豪快で伝説な金属質な魔王の転生者

1話

「ここは、何処だ？」

辺り一面真っ暗な空間に一人の男が佇んでいた。

色白い肌に黒い長髪。

その姿はまさに、某カードゲームの黒い死神に似ていた。

「よう、見てたぜお前の人生」

何処からともなく、某赤い果実が好きな死神のような奴が姿を現した。

「何だ、お前は？」

「オレか。オレは悪魔さ。お前を観察し、お前の悪としての人生を見ていたんだ」

すると男はニヤリと笑った。

「そうか。するとお前がオレを地獄に連れていくのか？」

すると悪魔もニヤリと笑い返していた。

「いや、それよりも面白いことさ」

「何をするんだ？」

「お前を転生させる。本来なら神や天使が行うが、悪魔のオレがやってはいけないという決まりはない。有ったとしても、悪魔であるオレが守るはずもないがな」

「それもそうだな」

そして二人は笑いあった。

笑い終えると悪魔は６面のサイコロとトランプのカードような物の束を持ってきた。

「まずはサイコロを降りな。その後、出た目の分上から捲れ。それがお前の転生特典になる」

「なるほど」

悪魔がカードの束をシャッフルする横で男はサイコロを降った。

出た目はどういうわけか割れて７だった。

「お前、どうなんだよこれ。珍しい事もあるんだな」

「ろくでもない奴だって事だろ」

「まぁ出た結果がこれだ。７枚捲りな」

男はそう言われ、捲ってみた。

１枚目　全仮面ライダーの技、能力、及びに武器の召喚。(ダークライダーを含む)

２枚目　全スーパー戦隊の技、能力、及びに武器の召喚。(悪の戦隊を含む)

３枚目　全メタルヒーローの技、能力、及びに武器の召喚。(ダークヒーローも含む)

４枚目　全プリキュアの能力、アイテム及び、技が使える。(ダークプリキュアを含む)

５枚目　不老不死(ただし二十歳から)

６枚目　病気には絶対にならない。

７枚目　これらの能力はコピーされないし、無効化及び、奪うこともできない。

これらのカードを見て悪魔は大笑いしていた。

「こいつは傑作だ。本来なら英雄(ヒーロー)が仕様する能力を悪役(ヒール)が使うんだからな」

「それで、俺は何の世界に転生するんだ？」

「それは、僕のヒーローアカデミアの世界だ」

「分かった。早速転生させてくれ」

「気の早い奴だ。まぁ次の人生を思いっきり楽しみな」

「ああ、そうだな」

男はそう言うと、悪魔が作った、銀色のオーロラのような物を潜り抜けた。

「さて、今度はどんな面白いことを見せてくれる。伝鋼(でんこう)豪魔(ごうま)」

悪魔は嬉しそうに笑っていた。