戦国恋姫X~戦国大戦記~ (疾風海軍陸戦隊)
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楠木軍平という少年

『・・・・・と、いうわけなんだけど、軍平も家に来るよな?』

 

「ああ、もちろんだ。早く思春お姉さんや華雄さんに稽古つけてもらいたいからな」

 

俺の名は楠木軍平。俺は家で親友である新田剣丞と電話をしていた。内容は剣丞が明日の家の稽古に来るかっていうことだ。俺の家は剣丞の家と家族ぐるみの付き合いで何でも俺の叔父である及川佑は剣丞の伯父である北郷一刀と友人だったため、俺はちょくちょく剣丞のうちに遊びに行っていた。

その剣丞の家庭は少し複雑というかかなり特殊で家は山の中にあり、しかもその家には多数のそれこそ十人以上の北郷さんの奥さんがいる。最初は変に感じたが、今ではそれが当たり前というように感じ、そんなに気にすることはなかった。

そしてその奥さんたち俺はお姉さんと呼んでいるが、そのお姉さんに剣丞と一緒に武術やら軍略など教えられた。最初はきついと思ったが次第にそれが楽しく感じた

 

『そっか~そう言えば思春姉ちゃんも華雄姉ちゃんも軍平に会いたがっていたな。あと秋蘭姉さんや佳花姉さんや猪々子姉さんも会いたがっていたよ。お前も姉ちゃんたちにかわいがられていたもんな』

 

剣丞がそう言う。因みに剣丞が言った人物は北郷さんの奥さんであり剣丞にとってお姉さんみたいな人で俺にとっても姉のような人だ

 

『それで軍平。今お前は何をしているんだ?』

 

「ああ、ゲームを始めるところなんだよ」

 

『ああ、あのフルダイブのミリタリーゲームか?確か『Another、Worldwar』だったけか?どこまで進んだんだ?」

 

「ああ、やっと中尉までレベルが上がったよまあ、人数も小隊規模なんだけどな」

 

『そうか。でも初めて一週間でそこまで上がるのはすごいじゃないか?中尉って確か士官だろ?』

 

「ああ、軍曹から初めてネットの友人にコツとか教わって、やっと士官になっったんだよ」

 

『そうか。その調子なら一気に大将とかになるんじゃないか?』

 

「ああ、そうなんだけどさ。実は俺のやっているそのゲーム。今日でサービス終了になっちゃうんだよ」

 

『そうか・・・・・それは残念だな』

 

「ああ、やっとヘリや戦車なんかを購入できたばっかりなのにな・・・なんか惜しいよ。それじゃあ、俺はゲーム始めるよ。急がないと終わっちゃうしね。剣丞、また明日な」

 

『ああ。また明日な』

 

そう言い俺は携帯を切ると、フルダイブゲーム用のゴーグルを装着させ

 

「・・・・・・リンク・スタート!!」

 

と、そう言うと視界が光に包まれる。そして光が収まると俺がいる場は、とある部屋であった

 

「・・・来たんだな・・・ここに」

 

俺がそう呟くとメールが来る。相手は俺が初めてからずっとアドバイスをしてくれた人であった

 

「えっと・・・・・・・『サービス終了までにみんなと一緒に大演習しませんか?』・・・えっと答えはOKっと。さて俺も行こうかな?」

 

そう言うと俺は外に出ると、外には30名ほどの陸上自衛隊の65式作業服に似た軍服と鉄兜を着た兵士たちとその手前に俺がこのゲームを初めてから補佐をしてくれているNPCの女性キャラクター「矢野隼子」少尉が立っていた。このゲームのNPCは本格的で普通に会話したり感情があるかのように話しかけたりとまるで本物の人のような感じだった。それはNPCというよりAIに近かった

 

『小隊長殿。任務ですか?』

 

と、矢野がそう訊くと俺は

 

「これから全軍で演習に向かう。準備してくれ」

 

とそう言うと矢野は敬礼をし、そして兵士たちはトラックや装甲車に乗り。俺は先頭にあるジープに乗ると運転席に矢野が座る。そして矢野は

 

『中尉殿。目的地を設定してください』

 

とそう言うと俺の目の前にシステムウィンドウが現れ、俺はさっきほど大演習をするといわれた場所を設定し決定ボタンを押すと、ジープが動き始める。目的地に向かう中、メールがまた届く。それはかつて一緒にプレイしたゲーム仲間体。内容は『久しぶりとか』『今日でこのゲームも最後ですね』とかそう言うのであった。

俺はメールでやり取りを始める。まあ内容は

 

『また会えますよ』とか『またこのゲームも復活しますよ。その時はまたみんなでやりましょう』とかそう言う感じであった。俺は後ろを見ると装甲車であるハーフトラックや兵員輸送用のトラックに戦車そして上空を飛ぶ一機のヘリがついてくるのを見た。それは俺がここまで築き上げてきた俺の部隊であった

 

「・・・・これを見るのも最後か」

 

と、寂し気にそう言うのであった。本当にこれを始めてからは楽しかった。むろん現実世界も楽しかったが、このゲームもこれはこれですごく楽しかった。だが、今日で終わりというのはやはり残念な気がする。せめて元帥までレベルアップしたかったな・・・・そう思いながら俺の部隊はみんなと待ち合わせている演習場へ向かう。因みに今向かっている演習場は海辺の近くということになっており、敵戦力が上陸するというのを想定にしたものだ

 

「ついたけど・・・・・誰も来ていない」

 

俺の部隊は先に演習場の浜辺へと到着したのだが、誰も来ていなかった。どうやら俺の隊が一番乗りしたらしい・・・・

 

「とりあえずメールでもするか・・・・えっと今の時間は・・・・23時18分か・・・・」

 

そう言いウィンドウを出そうと指を動かすが何も起きない

 

「あれ?おかしいな?出ないぞ?もしかしてバグかな?」

 

そう思ってもう一度やろうとするが何も起きない。GMコールもしようにもウィンドウが出なければそれもできない。はてさて困った・・・・・そう思っていると急にあたり一面が光始める

 

「うわっ!?な、なんだ!!」

 

俺が驚いた瞬間、急に爆音が鳴り響き俺は意識を失うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北郷家

 

「ああ・・・・・わかった」

 

家の中一人の男が電話を切ると

 

「北郷。誰からだ?」

 

「ご主人様。どうかされたんですか?」

 

短い青髪で凛とした表情の女性と黒髪のポニーテールの女性がそう訊く

 

「ああ、秋蘭。愛紗。実は及川から、軍平が部屋から突然消えたようだ」

 

「そうか・・・・軍平が」

 

「そうですか・・・・ということは剣丞よりも先に外史に」

 

「ああ、及川も言っていたよ『かずぴーと同じ別の世界に行ったんだな』って・・・・秋蘭。心配か?」

 

「心配じゃないと言えばうそになるな。あの子は私にとって剣丞と同じく実子のように思っていたからな・・・その日のために全力でやったがやはり心配だ」

 

「ご主人様。軍平が先に行ったとなれば剣丞も明日・・・・・」

 

「ああ、だが、これも運命だろう。及川も言っていたからな・・・・・」

 

「そうか…ならば私は祈ろう。剣丞と軍平が外史で強く生き、そして・・・・」

 

「あの子たちの紡ぐ外史が、数多の人に残らんことを・・・・・」

 

と、そう言うのであった・・・・

 

 

 




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目覚め

「起きてください・・・・・・起きてください。いつまで寝ているのですか?」

 

「(う、う~ん・・・・・あれ?俺ってゲームをしながら寝ちゃったのかな?)」

 

急に誰かが話しかける声が聞こえた。

 

「起きてください・・・・・もういい加減に起きてください」

 

「(誰だ?母さん・・・・じゃ、ないな。じゃあ柳琳姉さんが迎えに来たのかな?それとも美花姉さんかな?)」

 

「起きてください中尉!中尉殿起きてください!!」

 

「(ん?中尉?どういうことだ?)」

 

訳が分からず、寝返りをうとうとしたが・・・・

 

「ええい!中尉、ご無礼お許しください!!起きんか馬鹿もの!!」

 

「うわっ!?」

 

と急に誰かに投げ飛ばされ、俺はやっと目が覚める

 

「いてて・・・・・・て、あれ?ここはどこだ?」

 

目が覚め、俺がまず最初に見たものは見慣れた自分の部屋ではなく野原であった

 

「ここは・・・・・一体?・・・・・て、あれ!?俺の着てる服もなんか違う!?」

 

俺はあたりを見渡し、そして自分の姿を見ると先ほどまで来ていた学生服ではなく陸上自衛隊の迷彩服一型の格好をしていた。それはゲームで自分の着ていた服装だった

 

「俺、まだゲームをやっていたのか?いや、待てよ確か俺はサービス終了までに一緒にやっていたネット仲間と浜辺で演習をする約束をして一足早く浜辺について・・・・・後は・・・・覚えていないな・・・・とにかく今は何時だろう?」

 

そう呟き俺はゲームメニューを出そうとしたが、何も出ない

 

「あれ?出ない・・・・・」

 

「腕時計なら私のがありますよ中尉?よければどうぞ」

 

「ああ、ありがとう・・・・・・て、5時18分!?サービス終わっているじゃん!でもなんでゲームでやっていた服装の姿のままなんだ?・・・・・ああ、そうだきっとこれは夢なんだ。頬を抓ればきっと目が覚める!」

 

そう言い自分の頬を引っ張るが

 

「痛っ!?やっぱり夢じゃなくて現実なのか・・・・」

 

「はい。残念ながら、中尉。もしかして何かご予定でも?」

 

「ああ、明日の朝、早くに剣丞の家に行って鍛錬を・・・・・・・・・・・ん?」

 

急に俺は腕時計を渡されたのもそうだが、誰かと話していることに気が付く。俺は後ろを振り向くと

 

「そうですか・・・・それは困ったことになりましたね中尉」

 

「え?・・・・や、矢野?」

 

「はい。そうですが?」

 

俺が後ろを振り向くと、OD服を着た女性。そう俺がゲームをしていたNPCキャラクターの矢野隼子が立っていた。しかも矢野は今までゲームでは口を開かず喋っていたのに対し口を動かしてしかも首を傾げたりと、説明しずらいが、NPCがイベントや設定外で話しかけることなど今まであり得なかった状態になっていた

 

「中尉殿?」

 

「あ…あのな矢野?俺は確か浜辺にいたんだよね?」

 

「はい。我々の世界が今日で最後のため、ほかの部隊の皆様とゲームのサービス終了までに最後の大演習をするために浜辺に集合しておりました」

 

「っ!?ちょっと待て矢野。君は自分が・・・・」

 

「はい。私はNPC・・・・・設定された言葉しか話せず、そしてそのプレイヤーを補佐するために生まれた存在。そして私は『矢野隼子』と名をつけてくれた楠木軍平中尉を補佐するため、あなたが現れて一週間、あなたの補佐をしておりました。そして今日・・・あなたと一緒にいられる最後の日。演習場である浜辺へ先に集合したわが隊は謎の光に包まれ気が付けばこの野原に。さらに本来あなたと別れ消滅するはずだった私たちはこうして自分たちの意思であなたと話せることができるのです」

 

「そ・・・・・そうか・・・」

 

これは夢なのか?いいや。現実だ。さっき頬を抓った時点でもう夢じゃないのは確定だし。つまりこれは仮想世界が現実となり矢野達に意思が芽生えたっといったほうが正しい・・・・・こんな状態なのに冷静に分析する俺って、頭がおかしいのだろうか?

 

「中尉。それで私は何を・・・・・」

 

「あ、ああ・・・・とにかく矢野。今は欠員がいないか調べてくれ」

 

「はっ!先ほど、確認しました歩兵部隊20名、全員おります。その他に私と中尉の乗っていた73式小型トラックと60式装甲車並びにM3ハーフトラック装甲車。兵員輸送用の2トン半輸送トラック。そしてトラック内部にガソリンと武器弾薬が入っています」

 

「武器は?」

 

「はい。歩兵全員分の64式小銃と狙撃用の九九式長狙撃銃が二丁。M3グリースガンが20丁。62式機関銃、M1919及びA6。キャリバー50重機関銃。M2 60ミリ迫撃砲に89mmロケット発射筒 M20改4型。そしてジープに取り付けるように配備した無反動砲が装備されております」

 

「たった1週間しかやっていなかったから初期からちょっと格上げした装備だな・・・・・あれ?確かほかにも装備していたような・・・・・」

 

と、そう呟くと、急に3時方角からサイレンが鳴る。俺と矢野が振り向くと、そこには一輌の61式戦車がやってきた。あれは俺が最近手に入れた戦車だ。戦車は俺のそばへと止まり、キューポラから女性隊員が下りてきて俺に敬礼をし俺は返礼すると

 

「楠木戦車隊の西絹代曹長です。中尉殿。これはどういうことでしょうか?我々は浜辺にいたはずですが?」

 

「いや、俺にもわからない。目が覚めたら。ここにいた・・・・・お前たちは?」

 

「私にもわかりません・・・・それに私がこうして自分の意思で中尉と話しているのも不思議なくらいです」

 

訳が分からないという表情でそう言う車長の西。すると今度は上空から音がして上を見上げると1機のヘリが下りてくる

 

「あれは・・・・CH-53シースタリオン!」

 

俺はそう言う。あのヘリも俺が最近手に入れたヘリで、しかも塗装は初期の陸上自衛隊のOD塗装となっている。そしてヘリは着陸すると操縦席から二人のパイロットが下りてきて敬礼し

 

「楠木航空隊の清水晴香曹長です」

 

「同じく大西菊代上等兵です」

 

「楠木軍平・・・・・階級は中尉だ」

 

「存じ上げております中尉殿」

 

「今までどこにいたの曹長?」

 

「はい矢野少尉。我々はヘリで演習場に向かう途中でした。ですがなぜか急に現れた突風といいますか?光の嵐といいますか?それに巻き込まれて気が付けばこの空域を飛んでいたのです」

 

「光の嵐?・・・・・・中尉(たいしょう)

 

「うん・・・・・矢野。すまないが叫んでいいか?」

 

「はい。構いません」

 

矢野の言葉に俺はすうっ…と息を吸い

 

「いったい何が起きているんだよおぉぉぉぉーーーーーーーーー!!!!!」

 

 



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タイムスリップ

「中尉。落ち着きましたか?」

 

「ああ・・・・なんとかな」

 

叫んだ俺に矢野がそう訊くと俺は軽くため息をついてそう言う。そして俺は

 

「矢野。早速ですまないけど主要な兵と班長格の兵を集めてくれないか?」

 

「いきなりメタなこと言いますね」

 

「30名全員を紹介するのは大変だからな・・・・とにかくお願いできないか?」

 

「構いませんよ。それにこの部隊はあなたの部隊ですから私の許可はいりませんよ・・・・・少しお待ちください」

 

矢野はそう言うと兵たちのもとに行き何名か呼ぶと

 

「整列っ!!中尉殿に敬礼!!」

 

矢野がそう言うと呼ばれた兵士が俺に向かって敬礼をする。そして一人ずつ俺に挨拶をする。まず最初に挨拶したのは60式装甲車と61式戦車の乗員であった

 

「初めまして中尉。私は60式装甲車、車長の島田和(しまだのどか)。階級は曹長です」

 

「同じく操縦手の丸岡です階級は一等兵です」

 

「61式戦車車長の西絹代です階級は先ほど言ったように曹長です」

 

「同じく装填手の久保田。階級は上等兵です」

 

「同じく砲手の細見。階級は同じく上等兵です!」

 

「同じく操縦手の福田であります!!よろしくお願いします中尉殿!!」

 

と、元気よくあいさつすると今度は歩兵たちが敬礼をし

 

「自分は県恵。階級は一等兵です!」

 

「私は部隊の軍医の宮藤芳佳です階級は軍曹です!」

 

「浜田です!階級は上等兵です!」

 

「木村伍長です!」

 

「寺田です。同じく伍長です!」

 

「玉田です。軍曹です!」

 

「西原です。同じく軍曹です!」

 

歩兵の班長格があいさつすると次はヘリの搭乗員であった

 

「先ほど自己紹介しましたが、清水晴香曹長です」

 

「副操縦手の大西菊代上等兵です」

 

と、そう言い最後に矢野が

 

「最後にこの部隊の副隊長の矢野隼子少尉です」

 

矢野がきれいな敬礼をしてそう言う

 

「え・・・・と。楠木軍平。階級は一応中尉だ。よろしく頼む。えっと・・・・ちょっと聞いてもいいか矢野?」

 

「はい。なんでしょうか中尉?」

 

「今、紹介した子たち全員女の子なんだけど?しかもみんなどこかで見た感じ・・・・というより全員、知波単のメンバーじゃないか?装甲車とヘリの搭乗員を除いて・・・・それに矢野。お前の姿もどう見たってSAOのシノンの黒髪バージョンだぞ?」

 

「はい。そうですね。ちなみに私の特技は狙撃です」

 

「完全にシノンじゃないか!!」

 

俺は突っ込むと、島田がコホント咳ばらいをし

 

「さて、中尉(たいしょう)。漫才はここまでにして。今はなぜ我々がこんなところに居るかです。私たちは確か浜辺にいたはずです。なのに今いる場所は野原・・・・・あり得ないことですよ」

 

「ああ、そうだったな・・・・・(NPCと自由に会話していることは深く考えないとして確かに島田の言う通りこの現状は変だ・・・・)西原」

 

「はっ!」

 

「無線連絡!ほかのプレイヤーと交信できるか確かめてくれ!!」

 

「了解!」

 

そう言うと西原はm3ハーフトラックに積んであった無線機を取り出し、その場にいた全員が西原のそばによる

 

「0100!!0100!こちら1616送れ!!」

 

無線で呼びかけるが応答がない

 

「応答がない…どうなっているの?0000!0000!こちら1616送れ!!」

 

今度は違う周波数で呼びかけるがノイズ音がするだけで応答がなかった

 

「通信不能です。どこからも応答がありません!」

 

「どうなっているんだ?どこからも応答がない。ゲームのウィンドウも表示されない・・・・・もしかしらら俺たちは別世界へ飛ばされたのかもしれない」

 

「別世界ですか?」

 

「ああ西。昔、北郷さんに聞いたことがある。俺たちのいた世界とは異なる外史と呼ばれる世界が無数にあるって・・・・・北郷さんも学生時代のころいきなり別世界に飛ばされたといっていたな・・・・俺たちもその類に巻き込まれたんだ」

 

「ですが、異世界転移なんてそんなことが本当にあり得るのですか?」

 

「現に無線は通じないし、俺たちのいる場とは全く違う場所。そうとしか言いようがない」

 

「では中尉での。ここは状況把握のために何名か偵察を出されては?」

 

「それはできない細見。もしこの現象が一時的なものだったら何かの拍子で元に戻るかもしれない。もしそうなったら偵察に行った仲間を置き去りにしてしまうことになってしまうぞ」

 

「それはそうですが・・・・」

 

俺の言葉に細見はそう言うと

 

「中尉!誰かが来ます!!14時方向のあの森のところです!」

 

「なに!?」

 

久保田の言葉に俺は久保田の言った方角を見る。距離は百メートルぐらいだろうか?少し森になっているところに人影が見え歩いているのが見えた。

 

「中尉。これを」

 

矢野が双眼鏡を差し出し俺はそれを受け取り双眼鏡を除き目を丸くし驚く

 

「中尉。どうしたんですか?」

 

「矢野。見てみろ」

 

俺は双眼鏡を矢野に渡し矢野は双眼鏡を覗くと

 

「あれって・・・・・ちょんまげ!?」

 

そう二人が双眼鏡で見たものは、和服姿でちょんまげ頭の男性が竹かごを背負って歩いていたのだ。するとその男は野原にある60式装甲車や61式戦車を見ると腰を抜かし声を上げながら逃げて行った

 

「なんでしょう・・・・・あの男は?我々と同じNPC…ましてはAIではありませんね・・・・」

 

「おそらくこの世界の先住民・・・・もしかしたら過去の日本人かもしれないいつの時代はわからないが、まずは警戒態勢が必要だ。今の男がこの附近の住民だとしたら、この時代の警察組織・・・・武士か役人に知らせに行ったはずだ。俺たちはいきなり現れた侵入者なんだ。攻撃される可能性がある・・・・・・矢野!」

 

「はっ!いつでも迎え撃つ用意をします!総員、武器の手入れやチェックをしておけ!」

 

《はっ!!》

 

矢野の言葉に皆は敬礼をする。そして矢野は

 

「中尉。中尉の銃を預かっておりました。これを・・・・・」

 

そう言い矢野は俺に一丁の小銃を渡したそれは64式小銃ではなかった

 

「これは・・・・・M14バトルライフル」

 

矢野が渡したのはアメリカ陸軍の小銃で全自動式の小銃M14ライフルであった。この小銃は俺が唯一課金して手に入れたものでしかもいろいろと手を加え、64式小銃と同じ64式銃剣も装着できるように改造してあった

 

「ああ。ありがとな矢野」

 

「いいえ。お礼を言われるほどでもありませんよ中尉」

 

と、俺と矢野が話している間、隊員たちはいつでも迎え撃つことができるように銃の手入れや弾薬の確認をしていた。そして60式装甲車の整備をしていた島田たちは

 

「丸岡。ちょっとそこの機銃のベルト取ってくれる?」

 

「はい・・・・」

 

そう言い丸岡は12・7ミリ弾のベルトを取り島田に渡そうとした瞬間。その瞬間彼女のすぐそばから弓矢が飛んできた

 

「うわっ!?」

 

「ゆ、弓矢!?」

 

二人が驚く中、弓矢が軍平や隊員めがけて降り注いできた

 

「全員。物陰に伏せろ!!」

 

俺の言葉に皆は装甲車の下や影、ヘリなんかに隠れる。すると県が

 

「見てあそこ!!」

 

と、指をさすとその方向に鎧を着た日本の武士が弓を構えていた。そしてまた俺たちに向かって弓を放ち、俺たちは物陰に隠れる。すると一本の矢が玉田の上に刺さる

 

「あいたっ!!もう許さないぞ!!」

 

「玉田っ!くそコノヤロ!!」

 

腕に刺さった矢を引っこ抜き、玉田はハーフトラックに乗り込みそこに搭載してあるM2を侍に向け、島田も同じく60式に搭載されているM2を侍たちに向けた

 

「待て!島田、玉田!撃つな!!撃つんじゃない!彼らも日本人だぞ!!」

 

そう言うと島田は

 

「向こうはそうは思っていません!」

 

「右に同じ!!」

 

そう言い二人は侍たちに向けて発砲した。凄まじい銃撃音が鳴り響き、そして放たれた12・7ミリの鈍色の弾丸は侍たちの胴体を貫き、まるで将棋倒しのように次々と倒れていく。一通り撃つと武士たちはその機銃の威力に恐れ逃げだす。

 

「すごい・・・・・驚いて退却しているであります」

 

「あ、でも勇ましいのがいるぞ?」

 

福田の言葉に西原がそう言い指をさすと、一人だけ馬に乗った武士がこちらへと向かってきた。その武士は俺たちに向かってこう叫んだ

 

「井伊直虎!!見参っ!!!!」

 



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井伊直虎

「井伊直虎!見参っ!!!」

 

馬に乗った武将が刀を手にし俺たちのほうへと向かっていた

 

「このっ!しゃらくさい!!」

 

島田はその武将にM2を向ける

 

「待て、島田!!」

 

俺は手で制しするとM14を片手にその武将に向かってゆっくりと歩きだす。それを見た矢野達が

 

中尉(たいしょう)はいったい何をするつもりだ?まさか白兵戦でも・・・・」

 

「いや、接近戦だと向こうのほうが有利です。少尉。助太刀に行ったほうが・・・・」

 

「待ちなさい。今は中尉を信じましょう。もし軍平隊長が危険状態になったなら、あの武将を射殺しても構わないわ」

 

「了解」

 

そう言い、矢野は狙撃用の九九式長小銃に銃弾を込め見守るのであった。そして軍平は馬でもう接近してくる武者にM14を向ける。突如、別の世界、もしくは時代に飛ばされ、現代世界とは完全に孤立した軍平は今初めて、相手に向けて銃を撃った

 

「うわっ!?」

 

軍平の放った銃弾は武者ではなく、武者の乗っていた馬に当り、馬は倒れ、その衝撃に武者は馬から転げ落ちその拍子に兜が脱げてしまう。その時、軍平は兜がとれた武者の素顔を見て驚いた

 

「(お、女の子!?)」

 

その武者は何と女の子で茶髪のおさげをして鋭い目つきで俺を見ていた。そして少女は落とした刀を取ろうとしたが

 

「よしなっ!!」

 

軍平は少女が刀を掴ませないとその手前に向かってⅯ14を連射した。そして放たれた銃弾は彼女の刀に当り、刀は真っ二つに折れる。それを見た少女は愕然する。そして軍平が銃を構え

 

「勝負はついているんだ。これ以上は無駄だと思わないか?」

 

そう言うと少女は一度俯くがやがてキッと軍平を睨むと脇差を抜き

 

「直虎の最期をとくと見ろっ!!!」

 

「っ!?」

 

少女はそう言い脇差を自分の腹へと向けた。間違いなく彼女はここで腹を切って自害するつもりだ。それを見た軍平は

 

「やめろっ!!」

 

そう言い軍平は彼女の持つ脇差を取り上げようとしつかみかかる

 

「ええい!邪魔をするな!死なせろ!!!」

 

そう彼女がそう言った瞬間

 

「馬鹿野郎っ!!」

 

そう言い軍平は姉貴分の思春、直伝の投げ技で彼女を投げ飛ばし、投げ飛ばされた彼女は倒れ手に持っていた脇差を落とす。そして彼女は軍平を睨み

 

「き、貴様は武士の情けというものがないのか!」

 

「死なせてやらないのも情けだよ。命は一つしかない大事にしなよ」

 

「だ、黙れ!わが宿敵黒田長春めに・・・・生き恥を晒せというのかこの直虎に!!」

 

「・・・・・・ん?」

 

この時、軍平はなぜ、彼女らが攻撃したのか理解した。自分らが突如現れたのもそうだが、その黒田長春という人物の手下と勘違いして攻撃したらしい。

 

「・・・・あいにくだけど、俺たちはその黒田長春という人物は知らないし。君をその人物に渡す気はないよ」

 

「な、なんだって?」

 

その言葉を聞いて今度は彼女が驚くのであった

 

「私はてっきり黒田勢の手のものかと思ったが・・・・・」

 

「残念だが違う。あなたたちの状況は知らないけど・・・・・」

 

軍平は先ほど少女が落とした脇差を拾い

 

「俺たちは攻撃されない限り戦うつもりはないよ・・・・」

 

「では何のためにここに来たんだ?」

 

軍平の言葉に彼女は疑うようにそう訊くと軍平は

 

「その・・・・なんというかだな。言うなれば漂流者と思ってくれれば助かるよ」

 

「漂流者・・・・この野原でか?お前たちは南蛮人というやつか?いや、お前たちは服装は奇妙だが我々と同じ同族のようだが・・・・漂流者というからには船で来たのか?その船はどうしたんだ?」

 

「今のところ俺たちは仲間から見捨てられている・・・・・」

 

軍平の言葉に少女は軍平の後ろにいる矢野達をじっと見ていると、軍平は先ほどの脇差を少女に渡す

 

「ほら、お姉さんの仲間が向こうで心配していますよ。戻って安心させてください」

 

そう言うと彼女は脇差を受け取ると鞘に納めて仲間の元へと行く。そして戻る際、軍平に振り向き

 

「・・・・貴殿の名は?」

 

「軍平・・・・・楠木軍平だ」

 

そう名乗ると彼女はふっと笑い

 

「私は今川治部太夫義元様に仕える。井伊《桜》直虎だ」

 

そう言うと彼女は部下のほうへと歩く。そして俺の背後から矢野達がやってきて

 

「中尉。大丈夫ですか?」

 

「ああ矢野。何とかな」

 

「それにしてもあの人はいったい・・・・」

 

「さっき、井伊直虎って名乗っていたけど大将は何か知っていますか?」

 

島田がそう言う。因みに大将は俺の仇名らしい。中尉なのに大将ってなんか変な気持ちだが・・・・

 

「井伊直虎・・・・・確か女地頭で遠江井伊谷の領主であの徳川四天王の一人、井伊直政の義理の母親だよ。あと大河ドラマでも有名だし」

 

「はぁ・・・大河ドラマというものはよく知りませんがすごい人物だということはわかりました。さすがです中尉殿」

 

西がそう言うと矢野が

 

「なるほど。つまり中尉は彼女を名のある武将だと知って一対一の勝負を?」

 

「ああ。井伊直虎であってもなくても武将なら、こちらの力を見せつけたうえでこちらに戦う意思がないとすれば事は収まると思ったからな。今の状況、俺たちはしばらくここで野営しなければならないし、いつまでここにいるかはわからない。食料にも限りがあるし、いつまでも敵を作るわけにもいかないだろ?」

 

「なるほど…つまり彼女らに食料を分けてもらうってことですか?でもうまくいきますか?」

 

「何とかなるさ、浜田・・・・西曹長。もし君が武将だったら俺たちの武器を見てどう思う?」

 

「え?そうですね・・・・・もし私だったら敵ではなく味方につけて、あわよくばこちらの武力にしたいと思います」

 

「ああ、向こうも恐らく同じ考えだろう。桂花姉さんや包姉さん曰く戦略の駆け引きというやつだよ」

 

と、そう言い軍平は部下に事情を話す直虎を見るのであった

 

 

 

 

 

 

数分後・・・・・

 

「なるほど・・・・・貴殿はつまり遠い国から来られ、何らかの事故に巻き込まれてここに来てしまったと?」

 

「まあ、簡単に言えばそんなところだ」

 

その後、直虎は再び、軍平たちのもとに行き、事情を聴いて頷く

 

「なるほど・・・・それで漂流者と・・・・そうとは知らず申し訳ないことをした」

 

「いいや、俺たちが事故とはいえ勝手にあなたの領地に入ってしまったんだ。あなたが謝ることはないよ。ところで井伊さん。少し聞いてもいいか?」

 

「なんだ?」

 

「先ほどあなたは井伊桜直虎と名乗っていたけど。直虎は諱だというのはわかるけど桜というのはなんだ?官職の名前か?」

 

「いいえ、あれは真の名と書いて真名と呼ぶ。通称とも言う」

 

「なるほど・・・・・真名か。なあもし君の真名を言ったら斬りかかったりしないか?」

 

「そんなことはせん。どんな初見殺しだ。まあ、諱を呼ぶのは極めて無礼な行為ではあるがな。そもそも諱というのは、親か、己が仕える主君のみが呼んでいい名前だが、敵対勢力が呪いを籠めて諱を呼びすてることもある。諱というのはその人物の霊的な人格と強く結びついてものであり、その名を口にするということは、その人物の霊的人格を支配できる。まあ、私にとってはどちらでもいいのだがな。ところで楠木殿の通称は何という?」

 

「あいにく俺には真名とか通称名は持っていないよ軍平が本名だ」

 

「真名がない・・・・・不思議なものだ。ところで楠木殿はもしやと思うがかの正成公の子孫かその一族の出ではないのですか?」

 

「正成公?ああ、楠木正成のことだね?まあ俺も良くはわからないけど。俺はただの楠木さんだよ。井伊さん」

 

「桜でよい。そうか・・・・・事情は分かりました。しかしここに幾日もじっとしているのは何かと不便でしょう。兵糧なりお運びしましょう」

 

「ありがとうございます桜さん」

 

「ただし、私たちの敵方には回らないでいただきたい」

 

「もちろんです。あなた方に限らず、あなたと対立しているその黒田という人物とも争いたくはないからな」

 

「そうか・・・それは少し困った」

 

「何がです?」

 

「今私が使える今川様は上洛に向けて織田と交戦中、そしてその黒田は今川様に使える身でありながら織田へと寝返った反逆者であると同時にわが母、直盛に仇でもある!!」

 

と、声を上げるとそれを聞いた軍平は

 

「(本音が出たか・・・・)有無・・・・どうやらもっと詳しく話を聞く必要があるな。すまない桜さん。この世界の状況を教えてくれないか?」

 

「かまいません・・・・」

 

そして桜は軍平に今いる状況を説明し始めるのであった・・・・・・・



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ここは戦国時代

直虎さんが言うには今俺たちがいるのは、遠江(現在の静岡県)の井伊谷城近くらしい。そして、今俺たちのいる時代の年は直虎・・・・桜さんが言うには永禄二年の10月だそうだ。永禄二年だと西暦で言うなら大体1500年代のころだ。

だが、俺たちの知識では換算のしようもなかった。なぜなら仮に理解できるように換算したとしてもそれが正確にこの時代と彼女らの故郷である時代の年差を表すものか不明であったからだ。

 

「う、美味い!この奇妙なものは何という食べ物だ?お湯をかけただけでできたぞ?それにこの鉄のお椀に入った肉もうまい!」

 

「それはカップラーメンですよ。後それは缶詰の大和煮・・・・野戦食ですよ」

 

と、テントの中で桜さんは今、非常食の缶詰とカップラーメンを食べて目を輝かせながら美味しそうに食べていた。そして彼女が食べている中、俺は矢野と島田。そして西と話をしていた

 

「中尉・・・・」

 

「ああ、どうやらここは俺のいた国・・・・・日本の戦国時代だということはわかった…けど」

 

「大将の言っていた歴史と彼女の言っていた戦国時代とは少し違いますね?」

 

「確かにそうですね。中尉の言う通り、織田家や中尉の言っていた徳川家になる前の一族、松平家という一族はいて天皇の系譜は同じ。つまり重要な歴史の柱になる部分は同じらしいですが・・・・・」

 

「ああ、俺の知っている歴史とは違い。出てくる武将はほとんど女性だということだ・・・・そして彼女の主君である今川義元も女だと聞く。武将の性別はおろかどこをどの武士が領し、誰をだれが倒したと細部になるとだいぶ入れ違いがあるようだ・・・・」

 

「では、この時代は大将の知っている時代とは違うってことですか?」

 

「そうだ島田。今の現状、直虎・・・桜さん以外に姫武将なんていなかったからな。もしかすると俺たちは並行世界に迷い込んじゃったのかもしれないな・・・・」

 

「並行・・・・世界ですか?」

 

「ああ。いろんな可能性の世界。たとえば信長が存在しない世界。男だったはずの武将が女性だったり、同じ時代のはずなのに違った歴史をたどった世界なんかを並行世界っていうんだ」

 

「そんな世界があるのですか?」

 

「ああ、科学的に並行世界は認められている。俺たちのいるこの世界もその一つなんだろうな・・・・・」

 

俺は空を見上げてそう言うと久保田が

 

「中尉殿・・・なぜそう冷静に言えるのですか?」

 

「ああ、普通ならパニックになるところだが、なぜ自分がこうも冷静でいられるか自分でも不思議なくらいだよ。まあ強いて言えば・・・・」

 

「「強いて言えば?」」

 

「あまりにも短時間に現実離れ過ぎたことが多すぎて、頭が麻痺しているんだろうな・・・・」

 

俺はため息をついてそう言う。実際、俺は普段ならパニックになるはずなのに冷静でいる。あまりのことで頭がおかしくなったのか。それとも矢野達の前で意地張っているのか。まあ両方だろな・・・・俺はそう考えていると

 

「中尉?どうかしましたか?」

 

「え?ああ、なんでもないよ。矢野」

 

俺がそう言うと、先ほどから缶詰やカップ麵を食べていた桜さんが

 

「いや・・・・馳走になった。今まで食べたこともないとても美味いものであった。あなたたちはいつもこのような美味しいものを食べているのか?」

 

と、幸せそうな顔でそう言う彼女。その表情を見て本当に美味しかったのだろう。それを見た俺は

 

「何ならお土産に少し持っていきますか?」

 

「なんと!?かたじけない!!」

 

俺が笑顔でそう言うと彼女は嬉しそうに言う。言葉や見た目で堅苦しい人かなと思っていたが、意外とどこか面白そうな人だと俺は感じた。俺は矢野に命じ、食料の缶詰を渡すと

 

「これは本当にかたじけい。それででは軍平殿。またお会いしましょう」

 

と、頭を下げると桜さんは仲間の元へと行き、その場を去っていったのだった

 

 

 

 

 

 

 

「姫・・・・・」

 

「ああ、孫市か。どうかしたのか?」

 

城に戻る途中、私の隣にいる幼馴染であり、家臣である栗林鶫孫市が私に話しかける

 

「あの者たちをどうするつもりですか?」

 

「軍平殿を?う~ん・・・・できれば我が軍に迎え入れたい。もし彼らが今川様の仲間になってくれれば織田を簡単に倒せる。鶫。何かいい案はない?」

 

「そうですね・・・・では先ほど彼らと約束した通り米味噌を運ばせましょう。彼らが謎の超兵器を使い、その上、姫様が秤量を運べば黒田勢も敵勢もますます彼らを私たちのお仲間だと思うはずです」

 

「なるほど・・・・・でも私はあの人を今川様のためとはいえ私欲のために利用するのはあまり好きじゃないな・・・・こんな美味しいものを分けてくれたのに」

 

「姫様・・・・それ軍平殿からいただいた食料ですか?」

 

「ああ、カンヅメというものだそうだ」

 

「見たところ鉄の器に入っているみたいですがどうやって開けるのです?」

 

「軍平殿によれば、ぷるとっぷなるこの取っ手のようなものを引っ張れば開くとのことだ」

 

「ほ~便利なものですね・・・・・あのダダダと火を噴いた鉄砲のような武器といいいったい何者なんでしょうね?」

 

鶫がそう言う。確かに鶫の言う通り彼らは何者でどこから来たのかは不明だ。彼らは自分たちのことを漂流者といっていたが実際のことは私のもわからない。ただ彼らは、特に軍平殿は私たちとどこか違う次元のもののような魅力を感じた

 

「わからないわ、ただ遠いところからきて奇妙な服装そしてすごい武器を持っていることしかわからないわ。さて、鶫。城に戻ったら一緒にこのカンヅメを食べましょう」

 

「はい。わかりました姫様」

 

そう鶫が言うと

 

「申し上げます!!」

 

と一人の兵士がやって来た

 

「何事!?」

 

「はっ!黒田勢と思うしき兵ががわが方の領地に侵入!」

 

「なんですって!?物見(偵察兵)か!?それでどこに!?」

 

「それが先ほど井伊様がお会いになられた奇妙な方たちのいるほうです!」

 

「なんですって!?・・・・・っ!」

 

「あ!姫様!!」

 

足軽の報告を聞くや否や、私は馬で来た道を急いで戻るのであった

 

 

 

 

 

 

 

一方、軍平たちは・・・・・

 

「異世界転移、もといタイムスリップですか?」

 

「ああ。そうだ。それしか言いようがない」

 

俺は西たちにそう言う

 

「そんな馬鹿な・・・・・そんなわけあるはずじゃないですか」

 

「でも、実際に起きたんでしょ?」

 

玉田の言葉に細見がそう言うと福田は

 

「中尉殿。私たちは何かの間違いで転移してしまったのですか?」

 

「それは俺にもわからない福田。県一等兵。君は何かわかるか?」

 

「残念ですが私にもわかりません中尉」

 

県が頭を抱えて言うと浜田が

 

「それにしても直虎っていう人変わった人でしたよね?」

 

「そうね~『同族だ!』『焼き鳥の缶詰?』とか?」

 

「「ははは・・・・・」

 

西原の言葉に久保田が桜の物まねをしてそう言うとみんなは笑いそれを聞いていた軍平も笑う

 

「ははは・・・・・っ!?池田!」

 

「え?・・あいたぁ!!?」

 

すると先ほどまで笑っていた島田が何かに気づき、そして池田を突き飛ばす。すると池田がいたところから何かが飛んでくる

 

「痛ぁ~何をするんですか島田さん。いきなり突き飛ばすなんて!!」

 

「馬鹿!これが刺さったら痛いじゃすまされないわよ!!」

 

そう言い島田は池田に飛んできたものを見せる。それは弓矢であった

 

「ゆ、弓矢!?」

 

池田が驚くと宮藤が

 

「て、敵襲!?11時方向の草むらです!!」

 

「何!?」

 

その言葉に軍平たちは宮藤の言った方角を見るとそこには数十名いる足軽たちがこちらに向かって弓を構えていたのであった

 

 



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