THE LEGEND OF HEROES リリカル銀魂 七の軌跡 (原罪)
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繝励Ο繝ュ繝シ繧ー:

はじめましての人ははじめまして。原罪でございます

脳内でリリカル銀魂の妄想ばっかし始め、妄想ネタを垂れ流した結果とあるユーザーに「楽しみにしてます」と言われ、流れ流れで書くことになりました




こんな不束者の小説ですが、できれば楽しんでくれれば幸いです


全てが燃え盛る世界の中で、『彼』に出会ったのは幼いある日の事でした。

 

 

その時の私はお父さんやお姉ちゃんと逸れて、この火事に包まれた空港の中、泣きながら彷徨っていて

 

 

 

「お父さん……お姉ちゃん……!」

 

 

 

私はただ、お父さんやお姉ちゃんを探しながら、その名を呼ぶことしか出来なくて

 

 

 

 

だけど、そんな弱虫の声が届くわけもなくて、ただ無力なまま爆発に吹き飛ばされて

 

 

 

「…痛いよ……怖いよ……こんなの嫌だよ……帰りたいよ………」

 

 

 

ただ、泣き続けて、それで、崩れ落ちた石像が私に向かって倒れてきているのに気が付かなくて

 

 

 

「ひぃ……!!」

 

もう死ぬんだ、と、ただ目を閉じて諦めていたその時に

 

 

 

 

 

「待て待て待て待て待て待て待てェエエエッ!!」

 

 

 

 

誰かも知れない声と共に、何かが砕かれたような音がした

 

 

目を開けて、立ち上がると、そこには知らない誰かがいた

白い髪をした、なんだか死んだ目をした、誰ともわからないおじさん

 

 

 

「……おじさん……誰……?」

「おじ……!?」

 

 

私はおじさんに尋ねかけたけど、『おじさん』と言われたことに何か気に障ったのか、自分の右腕を嗅いでいるのを、私はただ不思議そうに見つめて

 

 

「あのさ……俺、加齢臭とかする?」

 

 

 

『おじさん』は右腕から手を離して、やや落ち込み気味に私に尋ねてきた

 

 

「・・・・・・あのさ、『おじさん』って呼ぶのやめてくんない? せめて『お兄さん』って呼んでくんない?」

 

 

 

なんだかよくわからないけど、この『お兄さん』は『おじさん』と呼ばれるのが嫌なようだった

そしてなんだかよくわからない内に私はこの『お兄さん』の手に抱きかかえ

 

 

『お兄さん』は周りを見るけど、どこもかしこも通路は瓦礫で塞がれていて、通れる場所なんて無いのに

 

それでも『お兄さん』瓦礫の山が軽い場所を見つけて

 

 

「今あそこを蹴破って、外に出るからよ、しっかり俺に掴まってろ」

 

 

そんな普通なら不可能なことを言い出していたけど、私は自ずと頷いていた、その後私の身体を強く抱いて、私が掴まったのを確認すると、右手に木刀を握って、あの瓦礫の山が立ちふさがっている通路に向かって走り出した

 

そのまま勢いを落とさないまま、力強く床を蹴りだし、瓦礫の山をその木刀の一振りで吹き飛ばした。

私はその光景にただ黙って唖然としている最中、『お兄さん』は出口を見つけて、炎の中を駆け抜け――燃え盛る建物の中から脱出することが出来た

 

 

 

「ふぅ……どうやら外に出れたみてぇだな」

 

 

外に出たのを確認すると、『お兄さん』は私を床にお降ろし、手に持った木刀を左脇に収めていた

 

 

 

「お兄さん。助けてくれて、ありがとう!」

「おお」

 

 

私はお兄さんに助けてくれたお礼を告げた。本音の所助からないと思っていた

 

だけどこのお兄さんはそんな私の運命を変えてくれた、私を助けてくれた

 

だから――

 

 

「……お兄さん、凄いなぁ」

「……ん?」

 

 

ふと、こんな言葉が漏れ出してしまって

 

 

「私……弱虫で……ずっと泣いてばっかで……何も出来なかった……」

 

 

自分の情けなさと悔しさで、泣き出してしまって、そんな私を見たお兄さんはため息をつくと

 

 

「んなことねぇよ」

「え?」

 

お兄さんのその言葉に、私はきょとんとしてしまって

 

 

「おめーは家族見つける為に、あの炎の中を歩き回ったんだろ?」

 

 

お兄さんは、何故か私の頭に手を乗せて

 

「泣きながらでも良い、ボロボロでみっともなくても、諦めねぇで進み続けたんだ。恥じる事なんてねーぜ」

 

 

そう言って、私に向かって優しく微笑んでくれた

それを聞いた私は、いつの間にか、涙が止まっていた

 

「オメーの家族も、きっと無事さ」

「お兄さん……」

 

 

また、泣いてしまう。今度は、その言葉に嬉しくなって

落ち着いたのか、そういえばまだ名前を教えていないと思って

 

 

「私、スバル・ナカジマっていうんだよ。お兄さんの名前は?」

 

 

私――スバル・ナカジマは、改めて『お兄さん』に自己紹介をすると、『お兄さん』は

 

 

「俺は坂田銀時、『侍』だ。」

 

 

と、自分の名前を教えてくれた

 

 

「侍?」

 

さむらい、なんていうのが何なのかはわからない

だけど、とても強くて、とてもかっこいい人だと、私は思った

私もこんな人に、強くて、かっこよくて、誰かを助けられる、そんな人になりたいと思った

 

 

 

そんな事を思っていると、空から誰かの声が聞こえてきた。

 

私が振り向いて空を見上げると、こちらに向かってくる白い点を見つけた

 

だんだん近づいてきて、白い点が人なのが分かった

 

杖を持って、白い衣装に身を包んだ人だった。

 

 

「お兄さん!助けたがき―――」

 

 

私が『坂田銀時(お兄さん)』にそう言おうと思―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――惨たらしく絶命しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃声が鳴り響いた

 

 

その直後、私の目の前で、『坂田銀時(お兄さん)』は胸から大量の血を垂れ流し、そのまま動かなくなってしまった

 

 

 

 

 

 

「――悪く思うな。お前はただ、運が悪かっただけだ」

 

 

 

 

 

 

意識が途切れる前、私が視たのは、『坂田銀時(お兄さん)』をその手の銃で撃ち貫いた、黒い鉄のような『誰か』の姿だった




これから始まるのは、既知にして未知の物語


決して交わることのない侍たちと、魔法少女たちと、―――そんな『光まとう翼』達の物語









さぁ、見届けようじゃないか、このクソッタレな昏きお伽噺の、その終焉を






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THE LEGEND OF HEROES 『リリカル銀魂』 七の軌跡


開演


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出逢い、そして始まり篇
第一話:始まりとはいつもグダグダなもの


さぁって、見切り発車どころではない感じで開始してしまったこのリリカル銀魂

描写力がアレなのは本当に申し訳ない!


侍の国、僕らの国がそう呼ばれたのは、今は昔の話

 

 

とある農村で暮らしていた少年、坂田銀時は、両親兄弟を宇宙人に殺され、唯一生き残った妹『神楽』すらも原因不明の病気を患ってしまう

 

 

「お願いです、妹の、妹の命だけは」

 

 

「生殺与奪の権利を他人に委ねるじゃねぇでさぁ。つーかそいつは個人的にムカつくから確実に潰す」

 

 

 

妹を元に戻す手がかりを求め、銀時は宇宙人殺隊へ入隊する。そこで出会うは銀時を「逢魔銀王」と呼称し襲いかかる謎の二人『月詠』と『九ベイツ』

 

「この時代のお前に恨みはない。でも未来のためだ。消えてもらう!」

 

 

 

 

となんやかんやあって和解し、妹の病気の元凶である無職寺無惨(マダオ)を倒すも

 

「俺の出番ここで終わり!?」

 

 

 

 

鬼王の最後のあがきによって全世界の人間とツバメが全部銀の塊へと変貌し、人類の文明は消滅した

 

 

 

そして3700万年後――

 

坂田銀時は目覚めた、銀の呪縛より放たれた。

 

いつの間にか連れ去られた妹を取り戻すため、坂田銀時――否、ドクター銀魂は、この世界の文明を再構築する物語への一歩を―――

 

 

 

 

「じゃねーだろ!? 一体何なんですかこれ!?」

 

「色々あった銀魂もやっとあの空知が終わらせて、アニメだって次のやつで原作全て終わるんだろ? だったら俺たちが新しい銀魂……リメイク版銀魂を作ろうと企画書考えてたんだよ」

 

「何がリメイクだ! というか逢魔銀王って完全にオーマ◯オウだろうが! どう考えてもアウトだろこれ!」

 

「祝え 新たなる新連載の誕生を!」

 

「誕生したとしても全てほっぽり出して突き抜ける未来しか見えねぇよ! チャゲる未来しか見えねぇよ!」

 

「落ち着くアル新八、もしこれが実現したらこっちは配役的にセリフまともに喋らずに給料ガッポリもらえるネ、新八だって――」

 

『ボク、シンパッチ』

 

「マスコットになればいいアル」

 

「それポロリ編最初にやったやつじゃねーか! フレンズはもう良いんだよ! 自分のお家へ帰れ!色んな意味で!」

 

 

 

と、そんな物凄くくだらない言い争いをしている三人。彼らはこの大江戸歌舞伎町でなんでも屋を営む『万事屋銀ちゃん』のメンバーであり、今まで数多の事件を解決してきた

 

 

 

―白夜叉:坂田銀時 CV:杉田智和―

「だけどよぉ新八、こうでもして、さっさと収入源手に入れねぇと、本当にババァに追い出されちまうだろ」

 

 

 

―戦闘民族『夜兎』の少女:神楽 CV:釘宮理恵―

「それを言うなら昨日銀ちゃんがパチンコで大負けした結果がこれアル。パチンコする金あるぐらいならすこ少しぐらい給金上げろやコノヤロー」

 

 

 

―メガネの精霊:志村新八 CV:阪口大助―

「メガネの精霊ってどういうことだゴラぁーっ!?」

 

 

「いいじゃねーか新八、そのまま精霊の肩書引っさげてお通とデートしてこい、そのままデート・ア・ライブに持ち込めば……」

 

 

「その前に僕の社会的地位がデッド・ア・ライブしそうなんですけど、キスする前に砂糖菓子の弾丸で撃ち抜かそうなんですけど!」

 

 

 

 

……のだが、基本的に依頼数の少なさやら依頼金をこの基本ダメな天パがパチンコやら競馬やらに使うもんだから年中金欠。たまにこんなふうにくだらない金稼ぎの案やちょっとした小競り合いが出る始末

そして今、この日常とかしたくだらない問答を、神楽のペットであり万事屋の番犬である『定春』は、あくびを上げながらただじっと「あーまたこれだよ」的な目で見つめるのであった

 

 

「あー……ったく、あの時町内会運動会優勝できれば、せめて今月ぐらいは乗り切れそうだったってのに……」

 

などと銀時が愚痴っていると、玄関から声が聞こえてくる

 

 

「銀時さま、いらっしゃいませんでしょうか?」

 

声を聞いた銀時は玄関の前までやってきて扉を開ける。開けた先には緑髪の家政婦である『たま』の姿が

 

 

 

―からくり家政婦:たま CV:南央美―

「おはようございます、銀時さま」

 

「おーっす、たまか。一体どうしたんだ?」

 

「源外さまから、前のスケダンコラボで使用した『瞬間移動装置』の改良版が完成したようでして、その実験に参加していただきたいと」

 

「あ? 今そんなことしてる場合じゃねぇっつーの、それにあのジジィのことだしろくな改良してねぇだろ。それにな、いま坂田家は追放の危機に」

 

「……あと実験参加の報酬として先日当たった宝くじ数億円を山分けという」

 

「……えっマジで? あのジジィが?」

 

「はい」

 

たまの発言に乗り気ではなかったものの、金の話が出た途端銀時の目玉はスロットのごとく回転し円の文字で止まる

 

「新八ー!神楽ー! 今日の晩飯は焼き肉だぞ!!」

 

「マジアルか銀ちゃん!?」

 

「(まあこうと言えば銀時さまは確実に食いつくと源外様も仰っていたので、実際宝くじ当たったのは事実ですし)」

 

騒ぐ銀時達をただ見つめるたまであった。

 

 

 

 

「まさか源外さんが本当に宝くじで数億円当たるなんて思いませんでしたよ……」

 

「まあそうだろな。俺だって信じられねーよあのジジィが宝くじ数億円って、まさかと思うが不正とかなんかやったんじゃねぇか?」

 

「もしそうだったじーさんサツに打ち込んで金横取りしちまえば良いアル」

 

そう他愛もない会話をしながらも三人(+一匹)がやってきたのは、たま経由で源外から教えてもらった実験場所

かぶき町からそれなりに離れた荒野であり、そこには何故か電極の付いた小さな箱のようなものと、布に包まれた車ほどの大きさのなにかがあり、その隣で三人に向けて手をふる、ゴーグルを付け黄色いツナギを来た白い髭の人物――平賀源外がいた

 

「銀の字、まさか来てくれるとはな!」

 

「ジジィ、宝くじの件はマジなんだろうな?」

 

「当たり前だ! そうでもなければこんな大掛かりな実験なんぞしておらん。安心しろ、改良費用で大分使っちまったがそれでも数百万は残ってる」

 

「それで源外さん、その実験っていうのは」

 

「実はこいつ……」

 

源外が大きななにかに被さっていた布を剥ぎ取る。布の中に隠れていたのは一台の銀色の車。窓ガラスから見れる中身には運転席を含む4つの座席、そして中心にある縦横30センチメートルほどのボックスのようなものの中に、Y字型に配置された3本の光チューブが入っていた

 

「これが俺が新しく開発した、瞬間移動装置第二号、その名も……トラベラー号じゃ!」

 

「「いやちょっと待てぇえええっ!?」」

 

 

あまりにも見たことがありすぎる発明品に銀時と新八が思わずツッコミの大声を上げる

 

 

「おいジジィ! これどう見てもデロ◯アン号だよな!? どう考えてもデ◯リアン号だよな!?」

 

「いや実はな、たまたま外で買い物していた時に事故で貨物列車に追突して壊れた中古車を発見してな、それを10円で買い取って修理改良した上で使わせてもらったのだ」

 

「10円ってどんだけ壊れたんですか……というか壊れた経緯からしてそれ本当にデロリ◯ン号じゃないんですか源外さん、下手したら知らない所で特異点案件になってそうなんですけど、大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫じゃ、まずこんな10円で売ってるような事故車がデロリア◯号なわけないじゃろうし。ただ動力源の部分は元の車をそのまま修理したのを使ってるからな。時速140kmの速度が走れるほど蒸したエンジンに1.21ジゴワットの電流を流すことで初めて瞬間移動が可能となる」

 

「もうそれ議論の余地なしに◯ロリアン号だろうがぁあああああっ!!!」

 

 

源外の説明から、さらにこれがもう破損したデロ◯アン号を修理改良しただけものだと確信、さらに怒号のツッコミが飛び交う

 

 

「……まあ、仕方ねぇか。これ乗るだけで数百万貰えるなら安いもんだろ。でだ、ジジィ。安全面とか大丈夫なんだろうな?」

 

「今回は安心してもらっても大丈夫だぞ銀の字。こういう事もあろうかと異常が発生した際に強制的に全電気系統を強制停止させる装置を搭載しておる」

 

「……本当に大丈夫なんですかね、それ」

 

「大丈夫だ、問題ない。一番いい素材を使っている」

 

「それガラクタのフリー素材じゃねぇよな? 逆に心配になるんだけどその言い方、てめぇの脳みその中身一度堕天使にリセットしてもらったほうがいいんじゃねぇのか?」

 

「誰の脳みそがイーノックだ。そんなことより早く乗った乗った」

 

源外に急かされ、3人が後部座席に乗る。ちなみに定春は重量オーバーな事もあり残ることに。神楽を心配そうに見つめる定春だったが、神楽に諭され素直におすわりして待つことになった

 

 

「一旦の目的座標はここからワシの店だ。このトラベラー号がワシの店への転移に成功した時点で実験は完了となる。ちなみに説明し忘れておったがあの箱は電気をこの車に流すためのものだ。さぁ、準備は良いか?」

 

運転席に乗りそう言葉を続ける源外は運転席右側に設置された入力機器に数値と単語を入力する。入力されが完了すると車内中心にあるボックス内部の光チューブが光り始め、電気が流れる

 

エンジン音が鳴り響き、車内に何故か『BTTFのメインテーマ』曲が流れ始める

 

「……おい、やっぱこれぜってーデロリア◯号だよな? このBGM流れるってことはじじぃやっぱ……」

 

「銀の字、無駄口叩いてると転移の際に舌を噛むことになるぞ。稼働可能時速100……110……120……130……140!」

 

『転移準備が出来ました、ボタンを押してください』

 

アナウンスが流れると同時に、ハンドル中心から赤いボタンが出現する

 

 

「さぁ、実験開始だ!」

 

源外が意気揚々とボタンを押した瞬間……何故かボンネットが開き、そこから大きなネジが飛び出し大きな弧を描き行方知れずに。更にその衝撃で『エマージェンシー!』というアナウンス音が流れまくる

本来ならこの状態になれば源外が言っていた強制停止装置が発動するはずなのだが、何故か発動しない。それどころか強制停止装置の状態を示す計器が『Error!』という文字を映したまま動かなくなった

 

 

 

「……あの、源外さん」

 

車のボンネットから飛び出た大きなネジを車内から見つめ、新八が虚ろに言葉を紡ぐ

 

「あっ、やべっ、強制停止装置のネジ緩んでおったわ、てへぺろ」

 

「じじいてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ?!」」

 

 

飛び交う怒号と悲鳴を最後に、銀時たちを乗せたトラベラー号は彼ら諸共落雷と共に光に包まれ、消失した

 

 

荒野に定春一匹のみを残して

 

 

 

 

 

巻き上がる黒煙、燃え盛る炎、飛び散り痕跡を残す機械の残骸や血溜まり

 

 

まるで地獄がこの地上に現出したような世界の中、彼女はいた

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……!」

 

 

 

息を荒げながら、その濃い紫の挑発を揺らし、ただ走る。このよくわからない状況から抜け出すために、皆の元へ帰るため。

 

未だ行方知れずの兄に会えないまま、死ぬのなんてごめんだと

 

 

「……ッ!」

 

 

少女の前に立ち塞がるのは、上空より降ってきた人間一人がすっぽり入れる程度のカプセルのような形をした数体の青いナニカ

 

 

「くっ!」

 

青いナニカの前面レンズから光が付き、熱線のようなものが放たれる

少女は1体目の熱線を右に躱し、2体目3体目の熱線は身を翻し、回転した勢いのまま

 

 

「やぁ!!」

 

 

その手に持った銀のレイピアを振るう。振るわれたレイピアから孤型の衝撃波が三連して放たれ、目の前の青いナニカ3体は横に真っ二つ。真っ二つとなった青いナニカの断面図は機械で埋め尽くされていた

 

 

「ふぅ……」

 

 

一時の危機を乗り切って、ため息をついた途端、彼女の背後で爆発が起き、その体は大きく吹き飛ばされる

 

 

「……ああっ!」

 

 

壁に激突し、その衝撃で手に持ったレイピアは彼女から遠く離れた残骸の石壁に刺さってしまう

 

 

「……くぅっ!」

 

 

なんとか立ち上がるも、目の前には白い四足を持った、巨大な『兵器』の姿

その『兵器』は、まるでゴミを見るかのごとくその白いレンズに彼女の姿を見据えている

 

 

腕をやられ、あまつさえさっき吹き飛ばされた衝撃で唯一の武器が失われた

 

『兵器』は、無慈悲にも彼女をその巨大な足で踏み潰そうとする――その時であった

 

 

 

 

「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!?」」

 

 

 

 

誰かの叫びが響き渡る、少女がその衝撃にポカンとした顔をした直後

車の屋根が開き、3人の『誰か』が少女の目の前に放り出され、その直後にその車は『兵器』の胴体に激突しその原型がわからなくなるほどにひしゃげる

兵器は振り上げた足で少女を押し潰す事無くショートし、激突したひしゃげた車が爆発炎上、そのまま黒煙を上げ沈黙した。

 

 

 

 

 

「どうやら、もしもの為につけておいた緊急脱出装置が作動してくれたようだな」

 

「……まさか、転移した直後で上空から落ちる羽目になるなんて思いませんでしたよ……ですけど」

 

「……トラベラー号、完全にぶっ壊れたアルな」

 

「「・・・」」

 

謎の白い兵器のようなに突っ込んだ挙げ句完全にひしゃげたトラベラー号の残骸をただ見つめて途方に暮れる新八、神楽、源外

転送直後に上空に放り出された挙げ句に超スピードで急降下。幸いにも源外が緊急用の脱出装置のボタンを押したために三人は無事であるが、この世紀末みたいな場所がどこなのかは

 

 

 

 

 

 

 

「――実験は成功だ!」

 

「何ドヤ顔で『実験は成功だ』っつって現実逃避しとんじゃジジィごらぁっ!!」

 

「ぶへっ?!」

 

ドヤ顔で発言する源外の尻に、怒り満タンの神楽の踵落としがクリティカルヒットし、そのまま源外の体は瓦礫の犬神家状態に

 

 

 

 

「しかしどうするんですかこれ……肝心のトラベラー号があれじゃあ、僕たち戻る手段無いんですよ……しかもいつのまにか銀さんだけどいなくなってるし」

 

二人のやり取りを尻目に、戻る手段を失ってしまい途方に暮れる心配。転移したこの場所が一体どこかすらわからない状態でどうすればいいのか、それが問題であった

 

 

「あ、あの……」

「?」

 

そんな悩んでいた新八に対し、結果的に置き去り状態になっていた少女が声をかける。

 

 

「その……助けてくれて、ありがとうございます」

 

「いえ……そういうわけではないんですけど。あの……大丈夫ですか?」

 

「さっき壁に叩きつけられた時の痛みは残っていますが……なんとか。」

 

「よかった……僕は、志村新八。あそこにいるのは神楽ちゃんと、埋まっているのは平賀源外さん。で、貴女は……?」

 

 

「私は――」

 

 

 

 

 

 

 

繝ェ繧」繝ウ繝サ繧キ繝・繝舌Ν繝?ぃ繝シ の妹:エリゼ・シュバルツァー CV:後藤沙緒里―

「私はエリゼ。エリゼ・シュバルツァーと申します」




うん、当初ね、妹さん参戦させるつもり無かったんだよ

でもね、色々と別の問題の解決のためにプロット変更してふと頭に思い浮かんだんだよ

その結果がこれだよ!! あれ、背後から変な声が聞こえ「秘技――裏疾風!!」


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第二話:出会いはいつも突然にというが時と場合を考えて欲しい

あけましておめでとうございます 第二話の更新にして新年初投下だぁぁぁ

今回もまた予想外なキャラが登場するよ!!!


未知、と言うのはまさにこのようなことであったのであろう

 

まるで樹海のようにコンクリートの地面から生い茂った赤黒い触手、その周りを遷ろい彷徨うのは様々な色のスライムのような何かと、白い巨大な四足の機械

そして、それらが護っているのは、まるで巨大なタコの頭をした『何か』。その周りにはたくさんの透けた白色のカプセルがあり、その一つずつに気を失ったらしき少女たちが閉じ込められていた

 

0075年、5月。ここはミッドチルダ、ミッドチルダ臨海第7空港 その最上階に位置する場所

 

その場所で、巨大な『何か』を目の前に、白い衣装を来た栗色ツインヘアーの女性が、その手に持った金色の杖を棒代わりにして、その傷ついた身体を立たせていた

 

女性の名は『高町なのは』

魔道士達によって結成された『時空管理局』と呼ばれる組織の『機動六課』に属する教導官

 

 

―『不屈のエース・オブ・エース』高町なのは CV:田村ゆかり―

 

 

「……そん、な……」

 

なのはは、目の前の光景に呆然かつ絶望の表情で見つめていた。……否、見つめる『しか』なかったのであろう。

カプセルの中に入っているのは、なのはの仲間である他の機動六課メンバー。どうしてこうなってしまったのかは、数時間前に遡る

 

 

第7空港に、ミッドチルダ内で最近驚異となっている『有機物・無機物関わらずに何もかもを赤い霧状に分解してしまう』アンノウンが出現したという情報を聞き、出動

 

だが、そこに待ち構えていたのは同じく管理局の手を煩わせている『ガジェットドローン』、さらにそれの新型と思われる白い四脚の機械兵器

さらにアンノウンも含め、倒しても倒してもどんどん湧き出てくるという数の暴力に対し6時間も戦い続けていた。

 

『AMF』と呼ばれる魔導師を無力化させてしまう構造を持つガジェットドローン、何もかもを赤い霧状に分解してしまう謎のアンノウン、そしてガジェットドローンの新作ともいうべき謎の白い四脚機動兵器

 

それらによってなのは達は他の仲間達と散り散りになり、ようやくなのは一人が最上階にたどり着いたと思えば――そこにはカプセルに囚われた仲間たちの姿があった

 

 

「フェイトちゃん……はやてちゃん……ヴィータちゃん……みんな……!」

 

 

カプセルに囚われた仲間たちをただ虚ろにつぶやくなのは。どうしてこうなってしまったのか、残った魔力も尽き、この絶望とも言うべき状況に、不屈の魔導師はただ虚ろである他なかった

 

だが、彼女の目だけは、虚ろでもなかった。おそらくどこかで起死回生の一手を考えていたのだろう。そんな事を察知していたのか――

 

 

「――!?」

 

複数の黒紫色の触手が、なのはに襲いかかった

魔力が尽きかけて、更に疲労も溜まっていた状態故に起きた油断と対応の遅れの結果

 

「きゃあああああああああああ!!!!」

 

触手はなのはの体全体を包み込み、彼女は『何か』の近くにあった白い殻のようなものに引き込まれていった

 

 

 

 

 

 

 

燃え盛る炎と、残骸が撒き散る建物の中らしき場所。辛うじて割れた窓ガラスからは見慣れない町や高層ビルが立ち並んでいるが見える

焼け焦げている看板の文字からここは飲食店等が立ち並ぶエリアなのだろうと思われるが、今のここには人々の姿も調理器具の稼働音も聞こえない、轟々となにかが燃える音、異形ならざるナニカの足音が響くのみ

目に引くのは、所々に散らばっている赤い塵のようなものだ

 

そんな以上極まりない空間に……坂田銀時は後ろにある残骸を尻目に座っていた

 

 

「……まじかよ。あのジジィ、タイムどころかアナザーワールドにトラベルしやがった……」

 

 

源外の発明が案の定異常事態を引き起こし、まばゆい光に包まれ目が覚めればこの戦場のような空間。しかも窓ガラスからの景色を見るにかぶき町ですらない所に飛ばされていた

 

 

「つーか一体何なんだ、こりゃ。妙に気持ち悪いブヨブヨやら妙に這い出てくるわ、変なボンレスハムみたいなロボットは襲いかかってくるわ。ふざけんじゃねーよここはキャッスルヴァニアかってんだコノヤロー。俺はベルモンド一族みたいな変態機動は出来ねーっつーの」

 

実は、銀時は目が覚めた当初は窓ガラスもない小さな部屋にいており、通路を渡りながら、道中にはびこっていたボンレスハム的な機械や変な触手を撃退または破壊し、ここまでやってきたのだ

 

 

「早いとこ、新八や神楽、ジジィと合流しねぇとな」

 

残骸の上から立ち上がり、そう呟いて足を進めようとすると目の前に現れたのはカラフルなおたまじゃくしのようなものが3体。腹部から腕のようには言えた先端が鎌状の白く発光する部分が銀時を威嚇するように輝き、そして猛ダッシュしながら迫る

 

 

「ったく、次から次へと面倒事が来やがって……」

 

 

その手に木刀『洞爺湖』を構え、そのおたまじゃくしに向かって駆け出そうとした途端……

 

 

 

「はぁ!!」

 

 

どこから兎も角飛んできた、青白く輝くガラス細工のように透き通った数本の剣に貫かれる。貫いていたオタマジャクシもどきは赤い霧状となって霧散消滅。剣もまた青白い粒子となって消失する

 

「っ!?」

 

いきなりのことに少々驚く銀時、その直後に少女の姿が現れる

 

「やっぱりまだ逃げ遅れがいたんだ。良かった、無事にみつか……って……?」

 

少女は銀時のポカンとした顔を見て唖然とする

蒼いショートカットのボーイッシュな少女、白いネクタイに胸の部分が黒く、背中の部分は肌が見えるセクシーな蒼い軍服のような衣装と白いミニスカート。そして瞳は、空の青よりも透き通った真っ直ぐな『蒼』

 

 

「まさ、か……銀、時……さ、ん……?」

 

 

少女が、銀時の名を震えながら紡ぐと、銀時は思わず驚いてしまう

当たり前のことだ、何故なら銀時は

 

この少女の事を全く知らない、ここで会うのが初めてだからだ

 

「……お前、何で俺の名前を? というか誰なわけ?」

 

銀時は少女に尋ねると、少女は突然涙を流し、そのまま銀時に抱き抱える

 

 

「……生きてた……生きてたんだね……銀時さん……!」

「えええええっ!? 生きてた!? 生きてたって何!? というか何でお前俺の名前知ってんの!? まさかあれか、夢の中でどっかであったとか!? 前前前世君の名的な!?」

 

大胆に抱かれてしまったのもあって慌ててしまう銀時。彼の胸元に少女の大きな胸が押しかかれており、動揺を隠せない

 

「……やっぱり、憶えてないんですね。ですけど、本当に良かったです」

 

少しばかり冷静を取り戻したであろう少女は銀時から少し離れ、その手で涙を拭うと、銀時に名を言い出す

 

 

「お久しぶりです、銀時さん! あの時、あの燃え盛る空港の中であなたに助けてもらった、スバル・ナカジマです! あの時に銀さん、誰かに撃たれて死んだんだって思っちゃったけど……生きてて、また出会えるなんて、思ってなかったです……!」

 

少女――スバル・ナカジマはそう名乗ると、銀時はしばらくポカンとする中、少しばかり我に返り言葉を紡ぐ

 

「……えっ? 死んだ? 俺が? 死んだ? 撃たれて?」

「……はい」

 

沈黙……スバルによって『自分が撃たれて死んだ』という奇々怪々な事実に銀時はただ沈黙し

 

 

(嘘だろぉぉぉぉぉぉっ!? えっ、ちょっと!? どういうことなの!? 銀さん一度死んだの!? というかいつ死んだわけ!? おい、ふざけんなよあの実験で死んだって言うならあの世か?あの世なのかここ!? 違うよな!? 絶対ありえないよな!? ということはアレか!? 今流行の異世界転生!? ふっざけんじゃねぇよ何で俺にゼロから異世界生活を始めさせようとしてんだぁぁぁっ!?)

 

 

脳内でパニックになっていた。ちなみに今の銀時の顔は汗だらっただらであり、スバルが「あの……銀時さん? 大丈夫ですか?」と心配で声をかけるほど

スバルの声のおかげで冷静さを取り戻し、改めてスバルの方を向く

 

 

「……ああ、わりぃ。ちょっとな。……でだ、スバル、一つ良いか?」

「はい? なんでしょうか?」

 

 

「……ここ、どこなわけ?」

「……あっ」

 

銀時の言葉に、一瞬「あっ」ってなるスバルであった

 

 

 

 

「つまりあれか? ここは江戸のかぶき町じゃなくて、『ミッドチルダ』とかいう異世界。そしてジジィの実験で飛ばされた俺は『次元漂流者』とかいうことでいいんだよな?」

 

「そういうことになります。銀時さん」

 

「銀時さんとかそういう丁寧ぶったのはいいっての、『銀さん』でいいよ」

 

「はい、わかりました、銀さん!」

 

あれから数十分ほど掛けスバルは銀時に、今彼が置かれた状況の説明に、この世界の仕組み、魔導師、魔法の存在、そしてついさっき銀時が遭遇しスバルに撃破された謎のアンノウンについて一から簡単な説明をしていた。その間に改めて簡単に互いの自己紹介を済ませた後、二人は空港内を歩くことに

 

 

「……で、だ。これからどうすんだ? どっちにしろこっから出るかこの騒ぎの元凶叩き潰す他ねぇだろ」

 

「そうですね……まさかアンノウンだけじゃなくてガジェットドローンまで出てくるなんて」

 

「ガジェットドローン? 俺がここに来る前にぶっ壊したボンレスハムとかでかいボールみたいなやつか」

 

「さらっとガジェットドローンをぶっ壊したって言いますけど、本来ガジェットドローンは普通の民間人が武器を持った程度では倒すのは本来無理なはずなんです。そう聞くとやっぱり銀さんは凄いんですね」

 

「まあ、凄いって言われてもな、俺達のいた世界じゃあんのあガラクタなんかよりも厄介なやつばっかいたぜ……どっちかっていえばあのアンノウンが俺にとっちゃ強敵だと思うけどな」

 

「はい。あのアンノウンは発光する部分を自在に伸ばし、それを使って何もかもを見境なく分解してしまうんです。だから銀さんの木刀のように物理的な武器では分解されてしまいます。砲撃魔法等の遠距離攻撃魔術や、私のように刃に魔力を宿す事による魔力を介しての斬撃は通用します。……念の為に聞いておきますけど、銀さんって魔導師ではないすよね?」

 

「当たり前だろ、そもそも魔力なんてあったらまずこっちが欲しいぐらいだっつーの。おもに擦ったら青い山寺◯一が出てきて願い叶えてくれるランプとか」

 

「あの、山寺◯一って誰ですか」

 

銀さんのボケに突っ込みながらも、銀さんの返事に胸をなでおろす

そんな会話を続けながらも歩いていると、ドアのような所に

 

「あ、あれです。あの階段を登れば上層のフロアにたどり着きます。屋根に何かがあれば……!」

 

階段を見つけ、スバルが言葉を発した瞬間、階段より例のガジェットドローンが出現。更に右の壁を突き破りアンノウンも数十体。今回はオタマジャクシもどきだけでなく人型や、まるで侍のような格好をしたものまで。さらに背後から白い四脚のモノが数機

 

囲まれながらもお互い背中合わせになったスバルと銀時

 

「ったく、次から次へと、そこまで人気者になった覚えはねぇっつーの。スバル、アンノウンの方は兎も角他は任せろ」

「本当に大丈夫ですか?」

「大丈夫だっての、こういうのは慣れてんだ」

 

銀時の言葉に少し心配するスバルであったが、銀時の返答とその余裕そうな態度を見て安心し

 

「わかった、でも無茶はしないでくださいね、銀さん!」

「そいつはお互い様だ」

 

銀時は洞爺湖を構え、スバルも白色の鞘から刀を抜く

 

「行くぜ、スバル」

「はい!」

 

二人はその言葉と同時に戦闘態勢に入る

スバルは蒼い日本刀型のデバイスを見る。その日本刀型のデバイスには鍔がなく、その部分には水色の宝玉が埋まっており、その刀身は蒼く輝いていた。

 

「行くよ、ティルヴィングエア」

《Yes, I am important》

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「はぁ!」

 

 

刀を構えた二人は敵に向けて刀を構え一斉に突撃、先頭の銀時がボンレスハム型のガジェットドローンに飛び掛かり

 

「でりゃああああああああああああっっ!」

 

 

まるで嵐のような剣技で次々とガジェットドローンを真っ二つに斬り裂く。

 

 

 

「とりゃああああああああああああ!」

 

 

大きく回転して下斜め右から一斉に大きく木刀を振り、一気にボール型のガジェットドローンを横一列に真っ二つに

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

さらに動きを止めないまま、銀時はその猛烈な動きのままに次々とガジェットドローンを切り倒していく

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

スバルは銀時は全く違う鮮やかな動きで次々とアンノウンを切り裂いていく。スバルを押しつぶそうと白四脚がスバルに襲いかかるも即座に一回転しアンノウンごと白四脚の脚を切り裂き、行動不能にする

 

人型をしたアンノウンが手のようなものを伸ばしスバルを貫こうとするも、スバルはそれを刹那の瞬間移動で回避し、即座に人型アンノウンの背後に移動。スバルが刀に鞘を収める音と同時に、人型アンノウンはみじん切りとなり赤い霧となって消滅

直後にスバルの立っている位置から蒼い魔法陣が出現、そこから青白く輝く日本刀の形をした魔力剣が数十個現れると、回転してその魔力と威力を高める

 

「ブルーエッジストーム!」

 

その魔力剣はミサイル弾丸のように発射され、数多くのアンノウンやガジェットドローンを貫通、一つの剣あたり数3~4体は倒している

 

 

その荒々しくも豪快な剣技と、蒼の流星の如く刹那の神速居合によってその数を減らしていくアンノウンやガジェットドローン。しかし、その状況をさらに混迷を訪れさせる迷い人が――

 

それは、ここにいたアンノウンやガジェットドローンをあらかた片付けた直後であった

残り1機残った白四脚を破壊しようと銀時が近づこうとした時であった

 

 

「のわっ!?」

 

 

白四脚の付近にある壁が爆発、爆発で吹き飛ばされたであろう白四脚はそのまま火花を散らした後に爆発。

爆発した壁からは声が聞こえた

 

 

「よし、これで道は開けたようだぞ、皇女どの」

 

「いや、たしかに道は開かれましたけど……どうやらこっちも大変なことのようですね」

 

「まっ、この有様じゃあどこもかしこもこの有様か」

 

 

現れたのは和装のロン毛男と、赤いドレスを着た金髪の少女

 

 

 

そして黒い短髪に白い服と黒のマントコートを着た、背中に体の半分ほどある黒い刀身の大剣を背負った――大柄の男

 

 

「あなた達は一体……?」

 

「ああ、あんた。ここの人間か?………流石にマコトに比べたら小さいな」

 

大柄の男は声をかけてきたスバルの胸元を見て呟く

 

 

「……カグラさん?」

 

「おおっと、わりぃアルフィン。。で、そこの銀髪のあんたは……そこのヅラの知り合いか?」

 

『カグラ』と呼ばれた男は、『アルフィン』と呼ばれた少女の苦言に対して軽く返答した後、ポカンとなっていた銀時の方に振り向き言葉をかける

 

「ヅラじゃないキャプテンカツー……じゃない桂――

 

「おんどりゃああああっ!!!」

 

どばぁああああああああああああああああっ!???」

 

そして『ヅラ』……もとい桂は『ムツキ』と呼んだ男の言葉に突っ込もうとした途端、銀さんの叫びとともにその顔に懇親の蹴りが炸裂した

 

 

 

 

「……はぁ」

 

皇女は、ただ目の前に光景に小さく息を吐くのであった

 

 

 

―『狂乱の貴公子』桂小太郎 CV:石田彰―

 

―『黒き疾風』カグラ=ムツキ CV:藤原啓治―

 

―『帝国の至宝』アルフィン・ライゼ・アルノール CV:佐藤聡美―

 

 

 

 

「くくっ、くははっ! 中々に壮観な光景だな!」

 

どことも分からぬ場所、電子パネルとモニターで包まれた場所、焦げ茶色の軍服と軍帽に身を包んだサングラスの男がモニターの光景を見て笑っていた

 

「六課などという小娘共を捕獲するという妙な事を押し付けられたと思ったが、まさか『アルカ・ノイズ』だけでなく『テスタメント』、『寄生型えいりあん』などという兵器まで提供してくれるとは!さらにはこの空中戦艦までも強化復元!」

 

男は笑う。この最高にして最後にチャンスに

 

「バルベルデの一件にて『奴ら』にやられ、挙げ句には結社の連中には完全に切り捨てられた私だが、まさかこんな形でチャンスが回ってこようとはッ!」

 

男は嗤う、この何もかも手玉に取れたような今の状況に

 

「後は寄生型えいりあんがまだ残っている六課の小娘を捕まえればすべてが終わる。その時こそ俺の人生は再び始まるのだからな!! くははははっ」

 

 

男は笑う、嗤う、嘲笑う。抗う少女たちを見下ろすように

 

彼がいるのは空中戦艦、名は『SFC2番艦 エスペランザ』

とある組織によって提供された異端技術により「ありえない兵器、あってはならない兵器」として再再誕せし巨大兵器

 

天に座するその黒い鋼の船は、その姿をステルスによって隠しながら、上空より燃え盛る空港を見下ろしていた



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