☆ まえがき △
くにむらせいじ(別名 SEY_Y 又は SAY_Y)です。
例によって、短編集「ジャパリ・フラグメンツ」に投稿予定だったものが、書いてみたら長くなったため、単品で投稿することにしました。
アニメ2期のあと、この6人がいっしょにいるのはおかしい気がしますが、“3人が旅から帰ってきて、かばんの研究所でお勉強している”、という設定です。原作の設定を無視した、メタフィクション的なもの(作品世界の外のおはなし)、と捉えることもできます。
ほとんど会話(セリフ)だけなのに、異常に長いです。
◎ 前編 ・ 中編 ・ 後編 の3話に分割しました。 ◎
加えて、『おまけ』があります。
セリフの改行位置を調整しています。1行全角44文字(ハーメルン様のデフォルト)とします。携帯版などでは表示が変になるかもしれません。
残酷・グロテスク(猟奇的)な表現があります。
かばんの研究所。ガレージの研究室。
かばん(大人)「……何度実験しても、無機物から生命を作り出すことは……」
サーバル・カラカル・キュルルが、テーブルのそばの椅子に座っていて、はかせ・助手が立っていた。かばんが、ホワイトボードに図を描いて説明をしていた。授業のようだった。
かばん 「……この有機化合物は、元々は地球に存在しなかった……」
カラカル 「寝ちゃらめよサーバルぅ……」
カラカルは半分寝ていた。その声は、ちょっと色っぽかった。
かばん 「……古い説では、地球誕生の直後に……」
サーバル 「みぃ……」
サーバルは半分以上寝ていた。
かばん 「……7億年とも、もっと早いとも言われ……」
助 手 「にゃんこ達の頭には重すぎるのです……はかせ?」
はかせ 「くー……」
はかせは立ったまま、首だけうなだれて寝ていた。
キュルル 「すごい、立ったまま寝てる……」
かばん 「……このように、生命の起源というのはいまだに謎なんだ」
はかせ 「なぞっ!」
はかせが、パチッと目を開けて、顔を上げた。
はかせ 「ねてない、寝てないのれすぅ!」
はかせの声は寝ていた。
かばん 「ごめんごめん。退屈だったね。遺伝子や進化の話をしようと思ったんだけど、
別の話にしよう」
かばんは、皆を見て言った。
かばん 「いのちって、なんだろう?」
キュルル 「ぅえ?」
サーバル 「いのち?」
はかせ 「いきなり壮大なテーマなのです」
助 手 「答えのない問いなのです」
カラカル 「そうかしら? かんたんじゃない?」
サーバル 「いのちはいのちだよ」
サーバルは明るく言った。
かばん 「キュルルちゃんはどう思う?」
キュルル 「えっと、……生きるのに必要で……受けつがれていって……」
はかせ 「必要、というより、生き物そのものなのです」
かばん 「いのちって、どんなイメージかな?」
キュルル 「きれいなもの……きらきらしてる感じ……サンドスターみたいな」
助 手 「それは違うのです」
助手は、きっぱりと言った。
はかせ 「ある意味合っていますが、違うのです」
カラカル 「そうね……きれいじゃないわ」
サーバル 「わたしは、サンドスターよりきれいだと思うけどな……いのちって」
かばん 「さすがだねサーバル」
かばんが、サーバルを見て微笑んだ。
サーバル 「ほめられたー!」
サーバルは嬉しそうだった。
カラカル 「あんたねぇ……いのちがどういうものか、嫌っていうほど知ってるでしょ?」
サーバル 「そうだけど、でも……」
キュルル 「いのちって、きれいじゃないの?」
助 手 「教えてあげましょう。はかせ」
はかせ 「キュルル、ちょっとお勉強なのです」
サーバル 「おべんきょー!」
サーバルは楽しそうだった。
カラカル 「教えるって、なにする気よ?」
助 手 「想像するのです。もしも、キュルルが……相手は誰にしましょう? はかせ」
はかせ 「カラカルがいいのです。仲良さげなので」
カラカル 「あたしぃ?!」
かばん 「まさかそれって……」
キュルル 「ぼくとカラカルが?」
キュルルは、何も分かっていない様子だった。
助 手 「もしも……キュルルが……カラカルを……」
沈黙があった。
はかせ 「……食べるとしたら」
キュルル 「ぅええ!!」
助 手 「と、仮定して、想像してみるのです」
カラカル 「あー……そうきたかぁ……」
カラカルは苦笑いした。
かばん 「ちょっとそれは……やめようね……」
かばんは引いていた。
サーバル 「カラカルおいしいよー!」
サーバルは無邪気で楽しそうだった。
カラカル 「なんでそんなにうれしそうなのよ!」
キュルル 「それで、いのちがわかるの?」
はかせ 「わかるかはキュルル次第なのです」
カラカル 「いいわ。キュルルのためなら」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カラカル 「寝る必要なんてあるの?」
カラカルが、テーブルにあおむけに横になった。それを5人が囲んだ。
助 手 「想像しやすくするのです」
かばん 「キュルルちゃん、嫌だったら嫌って言ってね? とめるから。
気分が悪くなったら、お部屋から出ていってもいいよ」
キュルル 「想像するだけだから、だいじょうぶだと思う」
カラカル 「あんまりキュルルを甘やかさないほうがいいわ」
カラカルは、厳しい目をしていた。
キュルル 「カラカルこそだいじょうぶなの?」
カラカル 「バカにしないで! あたしはいいの……なれてるから……」
カラカルは、少し暗い声になり、キュルルから目をそらした。
キュルル 「?」
キュルルは不思議そうな顔をした。
はかせ 「では、始めるのです」
助 手 「キュルル、想像するのです。見えるもの、音、さわり心地、におい……そして味を」
助手は、まるで催眠術をかけるかのように言った。
キュルル 「あじ……カラカルの……」
はかせ 「ここはサバンナ。足をけがして弱ったカラカルを、おなかをすかせたキュルルが
つかまえたのです」
カラカル 「いやな設定ね」
はかせ 「サーバル、最初はどうするのです?」
サーバル 「獲物をおさえこんだら、まずは、のどにかみついて、息の根をとめるんだ。
……キュルルちゃんじゃできないかな? 手でしめるといいかもね」
カラカル 「あたしは簡単には死なないわよ。それに暴れるわ。逆にキュルルが死ぬわよ」
カラカルは少し不機嫌そうだった。
助 手 「あくまでも仮定なのです」
はかせ 「気絶したことにするです」
カラカル 「あたしを生きたまま食べるつもり!?」
カラカルが怒りを見せた。
かばん 「痛みで目をさましちゃうね……」
かばんは引いていた。
サーバル 「それはかわいそうだよ! 食べられてる途中で目がさめたら、すっごーく痛いよ?」
サーバルも抗議した。
助 手 「活け造り、というものもありますが……」
サーバル 「いけづくり?」
はかせ 「生きているおさかなの頭と、食べやすく切った体を、お皿にならべる料理なのです」
助 手 「最低限生きていられる部分だけ残して、あとは切り刻んで食べるのです」
カラカルの脳内に、自分がそうなっている映像がよぎった。
カラカル 「想像でもそれはいやよぅ!」
カラカルは戦慄しておびえた。
かばん 「ヒトって残酷だよね……」
キュルル 「なんて話をしてるの……」
キュルルもおびえていた。
サーバル 「あの絵を切るやつ、あれでのどを切れないかな?」
サーバルの声が明るくなった。
かばん 「はさみじゃ無理だね。……超絶切れ味のいいはさみ、ってことにしよう」
はかせ 「かばんが乗ってきたです」
キュルル 「凶器にされちゃった……ぼくのはさみ……」
カラカル 「苦しいのよねぇ……のど切られたら。すぐには死ねないわ……」
カラカルが遠い目をした。
はかせ 「頸動脈を切って……」
助 手 「熱い血がどくどくと……」
サーバル 「手が血まみれだね!」
サーバルは楽しそうだった。
キュルル 「カラカル……やっちゃったぁ……」
キュルルがうなだれた。いつの間にかはさみを持たされていた。
かばん 「キュルルちゃん、これは想像だからね」
カラカル 「あたしは……もう動かないわ。目を見開いてたら、閉じてほしい」
サーバル 「つぎは、毛皮を切って、むいちゃうよ!」
サーバルは明るく言った。
キュルル 「えええ!!」
かばん 「ふつうに脱がせばいいじゃない」
カラカル 「ほんとにやらないでよ!」
カラカルは強く言った。
はかせ 「キュルル、想像するのです。あなたは、カラカルの服をはさみで切って、乱暴に
脱がせていく……」
はかせは、催眠術をかけるかのように言った。
助 手 「そして、カラカルは肌色になるのです」
サーバル 「絵を描くのがかんたんになるね!」
はかせ 「一部肌色ではないところもあるですが……」
キュルル 「……あうぅ……」
キュルルがうつむいて、顔を赤くした。
カラカル 「想像しないで!」 *1
はかせ 「どこから食べるですか?」
カラカル 「待って!!」
全員が動きを止めた。
カラカル 「キュルル、あたしのむね、このあたり、耳をあてて」
カラカルが、自分の胸の谷間を指差した。
キュルル 「え、えと……」
キュルルは躊躇した。
カラカル 「いいからあてなさい!」
キュルル 「うん……」
キュルルは、カラカルの胸に耳をあてた。
とく、とく、とく、とく……と、ちょっと速い鼓動が聞こえた。
カラカルが、真剣な顔でキュルルを見た。
カラカル 「キュルル、感じてほしいの。あたしの心臓が止まるところ」
キュルル 「え……」
カラカル 「まだ動いてるかもしれないわ。*2 直接さわって」
サーバル 「急がなきゃ! 止まっちゃうよ!」
はかせ 「肋骨を切って、むねをひらくです」
助 手 「超絶切れ味のいいはさみで」
かばん 「解剖になっちゃう……けど、いのちの勉強だもんね」
カラカル 「手を突っ込んで! にぎってもいい!」
サーバル 「まんなかに、くだがつながってる、ぐーくらい大きさのものがあるよ。それが心臓」
キュルルは、カラカルの胸の谷間に手をあてた。その先にあるものを想像するように。
カラカル 「キュルルは、血まみれの手で、あたしの心臓をにぎってる。あったかいでしょ?
弱々しけど、それはまだ動いてるわ。どくん、どくん、どくん……ほら、感じて。
どくん、どくん……とくん………ぴくぴくっ………………あれ? 動かない……」
キュルル 「……あ……カラカ……」
キュルルは、一瞬放心した。
カラカル 「あーあ……もう二度と動かないわ。……キュルルが止めたのよ? あたしの心臓」
キュルル 「………う……うう……」
キュルルは今にも泣き出しそうだった。
かばん 「ちょっと、いじめすぎじゃない?」
かばんは心配そうだった。
助 手 「心臓も肺も止まって、血が回らなくなる。そして、酸素や栄養が行きわたらなく
なって、体中の組織が死んでいくのです。……つめたくなっていくのです」
はかせ 「あたまも死んでしまうのです。カラカルはもう、考えることも、夢を見ることも
できないのです。記憶も……おそらく、こわれていくのです *3 」
カラカル 「あたしは天国行きってわけね……さようなら、キュルル」
カラカルは、やさしい表情で、キュルルの顔を見て言った。
キュルル 「……う……カラカル、カラカルぅ……ぐす……」
キュルルが、カラカルの顔を見つめながら泣きだした。
かばん 「感情移入しすぎだよキュルルちゃん。これは想像。仮定の話だから」
サーバル 「キュルルちゃんは、カラカルがだいすきなんだね!」
カラカル 「……おおげさねぇ……」
カラカルは、キュルルから顔をそらした。
かばん 「ここで、カラカルのフレンズ化が解けるんじゃないかな?」
助 手 「解けないのです」
はかせ 「ヒトの姿のほうが、キュルルの勉強になるのです」
カラカル 「悪趣味だわ……」
サーバル 「カラカルが死んじゃっても、いのちはあるんだよ、キュルルちゃん」
サーバルが、明るく声をかけた。
キュルル 「え?」
かばん 「カラカルの体には、たくさんのエネルギー、栄養がつまってる。
これも、ある意味では、いのちと言えるね」*4
はかせ 「さあ、キュルル、いのちを食べるのです」
助 手 「新鮮なうちに」
中編へ続く
↑☆↓ あとがき ↓△↑
読んでいただきありがとうございます。
続きます。中編では、カラカルが爆弾発言をします。
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いのち 中編
↓☆↑ まえがき ↑◎↓
中編(第2話)です。
残酷・グロテスク(猟奇的)な表現があります。
サーバル 「初心者は、ふとももと、おしりがおすすめだよ!」
バサッ! と、サーバルが、カラカルのスカートを思いっきりめくった。*1
キュルル 「わああ!!」
キュルルが顔を覆って横を向いた。
カラカル 「なにすんのよサーバル!」
カラカルが起き上がろうとした。
はかせ 「死体は動いちゃだめなのです」
助 手 「ちょっとかたそうな肉ですね」*2
カラカル 「かたくないわ! ぷりっとしてておいしいわよ?
……ほらキュルル、ちゃんと見なさい」
キュルル 「……うぅ……」
キュルルは、顔を赤くして、ゆっくりとカラカルの足に視線を戻した。
サーバル 「はずかしいの? いつも見てるのに」
キュルル 「見てないよ! 見えちゃったことはあるけど……」
カラカル 「それは見たっていうのよ!」
かばん 「ふふふ……」
かばんは、3人をながめて、やさしい笑顔になった。
はかせ 「かばんがおばさんっぽいのです」
かばん 「うええ!」
助 手 「子供を見てほほえましく感じるのが、大人なのです」
かばん 「……うれしいような、かなしいような……」*3
カラカル 「あのねぇキュルル、はずかしい、とか、かわいそう、なんて思って食べなかったら、
生きていけないわよ?」
サーバル 「おなかのお肉もやわらかくておいしいよ!」
サーバルは、スカートがめくれて見えていたカラカルのおなかを、ぐにゅぐにゅっと揉んだ。
相変わらず無邪気で楽しそうだった。
カラカル 「やめてくすぐったい! そっちは上級者向けよ。おへそのあたりを切ると……」
助 手 「内臓が……」
はかせ 「腸がぶちゅっと出るです」
キュルル 「ひっ!」
サーバル 「内臓、おいしいけど苦いところもあるし……」
サーバルは、カラカルのおなかを眺めながら言った。
カラカル 「変なところ食べるとおなかこわすから、上級者向けね」
カラカルの声は明るかった。
かばん 「全然ほほえましくないよ……」
かばんは若干引きつつ、暗い顔になった。
カラカル 「かんぞう、だっけ? レバーならキュルルでも食べられるんじゃない?」
キュルル 「レバー?」
キュルルが不安そうな顔をした。
サーバル 「このあたりかな?」
サーバルが、少しスカートを戻して、カラカルのみぞおちあたりをさわった。
サーバル 「黒っぽい赤で、ぷるぷるした大きめの内臓だよ」
キュルル 「ぷるぷる……」
サーバル 「ふしぎなあじだけど、一度食べたらやみつきになっちゃうよー」
サーバルは、キュルルをからかうように言った。
キュルル 「……やめ……たべないよう……」
キュルルは再び泣きそうな顔をした。
かばん 「あーもう……この子たちは……」
かばんは、あきれと困惑が混じった様子だった。
カラカル 「レバー食べるのはいいけど、となりのふくろは押さないでよ!
ぜったいに押さないでよ!」
サーバル 「えいっ!」
サーバルは楽しそうに、カラカルのおなかを思いっきり押した。*4
カラカル 「うっぷ……」
カラカルが両手で口をおさえた。
カラカル 「は……ジャパリまん出そうになったじゃない!」
助 手 「胃から下は、腸につなが
カラカル 「うわあぁ!! やめなさい!! もっとあぶないのが出ちゃう!!」
カラカルが真剣な顔になり、穏やかに言った。
カラカル 「そうだ、下の方に、キュルルに食べてほしいものがあるわ……」
カラカルが、スカートを再び大きくたくし上げて、自分のへその下をさわった。*7
キュルル 「ぅえ?」
カラカル 「かばんさん、ヒトの……たまごはどこにあるの?」
カラカルは、子供が親に質問するように言った。
キュルル 「たまご?」
かばんが、カラカルのへその下を、人差し指でさわった。
かばん 「ここが赤ちゃんのお部屋……そして……」*8
かばんは、両手の人差し指を、『赤ちゃんのお部屋』から左右へすべらせた。
かばん 「このあたりだね」
骨盤のかどより少し内側で、指が止まった。
カラカル 「キュルル、ヒトにもたまごがあるのよ。そうでしょ、かばんさん」
かばん 「そうだよ。正確には、卵巣……新しいいのちのもと、かな」
サーバル 「たまごは、すっごくおいしいんだよ。からだの中で、いちばんかもね」
サーバルは明るく言った。だが今までの無邪気な感じとは違い、穏やかだった。
かばん 「サーバル! そんなこと言っちゃだめだよ」
かばんは少し困惑して、注意した。
カラカル 「おいしくてあたりまえね。新しいいのちのもとなんだから。
……あたしの、たからもの……ちいさな、あたしの子供たち……」
カラカルは、いとおしそうに、かばんが指差したあたりを両手でさすった。
キュルル 「カラカルの、こども?」
カラカル 「キュルル、あたしを食べるってことは、あたしから産まれるはずだった子供も
食べちゃう、ってことなのよ?」
キュルル 「そんな……」
かばん 「まだ子供とは呼べないと思うけど……正しい、かな……」
かばんは言葉をにごした。
はかせ 「つぎの世代が消えるのはたしかなのです」
助 手 「それまでに産んだ子がいなければ、ここでおしまいなのです」
かばん 「女の子のフレンズだけじゃ、新しいいのちは生まれないんだけどね」
キュルル 「どういうこと?」
かばん 「それは……まだキュルルちゃんには早いかな?」
かばんが、キュルルを見て微笑んだ。
はかせ 「早くないのです」
助 手 「十分なのです」
カラカル 「なんだかふしぎな気分ね……いのちをあげるって……」
カラカルが、感慨深げに目を閉じた。
キュルル 「カラカル?」
カラカルが目を開けて、キュルルを見た。やさしい、自信に満ちた表情だった。
カラカル 「キュルル……いのちのつくりかた、あたしが教えてあげるわ」
キュルル 「え?」
カラカル 「あとで、ふたりきりでね」
カラカルは、やさしく穏やかに言って、微笑んだ。
かばん 「ええ!」
はかせ 「ふたりの補習授業なのです……」
助 手 「カラダで教えるのです……」
はかせと助手は引いていた。
サーバル 「やったね! キュルルちゃん!」
キュルル 「……は……よくわかんないけど、ドキッとした……」
キュルルは、驚いた顔で、自分の胸に手をあてた。
カラカル 「へんなことしないわよ! 教えるだけよ!」
かばん 「まじめな話、これはとっても大切なことだよ。新しいいのちをつくる」
助 手 「キュルルが、カラカルを殺したのとは逆に……」
はかせ 「ふたりで、新しいいのちをつくることもできるのです」
サーバル 「おめでとー! ふたりとも!」
サーバルは満面の笑みで祝福した。
カラカル 「サーバルは先走りすぎ!」
かばんが、カラカルの耳元でささやいた。
かばん 「カラカル、キュルルちゃんに教えるときは、わたしもいっしょにね」
カラカル 「え? やぁ、ふたりにしてよ……」
カラカルは、しょんぼりとして、弱く反対した。
かばん 「気持ちはわかるけど、間違いが起きたら困るから。カラカルの知っていることは、
けもののカラカルのことで、ヒトとは違うんだ。知識にかたよりがあるんだよ」
カラカル 「なんかこわい……」
かばん 「たのしくお話しするだけだよ。ふたりは、これからがすっごくたのしいから。
苦しくなるくらいに、ね……。ちょっと、うらやましいな……」
かばんは、サーバルをチラッと見て、寂しそうに笑った。
サーバル 「?」
サーバルは不思議そうな顔をした。
はかせ 「またかばんがおばさんっぽいのです」
助 手 「おせっかいなのです」
かばん 「自覚あるから言わないで」
キュルル 「ぼくは……カラカルのたまご、食べるよ。食べたってことにする」
キュルルは、弱い感じだったが、はっきりと言った。
カラカル 「キュルル……」
カラカルは、悲しさとうれしさが半々、という表情だった。
サーバル 「ほかも食べる? カラカルの足でおなかいっぱいかな?」
カラカル 「ヒトって、無駄に足が長いからねー」*9
カラカルは自分の足を見た。
カラカル 「でもキュルル、あたしの足だけは、なるべく早く食べなさい」
カラカルは強く言った。命令ではなく、警告だった。
キュルル 「どうして?」
カラカル 「まわりを見てみなさい。あんたは食べるのに夢中で気付かなかったけど……」
はかせ 「獲物を横取りしようとする子たちが集まってきたのです」
キュルルはまわりを見回した。そこはサバンナではなく研究室だったが、サバンナの景色が重なって見えた。そこに現れた、フレンズとも元の動物ともつかないけものたちが、にじり寄って来るのが見えた。
助 手 「追い払うのです」
キュルル 「えっと、どうすれば……」
カラカル 「ダメね……あんたじゃかんたんに取られちゃうわ」
かばん 「ものを投げる、とか?」
キュルル 「石とか、木の枝とか……バッグとか……」
キュルルは、自分が物を投げているところを想像した。けものたち中の何匹かは逃げていった。
はかせ 「投げるものがなくなったのです」
キュルル 「ぅええ!」
かばん 「いじわるだね……」
サーバル 「わけてあげようよ」
キュルル 「え?」
カラカル 「……あたしのしっぽを切って、投げるといいわ」
キュルル 「!」
キュルルがはっとした。
カラカルが、少し体を傾け、しっぽを大きく振った。
カラカル 「それで足りなければ、うでもあげちゃって」
カラカルは、自分の腕を上げて見せた。
サーバル 「骨付き肉だね! みんな喜ぶよ!」
キュルル 「そんなことできないよ! たいせつな、カラカルの体……ぼくのものなのに……」
キュルルは、カラカルの腕を見つめた。少し怒ったようだった。
カラカル 「あんたねぇ……こんな大きな獲物をひとりじめするつもり?」
はかせ 「キュルルひとりでは食べきれないのです」
サーバル 「ほら、食べなよっ!」
サーバルが、カラカルのしっぽを投げるまねをした。
キュルル 「あ……」
カラカルのしっぽは、研究室から、想像の中のサバンナへ飛んだ。3匹のけものが集まり、しっぽを引きちぎって食べ始めた。一匹が大きな部分を持ち去っていった。
助 手 「あと2匹」
キュルルが、カラカルの手首をつかみ上げて、“超絶切れ味のいいはさみ”を、カラカルの腕に近づけた。そこで、止まった。
カラカル 「なにやってるの? あたし、ほかの子に取られちゃうわよ?」
カラカルは、少し冷たい口調だった。
キュルル 「……カラカル……ごめん!」
キュルルは、はさみでカラカルの腕を切るまねをした。
キュルル 「えいっ!」
そして、切り落とした腕を、想像の中のサバンナへ投げた。2匹のけものがそれを奪い合い、勝った一匹が持ち去っていった。もう一匹は、ちぎれた指を食べた。
サーバル 「おなかいっぱい食べたら、あとは残して、その場を去るんだよ」
姉が弟に教えるように、サーバルは、キュルルに言った。
キュルル 「残しちゃうの?」
サーバル 「まってる子がたくさんいるから」
かばん 「順番があるんだ。残ったものを、別の子が食べるんだよ」
助 手 「一匹の大きなけものが死ぬと、たくさんの生き物が、順番にそれを食べるのです」
はかせ 「カラカルは、自分のいのちを、たくさんの生き物に分けあたえるのです」
かばん 「食べるのは、肉食のけものだけじゃないよ。虫や微生物、植物まで……」
サーバル 「カラカルは、サバンナなら、三日もたたずに骨だけになるね」
カラカル 「骨をかじるもの好きもいるわね……」
サーバル 「フレンズによって、好きな部位は違うから」
カラカル 「残ったお肉は、腐ってうじ虫がわいちゃうから、新鮮なうちにきれいに食べなさい」
サーバル 「腐っちゃうと、においがひどいんだよね……」
サーバルは眉をひそめた。
かばん 「でも、そのにおいは、たくさんの生き物を引き寄せるんだ。
ここに食べ物がある、って」
サーバル 「腐ったお肉が好きな子もいるからね」
カラカル 「まあ、キュルルじゃ、骨のまわりまで、きれいに食べられないかもね」
キュルル 「そうなの、かなぁ……」
キュルルは少し暗い感じで言った。想像がつかない様子だった。
サーバル 「キュルルちゃん、カラカルの舌、ざらざらしてるよね。なんでかわかる?」*10
キュルル 「え? えっと……」
キュルルは、素直にそのまま答えようとした。
カラカル 「キュルルはざらざらしてるとか知らないでしょ!」
サーバル 「カラカル、キュルルちゃんをぺろぺろしてたじゃない」
サーバルは、ごく当たり前のこと、という感じで言った。*11
キュルル 「うわあ!!」
カラカル 「見てたの!」
後編へ続く
↓◎↑ あとがき ↑△↓
読んでいただきありがとうございます。
カラカルとキュルルは、想像以上になかよしでした。ざらざらの理由とは……。
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いのち 後編
↑△↓◎↑ まえがき ↑☆↓◎↑
後編(第3話)です。
残酷・グロテスク(猟奇的)な表現があります。
サーバル 「カラカル、キュルルちゃんをぺろぺろしてたじゃない」
サーバルは、ごく当たり前のこと、という感じで言った。
キュルル 「うわあ!!」
カラカル 「見てたの!」
かばん 「ありゃー……」
かばんが苦笑いした。
はかせ 「痛そうなのです」
キュルル 「カラカルはやさしいから痛くないよ!」*1
カラカル 「ちょっとキュルル!」
カラカルはあわてた。
サーバル 「ちゅっちゅもしてたよね」
カラカル 「あれは! えと、くちうつしで……」
カラカルの声が小さくなっていった。
キュルル 「ざらざらがおいしいんだよ!」
キュルルは混乱気味だった。
カラカル 「なーに言ってんのよキュルルー!!」
カラカルは顔を赤くして叫んだ。
助 手 「なかよく墓穴を掘っているのです」
サーバル 「舌を食べるなんてマニアックだね!」
カラカル&キュルル 「たべない(わよ)(よ)!!」
ふたりが見事にシンクロした。
かばん 「ストップストップ! ちょっとおちついてねー」
カラカルとキュルルは、素直に落ち着いた。
かばん 「ネコ科の舌がざらざらなのは、骨に付いた肉をなめとるためなんだ」
カラカル 「身だしなみのためでもあるわ。それに、つばをつけて毛をなめると、ひんやり
するのよ。この体じゃ毛づくろいできないけどね」*2
カラカルは、べーっと舌を出して見せた。
キュルル 「さいごまで食べるためなんだね……」
サーバル 「きれいに食べてあげなきゃ、死んだ子がかわいそうでしょ」
サーバルは明るく言った。姉が弟に教えるように。
カラカル 「あたしも……きれいに食べてほしい。みんなで……」
カラカルは穏やかに言った。神様にお願いするように。
カラカル 「そうだキュルル」
カラカルは、何かを思いだしたように言った。
キュルル 「なに?」
カラカル 「あたしが食べられていく “途中の” 姿は、想像しないほうがいいわ」
カラカルは素っ気なかった。
キュルル 「へ?」
サーバル 「それはさすがにやめたほうがいいよー」
サーバルが眉をひそめた。
助 手 「かなりぐちゃぐちゃなのです」
はかせ 「でもまだフレンズのかたちが残っているのです」
かばん 「絶対に想像しちゃだめだよキュルルちゃん」*3
キュルル 「……う、う……うああああーーー!!」
キュルルは頭を抱えて叫んだ。
かばん 「これは……トラウマにならないか心配だね……」
かばんは若干引きつつ、苦笑いした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
助 手 「こうして……」
はかせ 「カラカルは骨になったのです」
かばん 「食べられずに残った肉や、地面にしみこんだ血は、虫や微生物によって分解されて、
草木の養分になるんだ」
キュルル 「どこにも無駄がない……」
かばん 「そう、なにも無駄にならない。残った骨だって、だんだん砕けて、植物の成長を
助けるんだよ」*5
助 手 「むだにならない養分といえば……」
はかせ 「食べたら出るもの……」
サーバル 「うんこー!」
サーバルは、正解が分かった子供のように、うれしそうに言った。
かばん 「サーバル、せめてフンって言ってね……」
かばんが苦笑いした。
カラカル 「あたし、そこまでいっちゃったのね……」
カラカルも苦笑いした。
かばん 「その養分で育った草を、虫や草食の子が食べて、虫や草食の子を、肉食の子が
食べて、たくさんの動物がフンをして……」
カラカル 「うん……フンを食べるけものだっているのよ」
キュルル 「ぐるぐる回ってるんだ……」
かばん 「とても大切なことに気がついたね。“いのちはめぐる”」
キュルル 「いのちはめぐる……」
かばん 「こんな図を見たことがあるかな?」
かばんは、ホワイトボードに三角形を描いた。そしてそこに階層を書き込んでいった。
かばん 「食物連鎖のピラミッドだよ」
キュルル 「見たことあるよ。下の生き物を、上の生き物が食べる……」
カラカルが体を起こして、ホワイトボードを見た。
カラカル 「あたしとサーバルは、いちばん上にいるわね」
かばん 「この図は大事な線が抜けているよ。なんだと思う?」
キュルル 「えっと、こうかな?」
キュルルが、ピラミッドの頂点から、底辺へ向かう矢印を描いた。
かばん 「よくわかったね」
キュルル 「たしかに、ぐるぐる回ってるね。いのちの輪っかだ」
かばん 「細かく見ていくと、とっても複雑にからみ合っていて、単純な輪にはならない
けどね。全体が、絶妙なバランスで成り立っているんだ」
サーバル 「もっと大事なのが抜けてない?」
キュルル 「ぅえ?」
かばん 「抜けてる?」
サーバル 「ほら、キュルルちゃんとカラカルがつくったやつだよ!」
助 手 「新しいいのち、ですね」
カラカル 「つくってないわよ!」
サーバル 「ごめんごめん、これからつくるんだったね」
サーバルがカラカルを見て微笑んだ。
カラカル 「そうよ! じゃなくて、つくらないわよ!」
かばん 「それはまた別の図で描かないと……。いや、この中に含まれているとも言えるね。
……いのちの線……流れ……。うーん、さらに複雑になるね……」
かばんは、ホワイトボードに図を描き足そうとしたが、手が止まった。
カラカル 「そんな難しく考えなくていいのよ。ぜんぶでひとつのかたまりでしょ?」
はかせ 「カラカルは単純すぎるのです」
キュルル 「あれ? そのかたまりって、もしかして……」
助 手 「余談ですが、このバランスを壊すけものがいるのです」
かばん 「う……」
かばんが固まった。
はかせ 「ここにふたりいるのです」
キュルル 「ふたり?」
はかせ 「この三角のどこかが減りすぎたり、増えすぎたりすると、バランスが崩れて、
全体に影響が出るのです。たくさんのいきものが絶滅するです。ヒトも含めて」
かばん 「……謝っても許してもらえないよね……」
はかせ 「安心するです。いのちは、ヒトごときに消されるほど弱くないのです」
助 手 「壊滅的状況になっても、やがてもとに戻るのです」
かばん 「復元……じゃなくて、再構築だね。絶滅した生き物は、帰ってこないから……。
そう、極端な話、恐竜が絶滅した時みたいに、生き物の姿が変わるんだ」*6
助 手 「いのちは再構築されるのです。ヒトがいなくなれば」
はかせ 「いのちは、本来の形に戻るのです。ヒトがいなくなれば」
キュルル 「……ぼくたち……だからいなくなったんだ……」
キュルルは、少しうつむいて、暗い顔になった。
サーバル 「ヒトをそんな悪く言わないでよ。ヒトは、いいこともたくさんしてくれたよ?」
サーバルが抗議した。
カラカル 「ジャパリまんは、ヒトのやさしさね」
カラカルは明るく言った。
かばん 「ゆがんだやさしさだけどね」
かばんは困ったように、サーバルとカラカルに笑いかけた。
かばん 「ジャパリまんは、いのちの輪っかを無視したものだから」
はかせ 「そういう不器用なところがヒトの長所であり、短所でもあるのです」
キュルル 「どこかで聞いたようなセリフだね……」
助 手 「ゆがんだやさしさ……フレンズ自体、自然の摂理から外れたいのちなのです」
助手は、少しだけ憂いを見せた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かばん 「キュルルちゃん、もう一度きくよ。いのちって、なんだと思う?」
キュルルは考えこんだ。
キュルル 「…………わからない……」
はかせ 「だから言ったのです」
助 手 「答えのない問いだと」
かばん 「じゃあ、いのちって、きれいだと思う?」
キュルル 「いのちは、サンドスターみたいにキラキラしてない。むしろ逆なんだね……」
かばん 「どろどろしてるよね。……それにわたしは……今までヒトがしてきたことを思うと、
恥ずかしくて、“命は美しい”なんて言えない」
キュルル 「……それでも、それでもぼくは、きれいだって思いたい……」
かばん 「よく言えたね。荒っぽいやり方だったけど、勉強になったかな?」
キュルル 「わからないけど……今まで知らなかったのがはずかしい、って思った」
カラカル 「ヒトって、そんなこと考えるほどヒマなのね……」
カラカルが、テーブルから上体を起こしながら、あきれたように言った。
サーバル 「いろんなこと知っていて、考えられるのは、ヒトのいいところだと思うけどなー」
カラカル 「キュルル、あたしのむねに耳をあてて」
キュルルが、カラカルの胸に再び耳をあてた。
とくん、とくん、とくん、と、先ほどより落ちついた鼓動が聞こえた。
キュルル 「いきてる……カラカルが生きてる……いきてる……」
キュルルが、カラカルを抱きしめて、胸に顔をうずめた。
カラカル 「やだ、また泣いてるの?」
カラカルは、キュルルの頭をやさしくなでた。
キュルル 「だって、だって生きてるんだよ? すごい……」
カラカル 「いのちってなに? なんて、考えなくていいの」
カラカルが顔を上げ、かばんを見た。
カラカル 「“あたしたちは、生きてる”、それだけよ」
サーバル 「うん! みんながんばって生きてるんだよ! みんながいのち!」
助 手 「まったく、このにゃんこ共は……」
はかせ 「答えになってないのです」
かばん 「カラカルとサーバルはすごいね……。その通りだよ。わたしは……
わたしたちは、難しく考えすぎていたのかもしれない」
キュルルが体を起こし、カラカルの目をまっすぐに見た。至近距離だった。
カラカル 「な、なによ」
カラカルは少しうろたえた。
カラカルの瞳、かすかに野生が残るその先に、一瞬だけ、カラカルの本来の姿が見えた。
キュルル 「すっごくきれいだねー……」
キュルルは、初めてサンドスターを見た時よりもずっと強く感嘆した。驚き、喜び、陶酔……。
世界一美しい宝石を見つけたようだった。
カラカル 「え……」
カラカルがはっとした。そして少し頬を赤くして、放心したようにキュルルの目を見つめた。
キュルル 「……カラカル」
カラカルの目がうるんできた。
キュルル 「わわ! ちがうちがう! カラカルはきれいじゃなくて、いのちが!」
キュルルは、あせって言いかえた。
カラカル 「あたしがきれいじゃないって?」
カラカルは、涙があふれそうな目でキュルルをにらんで、少し重い感じで言った。
キュルル 「うわぁ! えと、カラカルはきれいというより、かわいい方だと思うよ!
すっごくかわいい!」
カラカル 「ぁう……」
キュルル 「……あれ?」
カラカル 「……あんたってまだまだ子供ねぇ……」
カラカルはそっぽを向いて、目をこすって、さらに顔を赤くした。
キュルル 「うぅ……」
キュルルもうつむいて、顔を赤くした。
サーバル 「あはは! やっぱりなかよしだね!」
かばん 「サーバルちゃんもきれいでかわいいよっ!」
かばんは、カラカルとキュルルに向けて抗議し、がしっとサーバルの肩を抱いた。妙に勢いがあった。そしてナチュラルに“ちゃん付け”だった。
サーバル 「ええ! 急になに言いだすのかばんちゃん!」
助 手 「なにを対抗しているのです?」
はかせ 「こっちもまだまだ子供なのです」
おわり
◎ あとがき ◎
読んでいただきありがとうございます。
ごく当たり前のことを書いていたら、言いたいことがたくさん出てきて、どんどん長くなり、こうなりました。足し算で書いてしまうのは、私の悪い癖です。もっと削りたいんですが……。
書いていいのかこれ、って思うところもありましたが、ちょっとキツめにした方がいいかな、と思って書きました。
もっと残酷に、もっとグロテスクにもできるんですが、長くなるのでこのくらいにしました。あと、やりすぎるとR-18になってしまいます。すでに自主規制が入ってますし……。
明るいおはなしにしたつもりですが、私は、(筆者と登場人物の両方が)悪ノリして遊んでいただけにも思えて、嫌な感じがします。
決して、カニバリズム(食人)を肯定するわけではありません。
このおはなし、実は仮想現実(VR)なんです。ゴーグルなどのデバイスを使用しない、想像するだけの仮想現実です。(今回の場合、カラカルの体を使ったARかも)
本作のサーバル、無邪気にすごいこと言ってるんですよね……。ちょっと怖いキャラになってしまいました。でも、パークでぬくぬくと育ったのではなく、本当のサバンナで野生動物として生きてきて、フレンズ化してもその感覚が残っているなら、こんなものだと思うんです。
R-15にしましたが、本当は全年齢にしたかったです。
臓器の描写や食物連鎖の話などは、間違いがあるかもしれません。
私は、原作とは逆の方向の、ひどいものばっかり書いています。認めたくないですが、私はこういうのが好きみたいです。嫌いだけど書いてしまうのかもしれません。本当は、ほのぼのとした甘いおはなしが書きたいんですが……。
カラカルとキュルルがなかよしなのは、筆者の趣味です。
私は、カラカルとキュルルをくっつけたうえで、2期のサーバルとかばん(大人)をいちゃいちゃさせたい、と思っています(最近私の中でブーム)。そのうち書きたいです。ネタの鮮度が低いですし、原作のファンの方々から嫌われそうな展開ですが……。
加えて、私は……
カラカルとキュルル間にできた子と、イエイヌが友達になって、その子は、イエイヌの“ごしゅじん”になる。そして4人(親子3人とペット一匹)はしあわせな家族に……(もちろん、サーバル&かばんもくっついている)。
……という無茶苦茶な妄想をしています。設定とか物語の流れとか破壊しまくりですが、強引にでも、甘いハッピーエンドにしたいんです。今までつらかったみんなに、ごほうびがあってもいいんじゃないかと。
キュルルは、両親がいない(親という概念すら忘れている?)子供、という悲劇のキャラクター、と解釈することもできます。子供にとって、親の存在は大切なのに……。
制作者という親に恵まれず、間に合わせで作られたキャラクターだから、設定もいい加減、とも言えます。そしてファンにも嫌われてしまう……。かわいそうです。
だからキュルルは家族を持って、しあわせになってほしいんです。無知や経験不足は、まわりのフレンズたち(特にかばんさん)がフォローしてくれるはずです。
とか言いつつ、私は自分の作品でキュルルをいじめまくっています。
クリスマスにこんなものを投稿した理由は、半分は皮肉であり、もう半分は“むしろこういうものがクリスマスにふさわしいのではないか?”と、本気で思ったためです。
( 2019/12/25 00:00 後編投稿 )
このあとに、『おまけ〈 はずかしさ 〉』を投稿します。
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いのち おまけ〈 はずかしさ 〉
♡ まえがき ◎
おまけ(第4話)です。〈 はずかしさ 〉はサブタイトルです。
『ジャパリ・フラグメンツ』(別作品)内にある短編〈 ひっつもどるき 〉につながっているような、いないような……。
“はずかしさ”がテーマのおはなしです。
心理学などは無視して、私の考えで書きました。間違いだらけだと思います。
1行全角44文字として、改行位置を調整しています。
“カラカルを食べる想像”の翌日。*1 かばんの研究所。ガレージの研究室。
カラカルとキュルルがテーブルのそばの椅子に座っていて、かばんがホワイトボードに図を描きながら、講義をしていた。性教育的なものだった。
かばん 「……これが、“新しい いのちをつくる”ってこと。どう? わかったかな?」
かばんは明るく言った。“先生”というより“お姉さん”という感じだった。
カラカル 「ヒトって、ちょっとややこしいのね……」
カラカルは、前を見たまま言った。
キュルル 「それは、やっぱり野生動物とは違うから……」
カラカルとキュルルは平静をよそおっていたが、少し頬が赤かった。
かばん 「ふたりとも、今の気持ち、どうかな?」
カラカル 「べつに、なにも……」
カラカルが、かばんから顔をそらした。
キュルル 「えっと……ちょっと、はずかしい、かな」
キュルルは、困ったような笑顔をした。
カラカル 「あたし、その“はずかしい”っていう気持ち、いまだによくわからないわ」
かばん 「カラカル、キュルルちゃんを見て」
カラカル 「ん?」
カラカルとキュルルが、顔を見合わせて、ビクッと驚いて、すぐに顔をそらした。そしてふたりとも頬を赤くした。
かばん 「見ないようにしてた? キュルルちゃんのこと」
カラカル 「そんなこと……ないわよぅ……」
カラカルは、頬を赤くしてうつむいた。
かばん 「今、カラカルの体はどうなってる? 体の感覚は?」
カラカル 「どきどきする……ほっぺたが熱いわ……ちょっと体も熱い。なんかぼーっとする」
かばん 「それが、はずかしい気持ち……といっしょになってる体の感覚だよ」
カラカル 「これがそうなのね……ん……なんか強くなってきたわ。どきどきが……」
カラカルが胸にてをあてた。
かばん 「抑えようとしてる?」
キュルル 「おさえようとすると、もっとはずかしくなるよ……う……ぼくまで……」
キュルルは、さらに頬を赤くして、少しうつむいた。
かばん 「伝染してるね……さすが、つがいになったふたりだね」
かばんが、ふたりに笑顔を向けた。
キュルル 「言わないで……」
カラカル 「やめてはずかし……むねがきゅうきゅうして痛い……」
かばん 「その感覚、ほんとうに痛い? いやな感じがする?」
カラカル 「えと、きもちいい、かも……」
カラカルは、はずかしそうに、小声で言った。
キュルル 「ええ!」
キュルルが驚いて顔を上げた。
カラカル 「ふしぎね……こんな感覚、もとの姿のときはなかったわ」
かばん 「でもカラカル、きのうすっごいはずかしがってたよね」
カラカル 「え?」
かばん 「ざらざらがどうとかって」
カラカル&キュルル 「そのはなしはやめて!(よ!)」
かばん 「カラカルは結構はずかしがっているんだよ」
キュルル 「服を脱がされるところ、『想像しないで!』って言ってたね」
カラカル 「あーあれね……」
カラカル 「ん? ……へんだわ。そんなの、はずかしくないはずなのに……。
だって、もとの姿では、ずっと“はだか”だったのよ?」*2
キュルル 「ヒトの姿になったから?」
かばん 「そう。ヒトの姿になったから、はずかしくなったんだよ」
カラカル 「はずかしさなんていらないわぁ……。なんの役にも立たないし……」
カラカルは、ため息をつくように言った。
かばん 「はずかしさがなくなっちゃうと、すっごくさびしいと思うよ?」
カラカル 「……たしかにそうね……」
カラカルが、ふっと暗い顔になった。
キュルル 「気持ちいいからね」
カラカル 「ちがうわよ!」
かばん 「もとの姿では、“見られちゃいけないところ”まで見えていたよね」
カラカル 「ぴ!」
カラカルが、ぴくっとかわいく反応した。
かばん 「カラカルは、いけないところを見られるのが好きなのかな?」
カラカル 「ちがうってば! そんなへんたいじゃないわよ!」
かばん 「キュルルちゃん、想像しちゃだめだよ」*3
キュルルの脳内で、昨日のカラカルのセリフが再生された。
カラカル 『……ほらキュルル、ちゃんと見なさい』
キュルル 「あうぅ……」
キュルルが、再び顔を赤くしてうつむいた。*4
カラカル 「かばんさん! さっきからはずかしがらせようとしてるでしょ!」
カラカルは、ちょっと怒って抗議した。
かばん 「ごめんごめん。ふたりがかわいかったから、つい」
かばんが、いたずらっぽく笑った。
キュルル 「かわいいとかやめてよ……」
カラカル 「おいうちをかけないで……」
かばん 「“見られちゃいけないところ”、っていうのは結構大事なんだ。キュルルちゃん、
自分の体の、どこがいちばん見られたくない?」
キュルル 「もうやめてよ……」
カラカル 「キュルル、ちゃんと答えなさい」
かばん 「じゃあ、カラカルに聞こうか」
カラカル 「ええ!」
かばん 「あえて聞かなかったんだけど」
カラカル 「ん……えっと、ここと、ここ……」
カラカルが、はずかしそうに自分の胸とスカートを指差した。
かばん 「ここで、さっきの話を思いだしてほしい。
ふたりのいちばん見られたくないところは、同じだよね」
キュルル 「いのちをつくるところ、だね」
キュルルは、下を見たまま言った。
カラカル 「いのちをつくるところが……いちばん見られたくない?」
かばん 「ふしぎじゃない?他人とつながらなきゃいけないところが、見られたくないなんて」
キュルル 「たしかに変だね」
キュルルが顔を上げた。
かばん 「ヒトは、性的なもの、男女の関係とか、いのちをつくることに、強いはずかしさを
感じるんだ」
カラカル 「いのちをつくるって、生き物として、とってもだいじなことよ。
はずかしさで、それをやりにくくしてるの?」
かばん 「ちょっと難しい話になるけど、はずかしいっていう気持ちには、先天的なものと、
後天的なものがあるんだ。
先天的なものは、産まれた時から持っているもの……
これは、成長していく中で目覚めるはずかしさだね。
それとは別で、後天的なもの……あとから見たり聞いたりしたことで刷り込まれた
はずかしさがあるんだ。はっきりと切り分けるのは難しいけどね」
かばん 「前者は置いておいて、後者は、ヒトの社会性……ルール、マナー、モラル、タブー
……などの理由から、ヒトは性的なものを避けるんだ」
カラカル 「だいじなのに、なんで避けるのよ?」
かばん 「どうしてそうなったのか、というと、もともと“先天的なはずかしさ”があったこと
に加えて、性的なものを見て、いやな気持ちになるヒトもいるからなんだ。
性欲は動物の本能で、理性や知性とは反対のものだから、いやしいもの、汚いもの、
悪いもの、って考えるヒトも多いんだよ。
さらに、ヒトの歴史や、過去の苦い経験などから、“性的なものは避けるべき”
となったんだ」
キュルル 「過去のにがい経験?」
かばん 「それは……ちょっと残酷な話もあるし、長くなるから、また今度ね」
キュルル 「人前で はだかになっちゃいけない、はずかしいところは見せちゃいけないって、
あたりまえのことだけど、理由があるんだね」
カラカル 「でも、“見られたい”、とも思うわ。すっごくいやなはずなのに、
だれかに はだかを見られたらうれしい、気持ちいいかも、って」
キュルル 「やっぱり、カラカルって へんたいなんじゃ……」
キュルルはちょっと引いていた。
カラカル 「だからちがうわよ! なんか矛盾してるって話!」
かばん 「“裸でいてもかまわない”っていうヒトたちもいるよ。少数派だけどね。
文化や風習によっては、後天的なはずかしさが、弱くなることもあるみたい」*5
カラカル 「じゃあ、せんてんてきなものは、なんのためにあるの?」
かばん 「気に入らない相手を避けるため……あるいは……ブレーキ、かな」*6
カラカル 「ぶれーきって、なあに?」
かばん 「バスが止まる時、キーって音がするでしょう? あれがブレーキの音。
バスを止めるためのものが、ブレーキ。行きすぎないようにするものだよ」
キュルル 「行きすぎないように……」
カラカル 「やっぱり矛盾してない? 避けるため、止めるためなら、すっごくいやな気持ちに
なるんじゃないの? はずかしいのが気持ちいい、なんて思わないわ」
キュルル 「たしかに、はずかしい、って、いやだけど、そんなにいやじゃないんだよね」
かばん 「はずかしさとは別に、“嫌い”という気持ちや、“理性”という強いブレーキも
あるから、止まれるんじゃないかな」
キュルル 「そんなのがあるなら、“はずかしさ”なんていらないんじゃない?」
カラカル 「はなしが戻っちゃったわ。結局、はずかしさってなんのためにあるのよ?」
かばん 「失敗を繰り返さないためにあるのかもしれない。
“はずかしい思いをしたから、もうやらないようにしよう”みたいに」
カラカル 「でも、べつに失敗してなくても、はだかは見られたくないわよ?」
キュルル 「しかも逆の、“はだかを見られたい”っていう気持ちまであるよね……」
かばん 「ふしぎだよね……。はずかしいっていう感情が、いろんな感情、たのしい、
とか、うれしい、くやしい、悲しいとか……あるいは、性欲、快感なんかと
つながっていて、ヒトの行動をコントロールしている……のかな?」
キュルル 「かばんさんでもわからないの?」
かばん 「わからない。難しいね」
カラカル 「はずかしいって、いやだけど、いやじゃない。むしろ気持ちよくてたのしいのよ。
なのに、止まっちゃうの。はだかは見られたくない、って
……とくに、好きなひとには」
再び、カラカルとキュルルが、顔を見合わせて、驚いて、すぐに顔をそらした。
かばん 「もっと味わいたい、って思う? はずかしい気持ち」
カラカル 「……言うこと自体はずかしいけど……もっと味わいたいわ……キュルルと」
キュルル 「カラカル……言わなきゃだめ?」
カラカル 「ちゃんと言いなさい、キュルル」
キュルル 「……カラカルといっしょなら、はずかしいの、好きになれるかも……」
カラカル 「もうすでに好きじゃないの?」
キュルル 「そんなことないよ!」
カラカル 「ん?」
カラカルが、キュルルの目を見つめた。ふたりとも頬が赤かった。
キュルル 「……そうかも……」
キュルルが、カラカルから顔をそらして、うつむいた。
カラカル 「味わうねぇ……今でも十分すぎるくらいはずかしいけど、もっと上があるなら……」
キュルル 「……心臓がこわれちゃうね……たのしくて、気持ちいいかもだけど………」
キュルルは苦笑いした。
かばん 「超えちゃえばいいじゃない」
キュルル 「え?」
カラカル 「超えちゃうって?」
かばん 「勇気を出して、ブレーキを振り切って、はずかしさを思いっ切り楽しむんだよ」
カラカル 「そんなことしたら、止まらなくなっちゃうわ!」
キュルル 「いけないことしちゃうよ!」
かばん 「ふたりならだいじょうぶだよ。ただし、“最後の一線”だけは守ってね」
カラカル 「さいごの一線、ってなあに?」
かばん 「“新しい いのちは作っちゃだめ”ってこと。これは、わたしとふたりの約束だよ。
ふたりは、まだ体や心の準備ができていないから。
あとは、最低限のルールやマナーも守ってね。ふたりなら、理性で止められるはず」
キュルル 「だいじょうぶかなぁ……」
カラカル 「あたしが止めるわ。キュルルは子供だもの」
キュルル 「カラカルのほうが暴走しそうなんだけど!」
カラカル 「なーんですって!」
かばん 「がまんするとつらいかな……んー……抑えたものを放散しよう」
キュルル 「はっさん?」
かばん 「やり方を教えるよ。……“最後の一線ぎりぎり”まで行くやり方を……」*7
かばんが邪悪な笑みを浮かべた。
カラカル 「なんかかばんさんが怖い……」
キュルル 「なに? なにをするの?」
かばん 「ふたりでできる、“はずかしいこと”は、たくさんあるんだ」
かばんは、明るい声で説明を始めた。
そして、ホワイトボードマーカーを握った。
かばん 「まずは軽いものから。好きな人と抱き合うとうれしいよね。はだかになって……
かばん ……あとは、ふたりで考えて工夫してみてね。それもはずかしくて、たのしいから」
かばんが、ふたりに笑顔を向けた。
そしてすぐにマーカーを置き、ホワイトボードに描いたものを消し始めた。*9
カラカル 「……はぁ……」
カラカルは、顔を真っ赤にして、色っぽいため息をもらした。消されていくホワイトボードを見つめたまま。
キュルル 「……ほぁー……」
キュルルも顔を真っ赤にして、放心していた。
かばんが、ホワイトボードに描いたものを消し終えて、ふたりの顔を見た。
かばん 「恋人なんかいらない、とか、性欲は繁殖のためのもの、って割り切ってしまうのは、
わたしは、悪いことではないと思う。でも、楽しまないともったいないよね。
せっかく、ヒトに生まれて、はずかしさを感じるんだから」
カラカル 「……せっかく、ヒトの姿になったんだから……」
キュルル 「……せっかく……すきになったんだから……」
かばん 「いっぱい楽しむといいよ。はずかしい気持ち。ただ、行きすぎないようにね」
カラカルとキュルルが、顔を見合わせて、驚いて、すぐに顔をそらした。
かばん 「言わなくても、もう楽しんでるか……」
かばんがふたりを見て、やさしい目をした。
おわり
♡ あとがき ☆
読んでいただきありがとうございます。
フレンズにとって、「(性的に)はずかしい」ってどんな感じなんでしょうね。
以前どこかで書きましたが、「元の姿の時と同じで、はずかしくない」か「ヒトと同じで、はずかしい」のどっちなのか……。
公式でも非公式でも、作品によって描かれ方が違うんです。「フレンズによって違う」のかもしれません。
もしかしたら、ヒト以外の動物にも「はずかしい」という感情があるのでは? とも思います。
筆者自身がはずかしかったため、書くのをためらってしまったのですが、このおはなしの「はずかしい」は、“性的なもの”限定です。
「性的なはずかしさ」と、「何かを失敗した時のはずかしさ」は違うと思うんです。
私は、「性的なはずかしさ」は、性欲や性的快感とつながっていて、ヒトは強いはずかしさを感じたときに、気持ちよくなるのではないか、と思っています。いや、変態の話じゃないですよ。
ここには、別の感情(喜び、楽しさ、あせり、怒り、悔しさ、好き、など)が絡んでいると思うので、「はずかしさ」だけ取り出して考えるのは難しいかもしれません。特に恋愛がらみは。
脳科学的には、神経伝達物質の量が増えたりすると思うのですが、私は知識不足なので分かりません。
でも、はずかしい時の、ドキドキして熱くてくらくらする感覚は、たしかに気持ちいいです。いや変態じゃないですよ。
以下は、私自身が混乱していたため、整理したものです。
私が書いた、“カラカルとキュルルがなかよしの作品”を、時系列にならべると……
〈 危険極まり 〉(別作品『ジャパリ・フラグメンツ』内の短編)
2期 第1話のIFのおはなし。
↓
〈 よだれ 〉(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
2期 第6話の隙間のおはなし。サーバル&かばんがメインです。
↓
〈 こくはく 〉(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
2期 最終回直後のおはなし。
↓
〈 敵 〉〈 れいだい 〉(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
この二つは、いつの出来事かはっきりしない。大体このあたりに収まる。
↓
『いのち』(単品で投稿した短編)
〈 こくはく 〉と〈 ひっつもどるき 〉の間の出来事。
↓
〈 はずかしさ 〉本作。『いのち』のおまけ。『いのち』の直後の出来事。
↓
〈 ひっつもどるき 〉(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
これはサーバル&かばんがメインなんですが、カラカル&キュルルが目立っています。
……となります。
途中に、イエイヌとの交流もあるんですが、話が複雑になるうえに、イエイヌ関係は扱いが難しいので書いていません。
これらは、直結しているわけではありません。つながっているような、いないような……
という、あいまいな感じです。思いつくままに書いているので、矛盾も生じています。
他には……
〈 ぽけっと 〉1期と2期のクロスオーバー。(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
〈 こわれたふたりと。 〉(ジャパリ・フラグメンツ内の短編)
これは独立した短編です。他のおはなしとはつながっていません。
あまりにも異質なおはなしですが、一応2期アフターです。
こんなに書いてたのか……と、自分でもびっくりです。
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