In the dark Stratos  漆黒の悪神 (蓮山)
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プロローグにして転機

これは作者が鬱々としているから書いただけ


 少年の首に片刃の刃が迫る。

 

 黒い機体は感情を持たずただただ目の前の障害を取り除くために、無機質な殺意を向ける。

 

 少年の目は刃を映さず、目の前の死に何の感情も持たない。

 

 やめろ!という声が響く。それは後ろで白い機体に守られている、イケメンの少年が発したものだ。

 

 ダメ!という声が反響する。それは白い機体の少年の隣で地に臥せる、オレンジ色の機体に乗った金髪の中性的な人間が叫んだものだ。

 

 そして―

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 ああ――

 

 ここで死ぬのか。

 

 俺は目の前に迫った凶刃を見ながら、どこか他人事のように思った。

 

 それも仕方ない。

 

 俺はすでに壊れている。

 

 インフィニット・ストラトス。通称IS。

 

 元は宇宙開発用のパワードスーツとして天災―篠ノ之束が作成した、既存の兵器が一切通用しない最強の兵器。

 

 この素晴らしい兵器には欠点があった。それは女性しか扱えないということだ。

 

 これによって調子に乗った女権団体などが威張り散らし、世界は女尊男卑へと変わった。

 

 しかし、今が6月だから約4か月前に世界で初めてISを扱える男性が登場した。

 

 彼の名は織斑一夏。

 

 世界最強の称号を持つIS乗り、織斑千冬を姉に持つ言ってしまえば動かせても不思議ではない男児。

 

 一人出たならほかにも扱えるやつが出てくるだろうと各国が考えて全国的な検査をするのはまあ、当然だろう。

 

 そして、運良く―今となっては運悪く―ISを動かせてしまったのが世界で二人目の男性IS操縦者、俺こと「黒野 颯来(くろの そら)」だ。

 

 最初は、まあ、心躍った。なんせ、ハーレム状態になるのは目に見えている。けどすぐに現実を知った。

 

 俺は凡人だ。どうあがいても才能がある存在には勝てない。努力をしても金のような才を持つやつらには勝てなかった。

 

 それはここでもだった。

 

 どれだけ努力をしても織斑一夏と比べられ、失望される。

 

 同じ男だからときつい言葉をかけられ、心にとげが刺さる。

 

 

 勝手に期待されて、勝手に失望されて

 

 

 勝手に侮蔑の視線を向けられ、勝手に心に傷をつけられる。

 

 

       ああ

 

 

  なんで

 

 

             こいつらは

 

 

 

         こんなに

 

 

 

    身勝手なんだろう

 

 

 ハハ

 

      ハハハハハ

 

 

    ハハハハハハッ

 

 

 

ハハハハハッはアはっは会ハハハハハあはっははははははははっははははははははははあっはははははははっははははっはははあっはははあっはははははははっはあっはははははっはあっはははははっはは

 

 

 

 

 

 

  ああ、なんて

 

 

 

 

 

 

   憎い

 

 

 

 

   憎い

 

 

 憎い憎い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

 

 

 

 

 

 

 こんな世界、壊れてしまえ

 

 俺に対して勝手に期待して、勝手に失望して、勝手に侮蔑の視線を向けて、勝手に、簡単に心に傷をつけるなら…………………………………………

 

 

 俺も勝手にお前らの世界を壊す

 

 まずは目の前の俺に勝手に死を押し付けてくるこの黒いのから壊そう

 

 

~~~~~~~~~~~

 

 刃は、届かなかった。

 

 いや、正確には刃が折られた。

 

 折ったのは先ほどまで緑色をしていたはずの機体、ラファール。

 

 今や、光すら反射せずまるでそこだけ世界を切り取ったような違和感を感じる機体に変化したラファールが目の前の機体の剣と同じ剣をふるい両断したのだ。

 

 本来あり得るはずのない量産機の二次移行。

 

 今までの量産機が故の戦闘データの蓄積。そして、死の間際に強い感情が颯来の心を支配したことによってISのコアが想いに答えたおかげか、この場で最も強い機体となった。

 

「――――――ッ」

 

 黒く染まった機体、元シュヴァルツェア・レーゲンは感情無き機械でありながら恐怖ととらえられる機械音声を発した。

 

 だが、ラファールであった機体はそんなことなど気にしない。壊すと決めているのだから。

 

 ラファールだったものが一歩進めば黒い雨の名を冠していた機体は三歩後ずさる。

 

 瞬時加速(イグニッション・ブースト)

 

 一瞬にして距離は食い殺され、刃が獲物を食い殺そうと襲い掛かる。

 

 すぐに対処し、シールドが削られる程度で済ましたが颯来は止まらない。

 

 黒く染まった銃を撃ちながら周囲にビットを展開。

 

 黒いビットだったがそれは、イギリス代表候補セシリア・オルコットのビットと同型だった。

 

 そのまま、ものの2,3分で漆黒が黒を打倒した。

 

 

 

 

「………………」

 

 

 何も言わずに、颯来は飛び立つ。

 

 その速度はクラスでも落ちこぼれと認識されていたはずの彼では出せないはずであった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 この事件を機に颯来が乗っていた機体は

 

 【アンリ・マユ】

 

 そう呼ばれるようになった。

 

 そしてこの機体と颯来は世界的な指名手配として捜査されるようになった。

 

 

 ――そして、颯来という凡人のことはIS学園にとって最も触れられたくないことにして

 

  一部の生徒、教師にとってのトラウマとなるのであった。




憎いのゲシュタルト崩壊

どうしてこうなったし


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悪の神の日記とスペック

 しばらく投稿できません


追記:男の娘じゃありません誤字りました


 2月▲日 天気:寒い

 

 いや、天気じゃないけど

 今日は私立の受験日だった。まあ、私立なだけあってよほどのことがない限り落ちはしないだろう

 そういえば、今日は夕方のニュースで世界初の男性IS操縦者が現れたって言ってた。

 すごいが、大丈夫なのか?

 この女尊男卑の世界では狙われるだろうに。

 それに、解剖とか、各国がしたがりそうだし。

 ま、俺が考えることじゃないだろ

 

 

 2月□日 天気:スライム

 

 降ってないよ。僕降らないスライムだよ。

 どーやら、全国で、というか世界でISの検査を大々的にするようだ。

 俺みたいな凡人が動かせるわけもなし。ロボットはロマンだけど

 あと、動かした奴の素性はネット潜ったら分かった

 あれだ。動かしてもおかしくないやつ。

 主人公かよってレベルの家系。なんだよ、世界最強のIS乗りのブリュンヒルデが姉って。

 イケメンだし。なんかホモっぽい感じがするけどイケメンだし。唐変木感もするけど

 明後日に検査だけど誰も適正でないって。今までも何人かやってたんでしょ?今更出るわけない

 

 

 2月☆日 天気:レールガンの雨

 

 

 適正あった

 

 

 うっそだろお前

 

 え、マジですか。陰キャ過ぎてクラスで一言も話さない日の方が多い俺が?

 世界からエリートばっか集まるほぼ女子しかいない学校に?

 友人からは「おめでとう。これでハーレムつくれるな!」っていい笑顔で言われたけど無理無理。

 適正って言っても女子ならだれでも出るC判定。

 偏差値で言えば55辺りとかいう真ん中のボリュームゾーン程度の学力。

 顔も背丈も平均。鍛えてはいないから筋肉もない。

 

 これはだめだな。せいぜい研究所で一生を過ごすくらいか?

 よしんば入学できたとしても世界初の男性IS操縦者の織斑一夏と比べられるのがオチ。

 やばい、鬱になりそう。いや別にもうどうにもならないけど

 適正があるってわかった時点で俺の人生だいぶレッドゾーンに入っちまった。

 

 

 3月もしかして日 天気:オラオラですかぁ!?

 

 YES!YES!YES!

 電話帳みたいに分厚い参考書とか辞書とか渡されて勉強してたけどひと段落ついたから日記を書く。

 頭がパンクする。みんなこんなに覚えてるの?すげえな、素直に尊敬する。

 ノートにとっても30冊書いてもひと段落…この分だと新学期が始まるころには50冊はノートを使いつぶす気がする。

 いや、だって仕方ないじゃん。俺、最悪モルモットにされる可能性だってあったんだけどIS学園の用務員のおじいさまがそれに反対してくれたんだもん。

 ある程度は努力しないと顔向けできない。いや、会うことなんてないだろうけど。

 

 

 

 4月転生炎獣日 天気:ヒート・ライオ

 あ、晴れね

 ついに、入学ですってよ。保護されてるせいで友人たちと遊べないのはつらい。

 それよりもあいつのことだ。織斑一夏。

 あいつまさかの参考書を捨てるとかいう暴挙をしでかした。

 いや、まあ古い電話帳かと思うのはわかるけどなんで確認しなかったし。

 

 いやでもこれくらいならまあいいんだけどな?

 あいつと、イギリス代表候補の女(名前忘れた)が決闘する話になってな(詳しい経緯は知らん)?

 俺も巻き込まれますた\(^o^)/オワタ

 決闘なんて当事者だけでやれや!なんでや、俺関係ないやろ!

 そんな叫びをしたけど織斑先生に却下されました。なんでだよ…

 なにが「いい機会だ。お前の実力を知るためにもやれ」だ。

 俺みたいな糞雑魚凡人がまともに戦えるわけないだろ、JK(常識的に考えて)

 あと一週間って無理だろ。しかも織斑一夏は勝てる気でいるし

 なんであんなに自意識過剰…

 とばっちりを受けるこっちの身にもなってくれ

 

 4月鬱日 天気:あいつら嫌い

 

 負けた。

 圧倒的敗北。

 精々、織斑一夏の引き立て役だった。

 

 クラスの奴らがなんか期待してたみたいだけど、機体も経験も何もかも劣ってるのに「え~?勝てないの~?男の子なのに?」とか言い合ってた。

 視線がなかなかに突き刺さる。

 いや、これくらいなら別にいいよ?

 悪口言われるのは慣れてるし。

 

 ただね?織斑先生?

 「この程度ではないだろう?動きに無駄と迷いが多すぎる」ってなんだ

 それに、逃げるしかできなかったからか篠ノ之箒?

 「貴様それでも男か!?一夏ならもう少し攻撃に回っていたはずだ!なぜできん!?」

 

 あ゛?

 

 なるほど

 

 

 糞だな

 

 

 

 

 4月ココア☆ソーダ日 天気:クエン酸

 

 クラスのほとんどから侮蔑の視線を浴びせられた

 う~ん。不愉快

 

 

 4月バナナはおやつに入る日 天気:な、なんだってー

 

 今日はなんかクラスの女子に連れてかれて人気のないところに行かされた。

 

 察したから逃げようとしたけど数の暴力で逃げられなくて結局殴られたりした。

 

 エリートなのにやることがみみっちい。普通は見えない所だけを狙ってやられた。

 

 痛い。

 

 なんでも「俺みたいな弱い奴はさっさと解剖されろ。織斑一夏の邪魔にしかならない。存在自体不愉快だから消えろ」って

 

 

 4月空はあんなにも広いのに日 天気:結局かごの中

 

 暴行は続いた。先生に相談しようとしたら引きずられてさらに過激なことをされた。

 

 

 5月天国地獄日 天気:大地獄

 

 織斑一夏は専用機を与えられて今じゃそれなりに強くなってる。

 

 俺は弱いまま、飛行も遅いしエイミングも出来が悪い。

 

 山田先生は熱心に指導してくれるけど全然できない。

 

 まず、ISに乗ってるときは違和感しかない。

 

 動きがぎこちないというか。

 

 最近は打鉄よりもラファール・リヴァイヴの方が扱いやすい。

 

 暴行は過激になってきてる。ここで殺されるかも…

 

 

 5月・日 天気:知らんな

 

 転校生が二人来た。片方は男って言ってたけどどう見ても美少女。

 

 もう片方はデレたらかわいい気がする軍人さん。

 

 

 いや、もうやめよう。現実逃避は

 

 

 俺はたぶん、不慮の事故という名目でクラスの女子に殺される

 

 

 ああ、死にたくないなあ

 

 

 あいつらの目は異常だった。まるで、親の仇かそれ以上の憎しみを感じる。何故だ

 

 俺はそこまで嫌われるようなことをしていないはずだが

 

 

 

 6月◎日 天気:×

 

 明日は学年別トーナメント。

 

 正直出たくないけど強制参加。

 

 織斑先生曰く「この程度の試練、乗り越えられなくてどうする」だそうだ。

 

 気づいたがあの人は弟が基準なのだろう。

 

 ふざけるなと言いたい。みんなあんなに強くない。むしろあんなに強い奴はめったにいない。それにあれでも世界最強の弟、強くなる道しかない選ばれた存在。

 

 それに対して俺は凡人。それ以下かもしれない。

 

 それにどうしてか、すがすがしい気持ちなんだ。ようやく終われる。

 

 そんな気がする。

 

 

~~~~~~~~~~

 

 これは、悪神と呼ばれた少年が呼ばれる前に書いていた日記から一部抜粋したものだ。

 

 ここからは、悪神【アンリ・マユ】の初期スペックだ。

 

~~~~~~~~~~

 

 機体名:アンリ・マユ

 

 和名:悪神

 

 世代:第4世代

 

 国家:なし

 

 分類:全状況対応万能型

 

 装備:特殊兵装【インヴェイジョン】

    これは武器でありながら防御装甲でもある特殊兵装。その性質は侵食。

    その装甲に触れた武器や装備を自身のものにする凶悪極まりないもの。例えばロシアの国家代表、更識 楯無のIS【ミステリアス・レイディ】のナノマシンが少しでも触れたとしよう。触れたナノマシンは侵食されそのナノマシンにもインヴェイジョンの効果が与えられる。また、一度でも触れたならそれをエネルギーを使って無限に複製できるためエネルギーが尽きるまで無限に武器が生成されることとなる。また、光や振動なども取り込みエネルギーに変換できるため半永久的に稼働できる。

 

    対エネルギー銃:【ティアマティア】

    効果は単純。エネルギーの対消滅。

    エネルギーシールドやISの絶対防御を打ち消すため【白式】の零落白夜の遠距離版と考えられる。

 

 装甲:侵食型特別装甲【インヴェイジョン】

 

 仕様:半永久システム【メビウス】

 

    IS?????システム【アヴェスター】

 

 

~~~~~~~~~~

 

 しかし、これは二次移行時のスペック。

 さらに強くなるだろうことが考えられる




 面白かったらお気に入り登録してください。評価はしなくてもいいです。どうせ書くのはいつなのかわからないので。


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天災ウサギと狂った凡人

軽く鬱になった、書いてる途中。

パソコン取り上げられてるけどまあ、気長に待ってください


 私はとても苛立っている。

 

 その原因が現れたのはいつだったか?

 

 たしか、157日と6時間23分前あたりにゴミどもが無駄なあがきをした際に偶然現れた。

 

 本当だったらいっくんだけが私の子供を動かせるように細工したのにあれだけは自然に動かした。動かしてしまったのだ。

 

 動かしたときに慌てて適正値をCにしたけど本来ならS+。ちーちゃんと同じかそれ以上という値。私にとって最も邪魔な存在となった。

 

 それからも動かせないように子供たちに指令を与えたのに無理やり動かしていて思わず爪を噛み切ってしまった。

 

 そして極め付きはあの事件。あの時、いかなる要因か、首に届くはずだった剣をあり得ない方法で防いだ。

 

 あのシステムはちーちゃんの動きをトレースした模造品。それでもあの状態で防ぐなんてできないはず。それなのにISを無理やり二次移行までもっていって、あまつさえ雪片と同じ剣であの剣を防ぐどころか切ったのだ。

 

 もはやこちらからの言葉も届かなくなった子供。そしてイレギュラー。

 

 私にとってすべて不都合で、始末するように動くのは自明の理。

 

 

 そして今―――

 

 

~~~~~~~~~~~

 

「うっ……ぐぅ…」

 

 目の前の女の首をつかみ持ち上げる。

 

 この女がISを作り出した天災、篠ノ之束。

 

 そして、俺が理不尽を強いられた諸悪の根源。

 

 そう考えると笑みが浮かぶ。まさか自分が始末しようとした結果逆に殺されるなど天災であっても、想像だにできなかったことに。俺を一度殺した奴を殺せるこの快感に。

 

「束様を…っ。放せっ…」

 

 脚部で踏みつけている少女が言う。よく見れば…たしか、ラウラ・ボーデヴィッヒだったか?アレに似ている。

 

 ついでに言わせてもらうならその要求にはNOと答える。誰が自身にとって害にしかならないものを放っておく?

 

「カっ…ふっう…」

 

 どうやら天災にとっても酸欠というのは苦しいようだ。若干泡が口から出ている。見ていて気持ちがいい自分と気持ち悪いと感じている自分がいるな。だがもうすでに決めたのだ。

 

「いいか?質問に答えろ。虚偽の返答をすれば貴様を殺す。正直に答えれば、そうだな…。命だけは許してやろう」

 

 これが最大限の恩情。侵食によって手に入れた「雪片・蝕」を首に突きつけ質問をする。

 

「なぜ俺を、俺の心を殺そうとした?」

 

「そ、れは…いっくんだけが注目されるようにしたかったのに…君みたいなイレギュラーのせいで思ったよりも注目されないなんてことにしないため…だよ…。だからね…君は、死ね!」

 

 俺の後ろから無人機のISが迫る。だが、

 

「無駄だ」

 

 30機のビットがレーザーで打ち抜く。死角はなくなっているから何をしようが対処できる。

 

 そもそも、近接武器ではアンリ・マユに触れた時点でアウト。そして

 

「正直に答えたようだな?命は取らないが俺には絶対に逆らえないようにしておこう。今までの行動を鑑みるにな」

 

 俺の機体。「アンリ・マユ」のインヴェイジョンは生物・非生物を問わない。つまり触れている時点でこいつは侵食可能だ。

 

「え?」

 

 徐々に皮膚を透過し、肉に食い込み、神経を通って脳を侵食し始める。

 

「あ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 

 絶叫。

 

 ああ、心地いいな。

 

「束さ…っ」

 

 こいつもついでに侵しておこう。こいつ自身は知らないがISはとても優秀だ。俺にとって害になる可能性もあるからさっさと侵食しておく。

 

「「あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝あ〝!?!?」」

 

「フッハハ…ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 

~~~~~~~~~~~~~~

 

 哄笑と絶叫が響く、誰も知らない研究室。

 

 何が起きたか、誰も知らない。

 

 しかしそこでは世界にとって邪悪が生まれる。

 

 そして、一筋の光が転げ落ちる。

 

 どうなるかは天災の頭脳をもってしてもわからない。

 

 悪神は世界を呪う。

 

 人を嗤う。正義を嗤う。在り方を嗤う。希望を嗤う。絶望を嗤う。世界を嗤う。

 

 明日など来るのだろうか。暗く閉じた心を持つ凡人は狂い果て、未来すらも侵し、食らう。

 

 これは人が作り出した業。

 

 もし、彼がかわいそうだというのであればそれは違うといわせてもらう。

 

 かわいそうなのは―――

 

 きっと、世界のほうなのであろう。



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悪神、狩りに出る

久しぶりに書きました。
ところどころおかしいですがご容赦を


 あいつを最初見たとき思ったのは「今らしいなよなよした男だな」だった。

 

 もしあの時、話しかけていたら未来は変わっていただろうか?

 

 それは結局「タラレバ」の話で…意味は無いんだろう

 

 たぶん、一番あいつをわかってやれたのは他でもない俺だったんだ

 

 それなのに第一印象で判断して、あいつのことを勝手に評価した俺はいったい何様のつもりだったんだって今は後悔してる。

 

 あいつに必要だったのは「評価」じゃなくて、「境遇を理解できる友」だったはずだ

 

 きっと、「IS」っていう力があったからなんでもできる気になっていたんだろうな

 

 だからあいつに話しかけなくてもいいと感じた

 

 今じゃあいつは完全な孤独だ。独りで誰にも頼らず世界から追われて生きている

 

 誰もあいつの味方をせずにいる

 

 だから千冬姉に言ったんだ

 

「あいつを助けられるくらい強くなりたい‼だから、千冬姉……俺を鍛えてくれ‼」

 

 千冬姉は驚いてた。なかなかにひどい隈がついた顔が印象的だったけど

 

 幸い、すぐに了承は取れた。何かしら思うところがあったんだと思う

 

 絶対にお前を救ってみせる、「颯来」!

 

~~~~~~~~~~

 

 全く…あの馬鹿は…

 

 戻っていく愚弟の背中を見ながら今後の予定を考える

 

 あいつは気付いてないがその考えは傲慢だ。「救ってやる」など自分が上だと無意識で感じているのだろう。その考えはいつか身を滅ぼすだろう

 

 とはいえ強くなること自体は賛成だ

 

 みっちり鍛え上げなければ

 

「織斑先生?また各国から問い合わせが…」

 

 ……また、面倒なことが…

 

 頭痛を堪えながら私は山田君の方に向かう

 

「それで、今回はどこだ?」

 

「えっと、アメリカとフランス、イギリスにイタリアです…」

 

 またか…あの国たちはこっちの苦労なんで知りもしない

 

 いかん。イライラしてきた…

 

~~2週間後~~

 

「海だ~~!」

 

「夏だ~~!」

 

「青春だ~~!」

 

 時間は過ぎて夏、IS学園一年生は臨海学校に来ていた

 

 しかし浮かない顔も多い。特に1組の生徒はその傾向が強く、空元気で乗り切ろうとしているのが良くわかる。

 

 しかし、そういった者たちのお陰で空気がさほど悪くなっていないのも事実。

 

 次第に落ち込んでても仕方ないと考えて楽しむことにした者が増えていった。

 

 そんな生徒たちを見て山田真耶は少し安心した

 

 しかし、その安心も長くは続かなかった

 

 『銀の福音』

 

 米国が開発した第3世代軍用IS

 

 そして、それを追って『悪神』つまり颯来が向かって来ているというのだ。表舞台にここ1ヶ月現れなかったというのに出てきたという事実に嫌な予感を全員が感じていた。

 

~~~~~~~~~~

 

 「今回の目的は米軍が開発した第3世代軍用IS『銀の福音』の拿捕、もしくは破壊だ。それと未確認情報だが『悪神』、つまり黒野颯来が向かっているらしい」

 

 黒野颯来。その単語だけで否が応にも緊張が走る。つまりは銀の福音になにかしら関わる、もしくは関わろうとしていることは明白。

 

 何の目的かは意外と彼らにとってはどうでもいい。必要なのはなぜ自分たちの前から消えたのか。何故相談しなかったのか。それだけを知りたいのだ。

 

 この者たちは基本善性の中で生きている。今もそうだ。故にわからない。己のすべてを否定されたものの感情も、恐怖心も。

 

 会議は進み、されどどこか上の空のまま作戦は開始された。

 

「大丈夫でしょうか」

「さあ、な。痛い目を見ればそれはそれで経験にはなる。もちろん生きて帰れれば、の話だがな」

 

~~~~~~~~~~

 バイザーにISの反応が7つ。1つは今回の吸収対象、1つは第4世代機。それ以外は取るに足らないな。

 

 俺もこの機体も成長した。より強大に。コアの数も増えて12個。外道どもから強制的に奪ったISのコアだからこちらにとっては消えても問題ない。

 

 そして、わかったことがある。

 ISとは他の機体のコアを奪うことでデータを吸収し、自らを改造し使用者の望みを叶えうるように出来ている。そしてこれは篠ノ之束も知らなかったようだ。

 

 ISは「人間の無意識から学習する」ため、人の無意識が反映されることが多い。

 そして学習とはなにかしらの根底が必要となる。

 その根底とは「一夏以外の男などどうでもいい」という織斑千冬の行きすぎた姉弟愛のようだ。

 それを勘違いしたISコアが一夏以外の男を乗せなくなるよう自己進化をしたのだろう。

 

 では何故俺がISを動かせるかといえば「俺」ではなく、俺のIS「悪神」が特別だったからだそうだ。

 

 どうやら「悪神」は自然界に稀に存在する「アウトロー」や「イレギュラー」などの掟やらから外れた存在、多様性の一種のようだ。

 

「さあ、行こうか。狩りの時間だ」

 

 スラスターを起動させる。最高速度はマッハ60を超えるが衝撃波は装甲に吸収してエネルギーに変換する。ステルス性能もコアが増えたことで高まった。

 

 狙うは「銀の福音」

 邪魔するやつは

 

「みんな敵だ。破壊する」




ルビ振りが…


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