~お館様によるおねだりのおねだり~前編 (あややや)
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~お館様のおねだりのおねだり~前編
輝哉「うん。最近は鬼の被害もだいぶ少なくなってるみたいだね。町の人々のお礼の声も聞こえてくるし皆の活躍を誇らしくおもうよ。さすがわたしの子供たちだ。また次の柱合会議も誰一人欠けることなく声を聴かせておくれ」ニコ
蜜璃(や、やっと終わったわ……)
蜜璃(お館様にお会いできるのはとても嬉しいのだけれど最近食べ過ぎでお給料金が底をつきかけてて、今日は朝からご飯を8回しかお代わり出来なかったからもうちょっと長引いてたら空腹でお腹が鳴っちゃいそうだったわ)
蜜璃(何とか我慢できてよかったぁ…。そんなことになってたら恥ずかしくてもうお嫁に行けなくなってしまうもの)
あまね「それでは、これにて今回の柱合会議を締めさせていただきます。皆様のご活躍とご無事を切にお祈り申し上げます」
柱's「はっ!」
輝哉「……」
柱's「……?」
あまね「輝哉さま?」
輝哉「…皆に訊ねたいのだけど」
実弥「如何されましたかお館様」
輝哉「うん、その…皆、給金は足りているのかい?」
一同「……?」
蜜璃(……あら?まだ続くのかしら)
輝哉「その、皆からそういった要望があまりにも上がらないから気になってたんだ。柱の手当は、当人の言った分だけあげるって約束してあるだろう?もし遠慮しているなら心配はいらないから言ってごらん」
一同「……??」
輝哉「…あれ?」
あまね「…あの、輝哉さま」
輝哉「なんだい?あまね」
あまね「失礼ながら申し上げます」
輝哉「うん」
あまね「柱の皆様は特にそういった要望がありませんでしたので最低限のお給金はこちらで勝手に付けさせていただいていますが、その額は世間的には三月分程で町人が一生遊んで暮らせる程だと思われます」
輝哉「……ええ?」
悲鳴嶼(嗚呼……お館様は、失礼ながらあまり世間を知らずに育ってきたのだろう)ナムナム
しのぶ(わたしも裕福な家に生まれましたが柱になってからのあの額は正直引きましたねぇ…。姉さんは何も考えずにわたしとカナヲに使ってくれてましたけど)
実弥(本当なら俺みたいな庶民には手の届かない富だよなァ。……いつか全てが終わったら、あいつのためにと思っていたのによォ…馬鹿が鬼殺隊なんか入りやがって)
煉獄(うむ!父上の稼ぎは母上がしっかりと管理してくださっていたようだったな!俺も見習っていく所存だが千寿郎が優秀なおかげで今のところなにもしていない!)
小芭内(貰いすぎだと考えないではなかったが…。鏑丸が一万匹いても暮らせるだろうな。甘露寺と食事する時に支払える能力が有るのは有り難いことだといつも感じ入る)
義勇(……蔦子姉さんが生きていたら、今の俺なら立派な祝言を挙げさせてあげられたのだろうか)
宇髄(確かにド派手な給金だが三人の嫁をド派手に養うとなると足り…足り過ぎてるな?。と言うかあいつらもあいつらで並みの隊士以上にいただいてるしな)
無一郎(あれ、そういえば僕お金もらったことないかも…。隠の人が必要な物は届けてくれるから考えたこともなかったなぁ)
蜜璃(お腹が空きすぎて、お館様のお話が入ってこないわ…)
輝哉「そ、そうなのかい?皆…」
実弥「…お館様のお心遣い誠に痛み入ります。しかし我々は既に身に余るほどのご厚遇を賜っています」
煉獄「死不川の言う通りです!お館様には本当によくしていただいている!」
しのぶ「それでも、と仰られるのなら隠の方たちに臨時支給されてはいかがでしょう。鬼の被害が少なくなったとは言え、それでも忙しくされているようですし」
蜜璃(うぅ、もうお腹鳴っちゃう……!)
輝哉「うん…隠の子たちには既に受け取ってもらっているんだ」
あまね「実はそれについても、゛額が大き過ぎて腰が引ける゛という声があがっています」
輝哉「え……そうなのかい?」ドヨーン
輝哉「…うん、でもそうか、足りているのならいいんだ」
輝哉「わたしが、勝手に心配してただけのようだったね…」
悲鳴嶼(…もしや、お館様は我々に甘えてほしいのだろうか?)
しのぶ(そうだとしてもさすがに下を預かる立場がありますからねぇ。実際あの子たちを養って余りあるわけですし)
小芭内(甘露寺の前で情けない姿は見せられないからな)
実弥(だがまァ、せっかくのお館様のご意向だ。何かきっかけか理由があれば…ってところだなァ)
あまね「それではあらためまして、今回の柱合会議はこれにt
蜜璃「………あっ」キュゥゥゥゥゥゥウウウウーン
一同「えっ」
蜜璃「…………………申し訳ありません、お館様。お腹が空いてしまってて」グスン
輝哉「蜜璃」
蜜璃「はい……」
輝哉「どうして蜜璃は空腹なんだい?」
蜜璃「それは、そのぅ、わたしがご飯を食べ過ぎたせいでお金が……」
輝哉「足りなくなったんだね!そうか気づいてやれなくてすまなかったね蜜璃!至急家に追加手当を届けさせるからね!」
蜜璃「えっ!でもそんなのいけませんお館様!今だってあんなにたくさんいただいているのに、更にいただくだなんて…」
輝哉「いいかい?蜜璃はその体で多くの人の命を救ってきたんだ。もちろんわたしも感謝しているよ!そんな蜜璃が困っていて、助けてあげたいとおもうのは鬼殺隊の長として当然じゃないか!なにせ、日輪刀を握れないわたしがしてあげられることはこのくらいなのだからね」ニコニコニコニコ
蜜璃「あ、ありがとうございますぅぅ!」グスグス
輝哉「それでどれくらいあれば足りるのかな?」
蜜「は、はいっ。では、このくらい、お願いしますっ」
輝哉「うんうん、わかった。あまね」
あまね「はい。至急甘露寺様の邸宅に届けていただくよう手配いたします」
あまね「今はとりあえずこちらをお持ちください」ペラッ
蜜璃「わっ、こんなに…ありがとうございます!」ペコ
輝哉「来月からは手当も上乗せするからね。さ、会議事態はもう終わっているから好きなものを食べておいで」ニコニコ
蜜璃「はい!行ってきます!」ダダダ
小芭内(甘露寺、そんなに空腹だったのか。言ってくれれば何でも好きなものを食べに連れていったのに……。いや、女子の口からそんなことを言わせる訳には行かないだろう!これは甘露寺の変化に気がつけなかった俺の落ち度だ!あぁ、許してくれ甘露寺ぃぃ……)ヘニョヘニョ
柱's(………)ジー
宇髄(なんか伊黒が隣でナメクジみたいになってやがるが今の甘露寺とお館様との一幕、お館様の反応。これは…)
悲鳴嶼(嗚呼…)
しのぶ(えぇ)
実弥(あァ)
煉獄(うむ!)
義勇(む)
無一郎(うん)
柱's(是非とも喜んでいただいてニコニコさせてみたい!)
輝哉「さて」
輝哉「他の皆は本当に大丈夫なのかな?わたしが力になれることがあればなんでも言ってほしいっ」ニコ
宇髄「はいはいはーい!お館様!」
輝哉「天元!なんでも言ってみるといい」
宇髄「実は嫁たちにド派手な髪飾りを送りたいのです!」
輝哉「それはいいことだね!彼女たちはきっと喜んでくれるよ!」ニコニコ
宇髄「それで、俺は細工は自分で施せるのですがそこにド派手な宝石を組み込みたいのです!」
輝哉「天元はとても器用で妻たちをおもいやる優しい子だ!あまね!」
あまね「宇髄様、隠の方が間もなく裏手の方に産屋敷家所有の鉱脈から採掘された数十種類の輝石の原石を用意してくださいます。その他にも外国から取り寄せた珍しい品もございます。どれでもお持ちください」
宇髄「ハハァっ!嫁たちも喜びます!ありがとうございます!」
輝哉「うん!裏手に行っておいで」
宇髄「行ってまいります!」ヒュン
輝哉「ふぅ」ツヤツヤ
輝哉「皆も天元みたいに何かほしいモノや、してほしいことがあれば言ってほしいなっ」ツヤツヤ
あまね「……」
後編へ
後編に続きます。
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