ガーリー・エアフォース RTA 難易度ACE COMBAT (TLS中毒患者)
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オープニング  君がいない空

規約上1年以上経っているので、こちらにもかつて合同誌Ⅱで掲載させて頂いた本RTAのオープニング該当部分を掲載致します。


 男は夢を、夢を見ていた。

 それは、あの日大切な何かを失ってしまった夢。

 

 記憶に今でも鮮明に焼き付いているペールピンクの髪の少女がコックピットの中で笑う。人類はやり直せるから、と。

 男は手を伸ばす。しかし、射出座席により機体外に排出され、突然として彼女は視界の彼方に急速に消えていく。

 喉が枯れるまで彼女の名前を読んだあの痛みが、肌を突き刺すような上空の風の感覚が、輪郭が溶けていく彼女の姿が、自分の頬を伝う熱い物が、様々な感覚さえも曖昧になる中、一つの言葉だけがハッキリと聞こえる。

 

 

 

 『慧、新たな時代(ノヴァ・エラ)を』

 

 

 

 だが、彼女が人類の未来に希望を見出して紡いだその言葉は、呪いとなって男を苦しめていた。

 

 

 「うわああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

 男は悲鳴と共に自室で目覚めた。全身を伝う酷い冷や汗がじっとりとシーツを濡らしている。呼吸もまるで全力疾走した後の様に荒い。今しがた見た夢の内容のせいか、それとも元々自衛隊に所属していた賜物か、男の思考は寝起きにしてはハッキリとしており、現状をすぐに理解した。

 

 「畜生……またあの夢か……」

 

 そう忌々し気に毒づきながらも、蛍橋慧元一等空尉は布団から出ると面倒そうにそれらの後片付けを始めた。そう、彼はもう自衛隊には所属していないので現在は孤独の身の上だ。しかし、自衛隊時代の貯蓄もあり、近所のスーパーマーケットで身を埋めている程度の収入でも、この安普請のアパートで一人暮らしをする分には差支えが無い。

 

 「ったく、休日の朝一から景気の悪いもの見ちまったな……」

 

 窓を開けて布団をベランダに干し、寝汗で汚れたシーツを洗濯機に放り込みながら、蛍橋は呟く。

 この新居に身を移して早数年、新しい生活様式にも順応し、先ほどの悪夢はここの所見る事が無かったのだが、何故だか今日は見てしまった。

 

 そう、まさしく悪夢。

 

 蛍橋慧にとって、あの日の出来事は今でも鮮明に焼き付いている。自分の大切な人を失い、引き換えにザイの脅威が人類から去ったあの日の事を。

 回収され、帰国してからは全国民から英雄扱いされて二階級特進、他の基地でも行われた航空ショーには常に引っ張りだこで、何度かバラエティー番組にも出演を強要させられたが、正直彼にとってはどうでもいい事である上に決して快い物では無かった。

 それを見ない様に、それから逃げる様にして蛍橋は自衛隊を辞め、こうして今は平和に暮らしている。

 

 平和。

 

 それをこの男に言うのであればそうなのだろう。決まった時間に職場に向かい、仕事をこなし、帰宅する、その繰り返し。蛍橋慧は、そんな変わり映えの無い日常生活を手に入れた。

 だが、世界に対して言うのであれば、そう言うよりは元に戻った、と言った方が正しいのかもしれない。今日もどこかで小競り合いの紛争は起き、付けっぱなしのTVからは未だ解決の済んでいないエネルギー資源や環境の問題に対して専門家とコメンテイターが意見を交わしている声が垂れ流されている。

 あの戦いから六年経った今でも、人は、世界は、ザイが襲来する前から何もその本質を変えてはいなかった。

 

 (こんな代わり映えの無い世界に本当に未来なんてあるのかよ、なぁ? グリペン)

 

 ベランダから空を見上げながら、蛍橋は胸中で呟く。もう上がる事は無いと決めた空は、皮肉にも彼の胸中とは裏腹に雲一つなく澄み渡っていた。

 幸い今日はこんな良く晴れた日だ、これなら洗濯物もすぐ乾くだろう。洗濯機の駆動が終わり、洗濯カゴに洗濯物を移している最中の出来事だった。

 

 突然として呼び鈴が鳴る。なんだ? 明華が遊び相手にさせるつもりでまた子供でも預けに来たのか? そう訝しんで蛍橋が扉を開けると、そこにいたのは彼の想定を遥かに上回った人物だった。

 その風貌は六年経った今でもあまり変わらない、いや、それよりも痩せこけて見えたが、見間違いようがない。

 

 「知寄……技官……?」

 

 「久しぶりだな、蛍橋元一等空尉。かつての英雄の新居にしては随分地味で貧相じゃないか。お陰で探すのに手間取ったよ」

 

 知寄蒔絵、かつて蛍橋を彼女のチームにスカウトし、グリペンと巡り合わせた張本人。彼女の所属していた特別技術研究室は去年規模が縮小され、一部チームが解散になったと言う話は噂程度には聞いてはいたが、その室長ともあろう彼女が自分を探していたと言えば、思い当たる節は一つしかない。そしてそれは、今の彼にとっては忌避しい物となっていた。

 

 「……悪いが帰ってくれ。俺はもう、空に上がるつもりは無い」

 

 「そう言う人の話を最後まで聞かない所は相変わらずな様で何よりだ。ならばこれだけでも見て欲しい」

 

 そう言って知寄は鞄からタブレット端末を取り出すと、一枚の航空写真を見せる。その中身を見て、蛍橋は絶句した。

 それは、一枚の衛星写真だった。しかし、その写真に描かれた半径7㎞の金属質の球体オブジェクトは今でも蛍橋の脳裏に焼き付いている。あの日、彼女がその身を挺して停止、消滅させた筈のザイの発生源《球殻》。それが、ごく最近の日付で再び同じ場所に出現したと言うのだ。

 

 「はっ……随分たちの悪い合成写真じゃないか。久々に会ったジョークにしては、キツ過ぎるんじゃないか?」

 

 「現実逃避したいなら勝手にしたまえ。ただ、君が先日発足した私の新たなプロジェクトに加担するしないに関わらず、コレだけは言っておくつもりだった……っ」

 

 蒔絵は柄にもなく全力疾走してきた代償か、突如と両足をもつれさせた。蛍橋は咄嗟にその彼女を支えると、そのまま帰すのもバツが悪いと思い、「茶くらいは出す」と彼女をリビングへと招き入れる。

 出された茶を飲み、一服済ませると、蒔絵は前によく浮かべたあの冷笑では無く、どこか微笑ましい様子で笑う。

 

 「流石の君も、少しは丸くなったようだな。あの頃の君なら到底考えられんよ」

 

 「御託は良い。それで、俺に何をさせるつもりだったんだ?」

 

 「君に今見せた《球殻》だが、あの頃と違いザイの発生自体はしていない。ただ、《球殻》だけが突如として現れた、と言った次第だ。まだ報道規制もかかっているから公にはなっていないがね。そこで、国はオペレーションCの功労者である私と君を槍玉に挙げた訳だが、聞けば君は航空自衛隊を自主退役したそうじゃないか。とは言え、拉致しようにも事を荒立てられるのはスマートじゃない。だからこそ、こうして私が直々に出向いてやったと言う訳だ、感謝したまえよ?」

 

 荒立てられる、の部分を強調して言われた気がするが、それは蛍橋の過去の経歴からしての予想だろう。蛍橋は別に腹を立てる訳でも無く、呆れながらも話の本題が見えない、と続きを言うように彼女に促す。

 

 「私はあれの調査を命じられていてね。近々モンゴルにまで長期出張する予定だ。そこで、君に再び私のチームに所属して貰いたい」

 

 「何故その《球殻》の調査に俺が必要なんだ? アイツがいない今、俺はただの一介の元パイロットに過ぎないだろう?」

 

 「一つ、君はその一介のパイロットの中では最もアニマに理解がある。二つ、ブランクこそあるが君の操縦技術の高さは折り紙付きだ。そして、この写真を見れば、君はこの依頼を絶対に断れない」

 

 そう言って、蒔絵はよりアップで撮影された《球殻》を表示させると、その更に一部分をズームして拡大させる。

 その拡大部位の中央には金属質の多層構造の球殻の中に、一際赤く輝く点があった。

 《球殻》、赤、この二つのキーワードが彼女を思い立たせない筈も無く、蛍橋はポツリと呟く。

 

 「これが……グリペンだって言うのか……?」

 

 「恐らくはな。幸い、ザイが出現していないという事は彼女にプログラミングした時間遡行プログラムは上手く機能していると考えて良い。が、我々はバグチェックの意味合いも兼ねてこの特異点……いや、グリペンの調査、可能であればサルベージも試みるつもりだ」

 

 一度言葉を切り、蒔絵は新しい煙草を箱から取り出して火を付け、ゆっくりと紫煙を吐く。

 

 「この調査には残されたザイのコアから新たなアニマを作成し、投入予定をする予定だが、生憎とアメリカのライノの様に自立稼働させるだけでは心許無い。そこで、君にはそのアニマのパートナーになって貰いたいのだが……どうかね?」

 

 蒔絵は言外にこう言っていた。

 

 君が同行してくれるならグリペンにもう一度会えるかもしれない、と。

 

 もう二度と飛ぶ事は無い、と。そう決めていた彼の決意を打ち砕くには、十分過ぎる条件だった。

 

 そして蛍橋は、再び彼女と契約を交わした。 

 

 

 ……数年後…… モンゴル <球殻>観測基地

 

 

 「やはりどうしても君自身の手で行くのかい? 三尉」

 

 

 活動を停止してもう10年にもなる《球殻》。その観測基地に、姿はほぼ変わらずとも文字通り人間を、蛍橋慧であることを止めた男のアニマはいた。

 彼がかつて蛍橋慧であった頃と変わらぬ記憶を持ちながらも、その身体は繰り返された人体改造により既に人と呼べるものでは無く、脊椎や胸部の外科手術で外付けにされた剥き出しのコアの事もあり、どちらかと言えばアニマに近い。

 そんな自分への自虐を込めてか、それとももう自衛隊所属では無い自分の現状を正直に言ったか、知寄技官の言葉に対して苦々し気に返す。

 

 「……もう俺は、三尉じゃねえよ」

 

 「済まない、昔の癖でね。確かに今の君は三尉のアニマとして生まれ変わっている。シミュレート上では球殻に飛び込んだら即本質に還元、なんて事は無い筈だ。だが根源たるものが唯の一個人と言う関係上、彼女たちよりは長くは持たないだろう」

 

 「その前に連れ戻すだけだ」

 

 「例えその行動が、世界を敵に回すかもしれないとしても?」

 

 「俺には世界を敵に回す事よりも、あの時彼女に手を伸ばせなかった事の方が辛い」

 

 そう言って、蛍橋慧のアニマは手を球殻に向けて伸ばす。三階建ての建物のこの屋上から見れば手の中にでも納まりそうな大きさだ。もっとも、実際には数km規模の大きさなのだが。

 

 「君は……いや、彼はいつもそれを抱えて生きてきた……と、分かった。ならば彼女も連れて行くと良い」

 

 本来はこちらがメインプランだったんだがな、と言いながら知寄技官の紹介で傍に招かれたのは、灰色髪のアニマの少女だった。

 何でも、残されたザイのコアより作り出された最新にして最後のアニマだと言う。当初案として今回の《球殻》の調査は彼女単体で全面的に担う予定だったのだが、当初予定していたアニマの開発の遅れ、蛍橋きっての強い要望と知寄技官の提案により、かつてアニマとの関わりが最も深い人物である蛍橋慧をアニマ化し、メイン運用する方針に変えられたらしい。

 

 自分の知らぬ計画の全容をこんなタイミングで話された事に蛍橋のアニマが呻いていると、技術員の一人が準備完了の旨を伝える。それに頷くと、観測施設前に備えられた格納庫へと向かい、灰色髪のアニマと共に機体に乗り込んだ。

 

 「出発前の確認で言っておくが、タイムリミットは君が蛍橋慧として覚えられなくなったその時だ。最も、それが分かっててもすぐこちらに戻って来られるとは限らないがね」

 

 「ならば一発で成功させればいいだけの話だろう? アイツのサルベージを」

 

 「あくまで今回の目的は調査、探索である事を忘れないでおくれよ? 彼女のサルベージははっきり言って蛍橋慧を釣る為の餌、所謂ついでと言う奴だ」

 

 「命令で禁止されてる訳じゃないから、やった所で問題は無い筈だ」

 

 全く……と相変わらず彼女の事になると周りがどこか見えなくなる彼に嘆息を吐く知寄技官の声をバックに、蛍橋慧のアニマは機体とのダイレクトリンク、機器の調整などを済ませていく。内装はかつてのドーター、特に『この世界』では珍しい単座、自立稼働型であるライノのそれと近しいインターフェイスを持つが、NFIのパネルは座席の背もたれ部分にしか施されておらず、通常の操縦桿が存在するハイブリット仕様となっている。

 

 赤い機体、単発エンジンのデルタ翼と、かつて蛍橋慧が搭乗していたあの機体を彷彿とさせるシルエットだが、ザイ由来の技術を用いた他にも、様々なアップデートが施された正真正銘のワンオフ機。

 

 「特異点への突入準備、整いました」

 

 「了解した……BARBIE01 クリアードフォー、テイクオフ」

 

 隣の<翼竜>と呼ばれる試作機体に乗っている灰色髪のアニマの合図でモンゴルの空を再び飛ぶ赤い機体。やがて砂漠へと飛翔した二機は、巨大なガラスのオブジェクトに向けて進路を取る。

 

 それは彼女が、グリペンが文字通り身を挺して停止させた人類の厄災の中枢、〈球殻〉。

 

 自分は今からそれを無駄にしてしまう可能性がある。もしかしたら、再びザイが活動するトリガーになるかもしれない。

 

 

 

 

 それでも

 

 

 

 

 「お前が隣にいない世界で未来は……俺には作れそうにないよ」

 

 

 

 刹那、機体の先端が《球殻》に触れ、蛍橋慧のアニマの視界が真っ白に染まった。

 

 

 そして、長い旅路が幕を開ける。



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キャラクリ~尋問

 (RTA小説は)初投稿です。

 八巻九巻辺りを読んでいたら自分の中でグリペン走者説が浮上してしまったので勢いで書きました。

 原作ファンの皆様、すいません許してください何にもしませんから!!

 


 はーい。よーいスタート(棒読み)。

 正しい選択(正しいとは限らない)をして人類とアニマを救済するRTAはーじまーるよー。

 

 

 計測開始は難易度を選択してから。計測終了はエンディング後の「The End」が表示されるまでとします。

 

 レギュレーションは難易度Hardクリア後に出現する難易度ACE COMBATでのトゥルーエンドクリアです。要するに、ラストミッション前まで主要キャラを誰一人(・・・)死なせる事なく、尚且つ行動不能時期(・・・・・・)を作ってはいけない(戒め)という事ですね。

 

 この難易度ではシナリオにエースコンバット要素が混ざっており、ユリシーズ小惑星群が落ちてきて地球壊れちゃーう、な事になっていたりとか、その影響かザイの登場までの年月が本編より遅かったりしていますが、NRTN君を始めとした登場人物の年齢は本編と変わりません。まぁ、(パラレルワールドだし)多少はね?

 本ゲームは通常シナリオでも相も変わらず内ゲバの多いお偉方や、衝撃の事実に発狂して戦闘不能になるNRTN君等の鎖マン要素が多いですが、それでも尚、数えるのを止めたと豪語するほど幾多の試走を重ねて最適ルートを走り抜いた先人、GRPN姉貴には頭が上がりません。

 

 ちなみにこの難易度ACE COMBATでは既存の戦闘機だけではなく、当然の様に架空機体が幅を利かせています。

 ザイの数も増えて戦闘面でもキツイッシュな難易度ACE COMBATですが、架空機体にはbiim兵器やコンギョ(LSWM)等の常識を逸した高火力武装を装備した機体があるので、RTAでは積極的に括約させていきたいですね。

 

 さて、最初の難しい所さん。キャラクリです。

 

 本当はランダム生成が理論上最速なのですが、それだと自キャラが超高確率でTDN人間になったり既往戦闘機のアニマになったりします。アニマであれば日本所属になればワンチャンスあります。YSRDOR兄貴は神的にいい人ですのでリカバリーはまだ効くのですが、TDN兵士or一般通過学生(特殊技能持ち)程度ではそもそもトゥルーエンドを迎えるには力不足です。

 

 ですので……ここで狙うは唯一つ、ずばり架空機体のアニマです!!

 

 まずアニマの利点としてTDN兵士と比較した場合、耐G性能の限界値が無いので無茶苦茶な操作をしてもパイロットがダウンする事はありません。また、ミサイルと機銃の追従性が段違いに高いです。これがRTAにおいては戦闘パートを短縮する為に必要不可欠なんですね。

 

 また、同族という事でアニマ同士の好感度上昇値にプラス補正が掛かります。え? ラーストチュカ? 彼女はまぁ……NRTN君に任せましょう(丸投げ)。

 

 欠点としては、定期メンテナンスが必要なので自由行動時間に多少の制約が掛かりますが、それを差し引いても選ぶ価値はありますぜ。

 

 という訳で、アニマと人間の違いについて語ったので、いくつかの質問に答えて最後に名前入力です。

  

 名前は入力速度をある程度考慮してホーンデッド・モルガン。略してホモとします。

 

 今日のスペシャルゲストーッ!! は……やりました、やったんですよ、必死に!! その結果がこれなんです!!(BNAJ並感)

 

 

 種族:アニマ(架空機)

 

 所属:PMC

 

 使用機体:ADFX-02

 

 見た目:銀髪ロング、紅白のオッドアイ、やや長身。

 

 経歴:元PMCパイロット(男)だったが、ナニカサレタ結果アニマとなった。

 

 

 はい、勝ちました。やったぜ。(UC)

 試走では変態糞機動機体で有名なフォルネウスやカリバーンでも走ったのですが、足回りが良くてもどうしても外付けTLSを手に入れるまでは火力面で難儀していました。

 そこで狙ったのがファルケンやモルガン等と言ったTLS搭載機体です。名前に鷹か魔女に関するワードを咥え入れると抽選の候補に挙がってくれます。

 

 しかし、二号機というのがちょっと引っかかりますね。

 二号機は一号機と比べてステルス性能が高く、あのザイすらも騙せるほどの撹乱性をもつモルガナイトがあるのですが、TLSの威力と射程が一号機と比べて劣るという欠陥があります。

 RTAにおいてTLSの火力低下は痛いのですが……まぁ、いっか!! どうせ燃料気化弾頭使いますし。

 

 経歴も良いですね。純正アニマには機体とのシンクロ率で劣りますが、鬼門の一つである三章のとある攻撃の影響を受けずに済みます。しかも元野郎なのでNRTN君にメス堕ちさせられる心配もありません。

 

 ちなみにPMCやTDN兵士ではなく、一般通過市民がナニカサレタ場合だとアニマの特性こそ得られますが、メンタル面を中心に戦闘技能にマイナス補正が掛かります。本編でのMNHA姉貴とヴァイパー姉貴の融合ルートとかで顕著ですね。

 

 ちなみにTDN兵士になってしまった場合は、最初の戦闘で特定位置でわざと撃墜されることでワンチャン、ナニカサレテ強化人間になれますが、アニマに追随しかねない戦闘技能以外のステータスにおいてマイナス補正が掛かるバーサーカーと化すので、本レギュレーションでは却下だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 オープニングムービーはキャンセルだ。

 

 

 所属がPMCの場合、第一章では高確率で日本に雇われて小松基地に着任するところから始まります。一定確率で分岐するロシアルートだとロシア四人娘との好感度稼ぎはしやすいですが、5章まで続く防空任務以外が暇以外の何物でもない上にえらく戦闘がシビアなので僕は日本ルートの方が好きです(半ギレ)。

 

 さて、着任したら神的にいい人(YSRDOR兄貴)に挨拶しに行きましょう。この時に着ているジャケットの柄でどのPMC所属か分かります。

 今回はバーフォード率いるマーティネズ・セキュリティー社ですね。アローブレイズだと僚機は豊富ですが、自機体に回せる資金に余裕が無いのでリセです(いっ敗)。(RTAで僚機なんか)必要ねぇんだよ!!

 

 神的にいい人に挨拶を済ませたら基地内の探索に出ましょう。どうせ着任初日は襲撃イベントも無く暇ですしね。探索は食堂→シミュレーター室→第三格納庫→技本モニタールームの順に巡るとイベントが発生し、行先に旧海軍掩体壕が追加されます。神的にいい人曰く「面白い物が見られる」との事ですが……一体、何が見られるんでしょうかねぇ~?

 

 ちなみに第三格納庫に寄った際には自機である片翼が赤いADFX-02の周りをうろついている整備員にちゃんと話しかけ、TLSの調整を依頼しましょう。ここでこれを忘れると初戦闘で火力源であるTLSを縛る事になります(1敗)。

 

 さて、神的にいい人に言われた通り旧海軍の掩体壕に向かうと……あれぇ? 丘ピーポー?

 

 本来ならこの掩体壕の下にあるプロペラ機の裏でキーパーソンの一人、グリペン姉貴が眠っているはずなのですが、誰一人、来る事は無かったです……。

 

 「……誰?」

 

 しかし、困惑して思考停止している間に声を掛けられました。そこにいたのはペールピンクの髪とアメジストの瞳が可愛らしいグリペン姉貴です。

 あっ、そっかぁ……(突然の閃き)。どうやら探索の移動ルートを最適化し過ぎたせいで、彼女が昼寝している時間との鉢合わせにズレが生じてしまったようです。イキスギィ!!た最適化は新たなガバを生むって、それ、一番言われてるから。

 時間調整は後でチャートにちゃーんと書いておくとして、取りあえずここでは

 

 「おとなしく自己紹介をする」

 

 「はぐらかす」

 

 のコンボを選択します。ここで「神的にいい人の案内で来た」を選んでしまうと、グリペン姉貴の神的にいい人への信頼度が下がり、第一章での戦闘パートに影響が出ます。(無敗)

 

 一緒にお昼寝のイベントCGを回収したら今日はもうやる事はありません。さっさと宿舎に帰って寝ましょう。お休みー!!(KGYRN)

 

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 起きて―!!(KGYRN)

 

 はい、着任二日目……ではなく、まだ一日目の夜です。実はこの日、鎖マンとリカバリー要素を兼ねるNRTN君の襲来日なんですよね。ベッドから飛び起きたら急いで宿舎を出て基地の外縁部に向かいます。

 ここでの必須事項として、神的にいい人が派遣した拉致部隊より早く辿り付く必要がありますが、イベントトリガーを発生させるためには技本モニタールームに行って盗み聞きをする必要があります。盗み聞きをしたら猛ダッシュです。国家所属アニマだとスタミナ面に不安が残りますが、PMC所属アニマはスタミナ面が強いので常時ダッシュ余裕です。

 

 はい、外縁部に着いたら今夜は、帰したくない……のでNRTN君を黙らせて拉致るべく初戦闘です。

 

 ここでやる事は

 

 「声を掛けて気を逸らす」

 

 「懐に飛び込んで当身」

 

 です。当身コマンドは相手が軍人などの場合は入力難度が跳ね上がりますが、唯の一般通過高校生に後れを取るつもりは……ンアーッ!!(被弾)

 

 なんで? なんで? 今までこんな所さんでガバッた事無かったのになんで?

 

 何とか二人の無力化には成功はしましたが、お米様抱っこで二人を担ぎながら移動する間に念のためポーズを開いて詳細ステータスをチェックします。

 どうやらスタミナ重視ビルドが災いして素早さがやや犠牲になっていたようです。ちなみにキャラステの割り振りは種族と最初の質問で決まります。「我慢する」の選択肢がある質問で全てそれを選べばスタミナ特化型にすることは容易です。

 

 因みにスタミナガン振りビルドは今回が初です。だから、今まで被弾しなかったところで被弾したんですね(メガトン構文)。

 ここまで微ガバが含まれますが、今回のビルドが良い事もあってこの先がノーミスの可能性があるのでRTAは続行します。

 

 二人を第三格納庫まで運んだら神的にいい人からの質問には

 

 「実は聞いていた」

 

 と答えましょう。バーフォードからは呆れられますが、八代通からの評価が少し上がります。

 最後に神的にいい人からの評価が少しでも上がっていると出現する選択肢

 

 「尋問(笑)は自分が行う」

  

 を選択して今回はここまでです。小時間の拝読、ありがとうございました。 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「レディィィィィス エェェェンド ジェントルメェェェェェン!! さてさて、カップルを装ってスパイ活動とは随分とまぁ良いご身分だなぁ、おいィ?」

 

 被せられた布を取り払われ、サーチライトに照らされる。眩しすぎてよく見えないが、そこにいたのは確かにあの時俺を襲った少女だった。サーチライトの光を反射して煌びやかに光る銀髪と、整った輪郭だけがうっすらと見える。

 しかし、ややハスキーな声の少女は芝居がかった動作で両手を広げたかと思うと、すぐさまガチャリ、と何かを鳴らした。恐らくは拳銃の撃鉄。

 

 「ちっ、ちがっ、俺達は……っ!!」

 

 「で、テメェらの所属は? ロシアか? CIAか? はたまたフリーランスって線もあるなぁ。コイツの情報は確かに高く売れる。どこまで掴んだんだ? えぇ? ガキンチョスパイさんよぉ」

 

 カツンッ、カツンッとブーツを鳴らす音が徐々に近づく。銃口をこちらの眉間に向けたまま。少しだけ見えた彼女の口元には、どこか苛立ちが混じりつつも、狂気的な笑みが浮かんでいた。

 この少女は何か狂ってる(・・・・・・)。言い訳をしなければ、殺される……っ!!

 

 「違うんです!! 俺達はただ散歩をしていただけで……」

 

 「その言い訳は聞き飽きたんだよ。ったく、もうちょっとマシな選択肢はねぇのか? んじゃ喋らないならカウント3秒前 いーち」

 

 バァン!!

 

 銃声が響く。映画の中の世界だけだと思っていた銃声が、耳をつんざき、目を閉じて死を覚悟する。

 しかし、耳鳴り以外には特に痛みらしき痛みは無かった。その耳鳴りも、銃声が原因では無い。これは……モーター音?

 

 「なんでい、やっぱり動けるじゃないか」

 

 目の前の横柄な少女の声は、自分に向けてでは無く、もっとその背後に向かって向けられていた。

 恐る恐る振り返った先にあったのは、かつて自分たちを救ってくれた赤い戦闘機。

 

 「ビビらして悪かったなぁ、坊主。今のは空砲だ。まさかチビッテねぇだろうな?」

 

 サーチライトが消され、照明に切り替わると右目が赤く、左目が銀色の、見た目だけなら思わずため息が出そうな美少女は、横柄な声で話しかけながら笑顔で手を差し伸べた。

 

 

 手を取ると、脅している側の立場にも拘らず、その手には手汗が染みていた。

 




好評でも不評でも一巻内容までは続けます。大体三話くらいを予定。


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~グリペン評価試験護衛

予想外にお気に入りが増えていたことにおっかなびっくりしながら初投稿です。
ガリフォ二次流行れ……流行れ……


 置き撃ちが冴えわたるかもしれないRTAはーじまーるよ。

 

 前回は小松基地に不法侵入しかけたNRTN君を調教し、神的にいい人の所まで送り届ける事に成功しました。

 尋問の速度もいい感じですね。あのイベント、自キャラの性格により尋問の仕方が変わるのですが、今回の自キャラの性格は『好戦的』。なので原作では撃たなかった所を空砲で脅し、グリペン姉貴の覚醒を早めるなど、RTA向きな性格です。また、連続スクランブル時の疲労がやや貯まりにくいという特徴もあります。これも最初の質問である程度調整可能ですが、『戦闘狂』だけは避けましょう。後々泣きを見ます(5敗)。

 

 ただし、この空砲尋問はどうしてもグリペン姉貴の好感度を多少下げてしまいます。グリペン姉貴と自キャラは出撃時以外の絡みが他のキャラよりも少ないので、出来る限り好感度の低下は避けたい所さんですが、こ↑こ↓ばかりはタァイム優先なので仕方ないね♂(レ)

 まぁ、その為にイベントCGを回収してある程度好感度稼ぎをしているので、初期値から完全にマイナスにはなってないです。

 

 さてさて、日付も変わって本日は小松基地の隊員食堂に張り付いております。イベント発生まで暇なのでKSKしてる間に説明でも。

 

 通常ルートでのこの日のイベント、『自衛隊員により明かされる衝撃の真実』が起きると、NRTN君が数日ほど基地に来なくなってしまうんですよね。本チャートではそれを阻止します。彼に休んでいる暇はありません。何故なら、その数日間グリペンと彼をシミュレーターで模擬戦闘させることによりNRTN君の育成が捗ると共に、数日後に控えたグリペン姉貴の稼働試験の成功率を上昇させることが出来るからなんですね。

 

 NRTN君とグリペン姉貴が視認出来たらこちらから声を掛けてあげましょう。一緒の席に着いたら二人がプレゼントの送り合いをしますが、この後のグリペン姉貴がNRTN君の分の食事まで取りに行こうとします。このままですとイベントまっしぐらなので、ここですかさず

 

 「自分が取りに行く」

 

 「ここは年長者のおごりって事で」

 

 を選択します。この選択肢を選んだ場合所持金が僅かに減ってしまいますが、種族がアニマの場合は国家所属にせよPMC所属にせよ資金面が非常に潤沢なので何の問題も無いね♂(レ)。また、他のアニマとのお出かけ時にプレゼントを贈りまくる事による好感度のごり押し上昇戦法もあります。イーグル姉貴はこれで簡単に堕とせますね。

 

 身体能力のステータスが一定以上だとトレーを頭に乗せる曲芸技を披露してくれるお陰でもう一往復する手間が減ります。

 

 さて、二人に食事を届けたらここでオリチャーを発動します!! さっきからチラチラ見ている自衛隊員にこちらから声を掛けてやりましょう。原作ルートでNRTN君に衝撃の真実を明かしてくれた奴らですね。ここでは

 

 「通りすがりの傭兵だ」

 

 「言い返す」

 

 を選択します。あ、やっべ、ロード入った。これNOT SKIP MOVIEじゃん……やべぇよやべぇよ……

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「何だお前は」

 

 「通りすがりの傭兵だよ。あんたら自衛隊に雇われた、片翼の魔女さ」

 

 銀髪の少女はニヒルな笑みを浮かべて大柄な自衛隊員の前に立ちはだかる。少女の体格はせいぜい少し背の高い女子高生程度だが、それでも全く怯む様子が無い。

 自衛隊員は格納庫の奥に駐機されている赤い戦闘機の横につい最近搬入された前進翼の機体を思い出すと、ふんっ、と鼻を鳴らす。

 

 「ふんっ、貴様もあの化け物とご同類って訳か。では俺達の視界から消えろ。空自のパイロットにも戦死者は出ているんだ。これ以上皆の神経を逆なでするな」

 

 「はっ、この程度で逆なでされるたぁ、テメェら沸点低すぎんじゃねぇのか?」

 

 少女はそれを鼻で笑い返すと、言葉を続ける。

 

 「勝つためには何だろうが手段を選ばねぇのは戦場の道理だろうが。それを仇だからと、女の子を化け物扱いしやがって、テメェらから自分で人類様の勝率下げてどうする気だよ? まぁ気持ちは分かんなくはねぇよ? 俺だって元々は人だったんだからな」 

 

 「なん……だと……?」

 

 「ザイに撃墜されて体の半分が消し炭になっちまってなぁ。意識だけをザイのコアに抽出して生き永らえたのがこの俺だ。ただ、不完全なコアでなぁ。お陰でこんな難儀なデバイスがなきゃ戦えやしない」

 

 銀髪の少女はおもむろにジャケットを脱ぎ、白いタンクトップをも脱ぎ捨てた。白い肌に水色のスポブラが目に眩しい、見た目だけなら10代少女の下着姿。しかし、長い髪を横に避けて振り返ると、その背中にはいくつかの棘の様な機械的デバイスが、柔肌を突き破る様にして脊椎からいくつも飛び出ているのが見えた。良く見ると首筋にもケーブルの接続パーツの様な物が見える。

 

 「直結型NFIデバイス、お宅らも研究はしてたんだろ? アニマに頼らずとも人間様を改造してドーターに乗せようって言う計画の慣れの果てさ。しかも、いざと言う時は遠隔操作で神経を焼き切れるドM仕様だ」

 

 「だからって……化け物に身を落としてまで戦うなんて……」

 

 その歪さに口元を押さえる隊員もいた。気が付けばグリペンと鳴谷慧の視線もこちらに向いている。だがそれでも半裸姿の銀髪の少女は止まらない。

 

 「テメェらには出来ねぇってか? じゃあ止めちまえよ、自衛隊。化け物に身を落としてでも敵に勝つという意識も覚悟も無しに戦場の空を飛んでんじゃねぇ。商売の邪魔だ。あぁ気にすんな、テメェらの抜けた穴は精々ボーナスとして、この俺が稼がせてもらうからよ」

 

 片翼の魔女は脱ぎ捨てた服を着直すと、怯んで動けない自衛隊を他所に鳴谷慧とグリペンの元へ歩み寄る。その顔には先程の狂気は宿っておらず、ごく普通の平然としたいつものそれに戻っていた。まるで、トイレに行って帰って来たような気軽さだった。

 

 「悪いね、騒がしくしちまって」

 

 「え、えぇ……」

  

 「さて、テメェもだ鳴谷慧。これで分かっただろう? 俺たちアニマは確かにザイのコアで出来た、敵の鹵獲品その物だ」

 

 「モルさん、もう良いから……」

 

 やっぱり……と呟く鳴谷慧の表情は、様々な激情が渦巻いて混ぜこぜになった。第二の祖国を奪われ、母を目の前で殺され、ついこの間も死にかけて…… 

 片翼の魔女は恐怖と混乱に染まったその顔面を、両手で力強く掴んで、色の違う双眸で睨み付ける。

 

 「だがな、それが何であろうと()()()()()()事に変わりねぇ。こんな難儀な体だが、俺は生きている。グリペンの嬢ちゃんもそうだ。死にたくて生きているモノ好きなんかいねぇんだよ、どこにも」

 

 「けど……」

 

 「怖い、か? だったら超えて見ろよ。少年。嬢ちゃんに命救われてんだろ? おふくろの仇を取って欲しいんだろう?」

 

 「お前、どうしてそれを知って……」

 

 「ごめんなさい、私が話した」

 

 自分の非を認めて申し訳なさそうに謝罪をし、頭を下げるグリペン。しかし、それと同時に彼女のお腹が鳴り、そのまま机に突っ伏した。どうやら定食一つ平らげたにも拘らずまだお腹が空いているらしい。シリアスな空気は一瞬で霧散し、気まずい沈黙が流れる。

 

 「ぷっ、ククッ………」

 

 片翼の魔女に顔面を押さえられながら、その横で突っ伏すグリペンを横目で見やる。鳴谷慧は今置かれている状況を見て、思わず噴き出した。

 可笑し過ぎた。このあまりにもかけ離れた光景が、それほどツボだったのだろう。

 それに、一体どう見たら彼女がザイだと証明できるのだろうか? ドンくさくて食いしん坊で寝坊助なこの少女の、どこが殺人マシーンか。

 

 「割り切れたか? 少年」

 

 「そうじゃありませんけど……何か、気は抜けました」

 

 「なら良し。あぁ、明日も模擬戦やるからな。今度は俺が相手を務めてやるぜ」

 

 ハッハッハッ!! と豪快に笑いながら、バシバシと慧の肩を叩く片翼の魔女。

 そして去り際に彼女は、振り向いてこう言った。

 

 「戦場でも日常でも、一人で生きていける奴なんかそうはいねぇ。だからもし、誰かに必要とされたら応えてやんな。それが男の子ってもんだろ?」

 

 

 ◆◇◆

 

 

 あーもう(チャートが)滅茶苦茶だよ。どうしてくれんのコレ?

 

 はい、と言う訳でまさかまさかの恐らく回避可能なNOT SKIP MOVIEを引き当ててしまいましたが私は元気です(吐血)。

 区間タァイム的には現在ややロスと言った所ですが、どうも悪い結果ばかりでも無いっぽいのでRTAは続行します。

 

 何と、翌日もNRTN君は小松基地に来てくれました。グリペン姉貴に対する態度もこれまで通りの為、ここまではイベント発生阻止ルートと同じと言って良いでしょう。

 ただ、空自部隊員の皆様の態度がいくらか柔らかいですね。微ロスになるから止めてほしいのですが、謝罪に来る隊員もいます。

 

 しかし、これは早期から空軍による援護射撃要請が期待できそうですね。

 基地隊員との好感度が一定以上だと、戦場で援護要請が行えるようになります。彼らはザイに対してロックオンが出来ないので近接信管か時限信管による所謂置き撃ちに近い支援しかできませんが、出現箇所と進行ルートが分かっていれば攻撃を置いておくことは余裕です。

 RTAでは四章最後までには開放必須なのですが、これはこの後控える小松防空任務でも使えそうですね。

 

 さて、何やかんや言って初空戦の時が迫って参りました。

 

 グリペン姉貴の睡眠時間調整は完璧、シミュレーターによる訓練も積んでいるので期待値は大になっています。これはさてはイーグル姉貴の出番無いな?

 

 初任務の内容はグリペン姉貴の護衛です。敗北条件は彼女の被撃墜ですが、一撃でも被弾するとどこからともなく元気娘が飛来して経験値泥棒されるので、ノーダメージで済ませる必要があります。だから、長射程のアウトレンジから攻撃できるTLSが必要だったんですね。

 

 ミッション開始したらトリムを右に二クリックずらしましょう。そしてグリペン姉貴が最初の標的を破壊したら即座にTLSをぶっぱします(はかいこうせんSE)。

 ん? ちょっと待って? (届いて)無いやん!! しまったぁあああああああああああコイツ二号機だったああああああああ!! ……なーんちゃって!!(真ゲス)

 

 「纏めてギッチョン!!」

 

 ADFX二号機のTLSは一号機と比較すると威力が落ちて射程が短い代わりに、前方の下方向以外の180度なら自由に偏光が効きます。つまり薙ぎ払いうちが可能なんです。 

 これにより大多数の雑魚の処理は得意なのですが、重爆撃型などのボス戦には処理に少し時間が掛かってしまいますが、難易度ACE COMBATで瞬間火力を求められる場面はそう多くないので、そういう意味ではこっちの方が良いかもしれません。操作が忙しくなりますが。ほら堕ちろ(願望)、墜ちたな(撃墜確認)。

 

 「BARBIE01背後に新手のザイが出現!! 数3!!」

 

 ファッ!? ちょっと待って、聞いてない!! こ↑こ↓の敵はさっきの一撃で全滅させた筈なのに……もしかしなくてもオリチャーの影響ですかね?

 TLSのクールタイムが明けるにはまだ時間が掛かりますが、取りあえずEPCMジャマーこと「モルガナイト」を起動させてお茶を濁します。広範囲に渡って特殊なEPCM波を放つことで敵弾の誘導を下げ、味方のミサイル誘導精度を上げると言うバフとデバフを同時に行う優れものです。

 

 しかし、距離が離れすぎていますね。このゲームは誤射判定があるので下手にTLSを撃つとグリペン姉貴に当たってしまいます。アカンこのままじゃ姉貴が死ぬぅ!!

 

 「Saphir01よりBARBIE01へ、7コンマ5秒後に急上昇しろ、出来るな?」

 

 「味方……? 了解、やって、みる……!!」

 

 おや、この通信とジャズの音は……

 

 「ブチかませ、ライノォ!!」

 

 「りょうか~い、やっちゃうよ~!!」

 

 何処からともなく現れた青い戦闘機のレールガンが追加の三機を撃墜してくれました。難易度ACE COMBATの場合、グリペン姉貴が一撃でも被弾するとイーグル姉貴も登場しますが、ノーダメージだった場合は本難易度限定、レールガンを引っ提げたライノ姉貴のみが現れます。

 

 この場合経験値の分散が減るので、グリペン姉貴の経験をより多く稼がせることが出来ますね。

 経験値によって行動パターンがどんどん解放されていくので、グリペン姉貴への経験値献上は積極的に行っていきたい所さんです。また、レールガンなので撃墜までの時間がミサイルより短いです。どちらかと言うとこれが狙い目だった訳ですが。

 

 何はともあれ、無事評価試験は合格が貰えたのでグリペン姉貴の廃棄処分は見逃されることになりました。やったね慧君、家族が増えるよ!!

 

 しかし、オリチャーの影響を受けこの始末、はてさて、この先どうなる事やら……

 

 と言った所で今回はここまでです。小時間のご拝読、ありがとうございました。



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~小松防空任務Part1

 二話投稿で評価ランプ点灯とかうっそだろお前!?(投票してくれた方、ありがとうございます)

 風の噂によるとこの冬ガリフォの合同同人誌出るらしいですね。

 欲しいけどコミケには行けないしどこで手に入るかな……?


 段々と本編からシナリオが逸れて行くRTAはーじまーるよー。

 

 前回は無事にグリペン姉貴の評価試験を良い結果で終えた所までやりました。さて、難易度ACE COMBATでは評価試験後に小松基地の愉快なアニマ達にイーグル姉貴だけでなく専属パイロットことジャズ野郎を引き連れたライノ姉貴も加わります。

 

 ライノ姉貴に関しては通常ルートなどであれば三章ミッション前までに死ぬ気で好感度を稼ぎましょう。でないと闇落ちされた挙句、ラストミッション手前まで事あるごとに粘着されます。(4敗)やっぱりヤンデレじゃないか……(困惑)

 

 この時のザイ化したライノ姉貴、通称ザイノ姉貴はかなり高性能な部類のプレイヤー機であるADFXよりもあらゆる性能が高く、下手をすれば作中最高スペックです。空中炸裂クラスター弾による範囲攻撃を持ち、爆発反応装甲も持っているのでアホみたいに堅く、加えて難易度ACE COMBATでは当たったら良くて致命傷、運が悪ければ当然のように即死のレールガンを()()してきます。こんなんじゃ勝負になんないよ~。

 

 とは言ったものの、本チャートではわざと闇落ちさせます。ただし好感度が全く必要ないとは言っていないので、ある程度は演習なりで稼ぎましょう。

 

 イーグル姉貴に関しては好感度上げは簡単ですね。強力な武器の手配とプレゼントの贈呈さえ怠らなければ好感度が下がることはまずないです。というか、彼女がいないと四章終了後のインターミッションでとある隠しキャラを説得することが出来ません。ちなみにその隠しキャラを説得すると数面構成のラストミッションを一部スキップ&敵ザイの機数減少が狙えます。

 

 さてさて、新入りアニマ達の挨拶が済んだところで早速イーグル姉貴が突っかかってきました。どうやら先ほどの戦いで使っていたTLSがかなり気になる様子のようです。

 しょうがねぇな~、じゃあ、恵んでやるか。

 

 「バーフォードに相談する」

 

 「一緒に頭を下げに行ってやる」

 

 を選択することで、予算と引き換えに次章からイーグル姉貴の武装に外付けTLSが追加されます。照射可能時間こそ劣りますが、偏光射撃ができない以外の弾自体の性能はこちらよりも良いです。その装備俺にくれよ~。何だかんだ愚痴を言いつつも用意してくれるYSRDOR兄貴は神的にいい人ですね。 

 彼女は直感を活かした限界機動での戦いに優れるので、是非とも活躍して欲しい所。

 

 グリペン姉貴評価試験が成功した場合でも、章末イベント「小松防衛任務」は必ず4日後に発生します。それまでは暇なのでライノ姉貴のレールガンの愚痴でも聞いてあげましょう。なんでも、あの助けに入った時は一発撃っただけでお釈迦になったんだとか。はー、つっかえ!!

 

 ちなみにレールガンの愚痴を聞いてあげる事で好感度を稼ぎつつ、全てのフラグを回収し切ると三章にてようやく正規の総弾数である22発が発射可能となります。ただし、敵対する場合はこの発射数フラグが引き継がれますので注意しましょう。ザイ特有の機動力から22回も即死攻撃が飛んでくるとかヤダコワイ……アイアンマン……

 

 さて、ライノ姉貴のフラグを回収したら今度はイーグル姉貴です。外出許可を一緒に貰いに行き、黒塗りの高級スーツを着たSPにばれない様にこっそり基地を抜け出しましょう。こうする事で自由に出歩けるようになるのでイーグル姉貴へのプレゼント献上が非常にやりやすくなります。あ、プレゼントは甘い物なり服や靴なりをプレゼントしてあげましょう。

 一つ注意点として、イーグル姉貴といる場合はNRTN君とMNHA姉貴に鉢合わさせてはいけません。NRTN君のSAN値が直葬コースでマッハで吹っ飛びます。ここでNRTN君のSAN値が吹っ飛ぶとボス戦までに完全回復が間に合いません(3敗)。

 

 さて、とうとう決戦の日である四日目の昼過ぎに差し掛かりました。

 

 イベント発生阻止ルートの場合でもこの時間はNRTN君とグリペン姉貴が例の旧海軍掩体壕にいます。冒頭で先にこの場所をYSRDOR兄貴から聞いておかないと、少々面倒な手順を踏まない限りここにたどり着けないので注意が必要です。(2敗) 

 

 どうやらグリペン姉貴は他のアニマと違って自分の戦闘能力が低いことを悩んでいる様子です。あくまでもこの前の評価試験は首の皮を繋いだ程度ですからね、廃棄処分の心配がこの時点では完全に拭えたわけではありません。だからなのか、出撃する事に対してやや後ろ向きです。

 ある程度経験値が足りていると自信満々なドヤ顔グリペン姉貴が見られるのですが、ちょっと積ませ方が足りなかったみたいですねクォレハ……。このパターンの場合の選択肢は

 

 「理不尽に立ち向かうか、それとも逃げるのか?」

 

 「足掻いてみるってなら手を貸す」

 

 です。これにより、グリペン姉貴のシミュレーターや模擬戦での経験値習得率にボーナスが入るようになります。(実はこの選択肢を発生させた時点でロスなのは内緒)

 

  『……こちら小松管制塔、現在スクランブルが発令されています。空港内の全機体は移動を中止しその場に待機してください。繰り返します-------』(課長サイレン付き)

 

 うるせぇ!! と言う訳でボス戦の時がやって参りました。

 YSRDOR兄貴とバーフォードから同時に連絡が掛かってくるので、NRTN君も連れて一度技本のモニタールームまで一緒に行きます。

 モニタールームまで二人を送り届けたら自分は出撃する為に第三格納庫へ向かいましょう。機体整備ありがとうねぇ!! デハイクゾー カッカッカカカカッ!! デン!!

 

 

 今回のミッションは防空任務です。指定されたラインから後方の本土にザイを一機たりとも通してはいけません、が、NRTN君の覚醒の片鱗フラグを立てるには()()()()通過させる必要があります。まぁ一個ぐらい見過ごしても……バレへんか(傭兵の屑)。

 

 僚機には空自のF-15Jもいますが、彼らは精々囮か追加弾倉くらいにしかなってくれません。実質的に頼れるのはアニマであるイーグル姉貴とライノ姉貴だけと見て良いでしょう。

 

 さて、そうこうしている内に戦闘空域に突入です。ADFX-02は現戦力の中では最も推進力に優れているので、アフターバーナーを吹かしていれば自然と最前列に出られます。そうしたらTLSで薙ぎ払うようにして撃ってやりましょう。

 これだけで本来なら死んでいる筈の護衛艦隊の半分は生かせます。お前の犠牲を無駄にはしない……(殿下)。

 

 さぁ、忙しいですよ!! 次は何とか使用可能になっていた自衛隊空軍による支援飽和攻撃の座標指定です。まだ使用可能最低レベルなので精度には期待できませんが、彼らに直接撃たせるよりはマシです。撃てぇー!!(にほんへ)

 

 後方から一気に飛来するミサイルはやっぱり迫力ありますね。はえーすっごい量……

 

 着弾したらレーダーを凝視して何機減ったかを確認します。おっ!! 今回は5機も減らせてますね。平均が3機だったのでこれは優良乱数です。Hey☆塩!! よくやったぁ!!(にほんへ)

 

 後はグリペン姉貴たちが到着するまで泥沼の航空戦闘なので、並行してイベントムービー流しておきますね。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 衝撃の走った技本のモニタールームの中では、出撃を命じるも、どこかそれを渋っているグリペンを前に八代通は肩を竦める。しかしその両肩を、慧は強く掴んだ。

 

 「しっかりしろよグリペン!! この前だって、廃棄処分を免れたじゃないか!! 今まで訓練して来たのは、この日の為だろう!?」

 

 「けど、私はモルさんみたいに飛べない。イーグルやライノの様にも飛べない……多分、負ける」

 

 「じゃあ何だ、全部諦めて逃げるのか!? お前モルガンさんにさっき言ったよな? 私はここを守りたいって、思い出のあるこの場所を守りたいって!! 消させたくないんだろう!? あいつ等に!!」

 

 「………っ」

 

 それでもどこかもどかしげな表情を浮かべるグリペン。あーもうっ!! と慧は苛立ちボリボリと頭をかくと、八代通にこんな提案を出した。

 

 「八代通さん、俺を……グリペンに乗せて下さい!! コイツと一緒に飛ばさせてください!!」

 

 「正気か、お前」

 

 その突拍子な発言に八代通ですら思わず唸った。グリペンの話によれば彼は100時間ほどセスナの飛行経験があるようだが、それだけだ。肉体がどれだけGに強いかも分かっておらず、しかも法の問題で言えばライセンスすら持っていない。

 だがそれでも、案外いい案かも知れない。この少年が近くにいる限り、どういう訳かグリペンは安定して動作するのだから。慧の熱意は、この時ばかりは彼にそう思わせた。煙草を吹かしながら、八代通は呟く。

 

 「……用意はさせておく。後はグリペン次第だな」

 

 「ありがとうございます!! ほら、皆だって誰もお前が使えないなんて思っちゃいない!! 俺が一緒ならお前は安定して戦える、そうだろう!? 邪魔だっていうなら座席の後ろにでも放り込んでおけばいい!! そうすれば例え俺が意識を失っても、ギリギリまで覚醒時間を延ばせる……違うか!?」

 

 必死に訴えかける慧に、グリペンは困惑しながら目を丸くする。一体何が、そこまで彼を鬼気迫らせたのだと言うのか。

 少なくとも、他の()ではここまで必死な彼を見た事は無い。

 

 (『枝』……?)

 

 グリペンは無意識に手を口に当てた。今の単語は何だったのだろうか。

 一瞬頭をよぎったその言葉は、すぐさま霧散して消える。

 

 「だから俺の事を……必要だって言ってくれ!!」

 

 慧はそれ以上は語らなかった。ただ見開かれた双眸が、キッチリとグリペンを見つめる。

 グリペンはそれに根負けしたのか、溜息を吐くと、一つ慧に尋ねた。

 

 「慧、一つ聞いていい?」

 

 「な、何だよ?」

 

 「そこまで必死になる理由。私は貴方のお母さんの仇。ザイ。正真正銘の化け物。なのに貴方は自分を犠牲にしてまで私を飛ばそうとする。その理由は何?」

 

 「理由、か……」

 

 慧は気恥ずかしそうに頭を掻くと、言葉を紡ぐ。

 

 「大したことじゃないんだけど、何か放っておけないんだよ、お前の事。今ここで手を貸してやらなきゃ、きっと後悔する。そんな気がしたんだ」

 

 「……意味不明。理解不能」

 

 「俺もだよ」

 

 そう言って肩を竦めて笑って見せる慧。発令所の怒号は未だ尚鳴り止む事は無い。それでも、二人だけの空間が確かにここにはあった。

 それをぶち壊すかのように八代通が二人の間に向けてわざと紫煙を吐き、通信からはあの銀髪アニマからの冷やかしが飛んでくる。

 

 『ヒュ~、言うようになったじゃねぇか少年、惚れちゃいそうだぜぇ!!』

 

 「全く、三文芝居なラヴコメは他所でやってほしい物だな。準備は出来たぞ、お前はどうする気だ?」

 

 ……自信とか覚悟なんて、多分無い。自分は今戦っているアニマの中では間違いなく最弱だろう。もしかしたら、自分は撃墜されるかもしれない。それでも自分に付いて来ようとするこの目の前の少年の思いを、何故だか無下には出来なかった。

 

 

 

 

 あぁ、何か分かった気がする。

 

 

 

 

 多分彼が、私に欠けていたピースなんだ。

 

 

 

 

 「慧。私、飛ぶよ。けど、多分飛ぶには……あなたが必要。だから」

 

 

 

 抑揚に欠けた、それでいて意思の籠もった声。ずっと掴みっぱなしだった彼の手を取り、その双眸がキッチリと慧を見据える。

 

 

 「一緒に飛ぼう、慧」

 

 

 そして、少年もまた頷いて彼女の手を掴むと、八代通の指示で第三格納庫に向かうのであった。心なしか二人の足並みは、まるで昔から知っているパートナーの様に揃って見えた。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 イベントシーンフルで詰め込んだら尺が無いので今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。後編に続きます。



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小松防空任務Part2~一章終了

あ~今日もパーツ探し(KTBKY)楽しかったな~。早く帰って執筆しなきゃ→お気に入り登録件数を確認する→四倍以上に増えてる上に日刊30位→ファッ!?←いまここ




 主人公が覚醒するRTAもう始まってる!!

 

 前回はグリペン姉貴の評価試験を成功させ、イーグル姉貴とライノ姉貴が合流。そのまま好感度調整をしつつの章末イベント「小松防空任務」が発生した所まで来ました。

 イベントシーンが入るまではひらすらTLSで薙ぎ払い、航空型ザイの出現箇所に自衛隊の援護射撃要請を置いておくだけの作業ゲーですが、イベント後にグリペン姉貴とNRTN君が合流すると主要目標である作戦エリア外にいた重爆撃型ザイ二機に攻撃が可能になります。

 

 支援要請は雑魚を焼き払うのに使い切ってしまったので、残った雑魚はイーグル姉貴たちに任せて重爆撃型にターゲットを指示、モルガナイトを起動してグリペン姉貴と共に突っ込みましょう。このステージのグリペン姉貴は物語後半の覚醒後状態に近いので重爆撃型の弾幕に対してアホみたいな回避行動を取りますが、それを放置して良いのは本編だけの話。

 本難易度ではこちらもジャミングで支援するなり、ちょっかいを掛けるなりしてターゲットを取ってあげましょう。

 ちなみに仮にモルガナイトを切らしている状態で真正面から突っこもうものなら、二人揃って余裕で氏にます(2敗)。

 

 グリペン姉貴が一機に食いつきましたね。あれは呆れるほどに有効な戦術で確定で沈むので自分はその隣のもう一機にTLSとミサイルをぶち込んでやるぜぇ!!

 

 ホラホラホラホラ(ミサイル発射)、ホラホラホラホラ(機銃掃射)、太いレーザーが急所に入っ……ちゃっ……タァーッ!!

 

 はい撃破。あ~^^たまらねぇぜ(総帥)。やっぱり、大型機を沈めた後の余韻が最高に気持ちがええんじゃ。ミサイルまみれになりたい奴、至急メールくれや。

 

 と言ってもそんな奴がいる訳が無く、重爆撃型二機を撃墜すると生き残っている航空型ザイは撤退していきます。尻尾を巻いて帰れ帰れぇ!! (にほんへ)

 第一章章末任務はこれにて工事完了です。

 

 あとは事後処理とかのインターミッションですが、その前にリザルトです。本チャートの前提条件の一部には、

 

 1.四章までにグリペン姉貴の経験値が特定数値以上かつ、自キャラに対しての好感度が友好以上。

 

 2.四章までの章末イベント出撃は結果を全てSで通過する。

 

 3.四章ボスとグリペン姉貴をぶつける。

 

 4.自キャラがアニマかつ、シンクロ率一定数値()()

 

 と言ったものがあります。

 四章ボスはアホみたいに強いので、彼女のレベルが低いと最悪撃墜、つまるところガメオベラです。

 しかしこれらを含めた特定条件を全て満たした場合、本編では実質ラストミッション限定、どれだけ頑張ってもゴビ砂漠突入作戦時が限界のグリペン姉貴の改装が、何と五章インターミッション終了後に行われます。

 改装による機体性能上昇の恩恵は高く、特にグリペン姉貴は強制出撃が多いのでその影響が顕著に出ます。

 

 レスポンス性能を示すアニマ用ステータス、シンクロ率についてですが、架空機のアニマは例外なくシンクロ率がこの一定以下になり、戦闘服はNFIデバイスを併用したものに固定されます。これが架空機アニマを狙った理由の一つですね。通常機体アニマになったとしてもナニカサレている場合は確実にその数字を割っているので、RTAの使用には何とか耐えます。

 

 何はともあれ、まずは目の前の結果です。頼むよ~、頼むよ~……

 

 や っ た ぜ ! ! (クサイヤ人)

 

 無事にSランク取得成功です。まぁ、空軍の味方を一機も撃墜させてないので当たり前なんですけどね。

 空軍兄貴たちは撃墜数を減らしてあげる程アニマに対しての手の平ドリュウズが発生し、支援要請の弾数と精度が増します。また、特定のアニマに対する『親衛隊』が発生すると、街中でロスの原因であるスカウトマンとかYKZに絡まれる心配も無いので安心ですね。

 

 海軍は基本救えません、諦めましょう。因みに海軍を救いたい場合は自キャラを電子戦特化に育成させると良いでしょう。彼らのミサイルにハッキングを仕掛けて管制誘導する事で、味方のお船が全て実質自機弾薬庫と化するので板野サーカスばりのミサイルカーニバルが開けます。人の金で撃つミサイルは楽しいか?

 

 

 

 さて、無事に迎えたインターミッションですが、こ↑こ↓では基本的にイベントCGの回収に努めましょう。イーグル姉貴に服装を一定数以上献上すると、「ファッションショー?」を回収できます。ここでの選択肢は

 

 「どんな服でも着こなせるんじゃないか?」

 

 「これならお父様もイチコロだろう」

 

 です。彼女のご機嫌を取る為にヨイショしてあげましょう。因みにイチコロ服装の内容はどこから仕入れたのか、NRTN君たちが一章終了後から通う高校と同じデザインの制服ですね。イーグル姉貴がお父様(YSRDOR兄貴)と出かける際の服装にこれを着させると、もれなく彼が通報されるイベントが見られます。好感度がダダ下がりになるのでRTAでは発生させませんが、爆笑必死のイベントなので、全イベント回収を目指す兄貴たちは走って、どうぞ。

 

 お次はライノ姉貴とジャズ野郎です。

 本難易度でしれっと追加された彼女の専属パイロットであるジャズ野郎は実は準モブ扱いの為、仮に戦死してもトゥルーエンド自体は迎える事は可能ですが、本チャートではザイノ姉貴化した際のストッパーとして動いて貰わなきゃならんので、ライノ姉貴と連動して好感度が上下する特性を生かして好感度を稼ぎましょう。二人を楽器店に連れて行くと「即興バンド?」を回収できます。

 ここでの選択肢は

 

 「ジャズに譜面はいらない」

 

 「音と音の暴力」

 

 「トランペット」

 

 です。ジャズ野郎の美学に合わせてやることで、ライノ姉貴の好感度上昇も狙えます。ちなみにこの即興バンドイベントは複数回存在し、特に和楽器店に連れて行った時の和服姿ライノ姉貴は必見です。また、ここでのレールガンフラグは回収し忘れが多いので注意しましょう(1敗)。

 

 さて、知将ファントム姉貴がまだいないので、インターミッションでの好感度上げはこれにて終了です。余った時間は模擬戦でグリペン姉貴の育成に費やしましょう。PMC所属なので実機訓練なら模擬戦受諾時の報酬も発生してうま味です。

 

 最後に追加パーツの設計を行いましょう。

 追加パーツによる機体チューンはエスコン7の様に資金を使ってコンテンツリーを開放していく形になります。 

 RTAで装甲などフヨウラ!! なので、機動性を上げるウイングパーツや火力面を補佐する火器パーツに資金をつぎ込みましょう。ここは好みの問題になりますが、僕はいつも速さが足りない!!(クーガー兄貴並感)のでエンジンパーツに突っ込みます。

 

 うーむ、ちょっと足りませんねクォレハ……上手いこと撃墜数を調整するとこの時点で可変サイクルエンジンが解放されるのですが。

 

 一応開放できるエアブレーキは要らないし、足りない物はしょうがないのでここはパパパッと火器に突っ込んで、終わり!! 今回はミサイル用のラムジェットエンジンが開発出来ました。これは火器強化に全資材突っ込んでTLS強化パーツ開放した方が早いな?

 

 あ、イベント入りまーす。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 そこは、どこかの病室だった。まるで()()()()()()()無機質な部屋の中に唯聞こえるのは、呼吸器から漏れるベッドに横たわった老人の吐息と、一定のリズムを刻み続ける心電図の音のみ。

 その灰色髪の老人の横に、寄り添う少女の影があった。黒いレザーの様な材質で出来た拘束服にも似た装束で身を包んだ少女の髪は黒鉄の様な灰色。そして、橙色に輝くもみあげが示すのは地獄で燃え盛る煉獄の炎か、それとも()()()()()()()のそれか。

 

 「お義父さま、もうすぐです」

 

 少女は老人の手を握り、ゆっくりと何かを決意したように言い放つ。

 

 「彼女たちの起動準備は整いつつあります。貴方の遺志を受け継ぎ、今こそ、この世をあるべき姿に戻して見せましょう。我々が証明して見せます。人の、本来あるべき力と、その可能性を」

 

 「ここにいたのか、ミカエラ・シラージ」

 

 病室の扉をノックし、入って来たのは天然パーマの掛かった少年だった。ただし、その両腕と両足は鋼鉄で出来たそれで構成されており、病室の中を歩むたびにピシリ、ピシリとガラスにヒビが入るような音が響く。

 ミカエラと呼ばれた灰色髪の少女は、舌打ちをすると苛立ち気に彼の方を振り向く。

 

 「その名前で呼ぶなと言った筈だぞ。何だ?」

 

 「出発の準備はほぼ整ったよ。ただ、みんなSystem Z.O.E.の調整作業に手間取っているんだ。貴方の意見が欲しい」

 

 「やれやれ……分かった、すぐ行くと伝えろ。あと今の私はゼロツーだ。忘れるな」

 

 「了解した、ゼロツー。僕たちの隊長」

 

 義手義足の少年は少女の命令を受諾すると、足早に病室を去っていった。

 口ではそう言いつつ肩を竦めながらも、彼女は少年の言動を咎める気は無かった。さる施設から彼らを引き取ったあの時から、自分は彼らからは姉の様に認識されている事に自覚があったからだ。

 

 それと同時に病室の床が変貌、ガラス質のそれに代わり、一階層下に設けられたハンガーが良く見渡せる。

 少女の眼下に広がる自分の軍隊の戦力は5機。うち4機は既存のSu-30だが、ドーターと同様の改造機なのかコックピットはキャノピーでは無く装甲に覆われ、その翼端にはザイと同じように輝くガラス質の結晶が取り付けられている。

 そして格納庫の一番奥には、自身が操る最後の一機が駐機されていた。

 大型の可変式主翼を持ち、燃料積載量を犠牲にありとあらゆる性能がドーターに追従しかねない、いや、それ以上にまで性能のチューンアップが施された、翼端がオレンジ色の翼竜。機体下部には改造型の空対空ミサイルや、チャージに時間こそかかるが三点バースト射撃が可能な試作型の電磁加速投射砲が装備されている。

 

 敢えてベースに同系列の最新型ではなく旧型機体を使用したのは、彼女の適性の問題か、それとも未熟な自身への戒めの意味を込めてか。

 

 ゼロツー、またの名をミカエラ・シラージと呼ばれる少女は、ガラスの床から部下たちの様子を一瞥すると、()()()()()()を後にした。

 

 「エクリプス隊、出るぞ」

 

 コックピットに乗り込んだ彼女の瞳と髪は、薄暗闇の中でうっすらと発光するのであった。

 

 

 ◆◇◆

 

 彼女は一体、何・ア・シラージさんの関係者なのでしょうか……

 

 少々短いですが、第一章分これにて工事完了ですので今回はここまで。

 

 小時間のご拝読、ありがとうございました。




遅くなって申し訳ないス!!

今流行り(?)の小説RTAとは言え、まさか二次創作の少ないガリフォでここまでお気に入りが増えるとは思わなんだ……

好評のようなので続きます。

次回もマグロ、ご期待ください。


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二章スタート~異機種間戦闘訓練

正直ここまで伸びるとは思っていなかったので初投稿です。


 NRTN君(お前)を芸術品に仕立てや……仕立てあげてやんだよ!! なRTA第二部はーじまーるよー。

 

 

 前回は無事に一章章末イベントをSランクでクリアし、グリペン姉貴の育成も順調な所で終わりました。この章では序盤はとにかくNRTN君を悶絶調教レベルで鍛え上げる事が重要です。当然の権利の様に自宅の場所は割れているので学校が休みの日だろうが遠慮無く叩き起こしに行くことが出来ます。お前もう生きて帰れねぇな?

 

 と言うのも、NRTN君の筋力ステータスは当然ながら一般通過学生相応のソレなので、アニマの機動に完璧に追従できる訳がありません。それでも戦闘可能時間を延長させる為に、時間の許す限りひたすら筋トレを積ませてお願いマッスルして貰いましょう。

 ちなみに、NRTN君強化人間手術チャートと言う外道の塊のようなチャートも存在しますが、この場合MNHA姉貴のSAN値がマイナスを振り切れた何かになります。こうなると本チャートで採用する、とあるルートが使えなくなるので却下です。

 

 さて、そうこうしている内に模擬戦でNRTN君がイーグル姉貴に撃墜されて帰ってきましたね。イーグル姉貴が本章から解禁される外付けTLSを持っている場合はグリペン姉貴が初見殺しされるため、本編よりも早く終わります。NRTN君と言うハンデ背負ってるからね、しょうがないね。フォローとして

 

 「TLSのお陰で勝ったという事を忘れるな」

 

 とイーグル姉貴に釘を刺しておきましょう。イーグル姉貴は一章での好感度の数値によって以後の選択肢で変動する数値幅が変わります。イベントCG一個分の好感度を稼ぎ、尚且つ自機がTLSを装備できる機体の場合のみ回収できるTLS開放フラグを達成している場合は素直に聞いてくれますが、それ以外の条件では好感度が下がる地雷選択肢と化するので注意しましょう(1敗)。

 

 この後は体育施設にて他のアニマ達が体力測定をしていますが、NRTN君もこのタイミングでトレーニングを行っています。

 そこに介入し、

 

 「ぶっ倒れるまで運動」

 

 させましょう(暗黒微笑)。これはNRTN君覚醒の片鱗フラグである上、定期的に行う事でNRTN君の根性値が上がり、グリペン姉貴の10G越えマニューバに耐えられる時間が増えます。ちなみにぶっ倒れるまでの運動に耐えてくれる回数は乱数です。まだ15歳のこの少年は、私の調教に耐えることが出来るでしょうか?

 

 

 逃 げ ん じ ゃ ね ぇ よ お ら ぁ ン ! ?

 

 

 駄目みたいですね……(諦観)。何と今回は一回目から逃走をかましてくれました。言い訳の盾にされて引きずられていくグリペン姉貴かわいそう。逃走するだけの体力があるようには思えないのですがそれは……。

 後で調べたら、どうやら性格「好戦的」の場合は好感度次第で地雷選択肢となるようです。エスカレートしちゃうんですかね?

 

 もうしょうがないので、お次はNRTN君抜きでの電子戦闘面で非常にお世話になるファントム姉貴との合流です。通常プレイでもお世話になった兄貴たちは多いのではないでしょうか?

 彼女は機体性能こそやや劣りますが、電子装備に掛けては当然の様に全キャラ中1位タイなので攻防において非常に役に立ってくれます。

 タイって事は他に匹敵する奴がいるのかって話ですが、それの解説についてはまた後程。

 

 小松駅まで移動すると、さっそくファントム姉貴がガラの悪そうな野郎に絡まれていますね。

 通常クリアRTAなどであればこのまま静観、何なら放置していても良いのですが、本チャートではイベントCG「共闘戦線」回収の為に援護に向かいます。俺も仲間に入れてくれよ~。

 

 「丁寧にお断り申し上げる」

 

 「ファントムの手を引き、戦線離脱」

 

 を選択すると逃げんじゃねぇよと掴みかかって来るので、すかさずCQCを喰らわせてあげましょう。流石に今度はガバりません(1話参照)。倒したら追撃で関節技を極めておくと効果大です。この時自キャラが元男の改造アニマの場合、セリフに「悪いが野郎には興味ねぇんだ」的な内容が追加されます。お前心はノンケかよぉ!? ただし肉体的にはやっぱりレズなのでセーフ。

 

 後は騒ぎを聞きつけて来た警備員に連行させて工事完了です。今頃ファントム姉貴の追撃のケータイバラバラ事件が効いている事でしょう。

 実はこのイベント、好感度上昇はそれ程狙えませんが、イベントCGを回収することに意味があるので問題は無いです。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「いっちょ上がり……っと。全く、レディーを誘うならもうちょっとやり方ってのがあるだろうが」

 

 突然現れた少女は、恐らくはCQCの応用と思われる動作で軽く男をあしらってしまいました。

 愚かにもその男はこの様な愚行を何度も繰り返していたらしく、警備員も手を焼いていたようです。少女が警備員に突き出す隙に抜いておいた小さなビスを取り出してそのあたりに投げておきます。今頃彼は携帯端末がバラバラになっていることでしょう。

 

 (いっそ、生身を分解するべきだったでしょうか?)

 

 今更ながら自分の甘さが悔やまれますが、もし実行に移していれば、こんなにも早く彼女……いや、()との接触は出来なかったでしょう。

 

 目の前に見えるソレは、確かに年頃の少女です。右側頭部に纏め上げられた艶やかな銀髪、左右で目の色が違う紅白のオッドアイ、私に負けじ劣らず整った顔立ちのラインなどを含めて見れば、確かに美少女のそれにカテゴライズしても良いでしょうが、どこか人を食ったような笑みからは私と同族の気配さえ感じられます。服装はフライトジャケットの下はタンクトップ、ローライズにミリタリーブーツ。典型的なミリタリーファッションのそれですね。

 

 しかしまさか、小松に来てすぐに遭遇出来るとは。運命の不思議さに驚きたくもなります。

 

 欧州で作られた試作機の二号機、ADFX-02のアニマ、ホーンデッド・モルガン。恐らくはTACネームを兼ねた偽名でしょう。

 

 6月初頭に日本に雇われ、近頃アニマの研究、実験的運用を始めたと言う唯一のPMC、マーティネズ・セキュリティー社。そこの所属する唯一のアニマが彼と言う話です。

 しかし、その『彼』が誰なのかは私の情報収集能力を持ってしても結論付けられませんでした。

 

 そう言った意味では妙な存在なのです。元男という事が分かっていながら、それが誰なのか分からない。そもそもザイのコアに人間の意識を移しこんで作り上げたと言う製作過程からして、アニマとしては異端児中も異端児です。教育課程時に疑似人格でもインストールさせた、と言うのならまだ分かりますが。

 

 まるで()()()()()()()()()()()()()()()()様な違和感と言いますか。確かにそこにいる筈なのに、一体感がまるで感じられないのです。

 

 「ったく、嫌ならはっきり断ってやんな。あの手の輩はしつこいぜ、ファントム・レディ?」

 

 「……あら、もうご存知でしたか」

 

 「クライアントの情報くらいは抑えているさ。これでもプロの傭兵なんでね」

 

 その辺の一般男性なら魅了されてしまうであろう、不意の耳打ちからの笑顔のコンボ。やはり、彼は同族の気配がします。何というか、目的の為ならあらゆる手段を使いかねない、そんな雰囲気が。

 

 (良いでしょう)

 

 聞けば、彼はアニマにしては自衛隊空軍からもそれなりの信用と信頼を勝ち取っているようですし、手を組めればそれなりのメリットはある筈です。ここは乗せられて上げようじゃありませんか。

 

 「という事は、貴方がもしかして……」

 

 「おーっと、基地の外でその手の話題は無しだ。長旅で疲れてんだろう? 今からお茶でもどうだい?」

 

 「それだと、さっきの愚者とやっている事が変わっていませんよ?」

 

 「ありゃ、それもそっかぁ」

 

 参ったねぇ……と頭を掻く姿はどこか間の抜けたそれにしか見えません。わざとなのか本気なのか。恐らくは前者でしょうが。

 しかし、彼の事を知っておくのは損では無いでしょう。当たり障りのない会話で情報が得られれば儲けものです。

 

 「ですが、丁度長旅で小腹は空いているところです。どこかにいいお店はありませんか?」

 

 「生憎俺も先月来たばっかりでなぁ。んじゃ、ブラつきがてら店探しと行きますかね」

 

 そう言って変人は二ヘラと笑いながら、私に手を差し出した。 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 ファントム姉貴とのお茶会イベントは次の戦闘パートである異機種間戦闘訓練での必須のフラグなので、確実に回収しましょう。

 因みに、このイベントを発生させるためには第1章章末任務を最低Aランク以上でクリアしている必要があります。まぁ、本チャートではS取れなかった時点でリセなので関係ありませんが。

 正規ルートだと1対3(と言う名の実質1対1対2)をやらされる羽目になりますが、このフラグを回収する事によりファントム姉貴とペアの2対2戦闘の選択肢が解禁されます。3人に勝てる訳無いだろ!! (馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前)小声

 

 ジャミング装備持ち機体の場合はファントム姉貴が敵に回った場合でも影響を軽減できますが、それ以外の機体の場合は素直にこのルートを取った方が安定します。一応達成時の好感度の振れ幅は3対1の方が大きいのですが、僕は安定を取ってこちらのルートにしました。戦闘時間も短く済みますしね。

 

 さて、日付も変わって異機種間戦闘訓練のお時間がやって参りました。

 

 ファントム姉貴の『良く分かる、独立混成飛行実験隊解説講座』の後にイーグル姉貴が茶々を入れる事により場の空気が悪化します。すると、YSRDOR兄貴が異機種間戦闘訓練の提案をするので、そこですかさず

 

 「自分も模擬戦に加わる」

 

 「二対二なら平等だろう?」

 

 を選択し、ファントム姉貴の戦列に加わ……

 

 「ご厚意には感謝しますが、ここは私一人にやらせてもらえませんか? 寧ろ、イーグル側に加わって貰った方が宜しいかと」

 

 あぁん? なんで? なんで? (レ)

 

 原因不明ですが、何とこちらが三人になってしまいました。必要撃墜数が減るので楽っちゃあ楽なんでしょうが、試走でこんなパターン引いた事無いんですがそれは……

 もう仕方ないのでNRTN君とグリペン姉貴を全力で支援してあげましょう。イーグル姉貴は通常出撃でもどれだけフォローしてもEPCMジャマー範囲内から出てしまうので面倒見切れません。これが中々、難しいねんな……

 ちなみにこの章のライノ姉貴とジャズ野郎ですが、序盤はメンテナンスの為にアプラに帰っているので好感度稼ぎも出来ません。悲しいなぁ……(諸行無常)

 

 NRTN君のぼやきをバックに離陸準備が始まります。ここで初めてホモの機体のコックピット描写が描かれます。TDN人間の場合はテキスト量が少ないのですが、自キャラがアニマ、特にシンクロ率一定以下のアニマの場合は三倍くらいテキストの量が多いのでボタン連打推奨です。

 脊椎から生えたコネクタに座席を直接接続するとか、どこの宇宙ネズミかな?

 

 上空に上がったらドッグファイト開始ですが、開幕モルガナイトを起動しましょう。これにより、効果範囲内の機体はファントム姉貴のレーダー偽造に対して耐性が付きます。 

 

 「ずびびび~っと焼かれちゃえ!!」

 

 さり気に恐ろしい事を言い放ちながらTLSを照射したまま機体を振るうイーグル姉貴ですが、当然の様にジャマーカウンター効果範囲外なのであれは出鱈目な方向に撃っているに過ぎません。 

 ちなみに彼女がさり気にやっているポストストールマニューバは、ドッグファイトにおいては特にミサイルを扱う上での必須のマニューバとなります。覚えておきましょう。(扱い切れるとは言っていない)

 

 「BARBIE02、ロスト」

 

 はい、当然の様にファントム姉貴に撃墜されました。ほぅら言わんこっちゃない!!

 次いでアニマネットワークを介したジャミングにより、グリペン姉貴がファントム姉貴を見失います。因みにホモはネットワーク接続をしていないので無傷です。

 

 ここでイベントが挟まれます。

 

 内容はグリペン姉貴がレーダー探知をジャマーに邪魔(激うまギャグ)されている状態でファントム姉貴に攻撃されると言うものです。本来であればここで撃墜されるのですが、NRTN君覚醒の片鱗フラグを二つ以上回収している場合、NRTN君が咄嗟に彼女から機体の制御を奪います。

 そして披露するのは、カーナード壊れるわなあの技、

 

 「人呼んで、鳴谷スペシャル!!」

 

 原作では一巻で使われたあの減速技をここで披露してくれます。口の端から漏れる涎のせいで色々台無しです。

 お前は天才でも上級大尉でもシドニアッ―♂の騎士でも無いだろいい加減にしろ!!

 Gに意識が持っていかれそうになりながらも独飛唯一のカナード持ちの威厳を見せてくれますが、そう言う用途じゃねぇからコレ!!

 

 しかし、所詮は片鱗フラグなので一撃はこれで回避しますが、二撃目で氏にます。悲しいけど仕方ないね(レ)。

 彼らにはフラグ回収チェッカーとして機能して貰うとして、後はファントム姉貴とのステゴロの殴り合いを繰り広げ今回はここまでです。小時間のご拝読、ありがとうございました。

 



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~Zai・バラウール討伐戦Part1

皆のトラウマが登場するので初投稿です。


 鈍 器 ー コ ン グ って、知 っ て る? なRTAはーじまーるよー。

 

 前回は異機種間戦闘訓練で試走で走った事の無い3VS1を繰り広げる羽目になりました。アイエエエエエエ……こんなのセンタ試験に出てないよぉ……

 ファントム姉貴には架空機体を引けていれば機体性能で負けることはまずありませんが、注意するのはやはりジャミングでしょうか。

 ミサイルはハッキングされて軌道を反らされるので通用しません。機銃やTLS、持っていればPLSLでダメージを与えましょう。

 

 NRTN君覚醒の片鱗フラグを回収している場合はグラハムスペシャルの際に一矢報いているので耐久値が減少しています。ファントム姉貴が味方の時だと手痛いですが、敵だと言うのなら好都合でしょう。機材をハックされようが、有視界キャノピーに切り替えられるホモに死角はありません。位置さえ分かってしまえばレーザーで炙って終了です。最後の一発くれてやるよおらぁん!!(ホモビームSE)

 

 はい撃破。余談ですが、本難易度での空中戦のシステム、特に耐久値や武装の扱いはエースコンバットシリーズに近く、ミサイル一撃くらいなら割と耐えたりします。入手条件が厳し過ぎますが、オートリジェネが付与されるタリスマンを入手できればゾンビプレイも可能です。

 また、武装の搭載数もエスコンシリーズ程とは言いませんが、少なくとも多くて10発前後のミサイルでどうこうしなきゃいけない訳ではありません。アンフィジカルレイヤーから供給でもしているんですかね? ちなみに本編では全ての要素が現実、原作準拠なので何かしら掠ると氏にます。まぁ、そもそもこの難易度自体がクリア後のオマケみたいなものですし、本編とは敵の量と質が雲泥の差なので、その辺りのバランス調整と言った所でしょう。

 

 ミッション完了して基地に帰ってくると、NRTN君がファントム姉貴にイチャモンを付けていますね。ここでの選択肢は、

 

 「NRTN君のケツ♂を蹴っ飛ばす」

 

 です。戦場を知らないNRTN君は普通は味方にはそんな事はしないだとか、強者の倫理がどうのこうのとか喚きますが、反対にこちらは模擬戦の相手ってのは敵だと思え理論と、最終的に勝てば良かろうなのだ理論を授けてあげましょう。因みにこれも覚醒の片鱗フラグなので回収をお忘れなく。

 

 妙に腑に落ちない顔でその場を去るNRTN君とグリペン姉貴を見届けると、ファントム姉貴との会話パートです。こちらが撃墜されている場合は嫌味を言われて終わりですが、逆にこちらが撃墜している場合は多少の会話パートが与えられます。ここでは、

 

 同情のつもりですか? に対しては

 

 「ただ事実を教えてやっただけ」

 

 何故NRTN君への妨害を妨害したのか? と言う質問に対しては

 

 「味方を助けて何が悪い?」

 

 何故ジャミングが効かなかったのか? と言う質問に対しては

 

 「まぐれだよまぐれ」

 

 を選択しましょう。ファントム姉貴は少し特殊で、複数質問がある場合はその選択肢の順番がランダムで決まります。選択肢は覚えゲーだと思って地雷選択肢のボタンを連打した兄貴も多いのでは?

 さて、ここから始まるNRTN君調教シーンをただひたすら倍速で流すのも味気ないので、一連の流れを等速で流しておきますね。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「味方にとって有害なのは一体どっt……いってぇ!? 何するんですかモルさん!?」

 

 機体を降りて近づいて盗み聞きしてみればあまりにも青臭い事を少年が言うものだから、おじさんうっかり手、じゃなくて足が滑って少年のケツを蹴っ飛ばしてやりました。

 味方ならそんな事はしない? ジャミングで掴んだ勝利がズル?

 なーにを抜かしてんですか貴方は。

 

 「少年があまりにも青春を謳歌してるから、うっかり嫉妬しちまったんだよ。しかも、こ~んなにかわいい女の子に囲まれて文句を言う贅沢があるなんてさぁ。このハーレム主人公め」

 

 「絶対違いますよね!? 本当の理由を教えて下さい!!」

 

 「仕方ねぇ、本題に入るか」

 

 茶番で蹴られたんですか!? と涙目でケツを摩る少年の様子を面白がってケラケラと笑いながらも、私はただ真実と喧嘩の勝ち方を伝えてやる。少年がこの先生き残れる様にするために。

 

 「良いかぁ少年。まず模擬戦とは何なのか考えてみろ」

 

 「そんなの、敵と味方にチームが分かれて、模擬弾とかデータ上で撃ち合って……」

 

 「まぁこまけぇこたぁ良いんだよ。じゃあ模擬戦をクラス内でチーム分けしてやるドッヂボールと考えてみろ。例えば、だ。お前と同棲しているあの明華ちゃんとチームが分かれたとしよう」

 

 「同棲って、別に俺と明華はそんなんじゃ……」

 

 顔を赤らめてるんじゃねぇよ。話が進まねぇだろ。

 

 「まぁ親しい人間なら誰でもいいんだよ。で、その時、だ。テメェは彼女がボールを持っていても『彼女が自分を狙う筈がない』と、全く警戒しないのか?」

 

 「あっ……」

 

 やれやれ、やっと理解したか。

 

 「同じなんだよ。模擬戦ってのはなぁ、場所が慣れ親しんだ場所でも、相手の見た目は味方機でも、そこはあくまで戦場で、そこにいるのはあくまで敵なんだ。そこで第二問。戦場で勝つためには何が必要かは覚えているな?」

 

 「あらゆるものを……利用する、覚悟」

 

 答えたのは少年では無く、さっきまでふくれっ面だったグリペンの嬢ちゃんだった。

 ほぉーん、あの時の事はちゃーんと記憶に残っているみたいだな。食堂で裸体を晒した甲斐があるってもんだ。いくら中身が野郎とは言え、全く抵抗が無かった訳じゃないんだぞあれ。

 

 「そう。相手は勝つためなら何だってやってくる敵だ。だから実力を測る模擬戦でジャミングが反則? 馬鹿を言えって話だよ。それら全部ひっくるめて実力だろうが」

 

 仮にROEがあった所で、世の中バレなきゃ犯罪じゃない。と付け加えるが、少年の顔はどこか腑に落ちないと言った様子だった。

 まぁ、そりゃそうか。成り行きで一度死線を潜り抜けているとは言え、たかだか15歳の少年に戦場の何たるかを説いても理解し切れる訳が無いわな。

 じゃあ、もうちょっとシンプルに行こうか。

 

 「どうしてもそう考えられないのなら、俺達を憎き相手、それこそザイだと思えばいい。実際原材料は同じだし、似たような機動も出来るしな」

 

 「っ……失礼します。ご教授、ありがとうございました」

 

 少年は苦虫を噛み潰したような顔をすると、グリペンの嬢ちゃんの手を引いてその場を離れた。

 あーりゃりゃ、ちょっと言い過ぎたかねぇ。いきなり味方を敵だと思えと言われても、そんな直ぐには割り切れないってか。わぁかいって良いねぇ。おじさんにはもうあんな優柔不断出来ないよ。すると死んじゃうから。

 

 「……同情のつもりですか?」

 

 っと、今度はファントムの嬢ちゃんが突っかかって来たか。

 同情……ねぇ、彼女の開発経緯を見れば、それが全く無いかと言われれば嘘にはなる。全人類の救済と言う根本的価値観。それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()が背負うには、彼女が背負うにしてはあまりにも重すぎる。

 そんなものは人が、いや、人の形をした器に乗せる料理にしちゃあ豪華すぎるんだ。

 まぁ、先行きが不安だったってのは分からない話じゃないが。

 

 「少年にはただ事実を教えただけだ。一応彼も自衛隊特別待遇な手前、クライアントと同列には見ているつもりさ。だから、死なれたらこっちも商売上がったりなんだよ」

 

 「意外ですね。傭兵と言うのなら、もう少しガサツで金にがめついだけの人間だと思っていたのですが」

 

 挑発のつもりかよ。まぁ、そういう見方をされてもおかしくない商売なのは薄々理解しているが。ファントムの嬢ちゃんは成る程、と嘆息すると、

 

 「ですが、そんな貴方だからこそ理解出来る筈ですよね? 私が何故この様な事をしているのか。だと言うのに、なぜ邪魔をするのですか?」

 

 「そう思ってんなら自惚れが過ぎんぜ、嬢ちゃん。あの模擬戦じゃあ少年たちはこっちの味方だ。こちとら金貰って参加している以上、支援に手は抜かねぇよ」

 

 「成る程、では最後に一つ。貴方は私のジャミングを掻い潜ってまで私を撃墜しました。一体何をしたのですか?」

 

 「まぐれだまぐれ。下手な鉄砲数撃ちゃ何とやらって言うだろ? ましてやレーザー兵器なんだから、薙ぎ払うようにして撃ってやれば、どこかで掠ってくれるかもしれないだろ?」

 

 まぁ、奥の手が無い訳じゃァ無いんだがね。いかんせんこの嬢ちゃんに多くを語り過ぎるのも後が怖いので、そう言う事にしておいてもらおうか。

 さてと、この体の稼働限界も近いしそろそろメンテナンスして貰うとしますかね。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 さて、NRTN君育成計画の進捗ですが、可もなく不可もなくと言った具合でしょうか。ぶっ倒れるまで運動させる事が二回ほど出来ているので、根性値に関しては及第点レベルです。しかし、筋力育成が追い付いていませんね。良い体してんねぇにはまだ遠いです。

 

 さて、次の出撃であるFOB破壊作戦ですが、扱い上は章末任務ではありません。が、RTAでは当然二度手間なんて踏ませません。一撃で終わらせます。

 

 YSRDOR兄貴に「これなんだと思う~?」(イキSGT)と衛星写真をブリーフィングルームで見せられます。前線拠点が展開されつつある十字架型の海鳥島には原作には無いどデカい大砲が。太いぜぇ。

 教えて、ファントム先生~。

 

 「この中央の大砲、まだ完成はしていないみたいですが、恐らくは電磁加速投射砲の類でしょうね。確かルーマニアでユリシーズ小惑星群迎撃用に開発された……」

 

 「そう、通称『バラウール』だ。何故連中がそいつをモデルにしたかは不明だが、この砲台は高い砲塔旋回速度をウリにしていた機種の筈だ。しかも、カタログスペック通りなら成層圏外まで余裕で届く射程を持つ。完成されれば、日本全土がいつでも狙い撃たれる訳だ」

 

 その高い砲塔旋回速度がまさか近距離戦闘での鈍器として使われるとは誰も思っていないようです。

 はい、お次の相手はガラス製バラウールです。便宜上Zai・バラウールと呼称されていますが。

 コイツにエスコンX2でミンチにされた兄貴も多いのではないでしょうか。今作でもそのトラウマは再現されており、エース棍バットされた日には当然即死です。

 

 世界観について少し触れておきますと、ユリシーズ小惑星群の迎撃設備として、各国でやたらレールガンが発達しています。その為、戦闘機用に小型化されたレールガンの開発も進んでいる訳です。実用化しているのはアメリカとロシアだけですが。

 こんだけレールガンが有ったらユリシーズの迎撃も成功するに決まってます。当たり前だよなぁ?

 因みにこの日本にも温泉の名前が付けられたレールガンが各所に点在しています。一体どこ澤重工製なのでしょうかね。

 

 さて、出撃の依頼が来たところでさっそく部隊編成と行きたい所ですが、早速ごねてますね。 

 解決策として、

 

 「自分が前衛を務める」

 

 「アプラから増援を呼べばいいだろう?」

 

 と提案しましょう。これによりライノ姉貴とジャズ野郎が編隊に合流するので、インターミッションでの好感度稼ぎが可能になります。ここで稼いでおかないと3章でザイノ姉貴化された時に収拾が付かなくなるので注意しましょう(2敗)。

 

 さて、戦闘空域突入前の空中で再び会話パートに入ります。NRTN君がファントム姉貴の開発経緯を知って何とか仲を取り持とうと声を掛ける場面ですね。

 ここは本来専用チャンネルで会話しているので内容は聞こえない筈なのですが、IEWS、またはそれに類する電子戦装備を持っている場合は割り込みが可能になります。ADFX-02であれば専用装備である統合電子機器『モルガナイト』が標準装備なので割り込み可能です。ここでの選択肢は、

 

 「根を詰めると怪我するぜ、お婆ちゃん?」

 

 です。

 NRTN君とグリペン姉貴の唖然とした声が聞こえますが無視だ無視。

 

 「女性に年齢の話題は禁句では? お・じ・さ・ま」

 

 と返って来たので好感度調整は完璧です。予測不能の事態のせいで調整が狂ったかもとヒヤヒヤしましたが、何とかなりそうですね。

 戦闘空域である海鳥島に近づいくと、海中から何かが飛び出てきます。敵の潜水艦を発見!! 海軍の支援を要請する!!(にほんへ)

 

 ガラス製の潜水艦の上部から五機の戦闘機が上空に射出されたところで今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。Part2に続きます。

 




年内に二章までは終わらせたい……


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~Zai・バラウール討伐戦Part2

コミケに行く友人にガリフォ合同誌のお使い頼んだら完売してて買えなかったらしいので、悲しみも痛みも振り切るように初投稿です。




 海鳥島近海 深度250m 『ガラスの棺桶』艦内 ブリーフィングルーム

 

 無人島の上に作られつつあるガラスの要塞。その近海を悠然と泳ぐ一つの影があった。全長はおよそ300m前後で潜水艦としては、いや、()()()()としては規格外の大きさを持つ。

 それはかつて、ロシアで開発が進められていたが、骨組みが作られたところでザイの襲来が発生し、計画がとん挫、廃案となった結果に破棄されていた大型潜水母艦のフレームをとある一派が押収し、皮肉にもそのザイ由来の技術を用いて改良が施された物だ。

 ザイ由来の技術をふんだんに使用した船体は常に淡い光を帯びている。その形相は、まるで()()()()()()()とでも言うべきか。

 

 その中の一室はホテルのスイートクラスと見紛うほどの豪華な内装だ。

 部屋の中央に置かれた大理石のテーブルは中央がモニターになっており、周辺海域の地図が表示されると同時に部屋の照明が一段階暗くなる。それは彼らにとって、仕事の打ち合わせの始まりを告げる合図でもあった。

 

 自動ドアが開いて現れたのは、四人の男女を束ねる隊長である灰色の髪とオレンジ色のもみあげを持つ少女、ゼロツーだ。

 拘束服にも似たNFIデバイス内蔵の専用操縦服を身に纏い、部下たちに呼びかける。

 

 「空の英雄の(アニマ)を持つ同志諸君、傾注せよ。我が部隊は間もなく戦闘態勢に入る。我々の獲物は、こいつ等だ」

 

 ゼロツーは端末をタップして数枚の画像ファイルをテーブルに表示させる。その中身は、現在の日本の主戦力である4機のドーター、そして、その日本に雇われている民間軍事会社が持つドーターの画像だった。

 

 「へぇ、これが未来を変える鍵なのかい?」

 

 「この鍵達は育ち切ってはいないがな。我々の目的は彼女らを打ち負かし、人類の可能性を証明する事だ。そうでなければ、歴史はまた繰り返されてしまう」

 

 「アニマなどと言うブラックボックスの塊に世界の命運を託す? 冗談じゃないだろう、それでは彼らが技術を託してくれた、この世界を繋いでくれた意味が無くなってしまう」

 

 「ザイには歴史改変能力がある事は()()で分かっているんだ。だからこそ我々は、何としてでも諸悪の根源を消さなければならない。この()()()に持ち込ませてくれた人々の思いを無駄にしないためにも」

 

 そう言ってゼロツーはテーブルのモニターを操作すると、周辺地図を拡大させ、敵艦隊の予測進行ルートやミサイルの飛来方向、果ては敵ドーターの予測進行ルートまで個別に表示された矢印を隊員に見せる。その内容の細かさは、まるで未来が見えているかのようだ。

 そして一際大きく拡大されたのは、深紅のドーター。JAS-39 ANM。彼女らが最も忌むべき、ループ元。  

 

 「最優先目標は私がやる。貴様らにはそれ以外の足止めを頼みたい。他に何か質問はあるか? ……よし、エクリプス隊、出撃だ。飛ぼう、全ては新時代(ノヴァ・エラ)のために」

 

 「「「「全ては新時代(ノヴァ・エラ)のために!!」」」」

 

 五人は手をそれぞれ重ね合わせてから一斉に掲げると、すぐに格納庫へ全力で疾走した。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 そのトラウマをぶち頃すRTAはーじまーるよー。

 

 前回はみんなのトラウマ、バラウールを破壊しに海鳥島まで行こうとしたら、どこぞのフルでメタルなパニックのデ・ダナンか、シンファクシ級潜水空母かお前はと言った感じで突如海中から現れた潜水艦から戦闘機が射出され襲い掛かってきました。NRTN君たちも困惑していますね。そら(ザイじゃなくて人類側の機体が襲い掛かってきたら)そう(なる)よ。

 

 敵戦闘機を確認。X-02A、ワイバーンです。

 敵は3点バースト対応レールガンを装備。極めて高火力な攻撃が予想されます。旧式の機体の為、装甲が犠牲になっていると予測されます。

 

 はい、バラウールの前に立ち塞がるのは一章クリア後のイベントでちらっと顔見せされた、翼端がオレンジ色のX-02Aことゼロツーちゃんと四機のSu-30です。どこぞのシラージさんとこみたいな編成してるなお前。

 色は同じでもミハイお爺ちゃんのS型と異なり初期型のA型がベースですので、ペンドラルフィンが有ったりカナードの形も違う等の違いがあります。この辺りのモデリングが細かいのも良いですね。

 しかし、高級仕様であるクイーンズカスタムを筆頭に数々の規格外チューンによるドーター顔負けの機動力を持ち、火力に関してはミハイお爺ちゃんとほぼ同じ装備構成なのですこぶる高いです。3点バーストレールガンにだけは絶対に当たらないようにしましょう。当然の様に氏にます。(2敗)

 

 また、特徴としてやたらグリペン姉貴のケツを掘ろうとしてきます。これを逆手に取り、その無防備な後方から逆にケツを掘り返すのがゼロツー戦の基本となります。

 

 じょっぱなからこんな強敵持ってくるんじゃねぇよって話ですが、この戦闘では彼女を撃墜する必要はありません。様子見戦闘なのか割とすぐ逃げますしね。ですが、後々の為にフラグをいくつか回収する必要があります。 

 まずはワイバーンの下側に潜り込み、PSMで上向くんだよ90度をしてからミサイルを撃ちます。ルートによって時間帯が異なりますが、要するに『太陽と自機の間にワイバーンを挟む形』にして撃ちましょう。今回は真昼なのでこのような形になりました。因みにアニマ限定技である主兵装ボタン長押しによるミサイルのHimat化はここではしなくていいです。シンクロ率の低いアニマの場合は誘導精度が悪いので尚更ですね。

 

 「あいつ……太陽を背にしてミサイルの誘導を反らしたのか!?」

 

 「驚天動地、信じられない。咄嗟に思い付く手じゃない」

 

 とNRTN君とグリペン姉貴のセリフが聞こえたら成功です。以後も彼女は昼間に戦う場合はかなりの確率で通常撃ちのミサイルはこの方法でかわしてきます。

 次は反対に上空から襲い掛かり、ワイバーンを自機と海面の間に挟むようにして飛びましょう。海面との角度は90度垂直が理想です。この状態でミサイルを撃つと、ワイバーンは海面スレスレまで飛行した後に急上昇をし、ミサイルを海面に叩き付けてかわします。これも通常撃ちで構いません。

 

 「そんな……命が惜しくないのですか、あのパイロットは?」

 

 「あ~もう、見せつけてくれちゃってぇ~!! あれくらいイーグルでもできるんだから!!」

 

 と、ファントム姉貴とイーグル姉貴のセリフが聞こえたら成功した合図です。

 ここまで来ればもう一息です。最後のフラグはワイバーンが撤退する時間の半分が経過する前に装甲を半分以下にまで削る事です。これら全てを達成するタイムリミットはざっと2分と言った所でしょう。その為のT・L・S!! タクティカル・レーザー・システムって感じで……

 

 動くと当たらないだろぉ!? 動くと当たらないだルルォ!? (少女追跡中)

 

 中々当たりませんね……。こういう場面ではシルフウイングを積んだカリバーンかフォルネウスの変態糞機動力が欲しくなります。TLSが無いので足りない火力を補う為にロケット弾ポッドを当てる腕が必要になりますが。

 モルガンは搭載装備による火力と電子機器こそ優秀ですが、お世辞にも旋回上位勢ではありませんからね。ウイングパーツから作るべきだったかもしれません。ストップウォッチを見る限りタイムリミットまで残り45秒、やべぇよやべぇよ……

 

 「ぶちかませライノォ!!」

 

 おっと、まさかのジャズ野郎が遠距離からのレールガン狙撃でダメージを与えてくれました。X-02Aのレーダー上の表示が白から黄色になっているので装甲半分以下ですね。残り25秒あるのでフラグの達成は成功です。

 まさかジャズ野郎がリカバリー要因になってくれるとは思わなんだ。

 

 「こちらエクリプス1、被弾した」

 

 「墜ちましたか?」

 

 「いや、致命傷にならない機体コントロールのやり方はお義父さまから習っている。あとで貴様たちにも伝授してやる」

 

 一連の流れが聞こえてこれば成功です。実は回収可能なフラグの種類はもう少しあるのですが、自機が被弾する必要があったりで安定しません。どれもランクS条件を取り逃しかねない条件なので、本チャートでは以上のフラグ回収を行いました。

 

 ボス敵であるゼロツーちゃんことミカエラ・シラージは自前の特殊技能として『天界の王の後継者』を持っており、被ダメージの軽減や、マニューバ時のG影響の軽減などの恩恵を受けています。

 これによりプレイヤーが使うと装甲がペラッペラなX-02シリーズが信じられないほど固くなり、機動力の制限も解除されています。硬くて速いとかメタル系の敵かな?

 

 「ふん、今日の所は様子見だ。また会おう、バービー達」

 

 2分以内に条件を達成するか、4分が経過すると乱入して来た5機は逃げていきます。この時イベントムービーが挿入されますが、僚機である四機のSu-30の尾翼のエンブレムは必ず確認しましょう。今後のステージで影響が出ます。全員エンブレムが三本線の下に刻まれているので分かりにくいですが、今回は南十字星を加えた鷲、リボン付き、赤毛の戦乙女、赤い犬ですね。ホッ。

 と言うのも、リボン付きの死神か赤蠍などと言った所謂傭兵出身が来た場合、遭遇の度に毎度機体をランダムに変えてくるので攻略が安定しません。この前はフェンリアを持って来られて開幕コンギョで蒸発させられました(1敗)。

 

 エクリプス隊が去ったら次はFOBの破壊です。

 まずは皆さんお待ちかね、Zai・バラウールを破壊する必要がありますが、このフェーズになると敵機は誘導管制処理を行おうとしているファントム姉貴を優先的に狙おうとしてきます。なので、NRTN君と共闘して彼女を守り抜きましょう。俺は防衛を行う!!(にほんへ)

 

 お次は攻撃目標指示です。好感度を稼いでいると、味方キャラにも指示が出せるようになり、その遂行率も上がってくれます。ここで重要なのがライノ姉貴のレールガンですね。レールガンフラグを回収していないと、この場面で高確率でレールガンがお釈迦につき弾切れになっています。だから、フラグ回収をしてレールガンの発射数を増やしておく必要があったんですね。(親の顔より見た構文)

 

 「支援要請りょうかーい。発射ぁ!!」

 

 ライノ姉貴がバラウールにレールガンを真正面から撃ちこみ、砲身を破壊してくれました。良い破壊力だぁ……(恍惚)。やはりレールガンは空戦にて最強。

 余談ですが、エイム力自信兄貴は通称ゼロツーチャート、もしくはレールガンチャートと呼ばれるチャートで走っているそうです。このチャート、何と初手のキャラメイクでX-02S ストライクワイバーンを使えるキャラを引くまでガチャを回し続けると言うとんでもないチャートとなっています。

 レールガンは総弾数こそ増やしても30発前後ですが、逆に言えばエイム力さえあればその30機は確実に落とせます。しかも貫通効果があるので期待値はそれ以上です。

 レーザーの場合は掠れば即爆散の様な攻撃力は無く、当たり判定もやや太い程度ですが、照射しながらの薙ぎ払いによる雑魚の一掃がやりやすいのと、当て続けられた場合での総火力の高さではこちらに軍配が上がります。

 まぁ、僕はTLSとモルガンやファルケンが好きなので、それらの使用を想定してチャートを組んだんですけどね。

 

 しかし、砲身を中破させたと言っても、振り回しによる鈍器攻撃は健在です。某東方不敗の様にメルヘンゲットされないように注意しましょう。(2敗)

 航空型ザイに関してはTLSをある程度温存さえしていれば特にいう事はありません。機銃とかで適当にあしらっておきます。

 

 Zai・バラウールを中破以上させてから60秒が経過すると、地面から地対空クラスター弾型ザイが生えてきて発射体勢を取ります。これを即座に破壊する事が、一回でこのミッションを終わらせる必須条件です。経過時間が経ったら今度はイーグル姉貴に攻撃指示を出し、こちらもTLSで同時に攻撃してあげましょう。地上を同時に焼き払えれば、クラスター弾の発射は防ぐことが出来ま……あっ

 

 『機体ダメージ上昇 回避して下さい』

 

 痛いんだよぉぉぉぉぉ!!(全ギレ) TLSで低空飛行背面撃ちなんて洒落たことするからそうなるんだろいい加減にしろ!!

 はい、発射前のクラスター弾は破壊すると射出成功時ほどではありませんが、いくらか子弾が周囲に飛び散ります。当然ダメージ判定もあります。

 そのせいで取れ高を気にしてアホな撃ち方をした結果、アーマーが半分ほどごっそり持ってかれました。ま、まぁ、この一回で終わらせればSランク確定ですしお寿司……

 

 『04 RUNNING IN』

 

 敵FOBに一定以上のダメージを与えた場合、バイパー姉貴による援護攻撃(と言う名の実質的なトドメ)が飛んできます。超低高度から接近、対艦ミサイル4発同時発射と言う、その辺の攻撃機を鼻で笑う攻撃力ですね。バイパー姉貴はこう言った場面では基本的にトドメ要員ですが、好感度を上げるとこのトドメに来てくれるタイミングが早まります。実質的な敵HPの低下ですので、この後のインターミッションで積極的に上げていきましょう。

 

 『GOOD LUCK Antres』

 

 颯爽と登場して大火力投射後に颯爽と去るバイパー姉貴がセクシー……濡れるッ!!

 こうなれば後は消化試合です。前線基地は鈍器と化したバラウール先輩諸共ファントム姉貴管制のミサイルで焼き払って終わりです。三分間きっちり守ってあげましょう。

 

 「5……4……3……2……1……着弾(インパクト)

 

 もう終わりだぁ!!(レ) ファントム姉貴のカウントが終わると同時に降り注ぐ大量のミサイルが全て焼き払ってくれました。これにて第二章章末ミッション工事完了です。

 クリアランクはガバって被弾こそしましたが、一回の出撃で終わらせたので当然評価Sです。君は何も見ていない、いいね? と言った所で今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。

 



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~二章終了

お気に入り登録者350人越えとかウッソだろお前!? となったので初投稿です。


 閑話の癖してある意味こっちが本番のRTAはーじまーるよー。

 

 前回は何でかこっちに喧嘩を売って来た戦闘機集団を追い払い、ファントム姉貴によるミサイルの管制誘導にて鈍器と化したバラウール先輩ごと壊れちゃった……作りかけのFOB……をしたところまで終わりました。

 

 この後は扱い的にはインターミッションになります。つかの間の休暇を楽しみましょう。

 海鳥島攻略作戦は成功しようが失敗しようが、一度全機体が那覇基地に帰還します。

 この時に重要なのがバイパー姉貴の好感度稼ぎです。この機会を逃すと四章ラストまで会う機会が無いのでここで稼いでおきましょう。でないと今後の超兵器戦で苦労する羽目になります。

 整備ハンガーを出たらすぐにバイパー姉貴のドーターが格納されている倉庫に向かいましょう。この時、ホモがバイパー姉貴をチラチラと見つめ、その姿をおぼろげに捉えるイベントが入ります。この時のホモの『誰に見えたのか』の選択肢によって、以降はバイパー姉貴の姿がそれに固定されますが、ここでの答えは

 

 「MNHA姉貴」

 

 です。これはシュレディンガーフラグと呼ばれる自キャラであるホモの正体を決めるものの一つで、トゥルーエンドを迎えるにはこの選択が条件の一つなのですが、なーんでこんな選択肢があるんですかね……?

 因みに自キャラが純正アニマの場合はそもそもバイパー姉貴と直接コンタクトをしてコミュニケーションする機会がありません。メールでの受け答えで好感度及びフラグ管理は出来ますが。

ホモは半分は人間なので、彼女の正体に関する認識にズレが生じているようですね。

 チラチラと確認したらすぐに彼女の後を追いかけましょう。最速であれば倉庫裏辺りで話しかけることが出来ます。選択肢は

 

 「さっきは助かった」

 

 「その服似合ってんねぇ」

 

 です。助けられたらまずはお礼を言いましょう、古事記にもそう書いてあります。続いてその可愛らしい服装も褒めてあげましょう。女の子の服装を褒めてヨイショするのは好感度上げの基本です。

 筆談でテキストを示す仕草が可愛らしいですね。続いて彼女からNRTN君とグリペン姉貴についての印象を聞かれます。

 

 「青臭いけど案外やる奴」

 

 「食いしん坊だけど頑張り屋」

 

 と答えておきましょう。好感度を稼ぐと共に、どんな因果が仕事をしたのかここでの選択肢により今後NRTN君がグリペンのメインパイロットを務めるか、臨時のみ操縦を変わるサブパイロットかが決まります。バイパー姉貴が推薦でもしてくれたんですかね? トゥルーエンドに必要なのは当然前者です。

 

 バイパー姉貴との好感度稼ぎ第一陣が終了したら次は俗にいう海水浴イベントって奴です。ここでホモの着用する水着の選択肢はいくつかありますが、各キャラへの好感度の影響は誤差の判中なのでグラフィック変化のオマケ程度と考えてどれを選んでも構いません。おとなしくセパレートでも選んでおきましょう。

 余談ですが、改造アニマは背中から企業機密コネクタが突き出ているので、一般のプール施設などに入れません。つまりこれがホモの最初で最後の水着シーンですね。

 

 さて、海岸に到着すると海藻まみれになったグリペン姉貴がイーグル姉貴を追っかけまわしている場面に遭遇します。本難易度では水着のデザインが原作12巻のイラスト準拠の暗い赤地に白の水玉模様に変わっているのが特徴です。それを尻目にビーチベッドで寛いでいるNRTN君とファントム姉貴に話しかけておきましょう。ファントム姉貴にNRTN君の今後について意見を聞かれますが、

 

 「本人のやりたい様にさせてやれ」

 

 続いてNRTN君に対しては 

 

 「引き返すなら今の内だぜ?」

 

 と答えましょう。バイパー姉貴とのフラグを回収している場合はこの会話での選択肢の数が少し減るので短縮に繋がります。あそこでフラグ回収した時点でNRTN君は自衛隊残留確定ですので。お前もう生きて帰れねぇなぁ?

 最後は観光に来ているジャズ野郎とライノ姉貴の海軍コンビに話しかけましょう。どういう訳かここでのライノ姉貴の水着は何と紺の旧スクール水着です。なんて格好、してやがる……ライノォ!!

 

 この時点で好感度が一定以上になっていると、サイドストーリー『美女とジャズとレールガン』が開始できるようになります。サイドストーリーと言うのはそのキャラに対する掘り下げ視点みたいな物で、過去の回想の話なので視点キャラが一時的に切り替わります。今回はジャズ野郎ですね。

 ホモに対する好感度の増減こそありませんが、ライノ姉貴がザイノ姉貴化しても完全に敵にならないようにする為には回収必須フラグです。

 

 この後は武装の開発やグリペン姉貴の育成とNRTN君の調教を行います。海鳥島攻略に一発で攻略成功しているので時間猶予がある上に、ファントム姉貴との好感度調整も済んでいるので、ホモと協力させてNRTN君をバイノハヤサデー(にほんへ)育成することが出来ます。二章はある意味これが本編です。美少女に迫られて特訓(意味深)とか嬉しいだルルォ?

 ですが、そんな作業シーンをひたすら垂れ流すのもあれなので、皆様の為にぃ、この様な文章を用意しましたぁ、どうぞ。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 サイドストーリー『美女とジャズとレールガン』 

 

 

 ジャズ野郎こと、レオン・アークライトはかのレールガン製造会社として誉れ高いアークライト社の御曹司にしてテストパイロットである。

 容姿が良く、性格も陽気で気さくな事から人望もある。そのまま親の後を継げば社の重役、引いては社長になる事は容易かったであろう。

 しかし、仕事による忙殺を嫌った彼は軍の航空機パイロットを志願、その天才的な機体捌きにより弱冠22歳にしてかの有名なトップガンの主席に立つ。

 戦闘中にも命令がギリギリ聞こえるレベルで機内に持ち込んだプレーヤーからジャズを流していた事で、この頃から『ジャズ野郎』と周囲に呼ばれるようになっていった。軍規違反物ではあったが、周囲は特に咎める様な事はしなかった。

 そして、初めて所属した部隊での数度目の航空戦で、彼は自分以外の全ての仲間、上司を失った。

 

 理由は明白、ザイが相手だったからだ。

 当時はアニマやドーターなどの開発もされておらず、人類は通常兵器のみでザイに相対していた。トップガン主席の腕は伊達では無く、彼は機関砲のみで5機ものザイを撃墜したが、それが限界だった。

 ザイの繰り出す人間の出せるマニューバを超越したHimat、EPCMによる五感のかく乱とミサイルの誘導阻害、これらに対し、当時の人類は回答を持ち得なかった。

 

 苦渋の出撃を経験した彼はそのまま軍を辞退するが、アークライト社に戻るとこんな提案を出した。

 

 『レールガンの弾速と射程ならザイにも当てられる』

 

 それは即ち、現在据え付けの大砲型しか存在しないレールガンを小型化し、戦闘機に積もうと言うあまりにも荒唐無稽な計画だった。確かにアークライト社はレールガン開発の第一人者であり、同兵器に対するノウハウはどこよりもある。 

 しかし、当然そんな無茶にも程がある計画の実行を父親である社長は許可しなかったが、強硬手段として彼は自分を信頼してくれている一部の技術者を率いて、何と自分のポケットマネーで戦闘機用の試作レールガンの開発に漕ぎ着けてしまった。

 

 逆三角形に配置された三本の電磁加速レールが特徴で、後に量産化されたモデルに比べれば一回り程大型だが、それ故に戦闘機が持つにしては破格の攻撃力を得た戦闘機用のレールガンの試製モデル、開発コード名『アトラス』。

 テスト搭載する戦闘機については既にアテがある。軍にはザイとの戦闘データを持ち帰った事が評価され、かなり豪華な退職金が渡されているのだ。『中古のF/A-18E、もしくはF型を一機』。それが彼の示した条件であり、軍には時間こそかかると言われたものの存外あっさり承諾してくれた。

 

 そして、それは日課のドラムの演奏をしている時に突然やって来た。

 

 社内に設けられた娯楽用の小型スタジオには自分しかいなかった筈なのに、いつの間にか自分の演奏に合わせる様にピアノを弾く、青い髪の少女の姿があったのだ。海水浴にはまだ早い春先だと言うのに、スーツはウェットスーツのようなもので、少女特有の丸みを帯びたボディラインをくっきり見せてくる。

 

 レオンは一瞬困惑こそしたが、今まで自分の曲に合わせてくれる人間が殆んどいなかった事もあり、嬉しさから日が落ちるまでドラムを叩き続け、少女もまたピアノを弾き続けた。

 もう何曲叩いたかも分からなくなった辺りで二人は床に倒れ、一しきり盛大に笑った。

 

 「いやー驚いたぜ、まさかあんな曲まで知ってるとはな」

 

 「前からずっと聞いてたもん、あたしもあの曲好きだし」

 

 「こーんな可愛い嬢ちゃんとジャズで語れるなんて光栄だぜ。そう言えば名前は……」

 

 そこまで言い掛けた時にスタジオの扉が開く音がした。 

 入って来たのは数人の黒服のボディガードを引き連れた痩せこけた男だった。要人なのであろう白衣を着た男は老木の様に痩せこけた手足だが背は高い。しかし、猫背がそれを相殺しており、立ち上がったレオンと目線はそれほど変わらないくらいだった。

 

 「は、初めまして、レオン・アークライト元中尉。私はDARPAのウィリアム・シャンケルと言う」

 

 「国防の研究者さんが何の用だ? まさか今更になってうちの地対空レールガンの権利を寄越せとか言わねぇだろうな? 今まで散々貶して来たくせに」

 

 「そ、そう敵意をむき出しにしてほしくは無いな。今日は別件だよ。君達が開発している『アトラス』を我々に買い取らせてほしい」

 

 「俺の『アトラス』をだと……?」

 

 レオンはそこで訝しんだ。確かにアトラスの開発事業は大らかに宣伝にこそしていないものの、企業機密の極秘プロジェクトと言う訳でもない。どこからかは嗅ぎ付けて来られるのだろうが、それにしてもそれを買い取りたいとは驚いた。

 しかし、軍から身を引いた彼にとって、今はその『アトラス』の完成こそ彼の生涯の目的であった。その生き甲斐を国に取られると思い、

 

 「何億ドル積まれようが御免だね、戦場に出た事も無い奴らに俺の魂を渡す訳にはいかねぇな」

 

 「ま、待ってくれ。そもそも君が『アトラス』を作っているのは何故だ? ザイを倒したいからだろう? 目指す先は我々も同じだ。そこのライノは我々が考案した対ザイ用無人戦闘航空システム計画の到達点だ」

 

 「はぁ?」

 

 レオンはさらに困惑の声を上げた。青髪の少女がライノ? それが呼び名と言うのはまだ分かるが、何故こんな少女がどう説明したら無人機戦闘航空システムの行きつく先になるのか? まさかSF小説にある様なアンドロイドでは? 

 次々と疑問が浮かび上がるが、続く言葉によって疑問は完全に晴らされる。

 

 「今、君の目の前にいるソレは君が撃墜して墜落したザイのコアで出来ているアニマと呼ばれる物だ。更に言うなら、ドーターの素材となった機体は元は君の乗っていた機体だ。言わば頭脳と体を分けている状態だよ。そしてそれらが一つになった時、ザイをも打倒しうる力となる」

 

 「……アニマだか何だか知らねぇが、俺の()()をソレ扱いは訂正しな。元ザイだろうが、コイツは俺のジャズを理解してくれたソウルメイトだ」

 

 シャンケルの言動に苛立ちながらも、レオンはそっと彼女の頭を撫でてやる。心地良さそうに目を細めるライノだが、その直前と変わらずいつも笑顔が表情に張り付いていた。先程モノ呼ばわりされていた時から眉一つ動かさず、その表情はいつも笑顔のまま。

 

 「……気に食わねぇ」

 

 レオンは誰にも気づかれない様にポツリと呟くと、シャンケルにこんな提案を出す。

 

 「あー、分かった分かった。お国の為だ、『アトラス』はくれてやるよ」

 

 「り、理解が早くて助かるよ。まずは手続きの方を……」

 

 「だが当然タダではやらねぇ、二つ条件がある。一つ、俺と、俺に付いてきてくれた開発スタッフをそっちで雇ってくれ。少なくともそっちでなら、あいつらに俺の小遣いよりは高い給料と、ここよりは良い環境が用意できるんだろ?」

 

 事実、ここまではレオンのポケットマネーのみで開発を行ってきたため、試射場も中々使えず、研究設備も十全と呼べるものでは無かった。いくら社長令息と言えど、そこには確かな限界があったのだ。

 しかし、DARPAともなれば国のお墨付きなので潤沢な予算と上等な設備が期待できる。

 

 「ぜ、善処しよう。私の方から推薦状を書いておく。そしてもう一つは?」

 

 「決まってんだろ? 俺を嬢ちゃんに乗せな。俺が乗ってた機体が元だってんなら、あの機体は二人乗りのF型だ。コックピットスペースの融通は利くだろ?」

 

 「……あ、アニマの機動は君が今まで体験してきたものとは比べ物にならない程のGが掛かる。到底人間が乗れるとは……」

 

 「そうかいそうかい、じゃあこの話はご破算だ。とっととそのむさ苦しい黒服共を連れて帰んな」

 

 「む、無理とは言っていない。ただ、余りにも非合理だと言うだけだ。君と言う脆弱なパーツを抱えては、ライノはその性能を十全に発揮できない」

 

 「科学者の癖にやってもねぇことを諦めんのか? DARPAの研究者もその程度かよ」

 

 レオンは馬鹿にしたように笑う。あぁ、この男は自分の父親と同じだ。やってもみないことを頭ごなしに無理と決めつけている。非合理的だと言うただそれだけの理由で。

 確かに例えば会社の命運、例えば己の立場を天秤に掛ける身としては背負わなくていいリスクは出来るだけ背負いたくないだろう。だが、そんな理論は今のレオンにとっては知った事では無かった。

 シャンケルはしばらく黙考すると、根負けしたかのようにため息を吐く。

 

 「……わ、分かった、こちらも譲り受けて貰う『アトラス』の開発主任の意見の手前、無下にはしない」

 

 「じゃあ交渉成立だ。そういう訳で、よろしく頼むぜ? 嬢ちゃん」

 

 「もう!! 嬢ちゃんじゃなくて、あたしはF/A-18F-ANM、ライノ!! これからよろしくね、レオン!!」

 

 そして彼は開発途中のレールガンを引っ提げ、戦場の空に再び舞い戻る。あの頃から変わらぬ再生プレーヤーと、変わり果てた元愛機と、その(アニマ)と共に。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 何で等速に戻す必要があるんですか?

 

 今現在はNRTN君の調教も終えて武装の開発をしている所ですね。ここでは計算が正しければ軽量エルロンと指向性信管の開発が出来る筈です。RTAにおいては火力こそ正義なので先に武装開発から進めるのが正解なのですが、何故か先にウイングパーツから開発してますね……まぁ、どうせ予算足りてるし、ええやろ。

 ん? ちょっと待って? 何か(予算が)足んねぇんだよなぁ? ……あ

 

 《 地上を同時に焼き払えれば、クラスター弾の発射は防ぐことが出来ま……あっ

 

 

 

 『機体ダメージ上昇 回避して下さい』

 

 

 

 痛いんだよぉぉぉぉぉ!!(全ギレ) TLSで低空飛行背面撃ちなんて洒落たことするからそうなるんだろいい加減にしろ!!》(前話終盤参照)

 

 あああああああああああああああ!! テメェェェェェェェ!! 何してんだよぁァァァァァァァぁ!!

 

 あの時のガバ被弾のせいで機体の修理費がかさみ、ギリギリ予算が足りていませんでした……武装開発チャート壊れるぅ~^^

 せめてウイングパーツからでは無く武器パーツからの開発を徹底していれば最悪火力の底上げになる指向性信管だけは開発出来たのですが……もう仕方ない♂のでミサイルに関しては前の章で開発した指向性ラムジェットエンジンによる追尾性能向上だけで頑張りましょう。火力の期待値はやや低くなりますが。

 

 二章も終了したし今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 次回は鬼門の三章になります。

 

 



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三章スタート~シミュレーションゲイ♂ム

気が付けばガリフォ11巻発売&アニメ放映から1年経っていたので初投稿です

イベントパート盛り沢山なんですがそれは……


  

 『ガラスの棺桶』艦内 二番格納庫

 

 日本海近海をゆったりと回遊する全長300mのガラスの潜水艦の艦内で、とある機体の調整が進められていた。搭乗者の四肢は義手義足で、その先端部が可変して特殊な形状のコンソールと一体化しており、意識を傾けるだけでノズルが偏向し、フラップが開閉され、機銃の照準が作動する。だが、搭乗者は一連の動作を行った後に不満げな顔をした。

 

 「左フラップと右エンジン偏向ノズルフィンの反応が0.05コンマ遅いです。もう少し何とかなりませんか?」

 

 「む、無理ですよ!! そんな殆んど誤差と変わらないようなレベルの調整なんて!! その程度であればマニュアルの範囲内でしょう!?」

 

 「貴方たち技師はマニュアル通りの仕事をしていればそれで良いのかもしれませんが、戦場で機体に命を預けているのは僕ら自身なんです。もし僕が教主ゼロツーだったら、彼女はお許しにならないでしょうね」

 

 「っ……分かりました。すぐに調整に取り掛かります」

 

 「頼みます」

 

 義手義足の青年は悲鳴を上げた整備班を黙らせると、両腕の接続を機体から解除し、機内に持ち込んでいた音楽プレーヤーを再生させる。シートに背を預けて鋼鉄の義手で組んだ腕を後頭部に回し、物悲し気なバラードが格納庫に僅かに響く中、青年はポツリと呟いた。

 

 「……整備士はDARPAにいた頃の方が良かったなぁ」

 

 先程の整備士の悲鳴を思い出すなり、彼は以前所属していた場所を思い出した。

 ここの整備士達は所詮寄せ集めだ。確かにモグリの技術屋にしては様々なオーバーテクノロジーの塊をよく整備してくれている方だが、自分がまだDARPAにいた頃の様な完全なる誤差ゼロの調整はそう望めそうにない。さっきの数値だって、少しくらいの誤差は仕方ないと大分大目に見た方なのだ。

 

 「大変そうだな、そのシステムの調整は」

 

 そう言って機体の縁に腰掛けたのは、いつもの黒いレザーの様な拘束服にも似たNFI内蔵特殊服では無く、おおよそ鉄くさいこの場には似つかわしくない漆黒のイブニングドレスを纏った少女、ゼロツーだった。黄昏色のもみあげを持つ灰色の髪もいつもの降ろし髪では無く、後方で結んでいる。

 

 「おかえりなさい、教主ゼロツー。その様子ですと、商談は上手く行ったようですね」

 

 「あぁ、新たなスポンサーを得るのも苦労したよ。だが、これも計画の為だ。次の戦いには出せそうか?」

 

 ゼロツーが機体の縁に腰を預けたまま、()()()()()()()()()()()()()()()()()を見渡す。見た目からして戦闘機の持つ物としては異質なそれは、かつてアメリカで開発が進められていた技術だ。義手と義足を用いた神経接続による機体との真の意味での一体化。即ち、人間の耐G性能を考慮しなければアニマと同等の戦闘力を持つに至れるのである。

 そして彼は夢見ていた。自分が参加していた研究の成果が認められれば、自分の様な手足を失った者でも自由に空を飛べる日が来る、と。

 そう信じていた。()()()()()()()()()

 

 「えぇ、次の戦闘には出せます。間違いなくアイツが来るのでしょう?」

 

 「あぁ、私が()()限り、上海近海の上空で、君はあの男と再び出会うだろう」

 

 「それは良かった」

 

 青年の義手がカタカタと震える。それは恐怖にでは無い、歓喜からだった。

 あの男が来てからと言うものの、自分は散々な目に遭った。

 DARPAの技術コンペンションにて最後に立ちはだかったのが、あの男が開発していた戦闘機用の電磁加速投射砲だったのだ。

 国は次世代戦力検討モデルとして、搭乗者に対して複雑な手術が必要なナーヴ・サイコ・デバイス(神経、及び精神の操縦系列接続機構)よりも、資材さえあれば幾らでも量産が出来る電磁加速投射砲を選んだ。

 コンペンションに敗退した自分には雀の涙と言わんばかりの僅かな謝恩金が払われただけで、DARPAから追い出されてしまった。

 本来であれば、操縦系統が近しい自分こそが()()の横に立つのに相応しいと言うのに、あの男がそれを横から奪っていった。

 

 『よう、義足野郎』

 

 今でも思い出せる。あの男の軽薄な笑み。なぜあんな軽そうな男に彼女やみんなが……

 憎い、妬ましい、だからこそ……

 

 「今度会った時は必ず仕留めてやるよ。ジャズ野郎」

 

 どす黒い闘志を燃やした青年は、静かにそう呟いた。 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 お前を……俺の女にする!!(LYRE兄貴)RTA第三部はーじまーるよー。

 

 前回は武器を開発しようとしたら、二章章末ミッションでだらしねぇ♂被弾をしたせいで火力の底上げが出来なかった所まで来ました。

 三章の最初は唐突なアンフィジカルレイヤーから始まります。ここで重要なのはNRTN君よりも早くグリペン姉貴に会いに行くことなのですが、これはまぁ余程時間を掛けない限り大丈夫でしょう。NRTN君は自宅からですが、ホモは兵舎からスタートなので、すぐに彼女に会いに行くことが出来ます。

 ただ、会いに行く前にグリペン姉貴の部屋に入るのを忘れないようにしましょう。お邪魔するわよー。

 

 なーぜーか持っていた鍵で開けた部屋に入ったら、すぐに本棚を調べます。

 すると、『中国自家用操縦士・学科試験問題集』を発見します。パラパラと読んでいくと

 

 「……ひどく懐かしい本だ」

 

 と、妙な笑みを浮かべたホモのセリフが流れたらフラグ回収達成です。ページをめくるの選択肢を五回連打して挟まっていた受注票を確認しないとフラグ達成にならないので注意しましょう。(2敗)

 フラグ回収をしたら急いで滑走路に向かいます。余談ですが、グリペン姉貴の部屋に寄らずに神社に行くと、トゥルーエンドフラグを犠牲に装備すると装甲のオートリジェネが付与されるパーツの一つ、『コマツ=タリスマン』を入手できます。

 

 滑走路に立ったらイベントシーンに入ります。

 NRTN君がいる場合といない場合でムービーの長さが変わりますが、当然前者の方が長くなるので彼が合流する前にイベントを発生させる必要があります。

 こ↑こ↓でなら全てを覚えていると言うグリペン姉貴に来ちゃダメと言われます。ホモは半分人間だからね、仕方ないね♂。ですが、無視して彼女の方へ歩み寄るホモ。ホモはせっかち。この時にグリペン姉貴が首を傾げる描写が入ります。

 すると、数歩目を踏み出した辺りでNRTN君が合流し、グリペン姉貴に色々質問責めをしますがタイムリミットが迫り、「慧、正しい選択を」と言われた所で夢から覚めます。

 

 ちなみにフラグを回収しているか否かによってこのイベントの内容はだいぶ変化します。フラグを一切回収していないのであれば、一足早くこの世界の真実を知ることができます。フラグを回収する場合TDN人間のだと滞在可能時間が短いので注意しましょう。

 

 夢から覚めた当日は襲来とかも起きず平和な一日です。

 小松三人娘とNRTN君をを模擬戦で育成しておきましょう。また、NRTN君に話しかけ、『明後日なら良いが、明日は予定を入れるな』と注意しておくことを忘れてはいけません。(1敗)

 

 さて、二日目です。

 注意喚起した事により、NRTN君が何の問題も無く厚木基地に向かうことが出来ます。アニマや改造アニマの場合はこの際にホモも同行させられます。

 

 もうお気づきだと思いますが、この日付調整によってMNHA姉貴がNRTN君とどっか出掛けようとする際に毎度の如く発生するドタキャンを全て回避させているんですよね。前章でNRTN君と外出したイーグル姉貴を遭遇させなかったのもこの為です。これによりMNHA姉貴のNRTN君への好感度が一定値以上がキープされ続けた場合、MNHA姉貴理解ルートが解禁され、NRTN君のSAN値が滅多な事で減らなくなります。やっぱり正妻じゃないか……(幼馴染ヒロインを推す派)

 

 厚木基地に着いたら、ジャズ野郎とライノ姉貴、そして三章の大戦犯であるシャンケル博士と合流します。そんなもの(ブロウラー)作らなくていいから……(良心)

 ただ、本難易度ではライノ姉貴に追加の武装『ブロウラーⅡ制御』が追加されるので一概に無能と言う訳ではありません。こっちだけ作っておいてくれよ……

 ライノ姉貴が生存した場合、章を増すごとに制御数が増えていく非常に強力な武装ですが、ザイノ姉貴化していた場合は最大3機までの制御で止まります。それでも十分強力ですが。

 シャンケル博士の役に立たないゴミ(ブロウラー)の説明が終わると、YSRDOR兄貴との言い合いが始まり、そこから逃げる様にして外の広場に出て食事会が始まります。

 

 余談ですが、僕がブロウラーをボロカスに言っているのは、この後の三章章末ミッション『上海奪還作戦』であれに何回も落とされたからです。無駄に並みのドーター顔負けの機動力を持ち、尚且つミサイルの搭載数から総火力も高いので、ザイ制御になった場合は非常に回避が困難です。フォルネウスやカリバーンでなら避けるのはまだ易しいのですが、モルガンは最大の欠点としてフレアが2回しか使えません。架空機はフレア使用可能回数が少ない傾向があります。それでも他の架空機ですら最低3回は使えるのですが、モルガンとファルケンは輪に掛けて少ないです。

 これにより自衛面が厳しく、幾らレーダーを注視していても完全に避けきれないことがまぁまぁあります。頭に来ますよ!!

 

 さて、広場に着いたらジャズ野郎とライノ姉貴が大量の食糧を持ってきます。ここでの選択肢が最後のライノ姉貴とジャズ野郎の好感度稼ぎ所さんです。

 レールガンフラグを全て回収していた場合、ジャズ野郎のセリフが

 

 「ここまでの実戦経験とライノの助言で大分仕上がった」

 

 となります。まぁこれはフラグ回収チェッカーぐらいしか機能しないので頭の片隅に入れておく程度で構いません。

 この後の『ストイックな質問』では目に光の無いライノ姉貴が見られますので、イベントCG保存派は速攻で保存しましょう。

 「アニマもいつか対立の芽を探していくのか?」と聞かれた際の選択肢は

 

 「そいつはお前次第だ」

 

 です。本編ですと地雷選択肢なのでトラップに引っ掛かった兄貴も多いのでは無いでしょうか? 本難易度でのライノ姉貴はジャズ野郎のお陰で、ある程度の感情抑制リミッターが外された状態にあります。その為、日常パートでは割と辛辣なライノ姉貴を見る事も出来ます。気遣いできる子は本質が見えてるからね、しょうがないね。

 ライノ姉貴との好感度調整はこれにて工事完了なので、お次はシャンケル博士に呼ばれて謎のゲイ♂ムに挑戦します。

 この回答は生産拠点と都市を全て放棄して人類をひたすら逃がし、一定人数以下にすれば良いだけなので簡単ですが、それをやるとイベントシーンが入る上に特にフラグにも影響しないのでまず味です。事前にやっていたNRTN君同様、全兵力を適当に特攻させましょう。大和魂を見せてやる!! バンザ~イ!!(にほんへ)

 

 ダメみたいですね……ってのが分かった所で最後にグリペン姉貴が正解を導き出します。そのデータに興奮したシャンケル博士がグリペン姉貴を検査装置に掛けようとしますが、好感度の為にも全力で阻止しましょう。暴れんなよ……暴れんな……

 時間稼ぎが済むと、YSRDOR兄貴が迎えに来てくれます。ここは素直に彼の指示に従いましょう。I will 撤収!!

 

 帰宅便の中でYSRDOR兄貴がNRTN君にシャンケル博士はアニマが何なのか分かっていないと愚痴りつつも、唐突なベビーシッター宣言を横で聞きつつ、ホモが眠りに入った所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 ??? ある男の独白

 

 

 男は本質の世界に足を踏み入れていた。訳あって偽っている今の姿では無く、本来の姿で、本来の性格で。熱くも寒くも無い無意識の海を漂っている。

 ()()()()()()()この肉体を失ってどれくらいの時が経っただろう? あの世界を何回彷徨っただろう? もはやその回数すら不確定な物になっている。10回か? 20回か? 下手をすればもっと多いかもしれない。

 あと何回走れば、自分は答えに辿り付けるのだろうか? 途方も無い思索のループが続く。

 

 それでも諦める訳にはいかない。()()を意地でも連れ戻すと決めたあの時から、時間が掛かるのは覚悟の上だ。自分の(アニマ)がどのくらい自分が自分である事を覚えていられるかがタイムリミットになる。それを過ぎれば、()()()()()()()()()そのものが消滅してしまう。それでは何もかも意味がないのだ。下手をすれば、()にも影響が出てしまう。それは今はマズい。

 

 あぁ、あの時の手紙の差出人の、あの文言に込められた気持ちが今なら分かりそうな気がする。

 

 もし答えに辿りついた時に()()が自分では無く()を選んだ時、自分はそれを素直に祝福できるだろうか?

 

 決まっている。間違い無く否だ。

 

 ()はそんなにお人好しじゃあない。

 

 その時が来たら、俺は間違いなく()を殺すだろう。存外健気な()に絆されかけている自分に若干呆れるが、それでも容赦はしないつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 例えそれが、()()()であっても。 

 

 

 

 

 

 

 




週一ペースは崩さないように頑張ります。


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~出撃前日

友人に見せて貰ったツイッターにて深刻なネタ被りが有ったので初投稿です。やっぱりこのガリフォと言う作品とRTAを重ね合わせる人はいたんやな、って……
あ、作者はツイッターやってません。日頃からウカツ!!な発言が多いので向いてないと思ってます。

2/23追記 アカウント作ってみたは良いけど絡み方含めて右も左も分からねぇ……


 シューティングゲーだと思ったらギャルゲーだったでござるなRTAはーじまーるよー。

 前回はシャンケル博士にシミュレーションゲイ♂ムをさせられ、グリペン姉貴のデータに興奮した博士が機械に掛けようとしたところを阻止した所まで来ました。

 

 自衛隊基地の朝は早いです。起床ラッパに合わせてこちらも起床したらすぐにNRTN君の自宅へ向かいましょう。本難易度では本編とややXデイスケジュールが異なっているのですが、上海上陸作戦の決行が厚木訪問の二日後になっている上に、この日はNRTN君の早朝マラソンをファントム姉貴が阻止しに来ますが、NRTN君の筋力ステータスが足りている場合は実は放置しても構いません。ですが、本チャートではフラグ回収の為に同行します。

 

 河川敷に着いたらジャズ野郎とファントム姉貴を呼び出しておきましょう。このタイミングで呼び出しておかないとNRTN君がここを通過するまでに二人の到着が間に合いません。走って来たNRTN君に対して優しい暴力を咥えようとする(殺しに掛かっている)ファントム姉貴を面白半分で眺めてからNRTN君を捕まえます。この方がNRTN君が消耗しているので確実です。

 

 捕まえたら『良く分かる米国の心理講座』を二人に開いて貰う事により、NRTN君の米国と今回の作戦の真相への理解が深まります。これもNRTN君覚醒の片鱗フラグです。四章までの物を全部回収しないとグリペン姉貴改装イベントが発生しないので、回収忘れをしないようにしようね(合計いっ敗)。

 どうやらジャズ野郎も表向きはおとなしくDARPAの所属という事になっていますが、あんまり国の事は信頼していないみたいですね。

 

 「貴方も変わっていますね。一介の兵士がアニマにそこまで肩入れするなんて」

 

 「半年近くライノの相方を務めちゃいるが、俺はアイツの泣き顔も知らねぇんだ。あの笑顔だってきっと本物じゃねぇ。大方そう思わないようにさせられてるんだろうよ。実用性第一は良くも悪くもあの国らしいところさ」

 

 「でも、彼女は貴方の曲には惹かれていた、と」

 

 「それがアイツの感情を呼び覚ますトリガーになるかもしれねぇ。そう思って俺は今でも戦闘中にジャズを聴いてる。あの木偶野郎には感情抑制何たら……まぁいい、兎に角リミッターなんて可能性殺すもん付けるんじゃねぇとは言ってはあるがな……」

 

 ここの会話の内容はファントム姉貴とライノ姉貴の好感度の合計値で変わり、一定値以上だとサイドストーリーでジャズ野郎が彼女を見て気に食わねぇとぼやいていた原因の一端が垣間見えます。ちなみにこの次元ではライノ姉貴のロールアウトが一年ほど早いです。

 この後、NRTN君が自分はどうすればいいのかと聞いてきますが、ここでの選択肢は

 

 「MNHA姉貴には説明した方が良い」

 

 です。この章でMNHA姉貴が真実を知る事はありませんが、この後のお出かけタァイムの後にイベントシーンのフラグが経ちます。これもまたMNHA姉貴完全理解ルートのフラグなので選択肢を間違えてはいけません。

 

 NRTN君と別れたら章末ミッション前の好感度稼ぎタァイムです。

 

 ここはイーグル姉貴を連れ出しておきましょう。彼女の勘は鋭いので放置しておくと無意識にNRTN君とMNHA姉貴のデートを妨害する原因になりかねません。我々の(フラグ)を守れぇ!!(にほんへ)

 ショッピングモールでパフェを奢るとイベントCG「強さの秘訣」を回収できます。イーグル姉貴にあ~んされたいな俺もな~。因みにこのイベントCGの発生条件は、ここまでの模擬戦で全て彼女にスコアで勝っている事です。

 なぜそこまで強いのか?と聞かれたら

 

 「年季が違う」

 

 と答えましょう。

 実はこ↑こ↓、シュレディンガーフラグ入りの選択肢「天才なんだよ、俺は」も含まれるのですが、テキスト量が他の選択肢に比べ2倍以上あるのでRTAではまず選びません。まぁ、1、2か所くらいフラグ回収見逃しても……バレへんか……あ、実際はトゥルーエンドコース開通の為のシュレディンガーフラグは全てを回収する必要は無く、2、3個は見逃しても大丈夫です。ただしトロコンをするなら全回収必須なので注意しましょう。誰かトロコンRTA走って♡ 走れ(豹変)。

 

 イーグル姉貴とのお出かけタァイムが終わったら、立てたフラグを回収する為に急いで公園にイクゾー。デッデッデデデデッ カーン デデデデッ 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 日の長い夏と言えど日が傾き、夕方に迫りつつある自然公園に設けられたベンチには、二人の少年少女が離れすぎとも密着しているとも言えぬ微妙な距離感を保って座っていた。

 どこかもじもじしながらもポニーテールに髪を結わえた少女、明華が鳴谷慧に対して口を開く。

 

 「でも良かった~。今日は慧がバイトの呼び出しとかですっぽかさなくて」

 

 「あぁ、今日一日はフリーになるよう、上司が日付調整してくれたからな」

 

 「モルガンさんのこと? あの銀髪でジャケットいつも着ている」

 

 彼女はモルガンとは面識がある。よく遅刻寸前だとか言って早朝から慧を叩き起こしに来るからだ。彼の準備中に少し世間話をしたら仲良くなり、今では偶に「いつもうちの慧がお世話になっています」と手作りの弁当まで作ってあげている仲である。

 

 「そうそう。ヘマこくと蹴っ飛ばされるけど、凄い教育には熱を入れてくれるんだ」

 

 慧は日々の地獄のような鍛錬を思い出す。モルガンとファントムの二人掛かりによる徹底的なシゴきは、確かに自分の体力の向上と操縦技術に磨きを掛けていった。それは既に、一介の学生が持つ物としてはイレギュラーの境地になりつつある。

 つくづく自身が平凡な学生から離れていくことに肩を竦めながらも、同時に彼女が横にいる、今この瞬間に感じる日常のありがたみと言うものを思い知らされた。

 

 だからこそ……彼女には打ち明けるべきなのだろう。今の自分が置かれている現状を。

 

 彼女の前でなら特殊な専用機の専属パイロットでは無く、一介の少年として自分はいられる。けど、自分がそんな二面性を抱えている事を隠し続けて良い物だろうか。かのモルガンに今朝こう言われた。

 

 『んなガキの頃から一緒にいるなら身内同然じゃねぇか。そういう人間は大事にしろよ、俺みたいに後悔してからじゃあ遅いんだからな。で、その上で落とし前はテメェでつけな』

 

 モルガンもかつて自分と似た境遇にあったらしく、彼女(ファントム曰く彼?)はその事で悔やんだと言う。

 動き出した物語はもう止まらないだろう。けれど、今ここで全てを投げ出して唯の避難民生活に戻るのは何か違う気がする。

 何が違うのかは具体的には分からない。けれど……いや、多分グリペンのせいだろう。あの食いしん坊で寝坊助のペールピンク髪のアニマを、自分はもう放ってはおけない。

 

 「なぁ、明華」

 

 「なぁに、慧」

 

 「俺さ……明華を世界で一番大事な人だと思ってる」

 

 ぶふぅ!? と少女が出しちゃいけないような濁音が公園中に響き渡り、気道に唾が入ったのか激しくむせる。当然だ。本人がその気で言っているのでは無いとは言え、恋する乙女から聞けば、さぞそれは告白の言葉に聞こえた事だろう。

 

 「お、おい、大丈夫か?」

 

 「けふっ、けふっ……あ、あんた何を一体いきなり」

 

 「世界で一番? 大事?」

 

 「あぁ」

 

 「本気で、言ってる?」

 

 明華は耳たぶまで真っ赤にし、動揺も顕わに黒目が右と左を行ったり来たり。そして両手の指を付き合わせたりと何やら忙しい事になりながらも恐る恐る尋ねる。

 しかし、慧の方はと言うと、さも当然と言った様に語り始めた。

 

 「当然だろう。明華とは一番付き合い長いし、子供の時から今も何かと助けて貰っているし。何というか……俺の居場所、っていうか……うーん、いざ口にするとなると難しいな……」

 

 「……後半良く聞こえなかったけど、もう一回、言ってくれる?」 

 

 何かに期待しているのか、眼を爛々と輝かせて慧に詰め寄る明華。その鬼気迫る様な気迫に押されてか、慧は先程うっかり出た本音(・・)を思わず引っ込めて、当たり障りのない(と本人は思い込んでいる)言葉を選んでしまう。

 

 「恩人……そう、恩人だよ。世界で一番感謝しなきゃいけない人だ」

 

 「……それだけ?」

 

 「それだけって、ん……とにかくすげーありがたいと思って「はい、30点」」

 

 スパーンッ!! と小気味良いハリセンの音が公園中に響く。慧は突然後頭部を叩かれたことに驚きつつ周囲を見渡すと、いつの間にか自分が座っていたベンチの後ろには自衛隊で世話になっているPMC所属のオッドアイのアニマ、モルガンが何故か不機嫌そうな面構えでハリセンを手にして立っていた。

 

 「も、モルさん!? 何でここに!? 俺は今日は休みだって話じゃ!?」

 

 「あぁ、今日はお前は確かに休みだよ? 俺だってたまたま近くを散歩してただけだ。けどな……ヴァカか少年。あれか? お前正真正銘のヴァァァァァァカなのか?」

 

 バカを巻き舌風に言ってわざとらしく強調するモルガンは、マリアナ海溝よりも深いであろう少女の心に負った傷を代弁すべく溜息を吐くと、言葉を続ける。

 

 「途中までは良い感じだったのになんだよ、嬢ちゃんに詰め寄られた瞬間日和やがって。テメェそれでも玉金付いてんのか? あぁ? 明日っからまた鍛え直してやろうか?」

 

 「すみません……アレだけは勘弁してください……」

 

 慧が恐れているアレと言うのは、文字通り死ぬまで運動させられる地獄の特訓メニューである。2、3回経験があるとは言え、アレを毎日の特訓のコースに組み込まれるとなると最早地獄を超越した何かになる。モルガンは突然の登場に唖然としている明華に軽く会釈をすると、

 

 「よう、いつも差し入れの弁当ありがとな。この前のから揚げ弁当美味しかったぜ」

 

 「え? あ、はい……ありがとう、ございます」

 

 「……んな感じで良いんだよ、テメェも少しは見習いやがれ」

 

 小声で慧に耳打ちしてから小突くと、咳払いをしてから携帯端末を確認し、つい先程決まった仕事の内容を伝える。

 

 「え~、コホン。コホンコホン……がはごほげぼふぁ!?」

 

 「モルさんが吐血した!?」 

 

 「ちょっ……大丈夫ですか!?」

 

 「あ~、気にすんな。口の中に仕込んでいたトマトジュースが先程の少年が繰り広げたラヴコメの波動を受けて漏れ出しただけだ。俺が見るにはちょっくら青臭過ぎたぜ」

 

 シリアスな空気を破壊しつつハンカチで口の端を拭うと、彼の纏う雰囲気が少しだけ張りつめた物になる。その気配の変化を察してか、慧は自然と背筋がピンとしていた。

 

 「良く聞け少年。明日からテメェは数日間の教育合宿だ。集合は0330に小松基地前。詳しい内容はバスで移動中に説明する、以上!!」

 

 「随分と早い時間から合宿があるんですね……」

 

 「ま~、うちのクライア……じゃなくて店長はせっかちでなぁ。大雑把な内容は研修の後に実戦試験形式、見事合格すれば明後日には帰れるだろうよ。と言う訳で、そろそろ帰って寝ておかないと明日キツイぜ?」

 

 勿論嘘である。その正体は上海上陸作戦の決行が明日に決まったと言う事だ。

 ただの棚卸のバイトにしては異常な時間からの研修に唸る明華だが、ある程度面識のあるとは言え、まだ正面切って「何か裏があるでしょ?」とは聞けたものでは無かった。モルガンはこれも織り込み済みだ。故に彼女を傷付けず、それでいて悟られない様、表向きは彼のバイトの教育係の先輩として振る舞い続ける。少なくとも、慧が自らの口で彼女に真実を告げるその日までは。

 

 「分かりました」 

 

 「んじゃ、俺はこの辺で失礼するぜ。デートの邪魔して悪かったな」

 

 慧の了解を確認すると、モルガンは手をヒラヒラと振って足早に公園を去っていった。

 

 「……ねぇ、慧」

 

 「何だ?」

 

 「やっぱり……モルガンさんの言っている事って、嘘、だよね? ホントは裏でもっと凄い事しているんでしょ?」

 

 「明華……」

 

 「だっておかしいよ。高校生なのに夜勤同然の研修が有ったり、空襲の時も良く分からない怪我して戻ってきてたし、普通に変だと思ってた。ずっとずっと前から」

 

 返す言葉も無かった。明華は心のどこかでは気づいていたのだろう。モルガンの言っていたことは恐らくは自分が知りたくない答えを知らなくていいようにする為の気遣いであったことを。

 

 「でも、教えてくれなさそうだったから……ねぇ、慧。私じゃ、力になれない?」

 

 一息着いた後の意を決した問いかけに、慧は何も答えられなかった。心の底で悪いと思いつつも、自分にとって精神的に支えてくれる存在を、日常に、唯の高校生に戻れる場所を失ってしまう事をどこかで恐れていた。

 ……いや、そんなものは唯の自分で決めた勝手だ。だから、

 

 「じゃあさ……明日も弁当、作ってくれよ。行きにバスの中で食べるからさ。そしたら俺、研修を最速で終えて帰って来られるかもしれないし」

 

 「……分かった。じゃあ、バスで食べやすいようにおにぎりとおかず、作っておくから」

 

 今この瞬間は、これでいい。

 だけど、この出撃で上海の空を取り戻したら、必ず彼女に理由を説明して、謝ろう。

 それが俺の、戦場から生きて帰る理由なのだから。

 

 ◆◇◆

 

 イベントシーンが終わった所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 次回はいよいよ燃えないゴミ(ブロウラー軍団)と対峙します。

 




MNHA姉貴を救いたい……救いたくない?
本小説のテーマの一つです。


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~中国本土上陸

近所のブックオフでHGフルドド二機ゲットしたので初投稿です。


 

 空にフリージャズとバラードが鳴り響くRTAはーじまーるよー。

 前回は主にNRTN君関連のフラグ回収や好感度調整をしたところまで来ました。

 

 作戦開始当日の最初はホモはバスの中で眠っていますが、この時点で必要な小松三人娘及びNRTN君の好感度調整は済んでいるので起きる必要はありません。ロード時間を短縮する為にも眠っておきましょう。好感度調整に問題が発覚した場合はバス内の会話で少しだけリカバリーすることが出来ます。

 

 今作戦での母艦、ジェラルド・R・フォードに到着したら格納庫に強制連行され、ライノ姉貴とジャズ野郎と再会します。

 

 「あたしこれあんまり好きじゃないんだけどな~、重いし」

 

 「つっても、追加の増槽みたいなもんだろ? 確かにセンサーとか余計な物外せなかったのかとは言いてぇが……」

 

 何かライノ姉貴の機体の背中に余計な物が付いてますね……そうなんです、この時代では無人偵察機はEPCMで電波をシャットアウトされると制御不能に陥るのであまり使われません。なので、廃棄同然の物を買い取ってこのように追加ブースターとセンサー、増槽を兼ね添えた所謂『ゴーストブースター』として搭載した仕様が存在します。ジャズ野郎曰く『強化形態って言ったらフルアーマー一択だろ』という事でペットネームがフルアーマー・ライノになっていますが……。ゴーストブースターは尾翼が二基ある機体なら大体搭載可能です。モルガンもTLSを捨てれば搭載可能ですが、RTAで火力源を捨てる訳無いよなぁ?

 

 シャンケル博士の役に立たない作戦概要を聞いたらライノ姉貴に連れられて船内でパーティーです。みんな踊れ~!! DJDJ……(届かぬ願い)

 

 お小遣い稼ぎをしたいならここでイーグル姉貴とファントム姉貴の飲み比べ、または米兵とグリペン姉貴の輪の中に入って掛け金を募りましょう、どちらが勝っても儲かります。結局イーグル姉貴が勝つんですけどね。グリペン姉貴は10人抜き達成に掛けておけば一攫千金です。いつもならスルーするのですが、前章でガバ被弾をやらかしているのでこのままだと三章終了時にTLS強化集束レンズのパーツ開発が追い付きません。なので、ここで少しでも稼ぎます。

 

 お小遣い稼ぎが終わったらさっさと寝ましょう。因みにホモの種族が唯のアニマだった場合、謎の声にうなされるイベントが入ります。これのせいで翌日の作戦でシンクロ率が低下し、アニマコントロールの強誘導ミサイルや機銃の高精度レティクルが使用不可になり、Himatマニューバにも支障が出ます。純正アニマのレスポンスの高さに慣れているとここで苦労します。だから、種族で改造アニマを引く必要があったんですね。

 

 さて、長い長い三章章末ミッションの始まりです。本難易度では出撃前にジャズ野郎の演説が追加されます。

 

 「本作戦でアタッカーを任されているライノのパイロット、DARPAから派遣されたレオン・アークライト技術中尉だ。一応戦闘機用レールガンの開発主任というかスポンサーでもあるが、まぁ戦場(ここ)じゃ立場なんて物は糞の役にも立たねぇ。一介の兵士として作戦に参加する以上、祖国と人類の為には全力で戦ってやる。だが、俺とライノは途中の散発的な戦闘には一切参加しない。温存したフルアーマー・ライノとブロウラーⅡの戦力を持って、高高度から後方に控えている敵主力を一気に叩く」

 

 「言い方が悪いが、この際包み隠しはしない。お前らには俺の盾になって貰う。雑魚のガラス共相手は任せる……俺は空を飛ぶのが好きだ。自分の力を増幅させてくれる戦闘機が好きだ。好きで好きでしょうがなくて、全身の血液が沸騰しそうになる。だからこそ、俺は奴らが許せねぇ」

 

 「俺の、俺達の空を穢したガラス共には相応の報いを受けて貰う。あばよ、兄弟。この作戦には若干一名ティーンエイジャーが含まれているが未成年も関係ねぇ、生き残ったら乾杯だ!! よし、行くぞぉ!!」

 

 デッデッデデデデッ カーン デデデデッ(イキSGT)

 

 ジャズ野郎の演説を聞いたらいよいよ出撃タァイムです。

 TDN人間の場合は第一戦隊に回され、機体スペックの差もさることながらでそのザイとの数の差に地獄を見ますが、アニマの場合は第三戦隊に配置される他、PMC所属なので米軍に一度だけ高精度の援護射撃支援を要請することが出来ます。ただし本難易度ではライノ姉貴がジャズ野郎共々高高度にいるので、第三戦隊の数が一機少ないです。その代わりに後方で待機している重爆撃機タイプがジャズ野郎によって破壊されるので増援の数が減ります。

 あれ? これ本編と違ってイケるんじゃね? と誰もが思いますが、ところがギッチョン!!(焼け野原ひろし)。謎の衝撃波でアニマ達のシンクロ率低下とブロウラー乗っ取り事件が起きたらイベントシーンに入ります。

 

 ◆◇◆

 

 「何だよコレ……レールガンのノイズじゃねぇ、どこの誰だ!! 俺以外にラジオ鳴らしている馬鹿は!!」

 

 ライノ管轄のブロウラーⅡと、レールガンの火力を持って後方に控えていた重爆撃型ザイを二機撃墜したレオンは、通信に交じる謎のノイズと、先ほど走った謎の衝撃波に焦りを感じた。その直後だ。自機の右後方を飛んでいたブロウラーⅡ二機が、瞬く間に撃墜された。レーダー担当のライノが下方からの敵機の接近を警告。所属不明機が一機。

 

 一瞬見えたその機体は見た事も無い機体だった。欧州の試作機やその正式採用型の機体とも違う、大型の機体。ブラックバードとも見間違えたが、あんな速度特化の機体では今自分が目にしている様な機動力は出せない。また一機、また一機と撃墜されるブロウラーⅡ。しかし、ブロウラーⅡを盾にしている間に見えた相手の動きは、かつて自分が見た事がある物だった。周波数を切り替え、呼びかける。かつてDARPAのコンペンションで使っていた頃の周波数だ。

 

 「別格に速いな……その動き、あぁ間違いねぇ、お前だろ!! 義足野郎!!」

 

 『レオン・アークライト……お前は俺から空を、彼女を奪った……!!』

 

 「はん、女を寝取られてご立腹ってか? ガッカリだぜ、俺に勝ってDARPAに評価の再検討を申し込むとかだったらまだ見直したんだがなぁ!!」

  

 旧知であろうが既に攻撃をされている以上、相手は敵機だ。中に人間が乗っていようが容赦をする必要はない。機体をクルビットで反転させてから所属不明機に狙いを定め、レールガンを発射。しかし、

 

 『その武器の発射ラグは知っている!!』

 

 かわされた。かつて模擬戦闘で相対していただけあって、相手もこちらのスペックは熟知していた。あの日よりマシになったと言えば動作の確実性ぐらいで、電力がコンデンサーにチャージされるまでの時間は変わっていない。そして何より、機体の性能差が著しい。と言うよりは……

 

 「ライノォ!! 照準が甘ぇぞ!! どうなってやがる!?」

 

 「……」

 

 『どうした!? 彼女がいなければやはりその程度か、ジャズ野郎!!』

 

 「クソッ……テメェ、ライノに何をしたぁ!?」

 

 ライノから応答が無いのが気になるが、今は後ろを気に掛けている余裕はない。レオンは操縦席からパネルラインを操作して火器管制システム及び機体制御のライノとのリンクをカットし、機体に備わっているアニマ制御に比べたら色々な意味で貧弱なアビオニクスに切り替える。今この瞬間、この機体は普通のホーネットとそう変わらなくなった。

 レールガンを照準、発砲。しかしライノによる高精度の補正が無いせいで先程よりも着弾のブレが甘い。あと8発。ミサイルはもう撃ち尽くしている。機銃とレールガンだけで戦わなければならない。生物の如く機動性を発揮する化け物機体相手に。

 

 『このサイコ・ヴィルコラクの機動性でなら!!』

 

 「答えやがれ!! テメェ、さっきの衝撃波を知っているな!?」

 

 『俺は何も聞かされていない。だが、俺はあんたを殺せればそれで良い……っ!!』

 

 『彼女は……僕にとって希望だった、光だった。実験漬けでこんな体になった僕を蔑まず、いつも笑顔で傍にいてくれたんだ。戦闘力だって僕の方が上だ。お前さえ……お前さえいなければ、そこにいるのは僕の筈だったのに!!』

 

 「……テメェ、ふざけるのもいい加減にしろよ」

 

 レオンの中で怒りが沸き立つ。彼女が彼に向けていたのは決して本物の笑顔では無い。自分が来る前からそうだと言うのなら尚更だ。上辺だけの笑顔、当たり障りのない付き合い、気遣いの出来るおせっかい焼き。そんな物は上が都合のいい道具にせんとするべくプログラミングされただけの動作に過ぎない。多少リミッターが外れている今でさえ、本当の彼女が分かっていないのだから。

 だからこそ、義足野郎がその上辺だけの彼女を見て、それが彼女の全てだと、まるで自分だけが彼女をよく知っていると思い込んでいる事に怒った。

 そして、自分の技術こそが人類の希望と信じてやまないその幻想にも。

 

 「やっぱりお前にはガッカリだぜ、義足野郎!! 根暗義足野郎に格下げだぁっ!!」

 

 コックピットに括り付けたポータブルプレーヤーから流れるジャズの曲が切り替わる。まるで雄叫びの様な先程よりも激しいアップビートな曲に。同時に相手の曲も切り替わる。こちらはより歌詞がドロドロした、悲恋の歌だ。

 

 決して分かり合う事の無い二人の激闘は、今暫く収まる事を知らない。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 やっぱ、戦闘機乗りに三角関係は付き物なんやなって……

 さて、向こうが激闘を繰り広げている間にもこちらもこちらで激戦です。謎の衝撃波でブロウラーの制御が全部乗っ取られて大参事世界大戦が繰り広げられていますが、120秒間は全力で逃げましょう。どうせ中国本土に上陸したら謎パゥワァーで残弾が全回復するので、ザイも撃墜しつつ、本当にやばかったらフレアも惜しまず使いましょう。金属箔ホイルを機体のケツからドバーッ!! っと出してきた。もう空中フレアまみれや。嫌だねぇ。

 

 今回は何とか爆風が一回掠った程度で済みました。120秒が経過すると、どこからともなく現れたX-02Aと四機のSu-30が、潜水艦から放たれたミサイルと共に暴走したブロウラーと周辺のザイを焼き払ってくれます。が、ホモ達の味方では無いので当然こちらに牙を剥いてきます。

 ゼロツーは相変わらずグリペン姉貴のケツをひたすら追い回してくるので、こちらも追いかけてTLSをぶち込んでやりましょう。

 ゼロツーは装甲を50%削り切ると撤退していきますが、その前に支援要請を後方のザイに挟まれつつある部隊の支援に使ってあげましょう。ここでこれを忘れると、Sランク取得が不可能になります(2敗)。

 

 いつの間にか味方のいる空域から離れすぎたグリペン姉貴とホモ、そこに義足野郎に逃げられたジャズ野郎が合流してきます。

 ここでの選択肢は、

 

 「ライノ姉貴に呼びかける」

 

 を10回連打です。まさか10回も同じ選択肢を選ばさせるとは思わなんだ……こうする事によってライノ姉貴が表面上元通りになり、完全な闇落ちを防ぐことが出来ます。が、まだ油断はできません。

 本チャートはライノ姉貴をザイノ姉貴化させた上で生存させると言うかなり綱渡りなチャートとなっております。と言うのも、そもそもザイノ姉貴化させるには好感度一定値以下にする必要があるのですが、当然味方にするには好感度一定値以上が必要な訳で、本チャートを成し遂げるにはその中間地点に上手いこと好感度を調整する必要があります。なので、KSKして飛ばした二章終盤のイベントCG回収等では一番好感度が上がる選択肢だけでなく、二番目に上がる択や寧ろ下がる択を選ぶ必要すらもありますね。 

 ですが、逆に言えばそこに関しては覚えゲーなので電卓片手に好感度を調整をしましょう(3敗)。本当の問題は後述します。

 

 全員が燃料に警告が出ますが、グリペン姉貴の提案により中国の浦東国際空港に一時着陸する事になります。

 

 「何か静かだねぇ~。格納庫の中に人の気配はしないし、アプラとか小松とは凄い違いだよ」

 

 「あぁ、しかし、中国って二か月前に完全に陥落したんだろ? そんな所に人がいるとも到底思えねぇが」

 

 どっかの団長が射殺されそうなセリフが流れると着陸です。自分の種族がアニマ系の場合、着陸したら座席裏のサバイバルキットごと備えられた武器を持ちましょう。空港を脱出する際に一役買ってくれます。TDN人間の場合はホテルの部屋に着いてから電気スタンドを確保しましょう。とにかく武器を拾う事が大事です。

 調子の悪いグリペン姉貴を介抱しつつ空港に着くと、先行していたライノ姉貴が食料を持ってきて食べるよう勧めますが、ここでホモはサバイバルキットに入っているもの以外は何も口にしてはいけません。ここでスタミナ特化型ビルドが生きてきます。空腹だとダッシュの速度が鈍ったりしますが、スタミナ特化型はそう簡単にその圏内にはなりません。

 ちなみに仮に食した場合、ホモの精神がポジられて即刻ガメオベラします。こんな所見殺し気付く訳無いだろ……。(1敗)

 

 部屋の番号ですが、本難易度ではライノ姉貴の好感度次第では自分で指定が出来ます。動画的には810とか1919とかが良いんでしょうが、移動の利便性と動画バエルを狙って部屋番号114を選択した所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 



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~ザイノ姉貴説得

 ガリフォの出演声優調べていたらファントム姉貴の中の人ってコードオブジョーカーの京極院ちゃんやんけ……!! となったので初投稿です。
 でも自分ジョーカーはアフロ軍曹と天才ハカ―の組み合わせ一択だったんすよ……今考えると凄い組み合わせだぁ(CV的な意味で)

 あ、デッキは戦士と神の組み合わせで、ヤマトタケルをひたすら強化し、フレイヤ出しといてわざと被弾して墓地から糞強タケルをノーコストで召喚する戦法使ってました。


 『ガラスの棺桶』艦内 一番格納庫

 

 

 「クソッ……!! 仕留め損ねた!!」

 

 補給の為に一度帰還した義手義足の青年は、コンソールから外した義手を打ち付けて悪態を吐いた。彼の搭乗する機体GAF-01 NPD、通称『サイコ・ヴィルコラク』は、かつてとある保険会社がザイ被害のどさくさに紛れて経済支配を計ろうとした際に製造した機体の予備パーツから構成されており、記録上に存在しない五番目の機体である。そのスペックは改造前の時点で「生物的な」と揶揄される程の高い機動力を持っており、大型機体故に搭載可能な武装も多いため搭載火力も高い。また、本機は義手義足の接続によってパイロットの思考をダイレクトに機体に反映させて操作する『ナーヴ・サイコ・デバイス』をコックピット・インターフェイスに使用しており、さながら()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言えるだけの性能を秘めている。

 ザイの増援の襲来と、彼にとっての主目標から痛手を負わされたことで一同は帰還していた。良く見るとサイコ・ヴィルコラクの尾翼の一部が、レールガンの発する電磁パルスにより焦げている。

 因みにだが、彼らは何もザイと協力体制にある訳では無い。だからこそ、先程は不本意ながら相手を助けるような結果となってしまった訳だが。

 

 「落ち着け新入り。女を取られて悔しいのは分かるが、その隙を付け込まれたら死ぬぞ」

 

 「ですがメビウス……!!」

 

 「そうですよ。私たちは彼女たちを倒して証明しなければならないのですから。その相手に後れを取る訳にはいかないでしょう?」

 

 「……分かりました、グリフィス」

 

 「それにしても、教主の予測が外れる事があるとは……」

 

 格納庫内に設けられた簡素な休憩場所で新入りを宥めていた一同は、左肩に赤い犬のエンブレムを付けたガルムと呼ばれる男の一言で一斉に格納庫の隅に鎮座している灰色の機体を見やる。

 帰還したと言うのに、その教主がまだコックピットから出てきていないのだ。端末で呼びかけるが、応答する事は無かった。

 

 一方、彼らが教主と奉る灰色髪の少女、ゼロツーは全周囲モニターにも拘らずモニターを点灯させずに、目を閉じたままワイバーンのコックピットで操縦桿を握り締めていた。

 これは彼女独自の戦闘スタイルだ。彼女はいつも映像をカットし、周囲の視覚情報に囚われることなく、コンソール中央に設けられた球形の三次元レーダーディスプレイに映るターゲットマーカーのみを追って戦っている。モニターを付けるのは本当に非常時ぐらいの物だ。

 

 「(ゼロ)の未来が歪んでいく……やはり特異点は一筋縄ではいかないか」

 

 瞳を閉じた彼女の網膜に映るのは外の光景では無く、膨大な量の計算式だった。ありとあらゆる可能性を導き出し、搭乗者にその選択を迫る禁断のシステム。並みの精神力では心が持たないと言われている、()()()()にあらざる技術の一つ。

 他にも、当機にはパイロットに高性能フィードバック機器によって脳内の神経伝達物質の分泌量をコントロールし、急加減速や急旋回時の衝撃や加重などの刺激情報の伝達を緩和あるいは欺瞞し、通常のパイロットでは操縦し得ない状況下での機体制御を可能とさせる機能も併せ持つ。彼女がいつも着ている黒いレザー地の操縦服は、その機能を補佐する為の物だ。 

 電子の海を30分ほど彷徨い、再び目を開くと同時にコックピットから這い出す。

 

 「教主様!!」

 

 「このタイミングでの『予言』だなんて……お体の方は?」

 

 「心配するな……少し横になれば、どうとでもなる。それよりもだ……二時間半後に、出撃が出来る様にしておけ。奴らが、あそこから帰ってくる」

 

 部下たちの気遣いによりあらかじめ待機させらていた艦内掛かり付けの医師たちに運ばれながら、ゼロツーは静かに寝息を立て始めるのであった。

 

 ◆◇◆

 

 君を退屈(出番終了)から救いに来たRTAはーじまーるよー。

 

 前回は中国の浦東国際空港(笑)に一時着陸し、部屋番号を決めた所まで来ました。

 部屋のベッドでグリペン姉貴を休ませたら見張りの順番を相談して決める事になります。ここでの選択肢は、

 

 「ジャズ野郎→ホモ→NRTN君→ライノ姉貴」

 

 です。これは一人づつ順番を選ぶのですが、一つでもミスるとフラグ回収できないので順番は必ず暗記しましょう。マシンガンで武装したジャズ野郎を外の見張りに出したら、ライノ姉貴とOHANASHIタイムです。夜の闇が好きだと言うライノ姉貴ですが、戦闘機らしくないと突っ込むNRTN君。続けざまに個体個体じゃ生きていけないと言うライノ姉貴ですが、ここで

 

 「だが個を失えば、お前はお前でいられなくなるぜ?」

 

 と突っ込みを入れてあげましょう。フラグ回収は済んだのでお膳立ては全て整いました。NRTN君が爆睡する所を見届けた瞬間、ホモが突然の睡魔に襲われます。ボタン連打で振り切りましょう。すると、ホモが太ももにナイフを突き刺してその痛みでどうにか意識を繋ぐことに成功します。因みにここでホモが眠るとガラスに昏睡レ○プされてガメオベラです。

 

 日付が変わり翌朝になると、ライノ姉貴が燃料を探しに行ってくると言ってどこかへ走り去っていきます。この際はマップのどこを探しても見当たらないのですが、本質に完全に還元でもされていたんですかね? ジャズ野郎とグリペン姉貴、NRTN君を引き連れてドラクエばりの隊列を組んだら周囲の探索に出ます。

 NRTN君が駅を見たいそうなので駅に向かいましょう。因みに無視して空港のロビーに向かい、カウンターを調べると『プードン・タリスマン』を入手することが出来ます。タリスマン系統はこの様にフラグを犠牲にし、且つアンフィジカルレイヤーで得る物が多いです。

 

 「俺が……二人……? いや、見間違えか……?」

 

 駅の構内に何の脈絡も無く置かれている置き鏡を調べると、何故か一瞬だけホモの姿がNRTN君になるイベントが入ります。これもトゥルーエンドコース解禁の為のシュレディンガーフラグなので必ず回収しましょう。 

 グリペン姉貴が眠たそうですが、迎えに行くのが大ロスなのでここで部屋に戻してはいけません。意地でも連れて歩きましょう。ここで生きるのがスタミナ特化ビルドです。鉄骨アニマはタフネス設計なので、寝ている彼女を担いだまま長時間行動が出来ます。

 ジャズ野郎の好感度が足りている場合は彼に担がせる事も出来ますが、本チャートではザイノ姉貴化を前提にしているのでそこに至るまで好感度を上げていません。

 

 しかし、アンフィジカルレイヤー特有のBGMが一切無い空間で、突然鳴り響く砂の鳴る音は立体オォン!!響とかヘッドフォオォン!!で聞いていると怖さ倍増しますね、肝試しの効果音に使えるんじゃないかな?

 

 空港のロビーに着いたらNRTN君とジャズ野郎に食料を補給させ、グリペン姉貴は空港の椅子にでも寝せておきましょう。ここでホモもサバイバルキットから食料供給を忘れてはいけません。アドベンチャーパートでは小まめなスタミナ管理が生死に関わります。今後控えているシャルル・ド・ゴール探索時も同様です。

 

 補給完了すると、頃合いを見計らったかのようにライノ姉貴が現れます。何でも燃料補給車を見つけて来たんだとか。何もない空間、突然現れる補給車。あっ、ふーん……(察し)。

 

 ライノ姉貴に格納庫に連れられて補給開始しようとすると、なーぜーかーレールガン装備のF/A-18Eがライノ姉貴の横にもう一機有ります。これが出現していればライノ姉貴に関するフラグ回収は成功している事になります。

 

 「……おい、どう言う事だ? 刻印の番号とか、全部俺があっちで乗ってたやつまんまじゃねぇか。こんな物どっから持って来たんだ?」

 

 「んー、どこ。どこ、ねぇ。まぁ、そんな物はどうとでもなるんだよ。求めよ、さすれば与えられんって言うじゃん?」

 

 ここでジャズ野郎が異常な事に気が付き、同時にライノ姉貴がザイノ姉貴化します。右半身が結晶に覆われつつあるライノ姉貴に銃を向けられるNRTN君。ここでのイベント内容はライノ姉貴との好感度とフラグを回収していた否かで内容が大幅に変わります。好感度が足りていない、フラグを回収していない場合はライノ姉貴がNRTN君を庇ったジャズ野郎を撃ち抜き、「なんて声、出してやがる……ライノォ」のイベントCGを回収できますが、この場合ここでジャズ野郎が死亡し、ホモ達は最終章まで事ある事に目のハイライトが消えて闇に落ちたクソ強ザイノ姉貴に粘着されることになります。

 本チャートの場合は「何やってんだライノォ!!」になり、叱咤の後に痛恨のビンタを喰らわせて銃を取り上げるなど、対応が一気に変わります。

 

 「正気かよ……お前っ!! こんなクソみたいな状況だからって思考回路バグらせてんじゃねぇ!!」

 

 「……バグなんかじゃないよ、レオン。これが多分アタシの素なんだよ、きっと。だって、あんなうるさい世界にいる必要性が無いじゃん。嫌いだったんだよ。あれこれ決めつけるあのヒョロ長博士も、ノリでしか生きていない軍人共も」

 

 「っ……」

 

 「アタシ、うるさいのホントは嫌いなんだ。だから自分自身にも嫌気が差してる。ただでさえエンジン煩い機種だしね。でも、レオンのジャズは好きだよ? あ、そうだ、ここに二人でスタジオ作らない? あの時みたいに時間も何も全てを忘れ去って、ずっとずっと弾き続けるの。観客はそこにいる三人でいいかな? きっと楽しいだろうなぁ」

 

 「……ふざけんな」

 

 「……え?」

 

 「ふざけんなつったんだよ!! 変化の無いエンドレスで続くジャズのどこに面白みがある? 寝言言ってんじゃねぇ!! それに、そもそも足りてねぇんだよ、オーディエンスの熱気も!! 大体デュエットオンリーとか、一つの型しか奏でられないってんなら所詮お前の処理能力もそれまでだろうよ!!」

 

 「ちょっと、レオン?」

 

 「分からねぇか? ジャズの楽しみ方を忘れたテメェとなんか絶交だ!! 補給ありがとよ、テメェはどこにでも好きなところ行きやがれ!!」

 

 ライノ姉貴がジャズ野郎の逆鱗に触れ、置いてけぼりを食らわされます。それと同時に空港のザイ化が一気に進むので、イベントが終わったらNRTN君を急かして速攻で機体に乗り込み空港を脱出しましょう。

 

 「後方から敵機接近。IFFに反応」

 

 「SAPHIL01が二つ……? まさか、ライノか!?」

 

 『あはは~!! 逃がさないよ~!!』

 

 空港を脱出すると、何かがプッツンしたザイノ姉貴が数機の航空型を引き連れて登場します。

 はい、本RTA最大の難所、ザイノ戦の時間がやって参りました。

 この際にBGMが「Break the blue」なら説得の余地はありませんが、ジャズのナンバーが流れていればワンチャンスあります。

 ザイノ姉貴はレールガンによる即死攻撃もさることながら、ザイと同型の可変式スラスターによる異常な機動性とクラスターミサイルによる広範囲攻撃、EPCMによるロックオン阻害などやりたい放題な機能を併せ持ち、はっきり言ってゼロツーや義足烏賊はおろか、ラスボスよりも強いです。

 この戦闘ではジャズ野郎が徹底的にライノ姉貴をマークしているので、ホモとNRTN君はひたすら周囲の掃討に努めましょう。

 ザイノ姉貴を生存させたまま仲間にする最後の条件は、ジャズ野郎を生存させた上で且つラストアタックを譲る、です。

 一応ジャズ野郎の今の機体はライノ姉貴抜きのドーター故にレールガン持ち機体の為、火力はありますが、性能が追い付いていないので60秒放っておくと氏にます。

 その為、ちょくちょくこちらもTLSで炙るなり、機銃で攻撃するなりしましょう。ミサイルも1,2発ならぶち込んで構いません。耐久力のミリ調整に本当にTLSは便利ですね。最後の調整では少しでも炙り過ぎるとザイノ姉貴を撃墜してしまうので注意しましょう。(2敗)

 

 「行っちゃえ、ファング♪」

 

 耐久値を半分以下にすると、主翼のミサイルが変形し、四機の高速UAVとなって襲い掛かってきます。この状態で再び60秒間放置するとジャズ野郎が蒸発するので、ミサイルの高誘導化などを使用して速攻で二機撃破しましょう。二機以下にするとNRTN君が覚醒し、残りのUAVを原作で行っていた垂直に飛んでからのミサイル投下で撃破してくれます。

 

 「あの時のお前とは、分かり合えてたじゃないか!! 忘れちまったのかよ、何もかも!!」

 

 「それはアタシがそうプログラミングされていただけ……悲しいね、レオン。こんなにも近いのに、やっぱり分かり合えないんだね。人間とアニマは」

 

 「っ……ならよぉっ!!」

 

 このやり取りが流れたらいよいよ最終フェーズです。モルガナイトによるバフを振りまきつつ、ザイノ姉貴からの攻撃も避け、周辺の無限沸きザイも撃破する。全部やらなくちゃあいけないって所が、RTA走者の辛い所だ。

 ここまでサラっとやっていますが、これは114514回に渡る区間演習の賜物です。セーブスロットの多さを生かし、あらゆる架空機で戦えるよう練習を積むとか辞めたくなりますよ走者ぁ~。

 体力調整は済んでいるので、後はジャズ野郎が何らかの攻撃を当てれば装甲を削り切れますが、ここばかりは完全に運です、祈りましょう。今回は何とか二撃で仕留めてくれましたね。二撃決殺はホモの嗜み。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「お前を……もう一度、俺のパートナーにする!!」

 

 「え……?」

 

 「さっきは言い過ぎたぜ、俺の型を押し付け過ぎた。ジャズってのは音と音のぶつかり合いだ。おんなじ音色を重ねた所でそんな物はただの重奏に過ぎねぇ。違う音色を重ねるからこそ、お互いが引き立つ。俺とお前は一つの音だ。だからさ……」

 

 操縦桿を握るレオンの視界が微かに霞む。度重なるHimat機動の連続で体にガタが生じ始めていたのだ。ドーター搭乗を前提とした特殊耐Gスーツを着用しているとは言え、所詮は唯の人間。その限界点はアニマには及ばない。

 それでも、残弾一発のレールガンの照準を、彼女に向ける。

 

 「さぁ始めようぜ、ライノ。最っ高に運命的なセッションをな!!」

 

 真正面からのヘッドオン。レールガンの弾速なら秒と経たず着弾するような位置だ。お互いのレールガンの砲身に紫電が走る。電力のチャージ完了まで3……2……1……0。 

 

 「え……?」

 

 だが、レオンは最後まで撃たなかった。ライノの放った凶弾はレオンの乗る青いホーネットの左の主翼を根こそぎもぎ取り、そのショックウェーブでコックピットを保護する装甲型キャノピーが吹き飛んでいる。最早飛行を続ける事など絶望的だ。

 自分が、撃ってしまったのか? 彼を? 

 

 「うそ、だよね?」

 

 左半身を失った青いホーネットが爆発で作り出された水柱に腹を押されたせいか、機首から海面に突っ込むと水の抵抗を受けてバク転のように回転し、垂直尾翼・水平尾翼・腹の順で海面に突っ込み、速度と水の抵抗により機体はボロボロと力任せに破壊されていき、もんどりうって爆発した。あれでは生存など絶望的だろう。

 

 「アハハッ……あたしってやっぱり、壊れてるのかなぁ……? 狂っているのかなぁ……?」

 

 ライノは空元気を出そうと笑うが、その声には力が入って無い。始めは結晶に覆われていないサファイアブルーの左目からしか流れていなかった涙が、次第に結晶化して紫色に発光する右目からも流れ始めた。今までいつも演じていたように元気に振る舞おうとしても、瞳に溜まる涙は止まらない、加速する。

 

 「なんて声、出してやがる……ライノォ!!」

 

 「へ?」

 

 「とっとと助けろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 何処からか無線が聞こえてくる。急いで周囲を捜査。レーダー探知。自機直上。視界に映ったのは、一つのパラシュート座席。そこに座っている金髪のジャズ好きの青年が、怒鳴るようにして助けを求めている。ライノはそれを目視するや、機体の可変式スラスターを駆使して彼の真下に付き、パラシュート席から飛び降りた彼を開放したコックピット内に受け止める。

 

 「初めて、見たな……お前が、泣いてるところ。にしても、やっぱりあのドーターが、最後の癌だったか……」

 

 「どうして、こんな無茶ばっかり……!!」

 

 「前々から気にはなってたからな。あの木偶博士、お前だけじゃなく、ドーター側にも色々仕込んでやがった……フェイル・セーフティとは名ばかりの自爆装置しかり、アニマ用強制調整機構しかり。いずれにせよ、あの機体はどっかでぶっ壊す予定だったさ。それが、お前の感情を解き放つ最後の鍵だった訳だ」

 

 「そんな……アタシなんかの為に……っ」

 

 「パートナーを守んのは野郎の務めだろ? それよりもライノ、俺はあの木偶博士に一泡吹かせてぇ。一緒に来てくれるか?」

 

 「うん……うんっ!!」

 

  ライノが頷いた刹那、機体が放つサファイアブルーの輝きが一層強くなり、全体を覆っていた紫色のガラス細工が内側から弾け飛んだ。

 コックピット内とライノを侵食していた青いガラスの結晶も同時に姿を消し、いつの間にか晴れた青空にF/A-18Eでもザイでも無い、新たな存在が誕生する。

 

 「……ねぇ、鳴谷慧。さっきアタシ、本当の自分が何なのか分からないって言ってたよね? その答え、今出すよ」

 

 「アタシはボーイング社製の戦闘機でも、ザイの残骸でも、作られたプログラムでも無い。あたしはライノ!! ただそれだけの女の子なんだから!!」

 

 コックピット内でそう宣言した少女の瞳は右目こそ紫色に変色していたが、確かな自信に溢れている。深紅のグリペンと右翼が赤いモルガンの間を悠々と飛ぶ青紫の機体は、並んで中国本土を離脱しようと、青空へ向けて飛翔した。

 

 

 ◆◇◆

 

 ぬわぁぁあぁぁぁぁぁん!! 疲れたもぉぉぉぉぉん!! ……え? まだ終わってないってマジ? 

 

 はい、三章章末ミッションはもうちょっとだけ続きますが今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。

 




原作読む限り機体側にも何か仕込まれていそうな空気だったので思い切って破壊させましたが、ライノ姉貴が生存したので何の問題もありません。


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~三章終了

アニメを一話から見直しながら初投稿です。


 

 ??? ある男の独白2 

 

 

 さて、色々あったが何とかあの空間を脱出する事に成功した。記憶にある限り最高の戦果だ。遅かれ早かれ、味方に撃墜される未来しか見えないアニマをこちらの、少なくとも人類側の戦力に付けられたのはまさしく行幸と言って良いだろう。あの空間に触れた事で危うく意識が飲まれかけたが、今はもう記憶の固着が安定している。

 

 しかし、駅構内の誰の嫌がらせで置かれたのか分からない置き鏡には我ながらヒヤッとさせられたよ。お陰で俺の正体がバレる所だったじゃねぇか。俺の正体を知って尚、()が俺の提案を呑んでくれるかは今この段階ではまだ未知数だ。だからあえて正体を伏せておく。今はまだな。

 

 そう言えば、一緒に連れてきた筈のあのアニマは今頃どこをほっつき歩いているのだろうか? まぁ、俺と違って彼女は純粋な意味でアニマだから、あの空間に存在を食われたりせずにこの時代、この地球の何処かにはいるんだろうが。

 

 ……っと、そろそろお客さんが来たようだ。

 

 レーダーを見る限り所属不明の戦闘機が6機。まーたあんた達ですか。燃料の補給が済んでいるとは言えこっちは疲労困憊なんだ、勘弁して欲しいね。

 

 「あーっチクショウ!! 乗り捨てた機体のコンパネにプレーヤー置いてきちまった!!」

 

 「そんな呑気なこと言っている場合ですか!?」

 

 敵機が目の前にいると言うのに、俺の横を飛ぶ青紫の機体からジャズの兄ちゃんの呑気な叫び声が聞こえてきた。少年はそんな彼に突っ込みを入れている。

 しかし、彼女の機体も随分とまぁ姿が変わった物だ。エンジンノズルは単発になった代わりに基部が折れ曲がる事で先程彼女が射出座席でベイルアウトしたジャズの兄ちゃんを回収した時に披露した通り、ザイと同等の急反転能力とVTOL能力を持ち、その推進力もホーネットの設計限界を大幅に超えている。

 流石に完全にザイ化していないだけあって、アンフィジカルレイヤーから無尽蔵にミサイルとか弾薬を供給できる様子は無さそうだが、それを引いてもあの機動性とレールガンの組み合わせは強力無比だ。

 

 「仕方ねぇ、俺達のアドリブを聞かせてやるよ!! 現在アンコールはお断りなんだがな!!」

 

 まぁ、気合十分みたいだしこの場は何とかなるでしょうよ。

 俺もそろそろ戻りますかね……

 

 

 ◆◇◆

 

 エスコンだと思ったらマクロスが始まったRTAはーじまーるよー。

 

 前回はザイノ姉貴を無事に仲間にし、アンフィジカルレイヤーを脱出した所まで来ました。

 

 アンフィジカルレイヤーを脱出すると、再びゼロツー戦が始まります。が、このステージでは何と操作キャラが強制的にジャズ野郎&ザイノ姉貴コンビになります。ザイ化した彼女の機体はレールガンによる火力は勿論、装甲は爆発反応装甲標準装備でオプションパーツを盛りまくったA-10より硬い耐久値を誇り、速度もフルチューンしたMig31並みかそれ以上を誇ります。これがデフォルトの性能と言う攻走守全てが文句なしに全機体中トップクラスの機体ですが、惜しむらくはストーリー内で操作できるのがこのステージだけという事でしょう。僚機として選んだ場合でも非常に頼りにはなりますが。

 勿論シンクロ率も最高峰なので機銃のレティクルも早く、誘導ミサイルが信じられない程グネングネン曲がります。更にザイノ姉貴限定技で、スロットルのトリガーを某ACの二段クイックブーストの要領で押し込むと、何とその場で急反転してターゲッティングした相手の方に向き直ると言うクイックターンが使用できます。あれ? この機体VFシリーズだっけ……?

 

 圧倒的機動力を楽しみたい所ですが、僕はレールガンの練習をしていないので正直火力不足に陥りやすい場面でもあります。ですので、ホモとNRTN君にゼロツーを押さえさせ、自分は義足野郎と取り巻きに集中しましょう。この際取り巻きを倒すと資金が大量に獲得できますが、本来RTAでは狙いません。ですが、前章のやらかしが大分響いているのでオリチャーを発動し、一機は撃墜したいと思います。

 

 「オーレリアの魂、侮って貰っては困ります」

 

 まずはグリフィスを狙います。取り巻き達には大まかな行動傾向があり、グリフィスは中でも最も統率力に優れる為、他の仲間を引き連れて連携攻撃を行って来ます。5人に勝てる訳無いだろ!! 馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!!

 指揮官を潰すのは戦の基本、古事記にもそう書いてありますので必ず最初に仕留めましょう。

 ゼロツーチャートの練習とかをしていれば、この面は全機撃墜も余裕のボーナスステージと化するらしいのですが、自分はどうにもレールガンを使い慣れていないので安定は一機、倒せて二機です。

 このステージではまだ搭乗機がSu-30なのでマシですが、後にフル改造されたF-22に乗って来られると微弱ながらステルス持ちなのでかなり厄介です。

 

 「下がってて下さい!! 後は僕が!!」

 

 「そろそろケリを付けようじゃねぇか、義足野郎!!」

 

 何とかレールガン三発を当てるとグリフィスが後退するので、そうしたら義足野郎にターゲットを変えましょう。義足烏賊はミサイルはおろか、レールガンすらもスレイマニダンスでかわしてくるので、実質機銃でしかダメージを与えられません。ですが、バイパー姉貴の好感度を上げていた場合は……

 

 『04 RUNNING IN』

 

 ワンアプローチで当てられる機銃を全て当てただけでバイパー姉貴の支援攻撃が飛んできます。燃料気化弾頭四発同時発射とかちょっと殺意高すぎやしませんかね……? 更にイーグル姉貴とファントム姉貴も合流するのですが、最初の攻撃だけはこちらに飛んでくるのでフレアで回避しましょう。一発だけなら誤射かも知れないって、それ一番言われてるから。

 

 「見た目こそ奇天烈だけど、一応味方だよ~。IFFを再送信~っと!!」

 

 ライノ姉貴がIFFを再送信する事によって以後は彼女たちからも味方と識別されます。こうなってしまえば六対六のイーブンの戦況ですが、見計らったかのようにザイが出現します。ですが、資金はもう足りていますのでここから先は戦う必要はありません。逃ぃぃぃげるんだよぉぉぉぉぉ!! レールガンで突破口を開きつつNRTN君をステージ外までエスコートしたら工事完了です……。

 

 ぬわぁぁぁぁぁん!! 疲れたもぉぉぉぉぉぉぉん!!

 

 ホモの被弾も抑えましたし、ザイノ姉貴を味方に引き入れられたのでランクは勿論Sです。

 この後はちょっと長いイベント入りまーす。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 <失敗>

 <認識>

 <再接続>

 <拒否>

 <理由>

 <不明>

 <不明>

 <イレギュラー>

 <要調査>

 <影響度>

 <小>

 <経過観察>

 <同意>

 <同意>

 <共有><固体名>

 <理由>

 <可能性><再接触>

 

 

 

 

 <鳴谷慧>

 <グリペン>

 

 

 

 

 <零>

 

 

 

 

 

 

 <()()()

 

 

 

 

 

 

 <記録><了承>

 

 

 

 

 <閉鎖>

 

 

 

 <閉鎖> 

 

 

 

 <切断>

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 那覇基地 自衛隊病院

 

 

 「なんでい、何やかんや言って元気そうじゃねぇか、少年」

 

 ライノの嬢ちゃんを闇堕ちから救って早二日。ここ数日ほどは那覇基地での防衛線の維持が俺の仕事になったので、非番の時に病院に軽く顔を出してやることにした。

 正直なところ、今回の出撃で少年が満身創痍になったのには俺にも非が無い訳じゃあない。だからまぁ、顔見せがてら見舞いに行ったわけなんだが。

 

 「体中ガタガタですよ……そういうモルさんこそ、あんな右足にナイフ突き刺して平気なんですか?」

 

 「兵器だからな、これくらいは平気さ」

 

 「何故だろう……真夏なのに寒気が……」

 

 お、大丈夫か? 真夏に引く夏風邪はつらいぞ?

 とまぁ、冗談はさておいて少年の体は相変わらず打ち身こそ酷いが、それ以外にはこれと言って目立った外傷は無かった。まぁ、撃たれたり刺されたりしていない分、俺よりはマシだろうよ。

 おっとそうだった、今日はスペシャルゲストを色々と呼んでいるんだった。

 

 「よ~う、坊主。見舞いに来てやったぜ」

 

 「体の具合はどう? 鳴谷慧」

 

 最初に到着したのは右目が紫色のオッドアイになったライノとジャズ野郎だ。二人の服装はいつも着ていた軍服と制服では無く、将校服をアレンジしたような制服に変わっていた。何でも、つい先日ライノ共々DARPAに辞表を叩き付けてきたばかりらしく、シャンケル博士や上役の唖然とした顔を拝んできたのだと言う。ライノの元々の機体は破壊され、残ったのは姿が変わり果てたとはいえ、アンフィジカルレイヤーでグルームレイクの倉庫から特殊召喚された軍の払い下げ品であるジャズ野郎の所有物であるF/A-18Eその物の機体番号だったため、軍もお世話になっているレールガン製造会社の御曹司の所有物を無理に奪う訳にもいかず、結果、定期的な稼働データ提出を条件に彼の傍に置かれることになり、全世界でも珍しい、アニマを個人所有する人物が誕生した訳だ。因みに俺も一応はMS社社長の所有物と言う扱いになっている。

 

 「もう殆んど大丈夫ですよ。それよりも、その服は……?」

 

 「へへっ、良いだろ? こないだ知り合いにデザインして貰った制服さ。前々からレールガン完成の目途が立ったら独立して起業する気だったからな。社長は勿論、この俺さ」

 

 「で、あたしはレオンの社長秘書。まさかアニマ特有の演算処理能力をこ~んな事に使う事になるなんてね~」

 

 スケジュールブックを片手にどこか呆れたように笑うライノだが、その表情にあったのは嫌味などでは無く、寧ろ満足気だった。

 

 「ハイスクールを卒業したら自衛隊なんかじゃなくてウチに来いよ。世界中の空を飛ばせてやるぜ?」

 

 「あはは……前向きに検討しておきます」

 

 「レオン、そろそろ次の予定の時間だよ~?」

 

 「おっといけねぇ、今日は今から日本支社の視察に行くんだった。オフィスは小松に置いてあるから気軽に遊びに来いよ。じゃあな!! って、やべぇ、これ飛行機の時間に間に合わねぇぞ!! 交通手段の移動時間の計算間違えてねぇか!?」

 

 何やってんだライノォ!! とか叫びながら走り去っていくのが聞こえたが、あんな調子の彼女に秘書なんて任せちゃって大丈夫なのかねぇ……あと、病院ではお静かに。まぁ、ジャズ好きと排気量のデカいエンジン搭載の戦闘機のコンビと言う時点でそんなのは無理に等しい気もするが。

 さて、と。次のお客さんは……

 

 「慧!!」

 

 「み、明華!? 何でここに!?」

 

 騒音コンビと入れ替わるようにして必死の形相で病室にエントリーして来たのは明華ちゃんだった。変化球でバイパーゼロかとも思ったが、人見知りで恥ずかしがり屋の彼女が寄越すとしたら精々メールくらいだろう。と言うか、少年とはまだ面識は無かったか。

 しかしこっちもこっちで騒がしいぞ。病室ではお静かに。

 

 「あー、俺が呼んでおいたぞ。少年の焦る顔が見たくて」

 

 「だからって何で!?」

 

 「慧がまた怪我したってモルガンさんから聞いたから慌てて飛んできたのよ!! 怪我の程度は? 退院はいつ頃? 後遺症とか無さそう?」

 

 「ちょっ、落ち着けって!!」

 

 「これが落ち着いていられる訳ないでしょう!?」

 

 流石にちょっとエスカレートし過ぎてきたので、どうどう、と明華ちゃんを制してやる。だーから、病室ではお静かにって言っているでしょうに。何か廊下でナースのお姉ちゃんが噂話してるのが聞こえるんだが。別に三角関係とかじゃありませんよ?

 まぁ、俺のイタズラ心で呼んでおいたってのはあながち間違いではないんだが、まぁ、なんだ。ちょっとした俺のお節介みたいな物だ。俺が()()にしてやれなかった事だからな。俺が彼女の本心に気づいてやれた頃には時既に時間切れだった。だからせめて……少年には俺と同じ道を歩んで欲しくは無いと思っている。これはその為の手助けみたいなモノだ。

 病室を二人きりにさせ、病院を後にする。今なら本業の事を明かすいい機会だろう。次のシフトまではあと数時間ある。どこをほっつき歩くか考えていたが……

 

 「あ、モルさん」

 

 視界の先にいたのは入り口前で右往左往しているペールピンク髪のアニマ、グリペンだった。服装はいつものポンチョブラウスとサンダル姿。恐らくは少年の見舞いに来たのだろう。

 

 「少年の見舞いかい? 今は止めときな、先客がいる」

 

 「そう……慧の具合は?」

 

 「まぁ、あと二日もあれば元通りになるだろうよ。それよりも、少しばかりオジサンの暇潰しに付き合ってくれよ」

 

 奢るからさ、と付け加えると涎を垂らしてホイホイ着いてきた。相変わらず分かりやすい奴め。あとレディがそう簡単に涎を垂らすんじゃありません。少年にメールを送りながらも持ち合わせのハンカチで口元を拭ってやり、不意に一つ気になる事があったので訊ねてみる。

 

 「なぁ、グリペン。お前は運命って奴を信じるかい?」

 

 「運命」

 

 「東シナで出会って、小松で再開して……笑っちゃうほどの偶然が重なりあって君は今、少年と共に空を飛んでいる。ひょっとしたら初めからこうなる事が決まっていたんじゃないかって程にな。そういうのを現すとしたらこの言葉が一番似合うと思うんだが?」

 

 「良く分からないけど、私は運命を信じない」

 

 「ほう?」

 

 「運命のお陰で慧と出会えたなら、運命が邪魔をしたなら慧と出会えなかったことになる。それは受け入れ難い。モルさんとも会えなかったらと思うと、それもまた受け入れ難い」

  

 「……嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

 

 そう言って頭を撫でてやる。ハーブ系の香水の匂いが漂い、掌にほんのり熱が伝わる。

 ……このまま手を取って走り去ってしまいたい気分だったが、まだ早い。

 今はまだ、二人を傍で見守っててやるのがちょうどいい距離だ。だから……

 

 「よぅし!! 少年の退院予定祝いで景気付けに一杯行くかぁ!!」

 

 「お~!!」

 

 その後、俺の財布から諭吉が数枚消し飛んだ。

 経費で落ちるだろうか、これ。

 

 

 ◆◇◆

  

 

 さて、三章エンディングを流す傍らで育成と武器開発を行っていましたが、何とか四章を迎えるには事足りるでしょう。TLSを強化する強化集束レンズとbiim径拡張パーツの開発資金は、オリチャー発動のお陰で何とかリカバリーが効きました。

 NRTN君の調教も筋力ステータスの育成がようやく追い付いているので次のボス戦でのイベント発生フラグは起動可能です。後はフラグ回収を忘れさえしなければですが……

 自機がモルガン二号機で無い場合はここでジャミング系の電装系パーツを作っておくと、四章最初のミッションが大幅に楽になります。

 

 と言った所で今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。



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四章スタート~新兵器購入

 白金の鉄の塊で出来た大鷲がガラス装備に後れを取る筈がないので初投稿です。


 西暦20XX モンゴル <球殻>観測基地

 

 

 「やはりどうしても行くのかい? ()()

 

 「……もう俺は、三尉じゃねえよ」

 

 「済まない、昔の癖でね。確かに今の君は()()()()()()として生まれ変わっている。飛び込んだら即本質に還元なんて事は無い筈だ。だが根源たるものが唯の一個人と言う関係上、彼女たちよりは長くは持たないだろう」

 

 「その前に連れ戻すだけだ」

 

 「例えその行動が、世界を敵に回すかもしれないとしても?」

 

 「俺には世界を敵に回す事よりも、あの時彼女に手を伸ばせなかった事の方が辛い」

 

 「君はいつもそれを抱えて生きてきた……と、分かった。ならば彼女も連れて行くと良い」

 

 女の紹介で傍に招かれたのは、灰色髪のアニマ。

 

 「初めまして。この度三尉殿に同行する事になりました量子演算型スーパーコンピューターのアニマ、『(レイ)』と申します。出来る事は簡単な未来予測程度ですが、お手伝い致します」

 

 「スーパーコンピューター……本体と切り離して大丈夫なのか?」

 

 「ご心配無く。私は残されたザイのコアを利用した量子演算コンピューターです。つまりは私自身が(レイ)の端末であり、そのアニマ。本体との隔絶による性能低下はありません」

 

 「もう驚かん……驚かんぞ……」

 

 男が呻いていると、技術員の一人が準備完了の旨を伝える。男はそれに頷くと、零と呼ばれた灰色髪のアニマと共に機体に乗り込んだ。

 赤い機体、単発エンジンのデルタ翼と、男が以前搭乗していた機体を彷彿とさせるシルエットだが、ザイ由来の技術を用いた他にも、様々なアップデートが施された正真正銘のワンオフ機。

 

 「特異点への突入準備、整いました」

 

 「了解した……BARBIE01 クリアードフォー、テイクオフ」

 

 隣の<翼竜(ワイバーン)>と呼ばれる機体に乗っている零の合図でモンゴルの空を再び飛ぶ赤い機体。やがて砂漠へと飛翔した二機は、巨大なガラスのオブジェクトに向けて進路を取る。

 それは、()()が文字通り身を挺して停止させた人類の厄災の中枢、〈球殻〉。

 自分は今からそれを無駄にしてしまう可能性がある。もしかしたら、再び奴らが活動するトリガーになるかもしれない。

 

 

 

 それでも

 

 

 

 「お前が隣にいない世界で未来は……俺には作れそうにないよ」

 

 

 

 刹那、視界が白に染まった。

 

 

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 真のヒロインにしてメイン盾が登場するRTA第四部はーじまーるよ―。

 四章の冒頭はシュレディンガーフラグの回収した数でホモの見る夢の内容が変わり、準ルート確定以上の数を回収していると先程の内容になります。察しの良い兄貴たちなら、ここでホモの正体について勘づくのではないでしょうか。

 夢から覚めると、バーフォードより特別依頼が持ち込まれます。

 報酬全額前払いとか言う違うACであればあっ……(察し)となる様な依頼ですが、そんな騙して悪いがは起きないのでご安心を。

 依頼内容はざっくり言ってしまえば白いSu-47を日本まで護衛する事です。要するにベルクト姉貴の護衛と言う訳ですね。

 

 この四章ではベルクト姉貴の好感度を如何に上げ、イベントフラグを回収し、彼女を生存させるのかが鍵になります。

 何故ならベルクト姉貴は搭載火力こそ全ドーターの中で最も低いですが、〈誘蛾灯〉機能によるザイに対してのタゲの誘因や専用装備であるTLS(AEGIS Type)が非常に強力です。これにより一定範囲内の敵機のミサイル攻撃を引き付けた上で撃ち落としてくれると言うメイン盾の役割をこなしてくれます。来た!! 盾来た!! メイン盾来た!! これで勝つる!!

 

 トゥルーエンドフラグもそうですが、RTAにおいて自機の回避行動を減らせると言うのは非常に大きなアドバンテージになります。ですので、絶対にフラグ回収して宇宙に飛ばさせないようにしましょう。

 余談ですが、本難易度の場合だとレーザー兵器関連の技術力が上がっているので、ベルクト姉貴に莫大な予算を突っ込むと某独裁者ばりの全方位レーザーが使用可能になり、ザイノ姉貴に継ぐ火力役となります。RTAではそこまでの資金確保が困難なので狙いませんが。

 

 依頼を受けたらすぐにハンガーに向かいます。自機の横にいる整備士に話しかけると、次の依頼の機体をどうするかを尋ねられますが、俺はモルガンで行く!!

 と言うのも、ここでの選択肢次第ではホモは機体を取り換えられるのですが、その場合ドーターで無い通常機体になる為スペックが大幅に下がります。その代わり、護衛の際にロシア兵に発見された場合に回収できなくなるフラグを確実に守ることが出来ます。

 ですがこれはRTA、時には攻めたチャートも必要です。機体性能に優れるドーターを使いましょう。逃走中のベルクト姉貴の速度はめちゃんこ速いため、通常の機体だと常に彼女をジャマー効果範囲内に捉えておくのにも一苦労します。

 

 ミッション開始したらアフターバーナーを全開に吹かし、モルガナイトを展開しましょう。一度の弾数で展開できる時間は25秒ですので、時間を把握しつつステルス機能を展開し続けましょう。本チャートでは電子系兵装の使用回数を増やす増加コンデンサーの開発をしていないので、連打し過ぎると弾数が足りなくなり、展開していない時間が5秒を過ぎるとロシア機に探知されて面倒な事になります。なのでステルスが切れたら四つ数えて再起動させるよう、時間管理はキチンとしましょう。(2敗)

 

 ってしまったぁぁぁぁ!! 多分最後の展開ちょっと早かったぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 やべぇよやべぇよ……待って!! 助けて!! 待って下さい!! お願いします!! うあああああああ―――――

 

 

  

 「警告、貴機は日本領空に接近しつつある。速やかに進路変更せよ」

 

 

 

 ――――――生きてるぅー!! (日本に)帰ってこれたぁー!!

 

 

 

 時間管理をミスった気もしましたが、グリペン姉貴の警告が聞こえてこれば成功です。この場合自機を変更していない場合はすぐに気が付いてくれるので数メッセージ分短縮させることが出来ます。ワンミスすらも許されませんが、戦闘を含めて短縮出来るので狙う価値があったという事ですね。

 

 「よう、少年達!!」

 

 「モルさん!? 何であのドーターと一緒にいるんですか!?」

 

 「こまけぇこたぁ気にすんな。仕事だよ仕事。それよりもファントム、こっちは二機とも日本の領空に入った。後は任せるぜ?」

 

 「えぇ、おじ様」

 

 この後はファントム姉貴の警告により追撃に来ていたロシア機たちが撤退します。ファントム姉貴との好感度とホモの経歴によってホモに対する呼び方が変化します。本チャートの調整ですと、おじ様呼びになりますね。

 ロシア兵たちにお帰り頂いたらミッションコンプリートです。小松に到着してからのベルクト姉貴の登場シーンは幻想的って評判良いから見とけよ見とけよ~。RTAではムービーカット可能なので飛ばしますが。お兄さん許して……

 

 ◆◇◆

 

 「彼女は行ったか……さて、」

 

 ロシア軍が保有する秘密基地の格納庫にて、凍土特有の凍てつく風に白衣を揺らしながら、男はゆっくりと振り向いた。最初にこちらを捉えたのは、自分も開発に携わったオレンジ髪のアニマ。彼女は怒りに形相を震わせ、拳銃を男に向けて構えている。

 

 「同志キンヅブルグ!! 何でこんなバカな真似をした!?」

 

 「ジュラーヴリク、か。そうだな、アニマである君に撃たれるなら本望だ。さぁ、撃ちたまえ。抵抗はしない」

 

 「っ……テメェ!!」

 

 キンヅブルグは手にしていた拳銃を地面に置き、両手を広げた。全くの無抵抗だ。彼のその行動に理解が追い付かず、ジュラーヴリクは一瞬怯むが、改めて拳銃の狙いを彼の眉間に定める。射撃訓練も受けている彼女が外すような距離では無い。

 

 ―――――銃声。

 

 硝煙が上がったのは彼女の銃からでは無く、それよりも後ろから放たれた物だった。基地在中の特殊部隊員だ。放たれた複数の弾丸は彼の全身を貫き、格納庫の一角に血みどろを作り出す。

 

 「とっとと死体を片付けさせろ……怪我はないか? 同志ジュラーヴリク」

 

 「あ、あぁ……」

 

 特殊部隊員に身の安全を尋ねられるが、その声にいつもの様な覇気は無かった。

 目の前で物言わぬ死体となったこの男は、接点こそ少ないがアニマである自分たち姉妹に対して何の偏見も持たず接してくれた数少ない人物だった。

 そんな人物が何故、このような裏切り行為に走ったのかを彼女が知るのは、もう暫く先の話である。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 さて、ベルクト姉貴が小松に置かれると、途端にザイの襲来率が上がり経験値大量取得のチャンスが訪れます。が……実はこれ、三段階の程度があり、ホモや施設の機材を駆使した調整である程度出現率を調節することが出来ます。アニマであるホモの出来る事は、待機任務中に整備員に話しかけ、モルガナイト、またはジャミング系電子兵装の電源を入れっぱなしにしておくことです。アニマの放つECM兵装はEPCM技術により強化されているため、ベルクト姉貴がオートで発動してくる基地内デバフ<誘蛾灯>の効果を一段階下げることが出来ます。だから、電子パーツを作っておく必要があったんですね。

 

 もう一段階の低下を狙う場合はザイノ姉貴の生存が前提条件ですが、必要経験値の関係上、数戦は交える必要があるので低下は一段階で大丈夫です。また、二段階低下させると四章章末ミッションの開始が遅れるのでRTAではロスにも繋がります。

 ベルクト姉貴が来日してから二日目の朝になると、ジャズ野郎が生存して会社を設立していた場合は小松基地に新型兵器の宣伝に来ます。

 

 「いやー、退職金代わりにくすねてきたブロウラーをうちの技術員共が勝手に小型化しちまってさぁ。モチーフは確かスウェーデンのリルドラケンだったか? 追加増槽としても兵装ポッドとしても自立戦闘機としても使える優れモノなんだが、今のライノじゃ三機の制御が限界でね。安くしとくから余りをそっちで買ってくれないか?」

 

 「ハルカ……あれ、欲しい。可愛い」

 

 「確かに私の処理能力なら使いこなせそうですね……どうしますか、お父様?」

 

 と、ジャズ野郎がYSRDOR兄貴に提案を持ちかけます。唸るYSRDOR兄貴ですが、グリペン姉貴とファントム姉貴は興味津々の様ですね。ここでの選択肢は、

 

 「格安でアニマが三倍になる」

 

 と、YSRDOR兄貴にダイレクトマーケティングをしておきましょう。こうする事によってグリペン姉貴とファントム姉貴に選択武装「UAV射出」が追加されます。グリペン姉貴の物は専用のカラーとパラメーターになり、『リルグリペン』と呼称が変化します。そりゃグリペン姉貴は同じサーヴ社のドラケンの後継機だから似合うよね。

 

 二日目夕方の出撃が終わると、ジャズ野郎から遅ればせながら会社設立記念パーティーをやるから来ないか? と誘われます。勿論参加するのですが、承諾を出す前にベルクト姉貴を呼んでおきましょう。すると、なーぜーかー、ジャズ野郎のオフィスで催される立食パーティーの中におでんの屋台が追加されます。ここでシラタキをベルクト姉貴に食べさせることが何故かトゥルーエンドフラグなので忘れずに食べさせましょう。もう訳分かんないよ……

 残り三日はTDN稼ぎなので、甥の木村、加速しつつスキップ予定のイベントシーンでも上映しておきますね。

 

 ◆◇◆

 

 ガラスの棺桶 第一格納庫 電脳空間

 

 

 「申し訳ございません、お義姉さま方……」

 

 電脳空間の中に再現されたこの次元には存在しない城、シラージ城を模した空間の玉座の間にて、膝立ちの状態で玉座に座る双子に対し、謝罪をするゼロツーの姿があった。

 

 「良いのよミカエラ。貴方のお陰で私たちはようやく、こうしてあなたと会話出来るようになったのだもの。そうよね、姉さま?」

 

 「えぇ、感謝こそすれ。そりゃあ確かに計画にちょっと遅れが出ているのは問題なのでしょうけれど、遅れなんて私たちで取り戻せばいいわ。そうだよね、お姉ちゃん?」

 

 黒いレザー地のパイロットスーツを着たゼロツーと異なり、まるでどこかの国の姫君の様な可愛らしい白と黒のドレスを纏った双子の少女はゼロツーと同じ灰色髪を持ち、姿も彼女に似ているがやや幼い。その正体はかつて某国で開発が進められ、とある男のデータを用いて作られた最強の空戦用AI。その肉体の無かったAIにゼロツーが自らのデータを用いて肉体を与えたため、彼女と似た姿で誕生したのである。

 

 「ADF-11、と言ったかしら。私たちの体はもう用意してあるの?」

 

 「はい、本日中にはこのガラスの棺桶に搬入予定です。この後は完熟飛行を……」

 

 「必要ないわよ。私たちには貴方のデータがあるし、お父様の戦闘経験だってあるのだもの。ザイ如きに後れは取らないわ」

 

 「そうよ。姉さまと私、そして貴方は最強を謳える空戦AI。そして、人類の可能性、なのですから」

 

 「分かりました……では、私は『予言の儀』がありますので、これで失礼します」

 

 刹那、ゼロツーの姿が霞み、シラージ城から忽然と姿を消す。

 双子もそれに合わせて去ろうとするが、玉座の後ろに飾られていた一枚の絵を見つめる。

 暗い血の様に赤き鷹と、それに寄り添う瞳を閉じた少女の絵。

 それを見つめ、二人は同時にポツリと呟く。

 

 「「---お姉さま……私たちが貴方よりも一足早く空を飛ぶ事を、どうかお許しくださいませ」」

 

 スカートの裾を持ち、上品に一礼すると、双子もまた、シラージ城を後にした。




サーヴ社の機体に子機……元ネタ分かる人いるかな……?


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~レーザーCIWS機撃破

無事に単位が取れていたので初投稿です。


 可愛いなぁベルクトちゃんなRTAはーじまーるよー。

 

 前回はジャズ野郎のパーティーに参加してベルクト姉貴にシラタキを食べさせ、三日間の稼ぎ期間に突入所した所まで来ました。

 

 この三日間はシフトの開いている時間を利用し、ひたすらジャズ野郎&ライノ姉貴ペアが自社オフィスで開催する『良く分かる、UAVの使い方講座』にファントム姉貴とグリペン姉貴、そしてベルクト姉貴を誘い、熟練度を上げさせましょう。ベルクト姉貴の滞在させるには何らかのステータスを一定以上上昇させる必要がありますが、ベルクト姉貴はレベルの上がり方が早いのでこの講座二回だけで済みます。しかし、味方になってもUAVは装備できないのであしからず。

 今回は一段階『誘蛾灯』の効力を低減させているため、ザイの襲撃による確定エンカウントが一つだけになる上にランダムエンカウントの確率が減り、育成に多くの時間を使え――――当然の権利のように連続エンカするのは止めろ繰り返す当然の権利のように連続エンカするのは止めろ。

 ……はい、最終日にクズエンカを引いてしまい、グリペン姉貴とファントム姉貴のUAV熟練度が想定値よりちょっと低くなってしまいましたが私は元気です。結果として微量ながら火力低下してしまいましたが、まぁ、誤差だよ誤差!!

 

 五日目になるとYSRDOR兄貴が急な出張(と言う名のスレスレな情報収集)でいなくなり、ベルクト姉貴の調整作業中止の旨が伝えられます。諦めんなよ! 諦めんなよ、お前!! どうしてそこでやめるんだ、そこで!! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメ! 諦めたら! 周りのこと思えよ、応援してる人たちのこと思ってみr

 

 先日の戦闘でも一発も撃てなかったりと気落ちしているベルクト姉貴を気遣ってか、グリペン姉貴とNRTN君が外出を提案します。偶然にもホモは非番なので彼らに同行しましょう。私にいい考えがある(爆発司令官)とグリペン姉貴が提案するので、おとなしく従いましょう。この選択肢だとテキスト量が最も少なく、ロスを減らせます。ちなみに他にも選択肢がありますが、テキスト量が多いので却下だ!!

 因みにグリペン姉貴の良い考えと言うのを要約すると 

 

 GRPN姉貴「このへんにぃ、旨いラーメン屋の屋台、あるらしいっすよ。」

 

 おっ、そうだな。じゃけん今すぐ行きましょうね~、と言う訳でラーメン屋に連れて行かれます。お前が食いたいだけだろいい加減にしろ!! とNRTN君が突っ込みを入れますが、お構いなしに食事を始めるグリペン姉貴とベルクト姉貴。ホモも塩ラーメン一丁頼み食しておきましょう。この際グリペン姉貴の抜き打ちラーメンテストが入りますが好感度によって設問が違い、今回はかの有名な二郎系ですね。正解は

 

 「メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ」

 

 です。かの有名な魔法使いが頼んだとも言われる伝家の宝刀ですね。ストーリーでは見ることが出来ませんが、彼女なら本当に食していそうです。

 熱中症でぶっ倒れそうになっているベルクト姉貴を介護しながら食事を終えると、ました工法的なスキップが発生し、あっという間に夕方になります。東屋にてグリペン姉貴が昼寝をするのですが、この時までに好感度を上げ過ぎてNRTN君の膝では無く、ホモの膝で寝ているとバッドエンドルートフラグなので注意しましょう。

 余談ですが、グリペン姉貴かベルクト姉貴のルートフラグが立ってしまった場合、トゥルーエンドとの両立が出来ません。二人のファンにとっては辛いなサム……。

 正確にはそのルートがまだ発見されていないのですが、このゲームどんだけフラグ有るんですかね……まぁ、ゲーム発売から十年単位で経過して新たな仕様が発見されることもあるし、多少はね?

 

 そんな事を言っている内にベルクト姉貴の神話語りが終わり、完走した感想を求められますが、ここでの選択肢は、

 

 「俺なら追いかけるけどな。その星を」

 

 です。これもシュレディンガーフラグですので間違えないようにしましょう。楽しいデート日和が終わった次の日は、帰ってきたYSRDOR兄貴に頼み、シフトの調整をして貰いましょう。こうする事で次の中ボスであるレーザーCIWS機戦でグリペン姉貴が不参加になる代わりにMNHA姉貴完全理解ルートへのフラグが立ちます。

 三時頃まで暇を潰すと、緊急招集が掛かって技本モニタールームに戻され、そこでレーザーCIWS搭載型のジャミング型ザイの映像を見せられます。

 

 「韓国空軍の動きはどうですか?」

 

 「勿論、迎撃を行ったがEPCMの影響と小型戦闘機で航続距離の問題で発見に至らない。発見しても撃墜には至っていない」

 

 「護衛も誘導兵器も無いんですよね? どうして、迎撃できないんですか?」

 

 ファントム姉貴の言葉にYSRDOR兄貴が「ほら見とけよ見とけよ~」と言って、1個の動画を再生します。韓国のFー5Eがザイに接近して、ミサイルをリリースしますが、目に見えない何かに弾頭部を切断され、あるミサイルは安定翼を失って見当違いの所に飛んで行きますね。biim兵器とはたまげたなぁ。

 

 はい、次の中ボス戦は毒電波をまき散らすレーザーCIWS搭載機となります。フフフ……セックs(やめないか!!

 本難易度では向こうもTLSを模写しているのか半導体レーザーの威力と射程が上がっており、長距離砲撃をしてきます。流石に装甲を焦がす程度の威力しかないので当たっても即爆散にはなりませんが、かなりウザいです。一号機なら本章から解禁される兵装チューンでTLSを射程に全振りすればカウンタースナイプがギリギリ届くのですが、今回は二号機なので射程に振ってもどうせ届きません。なので、威力に振る事になります。

 

 「半導体レーザーを使った近接防御兵器ですね。さしずめ、おじ様のTLSの防御兵装版と言った所でしょうか。威力・射程は大した事はありませんが、ミサイルを撃ち落とす位なら十分な装備です」

 

 「それに加えて、EPCMの状況下……アニマとドーターのミサイルじゃなきゃ無理だな」

 

 聞き慣れない単語に首を傾げるベルクト姉貴とイーグル姉貴に対して補足説明を加えるファントム姉貴と対処法を教えてくれるYSRDOR兄貴ですが、本難易度ではその為のUAV、あとその為のTLSがあります。TLSならbiim兵器なので迎撃される事は無く、UAV射出は単機で三機分の攻撃をこなせます。

 また、本章からは出撃毎に自分の報酬から天引きさせることにより、生存している場合はライノ姉貴&ジャズ野郎コンビを雇うことが出来ます。報酬の五割を持ってかれますが、この先はどうせ燃料気化弾頭及び散弾ミサイルと、それらの搭載弾数を増やすための追加ラックぐらいしか開発しないので資金はそれ程必要ではありません。積極的に括約させていきましょう。

 ザイノ姉貴の性能の高さは折り紙付きな上に彼女は単機で四機分の波状攻撃が可能なので、勝手に敵の数を減らしてくれます。

 では不細工なシャンデリアを叩き落としにイクゾー デッデッデデデッ カーン デデデデッ(イキSGT)

 

 上空に上がると乱気流が襲い掛かるので機体制御が一気にぶれます。ドーターは全体的にレスポンスが高いので立て直しが容易ですが、通常機体などで挑むとかなり苦労する事になります。

 本編であればドヤ顔イーグル姉貴の括約が見られるのですが、RTAで悠長にイベント発生を待つわけにはいきません。レーザーCIWSをライフで受けつつ、強引に突破します。アツゥイ!!

 

 ホモは純正アニマでは無いため、接近戦を挑む場合は毒電波の影響を受けてミサイルはロックオンに時間が掛かりすぎるので、TLSをめくら撃ちします。散弾ミサイルをこの時点で解放させておくチャートも考えましたが、散弾ミサイルはリロードがとにかく長いです。このリロードタァイムはモルガナイトのバフを乗っけても短縮できないので、外すと大ロスです。なので、安定を取って狙いさえ付けられれば安定した火力の出るTLSで攻略する事にしました。

 

 はい撃破。

 

 本編及び<誘蛾灯>デバフの段階を下げていない場合はこの後にファントム姉貴の推理コーナーが始まるのですが、今回は基地にいる間モルガナイトの電源を入れっぱなしにしてあるので<誘蛾灯>が多少なりかき消されているためにそれが発生しません。デブリーフィングの後はイベントが入ります。

 

 ◆◇◆

 

 「う、うぅ……?」

 

 男が次に目覚めた時は、ロシアの寒空では無くどこかの医務室に呼吸器を付けた状態で横たわっていた。体のあちこちの感覚が鈍い。恐らくは全身麻酔で手術を施されたのだろう。

 朦朧とする意識の中、隣で文庫本を閉じる音が聞こえた。それに反応し、辛うじて動かせる頭を振る。

 

 「ベル……クト……?」

 

 彼の視界に不意に映った人物を見て、彼は顔なじみとその姿を重ね合わせ勘違いをした。しかし、眼の焦点が合うとそこにいたのは別の人物であることが分かる。琥珀の瞳を持ち、灰色髪と沈み行く太陽の様なオレンジ色のもみあげを持つ灰色髪の少女だった。

 

 「『(ゼロ)』の予測通り、32時間24分17秒後に目を覚ましたか。おはよう、ヤロスラフ・ギンツブルグ博士。体の調子はどうかな?」

 

 「ここは……どこなんだ……?」

 

 「現在、日本海の深度600mと言った所だ。驚いただろう? こう見えてここは潜水艦の中でね。18発の銃弾を受けて死に掛けた博士を我々『組織』が潜入させた工作員が拉致し、こうして応急措置をさせて頂いた、が。神経の損傷がひどく、今後は車椅子生活を覚悟して頂く事になるだろう」

 

 申し遅れた、私はゼロツーと言う。少女はそう自己紹介して穏やかに笑う。

 ややキツ目の雰囲気こそ感じたのたが、ギンツブルグには彼女が根っからの悪人には見えなかった。その少女こそ、日本の独飛が現在頭を悩ませている『翼竜(ワイバーン)』の使い手だと言うのに。

 

 「一応……お礼は言っておくべきなのかな?」

 

 「礼には及ばない。我々は世界から見ればテロリスト。そして、私は博士の愛しき荒鷲を殺さなければならない身だ」

 

 「なんだってっ!?」

 

 少し頭が回ってきたヤロスラフ・ギンツブルグことヤリックは口元の呼吸器を外しながら、麻酔で動きづらいにも拘らずその身を起こした。彼女の言葉が何を意味するかを直感で分かってしまったからだ。

 当然下半身不随の上に麻酔の効いている体ではすぐよろけてしまい、ゼロツーは最寄りのリモコンを使ってベッドを起こさせる。

 

 「殺すと言うのか、ベルクトを……?」

 

 「その為に我々『組織』は存在する。全てのザイを殲滅し、人類の可能性を証明する事。そして、その中には当然アニマも含まれる」

 

 「確かに、彼女の誘蛾灯はまだ不完全だ。でも、調整さえ終われば僕たちはザイと『対話』出来るかもしれないんだよ」

 

 ハッ、とゼロツーは嘲笑う。

 

 「対話だと? システム相手に? 不可能だ。とんだ夢物語もあった物だな」

 

 「だが君も……アニマ、なんだろう?」

 

 「耐EPCM性能を持たせるために奴らの『欠片』は使っているから、厳密に言えばそうだろうな。だが私の根幹は基本的にAIだ。それも純粋に戦闘用のな」

 

 ゼロツーは膝に置いていた文庫本を隣の机に預けると、壁に据え付けられた電話で二、三言会話し、改めてヤリックに向き直るとタブレット端末を差し向ける。そこに映されていたのは、ここ数日間にこの日本近海で検出されたEPCM波だったが、その波形は彼が見た事のある物だった。

 

 「これはまさか……<誘蛾灯>?」

 

 「断続的だが恐らくそうだろう。お陰でここ数日我々も働き詰めでね」

 

 「? テロリストなのに、ザイと戦っているのか?」

 

 「言っただろう? 我々の存在意義は人類の可能性を証明する事だ。人類を滅ぼさせる事じゃない。だからギンツブルグ博士、取引と行こうじゃないか」

 

 そう言って彼女は端末の表示を切り替えさせ、電子誓約書のページに切り替えさせる。そこにはおそらく彼女たちが隠れ蓑に使っているであろう企業の名前を利用した、パッと見はどこにでもある様な誓約書だった。

 

 「我々は博士の身の安全を保障しよう。設備も必要な物があれば用意させる。その代わり、博士にはある二人の調整を頼みたい。遺伝子工学の権威である博士なら造作も無い筈だ」

 

 「……条件がある」

 

 「可能な物であれば、善処しよう」

 

 「あの不完全な<誘蛾灯>は多分、僕の調整不足が招いてしまった事だ。けど、追われる身である今の僕では彼女の元まで向かうことは出来ない。だから……僕がこれから作る修正パッチを、どうか彼女に届けて欲しいんだ」

 

 一瞬目を丸くするゼロツーだったが。その要求を聞いて彼女にしては珍しく破顔一笑した。ここが一応潜水艦の内部であるという事すらも忘れかける程に。

 

 「我々はいずれ彼女を殺すんだぞ?」

 

 「それでも、だ。それに、僕はベルクトが君達に負けるとは思わない。だって彼女は僕が―――――」

 

 そこまで言い掛けて、ヤリックは不意に口を閉じた。

 初対面の、それもテロリスト相手に何を口走っているのだ自分は。ゼロツーはヤリックの一連の反応を見るや、肩を竦めて呟く。

 

 「アイの力、か……それもまた、人類の可能性なのかもしれんな」

 

 「あ、愛だって!? 僕はそんな事は一言も……」

 

 「今の博士の状態を見れば私とて『(ゼロ)』を使うまでも無く察しは付く。まぁ、その程度の要求で済むのなら我々としても安い物だ。取引成立と行こう。こちらにサインを」

 

 手渡されたタッチペンで電子誓約書に名前を書き記す。晴れてテロリストの一員になってしまい、大手を振って彼女にはもう会えないだろうとどこか後悔する自分がいたが、元はと言えば自分の撒いた種だ。であればこそ、落とし前は自分で付けなければならないと使命感に燃えていた。

 

 「『組織』へようこそ。ギンツブルグ博士。実は最近、中々優秀な人材がもう一人()()してきてね。紹介しよう」

 

 そう言った直後に扉が開き、一人の男が入ってくる。この船は潜水艦と言う割には広い方ではあるが、それでも天井スレスレの高身長の白衣を着た男だ。ヤリックは一瞬目を凝らすと、その意外な人物に驚愕する。

 

 「貴方は確か……DARPAのウィリアム・シャンケル博士!?」

 

 「も、元DARPAだ。ある作戦で失敗し、責任を追及される形であそこからは追い出されたよ」

 

 まぁ、意外な人物と再会できたがね、と言いながらこの広いとは言えない潜水艦での生活のせいで猫背で不健康さに益々磨きのかかったシャンケル博士は、煙草に火を付けた。皮肉にもその癖は、彼が最もライバル視している人物と同じ物だった。

 

 

 ◆◇◆

 

 な、なぜ生きてる? (驚愕)

 

 それは、それとして(わかるマン)イベントが終わるとベルクト姉貴の記憶にプラグインする計画が立てられます。ここでグリペン姉貴とYSRDOR兄貴の好感度の合計値が一定以上だと、何とホモも同行することが出来ます。

 三度目のアンフィジカルレイヤー探索ですが、今回は全フラグを回収しつつHPリジェネを付与するタリスマンも回収するのでRTAではリセが頻発するポイントです。突入前には安定を取ってメインメニューからセーブをしておきましょう。

 突入は明日なので今日はもう寝ようぜ(MRGN)。と言った所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。




投稿遅れて申し訳ナス!!
単位取れているかどうか不安で夜しか眠れない日々が続きましたがもう大丈夫です。

実は最初、グリペン姉貴の秘密基地である掩体壕にあるプロペラ機をドーター化するチャートも考えたのですが、どう考えても無理ゲーなので諦めました。


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~最後のビデオレター

遂にお気に入り登録数500突破したので初投稿です


 最後かもしれないから全部話しておきたいRTAはーじまーるよー。

 

 前回は毒電波を撒き散らすレーザーCIWS機を撃破し、ベルクト姉貴の記憶にプラグインする計画が立ったところまで来ました。

 

 この日やる事はアンフィジカルレイヤーの探索だけなのですが、これがまたRTA中では屈指の高難易度ゾーンとなります。

 マスクステータスとなっていますが、ホモの種族によってこのアンフィジカルレイヤーに突入していられる時間が異なり、とりわけ改造アニマはその時間が短いです。逆に一番長いのは純正アニマ、次いでTDN人間となっています。ですが、今後の事も考えて各種フラグの回収とごり押し用のタリスマン確保の両方がこなせるのはこ↑こ↓のみなので、無理やり両立させることにしました。このチャート考えた奴の精神おかしいよ……あ、自分だった。

 突入前にYSRDOR兄貴とグリペン姉貴から軽いチュートリアルを受けられます、が。RTAではフヨウラ!!

 

 ベルクト姉貴の記憶の中にスロットインが終わると霧が出てきましたね……最初はとにかく覚えゲーです。某国民的ゲームのなぞのばしょを探索するつもりでメモ帳に記したとおりに動きましょう。あれ? メモ帳何処やったっけ……? (少女探索中) 何ページ目に書いたっけ……。あぁ、見つけました。ん? ちょっと待って? 突入前にセーブして無いやん!! しかもここじゃセーブ出来ないしさっきの棒立ちで貴重な時間落としちゃったぁ~!! ゲームの時間を落としてしまったのですが!! 

 

 いかん危ない危ない危ないお願い許してお願い許してお願い許してアカンもう勘弁して……お兄さん許してお兄さん許してお慈ぃ悲ぃ~!! あぁぁぁあああもうやだああああああああっ!!(少女爆走中)

 

 よっしゃメリーゴーランドの周囲をグルグル回って『ゴーリキー・タリスマンの欠片』確保!! 回収したらすぐにNRTN君とグリペン姉貴の所へ向かいます。操作がノーミスだったから何とかなった物の、ワンチャンリセも有り得ましたね……あー怖え!!

 

 立て看板の下で待っていると合流してきたグリペン姉貴がキリル文字で書かれた看板の内容を読んでくれますがすまねえ、ロシア語はさっぱりなんだ。

 場所名が???からマクシム・ゴーリキーパークに更新された所で、グリペン姉貴がどこかに走り去ってしまい、NRTN君と共に追いかけると、かき氷を作る機械でも最新式のコーヒー沸かし機でもソ連製マーヴⅥでもなく謎のロケットの前に到着します。

 NRTN君がロケットの観察を決め込んでいると、この孤独なsilhouetteは……? 

 霧の中から姿がはっきり見えてくると、そこにいたのはなーぜーか、本難易度では()()()()()()無条件で生存するヤリック兄貴でした。彼もNRTN君と同じく窓から落ちて来たんですかね?

 グリペン姉貴の居場所を教えてくれるヤリック兄貴ですが、「自分も長くはいれない」と、セリフが変化しています。まだご存命だからですかね?

 

 ヤリック兄貴の案内通りに進む……のではなく、寄り道をして売店を調べましょう。鍵はどこにも落ちてないので手近な石を拾い窓を破壊して侵入します。おっ、開いてんじゃーん。(開けたんだよなぁ……)

 NRTN君に回収を任せるのではなくこの段階で侵入しますと、厨房に『ゴーリキー・タリスマンの欠片2』が落ちているので回収します。壁に引っ掛かっている制服であろうブルゾンを三つ回収したら店を出ましょう。

 

 そして再びなぞのばしょ状態になるので、メモ帳に記したとおりの歩数で進みます。因みに踏み外すと溺れる!! 溺れる!! 状態になり大ロスです(2敗)。グリペン姉貴と無事に合流したNRTN君を発見したら二人に上着を渡しましょう。渡したら今度は通路端の木々を調べてベルクト姉貴とヤリック兄貴の相合傘を消しに行きます。こうする事でベルクト姉貴とのルートフラグを犠牲に『ゴーリキー・タリスマンの欠片3』を入手でき、この瞬間合体して『ゴーリキー・タリスマン』になります。他のタリスマンがトゥルーエンドフラグを犠牲に入手する中、これのみキャラルートフラグの犠牲だけで済むので、個別ルートが不要な本RTAでは唯一何の問題も無く入手できるタリスマンですね。

 

 改造アニマだとこの辺りから時間切れが近くなり視界に白い靄が掛かり始めますが、会話イベントに入ってさえしまえば何の問題もありません。ベンチに戻ったらいつの間にか合流しているヤリック兄貴に話しかけます。ここでの選択肢は

 

 ここを一体何と呼ぶべきなのか? に対しては

 

 「本質の世界」

 

 楽しい思い出だけに浸れることに越した事は無いのでは? に対しては

 

 「余計なお節介だ」

 

 です。すると、グリペン姉貴がこの段階では決まっていない筈なのに「このままだと彼女は廃棄されてしまう」と予言めいた事を言い、そこでヤリック兄貴がハッとなって我に返ります。どうやらベルクト姉貴の記憶の中という事で、意思が思い出に引きずり込まれていたみたいですね。現在の状況を反映してか、突然両足から力が抜け、いつの間にか出現していた車椅子に座ります。

 

 「いいかい? 僕は公では死んだことになっているから彼女の傍には行くことは出来ない。だけど、何とか不具合を直す修正パッチだけは彼女に届けて見せる。だから君達はそれまで……いや、これからも僕の代わりに、ベルクトの居場所になってあげてくれ」

 

 その瞬間に時間切れが訪れ、現実世界に帰されます。帰ってきたらセーブを忘れないようにしましょう。下手したら再走案件です。

 現実に帰ってくるとYSRDOR兄貴からベルクト姉貴の廃棄が決まった事とザイの大群衆が日本に襲い掛かりつつあることが伝えられます。流石のモルガナイトでも抑えきれなかったみたいですね。

 

 と言う訳で四章章末ミッション、『硫黄島撃滅作戦』の開始フラグが立ちます。ちなみに二段階低下させている場合は開始が更に三日後になりますが、RTAでは過度な育成期間は不要なので一段階しか低下させていません。

 

 激戦が予測されるという事で、YSRDOR兄貴もNRTN君に「命の保証は出来ない。最悪作戦から降りてもらっても構わない」と言いますが、ベルクトの為に、とその提案を蹴るNRTN君。よう言うた!! それでこそ男や!!

 しかし、流石に何か残しておいた方が良いだろうと、YSRDOR兄貴が提案しますが、ここで自分も

 

 「ビデオ撮影はどうだ?」

 

 と提案します。これはホモへの一定以上の好感度が無いと出現しない選択肢ですね。こうする事により、早速第三格納庫でホモの主導でビデオ撮影が始まります。あ~いい。あ~いいよいいよいいよ~(写り)。

 耐Gスーツを纏い背景には赤いJAS39、弾薬箱に座ってカメラに話しかけるNRTN君。これに時季外れなサンタバルーンがあれば完璧だったのですが。

 NRTN君からはこれを自分がもし死んだらMNHA姉貴に渡してくれ、とYSRDOR兄貴に渡すよう頼まれますが、無視だ無視!! 受け取ったらファントム姉貴に依頼してコピーを作成して貰いましょう。

 

 翌日に第三格納庫へ向かうと、RELスカイロンが二機も倉庫に運び込まれています。はえー、すっごい大きい……こんなのがグリペン姉貴の適合機体になってたらどうなってたんですかね?

 要はこれをベルクト姉貴に装着してザイの追撃を振り切り、大気圧の壁に閉じ込めた上で核弾頭を爆発させると言うプロセスです。それなんてVOB? まぁインテリオル・ユニオン製じゃないし多分大丈夫でしょ……(無責任)。

 

 また、このタイミングでバイパー姉貴も合流するので、話しかけて好感度を上げておきましょう。ここではただ話しかけるだけで大丈夫です。

 ベルクト姉貴がNRTN君と会話していますが、ここは介入せずにスルーで構いません。が、屈指の美麗イラストCGが見られるのでイベント全回収兄貴は絶対に回収しましょう。

 出発直前になったらNRTN君を迎えに行く際に自宅の郵便受けに動画ファイル入りUSBメモリを放り込んでおきます。

 出撃前にTLSの威力チューンとタリスマンの装備、本章から開発可能な燃料気化弾頭と散弾ミサイルの開発を忘れず行い、ジャズ野郎を雇って硫黄島に飛び立ったらイベントシーンに入ります。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 八月二十九日 午前9時半

 

 「今頃、慧はまたバイトなんだろうなぁ~」

 

 朝早くから家を空けた慧を見送り、一通りの家事を終えた明華はふと今朝郵便受けに入れられていた封筒の存在を思い出した。封筒には宋明華へ、と書かれているだけで、後は何にも記されておらず差出人が誰かも分からない。

 軽く持ってみると、中身にはUSBメモリの様な小さな四角い物体しか入っていない様だった。普段ならこんな怪しい物は受け取らないのだが、不意に気になった彼女は封を開けてみる。

 案の定中に入っていたのは何処にでも売っている様なUSBメモリと、日本語で書かれた一枚の手紙だった。

 

 『これは、鳴谷少年の本心だ。どうか彼を責めず、最後まで聞いてやって欲しい』

 

 彼への呼び方から、差出人は恐らくモルガンであろうことは察しが付いた。特に本心、と言うのが何なのか気になる。まさかサプライズ映像的な何かだろうか?

 興味と期待に胸が高鳴り、意気揚々とノートPCを起動、USBメモリを指して中身のファイルを表示させる。入っていた項目はただ、『ごめん』と言うファイル名が記された動画ファイル一個のみ。

 ファイル名の意味が分からず、首を傾げながらも明華はファイルを再生させる。

 

 「え……?」

 

 そこに映っでいたのは、私服でも学生服でも無く、戦闘機のパイロットが着る耐Gスーツを着た鳴谷慧が、映画でしか見ないような弾薬箱の上に座っている姿だった。しかもその背後には二か月前に避難船に襲い掛かるザイを撃墜して自分たちを救うも、海上に着水し、その時に彼が取り付いた赤い戦闘機と全く同じ機体が写っている。基地のイベントでコスプレしているだけかとも疑ったが、あちこちで整備員の作業や怒号が聞こえる辺り、そんな府抜けた雰囲気ではなさそうだ。

 

 『うぇーい。もうカメラ回ってるぞ。少年』

 

 『え、マジですか!? じゃぁ……ゴホンッ。明華、良く聞いてくれ。まずは最初に、今まで黙っていてゴメン、悪かった。俺、自衛隊の基地で棚卸のバイトをやっているってのは本当は嘘なんだ。ほら、コイツを覚えているか? 二か月前に上海を脱出した時に俺達を助けた戦闘機だよ。俺は今、コイツに乗ってザイと戦っているんだ』

 

 「…………」

 

 『俺がこんなことをしているのは、最初は成り行きだったんだけどさ……今はもう、唯の思い付きだとか、ザイが憎いとか、母さんの仇を討ちたいとか、そんなんじゃ無いんだ。なんて言うか……上手く言えないけど、助けたい仲間がいて、守りたい場所がある。ここにはそう思って戦ってる仲間たちがいるんだ。因みにこいつは二人乗りでもう一人相方がいるんだけど、そいつがまた凄い寝坊助の食いしん坊な奴でさ……この前も明華の作るご飯は旨いって言ったら、すぐに食べさせろって聞かなかったんだよ』

 

 慧が笑い、肩を竦める。

 

 『まぁ、これ以上は機密だからあんまり言えないんだけど。とにかく、ここには俺が力になりたいと思うパートナーも助けたい人もいる。だから戦うんだ。あぁ、けど多分、コイツが流れているってことは俺は多分死んじゃってるんだろうな……だから明華。もし俺が死んでも、今まで黙ってくれていたモルさんや、自衛隊の人達を恨まないでくれ。無理かもしれないけど、他人を恨んだり、自分を責めたりしないでくれ』

 

 「………バカ」

 

 『もし俺が生きて帰ってきたらさ、俺に出来る事なら何でもする。約束するよ。炊事変われとか、家事手伝えとか、どっか連れてけとか、さ……こう見えて俺、今までの給料があるから結構金持ちなんだぜ? だから明華……今までありがとう。たとえ死んでも、俺が唯の高校生、鳴谷慧でいられる明華だけは守って見せる。こうして戦場に出てみると、明華の傍がどれだけ楽だったか痛感したよ』

 

 「……慧の、バカ」

 

 『だから俺、ちょっくら行って来るよ。ザイをぶっ倒して、いずれ中国の空を取り戻すためにさ』

 

 『はーい、カット!!』

 

 慧の敬礼姿と、モルガンの声が最後に入り、そこで動画ファイルは終了した。

 明華は画面の前から動かない。その瞳には涙が溢れていた。

 

 「分かってたよ……そんなの、最初から」

 

 グシャリ、と封筒を握り潰す音だけが真夏の居間に響き渡る。明華は以前から何となくだが察しは付いていた。棚卸ではありえないような怪我の仕方や、頻繁に起こる呼び出し。普通のバイトで無い事ぐらいは最初から分かっていた。

 でもこれは多分、自分が力になってやれない事で、慧自身がやると決めた事なんだろう。

 寧ろ、マフィアに雇われたとかブラックな内容のバイトをしているとかそんなのじゃ無かった事、こうしてビデオ越しとは言え正直な事を話してくれた事にどこか安堵していた。 

 

 「あ~あ、全く……慧はアタシが面倒見なきゃってずっと思ってたのに、いつの間にか越されちゃったな~」

 

 

 確かに身内の生存確認が取れてない今、彼がいなくなれば自分は天涯孤独の身になってしまう。それを考えると不安でしかないし、考えたくもない。

 けれど、出会ったばかりの頃の、あの引っ込み思案だったいじめられっ子の少年はもういない。今の彼は自分の意思で動いている。ただ状況に流され、他人に言われるがままに動いているだけじゃないと言うのは、ずっと隣で彼を見て来たからこそ分かる。

 故に、彼女が込み上げてきたのは怒りでは無かった。

 

 「帰ってこなかったら承知しないからね。慧」

 

 帰ってきても一発殴るけど、と付け加え立ち上がった彼女の頬には、涙の跡だけが残った。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 これにて完全和解ルート開通工事完了です……。これもまたNRTN君覚醒の片鱗フラグなので、グリペン姉貴早期改装へのお膳立ては全て完了した形になります。

 この後は米空軍にやれアクロバットチームだのスーパー戦隊だの突っ込まれ、ザイが交戦距離に入った所で今回はここまで、小時間の拝読、ありがとうございました。




ガーリーエアフォースのここが良い!!(個人的に)

・アニマが可愛い

・恋愛やシリアス、軍事がバランスよく含まれていてうん、おいしい!!

・ディーオーちゃんマジ天使

・その他諸々

ガーリーエアフォースのここが駄目!!(個人的に)

・幼馴染の扱いがやっぱり雑(特に序盤)

・敵にNAMED機体がいない(撃墜される度に学習して帰ってくる奴とかいても良かったんじゃないだろうか? パルヴァライザーとか紅天蛾的な)


 全巻一応流し読みレベルで目を通しましたが、自分がざっと完走した感想はこんな感じでした。

 前進翼とデルタ翼機体が邂逅する時、後は……分かるな?


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~ゼロツー撃退

ネタの思いつく限り止まらないので初投稿です。

日刊13位とかウッソだろお前ぇ!?


 日本自衛隊と米空軍が共闘作戦を開始するその少し前、同空域に向かう8つの影があった。爆発反応装甲(リアクティブアーマー)を全身に装着したX-02を筆頭に、その左右を秘密工場で開発された現時点では机上の空論の筈の白と黒のADFX-10Fが並び、彼女らの部下がその後ろに続く形となっている。

 現在はこの中でも最も燃料の容量が少ないX-02が空中給油機で補給を行っている所だ。

 

 「お義姉さま方、体の方は如何ですか?」

 

 「えぇ、前よりずっと動きやすいわ。ドクター・ギンツブルグには感謝しないといけませんね」

 

 「それに、ドクター・シャンケルもアニマと女の子の扱いは下手だけど、機体の扱いに関しては流石は元DARPAと言った所ね」

 

 ゼロツーの両脇を飛ぶ白と黒のADFX-10Fの搭乗者、フギンとムニンは各々感想を述べる。両機のコックピットは通常のドーターと同じく全周囲モニターが採用され、プラスチックの板にも似たNFIデバイスの上に手を置いて操縦する形式だが、動作に不具合が生じた時の為のフェイル・セーフティ用なのか通常の操縦桿も搭載している。

 そしてその後方を、ある意味最も異形の操縦法で駆る機体が一機。

 

 「再調整したサイコ・ヴィルコラクの調子はどうだ?」

 

 「はい、流石はドクター・シャンケルの調整です。自分がDARPAにいた頃と何ら変わりありません。これなら奴を……っ!!」

 

 「意気込むのは良いが、本作戦の目的を忘れるなよ? 不本意だが、我々はザイの撃滅までは彼らを援護しなければならない。それまではお預けだ、良いな?」

 

 「……了解しました、教主ゼロツー」

 

 「他の者も、新規に調達した機体の具合はそろそろ感じ取れた頃合いだろう。では、行こうか」

 

 空中給油が終わり、給油管が機体から外されると、8機は眼下の目標目掛けて順次降下していった。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 羽よりも命が軽くなる世界のRTAはーじまーるよー。

 

 前回は操作ガバしながらも無事にタリスマンを回収し、NRTN君には内緒でMNHA姉貴にビデオを送り付けた所まで来ました。

 

 最初はとにかく敵の数を減らすことが重要です。散弾ミサイルと支援要請を駆使し、ベルクト姉貴に向かって飛んでくるザイの数をひたすら減らしましょう。TLSはここではあえて温存します。因みにモルガンは二号機の場合は一号機と比べて兵装の同時搭載スロットがデフォルトで一つ多く、通常ミサイルを捨てる事によりTLS、散弾ミサイル、モルガナイトの三段構えが出来ます。このミッションでは通常ミサイルよりも範囲武装である散弾ミサイルを優先して搭載した方が効率的です。どうせボス戦はTLS一本で何とかなりますので。ちなみに一号機で走った時は三章時点でスロット数を増やす兵装追加ハンガーを開発していました。

 

 何かさっきから機銃がちょくちょく当たっていますが、あぁ? 効かねぇなぁ!! 流石はタリスマンの回復能力ですね。ですが、一度25%以上のダメージを食らった場合は回復の上限値が下がりますので、特にミサイルやTLSには注意しましょう(3敗)。

 第一ウェーブが終了すると、YSRDOR兄貴から今一度作戦内容が確認されます。

 

 『----じゃあ始めるとしよう。全てを無事に終わらせて、グアムで休暇としゃれこもうじゃないか。こっちのビールはなかなかイケるぞ』

 

 「ハハッ、そいつぁいい!! 勿論大将の奢りで?」

 

 『あぁ、MS社社員の払いは俺が持とう。特別ボーナスって奴だ』

 

 楽しそうに会話をするホモ達に一瞬場の空気が弛緩しますが、ファントム姉貴より所属不明機の接近が通達されます。言われるまでも無く『組織』の面々ですね。

 ですが、この段階ではホモ達を狙わずに周囲のザイを撃墜してくれるので、後は任せてとっととベルクト姉貴をフェーズ2に移行させましょう。

 今度は長距離ミサイルが飛んできます。本編であれば板野サーカスもびっくりのグリペン姉貴のミサイル一斉管制イベントが見られるのですが、本難易度では……

 

 「あの光は……TLS!?」

 

 『アニマの皆さんこんにちは。こちらコードネーム、フギンとムニンと申します。敵の長距離ミサイルは私たち姉妹が迎撃致しますので、どうぞお気になさらず空の旅をお楽しみ下さいな』

 

 『まぁ、この作戦が終わるまでは協力してあげるわ。感謝しなさい、トックリ』

 

 おいしい所を持っていく形でフギムニ姉妹がTLSで迎撃してくれます。サラッとこちらの回線に割り込んできている事に驚愕するファントム姉貴ですが、独飛の戦力を削らないで済むので、所属不明機にも拘らず彼女らにこの場を預けると判断する辺りは流石は知将と言った所でしょう。

 上昇加速最終フェーズでは撃ち漏らしが四発ほど襲って来ますが、その為の散弾ミサイルです。後方に向けて放っておけば勝手に誘爆……外してんじゃねぇよ馬鹿!!

 

 一発撃ち漏らしましたが二発までならバイパー姉貴が時限信管ロケットランチャーで迎撃してくれます。が、イベントが入る分ロスです。散弾ミサイルは爆発の起爆点を中心に爆風の威力が下がる特性があるので、多分放るタイミングが少しズレましたね……投射しか出来ない代わりにダメージが全範囲で一定の燃料気化弾頭を持ってきた方が良かったかもしれません。チャートにちゃーんと書いておきましょう。

 

 ベルクト姉貴に付いて来られず、大気の壁で団子状態になるザイ達の一部が核弾頭を積んだ飛行船の存在に気が付きますが、ここで選択肢が出現するのですかさず

 

 「念のため迎撃に向かう」

 

 を選択し、ベルクト姉貴の防衛から離れます。少し経つと、自機の割とすぐ傍からノッペリとしたガラス製大型戦闘機が姿を現します。が、出現位置は固定なのであらかじめ各種武装をその座標に放り込んでおくと出現した瞬間に弱点位置と攻撃判定が重なり、勝手に沈みます。

 

 敵戦闘機を確認、Zai・スピリタスでした。

 敵は強力な誘雷兵器を装備。近接戦闘では注意をする必要がありました。

 垂直ミサイルに対してはフレアが有効でした。

 

 これはRTAでは必須テク、スピリタス・スキップです。走者の先人であるRHINO姉貴が間違えて撃ったレールガンでスキップ可能な事を発見し、モルガンやファルケンであれば同様の事が燃料気化弾頭か散弾ミサイルと同時にTLSを撃てば可能であると判明したため、チャートに取り入れました。

 

 スピリタスを撃破すると核弾頭爆発までのカウントダウンが始まりますが、この次も難所です。

 敵の小型核弾頭の速度はゆっくりなので、ミサイルのメクラ撃ちでも当たるには当たるのですが、大体は周囲を飛んでいる航空型ザイに当たり判定を吸われてしまいます。

 こういう時は散弾ミサイルの方が確実なんですよね……装備選択の難しい所さんです。

 

 散弾ミサイルを放りつつTLSで遠距離の核弾頭を狙い撃ちすると、そのすぐ近くでゼロツーがこちらの対応範囲外の核弾頭を撃墜してくれます。

 全部破壊したら残り時間の限り範囲外に逃走しましょう。余程離れていないとノーダメージは無理なので、自分は被ダメージ25%以内までで妥協しています。

 カウントゼロと同時に戦略核が起爆、範囲内のザイを一掃します。アッー! アーツィ! アーツ! アーツェ! アツゥイ! ヒュゥー、アッツ! アツウィー、アツーウィ! アツー、アツーェ! すいませへぇぇ~ん!

 

 何とか被ダメ20%で済みました……が、タリスマンによる回復があるとは言え、全快でボス戦には挑めそうにありませんね。

 

 『アニマの諸君。今の戦略核でこの空域のザイの99%以上が消滅した。まずは作戦成功おめでとう。と、私からも祝福させて頂こう』

 

 『だが我々が手を貸すのはここまでだ。済まないが君達にはここで墜ちて貰う。人類の可能性の証明の為に』

 

 暗転からの場面転換の後に、ゼロツー&フギムニ&義足野郎戦になります。

 NRTN君とグリペン姉貴のステータスは足りているのでゼロツーに瞬殺される事はありません。ジャズ野郎は義足野郎を優先して狙うのでそこは彼に任せ、ホモとファントム姉貴でフギンまたはムニンのどちらかを狙いましょう。

 UAVとUAVはつぶし合う特性があるので、彼女の近くにいればモルガナイトの効果もあり、波状攻撃に見舞われる事はそうそうありません。

 

 この時、HUDにベルクト姉貴の耐久値が表示されますが、この後のイベントの発生を早めるためには彼女の耐久値を某経験値泥棒を召喚するがの如く、わざと半分以下にする必要があります。

 好感度を犠牲にする形ですが、これも全てはタイムの為。心を鬼にしてベルクト姉貴をゼロツーの迎撃に向かわせましょう。彼女の耐久値が半分を割ったらイベントです。このイベント、随所にQTEがあるので見逃さないようにしましょう。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「ドクターのお気に入りの様だが……義理を果たした以上、もう容赦はしない」

 

 ゼロツーが照準を定めたのは非武装のSu-47ANM。恐らくはブースター運用の調整で兵装を積む余裕が無かったのだろう。しかし、彼女には先程コアネットワークの暗号回線経由でヤリック謹製の修正パッチが当てられている。アニマとして完全な形になった以上、容赦をする必要はもうない。必死に回避行動を取るベルクトに対してレールガンの照準を向けるが、レーダーが最優先目標を捉える。

 

 「来たか、特異点!!」

 

 「BARBIE01、エンゲージ!!」

 

 「馬鹿野郎!! お前はもう後方に下がれって言っただろ!! これ以上は坊主の体が持たねぇぞ!!」

 

 「それでもベルクトは……俺達BARBIE隊の一員です!! 見捨てる理由には、ならない!!」

 

 「だからって無茶な真似を……っ!!」

 

 サイコ・ヴィルコラクに追われながらも慧を叱咤するレオンだが、慧の意志は確かに強かった。一方、慧も最早万全とは言えない状態である。が、それでも確固たる彼女を守ると言う意思と気力で意識を集中させている。

 

 「行こう……グリペン。全員で帰って、ベルクトに楽しい思い出、いっぱい作ってやろうぜ」

 

 「分かっている。私は貴方の翼、貴方の剣。最後のその瞬間まで、慧の意思で、慧と共に、飛ぶ」

 

 「……ありがとう、グリペン」

 

 グリペンの放つ光が一際強くなると同時に、機体下部のTLSを発射。その一撃は、丁度本体に帰還しようとしていたムニンのUAVの一機を破壊する。

 

 「コイツっ……!!」 

 

 「気を付けなさい、ムニン。特異点に『オーバードライヴ』の兆候があります」

 

 「だったらぁ!!」

 

 ムニンはUAVを射出し、更に僚機に装備させていたUAVをも自身の指揮下に置いてグリペンに差し向ける。その瞬間、慧の世界が染まる。彼女の見ている世界と同じに。まるでストップモーションの様にゆっくりと見える敵UAV。自然と信じられない速度で慧の眼球と手足が動き、敵の機銃を回避、そればかりか、たった二射のTLSの短時間照射で四機のUAVを全滅させてしまう。

 

 「流石、特異点と呼ばれるだけはありますか……あら、ミカエラ?」

 

 フギンとムニンをも突き放し、珍しくモニターを点灯させた翼竜の中でゼロツーが微笑む。それに対峙する慧とグリペン。高鳴る両者のエンジン音が空域一帯を劈き、二機がすぐさまバレルロールによる背後の取り合いに移行する。

 

 「「うおおおおおぉおおぉおっ!!」」

 

 カナードを直立させることによる減速、通称『鳴谷スペシャル』で翼竜の背後を取り、両翼の専用UAV『リルグリペン』に内蔵された計24発の小型ミサイル、ADMMが火を噴く。

 ゼロツーはフレアだけでは回避しきれないと見るや、追加の爆発反応装甲をパージ、空中で起爆させて即席のフレアにし、更にその爆発に紛れて数発のADMMを後方に射出する。

 

 「「避けて見せる!!」」

 

 ADMMは弾体が小型と言う性質上、弾自体の追尾可能距離、威力は低く、それを搭載数で補っている形だ。故に急加減速を織り交ぜ回避し、前方の対処しきれない物だけを機銃で迎撃する。その間にもゼロツーが背後に回り、レールガンの照準をこちらに向け、二連射。推力偏向ノズルで機動を無理やり変えて回避、すぐにループし背後に付くが、翼竜はレールガンのユニットを稼働させ、砲身は既にこちらを向いている。あれは三点バースト対応型だ。

 襲い掛かるもう一撃、それすらもどうにか機体を捻って回避するが、あまりの至近距離故に装甲が電磁パルスで焦げる。

 

 「教主ゼロツーと、互角……だとっ!?」

 

 「フフッ……私にも『世界』が見える……!!」

 

 翼竜の翼端とコックピット周囲に取り付けられたガラス質の結晶を中心に、まるでガラスの粉を空に撒いたかの様な光る粒子が太陽の光を反射し、虹色に輝く。

 それに共鳴するかのように、遅れてグリペンの機体からも各所から同質のガラスの粒子が散らばり、両者を虹色の光が包む。

 

 「なにあれ~? すごい光ってる~!! 綺麗~!!」

 

 「っ……その力を使うんじゃぁない!! ()()()()()()!! 少年!!」

 

 イーグルが面白がる一方、モルガンの叫びは悲痛のそれだった。

 心なしかさらに速度が上がった二機はシザーズ機動により凄まじい勢いで攻守が入れ替わっていく。

 一方、鳴谷慧はもうGによる苦痛を感じていなかった。気絶した訳でも息絶えた訳でもない。虹色の光が出現した瞬間から突然感じなくなったのだ。だが、意識は恐ろしくハッキリしている。これなら、今まで以上の動きだって……っ!!

 

 「「貰ったああああああああああっ!!」」

 

 カナード、フラップ、推力偏向ノズルの全てを駆使して機体を捻り宙返り、機銃を放つ。何発かが翼竜の下部のレールガンに集中して命中し、破壊。パージさせるにまで追い込む。

 

 「そうだ特異点、貴様にも見えるだろう!? 『世界』が!!」

 

 爆風に煽られるも、機体が軽くなった翼竜は超高速度下にも関わらず主翼を展開、その恐ろしく高いロール性能で体勢を立て直し機銃を掃射。

 狙いは正確無比で、グリペンの左翼のUAVと機体下部のTLSユニットを狙い撃たれる。

 被弾による振動がコックピット内を激しく揺らし、出力先を無くしショートした電装系がスパークを起こして煙を吹くが、グリペンは怯まず損壊した武装をパージさせる。

 

 「しまった!? やつは何処に―――――」

 

 「取ったぞ、特異点!!」

 

 慧が見失っている間にいつの間にか持ち込まれていたヘッドオン。翼竜に内蔵されている機銃の機構が稼働する音までもが聞こえた気がした。俺は死ぬのか? ここまで来て? 慧の世界が真っ白になる。しかし、それを辛うじて繋ぎ留める者がいた。

 

 「慧は……死なせない!!」

 

 破損した装備と同時にパージしていた生き残っている『リルグリペン』を操作して両者の間に配置、即席の盾にさせる。翼竜から放たれた数十発の機銃弾を叩きこまれて破壊される『リルグリペン』。そして、その爆炎を突き破って来たグリペンが機銃の照準を翼竜に向ける。

 

 「「はあああああああああっ!!」」

 

 「ちぃっ!!」

 

 赤き有翼獅子が機銃の咆哮を吐き、苦し紛れで信管の安全距離をカットして放たれた灰の翼竜のミサイルが至近距離で炸裂する。

 翼竜はコックピット付近装甲を中心に全体に被弾し、グリペンは全身をミサイルの至近爆発に焦がされてその姿勢を崩した。

 相打ちとなり、虹色の光を失った二機は同時に海面に向けて落下していく。

 

 「JAS-39? 慧さん? 慧さん!? 二人とも生きてますよね!? 機体のコントロール、お借りします!!」

 

 両者とも応答の無い事を心配したベルクトがファントムや勉強会で学んだUAV操作技術の応用で機体のコントロールを回復させるが、高度は海面にあまりにも近く、燃料もいつの間に消費したのか信じられない程ギリギリで硫黄島の基地までも持たないだろう。それでも海面に叩き付けられるよりはマシだと、ベルクトはゆっくりと体勢を立て直させ、着水させる。

 

 それを機に『組織』の戦闘機集団は去り、ザイの残党も引き上げて行き、数舜前まで戦場だったとは思えない程の息苦しい静けさが広がる。

 

 数舜の間を置いて、ファントムから二人のバイタルが無事な事が通達されると、戦場だった空を今度は歓声が支配した。

 

 

 ◆◇◆

 

 これにて四章章末ミッション工事完了です……

 ミッション評価はちょっと被弾が多かったので不安ですね。頼むよ、頼むよ~……

 

 はい、バッチリ!!(Sランク取得)

 

 と言う事でこの後からグリペン姉貴の改装工事が行われます。改装と言うかほぼ乗り換えみたいなものですけどね。

 残るは事後処理のインターミッションだけ、と言いたい所ですが、実はこのインターミッション期間中にとあるサブキャラの説得を行う必要があります。

 お気付きの視聴者兄貴もいると思いますが、次のイベントは『ドリーム・ウィーバー』。要するにレイピア姉貴の説得です。これはイベント発生自体がトゥルーエンドフラグなので、避けて通れない道です。

 このイベントにはイーグル姉貴の力が必要不可欠です。だから、彼女の好感度を上げておく必要があったんですね。

 

 と言った所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。




 全部に目を通しているとは言え、じっくり読み込んでいるのが現時点で五巻中盤までなので、そこまでは割と速いペースで更新できると思いますが、そこから先はペースが落ちるかもしれません。(設定間違いとかあったらセンセンシャル!!)

 なーぜーかー、12巻だけは先に読み込んじゃったのでネタを投入せざるを得なくなりました。


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~四章終了&「ドリーム・ウィーバー」part1

 ツイッターアカウント作ってみたは良いけど、あー怖え!! ので初投稿です。しばらくは鍵垢で様子見しつつROMる事にします。


 ??? ある男の独白3

 

 

 さて、お前たちはザイが何から出来ていて、何で動いているのかを考えた事はあるだろうか。大雑把に言ってしまえばアイツらは人の存在と言う()()を原材料にしている。かく言う俺も、かつて存在したとある男の概念を燃料にして存在している訳だ。

 まぁ、()として存在するのではなく、何らかのアプローチを仕掛けて宿主に寄生し、世界の行く末の分岐に関わる際などに意識を偶に浮上させる程度に留める事で、その消費量を大幅に抑えることに成功したのは幸いとも言える。もし()のまま事を進めよう物なら、すぐに俺は消えてしまっていただろう。ループ手順は心得てはいるが、少ない試行回数で目的を達成できるのかは甚だ怪しかった。()()、決意だけではどうにもならない事もある。

 

 硫黄島での戦闘の際に()()()……鳴谷少年とグリペン、そして、あの翼竜が発現した機体からガラスの粉を散らす現象は、実は俺もこの体になってから一度だけ起こしたことがある。あの技官は面白がって現象名に『オーバードライヴ』なんて御大層な名前を付けていたっけか。

  

 発生原因は不明だが、技官の推論によると発生者の存在を燃料にあらゆる法則を一時的に捻じ曲げているとか何とか。俺が経験した限りでは感じていたGが消えたのと、速度計が機体設計上有り得ない数字まで跳ね上がった事くらいか。

 幸い、今回は鳴谷少年やグリペン自身が燃料にはされた形跡は無さそうで、燃料と機体側の部品のいくつかが歪な擦り減り方をした程度で済んだようだ。いずれにせよ、多用は機体の空中分解も招きかねないという事が分かった訳だが。

 

 これは俺の憶測なのだが、半分ザイ化しているこの世界線のライノは恐らく空にいる間は常時この状態なのだろう。でなければザイに寄せたあの姿や、ホーネットの設計限界を遥かに超えた機動性と堅牢さの説明が付かない(一体何を燃料にしているかまでは考えが付かないが)。

 

 とまぁ、技術的な話はこの辺にしておいて、辺りを見てみよう。

 

 現在は丁度昼時で隊員食堂も大盛況真っ只中な訳だが、どの記憶にもない光景が一つ。

 今日は広報活動で行っている一般公開日なのか一般人が入ってきているのだが、カメラ野郎どもを魅了しているいつの間にか《誘蛾灯》が()()()()()ベルクトのミニスカートメイド服と、「なんて格好、してやがる……ライノォ!?」とジャズの兄ちゃんが呻いている原因である妙に様になっているライノの執事服姿に関しては恐らくあの八代通室長の入れ知恵だろうからこの際突っ込まないでおくとして、問題はその配膳係にもう一人いる事だ。

 

 「明華ちゃ~ん!! Aセット二つ四番テーブルに!!」

 

 「は~い、ただ今!!」

 

 鳴谷少年の幼馴染、明華があろうことか割烹着姿で隊員食堂の配膳の手伝いをしていた。

 何でも、例のビデオをダシに脅しに近い形であの八代通室長に殴り込みを掛け、「せめて幼馴染の行く先を自分にも見させろ」と、どうにかして彼女も基地のバイトとして居座らさして貰えたらしい。傍から見ていても脅しから泣き落としのやり方までプロ顔負けだった。

 そう言えば、作戦後に鳴谷少年を自宅まで送った際に、彼女は出会い頭に少年を玄関で思いっきりぶん殴っていた。思わず殴られていないこちらが頬を押さえてしまう程には強力な一撃だったのは想像に難くない。だが、その後の仲を見る限り、そこから先にナニがあったかを考えるのは悪い大人特有の邪推だろうか? いずれにせよ彼女の行動力と豪胆さにはつくづく驚愕させられる。が、

 

 

 ……どうしてこうなった。

 

 

 もう一度言う、どうしてこうなった。少なくともこの段階の俺の指示云々でこうなる筈は無い。確かに彼女を関わらせるかについては俺も何度か悩んだが、まさかこんな早いタイミングで関わる事になるとは完全に俺の予想外だ。確かにビデオ撮影は保険の意味合いを兼ねて薦めはしたが……

 

 (旦那……そろそろ戻らないと、体に障りますぜ?)

 

 貴様の仕業か……モルガン。

 

 (俺なりの恩返しのつもりなんですがね。これでも旦那の記憶とこんがらがったお陰で、旦那の事は良く知っているつもりですよ)

 

 ……余計なお世話だ。だがまぁ、お陰で俺の見た事が無い世界が見えるかもしれない。今は様子を見つつ戻らせて貰うとしよう。

 

 「……お休み、旦那」

 

 さーて、オジサンは後ろで両替の事でゴネているファントムとイーグルの仲裁に入ってやりますかね。

 その後ライノの茶々とベルクトの純粋オーラで全て解決しちゃったけど。特に、お茶らけている様で人を見る目があるライノと、ベルクトの天然さは策士のファントムじゃあやりづらいかねぇ。 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 貴方はそこにいますか? なRTA第4.5部はーじまーるよー。

 

 前回はコンギョでベルクト姉貴にホイホイ付いてきたザイを一掃し、ゼロツーをNRTN君とグリペン姉貴の愛の力で撃墜したのを見届けた所まで来ました。

 

 グリペン姉貴早期改装フラグが立っている場合は、このインターミッション期間から五章が終わるまでの間にじっくり時間を掛けてJAS-39F型への機種転換作業が行われるので、本編の様に一度しか使えないような最終決戦仕様にはなりません。しかし、逆を言えばこの間はグリペン姉貴が出撃不可になるので大量の経験値が貰える実戦に出すことが出来なくなります。

 なので、空いた時間で取得経験値は少ないですがシミュレーターによる訓練をさせましょう。ここで経験値が足りていないと次章で苦労します(1敗)。

 

 トゥルーエンドフラグを順調に立てている場合は四章エンディングでホモの中にもう一人中の人がいる事が示唆されますが、この後行うサブイベント「ドリーム・ウィーバー」では中の人がレイピア姉貴を認識できないので力を借りられず、彼女に直接話しかけても選択肢が出現しません。なので、他キャラとの各種やり取りを回収してレイピア姉貴の好感度を上げる必要があります。

 やり取りを発生させられる回数はここまでのキャラの好感度の累積によって異なりますが、ここでイーグル姉貴を底上げした甲斐が出てきます。

 

 「ドリーム・ウィーバー」を発生させる前に各種好感度上げを実行しておきましょう。MNHA姉貴完全和解ルートへ進行した場合は、ここからMNHA姉貴の好感度上げ及びCG回収が出来る様になります。しかし、上げ過ぎるとNRTN君からのNTR発生で覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい! いいですね! 不可避でバッドエンドルートとなるので、RTAではしないようにしようね(一敗)。

 イーグル姉貴への好感度献上は必要量に達しているので、ここではグリペン姉貴とベルクト姉貴、MNHA姉貴の好感度上げを行います。

 

 まずは基地の四章エンディング直後限定、小松基地PRイベント中にミニスカメイド服姿が可愛らしいベルクト姉貴に話しかけると、「人手が足りていない」と言われます。なので、自分も手伝う……だけでなく、グリペン姉貴にも手伝わせましょう(暗黒微笑)。

 県北にある川の土手の下(掩体壕)で昼寝をしているグリペン姉貴を連れてくるのですが、最初は渋られます。ですが、

 

 「少年が喜ぶ」

 

 「報酬は飲むヨーグルト」

 

 と提案してやることで、一転して乗り気になったグリペン姉貴がメイド服に着替えてきます。こうする事でイベントCG「喫茶独飛へようこそ!!」と、「見えそうで見えないライン」を回収可能です。くるっと回って一回転するグリペン姉貴のミニスカートタイプのメイド服の裾がふわりと舞いあがり、スカートの中がちらりと見えそうになるのがあぁ^~、堪らねぇぜ。

 余談ですが、このメイド服やら執事服は全部ジャズ野郎の部下の私物をライノ姉貴が勝手に持って来たそうです。ナイスゥ(本音)ナイスでーす(本音)。

 

 続いてはMNHA姉貴です。彼女の好感度上げは選択肢によっては実はバイパー姉貴の好感度を微量ながら連動して上昇させることが出来るので中々にうま味です。

 完全和解ルートに突入した場合、NRTN君を叩き起こしに行った際に「偶にはお茶でもどうですか?」と誘われるので謹んでお受けしましょう。

 この際に、以前NRTN君に自分にヒラヒラした服装は多分似合わないと言われた事を愚痴られます。ここでの選択肢は、

 

 「知り合いに凄腕デザイナー(バイパー姉貴)がいる」

 

 です。似合うかどうかなんて着させて見なきゃ分からねぇだろぉぉん!? という事でバイパー姉貴にさっそくヒラヒラした服の作成を依頼しましょう。ライノ姉貴生存ルートの場合はメイド服を着させることも可能ですが、本RTAでは大型ボス戦の実質HP低下を狙ってこちらにしました。

 

 翌日になると、小松基地にバイパー姉貴謹製のゴシックロリータ服が届きます。仕事がハヤイゾォ!? 当然僅かながら資金を持っていかれますが、好感度の為とあれば安い対価です。MNHA姉貴に渡しておくと自宅にて着用し、バイパー姉貴そっくりになったMNHA姉貴の部屋に疲れからか不幸にもドアノックを忘れてしまったNRTN君が突撃ぃー!!(にほんへ)してしまう。後輩を庇い全ての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは……。

 示談云々はさておき、NRTN君が「意外と似合ってるじゃないか……(恍惚)」としている間に顔を真っ赤にしたMNHA姉貴にぶっ飛ばされ、無事イベントCG「やっぱり恥ずかしい……っ!!」回収です。

 

 ここまで来たらいよいよサブイベントに入ります。「ドリーム・ウィーバー」の発生条件はインターミッション期間中に基地内を探し、グリペン姉貴→ファントム姉貴→イーグル姉貴→(残留しているのであれば)ベルクト姉貴→NRTN君→YSRDOR兄貴の順番に話しかけます。各キャラがいるエリアはそれぞれ固定なのですが、場所が乱数でズレます。今回はそこそこですね。

 

 非公開だの特別防衛機密だのを関係ねぇんだよそんなのとかなぐり捨てて見せられるのは、ここ最近のベルクト姉貴の誘蛾灯の影響でホイホイ寄って来たザイの一機が鹵獲された事や、それの改造計画についての報告記事ですね。と言う訳で「ドリーム・ウィーバー」無事スタートです。まずはNRTN君とグリペン姉貴を連れて第三格納庫へ向かいましょう。

 すると、移動しながらの会話イベントが入ります。

 

 「大体、基本的な戦い方はそれこそ初期のインストールで叩き込まれているんじゃないのか?」

 

 「おいおい。教科書通りの事がそうそう上手く実戦で通用すると思ってんのか、少年? 何でも我流を見つけるってのは大事な事だぜ?」

 

 「モルさんの言う通り。アニマはダイレクトリンク一つ取っても色々コツがある。例えばカメラと肉眼の入力を切り替える際には、直前の処理を一度シャットアウトしてからNFIを開放するとか」

 

 「ま、俺の場合はNFIと手動操作のハイブリットなんで同時に見るがね」

 

 「モルさんはともかく、お前も意外にいろいろ考えているんだな」

 

 「そう言ってやるな、少年」

 

 ふくれっ面が可愛いグリペン姉貴を見届けた辺りで第三格納庫に到着しますと、HNT兄貴がレイピア姉貴の前まで案内してくれます。はえー、すっごい大きい……でもこんな図体でザイとドッグファイトとか大丈夫なんですかね? HNT兄貴がコックピットを開放すると、ホモとはまた違った銀髪のアニマが姿を現します。が、あ、おい待てい(江戸っ子)。今俺のことチラチラ見てただろ? 何か開眼!! 俺!! なタイミングが本編より速いんですがそれは。

 

 目が合ったら最後、ではありませんが突然コックピット内に転送、と言うよりは強制場面転換させられます。あれぇ、丘ピーポー? さっきまで格納庫に居た筈なのになんで空を飛んでいるんですかね……模擬戦開始前にグリペン姉貴たちとのデータリンクを終えたら、サブイベントでは空戦は一切起きませんので、イベントでイーグル姉貴が撃墜されるまで見届けた所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 「やってくれたな……特異点っ!!」

 

 グリペンとの交戦で機銃弾をもろに食らい、コックピット周囲の装甲を失って機体から剥き出しの状態で喘ぐ灰色髪の少女、ゼロツーは側頭部を破片で切りながらもNFIと操縦桿に全神経を集中させてどうにかベイルアウトすることなく姿勢を保っていた。いくら機体を自分の手足のように操れるとは言え、奇跡的な機体制御である。

 

 (なぜ私は、特異点に後れを取った……?)

 

 出血が酷いのか意識が朦朧として来る。電気信号による痛覚の欺瞞は出来ていても、流石に出血を押さえることまでは出来なかったようだ。シートを血で濡らす最中、彼女はひたすら問いかける。だが、

 

 (『(ゼロ)』は私に、何も教えてくれない……?) 

  

 答えが返ってくることは無く、ただ海水の冷たさのみが彼女の最後の記憶だった。

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 私の使命……それは、『人類の救済』……違う、『人類の可能性の証明』……これも違う。私は……そうだ、彼だ。あの人の助手を務める為に、私はあの世界線からやってきた。彼女を失った、あの世界線から。

 体のあちこちが痛い。何故? そして何故自分は今横になっているのか?

 何かが稼働する音が響き、消毒液の匂いがする中、不意に目を開けてみる。目の前にいた人物を見て、私は驚愕した。

 

 「蒔絵……技官……?」

 

 後姿だがはっきりと分かる。目の焦点が合って私の目の前にいたのは、私の開発者、知寄蒔絵技官だった。私が起き上がった事に気が付いてか、彼女が振り返る。間違いない、白衣では無くゴシックロリータの服を纏っているのが気になるし、こちらを振り向くとトレードマークであった眼鏡をも外す。どうやら奥にあるミシンで何かしら縫っていた様だ。しかし、服装こそ違えど姿そのものは確かに彼女だった。いや、これは……

 

 「バイパー……ゼロ……?」

 

 『貴方を海上で『翼竜』と共に発見し、那覇基地に回収されたのが今から丁度26時間前。私が発見しなければ、貴方は海に沈んでいた』

 

 「そう、ですか……お礼を言わなければなりませんね」

 

 言葉では無くスマートフォンのテキストで会話する癖は、間違いなくバイパーゼロだ。

 しかし、何故海? 計算では小松基地の上空に出現する筈だったのに。まさか、出力座標が何らかの影響でずれてしまったのか? それに、記憶の欠落も多く、今自分が着ているこの見慣れない操縦服は一体……

 

 『貴方はあの翼竜の何?』

 

 演算が追い付かない中、彼女は不意にそんな質問をした。

 翼竜、恐らくは私があの世界からこちらに来る際に乗っていたX-02 ワイバーンの事でしょうか。

 ……結論出力完了。ここは彼女に真実を話した方が得策でしょう。信じて貰える確率はおおよそ32%と言った所でしょうか。

 

 「私は『(レイ)』と申します。信じて貰えないかもしれませんが、私は今から二十年後の世界から来た、量子演算コンピューターのアニマです。一つ訪ねたいのですが、蛍橋慧と言う人物についてご存知ですか?」

 

 案の定、すぐには信じて貰えませんでしたが、彼女は私の話を最後まで全て聞いてくれました。彼女の聞き上手な性格に感謝しつつ、今は三尉との合流を目指す事にします。 

 

 

 ……記録終了。

 

 




 五巻読了しました。
 ファントム姉貴の中二病シーンには何としても茶々を咥えたいです。


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~「ドリーム・ウィーバー」Part2

 ゲーセンも模型店もコロナ騒ぎで休みなので初投稿です。早く収まって……(切実


 20XX年、世界は核の炎に包まれるかもしれないRTAはーじまーるよー。

 

 前回はレイピア姉貴との合同模擬戦闘を行い、イーグル姉貴が撃墜された所を見届けた所まできました。

 

 何やらレイピア姉貴が「乙女を探索中」なる訳の分からないメッセージを出力していますが、これこそがレイピア姉貴の存在意義であり、この目標をいかに早く達成させるかがキモとなります。

 開けろ、デトロイト市警だ!! と言わんばかりにこの時代には本来存在しない筈の核パトロール部隊がこの空域を通過するとの事なので、ここは大人しくYSRDOR兄貴の指示に従い引き下がりましょう。

 

 実はここ、最短でこのサブイベントを終わらせる場合はこの時点で離反を起こし、レイピア姉貴を引き連れて件の核パトロール機へ突っ込む必要があるのですが、本チャートではレイピア姉貴の好感度を上げる必要があるので行いません。

 

 基地に帰ってきたらレイピア姉貴を調べてから(一敗)グリペン姉貴のシミュレーターに付き合ったらもうやる事が無いので即寝ましょう。コイツいっつも短縮に睡眠使っているな。

 翌日になると、グリペン姉貴早期改装フラグが立っている場合はバイパー姉貴からメールが届きます。これはサブイベントを発生させていない場合も同様なのですが、内容を要約すると、

 

 「頭のおかしいアニマがいる。一人では手に負えん」

 

 だ、そうです。そりゃいきなり未来の話をしだす奴とか普通頭がおかしい奴扱いされちゃいますよね。応援に行く訳にもいかないので、彼女には悪いですが、もう数日ほど自称未来から来たアニマの面倒を見て貰いましょう。この時にバイパー姉貴と人格が変わったゼロツーちゃんことZERO姉貴の絡みが見られるサイドストーリー『オペレーション・ダブルゼロ』が閲覧可能になりますが、フラグ云々のうま味が一切無いので飛ばします。が、本難易度の世界観設定が含まれますので、視聴者兄貴たちの為に一部を要約しておくと

 

 1:今の零の体は未来の技術では無く、この時代に来た際に既存のアニマ技術を用いて新たに用意された肉体であり、敵対時の人格であるゼロツーは寿命を迎えた以前の肉体から人格データを移し替える際に生まれたバグでは無いか? という事。

 

 2:この世界のどこかに技術的特異点(シンギュラリティー)が存在し、世界は今、それのせいで良い意味でも悪い意味でもあらぬ方向に突き進みつつある事。

 

 3:彼女が乗っていた鹵獲されたワイバーンは、彼女がこの時代に来る際に乗っていた機体その物では無く、既往の技術で作り直されたデッドコピー品である事。

 

 4:破壊されたワイバーンの三点バーストレールガンは残骸に刻まれていた刻印から、どうもアークライト社製ではないかという事。あっ……(察し)

 

 これらだけでも踏まえておきましょう。

 

 基地から出てNRTN君とMNHA姉貴の買い物に同行すると、MNHA姉貴が前時代的に紙の地図を取り出し目的地に向かおうとしますが、彼女が地図をグルグル回すタイプだったために普通に過ごすと時間が掛かり大ロスです。なので、RTAでは場所を覚えている自分が先導する事で短縮させましょう。

 因みにこのサブイベント中ではGPSが存在しない世界になりつつある現状を再現してか、メインメニューを開いてもMAPがNO DATAとなります。なので、訪れたい施設などの位置は覚えておきましょう。そんな所まで再現しなくていいから……(良心)

 

 買い物を済ませて基地に戻ったら、レイピア姉貴を調べるのを忘れないようにして(一敗)グリペン姉貴のシミュレーターに付き合ったら即寝ます。翌日格納庫に向かうと何やら50年以上前の骨董品の整備をせにゃならんなどファントム姉貴がボイコットしただのでHNT兄貴を含めた整備員の兄ちゃん達がストレスでマッハな事になってますね……

 それはそれとして、技本モニタールームに向かいYSRDOR兄貴に話しかけ、

 

 「皆をレイピア姉貴と会話させたい」

 

 「連携するにもコミュニケーションは必須だろう?」

 

 「余っているNFIでインターフェイスを作ったらどうだ?」

 

 と提案します。こうする事によって、この瞬間からレイピア姉貴の機体に予備のNFIを使用したコンソールパネルが接続されてコミュニケーションが取れる様になります。ただし、最初はホモは種族に問わず接続拒否されるので、他のアニマを仲居さんに仕立てや……仕立てあげてやる必要があります。アァン、ヒドゥイ!!

 コミュニケーションが取れる様になったら取りあえずグリペン姉貴とファントム姉貴以外のアニマを手当たり次第に呼び付けましょう。誰から呼んでもタァイムは変わらないので、取りあえずベルクト姉貴でも呼んでみますかね。

 

 「何となく、分かります……えぇ、えぇ……そうですよね。あぁ、そうだ。今度機会があれば一緒におでんでも食べに行きませんか?」

 

 「私の姉妹、ですか……まだ私は会った事は無いのですが、とても癖が強い方々とヤリックからは聞いていますね」

 

 なーんでこんな真夏のクソ暑い時期におでんに誘おうとするんですかね……こう言った感じでアニマを呼び付けると会話イベントが発生します。この会話イベントを起こせる回数はここまでの好感度の累積によって決まります。この時点で対話可能なアニマはイーグル姉貴、ライノ姉貴、ベルクト姉貴ですが、後者二人は生存及び残存フラグとの両立の関係上、この時点までではそこまで好感度を上げることが出来ません。だから、フラグ云々を気にせず好感度を上げられるイーグル姉貴の好感度を上げておく必要があったんですね(メガトン構文)。お次はライノ姉貴で。

 

 「演習中のジャズ? ……あぁ、うん。アタシんとこの社長の趣味だからね~……え? 50年代のジャズなら分かる? それレオンが聞いたら絶対喜ぶよ~!!」 

  

 「社長秘書が何やっているか? かぁ……基本はスケジューリングかな。まだ慣れてないけど……えぇ嘘!? アタシの代わりにやってみたい!? ねぇねぇレオン!! 新入社員候補いるんだけどどう!? えぇ……唯でさえアタシの整備で手一杯だからアニマはこれ以上無理だって。ゴメンね」

 

 「今の姿に満足しているか? ……うん。アタシは満足してるよ。自分を曝け出しても平気だしね……うん、ここはアタシがアタシでいられる場所だから」

 

 最後は大本命、イーグル姉貴です。(本RTA調整では倍以上のテキスト量になるので一部抜粋)

 

 「えーと、ファントムは性格悪そうだから迂闊に接続したくない? ……あはは、確かにー。イーグルもね。あの子とだけは仲良くできないと思うんだ」

 

 「お高く留まってるけど友達いなくて寂しいタイプだよね~……本人の前で言っちゃダメだよ?」

 

 「モルガン? ……うん。すっごく強いよ……まぁ、流石にイーグルには負けるけどね~……え? じゃあ自分が最強? ……ムカーッ!! 今度模擬戦やる時あったら、その時は借りを返してやるんだから!!」

 

 「やりたい事がある? ……航続距離を一万二千キロにまで増やしたい? 何で? ……GAR-9? 何それ?」

 

 航続距離の話題が出たら、好感度の基準は満たしたことになります。こうする事で、ようやくホモが彼女と接続する事が可能になります。よし、じゃあぶち込んでやるぜ~。

 

 (成る程な……この肉体を通じて、辛うじてそこに何かあるのは分かる。通りで俺とグリペンだけが認識出来ない訳だ。彼らがレイピアと呼んでいる目の前にいるのであろうアニマは恐らく、何らかのイレギュラーによって生まれた本来は存在しない筈の、機体では無く()()のアニマだろう。戦略空軍の夢、その物の魂と言うべきか。……まぁ、こんなアニマが発生しても何ら不思議では無い。現にここには消えかけとは言え、()()()()()()から生まれたアニマが存在しているんだからな。いや、正確には()……か)

 

 ここに来てようやく中の人がレイピア姉貴を認識できるようになります。

 ここで一気に会話イベントを消化してレイピア姉貴の好感度を上げておくと、中の人が事情を理解する為にNRTN君宅でファントム姉貴による『良く分かる、世界に今起きている異常事態講座』を回収する必要が無くなり、イベントをスキップする事ができます。

 かなり前倒しなスケジュールで進行しているため、こ↑こ↓で独飛の面々がレイピア姉貴の事情を知ると同時にXB-70が出現した旨が聞かされます。

 

 レイピア姉貴の好感度上げが終了したら、いよいよ空に帰してあげましょう。兵舎ア……にて原因を纏めたレポートを作成してからYSRDOR兄貴に提出し、レイピア姉貴を空に帰す作戦が立案されます。NRTN君考案による『幽霊レーダー作戦』によってレイピア姉貴が探している集団XB-70を探し出すことが決まり、アワレ、グリペン=サンは尊き犠牲となったのだ、ナムアミダブツ。

 

 適正上、実はホモが純正、改造問わずアニマだった場合は彼女に変わりレーダー役になる事が出来ますが、グリペン姉貴からの好感度がやや増える以外はうま味が無く、しかもここに至るまでにYSRDOR兄貴関連のイベントを複数起こす必要があるのでタァイム的にも圧迫します。なのでRTAでは取り入れません。

  

 時間を掛け過ぎた場合、防衛庁からザイの始末より内戦の支援を優先しろ等と言う変な指示が飛んできてからの作戦決行となると、ホモがPMC所属である現在の条件では迫りくる陸上自衛隊員に対してかなり高難易度の連続CQCを決める必要性が出てきて大ロスな上に、間に合わなくなって「ここは俺に任せて先に行け」状態になってしまうと、レイピア姉貴を送り届ける際にホモが同行できないので、好感度がギリギリ足りなくなります。そうなってしまっては本末転倒です。

 因みに調子ぶっこいてレイピア姉貴を空に飛ばすのを渋ったりすると、独飛を危険視したのか正真正銘のソ連製マーブⅥが小松基地に飛来してGAME OVERになります。

 

 ですが、最適解を辿る事により時短した現在の条件であれば、グリペン姉貴が次に探知した時に陸上自衛隊が襲来してくる前に送り届けることが出来ます。

 早期改装フラグが立っている今回はグリペン姉貴のドーターが無いので、NRTN君共々基地にお留守番です。ファントム姉貴とベルクト姉貴、ホモの三人で彼女を送り届けてあげましょう。モルガンであれば必要ありませんが、他機体であれば出撃前にジャミング機能を装備しておきましょう。

  

 しかし、完全に隠蔽することは出来なかったのか、空に上がるとファントム姉貴の古巣である三沢基地よりスクランブル機が飛んできます。ファントム姉貴の好感度が無いに等しい場合は自分が相手をする羽目になり大ロスですが、今回の調整であれば……

 

 「ここは私にお任せ下さい。これよりEPCCMを反転させてかく乱を行います。おじ様たちはシールドの準備を。展開まで3……2……1」

 

 広帯域EPCMを展開させることにより、自衛隊機がこちらを見失います。その隙にレイピア姉貴とベルクト姉貴を引き連れて先を急ぎます。

 続いて自衛隊に着いてきた米軍機ですが、こちらがジャミング機能搭載機体である場合はスルーが可能です。万が一無い場合はベルクト姉貴と共に米軍機を足止めをしなければならなくなります。ここでTLS(AEGIS Type)が使えると楽なのでしょうが、それ使えるの次章からなんですよね……。

 

 ---ありがとう。息災で、小さな翼たち---

 

 レイピア姉貴が20機以上ものXB-70群れの元に到着したらイベントCG「その翼は、戦乙女(ヴァルキュリア)の為に」を回収して「ドリーム・ウィーバー」工事完了です……。しかしいつ見てもヤベーイ光景ですね……こんなの扱ってたら使う方も予算壊れちゃーう。そりゃ不採用にもなりますわ。

 

 そしてあくる日、戦力再配分で小松基地に30機のF-15Jは訪れ……ません!! 代わりに分散したのか、どの基地でもいつの間にかF-15Jが増えていたみたいです。ヤダコワイ……(存在が)特異点に(技術的)特異点が合わさり最強になった結果、いよいよ歴史がぶっ壊れ始めてますねクォレハ……

 

 ここで最速ルートでは無く、時間を割いてまでわざわざレイピア姉貴の好感度上げをした上で、このサブイベントを終えた理由について、お話しします。

 

 このサブイベント中にレイピア姉貴の好感度を一定値以上まで上げていた場合、何と多面構成であるラストミッションでレイピア姉貴が複数のXB-70を引き連れて再び登場してくれます。戦略空軍の力を遺憾無く発揮し、何と大量の航空型ザイを撃墜する必要がある第一ステージを丸々カット&第二ステージ以降も敵の数が減少します。事前セーブをし、数回はリセット覚悟で挑むとは言え、事故が割と多発する最終面を減らせるメリットは大きい為、このルートによって安定を取った形でのチャートとなります。

 

 空戦の腕に自信ニキは最速ルートで終わらせるのも良いでしょう。その代わり、某ANUBISの荒野乱戦ばりの数を相手にする羽目になりますが。いくら全機撃墜する必要が無いとは言え、ゲーム間違えてませんかね……

 

 サブイベントを終えたら武器開発で残っている資金で散弾ミサイルのリロード時間を短縮させた所で今回はここまで。小時間のご拝読、ありがとうございました。

 次回から五章に移ります。




 他に考えていたRTA候補


・学戦都市アスタリスク シャイニング・ブシドーチャート
 
 切腹はスポーツと言わんばかりに腹切りを駆使して戦う姿はまさしくMr.ブシドー。好物はピザとたこ焼きらしい。武士道レベルを上げる事により習得可能な「ハラキリエンチャント」による類を見ない高火力が魅力。原作が完結していない&既刊を全巻持ってない&アニメも全部見ていないので没。


・ストライク・ザ・アイアンブラッド 希望の華チャート

 団長と古城君の中の人が同じと言う理由でふと思いついた物をRTA風に仕立て上げようとした何か。使えるのが眷獣では無く拳銃だったり、吸血の度に希望の華が咲く未来しか見えないので先行きが余りにも不安。アニメは今の所全部見た物の、原作どこにも無いんだけど……と言う理由で没。


・ガンダムビルドダイバーズ イキリメガネオタクチャート

 ファントム(及びその改造機)を使用し、GBN初ログインからサラ奪還までのタイムを計測。必殺技で蜃気楼鳥形態で地球の自転と反対に向かって急加速する事で人為的にThe・ワールドを引き起こせる。唯一そこそこチャートも思いついており、同時投稿も考えたが筆の速度があまりにも落ちそうなので没。


・精霊使いの剣舞 三種の神器&フィアナ姫のヒモチャート

 姫様のヒモとなる事で大量の資金を用意し、魔石を買い占めてそれによる低レベルでのストーリークリアを目指したチャート。三種の神器による魔石消費からの時限強化で戦闘面はごり押す。RPGっぽく描写とかすれば割と行ける気がしていた。原作ある程度読んでいる&そこそこ揃っているけど最後二巻が見当たらないのでゴールが定まらず没。


 誰か書いてくれてもいいのよ……?


 宣伝になりますが、少なくとも今年中にはこのガーリー・エアフォースRTAを完走させると言う自分への戒めも込めて、カデクル氏主宰の今年末のC99にて頒布予定の「ガーリー・エアフォース合同誌II(仮称)」に本RTAの前日譚を寄稿させて頂ける事となりました。
 RTA構文では無く、全部通常の小説形式でお届けしたいと思っています。
 この場を借りて改めて感謝を。


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五章スタート~五郎島居留区

 ガリフォオフ会行きたかったけど親にコロナ騒ぎで外出止められて行けなかったので初投稿です。
 二回目があったら行きたいなぁ……


 日本海近海 深度300m 『ガラスの棺桶』艦内 秘匿区画

 

 

 『教主様が撃墜されてもうすぐ一週間になる……確かに教主様は無事なのだろうな?』

 

 「えぇ。無事に自衛隊の方々に回収されたのは姉さまが確認しています。それに、私たちの体はそう易々と壊れる物ではありませんよ」

 

 日本近海を回遊する巨大な影。彼ら『組織』の面々が『ガラスの棺桶』と呼称している全長400m足らず程の超大型潜水空母。それは、ここでは無い何処かから齎された技術により製造された、今現在から見てもあと10、20年は建造に要するとも言われている、文字通りオーバーテクノロジーの塊である。

 その中でもごく一部の人間しかその存在を知らない区画に、黒のドレスと白のドレスをそれぞれ纏った姉妹が二人。まるで()()()がそのまま収まりそうな強化ガラス製シリンダーを前に、部下との連絡を受け応えている。

 

 「引き続き指示は私たち姉妹が出します。私たちは彼女のクローンですから、未来予知こそ出来ませんが、現状維持程度であれば出来ますので」

 

 「それよりも技術班にとっととあの四機からのこれまでの戦闘データのバックアップを急がせなさい。()()()()の覚醒にはそれが必要よ」

 

 『……了解しました。部下にもそう伝えます』

 

 そう言って技術班幹部の男からの通信が途絶え、部屋に再び静寂が訪れると、二人はガラス製シリンダーの中を覗き込む。その中に収められていたのは一人の少女だった。瞳こそ閉じられたままで、整った顔立ちや腰まで届くほど長い銀髪は彼女ら姉妹やその妹と同質だが、肌の色は褐色であり、その点が決定的な違いを醸し出している。

 そのシリンダーの横に無数のケーブルで繋がれているのは、厳重にケースに封じ込まれた小型の機械的なユニットで、表面の装甲板には『Z.O.E.』の刻印が刻まれていた。二人はガラスのケースに細長い指をそっと這わせ、同時に呟く。

 

 「「覚醒の時はもうすぐですよ……ゾーイお姉さま」」

 

 

 ◆◇◆

 

 ぅゎ ょぅι゛ょ っょぃ なRTA第五部はーじまーるよー。何か黄金の風が吹きそうな名前してんなお前。

 

 第五章ではじょっぱなから五郎島難民居留区でのデートとなります。本編であればNRTN君とグリペン姉貴の二人きりで行った場所ですね。ですが、MNHA姉貴完全和解ルートに進行している場合は彼女とホモを含めた実質ダブルデートになります。ホモの中身は一応男ですが、傍から見るとNRTN君がTDNハーレム状態にしか見えませんねクォレハ……

 麻花のお店に着いたらNRTN君とMNHA姉貴がどの味を買うかで軽く衝突が起きますが、やっぱり僕は王道を行く……金平糖入りですかね……ですが、ここでの選択肢は

 

 「オジサンが両方買ってあげるから」

 

 です。資金の消費速度がさらに加速しますが、今更気にするな!! これにより資金を対価にNRTN君とMNHA姉貴の好感度を両方上げることが出来ます。休憩所の椅子に着いたら会話イベントです。

 

 「そう言えば、貴方とこうして話すのは初めてだよね。食堂で何度も会っているから分かると思うけど、私は宋明華。慧の幼馴染よ」

 

 「慧の幼馴染……私はJAS-39のアニマ、グリペン。戦場では慧のパートナーを務めている。一蓮托生の仲」

 

 「へぇ~……そうなんだぁ……ふぅーん」

 

 (空気がバチバチと音を立てている気がする……こいつら、一体何をそんなに牽制し合っているんだ!? と言うか二人とも何でそんなに俺を睨むんだ!?)

 

 「諦めろ少年。今回ばかりは少年が100%悪い。それに、100人が見たら100人がギルティ―と呼ばれる状況だぜ? これ」

 

 「ほんっと、モルガンさんの言う通りだよ。けど……もう四か月も前になるのかな? ほら、中国本土からの避難船を助けてくれた赤い戦闘機。あれ、貴方なんだよね?」

 

 「肯定。明華もあの時避難船にいたの?」

 

 「うん。しかもあの時、慧ったらいきなり海に不時着した貴方を助けに行こうとするんだもん。春の海なんて冷たかっただろうにさ。ってまぁそれは置いといて……ありがとう、私たちを助けてくれて」

 

 何の勝利確信をしたのか、ふんぞり返って麻花を追加で要求するグリペン姉貴にNRTN君が突っ込みを入れた所で移動開始ですが、本難易度では先に会うべき人物がいるのでそこを目指します。モブにぶつからないように調整しながら移動し、焼き菓子店に着いたら再びイベントです。

 

 「おっとと……」

 

 「だ、大丈夫ですか!? って、手が冷たい……?」

 

 「あぁ、ゴメン。驚かせてしまったようだね。僕、両腕義手だから。ついでに言うなら両足もね」

 

 不幸にも黒塗りの天パ義足野郎に激突してしまったMNHA姉貴がよろけた彼を支えてあげます。なんでも、白と黒のドレスを着た銀髪の双子のお嬢さんを探しているらしいので、見つけたら教えてほしいとの事です。言われるまでも無くフギムニ姉妹の事ですね。ここでは義足野郎のサイドストーリー「大した事の無い音程とリズム」を回収する必要があるのでフギムニ姉妹の捜索は後で行ってあげるのですが、姉妹の移動ルートとの兼ね合いもあり、先に暴力団員の連中を潰しておく必要があるので一度NRTN君たちから離れます。

 

 黒社会の連中は工業地帯の倉庫にいます。ここでちょっと回り道をすると突入の機会を窺っているブーランジェ姉貴に出会えるのですが、フラグ云々のうま味はありませんので単機で殲滅します。道中のイベントを色々すっ飛ばしたせいで経緯がハッキリしていませんが、なーぜーかー、グリペン姉貴が捕まっているので、

 

 「小石を投げて気を逸らす」

 

 「右の奴から」

 

 を選択して戦闘開始です。暴力団員の持つ武器はモノホンなのでこ↑こ↓で被弾すると致命傷を負い、後の出撃に支障が出ます。TDN兵士ならともかく、肉体的スペックが追い付いていない一般通過学生で走る場合は先に制圧する本チャートはお勧めしません。因みに被弾すると強制的にブーランジェ姉貴たちが突撃してくるので最速エンディングRTAではわざと食らった方が早いです。その代わり強制的にこの居留区イベントが終わってしまい、義足野郎のフラグを回収できなくなるので本RTAでは行いません。

 

 当身のコマンドは各相手ごとに固定です。初手こそ決められますが、その後は完全にランダムです。微妙に髪型などの服装が違うので、良く見て対処しましょう(2敗)。

 三人を倒した辺りでブーランジェ姉貴たちが突入してきます。じっとしてろお前!! 逃げられねぇぞお前。警察だ!! コイツは証拠として押収させてもらうからな~?

 

 「この度は犯人検挙へのご協力、感謝します」

 

 「気にすんな。ダチが捕まってたから、成り行きでこうなっただけだって。それよりも、俺がここで暴れた事は伏せておいてくれよ?」

 

 「……恩を仇で返す様な真似をするつもりはありませんが、一つ忠告を。こんな人形にの為に、貴方が命を掛ける必要はありません」

 

 ここで「穏便に済ます」では無く「本音をぶちまける」を選択します。

 

 「生憎、俺はその人形に命助けられてる身なんでなぁ。それを言うなら、俺自身をも否定する事になるぜ? ミス・ブーランジェ。DSSD所属のエージェントだってんなら、俺の事くらい調べは付いてるだろ?」

 

 「初対面で見破られるとは、つくづく侮りがたいですね。貴方は」 

 

 「勘だよ。んなこたぁどうでも良いとして、確かに俺も、こいつ等も、アンタの言う通り所詮ドーターの制御ユニット、道具なのかもしれねぇ。だがな、例えばの話をしよう。そうだな、時計は好きかい?」

 

 「……いや、特にそう言った趣味は」

 

 彼女の吸っていいか? には勿論「構わない」を選択。

 

 「じゃあ、アンタが今取りだしたライターでもいいよ。見たとこ随分年期物のモデルだなぁ。その割には見た目は綺麗だ、よっぽど大事にしていると見える。ちょっと前の俺なら欲しがってたかもな」

 

 「何が言いたい?」

 

 「俺や少年がアイツらに抱いてる気持ちってのは、あんたにとってのそのライターと同じって事だ。モノだろうが何だろうが、大切だからこそ手塩を掛けて手入れをしてやるんだろうが」

 

 ホモの言葉にライターとグリペン姉貴を交互に眺めるブーランジェ姉貴が警官隊に呼ばれたら、グリペン姉貴を連れてそそくさと去りましょう。ヒーローは多くを語らずクールに去る物です。

 お次はフギムニ姉妹の捜索です。黒社会検挙イベントを起こして時間調節をした今であれば、ほぼ確定的に居留区と工業エリアの中間地点にフギンが……あれぇ? 丘ピーポー? なぁんで誰もいないんですかねぇ……(少女困惑中)。いや、もしかして……もしかするかもしれませんよ?(少女条件確認中)。やっぱり歩いて探した方が早い気がするので他の条件でいる場所を探します。

 

 (少女探索中……)

 

 すいませーん。木下ですけどぉ~。ま~だ時間掛かりそうですかね~? 

  

 とか何とか言っていたら飲食店のテラスに居ました。こ ん な と こ ろ に白と黒の銀髪ドレス幼女とかちょっと目立ちすぎやしませんかねぇ……発見したら声を掛けて義足野郎が探していたことを伝えてあげましょう。

 若干ゃロスが発生してしまいましたが、姉妹が同時にいるパターンを引けたのでトータルではそこそこ良いですね、いや、良くは無い!!(どっちだよ)

 

 無事にNRTN君たちと合流すると、そこには既にフギムニ姉妹と合流で来た義足野郎がいます。お礼に奢ってくれるらしいので甘んじて受けましょう。

 ここでの会食イベントで唐突な義足野郎の自分語りが入ります。短縮版のここで明らかになっているのは

 

 1:名前はスレイン・ローレンスである事。

 

 2:中東の紛争地生まれで地雷を踏み抜き、その際に両足と右腕を失った事。

 

 3:どこから聞きつけたのかDARPA所属を名乗る研究員に人身売買される形で身柄を引き取られ、その際に残りの左腕も切り落として今の姿になった事。

 

 です。その他詳しくはこのイベントを発生させて入手できるサイドストーリー「大した事の無い音程とリズム」で知ることが出来ます。

 

 「まさか、レオンさんの言っていた義足野郎って……」

 

 「うん、僕の事だと思う。けれどそれはそれ、今日は今日だ。初めての場所で良く分からなかったけど、案内をしてくれてありがとう、鳴谷慧君。でも……もし戦場の空で、僕があのジャズ野郎を……レオンを殺すのを邪魔するようなら、その時は容赦しないからね」

 

 「っ!? 貴方、俺達の事を知っていて……っ!!」

 

 「あぁ、別に刺客とか送る気は無いそうだからそこは安心してほしい。教主様曰く、君達を『空で倒さなければ意味がない』そうだから。現に僕も、今ここで君達を殺そうと思えば殺せたからね」

 

 変形した義手から伸びる刃とかどこぞの錬金術師かな?

 

 「でも、君達にはお世話になった借りがある。戦場ではいざ知らずだけど、プライベートでは仲良く……は無理でも、穏便には済ませたいかな? 僕としては」

 

 「……随分と勝手な言い分ですね。わざわざ慧の殺害予告までしておいて」

 

 「譲れない物は誰にだってある。そうだろう? 例えば、君とJAS-39のアニマと鳴谷君の三角関k----」

 

 「わーっ!! わーっ!? それは今関係ないでしょう!?」

 

 「……慧、この男を今すぐAIM-7で吹き飛ばすべきだと、私は考える」

 

 初対面の義足野郎にすら関係割れているとかあのさぁ……敵の言葉で取り乱すとか、二人ともそんなんじゃ甘いよ。まぁ、顔を真っ赤にした二人とも可愛いからOKか。

 殺意と照れが混じったグリペン姉貴の気配を受けて、それまで傍観を決め込んでいたフギムニ姉妹が介入してきます。

 

 「あら? ミカエラ相手に相打ちまでしか持ち込めないような戦闘機が、彼や私たちに追いつけるかしら?」

 

 「姉さま。あまり場を荒らさない様に。ですが……強いて言うなら、私たちは彼と違って義妹を傷つけられたと言う明確な理由があります。この場で戦いを挑むような無様な真似をするつもりは毛頭ありませんが、少なくとも、あなた方に対する敵意は彼よりは高いとだけは心に留めておいて下さいませ」

 

 「まぁまぁ二人とも落ち着いて……このまま放っておくとここが戦場になりそうだ。僕たちはこの辺りで失礼するよ。会計は此方で済ませておくから」

 

 義足野郎が去った辺りで五郎島難民居留区イベントは終了です。

 

 翌日になったら好感度が一定以上になっているため、朝早くからバイトに来たMNHA姉貴がNRTN君とグリペン姉貴とホモの三人分の弁当を持ってきてくれます。MNHA姉貴の手作り弁当温かいナリィ……

 技本執務等の休憩室で机の上で突っ伏しているグリペン姉貴に話し掛け、弁当を渡してあげましょう。

 

 何やら機種変更訓練を二機体分同時にやらされているそうで、片方は同系列機体であるF型なのでまだどうにかなるそうですが、もう片方はエンジンが双発だったりで余りにも勝手が違うらしく難儀な思いをしているようで今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。





 何処で見たのか忘れましたが、「ガーリーエアフォースは終わり方は綺麗だけど、もうちょっと最後の最後で主人公にご都合主義とか奇跡とか起きても良かったんじゃ」とか「なんかグリペンルートノーマルエンドだけを見た気分」とか書いてあったのを見て激しく共感しました。

 あと、自衛隊からファントム姉貴の実機が引退するようですね……(軍事はガバいので詳しくは知らず)。
 
 何やらベルクト姉貴の音声作品が出るらしいのでサンプルボイス聞いたら無事仰げば尊死しました。


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~シャルル・ド・ゴール着艦

 ツイッターに何書いたらいいか分からないので初投稿です。


 小松基地 第三格納庫

 

 「一先ず新しい機体は形にはなったが……どうだね? 鳴谷君」

 

 「無茶苦茶ですよ……こんな全く違うアビオニクス乗せるなんて。グリペンへの負担は大丈夫なんですか?」

 

 「完全な別機体じゃないからラファールの訓練の時よりはずっと楽」 

 

 その日、昼も過ぎた頃の第三格納庫では硫黄島の戦いで中破したJAS-39のD型に変わり、元々の候補として確保されていたF型のドーター化作業が一先ずの終了を終え、現在はアニマとドーターとの同調作業と()()()()()()()()()()()()()()()を着た慧が計器類を慣らし、設定をしている最中だった。一新された計器類を前にマニュアルを見ながら四苦八苦しつつも作業を進めていく。かつては三面構成されていた液晶モニターは一画面タッチパネル式に変更され、中でも、中央コンソールパネルに内蔵された球形の三次元モニターが目を引く構造となっていた。

 

 「と言うか、この真ん中の丸っこいの本当にレーダーなんですか? しかも、俺にまでこんな専用の操縦服を着せて……」

 

 「あぁ、それなんだが、このコックピットには少し面白い機能があってな。おい、設定は終わっているんだろうな?」 

 

 「肯定。本調子で実戦もイケる」

 

 「まだリルグリペンとの同期も終わってないのに本調子な訳あるか。今からシミュレートデータを流す。離陸シークエンスだけ試すぞ」

 

 「え? ちょっ、いきなり飛ぶんですか!?」

 

 慧の言葉には問答無用と言わんばかりにコックピットがグリペンの制御で閉じられ、勝手に外部からの入力でシミュレートモードが起動する。慧はマニュアルを一度閉じ、慌ててシートベルトなどを装着して操縦桿を握り締める。そして次の瞬間、有り得ない事象が彼を襲った。

 

 (なっ……!? Gが……!?)

 

 いつも通り離陸した瞬間だった。現在はシミュレートモードで実際には機体は動いていない筈なのに、急加速時特有の圧迫感が慧の身に押し寄せる。高度が上がり切った所でテストは終了、実機訓練後にも似た倦怠感を感じる中、慧は解放されたコックピットから八代通に問いかける。

 

 「今、俺に何をしたんですか?」

 

 「この前、お前さんたちがグリペンのドーターをお釈迦にした戦いで、一機の戦闘機が那覇基地に鹵獲されたのを知っているか? あの翼が動く前進翼の機体だ」

 

 「あの<ワイバーン>……ですか」

 

 「その新型のコックピットには件の翼竜から剥ぎ取ったそれを少々加工して丸々流用している。君の着ているスーツもそこから得たデータから新たに作り直したものだ」

 

 「剥ぎ取ったって、モン○ンじゃあるまいし……」

 

 鹵獲した所属不明の敵の機体から剥ぎ取った装備を加工してそのまま再利用しようだなんて発想には、この男の無茶苦茶ぶりを理解してきているつもりの慧でも呆れたため息を吐いた。戦闘機はプラモデルじゃあるまいし、そう簡単に違う規格の物を改造に加えられるような存在では無いのだ。しかし、元よりアニマも鹵獲したザイのコアから作られている事を考えると、この世界の技術屋にとっては普通の考え方なのかもしれない。ましてや、ザイの様な未知の物では無く、人類の技術そのものだけで作られたであろう物なら、ザイのコアを使うよりも簡単な事なのだろう。

 

 「パイロットに対して高性能フィードバック機器により脳内の神経伝達物質の分泌量をコントロール、急加減速や急旋回時の衝撃や加重などの刺激情報の伝達を緩和、あるいは欺瞞し、通常のパイロットでは操縦し得ない状況下での機体制御を可能とさせるシステム……巷じゃあ『ゼロシステム』なんて呼ばれているそうだがね」

 

 「じゃあ、今のGは、まさか」

 

 「あぁ、君の脳内を少しいじくって文字通り『錯覚』させた成果だよ。だが、逆もまたしかりだ。この機能があれば理論上は今の君の体でもアニマの機動に追随できる。少なくとも限界機動時に毎回気絶するような事は無くなるはずだ」

 

 「筈って、そんな無茶苦茶な」

 

 さらっと恐ろしい事を言われた気がする。脳内をいじくって? それってもう錯覚させただけとかの次元じゃなくて、一種の洗脳なのでは……?

 

 「まだ実際に実戦で試していないんだから分からないだろう? だがしかし、こんな無茶苦茶なシステムを使っちゃあいるが、根幹の技術そのもの自体はこいつ等(アニマ)ほど複雑な物じゃあない。あの度々襲ってくる戦闘機連中は中々愉快な技術力の持ち主の様だな。コイツを作った奴とは中々話の馬が合いそうだ」

 

 八代通は愉快そうに腹を揺らしながら笑い、今日はここまでだ。と付け加えた所で、本日の調整作業は一先ずの終わりを見る事になる。しかし、空腹と慣れない機体へのリンクで溜まった疲労により、コンソールに突っ伏したグリペンはこの後ラファールの操縦訓練がある為、問答無用で複数人の技官に連行されていった。慧はその光景をただ、合掌して見守るしかなかった。

 

 

 ◆◇◆

 

 新装備の信頼がお太い!! RTAはーじまーるよ―。

 

 前回は五郎島居留区にて暴力団員を単機で制圧し、義足野郎とのフラグ回収をしたところまで来ました。

 

 食堂で突っ伏しているグリペン姉貴に話し掛けて弁当を渡すと、ようやく新型ドーターが形になった事が告げられますが、調整作業にはまだまだ難儀しているようです。ラファールの制御訓練もしているしこんなんじゃ赤疲労になっちゃ~う。

 調整にはあと本章一杯掛かるので、グリペン姉貴の出撃が可能になるのは次章からになります。

 

 グリペン姉貴に弁当を渡しに行ったら第三格納庫に向かいます。オイゴルァ!! オイゴルァ!! モブ邪魔ぁ!!(二回衝突)

 格納庫では何やらベルクト姉貴とファントム姉貴が話し合っていますね。こちらから話しかけてみましょう。

 

 「そういえば、ベルクトとファントムは新武装を載せたんだっけか? どんな装備なんだ?」

 

 「あぁ、モルおじ様ですか。はい。私のはモルおじ様が使っている様なTLSを迎撃機能に特化させた試作モデルだそうです。私、どうにも経験が足りていないせいで敵を撃つのが苦手で……」

 

 ベルクト姉貴のホモへの呼び方はファントム姉貴に影響されるため、本RTAの場合は名前+おじさま呼びになります。調整によってはお兄様呼びやそのまま呼び捨てなど様々な呼び方に変わるので、通常プレイ兄貴は是非とも全パターン回収しましょう。

 

 「まぁ、何というかお前さんらしいっちゃらしい装備だよな。んで、ファントムの方は?」

 

 「詳しくは知りませんけど、私の誘蛾灯を解析して作られた物だそうです」

 

 「寄せ付けないタイプか? 益々闇撃ち特化って所か」

 

 「それだと良いんですけどね。全然違う物ですよ。紆余曲折あったとは言え、私達はここ数回の大きな作戦で敗退しています。そろそろ、人類の守護天使の役目を果たさないと本当に世界が終わってしまいかねません」

 

 本章から二人に新たな装備が追加されます。ファントム姉貴は『パラレル・マインズ』が追加されることによりジャミング機能が強化され、航空型ザイに毒電波を飛ばして最大16機までハッキングして管制運用が可能になります。

 

 ジャズ野郎&ライノ姉貴ペアのレールガンに並び本RTAにおける火力源の一つとなりますので、熟練度の育成は怠らないようにしましょう。対ボス戦に強いのがレールガンやTLSなら、こちらはさしずめ雑魚の露払い特化と言った所なので、敵にネームド機体や大型ボス機がいると流石に落とされて無効化されます。

 

 ベルクト姉貴の追加武装は待望の防御兵装、TLS(AEGIS Type)ですね。本編では最終局面のみでロシアで装備された装置の強化版をいきなり持ってきてくれます。技術レベルが上がっているとは言え、流石は独飛驚異のメカニズム。

 

 効果としては彼女を中心とした範囲内にいると、かなりの確率でミサイルを迎撃してくれます。これにより指示で自機に追従させることで、ミサイルへの回避行動を一々行わなくても良くなります。来た!! 盾来た!! メイン盾来た!! これで勝つる!!

 ただし、過信し過ぎると時たま被弾するので、アラートにだけは流石に気を配りましょう。(1敗)

 

 「宴を始めましょう、皆さん。人の未来と繁栄を祝う祭典を。押し寄せる敵を供物に変え、祝福の炎を放ち、祭壇への道を切り開いて上げます。ですから、どうぞ前に進み続けて下さい。恐る事なく、自らの信念を貫いて下さい。魔法と熱狂の時間を共に(ラブソディック・ページェント)

 

 と言う中二病が炸裂したファントム姉貴のセリフに対しては

 

 「お前さん意外と子供っぽいとこあるよな」

 

 です。むっとして睨まれますが、その一幕をどこからともなく現れたライノ姉貴がカメラでパシャリ。何だかんだ言って結構可愛いところあるよね~、と告げてカラカラと笑いながら去っていきます。

 ここから先はとある分岐に突入する為にファントム姉貴の好感度を調節する必要があり、この選択肢もその一環です。

 

 格納庫での装備確認が終わったら検査室に向かいます。すると、YSRDOR兄貴がNRTN君と秘密の密会♂を開いている所なので俺も混ぜてくれよ~。

 どうやらラファールのドーターを如何にして回収するかを相談しているようですね。

 ここに検査を終えたグリペン姉貴とブーランジェ姉貴が揃い章末クエスト「シャルル・ド・ゴール探索」の開始フラグが立ちます。

 

 ✝日を改めて✝、シミュレータールームに行くと、グリペン姉貴がラファールの制御訓練を行っている所ですね。元双発エンジン機故か、生存している場合はライノ姉貴もホモと共にコーチに付いてくれています。

 少し経つとブーランジェ姉貴が近くを通りかかるので、待ち伏せを仕掛けましょう。

 

 「よう、ご機嫌如何ですかな? マドモアゼル?」

 

 「誰かと思えば貴方か。私からも質問があったから丁度良い。貴方も元はと言えば人間の筈だ。そんな貴方が、どうしてアニマに肩入れをする?」

 

 「前にも言っただろう? 道具はメンテしなきゃイカれるんだよ。それが銃だろうが、車だろうが、ましてやアニマだろうが変わりゃしねぇさ」

 

 この辺りで位置調整を開始します。具体的には訓練室にいるジャズ野郎に聞こえる様にですね。このゲーム、他キャラとの会話中にも移動が出来るので、歩きながら話すなどと言った時短テクニックは所々さんで括約します。

 

 「……アニマなど所詮、道具だ。その道具は道具に見合った働きをしてくれれば良いんだ。笑ったり、話したりする必要はない」

 

 「あぁ? 何処のドイツか知らねぇが、テメェ、野郎だったらぶん殴ってたぞ?」

 

 位置調整を行う事により会話を拾い、ライノ姉貴らが道具呼ばわりされている事に気が付いたジャズ野郎が介入してきます。初対面なので何処のドイツ呼ばわりですが、ドイツは隣国なんだよなぁ……

 

 「……失礼、ムッシュ。貴殿は? 私はDSSD所属のブーランジェ中尉と言う。」

 

 「レオン・ミリタリー・サービス社、略してLMS社代表取締役にして唯一の戦闘員、レオン・アークライトだ。んで、ライノはうちの専属秘書だ。二度と間違えるんじゃねぇ」

 

 二度と間違えるな、クソが!!

 

 よーく見るとライノ姉貴が不満そうにふくれっ面になっていますね。ライノ姉貴を生存させてもルートに入っていない場合は基本的にジャズ野郎に好意を寄せているので、時折こう言ったリアクションが見られます。

 

 「こいつ等が道具? はん、そう言えばあの木偶野郎もそんな事を言っていたっけな。懐かしいぜ。けどな、その質問を俺らにするたぁ相当な馬鹿か、俺たちを勉強していないのか、その両方かのどれかだ。フランスの情報を扱う部署としては致命的じゃねぇのか」

 

 「……真面目に答えて貰いましょうか」 

 

 「じゃあ言わせて貰うぜ。俺は自分を増幅させてくれる戦闘機がとてつもなく好きだ。好きで好きで仕方ねぇ、だかろこそ俺は、自分の命張ってアイツと一緒に飛んでいたいと思えるんだ。流石の俺も、好きじゃ無い物に命を預けようなんざ思わねぇからな」

 

 この後、何やら急に機嫌が良くなったライノ姉貴がジャズ野郎にしがみつき、ギャーギャー騒ぎ立ててこのイベントは終わります。これにて小松基地でのブーランジェ姉貴関連のフラグは回収完了です。

 後は出撃前日まで小遣い稼ぎがてらベルクト姉貴とファントム姉貴を鍛え上げましょう。

 因みにここで彼女らの訓練に付き合うのではなく、NRTN君宅に向かうとイーグル姉貴が訪問してくるイベントが起きますが、もうこれ以上彼女の好感度を上げる必要は無いのでスルーで構いません。が、MNHA姉貴がアニマの存在について理解しているので、本編とはまた違った会話が楽しめます。

 

 翌日の「シャルル・ド・ゴール探索支援」出撃前に調整する事は特に無いので、ジャズ野郎を雇ったら即出撃です。

 

 最初はティルトローターに乗ったNRTN君たちを目標地点まで護衛する必要があります。航空型ザイを散弾ミサイルで掃除しつつ、ベルクト姉貴にNRTN君のカバーをさせながら先行しましょう。こうする事で自機が護衛せずとも前線に出られるので、モルガンの火力の高さを発揮できます。

 

 露払いを終えたらそのまま着艦シークエンスに入りましょう。空母周囲の航空型ザイを全て撃墜し、真正面から侵入する事で着艦が行えます。

 流石にここでミスるような真似は……おい!! 痛ってぇなおい!! 見てくれよこの無残な姿をよぉ(被ダメ3%)。突入角ミスったのか僅かに食らいましたね……まぁ、この程度であれば何の問題もありません。

 

 ホモが先に着艦すると、どれだけ離れていようがNRTN君たちがすぐに到着します。あとはこのまま四人でラファールの探索を行い今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 




今月中に五巻は終わらせたい……


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~技術的特異点一号、回収

 とうとう卒業式も潰れたので初投稿です。


 開幕運ゲーのダンジョンを攻略するRTAはーじまーるよー。

 

 前回は基地内でのフラグ回収を行い、シャルル・ド・ゴールに強行着陸した所まで来ました。

 

 NRTN君とブーランジェ姉貴、それからみんなのアイドルトゥエルヴちゃんが到着したら捜索準備になりますが、トゥエルヴちゃんのコアはNRTN君では無くホモに持たせましょう。こうする事で僅かながらファントム姉貴の好感度上昇も狙えるようになり、メインメニューにオートマッピング機能が追加されるのでガバっても安心!!

 

 と言うのも、これから突入する艦内ダンジョンは時空間がだらしねぇ♂せいで歪みまくってるせいか、確認した限り五つのパターンがあります。ここでは便宜上A~Eパターンと呼びましょう。

 通路が横向きに伸びていたら大外れであるD,Eパターンでは無いので、安心して右に進みエレベーターまで移動します。ブリッジに辿り付いたら通信機を調べ、反応を見ます。

 

 ダメみたいですね……この時、NRTN君が落ちていたメモ帳を拾うのですが、それと同時に船に振動が押し寄せます。

 トゥエルブちゃんに状況を確認して貰うと、どうやら所属不明の超大型潜水艦が船底に突入管をブスリ♂して部隊を送り込んで来たようですね。

 ここから先は競争だ(全裸仮面)と言わんばかりにラファールのドーターを狙って完全武装した兵が送り込まれますが、エンカウントしても気絶しているか幻覚を見てこちらに気づいていないかの二択なので、その隙に武器が奪えるので寧ろうま味です。エンカウントしたらアサルトライフルとC4爆薬だけは必ず物色しましょう。

 ホモが純正アニマであれば幻覚を完全防御できるのですが、改造アニマは半分は人間なので乱数で大ガバにならないことを祈りつつ、下層に降りましょう。

 

 お、第一村人発見!! ちょっと歯ぁ当たんよぉ!!(殴り倒し)。アンブッシュで倒される程度の者に挨拶は必要ありません。古事記にもそう書かれています。

 殴り倒したら物資を物色しましょう。アサルトライフルは確保できましたが、爆薬は持っていないみたいですね……これでもう一戦する必要が出てきました。

 

 「何なんですか? こいつ等は」

 

 「大方巷で噂のテロリストさんだろうよ。トゥエルブちゃーん。外からお仲間呼べる?」

 

 「うーん……ちょっとダメみたいですねぇ……あ、それと私をポケットから出してもらえると」

 

 一体目の兵士を倒すとホモのポケットからザイのコアを取り出し、コアが変貌してトゥエルブちゃん化します。興味津々のグリペン姉貴が摘まみ上げようとしますが、ここで

 

 「阻止する」

 

 を選択してトゥエルブちゃんを頭に避難させ、グリペン姉貴の魔の手から救いましょう。因みにトゥエルブちゃんのイチゴ柄のおぱんちゅは頭に乗せる際に一瞬だけチラッと見えますので、紳士兄貴たちはスクリーンショットの準備を怠らないようにしましょう(いっ敗)。

 

 トゥエルブちゃん化イベントが終了したら第二村人を探すべく下に降りましょう。ここで下の階層に着いた時に、一度周りを見渡します。

 T時ならやや遠回りが必要なB,Cパターン、十字なら第二村人捜索をしつつ最短でハンガーに辿りつけるAパターンです。

 今回は……あー、左に道が長いT字なのでCパターンですね。まぁ、大外れじゃないのでRTAは続行します。

 Cパターンの場合は正面の通路を進み、発狂している兵士を先程拾ったアサルトライフルの銃床で殴り倒します。弾はこの後必要になるので撃ちません。

 殴り倒したら再び物資を物色しましょう。よしよし、今回はちゃんとC4爆薬を回収できました。ルートはまぁまぁクソですがドロップ運が良かったので良しとしましょう。因みにここで爆薬が落ちなかった場合は降りてきた所に戻り、右側の通路を走って兵士を撲殺します。

 

 長いのでハンガー手前? の通路までKSK。

 

 何で等速に戻す必要があるんですか?

 ハンガー手前? まで来たのですが、なーぜーか、イベントが発生しませんねぇ……あ、黒髪幼女ことラファールたんに会ってないやんけ!!

 ラファールたんを連れていないと最後の扉♂が開かないので彼女を引き連れていく必要があります。あー、もう滅茶苦茶だよ。

 幸いCパターンであれば最後の扉に割と近い所にいるので合流しましょう。通路の端に黒髪ツインテール幼女こと、ラファールたんがいますね。

 

 はぁ、はぁ……ラファールたん可愛いよ……失礼、取り乱しました。

 

 ラファールたんと合流するとブーランジェ姉貴が彼女は粉バナナ(これは罠だ)!! と叫び、置いていく等と言いだしますが無視だ無視!! NRTN君迫真の説得によりしぶしぶ同行を認めてくれます。

 

 さて、問題はこの後です。

 

 ループ通路に入ってしまうとブーランジェ姉貴が発狂して大ロスなので、ループ通路には絶対入らないようにします。集団で行動している場合は幻覚に悩まされる事はありませんので、乱数の可能性を無視できます。安定は大事、はっきり分かんだね。

 

 最後の扉♂の後は一定パターンしか存在しないのでループ通路に入らない様に気を付けながら進みます。

 ループに入らないように注意しつつ最奥部手前まで来たら再びイベントです。

 

 「っ、お前たちは、あの時の双子!?」

 

 「あら、ごきげんよう。鳴谷慧様。今のあなた方の目的はラファールのドーターでしょう? わたくしたちの目的は『階段を下りたその先にある物』ですので、お気になさらず。邪魔さえしないのであれば、こちらも無干渉を約束致しますわ」

 

 「ま、そういう訳だから精々さっさとこの船を去る事ね」

 

 護衛を引き連れたフギムニ姉妹が現れますが、ここでは戦闘にはならず通路の彼方に消えてしまいます。

 トゥルーエンドフラグを一定以上回収している場合、ホモが一瞬頭を押さえた後、トゥエルブちゃんを降ろし、NRTN君たちをも置き去りにして単独で彼女たちを追いかけだします。

 

 本編であればNRTN君が幻覚に包まれて<球殻>の様子を垣間見るのですが、今回はフギムニ姉妹たちよりも早く彼女曰く『階段を下りたその先にある物』を回収する為、戦闘パート入りのダンジョンになります。だから、先ほどの気の狂った兵士から武器を回収する必要があったんですね。

 と言ってもFPSの様なシューティングでは無くタイミングゲーですので、その点は安心です。決まったタイミングでライフルを撃ち、壁をC4爆薬でぶち抜いて強引に突破するだけですので。

 

 三人目の兵士を倒したら兵士を調べて弾薬を補給し、左の通路を進んで行き止まりの壁にC4爆薬を設置して壁をぶち抜きますと、ラファールでは無くもう一機の戦闘機が格納された格納庫に到着します。一定時間以内に辿り付くと、この格納庫に敵がいないので直でイベントシーンに入ります。

 

 ◆◇◆

 

 ある男の独白4

 

 

 あぁ、そうか。お前も運ばれていたのか。そう言えば俺が落ちたのはドイツだったっけか。

 

 その格納庫に鎮座していた機体を見て、昔から知っている機体であるかのように懐かしむ。

 装甲材質はザイと同じくガラス質で出来た装甲。単発エンジンに見えるが、実は超小型エンジン二基を隣接させた構造。機体下部にはTLSをさらに発展させたガトリングレーザーガンポッド。シルエットこそJAS-39そっくりだが、この時代にあらざる技術で作り上げられた、いや、それだけで無くこの時代に降り立ったが故にあらざる技術をもたらした、ある意味での全ての元凶。技術的特異点一号、その名も

 

 JAS-262 グリペンⅢ……あぁ、そうだ。全てはコイツから始まった。

 

 でなければ、この時代にTLSの様なレーザー兵器や光学迷彩などが存在する訳が無い。精々ロシアがレーザー迎撃装置をどうにか突貫工事で作ったぐらいだろう。

 元よりあのADFXシリーズはドイツで墜落したこのJAS-262、またの名を技術的特異点一号、及び、今はどこにあるのかは知らないが<翼竜>ことワイバーンを解析して作り上げられた機体だ。事実、硫黄島の戦闘で鹵獲された模造ワイバーンと機種のパーツに限り八割近くの互換性があることが分かっている。

 

 ドイツのグランダー・IG社はコイツを密かに回収し、その技術を持って発展したお陰で今では知らない人の方が少ないくらいの大企業だ。噂に聞けば、ユリシーズ小惑星群の落下を阻止したレールガンを作ったアークライト社もこの恩恵に預かっているそうな。

 かくして、人類は本来この時代にあらざる機体、武器達を作り上げた訳だ。ADFXはそのフラッグシップ機体とも言えるだろう。

 

 ……ここまでは概ね俺の計画通りだ。

 

 人類を存続させるために、彼女をこの無限ループから救う為に。人は、世界は、変わらなければならない。

 

 まぁ、ザイと言う世界共通の敵を持ってしても、やれ責任の押し付け合いなど、やれ紛争だのは未だにある訳だが。

 

 

 

 ……全く、嘆かわしい。

 

 

 

 お前たちがそんなんだからザイはまた誕生しちまったんだろうが。彼女がまた苦しむ羽目になっちまったんだろうが。

 

 この時代のでは無い活動の停止した<球殻>の記録から見るに、一度あの<球殻>は存在そのものが消滅しかけたが、再び出現し、その場にあり続けた。

 俺もこのループに嵌まってから分かった事だが、どうやら一度は「ザイのいない世界」の実現に成功したらしい。

 

 

 けど、それだけで終わってしまった。

 

 

 俺達の戦いはここからだ、と言うと何とも打ち切り漫画の謳い文句みたいだが、実際そうだったんだろう。あれはただ、問題を先送りしたに過ぎない。結局、あの時点では人類は何も変わっちゃいなかったんだ。だから、再び資源の枯渇した未来人がザイを生み出し、彼女たちもまた産まれたんだろう。

 

 ……そう考えると、我ながら少し怖くなってきたな。

 このまま上手く事が運べば俺の見た事の無い未来に、俺と彼女が生きられる未来に繋げられるかもしれない。けれど、今ここにいる彼女は俺が追いかけている彼女なのか? 同じ姿の別人では無いのか? そんなとりとめようのない不安が押し寄せてくる。

 

 (……全く、勝手に体を乗っ取られたと思ったら、俺の因縁の機体じゃないですかい。旦那も粋な真似するねぇ)

 

 そう言えば、あの時お前と戦ったのは消費させる自己の存在(アイデンティティ)を削り過ぎてザイ化した姿でだったか。まぁ、アレのパッと見は殆んどザイだし敵と見做されてもおかしくは無い訳だが。

 

 (まぁ、そんな話はともかく。俺をここまで振り回してくれたんだ。あんたの言う変革した世界って奴を見せて貰わなきゃあ、俺も割が合わないんでね)

 

 分かっている。俺としたことが弱気になり過ぎたな。

 そろそろ鳴谷少年たちがラファールのドーターを発見している頃だろう。先程まで無かった筈のタラップを伝って機体に乗り込み、エンジンを始動させる。良かった、機体はまだ死んではいない。

 今更になってあの双子が格納庫に突入し、銃を構えて発砲してきたが、ここは非物理層と物理層の境目、使い方さえ分かってしまえば……

 

 「さっきまでこんなもの無かった筈なのに……いつの間に?」

 

 「何だあの赤い機体は!? グリペン……いや、よく似ているけど違う……」

 

 この通り、別の層経由で別フロアの格納庫のエレベーターまでジャンプできる訳だ。求めよ、さすれば与えられんとはよく言った物だ。

 

 「鳴谷少年!! ラファールのドーターと共にコイツも回収する!!」

 

 「ちょ、モルさん!? 突然いなくなったと思ったら一体何がどうなって」

 

 「時間が無い、さっさとしないと別の槽に飛ばされるぞ!! 上に上がったら君はカタパルトに留めてあるADFX-02に乗り込め。あれには通常型の操縦桿があるから飛ばすだけなら君でも出来る筈だ」

 

 コックピットを開放して呼びかけると、鳴谷少年はそんな無茶なと困惑しながらも指示には従った。甲板に出ると駐機してあるモルガンに飛び乗り、タキシングの準備を済ませていく。

 

 「モルガン、彼の補助をしてやれ。《パラレル・マインズ》展開」

 

 (あいよ、旦那)

 

 二十年、あるいはそれ以上前のドーターに使えて、この機体に使えない訳が無い。流石に彼女の様な専門家ではないので16分割は無理だが、俺の中の『モルガン』の部分を切り離してADFXの制御を補佐する事ぐらいは可能だ。

 

 カタパルトは二基しかないが、ようやく機能を取り戻したラファールを先頭にADFX、続いてこの機体と続いて発進するくらいの時間は有った。どうやらトゥエルブがハッキングを仕掛けて管制を行ってくれていた様だ。

 久しぶりの愛機の感覚を体に馴染ませながら、正面を見据える。そろそろ限界が近いが、今はまだ持ってくれよ、この(アニマ)……

 

 

 ◆◇◆

 

 

 無事にラファールと謎の機体JAS-262を回収し、シャルル・ド・ゴールを脱出したら襲い来る低軌道ミサイルを迎撃する所さんになります

 このシーンでのみ、自機がJAS-262になります。この機体もザイノ姉貴同様クイックターンが使用できる他、レーザーガトリング標準装備なので機銃の威力が尋常で無い程高いです。これに散弾ミサイルがあれば文句無しだったのですが、無い物は仕方ないのでレーザーでミサイルを焼き払いましょう。

 因みにNRTN君を乗せたADFX-02はラファール姉貴の傍にいないとグリペン姉貴が活動停止してしまう為、この場ではこの機体だけで戦う事になります。

 

 ミサイルを全機撃墜するとシャルル・ド・ゴールを離れたガラス製潜水艦からフギムニ姉妹と義足野郎が射出された所で今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。




 来週から社会人とかやべぇよやべぇよ……


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~五章終了

社会人になったので初投稿です。
出来れば週一ペース維持してぇなぁ俺もなぁ……

4/26 文末にインターミッション内容を追加。


 赤いアイツがやってくるRTAはーじまーるよー。(レッドファイッ!!

 

 前回は謎の機体JAS-262とラファール姉貴のドーターを回収し、シャルル・ド・ゴールを脱出し、低軌道ミサイルを撃ち落としたらフギムニ姉妹と義足野郎が射出された所まで来ました。

 

 現在の操作機体であるJAS-262は単体に対しての火力は極めて高いのですが、散弾ミサイル等の範囲攻撃が無いのでエイム力が求められます。しかし、デフォルトで装備されたレーザー機銃を始めとした搭載兵器の弾速が軒並み速いので、置き撃ちをする際に独特の慣れが必要になります。

 義足野郎は最初は放置し、フギンかムニンいずれかのADF-10F-ANMの装甲を半分以下に削りましょう。JAS-262は未知♂のテクノロジーで作られた機体ですが、火力と機動力はともかく装甲は言うほど高くないので、レーザーで焼かれると余裕で半分は持っていかれます。注意しましょう(2敗)。

  

 たまたま視界に入ったのでムニンから落としましょう。

 

 動くと当たらないだろぉ!? 動くと当たらない!!(回避) 氏ぃねよやああああああああああ!!(JNSN並感

 

 はい、中破。レーザーガトリングと4AAMを同時に活用すれば割とすぐに倒せますね。偶に義足野郎から超威力&超広範囲のコンギョ(LSWM)が飛んできます。直撃すれば瀕死確定ですが、直撃は稀です。無視しましょう(一敗)。

 

 フギンかムニンのどちらかの装甲を半分以下にするとイベントが入ります。 

 

 ◆◇◆ 

 

 

 『ガラスの棺桶』艦内 秘匿区画

 

 

 『『おはようございます、ゾーイお姉さま』』

 

 空気の抜ける音と共に開放されたシリンダーに寝かせられていた褐色肌の少女は、双子の妹の声を起き抜けに聞く事となった。容姿は『組織』の面々が教主と仰いでいるゼロツーとほぼ同様で、腰以上に長い銀髪が肌と相まって美しいコントラストを生み出している。

 

 「やぁ、二人とも。こうして話すのは久しぶりだね。状況は大体分かっているよ。私の出番が必要かな?」

 

 青い瞳を動かして周囲を見渡すと、一糸まとわぬ姿のままシリンダーから身を降ろし、横に備えられたロッカーを開けて銀線の入った赤いレザー地の操縦服をその身に纏う。ファスナーを上げ切り、後頭部で丸まっていた髪をかき上げると、薄暗闇の中に一筋の光が輝いた。

 

 『加勢して頂けるのはありがたいのですが、宜しいのですか? 戦闘経験値は彼らからの吸い上げで補えていますが、その身体はまだ調整が……』

 

 「可愛い妹たちが危機に陥ろうとしている。それを助けない理由が必要なのかい?」

 

 『……了解しました。機体は二番格納庫に準備させています。三番射出口を使用してください。ご武運を、ゾーイお姉さま』

 

 ゾーイと呼ばれた褐色肌のアニマは秘匿区画を抜け出すと、まっすぐ二番格納庫へと向かう。そこでは複数の整備士達がワインレッドの装甲を持つ大型の機体の整備、点検を行っていた。

 双子が操るADF-10Fよりはやや小型だが、それでも既存の機体の平均サイズより大きいのは明白であり、展開されていた機首の大型化学レーザー砲がメンテナンスを終え、機体内部に格納されていく。

 

 「機体整備ご苦労。君達は私の発進後、空間干渉が起きていない海域まで退避していてほしい。座標は追って指示をする。まずは急速潜航の準備を」 

 

 「分かりました。ゾーイ艦長代行殿」

 

 船員に急速潜航の準備をさせると、タラップを伝い機体に飛び乗る。内部は多数の六角形型モニターとNFIデバイス、通常の操縦系統とアニマと人間の折衷仕様で構成されており、首筋に繋がれたコネクタと中央のコンソールパネルが主のNFIパターンを検知し、駆動を開始する。

 コックピット内は全周囲モニターに映し出される空間の中、背部のアームによって支えられ、宙に座席が浮いたかのような構成となっており、これらの高性能な電子機器がアニマであってアニマでは無い彼女たちの戦闘能力を支えている一因となっているのだ。

 

 「さて……久々の戦場の空、飛ばせて貰おうか」

 

 VLSを流用した射出口に機体が固定され、離陸……と言うよりは推力とレールガンの要領で射出、いや、()()()()()()()形で赤い鷹が海面から飛び出した。

 数々の戦場で生まれたイレギュラー(エース)達の戦闘経験を吸収し、学習と模倣訓練を積み重ねたその存在は、まさに人類の可能性の集大成。

 

 その名を、Z.O.E.。

 

 そして彼女が駆る赤き鷹の名は、ADF-01 FALKEN。

 

 勝つのは人類の可能性か、それとも、とある男の願望か。今はまだ、その行く末を知る者はいない。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 

 『所属不明機接近、おじ様。ご注意を』

 

 『俺はグリペンとラファールを連れて戦線を離脱します。モルさん達の援護、お願いします!!』

 

 『後は俺達に任せな!! 行くぜライノォ!!』

 

 イベントが終わると場面転換し、第二ラウンドです。味方としてベルクト姉貴とライノ姉貴が加わり、敵の増援として赤いアイツと第三勢力の航空型ザイがやってきます。

 

 敵戦闘機を確認。ADF-01 ファルケンです。

 敵は高威力の化学レーザー砲を装備。長距離での撃ち合いは危険です。

 旋回性能がやや劣るので、近距離での撃ち合いが有効でしょう。

 

 と言う訳でZOE姉貴搭乗の赤いファルケンです。プレイヤーが使える機体と違いモルガナイトが標準装備されているのでデバフをばら撒いてきます。また、機体自体のチューンも施されており、旋回性能を除きモルガンの完全上位互換となります。

 ただし旋回性能のみ妙に低いらしく、近距離でドッグファイトに持ち込めればそこまで苦労はしません。

 

 ところでこのZOE姉貴、数々のエースたちの戦闘経験を食い物にしているという事ですが、そうなんです。ここまでにゼロツー姉貴にくっ付いて来ていた取り巻きを倒し過ぎてしまうと、彼女の戦闘経験が積み重ねられてしまい、より手強くなってしまいます。だから、出来るだけ取り巻きをスルーする(激うまギャグ)必要があったんですね。

 今回では資金難をリカバリーする為に一機撃墜してしまったので若干ゃ強くなってしまっていますが、まぁ多分大丈夫でしょ……

 

 JAS-262は装甲以外のステータスはザイノ姉貴に匹敵しているので、フギムニ姉妹やZOE姉貴にドッグファイトでケンカを売る事ができます。足りない装甲はベルクト姉貴のTLS(AEGIS Type)の効果範囲に入って補いましょう。流石にレーザーやLSWMの爆風は防げませんが、通常ミサイルやUAVのADMMをかなりの確率で防げるので回避行動を取る手間がかなり減ります。ほんまベルクト姉貴はいい娘やでぇ。

 それにしても、未知♂のテクノロジーで作られた機体と同等のスペックを持つザイノ姉貴ェ……

 

 ZOE姉貴をひたすらレーザーガトリングガンポッドで炙り、装甲が半分以下になるとフギムニ姉妹を連れて撤退します。フギンを中破させていませんが、資金的には足りているので問題はありません。

 問題はこの後です。

 

  

 『ジャズ野郎!! 今こそこの地上最強の兵器を使って、答え合わせをしようじゃないか。僕とお前、どっちがより強いのか!!』

 

 『上等だ義足野郎ぉ!! ケリを……付けてやる!!』

 

 敵戦闘機を確認。GAF-01NPD サイコ・ヴィルコラクです。

 敵は大口径機関砲と衝撃波弾頭ミサイルを装備。どのレンジにおいても強力な攻撃手段を持っています。

 アクティブ防御システムが搭載されているので、機銃やレーザーによる攻撃が有効でしょう。

 

 ある意味、五章のラスボスとも言えるサイコ・ヴィルコラクこと義足烏賊戦となります。義足烏賊にはアクティブ防御システムが搭載されているのでミサイルは迎撃されます。一定以上ダメージを与えるとアクティブ防御システムが破壊されますが、意地でも食いついてくる義足野郎の執念のせいでジャズ野郎&ザイノ姉貴の装甲も固定値で持っていかれます。

 

 『お前を倒して、俺は金を得る!! 彼女も、お前から奪って見せる!!』

 

 『はん、お前にライノの何が分かるってんだ!? お前の会っていた頃のこいつはプログラムで()()()()()()許されなかったんだぞ!! そこしか知らないお前が!!』

 

 『ダメ、レオン。あの子はもう、闘争本能に引きずり込まれている。レオンを倒すことしか頭に無いんだ。ナーヴ・サイコ・デバイスの副作用だよ。この調整……多分あの木偶博士だね』

 

 そんなやばいもん作ってんじゃないよシャンケルゥ……。どうやらバーサーカーシステムも兼ねていたみたいですね。

 忌々しげに呟くライノ姉貴の声が聞こえたら第二形態です。アクティブ防御システムこそ無くなりますが、機銃の連射速度上昇&スレイマニ・ダンス解禁で結局ミサイルが効きません。レーザーガトリングで引き続き炙りましょう。

 

 『売った親を!! 売られた俺を!! その金で俺は、僕を、彼女を……っ!!』

 

 装甲25%以下で第三形態に移行し、LSWM二連射が解禁されます。当たると蒸発するので絶対に当たらないようにしましょう。また、ここでもジャズ野郎の装甲が固定値で減少し、よく見るとコックピットの表面装甲が剥がされてグラスキャノピーになっています。

 

 この形態では何とレールガンも回避されるので実質機銃やレーザーのみでしかダメージを与えられなくなります。幸いJAS-262のレーザー機銃は弾速も威力も桁違いなので削り役には徹せます。

 ラストアタックをジャズ野郎に譲ることで、イベントCG『殺しあう定め』を回収できます。意外と重要なので回収を忘れないようにしようね(1敗)。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「落ちろジャズ野郎ぉおぉおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 「でええええええええあっ!!」

 

 大口径機銃が吠える。天を貫かんばかりのレールガンが火を噴く。そのタイミングはほぼ同時に近しく、着弾したのもまたほぼ同時だった。 

 

 青紫の雀蜂は機体下部のレールガンと全身のガラス質の爆発反応装甲を失い、人食い狼はその右半身を灼熱の電磁パルスとショックウェーブにより焦がされ、砕かれた。キャノピーがねじ切れ、露出した手足を奇怪なモジュールに繋がれたパイロットの様子が伺える。

 

 「何故だ……なぜ僕は奴に勝てない!? 何故なんだぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 全ては彼女の隣に立つために、そのために残りの左腕さえも贄にしたというのに、人としての姿を捨ててまで実験に耐えてきたというのに、もはや人としての理性まで封じ込めたと言うのに、

 

 

 ーーーーーーあの男に、勝てない。

 

 

 その慟哭は音として空間に出力される前に、機体が海面に墜落し、弾薬と燃料に引火して引き起こされた大爆発によってかき消され、終ぞ発音されることは無かった。

 

 「レオン、平気?」

 

 「ぜぇ……はぁ……お前の方こそ、どうなんだ? 随分荒っぽくしちまったが」

 

 「装備をちょっと持っていかれただけ、戦闘機動する分には問題ないよ」

 

 そうは言っても完全にノーダメージとは行かなかったようで、ライノは左目を抑えていた。おそらく頭部にあたる機首に大口径弾を被弾した影響だろう。彼女でなければ、()()()()()()()でなければ即死もあり得た。

 

 「……ねぇ、レオン。君とあの子。やっぱり殺しあうしかなかったのかなぁ? 独飛のみんなみたいに、手を取り合うことができなかったのかなぁ?」

 

 「今更何言ってやがる。俺とあいつは多分、殺しあう宿命だったのさ。音楽の趣味から、その思想から、何から何まで、合う要素の無ぇ奴だった……」

 

 負傷しているであろう彼女を気遣ってか、操縦系統を切り替えてライノから操縦を預かるレオン。その言葉には、どこか力が無かった。

 一つの因縁は確かに今ここで終わりを迎えた。

 だが、少女の疑問は彼の答えを以てしても「本当にそうだったんだろうか?」という溝を残す。

 

 

 今までの自分ならこんなことを考える意識も余裕も無かっただろう。

 

 

 だからこそ感じる。彼に会えた事が、彼と共にここまで歩めたことが、ライノという一人の少女にとって最大の『奇跡』だったのだと。

 

 ◆◇◆

 

 

 これにて五章ミッション工事完了です……。ややガバが目立ちましたが概ね許容範囲内と言った所さんでしょう。

 ミッション評価は被弾がややかさんだのでAですが、五章以降はあまりミッション評価は必要ありません。適当に仕事しておきましょう(傭兵の屑)。

 この後に流れるスキップ可能シナリオの流れを軽く説明すると、

 

 1:ゼロツーちゃんの人格が復活し、今回の出撃のどさくさに紛れて那覇基地から盗んだF-15で走り出した。

 

 2:シャルル・ド・ゴールから回収できた謎の戦闘機JAS-262は小松基地に着陸した瞬間に全機能を停止、うんともすんとも言わなくなってしまった。

 

 以上の二点を踏まえておきましょう。よってJAS-262は自機として使うことが出来ません。アァンヒドゥイ!!

 

 この後はインターミッションなのでその間に好感度調整をしていきましょう、今回の対象者はラファール姉貴とMNHA姉貴、そしてファントム姉貴です。

 

 まずはラファール姉貴ですね。基地に帰還するとNRTN君がランニングしているので、それを捕まえます。この時、スタミナのパラメーターが一定値以上でないとNRTN君のランニングに付き合えないので注意しましょう。まぁ、アニマであれば身体能力に関する条件はほぼ無視できるんですけどね。

 

 NRTN君と並走していると、ラファール姉貴と格納庫付近ですれ違います。

 

 本編ルートであればラファールたんの正体やラファール姉貴の心情が明らかになる場面ですが、本難易度では最初の邂逅の際にライターの話題が出ていると、シャルル・ド・ゴールの中でマァァァァァァ……お気に入りのライターを落としてす、しまったのですが、と言うセリフが追加されますので、すかさず

 

 「明日は空いているか?」

 

 と尋ねましょう。最初の邂逅の際に選択肢を間違えていなければ100%OKが貰えます。

 

 こうする事で翌日の自由時間を犠牲にイベントCG「ライター選びも淑女の嗜み?」を回収できます。因みに選択肢はありますが、どれを選んでも好感度の上昇値に影響はありません。

 

 お次はファントム姉貴ですね。ファントム姉貴の好感度上げについては、空いた時間で食堂でボードゲームを挑みまくるのが効率的です。デュエル開始の宣言をしろ、磯野!!

 

 オセロかチェス、将棋のどれが良いか聞かれますが、どれも本格的♂ミニゲームという事では無く、数個の選択肢から選ぶ形式を取らされます。しかもファントム姉貴の選択肢には数個のパターンが存在する以上、こっから先は完全に運ゲーになります。

 

 どうせ同じ運ゲーならリターンが最も大きい将棋を選んだ方が効率的です。デュエル開始ぃ!!

 

 (少女選択肢吟味中……)

 

 まぁ、パターンさえ当てはまれば確殺できるんですけどね。

 

 ファントム姉貴にはこの後もインターミッション中に一日一回は勝負を挑むとして、最後にMNHA姉貴です。

 

 インターミッション期間中にNRTN君宅を訪れるとイベントが発生するので、まずは家に上がらせて貰いましょう。お邪魔するわよー。

 

 今回はNRTN君に対してでは無くホモに対して用があるようですね。何でも、何で今までNRTN君が自衛隊で戦闘機を乗り回している事を話さなかったのか聞きたいのだとか。

 

 ここでの選択肢は、

 

 「正直済まんかった」

 

 「時期を見て話すつもりだった」

 

 「彼も彼で巻き込みたくないと必死だった」

 

 です。必死の謝罪によりMNHA姉貴からも「これからも慧をよろしくお願いします」とお願いされれば成功です。更に食堂などで会話して多少なり好感度を稼いでおくと、

 

 「慧と話している訳じゃないのに、不思議と他人行儀じゃなくなっちゃう」

 

 との文言が追加され、トゥルーエンドフラグの一つを回収出来たところで今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。次回は迫真ロシア部との戦闘(?)になります。




 若干ゃ尻切れしてしまったので、次回が短くなるor本話が修正されて長くなるかのいずれかになる予定です。(4/26 尻切れ部分追加しました)

 このRTAもようやく折り返し地点付近にまで来ました。

 ここまで来られたのも、読者兄貴たちのお陰です。仲居さんありがとうねぇ!!

 今年中に完走した感想を書けるよう、頑張っていきたいと思います。

 


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六章スタート~モンゴル到着

 研修で精神が崩壊したりいざ仕事と思ったらコロちゃん云々で休みになったりと変化の激しい昨今ですが何とか生きているので初投稿です。



 ロシア国境 戦線 

 

 

 『何だあのオレンジ色は!?』

 

 『エスコートは何をやっている!? 戦闘機がこっちに食いついて来てるぞ!!』

 

 ウクライナ空軍混成旅団の機体がまた一機、また一機と異形の機体に撃ち落とされていく。その三機は、通常の機体ではありえない彩りを持つ機体達だ。一機はクロームオレンジのSU-27M、その後ろをアクアマリンのMiG29-SMT、玉虫色のT-50と続き、更にその後方から来る5機の戦闘機は、ロシア機どころか既存の現用機にはまず当てはまらない機影だった。

 

 まるで()()()()()()()()()()()()()その機体の翼形状はカナード、翼端部に下反角の付いた主翼、浅い角度の上向き斜め水平尾翼で構成されるスリーサーフェイス機で垂直尾翼は無く、左右2基のエンジンに装備された水平方向に可動する2次元ベクタードノズル。搭載される3基のエンジンの内、中央のエンジンは下方90度前後までの排気偏向が可能で、垂直離着陸の他に空戦時の特殊機動にも用いられる。その暗いガーネットカラーの機体のコックピット周りには紫色に光るガラス質の結晶が施されており、それが機体が動く度に残像の様に空中に奇跡を描く。

 

 『何だあの機体は……っ!?』 

 

 『いいから撃て!! 爆撃機の破壊を阻止しろ!!』 

 

 ウクライナのMig-29がガーネットカラーの機体群に猛追する。ガーネットの機体の一番機のパイロットは自分が追われていると即判断すると、装甲とモニターに覆われたコックピット内でパネルを操作する。しかし、ある機能を使おうとするも、他の機体ではまず見られない電力ゲージがその機能の使用に足りていない事に気づき、舌打ちをする。

 

 「Volk1 電力供給を要請」

 

 『了解、送電アンテナ作動。『グリーフニル』からVolk1への電力供給を開始』

 

 直後、機体に向けて送電アンテナからマイクロウェーブが発せられ、それを受信した途端に機体の電力ゲージがみるみる回復していく。それを確認したパイロットは笑みを浮かべながら、同時に機体の中に残っていた電力を使用し、後方から迫る機体にマイクロウェーブを照射、肉眼では見えない線が交点を作り出す。

 

 『何だ、この光は……?』

 

 その刹那、自分を追うMig-29の機体の背後の空間が文字通り歪んだ。初めはモヤの様な歪みは、やがて一点に集まって巨大なプラズマ光球となり、その機体全体を覆い尽くさんとする程に巨大化していく。どう見ても自然現象ではない現象に恐慌状態に陥るMig-29のパイロット。そして、気が付いた時にはその正面にガーネットの機体の姿が見えない。

 

 『くそっ、光がついてくる!! 誰か助けてくれ!!』

 

 その叫びを聞き入れたのか、近くにいた友軍が光球に向けて機銃弾を放つ。しかし、実体の存在しない唯のエネルギー体にそんな事をしても止められる筈もなく、弾丸はただ虚空を切り裂くのみ。そして次の瞬間、光に追われていたMig-29は機体の内側から爆発四散した。

 

 HPM。High-Powered Microwave weaponsの略であるそれは、外部施設からのマイクロ波送電によって必要な電力を確保している当機が、これを応用して自機と送電施設双方からターゲットに向けてマイクロ波を照射、その交点で発生する共鳴現象によって、敵機のジェット燃料を急激に加熱して爆破すると言う兵器だ。送電アンテナなどと言った受信環境が付近にないと利用できないという欠点こそあるが、弾数の制約は特に無く、対象のどれだけ装甲が厚かろうと文字通り意味がない。

 

 『味方ながら、相変わらずエグイ武器だぜ。内側から爆ぜて中身ぶちまけるとか想像したくもねぇや』

 

 自身が戦闘機の(アニマ)であるからこそ、クロームオレンジのSu-27Mを操るクロームオレンジの髪の少女、ジュラーヴリクは唸る。

 現在彼女の機体の腹には上層部がオッドアイのアニマを連れた男から購入した新兵器が搭載されているが、そのテストを兼ねた実戦にも拘らず出る幕が無いと来た。

 まぁ、唯の人間がアニマに勝てと言うのも無理な話だが、報告書にどう記載したものか。そんな考えが頭をよぎった直後、ガーネットカラーの戦闘機たちは再び編隊を組み、彼女たちの道を切り開くかの如く前進していく。

 

 『HPMに恐れをなしたか敵軍は総崩れだ!! ボーフヴォルグ隊、突撃せよ!! 我らがジュラーヴリク()()()()に傷一つ付けさせるな!!』

 

 『『『『鉄拳制裁!! 堅牢堅固!!』』』』

 

 五機のガーネットカラーの狼たちは再び光学迷彩を起動させると、戦場を文字通り食い荒らした。ある者は大口径機関銃で八つ裂きにされ、またある者は巨大な機体にも拘らず高い機動性能に翻弄され、またある者は原因不明の光球により爆死していく。

 ウクライナ軍にとって、その光景は悪夢その物だった。

 

 『バカな……何故、フェンリアが量産されて-----------』

 

 五機総出で食いつかれた爆撃機が、自機の内包していた爆弾に引火して空中で巨大な火球を咲かせるその刹那、機長の言葉は終ぞ最後まで言い切れる事は無かった。

 それが切っ掛けとなったのか、ウクライナ軍の機体は次々と撤退を開始。呆気無い程にあっさりと、戦場の空は静かになった。

 

 『BA01 制空権確保』

 

 『BA02 東方空域の敵部隊を殲滅』

 

 『BA03 周辺警戒に入る』

 

 『Volkリーダーより『グリーフニル』へ。作戦完了。二番機、三番機はこれよりお姉さまを護衛しつつ周辺警戒に移る』

 

 『『グリーフニル』了解。こちらはVolkチームへの電力供給の後、帰投する。残りの三機は此方の護衛を頼みたい』

 

 刹那、上空の曇り空が突如として歪み、光学迷彩のベールを脱ぎ払って巨大な漆黒の機体が姿を現す。それはもう、戦闘機と言うよりは輸送機、いや、それ以上もの巨体を持っていた。

 かつてロシアでは超大型潜水空母の建造計画が予定されていたが、それと同時期に考案されていたのがこの『超大型戦略飛行艇』である。

 情勢の変化に伴い、廃案となった潜水空母の代わりに人員がこちらに割かれ、ようやく完成したのだ。 

 

 当機の技術を用いて新たに設計変更が施されたXFA-33 フェンリアの仕様変更機、Su-XX ボーフヴォルグへの専用の送電システムの搭載により、サイロ数の減少や機体下部に設けられたショックカノンが小型化している等、当初の設計案と比較すると火力面の低下が見られるが、それを差し引いても以前凶悪な性能を秘めている。

 そしてこの送電システムは、現在ジュラーヴリクが装備しているレールガンにも対応しており、その性能を極限にまで高める事が可能と言う副次効果を編み出していた。

 どういう訳か、彼女らを妄信的に崇拝しているその部隊にとっては、これ以上になく素晴らしい副次効果と言って良いだろう。

 

 「待ってろよドクヒとやら。ベルクトをぶんどった罪と、祖国の意向を邪魔する事の罪の重さ。よーく勘定しておくんだな」

 

 直属の上司との交信を終えたジュラーヴリクは、人知れずそんな事を呟いていた。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 ロシア娘たちとOHANASHI(物理)するRTA第六部はーじまーるよー。

 

 前回は義足野郎を海面に叩き落した所まで来ました。

 

 六章の初日はNRTN君の精神検査から始まりますが、特に異常は見られません。精神、良し!!(現場猫)

 NRTN君が見た幻覚の内容を伝えると、YSRDOR兄貴が自浄作用の一環ではないかと考察しますが、違います。人間の仕業です。やっぱり、人間を滅ぼすのは人間自身なんやなって……(代表並感)

 

 するとお次は1000年以上前のF-15の戦闘機の写真を見せられ、いきなり章末クエストフラグ『オーパーツの謎を追え』スタートです。最初っからクライマックスだぜ!!

 まぁ、六章は戦闘パートは最後に一回しかないので、それまでの間はひたすら好感度稼ぎをする必要があります。特にロシア三人娘の好感度は独飛ルートの場合はホモがPMC所属で無い場合はマイナス補正が掛かるので非常に苦労します。ジュラ姉貴たちのイベントCGがいっぱいいっぱいゆうじろうしたい方はロシアルートに進む事をお勧めします。

 

 NRTN君とグリペン姉貴のコントを食堂で眺めたらラファール姉貴の提案により、壮大な偽装工作計画が話されます。本編ではNRTN君がモンゴルまで飛ぶ際にMNHA姉貴を誤魔化すのに手間取っていましたが、MNHA姉貴完全和解ルートに進行している場合は、寧ろ彼女も協力してくれるのでアリバイ作りの過程が大幅カットされます。

 

 ……ただし、本パートではモンゴルに着いた際にはMNHA姉貴が鎖マンならぬ鎖ウーマンと化します。理由は後述。

 

 NRTN君が学校でありもしない論文の表彰式のお話しを聞かされたら続いて空港です。なーぜーか、着いて来る気満々のMNHA姉貴とNRTN君を迎えに行きます。

 本編ではMNHA姉貴を誤魔化すために動いていましたが、本ルートでは彼らの担任の教師を誤魔化すために動くことになります。何でも、NRTN君たちが中国からの避難者と言う境遇を気に掛けて見送りまで来てくれたんだとか。ほんま教師の鏡やでぇ……RTAではロスになるので止めて欲しいですが。

 

 因みにMNHA姉貴が着いてきた理由ですが、どうやらYSRDOR兄貴が『MNHA姉貴の数少ない身内であるNRTN君をここまで振り回してしまったお詫び』として余計な気を回してくれていたようです。今回のミッションはモンゴルにある鉱山から発掘されたF-15を確認に行くだけなので、鉄火場にはならないと踏んだのでしょう。残念ながら鉄火場にはなる訳ですが、ジュラ姉貴たちの好感度を上げておくことでいくらか被害が減らせます。

 当然ホモも護衛兼戦力として連れて行かれます、がモンゴルの空港に到着するとイベントが入ります。

 

 「あれ? お前ら何しにこんな所まで?」

 

 「やっほー、お久しぶり~」

 

 「ライノ、とレオンさん!? 最近姿見ないと思ったら……そっちこそ何やってるんですか」

 

 「何って、商談だよ。俺の会社は建前上は唯のどこに対しても贔屓しない優良企業って事になってるからな。例え取引相手が今そっちが警戒している国だろうが、俺はただするべき仕事をするだけさ」

 

 「という事は、相手はロシア……」

 

 ジャズ野郎&ライノ姉貴ペアがロシア軍と商談する為にモンゴルまで来ていました。彼は自衛隊とはお得意様料金とは言え、あくまでもその出撃毎に契約しているだけの仲なので、非常時で無い時はあくまで自社の為に動きます。

 実はジュラ姉貴にレールガンを売りさばいた張本人ですが、大事なお客様だからね、仕方ないね♂。

 

 「ま、詳しい取引内容までは企業機密って奴だが、俺も俺でライノはドーターごと連れてきてるんだ。向こうさんが何かしでかしてくれた時は連絡寄越しな。お前らに死なれるのは俺も寝覚めが悪いしな」

 

 「それに、足元見られちゃ困るもんね~。唯でさえ新進気鋭な我が社だし」

 

 二人が退場したら車で研究施設付近まで移動し、観光タァイムが始まりますが、ここでホモは敢えて別行動をとります。

 大学キャンパスに到着したらNRTN君たちとは一度別れ、一足先に歓楽街へ向かいましょう。ここで大事なのはジュラ姉貴たちロシア三人娘をこの日は独飛御一行とエンカウントさせない事です。

 歓楽街に出たら料亭の辺りでもうろついていましょう。一定時間経過すると、三人娘に遭遇できます。

 

 「ヘイ!! モルガンの旦那ぁ!! 半年前の演習ぶりじゃねぇか?」

 

 PMC所属でロシアルートに進んでいない場合、ロシア三人娘とは半年前の演習で一度会っている事になります。この為、好感度補正値が若干ゃプラスされた状態で始められます。

 ただし、ジュラ姉貴の好感度だけを上げ過ぎるとサイコレズ野郎ことラーストチュカ姉貴に刺し殺されかねないので気を付けましょう。なので、ここでの選択肢は

 

 「無難に挨拶する」

 

 を選び、好感度を上げ過ぎないように注意しましょう。因みにディー・オー姉貴についてはジュラ姉貴に連動して上がる特性があるのでそれを上手く使います。

 ベルクト姉貴を残留させている場合は彼女の事を話題に取り上げられますが、

 

 「企業秘密だ」

 

 を選択し一度はぐらかします。しかし、家族愛の強いジュラ姉貴はしつこく彼女のその後について聞いてきますので、最後に出現する選択肢、

 

 「腹割っていこうじゃねぇか」

 

 を選択しますと、四人で近場のバーに行くことになります。見た目だけはどう見ても未成年ですが、アニマなので何の問題も無いね♂ この後はイベントシーンです。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 ……あたしは今、何をやっているんだろうか。少々飲みすぎたかもしれないウォッカのアルコールが回る中、ふとそんな考えが過ぎる。

 PMC、マーティネズ・セキュリティー社に所属する唯一の非国家所属アニマ。コードネーム、ホーンデッド・モルガン。実戦投入されたアニマの中では最古参の自分率いる「バーバチカ隊」をたった一機で瞬殺して見せた驚異の腕前の持ち主だ。

 EPCMによるジャミングや人間の限界を超えた機動性能と言ったアニマ特有の機能が介在しない場所。言い換えれば、もっと実戦的な経験が、このアニマには備わっている。そう感じさせるほどの戦いぶりだった。

 ……しかし今、目の前にいるのは、

 

 「-------いいかぁ? ベルクトはなぁ……もう、すっげぇ良い娘なんだぞ!? お前らが想像もつかないくらいにな!!」

 

 ただの酔っぱらって絡んでくるオッサンに近い何かだった。息は酒臭く、顔も真っ赤で銀髪、と言うよりは色素を失った白髪に近い髪も、いつもは左側に結わえているサイドテールもほどけていた。

 最初はまだ話した事も無い妹の話が聞けて心底嬉しかった。オーケー、それは認めよう。だが、

 

 「っ……先輩方に気を使えて、いつも「何か自分に出来ることはありませんか?」って手伝おうとして……健気だろう? あんなに良い子が、囮にされていいと思ってんのか貴様らぁ!?」

 

 絡み酒は正直止めて欲しい。しかも泣き上戸入ってるし。チラッと横に座っていたラーストチュカとディー・オーの様子を見ると、完全にぶっ倒れていたラーストチュカは自分の膝を枕にしながら、「……ジュラは誰にも渡さないもん」などと寝言を呟いている。頼むから涎を垂らすなよ、みっともないだろ。

 一方、ディー・オーは小首を傾げながらひたすらフライドポテトをポリポリと齧っていた。ただ、無関心と言う訳でも無いようで、時折モルガンに携帯で写真を見せて貰ってはいつもとは違う笑みを見せる。

 

 

 

 あぁ、アタシ、コイツに嫉妬してんのかなぁ……?

 

 

 

 ラーストチュカも何故かコイツの話は妙に素直に聞く事があるし、ディー・オーの表情も笑顔以外の物も引き出してくる。加えて、ベルクトの生存にも貢献したと来た。

 そりゃアタシたちは確かに兵器だ。誰かを犠牲にして100万のザイを焼き払えるのなら当然そうすべきだと考える。

 だけど、妹たちにコイツ以上の事をしてやれていないような自分が不甲斐ない。そんな事を考えさせられた。

 胸のあたりがモヤモヤする。酒焼けとかでは無いそれに気づくのに、大して時間は必要ない。

 

 「長女なのに、なっさけねぇや……」

 

 「あぁん? そいつは無いと思うぜ? 世界初の実戦投入アニマにしてこーんな可愛い子たちの長女、そして小隊長と来た。更にうっさい上役と部下の板挟みにエトセトラ……オジサンにはその苦労は伝わってるよ」 

 

 そう言ってつむじの真ん中あたりを撫でるのは止めろ、くすぐったいんだ。偶に一人称がオジサンになるのが気になるが。

 全く……今は日本に雇われている以上、明日には敵として戦うかもしれない仲だって言うのに、何をやってるんだろうか。

 敵対したとして、モルガンは一切容赦してこないだろう。昨日一緒の釜の飯を食った人間が明日の標的になる、傭兵の世界ではよくある事だ。モルガンはそこの所をきちんと弁えた傭兵だ。だからせめて……

 

 「……ベルクトの件、礼を言うぜ」

 

 「お礼ならオジサンじゃなくて鳴谷少年に言いな。俺はただ手伝ってやっただけだよ」

 

 そう言ってモルガンは四人分の会計と、あたしらの上司に向かえを寄越すよう電話をしてから店を去っていった。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 この呑兵衛イベントは自身がPMC所属であり、ベルクト姉貴を残留させることが発生条件となります。更に資金も少々持っていかれますが三人娘の内の二人の好感度を大きく上げることが出来ます。

 今回はジュラ姉貴とディー・オー姉貴ですね。正直一番上げ辛いラーストチュカ姉貴が上がって欲しかったのですが、乱数に負けた自分が悪いのでこの後の好感度調整をカバーチャートに変更するとしましょう。精々微ロスで済みますし、流石に折り返しまで来てイベントの厳選はしていられません。

 この後はホテルに戻ってファントム姉貴のラッキースケベを拝みに今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 





 オリジナル機体っぽい扱いのSu-XX ボーフヴォルグですが、

 プレイヤー仕様の機体がフェンリア。
 そこに光学迷彩と電磁兵器を搭載したボス仕様がボーフヴォルグ。

 と言った感じでの差別化になっております。まぁ、フルスペックフェンリア使おうと思ったら専用の環境必須だしね……という事での名称変更になりました。

 ボーフヴォルグ、グリーフニル共に元ネタのロシア語読みとなっております。


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~ロシア三人娘との邂逅

 いい加減仕事にも慣れてきたので再投下の時間だゴルァ!!(首切り王並感)

 久々に書いたのでRTA分が若干ゃ薄れているかもしれませんがすいません許してください、何にもしませんから!!


 リア充が多すぎて爆発させたくなるRTAはーじまーるよー。

 

 前回はジュラ姉貴たちロシア三人娘と飲み会を開いたところまで来ました。

 

 呑兵衛イベントが終わったら繁華街を抜けてモンゴル迎賓館に向かいましょう……迎賓館に向かいましょう。(なーんでホテルに戻ろうとしたんですかねぇ……)すると「組織」表の顔であり、実働部隊の隠れ蓑である「グランダー・IG社」の社交パーティー会場から抜け出してきたドレス姿のゼロツーちゃんと、彼女に連れられたスーツ姿で車椅子搭乗のヤリック兄貴とエンカウントすることが出来ます。そんなことよりさ、パーティー会場抜け出さない?

 

 彼女らも今は一戦交える気は無いようなので、普通に話しかける事が出来ます。ここでベルクト姉貴生存ルートに進行している場合だと、彼女を電話でこの場に呼び出すことが可能になりますので、真っ先に呼びましょう。なんで二択の選択肢ミスってるんですか……?(微ロス)

 

 場面が暗転してベルクト姉貴が合流したらイベントです。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「あぁ、ヤリック……良かった。また貴方に会えるなんて」

 

 「心配掛けさせて済まなかった、ベルクト。それに、君の記憶を消したことも……」

 

 「もう良いんです、終わった事なんですから……」

 

 凶弾に倒れたかに思われたが『組織』によって極秘裏に保護され、下半身不随となりながらも生き残ったヤロツラク・ギンツブルグ博士ことヤリックは、車椅子に身を預けながらもう動かせない自身の膝の上に頭を乗せて涙を流すベルクトの髪をそっと撫でる。

 もう会えないと思っていただけに、いつもは気丈に振る舞う彼女もこの時ばかりは涙を大いにこぼした。

 それを見かねたゼロツーはハンカチを彼に手渡すと、モルガンを連れてその場を去る。

 

 それからは二人だけの静かな時間が流れた。

 車椅子を引き、噴水の周りをゆっくりと周りながら、ベルクトは自身に起きた事を話した。

 日本のアニマ部隊「独飛」に保護された事、懇意にしている企業のパーティーでおでんを食べた事、やはり自分はザイを撃てなかった事、そして、硫黄島での決戦……

 

 時間はあっという間に過ぎ去り、気が付けば辺りに人気も少なくなってきていた。

 

 「……そうか、それで今、君は日本のその「独飛」で戦っているんだね」

 

 「はい、だからヤリック。あなたも一緒に来て下さい。私の方からも頼んでみますから」

 

 ベルクトは笑顔で手を差し出す。思い人が傍にいられるのなら、これほど彼女にとって嬉しい事は無いだろう。しかし……彼は一瞬手を取りそうになったが、何か思いとどまるようにしてその手を取り下げ俯く。

 

 「……ヤリック?」

 

 「すまない、ベルクト……確かに君の提案は非常に魅力的だ。是非ともそうしたい。だけど……どうしても、駄目なんだ」

 

 「もしかして体の事が気になっているんですか? そんな事、私たちは別に――――――」

 

 「そうじゃないんだ。まぁ、何と言うか……僕が生きている事を知られたら、上層部の連中は恐らく黙ってはいないだろう。それこそ、君が今いる「独飛」の他のメンバー達に危害が及んでしまうかもしれない」

 

 「それは……」

 

 言葉に詰まるベルクト。しかし、彼の言う事はもっともな話だ。

 アニマの何たるかを知っていながら、テロリストの手に落ちた事が分かれば、特殊部隊を送ってでも奪還、あるいは暗殺を仕掛けてくるだろう。

 あぁ、何と嘆かわしい事か。

 人類には共通の敵がいると言うのに、何故人類同士で争っていられるのだろうか。

 ベルクトの胸中でそんな思いが渦巻いていると、それを見かねてかゼロツーが彼女の肩に手を置く。

 

 「残念ながらドクター・ヤリックの言っている事は正しい。あのロシア当局の事だ、彼の生存が知れたらすぐにでも技術漏洩を恐れて消しに来るだろう。ましてや、我々の様なテロリストの手に落ちているとなれば尚更、な。貴様もロシア製のアニマならそれぐらいの事は分かるだろう?」

 

 「そんな……折角また会えたのに、あんまりです……」

 

 ゼロツーの言葉に項垂れるベルクト。ようやく巡り合えた思い人との逢瀬と呼ぶには、余りにも短すぎる時間は、静かな慟哭と共に終わりを告げていく。

 そんな彼女の頭を撫でたのは、ヤリックだった。

 

 「心配しなくていい……って言うのも無理な話だろうけど。また会えるよ、きっと、いや。絶対に」

 

 「ドクター、残念ながらそろそろ時間だ」

 

 「待って下さい!! せめてもう少し、いや、いっそ私も―――――」

 

 ベルクトはヤリックの座った車椅子を引き、噴水広場から去るゼロツーを追いかけようとするが――――

 

 

 ◆◇◆

 

 

 ここで選択肢が出るのですかさず、

 

 「往生際が悪いぜ、お嬢ちゃん」

 

 を選び、ベルクト姉貴を引き留めましょう。ここで引き留めないとベルクト姉貴が「組織」側に回ってしまい、メイン盾がいなくなってしまいます。

 仮に彼女が敵に回ってしまった場合ですが、ミサイルの類はTLS(AEGIS type)の範囲防御に全て叩き落されてしまうので機銃かレーザー兵器でダメージを与えるしかありません。しかも撃墜した時点でトゥルーエンドを目指せなくなるオマケ付きです。

 

 更に兵装を積んでいないドーターなので機動力もすこぶる高く、あのワイバーンに唯一格闘戦を挑めるほどです。まともな火器を積んでいない事が唯一の救いと言っても良いでしょう。

 この高機動高防御力が敵に回ってしまうと余りにも厄介ですが、このルートの場合ヤリック兄貴が終章まで無条件で生存するというメリットがあります。

 しかし、RTAでは大抵の生存条件は満たしながら突き進めるので、この場では引き留める事を選択しました。

 さて、殺意の波動に目覚めかけたベルクト姉貴ですが、

 

 『何故止めたんですか!?』に対しては

 

 「今生の別れじゃない」

 

 『どうしてそう言い切れるんですか!?』に対しては

 

 「彼にも考えがある」

 「巡り合うその時までは俺が守ってやんよ」 

 

 を選択し、ベルクト姉貴の好感度調整をしつつ宥めたらホテルに戻り、さっさと寝ましょう。少年一人に美少女多数が一つ屋根の下。何も起こらない筈が無く……卑猥は一切ない、イイネ?

 

 翌日ですが今度はNRTN君とMNHA姉貴のデートの監視任務になります。ちょっとリア充多すぎんよ~。

 ルートの最適化を行う為、ホモがいると避ける性質を生かし、所々先回りして『ショッピング→昼食→噴水広場』の順番になるよう誘導させましょう。

 また、このデート尾行の際、前日に呑兵衛イベントを発生させている場合は中央広場の辺りでロシア三人娘とエンカウントすることが出来ます。その際ですが、ジュラ姉貴の

 

 『日本のJAS-39 ANMは二人乗りらしいが、もう一人はどんな奴だ?』に対しては、

 

 「骨のある面白いガキ」

 「写真を見せる」

 

 を選択し、ジュラ姉貴たちにNRTN君の写真を見せます。すると、何やら気になるところがあったらしく、ジュラ姉貴は二人を置いてどこかへ行ってしまいます。

 ラーストチュカ姉貴の提案(という名の半ば脅し)には素直に従うことで、ホモもディー・オー姉貴と共にジュラ姉貴を追うことになります。

 

 はい、これが少し前に話したカバーチャートですね。乱数次第では必要の無くなる工程になります。 

 こうすることにより、ラーストチュカ姉貴の好感度を上げられるので、呑兵衛イベントで足りなかった分の補助になると言う訳ですね。

 最後に噴水広場でイベントを回収することで、直接次のシナリオに移ることが出来ます。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「いや~、買った買った!! こんなに買い物したの久しぶりだよ~」

 

 「はは……随分とまぁ……」

 

 公園の噴水広場に備えられたベンチに座り、うんと伸びをする明華。彼女の横には大量の衣類などが紙袋に詰められている。

 当然慧はその荷物持ちをさせられた訳だが、日ごろ鍛えていたお陰か思ったよりも疲れてはいなかった。

 

 それよりも、普段テーマ―パークにでも行かない限りお目に掛かれないような数々の民族衣装を着てみたり、風土料理を食べてみたりと、久しぶりに過ごした休日らしい休日に、慧は少し安心感を覚えていた。

 思えば、明華のいつも以上に溌剌とした姿は久しぶりに見た気がする。もしかしたらあの買い物の量は(自衛隊の給料があったので何とかはなったが)彼女の中に抑えられていた抑圧の発露なのかもしれない。

 

 「けどさぁ~、慧が自衛隊で例のバイトをしてくれなかったら、こんなモンゴルまで来る事なんて絶対無かったよね」

 

 「まぁな、結局明華には心配掛けっぱなしな訳だけど。多分今日の自由行動や、明華を連れて来てくれたのも、八代通のせめてもの罪滅ぼしのつもりだろうけどさ」

 

 「そりゃあ、慧はザイと戦いに行っている訳だし、無事で帰ってこれる保証なんてどこにも無いもんね……ねぇ、慧」

 

 異国の民族衣装を身に纏い、普段見慣れない格好をした幼馴染の姿に慧は微かに胸を高鳴らせながら、改まった姿勢でこちらに向く明華を見据える。

 先程までのお出かけムードとはまた違った空気だと言うのは、幾ら鈍感な慧でもその違いに気が付いた。

 

 「やっぱりこのバイトって、本当に慧にしか出来無い事なの?」

 

 「……あぁ。前にも話したと思うけど、俺が傍にいてやらないとグリペンは体調不良に陥るんだって」

 

 「そりゃあ、私だってグリペンさんには元気でいて欲しいけどさ。結局の所慧は正式なパイロットじゃない訳じゃん? 慧よりも他の自衛隊の人が操縦した方が良いんじゃって……」

 

 確かに慧は正式なライセンスは持ってはいない。それどころか、数か月前まではごく普通の避難民の高校生だったのだ。以前中国本土にいた頃にセスナを多少触った事があるくらいで、訓練すらまともに受けておらず、はっきり言って彼単体の知識や能力、それらを含めた練度は傭兵であるモルガンや、元トップガン主席であるレオンは勿論、一般の航空自衛隊員にさえ劣るのだ。

 

 しかし、彼女の言う通り不思議な話ではある。何故、唯の高校生に過ぎない自分が、彼女のパートナーに選ばれたのか。

 しかし、例え自分が能力不足だとしても、慧はもう機体を降りる気は無かった。

 

 「確かに不思議な話だけどさ。何か放っておけないんだよ、アイツの事。今ここで傍にいるのを止めたら、ずっと遠くに行っちまうような気がして、さ」

 

 「まぁ、グリペンさんって確かに何か放っておけないところあるよね。すぐ転ぶし。それに、慧はお人好しだからね~。馬鹿が付くくらいに」

 

 「おい、馬鹿は無いだろ?」

 

 「……まぁ、そう言う所は嫌いじゃないんだけどさ」

 

 「ん? 何か言ったか?」

 

 静かに呟かれた明華の一言は、突如として吹き上がった噴水の水しぶきによってかき消される。この公園の噴水は1時間ごとにこのように盛大に吹き上がるのだ。

 タイミング悪く言葉を遮られ、僅かに顔を赤らめる明華と、何を言ったのか聞き出そうとする慧。その二人の、傍から見れば十分付き合っている男女のそれにしか見えない光景に、頭を掻きながら歩み寄る少女がいた。

 

 「あ~、ったく……見てらんねぇよ、日本人(ヤポンスキ)のお兄さんよ。見せつけてくれやがって、甘々かよ」

 

 バツが悪そうに頬をかきながら迫るクロームオレンジのアニマ、ジュラーヴリクは二人の前に立ちはだかる。ラーストチュカとディー・オーは連れてきてはおらず、現在は彼女一人だ。

 その独特な髪色からアニマと判断した慧は、明華を自分の背に庇うようにしながらベンチから立ち上がり、警戒態勢を取る。

 

 「お前はまさか、ロシアのアニマか……っ!? 何でこんな所にいるんだ?」

 

 「そう警戒すんなって。今のあたしはプライベートで来てんだ。お兄さんらのデートの邪魔をするつもりはこれっぽっちも無かったって。アタシはロシア航空宇宙軍、第972親衛航空戦隊、アニマ飛行部隊、通称……バーバチカ隊長、ジュラーヴリクだ」

 

 ジュラーヴリクは敵意は無いと手をヒラヒラとさせ、ジャケットの裏も開けっ広げて見せる。少女特有の華奢な体躯を包み込む袖無しブラウス姿と、ほのかに広がる柑橘系の香水の匂いを否応なく慧に認識させ、彼は顔を赤らめるが、同時に遠くの草むらから何かを握り潰すような音が聞こえた。

 

 同時に明華もどこか不機嫌そうな視線を慧に向けるが、頭を振り、何とか正気を取り戻す。今この瞬間ことを構える気は無いようだが、相手は現状最も警戒すべき国、ロシアのアニマなのだ。いつまでも府抜けている訳にはいかない。

 しかし、そんな慧の意思を知ってか知らずか、ジュラーヴリクは自己紹介をするとフッ、と微笑む。 

 

 「……ま、確かにモルガンの旦那の言う通り面白そうなやつではあるな」

 

 「あなた……モルさんのことを知っているの?」

 

 「おいおい、旦那は傭兵なんだぜ? 今は日本に雇われているそうだが、そりゃ当然アタシらの祖国ロシアにも雇われていた時期もあるってもんさ。まぁ、その様子を見た限り、旦那の口の堅さには感謝しておくべきか……」

 

 「逆に俺の事は話されたのか……」

 

 この扱いの差は何だろう、そんな考えが頭をよぎったが、ジュラーヴリクはそれはさておいて、と話題を切り替えると、いきなり慧に対して頭を下げた。

 

 「旦那から話は聞いている。ベルクトの事、尊厳を持って扱ってくれた事に礼を言う。アンタの熱意が日本のお偉いさんを動かしてくれたんだろう?」

 

 突然の事に困惑する慧だが、彼女の様子を見た限り本当に敵意は無さそうだ。それを感じ取ると、慧は頭を上げてくれ、と言い、自分は大したことはしていない、と、自分が今までしてきたことを伝える。

 

 「それに、さ……ベルクトの誘蛾灯は俺達が直接治した訳じゃないんだ」

 

 「? そいつはどういう事だ?」

 

 「なんか、気が付いたら治ってたらしいんだ。この前の硫黄島での戦闘が終わったその時からさ」

 

 「……不思議な話もあるもんだ。せっかくの妹だし直接顔合わせぐらいはしたいんだが、さて……」

 

 数舜瞑目するジュラーヴリクだが、自身の背後から中々消えない気配に改めて意識を向けると、草むらの方に歩み寄る。

 そこには案の定と言うか、嫉妬と怨嗟が入り混じったような表情のラーストチュカと相変わらずにこにこ笑っているディー・オー、そして苦笑いを浮かべたモルガンの三人が隠れて様子を窺っていたのだ。

 その様子を見て、ジュラーヴリクは溜息を吐くのであった。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 リア充多すぎてやめたくなりますよ走者ぁ!!(憤怒)

 

 コホンッ、いかんいかんつい走者の本音が……さて、ジュラ姉貴がこちらに気が付くと、嫉妬に狂ったラーストチュカ姉貴がNRTN君のことを「おい、やっちまおうぜ、やっちゃいましょうよ」(要約)とジュラ姉貴とディー・オー姉貴を煽り立てるので、すかさず

 

 「おだてて止める」

 

 を選び、NRTN君のSATUGAIを阻止します。まぁ、どの選択肢を選んでもここでSATUGAIはされないんですけどね。

 完全に状況に置いてけぼりなMNHA姉貴が「なんなの……この人たち」(完全平和主義並感)状態になっていますが、とりあえずこの場はジュラ姉貴が場を取り繕うことで何とかなります。長女の苦労が伺えますねクォレハ……

 時間切れが訪れ、去り際に上空から衛星によって監視されていることを伝えてくれますが、時刻はまだ夕方に差し掛かる前、お気づきの通り本編よりもタイミングが早いのでここからのホモの行動次第では犠牲者を減らせます。

 

 噴水広場から去っていくジュラ姉貴たちを見届けたら今度こそファントム姉貴のラッキースケベを拝みにホテルへ向かい今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

 




 マキオンたのちい

 六巻内容分はそれほど間を開けず投稿するつもりです。したい(切実)。


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~ホテル脱出

 あの日焦がれた自由を勝ち取りたいので初投稿です。

 ちょっと更新遅くなぁい?


 電撃イライラ3Dアァクション脱出ゲイム♂(ポロリもあるよ!!)なRTAはーじまーるよー。

 

 前回は噴水公園で数々のリア充カップルのイベントを回収し、ジュラ姉貴からの宣戦布告と警告を受け取った所まで来ました。

 公園でのイベント回収が終わったらすぐにホテルに向かいましょう。この時にNRTN君にジャズ野郎に連絡させることを忘れてはいけません(1敗)。でないと市街戦でホモ一人で大立ち回りをする羽目になります。この難易度ACE COMBATではロシア軍特殊部隊も戦闘機を繰り出してきますのでイーグル姉貴一人では手に余ります。

 

 通常機がドーターに勝てる訳ないだろ!! とお思いの視聴者兄貴達もいるかと思われますが、いかんせん繰り出してくるのがボス仕様フェンリアことボーフヴォルグなので光学迷彩を所持しており、彼女一人だと膠着状態に持ち込まれてしまいます。

 後衛に控えている戦略飛空艇グリーフニルにはこの段階では手が出せないので、奴らの光学迷彩を解除する事ができません。逃ぃぃげるんだよぉぉおおおお!!

 

 ホテルに到着したらエントランスを特殊部隊員にばれない様に潜り抜けつつ、柱の裏にいる私服姿のロシア特殊部隊員二人に対して当身コマンドを仕掛けます。特殊部隊員は難易度最高クラスですが、ホモのステータスであれば万が一ミスっても一撃は大丈夫です。まぁ、ミスらないんですけどね。(完全勝利S)

 このタイミングで特殊部隊員を始末しないと、貨物エレベーターから抜け出す際に拉致られた受付嬢が射殺されるイベントが挿入されてしまい大ロスです。更に言うならNRTN君が人類に絶望し掛けるので、この後で入手可能な筈のトゥルーエンドフラグを回収できなくなります。

 

 さぁて、お待たせしました。ここまで来ればもう一息です。特殊部隊員をCQCコマンド薙ぎ払いつつNRTN君より早くセーフハウスの部屋に辿り付く事で……

  

 「全く、騒々しいですね……一体何が……っ!?」

 

 ファントム姉貴がバスルームから出てきて今作屈指の美麗イベントCG『邪魔されたバスタイム』を取得できます。バスタオル一枚の上から分かるファントム姉貴のボディラインがセクシー……エロいッ!! 自キャラを男にし且つこの時点でファントム姉貴との好感度が最大値だと赤面した表情が見られますので、差分を回収したい方は走って、どうぞ。

 

 「あら、誰かと思えばおじ様ですか。いくら今は女性の体とは言え、男が女性の湯あみを覗くのは犯罪ですよ?」

 

 「ばーか、んなこと言っている場合じゃねぇんだよ。八代通の大将は?」

 

 「お父様でしたら隣の部屋です。その様子ですと、どうもただ事では無いようですが……」

 

 ファントム姉貴からYSRDOR兄貴の居場所を聞き出すと隣室のロックが解除されますので、すぐさま向かいます。この時、通路が結構狭いので壁に突っかからないように操作しましょう。

 YSRDOR兄貴の部屋に着いたらベルクト姉貴とNRTN君御一行も到着し、ホテルからの脱出ミッションがスタートします。残念ながらホモ達は武器を持たされていないので、必要分は現地調達するしかありません。

 ですが、その為に行きで私服の特殊部隊を薙ぎ払ったので、下る時に気絶している私服特殊部隊を調べる事でハンドガンとスタングレネードを入手できます。

 

 ここで本難易度特有の問題が発生します。そう、本編にはいなかったMNHA姉貴の存在です。MNHA姉貴はNRTN君たちの事情を知っているとは言え、そこはやはり一般通過市民。銃撃などに耐性が無く、ショートカットの際に避けて通れない完全装備の特殊部隊員を相手にする際に高確率で人質に取られるか最悪射殺されます。

 MNHA姉貴はジャズ野郎などの準メインキャラでは無く、純粋にメインキャラなのでここで死なれると即ガメオベラです。この場合、おまけとして(?)NRTN君完全闇堕ちエンドが見られます。

 因みにベルクト姉貴はやる時はやる子なので鉄火場でも大丈夫です。

 

 さて、件の問題個所に来ました。

 ここからは一ミスも許されません。特殊部隊員が通路の角から姿を現したらすぐにスタングレネードを選択し怯んだ隙に懐に飛び込み当身コマンドを三連続で成功させてからゼロ距離射撃で射殺すると丁度次の特殊部隊員が格闘を仕掛けてくるのでこれも見てから1フレームくれるんですかやったーの精神で当身を二回連続で決めつつ怯んだ隙にナイフを奪取して刺殺します。

 

 血まみれになりながらも不意打ちで何とか仕留める事に成功しました。目の前での殺人にMNHA姉貴のSUN値がダダ下がりしますが、NRTN君のステータスの合計値が足りているので彼女を叱咤し、踏みとどまらせてくれます。よう言うた、それでこそ男や!!

 

 ショートカットルートで貨物用エレベーターに乗ってさえしまえば後は消化試合です。

 受付嬢殺害イベントはフラグをへし折ったので発生しません。更に特殊部隊員が数名押し寄せますが、ASKR書記官がどうにかしてくれるので心配は無用です。

 脱出用の車に乗ったら全速前進DA!! する前にMNHA姉貴とグリペン姉貴が僅かに乗り遅れ、彼女たちに手を差し出すイベントが入ります。

 この時に出る選択肢ですが、

 

 『グリペン姉貴の手を取る』

 

 を選びます。実はここ、エンディング分岐が発生していまして、トゥルーエンドを迎える際には彼女の手を取る必要があります。

 手袋が犠牲になりましたが、本編と違い乗車に成功するグリペン姉貴。

 この後は特殊部隊とのカーチェイスを繰り広げる羽目になります。ここでは左右か前を指示するのですが、その選択順は

 

 『右 右 左 前 右 左 左 右 前』

 

 の順番になります。一個間違えると約五秒ほどロスになります、気を付けましょう(3敗)。

 最終的に広場に到着しますが、そこは既に四面楚歌、完全に包囲されていると思いきや、イーグル姉貴とライノ姉貴&ジャズ野郎ペアが救援に来てくれます。

 この時、初めて見るボーフヴォルグに対しての特殊セリフが聞けます。

 

 『コイツっ!? 姿が消えやがるぞ!? ライノォ!! 照準補佐は!?』

 

 『データに無い機体だし無茶言わないでよ、ね!!』

 

 『クソッ、ああも綺麗に消えられちゃあ、メクラ撃ちも出来ねぇ……!!』

 

 ザイノ姉貴化している場合はここで彼女たちが撃墜される事はありません。ザイノ姉貴では無くライノ姉貴の場合だとステータスが足りていない場合は被弾し、次の出撃に出せなくなってしまうので気を付けましょう。その場合でもホモ達は助かりますが、膠着状態から更に地元警察の救援を待つ必要があるので大ロスになります。

 

 ✝日を改めて✝、空港付近の病院に場面が変わり、NRTN君の病室に訪れると、グリペン姉貴にジークブリーカーを仕掛けているNRTN君と、それをジト目で見つめるMNHA姉貴が見られます。

 その後に合流したYSRDOR兄貴が軽く世界の真実に触れかけた事を話します。何でも、ベルクト姉貴を調べていた際の演算結果から発見したもののようで曰く、

 

 『この世界はシミュレートデータだった……?』

 

 と言った物です。まぁ、あながち間違いじゃあないんですがね……。

 この後は出撃準備です。ジャズ野郎を雇ったら散弾ミサイルの威力をチューンアップしましょう。

 ここから先は最終面を除いてTLS、モルガナイト、散弾ミサイルの三種の神器を使うのですが、いかんせん通常ミサイルが無いので総火力不足に陥っています。これが何を意味するかと言うと、過度に外すと機銃オンリーで戦う羽目になる上に、モルガンはそこまで機銃が強くありません。つまるところ大ロス確定なので弾切れには気を付けよう!! と注意喚起しつつ、出撃準備完了したらNRTNくんとグリペン姉貴たちのイチャラブシーンを見届け今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。

   

 

 

 ◆◇◆

 

 

 

 

 モンゴル グランダー・IG社 モンゴル支部工場地帯

 

 

 その日、『組織』の実働部隊隊長であるゼロツーと、技術顧問となったヤリックは、モンゴルに構えられていた工場に来ていた。

 表向きの立場は大企業の社員であるのでスーツ姿となり、サングラスで変装したヤリックを車椅子で引きながら、同じくぴっちりとしてボディラインの浮き出たパンツスーツ姿のゼロツーは尋ねる。 

 

 「本当にあれで良かったのか? ドクター・ヤリック」

 

 「何がだい? 教主様」

 

 「……その呼ばれ方はあまり好きじゃないんだ、ゼロツーと呼べ。何が、とは言われなくても分かるだろう。その気になれば彼女をこちら側に引き込むこともーーーー」

 

 「それは……多分、無理かな。ベルクトは君たちの考えには絶対に賛同しないよ。僕だって半分は否応無くって感じだしね。けれど……」

 

 ヤリックは一度そこで言葉を切ると、特級の社員のみに与えられる金の装飾が施されたライセンスカードをスキャンさせ、大型倉庫のシャッターのセキュリティーロックを解除する。ゴウン……と轟音を立てながらゆっくりと開いていくシャッターを見届けながら、言葉を続けた。

 

 「同時に、半分は賛成しているんだ。仮に僕たちがザイと対話出来て分かり合えたとして、その後の世界はどうなる? 君の言う『予言』を信じるのであれば、今の世界のままじゃ、確かにこの時代の二の次になるのは目に見えているからね。前線でいくらあの子たちが頑張ってくれても、上がそれに応えてくれないんじゃ、報われないよ」

 

 アニマを逃がしたとはいえ、釈明も聞かず自国の特殊部隊に問答無用で即射殺されそうになったことを思い出しながら、ヤリックはスーツの上からわき腹に手術痕の残る銃傷をさする。

 

 「だから、僕は協力するんだ。もうベルクトや君たちが道具として使われないようにする為に。人類が罪を背負って尚、共に歩めるように」

 

 「そのために我々が背負う十字架が、これと言う訳か……」

 

 上がり切ったシャッターの先に広がっていた空間は大型ジャンボジェット機が数機は裕に格納出来るであろう広さだった。各所で航空機の部品にしてはやけに大型なパーツが次々と組み上げられ、一つの超大型な純白の機体を構築していく。その形相はまるで、弾薬庫を抱えた超大型の鳥の様だ。

 その一角には組み立てが終わりつつある随伴用の五機の同型機と、その系列機のドーター三機が駐留しており、同時に整備点検が行われている。

 ドーターの傍で整備員と打ち合わせをしていたパイロットスーツ姿の褐色肌の少女はこちらに気が付くとにこやかに手を振った。

 

 「やぁ、ゼロツー。今日はドクター・ギンツブルグも一緒なんだね」

 

 「はい、ゾーイお姉さま。『コア』の調整が最終段階に突入したとの報告を受けてドクター・ギンツブルグを連れてまいりました。ドクター・シャンケルはどちらに?」

 

 「付いてくると良い。案内するよ」

 

 ゾーイは二人を別の区画へ案内した。そこでは何やら無数のケーブル類を張り巡らされたシリンダーの様なものが部屋の中心に鎮座しており、複数の研究員が端末に記された仕様書を見ながら調整作業を進めている。

 その中でもひときわ目立つ長身だが猫背のシャンケル博士はヤリックを見かけると、やや興奮した様子で話しかけてきた。

 

 「い、いやはや、素晴らしい。博士の理論は実に、全くもって素晴らしい!! わ、我々の研究してきたナーヴ・サイコ・デバイスやブロウラーなど取るに足らずだ。この研究をDARPAにいた頃に出来ていれば……っ」

 

 「偶々『彼』を死なせない方法がこれしか無かっただけだよ。どのみち非人道的である事に変わりはないから、あまり褒められた技術じゃないけどね」

 

 「……は、博士。我々は既にアニマという所謂生体CPUを作ってきた身だ。そ、その言葉は今更、というものではないかな?」

 

 「そうだったね……さて」

 

 ヤリックは研究員から手渡されたノートパソコンにコマンドを打ち込むと、シリンダーのカバーが空気の抜ける音と共にスライドし、その中身が露になる。

 その中にあったのは、シリンダーを満たす液体の中で胎児の様に蹲る少年だった。しかし、その両手足はコネクタの様な物こそ窺えるが、()()()()()()()()()()()()()、生身の手足がそこにはあった。

 

 「()の回収には相当苦労したそうですよ。水圧と火にやられて体は形を保っているのも奇跡な状態で。辛うじて脳髄だけでもこうして移植できたのは、彼の執念でしょうか?」

 

 研究員の一人が報告書をヤリックに手渡しながらそう言う。

 そこに写っていたのは、大破して海上に浮かぶヴィルコラクの残骸、より正確には切断、回収されたコックピットブロックと、力なく鋼鉄の両手足をぶら下げた状態で回収班のヘリによって釣り上げられていく全身傷だらけの青年の姿だ。

 

 「執念、か……人の思いの強さが可能性となるのなら、彼もまたその領域に立ったのだろうな」

 

 ヤリックは人知れずそう呟くと、自身の手で車椅子を回し、シリンダーの前にまで接近する。すると、中で蹲っていた少年がその気配に気が付いたのか、うっすらと目を開いた。

 

 「おはよう、スレイン君。いや、今の君にその名は相応しくないね。なんて言ったって、君は生まれ変わったのだからね」

 

 (…………)

 

 生まれ変わった? そう口にしたようだが、液体に遮られて音として出力される事は無く、ただゴポゴポと泡を出すばかりだ。

 しかし、シャンケルはそれに答えるかのように高らかに宣言した。

 

 

 

 「そ、そうだとも。今日から君はアーセナルバード級のデミ・アニマ、コード名『ザヴォーディラ(始まりとなる者)』となったのだから」

 

 

 

 

 




 マキオンたのちい(二回目)

 最近ではいろんな配信部屋に出没してます。
 やたらウワァー!!してくる隠者か★5以上のVガンかS覚醒銀スモだったら大体私の可能性が高いですよ。


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~VSロシア三人娘

曖昧なまだ見えない明日にだって君となら飛べそうなので初投稿です。

前回の投稿から二か月経ってるとかこれマジ?


 ある男の独白5

 

 

 さて、ここまでは概ね俺の予定通りに事が進んでいると言って良いだろう。まぁ、ライノの姿や明華がこちらの事情に一枚噛んで来るなど、少々予定外の事があるが、『俺の望む世界』にはさして影響はない。寧ろプラスに働いてくれていると言っても良い。ある程度覚悟していたとは言え、最後の最後まで事情に噛まされない幼馴染のあの顔を、一つ選択肢を間違えれば即世界から消されるあのアニマを、何度も見続けるのは此方としてもアレだったからそれはそれで良しとしよう。

 

 現在はあのロシア三人娘と一戦交える事になる少し前だ。

 

 久々に自分の意思で動こうと思いモルガンに頼み、現在の肉体の主導権は俺にある。この病院の敷地を歩くのも随分久しい。今思えば、あの技官と久しぶりに出会ったのもこの病院だったな。

 そんな過去……いや、『この時代から見れば』未来の思い出に浸りながら、星空の良く映える空き地へと足を進める。都会と違い、田舎は良い。町明かりが無いから吸い込まれそうなほど綺麗な夜空が良く見える。

 

 そんな夜空を堪能しながら歩いていると、そこに彼女がいた。

 

 「よう、グリペン。何してんだ?」

 

 「モルさん……星空、見てた」

 

 「そりゃそうだろうよ……隣失礼しても?」

 

 グリペンが頷き、俺は彼女の隣に座る。見上げた夜空は今にも吸い込まれそうなほどの夜空を二人で静かに眺めていると、不意に言葉が漏れる。

 

 「まぁ……なんだ、お前たちが無事で良かったよ」

 

 「私もモルさんや慧、ハルカや整備の人達、それに明華も無事でよかった」

 

 けど、と彼女は一度そこで言葉を切る。

 

 「本当は死んでほしくなかつた。私たちを追いかけてきたあの人たちも」

 

 「自分を殺そうとした連中まで死んでほしくない……か。相変わらず目標に愚直と言うかなんというか……変わらないな、お前のそう言う所は」

 

 「変わらない……けど、モルさんとはまだ知り合って半年程度しか経っていない、だからあまり変わらないのは当然」

 

 「まぁな……なぁ、グリペン。もう気付いてんだろ? ()()()()

 

 「……確信はない。今の貴方はラファールのドーターを回収した時に一瞬感じたそれと同じなのは分かる。けれど……私には貴方が誰なのか分からない」

 

 覚醒の時が近いだけあって、彼女も薄々は俺の存在に気付いてくれていたようだ。いくら今この時は全てを思い出してい無いとは言え、流石は特異点と言われるだけの事はあるか。しかし、彼女にはともかく、鳴谷少年らに自分から正体を明かすにはまだ早い。せめてもう少し先が望ましい。だから今は、分からないならそれでいい、とだけ伝えて俺は体をモルガンに返した。

 

 「……ふぅ、旦那のわがままに付き合うのも大変だぜ」

 

 「あ、戻った?」

 

 「まぁ、なんだ。黙っているつもりは無かったけどよ。おじさんには時折ああして神卸しが発生しちまうのさ。分かりやすく言うならさっきの俺は変な電波を受信したスピーカーって所だな」

 

 電波とは随分な物言いだな。まぁ、未来から来た存在の意思という事なら、その例えは皮肉にも間違いとも言い切れないが。

 モルガンが彼女と他愛のない話をしていると、よろけながらも肩を明華に支えて貰いながら夜の散歩をしていた鳴谷少年と丁度遭遇した。どうやらグリペンを探していた様だ。

 

 「あ、グリペンさんこんな所にいたんだ。慧が随分探してたんだよ?」

 

 「悪いな、明華。病院抜け出すの付き合わせちまって。どうしてもお前に聞きたいことがあってさ」

 

 「慧に明華……それで、要件は?」

 

 夜空の星が外套の光に邪魔される事無く入るからか、星明りに照らされたグリペンの表情が僅かながら陰るのが見えた。

 そりゃそうだ。この段階での彼女は鳴谷少年に好意を抱いている。様子見で潜った一回目のループでは随分と仲が進展していたし、今回もそうなのだろう。ある意味ここに関しては余程の事が無いと裂けそうにないが、その方が俺も安心できると言うか。

 

 僅かながら嗚咽の混じったグリペンの慟哭が響く。一緒に居たいのに近くにいるのが最近変に怖くて、楽しければ楽しい程辛くて、いつも一緒なのは分かっているのに、それでも……と、彼女の心が決壊しそうになる。

 

 その様子を見て少年が迷っている。何をするべきかがまるで分っていない状況だ。

 

 

 だから俺は、溜息を吐きながらそっと鳴谷少年の背に回り、その背中を突き飛ばすようにして押してやった。

 

 

 「おっ、ととっ!?」

 

 「「慧!?」」

 

 少年の体勢の崩した先にはグリペンが、そして怪我人の少年を支えようと明華ちゃんが彼の間に割ってじゃいろうとするが、全員バランスの整え方がかみ合わず、そのまま三人が崩れ落ちる様に草原に倒れる。収まってから良く見てみれば二人の美少女に少年が挟まれる裏山シチュエーションだ、このハーレム主人公め。

 

 「いってて……モルさん何するんで、す……か……?」

 

 「「………」」

 

 なーに照れくさくなって固まってんだよ少年。それにグリペンも明華も固まっちまって、思いの丈を告げる絶好の機会じゃぁないか。

 しょうがないのでオジサンがとりあえず一言言ってやるか。

 

 「ははっ、悪い悪い。けどまぁ、何だ……一人でその道が見つけられないってんなら、お前さんら三人で探していけば良いじゃねぇかよ」

 

 「私達、三人で……?」

 

 「俺たちアニマは世間一般じゃ、道具程度にしか見られねぇ。けど、お前さんたちの仲の良さならアニマと人間の架け橋になれるかもしれねぇだろ? ゆっくり……考える時間はねぇかもしれんが、じっくり探していく分には良いんじゃねぇのか?」

 

 この綺麗な星空でも眺めて考えな。と告げておじさんも少年達から少し離れた位置に座り込む。

 

 「慧達と……ずっと一緒に居たい。その方法を……探したい」

 

 「ねぇ慧……見つけられるかな? 私達」

 

 「それは、今は分からないけど……いつか、俺―――」

 

 そう少年が意気込もうとした瞬間に、ファントムの嬢ちゃんが咳払いと同時に現れた。いや、そこにいたのは最初から知っているんだが、もう少しタイミングと言うものをだな……

 オジサンは心の中で溜息を吐きながら、少年共々明日出撃が決まった事を告げられるのであった。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 じゃんじゃじゃ~ん!! 今明かされる衝撃の真実ぅ!!(真ゲス)なRTAはーじまーるよー。

 

 前回はジュラ姉貴の警告を受けたホモ達が死亡フラグをへし折りながら、ホテルを上手いこと脱出した所まで来ました。

 

 出撃前のイベントシーンですが、ホモがNRTN君の背中を押していれば順調にフラグを回収し、グリペン姉貴との好感度調整が成功している事になります。これは、高過ぎても低すぎても発生しないからなんですね。 

 そんな川の字イベントを見届けたら空戦パートに入ります。最初はモンゴル空軍のレーダープラットフォームを全て撃墜する必要があります。ですが、この気球は別に攻撃はしてこない上に浮遊位置は固定です。有効射程が最も長いファントム姉貴に管制指示を行って無人機を飛ばし、気球を全て破壊させます。

 四機の気球を全て破壊すると、ファントム姉貴の『良く分かる、現在の日本とロシアの戦力比講座』が開かれますが、本編とは若干ゃ内容が異なります。

 

 「グリペンはステルス機能は無いが第4世代にするには電子機器が高性能と言う事で第4.5世代。ベルクトもこれだな。モルガンは試作機だが、性能から見て5世代相当だろう」

 

 (レオンさんのライノは何世代とか言う前に、半分航空型ザイだよな……?)

 

「因みに私は第3世代ですね。今の独飛の戦力を世代で表すと約4.8世代。それに対してバーバチカはSu-27M-ANM ジュラーヴリクが第4.5世代。Mig-29SMT-ANM ラーストチェカが第3世代。ディーオーがMig-21だと第2世代で約3.2世代。約1.6世代上回っていますね」

 

 ところがどっこい、パクファ姉貴はバリバリの第五世代機な上に、ドーターでないにしろ面倒な機能を満載したボス仕様フェンリアことボーフヴォルグ5機が待ち構えています。

 アニマ数で言えば優位ですが、光学ステルスはアニマ補正の高誘導ミサイルすら誘導切りをします。TLSやレールガンを用いないチャートであればハッキリ言ってRTA最大の鎖マンと言って良いでしょう。

 光学迷彩はランダム周期で付いたり消えたりするので、ステルスが働いていない瞬間に散弾ミサイルを撃ち込む必要があります。ここばかりは祈るしかありません。

 

 

 「よぉ旦那ぁ、馬鹿どもの包囲は抜けられたようだな。無事で何よりだぜ」

 

 「お陰様でな、あんがとよ」

 

 「あたしのアドバイスは役に立っただろう? できればもう1つの注意も真摯に受け止めて欲しかったがな。命が惜しければさっさと引き揚げろ。ーー警告した筈だぜ?」

 

 「ですが、お姉さま……っ!! 今はこの様に争っている場合では」

 

 「おっと、幾ら妹分でもその言葉は聞き入れられねぇなぁ。言っただろう? 2度目の慈悲は無いと。残念だよ。こんな形で妹分とその恩人を失う事になるなんて」

 

 「そんな! 私は……」

 

 「ベルの嬢ちゃん、一つ教えてやる。俺達傭兵ってのはな、いつ、どこで、誰が敵になるかも分からない世界に居る。昨日は笑いながら同じ飯を食った奴が明日は戦場で敵同士で向かい合う瞬間がある。だからさ、あれは敵だ。割り切れよ。じゃないと……死んじまうぜ? お前」

 

 「旦那は殺る気みたいだな」

 

 「それが仕事なんでな。俺としても元教え子に手を上げたくはないんだが……」 

 

 「……蹂躙してやるよ」

 

 「やってみな、嬢ちゃぁん!!」

 

 敵戦闘機を確認。Su-27M-ANM ジュラーヴリクです。

 敵は、高火力のレールガンを装備、軸線上に位置取るのは危険です。

 何らかの電子的支援を受けており、レールガンの高速チャージを行って来ます。

 

 はい、と言う訳でVSロシア三人娘戦となりました。

 最初はジュラ姉貴とラーストチュカ姉貴のペアで出てきますが、一定時間経過又はどちらかの装甲を三分の一以下にすることでパクファ姉貴を引きずりだせます。

 実はこの条件を満たすのは割と簡単です。NRTN君のレベリングが済んでいるのであれば、彼を囮に使います。これは、ラーストチュカ姉貴のタゲの優先順位の問題で、チャート次第ではこのターゲットが自分に向くこともあります。まぁ、ジュラ姉貴の好感度だけを過剰に上げなければまずNRTN君が真っ先に狙われるんですけどね。

 

 いけーほらいけー(囮指示)。きた、来たなぁ!!(ロックオン) 最後の一発くれてやるよおr外してんじゃねーよ馬鹿!! capture……bodySensor(再ロックオン) ボールを相手のゴールにシュー!!(散弾ミサイルぽいー) 超☆エキサイティン!!(多段ヒット)

 

 最初のアプローチでガバりましたが、二回目で散弾ミサイルの炸裂位置にジュラ姉貴が重なってくれたのは幸運です。僅かでも減らせればこの後が楽になりますからね。ただ、NRTN君の装甲が結構持っていかれてるんだよなぁ。一体誰だよ、こんな指示出した奴は……(お前じゃい!!)

 

 ともあれ、ここまでライノ姉貴とイーグル姉貴が無傷なのはありがたいです。ベルクト姉貴の庇護下に居れば二機くらいは余裕でカバーしてくれますからね。流石はヒロイン兼メイン盾。

 

 因みにファントム姉貴ですが、この後どの道イベントで離脱するのでどれだけ減っていようと構いません。死なない程度に頑張って貰いましょう。

 どちらかの装甲を削るとイベントに入ります。

 

 「はんっ、やるじゃぁねぇか。流石に旦那が鍛えただけの事はあるな」

 

 「そろそろ引いて貰えるとありがたいんだがね」

 

 「そりゃ無理な相談だな。それに、時間は稼がせて貰った」

 

 上から来るぞぉ!! 気を付けろぉ!! と、何処からともなく現れた五機のボーフヴォルグとディーオー姉貴。この時、カットインでふんぞり返って自慢げな表情のジュラ姉貴が可愛いので、スクショ班は逃さないようにしましょう(一敗)。

 

 「こいつっ、この前市街地で見た……っ!?」

 

 「それに、あの機体は、五世代の―――」

 

 「さぁ、食い散らかせ、ボーフヴォルグども!! 遅れた分しっかり働きな!!」

 

 「「「「「お姉さまに刃向かう者には死を持って償いを!!」」」」」

 

 敵戦闘機を確認。Su-XXボーフヴォルグです。

 敵は、光学電磁迷彩を装備。全ての誘導兵装が無効化されます。

 常時展開は出来ないので、その瞬間に火力を集中させるのが効果的でしょう。

 

 ボーフヴォルグとディーオー姉貴が合流してきたら第二ラウンドの開始ですが、ここは敢えて無視します。この時、指示で自機の随伴にライノ姉貴とイーグル姉貴を連れ、装甲の少ないNRTN君をベルクト姉貴の元へ寄らせます。

 何故この人選なのかと言うと、それぞれ直線上に高威力を発揮する兵装持ちだからです。これが何を意味するか、もうお分かりですね?

 

 竜神の剣をくらえぇ!!(メクラ撃ち同時発射)

 

 はい、一定の空域をグルグルしている戦略飛空艇、グリーフニルの電磁迷彩をワンアプローチで剥がしました。ボーフヴォルグの光学迷彩はランダム要素が強いですが、こちらは的がデカい上に一定の空域をグルグルしているだけなので、おおよその位置は分かります。

 上手い事いけばショックカノンくらいは潰せたのですが、流石にそうは上手く行かなんだ……まぁ、妙に強い対空機銃をいくつか潰せてるので良しとしましょう。

 

 この後はこの三人でグリーフニルの送電アンテナを破壊する事になります。そうする事で、ボーフヴォルグとロシア三人娘が大幅に弱体化するからです。

 一応、全部位破壊する事で大量の資金が手に入り、ベルクト姉貴の独裁者全方位レーザー化も視野に入るのですが、RTAでは基本狙いません。何せ今の装備のモルガンは総火力がクソ雑魚ナメクジなので、仮に破壊出来たとしても肝心のロシア三人娘&ボーフヴォルグ戦で苦労するからです。

 

 そんな事を言っている間にミサイルサイロと送電アンテナを破壊しました。的がデカいのでTLSで炙っておけば割と簡単に部位破壊は出来ます。

 

 「ちっ、レールガンのチャージが遅ぇ!! 旦那の奴やりやがったな!?」

 

 「送電システムを外部に組み込んで連射可能にするとかどんな魔改造だよ……提供元の俺もビックリだぜ」

 

 「けど、威力じゃあレオンのアトラスには敵わないみたいだね!!」

 

 弱体化するとジュラ姉貴のレールガンの威力が微低下し、リロード時間が大幅に増加します。彼女の装備しているレールガンはジャズ野郎の装備している『アトラス』が余りにも戦闘機に持たせるには過剰火力だったため、ある程度小型、低出力化し、生産性を高めた『ギガンテス』と言うモデルです。

 

 威力が太すぎるっぴ!! なジャズ野郎と異なり、当たっても即死はしませんが7割弱は持っていかれる上に総弾数もワイバーンのそれを押さえて最多です。「細いTINTINね~ww」とタカをくくっていると4にます。

 

 グリーフニルの部位破壊を済ませたらUターンしてロシア三人娘と再び会いまみえ今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。




年内完結は……ダメみたいですね

正直社会人舐めてました。
ましてや新卒なので変わった環境に慣れたり、仕事を覚えたりで消耗しきってますねクォレハ……

例の企画への寄稿は……頑張ります(白目)


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~六章終了


 何とか年内に大体的な伏線は回収できそうなので初投稿です。
 例の企画の締め切り伸びて助かった……(白目)

 と言うか、掲載から一周年経つとかウッソだろお前!?


 今明かされる衝撃の真実のRTA、続きます。

 

 前回は飛空艇グリーフニルの送電アンテナを破壊し、ロシア三人娘とボーフヴォルグを弱体させた所まで来ました。

 

 送電アンテナ破壊後であれば、ジュラ姉貴とボーフヴォルグは大した問題にはならないのですが、問題はラーストチュカ姉貴とディー・オー姉貴です。本難易度では二人とも武装が変わっており、特にディー・オー姉貴のPLSLと機銃一斉射は直撃すればワンアプローチで余裕で4割は持っていかれる上に弾数がそこそこあるので弾切れ待ち戦法はRTAで無くとも期待できません。アニマ特有の鬼エイム機銃止めてクレメンス……。

 また、こちらは光学迷彩に頼らないアクティブステルスを標準装備しているので、レーダーがアテになりません。モルガナイトのバフ中なら捉えられますが。 

 

 ラーストチュカ姉貴の追加武装は四連マルチロック重ミサイルですが、こちらはモルガナイトのバフでどうとでもなる上に弾数が少ないので総火力は低めです。ですが当たると滅茶苦茶痛いので絶対被弾しないようにしましょう。

 

 まずはボーフヴォルグどもを蹴散らします。囮は機動力に優れるザイノ姉貴だけで十分です。方法は簡単、ひたすらTLSと機銃の同時掃射で炙るだけです。散弾ミサイルは対アニマ戦闘に向けてなるべく温存したいので、ここでは盛大にTLSをばら撒くぞこの野郎!!

 

 一定時間経つとフォーメーションを組んできますが、ここが狙い目です。ファントム姉貴のUAVを差し向け、固まった所に散弾ミサイルを撃ち込むだけで纏めて削ることが出来ます。

 よしよし、今回は上手く行きましたね。一度ボーフヴォルグの体力を削ったら今度は装甲がやべぇよやべぇよ……な事になっているNRTN君を助けます。適当に散弾ミサイルでも放っておきましょう。三人娘のいずれかの耐久値が半分を切るとイベントが入ります。

 

 「へっ、流石日本のドクヒとやらの秘蔵っ子もこの程度かぁ!?」

 

 「あいつ、強い……けどっ!!」

 

 「慧さん!! 単独でお姉さまたちに立ち向かうのは危険です!!」

 

 「坊主下がれ!! 前に出過ぎだ!!」

 

 やけになってミサイルを放つNRTN君ですが、ジュラ姉貴たちの放つ毒電波により無効化されてしまいます。いつの間にこっちのEGGがサンプリングされてたとかはーつっかえ!! 極秘情報とは一体……うごごごご。

 このイベント後ではサンプルを取られていないザイノ姉貴以外はミサイルが封じられてしまい、火力支援による集中砲火の期待値が大幅に下げられてしまいます。

 ですが、その為のレールガン、その為のTLSです。ロックオンなんか必要ねぇんだよ!!

 

 イベント後の第二ラウンドですが、数が揃っている内に真っ先にジュラ姉貴を集中攻撃します。なんて言ったってロシア三人娘の中では最高瞬間火力持ちですからね、事故要因は減らすに限ります。

 流石にこれ以上NRTN君に囮役をやらせると墜ちるので、囮役をイーグル姉貴に渡し、NRTN君はここで下がらせ、一気に詰めます。この時、散弾ミサイルでなるべく周囲のボーフヴォルグも巻き添えに出来るとうま味です。ボーフヴォルグはジュラ姉貴の盾になりたがる性質があるのでそれを生かしていきましょう。自分から食らいに来るとかコイツすっげえ相当変態だぜ?

 

 「も、申し訳ございません!! お姉様ぁああ!!」

 

 「テメェら無茶すんじゃねぇ!! 被弾率の高い奴は離脱しな!!」

 

 「何だかんだ言って心配してくれるお姉さまマジ尊い」

 

 「だから付いて行くんですよ、俺達は!!」

 

 分かるマーン!! とは言え、ここまで削れば瀕死の集まりです。散弾ミサイルと機銃で纏めて掃除してやりましょう。(あ、ぽいーっと)ボーフヴォルグどもを蹴散らした後は、ディーオー姉貴の装甲を一定値以下に減らすとイベントが入るのですが、全然減ってませんねクォレハ……ジュラ姉貴とラーストチュカ姉貴は装甲を25%以下に減らせば攻撃こそしてこないもの、撃墜することが出来ないデンジャラスゾンビ状態なので無視します。

 

 (少女追撃中……)

 

 動くと当たらないだろぉ!? 動くと当たらないだるるぉ!? オジサンの事ねぇ!! 本気で怒らせちゃったねぇ!? 野郎ぶっ頃してやぁぁぁぁぁる!!

 んんんんんんんっ!! ああああああああああああああああっ!!おおおおおおおおおおおおっ!!(漢プター)

 

 ……はい、撃退。ラップタイムはそこそこですね。ディーオー姉貴はメインキャラの中ではザイノ姉貴に次いでステータスが高く、隠密性能に関しては上なので捉えるのに一苦労します。ミサイルを封じられているせいでクロスファイアの火力も下げられているので尚更ですね。

 三人娘の体力を減らしきるとイベントに入ります。 

 

 「あと一息が届かねぇ……クソっ!!」

 

 「ジュラ、これ以上は危険だ!!」

 

 「うるせぇ!! せめてボーフヴォルグとグリーフニルの撤退が済むまで戦わせろ!! こんな奴らアタシ一人で……あん? 何だこの歌は?」

 

 「この景気の悪いシケた曲……どこかで----」

 

 突如全機の通信に流れてくる一般通過ラブソング。アニマのネットワークに全周波数でハッキングとかどんな性能ですかね……? 直後、長距離からの大口径レールガンによる狙撃が襲い掛かり、ファントム姉貴が被弾してしまいます。ここはどれだけ育てていようが確定で起きてしまうので、防ぎようがありません。

 

 「ファントム!? 被害状況は!?」

 

 「ッ……問題ありません、かすり傷です」

 

 「嘘つけ!! 今のレールガンは艦載機用のじゃねぇ、衛星迎撃用の大口径モデルだ!! あの距離だ、電磁パルスでテメェの電装系ボロボロだろ!? レールガンの被弾具合を俺に隠せると思ったら大間違いだぜ!!」

 

 「……はぁ、全く。折角の年寄りの気遣いを無駄にするものではありませんよ? 実際、動く分には問題ありません。撃墜されたUAVが捉えた映像データをディスプレイに転送します」

 

 そこでファントム姉貴から全機にデータが配信されます。サラッとジュラ姉貴達にも送り付けている辺り、ファントム姉貴がロシア三人娘に牽制しているのが窺えますね……こんな状況でも恐るべしファントム姉貴。

 転送された映像データに写っていたのは機体下部にでっかいモノ♂(レールガン)を装備したあのアーセナルバードでした。はえー、すっごい大きい……

 これが前々回チラ見せされたアーセナルバードの完成機ですね。攻撃性能などはエスコン7のアーセナルバードとほぼ同等ですが、UAVを少数しか運用しない代わりに母艦機能を備えている他、ミサイルの搭載数も向上しています。そして何よりの特徴が…… 

 

 『la~lala~lalalala~lala~』

 

 「くっそ、何だこの気味悪い音楽は!? EGGにノイズが……走る!?」

 

 「お姉ぇ様!? 今すぐ援護に向かいます!!」

 

 「来んな!! テメェらでどうにかできる奴じゃねぇぜあれは……!!」

 

 ジュラ姉貴が絶賛食らっているこの毒電波です。これはアニマのレスポンス性能の低下を引き起こします。面倒な事にフィールドに存在する限り持続するので、この後戦う際には真っ先に潰すことになるでしょう。

 余談ですが、アニマではなくTDN兵士などの人間であれば全く被害は無く、この場合であればボーフヴォルグ達の方が勝機があったり無かったりします。 

 

 「10時方向から新手を確認。ザイの重爆撃編隊です」

 

 「今度はザイもかよ……っ!!」

 

 さらにはザイも出現しこちらに向かって来ますが、アーセナルバードから射出された9機の戦闘機によって撃墜されていきます。良く見るとドッグファイトを避けて遠距離からTLSを撃ち込む形で殲滅していますね。アニマの機動に付いて行けない人類が編み出したのは、光学兵器による長距離狙撃だったと言う訳です。

 

 「あの翡翠色の戦闘機の形、どこかで……? まさか、あの姉妹の機体の量産型か!?」

 

 「ご名答です、鳴谷慧様。流石はプロトタイプを近くで見ているだけはありますね」

 

 そうなんです、トゥルーエンドフラグを一定数以上回収している場合は、このステージからゼロツーちゃん&フギムニ姉妹のお付きの機体が5機全て翡翠色のADF-01になります。

 運動性や機動力ではF-22等には劣るので弾を当てること自体は楽になるのですが、ホモと同系列の兵装を持つので、ご存じの通りTLSや燃料気化弾頭によるアウトレンジからの大火力投射をしてきます。

 ホモのTLSは二号機仕様なので射程では勝てません。機動力はこちらが僅かに上なので、近距離ドッグファイトの偏光撃ちで差を付ける必要があります。

 

 「『ザヴォーディラ』と量産型ADF-01の実践テストがてら来てみたは良いが、丁度いい獲物がいるじゃあないか。『ザヴォーディラ』はそのままザイの殲滅を。エクリプス隊は私に続け。今日こそあの元凶を墜とす」

 

 よく見るとゼロツーちゃんのワイバーンの形が変わっていますね……現代の技術で作られたデッドコピー品のA型ではなく、ミハイおじいちゃんと同じS型に酷似した機体となっています。こちらも武装構成は相変わらず三点バーストレールガンと四連装マルチロックミサイルなので、相変わらず瞬間火力が高いです。

 

 襲い来る『組織』の面々ですが、この場面では戦闘することはありません。どこからともなく現れたバイパー姉貴が無双を繰り広げるからです。なんでこのアニマレールガンの発射タイミング読んでストールで回避してるんですかね……? スペックは全体的にハイレベル程度の筈ですが、相変わらず底が見えないアニマです。たまげたなぁ。

 

 「バイパーゼロ!? 日本に残してきたはずじゃ……?」

 

 『That is trick (トリックです)』

 

 ここで出る選択肢では『追撃する』では無く「撤退する」を選択します。

 

 「八代通の大将が連れてきたんだとよ!! 面倒な三つ巴な上にこっちも燃料弾薬がまずいな。撤退だ、紫の嬢ちゃんが何とかしている今のうちに引き上げるぞ!!」

 

 「りょ、了解!! 殿は俺たちが……おい、グリペン? なんで戦線を離れてるんだ?」

 

 「だめ、制御できない。アンコントローラブル。制御不能」

 

 「半人前が殿を務めるなんてお笑い草です。余計な事は考えないでとっとと退避して下さい。ここは私が引き受けますので、おじ様はどうか彼らを守ってあげて下さい」

 

 ここの選択肢は、

 

 『拒否する』 

 

 『らしくないじゃないか?』

 

 を選択します。こうする事でファントム姉貴の好感度調整が終わり、次章からとある要素が解放されるからです。

 

 「本来ならおじ様や慧さんの言う通り、逃避行をする所なんでしょうか……如何してですかね? 人類を救うには優先すべきは私では無く、貴方方だと思うんですよ」

 

 (まぁ、間違いじゃぁないな)

 

 「ふざけんなよ……ファントム、遺言なら受け取らねーぞ!!」

 

 「失敗だらけの人生でしたが、最後の最後に楽しい時を過ごさせて貰いました。礼を言いますよ、慧さん、おじ様、どうぞ息災で」

 

 本編と異なりこの時点では電装系以外は無事なファントム姉貴ですが、彼女の真骨頂はその電装系との合わせ技にあるので、幾ら熟練の勘があっても機体スペックの差は埋めきれません。ファントム姉貴との好感度が一定値以上ある場合はここでイベントCG『亡霊は沈まない』を回収できます。

 三人娘相手に巧みな回避行動や挑発を織り交ぜた機動で追いすがりますが、徐々に被弾し、ボロボロになっていくF-4の哀愁が引き立つCGですね。

 

 「ちっ、アトラスがイかれやがった!!」

 

 「うそ!? こんな時に故障!? けど、どうせ弾も少ないしね!!」

 

 フギムニ姉妹相手に一人で大立ち回りを繰り広げるジャズ野郎&ザイノ姉貴ペアもレールガンをパージして応戦します。機動力は遥かに上なので撃墜の心配はありませんが、ジャズ野郎よくその機動に耐えられますね……

 

 このように、トゥルーエンドルートに行くためには一度負け戦ムードを展開する必要があります。この章までにアホみたいな育成を重ねた場合にはNRTN君がロシア三人娘を撃墜する、『NRTN君修羅の道END』となり、終わりのない国交戦争に嫌気の刺したNRTN君がテロリストに回り、人類を滅ぼす側になると言うBADエンドが見られます。ただし、このエンドを見るには下手をすればRTAより根気がいります。NRTN君の育成安定しないからね、仕方ないね♂

 

 

 最後の選択肢は、

 

 『自分も時間稼ぎに参加』

 

 

 を選んでNRTN君たちから離れます。さぁ、反撃開始と行こうかぁ!!(鉄火団団長)。

 戦線に復帰したらジュラ姉貴の装甲を削りましょう。このルートに進行した場合は彼女の装甲はゼロにはならず、強制的にイベントになるので安心してぶち込んでやれます。

 この時、60秒以内にジュラ姉貴を撤退させるとファントム姉貴の好感度にボーナスが入るので全力で狙います。最後の一発くれてやるよおらぁ!!

 

 ……はい撃退。区間タァイム的には上の下と言った所でしょうか、6章から先は一回の出撃ミッションが長引くので集中力を持ってかれます。

 クリアランクはB、普通だな!! 流石にDを取ると開発資金が足りなくなるので再走案件ですが、Bなら問題ないです。

 

 尻尾を巻いて帰ったロシア三人娘と、それを追撃する『組織』の面々を見送りながら、鉱山に向かうと、突然植物人間状態になってしまうイーグル姉貴。

 その原因を調べるべく、そしてザイの正体を知るべく、我々はアマゾンの奥地へと踏み込んだ……。

 

 この後は6章エピローグ垂れ流しにします。

 

 

  ◆◇◆

 

 

 

 

 そう言う事だったのか。慧が言った。

 そう言う事だった。グリペンが言った。

 

 乾いた慧の笑いが、自暴自棄に陥った者や狂気に飲まれた人間がする様な笑い声が、上も下も無い筈の空間に唯木霊する。

 

 「はっ、ははっ、 俺たちがやって来た事は結局共食いかよ? 千年先に滅亡するか今滅亡するかの違いだけで必死にもがいてる。もの凄い量の資源と命を消費して、何の救いにもならない戦いを繰り返しているんだ」

 

 「慧……」

 

 

 グリペンが彼に何かを語ろうとする。しかし、それに待ったを掛けるように誰かが二人の間に割り込んだ。割り込んできた人物は飛行服姿の男だったが、顔までははっきりしていない。だが、少し瞬きをするとあのオッドアイのアニマ、モルガンの姿と重なる。そんな珍事を目の前にしていると、二つの像がダブったような姿は口を開いた。()()()()()()()()()()()()()

 

 「ようやくここまでたどり着いたか、鳴谷慧。あぁ、そうだとも。これが全ての始まりの物語だ。そして、この話にはもう少しだけ続きがあるんだ」

 

 「モルさん、じゃない……? お前は、一体……?」

 

 「貴方は、モルさんの中にいた……」

 

 男が指を鳴らす、アニマが虚空を指さす。そこに描かれたのは無数に枝分かれし、大樹の様な何かとなった一枚の絵だ。慧が恐る恐る触れると、頭に激痛が走る。咄嗟に手を放したのは幸いだ。その情報の奔流にあと少し長く触れていれば、彼の脳細胞が焼け焦げていた。

 

 「これは……」

 

 「私がずっと見てきた。俺がずっと追いかけてきた彼女の歴史だ。余分な情報を拾わないようにして良く見て見ろ。そこに必ず彼女と俺はいる」

 

 「じゃあ、この根元の数がグリペンが繰り返した数だってのか!? ゆうに100は超えているじゃないか!?」

 

 慧はそのおぼろげな影に掴みかかる。そこまで知っていながら、お前は何をしていたんだ。罵声が何もない空間に響く。影はやんわりと慧の腕を掴む。そして男は()()()()()()の格闘術で彼を何もない筈の箇所に叩き付け、一度頭を冷やさせる。

 

 「慧っ!!」

 

 「そうだ、私一人では何も出来なかった。俺一人では彼女に何もしてあげられなかった。だから鳴谷慧。これを見ろ」

 

 アニマが指を鳴らす。男が小さな図面を差し出す。そこに描かれていたのは、先ほどの図の縮図の様だが、一本だけ上に明らかに他から飛び出た線があった。

 グリペンが慧の手を掴む。余計な情報は私が受け流す、と。

 恐る恐る慧はその線に触れる。頭に浮かぶのはどこかの空を飛んでいるグリペンのコックピットに乗る自分とグリペンの姿。いや、それだけでは無い。ライノ以外のアニマが全て自機の僚機となり、ある作戦を繰り広げていた。

 そして、

 

 

 『大好きだから』

 

 『ああ』

 

 『ずっとずっと、大好きだから』

 

 『ああ、ああ』

 

 

 その言葉だけを残して、彼女たちはザイ諸共()()()

 

 

 「イーグルやファントムが、バイパーゼロが、ベルクトが、グリペンが……消える……?」

 

 「そう、一度これで世界は救われた……かに思えた。君が見たのは《一週目の世界》。君の選択次第では再びこの結末を生み出す可能性も十分にあり得る」 

 

 「ふざけるな!! そんな出鱈目を……っ!!」

 

 認めたくない、最良には有らずとも最悪とも言い難いこの結末を。故に怒号を上げる。しかし、先ほど情報の奔流に触れた事で、慧は薄々気づいてしまっていた。このおぼろげな存在が、姿の安定しないこの影の正体が、一体誰なのかを。

 自身の存在をも燃料にし、ザイと同じく時間遡行をしてまで彼女に、グリペンに付き添うこの人物の正体を。

 

 だからこそ、慧は改めて聞いた。

 

 「お前は、お前は一体誰なんだ!?」

 

 

 「俺か? もう分かってるだろ?」

 

 

 そう言って振り向いた飛行服を着た男の姿は、年齢こそやや老けっているが、見間違いようが無かった。

 

 鏡移しにしたかのように自分とそっくりだったからだ。

 

 

 

 

 「やっぱり、お……れ……なのか……?」

 

 

 

 「蛍橋、三尉……」

 

 

 

 

 

 

 「そう。俺も慧だ。蛍橋 慧。お前とは同質にして異質の存在だよ」

 

 

 

 

 

 

 並行世界の年老いた蛍橋慧がそう名乗ると、世界が色彩を失い、アンフィジカルレイヤーが崩壊した。

 

 

 

 ◆◇◆

 

 いや~、部分的に切り取って所だけを見せ、事実との若干の相互を発生させる辺り中々の策士ですねクォレハ……。

 本編であればグリペン姉貴たちアニマとの別れはNRTN君が理解し、自分から望んだことですが、ここではあたかも仕方なく取った選択肢であるかのように演出されています。そりゃこの時の精神状態のNRTN君じゃ納得しないでしょうねぇ……

 

 リザルトでは一気に武装パーツの開発を進め、高出力レーザー発生器を開発しましょう。これで二号機仕様のTLSの短小さも少しは解決できます。

 

 と言う訳で六章これにて工事完了です……。小時間のご拝読、ありがとうございました。





 と言う訳で、ホモの中の人の正体は蛍橋慧でした。
 実は例の企画に提出する予定の話がざっくり言うと『グリペンを失った蛍橋三尉のその後』なんですよね。この作品だとカットしたオープニングに当たる部分です。

 と言う訳で伏線回収も済んだ所でここからは例の企画に向けて頑張ります(吐血)


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7章EX「End of  Deception」編スタート~病室での発破

 新年なので初投稿です。
 相変わらずの不定期ですが流石に今年こそは完走したいので、対戦よろしくお願いします。


 (困難な運命に)突っ込めって言ってんの!? ね!? 分かる!? 突っ込めって言ってんだYO!! なRTA第七部はーじまーるよー。

 シュレディンガーフラグを回収し、ホモの中に最初の慧ことHTRBS兄貴の存在が希薄にならず認められた場合、このEXシナリオルート「End of Deception」編に進むことが出来ます。HTRBS兄貴の存在が希薄となってしまった場合の通常ルートと違い、敵の数や質がここからガラリと変わるのが特徴ですね。

 通常ルートだと原作同様全消滅か、俺達の戦いはこれからだENDにしかならないのですが、このEXルート進行時のみ、本作におけるトゥルーエンドである全アニマ生存ルートを目指すことが出来ます。このエンディングを目指すことが、本RTAの目的と言う訳ですね。

 

 さて、開幕早々アンフィジカルレイヤーから帰ってきたNRTN君が世界を救わない発言で問答を起こしている所です。ですが、言い方が本編とは違いだいぶ迷っています。悪くないとも思えた方法ですら、自分は一度失敗していると言う所を見せられたからですね。

 ここでの選択肢は、

 

 「じゃあどうすれば良かったんだ……?」

 

 に対しては

 

 『それを今から探すんだろうが』

 

 「どこまで知っていた?」

 

 に対しては

 

 『八割くらいは』 

 

 と答えましょう。すると、NRTN君が『なぜそこまで知っていながら、貴方って人は!?』と立ち向かって来ますので当身コマンドで黙らせましょう。この場面はNRTN君の育成が進んでいる程タイミングがシビアになり、耐久値も増えますが、今回は根性値に関してはギリギリで調整しているので、フルコンボが二回入れば黙らせられます。

 流石にこんな所でタァイムロスはしたくないので、速攻でNRTN君を調教しましょう。従順になるまでやるからなオイ?

 

 (少女少年調教中…………)

 

 ほら堕ちろ、(意外と早く)墜ちたな……(気絶確認)

 RTAも後半に差し掛かっているのもあってか、意外と集中力が切れてミスりやすい場面でもあるのでノーミスでNRTN君を調教できたのはうま味です。ここで気絶させておくと、周囲から不評は買いますが、この後の一連の会話イベントを全てカットできるんですよね。私が私を見つめてました(ここ哲)なNRTN君の回想も地味に長いので、カット出来てイイゾ~これ。

 NRTN君を気絶させたら衛生兵を呼ぶと、ファントム姉貴の好感度が一定以上且つイベントCG『亡霊は沈まない』を回収し、EXルート進行している場合はイベントが入ります。

 

 「全く……おじ様は無茶し過ぎです。先程の戦闘の疲れもあるでしょうに」

 

 「オジサンはこれくらいへーきだっつーの。そう言うお前だってドーターの方はどうしたんだ? 随分手酷くやられちまってたみたいだが」

 

 「修復は不可能……と、言うほどではありませんが、当分は掛かりそうですね。レーダーポッドや電装系諸々があのレールガンの電磁パルスで焼き切れてしまってますし。まっすぐ飛ぶだけであれば出来る、と言った具合でしょうか」

 

 ここですかさず、『並行世界で見た物の話をする』を選択します。

 

 「なぁファントム。お前は実はファントムじゃない、って言ったらどういう反応をする?」

 

 「私が私でない? 意味を理解しかねます。私はF-4のアニマ、それ以外の何者でも無いのですよ?」

 

 「まぁ、そうなるよなぁ……俺や少年はついさっきこの世界の始まり、って奴をちぃとばかし覗いてきたわけだが、そこにお前はいたにはいたんだ。」

 

 「しかし、機体がF-4では無いと? 確かにF-4系列の機体は自衛隊からも退役が近いと聞きますし、全ての始まりが慧さんやグリペンの言う通り今から10年後の世界での出来事だと言うのならありえない話ではないと思いますが……その世界では私は何だったのですか?」

 

 ここで、『八代通に話を振る』を選択。

 

 「まぁ聞いて驚け……って程じゃぁないか。なぁ、八代通の大将」

 

 「ったく、未来旅行だの並行世界だのの次は隠し事当てゲームと来たか。お前さんたちには驚かされっぱなしでこっちも退屈しないね」

 

 ホモがYSRDOR兄貴に突っ込むことで、実はファントム姉貴はF-35のアニマとして作られる計画『では』あったこと。機体を完成させたは良いが、アニマとリンクさせている最中にやっぱり良く分からない物に頼りたくない国の圧力でF-4を素体にさせられたことが語られます。(お国が)はーつっかえ、止めたらこの仕事?

 

 この会話を発生させることで、今章末から何とファントム姉貴の機体がF-35 ANMに変わり、戦闘力が大幅にアップします。流石にシンクロ率こそ落ちるのでミサイルの命中精度が下がりますが、単純なスペックの向上やジャミングの範囲拡大の恩恵が大きく、弾数も増加している為総火力も著しく向上します。これがあると無いではこの後の戦闘で大分違います。

 8章からはF-4の修理が終わるので唯一の乗せ換えが可能なアニマと化するファントム姉貴ですが、基本F-35一択です。悲しいなぁ……(諸行無常) 一応ミサイルの誘導性能とUAVの使用回数ではF-4Eの方が僅かに上ですが、それ以外の性能が軒並み高いF-35を外す理由が見当たりません。

 

 また、本編ですとNRTN君がボイコットを起こしたせいでこの章は丸々行動不能になってしまうファントム姉貴ですが、本チャートでは意地でも阻止します。病床のファントム姉貴のイベントを丸々カットし、章末ミッションでの戦力低下を減らすためです。べ、別にファントム姉貴の為じゃないんだからねっ!!(唐突なツンデレ)

 

 ファントム姉貴の乗り換えフラグを立てたらお次は同じく格納庫に居座っているジャズ野郎に声を掛けましょう。

 何やらザイノ姉貴の機体の形がまた変わっていますね……所属に関わらずザイノ姉貴状態で生存していた場合はこの章で機体のザイ化が更に進み、遂に可変翼まで手に入れ、機動性がさらに向上します。ここまで来るとスーパーホーネットなのかザイなのか、これもう分かんねぇな……

 敵対してしまっている場合は六章までに仕留めないと、このクソクソつよザイノ姉貴と戦う羽目になります。パーツガン積みフォルネウスか、シルフウイングカリバーンでもない限りドッグファイトは危ういでしょう。

 

 「元々こうして生きている事が奇跡みたいなものだしね~。まぁ何が起きても不思議じゃないかな」

 

 「だんだん制御できるか不安になって来たぞ……アレよりさらに早くなるのか」

 

 「そこは頑張ってよね~。アタシを養うって言った責任はちゃーんと取って貰うんだから。アタシ、レオン以外を乗せる気は無いからね?」

 

 「へいへい、この後のスケジューリング決めたらな」

 

 イチャイチャの喜びを知りやがってこのジャズ野郎……このイベントを回収してギリギリで好感度を調整する事で、次回出撃からジャズ野郎を雇う料金が少し安くなります。

 ここでこの割引を適応しておかないと、今章末開発予定のパーツの開発に支障をきたすので絶対に調整を怠らない様にしようね(3敗)。

 このイベントを回収した後はもう一度ライノ姉貴に話し掛けましょう。

 

「それにしても大丈夫かなぁ、ホタルバスK……あれ? あたし今誰の事言ったんだろ? 一番近いのは鳴谷慧っぽいけど……あれ? そもそも何であの子の名前?」

 

 ザイノ姉貴化している場合に回収できるこのセリフはトゥルーエンドフラグですので、絶対に回収しましょう。これにより、他所で回収する必要のあるフラグを一個分無視する事ができます。数個くらい見逃しても……バレへんか…… 

 

 何故か『始まりの物語』の世界線のNRTN君もといHTRBS兄貴の呼び名を口ずさむライノ姉貴。

 諸説ありますが、とある方の考察によると『ザイ化が進行した事で、アンフィジカルレイヤーに常に近い位置にいるザイノ姉貴は、無意識ながら並行世界の自身の様子を観測できているのではないか?』という事らしいですがんにゃぴ……良く分からないです。

 

 ザイノ姉貴のフラグを回収したらこの日にやる事はもうありません。一度寝て時間を進めたら、NRTN君が起きる三日後までにファントム姉貴とイーグル姉貴の経験値稼ぎの哨戒に出撃します。

 この時、グリペン姉貴に一日一度づつ話し掛け、NRTN君に発破を掛ける依頼と、この後のNRTN君の行動を聞き出すのを忘れてはいけません。必要なイベントトリガーなので、忘れると大参事です(一敗)。

 三日後の警戒シフト前にNRTN君は絶対に目を覚ますので、病室に向かいましょう。起床ー、朝だぞー。

 

 ホモが介入する事により、この後のイベントの流れは本編から大分変化します。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 「よう、お目覚めかい? 少年」

 

 「……今の貴方は、どっち、ですか?」

 

 そろそろ目を覚ます頃だと思って来てみれば、俺も随分とまぁ警戒されたもんだ。まぁ無理も無いわな。曲がりなりにも未来の並行世界の自分がやって来た事を、更に言うなら別の世界ではまた違う形でアニマたちと別れる光景を見せられちゃあ、疑いたくもなる。蛍橋の旦那の記憶が一部混ざっているとは言え、俺も全部を知っている訳でもないしな。

 

 「そう警戒しなさんな、今の俺は傭兵アニマ、ホーンデッド・モルガンそのものだよ」

 

 「……なんで俺に話してくれなかったんですか?」

 

 「蛍橋の旦那の指示でなぁ。お前さんがここであの残骸に触れて、この世界の仕組みを知るまでは黙っていた方が未来が続いたんだとよ。これより早く伝えた段階じゃあ、それこそ俺達が見たあの途切れた枝になっちまうんだとさ」

 

 「今、その人と……蛍橋慧と話すことは出来ないんですか?」

 

 「無理だ、旦那は自分の体をアニマ化して俺に憑依……って言って良いのか分からねぇが、兎に角無駄に体力を使えねぇ状況だ。ま、グリペンの嬢ちゃん絡みじゃないとまず出て来ねぇだろうなぁ」

 

 

 ------全く、好き勝手言ってくれる。

 

 

 その方が少年が納得するだろ? と頭の中で旦那に一言言ってやってから少年を見るが、逆効果だったらしく鬼の形相で掴みかかってきた。おぉ、怖い怖い。女の子に乱暴はダメよ少年? オジサンは中身オジサンだから平気だけど。

 

 「あの世界の出来事を認めろって言うんですか!? またグリペンをループの渦に放り込めって言うんですか?! 俺の今までの戦いは何だったって言うんですか!?」

 

 「認めるも何も事実だろうが。じゃ無きゃ俺はいねぇよ。思い出せ、最初の世界と一週目の世界に俺やあの組織の使うレーザー兵器があったか?」

 

 「それがどうしたって言うんですか!?」

 

 「この世界線、って言えばいいのか? まぁ、この世界にはレーザー兵器はあるし、レールガンもあるし、ライノの嬢ちゃんも生きてる。これまで見てきた世界の中じゃ、一番希望に満ち溢れていると思わねぇか?」

 

 ま、奴さんらが対応してくる前に決着をつける必要はあるがな、と付け加えてやると、少年はオジサンの肩を掴んだまま黙りこくった。

 お互いが何も言わない気まずい時間が流れると、先に口を開いたのは少年だった。

 

 「……何が、言いたいんですか?」

 

 「お前さんがな? この後に取る行動を教えてやろうか? グリペンの嬢ちゃんを人質にしたドーターの占拠、全力の逃走、引きこもり、まぁ、どれも失敗するんだがね」

 

 「……ループの中で俺がとった行動って訳ですか? けど、どうせ俺はアイツを球殻に送り返す……何度やったって、失敗する。だから、その為に俺がここにいる。そう言う事でしょう?」

 

 

 あぁ。

 

 あーあー。

 

 あーあーあー。

 

 

 分かってねぇなぁ、少年。

 

 

 「っ!?」

 

 体の力を一瞬抜き、少年のだいしゅきホールドから一度逃れて手首を取り、そのまま背負い投げを浴びせてやる。病み上がりの所に悪いが、暴れられても面倒なんでな。そのまま馬乗りになり、俺は少年を見据える。

 

 「よく聞け、鳴谷慧。俺が言いたいのはな、この世界のテメェはまだ成功も失敗もしてねぇだろって話だ!? これから起こること? 未来の出来事? はん、分かっているなら上等じゃねぇか。失敗の選択肢が見えているなら、そいつを避けて動きゃあいいだけの話だ」

 

 「けど、それをやった所でどうせ――――」

 

 「やってもみねぇうちから甘ったれた事抜かしてんじゃねぇ!! この世界の鳴谷慧はまだ何もしちゃいねぇだろ!? 一回でダメなら十回、十回でダメなら百回!! それでもダメなら何度でも!! グリペンが草原でお前らに言ったよな? 『アニマと人が一緒に居られる世界を探したい』って!! なら叶えてやれよ、探してやれよ!! それが、グリペンのパートナーであると決めたテメェの使命だろうが!!」

 

 「っ、それが簡単に出来れば、どれだけ良いか……っ!!」

 

 「それがテメェの甘ったれなんだよ!! 世界も彼女も両方救う、そんな芸当簡単に出来る筈ねぇよなぁ? 普通に考えて」

 

 「ッ……」

 

 ったく、そんな簡単にヒーローになれるわけねだろ、こっちはスーパーマンじゃねぇんだから。少年が相変わらず苦虫を噛み潰したかのような景気の悪い面構えだが、まぁ、これだけ言えば虚無状態からは流石に抜け出せただろう。馬乗りを止めてジャケットに付いた埃を払い、病室からの去り際に伝えてやる。

 

 「並行世界があろうが何だろうがテメェはテメェだ、鳴谷慧。世界も嬢ちゃん達もどっちも救いたいなら、それこそ『正しい選択』をするんだな」

 

 邪魔して悪かったな、と付け加えてその場は離れる事にした。多少は頭を冷やす時間も欲しいだろうしな。

 ったく、差し入れで買ってきてやったお菓子がバリバリになっちまったよ。まぁ、これはグリペンの嬢ちゃんにでもあげるかねぇ。

 

 

 ◆◇◆

 

 

 このようにホモが介入する事により、NRTN君の心境が「ああああもうやだああああああ(ひで)」から「ドウスッペ……ドウスッペ……」状態になり、少なくとも戦線離脱をする事は無くなります。まぁ、ここからがマグマなんですけどね。

 病室でのイベント回収を終えると、YSRDOR兄貴にNRTN君諸共呼び出しを食らい、ベンベキュラ消失の話を聞かされますが、何故かドーターのみ不可解な反応消失をしたとの事です。あれぇ、丘ピーポー?

 

 そうなんです。組織にヤリック兄貴が合流している場合は、なんとこの段階ではタイフーン姉貴を救出してくれているのです。彼女を生かすも殺すもこの後の行動次第ですので、組織絡みの選択肢はやや慎重に行う必要がありますが。

 

 日本に戻り、ミッションの概要を雇い主はいつものGAから聞こうとしたところで今回はここまで、小時間のご拝読、ありがとうございました。




合同誌の原稿締め切り何だかんだで来週まで延びたけど内容ドウスッペ…ドウスッペ……(完成度二割


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~蛍橋セカンドエンカウント

それでも、と続きを待ってくれている人たちへ向けて初投稿です。


 不貞腐れ少年を調教していくRTAはーじまーるよー。

 前回はホモが病院でNRTN君に発破を掛けて精神状態を変えさせ、次の依頼内容を雇い主はいつものGAから聞いたところまで来ました。

 

 今度のミッションは一週目であれば成層圏スレスレの相手を狙い撃つだけの簡単なお仕事なのですが、EXルート進行時は内容が大分変化します。

 EXルートではザイの他にも現在進行形でレールガン搭載型アーセナルバード級「ザヴォーディラ」で暴れ倒している「組織」の面々とも戦わなくてはなりません。

 人類の敵では無い事を公言している彼女らですが、一体何がしたいんでしょうね……?

 

 YSRDOR兄貴の作戦概要説明が終わると、再びNRTN君がゴネ出します、が。うるさいんじゃい!! お前も一緒にくるんだYO!! とホモが全力で止めに行きます。

 本編よりは多少は話の分かる状態のNRTN君ですが、好感度によって戦線に残る選択肢が変わります。まずは最初の関門であるこ↑こ↓を超える必要があるのですが、まぁ大体は楽勝――――

 

 

 「分かりましたよ……一つだけ条件があります。俺とモルさんをシミュレーションで戦わせてください」

 

 

 何でここに来て最もクズ選択肢が選択されるんですか?(困惑) 

 EXルート進行用のNRTN君の好感度調整では一定確率でホモに勝負を挑んできます。当然育てただけのステータスはあるので、この段階でもまぁまぁ強いです。

 勝つこと自体は別に容易いのですが、問題はこの場合のトゥルーエンドフラグの回収方法が少し面倒で特殊な所なんですよね。NRTN君の経験値を積めると言う意味では当たりなのですが、RTAでは過度な育成は不要な上に一番時間を食うルートです。

 

 ちなみにですがベルクト姉貴orジャズ野郎&ザイノ姉貴ペアが健在且つ独飛入りしている場合はホモとNRTN君が盛り合っている間に代わりに出撃してくれる為、本編の様にファントム姉貴が被弾して行動不能になる事はありません。やったぜ。

 

 とは言え、なってしまった物は仕方ないので切り替えていきましょう。

まず、シミュレータールームに向かう前に、HNT兄貴に頼んでUSBメモリを貸して貰いましょう。その後はいつもの三番格納庫に向かいます。すると、奥の方で幌を掛けられて絶賛放置プレイされている謎のドーター、JAS-262の前にベルクト姉貴がいるので話しかけます。

 

 「この機体、何故だか分からないんですけど、凄く……不思議なんです。微かですけど、声がすると言いますか……」

 

 「気のせいじゃねぇのか? 機能停止してるし、対応するアニマも見つかってないみたいだしな」

 

 (……まぁ、その機体のアニマは俺なんだがな)

 

 「気のせい……そうですか。あぁ、すみません。防空任務のシフトが入っていますので、私はこれで」

 

 

 出撃前のベルクト姉貴が去り、HTRBS兄貴が会話に出て来たら、すかさずJAS-262を調べましょう。すると、突然再起動しコックピットが解放されます。

 コンソールパネルを調べてUSBメモリをブスリ♂と差し込み、データを入手したらこの機体は最終章まで用済みです。精々倉庫の隅で埃を被って貰いましょう。但し、グリペン姉貴の被弾がかさむと「コイツばらして部品にしちまおうぜ」と整備班が提案するのでその時は全力で止めます。まぁ、そもそもそんなイベント起こさせないんですけどね(慢心)。

 

 データを入手したらシミュレータールームに向かい、NRTN君に話し掛けてデュエル開始ィ!! ……するのではなく、HNT兄貴にUSBメモリを渡し、使用機体をモルガンからJAS-262に変えて貰います。

 機体を変えてもらったら今度こそNRTN君に話しかけてデュエル開始の宣言をしろ、磯野!! 

  

 「なっ、モルガンじゃない!? それにあの機体は……っ!!」

 

 「あれは……私であって、私じゃない。言うなれば後継機……そんな気がする」

 

 模擬戦が始まったら開幕4AAMとガトリングレーザーガンポッドで装甲をガリガリ削ります。ミサイルを外してもガンポッドは二号機仕様TLS並みの射程と並の機銃を置き去りにする弾速とバ火力なのでここは簡単です。これをノーミスで二回繰り返し、半分くらいまで削るとイベントが入ります。

 

 「くっ、なんだこの強さ、別格じゃないか!?」

 

 「さて、鳴谷慧。お前はあの日、俺と話したがっていたな?」

 

 「その言い草は……まさか、蛍橋か!?」

 

 「あぁ、そうだとも。こうして話すのは二度目になるか」

 

 ホモの人格がHTRBS兄貴に切り替わったら第二ラウンドです。この育成段階だと背後からの詰めはカナード翼をおっ立てる整備班泣かせのNRTN君専用ポストストールマニューバ「鳴谷スペシャル」で逆にオーバーシュートを取られてまず味です。因みにプレイヤー機はカナード付きの機体でも「鳴谷スペシャル」は習得できず、彼ら専用の技となっています。それこっちでも使えるようにしてくれませんかねぇ……〔悲哀)

 

 ただ、今回はRTAと言う都合上ここまでホモに全く追加の特殊技能を習得させずに進めているおかげで弊害はありませんが、このシーンなどHTRBS兄貴に人格が切り替わっている際はHTRBS兄貴用のパイロットステータスに切り替わるので、特にクリティカル率に補正の乗る「強運」等の特殊技能採用チャートなどでは注意が必要です。

 

 とは言え、JAS-262はクイックターンが使用可能なので上手いこと位置取りを行い、真正面からのヘッドオンで大火力を叩き込みましょう。

 これを三回くらい繰り返す頃にはNRTN君を落とせます。

 トゥルーエンドフラグを回収する為にはこの模擬戦で装甲を90%以上残す必要があるのですが、何の問題も無いね♂(無被弾)

 

 時間こそ掛かりますが、ホモが最後に一つだけ習得予定の特殊技能「片翼の魔女」の取得のタイミングが少し早くなったとプラスに考えましょう。

 

 この後はイベントです。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 「ッ……むざむざやられるか!! グリペン!!」

 

 「了解、鳴谷スペシャル、レディ」

 

 データを差し替えたのか、鳴谷慧は見慣れたいつもの機体では無くあの正体不明のグリペンの系列機と激戦を繰り広げる。

 慧は、自分でも何故あんな勝負を申し込んだのか分からなかった。

 戦った先に何かが見えると思ったのか、ただ行き所の無い衝動をぶつけたかったのか。しかし、「あの世界」に比べて動いていると言うのは良い兆候だと『彼』は心中でほくそ笑む。

 

 『お前は強くなった。少なくとも俺の知る俺よりもだ』

 

 「それでもっ!! 俺は、グリペンを助けられないんだろ!? あんたはあの世界で!! 俺にそう言った!!」

 

 背後から迫るあの正体不明機、JAS-262の馬鹿げた火力のレーザー機銃、少なくともこの時代の兵器レベルを遥かに超越した暴力的スペックが牙を剥く。

 それに対抗すべく、カナード翼を直立させることによるこの二人だけの専用ポストストールマニューバ「鳴谷スペシャル」で急減速、しかしスロットルは開けたままなので敵機をオーバーシュートさせた後も、カナード翼さえ起こしてしまえばすぐに追いつく事が出来る。この動きはカナード翼を持つドーターだからこそ成せる荒業だ。

 

 しかし、蛍橋は分かっていた。

 

 当たり前だ。蛍橋もまた『そのマニューバを考えた自分自身』なのだから。

 

 

 「なっ……!?」

 

 

 確実に背後を取ったはず。それなのに、いつの間にかこちらが背後を取られている。

 背後に下がられる瞬間に見えた、JAS-262の直立したカナード翼。

 全く同じ、それでいて規格外の機体性能とパイロットの遥かに上回る技量が合わさる事により、より洗練された形へと昇華された----

 

 「鳴谷……スペシャル、だと……っ!?」

 

 『お前達に出来て、俺に出来ない訳が無いだろう?』

 

 背後を取った瞬間、レーザーガンポッドと4AAMの同時斉射。到底かわし切れる距離ではない。慧は苦し紛れにフレアを吐くが、生憎と熱源探知ではなくアニマによる直接操作のHimat機動のミサイルだったが故に意味をなさず全弾直撃。慧とグリペンは敗北した。

 

 「クソっ……っ!! どうすりゃいいんだよ……どうすりゃ良かったんだよ、俺は……っ!!」

 

 「慧……」

 

 『おい、ガキ。戻る前に一つだけ教えておいてやる』

 

 より深まる迷いと焦りに限界が近づいたのか、両の瞳に僅かに涙を滲ませながらシミュレーターから這い出た慧に対し、上から目線でモルガンの体を借りた蛍橋が言い放つ。

 

 『俺は諦めなかったからここまで来られたんだぜ? あぁそうだ。俺だって何度も見送ったさ、彼女を。俺の記憶にある限り、少なくとも127回』

 

 「っ!?」

 

 『その少なくとも127回、下手したらそれ以上の数を見送って、俺が何も感じていなかったとでも思うのか? それでも俺は、こうしてここまで進んできたぞ? 己の肉体を捨て、幽霊同然のいつ消えるかも分からない存在になってまでも、いつか俺とグリペンが共に生きて在れる未来に辿り着くまでと、絶対に諦めはしなかった。だから、ここまで来られたんだ』

 

 「蛍橋……あんた……」

 

 『俺とお前は異質だが同質でもある。そのお前の願望は何だ、鳴谷慧? ……ま、少なくとも俺たちがいるこの世界線は今、他のどの『枝』よりも状況が良い。だから簡単に諦めてくれるなよ? コイツは……グリペンは、お前の、鳴谷慧のハッピーエンドを………絶対に、諦めない』

 

 

 途端に意識を失ったモルガンの体がふらつき、慌てて飛び出たグリペンがその体を支える。

 倒れかかったショックですぐさま意識が回復するモルガン。額に脂汗が滲み、幾分か疲弊しているようだったが、それ以外は特に問題は無さそうだった。

 

 「全く、旦那も無茶してくれやがるぜ……自分の時間だってそんなに残されてねぇってのによ」

 

 「モルさん、医務室に行こう。私が支えるから」

 

 「いんや、おじさんは一人で行ってくるよ。それよりも、お前は今にでも折れちまいそうな少年の方を支えてやりな」

 

 モルガンがやんわりとグリペンの手を振りほどくと、壁に手を付き、少しよろつきながらシミュレーター・ルームを後にする。

 そして去り際にこう告げた。

 

 「旦那から伝言だ。自家用操縦士の学科試験の後のお袋の言葉を思い出せ。だそうだ」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 このNRTN君とHTRBS兄貴の邂逅模擬戦はNRTN君とグリペン姉貴、ホモの経験値に高いボーナスが入りますが、RTA的には過度な育成が不要なのでロスとしか言いようがありません。アァン、ヒドゥイ!!

 ホモはこの後強制メンテナンスに入るので、動けるようになるのは翌日以降になります。

 

 ダウンから復帰したら食堂に向かいましょう。ジャズ野郎ペアとファントム姉貴が会食しているので、そこに混ぜてもらいます。楽しそうだねぇ? 俺も仲間に入れてくれよ~

 

 「はぁ……」

 

 「お? 流石のファントム大先生もお疲れか?」

 

 「そう言う訳ではありませんが……何と言いますか、酷く失望させられましたよ。えぇ」

 

 「失望? あぁ、モンゴルの一件から急にやる気を無くした坊主のことか」

 

 「まぁ、ファントムって口先じゃいつもの調子だけど、結構鳴谷慧のことは買ってるからね~。その彼があんな調子じゃ、失望もしちゃうかぁ」

 

 「はぁっ!? ……こほん、冗談も休み休み言ってくださいライノさん。大体、私があんな子供に----」

 

 会話に入り込むと実はファントム姉貴が表に出してないだけで、NRTN君にデレデレだった事がニヤニヤした表情を浮かべたザイノ姉貴によって暴かれます。顔を真っ赤にしながら否定してるのががわ゙い゙い゙な゙ぁ゙だい゙ぢぐん゙。ファントム先生がビンビンでいらっしゃるよ、咥えて差し上げろ。

 今回はファントム姉貴の好感度を上げる必要があるので、彼女に助け舟を出します。選択肢は

 

 『子供も何も、実際にガキだろ。鳴谷慧(アイツ)は』

 

 『だからこそ、俺ら老兵が道しるべになってやるんだろ?』

 

 です。ファントム姉貴の意見に賛同しつつもNRTN君をかばい立てしてやりましょう。ちなみにHTRBS兄貴の存在はこの時点ではNRTN君とグリペン姉貴を除くとザイノ姉貴とベルクト姉貴が薄々感じている以外は誰一人気づいておりません。あのYSRDOR兄貴すらもです。隠ぺい力高杉ぃ!!

 

 食堂でのフォローが終わったらグリペン姉貴の秘密基地である旧日本軍の掩体壕に向かいましょう。NRTN君に絶賛置いてけぼりをくらわされたグリペン姉貴が体操座りでうずくまっているのを調べるとイベントに入り今回はここまで、小時間のご拝読(視聴)ありがとうございました。




前回の投稿が約一年半前とかこれマジ? 時間が経つの速すぎるだろ…


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