新サクラ大戦 もう1人の英雄 (シャト6)
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1話

最初なので少し短めに。


今から10年前、降魔との世界規模での戦いが発生した。後に語られる降魔と人の最終決戦…【降魔大戦】だ。それはここ帝都が中心になり、世界にある全ての華撃団が集結した。帝国華撃団、巴里華撃団、そして紐育華撃団だ。総勢19名の花組は、身を挺した獅子奮迅の活躍によって降魔の危機は去った。しかし、それの代償は余りにもデカかった。総勢18名の華撃団の消滅と引き換えだったのだ。そして時は太正29年…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…3つの華激団が消滅してから10年か。あの時は、お互い切磋琢磨したな」

 

1人の男が空を眺めている。彼の名前は高倉洋。彼は昔の華撃団時代に大帝国劇場で働いていた。だが、10年前の出来事から彼は表から姿を消していた。いや、消していたというよりは、関りを持たないようにしていた。

 

洋「しかし、10年前はあれだけ有名だった大帝国劇場が、今では毎日閑古鳥が鳴いてる状況。あいつ等が今のこの状況を見たら、どう思うだろうな…」

 

彼は嘗て、帝国、巴里、紐育華撃団と共に戦った男である。その事を知っているのは、この大帝国劇場の支配人であり今の帝国華撃団の総司令官でもあり、嘗ては花組のトップスタァだった【神崎すみれ】ただ1人である。

 

「しかし、世の流れは残酷だよな」

 

当時は、世界を救った英雄華撃団だったが、今では劇場の人気は当時と比べて地に落ち、解体や撤去しろといった張り紙が貼られている。そして、今でも時折降魔は出るが、それは新しく出来た中国の上海華撃団が殆ど対応している。つまり、世界を救った帝国華撃団・花組は、軍から見ても世間から見ても過去の存在…謂わばお荷物なのである。

 

「それでも、すみれの奴はよくやってるよ」

 

今もなんとか帝国華撃団が残っているのは、支配人である神崎すみれのおかげなのだ。隊員もなんとかいる状況。しかし、戦う為に必要な光武は、旧式の霊子甲冑しかないのが現状だ。だから帝国華撃団・花組は戦いに参加できないでいる。

 

 

 

 

 

 

 

洋「こっちはすみれに任せて、俺はあいつらの事を調べるか」

 

俺は大帝国劇場の前を通り過ぎた。

 

洋「さて、取り合えず陸軍やWLOF(ウルフ)を調べるか」

 

WLOF…10年前の降魔大戦が終結した後に、降魔大戦の激闘の功績から、華撃団の都市防衛構想は世界中に認められることとなり、「世界華撃団連盟(WLOF(ウルフ))」が設立。世界各都市に華撃団が誕生していく。そのおかげで、今では帝都を守っているのは帝国華撃団ではなく、上海を拠点にする上海華撃団が護っている。

 

洋「確かに上海華撃団はよくやってるが、だからといって帝国華撃団を解散させるのは納得がいくか!あそこはあいつら(さくら達)の帰る場所だ!」




かなり短いですが、アンケートで能力が決まってから続きを書こうと思っています。


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2話

主人公の技は、流派東方不敗と石川五右衛門&飛天御剣流に決まりました。

基本ベースはこれで書こうと思います。今後別の技を追加するかも知れません。ですが、基本の戦闘は上のアンケ結果通りにしたいと思います。


俺は今住んでいる場所に戻り、仕入れた資料に目を通す。

 

洋「……」

 

俺はとある資料をジッと見る。

 

洋「降魔皇を封印している場所…《幻都》。そして、その封印を解除するには幻都を作り出した《帝鍵》が必要なのか」

 

だが、いくら幻都を復活させたとしても、当然封印を解除する訳だから、さくら達だけでなく降魔皇も復活する。

 

洋「流石にそれだけは駄目だ。あれはあいつらが自分達を犠牲にしてまで封印したものだ。なんとかあいつらだけを解放できないものか…」

 

俺はソファーにもたれ賭け、資料をテーブルに放り投げた。

 

洋「ダメだ。どうしてもダメだ。なんとかできないものか…」

 

俺は再び悩み始めるのだった。だが、流石に俺だけでは封印している降魔皇に立ち向かうのは無謀すぎる。

 

洋「どうしたものか…」

 

一番の問題は、幻都を維持する為に必要な霊力だ。幸い、10年の歳月をかけてさくら達が使ってる霊力を出す機械はできた。だが、肝心な霊力を出す何かがないと起動しない。

 

洋「すみれはもう霊力がないからな。髪の一本でもあればいいんんだが…」

 

確かに今は、天宮達がいるが、前の帝国、巴里、紐育の連中と違う。今現在封印に使ってる霊力じゃなきゃ意味がない。

 

洋「クソッ!機械があっても使えなきゃガラクタ同然だ」

 

俺はソファーに寝転んで少し眠った。目が覚めると、既に朝日が差していた。

 

洋「あ〜…寝すぎたか」

 

家に届く新聞を見て、日付が変わった事に気が付いた。

 

洋「取り敢えず腹減ったし、飯でも食うか」

 

俺はコーヒーを淹れる。パンも焼き簡単な朝食を作った。食いながら朝刊を読んでると、基になる記事があった。

 

洋「何々…『大帝国劇場前に降魔が現れたが上海華撃団が来るまでの間、帝国華撃団の隊員達が市民を護る』へ〜、まさか今の帝国華撃団の連中が出てくるとはな」

 

俺は嬉しくなり、コーヒーをふくみながら笑った。

 

洋「けど、陸軍連中からは相変わらず嫌われてるみたいだな」

 

新聞を読んでいくと、陸軍のコメントも載っており『勝手に出撃する等何を考えているのだか。上海華撃団に任せておけばいいものを』と書かれている。

 

洋「何が上海華撃団に任せておけばだ。あいつ等がいなきゃ、どんだけ市民に被害が出ると思ってんだ!米田さんがいたからあれだが、いなくなってからの陸軍は最悪だな」

 

まだ米田さんが陸軍に所属してた時の方が数億倍マシだったな。

 

洋「さて、たまには街をブラつくか。余り煮詰めてもいい案出ないだろうしな」

 

俺は食器を水につけ、着替えて家を後にするのだった。



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3話

第2回目アンケ結果は、主人公は生身で戦う事に決まりました。


あれからも俺は、なんとか前華撃団と同じ霊力を持つ人物を探している。しかし、やはりそんな簡単には見つからない。

 

洋「…これ以上考えてもいい案は出ないな」

 

俺は考えるのを止め、暫く別の事をする事に決めた。

 

洋「たまには外をブラつくか。もしかしたら、何かなヒントが見つかるかも知れねぇしな」

 

俺は着替えてアジトを出て街に繰り出して行った。久々に外に出たが、結構賑わってる。

 

洋「そういえば、色々と買い置きしとかないとな」

 

アジトで物を結構切らしていたのを思い出す。

 

洋「ま、今日は時間はあるんだ。のんびりといくか」

 

俺はそんな事を考えながら歩いてると、大帝国劇場の前に来ていた。

 

洋「大帝国劇場…」

 

俺は立ち止まり建物を見る。

 

洋「昔と比べて、色々と変わったがやっぱ基本は変わらねぇな」

 

そんな事を思ってると、劇場前に誰かが立っていた。

 

洋「ん?誰だ?」

 

俺は少しだけそいつを見る。そいつは女で変な仮面を付けている。

 

「…どこにあるの?」

 

洋「??」

 

何を言ってるか聞き取れなかったから、もう少し近付いてみた。

 

「…魔幻空間、展開」

 

洋「!?今の声は!!」

 

俺は、女の声を聞いて驚く。それと同時に、大帝国劇場周辺は紫色をした空間に包まれる。

 

洋「これは!?」

 

俺は周囲を警戒する。それと同時に、あの女は姿を消していた。

 

洋「あの声…まさか…」

 

俺は、ある人物を思い出す。声は全く同じだ。髪型も…だが、あいつはあんな仮面を付けたりはしないはずだ。

 

洋「あの女の事は後回しだ。まずは、この状況をどうにかしないとな」

 

あの女が放った魔幻空間って言ったか?大帝国劇場前の景色とは打って変わって、どこか別の場所に俺はいる。

 

洋「まさか、俺がこんな空間に閉じ込められるとはな」

 

俺は普段から持ち歩いてる刀袋から、刀を取り出す。

 

洋「まさか、斬鉄剣を持ってきて正解だったとはな」

 

念の為に毎回持ち歩いてるが、今回はそれが功を奏したな。

 

洋「さて、取り敢えず奥に進むしか道はなさそうだな」

 

俺は斬鉄剣を持ち、魔幻空間の奥へと進んで行く。すると、どこからともなく傀儡機兵が召喚される。

 

洋「傀儡機兵か。悪いが、お前らに構ってる暇はねぇんでね」

 

俺は斬鉄剣を抜き、傀儡機兵に向かって歩いていく。

 

洋「悪いが押し通らせてもらうぞ!!」

 

傀儡『ビビビビ』

 

俺はそのまま複数いる傀儡機兵目掛けて斬鉄剣を振り下ろす。

 

「でやああああああああ!!!」

 

俺はゆっくりと斬鉄剣を鞘にしまう。すると全ての傀儡機兵が斬れる。

 

洋「また…詰まらぬ物を斬ってしまった」

 

そして俺は更に奥へと進んで行くのだった。道中にも傀儡機兵や盾やハンマーなんか持ってた敵もいたが、倒しながら進んで行くと、広い空間に出る。

 

洋「あ〜…こういう場所って、大概ボスか中ボスらへんが出てきそうなんだよな。今までの経験上…」

 

すると、下の方で光武が盾持ちの敵と戦っていた。

 

洋「あの光武…まだ動いてたのか」

 

懐かしい光武を見て、俺は思わず笑ってしまった。

 

洋「三式光武…」

 

昔、さくらやすみれが最後に乗っていた光武だ。まさか、まだ現役だったのは驚きだ。だが、そんな余韻もすぐに終わる。敵を倒したのはいいが、三式光武は動きを止めてしまう。

 

洋「やっぱり無理だったか!」

 

その間にも、三式光武周辺に傀儡機兵が出現する。それでも、最後の力を振り絞って三式光武は何体か倒していく。

 

「オラアアアア!!」

 

すると、別の霊子甲冑が現れる。

 

洋「あの機体は…上海華撃団か!」

 

「「上海華撃団、参上!」」

 

俺は上海華撃団の到着を確認し、下に降りる。ここなら会話も聞こえる。

 

「な〜にが『助かった』よ。やっぱり役に立たない連中ね」

 

「ハッ!やっぱこんな程度か。帝国華撃団…とっとと解散しちまえよ!」

 

んだと!!

 

「解散なんてしません!絶対しません!」

 

「口だけは達者だが…そんな無様ななりで、何ができるんだよ」

 

すると、緑の霊子甲冑が三式光武に近づく。

 

「そんなに諦められないってんなら、俺が諦めさせてやる!!」

 

すると、霊子甲冑は三式光武を攻撃し始めた。

 

「何考えてんだあいつ!!」

 

「何が夢だ!お前の夢は、とっくに潰れてるだろうが!!帝国華撃団は、さっさと潰れた方がいいんだよ!!」

 

「もう我慢ならねぇ!!」

 

俺は上海華撃団の緑霊子甲冑に攻撃する。

 

「秘技!十二王方牌大車(じゅうにおうほうだいしゃ)へええええええええええい!!!」

 

「なに!?ぐあああああああっ!!!

 

「シャオロン!!?」

 

「おい…アイツらの居場所、それ以上悪く言えば…殺すぞ」

 

『!!!』

 

俺は殺気を出しながら、上海華撃団の連中にそう言う。なんでか、三式光武に乗ってる奴も静かになってるがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すみれ「まさか…あの人は!?」

 

誠十郎「すみれさん。あの人を知ってるんですか?」

 

すみれ「ええ…あの技、あの声、あの姿…見間違う筈がありませんわ。生きて…生きていたのですね」

 

すみれさんは、映像を見ながら涙を流していた。こんなすみれさんを見たのは初めてだ。カオルさんやこまちさんも驚いている。

 

初穂『おい神崎司令!いったいあいつは誰なんだよ!』

 

初穂が通信ですみれさんに質問してきた。

 

すみれ「あの人は…私達と一緒に、数々の敵と戦った…もう1人の英雄ですわ」



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4話

前・帝国華撃団のヒロインは、真宮寺さくらと神崎すみれの2人に決まりました。
次は巴里華撃団のアンケを載せておきます。


すみれ「あの人は…私達と一緒に、数々の敵と戦った…もう1人の英雄ですわ」

 

誠十郎「もう1人の…英雄…ですか?」

 

カオル「すみれ様、それはいったい…」

 

すみれさんは、涙を拭いて話し出す。

 

すみれ「彼の名前は…高倉洋。10年前に死んだと思われた人ですわ」

 

誠十郎「死んだと思われた?」

 

すみれ「ええ。彼は、前・帝国華撃団が発足された時から、わたくし達と帝都の為に戦ってきたのですわ」

 

こまち「そんな昔から!?」

 

すみれ「ええ。そして、10年前の降魔皇との戦いで、彼が唯一生存確認が出来なかった…ですけど…生きていたのですね…洋さん」

 

すみれさんは、映像に映っている高倉洋という人物を見つめていた。

 

すみれ「神山君、貴方に渡す物がありますわ」

 

誠十郎「えっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋「おい…アイツらの居場所、それ以上悪く言えば…殺すぞ」

 

『!!?』

 

俺は、上海華撃団の連中を睨み付ける。

 

『あんた…いったい何者なの』

 

洋「何者…か。前・帝国華撃団と付き合いがある…とだけ言っておく」

 

『ぜ、前・帝国華撃団と付き合いがある!?』

 

三式光武に乗ってる奴がそう言う。

 

洋「おい、お前は大丈夫か?」

 

『は、はい!ありがとうございます』

 

洋「気にするな。あいつ等を馬鹿にされて、頭に血が上っただけだ」

 

『グッ…やるじゃねぇか』

 

緑の霊子甲冑が起き上がる。

 

洋「そいつはどうも。だが、俺はテメェを許せない。あいつ等がいた場所を馬鹿にされちゃあな」

 

『へっ!けど事実だろ?確かに過去は凄かったみたいだが、今は落ちこぼれもいいとこだ!だったら、俺が終わらせてやるんだよ!!』

 

洋「…吐いた言葉は飲み込めねぇぞ…クソガキ!!

 

俺は再び戦闘態勢取る。すると、今度は別の霊子甲冑が飛んできた。

 

洋「あれは?」

 

『早い!?テメェ何モンだ!』

 

『帝国華撃団・花組隊長、神山誠十郎!推してまいる!!』

 

『神山さん!』

 

ほう…あいつが花組隊長か。

 

『神山誠十郎…ん?』

 

洋「やれやれ。お客さんか」

 

誠十郎『新手の降魔か!』

 

『喧嘩は一旦休憩だ!先にあいつ等を片付けるぞ!!』

 

振り返ると複数の降魔が出現している。

 

洋「やれやれ。上海華撃団、お前らは左をやれ。帝国華撃団、お前らは右をやれ。俺は真ん中をやる」

 

『命令すんな!けど、仕方ねぇ』

 

誠十郎『無茶です!生身で降魔と戦うなんて!!』

 

洋「おいお前、神山誠十郎だったか?」

 

誠十郎『は、はい』

 

洋「普通はそう思うのも無理はない。だがな…見かけで人を判断するのは早合点だぞ!!」

 

俺は斬鉄剣を抜き、中央の降魔に突っ込んで行き、そのまま数体を斬る!

 

「つぇやああああああああ!!!!」

 

降魔は腕や足、胴体が切れていく。

 

『す、凄いです…』

 

誠十郎『……』

 

『マジかよ…』

 

『嘘…』

 

「オラ!ボサッとしてんじゃねぇぞ!!」

 

俺が怒鳴ると、上海と帝国の両華撃団は左右の降魔を倒していく。

 

洋「ひとまずは終わったか?」

 

俺は周りを確認すると、奥へと進んで行く。

 

『待って下さい!』

 

すると三式光武に乗ってる女が声をかけてきた。

 

『あの…助けてくれてありがとうございます!』

 

洋「気にするな。俺は、あいつやあいつ等が大切にしてきた場所を馬鹿にされてムカついただけだ」

 

『あの、名前を聞いてもいいですか!』

 

洋「…洋」

 

『えっ?』

 

洋「俺の名前は高倉洋だ。好きに呼べ」

 

『高倉洋…さん。私は天宮さくらです!』

 

天宮さくら…まさか、あいつ(真宮寺さくら)と同じ名前だったとはな。これも何かの縁なのかもな。

 

洋「そうか。天宮」

 

天宮「はい!」

 

洋「これからも、帝国華撃団として頑張って、過去の連中を追い抜けよ」

 

そして俺は奥へと進んでいった。ってか、帝国華撃団なら絶対にすみれの奴も見てたよな?はぁ…後で何言われる事やら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『畜生…』

 

『シャオロン…』

 

シャオロン『…今は悔しがっても仕方ねぇ』

 

俺達もアイツを追い掛けるため進むと、帝国華撃団が通ったと同時に道が塞がれ、再び降魔が出てきやがった。

 

誠十郎『シャオロン!』

 

シャオロン『ちっ、まだいやがるか。仕方ない、お前達は先に行け!』

 

『こんなやつ、さっさと倒すよ!シャオロン!』

 

誠十郎『…分かった。そこは任せたぞ!』

 

そして帝国華撃団の奴らは、アイツを追って奥に進んでいった。



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5話

巴里華撃団のヒロインは、エリカ、グリシーヌ、花火に決まりました。
やはり、メインに近いキャラが多いと感じました。次は紐育華撃団です。


洋「だいぶ奥まで来たか…」

 

俺はあれからも、降魔を倒しながら奥に進んでいる。だが、ようやく終着点が見えてきた。

 

洋「どうやら、ここが終点みたいだな」

 

これ以上道は見当たらない。となれば、そろそろ…

 

天宮『高倉さん!!』

 

すると天宮と神山が追いついてきた。

 

洋「来たのか」

 

天宮『はい』

 

誠十郎『えっと、高倉さん。すみれさんがお話したいと』

 

洋「……」

 

多分神山や天宮のモニターを通じて、俺の事を見てるんだろう。

 

洋「やれやれ、仕方な…!!」

 

俺は殺気を感じて斬鉄剣を抜く。

 

洋「すみれと話すのは後回しだ。どうやら、出てきたみたいだ」

 

『『えっ?』』

 

すると、俺達の前方に巨大な召喚陣が出現し、今まで以上にバカでかい降魔が出現した。それも2体も。

 

洋「やれやれ。デカけりゃいいってもんじゃねぇぞ」

 

天宮『お、大きい…』

 

誠十郎『こ、こんなの勝てる訳…』

 

「ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ!!!!」

 

俺は神山に一括する。

 

洋「お前は、帝国華撃団・花組の隊長だろうが!少なくとも、俺が知ってる2人の隊長は、例え敵わないと思った敵でも挑んでいったぞ!」

 

誠十郎『!!』

 

洋「そんな弱気なら、隊長なんて辞めちまえ!!」

 

俺はそう言い残し、2体の巨大降魔と戦う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠十郎「……」

 

天宮『神山さん…』

 

誠十郎「そうだよな。俺は何を言ってるんだ。俺は…全力を尽くす。そう決めたんだ。そして、俺達の力を信じる!!俺は…絶対に諦めたりしない!!自分を言い訳にするのは、もうたくさんだ!!」

 

そして俺とさくらは、高倉さんの所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が降魔と戦ってると、2機の光武がやって来た。

 

洋「ったく、遅いんだよ」

 

誠十郎『すみません!』

 

洋「ふっ…だが、声に覇気が戻ったじゃねぇか。なら、1体は任せるぞ!神山!天宮!!」

 

『『了解です!』』

 

そして俺達は、1体ずつ降魔を引き連れる。

 

洋「さて、悪いがさっさと倒してアイツを追わないといけないんでね」

 

降魔「グルルルルル…」

 

洋「いくぞ!劔覇千王気炎弾(けんはせんおうきえんだん)!!」

 

降魔「グギャアアアアアア!!!」

 

無数の突きを喰らわせる。

 

洋「へ〜。随分頑丈だな」

 

降魔「ガアアアアア!!」

 

降魔も俺に攻撃してくるが、そんな大振りじゃ当たらんよ。

 

洋「これで…終わりだぁ!!俺のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫ぶ!ばあああああくねつ!!ゴォォォッド…フィンガアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

 

降魔「ギャアアアアアアア!!!!」

 

洋「ヒィィィト・エンドッ!!!」

 

そして降魔は消滅した。天宮達の方を見ると、向こうも無事倒したようだ。すると魔幻空間は消滅し、元の帝劇前に戻っていた。

 

洋「終わったか」

 

俺はそのまま帝劇を後にする…

 

すみれ「お待ちなさい」

 

事は叶わなかった。

 

すみれ「どこに行こうとしているのかしら?」

 

洋「…魔幻空間は消滅した。俺は他の事をするだけだ」

 

すみれ「でしたら、こちらでそれをすればよろしいですわ」

 

洋「……」

 

すみれ「それに、この10年何をしていたか、キッチリとお聞きしますわよ」

 

洋「……」

 

天宮「あの…高倉さん!私もまだ助けてもらったお礼が出来ていません!」

 

すると天宮は俺の手を握る。

 

洋「…離せ」

 

天宮「嫌です!お礼を受けてくれるまで絶対に離しません!!」

 

すみれ「わたくしが逃がすとお思いですか?さくらさんにも、報告する義務がありますわ」

 

反対の手をすみれが掴む、これは完全に逃げるタイミングを失ったな。

 

洋「…分かった。取り敢えず礼と話はするから離せ」

 

そう言うと2人は手を離す。やれやれ、すみれにはなんて言われるのやら…



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6話

紐育華撃団は、ジェミニとラチェットに決まりました。

続いては、現帝国華撃団です。


俺は今現在、支配人室ですみれと向かい合っている。

 

すみれ「それで、何故10年もの間、わたくしの前からいなくなったのかしら?」

 

洋「……」

 

すみれ「黙っていては分かりませんわ」

 

それでも俺は、何も言えない。実際すみれの前から消えたのは紛れも無い事実。俺に言い訳する権利はない。

 

すみれ「それとも…わたくしに愛想つきましたの…」

 

悲しい顔をしながらそう言うすみれ。

 

洋「それはない。俺を好いてくれたすみれやさくら達に、愛想を尽かすわけがない」

 

すみれ「……」

 

するとすみれは、椅子から立ち上がり俺の膝に座り、腕を首に回してくる。

 

すみれ「……」

 

洋「…ったく。相変わらず、寂しくなったらこうするのは、昔から変わらないな」

 

すみれ「…貴方のせいですわ」

 

洋「そうか」

 

俺は暫くの間、すみれの頭を撫でる。すみれも俺にバレない様に泣いていたが、肩が震えてるし俺の服が湿ってるからバレバレだ。そして暫くして泣き止み、本題に入る。

 

洋「俺はこの10年、アイツらの霊力の代わりになる物はないかと、旅をし研究を続けていた。そして、ようやく完成まであと一歩のところまできた」

 

すみれ「でしたら、それを使えば…」

 

洋「ああ。あいつ等を此方に戻したまま、降魔皇を封印できる。だが、それにはあいつ等の中から、一本でもいい。髪の毛が必要だ。今の天宮達の霊力は、あいつ等とは違う。それに、一瞬だけ降魔皇を足止めする必要がある。デメリットがデカイのも事実だ」

 

すみれ「そうですの…今のわたくしには、霊力がありません」

 

するとすみれは、悲しい顔をする。

 

洋「そんな顔をするな。お前は充分頑張ってる。ここが無事なのがその証拠だ」

 

すみれ「…そう言われて、少しだけですが肩の荷が降りましたわ」

 

洋「そうか」

 

すみれ「……」

 

するとすみれは、俺にキスをする。懐かしい…

 

洋「……」

 

すみれ「フフッ。10年ぶりのキスですわね」

 

洋「そうだな」

 

そこから暫く、俺が言うのもなんだが甘い時間が流れた…そして、すみれの奴がひと通り甘えたら、俺を今の華撃団に紹介するので、食堂に案内された。食堂に行くと、既に今現在いる花組に、風組の連中もいた。

 

すみれ「皆さん、改めて紹介いたしますわ。彼は、かつてわたくし達と共に帝都の平和を守り、降魔大戦でも一緒に戦った高倉洋ですわ」

 

洋「紹介に預かった高倉洋だ。ま、すみれや前の3華撃団とは古い付き合いだ。これからは俺もちょくちょく寄らせてもらう。よろしく頼む」

 

『よろしくお願いします!』

 

現花組、風組の連中は挨拶してくれた。

 

天宮「高倉さん!あの、あの時は本当にありがとうございました!」

 

洋「何度も言ってるだろ。あれは俺がただムカついただけだって」

 

誠十郎「いえ、自分からもお礼を言わせて下さい。さくらを助けてもらい、本当にありがとうございます」

 

洋「ったく、この生真面目なところは、歴代の隊長達と同じだな」

 

俺がそう呟くと、すみれの奴はクスクス笑っていた。

 

洋「取り敢えず、天宮と神山の事は知ってるが、他の連中は知らないな」

 

誠十郎「ああ、紹介します。1人いない人もいますけど。彼女は花組の1人で東雲初穂です」

 

初穂「東雲初穂だ!さくらの奴を助けてくれて、ホントありがとな!」

 

「気にするな」

 

誠十郎「そして、クラリス・スノーフレイクです」

 

クラリス「ク、クラリス・スノーフレイクです」

 

「ああ。しかし、まさかアイリス並の霊力を持ってる奴に会うとは驚いたな」

 

クラリス「えっと…」

 

「お前、その力に恐怖を抱いてるみたいだが、結局はその力を世の為人の為に使えるか。自分次第だ」

 

クラリス「!?」

 

俺がそんな事を言うと、すみれが手を叩く。

 

すみれ「皆さん、ここで新しい仲間を紹介するわ。世界が誇るスタァ、アナスタシア・パルマ!」

 

するとロビーから女が入ってくる。

 

アナスタシア「ここに来れば退屈しないって、星たちが言ってたけど…フフッ…確かにそうみたいね」

 

洋(星たち?)

 

クラリス「Main Gott..!(う、ウソ…!)本当にアナスタシアさん…?」

 

天宮「有名な人なの?」

 

初穂「知らないのかよさくら!世界的に有名な大スタァじゃねぇか!」

 

と言われても知らん。

 

アナスタシア「皆さん、ご機嫌よう。私はアナスタシア・パルマ。帝劇の舞台に招かれるなんて光栄ね。花組の名に恥じぬ働きを約束するわ」

 

初穂「は〜、すげぇ…」

 

クラリス「優雅ですねぇ〜…」

 

東雲とクラリスの奴は、アナスタシアを見て感動していた。フッ…昔ファンから見た、すみれやマリアを思い出すな。

 

洋(だが…この女…)

 

俺は何故だか、アナスタシアに違和感を覚えるのだった。

 

すみれ「アナスタシアさんには、花組のスタァとして舞台の華を務めてもらいますわ。そしてもちろん、華撃団の一員として、戦いにも加わってもらいます」

 

そらそうだろな。流石に今の帝劇に、役者だけ雇う余裕はないだろうしな。さてさて、どうなる事やら。



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7話

主人公の技ですが、基本は流派東方不敗&飛天御剣流にしたいと思います。ですが、此処で刀系の技は何でも使えるようにしたいと思います。色々他の作品を見ていて、書きたくなりました。


天宮「ところで支配人。必要なものが2つって仰ってましたよね?」

 

「いやぁ、よかった。忘れられてるんじゃないかと思ったよ」

 

すると今度は、帝劇内の方から男が出てきた。

 

誠十郎「れ、令士!お前なんでここに!?」

 

令士「おいおい、何でとはお言葉だな。もう1つの秘密兵器とは、オレの事よ!!」

 

天宮「お友達ですか?」

 

なんだコイツ…気のせいか紅蘭と同じ雰囲気を感じるんだが…

 

誠十郎「…兵学校時代の同僚、司馬令士だ。俺が戦術本科、あいつが機工整備科で首席同士だった」

 

令士「誠十郎とは、色々と張り合ったもんさ。いわば…永遠のライバルってやつかな」

 

誠十郎「ああ。また一緒に頑張ろう!期待してるぞ、令士」

 

令士「は?お前…本当に誠十郎か?熱でもあるのか?」

 

誠十郎「…そうだよな。お前はそういう奴だ。お前に真面目に答えた俺がバカだったよ」

 

洋「ライバルっていうより、悪友だなあれは」

 

すみれ「フフッ」

 

俺の言葉にすみれの奴は笑っていた。

 

すみれ「それじゃ、わたくしは部屋に戻ります。神山君、後でわたくしの所に来てくれる?」

 

誠十郎「はっ」

 

そしてすみれは支配人室に行ってしまった。俺は久々に劇場内を見て回ろうと思っている。後ですみれの所に顔出すがな。

 

洋「それにしても…」

 

今は客が入れる時間帯なんだが、人数が少なすぎる。

 

洋「ホント、あの当時はここがこんな風になるなんて夢にも思わなかったがな」

 

ロビーにいるのは、数が数えれる程しか客は来ていない。

 

洋「こりゃ財政難になって当たり前か…」

 

俺は現状ではそうなって当たり前と思うしかなかった。さて、1階回るついでに、すみれの所に顔出すか。

 

洋「すみれ、入るぞ」

 

俺はノックして入ると、すみれの横に像のヌイグルミみたいなのがあった。

 

洋「なんだこれ?」

 

すみれ「この劇場のマスコットの【ゲキゾウくん】ですわ」

 

洋「ゲキゾウくんねぇ」

 

俺はジッとゲキゾウを見る。

 

ゲキゾウ「パ、パオ〜ン」

 

洋「……」

 

この声、それにこの気配…もしかして…

 

洋「神山、お前何やってんだ?」

 

「「!?」」

 

俺がそう言うと、すみれは驚きゲキゾウになってる神山は、激しく揺れていた。

 

すみれ「な、何故分かったのかしら?」

 

洋「いや、さっきの鳴き声といい気配といい、神山と同じだったからな」

 

するとゲキゾウは煙を出し神山に戻る。

 

誠十郎「支配人…バレてしまいましたけど…」

 

すみれ「…洋さんは特別なだけですわ」

 

洋「ってか、何で神山はそんなんになってたんだ?」

 

神山「実は…」

 

話を聞くと、劇場を少しでも盛り上げようと、神山を宣伝部長にさせ、すみれが神崎重工の技術を集結して、このゲキゾウ変身土台を作ったそうだ。

 

洋「神崎重工の技術を変なところで使うなよ…」

 

俺が言った事に何故か神山が頷いていた。そして神山は、ロビーに台座があるとすみれに言われ、支配人室を出ていった。

 

洋「ったく、あんなの作る暇があんなら、無限や装備なんかに金使えよ」

 

すみれ「あら?あれも立派な資金源になりますわよ」

 

洋「さいですか」

 

すみれ「それで、如何だったかしら?10年ぶりの帝劇は」

 

洋「ああ。外見は多少なりとも変わっていたが、中は殆ど変わってないな。地下に行くのが、階段からエレベーターになったくらいか?」

 

すみれ「そうですわね。巴里や紐育は、エレベーターとお聞きしていましたので」

 

洋「そうか。それと、神山の部屋は元かえでの部屋か」

 

すみれ「ええ。一応貴方の部屋も用意して起きましたわ。使うかご自由になさって下さい」

 

洋「はっ。わざわざ用意しなくても」

 

ま、こういうところがすみれのいいところでもあるんだがな。




現・帝国華撃団からのヒロインは、清十郎があざみ、クラリス。高倉のヒロインはさくら、初穂、アナスタシアに決まりました。


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8話

他の華激団は、エリスとランスロットに決まりました。

次は、サブキャラ達です。


10年ぶりに帝劇を見て回り、すみれに挨拶も済ませた俺は、アジトに戻り再びさくら達に似た霊力をどうするか考えていた。

 

洋「やっぱあの女を直接問い詰めなきゃ進展はなさそうだな」

 

帝劇の前で、魔幻空間を作ったあのさくらに似た女。見た目や声等は同じだったが、だからといってあいつ本人とは限らない。

 

洋「ま、あいつ本人だったら…俺が引導を渡してやる」

 

それが、俺を好いてくれたあいつにできる事だ。

 

洋「舞台…か」

 

俺は久々に舞台を見る。中に入ると、隊長の神山と先程紹介された司馬が話していた。

 

誠十郎「…で、具体的にはどうするつもりなんだ?」

 

司馬「俺が開発した高精度霊子投影機、こいつを仕込む。その名も【うつりちゃん】だ!」

 

誠十郎「う、うつりちゃん…」

 

洋「また物凄いネーミングセンスだな。紅蘭の奴を思い出したぜ」

 

俺は2人に声をかける。

 

誠十郎「高倉さん!」

 

洋「よう神山。そして…確か司馬だったか?」

 

司馬「は、はい!」

 

洋「そんなに緊張するな。これからは、同じ敵と戦う味方なんだ」

 

司馬「は、はい…」

 

そんなに緊張するもんかね。

 

誠十郎「高倉さん。先程言われた紅蘭さんってもしかして…」

 

洋「ああ。前帝国華撃団・花組の隊員であり、司馬と同じ技術者でもあった。よく自分の作った機械には名前を付けてたな。ネーミングセンスは司馬と同じだがな」

 

誠十郎「そうだったんですか」

 

洋「ああ。だが、よく紅蘭は機械に愛情を持ってた奴だったからな。特に自分が作った物は、我が子の様に大切に思っていた」

 

司馬「その気持ち凄く分かります」

 

洋「だろうな。あいつが作った物は、8割が爆発したが、それでもあいつは機械を愛していた。本当に…」

 

俺は昔の事を思い出しながら、客席の方を見た。あの時は…本当に輝いていた…

 

「「……」」

 

洋「…すまん。少し昔を思い出してな」

 

誠十郎「いえ…」

 

洋「司馬、神山…あいつ等の為に、すみれの為に最高の舞台にしてやってくれ」

 

誠十郎「もちろんです!」

 

司馬「任せて下さい!」

 

洋「ああ。期待してるぞ」

 

そして俺は舞台から出ていく。

 

洋「さて、取り敢えず一通りは回ったか?」

 

それにしても、多少なりとも変わった所はあるが、殆どアイツ等がいた頃と同じで安心した。すみれの奴が頑張ってる証拠だ。

 

洋「…会ったアイツの事を話しておくか」

 

俺はあの時会った、さくらの声にそっくりだった奴の事を報告する為に、支配人室に向かった。

 

洋「すみれ、入るぞ」

 

俺はノックもせずに部屋に入る。

 

すみれ「洋さん、女性の部屋に入るのにノックもせずに失礼ですわよ?」

 

洋「今更だろ?お前やさくらも、昔俺の部屋にノックもせずに入って来たじゃねぇか」

 

すみれ「殿方と女性を一緒にしないで下さいな」

 

「はいはい」

 

このやり取りも久し振りだな。

 

すみれ「全く…それで、一体何用かしら?」

 

洋「実はな…」

 

俺は亜空間で見た事を事細かくすみれに説明した。

 

すみれ「そう…ですか」

 

やっぱすみれの奴もショックを受けてるな。違うと分かってるとはいえ、アイツ(さくら)そっくりの奴の話を聞けばな。

 

すみれ「洋さんの言う通り、それはさくらさんではないと私も思いますわ」

 

洋「当たり前だ。アイツがそんな事するとは思えないからな。だが、過去にさくらの親父さんの事もある」

 

すみれ「……」

 

洋「万が一、アイツが敵に回ったなら……俺が容赦なく殺る」

 

すみれ「!!」

 

これは俺へのケジメだ。あの時、俺にもっと力や知識があれば、アイツ等が向こうに行かなくて済み、敵になる必要もなかったんだからな。

 

すみれ「洋さん…」

 

洋「ま、1番いいのはアイツ本人じゃないって事を願うがな」

 

すみれ「そうですわね」

 

さて、そろそろ戻って機械の改良をするか。

 

洋「そろそろ戻る」

 

すみれ「…分かりました。ですが、必ず毎日顔を出して下さいな」

 

洋「分かってるよ」

 

すみれ「後それと…」

 

すみれは俺に機械を渡す。

 

洋「なんだこれ?」

 

すみれ「それはスマートロンという物ですわ。こうやって…」

 

すみれは同じ物を操作し始める。すると俺のスマートロンに着信が入る。

 

すみれ「こうやって文字を送る事ができますの」

 

洋「へ〜。あのキネマトロンが、随分と小さくなったんだな」

 

すみれ「オッホホホホホ!我が神埼重工にかかれば、これぐらい容易いですわ」

 

相変わらず…だな。

 

洋「これで連絡のやり取りをすればいいんだな?」

 

すみれ「そうですわ。後、花組や他の方達とも連絡は取れますので」

 

洋「分かった」

 

すみれ「皆さんの名前がありますので、そこに合わせてボタンを押せば、その人と連絡ができますわ」

 

洋「後で色々と試してみる。じゃあな」

 

すみれ「ええ。それでは」

 

そして俺は自分のアジトに戻った。すみれから話を聞いたのか、神山や天宮から連絡があった。後天宮、お前は少し漢字の勉強をしてから送ってくれ。なんだよ…『夜露死苦お願いします』って…



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