原作なに?リリカルなのは? (一方逃避)
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次の時代へ至る道
1話:オワリハハジマリ


主人公は大罪武装を使います。


「へ?」

 

 気がついたら俺は知らない場所にいた。

 

「あれ、ここどこ?」

 

 そう思いながら、歩いていと……

 

トントン

 

 誰かに肩を叩かれた。振り向くとそこには

 

「あー、だめだよ。はぐれちゃ。最後尾はこっち」

 

 なんか、金髪の軽そうな兄ちゃんが。

 

「え、あ、ちょっと」

 

 俺は手を引っ張られ連れていかれそうになる。

 

 慌てて振りほどいて、

 

「何するんですか!? ここどこなんです?  早く帰らないと!!」

 

 そう言うと金髪の兄ちゃんは困ったように頬を掻いて、

 

「そんなこと言われてもな~。あんた、覚えてないんか?」

 

「覚えてないんかって、一体何のことなんですか?」

 

 金髪の兄ちゃんは息を吐き、

 

「やっぱりな~。あんた、死んだんだよ?」

 

「え?」

 

 死んだなんてあり得ない。現に俺はここにいるじゃないか。

 

「信じられんのも無理ないか。けど、ほんとになんも覚えてないんか?」

 

 そう言われると、俺の頭の中に流れるひとつの記憶。

 

 不自然な方向に折れた手。見えない右目。腹から出る……

 

「っ!!!」

 

どうやら俺は本当に死んだらしい。記憶が物語っている。

 

「信じられないのもしゃーないな。皆最初はそうだよ? 覚えている人もいるけど、気持ちいいものじゃないしね」

 

「……死んだということは信じますが、ここは一体どこなんです? あなたは誰なんですか?」

 

金髪の兄ちゃんは嬉しそうに

 

「よくぞ聞いてくれました!! ここはいわゆる地獄のと天国の間。死者が集う場所。ちなみに俺は死者の列の誘導係。あ、これ名刺ね。」

 

 紙切れを渡してくる。そこには、

 

死者の列誘導係

K・HO☆N☆DA!

 

「なにこれ?」

 

「いやー、前来た死者の人が名刺作ってた人でね。色々教えてもらったんだ~。イカスだろ?」

 

「ええ、まあ……」

 

 なんというか、センスを疑う。どんな名刺作ってたんだろう?

 

「それはそうと、早く列に並ばなきゃ。待ち時間が延びちゃうよ?」

 

 そう言って連れてこられたのは、人がたくさん並ぶ列。近くには、『最後尾 約一時間待ち』の文字。

 

「なんすかこれ?」

 

 見ようによっては、グッズ販売の列に見える。

 

「これはね、死者が地獄行きか、天国行きか、生き返えるか決める場所だよ。今日は混んでるな~」

 

「え、そういうのって、地獄で決めるんじゃないんですか?」

 

「まあ、そういうのもあるけど色々だよ」

 

「そういうもんですか?」

 

「そういうもんだよ」

 

 そういうものらしい。そうしておこう

 

「じゃ、俺はここで。ちゃんと並ぶんだぞ」

 

 バイバーイ、と子供のように手を振って行ってしまう、K・HO☆N☆DA!―本名なのだろうか?―さん。

 

「さて、並ぶか。一時間はながいなぁ」

 

 

●●

 

 

約一時間後……

 

「次の方ー」

 

 どうやらやっと、順番が来たらしい。それにしても病院のような呼び方だ。

 

「あー、君ね。そうだね」

 

 何かを考え込む中年?のおじさん。人間なのか?

 

 地獄行きかもしれないのでドキドキする。

 

「よし!」

 

 おお! 決まったらしい。

 

「はい、じゃ目瞑ってね」

 

 言われて瞑る俺。

 

「はいじゃあ、テンプレな感じでね。転生しよっか」

 

 はい?

 

「ちょっ、転生ってどこにっ!?」

 

「とりあえず特典とかは転生してからね。それじゃバハハーイ」

 

ズゴンッ!

 

 頭にくる突然の痛み。俺は意識を失うということを経験した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

 本日二度目の知らない場所。

 

「なんだったんだありゃ」

 

 あれは夢だったのだろうか? いや、記憶は鮮明にあるので夢ではないのだろう。

 

「つーか、ここだこ?」

 

 俺がいるのはどこかの室内。結構な広さだ。

 

「これが、転生か?」

 

 戸惑う反面、俺は興奮していた。

 

転生と言えばラノベなどの世界に生き、ヒロインと結ばれるというのがよくある話だ。

 

どこかなー? と考えていると

 

 トントン

 

 これまた本日二度目の肩を叩き。またあいつならやだな、と思いながら振り向けば

 

「っ!?」

 

 簡単に説明しよう。そこにいたのは青い髪に青い瞳。涼しげな雰囲気を思わせるそれは

 

「タバサ?」

 

 そう、『ゼロの使い魔』のキャラであるタバサである。髪が長く、眼鏡をしていないという違いはあるがタバサだ。あと、背が165㎝くらいある。

 

「タバサ、というのは誰のことですか?」

 

 タバサ? はそう聞いてきた。

 

「え、タバサじゃないの? ゼロ魔の世界だぜ! ヒャッホー! って喜びたかったんだけど」

 

「タバサだとかゼロ魔などというものは理解できませんが、私はタバサではありません」

 

「え、じゃなんなの?」

 

半ば気落ちしながら聞く。

 

「私は貴方の融合機。貴方は魔導師です」

 

どうやら、ゼロ魔の世界ではないようです。

 

「えーと、融合機? 魔導師? なにそれ?」

 

「貴方は転生者でしょう? 何も知らないのですか?」

 

「いや、いきなりだったし……」

 

「そうですか、ならば説明しましょう」

 

ほんと、何の世界なんでしょう? ここ。




主人公はほんとに時々チートです。


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2話:始めての魔法

日常、GODを経てStrikerSに行きます。



 俺は教えてもらった。この世界に魔法があること。地球以外に他の世界があること。時空管理局という組織があるということ等々。

 

「でも、シーニーはなんで知ってるの?」

 

「神様仕様ですから」

 

 本人曰く融合機。またの名をユニゾンデバイス。魔法の管制・補助を行うらしい。名前がなかったらしいので、シーニーと名付けた。その時の反応は、

 

「シーニー、ですか?」

 

「そう、シーニー。名前がないんでしょ?」

 

「ええ、そうですが……。しかしなぜそのような名を?」

 

「シーニーってのはね、ロシア語で“青”って意味なんだ。髪と瞳きれいな水色じゃん? だから合うかなーって。青だけどね」

 

「き、きれいですか? あ、名前をつけていただきありがとうございます」

 

 それにしても、ここの世界は何のアニメなんだろう? 小説かもしれないが。

 

 魔法なら『禁書目録(インデックス)』や、『ハリー・ポッター』などが記憶にあるが、融合機なんてのは聞いたことない。

 

(ほんとなんなんだろうな?)

 

 悩みは尽きない。

 

 

●●

 

 

 さて、転生してから一日経って。

 

「ロード翔悟(しょうご)。あなたには学校に通ってもらいます」

 

「? どうしたの? 唐突に」

 

「やはり、勉学は必要かと思いまして」

 

 ちなみに、この世界での俺の名前は橘 翔悟(たちばな しょうご)。転生したとはいえ自分の名前が変わるのには抵抗があった。仕方のないことだが。

 

 そしてシーニーからは、『ロード翔悟』と呼ばれている。最初は、主だとかマスターとか言われていたが恥ずかしいので変えてもらった。これも十分あれだ。

 

「えー、いいよ。俺の精神年齢高一だよ? 16歳だよ。いまさら小学校とか」

 

 死んだ時は、16歳。転生したら小学生。笑えない話だ。

 

「あまいです!」

 

「うごっ!」

 

 この融合機なんとご飯まで作れる。理由は神様仕様だった。うん、なんでもありだね。

 

「ロード翔悟。理数系は得意ですか?」

 

「えあっ!」

 

 変な声が出てしまった。そういうのも、

 

「いつも赤点ギリギリでした……」

 

「だめですねぇ」

 

 うるさいっ! 俺は文系なんだっ!

 

「いいですか? ロード翔悟」

 

 姿勢を正して言ってくる。俺も姿勢を正して、

 

「はい」

 

「この世界での魔法には計算が必要なのです。つまりは、数学or算数。魔法を使って強くなりたいのなら勉学に励むべきです。そう! まずは基本から!」

 

「じゃあ、いいよ。魔法なんて使えなくて」

 

「何を言うのです。折角私という存在が在るのですから、使わないでどうしますか!」

 

「え、でも」

 

「それとも、私っていらない存在ですか?」

 

「っ!」

 

 上目遣い、そしてうるった目で見つめられた。

 

「わかったよ。頑張るよ」

 

(断れるわけないだろ)

 

「はい、ありがとうございます。大好きですよ、ロード翔悟」

 

「へっ!?」

 

 訂正断らなくてよかったかも。

 

「それでは今日から通ってもらいます。転入届けはもう出してありますから」

 

「それを早く言え!」

 

 

●●

 

 

「今日からこのクラスに入ることになりました、橘翔悟といいます。皆さん、よろしくお願いします」

 

 俺が通うこととなった学校は、私立の名門らしい。学校名は忘れた。

 

(それにしても、ちっこいな。俺もこんな頃があったんだな)

 

 小学生とあってか皆背は小さい。俺も小さくなってしまったのであまり言えないが。

 

「じゃあ、橘くんはあそこの席ね」

 

 担任に促され席につく。ちなみに後ろの窓側だ。

 

(冬とか日光つらいだろうな)

 

「橘くんが来たことだし、席替えをしたかったんだけど今日は高町さん達がいないから明日やります」

 

 見てみると確かにいない人がいる。病気かなんかだろう。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「はい、それじゃ休み時間ね」

 

 教室から担任が出ていくと、生徒が俺の机の周りに群がってきた。

 

 そして、色々な質問を浴びせてくる。

 

「ちょっと、質問は一人づつにしなさい! 困ってるじゃない!」

 

 そう言ったのは、金髪の女の子。後ろには紫の髪の女の子もいる。

 

「ありがとう」

 

「別にいいわ。困ってたみたいだしね」

 

 これで返答はしやすくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 お昼休み。

 

 この学校は給食ではなく、弁当らしい。しかし、そこに問題が!

 

(弁当どこで食べよう。)

 

 そう、転校初日とあって話せる人などいない。つまりはちょっとした孤立状態だ。

 

(中二のときにあったが、またか)

 

 思い返せばあのときはすごかった。クラスの人と話なんてしなかった。

 

「ちょっと、何考え込んでんのよ」

 

「え?」

 

 そこには、あの金髪の女の子と紫の髪の女の子。

 

「いや、えーと」

 

「分かってるわ。一緒に食べる人いないんでしょ?」

 

「よかったら、一緒に食べない? 私達も今日友達休んじゃって」

 

 とりあえずここは認めたほうが良さそうだ。

 

「じゃあ、よろしく」

 

「じゃあ、食べましょ」

 

 机を合わせる金髪の女の子。

 

「なにしてるの? 早く座って」

 

「ああ」

 

 紫の髪の女の子に言われる。

 

「「「いただきます」」」

 

 ぱかっ、と弁当箱を開けると、混ぜご飯、卵焼き、エビフライなどがあった。

 

(こんなに作る時間あったのか? また神様仕様の料理スキルか?)

 

 ともあれ、美味しいことには違いなかった。

 

「翔悟」

 

「なに? えーと……」

 

「そうだよね。転校初日だし、名前わかんないよね」

 

「あたしの名前は、アリサ・バニングスよ。よろしくね、翔悟」

 

「わたしは、月村すずか。よろしくね、翔悟くん」

 

金髪がアリサ・バニングスさん。紫の髪が月村すずかさん。よし、覚えた。

 

 しかし、いきなり名前で呼ばれたがそういう性格なのだろう。

 

「よろしく、バニングスさんに月村さん」

 

「名前でいいわよ。あんたのこと名前で呼んでるんだし」

 

「そうだよ、翔悟くん」

 

「それはそのうちにね」

 

「もう……」

 

「それにしてもなのはとフェイト、タイミング悪いわね」

 

「そうだね。折角翔悟くんが転校してきたのにね」

 

「?」

 

「ああ、なのはとフェイトはね、私達の友達なの」

 

「そうなの。二人とも今日は休みだから」

 

「風邪でも引いてたいへんだな」

 

「そ、そうだね」

 

「アハハハハ……」

 

 微妙に歯切れが悪いがどうしたのだろう?

 

 俺はこのときの俺の記憶力を疑わざるおえない。覚えていたら違う結末になっていただろうか? いや、変わらなかっただろう。

 

 

●●

 

 

 家に帰った俺を待っていたのは

 

「さあ、魔法の練習をしましょう」

 

という、言葉。

 

「なぜ?」

 

「なぜって、魔法使えたほうがいいに決まってるじゃないですか。それに、原作介入するのが基本なんじゃないんですか?」

 

どこの情報なんだそれは?

 

「いや、だって俺この世界の原作何か知らないぞ?」

 

「え?」

 

「え? って言わなかったか? あ、言ってないな」

 

「じゃあ、なんでこの世界に転生したんですか?」

 

「いや、いきなりだったし。シーニーは、知らないのかは ?神様仕様で」

 

「知りません。私が知っているのはこの世界にある力だけですから」

 

 はぁ、と同時にため息をつく。

 

「仕方ありません。今すぐしましょう。魔法の練習」

 

「いや、なにが仕方ないのかわかんねえぞ?」

 

「いえ、このままでは私の存在意義が失われそうな気がするので。さあ、行きましょう、今すぐに!」

 

「ちょっと、首引っ張らないで。痛いから!」

 

 

 

 

 

 

 ところ変わって、近くの公園。

 

「さて、ロード翔悟。ここなら誰も来ません。最高の場所です」

 

「反論すんのもう疲れた」

 

「諦めないで下さい。ではこれを」

 

渡してくるのは、水色の十字架がついたネックレスのようなもの。

 

「これは、デバイス。魔法を使うのに欠かせないものです」

 

「そーなのかー」

 

「まずはこれを首にかけ、ガブリエル、セット・アップ。こう言ってください」

 

「ガブリエルって大天使かよ」

 

「はやくしてください」

 

「ガブリエル、セット・アップ!」

 

『Gabriel set up.』

 

光に包まれたと思ったら、

 

「なにこれ?」

 

 背中から青色の翼がはえていた。そして、服はさっいまで着ていたジャージとは違い、武者が着る甲冑に。しかもこれも青。

 

「バリアジャケットの展開は大丈夫なようですね。その翼がデバイスです。」

 

「これが、デバイス?」

 

 確かによく見ると機械のような羽根だ。

 

「そのデバイスを使えば飛ぶことは可能です。魔法で飛ぶこともできますが、それはおいおい。次は、武装ですね。出してください」

 

「え、デバイスが武器じゃねえの?」

 

「たしかにデバイスは武器ですが、貴方のは飛行専門なので。強く念じてください」

 

「ふおーーーー」

 

「もっと強く!」

 

(武器出ろ!武器出ろ!)

 

カッ!

 

 光って出たのは

 

「これって、大罪武装?」

 

 そう、現れたのは、『境界線上のホライゾン』に出てくる大罪武装、『悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)』。

 

「って、重!」

 

 あまりの重さに落としてしまった。

 

「仕方ないですね。大人モードとやりますか」

 

「なにそれ?」

 

「大人になるモードです。それも一応持てるようになるでしょう」

 

 そして、特訓が始まった。

 

 

 

一時間後

 

「よっしゃー! ついに習得!」

 大人モードを覚えた俺は高らかに叫んだ。

 

見た目は、高校生くらいだ。

 

(つらかった。なんだあの鬼教官)

 

「これなら、もう誰にも負ける気しないぞー!」

 

悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)』を高く掲げ叫ぶ!

 

「そのいきです! ロード翔悟!!」

 

「はっはっはっはっ「ドン!」は?」

 

横を見ると、地面に小さな穴。

 

「時空管理局です。武器を捨てて投降してください。管理外世界での無断での魔法使用の容疑があります」

 

 上を見ると杖を持った女の子が3人。

 

 ピンチじゃね?




Vividまでは行きたいと思います。


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3話:はじめての体験

お気に入りがもう、45件になっていました!
ありがとうございます!


「ほんとお騒がせだね」

 

「ほんまや。夕飯の準備もあんのに」

 

「じゃあ、はやく終わらせて帰ろう? はやて」

 

「そやな、フェイトちゃん」

 

わたし、高町なのはは魔導師。友達のはやてちゃんと、フェイトちゃんと一緒に魔導師をやっています。

 

最初は普通の小学生だったけれど、色々なことがあって管理局の嘱託魔導師になりました。

 

フェイトちゃんとは、最初は敵だったけど今ではとても仲のいい友達です。はやてちゃんとも色々あって仲良くなりました。

 

「それにしても魔力反応なんて何があったんだろうね?」

 

とわたしが言うと、

 

「ロストロギアなんかな?」

 

「それはないと思うよ、はやて。もっと強い反応だと思うし」

 

わたし達が管理局の嘱託魔導師としての仕事が終わって帰ろうとしたところ、わたし達の住む鳴海市で小さいけど魔力反応があった。そのまま調査に向かうことになったのだけれど・・・

 

「なのは、あの人じゃない?」

 

フェイトちゃんの指差した方を向くと、高校生くらいの男の人と髪が水色の女の人。大きな剣のようなものを持っている。

 

なにか叫んでいる。

 

「とりあえず、聞いてみよ?」

 

男の人のところへ。

 

「あのー、管理局ですが」

 

「よっしゃー! ついに習得!」

 

「あのー?」

 

「これなら、もう誰にも負ける気しないぞー!」

 

聞こえていないのだろうか? はやてちゃんがイライラしているようだ。

 

「そのいきです! ロード翔悟!!」

 

はっはっはっはっ、と笑っている。完全に聞こえていないようだ。

 

「なあ、なのはちゃん。撃ってもええよね?」

 

「だめだよ! はやてちゃん。そんなことしちゃ!」

 

「せやけど、ヴィータ達が待っとるし、ご飯も作らなあかんから。このままだといつになるか分からんし」

 

そう言ってはやてちゃんが魔力弾を撃つ。

 

「はっはっはっはっ「ドン!」は?」

 

笑いを止めて上を見る男の人。

 

「時空管理局です。武器を捨てて投降してください。管理外世界での無断での魔法使用の容疑があります」

 

とりあえず、事情を聞こう。

 

 

●●

 

 

(え! なにこの少女達!?)

 

杖を持って宙に浮く少女、3人。魔導師らしいが、時空管理局って何?

 

「事情を聞きたいので、すこしお時間を頂きたいのですが」

 

杖を突きつけて、金髪ツインテ? の女の子が言ってくる。今日で金髪は2人目だ。国際色豊かだな。

 

「いや、えーと・・・」

 

「事情を聞きたいというのなら、武器を向けるのはいかがなものかと?」

 

シーニーが指摘する。顔を見合わせる、少女3人。

 

(ロード翔悟。聞こえてますか?)

 

念話が来た。念話というものは魔力を使って、周りに聞こえないように話す技だとシーニーが言っていた。心のな中で話すような感じだ。

 

魔力がある人は誰でも使えるようで、範囲を間違えると誰にでも聞こえるらしい。

 

(聞こえてるよ、シーニー)

 

(丁度いいです。実践訓練しましょう)

 

(は!? 何いってんの? 事情聞かれるだけだしついていったほうがいんじゃね?)

 

(武器を向けられているという時点で、穏便に終わるはずがありません。めんどくさいことは嫌です。いきますよ!)

 

「拒否します」

 

いきなりシーニーは、魔力弾を金髪ツインテ?の女の子の隣にいる茶髪の帽子をかぶった女の子に撃ち込んだ。

 

魔方陣のようなシールドで防がれたが。

 

シーニーはもはや臨戦体制。女の子達も杖を構えている。

 

「ちょ、何やってんの!? 相手やる気まんまんじゃん」

 

「だから実践訓練だと言ったでしょう?やりますよ」

 

女の子のほうも

 

「なのは、はやて、いくよ!」

 

「「うん!」」

 

俺に来るのは、茶髪の女の子。他の子はタバサの方だ。

 

「お話を聞かせてよ!」

 

「だったら、攻撃するな!」

 

俺の言葉むなしく、攻撃してくる女の子。

 

「行くよ!レイジング・ハート!!」

 

「All right, Master. 」

 

「ディバインシューター!」

 

『Divine Shooter』

 

桜色の魔力弾が俺を襲う。

 

「あっぶねえ!て か追尾式!?」

 

そう、避けたのだかまた後ろから追ってきた。

 

「ロード! はじいてください!!」

 

「はじくって言ったって!」

 

悲嘆の怠惰を構え、魔力弾に向かって降り下ろす!

 

ドンッ!

 

「なんとかできたかっ!」

 

まだまだ行くよ!」

 

空を飛ぶ女の子。

 

「ずるくね? どうやんだよっ!」

 

「ロード! デバイスに魔力を通してください!! それで飛べます!」

 

「なるほど!」

 

デバイスに魔力を通すと、羽根の部分から水色の光が出てきた。羽根の数は4つ。

 

『Flying Mood』

 

「おわ!」

 

急上昇する。なんとかバランスをとり直す。

 

(つー、あ、いいこと思い付いた。)

 

「シーニー! 十秒かせいでくれ!」

 

「了解しました!」

 

俺に近づかないよう牽制のために魔力弾を放つシーニー。

 

「悲嘆の怠惰、超過駆動!!」

 

俺がしようとしているのは、大罪武装の超過駆動。『悲嘆の怠惰』の超過駆動は、掻き毟りの砲撃。だが、仮想砲塔展開に三秒、砲撃するのにまた時間がかかるので邪魔をされると困る。

 

ブオン!

 

「よし、展開完了! 離れてろ、シーニー!」

 

離れたのを確認して引き金を引く。

 

「大罪武装、悲嘆の怠惰。超過駆動! これで勝ちだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーーーーーン

 

「あれ?」

 

おかしい、一向に発射されない。

 

「え、おかしい!なんで?」

 

そこにシーニーが近づいてきて、

 

「あの、ロード。大変言いにくいのですが」

 

「なんだよ、それどころじゃないんだよ!」

 

「今のロードに超過駆動が出来るほどの魔力は残っておりません」

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだって!?




そんな簡単にはチートになりません


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4話:名前で呼ぼう

感想でタバサという名前について変えたほうが良いという、指摘を頂きましたが、どうでしょうか?
意見などありましたら、お願いします。
>変更しました。


超過駆動が出来ない。こんな時はどうしよう?

 

「まずいですね。やはり撤退しましょう」

 

そう言い、俺を担ぐシーニー。

 

「できれば最初からそうしてくれると助かった」

 

「申し訳ありません。ロード翔悟」

 

いつの間にか俺の大人モードは解け、小学生の姿に戻っていた。

 

「走ります。揺れますが、ご了承下さい」

 

「あ、まって!」

 

静止の声を無視し、走り出すシーニー。結構なスピードだ。

 

「大丈夫ですか? お怪我は?」

 

「ない、けど体が少しダルいかな」

 

「魔力を使いすぎてしまったようですね」

 

もう、振り切っただろうか?

 

「む、結界ですか。ロード、“結べ”お願いいたします」

 

「わかった」

 

シーニーに担がれている状態とはいえ、悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)は重い。

 

「シーニー、少し持ってくれ」

 

「わかりました」

 

俺は“悲嘆(リピ・カタスリプシ)”の剣先に結界を映し、

 

「結べ、悲嘆の怠惰」

 

バキィィィン!

 

悲嘆の怠惰の通常駆動は、剣として斬ることができるが、他に剣先に鏡のように映した物体をそぎ落とす、というような攻撃ができる。

 

「結界は抜けました。ご安心ください」

 

そこで俺は意識を失った……

 

 

●●

 

 

「逃げられちゃったね」

 

わたしがフェイトちゃんに言うと

 

「なんだったんだろうね?少しびっくりしたけど」

 

「でもわたし、あのお兄ちゃんあまり悪い人には思えないんやけど。問題はあの女の人やな」

 

わたし達が話していると、

 

「主はやて!」

 

「シグナム!」

 

はやてちゃんの騎士シグナムさんが来た。

 

「どうしたん?シグナム」

 

「魔力が感じられたので来てみたのですが、何があったんです?」

 

「追加の仕事だよ、シグナム。魔力反応があったから」

 

「そうですか」

 

「わたし達はまたアースラに行くから、家のことはよろしく」

 

「わかりました、主はやて」

 

「ほな行こか。なのはちゃん、フェイトちゃん」

 

またあの人に会ったら、お話を聞こう、わたしはそう思った。

 

 

●●

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロー 寝顔 のは可愛い ですね」

 

(あ、なんだ)

 

「昨日 失態 た。今度 気を付け しましょう!」

 

「んあ……」

 

目を開ける。見えるのはシーニーと天井。

 

「起きましたか?ロード翔悟」

 

「あ……、シーニー。おはよ」

 

「はい、おはようございます。もう11時過ぎていますが」

 

「そっか。あ、学校」

 

「今日は休むと言っておきました。風邪をひいたと」

 

「まあ、いきなり風邪ひくのは小学生にあり得るが……、2日目で早速欠席か。残念」

 

すると突然シーニーは正座し、

 

「昨日は、申し訳ありませんでした!」

 

「へ?」

 

「私のせいで、貴方を危険にさらしてしまって。どう詫びればよいか・・・」

 

「いや、全然! 大丈夫だから!」

 

「しかし、お体のほうが」

 

「いやまー、大丈夫だって。少しダルいだけで」

 

「しかし」

 

「あー、もう! 大丈夫だから! 気にするなって。はい、もう大丈夫」

 

「……わかりました」

 

しぶしぶといった感じだな。

 

「昨日みたいなのがもう無ければいいよ。あとそのしゃべり方。丁寧すぎる。シーニーのほうが年上でしょ?」

 

「いえ、貴方は私が仕えるロード。敬意を持って接するのが礼儀というものです」

 

「だから、そういうのが駄目なんだって。もっとこう親しみを込めて!ほい、名前で」

 

「しかし、ロード」

 

「……」

 

無言の圧力

 

「ですから、」

 

「……」

 

「しょ」

 

よし、いい調子!

 

「翔」

 

もうちょっと!

 

「翔悟様」

 

こけるかと思った。ベッドの上なので出来なかったが。

 

「いや、そこは様つけないでしょ」

 

「やはり、敬意というものは必要と思いまして」

 

「いらない! 翔悟。はい、復唱!」

 

「翔悟!」

 

「はい、もういっちょ!」

 

「翔悟!」

 

「完璧です」

 

「これでよろしいですか?し 、翔、悟」

 

「敬語はそのまま?」

 

「これは譲れません」

 

そういうものなのか。

 

バニングスさんと月村さんの言ってたことがわかった気がする。今度は名前で呼ぼう。

 

「さて、昼だし何か食べよ。腹へったよ」

 

「わかりました。少々お待ちください」

 

 

●●

 

 

「なのは達、昨日仕事だっんでしょ? どうだった?」

 

「いつもどおりだったよ、アリサちゃん。ね、フェイトちゃん?」

 

「そうだね。でもあの人なんだったんだろう?」

 

「あの人?」

 

すずかちゃんが聞いてくる。

 

「そう、男の人と女の人がいたんだけど、逃げられちゃったの」

 

「大変だね。そういえば転校生が来たんだよ」

 

「転校生?」

 

「窓側に席があるけど、そこの子?」

 

フェイトちゃんが席のほうを見る。確かに席はあるが誰もいない。

 

「翔悟っていうんだけど、風邪らしくて休みなのよ。折角、席替え出来ると思ったのに」

 

「にゃははは、仕方ないよ」

 

「でも会ってみたいな」

 

「そうだね。今度はやてちゃんも誘って皆で遊ぼうよ!」

 

「楽しみだね」

 

休みの日が楽しみだ。




名前で呼ぶって大事ですよね


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5話:謎解明!

お気に入り登録数が70件を越えていました!
感想をくださった方々ありがとうございます!


次の日、また俺は学校を休んだ。

 

(無遅刻、無欠席目指したかったんだけどな)

 

今日は前の反省謙、これからどうするかを話し合うのだ。

 

「それではロード始めましょう」

 

「呼び方」

 

「失礼、翔悟。まずは大罪武装についてですが、超過駆動ができなかったのは第一に魔力不足だったからです」

 

「まあ、原作でも燃費すごい悪いからなぁ。この世界には流体燃料なんて無いだろうし。まず、なんの世界なのかすら知らないが」

 

「私は大罪武装についてあまりよく知らないのですが説明をお願いできますか?」

 

「えーと、大罪を元にした武器で、あ、大罪って強欲とか嫉妬とかね。あの時のは悲嘆。あとは、大量破壊兵器ってことかな? あ、超過駆動あの子にやって大丈夫だったのかな?」

 

「大丈夫でしょう。魔法には非殺傷設定というものがあります。あなたの武装にも対応しておりますので」

 

「あの時なってたの?」

 

「なっていました。……多分」

 

確信がない。超過駆動できなくて本当に良かったと心から思った。

 

「非殺傷設定になったら攻撃とかどうなんの?」

 

「痛いだけです。他には魔力に対するダメージですかね」

 

「十分やばいな超過駆動。掻き毟りだし。超過駆動だし」

 

「昏倒や気絶もありますが」

 

「十分やばいな!」

 

「話がずれました。大罪武装のことですが」

 

「前もって大罪武装には燃料を溜めておくことはできるけど、流体燃料じゃなくて魔力か。溜めたら溜めたで体がもたなそう」

 

「それについてですが」

 

「なにかあんの?」

 

「はい。魔力を持っている人間にはリンカーコアというものがあります。魔力の源と言えば分かりやすいでしょうか?」

 

「ああ、想像はつく。それを?」

 

「魔力を抜き取ればいいのです」

 

「そんなことして、体大丈夫なの?魔法使えなくなったりとか」

 

「回復するので、問題はないかと思われます。多少の痛みはありますが」

 

「大丈夫じゃねえな? 駄目だろそれ」

 

「ならば異世界の動物ならどうでしょうか?リンカーコアもありますし、人間でやるより効率は悪いですが」

 

「それ以前に一昨日のことがあるんだ。時空管理局だっけ? 捕まるのだけは嫌だぞ」

 

しかしあの時のことが妙にひっかかる。なにか大事なことを忘れているような ……

 

「他になにか方法は?」

 

「ロー、翔悟は大人モードを使いますので常時魔力を使う状態ですね。そうしなければ武装が重くて扱うことすら難しいので」

 

「仕方ないことか」

 

「たとえ魔力を全く消費していない時でも超過駆動を行えば今のところ七割消費すると思ってください」

 

「やっぱり大罪武装自体に溜めないとだめか……」

 

「無断での魔法使用で捕まるというのも避けたいのですが」

 

「とにかくいきなり戦うのとかもうやめてね」

 

無断か……、無断、無断、お!

 

「そうか!」

 

ゴンッ!

 

お約束というか勢いよく立ち上がったためにテーブルに膝をぶつけた。実は昔からよくあることだ。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「すごく、痛い……」

 

俺すげぇカッコ悪い

 

「とりあえず、だ。夜になったら散歩しようぜ。無断が駄目なら許可をとろう。一番は前のことを謝ることだけどね」

 

「了解しました」

 

 

●●

 

 

夜。とあるビルの屋上

 

「うわー、高いな」

 

フェンスから下を見る。落ちたらただじゃすまないだろう。ちなみに俺は大人モード。

 

「なぜこんなところに?」

 

「いや前は公園だったけどさ、もしかしたら人に見られるかもしれないじゃん?あと見通しがいいから」

 

屋上を歩き回りながら、

 

「まだ来ない?」

 

魔法を使い、その魔力反応で来るだろうと思ったのだか、

 

「来ませんね。もうちょっと強いものをやったほうが良いのではないでしょうか?」

 

「そうすると周りに被害でそうだし、夜だから迷惑だろ?」

 

「そうですね。ああ、これを」

 

そう言って渡してきたのはお茶が入った紙コップ。

 

「ありがとう。いつの間に用意してたんだ?」

 

「そろそろ喉が渇く頃だろうと思いまして。夜食のほうも準備しております」

 

「なんかすげーな。お嫁さんにしたら色々最高だろうな。もしく完全で洒落なメイド」

 

「いえ、これくらいは」

 

俺はカップラーメンを作るのにも戸惑う。というか、お湯を沸かすのが少し怖い。

 

俺は夜食のおにぎりを受け取ろうとするが、

 

ポロッ

 

「うおっ、あぶね! いきなり放すなよ」

 

「なにかこちらに来るようです。反応は5。一昨日と同じ反応もあります」

 

「来たか。あ、ゴミはちゃんと袋に入れといてね」

 

「了解しました」

 

「さーてと、どこかな?」

 

辺りを見回すと、こちらに一直線に向かってくるピンクや水色、紫の光。

 

「早いなあ、おい!」

 

気づくと俺達は囲まれていた。

 

5人中の黒髪の少年が

 

「時空管理局、執務官クロノ・ハラオウンだ。君達には傷害の容疑がかかっている。おとなしく来てもらおうか」

 

俺は両手を上げ、

 

「わかってます。なにもしませんよ。あ、シーニー紙コップはこっちのゴミ袋」

 

「何をしている?」

 

「ちょっと待って。今ゴミ片付ける・・・か」

 

問いに答え向くと、そこにはピンクの髪のポニテのお姉さん。

 

・ポニテのお姉さん

・ピンクの髪

・騎士っぽい服てかバリアジャケット

・剣を持ってる

・巨乳

 

(あ…………どこかで)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シグナムッ!!!???

 

周りを見回すと見覚えがある、金髪の女の子や栗毛の女の子&その他

 

(なのはっ!?)

 

拝啓

前世にいるであろう、お父様・お母様。いかがお過ごしでしょうか?自分、俗にいう魔王がいる世界にいるようです。

敬具




感想、アドバイスなどありましたらお願いします。


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6話:アースラへGO!連行されるかたちで……

まだまだ未熟者だと感じる今日この頃です。


思わぬかたちで原作がなにかを知った俺。

 

(“リリカルなの”とか俺なんも知らねーぞ!)

 

「どうした?」

 

俺に聞いてくるシグナムさん。どうやら固まっていたらしい。

 

「いや、少し・・・」

 

「言っておくが抵抗しても無駄だ。完全に包囲しているからな」

 

「しませんよ、そんなこと」

 

今思い返せば“なのは”とか“はやて”とか言ってた気がする。原作キャラを覚えていなかったというか、前は相当パニックになっていた。

 

(でも“なのは”で気づくだろうな・・・普通)

 

原作キャラに囲まれるという状況になにか不思議なものを感じる。

 

「それでは君たちに事情を聞かせてもらおうか」

 

黒髪の執務官さん―名前忘れた。確かゲームに出てた―に言われとりあえずは、平静を取り繕う。

 

(ク・・・なんだっけ?)

 

ガチンッ

 

両手を光の輪?で拘束されていた。シーニーも同じようにされていた。

 

「では転移する」

 

「せめてこれははずしてよ!」

 

俺の要求むなしく転移させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここどこ?」

 

「ここは次元渡航艦『アースラ』だ。艦長が君たちに話がある。着いてこい」

 

「いや、とりあえずこれをはずしてもらいたいんだけど・・・」

 

「駄目だ」

 

「なあ、シーニー」

 

「なんでしょう?」

 

「俺達どうなんのかなあ?」

 

「なんとも言えませんね。拘束されてますし」

 

「やりすぎたのかなぁ」

 

「主に私がですが」

 

とりあえず着いていき、入って行った部屋には、

 

「なにこの和風を頑張って再現しました的な部屋」

 

盆栽が並び、畳がしかれている。とりあえず畳に正座し―拘束は座ったときにはずしてくれた―目の前の人を見る。

 

「はじめまして。アースラの艦長、リンディ・ハラオウンです。今日は事情を聞かせてもらうために来てもらったわ」

 

「ハラオウン?」

 

さっき思い出したが黒髪の執務官さんの名前はクロノ・ハラオウンだったと思う。

 

「クロノは私の息子なの」

 

「なるほど」

 

「そんなことより君、もとの姿に戻ったらどうだ?」

 

こいつ、大人モードのことを知っているのか?

 

「なんのことで?」

 

「ごまかしても無駄だ。身体強化魔法の一種だろう?早くしてくれ」

 

「はぁ、御了解」

 

パアッ

 

と体が光るといつもの姿に戻った。

 

「ユーノくんの時のことを思い出すの」

 

と後ろから聞こえてくるが、昔なにかあったのだろうか?

 

「小学生なのかしら?」

 

「はい、学校名は忘れましたが。シーニー覚えてない?」

 

「すいません。覚えていません」

 

「あなた達お名前は?」

 

「橘翔悟です。こっちはシーニーです」

 

「単刀直入に聞くけどあの日、あなた達はあそこで何をしていたの?」

 

「えと、魔法の練習です」

 

「魔法についてご両親はなにか?」

 

この質問はまずい。俺には親がいない。まず『親』という存在自体がこの世界に存在しない。実は転生者なんです、と言うのもありえない。

 

「それについては私が答えましょう」

 

俺が困っているのを察してくれたのかシーニーが答えた。

 

「実を申しますと、ロード翔悟にはご両親がおりません。既に他界してしまっております。その後は私が姉謙母として育てました」

 

「ロードって、あなたは一体?」

 

「私はベルカ式の融合機です。いつ造られたかは記憶に有りません。行く当てもなく、さ迷っていた私を橘ご夫妻は事情も聞かず温かくむかえてくださいました。その後橘ご夫妻は他界してしまいましたが、恩を返すべくロード翔悟にお仕えしていました。魔法については全ては私の責任です。先日はたいへん、申し訳ありませんでした」

 

そう言って頭を下げるシーニー。俺も頭を下げる。両親のことも全て嘘だし、情に訴えるような感じだったが今はこれしかなかった。

 

「そう、いいのよ。頭を上げてちょうだい。怪我人が出なかったし大丈夫。それよりも・・・」

 

リンディ艦長が俺達2人を見て

 

「あなた達、管理局の嘱託魔導師にならない?」

 

「え?」

 

「あなた達、特にシーニーさんはすごい腕前だと聞いたわ。翔悟くんもきっと強くなるわ。いい経験になるわよ?」

 

「嘱託魔導師になるとどうなるんですか?」

 

「管理外世界での魔法の使用ができるようになる」

 

俺の問いにクロノが答えた。

 

「どうする?シーニー」

 

「私は貴方の決定に従うまで。それに貴方にとっても悪い話でもないはずです」

 

おそらく、大罪武装のことについて言っているのだろう。

 

「ちなみにその子達も嘱託魔導師よ。」

 

後ろを見れば原作組の皆さん。ゲームしかやったことがないのでよくわからないが。

 

「わかりました・・・やります。嘱託魔導師」

 

「よかったわ。じゃあ、やって欲しいことがあるのだけれど」

 

「?なんですか?」

 

「試験よ。模擬戦をしてもらうわ」

 

どうやら、ちょっとしたピンチです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしく、翔悟くん!」

 

「翔悟くんはどこの学校に通ってるん?」

 

「ごめん、覚えてないんだ。八神さん」

 

「はやてでいい言うとんのに」

 

「翔悟、前は怪我しなかった?」

 

原作組に話しかけられていた。高町さん、八神さん、テスタロッサさん。

 

アリサさんとすずかさんの時のこともあるが、名前で呼ぶということにこだわりでもあるのだろうか?似ている。

 

「すごいよね、翔悟くん。大人になるんだもん」

 

「いや、高町さん。あんま体力とか変わんないから」

 

「なのは!」

 

「いや、だから高「なのは!」でも「なのは!」

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

「なのは」

 

「うん!」

 

「ならわたし達も名前で呼んでな」

 

「そうだね。わたしもフェイトで」

 

この人達苦手!

 

後ろは後ろで、シーニーが八、ではなくはやての騎士さん達と話している。

 

「お前の闘いは私が相手になってやろう」

 

「挑むところです。プチッとしますよ」

 

聞いていけないことを聞いた気がした。シーニーって実は戦闘狂(バトルマニア)

 

「翔悟とは私が模擬戦やるから」

 

「え、フェイトが!?無理だって!勝てないって!」

 

「大丈夫だよ。前の時見てたもん。十分強いと思うよ」

 

あの時は、シーニーが上手く立ち回ってくれたおかげだ。魔法初心者の俺が見るからに熟練者っぽいフェイトに勝てるわけがない。

 

『それでは始めます。翔悟くん、フェイトさん頑張ってね』

 

空中に浮くディスプレイのような物に映ってているリンディ艦長。魔法は何でもありか。

 

フェイトにいたっては真面目な表情。本気を出すのだろうか?

 

(出切れば一発くらいはかすらせる!とりあえずは逃げる!)

 

『それでは始め!』

 

「行くよ、バルディッシュ!」

 

『Yes,sir.』

 

「とりあえず、逃げる!」

 

『Flying mode』

 

背中にある俺の翼形デバイスで上昇する。

 

「おおっと!」

 

またバランスを崩しかけた。

 

(練習が必要か)

 

『Haken Form』

 

「はあああっ!」

 

「ちょっ!あぶ!」

 

ブオッ!

 

空気を裂く音。なんとか避けれた。

 

「こうなったら、俺だってやってやる!大罪武装、悲嘆の怠惰!」

 

「!」

 

「どっせえええええ!」

 

ガキャァァァァンッ!

俺の攻撃は普通に防がれた。

 

「重い攻撃ですねっ」

 

「これ自体おもいから、ね!」

 

下の方からすくい上げるように斬るが防がれてしまう。

 

「昔、剣道やってたからね。これくらいはできるさ!」

 

「ハーケンセイバー!」

 

『Haken』

飛んでくる円形の斬撃。

 

「そんなもの!」

 

変則的な誘導弾。俺は十分に近づいて来るのを待ち、

 

「結べ、悲嘆の怠惰!」

 

ドオンッ!

 

誘導弾が爆発する。煙が晴れたその先には・・・

 

「いないっ!?」

 

そう、フェイトの姿は無かった。そして、後ろから高速で近づく金色の光。

 

 

●●

 

 

「彼はどうかしら?クロノ執務官」

 

「良いんじゃないでしょうか。初心者という感じはしますが」

 

少し厳しい評価。でも的を得てる。

 

「でも、気になるわね」

 

「彼の武器についてですか?」

 

「ええ。古代ベルカ式は珍しいし、悲嘆の怠惰だったかしら?あれも古代ベルカ式のものかしら」

 

「大罪武装とも言ってましたしね。今度聞いてみましょう」

 

「ええ、そうしましょう」

 

おっと、どうやら勝負がついたようだ。




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7話:決着、そして日常へ

自分は携帯での投稿なので、感想のページの適切や不適切については間違って押してしまいました。感想に不適切なものはありません。全てとても参考になりました。不快になってしまった方がいましたら申し訳ありませんでした。


フェイトが後ろにいるのに気がつかず接近を許してしまった。

 

ズバンッ!

 

ボールのように吹っ飛ぶ俺。

 

「たあっ!え、なんで!?」

 

「さっきの攻撃は囮です。翔悟なら斬って爆発させるだろうと思ってたから」

 

「斬るんじゃなくて、そぎ落としなんだけどね!」

 

斬りかかるが、ヒョイッとかわされてしまった。続けて斬りかかるが全て避けられてしまう。

 

「速すぎじゃね?」

 

「勝負ですから」

微笑むフェイト。悔しい。

 

「絶対に一撃はあてる!」

 

そう言った直後、フェイトの周りになにか丸いものが出来て、

 

「フォトンランサー、ファイア!」

 

放たれる金色の槍。それを、

 

「おおおお!」

 

弾きながらフェイトに突っ込んでいった!

 

チッ

 

少しかすったようだ。フェイトは後ろから来るが、

 

ガキィィィィィンッ!

 

俺は回るようにして悲嘆の怠惰を振った。

 

「!?」

 

「剣道に大切なのは周りを見る目!結べ、悲嘆の怠惰!」

 

至近距離からのそぎ落とし

 

ズシャァッ!

 

「っ!」

 

「よっしゃ!」

 

やっと一撃入れた。そのまま斬りかかるが、

 

キインッ!

 

「あ」

 

攻撃は弾かれてしまった。

 

『Haken Slash』

 

「のわぁぁぁぁあ!」

 

斬られ、俺はそのまま落ちていった。

 

 

 

 

 

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫じゃない。すごく痛い」

 

落ちてそのまま床に叩きつけられた俺は降参した。

 

「やっぱ、勝てないか」

 

「わたしだって、負けるわけいかないもん」

 

「ちょっと手加減してくれてもいいじゃないか!」

 

「それはちょっと・・・危ない時もあったし」

 

「まあまあ、翔悟くん。ええやないか、これから頑張れば」

 

「そうだよ、練習すれば強くなるよ」

 

「ありがと、はやて、なのは。それと」

 

俺はフェイトの方を向き、

 

「フェイトもありがと。これから頑張るよ!」

 

「頑張ってね!」

 

『翔悟くん』

 

ディスプレイに映るリンディさんが

話しかけてきた。

 

「あ、はい」

 

『ご苦労様。結果は後で知らせるわ。シーニーさんについては今日はもう遅いし、また今度ということで』

 

「はい、ありがとうございました」

 

「ええ!?私やりたいです!」

 

「駄目だ。、もう遅い。それに明日は学校に行かないといけないだろ」

 

「そうですか・・・」

 

「わたし達も学校だねー」

 

「そうだね。ノート見せてもらわないと」

 

「俺も二日休んだからな。どうしよう」

 

ノート見せてくれるやついるかな?いないか・・・

 

後日、シーニーはシグナムとの模擬戦をやるのだがそれを見て、絶対にシーニーとは闘いたくないと思った。目がマジすぎる!

 

 

●●

 

 

「ロード翔悟、起きてください。朝です」

 

シーニーの声で目を覚ます。何故かは知らないが毎回顔の至近距離で言ってくる。

 

「あはよう。相変わらず近いな。あと呼び方」

 

「そのうち慣らすことにします。それより朝御飯ができております。お早く」

 

シーニーは下に降りていく。ちなみに俺の住んでいる家は二階建てだ。

 

「おー、筋肉痛」

 

昨日の模擬戦のためか、身体中が筋肉痛だ。運動をあまりしてなかったせいもあったのだろう。

 

「いい匂いだな、やっぱ」

 

下に降りて、テーブルに並べられた朝御飯を見ての1日の始まり。

 

「やっぱ朝は、米に味噌汁だよな」

 

「ロード翔悟、今日は何時くらいに帰ってきますか?」

 

「んー、わかんないや。なにかあんの?」

 

「実は私、アルバイトというものをしておりして」

 

「へえ、どこで?」

 

「翠屋という喫茶店です。ロード翔悟がいないときは暇だと思いまして。それなら何か働こうかと。もしかしたら帰ってきてもいないかもしれません」

 

「まぁ、子供じゃないんだし、見た目あれだけど大丈夫だよ。じゃぁ、帰りお土産買ってきてちょうだい」

 

「了解しました」

 

そのあとは、歯磨いたり、顔を洗って準備する。

 

「じゃ、いってきます」

 

「お気をつけて」

 

「はーい、シーニーも頑張ってねー」

 

家を出て歩き出す。学校まではバスで行く。バス停には見覚えのある顔が

 

「あ、翔悟くん!」

 

月村さんにバニングスさん。いや、やっぱり名前で呼ぼう。

 

「おはよ、すずかにアリサ」

 

「あ、名前で呼んでくれるんだね」

 

「色々あってな」

 

「ちょっと、翔悟!なにアンタ休んでんのよ!?折角なのは達に紹介しようと思ったのに!」

 

「なのは?」

 

「そうよ。あ、ほら来た」

 

「すずかちゃーん、アリサちゃーん」

 

タタッ、と後ろから走ってくる音。聞き間違えでなければ・・・

 

ベチッ

 

「あ、転んだ」

 

「大丈夫?なのは」

 

「うう~、ありがとうフェイトちゃん」

 

間違いない。高町なのはとフェイト・テスタロッサだ。

 

 

 

 

 

 

 

「まさか同じ学校だったとわね~」

 

「そう、だ・・・な」

 

バスの中、俺たち5人は並んで座っていた。

 

「なに?アンタ達知り合いだったの?」

 

「うん。翔悟も魔導師なんだ」

 

「おまっ、なにいきなりカミングアウトしちゃってんの!?」

 

「大丈夫だよ、わたしとアリサちゃんは知ってるから。フェイトちゃん達のこと」

 

「なるほど。だからアンタはこんな時期に転校してきのね?」

 

「いや、家庭の事情なんだけど」

 

「翔悟くん、お父さんとお母さんいないんだって」

 

「そうなの?」

 

「だから!なんでカミングアウトしちゃってんのさ!!」

 

「ごめんなさい!」

 

俺の顔に恐怖を感じたのだろう。即行謝ってきた。

 

「翔悟くん」

 

「なに?すずか」

 

「バスの中では静かにね」

 

どうやら騒ぎ過ぎたらしい。話は昼まで持ち越しとなった。昼も騒ぎ過ぎたが・・・

 

 

●●

 

 

放課後。わたしの家に来ない?というなのはの提案で行くことになった。喫茶店をやっているらしい。

 

「喫茶店か。シーニーがアルバイトしてんのも喫茶店だった気が」

 

「そうなんだ」

 

「たしか翠屋だったか?」

 

「それって、なのはのとこだよ」

 

「まじかい?世間って狭えな」

 

翠屋の中に入ると

 

「皆いらっしゃい。あら、その男の子は?」

 

「橘 翔悟といいます。先日転校してきました」

 

「そうなの、よろしくね翔悟くん。シーニーちゃん、ちょっとー」

 

「あ、皆来たんか?」

 

近くのテーブルにはやてとヴォルケンリッターの皆さん。自己紹介はしてあるので名前は覚えている。

 

「よお、はやて」

 

「あ、翔悟くん。なんでここに?」

 

「どうしたもなにも、なのは達と学校一緒だったから。成り行きで」

 

「そうなん?ところで、シーニーがおるんやけど」

 

「ああ、バイトだってよ」

 

「な、ロード翔悟なぜここに!?」

 

「だからほら」

俺はなのはを指差す。

 

「なるほど。学校が同じだったと」

 

シーニーはコホン、と咳払いして

 

「では、ご注文はいかがなさいますか?」

 

(しかし、知り合いのとこでバイトか。ほんと世界は狭い)

 

「ロード翔悟はどうなさいますか?」

 

「ん、ああ。ていうかそのロードやめろ。おかしいだろこんなところで」

 

「善処いたします。それで御注文のほうですがオススメはこちらです」

 

「じゃぁ、それで」

 

「かしこまりました」

 

「ちょっと翔悟。アンタあの人とどういう関係なのよ?」

 

「母謙姉、そういう感じ」

 

「でもシーニーがここでアルバイトしてるのは、びっくりしたよ」

 

「まあね」

 

「でも、シーニーちゃんうまくやってるわね」

 

「そうですね。シャマル先生もやってみたらどうです?」

 

「私にはちょっと。料理とか苦手だし」

 

「お待たせしました」

 

「来たわね」

 

皆のケーキなどを持ってくる、シーニー。プロみたいだ。

 

「ロード翔悟もどうぞ」

 

「ありがとう、シーニー」

 

「おお、うまいぜこれ!」

 

「ありがとうございます、ヴィータ。それは私が作らせていただきました」

「すげえな、お前!」

 

「恐縮です」

 

「ふむ、確かににこれはうまいな」

 

「シグナムもありがとうございます。ロード翔悟は如何ですか?」

 

「美味しいよ。やっぱすごいね!シーニー」

 

ちなみに俺が頼んだのはショートケーキ。

 

「良かったです。それでは私も失礼して」

 

俺の隣に座り、ケーキを食べるシーニー。

 

「運んだら休憩してもいい、と言われたので」

 

そのあとは、皆で楽しく話をしたりして過ごした。

 

この世界に来てから初めての平和な日常だったかもしれない。




感想、アドバイスなどよろしくお願いします。
戦闘シーンは難しいです。


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キャラ設定

キャラ設定です。


主人公:橘 翔悟(たちばな しょうご)

使用魔法:ベルカ式

 

魔力色:水色

 

魔力量:AA+(今のところ)

 

性別:男

 

年齢:9歳(精神年齢16歳)

 

趣味:読書

 

好きなこと:日々を楽しむこと

 

苦手なこと:交遊関係をつくること

 

容姿:黒髪、黒目の一般的な日本人。短髪。オッドアイとかじゃなくて良かったと思っている。

 

身長:138.2㎝

 

高校一年のころ、神のミスもなく普通に死んでしまって、死者の列に並んでいたら転生という判決が下り『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生した。

原作知識が無いに等しく、唯一やったことがあるのはGODだけである。そのため少しの勘違いなどがある。そして、内容や登場キャラもほとんど覚えていない。(今のところ覚えているの、なのは・フェイト・はやて・シグナム・クロノのみ)

とりあえず、日々の生活を楽しむところから始めようと思っている。交遊関係を築くのが苦手で前世でかなり苦労した。ただ、男女問わず年下にかなりなつかれる。

 

デバイス:ガブリエル(Gabriel)

インテリジェントデバイスではなくストレージデバイス。応答することは全くなく、モードチェンジの時のみ音声を発する。翼が4つあるような形である。(はやての羽根のような感じ)クロノ曰く「見たことがない形状」

 

 

モード

 

スタンバイモード

青い十字架のネックレス

 

Flying mode(フライング モード)

その名の通り飛行形態。翼の部分から魔力を放出。羽根とし飛行する。(イメージ的にデスティニーガンダムの背中の羽根)

一種の飛行魔法のようなもの。他にモードが2つあるらしい。

 

使用武装:大罪武装

神様特典。全ての大罪武装を使用できる。

大罪を元にした大量破壊兵器。しかし防御型のもある。

動力は魔力。燃費がすごく悪い。超過駆動は、今の翔悟が使えば魔力の消費がなくとも七割は消費する。つまり現時点で、超過駆動は一度しか行えない。魔力を溜めておくという手段もあるがまだ未定。

さらに、かなり重いため大人モードでなければ使えない。翔悟曰く「小学生が持つような重さじゃない」

 

悲嘆の怠惰(リピ・カタスリプシ)

通常駆動

剣として使用できる。さらに刃先に映した対象にそぎ落としの斬撃ができる。

超過駆動

「悲嘆」を示す掻き毟りの砲撃ができる。仮装砲塔の展開に数秒かかり、さらに砲撃した後、「掻き毟り」が発生するのにも時間がかかる。

燃費がすごく悪い。

他の大罪武装は構成中

 

ユニゾンデバイス:シーニー

 

使用魔法:ベルカ式

 

魔力光色:水色

 

魔力量:AAA

 

性別:女

 

年齢:見た目18歳

 

趣味:炊事、家事、翔悟へのご奉仕、翔悟のトレーニング、翔悟の(ry

 

好きなこと:炊事、家事、翔悟へのご奉仕、翔悟のトレーニング、翔悟の(ry

 

苦手なこと:翔悟の名前を呼び捨てで呼ぶこと。翔悟が立場的に上で、敬愛しているため。

 

容姿:青髪、青目。長髪。翔悟曰く、大人になって身長が高いタバサ。

 

身長:169.7㎝

 

名前の由来:ロシア語で青の意味

 

神様特典らしい。

家事、炊事がとても上手い。これも神様特典らしい。喫茶翠屋でアルバイトをしている。

原作についての知識は世界設定しかなく、登場キャラについてはなにも知らない。

翔悟の魔法の先生。優しく頼れる母謙姉。メイドさんみたいだがそれ以上。ただ少々突っ走る時もあり、主人公を困らせる。礼儀正しくいかなる相手にも丁寧語。戦闘狂(バトルマニア)っぽい言動がしばしば。




魔力色がレヴィ・ザ・スラッシャーやクロノと同じになってしまいました。


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8話:ドキッ!女子だらけの初仕事

お気に入り登録してくださった皆様ありがとうございます!


とある管理外世界。俺は初仕事として来ていた。

昨日のことだ。俺とシーニーはリンディ提督から呼び出された。

 

「久しぶり、翔悟君、シーニーさん」

 

「お久しぶりです。今日は何で呼び出されたんでしょう?」

 

「それはね、貴方達に仕事をしてもらいたいからよ」

 

嘱託魔導師の試験については合格したという報告は前に受けた。模擬戦の他にも筆記試験などもあって、フェイト達にも勉強の手伝いをしてもらった。しかも模擬戦をもう一回やった。シーニーなんて、

 

「よし!これで数多の強者達と闘えます!」

 

なんて言っていた。なんか勘違いしているんじゃなかろうか?

 

俺達は、初心者と言ってもいいので―シーニーはよくわからないが―仕事はまだ無いだろうと思っていた。

 

「大丈夫なんですか?俺なんてはっきり言って弱いですよ?」

 

雑魚と言おうとしたが、とりあえずは言葉を選んだ。

 

「大丈夫。シーニーさんもいるし、貴方を十分強いわよ?それに・・・」

 

パシュッ

 

扉の開く音に後ろを向けば、そこにはフェイトとシグナムの姿。

 

「翔悟もシーニーも久しぶり」

 

「久しぶりだな」

 

「この子達にもついていってもらうわ。それなら大丈夫でしょう?」

 

「なんでこの2人なんですか?」

 

「翔悟君はフェイトさんと、シーニーさんはシグナムさんと模擬戦をやったから、お互いの技については知っているでしょう?だから、連携がしやすいと思ったのよ」

 

「それはいい考えですね」

 

さっきから一向に喋らないシーニーは、ずっとシグナムを見ていた。この2人の模擬戦はシグナムが勝ったため悔しいのだろう。

 

「仕事の内容は、管理外世界にあるロストロギアの違法所持の疑いのある魔導師のアジトの調査、可能なら拘束です。規模も小さいですし、大丈夫でしょう」

 

「判りました。いつ行けば?」

 

「明日です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つーか、このメンバー男俺だけかよ 」

 

管理外世界の空を飛びながら1人愚痴る。とても気まずい。他の3人は何も感じていないようだが。

 

(ユーノは無限書庫、クロノは執務官の仕事。多忙なんだろうなぁ・・・あ、ザフィーラ忘れてた)

 

「翔悟」

 

(しかし、いたとしても女子率が高いことには変わりはないし)

 

「翔悟」

 

(ていうか、魔法少女だから女子が多いのは当然だが、 これは・・・)

 

「翔悟!」

 

「うわ!なに!?」

 

目の前にはフェイトの顔。何故か少し怒っている。

 

「さっきから呼んでるのに返事しないから」

 

「どうかされましたか?ロード翔悟」

 

「いや、何でもないよ」

 

「ぼーっとしていれば怪我をするぞ?橘」

 

「わかってるよ、シグナム」

 

「それじゃぁ話を戻すけど、これから行くのはロストロギアの違法所持の疑いのある魔導師のアジト。ほとんど確定がしているんだけど」

 

「言っておくが、犯罪者の連中は魔法に非殺傷設定なんて生易しいものはせん。怪我には気を付けろ。最悪の場合は死ぬ。油断はするな。特にシーニー」

 

「なんですか?シグナム」

 

「お前は突撃しすぎだ。もう少し回りを見ろ」

 

「そんなことわかってます!」

 

「わかってねぇから、言われんだろ」

 

「ロード翔悟まで!?」

 

「とりあえずだ。まずは私とテスタロッサで行く。その後にお前らは来い」

「了解」

 

「大丈夫だから、翔悟。緊張しないで」

 

「そんなこと言われても。初仕事が結構ハードじゃね?」

 

「皆これくらいはやってるよ。今回は相手の人数は少ないし。でも」

 

「油断はするな、だろ?」

 

「うん。じゃあ行くよ!」

 

どうやら、アジトについてはもう見つけているらしい。さすがは将来、執務官になりたいと言っていたフェイトだ。

 

アジトに近づくと、

 

「な、なんだお前ら!?」

 

「時空管理局だ。お前らにはロストロギアの違法所持の容疑がかかっている。大人しく投降しろ!」

 

「くそ!お前ら逃げるぞ!!」

 

アジトから出てくる容疑者×4。攻撃して抵抗する人もいるようで

 

ヒュンッ!

 

俺の横を魔力弾が通っていった。わりと沢山の。

 

「あぶねぇ!なんだこれ!」

 

「ロード翔悟、行きますよ!」

 

「怖いけど、おう!」

 

「煌竜!」

 

ドガァァァァァァンッ!!!!!

 

「うわっ!、なにあれ」

 

シグナムが放った攻撃は容疑者の1人を吹き飛ばした。

 

「シーニー、あんなんくらってよく生きてたな」

 

フェイトのほうは、善戦している。容疑者とのレベルの違いがよくわかる。シーニーはというと、

 

「そんな攻撃では当たりませんよ?」

 

「このクソガキッ!」

 

手から光の剣のようなものを出して戦っていた。

 

「俺もやんないと!」

 

俺の相手は最初に攻撃してきたヤツ。

 

「待て!」

 

「ちっ!ガキが!!」

 

嘱託魔導師の試験の前に沢山の模擬戦をしていたおかげか、相手の攻撃がよく見える。

 

「シュートっ!」

 

「そんな攻撃、あいつらのに比べたら!」

 

パァァァァァンッ!

 

「効かないんだよね!」

 

「くそっ!」

 

接近戦をしようとしてくる相手。

 

「フェイトより遅いっ!」

 

ザシュッ!

 

「ぐぁ!」

 

「結べ、悲嘆の怠惰!」

 

「がぁぁぁぁぁっ!」

 

相手は気絶。とりあえずは終了だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ロストロギアも見つけたし、帰ろっか」

 

幸いにも、俺達が見つけたロストロギアは危険度が低いものだった。

 

容疑者達は先ほど来た、本局の人達に連れていかれた。

 

「橘の戦闘は良いものだったと思うぞ。今度はお前とも闘ってみたいものだ」

 

「考えておくよ・・・」

 

はっきり言って、シグナムとの模擬戦は遠慮したい。さっき見た攻撃もそうだが、シーニーが勝てなかった相手とは闘いたくない。ちなみにシーニーは俺より強い。

 

「そうですね、私の仇をとってもらえないでしょうか?ロード翔悟」

 

「お前も煽るな」

 

「でも、私は良かったと思うよ」

 

「まぁ、嘱託魔導師試験の練習してればな。それでも皆よりは弱いけど」

 

「これから強くなっていけばいいだろう」

 

「そうですね、シグナムの言う通りです。ロード翔悟。これからも頑張りましょう!」

 

「以外と仲良いよな。シグナムとシーニー」

 

「一度は剣で語り合ったからですかね?」

 

「ふっ、そうだな」

 

やっぱり、この2人は似た者同士だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、

 

「なんで、皆俺の家にいんの?」

 

「私が呼んだからですよ」

 

いるのは、なのは・フェイト・すずか・アリサ・はやて・ヴォルケンリッターの皆さん。たいして広くない居間がとても狭く感じる。

 

「知り合ったからには何かの縁。親睦を深めるために夕飯を皆さんと食べよう、と思いまして」

 

「シーニーさんとは前から計画してたんだ」

 

「お前も一枚噛んでいるのか、なのは」

 

2人ともとてもニコニコしている。

 

「まぁ、いいじゃない?翔悟」

 

「でもな、アリサ。出来れば相談はしてほしかった。片付けとかしないといけないし」

 

散らかってはいないが、綺麗とも言えない。客を迎える以上掃除くらいはしたかった。

 

「大丈夫、きれいだよ」

 

「慰めをありがとう。すずか」

 

「それじゃ、料理運ぶから皆手伝ってな」

 

料理担当は、はやてとシーニー。はやての料理は食べたことはないが、ヴィータが言うに『ギガうま』らしい。すごく楽しみだ。

 

人数が多いので種類も量も多くなるのだが、食べきれるだろうか?

 

「それじゃ、いただきます」

 

「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」

 

「おおっ!やっぱり、ギガうまだな!」

 

確かにはやての料理がギガうまだというのは、頷ける。とてもうまい。

 

「まだ、たくさんありますから」

 

シーニーがメイド服を着て、料理を配っていた。前に通販で買っていたものだ。形からはいるのが好きらしい。

 

「おいしいねー」

 

「ねー」

 

前世のころには考えられなかった光景だ。こんなに知り合いがたくさんできて、話して、ご飯を食べている。

 

(ほんと、なにがあってこうなったのか)

 

前世で友達と呼べそうなのは5、6人。話す人はいても友達という関係まではいかなかった。

 

(疎外感っていうか、周りにとけこめないというか)

 

多分、この人達の性格というか雰囲気なんだろう。知らないうちに友達になっていた、的な。

 

「翔悟、食べないとなくなっちゃうよ?」

 

「ん、あぁ。フェイト、それ取ってくれない?」

 

「どうしたの、翔悟?今日ぼーっとしてばっかりだけど」

 

「考え事だよ。色々あるんだ」

 

「悩み事があるんだったらわたし達に相談してね?1人で抱え込むのは良くないよ?」

 

「考えとく」

 

とりあえず、今できている仲間という関係は大切にしていこう。




次はGOD編です


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9話:翔悟の闇 GOD

今回は少し暗めです。自分の考える主人公は全部性格に癖がある気がする。
人によっては嫌な気分になるかもしれません。


「あー、だりぃ」

 

「そんなこと言わないでください、ロード翔悟。仕事なんですから」

 

「そんなこと言っても最近忙しすぎるから......」

 

ことの起こりは少し前。ユーノが次元渡航者とみられる少女と戦い、はやてもピンクの髪の少女に襲撃された。

 

そして、マテリアルと呼ばれるなのは達によく似た少女達が復活したらしい。

 

「マテリアル達が最初にいたのって3ヶ月前だろ?俺達その時まだいなかったよね」

 

「そうですね。捜索しろと言われてもよくわからないのですが......」

 

俺達の仕事は次元渡航者らしき少女とマテリアル達の捜索。

 

「しかし、ほんと似てるな。理知的ななのはに、元気っ娘なフェイト、偉そうなはやてと言ったところかな」

 

「本物とは全く違いますね」

 

マテリアルはなのは達を基にして作られたらしい。性格の違いはあるが。

 

『翔悟君』

 

「なのはか。どうした?」

 

なのはは、ユーノと一緒に捜索をしていた。

 

『アミタさんを見つけたんだけどね、逃がしちゃった』

 

「アミタさん?」

 

『うん、アミティエ・フローリアンさん。親しい人はアミタって呼ぶんだって』

 

アミティエ・フローリアン。どこかで聞いたことのある名前だ。

 

『不思議な魔法を使ってね、すごい速さだったんだ~』

 

「だったんだ~、って呑気だな。お前は」

 

『翔悟の方はどうなんだい?』

 

「全然収穫なしだ、ユーノ。今度見つけたらお得意の鎖で縛っちゃえよ、とシーニーの目が語っています」

 

『いや、そういうのはまず話を聞いてからじゃないと』

 

「でもよ、マテリアルは3ヶ月前に倒したんだろ?『闇の欠片事件』だっけ?何で復活してるんだ?」

 

『わからない。もしかしたらあの次元渡航者の人と関係してるのかもしれないけど』

 

「だから見つけたら縛ればいいのです。話を聞くのはまずそれから」

 

「だからシーニー、それダメだって」

 

『まぁ、わたし達も探すから翔悟君も頑張ってね』

 

「おう」

 

通信を切り辺りを見回すが、

 

「誰もいないな」

 

「探知もしていますが、ひっかかりませんね」

 

「ま、とりあえずここら辺をもうちょ......なぁ、あれ」

 

「どうしまし......もう1人のロード翔悟!?」

 

そこにいたのは、もう1人の俺だった。全体的に色が黒い。

 

「まさかの双子疑惑!?」

 

「いえ、そんなはずは。あ」

「あ、ってなに?」

 

「言うのを忘れていましたが、あれは闇の欠片ですね。闇の書の残滓が魔導師の過去の記憶を再現したものです。特に負の部分が反映されてますが」

 

「俺そんなこと聞いてないぞ」

 

「その話の時トイレに行ってましたからね。後で伝えようと思っていましたが失念しておりました。申し訳ありません」

 

「まぁ、いいけど。で、あれがあるとどうなるんだ?」

 

「具体例を申し上げますと、貴方の闇の欠片が誰かに危害を加えるとします。そうすると顔などは貴方と全く一緒なので、貴方に容疑がかかります。簡単に言うと冤罪ですね」

 

俺の闇の欠片が仲間攻撃→よくもやりやがったな!→いや、俺じゃねぇよ!、といった感じか。

 

「わかりやすい例をありがとう。倒そう、今すぐ。冤罪はごめんだ」

 

「そのことですが、戦うということに関して協力できません」

 

「なんで?」

 

「その偽物といえど、姿は貴方ですので。攻撃するのに抵抗が......」

 

「あー、なら俺1人で頑張るか」

 

「頑張ってください」

 

「おーい、そこの俺の闇の欠片」

 

呼び掛けるが振り向かない。そのままどこかに飛んでいきそうだ。

 

「待てって!」

 

肩を掴んで止めるが

 

ブォッ!

 

「あぶねぇ!」

 

体を反らして避ける。いきなり斬ってきた。

 

その手に持つのは俺の持つものと違う、大罪武装“嫌気の怠惰(アーケデイア・カタスリプシ)”。“悲嘆の怠惰”と同じ“怠惰”の大罪に分類される。

 

「誰だ?お前」

 

「俺はお前の本物だ。少し話をしようか」

 

「俺に話しかけないでくれ。不愉快だ」

 

(なんつーか、前世の俺を過激にしたみたいだな)

 

人を信じることができなかった日々。人の行動をなにか裏が有るんじゃないかと思っていたあの頃。とにかく人と接するのが怖かった。

 

闇の欠片が負の記憶を反映するならば、その感情が固まってより負の感情が強くなっても不思議ではない。

 

少しは克服できたとはいえ―それで苦手だが―思い出したくはない記憶だ。

 

「いや、だから話を......」

 

「そうやって、どうせ裏でもあるんだろ?だから人間は信用できない!」

 

俺の闇の欠片が斬りかかってきた。

 

「昔の俺ってめんどくせぇな!」

 

ガキィッ!ガァンッ!

 

(太刀筋もほぼ一緒。あとは武器の違いだけか)

 

シーニーを頼りたいところだが、あてにはできない。闇の欠片は本気で俺のことを殺そうとしていた。姿が同じだからといって躊躇していれば、やられてしまう。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁ!」」

 

ザシッ!

 

「「ぐっ!」」

 

このままでは、共倒れだ。

 

「シーニー、迷うな!やれ!」

 

「わ、わかりました!ブラスター......」

 

ジャガッ!

 

“嫌気の怠惰”刀身が展開している。あれは......

 

「まずい、超過駆動だ!逃げろ!」

 

「大罪武装、嫌気の怠惰。超過駆動」

 

黒いもやの様なものが溢れ、俺達を包んだ。

“嫌気の怠惰”の超過駆動の効果は「自分にとって悪であると理解する箇所」に"嫌気"の力場を発生させ拘束するというものだ。バインドの様なものと考えていい。

 

(嫌気って重いなっ!)

 

俺が拘束されている場所は、両の手から肩にかけてだ。もしかしたら、人と接する場所という意味かもしれない。人と接するのが苦手な俺にとって、手は悪だと感じているのかもしれない。

 

シーニーは胸部を拘束されていた。原作で貧乳だから悪に感じていた、というのがあるがシーニーはシグナム並みにある。悪に感じる理由がわからない。

 

俺はこの状況で武器を扱うこともできない。しかし、相手は待ってはくれない。なので

 

「結べ、悲嘆の怠惰!」

 

体ごと回転する感じで向かってくる相手に攻撃をした。動けないと思っていたのか、相手は防御もせずくらっていた。

 

「ぐぅぅぅぅっ!」

 

俺はこれで限界だ。とても重い拘束に無理をしてやったのだ。

 

「くそがっ!」

 

シュゥゥゥゥン

 

俺の闇の欠片はいなくなった。消えたのか、もしくはどこかに転移していったのか?

 

「九死に一生を得るってこのことだな」

 

俺の闇の欠片がいなくなったことで、“嫌気の怠惰”の拘束は無くなった。

 

「大丈夫ですか!?ロード翔悟!」

 

慌ててシーニーが近づいてきた。

 

「ああ、なんとかな。しかし超過駆動やってくるとは思わなかったぞ」

 

超過駆動はできるのだが、やってしまうと一気に魔力が無くなってしまうので、後々の戦闘に支障がでる。しかし、俺の闇の欠片はやってきた。そこまで俺を、人間を殺したいほどだったのだろうか?

 

「あの......ロード翔悟」

 

「なに?」

 

向けてくるのは不安そうな目。

 

「ロード翔悟は私のことを信用してますか?嫌いではないですか?」

 

「それって......」

 

恐らくさっきの戦闘で俺の闇の欠片が言っていたことを気にしているのだろう。

 

負の感情といえ、元々は俺の気持ち。俺がシーニーのことを嫌いではないか心配しているのだろう。

 

「正直に言ってください」

 

「そんなわけないだろ。昔はああいう感じだったけど、今は違う。信用もしてるし、嫌いなわけない」

 

「そうですか、良かったです......」

 

「でも嫌いなわけないって言ってることは、好きでもないってことですよね」

 

「え?」

 

「いえ......なんでもないです。とりあえず、怪我の手当をしに行きましょう」

 

「?ああ。そういえば」

 

とりあえず、気になっていることを聞いてみることにした。

 

「嫌なら話さなくてもいいんだけど、なんで胸部に嫌気の拘束があったの?」

 

胸と言うのはなんか、恥ずかしかった。

 

「それはですね、闘うときに邪魔じゃないですか?重いですし。なんでこんな大きめなんでしょうね?私を創った人の気が知れません」

 

とりあえず、この話はここだけの秘密にしておこう。聞かれたら怒られそうだ。主にはやてに。

 

 

●●

 

 

「追跡続行だよ」

 

私は雷刃(レヴィ)にソーダ飴をあげて、砕け得ぬ闇に関する情報をもらった。とてもおもしろい子だった。悩んでる私がおかしいくらい。

 

「ああ、フェイト。ん?あれって、翔悟じゃないかい?」

 

「ほんとだ。あれ、でも翔悟のバリアジャケットあんな色だったっけ?」

 

翔悟のバリアジャケットは、青い武者の甲冑みたいなのだ。でもあのバリアジャケットは暗い青だ。

 

「くそっ!あの野郎......ぐっ!」

 

苦しそうに頭をおさえている。とても辛そうだ。

 

「もしかして翔悟の闇の欠片じゃないのかい?」

 

「そうかもしれない。ねぇ、翔悟」

 

近づいて呼び掛けると、

 

「っ!」

 

向けられるのはとても憎悪のこもった瞳。

 

「やっぱり、闇の欠片かい!?」

 

「またか......さっきもお前らみたいなのがいたけどよ。目障りなんだよ!」

 

そう言って大きな剣を持って迫ってくる!

 

「フェイトッ!」

 

ガキィッ!

 

バルディッシュをハーケンフォームにして防御する。すごい力だ。

 

「ちょっと待って!」

 

「うるさい!俺の邪魔をするな!」

 

「話を聞けって言ってるんだよ!」

 

横からアルフが攻撃をする。

 

「ぐっ!そうやって......」

 

翔悟の闇の欠片は私を見て

 

「笑顔で言ってるやつほど信用できねぇんだよ」

 

「!?」

 

「フェイトがそんな訳ないだろ!」

 

アルフが闇の欠片に向かって攻撃する。

 

「俺はな、ずっと見てきたんだよ。そうやって笑って、裏で騙してるやつをな」

 

「そんなわけない!」

 

ガシャン!ガシャン!

 

『Zanber form』

 

「そんなんじゃ、誰ともわかりあえないよ!私はなのはに教えてもらった!バルディッシュ!」

 

『Yes, sir.』

 

「くっ!」

 

バキィィィィンッ!

 

「なっ!?」

 

翔悟の展開した防御魔方陣を砕く!

 

「だから、話を聞いて!」

 

『Jet Zamber.』

 

「はあああああああああっ!」

 

ズシャァァァァァッ!

 

「がああああああああああっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイト!大丈夫かい?」

 

「うん。それより、闇の欠片は?」

 

「そこにいるよ」

 

翔悟の闇の欠片はもう消えかかっていた。

 

「翔悟......」

 

「ちっ、負けたか」

 

「翔悟、信じなければわかりあえない。それじゃあ駄目だよ!」

 

「ふんっ、それはどうかな?だが......」

 

「え?」

 

「そういうことは、本物のほうに言え」

 

「どういうこと?」

 

「自分で考えろ。おっと、消えるのか......」

 

「そう。夢が覚めるんだよ」

 

「アルフだったか?」

 

「なんだい?」

 

「いい拳だったよ。父親とケンカしたときのこと思い出した。あれがあったから幾分かましになったのかな?」

 

「それって......」

シュゥゥゥゥン

 

翔悟の闇の欠片は消えてしまった。

 

「翔悟もあんな風に私達のこと思ってるのかな......」

 

「そんなわけないだろ、フェイト。翔悟はあたし達にいつも優しいじゃないか」

 

「でも......」

 

思い出すのは皆と話したこと。

 

『翔悟って私達に遠慮してるというか、後ろに下がって見てる感じよね』

 

『そうかな?翔悟君、緊張してるだけでしょ?』

 

『あのねぇ、すずか。もう転校して1ヶ月よ。いくらなんでも長すぎよ』

 

『そういえば』

 

『どうしたの?はやて』

 

『あのな?前に翔悟君の家で皆でご飯食べたときあったやろ?』

 

『それがどうかしたの?はやて』

 

『お礼しよう思うて、私の家でご飯食べへんかって、誘ったんよ?そしたら用事あるって断られたんよ。それでな?その後3回くらい誘ったんやけど、やっぱり用事あるって断られてな』

 

『そういえば、今日も用事あるって言ってたね』

 

『最近はすぐ帰っちゃうし』

 

『よし、なら今度捕まえて引っ張っていきましょう!』

 

『『『『おー!』』』』

 

(翔悟はどう思ってるのかな......。最近ぼーっとしてることと関係してるのかな?)

 

この事件が終わったら聞こう、と私は心に誓った。




感想、アドバイスなどよろしくお願いいたします。


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10話:未来で俺は鬼教官? GOD

GODだとバトルメインですね。


とりあえず、アースラに戻り怪我の手当てをした俺。シーニーが回復魔法を使えたことに驚いた。

 

ほら、シーニーって戦闘魔法しかなさそうだから。それを言ったら

 

「私はそんな戦闘狂(バトルマニア)みたいじゃありません!シグナムと一緒にしないでください!!」

 

と言われた。一度その豊かな胸に手を当てて、考えて欲しい。

 

その後は、はやてから連絡が来て手配されてる少年を見つけたんだけど......

 

「えぇ!?何で翔悟さんが!?」

 

『トーマ、シーニー師匠もいるよ!』

 

とても、盛り上がっていらっしゃるが、誰だこいつら?

 

「あのー」

 

「『はい!』」

 

「えーと、管理局嘱託魔導師なんだけど、話を聞きたいのでついてきてもらっても良いですか?」

 

『しょ、翔悟さんが私達に丁寧語?』

 

「八神指令もだったけど、どうなってるんだ?」

 

「なぁ、シーニー。八神指令って誰?」

 

「八神というと、はやてさんを思い出しますが違うと思います」

「とりあえずは、連れていくか」

『ちょっと待ってください!』

 

「翔悟さんでしょ!?特務六課ロイズモイ(大罪)分隊隊長の?」

 

「いや、人違いだと思うけど」

 

「中から声。私と同じ融合機ですかね?」

 

2人組?の方はまだ、わいわい騒いでいる。時々、ヤバイとか、シバかれるとか言ってるけど、そんなにその翔悟隊長さんは怖いのだろうか?

 

(同名だけど、怖そうだなぁ......この少年達はかわいそうに)

 

「ロード翔悟、やっぱり拘束しましょう。怪しすぎます。何ですか、あのイカした刺青は?」

 

確かに、あのトーマと呼ばれていた少年の身体中には刺青がいっぱいだ。趣味なのだろうか?

「ヤバイって!訳がわからないよ、リリィ」

 

『そうだね、トーマ。やっぱりここは......』

 

「『緊急離脱!!』」

 

「あ、ちょっと待て!行くぞ、シーニー!」

 

「了解!」

 

少年達を追っていくが、近くにある本から魔力弾が放たれた。

 

「おわっ!」

 

「ロード翔悟!これは魔力弾ではありません!」

 

「え、魔法じゃなかったらなんなんだ?」

 

「わかりません。未知のエネルギーでしょうか?」

 

「それは、ファンタジーなことでっ!」

 

俺は加速し少年に斬りかかる!

 

「あぶなっ!」

 

ガキィッ!

 

「そう言ってもちゃんと、受け止めてるじゃねぇか!」

 

ガッ!ギィィンッ!ガァンッ!

 

「クリムゾンスラッシュ!」

 

ドコォォォォンッ!

 

「爆発系?シーニー!」

 

「了解!」

 

『銀十字!』

 

シーニーが魔力弾を放つも、やはり本から出るエネルギー弾によって相殺される。

 

「くそっ!らちが明かねぇ!」

 

 

●●

 

「くそっ!らちが明かねぇ!」

 

(おかしい。なんで、超過駆動をやってこないんだろう?)

 

いつもの翔悟さんなら、僕とリリィに笑いながら超過駆動をやってくる。正直言って恐ろしい。アイシスもとても怖がってた。出力5%らしいけど。

 

それに翔悟さんとシーニー師匠の攻撃も、いつもより避けやすい。どうなっているんだろう?訓練じゃないのだろうか?

 

『トーマ、やっぱり......』

 

「リリィ、ここは早く逃げよう。翔悟さんも怒らせたら怖いけど、なんかおかしい。Chrysalis(クリサリス)とか使われたらもっとヤバイ!」

 

『わかった!逃げる準備するね!』

 

「逃がすかぁ!」

 

翔悟さんが斬りかかってくる。だけどいつものように、隙のない動きじゃない。

 

「やめて下さい!翔悟さん!」

 

「だから、人違いだろ!」

 

「くらいなさい!」

 

シーニー師匠が横から攻撃してくるが、剣でいなす。これは翔悟さんから教わった技だ。

 

『トーマ、準備完了!』

 

「わかった!ごめんなさい、翔悟さん!シルバーハンマー!」

 

「っ!結べ、悲嘆の怠惰!」

 

ドォォォォンッ!

 

「『アクセル!』」

 

「ちっ!」

 

どうやら、ぎりぎり逃げられたみたいだ。

 

 

●●

 

 

「逃げられましたね」

 

「ああ、爆風を使った煙幕か。それにしても俺達のこと知ってた風だな。人違いだとは思うんだが。」

 

「そうですね。師匠だとかなんとか。まるで......未来から来たようですね」

 

「未来か。なら俺達はあいつらの鬼教官か?トーマだっけ?あの少ね......」

 

「どうかしましたか?ロード翔悟」

 

(なんだ?今、なにが引っ掛かった?)

 

頭の中でグルグル回るさっきの会話。そして、この世界のこと。

 

未来、リリカルなのは、トーマ、闇の欠片

 

(そうだ、未来だ。確か未来から誰か来て、それで......)

 

「あ」

 

思い出した。未来から何人か現代にくること。ラスボスとなるキャラが復活させられること。そして......そのラスボスがメチャクチャ強いことを。

 

「ヤバイッ!GODか!何回もコンティニューしたぞ、俺。復活する前に止めないと!はやてに連絡しないと!」

 

はやては今、闇王(ディアーチェ)達を追っている。

 

『あ、翔悟くん』

 

「はやて、よく聞け!“砕け得ぬ闇”を絶対復活させるな。ヤバイことになるぞ!」

 

『そのことなんやけどな、翔悟くん......』

 

「え?」

 

『復活、もうしてしもうた』

 

「まじんこ?」

 

『まじんこ』

 

「えーーーーーーっ!!!」

 

『王様達もヤミちゃんもどこかに消えてもうたし......、闇の欠片も増えてるし』

 

どうしよう、復活されてしまった。正直俺、あれに勝てる自信がない。ゲームではなのは達は勝っていたがその確証もない。

 

若干パニクっている俺の横に新たな通信ディスプレイ。

 

『取り込み中すまない。こちらクロノだ』

 

「クロノ、お前どこ行ってたんだよ?こっち大変だぞ?」

 

『出張だ。状況は聞いている。とりあえず、僕も出る。その前に』

 

「なんだよ?早く言えよ」

 

『その前に君に聞きたいことがある』

 

「は、何を?」

 

『君のその武器、大罪武装(ロイズモイ・オプロ)についてだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってアースラ。リンディ提督の部屋。

 

「さっきも言ったが、聞きたいのは君が持っている大罪武装(ロイズモイ・オプロ)ついてだ。時間がなかったから、後回しになっていたが」

 

(どうする?シーニー)

 

(ここは、正直に言いますか)

 

「まずは、大罪武装とはいったい何なのですか?」

 

「えーと、ですね」

 

まさか正直に、大量破壊兵器なんです。アースラもやろうと思えば沈められます、とは言えない。

 

「大量破壊兵器です。防御専門のもありますが」

 

正直に喋っちゃう人がいた!

 

「な、なんだって!?」

 

「ご心配なく。そうできるのは、ロード翔悟だけですし、今のところはできませんよ」

 

「それはなぜ?」

 

「まず、魔力の問題です。大罪武装が大量破壊兵器となる超過駆動をするには多くの魔力が必要です。ロード翔悟は今は魔力が足りません、連戦しましたから。それに、多くの魔力を使うので戦う場合はあまり効率がいいと言えませんから」

 

「なるほど......ロストロギアなのか?」

 

「それとは違います。大罪武装の超過駆動はロード翔悟しか使えませんし、通常駆動なら他の人も使えますが。私の付属品といったところでしょう。元々、私が持っていたものを、ロード翔悟に権限を全て与えたようなものですから」

 

確かに原作だと選ばれた人しか超過駆動を使えなかった。通常駆動は使えるみたいだけど。

 

「実際どのような能力なのかしら?」

 

「それについては、俺が説明します」

 

俺は悲嘆の怠惰を出し、

 

「これは悲嘆の怠惰です。大罪武装は九種類あります。今は悲嘆の怠惰意外使えないんですけど」

 

「それはなぜ?」

 

「まだ、形になってないんだっけ?シーニー」

 

「はい。他のはまだ未完成です。後少しで完成するかと」

 

「能力については通常駆動と超過駆動があります。悲嘆の怠惰の通常駆動は、剣砲として使えます。あとは削ぎ落としの斬撃ですね。こうゾリッと」

 

「随分変わってるな」

 

まぁ、削ぎ落としと言われてもイメージはできないだろう。俺もよくわからん。

 

「超過駆動は掻き毟りの砲撃ですね。出力30%で3㎞届きます。そうなるまで、撃ってからのタイムラグはありますけど」

 

俺は畳をガリガリ引っ掻いて掻き毟りを再現する。

 

「なら誰が造ったのか教えてもらえるか?」

 

これはこれで、答えづらい質問だ。原作者なのか、それとも本の中の人なのか。本の中なら松平元信だ。

 

「それは、おそらく私を創った人と同じだと思いますが、覚えていません」

 

特典だもんな。言えるわけない。

 

「そうか。大罪武装については今のところ危険はない、と考えていいのか?」

 

「ええ、ロストロギアのように暴走はしませんし、第一奪われたとしても本当に使えるのはロード翔悟だけですから」

 

「俺は破壊なんて興味ないですし」

 

「いや、逆にあっては困るんだが」

 

「まぁ、安心はしました。話は聞けたので。翔悟君達は休んでていいですよ?疲れているでしょう」

 

「なら、そうさせてもらいます」

 

部屋から出て、転移装置へ向かう。

 

「とりあえず、帰って何か食べて、少し寝よう」

 

「そうですね。添い寝しましょうか?」

 

「いらねーよ」

 

とりあえず、連絡しておくか。誰がいいかな?

 

「そういえば、フェイトさんと一回も話してませんね」

 

「たしかに。じゃ、フェイトで。フェイト、聞こえる?」

 

『しょ、翔悟?どうした、の?』

 

変だ。なんか動揺してる。

 

「いや、今一回家に帰るから報告を、ってね」

 

『そうなんだ......最近忙しかったみたいだもんね』

 

「まーな。あ、次元渡航者はどうだ?」

 

『まだ捕まえてないよ。マテリアルの子達もどこか行っちゃったし。闇の欠片のほうもいっぱいいるし』

 

「そうだな。俺もすぐ戻るから、気を付けてな」

 

『わかった。ありがとう』

 

『(ほら、いつもの翔悟だろう、フェイト?)』

 

『(そうだけど......)』

 

「どうかしたか?」

 

『いや!なんでもないよ?そ、それじゃあね!』

 

ブチッ!と通信を切られた。

 

「どうしたんだ?フェイトのやつ」

 

「ロード翔悟。貴方の将来が心配ですよ」

 

何故かため息をつく、シーニー。

 

「なにが?」

 

「なんでもです」

 

よくわからない。とりあえずは今は帰ることが大事。襲撃とかされなければいいが。

 

未来からは他に誰が来ているのだろう?




アドバイス、感想などよろしくお願いいたします。


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11話:子どもをつくった覚えはない! GOD

主人公を勝たせることができない。未来組との戦いは難しいです。


襲撃とかされなければいいが、というのはフラグだったようだ。先に行け!、と言ってやられる感じで。

 

俺達は海鳴市に戻ったが、その間に闇の欠片と戦闘。さらには、

 

「えぇ!翔悟パパも来てたの?」

 

「シーニーさんも!やっぱり、過去に来ていたんですか?」

 

オッドアイな少女が2人。記憶がある。確か、格闘系だったような気がする。ヴィ......なんだっけ?というか、俺の遺伝子から金髪が生まれるのだろうか?国際結婚だろうか?

 

「ロード翔悟、いつの間に子どもが出来たのですか?犯罪ですね」

 

「いや、普通に考えろよ。未来から来たんだよ、あの少女達は」

 

「少しボケてみただけです」

 

「つーか誰?」

 

「私だよ!ヴィヴィオだよ!」

 

「知らねーよ!なんだよ、パパって!」

 

「(あの、ヴィヴィオさん)」

 

「(なに?アインハルトさん)」

 

「(もしかして、あの翔悟さんは過去の翔悟さんではないのですか?)」

 

「(でも翔悟パパ、なのはママ達と違って身長も高......あ)」

 

「(どうしたのですか?)」

 

「(そういえば、子どもの頃私と一緒で大人モード使ってたって言ってた。私も翔悟パパから教えてもらったし。それに少し身長が低い気がします!)」

 

「おーい、ばっちり聞こえてるぞー」

 

俺の身長は大人モード使用時は176

㎝。それで、低いって未来の俺はどこまで大きくなってるんだ?

 

「ヴィヴィオさん、これは不味いですね」

 

「そうですね......なら」

 

「「逃げましょう!」」

 

「だから、そう何度も逃げられるわけにはいかないんだって!」

 

最近、やられっぱなしだからな。手配はかかってるし、逃げられるわけにはいかない。俺が未来でどうなっているのか気になる。でも、過去の人が未来のことを知っちゃいけないんだっけ?

 

「俺は“自称俺の娘”を捕まえる。そっちは任せた!」

 

「了解です!」

 

「え、翔悟パパこっち!?」

 

「とりあえず、気絶!」

 

「危ないよ!」

 

今回は避けられてばっかりだ。刃の部分では攻撃していない。パパと言われたので、なんかためらった。

 

「覇王空破断!」

 

「ナックルー!」

 

ドパァァァァンッ!

 

シーニーはもはや別次元の戦いをしていた。ネーミングセンスひどいな!

 

「翔悟パパ、ごめん!」

 

「へ?」

 

「アクセルスマッシュ!」

 

ドスッ!

 

「げぅっ!」

 

ものすごく、痛い!顎にもらった一撃でフラフラする。

 

「ちょっ、おまっ」

 

「あー!翔悟パパ大丈夫?」

 

「ぜんぜん、大丈夫......じゃない」

 

「だっていつも翔悟パパ、片手で受け止めるから大丈夫かなーって......」

 

「それ、俺じゃねぇんじゃねぇか?やっぱ人違い?」

 

未来といえど、俺がそんなに強くなってるとは思えない。

 

ズパァァァァァンッ!

 

「なかなかやりますね。最近模擬戦をやっていませんでしたから。久しぶりに楽しめました」

 

「(さすがはシーニーさん。やはり強いです)」

 

普通に話してる。良いのか?シーニーと闘っている少女も戦闘狂(バトルマニア)か?

 

「アインハルトさん、早く逃げましょう!」

 

「わかりました!」

 

「させません!ユーノさん直伝、チェーンバインド!」

 

ビュンッ!と 伸びていき、緑色?の髪の少女の腕に絡まるが、

 

バキィンッ!

 

「うそんっ!」

 

しかも、なんか撃ってきた!

 

「翔悟パパ、シーニーさん、本当にごめん!ディバインバスター!」

 

俺達は砲撃に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、いってー!」

 

一応、防御はできていたので大したダメージはないが、まだ顎が痛い。

 

「まさか、私のチェーンバインドが砕かれるとは......やりますね」

 

「俺は負け続きで泣きそう」

 

今回の事件は、全くいいところがない。対象は逃がすわ、ぼこぼこにされるわで。

 

「落ち込まないでください、ロード翔悟。そのうち勝てるようになりますよ」

 

「つーか、悲嘆の怠惰以外の大罪武装、まだできねぇの?」

 

「もう少しですが、超過駆動はまだできないでしょう」

 

「だよなぁ、やったら一気に魔力なくなるもんなぁ」

 

『翔悟くん』

 

「おや、通信ですか」

 

「なのは達か、どうした?」

 

『アミタさんがね、U‐Dにやられちゃったの。キリエさんは何処かに行っちゃったし......』

 

キリエ、というのは確かアミタさんの妹だった気がする。ゲームの内容については、よく覚えていないが、このあと確かクロノが何かしたような。

 

「アミタさんは大丈夫なのか?」

 

『大丈夫みたい。今、アースラの医務室で眠ってる』

 

アミタさんとキリエさんは、ギアーズと呼ばれる機械だ。感情を持ってたから人間として暮らしてたんだっけ?

 

『クロノ君は、リーゼさん達と捜索してるし』

 

「リーゼさん?」

 

はて、そんな人いたっけ?

 

『クロノ君のお師匠さん達だよ』

 

全く思い出せない。やはりゲームしかやってないと、全く覚えていないな。ゲームに居たかどうかすら思い出せない。

 

「なのは達はどこにいるんだ?」

 

『アースラ。クロノ君が少し休んでてって。U‐Dについて話したいから来てもらえるかな?』

 

「わかった。俺も休もうと思ってたし。まぁ、結局戦ってたんだけど。俺も話したいことあるから」

 

未来から来たと思われる人達について

とかね。

 

『うん、待ってる』

 

家に一旦帰ろうかと思ってたが、また戻るか。

 

「シーニー、またアースラ行くぞ」

 

「わかりました。体の方は大丈夫ですか?」

 

「まぁ、あっち行って話終わったら、仮眠でもとるさ」

 

 

●●

 

「翔悟くん、こっちに来るって」

 

「ほんなら、準備せなあかんな」

 

「そういえば、翔悟ってリーゼさん達のこと知らないんだよね」

 

「そやね。というか私達の関わった事件のことも」

 

それは、この少女達悲しい記憶。それがあって今の楽しい時間があるのだが。

 

「私は別に、教えてもいいと思ってるよ。翔悟君やしな。なんか、友達で同じ魔導師やのに、秘密にしてるみたいやし」

 

「そうだね」

 

「ねえ、なのは、はやて」

 

「どないしたん?フェイトちゃん」

 

いつ言おうか迷ってたけど、今言おう。

 

「聞いてほしいことがあるんだ。翔悟について......」

 

 

●●

 

 

「ふぅ、逃げ切れましたね。アインハルトさん」

 

「やっぱり、過去でもシーニーさんは強かったです」

 

「それにしてもここは何年なんでしょね?早く帰らないとママ達とパパが心配します」

 

「やっぱり、原因を見つけないと」

 

「それにしても、翔悟パパ大丈夫かな?痛がってたけど......、怒ってなきゃいいな」

 

「そうですね、怒ると翔悟さん怖いですよね」

 

一番新しい記憶では......ダメだ、思い出したくもありません!

 

「と、とりあえず原因を探しましょう!」

 

「そ、そうですね、早く帰りましょう!」

 

 

 

 

色々な思いを抱きながら、しかしまだ事件は終わらない。




感想、アドバイスなどよろしくお願いいたします。


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12話:過去があって今がある GOD

最近、執筆速度が遅くなってきたと感じてます
GOD編が結構長い&難しい


「それで、U‐Dについてだっけ?」

 

アースラに来た俺達はなのは達とU‐Dについて、話していた。

 

「うん、“砕け得ぬ闇”。マテリアルU‐D。闇の書の闇にも匹敵する力を持ってるんや」

 

「ん? 闇の書の闇ってなに?」

 

「やっぱり、まずはそこからやな」

 

はやては、なのはとフェイトの顔を何かを確認するように見ている。

 

「私は良いよ、はやて」

 

「わたしも」

 

「え、何か深刻なの?」

 

「あんな翔悟君、これから話すのは私達のことなんよ」

 

「U‐Dについて話すんじゃないの?」

 

どんなことかは知らないが、俺的にはまず、U‐Dについての対策を考える必要があると思う。なにせU‐Dはとても強いのだ。

 

「翔悟は友達だし、同じ魔導師だから......話そうって思って。この機会に丁度いいかなって」

 

「友達か......」

 

正直、友達だと言われても実感がないというか、よくわからない。なんというか、そういう概念がわからない。フェイト達はああ言っているが、俺としてはどうなんだろう?

 

「何か辛いことですか?」

 

「まあ、いいことではないかな」

 

「まずはわたしからね」

 

そうしてなのはが語るのは、なのはが魔法少女になるに至った経緯。

 

怪我をしていたユーノを助け――この時、ユーノはフェレットの姿をしていたらしい――ジェルシードを封印するために魔法少女になったらしい。最初はユーノの手伝いだったらしいが

 

「私もね、ジェルシードを探していたの」

フェイトは最初、なのはの敵だったらしい。母親、プレシア・テスタロッサの命令でジェルシードを集めていた。

 

「私はね、実はクローンなんだ」

 

フェイトはプロジェクトFというものによって、母親に産み出されたらしい。しかし、記憶は一緒でも利き手、性格などが異なり、完全なクローンではないようだ。

 

結局、母親はジェルシードを使って、アルハザードという所に行き、フェイトの基であるアリシアを生き返らせようとした。しかし、その計画はなのは達によって阻止され、プレシア・テスタロッサは最後には自ら起こした次元震によって生じた虚数空間に落ちていった。それが“PT事件”。

 

プレシア・テスタロッサが起こした次元震は、最悪世界を一つ壊すほどの威力があった。

 

俺は魔法があるから何でもありだろうとは思っていたが、これは酷い。しかし、プロジェクトFを否定するとフェイトの存在まで否定してしまう。フェイトはそのことを受け入れて生きているのだ。今さら俺が言うことではないだろう。いや、言うべきではない。

 

「翔悟、驚かないんだね」

 

「驚いてどうする。フェイトはフェイトなんだ。クローンとか関係ないだろ」

 

「そっか......ありがとう」

 

「感謝されることを言った覚えはないよ。当たり前のことだろ」

 

「それでも、ありがとう」

 

俺はこの世界がアニメの世界だと知っているから割り切っている部分もある。最初からこの世界に生きていたら、受け入れられたかどうかはわからない。だから、感謝される資格などない。

 

「次は、私やな。翔悟君、私が足が不自由な理由なんだと思う?」

 

「病気か?」

 

「もしくはリンカーコアの異常ですね」

 

さっきまで、静かに聞いていたシーニーだがここで口を開いた。

 

「そうなのか?」

 

「まあ、そういう事例があるとは伺いましたが」

 

「正解や、シーニーさん。今は回復しとるし、今年からは学校にも行けると思う」

 

「はやての足に何か関係がある話なのか?」

 

「私のデバイス、夜天の書のことについてなんやけど、前は闇の書なんて呼ばれておったんよ」

 

“闇の書”。それは全666頁を埋めることによって強大な力が手に入る。もとは“夜天の書”だったらしいが、歴代の所有者によって改造され“闇の書”となった。“闇の書”は、はやてのリンカーコアを侵食し、死へ至らしめようとした。

 

回避する方法は、誰かのリンカーコアを蒐集し、全ての頁をうめることだった。最初はやては、そのことを拒否していたが、ヴォルケンリッターがはやてを救うため蒐集を開始。その過程で、なのは達と戦闘。なのはとフェイトはそのときに蒐集された。

 

そして、全ての頁が埋まりはやては“闇の書”に取り込まれてしまう。はやてを救うため戦っていると、原因が“闇の書”の中にある暴走した防衛プログラム“闇の書の闇”であることが判明。はやてが、それを管制人格であるリインフォースから引き離した。

 

なのは達は夜天の主となったはやて共に戦い、“闇の書の闇”を破壊した。その戦いはとても辛いものだったらしい。

 

リインフォースを切り離す時にリインフォースは力の大半を失い、あと数ヵ月で消えてしまう。

 

「私達はな、色んなことがあったんや。辛いのことも、悲しいことも。もちろん、楽しいことも、仰山あった。これが私達が翔悟君に話したかったことや」

 

「そうか......」

 

こういう話をされると、自分のことも話すのが道理なのだろうがあいにく、俺のことで話せることは何もないけど

 

「まあ、俺もそれなりに辛い人生は送ってきたかな」

 

どんな、とは言えないが。

 

「それって、人が信じられないって話?」

 

「っ! 驚いたな、そんなこと話したことないはずだけど?」

 

まずその時は昔だし、前世のことだ。誰も知るはずがない。まさか......

 

「戦ったんだよ、翔悟の闇の欠片と」

 

俺の闇の欠片。あれか、“嫌気の怠惰”を持った昔の俺を極端にしたヤツ。

 

「無理してでも、倒すべきだったかなぁ。めんどくさいことになる前に」

 

「人を信じなきゃ駄目だって言ったら、言われたよ、翔悟の闇の欠片に。『本物に言え』って」

 

まさか、フェイトと戦っていたとはな。しかし、よくわからない、捨て台詞だな。

 

「翔悟君は今も......人を信じれないん?」

 

「怖いだけだよ、人と接するのがね。信じられなかったのは昔の話だ。お前らが気にすることじゃぁない」

 

「でも......」

 

「あー、はいはい。暗い話はここで終わり」

 

このままだと、本当にめんどくさくなりそうなので、打ち切る。昔の話とかするのも、聞かれるのも俺は嫌だ。トラウマだしね。

 

「シーニー、行くぞ」

 

ここにいても、しつこく聞かれそうだからどこか行くか。あ、アミタさんにでも話聞きに行こう。

 

「ロード翔悟」

 

「あ?」

 

「良かったんですか? あんな風に話を終わらせて」

 

「昔のことだから、あいつらには関係ない、話す気もない。結局U‐Dについて話せなかったな。あと、未来人」

 

あいつらは基本、お節介というか世話焼きだから。話せば色々してくるんだろうけど、それもなんか受け入れがたい。

 

「今も昔も、そんなに俺は変わってねぇか」

 

「なにか言いましたか?」

 

「なんでもない」

 

話しながら、医務室に入っていくと

 

「あら、翔悟君。どうしたの?」

 

「翔悟君、久しぶり」

 

マリーさんとシャマル先生がいた。

 

「えっと、アミタさんに話でも聞こうかなと思って」

 

俺のイメージだが、シャマル先生は家庭的なお姉さんという感じがする。料理は壊滅的らしいけど。マリーさんには前に“大罪武装”を見せてあげた。構造がよくわからない、と言っていた。

 

「私達も今話をしていたのよ」

 

「はじめまして、翔悟さん」

 

「ああ、どうも。はじめまして、アミタさん」

 

この人確か、熱血系の人だっけ?そこだけ、覚えている。

 

「じゃあ、また最初から」

 

アミタさんの話を要約すると、

 

①アミタさん達の故郷、“エルトリア”に死触という現象が起きている。

 

②アミタさん達の産みの親、フローリアン博士は阻止しようと頑張っているが、病気で死んでしまうかもしれない。

 

③なら死ぬ前に救われた世界を見せてあげよう、とキリエさんがU‐Dの持つ“エグザミア”を貰うために、時間移動で過去へ

 

④博士は時間移動をするのを認めていないので、アミタさんはキリエさんを止めようと、過去へ

 

⑤そしたら、他の未来の人も巻き込まれて時間移動してしまった

 

⑥U‐Dを復活させたけど、強すぎて逆に返り討ち

 

と、まぁこんな感じ

 

「時間移動とか何年先の技術だよ、22世紀?」

 

「時間移動は私達の体にも負担がかかるので」

 

「多用はできないってか」

 

つまり、失敗したからもう一度チャレンジ! 何てことはできないし、使えばその時間移動の装置も壊れるから、一度きりのチャンスというわけだ。

 

「問題はU‐Dですね」

 

「すいません、妹がご迷惑をおかけして」

 

「いえ、人間誰でも間違いはありますから」

 

「私達はギアーズなんですけどね」

 

シーニー、間違いって次元を越えてるだろ。でも、親を救いたいと思うのは誰でも一緒か。

 

「U‐Dについては皆頑張ってるんで大丈夫だと思うけどね」

 

とりあえず、話は終わったので立ち上がる。

 

「翔悟君、どこか行くの?」

 

「ちょっ寝ようかなって思って」

 

「翔悟君、働きすぎだものね。ここで寝ていく?」

 

「いや、病人じゃないんで。それじゃ」

 

医務室を出て目指すは仮眠室。最近あるのを知った。

 

「翔悟か」

 

「お、クロノ。収穫はあったみたいだね」

 

行く途中でクロノに会った。なのは達もいる。

 

「実は君に話がある」

 

「え?」

 

何だろう? 前にクロノの分のケーキ食べたことかな。なわけないか。

 

「マテリアル達から、U‐Dを倒すための方法を教えてもらった。プログラムカートリッジだ。これからその調整とかをするんだが」

 

「カートリッジっつーと、なのはとフェイト、シグナムとヴィータだけじゃね?」

 

デバイスにカートリッジシステムがあるのは、それだけだ。俺のデバイスにはない。

 

「いや、デバイスではなく、君の“大罪武装”の力を貸してほしい」

 

“大罪武装”は大量破壊兵器。確かにU‐Dには効果的かもしれない。だが

 

「俺、超過駆動できるほど魔力残ってねえよ?」

 

「だから、君には少し休んでいてほしい」

 

「俺も仮眠でもとろうかと思ってたしね。一発分の魔力は回復しとくさ」

 

「そうか。なら、頼む」

 

今から調整というか恐らく模擬戦でもやるんだろうな。プログラムカートリッジって結構強いんじゃなかったっけ?

 

「シーニー」

 

「はい、ロード翔悟」

 

「他の“大罪武装”よろしくな」

 

「了解しました」

 

 

 

解決はもうすぐ。まずは魔力回復から。




Forceの転生ものを書きたいな、と思う今日この頃。
それに反して、D×Dの執筆意欲が......
感想、アドバイスなどよろしくお願いいたします。


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13話:変わるべき今 GOD

更新を一ヶ月以上空けてしまい、申し訳ありません。
今後も、よろしくお願いいたします。


 久しぶりに、見るあの頃。

 

 何もかもが信じられなかった、あの頃。ただ毎日を自堕落に、作業のように過ごしていたあの頃を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねー、次なんだっけー?」

 

「体育じゃね?」

 

「いや、2か月で終わると思うぜー」

 

「いや、一年は続けてみせるから!」

 

 今は、授業と授業との合間の時間。この中学校では、俗に10分休みと呼ばれているこの時間。

 

 次の授業の準備をする二人組、最近付き合い始めた、女子に関しての話をする男子達、その他にも好きな漫画やアニメ、ゲームの話をする者、寒くなってきたためか、暖房の近くに集まり談笑する女子達もいた。

 

(次は体育か……)

 

 周りの発言から次の授業を知り、準備をする。俺の学校の冬の体育は柔道だった。

 

(納豆にネギ入れて、白米にかけて食いてえ……)

 

 あの頃の俺は、周りの行動に流されていた。しかし、それでも馴染むことはなかった。

 

「さっみー!」

 

「早く、ヒーターの所に行こうぜ!」

 

 冬の体育館の床は冷たい。俺は剣道で慣れているが――柔道は畳の上だからその分、冷たくはないと思う――周りの人間達はそうではないようだ。

 

 畳は授業の度に敷かねばならない。ノルマは1人に2枚ほど。ちゃんと2枚運ぶ人間と、1枚運ぶ、もしくは運ばない人間がいるのはいつものことだ。俺は後者だった、1枚運ぶ方の。

 

 俺はどうしても、集団で何かをする、ということが出来なかった。班行動なりなんなり。よく今まで生きてこれたものだ。

 

 「それじゃあ、整列して!」

 

 体育教師の呼び掛けに応じ、畳の上に正座をして並ぶ。

 

「あー、1人余るなあ」

 

「そうだなあ、誰が余るかなあ」

 

 クラスの男子が2人、期待するような目で俺をチラチラ見ていた。いつも、仲の良い2人組。ストレートに言えばいいものを。仕方のない。

 

「俺、余るよ」

 

「おお! マジサンキュー!」

 

 俺のクラスには1人、不登校のやつがいた。いじめなどではなく、単純に学校に来るのが面倒さいだけらしい。つまりだ、そいつが来ないと男子の人数が奇数になり、二列になると余ってしまう。しかも、半永久的に。クラスの人間達は仲の良いやつと、一緒にやりたがる。だから、俺が余ればその様にできる。

 

(俺も助かるっちゃあ、助かるんだけどね……)

 

 俺は柔道があまり好きではなかった。痛いのは人間誰でも好きではないだろう。剣道のは我慢できるが、柔道は慣れなかった。打ち所が悪いと、下半身不随になったり、最悪死ぬというのもあまり、やる気にならない要因だった。ただの俺のワガママだが、この状況は少しありがたかった。無論、余れば3人で組まされるが、そこはどうとでもごまかせる。余らない状況ではしかたがないので、ちゃんとやっているし。

 

(早く、終わんないかなあ……)

 

 別に俺は、このクラスでいじめられていたり、省られているわけではない 。俺が周りに馴染めていないだけだ。しかし、もうこの状況を変えるには遅すぎる。それこそ、違う運命を辿らなければ不可能だろう。

 

 この頃を思い出す度に、俺は思う。

 

 俺は一体、何をするためにこんな所にいるのだろう、と。

 

 勉強するためだろうが、そこにはなんの生産性もなかった。人間性、社会性、協調性…………。そんなものは、学べなかった。

 

 これが、俺の思い出したくなくても思い出してしまう、忌々しい記憶。俺が、今の俺である原因を作った過去。この世界でも夢に見てしまう、最悪の過去だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

(ったく、最悪な夢見ちまった……)

 

 なのは達とさっき話したせいで、夢に見てしまったのかもしれない。その時にいるかの様に鮮明で、それでいて第三者の視点から眺めている様な不思議な夢だった。

 

 あの少女達は、良い人達だ。もちろん、シグナム達ヴォルケンリッターの皆も。ただ、なのは達は少し、強情で頑固だ。そこは少し困る。善意でやっているのかもしれないが、触れられたくないことはある。それに…………まだ、信じきれないんだよなぁ。

 

 やっぱり、どうしても人間を信じることは今でもそう簡単には出来なかった。心の奥底では信じきれてはいない。こんな自分が嫌になる。それでも、どうして俺がこんな風になったのかも、よくわからない。故に、対処のしようがなかった。

 

「起きられましたか。御加減は如何ですか? ロード翔悟」

 

 そんな風に俺が暗くなっていると隣から声が。何故か、妙に近い。

 

 

「なーんも、変わり…………シーニー、なんで隣に寝てんの?」

 

「添い寝ですが、何か?」

 

 隣にはシーニーが寝ていた。いや、確かに添い寝とか男子が憧れているだろうけどさ、今やることじゃなくね?

 

「添い寝って、いや何故?」

 

「貴方がうなされていたもので、つい。そしたら、止まりましたが」

 

 なにそれ、超はずかしい。しかも、うなされてたのかよ……。めんどくさいことになりそうだ。

 

「どうなさったのですか? 何か怖い夢でも?」

 

「なんでもねえよ」

 

「なんでもないはずがないです。正直に言ってください」

 

 ほら、めんどくさいことになった。あまり、根掘り葉掘り聞かれて気持ちの良いものでもない。ただ、それで引き下がるシーニーではなかった。

 

「正直に言ってください!」

 

「…………」

 

 見つめ合う俺とシーニー。寝ながら何をしているのだろう。見つめ合うといっても、そこに甘い雰囲気などは有るはずはなく、ただの一触即発の様な空気が有るだけだ。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「あーっ、もう! わかったよ、話せば良いんだろ、話せば!」

 

 俺は結局、折れてしまった。俺は家族には甘い。ただでさえ、孤立していたのに家庭でさえ孤立してしまうのは怖かったし、避けたかった。シーニーは形はどうであれ、この世界での俺の唯一の家族。隠すなんて、無理だった。それに、シーニーには色々世話になってるしね。ああ、鋼の心が欲しい……。

 

「前から思ってたけどシーニー、俺の姉ちゃんと少し似てるな」

 

「貴方の姉、ですか?」

 

「そうそう。料理はシーニーほど出来ないけど、雰囲気とか俺が黙るとじっと見つめてきて、喋らせようとする所とかね」

 

 俺の姉は、体が弱かった。持病も持っていたし。冗談で「添い寝する?」とか言ってたのも一緒だな。仲は……悪くはなかっただろう、多分。喧嘩は時々してたけど。

 

「貴方が言わないからです」

 

「人間誰しも、聞かれたくないことの1つや2つ、あるもんだよ。シーニーだってそうだろう」

 

「私は融合機なので、よくわからないです」

 

「お前………人間だろ? 融合機とかそんなの関係ないの。ここに存在してるし、人間なの」

 

 こいつは……。変なところで自分のことを持ち出す。俺にとって、シーニーが融合機とか人間だとか考えたことはないが、融合機だから~、と言うのは、なんかやめて欲しい。いいじゃん、区別なんかしなくて。

 

「そういうものなのですか?」

 

「そうだ!」

 

 そう、そういうものだ。ぜっっっっったいに! 忘れないで欲しい。

 

「話が逸れましたね。それではお聞かせ願えますか?」

 

「俺が見てた夢は、昔のことだよ。中学生の頃の夢をね……」

 

 体を起こして、話し始める。

 

 本当に、思い出したくもない。俺のトラウマ。あの頃があったから、俺は人と接するのに拒絶感を感じるようになった。その前にからも兆候は有ったが、本格的になったのは中学生の頃からだろう。人生って、一ヶ所で転ぶと後々着いてくるな。

 

「出来れば夢の内容を伺いたいところですが……今はやめときます。とても、辛そうなお顔をしてますから」

 

「あ……そうしてもらえると助かるかな」

 

 シーニーのこういう所は好きだ。俺の本当に嫌なことは強要しない。本当に姉そっくり。

 

「ですが、何故話してくれたのですか? 嫌なら、だんまりを決め込むことも出来たでしょうに」

 

 これは、言いづらいというか恥ずかしい。でも、言わないとまた聞かれるんだろうなぁ。

 

「家族だから……」

 

「あの、もう一度。よく、聞こえません」

 

 冗談でもなく、本当に聞こえないのだろう。小さく言い過ぎた。だから、今度は大きな声で。

 

「家族だからだよ。家族にはあんま隠し事はしたくねえんだよ」

 

「家族ですか……」

 

「そう。シーニーは俺にとって、母さんで、姉で、妹は無理があるけど……家族なんだよ。だから、大事にはしたいんだ。シーニーはどうなんだ?」

 

 そうすると、シーニーは俺の目を見て、真っ直ぐに

 

「私にとって貴方は、仕えるべき主であり、お守べきかけがえのない存在です」

 

 そして、とシーニーは突然、真面目な顔から笑顔になって、

 

「可愛い弟みたいな、大切な家族です

! でも、フェイトさん達とも仲良くしてください。フェイトさん達とも貴方ならすぐに仲良くなれます。そうすれば、昔のことなんて大丈夫です!」

 

 家族と言ってくれたのは嬉しかった。でも、仲良くとか少しハードル高いぞ。

 

「簡単に言うけどさ……」

 

「大丈夫です、貴方なら。私にも、こんなに優しくしてくれているのですから」

 

 シーニーの顔には不安なんて見られなかった。有るのは自信だけ。そこまで、俺を信じてくれているのか。

 

「うん……まあ、頑張ってみる」

 

「はい!」

 

 変われるわけがないと思っていた、今の自分。この世界でなら、変われるかもしれない。今こそ、変わるべきなのかもしれない。

 

 負け続きな今の俺。でも、勝てるかもしれない。そう、自分自身に…………。




StrikerSの構想はかなり有るのですが、肝心の今の話の執筆があまり進まないです。

試験があるので、次の投稿は12月に入ってからになると思います。今度は期間を空けないで投稿できるようにします。

感想、アドバイスなどよろしくお願いいたします。


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