学校苦羅死! (にんにくましまし)
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第1話 はじまり

どうも初めましてにんにくましましというものです。
がっこうぐらし!の二次創作を書いていこうと思っているんですが・・・今のがっこうぐらし!ってRTA風の二次創作が流行っているんですよね・・・。

そんな流行に乗らずに普通に小説を書いているわけなんですが・・・RTAの動画を見ないのでどんな風に書けばいいのかが分からんのですわ。
頑張って書きますので、見ていただけると幸いです。


「おーい、拓海。お前も一緒にカラオケこいよ。楽しもーぜ!」

 

「ああ、悪いな。なっちん。今日はめぐねえに呼ばれてんだ。勉強の補修を受けないといけないんだよなー。だから今日は行けないわ。オレの分まで楽しんで来いよ!」

 

「あははっ!そんなんさぼっちゃえばいいのに・・・拓海も真面目だねぇー・・・分かったよ。頑張ってねー。」

 

「おーう。頑張るわー。」

 

 帰りのHRも終わり放課後になったオレは何時もの不良仲間たちにカラオケの誘いを受けたが、今日はめぐねえこと【佐倉 慈】先生に放課後、補修を受けてもらうため居残るように言われていたため断った。

 さぼるのも手なのだがこんな問題児なオレを唯一見捨てることなくいつも親身になってくれているめぐねえからの頼みなので仕方なく残ることにした。他の先公は全員、問題児であるオレと関わろうとせず邪魔者扱いしているのを知っているため基本は言うことを聞かないがめぐねえは別である。

 

「さて・・・ここでうだうだしてても仕方ねーし、とっとと行って素早く終わらせるとしますか。」

 

 オレはカバンを持って3-Aの教室へと向かっていった。

 

 

 

 

――――

 

 

 

 

 

「ういーっす、めぐねえいるー?・・・って由紀じゃねーか。お前・・・また補習か?」

 

「うん?あっ!?たくちゃん!またって言ってるけどたくちゃんだっておんなじじゃん!人のこと言えないよー!」

 

「あー?オレはいいんだよ。だってオレのは由紀と違ってやれないんじゃなくてやりたくなくてやってないだけなんだから。」

 

「それ、私より立ち悪いよ!」

 

 教室へ入っていくとそこにはいつもの見慣れた人物。猫みたいな帽子をかぶっている女の子の【丈槍 由紀】が机の上にノートを広げながら――と言っても、ノートには一字も書かれていないが――座っていたので何時ものように話しかけた。

 

「まあいいや、それよりもどこが分かんないんだ?言ってみろ教えてやる。」

 

「ほんと!?ありがとー、ええっとねここなんだけど・・・。」

 

 めぐねえがまだ来てないみたいなのでオレは由紀の隣に椅子を持っていき腰を下ろすと由紀が分からないと言って示したところの問題を見た。

 

「ああ、ここはだな・・・こういう風にするんだよ。」

 

「ふんふん。」

 

 暫く由紀の勉強の面倒を見ていると廊下からコツコツと足音がこちらに向かっているのが聞こえ、教室の前で止まるとドアが、ガラッと開かれた。

 

「ごめんなさい。遅れちゃって。」

 

「遅いぞめぐねえ!罰としてこの補修が終わったらジュースをおごってくれよ!」

 

「ごめんね。ちょっと教頭先生に捕まってて・・・。丈槍さんも遅れてごめんね。」

 

「大丈夫だよめぐねえ。たくちゃんに教えてもらってたから。」

 

 めぐねえは、申し訳なさそうに眉を下げ謝ってきたのでオレは直ぐに気にしないことにした。と言っても、元々補修を受けざる得ない状況を作り上げたオレらの悪いのにちゃっかり謝るのがめぐねえらしいな・・・。

 

「冗談だよ。そこまで怒ってないから頭下げなくていいよ。それより、プリントどれやればいいの?」

 

「ああ、これよ龍宮さん・・・あと、毎回言ってるけど龍宮さんはやればできるんだからしっかりと授業受けてもらえないかしら?後、めぐねえじゃなくて佐倉先生ね。」

 

「ありがとうございます・・・あと、オレも毎回言ってるけど考えとくよ何といってもめぐねえの頼みだしな。」

 

「そういって、何時も授業に出てくれないじゃない・・・。」

 

 めぐねえはそういって肩を下ろしたが直ぐに切り替えて由紀の対面へと椅子を持ってきて腰を下ろした。

 

「とりあえず、続きは私が教えるから龍宮さんは自分のプリントやっておいてね。」

 

「了解でーす。」

 

 オレはめぐねえから渡されたプリントを終わらせるため由紀の隣の席に座りペンと消しゴムをカバンからだしプリントを書き始めた。

 

 

―――

 

 

 

「よーし、終わり―。どう?めぐねえ?頑張ったでしょ?」

 

「そうね、よくやったわよ丈槍さん。」

 

「えへへ・・・たくちゃんは終わった?」

 

「おーう、とっくのとうに終わってて由紀待ちだ・・・よし、この後コンビニよってアイスでも食べよーぜ、オレがおごってやるからよ。」

 

「ほんとー!?たくちゃんのデブっぱら!」

 

「はははっ、こやつめっ!それは私が太ってると言いたいのか?それにそれを言うなら太っ腹だろ?」

 

「こらー、下校中の買い食いは駄目よ。」

 

 めぐねえはそうたしなめるとスマホが振動しているのに気付き自分のポッケからスマホを取り出し操作し始めた。

 

「・・・・なにこれ?かなり近い・・・?」

 

 

「めぐねえ何見てるのー?」

 

 

「こらっ由紀。人のスマホ横から見たらダメだろ?もしめぐねえがエッチなサイトとか見てたらどうするんだよ。」

 

「ええー!?めぐねえエッチなサイト見るのー!?」

 

「みません!!」

 

 オレがめぐねえをからかうとめぐねえは顔を赤くしムキになって反論した。

 

「まあいいやー、たくちゃんかえろー。」

 

「りょうかーい。それじゃ、めぐねえまた明日ー。」

 

 オレと由紀がカバンを持ち教室を出ようとすると後ろからめぐねえが引き留めてきた。

 

「あっ・・・ちょっと待って二人共。今電車止まってるみたいだからもう少し学校にいたら?」

 

「そうなんだ・・・おなかすいたのにー。」

 

「まじかよ・・・。ああーついてねーなー。」

 

 オレと由紀はお互いに肩を落としたが、直ぐに由紀が顔を上げめぐねえに屋上に行っていいか聞いた。

 

「ねえ、めぐねえ。屋上行こうよ。プチトマトとかあるんでしょ?」

 

「あるけど、食べちゃだめよ?それに屋上は立ち入り禁止だし。」

 

「・・・それなら、園芸部の見学ってことでいいんじゃないか?それなら入れるだろ?」

 

「おお!たくちゃん頭いい!」

 

「ふふっまあな。」

 

 めぐねえは一回は渋って見せたもののオレの提案を聞くと顔を緩ませながら了承してくれた。

 

 

 

 

 

 

――

 

 

 

 

「鍵空いてたね。」

 

「誰かいるのか?」

 

 オレ達はめぐねえを先頭に屋上の階段を上がりドアに手を掛けると鍵は掛かっておらずすんなりと開いた。

 

「あ、すみません。カギ閉め忘れてって・・・拓海ちゃん?どうしたの屋上なんか来て。」

 

「うん?おおー、そういえば悠里お前園芸部だったけ?忘れてたわ。」

 

「もう、幼馴染のやってる部活ぐらい覚えててよね・・・あ、先生すみません。カギ閉めといてもらってもいいですか?」

 

 屋上には如雨露を片手にグラマラスな体型が特徴的な私の幼馴染である【若狭 悠里】が立っていた。

 

「わぁー!これトマト!?おいしそー。」

 

「ふふっ、食べたいかしら?お手伝いをしてくれたら食べてもいいわよ?・・・あ、拓海ちゃんもトマト食べたい?だったら手伝ってね。」

 

「バカタレ、オレがトマト食えないの分かってて言ってるだろ?それに、何にも貰えなくてもやるよ。暇だしよ。」

 

「ありがと、とても助かるわ。」

 

「はいはーい!私も手伝うよ!」

 

 由紀の奴がトマトに目を輝かせて悠里の近くまで行くと悠里が手伝ってくれたら食べてもいい由紀に言い、その後にオレにも聞いてきたが悠里はオレがトマト嫌いなのを知っているのでどこか意地悪そうに笑みを浮かべていた。

 

「・・・・・・・。」

 

「(めぐねえ?)」

 

 由紀がホースで水をまき悠里とオレが土から生えている雑草をむしり取っているといまだにドアの前で立ち尽くしているめぐねえが視界に入った。

 

「悠里さんはいっつも一人で菜園の世話しているの?」

 

「ううん。今日はどうしてか誰も来ないのよね・・・。」

 

「単純にさぼりだろ?」

 

「拓海ちゃんと一緒にしないでくれるかしら?」

 

 由紀が一人で菜園の世話をしていたのに疑問を持って悠里に聞いたのだが本来園芸部には他にも部員がいるのだが今日は誰一人としてこなかったようだ。

 

「・・・・どうして母さん出ないんだろ?神山先生・・・?もしもし―――っ!?」

 

「ん?」

 

「へ?」

 

「お?」

 

 屋上のドアからバンバンっと強く叩く音にびっくりしてオレ達全員変な声を出して、ドアの方に顔を向けた。

 

「なーに?」

 

「他の部員が来たのかしら?」

 

「今開けるぞー、待ってな―。」

 

 ここで立ち尽くしているのも何だと思いオレはドアのカギを開けに少し駆け足で向かう途中でめぐねえから普段と違う声色で止められた。

 

待って!

 

「めぐねえ・・・?でも、カギ閉めてんだから開けてやんねーと、何時まで経っても入ってこないぞ?」

 

 めぐねえは少し考えた後、小走りでドアの方まで行きドアに耳を押し付けた。

 

お願い・・・開けて・・・。

 

 めぐねえは、カギを開けドアを開け中に入ってきたのはツインテールが特徴的な女の子の【恵飛須沢 胡桃】が肩に男の人を担ぎながら倒れこむように入ってきた。

 

「胡桃!?何があったんだ?」

 

「この人けがしてる・・・?」

 

 オレと悠里がすぐさま駆けつけて胡桃の近くに腰を下ろすと悠里が男の人の方に誰かに噛まれたような跡があるのを見つけた。

 

「・・・?喧嘩にしても噛み後?」

 

「そんなことよりも保健室に「ダメだ!下はダメだ!」えっ?」

 

「それ・・・どういう「めぐねえ・・・何あれ?」どうかした?丈槍さん―――なに・・・これ?」

 

「はあ?人が人を襲ってる?」

 

 悠里が保健室に連れて行こうとするとそれを拒むかのように胡桃が大声を出し、それを不思議に思っためぐねえが胡桃にどういうことか聞こうとしたら由紀が声を震わせながら呼ぶのでそちらに顔を向けるとグラウンド一面に人が人を襲っている光景が目に飛び込んできた。

 

「何か急に皆ああなって・・・陸上部も巻き込まれて・・・。で、先輩も・・・。」

 

「救急車呼ばないと・・・。」

 

「もうかけてるけど、つながらない・・・。」

 

「どうなってんだよ!?」

 

 胡桃が簡単に説明をし、めぐねえが救急車に電話をかけているようだがつながらず、色んなことが唐突に怒って少し苛立ってしまった私は、柵に向かって蹴りをいれた。

 すると、そのすぐ後に街の方からものすごい大きい爆発音が鳴り響きオレ達は茫然と立ち尽くすしかなかった。

 

「どうして・・・何が起こってるの・・・。」

 

 由紀が不安げに顔を歪ませているとドアの方からまた、バンッバンッと叩く音が聞こえてきたかと思うとドアガラスを突き破りそこから人間のものとは思えないほど浅黒い腕が数本飛び出してきた。

 

「ひっ!?」

 

「いやあああっ!」

 

「くそっ!きやがった!」

 

「何がどうなって・・・とりあえず、ドアを塞ぐ!めぐねえ園芸部のロッカーをドアの前まで動かす手伝ってくれ!」

 

「わ、分かったわ!若狭さんと丈槍さんはそこの洗濯機をこっちに!」

 

 状況整理をひとまず置いて、急いでロッカーを押しドアの前まで持っていき塞いだ。

 

「くうぅ!?以外に力強い!」

 

「ううん・・・はっ!?恵飛須沢さん!」

 

 オレとめぐねえが二人掛かりでロッカーを押していると胡桃が一緒に連れてきた男の人に襲われそうになっているのが見えた。

 

胡桃!!逃げろ!!

 

「う、うわああああああ!!!」

 

 胡桃が近くに落ちていたシャベルを掴み力任せに男の人に向けてスイングするとシャベルは男の人の首に命中し深いところまで入っていき返り血が胡桃に降り注いだ。

 その後もすでにこと切れている人だったものに何度もシャベルを突き立てている胡桃を茫然としながら見ていると由紀が泣きながら胡桃に飛びついた。

 

「ううぅ・・・うわああん・・・。ひっく・・・。」

 

「ばかだな・・・・何でお前が泣いてんだよ・・・ていうか誰だよお前・・・。」

 

 二人して泣いている姿にオレは只々眺めることしかできず、未だにドアを叩きつける音が鳴りやまない中、オレは日常というのは崩れ去るときはこうも簡単に崩れ去ってしまうのかというのとこれから先どうなってしまうのかの不安を抱えたまま、ドアの向こうにいる奴らがこっちに来ないようにロッカーを押すことしかできないでいた。

 

 

 




ハイ。読んでいただきありがとうございます。

ちょっと読みにくいとかこここうしたほうがいいというアドバイスがある方教えていただけると嬉しいです。

誤字報告もあれば教えていただけると幸いです。

少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします。


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第2話 そのあと

どうも、にんにくましましです。

いきなり感想や評価が来てくださって滅茶苦茶嬉しいです。
お気に入りもしていただき感謝です!
これからもよろしくお願いします。

今回、ちょっと急ぎで書いてたんでちょっとクオリティが低いです。
すみません。


「で、だ。めぐねえこれからどうする?ずーっとこのまま屋上で過ごすっていっても限度があるぞ。オレ的には3階だけでも安全圏を確保しておきたいかなーって思っている。めぐねえ達はどう思う?」

 

「私も拓海ちゃんの意見に賛成だけど、危なくないかしら?奴らがまだ学校内にいるかも。」

 

 オレ達はあの始まりの日の翌日、これからについてを話し合いを始めた。このまま屋上にいても食べるものが菜園しかないのでは何時かそこが尽きる。外に出て行くにしてもある程度は安全圏を広げてい置いた方がいいと思い意見を出した。

 

「いや、今は昼ぐらいだからまだ動くときじゃない。動くとすれば夜遅くから明け方が良いと思う。」

 

「それはどうしてかしら?」

 

「屋上のドアの音が消えていっただろ?あれはドアの前の奴らがいなくなったから音がやんだまでは分かるよな?それでよその時グラウンドの方を見たんだが奴ら何処かに向かっているかのように学校から出て行ってたんだ。それからお前らが疲れて寝てる間にグラウンドをもう一度見たんだが・・・放課後見たときと比べるとほとんど奴らはいなかった。おそらく時間かそれとも他に要因があるかは分からないが夜遅くから朝方までは数が少ないんだと思う。」

 

「なるほど・・・それなら奴らが少ない夜遅くを狙って動いた方がいいわけね。」

 

「そういうこった。だから決行するなら夜遅く、深夜ぐらいがいいか?」

 

 オレが自分の考えを説明し、皆でここをこうしたほうがいいと意見を交換し合って、今夜やる事に決まった。

 

「とりあえず、先人は動ける奴がいいな。私は喧嘩をよくしてたから体力はあるから確定としてもう一人ほしいな。」

 

「なら先生である私が「私がやるよ。」恵飛須沢さん?」

 

 ひとりで突っ走ってミスしたらシャレにならないのでお互いのフォローの為に2人で先陣きって行動したいからというとめぐねえが立候補しようとしたが、それを遮り胡桃が立候補した。

 

「大丈夫か胡桃?」

 

「何言ってんだよ。私だって陸上部だぞ?体力ならめぐねえよりもある自信がある。」

 

「いや、そういうことを言っているんじゃなくてだな「大丈夫だ。行かせてくれ。」・・・分かった。なら、胡桃頼むぞ。めぐねえは殿で周囲の周囲の警戒と由紀たちのフォローに回ってほしい。」

 

 オレは胡桃の肉体面より精神面――自分の少なくとも好意的に思っている人を不可抗力とはいえ殺めてしまったこと――の心配をしたんだが、胡桃の力強い大丈夫を信じた。

 正直めぐねえは、武闘派よりは頭脳やフォローなどに回ってもらった方が向いていると思っていたためこの提案は正直ありがたい。

 

「でも、生徒である貴方たちにそんな役回り・・・。」

 

「めぐねえが優しいことはよくわかってる。だからこそめぐねえは、皆の心を支えてほしいんだ。先生ってのは生徒に寄り添って支えてくれるんだろ?だから頼むぜ・・・佐倉先生。」

 

 オレが真剣な表情で頼み込むとめぐねえは一瞬ポカーンと呆けたが直ぐに柔らかい笑顔になり俺の手を握り頷いた。

 

「分かったわ。なら先頭はよろしくお願いね・・・でも無理だけはしないこといいわね?」

 

「当たり前よ!オレだってまだ死にたくねーしな。」

 

 オレとめぐねえの握っている手にさらに手が重なり合った。

 

「おいおい、私たちのこと忘れてないよな?」

 

「仲間に入れて頂戴。」

 

「わ、私だってやるときはやるよー!」

 

 胡桃、悠里、由紀も同じように手を重ね、頷くと皆で「おー!」と気合を入れた。

 

「ならとりあえず、今日は早めに寝ることにするぞ。オレはもうちょっとやりたいことがあるからそれやってから寝るから。みんなは先に寝といて。」

 

 オレがそういうと各自柵を背にしたり、地面に寝ころんだりして仮眠を取り始めた。

 

「よし、確か・・・屋上の隅にあるロッカーに・・・あった。」

 

 オレがロッカーから取り出したのは一本の木刀である。オレがレディースに所属していた時の愛用していた武器である。一応武器ありではあるが他のレディースの奴らは男の暴走族にも負けたことはない。

 

「久しぶりに使うな・・・。まだ腕鈍ってないといいけど。」

 

 2年の途中からとある理由でレディースを止めてきた。それと同時にこの木刀も封印していたが・・・こんなことに使うことになるとはな・・・。

 

「よし、武器も回収したしオレも寝よう「なあ、ちょっといいか?」あ?胡桃?まだ寝てなかったのか?」

 

 オレが寝ようとみんなのとこ迄戻ろうと振り向くと暗い顔をした胡桃が立っていた。

 

「どうした?何か相談があるなら言ってくれ。」

 

「そうだな・・・ええっと・・・不安なんだ。」

 

「不安?」

 

 胡桃の口から出てきた言葉にオウム返しに聞き返した。

 

「ああ、3階をもし制圧できたとしても少しらくになるだけで根本的な解決にはならないんじゃないかって。本当に私たちは助かるのかって一度考えると不安で不安で仕方ないんだ。」

 

「何だそんなことかよ。」

 

「そんなことって・・・お前な・・・。」

 

 暗い顔で何を言うかと思ったら・・・やっぱ戦えないからやめるとでもいうかと思ったら・・・。

 

「こっちは真剣に「今起きること、今やるべきことだけに集中しろ。結果というのは後から付いてくるもんなんだよ。」どういうことだよ。」

 

「あのな・・・そんな未来の話をしたところで解決策なんて出るわけないんだよ。ましてや、どのくらいの規模で起きてるかも分からない日本だけなのか、海外は無事なのか、まだ分からないことだらけなんだ。考えたって時間の無駄なの。そんなことに考えを回すぐらいならどうやって今日を生きていくかを考えたほうが有意義だと思うぞオレはな。」

 

「そんなこと言われてもよ・・・不安なものは不安なんだよ。」

 

「・・・まあ、不安なのも分かるけどな・・・でもお前には仲間がいるじゃねーか。オレがいて、由紀がいて、悠里がいて、めぐえねがいる。それだけでどっかで一人で生きているようなやつよりはマシだろ。それ以上は求めすぎだ。オレはこのまま4人で過ごしていってもいいと思ってるぜ。」

 

「なんでだよ?助かりたくないのか?」

 

 胡桃は理解できないといった顔で聞いてくるのでオレは胡桃の顔を見ていった。

 

「オレの好きな仲間たちがいるからな、オレにとってはそれで十分だよ。」

 

「はっ?好き?」

 

「おう、好きだぞ。」

 

 オレの発言に暫く固まった後、みるみると顔を赤らめさせた。

 

「お、お前よくそんな恥ずかしいこと言えるな!?」

 

「ああ?何が恥ずかしいんだよ。好きな奴に好きって言わねーのかよ?」

 

「いや、それとこれとはって・・・くぅー!お前と話してると調子狂うな!私はもう寝る!」

 

 そう言った胡桃は踵を返しずんずんと歩いて行った。何を恥ずかしがってるんだが・・・。

 

「オレもそろそろ寝ないと起きれないからな。」

 

 そう呟いてオレもみんなの場所へと戻っていった。

 




読んでいただきありがとうございます。
無理やりな感じの百合要素を入れました。
百合描写をあまり書かないので表現の仕方が難しいですね。
頑張っていきます!


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第3話 せいあつ

はいどうもにんにくましましです。

今回は短いです。ほぼダイジェストみたいな感じになってしまった。
ちょっと、時間がなかったので凄く短いですがよろしくお願いします!


感想とお気に入りありがとうございます!毎度励みになります!これからもよろしくお願いします!


「おい、由紀起きろ。そろそろ行くぞ。」

 

「ううん・・・まだ夜だよー。」

 

「こら、おバカちゃん。夜だから行動するんだろ。もう決めたこと忘れたのか?」

 

「・・・そうだった。」

 

 作戦開始時刻に近づくにつれてめぐねえ、悠里、胡桃と起きてきたが由紀だけまだ寝ていたのでゆすって起こしてやると寝ぼけ眼をこすりながら「まだ夜だよ」と言ってきたので、軽く額にチョップをぼけている頭を叩き起こした。

 

「よし、これで皆準備完了だな。とりあえず、先頭にオレと胡桃次に悠里と由紀、最後尾にめぐねえ頼みます。」

 

「分かったわ。」

 

「ううー、今更になって緊張してきたよ・・・。」

 

「大丈夫だろ?拓海の言う通りグラウンドを見てみたが昼より圧倒的に量が少ない。これなら校内にいる奴らの数もたかが知れていると思う。」

 

「でも、油断はしちゃだめよ。」

 

 各自、荷物を持ったり、武器――胡桃はシャベル、オレは木刀、めぐねえはモップ――を持ちドアの前まで歩いて行った。

 

「制圧が目標だが、第一は自分たちの命だ。絶対に死ぬんじゃーねーぞ・・・と言ってもお前らは全員オレが守ってやる。レディースとして暴れていてほぼ無敗の成績を持ってんだ。当時の愛刀のこいつもある何とかなる・・・いや、して見せる。」

 

「へへ、言うじゃねーか。私だってやるときはやるんだ。拓海ばっかにいい格好はさせないぞ。」

 

「私も、先生として皆さんを守り抜いて見せます。」

 

「周囲の警戒ぐらいなら私と由紀ちゃんでも出来るわ。一緒に頑張りましょうね。」

 

「任せといてよ!」

 

 よし、みんないい感じに元気が出てきているな、これならいけるだろう。

 

「んじゃ、行くぞ。」

 

 オレはドアノブを握りゆっくりと回しドアを開けた。

 

 

 

―――

 

 奴らの数が少ないのもあり、それ程時間をかけずに制圧を終わらせることができた。といっても全部を一気にやるのは難しいので半分ぐらいだが・・・まあ、大戦果だろう。

 そして、今現在は制圧した部分に奴らが入ってこないようにバリケードを設置をしているところだ。

 オレはめぐねえ達に武器の手入れをしてくると言って少しの間抜け出していた。すると、後ろからコツコツと歩く音が聞こえてきたので振り向くと、シャベルを肩に担いだ胡桃が立っていた。

 

「私も、シャベルの手入れに・・・今回の作戦上手く言ってよかったな。拓海の言う通りあんまり奴らいなかったし。いたとしてもお前がすぐ倒しちまうし・・・やっぱ元レディースなだけはあるな。」

 

「まあ、レディースて言ってもオレが所属していた時間は短いけどな。」

 

 案の定というか3階にはほぼ奴らがいなく、いたとしても一人二人でそれ程脅威にはならず、危なげもなく撃退することができた。

 

「だが、やっぱり元とは言え、人型に近い奴らをやるのは中々に堪えるな・・・。」

 

「・・・大丈夫だ。拓海だけにその苦しみは背負わせねーよ。私だってやれるんだ。一人より二人で背負った方が楽だろ?」

 

 胡桃はこちらに顔を向けてニヤッと笑ってきたのでオレも笑い返し拳を前に突き出した。

 

「だな。ならこれからはお互いに背負っていこうぜ。」

 

「おうよ!一蓮托生だな!」

 

 オレが突き出した拳に胡桃も拳を突き出し軽く合わせた。

 

「んじゃ、オレは先に戻っているから胡桃もある程度したら戻って来いよ。」

 

「分かった。」

 

 返事を聞いた俺は木刀を持ちバリケードをを作っている由紀たちのとこまで歩いて行った。

 

 

 

―――

 

 

 

 すごかった。それの一言につきた。

 

 私も一応戦ったけど、あいつ・・・拓海のは一つの芸術に見えた。木刀をふるう動作から構える動作まで精錬されていた動きに戦闘中だというのに若干見惚れていたのは仕方のないことだと思う。

 

 あいつはレディースに入っていたのは少しの間だからそんなに凄くないと言っているが、あれはそれだけでのことで出来ることじゃないだろう。昔、他に何か触る機会があったのだろうか?

 

 それに、あいつが木刀をふるっている姿をあいつの幼馴染のりーさんだけはあまり良い表情をしていなかった・・・何か後悔?をしているかのような・・・。

 

 私はそれに少し胸のもやもやを感じた。何でか知らないけど・・・。

 

 とりあえず、シャベルの血を落とさないとな、何時までも付いたままなのも嫌だし。

 

 私は考え事をいったん止めるとシャベルの手入れ作業に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第4話 ひみつ

あけましておめでとうございます!にんにくましましです。

今年も「学校苦羅死!」どうぞよろしくお願いします!

お気に入り・感想ありがとうございました!


「おはよう。」

 

「おはよう。」

 

 3階の制圧に成功しある程度動き回れる暮らしをしてから数日ぐらいが経過した。その数日の間に色々とこの学校について分かったことと不思議に思ったことが出てきた。

 分かったことは、何とこの学校の設備は生きているものが多いということだ。発電設備があり、水の洗浄施設もある。屋上菜園の備蓄倉庫もあるし家庭科室に行けば調理もできる。購買だって凄く広いし洗剤なども売っている。ほとんど生活に困らないぐらいの暮らしをしていけるということだ。

 ただ、逆に考えるとこの学校はこれほどまでに設備を整えるだけの何かが起きることを予期していたのではないかということだ。あまりにも不自然である。だが、そんなことを言って余計な事を思わせるのも精神的につかれるので由紀たちには凄く設備が整っていて助かったぐらいの考えでいてもらった方が楽だろう。

 しかし、薄々勘づいてくるときがあるだろうがそれまでは黙っておくことにした。

 

「今日のご飯ってなんだ?」

 

「今日は、昨日購買ってとってきたこれ・・・じゃーん、パスタよ。これで一気に作って朝昼晩と持ちこたえさせましょう。ガスも無限にあるわけじゃないと思うし。」

 

「そうだな。まあ、そういう細かいとこは悠里に任せる。昔からこういうのは得意だったもんな。」

 

「もう、また都合よく使って・・・。まあいいわ。とりあえず、食器運びでもいいから何か手伝ってちょうだい。」

 

「あーい。」

 

 オレは悠里のとこまで歩いていき、食器の場所を聞くと「あっちの棚にあるわ。」と言われたので指示通りの場所に向かい、棚から食器を取り出し机の上に並べた。

 

「そういえば、起きてきたのってオレが最後?」

 

「いいえ、まだ胡桃と由紀ちゃん。後、珍しくめぐねえも来てないわね。私が起きたときにはもうめぐねえはいなかったから先にいると思ってたけどどこにいるのかしら?」

 

「ふーん。」

 

 オレはそんなことを聞きながら、食器を並べ終えたと同時に今度は「そろそろ出来上がるから呼んできて」と頼まれた。舎弟をパシリに使ったことはあるが、オレがパシられるとはな・・・。まあいいや、呼んでくるか。

 部屋から出てとりあえず、寝てる奴らよりもめぐねえを探そうと思い道中人の気配がなかったため寝床と反対方向かなと思いある程度進んでいくと職員室に見覚えのある後姿が。

 

「(お、めぐねえだ。あんなとこで何やってんだ?・・・お?ふふん。いいこと思いついた。)」

 

 普通に呼ぶのも芸がないなと思い、後ろから忍び足で近づいてめぐねえの背後からいきなり声を掛けた。

 

「めぐねえ!みっけ!」

 

「きゃあああああ!?」

 

 めぐねえは盛大に悲鳴を上げると持っていた冊子?みたいなものを落としてしまった。

 

「(やりすぎちった?)」

 

 とりあえず、謝ろうと思い急いで冊子を拾おうとするとその表紙に驚くことが書いてあった。

 

「?緊急避難マニュアル?」

 

「・・・っ!?」

 

 オレが拾おうとするのより早くめぐねえが拾い上げるとオレから隠すように手を後ろに回した。

 

「ど、どうしたの?何か用事?」

 

「いや、ご飯で来たぞって言おうと思って・・・それよりも、その後ろに隠した奴なんだ?緊急避難マニュアルって書いてあったけど?説明してくれる?」

 

 オレが真剣なまなざしでめぐねえを見つめるとめぐねえは暫く口を閉じていたが、オレが話してくれるまで動かないと理解したのか渋々口を開いた。

 

「実はね・・・こうなる前に教頭先生からこのことを教えてもらってたのよ緊急事態になったら開けるようにって言われてて。それで、この数日の間にそのことを思い出したの。あの出来事があったばっかでこのことを忘れててね。それで今日慌てて中を覗いてみたの・・・。」

 

「・・・それで、中身はなんて?」

 

 そう聞くとめぐねえは顔を少し歪ませながら重々しく口を開いた。

 

「それにはね―――。」

 

 

―――

 

 

 

「な・・・それってマジなのか?」

 

「ええ、全部これに書いてあったわ。」

 

 簡単に言うとこの中にはこうなることを予期していたこと、なった場合の対処法、緊急連絡先、校内の見取り図、この出来事を引き起こしたと思われるウイルスのことが書いてあったらしい。

 らしいというのも、めぐねえも軽く読んだだけで深く読まなかったからが理由だ。

 

「なるほど・・・ね。通りで設備が整いすぎていると思ったぜ。」

 

「龍宮さんも疑問に思ってたのね・・・。」

 

 だが、これで分かった。この学校も先公たちもやっぱりろくでもない奴だったてことがな・・・。

 

「てか、めぐねえも知ってたのかこのこと?」

 

「知っているわけないじゃない!私だって今知って心の整理ができてないの。」

 

 だよな。めぐねえが知っているわけないか・・・。めぐねえ自身も混乱しているしな、でもこれは逆によかったのかもな。こんなことを知ったらきっとめぐねえの事だからなんやかんや自分だけで抱え込んでしまうかもしれないから多少強引ではあったが秘密を共有できる人がいるというのは心強いし。

 

「とりあえず、今は由紀たちには話さないで置いた方がいいな。せっかく、あいつらに笑顔が少しづつ戻ってきたんだ、余計な心配はかけさせないほうがいい。」

 

「そうね・・・でもそれは龍宮さんも同じよ。龍宮さんもこのことは私に任せて「めぐねえ。」

 

 はぁ、めぐねえ・・・違うな、佐倉先生にちょっと言っておかないとな。

 

「オレは佐倉先生一人に抱え込ませるつもりはないです。二人で抱えましょう。一人で抱え込んでも重圧に潰れてしまうだけです。二人で分け合った方がいいと思います。それに秘密を共有できる人がいるというのは力強いものです。これでもオレ頭はまあまあいい方です。佐倉先生も知っているでしょ?オレの知識少しは役に立つかもしれません。だからここは二人で背負っていきましょう・・・生徒を巻き込むのは心苦しいと思ってたりしてます?・・・笑っちゃいますね。これでもオレは―――レディースに所属していた時は何百という舎弟の上に立っていたんですよ?ある程度の重圧には慣れています。安心してください。こんなことでは潰れませんから。」

 

 オレはめぐねえの手をオレの手で包み込んで安心させるように言った。めぐねえは暫くポーっとしたと思うと見る見るうちに顔を赤くさせて慌て始めた。

 

「わ、分かりましたから、手を離してもらっていいですか?」

 

「?別にいいですけど。」

 

 なんでめぐねえ顔赤くなってんの?ってそういえば・・・。

 

「あ!?めぐねえ今何時!?」

 

「え?今は・・・え?もうこんな時間?」

 

「あああ!?悠里に胡桃と由紀も連れてくるように頼まれてたんだ!?もう間に合わないなこれ・・・。一緒に謝ってくれよーめぐねえ。」

 

「・・・ふふふっ、そうね。私にも非はあるし一緒に謝りましょうか。」

 

「ほんとだぞ!言質とったからな!悠里って怒ると怖いんだよなー。」

 

「そんなにこわくないでしょ?」

 

 めぐねえは悠里に怒られたことないからそんなこと言えるんだよ・・・。

 

 オレはとぼとぼ悠里がいる部屋へとめぐねえと一緒に向かうと案の定般若モードの悠里とそれにあてられ無言で食べている胡桃と由紀の姿が・・・。

 

 因みにめぐねえは開始数秒でオレを売りました。が、意味もなく二人仲良く怒られました。

 

 

 

―――

 

 

 どれほど嬉しかっただろうその言葉が、どれほど救われただろうその言葉で。

 

 私一人だったら耐えられただろうか?おそらく耐えられたとしても私自身の精神への負担はひどいものになってたと思う。

 

 ただ一人の生徒なのにその言葉はとても勇気付けられて頼りになり、年下なのに頼ってしまいたくなるようなそんな姿だった。

 

 確かに彼女がレディースで多くの舎弟というのを持っていたり学校でもちょっと不良な人たち全員が彼女の事を慕っている理由がよく分かった。

 

 それと同時に危ういとも思った。

 

 彼女は頼られなれているけどそういう人に限って頼るということが苦手なことが多い。

 

 彼女も人の事を言えないと思う。どちらかというと一人で解決してしまおうとするタイプだ。

 

 だから、私だけでも彼女を支えてあげよう。

 

 可能ならば彼女の隣で―――先生なのに生徒一人を特別扱いする悪い先生になっちゃいます。

 

 絶対に一人にさせません。だから覚悟してくださいね・・・龍宮さん。




何か、病んでる人っぽくなっちゃった?いや、そうでもないか・・・。
ヤンデレじゃないですよ?普通の先生としての気持ちですからね?

まあ、あとがきもほどほどにそれではさよーならー。


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第5話 ぶかつ

どうもにんにくましましです。

ついに出てしまったがっこうぐらし最終巻。
がっこうぐらしロスがひどくて筆を執りましたが・・・あまり乗らず短めとなってしまいました。

急展開で、読みにくいし・・・申し訳ありません!
次回からまたがんばっていきます!

それではどうぞ



「とういうわけで拓海ちゃんにもこれに入部してもらいます。」

 

「・・・何がというわけなんだ?」

 

 ある日の事、オレがいつも通り見回り活動や昼寝をしようかと思っていたところに悠里が紙を持って現れ突き出してきた。

 

「・・・学園生活部?」

 

「そうよ。学園で生活する部だから学園生活部。何時までも暗いままいても気が滅入るでしょ?どうせなら楽しいことをしようということで考えたの。部活として学校に住んでいるって考えれば、お泊り会みたいで楽しく過ごせればいいなって・・・どう?」

 

「どうって・・・オレは悠里たちが良いっていうなら別に賛成する理由もないしいいけど・・・。」

 

「そう!じゃ入部決定ね!因みに部長は私で拓海ちゃんが副部長だから。」

 

 悠里はそういうとるんるん気分で部屋から出て行った。なるほどね・・・学園生活部か・・・。少し思うところもあるけど、それであいつらの気が少しでも紛れるのであればやったほうがいいと思う。

 オレは今度こそ寝ようと思いソファに寝っ転がろうとしたら、何か伝え忘れたのか悠里が戻ってきた。

 

「あ、ごめんなさい。これからその部活動について話し合いたいから集合してくれる?」

 

「えー・・・まあいいけど。」

 

 オレはのっそりと起き上がると悠里の後をついていった。

 

 

 

―――

 

 

 

 

「皆集まったわね・・・それじゃ、これから第一回学園生活部ミーティングを始めます。」

 

「わーい!」

 

「ミーティングって話し合いだろ?それなのに何でそんなに由紀ははしゃいでんだ?」

 

「だって、何か楽しいじゃん!皆でやるってことがね!」

 

「ふふ、そうね。それじゃ、その調子で由紀ちゃんに何か話し合いたいことがあるか聞いてみてもいいかしら?」

 

 悠里はそう由紀に聞くと由紀は暫く捻ると・・・顔を上げた。

 

「約束事とか作ったほうがいいんじゃないかな?ほら、学園生活部○○条みたいなもの!」

 

「いいんじゃないか?そうしたほうが由紀の勝手な行動も防げるだろ。」

 

「ちょっと胡桃ちゃん!それはどういうこと!」

 

「そのままの意味だよ。」

 

「にゃ、にゃにおー!」

 

「こらこら、話し合いするんでしょ?恵飛須沢さんも挑発しない。」

 

 めぐねえが上手い事収めると悠里に目配せをして、悠里はうなずき黒板に字を書いていった。

 

「それじゃ、由紀ちゃんが言ってくれたように学園生活部の心得でも考えましょう。」

 

 

 

 

 

―――

 

 

 

 

「こんな感じでいいかしら?」

 

「いいと思うー!」

 

「まあまあ、様になってんじゃねーか?」

 

「だな。」

 

 話し合いで出た意見をもとに悠里とめぐねえでそれらしい言葉を使い学園生活部の心得が完成した。

 

 

 学園生活部の心得

 第一条 学園生活部とは、学園での合宿生活によって、授業だけでは触れられない学園の様々な部署に親しむとともに、自主独立の精神を育み皆の模範となるべし

 第二条 学園生活部は施設を借りるにあたり必ずその恩に報いるべし

 第三条 夜間の行動は単独を慎み常に複数で連帯すべし

 第四条 部員はいついかなる時も互いに助けあい支えあい楽しい学園生活を送るべし

 第五条 部員は折々の学園の行事を大切にすべし

 

 

「それじゃ、これらを必ず守るようにもし破ったらその時は・・・罰ゲームでも受けてもらおうかしら?」

 

「うへー、罰ゲームって・・・嫌な予感しかしねー。」

 

 悠里は心得が書いてある紙をめぐねえが持ってきた額縁に入れて部屋に飾った。

 

「よし、それじゃ、時間も時間だしオレ夜の見回り行ってくるわ。」

 

「私もついてくぜ。夜間の単独行動を慎む・・・だからな!」

 

 胡桃はそう言いシャベルを担ぐと私の隣にやってきてニカッっと笑った。

 

「了解。それじゃよろしく頼むぜ。胡桃。」

 

 

 

 

―――

 

 

 

 

 

「なあ、最近、見つけた敵を念入りに倒しているけど・・・何か理由があんのか?」

 

「え?ああ。由紀たちに何かあったらいけねーだろ?だから不安の芽は潰しとくが吉なんだよ・・・っと!おし、ここら辺もあらかた片付いたな。もう奴らいないか?」

 

「ああ、姿は見えないな・・・今日はもう帰るか?」

 

「そうだな・・・そうするか。んじゃ、帰ろーぜ。」

 

 そう言って、拓海はずんずんと歩いて行った。

 

 なあ拓海教えてくれ・・・さっきのは私の見間違いでいいんだよな?

 私は拓海の後ろ姿を眺めながら思った。

 

 だって、そうだろう?あいつらの頭を木刀で殴ってた時の横顔が笑っているように見えたんだから・・・。




読んでいただきありがとうございました。


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