明日見えぬ今~その一瞬を「君」と生きる~ (特殊作戦群)
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プロローグ~人の醜さ~

20XX年 世界の文明は終わりを迎えようとしていた。事の発端はC某国が発端となった新型のウィルスだった。瞬く間に世界に広がり、色々な損害を出す中必死の研究などによりワクチンの開発に成功した、しかしその時既にその「ウィルス」は「姿」を変えていた。より感染力が強くそして新たな症状が確認されたそれは「死者が蘇る」そして次に「喰人」即ち人を喰らう事だった。一旦悪い事が広まるとドツボにはまりあっという間に広がり収拾がつかなくなる。こうして、世界は腐った人食いが歩き回る不毛地帯になろうとしていた・・・・・・・・・

 

 

20XX年12月上旬

 

「う~・・・寒い・・・」

 

そこで防寒着の上にプレートキャリアを付けてHk416アサルトライフルをぶら下げ、ホルスターにSFP-9を装備しているのが俺だ。名前は一ノ瀬優希、高校2年生。こんな最悪な状況でも生き延びて居られるのは自身の趣味と亡き両親が残してくれた遺産とそして入手してからずっと俺の命を守り続けてくれ、腐った人食い共を片付けてくれる頼もしい相棒の416のお陰だ。

 

「えっと・・・弾薬補充しないとな・・・」

 

俺は二か所に分散し物資を集積してある。一つは自衛隊が緊急撤収し放棄された分屯地セキュリティーが固く解除するのにマニュアル片手に骨は折れたがその甲斐あって立派な「物資集積所」に早変わりだ。かき集めた「弾薬」と「燃料」と「一部武器」を保管している。もう一か所は、某会員倉庫スーパーポスポコだ。あそこは生活に必要な物が全て手に入る魔法の場所だ。今は分屯地の保管所に来ている。

 

「えっと・・・5.56×45㎜NATO弾・・・どこに纏めたっけかなぁ・・」

 

あれこれとかき集めすぎたのが仇となったのか必要な5.56㎜弾をどこに纏めたのか分からなくなりつつ弾薬ケースをひっかきまわす事少し・・・

 

「!あったあった・・・」

 

バラ弾が無造作に収められているケースを3つ運びだし、一緒にSFP-9に使う9×19㎜弾も何ケースか持っていく。

 

「こんだけあれば良いかな・・・ベースには日用品も燃料も薪も十分にあるからまだいいか」

 

思いつつ、軽装甲機動車の荷台に弾薬を置く

 

「ほんと・・・慣れってこわいなぁ・・・」

 

つくづく思った。車なんて運転経験ないのに今じゃ普通に走って曲がって止まってができる。銃については亡き両親が海外家族旅行に行くときに付きっ切りでレクチャーしてくたり、サバイバル術を教えてくれた、最近だと去年あたりに留学した時現地の元米海軍SEALのインストラクターにみっちり指導してもらったりとそのおかげで今俺は腐った死体共に喰われる事なく逆に始末しながら生き延びている。明日の保証はないが・・・

 

「さっさと帰ろう・・・」

 

運転席に座り俺が拠点としている、両親の遺産の一つとして残してくれたロッジに戻る。俺の両親は自衛官だった。親父は海上自衛隊、お袋は航空自衛隊所属だった。お袋はパイロットでF-35J/A戦闘機のパイロットだった。正直俺は心配だった。聞こえは「最新鋭ステルス戦闘機」などと言われていたがふたを開ければ国内の某自動車メーカーも真っ青の数の欠陥の数々、俺はライトニングⅡを「空飛ぶ欠陥機」と揶揄していたが、そんな折だった。洋上で訓練に参加していたお袋の操縦するF-35J/Aが墜落したと連絡が入ったのは・・・・・母を失い、そして海自特殊部隊員だった父を第二次朝鮮戦争で亡くし俺は一人になった。それでも何とかやって来れたのは友人や俺を家族同然に可愛がってくれた叔母夫婦のお陰だった、なのに腐った死体野郎共は俺から次々に大事な物を奪っていく。ハンドルを握りながら思っていた。

 

「あたり一面雪・・・か・・・」

 

薄っすらと降る雪に俺はつぶやいた。そんな時だった。

 

「?・・・」

 

積もる雪の中に何かが倒れている。車を止めSFP-9を構えながら近づくと

 

「人だ・・・ッ!」

 

急いで雪を払いのけ顔を確認すると

 

「蒼川?!」

 

同級生の蒼川真珠だった。彼女は周りから「氷の悪魔」「鑑賞用美人」などと言われる。ぱっと見確かに美人なのは俺も認める、だが人付き合いが下手で「無意識な言葉のナイフ」で何人刺した事か、だが彼女は「絵」が抜群に上手い。それこそ賞をそうなめするくらいの実力者だったりもする。

 

「おいっ・・大丈夫か?・・・おいっ」

 

確認するが

 

「・・・・・ん・・・・ふぇ・・・・・・・・・?」

 

意識が混濁しているようにも見えた。

 

「まずい・・・意識が途切れかけてる・・・」

 

周りを見て彼女の荷物と思われるスポーツバックが転がっていた。急いで回収した時はッとしもう一人の心の俺が話しかけてくる

 

「{こいつを回収してどうするんだ?}」

 

「{食い扶持が増えるだけだぞ?}」

 

「{一人だから生き延びてきたんじゃないのか?}」

 

「{今この世界は情けをかけてちゃ生き残れないような世界になっちまったんだぞそいつ一人の為にお前はこの先幾つのリスクを背負う気だ?}」

 

「{見殺しにしたって誰も文句は言わないよ、むしろこの女に生きる運がなかっただけだ}」

 

もう一つの俺の声は言うが

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で蒼川を機動車の後部座席に乗せ

 

「少し我慢してくれよ」

 

シートベルトを着け荷物を置きロッジに急いだ。

 

 

 

一ノ瀬家保有ロッジ

 

ロッジに付き、直ぐに蒼川を下ろし

 

「頼む・・・死なないでくれ・・死ぬな・・・・」

 

急いで暖炉に薪をくべ火を付け暖を取る。それと同時にストーブも付ける。蒼川のジャケットを脱がし

 

「冷たっ!!」

 

乾かすためにハンガーを通しストーブの上に置く。服も濡れていた為に

 

「・・・・止む負えない・・・・・か」

 

蒼川の服を脱がし俺のぶかぶかではあるが学校指定のジャージを着せソファーに寝かせその上から毛布をかけてやる。

 

そして冷蔵庫を確認し

 

「スープ系だな・・・作るなら」

 

缶詰めのコーンポタージュ二人分を作る。料理を作り終えた所で火を止め、一度蒼川の様子を確認しに行く。

 

「う・・・・・ん・・・・」

 

さっきまで氷のように冷たかったが幾分か顔色もよくなってきている。

 

「ふぅ・・・・大丈夫そうだな・・・」

 

そこで俺は致命的なミスを犯した・・・そう・・「蒼川のそばにHk416を置きっぱなし」にしてしまった事だった。一旦2階に上がり蒼川用に部屋を整理していると

 

ガチャンッ

 

音が聞こえ

 

「?、蒼川の奴起きたのか?」

 

下に行くと

 

「動かないでッ」

 

顔色はまだ本調子ではないが、Hk416の銃口をこちらに向ける蒼川が居た。

 

「落ち着けって・・・言うのも無理な話か」

 

両手を上げつつも俺は蒼川の寝ていたソファーの対面に座り

 

「まずは、勝手に着替えさせた事は謝る、だがそれ以外は何も触れちゃいない」

 

答える、依然銃口はこちらを向いているがある事に気付いた

 

「{まぁ・・そうだよな・・・セーフティが掛かりっぱなしだぞ・・蒼川}」

 

思いつつも

 

「どうかしら?、私が抵抗できない今の状態ならやりようはいくらでもあったのではないの?」

 

蒼川は依然として言うが

 

「俺は亡くなった両親に常に言われていたよ、人は助け合うからこそ生きていけると、確かに信用してくれとは言わないよ」」

 

それと

 

「蒼川、それじゃぁ俺は殺せないぞ」

 

言い手を下げ

 

「撃つわよッ」

 

語気を強め蒼川は言ったがそのまま蒼川に近づくと蒼川が握るHk416を奪う

 

キャッ

 

蒼川は言ったが弾倉を確認し填め込み安全装置を解除し

 

「これで殺せる」

 

俺は蒼川に銃口を一瞬向けるが

 

「生きてる人間に銃口を向けるな。」

 

蒼川に言い銃から弾倉を外し、チャンバーの弾丸を抜きそしてマガジンに装着し直し

弾倉をポケットに入れる。

 

「おなか減ってるだろ、まぁご飯でも食べながら話そう」

 

提案し

 

「・・・・わかった・・・・・わ・・・・」

 

言うや否や膝から崩れ落ちる

 

「おわっとッ」

 

すんでの所で蒼川を受け止め

 

「無理するな、今客間に運んでやるからおんぶ大丈夫か?」

 

聞くと

 

「コクン」

 

頷き、俺の背中に捕まる。そのまま2階の客室に運びベットに寝かせ

 

「ちょっとゴメンな」

 

おでこを触ると

 

「やっぱりか・・・」

 

熱が出ていた。

 

「無理しないでゆっくり休んでくれ、下で氷枕と熱さまシート取ってくるから」

 

蒼川に言い一旦部屋を出て台所で氷枕を作り

 

「ちめた」

 

大きめの薬箱から熱さまシートをもって蒼川の部屋に行く。

 

「頭少し動かすぞ?」

 

一応断りを入れ氷枕を敷く。そして額に熱さまシートを貼る。こっちを見ている蒼川に対し

 

「今は今後の事とかは考えずに回復を優先するんだ、誓って手出しなんてしないから。蒼川の体調が良くなったら今後を話そう。」

 

蒼川に諭すように言い彼女も

 

「・・・う・・ん・・・」

 

頷き、眠りに落ちていくようだった。




次回~1人から2人~を予定しています。


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第1話~1人から2人へ~

蒼川の体調の回復を待って今後を話し合う事に・・・・・


あれから5日・・・

 

蒼川の部屋

 

コンコン

 

ノックし

 

「はーい、どうぞ」

 

蒼川の返事が返ってきて

 

「ご飯できたぞ~、中に入っても今大丈夫か?」

 

言うと

 

「うん、イイよ」

 

蒼川に言われ部屋に入る。あれ以降おとなしくしていたようでこっちが出す食事と薬を飲んでいる。体調はかなり回復してきているようだ。部屋に入るとおとなしくベッドに居た。

 

「ごめんなさい」

 

最初に言いおでこに手を当て

 

「熱は下がったな・・・良かった」

 

言い蒼川の前にご飯を置く

 

「代り映えしなくて悪いが、まぁ食べてくれ」

 

今までは自分1人だからご飯も気分だったが、蒼川の事を考慮すると偏ったご飯を出す訳にはいかないが

 

「気を使わなくてもイイのに・・学校に居た頃のご飯に比べれば天国よ」

 

蒼川は言い

 

「頂きます」

 

丁寧に言い食べ始める。俺も自分の分を蒼川の部屋に持ち込み

 

「蒼川は学校に避難してたのか」

 

尋ね

 

「うん、一ノ瀬は此処に逃げ込んでたのね」

 

蒼川が言い

 

「ああ、此処は俺の亡き両親との思い出の場所だからな」

 

言うと

 

「ごめんなさい・・・聞いちゃいけなかった事聞いて」

 

蒼川に言われるが

 

「気にするなよ、もう過去の事だ。」

 

互いに食べながら話

 

「でも私が学校の指定避難所に逃げ込んだのは間違いでその時私は既に選択を間違えたわ・・・」

 

箸を置き蒼川は言い

 

「そうか・・・その・・何があったか・・聞いても?」

 

尋ねると

 

「一ノ瀬もさ知っての通り私この性格だからさ皆に日ごろの憂さ晴らしっていうのかなここぞとばかりに厄介事押し付けられてさ、頃合いを見図られたんだろうけども追い出されちゃったの・・・」

 

苦しそうに言い

 

「それで雪が降る道路に行き倒れになってたのか・・・」

 

俺も箸を置き

 

「大変だったな、しかし信じられないなこの非常時に。まぁでも亡くなった俺の両親も言っていたからな「非常時にこそ人間の本性が垣間見れると」でも酷すぎだろ。こんな雪の降る時に追い出すとか、絶対に死ぬって解ってやっただろ。てか誰だ蒼川を追い出した野郎は」

 

雪が降る外を見ながらひとり激怒すると

 

「一ノ瀬も知ってるいつもの連中よ」

 

ため息を付きつつ蒼川は言った、そして

 

「それが私の今までの振る舞いのツケなのかもしれないわね」

 

皮肉交じりの表情で蒼川は言い

 

「そんな事ないだろう、お前は学校でみんなの為に厄介事を処理してきた、非常時にでもそう言う事をできる人程俺は信ずるに値すると思う」

 

蒼川に言い

 

「話は変わるがそれで蒼川、今後どうする?俺は別にお前が此処に居たいと言うなら別に居てくれても構わない。むしろこの状況下で外にほっぽおり出す訳には行かないと思ってるんだが」

 

蒼川に自分の意見を言い

 

「・・・・此処に置いてくれるの?・・・・・」

 

恐る恐ると言うような感じで俺に聞いてくるが

 

「ああ、別に構わない、繰り返しになるが今の状況は前までの平時の時と違う外には脅威が居る。それに俺自身が後悔する事になる、此処で見捨てれば・・それに今更だよ1人も2人も変わらないし客室もまだまだ余ってるから大丈夫だよ。」

 

言うと蒼川は姿勢を正し

 

「迷惑かけるかもしれないけど、よろしくお願いします」

 

深々と頭を下げ

 

「おいおいよしてくれよ、俺達同い年なんだ一々気にしてたら先が持たないぞ?」

 

苦笑しつつ言い、蒼川も顔を上げ

 

「ありがとう・・・ありがとう・・・あり・・が・・・・と・・・」

 

泣きだし

 

「おいおい泣かないでくれよ・・・・」

 

今度は俺が慌てる事になった。蒼川が泣き止んだ後

 

「さてと・・蒼川の生活品を揃えないとな・・・体調の方はどんな感じだ?」

 

聞き

 

「えっと・・・あと1日~2日くらいで大丈夫かな・・・」

 

言い

 

「分かった、じゃぁ二日後に買い物に一緒に行こうか。」

 

提案し

 

「買い物?!」

 

驚いた顔をし

 

「ああ、買い物だ」

 

言うと

 

「えっと、大丈夫?あちこちであの歩く、人食いの死体が居るのに何処に買い物に行くの?まぁ・・一ノ瀬は武器持ってるみたいだからある程度は対処できるんだと思うけども・・・」

 

蒼川は言い

 

「大丈夫、俺しか入れないように細工した場所があるんだ。ヒントはこの県で立地が悪くあまり人が寄り付かない。そして会員制」

 

ヒントを与えると

 

「・・・・・・!」

 

気付いたようで

 

「ポスポコ?!」

 

蒼川は言い

 

「そう。あそこは何でもあるからな、でも立地が悪い上に会員制だからあそこまでわざわざ行く人もあまりいないしそしてこの状況下だと徒歩ではきつ過ぎる。でも俺いは武器も車両もある・・・・まぁ無免運転だけども・・」

 

言い

 

「納得ね・・うん、わかったわ2日後がなんか楽しみになるわね・・・」

 

蒼川は言い

 

「今まで気張ってきたんだ少しゆっくりしたってバチは当たらないよ」

 

俺は言い

 

「甘えさせてもらうね、一ノ瀬」

 

蒼川は俺を見て言い

 

「ああ、ゆっくりと休むと良いよ。夕食作ったらまた持って来るから薬飲んで寝てろ」

 

言い

 

「うん、じゃぁ・・・よろしくね」

 

蒼川は言い昼食を食べベットに横になり少しすると寝息を立て始めるのだった。

 

「さて・・・準備もしとかないとな」

 

俺はこのまま装備を保管してある大型の作業所に確認の為に向かうのだった。




次回~2人で買い物~を予定しています。


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第2話~2人で買い物~

リビング

 

カチャッ・・・・ジャキンッ

 

Hk416の確認をしテーブルに置くそして、携行するマガジンの本数確認とサイドアームのSFP-9とマガジンをテーブルに置く。

 

「まぁ・・・こんだけあれば十分だろ」

 

Hk416用5.56㎜弾20発装着済みショートマガジン×8本 160発分

 

SFP-9用9㎜弾15発装着済みマガジン×5本 75発分

 

弾薬には今現状困ってはないが何時どうなるか分からない為ケチって使っている。だが今回はそれとは別に

 

「こいつも必要だろう・・・」

 

テーブルの反対側に蒼川用にMP7A1サブマシンガンとサイドアームのSFP-9が一式置いてある。

 

MP7A1用4.6㎜弾20発装着済みショートマガジン×8本 160発分

 

SFP-9用9㎜弾15発装着済みマガジン×5 75発分

 

蒼川用に自衛隊特殊部隊用武器庫からかっぱらってきていた装備を保管していた所から武器を引っ張り出してきて装備のチェックと弾薬、マガジンへの装填は俺が行った。そこに

 

「ごめんなさい、お待たせ」

 

蒼川が下りてきた。学校指定の長袖長ズボンの運動着姿で、そして机に置いた銃を見て

 

「相変わらずすごいね、全部一ノ瀬がかき集めたんでしょ」

 

椅子に座り

 

「こっちが蒼川用だ、使い方は教えるから」

 

言いMP7とSFP-9を渡す

 

「使い方教えるって言ってもマシンガンの使い方って複雑なイメージあるから私的にはボルトアクションの方が扱いやすくて良いかな」

 

蒼川が意外な事を言い

 

「おまえ、銃撃てるのか?!」

 

驚いてると

 

「ええ、っていうか貴方も私も海外留学組だったでしょ」

 

言われるが

 

「まぁそうだったけどもさ、意外だな・・・わかった確かボルトアクション式のスナイパーライフルがあったはずだから待っててくれ」

 

再度武器を保管している大型作業所に行き

 

「これならどうだ?」

 

M24SWSと弾薬の7.62×51㎜NATO弾を持ってくる

 

「M700をベースにして軍用に改良されたモデルだ」

 

蒼川に渡すと

 

「・・・・・・・・」

 

ガチャ・・・・・ジャキンッ

 

以外にも慣れた手つきでボルトを操作し

 

「これスコープはMk4のM3スコープ?」

 

聞かれ

 

「ああ、・・そだが」

 

言うと

 

「ふふ、イイ趣味してるわ一ノ瀬」

 

お気に召したようで微笑み

 

「この子、貰ってもいいかしら?」

 

聞かれ

 

「構わないよ、じゃぁ自衛用の武器はあと一つどうする?」

 

聞き

 

「だったら拳銃よりマシンガンを貰うわ」

 

MP7を蒼川は選択したのだった。そしてM24SWSのスコープを見て

 

「スコープの調整は?」

 

聞かれ

 

「いや、弄ってない」

 

答えると

 

「少し時間くれるかな、調整したいからあと手伝ってくれると嬉しいわ」

 

蒼川は言い、ハンガーにかけてある自分のジャケットを羽織り外に出る。俺も自分のジャケットを羽織り弾薬ケースをもって外に出る。

 

「一ノ瀬、どこの木でもいいから適当に印付けてくれる?」

 

言われ

 

「オッケー」

 

俺は弾帯に付けてるサバイバルナイフをケースから取り

 

「これくらいの距離でイイか?」

 

約800mくらい離れて印をつける

 

「いいわ」

 

蒼川が言い俺も蒼川の横に付きスポッターの役割をする

 

「ターゲット、2時の方角、距離約800m、風の向き西からやや東より」

 

蒼川に言い、M3スコープを覗きつつ蒼川も

 

「・・・・・捉えたわ・・・」

 

一言言い

 

「ひと呼吸を整えて自由に撃て」

 

隣で言うと蒼川は引き金を引いた。乾いた銃声と共に発射された弾が木に命中するが

 

「修正・・・3クリック右だ・・・・風の変化なし」

 

言い

 

カチカチカチ

 

照準器を蒼川は調整し、再度引き金を引く

 

ドンッッ

 

「命中ッ・・・ど真ん中」

 

蒼川に言い

 

「ふぅ・・・」

 

蒼川も立ち上がり

 

「適切な指示をありがとう」

 

俺に言い

 

「蒼川も、イイ腕してるよ」

 

互いに褒め合い

 

「さて、準備も整ったし買い物に行くか・・・」

 

俺はHk416を背負いそしてホルスターにSFP-9を入れるそして蒼川に

 

「あ、これ忘れてからやるよ」

 

自分のプレートキャリアのマガジンポーチにに20連のショートマガジンを差し込み蒼川にアーマーベストを差し出す

 

「まぁ俗にいう防弾チョッキだよ、少し重いけども万が一の時に自分の命を守ってくれるものと思ってジャケットの上から着てくれ」

 

蒼川に言い蒼川も着用する。

 

「よいしょっと」

 

蒼川もM24SWSを背負いつつ、俺の見よう見まねでMP7のマガジンをポーチに入れそして7.62×51㎜弾を別のポーチの中に5発一纏めにしつつ入れている。

 

「輪ゴムで5発一組に纏めてるのか?」

 

見つつ横から口を挟むと

 

「ええ、一ノ瀬の416や私のサブのMP7見たく箱型の弾倉じゃないものね。バラで持ち歩く事になりそうだもの」

 

蒼川は言い

 

「まぁイイ、そんなに弾もっていかなくても大丈夫だよ、最初に言った時俺が一通り「掃除」はしておいたから。さぁ行こう」

 

俺は下に止めてあるLAV{軽装甲機動車}に蒼川を案内する。

 

「大きいね・・・・」

 

俺の横で蒼川は言い

 

「こいつは軽装甲機動車、その名の通り拳銃や小銃程度の銃弾ならびくともしない。ガラスも一応は防弾ガラスだ、言い方を悪く言えばその程度の防御能力しかないボンコツ装甲車だな。こういう世界情勢になると流石に装甲車が欲しいからパクったわいいがないよりまし程度だと思ってくれ。」

 

イイながら運転席のドアを開け後ろにHk416を置き蒼川はライフルを抱え込んで乗り込み蒼川も助手席のドアを開け乗り込むそして

 

「一ノ瀬がそこまでボンコツ呼ばわりするなんて相当出来の悪い子なのね」

 

蒼川もシートベルトを付けつつも苦笑して言うが

 

「平和ボケも此処までくるとな・・・・」

 

言う中、燃料計を見て

 

「あっ・・・クソっ燃料補充しないと・・・こいつ燃費も悪いからエアコン付けないで走ってたんだよなぁ・・・ったく」

 

悪態を付きつつ降りると蒼川も降りて

 

「手伝うわ」

 

言いだし

 

「軽油臭くなるぞ」

 

言うが

 

「私達は運命共同体でしょう?手伝う」

 

言い二人で大型作業所から軽油の缶を幾つか持ってきて燃料タンクに入れていく。

 

「良く集めてきたよね燃料もさぁ」

 

蒼川は言い

 

「まだ自衛隊の分屯地にため込んでるよ、弾薬も燃料も」

 

言い

 

「ほんと抜け目がないというか優秀と言うか」

 

笑いながら

 

「次の缶」

 

と携行缶を差し出し

 

「オーケー」

 

燃料をタンクに入れていく。そして

 

「終わった。缶戻して来たら今度こそ出発だ」

 

缶を二人で戻し、車内に入り再度ベルトをして

 

「良し、大丈夫だ出発!!」

 

エンジンをかけ俺と蒼川の二人は目的地のポスポコに向かうのだった。




次回~宝の山~を予定しています。


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第3話~宝の山~

一ノ瀬と蒼川の二人は買い物の為に出かける事に


ポスポコに向かう道中

 

「うわぁ・・・・」

 

周りの惨状を窓から見ながら蒼川は言い

 

「どうした?」

 

運転しながら尋ねると

 

「いや・・・なんというか一ノ瀬に拾われたのがつくづく幸運だな・・・と」

 

言う中

 

「学校の方の物資の状態は因みにどうなってるん?」

 

聞くと

 

「今までは一ノ瀬の友達の木村や加藤に田所に私達の後輩に当たる高本が何とか調達してたけど、木村達は早々に見限ってどこの拠点かわ分からないけど脱出したし、私を追い出した事によって外部に出る事が出来る連中は一部先生だけだし時間を待てば・・・ね」

 

蒼川は答え

 

「成る程な、何大丈夫だあいつらは簡単にくたばるような連中じゃない、それにお前の考えも怖いな」

 

笑いながらハンドルを握る俺を蒼川は

 

「でも・・なんかすごい信頼感ね・・・」

 

言い

 

「サバゲー仲間だしあいつらも海外留学組だぞ?ほんとに周りの事見てないんだな」

 

俺は若干呆れつつも言った。

 

「むぅ・・・・」

 

蒼川は膨れ面になるが

 

「まぁ機嫌治せよ、ほら見えてきたぞ・・・・」

 

俺が指さす方に見えてきた。

 

「本当だ。」

 

蒼川も言い

 

「さてと、此処からは悪路を走行する事になるから掴まれよ」

 

脇道に逸れそのまま砂利道を突っ走る

 

「きゃっ、も・・もう少し優しく運転できないの・・うわ」

 

隣で蒼川に文句を言われるがそのまま少し悪路を走り

 

「ついたぞ」

 

ポスポコ駐車場に出る。

 

「屋上に止めよう。」

 

屋上へのスロープへと向かい

 

「バリケードあるけど・・・・」

 

蒼川が言う中

 

「ああ、俺が敷設したどかしてくるわ」

 

パーキングに入れサイドブレーキを上げLAVから下りバリケードをどかす、そして車内に戻り

 

「さぁて買い物の時間だ。」

 

LAVから下り装備を確認し

 

「行こう」

 

蒼川を伴い買い物カートを取り店内へ

 

「うわ~~広い・・・・それに電源が生きてる・・・」

 

蒼川の第一声はそれだった。

 

「ああ、此処は電源システムが非常時にはソーラーシステムと地熱発電を用意てるから年中何とかなるんだこれが、それよりも前はどんな処から物資の調達してたんだ?」

 

Hk416を持ちながら聞くと

 

「コンビニと近くのスーパーから。あまり量がなくて一部の連中はふてくされていたけれどね」

 

蒼川は言い

 

「まぁイイ、此処はほぼ独占状態にあると言っても言いから当分は心配しなくともいいぞ」

 

言うと

 

「どういうコト?」

 

聞かれ

 

「ここに来る時正面の道は使わなかったろ、あれ正面の道は事故車で二重三重にふさいでるしその先は俺がトラップ仕掛けた。」

 

答え

 

「どんな?」

 

M24SWSを背負い、その手にMP7を持ちつつ聞き

 

「事故車の合間合間に対人地雷仕掛けてる・・・・ケケケケ、よかったなお前ひとりで行かなくてもし行ってたら今頃・・・・・」

 

悪人ズラして言うと

 

「撃たれたいのかしら?」

 

MP7の安全装置を外す蒼川と

 

「おいおい、こんな所で銃撃戦しても意味ないだろ」

 

冷や汗を流しつつ言い

 

「まぁいいかぁ、私が一ノ瀬に助けてもらえたのも事実だしね」

 

銃を下ろし

 

「どういう順序で買い物するの?」

 

聞かれ

 

「お前にカート預けるからまずはお前の生活用品だ。こればっかりは俺が付いて回る訳にもいかないからな、「男」だし」

 

言い

 

「うーん・・・まぁ・・・そうね」

 

蒼川は不本意と言ったような感じではあるものの納得し

 

「じゃぁ、俺缶詰とか洗剤とか食料とか日用品回ってくる。おっと忘れる所だった、こいつやるから連絡くれ」

 

無線機を蒼川に渡し

 

「うん、わかった気を付けて」

 

言われ

 

「ああ、そっちもな」

 

カートを持ち保存食品関係のコーナーに俺は行くのだった。

 

 

 

蒼川真珠side

 

「{一ノ瀬は頼りになるね・・・}」

 

颯爽と食品コーナーに消えてく一ノ瀬の後姿を見ながら私は思った。武器に装備品などそろえてご両親が残してくれた別荘に籠城していたのもいい判断だと思う。

 

「さて私も自分の生活に必要な物揃えないと」

 

カートを押しながら行くのだった。

 

蒼川真珠side終り

 

 

「なんでもござれだな」

 

缶詰・レトルトカレー・シチューやパン・ハンバーグ・サラダ・カップ麺・フレークシリアル・牛乳や水・洗剤などかたっぱしからカートに入る。一回で済まないから何度か分ける。そして数分後

 

「蒼川一旦装甲車に戻ろう」

 

無線を入れ

 

「分かった」

 

出口で待ってると

 

「ごめん、ゴメン」

 

蒼川もカートに服や下着に靴下など必要な物をたくさん入れてきていた。

 

「一旦戻ろう」

 

装甲車に戻り

 

「全部入るの?」

 

聞かれるが

 

「仕方がないから無理やり入れるんだ。」

 

食料や蒼川の服や下着類をひとまとめに入れそして

 

「次は?」

 

聞かれ、逆に俺が

 

「何か欲しいものはないのか?」

 

聞くと逆に返され

 

「一ノ瀬の部屋は?」

 

聞かれ

 

「まぁ・・・ベットにコタツに後はPCにミニ冷蔵庫と電気カーペットかなクローゼットは互いの部屋にあるし」

 

言い

 

「・・・・・・・・」

 

考え込み

 

「分かった、コタツとPCくらいは持ち帰りたいかな後は次着た時でいいわ、無理しなくとも・・・ね」

 

蒼川は言い

 

「ちなみに電気カーペットは予備があるからやるよ」

 

言うと

 

「ありがとう」

 

答え

 

「じゃぁもう少し食料品と日用品後は蒼川の部屋に置くコタツとPCを持ってくるか」

 

2人で内部に戻り必要な日用品や蒼川の部屋に置くものを回収し別荘に戻るのだった。

 

 

 

別荘

 

運び込みが終わり

 

「さて蒼川、部屋に運び込むか」

 

俺は言い

 

「うん」

 

頷き二人で協力しながら蒼川の部屋に運び込み

 

「何処に同置く?」

 

尋ね

 

「うーん・・・まずはカーペットを敷きましょう」

 

蒼川は言いカーペットを二人で敷き

 

「うんうんイイ感じ」

 

頷き

 

「カーペットの上におこた設置しようか」

 

言われ

 

「分かった。」

 

コタツを組み立てて置きその上から布団をかけテーブルを置く

 

「イイ感じじゃね」

 

俺は言い

 

「最後にこの上にPCか」

 

パソコンを置く。

 

「すごくいい感じに部屋飾れたんじゃないか?」

 

言うと

 

「う~ん・・・贅沢言うともう少し・・・彩が欲しいかな・・・」

 

蒼川は言い

 

「次の課題だな」

 

俺は言い

 

「そうだね」

 

蒼川も頷きつつ

 

「そうだ、お前にやった武器はメンテナンスのやり方や教えるから管理は自分でやれよ、悪いが全部面倒見てやれそうにないからさ」

 

言うと

 

「ええ、分かってるわそこまでおんぶにだっこするきもないからさ。それにM24なら自分でもできるけどもただMP7については教えてもらわないときついかな・・」

 

言われ

 

「ああ、そこら辺はちゃんと教えるよ心配しなくとも」

 

答え

 

「わかった」

 

蒼川も頷くのだった。外を見て

 

「さぁてと、風呂掃除と・・夕食の準備するかぁ・・・」

 

俺は言うと

 

「一ノ瀬、夕食だけどさ私に作らせてよ」

 

蒼川が言ったが

 

「病み上がりだし無理しなくともイイから部屋で休んでろよ」

 

俺は言ったが

 

「もう大丈夫よ、生活は分担したほうが効率が良くなると思うわ。それに私喫茶店でバイトしてたし」

 

蒼川が言うので

 

「まぁ・・・じゃぁそうするか・・・」

 

なし崩し的に蒼川が夕食の準備、俺が風呂掃除となった。




次回~非常時の中の平穏~を予定しています。


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第4話~非常時の中の平穏~

非常時の中でもゆっくりとした時間を過ごす日があっても・・・・


あれから数日、俺達は普通通りに過ごした。だが互いに一人じゃないと言う事は良い事であるとも認識できていた。

 

「相変わらず、美味しい食事作るな・・・」

 

言いながら蒼川の作ったご飯を食べ

 

「そう?、家族を除けば手料理を振舞うのは一ノ瀬が初めてだから何とも言えないけども」

 

ダイニングのテーブルに互いに座りつつ食べ

 

「今日はどう過ごす予定?」

 

蒼川は俺に尋ね

 

「どう過ごす・・・と言われても・・・やる事がないしな・・・」

 

俺は答えた。むやみやたらと動けばそれだけ「弾薬」や「装備」に「燃料」の浪費につながる。

 

「逆に聞くが、蒼川は何かしたい事はないのか?」

 

聞くと

 

「うーん・・・特にないのよね・・・これが・・・」

 

蒼川も言い

 

「一ノ瀬は今までどんな感じに過ごしていた?」

 

聞かれ

 

「えっと、此処に来てからはまずは環境を整えるのに時間を割いたな。冬が来るから暖房用の燃料や薪に後は武器・弾薬・装備品それと日用品の回収作業の日々だったな」

 

言い

 

「一ノ瀬もじゃぁ、まともに休む何てことなかったのね」

 

言われ

 

「まぁ・・・・そうなるな」

 

答え

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

蒼川は雪が降る外を見て

 

「・・・一ノ瀬・・・遊ぼっか・・・」

 

言いだし、俺は何となくそれを理解し

 

「・・・・良いよ」

 

俺も言ったのだった。食後に食器を洗い片付けた後俺達はジャケットを着て外に出た。

 

「広いわね・・・なんでもできそう」

 

蒼川は言い

 

「そうだな・・・夏や冬に来てたし、バーべーキューなんかもやったり冬だったらそうだな、かまくら作ったり雪だるま作ったり色々したな」

 

過去の想い出を語っていると

 

「じゃぁ作りましょう、かまくら」

 

蒼川は言うと、中からスコップを2人分もってきて

 

「うんと大きなかまくらを」

 

2人でせっせと雪をかき集め形を整え、そして

 

「中掘るね」

 

またしても蒼川は中から移植ベラを持ってきた中を掘り始める。

 

蒼川が中を丁重に掘り徐々に形になっていく。

 

「どーだー?」

 

中に顔を入れると

 

「結構イイ感じよ・・・」

 

蒼川が中の雪を削っていた。

 

「寒くないか?」

 

尋ね

 

「大丈夫よ」

 

蒼川が集中し掘り進め

 

「これなら二人で中に入れるわ」

 

かまくらの中から出てきて俺の手を取り中に入る

 

「へぇ・・・うまいなぁ作るの・・・・」

 

俺は関心しながら言い

 

「私も小さい頃はお父さんやお母さんと作ったりしたもの・・・」

 

蒼川は寂しそうな顔をして俺のとなりに座り

 

「一ノ瀬ほど私は強くない・・・わ」

 

外を見たまま彼女は唐突に言いだし

 

「・・・・・・・」

 

俺は何も言わずに蒼川の言う事に耳を傾け

 

「あの時私は具合が悪くなった母と父の代わりに薬局から薬を買ってきていたわ。でも家に帰った私がみたのは、ベットで横になっていたはずの母が父を食い殺していた光景だった・・・」

 

蒼川は言い

 

「そこから私は恐怖に支配されて無我夢中で逃げた、避難指定所になっている学校に・・・わき目も振らずに・・・」

 

蒼川の事情を始めて聞いた俺は

 

「・・・十分強いよ・・・お前は・・・」

 

そう言いそっと彼女の頭を撫でた。なんだかんだで時間は経過し

 

「はやいな・・・時間が経つのは・・・」

 

沈みゆく夕日を見ながら俺は言い

 

「じゃぁ、夕食の準備してるわ、巡回よろしくね」

 

蒼川は言い

 

「ああ」

 

一旦自室に戻り、Hk416を取って戻り

 

「じゃぁ、頼むな」

 

俺はいつも通りの巡回に赴いたのだった。

 

 

蒼川side

 

「{・・・・・・・・・・・・・・}」

 

包丁を握りながら私は思っていた。さっき一ノ瀬は私が十分に強いと言ったけれども私から見れば一ノ瀬の方が何十倍いや何千倍と十分に精神的にも強い。

 

「一ノ瀬は両親を亡くして・・・この騒ぎで更に親しい人を亡くして・・それでもあれだけ悲観的にならずに日々を生きている、弱音を吐いた事はないのかな」

 

私を此処に迎え入れてからも淡々と日々を生きている。外は依然として極寒で動く人食いの死体がうろつく地獄だけども

 

「此処は・・・温かい・・」

 

たった二人だけども今までの生活と違う所を私は感じていた。心地よさと言った方が良いのだろうか?一ノ瀬は私を気にかけてくれている。普通だと前に映画かなんかで見たような状況だと女性は大概男に襲われる。でも一ノ瀬は紳士だそんな事もしない

 

「・・・・・・・・・・・」

 

ふと思い包丁の手を止め

 

「一ノ瀬は寂しいとかそういう感情を抱いた事はないのかな・・・」

 

思った。一ノ瀬は今の今まで一人で生き延びてきた、自分の命を自分の判断と自分でモノにした武器と共に。

 

「私よりすごいよ・・・」

 

やっぱりそういう結論に至る。私自身の性格の欠点は私自身が知っている。それが原因で日ごろから恨みつらみを買っていたのに一ノ瀬は私を助けてくれた。

 

「一番裏切ったらいけない相手だよね・・・」

 

呟く。学校に居た時は散々ひどい目にあったけども一ノ瀬は丁重に迎えてくれて部屋まで提供してくれた。私で力になれる事があるのならば精一杯の助力だって惜しまない、だってただ飯喰らいなんて嫌だもの

 

♪~~~♪♪~~~

 

気付けば鼻歌を歌いながら包丁を再度握っていた。

 

蒼川side終わり

 

 

一ノ瀬side

 

「・・・・・・・・・・」

 

周囲に耳を配りつつへ周りの変化を見逃さないように巡回をする中

 

「ふぅ・・・一息入れるか・・・」

 

斜面を歩いてきたが、歩みを止めジャケットの内ポケからチョコを取り出し一口かじり

 

「まったく・・・酷い世界になったもんだ・・・」

 

少ししゃがみ込み

 

「・・・でも蒼川の奴も心に闇を抱えてるんだな・・・・」

 

先程の話を聞き俺は思っていた。俺は両親を軍務で失ったがあいつはこの乱痴気騒ぎで亡くした。俺とあいつでは違うのだ。俺であれば戦争が憎い、あんな欠陥戦闘機を作りやがった「ロ〇キー〇マー〇ィン」が憎い等恨むところはいくらでもあるがあいつの場合は憎む相手がいない。

 

「心のケアも考えてあげないといけないのかもしれないな・・・」

 

チョコレートをかじり終り

 

「さてと・・・パトロール、パトロール・・・」

 

俺はHk416を持ち歩みを進める。

 

互いにまだまだ知らぬ事はたくさんあるのだ・・・・




次回~蒼川の闇~を予定しています。


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第5話~蒼川の闇~

夜にふと目を覚ますと・・・・・


 

一ノ瀬自室

 

「・・・・・・はッ!」

 

人の気配を感じ、突発的に布団の下に隠しているSFP-9を握り気配を感じたほうに目を向けると

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

目を向けると俺をのぞき込む蒼川の姿があった。

 

「どうしたよ・・・こんな夜中に・・・」

 

枕もとの時計を見ると

 

「嘘だろ・・・真夜中の1時とか・・・」

 

規則正しい生活をする蒼川に何がと思い

 

「蒼川、どうした?」

 

聞くと

 

「・・・・一ノ瀬が死ぬ夢をみたの・・・また一人になる夢を・・」

 

泣き腫らした顔をしている

 

「おいおいそんな簡単にくたばってたまるか」

 

慌ててベットから起きる中

 

「もう・・・・もう一人は・・・一人は嫌だよぉぉ」

 

そこにいる蒼川は俺がいつも見る冷静な彼女ではなかった

 

「だぁぁ・・・ええっと・・・その・・・なんだぁ」

 

こういう状況には慣れていない分対応に困る。蒼川は俺に飛び込んできて泣きまくるしで

 

「なぁ、頼むって落ち着いてくれって・・ほら俺死体になってないだろ?」

 

あの手この手で泣き止ませようとするも全部逆効果、挙句に「死体」の単語に反応し余計に泣かせてしまう始末である。

 

「{ああ、亡き親父・・・お袋・・・こういう時どう対処すればいいのですか?戦闘技術は授けて下さいましたが女性の扱いなんて俺の辞書にないです・・・どうすればいいんでしょうか、アーメン}」

 

思わず心の中で呟き天井を仰いでしまう。俺自身は恋愛には疎い傾向にあった。アウトドア{釣り・バーベキュー・キャンプ}や友人らとサバゲーでの遠征等1人orわいわいするようなことばかりでこの年になるまで女性との交際経験は皆無だ。そして数分後、蒼川は泣き止み

 

「なぁ・・・何があったか教えてくれ出ないと俺も対処できない」

 

言い

 

「今まで・・・こんな夢見なかった・・・夢に両親が出てきたの」

 

蒼川は話し始め

 

「・・・・・・・・・」

 

耳を傾け頷き

 

「既に、「あいつら」の仲間入りをした姿で・・・私に襲い掛かろうとした時に貴方が私の盾になったの「逃げろッ」・・「逃げろッ」て言いながら両親に喰われて死んでった・・・私は何もできずに・・・その光景を眺めてるだけだった・・・そこで目が覚めた」

 

蒼川は俺を見ながら言い

 

「気づいたら、涙が止まらなくなってた・・・ひとしきり泣いて貴方が本当に生きてるのか不安になって・・・・」

 

バツが悪そうに蒼川は言い

 

「成る程な、それだと俺の経験上「別離」の恐怖から来てるな」

 

蒼川の顔を見て言い

 

「別離の恐怖?」

 

蒼川は言い

 

「まぁ、突っ立ったままだと寒いだろ、こた・・・今からだと時間がかかるかぁ仕方がない布団に入っても構わないよ」

 

そういうと彼女はおずおずと入り

 

「少し昔の話になるけども、俺の両親は自衛官・・・まぁ軍人だった。俺も尊敬してたし将来はッて思ってた。でもお袋は戦闘機の墜落事故で、親父はアホ朝鮮共の戦争のとばっちりで殉職した。その後俺は蒼川みたくなった事が一時期あった。夢に両親が出てくる。でも自分は何もできないというジレンマ、そして目を覚ますと泣いてるんだ、それが夢か現実か判別出ずに当時は翌日の朝に育ての親だった叔母夫婦の顔を確認したもんだったよ」

 

俺は言い

 

「言い方が悪くて済まないが、蒼川は既に両親と死別した。でも今まではその事を考える暇がないほどに状況が不安定だったが、今安定した生活をしている事で心に余裕が出始めてるからこそその夢を見たのではとも言える。現実と向き合わないといけない、とでも言うべきか・・・」

 

言葉を選びつつ答え

 

「別離・・・・あってるかもしれない」

 

蒼川は呟き

 

「両親を亡くして・・・そして学校から追い出されて、これ以上に行く場所がない中一ノ瀬に助けられて、でも一ノ瀬が死んだらまた一人になっちゃう・・・そんな恐怖があんな夢を見せたのかなぁ・・・」

 

言い

 

「そればかりは俺には全部わからない。でも似たような経験は俺もしているよ。時間が解決してくれるのをまつしかないな」

 

答え

 

「一ノ瀬の言いたい事は何となくわかった・・・」

 

蒼川は頷き

 

「でも・・・一晩、此処にいてダメ・・・かな」

 

言われ

 

「さ・・流石にそれはマズイ・・・って」

 

答え

 

「それは・・・・私が「女」だから?」

 

蒼川は言い

 

「分かり切った事を言わないでくれ、互いに困りたくないだろう?俺だってこれが原因で関係がギクシャクしたくない。今の今まで一人だった俺にとって「蒼川真珠」という存在がどれだけ助けになってるか、頼むから聞き分けてくれ俺達「17歳」だぞもうガキって年でもないんだからさ」

 

言いくるめようとするが、

 

「うん、そうだね17歳だね・・・自分の決断には責任をある程度は持たないといけない年頃ね、私は一ノ瀬を信じて此処に身を寄せたそれで「万が一」の事考えなかったとでも思ってる?」

 

言われ

 

「・・・・・ハァ・・・」

 

ため息をつき、俺はベットから起き上がり、そのままクローゼットを開け

 

「ベットはお前が使え、冷たい床に女を寝かせるほど俺も悪党に成り下がるつもりもいない」

 

キャンプや天体観測で使っていた寒冷地でも対応する寝袋を取り出し床に敷き

 

「わ・・悪いよ・・・部屋の主が床で私がベットなんて」

 

蒼川が慌て始める中

 

「なら、おとなしく部屋に戻ってくれれば全て解決なんだが、無理なんだろ?ならしゃぁないだろ。風邪ひく前にさっさと寝ろ」

 

蒼川に言い、寝袋に潜り込み

 

「お休み~~」

 

さっさと目を閉じた。しかし・・・この対応がいけなかったと後々に思い知らされることになるとは・・・・この時俺は思いもしなかった。

 

 

 

蒼川side

 

あれから少し時間が経ったもののやはり眠れない、あんな事を言っときながら隣で男が寝ていると思うと

 

「{一ノ瀬も緊張してるよね・・・・って}」

 

私は横を見て唖然とした。

 

「zzz~~~~~~~zzz~~~~~zzzz~~~」

 

一ノ瀬は普通に寝ている。同じ部屋で異性と一緒にいるのに

 

「・・・あれ・・・これもしかしなくても私・・・女として見られていない?!」

 

思ってしまった。さっきは一ノ瀬はああは言ったけども私だって容姿にはそこそこ自信はあるつもりだ。でも一ノ瀬は全くの無反応。模範的紳士対応ともいえるでもそれが余計に「女」としての私のプライドを逆なでする。

 

「{ちょっとそれはないんじゃないんですか、一ノ瀬君}」

 

私は毒付きつつも

 

「{ええい、こうなればヤケよオールナイト上等じゃない}」

 

脇で寝息を立てる一ノ瀬に理不尽にも腹を立てつつも目を瞑る私だった。

 

蒼川side 終わり




次回~クリスマス準備~を予定しています。


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第6話~クリスマス準備~

翌日、蒼川から提案を受ける事に・・・・・


「クリスマス?!」

 

ドンッッ

 

巡回に同行してきた蒼川を尻目に、巡回ルート上に居る感染者を射殺して言い

 

「ええ、どうかしら?いかに非常時でもそういうささやかな楽しみはあってもいいと思うのだけれども」

 

ダンッッ

 

蒼川も俺の射線から外れたターゲットに銃弾を叩き込む。

 

「なるほどな、・・・・・・」

 

少し考え込み

 

「そうだよな、いくら非常時でもそういうささやかな楽しみはあってもイイよな、よし急いで準備にかかるか。必要な物は「あそこ」に取りに行けばいいし」

 

俺も蒼川の提案に賛同し

 

「朝ごはん食ったら早速行くか」

 

言い

 

「うん!」

 

蒼川も頷くのだった。

 

 

 

 

朝食後

 

「ひぃふぅみぃ・・・」

 

弾倉の確認をし

 

「一ノ瀬、4.6㎜そっちにない?」

 

蒼川が言い

 

「ああ、ほら」

 

弾の入った箱を渡す。俺は5.56㎜弾をショートタイプの弾倉に弾を装着する。

 

「よし・・・これで10個」

 

テーブルの上に5.56㎜弾が装着された弾倉を10個置き

 

「蒼川、そっちは?」

 

見ると

 

「ちょっと・・・この・・まって」

 

弾倉に弾を込めるのに四苦八苦しているのがうかがえる。

 

「悪い、教えなかったもんな弾の装着方法見てろよ」

 

蒼川の方に置いてあるMP7のショートタイプの弾倉を一つ持ちあと数発の4.6㎜弾を持ち

 

「やり方はこう、よく見てろよ」

 

カチャ・・・カチャ・・・カチャ・・・・カチャ

 

馴れた手つきで俺は弾を込めていく。

 

「ほれ1つできた」

 

蒼川の前に1つ置く

 

「そ・・そんなあっさり・・・」

 

蒼川は言うが

 

「お前もある意味不器用だよな、M24にはすました顔して弾薬リロードするのに何で箱型の弾倉はだめなのか?」

 

言うと

 

「ありがと、成程・・そうやると良いのね」

 

呑み込みがいいのか慣れた手つきで蒼川は弾倉に弾を込めていき

 

「はい、出来たわ」

 

10本の弾倉を置くが

 

「・・・・・・・・・」

 

おもむろに1本を俺は取り、手でパンパンと軽く叩く。

 

「よしオーケー」

 

その一本を置き

 

「必要な物を持って来るが、どんなものを考えている?」

 

聞き

 

「えっと・・・・色々ね」

 

蒼川は言い、

 

ケーキの材料

フライドチキンの材料

その他オードブルに使えそうなもの

ジュース

お酒?

 

等など言われ

 

「お前もまじめな顔して酒ってなによ酒って」

 

突っ込むと

 

「え、今更じゃない。」

 

言われるが

 

「もはや何も言うまい・・・・」

 

俺はこれ以上蒼川に言う事を諦めた。こうして俺達は再度、買い物に向かうのだった。

 

 

 

ポスポコ

 

「えっと・・・・・」

 

あれからポスポコに出向き二人で使えるものを大量に買い物カートに突っ込む

 

「蒼川・・・大丈夫なのか?なんか話を聞く限りだと超本格的にやるみたいだが」

 

Hk416をぶら下げた状態で周囲に目配りしつつも蒼川に尋ね

 

「大丈夫よ、私この乱痴気騒ぎが起きる前はアルバイトで喫茶店で働いていたから色々な料理は出来るわよ」

 

自信満々に蒼川は言い

 

「ハァ・・・だとしたら今頃学校の連中は後悔してるだろうな、木村達が抜け、蒼川を追い出して、なんとバカな連中か・・・笑える」

 

苦笑しながら言い

 

「まぁそれは仕方がないよ、あっちに居た時は料理は出来なかったし、殆ど出来合いの物で済ませてたからさしょうがない所もあるよ」

 

蒼川は言い

 

「大まかなメニューは分かったが今日の夜のパーティーの具体的なメニューはなんだ?」

 

聞くと

 

「内緒よ、ふふ」

 

返され

 

「分かったよ、シェフ様の気まぐれコースと言う事で楽しみにさせてもらうよ」

 

俺も苦笑するのだった。




次回~クリスマス~を予定しています。


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第7話~クリスマス~

聖なる夜に、外は死者が彷徨う生き地獄、だがそんな事態でもささやかな楽しみがあっても・・・・・・


20XX年 12月24日 クリスマス

 

「さてと、今日は聖なる夜ね」

 

蒼川は言い

 

「聖なる力で人肉を喰らう死体をどうにかしてくれればどれほど救われる事か」

 

皮肉を言い

 

「はいはい、皮肉言わないの一ノ瀬も」

 

蒼川に言われ

 

「はい・・・」

 

黙る事にした。既にテーブルには贅沢な料理がこれでもかと並んでおり

 

「ほんとすごいな蒼川、お前こんな事なかったら将来画家もそうだけどもさいい奥さんにもなれると思うよ」

 

言い

 

「私をお嫁さんに欲しいなんて言う男がいればそれは私の容姿だけしか見てない男よ。中身を知ればあっという間に破綻がオチよ」

 

皮肉を言い

 

「今日は思いきり腕によりをかけてみました」

 

蒼川は言っている。

 

「これは凄い、本当に」

 

俺は素直に蒼川の腕をほめる。

 

「お勧めは?シェフ」

 

聞くと

 

「この、バターチキンカレーかな、会心の出来よ」

 

その他にもダイニングのテーブルにはケーキやフライドチキンに唐揚げにコーンスープ等など所狭しとメニューが広がっていた。

 

「ほんとに、お前は凄いな・・・」

 

テーブルのメニューを見て言う

 

「年に一度だものいいじゃない?」

 

蒼川は言い

 

「まぁ・・・そうだよな、これで平和なら文句なしのメリークリスマスなんだがな」

 

俺は言った。外部の情報は離島に拠点を移した、マスゴミや自衛隊それに米軍などの情報が定期的に流されている。

 

「来年はどんな一年になる事か・・・」

 

「籠ってばかりの生活から抜けられると良いんだけれども・・・」

 

蒼川も言った。事実此処に籠るのも限度がある。弾薬・食料・燃料・日用品、万が一に備えた医薬品等などは無限にある訳ではない、戦えば弾薬が減る、移動すれば燃料が減る、腹が減れば食料が減る、今の所は大丈夫でも長期的な目で見ればそれは分からない。

 

「過ぎ去る年が最悪でも迎える年が最高だといいな」

 

言い

 

「ええ、そうね起きた事実は変えられない、でも私達はこの起きた事を後世に伝えるために生き残る。何が起きても絶対に」

 

互いに言い

 

「さぁ、せっかくのディナーが冷めちゃうわ、頂きましょう」

 

蒼川が言い俺も蒼川も椅子に座り、そして互いにクラッカーをもって

 

「せいのっ」

 

「「メリークリスマス」」

 

言い互いにクラッカーの紐を引く

 

「料理はいっぱいあるわ、たっぷり召し上がれ」

 

蒼川が言う会心の出来というバターチキンカレーが盛り付けられた皿とサラダそしてカップにはポタージュスープに皿には切り分けられたチキンと至れり尽くせりだった。

 

「頂きます・・」

 

バターチキンカレーを一口食べると口の中にいっぱいに美味さが広がると同時にそれでいて懐かしい味が広がる

 

「{あ・・・あれ・・・この味・・・・!、お母さんの味・・・だ}」

 

それを思い出し何も言わずに食べ

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

顔を上げると

 

「い・・・一ノ瀬・・・」

 

蒼川が言い、俺はその時初めて気づいた、自身が「泣いている」と言う事に

 

「えっ?!嘘泣くほどマズイ・・口に合わなかったかしら」

 

蒼川が慌てるが

 

「違う・・・違うよ・・・」

 

俺は言い

 

「もう・・・食べられないと思ってた・・・まさか・・・蒼川が作れるなんて」

 

溢れる涙を拭き

 

「ありがとう・・・またこのバターチキンカレーを食べられるなんて」

 

俺は言い

 

「えっと・・・聞いてもイイかな」

 

蒼川は言い

 

「ああ、前にも話したけども俺のお袋、航空自衛官だったお袋の得意料理がこのバターチキンカレーだった、亡くなる前に「帰ってきたらまた作ってあげるから」って言ってお袋は行って、欠陥戦闘機のせいで殉職した、何度と自分であの味を再現しようと頑張ったつもりだったけども出来なくて、とうとう諦めた「味」だったんだ」

 

蒼川に言うと

 

「そう・・・良かった、今度から食べたくなったらいつでも言って私じゃんじゃん作るからさ」

 

蒼川は言うが

 

「レシピは教えてはくれないのか?」

 

俺が言うも

 

「秘密よ」

 

蒼川は言った。懐かしの味をかみしめつつバターチキンカレーを食べ

 

「ケーキ・・か」

 

俺は言い

 

「ええ、スポンジケーキはポスポコから持ってきたものよ、デコレーションは私が行ったわ」

 

その後ケーキを食べ

 

「美味しい、こんなに料理上手って神様は蒼川に二物を与えになったのかアーメン」

 

俺がバカを言っていると

 

「ふふ、私を拾って得したみたいね」

 

蒼川は言い

 

「人を物みたいに言うのは好きじゃないけども、こんな身近に「お袋」の味を完全再現してくれる人がいるのは思わなっかた。」

 

言うと

 

「私は貴方のお母さんじゃないわよ」

 

言われ

 

「でたな、氷の悪魔」

 

俺は言い

 

「もう!」

 

蒼川も言う、その後語り話に花を咲かせ

 

「この分だと大晦日も期待できそうだな」

 

俺は言い

 

「年越しそばの事?、任せなさいな手打ちで作ってあげるわよ。必要な物も既に持ってきてるし」

 

蒼川は言い

 

「そいつは頼もしいな」

 

俺も頷き

 

「さぁて、パーティーももうお開きね」

 

2人でキッチンに食器を運び

 

「蒼川は休んでいてくれよ、皿洗いくらいはさせてくれ」

 

言い

 

「うん、じゃぁお言葉に甘えて」

 

皿洗いをしながら蒼川を見て

 

「{ほんとにうちの学校の奴らは見る目が腐りきってるな、「絵画」が絡まなければこんなにも家庭的なのにな、料理もうまい・・し・・ん?}」

 

そこではたと気付く

 

「{あれ・・もしかして・・・俺・・蒼川に「惹かれてる」のか?・・・}」

 

思い

 

「{こういう非常時にある吊り橋効果っても言うしな・・・}」

 

感じ

 

「まさかな・・・・」

 

呟くと

 

「何が「まさかな」なの?」

 

蒼川に言われるが

 

「なんでもないよ、独り言独り言」

 

言った。

 

 

優希 自室

 

ベット

 

「なぁ・・・自室で寝ないのか?」

 

隣で猫のように丸くなっている蒼川に言い

 

「え、・・ダメ・・・なの?」

 

言われ

 

「お前ちゃっかりと俺のベットに潜り込んでるけどなぁ」

 

言葉を続けようとしたが

 

「・・・・・まぁ・・・いいか」

 

言い

 

「え?!」

 

横で驚く蒼川を尻目に

 

「お休み、蒼川」

 

言うとさっさと寝る事にしたのだった。

 

 

蒼川真珠side

 

隣で寝息を立てている一ノ瀬を見ているとやはり思う

 

「{私は・・・「女」として見られていない・・と}」

 

「はぁ~」

 

小さくため息をつきつつも

 

「{隣で少なくとも女が寝てるなら少なくとも邪な考えが浮かぶものじゃないの?私は怒るつもりはないのに・・・紳士的対応も行き過ぎるとイラッと来るわね。}」

 

思いつつも

 

「{それでも、リスクを冒してまで助けてくれて面倒を見てくれて対等に扱ってくれて何よりも私の一番めんどうな人格を否定もせずに受け入れてくれる}」

 

ここで真珠自身は思った

 

「{あれ・・・私・・・一ノ瀬に「惹かれてるんだ、好きなんだ」・・・}」

 

一度そう自覚してしまうと面倒な事になるのを2人はまだ知る由もない。




次回~トラップ敷設~を予定しています。


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第8話~トラップ敷設~

その日、優希はある決断をする・・・・・


クリスマス明け、翌日

 

「トラップ?」

 

蒼川の間の抜けた顔を見て

 

「ああ、此処の斜面に罠を仕掛けたいんだが、どう思う?」

 

蒼川に聞き

 

「うーん・・・・・」

 

蒼川は俺の書いた簡単な見取り図を見て

 

「でもここさロッジに通じる正面の道だよね・・・此処に仕掛けても大丈夫なの?」

 

聞かれ

 

「ああ、このロッジに来る道は裏道があると言うか裏道の方が近い」

 

説明し

 

「成る程ね・・・私は言いと思うよ、変な連中に此処見つかると大変だと思うし」

 

蒼川も賛同し

 

「で、トラップには何を使うの?」

 

聞かれ

 

「よくぞ聞いてくれた、こいつだ」

 

机に二つの道具を置く

 

「え・・・ナニコレ?」

 

蒼川は言い

 

「こいつは簡単に言えば手榴弾だ。このピンを抜いて約3秒後にはドカンだ」

 

説明し

 

「こっちは・・・・細かく説明するのが面倒だから一言「対人地雷」。」

 

言い

 

「で、どう仕掛けるの?」

 

蒼川は言い

 

「まずは手榴弾を対角上に設置しその間にこいつを置く。これは一応遠隔操作しないと起爆しないからこいつの正面に立っても大丈夫だ。手榴弾の起爆をこいつの起爆にも利用する。」

 

説明し

 

「分かったわ」

 

頷き

 

「じゃぁ、外に行くか一応感染者がいるかもしれないから銃持ってくるのをわすれるな」

 

互いに部屋に行きジャケットを羽織り俺はプレートキャリアを装備しHk416を蒼川もボディーアーマーを装備しMP7をもってきて

 

「じゃぁ行くか」

 

外に出て二人で箱に詰まった手榴弾と対人地雷を敷設する場所に運ぶ。

 

「よいしょっと」

 

蒼川が手榴弾のケースを置いた時

 

「あっ」

 

ケースから一個が落ち

 

「おっと」

 

それを取ろうとした互いの手が触れる

 

「「!」」

 

「ごっ・・ごめんなさい」

 

「わ・・悪い」

 

俺も蒼川も互いに謝り

 

「・・・・さっさとすませましょ」

 

蒼川に言われ

 

「あ・・ああ分かった」

 

俺達は一か所目の場所に罠を仕掛けた。対角線上の木に手榴弾紐で固定し設置した手榴弾のピンとピンをワイヤーで通し連結するそして、手榴弾の間にカモフラージュした地雷を設置しうまく手榴弾の爆発に巻き込まれて起爆するように配置する。

 

「よし・・・こんなもんかな」

 

一か所目を終え

 

「うわ~~、こうしてみると全然判別つかないわね・・・」

 

蒼川は言い

 

「ああ、罠だからなだ。目立たないようにしないと意味ないだろう」

 

言い

 

「あと一ノ瀬、此処に私達が分かるように私達にしか識別できない目印つけていった方が方が良いと思うんだけどもさ、事故防止に」

 

蒼川が提案し

 

「そうだな・・・そうするか」

 

俺も頷き、木の一部にナイフで目印を彫り込んでいった。そして

 

「作業完了ね、怖いけども二か所目行きましょうか」

 

二か所目に移動し

 

「ふぅ・・・骨が折れる作業ね」

 

蒼川と手榴弾と地雷の確認をしていた時だった

 

チャキン

 

「「え?!」」

 

嫌な音がし音源の方を見ると、蒼川のMP7の銃口に引っかかり安ピンが外れた手榴弾が1個あり周りには数個の地雷と手榴弾がある

 

「伏せろッッ」

 

その一個を素早く取り間髪入れずにほおり投げ、反応しきれていない蒼川を押し倒す形になるがその上に対爆防御姿勢を取り覆いかぶさる、コンマ秒後に

 

ドォォンッ

 

爆発の音が聞こえ

 

「だ丈夫か・・・・・あお・・・」

 

蒼川が怪我をしていないかを確認しようとしたが

 

「・・・・・・・・・・」

 

蒼川は顔を真っ赤にしていたが、直ぐに

 

「一ノ瀬・・・額・・・・」

 

言われ

 

「え?」

 

額を触ると薄っすらと鮮血が流れてきていた

 

「あ・・・クソ・・軽く切ったかな・・破片かなんかで」

 

直ぐに蒼川からどき、プレートキャリアに付けているメディカルキットポーチからガーゼとテーピングテープを取り出し、処置しようとした時

 

「私がやるわ、自分でだと見えないでしょ」

 

蒼川は俺の正面に座り込み

 

「ほっ・・・良かった、ザックリはやってないわ・・・」

 

テキパキと処置をする傍ら

 

「ごめんなさい、ごめんなさい・・周りをよく見てなかった私のせいで・・・・」

 

蒼川は謝り

 

「まぁ・・・起きた事はしょうがないよ、幸い死人は出なかったんだし何よりお前に怪我がなくてよかったよ、蒼川は女だしな女の怪我と男の怪我じゃあまりにも違い過ぎるからな、それに手榴弾の怖さも分かったろ、もしあれが密集地で爆発したら」

 

俺は言うと

 

「ええ、想像したくすらないわよ、それでも怪我なんてしないに越した事ないわ、その原因を作ってしまった私が言えた事じゃないけれども」

 

言ったが

 

「まぁ蒼川の不慣れな所をちゃんと考慮しなかった俺の責任の分もあるからな、そこはまぁ言わないでさ」

 

処置を終え

 

「さぁ、慎重にかつ迅速に残りの設置作業を終えよう。」

 

蒼川の肩に手をおいて言い

 

「・・・うん、わかったわ」

 

少しまだ気にしているようだったが

 

「さっ、作業作業」

 

気にする時間も与えずに設置作業と調整作業を行う。

 

「ふぅ・・・二か所目完了・・・トラブルも起きたが、ちゃんとできたな。」

 

設置後の場所を見て言い最後に目印をナイフで掘り込み

 

「よしよし、あと一か所だな・・・」

 

その後、最後の一か所に移動し、罠を敷設する。

 

「ふぅ・・・なんやかんやでできたな・・・」

 

「後は此れが起爆するかどうかでしょ?」

 

聞かれ

 

「大丈夫だろ、このワイヤーに引っかかるようなのは素人くらいだよ、本職の例えばそうだな、自衛隊員やガチムチの特殊部隊員後は、俺みたいなミリタリーオタクだったらこんなちゃっちいトラップなんかは見抜くだろうさ。」

 

皮肉を混ぜて言い

 

「まぁでもそのおかげで私も一ノ瀬も助かってるわけだしさ、悪い事ばかりじゃないと思うわ」

 

蒼川は言い

 

「そうだな・・・あ~あ疲れた、もう今日は仕事しね、帰ろ帰ろ」

 

道具をもってロッジに戻る俺と

 

「あっ!待ってよ~」

 

後を追いかけてくる蒼川だった。




次回~大晦日~を予定しています。


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第9話~大晦日~

一年の終わりが今年も訪れる、外は地獄でも節目の日を過ごす・・・・


一ノ瀬家 ロッジ

 

「もう幾つ寝るとお正月・・・・か」

 

テーブルでHk416を分解整備しつつ言い

 

「ふふふ、もう今年も終わりなのね・・・今年を一言でいうならば?」

 

蒼川は俺に問い

 

「言うまでもないだろ、悲劇の1年だろうな・・・大多数の人が死んだ・・C共ウィルスのお陰でな。できるならば「目には目を歯には歯を」報復の掟を実行してやりたいんだがな」

 

言い

 

「私は、確かに悲劇の1年と言う所は同じだけども一つ一ノ瀬と違うと言うならば私はね「幸運」の年ともいえたわ。」

 

蒼川は年越しそばの準備をしなながら言い

 

「私はあそこを・・・学校を追い出された時点で死のうとさえ思っていたものでも、そんな所を一ノ瀬に拾われて、救われたわ、これが幸運じゃないとしたら何を幸運と言うんだろうってね」

 

蒼川は苦笑しつつ言い

 

「今は・・・・23時02分・・・か、もう一時間もないんだな・・この悲劇の年が終わるまで」

 

俺はHk416の各部品の汚れを落とし、油を塗布する傍ら、部品の損耗具合を確かめる。

 

「ふぅ・・・・部品もそんなに損傷も摩耗もしていないな・・・良かった」

 

呟き、銃を組み上げていく。

 

「蒼川、そば何時頃できる?」

 

尋ね

 

「貴方のタイミングでいつでもいいわよ」

 

学校の指定ジャージにエプロン姿の蒼川は言い

 

「分かった、じゃぁそろそろ食べようか・・・年越す前に」

 

言い

 

「分かったわ、じゃぁもう作っちゃうね」

 

蒼川は準備を始め、

 

「{今のうちに弾薬も装着するか}」

 

内心思いつつショートタイプの弾倉に5.56㎜弾を装着していく。

 

「{こいつも後どれくらい持つかな・・・来年は一度、装備の残量の確認をしないとな、後は情報も・・・・}」

 

弾をマガジンに装着しつつ来年の行動を考え

 

「なぁ、蒼川・・・・おまえさ自宅に一度行ってみたくはないか?」

 

タブーだとは思ったが蒼川に尋ねてみる。

 

「えっ・・・・・」

 

蒼川は調理の手を休めそして俺を呆然とした顔をで見るが

 

「ほら、えっと・・・自宅にさ残した大事なものとかさ後は着替えとか取りに戻れるじゃん?」

 

努めて冷静にかつ合理的に言ってみる

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

蒼川は少し考えるように黙り込み

 

「うん、そうだね着替えとかも持ち帰れるしアリと言えばアリよね、近く行きましょうか」

 

蒼川は言うと再び調理に戻る

 

「{・・・まだ動揺してるな・・・無理もないよな・・・}」

 

蒼川の表情を見つつ感じ取った。

 

「さてと・・・・」

 

ジャキンッ

 

Hk416を組みつけ

 

「蒼川、ちょっと部屋に銃おいてくるわ準備頼むな」

 

言うと

 

「ハーイ」

 

返事が返ってくるこうして自室に戻り

 

「よいしょっと」

 

銃を置き

 

「後少しで今年も終わりか・・・・来年もどうか無事に一年生き残れますように」

 

1人祈る俺だった。下に戻ると既に出来上がった年越しそばが置かれており

 

「食べましょう?」

 

蒼川に言われ席に着き

 

「「頂きます」」

 

2人で時計を置きつつ年越しそばを食べ終え

 

「ふふ、後数分で新年ね・・・」

 

蒼川は言い

 

「ああ、そうだな」

 

俺も頷きつつスマートフォンの時計を2人で見て過ごし

 

「「5・・・・4・・・3・・・・2・・・・1・・・・・・あけましておめでとうございます」」

 

2人で挨拶を笑顔でかわし

 

「今年もよろしくね」

 

蒼川は言い

 

「こっちもよろしく」

 

しんしんと雪が降る外を見つつ俺も言うのだった。




次回~新年~を予定しいています。


今年最後の投稿になりますが、来年もどうぞよろしくお願い致します
by駄作者


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第10話~新年~

年が明ける、だが外は依然として死が蔓延する異常な状態・・・・・


優希 自室

 

「ふぁぁぁ~」

 

あくびをして周りを見ると

 

「うわぁ・・・・これは酷い」

 

昨日は年越しと言うのもあってかノリで蒼川もこの部屋で過ごし、二人で結構騒いでしまった。

 

「蒼川、おい起きろって」

 

コタツで爆睡してる蒼川を起こし

 

「うーん・・・・・・・・・・・・・」

 

目をこすりながら蒼川は起きるが、周りには缶チューハイの空き缶が散らばっており

 

「意外だよ、あそこまでお前が酒強いなんて」

 

俺は言い

 

「言わないで・・・割と後悔してるから」

 

蒼川は言い、俺は昨日を振り返る。

 

 

昨日、年越し後 優希 自室

 

「でさぁ、普通だと此処はガキ使だろ、まぁこんな状況じゃ見れないけどもさぁ」

 

俺は言い

 

「うん、分かる分かる、おバカな所が面白くてさ毎年見るんだよねぇ」

 

蒼川も頷きつつ缶を手に取り

 

「さぁ、一ノ瀬も飲もチューハイ」

 

以外にまじめな蒼川が法を破るなんてのは珍しいと思ったが

 

「・・・そだよな・・・今更だよな・・・」

 

俺も思っていた、自衛隊の分屯地に侵入し武器、弾薬、糧食、燃料を強奪し独り占めした上に物資集積場代わりにしている。その上別の場所もしかりだ。このような状況になれば法等機能しない、力なきものが命を落とし力を持つものが次に命をつなげるそんな世界に変わろうとしていたのだから、そう思い

 

「良し、飲もう・・・飲まないとやってられん」

 

蒼川からメロン味の缶チューハイを受け取り

 

「「カンパーイ」」

 

互いに封を切り口に含む

 

「あ~美味い・・・・チューハイとかよく叔父叔母の目を盗んで飲んだっけな、懐かしいなぁ」

 

俺は感傷に浸りつつも言い

 

「え~~一ノ瀬も悪党ね・・・」

 

蒼川は反応し

 

「普通じゃないか?俺達の年頃だと大体は酒の味を覚えるだろう?」

 

俺は言い

 

「まぁ・・・そうよね、実は私もだしね」

 

意外な事を聞き

 

「本当かよ、絵画一筋でこう言っちゃぁなんだがノリが悪そうだってイメージあったからなぁ・・・・」

 

蒼川に言うと

 

「え~~何それ酷ーい」

 

蒼川に言われ

 

「だってしかたがないやん、すごい真面目なイメージだしさ」

 

互いにどんどん煽っていく、すると

 

「一ノ瀬はさぁ、こんな事になる前にさぁ気になる異性とかいなかったの?」

 

チュハイの缶片手に蒼川は顔を赤くしながら言う、酒で酔ってるのかはてまたシラフなのか俺には全然判別できる状況じゃぁない。

 

「うーん、どうだろ俺モテた試しないし・・・俺が気になる異性ねぇ・・・」

 

少し考えるがなぜかそこで蒼川の顔が思い浮かぶ

 

「・・・・・あれ?・・・・・」

 

呟くと

 

「うーん?」

 

首をかしげる蒼川が居た。

 

「まぁ、いいや」

 

グイっと酎ハイを飲み

 

「もう一つ・・・・・・・」

 

ナンテ調子に乗り俺も蒼川もかなりの量の酒を飲んだのだが

 

「案外いけるものなんだな・・・・」

 

俺は一人納得し

 

「えー、もっと飲みなよほら一気、一気、一気」

 

蒼川に煽られるように飲み

 

「おー・・・効く効く・・・・」

 

缶を置き

 

「次は私ね」

 

蒼川も俺同様に一気飲みを行い

 

「ぷはぁ~~」

 

缶を置き

 

「ここらでやめておこう、急性アル中になったらヤバイ」

 

俺は蒼川の缶チューハイに手を置き

 

「ほらほら、もういい時間ださっさとねようって・・・・・・おい?!」

 

蒼川は既にコタツに突っ伏して寝てしまっていた

 

「zzzz~~~~zz~~~~~~zzzzzz」

 

既に寝落ちしている蒼川にそっと布団をかぶせ

 

「お休み・・・」

 

さっさと布団に入り俺も眠りに落ちていくのだった。

 

回想終わり

 

 

「昨日の事覚えてるだろ?酒飲むとあんなに変わるのな、びっくりだわ」

 

俺は言い

 

「言わないで!!」

 

顔を赤くし蒼川は言い

 

「まぁまぁ、お前の新し一面が見れて俺も儲けもんだったよ」

 

言い

「っつ~~~~~もう一ノ瀬のばかばかばかッ!!」

 

部屋に置いていたクッションで殴られ

 

「あうち」

 

〆られる俺だった。

 

そして、なんだかんだでグダグダに過ごした夜

 

 

ダイニング

 

「よいしょっと」

 

弾薬ケースに装備品にと持ってくる俺に対し

 

「どうしたの?まるで戦争にでもしに行くみたいだけども」

 

蒼川に言われ

 

「・・・・市街地に行く・・・・」

 

一言言うと

 

「え・・・・・」

 

蒼川は言い

 

「まって、一ノ瀬だって此処に生活に必要なものあるじゃない、何しに行くの?!」

 

蒼川は焦りつつも言い

 

「弔い・・・・・かな」

 

俺は言いながら弾倉のチェックを始め

 

「俺の叔父も叔母も・・・「そのまんま」だからさせめてもの恩返しかな」

 

言い、白迷彩のポーチに弾倉を入れていく。市街地に行くと言う事もあり多めに弾をもっていく。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

蒼川も黙って最初は見ていたが

 

「私も行く・・・自分の両親・・・そのままだもの・・・」

 

蒼川は言い

 

「無理しなくとも良いんだぞ・・・見ると余計につらくなる時もあるんだ、必要なら俺が・・・・・」

 

言うと

 

「一ノ瀬一人で行って万が一があったらどうするのって」

 

若干怒り気味の蒼川に言われ

 

「まぁ・・・・そん時は・・・それが俺の死に場所だったってあきらめるしかないな」

 

俺は言うと

 

「だったら私も一緒に死んであげる。一人で生きていてもどうしようもないもの。死人に食べられるくらいならね」

 

蒼川は言い

 

「はぁ~・・・お前ホントに・・・わかった、俺の傍離れるなよ。」

 

言うと

 

「うん!」

 

蒼川は言い俺は更に蒼川はの装備を持ってくる

 

「ハイこれ、白迷彩の装備一式目立つ色は絶対に付けるな、それとM24持って来い」

 

俺は言い、素直に持ってきた蒼川から受け取ったM24に白色のテープを巻き

 

「銃のカモフラージュだ、これで周りとある程度は同化できる。」

 

蒼川に渡し

 

「さてと・・・・」

 

俺は本来ならば89式小銃に付けるライフルカバーを取り出しその中にHk416を入れるそして光学照準器にもそれとなくカモフラージュを施し

 

「拳銃は・・・まぁ大丈夫か」

 

白色のホルスターに入れれば大丈夫だろと思い二人で準備を重ね

 

背嚢を2人で持つことになった。中身は

 

数日分の戦闘糧食

各自携行火器の予備弾薬

メディカルキット

 

替えの着替えなどに纏めた。

 

「その・・・なんだ・・・万が一の時覚悟決めとけよ・・・」

 

俺は言うと

 

「どんな覚悟?!」

 

言われ

 

「新年早々に悪いが・・・・自分の親を・・・殺す覚悟・・・だ」

 

俺は言い

 

「・・・・・・・・・・・」

 

黙り込む蒼川だった。




次回~問われる覚悟~を予定しています。


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第11話~問われる覚悟~

翌日、俺達はそれぞれの思いを秘めて市街地に訪れる。


「よしっと」

 

移動に使ってきた装甲車を隠し

 

「いいか、予め言っておくがかなりひどい物を見る羽目になる事を覚悟しておけよ」

 

俺は言いHk416に弾倉をはめ込みチャージングハンドルを引き初弾を装填し

 

「蒼川こいつつけておけ」

 

MP7対応のサウンドサプレッサーを渡し

 

「これ・・・・どうつけるの?」

 

蒼川に聞かれるが

 

「よっと、こうだ・・・・」

 

銃口の上からそのまま差し込み固定する

 

「これである程度は銃声を抑制できるが過信はするなよ」

 

俺は蒼川に言うと

 

「それは一ノ瀬もでしょ」

 

サウンドサプレッサーを装備したHk416をさして蒼川も言う。

 

「最初はどっちに行く?」

 

聞かれ

 

「家は少し距離があるから蒼川の所に行こうか」

 

言うと

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言になるも何かをきめたような顔をして

 

「そうね、行きましょ案内するわ」

 

蒼川は先頭を行こうとするが

 

「まて、後ろから案内してくれ先頭は俺が行く。」

 

互いに冬季戦装備の為はたから見れば真っ白に見える。

 

「良し行くぞ」

 

少し雪が吹雪く中

 

「こいつが隠れ蓑になるな」

 

俺はHk416を構えながら進んでいく。町に入ると俺達がまだ学生していた頃の面影はなくまさにゴーストタウンの言葉が当てはまる。

 

「一ノ瀬、次右」

 

蒼川の指示通りに進み、大通りに出る

 

「{・・・どう}」

 

蒼川に聞かれ

 

「{・・・・・・吹雪でよく見えない・・・・サーモに切り替える。}」

 

私用している軍用の多機能双眼鏡の機能モードを変更し熱探知に切り替え際削周りを見る。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

周りを見て

 

「{感染者・・・・が2体・・・冬も平気ってか・・・}」

 

言い

 

「{どうする?}」

 

蒼川は言うが

 

「{やり過ごそう・・・無駄弾を撃ちたくはないし弾薬にも限りがある。}」

 

そのままタイミングを見計らい感染者をやり過ごし大通りを抜け住宅街に来る。

 

「{俺ここらへんあまり通った事ないから分からないぞ}」

 

言うと

 

「{ばっちり案内するわ}」

 

蒼川に言われ

 

「{了解}」

 

蒼川は引き続き俺に後ろから指示を出し

 

「{次、左曲がって・・・}」

 

俺は曲がろうとした時

 

「{!!}」

 

見知った顔を見て、手で待ったの合図を出し

 

「{クソったれめ・・・・やっぱり憎まれっこ世にはびこるってか}」

 

呟き

 

「{どうしたの}」

 

言われ

 

「{お前を追い出したクズ共まだ生きてるみたいだな・・・Gみたいなしつこさだ}」

 

皮肉を言い

 

「{そう・・・・}」

 

蒼川は言うが

 

「{大丈夫だ、連中たいした装備は持ち合わせていないみたいだ。見た感じだと金属バットに弓道の矢に後は・・・まぁ大した装備はないな・・・}」

 

俺は言い、過ぎ去っていったそいつらの事は放置し

 

「{次は}」

 

言うと

 

「{真っ直ぐ言って左}」

 

指示通りに行くと、そこには

 

「蒼川」

 

と表札があり

 

「中に入ろう・・・か」

 

蒼川に言い

 

「・・・・・・うん・・・」

 

蒼川も言い俺はHk416を構え中に入るが・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

蒼川の両親は既に・・・物言わぬ死体になっていた。

 

「・・・・・・」

 

遺体の状態を確認し

 

「・・・・5.56㎜弾・・・・だな」

 

蒼川のお袋さんと親父さん共々脳天に一発ずつ撃たれた痕跡がある。

 

「蒼川・・・・・」

 

立ち上がり蒼川を見ると泣くのをこらえているのが見て取れる

 

「・・・・・・・・・・」

 

無言で蒼川を抱きしめ

 

「泣きたい時に泣いておくんだ・・・今以上にひどい所に出くわす場合もある」

 

慰め、蒼川はそのまますすり泣きだしたのだった。

 

数分後

 

「大丈夫か?」

 

手を合わせた後

 

「うん・・・元から解ってたけどさ・・・でも、堪えるよね」

 

蒼川は言い

 

「このままという訳にも行くまい」

 

俺は言い

 

「どうするの?」

 

言われ、

 

「弔い・・・だろ」

 

言い外の蒼川の家のガレージからブルーシートと手袋をもってきて

 

「埋葬しよう・・・このままだと確実に腐敗して今以上にひどい状態になる」

 

俺は言い

 

「そう・・・だよね」

 

蒼川も言い、蒼川の庭をシャベルで掘り起し、ご遺体をブルーシートで丁重に包み穴に横たえる。

 

「蒼川・・・別れの言葉とかあれば今のうちに・・・埋葬する前に」

 

蒼川に諭すが

 

「ありがとう一ノ瀬、でも今は言わないわ。私も天命を全うしてお父さんとお母さんの所に言った時直接言うから。」

 

そう言い蒼川は自らの手でシャベルを握り土をかけていく姿を見て

 

「{やっぱりお前は強いよ・・・蒼川}」

 

俺は感じて居た。埋葬が終わり

 

「結構時間たっちゃったか・・・・」

 

時計を見て言い

 

「まぁ・・・そうだよね、家に泊まってく?」

 

蒼川は言い

 

「そう・・・だな、夜間に強行軍してもたどり着ける保証もないし余計な疲労は蓄積させるべきじゃないな」

 

言い

 

「クス、ようこそ蒼川家へ」

 

彼女は言い

 

「ハハハ」

 

俺も笑うのだった。しかし

 

 

夜 蒼川宅

 

蒼川真珠 自室

 

互いに持参した軍用の糧食を食べ

 

「ハァ・・・蒼川の美味しいごはんに慣れてしまうと戦闘糧食が味気なく感じてしまうな」

 

俺は言い

 

「え?!」

 

蒼川は驚いたような顔をしていたが

 

「うん?!、事実を述べただけだぞ」

 

俺は言い

 

「え・・・えっとありがと・・・」

 

蒼川は顔を赤くしうつむいてしまう。更に時間が経ち

 

「そろそろ寝よう、一ノ瀬もさ」

 

蒼川に言われ

 

「ベットは一つしかないけどもまぁ非常時だしさ」

 

蒼川が言う中、俺はHk416を取り

 

ジャキンッ

 

確認し

 

「ゆっくり休めよ、今日いろんな事があったんだ、「寝ずの番」は任せろよまぁそのなんだ、「レディーファースト」ってやつだよ」

 

言ったが

 

「ダメ、休む時はしっかりと休まないと疲れが取れないでしょ」

 

蒼川はいつになく強めの口調で言い

 

「一ノ瀬なら別にいいからさもう、一緒に寝よう」

 

蒼川に言われ

 

「・・・・・・はぁ・・・」

 

観念し

 

「分かった。」

 

そう言い、俺はジャケットを脱ぎそのまま蒼川のいるベットに入る

 

「お邪魔します」

 

すると

 

「クスクス・・いらっしゃい」

 

何とか二人が収まるサイズのベットであり

 

「もう、遠慮しないの」

 

蒼川が背後から抱きしめてくるから否が応でも蒼川を意識してしまう

 

「{心頭滅却・・・・心頭滅却・・心頭滅却・・・心頭滅却}」

 

思い・・・・意識を手放す・・・・・・

 

 

蒼川真珠side

 

「ねぇ・・・・いちの・・・せ・・・」

 

「zzz~~~~zz~~~~~~zzzzzz」

 

「うそ・・・」

 

これほど大胆な事をしているのに眠っていると

 

「一ノ瀬君・・・それはないんじゃないかな・・・流石に私の女としてのプライドも傷つくんだけども・・・・」

 

いうも既に一ノ瀬は私の抱き枕状態で眠ってしまっている。

 

「実は・・・ホ〇・・・なんて事はないよね・・・・・」

 

思いつつも

 

「あーもうッ」

 

一ノ瀬をだきしめたまま私も意識を手放したのだった・・・・




次回~現実~を予定しています。


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第12話~現実~

翌日目を覚ますが、現実を突きつけられる、「未だ地獄の真っただ中」にいる事を。


蒼川家 真珠自室

 

「・・・・・・・・・・・・動けない・・・・・」

 

朝目を覚ますと俺は蒼川に抱き枕にされていた。

 

「はぁ・・・・・」

 

そっと、抱き枕状態を解き、ジャケットを羽織り、装備を点検し下の一階に降りる

 

「異常なし・・・・相変わらず寒いな・・・・」

 

外に出て確認を行った。中に戻ると

 

「もうっ、びっくりしたわよ起きたら居ないんだもの置き去りにされたかと思ったわよ一瞬」

 

頬をリスのように膨らませ怒る蒼川に

 

「悪い、悪い一応確認してたんだ」

 

言い

 

「とりあえず、着替えとか自分の物持てる範囲でもってたら?」

 

俺は言い

 

「そうね・・・そうするわ」

 

蒼川は頷き、味気ない糧食を食べ腹ごしらえし

 

「見られたくない物とかプライベートな事とかあるだろうから俺は部屋の外にいるよ」

 

部屋の外に出て待機していると以外にも早く

 

「入ってもイイよ」

 

言われ、中に入りそこにはスポーツバック1個分の荷物があった。

 

「それだけか?」

 

確認し

 

「ええ、これだけよ」

 

蒼川は言い

 

「そうか、じゃぁ行くか」

 

装備と互いの銃を持ち、一階に降りた時

 

「ちょっと待って」

 

蒼川に言われ

 

「どうした?」

 

聞くと

 

「「あそこ」に一度行っておきたい」

 

蒼川は言い

 

「「あそこ」?」

 

言うと

 

「着て」

 

蒼川の後ろをついていき一か所の部屋に出る

 

「ここは・・・・・・」

 

呟き

 

「私のアトリエ・・・よ、両親が作ってくれた・・・」

 

そこには蒼川の今の今まで書いた絵が保存されており

 

「こいつは凄い・・・・どれもこれも最高評価を貰った絵画ばかりじゃないか」

 

アトリエ中を見回して言い

 

「うん、私がある意味「おなかを痛めて産んだ子達」かな」

 

蒼川も愛おしそうに絵を撫でる

 

「置いてくのは忍びないけども・・・」

 

言う蒼川の肩に手を乗せ

 

「この乱痴気騒ぎが収束したら此処に戻ってこよう、俺達の故郷なんだこの町は」

 

蒼川の絵画を見ながら呟き

 

「ええ・・・必ず・・・」

 

頷くのだった。そして外に出て、庭先にて

 

「お父さん、お母さん、じゃぁ私行くね。でも必ず此処に戻ってくるから」

 

蒼川はご両親の埋葬した場所で祈りを捧げ

 

「行こう、一ノ瀬」

 

言われ

 

「次は・・・・俺の番・・・か」

 

俺達は俺が世話になっていた施設に向かったのだった。

 

 

 

児童養護施設

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

俺も蒼川も血で染まっている施設を見て無言になる中

 

「・・・・・一ノ瀬・・・」

 

蒼川は俺の顔を見るように言い

 

「中に入ろう・・・叔父と叔母が待ってる・・・」

 

Hk416の薬室を確認し

 

「よし・・・何時でも・・・撃てる」

 

何時もよりも嫌に重く感じた・・・万が一はないと思うがこの施設の中で誰かが、もし「なって」いたら躊躇いなく「殺せる」だろうか、自らに疑問を持ちつつも俺は中に入った。

 

「・・・・・・クリア・・・」

 

施設の中に入り

 

「一ノ瀬の部屋何処?」

 

蒼川に聞かれ

 

「二階の突き当り」

 

答え

 

「とりあえず、施設の中を確認しないと・・・」

 

蒼川に言い、互いにHk416、MP7を構えたまま、一階の各部屋を確認するが

 

「妙だ・・・・妙すぎる・・掃除された痕跡がある・・・」

 

とある部屋で俺はしゃがみ

 

「どうしたの?」

 

蒼川が言う中

 

「これ、見てみろ・・・蒼川の家にもあった5.56㎜弾の空薬莢だ」

 

薬莢を蒼川に見せ

 

「どういう事?」

 

蒼川も言い

 

「可能性としては二つだな・・・」

 

俺は言い

 

「1つ、この町に自衛隊が偵察チームでも寄越したか」

 

「2つ、俺達みたいに自前で武器を持ってる奴が此処で何らかの調査を行ってたか」

 

「これくらいだな」

 

言い、更に部屋を確認していくと

 

「・・・・・叔父さん・・・叔母さん・・・ただいま」

 

部屋で蒼川の両親同様に射殺された状態で見つかり

 

「一ノ瀬・・・・・」

 

後ろで蒼川が言っているが

 

「さて、埋葬してあげないと・・・せめてもの孝行さ」

 

俺は言い、蒼川の家で取った行動と同じ行動をとり、埋葬用の穴を掘りに蒼川と庭に来た時

 

「これは・・・」

 

「え?!・・・」

 

俺も蒼川も驚いた。丁重に施設の子供たちを埋葬してくれたのか、十字架を象った棒が刺さっている所全てに埋葬されたような痕跡がある

 

「どこの誰かわからないけれども・・・ありがとう・・・・」

 

呟き

 

「さて・・やるか・・・」

 

穴を掘りシートで包んだ遺体を横たえ

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で埋めていく。そして最後の土をかけ終え手を合わせる

 

「一旦中に入ろう」

 

俺達は中に入り、施設の中をくまなくチェックし、外部からの侵入を防ぐために施錠できる処は全て施錠し

 

「異常なし・・・・だな」

 

ダイニングで互いに座りながら言い、二人で外を見ると・・・

 

「ねぇ・・・一ノ瀬・・・」

 

「・・・言うな・・・蒼川・・・」

 

タイミングを見計らったかのように吹雪はじめ

 

「これじゃぁ・・・・帰れそうにない・・・・」

 

天候に足止めを喰らってしまった

 

「しゃぁない・・・か」

 

蒼川を部屋に案内し

 

「ここが俺の部屋」

 

まともに過ごせそうな部屋が此処しかなく後は血がべっとりとしているまるで恐怖映画のような状況だった。

 

「へぇ・・・・二段ベットなんだ」

 

蒼川は言い

 

「ああ、多少狭いのは我慢してくれ。」

 

荷物を置き、蒼川も荷物を置く。そして、俺も一時的に蒼川に外に出てもらい着替えやその他プライベートな物を入れる。

 

「「ガキ使DVDBOX」は娯楽にもってこう、!「空母いずも183」のDVDもこれ此処にあったのか探してたんだよなぁ後は、スイッチとVitaとソフトも、後は着替えと」

 

久々の自室にまるで里帰りしたかのように感じて居ると

 

「一ノ瀬~~まだぁ??」

 

外から蒼川の声が聞こえ

 

「悪い悪い、もういいよ」

 

蒼川が入ってくる

 

「一ノ瀬もスポーツバック1個?」

 

言われ

 

「ああ、そうだ」

 

答え

 

「それよりも、さ・・・大丈夫かな・・・この天気・・・」

 

外を見て蒼川は言い

 

「翌日まで待とう・・・今出て行くには危険すぎる」

 

言い

 

「そうだよね・・・・」

 

蒼川も頷きつつも

 

「初めて男子の部屋に入ったけども以外に綺麗ね・・・」

 

部屋を見渡して言い

 

「そうか?」

 

言い、バックパックから

 

「ほら、これでも食えよおやつ代わりにはなるだろ」

 

蒼川に固形物を放り

 

「これ何?」

 

言われ

 

「「デイトナックス」っていう非常食だよ。ココナッツ味で結構うまいしがさばらないだから結構もって来てるんだよ」

 

包装紙を破き一口食べ

 

「美味い」

 

俺は言い

 

「あ、ホントだ・・・美味しい・・・」

 

蒼川も言い、過ぎ去る時間を過ごすのだった。そして夜になり

 

「蒼川、ベット上・下、どっちがイイ?」

 

寝る前に尋ね

 

「じゃぁ・・・上かな」

 

言われ

 

「分かった。」

 

答え、ベットの近くに銃を置きジャケットを脱ぎ、俺も蒼川もベットに入り

 

「じゃぁ、お休み」

 

「うん、お休み」

 

こうして二日目が終わるのだった・・・・




次回~二人で一つ~を予定しています。


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第13話~2人で1つ~

夜に寝付けずに目を覚ます優希は、そこに訪れる・・・・


養護施設 

 

優希自室

 

「・・・・・・・・・・・」

 

数分前に目を覚ました俺は寝付けずにいた。

 

「・・・・・・叔父さん・・・・叔母さん・・・」

 

呟きベットから立ち上がり、ジャケットを羽織り、自衛用にSFP-9を持ち蒼川を起こさぬようにそっと部屋を出たつもりだったが・・・・・・・

 

施設外

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

この施設で共に過ごした子供たちとそして今まで親代わりになって皆の面倒を見てくた叔父と叔母の眠る場所を前に

 

「叔父さん・・・・叔母さん・・・・」

 

脳裏に過るは時に厳しくそして時に優しく俺や年の近い子が一緒になってアホをやらかした時に怒られたり、逆に俺よりも小さい子の面倒を一緒に見てて褒められたり、針路の相談で揉めたり、振り返ればきりがない、でももう皆いない。

 

「こんなはずじゃ・・・なかったのにな・・・」

 

十字架を前に呟く。

 

夜空を仰ぐとそこは吹雪がやんでおり、満点の星空だった。

 

「前に天体観測したっけな・・・・・・皆と・・・・」

 

視線を再び戻す。笑い声に溢れ、賑やかな俺の居場所はもうなくなってしまった事をいやでも実感させられてしまう。

 

「皆で明日を語り、未来を夢見て必死に生きてきたのに・・・・」

 

涙が頬を伝った。此処は俺にとっても自らの居場所だった。同じ境遇の子供たちに囲まれて騒がしくも家族とはこういう事なんだと思っていた。でも全部奪われた。俺は叔父さんと叔母さんの埋葬した所に行き、しゃがみ込み

 

「叔父さん、叔母さん・・・やっぱり俺、親父やお袋に叔父さんや叔母さんみたいになりたいと思うよ。」

 

涙を拭きつつ言い

 

「この乱痴気騒ぎが収束するまで俺も生きて居られれば、皆と同じ「防人」の道に進みたいと思う。叔父さんも叔母さんも反対したけどもさ、やっぱり俺にも親父とお袋の血が流れてるんだって思ってさ。これ以上大事な物を失いたくはない。守りたいそう思えたんだ。」

 

その時背後に気配を感じ

 

「盗み聞ぎは悪趣味なんじゃないか?、蒼川」

 

立ち上がり、振り返ると同じくジャケットを羽織った蒼川が立っており

 

「ごめん・・・」

 

蒼川は言うとこちらに来て

 

「一ノ瀬は、一人じゃないよ。確かにさ私が助けてもらうまではあのロッジに一人籠城していたんだろうけどもさ今は違う。2人で1つじゃない。」

 

俺の手を握り言い

 

「人生今の今までこれでもかと言うくらいにひどい目にあってきたのかもしれいないけどもこれからは違う。孤独じゃないよ」

 

真剣な表情で言う彼女に

 

「氷の悪魔がいうようになって・・・」

 

苦笑し

 

「・・・・・・・・・・」

 

もう一度振り返り

 

「じゃぁ・・・ね」

 

叔父や叔母施設の子達が眠る場所に言い

 

「いくら綺麗でも風邪ひくよ。寒い夜に外に長時間いるとさ中に入ろ?」

 

蒼川に言われ、真珠の笑顔を見てその時自覚する

 

「{ああ・・・俺・・蒼川の事、「一人の女性」として「好き」なんだ}」

 

自らの感情に気付いてしまい

 

「これは・・・ヤバイ・・・かもな・・・」

 

言うと

 

「いいから、行くよ?」

 

相変わらず笑顔の蒼川に引っ張られるように俺は施設内部に戻る事になったのだった。




次回~結ばれる2人~を予定しています。


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第14話~結ばれる2人~

互いを変に意識しつつもこの気持ちを認め対処していた矢先に「事はおきてしまう」


市街地より帰還数日後 朝

 

一ノ瀬家 所有ロッジ 

 

優希自室

 

「・・・・・・・・・・やってしまった・・・・・・・」

 

ベットで目覚めた俺が発した第一声だった。横には蒼川が一糸纏わぬ姿で寝ている。俺自身同様の格好だ。部屋の床には互いの服が散乱している。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

無言で頭に手を当て考え込む中

 

「おはよう・・・・」

 

横を向くと寝ていたはずの蒼川が顔を赤らめて俺を見ていた。察したのか

 

「ごめんね・・・・後悔してる?」

 

怯えるように蒼川は言うが、俺が[襲われた]側とはいえ俺と蒼川が[いたした]事に変わりはない、それに

 

「後悔なんてしてないよ、それに蒼川の気持ちに気付けなかった俺にも非がある。」

 

言い蒼川を撫でる。その時俺は気付く。昨日の時蒼川は気持ちを俺に伝えてくれたがでも俺はまだ全てを伝えていない。これでは対等な関係とは言えないのでは?と思い蒼川を見て

 

「??」

 

蒼川が訝しむ中

 

「「真珠」ずっと隣で笑って居てほしい。俺も1人の女性として真珠が好きだ」

 

恥ずかしかったがこう言う事はちゃんと言わなければと思い逃げずに告げると

 

「!!」

 

顔をさらに赤くし布団の中に潜り込み

 

「あ・・あれ?」

 

滑るような事を言ってしまったかと心配になるが、ひょこっと顔を出した真珠は

 

「こ・・こちらこそ・・・よろしくね・・・・・・「優希」」

 

真珠は言い、さらに

 

「あとね・・・・それだと「プロポーズ」だよ・・・恥ずかしい・・・ってば」

 

言われて始めて気づき

 

「ハハハハハハ・・・・・oh・・・・・・」

 

俺は顔を背け苦笑するしかなかった。俺達の関係が一気に進んだのは昨夜にさかのぼる事になる。

 

 

 

昨日 深夜 

 

優希自室

 

 

「・・・・・・・・・・!」

 

その時の俺はまた蒼川が寂しくなったのかな?と軽く考え、この気持ちをどう伝えるかある意味では悩みの種だったが、目を開けた途端それどころではなくなってしまった

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

目を開けた俺の眼前に飛び込んだ光景は刺激が強すぎる光景だった、眼前には下着姿の蒼川の光景が・・・・・

 

「えっと・・・なにやってるの?」

 

アホな事にもそんな事を言ってしまい

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

両者の間に数秒間、無言な空間が広がり

 

「今までも、そこそこ大胆な事したつもりだったんだけどなぁ、自分の内にあるこの想いを自覚してからさ、でもさ流石にスルーされ過ぎるとプライドが傷つくのよ」

 

蒼川は言い

 

「まっ、まず落ち着けって、そんな恰好で」

 

普段の蒼川からは想像もできないような冷静さを欠いたような行動に焦りつつも

 

「もういいよ、そういうさ真面目な話をするつもりはないからさ私」

 

蒼川の目付きが俺と言う獲物を狙う目に変わっている

 

「一ノ瀬さ、この状況分かる?常に冷静な貴方なら分かるわよね、私が上、貴方が下主導権をどっちが掌握してるかしら?って言いたいの」

 

蒼川は言う確かにマズイ状況だ、俺が何をしたと、蒼川のプライドを逆撫でするような事をしたと?!蒼川への明確な好意を自覚はしてるでも、なぜ蒼川がこんな行動に出たかなんてわからない、そこに

 

「なんで私がこんな事をしてるかなんてわからないって顔をしてるね、見れば分かるわ」

 

蒼川は言い

 

「私は貴方の事が・・・その・・欲しくて・・甘えたくてたまらないくらい愛おしいのよ、[1人の女として貴方を愛してる。]」

 

顔を赤くしつつ言われ

 

「あ、、、あのな蒼川、お前の今の言葉で俺も大体は察したけどもな物事には順序があるって、なぁ」

 

彼女なりに気持ちを伝えようとしているのだろうが

 

「一ノ瀬、物事っていうけどもさ、だったら私がこんな行動を起こす前にそっちから私の気持ちに気付いて行動して欲しかったわよ」

 

感情を露にする蒼川なんてと思いつつも

 

「まず退いてくれ、なぁ冷静になれって」

 

蒼川の腕を握ろうとした時

 

「この状態が嫌なら、強引にでも無理矢理にでも突き飛ばしてでも止めてよッ」

 

俺の手を強く握りつつ言われ

 

「私は、一ノ瀬が好き、大好き、こんな状況でよく言う吊り橋効果なんかなんじゃないかって思われるかもしれないけども違う、断言する。私の面倒な性格を否定せずに真正面から受け止めてくれて、ふつうこんな状況なら私助けても何の得もないものそれでも一ノ瀬は私を助けてくれた、私の力になってくれた上に優しく包み込んでくれた何よりも信頼にたる人だとも思ってる。私を貴方の隣にいさせて、お願い・・・」

 

蒼川はストレートに感情をぶつけられ

 

「蒼川、ゴメン蒼川の感情に気付いてやれなくて。いや自覚するのが遅くなって。只俺も、どういうタイミングで言うべきか否かわからなくてタイミングを計りかねていたんだ。」

 

正直に白状すると以外ともいうような表情をされたが

 

「うん、そうだよな普通なら黒歴史まっしぐらなんだろうけども、襲われたのが蒼川でよかった」

 

周りばっかり気にしていた俺がアホらしく思える。周りなんて人食いの死体がうろついてるだけだろうに。今更体面気にしたってしょうがないのだ。女の蒼川にそこまで言わせたのだ男の俺が何も言わないと言う事はあり得ない

 

「確かに、佐伯の気持は受け取ったよ・・・・・・俺も同じ[想いだよ]」

 

凄く恥ずかしかったが告げるべき一言を告げ

 

「一ノ瀬・・・・・うん・・・うん!」

 

ゆっくりと俺は起き上がり彼女を抱きしめる中、蒼川は俺をまたそっと押し倒した上で耳元で一言

 

「抱いて下さいな」

「!」

 

彼女の想いを受け入れ[一線]を超えてしまった夜になったのだった。

{後悔はしてない}

 

 

回想終わり

 

 

昨夜の事を思ってると

 

「ゆ・・優希、いいかな」

 

言われ

 

「あ・・・ああなんだ、ま・・・真珠」

 

互いの呼び名はまだ慣れない所があるが

 

「クスッ」

 

「ふふ」

 

互いに笑い

 

「あのね、私達もう赤の他人と言うわではないもの同居出来ないかな?」

 

真珠は言い

 

「この部屋で寝食を共にしたいと?」

 

互いに背を向け合い着替え、振り返り

 

「うん、このとんでもない事態がきっかけとは言え縁あって深い関係になったんだもの、もっと絆を深めていきたい、なら一緒の部屋で生活するのも良いと思って

 

提案に対し

 

「成る程ね」

 

言いつつも

 

「最初に俺達がやる事はこの滅茶苦茶になったベットの整理だな」

 

苦笑しつつ呟き

 

「うん」

 

蒼川も隣で頷き

 

「後は引っ越し作業」

 

言い

 

「ありがとう・・・・・・優希!」

 

蒼川・・・・いや真珠は言ったのだった。




次回~現状確認~を予定しています。


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第15話~現状確認~

その日、俺達は現状の確認すべく動き回っていた。


優希・真珠 寝室

 

あの日を境に俺達の関係は世間的に言う[恋人]とも言うべき間柄になった。今まで以上に距離が近いと恥ずかしい事もあるが、それ以上に[幸せ]を感じてもいるのだった。

 

「優希、今日の予定は?」

 

朝食後に真珠に聞かれる。

 

「う~ん・・・・・」

 

少し考え

 

「現状の把握かな」

 

言い

 

「??」

 

困惑する真珠に

 

「いやぁ、その物資の残り具合を確認しないとなって」

 

言い

 

「何処に連れてってくれるの?」

 

言う真珠に

 

「ポスポコ」

 

答え

 

「分かったわ、貴方の装備品も持ってくる?」

 

聞く真珠に

 

「いや、イイよ俺が持ってくるから」

 

そのまま俺達の寝室に行き、真珠の武器を置いてある処からMP7とM24SWSを持ち、自身のHk416とSFP-9を持ってくる。ついでに着替えも済ませて、互いの備品をもってくる。

 

「真珠、此処に置いとくぞ」

 

声をかけ机に銃を置き、互いの使う銃の弾薬を持ってくる。そこに着替えてきた真珠も合流し

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

互いに黙々と銃のマガジンに弾を込める。

 

「もう慣れたな。装弾作業も」

 

俺は5.56㎜弾をはめ込みながら言い

 

「ええ、優希の指導が良かったからね」

 

真珠は笑いつつもマガジンに弾を込める。いつも通り重装備で準備を完了しそのまま軽装甲機動車に二人で行き、装備を詰め込み

 

「さぁて、燃料よし・・・っと行くぞ~」

 

言い

 

「レッツゴー」

 

真珠も笑いつつ言うのだった。道中も、車載無線機を弄る真珠だったが

 

「うんともすんとも言わないね」

 

言い

 

「まぁ、そうだな。」

 

俺は運転に集中し

 

「さらに雪の積もり具合が酷くなったな」

 

道路を走る中言い

 

「でもすごいね、この子、その雪を物ともせずに進んでるよ」

 

真珠は言い

 

「ああ、そうでないと困る。こいつも軽装甲とはいえ装甲車だ悪路の走行性能もないと困る。」

 

苦笑しつつ言い、脇道を通りポスポコにやってくる。そのまま店内に入り

 

「さぁてと、確認しますか」

 

俺は背中にHk416を背負いなおしてい言い

 

「何を確認するの?」

 

真珠に言われ

 

「それを今から案内するよ」

 

そう言い俺は真珠を伴い、店内を素通りしとある所に来る

 

「地下・・・?」

 

真珠は言い、俺は進み

 

「ああ、この設備の電源装置は地下にある。この施設の予備電力の半分以上を賄ってるのはこの地熱発電システムだ。だから異常がないかを確認しに来たんだ」

 

俺は言い

 

「へぇ・・・・これが」

 

真珠は言い

 

「そうこいつ。冬の間の電力の殆どはこいつのお陰で持ってるようなものだ」

 

言いつつも前に見つけておいたマニュアルを見て、故障や不具合がないかを確認するための自己診断チェックツールを起動しシステムを確認する。その間

 

「ねぇ、気になっていたんだけどさ優希と私が暮らしてるあのロッジの電気もどうなってるの?」

 

真珠は聞き

 

「大体は此処と同じかな、地熱発電システムと太陽光発電システム後は非常用に大型の燃料使うタイプの発電機がある。」

 

答えると

 

「だから違和感なく生活できるのね、あそこ」

 

真珠は言い

 

「ああ、そうだな。地熱発電のお陰で全然普通の生活が送れるからな。冬でも。そしてこんな異常事態でも、全部・・・亡き両親のお陰だよ・・・」

 

答える。すると、背後から真珠に抱きしめられ

 

「大丈夫、一人じゃない私が居る。心配なんてないわ」

 

強く抱きしめられつつ言われ

 

「そうだな、うん、そうだった」

 

俺も真珠の手を握る。そうこうしていると自己診断が終わり

 

「っと、何々・・・・」

 

確認し

 

「異常なし・・・良かった」

 

俺は一付き

 

「後は店内の在庫状態だな」

 

その後は来た道を戻り、店内の状態を確認し

 

「優希、生ものとか腐ってなかったよ。大丈夫」

 

真珠は言い

 

「こっちも異常はなかったよ。そう言えば、冷蔵庫の中まだ大丈夫だっけか」

 

聞き

 

「そうね・・・いい機会だし[買い物]していっちゃいましょ」

 

真珠は言い

 

「そうだな、せっかく来てるんだしな」

 

俺も真珠の言う事に賛同し互いに買い物カートを取り必要な食品や日用品等などの消耗品等を入れていき

 

「これくらいで大丈夫かな」

 

俺はカートに大量に入れた物を見て言い

 

「こっちもこれで大丈夫かな」

 

蒼川も言った。

 

 

 

帰り道

 

「・・・・・!、もう一か所行くところあったな・・・」

 

俺は言い

 

「何処?」

 

真珠に聞かれ

 

「俺達の生命線の武器や弾薬に燃料に戦闘糧食を保管してる物資集積所代わりにしてる処が一か所あるんだ」

 

真珠に言い

 

「へぇ・・・・・・・・」

 

真珠は頷き

 

「まぁ、陸上自衛隊の分屯基地なんだけどもね」

 

答え

 

「そこの基地のセキュリティーシステムを弄って、俺以外には解錠できないように設定しなおしたんだ」

 

説明を続け

 

「なんかすごいわね」

 

真珠に言われ

 

「でも骨が折れたよ、分屯地に侵入した時にセキュリティーマニュアルを見つけてそれを片手に分屯地のセキュリティーの大元のパスワードを基地中這いずり回ってようやく見つけてそれを自分の分かる番号に書き換えて。」

 

運転しつつ言い

 

「ホント優希は何でもそつなくこなすわね」

 

言われ

 

「生きるか死ぬかになると意外となんでもできるもんよ、これがまた」

 

ポケットからポスポコから持ってきたマウンテンビューの缶をだし

 

「あ!優希そんなの持ってきてたの、ずる~い」

 

真珠に言われ

 

「右のポケットあさってみ、真珠用に紅茶花壇の缶入れてきてるから」

 

言うと真珠も恐る恐るポケットに手お入れ

 

「あ、あった」

 

缶を取り、互いに缶の封を開けて飲む。

 

「流石に一日で二か所も回るのはきついからな・・・今日は帰ってまた明日にでもするか、あれこれと準備もあるし」

 

俺は言い

 

「そうね」

 

俺の隣で紅茶花壇をちびちびとの飲みながら頷く真珠だった。




次回~新たな拾い物~を予定しています。


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第16話~新たな拾い物~

そして翌日、真珠を伴って訪れるのは初めてだったが陸自分屯地に来るが意外なものを見つける二人だった・・・・・


翌日 

 

陸上自衛隊 分屯基地

 

「さぁて、此処は完全に掃除はしてないから気を付けろよ。大多数は始末はしたけどもさ」

 

真珠に説明し

 

「念には念の為ね」

 

真珠は言い

 

「その通り」

 

俺も言い返し、分屯地に侵入するが

 

「あれ・・・変だな・・・・」

 

此処で俺は気付く

 

「俺達以外の足跡がある・・・・・」

 

しゃがみ込み調べ

 

「これはもしかすると中に入られたかも・・・・・」

 

俺は背負っていたHk416を構え、真珠もMP7を構える。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

2人で慎重に中に入るが

 

「ガラスを強引に割ってるよ・・・」

 

窓のガラスが割られており

 

「ここから中に入ったようね」

 

真珠は言い

 

「そうだな。」

 

俺達は慎重にかつその侵入者と何時でも対峙できるように武器を構えて前進する。そして保管てある所にたどり着くと

 

「やっぱり・・・・・・」

 

俺は思った。

 

武器庫のドアを強引に破壊しようとした痕跡がある。

 

「・・・・・7.62・・・・くらいかな・・・」

 

数個薬莢が落ちてるのを拾い

 

「私の使うライフルと同じ口径よね」

 

真珠がM24SWSをさして言い

 

「ああ、そうだな。」

 

俺は言いとりあえず、パスコードを打ち込み

 

ピーー、ガチャンッ

 

施錠が解除された音が聞こえ、ドアを開け中に入る。

 

「すごーい・・・・」

 

真珠は所狭しと置かれた弾薬を見て言い

 

「かき集めるのにも苦労したよ。自衛隊の物だけじゃ不安で米軍の武器庫からも弾薬と装備と一部物資を強奪して此処に保管してある。」

 

俺は言い歩みを進める。

 

「結構弾薬置いてあるから気を付けろよ」

 

真珠に言い真珠も後ろからついてくる。

 

「うわぁ・・・・・・やっぱりすごい・・・・・」

 

真珠はその光景に圧倒され

 

「こいつはM84無反動砲、まぁロケットランチャーだな。ハリウッドの映画でよく筋肉もりもりマッチョマンの変態が振り回してるやつ」

 

皮肉を交えつつ言い

 

「こいつ一発で当たり所にもよるが戦車も破壊できる程の強力な威力を持ってる武器だ。」

 

更に奥に行き

 

「これはM107対物ライフル。口径12.7×99㎜弾を使用。人間に当たれば着弾した箇所が千切れ飛ぶ程の威力がある。まぁトンデモライフルだな。」

 

真珠がきょろきょろと周りを見て

 

「武器と弾薬がいっぱいだね・・・」

 

言われ

 

「ああ、あの時はこの先の事を考えてかき集められるだけかき集めたんだ。そのおかげで何とかなってる。今の所」

 

周りを見渡して言い

 

「今日はついでだからさ、5.56㎜弾と9㎜弾それに4.6㎜弾と7.62㎜弾をある程度のまとまった個数をもっていこうか」

 

俺は言い、二人で弾薬ケースを探し

 

「あったよ、優希」

 

真珠が5.56㎜と9㎜を見つけ

 

「こっちも見つけた。」

 

俺も4.6㎜と7.62㎜の弾薬のケースを見つけ

 

「さてと、運びますか」

 

「ええ」

 

そのまま俺達は一度軽装甲機動車に弾薬を運び込み

 

「・・・・・・・・せっかくだし、アレも持ってくか」

 

いたずらっ気をだし、俺は武器庫からM84無反動砲とその弾薬を多めに運び込み

 

「え・・・砲弾何発入れたのよ・・・・」

 

流石に真珠も顔が若干引き攣ってる。

 

「大丈夫だよ、大丈夫、あの死体共にお見舞いする分のせいぜい20発分くらいだからさ」

 

荷台に詰め込まれている武器と弾薬を見て真珠も

 

「でもさ、これがないと私達もいざという時死ぬんだもんね・・・」

 

真剣な表情で言い

 

「そうだな。」

 

答え

 

「メディカルキットや医療用の物資はまだ大丈夫だったはずだから」

 

考え

 

「これくらいかな」

 

俺は頷き

 

「最後に少しお茶でもしていくか」

 

真珠に言うと

 

「お茶?」

 

真珠は訝しみ

 

「ああ、お茶少し休めそうな所があるんだ。飲み物も実はそこに会ったりする。」

 

こうして俺達はとある場所に行くが・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「なぁ・・・デジャブ」

 

「ええ、そうね・・・」

 

俺も真珠も言ってしまった。目の前には顔色が悪そうな女の子が眠っている。

 

「89式小銃とM24SWS・・・か」

 

その持ち主も俺はよく知っている、正確には俺と真珠も知っている。彼女は鏑木七瀬俺達の後輩に当たる1年だ。

 

「優希・・・・」

 

真珠の顔を見れば分かる。見捨てるのは・・・・・そう言っているかのような表情に俺も頷き、周りを見て彼女の持ち物をまとめ

 

「鏑木さん、鏑木さん」

 

真珠が起こすと鏑木さんは目を開け

 

「・・・一ノ瀬・・先輩・・・!!蒼川先輩・・・生きてたんですか」

 

顔色は悪いが意識はしっかりしているようだ。

 

「こんな所じゃなんだ、真珠、悪いが前方警戒頼めるか」

 

言い

 

「ええ、大丈夫よ」

 

真珠が言う中

 

「せ・・・先輩方・・・私を何処に連れて行く気ですか?」

 

鏑木さんは言い

 

「大丈夫、安全な所よ」

 

真珠は俺の代わりに答え、鏑木さんの荷物と武器を持ち、俺は鏑木をおんぶし

 

「悪いが少し我慢してくれ」

 

俺は言いそのまま、軽装甲機動車まで行き、後ろの席に乗せてシートベルトを締め

 

「確認もできたし補充も出来た。まさかこんな所で後輩に合うとは思わなかったけども」

 

俺は運転席に乗り

 

「それは私も同じよ、優希お薬とか大丈夫よねまだ」

 

真珠は俺に聞き

 

「ああ、大丈夫なはずだ。大けがもしてないし薬は使ってはないからまだ残ってるはずだ十分な量が」

 

言うと

 

「なら早く戻りましょう」

 

真珠に言われ

 

「了解だ!」

 

俺達は自分達の拠点に急ぎ戻るのだった。




次回~悪化する情勢~を予定しています。


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第17話~悪化する状況~

分屯地で保護した鏑木を連れて一行は拠点に戻り訳を聞くが・・・・


一ノ瀬家所有 ロッジ

 

急いで戻ってきた俺と真珠はそのまま自分達の拠点に帰還するとともに看病の為の準備をする。

 

「真珠、準備できたか?」

 

真珠に言い

 

「ベットの準備できわ、」

 

真珠は言い

 

「シンドイだろうけど我慢してくれ」

 

おんぶし二階の自分達の寝室に運ぶ。そして

 

「よいしょっと」

 

ベットに寝かせ

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫か?」

 

俺と真珠の2人は鏑木に問い

 

「は・・・はい、幾分か・・・・楽に・・・・・・」

 

言う鏑木に

 

「まぁ、詳しく話を聞くのは後にしてゆっくり体を休めてくれよ。銃の整備はこっちでやっておく。真珠、悪いけども任せていいか?」

 

俺は聞き

 

「ええいいわよ、その代わり・・・」

 

「分かったよ、真珠の分も銃の整備はやっとくよ」

 

やれやれと言わんばかりに言い

 

「よろしくね」

 

真珠の声を背に俺は部屋を出て行った。

 

 

 

真珠&七瀬side

 

 

「大丈夫?ムリしたらダメよ」

 

私は七瀬に言い

 

「先輩は、どうやってあの後生き延びたんですか?」

 

ベット上の七瀬ちゃんに聞かれ

 

「あの後ね・・学校を追い出されてから[優希]に拾われて此処に」

 

笑って答え

 

「さっきから2人ともすごく仲がいいと言うか近いと言うか・・・・」

 

言われる中

 

「ほやほやよ、恋人になりたての」

 

言うと

 

七瀬は顔を赤くし

 

「まずは体をな治す事を考えないとね。此処は山の中だから大丈夫よ。武器も銃弾も十分な量があるし食べ物もね」

 

私は七瀬ちゃんを安心させるように言い

 

「め・・面倒かけます・・・」

 

七瀬ちゃんはそういうと目を閉じた。よほど疲れがたまっているのだろう。寝息を立て始め

 

「ゆっくり休んでね」

 

私は言い部屋を後にする。のだった。

 

真珠&七瀬side終わり

 

 

2人が2階の部屋で会話している頃俺は武器のメンテナンス作業を行っていた。自身や真珠が使う武器はそこまでひどく汚れてはいなかったが

 

「いやぁ・・・・こいつは・・・・ひどい・・・」

 

89式小銃を分解し清掃作業をするが、固着した汚れがしつこく

 

「この・・・こいつ・・七瀬の奴・・メンテ・・怠ってたな・・・・」

 

部品をしつこいくらいに磨き固着した汚れを落とす。そして傷んでいる部品がないかを確認しオイルを塗布し組み立てていく。

 

カチャッ・・・・・・ジャキンッ

 

組たてを完了し

 

「ふぅ・・・・終わった・・・・」

 

机の上にHk416にSFP-9にMP7とM24SWSに鏑木が使っていた89式小銃にM24SWSと壮大な眺めだった。そこに

 

「優希、ってもう武器の整理終わったの?」

 

言われ

 

「ああ、だが鏑木の89と24は汚れがひどかったなぁ・・・メンテに時間結構持ってかれたよ」

 

きれいに清掃し組付けた武器を前に言い

 

「じゃぁ、夕食まで時間あるし俺は巡回しにいってくる。そっちもヨロ」

 

俺は自分の武器を取りながら言い

 

「分かったわ、じゃぁご飯作って待ってるから気を付けてね、それとさ優希」

 

真珠は俺を呼び止め、俺も

 

「皆まで言うな、分かってるよ」

 

言い真珠に言われながら俺は日課の巡回をし、その間真珠は夕食の支度をするのだった。

 

 

 

 

寝室

 

「先輩方、迷惑かけました」

 

七瀬は顔色も良くなり、全快とはいかなくともかなり回復いたようだった。

 

夕食を寝室に持ち込み、経緯を説明し

 

「通りで開かないはずですね、やけくそになってライフル弾数発撃ってもビくともしなかったですし」

 

七瀬が落胆しつつ言い

 

「でも先輩あそこ独り占めってどれほどため込んでるんですか!!」

 

言われ

 

「秘密」

 

俺は言い

 

「七瀬はどうやってあそこまで辿りついた。?」

 

聞き

 

「・・・・・・・」

 

真珠を見たのち

 

「真珠先輩が追い出された後にそれに異を唱えた私も後を追う形で追い出されました。でも私は幸運にも別の避難所に入れ、そこで皆で力を合わせながらなんとかやってました。そして武器も入手できましたし」

 

七瀬は言い、そこで俺は先の事を言い

 

「七瀬、メンテナンスしないと危ないぞ、「銃」は。撃つたびに銃内部が汚れて行ってそのまま保守整備ナシだと最悪は暴発する事もあり得るんだぞ、まぁ整備のやり方は後で教えてやるよ」

 

言い

 

「ハイ・・・・スミマセン」

 

謝りつつも彼女は話を戻し

 

「でもそこでの生活も長くは続かなかったです。内部で感染した事を隠していた人がいたようであっという間でした。内側で殺し合いが始まるのは・・・」

 

話し

 

「・・・何も・・できなかった・・武器を持ってるのに・・・撃てなかった・・誰も守れなかった・・・」

 

彼女の頬を涙が伝い

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺も真珠も何も言えず

 

「先輩方は・・どちらか片方が[感染]したら・・[愛する人]でも[殺せますか]?」

 

その言葉は重くのしかかる。俺もしくは真珠のどちらかが感染したら互いが躊躇わずにパートナーを撃てるだろうか・・・・「殺せる」だろうか・・・・でも

 

「・・・・俺だったら・・・真珠を殺して自分の頭を撃つ・・かな・・・」

 

「・・・・私だったら・・・優希を殺した後に私も・・・後を追うわね・・・」

 

同時に答え

 

「先輩方の絆の一端を垣間見た気がします・・・」

 

鏑木さんは言い

 

「さて、暗い話はしまいにしよう」

 

俺は言い

 

「さて、鏑木お前この先どうするんだ?女の子の荷物をのぞき見するのは流石になんというか、だから蒼川に荷物チェックはしてもらったが手持ちの武器の弾薬が乏しい状態で5.56㎜弾が装着されたマガジンが4本に7.62㎜弾のバラが数発・・・・」

 

言い

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

無言の彼女に

 

「さて、此処からは俺からと言うよりは蒼川からの提案かな」

 

言い

 

「提案・・・?」

 

鏑木は言い

 

「ああ、行く所がないなら[此処]で生活すると良い。幸い客間が腐るほどあってね。鏑木の部屋を準備するくらい訳ないんだ。」

 

説明し

 

「このロッジは・・・先輩の物なんですか?」

 

聞かれ

 

「ああ、亡き両親が残してくれた遺産の1つかな」

 

言い

 

「すみません・・・余計な事を聞いて」

 

「いいよ別に、それよりもどうする?」

 

聞き

 

「・・・・厄介に・・・なります・・・」

 

言い

 

「そうと決まれば、部屋を決めないとな」

 

言う俺に

 

「前に私が使ってた部屋、まだ使えるんじゃない?」

 

真珠が言い

 

「そうだな、そこにあれこれ準備するか。」

 

真珠と話

 

「じゃぁ、今日はこの部屋で3人過ごしましょう」

 

真珠が言い

 

「じゃぁ、レディーファーストで2人はベット使ってくれ、俺は下に布団を敷くから」

 

言い、鏑木も

 

「私も、先輩方ともっと話していたいです!!」

 

鏑木も言い

 

「じゃぁ決まり・・・だな」

 

俺も頷くのだった。




次回~真夜中のGirls Talk~を予定しています。


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第18話~真夜中のGirls Talk~

さっそう優希は寝落ちしてしまい真珠と七瀬は二人で会話に花を咲かす。


優希、真珠 寝室

 

「zzzzzzz~~~~~zzzzzzzz・・・むにゃ・・むにゃ・・」

 

さっそう寝落ちした優希を他所に私と七瀬ちゃんは

 

「一ノ瀬先輩・・・爆睡してますね・・・」

 

七瀬ちゃんは優希を見て言い

 

「色々と動いてるからね・・疲れるわよそりゃ」

 

私は言い

 

「でも、先輩が無事で本当に良かったです・・・本当に」

 

言われ

 

「ええ、本当にラッキーだったわ。優希に拾ってもらえたのは」

 

私も頷き

 

「ほんとにね・・頼りになるし何よりも、私自身相当に驚いてるわ。私がまさか他人を好きになる時が来るなんてね・・・」

 

優希を見て言い

 

「先輩方は本当に仲がいいいと言うか・・その何というか・・・」

 

七瀬ちゃんに

 

「ええ、好きよ大好き」

 

おくびもなく答え

 

「はぅぅ」

 

七瀬ちゃんは顔を赤くし

 

「ごめんなさいね、惚気て」

 

苦笑し

 

「意外です。真珠先輩がこんなに笑っる所私見た事ありませんし」

 

七瀬ちゃんは言い

 

「そうね・・・今までの私は全方位が敵だったもんね。貴方を含めた数人の友人と頼れるのは己のみな状況だったしね・・」

 

彼女を撫で

 

「そんな中で、私の今の全てを受け入れてくれたのが・・・」

 

「一ノ瀬先輩と・・・」

 

彼女は言い

 

「ええ」

 

頷き

 

「優希は銃器・武器全般に明るく、サバイバルスキルも豊富で冷静な性格。」

 

私は言い

 

「それはそうと、貴方が最期に追い出された直後の学校の状態ってどうなったの?」

 

尋ねると予想にもしない返答が返ってきた。

 

「一言でいえば「最悪」の一言に尽きます。上級生が下級生に危険地帯に物資の回収に行かせて自分達は何もしない、逆らえば追放。」

 

それを聞き

 

「先生方は?!何もしないの?!」

 

驚くも、彼女は首を横に振り

 

「先生方は、もう全員・・・・・」

 

それを聞き私も悟ってしまった。もう「死んでしまった」んだと。

 

「やりたい放題なわけね・・・・最悪」

 

呟き

 

「正直、先輩方に拾ってもらえて感謝してます。体全快すればすぐにでもなんでも協力します。」

 

七瀬ちゃんは強く言い

 

「甘えられるうちに甘えるのも手よ。大概の事は私と優希で何とかするから」

 

七瀬ちゃんの頭を撫でつつ言い

 

「せ・・・先輩もぉ、子供扱いしないで下さいよ・・」

 

むくれられるも

 

「そうなれば、優希はお父さん、私はお母さん、七瀬ちゃんは娘ね」

 

七瀬ちゃんの頭を撫でまわし苦笑しながら言い

 

「むぅぅぅ」

 

再度むくれるも、何かを思い出したかのように

 

「一ノ瀬先輩寝ちゃったから言えなかったですけども、真珠先輩にこれ言わないとと思って」

 

七瀬ちゃんは言い

 

「えっと、街中で武装した自衛隊の部隊を見たんです。あれは確か、私が分屯地に侵入する少し前です。」

 

話し

 

「え・・・・・・」

 

私は驚きつつも

 

「それ本当?」

 

「はい、本当です目的は何かわ分かりませんけども」

 

言い

 

「ともあれ、明日優希に言ってみないとね。自衛隊が動いていると言う事はまだ政府機能も何とかなってるってことかしらね」

 

私は七瀬ちゃんに言い

 

「だと良いですけども・・・」

 

彼女も不安そうに言うのだった。

 

「まぁ、そうよね不安がってもしょうがない物ね。」

 

私も布団をかぶり直し横を見ると

 

「zzzzz~~~~~zzz・・うまい棒・・・・zzzz」

 

「何の夢見てるのよ・・・全く・・・・食いしん坊なんだから」

 

「ハイ、一ノ瀬先輩面白い人です」

 

クスクスと笑う七瀬ちゃんに

 

「貴方は一人じゃないからね、私が居る、優希が居る大丈夫よ」

 

言い

 

「ハイ、私も頼もしく思えます」

 

七瀬ちゃんに言われ

 

「そうなると、頑張らないとね。後輩の前で無様な様を荒らすわけにはいかないものね」

 

私は言い

 

「えっと・・・返答に困ること言わないで下さいよ」

 

言われ

 

「はいはい、じゃぁ今度こそ寝ましょう」

 

私は言い

 

「ハイ、おやすみなさいです、蒼川先輩」

 

「うん、お休み七瀬ちゃん」

 

私も七瀬ちゃんも言い互いに目を瞑るのだった・・・




次回~引っ越し作業~を予定しています。


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第19話~引っ越し作業~

翌日の朝、真珠と七瀬は優希に昨日の事を言い今後にある程度の期待が持てるのはと思い始めていたが・・・・・


翌日 寝室

 

今日も七瀬に合わせて寝室で朝食を取る事にした。その際に真珠に昨日七瀬と話していた事を聞き

 

「成る程な・・・・・・それで鏑木、その部隊の規模は?正確でなくとも良い」

 

聞くと

 

「ハイ、10人前後です」

 

鏑木は言い

 

「1小隊・・・か・・・となると・・・・」

 

考える俺を他所に

 

「優希、自衛隊の人達に助けてもらえないかな」

 

言う真珠に対し

 

「ささやかな希望を打ち砕く事はしたくはないんだが、恐らくはその部隊は救助部隊じゃないぞ」

 

二人に言い

 

「俺の考えだが、偵察もしくは調査部隊だろうな。どれほどの規模の生存者がいてどれほどの物資が残ってるか。後は・・・・!」

 

俺はそこでハタと気付き

 

「しまった・・・・・」

 

言うと

 

「どうしたの、優希?」

「一ノ瀬先輩、どうしたんですか?」

 

2人に言われ

 

「調査部隊の可能性があるなら・・・なんでその事を考えなかったんだ・・」

 

1人で言っていると

 

「だからどうしたのよ!!」

 

真珠に強く言われ、現実に戻り

 

「放棄されているであろう各駐屯地の残存物資・燃料のチェック・・・・」

 

これを2人に言うと

 

「ま・・・不味いわよ・・・あそこの弾薬と武器と燃料と糧食とメディカルキット類と全部持ってかれたら私達が今度はがけっぷちに立たされるわ・・・」

 

真珠は気付いたかのように言い

 

「ああ、ちなみに鏑木、最後にその部隊を見たのはどこらへんだ?」

 

地図を広げて聞き

 

「えっと・・・・此処です!!」

 

市街地を指し

 

「・・・・残された時間は・・・まだありそうだな・・・」

 

俺は言い

 

「優希、引っ越し作業?」

 

真珠は俺に問い

 

「ああ、あの分屯地の弾薬と武器と燃料と糧食、メディカルキット類を全部うちの大型のガレージに放りこもう。地下室もあるから。大丈夫なはずだ。只問題もある」

 

言い

 

「何ですか?」

 

鏑木は言い

 

「燃料の輸送には軽装甲車では無理だ。大型のトラックが居る。それと燃料の運搬には時間と人手が居る。だが両方とも自衛隊の奴らに渡すわけにはいかない」

 

俺は二人を見て言い

 

「あの分屯地に気付くのも時間の問題よね、だとすれば最悪でも武器と弾とメディカルキット類と糧食は回収してきたいわね」

 

真珠は頷きながら言い

 

「ああ」

 

俺も言う中

 

「だとすると、さっそく今日から動いた方が良いかな」

 

真珠が言い

 

「ああ、同意見だ。セキュリティー番号を書き換えているとはいえ自衛隊の連中なら力技もあり得る」

 

言い

 

「力技?」

「何ですそれ」

 

真珠と鏑木が俺に聞き

 

「爆薬によるドアの破壊だよ」

 

答え

 

「何とまぁ・・・大胆な事を」

「でもそうですよね、自衛隊なら十分にあり得ますよね」

 

2人とも納得し

 

「となると、善は急げだな今日から二日前後で最悪は燃料以外の全部をこっちのガレージの保管庫に引っ越す作業をしないとな」

 

言い

 

「「うん、賛成」」

 

2人とも言うが

 

「でも、七瀬はお留守番だぞ。昨日の今日で体調がまた悪くなったら本末転倒だからな」

 

言うも

 

「先こそ人手が居るって言ったじゃないですか、御心配には及びません。十分に戦えるくらい回復しましたよ?」

 

顔色も良く見た目は大丈夫そうに見えたが

 

「真珠、どう思う?」

 

聞き

 

「・・・・・正直言えばお留守番しててほしい所だけども人手が足りない事も事実だしでも私も大丈夫だと思う、もしもの時があれば私がサポートするわ」

 

真珠が言い

 

「俺もサポートするよ。」

 

言い

 

「じゃぁ、物資の引っ越し作業だな、みんな、準備にかかろう」

 

俺は言い、その後皆で準備をと問え

 

「ほんとにすごいですね、装甲車なんてこういう機会でもないと乗る機会ないですし」

 

七瀬が言い乗り込み

 

「まぁ、乗り心地は最悪だが無いよりはマシだろう」

 

俺は言い運転席に乗り込み

 

「そうそう、さっさと行きましょ」

 

真珠が助手席に乗り込み

 

「じゃぁ、行くぞ」

 

俺達3人は物資貯蔵庫代わりにしてる分屯地に向かうのだった。

 

 

 

陸上自衛隊 〇× 分屯地

 

 

「良し・・・大丈夫のようだな・・・さっさと物資の輸送を始めよう。」

 

俺達は分屯地内に入り、武器庫前まで行きパスコードを撃ち込み

 

ピーーーー、ガチャン

 

施錠が外れるのを確認し

 

中に入り

 

「運べるだけ運ぼう」

 

武器庫の外に荷台を置きそこに一気に大量の弾薬を乗せていきそれを装甲車まで運び車内の積み荷がパンパンになるまで行いそれを拠点のロッジに持ち帰るを繰り返した。

 

 

「先輩・・弾薬はこれで最後です。」

 

七瀬が言いそれを乗せる。

 

「次は武器ね」

 

真珠が言い武器庫内を見るが

 

「89式小銃が数丁にSFP-9が数丁後はこの前にM84はもってったから対物のM107とM249軽機関銃とHk416が3丁と。何とかなるな。」

 

弾薬を置いてまた戻り、この時点で既に半日は経過していたがまた戻り今度は残っている武器を全部積み込みそのまま

 

「まだ、スペースあるよ」

 

真珠は言い

 

「糧食をもってこう」

 

段ボール箱に入った戦闘糧食を皆で運び

 

「全部収まりましたね。」

 

鏑木は言い

 

「ああ、何とかなるもんだな」

 

俺も頷き

 

「戻ろ」

 

真珠が言い、また拠点に戻り荷物を下ろす。

 

「最後はメディカルキット類だな。チャチャっと済まそう」

 

俺達はメディカルキット類を運び出し文字通りぎゅうぎゅう詰めにしたが

 

「何とか全部収まったわね」

 

真珠は言い

 

「先輩、さっさと行きましょう。日が暮れてしまいますよ」

 

七瀬が言い

 

「そうだな、最後に燃料の確認だけ」

 

そういって俺は燃料貯蔵庫に行き確認をし

 

「・・・・・・!」

 

俺はそこにある火気厳禁の立札を別の所にある貯蔵庫に付け、南京錠もかけできるだけ同じように偽装し

 

「よし・・・・あとは引っかかってくれれば・・・・」

 

思いつつ皆の所に戻り

 

「良し。帰ろう」

 

運転席に座り、分屯地を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

数時間後

 

????

 

「分隊長・・・空っぽです・・・武器はおろか1発の弾も見当たりません。」

 

1人の自衛官は報告し

 

「此処もか?!、どうする手持ちの弾薬ももうすぐ尽きるぞ・・・」

 

分隊長と呼ばれたベテランの陸曹長は言い

 

「糧食も1つも見当たりません。」

 

もう一人の部下が報告に来る。更には

 

「曹長、メディカルキットも見当たりません。保管庫を隅々まで見ましたがキレイに消えてしまってます」

 

この報告には頭を抱え

 

「武器も弾も食料もメディカルキットもナシ・・・隊長にどう報告する・・」

 

唸る中

 

「曹長、燃料は手つかずのままです」

 

報告を受ける。

 

「そうか・・・ないよりはマシと言う事か。」

 

ほっと胸をなでおろすがその時まだその調査分隊は気付いてはいなかった。その燃料保管庫の表記はフェイクである事を・・・・・




次回~燃料回収~を予定しています。


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第20話~燃料回収~

翌日、優希らの姿はまたも分屯地にあった。その目的は・・・・


翌日

 

陸上自衛隊 〇×分屯地

 

「やっぱり・・・・」

 

Hk416を背負ったまましゃがみ地面を見て言い

 

「何がやっぱりなの?」

 

真珠はMP7を握り背中にM24を背負い周囲に目を配りつつ尋ね

 

「です、先輩」

 

鏑木も89式小銃を握り周囲を警戒する。2人に

 

「鏑木の言う通りに此処に陸上自衛隊の調査部隊が来たようだな」

 

言うと

 

「なんでわかったの?」

 

「どうしてわかるんですか?」

 

2人は言い

 

「俺達以外に軍用のブーツの足跡が複数ある。と言う事は・・・」

 

俺達は昨日に回収した武器庫の前まで行き

 

「やっぱり・・・ドアが破壊されてる」

 

壊れたドアを尻目に言い

 

「全部持ち出してよかったね」

 

真珠は言い、鏑木も

 

「もし・・・・なんて考えたくもないです」

 

言っている。そのまま糧食の保管場所やメディカルキット類を保管していた場所を見るが

 

「全て一通り見て言ったんだな」

 

地面を見て足跡の痕跡を見て言い

 

「優希、燃料は危ないんじゃないかしら、この分だと」

 

真珠は訝しみ

 

「とりあえず見てみよう。」

 

燃料保管庫まで行くと

 

「・・・・・・・・・ビンゴ!、連中フェイクに引っかかったな」

 

俺は言い

 

「何がフェイクなんですか?」

 

後ろから鏑木は言い、真珠や鏑木に昨日に仕掛けた罠を説明し

 

「何それ?!」

 

「先輩もあくどい真似しますね」

 

2人は言い

 

「燃料が無事なのは分かったけど。どうやって拠点のロッジまで運ぶ?携行缶に移して?」

 

「使う分のみを運びますか?」

 

2人は俺に言い

 

「うーん・・・そこなんだよなぁ・・・」

 

俺が考え込む中・・・

 

「・・・・・・・・・・・!、ねぇ優希あれなんてどうかしら?」

 

真珠は停車している一台の大型トラックを指して言い

 

「大型のタンク積んでますね」

 

鏑木も言い

 

「燃料給油車か、イイ考えだけども誰がトラックを運転し誰が軽装甲機動車を運転するんだ?」

 

2人に俺が言うと

 

「私が装甲車を運転するわ、ずっと優希の隣で見てきたもの。女は度胸って言うでしょ」

 

真珠は言い

 

「成る程な・・・・・」

 

少し考え

 

「分かった、それで行こう。鏑木は真珠の隣に乗ってサポートしてやってくれ。」

 

「ハイ、分かりました」

 

鏑木は頷き、俺達はそれぞれ行動に移し、最初に燃料給油車のタンクの状態を確認し

 

「中身は入ってないな・・・文字通りすっからかんだ」

 

そのまま、運転席に座りエンジンを始動しゆっくりと車体を動かす

 

「かってが違う分、やりずらい・・・なぁ」

 

真珠が誘導し保管庫の前まで行き中の燃料をタンクの中に移す作業を行う。

 

「二人とも、周囲の警戒頼む。あとはドンパチは極力控えてくれ、でないと俺が火だるまになっちまう」

 

少しして燃料の移し替え作業を終え

 

「2人ともありがとう、此処の保管庫の燃料半分とチョイしか残ってなかったな」

 

俺は言い

 

「それって少ないの?」

 

「大丈夫なんですか?」

 

2人の問いに

 

「まぁまぁ、使用の度合いにもよるけど当座は十分すぎる量が入ってるよ。」

 

答え

 

「さぁて、問題は帰りだ。手はず通りに頼む。それと真珠くれぐれも慎重にな。事故るなとは言わない。でも貴重な車両だ。全損は勘弁な」

 

言い

 

「うん、善処するわ。そっちも気を付けて」

 

俺達は此処で二手に分かれて、車両に乗車し、拠点に戻るのだった。

 

 

 

数十分後

 

一ノ瀬家ロッジ 拠点

 

「はぁ・・・・何とか戻って来れたな」

 

「ええ、途中何度かヒヤッとしたけどやっぱり怖いわね、無免運転は」

 

「流石に怖いですね、無免運転の隣は」

 

三者三様に言いつつも何とか拠点に戻って来れた。ほんの少し遠回りしこの際拠点としているロッジの脇に燃料補給車を置く事にした、軽装甲機動車も同様に。

 

「これで燃料の補給も直ぐにできるし、移動の足も近くに置けるから周りに目立ちずらくなるわね」

 

「苦労したかいがありましたね」

 

2人は言い

 

「ああ、そうだなこれで、物資の100%が引っ越しできたわけだ。これであの分屯地にはもう用はないな。」

 

言い

 

「と言うか、あのガレージなんであんなに大きいんですか、ドン引きレベルですよ」

 

鏑木は言い

 

「確かにね。あれだけの量の物資入れても余裕があるんだ驚きよね」

 

2人も言い

 

「俺も同感。さぁて、物資の整理作業をするか。[武器][弾薬][糧食][メディカルキット類]と分けて保管しよう。」

 

3人でそれぞれ物資を分けてそれぞれの場所で保管する。[弾薬]と[武器]は同じ場所にまとめて保管し[糧食]と[メディカルキット類]特にメディカルキット類は薬等の低温保存の物は対応している物を限定に業務用の冷蔵庫に入れ保管する。[糧食]は使う時に使う分を限定的に使う事にした。

 

「終わったね、優希」

 

真珠は言い

 

「こっちも終わりましたよ」

 

鏑木も頷き

 

「大仕事だったな。これで当分は何とかなりそうだな。」

 

俺も汗を拭いつつ呟き

 

「あれこれ動いたらおなかすきましたね」

 

鏑木は言いだし

 

ぐぅぅぅ~~~~

 

音がなり

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺も真珠も鏑木を見て互いに

 

「メシにするか」

 

言い

 

「分かったわ」

 

真珠も苦笑してロッジの中に入っていったのだった。

 

「鏑木、飯にしようや」

 

鏑木に声をかけ俺達はロッジに入っていった。その頃・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

陸上自衛隊〇×分屯地

 

 

「燃料もなくなってる・・・・か」

 

報告に呟き

 

「スミマセン、自分の確認が甘かったせいです」

 

謝るが

 

「いや、仕方がない。だが困ったな・・・弾も飯もメディカルキット類も燃料もごっそりと持ってかれたというのは」

 

彼、秋本修二3等海佐は言った。彼は陸・海混成偵察調査隊の指揮官である。

 

「隊長、燃料補給車も消えてます。恐らくは移し替えて移送したものと推測できます」

 

部下の報告に

 

「先手を打たれたか・・・・どうしようもないな。現状は」

 

秋本3佐は言い

 

「市街地よりの駐屯地2か所は全滅で米軍基地もダメだった。手痛いな・・・」

 

秋本3佐は頭を抱えた。そんな彼らと、優希ら一行が出会うのはもうすぐの話。




次回~偵察行動~を予定しています。


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第21話~偵察行動~

情報を求め、3人は市街地において偵察行動を開始する。


市街地、高層マンション

 

「2人とも大丈夫か?」

 

自分の荷物を置き

 

「大丈夫よ」

 

「大丈夫です」

 

2人とも荷物をそれぞれ置き

 

「此処、市街地ではこの高層マンションの一室を基準に動く。」

 

説明し

 

「えっと、警察署と・・・・」

 

「病院ですよね」

 

2人は言い

 

「ああそうだ、準備が出来たらすぐに動こう。持参の物資の量から言っても行動できる期間は予備も含め5日程度だ。」

 

言うと

 

「そう言うと思ったわ」

 

真珠が背嚢からあれこれ取り出す。

 

「ハイ、優希と七瀬ちゃん用の5.56㎜弾予備が200発二人で半分ずつに分けてね、後は私用の4.6㎜弾が100発、後は9㎜の拳銃弾も100発にM24SWS用に7.62㎜が50発。」

 

驚いた事に真珠の奴、皆の為にスペアの弾薬を持ってきてくれていた

 

「だから、お前だけやたらと背嚢が大きくて荷物が多かったんだな」

 

言い

 

「まだそれだけじゃないわよ」

 

「ま・・・まさか」

 

嫌な予感がすると

 

「はい、食料品も+1日分」

 

糧食をだし

 

「ハハハハハハ・・はぁ・・・お前の勝ち」

 

俺は言い

 

「頼りにさせてもらいます」

 

鏑木も言いつつ準備を整える。俺と鏑木で5.56㎜弾を100発ずつ半分に分け、真珠と鏑木で7.62㎜弾を25発ずつに分ける。糧食も一人3つずつ選び

 

カチャ、ジャキンッ

 

装備の確認をして

 

「最初は病院?それとも警察署?」

 

真珠は尋ね

 

「そうだな、警察署かな。」

 

答え

 

「じゃぁ、動きましょうか」

 

「ハイ」

 

俺達3人は高層マンションから動く事にする。

 

 

 

 

 

市街地

 

「・・・・死体が増えてるな・・・・」

 

道中を歩きつつ言い

 

「私が此処通った時はありませんでした・・・」

 

鏑木が言い

 

「やはり誰かが頻繁に此処を通ってる事になるな」

 

「なんか不気味ね」

 

M24を背負い、MP7を持ったまま周囲を見て言い俺達はそこを通過した。撃たずやり過ごす事で戦闘を回避し、第一目的地の警察署に到着した。

 

 

 

 

 

警察署

 

 

「うわぁ・・・・・・凄惨・・・・」

 

「酷い・・・・」

 

周り一面血の海とはこの事だろう。一体何が此処であったのか大体の予想はつく。

 

「さぁ、仕事にかかろう」

 

警察署内にあるそれぞれの情報を統括すべくそれぞれの課の情報を片っ端からかき集める。そしてついでにもう1か所とある場所に行く

 

 

拳銃格納庫

 

「まぁ・・・博打かな」

 

開きっぱなしになっている中に3人出入り

 

「拳銃と弾を探そう。」

 

室内は意外ととっちらかってる。中

 

「優希、これかな?」

 

真珠が指さし

 

「お!ナイス真珠」

 

言い

 

格納棚の中にある、M360Jを数丁取り出す。一応シリンダーの中を確認し

 

「ですよね・・・・」

 

言うと

 

「どういう事ですか先輩」

 

鏑木が言い

 

「日本の警察は銃の中に弾を入れっぱなしにしたまま保管はしない。まぁ警察だけでなく自衛隊もしかりだけども」

 

説明し

 

「となると弾も探さないといけないわけね」

 

真珠は言い

 

「そう言う事だ」

 

更に家探しする事数分

 

「!あった!!」

 

鏑木が言い

 

「どれどれ」

 

「みつけた?」

 

俺と真珠は鏑木に歩み寄ると

 

「えへへ、いっぱいあります」

 

ケースに保管された38SP弾が良い量残っていた。あれこれと探すもこれ以上の物は見つからず

 

M360J SAKURA ×6丁

 

38SP弾×多数

 

を見つける事が出来た。回収したものを真珠に渡し

 

「頼む」

 

「おっけー」

 

真珠は持ってきていたショルダーバックに入れる。そして回収した情報書類の情報を確認するために1つの課のオフィスに入る。

 

 

 

交通課 オフィス

 

「さて集まった情報を見てみよう。」

 

俺達はかき集めた情報関係の書類を見る

 

「この異常殺人に我々は対処が出来ない。そも原因が不可解であり特定が困難を極める。」

 

 

「今日だけでも12件の異常殺人の通報があり署内のキャパシティーを既にオーバーしている。日本全国、世界中でこの異常殺人は多発している。終わりが見える日は来るのだろうか?」

 

 

「署内に避難した避難民に感染者が居たようだ、感染者は射殺されたが一層ひどくなる。これ以上どう対処すればいいのか・・・・」

 

「此処で感染者に対する対処の仕方を記載する。

 

1 頭部の破壊

2 焼却処理

3 四肢の破壊

 

解ってる事は以上である。」

 

 

状況がどんどん悪化して言っているのが読んでいて分かる。そんな中

 

「優希、これ!」

 

真珠は1枚の紙を取り、俺と鏑木はそれを覗き見る。

 

「政府は昨日を洋上の海上自衛隊[多目的作戦護衛艦いずも・かが]の2隻に移し事に対処している。また損害が大きすぎる事から自衛隊は九州を除き本州を放棄。生存者を離島・九州などに救出している。」

 

これを見て

 

「俺達は半分見捨てられた・・・と言う事か。」

 

言い

 

「どうしよう・・・九州まで何て・・・飛行機か船でないといけないよ」

 

真珠も言い

 

「一ノ瀬先輩、この[多目的作戦護衛艦いずも・かが]っ平たく言ってしまえば軽空母ですよねなら艦隊で全国で救出作戦は出来ないんですか」

 

この情報を前に一気に絶望的な状況に陥る。

 

「自分達で動くか、救助が来るまで粘るか、見極めも大事になりそうだな」

 

言い

 

「そうね」

 

「この書類どうしますか?」

 

鏑木と真珠は言い

 

「もって帰ろう」

 

判断し、警察署を後にする。そして帰り道に

 

「・・・・・・・!、何か聞こえない、優希」

 

真珠は言い

 

「・・・・・・銃声だな・・・何処のバカだ?奴らが寄ってくるぞ・・・」

 

俺は呟き

 

「様子見に行ってみますか?」

 

鏑木が言ったそれに対し

 

「・・・・・・そうだな、」

 

俺達は銃声を頼りに行くと

 

「なんとまぁ・・・・」

 

大通り付近で自衛隊とガラの悪い連中が銃撃戦を繰り広げている。

 

「数で自衛隊が負けてるな・・・・」

 

負傷した隊員を引きずる様子を見て言い

 

「どうする?」

 

真珠は言い

 

「・・・・・・・・」

 

少し思ったが

 

「2人とも・・・「人を殺す」覚悟・・・あるか?」

 

聞き

 

「今更よ、優希と巡回に行くとき感染者射殺してるじゃない」

 

真珠は言い

 

「後悔するのは嫌ですから」

 

鏑木も言い

 

「自衛隊を助けよう、うかうかしてると銃声でつられた感染者が寄って着ちまう。」

 

俺はポーチからとある物を取り出し

 

「なにこれ?」

 

真珠は言い

 

「閃光手榴弾。音と強烈な閃光で視覚と聴覚を一時的に奪う。2人ともあそこの倉庫の上から援護頼めるか?」

 

指さし

 

「了解よ」

 

「ハイです」

 

2人とも言い

 

「配置に付いたら俺に構わずおっぱじめてくれ。」

 

此処で俺達はバラける。俺はそのまま自衛隊の人達の方に走り遮蔽物に入り込み

 

「君は?!」

 

自衛隊員に言われるも

 

「通りすがりのサバイバーですよ、加勢します」

 

一言言い直ぐにポーチから閃光弾を取り、安全ピンを引き抜き

 

「フラグ・アゥーーーーッ」

 

2つを敵陣に放り込んでやった、数秒後に強烈な閃光と音で強制的に目つぶしを食らわせた形になり

 

「今だッ」

 

脇から銃をだしHk416に装備しているACOGサイトを覗き引き金を引く。それと同時に真珠達別働組のM24SWSを使用した狙撃も始まり

 

「うぉ?!スナイパー?!」

 

自衛隊員が慌てたが

 

「味方ですよ」

 

言い再度照準器をのぞき込む

 

「・・・・・撤退を始めたか・・・・」

 

俺は言い

 

「危ない所を助かった・・・えっと・・・・」

 

部隊のリーダーとおもしき人が言い

 

「一ノ瀬と言います。」

 

俺は挨拶し

 

「此処じゃなんです。セーフルームでも怪我されてる人もいるようですし」

 

言い、途中で真珠達と合流する。

 

「お・・・女の子・・・」

 

隊員らは言い

 

「真珠、とりあえずセーフルームに戻ろう。」

 

俺達と自衛隊の部隊は市街地活動の拠点としている高層マンションに戻るのだった。




次回~取引~を予定しています。


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第22話~取引~

自衛隊の部隊を助けた一行は高層マンションの市街地拠点に戻る。そして自衛隊と優希ら一行今後の為の取引を持ち掛ける・・・・・


高層マンション拠点

 

「さっきは助かったよ、私は第一次混成調査偵察隊の指揮官秋本修二3等海佐だ」

 

秋本3佐は言い

 

「こっちが中野千晴2等陸尉に大村雄二陸曹長」

 

隊の幹部とベテランの紹介を受け

 

「俺は一ノ瀬優希と言います、この乱痴気騒ぎが起きるまでは只の高校2年生でしたよ」

 

言い

 

「こっちが蒼川真珠、同級生です。」

 

「どうも」

 

真珠はM24に弾を追加で装填し

 

「こっちが鏑木七瀬、後輩です」

 

「よろしくお願いします」

 

89式小銃のマガジンの残弾をチェックしている。

 

周りでは負傷した自衛隊員らの手当てが行われているが、物資が乏しい為に満足に手当てを行えないようで

 

「・・・・・・・・これ、どうぞ」

 

俺は自身の背嚢からメディカル・キットをだし衛生要員の人に渡す

 

「済まないね」

 

キットを受け取り負傷者の手当てに戻る。

 

俺達と秋本3佐に中野2尉と椅子に座り

 

「君達はこんな危険な所で何をしている?」

 

秋本3佐に尋ねられるも

 

「その言葉、そっくりお返しします」

 

俺は答え、自身のHk416のマガジンを交換し使った分の弾薬をマガジンに補充する。

 

「君達は見た所、十二分に装備を整えているみたいだけどこの大量の武器や弾薬等どこで手に入れたのかしら?」

 

秋本3佐の隣の中野2尉は俺達に言い

 

「それが何か?」

 

今度は真珠は言い、ボルトを操作し

 

ジャキンッ

 

「よし・・・」

 

セーフティーを真珠はかける。

 

「我々は君達の敵ではない。救助の為の調査、偵察にの為に派遣されている。心配せずとも君達の装備を横からかすめ取ろうなんておもっちゃいない」

 

秋本3佐は言い、そこで俺は

 

「[武器][弾薬][燃料][糧食][メディカルキット]を陸上自衛隊〇×分屯地、在日米軍基地の一部の物を拝借してます。」

 

答えると

 

「君達だったのか・・・通りで全部物資がすっからかんになってるわけだ」

 

秋本3佐は言い

 

「とすると、燃料の偽装工作も君が?」

 

中野2尉も言い

 

「ハイそうです。中身を燃料補給車に移し替え拠点に運び込みました。」

 

答える。そこに真珠が

 

「そちらの部隊の規模は?」

 

言い

 

「負傷者合わせて全員で15名の小隊だ。と言っても殆ど部隊の機能を失いかけてるがな軽症者でまだ動ける者を含めて10名だ」

 

皮肉交じりに秋本3佐は言い

 

「弾切れに寸前に物資不足で行動もままならない・・・おまけに迎えに来るはずだったオスもトラブって来れなくなった。我々も自活を迫られている状況だよ。」

 

秋本3佐は腕を組みつつ言い

 

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

 

俺と真珠に鏑木は互いに顔を見合わせ頷き

 

「でしたら、取引しませんか?」

 

秋本3佐に言い

 

「取引?」

 

訝しむように言い

 

「ええ、互いにwinwinな取引にできると思いますが」

 

言い

 

「とりあえず話を聞かない事には答えようがない」

 

言われ

 

「ですね」

 

俺も頷き

 

「負傷した方も含め15名全員うちで面倒を見ます、山間部にロッジがあります。ただし客間での生活になりますがそこはご容赦下さい、その代わりにですが食料や武器に弾薬そして燃料の心配はいりません。大量にため込んでますから。」

 

答え

 

「確かに魅力的なお誘いだが、そちらは我々に何を求める?」

 

言われ

 

「本職の知識と能力で俺達を助けて頂ければ・・・・ただそれだけです。」

 

俺達は頷きつつ答える。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

秋本3佐に中野2尉そして大村陸曹長も考え込んでいるようだが

 

「隊長、悪い取引ではないと思います。彼ら3人だけではこの先は分からないそこで我々本職の能力と知識で助けて欲しい、代わりに寝床と補給は提供する。これは互いに損のない取引ですね」

 

大村陸曹長は言い

 

「私もそう思います隊長。私達は補給がこの先望めず行動しようにもできない。彼らがそれを提供するそして我々は見返りとして能力を駆使してサポート、ヘルプに回る悪い取引ではないと思います。」

 

中野2尉も頷きつつ言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

隊の長として安易に決断を下せないというかのように考えているようだが俺には勝機が十二分にあった。彼らは補給が効かない、俺達は補給が効くこのアドバンテージを思えば彼らはこの話に乗るしかない状況にある。

 

「如何でしょうか?」

 

俺はそれとなく聞いてみる

 

「・・・・・分かった、その条件飲もう。隊の安全もかかっている贅沢を言えるような状況ではないからな」

 

秋本3佐は言い

 

「成立ですね」

 

俺は言い、さっそく

 

「手持ちの弾薬はどれくらいですか?なくなる寸前だと言いましたが」

 

聞き

 

「後各員マガジンが1本か2本だろうな・・良くて」

 

秋本3佐は言い

 

「でしたら、これ使って下さい」

 

弾帯ベルトに付けてるポーチから20連のショートマガジン5本をテーブルにだし

 

「ないよりはマシと思って」

 

言い

 

「いえ、助かります」

 

中野2尉が言い

 

「後は此処にスペアのバラが90発前後あります。」

 

俺が出してると

 

「私のもどうぞ」

 

鏑木も自身のスペアマガジンを5本だしバラを全部提供する。そんな中、真珠は

 

「すみません、私のだと口径が違うので・・・」

 

申し訳なさそうに言い

 

「いえいえ」

 

後は医療キットを使い、負傷者の手当てを行い、1日目が終わる。夜に糧食を食べて後に

 

「優希、明日は病院?」

 

真珠が言い、それに

 

「病院にいくのかい?」

 

秋本3佐に言われ

 

「はい、なんか情報や医薬品が残ってればと思い」

 

言うと

 

「病院は正直地獄だったぞ・・・・感染者が閉じ込められたエリアや階層があるからうかつに入ると生きては帰って来れなくなる可能性が大きいな」

 

言われ

 

「行ったんですか?」

 

尋ね

 

「ああ、まずは医療機関で情報収集を行おうとしたが現場でさっそう襲われてね、部下を2人死なせてしまった・・・・」

 

秋本3佐は言い

 

「まじかよ・・・・」

 

流石に俺もビビり

 

「どうしても行くのなら、うちの中野2尉と小坂1曹を付けるが」

 

秋本3佐言ってくれ

 

「ではお言葉に甘えて・・・」

 

俺達は言い翌日に中野2尉と小坂1曹と共に病院に向かう事にしたのだった。 




次回~地獄の病院~を予定しています。


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第23話~地獄の病院~

翌日、俺達と中野2尉そして小坂1曹と5人で市の大型総合病院に向かうが院内は・・・


高層マンション 

 

「3人ともイイかしら、今日行く病院はまさにこの世の地獄とも言えるわ。」

 

中野2尉は説明し

 

「後は接近戦になるから気を付けないといけない。」

 

小坂1曹も俺達に言う。

 

「接近戦か・・・・刹那の判断が生死を分ける・・・か」

 

頷き

 

「真珠、に鏑木、接近戦用の装備は?」

 

尋ね

 

「私は[この子]{MP7}があるから大丈夫だけども、優希や七瀬ちゃんは?」

 

俺達を見て言い

 

「俺はこいつがある!」

 

ホルスターからSFP-9をだすが

 

「・・・・私、接近戦用の武器がないです」

 

言い

 

「言い出しっぺで申し訳ないんだけども私達も9㎜弾が底ついてね」

 

中野2尉は言い

 

「予備を提供します」

 

言い

 

「真珠、予備出してくれ」

 

真珠に言い

 

「でも、優希は何発分持ってきてるの?」

 

真珠は箱を出しつつ言い

 

「俺は予備の弾倉を10本150発分。銃本体に15発入ってるから165発分ある」

 

真珠に告げ

 

「まぁ・・・なら大丈夫かな?」

 

言いつつ真珠は予備の9㎜弾100発を取り出す。

 

そして真珠は

 

「此処に100発分あります、お二人で分けて下さい。」

 

真珠は告げ、中野2尉も小坂1曹も9㎜拳銃と弾倉を数本ずつ取り出すがそれは俺がよく知っているSIG P220事旧9㎜拳銃だった。

 

「あれ?SFP-9じゃないんですか?」

 

俺は言い

 

「君が使ってるSFP-9は特殊部隊に優先配備されてるからね、特殊作戦群や隊長の所属先の[特別警備隊]等ね」

 

小坂1曹は言いマガジンに9㎜弾を補充していく。

 

「小坂1曹、まだ終わらないかしら?」

 

中野2尉は言い

 

「後少しです」

 

小坂1曹が言う中、中野2尉は既に装填を終えていた。小坂1曹も作業を終え山のようにあった9㎜弾が28発まで減っていた。

 

「あと、鏑木はこいつを使うと良い、昨日警察署で見つけた奴だがな」

 

3人で見つけたM360Jと予備のバラ弾を多めに渡し、使い方を教える。

 

「分かりました、使いやすいですね」

 

鏑木が言う中

 

「言い忘れたが、こいつは撃つ時以外に引き金に指かけるなよ、暴発を防ぐ目的だが」

 

言い

 

「分かりました。」

 

鏑木はアーマーベストに付けているポーチにバラ玉を入れ、銃本体を右のポーチに入れる。

 

「じゃぁ・・・行きますか・・・・」

 

俺は言い

 

「秋本3佐、此処の守りお願いします。」

 

頼み

 

「君達も無理はするなよ。命あっての毎日だ、死んでしまったら意味がなくなる。」

 

秋本3佐に言われ

 

「ハイ、分かっています、無理はしません」

 

答え行こうとすると

 

「待ちなさい」

 

大村陸曹長に呼び止められ

 

「ハイ」

 

言うと

 

「これを持ってくと言い」

 

大村陸曹長にM870MCSを手渡される。

 

「予測のつかない接近戦ではショットガンが役に立つ。お前さんなら使い方も分かるだろう、後は予備の弾だ使い所を間違えるなよ」

 

アドバイスをもらいつつ20発ほどのショットシェルを渡され

 

「ありがとうございます、ですが大村さんは大丈夫なのですか?」

 

予備のショットシェルを受け取りつつ聞いたが

 

「何の、長年連れ添った「89」が居るからな」

 

大村さんは答え

 

「大事に使わせてもらいます、では」

 

装備を整えて俺達は出発したのだった。昨日同様に戦闘を回避しつつ他のサバイバーにも見つからぬように気を配りながら移動し、目的の病院に到着する。

 

「どんどん酷くなるな・・・・・」

 

呟き

 

「正直・・・此処までとわね・・・」

 

「酷いです・・・」

 

後ろで真珠と鏑木の2人が言う中

 

「行こう」

 

Hk416を構えなおし、銃に付けているウェポンライトを点灯する。病院のフロントエントランスで俺達は集まり

 

「とりあえず、この病院の地下は1階2階があるけれども地下1階の安置所は絶対に行ってはダメよ後は4階そして5階は絶対に行ってはダメ。5階には薬品庫があるけれどもそこに行くには手持ちの弾薬や装備では足りなくなるほどの感染者を相手にしなければならなくなるわ」

 

中野2尉は言い

 

「薬品庫は幸いにも3階にもある。薬やメディカルキット類目当てなら此処に行くと良いだろう。」

 

小坂1曹も言い

 

「私は医師免許持ってるから、薬のことなら何でも聞いてね」

 

中野2尉は言い

 

「戦う軍医さんですね」

 

鏑木は言い

 

「うん、そうね」

 

真珠も言っている。

 

「頼りになります」

 

俺も言い

 

「まずは負傷している人たちの為に医療品を回収しよう。俺達の使う分はその余りでも十分だ」

 

言い3階を目指して進む。

 

「・・・・・・・」

 

俺は先頭に立って進み後衛に中野2尉や小坂1曹についてもらった

 

「ひどいなぁ・・・・」

 

死体を他所に俺達は1階と2階を無視して進み3階の薬品庫の前に付くが

 

「え・・・・・ナンバー式の施錠ドア・・・か」

 

パット見た感じいい

 

「パスコードは?」

 

尋ね

 

「スミマセン、そこまでは・・・」

 

中野2尉は言い

 

「ほんとにもう!」

 

真珠がドアを強引に引っ張るとすんなりとドアが開いた。

 

「えっ?!なんで?」

 

「うそん」

 

「真珠、お前バカ力こわ」

 

「せ・・先輩・・・・」

 

俺達は言い

 

「ちょ?!」

 

真珠は言い

 

「ジョーダンだよ。予備電源も死んでるからかな・・・・まぁ好都合だな」

 

俺達は中に入り薬品やメディカルキット類の確認を行うが

 

「結構使っちゃってるよな・・・・まぁ・・・期待はしていなかったが」

 

俺は言い

 

「だよね・・・」

 

真珠も言い

 

「でも先輩方・・・こんなのありますよ」

 

鏑木はとある箱を大量に棚からおろすそこには[タミフル][リレンザ]と記されており

 

「この季節には必要になるわね」

 

中野2尉は言い

 

「他は点滴や必要な点滴キット後は・・・抗生物質に鎮静剤・・・解熱剤に包帯テーピングテープ、ガーゼその他Etc・・・そこそこの量ありますね」

 

真珠はライトで照らしながら言い

 

「各員背嚢に全部入る量よね」

 

中野2尉は俺達を見回して言い

 

「そうですね・・・」

 

俺はとある保管庫をかけると

 

「ん・・・なんだこれ?」

 

保管されている箱を取り出し

 

「中野さん、これなんですか?」

 

聞いてみると

 

「これ、インフルエンザのワクチンじゃない。お手柄ね」

 

中野さんは言い

 

「じゃぁこれも持ち帰りですね。」

 

箱をプチプチで包んで中身のワクチンが割れないようにし俺達は薬品庫保管庫を後にする。

 

「情報はどうします?」

 

俺は言い

 

「そうね・・・・」

 

中野2尉は言い

 

「ナースセンターにでも寄ってみましょう」

 

中野2尉は指さし

 

「了解です」

 

俺達はその階のナースセンターによってみた。するとそこそこの報告書が残っており

 

 

〇月〇日

 

この病院のキャパシティーもそろそろ限界が来ている。感染原因の特定は今だ出来ておらず、患者は増える一方だ。今日もまた搬送されてきた

 

 

〇月×日

 

ああ、気が狂いそうだ・・・上の4階が封鎖された。上は地獄絵図だった。こうも人は無力なのかと突きつけられる。人の命を救うべく奔走している我々も限界などとうに超えている。上の4階は感染者の山だ。処置しようがない。死人が蘇るなどどう説明すればいいのかわからない。確実に言える事は1つ元はC共ウィルスが原因である事に変わりはない。だがこの突然変異によるこの状況は打開する術が全くない。

 

×月〇日

 

今日、恐れていた事が起きた。職員の中にも感染者が出始めている事が発覚した。あれほど防護服にゴーグルにマスクにフェイスシールドと重装備にも関わらず。彼らは気丈にも経過観察に俺達を使ってくれと申し出ててくれた。同じ同志として不甲斐ない自分を呪いたくなる。彼らを救う術がない・・・このままあの人肉を欲望のまま貪る死人とかするのを只黙ってみているしかない状況に・・

 

 

△月〇日

 

各フロアの責任者が集められ今後をどうするか決めるために会議が行われたが結論はです。だが状況は悪化の一旦を辿っている、4階の上の5階もこのペースで行けば来週には封鎖しなければ死人共のオンパレードになってきている。警察の事案維持も既に限界に達しており、自衛隊も厳戒態勢を各都道府県で引いているとも聞いた。だが封鎖する前に5階の薬品保管庫より物資を3階に移す作業を行う事にする。

 

×月×日

 

やはり見立て通り今日をもって5階のフロアが閉鎖された。もう霊安室代わりの状態だ。アレが死んでいるのかと思えるが。もはやこれまでと言ってもいい、我々もできうる限りを尽くしたこんな事あるだろうか、あんまりだとさえ思える。

 

△月△日

 

もう町の面影もない。あるのは飢えた死人が人肉を貪る音だけだ。街は完全にこの世の地獄と化した。政府は海上自衛隊の多目的作戦護衛艦を旗艦とした艦隊に政府機能を移転しやがった。やっぱ政治屋は嘘つきの集まりだ国民を見捨てて我先にと逃げやがった。他県の病院の情報によると自衛隊も損耗が激しく続々と部隊が全滅を回避するべく駐屯地や現場から離脱しているとの事だった。

 

〇月〇日

 

今日の検査において私も感染している事が判明した。驚きはない。この病院も終わりだろう。ドクターももう数人しかいない。そして薬等の物資は殆どなく声以上の対応は不可能だ。私は今日をもって自らを隔離する事にする。もしこれを見て変わり果てた私を見たら躊躇わずトドメを指してほしい。最後のお願いだ。

 

この報告書類?を読んだ俺達は

 

「よほどの激戦だっただろうな・・・」

 

俺は紙を置き言い

 

「ええ、そうね優希の言う通りね。医療現場の最前線最後まで踏ん張ってくれたくれた人たちがいた・・・文字通り[英雄]ね」

 

真珠はため息をつき言い

 

「この病院で起きていた事が良く分かります、本当にこの世の地獄です・・・」

 

鏑木も言い

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

中野2尉や小坂1曹は黙り込み

 

「本当に責任の重さを痛感するわね、医療の人達は最後まで逃げずに姿なき悪魔と戦ったのに私達は命令1つで撤退・放棄した。」

 

中野2尉は唇をかみ

 

「確かに責任の重さを感じます、我々も責務を全うしなければ彼に顔向けできませんね」

 

小坂1曹も言っている。この報告書類を入れ俺達はそこを離れ階段で1階に戻ろうとするが

 

「!」

 

手前に感染者1体俺達に背を向けていた。俺はサバイバルナイフを取りそっと近づき

 

「・・・・・・ッ!」

 

背後から感染者の頭にナイフを突き立てる。感染者は崩れ落ちるがその音に反応しその階の感染者がこっちに向かい始めていた

 

「マズイわ!!」

 

真珠は言いMP7を構え

 

「やばいですよ」

 

鏑木も89式小銃を構え、中野さんや小坂さんらも89式小銃を構え追撃しようとする中

 

「下で落ち合いましょう。ある程度始末したら後を追います」

 

言い

 

「でも」

 

中野2尉は言ったが

 

「大丈夫ですこれがあります。]

 

M870MCSに持ち替え、こっち来ようとする感染者らに散弾をお見舞いする。ある程度の数を始末し

 

「頃はよしッ」

 

封鎖の為の非常ドアでそのエリアを封鎖する。急いで階段を下りる道中に真珠達に射殺された死体が数多く転がっており

 

「相変わらずイイ腕してる」

 

関心しつつ俺も1階まで走り、階段を下り切ると

 

「こっち、急いで!!」

 

真珠が手を振っており

 

「今行く」

 

真珠達に合流し病院を離れるのだった。

 

 

 

 

高層マンション

 

「ただいま戻りました。」

 

俺達は戻り、医療品を衛生担当の人達に渡し、本格的な負傷者の治療に充ててもらい

 

「これ、お返しします」

 

俺は大村さんにM870MCSと予備のショットシェルを返し

 

「助かりました」

 

お礼を言い

 

「助けになったのならよかった。」

 

大村さんは言っていた。

 

中野2尉は秋本3佐に状況を説明し

 

「予想以上にひどかったな・・・・」

 

「ハイ、ですが収穫もありました。」

 

と医療品の事とあの報告書?関連を報告している。そして

 

「一ノ瀬君、我々としてはもう十二分に調査を行ったついてはそっちのタイミングに合わせて撤退したいのだがどうだろうか?」

 

秋本3佐は言い

 

「ハイ、実は俺達も予想以上の収穫だったので撤退しようかと考えていました。」

 

言い

 

「そちらの足は?」

 

尋ね、それに対し

 

「現地の駐屯地で残っていた96式装輪装甲車で行動してた。ただ・・・燃料が持つかどうか」

 

秋本3佐は言い

 

「君達は?徒歩かい?」

 

聞かれるが、俺達も

 

「無免許運転ですが軽装甲機動車で途中まで来て後は徒歩です。」

 

答え

 

「まいったね、よぉやりおる」

 

言われ

 

「どうしますか?分散しますか?」

 

尋ね

 

「うむ・・・そうだな・・・そうしよう。」

 

秋本3佐は言い

 

「でしたらさっさと互いに車両を回収してきた方が良いですね。長居は無用みたいな感じですし」

 

答え

 

「優希、15人+私達3人で人員は合計18人で装備品を入れると1回で行けるかな?」

 

真珠は言い

 

「ああ・・・でも装輪装甲車は人員輸送の面でも使うから大丈夫だと思うし乗り切れなければ俺達の所の軽装甲機動車でも人員と装備を分散して運べばいいんだし」

 

真珠に説明し

 

「そっか・・・・そだね」

 

納得しそれぞれに装備をまとめ、此処を離れる準備と秋本さんらは96式装輪装甲車を此処に乗り付ける準備を俺達はカモフラージュして軽装甲機動車を隠している所まで互いに戻り高層マンション前まで乗り付ける。他の連中に見つかると面倒な事になる為に迅速に行い

 

「優希、こっちオッケーだよ」

 

真珠は言い

 

「一ノ瀬君これ使ってくれ」

 

秋本さんに無線機を貰い

 

「分かりました。先導するんでついて来てください。」

 

俺は無線機を助手席に座る真珠に預け

 

「出発」

 

俺達は高層マンションを離れ拠点のロッジに戻るのだった。




次回~大所帯~お予定しています。


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第24話~大所帯~

拠点に戻った一行はすぐさま動き出す


一ノ瀬家 所有ロッジ

 

「爽快な眺めね」

 

軽装甲機動車を下りた、真珠は言い

 

「軽装甲機動車の隣に96式装輪装甲車は確かに絵になる。」

 

俺は言い

 

「真珠、鏑木、秋本さんらを案内してやってくれ。」

 

2人に指示し

 

「わかったわ」

 

「はーい」

 

2人は言い先にロッジの中に行き、装輪装甲車から下りてきた秋本さんは

 

「立派なロッジだな・・・・」

 

「ハイ」

 

「すごいですね、籠城にはもってこいですね」

 

秋本3佐や中野2尉に大村陸曹長も言う中

 

「皆さん、ようこそ俺の・・・と言うよりは両親が残してくれた遺産の一つですがロッジにようこそ」

 

言い

 

「遺産?」

 

秋本3佐は反応し

 

「まぁ・・・おいおいその事は言いますよ。まずは負傷者を中に運び込みましょう。」

 

話をずらし、負傷した隊員らをロッジ内に運び込み

 

「優希、準備できてるわ」

 

「先輩、此処の部屋に」

 

2人は言い、俺達は負傷者5人をその部屋に連れて行き

 

「後は我々が」

 

赤十字マークを付けた衛生担当の隊員が引き継ぎ

 

「必要な物資があったら言って下さい、準備します」

 

言い

 

「お願いします」

 

隊員らは言い

 

「包帯の交換」

 

「ガーゼ出して」

 

「消毒薬の予備」

 

「急いで」

 

彼らはテキパキと動くその傍ら、ダイニングに戻り

 

「真珠、鏑木、手伝ってくれ」

 

言い

 

「うん」

 

「ハイ」

 

2人でガレージに行き

 

「弾薬を運ぼう。持ってくのは5.56㎜と9㎜の2つの種類だ。」

 

2人に言い

 

「「おっけー」」

 

皆で弾薬箱をダイニングに運び込む。そこに

 

「おっ、居た居た」

 

秋本さんが来る中

 

「弾薬持ってきました、補充できるうちに補充してください」

 

秋本さんに言い

 

「おお、済まないね動ける連中呼んで補充させてもらうよ」

 

秋本さんは言い

 

「こっちに来ていただけますか?」

 

言い

 

「イイとも」

 

秋本さんを伴いガレージの地下に来る

 

「これは・・・・なんと・・・」

 

地下に武器・弾薬を整理しておいている。

 

「すごいな・・・・各種弾薬に・・武器もある、89式にHk416にM84にM107対物ライフルにM249、小銃に拳銃、ロケットランチャーから軽機関銃に対物狙撃銃なんでもありか。」

 

秋本さんは言い

 

「ハイ。生き残るために必死でしたから。」

 

言い戻る。

 

すると既にダイニングで隊員らがマガジンに弾薬を補充し始めていた。

 

「真珠、部屋のほう説明したか?」

 

言い

 

「弾の補充してからの方が良いかと思って」

 

真珠は言い

 

「まぁ、そうだな」

 

俺も頷く。

 

「一ノ瀬君、すまない5.56㎜弾が足りないのだがもってきていいかい?」

 

秋本さんは自分のマガジンに弾を補充しつつ言い

 

「ハイ、大丈夫ですよ」

 

俺は言い

 

「大村曹長、手伝ってくれ」

 

「了解です」

 

2人はガレージに行き弾薬の入ったケースを持ってくる。そしてひたすら弾薬の補充を行っていた隊員らの作業も完了し

 

「皆さんの部屋の案内します、こちらへ」

 

俺達の生活スペースの2階に案内し

 

「こおにあるのは全部客間です。申し訳ありませんが何人一組での使用をお願いします」

 

俺は言い

 

「成る程ね・・・ちなみに皆は?」

 

秋本3佐は言い

 

「俺と真珠はこの部屋を使ってます、鏑木さんはこの部屋を」

 

説明すると

 

「・・・・・・・・!」

 

中野2尉は何かに気付き

 

「成る程ね・・・」

 

意味深な顔をし

 

「仲が良いのは大変良い事だけども[ほどほど]にね」

 

中野2尉は俺と真珠を見て言い

 

「どういう事だ?」

 

秋本3佐は言うと

 

「これだから秋本3佐は[鈍感]と言われるんですよ。一ノ瀬君と蒼川さんは[男女]の仲と言う事ですよ。」

 

中野2尉は言い

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

俺も真珠も顔を赤くしそしてそらし

 

「成る程ね・・・・」

 

秋本3佐は言い

 

「まぁ、我々が2人にあれこれ言う事はないけども・・・」

 

言うと秋本3佐は俺に近寄り耳元で

 

ゴニョニョゴニョニョ

 

言い

 

「!!」

 

俺はさらに顔をさらに赤くし、それ俺の表情で察したのだろう

 

「秋本3佐、セクハラですよ」

 

言い

 

「すまんすまん」

 

秋本3佐は言い

 

「分かった、じゃぁ中野2尉そっちは任せたぞ」

 

秋本3佐は言い

 

「ハイ、了解です」

 

直ぐに男女に分かれ部屋に入る。

 

「家具家電の用意がなくてスミマセン明日あたりにでも準備します。」

 

言い

 

「いやいや、雨風しのげるだけでも十分天国だよ。布団までご丁寧に感謝するよ」

 

秋本3佐は言い

 

「よし、野郎共これ以上一ノ瀬君の手を煩わせるなよ。明日から行動開始だ」

 

言い

 

「了!」

 

秋本さんらの部下は力強く言った。その夜

 

ダイニングにて

 

「ささやかではありますが、皆さんの為に腕を振るわせて頂きました。」

 

テーブルに所せましと料理を置き真珠が言い

 

「後これもどうぞ」

 

鏑木の奴ちゃっかりデザートまで出していた。

 

「部隊を代表してこの手厚い歓迎に感謝します、3人とも」

 

秋本さんは言い

 

「それでは頂きましょうか」

 

俺は言い

 

「頂きます」

 

こうしてつかの間の宴会が開かれる。

 

「本当にこんなおいしい料理はいつ以来かしら」

 

中野さんは言い

 

「この料理で一ノ瀬君を捕まえたのね、いつの世も男を捕まえるにはまず胃袋からっていうものね」

 

中野さんは言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺からすればこの中野さんの言う事ももっともだがそれ以上の事が合ったため言う事は出来ない。

 

「うまい・・・・五臓六腑に染み渡る美味しさだ・・・」

 

秋本さんもあれこれとおかずをつまんでいく。こうして夕食の時間は過ぎ、食器洗い等の後かたずけが終わった後

 

「先にお風呂どうぞ」

 

俺は中野さんらに言い

 

「いいんですか?家主を差し置いて」

 

言われるが

 

「前から、真珠や鏑木を先に入れてその後に湯を貼りなおして入れていたのでどうぞ」

 

言い、冷蔵庫からコーヒーを取り自室ではなく

 

コンコンコン

 

ノックし

 

「入れ」

 

聞こえ

 

「失礼します」

 

中に入ると

 

「おっと、君だったかすまんな癖で」

 

秋本さんは言い、部下と談笑しているようだった。

 

「どうですか?一杯」

 

コップとコーヒーを置き

 

「イイね」

 

秋本さんは言い

 

「御馳走になります」

 

「どうもです」

 

「ボーイズトークと言うやつですな」

 

「ふぅ・・・・」

 

「コーヒーですか、私は好きですよ」

 

皆が思い思いに過ごしているようで

 

「そうだ、部下の紹介がまだだったな」

 

秋本さんは言い

 

「右から

 

浅見健人 2等海尉

 

田端悠一 2等陸曹

 

有馬剣一 3等海曹

 

小坂修二 1等陸曹

 

大村雄二 陸曹長

 

そして私を入れて全員で6名だ。」

 

秋本3佐は言い

 

「しかし、一ノ瀬君よく生きていたね。本州は全滅ではないのかと上の連中は言っていたが」

 

浅見2尉に言われ

 

「運が・・・・・良かっただけです・・・・」

 

答え

 

「まぁ、運も実力と言うからな」

 

小坂1曹も言い、コップにコーヒーを注ぎ

 

「しかし、このロッジも相当な物だ・・・」

 

田端2曹が周りを見渡しながら言い

 

「まぁ・・・両親が残してくれた遺産の1つですから」

 

越えた

 

「あっ・・・・・済まない・・・・」

 

謝られるが

 

「いいえ、両親とも自衛隊員でした。父は海上自衛官、母は航空自衛官もう故人ですが」

 

言い

 

「そうか・・・気の毒に」

 

有馬3曹が言うが

 

「まぁ・・・最初は本当の事を言えば自衛隊が嫌いでした。軍隊は私の大事な物を全て奪っていく・・・と」

 

俺は当時の自分の心中をさらけ出し

 

「失礼だが、殉職されたご両親の名を聞いても」

 

秋本3佐は言い

 

「「3佐ッ」」

 

浅見2尉に大村陸曹長は言ったが

 

 

「大丈夫ですよ、もう過去と割り切りましたから」

 

言いつつも

 

「父は一ノ瀬宗司殉職前は2等海佐、殉職後に2階級特進で海将補」

「母は一ノ瀬節華殉職前は2等空佐、殉職後に同じく2階級特進し空将補」

 

言うと

 

「・・・・そうか・・・・君が一ノ瀬海将補殿の忘れ形見、こんな形で出会う事になるとわね・・・これも運命・・か」

 

秋本さんは言い

 

「??」

 

首をかしげていると

 

「君は・・・・父親の死の原因が私にある・・・と言ったら?」

 

秋本さんは突然言い出し

 

「えっ・・・何を・・・」

 

俺も二の次がいえなくなる中、秋本さんは話し出した。当時まだ2等海尉と経験が浅かった秋本さんは父の部隊に居たと。第二次朝鮮戦争でも共戦った事も

 

「私のクリアリングミスが原因だった、射殺したと思っていた北朝鮮兵は置き土産を残していった、そう手榴弾だ・・・私は気付かず、それに気付いた海将補殿が手榴弾に覆いかぶさり・・・・」

 

秋本さんは吐き出すように語った・・・

 

「・・・・・・・・・」

 

俺は何も言えずそして

 

「君には私に恨みつらみをぶつける権利がある、同時に[私を殺す権利も]」

 

言った、だが

 

「それはできません、父が自分を挺してまで守った秋本さんの命を私が奪えば父の死が只の犬死になってしまう。それに憎しみや復讐は絶対にいい結果を生まない。むしろ感謝します。父の最期が分かって、最後まで立派な自衛官なんだと分かって嬉かったです」

 

答えた。恨みなどなかった。全ては戦争が悪い、北の某将軍様が悪いのだから。秋本さんは何も悪くはないのだ。

 

「ちょっと待っててください」

 

俺は下に降り、冷蔵庫から缶酎ハイを人数分持ち部屋に戻り

 

「飲みましょう、無礼講と言う事で」

 

皆に缶酎ハイを配り

 

「この出会いに」

 

俺は言い缶を掲げ

 

「この出会いに」

 

皆で乾杯し酒を煽る。そして

 

「もう済んだ事です。只皆で協力しこの事態の中でも生き残る事を考えましょう」

 

7人でお酒を飲んでいると

 

「たいちょ・・・って、なにお酒飲んでるんですか!!」

 

中野2尉が部屋に入り、一緒に入浴していたと思われる真珠も

 

「優希!もう・・・お酒なんて飲んで・・・」

 

真珠もぷんすかと怒りつつも

 

「イイだろ、こんな日くらい」

 

俺は言い、横で

 

「もう・・浅見2尉、貴方が付いていながら全く・・・」

 

中野2尉も頭を抱えつつも言うが

 

「まぁ・・・そっちがボーイズトークするならこっちはガールズトークかな」

 

中野さんは言い

 

「一ノ瀬君、冷蔵庫の中の缶酎ハイ貰ってもイイかしら」

 

言われ

 

「はい、大丈夫ですよ」

 

答え

 

「クス、ありがとう。さぁてこっちも女子会やるわよ、蒼川さん、一ノ瀬君との馴れ初めちゃあんと聞かせてもらうわよ。私だって女だもの羨ましいわよ、男がいるなんてけしからんわ」

 

中野さんはノリノリに言うと真珠と鏑木さんを連れて部屋を出て行った。それから幾分か話し、幹部の浅見2尉や秋本3佐以外の人は寝てしまったが

 

「浅見さんに秋本さん、此処からはジョークはナシで聞きたいのですがこの騒ぎで国内の情勢はどうなってますか?」

 

聞き、浅見2尉も秋本3佐も互いに顔を見合わせ

 

「正直に言って厳しい状況に立たされているよ、戦おうにも銃弾が足りず燃料も不足している。海外の情報だとアメリカも空母に政府機能を移転したそうだ、イギリスは比較的事案が保たれ、ロシアのモスクワは厳しい情勢が続いている。発生源ではないかと言われている中国は残念だが手遅れだ、通信が途絶したそうだ。北朝鮮も同様に通信が途絶、韓国は在韓米軍が粘っているおかげか持ちこたえているようだな。」

 

秋本3佐は言い

 

「我々も[多目的作戦護衛艦いずも・かが]に政府機能を移転して何とか踏ん張っている状況です、[いずも・かが]の艦載機F-35J/Bを即席の偵察機として飛ばし艦隊は情報を集めています。今の所無事なのは九州・北海道・そして沖縄方面の離島です。」

 

浅見2尉が教えてくれ

 

「となると・・・・俺達にできる事は・・・」

 

考え

 

「物資の増強を図った方がいいかも・・・・・」

 

呟き

 

「アテはあるかい?」

 

秋本さんは言い

 

「ええ、かなり無茶をして潜り込んだ市街の在日米軍基地は宝の山ですよ。今なら数人で行って武器・弾薬・食料・その他の物資を拝借し放題ですね。ここらへんで銃器を持ってるのはごく一部まして車両があるのはごくごくごく一部そしてですので何とかなるかと思います。ですがその前に行く所が1か所ありますけども」

 

答える。

 

「えっと、日用品や食料品を大量に保管している所があります。この県の人間ならば普通に知ってますし立地もよくなくて余り行く人もいません。ましてこの状況ならば余計にそこに行くのは自殺行為ですけどね。武器もナシ・車両もナシの人では」

 

2人に言うと

 

「・・・・・・!」

 

浅見2尉は何かに気付いたようで

 

「成る程・・・この県にある会員制の倉庫スーパーのポスポコに目を付けていたのか。」

 

浅見2尉は言い

 

「良い所に目を付けたな・・・あそこならば日用品から食料品にはては薬局もある。なぜ今の今まで気づかなかったか・・・・」

 

秋本3佐は頷き

 

「明日はそこに行って多めに物資を仕入れてきます。皆さんの必要な物もあるでしょうし」

 

俺は言い

 

「確かにな。着替えは正直欲しい所だすしね」

 

浅見2尉も言い

 

「ああ、そうだな。生活に必要な物は是非とも欲しい所だな」

 

秋本3佐が頷き

 

「じゃぁ、明日の行動は決まったようなものだな。」

 

浅見2尉は言うが

 

「言い忘れていましたが、明日皆さんに教えないといけない事が1つあります。とても重要で大事な事です。皆さんの命にも関わりますから」

 

言い

 

「命に係わる?」

 

秋本3佐は言い

 

「ハイ、簡単に言うと此処には正面から来れないように斜面にトラップを敷設しています。ですのでその敷設位置を教えて行かないと万が一にもと言う事があると悪いので」

 

言い

 

「成る程、分かった。」

 

秋本3佐と浅見2尉も言い

 

「今日はもう遅いですから、ゆっくり休んでください」

 

コップと缶を持ち部屋を俺は出て居ったのだった。それを尻目に

 

「流石・・・一ノ瀬海将補殿の息子だな、将来は優秀な自衛官になるだろう。」

 

「ハイ、天性のサバイバルスキルや銃火器の扱い、すごいですものね」

 

秋本3佐と浅見2尉は言い

 

「さて、もう寝ようか明日に差し障るとマズイからな」

 

2人も言い敷かれた布団に入るのだった。




次回~生き残る覚悟~を予定しています。


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第25話~生き残る覚悟~

今日の情報を元に真珠と優希は今後を話すが・・・・


優希・真珠 寝室

 

「ねぇ、優希まだ寝ないの?」

 

ジャージ姿の真珠は言い

 

「ああ・・・まぁそうだな・・・」

 

窓の外の月を見て言い

 

「ホントいきなりまるで大家族よね」

 

真珠は隣に来て言い

 

「そうだな、そう言えば怪我してる隊員の人達の容体は?」

 

尋ね

 

「中野さんら衛生担当の人達が見てるから大丈夫よ」

 

真珠は言い

 

「そうか・・・・・」

 

答え

 

「どうしたの?」

 

聞かれ

 

「いや・・・・世間は狭いんだなと思ってた所さ。」

 

先の秋本さんに聞いた父の最期など真実は意外にも近くに転がってる事があると思い知らされた。

 

「それよりも、真珠お前はGirls Talkは楽しめたか?」

 

聞くと

 

「もう・・中野さん酒癖がすごいというかなんというか」

 

真珠がしどろもどろになり

 

「・・・・・・・・まさか・・・真珠、お前・・・」

 

一抹の不安を思い真珠を問うと

 

「だ・・大丈夫よ、[貴方を襲った]事は言ってないから。貴方の名誉にも関わる話だし。」

 

真珠は言い俺は胸をなでおろす。流石に彼女の気持ちに気付けずに襲われましたなんて恥ずかしすぎて俺も言えない。

 

「それよりも真珠、浅見2尉や秋本3佐に聞いたんだが状況はさらにヤバイみたいだぞ」

 

俺は言い

 

「「なんでも正直に言って厳しい状況に立たされているらしい、戦おうにも銃弾が足りず燃料も不足していて身動きが逸れないとかな。海外の情報はアメリカの政府機能も空母に機能を移転したそうだ、イギリスは比較的事案が保たれているが、ロシアのモスクワは厳しい情勢が続いているらしい。発生源ではないかと言われている中国は残念だが手遅れだって、通信が途絶したそうだ。北朝鮮も同様に通信が途絶、韓国は在韓米軍が粘っているおかげか持ちこたえているようだな。」

 

現状を真珠にも言い

 

「はぁ・・・・現実はかなり厳しいわね・・・・」

 

真珠もため息をつきつつ言い

 

「まぁ・・・そうだな・・・」

 

俺も言い、続けて

 

「日本政府も[多目的作戦護衛艦いずも・かが]に政府機能を移転して何とか踏ん張っている状況だとさ、[いずも・かが]の艦載機F-35J/Bを即席偵察機として飛ばして艦隊でも情報を集めているんだとさ。そして今の所無事なのは九州・北海道・そして沖縄方面の離島がセーフティーエリアなんだってことらしい。」

 

言い

 

「日本戦後初の空母が移動式の国会議事堂とわね・・・・」

 

真珠が皮肉を言い

 

「ああ、建造+改装費で2000億近いお金をかけた艦だったような気がする。」

 

答え

 

「政治家なんて信用に足らないわよ。いっつもバカばっかりやらかしてるし」

 

辛らつな事を真珠は言い

 

「厳しいな」

 

俺は言い

 

「それでさぁ、優希今後の行動指針はどうするの?」

 

真珠に聞かれ

 

「ああ、とりあえず明日ポスポコに行って秋本さんらの為の生活物資と食料品もかなりの量を持ってきた方が良いから明日はそこに行くよ。そんで部屋の改装工事だね」

 

言い

 

「2段ベットとかあればそれをかっぱらってきて。後はPCとかも使うだろうしね」

 

真珠に言うと

 

「うん、私もそれは思った。人数が増えれば消費される物資も比例して増える。」

 

真珠は答えさらに

 

「私の考えてる事聞いてくれるかな」

 

真珠は真剣に言い

 

「・・・・・・ああ、勿論」

 

俺も頷き

 

「私達には全ての人達を救う力はないわ、皆がそれぞれ独力で生きて行かないといけない事態になってるの」

 

真珠は真剣な表情で言い

 

「貴方に拾われて助けられた癖にと思うかもしれないけどもさ、人が極端に増えすぎると[集団は維持できなくなる]わよ。」

 

真珠に言われ

 

「解ってる。今回の事は相互に利益があるから話を持ち掛けた。それは分かるだろ?」

 

真珠に言い

 

「ええ、いくら私達3人が頑張っても所詮はド素人。まぁ優希は訓練を実際に受けている身だからある程度は戦えるかもしれないけども本職が居てくれるのは心強いわ」

 

真珠も言った。

 

「俺達は依然として厳しい状況に置かれている。まだ救助は望めそうにないしな」

 

言い、更に

 

「これから先、どれほどの犠牲が出るのかも分からない。もしかしたら俺が死ぬかもしれない、真珠が死ぬかもしれない、七瀬が死ぬかもしれない果ては自衛隊組の方かもしれない、でもある程度の人員は居たほうが良い。でも真珠の言葉、俺も心に留めるよ」

 

真珠に告げ

 

「今現在、けが人を除けば動ける人員は13人。いずれ回復する人を合わせれば18人貴方の事だから木村や加藤に田所に高本の事も考えてるんじゃない?」

 

真珠に見透かされ

 

「ああ、できれば合流したいと思ってる。どこで何してるか分からないけれどもな」

 

言い

 

「そうすれば全部で22人ね、戦闘や生活に必要な物資も相当な量が必要になるわね」

 

真珠は言い

 

「ああ、そうだなでもあいつらと合流できれば人的にも戦闘になってもそこまで困らなくなるからな。」

 

俺はそのままベットに行き中に入り、真珠もベットに入るそして

 

「私も数少ない友達を助けたいんだ、優希にああは言ったけどもさ」

 

真珠に言われ、俺もそれには直ぐにピンときた

 

「牧瀬姉妹か?」

 

俺は言った。真珠の数少ない友人で姉の牧瀬日向、妹の牧瀬菖蒲とクラスでは見分けがつかないほどの有名な双子姉妹だ。

 

「うん、元々学校に避難してなかったから別の避難所なのかはてまた自宅なのか私にはわからない。今現状何処に居るかわ」

 

天井を見て言い

 

「そうだな、無事を祈るしかないな、今の俺達にできる事は」

 

俺も天井を見つつ答えるも真珠は横を向き俺を見て

 

「でもね、生き残る覚悟はしてるよ。何が何でも生き延びて見せるって、足掻ける所まで足掻いて抗って抗ってとことん抗ってそれでダメならその時かなって」

 

真珠は言い、俺も横を向き、真珠を見て

 

「俺も同じだよ、守るべき大事な最愛の存在が居る。なら俺も抗っていける所まで徹底的に戦う。」

 

真珠に答え

 

「ええ、一緒に生きて、死ぬ時は一緒に死にましょう」

 

真珠は言い、俺も頷きつつ真珠の手を握り

 

「ああ、約束するよ生きる時も、死ぬ時も一緒だって」

 

そのままどちらからともなく軽くキスし

 

「そろそろ寝ましょうか」

「そうだな、明日も忙しくなるなぁ」

 

言いながらもその握った互いの手は離さず眠りについたのだった・・・・・




次回~生活環境改装~を予定しています。


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第26話~生活環境改装~

翌日 

 

04:30

 

優希・真珠 寝室

 

「・・・・・ふぅ・・・朝・・かぁ」

 

目を覚ますと

 

「zzz・・・・・・zzzz・・・・・・・zzzzz」

 

隣で真珠が安心しきって眠っている。

 

「さぁて・・・行くか」

 

真珠の手をそっと離し着替え、Hk416を背負い部屋を出て行こうとした時

 

「おはよう・・・・優希・・・・」

 

目をこすりつつ目を覚まし

 

「悪い、起こしちゃったか」

 

言うと

 

「ううん、さぁて私も朝食準備しないといけないわね」

 

背伸びをし真珠も起床し

 

「じゃぁ、俺いつも通り巡回に行くから後よろしく。」

 

真珠に言い

 

「分かったわ」

 

防寒ジャケットを羽織り部屋を出て行く。

 

 

 

1階ダイニング

 

「ふぅ・・・・さぁていくか」

 

俺は銃を手に早朝の巡回の為に外に出るのだった。

 

 

 

真珠&七瀬side

 

それから数分後

 

「さぁて・・・・今日の朝食は・・・・」

 

冷蔵庫を見ていると

 

「おはようございます、先輩」

 

七瀬ちゃんが着替えて下りてきている。

 

「一ノ瀬先輩は?」

 

聞かれ

 

「もう巡回に行っちゃったわ」

 

答え

 

「真珠先輩手伝います。何するといいですか?」

 

七瀬ちゃんは言い

 

「えっと、じゃぁ卵焼きとウィンナ頼めるかな、サラダ盛り付けるからさ」

 

言い

 

「ハイです」

 

七瀬ちゃんも手慣れた手つきで卵を割りかき混ぜ、ウィンナーに切り込みを入れフライパンで焼き作っていく。私も野菜を盛りつけ味噌汁の為の具を調理していく中

 

「起床ーーーーーーーーーーーーーーッ」

 

「「きゃっ!」」

 

上から秋本さん?の声が響き渡り私達は驚く傍らわらわらと自衛隊員らが下りてくるが

 

「え・・・・・・・」

 

「「はい?」」

 

自衛隊の人達は驚いた表情で言い

 

「君達・・・何時起き?」

 

浅見さんに言われ

 

「私は4時30分起床です」

 

「私は4時45分です」

 

私達が答えると、秋本さんも浅見さんも中野さんもあんぐりと口を開け

 

「一ノ瀬君は?」

 

部隊の3幹部があんぐりと口を開けている中、部隊のベテラン曹長の大村さんに聞かれ

 

「優希でしたら、朝の巡回に行きましたよ。此処も完全に安全という訳ではないですから」

 

答えていると

 

「蒼川さん、何か手伝う事はないかしら」

 

中野さんに言われるが

 

「えっと・・・そろそろできますからでしたら皿の配膳をお願いします」

 

私は言い、中野さんらに配膳の準備をしてもらっていると

 

 

ダンッーーーッ

 

 

銃声が響き、

 

「「「「!!」」」」

 

 

自衛隊の人達はそれぞれホルスターに入れてある拳銃に手が伸びるが

 

「大丈夫ですよ、優希が感染者を始末しただけだろうですし」

 

答える。それから少しして優希はあっけらかんとして戻ってきたのだった。

 

真珠&七瀬side終わり

 

 

「ふぅ・・・・・・一仕事してきた」

 

ロッジにHk416をぶら下げて戻ってくると真珠と七瀬は普段通りにしているが秋本さんらはホルスターのSIG P220に手が伸びていた。

 

「スミマセン、日課で毎日朝と夕方に巡回しているんです、此処も完全に安全という訳ではないですから」

 

言うと

 

「はぁ・・・・全くこれではどちらがプロかわからんな」

 

秋本さんは言い

 

「ええ、全くそうですね」

 

浅見2尉も頷くのだった。真珠と鏑木が作った朝食を取った後、秋本さんらを連れ全員で真珠とかつて仕掛けたトラップゾーンに行き

 

「此処に地雷と手榴弾の二重トラップが敷設されています。」

 

説明し

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

秋本さんがしゃがみ込んで確認し

 

「・・・・ほんとに良く出来てる、浅見2尉、大村陸曹長、中野2尉、見てみろ」

 

秋本3佐は促し3人の幹部とベテラン曹長が確認し

 

「本当だ・・・良く出来ている。これにはなかなか気付けないね不用意に此処を通ればドカン、爆発の音で一ノ瀬君らにバレる。」

 

浅見2尉は言い

 

「ええ、ワイヤーの高さも完璧ですね。動物がかからないようにしつつ人間に対して起爆するようにしてある。私も長い事レンジャーの教官やってますが此処まで完璧なトラップを敷設できる隊員は居ませんよ。ましてそれを普通の高校生がやったんですから」

 

大村陸曹長も言い

 

「見事ね・・・私も訓練は受けていたけども此処までしっかりとした罠を見るのは初めてね」

 

中野2尉も言い

 

「皆さん、この木に記してあるようなマークがある所からもうこのように罠を敷設してます。ですから移動の際は裏の通路からの移動をお願いします。」

 

言い

 

「分かった、流石に罠にかかって足を吹っ飛ばされたくないからね」

 

秋本3佐も頷いている。隊員らに罠の存在を教えロッジに戻り

 

「さて、生活品等の回収に行くが、人員は何名を割く」

 

秋本3佐は言い

 

「まず俺は行きます。案内も必要ですから」

 

俺は言い

 

「私もね。生活品やそれと女性ものが欲しい事もあるしね」

 

真珠は言い更に

 

「一ノ瀬君と蒼川さんは固定として。軽装甲機動車はこれで良しとし、96式装甲機動車は・・・」

 

秋本さんが言うと

 

「でしたら、私が現地で指揮を執ります」

 

中野2尉が言い、それに対し俺は

 

「軍医の中野さんが抜けて大丈夫ですか?」

 

言うと

 

「負傷者に関しては衛生要員を残していきますから問題はありません。衛生要員とはいえ病院勤めの医師ですから事実上の軍医と変わりません。」

 

中野2尉は言い

 

「・・・・良かろう、中野2尉が抜ける間は私が留守を預かろう」

 

秋本3佐が言い資材回収班は以下の通りになった。

 

軽装甲機動車

 

運転者 中野千晴2等陸尉

助手席 一ノ瀬優希

後部席 蒼川真珠

 

96式装輪装甲車

 

車長 大村雄二陸曹長

運転者 小坂修二1等陸曹

乗員 田端悠一2等陸曹

 

 

編成を決め準備にかかり軽装甲機動車に自分の装備品の身を入れる。装備と言っても弾帯ベルトに5.56㎜弾を装着したショートタイプマガジンを8本に拳銃の弾倉を4本と身軽にだ。真珠もしかりであり

 

「一ノ瀬君、この軽装甲機動車に武装はしないのかしら?」

 

中野2尉に言われ

 

「ハイ、道中にそこまで脅威はありませんから、それよりも幹部の方に運転させるなんて気が引けますが」

 

言うが

 

「万が一があったら寝覚めが悪いじゃない。そう言う所は大人にまかせないな」

 

中野さんは言い自身の89式小銃を車内のもう一つの後部席に置く。俺も真珠も装備を置き車外に出る、後ろでは

 

「おやっさん、燃料の補充とM2重機関銃の弾を補充したほうが良いですね。」

 

小坂1曹が言い

 

「分かった。」

 

大村曹長が言い

 

「弾と燃料ですか?」

 

話を聞いていた俺も言い、燃料補給車を移動させ96式装輪装甲車に燃料を補給しついでにガレージからM2重機関銃に補充する

 

「悪いね、助かるよ」

 

田端2曹が12.7×99㎜弾の弾薬を受け取り設置する。それを見ていてガレージに行きM249軽機関銃とそれを設置するための備品をもってきて軽装甲機動車の天井のハッチを開けそこに軽機関銃を設置するための土台をボルトで固定しそこにM249軽機関銃を固定する。

 

「あら、M249装備したの?」

 

中野2尉わ言い

 

「ハイ、さっきはああいいましたが何かあった時の為のお守りは必要かと思いまして」

 

言い

 

「良い判断よ」

 

中野2尉は頷き、弾薬の補充と燃料の確認を終えた後

 

「では、秋本3佐行ってまいります。」

 

「気を付けて行けよ、中野2尉」

 

中野2尉が秋本3佐に言い俺達は出発した。

 

 

軽装甲機動車車内

 

「一ノ瀬君そう言えば私達に町で加勢してくれた時と言い銃火器の取り扱い上手いわよね」

 

中野さんに言われ

 

「この騒ぎが起きる前に俺も蒼川もそれぞれアメリカに留学してた経験があるんですが俺はそこで元軍人のPMCの方にみっちり指導して頂きましてまた亡き両親にもハワイなどで実弾射撃の際に鍛えてもらいました。」

 

言い

 

「道理で射撃と言いトラップの敷設と言いイイ腕してる訳ね、納得。」

 

苦笑しつつハンドルを握っている。そしてミラー越しに

 

「蒼川さんはスナイパーライフルの使い方は彼に?」

 

今度は真珠に聞かれるが

 

「いいえ、留学先のホームステイ先のご家庭のお父さんに習いました。すじがいい?とか仰ってました。まさかこんな状況で生かされるとはおもいもよりませんでしたが」

 

真珠は言い

 

「成る程ね、鍛えればもっと腕のいい狙撃手になりそうね」

 

笑い答えるが

 

「昨日、蒼川さんに馴れ初め聞いたけれども料理で胃袋掴んだって彼女は言ってるけれども本当かしら?」

 

彼女は言い

 

「私は完全にやられましたね。見知ってる間柄なのに新たな一面と家庭的な性格と完璧な料理の腕にやられました。」

 

俺は答え

 

「惚気ありがとう、独身のお姉さんには痛い話ね」

 

中野さんは言った。

 

「あ、止まって下さい。」

 

俺は言い車列は止まり

 

「この先もトラップ地獄です。ですので脇道に逸れます」

 

中野さんに言い

 

「了解よ、やる事徹底してるわね」

 

言い後続車にも

 

「脇道に逸れるわよ」

 

「了解」

 

指示を中野さんはだし悪路を走行し車列隊はポスポコに到着する。

 

 

ポスポコ

 

屋上駐車場

 

「すごい光景ね」

 

車両から下り中野2尉は言い

 

「さっさと物資を回収しましょう」

 

車両から下りた俺も言い

 

「そうだな、詰め込めるだけ詰め込もう」

 

大村陸曹長が頷き

 

「此処なら何でもアリですね」

 

小坂1曹も頷き

 

「中にいこう。」

 

俺達は店内に入り

 

「うぉ・・・凄い、生ものがまだ腐ってない!!」

 

小坂1曹が言い

 

「本当だ・・・どうなってるんだ?」

 

大村陸曹長も驚き

 

「本当・・・・どうなってるのかしら?」

 

中野2尉も周りを見渡し言い

 

「此処の発電システム、非常時に地熱発電とソーラーに切り替わるんですよ。ですから此処の冷蔵機能生きてるんですよね」

 

俺は説明し

 

「成る程なぁ・・・・」

 

大村曹長も納得し

 

「それぞれかかりましょう、中野さんどういう手順でモノを回収しますか?」

 

聞き

 

「まずは生活に必要な物を優先しましょう。」

 

言い俺達は男女に分かれてそれぞれ生活に必要な服や靴などを見て行き、そして食糧品や日用品を揃える。

 

「ベット・・・は・・・ないか・・・」

 

俺が言うと

 

「布団があるだけでも助かるものだよ、一ノ瀬君」

 

大村さんが言い

 

「ですが、俺達だけベットを使うのはなんか悪いというか・・・」

 

言うが

 

「気に病む必要はないよ。我々は全員が集団生活には慣れているんだ。まぁ駐屯地の営舎住まいと思えば楽な物さ」

 

大村さんは言い、その後必要な家電等を押え、更にPC・プリンター等の機器を回収しそれらを装甲車に移す作業を行う。

 

「これで必要な物はそろったかしら。帰って資材を搬入しないとね」

 

中野2尉は言い、俺達は来た道を今度は戻りロッジに戻る。

 

 

一ノ瀬所有ロッジ

 

「これまた大量に持ってきたな」

 

戻ってきた俺達を秋本3佐は出迎え

 

「荷物を下ろそう」

 

皆で荷物を下ろし、真珠と鏑木は食料品と日用品を運び込み俺達は家電等等を運び込み、双方に必要なPC・プリンターなどを部屋に配置し作業を終える。その後秋本3佐に提案があると言われ皆がリビングに集まる。リビングの席に俺達と秋本さんらが座り

 

「諸君、今日の早朝の事を見てどう思ったかね?」

 

秋本3佐は率直に言い

 

「我々が彼らを守らねばならない立ち位置にあるにも関わらず、巡回や朝食等の準備をさせてしまっていた、これは由々しき事態ですね」

 

浅見2尉は言い

 

「そうだ、此処に居る18名はいわば運命共同体だ。そこで私から3人に提案があるのだがいいか?」

 

言われ

 

「「「???」」」

 

俺達は頭を傾げつつも

 

「ハイ」

 

俺はとりあえず話を聞こうと思い

 

「我々もできる事は共にこなそうと思う。例えば朝に一ノ瀬君が行っていた巡回、そして蒼川さんや鏑木さんが行っていた食事の準備等などできる事は積極的に我々も手を貸そうと思う。」

 

隊員らを見て秋本3佐は言い

 

「いい考えだと思います。」

 

中野2尉は言い

 

「私の衛生隊は私を入れ4名彼女らと交代で食事の準備や怪我等の手当てを行う事が出来ます。」

 

中野2尉は部下を見て言い

 

「いい考えだと思います。私達が守るべき存在に守られるのは立場が逆ですし」

 

1人の女性隊員が発言し

 

「私もそう思います。これでは只のただ飯喰らいですものね」

 

もう一人も言う。

 

「私でよければ食事当番は力になれますよ、家が料亭でしたから。」

 

3人目の隊員が言い

 

「3人にはまだ紹介してなかったわね、混成隊の衛生担当班」

 

中野2尉は言い

 

宮下由希江1等陸曹

小峰皐月 2等陸曹

中村榛名 2等陸曹

 

の3名だった。

 

「ちなみに宮下1曹は民間病院のドクター上がりの事実上の医師だから私不在でも大概の処置は出来るわ、それに栄養士の資格も持ってる」

 

中野2尉は言った。

 

「得手不得手はありますが・・・」

 

宮下1曹は言い、その後も話は進み巡回は2人1組による当番制にし、食事は中野2尉らが真珠と鏑木を手伝う事になった。無論俺は両方を行う。当番を決め

 

「よし、今日の夕方からさっそくそれぞれの役目についてくれ。」

 

秋本3佐は皆をみて言い

 

「了解!」

 

皆は言うのだった。因みに夕方の巡回にも俺はルートを教えるという名目で同行する夕食も台所のかってを真珠と鏑木の2人が教える為にこの日は真珠らも共に夕食を準備するのだった。

 

 

 

 

その頃・・・・・・・・

 

???

 

「今日そう言えば自衛隊の装甲車見たぞ、それに車内に優希と蒼川が乗ってたな」

 

1人の男は言い

 

「それ何処だ?」

 

もう一人が言い

 

「市の外に行く方向に2台だな。監視してた時。」

 

答え

 

「流石相棒生きてたか、問題は何処に拠点構えてるのか・・・・・あいつはなんだかんだ言って警戒心強いからな・・・」

 

もう一人がHk417アーりバリアントを整備し、傍に置いてある弾倉に7.62×51㎜弾を装着しつつ言い

 

「でも、先輩と合流できれば今よりはマシになりますね」

 

更にもう一人が89式小銃を手入れしつつ言い

 

「「「「違いない」」」」

 

彼らは銃の整理をしながら言うのだった。




次回~ブリーフィング~を予定しています。


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第27話~ブリーフィング~

その日の夜、一行は活動行動半径を広げるために物資の増強を図る事にする。その手始めに市街地にある在日米軍基地をターゲットとする事に・・・・


ロッジ 夜

 

18:30

 

二階 仮ブリーフィングルーム

 

その日の夜、次なる行動を取る為に俺達一行は話し合いを行っていた。

 

「市内に置いてまだ物資の期待が持てるとすれば在日米軍基地ですね。」

 

俺は答え

 

「私が此処に来る前に優希言った事あるの?」

 

隣に座る真珠が言い

 

「ああ、此処での生活基盤を構築する際に自衛隊の武器や弾薬で持つかと考えた際に保険の意味合いを兼ねて米軍基地に潜り込んで一部放棄されていたものを拝借した」

 

真珠に言い

 

「一ノ瀬君、君が侵入した際の情報で構わない。残ってる物はどんな感じだった?」

 

秋本3佐は尋ね

 

「はい、大多数の武器や弾薬は部隊が移動する際に搬送し搬送しきれなかった物を放棄していったと推測しましたが、拳銃がM9・M45A1・M17、アサルトライフルは定番かと思いますがM4やM16数はまぁまぁありましたね、ショットガンがM1014とM500MILLSが数丁後はサブマシンガンにMP5シリーズと真珠にも持たせてますがMP7とありました軽機関銃は自衛隊の皆さんでも使ってるM249がありました。」

 

答える。

 

「狙撃銃はどうだった?」

 

浅見2尉が言い

 

「自衛隊の基地ではM24SWSを数丁拝借しましたが、米軍基地ではM14やM110が置きっぱなしになってましたね。」

 

当時の状況を答える。

 

「弾薬の状況はどうなってましたか?」

 

中野2尉が今度は言い

 

「当時の状況でも自衛隊の武器庫よりは十分な量があったと記憶はしてますね」

 

答え

 

「後その他の物資ですが、米軍のマズイで有名なMREが少しとメディカルキットはあまり期待できるほどの量はないかと思います。」

 

周りを見渡し答える。

 

「ふむ・・・・情報をまとめると武器や弾薬はそこそこあるが糧食やメディカルキットの類はあまり期待は出来ない・・・と言う事か」

 

秋本3佐はボードに書き込み

 

「それともう一つ問題があります」

 

言い

 

「どんな問題だ?」

 

大村陸曹長が尋ね

 

「今現状の我々ではあの量の物資を運搬する術がありません。車両はあるにはありますが最初に私がかっぱらった軽装甲機動車や皆さんが使っていた96式装輪装甲車では中に納まりきらないと思います。」

 

言う

 

「確かに市内を何回も往復するのはリスクが伴いますね・・・」

 

宮下1曹がボードを見て言い

 

「確かに、武器と弾薬・・・とりわけ弾薬は必需品とも言えますが総合的にみると旨味があまりないようにも見えますね。」

 

小峰2曹も呟き

 

「聞き忘れたが、燃料の類はどうなっていた?」

 

小坂1曹が言い

 

「スミマセン、そこまで気が回りませんでした。でも部隊が移動したというならば米軍は大量の車両や航空機で移動しているはずですから燃料も大量に使用している可能性が否定はできませんね」

 

答え、秋本3佐が燃料、不明とボードに書き込む。

 

「成る程・・・・・だが少しでもないよりはマシだろう。どうだろうか?」

 

秋本3佐は皆を見回し

 

「隊長の仰る通りかもしれませんね」

 

浅見2尉は言うが

 

「ですが運搬方法がないというのも困りものです、それが解決できないと危険を冒してまで市内の米軍基地に行く価値はないと思います」

 

宮下1曹は言うが意外にも

 

「私は反対です。」

 

真珠が言い

 

「少しでも使える物があるならばそれを回収する、私達はそうやって生きてきました。私達は基本皆さんのように弾倉も30発フルには入れずに20発と少ない弾薬の量でやりくりしてきました。本職の方を前に言うのもなんですが[今の私達]は皆さん以上に弾薬の[価値]を理解しているつもりです。」

 

真珠は真っ向から反対論を唱え、それに

 

「貴女の言わんとすることは分かるわ、私達が撤退してしまい自分の身は自らで守らざる負えなくなった状況に置かれたからこそ[武器]や[弾薬]の価値が分かると言う事も。でも事は皆の命にも関わる。だからこそリスクが高すぎる行動は控えないといけない、でないと此処に居る皆が危険に晒される事にもなる。」

 

宮下1曹は諭すように真珠に言い

 

「・・・・・ハイ・・・・」

 

しぶしぶではあるが引き下がる、だが俺自身は全然納得してはいない。少しでも武器はともかく[弾薬]はあっても困らない。ならば俺が取れる行動は1つだ。

 

「事前偵察が必要なら[行って]着ましょうか?」

 

俺は言い皆の視線が俺に集まる。

 

「真珠の基本的な考えには俺も賛成です。少しでも弾はないと敵性サバイバーからの襲撃時に対処できませんし感染者も殺せない、行きつく先は[死]あるのみ。そんなの願い下げですから俺が行きます。この町はホームグランドですし、何よりも正面ぎっていく訳じゃありませんから安全面も指して心配はしていません。」

 

言うと

 

「だが・・・・」

 

浅見2尉は言い

 

「勘違いしないで欲しいのだけれども私は2人に喧嘩を売ってる訳じゃないのよ」

 

宮下1曹もあわてて言うが

 

「いいえ、そういう問題じゃなくて[生き残れるならリスクは背負う]べきだと俺は思います。それに生前父が言っていました[発言したからには責任のある行動を取れ]とね、だから事前偵察に俺が行きます。道も覚えていますし移動には地下下水を取りますから心配もいりません。」

 

答える。

 

「まいったわね・・・・・そういわれると・・・」

 

中野2尉は考え込み

 

「何も1人で行かなくとも」

 

言われるが

 

「自慢じゃありませんが、留学中に米軍特殊部隊の出身PMCの方に色々なスキルを叩き込まれましたからね。射撃だけじゃなく[偵察行動]に必要な事も。」

 

言い

 

「ただし、二度手間になる事は今此処で了承下さい。私は仮に物資の状況が大丈夫でも運搬する術はありません。ですので此処に戻ってきた後に再度再考する事になります。」

 

俺が言った時だった。

 

「先輩が危険を冒す必要ないですよ」

 

鏑木が言い今度は鏑木に皆の視線が集まる。

 

「どういう事だ?」

 

俺が言い

 

「何か案があるの?」

 

小峰2曹が鏑木に言い

 

「えっと、調べましたがあの先輩方に保護してもらった〇×分屯地に輸送用のトラックが手つかずのままで残ってますよ、燃料がどうかわ賭けになりますけども」

 

鏑木が言った事で

 

「輸送用の3t半があるとな」

 

ボードに書き込まれ

 

「これならいけそうね、リスクは大幅に下がったんじゃないかな」

 

宮下1曹は言い

 

「そうね、かなり危険度は下がるわね。」

 

中野2尉も頷く。

 

「本作戦は総出での作業になるな。」

 

秋本3佐は言いボードに

 

周囲及び車両の護衛・警戒班

物資の搬送・運搬班

搬送・運搬班の護衛班

 

書き込み

 

「秋本3佐、13人でできますかね?」

 

中野2尉は言い

 

「やるしかないだろうな」

 

秋本3佐は言い

 

「確かに」

 

浅見2尉も頷く。

 

「ですが2尉、リスクの危険度はかなり低下した事になります」

 

宮下1曹は言い

 

「そうですね、宮下1曹の言う通りですね。」

 

小峰2曹も頷き

 

「だが、市街地に出ると言う事は感染者だけではなく生存者による襲撃もあり得る事も頭に入れて行動しないといけない。」

 

秋本3佐は言い、それに付け加えて俺も

 

「後は市街地ですので[狙撃]にも気を付けて下さい。最初に俺一人で行った際に狙撃されて後数センチで被弾する所でしたので特に車両からの乗車と降車の際と物陰から外に出る際の隙は特に警戒したほうが言いかと思います。」

 

自身の経験から俺は言い

 

「確かにそうだな」

 

「実際に殺されかけた人が言うと重みが違うな」

 

周りも言う中秋本3佐がボードに大体の流れを書き込み以下のようになった。

 

最初に〇×分屯地まで移動

      ↓

分屯地で輸送用のトラックの確認

↓       

燃料が無事ならそのまま市街地へGO

      ↓

在日米軍基地に侵入、各物資の確保

      ↓

      帰還

 

という流れにまとまった。ブリーフィング終了後

 

「あの・・・さっきはムキになってすみませんでした」

 

「俺も少しムキになってました、すみません」

 

真珠と真珠は宮下さんに謝り

 

「いいのよ、私も貴方達の事解ってなかったもの。お相子よ」

 

宮下さんは俺達に言ってくれ

 

「さぁ明日に向けて準備しましょ、2人とも」

 

真珠・俺に言い

 

「「ハイ」」

 

俺も真珠も頷き準備に入るのだった。




次回~緊迫の市街地~を予定しています。


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第28話~緊迫の市街地~

在日米軍基地の物資を回収すべく一行は再び[死地]へと赴く。


翌日

 

市街地に向かう車列の中に俺は居た。小さい窓から外を見るがどこもかしこももかつての町の様子はない。建物の壁が、路面が血で汚れ、所々に感染者が徘徊しておりそれを車列は極力は回避しつつ進み、在日米軍基地に到着する。全員が狙撃を警戒しつつ車外に降車し

 

「よし、打ち合わせ通りに頼む」

 

秋本3佐は言い

 

[周囲及び車両の護衛・警戒班]として以下の4人が残り

 

浅見2尉

小坂1曹

田端2曹

一ノ瀬

 

 

[物資の搬送・運搬班]以下の6人施設内部に行き

 

中野2尉

宮下1曹

小峰2曹

中村2曹

蒼川

鏑木

 

[搬送・運搬班の護衛班]護衛の為に以下の3人が随伴する。

 

秋本3佐

大村陸曹長

有馬3曹

 

 

それぞれの役割に分かれ、班員らが行動に移る。

 

 

 

[車両警護・警戒班]

 

俺達はそれぞれ96式装輪装甲車や軽装甲機動車に輸送車の陰に隠れつつも周りを見渡す

 

「これじゃぁ周りからは狙われ放題だな・・・」

 

周りを見渡しつつ浅見2尉は言い

 

「ですね周りを見渡せばどこから狙われるか分かったもんじゃないですね」

 

小坂1曹も言う。

 

「周りも全部住宅ですし、車両の音につられてこっちの方に感染者が大挙して押し寄せてこないと良いですけども」

 

田端2曹も89式小銃を手に周りを見渡す。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺はHk416を構えつつ周りを監視する。その為ACOGサイトを予備のMk4 M3スコープに変え簡易的な狙撃銃仕様にしてある。

 

「周囲・・・・異常なし」

 

俺は答えた。

 

 

 

[物資の搬送・運搬班]・[搬送・運搬班の護衛班]

 

「妙ね、感染者がいると思ったけども殆ど居ないわ・・・」

 

中野2尉は言い

 

「ハイ、なんか妙です。まるで掃除された後のように・・・」

 

宮下1曹や

 

「不気味です・・・・」

 

89式小銃を背負いつつカートを押す小峰2曹も言い

 

「中野2尉、早く済ませましょう」

 

中村2曹もカートを押しつつ言い

 

「嫌な予感がするわ・・・・」

 

蒼川も言い

 

「ハイ・・・そう思います」

 

七瀬ちゃんも頷き

 

「皆、おしゃべりはそこまでだ。さっさと用事を済ませよう。」

 

秋本3佐が言い、大村陸曹長と有馬3曹がそれに続き、最初に武器庫に侵入する

 

「・・・・確かにそこそこあるな、よし武器は二の次だ弾薬を優先する、搬出開始」

 

秋本3佐は言い、中野2尉らのカートに弾薬を乗せ次々と車両が停車する輸送車に次々と搬入される。

 

「どうですか?」

 

俺は中野2尉に尋ね

 

「米軍の連中結構な量を放棄して此処を離脱したみたいね」

 

トラックに弾薬類を優先し載せていく

 

 

所変わって、糧食保管庫

 

「真珠先輩、少しなんて言ってますけどまぁまぁな量ありますね」

 

七瀬ちゃんが言い

 

「そうね、これも運びましょう」

 

私と七瀬ちゃんはカートに糧食の詰め込まれた箱を乗せていく。

 

 

メディカル・キット保管庫

 

「流石に規模が違うね・・・自衛隊の少しと米軍の少しでは規模が違う」

 

秋本3佐は言い

 

「大村陸曹長頼む」

 

言い

 

「ハイ!」

 

こうして次々と各種物資をトラックに次々と搬入していく。結構良い量が集まった所で

 

「もう満載だなこれ以上は難しいな」

 

秋本3佐は言い

 

「弾薬類も大量に確保できました」

 

中野2尉は言い

 

「糧食やメディカル・キットも十分な量が確保できました。一部入りきらなかった物は軽装甲機動車や96式装輪装甲車にもおっこみました。」

 

大村曹長が報告し

 

「よし、撤収だ。」

 

秋本3佐は言い、各員が車両に乗車した時に

 

「やばっ」

 

先頭の軽装甲機動車に居る俺は思わず言い

 

「やっぱり私達の装甲車のエンジン音がおびき寄せちゃった・・・・か」

 

在日米軍基地にかなりの数が押し寄せていた。

 

「強引に突っ切れ!!」

 

装輪装甲車の秋本3佐は指示を出すが、車載無線機を取り

 

「ダメです。強引に突っ切れば積載している荷物の関係上横転する可能性も有ります。」

 

俺は言い

 

「だが・・・」

 

秋本3佐は言い、俺も周りを見渡すとゲート付近に警戒・監視用に土嚢で作られた銃座がありそこにはM-2ブローニングが設置されており、弾薬も置かれている。

 

「中野さん、後頼みます」

 

俺は自分の装備をひっつかみ、後は車内に置いてあった個人携帯無線機を掴み外に出る。

 

「えっ?!、ちょ・・・」

 

中野さんが止めるのも聞かずに外に出てその銃座にまっしぐらに行き

 

「弾は・・・予備含めて3つか・・・十分だ」

 

急いで弾を銃本体に設置し、無線機を装備しヘッドセットを付け

 

「道を切り開きます、必ず後を追います。」

 

無線機に言い感染者の大群に大口径50BMG弾をぶち込む。削岩機のような音で感染者をミンチにしていく。

 

「さぁ、早くッ」

 

言い

 

「だ・・だが」

 

秋本3佐は躊躇うが

 

「このままだと皆、死にますよ!!ッ」

 

再度言い

 

「・・・・・・すまん・・・・・」

 

秋本さんは言い

 

車両隊が俺を残して置いて行く。だが此処はホームグラウンドら脱方法はいくらでもある、その時はそう楽観視していた。

 

「うわぁ・・・・・」

 

3ケース分の弾薬を重機関銃でぶっぱなしある程度の感染者の数を減らしたが

 

「さてはてどうするか・・・」

 

こんな大騒ぎを起こせば市内に居る残りの感染者も此処に押し寄せてくる。

 

「半分・・・・手遅れかも・・・な・・・」

 

周りを見ると感染者がフェンスを叩いている。

 

「どう離脱しよう・・・・」

 

周りを囲まれつつある状況でどうしたものかと考えていた時に唐突に俺に救いの手が差し伸べられた。




次回~救い~を予定しています。


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第29話~救い~

殿を務め、離脱不能に陥った優希に対し救いの手が・・・・


在日米軍駐屯地

 

「やばいなぁ・・・・時間を置いても奴らが移動するような状況じゃないよなぁ」

 

車両隊が撤収し代わりに俺はこの死地に居残り

 

「帰還できたら・・・したら・・・真珠に殺される・・・かな」

 

思いつつも米軍基地内部に一時退避し装備の確認を行う。

 

「手持ちの装備は・・・・」

 

こんな時ほど自分の装備をちゃんと整えなかった事を後悔する事はない。

 

Hk416 スナイパースコープ装備{Mk4 M3スコープ}

SFP-9

閃光弾×5個

M26破片手榴弾×5個

5.56×45㎜NATO弾20発装着済みショートマガジン×12個

9×19㎜弾15発装着済みマガジン×10個

携帯糧食2日分

予備バラ弾ナシ

 

そして致命的な見落としに気付く

 

「しまった・・・・・サプレッサー・・・がない・・・」

 

致命的だった、山間部での生活に慣れ過ぎて銃声を気にしなくなっていた。

 

「{あああ、クソッ・・・}」

 

悪態を付く。完全に自分のポカである。市街地でサイレンサーもなしに撃てばどうなるかそんなの日を見るよりも明らかだ、悪態を付いても始まらない。

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

外を確認するが依然としてフェンスを叩いているのが分かる。

 

「手薄な所・・・から脱出?それともマンホールを下りて下水に籠るか?」

 

考えるがどれもこれも確実と言えるような案ではない。それに

 

「弾が・・・持つか・・否か・・・」

 

5.56㎜弾は全部で240発本体に入れてある分を含めても260発。9㎜弾は本体分併せても165発それに閃光弾と手榴弾しかない・・・地下でもし大群に出くわしたら

 

「ダメだ・・・・確実性に欠ける・・・」

 

頭を抱えていたそんな時だった・・・・・

 

パッ

 

パッパッ

 

パッ

 

何かの明かりが見える

 

「なんだ?」

 

思いつつ俺は装備を背負い施設の2階に上がり屋根から寝そべりHk416に装備してあるスコープをのぞき込む

 

「・・・・・・・・・・・!」

 

スコープ越しに見えたのは真珠が探していた友人の牧瀬姉妹だった。

 

「アイツら・・・・」

 

牧瀬姉妹の姉、牧瀬日向がM700を装備しこっちを見ている。手なんか振りやがってその横で妹の菖蒲も手を振っている。

 

「・・・・!!」

 

そこで俺はライフルを置いたまま室内に戻り置きっぱなしにされている画用紙に

 

「抜け道を教えてくれ!!、感染者に囲まれて抜けられない!!!」

 

と書き掲げる。そして再度スコープを除くと日向、菖蒲の二人が何やら話し込んでいる様子だが、2人も紙に何かを書き込んでいる、そして掲げられた紙には

 

「迎えに行ってあげるから、貴方が車両を止めていた付近で待ってて」

 

紙に記載されており、俺も直ぐに画用紙に

 

「恩に着る、それとはようしてくれ。突破されそうだ」

 

書き込み掲げる、二人も

 

「今行くから待ってなさい」

 

それを確認し俺も頷き直ぐに行動に出る。そのまま俺達が最初に車両を止めた場所に行きマンホールの蓋を探しそして見つけたマンホールの前でHk416を構えヒヤヒヤしつつ待っていると

 

ガコンッ

 

音がしマンホールの蓋を開けて牧瀬姉妹が来る。

 

「「迎えにきたよ」」

 

2人はそれぞれMP7とM360Jを装備しており

 

「詳しい事は私達の家でさぁッ」

 

2人は言い

 

「ああ、分かった。」

 

2人がマンホールの中に戻り、俺もマンホールをの中に入り追跡されないように蓋を閉じ二人の後を追い、中を進む。そして二人に続き、マンホールを出ると住宅街だった。

 

「{ワァ~~オ}」

 

言い

 

「行くわよ」

 

牧瀬姉妹に続き俺は牧瀬の自宅の敷地に入るが

 

「あ・・・・・・」

 

俺は庭の方に「十字架」が建てられているのを見て

 

「・・・・・・・」

 

言葉を失っていると

 

「私達の両親よ、最初に殺した・・・感染者・・・ね」

 

日向が言い。そのまま自宅内部に入りさらに進み

 

「ようこそ、女の花園へ」

 

地下へと案内される。そして

 

「さて、聞きたいのだけれどもイイかしら?」

 

2人はそれぞれ武器を置き、俺も自分の装備を置き

 

「答えられる範囲で」

 

最初に釘を刺しつつも

 

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

 

しまい二人で俺を睨んでくるが

 

「・・・・・・・・」

 

俺も無言を付き通し

 

「一ノ瀬の装備を見れば私達よりもいい状況にあるようだし何よりも自衛隊と共に行動しているのはどういう事かしら?」

 

日向は言い

 

「話せば長くなるが・・・・・」

 

今までの状況を説明し

 

「成る程ね・・・・」

 

日向は納得し

 

「それよりも貸し1よね」

 

菖蒲が言い

 

「その貸しならば、直ぐに返せそうだがな」

 

俺は言い

 

「どういう事?」

 

日向が言い

 

「真珠がお前たちを探している。2人を俺達が拠点にしているロッジに連れて行きたい。此処よりもはるかにマシな環境だぞ」

 

俺は言い

 

「魅力的な話ね。それと一ノ瀬、いつから蒼川を[真珠]なんて呼び捨てにするような関係になったのかしら?」

 

2人ともニヤニヤしつつ俺を見て

 

「{やばっ、地雷踏み抜いた}」

 

俺が思った時にはすで遅しとはこの事で

 

「さぁ時間は一杯ある事だし馴れ初めからきりきり話してもらいましょうかしら?」

 

「うんうん」

 

日向や菖蒲はニンマリと笑い、これには俺も観念し

 

「ホントお前ら女子は恋バナ好きだな」

 

苦笑しつつ言い

 

「だって、氷の悪魔とも言われた親友が選んだ人が一ノ瀬って言うのも意外だもの」

「確かにね。」

 

日向も菖蒲も言い

 

「ああもう分かったわかったってば。」

 

呆れつつも俺は馴れ初めから一部をぼかして二人に話すのだった。




次回~今現在までの登場人物~を予定しています。


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第30話~今現在までの登場人物~

作中登場人物{今現在}今後随時追加

 

 

一ノ瀬優希

 

AGE 17

性別♂

職業 高校2年生

 

本作の主人公。アウトブレイク発生時より両親が残してくれた遺産の1つのロッジに籠城し生きてきた。アウトブレイク発生前までは地元の高校に通学する2年生だっただがこの惨劇に置いて、親に教えられ、短期海外留学の際にプロのPMC等に訓練を受けるなどして身に着けた戦闘スキルは本職には劣るものの、この悲劇を生きる上では[価値]ある技能となっていた。物資回収途中で生存していた、蒼川真珠を拾い自身のロッジに住まわせる。共同生活を営むうちに2人の関係は急接近し互いを想いあえる関係へと変わっていく。また彼自身は叔母夫婦の経営する施設で育つ。自衛官だった両親を演習と戦争で失ってしまったという過去を持ち合わせている。また一ノ瀬自身もこの騒ぎで合流できていない友人らが居ており彼らの事を時折心配するようなそぶりを見せる

 

本人使用武器 Hk416アサルトライフル SFP-9ハンドガン その他Etc

 

 

 

蒼川真珠

 

AGE 17

性別♀

職業 高校2年生

 

本作のヒロインの1人。元は学校に避難していたがその際には自身の性格が災いし、避難先である学校を追い出されてしまう。その後に物資を回収してきた帰りの優希に拾われそれ以降ロッジで共に共同生活を営んできた。一ノ瀬同様に短期留学組でありその留学先のホームステイ先の家庭の方に銃器の扱いを教えられ[筋がイイ]と評価されている。また絵画の腕も優れており、応募した先のコンクールでは賞を確実に受賞すると言う程の腕前を持つ。また周囲には[氷の悪魔]と言われるがそれは絵画関係の話が絡んだ時にのみ現れる、思った事をズバズバ言ってしまうため周りには煙たがられてしまう。それとは裏腹に料理・家事・炊事等など全般をそつなくこなしそして共同生活を行ううちに一ノ瀬に惹かれていき互いを想い会う関係へと発展する事になる。

 

本人使用武器 MP7A1サブマシンガン M24SWSスナイパーライフル M360J SAKURA

 

 

 

鏑木七瀬

 

AGE 16

性別♀

職業 高校1年生

 

真珠同様に行き倒れかけていた所を2人に保護された。元は二人の後輩に当たる高校1年生。真珠が学校を仕切っていた連中に追い出された事に[意]を唱えそれが気に入らないと感じた連中によって追い出されれてしまう。その後、優希と真珠の二人が物資を保管してある自衛隊の分屯地に訪れた際に行き倒れかけていた所を保護され優希らに合流する方になる。本人はそれ相応の覚悟を持っており優希らにもそれを解いている感染したら[愛する人でも殺せますか?]と。また真珠が追い出された際にはそれが正当な事ではなく一部の真珠をよく思わない連中によるものだと言う事に異を唱える等曲がった事が嫌いな側面もある。

 

本人使用武器 89式小銃 M24SWSスナイパーライフル。 M360J SAKURA

 

 

 

牧瀬日向

 

AGE17

性別♀

職業 高校2年生

 

アウトブレイクが流行してからは自宅の地下室に妹の菖蒲と共に籠っていた。幸いにも近隣に在日米軍基地がありそこから物資を拝借し生き延びてきた。だがこのアウトブレイクで両親が発症し皮肉にもその手にかける事になってしまう。

 

本人使用武器 MP7A1サブマシンガン M700スナイパーライフル M360J SAKURA

 

 

 

牧瀬菖蒲

 

AGE17

性別♀

職業 高校2年生

 

姉と共にアウトブレイク発生後は地下室に籠り、在日米軍の物資を拝借しつつ生き延びてきた。だがこのアウトブレイクで両親を失う事となってしまう。

 

本人使用武器 MP7A1サブマシンガン M360J SAKURA

 

 

 

 

自衛隊 混成調査隊

 

陸自・海自による混成偵察隊。生存者・物資の調査等を行うべく派遣された部隊であり、隊員らは衛生要員を除く隊員の殆どが特殊作戦要員・レンジャー有資格者で構成されている部隊である。

 

 

秋本修二

 

AGE 29

性別♂

職業 海上自衛隊幹部 混成調査隊隊長 特殊作戦部隊SBU所属

階級 3等海佐

 

市街地に生存者の有無や放棄された駐屯地等の物資の調査の為に派遣された混成調査隊の指揮官。市街地では多数のトラブルに見舞われ、弾薬の枯渇、他のサバイバーによる攻撃、迎えがトラブルにより来れなくなったり等など部隊の機能を失いかけていた所で優希らと接触。優希からの取引に応じる形で優希らと合流する。

 

空挺レンジャー徽章

自由降下徽章

特別警備徽章{機密の為非公開}

 

上記の徽章所持者

 

本人使用武器 89式小銃折曲銃床式 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

中野千晴

 

AGE26

性別♀

職業 陸上自衛隊幹部 隊内衛生班班長

階級 2等陸尉

 

部隊内部での衛生班班長を兼任する陸自幹部。多彩な資格を持ち一行をサポートしてくれる。またノリのいい面があり真珠や七瀬を巻き込んでのGirlsTalkを行う事もある模様。

 

医師免許アリ

薬剤師資格アリ

栄養士資格アリ

 

上記の免許・資格保有者

 

本人使用武器 89式小銃 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

浅見健人

 

AGE26

性別♂

職業 海上自衛隊幹部 特殊作戦部隊SBU所属。

階級 2等海尉

 

部隊内に置いて副官的ポジションにある。特殊部隊所属の為戦闘は問題なくこなす。だが今回のような常軌逸したような事態での出動は初めてでもある為能力を遺憾なく発揮できるかは未知数である。

 

空挺レンジャー徽章

自由降下徽章

特別警備徽章{機密の為非公開}

 

上記の徽章所持者

 

本人使用武器 89式小銃折曲銃床式 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

大村雄二

 

AGE49

性別♂

職業 陸上自衛隊員

階級 陸曹長。

 

部隊の良きまとめ役であり、勤続年数は部隊内でも飛びぬけておりまた幾多の部隊を渡り歩いてきたその経験値は部隊内でも随一であり秋本3佐も彼に意見を求める事もある[やっぱり何処行っても古参の曹長{上級下士官}は最強だわby駄作者]

 

空挺レンジャー徽章

レンジャー教官資格

自由降下徽章

特殊作戦徽章{機密の為非公開}

水陸両用徽章

射撃徽章

格闘徽章

 

上記の徽章所持者

 

本人使用武器 89式小銃折曲銃床式 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

小坂修二

 

AGE25

性別♂

職業 陸上自衛隊員

階級 1等陸曹

 

混成部隊内で幹部・またわ曹長を除いた場合においては彼が分隊長として指揮を執る。経験が若いながらも豊富であり頼りになる若手でもある。まだまだ伸びしろがあるとも評されている。

 

空挺レンジャー徽章

自由降下徽章

特殊作戦徽章{機密の為非公開}

 

上記の徽章所持者

 

本人使用武器 89式小銃 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

田端悠一

 

AGE23

性別♂

職業 陸上自衛隊員

階級 2等陸曹

 

混成隊の分隊支援火器ガンナー。小坂1曹と仲がよくこの乱痴気騒ぎが起きる前はよく外出したりなどしていた。射撃の腕がたち、また状況判断能力も若いながらにしっかりしている。

 

空挺レンジャー徽章

自由降下徽章

特殊作戦徽章{機密の為非公開}

 

上記の徽章保持者

 

本人使用武器 M249ミニミ軽機関銃 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

有馬剣一

 

AGE21

性別♂

職業 海上自衛隊員

階級3等海曹

 

部隊最年少の隊員。本人は特別警備隊を希望していたが上官とのそりが合わず推薦を貰えないでいたため基地警備隊に転属。20式小銃の登場によりもはや骨董品扱いされいる64式小銃にスコープを装備した簡易狙撃銃を使用している、だが狙撃の腕は超一流で付いたあだ名が「海自のデ〇ーク・〇郷」だとか

 

レンジャー徽章

格闘徽章

射撃徽章

 

上記の徽章保持者

 

本人使用武器 64式小銃{簡易狙撃銃仕様}9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

宮下由希江

 

AGE25

性別♀

職業 陸上自衛隊員 衛生要員

階級 1等陸曹

 

部隊内での衛生要員の1人であり、民間の病院勤務を経て自衛隊に入隊した。病院勤務時代にドクターとして培った能力を自衛隊でも生かしている。更に薬剤師の資格や栄養士の資格等も保持している。

 

医師免許アリ

薬剤師資格アリ

栄養士資格アリ

 

上記の免許・資格保有者

 

本人使用武器 89式小銃 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

小峰皐月

 

AGE23

性別♀

職業 陸上自衛隊員 衛生要員

階級 2等陸曹

 

部隊内部での衛生担当の隊員の1人。後方支援を主に担当する。事が今まで多かったが今回、部隊に同行する形で初めて前線に出撃する形になる。

 

本人使用火器 89式小銃 9㎜拳銃{SIG P220}

 

 

 

中村榛名 2等陸曹

 

AGE23

性別♀

職業 陸上自衛隊員 衛生要員

階級 2等陸曹

 

部隊内での衛生担当の隊員の1人。今回の任務に志願して参加する、物おじせずに自らの役割をこなせる度胸の据わった隊員。

 

本人使用火器 89式小銃 9㎜拳銃{SIG P220}




次回~遠き安全地帯~を予定しています。


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第31話~遠き安全地帯~

本島で優希ら生存者が奮闘している中、安全な場所では・・・・


太平洋 小笠原諸島近海

 

多目的作戦艦隊

 

旗艦

 

DDV-183[いずも]

DDV-184[かが]

 

[いずも]搭載艦載機

 

F-35J/B×12機

SH-60K×3機

 

[かが]搭載艦載機 

 

F-35J/B×12機

SH-60K×3機

 

艦隊前衛防空艦

 

イージス護衛艦DDG-178[あしがら]

イージス護衛艦DDG-179[まや]

イージス護衛艦DDG-180[はぐろ]

イージス護衛艦DDG-177[あたご]

 

艦隊後衛汎用護衛艦

 

汎用護衛艦DD-118[ふゆづき]

汎用護衛艦DD-107[いかづち]

汎用護衛艦DD-120[しらぬい]

汎用護衛艦DD-108[あけぼの]

 

海中警戒潜水艦

 

SS-510[しょうりゅう]

SS-511[おうりゅう]

 

補給艦

 

AOE-425[ましゅう]

AOE-426[おうみ]

 

 

太平洋上に海上自衛隊初となる空母艦隊が展開していた。だがその艦内では・・・

 

第1護衛隊群 旗艦 DDV-183 多目的作戦護衛艦[いずも]

 

会議室

 

「だから、それでは大多数の国民を見捨てる事になると言っているだろう」

 

「だが止む負えない、[大の虫を生かすためには小の犠牲は致し方ない]

 

「バカな事を言うな」

 

護衛艦会議室の中で政府首脳らが言い争う。

 

内閣総理大臣 須賀義春

 

財務大臣兼内閣副総理大臣 天羽輝治

 

防衛大臣 岸本信孝

 

外務大臣 茂木春近

 

その他

 

 

「よし、今現状で解っている事をまとめろ」

 

須賀総理は言い、外務大臣の茂木が手を上げ

 

「外務大臣」

 

須賀総理は言い

 

「まず国外の最新情報ですが、アメリカは我々同様に洋上の空母に機能を移転しました。更に中国は依然として通信が取れず情報の交換は難しい状況です。また北朝鮮も同様です。」

 

茂木外務大臣は書類を置き、もう一枚を取り

 

「韓国に関しては、在韓米軍による防御が限界を迎えつつあります、イギリスはまだ比較的事案が保たれています。ロシアは状況が悪化してきています」

 

報告を上げ

 

「まて、韓国軍は何をしている?」

 

岸本防衛大臣は言い

 

「それが・・・在韓米軍の報告によりますと、[敵前逃亡]を始めたとか・・・」

 

その報告に

 

「「「「「・・・・・・・・はぁ・・・・悪い癖が出始めたか」」」」」

 

政府首脳はため息をついた。

 

「まぁ、隣国の心配をするよりもまずは我身だ、岸本防衛大臣。報告は?」

 

須賀総理は言い

 

「ハイ、派遣した調査部隊からの報告では市街地や山間部や地方など部隊は生存者との接触があったと次々報告が上がってきています」

 

岸本防衛大臣は言い

 

「成る程なそれで、続報は」

 

続けて言い

 

「はい、民間人の大半は協力的なのですが、一部の生存者から攻撃を受け損耗を出している部隊もあります。付け加えていうなれば生存者の殆どは銃火器で武装しているのと報告が上がっています。恐らくは警察署の拳銃格納庫や自衛隊の武器庫又わ在日米軍の武器庫から武器・弾薬等を拝借していると思われます、また銃砲店や暴力団関係の貸倉庫等などからも持ち出して使用しているいるものと考えます。」

 

岸本防衛大臣は報告を読み上げ

 

「致し方あるまい、この状況下で銃刀法で一々逮捕していたらきりがない。身を護るためにやむ負えずに使用しているなら[罪には問わない]」

 

須賀総理は言い

 

「続けます。」

 

岸本防衛大臣は言い

 

「各駐屯地の確認の結果、部隊の撤収の際に回収しきれなかった物資が全国の駐屯地に散らばったままです。まず国内の掃除を始める為には装備の回収が不可欠です」

 

岸本防衛大臣は現状を報告する。

 

「総理、日本で無事なの九州と沖縄そして沖縄の離島のみです。今現在は」

 

茂木外務大臣は報告し

 

「うむ・・・」

 

須賀総理も資料を確認し頷き

 

「まずは弾薬の回収とそれに伴い生存者の救出を行う。物資が少ないのは私も理解はしている、自衛官の方々にも大いに負担をかけるのも理解している。だが国民を見捨てるような判断をする総理に私はなれない。」

 

須賀総理は周りの閣僚を見回して言い

 

「艦隊に随伴している客船に一人でも多く国民を救出するんだ」

 

総理は言った。この艦隊には海上自衛隊の自衛艦の他にも民間の客船が数隻随伴している。

 

 

 

その頃 

 

DDV-183[いずも] 飛行甲板

 

「アウル2・アウル3、戻ってきました」

 

「2番機着艦」

 

「3番機着艦待機」

 

日本各地での偵察飛行を終えたF-35J/Bが母艦に帰艦してくる。

 

「だいぶ酷い状況だったな・・・・」

 

F-35J/Bの2番機事アウル2のコックピットから下りてきたパイロット、二条優也1等空尉は言い続いて着艦し

 

「ああ、全く日本列島が地獄絵図とはな・・・」

 

同じく3番機事アウル3のコックピットから下りてきた土田和也1等空尉もげんなりし、疲れ切った様子でコックピットから下りる。

 

「2人ともご苦労」

 

第90航空団司令の栗原1等空佐が2人の労をねぎらい

 

「まるで地獄絵図ですよ・・・・もう・・・あの光景を見たくない・・」

 

「もう・・嫌だ・・飛びたくない・・見てるだけで何もできないなんて嫌だ」

 

本島の惨状を空から見ている2人はそれぞれに言い

 

「しっかりしろッ、5時間の仮眠を取れ、2人とも」

 

栗原1佐は言い

 

「「・・・・・ハイ・・・・」」

 

2人は肩を落としつつヘルメットを持ち艦内の仮眠室に向かったのだった。そして

 

「栗原1佐、機に取り付けたカメラの映像と写真を現像に回します」

 

急ごしらえで機に取り付けた偵察用のカメラ等のデータを回収した整備要員らが報告し

 

「よし、頼むぞ」

 

栗原1佐は言ったのだった。

 

 

 

艦内 CIC

 

 

「群司令、航空団司令の栗原1佐より報告、偵察に出ていたアウル2とアウル3が戻りました。」

 

群司令の涌井達也海将補に艦長の秋津健治1等海佐は報告し

 

「了解、パイロット達の労をねぎらってくれ」

 

艦隊司令官の涌井海将補もインカム越しに言い

 

「いつになったらこの異常事態に鎮圧の目途が付くんだッ、畜生ッ」

 

横で新波敏行2等海佐が毒付き

 

「落ち着け、新波」

 

艦長の秋津1佐は窘め

 

「すまん・・・・」

 

新波2佐は言った。艦の乗組員だけではなく、艦載機パイロットや整備要員にも疲れが、なにも状況が変わらない状況に憤りが蓄積し始めてきていた。本島も戦場ならば洋上艦隊もある意味では戦場だった。




次回~疲弊する心~を予定しています。


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第32話~疲弊する心~

鎮圧の見通しすら立たない異常事態は生存者や現場で奮闘する自衛官らの心を確実に疲弊させていく・・・・・・・


太平洋 小笠原諸島付近

 

 

多目的作戦艦隊

 

旗艦

 

DDV-183[いずも]

DDV-184[かが]

 

[いずも]搭載艦載機

 

F-35J/B×12機

SH-60K×3機

 

[かが]搭載艦載機 

 

F-35J/B×12機

SH-60K×3機

 

艦隊前衛防空艦

 

イージス護衛艦DDG-178[あしがら]

イージス護衛艦DDG-179[まや]

イージス護衛艦DDG-180[はぐろ]

イージス護衛艦DDG-177[あたご]

 

艦隊後衛汎用護衛艦

 

汎用護衛艦DD-118[ふゆづき]

汎用護衛艦DD-107[いかづち]

汎用護衛艦DD-120[しらぬい]

汎用護衛艦DD-108[あけぼの]

 

海中警戒潜水艦

 

SS-510[しょうりゅう]

SS-511[おうりゅう]

 

補給艦

 

AOE-425[ましゅう]

AOE-426[おうみ]

 

自衛隊は2個艦隊総勢14隻の大艦隊で事に対処していた。[いずも]では政府機能の移転が図られ[かが]では自衛隊の移動司令部として機能させていた。皮肉にも戦後の海に蘇った自衛隊初の空母2隻は今回のアウトブレイクに際して移動拠点としてのデビューを飾る事になってしまったのだ。この事態から一度もまともな休養を取れていない隊員ら負担は増すばかりであった・・・・

 

 

艦隊前衛

 

イージス護衛艦DDG178[あしがら]

 

CIC

 

「艦長・・・・もうCICに籠って何時間・・・いや何週間なんですかね・・・」

 

疲れたように副長の高崎悠2等海佐は言い

 

「・・・・はぁ・・・全く、解決の兆しすら見えん。まるでガキの頃にやったサバイバルホラーゲームを思い出すな・・・」

 

イージス護衛艦[あしがら] 艦長の石川卓也1等海佐も疲れを見せつつため息をつく

 

「次の交代まで・・・・後3時間だ・・・[いづも]に引きこもってる政府の奴らやる気あんのか全く」

 

毒付き

 

「こればっかりは仕方がありません、解決の糸口が見えてないのですから」

 

砲雷長の中村誠3等海佐が振り返り言い

 

「確かに、砲雷長の言う通りだ」

 

石川1佐も苦笑するのだった。

 

 

 

イージス護衛艦DDG-179[まや]

 

CIC

 

「艦長、終わりが見えないというのは・・・こうも堪えるんですね・・・」

 

レーダーとにらめっこをしている副長の永井陽2等海佐は言い

 

「まったくだ・・・・死人が生き返るなんて・・・これもC共の陰謀か畜生ッ」

 

イージス護衛艦DDG-179[まや]艦長の広沢和樹1等海佐は苛立ちを募らせつつ毒付き

 

「艦長の毒付きたくなる気持ちわかります・・・この海域で遊弋してもう何日?日付感覚などとうになくなりましたよ」

 

砲雷長の大里樹里3等海佐も肩をすくめ

 

「自殺する奴とかでないと良いですけれども」

 

大里3佐は言ったのだった。この閉鎖空間に缶詰めにされて狂わない奴が居ればそれは単なる異常者でしかないのだ。

 

 

 

イージス護衛艦DDG-180[はぐろ]

 

CIC

 

「・・・・・・・・目が疲れる・・・・・」

 

モニターとにらめっこをしている副長の桜井翼2等海佐は目をこすり

 

「艦長・・・・何時になったらこの騒ぎ終わるんでしょうかね・・・」

 

目をこすりながら言い

 

「さぁな、俺達は自分の任された任をこなすしかない・・いい加減日付感覚が狂ってきたぞ・・・潜水艦乗りじゃないのに・・・」

 

イージス護衛艦DDG-180[はぐろ] 艦長の如月優樹1等海佐は呟き

 

「なら陸地に近づいて主砲による艦砲射撃とミサイル攻撃でもしますか?感染者も纏めて攻撃出来て始末できますよ」

 

砲雷長の山本裕樹3等海佐は言い

 

「おいおい勘弁しろよ、ヒューマンエラーなんて起こすなよ。」

 

桜井2佐は慌て

 

「山本、貴様一人で戦争でも始める気か~~」

 

艦長の如月1佐も半分冗談で某漫画のセリフを棒読みしつつ

 

「乗組員にはローテーション通りに仮眠を取らせて休ませろ、無理はするなよ」

 

如月1佐は厳命し

 

「了解です」

 

副長の桜井2佐は頷くのだった。

 

 

 

イージス護衛艦DDG-177[あたご]

 

CIC

 

「艦長・・・このゾンビ騒ぎ・・・何時頃収まるんですか・・・と言うよりも今日は何曜日ですか・・・もう曜日感覚もありませんよ・・・」

 

副長の多賀斉昭2等海佐は呟き

 

「心配すんなや、俺も曜日の感覚なんてとうにぶっ飛んでる。今日がそもそも何曜日かもわからんから心配無用だ」

 

イージス護衛艦DDG-177[あたご] 艦長の浦山利一1等海佐もやれやれといった感じで言い

 

「艦長、それドヤ顔で言う所じゃないですよ」

 

砲雷長の山川雅之3等海佐が反応し

 

「ちなみに山川3佐、今日の曜日は?」

 

浦山1佐が聞くと

 

「今日は土曜日ですよ、昨日カレーだったじゃないですか・・・」

 

山川3佐は答え

 

「お前、後で2主観の艦内便所掃除な」

 

浦山1佐は言い

 

「理不尽!!」

 

山川3佐も言うのだった。

 

 

 

艦隊後衛

 

汎用護衛艦DD-118[ふゆづき]

 

「何も異常ありませんね・・・艦長・・」

 

ふゆづき副長の山ノ内3佐は言い

 

「異常があったら困る。前衛は最新鋭を含め[イージス]4隻で固めてあるんだ。縁起でもない事言わずに仕事しろ」

 

艦長の鏑木正志2等海佐は言い

 

「ですがそうそうたる眺めですよね、くう・・ゲフンゲフン失礼しました。多目的作戦護衛艦が2隻にこの眺めは・・・」

 

砲雷長の矢野成明3等海佐は言い

 

「確かにな・・・最初の出動が政府のボンクラ乗せて[移動国会議事堂]じゃシャレにならんし[いずも]や[かが]が可哀そうだよ・・・」

 

鏑木2佐は言うのだった。

 

 

 

汎用護衛艦DD-107[いかづち]

 

CIC

 

「政府の役人ども「多目的作戦護衛艦」に引きこもって仕事やってるんすかね?一発ケツを蹴り上げたくなりますよ」

 

多目的作戦護衛艦[いずも]を見ながら副長を務める古賀修也3等海佐は言い

 

「政治屋なんぞに解決できるなら此処までひどくなってないし死人も出てないわ。政府のボンクラ信じて死んで行った国民が可哀そうだよ・・・全く、主砲でも1発ぶち込んでやろうか畜生ッ」

 

艦長の野口浩一2等海佐は言い

 

「艦長の意見に賛成っす。政治屋のケツを一発蹴り上げる意味合いも含めて主砲を盛大にぶち込みましょうよ[いずも]に向けて」

 

砲雷長の芳賀猛3等海佐も賛同するが

 

「アホ、味方に127㎜砲弾打ち込むわけないだろうが、イラっとはしているが理性を捨てちゃいないよ」

 

野口2佐は答えたのだった。

 

 

 

汎用護衛艦DD-120[しらぬい]

 

「・・・・・対潜レーダーに反応ナシ・・・・引き続き警戒します、目が疲れる交代まで後何時間だ・・・・畜生・・・」

 

副長の武田信彦3等海佐は言い

 

「後4時間で次のクルーに交代だ、後少しの辛抱だよ」

 

艦長の江田薫2等海佐は言い

 

「ああああ気が狂いそうだ・・・・外に出たい・・・・一服したい・・・」

 

砲雷長の榎本浩紀3等海佐が呟き

 

「艦長、主砲の砲弾に入れてこいつ撃ち込みましょう」

 

武田3佐が言い

 

「異議なし・・・・・」

 

艦長の江田2佐も賛同し

 

「なぜに?!」

 

榎本3佐は言い

 

「外でタバコなんて吸ったら潜水艦に見つかるだろうが、万が一の時にはどうするんだこのタコ」

 

言い

 

「・・・・・我慢します・・・・・」

 

榎本3佐は頷くのだった。

 

 

 

汎用護衛艦DD-108[あけぼの]

 

CIC

 

「zzzzzz・・・・・zzzz・・・・・zzzzzz」

 

「起きろッ、馬鹿タレッ」

 

テッパチを素手で殴りつけ

 

「アウチッ」

 

椅子から転げる副長を起こし

 

「任務中に居眠りするバカがあるか、お前これ実戦ならお前1人の為に全員死んでる処だぞ!!」

 

汎用護衛艦DD-108[あけぼの] 艦長の橋本孝2佐は副長の山田大輝3等海佐を叱責し

 

「す・・・スミマセン・・・艦長・・・」

 

だがそこで橋本2佐も気づく、山田3佐の目のクマに

 

「すまん、だが気を付けてくれ、いつ何があるかわからないからな」

 

橋本2佐は言い

 

「いいえ、居眠りなんて言語道断です、スミマセンでした」

 

山田3佐はテッパチをかぶり直し席に着く

 

「・・・・・・・・・・」

 

その光景を見ていた砲雷長の成上悠3等海佐はインカムを取り

 

「CICより給仕室へ人数分のブラックコーヒーを頼む、とびっきり濃い目で」

 

成上3佐は言い

 

「流石に眠さがピークなんですよね・・・俺も寝落ちする訳にはいかないんで」

 

答える成上3佐だった。

 

 

 

 

海中深く鎮座している潜水艦はと言うと・・・・・・

 

海中警戒潜水艦

 

SS-510[しょうりゅう]

 

発令所

 

「艦長、艦長起きて下さい!!」

 

「う・・・もう時間か・・・状況に変化は?」

 

艦長室のベットで仮眠を取っていた深町洋1佐は副長の速水健一2等海佐に起こされ

 

「状況に変化はありません。以前警戒を続行せよとの事です」

 

報告し

 

「シュノーケルでもイイから美味い酸素が吸いたい・・・」

 

深町1佐は言い

 

「仕方がありません。それが我々の任務ですから」

 

速水2佐は答え

 

「命令さえ、あればゾンビ擬き共の密集地にハープーンを撃ち込んでやるんだがな」

 

いらだつように言い

 

「抑えて下さい、そもそも本艦にはハープーンは装備していません」

 

速水2佐は言い

 

「分かったわかった、今行くからよ」

 

深町1佐は幹部用の作業帽をかぶり艦長室を出るのであった。

 

 

 

 

SS-511[おうりゅう]

 

 

「報告します、異常はありません」

 

「ご苦労」

 

艦長の海江田四郎1等海佐は副長の山中栄治2等海佐から報告を受け

 

「皆の疲労も困憊だ、ローテーションには気を付けてくれ。疲労が重なれば冷静な判断が下せなくなるからな」

 

海江田1佐は言い

 

「そういう艦長もご自分の目の下のクマをご覧になってから言って下さい」

 

山中2佐は言い

 

「心配せずとも私は大丈夫だ」

 

海江田1佐は答えるのだった。

 

 

 

補給艦

 

AOE-425[ましゅう]

 

「艦長、補給用の物資の確認終わりました」

 

「ご苦労」

 

2人で話

 

「副長、どうだ?状況は?」

 

艦長は尋ね

 

「正直最悪の一言に尽きますね。この先の行動も不透明ですしとりあえず艦載機を即席の偵察機にして日本中の情報を集めて回っていますがこのままじゃぁ我々の手ではカバーしきれなくなるのは時間の問題ですね」

 

副長は言い

 

「・・・・・ああ・・・・もう現実逃避したい・・・・」

 

艦長は言い

 

「激しく同意します」

 

副長も言うのだった。

 

 

 

AOE-426[おうみ]

 

「艦長、艦隊の各艦乗組員の疲れはピークに達しています。本艦も例外ではありません」

 

副長の報告に

 

「それは皆が同じだ。だから今は耐えるしかない・・・この状況に」

 

艦長は言い

 

「終わりが見えないこの状況にどう耐えろというのですか艦長」

 

副長は言い

 

「泣き言を言っても始まらんぞ、副長。本島に居る生存者は我々よりもはるかに地獄を見ているのだからな」

 

言い

 

「・・・・・そうですね、了解しました。」

 

副長も頷くのだぅった。

 

 

 

DDV-183[いずも]

 

第90航空団待機室

 

「次に上がれそうなパイロットは・・・・・・」

 

栗原司令は待機室を見るがパイロット達の疲労は抜ける所か酷くなっているようにさえ見える。

 

「{このままだとマズイなぁ・・・事故って墜落でもしたら事だ・・・パイロット達に対して仮眠ではなく少しまとまった休み時間を貰わねば・・・}」

 

そう感じつつ仮眠室の状況も確認しに行く

 

パイロット仮眠室

 

「zzzz・・・・・・・・zzzz・・・・・・zzz」

 

「zzzzzzzzzz・・・・・・・zzzzzzzz」

 

「zzzz・・・・・・zzzz・・・・zzzzzz・・・zzz」

 

この状況を見て

 

「航空隊を一時止めないと本気でマズイ・・・」

 

栗原1佐も感じて居た。

 

 

 

DDV-184[かが]

 

第91航空団待機室

 

「こっちも結構まずいなぁ・・・・・・・・」

 

状況を見て第91航空団司令の神田1佐は言った。度重なる出撃にパイロット達も疲労の色が濃く全く隠せていない

 

「こりゃぁ・・・・沖縄の方からも飛ばしてもらわないとこっちの負担が増える一方だこれでは・・・・」

 

待機室で次のローテーションに備えているパイロット達の顔を確認するがその顔は疲れがたまっているのが理解できそれを見て神田1佐はクリップボードを持ちつつ言い言うのだった。その足で仮眠室に確認に向かう

 

仮眠室

 

「zzzzzz・・・zzzzzzzz・・・・zzzzzz・・zzzz」

 

「・・・・・・・・zzzzz・・・・・zzzz・・・・・zzzz」

 

「zzzzzzzzzzzz・・・・・・・zzzzzzzzz」

 

「・・・・・・zzzzzzzz・・・・・・zzzzzz・・・・・zzz」

 

「zzzzzzzz・・・・・zzzzzz・・・・・・・zzzzzz・・・」

 

簡易的に作られたベットの上で熟睡しているパイロットらを確認し

 

「[いずも]の栗原に状況を確認しないとな・・・・・多分両航空団共々限界を超えているだろうしな・・・・・・・・・・」

 

神田1佐は呟き

 

「この地獄はいつ終わる・・・・・それとも終わりは見えないとでも言いたいのか」

 

天を仰ぐように言い

 

「次は格納庫での整備作業の確認に行かないとな・・・・」

 

急ぎ格納庫での整備作業の進捗状況を確認すべく向かうのであった。




次回~地下籠り~を予定しています。


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第33話~地下籠り~

鏑木姉妹により救助された優希ではあるがその後の動きを考えていた。


鏑木宅 地下室

 

「と・・・いう訳なんだが・・・・本当は話すつもりはなかったんだが・・・」

 

真珠との馴れ初めを2人に話

 

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

 

2人は黙り込むが

 

「素敵ね・・・・一ノ瀬の器の大きさに真珠も惹かれたのね」

 

「うんうん、真珠らしいわ」

 

日向や菖蒲も頷く中

 

「で、二人とも大層な武器ぶら下げてるがそれは何処から、それと弾は?弾?」

 

2人に尋ね

 

「そうだね、おねぇ一ノ瀬に武器見てもらうよ。いろんな所からかき集めたけれども私達武器の事はさっぱりだもんね」

 

日向は言い

 

「うん。私も同意カナ」

 

菖蒲も頷き、二人に案内され広い地下室を案内され

 

「此処が武器と弾を保管してる処」

 

日向が言い、菖蒲がドアを開け俺達は中に入る

 

「MP5にMP7サブマシンガンに、スナイパーライフルのM700に、警察の拳銃のM360Jにショットガンの代名詞ともいえるM870にM1100オートに後は自衛隊の89式小銃となんでコイツがあるんだ・・・M16?はぁッ、こいつ骨董品だぞM1ガーランドとかそれにトカレフ・・・!しかも粗悪なチャイナコピーじゃない!もの本だ!!」

 

俺は言った。それに

 

「えっと、どうかな?・・・・」

 

日向は尋ね

 

「うん、結構いい感じに集めたね、弾薬もまぁまぁな量があるし」

 

武器と弾薬を見渡して俺は2人に言い

 

「でもな・・・・」

 

俺は一つの武器を見て言い

 

「何か問題でもある?」

 

聞かれ

 

「正直な事言うと・・・・俺はM16はあまり好きじゃない。」

 

3丁置かれているM16A2を見て答え

 

「え?なんで?」

 

聞かれるが

 

「こいつの作動方式が色々言われてるけれどもリュングマン・DI方式・ダイレクトガスインペンジメント方式・ストーナー方式と色々と言われてるけれどもこの作動方式が曲者なんだわ」

 

俺は言い1丁のM16A2を取りテイクダウンするが

 

「やっぱり・・・・・そこそこ汚れちまってるな・・・・」

 

主要部品を見て言い

 

「こいつのダメな所は機関部がとにかく汚れやすい。従来の銃器に比べてメンテナンスの頻度を徹底的にしないと忘れた頃にジャミング起こしたり機関部が壊れたり。もし俺が戦場に行くときにコイツ{Hk416}とM16A2のどっちを持ってく?と聞かれたら俺は間違いなくコイツ{Hk416}を選ぶよ。」

 

説明し自身がスリングでぶら下げているHk416を指す。

 

2人に説明し

 

「それでも2人とも、それ{MP7A1}を選んだのは正解だ」

 

2人に言い

 

「なんで?」

 

聞かれるが

 

「そいつは汚れに強いんだよ作動方式がダイレクトガスインペンジメント作動方式ではなく[ショートストロークピストン方式]だからだ。」

 

2人に言うと当たり前だが疑問が来る

 

「どう違うか教えて?」

 

日向に言われ

 

「まず、ダイレクトガスインペンジメント方式から簡単に説明するが、こいつは発砲の際に発する激発後の燃焼ガスを利用してボルトを前後に作動させ発砲後の排莢と次弾装填を行う。その際の燃焼ガスでボルト、機関部が直接汚れちまう。だから念入りな清掃が必要になる。」

 

言い

 

「だがこいつにもメリットがある。射撃時の反動が強くはない。それと銃自体を軽い物に作り上げる事が出来る事だ。」

 

説明し

 

「次に俺がスリングでぶら下げてるHk416や2人が使ってるMP7だがこの2丁は両方とも作動方式は「ショートストロークピストン」だこいつの作動方式は発砲時の燃焼ガスをを使うのは同じだがそれは途中までで、燃焼ガスを利用してガスピストンが作動しそれがボルトキャリアに当たる事で動作し排莢と次弾装填を行う。上記の作動方式の違いは発砲後の燃焼ガスを直接ボルトキャリアに当てて動作させるかガスを利用してピストンを動作させてボルトキャリアを動作させるかの違いだよ。」

 

説明し

 

「つまり・・・こっちは撃てば撃つほど汚れるからメンテナンスが欠かせないってこと?」

 

菖蒲は言い

 

「まぁそうだが、上記の説明は極論だよ。銃はいったん使用した際には清掃作業を行わないと忘れた時に「裏切られちまう」からね」

 

言った。

 

「「成る程・・・・」」

 

2人はまぁ納得したようで

 

「特に使う銃はMP7以外だとどれだ?」

 

聞き

 

「えっと・・・これ」

 

日向がMP5SD6を渡し

 

「良い選択をしたな、こいつならばサイレンサーが付いてるから銃声で奴らをおびき寄せないし弾も9㎜だから男も女も問わずに扱いやすい。」

 

言い二人が酷使したMP5SD6を分解し

 

「ブラシとタオルをくれ」

 

頼み分解した銃の部品をブラシで磨き汚れを落としていき

 

「くそ・・・ガンオイルがない分やりづらいな・・・清掃キット持ってきてなかったからな・・・」

 

毒付きつつもできる範囲での清掃を終え組付ける。

 

「ふぅ・・・出来た。」

 

2丁を2人に渡し

 

「それと聞きたいんだが、イイか」

 

俺は言い

 

「何かな?」

 

日向が言い

 

「2人とも無線機なんてないよな・・・・」

 

聞き

 

「流石に・・・そこまでは・・・・」

 

言われ

 

「だよなぁ・・・・」

 

言い

 

「米軍基地の無線機はどうかな?」

 

菖蒲は言ったが

 

「あや、またあそこに戻るの?・・・・・」

 

日向が言い

 

「・・・・・・流石に・・・リスクが大きすぎるよね・・・・・」

 

菖蒲も納得するが

 

「・・・・・いや、行くだけ言ってみるよ。道も覚えたし、いざとなればまた下水に逃げて此処に戻って来るよ」

 

俺は言い、もう一度米軍基地に戻ってみた・・・・

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「・・・・・結論から言おう・・・・ダメだった・・・・」

 

戻って来た俺は言い

 

「なんで?」

 

日向が言い

 

「どこぞのバカが無線機に銃を乱射したような状態になっててね・・・ものの見事にアボンだったよ・・・・畜生」

 

ため息をつくように言い

 

「・・・・・・・・!そうだ」

 

何かを思いついたように菖蒲は言い

 

「おねぇ、一ノ瀬君も消防署があるよ。あそこなら無線機もあるはず。」

 

ドヤァとでも言いたげな顔で言い

 

「成る程な・・・となると市街地戦か・・・・ちょっときついなぁ・・・」

 

今度は俺が言い

 

「なんで?」

 

日向に聞かれ

 

「そっちはMP5SD6があるからあまり銃声を気にする必要はないけれどもこっちはアサルトライフルや拳銃に付けるサプレッサーがない・・・」

 

俺は肩をすくめて言い

 

「まぁまぁ、なんとかなるよ」

 

菖蒲は言い

 

「そうだそうだ、これも見て欲しいんだけれどもさ」

 

日向が俺を引っ張り

 

「ははははは・・ドックフード・・・かよ。目の前にあるのは不味い事で有名な米軍のMREかよ・・・よくおまえらこんなの食えていたな。」

 

引き攣って言い

 

「そうかな?最初は確かにマズイけれども慣れるとそうでもないよ」

 

「うん、生き死にがかかってると人は順応するからね」

 

2人は言っており

 

「まぁ・・・・否定はしないかなぁ」

 

俺も言い

 

「インフラまだ生きてるか?」

 

聞き

 

「「水以外ならね。」」

 

2人に言われ

 

「なら夕食は任せてくれ、台所借りるけどな」

 

俺は言いその日はMREを利用し2人に腕を振るうのだった。夕食後に

 

「さてと、悪いが明日にでもその消防署に行きたい。拠点に居る本職の自衛官の人達や真珠に連絡とらないとマジで不味いからさ」

 

2人に言い

 

「そうね、私も同意ねそれに貸しも返してくれるって約束だし」

 

「うん」

 

2人は言い

 

「分かったわじゃぁ明日にでも行きましょう」

 

日向が言うが

 

「まって、おねぇ消防署行くなら[アイツ]らに気を付けないと」

 

菖蒲が言いだし

 

「アイツら?」

 

俺が聞くと

 

「うん、市街地では地元の暴力団が顔利かせてるのまぁ一ノ瀬みたいにやたらと強くて「ター〇ネー〇ー」や「ラ〇ボー」とか「ジ〇ン・メ〇トリ〇ス大佐」並みなら向かう所敵なしかもしれないけれども私達は女だしさ・・・」

 

それを聞いて言わんとする事は理解できた。法と言う物がなくなればそういう輩はやり放題だ。ならば俺は2人を拠点まで安全に連れ帰らねばならない義務がる。2人や2人を気にする真珠の為にも。そう思ってると

 

「もう一つはうちの学校に引きこもってる連中ね。流石に年が近しい人と殺し合いなんてしたくないから私達は気を付けてはいるけれどもさ」

 

2人は言い

 

「はぁ、真珠と鏑木を追い出したクズ共か」

 

俺は言い

 

「え!」

 

日向が反応し

 

「まぁまぁ詳しい事はあいつらに聞いてくれ、俺の口からは話せるような事じゃないよ。」

 

2人に言うのだった。




次回~お通夜状態の拠点~を予定しています。


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第34話~お通夜状態の拠点~

物資の回収は成功したものの優希からの音信は一切ない重い空気がロッジを包む。


ロッジ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

 

その日の夜、ロッジの空気はまるでお通夜状態だった。深夜のリビングに幹部+ベテラン曹長+αが揃った。

 

「済まない、軽率だった・・・・車両を使えば音を出すという初歩的な所を失念していた・・・」

 

秋本3佐は言い

 

「起きてしまったしまった事は致し方ありません、此処で私が取り乱しても優希が戻ってくるわけでもないですし今後を考えましょう。」

 

私、蒼川真珠は言い

 

「無理しなくていいのよ・・・叱責される事は覚悟してるわ」

 

中野2尉は仰り

 

「大丈夫です、優希ならそんな簡単に死ぬとは思っていません。」

 

言い切る

 

「その・・・なんだ、どうして嬢ちゃんはそんなに彼を信じてあげられるんだ?」

 

大村陸曹長は言い

 

「私は元から性格に難がある性格だったので全方位がほぼ全部敵に等しい状況だったのですがそんな中で初めて異性を好きなった、今までの私では想像もできなかった事です。自分でも驚きました。何よりもこの先行ける所まで共に行こう互いに交した約束を私は信じるだけです。」

 

言い切り

 

「最近の子は皆強いな・・・・・」

 

浅見2尉も言い

 

「そんな事よりも、一ノ瀬先輩をどう救出するかですよッ」

 

鏑木が皆に言い

 

「そうだな、起きてしまった事を悔やんでもしょうがない。一ノ瀬君の救出作戦を計画しなくてはな」

 

秋本3佐は言い

 

「装輪装甲車にM-2が装備されています。ならばそれを利用して感染者を蹴散らしながら再度突入するしかないと思いますが」

 

中野2尉は発言し

 

「確かに・・・・重火器を使用してか・・・・・だが使い所を誤ると後戻りが出来なくなる。」

 

秋本3佐は唸り

 

「ですが、あの数の感染者を相手にするのは危険度がけた違いです。我々は今現在動ける兵員は12名、小隊程度の兵力しかありません。それであの数相手には自殺行為です。」

 

浅見2尉が反論し

 

「だが我々が取れる精一杯のオペレーションだ。」

 

大村陸曹長も言う中

 

「あの~~、よろしいですか?」

 

私は手を上げ

 

「おっと、済まない、遠慮なく発言してくれ」

 

秋本3佐は仰り

 

「えっと、皆さんの話を伺っているとこちらから出向く事を前提として話を進めていますが、優希の方から連絡・脱出して戻ってくる可能性も考慮する事も大事かと思います」

 

私は言い

 

「えっと・・・真珠先輩どういうことですか?」

 

七瀬ちゃんに言われ

 

「えっとね、優希に対しての猶予期間と言う事かな。自分で何とか状況を打開して戻ってくるもしくは現状の報告を此処の無線に寄越す為の期間。それを過ぎても連絡や戻る気配がなければ町中での捜索を実行するしかないけれども。私も闇雲に動き回って損害を出す状況は避けた方が良いかなと思っています。」

 

自衛隊の幹部の皆さんやベテランの陸曹長の大村さんを見て言う。

 

「なるほどなぁ・・・彼からの状況報告・自力での状況の打開を待つわけか」

 

秋本3佐は頷き

 

「無責任かもしれませんが、それはアリかもしれません」

 

浅見2尉が言い

 

「私も同意見です隊長。闇雲に動く事で発生するリスクを考慮すればまずは猶予期間を設けるべきです。彼のスキルに賭けてみるのも。本職がこんな事を言うのは無責任極まりないのは重々承知していますが・・・

 

中野2尉も言う中

 

「真珠先輩はそれでいいんですか?」

 

心配そうに七瀬ちゃんが私を見て言い

 

「ええ、優希も万が一の時はきっとこうするはずよ、闇雲に動いて発生するリスクを少しでも抑えようとするはず。だからまずは動かずに待ってみる。これで行き違いになれば最悪以外の何物でもないもの」

 

私は言い

 

「真珠先輩がそれでいいのなら私はこれ以上は口出しはしませんが・・・・・」

 

七瀬ちゃんも言う。

 

「皆さんも今日は遅いですしもう解散し明日に備えませんか?」

 

私は皆を見て言い

 

「・・・・そうだな・・・」

 

秋本3佐は周りを見て言い

 

「解散ッ」

 

言い、各々が部屋へと戻っていく。そんな中

 

「真珠先輩、今日はそちらの部屋にお泊りに行ってもいいですか?」

 

七瀬ちゃんが言い

 

「ええ、いいわよ」

 

私は言い

 

「ハイです、直ぐに行きます」

 

私達も一旦別れるのだった。

 

 

 

優希・真珠自室

 

「せんぱ~い」

 

七瀬ちゃんが入ってくる

 

「待ってたわ」

 

私もベットの上で言い、七瀬ちゃんもベットに潜り込み

 

「なんか大変な事になっちゃいましたね・・・」

 

言い

 

「まぁ・・・しょうがないわね、でも優希が戻ってきたらまずは折檻ね。勝手な事をして皆に迷惑をかけた事をきつく戒めないと」

 

私は言い

 

「先輩のメンタルの強さ私も見習いたいです。もし私が真珠先輩と同じ状況に置かれたら適切に対処できる自信なんてありません」

 

七瀬ちゃんは言い

 

「私も一応は焦ってるのよ?これでも」

 

言うと

 

「ええ!!それでですか?沈着冷静にしか見えません」

 

七瀬ちゃんは言い

 

「さ、寒くなる前に横になりましょう、話は布団の中でもできるわ」

 

私は言い2人で横になるのだった。

 

 

 

自衛隊 男性ルーム

 

「隊長、彼女鋼のメンタルですね・・・・」

 

浅見2尉は秋本3佐に言い

 

「ああ、自分の大切な人が人食いのバケモノの巣窟に置き去りにされてるというのにあの対応、自分の大切な人よりも現状でできる事を優先させた、十分に指揮官としての素質がある。全く大したものだ。」

 

秋本3佐は言い

 

「私から見れば年代的には孫に近い歳の子達が銃をもって自分の身を大切な人を守る為に戦う事を選んだ。私は出来れば年増もいかぬ子達に銃なんて握ってほしくなかったんですがね、これも時代の運命とでも言いたいのでしょうか、隊長」

 

大村陸曹長も布団から顔を出して言う。

 

「いずれにせよ、彼からの連絡をまずは待とうそれからだ。だが個人的には彼の身に何かあれば私は一ノ瀬海将補殿にあの世で合わす顔がない・・・」

 

秋本3佐は言ったのだった。

 

 

 

 

所変わって

 

 

自衛隊 女性ルーム

 

 

「私の判断ミス・・・・ね」

 

中野2尉は言い

 

「そんな、班長のミスでは・・・・」

 

宮下1曹は言い

 

「そうです、あの状況では仕方がなかったと私は思います・・・・」

 

小峰2曹に

 

「あの状況ではシビアな判断だったと、何が正しくて何が間違いなのか私にも判断が付かなかったです。」

 

中村2曹も答え

 

「何が正しくて・・・何が間違い・・・か・・私にも判断が出来かねるわ・・・」

 

中野2尉は答え天井を見つめるのだった・・・・




次回~行動開始~を予定しています。


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第35話~行動開始~

翌日、俺と牧瀬姉妹は早速動き出す事にする。


牧瀬宅 地下室

 

「2人とも、起きろ朝だぞ」

 

俺は寝袋で寝ている2人を起こし

 

「わぁ・・・・イイ匂い・・・」

 

菖蒲が鼻をクンクンさせながら言い

 

「もう、みっともない真似しないの」

 

日向が言い俺達は朝の朝食を取る。

 

「さぁて・・・動くとするか・・・」

 

食後に言い

 

「そうね、早い方が良い物ね」

 

日向は言い

 

「じゃぁ準備しようか」

 

菖蒲も立ち上がり、2人は着替えて来る。

 

「「準備で来たよ」」

 

日向と菖蒲は言い俺の目の前に現れたが

 

「・・・・・・・・すげぇな・・・・おい・・・」

 

米軍基地から装備を拝借していたのだろう、アーマーベストに防弾バイザー付きのヘルメットと完全装備だった。

 

「武器は?」

 

聞くと

 

「この子だよ」

 

2人ともやはり銃声を意識してかMP5SD6をメインアームとしてチョイスしておりサイドアームに警察のM360Jを装備している。

 

「弾倉は10本に38SP弾のバラ玉が60発分」

 

日向が言い

 

「そっちは自由に撃てるが・・・・俺はそうもいかないからな・・・」

 

メインアームのHk416にサイドアームのSFP-9もサイレンサーがない。即ち事実上のメインアームはサバイバルナイフのみと言う何とも頓珍漢な状況である。

 

「どないしよう・・・・・・」

 

思っているととある物が目に入った・・・

 

「オイルフィルター・・・・・・・・・・!」

 

閃き

 

「ないよりはマシかな・・・・・後はつくか否か・・」

 

思い

 

「このオイルフィルターもう使わない奴だろう?」

 

聞き

 

「ええ、そうよ」

 

「廃品のはずだもの」

 

2人は言い俺はHk416の銃の先端のフラッシュハイダー部分を外し

 

「頼む・・・・ついてくれ・・・・」

 

銃口にあてがうと・・・・

 

「・・・・・!くっ付いた・・・・」

 

Hk416にキレイにくっつきSFP-9にも不格好ではあるがくっ付き

 

「ふぅ・・・これで何とかなるな・・・」

 

俺も思い

 

「じゃぁ、行こうよ」

 

2人は言い俺達3人は外に出た。

 

「{流石に昨日の今日で酷いわね・・・・銃を過信は危険ね}」

 

日向は言い

 

「「{うん・・おねぇの言う通り}」

 

菖蒲も頷き俺達は住宅地を抜け市街地へと向かう。

 

カチャッ

 

Hk416をローレディーのポジションで構え進み見覚えのある所まで来る。

 

「{待て、・・・感染者は・・・・・・・・}」

 

スナイパースコープを覗き

 

「{12体・・・か・・・数が多すぎるな・・・やるしかない}」

 

そのまま照準内の感染者の狙いを定め引き金を引き絞る

 

バスッ

 

間の抜けた音と共に感染者は倒れ

 

「{次}」

 

バスッ・・・・バスッ・・・・バスッ・・・バスッ・・・バスッ・・バスッ

 

そのまま始末を続け半数ン感染者を射殺したあたりで

 

「{ねぇ・・・増えてきてない?}」

 

菖蒲が言い

 

「{サイレンサーでも完全に音を消す事は出来ないからな・・ここらが潮時か}」

 

道を通過するために必要な隙は十分に作った。マガジンを交換し

 

「{よし、行こう}」

 

俺達は歩みを進めた。そしてまた住宅地に入ると人の気配を感じ

 

「!!」

 

手を上げそのまま俺は壁に張り付くようにしゃがみ二人も俺と同様にしゃがむ

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

丁度いいアングルでゴミ箱が俺達を隠すような位置にあり近づいてくる気配からは見えない位置にあった。

 

「さっさと歩きやがれッ」

 

「さぁて、次は何処を襲ってやろうか?女も物資も盗り放題だ」

 

「この法のない世界はパラダイスだぜ」

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

俺達3人は女性が2人無理やり連れていかれる光景を見て、俺は

 

「{始末するか?}」

 

2人に問い

 

「「{コクン}」」

 

菖蒲も日向も頷き

 

俺達はそれぞれの獲物を構え路地のごみ箱から出る

 

「おい、そこのヤリ〇〇」

 

集団に声をかけ

 

「んだと、ゴラァッ」

 

1人が振り返る間もなく引き金を引き

 

バスッ

 

抜けた音と同時に眉間をぶち抜かれた死体が転がる

 

バスッバスッバスッ

 

菖蒲も日向もMP5SD6を発砲し残りを始末する。そして

 

「さぁ、これで自由よ早く逃げて」

 

日向は捕まっている女性2人の腕のハンドカフを切り落とす。だが

 

「ク・・・そ・・・・が・・・・・・」

 

自分の銃に手を伸ばすとする暴力団員に

 

「てめぇは地獄に落ちろ」

 

バスッ

 

しぶとく生きてる奴の脳天に5.56㎜弾をぶち込み黙らせる。

 

「あ・・貴方達は?!」

 

「一体・・・・」

 

2人はポカンとして言うも

 

「はよ逃げないとこいつら暴力団みたいななりだし増援が来るかもよ、せっかく拾った命ださっさと逃げろ」

 

俺は言ったがぺたんとへたり込んだ2人は

 

「逃げる所なんて・・・ないよ・・どこもかしこも動く死体ばかり・・・もううんざりよ・・・男共の性のはけ口にされるくらいならもういっそ殺してよぉ」

 

「これも何かの縁だよ・・・・助けると思って・・・一思いに[楽]にしてよ」

 

言われる中

 

バチンッバチンッ

 

「甘ったれるんじゃないわよッ」

 

日向はその女性二人に強烈なビンタをかまし話し始め

 

「私達はこのアウトブレイクで両親を失ったわ・・・いいえ両親を殺したわ、もう互いが唯一の肉親かもしれない、それに彼、優希なんてもっと悲惨で凄惨な目に合ってるのにこうも強く生きている例え今がどん底でも明日見えぬ状況でも生きてさえいれば何とかなる、諦めたらそこで全部おしまいよ!!」

 

日向は興奮気味に言う中

 

「おねぇ、いい事言ったんだろうけれどもおねぇのビンタの音と怒鳴り声で寄ってき始めてるんだけれども・・・」

 

菖蒲がMP5SD6を構えて言い

 

「こりゃぁ、マズイ退路を断たれる前にさっさと行きましょや」

 

俺は日向に言い

 

「彼女らは?」

 

日向は言い

 

「俺からはとくにはしない何も、生きたければ何とかしようと足掻くだろうし死にたければお望み通り[死]が集まりはじめてる、あとはこいつらが自分で決める事だ、行くぞ」

 

俺は日向と菖蒲に感染者が寄ってくる前にこの場を離れようとしたが

 

「ま・・待って・・・置いてかないで・・・」

 

「待って・・・・」

 

日向にビンタされた所を押えながら俺達に付いてくる

 

「どうする優希?」

 

日向に言われ

 

「[それが彼女らの選択]なのだろう。俺は尊重するまでだ。」

 

俺達は彼女ら名前も知らない女を2人同行させ消防署に到達した。

 

「無線機があると良いんだが・・・」

 

俺達は中に入り

 

「優希、これじゃない」

 

日向は言い

 

「お!そうそうこれだ」

 

俺は言いそのまま無線機のチェックを行い、拠点に置いてある無線機の周波数に合わせて

 

「この発信に返答しなくていい、今現在事故ナシ総員5名で一応脱出した、繰り返すこの発信に返答しなくていい今現在事故ナシ総員5名、最後に発信元は消防署より発信している。オーバー」

 

無線機を置き

 

「拠点の誰かが聞いていてくれる事を祈ろう。」

 

そんな時だった

 

ガタンッ

 

音がし俺達は直ぐに銃を構えると

 

「うッ撃たないで!!」

 

子供を連れた女性が居た。

 

「「びっくりした・・・・・」」

 

日向や菖蒲が安堵しMP5SD6の銃口を下ろすが

 

「・・・・・・・・・・・」

 

俺はHk416を構えたまま

 

「ヒナ、アヤこの人達の身体検査頼む。嚙まれてましたなんてシャレにもならないからな」

 

俺はあくまで厳しく言い

 

「悪く思わないで下さい、互いの安全の為なので」

 

俺は言い銃口を向けたままヒナとアヤが親子の状況を確認し

 

「「大丈夫だよ、噛まれてない・・・」」

 

報告を受け

 

「・・・・・・・・・」

 

無言で銃口を下げ

 

「スミマセン、こういうご時世なので」

 

謝罪し

 

「いいえ、気にしていません」

 

その親子は言い、椅子に座るがどうも子供の様子がおかしい、俺は日向に

 

「{なぁ日向・・ちゃんとチェックしたんだろうな・・・}」

 

問い

 

「{ええ、噛まれたりひっかき傷の類はなかったわ。}」

 

日向は小声で答え頷く。彼女、小石川水葉さんとその娘さんの和水ちゃんに聞いてみる。

 

「失礼ですが、お子さんの具合が悪いように見えるのですが」

 

母親に聞いてみると

 

「はい、この子喘息を患っていて。」

 

母親が言い

 

「お薬は?」

 

菖蒲が聞き

 

「・・・・・・・」

 

首を横に振る、そんな脇でさっき助けた女性2人が話しており

 

「服用しているお薬は此れじゃないですか?」

 

さっき助けた女性のうちの1人がスマートフォンの画像を見せ

 

「ハイ、これです」

 

母親も頷く。

 

「お薬に詳しんですね」

 

聞き

 

「私達、看護師ですから・・・・」

 

何処か疲れかけたように彼女らは言う。俺は銃を取り

 

「優希何処行くの?」

 

日向が言い

 

「その嬢ちゃんのお薬取りにだよ、苦しそうにしてるじゃないか」

 

俺は言い

 

「お薬は吸引タイプですお間違えの無いように」

 

看護師の方に言われ

 

「えっと・・・・お名前の方を・・・」

 

日向が言い

 

「緒方沙織と申します、さっきの強烈な1撃で目が覚めました」

 

「同僚の大倉皐月です、目の覚めるような1撃ありがとう」

 

2人の看護師、緒方さんと大倉さんは言い

 

「分かりました。」

 

俺は行こうとしたが

 

「1人は危ないわよ」

 

日向が言い

 

「アヤ、此処よろしく直ぐに戻るから」

 

言い

 

「任されたよ」

 

そう言い俺はまたあの地獄の巣窟に戻る事になる。




次回~アペンドミッション~を予定しています。


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第36話~アペンドミッション~

悪魔の巣窟ともい言える病院に戻って来たが、そこには違う光景が・・・・


〇×病院

 

「{ストップ}」

 

同行者として付いてきた日向に言い

 

「!」

 

日向もしゃがむ

 

「{・・・・・・なんだって自衛隊が・・・・別働隊か?・}」

 

物陰から様子を伺い俺は言った。秋本さんらの比ではない。

 

「{数人いるよ・・・}」

 

日向は後方を警戒しつつ言い

 

「{ああ・・・確認できるだけでも2人・・・・中にもいるかも}」

 

日向に言い

 

「{簡単に中に入れてくれる雰囲気ではないわよね・・・・}」

 

日向は俺に言い

 

「{少しはココを使え}」

 

頭を指して言い近くに転がっている空き缶を取り遠くにほおり投げる

 

カランカランカラ・・・・・

 

音を立てて転がり

 

「!、今の音なんだ?」

 

「おい、見に行くぞ」

 

正面門を警備が離れ

 

「{今の内だ}」

 

日向の手を引いて俺達は院内に潜入する。

 

「{前に此処は来たことがある。薬関係は3階と5階だ急ごう。}」

 

前に来た時に薬品庫の情報を得ていたのが功を奏し俺達は階段を慎重に上るが、

 

「・・・・・・死体・・・多いね」

 

日向が呟き

 

「こりゃ・・・大掃除したんだな」

 

言い3階に辿りつくが

 

「・・・・!」

 

自衛隊員らがカートを押して残っている薬品を回収している、その光景に違和感を覚えた。

 

「{あいつら薬なんて一体何に使うつもりなんだ?}」

 

今日本で無事なのは九州全域と沖縄・離島。そこから来たとすればなぜ病院で医薬品等の回収を行ってるんだ?

 

疑問が浮かんだが

 

「考えても仕方がない・・・か」

 

呟き

 

「薬品庫はもう一つある。こっちだ」

 

日向を案内しつつ俺は5階に向かった。案の定開けるなの紙がはがされ大量の薬莢とおびただしい程の死体が転がっていた

 

「う・・・・・・ウプっ・・・・」

 

日向は吐きそうになっている。無理もない。これだけの死体を見れば吐きそうにもなる

 

「ひ・・・酷いにおいだ・・・」

 

中に入る

 

「・・・・薬品保管庫・・・わっと・・・あった!」

 

奥に歩みを進めると薬品保管庫はアリ前に真珠が明けた時のように手で引くとあっさり開いた。そして中にはわずかだが薬が残っていた。その中かから教えられた薬品名をメモした紙を頼りに棚中をひっかきまわし

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

探し回り

 

「あった!!」

 

日向は言い

 

「それだ!」

 

俺も言う幸いにも2個薬はアリそれを俺はポーチに衝撃干渉剤と共に入れる。そして薬品保管庫から出た時だった。

 

「{やばっ}」

 

がしッ

 

日向を連れて隣の部屋に隠れる。日向の口元で

 

「{しー}」

 

小声で言い、自衛隊員らが通り過ぎる。少し聞き耳を立てると

 

「全く院正門の奴ら何やってるんだか・・・」

 

「ああ、変な音が聞こえたんだって言って聞かねぇし」

 

2人の自衛隊員は言い

 

「だが、政府の奴ら本気でやる気があるんだろうか?」

 

「それ俺も思ってた。何時までも会議で籠っていてもしょうがないだろうによ苦労するのは現場と国民なのにな」

 

自衛隊員らが言う事を聞いた。

 

「{政府が何かを企んでる?、一体何を?}」

 

思いつつも通り過ぎ他の確認し

 

「{よし・・・行こう}」

 

俺は言いそっと、日向とそこを出て階段に差し掛かった時

 

「!」

 

「!」

 

自衛隊員らと鉢合わせし

 

「ッ」

 

1人が89式小銃の引き金に指をかけたまま銃口をこちらに向けようとし

 

「馬鹿者ッ国民に銃口を向けるバカがあるかッ」

 

隣に居る人がそいつの銃口を横から掴んでいるうちに俺は素早くポーチから閃光弾を取り出し

 

「置き土産だッ」

 

アンピンを抜きほおり投げ日向と一目散に階段を下る。

 

「君達ちょっ・・・」

 

その瞬間に閃光弾がさく裂しまばゆい閃光と強烈な音に耳がハウリングする。

 

「ちょっ!一ノ瀬、正気なの?!」

 

日向がしゃべっているのだろうが口パクで言っている事が大体わかり俺も

 

「もちろん」

 

頷き

 

そのまま1階まで急いで下りるが

 

「クソっ、流石本職、ピヨッてる状況からの回復も早いってか」

 

連絡が言っていたのか正面のからやはり武装した二人がいきなり撃ってきた

 

「ヤバイッ」

 

受付の物陰に隠れ

 

「クソっ・・・・もう一発、日向耳ふさげッ」

 

日向に言い

 

日向は耳をふさぎ俺は再度閃光弾を取り出し安全ピンを抜き2秒待ってから前で撃ちまくっている自衛隊員らに放り投げた、直ぐに俺も耳をふさぎその直後に強烈な閃光と爆音のような音が響く

 

「追われると厄介だ、だが撃ち返す訳にもいかない・・・」

 

迷ってると

 

「地下の案内なら任せて、此処なら私達も来てるから」

 

日向が俺の腕を取り、地下へと向かう、後ろから

 

「待てッ!!」

 

「CP、CP、武装した民間人は地下に向かいました、指示を乞う」

 

隊員が、無線で指揮官に指示を求めつつ俺達を追ってくる

 

「だから、なんであんなに閃光弾からの回復が早いんだよ!!」

 

毒付きつつも俺達2人は地下に向かい、日向は俺の手を取った状態で走りマンホールのある場所へと向かう

 

「此処から地上に出られるわ」

 

日向が言い

 

「レディーファーストだ」

 

俺は言った時

 

ドンッ・・・・・・

 

銃声が響き

 

「・・・ッ」

 

梯子に手をかけた日向の腕から鮮血がとぼしった

 

「動くなッ、武器を捨てろ、」

 

2人の自衛官らに追いつかれ俺は日向を庇うように前に立ちHk416の銃口を自衛官らに向け

 

「ふざけるな、俺達が何をしたってんだ、警告もナシにいきなり撃ちやがって!!」

 

俺は叫び

 

「これ以上手荒な真似はしたくはない!!抵抗するな、武器を置け」

 

89式小銃の銃口が依然俺と日向を捉えている。

 

「CPCP、こちらブラボー、民間人を発見、対象は逃走を続けたため止む負えずに発砲うち1名が負傷、もう1名は依然我々に銃口を向けています。」

 

もう一人が報告をしているだがその緊張した空気を突如として破ったのは[奴ら]だった

 

「うっ・・・うわぁぁぁぁぁぁーーーー」

 

「やっ・・・やめろーーーーーーーッ

 

1人に噛みつき押し倒しもう一人が9㎜拳銃を取り出し発砲するがあっという間に囲まれ

 

「・・・・・・・・・・」

 

その光景に俺は一言も発せずに撃つべきなのか撃たないべきなのか迷いが生じた、反社会勢力や悪党ならば容赦なく無慈悲に息の根を止めるだが、目のまえに居る人たちは確かに日向を撃った、傷つけたが根本的にはこちら側だ、

 

「一ノ瀬、今よッ」

 

日向は素早く撃たれた所を押えつつも梯子に手をかけ上っていき、マンホールの蓋を開ける

 

激しく判断に迷い狼狽える俺に

 

「一ノ瀬ッ、早くッ」

 

上から言い、その声に数体の感染者が反応し

 

「クソっ」

 

バスッバスッ

 

Hk416の引き金を引き2体を射殺する。

 

俺も梯子に手をかけた時

 

「ま・・・・・・まって!!!」

 

「いか・・行かないでくれ!!!!」

 

「見捨てないでくれ!!!!!、頼む!!!」

 

「助けてくれ!!!!!」

 

手を伸ばして必死に助けをこうも[噛まれている]時点で俺にできる事は一つしかない

 

「・・・・・・・・・・・」

 

無言でポーチから「手榴弾」を2個取り出し、安全ピンを抜きそれを見て悟ったのか

 

「ま、待って、殺さないで」

 

「おねがいだ!!!!!」

 

叫ぶ2人に俺は

 

「・・・・・・・・・・」

 

無言で手榴弾2個を投げ素早く梯子を上り

 

「置いてかないで!!!」

 

「死にたくない!!!!」

 

叫ぶ2人に心中で

 

「許してくれ・・・許してくれ・・・許してくれ・・・・許してくれ・・・・」

 

心の中で詫びつつ梯子を上る途中に手榴弾の爆発音が聞こえ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

それでも俺は無言で梯子を上り切り、地上に上がる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

日向も先の爆発音で悟ったのか

 

「一ノ瀬・・・・・・・・」

 

日向も言ったのかそれ以上は言わずにいたが

 

「でもどうしよう・・・此処からだと相当な距離があるよ・・・・」

 

日向は言い

 

「ああ、どうするか・・・・」

 

その時

 

キキキッーーーー

 

目の前に軽装甲機動車2台が止まり

 

「!!」

 

俺はHk416を構え警戒するが

 

「おいおい、落ち着け相棒、無線聞いて迎えに来てやったぞ!!」

 

そこから顔を出したのはなんと俺が探していた木村達だった。

 

「詳しい話は後だ、早く乗れッ!!」

 

俺と日向は軽装甲機動車に乗りその場をはされたのだった。しかし、この出来事を境に優希は大きく苦しむ事になる・・・・・




次回~苦しむ優希~を予定しています。


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第37話~苦しむ優希~

「あの選択」は優希を精神的に追い詰め始めていく事になる・・・


あれから帰還し、俺は真珠に怒られそして真珠は日向・菖蒲との再会を泣きながら喜びそして新たな仲間を加えて生活が始まった。だが・・・・

 

優希・真珠 寝室

 

「はぁはぁはぁ・・・・・・・」

 

布団から飛び起きる。どうしても脳裏からあの悲鳴が頭を離れない、自分に手を伸ばし助けを求めるあの2人の自衛隊員の光景が・・・・

 

「見捨てないでくれ」

 

「行かないでくれ」

 

その悲痛な叫びが脳裏にハウリングする。こんな情勢になってから人を殺したのは数えるくらいしかなかった。だがそれは悪党だから殺したそれ以上でも以下でもない。でも彼らは違う、こちら側の人なんだなのに・・・俺が殺した・・・

 

「大丈夫?優希」

 

横を見ると真珠が俺を見ており

 

「あ・・・ああ、大丈夫だよ」

 

俺は真珠に笑いかけるが、そんなに大丈夫な状況ではなかった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠は何か言いたげな様子ではあったがそのまま

 

「お休み、優希」

 

また横を向く。そして数分後には寝息を立て始める。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その後俺はそっと寝室を抜け出し、一階のダイニングに行く。寝ればあの夢をまた見てしまうそんな状況でどうしろと言うのだと思いながら椅子に座る

 

「・・・・・・・・・・」

 

そこからまたボケーっと時計を眺めていると

 

「あれ?相棒どうしたんだ?」

 

ジャージ姿の木村が居た

 

「なんか・・・眠れなくてな・・・・」

 

詳しい事は言わなかったが

 

「・・・・・・・・話せよ、俺達相棒だろ?お前を見れば一目瞭然だ。長い付き合いだしお前の彼女の蒼川よりもな」

 

木村は言い、真っ直ぐに俺の瞳を見据える

 

「・・・・・・・・・」

 

少しの沈黙の後、俺は観念し木村に全てを告げる、あの病院であった事を、自身の能力を過信しすぎその結果として死なせなくてもいい人を2人も死なせてしまった事をそしてその判断は誤っていなかったのかを

 

「成る程な・・・・・」

 

木村は深く頷き

 

「優希・・・・[忘れちまえ]・・・俺がお前に言える事はそれだけだ。一々引きずっていたらさらに判断を誤る、お前はもう一人じゃない、[蒼川]という大事な存在もあるんだ。お前の判断ミスは全員の生き死に直結する。そしてお前の死は蒼川を壊してしまう。率直に言えばそいつらは運が悪かっただけだ。お前と鏑木姉に固執し過ぎてくたばった。」

 

木村は俺に言い

 

「忘れろと・・・・人を2人も死なせた事実から目を背けろと!!」

 

俺は木村に言うが

 

「じゃぁ、どうすんだ?その今頃ゾンビでもなってるか知れない自衛官を探して謝るのか?そんなの無意味だ。俺達は今生きている、今の世界は[殺すか][殺されるか]その状況であーだこーだ言っても意味はない。」

 

木村は俺に諭すように言い更に

 

「刹那の判断で今此処に居る皆は生きている。まぁ助けられた奴らを含めてもなそれにこの状況でお前に死なれたら士気は駄々下がりだ。俺も親友を殺したくはないこの世界はな時として非常にならないと生きてはいけない世界になっちまったんだ」

 

そして木村はさらに

 

「そうだな、言い方が悪すぎたなお前は確かにあの状況を誘発してしまったのかもしれない。フラッシュバンを2発も使って大音を立てただが、自衛隊の連中もお前らに向けて発砲した、それも無警告でだ。それにな相棒は[殺した]と言うがお前はそいつらを楽にしてやったんだよ」

 

木村は俺に言い

 

「[楽]にしてやった?」

 

俺は言い

 

「ああ、感染した上に喰われちまう事は避けられない、その状況でお前がその感染者を撃って蹴散らしても正直な所[弾薬]の無駄でしかない。だからそうするより道はなかった。」

 

言い切り

 

「だが勘違いしないでくれ、俺はそんな殺しが出来るようなこの状況を楽しんでる訳ではないからなそこは言っておくが」

 

木村は俺に言い

 

「ああ、分かってるよそこは、相棒が殺しを楽しむようになったらそれこそ目玉何処だって話だからな」

 

俺は言い

 

「俺達も互いを守る為に撃つ時は撃った、だが極力は戦闘は避けてきた。無駄な殺し合い程むなしい物はないからな・・・・」

 

木村は言い

 

「そうだよな・・・・・・」

 

俺も頷き

 

「幾分か気が楽になったよ・・・・・」

 

俺は木村に率直に言い

 

「ああ、そりゃよかった。一人で抱え込むとろくな事にならないからな、それとな優希

 

木村は言い

 

「何だよ」

 

俺は言うと

 

「そい言う事は隠さずにちゃんと自分の[女]にも相談したほうがいいぞ」

 

木村は言い階段影を見て

 

「そんな所に隠れてないで出て来いよ、蒼川」

 

木村は言い

 

「!!!」

 

俺は驚いていると

 

「・・・・・・やっぱり何か抱え込んでい居たのね・・・・・・」

 

真珠が出てきて言い

 

「前にも言ったけれども私達は2人で1つ苦しい事が合ったら言ってほしい、あなた1人に抱え込んで欲しくないから、私も分かち合いたい苦しみも幸せも」

 

真珠は言い椅子に座り

 

「良く分かったな・・・・」

 

俺は苦笑して言うと

 

「一応、私貴方の恋人よ普段と様子が違えば何かあったと直ぐに気付くわよ」

 

言われ

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は何も言えなくなっていた。だがこれで状況が変わるのかと言えばまた全然違う。

 

「さっきも言ったがな相棒、あまり深く考えすぎるな俺がお前に言う事はそれだけだ」

 

木村は言い

 

「さぁまだ夜中だ、さっさと寝ちまおう。加藤の野郎のいびきがうるさくてかなわんまったく」

 

木村は俺達を見て苦笑いし

 

「さぁてあしたからバリバリ働くぞ」

 

言いながら二階に行ってしまった

 

「私達も行きましょう?」

 

真珠は俺の手を取り

 

「大丈夫だよ」

 

彼女は言い俺は真珠と共に寝室に戻る。

 

「子守歌でも歌ってあげようか?」

 

真珠は言い、普通なら茶化すなよと言う所であるがその時の俺は藁にも縋る思いだった。

 

「ああ・・・・頼む・・・・」

 

俺は言い[真珠の手を握ったまま]眠りに落ちていくのだった・・・・・

 

 

真珠side

 

「優希・・・・・」

 

寝息を立てる優希を見て私は

 

「{市街地でそんな事があったなんて・・・・}」

 

心の中で呟いた、生きるか死ぬか、殺すか殺されるか、判断1つ誤ればそうなる事は私でも分かる。でも優希は優しい、優しいからこそ苦しんでいるのかもしれない。その時[それじゃ私は?]

 

と思ったが直ぐに考えるのを辞めたのだった・・・・・

 

真珠sideアウト




次回~苦悩~を予定しています。


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第38話~苦悩~

自らの過ちを悔いる日々を送るが、周りは・・・・・


ロッジ

 

夜中  ダイニング

 

 

「皆さん、集まってもらってありがとうございます」

 

私、蒼川真珠とそして木村達と集まってくれた秋本3佐浅見2尉に中野2尉それにベテランの大村陸曹長に手当てを受けたヒナとアヤに看護師の大倉さんや緒方さんも集まる。因みに優希には申し訳ないが夕食に睡眠薬を盛り強制的に眠ってもらった。

 

「蒼川さん、それで話とは?」

 

自衛隊側の部隊長の秋本3佐は言い

 

「実は・・・・」

 

私は市街地で起きてしまった事を話し、優希が苦悩し精神的に追い詰められている事を正直に話した

 

「・・・・・そんな事が・・・」

 

秋本3佐は言い

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

中野・浅見両2尉も腕を組むが口を開いたのは大村曹長だった。

 

「確かに一ノ瀬君にも非がないと言えば嘘にはなる、だがその隊は、マニュアルを徹底してなかったようだな・・・・」

 

大村曹長は言われ

 

「マニュアル・・・・ですか?」

 

私は言い

 

「ああ、私達は部隊がもし生存者と接触したらとにかく敵意のある行動を取らないようにと徹底されている。聞く限りはその隊の隊員が鉢合わせした際に既に敵対意志アリと見做される紛らわしい行動を取っている[引き金に指をかけたまま銃口を向ける]その時点でアウトだ。一ノ瀬君が誤解して戦闘を回避するために閃光弾を使ったとしても致し方ない。あとは一ノ瀬君も皆もそうだが、正規の訓練を受けた人員ではない分状況判断が甘くなるのも仕方がない。その上で相手側は[無警告での発砲]ときたこれで最後には[危害射撃]までしてしまってる、これでは弁解のしようがない。」

 

大村陸曹長は言うが

 

「でも、優希自身が苦しんでるのはその後です」

 

私は言い

 

「そうだろうな・・・・[悲鳴が頭から離れない]・・・・これは相当精神的に来る」

 

秋本3佐は言い

 

「その上で最後は手を下してしまっている」

 

「でもそれが大きな精神的な負荷になっているんだろうな・・・」

 

中野2尉や浅見2尉も頷きつつ言い

 

「でも間違いではない・・・な、ある意味では」

 

秋本3佐は言い

 

「どういう事ですか?」

 

私は言い

 

「どのみち助からない、それでも人はそういう状況に陥ると助けを求めてしまう。ならその時にできる事は[1つ]だけだ」

 

秋本3佐は腕を組みつつ言い

 

「・・・・[楽にしてやる]ですか・・・・」

 

浅見2尉は言い

 

「ああ、一ノ瀬君はある意味では勇気のいる事をとっさにではあるがやっている。だがそれが仇になった」

 

秋本3佐は言い、木村が

 

「でもあいつは自分の今までがうまくいっていた分自らの能力を過信し過ぎた事を認めていますし回避できた戦闘かもしれなかった、もしかしたらその2人を死なせずに済んだかもしれないと深く、悔いています」

 

木村が言い

 

「中野2尉、今後はある程度一ノ瀬君を見てやる必要があるな、PTSD{心的外傷後ストレス障害}の可能性も十分にあり得る、いやもう発症しかけてる可能性もある」

 

秋本3佐は衛生班班長の中野2尉に言い

 

「ハイ、分かりました」

 

中野2尉は言い

 

「そうすると、その隊は血眼になって我々を捜索している可能性がある」

 

大村陸曹長が再度言い

 

「それはその殉職した隊員らの弔い合戦ですか?」

 

加藤が言い

 

「いや、違う。事情はどうあれこっちもあっちもやらかした事は変わらないだが、救助対象者を逃がしてしまった事に変わりはない上に、貴重な情報源だとなれば血眼になって探す。私が指揮官ならそうするがね」

 

大村陸曹長は答えた。

 

「それよりも、今後優希はどうすべきですか?」

 

私は言うと

 

「えっと、いいかしら」

 

緒方さんと大倉さんが言い

 

「あっ、どうぞ」

 

私は言い

 

「とにもかくにも失礼を承知で言えば過失割合的には自衛隊に非があるような感じもします。確かに一ノ瀬君にも一声かければその自衛隊の部隊の人達も協力してくれたかもしれませんですが、まずは一ノ瀬君を孤立させないことが重要かと思います。心を病むと時としてとんでもない行動に出る事もあります。医療従事者の1人として言えるのであればとにかく彼を、一ノ瀬君を一人にしない事が重要だと思います。」

 

緒方さんが言い

 

「我々としても耳が痛いな、マニュアルを徹底できてないせいで死ななくてもよかった仲間が死んだ上に一ノ瀬君も汚れ事させて自らを責める原因を作らせてしまっている。これでは救いがなさすぎる」

 

秋本3佐は答え

 

「とりあえず、蒼川さん貴女が隣に居てあげる事が大事ね、一人ではないと一ノ瀬君の[精神安定剤]になってあげる事が大事よ」

 

大倉さんも言い

 

「ハイ、もとよりそのつもりです」

 

私は答え

 

「でもそう思うと私なんか申し訳なく思ってきちゃうな」

 

日向が言い

 

「私があそこで撃たれたなったらあんな事にはならなかった可能性が高いし」

 

日向は言い

 

「いや、同じ自衛官として鏑木さんには大変申し訳なく思う。守るべき国民に銃口を向けただけじゃなく[危害射撃]まで加えて怪我をさせたなんて、ホントに申し訳なく思う。

 

秋本さんは謝り

 

「あっ、スミマセン別にそういうつもりでは・・・・・・・・」

 

日向が言い

 

「いや、変わらないよ所属は違えども同じ自衛官、国民に銃口を向けるなど絶対にあってはならないしましてケガさせるなんて論外だ」

 

浅見2尉も言い

 

「痛いわね、でも」

 

中野2尉も言い

 

「一ノ瀬君がその重さに耐えきれずに精神的に壊れたらそれこそ終わりだ、我々も注視する必要があるな」

 

大村陸曹長も頷き

 

「とりあえず状況は分かった。何とか彼が立ち直れるように我々も努力しよう。」

 

秋本3佐は言いその日は解散となった。




次回~情報源~を予定しています。


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第39話~情報源~

病院でのいざこざが部隊はとある所を拠点とし動いていた・・・・・


陸上自衛隊 〇×駐屯地

 

 

「このバカ者がッ!!誰が撃てと命令した!!私は保護するように命じたはずだぞ」

 

1人の部隊長とおもしき幹部が部下を叱責する

 

「ですが・・・」

 

 責された1人は言うが

 

「マニュアルを忘れたのか、お前は」

 

古参のベテラン下士官とおもしき陸曹も横から腕を組みつつ言い

 

「う・・・・・・・・・・・」

 

その隊員は黙る。

 

「せっかく民間人に接触出来たというのに引き金に指をかけたまま銃口を向けて更には無警告で発砲し挙句は怪我までさせた、最後には2人の犠牲者も出した・・・どうするんだこのありさまは」

 

部隊長は頭を抱え

 

「よろしいでしょうか?」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「ああ」

 

部隊長は言い

 

「あの死んだ2名についてですが、銃撃で殺されたのではなく手榴弾で殺されたものと見ています。」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「あの状況を見るにですが感染者に囲まれ捕食されかけている状況に恐らくは助ける事は出来ない、ならば・・・・[せめて]・・・・と」

 

ベテラン陸曹は言葉を濁して言い更に

 

「証拠に手榴弾の安全ピンが2個落ちていました。」

 

報告と同時にピンを出す。

 

「はぁ・・・・・誤解を解く機会すらないまま逃げられた上に怪我までさせてしまった、完全にこっちの落ち度だ」

 

部隊長は言い

 

「隊長、報告します」

 

もう一人の若手陸曹が言い

 

「その2名ですが、どうやら車両で病院を離脱したようです。最初は僭越ながらけが人が随伴している事から血痕を辿り追跡すれば必然的に追いつくと思っていましたが考えが甘すぎました、マンホールの上からタイヤ痕がありました。ですが途中で途切れており追跡不可能でした・・・・スミマセン」

 

その若手陸曹は謝り

 

「仕方がない。だが、危害射撃の件はどうしようもない。まずは接触する事から始めないとどうにもならない。彼らの捜索を行う。だが気を付けろ、彼らも完全武装状態だ。一人はHk416にもう一人はMP5SD6なんて軍用マシンガンを装備している我々と同等かそれ以上の装備を保有してる事も考慮しないといけない、だがこれは忘れるな絶対に国民に銃口を向けるな、取り返しのつかない事になる解散ッ」

 

部下たちに部隊長は言った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

部隊長は会議室に残り

 

「2人もか・・・・・・・・・・」

 

死亡した隊員から回収した認識票を見て言い

 

「1つのミスで2人も死なせた・・・・・俺は何をやっているんだ」

 

ドンッ

 

机を拳で叩く

 

「隊長・・・・・・」

 

隊のベテラン陸曹が来る。

 

「済まない、取り乱して」

 

言い

 

「突発的な事でしたしそれにあれは互いに不幸な事故だったんです。それにですよ故意に我々を殺そうとするならばその彼は閃光弾など使いませんでしたよ、我々を殺す機会等いくらでもあった。だが彼はこちらが銃撃しても撃ち返す事はせずに閃光弾を使うに留めた。今回ばかりは我々のミスです。」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「そうだな、それは認めなければならない。それに彼にお礼を言いたい。」

 

部隊長は言い

 

「お礼?」

 

陸曹は言い

 

「私は果たして眼前で自分の部下が殺されかけている状況下で[楽にしてやろう]という考えが浮かぶだろうか?、もしかしたら我々よりもこの状況で生存してきた彼らの方が遥かに現実を見ているのかもしれないな・・・」

 

部隊長は言い

 

「そうかもしれませんね、その2人組ですが高校生くらいかもしれないとの事です見た隊員の話だと」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「そうか・・・・・鍛えれば将来は良い防人になるかもしれないな・・・」

 

幹部は言い

 

「今回の事を咎めるつもりはない、純粋に救出対象者として接触したい。何よりもこの地獄の惨状でどのようにして生き延びたのかまた現地の情報など意見交換をしたい」

 

答え

 

「ハイ、私もそう思います。隊長と同じ考えです」

 

言いつつも

 

「ですが、心配です。」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「何がだ?」

 

部隊長は言い

 

「年増もいかぬ子供に[あんな]事をさせてしまって精神的に病まなければいいのですが」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「確かにな・・・・・それは言える事だ・・・」

 

部隊長は言い

 

「さて、今日はそろそろ休もう。残念な事もあったが動きを止める事は死んだ2人に対して申し訳が立たない、何とかしてあの2人組に接触しよう。」

 

部隊長は言い

 

「ハイ、歩哨も3時間交代で立たせていますのでお休みになられて下さい。何かあれば起こしに来ますので」

 

ベテラン陸曹は言い

 

「頼む」

 

言い仮眠を取る為に会議室を部隊長は去った。その後ろ姿を見て

 

「こちらのミスとは言え最小限の損害で済んだ、だが民間人に発砲して怪我をさせた事実は変えようがない・・・早急に接触し謝罪しなければな」

 

ベテラン陸曹はつぶやくのだった。




次回~鏑木姉妹の家へ~を予定しています。


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第40話~牧瀬姉妹の家へ~

翌日、人員を選抜し牧瀬姉妹の家に赴き物資を回収する事にだがそこには先客が居た


翌日

 

朝食後

 

「お願いがあるんだけどもいいかな?」

 

で事は始まった。何でも牧瀬姉妹が自宅から武器や弾薬類や服等の装備品や物資を持ち帰りたいと言い

 

「どうします、秋本さん?」

 

俺は言い

 

「うーん・・・長時間はマズイが・・・短時間なら何とかなるな」

 

秋本3佐は言い

 

「分かりました。幸い、木村達の合流で車両が増えましたしささっと行って戻って来れれば何とかなるんじゃないですかね?」

 

俺は言った。事実

 

軽装甲機動車×3台

96式装輪装甲車×1台

燃料補給車1台

 

合計5第がある

 

「なら人員を選抜して行こう」

 

秋本3佐は言い

 

「車両は・・・2台使うか」

 

秋本3佐は言い

 

「えっと・・・じゃぁヒナとアヤは固定として機銃手含めて2台で10人は乗れるから後は8人か・・・・」

 

真珠が言い

 

「じゃぁ、俺も行く」

 

俺は言い

 

「えっ・・・大丈夫?」

 

真珠は言い

 

「ああ、大丈夫だが?やけに調子がいいんだ。」

 

俺は答えた、まさか昨日の夕食に睡眠薬が盛られていた為にぐっすりと熟睡できなんて知るのは後の話。その後に運転手は本職の人が務める事になり随伴は

 

俺と真珠に木村に加藤、高本の5人になった。

 

車両を準備し3台全部にミニミ軽機関銃を装備し

 

「さぁて、仕事に取り掛かるか・・・」

 

俺は相棒のHk416をチェックし

 

「ほら、忘れ物」

 

木村がサイレンサーを差し出す

 

「おっと、悪い悪いこいつ忘れたお陰でえらい目に合ったんだ・・・」

 

俺はHk416にサイレンサーを装備しサイドアームのSFP-9にも装着する。全員が装備を整え

 

「じゃぁ、行こうか」

 

一号車の運転手の小坂1曹に言われ

 

「あまり、思い悩むなよ」

 

いきなり言われ

 

「!」

 

思った。この時俺の事を真珠が皆に言い自衛隊の幹部の秋本さんらから部下の方々にまで伝わってるとわ思わなかった。こうして車両隊は再び市街地へと赴くのだった。

 

1号車車内

 

「優希、昨日はよく眠れた?」

 

真珠に言われ

 

「なんだか不自然なくらいにすっきりしたよ」

 

俺は答え

 

「そりゃぁ良かった相棒」

 

木村もHk417のマガジンを確認しつつ言い

 

「そう言えばお前の所行かなくてもいいのか?」

 

聞くと

 

「ああ、荷造りはしてお前らの回収に向かったし後は弾薬は底を尽きかけていたから殆どないしな」

 

木村は言い

 

「そっか」

 

俺は言うのだった。

 

 

 

2号車車内

 

 

「先輩の言動は気を付けてみてないといけないですね」

 

89式小銃を持ちつつ高本は言い

 

「ああ、そうだな」

 

加藤もM249minimiを携えながら言い

 

「うん、何が引き金になるか分からないものね」

 

同乗しているヒナ&アヤも言い怪我をしている日向の護衛に私が行くとMP5SD6で武装した菖蒲が乗っている。だが行く先でまたもやトラブルに見舞われる事になるとは思いもしなかった。

 

 

その後市街地内を走行し牧瀬宅まで来る。

 

 

「優希、悪いがガンナー頼めるか」

 

木村に言われ

 

「あいよ」

 

天窓を開けM249minimiで回りを警戒する。後ろを振り返ると

 

にかッ

 

と翼が笑いながら同様にM249minimiを片手に警戒する。そして真珠と木村そして牧瀬姉妹と加藤がそれぞれ家の地下室に入っていくが・・・・・

 

数分後

 

「優希、来てくれトラブった・・・」

 

木村の声に

 

「スミマセン此処よろしくお願いします」

 

俺は自分のHk416をもって家の中に行くが俺の心境はまたもや一波乱の予感だった。




次回~コソ泥~を予定しています。


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第41話~コソ泥~

トラブったと言われ中に入ると・・・・


牧瀬宅 地下室

 

 

「何があった?」

 

Hk416を携え向かうと

 

「状況説明してくれない?」

 

俺は思わず言った。加藤や木村にHk417・M249minimiを突きつけられた人相の悪いいかにもと言うような人が居た。日本刀を背中に背負い、足元にはその人の装備品と思われるAEK971が落ちている。

 

「おいおい・・・・勘弁しろよ・・・・はぁ・・・・」

 

以外にも落ち着いてる。銃口を突きつけられているにも関わらずにもである。

 

「で、このコソ泥どうするんだ?」

 

俺は言い、木村は

 

「どうする?」

 

言い

 

「家主に聞くべきだろ」

 

俺は牧瀬姉妹に向き直り

 

「どうしたい?このコソ泥」

 

俺は2人に問い

 

「見るからにヤクザもんだし・・・」

 

「脅威の目は事前に摘んだ方がねぇ」

 

いかにも

 

{お前を殺す}

 

と言うような話に流れる中

 

「ちょっとまてや、確かに俺はヤクザもんだ、確かに極道だでもな極道ってだけで殺すのは筋がとおらねぇんじゃねぇのか」

 

手を上げつつもそいつは言い

 

「でもなぁ・・・ヤクザって生かしとくと碌な事しねぇしなぁ・・・」

 

M249minimiを突きつけた加藤が言い

 

「確かに、避難所の襲撃はするし人は殺すし女は犯すし・・・・やっぱ殺した方がよくね」

 

Hk417を突きつけた木村は言い

 

「俺も殺すに一票」

 

ジャキンッ

 

俺も先の事を考えHk416をその男に突きつけるが

 

「待って」

 

以外にも待ったをかけた人が居た

 

「おい、真珠どうしてだ?」

 

そう真珠が俺達に待ったをかけた。

 

「ヤクザものだから殺すというのは確かに筋が通らないわ、それでは只の快楽殺人と変わらないわ」

 

真珠は言い

 

「じゃぁどうするの?」

 

「うん」

 

牧瀬姉妹は言い、そのまま近づき

 

「こうするのよ」

 

ポケットからハンドカフを取り出し

 

「無駄な抵抗はしない事ね、でないと私の彼に殺されるわよ」

 

そのままそのヤクザを拘束し

 

「おいおい、真珠まさかとは思うが・・・・」

 

俺は言い

 

「ならその[殺しのスキル]を生かしてもらうのも良いんじゃないかしら」

 

真珠は言い

 

「確かに優希の言う事も一理あるわ、でもね今この世界は[正論]だけでは生きていけない、時として寛容に時として非情にそうじゃにかしら」

 

真珠は俺達を見て言い

 

「・・・・・はぁ・・・わかったよ」

 

俺は言い銃を下ろし

 

「あんた、命拾いしたな」

 

言い

 

「にいちゃんの女か?話わかるじゃねぇか」

 

言われ

 

「手ぇ出したらブッ殺すッ」

 

キッと睨み返し

 

「あ、こいつ殺ると決めたらとことんどこまでも地の果てまでも追っかけてって殺すと思うから覚悟するんだな」

 

木村も言う中

 

「そんな真似はしねぇ、変な極道モノのドラマの見過ぎだ。それに御法度だ人様のましてカタギさんの女に手ぇ出すのは」

 

その男は言い

 

「どうだかな」

 

俺は言い

 

「とりあえずさッさと物資かいしゅうしていこう」

 

俺は周りに言い

 

「ああ、分かった」

 

木村は言い

 

「よし、ちゃきちゃきやるぞ」

 

武器に弾にそして姉妹は着替えや一部私物を回収する傍らおれはその男を監視する。

 

「にいちゃん、あんた名前は?」

 

聞かれ

 

「一ノ瀬優希、この乱痴気騒ぎ前は高校生だった。アンタは?」

 

聞き

 

「俺は後藤浩之、まぁ見た通りのヤクザもんだ。」

 

男は座り

 

「まさか嬢ちゃんたちの自宅とは思わなくてな、地下で何か物資はないかと物色していた所に兄ちゃんらのお仲間と鉢合わせしたんだよ」

 

答え

 

「俺は元々ぐれちまってて家族とうまくいかなくて家の恥だって海外に放り出されたんだでもよぉ、おれにとっちゃぁただ唯一の親だ。だからアメリカからどうにかこうにか助けに戻ってきたんだけどもな、既に死んでたよ・・・皆、いやあれが死んだといえるのだろうかな」

 

後藤は語り

 

「お気の毒です・・・気持ちは理解できます。俺も両親遥か昔に亡くしてますから」

 

言い

 

「そうか・・・・そいつは悪い事を聞いちまったなぁ・・・」

 

後藤は言い

 

「優希、何とか終わったぞ。牧瀬たちも準備できたって、おっさんもはやくこっちにこい」

 

木村は言い、俺が床に落ちてるAEKを拾い

 

「心配しなくとも、拠点で返す」

 

言い

 

「分かった」

 

そう言い俺達は玄関から外に出たが・・・・・

 

 

「グハ・・・・・」

 

遅れて

 

ダァーンッ・・・

 

銃声が響き、視界が揺らぎ力が体から抜けるのが分かる。俺の体は地面に崩れ落ち

 

「スナイパーッ」

 

木村が叫び、

 

「おいッ、兄ちゃんッ兄ちゃんッしっかりしろッおい!!」

 

後藤が叫び、周りは一気に混乱し四方八方に木村が加藤が銃座についてる翼が真珠が菖蒲がそれぞれの所持する武器を撃ちまくる。

 

「や・・・めろ・・・うつ・・・・な」

 

お腹を押えつつ俺は言うも銃声でかき消される。

 

「何だって、おい、おい、」

 

後藤が俺の口を覗きながら理解したように頷き

 

「撃つなッ、撃つなって言ってんだろガキ共ッ」

 

後藤が叫び銃撃がやむ中

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

意識が飛ばないように傷口をさらに圧迫し

 

「うぐぅ・・・・効くぅ・・・・・」

 

自分でも涙目になってるのが分かる

 

「{これも報い・・・何のかな・・・体が焼けるように・・・痛いッ}」

 

正気をしっかりと保ちつつも周りを見て

 

「死ぬなよ、優希ッ」

 

木村が言い

 

「どこのクソ野郎だ!!ぶっ殺してやる」

 

加藤が言う中

 

「騒ぐな加藤、殺す前に殺されるぞ!!」

 

木村が高揚している加藤を怒鳴り落ちつかせている。




次回~最悪の状況~を予定しています。


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第42話~最悪の状況~

一発の銃弾が優希を襲う・・・・・


牧瀬宅前

 

「防御陣形ッ」

 

木村は言い車の裏に優希を引きずる

 

「クソっ、俺達を襲ってなんか特があるのか!!」

 

木村は言い

 

「まさか!!」

 

加藤は後藤に詰め寄り

 

「まさか、てめぇ!!」

 

掴みかかろうとするが

 

「違う、おれは一匹オオカミだ仲間は居ない」

 

後藤は言い

 

「言い争ってる場合じゃないでしょ!!」

 

日向が加藤と後藤に言い

 

「悪い」

 

「わりぃ」

 

2人は言い

 

「いつもならアーマーベスト着てるのに、何で今日に限って!!ッ」

 

私はその手を優希の血で真っ赤に染めつつ力を入れて止血し

 

「うぐぁぁぁッッーーーーーーー」

 

優希の顔が苦痛に歪んでいるそんな中

 

「どうするんだよ!!」

 

加藤は言い

 

「見た所弾はキレイに貫通してる。だが処置しないと危険だ。」

 

小坂1曹がメディカルキットの封を切り処置に当たる。そんな中

 

「おいッ!、大丈夫か!!」

 

数人の自衛官がこちらに駆け寄ってくる。そしてその惨状をみて

 

「ああ、クソッ」

 

1人は言い

 

「この大馬鹿野郎ッ!!あれほど小隊長に言われただろうに!!」

 

もう一人の隊員の胸倉を掴み怒鳴ってる。

 

そしてもう一人が顔色が真っ青になっている、それで私は大体を察した。だがそれよりもいち早くその自衛隊員に食いついたのはなんと後藤さんだった。

 

「おいおいおいッ、てめぇらプロなんだろッ!!どういう事なんだよ、この有様はよぉ、ああッ民間人を誤射するとか聞いた事ねぇぞ何処をどう見ればあの死体共と生きてる人間を勘違いすんだよ!!それでもプロの軍人かよてめぇら!!」

 

喰って掛り

 

「お叱りはごもっともですが、早く彼を・・・・」

 

優希を見て更に顔色が悪くなってる。

 

「おい、」

 

「ああ、病院で見た青年だ。ああクソ最悪だ!!」

 

言い

 

「皆さんの中で医療に心得のある方は?」

 

言われ

 

「拠点に戻れば医師が2名と看護師が4名いますッ」

 

私は答え

 

「言いたい事は私もあるが早く此処を離れないと銃声を立て過ぎた!!」

 

小坂1曹が顔を上げ

 

「お前ら、所属は?」

 

小坂1曹は言い

 

「第二次調査偵察隊、第7小隊です」

 

その数人は答え

 

「話は後だ!!、早く戻らないとお前らも乗れ!!」

 

小坂1曹はその5人に言い道路に落ちてる優希のHk416を放り込み、無理矢理と言う形になったが2台の軽装甲機動車に無理矢理分乗し、急いで拠点に戻る道中で

 

「CP、CPこちら1号車、小坂です。第二次調査偵察 第7小隊と接触しましたが深刻な問題発生!!」

 

運転しながら小坂1曹は無線機に言い

 

「こちらベース詳しい状況を」

 

無線越しに秋本3佐の声が聞こえ

 

「誤射により一ノ瀬君が撃たれました。銃創は腹部、至急緊急手術の準備をお願いします。オーバー」

 

小坂1曹は言い

 

「了解した、至急緊急手術の準備するように手配する」

 

秋本3佐は言い背後でも騒ぎになっているのが分かる。

 

「緊急時の為そのまま第二次調査偵察隊の隊員5名を拠点に連れて行きます」

 

小坂1曹は言い

 

「わかった、一ノ瀬君の状態は」

 

「意識は保っていますが出血がひどいです、何とか止血しようとしてますが中々止まりません」

 

報告する小坂1曹を見る傍ら

 

「優希、しっかり!!」

 

私は声をかけ続ける中

 

「これも・・・・・報い・・・なのか・・・・?」

 

優希は言い

 

「え?!」

 

私は言い

 

「2人を・・・死に追い・・・やった・・・俺の・・・報い・・なの・・か」

 

優希はうわごとのように言い

 

「そんな訳ないでしょ!!、しっかりしてッ!!」

 

まさか優希がこんな状況でもそんな事を考えているなんて思いもしなかった。

 

「{ああ、どうしよう・・・・神様・・・まだ優希を連れて行かないで!!}」

 

止血用のキットをあてがう手に力を込めつつ私は言うのだった。




次回~緊急手術~を予定しています。


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第43話~緊急手術~

ベースに戻った一行はすぐさま優希の手術を行う事にだが・・・・


ベース

 

「来ました、秋本3佐」

 

浅見2尉は言い

 

「中野2尉、準備は?」

 

聞き

 

「出来る限りの物は整えました。後一ノ瀬君があれこれとかき集めて居たおかげです。手術に必要な器具も部隊で携行していた物がありますので大丈夫です」

 

中野2尉は答え

 

「執刀は私と宮下1曹で行います。後看護師の緒方さんと大倉さんがサポートをしてくれると」

 

中野2尉は報告し

 

「しかしだ、しかし2度も誤射して現に今人が1人死にかけているこれが平時であれば取り返しのつかない大問題だぞ」

 

秋本3佐は頭を抱える。そんな中、4人で担がれる形で戻ってくる。

 

「これは酷いわね、直ぐに応接間の方に運んで準備はしてるわ」

 

中野2尉は言い

 

「分かりました」

 

木村に加藤そして翼と小坂1曹にと担がれて応接間のテーブルに運ばれて

 

「中野さん!!お願いします、優希を・・優希を助けて下さい!!」

 

真珠は中野2尉に言い

 

「安心して、貴方の未来の旦那様の命は絶対に助けてみせる」

 

そう言い応接間に扉は閉じていく。

 

「{・・・・・優希・・・・・・}」

 

真珠は心の中で呟くのだった。

 

 

所変わってキッチン・ダイニング

 

「第一次派遣調査偵察隊、第1小隊隊長秋本3等海佐だ」

「副官の浅見2等海尉です」

「小隊補佐の大村陸曹長です」

 

秋本3佐はその派遣されてきた二次部隊員らに言い

 

「第二次混成調査偵察隊、第7小隊の荒川剛2等陸曹です」

 

「滝川康太3等海曹です」

 

「阿賀野俊司3等陸曹です」

 

「こ・・河野隆 陸士長っであります」

 

「榎本竜也2等海曹です」

 

5人の隊員は自己紹介する中、周りを木村、加藤、田所、高本そして後藤と日向と菖蒲と戻ってきた真珠がぐるりと囲む。

 

「率直に言おう、誰が一ノ瀬君を誤射した。」

 

秋本3佐は5人を見て言い

 

「わ、私です・・・・」

 

河野陸士長がすぐに名乗りで

 

「自分の確認ミスでした、自分や仲間以外の全部が・・・感染者に見えて引き金を・・・・・」

 

河野陸士長は言い

 

「ふざけんじゃないわよ、あんたのせいで一ノ瀬が死ぬかもしれないのよ!!」

 

「そうよ、ごめんで済めば警察も弁護士も検察官もいらないわよ」

 

牧瀬姉妹がブチ切れるが

 

「待て待て、ストップだ2人とも」

 

木村が止めに入り

 

「その気持ち、分かるよ。俺も何度か仲間を誤射しかけた。周りが全部感染者に見えちまうんだよな、その恐怖感で普通なら下せるはずのまともな判断が下せなくなる」

 

木村は腕を組みつつ言い

 

「ああ、そうだ。」

 

加藤が言う。

 

「ハイ、この数か月間で俺も先輩たちに付いてってそれに打ち勝ったようなものです。」

 

翼も言い

 

「ああ、誰しもが通り道かもしれないな。でも「このツケを」どうするかだろ」

 

田所も言い

 

「責任は分隊長たる自分にあります。部下の不祥事は上官の責任」

 

荒川1曹は言い

 

「2度も起こした事はどう釈明する?現に此処に居る牧瀬日向さんも撃たれている。幸いにも本人を前に失礼だが軽症で済んだが今度はそうはいかない」

 

大村陸曹長が横から言い

 

「我々が死守すべき国民に銃口を向けた挙句に怪我・大けがまして命に係わる大けがを負わせた事に対してどうするつもりだ?」

 

浅見2尉が言う中

 

ドアが開き

 

「一ノ瀬君の血液型分かる方いますか?」

 

!!緒方さんが来て言い

 

「どうかしたのか?」

 

後藤さんが尋ね

 

「出血が此処までとは予想の範疇を越えてて、このままだと!!」

 

言う中

 

「優希の血液はA型だ!!」

 

木村が言い

 

「誰か、A型の人この中に居ませんか!!」

 

言われ

 

「私、A型です」

 

真珠が立ち上がり

 

「血が必要なら使って下さい。最愛の人を救う為なら全部抜いたってかまいません」

 

立ち上がり

 

「俺もA型だ。親友の為に使ってくれ」

 

加藤が立ち上がり

 

「ではお二人とも、こちらへ」

 

行く前に

 

「秋本さん、起きてしまった事をあーだこーだ言っても始まりません。ですが・・・・・」

 

真珠は言い河野陸士長をジロりと睨み

 

「優希が助かる事を祈る事ね・・・・もし優希が死んだら、私が貴方を殺しに行くから覚悟なさいッ」

 

場の凍る発言をし加藤と共に部屋を出て行った。

 

「蒼川の[氷の悪魔]の表情久々に見たな・・・」

 

木村は言い

 

「ああ、あれは本気・・・の目だ・・・」

 

田所も頷き

 

「蒼川先輩の悪魔的表情やっぱり怖い・・・・」

 

翼も言う。

 

「そりゃぁ嬢ちゃんも怒るだろう、恐怖感に負けやがったコイツが碌に確認もしねぇで発砲して兄ちゃんの腹に風穴作って大けがさせりゃぁな・・・」

 

後藤さんは言い、更に

 

「はっきり言わせてもらうぜ、おれは回りくどい事が苦手でな。素直に謝れ後の事はあの撃たれた兄ちゃんがどうするか決めるこった。」

 

後藤さんは皆を見回して言い

 

「だが・・・・」

 

秋本3佐は言うが

 

「起きちまった事はもう戻せねぇ、なら前を向くしかねぇだろう違うか?」

 

後藤さんは言い

 

「ヤクザもんが良い事言うじゃねぇか」

 

木村は言い

 

「まぁな、お前ら以上に人生経験は積んでるつもりだぜ」

 

後藤は言い

 

「それよか、俺らにできる事はあの兄ちゃんが助かる事を祈ることだろう」

 

後藤は皆に言うのだった。それから数時間後手術は終わり

 

「ご苦労、中野2尉に宮下1曹。それに緒方さんも大倉さんも」

 

秋本3佐は労をねぎらい

 

「まず何とかうまくいきました。銃弾が貫通していた分損傷箇所も広く歩けるようになるまでは1~2週間、完治は1ヵ月半は見ないとダメですね。後は蒼川さんや加藤君等血液型が同じ人が居てくれた事が彼が生還できた要因になりました」

 

皆を見て言い

 

「一ノ瀬君は?」

 

浅見2尉は言い

 

「彼は別の部屋に寝かせています。流石に蒼川さんと一緒に使っている寝室に戻す訳にもいかないので」

 

中野2尉は言った。

 

 

 

重症者部屋

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言で眠っている優希を前に

 

「良かった・・・・本当に良かった・・・・・」

 

気付けば涙が止まらなくなっていた。始めて自分に出来た大事な人が目の前からいなくなるかもしれないと言う事を味わう事になるなんてと感じて居ると

 

 

「この度は、大変申し訳ございませんでしたッ」

 

さっき私が怒りの余りに恫喝した河野陸士長が私や優希に向けて土下座をしている。私は涙を拭き

 

「・・・・顔を上げて下さい・・・」

 

私は言い河野さんも顔を恐る恐る上げ

 

「先程は恫喝まがいな事を言い大変失礼しました。非礼をお詫びします」

 

私も頭を下げ

 

「で、ですか・・・」

 

言うも

 

「優希も多分最初は怒ると思いますけれども何だかんだで人を恨んでも仕方がない事を知ってますし、だから私も貴方を恨みません。」

 

優希ならこうするはずだと思いながら言い

 

「どうしても気が済まないというのであれば目を覚ました時にもう一度来るといいですよ」

 

私は言い

 

「・・・・・ハイ、分かりました、そうさせて頂きます。・・・」

 

そう言い河野さんは部屋を出て行った。私も

 

「ゆっくり休んでね・・・・・」

 

優希にそう言い部屋を後にするのだった。




次回~夢~


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第44話~夢~

手術が終わり昏睡状態にある優希は夢を見ていた・・・・・


?????

 

「此処は・・・・・・・・・・・」

 

周り一面が白く覆われた所に俺はぽつんと一人でいる。

 

「ああ、そうか・・・俺、撃たれたんだっけ・・・・」

 

牧瀬姉妹の家から出た所を狙撃されたことを思い出し

 

「・・・・・・報い・・・なのかなぁ・・・・・」

 

1人呟いていると

 

「「優希・・・・」」

 

名前を呼ばれ振り返るとそこには父と母が立っていた。

 

「親父・・・・お袋・・・・・」

 

目に涙が溜まってくのが自分でもい分かる。おれは駆け寄ろうと走るが中々距離が縮まらない。そんな中

 

「優希、まだお前はこっちに来るんじゃない・・早すぎるだろうが馬鹿者」

 

「ええ、お父さんの言う通りですよ。ふふ、あんな綺麗な子おいてあんたは死ぬ気なのかしら」

 

お袋に言われ

 

「最善をつくしたよ・・・生きるために・・・」

 

お袋に言うが

 

「何言うの、あんたはまだこっちにくるんじゃないよ」

 

お袋に喝を入れられ

 

「あれで最善を尽くした?、違う!」

 

親父も言い

 

「いいか、確かにあんな世界になってしまって生きるのも死ぬのも地獄だろうだがな生きてさえいれば何でもできる、俺達だって生きていたら真っ先にお前の救助に向かってたよ、命令?そんなの糞喰らえだ」

 

親父は言い

 

「お前には今後も苦労を掛けるだろう、親が居ない事もこの地獄の終わりの見えない惨状でも、だがなお前は一人じゃない。木村君や加藤君に高本君それに蒼川さんお前の事を考えてくれる友人やお前にも初めて出来た好きになった人そういった人達をあらゆる脅威から守れるように尽くせ」

 

親父は言い

 

「お父さんが言ってくれた通り、優希おまえは一人じゃない。皆で力を合わせてこの困難な状況を必ず生き延びるのよ」

 

お袋も頷き

 

「くどいようだがお前が死ぬのはまだまだ先だ、分かったな」

 

親父は言い

 

「ええ、お父さんの言う通りですそれと真珠さんに一言伝えて頂戴[バカ息子をよろしくね]と」

 

お袋も頷きながら言い

 

「親父・・・・・・・・お袋・・・・・・」

 

言い

 

「じゃぁ、そろそろ戻る頃合いだな、息子よ」

 

親父は言い

 

「え?何を言って・・・・・・・・・・」

 

俺が言っていると

 

「・・・・き・・・ゆう・・・・うき・・・・・・」

 

声が聞こえ始め

 

「お前を必要とする[大切]な人がお前を読んでいるさぁお前はお前の世界に帰るんだ、いつまでもこっちの世界に居るもんじゃない」

 

両親に諭され、視界が段々とクリアになっていくのが俺も分かる。

 

「親父!!お袋!!」

 

俺は叫ぶが二人は笑いながら

 

「大丈夫、俺達はお前を皆を常に見ているからな!!常に・・・」

 

親父とお袋はそう言い残し視界から完全に消えて行った。そして

 

 

 

「・・・・う・・・うぁ・・・・・・・・う・」

 

目を覚まして最初に見た顔が真珠の顔をだった・・・・・・・




次回~養生生活~を予定しています。


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第45話~養生生活~

両親の喝?であの世からカムバックした俺は養生生活を送る事に・・・・


意識回復から2日・・・

 

 

重症者部屋

 

「何にもできないって・・・不便だな」

 

呟き

 

「何言ってるの、そもそも・・」

 

ベットの脇でリンゴをの皮を器用に向いている真珠は言いかけ

 

「そうだよね・・・死にかけた・・んだものね」

 

真珠も言っている。俺が意識を取り戻したと知ってからは上へ下への大騒ぎだった。そこに

 

「コンコンコン」

 

ドアがノックされ

 

「どうぞ」

 

俺は言うと見慣れない自衛隊の方が2人入ってきた。

 

「おっと・・お邪魔虫だったかな」

 

1人は言う中、真珠が

 

「椅子どうぞ」

 

2人に椅子をだし2人が座る。

 

「まずは、一ノ瀬君今回は部下が本当に申し訳ない事をした。謝って済むとは思ってはいない」

 

1人が言う中

 

「すみませんが、どなたで?」

 

俺は言い

 

「すまなかった、名乗りもせずに。私は朝霞健一1等陸尉。第二次調査偵察隊第7小隊の指揮官だ。君とは一応[[病院]で合ってるんだがな」

 

朝霞1尉は語り

 

「!!」

 

俺が反応を見せるよりも早く

 

「一ノ瀬さん、この度は自衛官に有るまじき事態、お怪我を負わせてしまい本当申し訳ありませんでした」

 

もう一人の隊員が言い

 

「一ノ瀬君、彼が誤って誤認して発砲しその弾が君に着弾してしまったんだ、申し訳ない」

 

朝霞1尉も再度頭を下げる中

 

「いえ・・これも・・・俺に対する報いです・・・・・」

 

俺は顔を下げて言い

 

「「??」」

 

朝霞1尉も河野陸士長も顔を見合わせる中

 

「朝霞さん・・・俺が・・・貴方の部下を・・・殺しました・・・」

 

言い

 

「「!!」」

 

2人は反応を見せ、真珠は

 

「たっ・・確かにそうかもしれないけども・・・あの状況じゃ・・・」

 

焦りながら言う中

 

「そうか・・・・・辛い・・・判断だっただろうに・・・」

 

朝霞1尉は言うも帰ってきた言葉は意外だった。

 

「すまない・・・君にそんな判断をさせてしまって。」

 

俺は顔を上げ

 

「あの時・・・病院で君達と遭遇した際に判断を私も誤っていた、敵意がない事を直ぐに伝えるべきだった、私の部下が引き金に指をかけたまま銃口を向けてた事で君は誤解し閃光弾を使った。君も我々を殺傷するつもりがないのはそこからも分かる。君達を重要な情報源として何としても保護するように命じたのは私だ・・・深追いさせ過ぎた結果あんな結末になってしまった」

 

朝霞さんは言ったが

 

「でも、俺は・・隠密行動で病院に潜入した・・元々、正面から正攻法で行けばあんな事にはならなかった。それに、俺は・・直接2人に手を下した・・・感染者に喰いつかれている2人に手榴弾を・・・・・」

 

脳裏にあの時の光景が、悲鳴がフラッシュバックする。

 

 

{行かないで!!!}

 

{見捨てないでくれ!!!}

 

{置いて行かないで!!!!}

 

{助けてくれ!!!!}

 

 

「ッ・・・・・・・・・」

 

冷や汗をかき始める中

 

「今回の・・・撃たれた・・・・事に関しての謝罪を受け入れます・・・俺が今後どうこう言うつもりはありません・・・・」

 

答え

 

「一ノ瀬君、私は君に責任をどうこうと言いたいわけじゃない、部下を苦痛から解放してくれて[ありがとう]そして君をあのような状況に追い込んで追い込んでしまった事を詫びたい。君が殺したんじゃない。[私の命令]が2人を殺してしまったんだ、全ては指揮官たる私の責任だ、それにな、部下が2人も誤射で民間人に怪我させて言える身ではないが[プロ]と言う物はないかな状況にも対応できるから[プロ]なんだ、君達の陽動に引っかかって潜入を見逃した時点でアウトだよ。」

 

唐突に言われ

 

「え・・・・・」

 

混乱する中

 

「私が君と同じ立場に居た時果たして君と同じ事が出来ただろうか、助からないと分かっている部下を前に・・・・[楽にしてやる]と言う選択を果たして取れただろうかとね。済まないが事情は秋本3佐殿に聞いたよ。君が自分を責めている、心を病む一歩手前かもしれないと。」

 

「!!なんで・・・それを・・・」

 

驚く俺に

 

「ごめんね、優希あの時の夜の事私が皆を招集して言ったの、気にかけてやって欲しいって、優希が自分からは言わないと思ってね。その集会に貴方を参加できなくしたの[物理的に]」

 

真珠は果物ナイフを置いて俺に謝りつつ言い俺は心当たりがあった。

 

「真珠・・・お前俺の夕食に薬盛ったのか・・・」

 

俺は驚くように言い

 

「うん・・・宮下さんと小峰さんに頼み込んで・・・」

 

真珠は言った。なぜかあの日、異常なまでに熟睡でき朝まで起きる事はなかったしうなされる事もなかった。そのすべての謎が解けた・・・・

 

俺は苦笑する中

 

「一ノ瀬君繰り返しになるが、そこまで重く責任を感じる必要はない。さっきも言ったが、私のミスが[私の命令]が2人を殺してしまったんだ。君ではないよ。」

 

朝霞1尉は言い

 

「気持ちの整理には時間が居るだろう。でも心のほんの片隅にでもいいから私の言葉を留めていて欲しい。病み上がりなのに時間を取らせて済まなかったね」

 

朝霞1尉は立ち上がる傍ら

 

「それと、家主の君に挨拶もナシで居座るなんてできないからね。我々小隊残存人員の10名は秋本3佐の指揮下に入る事になった。その上で御厄介になろうと思うのだが此処に滞在する許可を頂けるかい」

 

朝霞さんは言い

 

「はい、部屋が狭くて申し訳ないですが部屋数は結構あるので。」

 

俺は言い

 

「ありがとう。ゆっくり療養してくれ、君の抜けた穴は本職の我々が何とかする」

 

朝霞1尉はそう言い部屋を出て行った、そして俺は真珠に

 

「真珠、裏でこそこそやられると不安になるから勘弁してくれ」

 

言い

 

「うん、でも優希は心の整理付きそう?」

 

聞かれ

 

「何とかするよ・・・・でないと皆に心配をかける。」

 

真珠に言い

 

「わかったわ、ハイあーん・・」

 

言うや否や切ったリンゴを俺の口に放り込むのだった。




次回~木村、動く~を予定しています。


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第46話~木村、動く~

優希が床に臥せる中、親友の木村は優希の思考を理解しているからこそうごきだす。



ロッジ ベース

 

「お!蒼川、優希の状態どうだ?」

 

俺木村哲郎は言い

 

「うん、容体は安定してるわ意識取り戻してからは回復に向かってるわ」

 

蒼川は言い

 

「そうか、それは良かった」

 

俺は言い

 

「悪いな、呼び止めて」

 

蒼川に言い

 

「ううん、食事の準備しないとじゃぁ」

 

蒼川はダイニングに行く。その後俺は

 

 

 

物資保管庫

 

物資の保管してある所に行くと

 

「先の手術でそこそこ使ってしまいましたね」

 

宮下1曹が確認しつつ、中野2尉に言い

 

「仕方がないわ、それでも助かってよかったわ」

 

中野2尉が言っており

 

「物資の残量大丈夫ですか?」

 

俺は会話に入り聞き

 

「え、ああ木村君ねええまだ・・・大丈夫よ、只大掛かりな手術を後2~3回したらなくなっちゃうかな・・・・・」

 

中野2尉が言い

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

俺は言いそこを去る。

 

「{優希がこの事知ったら責任感じそうだな・・・アイツは責任感強いからな、良し此処は俺が主体になって動くか・・・もう一つ病院があったよな}」

 

思いつつロッジの中に戻ると

 

「秋本3佐、私の隊が此処に来る前ですが、司令部では救助作戦を検討している段階に入りました、ようやくですが」

 

朝霞1尉は秋本3佐や浅見2尉に言い

 

「うむ・・・・それが問題はいつになるかだな。それに我々は此処から今動くわけにはいかない。優希君の事もある、」

 

秋本3佐は言い

 

「ハイ、その通りですが・・・・・・・」

 

朝霞1尉は言い

 

「まだ当座は此処での生活が続くな。」

 

浅見2尉は言い

 

「衛星回線トランシーバーがあれば作戦司令部に連絡を付ける事が可能なんだがなぁうまく行かないものだな・・・」

 

その話を聞き

 

「{これも優希なら、なんとか解決してくれるもんな、自衛隊の人達もあれこれと手は尽くしてくれているんだろうけれども・・・・}

 

思いつつ優希に使ってくれと割り当てられた部屋に戻り、皆に

 

チーム・木村sルーム

 

「なぁ、皆どう思う?」

 

俺は加藤や田所に高本に言い

 

「確かに、今までは優希が揃えてくれていた物資があるし補給先も優希が確保してくれていたから潤沢な補給と生活を遅れてきたが・・・・」

 

自分のM249minimiを整備しながら加藤は言い

 

「今思えばそうだよなぁ・・・・」

 

田所も自分の89式小銃のマガジンから5.56㎜弾を一発取り出し

 

「この[1発]も優希が危険を冒して揃えてくれた弾薬の1つだもんな、優希におんぶにだっこじゃこの先は目に見えている。」

 

田所も頷き

 

「先輩が命を懸けて今まで来たなら、俺達も命を賭けなきゃ対等とはいえないですね」

 

翼も言い

 

「そうと決まれば、動くのは俺達だな。優希に弾薬の補充の許可取って行こう。重火器も搭載してな」

 

俺は言い

 

「自衛隊の人達にも話付けて来るから待っててくれ。後優希にも」

 

俺は言い自分の部屋を出る。最初に優希の部屋に向かい

 

「コンコンコン」

 

ノックし

 

「どうぞ」

 

声が聞こえ

 

「優希、俺だ木村だ入るぞ」

 

入り、ベット脇の椅子に座り

 

「どうだ、具合は?」

 

聞き

 

「ああ、だいぶ良くなったよ。中野2尉の話だと動けるまではあと数日、完治までは1ヵ月半くらいだとさ、暇でしょうがない・・・」

 

優希の奴肩をすくめていたが

 

「それと、加藤に[ありがとう]って血分けてくれてって伝えてくれ」

 

優希は言い

 

「分かった、言っておく」

 

木村は頷き

 

「それとな、市街地に戻ろうと思うんだ。なに心配するな、少しもの探しに行くだけだ。」

 

俺は優希に言うと

 

「皆まで言わなくとも分かるよ、互いに長い付き合いだからな、必要な分の弾薬をもってけ。」

 

優希は言ってくれ、更に

 

「必要なら重火器ももってけ、後お前に俺のHk416をかしてやるからもってけお前のHk417アーリバリアントだけじゃ破壊力はあるだろうが口径が7.62だから装弾数も10発少ないその分俺のHk416は30発だ、破壊力は417には及ばないが継続戦闘能力は高い。」

 

優希は俺に言い

 

「助かるよ、ありがとう」

 

俺は優希に言い

 

「真珠に言えば出してもらえるはずだろうから、俺のHk416は」

 

優希は言うと

 

「なぁ、真珠」

 

言うとドアを開けて蒼川が入ってくる。

 

「はぁ、分かったわ優希が言うんじゃ私はダメとは言えないわよ分かったわ優希の言う通りHk416を準備するわ」

 

蒼川が言い

 

「後で取りに来てね」

 

そう言い、蒼川は部屋を出て行った。

 

「それじぁ、帰還したらまた来る。」

 

俺は言い部屋を後にする中

 

「きぃつけろよ・・・判断を間違えるな・・・自分の能力を過信するなよ、お前なら分かると思うけれども」

 

優希は俺に言い

 

「ああ、分かった。」

 

俺も頷き優希の居る療養部屋を出たのだった。そして次に向かったのは自衛隊の人達が居る部屋だった。

 

「すみません、今いいですか?」

 

言うと

 

「構わんよ、入ってくれ」

 

入ると中では部隊長の秋本3佐に浅見2尉それに中野2尉そして合流した朝霞1尉と派遣部隊の幹部が居た。

 

「すみません、少し「市街地]に行ってきます。少し探す物があって」

 

言い

 

「分かった、誰か隊員を付けよう」

 

秋本3佐が言い

 

「でしたら私のチームが同行します」

 

朝霞1尉が言うも

 

「いえいえ、誰かについて来て欲しいとかではなく、とりあえず行ってくるという旨を伝えに来ました。誰かが消えれば皆が大事にすると思ったので・・・」

 

俺は皆に言い

 

「・・・・・」

 

隊員の人達は俺を見て

 

「わかっただが無理はするな、危ない、マズイと感じたら無理はせずに即時に撤収してくれ」

 

秋本3佐は頷き

 

「ハイ、なにか役に立ちそうな物を見つけたらついでに回収してきます。」

 

言い

 

「ああ、分かった」

 

秋本さんは頷き

 

「では失礼しました」

 

俺は言い部屋を出た。その後に各員の弾薬をマガジンに補充し予備の装備も携行し食料品も軽装甲機動車に詰め込む。そして

 

「ハイ、これ優希のHk416と予備の弾倉10本弾は込めておいたから」

 

蒼川に渡され

 

「ありがとう。」

 

一言言い優希のライフルと予備の弾倉を受け取る。車両に積載し

 

「くれぐれも壊すんじゃないわよ」

 

蒼川に言われ

 

「解ってるよ」

 

言い

 

「じゃぁ、皆によろしく頼む」

 

そう言い俺達は行こうとしたが

 

「おいおい、ガキ共だけで行くのは危険だ俺も一緒に行ってやるよ。」

 

後藤さんが背中に日本刀を背負い、自分の武器のAEK971をもって

 

「俺も筋はちゃんと通さねぇといけねぇからな。此処に住まわせてもらってるし、メシも食わせてもらってる。仁義は通さねぇとな。」

 

そう言って軽装甲機動車に乗り込んできた。

 

「心配するな、逃げたり裏切ったりはしねぇ捨てられたり裏切られたり自分がやられてヤな事を人様にするなってアメリカのオヤジに言われてきたからな。最後まで運命共にさせてもらうぜぇ」

 

後藤は言い

 

「まぁ・・・うん・・行こうか」

 

俺達はこうして目的地二か所を目指して出発するのだった。




次回~もう一つの地獄~を予定しています。


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第47話~もう一つの地獄~

市街地に繰り出した木村達一行はもう一つの病院へと向かうだが、異変は少しずつではあるが確実に置き始めていた。


市街地

 

「なぁ・・・・感染者の数・・・減ってないか」

 

加藤が言い

 

「・・・・・ん・・・そうだな・・・あのゾンビ擬き共何処に行きやがった?」

 

運転を買って出てくれた後藤さんが運転する軽装甲機動車に揺られながら町中を走っていたが、そうなのだ。町中の感染者の数が減っているのだ。

 

「やっぱり、不自然というか・・・・・おかしいよなぁ・・・」

 

俺も頷き

 

「ああ、ぞのゾンビ擬きの数が明らかに減ってる・・・一体何が・・・」

 

田所も外の風景を見ながらつぶやく。明らかに不自然なのだ、そりゃぁ生きている人たちが頑張って数を減らしたリ俺や優希に自衛隊の皆みたいに銃を持ってる奴が射殺したりすれば話は別だが・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

天窓を開けて銃座に付いている翼は無言で周囲を警戒している。こうして不自然さを感じつつも俺達は優希らが行った病院とは別のもう一つの病院にたどり着く。

 

「うわぁ・・・・・・」

 

「ひでぇ・・・・」

 

「全くだ・・・・何がどうなればこんな・・・・」

 

「酷すぎる・・・ウプ・・・」

 

「抗争だってこんなにあれないぜ・・・どうなってやがる・・・」

 

俺達5人はそれぞれ言う。それほどまでに病院前が酷かったのだ。病院の前には警察のパトカーや救急車が事故っていたり血まみれだったり。そしてなんと米軍の車両が止まっていた。

 

「ちょっと見てみるか?」

 

木村は言いそれぞれがホルスターからSFP-9を構え、ゆっくりと装甲車のドアを開ける。

 

「・・・・・・人は無し・・・か」

 

俺は言いそのまま中に入り、後ろのドアを下ろす。

 

「何かあればな・・・・・・」

 

それぞれ探す中

 

「おいおい兄ちゃんがたなんでせっかく此処にある[M4A1]をスルーするんだ?」

 

後藤さんが車内に立てかけられている10丁のM4A1をさして言う中

 

「「「「だってそいつ整備がめんどくさい」」」」

 

「「「「時代は既にショートストロークガスピストン方式の時代」」」」

 

「「「「リュングマン・ストーナー・DI方式は俺達の中では信用に値しない」」」」

 

俺達は言い銃の1つ1つから弾倉と光学照準器とフラッシュライトとフォアグリップを失敬するが

 

「まぁまぁ、ロッジの武器庫にもあの兄ちゃんがかき集めていた予備の武器にM4A1はあったしあの嬢ちゃんらもM16A2があったんだ、予備の部品か武器として持っていけばいいじゃないか」

 

後藤さんに言われ

 

「まぁ・・・・そうですよね・・・・」

 

俺は言い置かれておるM4A1の10丁を

 

「運ぶぞ」

 

皆に言い

 

「「「うぃ・・・」」」

 

運ぶ中で、装甲車内部を物色していた加藤が・・・・・・・

 

「なぁ、木村これ・・・・」

 

加藤が言い

 

「!こいつは・・・衛星回線トランシーバー!!」

 

よく優希とDVD鑑賞で敵地に潜入する特殊部隊の装備に衛星回線トランシーバーなんて物の装備がよくあり、何より秋本3佐らが欲していたシロモノだ。こいつがあれば作戦司令部との連絡も取れると言っていた。

 

「ありがとよ、アメ公」

 

米軍の装甲車からそいつを拝借し軽装甲機動車の荷台に置く。そしてM4A1からパクった弾倉を1人2本ずつ渡し

 

「予備か・・・助かるな」

 

「ないより数倍マシだ」

 

「ですです」

 

「おう!たすかるねぇ」

 

全員に弾薬を分配する。そして車両を強奪されないように施錠し俺達は病院の中に入っていった。今にして思えば俺達はこの[病院]に入るべきではなかったと思っている、なぜなら本物の[バケモノ]を見る事になったのだから・・・・・




次回~異形の恐怖~を予定しています。


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第48話~異形の恐怖~

病院内部も惨たらしい有様だったがまさかあんなものが徘徊してるなんて・・・


病院メインホール

 

「おっと、こいつ付けるの忘れるな。」

 

皆にサイレンサーを渡す。

 

「おう、さんきゅう」

 

「助かる」

 

「どうもです」

 

「助かるぜ、兄ちゃん」

 

全員の装備に装着し

 

「さて、無用な戦闘は避けろ、目的は1つだ。「医療物資」だけだ。欲張るなよ」

 

言い、俺達は行行動を開始した。まずは薬品保管庫の情報を集めないといけない。これだけ大型の病院だとその情報の取集も一苦労だ。

 

「ダメだな・・・・」

 

「ああ、此処もだ」

 

「こっちもです」

 

「それらしいものはないな・・・」

 

「こっちもだぜ兄ちゃん」

 

皆がそろい1階での情報は得られず仕方がなく会談で2階に移動するがその時だった

 

ヒュッ

 

風を切る音がし次の瞬間横に居たはずの加藤が宙を浮いていた、いや訂正しよう極端に左腕が長くそして右腕が小さい化け物に片腕で持ち上げられている。柔道部の重量級のレギュラーともいえるあいつを

 

「うッ・・・うわーーーー、助けて!!!!」

 

加藤が絶叫し

 

「「「「ッ」」」」

 

4人が慌ててそいつに狙いを付けようとするが加藤が射線に入っており撃つことができないでいた

 

「なんつうバケモンだッ」

 

優希に借りてきたHk416と自身のHk417両方を装備しているがどっちを使うべきか一瞬悩み[破壊力]を取る事にした

 

「加藤が邪魔で撃てない!!」

 

「先輩に当たってしまいます」

 

「あの兄ちゃんが邪魔で撃てンぜよ」

 

周りも狙いが付けられずに言う中

 

「・・・・・・・・」

 

伏せ撃ちの姿勢を取り

 

「喰らえッ、アンバランス野郎ッ」

 

Hk417も引き金を引き銃口から7.62㎜弾が発射され強めの反動が俺を襲うが発射された弾丸はそのアンバランス野郎の両足に命中し態勢を崩し加藤を落とす

 

「今だッ、ぶっ殺せッ」

 

狙いを付けていた翼や田所に後藤さんの銃口から火を噴くように5.56㎜高速ライフル弾が発射されそいつをハチの巣にする。

 

「・・・・・・・・・・」

 

Hk417を構えそいつに近づき

 

バスッバスッバスッ・・・・・

 

脳天に3発7.62㎜弾を撃ち込み完全に死んでるか否かを確認する

 

「ふぅ・・・・・死んでる・・・・」

 

カチャ

 

銃口を下ろし

 

「加藤大丈夫か?」

 

加藤に手を貸し

 

「ああ、すまねぇ・・・とんでもねぇバカ力だこいつ・・・頭を潰されるかと思った」

 

加藤が言う中、俺は死体を見る既に死んでいるが

 

「なんて醜い野郎だ・・・」

 

後藤さんが言い皆でその死体を見ると

 

「でも本当にアンバランスだ・・・左腕が長く右腕が短い、でもスナップを効かせて加藤の顔面を鷲掴みにしやがった・・・」

 

「こんなの今の今まで何処に隠れてやがったよ」

 

「これじゃぁ・・・普通の感染者よりもさらに脅威レベルが上がった事になるな」

 

俺達が言う中

 

「・・・・突然変異・・・じゃねぇか」

 

後藤さんは言い、後藤さんに視線が一斉に行くが

 

「いや・・・アメリカに居た時の事だが、見てくれは醜いゴリラみてぇな野郎なんだがあり得ねぇくらいに俊敏でな9㎜程度の拳銃弾なら物ともせずに突っ込んできやがるしかといって今俺達が装備しているアサルトライフルやバトルライフルを撃ちまくればそいつ弾を避けやがるんだぞ、てめぇの目を疑ったわ流石に」

 

後藤さんは言い更に

 

「一たびそいつに接近を許すと確実に首を刈られるその鋭利なバカでかい爪で」

 

後藤さんは言い

 

「そいつをどうやって止めたんですか・・・」

 

俺は聞くと

 

「近距離なら散弾銃が有効だ。アイツの体まるでケプラー繊維のボディーアーマーでも着てるかのように強靭だ。38SP弾や9㎜パラベラム、40S&Wでも止められねぇ一撃必殺を狙うなら最低でも357マグナムや44マグナム、確実なのは50AEや454カスールに後は500S&Wを使う銃があれば確実だった。」

 

後藤さんの恐るべき体験談を聞き

 

「となると・・・・こいつは・・・やはり」

 

俺は言い

 

「そうだな」

 

田所が言い

 

「決まりですね」

 

翼も頷き

 

「ああ」

 

首を押えつつ加藤も頷き

 

「日本初かわどうか分からないが突然変異種だろうな」

 

後藤さんは言い更に

 

「自衛隊の奴らに報告しないとな、ノコノコこの町に救助隊を送り込んだら皆殺しにされかねねぇぞ」

 

言い

 

「「「「同感です」」」」

 

俺達も頷いた。その後何度となく俺達は病院中を探索する中で・・・

 

「ダァァッッ離しやがれこのアンバランス野郎ッ」

 

バカ力で顔を鷲掴みにされるが、ホルスターからSFP-9を取り出しそいつの顔に9㎜弾を叩き込む、所詮は9㎜と言われるが近距離ましてゼロ距離で発砲すればそこそこのダメージは入るみたいだ。

 

「このクソ野郎!!」

 

後ろで加藤がM249minimiを撃ちまくっている。顔を押えつつもそして気付く

 

「なぁ・・・皆・・・」

 

俺は言うと

 

「ああ、言わずとも分かる。恐らくはゾンビ擬きの変異種がこのバケモノだろうなヤケに感染者の数が少ないと思っていたんだが・・・・」

 

田所が言い

 

「こんなのと戦ってたら弾薬持ちませんよ・・・」

 

弾倉を交換しつつ翼も言う。

 

「そうですね・・爆発系の物があればいいんですけどね」

 

翼も言う。そして2階のナースステーションを探すと

 

「おい、これじゃねぇか」

 

1つのクリップボードを後藤さんは見つけ読み上げるが

 

「なになに・・・・薬品保管庫は3階で・・・・ゲっ・・・・・」

 

言い

 

「どうしたんですか?」

 

加藤は言い

 

「いやなぁ・・・・」

 

そう言って俺達もクリップボードを見せる。

 

「えっと・・・薬品保管庫パスワードは24時間毎ごとにに自動更新される、パスワードは院長室にて通達するものとする・・・・・ぅ」

 

「はぁっ?!」

 

「院長室?!」

 

「何階だよ・・・」

 

「確か7階だな・・・」

 

言う中

 

「問題はそれだけじゃねぇ、恐らくはこの院長室のPCでパスワードをチェックするんだろうけどものそのPCのパスワードもわからねぇ・・・」

 

二重に問題が発生しちまった事になる。

 

「一筋縄では行かない・・・・か」

 

俺は言い

 

「上等だな」

 

加藤は言い

 

「ああ」

 

田所も言う

 

「やたらとセキュリティーが固いですねでも破りがいがありそうだ」

 

翼も納得しつつ言い

 

「はぁ・・・俺に期待するなよ、おつむはからっきしなんだからよ」

 

後藤さんは言うも苦笑し

 

「はぁ・・・なんとしてやるよ」

 

俺達はバケモノを時に回避し時に八つ裂きにしながら7階の院長室に向かうのであった。




次回~パスワード~を予定しています。


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第49話~パスワード~

薬品保管庫のパスワードを入手すべく院長室に到達するが・・・・


病院 7階 院長室前廊下

 

「フラグッ、アウゥッッッ!!」

 

廊下前に居る感染者変異種2体に手榴弾を2個投げつけ

 

ドォォォンッ

 

手榴弾の炸裂音を聞き

 

「行くぞッ」

 

「よぉし!」

 

「ヤッテやるぜ!!」

 

「うぃ!!」

 

「血祭じゃぁ!!」

 

5人で勢いよくなだれ込むのだが・・・・・・・・・・・

 

「死んでるな・・・・」

 

「ああ」

 

「さっきの勢い返せ・・・・」

 

「畜生め・・・・」

 

「おい、バケモンッ少しはガッツのある所見せやがれ!!」

 

後藤さんも既に物言わぬ死体になっている感染者に意味わからん事を言っている中

 

「此処だな・・・・」

 

7階の院長室にたどり着く。

 

「「「「「失礼しま~す」」」」」

 

5人で中に入るが

 

「おいおい、イイ趣味してんな院長先生はよ・・・」

 

部屋の装飾は全くすごくてそれを見た後藤さんが言う。肝心の院長はと言うと椅子に座ったまま何処からかっぱらってきたか分からないがトカレフで自分の頭をブチ抜いて自殺してやがった。

 

「せめて、死ぬ前にログインしていてほしかったけどな」

 

俺は言い椅子からその死体を下ろし

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

丁重に手を合わせる。そして椅子に座り

 

「・・・・・・・パスワードか・・・・・・」

 

俺は確認する中

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

後ろで4人も見ているが

 

「なんかヒントになるような物でもないか探すよ」

 

高本が言いそこから加藤に田所に後藤さんにと部屋中を物色する傍ら

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・これもダメか」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・こいつもダメ・・・・か」

 

「ちくしょう!!」

 

院長のプロフィールを見てそこから生年月日を何通りにも組み合わせていくがどれもかしこも弾かれる

 

「やっぱりそううまくは行かねぇか・・・・・」

 

俺も毒付く中

 

「なぁ・・・木村、こんなもんあったんだが」

 

加藤が何やらDVDにパッケージを持ってくる

 

「なんだ、このスケベジジィ、自分のオフィスでAVでも見てやがったのか?」

 

後藤さんも言う中、パッケージを開けてみると中にはDVDディスクと紙切れが一枚入っていた

 

「パスワードのヒントは映画の中」

 

と記された紙切れを見て

 

「はぁ・・・このジジィ、アクション映画好きかよ・・・・」

 

加藤が言い

 

「しかも映画のタイトル[コマ〇ドー]だしね・・・・・」

 

田所も言い

 

「筋肉モリモリマッチョマンの変態な大佐が主人公のだよなぁ・・・」

 

「確か、某州知事が暴れまわった映画すよね・・・・・」

 

翼も言い

 

「まぁ・・・そうだろ、俺もこのタイトルだとその映画以外だとパクリもんは二つ三つあったような気がするが俺は詳しくは分からんぞ」

 

俺は言う。こんな死体がこんにちわなんていうような世界の前は良く優希の所に遊びに行って映画を楽しんでいた事を思い出す。

 

「この映画の中で有名なセリフをかたっぱしから入れてくのか、勘弁しろよ」

 

俺はげんなりしつつ言いつつも

 

「思い浮かんだ奴から言ってくれ」

 

俺は言い

 

「「「「えっと・・・・・・」」」」

 

皆が考え込み

 

「!10万ドル、ポントくれたぜ」

 

加藤が言いキーボードで打ち込むが[エラー]が表示され

 

「違うか・・・」

 

加藤が言い

 

「静かに素早くか変わらんな大佐」

 

田所が言い、打ち込むも再度エラーが表示される

 

「面白い奴だ、殺すのは最初にしてやる」

 

高本が言い打ち込むもまたまたエラーが表示され

 

「だぁぁぁぁぁぁ、畜生め!!!」

 

俺もいい加減イライラしてき始めていた。

 

「怖いか、当然だぜ、元グリンベレーの俺に勝てるもんか!!」

 

後藤さんが言い打ち込むも弾かれる

 

「このジジィ一体全体どんなメンドイセリフをパスワードにしやがったんだよ」

 

後藤さんも毒付き始める。再度加藤が

 

「一体何が始まるんです? 、大惨事大戦」

 

言い打ち込むもまたもやエラー表示が出る。

 

「あの映画はアクション映画ファンのあいだじゃ有名すぎてどのセリフも名言扱いだしなぁ・・・・そこからさらに絞れとか・・・・・無理げーだ」

 

俺は言い

 

「全くだ・・・・ある意味では最強のセキュリティだわな・・・・」

 

加藤が苦笑し

 

「ああ、どのセリフを持ってくればいいのかさっぱりわからん」

 

田所も言い

 

「全くですよ、この映画のどのセリフを持ってくればいいのか・・・」

 

翼も頭を抱えている。

 

「俺もこの映画好きで見てたがなんというかなぁ・・・どのセリフが使われていてもおかしくないからなぁ・・・・タチのわりぃジジィだ」

 

後藤さんもやれやれと言わんばかりに言った。そこからあれこれと大小問わずに片っ端から打ち込むがやはり全部エラーで弾かれる

 

「ちくしょう・・・・手持ちの重火器で吹っ飛ばすか」

 

俺は言い

 

「優希の所から確かM84無反動砲持ってきたしな・・・でもあの距離で無反動砲撃ったら射手死ぬよなぁ・・・・・・」

 

加藤は言い

 

「ああ、それにリスクが大きすぎる。」

 

田所が頷きながら言い

 

「あああ、もうパスワードは何なんだ畜生、「野郎オブクラッシャーッッ」」

 

翼が言い

 

「「「「!!!!それだ!!!」」」」

 

言い

 

「へ?!」

 

間の抜けた顔をしている翼に俺達は言い

 

「ああ、そうだよ、敵役の俳優の言った名言じゃねぇかよ」

 

「ああ勝率-100%のだよな」

 

「そうだそうだあのセリフだうんそれかもな!!」

 

皆が言い

 

「全くなんで今の今までこのセリフ思いださなかったかな!!」

 

俺も呆れながら打ち込み

 

「!、ログイン出来た!!」

 

俺は言い

 

「「翼、お手柄!!」」

 

加藤と田所が言い

 

「全くなんてパスワード設定してやがるんだよ」

 

後藤さんも呆れる中俺はファイルフォルダーの中から本日のパスワードを見つけ

 

「これだ・・・・」

 

クリックしチェックする。

 

「みんなメモ取ってくれ」

 

俺は言い

 

「[75656200]だ」

 

言い

 

「よし、メモ取った復唱するぞ[75656200]だな」

 

田所が言い

 

「良し、3階の薬品保管庫に行こう!!」

 

俺達はパソコンをシャットダウンし3階の薬品保管庫に向かう為に院長室を後にするのだった。




次回~苦労の割に~を予定しています。


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第50話~苦労の割に~

パスワードの解読など謎解きをチームワークで乗り越えてきた5人はやっと目的の場所に着くがも


3階 薬品保管庫前

 

「よし、パスコードを打ち込もう」

 

俺は言い

 

「あいよ、隊長殿」

 

加藤が頷き、苦労して解読したパスコードを打ち込む。

 

「ピーーガチャン」

 

カギが解錠される音が聞こえ

 

「よし、中に入ろう」

 

田所が言い後ろの加藤に

 

「加藤、閃光弾ッ」

 

田所が告げ

 

「よし来たッ」

 

アーマーベストのポーチから閃光弾を取り出し

 

ガチャ・・・・ぽいっ・・・バタン

 

閃光弾を放り込み直ぐにドアを閉める。炸裂する音が聞こえ

 

さいど中に入る、中の光景は・・・・

 

「嘘ん・・・」

 

「まじか・・・」

 

「そんなバナナ・・・」

 

「骨折り損のくたびれ儲け」

 

「まじかよ・・・・」

 

「なんて日だ」

 

俺達は皆悪態を付いた。それもそうだ。苦労してあの訳の分からないバケモンに殺されかけてそして院長の悪趣味のお陰でパスコードを解読するのに時間を取られトあり得ないくらいに苦労したのに

 

「半分くらいしかない・・・」

 

加藤が言うも

 

「大丈夫だろ、半分でも。優希だって少しずつコツコツ集めていったんだろうし」

 

田所が言い

 

「良し、じゃぁこの薬や包帯に点滴セットに皆でもってこう。」

 

俺達はその後に薬品保管庫と軽装甲機動車を何往復し荷物を入れていく。ふと

 

「ん?・・・・なんだこれ」

 

置きっぱなしになっているクリップボードを見つけ読む

 

「なになに・・・・・・・・ははぁんそう言う事か。」

 

俺は頷き

 

「どうしたい、兄ちゃん」

 

後藤さんが戻ってきて言い

 

「これ見て下さい」

 

俺はクリップボードを渡す。

 

「なになに・・・薬品保管内の医療物資を地下1階と3階の保管庫に分けて保管するものとする。尚パスコードは以下のとおりである{89300}」

 

クリップボードを読んでいた後藤さんは

 

「ご丁寧にパスコードまで記載してくれて助かるねぇ。またあの悪趣味ジジィの部屋で謎解きしないといけないのかと思っていたよ」

 

言い

 

「一応、この部屋の物資は段ボールに入れて運び出した。後は地下に行こうか」

 

後藤さんは言い加藤と田所と翼が戻ってきた時にその事を伝え

 

「半々か・・・・」

 

「めんどくさいことしてくれるなぁ・・・まったく」

 

「じゃぁ、地下に行きますか」

 

3人は言い

 

3階の保管庫内の物を全て回収し今度は地下に赴く。

 

「バケモンの巣窟とか勘弁してくれよ」

 

後藤さんは言い

 

「確かに、それ泣ける」

 

加藤も頷き

 

「ロケラン持ってくる?」

 

田所が笑いながら言い

 

「病院でバズーカ砲ぶっ放なさないで下さいよ」

 

翼が言う中俺隊は3階から地下に行き

 

「不気味なほど何にもないな・・・・」

 

「油断するなよ、バイオとかそういうゲームだと敵が出て来るパターンだ」

 

「解ってる」

 

「俺のAEKが火を噴くぜ・・・」

 

後ろの四人が言う中

 

「前進ッ」

 

俺は言いそのまま地下の保管庫に指定されている場所に来る。そしてパスコードを打ち込み中に入る。

 

「情報通りだ、だがこっちの方が多いな」

 

中にある、医療物資を段ボールに詰めていく。

 

「よしよし、イイ感じだ。」

 

俺は言い

 

「ああ、イイ感じだな」

 

加藤が言い

 

「苦労したかいがあったもんだな、最初は骨折り損のくたびれ儲けかと思ったが地下に隠されていたとは思いもしなかった」

 

田所も言いつつ

 

「あのバケモンが寄って着ないうちに頼むぜ」

 

後藤さんがAEKを構えて周囲を警戒する内に俺達は必要な物資をまとめて行く。

 

「大体はこんな感じかな・・・」

 

段ボールにパンパンに詰め今度はそれを軽装甲機動車に運びこむ事数十分

 

「よし・・・終わったな・・・・」

 

医療物資の回収は完了し、病院の外に出るともう夕方で

 

「今日の寝床はどうする?」

 

田所が言い

 

「銃砲店あったよな、そこに行ってみるか」

 

加藤が言い

 

「そうだな、あそこの店主はもう死んじまったからな」

 

「そこに行きますか?」

 

翼も言う。俺達はその後、にその銃砲店に移動する事になる。




次回~野郎5人で明かす一晩~を予定しています。


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第51話~野郎5人で明かす一晩~

銃砲店に侵入しそこで一晩を明かす事にする。


銃砲店

 

横の空っぽのガレージに軽装甲機動車を入れて隠し店内に入る。

 

「まぁ・・・そうなるよな・・・」

 

俺は呟いた。

 

店内は酷いくらいに荒らされており

 

「弾もまぁ・・・・殆どないな」

 

加藤が棚をひっかきまわして言い

 

「こっちも銃器類も根こそぎって感じだな・・・・」

 

田所が言った

 

「でも、優希先輩が[軍用]の装備をかき集めてくれていてくれたおかげで苦労しないで済んでいるんですよね」

 

翼は言い

 

「全くあの兄ちゃんはよく此処まで徹底的にやりおる。」

 

後藤さんも言っている。確かに優希はやると決めたら徹底的にやる。かつて自分をイジメていた連中を締め上げた時も徹底的に〆上げそいつらがちびっていたのは滑稽だった

 

「確かに、俺は今親友のお陰で生き延びているようなものですから」

 

頷き装備を置くと

 

「兄ちゃんがたもそういう親友は生涯一生裏切っちゃぁいけない人だからな」

 

後藤さんに言われ

 

「「「「もとよりそのつもりですよ」」」」

 

俺達は頷いた。優希は早くに両親を失っている事からか人とのつながりを大事にする奴だ。俺達が裏切るなんてありえない。

 

「そういうアンタこそ裏切ろうなんて思わないでくれよ」

 

田所は言い、それに続くように

 

「そうそう、優希はそういう不義理を一番嫌う。アンタがヤクザもんでもリスクを冒してベースのロッジに入れたのは、あんたを信じようと思ったからだ。」

加藤が言い

 

「疑り深い兄ちゃんたちだな、俺はさっきも言ったが恩義には恩義で返す。あそこで住まわせてもらっているし、メシだって食べさせてもらってる。恩を仇で返すのはさらに外道に逸れる事になっちまう、最初にも言ったがどういう結末になるかはわからないが運命を共にする。」

 

後藤は言い

 

「まぁ行動で示してくださいよ」

 

俺は言い

 

「もちろんだ」

 

後藤は言った。その後に軽装甲機動車から糧食を下ろし遅めの夕食を取り

 

「店にはないけれども裏になんか倉庫みたいなのあるぜ」

 

加藤が見つけ

 

「それだ!!」

 

後藤さんは言い

 

「どういう事ですが」

 

「店の在庫だよ、店頭になくとも倉庫などに武器と弾薬をストックしておくもんだよ」

 

俺の問いに後藤さんが言い

 

「成る程・・・・加藤、開けられそうか?」

 

尋ね

 

「でかくて強靭な南京錠が付てやがる、恐らくは無理だ。ライフル弾程度じゃぶっ壊せない。かといって重火器を使う訳に行かない。」

 

加藤は言い

 

「鍵探すしかねぇな」

 

後藤さんは言うと、店の奥に入っていた。そして俺達も後藤さんに続き店の奥に入りカギを探してあれこれと家探しを行い

 

「・・・・・・・・!これじゃないか?」

 

田所が見つけ

 

皆で倉庫に集まる。

 

「たのむぜ、開いてくれ」

 

俺は言い

 

「よっと」

 

田所はカギを刺すと、そのカギは綺麗に周り

 

ガチャ

 

施錠が外れ扉が開く・・・・・中には

 

「うほ!」

 

「ワァ~オ」

 

「マンセー」

 

「待ってました!!」

 

「そうそう、銃砲店はこうじゃないと!!」

 

俺達は言った。中には散弾銃が3丁と狙撃用ボルトアクションライフルが2丁そしてその弾薬がきっちりと収まっていた。

 

「おい、これ見てくれよ」

 

俺は散弾銃を取り出して言い

 

「うほ!M1014オートじゃねぇか。確か日本ではピストルグリップダメだからそこを改造するんだよなぁ。」

 

田所が言い

 

「こっちはM1100オートですよ、しかも規制作業前ですよ。国内じゃ違法だ違法!最高だ!」

 

翼が興奮しており

 

「まさか・・・・」

 

田所も確認すると

 

「木村、このM1014も国内規制作業前だ装弾数は」

 

言っており

 

「どれどれ・・・・・」

 

残っている最後の1丁を取り出し

 

「M870か・・・・・ショットガンの代名詞だよな。」

 

銃器周りを確認しこいつも国内規制作業前のモノと確認する。

 

「さてと・・・狙撃銃は・・・・・」

 

後藤さんが手に取ったのは

 

「それ、M1500ですよね」

 

言い

 

「ああ、命中精度はピカイチで警察装備にもあるライフルだ」

 

後藤さんは言い

 

「こいつも国内規制前だな・・・・」

 

薬室を見れば分かるがキレイに5発収まる。

 

「これは思わずプレゼントですね」

 

言い

 

「全くだ。しかも弾薬も揃っているときた」

 

後藤さんは言い

 

「弾も308ウィンチェスターの7.62×51㎜弾がこんなに」

 

倉庫からだした結果

 

散弾銃

 

M1014オートショットガン×1丁

M1100オートショットガン×1丁

M870ショットガン×1丁

 

狙撃用ライフル

 

M1500×2丁

 

弾薬

 

12ゲージショットシェル

 

バードショット弾×120発

バックショット弾×120発

 

合計240発

 

308ウィンチェスター弾{7.62×51㎜NATO弾}×200発

 

以外にもお宝が見つかり

 

「衛星回線トランシーバー無線機は見つかったし、医療品等の物資も回収できた。し武器も弾もこんなに・・・・」

 

俺は内心驚き

 

「まぁ、コンくらいあれば十分な量だろう。明日にでもさっさとずらかろうぜ。あのゾンビ擬きの変異種の事も自衛隊の連中に教えたほうがいいだろうしよぉ」

 

後藤さんは言い

 

「そうですね、段々と脅威レベルが上がってきている気がしますね・・・」

 

俺は言い

 

「そうだなぁ・・・・・故郷の日本もゾンビ擬きの巣窟になっちまってるのは想定できていたが、こっちでも変異種が出てき始めるのとも思わなかったなぁ」

 

後藤さんは呟き

 

「まぁ、何はともあれこれだけの御宝を持ち帰れば自衛隊の奴らも作戦司令部とやらに連絡が取れるだろうしイイこと尽くしだな」

 

意外な所にお宝が転がっておりそれにびっくりしつつも俺達はその銃砲店で一夜を明かすのだった。




次回~優希と真珠~を予定しています。


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第52話~優希と真珠~

木村達が市街地で奮闘する頃、ベースのロッジでは


重症者部屋

 

「はぁ・・・・・・・・・」

 

夕方に真珠のお手製の夕食を食べてまたベットに横になっているが、やはりやる事がないと暇でしょうがない。そして暇と言う事は案外苦痛でもあるのだ。

 

「・・・・・木村達・・・大丈夫かな・・・・・」

 

窓の外を見て呟いた。木村達の能力は俺も信用はしている、でも何が起きるか分からないのだ。プロではない俺達にはどうしようもない壁だ。

 

そう思っていると

 

コンコンコン

 

ドアがノックされ

 

「どうぞ」

 

俺は言うと

 

「ハロハロ」

 

真珠の奴が布団と枕を持ってきていた。

 

「おいおい、此処で寝る気か?」

 

言い

 

「ええ、大丈夫よ中野2尉の許可も取ってきているからさ」

 

真珠は横に布団を敷きつつも

 

「中野さんに[一応怪我人なんだからにゃんにゃんしちゃダメよ]っていわれてさぁ」

 

言われ

 

「ブッ」

 

俺は口に含んでいたポカリを吹き出し

 

「返事に困る事言わないでくれよ」

 

おれは真珠に言い

 

「私だって一応女よ恥ずかしいわよ。だって・・・・・」

 

真珠は何かを言おうとしたのだろうけれども顔を赤くし始める。そんな時

 

「なぁ・・真珠、手術終わって俺がまだ昏睡状況の時さ、こんな事を言ったら笑われるかもしれ無けれどもさ・・・両親にあったよ・・・」

 

言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠は真剣に聞いてくれ

 

「お前はまだこっちに来るなって、親父に言われてさぁ」

 

呟き

 

「ええ、私も初めて神様に[まだ連れて行かないで]って本気で祈ったわ・・・」

 

真珠も言う中

 

「母親から真珠にメッセージを頼まれてるよ」

 

言い

 

「え?優希のお母さまに?」

 

真珠も驚いたように言い

 

「ああ、「バカ息子をよろしく」とさ・・・」

 

俺は言い

 

「うん、よろしくされました」

 

真珠は頷き

 

「そんな簡単に頷いていいのかよww」

 

言うと

 

「酷いなぁ、私はその先の事までちゃんと考えてるのに・・・」

 

言われる。

 

「この先って言っても、この乱痴気騒ぎがいつ収束するかも不明だし仮に収束してもこの俺達20歳近い高校2年生かよ・・・・」

 

呟くと真珠が意味深な事を言い出し始める。

 

「優希はさ、この先も私の隣に居てくれる?」

 

言われ

 

「ああ、真珠が嫌だと言わない限りわね」

 

言い

 

「そっか・・・・」

 

真珠も言い、ベットの隣に布団を敷き横になる。

 

「はぁ・・・ここもさぁ大所帯になったよねぇ」

 

真珠は言い

 

「ああ、自衛隊員に学生に看護師に母娘にヤクザときたもんだ」

 

俺は頷く

 

 

居住内訳は

 

自衛官×25人

 

学生×9人

 

母娘×1組{2人}

 

看護師×2人

 

ヤクザ×1人

 

合計人数は39人ときた。当初の1人から2人そして3人とだいぶ増えたものだ。と思っていると

 

「でもざぁ、優希のご両親すごいよね、こんなに大人数の人間が寝泊まりしてもまだまだ余裕があるロッジ立てるとかさぁ」

 

真珠は言い

 

「此処は元々中古物件だったのを両親が買って、リフォームしたんだとさ。俺は後から知ったけれどもね」

 

俺は真珠に伝え

 

「へぇ・・・すごいねぇ」

 

彼女も言う。

 

「でもよかった。此処が皆の役に立てて。」

 

言うと

 

「ええ、私もよ。優希と逢えた。ううん、この騒ぎがあったからこそ人の本性を知る事が出来た。優希に拾われ共同生活を営みそして貴方に一人の女として貴方に惹かれそして今、貴方の隣に居る、非常時だからこそわかる大切な人の隣に居られる事がどれほど幸せな事かをさ。」

 

滅多に見せない真珠の笑顔はまさに名前の通り真珠のような笑顔だと俺は思っている。

 

「恥ずかしいセリフをまぁよくポンポンといえるなぁ・・・」

 

顔を赤くしつつ俺は言い

 

「それが私の嘘偽らざる想いだもの、貴方への」

 

真珠はじっと俺を見つめて来る

 

「負け負け・・・俺の負けだよ・・・・」

 

恥ずかしくなり視線を反らしすとすっと布団から真珠は起き上がり

 

「こーら、視線を反らさないで」

 

両手で顔面をホールドし

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・愛してる」

 

真珠は一言言い、そして顔を近づけ

 

「「んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

数秒のキスの後額を軽くコツンとぶつけ合い顔を離し

 

「本当に心配したんだかね・・・・・」

 

少しムスッとした顔で言われ

 

「それに関してはもう言わない約束だろ」

 

俺は言うも

 

「優希、よく覚えておくといいけれども、女ってしつこくて執念深いのよ。一度は分かったとか許すとか言っても心の中では根に持ってる事があるのよ・・・」

 

真珠は言い

 

「わかった、覚えておくよ」

 

俺は言い真珠はそのまま布団に戻り

 

「優希はさ安全エリアに行けたらこの先はどうなると思う」

 

聞かれ

 

「生活がガラッと変わると思う。まず俺達が武器を持たなくてもいいし今持ってる装備品も恐らくは自衛隊に回収されるから返却しないといけないだろうね。」

 

俺は言いつつ

 

「後は俺達の銃火器の所持と使用が罪に問われるか否かかな」

 

呟き

 

「どうして?」

 

真珠が驚いた顔をして言い

 

「考えてみろ、どうせ国会議員のボンクラボケ共は頭の中がお花畑だろうよ。つまり俺達のこの状況が[銃刀法違反]に[窃盗]それに[殺人]に[無免許運転]この4つのコンボならまず間違いなく死刑だろうな」

 

言うも

 

「でも緊急避難が認められれば無罪放免になるがなかなり確率は薄いけれどもね」

 

俺は言う。まさか後に普通に[緊急避難]が認められると思っていなかったのは此処だけの話だ。

 

「でも、普通の青春送りたいなぁ・・・・・」

 

真珠は言い

 

「優希とデートして・・・いろんな所に行って・・・そんなささやかな願いもかなわないんだものね・・・・」

 

真珠は言い

 

「仕方がない・・・こればかりは・・・・」

 

俺も言い

 

「でももし安全地帯まで行けたら少しは日常的な生活ができるんじゃないかと思いたいよ。」

 

俺は言い

 

「うん、私も・・・・」

 

真珠も言い

 

「さぁ、もう寝ましょう」

 

真珠は言い

 

「ああお休み・・・」

 

俺は言い

 

「うん、おやすみ、優希・・・・・」

 

そのまま俺達は夢の中に旅立つのだった・・・・・




次回~悲劇は続く~を予定しています。


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第53話~悲劇は続く~

翌日、木村達一行は当初の目的を完了しつつあったが、とある人物のとの出会いで避難所に指定されている母校に赴く事に・・・・・


銃砲店

 

「すみません、後藤さん、寝ずの番なんてお願いして」

 

早朝に起きた俺は言い

 

「ああ、気にすんなよ、チームプレーって言葉アンだろ」

 

頼もしくも日本刀を背負い、その腕にAEK971を持つ後藤さんは頼もしくも見えた。

 

「それよか、早く残りの連中起こして来いよいつまでもがぁすか眠っていられても困るぜ」

 

言われ

 

「ええ、勿論です」

 

俺は言い寝てる連中を起こす

 

「おい、起きろ朝だぞ」

 

それぞれの頭を軽くどつき起こす。

 

「う~もう朝かよ・・・・・」

 

「あ~拠点に戻ってはよう寝たい・・・・・」

 

「ああ、腹減った・・・・・」

 

3人とも言っている中

 

「ほれほれ、はよ起きろ此処はベースじゃねぇんだ、ゾンビ擬き共は待ってはくれんぜ」

 

後藤さんが言い皆が支度を整える。

 

「ふぁぁ・・・・ようこそろくでもない一日へ」

 

加藤が言いつつ持参してきた糧食を食べ

 

「ああ、生きてるって素晴らしいな・・・」

 

田所も言い

 

「ですね・・・・」

 

しみじみ感じるように翼は言い

 

「全く、こいつらは・・・・」

 

やれやれと後藤さんは言う。そして朝食後に

 

「さぁて帰るぞ」

 

言う中、銃砲店の外に出てガレージのシャッターを開ける作業をする中

 

「・・・・・・・・・・・・!」

 

遠巻きに人の姿が見え

 

「わりぃ、此処頼む・・・」

 

俺は直ぐに人影が見えた所にSFP-9を構えつつ近づくと

 

「・・・・き・・・・むら?」

 

怪我しているその女子生徒は俺達が見限った避難所にいた女子生徒だった。

 

「お、おい、皆原、大丈夫か!!」

 

俺は言いその子、皆原神奈をおんぶし銃砲店に運ぶが・・・・・

 

「おい、木村そいつから、皆原から離れろ、噛まれてるぞ!!」

 

加藤が引きはがしSFP-9の銃口を向ける。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・」

 

その生徒皆原は俺達の周りを見て

 

「お・・・おね・・・が・・い・・・・ま・・・まだ・・がっ・・・こう・・生存者・・が・・・ウブッ・・・・」

 

彼女は吐血し

 

「・・・・で・・・も・・・・バケ‥モノ・・・・・・・・・・・・・・」

 

それっきり何も言わなくなり

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

脈を取り

 

「はぁ・・・・・午前8時・・・26分、20秒・・・・ご臨終だ・・・・」

 

そっと見開かれた目を閉じて、自身のSFP-9を構え

 

「優希の気持ちが今なら俺は分かる気がする・・・」

 

皆が俺を見る中

 

キッ

 

先程確かに息を引き取ったはずの皆原の目が見開く、瞳のない白く濁った眼が

 

ドンッ・・・・

 

すかさず発砲し元同級生だった・・・・[ソレ]を射殺した。

 

「朝から最悪の気分だ・・・・」

 

田所が呟き

 

「ああ、同級生を殺さないといけないとか・・・・・」

 

加藤も言い

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

高本に至っては無言だ、そんな中俺は

 

「でも俺は優希の気持ちが分かるよ・・・・・・・・・」

 

自分のSFP-9をホルスターに戻して言い

 

「え?」

 

加藤は言い

 

「俺は感染者になってしまった後だが優希は生きている人間に対してその手を下した。でも根っこは同じだ。あまりにも悪行を働く相手ならば俺も優希も容赦はしないし、罪悪感も抱かないでも目の前にいる彼女は、俺達の側だった。俺も少し罪悪感を感じて居るよ。」

 

言うも、横から後藤さんが

 

「でもな、それが[楽にしてやる]ってことだぜ。」

 

後藤さんは言い

 

「俺もあの兄ちゃんの気持ちが分かるし、勿論あんちゃんの気持ちの分かる」

 

言い

 

「ヤクザに同情されたくないやなぁ」

 

皮肉を言うと

 

「ジョーク抜きでだ、俺は自分の親を殺した。正確には発症しかかっている両親と弟を殺したよ・・・[人として死にたい]それが両親と弟の最期の・・いや最初で最後の頼みだったな、俺に対して。」

 

後藤さんは言い、更に

 

「海外に追放されてもおれにとっちゃぁ唯一の親と弟だ、助けたかったが間に合わなかった。これほど悔やんだ事はねぇよ」

 

後藤さんは言い

 

「・・・・・・・すみません、生意気言って・・・・」

 

俺は謝り

 

「はは、気にすんな俺はもう割り切った。イイかあの兄ちゃんもお前さんにも言えるが終わった事を引きずるな、引きずれば引きずるほど立ち直りが遅くなる。」

 

後藤さんは俺達に言ってくれ

 

「はい、覚えときます」

 

俺を含め皆が頷いた。

 

「それよりも、どうする?学校がどうとか言っていたけれども」

 

加藤は言い

 

「だがあの連中を連れて行くのは優希の恩に対して仇を返す事になるぜ?」

 

田所も言い

 

「自業自得ですよ、ほっときゃぁイイですあんな連中。クタばって当然です」

 

珍しく辛辣な事を言う翼に対し

 

「珍しいな、お前がそこまで辛辣な事を言うなんて」

 

俺は言うと

 

「そうですよ、あいつらはずっと楽ばっかしてきた自分にとって都合の悪い人間は真珠先輩や七瀬みたく追放する、そして自分らは動かず後輩らを動かす、今までの溜まり溜まったツケを支払わされてるんですよ。文字通り[自分の命]でね」

 

翼が吐き捨てる。でも

 

「確かにそいつら上級生はくたばってても自業自得で済むが、仕方がなく残っている

奴らはそうもいかないだろ?、違うか?」

 

翼に加藤が言い

 

「確かに兄ちゃんの言う通りだ。仕方がなく残っていて助けを待つなら行かないと後悔するかもな」

 

後藤さんも言い

 

「解ってますよ、悪いのは上でそれ以外は被害者だって事を・・・」

 

翼も言い

 

「そうと決まれば目的地変更だな・・・俺達の母校、五条館高等学校に行こう」

 

こうして急遽予定を変更し俺達は母校である五条館高等学校に赴くがそこで更なる地獄を見る事になる。

 




次回~血塗られた母校~を予定しています。


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第54話~血塗られた母校~

4+1人は数か月振りに避難所指定されている母校に戻るが、その光景は・・・・・


五条館高等学校

 

教職員駐車場

 

「・・・・ひでぇなぁ・・・此処までとは」

 

「俺らが此処見限ってから一体何があった?!」

 

「血の海だ・・・・」

 

「うぷ・・・・・吐きそう・・・・」

 

俺達は顔を顰めた、此処を見限ってからほんとうに一体何があったのか・・・・俺達は首をかしげる中、死ぬ前の皆原の言葉を思い出す

 

「{そういえば・・・・バケモノ・・・って言ってたよな}」

 

俺は思い出しつつも準備し

 

「装備変えていくわ、俺」

 

そう言い荷台からショットガンのM1014オートを取り出し

 

カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・カチャ・・・・

 

ショットシェルを入れていく中

 

「お!、わかってるなぁ弾を交互に入れてるのか?」

 

後藤さんに言われ

 

「ハイ、バックショット・バードショットの順に装着しています。」

 

答えそのまま準備を整え

 

「まずは俺達や他の避難者が居た体育館に行ってみよう」

 

俺達は武装を整え、学校内に入るが

 

「酷いなぁ・・・・本当に一体何があったんだ・・・・」

 

廊下もあちこちに血が飛び散っている。そのまま体育館のドアを開けるが目の前の光景は・・・

 

「酷い・・・・・」

 

「ブ八ッ・・・・ゲホッ・・・ゲホっ」

 

「酷すぎる・・・・こんなの‥‥こんなの・・・・」

 

「惨過ぎる・・・・・」

 

皆が言う中

 

「なんて有様だ・・・・・・」

 

ヤクザの後藤さんですらですらたじろいでいる。そう体育館の中は一言で表現するのならば[地獄]の一言だ。体の一部が千切れてそこら中に転がっている。

 

「「「「「うぷ・・・・吐きそう・・・」」」」」」

 

一応体育館を見て回るが

 

「ダメだ、生存者はいない・・・皆殺されてる・・・」

 

加藤は言い

 

「ああ、それも鋭利な何かで一撃でやられている・・・少なくとも人間業じゃぁないな」

 

田所も遺体を見て言った。

 

「学校内の探索は気を付ける必要があるな・・・何かが潜んでいる。ここら中の生存者を皆殺しにした何かが・・・・」

 

俺は皆を見て答え

 

「ああ、そうだな。そうなると探索も一塊になって行おう。単独や数人一組は危険だ」

 

後藤さんも言い

 

「了解です」

 

俺達は体育館を後にし一階の捜索を続けたが見つかるのは死体ばかり、いや訂正しよう死体と言うよりも人体の一部だ。

 

「やっぱり何かが居るぜ此処は、木村」

 

M249minimiを構えながら加藤は言い

 

「ああ、そうだな・・・何かが潜んでいる。」

 

俺も確信すると同時に得体のしれない恐怖感に襲われる。なんて事のない時ならば怖いとも何とも感じないのに。

 

「{どこだ・・・何処に居やがる・・・出てこい・・・ハチの巣にしてやる}」

 

俺は学校の中に入る前に装備を一部変更し主装備をHk417からM1014オートショットガンに変更している。そして背中に優希から借りたHk416を装備している。

 

「不気味だ・・・・なんというか・・・人の気配を感じない・・・・」

 

加藤は言っている。そして皆で2階に進む階段に差し掛かった時

 

「?・・・・・・・」

 

ふらふらと歩く[感染者]を確認する中

 

「はぁ・・・・・」

 

ため息をつきつつホルスターからSFP-9を取り出したその時だった・・・・

 

ザシュッ

 

何かの音が聞こえ俺達の目の前に感染者の首がゴロンと転げ落ちる

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そして言葉を失う中、その校内の惨殺犯が姿を現す、そいつは見てくれは普通の感染者だが両手の爪が以上にでかくそして太い、確かにアンなのに切りつけられたらアーマーベスト着ていても一撃だろう。

 

「!!!」

 

直感的に[コイツは危険]だと感じた俺は、SFP-9をホルスターに戻す時間も惜しく直ぐにM1014オートに持ち替え

 

「喰らえッ」

 

引き金を引くが信じられない事が起きた、その感染者は横っ飛びしバックショットを避けたのだ、感染者であの俊敏な動きはあり得ない

 

「チッ」

 

そのまま、もう一発をぶち込むが今度はあり得ない跳躍力で上に消えそのまま逃げられてしまった。我に返った残りのメンバーは

 

「マジであれなんだ・・・・」

 

「ショットガンのバックショットとバードショットを避けやがったぞ」

 

「信じられない・・・・」

 

3人は言い、後藤さんは

 

「俺がアメリカで遭遇したのとは形がだいぶ違うが間違いない、アメリカと同等の種のバケモノだ・・・」

 

固まっている。

 

「どうする、あの俊敏性・・・」

 

「弾幕張るしかないだろ」

 

「どえらい怪物が居やがったもんだな・・・・」

 

「どんどん危険地帯になってきている。」

 

俺達が言う中

 

「どうなってるんだ・・・・・」

 

後藤さんも言う。そのまま俺達は慎重に慎重を重ねて上の階に移動する。

 

 

校舎2階

 

「ふぅ・・・さっきのバケモノは居なくなったか・・・・」

 

廊下に顔をだし安堵する。教室一つ一つを見るがどこもかしこもあのバケモノが暴れまわったのか惨殺された死体が、人体の一部が転がりまくっている。

 

「あのバケモンがたった1匹で此処までやったのか・・・・・」

 

俺達は恐怖を始めて覚えた。今の今までは動きののろいゾンビ擬きを相手にしていたがこっちが銃火器を持ってる分アドヴァンテージが強いから大丈夫と高を括っていたがそうもいかなくなりそうだ。そして一つの教室に入ると

 

「・・・・・惨めな・・・最後だな・・・・・岡部さん・・・」

 

俺は言い一人の死体に近づいた。その死体は左腕右足を引きちぎられており苦痛の表情を浮かべて絶命している。俺が言い

 

「ああ、こいつ3年の岡部悠大だろ。好き放題やってた悪党の」

 

加藤は言い

 

「あ~あ、可哀そうに手足を千切られてこんな最期とわな」

 

田所は全然可哀そうとは思ってない表情で言い切り

 

「悪党に相応しい最期じゃないですか、最後はテメェの命でツケを払ったな、ざまぁ見やがれ」

 

翼も毒舌がさえわたる。岡部の死体を放置し俺達はそのまま教室を散策するがどこもかしこも死体に人体の一部が転がる異質な状況になっておりこんな中に生存者なんて居るのかとすら思える。そして2階での捜索を終え3階に移動する。

 

 

 

校舎3階

 

 

「はぁ・・・・・もう嫌になるな・・・・死体ばかりで・・・」

 

言いつつドアを開けると

 

「ひッ!!」

 

カチャッ

 

思わ銃口を向ける中、室内には女子生徒が2人いる

 

「って木村・・・・」

 

そのうちの片方は言い俺は直ぐにドアを閉める。

 

「良く生きてたな・・・あんなバケモノが徘徊する校舎で」

 

俺は言い

 

「ええ、木村達も無事で何より・・・でもどうして校舎に戻って来たの」

 

彼女、新倉葵は言い

 

「皆原神奈が俺に最後に伝えたんだよ、学校に生存者がいる、でもバケモノが居ると」

 

俺は言い

 

「他の連中は?」

 

加藤は言い

 

「・・・・・・・」

 

新倉は首を横に振り

 

「そうか・・・・・・」

 

田所も言う。そして

 

「あの皆原さんは?」

 

新倉が言うが

 

「死んだよ・・・怪我を負いながら俺達の前に現れて・・・・最後は・・・・」

 

俺が言い

 

「そんな・・・・・・・そんな事って・・・・・」

 

新倉も言う。

 

「でもあの嬢ちゃんの言う通り生存者が居たわけだが大将どうするんだ?」

 

後藤さんが言い

 

「えっと・・・誰、木村・・・この人・・・・」

 

怯えるようにもう一人の宮川紗希が言った。

 

「えっと、一応味方」

 

加藤が答え

 

「だからそりゃぁねぇだろう」

 

言うも2人に後藤さんは向き直り

 

「俺は後藤、まぁ簡単にいやぁヤクザもんだが断じて嬢ちゃん方に危害を加えないと約束する。」

 

後藤は言い

 

「この2人なら大丈夫そうだよな」

 

「ああ」

 

「先輩も納得するでしょうし」

 

3人が言い

 

「木村達は今どこに居るの?」

 

新倉は尋ね

 

「今は場所は言えねぇが、優希の所で世話になってる。あとは蒼川に鏑木に自衛隊員もいるから此処よりも段違いに安全だぞ」

 

説明し

 

「・・・・よかった・・・真珠も七瀬も生きてたんだ・・・よかった・・・・」

 

宮川も新倉も泣き出す。よほどうれしかったのだろう。

 

「一緒に行くか?」

 

聞き

 

「「うん!!」」

 

2人は頷き

 

「「此処に居たって死ぬだけだもの」」

 

2人は答えた。そして意外な事を俺は聞く。

 

「みんな、あのバケモノに合ったんでしょ、あのバケモノ岡崎先輩だよ・・」

 

意外な事を聞き

 

「まじかぁ・・・サッカー部のエースの」

 

加藤が言い

 

「だからって、アレは異常だろう・・・・」

 

田所が言い

 

「うん、見つからないようにするので精一杯だよ。でもそっか・・・皆原さんが犠牲覚悟で・・・・・」

 

また泣きそうになっているが

 

「そう思うなら彼女の分も生き延びろ、死ぬ事を考えていても意味はない」

 

俺は2人に言い

 

「「うん、そうだよね、木村の言う通り」」

 

2人は頷き

 

「さてと・・・・何処からどう・・・脱出しようか・・・・」

 

言う中

 

「いや、あの岡崎先輩がなっちまったあの変異種は倒した方が良い。」

 

俺は言い

 

「どう倒すんだ?お前が知ってるだろ、横に縦にショットガンの弾を避けるんだぞ」

 

加藤が言うが

 

「大丈夫だ、加藤、[ココ]を使え」

 

俺は自分の頭を指して言うのだった。




次回~校内大爆走~を予定しています。


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第55話~校内大爆走~

変異体に対して撃って出る事を決めた一行は作戦を練る。


学校 用務員室

 

「さて、木村聞こうか?お前のプランを」

 

加藤は言い

 

「ああ、どうするんだ?」

 

田所も言う。

 

「先輩、正気ですか?散弾を避けるんですよ」

 

翼も言う中

 

「とりあえずは話を聞きますか」

 

後藤さんも言った。そこで

 

「あの怪物を絶対に逃げる事の出来ない、ダクトや通気口の見当たらない場所におびき出し、そこを[キルゾーン]として絶対に逃げる事の出来ぬ状況下に追い詰めそこで勝負をかけます」

 

俺は言った。

 

「成る程なぁ・・・・逃げる事の出来ない場所」

 

「ダクトや通気口のない場所・・・」

 

「この学校でそんな場所は・・・・」

 

3人が言う中

 

「1か所だけあるわ」

 

宮川は言い

 

「何処だっけ・・・」

 

新倉が言う中

 

「体育館よ、あそこなら決戦場に持って来いよただ懸念事項があるとすれば広すぎる事かしら」

 

宮川は言い

 

「成る程な・・・体育館はベストだが広すぎるわけかぁ・・・・」

 

俺が考え込んでいると

 

「でも、もう一つ、アレは目が見えてないわ。」

 

今度は新倉が言い

 

「それホントか?」

 

田所は言い

 

「ええ、間違いないわ。その証拠に私の目の前に一回現れた時、目と鼻の距離だったけれどもそのまま素通りして言ったもの。つまりは音がなければどうにもならない」

 

新倉が言うが

 

「だが・・・それでも音だけでバックショットとバードショットを回避するとかバケモノすぎだろ」

 

俺は言い

 

「でも裏をかく事は出来るはずよ」

 

新倉は言った。

 

「成る程なぁ・・・」

 

呟き

 

「となると、この中の誰かがあのバケモノと対峙してピエロを演じて体育館まで誘導しそこで一旦音を全部カットし、そこで一気に勝負をかける・・・か」

 

田所が呟き

 

「誰が行きます?」

 

翼は周りを見渡し言うな中

 

「( ^ω^)・・・・・・・・」

 

「だよなぁ・・・」

 

俺は言った。さっきあの怪物に遭遇しているからこそだろう。だがその選択を俺は超絶後悔する事に・・・・・・

 

あれから俺を除く皆が体育館に配置につき・・・・・・・・

 

「ダァァァァ!!!神様!!!仏様!!!」

 

絶叫しながら校内を爆走している。無論背後にはあのバケモンが・・・・・

 

「畜生め~~~~~」

 

絶叫していると

 

「今どこだ!!こっちは準備OKだぞ!!」

 

加藤の声が聞こえ

 

「それどころじゃねぇ、肉座布団!!」

 

「のやろ!!」

 

無線越しに加藤が言う中

 

「後少しだ!!きっちり仕留めろよ!!すかしたらお前を丸焼きにしてやるからな、畜生!!」

 

背後に迫られつつ爆走しつつ視界に体育館が入ってきた

 

「今、視界に体育館が見えてきた!!頼むッ」

 

言いそのまま開け放たれている体育館の扉を、転がるように潜りこみ、新倉と宮川の二人が扉を閉める。

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

俺達は無言でそれぞれの獲物を構える。俺は優希に借りてきたHk416を構え、音源が消え周りを警戒しているソレに照準を合わせる。最初の一撃が命運を分ける。銃撃して避けられるとこっちが一気に劣勢に立たされる。

 

「{やろッ}」

 

内心思い一斉に引き金を引き、5.56㎜弾がバケモンに集中砲火されるが、まるで弾道を読んでるかのように回避され

 

「マズイ、散れッ」

 

全員が一気に距離を取る中、次の目標は声を発した俺のようだ、Hk416を構え

 

「そのまま来いッ」

 

直線ならば避けられまいと思ったが此処でまさかのアクシデントが起きた、引き金を引いた瞬間に

 

バキンッ

 

あろう事か、発砲した瞬間に銃身が真っ二つに折れやがったのだ。

 

「{クソ・・・此処でこの持病が来なくてもいいだろう・・・}」

 

使い物にならなくなったHkを放り投げ、直ぐに回避行動を取り背中のM1014にスイッチする。だが次の瞬間に

 

ギャンッッ

 

バケモンが苦しみだし、その背中には弓道で使われる矢が2本突き刺さっていた。視線を見ると宮川と新倉の二人が次弾を装填した弓矢を構えていた。直ぐに二人の射線上から邪魔にならなうように退き、その瞬間にまた矢が2本怪物の背中に突き刺さっている。

 

「・・・・・」

 

ハンドサインを皆に送り

 

「{今がチャンスだ}」

 

俺達は完全に矢に気取られているバケモンに銃弾を浴びせた。先ほどのように俊敏ではないため銃弾が命中していく、油断する事なく、息の根を止めるまで銃撃を続け

 

「撃ち方やめっ!」

 

俺は言い、加藤に田所に翼、それに後藤さんもマガジンを交換しバケモンに近づき

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

ドンッ・・・ドンッ・・・ドンッ・・・

 

M1014を頭にぶち込み完全に息の根を止めた。

 

「・・・・・これで完全に死んだろ」

 

言い

 

「これで実は撃たれた所が再生しま~~すとかだったら最悪だロうけどもな」

 

加藤が言い

 

「頭完全に潰されてる状況で生きてるとかないでしょう流石に・・・」

 

翼は言うも

 

「わからないぜぇ、怪物はさらに変化するかもしんないからな・・・」

 

後藤さんが言い、そこに宮川と新倉の二人も合流する。

 

「イイ腕してたな、助かったよ」

 

俺は言い

 

「「どういたしまして」」

 

宮川と新倉は言うも

 

「ダァァ・・しまった・・・優希のHk416壊しちまった・・蒼川に殺される」

 

銃身がポッキリと折れてしまったHk416を前に崩れ落ち

 

「まぁまぁ、仕方がないよ」

 

「元気だしなって、私達も一緒に蒼川に叱られてあげるから」

 

宮川と新倉が俺を慰める中、折れた銃身と本体を改修し俺達は自らの学び舎を後にしたのだった。

 

「此処まで酷いと他はどうかなぁ」

 

「宮川さんもそう思う?」

 

新倉が学校の外に出て言い

 

「さぁて、早く帰ろう。めんどくさい事にならんうちに」

 

加藤が言い

 

「さぁて、じゃぁ寝床に帰りますか」

 

後藤さんが言い、俺達は悲劇の舞台の一つとなった学び舎を後にしたのだった。




次回~状況報告と木村怒られる~を予定しています。


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第56話~状況報告と木村怒られる~

拠点に帰還した木村一行は、物資の搬入と状況の報告を行う。


拠点 ロッジ

 

「秋本3佐、只今戻りました。それとこれ病院前に停車していた米軍の装備ですがお土産です」

 

ドン

 

テーブルの上に衛星回線トランシーバーを置き

 

「いやはや、まさか見つけてきてくれるとは、驚いたそれよりも助かったよありがとう」

 

秋本3佐は言い

 

「全くです、これで洋上の司令部に連絡が付く。」

 

朝霞1尉も頷く。

 

「医療物資も結構な量を見つけてきてくれたわね、大助かりよ」

 

中野2尉も言い

 

「武器もM4A1が10丁にM1014オートとM1100オートにM870と3丁、後はM1500狙撃用ライフルが2丁に各種弾薬です」

 

説明し

 

「よくやってくれた。全く一ノ瀬君と言い君達と言い本職顔負けなんじゃないのか」

 

秋本3佐に言われるが

 

「あ!そうでした忘れる所でした、最重要要項ですが感染体の変異種が出始めています」

 

報告し

 

「何?!」

 

秋本3佐は言い

 

「ハイ、病院内部では極端に片腕が長く片腕が短い化け物に学校でですが、目が見えない代わりに聴覚が異常発達し近距離でもアサルトライフルの5.56㎜高速ライフル弾やショットガンのバックショットやバードショットを近距離で避けるようなまるで怪物塗れでした」

 

報告を入れ

 

「分かった、ありがとう。しかし変異種か・・・洋上の司令部に報告を入れねばな」

 

秋本3佐は言い

 

「ありがとう、よくやってくれた。あとはゆっくり休んでくれ」

 

「ハイ、では」

 

自衛隊員の人達が話し込んでいる部屋を出ると

 

「ちょっとこっち着な」

 

蒼川に捕まり、優希が居る部屋に連れていかれる

 

 

 

重症者部屋

 

「おいおい、どうした真珠?」

 

ベット上の優希は言っているが

 

「優希、これ見てよ」

 

真珠は俺の前に折損したHk416を置く

 

「あははは( ^ω^)・・・・・・・・すまん!」

 

木村は言うも、俺は

 

「寿命が来ちまったか・・・・仕方がないさ」

 

俺は言い

 

「どう言う事?」

 

真珠は言い

 

「Hk41XシリーズはM4よりも操作性に優れる。そして作動性もでも欠点がない完全無欠のライフルという訳ではない。その証拠がこれだ。元々はリュングマンシステムだった物にショートストロークガスピストンシステムを採用して改修した事からこう言う事が起きるようになったそうだ」

 

俺は真珠に言いそして木村に

 

「お前フルオートで撃ちまくっただろ?」

 

言い

 

「ああ。」

 

木村も答え

 

「フルオートでは特にこの銃身ボッキリはなりやすい。これでもフレームにはかなりの強度の素材が使われてるらしいけれどもな」

 

説明し

 

「木村、わりぃんだけどもさ保管庫から予備のHk416持ってきてアタッチメント付け替えておいてくれないか」

 

頼み

 

「ああ、むしろ必要ならクリーニングしとくが」

 

木村は言ったが

 

「まぁ、そこは自分でやるさ」

 

俺は言い

 

「そうか、でもすまんかったお前のぶち壊して」

 

木村は再度言い

 

「気にすんな、寿命だったんだろうさ、いっそM4に切り替えるのもアリだな。戦闘中にそんな事になったら俺の首が飛ぶ」

 

言うと

 

「確かにな・・・ちゃんと整備さえしとけば言う事聞いてくれるいい子だもんな」

 

木村も言い

 

「まぁ、分かった保管庫からHk416持ってきて言われた作業はやっとくわ」

 

木村は言い

 

「頼むな」

 

俺は言い木村は退出していった。

 

「そう言えば、木村に聞いたわ」

 

真珠が言い

 

「学校の生き残り宮川さんと新倉さんだけだったって」

 

それに対し俺は

 

「そうか、真珠は何か思う事は?」

 

聞き返し

 

「ううん、何もないわ」

 

真珠は言い

 

「そうか、なら俺がどうこう言うべきじゃないしな」

 

俺は真珠に言い

 

「うん」

 

真珠も頷くのだった。




次回~平穏に過ぎ去る日々~を予定しています。


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第57話~平穏に過ぎ去る日々~

あれから平凡に日々は過ぎ去っていった。


優希&真珠 寝室

 

「お帰り、ようやくこの部屋に戻って来れたね」

 

真珠は俺に言い

 

「ああ、完治までは長い道のりだけども動かないとリハビリも出来ないからね」

 

前と同じように寝室に戻る。そして、私服に着換える。

 

「お!木村の奴、俺の装備品ちゃんとしてくれてたんだな、メンテナンスまでしてくれて大いに助かる。」

 

部屋に置かれているHk416を見てそれを取り確認し

 

「うん・・・うん・・・上出来だ」

 

俺は言いスタンドに立てかけた。

 

「当分は身の回りは私がしてあげるから、遠慮しないで言ってね」

 

真珠に言われ

 

「ああ、頼む」

 

俺は真珠に頷いた。そして窓から外を見て

 

「ふぅ・・・・外が綺麗だな・・・・」

 

ずっと部屋に籠っていた分やはり気が滅入る。

 

「ちょっと木村んとこと自衛隊の人達やその他の人達の所行ってくるよ」

 

俺は言い

 

「うん、きをつけてね。長くベットで寝てたわけだからさコケてまた怪我しないようにね」

 

真珠は俺に言いつつも、せっせと部屋の整理をしている。元々面倒見がいいし家事やその他をそつなくこなす事は2人きりの生活の時に知っていた為安心して真珠に任せる。廊下に出て木村達の部屋に行き

 

 

 

木村一行sルーム

 

コンコンコン

 

ドアをノックし

 

「ハイ、どうぞ」

 

聞こえ

 

「うぃ」

 

俺は入り

 

「おう、一ノ瀬もう動いて良いのか?」

 

Hk417をメンテナンスしていた木村が言い

 

「ああ、ずいぶんお前には面倒かけちまったな、わりぃ」

 

座りつつ言い

 

「ンな事ないよ。持ちつ持たれつだろ?」

 

木村は言い、他のメンバーも

 

「よかったよかった」

 

加藤が89式小銃を念入りに点検しており

 

「後は優希が回復してくれれば、元通りだよな」

 

田所がM249ミニミを点検・整備し組付けていた。

 

「ほんと、先輩が撃たれた時あせったよ」

 

翼も自身の89式小銃を点検しつつ答える。

 

「あ、加藤、真珠や他の人から聞いたけども血ありがとな、お陰で死なずに済んだ」

 

俺は加藤に礼を言い

 

「よせやい、俺とお前の仲だろ。友情の為に死ぬなら本望だよ」

 

自身の点検が完了した89式小銃を置き言い

 

「それに自分のカノジョにも礼をいっとけよ。俺と蒼川の血がなかったら今頃本当にあの世送りになってても不思議じゃなかったんだからな」

 

言われ

 

「ああ、真珠にもお前にも感謝してる」

 

俺は言い、そこで俺は皆を見てて

 

「なぁ、お前ら光学照準器とかライトはつけないんか?」

 

聞き

 

「お前も嫌事を聞いてくれるな、89式は拡張性が低いんだ知ってるだろ?」

 

加藤や翼にも言われ

 

「そうか・・・解った、確か前に実銃にも使えるように加工してあるR.A.S.があったはずだから持ってきてやるよ。あと全員分の光学機器もACOGでいいだろ?」

 

おれは皆を見回して言い

 

「そいつは助かる」

 

「ああ、頼むよ」

 

「まじすか!!」

 

「出来ればスナイパースコープも追加で」

 

皆が言い

 

「分かった。後で保管庫から持ってくる」

 

俺は言い

 

「よっこいしょっと」

 

立ち上がり

 

「じゃぁ、また後でな」

 

俺は木村の部屋を後にした。そして

 

 

自衛隊待機部屋1

 

 

コンコンコン

 

ノックし

 

「入れ」

 

聞こえ

 

「失礼します」

 

中に入ると秋本3佐を始め皆がリラックスしていた。

 

「おう、話は聞いていたよ。重傷者部屋を抜けられてよかった」

 

秋本3佐は言われ

 

「はい、腕のいいドクターと看護師の方々のお陰です」

 

俺は言い

 

「それは良かった。」

 

浅見2尉は言い、そして

 

「しかし、君の友人も大概な腕をしてるね。こんな事がなければ分からなかったな。皆が皆ダイヤの原石だ」

 

評価されるも

 

「俺達も背伸びしてもプロにはかなわないという事は理解しています」

 

言い

 

「それよりも事態は深刻な方に向かってるね」

 

大村曹長は言い

 

「何がですか?」

 

尋ねると

 

「町の感染者に変異個体が出始めていると君の友人の木村君達一行から報告が上がったんだ」

 

言われ

 

「変異個体・・・・・ですか・・・」

 

呟き

 

「うむ。うかつに少人数での市街地の探索は危険になりつつある」

 

大村曹長は言い

 

「我々としてはうかつに動き回るよりも此処に籠城し、救出が来るのを待った方が良いと判断したよ。幸いにも君がかき集めてくれた武器・弾薬・燃料が十二分にある上に生活必需品の補充先も確保されている。」

 

秋本3佐は説明し

 

「成る程・・・・それはそうと救出と仰りましたがアテはあるんですか?」

 

聞き

 

「木村君らが衛星回線トランシーバーを回収してきてくれてね、今はまだ調整作業中だがこれが完了すれば、洋上の多目的作戦艦の[いずも]に連絡が付く。そうすれば回収部隊を送ってもらえるはずだ。そうすれば我々も君達も皆この地獄からおさらばできる」

 

聞き

 

「成る程・・・・早く調整が完了すると良いですね」

 

俺は頷き

 

「ああ、君には何から何まで世話になった。むしろ迷惑をかけてしまったともいえるが」

 

俺のお腹を見て言い

 

「まぁ、終わった事はもう置いときましょう」

 

言い

 

「そろそろ失礼します」

 

部屋を出てもう一つの自衛隊員らの部屋に向かう

 

 

自衛隊員待機部屋2

 

 

コンコンコン

 

ノックし

 

「どうぞ」

 

声が聞こえ入ると皆銃器の整備中だった。

 

「あ、すみません整備作業中に」

 

言い

 

「いや、構わないよ丁度休憩を取ろうとしていた所だ」

 

朝霞1尉は言い、皆が整備の手を休める。

 

「秋本3佐に聞きました、脱出の目途が立ちそうだと」

 

俺は言い

 

「うむ、君の友達らが街で衛星回線トランシーバーを回収してきてくれたのが大きいね。これで洋上の司令部に連絡が付く。うまく行けば回収部隊が来てくれる。」

 

話を聞き

 

「君も体の調子はどうかい?」

 

聞かれ

 

「おかげさまで重傷者部屋を抜けられました。後は普段通りの生活をしながら完治を待つのみです。」

 

答え

 

「それは良かった」

 

言われ

 

「邪魔すのもあれ何でお暇します。」

 

部屋を出てるのだった。そして次に向かったのは、命の恩人の所だった。

 

 

自衛隊員待機部屋3

 

コンコンコン

 

「どうぞ」

 

「失礼します」

 

部屋に入り

 

「あら、無理は毒よ傷口はふさがったけれどもあまり激しい事すると開いちゃうからね」

 

釘を刺され

 

「ハイ・・・・」

 

頷き

 

「お礼がまだだったんで。ほんとにありがとうございました、皆さんとも命の恩人です。」

 

俺は中野2尉と宮下1曹に言い

 

「私達は只職責を果たしただけよ。「目の前の命を救う」と言う任務をね」

 

中野2尉は言い、付け加えて

 

「術後の経過も順調そうで何よりよ。」

 

言われ

 

「貴方のカノジョさんにもちゃんと伝えておいて。今晩さっそく[にゃんにゃん]はダメよとね」

 

宮下1曹に言われ

 

「はぅ~~」

 

顔を俺自身が赤くなっているのが自分でも解る

 

「こぉら、宮下あまりからからかわないの」

 

中野2尉に言われ

 

「ハイ、班長」

 

宮下1曹も頷く。その後も何だかんだで冷やかされつつ部屋を後にした。

 

 

 

鏑木七瀬の部屋

 

 

コンコンコン

 

「はーい」

 

「失礼します」

 

中に入り

 

「せんぱい!よかっただいぶ良くなって」

 

出迎えられ

 

「あはは、心配かけた」

 

言い

 

「ホントですよ、でも銃で撃たれるとかなかなかできない経験ですよね、実際どうですか?」

 

聞かれ

 

「うーん、あえていうなれば体が焼かれるように痛い・・・かな」

 

答えると鏑木は震え

 

「やっぱり怖いですね・・・・」

 

言う

 

「その為のボディーアーマーだろ?・・・・まぁ着ていなかった俺が言っても説得力皆無だが・・・・」

 

言い

 

「真珠先輩のブチギレ具合凄かったですよ、自衛隊員相手に「先輩が死んだら私がそいつを殺しに行く」ってあの目はやっぱり凍り付きますよ。」

 

俺が出血がひどく意識が飛んでいるときの事を言われ

 

「まじか・・・・はぁ・・・・」

 

俺はため息をつきつつ言い

 

「でも先輩は今まで十二分にやってきたんで休んでいても罰は当たりませんよ」

 

言われるが

 

「じっとしてるのは性に合わないたちでな」

 

俺は言い

 

「はぁ・・・先輩ならばそう言うと思いましたよ」

 

鏑木もため息をつく。その後も少し話し込み

 

「じゃぁ夕食にな」

 

「はい」

 

鏑木の部屋を後にした。そして

 

 

牧瀬姉妹の部屋

 

「おーい、一ノ瀬だけども今いいか?」

 

言い

 

「どーぞ」

 

声が聞こえ入る

 

「ようやくあの部屋から出れたね」

 

「体の方は大丈夫?帰ってきた時に血まみれでヤバかったけれども」

 

日向と菖蒲に言われ

 

「まぁまぁボチボチかな、まだ軽く貧血する時もあるし鉄分が足りてないのかも」

 

答え

 

「そっか、大変だねでも一ノ瀬だけじゃないから必要なら言って手助けするから」

 

2人は言いつつも

 

「日向、お前腕は大丈夫か?」

 

聞き

 

「ええ、貴方程じゃないから大丈夫よ」

 

日向は言い

 

「そうか、」

 

俺は頷き

 

「じゃぁ、夕食でな」

 

部屋を後にする。

 

そして

 

 

大倉皐月&緒方沙織の部屋

 

看護師お二人にも礼を言いに来た。

 

コンコンコン

 

ノックし

 

「「どうぞ」」

 

声が聞こえ

 

「失礼します」

 

中に入り

 

「ああ、一ノ瀬君術後はどう?」

 

緒方さんに聞かれ

 

「ええ、順調です」

 

言い

 

「それは良かったわ」

 

大倉さんも頷く。

 

「中野さんと宮下さんの執刀する際にサポートして下さったと、お二人とも命の恩人です。ほんとにありがとうございます。」

 

俺は言い

 

「ううん、私達医療従事者の務めよ。それに私達も此処に置いて貰って感謝してます」

 

大倉さんは言い

 

「いえいえ、医療従事者の方が居て下さると心強いです」

 

話し

 

「あまり長居すると体に響くかもしれないのでこの辺りで失礼します」

 

言い

 

「「ええ、お大事に」」

 

言われ、部屋を出た。その後に俺は木村達の約束を果たす為に保管庫に向かった。

 

 

保管庫

 

「えっと・・・・ACOGは・・・・・・・」

 

光学機器を探し、

 

「お!、あったあった。」

 

人数分のACOGを見つけるも此処で気付く

 

「あれ・・・・確か89は専用のマウントベースが居るんじゃ・・・・」

 

思いつつも

 

「後は・・・・・あったあった」

 

89式小銃の実銃にも対応するR.A.S.を人数分持ち外に出ると

 

「お、もう怪我は大丈夫か?」

 

後藤さんに言われ

 

「ええ、ぼちぼちです。」

 

答え

 

「その手にある光学機器とR.A.S.は一体何に使うんだ?」

 

聞かれ

 

「友人らに」

 

答え

 

「成る程な」

 

後藤さんは頷き、ちらりと確認すると後藤さんのAEK971にはマウントベースは装備されているものの光学機器はない。もういっかい中に入り

 

「これ使いますか?」

 

米軍基地でパクってきていたACOGサイトをだし

 

「わるいなぁ、別にねだっているわけじゃないつもりだったが」

 

頭を掻きつつも

 

「じゃぁ、有難く」

 

そう言い後藤さんは受け取る。こうして一旦自室に戻ると

 

 

優希&真珠 寝室

 

「なにそれ、いっぱい」

 

真珠は言い

 

「悪い、そろそろ夕食だろうから一旦部屋に置かせてくれ。木村に手渡す装備品だよ」

 

答え

 

「分かったわ」

 

真珠が言い

 

「はい、これきがえね。」

 

渡され

 

「りょうかい。ありがとう」

 

頷き、そうこうしていると夕食に呼ばれ皆で今日1日を生き延びた事を感謝しつつ夕食を食べ、食後はお風呂の時間までは各自自由に過ごす事にしておあり、俺の姿は木村達の部屋に合った。

 

 

木村達の部屋

 

「みんな、約束のブツ」

 

俺ぞれにACOGサイトと89式小銃を使う2人にはR.A.S.を渡す。

 

「助かる、さんきゅう」

 

加藤がR.A.S.と光学機器のACOGを受け取り言い

 

「装着方法はわかるな」

 

言うと

 

「ああ、勿論」

 

加藤は言い

 

「ほれ、翼も」

 

翼にもACOGとR.A.S.を渡す。

 

「どうもです」

 

翼は言い手慣れた手つきでハンドガードを分解しR.A.S.を装備する

 

「ほれ、木村と田所も」

 

2人に光学機器を渡し

 

「おう、助かるぜ」

 

田所は受け取りM249に装備する。木村もHk417に装備する。

 

「じゃぁ、またあしたな」

 

俺は部屋から出る時に

 

「優希、蒼川とにゃんにゃんし過ぎて傷口開くような真似するなよ」

 

木村に言われ

 

「お前もか・・・勘弁してくれ」

 

俺は言い

 

「あははははは、じゃぁな良い夢を」

 

木村に言われ俺はげんなりしつつ部屋を後にする。そして自室に戻り

 

 

 

優希&真珠 寝室

 

 

「・・・お風呂の時間までまだあるね」

 

真珠は言い

 

「ああ、そうだな」

 

俺は言い

 

「1日が終わるってあっという間だな・・・・」

 

俺は呟き

 

「ふふ、そんなもんでしょ日々は」

 

真珠が言っていると

 

コンコンコン

 

ノックの音が聞こえ

 

「「・・・・・・」」

 

互いに顔を見合わせ

 

「どうぞ」

 

真珠言うと中に入ってきたのは宮川と新倉の2人だった。

 

「どうかしたの?」

 

真珠は聞くが、俺は何かを感じ取り

 

「わり・・・トイレ」

 

そっと部屋を出た。

 

宮川&新倉side

 

優希が出て行った後に2人は

 

「ごめん、ホントにゴメン」

 

2人は言い

 

「学校で貴方が追い出されそうになった時、私達ホントはこれが間違ってるっていうのが分かっていたのに何もできなかった。・・・・・・」

 

宮川さんは言い

 

「私も同じ。アイツらが間違ってるのに何もできなかった・・・そん時点であいつらと同類、唯一異を唱えた七瀬ちゃんは芯が強い子だからできた。」

 

新倉さんも言う中、私は

 

「仕方がないよ、私の性格もあんなだったしあそこで異を唱えれば二人も纏めて追い出されてたんだもの」

 

私は2人に言った。元から怒っていたわけではないし恨んでいたわけでもない。

 

「だからさ、皆で頑張って生き残ろうよ」

 

私は2人に言い

 

「「・・・・うん・・・・ありがとう!!」」

 

2人は言い

 

「そうだ、そろそろお風呂だし3人で入らない?」

 

私から言い

 

「「うん」」

 

2人も頷き。そして

 

「優希、いつまでも廊下にいると寒いでしょ入ってきなよ」

 

私が言うと

 

ガチャ

 

ドアを開け優希が入ってきた。

 

「という訳だからさ」

 

私は言い

 

「ああ、ゆっくり3人で語りながら風呂に入ると良い」

 

優希は詳しく突っ込まず言ってくれ

 

「俺はゲームでもしてるよ」

 

言い、ベットの上で携帯ゲーム機で遊び始める優希を他所に3人でお風呂に行くのだった。




次回~3人での語らい~を予定しています。


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第58話~3人での語らい~

湯船につかり、3人は語り明かす。


浴場

 

真珠と宮川と新倉の3人でお風呂に入る事に

 

「うわぁ・・・すごぉーい」

 

「うん・・・」

 

宮川と新倉の二人は言い

 

「私も初めて入った時はびっくりしたわ。」

 

私は言い

 

「さっ、浴槽に入る前に体を洗っちゃいましょう」

 

私達はそれぞれシャンプーにボディーソープを使い洗っていき

 

「いつ以来だろう・・・・まともに髪を洗ったの」

 

「うん、体を洗ったのも・・・・」

 

2人は言い

 

「ふふ、言うと思ったわ。私も初めて此処使った時そう思ったもの」

 

私は言い

 

「えっとさ・・・」

 

宮川さんが言おうとする前に、私は

 

「謝罪はもう必要ないわ、あれは半分は自分の日頃の行いのせい、もう半分も2人になんの罪もないもの。」

 

私はシャワーを浴びつつも言い

 

「「蒼川さん・・・・」」

 

2人は言い

 

「むしろ、よ生き残っていてくれたわ。」

 

2人に私は言った。そして湯船につかり

 

「ふぅ・・・疲れが取れてくわ・・・・・」

 

言っていると

 

「聞いてもいいかな」

 

宮川さんが唐突に言いだすも

 

「ん?、優希との関係の事?」

 

私は言い、ウィンクしつつ

 

「命の恩人でいて・・・・・「大切な人」・・・かな」

 

言うと、二人も顔を赤くし

 

「ご・・ゴメン・・・」

 

2人は謝るものの

 

「別に謝る事はないわよ。」

 

言い

 

「あの追い出されたその日のうちに優希に拾われてさ、このロッジに優希が連れてきてくれたんだ。もし優希が気付かなかったら、もし優希が私の存在を見て見ぬ振りをすれば、私はとうに死んでいたし、優希とあんな関係にも成る事はなかった。」

 

言い、続けて

 

「でも一言優希に対して言わせてもらえれば、紳士過ぎるのも考え物かな」

 

呟き

 

「紳士過ぎる?」

 

宮川さん言い

 

「ええ、私と付き合う前に何度か一緒の部屋で寝た事がるけれど優希は絶対に寝込みを襲う真似なんてしなかったわ、それどころか、隣で何事も無いような顔をして寝てるんだものそれが余計に女としてのプライドを削り倒していくのよ、女としての自信まで無くしちゃうところだったわ。」

 

優希に対する文句を言うように言い

 

「一ノ瀬君も気を使ったんじゃない?」

 

新倉さんが言ったが

 

「そこは分からないわ」

 

答えた。

 

「そっか・・・・となるとまぁ・・・えっと・・・」

 

宮川さんが何やら顔を赤くし聞くのをためらってる様子に気付き

 

「[やる事]ならもう[やった]わよ?」

 

答えると

 

「蒼川さん、その私達一応女の子なんだからそう生々しい事を軽々と言う物では」

 

新倉さんが顔を真っ赤にしつつブクブクと顔を半分湯船に付けて言い

 

「あははは、蒼川さんもなんというか・・・・」

 

宮川さんが笑う中

 

「でもね、優希と一緒に暮らしてみて優希が抱え込む闇でありそしてそれが原動力にもなっている事にも気付いた」

 

私は2人を見て言い

 

「「??」」

 

2人は顔を見合わせるが

 

「ほら、なんというか優希はさ、「養護施設」出身じゃない。」

 

言い

 

「ああ、成る程ね」

 

宮川は頷き

 

「確かに、クラスでも女子の一部がイジメてたけれども一ノ瀬君はどこ吹く風だったもんね」

 

新倉さんも言い

 

「そうね、それで面白くないって思った連中が何かしようとしてたけれども・・」

 

宮川さんが言う中

 

「優希が言った事だけれども優希はお父様を戦争でお母さまを事故で御両親とも自衛官だったからさ・・・・」

 

私は2人に言うと

 

「気の毒だね・・・・」

 

宮川さんは言い

 

「だからなのかもしれないね、こういう風に私達を迎えてくれたり救える人を助けようとするのは・・・・」

 

新倉さんも言った。

 

「優希の性格上だとそうなるかな・・・」

 

私も言った。2人と共に十分に温まり

 

「ふぅ・・・・十分に温まった、早く部屋に戻らないと優希が何しでかすか分からないしね」

 

私は言い3人でお風呂から上がり

 

「ゆっくり休むと良いよ」

 

部屋の前で言い

 

「「一ノ瀬君にありがとうって伝えて」」

 

2人は言い

 

「ええ」

 

私は言い部屋に入った。

 

 

優希&真珠 寝室

 

「zzzzzzz・・・・・zzzzzz・・・・・・・・zzzzzz」

 

携帯ゲーム機が床に転がっており既に寝落ちしている優希に布団をかけてあげ

 

「ふふ、こうしてみると同い年の男の子なのね・・・・・・・」

 

寝顔を見て私は思った。始まりはあの雪道でそして気付けば大所帯になり私達は家族も同然の関係になっていた。他人なんかじゃない、縁あって此処に行きついた、拾われた、救われた、そういう人たちが此処には集まっている。

 

「私はずっと一人だと思っていたんだけれどもなぁ・・・・」

 

寝ている優希の寝顔を見て言った。性格に難がある、氷の悪魔、観賞用美人なんてあれこれと言われてきた私に恋人と呼べる存在が出来るとは思わなかった。

 

「幸せそうな寝顔しちゃって」

 

私はそっと優希の脇のほうからベットに潜り込み

 

「お休み、私の愛しい人夢の中で会いましょう」

 

チュッ

 

頬にキスをし、優希に寄り添うように横になり私も目を瞑った。依然として外は危険であり、地獄の環境なのかもしれない。でも私達は力を合わせて生きている。一人ではない、皆が居る。私達はまだ大丈夫、まだいける。私はそう思っていた。希望を信じて。




次回~武器の選択~を予定しています。


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第59話~武器の選択~

翌日、優希はとある事をしてまた「怪我」をしてしまう。そしてとある事に気付く。


翌日

 

「痛ッ~~~~ッ・・・・・・」

 

試し撃ちをしていたHk416の銃身が折損しその破片でどうやら頬を切ったようで俺は左頬を押える。

 

「大丈夫か!!」

 

「衛生兵!!!」

 

木村と加藤が叫び、それに反応するかのように中野2尉や宮下1曹がすっ飛んできてくれ

 

「何があったの?!」

 

「中野2尉、あれが原因では・・・・」

 

宮下1曹は銃身が折れて壊れたHk416を指して言い

 

「頬を軽く切ってるわね・・・・痛いだろうけれども少し我慢して」

 

中野2尉に処置を受け、止血パットを張り上からテープで固定される。

 

「はぁ・・・さっそくこれか・・・・・」

 

俺は言いまたも銃身が折れたHk416を見て言い

 

「・・・・・まさか!!」

 

俺はある事を思い

 

「木村、加藤手伝ってくれ」

 

俺達は3人で予備のHk416の在庫の全て{2丁}をだし

 

「まさかとは思うが・・・・」

 

嫌な予感がした俺はHk416をでかい木に固定し、引き金に紐を巻き付け、セレクターをセーフティーからフルオートにクリックし、周りに俺達以外の人が居ない事を確認し

 

「発砲!」

 

紐を引くと勢いよく発砲されるがやはり・・・・

 

 

バキンッッ

 

 

1マガジン撃ちきる前に銃身がへし折れる。残りの一丁も試したがやはり同じ結果になった。

 

「( ^ω^)・・・・・・・マジか・・」

 

「( ^ω^)・・・・・・・安心と信頼のH&Kは何処行った?」

 

「( ^ω^)・・・・・・・オワタ・・・」

 

 

俺達はぶっ壊れたHk416を前にし

 

「・・・・・・全部耐久性の限界に来てたんだな・・・」

 

加藤が言い

 

「まぁ・・・元々416も417もDI方式のM4がベースだから無理矢理ショートストロークガスピストン方式に変更、改修したから伝わる衝撃はけた違いだし。部品の耐久性も著しく落ちるわな」

 

木村も言い

 

「はぁ~~、どないしようかなもう・・・・・堅実に実戦の洗礼を受けて改良を重ねてきたM4にするか・・・それともビニテで継ぎはぎ狂った国産小銃にするか頭が痛くなりそうだわ」

 

頭を抱えていると

 

「ふふふふふ、優希・・・何してるのかな・・・聞いたよ、また怪我したって」

 

背後に真珠が立っており

 

「優希、俺らでかたずけしとくからよ」

 

「あ・・・ああ、ごゆっくり・・・」

 

木村と加藤はさっそう俺を見捨て、ぶっ壊れたHK416の回収作業を始める。

 

「ちょっとこっちに来ようか・・・・・・」

 

にっこり顔の真珠に連れられ人目のつかぬ所に行き

 

「あまり無茶をしないでッ、まだ本調子じゃないんだから」

 

真珠に言われ、素直に

 

「ごめん・・・」

 

謝り

 

「ただ、武器の試射をしときたかったんだ。でもあんな事になるとはね・・・」

 

言い

 

「もう、身を護るはずの武器で命持っていかれたらたまったもんじゃないわよ」

 

真珠は言い

 

「違いない・・・」

 

俺は頷き、加藤と木村がせっせと壊れた銃の部品を回収する中真珠と俺も加わり作業をする。その後、銃本体からACOGサイトとウェポンライト・フォアグリップを回収し銃自体は廃棄物送りになった。

 

 

優希&真珠 寝室

 

自室で相変わらず今後の武器のチョイスに悩んでいた。

 

「うーん・・・89式小銃は国産の主力小銃で高性能なのは分かるが実戦を経験した事のない銃ゆえにどこが悪いかやそういったフィートバックがない分改修された事もないからな。作動方式はまぁ、M4よりはまともだが・・・・」

 

唸りながら考え

 

「M4A1は89式小銃と比べて性能も申し分なし、実戦経験も遥かに豊富でその実戦からのフィートバックを受けて何度も銃の改修が行われているからな、それにやはり魅力的なのはモジュラー・ウェポン・システムが採用されている所だよな。アクセサリを任務内容に応じて装備する事が出来る。だが半面デメリットとしては汚れに弱い、銃の耐久性がDI方式の影響で低下する・・・・・・・」

 

言っていると

 

「やぁ、中野に話を聞いたよ、Hkの持病に巻き込まれて酷い目に合ったって?」

 

秋本3佐が部屋に来ており

 

「スミマセン、気づかずに」

 

言い

 

「気にする事はないさ、それと私見によるアドバイスだが私ならM4A1を持っていくね。」

 

秋本3佐は言われ

 

「理由をお尋ねしても」

 

聞き

 

「まぁ、単純だが[特殊部隊]では銃の整備は基本中の基本だ、だからDI方式の影響による汚れやそういったものはそうそう残らないしジャミングも起こさない。なぜなら清掃作業は使用したら必ずやるからだ。それにHkを採用する部隊はごく一部だ。代表的な特殊部隊米海軍SEALチームも基本はM4A1だ。デブグルだけだなSEALでHKを使うのはな」

 

説明を聞き

 

「成る程・・・・・」

 

頷き

 

「君のようにコマめに銃の手入れを行うタイプならM4A1でも問題はないよ。予備の部品も潤沢にあるようだしね」

 

秋本3佐は言い、そして

 

「89式に関してだが性能は確かにイイ物だ。だが特殊作戦用にと言われるとこれもまたうーんと言ったシロモノだ。」

 

言い

 

「ちなみに私のチームもアメリカでのリムパックの演習時に米海軍からM4を借りたが遜色なく使えるイイ銃だった。あとは強化部品を組み込めば銃自体の耐久性は向上するからできれば強化パーツは欲しい所だな・・・・」

 

本職の自衛官としての経験から教えてくれ

 

「成る程・・・M4と強化パーツですか・・・・」

 

俺は言い

 

「まぁ、その所は米軍の基地からかっぱらってきたM4なら組んであるだろうから確認するとイイ、まぁ無ければ再度米軍基地に行くしかないがな。それと分からなければいつでも部屋に来てくれ。教えるから」

 

言われ

 

「ハイ、分かりました。ありがとうございます」

 

俺は言い

 

「じゃぁ、それと、お大事に」

 

顔の言われ頬を指して言われ

 

「すみません・・・」

 

俺は言い秋本3佐は部屋を出て行った。ベット上で天井を見ながら

 

{M4A1と89式小銃どっちにするべきか・・・・・}

 

やはり決められずにいるのだった・・・・・。




次回~木村も少し考える~を予定しています。


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第60話~木村も少し考える~

Hk416がダメになり、後継の銃器の選択に悩む優希を見て、もう一人Hkを使う木村も危機感を抱き始める。


翌日

 

「う~ん・・・・・・・・・」

 

「どないするか・・・・・」

 

武器や弾薬を保管している保管庫に野郎が2人・・・・・

 

「木村、どうしたよ」

 

俺は言い

 

「お前も煮え切らないのか?」

 

言われ

 

「互い様だろ」

 

俺は言い

 

「仕方がないさ・・・・」

 

互いに保管庫の武器を見て

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

やはり今まで使っていた分愛着がありそう簡単に武器を変えるのも抵抗がある事、そして事実上のダウングレードを迫られる事に納得がいかない事等思っていた。

 

「M4は悪くはないんだが・・・・やはりHkと比べるとなぁ・・・・」

 

どうしても高性能なHkシリーズを使っていた為躊躇ってしまう。

 

「ああ、分かるよお前お気持ちも。」

 

木村はい何時も

 

「だがあの持病は致命的だ・・・・銃身がへし折れるなんてのは」

 

同じく、銃を眺めながら木村が言い、昨日の秋本3佐の言葉が脳裏に過る。

 

「手入れコマ目にやればジャミングや作動不良の影響はほぼない。強化部品を組み込めば更に耐久性が伸びる。」

 

秋本3佐は俺に言った。

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

考える俺を他所に

 

「俺もあのHk417相当使い込んできたからそろそろ不安を感じるよ。丁度お前が米軍基地からM14EBRやM110を持ってきてくれているからここらが代替え時かと思ってな。それに俺も銃身折損をこうも何度も見ると、コイツに命を預けてもいいのかと迷いが生じるからな・・・」

 

木村は言い

 

「そうだよなぁ・・・・俺一人の命じゃないからな・・・・・」

 

俺は呟き

 

「そうだぞ、お前にもしもの事があれば、蒼川が泣くし俺も後悔したくないな」

 

木村は言い、それを聞いた俺は

 

「よし、決めた」

 

保管されているM4を運びだし始め

 

「どうするんだ?」

 

木村に言われ

 

「銃を点検して、保管状態の良い物を自分の装備にする」

 

答えると

 

「付き合うぜ、相棒」

 

木村も頷き、俺達は2人で十何丁あるM4を全て運び出し点検を始める。

 

「・・・・・・・こいつはダメだ、汚れがそこそこある」

 

「うーん・・・米兵もメンテナンスちゃんとやってるイメージあるんだけどなぁ」

 

2人で銃を一丁ずつテイクダウンし内部機構の確認をするが思いのほか汚れており

 

「木村、どうだ?」

 

尋ね

 

「いんやぁ、納得のいくやつはねぇなぁ今の所。」

 

木村は言い、俺も厳しい目でチェックしていく。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

 

時間をかけM4全てを見た結果、十数丁の中から選別出来たのはわずか3丁だった。

 

「はははははは・・・・はぁァ・・・・・・」

 

「マジか・・・・・・・」

 

げんなりしつつも選別を終えたM4を置き

 

「これ、秋本3佐に見てもらうわ」

 

俺は言い

 

「じゃぁ、今度は俺の手伝ってくれよ」

 

木村が言い

 

「ああ、オッケー」

 

もう一度保管庫に入り、中からM110とM14EBRを4丁づつ合わせて8丁

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

こんな事は海外に短期留学でもしてなかったらできなかっただろうし、こんな状況下に置かれないと正直必要な知識でもない。

 

「うーん・・・・これはまた・・・・」

 

俺はM14を木村はM110を見て行き、結果

 

「木村、こっち終わったぞ」

 

俺は木村の前に2丁のM14EBRを置き

 

「俺の基準でいいのなら、この2丁は合格だ。そっちは?」

 

木村に聞き

 

「ああ、こっちも2丁だ」

 

木村もM110を2丁置く。

 

「後は本職の人にでも見てもらうか」

 

俺は言い

 

「ああ、そうしよう」

 

木村も頷き、俺と木村は保管庫をあとにした。

 

 

 

自衛隊員待機部屋1

 

コンコンコン

 

ノックし

 

「入れ」

 

聞こえ

 

「失礼します」

 

俺達はそれぞれ銃器を持ち

 

「秋本3佐、意見もらえませんか」

 

抱えている3丁のM4A1を見て、察し

 

「分かった、貸してくれ」

 

秋本3佐にM4を3丁とも渡し見てもらう。

 

「・・・・・・・・カチャ・・・・・・カチャ・・・・ジャキンッ・・・」

 

一丁ずつ細かく見ていく、目つきは戦場を経験した事のある[特殊部隊員]そのものの目つきをしている。そして

 

「うん、大丈夫だ、銃の目利きも大したものだ」

 

秋本3佐は言い、今度は浅見2尉と共にM110とM14EBRを見ていく。

 

「・・・・・・・・・・・ジャキンッ・・・カチャ・・・カチャ・・・」

 

点検し

 

「カチャ・・・・カチャ・・・・・ジャキンッ・・・カチャ・・・」

 

浅見2尉も細かく見て行き

 

「3佐、こっちは問題ないです、そっちはどうですか?」

 

言い

 

「うむ、こっちも問題なしだ。だがM4に至っては強化パーツは未装着の個体のようだな。となるともう一回米軍基地に出向いて部品を武器庫か部品保管庫あたりを漁る必要があるな。」

 

秋本3佐に言われ

 

「どのような部品ですか?」

 

俺は尋ね

 

「私がアメリカ軍の友人に聞いた話だと確か・・・・・・」

 

秋本3佐は以下の部品が必要だと言った。

 

1 タングステンカーバイドやチタン製のボルト

 

2 ボルト周りの関連の高耐久性の部品

 

3 予備のボルト

 

4 M4の運用維持の為のスペアパーツ

 

この3つを上げられた

 

「成る程・・・・」

 

持参したメモ帳にメモするも

 

「お前は当面は動けないだろ、代わりに俺達が行って取ってきてやるから」

 

木村は言い

 

「むぅ・・・・・」

 

俺は唸るも

 

「言う事聞かないとお前の嫁の蒼川にチクるぞ」

 

木村は俺を脅し

 

「まだ嫁じゃない」

 

「まだと言う事はそう言う事も検討してると」

 

木村は言い

 

「もう勘弁して・・・言う事聞くから・・・」

 

白旗を上げ

 

「あはははははははは」

 

秋本さんらに笑われる辱めを受けた俺だった。




次回~ラーメン~を予定しています。


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第61話~ラーメン~

無性に食べたくなる物はあれこれ存在するが・・・・


「もう・・・ラーメン作るのに此処までの食材が居るの?」

 

中野2尉が運転する軽装甲機動車に乗りポスポコに物資の補充に行く中乗員の1人牧瀬日向は言い

 

「全く、加藤君と田所君ときたら。」

 

同じく助手席に乗る私、蒼川真珠も同調する。物語は昨日の夕食時にさかのぼる

 

 

昨日の夕方

 

 

「真珠のバターチキンカレー!」

 

「いや、俺達の完全再現ラーメン屋くるりんぱの味噌ラーメンだろ」

 

夕食つくりに日向と菖蒲後は新倉さんと下の階に来ると優希と加藤君田所君が言っており

 

「まぁまぁ、そりゃぁ自分の女の作った飯は最高だというお前の言う事は分かるさ。だがわすれちまったのか、俺達が苦労を重ねて完全再現に成功したあのラーメンを」

 

加藤君が優希に力説するも

 

「そりゃぁ、ラーメンもうまいかもしれないけれども直ぐに腹減るから夜食が欲しくなる。それに真珠に監視されてるような状況で夜食の調達は命がけになる。」

 

優希は言っており、それに負けじと田所君が

 

「そこは量でカバーだ。必要なら唐揚げや餃子にチャーハンも付けるから問題ない」

 

言うが、そこに私も

 

「2人のブラックホール並みの胃袋と一緒にしないでくれる?それに食材ロスは絶対にダメよ。無駄にすればその分のツケが必ず来るわ」

 

話に割って入り

 

「おわ・・・・蒼川聞いてたのか」

 

加藤君と田所君は言い

 

「ええ、それと優希、夜食なんてまだ本調子じゃないんだから駄目よ。前に私の目を盗んで一人でお手製ハンバーガー作って食べようとしてたんだもの、病み上がりにジャンクーフードがいいわけないでしょうに」

 

言われ

 

「ハイ・・・・・スミマセン」

 

俺は小さくなるも

 

「でも、うれしいわね、またバターチキンカレー食べたいって言ってくれるのは」

 

言われ

 

「だって美味しいし」

 

俺が言う中

 

「あ・・・あの・・お二人さん、二人だけの世界作らないでくれ、独り者には目の毒だ」

 

加藤が言い

 

「うーんでもラーメン食べたいなぁ・・・・」

 

田所も頷く中

 

「じゃぁ提案!」

 

私は優希を含む3人に言い

 

「今日の夕食は私達がバターチキンカレーを作るわ、そして明日はそっちが思う存分作って!どうせ明日に一度ポスポコに食材の調達に行かないといけないから」

 

私は3人に言い

 

「分かった」

 

加藤君は言い

 

「じゃぁ、作るのに必要な物を書いて渡すから頼んでいいいかな」

 

田所君は言い

 

「じゃぁおれ・・・・」

 

優希が言おうとするのを遮り

 

「優希はお留守番ッ!」

 

言い

 

「・・・・ハイ・・・・」

 

シュんとする優希に二人は

 

「まぁしょうがないって・・・」

 

「今はおとなしくしとこうや・・・・」

 

2人に言われ

 

「ああ」

 

言う優希に

 

「何かもってきてあげるから、拗ねないで」

 

私も言い

 

「はははははぁ・・・・・」

 

ため息をつく優希だった。

 

 

 

処戻って車内

 

「えっと、渡された紙は・・・・」

 

菖蒲さんが確認し

 

「何々、

白ネギ3本

ニラが多めって曖昧ね、

もやしが1㌔

半熟に卵がこれも多め

すりごまが二袋

チャーシュー×1

平うち麺が人数分×2って全員大喰らいじゃないんだから

味噌×2

ラード×1

取と豚のスープの素×1」

 

と記載されており

 

「はぁ~、あの2人ほんとに作れるのかなぁ」

 

同行してきている菖蒲も言い

 

「全くね無駄にならないといいのだけれども。」

 

こうして私達はポイポコに到着し普段通りに店内で物資の調達を始めるのだった。

 

店内

 

「頼まれた物は入れたわね」

 

中野2尉が言う中

 

「え?コカ・コーラ?」

 

私がコーラを数本カゴに入れているのを見て

 

「優希結構好きなんですコーラがだから土産にと」

 

言い

 

「成る程ね」

 

中野さんは言い

 

「チャーシューあったよ~」

 

「冷凍物だけども野菜も」

 

「麺も何とか・・・かな」

 

牧瀬姉妹がそれぞれ持ってきて

 

「まぁ・・・・これくらいで大丈夫かな?」

 

指定された物をカゴに入れ、後は消耗品などを店内から失敬し私達は車内に戻った。

 

「一体、どんな味噌ラーメン作る気かしらね?」

 

中野2尉は言い

 

「おねぇはどんなのだと思う?」

 

菖蒲は姉の日向に言い

 

「うーん、想像つかないけれども完全再現っていうくらいだからハイクオリティな物じゃないかと思うんだけれども」

 

日向も言う中

 

「うーん予測が私もつかないわね」

 

私も言う中、拠点のロッジを目指して軽装甲機動車は走るのだった。そして、夕食に出てきたラーメンが恐ろしく本格派なラーメンだったと知る事になる。

 

 

夕食時

 

「相変わらず、すげぇなぁ」

 

隣で優希が言う中

 

「だろ」

 

加藤が言いつつも1人1人の前にどんぶりを置く2人。先に結論から言えば恐ろしいほどに美味しかった。皆の前に置かれそして唐揚げとチャーハンも置かれる。

 

頂きますッ

 

皆がそれぞれ食べ、

 

「うん、美味しいな相変わらず」

 

優希は言い

 

「ああ、何もかもが元通りなったらもう一回「くるりんぱ」に行きたいわ」

 

ラーメンをすすりつつ木村君が言い

 

「美味しいわ、すごく」

 

私も気づけば橋が進んでいた。自衛隊の人達も

 

「うん、店で修行でもしたのかと言えるような味だな」

 

秋本3佐は言い

 

「店に通いまくって味を覚えましたからね」

 

田所が言い

 

「いやぁ・・・店主もおどろくだろうな、味をコピーされるとは思わないだろう」

 

後藤さんも言い箸を進める。

 

「おいしいなぁ・・・」

 

牧瀬姉妹も味わうように食べ

 

「ふふ、本当に超本格的なラーメンですね、唐揚げやチャーハンも美味しい。」

 

大倉さんや、緒方さんも箸を進めている。私も

 

「負けたわ、本当にすごく美味しいわ二人とも」

 

加藤や田所に言い

 

「御代わり欲しい人、遠慮なく言ってくれスープも麺も人数分も十分あるからな」

 

その日の夕食はいつになく美味しく感じた夕食だったと私は思った。




次回~状況が動き出す~を予定しています。


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第62話~状況が動き出す~

あれから数か月、これと生存者グループとかち合う事も、感染者の集団に襲われる事もなく過ごし、そして優希も全快した。


優希&真珠 寝室

 

「俺氏復活!!!」

 

天を見上げるようにガッツポーズを取る俺に

 

「もう、無理しないでよ」

 

真珠は言った。中野さんや宮下さんの診察で傷口が完全にふさがり完治したと判断され俺は今日から探索に加わる事になったのだ。

 

「よし、いこうか、相棒」

 

破損したHk416の代わりに新たに自身の相棒としたM4A1カスタムを俺は携えた。木村が動けない俺の代わりに再度米軍基地に行ってくれ、部品保管庫を隅々までひっかき回した所、M4の強化パーツが結構な数が見つかりそれを持ってきてくれた。後は予備の部品と。そしてそれを秋本3佐と浅見2尉が組付けてくれ、厳選した3丁のM4は全てカスタムモデルとなった。

 

その日、久しぶりに外に出て、巡回ルートをM4カスタムを携え久々に周り異常がないかを確認した。

 

「健康って最高!!」

 

そう思っていたが、朝食後に1つ不穏な情報が上がる

 

チーム木村sRoom

 

「地元の暴力団?」

 

木村が言いだし他のメンバーも

 

「ああかなりの規模だ。別荘あんの分かるだろ。あの馬鹿でかい」

 

加藤が言い

 

「お前に頼まれた物を回収しに米軍基地に行ったときに危うく見つかりかけたんだが何とか見つからずに済んだ。だが装備を見たが俺達とほぼ互角だった。」

 

田所も言い

 

「それは秋本3佐らに報告は?」

 

俺は尋ね

 

「一応はしました。必要に応じて警戒態勢を取るとも言っていましたけれども。」

 

翼も言った。

 

「はぁ・・・・どうしてこうも次から次へと・・・・」

 

俺はため息をつきつつ言い

 

「だがまだ此処が見つかったわけじゃない。」

 

加藤が言い

 

「そうだ、今段階では深刻にとらえる心配はないんじゃないか?」

 

田所も言う中

 

「それで、聞いてなかったが装備は?」

 

聞き

 

「そうだ、ありゃぁヤバイ、拳銃なんて序の口自動小銃にショットガンに果ては軽機関銃に何でもありやがる。」

 

木村は言い

 

「正直、あれと戦争になったらこっちは大損害だぞ」

 

加藤も言い

 

「重火器はこっちもありますけれども頭数が多いと対処が面倒ですね・・・」

 

翼も頷いた。確かに頭数が多いとそれだけ武器や弾薬の消費が大きくなる。

 

「万が一の時の為に阻止用のトラップ増設するか?」

 

俺は言い

 

「うーん・・・・今現状での判断が付かないから俺も正直迷ってる処はあるな」

 

木村は言い

 

「そうか、だがそうなると迂闊に動くわけにはいかないし万が一の事があれば大惨事だな」

 

俺は言い

 

「今のうちに装備の確認しとくか?」

 

加藤は俺に言い

 

「確かに、武器・装備・弾薬・の状況把握。は大事だ。」

 

万が一を考慮し武器・弾薬保管庫に確認に俺達は赴いた。

 

 

武器・弾薬保管庫

 

「えっと・・・弾薬は・・・」

 

「それぞれに纏められてるな」

 

「確認しやすい」

 

「助かりますね」

 

俺達は弾薬の確認を最初に行い

 

38SP弾  残弾 十分

9㎜弾  残弾 十二分

45ACP弾  残弾 十分

50AE弾  残弾 十二分

4.6㎜弾 残弾 十二分

5.56㎜弾 残弾 十二分

7.62㎜弾 残弾 十二分

12ゲージショットシェル 残弾十分

50BMG弾  残弾 心許ない

M84無反動砲弾 十分

 

一通り確認し

 

「重機関銃の50BMG弾と無反動砲の84㎜砲弾が心許ないな。」

 

メモ用紙に書き込み加藤が言い

 

「ああ、次は武器だな」

 

そのまま武器の確認を行う

 

9㎜拳銃{SIG P220}

9㎜拳銃{SFP-9}

M360J SAKURA

M9A1

M45A1

M17

DE50

89式小銃

M4A1 アサルトライフル

M16A2アサルトライフル

M1014

M870

M870MCS

MP7A1サブマシンガン

MP5SD6

M249ミニミ軽機関銃

M24SWSスナイパーライフル

M1500スナイパーライフル

M14EBR

M110スナイパーライフル

M107対物ライフル

M84無反動砲

重機関銃M2{96式装輪装甲車に装備}

 

「良く此処までかき集めたよな」

 

木村は言い

 

「はは、確かに。」

 

俺も言い

 

「過剰な位で丁度いい。足りないより遥かにマシだ。」

 

加藤は武器と弾を見て言い

 

「ああ、違いない。」

 

田所も頷き

 

「過剰な位が自分の身を守れますからね」

 

翼も言ったのだった。

 

「後は・・・・・・」

 

そのまま確認を進め

 

手榴弾

閃光手榴弾

対人地雷

 

等装備品の残を確認し

 

「増量するか?」

 

木村は言い

 

「その方がいいかもな」

 

加藤が頷き、

 

「じゃぁ、俺の最初の仕事は装備の確保とチンピラへの警戒だな・・・」

 

言い

 

「外出を蒼川が許すか否かだな問題は」

 

田所が笑いながら言い

 

「所帯を持つとたいへんだねぇ、同情するよ」

 

木村にからかわれ

 

「お前も分かるよ、そう遠くない未来に」

 

皮肉に皮肉で俺は返した。そこに

 

「あれ?お前ら何やってるんだ?」

 

後藤さんが来て、話をし

 

「あ~あ、あそこの組かえっと任侠山川組だったはずだな」

 

言い

 

「知ってるんですか?」

 

俺は尋ね

 

「ああ、情報程度にだがな」

 

そう言い後藤さんは語りだした

 

「あそこの組を束ねる組長さんと奥様は人格者で有名だがその息子がいかんせんなぁ。まさに[どうすればあの両親からあんな奴が?]と言うくらいのアホウな息子が居るはずだ。」

 

話を聞き

 

「元締めはすこぶる人格者でもその息子がパッパラパーか。」

 

俺は言い

 

「そういう奴が何かしでかすとそれが種火になって戦争が起きちまう。だから親父さんも苦労しているだろうさ、そのボンクラ息子の扱いにな」

 

後藤さんは言い

 

「自衛隊の奴らにも聞いたが、万が一にはその組と戦争になるかもしれないとかな」

 

言うも

 

「あっちが先に手出ししない限りこっちからは仕掛けない。」

 

言い

 

「賢明だ。火の中の栗を無理に拾う必要はねぇ」

 

後藤さんも頷き

 

「とありあえずは用心には越した事はないな」

 

皆が頷くのだった。




次回~プランB~を予定しています


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第63話~プランB~

大所帯になった一行にそして不安要素も尽きない現状の最中優希はプランBを練り始める。


一ノ瀬家 所有ロッジ

 

優希・真珠 自室

 

「驚いたな・・・・まだインターネットが使えるなんて・・・」

 

俺は驚きつつも

 

「えっと・・・・ここら辺・・・・・・かな?」

 

調べ物をする傍ら

 

「カチャ・・・・・カチャ・・・・カチャ・・・・」

 

傍では真珠がMP7を分解整備している、ちらりと目をやるとかなり手慣れた手つきになり

 

「手慣れたな、真珠」

 

言うと

 

「ふふ、教えてくれた人が上手かったからね自衛隊の人達にも驚かれたわ」

 

真珠は言うと分解した部品を丁重に清掃していき、オイルを塗布し再度組付けていく。やはり彼女は物覚えは抜群に言いと思った。

 

「それよりも優希何調べてるの?」

 

聞かれ

 

「いや・・・・・・うん・・・まだ話せる段階じゃないな・・・ぬか喜びもさせたくないしな・・・・」

 

俺は答えた。

 

「むーーー」

 

真珠はリスのようにむくれるが

 

「ダメな物はダメ」

 

言うと

 

「仕方がないか・・・」

 

これまたあっさりと引いた、しかし

 

「でも真珠ならイイかな。」

 

俺は言い話し出す

 

「えっとさ、此処親父とお袋の持つロッジだろ?でもそれは1つじゃないんだわ」

 

答え

 

「え?!」

 

真珠は驚き

 

「もう一つあるんだ。最近此処も危険度が上がって来たしそれに分要素も増えてきただから万が一の際には全員が退避できる所を今のうちに確認しておきたいんだだなこれは」

 

言うと

 

「あのさ・・・・そう言う事は前もって・・・・と言っても無理よね・・・」

 

言われるが

 

「悪いな、あと正確に言えば親父が俺の祖父にあたるからえっと親父の親父さんから相続したもう一つのロッジかな」

 

答える。

 

「大丈夫なの?なんか話聞くと年期入ってそうだけども」

 

言われるも

 

「心配はない。リフォームしてるし最新の発電システム完備してるしで問題もないよただ、問題があるとすれば・・・・それは[距離]だな・・・・」

 

俺は言い

 

「え?」

 

真珠はポカンとした顔をし

 

「遠征になるかもしれないと言う事さ。県をギリギリ跨ぐ事になるかな。今の状況だとまるで[特殊部隊]が第三国に潜入するような状況かな」

 

答えパソコンの画面を真珠にも見せる。

 

「えっと・・・・S市・・・此処と同じ山間部ね」

 

答え

 

「ああ、だからもし行くとすればそれなりの装備、弾薬、車両、糧食、燃料が必要になるな。それに真珠にこんな事言いたくはないが[生きて帰れる保証もない]現地で何かがあれば対処もしないといけない。」

 

真珠に答えると

 

「そう・・・・・・やっぱり行くの?」

 

「ああ、ナビゲーターは必要だろう?」

 

答え

 

「規模は?」

 

「うーん・・・小隊規模カナ・・12人前後。そんな一個小隊20人引き連れていくほどでもないしそれに現地で同じサバイバーに合った時に完全武装の人員20人もいたら完全に誤解されかねないしね」

 

言い続けて

 

「小銃手が6人に無線手が1人に分隊支援火器手が2人に狙撃手が2人の10人1小隊かな?」

 

 

答えると

 

「優希、その小隊の中には私は含まれてるのかな?」

 

聞かれるが

 

「いや、お前には拠点に残ってもら・・・」

 

「イヤよ」

 

言い終わる前に真珠にバッサリと切られ

 

「イイかしら、前にも私言ったけれども私と貴方は2人で一人。それに私は狙撃手よ優希の役に立てるわ!!」

 

言われるも

 

「気持ちは嬉しいが今回ばかりは堪えてくれないか?」

 

「なんで」

 

「小銃手6人は俺と翼と田所に後藤さんに後は自衛隊側から2名に無線手も自衛隊員が望ましいし分隊支援火器手は加藤とこれももう1人自衛隊員から。狙撃手も木村が居るしあともう1人も自衛隊員が望ましい。自衛隊員らは此処の防備を任せられる最適な存在だから外部での戦闘で無益な損耗を出してほしくはない。それにお前を連れて行かない理由は今この状況下だ感染体以外にも敵性サバイバーが居てもおかしくはない。お前この状況下で[女]が敵に捕まった場合どんな扱いを受けるか分かるか?それを俺の口から言わせるつもりか?」

 

「ッッ」

 

真珠は黙り込んだ。この無法地帯と化した状況下で捕まれば[男]は殺されるだけで済むが[女]はそうは行かないそれ以上の惨い目に合う。リスクは出来るだけカットするのが上等だろうと判断したつもりだ。

 

「戦いで傷つくのも、死ぬのも男だけで沢山だよ。」

 

俺はパソコンを閉じ自身のM4A1Customを取りメンテナンスを行うが

 

「・・・・・・・・・納得できない・・・・・」

 

真珠は呟き

 

「・・・・・・・・・・・」

 

俺は言葉を返さなかった、この日初めて俺と真珠は眠るとき一言も交さず眠りについたのだった。




次回~志願~を予定しています。




駄作者です、皆さまお久しぶりです。こちらの方もそろそろ更新を再開する為更新停止を解除しました。お願いします。


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第64話~志願~

翌日、優希は計画している事を皆に話すが・・・・・・


一ノ瀬家 ロッジ

 

ダイニング

 

「ふむ・・・・・・成る程遠征か・・・・」

 

秋本3佐は腕を組み

 

「規模は小隊10名で派遣か・・・・」

 

浅見2尉も言い

 

「今段階で本決まりは一ノ瀬君、高本君、田所君、加藤君、木村君に後藤さんか」

 

朝霞1尉は頷き

 

「後4人だな・・・・」

 

大村陸曹長も頷く。

 

「振り分けは?」

 

秋本3佐に聞かれ

 

「俺、高本、田所、後藤さんは小銃手です。足りない1名をお借りできれば 後に関しては木村は狙撃手、田所は分隊支援火器手ですそれぞれ1名ずつお願いします。最後に無線手を1名。」

 

伝え

 

「成る程・・・・解った。こっちの方で志願者を募ろう。命令は出来ないからな。」

 

秋本3佐は言うと直ぐに

 

「でしたら私が同行します」

 

朝霞1尉が言い

 

「1人決まりだな」

 

「私もお供します。一ノ瀬君に償いが出来ていません、それに無線ならお任せください」

 

河野陸士長が志願する。

 

「2人決まりだな」

 

「分隊支援火器手なら私が行きます、小隊長」

 

田端2曹が志願する

 

「誰かスナイパーは居ないか?」

 

秋本3佐が言う中2つの手が上がる

 

「なに?!」

 

秋本3佐も驚く

 

「{真珠の奴・・・・・・}」

 

内心思いつつも腕を俺は組み

 

有馬3曹と真珠の手が上がったのだから

 

「ちょっと、蒼川さん本気?!」

 

宮川さんや新倉さんが言い

 

「蒼川先輩本気ですか?正直私達にとっては未知への挑戦のようなものですよ」

 

鏑木も言い、部隊の指揮官を買って出てくれた朝霞1尉も

 

「我々は未知への場所へ出撃するようなものだ。[最悪の事態]を覚悟はしてるのかい?」

 

問われる真珠だが

 

「ええ・・・・聞かれるまでまりません、昨日一晩で覚悟を決めました。殺す覚悟も殺される覚悟も」

 

真珠の普通の穏やかな目ではなく鋭くそしてブリザードのような見る者を全てを殺すような刺すような視線に全員が一瞬凍り付くも

 

「はぁ・・・・・」

 

俺はため息を付き、朝霞1尉に

 

「すいません朝霞1尉、真珠も連れて行きます。なんだかんだ言って狙撃手としてのコイツは優秀です。それに大いに越した事はありませんし」

 

「秋本3佐から君達2人の関係は聞いてはいるが・・・・」

 

「戦場に[愛]は必要ありません、1人の対等な相棒として接します。それに狙撃手には護衛を兼ねたスポッターが必要でしょうし、最悪の場合真珠が敵に捕まりそうな場合は[俺が始末]を付けます」

 

始末をつけるそれは[真珠を俺が殺す]と言う事を意味している。

 

「私も異存はありません、朝霞1尉」

 

真珠は言い変な所で狂いが生じたが、11名の小隊は明日にも出発する事になりそうでそれぞれが準備をする事になった。

 

 

優希&真珠 部屋

 

「ごめんなさい・・・・ムリ言って」

 

「気にするなよ、それよりも俺の後ろから離れるなよ。狙撃手とスポッターの事も聞いてるとは思うが」

 

俺は言い

 

「ええ、聞いてるわ。問題はないわよ」

 

「ならイイ。俺が願う事は俺がお前に引き金を引く事態にならないように成る事だけだ」

 

「重々理解しているわ」

 

「なら俺からはクドクド言うつもりはない。」

 

「ありがとう」

 

真珠も頷き

 

「悪い、保管庫から弾薬持って来るわ、真珠は4.6㎜と7.62㎜だったよな」

 

俺は言い

 

「ええ、お願い」

 

「了解了解」

 

俺は手をヒラヒラさせて弾薬を取りに行った。

 

 

弾薬保管場所

 

 

 

「えっと・・・・・・5.56と9㎜と・・・・・後は4.6㎜と7.62だよな」

 

箱を数個もって居ると

 

「よう、兄ちゃん」

 

後藤さんに声をかけられ

 

「準備のほうはどうですか?」

 

「ぼちぼちだな。予備の弾倉に弾を込めてる処だ後は手榴弾とか予備の装備品もな」

 

後藤さんは言うと5.56㎜の弾が入ったケースを1つ持ち

 

「兄ちゃんも今回の遠征では死なんように頑張ろうや!!」

 

言われ

 

「ええ」

 

俺も頷くのだった。ついでに弾薬を友人らにも届ける事に・・・・

 

 

木村達一行の部屋

 

「うーす、弾薬のデリバリーでーす」

 

部屋に入ると木村達がそれぞれのマガジンに弾薬を装着しており

 

「お!5.56㎜か助かる!!」

 

田所は5.56㎜弾を200発1セットのベルトリンクを作っており既に数セット作ってるようだった。

 

「ほれ、5.56㎜弾とあとは9㎜弾にコイツは木村用だ7.62㎜弾」

 

弾薬ケースを置き

 

「悪い悪い助かるよ」

 

木村も言いつつ空きのマガジンに7.62㎜弾を込めて行く。

 

「悪いな木村、ホントなら俺がお前の護衛兼スポッターに付くつもりだったんだが」

 

「気にすんなよ、それに蒼川のお手並み拝見と行きましょうや。狙撃手としてのアイツの能力がいかほどなのかをね」

 

木村は言ったのだった。後の加藤と翼は5.56㎜弾をマガジン込めて積み上げており

 

「こっちも準備はできそうだ、もんだいはないぜ」

 

加藤が言い

 

「頼むぜ」

 

俺も言い真珠が待つ自室へと戻るのだった。

 

 

所戻って自室

 

「ただいま戻りました・・・・」

 

戻ると真珠がM24SWSのチェックを行っていた。

 

「お帰りなさい」

 

普通に言うが彼女の目は鋭い

 

「ほらこれ弾」

 

真珠の脇に置き、自分のM4A1Customに使うマガジンに5.56㎜弾を込めて行く。互いに無言の作業が続く中

 

「ふぅ・・・・・こっちはオッケー・・・そっちわ?」

 

「こっちもよしよ」

 

真珠もMP7用のマガジンに4.6㎜弾を込め終えており、また7.62㎜弾をゴムで一纏めにし終えていた。

 

「優樹も終わったようね」

 

真珠も5.56㎜弾がセットされたマガジンを見て言い

 

「ああ、全部で装備するのは12本今回は全部30発入りのロングマガジンにしただから全部で360発分はある。銃本体に突っ込んでるの含めると390発だがな。予備の弾倉も10本以上は背嚢に入れていくし、拳銃用の弾倉も携行は5本75発分に後は手榴弾や指向性地雷も携行する」

 

説明し

 

「俺の任務はスナイパーであるお前を守る事であると同時に敵の手にお前が落ちそうな時は迷わずお前を殺す事だよ、自分の恋人に酷い話してるのは謝るけども」

 

言うが

 

「戦場に[愛]は必要ないでしょう、持ち込む必要もないわ。逆に貴方が敵の手に落ちそうになったらどうする?」

 

真珠に言われ

 

「自分でケリをつけるよ」

 

答えベストに小銃用、拳銃用とマガジンを装備していく。しかし背後に真珠の気配を感じた時、そっと抱きしめられ

 

「ごめん、酷い事言ったわ・・・・・ホントにゴメン」

 

真珠は言うも、俺は手を取り

 

「間違ってないよ、戦場に[愛]は不要だし互いの背を守り合うけれども同時にどうにもならなくなったら互いの命を刈り取る。だからもしもの時は一緒に死のう」

 

「・・・・・うん・・・・・」

 

真珠も頷き

 

「さっさと寝ちまおう、明日から大忙しだ。武力偵察しに行くようなもんだしな」

 

言い

 

「ええ」

 

互いに準備を終えベットに横になり

 

「お休み」

「お休み」

 

互いに言い

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

そっと互いを抱きしめ合うように眠りに落ちて行くのだった。




次回~武装偵察隊~を予定しています。


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第65話~武装偵察隊~

翌日、11人からなる即席小隊は目的地に向かう為ベースを離れる事になる。


ベース

 

一ノ瀬家 ロッジ

 

「よっこいしょっと」

 

軽装甲機動車を2台使用する任務になる。俺達は荷物を積んでいた。

 

「優希、ほれ弾薬」

 

「サンクス」

 

「全員分の糧食」

 

「へいよっと」

 

俺と木村と翼が荷台に装備品を突っ込む中

 

「加藤、コンくらいでいいか?」

 

「ああ、そこのボルト取ってくれ」

 

「あいよ」

 

加藤と田所の2人は車載用装備にM249ミニミ軽機関銃をセッティングしている。

 

「優希、此処に皆の銃火器置いとくわよ、やたらと多いわね」

 

「サンキュー、真珠」

 

真珠が皆のそれぞれの武器を持ってきてくれた。そこに

 

「よっこいしょっと、燃料オーケーだぜ」

 

後藤さんが燃料を詰めた携行缶を持ってきてくれていた。

 

「ありがとうございます」

 

俺は言った。

 

 

脇では

 

「朝霞1尉、車載装備の取り付け完了です」

 

田端3曹は天窓から言い

 

「よし」

 

朝霞1尉は言い

 

「1尉、車載無線機も2台とも異常なしです」

 

河野陸士長が報告し

 

「よし」

 

「物資の搬入と予備の携行缶準備オーケーです」

 

 

2台の軽装甲機動車は準備を完了し

 

「今更私から言う事はとくにはない。今まで協力しながら生き延びてきたんだ。とにもかくにも怪我無く、死人を出さぬように最新の注意を払って行動し無事に此処に戻って着てくれ。皆の留守は我々が此処を守るから心配しないでくれ。武器を構えろ、敵対する奴は迷うな、無事に帰ったら一杯やろう」

 

秋本3佐は言い

 

「では行ってまいります、3佐」

 

朝霞1尉は言い

 

「気を付けろよ」

 

「ハイ」

 

周りも

 

「気を付けてな~」

 

「怪我すんなよ」

 

「真珠~気を付けてね~~~!!」

 

仲間達が見送る中俺達はそれぞれの武器を持ち乗車した。

 

 

1号車

 

運転 後藤

 

助手席 一ノ瀬

 

後席 真珠

 

後席 木村

 

軽機関銃手 田所

 

後部 積載装備品&翼

 

 

2号車

 

運転 河野陸士長

 

助手席 朝霞1等陸尉

 

後席 加藤

 

後席 有馬3等陸曹

 

軽機関銃手 田端2等陸曹

 

 

こうして合計11人からなる偵察小隊は目的地に向けて出発したのだった。

 

 

車内にて

 

1号車車内

 

「酷いです、先輩方あんまりだ、何で俺だけ車載装備品と同じ扱い何ですかイテッ」

 

翼が後ろで喚き

 

「少し黙らないと脳天ブチ抜くわよ」

 

真珠が脅す。

 

「よせよせ、出発そうそう仲間割れなんぞ」

 

運転しつつも後藤さんは言い

 

「ああ、大丈夫ですよじゃれついてるだけですから」

 

俺は言い

 

「しかし、なんだこの迷彩服まで、俺達まで着る意味あんのか?ボディーアーマーは分かるが。」

 

後藤さんは言った、そう俺達は今陸自の迷彩服を着ている。今回向かう場所が山岳地帯ともありカモフラージュの意味合いもかねてだの判断だった。

 

「それはそうとボディーアーマーをもう外すなよ兄ちゃん。また撃たれたら笑えねぇからな」

 

後藤さんは笑いながら言った。俺達は迷彩服の上から陸自迷彩のLBT系統のアーマーベストを着用していた。機動性を重視した装備だった。

 

「勘弁して下さい」

 

俺は言い

 

「きむ・・・・・・ら・・・・って・・・・寝てやがる」

 

「zzzzzz~~~~~~~zzzzz~~~~~~」

 

後席を見ると今回の任務用にM14EBRをチョイスしてある木村が銃を抱えながら眠っていた。

 

「ふふ、疲れ気味だったのね」

 

真珠は言い

 

「そのまま寝かせてやれよ」

 

俺は言い

 

「ええ」

 

真珠も頷き

 

ゴンゴんゴン

 

天井を軽く叩き

 

「田所、どや?」

 

聞くと

 

「事故車と死体の山だよ全く嫌になっちまう光景だ」

 

田所は言い

 

「外はもっと酷い・・・・・か」

 

俺はM4Customを触りつつ呟くのだった。

 

 

2号車

 

「長い長い旅の始まりだな」

 

助手席の朝霞1尉は言い

 

「ええ、でも退避できる予備陣地は必要ですからねこのご時世は」

 

河野陸士長は運転しつつも無線を弄り

 

「ダメですね、とんとナシのツブテだ」

 

言い

 

「しょうがないよな世界が歩く人食いと戦わなければならいご時世なんだし」

 

有馬3曹が64式小銃狙撃仕様を置き答える。

 

「ですね、俺達も地獄中を少数で生きていましたから」

 

加藤も会話に混ざる。

 

「だがこの光景はな・・・・・」

 

朝霞1尉は言い天井を叩き

 

「周囲の状況は大丈夫か?」

 

「ハイ、オールクリアです。人っ子一人いやしない。訂正、ゾンビ擬きの一匹もいやしない。」

 

言い

 

「そうか、油断するなよ」

 

朝霞1尉は言うのだった。それから数時間以上車列は走り続け

 

「今どこらへんだ?」

 

後藤さんに聞かれ

 

「丁度、中間まで来ましたね。このペースで行けば明日には到着できますね」

 

俺は言い

 

「そうか、そうすると今夜の宿は何処にする?」

 

聞かれ

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

スマートフォンで地図を確認し、

 

「この先の道の駅があるようですからそこにしますか?一応スタンドもあるみたいですから燃料の補充もできるか確認できますし」

 

俺は言い

 

「それは助かるな」

 

後藤さんは言い無線機を取り

 

「1号車より2号車へ。この先の道の駅で今日は宿を取るとさ、オバー」

 

「2号車了解した、先導を任せる」

 

朝霞1尉の声が聞こえ

 

「じゃ、このまま行きますか」

 

「そうだな」

 

俺と後藤さんは言い俺は後ろを見ると

 

「zzzzzz・・・・・・zzzz・・・zzzzzzz」

 

「・・・・zzzzz・・・・zz・・・・・z・・・・・zzzzzz」

 

「zzzzzzz・・・・・・・zzzzzz・・・・・・zzzz」

 

木村も真珠もそして荷物置き場で翼も3人が寝落ちしており

 

「まさか・・・・・・ね・・・・・」

 

上を見て

 

ゴンッゴンッ

 

天井を叩くと

 

「ハイッ、大丈夫俺は寝てないよ、野郎ぶっ殺して・・・」

 

どうやら田所も寝落ちしていたようだ、と言うか立ったままねれるのか?

 

 

そんなアホな事を思いながら偵察隊は第1チェックポイントに到着するのだった、




次回~道の駅の夜~を予定しております。

今日中にもう一話あげます。{たぶん}


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第66話~道の駅の夜~

中間地点の道の駅に到着した偵察隊だったが・・・・・・・


道の駅〇×△

 

バタン

 

車内から下り

 

「ひでぇなぁ、おい」

 

その手にAEK971を持つ後藤さんは言い

 

「ええ、衛生的にもこれは・・・・」

 

道の駅にはそこそこ車が止まっていたが死体があちこちに転がっている。

 

「優希、どうする?」

 

背中にM24SWSを背負いその手にMP7を持った真珠と

 

「さてはて酷いな・・・」

 

M14EBRを持った木村も降りて来る。

 

「痛かったなぁ・・・・・むち打ちになりそうだ・・・」

 

翼も同様に下りてきた。

 

「よっこいよっと」

 

軽機関銃ミニミを持ち田所も降りて来る。

 

「嘘だろ、此処で一夜を明かすのか・・・・・」

 

田所は言うも

 

「屋根が有って雨風凌げるだけマシだろ?」

 

木村が言い

 

「確かに・・・・」

 

田所は頷いた。そこに

 

「酷いモノだな・・・」

 

朝霞1尉らも合流し

 

「ですね、とりあえず周囲の安全を確認しましょう」

 

俺は皆に言い

 

「車両の警備に数人残して後は道の駅の施設外周と内部の確認だな」

 

後藤さんが言い

 

「ああ、それがベストだと思う。」

 

朝霞1尉も頷く。そして・・・・・

 

 

道の駅施設内部

 

「しつれいしま~す」

 

M4Customを構えつつ中に入り、俺の後ろから田所、朝霞1尉そして後藤さんと続く。

 

「中が見えん。電源設備を探さないとな」

 

「単独行動はこう言う所では死亡フラグだからやめろよな」

 

後藤さんが緊張した面持ちでAEK971を構えながら言い

 

「確かに」

 

朝霞1尉も89式小銃を握る手がわずかに震えている。

 

「ぽちっとな」

 

M4CustomのRASに装備しているウェポンライトを点灯し周囲を確認し

 

「感染者の姿はナシ、変異個体も・・・・・」

 

天井も確認し進む。

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

施設内お土産屋さんやレストランなどは特に異常は見受けられなかったしかしバックヤードまで来た時異変を感じたのだ

 

ドンッ・・・・ドンッ・・・・・ドンッ・・・・

 

何かがぶつかる音が聞こえ

 

「「「「コクン」」」」

 

俺達4人は互いに顔を見合わせ音のする方に行く。俺がM4Customを構えポイントマンになりその後ろに朝霞1尉、そして後藤さん最後尾に分隊支援火器を持つ田所とその順で並び音のする所へと進んでいく。

 

「これは・・・・・」

 

音がするドアには血で[開けるな、中には死人が居る]と血文字で書かれておりドアは鎖でぐるぐる巻きにされ南京錠で施錠されている

 

「うわぁ・・・・・・・」

 

「触らぬ神に祟りなしだな,此処を離れよう。」

 

「クワバラクワバラだ」

 

「優希いこうぜ、流石にな」

 

俺達はそこを直ぐに離れたのだった。そして

 

「あった、優希これじゃねぇか電源は」

 

田所が見つけ

 

「でかした!」

 

後藤さんは言い

 

「速く電源を復旧させよう」

 

朝霞1尉も言い

 

「田所頼む」

 

「あいよ」

 

そう言い田所はレバーを上げる

 

「ふ――――――ンッ」

 

レバーが上がり施設に光がともる。

 

「ふぅ、これで漆黒の闇で夜を過ごすのは回避できそうだな」

 

朝霞さんは言うのだった。その頃

 

 

施設外周

 

「特に異常はないか・・・・・」

 

木村は言い

 

「ええ、あるのは死体だけね」

 

MP7を構え警戒態勢を取りつつも真珠は木村に言い

 

「酷い・・・・・」

 

その後ろで翼が89式小銃を携えながら言い

 

「おいおい吐くなら別んところで吐けよ。一応仏さんに失礼だろう」

 

木村は言い

 

「いやはや何処に行っても地獄か・・・・・」

 

加藤が言い

 

「ああ、そうだな何処に行っても地獄みたいだな・・・・・おスタンドだ」

 

「確認してみるか」

 

木村も言い、4人はスタンドに行き

 

「燃料残ってると思うか?」

 

「あれば儲けもんじゃない?」

 

「確かに」

 

「うん」

 

4人はダメもとで確認し

 

「ないよりまし程度だな。車両を2台と途中で使った携行缶を満タンにするくらいはギリギリあるな」

 

確認した木村は言い

 

「それはよかったわ」

 

真珠がほっとし

 

「燃料はどうにかなりそうだな良かった」

 

加藤も頷き

 

「よかった・・・・・・・」

 

翼も安堵していた。

 

 

 

車両警備

 

「みんな大丈夫かな?」

 

89式小銃を持ち車両の防備を担当する河野陸士長は言い

 

「大丈夫だろ何か問題あればすぐにでも銃声がなるだろうし」

 

64式小銃狙撃仕様を持ち有馬3曹が言い

 

「ああ、そうだなない所を見ると大丈夫だろ」

 

ミニミ軽機関銃をもちつつ田端2曹も頷く。

 

「しかし、この惨状は酷いな・・・・いや酷いを通り越して惨いな」

 

「それは言えます。」

 

こうして俺達はベース以外での夜を迎える事になる。何もかも完ぺきとは行かないものの一夜を過ごすくらいならば問題はないとその時俺達は判断を下した。日が暮れる前にもう一つやるべきことをするのだった。

 

 

道の駅出入口

 

「よし、これでいいよな」

 

「ああ、うまく偽装もしてる」

 

念のため木村の提案で出入り口に指向性地雷をセットしたのだった。

 

 

 

夜 

 

道の駅 レストラン

 

「レストランで戦闘糧食とか・・・・・ある意味非常時でなければ体験できんわ」

 

木村がトレイにある糧食に言い

 

「まぁな。でも食べれるモノがあるだけ救いだろ?俺なんかロッジに付いた初期は糧食とか節約の為にバッタとか蛇焼いて食ってたしだから食い物のありがたみは理解しているよ。」

 

俺は言い

 

「ええ、そうね優希の言う通りね、私なんて優希に拾われる前は学校居たから余計に分かるわ。でもバッタや蛇は流石に食べた事ないけれども」

 

真珠は言いトレイの糧食を食べる。

 

「言えてるな」

 

田所に

 

「ああ」

 

加藤も頷く。

 

「でも本当にごちそうですよね、この非常時では」

 

翼が言い

 

「そのとおりだぜ、兄ちゃん」

 

後藤さんも食べている。

 

「全く、レンジャー訓練を思い出すね。」

 

苦笑しつつ朝霞1尉は言い

 

「全くです。でも全国で生き延びている国民はこのような状況に置かれているのでしょう」

 

田端2曹は言い

 

「そうですね」

 

河野陸士長も頷く。

 

「でも、なんか非常事態でなければなんかのイベントの様ですよね」

 

有馬3曹は言い

 

「そうだな」

 

皆で夕食を過ごし

 

「さて、今日の夜の番だが、誰かやるというもの居るか」

 

朝霞1尉は食後に言い

 

「じゃぁ俺やります」

 

「やります」

 

俺と真珠は同タイミングで手を上げ

 

「ほんとに、仲が宜しいようでお二人とも」

 

「やれやれ」

 

朝霞さんや木村に言われ

 

「優希、蒼川、夜にだれも見てないからと言って[にゃんにゃん]するなよ」

 

木村は言い

 

「はいはい」

 

真珠は言うのだった。そして食後に軽くそれぞれがシャワーを浴び俺と真珠を除く皆は就寝するのだった。

 

 

 

???

 

「Это машина Сил самообороны?」

{あの車両は自衛隊のでは}

 

「Потом, когда Силы Самообороны двинутся」

{では自衛隊が動いてると}

 

「Оснащение тоже М4 и М24 SWS, а не нормальный юнит」

{装備もM4にM24SWS、普通の部隊じゃないな}

 

「Тогда это спецподразделение Сил Самообороны?」

{じゃぁ自衛隊の特殊部隊か?}

 

「Кажется, лучше вернуться на базу и доложить」

{一度拠点に戻って報告したほうが良さそうだな}

 

彼らはそこを去るのだった。




次回~2人きりの寝ずの番~を予定しています。


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第67話~2人きりの寝ずの番~

寝ずの番をする優希と真珠、久しぶりの2人きりの時間を・・・・・


道の駅〇×△

 

「じゃぁ後はよろしく2人とも」

 

「ハイ、朝霞さん」

 

「任されました」

 

俺と真珠は互いに言い

 

「朝霞さん因みに就寝場所は何処ですか?」

 

気になり尋ねると

 

「2階のほうに従業員用の仮眠室が人数分あってねそこでかな」

 

朝霞1尉は言い

 

「了解です」

 

「君達は因みにどこで監視を?」

 

聞かれ

 

「1階事務所ですね。丁度出入り口や駐車場を全体見渡せる状況ですから」

 

告げ

 

「分かった。なんかあったら連絡を頼む」

 

「ハイ、了解です」

 

頷く中

 

「私は君達の仲を秋本3佐から伺って知ってるからアレコレくどくどとは言わないし見逃すけれども[にゃんにゃん]し過ぎは流石にダメだぞ」

 

ウィンクしながら朝霞さんは言い

 

「「もうッ!!」」

 

「おー怖い怖い」

 

イイながら朝霞さんは89式小銃片手に仮眠室へと行ってしまった。

 

 

 

1階事務所

 

漆黒の闇に包まれる中

 

「はいこれ、ナイトビジョン」

 

真珠にナイトビジョンを渡すと

 

「ありがとう、優希」

 

手慣れた手つきで真珠は自身に装備する。既に俺は自身のナイトビジョンを装備しており

 

「ホントに手慣れたな」

 

横にスポッタースコープを置き俺は言った。

 

「ええ本当に[だれかさん]の指導がイイお陰よ」

 

真珠は言いつつも

 

「あの・・・・・・さ、少しいまイイ?」

 

「ん?どうした?」

 

M4Customを横に置き真珠に向き直り

 

「凄い恥ずかしい事なんだけれども、いいかな・・」

 

言われ

 

「どうした?」

 

椅子を引っ張り出し俺は真珠の横に座り、真珠もM24SWSを置いたテーブルに座る。

 

「えっと、そのかなりの大所帯になったよね」

 

「ああ、そうだな」

 

スポッタースコープで周囲を見渡す中答え

 

「最初の2人だったあの頃がさ懐かしいよね」

 

真珠が呟き

 

「そうだな、2人きりの時もそこそこ楽しかったが大所帯だと家族も同然のような関係だしな」

 

言う中

 

「なぁ、真珠この内容の何処が恥ずかしんだ?お前おかしいぞ?」

 

俺はスポッタースコープを覗き周囲を確認しつつ答える。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「?」

 

不審に思いつつチラ見で横を見ると真珠の奴顔を赤く染めていた。

 

「え?!」

 

思わず俺は声に出してしまい

 

「空気読めないって私以外に言われた事ない?」

 

「お前にならな」

 

俺は言うと

 

「スゥ―――――ッ」

 

真珠はいきなり深呼吸をし次の瞬間に

 

「私さ今の今まで我慢して来たんだよ?」

 

更に顔を赤くして言いだし

 

「へ?!」

 

言う中

 

「こうして想いが通じて深い関係になったと思えば出先で貴方は自衛隊に誤射されて血まみれの死にかけで帰って来るしさ・・・ごめん・・・・」

 

真珠は一旦M24SWSを置き目元を拭う

 

「あ・・・・・・・すまん・・・・・」

 

当時を思い出し泣いているのだ。泣き止み

 

「私は貴方の優希のぬくもりしか知らない、いえ知ろうとも思わない。この先の人生でも私の隣に居てくれれば何もいらない・・・」

 

言いだし

 

「お前本当にダイジョブか?なんか本当に変だぞ?!」

 

心配になって俺もスポッタースコープを置き自身も落ち着く為、水筒をあけ水の代わりに仕込んできたコーラを飲む中

 

「あなたは私を[また抱いてはくれないの?]」

 

真珠の爆弾発言に

 

「ブッ―――――――ッ」

 

飲んでいたコーラを全部拭いてしまい

 

「ゲホッ・・・・ゴホッ・・・・ゲホッ・・・ゲホッ」

 

咽込む中

 

「私は本気だよ、出発前に戦地に[愛]はいらないなんて言っておいてこんな事を言っている矛盾した事を言っているのは解ってるけど」

 

顔を真っ赤にした彼女は言い

 

「いや・・・えっと・・・・あの・・・・・・その」

 

何をどういって良いのか分からなくなる。とりあえず

 

「確かに二人の時間を作らなかった事は反省しないといけないのかもしれない、でもだからと言って無責任な事は出来ないかな。最初に真珠に・・・えっと[あの時]襲われる形になったとは言え[致した]時もそうだったけれどもさ[未来]の事だってちゃんと考えないといけない。真珠に無責任な事をしたくない。」

 

告げ

 

「うん。そうだね、優希の性格ならそう言うと思ったわ。でも二人だけの時間作ってほしいなぁとは思うよ、これはホントよ」

 

言われ

 

「そうだなそこは2人で今後話を詰めていこう、とわ言え皆で生活している訳だからそこんトコロを考慮しないといけないかなぁ、まぁ時間はあるから2人でゆっくり話そうこれが片付いたら。」

 

真珠に言い

 

「うん」

 

彼女も頷き

 

「さっ、仕事の続きだ。」

 

「うん、未来の旦那様」

 

真珠は笑顔で茶化しにかかり

 

「おいおい勘弁してくれって頼むよ」

 

「酷いなぁ、もう私は貴方に私の人生を預ける覚悟も全て決めてるのに。」

 

「全く真珠みたいな女を好きになった時点で俺の負けなんだろうけれどな」

 

「フフフ、そうよ私みたいな[氷の悪魔]を本気にさせたんだもの逃げられる訳ないじゃない例え優希が私の元から逃げたとしても地の果てまででも追っかけて行ってあげるから心配はご無用よ、それに人生諦めが肝心と言うし諦めなさいな。」

 

「ああ、そうかもな諦めが肝心だな」

 

俺は言い2人で寝ずの番を続けるのだった。そこに

 

「2人とも頼むから監視任務ほっぽり出して[にゃんにゃん]はやめてくれよ」

 

「「うぉ?!」」

 

俺と真珠が振り返ると事務所のドアを開けた加藤がそこにはおり

 

「2人の愛が本物なのは普段から見てれば分かるからさ本当に頼むから時と場を考えてくれよ。一ノ瀬に限ってやらかすとは思えないからやらかすのは蒼川のほうかな」

 

加藤は言い

 

「なんで私なの?!」

 

真珠が言ってるが

 

「理由は簡単だよ、ストレスの発散法を知らないだろ?それにあ・・[あっち]の欲求も」

 

こればかりはさしもの加藤も恥ずかしそうに頭を掻きつつ言い

 

「おまえ、言い方、オブラートに包めよ・・・・・」

 

俺も顔に手を当てつつ言いつつ

 

「もう二階で大人しく寝てろ、寝てないと仮眠室にフラッシュバン投げ込むぞ!」

 

加藤をはん半ば脅し

 

「はいはい、お邪魔虫は退散するから二人だけの甘い甘い夜を過ごしてくれ、でも頼むから監視はちゃんとしてくれよ!!」

 

言い部屋を出ようとする加藤だったがふと何かを思い出したかのように

 

「忘れる所だったほれ、これ自販壊れてたからバールでぶち壊して炭酸ジュースとコーヒー後は売店からお菓子かっぱらってきた。2人で飲んでくれよ。じゃな」

 

言い残し加藤は去って行った。

 

「全く人を何だと思ってるのよ、痴女呼ばわりして」

 

ぷんすかと文句を言う真珠に対し

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「その間は何かしら?」

 

真珠が俺に言うも

 

「いや何でも、お、このクッキー美味しい」

 

加藤からの差し入れを食べつつもコーヒーを飲むその横で

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠に軽く睨まれる俺だった。




次回~夜の仮眠室~を予定しています。


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第68話~夜の仮眠室~

一ノ瀬、蒼川の2人が一階で[寝ずの番]を務める中2階では・・・・・・


2階 仮眠室

 

「加藤、どうだったあの2人はちゃんと監視していた?それとも・・・・」

 

布団から木村が顔を出し

 

「相変わらずだよ、あの2人本当にいつの間にあんなに互いへの絆いや愛情が強くなったんだかな」

 

苦笑しつつ加藤は言い

 

「人は見かけによらないって言いますしね、と言うか一緒の部屋で寝食共にしてると言う事は[やる事]やってそうですよね」

 

翼も布団から顔を出して言い

 

「でも氷の悪魔と言われた蒼川真珠が一ノ瀬にゾッコンとはね、他の連中が見たらありえない光景に呼吸困難で死んじまうぞ、くくく」

 

田所も顔を布団から出して会話に混ざり言う中

 

「おいおいお前ら、あんまり詮索してやるなよ男女の中なんて本当に些細なきっかけで変わるもんさ、あの嬢ちゃんが兄ちゃんを好きになる、愛するようになったきっかけがあるだろうさ」

 

話しにつられ後藤さんも顔を出す。更には

 

「まぁ人様の恋愛事情に口出しするような野暮な真似はするつもりはないが彼への愛情の強さは相当なものだろうね。見てて分かるさ先の[事故]の時だってそうだ、付きっ切りで彼の傍を離れず看病していたしな。並みの絆ではないと思ったさ。ある意味ではもう[夫婦]となんら変わらないと思っているがね私は」

 

朝霞1尉も布団から顔を出して参加しそれに

 

「確か朝霞1尉は妻帯者ですよね」

 

田端2曹も布団から出て来る

 

「ああ、妻とは高校の時から付き合いで大学は互いに別々になったけれども私が防衛大学・幹部候補生学校を卒業して一人前になるまで待ってもらって2等陸尉に昇進後に入籍したよ」

 

朝霞1尉は言い

 

「へぇ、それで奥様はご無事何ですか?」

 

有馬3曹も顔を出してきて聞き

 

「ああ、幸いにも沖縄に避難できた。からね」

 

朝霞1尉は言い

 

「でも真珠さんの優希君への愛情の強さは私への脅迫の時に垣間見ましたよ」

 

河野陸士長も出て来る。

 

「あれはお前さんが根本的に悪いだろう、誤射して殺しかけてるしな」

 

後藤さんは言い

 

「ハイ・・・・・・まぁ・・・・です」

 

言い

 

「おいおいあまり私の部下をイジメないでくれ。」

 

朝霞1尉は言い

 

「事実しか言ってないぜ」

 

後藤さんも言うのだった。その後もお菓子やジュースコーヒーなどを飲みながらまるで修学旅行の夜のようなテンションで野郎9人は過ごして行き

 

「で、加藤2人はどうだったまさかとは思うけれどもよ?」

 

木村が聞き

 

「ああ、えっと蒼川のプライベートやプライバシーそれに名誉にも関わるからあまりくわしくは言わないが一言で言ってしまえば[欲求不満]だろうな優希に対してな。」

 

加藤の一言に

 

「ブ―――――ッ、おまっ・・ゲホッ、ゴホッ・・・ゲホッ」

 

木村が飲みかけの状態でリアルゴールドを拭き

 

「うわ先輩汚いッ、これで拭いて下さい。」

 

翼がティッシュペーパーを木村に放り投げながら言い

 

「ははは、蒼川が欲求不満か・・・・・マジで?!」

 

田所がポテチをつまみつつ言い

 

「成る程な、大方の検討は付くなこれは[夜の営み]に不満があるってことだろさ。お前らの年齢で[ずっこんばっこん]覚えたら抑えが効くか?互いに愛する人が傍に居てよぉ」

 

後藤さんは言い、更には

 

「このままだとあの2人そう遠くない時期に[デキちまったり]してなあんだけの仲だと」

 

後藤さんの言いに

 

「負けた・・・・なんか知らんけど負けた気分になる・・・」

 

「先輩、そんな・・・・モテないブラザーズの仲間と思ってたのに・・・」

 

「優希だけは裏切らないと思ってたのに・・・」

 

「マジかよ・・・・がく・・・・」

 

4人がうなだれる中

 

「だが流石にマズイだろ、未婚で・・・・なんて事は大の大人である我々が付いていながら」

 

朝霞1尉は慌てて言い

 

「1尉さんよ、この世の[常識]も[法]も全てが崩壊し崩れ去っちまった。いまさらそんな常識ぶってもだめだろ?今この時代はある意味では暗黒時代のようなもんだぜ。強い者が生き残り次の時代を築く。弱い者は逆に狩られて行く。嫌な話だがそんな時代なんだ。」

 

後藤は言い

 

「まぁそれを否定するつもりは毛頭ないが、集団を維持する為にはある程度の規律は必要だ」

 

自衛官として朝霞は言い

 

「ああ、それは俺も十二分に分かるぜ。好き勝手やれば集団は自滅していくってな」

 

後藤さんも頷き、凹む木村達に向き直り

 

「さてはて、そんなに凹むなお前らもというかお前ら4人には彼女はいないのか?いや好きな女は居ないのか?」

 

後藤さんは凹む木村達に話を振り

 

「確かに興味はあるね」

 

朝霞1尉は言い

 

「朝霞さんさっきと言ってる事が矛盾してるの気付いてる?!」

 

木村は突っ込み

 

「まぁまぁ、こういう修学旅行の時みたいな状況だと男女も大体似たり寄ったりの話するだろう?」

 

有馬3曹がノリノリで言い

 

「お、話が通じるじゃないかよ」

 

後藤も言い

 

「で、どうなん?」

 

田端2曹が4人を追い詰め

 

「洗いざらい吐いちゃった方が身の為かもよ」

 

河野陸士長まで悪ノリしだす始末である。

 

「うぐっ」

 

「最高機密です」

 

「黙秘しますッ」

 

「同じく黙秘権を行使する!!」

 

木村、加藤、田所、高本の4人はそれぞれだんまりを決め込み

 

「ははははははは」

 

朝霞さんは笑

 

「青春だな」

 

後藤さんも言う。こうして騒がしい夜は更けていくのだった。その頃1階の事務所では・・・・・・・

 

 

1階事務所

 

「ねぇ、上騒がしいわねまるで修学旅行気分よ。でも少し騒ぎ過ぎじゃないかしら

ね?」

 

「ああでもまぁイイだろ、のんきなもんだが。フラッシュ・バンでも投げ込んでくるか?」

 

優希と真珠はそれぞれ言い真珠はM24SWSから手をはなし銃を置くと俺に向き直り

 

「別に良いじゃない、こんなスリリングな修学旅行気分でも。私も結構楽しんでるわよ、貴方との甘い甘い[スィート・タイム]をね此処には貴方と私の2人きりよ邪魔する人は誰もいない・・・・・ねぇ~ふふ」

 

言い真珠は自分の迷彩服のボタンに手をやる

 

「そうか、そうやって俺を誘惑する悪い女め」

 

苦笑しつつ言い

 

「ええ、誘惑してるわよ一晩我慢できるかしら?」

 

真珠は言い、迷彩服のボタンを3つ外しブラが見える見えないの際どい格好になる中彼女に

 

「舐めないでくれ、レンジャー精神で一晩くらい耐えて見せるさ」

 

言い邪念を振り払いスポッタースコープを覗くのだった。




次回~その頃~を予定しています。


今日中にもう一話上げられるかもしれません。


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第69話~その頃~

道の駅にて武装偵察隊が一夜を過ごすその頃・・・・・


????

 

「只今戻りました、イワノフ中尉」

 

「お疲れ様、クドコフ准尉、チャフスキー伍長、ビクトール伍長」

 

山奥のロッジにロシア人と

 

「お疲れ様です皆さん、夕食出来てますよ」

 

「助かります、クラモトさん」

 

休暇の折に美味い日本食を食べたいと上官にごねた結果、小隊のメンバーらで日本に旅行に訪れてこの惨事に巻き込まれたロシア軍特殊任務部隊[スペツナズ]の隊員らだった。そして

 

「クドコフさん、美味しいビールと後はこれ[ウォッカ]も見つけてきましたよ、まぁえっとロシア産じゃなっくて申し訳ないですが」

 

此処ではロシア人4人そして

 

「あなた、お帰りなさい」

 

「パパおかえりなちゃい」

 

海上自衛隊特殊部隊SBU隊員である倉本武1尉、元自衛隊中央病院勤務だった元2尉の倉本{旧姓永町}つぐみ、そして二人の間に生まれた娘の真奈の3人家族の合計7人が生活していた。

 

「ただいま、つぐみ、真奈」

 

市街地を彷徨い何とかかき集めてきた物資をテーブルに置きそして背中に背負っている64式小銃を置き娘の真奈を抱っこする。

 

「こんなにたくさん有難いです、クラモト大尉」

 

隊のリーダーであるイワノフは言い、倉本が置いた64式小銃を見て

 

「やはり私達は使い慣れないですね、AKを主流に使ってる我々[スペツナズ]では」

 

クドコフ准尉は言った。流石銃火器の規制がやたらと強い日本では彼らが使い慣れているAKシリーズ等の銃火器を入手するのは容易でない為代替の武器として彼らが装備していたのは自衛隊の64式小銃だった。なぜ89式小銃がなかったかと言うと倉本が武器装備確保の為に奔走した際に陸自分屯基地に入ったが89式小銃がなく数丁残されていた64式小銃を止む無く弾薬と共に拝借し装備するに至ったのだ。 

 

「私もこのポンコツ小銃に何度泣かされてきた事か。テーピングしないと部品は直ぐにどこかへ消える、反動はまぁ7.62なんでしょうがないですが強いですし当時と現代を比べてもやたらと重い上に部品点数も多く整備性が悪い、拡張性の低さも当然ありますよ全く。」

 

悪態を付き

 

「日本でAKなんて持ってそうなのは暴力団や後は自衛隊で言えば特殊部隊に当たるであろう特殊作戦群や私が属する特別警備隊くらいでしょうからね」

 

苦笑しつつ彼は答える。そして夕食時に皆で食卓を囲み

 

「「「「「「「いただきます」」」」」」」

 

「今日はシチューにしてみました、皆さん」

 

つぐみは言い

 

それぞれが一口食べ

 

「ツグミさん美味しいわ。本当に」

 

イワノフは言い

 

「確かに。ツグミさんのこんな美味しい食事を食べれるタケシさんも幸せ者ですね」

 

クドコフ准尉はスプーンを進めつつ言った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

チャフスキー伍長やビクトール伍長に至っては無言で喰いつくくらいだった。

 

「ママの料理美味しい!!」

 

ニコニコしながら真奈ちゃんはシチューを頬張るのだった。

 

「俺はこんな笑顔を守りたくて自衛官に軍人になった」

 

武は真奈の頭を撫でながら言い

 

「ええ、私も同意見ですクラモト大尉。国籍の違いなんて今の状況を思えばそんなものはほんの些細な事。私や部下達もこういった何気ない小さな幸せを守る為に大尉と同じく[軍服]に袖を通した、貴方や寿除隊なされたとはいえ奥様も私達といわば同志のようなものです」

 

イワノフ中尉は強く言った。

 

「ええ、そうですね」

 

つぐみも頷き

 

「ええ」

 

武も頷くのだった。そして食後に

 

「じゃぁ何時もの始めましょうか?」

 

イワノフが言い

 

「ですね」

 

武も頷き

 

「じゃぁ私この子寝させてくるわね」

 

つぐみは真奈を伴い二階に行く。

 

 

「さてと、始めましょうかクドコフ准尉なにか新し事はあった?」

 

イワノフは周囲に偵察行動しに行っていたクドコフ准尉に言いそれに対し

 

「ええ、生存者の集団を目撃しました。場所は道の駅です遠目にですがパッと見た感じですが自衛隊の特殊部隊と言った感じでしょうか?M4A1アサルトライフルやM24SWS狙撃銃にMP7A1サブマシンガンにミニミ軽機関銃に89式小銃と格好も陸上自衛隊の迷彩服にプレートキャリアにヘルメットと言った感じです。」

 

報告し

 

「規模は?」

 

倉本も尋ね

 

「はい、ざっと10人1小隊規模でしょうか。大尉」

 

クドコフは答える。更に

 

「車両の存在も確認出来ました。彼らはLAVで移動しているようです。それも軽機関銃の武装付きです」

 

チャフスキー伍長が答える。

 

「ふむ・・・・・」

 

倉本は考え

 

「敵でないとイイのだが・・・・」

 

心配そうに言い

 

「確かに我々の存在が[アレ]にバレると面倒な事になりそうですですからね」

 

ビクトール伍長も言った。

 

「ええそうね、あのイカレた世紀末宗教擬きのイカレた連中にバレると此処も不味いわね。そもそも此処も誰のモノか分からないロッジに私達が不法侵入してるわけだしね」

 

イワノフ中尉は言い

 

「ええ、此処の設備は最新の設備ですし部屋もかなりの人数が暮らせる程の数がありますしねこういった引きこもり生活には持って来いですが」

 

武も言い

 

「そして山岳地帯にあるから特定されにくいと来ている。隠れ家にはベストな所だな」

 

クドコフ准尉も頷く。

 

「でも山岳地帯故にパトロールは欠かせないですけれどもね」

 

ビクトール伍長が言い

 

「違いない、だが市街地に比べれば天国だ。」

 

チャフスキー伍長も言った。

 

「当面はこの二つに注意しないといけないということね」

 

自衛隊の部隊と思われる武装集団

 

市街地に出て来る世紀末宗教擬きのイカレ信者

 

の二つが上げられ

 

「はぁ・・・・腐った死体擬き以外にもまさか人と戦う羽目になろうとわね」

 

武はため息を付き

 

「クラモト大尉、仕方がありませんよこんな状況ですから」

 

イワノフは言った。だが彼らの言う[自衛隊とおもしき武装集団]の中には今まさに自分達が根城にしているロッジの[正当な相続者]が居る事、そしてそのロッジの状況偵察に来ている事を知る由もない・・・・・・




次回~真夜中の襲撃~を予定しております。


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第70話~真夜中の襲撃~

真夜中、辺り一面が漆黒の支配する中唐突に襲撃は訪れる・・・・


道の駅〇×

 

深夜0時頃

 

武装偵察隊

 

1階事務室

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

漆黒の闇の中、俺と真珠の2人はナイトビジョンが照らす視野を頼りに周りを見回していた。

 

「なぁ、真珠」

 

「何かしら、優希」

 

真珠は言い

 

「そのM24SWSなんだけれどもさぁ、バージョンアップした奴欲しくないか?」

 

尋ね

 

「と言うと」

 

真珠はスコープから目を話す事なく言い

 

「その24はドノーマルだけれどもM24A2を見つければいちいち5発づつ弾を込めなくとも10発1セットのマガジン式に変えられてるし後はレイルが銃の両サイドにも付くからアタッチメントも装備できる」

 

言い

 

「でもその分重量がかさむわね。女の私には少し厳しいかも。でもインナー弾倉式から取り外し式の弾倉に変わるのは良いわね。欲しいかも」

 

言う中

 

「でさ、結局[襲ってくれないの?]」

 

言いだし

 

「アホ言ってないで任務に集中しろ、痴女っていうぞ」

 

「もう!!」

 

俺は言うのだが、1時間後・・・・・・・

 

真珠side

 

「ふふ、そうよね疲れちゃうよね」

 

「zzz・・・・・・・zzzzzzzz・・・・・・・・・zzzz」

 

ものの見事に優希は寝落ちしてしまっていた。無理もない。

 

「そうだよね、誰よりも真剣なんだもの誘惑しても乗って来るわけないよね」

 

思いつつ

 

チュッ

 

頬にキスをし

 

「あなたの分まで頑張るからゆっくり休んで頂戴」

 

一言告げ毛布を掛けて上げて私は再度集中しスコープを覗くのだった。話し相手が居ない事は結構つらいけれども元々1人だった私にはさほど苦にならず監視任務を続行する中さらに時間が経過する

 

「えっと・・・・・・」

 

腕時計を確認し

 

「今現在午前二時・・・・か・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

横を見ると

 

「zzzzzzzzz、もう食えない・・・・・・むにゃむにゃ」

 

隣で優希が寝言を言っていた

 

「ふふ、どんな夢見てるのよ」

 

私も少し笑いそして差し入れで貰った飲み物とお菓子を軽く摘まんでいたその時だった。

 

 

 

ドォォォォンッ

 

 

「!!」

 

慌てて銃を置いてる机の椅子に戻ると優希も起きていた

 

真珠side終わり

 

 

「すまんッ、寝落ちしたみたいで地雷が爆発したぞ。」

 

そう言い優希はスポッタースコープで状況を確認し

 

「規模不明の武装集団が接近中、現存数12一部は地雷に引っかかって負傷した奴らを下がらせてるようだ。連中お目当ては俺達の[足]だな」

 

俺は真珠に言い

 

「此処で装甲車を取られたら私達も帰る為の[足]を亡くしちゃうわよ」

 

真珠は言い

 

「ああ、カモフラージュしなかった俺達のミスだ。真珠準備の方はイイか?」

 

尋ね

 

「何時でも」

 

真珠はセーフティーを解除しスコープをのぞき込む

 

「指示して頂戴な、旦那様」

 

言い

 

「ふざける程余裕があるってな頼もしい限りだよ、マイハニー」

 

俺もふざけて返す中

 

「連中も馬鹿じゃないか、花壇の裏に隠れやがった見えるか?」

 

「ええ、捉えてるわ」

 

真珠は言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

外の正体不明の武装集団は内部に居る俺達の事を警戒しているのか睨み合いになる。そんな中

 

「大丈夫かッ、2人とも」

 

ドアが開き中に89式小銃を抱えた朝霞1尉が入ってくる。

 

「正体不明の武装集団数12が接近中です、恐らく敵さんの狙いは俺達の[足]です」

 

言い

 

「マズイな、全員戦闘配置に付くか?」

 

朝霞1尉が言う中

 

「わざわざ全員で銃撃戦する必要もないでしょう。無駄に弾薬を浪費する事もないでしょうし此処に居るスナイパーのお手並み拝見と行きましょう。生身の人間相手の対人戦の[実戦]は初めてでしょうけれども」

 

真珠を見て言い

 

「了解よ優希、全員[殺しちゃってイイのね]」

 

真珠は言い、俺は朝霞1尉を見て

 

「やむ負えん、装備を強奪される訳にはいかんからな。蒼川さん頼むッ」

 

朝霞さんは言い

 

「了解」

 

言うやいなや真珠は

 

「ッ!!」

 

引き金を引き、乾いた銃声が響き

 

「ワンダウン確認、ヘッドショットだ、ビューティーフォー」

 

俺は的確に言い横では真珠が

 

ガチャッ・・・・ジャキンッ

 

ボルトを操作し排莢、次弾装填を行い

 

「優希次はッ」

 

真珠は言い

 

「最初に射殺した奴の後ろの奴だッ」

 

「了解よ、捉えたッ・・・・ッ!!」

 

再び乾いた銃声が響き

 

「ツーダウン、またまたヘッドショットだイイホントイイ腕してるな」

 

スポッタースコープを覗きながら俺は言いその横に居る朝霞さんも

 

「ホントに恐ろしい程なまでにイイ腕をしてるな、ざっと450mはあるだろう。あそこまで」

 

朝霞1尉も軍用複合双眼鏡を除きながら言い

 

「次ッ」

 

ガチャッ・・・・ジャキンッ

 

再度真珠はボルトを操作し排莢・装填し

 

「車両に1人接近ッ、頭は狙わなくともイイ、足でも胴体でも構わない動きを止めろ」

 

「・・・・・・・ッ!」

 

三度目の乾いた銃声が響き

 

「タンゴダウン・・・・お前どういう腕してんだ?動いてる人間相手にヘッドショットそれも一発で決めるとか?、500m近い距離だぞ?!自衛隊のスナイパーでもこんな芸当出来る人なんて限られtえるぞ?!」

 

俺は思わず真珠に言い

 

「相手の動きをある程度予測してそこに向けて発砲したまでよ、あっちでのホームステイ先のお世話になった元海兵隊特殊部隊員?だったおじさんにみっちり海兵式にレクチャーされただけよ」

 

俺と真珠が言う中

 

「エクセレント、凄いッ!見事だ蒼川さん。見越し射撃も出来るのか!!」

 

朝霞さんは若干興奮気味になっていた

 

「優希、状況」

 

「あ、ああ、敵さん余程焦ってるな3人殺されていずれもヘッドショットだ。その上見越し射撃も喰らった。物陰から出て来るどころか頭を出す素振りすらない」

 

俺は言う中

 

「でも弾薬も弾倉内に後2発しかないからそろそろ撤退してくれないかしらね再装填中に接近されるのはちょっとね」

 

真珠は言いつつもベストのポーチから輪ゴムでひとまとめにしている5発一纏めの7.62㎜弾のセットを取り出リロードの準備する。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

スポッタースコープで確認する中

 

「花壇の右端の奴、見えるか」

 

「ええ、捉えたわ」

 

「・・・・ッ!」

 

ドンッッ

 

その銃声が最後の銃声となった

 

「敵さん、慌てて逃げだしたな。もう撃つ必要はないぞ」

 

真珠に言い

 

「そう、よかった。弾が後1発しかないから。」

 

敵が我先にと逃げていくのを俺が確認する中

 

「敵さんの最後の1人が逃げて行ったもう大丈夫だ。」

 

俺が言う中

 

カチャ・・・・・カチャ・・・カチャ・・・カチャ・・・・ジャキンッ

 

発砲した分の弾薬を真珠は補充し

 

「いやはや恐れ入った、粗削りとは言え基本がキッチリと出来ている分応用も出来る将来その道を究めれば自衛隊史上最強の狙撃手も夢ではないかもしれないな」

 

朝霞さんは言い

 

「蒼川さん、君のお師匠さんは?」

 

聞かれ

 

「トム・ベケット元海兵隊上級曹長さん?だったかな」

 

言い

 

「ブーーーッッ」

 

俺は驚き

 

「ファッ?!」

 

朝霞さんも驚愕し

 

「あれ?!知ってるの2人とも」

 

真珠はあっけらかんと言い

 

「いや、知るも何も米海兵隊最高最強のスナイパーじゃないかその人と言えば」

 

俺は言い

 

「おお、優希君も知っているのかい」

 

朝霞さんも言い

 

「ええ、確か[FORCE RECON]所属のスナイパーですよね一撃必殺を信条とされていて狙った獲物は絶対に外さない。米軍の特殊作戦や対テロリストの要人暗殺等などの陰には必ずその人の存在がささやかれたって話ですけれども」

 

俺が言う中

 

「大体はあってるけれども優希君、一か所違うぞ彼の所属は[FORCE RECON]ではなくてな正解は[Marine Raiders]が大本の所属だ。彼が始末したテロリストの幹部は数知れず文字通り最高のスナイパーさ。」

 

朝霞さんは俺と真珠に言い

 

「[海兵襲撃隊]・・・・・・・・ですか」

 

俺は言い真珠に振り向き

 

「お前を鍛えてくれたお師匠様は米軍ひいては米海兵隊では伝説的な人だぞ。よっぽどお前の才能を見抜いたんだろうなスナイパーとしての素質を」

 

言うも

 

「こんな人殺しの技術何の自慢にもならないし、なりはしないわよ」

 

真珠は苦笑する中

 

「朝霞さん、上の連中の方は大丈夫ですか?」

 

聞くと

 

「ああ、皆大物だよあれだけの爆音にも関わらず起きたのは私と木村君と後藤さんだけだ由々しき事態だよ全くね」

 

苦笑し

 

「どうする?見張りを交替しようか?」

 

言われるも

 

「どうする優希?」

 

真珠は言い

 

「俺はまだ大丈夫というよりも、コンバット・ハイで興奮してるんだろうけれども目が冴えちゃってね。多分眠れないと思う」

 

俺は言い

 

「私も同じかも。なんかこう分かりやすく言っちゃうと興奮気味なのかな?すごく目が冴えてるし優希と同じ状態だからこのまま朝までやります」

 

朝霞さんに告げ

 

「分かった無理はしないようにな。それと気を付けるんだぞ、さっきの連中が増援連れて戻ってくる可能性も有るんだ何かあれば無線でもイイし部屋に直接起こしに来てくれ」

 

「「了解です」」

 

そう言い朝霞さんは戻っていくのだった。

 

「優希、後で私のお師匠様の事聞かせて」

 

言われ

 

「ああ、俺の知る限りの事だけれどもな。木村が聞いたら悔しがるぞ。そんな伝説的な人に指導して貰えて」

 

俺はブラックコーヒーの缶を開けコーヒーを飲むのだった。

 

 

 

???

 

 

「はぁはぁはぁ」

 

「一体どうなってんだ?!」

 

「何なんだあの狙撃手は?!」

 

逃げのびた奴らは言い更に

 

「殺された3人共ヘッドショットだぞ、それも動く相手の脳天をブチ抜きやがった」

 

「あの車両は眉唾ものだ、どうしても欲しい!!」

 

「でもあの凄腕の狙撃手相手にどうするんだよ!!皆殺しにされるぞ!!」

 

怯える中

 

「どうするんだ、こんな事[あのお方]には報告できないぞ!!」

 

言う中

 

「とりあえずは状況を立てなおすべきだ。勝てる戦も勝てなくなる。一旦我々の拠点に戻ろう」

 

リーダー格とおも式男は言い

 

「まるで特殊部隊並みの腕を持った凄腕スナイパーだったな、だがこの借りは必ず返す」

 

男は言うが

 

「無茶ですよ、少しでも顔を出せば次の瞬間には頭をブチ抜かれるんですよ?!」

 

周りは言った。この正体不明の武装集団と俺達の壮絶な戦いになるとはこの時の俺達は考える事も無かった。そして真珠のスナイパーとしての恐ろしい実力の一部を垣間見る事になった事は言うまでもなかった。




次回~遭遇~を予定しています。


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第71話~遭遇~

翌日に襲撃された事を受け偵察隊は動く事にするが?・・・・・・


翌日

 

道の駅〇×

 

レストラン

 

「はぁ?!蒼川のお師匠様が海兵史上最強とうたわれたベケット上級曹長?!」

 

木村は予測通りに反応し

 

「ああ、真珠の事心の何処かで舐めていたかもしれない自分を恥じたよ流石に」

 

俺は朝食を突きつつ言い

 

「もう、酷いなぁ?」

 

真珠に言われ

 

「悪いって、あんな腕見せられたら認めない訳には行かないよ」

 

俺は言い

 

「しかし、すごかったな約500m先の動くターゲットの動きを予測しそこに発砲し吸い込まれるように頭をカチ割った。」

 

朝霞さんも言い

 

「それは凄いですね、彼女は鍛えれば自衛隊で最も優れた女性初のスナイパーになるのでは?」

 

有馬3曹が言い

 

「すげぇなぁ。アホ面こいて寝ていた自分が恥ずかしい」

 

「ああ俺も」

 

「何も言えないっす、寝ていた間にそんな銃撃戦が起きていたなんて」

 

加藤や田所に翼がバツが悪そうに言い

 

「蒼川に感謝しろよ、12人中4人殺害、全員がヘッドショット。しかも見越し射撃も披露したと」

 

木村がため息を付きつつ言い

 

「すげぇな嬢ちゃん。お師匠様が海兵隊の狙撃の神様とはな」

 

後藤さんも言い

 

「でも誇れる技術じゃないですけれどね」

 

言う中

 

「いや、嬢ちゃんそれは違うぜ、その技術を[どう使うか]によってすべて変わる。」

 

後藤さんは言い

 

「確かにそうだな」

 

朝霞さんも頷く。

 

「俺達は基本守りの剣だ、[こっちから仕掛ける]なんて事は基本はしない余程の事がなければな」

 

俺も言う。そんな中

 

「だがなお前ら地雷の爆発や銃撃戦で目が覚めない程に寝てられるのは如何なものかと思うぞ」

 

朝霞1尉は有馬3曹や河野陸士長や田端2曹に言い

 

「「「面目次第もございません」」」

 

4人は言い

 

「蒼川さん、ボルトアクション式は一通り使えるなら自動式ライフルの方はどうだい?」

 

自衛隊側のスナイパーである有馬3曹が真珠に言い

 

「一応は一通りですが、えむ14?とえむ110?後はぴーえすじー1?とか自動式もレクチャーをみっちりと受けました。」

 

答えると目を丸くし

 

「朝霞1尉・・・」

 

「恐ろしい才能の開花に私は昨晩一ノ瀬君と立ち会ったのかもしれんな・・・蒼川さんが男であれば是非とも特殊作戦群のスナイパーに欲しがることに受け合いだな」

 

有馬3曹と朝霞1尉は言い

 

「なぁ蒼川、食後に俺のM14EBR撃ってみるか?」

 

木村は言い

 

「まぁ・・・・やれというのなら・・・」

 

真珠は俺を見て言い

 

「分かったよ、スポッターに付くよ」

 

俺は言うのだった。因みに食後に真珠に試し撃ちをさせた結果普通に扱える事が分かり更にシングルで自己判断で射撃も可能という恐ろしい事も発覚し木村は

 

「俺、自信なくしそう・・・・」

 

項垂れるのだった。等の真珠はと言うと

 

「自動式もいいわね、予測のつかない接近戦ならこの子もイイかも。」

 

なんて言い出す始末だった。その後昨日の後始末に皆行くと

 

「直に見るとヤバいな」

 

木村は言い

 

「ああ」

 

「です」

 

「全くだ」

 

木村や加藤に田所そして翼は言い

 

「ホントにイイ腕をしている殺した野郎は脳天をカチ割られてる」

 

後藤さんは言い

 

「流石と言うかなんと言うか、俺もお前の才能が怖くなってきた」

 

真珠に言い

 

「私は教えられたとおりにしただけなんだけれどもね」

 

真珠も言う中

 

「こいつら[AK74M]なんて持ってるぞ」

 

朝霞1尉は言い

 

「こっちもです」

 

「コイツもです」

 

「見つけました」

 

田端2曹や有馬3曹そして河野陸士長も言い、俺も車両の近くに転がってる真珠の見越し射撃の被害者に一応手を合わせ

 

「こっちもです」

 

ソイツが握っている[AK74M]を拾い上げる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

更にその仏さんを漁ると

 

「マガジン5本に手榴弾2個か・・・・・」

 

装備品を回収し

 

「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」

 

俺達11人は固まる

 

回収した装備

 

AK74Mアサルトライフル×4丁

 

5.45×39㎜弾装着済みマガジン×20個{1人頭5個ずつ携行}

 

手榴弾×8個

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

装備品を見る朝霞1尉は

 

「このAK74Mはコピー品ではないな、モノ本だ。」

 

言い

 

「確かにそうですね」

 

田端2曹も詳しく見て判断する

 

「じゃぁ真珠に殺されたコイツらはどっかのヤクザもんですかい?」

 

俺は言う中

 

「見る限りじゃぁあるがヤクザには見えねぇな」

 

後藤さんは言った。とりあえず回収したAKと弾薬を車両に詰めこみ

 

「どうする?この後は」

 

朝霞さんは言い

 

「此処からですから市街地に行くのはなんか危険そうですしコンビニあたりから少しばかり物を失敬しましょう」

 

俺は言い

 

「良い考えだ」

 

木村が言い

 

「確かに市街地に直で行くのは危ないな」

 

加藤も言い

 

「ああそうだ」

 

田所も頷く。

 

「ですね」

 

翼も同様に頷き

 

「ではちょっくら物を失敬してそしてそのロッジに行きましょうか?」

 

田端2曹も言い

 

「そうしましょう」

 

河野陸士長が言うのだった。

 

こうして全員が乗車し

 

「だからなんで俺は荷物扱い何ですか!!!あんまりだ!!」

 

翼を荷台にそして俺達はいつも通りの座席に付き

 

「行きましょう」

 

「あいよ」

 

後藤さんの運転で俺達は道の駅を後にするのだった。

 

 

 

そこから数1時間後・・・・・

 

 

 

「そろそろ市街地みたいですけれども」

 

「お!あそこコンビニあるで」

 

木村が言い

 

「そうだな、あそこで少し失敬するか」

 

俺も頷き

 

車両がコンビニの駐車場に止まり

 

「さてさて何がありますかな」

 

木村が降り

 

「さてと」

 

俺も降りるそして朝霞さんらも降りる中

 

「?!」

 

「?!」

 

店内から人が出来てきてばっちり互いに目が合ってしまい銃を構えそうになる中

 

「生存者がいたなんてな」

 

朝霞さんが言うと

 

「おまえ!朝霞か?!」

 

その男性は言い

 

「久しぶりだな倉本」

 

気さくに言い俺達も銃を下ろす

 

「その方は?」

 

俺が聞き

 

「彼は倉本武1等海尉、特別警備隊SBU所属の隊員で防大時代の同期だ」

 

朝霞1尉は言い、どの倉本さんも俺達を見て

 

「M4に89式に・・・M24にミニミ軽機関銃に・・・!」

 

何かに気付き

 

「えっと、皆さん道の駅〇×に居ませんでしたか?」

 

問われ

 

「ええ、居ましたよ」

 

俺が答えるとホッとするような顔をし

 

「よかった、敵じゃなくて」

 

倉本さんは言い

 

「でも昨日夜襲を受けたわよね」

 

真珠が言い

 

「確かに」

 

木村が頷く中

 

「規模は?」

 

聞かれ

 

「12人、そのうち4人はこの子が狙撃して殺した」

 

あっけらかんと朝霞さんが言い

 

「な・・・・・・・・・・」

 

真珠を見る倉本さんに

 

「何か?」

 

ムスッとしたように真珠が言い

 

「いや、済まない」

 

倉本さんが言う中

 

「64式か・・・・・・」

 

俺は気付き

 

「木村、予備の89式持ってきてなかったっけか?」

 

聞き

 

「一応念のためにって積んできた装備の予備に折曲銃床式の89が1丁あるぞ」

 

そう言い軽装甲機動車の荷台から89式小銃の折曲銃床式を取り出し

 

「お近づきの印にどうぞ」

 

倉本さんに渡す。

 

「済まないね、助かる恩に着る」

 

流石特警隊直ぐに動作の確認をしマガジンを装着する。

 

「後これもどうぞ」

 

プレートキャリアを渡す。そして一通り装備し終え

 

「さてと、皆さんは此処まで何を目的に?」

 

倉本さんは聞き

 

「コイツのロッジが無事か否かを確かめに来たんですよ」

 

木村が言い

 

「え?」

 

倉本さんが言い

 

「地図地図っと」

 

後藤さんが地図を出し

 

「ここらのはずだ」

 

目印を付けた地図を見せると

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

倉本さんがバツが悪そうに俺に向き直り

 

「えっと、済まないが最初に謝らせてくれ」

 

言われ

 

「はい?」

 

言うと

 

「そこのロッジ、[私達]が拠点代わりに使わせてもらってる処だ」

 

言われ

 

「マジですか?!」

 

思わず俺も言っしまい

 

「ああ、妻と子供、後は休暇で何でも日本食ぶらり旅だかで日本に来てこの惨劇に巻き込まれたロシア軍のスペツナズの連中と7人でだが」

 

バツが悪そうに言う中

 

「どうする優希、露助狩りをするか?」

 

加藤が言い

 

「だが相手は殺しのプロ、悪逆非道のスペツナズだぞ」

 

田所も言うが

 

「アホ、味方になってくれるかもしれない人に戦争吹っ掛けてどうする」

 

俺は言い

 

「とにかく、ロッジまで行きますんでのってって下さい。話はまずそこでしましょう」

 

俺は言い

 

「すまない」

 

頭を下げられ

 

「仕方がないですよ。こんな緊急事態ですし」

 

俺は言い

 

「倉本、こっち来い」

 

「あいよ」

 

2号車に倉本さんを乗せ、俺達はロッジに向かうのだった。




次回~ロシア人との邂逅~を予定しています。


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第72話~ロシア人との邂逅~

新たな同行者を迎え目的の場所に赴く一行だったが・・・・・・


一ノ瀬所有ロッジ2

 

俺達は軽装甲機動車から降り

 

「へぇいい場所じゃん」

 

「ああ」

 

「一ノ瀬のオヤジさんもイイ趣味してるわな」

 

「ですね」

 

木村達が言い

 

「うわぁ・・・・・凄い、この古風な感じがまたいい味出してる」

 

真珠も言う中

 

「さてはてロシア人共がどう出るか」

 

後藤さんも言う中

 

「隊長如何しますか?」

 

田端2曹が朝霞1尉に言い

 

「うむ・・・・[スペツナズ]・・・・か・・・」

 

特殊作戦群所属の朝霞1尉でも流石に身構えてしまう。無理もない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は無言でそのロッジを見渡す。

 

「優希?」

 

真珠に言われるも

 

「いや、大丈夫だよ」

 

俺は言い

 

「朝霞、彼らも皆話せば味方になってくれるさ」

 

倉本さんが言うが

 

「一応、お前らが使ってるロッジの[正当な相続権利者]が此処に居るからな、彼の気分1つでお前ら家族も最悪は追い出されかねないぞんだぞ」

 

朝霞1尉が言っているが

 

「そんな事はしませんよ、俺も鬼ではないですから。」

 

直ぐにそこは否定する。そしてロッジの中に入る。

 

 

ロッジ居間

 

「・・・・・・・・・という訳です。」

 

俺は座る倉本さん家族やそのスペツナズの連中に言う。

 

「えっと、つまり私達は此処を追い出されると言う事ですか?」

 

倉本さんの奥さんであるつぐみさんに言われるが

 

「いえいえ、違いますこんな中追い出せるとすればそれはもう人の心を捨ててますよ。」

 

言う。

 

「デシタラ、イチノセサンハワレワレニナニヲヨウキュウシマスカ?」

 

スペツナズのリーダーであるイワノフ中尉は言い、それに対し

 

「Я не хочу расточительного кровопролития друг для друга」

 

{無駄な流血沙汰を望みません互いの為に}

 

ロシア語で切り替えし

 

「!!」

 

周りは無論そのスペツナズの連中も驚き

 

「Так давайте сотрудничать друг с другом」

 

{ですから互いに協力しましょう}

 

話す。

 

「優希、お前ロシア語話せるのか?!」

 

木村に驚かれ

 

「ああ、いつか戦う時が来るであろうその時に備えてな、それと個人的にはプー〇ンを尋問・拷問にかけてシバきたくてなそれに捕虜に対しての通訳とかも必要だろ違うか?」

 

苦笑して言う中

 

「優希、貴方何か国語話せるの?!」

 

真珠に問われ

 

「独学だけれども英語は勿論の事後はロシア語と中国語と韓国語くらいかな。後はドイツ語を勉強中だったよ、この乱痴気騒ぎのお陰でパーになったけれどな。」

 

言うと

 

「はぁ・・・・貴方軍人に成らずとも食べて行けるわよ?頭も良いし外交官、通訳仕事は選び放題よ」

 

真珠は言う中

 

「ロシア語を話せるなら私達も片言の日本語を話せるように装う意味もないわね」

 

イワノフ中尉さんはスラスラと日本語で言い

 

「ありがとうございます。」

 

俺も言い

 

「此処に私達を滞在させてくれる条件は互いに協力する事でイイのね?」

 

イワノフさんは言い

 

「ハイ。「生きる為に」あらゆる事に」

 

俺は言い

 

「了解よ、私達も寝床を追われるのは勘弁だからね」

 

イワノフさんは俺達を見て言い、そんな中

 

「あなた、89式小銃なんて何処で見つけてきたの?」

 

倉本さんの奥さんのつぐみさんが言い、訳を説明しその時俺もAK74Mの事を思い出し木村も

 

「イワノフさん、64式使いずらくないですか?」

 

木村が尋ね

 

「ええ、でも贅沢は言えないわ。武器がなければ流石にねぇ」

 

イワノフさんは言い、それを見た俺達も頷き

 

「イワノフさんAK74M欲しくないですか?」

 

俺が聞くと

 

「あるなら欲しいわ是非に!」

 

言いそれに対し加藤に目配りをし

 

「ほいきた」

 

加藤が一旦外に出て車両に摘んでいたAK74Mと弾薬を持ってくる

 

「皆さんへのプレゼントです、後はプレキャリも」

 

4丁のAK74Mを置き弾倉も20本置く。

 

「助かります、何処で入手を?」

 

イワノフ中尉に聞かれ夜襲を受けた事を話す。すると

 

「それ、ちょっとまずいかもしれないな」

 

もう一人のロシア人のクドコフ准尉がAKに弾倉を装着しながら言い

 

「確かに」

 

チャフスキー伍長も頷き

 

「うん、それは結構まずいかも」

 

ビクトール伍長も同意するように頷く。

 

「なぜだい?」

 

朝霞1尉が尋ねると

 

「アサカ大尉、それはここら一体を支配してるのがゾンビ擬きやヤクザでもなく新興宗教団体擬きだからですよ。俺達も人目に付かないように活動して物資集めてるんですが」

 

ビクトール伍長は朝霞1尉に言い

 

「成る程な・・・・・」

 

言う中

 

「しかもかなり質の悪い相手ですね」

 

イワノフ中尉も言い、更に

 

「市街地の半分は連中のテリトリーですから見つかれば・・・・・です。」

 

言う。

 

「中尉の言う通りです、アサカ大尉。更に拠点を何処に構えてるのか?それも分からないんですよ。私達も皆の安全の為に動こうと思ってはいたのですが」

 

クドコフ准尉が言い

 

「成る程‥・・・そう簡単に帰れなくなったな」

 

朝霞1尉は言い

 

「だな、此処が敵に発見されればいくら日露の[特殊部隊員]が5人いても守り切れないぞ。」

 

後藤さんも言い頷く。それに

 

「今後どうします?」

 

俺は朝霞さんに尋ね

 

「うむ・・・・目的は果たしたが此処に居る新たな仲間に危機が迫っているとなるとそれを放置しては帰れないだろう。」

 

朝霞さんは言い

 

「教団潰しと行きますか?」

 

加藤は言い

 

「持ってきてる物資の量を考えてモノを言いなさいよ」

 

真珠は言い

 

「予備の装備を考えなさい。一通りの装備と予備の武器と弾薬は積んでるけれども私がざっと見積もって余裕を持っても1週間半粘っても2週間が限度よ作戦可能期間は」

 

真珠が言い

 

「物資の量を考えれば確かにそこらが限度だな。弾薬や食料に爆薬にと色々と持っては来たが」

 

俺も同意する。

 

すると

 

「皆さん、私達もそこそこですが備蓄してます。見て下さい」

 

つぐみさんが言い

 

「ええそうね。ツグミさんの言う通り。」

 

イワノフ中尉も頷きそのまま皆がガレージに案内されると

 

「ふむたしかに弾薬は何とかなる量だ。」

 

「食料も」

 

「予備の装備を足せば何とかなるかしら?」

 

俺達は頷く。そしてその日の夕食を取り部屋へとそれぞれが案内される中

 

 

 

2階 各員寝室

 

 

一ノ瀬&蒼川sルーム

 

 

「一ノ瀬君と蒼川さんですね」

 

つぐみさんに言われ

 

「「ハイ」」

 

俺達は自分の装備品と荷物を持ったまま言い

 

「お二人の仲は聞いていますが程々にお願いしますね。私もうるさくは言いませんが一応うちの幼い娘も居ますので。あとこれどうぞ」

 

つぐみさんに小さく笑われつつ小さな箱を渡され真珠が受け取り

 

「何ですかこれ?」

 

真珠が尋ね

 

「[同じ女]の私に聞きますか?」

 

苦笑され

 

「!!」

 

真珠は気付くと顔をトマトのように真っ赤にし俺は真珠に気を使い知らない振りをする。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ふふ、初々しいわね。2人とも人生の先輩としてアドバイスよ[未来の家族計画]は慎重にね?」

 

つぐみさんに言われてしまい俺達は何も言えずに部屋に入るのだった。

 

「ふぅ・・・・・」

 

プレートキャリアベストを脱ぎ銃と荷物を置き

 

「疲れた疲れた」

 

ベットに横になり

 

「うん、私も」

 

真珠もプレートキャリアベストを脱ぎ装備を置く。

 

「あーもう、つぐみさんも[こんなモノ]貰ったら嫌でも意識しちゃうじゃない!!」

 

真珠は言うと[その箱]を部屋の奥に放り投げた。

 

「ははは、そんな事しなくとも今まで二人で過ごしてきただろう?おいで」

 

真珠に言うと真珠も俺の隣にベットに腰掛け

 

「ふふ」

 

身を寄りかからせてくる。

 

「はぁ、明日から1週間以内に・・・・・か。どうやって片をうけようか・・・・」

 

俺は言い

 

「ええ、そうね装備の量を見積もっても一週間が以内が安全ラインよね。」

 

真珠も頷くが

 

「でも・・・・・今夜だけは甘えさせてほしいなぁ・・・・」

 

「[お楽しみ]は後にとっとけよ、銃のメンテナンスしないと」

 

告げ

 

「はーい」

 

「よっこいしょっと」

 

言い俺達は2人仲良くM4CustomとM24SWSのメンテナンスを行うのだった。

 

 

 

その頃

 

 

木村sルーム

 

「すげぇ・・・・ベットだぜ」

 

「ああ、有難いよ」

 

「だな」

 

「ですです」

 

皆は言い装備品を下ろし

 

「ふぅ・・・・じゃぁ装備のメンテナンスでもすっか」

 

木村が言った事を皮切りに

 

「ああそうだな」

 

「んだんだ」

 

「です」

 

それぞれがM14EBR、89式小銃、ミニミ軽機関銃と分解整備を行い明日に備える。

 

「しかし蒼川の腕本職顔負けだな、4人殺して全員ヘッドショットの上、見越し射撃で動く相手の頭をブチ抜いた」

 

木村が言い

 

「ああ、[特殊作戦群]の朝霞さんが絶賛するなら蒼川の腕は特殊部隊バリのモノ本と変わらない腕だな。」

 

加藤が自身の武器を整備しつつ言い

 

「約500m離れた相手の行動を予測しそこに銃撃し当てる[見越し射撃]なんてそうそうできる芸当じゃないぜ、ありゃぁ」

 

田所も頷き

 

「ゾッとしますね。しかも一人でスナイパーに必要な計算やら何らを頭でこなして撃てるとか」

 

翼も言い

 

「蒼川の天職の1つになりそうだな、[画家]の他に[特殊部隊の狙撃手]もな」

 

木村が続け

 

「それも[女性初の特殊部隊員]の称号のおまけつきだ」

 

加藤は言い

 

「その海兵隊のトム・ベケット元上級曹長さんは蒼川のスナイパーとしての才を見抜いたんだろうな。でなけりゃ海兵式のスナイパー教育なんてしない。自衛隊の狙撃手も優れてはいるだろうけれども[蒼川並み]ともなってくれば話は全然違ってくる。もう既に蒼川の奴は[超一流]の仲間入りをしてるのでは?」

 

田所も言い

 

「同じスナイパーとしてはなんか途方もなく遠い所に蒼川が居るように感じちまうななんと言うか[実力の差]だなそも俺には[見越し射撃]なんて芸当は不可能だよ現状じゃな」

 

木村は言った。

 

「敵でなくて良かったですよ。蒼川先輩がライフル持てばその有効射程内に居たらまず毎違いなく100%殺されますからね。」

 

翼も言い

 

「ああ、違いない。あの女を恋人にひいては未来の伴侶に選んだ優希の人生はどうなる事やらな。万に1つでも浮気すれば[息子]を吹っ飛ばされそうだけどもな」

 

木村が言い

 

「違いないです」

 

翼も言うのだった。

 

 

同時刻

 

 

自衛隊員&後藤の部屋

 

「いやはや当初の任務は完了したが副次任務だな」

 

朝霞1尉は言い

 

「ええ、そうですね。それもスペツナズと協力してですけれども」

 

田端2曹は言い

 

「確かにすべてが謎と言うのもまた困った話だ。情報収集を行いそして敵の拠点を探るまぁベタな方法だがそれで行くよりほかあるまい」

 

朝霞1尉は言い

 

「ですね」

 

河野陸士長は頷き

 

「でも市街地にですからかなり広大ですよ」

 

有馬3曹も言った。

 

「情報をどう入手するか・・・・か」

 

後藤さんも考え

 

「何か案でもあるかい?」

 

聞かれ

 

「思いつかないね」

 

言う中

 

コンコンコン

 

聞こえ

 

「どうぞ」

 

朝霞が言うと

 

「失礼します」

 

部屋にはさっきのスペツナズの4人が入って来た。

 

「イワノフ中尉どうかしたので?」

 

朝霞1尉は尋ねると

 

「自衛隊の方々と親睦を深めに」

 

イワノフ中尉は言いクドコフ准尉に目配りし

 

「ウォッカ割りでもどうですか、アサカ大尉」

 

クドコフ准尉とチャフスキー伍長とビクトール伍長がそれぞれに人数分のコップとウォッカの瓶を二本と割る為のジュースを少々持って来たのだった。

 

「ありがたい、行き詰っていましたからね」

 

朝霞1尉は言い

 

「では、失礼して」

 

スペツナズの4人は座り

 

「情報収集をどうするかを話していた所です。」

 

田端2曹は言い

 

「情報収集ですか・・・・・」

 

クドコフ准尉はウォッカを注ぎつつ言い

 

「好き勝手やってる割りには痕跡を残さないようにか・・・・徹底してるな」

 

 「ハイ。」

 

イワノフ中尉が頷き

 

「同業者でしょうか?1尉」

 

有馬3曹も言い

 

チャフスキー伍長が

 

「可能性はありますね、我々のような[特殊部隊]でなくともそれに準ずるようなスキルを持つ人間がいる可能性はあります。例えば・・・・・」

 

言い

 

「うちで言えば・・・・[レンジャー]だな。」

 

朝霞1尉は答え

 

「信じたくはないですが、レンジャー資格を有する人員が敵側に付いているとなると厄介です。我々[特殊作戦群]や倉本1尉らの[特別警備隊]のメンバーの殆どが持ってる資格ですからね。警察のSATも取る必要があるとかないとか・・・・聞いた事あがあります。」

 

有馬3曹が答えた。

 

「厄介ですね。日本の[レンジャー]もかなりのやり手で厄介と聞きます。となるとすんなりとこちらの思惑取りにはいかないでしょう」

 

イワノフ中尉は言うのだった。

 

「そうだな。でも[やり様]はいくらでもある。[うちらは米軍仕込み]だからな普通科とは違って。」

 

朝霞1尉は頷く中

 

「うちらSBUは英国とアメリカの2国仕込みですがね」

 

ドアが開き倉本1尉が入って来る。」

 

「おう、嫁さんと子供は?」

 

朝霞は聞き

 

「ああ、ぐっすりだよ」

 

答え

 

「俺も仲間に入れてくれよ」

 

そう言い皆の中に入り

 

「クラモト大尉、どうぞ!」

 

クドコフ准尉がグラスを置きウォッカを注ぐのだった。そして夜は更けていくのだった。




次回~ロッジでのそれぞれの夜~を予定しています。


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第73話~ロッジでのそれぞれの夜 一ノ瀬&蒼川~

目的地に到着しそれぞれが思い思いに過ごす中、2人は・・・・・


一ノ瀬&蒼川 寝室

 

 

「はぁ・・・・・・寝る所が変わると落ち着かないな・・・・・」

 

俺は言い

 

「え、貴方がそれを言う訳?異性の私が居ても横でガースカ寝てたあなたが」

 

真珠が言うが

 

「そういう意味じゃないよ」

 

答えM4Customに手を伸ばすと

 

「ダメよ」

 

真珠に言われ

 

「恋人がいるのに、[恋人]より[銃]なの?」

 

真珠は言うが

 

「いや、だからさぁ」

 

「うん、だから?」

 

俺達は言い合い

 

「落ち着かないんだよ。拠点に居た時は出来うる限りの事をして防御して来たでも此処で俺達を守るモノは生い茂った森林の森とそして[コイツ]だけだ」

 

M4Customを取り、ベット脇に立てかける。

 

「此処には地雷も手榴弾の組み合わせトラップもない。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙って真珠は聞き、何かに気付いたようで

 

「成る程ね、[完璧ではないから落ち着かない」と言いたいのね」

 

言われ

 

「ああ、そう言う事」

 

答え

 

「あとな、真珠お前そう言う割に枕もとにSFP-9置いてるし説得力皆無だぞ。あっちに居る時はそんな事一度もした事ない癖に」

 

俺は言い

 

「よく見てるね、うん・・・・正直私も不安かな」

 

言い

 

「まぁ・・・・・分からなくもないけれどね」

 

答えた。こっちの状況は完全に手探りの上に拠点の防備は全然と言っても良いほど皆無。万が一山地で銃撃戦になった際に足止めの為のトラップがないのは少しばかり不安でもある。

 

「真珠、1週間でケリが付くと思うか?」

 

天井を見て言い

 

「・・・・・・・・・・・付くわよ・・・・・ううん、付けなきゃ・・・・」

 

言い

 

「しかし、お前が殺した奴ら見た限りは完全に民兵だったけども装備が俺達並みに充実してるかもしれない事を考慮しないとな」

 

言うと

 

「でも疑問が残るわよね」

 

「何が?」

 

俺が尋ね

 

「あの[AK74M]ってライフルだけれども少しばかり朝霞さんに聞いたんだけれどもさ日本国内では[自衛隊特殊部隊]である[特殊作戦群][特別警備隊]もしくわ[暴力団]とかでしか入手は出来ないって」

 

真珠は言い

 

「で、入手経路も当然お前の事だ、おおよそはの事も尋ねたんだろう?」

 

聞くと

 

「ええ勿論、ロシアで一部のマフィアやロシア軍の一部の不良軍人辺りがお金とかと引き換えに横流しするんだってさお小遣い稼ぎに。それらは日本の暴力団辺りに流れたりするそうよ」

 

真珠は言い更に

 

「自衛隊の陸自や海自の特殊作戦部隊は第三国経由での購入ね、大方は米国や英国とかの同盟国や友好国あたりから購入するそうよ」

 

答える。

 

「まぁ、[特殊作戦群]や[特別警備隊]が保有してても驚かないわな」

 

俺は言い

 

「どうして?」

 

聞かれ

 

「考えてみ、真珠もし俺とお前が例えばそうだな、北朝鮮と戦うとしよう。北の主力武器は殆どがAKシリーズで統一されてる。そんな敵地に潜入する時に口径の違う武器を持ち込めば弾薬の補給に大いに支障が出ちまう。だからその潜入先の軍の武装にある程度合わせれば殺した敵から、もしくわ敵の基地の武器庫から弾薬を拝借出来るという訳だ」

 

答え

 

「成る程ね・・・・・・」

 

真珠は頷く。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

会話が一旦途切れるが

 

「ねぇ・・・・・優希」

 

唐突に真珠は言い

 

「なんだ?」

 

俺も答えると

 

「この乱痴気騒ぎがなかったらさ私達はどんな道を進んでいたのかな」

 

言い

 

「うーん、少なくとも俺達の別々に歩んでいた道が一つに交わる事は確実になかったと思うかな。俺や木村達は一緒に防衛大学に行って幹部自衛官になってお前は美術大学に行って運が良ければ画家になって卒業の時点で縁も切れて只の同級生としてオシマイ。」

 

答えると

 

「そんな寂しい事言わないでよ・・・・・・・」

 

真珠は横に引っ付いてくる

 

「今後ホントにどうなるかな」

 

言われ

 

「ホント、一寸先は闇だなまさに」

 

答え

 

「殆どの人達が死んでしまった後、世界は何処に向かおうとするのかな?完全な破滅なのか、それとも生き延びた人類が次に種をつなぐのかな?」

 

真珠も言い

 

「どうだろうな。世界情勢は情報がない分まるっとわからないからな。生末がどうなるのか・・・・」

 

俺も言う中

 

「安心してよ、それでも貴方の隣には常に私が居るからさ。もう絶対に1人なんて寂しい思いはさせない、それこそ「死が私達を分かつその時まで」ね」

 

真珠は笑顔で言い

 

「お前、言ってる事の意味を解ってるのか?」

 

苦笑しつつ言うと

 

「ええ、無論よ」

 

してやったりというような顔をし

 

「この乱痴気騒ぎを生き抜いたら[私が貴方の家族]になるわ、きっと賑やかで楽しい日々になるわよ」

 

言われ

 

「そうだな、真珠と2人で過ごしてきた時も楽しかった、悲しい事もあったけれどもそれでも隣に居てくれて支えてくれて[ありがとう]まさにその一言に尽きるよ」

 

素直に彼女に感謝を述べ

 

「[ありがとう]ね、それを言うなら私もよ。こんな事を言うのは変だけれどもさこの乱痴気騒ぎがなければ私は貴方と出会う事はなかったわ貴方とこんな関係に成る事も」

 

言われ

 

「お前の背中は俺がカバーするから心配しないでくれ」

 

「ええ、頼りにしてるわ」

 

真珠も言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

部屋の隅に真珠自体が放り投げた[例のブツ]を見て

 

「ねぇ・・・・・優希・・・これつかわn」

 

「ダメ・・・・だぞ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

無言でにらまれ

 

「隣の部屋には木村達が居るんだ、状況を考えような頼むから」

 

言うと

 

「うん。」

 

真珠は言ったが次の瞬間

 

「えいッ」

 

「おわっ」

 

ガチャンッ

 

真珠にベットに押し倒され、置いていたM4CustomとM24が床に転がり音がする。

 

「ふふ、大丈夫よ貴方が思ってる事はしないからさ」

 

俺の上にまたがり笑っていってると

 

ドンッドンッ

 

壁を蹴る音が聞こえ

 

「はぁ、お前が俺をベットに倒すから銃が床に転がっちまって音で木村達に感づかれちまうぞ」

 

俺も苦笑する中

 

「大丈夫、もう寝ましょう。明日から本格的に行動を開始するのだから」

 

真珠は言うと俺から退きそのままリモコンで部屋の照明を消し俺の隣に来て布団を被る

 

「お休みなさい」

 

「うん、お休み」

 

互いに軽くキスを交わしそのまま手を握り合い眠りに落ちていくのだった・・・・

 

 

 

かに思えたが

 

 

 

「眠れない・・・・・・・」

 

「うん、私も全然」

 

真珠も俺も言い

 

「それはそうとさ、優希自身は今の[メンタル大丈夫?]なの?」

 

真珠は言いその言わんとする事を俺も理解していた。

 

「まぁ、大丈夫・・・・とはいかないかもしれないがお前の足を引っ張る事はないと思う」

 

俺は言い

 

「明らかに今回は[対人戦]になるもの心配するわよ」

 

言われ

 

「そうだよな、でも大事な人を守る為に戦うしか方法がない時に日和ってる訳にも行かないからな。」

 

「ふふ、その調子よ。でも何か不安があれば隠さずに言って。私は貴方のパートナーなんだから。」

 

「解ってる。」

 

俺も頷く中時計を確認するが

 

「ホント場所と環境が変わるだけでこうも眠れなくなっちまうもんなんだな」

 

「それはしょうがないわね」

 

2人で話す中、隣に木村達の部屋からも少し騒ぐ声が聞こえてきて

 

「あっちも盛り上がってるな」

 

「ええ、そうみたいね」

 

2人で笑う中

 

「でも本当にこの乱痴気騒ぎがなければ本当に接点のない人達が集まったよね」

 

「ああ、[特殊作戦群]に[特別警備隊]果てはロシアの[スペツナズ]に[ヤクザ]にと数えればキリがないわな」

 

俺も苦笑し

 

「もう此処までくれば何が出てきても驚かないわよ。筋肉もりもりのマッチョマンでもイカレたサイコパスでももう何でも纏めてかかって着なさいって感じよ」

 

真珠も言い

 

「そうだな、俺達自身この環境に順応し始めているのかもしれないな」

 

言い

 

「遺憾ながらそうなのかもね、本当に泣けてくるわよ」

 

2人で言い

 

「流石になんか木村達騒ぎ過ぎじゃないかしら?」

 

「やっぱり?俺もなんかそう思ってた」

 

段々と声のトーンが大きくなってきており

 

「よいしょっと」

 

ベットから起き壁に近づき

 

ドンドンドン

 

壁を蹴ると騒いでいた木村達の声のトーンが下がるのだった。

 

「はぁ・・・全く」

 

「ふふ」

 

ベッドに戻り

 

「じゃぁ今度こそお休み」

 

「うん!」

 

軽くキスを交わしそのまま深い眠りに落ちていくのだった・・・・・・




次回~ロッジでのそれぞれの夜 木村Group~を予定しています。


今日中にもう1話~2話上げれればと思います・・・・


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第74話~ロッジでのそれぞれの夜 木村Group~

一ノ瀬&蒼川の隣の部屋の木村達は・・・・・・


木村Group 寝室

 

ゴンゴゴン

 

壁を蹴り

 

「はぁ、蒼川の奴見境なしかよ。ちっとは自重してくれよ。1人モンにはどくだっつうの」

 

木村が言い

 

「ホントに蒼川なのか?」

 

加藤がベットから起き上がり

 

「ああ、優希の声が聞こえたよ薄っすらとだけれでも[おわッ]って」

 

若干呆れ気味に木村は言う中

 

「まぁまぁ、イイじゃないかよ[氷の悪魔]がゾッコンに成る程惚れ込んだんだし、優希がちゃんとストッパーになってるわけだしな」

 

田所が漫画を置き言った。

 

「蒼川先輩も一ノ瀬先輩も俺達や自衛隊の人達が来る前から共に居るわけですからね」

 

翼も言うなか

 

「でもよかったんじゃないのか、優希の境遇にはずっと俺も思う所があったしな。両親が自衛官だから俺も分かるつもりだよ」

 

加藤が言い

 

「そうだな、優希への陰湿なイジメはいただけなかったよな」

 

木村も頷き

 

「でも優希自身はメンタルは鋼並みに強かった。児童養護施設出身でも成績優秀だしスポーツ万能だしイジメてる奴らも何処をどうイジメればいいのかって感じだったもんな」

 

田所も言う中

 

「でも、俺自身許せなかった事がある。」

 

加藤は言い

 

「分かるよ、あれだろ。クラスの一部の奴が助っ人で野球部の試合に行くときに使うサウスポー用のグラブとスパイクをズタズタにして硬式用バットを壊した事だろ。お前が暴れに暴れてそいつらを半殺しにしそうになった時のことだよな」

 

木村はM14EBRの弾倉を外しながら言い

 

「ああ、あれは許せなかった。本人の力が及ばない所をなじるのがとてもな」

 

怒る加藤に

 

「でもお前感謝しろよ。一ノ瀬や俺達がすんでの所で止めに入らなかったらお前どうなっていたか全く、有段者が手を出したらアウトなんだからよ。」

 

田所は言い

 

「ああ、すまんかった。」

 

加藤が謝るなか

 

「でもお前のお陰で優希のバットもグラブもスパイクも弁償出来たんだしそこはね」

 

木村が言い

 

「ソイツらはどうなったんですか?」

 

翼は言い

 

「うちの学校そう言うのに厳しいのは知ってるだろ」

 

木村は言い

 

「ハイ、一応は進学校ですからね。」

 

翼も頷き

 

「だから[退学]って事に決まりかけていたんだけれども優希の奴も甘いと言うかなんと言うかなぁ」

 

木村は言い

 

「どうしてですか?」

 

首をかしげる翼に

 

「直訴したんだよ、学校長に[確かに許されない事をしたが過ちは誰でも犯す生き物です、その過ちを経て人は成長するだから更生する事に賭けても良いと思います。だから今回は退学処分は勘弁してやって下さいお願いします。]って校長と教頭に頭さげたんだぜ、普通[被害者]がするか?そんな事」

 

木村は言い

 

「確かになぁ、[加害者側]が土下座して退学は勘弁して下さいと頼むなら分かるけれども逆に[被害者側]がね・・・」

 

加藤も訝しむなか

 

「だから優希自身の欠点とすれば[優しすぎる事]かな。[非情]になり切れない所が長年の付き合いで見てきたアイツの欠点かな。でもそこがアイツの長所でもると思う」

 

木村は言い、更に

 

「だからな、俺は優希に蒼川っていう守るべき大切な人が出来た事を嬉しく思ってる。[共に泣き][共に笑い][共に幸せを分かち合い][苦難も共に乗り越える]そんな存在が居るだけで人は頑張れるからな」

 

言ったのだった。

 

「確かに、人生棘の道過ぎたけれどもそんな優希への神様からのプレゼントなのかもな」

 

田所が言う中

 

「でも、こんな状況でっていうのは笑えないですけれどもね・・・・」

 

翼が苦笑し

 

「確かにな」

 

木村も頷くなか

 

「でも蒼川も人を見る目があるよな]

 

加藤は言い

 

「たしかにな」

 

田所も頷く。そんな中に

 

「そう言う先輩方はいないんですか[好きな人]は」

 

翼が言い

 

「そう言うお前はどうなんだよ」

 

木村が言うと

 

「すまんせん・・・・・・・」

 

口ごもり

 

「言い出しっぺが黙秘はいただけないなぁ」

 

言ったが

 

「俺が好きだった子は・・・・[死にました]・・・・・今回のこの騒ぎでですが。とは言っても片思いでしたけれども。因みに名前は同級生の望月佳奈さんでした。」

 

その一言に

 

「「「あっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

木村も加藤も田所も我に返りそして無言になる。

 

「す、すまない。」

 

「悪ノリし過ぎた」

 

「何と言うか・・・・・言葉もねぇ、わりぃ・・・・・・・」

 

一気に部屋の空気が悪くなりそうになる中

 

「そう言う先輩方はどうなんです?、正直な所一ノ瀬先輩&蒼川先輩の口から砂糖を吐くようなダダ甘すぎる光景を見せられ続けると発狂しそうにもなると思うですけれども」」

 

翼は言い

 

「まぁね、確かに好きな子がいない訳でもないんだけれども・・・・ね」

 

木村は言い

 

「おっ、盛り上がってまいりました」

 

田所は敢えて盛り上がるように言い

 

「まぁまて、恋も今や情報戦だ相手の情報を収集し相手の好みに近づく事が一番の近道だ!!」

 

「落ち着けって加藤!!」

 

「それで木村、キリキリ吐いちまえよ、誰が好きなんだ?ん?」

 

「言わないと・・・・・・ダメか・・・・・」

 

木村は言い

 

「まぁ・・・・ムリにとは言いません」

 

翼は言う中

 

「・・・・・・・・・・な・・・た・・・・・」

 

「?」

「?」

「?」

 

首を傾げ

 

「聞こえない!!」

 

田所は言い

 

「牧瀬日向だよ畜生ッ!!・・・・・・・・・・・・きゅぅ・・・・・・」

 

「あかん、追い詰め過ぎた」

 

「ああ、追い詰めてしもた。」

 

「やってもうたすね先輩・・・・」

 

木村はオーバーブローしたように顔を赤くし撃沈してしまったしかし

 

「牧瀬姉妹の姉のほうな・・・・」

 

「既に妻帯者wwの先輩に相談してみるべきですよ、あの[氷の悪魔]を落としたんですから」

 

「確かに、蒼川自身は地雷物件扱いだったけれどもそうでもないものな実際は」

 

「確かにな、最近はかなり丸くなってきたしな、あと優希の前で蒼川の事を地雷物件なんていうもんじゃねぇぞ。ブチ殺されちまう」

 

3人は言うが、そもそも2人が結ばれた時の事を知るのは2人しかいない。言えるはずもない。なんせ蒼川自身は

 

「感情を抑えきれずに襲いました」

 

優希自身は

 

「蒼川の気持ちに気付いてやれずに襲われました」

 

というようなある意味での黒歴史だからだ。それを知るのは遥か先の話。

 

「あーあ、俺達も彼女欲しいっ!!」

 

ゴンゴンゴン

 

「やべぇ」

「声のトーン下げよう」

「騒ぎすぎだな」

「少し静かにしましょう」

 

壁越しに優希?か蒼川?に抗議され声のトーンを下げる俺達だった。




次回~筋肉モリモリマッチョマンの変態~を予定しています。


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第75話~筋肉モリモリマッチョマンの変態~

優希らが第二の拠点で過ごすその頃


????

 

「あんたも中々強情だねメイトリクス大佐」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

取り調べ室のような場所で1人の男が米軍人を尋問していた。

 

「自衛隊員がこんなバカな事をするとわな、貴様恥ずかしくないのか?」

 

米陸軍特殊部隊メイトリクス大佐事、ジョン・メイトリクス大佐は呆れつつ言い

 

「今のこの世界の何処にご不満が?好き放題に暴れられる法律何ものはなきに等しい同じ軍人の貴方にも分る筈だが」

 

その男はニヤニヤしながら言い

 

「{コイツ狂ってやがる}」

 

メイトリクスは内心思いつつも

 

「日本中で奮戦してる同じ自衛官らに申しわけないと思わんのかこの軍人の恥さらしめが」

 

メイトリクスは怒鳴るが

 

「私は別に国防にそこまで強い思い入れや意志が有る訳ではないですからね。ただただ給与の為に戦っていたようなものですがね。貴官のような殊勝な考えも無ければ愛国精神も有る訳でもない」

 

男は笑ながら言い

 

「ですから言っているのですよ、グリーンベレーの貴方の隊が加わってくれれば怖いもの知らずだと。我々も民兵や自衛隊から離反した一部の隊があるのみ兵隊の頭数は多いですがその大半は民兵ですからね。ですから大佐らのグリーンベレーは喉から手が出る程欲しい」

 

男は言い、更に一人部屋に入って来る

 

「どうだ斎藤2等陸尉、メイトリクス大佐殿は力を貸して下さると?」

 

その男の顔にもメイトリクスは驚き

 

「貴様まで・・・・とわな。今は亡きイチノセ少将が今の貴様を見たらなんと思うだろうななんと嘆かわしい・・・」

 

手錠を二重にされているためメイトリクスの腕の力では壊せそうになかったが

 

「どうとでも喚いていろ、武器を持たない貴様は所詮は役立たずの只の木偶の棒にすぎんのだ」

 

佐藤峰明2等海佐、元SBU隊員でありメイトリクス大佐が言った通りこの男は、優希の父にして殉職した[一ノ瀬海将補]の元ではあるが部下に当たる男だった。そして離反する前は陸警隊はに所属していた。

 

「メイトリクスの部下は早くに捕まえないと厄介だ。この場所が割れてしまう。」

 

佐藤は2佐は斎藤2尉に告げ

 

「ハイ、少数でもグリーンベレーは精鋭ですからね。ですがグリーンベレーは攻勢だから強力であって果たして防備の側にまわった際にはその力を発揮できるか否か。それを含め自国は無論の事各国の特殊部隊相手にも戦えるかを我々レンジャーは長年研究してきました。対米軍の演習でも使えるように」

 

斎藤は言い

 

「頼もしいな、貴官のレンジャー小隊は」

 

「お任せ下さい、グリーンベレー等我々の朝食にでもしてやりますよ。」

 

斎藤は言うが

 

「俺の部下達はどいつもこいつも強者揃いだお前らに捕まえられるかな?」

 

メイトリクスは笑う中

 

「その強がりが何時までもつか見ものだな、コイツを、この木偶の棒を牢にぶち込んでおけ」

 

佐藤が言うやいなやAK74Mをもった民兵らに連れられ無理矢理メイトリクス大佐は連れて行かれたのだった。

 

 

そして牢にぶち込まれたメイトリクス本人は

 

「{頼むぞ、ベネット残りの連中を連れて逃げ切ってくれ。自衛隊の残存部隊でも良い協力的な民間人でも警察でもなんでもイイ、何とかこの状況を伝えてくれ}」

 

メイトリクスは手狭な檻の中で思っていた。後にまさか此処の場所が割れてしまいそしてベネットが自衛隊の[S]や[スペツナズ]そして[最強の素人]らが襲撃を仕掛けに来るとは思ってもいなかった。

 

 

 

その頃

 

「そうですか、困りましたね。これだから強情なカーボーイは」

 

そう言い社長が座っていそうな椅子に座る男が[終末の新世界]などというへんてこなカルト教団擬きのトップ迫田礼司だった。

 

「はい、逃げた米軍のグリーンベレーは生け捕りにしますか?それとも根こそぎ始末致しますか?」

 

佐藤は言い

 

「みすみす逃がす訳にもかない貴重な戦力だ生け捕りにしたまえ、殺してはいかんよ、説得は私自らが行おう。」

 

言い

 

「ハイ、仰せのままに致します」

 

言い佐藤は退出する。しかし

 

「斎藤のレンジャー小隊をぶつけてもかなりの損害が出る。此処は使い捨ての民兵擬きも投入しよう、弾避け程度にはなるだろう。それなりにある程度は教導はしたしな弾避けは多いほうがイイ。」

 

斎藤は考えていた。しかしこの甘い考えが間違いだと直ぐに気付く事になるが本人が気づくわけもない。

 

「装備もヤクザの武器庫代わりの保管倉庫を押えてロシアの不良軍人の連中の横流ししていたAK74Mを抑え弾薬もかなりの量があった。ボディーアーマーも。後の備品は近くのコンビニやスーパーからもかっぱらってきたから当面は大丈夫だろう」

 

佐藤は思っていたが

 

「だが、全く持って不安要素もないわけでもない・・・・」

 

脳裏に報告に聞いた[凄腕のスナイパー]の報告を思い出していた。

 

「約500mの距離を見越し射撃で脳天をズドンか。恐らくは特戦群が特警隊のヤツだなしかしそんな真似を出来るのは極々一部の連中だ。警察のSATでもそうは行かないからな。政府の奴らが偵察や情報収集の為に部隊を寄越したとでもいうのか?」

 

1人考え込んでいたが[全部的外れ]と言う現実を突きつけられる事になる事になる。

 

「だがその凄腕の狙撃手の対策も取らねば・・・・・」

 

アレコレと持ち上がる問題に頭を抱える佐藤だった。




次回~作戦会議~を予定しています。



今日中にもう1話上げます。


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第76話~作戦会議~

手探りでの状況となる中、脅威の排除の為に動きだそうとするが情報をどうするかで変わる。


翌日

 

ロッジ ダイニング

 

「でだ、期間は2週間。それ以内にこの町に根城があるカルト教団擬きを始末する訳だが」

 

朝霞1尉は言い

 

「まずは情報です。情報がなければ動きようがありません」

 

イワノフ中尉も言い

 

「同感だ、闇雲に動けれる程の物資はない、つぐみ何か案あるか?」

 

倉本1尉は奥様のつぐみさんにもイイ

 

「現場離れて長いし元々私は戦闘職種じゃないわよ」

 

つぐみさんも言い

 

「そうだよなぁ・・・・・」

 

倉本1尉も頷く中

 

「成る程なぁ、どうする?」

 

木村が言い

 

「うーん、こればかりはさっぱりだわ」

 

加藤も唸り

 

「こういう場合の対処法は・・・」

 

田所も加藤同様に唸る。

 

「皆目見当もつきませんね」

 

翼も言った。

 

「田端、どうだ何か案あるか?」

 

朝霞1尉は田端2曹に言い

 

「遺憾ながら思い浮かびません」

 

言い

 

「有馬」

 

「右に同じくです」

 

「河野」

 

「スミマセン」

 

河野陸士長も首を振り

 

「後藤さん、どうです?」

 

尋ねる中

 

「すまねぇ、さっぱりだ」

 

後藤さんも言い

 

自衛隊組もヤクザもさっぱりと言うような形であり

 

「クドコフ准尉?」

 

イワノフ中尉も言う中

 

「無理ですよ中尉、元々個々の地理はすっからかんなんですから我々は」

 

言い

 

「確かに、准尉の言う通りです」

 

チャフスキー伍長が言い

 

「でも時間は待ってはくれんぜ。」

 

ビクトール伍長も言った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は考える中

 

「一ノ瀬君、蒼川さん何かあるかい?」

 

朝霞さんに聞かれ

 

「ない事もないですが・・・・・ブッ飛んでイカれた[案]ですよ」

 

俺は言い

 

「確かに、私も思いついたと言えば思いついたけれどもイカれた[案]だと思いますよ」

 

真珠も俺同様に言うが

 

「まずないより遥かにマシだ、2人とも言ってくれ」

 

朝霞1尉は言い

 

「では、失礼して」

 

俺は言うと

 

「至ってシンプルです。一つ目は[捕虜]を取って尋問し吐かせる。事です。こればかりはその捕虜にした奴が情報を吐くか否かにかかってる上にもし非協力的だった場合いは・・・・・です。」

 

言うと

 

「日本の高校生も考える事が物騒でブッ飛んでますね中尉」

 

クドコフ准尉はイワノフ中尉に言うも

 

「いえ、理には適ってるわ。これは一種の戦争だもの」

 

イワノフ中尉は言い

 

「もう一つですがこれは確実性が上がりますが危険も伴う手です。難民を装い敵地に潜入します。内部情報を偵察す事ができハイコストターゲットや物資の残量等を細かく探る事が出来ますが、デメリットととしては事が露見した場合の人員の命の保証はありません」

 

言い

 

「成る程な・・・・」

 

「うーむ」

 

朝霞1尉と倉本1尉がボードにペンで書き

 

「蒼川さんどうぞ」

 

次は真珠に行き

 

「私は痕跡の追跡を行うべきかと思いまして。2人一組のスナイパーチームを敵の勢力圏内に潜伏させます。最小限の装備ですので物資の浪費にもなりません。そこで敵の行動パターンを監視します。そしてどの方角に向かうでおおよその位置の特定が可能かと思います。そこから徐々に追跡していけば位置の特定も可能かと思います。物資も一部現地調達すれば作戦行動期間も伸びると思われます一応素人の考えと言う事を前置きしてですが」

 

真珠は言った。

 

「ふむ。捕虜を取って尋問にかける方法と、難民を装い敵のパトロールに保護される形で敵地へ実際に潜入し内部情報を徹底的に調査する方法と、そして蒼川さんが言った敵の行動の観察という方法の3つか」

 

朝霞1尉は言い

 

「どれもこれも実行可能な案ではあるな」

 

倉本1尉も頷き

 

「捕虜を取る案なら尋問は我々[スペツナズ]にお任せ下さい、大尉。ロシア仕込みの尋問術で直ぐにでも、いえ口を割りたくして差し上げますとも」

 

イワノフ中尉が言い

 

「おいおい、一応日本人なんだ手荒な真似は避けて欲しいんだが」

 

朝霞1尉は言い

 

「死なない程度ですからご安心を」

 

言い

 

「難民を装うパターンだとこれもまた大変だな。軽装で敵地に潜り込み敵情の把握しつつ要所要所を押え、敵のハイコストターゲットや細かな情報まで調べなければならない。」

 

朝霞1尉は言い

 

「やる事が殆ど我々特殊部隊と変わらない任務内容になるな。」

 

倉本1尉も言い更に

 

「スパイまがい・・・いやまんまスパイ行為を働くわけだから確かに事が露見すれば命の保証もないわなこれは。しかし、情報を持って生還出来れば大きい。言ってしまえば[ハイリスク・ハイリターン]と言う奴だな」

 

朝霞1尉も言い

 

「ですね。アサカ大尉の言う通りです。敵に諜報員を送り込むわけですから。」

 

クドコフ准尉も頷く。

 

「そして最後が、アオカワさん提案の敵の行動パターンを監視徐々に追跡し敵の根城を特定する案ね」

 

イワノフ中尉が言い

 

「スナイパーチームは全部で何個あるのかしら?」

 

つぐみさんが言い

 

「えっと、一ノ瀬&蒼川ペアと木村&翼ペア後は自衛隊の有馬3曹と誰かスポッター付ける人は・・・・・」

 

加藤が言うと

 

「私が付ける」

 

田端2曹が言い

 

「実質3個チームあります。」

 

田所が言い

 

「皆の装備は?」

 

尋ねられ

 

「真珠がM24で木村がM14EBR、有馬さんが64式小銃狙撃仕様の3つです」

 

俺が答え

 

「ふむ・・・・流石にその装備と人員では広範囲のカバーは難しいな。」

 

チャフスキー伍長が訝しみ

 

「確かに言う通りだな。」

 

倉本1尉も頷く。

 

「事実もうこの3つから決めるしかないだろうな。初動で敵の根城の特定とあわよくば内情をどうにかこうにかつかめれば攻める策は立て放題だからな。こっちは一応はプロの軍人が4人に自衛官が5人も居るからなそれも全員が特殊部隊員だからな。」

 

クドコフ准尉が言い

 

「だがその初動でしくじれば大きな痛手を負う事になるぞ。」

 

後藤さんが腕を組みつつ言い

 

「そうだよな、確実な方法がないんだもんな」

 

加藤が言い

 

「確かに、全部が全部リスクをある程度は孕んでるよな」

 

田所も言い

 

「でもそのリスクを冒さないと勝機はない。」

 

翼も言い

 

「頷けるな。リスクを冒さずして勝利なしだな」

 

木村も言い、そこに俺も

 

「ああ、まさに[Who Dares Wins]だな」

 

俺も頷き

 

「何それ?」

 

真珠が横から言い

 

「イギリスの特殊空挺部隊通称[SAS]の標語さ。恐れぬ者に勝利あり、危険を冒す者が勝利する、敢えて挑んだ者が勝つ、とか意味は色々だけれどもかいつまんで言えば

[危険を冒して挑んだ人が勝利する]ってことだろうさ」

 

言い

 

「まぁ、世界の特殊部隊のお手本になったいわば[特殊部隊の母]とも言える部隊だがな」

 

俺は真珠に言い

 

「何と言うか・・・凄い・・・」

 

真珠も言うのだった。

 

「うむ、リスクを冒さねば勝機はナシと言うのは我々自衛官もロシア軍の方々も重々理解は出来るが」

 

朝霞1尉は言い

 

「ハイ、アサカ大尉。いかにして敵の情報をあわよくば内情を知るか・・・・ソコに尽きるかと思われます」

 

「ふむ・・・・やはり此処は安全な方法で何とかしたいんだが・・・・」

 

「そうもいかんだろ朝霞、やはり現状の選択肢だとどれをとってもリスクは付きまとう事は避けられない。それを考慮した上でも俺なら[敵地への潜入]を押すな、可能性の高いほうを選択する。」

 

倉本1尉は言い

 

「いや、リスクを少しでも下げるなら捕虜を取ろう。そいつを尋問して情報を吐かせればイイ。」

 

朝霞1尉が言う中

 

「アサカ大尉、スナイパーチームを置いてそこからの追跡も捨てがたいかと思います。少々時間は喰いますが」

 

イワノフ中尉も言う。

 

3つの案が出るが先には進まずどういった方法で情報を得るべきかと言う所で躓いてしまったのだった。

 

「それなら全部試してみればイイのでは?」

 

俺は言い

 

「幸い、狙撃手も居ますしスナイパーチームを展開し敵の行動を観察し、追跡そして時を同じくして俺が難民に扮し敵地へ潜り込みスパイ活動を行います。最後に捕虜を取り煮るなり焼くなりボコッて吐かせる。この際人権がどうとか言ってる場合じゃないですし」

 

言った。

 

「いや優希、危険すぎるぜ、流石に」

 

木村が待ったをかける

 

「そうよ、最悪は殺されかねないのよ」

 

真珠も言うが

 

「発言者の責任だよ。此れは絶対に譲れない」

 

俺は木村に言う中

 

「ふむ・・・・・とりあえずどの案を採用するかはまた話し合おう。」

 

一応お開きとなるが全ての案がご破算になるとこの時俺達は知る由もなかった。




次回~グリーン・ベレー~を予定しています。


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第77話~グリーン・ベレー~

隊のリーダーメイトリクス大佐の機転で難を逃れた5名のグリーンベレー隊員らはとある場所に立てこもる。


市街地

 

某大型スーパー 事務室

 

「畜生、あの自衛隊の連中俺を撃ちやがって、狂ってやがるッ!!」

 

「ローソン2等軍曹大丈夫か?」

 

「おい、フォレスタ伍長手当してやれ」

 

「ハイ、ベネット大尉」

 

「クック1等軍曹は俺と見張りだ」

 

「了解です、大尉」

 

たった4人で此処まで逃げてきたのだ。部隊は置き去りを喰ってしまい本国に帰還不能状態になった俺達はメイトリクス大佐指揮のもと今日まで生き延びてきたがまさかあんな事になるとは

 

「ベネット大尉、これからどうしますか・・・・」

 

ビル・クック1等軍曹はM4片手に言い

 

「全くどうすべきか。指揮官のメイトリクス大佐が敵に捕まってる以上は救出に向かうべきなんだろうがそうもいかん」

 

ベネットもM4のマガジンを交換しつつ言い

 

「弾倉があと6本に手榴弾が2個にM9の弾倉が2つだ」

 

ベネットは素早く装備の確認をして言い

 

「こっちはあと5本に手榴弾が2個にM9の弾倉が3ツですよ」

 

クック1等軍曹も装備を確認して言い

 

「だが自衛隊の奴らは正気を亡くしたのか?あれは」

 

ベネットは言い

 

「規模にして小隊ですが、あの部隊エンブレムは日本の唯一のレンジャー部隊のエンブレムでしたよ」

 

クックは言い

 

「クソ、俺達に味方はいないとでも言いたいのか?」

 

ベネットは悪態を付くが

 

「そんなわけないでしょう大尉、自衛隊全部が正気を失くしたら終わりですよ」

 

クックが言う中

 

「ベネット大尉、一応応急処置ですが手当て終りました」

 

フォレスタ伍長が報告し

 

「ご苦労、フォレスタ伍長、休めるうちに休んでおけ。アイツら追ってくるぞ必ず俺達を狩りに来る。」

 

ベネットは言い

 

「弾切れ寸前でこっちは4人でどうしろと・・・」

 

「メイトリクス大佐が俺達を逃がしてくれたんだ態勢を立て直して自衛隊の一部隊が離反している事を何とか知らせてこっちに力を貸してくれる人達を見つけないとな」

 

ベネットが呟き

 

「大尉、それよりも弾薬の補充が先ですよ」

 

「そうですよ、こっちはもうすっからかん一歩前ですよ」

 

「この地域に自衛隊の基地や米軍の基地最悪は警察署でもイイから探さないといけませんよ大尉」

 

奥からローソン2等軍曹も言い

 

「解ってる。今日は此処で何とか粘りどうにかしないとな。あの気がふれて離反した自衛隊のレンジャーの連中には見つかる訳には行かない。こっちはたったの4人しかいないんだからな。」

 

ベネットは返した

 

「かなりどころかすこぶる分が悪いですね」

 

クック1等軍曹が言い

 

「そうだな、最優先は弾薬だ弾がなければ身を護る事も仲間を守る事も出来ない。」

 

「でも日本でそうそう簡単に弾薬の補充が出来ますかね?」

 

「確かにそうだな」

 

3人が言う中

 

「幸いここは大型スーパーだ、メシ探してくる。クック1等軍曹行くぞ」

 

ベネット大尉は言い

 

「ハイ大尉」

 

クック1等軍曹も頷き

 

「フォレスタ伍長、此処の守り任すぞ」

 

「ハイ軍曹」

 

 

 

スーパー売り場

 

 

「大尉、生成食品の殆どはもう駄目ですね」

 

「ああ、流石に酷い匂いだ。」

 

ベネットとクックは顔を顰め

 

「でも保存食は行けそうですね」

 

商品棚に陳列されてる保存食を片っ端からカートに置いているカゴに入れる。

 

「食い物に飲料水にと・・・・・・」

 

2人は次々に入れていく中

 

「大尉、薬局もあります期待薄ですが言ってみましょう」

 

「そうだな」

 

薬局に入って行くが・・・・・・・

 

「棚の物は殆どありませんね」

 

「そうだな。でもまだバックヤードの[在庫]があるかもしれない。

 

ベネットは言いバックヤードに入って行き

 

「・・・・見立て通りだ・・・・・」

 

バックヤードには箱がいくつか置かれており

 

「よっこらせ」

 

サバイバルナイフで段ボールを開封すると

 

「包帯に止血用パットにガーゼ、消毒薬にテーピングテープに絆創膏とあるわあるわ」

 

箱ごと回収し

 

「大尉、このぐらいの量なら何とかなりますかね?」

 

クックはベネットに尋ね

 

「ああ、そうだな。後はスーパーの出口にトラップでも仕掛けるか。丁度手榴弾が有るからな。此処に工具売り場があるみたいだからな」

 

ベネットはクックに言い

 

「ですね、多少は足止めになるでしょう」

 

言い2人は薬局コーナーから移動し工具売り場へと移動する。

 

「えっと・・・・ワイヤー、ワイヤー・・・・・・・」

 

「ペンチペンチわっと・・・・・・」

 

目当ての物を探し

 

「お!クック、ペンチあったぞ」

 

「大尉、こっちもワイヤーありました。それもピアノ線ですよ。こいつならば判別されにくいでしょうし」

 

お目当ての物を2人は見つけ、スーパーの入り口に行き

 

「こんな感じですかね、大尉」

 

「ああ、こんな感じでイイだろ。大佐レベルで上手くはいかんが」

 

言い

 

「まぁこれでも判別するのは至難の業だがな」

 

指でピアノ線を伝い手榴弾までを確認し

 

「コイツにかかったら良くても悪くても足を吹っ飛ばされる事になるだろうな」

 

「ハイ。ですが相手も一応は[レンジャー]ですから油断はできませんが」

 

トラップの設置を済ませ2人はそこを後にする。

 

 

事務所

 

「大尉、軍曹、御無事で」

 

フォレスタ伍長が言い

 

「ローソン2等軍曹の容体はどうだ?」

 

ベネットはM4を置き尋ね

 

「弾自体は抜けていますが此処ではまともな処置は出来ません。どこかに移動しないと」

 

フォレスタ伍長はベネット大尉に告げ

 

「とわ言え移動先の当てがない・・・・困ったな・・・・」

 

頭を掻きむしり

 

「今までの戦場でも散々ヤバい目にはあってきたが今はケタ違いだ。」

 

ベネットは言い

 

「ええ、バル・ベルデのクーデター戦争時の政府軍と戦った時並みかそれ以上ですね今回は」

 

ローソン2等軍曹は言い

 

「あの時は日本も非公式にSBUチームを送り込んでくれたよな。」

 

ベットが言い

 

「その時の日本側の隊長が今は亡きイチノセ海軍少将ですね。聞いた所ですが少将閣下にも一人息子さんがいるとか・・・・・・」

 

「なんとも戦争は凄惨だ。その息子さんも無事だとイイが・・・」

 

ベネットは再度呟き、そして

 

「それよりも安心できる場所の確保と[武器]・[弾薬]の補充そして大佐の奪還作戦を至急検討せねばな」

 

ローソン2等軍曹も考え

 

「日本の警察署で少しばかり[荒らさせて]もらいますか」

 

言い

 

「大尉?」

 

クック1等軍曹は言い

 

「弾を失敬すのさ」

 

ベネットは言うのだった。




次回~警察署~を予定しています。


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第78話~警察署~

自衛隊特殊部隊&ロシア軍特殊部隊[スペツナズ]がどの案を採用すか検討する中優希らは少しでも[作戦遂行可能期間]を伸ばすべく[弾薬]確保に動き始める。


市街地

 

警察署 地下駐車場

 

「よし、念のための車両のカモフは大丈夫だな」

 

俺は言い

 

「オッケーだ。」

 

木村が頷き

 

「手はず通りに頼む」

 

皆を見回して言い

 

「私と木村がそれぞれ高所からの監視ね。」

 

真珠が言い

 

「ああ、そうだ。無線は開けておくから変化があれば伝えてくれ。」

 

言い

 

「残りのメンツ、俺と加藤と翼と田所と後藤さんは署内の荒らし作業だ。目的のブツは出来れば5.56㎜弾と証拠品保管庫にあればイイのだが5.45㎜の捜索だ。まぁ武器はあればあるに越した事はない。」

 

皆に告げ

 

「了解だ」

 

「オッケー」

 

「あいよ」

 

「任せな」

 

皆が言い

 

「よし、動くぞ」

 

俺達は署内に侵入するのだった。今日の朝を思い出しつつ・・・・・・・・

 

 

 

 

 

拠点ロッジ2

 

2階 

 

一ノ瀬&蒼川の部屋

 

「どうするみんな?」

 

俺は部屋に真珠、木村、加藤、田所、翼、を集めて言い

 

「朝霞さんらとイワノフさんらは作戦のどれを採用するかアレコレ話してるみたいだけれども、決まらないようね」

 

真珠が言い

 

「俺達がすべきことは[物資]の確保だろうな」

 

木村が腕を組みつつ言い

 

「ああ、弾薬類の備蓄は此処は俺達の拠点1と比べれば乏しいからな。特にロシアの連中の使うAK74Mは俺達が使う銃とは口径がまんま違う5.56や7.62に対して5.45だ。ともあれ弾薬は大いに越した事はないから探すべきだろうな。」

 

加藤が言い

 

「俺も同じだ、一応拠点から多めに予備の弾薬は積んできてるがあって困るものでは無からな。一発でも多くの弾薬が必要だ」

 

翼は言い

 

「優希はどう思う?」

 

田所が俺に話を振り

 

「確かに弾薬は必要だろうな。弾がなければ銃なんて只の鈍器だからな」

 

木村が言い

 

「よし、そうとなれば動こう。朝霞さんらに許可を取って行動開始だ。」

 

俺は言い

 

「ほいきた」

 

木村が言い、俺達は朝霞さんらに行動する旨を伝え、後藤さんが付く事を条件に許可を取り、こうして今に至るのだった。

 

 

 

警察署内

 

「じゃぁね、優希後で」

 

「ああ、気い付けろよ」

 

真珠はM24を背負い、MP7を構え階段を木村と共に上って行く。因みに

 

3階警戒→真珠

 

5階警戒→木村

 

とそれぞれ警戒配置に付く。そんな中残りの4人の俺と加藤と田所と翼と後藤さんで3人と2人に分かれて署内を探索する事になった。振り分けは

 

1班→一ノ瀬・後藤

2班→加藤・田所・翼

 

と3人でとなった。

 

「じゃぁそっち頼むな」

 

言い加藤たちは地下方面・俺と後藤さんは4階の証拠品保管庫を目指す事にした。

 

1班一ノ瀬&後藤

 

「此処ですね、後藤さん」

 

「ああ、そうだな」

 

俺と後藤さんは4階の証拠品保管庫に来ていた。

 

「こういうのは大概はカギが・・・・・って開いてる・・・・・」

 

後藤さんは驚いたように言いドアノブを回し

 

「失礼しま~す。」

 

俺達は室内に入るが

 

「うわぁ・・・・・結構荒らされてるな・・・・」

 

言い

 

「ああ、兄ちゃんの言う通りだな。と言うより町中であんなことが起こったんだ此処からも装備品を持ち出して戦った奴が居ても不思議じゃないな」

 

後藤さんが言い

 

「そうですね」

 

俺も言いつつも

 

「とりあえずはダメ元で探してみるか?」

 

「ハイ」

 

俺と後藤さんはそれぞれ別れて望み手薄ではあるが探してみる

 

「殆どのケースがすっからかんか・・・・・笑える」

 

そんな中

 

「よっこいしょ・・・ってヤベッ」

 

大きい箱をひっくり返してしまい床に中身が散乱するが

 

「へ?!」

 

床にちらばったモノを見て

 

「後藤さん、後藤さんこれ見て下さい」

 

呼び

 

「・・・・ああ、間違いねぇこいつはAK74Mに使えるマガジンだ。こんだけの量が有ると言う事は・・・・・・弾薬もあるはずだ。」

 

後藤さんも言い

 

「ですよね」

 

俺も頷き

 

「よし、もう少し気合入れて荒らすか、ポリ公の中に堂々と入って行って荒らす真似なんて中々出来ないからな」

 

後藤さんが苦笑し

 

「違いないです」

 

俺も笑った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

黙々と部屋を捜索し

 

「?」

 

一か所大きめの棚がありカギがかかっていたがそれを無理矢理破壊し

 

「何が出るかな、何が出るかな・・・・・」

 

開けると

 

「・・・・・・・アモ缶・・・・弾薬だ!!!」

 

とうとう弾薬を見つけ棚の中から保管されいたアモ缶を4つ引っ張り出す。

 

箱を開けてみると大量のライフル弾と共に紙切れが一枚

 

「暴力団の貸倉庫A倉庫より押収、5.45×39㎜弾」

 

とあり

 

「きたー―――――――ッ」

 

思わず言っていまい

 

「どうしたどうした?」

 

後藤さんが来て言い

 

「見つけました、5.45㎜弾!!」

 

言い

 

「お手柄だ、兄ちゃん。しかも4ケースもか。まだありそうだな、ちなみに何処にあったんだ?」

 

聞かれ

 

「この棚です」

 

指で示すと

 

「成る程・・・・ん?確かあっちにも一個あったような・・・」

 

「見てみましょう」

 

後藤さんと共にその棚も破壊すると中にやはりアモ缶が今度は2ケースあり

 

「よいょっと」

 

「こっちはよしだ」

 

2人で運び中を開けると

 

やはり大量のライフル弾と共に

 

「暴力団の貸倉庫B倉庫より押収、5.45×39㎜弾」

 

と記されており

 

「やったな、これで全部で6缶相当な数になるなマガジンもあるしな」

 

後藤さんは言い

 

「ハイ、これでスペツナズの方々は少しは弾薬に余裕を持てるかと」

 

言い

 

「違いない」

 

後藤さんも頷く中

 

「木村、真珠、目的のブツの2つ見つけたぞ。5.45㎜弾入りのアモ缶×6個と空のマガジンを多数だ」

 

言い

 

無線に言い

 

「やったな相棒!」

 

「やったわね優希」

 

真珠と木村も言い

 

「ああ、これで少しは露助の奴らが動きやすくなる」

 

俺も言った。因みに証拠品保管庫を物色した結果が

 

 

5.45×39㎜弾入りアモ缶×6ケース

 

AK74M対応マガジン多数

 

M1014セミオート散弾銃×2丁

 

12ゲージショットシェル×120発

内訳

バードショット60発

スラッグ弾60発

 

M700狙撃銃×2丁{米兵の違法所持}

 

7.62×51㎜弾×40発

 

 

机に置いた[荒らし]の成果に

 

「良いモノがいっぱい見つかったな」

 

「ハイ。少しはあのロッジを守る為の戦力になります」

 

俺も言い部屋を後にしようとしたが

 

「・・・・・・・!」

 

警官の死体を見つけ

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

後藤さんと共に近寄り

 

「頭を撃ち抜いてる」

 

言い

 

「腕を噛まれてるな。噛まれた後此処に逃げてきたがどうなるかを悟り自決したみたいだな、気の毒に」

 

「「・・・・・・」」

 

2人で手を合わせる。その時警官の手に何かが握られており

 

「・・・・」

 

それを見ると家族写真だった

 

「・・・・・・」

 

思う所があったが

 

「兄ちゃんは死んだらだめだぜ、あんな美人な[嫁さん]いるんだ。」

 

後藤さんが苦笑しつつ言い

 

「ですね。」

 

言いその手に家族写真を戻す。その時床に何かが落ちており

 

「・・・・・・?」

 

拾うと

 

「カギだな」

 

後藤さんは言い、ラベルを確認するとそこには

 

「特殊装備保管庫{武器庫2}」

 

記されていた。これを見た俺と後藤さんは

 

「不味いかもな、下に行った兄ちゃんの連中詰んでるかもしれないな」

 

言い

 

「確認します」

 

俺は言い

 

無線に

 

「加藤、状況の報告を頼む」

 

告げると

 

「どうもこうも最悪だ。拳銃格納庫の中にはM360Jが数丁と38SP弾もしけた数しかねぇしな、あともう一つは何でも[特殊装備保管庫]のカギがいる見てぇ出しな」

 

言われる中

 

「じゃぁ問題は解決したな、そのカギなら俺達が見つけた。そっちに合流する」

 

俺は言い

 

「マジで?!、そっはどうよ?」

 

聞かれ

 

「AK74M対応のマガジンと5.45㎜弾とあとはM1014オートと12ゲージのバードショットとスラッグ弾合わせて120発。それにアメ公が違法所持していたM700とその弾だ」

 

報告し

 

「何だよそれ、うはうはじゃねぇか」

 

言なか

 

「取りあえずそっちに行く」

 

無線に言い

 

「了解」

 

会話を終え

 

「どうだった。」

 

聞かれ

 

「アイツら後藤さんの読み通りにカギなくて詰んでました。」

 

笑いつつ

 

「そうか、とりあえずこいつを運搬してから合流しよう」

 

「ハイ」

 

頷き、車両に見つけた物資を往復して詰め込みその後地下の加藤らに合流する事に

 

 

 

地下

 

[特殊装備保管庫]前

 

「悪い悪い」

 

「待ったぜ」

 

加藤たちが言い

 

「はいよ、カギ」

 

カギを田所らに渡し

 

「御開帳ってな」

 

カギを開け中に入るが

 

「ありゃぁ」

 

「まぁ・・・想定内だな」

 

「仕方がない」

 

「予想通りだな」

 

「ああ」

 

俺達は言った。中にはライフルスタンドには89式小銃折曲銃床式が2丁MP5Jが1丁しかなく弾薬ケースが散乱していた。

 

「完全に望み薄かな・・・・」

 

そう思いつつ89式小銃とMP5Jを回収し弾薬がないかを探す中

 

「これも空だ」

 

「こっちも」

 

「ダメだ」

 

3人が言う中

 

「おい、マガジンがあるぜ」

 

後藤さんが言い見ると弾薬未装着のマガジンがあり

 

「89式用とMP5のマガジンですね」

 

確認出来るだけでも両方合わせて20~40くらいだろうか。

 

「弾薬が有れば完璧なんだがな」

 

そこから更にロッカーと保管庫を漁る中

 

「あったぞ、これじゃね」

 

加藤が保管庫からアモ缶を引っ張り出し

 

「でかした」

 

田所も言いケースを見ると

 

「5.56だな」

 

後藤さんが言い

 

「何個ある?」

 

聞くと

 

「残り6ケースですかね。あと、MP5Jにもつかう9㎜弾もあります」

 

答え

 

「よしよし、大収穫だ」

 

「ああ、さっさとこっからズラかろう」

 

言い見つけた弾薬と武器をせっせと車両に運ぶ

 

 

地下駐車場

 

「武器入れたか」

 

「おK]

 

「弾薬は?」

 

「今運搬中だ」

 

それぞれが動き

 

「木村、真珠、撤収だもう此処に用はないし長居は無用だ。」

 

無線で連絡を取り

 

「了解、こちら木村合流する」

 

「こちら真珠、合流するわ」

 

2人からの返信を受け

 

「今最後の弾薬を運搬中だ。」

 

「了解」

 

加藤から報告が来る。荷台の中は結構な量になるが人員が乗る分には問題はない。

 

「優希!」

 

「悪い悪い、」

 

真珠と木村が合流し戦果を見て

 

「むしり取ったわね」

 

真珠が言い

 

「ああ、そうだな。結構まだ警察装備でも何とかなるもんだな」

 

木村が言った時だった。

 

「地下駐車場入り口より人影あり。誰か来るぞ」

 

トラブルはそこで起きる。予期せぬ遭遇とはまさにこの事であると思う。皆に緊張がはしった




次回~予期せぬ遭遇~を予定しています。


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第79話~予期せぬ遭遇~

警察署を荒らしまわった一行、帰り際に思わぬ客と出会う。


警察署 地下駐車場

 

「「「「「「「!」」」」」」」

 

俺達とその遭遇者はかち合い

 

互いに銃口を向け合うが

 

「よそう」

 

米兵は言いM4の銃口を下げ、俺達も恐る恐る下げる中

 

「!」

 

米兵の1人が俺を見て何か反応を見せ

 

「君、もし間違っていたら失礼だが・・・・優希君・・・かい?」

 

リーダーとも思われる米兵に尋ねられ

 

「ハイ・・・そうですが・・・」

 

答え、そっとゆっくりと太腿のホルスターとは別の腰に付けてある予備のナイフに手が行くが・・・・・・

 

「戦友の御子息とこのような所で再会できるとは・・・・これも神のお導きか」

 

そう言うや否や十字を切り、シューティンググラスを外し

 

「私は米陸軍特殊作戦部隊所属、ジョー・ベネット大尉だ。君の御父上とは機密任務で共に戦った仲だったよ。御父上の事は気の毒だった。」

 

彼ベネット大尉は言い

 

「優希のオヤジさんの戦友だったのか」

 

木村があんしんしたかのように言い

 

「ああ、バルボリデ共和国内乱時に日本のSEALsの隊長として彼の御父上が指揮を執るチームが極秘裏に派遣されてきた。」

 

ベネット大尉は語り

 

「父は家では任務上の内容は喋る人ではなかったですから」

 

答える中

 

「それで米軍さんが何用で此処に」

 

真珠がMP7の引き金から指を離さずに尋ね

 

「まぁ、話せば長くなっちまうさ嬢ちゃん。君達に危害を加える気はない。」

 

大尉は語り、車両を見て

 

「お前さんら弾薬を失敬したのか」

 

言われ

 

「ええ、まぁ」

 

加藤が答え

 

「かすめ取らせませんよ!!」

 

田所が言い

 

翼が警戒を強めるが

 

「いやいや、そんな強引な事をしようとは思わんよ、だが交渉に応じてはくれないか」

 

ベネット大尉は言い

 

「交渉?」

 

俺と後藤さんは顔を見合わせ

 

「ああ、簡潔に言えば部隊の隊長であるメイトリックス大佐をイカレた[カルト教団]擬きから救出したい。俺達は[あそこから]からがら逃げ出してきた」

 

ベネットは告げ

 

「少し、猶予を下さい、大尉。」

 

「無論だ」

 

告げ、俺は後藤さんや真珠に木村と話し加藤や田所に翼らに一応米兵への警戒を頼んだ。

 

「どう思う?」

 

言い

 

「利害は一致するわね、でもこの先も味方で居てくれる保証は?」

 

「確かに嬢ちゃんに一理ある。米軍は心強いがこの先も味方である保証は何処にもない。」

 

2人が言う中

 

「だったらこっちに引き込むべきだろ。[弾薬][食料][寝床]を提供し彼らに手伝ってもらう。悪い取引ではないだろう?、グリーンベレーだぜ?味方につけて損はないはずだぜ?」

 

木村は言い

 

「まぁ、このチームの隊長はアンタだ兄ちゃん。部隊長のアンタが決めるべきだな。」

 

後藤さんは言い

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

頷き

 

「分かりました」

 

俺は言い

 

「話はついたかい?」

 

ベネット大尉は言い

 

「伺いましょう。」

 

こうして俺達は互いに[交渉]の椅子に座る。

 

 

「こちらは怪我人と囚われの大佐を含めてもたったの5人だ。人数で勝る君らをどうこうできるわけない」

 

ベネット大尉は言うが

 

「それでも[特殊部隊]ですからね。油断はできませんよ。それこそ大尉らの十八番でしょう少数精鋭は」

 

告げ

 

「そちらに協力して得られる[旨味]がない。」

 

弾薬やら装備を積んでる車両を見て言い

 

「{流石は少将の息子、一筋縄では行かない・・・か}」

 

ベネットは思いつつも

 

「ならば君達に協力しよう。プロの手助けが有れば君達の生存確率もグンと上がる」

 

提案するも、これも優希の想定内

 

「既に私達のグループ内には[特戦群]や父がかつて属していた[特警隊]からなる混成部隊の[自衛隊員]が大多数います」

 

告げ

 

「自衛隊をバカにするつもりはないが、我々は自衛隊よりも場数を踏んできている。その経験から君達をサポートできる。」

 

言うも

 

「その点ならロシア軍[スペツナズ]の隊員らがいます。その時その時と的確な助言を頂いております」

 

言い合い

 

「{これ程多くの精鋭部隊を味方につけているのか・・・・厄介だな}」

 

ベネットは感じつつ

 

「{何とかこっちに有利な条件を付けて味方に引き込めれば・・・・}」

 

優希にとっても思惑がある中

 

「大尉、どのみち我々には帰還する術がありません。弾薬もナシ武器もナシ燃料もナシとなれば立ち行かなくなりますよ。大佐が言っていた1人でも多くの日本の人達を助けようと仰っていましたが・・・・」

 

大尉の部下の方が言い

 

「{ここらが限度だな}」

 

感じ

 

「ベネット大尉、先ほどの条件を飲みましょう。人ではいくらいても足りない。それに我々の利害は既に一致していますしね。」

 

告げ

 

「利害の一致?!」

 

ベネット大尉の部下は言い

 

「そちらは上官を救う為にそのカルト擬きへ攻め入りたい。こちらは先の事を考えそのイカレたカルト教団擬きを叩き潰しておきたい。此処に利害の一致を見ていますよベネット大尉」

 

言い

 

「成る程、では我々に力を貸してくれると!」

 

「そちらも私達を助けてくれるのであればですが」

 

言い

 

「勿論だ、交渉成立だな」

 

ベネット大尉は頷き、握手を求め

 

「ハイ、よろしくお願い致します」

 

俺もそれに応じる。その後俺達は警察署から撤収しそのままベネットさんらが居るスーパーまで行き残りの隊員らを回収するついでにロッジに持ち帰る為の物資を積込みそのまま拠点となるロッジへと貴官するのだった。弾薬や武器の調達など来る決戦に備えて準備が進む事を実感するのだった。




次回~敵拠点情報~を予定しています。


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第80話~敵拠点情報~

新たに仲間に加わったグリーンベレーよりもたらされた情報により一気に状況は動き出す・・・・・


ロッジ

 

居間

 

「となると、敵拠点はこの山岳地帯で間違いないのか、ベネット大尉」

 

「ああ、此処の牧場を奴らは占拠している」

 

朝霞1尉とベネット大尉は言い

 

「敵兵力については?」

 

スペツナズのイワノフ中尉はベネット大尉に尋ね

 

「ざっと見3個中隊クラスだな。だが隊の8割は民兵だ。」

 

ベネットは答え

 

「兵力では圧倒的に負けてるな・・・・」

 

朝霞1尉は訝しむ中

 

「他に脅威になる物はありませんですか?、例えば武装とか等」

 

話に俺は割り込むと

 

「そうだ!」

 

ベネット大尉は思い出したかのように

 

「アサカ大尉、自衛隊のレンジャー部隊が一部離反しそのカルト教団擬きについてる」

 

言い

 

「何?!」

 

「え・・・・」

 

朝霞1尉やイワノフ中尉も驚きの表情で言い

 

「レンジャーの連中が・・・・・・」

 

「嫌な予感が当たってしまいましたね、アサカ大尉」

 

イワノフ中尉と朝霞1尉は言い

 

「レンジャー部隊・・・・中即連の連中か」

 

加藤が言い

 

「確かに日本で[特戦群]や[特警隊]を除けば敵に回せば質の悪い連中だな確かに」

 

木村も腕を組み

 

「なんで自衛隊が・・・・裏切りなんて・・・」

 

翼は信じられないというような表情で言い

 

「タフな戦いを覚悟しないといけないな・・・」

 

田所も言った。そんな中

 

「優希、レンジャー部隊って?」

 

真珠に聞かれ

 

「説明が難しいな、米国で言えば特殊部隊の下地になる部隊で空挺降下や後方攪乱に破壊工作と色んなことをやるな。日本にもあるが正式には[レンジャー]はMOSで資格なんだわ。鬼のような訓練をパスしたモノだけがその徽章を纏う事を許される。」

 

答え、それに

 

「ついでに補足すると、朝霞さんや倉本さんさら[S]の隊員も標準で[レンジャー]の資格は持ってると思う。多分FF徽章付きの[空挺レンジャー]だと思うけども」

 

木村が補足してくれる。

 

「ベネット大尉、その中即連のレンジャーの連中の規模は?」

 

朝霞1尉は尋ね

 

「恐らくだが1個小隊30人ぐらいだと思われる。」

 

答え

 

「厄介だな、ゲリラ戦や対特殊部隊を想定した訓練をしてるとも言われてるからな」

 

朝霞1尉は頭を掻き

 

「確かに、厄介な相手だ」

 

倉本1尉も頷く。

 

「山岳戦となると地の利は向こうにある。そうなるとこれまた一筋縄にはいかないわね」

 

イワノフ中尉は言い

 

「我々スペツナズにはキツイかもしれませんねいささか」

 

クドコフ准尉も言う。

 

「その上で民兵も居るとね、これはかなりキツイ戦いになるわね」

 

倉本さんの奥様のつぐみさんもいった。

 

「ベネット大尉、それでその離反した側の指揮官は?」

 

俺は尋ねると言いずらそうに

 

「・・・・・サトウミネアキ中佐とサイトウ中尉だ・・・・・・」

 

それを聞き

 

「スミマセン、朝霞さんイワノフさん、佐藤はかつての父の部下のはずです。」

 

答え

 

「何、一ノ瀬海将補の元部下?!」

 

「ええ、父とは折り合いがあまり良くなかったと思われます。親父が生前酔いつぶれた際に嘆いていましたから。その際に何度も名前を聞いていますよ」

 

苦笑しつつ言い

 

「そうか・・・・とうとう護り人の道から・・・・外れやがったか・・・・」

 

周りの人が見る中毒付き

 

「優希・・・・・」

 

真珠が心配そうに見る中

 

「心配するなよ、そういう奴にはえてして相応しい末路が待ってる物さ」

 

答え

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠は黙り

 

「人員でも装備でも負けている可能性があるこっちが有利に戦局を進めるにはどうすべきか・・・・だな」

 

朝霞1尉は言い

 

「まずは破壊工作がベターだな。武器・弾薬・燃料・そこを潰すべきだと思う大尉」

 

クドコフ准尉が告げ

 

「俺も賛成です。敵の兵站を潰せば烏合の衆は機能しなくなる。」

 

言い

 

「後は離反したレンジャーの連中を煮るなり焼くなり銃殺するなりゆっくりと料理すればイイ」

 

木村も言う。

 

「武器や弾薬ならばある程度はある。だが大規模な戦闘を長時間となるとやはりきつくなる。そうなれば逆に頭数が居るあっちが有利になるからな。やはり破壊工作は必須だな」

 

倉本1尉も言う中

 

「だが、人質が居る。うちの隊長が捕まってる」

 

ベネットは言い

 

「ふむ。メイトリクス大佐が捕まってるとなると迂闊には動けんな。最初は救出作戦を行う必要があるという訳か・・・・」

 

敵拠点情報と内部情報の一部が得られ一気に前進したが

 

「救出作戦を行いながら破壊工作となると、かなり危険な作戦になるな」

 

「だが上手く行けば、敵の戦力を削ぎ落す事が出来る、それも大幅にな」

 

朝霞1尉と倉本1尉は言うが

 

「だがリスクも大きいわね」

 

「まぁ、そうなるな」

 

スペツナズのイワノフ中尉とグリーンベレーのベネット大尉は言うが

 

「中尉、多少のリスクは覚悟の上ですよ。」

 

クドコフ准尉が言い

 

「それはどうだけれども・・・・・・」

 

イワノフ中尉は言い

 

「恐らくは[レンジャー]は奴らにとっては切り札だろう。そうなればおいそれとは出してはこないはずだ。そこにこそ我々が付け入る[隙]がある。」

 

朝霞1尉も言い

 

「そうだな、民兵の訓練やそういった事も恐らくは奴らが行っているだろうしな」

 

倉本1尉もうなずいた。

 

「それはそうと今日はもういい時間ですから明日にしましょう。夕食の準備できていますよ」

 

つぐみさんが言い

 

「おっと、そうですな夕食の時間にしましょう」

 

朝霞1尉が言い夕食を取るのだった。日本人同士で殺し合いをしなければならない可能性が高くなるのはなんと見えない皮肉と感じる俺だった。




次回~散る命、残る命~を予定しています。


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第81話~散る命、残る命、

発端は真珠の一言だった。



「優希・・・・[この子]どうしよう・・・・・」


ロッジ ダイニング

 

 

発端は真珠の一言だった。

 

 

「優希・・・・[この子]どうしよう・・・・・」

 

 

巡回から戻って着たM24を背負い、MP7をぶら下げた真珠の腕にはすやすやと眠る赤ちゃんがいた。周りも

 

「蒼川さん、その子どうしたの?!」

 

「赤ちゃん?!」

 

倉本夫妻が言い

 

「蒼川さんその赤ちゃん何処で?!」

 

イワノフ中尉が驚き

 

「おいおいどうし・・・・・た?!」

 

朝霞1尉も赤ちゃんを見て言い

 

「どうかした・・・・の・・・・か?!」

 

後藤さんも騒ぎに何事かと来る・・・が真珠が赤ちゃんを抱っこする光景に固まりその後ろで

 

「ジト・・・・・・・・・・・・」

 

木村達が俺を見る

 

「なぁ、相棒確認させてくれ」

 

木村は言い俺は

 

「多分俺はお前が言い終わったら、張り倒す事になるとは思うが言ってみろ」

 

言い、皆が俺を見る中

 

「なぁ、相棒、お前と蒼川の子供じゃぁ・・・ないよ・・・な?」

 

聞き

 

ゴチンッ

 

木村の頭をグーで殴る傍ら

 

「木村、そんな下品なブラックジョーク言わないでよ。確かにいつかは優希の子供が欲しいって思うかもしれないけれどもこの子は・・・・この子は・・・・」

 

みるみる真珠が泣きそうになる

 

「おいおい落ち着け」

 

真珠に駆け寄り抱きしめて落ち着かせ

 

「おい・・・・木村、・・・後で[折檻]な・・・・逃げんなよ・・ァァ?」

 

言い

 

「・・・・・・・・オワタ・・・・・」

 

木村が言う中

 

「木村のバカはほおっておいてと」

 

加藤が言い

 

「ああ、そうだな。真珠説明頼む」

 

言い

 

「う・・・うん」

 

涙を拭き真珠は説明する。それを要約すると

 

 

巡回中に[不審な感染者]を発見

通常通りに射殺

立ち去ろうとしたら赤ちゃんのグズル声

まさかと思い感染者を調べると背中に赤ちゃんを背負っていた

身元が分かりそうな物を拝借し急いでロッジに戻って来る

現在

 

との事だった。そして真珠が回収した持ち物に手紙があり

 

「私は、この手紙を書いた南裕二と申します。この手紙を読んでいる方にお願いです。私は感染しています、時間が残されておりません、この子の名前は南朱莉と言います、無責任なのは重々承知しておりますですがどうか、どうか、朱莉をよろしくお願いします。」

 

記されており

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は手紙を掴み

 

「真珠、悪いがそのお前が射殺した感染者の遺体の所まで案内できるか?」

 

頼むと

 

「う・・うん」

 

言い

 

「悪いが加藤、そこで魂が抜けかけてるアホを戻してきてくれ」

 

言うと

 

「行くのか?」

 

加藤は言い

 

「ああ、[そのまま]という訳には行くまい、[気の毒]で[不憫]だ」

 

告げ

 

「そうだな」

 

頷く加藤そして

 

「成る程」

 

「理解したよ」

 

「ああ」

 

「勿論」

 

皆が頷き

 

「じゃぁ、行きましょう」

 

俺は言い、真珠案内の元場所に着くと遺体はそのままだった。

 

「優希君」

 

朝霞さんに言われ

 

「ハイ、ご遺体をお願いします。俺達で穴を掘ります」

 

言い朝霞さん達がご遺体を整えている間に俺と木村に加藤に田所と翼と大人数で穴を掘り、丁重にご遺体を中に収め埋葬していき

 

「優希君、これを」

 

イワノフさんが作ってくれたであろう手作りの十字架を受け取り

 

「イワノフさん、ありがとうございます」

 

受け取った十字架を埋葬した上に丁重に刺していき、即席だったが、真珠が自生する花を探しそれを紐代わりのツタで花束にし、真珠がそっと花を供え

 

「・・・朱莉ちゃんは私が責任もって最後まで・・・守ります。裕二さん、貴方は立派なお父さんだったと必ず伝えます、ですから、どうか安らかに・・・」

 

真珠は祈りを捧げる中、俺は真珠の肩に手を置き

 

「お前だけじゃないよ、俺も居るし皆も居る。朱莉ちゃんの成長を見守る人たちが」

 

言い俺は警官でもなければ自衛官でもないが、裕二さんへ敬意を表す為に死者へ手向ける[最敬礼]を行い、それに気付いた朝霞1尉やイワノフ中尉そして倉本夫妻も同様に最敬礼を行い木村達も行うのだった。

 

「{真珠同様に責任もって最後までお嬢さんの面倒は見ます。ですので安心して眠って下さい}」

 

俺は心中で思いつつ最敬礼を止めたのだった。

 

「木村、折檻は勘弁してやるよ。此れから大変になりそうだからな」

 

言い

 

「ああ、悪い事を言ってすまん」

 

「もう終わった事だ」

 

俺と木村は言い

 

「朱莉ちゃんの為の粉ミルクとオムツ後はベビーベッドを調達しないとな・・」

 

加藤が言い

 

「そうですね。でもなんか朱莉ちゃんを見ていると、俺達にも守るモノが出来たように感じますよ先輩方」

 

翼も言い

 

「ああそうだな。あのお父さん、裕二さんが身を挺して守ったんだ、何が何でも俺達も守り切らないと次世代を担う命を」

 

田所も頷く。俺達が話す傍らで

 

「倉本に奥様のつぐみさんにも負担をかけるかもしれないが頼めるか?」

 

朝霞は2人に言い

 

「ええ、こっちは子育て中ですからね」

 

つぐみさんは言い

 

「私達を忘れないでくれるかしら?」

 

イワノフ中尉も言い

 

「私も母国では妹の子育てを手伝ってたわ。助けになるわ」

 

皆が言い

 

「俺もてつだうぞ、大将」

 

後藤さんも言うが

 

「ジャパニーズマフィアが子育て・・・・・・・・イメージわかん」

 

クドコフ准尉が言う中

 

「さぁ、ロッジにもどりましょうね?」

 

真珠は朱莉ちゃんを抱っこし、朱莉ちゃんも真珠をまるで母親とでも思っているかのようにその腕の中で笑顔を振りまいていたのだった。




次回~父と母の偉大さ~を予定しています。


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第82話~父と母の偉大さ~

着々と作戦概要を現職のプロたちが纏める中、2人は・・・・・


ロッジ ダイニング

 

「やはり頭数が多いと厄介だな」

 

「ええ、そうですね」

 

「こっちは少数だしな。」

 

「地の利は向こう側にあるからな・・・・」

 

「それに捕虜も居る」

 

朝霞1尉にイワノフ中尉にクドコフ准尉そして倉本1尉、ベネット大尉ら士官らが大まかなな見取り図をベネット大尉の記憶を元に描き作戦を纏めようとするが

 

「ダメだな・・・」

 

「ああ」

 

朝霞と倉本は言った。

 

「内部情報が分からないと言うのはやはり痛いですね、中尉」

 

「ええ、内部情報が分からなければ救出対象と始末すべきハイコストターゲットが分からない。そうなると兵力の少ない我々は一気に劣勢に立たされる。」

 

スペツナズのイワノフ中尉とクドコフ准尉らも言った。こっちは少数精鋭であり人数が居ない。代わりに敵は精鋭とは程遠いが頭数はわんさかいる上に地の利は向こうにある。不利な状況を有利にするための[逆転の一手]をどうにかこうにかしなければいけないのだ。

 

「なぁ、倉本この場合だとお前ら海自の特別警備隊はどう対処する?」

 

朝霞は聞き

 

「うちらも陸戦の訓練はしてるけれども本職の陸自さんやスペツナズさん程強くはないぞ、遺憾ながら・・・・」

 

倉本1尉は言い

 

「そんなアホな事あるか。」

 

朝霞は言い

 

「ええ、日本版SEALチームは優秀と諸外国海軍は知っておりますよ」

 

イワノフ中尉は言い

 

「ああ」

 

グリーンベレーのベネットも頷く。

 

「通常なら夜間の自由降下で潜入するのがセオリーだろうがあいにくと今回はそれは無理だろうしな。となればどうにかこうにか中に潜入できるルートを探すしかない」

 

倉本1尉は言い

 

「やはりそうなるな」

 

朝霞1尉も頷き

 

「この兵力で正面から撃ち合って突破は不可能だからな。ともあれ状況偵察に言ってみない事には始まりそうにもない」

 

朝霞は言い

 

「でしたらアサカ大尉、偵察は我々が行きましょう。此処に来て長いですから万が一の際には何処に緊急退避すればイイかも心得ています。少人数で偵察に行けば情報を掴む事は可能と思います。」

 

名乗りを上げたのはスペツナズのイワノフ中尉だった。

 

「確かにイワノフ中尉なら適任だな」

 

倉本は言い

 

「幸いにも彼らが弾薬の補充をしてくれたのでAKも当座は不自由しなさそうですからね」

 

言った。

 

「となれば・・・・・・」

 

「偵察目標を決める必要があるな。闇雲に動くのはイワノフ中尉らスペツナズを危険に晒してしまうからな」

 

朝霞は言い

 

「確かに」

 

倉本も頷く。

 

「だが中即連のレンジャーの連中に気を付けばなるまい。奴らは対特殊部隊訓練を受けている精鋭だ。そこら辺の普通科の連中とは格もレベルも違う、十分に気を付けてほしい」

 

朝霞は告げ

 

「ハイ大尉」

 

イワノフも頷くのだった。

 

 

その頃・・・・・・・・・

 

 

2階

 

優希&真珠の寝室

 

「ふふ、ねちゃった・・・」

 

急遽俺が小さい頃に使っていたベビーベットを引っ張り出し突貫工事で組付け今に至る。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺は真珠を見て

 

「責任・・・・・感じてるんじゃないか?・・・・・」

 

言い

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

真珠は朱莉ちゃんから手を放し

 

「なに?赤ちゃんに嫉妬?」

 

茶化すが俺は至ってマジメな表情で言い

 

「はぁ・・・・・」

 

「ええ、そうよ。この子の親を殺したのは私、ならその責任はちゃんと取るのが筋だと思ってる。」

 

真珠は答え

 

「氷の悪魔に・・・・・母性・・・・か」

 

呟き

 

「悪い?」

 

真顔の真珠に言われ

 

「いや、全然」

 

答え

 

「俺も協力するよ。こう見えて施設で赤ちゃんの世話してたことあるんだから」

 

言い

 

「意外ね」

 

言われ

 

「叔父や叔母も言ってたんだけれども[望まない妊娠で出産]した女性が養護施設にさ赤ちゃんを置き去りにしてたッとか無責任な事が多々あったとね」

 

俺は言い

 

「俺はこの乱痴気騒ぎが起きる前も赤ちゃんの世話した事あったよ。」

 

答え

 

「そう、それじゃ私も貴方もイイ父親、イイ母親になってあげられそうね」

 

真珠は言うも

 

「俺は赤ちゃんのお世話を通して感じたよ、[父、母、は偉大だ]とね」

 

真珠に言い

 

「よっこいしょっと」

 

テーブルにケースを置き

 

「何それ?」

 

「哺乳瓶と煮沸消毒セット。」

 

答え

 

「やり方分かるのよね?」

 

聞かれ

 

「ああ、お前も覚えろよ?」

 

真珠に言い

 

「うん」

 

彼女にあれこれとやり方を教え真珠はメモを取る

 

「成る程ね・・・・自分の両親もこうしてくれたのよね・・・」

 

感慨深く言い

 

「ああ、俺も真珠も両親の深い愛情を受けて此処まで育ってきたんだよな」

 

言い、そこに

 

「優希、粉ミルクとか調達に行かないとヤバいだろ?」

 

木村が来て

 

「そうだな・・・粉ミルクと後は紙おむつか・・・・・」

 

呟き

 

「優希、後は服もでしょ?」

 

真珠が言い

 

「おっとそうだな。」

 

メモに書き足す。

 

「さてと、じゃぁ行きますか」

 

俺は言い

 

「ああ、準備は出来てるぜ、装備もな。出発は何時でもできる。」

 

木村は言い

 

「了解だよ」

 

頷く。だがこの時俺達は・・・・特に俺は知る由もなかった。ある意味で敵地の真っただ中に堂々と入り込む羽目になりそして[地獄]を見るはめになるとは思いもし仲xcつた。




次回~ENEMI LINE~を予定しています。


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第83話~ENEMI LINE~

朱莉ちゃんのオムツとミルク、そして服を調達すべく市街地に訪れた3人だが・・・


市街地

 

スーパー

 

予定された物をしていた俺達だったが・・・・・

 

「悪いようにはしないから出てこい」

 

「大丈夫だ、殺したりはしない」

 

声が聞こえ

 

「{やべぇよやべぇよ・・・・・}」

 

木村はM14EBRを手に言い

 

「{神様神様神様!!!!!}」

 

翼まで言い

 

「木村、これ頼む」

 

自分の装備品とM4CustomとハンドガンのSFP-9を預け

 

「おい優希!!」

 

木村は言う中

 

「心配するな、敵地に潜り込んで情報を入手してくる、2人とも拠点でこれを朝霞1尉とベネット大尉や倉本1尉にイワノフ中尉らに伝えて欲しい」

 

俺は言うと

 

「今出ていきます!!、丸腰です」

 

そのまま出て行き

 

「良かった!!」

 

相手も銃を降ろす。

 

「良かったです、殺されるかと思いましたよ」

 

言い

 

「悪いね兄ちゃん。こんなご時世だからね」

 

言われ

 

「噛まれたりとかそう言うけがはしてないかい?」

 

「大丈夫です」

 

答え

 

「久しぶりに、まともな奴に合えたな」

 

「まともかどうかは自分でもわかりませんが」

 

答える。

 

「まぁイイ、せっかく拾った命だ。うちの拠点は[牧場]だからな。大多数ヤツが詰めてる。仲良くやろうや」

 

「はぁ・・・・まぁ」

 

適当に俺は濁し

 

「{誰が仲良くするかよ、マヌケが}」

 

内心で呟き

 

「さてと、じゃぁ帰りますか」

 

「よろしくお願いします。」

 

俺は言いその人達について行くのだった。

 

 

木村&翼side

 

「優希の奴敵地に潜り込んで情報収集する気だぞ・・・・・・・」

 

「真珠先輩が聞いたら先輩をライフル持って追いかけそうな勢いですね。」

 

「[優希を殺す]に俺のレーションのチョコ賭けてもイイ」

 

木村は言い

 

「じゃぁ、[俺は殺さない]の方に」

 

翼は言いつつ

 

「俺達も戻ろう。この事を伝えないと!!」

 

「ハイ」

 

翼と木村も頷き急いでスーパーを抜けるのだった。

 

 

同時刻・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

山岳地帯

 

 

牧場

 

 

敵拠点にこんな形で潜り込むことになるとは思いもしなかったが

 

[仮設警衛室]

 

「こんな所で君に会うとわな・・・・」

 

「ええ、私もです。等に死んでるかと思ってましたよ」

 

ジョークを交えつつも

 

「率直に言おう、私は君を信用は出来ない」

 

「亡き父の息子だからですか?」

 

答え

 

「無論それもある、だが・・・・・私情を挟めば・・・・・」

 

次の瞬間に殴られ後ろに吹き飛ぶ

 

「ぐッ・・・・」

 

周りが慌てて俺に駆け寄り

 

「おいおい、いきなり殴る事はねぇだろうよ!!」

 

「何考えてんだ!!!」

 

「大丈夫か兄ちゃん」

 

周りの人達に起こされる中

 

「亡き父を見ているようでお気に召しませんか?」

 

告げ

 

「全く・・・・不愉快極まりない。」

 

言うと

 

「[尋問室]に連れて行け!!たっぷりと私が直々に可愛がってやろう・・・」

 

その顔はさっそう狂気に取りつかれた表情にも見えた。

 

「{尋問と言う名の[拷問]か・・・・}

 

思いつつ

 

「{状況は不味いな、佐藤2佐は単に親父への逆恨みで俺を痛めつけてすっきりしたいだけだろうに・・・・}」

 

思う中

 

「何ですこの騒ぎは」

 

中に1人の男が入ってきて言い、周りが状況を伝えると

 

「佐藤2佐、民間人への暴行は容認できませんよ、まして話を聞く限りでは逆恨みではありませんか。」

 

佐藤に告げ、俺に向き直り

 

「すみませんね、配下の者が。」

 

言われ

 

「私はこの[終末の新世界]のリーダの迫田礼司と言います。よろしく」

 

「一ノ瀬優希です、よろしくお願いします」

 

頭を下げる。

 

「君も災難ですね、今日ついたばかりで暴行を受けるなんて」

 

言われ

 

「いいえ、父と佐藤さんが確執がある事を私は存じていましたので」

 

告げ

 

「部屋を用意させて頂きますのでゆっくりと今日は休んでください」

 

「ありがとうございます。助かります」

 

そのカルト教団のリーダーの迫田に言い

 

部屋を後にし

 

「佐藤2佐は私の部屋へ来て下さい、言わずとも分かりますね・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・承知・・・・・しました・・・・」

 

しぶしぶではあるが頷き、奴と共に出て行くのだった。

 

「此処が君の部屋になる。まぁ手狭だけれども勘弁してくれ」

 

「いえいえ、ありがとうございます」

 

礼を言い

 

「食事は朝の7時から。昼は12時から。そして夜は6時からになってる。」

 

「ハイ、分かりました」

 

頷き

 

「では、夕食の時に」

 

「ハイ」

 

案内してくれた人はそう言うと行ってしまった。部屋の中で

 

「{ハイコストターゲットは今の所2人、[迫田礼司][佐藤峰明]か。}

 

確認し

 

「{施設の内部情報と・・・・破壊工作も行わないとな。目下第一目的はメイトリクス大佐の救出と武器庫、燃料貯蔵庫の確認かな・・・・・}」

 

考え込む優希だった。そしてその頃・・・・・・・

 

 

ロッジ・・・・・・・・・・・・

 

居間・・・・

 

 

「はぁッ?!優希が!!」

 

真珠は腕に朱莉ちゃんを抱っこしながら言い

 

「ああ、何でも情報収集しに行くって」

 

「後は俺達を逃がす為に・・・・・」

 

木村と翼は言い

 

「予想外だが、まぁ仕方がない。プランAが進行中と言う事か・・・・」

 

朝霞1尉は言い

 

「成る程、彼が工作員として潜り込んだと・・・」

 

倉本1尉も頷き

 

「流石は少将閣下の息子さんだ。特殊作戦要員の素質があるのではないか?」

 

ベネット大尉が言い

 

「ですが予備プランも一応は考えた方がイイかと。現場で彼に問題が発生した場合に備えて」

 

イワノフ中尉が言う中

 

「そうだな。とりあえず彼が無事に帰る事を期待し吉報を待とう」

 

朝霞1尉は言うが

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

朱莉ちゃんを抱っこした真珠の顔は笑ってはいるがその瞳は笑ってはいなかった。

 

「{やべぇ・・・・・俺達もヤラレル}」

 

「{はい・・・めっちゃヤな予感がします}」

 

木村も翼も感じ取り

 

「{にいちゃん、戻ったら殺されそうな勢いだな・・・・}」

 

後藤さんは感じ

 

「「「クワバラクワバラ・・・・触らぬ神に祟りなし}」」」

 

有馬3曹、田端2曹、河野陸士長

 

らは言い

 

「{俺シラネっと}」

 

加藤は思い

 

「{確かに}」

 

田所も感じるのだった。

 

「{帰ったらお仕置きなんだからね・・・・・・優希・・・・}」

 

真珠も内心思うのだった・・・・




次回~工作準備活動~を予定しています。


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第84話~工作準備活動

敵地に潜り込んだ優希は翌日よりひっそりと工作準備活動を開始する・・・・・・


翌日・・・・・・・・・・

 

牧場

 

「此処が武器弾薬庫。此処1つしかないから此処を落とされると結構不味い状態になるんだよねぇ・・・・・」

 

「へぇ・・・・・・すごい・・・」

 

中には自動小銃89式小銃からAKにM4に果てはロケット砲など重火器もそろえていた勿論中には爆薬もあった。

 

「{武器庫は破壊しないとなぁ・・・・・・}」

 

説明を受けつつ思い

 

「銃を撃った事は?」

 

「まぁ海外旅行に行った時ぐらいですかね・・・・」

 

「まぁそうだよなぁ」

 

説明をしてくれ

 

「こっちがまぁ君も泊まり込んでるから分かるが兵舎みたいなもんかな?。元々が大規模な企業農場だったみたいだからね」

 

「ハイ」

 

頷き移動し

 

「あそこの中央の建物は司令部。まぁ俺達下っ端には関係は余り無いがな。あそこは主に幹部連中とその直轄の自衛隊を離反したレンジャーの連中がたむろしてる。悪い事は言わない、あんまりつるまない方がいいぞ」

 

耳打ちされ

 

「御忠告感謝します」

 

言われ

 

「あっちの赤い建物は燃料貯蔵施設。あそこに車両を動かす為の燃料が入ってる。」

 

「近寄らない方がイイですね」

 

「まぁそうだな。下手に扱えば火だるまになってぶっ飛ぶからな」

 

言われ

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

周りを見渡し

 

「どうした?」

 

聞かれるが

 

「いえ、結構な人数が詰めている割には監視カメラとかないなぁと思って」

 

言うと

 

「ああ、一応山岳地帯にあるからな。こんな所に攻め込んで来ようとするような奴などいないだろう?」

 

言われ

 

「そうですかね?」

 

内心では

 

「{しめた、監視カメラがないのならば動きやすい。建物の配置と破壊工作を仕掛けるべき場所の特定も済んだ。後は夜間時の歩哨の位置の確認くらいだな・・・・}」

 

内心感じつつ

 

「おっと、これお前さんへの支給装備品と武器だ。」

 

AK74とマガジンを6個渡され

 

「ありがとうございます」

 

一応は受け取りポーチに弾薬を入れ武器を持つ

 

「{今までAR系の武器を使って来た分AKは馴染まないな・・・・・・・}」

 

感じつつも武器を握る。

 

「じゃぁ、最後に一応あそこにも連れて行くか」

 

言われ連れてこられた場所が

 

 

「此処・・・‥地下・・・ですか?」

 

備品保管庫脇の[地下室用通路]の看板を場所を通り、薄暗い地下に入り

 

「・・・・・・・・・・・・・・此処って・・・・・」

 

簡単に作られた牢屋だった。

 

「此処は牢屋と懲罰房を兼ねている、正直な話、此処はアイツら幹部に逆らった連中や捕虜がぶち込まれちまう場所だ。今まで何人殺されてきたか分かったもんじゃないぞ」

 

教えられ

 

「貴方は、進んで此処にいる訳ではないのですか?」

 

聞くと

 

「当たり前だ。此処だけの話、俺達の99%は戦いたくないし他人に武器を向けたくはない。」

 

言われ

 

「ならなぜ?・・・・・」

 

「武器がなければあの死人共から身を守れないし大事な家族を守れない・・・」

 

痛々しく言われ

 

「そうですね・・・・確かにそう思います。」

 

頷き

 

「さてと、此処に今滞在しているのは1人だな。なぁ、軍人さん大丈夫かい」

 

言い

 

「何とか・・・・・な」

 

その大柄な人は言い

 

「こちらの方は?」

 

「さぁね。あの自衛隊崩れの連中が言うには[米陸軍の特殊部隊の大佐]さんだとさ」

 

教えられ

 

「{!・・・・こちらの方がベネット大尉の上官のメイトリックス大佐・・・か}」

 

確認し

 

「{要救助者確認っと・・・・}」

 

 

こうして地下室から出てきて

 

「一応は案内は終わりだな。さっき言った通り此処では目立つ活動は控えたほうが身のためだ。特にお前さん、あの自衛隊の佐藤とかいう2佐に目つけられてる。初見でいきなり殴るなんてひでぇ野郎だが・・・・・」

 

その人は言いボソッと

 

「{誰か此処を解放してくれる人達・・・・でも居ねぇものかなぁ・・・・・}」

 

呟いて行ってしまった。

 

 

そして昼・・・・・・

 

 

俺に姿は牢屋にあった。新入りらしく率先して仕事を行い、心証を良くする作戦にうってでて牢屋の捕虜にも食事を持っていく役目をしていた。

 

「メイトリクス大佐」

 

俺は言い

 

「君はさっきの・・・・!」

 

メイトリクス大佐は言い

 

「父が生前はお世話になりまして・・・」

 

俺が言うと

 

「優希君!!君までこんな事を・・・・御父上が悲しむぞ!!」

 

言われるが

 

「・・・・・・・・・・・」

 

周囲を素早く確認し

 

「{誤解しないで下さい。私は[ベネット大尉に大佐の状況を伺い、我々も教壇を潰す為に情報を集めています。その為に私は[工作員]として此処に潜り込みました。いずれ[時]がくれば大佐を救出しに来ます。もうしばらく御辛抱して下さい、そして今は体力の回復にお勤めください。}」

 

言った時、後ろから近づきつつある気配を感じ、直ぐに

 

「昼飯だ、さっさと食え」

 

態度を変える中、牢に来たのは

 

「ほう・・・・ご苦労ご苦労」

 

佐藤だった

 

「いえ」

 

一言答え

 

「では、私はこれで」

 

その場を去ろうとしたが

 

「余計な事を喋ってはいまいな?」

 

唐突に聞かれ

 

「私は自身に課された仕事をしているだけです」

 

答え。その場を去る。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

佐藤はメイトリクスを見るがメイトリクスは普通に出されたメシを喰うだけだった。

 

 

佐藤峰明side

 

「{一ノ瀬宗司の忘れ形見・・・・・やはり看過は出来ない・・・・自分のカンが告げている・・・・アイツは危ない・・・殺せ・・・・と}」

 

1人感じていたなか

 

「あれ?佐藤2佐どうなさったんです?」

 

斎藤2尉が通りがかり

 

「いや・・・・アイツを見てるとな自分のカンが告げているんだ・・・危険だと早く奴を殺せと・・・」

 

佐藤は斎藤に言い

 

「聞きましたよ、民間人であるその彼をぶん殴って教祖に説教されたと」

 

陸自の斎藤2尉に指摘されるが

 

「・・・・・俺にとっちゃぁ忘れられない亡霊・・・・だ」

 

言い

 

「でもです。民間人に手を出すなんてダメですよ。我々も結構あくどいことしてますが・・・・」

 

指摘され

 

「ああ、もう引き返すには遅すぎたんだ、俺達は」

 

互いに言うのだった。

 

 

夜・・・・・・・・・

 

あてがわれた部屋で

 

「{さてと・・・・・歩哨のパターンと動きの監視と行きますか・・・・・・}」

 

室内を暗くし外を見る。窓は締め切っておりカーテンもしてある。隙間から覗く。牧場の事務室にて拝借したメモ帳とボールペンで歩哨の移動範囲と交代時間、そして休憩時間とも記入していき

 

「{ずぶのド素人だな・・・・まぁ俺も人の事言えないけれども・・・}」

 

小声で呟いた。

 

「{武器庫の前の歩哨が居眠りは当たり前か・・・油断し過ぎだろう。休憩中も交代要員はナシでたっぷり30分以上は破壊工作する余裕があるな。武器庫を吹っ飛ばして燃料保管庫を破壊して・・・・・武士の情けだな食料保管庫は・・・人道的な観点からもナシだな、M〇S3じゃあるまいし・・・}」

 

1人情報を収集する優希だった。だが優希自身も1つ見落としていた

 

 

????

 

「{歩哨・・・・・監視?・・・へ?どういう事・・・・確か隣は・・・新入りのはずよね}」

 

 

そう、この施設は見た目に反し[壁が薄い]と言う事を・・・・・




次回~交換条件~を予定しております


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第85話~交換条件~

工作準備活動を行う中、思わぬハプニングに遭遇しつつも、内情把握の為に動き始める


翌日・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・視線を感じる・・・・・」

 

 

周りを見渡すが規模が大きいグループの為誰に見られているかなんてわからない。だから皆に交じり普通に仕事をこなす時間を過ごし、皆と昼食を食べ夕食を食べる。

 

そして夜・・・・・・・・・・・・・・・・

 

コンコンコン

 

珍しくノック音が鳴り

 

「!」

 

いきなりのだれかの来訪に俺は驚きつつもベットの下にメモ帳とボールペンを隠し右手に食堂の調理室で失敬した折り畳みナイフを展開し隠し握り

 

「どうぞ」

 

「失礼しまーす」

 

1人の女性がマグカップを乗せたお盆を持って入ってきた。

 

「突然ごめんなさい」

 

見知らぬ女性が入ってきて

 

「何です?」

 

尋ね

 

「お話相手にでもなってもらおうと思って。私、隣の宮ノ下晴よろしく!」

 

彼女宮ノ下晴さんは言い

 

「それで何を話したいんです?」

 

「いやぁ此処の施設の壁ってさぁ、[見た目に反して薄いのよね。]だから君が1人で言っていた事所々だけれども聞こえちゃったのよね右隣は物置になってるから人が居ないから良けれども君も不用心すぎないかな?[工作員]さん・・・」

 

「!!」

 

この時ばかりは自分の迂闊さを呪った。だが

 

「あっ、安心して私周りに別段君が怪しいとかそう言う事言うつもりないし」

 

言われ

 

「目的は何です?」

 

俺は依然右手に隠して握っている折り畳み式のナイフを持ったまま言い

 

「・・・・復讐・・・かな・・・・」

 

彼女は言い

 

「復讐?」

 

「うん。余り大きな声では言えないけれども・・・・」

 

言われ

 

「誰を殺すん気なんです?・・・・」

 

尋ねると

 

「このインチキ教団擬きのトップ迫田礼司と自衛隊の佐藤峰明・・・をね・・・」

 

言い切り

 

「これまた物騒な・・・・」

 

「その隠してる右手は?」

 

指摘され

 

「・・・・・・こっちも丸腰で初対面の人間と対峙できるほど度胸がないもんでね」

 

告げ折り畳み式のナイフを見せる。

 

「お宅が怪しい動きをするならばこれでグサリと言う所だったな」

 

「そう。そっちの目的は?」

 

「機密だ」

 

答え

 

「こっちは包み隠さず教えたのに?」

 

「本当とは限らないだろう」

 

俺は言い返し

 

「なぜあの2人を殺す?」

 

「親の仇だから・・・・」

 

吐き捨てるように言われ

 

「そうか・・・・ソイツは気の毒にな・・」

 

言い

 

「私も貴方の目的に協力するから貴方も私に協力して頂戴!!」

 

言われ

 

「俺一人の判断では決めかねる。」

 

「そんな!!」

 

此処まで来たら俺も任務内容を告げるより他ないと判断し

 

「俺の任務は此処の牢で囚われの身になっている米陸軍特殊部隊GREEN BERETの大佐であるジョン・メイトリクス大佐を救出する事、そして次の目標がこの教団擬きを壊滅させる為に必要な情報を収集する事だ。教団潰しは同意するが優先順位が違い過ぎる」

 

言い

 

「それに任務の性質上、主任務を放棄は出来ない。」

 

「君は・・・・・」

 

「一ノ瀬、一ノ瀬優希だ」

 

彼女に言い

 

「一ノ瀬君もその目的を果たしたら此処を出て行くと」

 

「ああ、その算段も付きそうだし、情報もそこそこ集まりそうだしただ1個だけ懸念事項がある。」

 

「懸念事項?」

 

宮ノ下さんは言うと

 

「俺達のグループは本職が多い自衛隊特殊部隊、露軍特殊部隊、米軍特殊部隊と撃ち合いになれば頼りになる。でも数ではそっちの民兵に負けている。でもいかな民兵でも俺個人になるが[無益な殺し]は避けたい。だから内部の内情がどういう風になっているかを知りたい。本当に本心でこんなイカレた教団に加担してるのかそれともしぶしぶなのか・・・・・」

 

言い

 

「成る程、無益な戦闘は回避したいと・・・・」

 

「そうだ。」

 

頷く。

 

「成る程。確かにね。」

 

彼女も頷き

 

「私と貴方の信頼関係の構築の為にとっておきの情報を教えてあげる。」

 

言われ

 

「メモ帳貸して」

 

情報を纏めているモノとは別の物を出し

 

サラサラサラ・・・・・・・

 

彼女はメモ帳に書いていき

 

「最後に此処の保管庫のナンバーも」

 

そう言い渡された手帳には

 

「貸し倉庫ナンバー4~7、[装備品][武器][弾薬][食料品]」

 

と記載されており

 

「開錠ナンバー[519264]、全倉庫ナンバーの統一を確認済み」

 

細かく記載されていた。

 

「本来なら私が復讐戦を挑もうと思った際に武器をそこからくすねるつもりだったけれどもイイわ、その中身の全部を貴方方のグループにあげる。」

 

「その代わり俺達のグループに本職の連中と殺し合いをさせろってか・・・」

 

「いえ、丸投げはしないわ。私も一緒に戦う。だから君のグループに私も入れてもらえないかな?」

 

「・・・・・・・・・・これだけの手土産寄越されてNOと言えるかよ」

 

言い

 

「じゃぁ!!」

 

「但し、こっちからも条件があります。」

 

「うん」

 

宮ノ下さんは頷き

 

「メイトリクス大佐の救出作戦の支援と破壊工作の援助をお願いしたいです」

 

「救出は分かるけれども・・・・破壊工作って・・・・・」

 

「武器弾薬庫の破壊、燃料の貯蔵施設の破壊」

 

告げると

 

「それはもう少し待ってくれないかな。内情を探ってからでも遅くはないかと思うけれども」

 

「民兵の連中の武器を無力化するために吹っ飛ばすんじゃない、自衛隊の連中の武器を使えない様にするためにその2つを吹っ飛ばす。」

 

「分かった」

 

彼女は頷くと

 

「よろしく一ノ瀬君」

 

手を差し出し

 

「こちらこそよろしく」

 

俺も手を握り握手をする。

 

「私達、一蓮托生ね」

 

「そうだ、この任務ではな」

 

俺は言い彼女は頷くのだった。




次回~帰りを待つ真珠~を予定しています。


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第86話~帰りを待つ真珠~

優希が敵地に潜り込んでから数日、音沙汰ナシの優希の帰りを待つ彼女はと言うと


優希の潜入から数日・・・・・

 

ロッジ周辺森林地帯

 

佐伯真珠

 

ノンナ・イワノフ中尉

 

高本翼

 

今日は3人で周辺を巡回するようにしていたのだが・・・・・・

 

「何時になったら・・・ッ」

 

バンッ、バンッ

 

「優希は・・・・ッ」

 

ドンッ

 

「帰ってッ!!」

 

ズドンッ

 

「来るのよッ」

 

ダダンッ

 

文句を垂れながら引き金を引き、無慈悲に彷徨い歩く感染者の息の根を確実に止めて行く。その光景を見ていた2人は

 

「{タカモト君・・・彼女、えっとマジュさんって何時もあんな感じなの?}」

 

イワノフ中尉も何かオーラが見える彼女に若干の恐怖を感じつつも

 

「{いえ、イワノフ中尉。何時もはもっと穏やかです。でも今は先輩が居ませんからね・・・・・・・}」

 

翼もイワノフ中尉に告げ

 

「えっと・・・・そのユウキ君も大変ね}」

 

2人が言い合っていると

 

「聞こえてますッ」

 

その手には何時も握っているM24SWSではなく此処のロッジの武器庫で見つけて貰い受けたM14 EBR Mod1を携え振り返り、思わず2人も

 

「「ハイッ!!」」

 

返事をしてしまう。

 

「私に何の一言もナシに・・・・・また怪我でもしたらどうするつもりなのよ」

 

如何にも[THE・不機嫌]と言うのがもろに顔に態度にも出ており、またすぐに前を向いてしまう。こんな光景を見ていた翼は・・・・・

 

「{先輩、先輩に逃がしてもらっておいて言える事ではありませんが早く帰って来て下さい、真珠先輩がプッツンしそうです・・・・・・}」

 

翼は言い、89式小銃を握りる手が若干恐怖で震えていたのは内緒だ。イワノフ中尉も

 

「{何と言うか・・・彼帰って着たら間違いなく折檻コースよね。祖国ロシアでも妹が飲みすぎて帰って来た旦那を折檻してたものね。国は違えど考える事は同じと言う事ね・・・・}」

 

 

そして午前中・・・・・・・・・・・・

 

真珠・優希の部屋

 

「は~い、ミルクですよ~」

 

朱莉ちゃんにミルクをあげ

 

「ふふ、いっぱい飲んでね。」

 

哺乳瓶に吸い付く朱莉ちゃんを見て愛おしいと思う反面

 

「{私が・・この子の父親を奪った・・・私がこの子の父親を殺した・・・}」

 

自身の腕に抱かれ笑顔を振りまく朱莉ちゃんに対し、チクリと罪悪感を抱く真珠だった。

 

そして、その日1日を背中に朱莉ちゃんを背負いながらつぐみさんと家事や炊事を行う。

 

「ふふ、こうしてみるとホントにお母さんそのもね。佐伯さん」

 

つぐみさんに言われ

 

「お恥ずかしいです」

 

「分からない事があったら遠慮なく聞いて。子育てはホント大変よ。でも全く一ノ瀬君もそんな[子育て奮闘中の奥様を放置]して[仕事]にかまけてるなんてもぅ・・・」

 

つぐみさんも苦笑しながら言う中

 

「そうですね・・・・・・・・・・・・[折檻]はしてやろうかなと思ってます」

 

真珠も告げた

 

「あららら、一ノ瀬君も気の毒に・・・・・でもいい薬にはなりそうね・・・・」

 

つぐみさんは苦笑され、それと同時に朱莉ちゃんがぐずり始め

 

「はいはい、此処に居ますよぉ・・・・大丈夫ですよ・・・」

 

朱莉ちゃんをあやす

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その光景を見ていたつぐみさんは

 

「なんか・・・・ホントに年の若いお母さんって感じがしっくりくるわね」

 

朱莉ちゃんをあやす真珠を見て言い

 

「未来への予行演習・・・・・ですかね・・・・・」

 

告げると

 

「じゃぁ先輩からのアドバイス。」

 

「ハイ」

 

「旦那様になってくれる人の躾はしっかりとしておく事。これ以外と大事な事よ。貴方の未来の旦那様の予定の一ノ瀬君、確かに頼りになるけれども・・・・・」

 

「けども??」

 

私は言い

 

「何と言うか・・・感じるのよね、私、夫の武と結婚するまで自衛隊病院勤務の看護師だったからさ、職業病とでも言うべきなのかな・・・[彼が何かを抱え]それを拭いきれていないと・・・・・」

 

つぐみさんに言われ

 

「・・・・・・・・・・・当たってると思います。」

 

私は口を閉ざした。かつてあった事それを払拭は出来ていない事も。

 

「何とかしますよ。」

 

つぐみさんに告げ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

つぐみさんは黙って

 

「そう。でも何か力になれる事があったら言って」

 

「ハイ・・・・・」

 

私も頷くのだった。

 

 

夜、皆で夕食を食べた後

 

 

優希・真珠の部屋・・・・・・・・・・・

 

朱莉ちゃんをベビーベットに寝かしつけてから自分の事を行う。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

優希が木村君らに託し残して居たった武器の手入れを行う。ベネットさんら米軍関係者や朝霞さんら自衛隊の特殊部隊員である朝霞さんに教えてもらい優希の使うM4ライフルのメンテナンスを行っていた。

 

「大丈夫だよね・・・・・」

 

脳裏にフラッシュバックするのは以前の優希が自衛隊員らに誤射され、運悪くアーマーベストを着ておらず血塗れで戻った事があった、その光景が脳裏に焼き付いて離れなかった・・・・・・

 

「ッ・・・・」

 

気付けば手が震えていた。

 

「・・・・・・・・大丈夫よ・・・・大丈夫に決まってる」

 

自分に言い聞かせるように呟き、今度はM14ライフルのメンテナンスを行う真珠だった。

 

 

木村達の部屋

 

「ヤバいな・・・・」

 

「ああ」

 

「話を聞いた限りだと佐伯の奴が暴走しそうな勢いだ。」

 

「です。朝も珍しく文句を言いながらも一人で6人の感染者を始末しています」

 

木村、加藤、田所、高本の4人は言い

 

「優希の奴早く帰ってこないと佐伯に殺されるぞ、俺も人の事言えないが・・・・」

 

「だが潜入先で上手くやれても時間がかかるんじゃないか?」

 

「それは施設の警備や人員の配置に内情にもよるだろう?」

 

木村や加藤に田所がそれぞれに言う。

 

「だが、それよりもヤバいのは佐伯の心理状態だ、」

 

木村は皆を見て言い

 

「確かに。俺達も手伝ってはいるが子育てをほとんど一人でしてるようなものだ」

 

「ああ、だがそれと不思議な事もある。あの子、朱莉ちゃん佐伯が抱っこすると本当に笑顔を振りまくが、それ以外が抱っこするとギャン泣きするもんな」

 

「分かるんだろうさ、[安心して自分を任せられる人]が」

 

加藤は言い

 

「でも負担がかかり過ぎだろう?」

 

「ああ、佐伯のパートナーの優希が早く戻ってこないといけないしな」

 

4人は話し合い

 

「相棒は何してるのやら・・・・・」




次回~裏の顔~を予定しています。


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第87話~裏の顔~

意外な所で現地協力者を得て調査を進める優希だったが、此処の幹部の狂気を垣間見る・・・・


数日を過ごし表面上は何も異常は見受けられない様に感じたがそれは[表面上]だけだった・・・・・・・・・・

 

日中・・・・・・

 

市内を巡回する為に外に出て来ていたがその際に[例の物資]を確認するために立ち寄り

 

「ね?本当でしょう」

 

彼女、宮ノ下晴さんに案内された貸し倉庫に行き中身を確認

 

「ほぅ・・・・[装備品]に[武器]に[弾薬]に[食料品]と[医療品]もある」

 

「そうでしょ。それだけじゃないわ。此れも見て」

 

「!重火器じゃないか!!」

 

彼女が見せたのは自衛隊が使うM-3カールグスタフ無反動砲だった。俺達の大本の拠点と違い砲弾に余裕があるのが羨ましく感じた。

 

「ランボーも真っ青だな・・・・」

 

「そうでしょ!!。」

 

彼女も頷く。

 

これだけの装備品があればあそこを攻め落とすも容易だが・・・・

 

「そう言えば、頼んでいた内情の方はどうかな?」

 

聞くと

 

「そこらへんも含めて夜、貴方の部屋でどうかしら?」

 

「りょうかい」

 

言い、市内を散策する俺達だった。

 

 

そして

 

 

夜・・・・・・・・・・・・・

 

一ノ瀬の自室

 

「{じゃぁ予定通りと行きましょうか}」

 

「{ああ}」

 

市内探索で発見したボードとペンの筆談を始める。

 

「{内部で交戦的な連中のパーセンテージはどれぐらいです?}」

 

サラサラ・・・・・これに対し

 

「{ざっと・・・・こんな比率ね}」

 

サラサラ・・・・

 

宮ノ下さんはボードに書き記す

 

「{非好戦的は約95%、交戦的は約5%、尚離反自衛隊員を除く}」

 

書かれ

 

「{ふむ・・・・・・・ちなみに見分け方は?}」

 

「{簡単}」

 

「{なぜ?}」

 

「{好戦的なのは反社所謂[ヤ]のつく人たちだもの}」

 

「{成る程、納得}」

 

頷く。

 

「{でも、あのインチキ教団トップと自衛隊の幹部?将校?は素でヤバイと感じる}」

 

「{分かる。あの佐藤とかいう奴は海自の特殊部隊出身だからな。}」

 

「{なんで分かるの?}」

 

「{死んだ親父の元部下}」

 

「{ゴメン・・・・・}」

 

此処で一旦重要な事をメモに取り、ボードを消す。

 

「{ちなみにその95%って数値は信用できるのか?}」

 

「{ええ、周りの声を聴いていたけれども殆どの人がこの乱痴気騒ぎで生きていく為にやむ負えずってのが殆ど。無法地帯になったから好き勝手なんて事を望んでいないもの。そもそも最初は此処は避難所として機能していたのよ。}」

 

「{避難所?!}」

 

「{ええ、それをアイツらが無理矢理横から掠め取った。此処に居た牧場の経営一族はとうに殺されたわ}」

 

「{それで避難所が教団擬きの拠点に早変わり・・・・と言う訳か}」

 

「{うん}」

 

「{あくどい連中だ・・・}」

 

1人納得しつつ

 

「{自衛隊の連中は味方なら心強いが敵ならば厄介。いや俺達一国民から見れば戦闘のプロな訳だからな。素人が束になってかかってもかなう相手でもない。}」

 

「{そう言う貴方は?}」

 

「{海外に短期留学した時に元米軍特殊部隊出身のPMCの人にみっちレクチャーは受けた。だからある程度までは}」

 

「{それでこんな工作員まがいの真似まで出来ると・・・・・ね}」

 

「{それに関しては勘弁してほしい・・・・・・・・あ・・・!}」

 

此処にいたりようやく大事な事を思い出し俺は顔を青ざめそして震えだす。

 

「{どうしたの?}」

 

「{ヤバイ・・・どうして俺は何時も後先を考えずに・・もう・・・俺の馬鹿ッ}」

 

「{だからどうしたのよ!!}」

 

「{・・・・・・・・・・・}」

 

無言の後

 

「{・・・・真珠の事頭から抜け落ちてた・・・・殺される・・Σ(゚д゚ll)}」

 

「{えっと・・・・・真珠って誰?}」

 

「{俺のカノジョ}」

 

「{カノジョ持ちならなおの事さっさとこの任務片付けて帰らないとダメじゃない!!}」

 

ボードに書かれ

 

「{君を連れて帰ったらどうなるか想像できるかい?・・・・・・}」

 

「{私からも誠心誠意説明させて頂くわよ勿論、人様の男に手を出していないと}」

 

「{君は大丈夫だよ。多分[処される]のは俺だろうし・・・・ね}」

 

諦めそして項垂れつつ

 

「{人を呪わば穴二つ・・・・・かな・・・・}」

 

意味不明な事を書きこみ、またボードが一杯になったのでそれを消す。

 

「{話が脱線してるけれども・・・・}」

 

「{おっとそうだった・・・・・}」

 

「{聞きたい事があるんだがイイか?}」

 

「{うん。}」

 

数日間此処のまともな人達を見てて疑問に思った事を尋ねる

 

「{なぁ、此処の皆なんであのエセ教祖とやらに怯えてる?そんなにヤバイ野郎なのか?}」

 

「{ええそうね。ヤバいわ、とてつもなくね。外面は普通か優しそうに見えるけれどもあそこの中央の建物の地下に拷問部屋があるって噂ね、私も事実何人かがそこに引きずられて行くのを見たし、あそこに引きずられて行ったら最後、誰も帰って来るものは居ない・・}」

 

説明を受け

 

「{あのエセ教祖は拷問が趣味と言う訳か・・・道理で佐藤が怯えてる訳だ。}」

 

納得する中

 

「{あとは自衛隊の人達も極々一部はこんな事に賛同したくないでも仕方なくって人もいるわ。夕食時に自衛官の人達の極々一部が苦言を漏らしていたもの}」

 

「{葛藤・・・・・か}」

 

「{ええ、中にはまともな自衛隊員も居るのよ。完全に狂気に飲み込まれている連中ばかりではないという事}」

 

周囲の状況を上手く観察している宮ノ下さんは告げ

 

「{此処は1つ[ハーツアンド・マインズ]と行きますか}」

 

「{[はーつあんどまいんず?]}」

 

「{民心獲得工作ってやつ。}」

 

「{分かりやすくお願い}」

 

「{簡単に言うと今の状況に不満を持ってる自衛官をこっち側に説得して寝返らせる事}」

 

「{・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・}」

 

宮ノ下さんは黙りこくり

 

「{ねぇ、君ってマジ者の工作員だったりする?}」

 

「{んな訳}」

 

こうして次なる策に出る二人だった。




次回~民心獲得工作準備~を予定しています。


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第88話~民心獲得工作準備~

敵地に潜り込んだ優希はひょんな事から味方?を手に入れそして一か八かの賭けに打って出る為の準備をする


敵地

 

農場

 

優希自室

 

「分かったわ。となるとどうする?」

 

宮下さんは言い

 

「もう一回危険だけれども自衛官連中の話に耳を傾ける必要がある。本当にRANGERの連中は敵なのかそうではないのかと、見切りをつける必要もある。もしここで避難民を守ってくれるならばその人達まで敵に回す必要はない」

 

俺は宮下さんに言い

 

「分かったわ。それとなくね」

 

「ああ、佐藤や斎藤は完全に敵側だから戦闘になれば心置きなく殺れるが完全にこの狂気に飲み込まれていない自衛官が居るのならば此処の守りの為に留まってもらうべきだと思う」

 

言い

 

「了解、分かったわ」

 

彼女も頷き

 

「じゃぁ明日から早速行動を開始しよう」

 

俺達は言い

 

「うん」

 

そうして翌日に備えるのだった。

 

 

翌日・・・・・・・・・・・・・・・

 

それぞれに頼まれた仕事をこなし俺は昼食の時にチャンスが訪れる

 

「{?隣に座った自衛官・・・・3等陸尉・・・・防大卒の新入りか陸曹上がりの幹部かまぁ話に耳を傾けるか}」

 

そう思いつつ箸を進め話に耳を傾ける

 

「佐藤と斎藤の野郎は滅茶苦茶だ・・・・」

 

「ハイ小隊長」

 

「あんなの虐殺と変わらないではないです」

 

「我々は市民を守る為に武器を取るのですその市民に銃口を向ける等・・・・」

 

「ですが佐藤や斎藤の野郎に逆らえば・・・・・」

 

「佐藤2佐や斎藤2尉の小隊は殺しを楽しんでいる、もう狂気の沙汰だ」

 

「あんな事我々には出来ません」

 

「それにあの教祖とかいう野郎もだ」

 

そんな話を隣で実際に聞き

 

「{ふーん、これはワンチャンアリかもしれないな。上手く行けば1個小隊の敵の主力を崩せる。しかも本心からこの状況に加担しているわけでもないしな}」

 

判断している中思わぬ情報を入手する

 

「そう言えば[今日]は[小隊長]が[食糧庫の見張り]ですよね」

 

部下が尋ね

 

「ああ、そうだ。」

 

頷き

 

「分かりました。我々もそれぞれの業務に戻ります。」

 

言い隊員らは離れていき、その3等陸尉の幹部1人がポツンと残る

 

「[俺達は民間人]に手を出してはいないが見て見ぬふりをしている時点で同罪だ斎藤や佐藤を射殺してでも止めるべきなのに・・・・何のために自衛官になったこんなはずじゃなかったのに・・・・・・・」

 

1人自分自答しており

 

「{成る程・・・・・・この3尉の小隊は民間人に手出しはしてない訳か。もっと情報が欲しいな}」

 

思いつつも時計を確認し

 

「{昼休憩が終ってしまうな}」

 

思い昼食を食べ終えその場を離れるのだった。

 

 

少し時間を巻き戻し同時刻・・・・・・・・・・・・・・・・

 

宮下晴side

 

私の横に昼食のトレイを持った自衛隊員らがすわり込む。この隊の人たちは私達民間人グループの中でも評判が良い。ヤクザ連中が民間人にとりわけ女性に手出しをしようとすれば銃口を突きつけてでも止め止めさせる。それに積極的に私達の仕事も手伝ってくれるくらいだ。そんな人たちの会話に耳を傾け・・・・・・・・・

 

「佐藤も斎藤の野郎もアイツら纏めてクズの最低野郎だ」

 

「ああ」

 

「俺達はこんな事をする為に自衛官になった訳じゃない!!」

 

「全くだ一人でも多くの民間人を守る為にこの道を選んだのに・・・」

 

「あの世で両親に顔向けできない」

 

「あの教祖の迫田とかいう野郎も同じだ」

 

「もううんざりだ!!」

 

隊員らは上官や教祖への不平不満をぶちまけており他の民間人らも大なり小なり不平不満をぶちまけている。因みに自衛官で此処の一般食堂でご飯を食べるのも彼らだけふんぞり返っている迫田や佐藤に斎藤はなにやら食事を運ばせ別の本部でとっているこれも確認済みだ。

 

「{・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・}」

 

話を昼食を取りながら伺う中

 

「{これって十分にチャンスありなんじゃないかな。敵の部隊を離反させる事が出来ればッて彼も言っていたし・・・・・・・・}」

 

晴は思いもっと話に耳を傾ける

 

「今日は小隊長が食糧庫の見張りだとさ」

 

「マジか」

 

「大変だよな小隊長も」

 

「でもうちの隊長真面目だよな。他の幹部連中なんて見張りもしねぇし自分用の部屋でバカ面こいて寝ているんだろうしよ」

 

「ああ、佐藤や斎藤と教祖の迫田だろう?」

 

隊員らは話している。

 

「{これは十分に行けるッ・・・・彼らを味方に付けてそして私達が数の暴力で取り囲めば十二分に連中を地獄に叩きこめる・・・・・・}」

 

私は1人感じていた。

 

宮下晴side終わり

 

 

夕方

 

優希の部屋

 

「こっちはという訳だ・・・・・」

 

状況を説明し

 

「こっちもね。その真面目な幹部さんは恐らくはこっちの味方になってくれるわよ」

 

晴さんは言い

 

「俺もそう思っている。そして彼らは一度も民間人をその手にかけていない。彼の隊は状況が状況なだけに止められなかった事を悔いている。ならば償いの機会があっても俺はイイと思う」

 

俺も彼女に提案すると

 

「そうね、それはアリだと思うわ。」

 

彼女も頷き

 

「ともなれば早速今夜にも行動に移そう。指揮官である彼を説得して味方に付けるそうなれば連中が宛にしてる部隊は一個小隊ではなくなり1小隊になる」

 

「ふふ、流石は工作員」

 

俺にニヤリと笑い彼女は言い

 

「よせよ褒めるな」

 

俺もニンマリとして言い

 

「さっさと状況を終わらせて帰らないと愛しの彼女さんに折檻されるんでしょう?」

 

おちょくる彼女に

 

「折檻で済めばイイがな」

 

俺もまた苦笑するのだった。




次回~作戦決行~を予定しております。


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第89話~作戦決行!~

情報を集め、可能性のある一隊に目を付け更にその指揮官が食糧庫の見張りを行うと言うタイミングに合わせ作戦を晴と優希は決行する。


農場・拠点

 

 

「さてと、皆ね静まったな」

 

「ええ、貴方の保証監視記録が役に立ったわね」

 

俺と晴は言い、行動を起こした。念の為に歩哨の状況を確認したが何時も通りであり民兵は居眠りをしており司令部と目される所は明かりは付いているが距離がある為にそうそう増援は来ないだろう。そう決め

 

「来たわ、ターゲットよ」

 

晴が指さす方に昼間の隊長さんが出て行き配置に付く

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

情況を観察し敵の装備に目を向け

 

「89式小銃にSIG-P220の9㎜拳銃か・・・・・・・・・」

 

装備を確認し

 

「よし、行こう。トラックの荷台に隠れていてくれ。ターゲットをテイクダウンしたらそこまで運ぶから」

 

「分かった」

 

そう言い互いに素早く食料保管庫付近まで移動し晴さんはトラックの荷台に隠れるそして彼女が隠れた事を確認し

 

「{よしッ・・・・・・}」

 

敵の陣取る食料保管庫側面に回り込み壁に張り付き

 

コンコン・・・・コンコン

 

壁を叩き

 

「ん?・・・・・何の音だ??」

 

自衛隊員が反応しその場をすかさず離れ隠れるそして音がした方に確認来るも

 

「???・・・・・・何もない・・・・・な?」

 

そう言い背を向けた瞬間に

 

「ッ!!」

 

隠れた所から一気に背後を取り

 

「!!」

 

自衛隊員も反応するも接近戦ではライフルよりもナイフの方が早いと言わんばりにライフルを手からはじきそして拳銃を取ろうとする隙を与えず掴みかかり短期交換留学時にお世話になったPMCの方に習った要領でCQCをかけそのまま投げる」

 

「うぐぅ!!・・・・・・・・・・」

 

地面に叩きつけられその隊員はそのまま気絶する

 

「さてといっちょ上がり」

 

そう1人呟きその隊員の89式小銃と9㎜拳銃を回収しそのまま晴さんの待つトラックへと放りこむ

 

「しかしうまくやったものね・・・・・」

 

トラックの荷台にその隊員を放り込みポーチを開け中の弾薬を全部抜き去りナイフも取り上げ文字通り末裸にする。そして

 

「じゃぁひもで縛るわね」

 

晴さんが手際よく紐でその自衛隊員を縛り上げる

 

 

数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「う・・・・・・・・うん?・・・!!君は!!!!」

 

自衛隊員が目を覚ますが当然縛られている為身動きは取れない

 

「なんでこんな事をする」

 

その隊員は言い

 

「貴方は現状をヨシとしていませんよね?」

 

唐突に俺はイイ

 

「だ・・・だから何だ!!今更どうにもならん・・・・バカな事は辞るんだ」

 

言うも

 

「昼に言っていたじゃないですかこんな事をする為に自衛官になった訳じゃないと」

 

「う・・・・・・・・」

 

言葉を詰まらせる隊員に

 

「だから償うチャンスを与えたいんですよ。」

 

俺はイイ

 

「償うチャンス?」

 

「ええ、私も彼女もとある目的で此処に居ます。彼女は御宅の上官に両親を殺害された復讐の為に、そして俺は教団潰しの為に、そして米軍の大佐の救出の為に」

 

言い

 

「・・・・・・・・・・・・・本気なのか?」

 

問われ

 

「ええ、本気ですよ。特に佐藤は[亡き父の元部下]だった、そんな奴が民間人の虐殺に関与したとなれば只では済まさない、部下の不始末は上官の不始末その始末をつけるのも私の仕事と言いたいですが・・・・」

 

俺は怒気を孕みつつ言い

 

「それに俺は1人ではないですから。」

 

答え

 

「一人ではない?」

 

言われ

 

「ハイ。拠点に戻れば特殊作戦群の隊員さんや特別警備隊の隊員さんそれに米陸軍のメイトリックス大佐の部下のGREEN-BERETの皆さんにロシア軍スペツナズの面々の皆さんと特殊部隊揃いですから。それとも私の仲間を含めて撃ち合いしたいですか貴方は?」

 

問うと

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

数秒の後

 

「願い下げだ。私のようなペーが特戦群や特警隊を相手にしかなうわけない。部下を無駄死にはさせたくはない」

 

答え

 

「ふふふ、やはり貴方はイイ人だ」

 

俺は言うと

 

「そんなもんじゃないよ。俺は民間人を殺して回る佐藤や斎藤を止められなかった本来ならば殺してでも射殺してでも止めるべきだったと言うのに。」

 

苦笑を浮かべて言う隊員に

 

「貴方は違う、少なくとも貴方と貴方の部下の方々は。私達を助けてくれて仕事を手伝ってもくれている。此処に残って欲しいです!!あんな連中とは違います!!」

 

晴さんも言う中

 

「貴方、名前は?」

 

尋ね

 

「香川治行 3等陸尉だ」

 

答え

 

「俺は一ノ瀬優希、彼女は宮下晴」

 

互いに自己紹介を終え

 

「それでいきさつを教えてください」

 

俺は言うと彼、香川3尉は話し出す。元々彼の小隊は避難民輸送の為の空自基地を警備する名目で派遣されていたが避難民の中に感染者が紛れ込みそれが元で基地が壊滅し部隊は全滅を避けるために退避したらしいだが、その後に自衛隊部隊が全滅を避けるために本州を放棄した事を知り唯一可能性のある九州を目指していた中で奴らと合流したそうだった。そこから先は・・・・・・・話を聞けば彼らは騙されて悪事に加担してしまった言うなれば被害者の側面が強いようにも感じた。

 

「これが私の今までの全てだ・・・・」

 

話し終えると

 

「ホントに君達はあのイカレた教団擬きを潰しにかかるんだな」

 

確認するように言われ

 

「勿論」

 

「ええ、私は佐藤と教祖を殺す!!」

 

彼女は言いきる中

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

迷う素振りを見せる香川3尉に

 

「香川さん、オヤジの受け売りなんですけれども」

 

「?」

 

「職業軍人ならば任務に正義を持ち込む必要はないんだと。自分の信ずる信念に忠を尽くすんだと。亡き父はそう言っていました」

 

「忠を・・・・・尽くす・・・・自分の・・・・信ずる信念・・・に」

 

香川さんは呟くと

 

「立派な御父上だ、是非名前を聞かせて欲しい」

 

言われ

 

「既に故人ですが、一ノ瀬宗司です。」

 

教えると

 

「海自特殊部隊きっての人格者とも言われた・・・・・君の御父上だったとは」

 

驚かれつつも

 

「・・・・・・・・分かった・・・・・・・・」

 

一言言い

 

「私も自分の信ずる信念に忠を尽くす。君達に力を貸そう。部下達には私からこっそりと話を通す、また佐藤や斎藤に迫田にも漏れないように固く厳に口外を禁ずるようにも言う。最初に私は何をすればイイ?」

 

言われ

 

「ありがとうございます。近く、市街地に行く際に同行してくれると助かります。」

 

「市街地?」

 

「ハイ。」

 

「行けば分かります。名目も監視とでも言えばあの男も疑わないでしょう。私の動きを監視したいようですから」

 

答え

 

「分かった」

 

そう言い、香川3尉は時計を確認し

 

「そろそろ交替がくる頃だ。私が持ち場から離れていたらマズイ」

 

言われ

 

「では、明日に」

 

「分かった」

 

そう言い装備品を全て返しトラックの荷台から香川3尉を解放するのだった。

 

 

トラック荷台・・・・・・・・・・・・・

 

「上手くいったね」

 

「ああ、まぁ何とかね。後は運の要素も混じって来る。味方と逢う事が出来内部情報を伝え、敵の一部を切り崩し離反させる事に成功したとね」

 

「確かに」

 

俺と彼女はトラックの荷台で言うのだった。その後に頃合いを見張カリ室内に互いに戻り翌に備えるのだった。




次回~味方との連携~を予定しております。


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