高嶋友奈は救世主である (きし川)
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変身

たかしーの切り札ってスピードの一目連とパワーの酒呑童子じゃないですか。なんかその組み合わせがゲイツリバイヴと似てるなぁと思ったので書きました。


あの日、私こと高嶋友奈は仲間を、大切な友達を失いました。

 

たしか、最初の戦いが終わって、その時使った『切り札』の後遺症を調べるための検査入院中だったかな。その時、私は勇者になるための端末を持ってなくて、あの日の戦いに参加できなくて。

 

本当は一緒に戦いたかったけど若葉ちゃんや郡ちゃんにすぐ終わらせて戻ってくるから待っててねって言われて病室でみんなが帰って来るのを待ってたんだ。

 

それから、一時間以上たってもみんなは戻って来なかった。時間が経つ度にだんだんと不安が強くなる中、突然大社の職員の人が来て言われた、郡ちゃん達が死んだって…私は一瞬何を言われたかわからなくて、もう一度、聞き返すと同じ言葉が返ってきた。

 

そこからのことは、あまり覚えてない。後から聞いた話だと何も喋らず、声をかけても反応がなく、ただ、ボーッとしていたらしい。

 

検査入院を終えていつもの教室に行くとそこには誰もいなかくて静かだった。その、静けさが私にみんなが死んだという現実を物語っているようだった。

 

そして、今まで出なかった涙が一気に溢れてきた。多分心のどこかでは実は生きていると思っていてけれど、ここへ来て確信してしまったからだと思う。

 

私は膝から崩れ落ちて、その場で泣き叫んだ。騒ぎを聞き付けてやって来た人達に何事かと聞かれても、泣き続けた。

 

しばらくして、涙が収まり落ち着いた所で駆けつけた人達にお礼を言って自分の部屋に戻ったけど。部屋に置いてあった皆で撮った写真を見て。また涙が出て来て、写真を抱きながら、小さな声で皆の名前を呼んで一晩中泣いた。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

気がつくと泣き疲れたからか私はベッドで眠ってた。時間を確認しようと時計を見ると、横に置いてある写真立てが視界に入った。

 

そしたら、心が悲しい気持ちで一杯になってまた、涙が出てきた。そんな時だった、私があの人に出会ったのは

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「やぁ、おはよう我が救世主。泣きつかれて眠るのはいいがきちんと布団を被らないと風邪をひいてしまうよ」

 

突然聞こえたここにいるはずのない男の声に友奈は驚き、声のした方を見ると白いコート?のような服を着た男性が立っていた

 

友奈は警戒しながらベッドの上で距離を取ろうとするがすぐ壁に背がついてしまう。

 

仕方なく友奈は目の前の男性に声をかけた

 

「あ、あの…誰、ですか?」

 

それを聞いた男性は友奈に笑顔を向け

 

「これは失礼した。自己紹介がまだだったね…私の名は『ウォズ』。我が救世主たる君を導く者だ」

 

「ウォズ…さんですか、あのどうして私の部屋に?」

 

「うん?それは君に救世主になってもらうために来たんだ」

 

「救世主?」

 

「そう、君には、巨悪を駆逐し世界に平和をもたらす…そんな救世主になる素質がある」

 

「それって…勇者のように戦うってことですか…?」

 

「そうだね」

 

それを聞いた友奈はうつ向きながら言った

 

「嫌です…」

 

「?…それはなぜだい?」

 

ウォズはわからないと言いたげな表情で友奈に聞く

 

「だって、みんな死んじゃって…私一人だけになっちゃって…戦えるわけがないよ…」

 

友奈がバーテックスを前にして平気でいられたのは仲間がいたからだ。仲間がいたから恐怖を感じず戦えた。しかし、今はもう心の支えだった仲間はいない。友奈の心は折れていた。

 

「ふむ…では君は彼女らが命懸けで守ったこの世界を捨てると言うことかい?」

 

「!…それは」

 

「だってそうだろう?…君が戦わないのは勝手だがそうなれば、君や彼女達が守りたかった物はすべてやつらに破壊されてしまうだろう…そうなれば、君たちの今までの頑張りは無駄になってしまう」

 

「…」

 

「それに、この四国にはバーテックスとまともに戦える者は君しかいない…君が、やるしかないんだ」

 

「私が…やるしか…」

 

友奈は目をつむりみんなと訓練した日々やお世話になった人達の事を思い浮かべる。

 

自分が戦わなければ今までの努力は無駄になり、守りたい人達は殺されてしまう。そう思うと、友奈は決意した

 

友奈はウォズに近付き、力強く言った

 

「私なります…救世主に……だって、みんなが好きだから!守りたいから!…だから、救世主になってこの世界を救ってみせます!」

 

「フッ…素晴らしい、それでこそ。我が救世主だ」

 

友奈の宣言に笑みを浮かべ称賛するウォズ。すると、その時友奈の端末が警告音を鳴らす

 

樹海化警報だ

 

「っ!…こんな時に!」

 

「いや、むしろ好都合だ。我が救世主」

 

「えっ?」

 

そして、神樹の壁の向こうからやって来た光は、そのまま二人をのみ込んだ

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

二人は神樹が作った樹海の中にいた。そして、樹海の向こう側から星屑と進化体が群れて迫ってきていた。

 

「よし…ッ!」

 

「待ちたまえ、我が救世主」

 

友奈が端末で勇者に変身しようとすると、ウォズがそれを止める

 

「君はもう救世主だ…これを使いたまえ」

 

そう言うとウォズはタブレットのようなものを操作し、白い機械を召喚して友奈に差し出す

 

「ウォズさん…これは?」

 

友奈はウォズの出した機械について問う

 

「これは、『ジクウドライバー』救世主としての力を引き出すために必要なものだ」

 

「ジクウドライバー…」

 

友奈はジクウドライバーを手に取る。

 

「そして、その力を君はすでに持っている」

 

「えっ?…っ!アッツ!?」

 

友奈は服のポケットから熱を感じてポケットの中に入っていたものを取り出す

 

「なにこれ?」

 

友奈が取り出したものは黒いウォッチのようなものだった。そして、それは突然光だすと色がサクラ色になり『2018』と書かれたものになる

 

「変わった…?」

 

それを見るとウォズは笑みを浮かべ友奈に言った

 

「さぁ我が救世主…使い方はわかるだろう?」

 

友奈はドライバーとウォッチを交互に見た後、なんとなくドライバーを腰に当てる。すると、ドライバーからベルトが伸び腰に巻き付く。

 

次にウォッチのカバーを回す、するとウォッチの正面に桜の花の絵柄が出てくる

 

友奈はそのままウォッチのボタンを押した

 

『ユウナ!』

 

そして、ウォッチをドライバーの右側のスロットにつける。

 

ベルトの上部のボタンを右手で叩きドライバーのロックを外すと、友奈の背後に中心にデジタル時計のような表示が付いた桜の花が出現する。

 

友奈は両手を前に突き出し、友奈から見て時計回りに両手を大きく回す。そして、ジクウドライバーの左側を右手で左側を持つと

 

「変身!!」

 

力強い掛け声と共に両手を左右に大きく開いてドライバーを回す

 

『ブレイブタイム!』

 

『サクラの戦士~♪ユウナ~ッ!♪』

 

友奈の背後に出現した桜の花が砕け散りサクラの花吹雪となって友奈を包む、花吹雪が晴れると友奈は勇者の時と同じ装束を纏って現れた

 

「祝え!!」

 

「うわっ!」

 

「バーテックスを倒し、世界に平和をもたらす若き救世主!その名も高嶋友奈!偉大なる救済の第一歩を踏み出した瞬間である!!」

 

「ウォ…ウォズさん?急にどうしたんですか?」

 

「驚かせてすまない我が救世主。私は嬉しくなるとつい祝ってしまうのだよ。おっと、我が救世主、そろそろ敵が近くなってきた。では、存分に戦いたまえ」

 

そう言うとウォズはその場を離れる。それを見た友奈は近づいてくるバーテックスの方を向き、深呼吸をする

 

「スゥー、ハァー……みんな、見ててね…必ず世界を救ってみせるから!!」

 

そう宣言するように叫ぶと友奈はバーテックスに向け走り出した。

 

 

 

 




次回 新たな力と旅立ち

我が救世主の救済の歴史とくとご覧あれ


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新しい力

適当な次回予告をしてはいけない(戒め)


友奈は星屑の群の前で立ち止まると腰を落として構える

 

「ハァッ!」

 

友奈はまず正面から突っ込んできた星屑を殴り、粉砕。

 

「セイッ!」

 

さらに、横から来た星屑は回し蹴りで蹴り飛ばし、樹木にぶつけ、これも粉砕。

 

「オォォリャァァ!!」

 

また、近くにいた星屑を掴むとそのままジャイアントスイングして、固まって近づいてきた星屑の群れにぶつけボーリングのピンのように吹き飛ばす。

 

「ふぅぅ……すごいな、これ見た目は変わってないのにパワーもスピードも勇者の時より強化されてる…!」

 

友奈はある程度、星屑を倒すと息を吐いて体を落ちつかせ、自分の体を見ながら具合を確かめる

 

「よーし!このままいくっぞー!」

 

友奈は次に進化体に向かっていく。その進化体は初めて樹海に行った時に戦った反射板を出す進化体だった

 

「前は弾かれたけど、今の私なら!」

 

今ならやれると友奈にはそんな確信めいた自信があった

 

「ハッ!」

 

友奈が進化体に向かって飛び込むと進化体は反射板を展開する。

 

「オォォォッ!」

 

しかし、友奈は臆せず殴りつけた。すると、反射板にヒビが入る。

 

「もーいっぱぁぁつ!!」

 

友奈がさらに反射板を殴ると反射板は完全に砕け散り。進化体は消滅する。

 

「よし!次!」

 

友奈が次の標的を探すため残りの敵の方を見ると星屑達が一体の進化体に集まり形を変え始めていた。星屑が合体する度にその姿はどんどん大きくなっていた。

 

「……さそり?」

 

その進化体は巨大化が収まると長い尾を持つ巨大なものになっていた。友奈はその姿を見てさそりのようだと思った。

 

後にスコーピオン・バーテックスと呼ばれるそれは長い尾の先端に付いた針を友奈に向けると猛スピードで突き出す。

 

「ッ!ハァッ!」

 

友奈は向かってくる針に対して拳を突きだして受け止める。

 

「クゥゥゥッ!」

 

あまりの威力に吹き飛ばされそうになるが、なんとか踏ん張る友奈

 

「うぉぉッ!リャァァッ!」

 

友奈はさらに力を込め針を押し返す。スコーピオンは押し返された尾を今度はなぎ払うように振るう

 

「ッ!グウッ…!」

 

友奈は押し返した直後だったため避けることができず、仕方なく両腕をクロスして防御するが今度は踏ん張れず吹き飛ばされ地面を転がる

 

「……ない」

 

友奈はすぐに立ち上がると真っ直ぐスコーピオンを見据える。

 

「負けない…!」

 

友奈はベルトに付いたウォッチに手をかける

 

「お前らなんかに、絶対負けない!!」

 

『フィニッシュタイム!』

 

友奈はウォッチのボタンを押しさらに、ベルト上部のボタンを叩きドライバーを傾けると変身した時のように回す

 

『タイムバースト!!』

 

「オォォォッ!!」

 

友奈は助走をつけ、大きく飛び上がると飛び蹴りの姿勢になり右足にサクラ色の光を纏いながらスコーピオンに突っ込む

 

「勇者ァァァ!!キィィィクッ!!」

 

そして、友奈の蹴りがスコーピオンへ突き刺さる。スコーピオンの体は友奈の蹴りに一瞬、耐えるがそのまま友奈に蹴り抜かれて光になり消えていった

 

「はぁ…はぁ…やった…倒せた!」

 

友奈は大の字で寝転びながら、呼吸を整え歓喜する。一人で、あの巨大なバーテックスを倒せたことがとても嬉しかったからだ。

 

「お疲れだったね。我が救世主…先の戦い見事だったよ」

 

友奈に近付き友奈の戦いぶりを薄く笑みを浮かべながら誉めるウォズ

 

「いや~…まだまだだよ…」

 

誉められたからか照れ臭そうに笑う友奈。そんな友奈を見ながらウォズは笑みを消し、真剣な表情になると友奈に告げた

 

「その通りだとも我が救世主…今のままでは君の仲間達を殺した敵には勝てない」

 

「ッ!」

 

その言葉を聞いた友奈は勢いよく上体を起こしウォズの方を見て

 

「ウォズさん知ってるんですか!?ぐんちゃん達を殺した敵のことを!」

 

「知っているとも」

 

友奈の言葉に頷くウォズ

 

「教えてください!一体どんな奴なんですか!?」

 

思わずウォズに掴みかかり敵について聞く友奈

 

「落ち着きたまえ我が救世主。そんなに焦らなくても教えるとも」

 

ウォズは服を掴む友奈の手を優しく服から外すと友奈を落ち着かせる。

 

「あっ…すみません」

 

ウォズの言葉に我に帰った友奈は、掴みかかってしまったことに対し謝罪する

 

「さて、君の仲間を殺した敵の事だが……おっと」

 

「あっ…樹海化が…」

 

ウォズが言葉を止め、周りを見る。友奈もつられて周りを見ると樹海化が解け始めていた。やがて、樹海化が解けると友奈の部屋に戻っており変身も解除されていた

 

「あっ戻った」

 

「お帰り我が救世主。さて話の続きを…」

 

「友奈さんっ!!大丈夫ですか!?」

 

とウォズが話を続けようとした時、友奈の部屋ドアが勢いよく開かれ、ひなたが駆け込んでくる

 

「戦闘があったと神託がありました!怪我はしていませんか!?」

 

駆け込んだひなたは友奈の両肩を両手で掴んで不安そうな顔を友奈に向けながら安否を確認する

 

「う、うん。大丈夫だよひなちゃん」

 

「良かった……友奈さんまでいなくなったら私…グスッ…私…っ!」

 

「ひなちゃん…」

 

安心したからか、涙を流すひなたを友奈はやさしく抱きしめる。

 

「っ!…すみません…グスッ…友奈、さん」

 

「いいんだよ…ひなちゃん…それとごめんね。心配かけたね…」

 

「謝らないでください。友奈さん…むしろ、ありがとうございます。無事に…戻ってきてくれて」

 

「ひなちゃん…」

 

「もういいかな。我が救世主」

 

「っ!…どなたですか?」

 

やがて、ひなたは泣き止むと友奈から離れる。すると、タイミングを見計らっていたのかウォズが声をかける。そこで、ようやくひなたはウォズの存在に気付く

 

「私の名はウォズ。そこにおられる我が救世主の従者にして彼女を導く者だ。…そうだ、ついでに君も聞いていくといい。君の幼馴染である乃木若葉を屠った敵について…」

 

「っ!…ええ、聞かせてください。若葉ちゃん達を殺した敵の事を…!」

 

ウォズの提案にひなたは頷く。それを見たウォズは薄く笑みを浮かべながらノート開くと

 

「では、教えよう。君達の仲間を殺した敵について」




次回 敵の正体


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敵の名は…

やや間があきました。申し訳ございません。このような投稿頻度で(^U^)


「では、教えよう。君達の仲間を殺した敵について」

 

そう言うとウォズさんは手に持つノートみたいのを操作して空中にSF映画とかで見るようなスクリーンを出した。画面に映し出された画像を私とひなちゃんは見た。

 

そこには、金色の鎧に鎧と同じ色のジクウドライバーのようなベルトを腰に巻いた赤い『ライダー』の文字ような形をした目をした人物が映し出されていた。

 

(この人が……ぐんちゃん達を…)

 

「ヒッ…アッ…アッ…」

 

「ひなちゃん?」

 

私が画像を見ていると横で見ていたひなちゃんの様子がおかしくなった。顔の表情はまるで恐ろしいものを見たかのよう青白くなっており体の方は震えていた。

 

「…ウッ」

 

「ひなちゃん!」

 

急に力が抜けたように倒れそうになったところを慌てて支える。

 

「ひなちゃん!大丈夫!?」

 

声をかけながら顔を見ると気を失っているようだった。

 

(何で急に?)

 

突然気を失った事に疑問に思いながら私は、とりあえず気を失ったひなちゃんをベッドに寝かせることにした。そして、ひなちゃんを寝かした後、ウォズさんに聞いてみた

 

「ウォズさん……ひなちゃんはどうして気を失ったんでしょうか?」

 

「おそらく、ひなた君が巫女だったからだろう……このオーマジオウの画像から彼の恐ろしさを巫女の強い感受性ゆえに感じたんだろう」

 

「オーマジオウ…?」

 

「そう、君達の仲間を殺した存在。その名も『オーマジオウ』。こことは違う世界で世界人口の半分の人類をたった一人で虐殺した最低最悪の魔王だ」

 

「最低最悪の…魔王…」

 

ウォズさんの説明を聞いて、私はもう一度画像を見てみる。

 

(確かに……何となくだけど、ちょっと怖い…けど、なんでだろう……)

 

私は画像を見ながら何とも言えない違和感を感じた。だから、ついウォズさんに聞いてみた。

 

「あの、ウォズさん」

 

「なんだい、我が救世主?」

 

「本当にこの人が魔王何ですか?」

 

「?…そうだが、どうしたんだい我が救世主?」

 

「あ、いやごめんなさい。変なこと言っちゃって…」

 

自分でも何を言っているかわからなかった。けど、どうしても私にはこの人がそんなことをする人には思えなかった。私はこの人のことを知らないのに何故かそう思った。そんなことを考えたことに対する疑問と違和感を感じながら私はウォズさんに謝った。すると、ウォズさんはため息をついてこう言った

 

「しっかりしたまえ。我が救世主……君は今やこの世界で唯一『敵』と戦える存在なのだから。話を戻そう…」

 

ウォズさんはそう言うとノートを見ながら説明を続けた

「先ほどオーマジオウが君の仲間を殺したと言ったが本物のオーマジオウが殺したわけじゃないよ。やったのは天の神が自身の力と戦力の大半を使って作った偽物のオーマジオウ、名付けて『オーマジオウ・バーテックス』それが君の仲間を殺した存在だ……もし本物が来たのなら、この世界はすでに滅んでいるだろうね」

 

「偽物ですか…よかった…」

 

ウォズさんの言葉を聞いて私は少しほっとした。なぜなら、あのオーマジオウに勝てる気がしなかったからだ。偽物ならあるいわと少し楽観的になっていると

 

「いや、我が救世主。たとえ偽物でも今の君では勝てないよ。」

 

その言葉で私の中にあった楽観的な考えは消えた。同時に驚愕した。あの大型のバーテックスを容易く屠れる力を持ってしてもオーマジオウ・バーテックスには勝てないと断言されたからだ。

 

「そんな…っ!…じゃあ、どうすれば…」

 

私が最悪な現状を伝えられて絶望しているとウォズさんが口を開いた。

 

「我が救世主……今の君の力ではオーマジオウ・バーテックスには勝てない。なら、今より強くなればいい」

 

「そんな、簡単に…」

 

「いや、方法はあるとも……君の仲間が遺した力を君が『継承』すればいい」

 

「継承、ですか…?」

 

「そうだ。各地に残留している彼女らの『切り札』……精霊のエネルギーを回収、継承していけば、オーマジオウ・バーテックスを倒せるだろう」

 

(つまり、みんなの力を集めればオーマジオウを倒せるんだよね。なら…!)

 

「ウォズさん、探しにいこう。みんなの力を…!全部集めて、オーマジオウを倒して、世界を救うんだ!」

 

「さすがだ、我が救世主。君なら、そう言うと思っていたよ。では、さっそく行くとしようか…」

 

「はい!」

 

その時だった

 

「っ!…なにか…来る?」

 

急に嫌な予感がした。同時に私の端末から樹海化警報のアラームが鳴り響いた

 

「なっ!?二回目!?」

 

驚く私をよそに光は一瞬で私達を飲み込んだ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆*****

 

 

 

気がつくとまた、私は樹海にいた。

 

(もう来るなんて…)

 

私はあまりにも早い襲撃に困惑していると

 

「来た…!」

 

壁の向こうから星屑と進化体が混じった群れと

 

「大きいのが2体も…」

 

進化体を遥かに越える体格を持つ大型のバーテックスが2体ゆっくりとこちらに向かってきていた。

 

(大丈夫…大丈夫…怖くない、怖くない!)

 

今まで以上の数の襲来に私は少し怖くなった。けど、なんとか怖いのを振り払って目の前の大群を見る。

 

「すぅー、はぁー…よし…!」

 

深呼吸して気持ちを落ち着かせてドライバーを巻く

 

『ジクウドライバー!』

 

ウォッチを起動してドライバーにセットする。

 

『ユウナ!』

 

ドライバーのロックを右手を拳にして叩くように解除

 

そして、両腕を大きく回してドライバーを掴み、両腕を左右に開くようにして回す

 

「変身!」

 

『ブレイブタイム!サクラの戦士~♪ユウナ~♪』

 

「よし…!」

 

変身を完了した私は、群れへ向かおうと一歩踏み出すと

 

「待ちたまえ、我が救世主。これを渡しておこう」

 

ウォズさんは群れへ向かおうとする私を止めて、私に近づくとひとつのウォッチを渡してくれた。見てみると、それは薄い緑色をしていてウォッチの絵を合わせて見ると台風を上から見たような渦巻きが描かれていた。

 

「ウォズさんこのウォッチは?」

 

「今の君ならあの程度の群れに遅れをとることはないだろうが、念のためだ。使いたまえ、我が救世主」

 

「…ありがとうウォズさん!」

 

私は向かってくるバーテックスの方を向き直るとウォッチを起動した

 

『一目連!』

 

起動したウォッチを反対側のスロットにセットしてもう一度ドライバーを回す。すると、私の体を風が包む、風はどんどん強くなっていき、やがて暴風と呼べるものになっていった。

 

『スピリットタイム!』

 

『一つ目ストーム!一・目・連!』

 

私を包んでいた暴風が晴れると私の体には風を模したようなオプションパーツが付いていた。左目を隠すように付けられたオプションを触りながら私は、思い出した。

 

(これ、私が切り札を使った時の姿だ…!)

 

「祝え!バーテックスを倒し、世界に平和をもたらす若き救世主!その名も高嶋友奈・一目連フォーム!まずは一歩、救済の道を進んだ瞬間である!」

 

(あっ…また、祝ってくれた)

 

「では、我が救世主…存分にその力を振るいたまえ」

 

「うん!任せて!」

 

そう言ってその場を離れるウォズさんに手を振りながら見送ると風を纏って空中に浮かぶ。敵をまっすぐ見据えて拳を構える。

 

「さぁて、暴れるぞーっ!」




次回 桜嵐

「救世主パァーンチ!……なんか言いづらいな…」


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桜嵐

最近、また寒くなってきましたね。僕もそろそろヒーターつけようかな…


今回は友奈・一目連フォームの初戦闘回です


本日二度目となる樹海での戦闘。

 

友奈は前回の倍以上のバーテックスの群れを相手に圧倒していた。

 

「オリャーッ!」

 

友奈がおもいっきり拳を突きだすとそこから暴風が吹き荒れ星屑達を吹き飛ばす。

 

すると、近くにいた進化体がラグビーのボールに似た物体を飛ばしてくる。たが、飛んでくるスピードはさほど速くなかったため友奈は危なげなく避けた。飛んできたものは、そのまま地面に落ちて、爆発した

 

「うわぁ…あれ爆弾なんだ…」

 

爆発したところを見るとクレーターになっていた。

 

(爆発の威力もかなり強そうだ……って!)

 

「あぶなっ!」

 

爆心地をばかり見ていたためかいつの間にか接近していた星屑に噛まれそうになる友奈。

 

慌てて避けて星屑を殴って吹き飛ばすと今度は爆弾が飛んでくる。友奈はそれをまた避けるがその時、友奈はあることを思い出した。

 

(あ…そう言えば樹海のダメージって現実の世界に反映されるんだった……じゃあ、避けたらヤバくない?)

 

そこまで考えた途端友奈は血の気が引いた。ヤベーイッ!と思いながら友奈は頭を抱えた。

 

(ど、どうしよう!避けたらダメだし、叩いたら爆発しちゃうし!ほんとどうしたら…)

 

この間にもさらに爆弾が飛んでくる中、突進してきた星屑を暴風で吹き飛ばす。その光景を見て友奈は閃いた

 

(そうだ全部まとめて風で吹き飛ばしちゃえばいい!)

 

それはただのごり押しだったがそれが今、友奈が考えつくなかで最善の策だった

 

(…脳筋みたいな方法をだけど、今はこれしかない!)

 

友奈は飛んでくる爆弾の前に移動してすぐに、右足に風を集中させる。

 

そして、十分に風を圧縮させた段階で右足を回し蹴りするように振るう。すると、今まで以上の規模の暴風が向かってくる爆弾を吹き飛ばす。

 

吹き飛ばされた爆弾が星屑に当たって爆発、別の爆弾も巻き込んで大爆発した。

 

「ケホッ!ケホッ!……すごい煙」

 

煙が晴れると星屑の大群は全滅、進化体の方もボロボロになって転がっていた。

 

「よしっ!大成功!」

 

友奈は進化体にとどめを指すため地面に降りて近付こうとしたときだった。

 

「わわっ!?なんか針みたいなの飛んできた!?」

 

突然友奈に向かって針のようなものが飛んでくる。

 

それを友奈は慌てて横に移動して避ける。

 

飛んできた方を見ると2体の大型バーテックスの内の一体が大きな口を開けていた。

 

「また、飛び道具持ちかぁ……しんどいなぁ…」

 

そう言いながらも友奈はやるしかないと構える。

 

そして、大型バーテックスからまた針が射出される。

 

「よっ!」

 

飛んでくる針を避けながら友奈は大型バーテックスとの間合いを詰める。すると、後ろの方から金属同士がぶつかったような音が聞こえた。

 

(?…なんの音?)

 

不思議に思い後ろを見ると針が迫ってきていた。

 

「えーっ!!なんでぇーっ!?」

 

驚愕しながらもよく見るといつの間にか展開されていた盾のようなものに針が反射されていた。友奈は慌てて上に飛んで針を回避する。

 

(なんか今日、緊急回避すること多くない?)

 

そんな事考えている間にも針はどんどん友奈に向かって飛んでくる。それを友奈は前後左右上下に飛び回って避ける。そして、避けながらも間合いを詰めていき、ついに…

 

(よし!ここまで近づければ!)

 

なんとか針と盾のコンボを潜り抜け友奈は大型バーテックスのそばに到達した。

 

「一気に決める!」

 

ドライバーにセットした2つのウォッチのボタンを押す。

 

『フィニッシュタイム!』

 

『一目連!』

 

「よっ!」

 

そして、ドライバーのロックを外して回す。

 

『ストーム!タイムバースト!』

 

「オォォォッ!」

友奈は自分と大型バーテックス2体を囲うように巨大な竜巻を発生させるとおもいっきり跳躍する。

 

「連続!救世主パァーンチ!!」

 

そして、竜巻のせいで身動きがとれない大型バーテックス2体に風の力で加速させた連打を叩き込む。

 

「これで……フィニィィィィッシュ!!」

 

最後は竜巻のエネルギーも集中させた飛び蹴りを全力で大型バーテックスに叩き込んで2体とも蹴り抜いた。

 

「ふぃ~…」

 

2体の大型バーテックスを蹴り抜いた後、ゆっくりと降りながら友奈は上を見上げるとバーテックスが光になって天へ昇っていっていた。

 

「さすがにもう来ないよね…?」

 

二度あることは三度ある。そんなことわざを思い浮かべながら、友奈は今日はもう来ませんように…と祈るばかりだった。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆****

 

 

 

 

 

あの後、すぐに樹海化が解かれて、また私の部屋に戻っていた。

 

「やぁお疲れ我が救世主、その様子だと新しい力『精霊ライドウォッチ』はおきに召してもらえたようだね」

 

「精霊ライドウォッチ?…それってこの中に精霊の力が入ってるってことですか?」

 

「その通りだ我が救世主、かつて君達が切り札と呼んでその身に降ろしていた精霊の力。そして、その力を十全にかつ安全に使えるようにしたものだ」

 

「へぇ~」

 

私はウォズさんの説明を聞きながら、さっき使った精霊ライドウォッチ…名前を付けるなら一目連ライドウォッチを見ていた。ふと、戦闘前にウォズさんが話していた内容を思い出して気がついた。

 

「あっ!もしかして、みんなの力を継承するっていうのはみんなの精霊の力が入ったウォッチを集めることですか!」

 

「さすが我が救世主、鋭いじゃないか。継承とはつまりその精霊ライドウォッチを集めることだが……ひとつ問題がある」

 

「問題ですか?」

 

「それはその肝心の精霊がライドウォッチの中に入っていないのだよ」

 

ウォズさんは困ったように肩をすくめる。

 

「え…じゃあどうすればいいんですか?」

 

ウォズさんは持っているタブレットのような端末を操作して、四国の地図を画面に映すと3ヶ所にピンを立てる

 

「今ピンを立てた地域は彼女らの精霊がいる可能性が高い地域だ。ここへ行って彼女らの精霊を見つけライドウォッチにその力を移す。まず、ここから近い地域……森林地帯になるがここから行くべきだと私は思う。」

 

「なるほど…」

 

ウォズさんから今後どう動くべきか聞いていた時だった。

 

「…ちょっと待ってください」

 

いつの間にか起きていたひなちゃんがウォズさんに声をかけた。

 

「私も一緒に行かせてください…」

 

「ひなちゃん…」

 

「私、怖いんです。ここで友奈さんの帰りを待つのが……もし、若葉ちゃん達の時のように帰ってこなかったらと思うと、とても……だから、お願いします。私も連れていってください」

 

ひなちゃんはそう言うとウォズさんに頭を下げる。……ひなちゃんの言いたいことは、私もすごくわかった。私だってもう自分の知らない所で友達を失うのを見たくない。だから、自分の手の届く所にいてほしいと思うから。

 

チラッとウォズさんの表情を見ると私は思った。

 

(うわ、すっごい嫌そうな顔してるよ…これはウォズさん断りそうだな……よし!)

 

そして、ウォズさんが口を開く

 

「ひなた君、それはできな」

 

「いいよ!ひなちゃん!行こう一緒に!」

 

私はウォズさんの言葉を遮って、ひなちゃんの手をとりながら言った。

 

(ウォズさんごめんなさい。でも、私もひなちゃんには近くにいてほしいから!)

 

「友奈さん…!」

 

「待ちたまえ我が救世主。この旅はかなり過酷で危険なものだ。巫女であるひなた君には無理だ」

 

ウォズさんは無理だと言うが私は首を横に振る

 

「大丈夫です!ひなちゃんは私が守ります!だから私からもお願いします!ひなちゃんと一緒に行かせてください!」

 

そう言って私はウォズさんに頭を下げた。少し間をおいてウォズさんはため息をつくとこう言った。

 

「……好きにしたまえ我が救世主、出発は明日の午前9時。急で悪いが旅支度をしっかりしておきたまえ」

 

「ウォズさん…!」

 

ウォズさんはそのまま私の部屋を出ていった。

 

「やったね!ひなちゃん!」

 

「友奈さん……ごめんなさい。私がわがままを言ったばかりに…」

 

「いいよ、いいよ!私もひなちゃんの不安な気持ちはよく分かるもん。それに私は『救世主』だから、ひなちゃんの心も救わなきゃ!と思ったから」

 

「フフッ…ありがとうございます。……これからもよろしくお願いします。友奈さん!」

 

「うん!こちらこそよろしく!ひなちゃん!」

 

「では、さっそく旅支度の方を始めましょうか」

 

「じゃあ、一緒にやらない?私、こういうの初めてだから分からなくて」

 

「ええ、いいですよ。まずは…」

 

私は、ひなちゃんに教わりながら旅支度を始めた。どんな旅になるだろうかとわくわくしながら

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

友奈の部屋を出た所でウォズはノートを開き誰かに語るようにこう言った。

 

「かくして、我が救世主こと高嶋友奈とその先導者である私…ウォズ。そして、予定にはなかった巫女の上里ひなたを入れた三人による、継承の旅の幕が上がりました。今後、我々がどのような未来を造り出すか…」

 

そこで、ウォズはノートを閉じる。

 

「ぜひ、お楽しみに」

 

そう言うとウォズは立ち去っていった。




次回 謎の森林火災と燃える円盤


一目連でできること

友奈「スカートめくり」ピラッ

ひなた「きゃ!…やめてください!精霊で遊ぶのは!」



一目連ライドウォッチ

友奈の切り札『一目連』の力を内包したウォッチ。ジクウドライバーのD'3スロットにセットして使用する。使用すると切り札使用した時と同じオプションが装着される。見た目こそ勇者時代と同じだか、力の方は勇者時代とは比べ物にならないもう程強化されている。また、本来の切り札にあったデメリットは無くなっている


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謎の森林火災、そして

もはや待ってる人がいるかわかりませんがお待たせしました。


仲間を葬ったオーマジオウ・バーテックスを倒すため友奈とウォズそして、ひなたは丸亀城から一番近い位置にいた精霊の元へ行くべく四国某所の森林地帯の中を草木をかき分けて歩いていた。

 

そんな中、動きやすい服装の友奈が額の汗を拭いながら呟いた。

 

「あっづ~……」

 

「たしかにとても暑いですね…」

 

友奈と同様に動きやすい服装のひなたも友奈の呟きに同調しながらタオルで汗を拭く

 

「なんでこんなに暑いんだろう?」

 

友奈は疑問に思っていた。というのもまだ夏に入る前だというのに気温が40度を超えていた。

 

「おそらく、精霊のいる場所に近づいてきたからだろう……」

 

友奈の疑問にウォズが答える。ちなみに彼はこの中で一番厚着なのだが汗ひとつかいていない。

 

「あ~そういえば、そうだったね……暑すぎて忘れてたよ……」

 

「いや、友奈さんそれは忘れちゃダメですよ……」

 

「あはは……ごめんね、ひなちゃん……」

 

暑さのあまり目的を忘れかける友奈にやや呆れながら注意するひなた。そして、自分でも今のはないなと思っている友奈。

 

「でも、私はともかくよくひなちゃんも外出許可が出たよね」

 

「そうですね。……今の大社はそれどころではありませんから」

 

ひなたが言うように今の大社はかなり危機的な状況であり、先日の戦闘によって友奈以外の勇者の戦死とその際の戦闘の余波によって起きた現実世界での災害の対応におわれている。

 

「それに……この精霊集めは今の状況に活路を見いだせる可能性がありますから、大社もそれを期待しているのでしょう」

 

実際、昨日ひなたが今回の精霊回収の件を大社の役員にに相談した際、すぐには許可がおりなかったがひなたの説得によって許可がおりた。

 

「でも、いろいろと条件付きだったよね?」

 

「そうです。まず、第一にバーテックスの襲撃があった場合はそちらを優先すること」

 

「そりゃそうだよね」

 

「次に必ず行き先を伝えてから行くことですね」

 

「これもわかる」

 

「そして、最後に……ウォズさん、貴方の行動の監視及び報告をすること……ですね」

 

「これが分からないんだよね。ウォズさんは私に力をくれた人で今もこうして導いてくれてるのに……」

 

友奈は不満そうな顔で大社のウォズに対する対応に文句を言う。

 

「ですが、大社の言い分もわからなくもないです。ウォズさんは……その、未知な部分が多いので、警戒しているのでしょう」

 

「そんな、ひなちゃんまで……」

 

「いや、いいんだ。我が救世主……謎の多い存在というのは自分でも自覚している。むしろ、これは正しいことだよ……いきなり現れた者の言うことをすぐに信用して受け入れてしまうよりかはまだマシだよ」

 

「でも、それだとウォズさんが……」

 

「私ごときの身を案じてくれるとは……やはり、君は救世主に相応しい。しかし、優しさばかりでは世界を救うことはできない。……それだけは覚えておきたまえ」

 

「ウォズさん……」

 

友奈は悲しそうな表情でウォズを見るがウォズは笑みを浮かべて友奈に言った。

 

「さぁ、我が救世主。いよいよだ、この先に我々の求めるものがある」

 

ウォズが木々の向こうを指差しながらそう言うと友奈達は草木を分け進んでいく。そして、木々を抜けると──

 

「うわ、……すご」

 

「……まるで、火の海ですね……」

 

木々を抜け友奈達が見たものは一面に激しく燃えている森の姿だった。

 

「どうりで暑いわけだよ、こんなに燃えてたらそりゃ気温も上がるよね」

 

一面に燃え広がっている炎を見ながら友奈は言った。そこへウォズもやって来て友奈に言った。

 

「我が救世主。この燃える森のどこかに精霊がいる、一刻も早く回収しなければ炎はやがて人里にも及ぶだろう。」

 

「なら、すぐにいかないとね!」

 

友奈は二人の数歩前に出るとジクウドライバーを取り出し腰に装着する。そして、サクラ色のウォッチを起動する。

 

『ユウナ!』

 

そして、ウォッチをドライバーにセットし、ドライバーのロックを外す。すると、友奈の背後に中心にデジタル時計のような表示板がついた桜の花が現れる。

 

両腕を前に突き出した後大きく友奈から見て反時計回りに回すとドライバーの左右のスロット掴み。

 

「変身!」

 

力強い言葉と同時にドライバーを回す。

 

『ブレイブタイム!桜の戦士~♪ユウナ~♪』

 

瞬間、背後に現れた桜の花が小さな花びらとなって友奈を包み、友奈の姿を変える。

 

「これが、友奈さんの新しい力……」

 

「といっても、見た目は変わってないけどね!……じゃあ、行ってくるね!」

 

「待ちたまえ、我が救世主。」

 

「おっとっと……なに、ウォズさん?」

 

火の海へ飛び込もうとしていた友奈をウォズが止め、友奈に近づく。

 

「これを使いたまえ」

 

ウォズは友奈にウォッチのようなものを渡した。

 

「これは?」

 

「それは」

 

「それは、タカウォッチロイドというガジェットだ。主な機能は偵察だが、攻撃をすることも可能だ」

 

「へぇ~」

 

友奈はタカウォッチロイドを起動する。

 

『タカウォッチロイド!タカ!』

 

すると、変身し鳥のような姿になり友奈の頭上を旋回した後森の中に飛んでいった。

 

「これで精霊を見つけやすくなるだろう……さて、我が救世主。ご武運を……」

 

「うん!行ってくるね!」

 

そう言うと友奈も森の中に飛び込んでいった。

 

「友奈さん……どうかご無事で……」

 

「そうだ、ひなた君、君にも渡しておこう」

 

友奈の無事を祈っているひなたにウォズがタカウォッチロイドと別のウォッチのようなものを差し出す。

 

ひなたはそれを受け取ると不思議そうな表情でウォズに言った。

 

「なぜ、私にも?」

 

「私自身としては特に気にしないが君に何かあれば、我が救世主が困る。だから、せめて自衛の手段は渡しておかなければならないと思ってね」

 

「……」

 

ウォズの言葉にひなたは若干ムッとするがなにも言わず頷く。

 

「それともう一つ言っておこう。タカウォッチロイドと一緒に渡したウォッチはファイズフォンⅩというものだ。通信手段にもなり武器にもなる。うまく使いたまえ」

 

「……ありがとうございます。ウォズさん」

 

友奈の時と違い、冷たい言語のウォズにイラッとしたがお礼はしっかりと言うひなたであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

一方、精霊を探しに森へ飛び込んだ友奈は燃え盛る炎を避けながら森の奥へと進んでいた。

 

「ひゃ~、あっつ~……これは、さっさと見つけないとヤバイな……」

 

変身した状態でも長時間の捜索は困難だと友奈は思った。すると、友奈の元に先程偵察に向かわせたタカウォッチロイドが戻ってきた。

 

『サーチホーク!探しっタカ、タカ~♪』

 

「おっ!もしかして見つかった?」

 

タカウォッチロイドは友奈の頭上を旋回した後森の奥へと飛んでいく。

 

「あっ!待って待って!」

 

友奈も慌ててその後を追う。そして、少しひらけた場所に出ると友奈は奇妙なものを見つける。

 

「?……もしかして、あれが精霊かな?」

 

それは、身長が二メートル程の屈強な人型で首には炎の纏った車輪が付いており、顔の部分は怒りの表情を浮かべた男性の顔だった。

 

友奈はそれを見て一言呟いた。

 

「なんか、精霊っていうより怪人みたい……」

 

「がぁぁ……!」

 

すると、友奈の呟きが聞こえたのか怪人──和入道が友奈の方を向く。

 

「ガァァァァ!!」

 

そして、首の車輪を回転させ友奈に握り拳程の火球を飛ばす。

 

「おっと!」

 

友奈はそれを転がるように避け、すぐに立ち上がって構える。

 

「よーし、それじゃあ……いきますか!」

 

そう言うと友奈は和入道に向かって走り出した。

 




精霊回収の場面は響鬼みたいなノリでやっていくと思います。


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新たな力『輪入道』

前回、変なところで話切ったせいで今回の話がいろいろ詰め込んだ感じになってしまった。

話の切りどころには気を付けよう(戒め)


輪入道は向かってくる友奈を迎撃するために火球を飛ばす。

 

「よッ!ほッ!はッ!」

 

しかし、友奈は飛んでくる火球を左右にステップして避け徐々に間合いを詰めていく。

 

「ガァァ……!」

 

このままではまずいと思ったのか和入道はさらに首の車輪を回転させ車輪に纏った炎の火力を上げると

 

「ガァァァァ!!!」

 

車輪状の炎を友奈に放つ。

 

「!──大きいけど、そんなの……当たらないよ!」

 

友奈は飛んでくる炎の車輪を滑り込むように車輪と地面との隙間に入り避ける。そして、すぐさま立ち上がり和入道へ向かって走る。

 

「ガァ……!」

 

しかし、輪入道は攻撃が避けられたのにも関わらず不気味な笑みを浮かべる。

 

(なんで笑って?──!?)

 

友奈はそのことに疑問に思った瞬間、急に嫌な予感がし横に転がるように跳ぶ。

 

次の瞬間、友奈が先程までいた所の地面を炎の車輪が抉った。

 

(……そんなことも出来るんだ)

 

どうやら、あの炎の車輪は輪入道の意思で遠隔操作出るようだ。

 

「でも!当たらなきゃ問題ない!」

 

だからどうしたと友奈は立ち上がり輪入道へ向け再び走り出す。

 

「ガァハハァ……!」

 

そんな友奈を嘲笑うかのように和入道は笑うと手を友奈に向け突き出す。すると、炎の車輪が再び友奈を轢殺せんと迫る。

 

「くっ!……あつ!」

 

友奈は迫る車輪を最小限の動きで避けようとするが炎の熱量が予想以上に高く反射的に距離をとってしまう。そのせいで、輪入道との間合いを詰められず一方的に攻撃をされるようになってしまう。

 

「ダメだ……!このままじゃ、近づけない!」

 

今はまだ車輪を避けることができているがこのままではいずれ体力が尽きて攻撃を受けてしまうだろう。

 

「なら、これを……!」

 

友奈は一目連ライドウォッチを取り出し起動しようとするが

 

「ガァァ!」

 

「うあっ!」

 

そうはさせないと輪入道は車輪を操作し友奈を妨害する。

 

「っ!……これじゃ、ウォッチが使えない!」

 

ウォッチの起動させることすらままならない危機的な状況の中友奈は突破口を見いだそうと攻撃を避けながら周囲を見回す。

 

すると、木々の間から川が見えた。

 

(!……なんとかあそこへ行ければ!)

 

友奈は川に向かうため隙を探すが攻撃は勢いを増すばかりでなかなか隙を見いだすことができない。

 

「ガァァ……!」

 

輪入道はさらに炎の車輪を加速させるため意識を集中させる。そのため、背後から接近してくる小さな存在に気づけなかった。

 

『サンダーホーク!痺れっタカ、タカ!』

 

「ガァ!?」

 

タカウォッチロイド(サンダーホーク)の放った電撃が輪入道の頭部に直撃した。それにより、和入道の集中が乱れ、炎の車輪が操作が出来なくなっていた。

 

「!──今だ!」

 

それを好機と見た友奈は一目連ウォッチを起動させる。

 

『一目連!』

 

そして、ウォッチをドライバーにセットしドライバーを回転させる。

 

『スピリットタイム!一つ目ストーム!一・目・連!』

 

友奈を中心に発生した暴風が周囲の木々を大きく揺らし燃え盛る炎を吹き飛ばす。そして、暴風が止むと友奈の姿はかつて切り札を使用した時の姿になる。

 

「よし、いけた!」

 

友奈は一目連フォームへ成れたことを確認するとニヤリと笑い喜ぶ。そして、和入道の方を見るとサンダーホークを鬱陶しそうに攻撃していた。友奈はその様子を見てチャンスだと思った。

 

(今なら、いける!)

 

友奈は腰を落とし飛び出すように和入道へ走る。

 

「!……ガァァ!!」

 

友奈の接近に気づいた輪入道は火球を飛ばすが友奈は自分の体に風を纏わせることで飛んできた火球を弾きスピードを落とすことなく近づく

 

「もうそんなの効かない……よ!」

 

友奈はさらに加速して一気に輪入道の懐に迫ると

 

「ハァァァァァッ!!」

 

「ガァァ……!」

 

全力のストレートを輪入道に叩き込み和入道の体を吹き飛ばす。

 

「まだまだァァァッ!!」

 

「グッ!カグッ!……ァァ!」

 

さらに友奈はノックバックした輪入道の体から離れないようにさらに踏み込み追撃を与える。そして、輪入道の体が地面につきそうになると蹴りあげさらに空中で攻撃を加え、決して輪入道に隙を与えようとしない。その激しい攻撃はビルドハザードフォームを彷彿させる。

 

「オリャーッ!」

 

「ガァァ!」

 

最後に全力で殴り飛ばした。殴り飛ばされた輪入道は木々を通り抜け川に落ちる。

 

「ガァァ……!ガァァ……!」

 

焼け石を水につけたような音を出しながら輪入道の車輪の炎が鎮火する。輪入道は必死に炎を出そうと車輪を回すが車輪はカラカラと回転するだけで一向に火がつかなかった。

 

「よーし!作戦大成功!」

 

そこへ追ってきた友奈が川へ着地した。友奈は必死に火をつけようとする輪入道を見るとイタズラが成功した時の子供のような表情を浮かべ、ドライバーのウォッチに手をかける。

 

「これで──フィニッシュだ!」

 

『フィニッシュタイム!一目連!』

 

ドライバーを回転させると友奈は上へ跳んだ。同時に輪入道を中心に竜巻が発生その竜巻は川の水を巻き上げ水の檻のようになる。

 

「ハァァァァァッ!!」

 

『ストームタイムバースト!』

 

そして友奈は空中で飛び蹴りの姿勢になると輪入道へ蹴り込む

 

「グゥゥガァァァ……!」

 

一方、輪入道も体に力を込め友奈の蹴りに抵抗するが

 

「……ガァァァァァ!!」

 

ついに友奈の蹴りに耐えきれず爆発する。同時に周囲の森を焼いていた炎はまるで最初からなかったかのように一瞬にして消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~……終わった~……」

 

輪入道を撃破し一息つく友奈。すると、なにかが友奈の近くの川原に落ちる。

 

(なんだろう?)

 

不審に思い川から上がり変身を解きながら落ちてきたものを見てみると

 

「あ!──ウォッチだ!」

 

それはオレンジ色のウォッチだった。友奈がそのウォッチを拾うとちょうどウォズとひなたが合流してきた。

 

ウォズは友奈が持つウォッチを見ると笑みを浮かべた。

 

「見事だ我が救世主。早くも二つ目の精霊ウォッチを手に入れるとは」

 

「精霊ウォッチ……ってことは後、三つ集めれば……」

 

「ああ、あのオーマジオウに勝てるとも……!」

 

(──イケる!)

 

友奈は確信した。先程の戦闘から考えて精霊ウォッチを集めることはさほど難しいものではないと感じた。このままいけば残りの三つもすぐに継承しそして、いつか仲間達を殺したオーマジオウ・バーテックスを倒せるそう思ったからだ。

 

「友奈さん……大丈夫ですか?」

 

笑みを浮かべ手に持つウォッチを見ながらそんなことを思っていた友奈にひなたは近づき心配そうに声をかける。

 

「……うん?なに、ひなちゃん?」

 

「いえ、その……ごめんなさい、なんでもないです……」

 

「?」

 

ひなたは先程の友奈に不穏な雰囲気を感じたがすぐに消えたため言わなかった。そんなひなたに友奈は首を傾げるが聞こうとはしなかった。

 

ともあれ、友奈は二つ目の精霊ウォッチを手に入れた。

 

「ウォズさん、次は──」

 

どこに行きますか?と言おうとして自分の懐に入っている端末からのアラームに遮られる友奈。慌てて端末を取り出すと画面には樹海化警報の文字。

 

「ッ!──樹海化警報……」

 

「……ちょうどいいじゃないか、我が救世主。さっそく、バーテックスで新たに手に入れた精霊ウォッチの試し切りといこうじゃないか」

 

「試し切り……いいですね!」

 

ウォズの提案に友奈は喜んで賛同した。そして、壁の方から光が迫ってくるのを確認とよーしッ!と気合いを入れ、ひなたの方を向くと

 

「じゃ!ひなちゃんいってくるね!」

 

「はい、友奈さん。気をつけて行って下さいね」

 

「もちろん!」

 

いつものように元気よく明るい表情で出発する友奈をひなたは笑顔で見送る。

 

 

 

 

 

──やがて、光が世界を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~……?今度の敵はよくわからない形してるね」

 

友奈達の真正面、そのずっと先の壁の向こうからヘンテコな形のバーテックスが迫ってきている。

 

「我が救世主。さっそく始めようか」

 

「分かりましたウォズさん!。高嶋友奈、いっきま~す!」

 

バーテックスを観察していた友奈にウォズが促すように声をかける。そして、友奈はなぜかハイテンションで一歩踏み出しジクウドライバーを腰に巻く。

 

そして、自身の力が込められたウォッチ『友奈ブレイブウォッチ』と新たに手に入れた精霊ウォッチ『輪入道ライドウォッチ』を構え、起動する。

 

『ユウナ!』

 

『輪入道!』

 

そして、ドライバーにウォッチを装着し

 

「変身!」

 

力強い口上とともにドライバーを回転させる。

 

『ブレイブタイム!サクラの戦士~♪ユウナ~♪』

 

『スピリットタイム!スピン、ファイア!輪入道~♪』

 

サクラの花びらが友奈を包み、その上を炎が覆う。そして、花びらと炎が弾けると白いコートのような装束を身に纏い、首のところに輪のようなものが付いている姿の友奈が現れる。

 

「祝え!バーテックスを倒し、世界に平和をもたらす若き救世主。その名も高嶋友奈・輪入道フォーム!仲間の力を受け継ぎさらに、救済の道を歩んだ瞬間である!」

 

「よし、行くよ!」

 

友奈はバーテックスに向け駆け出す。すると、バーテックスは周囲に水玉を作ると友奈に飛ばす。

 

「よっと!」

 

友奈は飛んできた水玉をなんなく避ける。

 

(……今回のバーテックスは水を使うのか。大したことないや)

 

友奈は今回のバーテックスの攻撃を見て楽勝だなと思った。

 

しかし、その考えはすぐに間違いだったと気づく。突然、バーテックスがダムの放流なんて目じゃないぐらいの量の水を放射した。

 

「うわっ!ちょっ!すごいのきたーっ!」

 

完全に油断していた友奈はあっという間に水に飲み込まれ流される。慌てて近くの根に捕まり流されまいと耐える。

 

そんな友奈の隙をバーテックスは見逃さない。人一人が余裕で入るサイズの水玉を作ると友奈に飛ばす。

 

「あッ!?──ゴボッ!」

 

動けない友奈は避けることができず水玉の中に閉じ込められる。

 

「──ッ!──ッ!」

 

水を掻いて必死に水玉から出ようとするが体が水玉から出ることはない。

 

「……っ──?」

 

万事休すかと思われた瞬間。

 

 

 

 

ふ し ぎ な こ と が 起 こ っ た

 

 

 

友奈の右腕に突然、旋刃盤が現れ、急速に回転を始め。刃の部分から水中であるにも関わらず炎が吹き出し、友奈を閉じ込めている水を一瞬にして蒸発させる。

 

「ぷはっ!……はぁ、はぁ、……た、助かった」

 

水から脱出した友奈は行きを整え安堵する。そして、右腕に現れた旋刃盤を見る。

 

「これ……タマちゃんの……そっか、助けてくれたんだね、タマちゃん……」

 

友奈は旋刃盤を撫でながらそう言った。すると、どこからか“タマに任せタマえ!”という声が聞こえた気がした。

 

「ありがとう、でも、大丈夫だよ。……もう油断しないよ」

 

友奈はそう言うとウォッチのボタンを押す。

 

『フィニッシュタイム!輪入道!』

 

友奈はドライバーのロックを外し、スロットを掴むと息を吸って叫んだ。

 

「行くよ……タマちゃん!!」

 

その言葉と同時にドライバーを回転させる。

 

『ファイア!タイムバースト!』

 

「ハァ~……ッ!」

 

炎を纏った旋刃盤を上空に飛ばすと自分も旋刃盤を追いかけるように跳ぶ。

 

「オリャーッ!!」

 

そして、旋刃盤に追い付くとオーバーヘッドキックで旋刃盤を蹴り飛ばす。

 

蹴り飛ばされた旋刃盤は巨大化しながら真っ直ぐバーテックスへ向かっていき──

 

 

 

バーテックスを貫いた。

 

 

 

貫かれたバーテックスはやがて光となって静かに消えた。

 

「ハァ~……終わった~……」

 

その光景を見届けた友奈はひどく疲れた様子で座り込む。

 

「だいぶお疲れのようだね、我が救世主」

 

そんな友奈にいつの間にか近づいていたウォズが声をかける。

 

「朝から山の中に入ってそこから二連戦だったから、さすがにくたくただよ~……」

 

「そんな君に朗報だ、我が救世主。帰りも山の中を歩かねばならないよ」

 

「……それは、悲報って言うんだよ。ウォズさ~ん……」

 

「ハハハ……それにひなた君も待っていることだ。早く帰って安心させてあげたまえ」

 

「……それも、そうですね。じゃ、戻りますか!」

 

そう言って立ち上がる友奈とそばに立つウォズを樹海解除の光が飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

かくして、高嶋友奈は二つ目の精霊ウォッチを手にした。次に彼女が手にするウォッチは果たしてなんなのか?乞うご期待。

 

 

 

 

 

 

 

 




輪入道フォームの表現が今一、分かりづらいと思いますがどうか許して。

ちなみに精霊ウォッチ使用中の姿はのわゆの漫画を参考にしています。


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