなんなんだよ。」

 

うるか「だーって気になるじゃん!」

 

どうやらうるかの提案により覗きに来ていた晴翔達。だが二人は反対しているようだった。

 

晴翔「あのな・・・こういうのは趣味悪いぞ。俺は戻るからな。」

 

理珠「同感です。武元さんはそういうところを改めるべきかと。」

 

二人は図書室に戻ろうとした時に・・・

 

山岡「古橋さん好きです!付き合ってください!」

 

この告白を聞き、反対していた晴翔と理珠はうるか同様覗き見た。

 

うるか「ねぇ、アンタら今あたしのことなんて言った?」

 

文乃「あ、あの・・・き、気持ちは嬉しいんだけど・・・ごめん・・・なさい。」

 

山岡「えー今日もダメ!?僕・・・そんなにダメかなぁ?」

 

文乃「い・・・いやそのっ!あなたがダメとかじゃなくて・・・」

 

どうやらはっきりとは断ることが出来なかった文乃。

 

山岡「えっホント!?よかった〜!じゃあまた来るね。じゃっ!」

 

文乃「え、あのっなんだ来てもらっても・・・!」

 

何度来ても断るつもりなのだが、また来るようで少し憂鬱な表情だった。

 

うるか「もったいなーい!」

 

文乃「ええ!?みんな・・・なんでここに!?」

 

山岡が去った途端覗いていたうるか達が突撃した。

 

うるか「何やってんのさ文乃っちー!今のサッカー部のイケメンで有名な山岡っしょ!?こんなスエゼン食わぬとは何事かー!!」

 

うるか「全く、今の様子じゃ、もう何度も告られてるみたいだね。うらやまけしからん・・・」

 

文乃「え!?いやその・・・(なにこの状況・・・)」

 

唐突な説教状況に訳が分からなくなっている文乃。

 

うるか「恋愛ってーのはカケヒキが大事だけど・・・たまには女からニクショクになってこそ・・・彩りが生まれるってーものだよ!!」

 

文乃「い、彩りが!!」

 

理珠「で、そういう武元さんは恋愛の経験は?」

 

うるか「え・・・それは・・・まぁ・・・予習は万全って抜いてゆーか?」

 

理珠「ないのですね。」

 

うるか「そういうリズりんはどうなのさー!?」

 

苦し紛れにうるかは理珠に問いかける。

 

理珠「興味ありません。」

 

うるか「にゃにィ〜!!」

 

少し口論をしている二人をよそに、晴翔は文乃に手を伸ばした。

 

晴翔「戻ろうぜ、古橋。」

 

文乃「紅君・・・」

 

晴翔「その、ごめん。つい好奇心で覗いじゃって・・・」

 

文乃「う、ううん。大丈夫・・・」

 

手を取った瞬間、文乃の手が震えていたのを見逃さなかった晴翔だった。

 

うるか「んじゃあたし部活行くねー!やっと泳げるー!」

 

理珠「私も店の手伝いがありますので・・・」

 

晴翔「おー。言ったところ、ちゃんと家でもやっとけよー。」

 

うるか「うげっ。」

 

図書室での勉強会からうるかと理珠が用事によって先に図書室から出て行った。

 

晴翔「うげじゃねぇよ。・・・?古橋?手が止まってるけど・・・古橋?」

 

文乃は晴翔に声を掛けられている事に気付かずボーッとしていた。

 

晴翔「古橋!」

 

文乃「ひゃっ!びびっびっくりしたなぁ。急に大きな声出さないでよ紅君。」

 

晴翔「いや、何度声かけても反応なかったし。てかそこまで驚く・・・!古橋さ。お前もしかして・・・

 

 

威圧的な人苦手だったりするか?」

 

核心を突かれたのに驚いたのか、文乃は目を見開く。

 

文乃「・・・なんでそう思ったの?」

 

晴翔「今の反応で確信したけど、もしかしてって思ったのは、図書室に戻ろうとした時。手を取った時に、震えてたからさ。」

 

文乃「・・・うん。私、威圧してくる男の人が怖くて・・・うちのお父さんが、そういう人だからかなぁ。自分でもダメだなぁって思ってるんだけど。どうしてもそういう人に対して身がすくんじゃって。」

 

文乃「今は勉強に集中しなきゃなのに、さっきみたいにこられちゃうとどうしてもはっきり強く言えなくて・・・」

 

晴翔「・・・だよね。」

 

紅晴翔、ロクなアドバイスが出来ず。

 

翌日晴翔はお昼ご飯を買って文乃達の元へ戻っていた。

 

晴翔「(うう、自分から切り出しておいてなにも出来ないとは、情けないにも程がある。モテたためしがないからなぁ、奏多に相談してみる・・・?)」

 

そこに友人に見える生徒と、文乃に告白をしていた山岡がいた。

 

晴翔「(あれ?あの人たしか、昨日古橋に告白してた山岡って人・・・)」

 

まぁ、特に自分は用事はないと素通りしようと思った瞬間・・・

 

生徒「山岡、お前まだ古橋ねらってんのかよ。」

 

山岡「え〜?当たり前じゃん!」

 

晴翔「ピタリ」

 

山岡「ああいうタイプはあんまり積極的に断りきってこないからね。グイグイ押せば、最終的に倒れるに決まってるんだよ。」

 

その発言に晴翔は素通りしようとするのをやめた。

 

晴翔「・・・」

 

山岡「近いうちに落としてみせるから見てなって。」

 

晴翔「あの・・・」

 

山岡に晴翔は声を掛けた。

 

文乃「(紅君遅いなぁ。どこまで買いに行ったんだろ)」

 

晴翔が帰ってくるのが遅いのに心配した文乃が晴翔を探している時に・・・

 

山岡「いい加減にしろよ!なんなんだよアンタ!?」

 

文乃「!?」

 

山岡の怒号にびっくりした文乃。声のした方に向かうと。

 

晴翔「お願い。せめて古橋が理系ができるようになるまでは、告白は待ってくれない?」

 

晴翔が山岡に頭を下げて文乃に告白を待ってくれるように頼んでいた。

 

山岡「はぁ!?意味分かんないだけど。あんた何?古橋の彼氏なの?」

 

晴翔「いや?違うけど?」

 

山岡「んじゃんなこと言われる筋合いないだろ!」

 

晴翔「いや、ある!俺はあいつの教育係だから、あいつが悩まず勉強に集中できる場所を守る義務があるし、守りたい!だからお願い。本当に古橋の事が好きなら、それくらい待てるでしょ!?」

 

山岡「さっきからあんた意味分からないんだよ気持ち悪い・・・!そうだ。なら、あれで決めないか?」

 

晴翔「?」

 

そこには人は一人が乗れるマシンが二つあった。

 

晴翔「あれって・・・」

 

山岡「知らないのか?3Dバトルシステムを導入したマシンだよ。ようはバトスピで決めようってこと。」

 

バトスピで賭け事を提案する事に反対しそうになった晴翔。

 

晴翔「(本当はこんな決め方したくないんだけど、ここで引いたらまた古橋を呼び出して告白を続けるだろう・・・やるしかないか。)・・・勝ったら告白は待ってくれるんだね?」

 

山岡「あぁ、なんなら古橋を諦めてもいい。」

 

晴翔「分かった。その勝負受けるよ。」

 

二人がマシンに乗ると、それが起動しマシンが空中に浮かびグラウンドに対面する晴翔と山岡。

 

山岡「ふーん。これはいいじゃん。」

 

ご満悦だった山岡。しかし・・・

 

晴翔「(乗り心地は良い。公式はこんなの作ってたんだなぁ。アニメ全部見てたけど、とうとう作ったとは・・・)」

 

割とアニオタ寄りの晴翔にとっては感心していた。

 

山岡「じゃあ、始めようか。」

 

晴翔「うん。(構築済みデッキ全くバラして改良とか形とか変えてないけど、新しいギミック、『神話ブレイヴ』に慣らす為にやってみるか。)」

 

因みにこれからの晴翔のバトルは構築済みデッキ『開闢の剣』を解体や改良をしていないそのままのデッキであることを当然山岡は知らない。

 

二人「ゲートオープン 界放!!」

 

バトスピのスタートの合図を叫ぶと光のラインが二人を囲い、山岡の方に白いプレイフィールドが、晴翔の方には黒いプレイフィールドが現れ、3Dバトルがスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 




次はいよいよ3Dバトルです。それでは、また!


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構築済みにヤバいカードが入ってるのはお約束

お待たせしました。3Dバトル編です。どうぞ!


晴翔「先攻か後攻、どうする?」

 

山岡「なら先攻をもらう。」

 

晴翔「わかった。」

 

突然バトルフィールドが出てきたことに生徒達はざわついていた。

 

生徒1「なんだなんだ?」

 

生徒2「3Dバトルよ。バトルが始まったわね。」

 

当然その中には苺香達もいたわけで。

 

苺香「あれ紅さんですよね?」

 

奏多「あいつ・・・【光導】デッキカバンに入れっぱなしなのになんか持ってたのか?」

 

なんと晴翔は構築済みデッキしかないのではなく、カバンに入れていただけだった。そして・・・

 

文乃「(はわわ・・・どうしよう・・・)」

 

事の詳細を見ていた文乃はどうすればいいのかわからなかった。

 

うるか「文乃っちー!」

 

文乃「うるかちゃん、りっちゃん。」

 

理珠「何故紅さんがバトルすることになったのですか?文乃。」

 

文乃「ええっと・・・実は・・・」

 

状況を説明する文乃。そして、バトルがスタートする。

 

山岡「俺のターン」

 

第1ターン

 

前のLEDライトが光る。

 

山岡「スタートステップ、ドローステップ。メインステップ。ホムライタチを召喚。」

 

フィールドにホムライタチのカードが現れ、そこからカードに書かれているスピリットが現れた。

 

晴翔「ホムライタチ・・・?(まさか赤緑?この環境にか?)」

 

山岡「3Dバトルシステムが出るって聞いて少し有り合わせで組んだデッキだからね。だがスピードを重視して組んでいるからまともには戦えるはずだよ。ターンエンド。」

 

山岡

 

ライフ 5

 

リザーブ 1

 

手札 4枚

 

山岡側のLEDが消える。そしてどうやら山岡はしばらくの間バトスピをしていなかったようだ。

 

晴翔「(これが本当なら、バトルの組み立て方ならいくらかパターンが想定出来る。それに【創界神ネクサス】のギミックを詳しくは知らないか・・・ならこのデッキでも対等以上に戦える。)俺のターン。」

 

第2ターン

 

晴翔側のLEDが光る。

 

晴翔「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ。創界神ネクサス、創界神ブラフマーを配置。」

 

すると晴翔のフィールドに炎が発生し、そこからブラフマーが現れた。

 

山岡「創界神?」

 

晴翔「やっぱり創界神を知らなかったか。悪いけど、こればっかりはいろんな意味で負けられなくなったね。ブラフマーが配置された事により、デッキから3枚破棄。」

 

ブラフマーの効果で破棄されたカード

 

小古竜シャルラ・ハロート

 

仙龍シュローカ

 

グランドロー

 

晴翔「コスト3以上の系統【古竜】が2体がいたので、神託の効果発揮、ボイドからコアを2個ブラフマーの上に置く。」

 

山岡「コアブースト?」

 

晴翔「創界神ネクサスはリザーブのコアを乗せることが不可能な代わりに、指定された系統やコスト以上のカードを召喚するとボイドからコアを乗せることができる。当然、そのコアは特定の効果でしかそのネクサスからは外せないけどね。更に、もう1枚のブラフマーを配置。」

 

山岡「ん?何故もう一度デッキを破棄しない?」

 

晴翔「元々この神託の効果は同カードがない場合にできる効果で、事実上創界神ネクサス一種につき一回この効果ができる。」

 

山岡「ふーん。」

 

晴翔「それプラス・・・『神話ブレイヴ』大神剣アラマンディーを召喚!」

 

瞬間、晴翔のフィールドがひび割れ、中心から1本の剣が現れ空に飛ぶ。

 

山岡「ブレイヴ?だが、もうコアがないから消滅するんじゃないのか?」

 

晴翔「いや、ブレイヴ対象なら・・・ブラフマーがいる。アラマンディーをブラフマーに直接合体!」

 

ブラフマーの元にアラマンディーが飛んでいき、それをブラフマーは手に取る。

 

山岡「ネクサスにブレイヴ!?」

 

晴翔「これが新しいギミック『神話ブレイヴ』。これまでのブレイヴと同様、スピリットやアルティメットとブレイヴが可能だけど、それともう一つ、指定された創界神ネクサスともブレイヴが可能になる。そして、系統【神装】を持つアラマンディーが召喚された為、ブラフマー2枚の神託が発揮。」

 

山岡「けど、結局ネクサスだろう?」

 

晴翔「うん。でも一応言っとくけど、これまでのネクサス破壊系統のマジックじゃあ破壊できないよ?」

 

山岡「そうか・・・」

 

晴翔「それじゃあ、創界神ネクサスについても色々話しながら並べたし、創界神ネクサスの新しい力を見せようか。」

 

山岡「?」

 

晴翔「アタックステップ!ブレイヴしている創界神ブラフマーの【転神】を使用!ブラフマーの上のコア2つをボイドに送ることで、このターンの間、このネクサスをレベル1、2のBPを5000のスピリットとして扱うことができる。」

 

ブラフマーの上のコア2個が消える。そしてブラフマーが攻撃態勢に入った。

 

山岡「はぁ!?」

 

晴翔「さぁ行くよ!ブレイヴブラフマー、アタック!」

 

ブラフマーのカードが横向きになった瞬間、足に炎を纏わせてブラフマーがフィールドを駆ける。

 

晴翔「ブラフマーにブレイヴしている大神剣アラマンディーのアタック時効果を発揮!BP10000以下のスピリットを破壊する。ホムライタチを破壊!」

 

ブラフマーが斬撃を飛ばし、ホムライタチを破壊する。

 

山岡「マジか・・・」

 

晴翔「更に1枚ドロー。」

 

山岡「フラッシュタイミングはない。」

 

晴翔「こっちもない。」

 

山岡「ライフで受ける。」

 

すると山岡の前にコアが2つ現れ、ブラフマーはそれを斬りつけた。そしてコアが砕かれる。

 

ライフ5→3

 

山岡「うっ!」

 

晴翔「ターンエンド。」

 

晴翔

 

ライフ 5

 

リザーブ 0

 

手札 3枚

 

LEDが消え、晴翔のターンが終える。

 

山岡「俺のターン!」

 

第3ターン

 

顔には出していなかったが、自分がバトスピをやっていない間にここまで知識に差があったことに、山岡は少し焦っていた。

 

山岡「(こんなとんでもないカードが出ていたなんて・・・)ホムライタチを召喚。さらにルリオーサをレベル2で召喚。召喚時効果で効果でホムライタチとルリオーサにコアを追加。更に賢龍ケイローンを召喚。不足分のコアはルリオーサからコアを外してレベル1に下げる。」

 

再びホムライタチが現れ、その後にルリオーサがフィールドに現れる。そしてルリオーサが光り出し、自身とホムライタチにコアを乗せた。そのコアを使いケイローンがフィールドに召喚される。

 

この動きに奏多達は少し意外そうだった。

 

奏多「相手ガチの赤緑じゃんか。よくもまぁそれで晴翔に挑戦したな。」

 

苺香「ですが、ローゼンベルグが出されたらまずいですよね。」

 

奏多「手札的には握ってないと思う。つか出したところで手札の残り枚数と残りのコア的には詰められない。逆に詰めれるまで展開できたとしても防御札を晴翔が持ってる可能性もある。これは安易には攻められないぞ。」

 

山岡「召喚時の効果緑連鎖でコアを合計2個追加。増えたコアを使って森林のセッコーキジを2体召喚。・・・アタックステップ、ケイローンでアタック!」

 

山岡もケイローンで攻撃する。ケイローンは晴翔側へ走って来た。

 

晴翔「フラッシュはない。」

 

山岡「こっちもない。」

 

晴翔「アタックはライフで受ける。」

 

山岡同様、晴翔の前にコアが現れ、ケイローンは炎を吹きライフに攻撃し砕いた。

 

ライフ5→4

 

晴翔「(ある程度ダメージ・・・というよりは衝撃が来るな。そこら辺はちゃんと考えたようだな。)」

 

山岡「ターンエンド。」

 

山岡

 

ライフ3

 

リザーブ 0

 

手札 0

 

するもターンエンドの宣言により、少し不思議そうな顔をする晴翔。

 

晴翔「?もう終わり?」

 

山岡「今できる最大限の防御だよ。ルリオーサとセッコーキジはブロッカーに残して置かないと。」

 

奏多「確かにそうだな。あれだけの大量召喚に代わって手札0・・・ここでフルアタックして凌がれたら負けは確定する。・・・だが。」

 

新しく出てきたデッキ相手に、後手に回るとロクな事にならないと考えた奏多。構築済みデッキの中にはとんでもないカードがあると思ってる奏多はもしかしたら次のターンで詰められるのでは?と一瞬考えたのだった。

 

晴翔「そう。俺のターン!」

 

第4ターン

 

コア、ドローとステップを行う。

 

晴翔「フフッ、リフレッシュステップ。」

 

ブラフマーが回復し、不敵に笑う晴翔に山岡は少し嫌な予感をした。

 

山岡「ん?」

 

晴翔「2枚目のアラマンディーをブレイヴしていないブラフマーに直接合体!ブラフマー2枚の神託を発揮。」

 

ブラフマーの前に再びアラマンディーが現れ、それをブラフマーは手に取る。

 

晴翔「さぁ、準備は整った!このターンで詰める!」

 

晴翔「創造龍ジェネレイタードラゴンを、レベル2で召喚!」

 

すると晴翔のフィールドに炎の渦が現れる。その中からドラゴンのシルエットを見せ、ジェネレイタードラゴンが召喚された。

 

山岡「ちょっと待て!赤の軽減シンボルが1つ足りないぞ!」

 

晴翔「アラマンディーの神域の効果で、ブレイヴしている創界神ネクサスのシンボルを6色に変換させることができる。よって、ブレイヴブラフマーのシンボルを赤二つ。そして2枚目のブラフマーにブレイヴしているアラマンディーの赤シンボル、更にブラフマーの神シンボルでフル軽減で召喚できる。」

 

そしてジェネレイタードラゴンが召喚された事により神託が発動される。

 

山岡「無茶苦茶な!」

 

晴翔「アタックステップ!ブラフマー2体の【転神】を使用!」

 

ブラフマー2枚のコアがそれぞれ2個以上あるため、【転神】を使う晴翔。どうやら本気で決めに行くようだ。

 

山岡「また【転神】・・・」

 

晴翔「ブレイヴブラフマーでアタック!アラマンディーの効果、セッコーキジを破壊して1枚ドロー!」

 

山岡「フラッシュはない。」

 

晴翔「こちらもない。因みにジェネレイタードラゴンのレベル2、3の効果発揮!自分の神話ブレイヴとブレイヴしているスピリット、ネクサスに赤のシンボルを1つ追加する!」

 

ジェネレイタードラゴンが咆哮する。それによりブラフマー2体に赤のシンボルが加えられた。

 

山岡「トリプルシンボルになるのかよ!?セッコーキジでブロック!」

 

背中の刀を抜き、プルプルと震えながらセッコーキジはブラフマーに立ち向かうが、ブラフマーの斬撃で破壊されてしまう。

 

晴翔「2体目のブラフマーでアタック!ルリオーサを破壊!1枚ドロー。」

 

山岡「ホムライタチでブロック!」

 

ホムライタチは炎は出し威嚇するが、ブラフマーの纏う炎に負け破壊された。

 

晴翔「ジェネレイタードラゴンでアタック!」

 

咆哮し、ジェネレイタードラゴンは空を飛ぶ。

 

山岡「無理だ!ジェネレイタードラゴンは神話ブレイヴとブレイヴしていない、シンボルは1つ!このターンは耐え切ったぞ!」

 

晴翔「それが・・・そうでもないんだなぁ。」

 

山岡「は?」

 

晴翔「そうそう、フラッシュタイミングでなんかある?」

 

山岡「な、ないけど・・・」

 

晴翔「ジェネレイタードラゴンのレベル1、2、3の効果発揮!自分の創界神ネクサスのブレイヴを分離させ、このスピリットにブレイヴさせる。そして、このスピリットを回復!そして、ジェネレイタードラゴンも神話ブレイヴとブレイヴした事により・・・」

 

ブラフマーがアラマンディーを上空に投げる。それをジェネレイタードラゴンは受け取り、赤のシンボルを二つ追加した。

 

山岡「トリプル・・・シンボル・・・フラッシュはない。」

 

晴翔「こっちもない。」

 

山岡「ライフで・・・受ける」

 

ライフ3→0

 

山岡「うわぁぁ!!」

 

Winner 晴翔

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ご閲覧ありがとうございます。今回は構築済みデッキなので、表示はしません。アンケート結果で、ぼくべんsideにも使わせる方針でいきます。一部のキャラは決まってます。まだまだデッキやカードリクエストを待っておりますのでよろしくお願いします。それでは、また!


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