滅&01 RIDERS STRATOS (G・himagin)
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Prolog

三人称side

 

とある廃工場、複数人の女性の前で1人の少年が縄で椅子に縛りつけられ、ジタバタしている

 

「くそ…!」

 

少年は縄を解こうと藻掻くがかなりキツく縛られているのか解けず、それを見た女性が嗤う

 

「無駄よぉ、そのロープは特殊素材で出来てるからねぇ……というかさぁ……坊や、藻掻いて藻掻いて、無様よねぇ……所詮ブリュンヒルデの弟かしらぁ?」

「……なぁ」

 

ブリュンヒルデの弟と呼ばれた少年は女性の言葉を聞いて、冷静にでもなったのかこう問いかけた

 

「……なんでお前らは()()ブリュンヒルデの弟である俺をこんな風に厳重に、厳重に縛り上げてるんだ?I()S()を使えばいいんじゃないのか?」

「は?黙れよ」

「ひょっとして……さ、俺の事ヤバい奴だと思ってる?」

 

彼の言うヤバい奴とは『ブリュンヒルデの弟として守られてる面倒臭い奴』と言う意味だ、しかし女性達は『自分達よりも強いから警戒してるんじゃないか?』と言う風に解釈してしまった、結果──

 

「ふざけんなァ!」

 

彼女らのちっぽけなプライドに触れ、女性達は侮蔑や女尊男卑による差別的な言葉を並べ、罵倒し、暴力を振るう

 

「あぁムカつく!仕事なんか知るかよ!こんなクソガキぶっ殺してやる!」

「ちょ、姉御やめましょう!」

「そんな事したらクライアントが!」

「知らねえよ!ぶっ殺してやる!」

 

ISを装着した女性達のリーダー格に対し、焦ったように女性達が止めに入るがリーダー格には通じず、ISのアサルトライフルが少年の方を向く

 

「ッ……!」

 

生まれて初めて迫る死……それに対する恐怖、しかし女性はそれに気付かず、引き金を引こうとした

 

 

 

 

()()様、大丈夫ですか?」

 

黒髪の少女が廃工場の屋根を突き破り入ってくるまでは……

一夏と呼ばれた少年は驚愕し叫ぶ

 

(ホロビ)!?」

「はい。織斑家家政婦の()()()です」

 

黒髪ロングヘアの女性こと亡雷滅は刀でロープを切り落とし、一夏を解放する

 

「は、はぁぁ!?なんなのお前!?」

「自己紹介を聞いてなかったらしいですね。亡雷滅です」

「お前なんで切り落とせるの!?」

「所詮特殊素材、IS合金100%の刀身の刀ですから斬れないはずがないんですよ」

「あっそぉ……なら、これはどう!?」

 

女性は余裕綽々と言った感じでアサルトライフルを放つが全て切り落とされる

 

「チッ……うぜぇんだよ!」

「えぇ、ウザイですね……貴方達が」

 

女性が吠えると滅も女性達がウザイと返す

 

「そろそろ試合が始まるんです……邪魔なんで寝てて下さい」

 

そう言うと滅はバックルを取り出し、腰に宛てがう

自動でバックルが巻かれるとベルトのホルダーに着いていた長方形のバッタの絵柄のついたアイテムを取り出す

 

「……依頼である()()()()()()()()()()()()()()()()()の最終調整に入ります」

 

そう言うとプログライズキーのボタンを押す

 

JUMP!

 

ベルトにプログライズキーを入れると重々しい待機音が流れ、ベルトから巨大なバッタが現れる

 

「ッ!?何よコレ!?」

「うわぁっ!?」

「……変身

 

一言呟き、ベルトのレバーを引く、するとプログライズキーが開き、バッタが分解される

 

FORCE RISE

 

バラバラになったバッタがアンダースーツを纏った滅に装着される

 

RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

BREAK DOWN……

 

その音声と共に滅は完全に変身を終えた

 

「な、なによそれ!?」

「……01のプロトタイプ……001、それが今の私です」

「はっ、所詮見た目が変わっただけ、敵じゃない!」

「それは……どうでしょうか? 一夏様、少し離れていてください」

 

一夏を逃がした001はIS達の銃撃を避けずに受け止める

しかし装甲に軽く火花が散るのみで001には全くと言っていいほどダメージを与えられない

 

「は、はぁ!?」

 

その事実に驚愕したIS乗りの1人が接近武器を持ち、001に斬り掛かる

しかし──

 

「……」

「なっ!?……ぐぁっ!?」

 

001は軽く体を逸らしただけで攻撃を回避、その直後、IS乗りの背後に回り込み踵落としを喰らわせる

IS乗りは絶対防御により重傷を負うことはなかったが、強過ぎる衝撃により意識を飛ばしてしまう

 

「……ふむ」

 

001は自らの動きや、性能をデータ化した物を誰かに送り、アタッシュケースの様なものを召喚し、弓状の物に変化させる

 

ARROW RISE!

 

「今度は何よ!?」

 

そう喚くIS乗りに対し、音もなく接近、両端の刃のような部分で2人のIS乗りを連続で斬る

 

「きゃあっ!?」

「こ、このっ!」

 

IS乗り達は必死に001に銃撃をするも高速移動をする001に一撃も与えられない

 

「……この者たちではこれ以上のデータ収集は不可能、殲滅を開始します」

 

そう言うと弓を1度アタッシュケースに戻す

 

CHARGE RISE!FULL CHARGE!

 

その音声がなると001はIS乗り達の目の前に現れる

 

「銃げ──」

 

カバンスラッシュ!

 

弓の両端の刃に黄緑のエネルギーが集まり、完全集まったタイミングで斬り裂く

IS乗り達のSE(シールドエネルギー)は一撃で0となり、ダメージからか気絶する

 

「ひっ……」

 

残るはリーダー格のIS乗り、001による一方的な殲滅に恐怖し、戦意を完全に喪失させる

 

「……さて、おしまいです」

 

慈悲などない、そう言外に言い、紫のサソリのプログライズキーを弓に入れる

 

POISON!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

SCORPIONS ABILITY!

 

弓を静かに引く001、IS乗りは逃げようとするが──

 

「逃がしません」

 

スティングカバンシュート!

 

──001の方が早くエネルギーの矢を放ち、サソリの尾を押した矢は素早くIS乗りに命中、麻痺毒でも塗られていたのかSEが微かに残っているにも関わらず倒れてしまい、痙攣している

 

「……これでよし」

 

001は変身を解き、IS乗りたちを縛り上げる

 

「な、なあ滅」

「なんでしょうか」

「えっと……001、だっけ」

「はい、どうかしましたか?」

「あれって、束さんが?」

「……そうですね、原案は私が思いつき。束博士が構築しました」

「そ、そうなのか」

「…それより時間が不味いですね。飛ばしますよ」

「は?え……うわぁ!?」

 

滅は一夏をお姫様抱っこし、とんでもない速度で移動、モンドグロッソ会場に連れていった

 

 


 

 

……一夏が試合を観戦している最中に滅はデータを送った誰か……001開発者と呼ばれた篠ノ之束に連絡をしていた

 

「やっほー♪ほーちゃん、データありがとね」

「いえ、依頼ですので」

「性能的にはやっぱりこれからの成長を考えるともう少し強めの方がいいのかな〜」

「いえ、態々強くさせずとも成長した時に新たなプログライズキーを製造するのが良いかと」

「なるほど〜!」

 

束は楽しそうに滅と会話しており、電話の先ではメモを取りつつ、パソコンにデータを打ち込む

 

「ふっふーん……その時が楽しみだな〜!あといっくん計画はだいじょーぶ?」

「……半ば運です」

「まあいっくんがI()S()()()()しない限りはね〜」

「した際にアレを渡すのでしょう?」

「まあね……あ、いっくん計画の終着点、私とほーちゃんの目的の達成といっくんハーレムは達成出来る?」

「ハーレムはわかりません、ですが一夏様がISを起動すれば夢の達成は可能かと」

「はいはーい。えっと……ハーレム計画の対象って誰だっけ?箒ちゃんしかわからないや」

「……そうですね、篠ノ之箒様、凰鈴音様、更識簪様でしょうか」

「ありがとー♪ ……あれ?ほーちゃんが対象に居ないよ?」

「……?仰る意味がわからないのですが」

「えっとね、ほーちゃんは、いっくん計画のハーレムの1人のはずだよ?」

「……何を言っているのですか?所詮私は使用人、一夏様を想うこの気持ちは本物ですが、使用人風情がハーレムに入るなどおごがましいです」

「……あ、うん。じゃあね」

「……はい」

 

通話を切ると篠ノ之束は身体を軽く伸ばし、ディスプレイの電源を切り、誰かに連絡する

 

「……クーちゃん、いっくん計画のハーレム、ほーちゃんが入ること前提に改定して」

 

……この発言がこの後の物語に強く影響するなど、誰も理解していなかった

 

 

 




仮面ライダー001

今回限定の仮面ライダー
滅がライジングホッパープログライズキーの最終調整の為に変身した姿
外見は劇中001と同じ




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Ep:01

一夏side

 

右を見れば女子、左を見れば女子、後ろからは女子の視線、窓際から幼馴染とウチの家政婦

……つい2ヶ月前、受験に行ったら予想以上に複雑で迷い、頼りの案内アプリも何故か別のところに案内し、着いたところがISが置いてあり、部屋を後にしようとすると……

 

──私に触れて

 

と、声を掛けられた気がして、ISに触れたら起動してしまった

……そしてIS学園に入学する流れになってしまった

そんなことを考えていると、緑髪の教師が入ってきた

 

「皆さんはじめまして!1年1組の副担任の山田真耶です!よろしくお願いします!」

「「「お願いします」」」

 

山田先生の挨拶に応じたのは俺、箒、滅の3人

……あ、ヤバい涙目になってる

 

ぐずっ……、自己紹介をして下さい……」

 

……なんか、うん…教師も大変なんだな

そんなことを考えていると俺の番になった

 

「えっと……織斑一夏です。世界初の男性操縦者で、ド素人なんで、皆さん優しくお願いします」

 

最後にはぺこりと頭を下げることを忘れない

 

「……どうした織斑、そんな畏まって」

「……ん!?千冬ねぁだっ!?」

 

背後からの声に反応するとスパァンとナニカを振り下ろされる、いってぇ!

 

「……織斑先生だ」

「……あい、織斑先生」

「すまないな、山田先生」

「いえいえ、なんて言ったって副担任ですから!」

「そうですか……。お前ら、私は織斑千冬だ。私の仕事はお前達をこの1年で一人前のIS乗りにすることだ」

 

なるほど……んで続けて言った「YES or YES」理論はどうしろと?

そしてなんか悲鳴みたいな歓声をあげるクラスメイトにはどう対応しろと?

 

……そんなことを思っているうちにホームルームが終わり、予習はしたからどう時間を潰すべきか考えていると……

 

「一夏」

「一夏様、箒様を連れてきました」

「あ、2人とも」

 

箒と滅がこっちに来た

 

「久しぶりだな、2人とも」

「そうだな……あ、箒。剣道大会の件、おめでとう」

「おめでとうございます」

「2人とも知ってるのか!?」

「新聞に載ってたぞ、その日に束さんが来たんだ。『箒ちゃんがこんなに活躍した〜!』って」

「あぁ……姉さんか」

「その日に束様と箒様が撮った写真がコチラです」

「やめろぉ!?」

 

思わず苦笑いする箒に対し、滅は無表情で淡々と写真を取り出し、箒が奪おうとするような状況である

いや知ってるんだけどね?凄い良い笑顔して2人で写真を撮ってるのを見ると少し前まで仲悪いとか想像つかねえよな

 

 

……そんな時

 

「ちょっと宜しくて?」

 

金髪の生徒がこっちに来た

 

「お、おう……」

「まあなんですのその反応!?折角このセシリア・オルコットが来たというのに!」

 

いきなり来たことに困惑しているとオルコットさんはそう言う

 

「いや、あのさ……えっと…」

「セシリア・オルコット、UK代表候補生、IS学園入学試験の主席です」

 

誰?と聞こうとすると滅が教えてくれた

 

「なるほど、つまり凄い人ってことか……」

「そういう事です。ですのでそれ相応の態度があるのではなくて?」

「「はぁ?」」

 

思わず俺と箒が返すとオルコットさんは不満を露わにして何かを言おうとしたが──

 

「少しお黙りなさい」

 

滅が黙らせた

 

「な、なんですか貴方!」

「滅です。……相応の態度とは何ですか?」

「なっ!?」

「貴方が代表候補生だとしても4組には更識簪さんが代表候補生として、その姉には更識楯無さんが国家代表として居ます……かく言う私も篠ノ之束博士から直々に専用機の性能テストなど行っています」

「だ、だからなんだと言うのですか!」

「少なくとも同学年にもう1人居て、彼女も専用機持ち、私も専用機を持っており、箒様は篠ノ之束の妹であり、彼女も将来的に専用機を受け取ります」

「は?え?」

 

凄い箒が困惑してる

初めて聞いたんだなコレ

 

「……この学年において【代表候補生】はそこまで大きくないのです。現時点で専用機所持を確定している人物含め5名、しかも私と一夏様、箒様は篠ノ之束博士直々に造られたものです。貴方はさほど特別でもないんですよ」

「〜〜ッ!」

 

何かを怒鳴りそうになったがそこでチャイムがなる

 

「くっ……!」

「はやく席に着いた方がよろしいかと」

 

オルコットさんは何かを言おうとしたが滅に遮られ、こちらを睨みつけて席の方に戻って行った

 

「箒様、席に戻りましょう」

「あ、あぁ。いいのか?あんなこと言って」

「事実しか言ってないので」

 

席に着く滅と滅、直ぐに織斑先生と山田先生が部屋に入ってくる

 

「授業に入るが、その前に……クラス代表を決めようと思う。亡雷、説明をしろ」

「はい、クラス代表とは、5月のイベントであるクラス代表大会における試合に出場する方のことです。またクラス委員長のような役割を担っています」

「説明ありがとう、これを決める。自推でも他推でも構わん」

 

うーん……

あんまりこういうことはしたくねぇな、オルコットさんが自推するから関係ないか

 

「はーい!織斑君がいいでーす!」

「は!?」

「私もー!」

 

なんか続々と俺を推薦する声が出てきたんだけど……

 

「滅です。自推させて頂きます」

「ん?亡雷なら織斑を推薦すると思ったんだがな」

「普段ならするのですが今回は自推した方が都合がいいので」

「……? そうか、じゃあ織斑と亡雷で「待ってください!納得が行きませんわ!」……オルコット、どうした?」

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥晒しですわ!私に、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!

 実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ」

 

……おいおい、オルコットさんや、織斑先生やクラスの大部分がすっげぇ睨んでるぞ

 

「……あなたは何を言っているのですか?オルコットさん」

「また貴方ですか!?」

「……IS開発者、第1回、第2回モンド・グロッソ優勝者は何処の国の人間ですか?」

「それはにほ……っ!?」

「日本ですよね。そしてそのモンド・グロッソ優勝者がクラス担任のココ(1年1組)でこのような発言……バカなんですか?」

「そ、それは……」

極東の島国(日本)の学校の極東の猿(織斑一夏様)のいるクラスが嫌であればどうぞお帰り下さい。私は歓迎しますよ」

「……」

 

滅がすっごく饒舌だ、すっげぇ苛立ってるな

 

「……わ」

「はい?」

「決闘ですわ!!」

「……そうですか、どうぞご勝手に、私は一夏様とは戦いたいですが貴方と戦うつもりなんて欠片もありませんから」

「亡雷滅!貴方もです!」

 

なんか不吉なムードになってきたぞ

俺も巻き込まれるな……

 

「オルコット、亡雷、そこで辞めろ」

「畏まりました」

「織斑、亡雷、オルコットでクラス代表決定戦をする。勝った人間がクラス代表だ。問題は無いな?」

「えぇ、勝ったらこの2人を奴隷にします!」

「問題ないです」

「……嫌だけど降りれないだろこれ」

「降りれないぞ」

「じゃあ無いです」

 

なんか凄いことになったな……

 

「よし、オルコット、貴様は後で生徒指導室に来い」

「な、なぜ!?」

「いいから来い、わかったな?」

「は、はい…」

「それでは授業を開始する」

 

この嫌な雰囲気のまま、授業が始まった

 

 

 



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Ep:2

短い(白目)





一夏side

 

この一週間、出来る限りの事はした……でもなぁ!

 

「箒〜…!」

「な、なんだ一夏?」

「この一週間さ……()()()()()()()()()()()わけ!?」

 

うん、1週間オールウェイズ放課後剣道だよ!確かに今は接近戦しか出来ないけどさぁ!

 

「…そ、その………すみませんでした」

「どうするよ、三次元戦闘とか全く考えてないぞ……」

 

ぶっつけ本番しかないな……。でもどうするべきか……

 

「あ、一夏様」

「ん?なんだ滅?」

 

滅は確か最初にオルコットさんと当たるんだよな、いいのか?ここに居て

 

「1週間剣道しかしてないんですよね?」

「お、おう」

()()()()()()()

「「は?」」

 

滅の言葉に2人して困惑する

 

「下手にISに触ると一夏様の場合はものすごく都合が悪いのです。他のISとは勝手が違いますから」

 

そう言うと滅は黒いバックルと()()()()()()を俺に渡してくる

 

「こちら、一夏様専用機となる0()1()です。こちらはゼロワンドライバー、こちらはプログライズキーと呼ばれるこのタイプのIS専用のアイテムです。それと……」

 

アタッシュケースの様なものを俺に渡す

……これも弓になるのだろうか?

 

「アタッシュカリバーです。展開方法はゼロワン変身時に説明されます」

「そ、そうか……」

「それではゼロワンドライバーのフィッティングを開始しますのでゼロワンドライバーを装着してください」

 

様々なアイテムを渡され、ゼロワンドライバーを装着する

すると、ゼロワンドライバーが光り、ゼロワンドライバーに蛍光グリーンとレッド、シルバーが追加される

 

ゼロワンドライバー!

 

「フィッティング完了。一夏様、座ることを推奨します」

「ん? おう」

 

俺はゼロワンドライバー

装着した状態で近くの席に座る

 

「……?」

 

なんだこれ、周囲の景色が変わって──

 

 

一夏side end

 

 

 

三人称side

 

 

椅子に座ったまま微動だにしない一夏を箒は心配し、呼び掛けるが一切反応しない

 

「一夏、一夏!?」

「うぉっ!?」

 

直後一夏の意識が戻り、箒の声にびっくりして立ち上がる

 

「一夏様、お帰りなさいませ」

「お、おう……何だったんだあれ…」

()()()()による戦闘のラーニングです。ゼロワンドライバーの運用方法等が学習出来たと思われます」

「確かにな……」

 

一夏が納得していると、そろそろ試合が始まるという音声が流れる

 

「……では、私は試合に行ってきます」

 

無表情でそう言い、アリーナへと向かうと既にセシリアはブルー・ティアーズを展開させており、苛立ちを込めて「遅い」と言う

 

「まだ試合までは時間があります」

「5分前に来ることは常識ではなくて?」

「……それは私の落ち度です。すみませんでした」

 

ぺこりと頭を下げるとセシリアはISを纏っていない滅に対し尋ねる

 

「なぜ貴方はISを纏ってないのですか?」

「……そうですね、今装着します」

 

そう答えると、滅は過去に001になる際に使ったベルト……フォースライザーを取り出し装着、スティングスコーピオンプログライズキーを取り出し、起動……フォースライザーにいれる

 

POISON!

 

するとフォースライザーからサソリのライダモデルが出現、周囲をカサカサと移動する

 

「うわっ!?」

「な、なにあれ!?」

「さ、さそり!?」

 

観客達は全員驚愕しており、一夏も予想をしていたとはいえかすかに驚いていた

 

「な、なんですの!?」

「……変身

 

セシリアの質問には答えず、フォースライザーのレバーを引き、プログライズキーをこじ開ける

 

FORCE RIZE

 

その音声と共にライダモデルが滅の胸を刺し、尾を軸に覆い被さる……そしてアンダースーツが完成すると同時にロストモデルがバラバラになり、装着される

 

STING SCORPION!

BREAK DOWN……

 

アタッシュアローを装備した状態で変身した滅を見たセシリアは一言呟く

 

全身装甲IS(フルスキン)……?」

「……正解です。ISライダー滅…参ります」

 

試合開始の音声がなると共に滅は踏み込み、跳躍する

 

 

 



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Ep:3

三人称side

 

跳躍し、みるみるうちに迫る滅をただ見ているだけのセシリアではなく、狙撃により撃ち落とそうとした

 

「堕ちなさい!」

 

スターライトMarkⅡの照準を滅に合わせ、ビーム弾を撃ち込むセシリア、しかしそれよりも先にアタッシュアローを展開した滅によりビーム弾は真っ二つに切り裂かれ、目指可能な距離にまで接近する

 

「堕ちるのは貴方の方です」

「きゃぁっ!?」

 

セシリアが銃口を滅に向けるよりも早く、滅は弓を引きセシリアを射抜く、絶対防御により直でのダメージこそないが、衝撃により大きく後ろに吹き飛ばされる

 

「ッ……わかったことがあります」

「なんでしょうか?」

 

着地した滅に対し、滅は仮面の下で無表情で聞く

 

「貴方のISは跳躍力などは高いですが()()()()()()()ですね?」

「えぇ、その通りです」

「ならば飛ばせなければ問題ない……こうすればいいのですわ!」

 

何を当たり前のことを、とでも言いたげに返す滅、それに対して自信満々に返すと、セシリアの周囲に浮遊する何かが現れる

 

「……なるほど、ビームBITですか」

 

その正体を知る滅は淡々と言い、これからする事を予想する

 

「さあ、踊りなさい!このブルー・ティアーズの奏でるワルツで!」

「生憎ダンスの知識など無いので貴方を足を踏みまくりますよ」

 

4基のビームBIT……ブルーティアーズが放つビーム弾を移動しながら回避する滅、走りつつも撃ち落とす機会を探り、隙を見せたブルーティアーズを一基破壊する

 

「なっ!?」

「隙を見せましたね?……私は粗を見つければ直ぐに潰しますよ。無論……貴方でさえもね?」

 

滅がそう言うとセシリアは顔を青ざめさせ、ブルーティアーズで叩き潰そうとする

しかし焦り故か粗がより目立ち、BITが一つなくなることで弾幕も薄くなるため軽くいなされ、全てが撃ち落とされる

 

「な……な……!」

 

ブルーティアーズの残骸を見てガタガタと震えるセシリア

 

「さて……と、貴方の弱点を当てましょうか」

「な、なんですか!?」

「貴方BIT関係においては素人なんですね、B()I()T()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「〜〜!!」

 

自身の弱点を言い当てられ、驚愕しているセシリアに対し、アタッシュアローでセシリアを切り落とそうと跳躍、腕を振り上げる

同時にセシリアの口角が上がる

 

「ざ、残念でしたわね!B()I()T()()6()()ありましてよ!」

 

ミサイルBITからミサイルが放たれ、滅に直撃。大爆発を起こす

 

「ふん。ま、まぁここまで出来たことは褒めてあげますが、やはり勝利するのはこの「……セシリア、ですか?」なっ……!?」

 

目の前に写っている景色にセシリアは顔色を白くさせる

爆煙が消え……目の前には宙に浮くサソリライダモデルに守られた滅であった

 

「ロストモデルは貴方のミサイル程度ならば防御しますよ。勉強不足でしたね」

「……ッ!?」

 

ライダモデルが消えると共にフォースライザーのレバーを可動させプログライズキーを一旦閉じ、また開く

 

STING DYSTOPIA!

 

右腕から現れた複数の支菅が右足に集まり、紫色のエネルギーが生成される、そしてその状態でセシリアの胸に向かい強烈な上段蹴りを叩き込む

 

滅  殲

 

するとセシリアのISに火花が立ち、SEが一瞬でゼロになる

 

「な、なぜ……ミサイルBITが…」

「口角を上げた時点で何かを使うことはわかっていましたから……そして貴方は()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()?」

「あっ……」

「もう一夏様にミサイルBITもBITも通用しませんね、まあ精々手の内を明かした状態で頑張ってください」

 

変身を解除し、手の平をヒラヒラさせながら滅はピットに戻った

 

 



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Ep:4

あけおめの最新話でーす


三人称side

 

セシリアが居るピット

椅子に座りながら余裕の表情を浮かべていた

 

「手の内が晒された?だからどうしたと言うのですか?」

 

滅から言われた「全ての武器を使ったことにより一夏に手の内を晒した」という言葉に対し、そう返していた

所詮初心者、手の内を晒したところでどうとでもなる

 

そう思いブルー・ティアーズを展開し、アリーナへと向かう

どうにもならない相手だということを理解しないまま……

 

 


 

 

生身で登場した一夏に対し、慢心しきっているセシリアは上から目線で語りかける

 

「貴方がフルスキンISを使っていたとしても私に勝てる訳ありませんわ、今その場で土下座して許しを請いましたら赦してあげなくもありませんわよ?」

「生憎、もう対策は取れてるんでな」

 

一夏はゼロワンドライバーを装着、滅から()()()()()()プログライズキーから、最適なものを選び、取り出す

 

「コイツで行くぜ!」

 

WING!

 

プログライズキーを起動し、ゼロワンドライバーに翳す

 

AUTHORIZE!

 

瞬間、人工衛星ゼアからピンク色の光と黄緑色の光が放出され、アリーナに入り鳥形のライダモデルとバッタ型のライダモデルに具現化する

 

「やっぱりな……行くぜ!変身!

 

一夏はゼロワンドライバーにプログライズキーを入れる

 

プログライズ!

 

FLY TO THE SKY!FRYING FALCON!

Spread your wings and prepare for a force

 

ライダモデルは周囲を飛びまわり、一夏にアンダースーツが装着されると装甲となり、一夏に装着され、ピンク色の装甲がメインとなっているISライダー01 フライングファルコンへと変身した

 

「やはり貴方もソレになりますか……しかしそれを使うということは飛べな「ラァァッ!」ぐぁっ!?」

 

セシリアは試合開始時、余裕綽々と言った感じで口上を述べた、しかし一夏は隙だらけの胴に向けてアタッシュカリバーで一閃、さらに空中をターンして停滞、飛行出来ると言う事実をセシリアに教えた

 

「な、なぜ!そのISは飛行出来ないはず!」

「滅の戦闘がよっぽどインパクト強かったんだろうが、俺のフライングファルコンは飛行可能なんだ、滅のお陰で助かったよ」

「ッ……!堕ちなさい!」

 

スターライトMarkⅡを構えるセシリア、乱射される弾丸を飛行して回避、着地して青いプログライズキーを起動する

 

BULLET!

 

AUTHORIZE!

 

今度はゼアから青い光が放たれ、狼のライダモデルが生成され、フライングファルコンプログライズキーを抜き、青いプログライズキーをいれる

 

プログライズ!

撃ちまくまくりスティ!SHOOTING WOLF!

The elevation increases as the bullet is fired

 

フライングファルコンの装甲が消え、狼が装甲になり装着され、シューティングウルフになった

 

「す、姿が変わった!?」

「亡雷さんの奴はそんな機能ないよね!?」

「お、狼!?」

 

一夏はセシリアの攻撃を避けながら仮面の裏に現れたディスプレイでシューティングウルフの特性を理解した

 

「なるほど……こうする訳か!」

 

ある程度回避するとアタッシュカリバーを構え、横に振る

 

「な、何を……くっ!?」

 

するとアタッシュカリバーから蒼色のエネルギー刃が放たれ、セシリアにクリーンヒット、ライフルのスコープを破壊する

 

「もう許しませんわ!踊りなさい!ブルーティアーズのワルツで!」

「ダンス知識は無いんだ、足を踏みまくるぜ!」

 

出し惜しみなどできない、どうせ手の内は全て晒されているのだから。6基すべてのBITを放ち、一夏を倒すベく攻撃する

 

「よっと、ほいっ!」

 

避けれる弾丸は躱し、避けきれない弾丸はアタッシュカリバーで切り裂く様を観戦していた千冬達は感嘆していた

 

「……凄い」

「そうですね、シューティングウルフの能力もあるとはいえここまでだと驚かせますね」

「シューティングウルフの能力ですか?」

 

真耶が訪ねると滅は簡単に能力を教えた

 

「シューティングウルフには銃弾の射線を視界に出現させる能力があります。しかし身体能力も強化されているとはいえ、ほぼ全てを回避、もしくは斬って対応するのは一夏様の実力もあります」

 

一夏の実力とシューティングウルフの能力、この2つが合わさりセシリアが張る弾幕は何一つ命中しなかった

 

「くっ、なぜ、何故当たらないのですか!?」

 

焦りは弾幕を荒くする。それを滅に指摘されていたが、本人も気付かぬうちに弾幕は荒くなり、一夏に隙を晒すことになってしまう

 

「ならこれで!」

 

BLIZZARD!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

POLAR BEARS ABILITY!

 

アタッシュカリバーにプログライズキーを装填し構える、同時にアタッシュカリバーに水色のエネルギーと冷気が集まる

 

「ッ!!」

 

本能的にヤバいと感じさせ、ビームBITの連撃を中断、ミサイルBITを放つ

ミサイルは一夏にダイレクトに命中し爆煙が舞う

 

「ま、まだ……!」

 

先程までの慢心は完全に消えているセシリアは震える手でスターライトMarkⅡを構える

そして爆煙が消える前に、周囲にゼロワンドライバーの音声が響く

 

プログライズ!

 

更に黄緑の物体が爆煙を突っ切る

 

飛び上がライズ!RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

 

その黄色い物体はセシリアとすれ違いざまにアタッシュカリバーで切り裂く

 

フリージングカバンストラッシュ!

 

「ッ!?」

 

ぐーんとSEが減るのを確認したセシリアは驚愕と共に、太陽を背にこちらを見すえる一夏を見た

 

「な、なぜ……!?」

「ライジングホッパーにプログライズしてミサイル攻撃を防いだんだ。ライダモデルの頑丈さは…滅でわかっているよな?」

「ッ……!」

 

セシリアがブルーティアーズ達を攻撃に回すと同時に一夏はゼロワンドライバーのプログライズキーを再度押す

 

インパクト!

 

ブルーティアーズを貫き、黄色の閃光はセシリアに蹴りを放つ、衝撃により多少ぶっ飛ばされ、セシリアが地面に叩き付けられるとブルー・ティアーズのSEは完全に無くなり、セシリアは気絶してしまった

 

「っと……す、すげえ足に負担が来るな、コレ…」

 

蹴りを入れた足を抑え、気絶したセシリアを担ぎ、ピットへと戻った




ライジングインパクト頑張ったよぉぉぉぉ!!!!!


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Ep:5

三人称side

 

アリーナ、観客席は皆がせわしなく会話をしていた

ISライダーの力を持つ2人の戦闘がこれから始まるからである

様々な手札を持ち、状況状況によって多彩な能力を使うゼロワンである一夏。現状間違いなくセシリア、一夏を抜き、断トツで高い実力を持ち、遠近両方対応している滅

この2人の戦闘……既にこの戦いでデザートチケットを巡る賭けが行われている程である

 

そしてそのアリーナ内、フォースライザーを装着した滅、ゼロワンドライバーを装着した一夏が居た

 

「一夏様、勝てましたね」

「まあ、予想外を突く奇襲戦法やらなんやら…だけどな」

 

ISライダー滅という先入観、滅が見せたロストモデルによる防御、ゼアによって身につけた(ラーニングした)多彩はプログライズキーの使い方……それら全てが上手く噛み合うことで掴めたのが今回の勝利であった

そしてそれを告げると滅はふふっ……と微笑む

久しぶりに見せる笑みに一夏は少し驚く、最後に見たのは何年前か……等と考えていると、滅は言った

 

「ただ奇襲戦法のようなものが上手くいっただけではありません、一夏様がゼロワンの能力を100%以上引き出し、一夏様自身の実力によって掴み取った勝利です。……誇っても問題ないですよ」

「いや……それじゃダメだ」

「……何故ですか?」

「まだ、俺に誇れる勝利じゃない」

「…どういう事ですか?」

「…昔、滅が001になった時、俺は凄いと思った。憧れを感じた」

「そうですか」

「……でも同時に、まだ俺は守られている立場なんだ。って、わかった」

「……そうですか」

「……そしてISを起動して、皆を守れる力を手に入れたと思った。でも、まだ()()()()()()()使()()()()()気がするんだ」

「…!」

 

滅は表情にこそ出さないが微かに驚く

 

「……この力を、本当に正しく使えた時…………俺は皆を守れるんじゃないかって……思うんだ

 ただ腕っ節で相手を倒すだけじゃない。この力で、何かを()()ことだって出来るはずだ」

「……なるほど」

「だから、俺が本当に正しく使えるまで……俺と何かをつなぐまで、見届けてくれないか?」

「……喜んで、私は織斑家の家政婦ですから」

 

会話を終えると、滅と一夏はプログライズキーを起動する

 

JUMP!

POISON!

 

一夏がライジングホッパープログライズキーをゼロワンドライバーに翳し、滅はスティングスコーピオンプログライズキーをフォースライザーに嵌める

 

AUTHORIZE!

 

ライダモデルがぶつかり合い、辺りの地面を凹ませるが、2人は動じる様子もなく構え、一夏はプログライズキーをゼロワンドライバーを入れ、滅はフォースライザーのレバーを引く

 

「……変身

変身!

 

プログライズ!

FORCE RIZE

 

飛び上がライズ!RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

 

STING SCORPION!

BREAK DOWN……

 

2人が同時に変身、お互いの武器を構え……試合が始まった

 

 

 



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Ep:6

箒side

 

「凄い……」

 

思わずそのような言葉が出てきてしまった

しかし一夏と滅の試合は凄いの一言では言い表せない程の物だった

黄色と紫の光が衝突し、その度に爆発が起こる。土埃が舞い、その度に光はぶつかり合う

超高速で移動している2人の動きを捉えているのは何人いるのだろうか…

そう思っていると千冬さんが口を開く

 

「あの弓、斬撃武器にもなるのか……一夏は出来る限り間合いを詰め、あの剣で斬る戦法だが、滅は一夏から距離を取り一方的に攻撃するつもりだな。近付かれてもあの弓には刃があるから対応出来る……一夏にとっては非常に厄介だ」

 

千冬さんは一夏達の戦闘が見えているのか……!?

そう思い千冬さんの方をむくが何か変なことを言ったか?と言いたげな顔をされ、何も言えなくなる

そして試合の方を見ると、2人は鍔迫り合いを起こしていた

どちらが勝ってもおかしくないこの試合、私はどちらが勝つかを見ていた

 

 

箒side end

 

 

三人称side

 

 

その2人の持つ武器からは火花が散り、一進一退もしていない

一夏はこの状況を打破する為に滅の腹に蹴りを入れ、そのまま後ろに飛ぶ、さらにバイティングシャークプログライズキーを起動する

 

FANG!

AUTHORIZE!

 

すると鮫型のライダモデルが衛星ゼアから送られ、アタッシュアローによる攻撃を防ぐ

 

プログライズ!

 

キリキリバイ!キリキリバイ!BITING SHARK!

Fangs that can chomp through concrete

 

そしてハイブリッドライズし、バイティングシャークになるとアタッシュアローの矢を両手両足で撃ち落とし、アタッシュカリバーを持って急接近、攻撃するが滅は最小限の動きで回避、もしくはアタッシュアローによる防御をしていた

 

「シッ……」

「ぐっ…!」

 

反撃と言わんばかりにアタッシュアローで一夏の持つアタッシュカリバーを弾き、蹴り、拳、斬撃を繰り出す

 

「ッ……!」

 

掌底をくらい地面を転がるも、近くにアタッシュカリバーがあった為拾い上げ、フライングファルコンプログライズキーを入れる

同時に滅もアタッシュアローにスティングスコーピオンプログライズキーを装填する

 

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

FALCONS ABILITY!

SCORPIONS ABILITY!

 

お互い構え、駆ける一夏と射る滅

 

フライングカバンストラッシュ!

 

スティングカバンシュート!

 

紫の矢とピンクの刃、その2つが衝突し、爆発を起こす

 

「……」

 

滅は油断せずアタッシュアローを引き、エネルギーを溜める

 

「ハァァァァァッ!!!!」

 

予想通り一夏は現れ、滅はアタッシュアローを射る

しかし、矢は一夏が跳躍したことで回避され上から袈裟斬りを受ける

 

「ガッ!?」

「ラァァッ!」

 

この試合で明確に一撃を与えられた一夏は、追撃としてゼロワンドライバーに入っているプログライズキーを押す

 

インパクト

 

両腕で滅を上空に吹き飛ばし、エネルギー体を分身させ、両腕で噛み砕くように挟み込む

かなりの勢いで滅のSEは減り、遂に一割を切る

 

「ぐっ…」

 

ここに来て初めて膝を着く滅、しかし嬉しそうに立ち上がり、拍手をする

 

「素晴らしいです。一夏様……では、少し大人気ないですが…………勝たせていただきます」

 

そう言うと共にライジングホッパーに似た色合いのプログライズキーを起動する

 

STRONG!

 

そしてプログライズキーをフォースライザーに入れると上下に角をつけたカブトムシ……即ちヘラクレスオオカブトのライダモデルが現れ、滅の周りを飛ぶ

 

「……」

 

FORCE RIZE

 

飛んでいたヘラクレスオオカブトライダモデルは滅の背中に止まり、装甲になる

 

AMAZING HERCULES!

BREAK DOWN……

 

装甲を装着した滅の姿は大部分はアンダースーツの色が蛍光グリーンになったこと以外はスティングスコーピオンと変わってはいなかったが右腕に短いツノ、左腕に長いツノを持ち、頭部にはヘラクレスオオカブトのツノがあった

 

「…す、姿が変わるのか!?」

「えぇ、私のこれも……一夏様と同じですから」

 

そう言うと一夏の目の前に現れ、反応される前にプログライズキーを閉め、開く

 

AMAZING DYSTOPIA

 

その音声と共に右腕で全力で殴り、吹っ飛んだ所を右腕で殴ってとトドメを刺す

 

滅  殲

 

技を喰らった一夏はSEこそ残っていたが、完全に気絶しており、試合は滅の勝利で終わった

そして変身を解除した滅は一言をつぶやく

 

「……やってしまった」

 

亡雷滅、実は超の字がつくほどの負けず嫌い。今回も発症




滅さんがやらかしました(笑)



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Ep:7

三人称side

 

あの試合後の夜、滅の元に電話が来た

電話番号のみしか表示されていないが誰かは想像が着いた滅は静かに電話をつけた

 

「もしも──」

「ほーちゃん、正座」

「は?」

「正座」

「あの、画面越──」

「正座しろ」

「畏まりました」

 

3回目にはついに命令形になった為滅は画面越しで正座をする

 

「あのさ……」

「負けず嫌いが発症しました」

「うん、言いたいことをわかってくれたのは嬉しいけどさ、なんでアメイジングヘラクレス使ったの?アメイジングヘラクレスはガチモードじゃん?」

「なんか勝てって本能が言ってきて……」

「え、えぇ?」

 

滅をよく知る束は滅の発言に困惑し、こんな子だったっけと思ってしまう

 

「まぁ、えっと、うん……」

「当然ですが辞退します。鈴様を完全に堕とさ(惚れさせ)なければならないので」

「既に堕ちてる子を更に堕とす(惚れさせる)ってだいぶ目茶苦茶なこと言ってるよね〜」

「そうでしょうか?」

 

「うん」と束は返すと束は先程よりも静か滅に情報を渡す

 

「女性権利団体に()()()()って奴がいるんだけど」

「はい、データベースには【特殊開発機関所属】とありますが……」

「コイツ、昔いっくんを攫った時に指示をした奴らしいよ。ほーちゃんの001の戦闘データを解析してなんか造ってるらしいの」

「……らしい、とは?その情報はアナログデータですか?」

「だね。それに端末自体も全ネットワークやその他諸々から完全に隔離されてる。よっぽど私にバレるのが怖かった訳だ。クーちゃんに任せてもいいけど、彼女は今……」

「……わかってます。()と折角いるのです。私がやります」

「……ごめんね、辛いことばっかり」

「いえ、一夏様に対しての行いは許せませんから……」

 

滅はあの時近くに田村英子が居たことに気付けなかった事に後悔し、今出来ることをする為、フォースライザーとプログライズキーを手に取り、とある場所に向かう

 

 


 

 

田村英子は特殊開発機関ではなくとある工場に居た

この工場は特殊な装置を使い人工衛星にハッキング、上空からは潰れたテーマパークにしか見れないようにし、周囲への情報統制を取り、内部にも入られないように細工を施されており、内部の情報を知るものは誰も居なかった

……しかし、今回は相手が悪すぎた。天災と称された彼女により、滅に情報が伝わり、この工場の崩壊は秒読みとなる

それを知らない女らは、田村が来ると彼女に新作と称された物を見せる

 

「どうですかこれは!」

「良いわね……あの001の戦闘データとアイテムで造り上げた()()()()()()()()()()()()()()()……これを使えばビジネスの展開と共に私の幹部昇格も夢じゃないわ!」

「このゼツメライズキーとゼツメライザーは擬似ISコア……女性権利団体の所持するISコアのデータを元につくりあげた物です。性能は第二世代のISと同程度、これならば女性権利団体の戦力は増加します!」

「ビジネスチャンスで兵器量産……これなら儲かるわね!」

 

嬉しそうに言う田村、しかし……

 

「そんな事はさせませんよ」

 

そこに現れたISライダー滅を見て驚愕してしまう

何故だ、と。有り得ない、と

001しか知らない彼女に取っては001と姿こそ酷似しているが全く違うそのISライダーには驚くしか出来ない

加えて外部への情報操作も完全に出来ていた筈、()()()()でもない限りは有り得ない、と

彼女が混乱しているその数瞬のうちに滅はアタッシュアローを展開、上に向ける

 

「この工場、破壊させていただきます」

「なっ!やめ──」

 

田村の声は滅には届かない……いや、仮に聞こえていたとしても聞かないだろう

自分が1番愛している人(一夏)を間接的に殺そうと

したのは田村なのだから

アタッシュアローから放たれた矢は天井を支えている柱を根元から破壊、支えるものがなくなり自重に耐えきれなかった天井は崩落、辺りのもの巻き込み工場諸共崩壊させる

 

「あ、あぁ………」

 

崩れ落ちる田村、その怒りは滅へと向く

 

「あんた、さえ……居なければ…アンタがあの001なんでしょ!?」

「……さぁ?」

 

とぼけるように言う滅に怒りが爆発、ゼツメライザーを腰に巻き、ゼツメライズキーを起動する

 

BELOSA

 

そしてそのままゼツメライザーにいれ、側面のボタンを強く押す

 

「う、く………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!

 

悲鳴と共にアンダースーツが生成、装甲のような物が溶着される

 

「……私の知らないIS…ですらないですね、これは」

 

瞬時にISコアを搭載されていないことに気付いた滅はアタッシュアローを構える

 

「……ISコアの模造品未満を作り、それをビジネスに運用等という巫山戯たマネはさせませんよ」

「うるさい……うるさいうるさいうるさい!黙ってお前は死ねぇぇぇぇ!!」

 

べローサマギアへと変貌し、襲いかかる田村に、滅は軽く溜息をつき、攻撃をいなす

べローサマギアになった事で勝率を見出したのかは不明だが、戦闘に対して素人である田村が代表候補生をISライダーとは初戦闘とはいえども完封勝利した滅に勝てる要素などない

両腕に着いていた鎌は片手でへし折られ、徒手空拳で戦うしかない田村を一瞥し……スティングディストピアを放つ

 

滅  殲

 

後ろ回し蹴りをゼツメライザーに叩き込み、ゼツメライズキーと共にゼツメライザーを完全に破壊し田村は気絶、滅はまだ残っているであろうゼツメライズキーとゼツメライザーを1つ残らず破壊し、全員を気絶させる

そして事後処理は束に任せる電話をし、滅は工場から離れた場所で変身を解除し腕時計を確認する

 

「【00:15】……まだ大丈夫そうですね」

 

時計を見てそこまで時間が経っていないことに安心し、IS学園の寮へと戻った

 

 

 




……雑ですんません

でも戦闘ド素人の人物が滅に勝てるわけがないと思うんだ(言い訳)




今作におけるマギア

人間が変身(?)する
擬似ISコア(ISコア擬き)を使っている為扱いはISに近い

今作ではとあるゼツメライズキーを除く全てのゼツメライズキーは敵制作の物である


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Ep:7.5

束と箒のお話





三人称side

 

滅が田村達を粛清している頃

一夏と箒の部屋では今更ながら一夏が隣に居ることでドキドキしていて眠れない箒が居た

 

「い、今更だが、一夏が、隣に……///」

 

顔を真っ赤にしている箒の事など一夏は知る由もない、何せ寝ているのだから

 

「……///」

 

その時、電話が掛かってくる

電話番号こそ知らないがこの時間にかけてくるのは彼女しか知らない箒は出る

 

「もすもすひねもす〜!箒ちゃん、束さんだよ〜!」

「……ですよね、お久しぶりです束姉さん」

 

ISを生み出した天災であり箒の姉である()()()()である

実は2人の姉妹関係は少し前までは悪かった……しかし、とある事件を期に姉妹関係は大幅に改善され、今ではかなりの頻度で電話する仲にまでなっている

直接会えないのは箒は未だに監視された立場であるからであろう

 

「久しぶりの愛妹の声を聞けて幸せだよ〜♪」

「そうですね、そちらも元気そうで……所で、この時間に電話をかけてきたのはどう言ったご要件で?」

「えっとね〜……いっくんが使っているI()S()()()()()()()()()は私が創った……っていうのは何となくわかるかな?」

「えぇ、そんな事だろうと思いました」

「ISライダーの最初期に造られたモノを箒ちゃんにあげようと思ってるの」

「……何故、私に?」

「箒ちゃんのIS適性は知ってるよ。自分がここにいるのが場違いだと思ってるのも」

「……」

「でもね、箒ちゃんにはI()S()()()()()()使()()()()があるの」

「……え?」

 

唐突に告げられたその発言に困惑している箒に、束は付け加えるように言う

 

「正確には、()()()()I()S()()()()()()()()()()()()なの」

「……そう、なんですか」

「だから箒ちゃんの才能を開花させる為にも、ISライダーを使って欲しいんだ」

「……すみません、まだ今の私ではあの力を使うには値しません」

「そんな事ないと思うんだけどなぁ……まあ、欲しくなったら言って?」

「はい」

 

束のアジトの自室に値する場所では電話を切ると共に散らかったベッドに寝転がる束の視線がバックルに移る

形自体はフォースライザーと同じだが色は銀と赤になっており、その隣にはバイティングシャークに近い色合いのゼツメライズキーが置いてあった

ゼツメライズキーには共通して絶滅した動物のデータが入っており、このゼツメライズキーも例外ではなくロッキートビバッタと呼ばれる2014年に絶滅種に認定されたバッタのロストモデルを持つ

出来ればこの力(仮面ライダー一型)を箒に渡し、身を守る為の手段、そして一夏と滅と共に皆を守れる力を手に入れて欲しかった

しかし箒自身が自らを未熟と呼び、アイテムの受け取りを拒否した為、引き下がる

しかし愛妹が死に瀕した時、この力があれば箒や他の人が死なずに済んだ……そんな事が無いように、束はガバッと起き上がり、椅子に座る

 

「箒ちゃんに命の危機が起きたら自動で装着されるようにしよう」

 

そう呟き、フォースライザーに似たアイテム──サイクロンライザーとロッキングホッパーゼツメライズキーにデータを打ち込んで行った

 

 

 

 

 

 



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Ep:8

遅れてすみません……


一夏side

 

ガチモードになった滅に負けちまったその翌日、まだ足に痛みが残っており、少し引きずるような形で教室に入り、机に突っ伏す

初戦闘にしては上出来な結果を残せただろう、なにせ代表候補生であるオルコットさんをまぐれ続きとはいえ倒したのだから

でも、滅に負けて、中途半端な戦績しか残せていない

今後こう言った感じでISライダーが増える可能性もあり、その場合俺は何時までマトモな戦績を残せるだろうか……

 

そんなことを考えていると滅と箒がこっちに来た

 

「お疲れ様です。一夏様」

「2人ともお疲れだな」

「流石にな……滅は大丈夫なのか?」

「負けず嫌いを発症してしまったこと以外は大丈夫です」

「大丈夫じゃないって言っているようなものでは無いのか?」

「いえ、それ以外はマトモだと思っているので」

「そ、そうか……」

 

負けず嫌い以外はマトモと自らを評価している滅に対し、箒と一夏は内心「そうか?」と思ったが突っ込まずに朝のSHRが始まる時間になるのを見ると、席に着く

 

「おはよう諸君、先日のクラス代表決定戦での結果が出た。山田先生」

「はい。 1年1組のクラス代表は織斑一夏君が、クラス代表補佐は亡雷滅さんがする事になりました」

「……ん?」

 

おかしい、何かがおかしい

そう思い俺が手をあげようとすると千冬姉……織斑先生が質問しようとしたことを答えてくれた

 

「織斑がクラス代表になったのは亡雷が辞退したからだ。一応オルコットにも話をしたがそちらも辞退したので織斑が選出された」

「俺が辞退するのはダメでs「織斑が辞退する場合はもう一度クラス代表決定戦をするがそれでも構わないなら良いが」黙ります」

「代わりに亡雷には補佐に置き、織斑の訓練を手伝う事になった。織斑は経験が浅いから経験を積む為に今回は辞退するとの事だ」

「なるほど」

 

俺の強化のため……か、なら強くならなきゃいけないな……

 

「異議がなければこのまま「織斑先生、一言皆様に言いたい事があります」……ほう?良いだろう、言ってみろ」

 

……ありゃ?オルコットさんが立ち上がって教壇の方に行ったぞ……

って……ん?地面に膝を着いたぞ?おいちょっと待て、まさか……

 

「まずは皆様を不快にさせた言動や、日本に対する誹謗中傷など、皆様を傷付けた事を深く謝罪いたします」

 

………土下座じゃん

 

「……オルコット様、行動が理解出来ないのですが」

 

滅も困惑しているし、どうしたんだ?

 

「……私が皆様にしたことに対する謝罪です、日本に対する誹謗中傷は私がこの立ち位置(代表候補生)にいる以上、国交問題にも発展しかねません。皆様を不快にさせた事への謝罪も、こんなものでは足りないと思っています。誠に、申し訳ありませんでした……!」

「……」

 

「いいぞ」

 

「……!」

「勿論、皆に対しての態度は改めて欲しいが、俺は大丈夫」

「一夏様が宜しいのならば私も、私が不快に思ったのは一夏様と箒様に対する暴言だけです。日本に対する誹謗中傷は『帰ればいいじゃん』位にしか考えてなかったので」

「ぼ、亡雷さん結構饒舌だね……。あ、私はいいよ!」

「私も〜!」

 

皆、オルコットさんの事を許した……っぽいな

良かった、と思うぜ

あ、オルコットさんが立って俺の方に拳を突き出してきた

 

「あ、織斑さん!」

「なんだ?」

「今度戦うことがあれば、次こそ勝たせて頂きます!」

「不可能です」

「ぼ、亡雷さん!?何故!?」

「一夏様の成長性は未知数です。千冬様を凌駕する可能性もあります。ですので不可能です」

「ぐ……!」

「亡雷、オルコット、止せ。そして席に着け……1時間目はアリーナに集合だ、良いな?」

 

なんかオルコットさんから敵意は消えたけど、超えるべき壁みたいに思われてないか?

 

「一夏様、お疲れ様です」

 

心做しか滅からも同情した眼差しで見られてるし…大変だ

 

 

 


 

 

そんな事があったSHRが終わり、今からISを使った授業を始めるらしい

織斑先生が俺達に対して指示をする

 

「織斑、亡雷、オルコット、ISを展開しろ」

「一夏様、フライングファルコンに変身してください」

「わかった」

 

WING!

AUTHORIZE!

 

STRONG!

 

俺がフライングファルコンプログライズキーをオーソライズすると滅はあのアメイジングヘラクレスプログライズキーを起動してフォースライザーに入れた

 

変身!

変身

 

そしてバッタちゃんと鳥ちゃん、ヘラクレスちゃんが展開されると俺はプログライズキーを挿入、滅はフォースライザーでプログライズキーをこじ開けた

 

プログライズ!

FORCE RIZE

 

FRYING FALCON!

Spread your wings and prepare for a force

AMAZING HERCULES!

BREAK DOWN……

 

俺達が変身している頃には既に展開を終えたオルコットさんが準備を終えていた

 

「よし、武器を展開しろ」

「「「はい」」」

 

俺はアタッシュカリバーを召喚、滅はアタッシュアローを召喚、オルコットさんは俺の方に銃口を向けながらスターライトMarkⅡを召喚した

 

「オルコットさん、向き、向き」

「あ……すみません、癖で」

 

慌てて前の方に戻したオルコットさんに対して、近接武器を召喚するようにと指示をされる

 

「ぐ……ぐぐ……インターセプター!」

 

接近武器の取り扱いに慣れてないのか中々展開出来ず、最後には声に出し、インターセプターという接近武器を召喚した

 

「遅い!2人とも武器状態に出来ているぞ!」

「ですが遠距離戦なら「そう言って懐に潜り込まれたのはどこのどいつだ」ド正論ですわ……」

 

精進しますと告げたオルコットさんは2歩下がる

 

「よし、織斑、亡雷、飛べるだろう?」

「はい」

「時間制限はありますが飛べます」

「わかった、3人はアリーナを2周しろ。2周が終わり次第落下し静止、織斑の手本は亡雷が見せろ。10cmが合格ラインだ」

「はい」

 

俺達が2周……その間にやり方を教えてもらい、2周が終わると終わるとセシリアが最初に行く

 

「───」

「─────」

 

あ、少し嬉しそう

ってことは10cmジャストか?

 

「次は私が行かせてもらいます」

「わかった」

 

……滅も多分10cmだろうな

 

「っと……次は俺か」

 

俺は滅に教わった通りにやる

 

「11.8cm、速度を落とすのが早かったな」

「いやビビりましたもん」

「初めはこんなものだ、精進しろ」

「はい」

 

……一応クラス代表に就任しての1日は終わった

 

 

 



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Ep:9

素直な鈴ちゃんは素敵だと思います






一夏side

 

翌日、代表戦の話が上がり、俺は今あるプログライズキーを見ながら話を聞いていた

機動力とキック力重視のライジングホッパー、飛行可能のフライングファルコン、水中戦と両腕の武器による白兵戦の出来るバイティングシャーク、弾丸軌道予測とアタッシュカリバーによる斬撃を飛ばせるシューティングウルフ、現状未使用だが火炎攻撃可能のフレイミングタイガー、同様に未使用だが瞬間冷却攻撃が出来るフリージングベアー……そして、なんだこれ?無地じゃん

 

「滅、このプログライズキーってなんだ?」

「ブレイキングマンモスです、そのプログライズキーはかなり特殊なものとなっており、使用可能時にのみ起動可能になります」

「なるほどね……」

 

プログライズキーに関する会話をしていると箒が昨日起きたらしい話をしてきた

 

「昨日の夜、束姉さんから最初のISライダーを渡したいって言われたんだ」

「最初のISライダー、ですか?」

「あぁ、滅は心当たりがないか?」

「全く心当たりがないです。現状1番古いISライダーであるホロビは私が所持していますし……有り得るとするならばフォースライザーのプロトタイプ、ですかね……。私にはわかりません」

「そうか……滅も知らないとなると、本当になんなんだろうか…」

 

そんな事を話していると、クラスメイトの1人がこっちに来た

 

「織斑君!クラス代表戦優勝してね!」

「なんか特典でもあるのか?」

「え、篠ノ之さん知らないの?デザート半年フリーパスだよ!」

「……なるほど、だからか…」

「出来る限り勝ち上がるよ、そういえば専用機持ちって別のクラスにもいるのか?」

「はい、1年4組更識簪、日本代表候補生で専用機は打鉄弍式、第2世代量産型ISである打鉄のアップグレード機……らしいです」

「へぇ……他クラスの代表も知りたいけど、当面は更識簪さんを警戒すればいいって訳か……」

 

「その情報、古いよ!」

 

「ん?」

「この声は……」

 

俺と滅が扉の方に視線を向ける

するとそこにはツインテールの小柄な子であり俺のもう1人の幼馴染が居た

 

「よっ!一夏、滅!」

「鈴か!久しぶりだな」

「鈴様でしたか、お久しぶりです。どのようなご要件で?」

「宣戦布告!2組のクラス代表は私になったから!」

 

俺の方に拳を向けた鈴は俺に向かって叫んだ

 

「一夏に勝って()()()()()()()()!」

「……は?」

「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」

 

当然と言うべきか俺に対して叫んだ鈴の発言に誰もが驚愕し、滅と箒は俺に視線を向ける

 

「い、一夏!告白されたのか!?」

「予想以上に早く告白してきました……これが若さか…」

 

2人の質問に俺はちゃんと答える

 

「箒が要人保護プログラムで色々な所を行ってる鈴が俺の居た学校に転入してきたんだ」

「そしてイジメから鈴様を救いフラグを建て……なるほど、そういう事ですか」

「ん?」

「鈴様が両親の事情で中国に帰る際、私は不在だったのでその時に告白したと……」

「……滅、正解」

 

滅がズバッと当ててきたので観念して話した

 

「あの時鈴に──

 


 

『遠回しに言っても絶対気付かないでしょうしハッキリと言うわ、私と付き合って、結婚して!』

『なっ……!』

 

驚いて声が出なかった、というか呆然としていた

鈴が俺に告白してきたのだ

でも俺は鈴の事を【親友】だと思ってる、恋愛感情はそこには無かった

だから断る、鈴を傷つけてしまうだろうけど、それが俺の答えだ

 

『ごめん、鈴の事、親友だと思ってる。でもそれ以上の感情は、ない…』

『……でしょうね、ぶっちゃけ玉砕覚悟だもの』

 

しかし鈴は俺に指を突きつける

 

『でも諦めてないわよ、いつか絶対付き合ってみせるわ!』

『……!』

『だからアンタが私に惚れるまで私はアタックを続けるわ、いいわね!?』

『おう!』

 

 


 

 ──って事があったんだ」

 

話を終えると鈴は俺の言葉に頷く

 

「だからココ(IS学園)に来たの!」

 

強気にそういう鈴に全員唖然としてしまい、その後背後にいた織斑先生にシバかれて鈴は2組に戻って行った



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Ep:10

簪初登場回です


三人称side

 

昼休みになり、昼食を食べようとしている一夏達の前に鈴が現れる

 

「一夏達、飯一緒に食べない?」

「……どうしたいきなり」

「いや〜……()()()()()()()()()()

「「「は?」」」

 

何を言っているんだお前は、と言いたげな一夏達に対し、鈴は指を一夏達に向ける

 

「『私は凰鈴音!一夏の嫁になって世界で1番のIS乗りになる女よ!』って言ったらね……」

「当たり前だ馬鹿者」

 

箒が呆れたように鈴に言うと『あ、やっぱり?』と言いたげに舌を出す

 

「あとなんかクラス代表が私になったわ」

「「「は?」」」

「いや自己紹介したら一夏とタイマン張りたいんならクラス代表になる?みたいな感じで」

「なるほど」

「まあ確かに、専用機持ちの方が経験値もあるしやりやすいか」

「あとはISライダーのデータ収集が目的でここに来たのよ」

 

ISライダーという新しいジャンルのISが存在する以上何処の国でもそのデータを求めるに決まっており、故に幼馴染という立場で一夏に近付きやすい鈴が派遣されたのだろうと滅は推測する

 

「ま、あんたと戦ってデータを貰うわよ。私、結構強くなったのよ?」

「上等、俺もその強くなった鈴に届くレベルで強くなってみせるぜ」

 

ニヤリと笑う鈴に対し一夏も同じように笑い、拳をぶつけ合う

 

「恋愛感情よりも先にライバルとしての感情が優先されてる気がするんだが…」

「昔から何かと一夏様と張り合ってましたから、恐らくそれが今も続いているのかと」

「なるほどな」

 

食堂に着くと、4人は各々の食事を用意し席に着く

 

「まああんたのISが装甲変形(フォームチェンジ)を取り入れてるのは知ってるわ。私のISにも擬似的な装甲変形が取り入れられてるからアンタの予想以上の性能を見せてやれるわよ」

「そりゃ楽しみだ」

 

バチバチと2人の間に火花が散り、それを止めるように青い髪の眼鏡をかけた少女が2人の間に入ってくる

 

「あの……」

「ん?」

「誰?」

 

2人共知らない顔なのか首を傾げており、代わりに滅が説明する事になる

 

「彼女が例の4組の代表であり、日本代表候補生である更識簪様です」

「あ、説明ありがとう、亡雷さん」

「いえ、簪様もお久しぶりです」

「ん?2人は知り合いなのか?」

「知り合い……というか、昔色々と亡雷さんには相談とかしていたの」

「へぇ……。俺それ知らなかったんだけど…」

「いくら一夏様でも女性同士の関係に対してとやかく言う権利は無いですよ」

「あ、はい」

「織斑一夏君、だよね?名前は亡雷さんから聞いてたから知ってるよ。多分凰鈴音さんか織斑一夏君のどっちかとやり合うかも知れないから、宜しくって」

「なるほどな…あ、俺の事は一夏で良いぞ」

「私も鈴で良いわよ」

「今更ですが滅で構いません」

「わかった……あと、篠ノ之箒さんだよね?」

「箒って呼んでくれ、私は束姉さんにはなれないからな」

「わかった……じゃあ私も簪って呼んで?」

 

OKと返した4人の元にセシリアもやって来て、同様の会話をして6人は食事を始めた

 

 


 

 

その夜、鈴が一夏と箒の部屋で一夏との思い出話をしていた頃、滅はフォースライザーに衛星ゼアにリンクしゼアにとあるデータを渡した

 

【BLUE TEARS……データを確認、プログライズキーを構築しますか?】

「お願いします」

 

ブルー・ティアーズの戦闘データを元に作られた新たな蒼いプログライズキー

滅が手に取り、礼をする

 

「いつもお疲れ様です」

【私はマスター達と違い肉体を持ちませんので『疲れる』という事を知りません】

「人間は、一仕事をした人にお疲れ様、というのです」

【学習しました】

 

衛星ゼアがそう返し、現実へと意識を戻すとゼアが構築したプログライズキーが滅の目の前に置かれていた

 

「……HITTING HAWK、ですか…」

 

フライングファルコンに似たプログライズキーをプログライズキーコネクターに仕舞い、滅は一夏の特訓メニューを考え始めた

 

 



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Ep:11

三人称side

 

あれから一週間が経ち、クラス代表トーナメント当日になる

鈴と一夏は出来る限りIS関係の会話をせず、お互いの訓練も見ないようにするという両者共に完全初見状態で挑む事になった

 

「よっ、一夏!」

 

アリーナに一夏が入るやいなや軽快なノリで一夏に話しかけるIS……甲龍(シェンロン)・改を装着する鈴、試合前とは誰も思えず箒達を除く殆どの生徒が驚く中、一夏も軽く手を挙げ、ゼロワンドライバーを装着プログライズキーを構える

 

「遠慮なく行かせてもらうぜ」

「上等、寧ろそう来なくちゃね」

 

FIRE!

AUTHORIZE!

 

一夏がオーソライズすると共に赤い炎のようなものを纏ったトラのライダモデルといつものバッタのライダモデルが現れる

 

「トラのフォーム…か」

 

鈴は楽しそうに双天牙月を構える

 

変身!

 

プログライズ!

GIGANT FLARE!FLAMING TIGER!

Explosive power of 100 bombs

 

ライジングホッパーになった直後にハイブリッドライズ可能状態に変化、トラのライダモデルが装甲となり装着され、ISライダー01 フレイミングタイガーになる

 

「見るからに熱そうなフォームね、そのスーツの下で丸焦げになったりしてない?」

「残念な事に焦げてないだよな」

「まぁ丸焦げになられて不戦勝なんてお断りだしね」

 

カウントダウンが始まり、お互いアタッシュカリバーと双天牙月を構える

一夏は腰を低く屈め跳躍しようと、鈴はそんな一夏を迎え撃とうと双天牙月を構える

 

そして試合開始の音声と共に一夏が跳躍、鈴も迎え撃つべく双天牙月を振りかぶるが一夏はアタッシュカリバーを拡張領域にしまってしまう

 

「は?」

 

一瞬困惑するも本能的にヤバいと感じたのか双天牙月を盾のように構える

瞬間、炎が双天牙月に命中し、周囲の温度が爆発的に上がる

 

「あっつ!?」

 

すると今度は双天牙月に衝撃が走り、防御が崩れ、ふらついてしまう

 

「やっば──」

「その隙、頂くぜ!」

 

炎からアタッシュカリバーを持った一夏が迫り、迎え撃つ事も出来ずに攻撃が鈴に命中する

 

「くっ…!?」

「もう一撃……!?」

 

一夏が追撃をしようとした時、一夏に強烈な衝撃が来たかと思えば地面へと吹っ飛び、クレーターが出来るんじゃないかと思う程の速度で地面に衝突する

 

「ぐぁっ…!」

 

しかし土煙を突っ切る()()()を目視した一夏はすぐにクレーターを離れ、離れた数秒後にクレーターから爆発音が響く

 

「な、なんじゃそりゃ!?」

「私の持ってるイイモノよ!さぁて、私と甲龍・改に炙られなさい!」

「お断りだ!」

 

咄嗟に一夏は火炎を放つ、すると土煙の時と同じようにナニカが火炎を突っ切るのが視界に映った一夏はそこから離れ、土煙を発生させる

その後も不可視の弾丸は土煙を突っ切って迫り、それを全て回避する

 

「(一夏の奴、土煙を利用して弾丸を回避しているわね…。いや、それだけじゃないハズ……)」

 

バカスカと龍砲を放っている鈴は一夏一旦砲撃をやめ、接近攻撃を仕掛ける

 

「ハァッ!」

「そう来るかよ!」

 

一夏は逆手にアタッシュカリバーを持ち、双天牙月を受け止める

 

「へぇ……2本の双天牙月を防ぐなんて…やるじゃない」

「そりゃな…!」

 

拮抗していると鈴の視線が一夏の胴に移る

一夏は鈴から距離を取り、その直後に龍砲から攻撃が放たれ、地面に着弾する

 

「やっぱりか……(鈴の視線と不可視の攻撃はリンクしてる、鈴の視線に注意すれば避けられない攻撃じゃない!)」

 

一夏はそう思い、アタッシュカリバーを一旦折りたたみ、再度剣にする

 

CHARGE RIZE!FULL CHARGE!

 

「これで!」

 

一気に鈴との距離を詰め、アタッシュカリバーで斬る

 

「……スピードモード

 

そのハズだった攻撃は空を斬り、一夏の背中に衝撃が走り地面に叩き付けられる

 

「なっ!?」

 

一夏が顔を背後に向けると姿()()()()()()鈴が居た

 

「……やっぱ使う事になるよね、この形態(フォーム)

 

鈴のISは一回り小さくなり両肩の非固定浮遊部位(アンロックユニット)である龍砲は小型の物が二門追加されている、暗い赤色は青色に変化していた

一夏は鈴の言っていた装甲変形(フォームチェンジ)の意味がようやく理解出来た

 

「さて……甲龍・改改め…()()・改、参る」

「いや、全く別物じゃねえか…!」

 

ISとしても全く別物となった鈴を相手に一夏は挑む事になる

 

 



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Ep:12

一夏side

 

なるほどね……装甲変形(フォームチェンジ)、火力重視のフォームが甲龍なら速度重視のフォームが翔龍か…

っと、次が来る!

 

「ちぃっ!」

 

プログライズ!

RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

 

俺は即座に飛び退き、不可視の弾丸を死ぬ気で回避し続ける

あの追加された非固定浮遊部位(アンロックユニット)も1個1個があの不可視の弾丸をぶち込んでくる

流石にあの俺を地面に叩き付けるほどの威力こそないがSEもそれなりに消し飛ぶから何発も耐えきれない

しかも──

 

「遅いわよ!」

「お前が速すぎるんだよ!」

 

鈴はライジングホッパーを上回る速度で俺に近づく為鈴の不可視の弾丸と近接攻撃の両方を警戒しなければならない

 

「そのフォーム速すぎだろ!疾風か!」

「ならあっちは甲龍・剛烈でこっちは甲龍・疾風ね!」

「上手いこと言ってんじゃねえよ!」

「あと良い具合に試合が進んだから教えてあげる、不可視の攻撃はこの()()から放たれる圧縮空気よ!」

「つまり空気砲の兵器バージョンってか!」

 

なるほどね、不可視の理由はステルス弾だとかそんなもんじゃなくて単純な空気砲だからか……

だとすると()()()()()()()()な……凶悪過ぎるだろ!

対策のしようがねえ!……いや、もしかしたらあのフォームなら…

 

「一夏、アンタに絶対勝つ!」

「こっちのセリフだ!」

 

CHARGE RIZE!FULL CHARGE!

カバンストラッシュ!

 

俺がカバンストラッシュ発動モーションに入ったところで鈴も双天牙月を構え、装甲変形(フォームチェンジ)発動ワードを言う

 

「ならこっちよ、パワーモード!

 

あの時はハッキリ見えなかったが、なるほどな。あの小型龍砲が装甲になってるのか……

そんな事を考えているとカバンストラッシュが発動され同時に鈴の青龍刀も振り下ろされ、斬撃が衝突する

 

「くっ……重い…!」

「ッ……!」

 

なんつー重さだ……気ィ抜いたら一瞬で押し負けちまう…!

 

「ウ、ォォォォォォオ!!!」

 

だけどな鈴、負けるつもりなんてないんだ!

バチバチとアタッシュカリバーに火花が散るが構わずアタッシュカリバーを押し込む

 

「まだ、そんな力が…!?」

「生憎、滅達にも鍛えられてるからな……まだ負けられないんだよ!」

 

そして押し切り、アタッシュカリバーで鈴を斬り飛ばす

 

「キャァァァッ!?」

「まだだ!」

 

俺は滅から貰った新しいプログライズキーを起動する

 

SHOOT!

AUTHORIZE

 

衛星ゼアから送られた新しいタカ型のライダモデル…タカちゃんが周囲を飛び回り、鳴き声をあげる

 

「行くぜタカちゃん!」

 

プログライズ!

SHOOT AND BREAK!HITTING WAKE!

My bullet shoots all enemies

 

タカちゃんは俺の前に現れて装甲になり俺に装着される

ってコレ、トリちゃんと同じじゃねえか?

そんな風に思っていると鳥の形した6基のBTか俺の周りを飛び回っている

 

「え、なに、小鳥ちゃん!?」

「けほっ、けほっ……なにそれ、新フォーム?」

「あぁ!」

「面白いじゃない、新フォームと戦えるなんて私は幸せものね!スピードモード!

 

装甲が龍砲へと変化し、速度重視の疾風フォームになった鈴が迫ると俺の視界には鈴がどのような軌道でコチラに来るかが表示された

 

「(なるほどね……!)」

 

しかし俺は避けず、アタッシュカリバーで防ぎ、蹴りを入れてから飛ぶ

 

「ぐっ……なら今度はこれよ!」

 

鈴は龍砲を連射するがその軌道もシューティングウルフの様に軌道が視界に表示される

 

「軌道がわかっててもキツイっつーのッ!」

 

俺は飛びながら龍砲からの攻撃を回避しつつビットに指示を出す

 

「4基は大型龍砲に、2基は俺の近くに居てくれ!」

 

するとBTは俺の指示に従い鈴の龍砲を撃ち抜きに行く

 

「へぇ……」

 

鈴は龍砲をぶちかますが小鳥ちゃんは自動で回避し、攻撃を仕掛ける

 

「なるほどっ!」

 

鈴は銃撃を回避しながら青龍刀を投げようとするが俺が接近攻撃を仕掛ける

 

「させねぇよ!」

「流石にバレるか…!」

 

再度拮抗状態に持ち込むが今度はBTによる援護射撃もあり俺が勝つ

そろそろ終わりだ!

 

「これでッ!」

「私が勝たせてもらうわよ!」

 

         ヒッティング

                  イ

                  ン

                 パ

                 ク

                 ト

 

「なんかお前も割り込んでない?」

「気の所為よ!」

 

俺のBTによる集中射撃と鈴の龍砲+双天牙月による攻撃、それらが命中しようとした時──

 

ズガァァァァァァン!!

 

「ッ!?」

「な、なに!?」

 

俺達の間に割り込んだ巨大なISの様なものとI()S()()()()()によってそれらは中断された



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Ep:13

三人称side

 

突如乱入してきたISライダー

その外見は金色のメカメカしいボディ、顔にはレンチの様なものがX字に装着されており、赤い複眼が光る

黒い無地のベルトには金色のスパナとマイナスドライバーの様なものが装着されている

それを見た箒は呆然と呟く

 

「IS、ライダー?ほ、滅何か知らな……滅!?」

「あ……あぁ……」

 

滅の方をみた箒は驚いた表情になる

滅の顔色は真っ青になっており、冷や汗をかいている

 

「な、なんで……なんで、()()I()S()()()()()()()()()……?」

「なに?何か知ってるのか!?」

 

滅に尋ねようとした時、ISライダーが腕を上げる

すると巨大なロボ……ギーガーと呼ばれるモノがアリーナと観客席を隔てるバリアの破壊を皮切りにアリーナを破壊し始める

 

「なっ!?」

 

乱入者の攻撃に一気にアリーナにいる人間はパニック状態になる

一夏は素早い管制室に居る千冬に連絡を取る

 

「織斑先生!」

『今教師部隊が不明機と身元不明のISライダーの討伐に……なに!?』

「どうしました!?」

『あの巨大な不明機によりアリーナプログラムがハッキングされこちらからそちらへ入る為のPITが全て封鎖された!今此方でハッキングを解除しているが最低でも15分は掛かる!』

「なっ……」

『無茶な事はわかる、だが15分!アレ等から耐えてくれ!』

 

一撃でバリアを破壊する様な兵器、更に未知数のISライダー、この2つを相手に持ち堪えてくれと言う千冬

それはつまり破壊力的にも現存のISを遥かに逸脱したギーガーを相手にするという事である……しかし一夏の答えははやかった

 

「わかりました!」

『すまない、だが任せたぞ!』

 

一夏はBTを飛ばしギーガーに攻撃を仕掛け、BTのビームに直撃したギーガーは攻撃目標を一夏に変える

 

『敵対IS発見……殲滅、開始』

「来やがれデカブツ!」

 

ギーガーの拳を難なく回避し、逆に銃撃する一夏、飛行するというアドバンテージは大きくギーガーを相手に優位に立つ

一方のISライダーはミサイルのようなものを召喚し、一夏に攻撃をしようとする

しかし双天牙月が投げ込まれ、ミサイルに突き刺す

 

「アンタの相手は私よ!」

 

甲龍にフォームチェンジをした鈴の方を向き、様々な部分が露出しさながらスクラップの様な大剣を召喚する

 

「それがアンタの近接武器ね……」

 

そんな鈴の言葉に答えるかのようにジェットパックが背中に展開される

 

「やる気満々じゃない……いいわ、来なさい!」

 

その言葉に答えるかのようにそのISライダーは飛翔し、鈴に迫った

 

 


 

 

一夏にはハッキングされ、教師部隊が出撃出来なくなった。とだけ説明された

しかしもう1つ出撃出来ない理由があった

それは……

 

「ここにもあの()()()が……!」

 

ギーガーにより、教師部隊の大半が割かれていたからだ

ギーガー殲滅を実行する教師部隊だがギーガーの装甲は堅く、また前面にある爪の様なものをブーメランの様に投げ攻撃をする

その攻撃の軌道は読めず、教師部隊が揃って大打撃を受ける

 

「キャァァァァッ!!」

「ッ……!」

 

最早ここすらも危ういかもしれない、自らも打鉄に乗り、迎撃をしようとした千冬……しかし、そこにいきなり電話が来る

知らない電話番号だがこのタイミングでかけてくる輩を1人しか知らない千冬は電話に応じる

 

「どういうつもりだ束!」

『私だってわからないよ!でも第2世代機じゃ勝ち目がないよ!』

「じゃあどうしろと!」

『今だけI()S()()()()()()()()()!』

「……なに?」

『今ドライバーが1つあるの……それでなら対応が出来るかもしれない』

「……」

『今だけは私を信じて!』

「……わかった、それで何を使えばいい」

『今から転移するよ』

 

その言葉と同時に千冬の近くにフォースライザーとフライングファルコンプログライズキー、アタッシュアローが置かれる

 

「……これを使えと」

『うん、お願い!』

 

千冬はフォースライザーを装着し、フライングファルコンプログライズキーを起動した

 

WING!

 

装着と同時に隼のライダモデルが召喚され、ギーガーに攻撃をする

 

「……」

 

FORCE RIZE!

 

無言でフォースライザーのレバーを引いた千冬、同時に大空を高く舞い上がるライダモデル

そして最高地点に辿り着くと同時に装甲に変形、装着される

 

FRYING FALCON!

BREAK DOWN……

 

「お、織斑、先生……!?」

「大丈夫だ…すぐに終わる」

 

驚愕する真耶に視線を向けた千冬、すぐに終わると言うとアタッシュアローを展開し、飛翔する

 

「ハァッ!」

 

ただでさえ強い千冬の戦闘能力をISライダーによって強化され、その斬撃は……ギーガーの片腕を簡単に斬り裂いた

 

「さて……相手になってやる、来い!」

 

世界最強の変身するISライダー……ISライダー迅は、そう言い、ギーガーの殲滅を始めた



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Ep:14

戦闘多分500文字、駄文900文字っておかしいよね


ギーガーがちーたんに勝てるわけない!
なので多分瞬殺です


三人称side

 

ギーガーの視線が千冬の方を向くが千冬はギーガーには目もくれず自分の身体を見る

 

「現行ISとはタイプが違うとはこういう事か……。使い勝手が違うな……」

 

使い勝手が違うと言っておきながら軽々と飛んでおり、更にギーガーの腕を斬り飛ばす等中々に人間離れしているがそれを【ISライダーの補正】で片付け漸くギーガーの方を向く

 

「さて……少しは楽しませてもらおうか!」

 

連撃でISの右膝を4分の3程斬りつけ速やかに距離を取る

ギーガーは追尾しようとするが自らの重みで右膝部分がちぎれずでんと倒れてしまう

片足を失い移動手段がなくなり最早ただの大きな的に成り下がったギーガー目掛けアタッシュアローを引き、エネルギーの矢を放つ

千冬用に調整されたアタッシュアローは紙を射抜くかの如くギーガーの装甲を貫通、誇張抜きで穴だらけになる

 

「す、凄い……」

「なるほどな……」

 

ISライダーという別格の力、しかしそれを軽々と、まるで包丁で料理でもするかのように扱う千冬に真耶は驚きで声が出なくなる

 

「……さて、と…確かこうだったな」

 

CHARGE RIZE!FULL CHARGE!

 

千冬はアタッシュアローを1回畳み、再度弓にし、ギーガーに向けて引く

するとISライダー迅と同じ濃いピンクのエネルギーが収縮していく

 

「……ほいっ」

 

カバンシュート!

 

拍子抜けする声と共にアタッシュアローから必殺の一撃が放たれ、濃いピンクのエネルギー矢が放たれる

それはギーガーを貫き地面を貫通、2つ下の階層まで軽々と届き、地面に大穴を開ける

 

「……なるほど、これは危険だな」

 

地面に着地した千冬はそう言い、変身を解除する

そして表情を変え、残ったらISに乗れる人間、ハッキング解除班に指示を出す

 

「2分でハッキングを解除!その後残る教師部隊で巨大機並びに未確認ISライダーの殲滅を始めろ!」

 

その声にハッキング解除班の教師は「あの…」と千冬に言う

教師部隊が向かっているのを見送り、訪ねる

 

「なんだ?」

「巨大機は、大丈夫かと……」

「なに?」

「…こちら、なんですが………」

 

千冬がモニターに目を向けると……

 

 

グインパクト

 

なんとギーガーを押しつぶすギーガーに似た機体が居たのだ

 

「な、なんだこれは……!?」

()()()()()()()()()()、いっくんが乗ってるよ」

「ッ!?」

 

驚いて背後を見るとそこには束が居た

 

「た、束!?なんでここに!」

「フォースライザーを返してもらいに来たの」

「あ、あぁ……」

 

フォースライザー、フライングファルコンプログライズキー、アタッシュアローを返した千冬に束は言う

 

「アレ、なんだかわかる?」

「そんなのわかる訳無いだろう……」

「アレね、()()()()

「なっ!?」

 

ライダモデルを呼び出す衛星ゼア自体がここに来た、そう束が言った事に驚愕する

 

「まあザットって言うのがここに転送するんだけどね」

「……で、なんでここに来た?」

「ブレイキングマンモスを間近で見に来たの」

「なんで?」

「そりゃあんなデカブツ振り回したらニュース沙汰だからね。今回が初運用だもん」

「……その言い草だと昔別の人間が運用していた、らしいな」

「うん」

「誰なんだ?」

 

弟が使う以上ある程度の情報を知っておきたい……そう思いつつ、訪ねる

 

「ナイショだよ」

 

その答えはすぐに帰ってきた、未回答だが

 

「……」

「私のこと知ってるちーちゃんならこれ以上は無駄だってわかってるよね?」

「……まあ、な」

「じゃあねちーちゃん……箒ちゃんをよろしく」

 

教師部隊が到着するよりも先にギーガーを破壊し、爆散した所を移したモニターを背後に束は去った



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Ep:15

BREAKING MAMMOTH!
俺の好きなフォームベスト3です(笑)


三人称side

 

2体のギーガーと戦っている一夏は苦戦を強いられていた

 

「クソ、コイツらの装甲……思った以上に硬ぇ!」

 

ヒッティングホークのBTは手数に優れていたが反面火力に劣り、ギーガーの装甲を貫く程の火力がなく、アタッシュカリバーの射程は完全にギーガーの支配圏であり、攻撃を許すほどギーガーも甘くはない

 

「どうするか……いや、これしかないか!」

 

JUMP!

AUTHORIZE

プログライズ!

飛び上がライズ!RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

 

飛行能力を捨て地に足をつけた瞬間に超高速で跳躍しギーガーをすれ違いざまに切り裂く

 

「よ……し!?」

 

一夏はギーガーの破片の中に銀色の破片が混じっていることに気付く

そしてアタッシュカリバーを見て即座にその破片が何かを知った

 

「うそ、だろ!?」

 

アタッシュカリバーの刃が欠けていた

もう1機のギーガーが腕を振り下ろそうとしているのに気付いた一夏が身体を反転されギーガーの腕に着地して、再度攻撃される前に胸部に跳躍しアタッシュカリバーを突き刺す

 

インパクト!

 

アリーナの壁に着地した一夏はギーガーに刺さったアタッシュカリバーに向けて超強力なキックを撃ち込む

 

「ハァァァァッ!」

 

アタッシュカリバーが装甲に突き刺さったギーガーには小さな裂け目が出来ており、ライジングインパクトにより簡単に裂け目が広がり心臓部が壊れ、機能停止する

しかし同時にアタッシュカリバーが完全に使い物にならなくなる

 

「はぁ、はぁ……チッ!」

 

着地して息を整えようとするとギーガーの腕が振り下ろされ後ろに跳んで回避する

 

「どうする……フレイミングタイガー……ダメだ、装甲は溶かせない、フリージングベアー……凍らせてもすぐに割られる……どうする、どうする…!」

「一夏様!」

「滅!」

「ブレイキングマンモスを使って下さい!今なら使えます!」

「……わかった!」

 

PRESS!

AUTHORIZE!

 

すると衛星ゼアから光が放たれ、その光がアリーナに到達すると巨大なジェット機のようなものが現れた

 

「デッカ……!ええい、なるようになれ!」

 

プログライズ!

GIGANTWAKING!

BREAKING MAMMOTH!

Larger than life to crush like a machine

 

「う、うわぁぁぁっ!?」

 

ブレイキングマンモスの光が一夏を包み、ブレイキングマンモス内部に転送される

 

「お、おーう……」

 

そして内部に侵入すると人型に変形する

 

「デッ……カ!」

 

ブレイキングマンモス内の視界を見て改めてその大きさに驚き、しかし背後から急襲しようとするギーガーに対しては軽々と回避する

 

「お前を倒せるのはただ1人……俺だ!」

 

ブレイキングマンモスになった事でサイズは同じになり、あとは技術とスペックがものを言う状態になった

 

「ハァァッ!」

 

ギーガーの拳を後ろに跳ぶ事で回避し、そこからカウンターキックを喰らわせる

バチバチと火花が飛び、ギーガーの首の装甲が凹む

 

「ハァッ!ラァァッ!」

 

腹に拳を叩き込み、後ろに吹っ飛ぶギーガー、壁に激突すると顔のライトが点滅する

 

「これで……終わりだ!」

 

グインパクト

 

腕に装着されていたブレイキングマンモスプログライズキーの様なものを分離・巨大化させて足底に装着し、キックを放つ

 

『敗因、理解フノ──』

 

その圧倒的な重量に耐えきれずにギーガーは押し潰され、崩壊する

 

「はぁ、はぁ……」

 

荒い息を整え、鈴の所へと向かおうとすると滅がやってくる

 

「一夏様!大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ……なんとかな」

「鈴様と()()が未確認のISライダーを撃破しました」

「箒が……?」

「詳しい話は緊急会議が行われるので、そこで話すことになっています」

「……わかった」

 

緊急会議に参加する為に会議室に滅と共に向かう一夏、既に会議室には面々が揃っており、千冬が話を切り出した

 

「…今回の事件について報告を始める。まずは…篠ノ之」

「は、はい」

「とりあえず篠ノ之の1件、恐らく織斑に事前に言っておかないとこの会議が進まない。という訳で任せた」

「……わかりました」

 

そうして箒は話を始めた

 

 

 




次回予告

「お前たち人間は、絶滅させる」

人間絶滅を掲げるISライダーキカイ、その圧倒的な戦闘力に追い詰められていく鈴
その時、疾風と共に箒の元へと現れた黒いバッタ、箒に与えた力とは──

CYCLONE RIZE!

次回 Ep:16 ─私が始まりのISライダー─


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Ep:16

三人称side

 

時を一夏がライジングホッパーになった辺りまで遡る

ISライダーキカイと戦っていた鈴はかなり追い詰められていた

双天牙月はキカイの装甲に傷1つ付けることが叶わず、龍砲でも微かな凹みが生じるだけで仰け反ることも無く、大きなダメージがあるようには思えない

反面キカイの攻撃は鈴に大ダメージを与え、双天牙月は1本は刃が真ん中から上が無くなっており、もう一本は刃が潰れており、龍砲も砲口が凹み使い物にならなくなっている

セシリアの加勢があれば状況は変わっていたかもしれないがセシリアは管制室に呼ばれており教師部隊と共にギーガーの相手をしていた為参加出来ず、結果追い詰められていたのだ

 

「つ、強いわね……拳で語り合うことが出来ないのが辛いわよ……アンタら、何が目的なの?」

『……人類、滅亡』

「……はぁ?」

 

突拍子もないその言葉に鈴は呆ける、しかしその隙を突きキカイの拳が鈴に突き刺さる。咄嗟に腕をクロスしてガードしたが大きく後ろ吹っ飛びアリーナの壁が壊れてしまう

 

「ぐっ……ぅぅ…」

『お前達人間は、絶滅させる』

 

外見に反さず機械的にそう言うとキカイはミサイルを取り出し、鈴の方へと向ける

 

「ッ……」

 

身の危険を察知したがまだ避難は完了していないため巻き込みを避ける為に逃げる訳にもいかず、かと言って自分が生きていられるかもわからない

焦る鈴、しかしその前に少女が出てくる

 

「…()!?」

 

その少女は箒だった

箒は鈴を庇いながら呟く

 

「鈴、逃げろ」

「あんた、何してんの!?逃げなさいよ!」

「お前はIS乗りとして一夏を支えられる、だからお前は生きてくれ」

「な、何言ってんの!?正気!?」

「正気だ、一夏の事を支えてくれる人間の為なら命を懸けてもいい」

「なっ──」

 

狂っている、と鈴は思った

そこまで一夏の事を好きだから命を懸けていると理解し……

 

「……いやよ」

 

拒否をした

 

「なんでだ!?」

「アンタみたいな人間に死んで欲しくないのよ!」

「お前おかしいぞ!」

「あんたにだけは言われたくない!」

 

ぎゃあぎゃあと言い合いを始めた2人を見てキカイはミサイルをぶっぱなした

 

「「あ──」」

 

2人にミサイルが命中し、爆風が起こる

2人を死を確認したキカイは他の人間を殺そうと対象を移そうとした──

 

「うぅ……」

「げほっ、げほっ……え?」

 

──が、声が聞こえキカイが振り向くと、そこには黒い巨大なバッタがおり、それが2人を守るように立っていた

 

「え、えっと……守ってくれた、の?」

『……』

 

バッタはそれに答えずにキカイの方へと跳躍、キカイにタックルするとあれ程強力だったキカイが簡単に吹っ飛んだ

 

「す、すごっ……きゃぁっ!?」

 

バッタが箒の目の前に現れ、背中に載せていたモノを箒な放った

 

「うわっ……こ、これって……」

 

バッタが渡したのはフォースライザーに似た赤いバックル──サイクロンライザーとターコイズブルーのゼツメライズキーだった

 

「これを使え、と?」

『……』

 

質問には答えず、しかし一夏が変身するのを待っているバッタライダモデルの様に箒の周りを飛び回っていた

 

「わかった……行くぞ!」

 

KAMEN RIDER!

 

サイクロンライザーにロッキングホッパーゼツメライズキーを挿入すると待機音と共にバッタロストモデルが軽快に飛び回り、地面を破壊していく

 

「変身!」

 

CYCLONE RIZE!

 

箒がサイクロンライザーを展開すると共に風が箒を包む

 

ROCKING HOPPER!

TYPE ONE

 

そして風が消えるとロストモデルがバラバラになり箒に装着された

 

「これが、ISライダー…」

 

ISライダーの力に驚愕しているとキカイが突進してくる

 

「ッ……くぅっ!」

 

驚き、反射的に拳を撃ち込むとキカイは後ろに10メートルほど吹っ飛ぶ

 

「……え?」

「す、すごっ!」

 

あまりの力に箒は呆然とし、鈴は凄いと驚く

 

「箒、頑張れっ!」

「そんな無茶な……っとぉ!……わかった、やれる限りのことはする!」

 

ISライダー1型による反撃が、始まった

 

 


 

 

束の移動基地、その中で紙をばら撒きながら束は、生誕した新たなISライダーに向け、叫ぶ

 

祝え!全ISライダーの原点、ISライダー1型の生誕の瞬間である!

 ……そしてそんな箒ちゃんにプレゼント♪ ポチッとな」

 

束がボタンを押すと衛星ゼアから光がアリーナに降り注ぎ、箒の前に到着した

 

 


 

 

「ん?」

 

攻撃を始めようとした時、箒の前に光が振り注ぎ、アタッシュウェポンが浮いていた

 

「……これは」

 

ターコイズブルーのアタッシュウェポンを手に取り、展開する

 

SWORD RIZE!

 

すると両刃剣になる

 

「これは……そうだな、アタッシュソードだ!」

 

アタッシュソードと武器を命名するとキカイに接近し、Z字に斬る

 

「ハァァ……!」

 

更に反撃の隙を与えずV字に斬り、直ぐにX字に斬る

 

『……ッ!?』

 

リーチの長い大剣すらも思うように使えずにキカイが仰け反るとサイクロンライザーのレバーを開閉する

 

ROCKING SPARK!

 

超加速し、四方八方からキカイを斬り裂き、双天牙月でも傷一つ付かなかったキカイの装甲が簡単に切り刻まれていく、そしてアタッシュソードを1回畳んで再度展開する

 

CHARGE RIZE!FULL CHARGE!

 

「ハァッ!」

 

 

ロッキングスパークと合わさり、装甲を簡単に斬り裂いて行く箒

限界に近付き、フラフラとするキカイ、しかし鈴を道ずれにするつもりかミサイルを呼び出し、鈴目掛けて撃ち込もうとする

 

  スティング

     カバンシュート!

 

その時、無数の矢が背後からキカイを射抜く、ミサイルごと攻撃したため爆発し、キカイは横に吹っ飛ぶ

 

「え?え!?」

 

驚いた鈴がキカイの後ろを見ると滅がアタッシュアローで射抜いていた

 

「あんたそれ生身でも使えるのね……」

「ISライダーにそのような制約はないので。箒様、トドメを」

 

あれほど取り乱していたのが嘘のように落ち着いていた滅は箒にトドメをさすように言う

 

「わかった!」

 

そう言うとサイクロンライザーを2回開閉する

 

ROCKING THE END!

 

箒は空高く跳躍し、最高高度まで到達するとセシリアとの戦いで一夏が見せた蹴りを模倣した技を放った

 

終 焉

 

「ハァァァァァァァッ!!」

『ッ!? ハ、敗因……フメ、イ…』

 

キカイが敗因不明と言うと共に爆散し、箒は着地した

 

「……」

 

ふらっと倒れた箒を滅が抱き抱える

 

「つ、疲れた……」

「お疲れ様です。援護が遅れてしまい、申し訳ありません」

「避難誘導していたのは知っていたから問題ない。それよりも、鈴を頼む」

「畏まりました」

「大丈夫よ、2日で治るわ、こんな傷」

 

その時、千冬から連絡が来た

 

『……亡雷』

「はい」

『緊急会議だ、篠ノ之と鳳を連れて会議室に来い、その後に織斑もだ』

「畏まりました」

 

鈴と箒を担いで滅は会議室に連れていき、帰ると一夏がギーガーを殲滅した為、一夏と共に会議室へと向かった

 

 


 

 

「──あの未確認ISライダーは鈴と滅の私で撃破しました」

「……織斑、これで分かったか?」

「わかりました、しかし箒にもISライダーが……」

「私が1番驚いているよ」

「……コホン」

「あ、すみません」

「議題だが、あのISライダーについてと今後の対策だ」

 

滅が手を上げる

 

「亡雷、どうした」

「今後についてですが」

「どうかしたか?」

「あのISライダーのスペックは既存のISを遥かに逸脱したものです。鈴様が手も足も出なかったところからもそれが窺えます」

「ひ、否定出来ない……」

「……ISライダーを量産するべきだ、と?」

「恐らく可能です。そうですよね?篠ノ之博士」

 

『まー出来るよー』

 

突如ディスプレイに束の映像が流れる

 

「束、お前どうしてここに!」

『色々あってねー。それよりもISライダーの量産だっけ?』

「はい」

『量産は出来るっちゃ出来るよ』

「……本当か?」

『うん。でもするつもりは無いかな』

「何故だ?」

『そもそもISライダー自体量産するものじゃないから、アイツらの活動が本格化したらすぐに配備するよ

 今はこれで我慢して』

 

すると蛍光イエロー、青、紫のアタッシュウェポンが10個ずつ置かれた

 

『アタッシュブレード、アタッシュショットガン、アタッシュアロー、これを10個ずつ、それで我慢してね』

「……わかった」

 

アタッシュウェポンの強力さは千冬が1番知っていた為、許可した

 

『それじゃあ明日にでも配備するよ』

「わかった」

『それじゃあぐっばいならー♪』

 

ディスプレイから束の映像が消え、緊急会議は終了した

 



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Ep:17

簪ちゃん初登場回です

少しキャラが違うかもしれませんが、ごめんなさい

あと時系列ですがゴールデンウィーク前です


滅side

 

「……困りました」

 

初めまして、亡雷滅です

あの事件後、束様のお使いの為アタッシュウェポンを運んでいましたが、どのISにどのアタッシュウェポンを置けばいいのかわからなくなってしまいました

 

「たしかここにマニュアルが……ありました」

 

マニュアルを開いて確認をし終えると、アタッシュウェポンを各々の教師部隊用のISに装備させます

各々の武器が2個ずつ残っていますがこれは私と一夏様の専用武器となっているので問題ないです

 

「一夏様は今頃オルコット様、箒様、鈴様と戦っているのでしょうか……」

 

恐らく箒様がスペック上群を抜いて強いと思われるが、鈴様やオルコット様は彼女にはない単一能力(ワンオフアビリティ)を備えているので五分五分だろうか……等と考えていると

 

「あーもう、むっかつく!!」

 

怒声が倉庫内に響きました

……あら?この声は()()では?

そう思い声のする方へと向かうと……

 

「あっ……」

 

水色の髪、赤い目と眼鏡、頭に付いている特徴的な機械……間違いない

 

「……初めまして、()()()()()()()()()()()

 

 

 

滅side end

 

 

簪side

 

「なんですかそれ!?」

『ですから、雪片(ユキヒラ)を主装備としたISに──』

「雪片を使うと容量が圧迫されて山嵐が使えなくなるのでやめてくれと言ったじゃないですか!」

『ですが我が倉持技研のISですので雪片を使った専用機にして貰わなくてはならないのです』

「ふざけてるんですか!?当初の話と違うじゃないですか!」

『ですがこれが開発長からの指示ですので……』

 

ブツッ

 

「……嘘、でしょ」

 

一方的に告げられ、一方的に切られた電話、腹立たしいことこの上なく、思わず倉庫の壁を殴りそうになる

 

「あーもう、むっかつく!!」

 

私の専用機【打鉄弐式】はこの学園の顔とも言える存在、織斑千冬先生の専用機【暮桜】に使われた【雪片】をブランドとしているが、私の専用機の容量が圧迫される為に当初のコンセプトの武装が出来ないことや、私のバトルスタイルに合わないことから搭載を拒否したのだが、今回一方的に告げられたソレは打鉄弐式に雪片を搭載する、というものだった

恐らく織斑先生の弟である織斑一夏が専用機を倉持では無く、篠ノ之博士の造ったISであり、それが想像以上の結果を残していることへの対抗心の表れなのだろうが、それが私の専用機に雪片を織り込むことに繋がるのだろうか、怒りと悔しさが湧いてくる

 

「姉さんならきっとこんな風にならないのに……!」

 

なんでも出来る私の姉、ISを1人で創り出したと聞いており、こうなったら私も1人で創ってやる!と息巻いていると、黒い髪の学園の生徒がコチラに来た

 

「あっ……」

「……初めまして、日本代表候補生、更識簪様」

 

お辞儀をした生徒……亡雷滅さんに対して、こちらも頭を下げる

 

「初めまして……亡雷滅さん」

「……知っていたんですか」

「ISライダーの事は聞いてたから……」

 

ISライダーでイギリス代表候補生のセシリア・オルコットとセシリア・オルコットを倒した織斑一夏、この2人を倒した、と聞いている

そんな凄い人がなんで私なんかを……

 

「どうして怒声を?」

「え?えっと……」

 

どう説明すればいいだろうと迷っていると、亡雷さんは肩に手を置き、目線を合わせてきた

 

「お話してくれると嬉しいです」

「えぁ……えっと……」

 

言うべきか少し迷ったが、亡雷さんを信じて全てを打ち明けた

 

「……だから、雪片を搭載するんだ。って言ってきて、一方的に切られたの」

「……なるほど」

「どうしたらいいかな……」

「……とりあえずISを貰いましょう、今回の件は明らかに倉持の持つ規約に反しています。それで私と一緒に創りましょう」

「え?で、でも創るって、どうやって?」

「私と一緒にISを……制作に必要な知識ならありますので」

「つ、創れるの!?」

「はい」

「で、でもなんで?」

「……今回の件で倉持という企業の実態を知れたことが1つ、もう1つは更識簪様のISを完成させたいという私個人の考えです」

「そ、そうなの?」

「はい」

 

……信じて、大丈夫かな

 

「大丈夫です。私達なら創れます」

「……本当にいいの?」

「はい」

「あの子を完成させたい……!お願い、手伝って!」

「喜んで」

 

ニコッと笑うその姿に、私は少し見とれてしまった

 

 

 

簪side end

 

 



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Ep:18

魔改造回、次回は魔改造の結果を見せる実戦回

……何時になるかわからねえけどな!


三人称side

 

3日が経った日の放課後、一夏と箒が滅を訓練に誘う

 

「滅、少し訓練に付き合ってくれないか?」

「滅が居ると訓練がしやすいんだ……私も一緒に強くなりたいしな」

「すみません、今日と明日、場合によっては明後日は訓練に付き合うことが出来なくなりました」

「何かあったのか?」

「私的な用事です」

「……珍しいな、自分の予定よりも一夏を優先している滅が」

「少し、理由がありまして、申し訳ございません」

「いや、滅にも事情があるだろ?ならしょうがない、出来るようになったら言ってくれ!」

「ありがとうございます……それと出来れば、フレイミングタイガーとフリージングベアーをお借り出来ないでしょうか?」

「この2つか?いいぞ」

 

 

滅が教室を出ると箒が一夏に尋ねる

 

「一夏、滅の用ってなんだ?」

「……なんだろうな、1人でいってるからセシリア達は関係ないだろうし……」

「あの滅が一夏より優先するって事は余程だな、終わったら聞いてみるか」

「だな」

 

一方の滅は倉庫に行き、先日倉持から貰った未完成のIS……打鉄弐式を見る

 

「これが打鉄弐式ですか…」

「うん、この子を完成させたいの」

「……すみません」

「どうしたの?」

()()()()()()()()()()()()?」

「……どういうこと?」

「有り体に言えば、魔改造していいですか?」

「……と、言うと?」

「少し改造します」

 

ディスプレイに映し出されたプログラムを削除していく

 

「……何してるの?」

「無駄なシステムを省いて拡張領域等の余りスペースを増やします」

「む、無駄なシステム?」

「この零落白夜前提のシステムです。捨てましょう」

「それそんなシステムだったの?」

「もしかして伝えられてなかったんですか?……凄く悪質ですね」

 

滅はドン引きしながらと削除を終え、持ってきた装置と打鉄弐式を繋げる

 

「なにするの?」

「言ったでしょう、魔改造をすると」

 

滅は装置にプログライズキーを起動して挿入する

 

REVOLVER!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

HEDGEHOGS ABILITY!

 

プログラムの羅列が追加され、追加が完了するとプログライズキーを抜き、3本のプログライズキーを起動し、挿入する

 

FIRE!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

TIGERS ABILITY!

 

BLIZZARD!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

POLAR BEARS ABILITY!

 

POISON!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

SCORPIONS ABILITY!

 

淡々とプログライズキーを挿入していく滅に簪が不安になり尋ねる

 

「そ、そんなにいれていいの?」

「稼働データ、春雷、山嵐に使うデータを入れても十分過ぎる程の余白があります。ハッキリ言ってここまで来ると最初から雪片を持たせる気だったのではと邪推してしまうくらいです」

「そ、そんな……」

「とりあえず、これらのプログライズキーのアビリティを使えるようにして……と、よし。次は稼働データや武器に使うデータを……」

「わ、私も手伝う」

 

黙々と進めて2時間後……

 

「終わりました。明日には使えます」

「ほんとに終わっちゃった……」

 

貰った初日に完成したという前人未到の話に驚く簪

 

「正直武装のプログラムが足りてなかったのでそれを挿入すればちゃんと使えました。一昨日から完徹で山嵐のプログラムを創ったかいがありました」

「そ、そんな前から作ってくれたの?」

「頑張りましたよ?」

「そ、そんな…ありがとう!ありがとう!」

「いえ、お嫁候……友人の願いですか」

 

何度も何度も頭を下げる簪

 

「えっと……明日、テストに付き合ってくれる?」

「勿論です……あ!」

「どうしたの?」

「出来れば明日、もう1人連れて来てもいいですか?」

「うん、いいよ?」

「ありがとうございます」

「じゃあ、明日!」

「ええ、また明日」

 

2人は別れ、滅は自室で寝て、簪は明日にわくわくしていた

 

 

三人称side end

 

 




フレイミングタイガーとフリージングベアーとスティングスコーピオンを追加したのは某ランペイジのエレメント的なのをしたいという私欲から(笑)

ガトリングヘッジホックは束から貰った滅の手札その3です


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Ep:19

やった書けたぁぁぁぁ!!

そして明日も更新!


三人称side

 

翌日、放課後になると滅が一夏に話しかける

 

「一夏様」

「ん?どうした滅」

「少しだけお力を借りれればと……」

「お、おう……なんだ?」

「少し友人の訓練を付き合って欲しくて…」

「……いいぞ!箒!見ててくれないか?」

「わかった、それでアリーナでするんだろ?私用での決闘は管理教師に許可を貰わなければならなかったはすだから言ってくるぞ」

「箒様、ありがとうございます」

 

箒がアリーナの教師に伝えに行き、許可を貰うとアリーナに行く

既にアリーナには簪がおり、一夏が来ると驚く

 

「滅!やっとき……えぇ!?お、織斑一夏!?」

「簪様?どうかしましたか?」

「い、いや織斑一夏が隣にいるから……」

「私は織斑家に仕えているので」

「えっと、滅?この人は?」

「更識簪様、日本代表候補生です。今日は彼女のISのテストの相手をして欲しくてお呼びしました」

「なるほど……よし!更識さん!」

 

一夏は手を振り、簪に話しかける

 

「な、なに?」

「今日テストの相手をする織斑一夏だ!気軽に一夏でいいぞ!」

「わ、わかった……」

「それで滅、どのフォームで行けばいい?」

「ご自由にどうぞ」

 

ゼロワンドライバーを装着した一夏はプログライズキーを起動する

 

WING!

AUTHORIZE!

 

ライダモデルが出るとゼロワンドライバーに差し込む

 

変身!

 

プログライズ!

FLY TO THE SKY!FRYING FALCON!

Spread your wings and prepare for a force

 

「あ、ISライダーで行くの!?」

「滅から好きに使えって言われたし……」

「ほ、滅ぃ!」

「私もアシストするので大丈夫です。まずは春雷とガトリングヘッジホックの力を混ぜてみましょう。一夏様は」

「え、えっと……」

 

春雷を展開するとハリネズミ型のエレメントが春雷に装備される

 

HEDGEHOGS ABILITY!

 

するとガトリングの如く春雷が連射する

 

「おわっ……なるほど!」

「う、うわぁぁぁっ!」

 

余りの連射っぷりに簪が最初振り回されてしまうがすぐに持ち直し、一夏に連射する

 

「よっと……ほいっ!」

 

プログライズ!

ATTENTION FREEZE!FREEZING BEAR!

Fierce breath as cold as arctic winds

 

滅との訓練でハイブリッドライズを完全にものにしている一夏はフライングファルコンならフリージングベアーにハイブリッドライズし、手の平の冷気で空気中の水分を凍てつかせて氷の盾を生み出して弾丸を防ぐ

 

「そ、そんな!?」

「少しは俺も成長してるってな!」

 

即座にハイブリッドライズを行い防いだ一夏に驚きつつも、滅から指示が飛ぶ

 

「ではフレイミングタイガーの力をお借りしましょう」

 

TIGERS ABILITY!

 

するとフレイミングタイガーのエレメントが入り、弾丸に炎が纏われる

 

「くっ…!」

 

アタッシュカリバーをアタッシュモードにして弾丸を防ぎつつ、ライジングホッパーにプログライズし、高い機動力で簪を撹乱する

 

「は、はやい!」

「今の一夏様はアタッシュカリバーを使っているので夢現とスティングスコーピオンで対応しましょう」

「う、うん!」

 

SCORPIONS ABILITY!

 

 

夢現を展開しスティングスコーピオンのエレメントが入ると刀身から紫の蠍の尾が生え、振れば鞭のようにしなる

 

「ハァッ…!」

「やっべ……ぐぅっ!」

 

一夏が向かうであろう場所に夢現を振り下ろすと直線に飛ぶ一夏は回避しきれずに叩き落とされる

 

「いって……!なるほど、使い方によってはそういうことも出来るのか……」

 

プログライズ!

SHOOT AND BREAK!HITTING WAKE!

My bullet shoots all enemies

 

ヒッティングホークにプログライズするとBTを操作し、囲っての銃撃をする

 

「あっ…!」

 

こうなってしまっては回避に専念するしかなく、逃げ回る簪だが滅から指示が出る

 

「フリージングベアーを使ってください」

「フリージングベアー!?な、なんで……あ、そういうこと!」

 

POLAR BEARS ABILITY!

 

夢現にフリージングベアーのエレメントが入り、全方位にいる敵を薙ぎ払う様に振るうと簪の周囲が凍結し、球状の氷の塊に簪が守られる

 

「俺がやった事の上位互換か……」

 

滅の作戦と簪の実行力に舌を巻く一夏、氷の球を破壊するべくヒッティングインパクを放とうとする

その時氷の球が赤く光る、同時に球から水が滴り、球自体が薄くなる

 

「? なにを……まさか!」

 

簪がしようとしている事を知った一夏は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を紙一重で回避するも、BTは全て破壊されてしまった

 

TIGERS ABILITY!

SCORPIONS ABILITY!

 

「複数を重ねがけ出来るのかよ……!」

「手札は少なくてもこういう事は出来る!」

 

夢現をしまい山嵐を展開した簪、フレイミングタイガーのエレメントが入ると48発全てを放った

 

「うっそだろ!?」

 

一転して逃げの姿勢に入る一夏、弾丸を躱していくが限界が訪れ、上昇した所で命中した

 

「やった……!」

 

初めて決定打を与えた事に喜ぶ簪、しかし一夏のSEは完全に切れてはおらず、スーツの下で荒い呼吸をしていた

 

「はぁ…はぁ……弾丸数おかしいだろ……」

 

手にはアタッシュカリバーが握られており、シューティングウルフプログライズキーが挿さっていた

恐らくそれでミサイルの1部を防いだと思われる

 

「お2人共お疲れ様でした」

「あ、うん……」

「更識さんも打鉄弐式も強くねえか?」

「滅のアシストもあったし……私のことは簪でいいよ。よろしく、一夏」

「おう!よろしくな簪!」

 

握手をする2人

それを滅と箒以外で見ている生徒が居た

 

 


 

 

翌日……

 

「授業終わったぁぁぁぁ……!」

「スポーツドリンクです。どうぞ」

「さんきゅー……」

 

疲れた表情の一夏、昨日の戦闘が尾を引いていたのか疲れが抜けきっていない様子だった

 

「ねえねえ」

 

そんな一夏に話しかける人物が居た、ダボダボの制服を来た印象的な外見のその生徒に対して一夏が返答した

 

「どうした?のほほんさん」

「あとで〜私の専用機が届くんだ〜」

「へぇ……え!?のほほんさんも持ってるのか!?」

「とはいえリデコ品だしね〜」

「個人所有が出来る時点で凄いことですよ」

「昨日かんちゃんと戦ってたでしょ〜?だから私も戦いたいな〜って」

 

のほほんさんと呼ばれた人物……布仏本音は笑顔で一夏に戦いたいと言った

 

「あ、昨日みたいな寸止め試合じゃなくて全力な奴がいいな〜」

「見ていたのですか?」

「見てたよ〜?ほろほろ気付かなかった?」

「えぇ……少しも気付きませんでした」

「む〜…気付いて欲しかったな〜」

「すみませんでした」

「ううん、全然気にしてないよ〜!それでおりむー、良い〜?」

「俺でいいならいいぞ?」

「やったー!………──」

「ん?なんか言った?」

「なんにもー?」

 

大声で喜んだ本音、何かを呟いてから専用機が届いたらしく大急ぎで取りに行った

滅が一夏に忠告するように言った

 

「一夏様」

「滅、どうかしたのか?」

「明日の本音様との試合、気を付けてください」

「おう、わかった」

 

滅には本音が何を言ったかハッキリと聞こえた

 

『……()()()()()()()()()()()()()()()

「(……幻聴では、無さそうですね)」

 

滅は本音を密かに警戒リストに入れ、教室を後にした

 

 

 

 




次回は本音VS一夏!

実はこれが書きたかったから簪イベをしてたり……


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Ep:20

三人称side

 

「ごめんね〜。いきなり戦闘なんて申しこんじゃって」

「いや、大丈夫だよ。それより、それが専用機?」

「打鉄のリデコカスタム品だけどね〜」

 

自分の専用機のテストの相手をして欲しいと本音から頼まれた戦闘、変身した一夏がアリーナに入ると待っていた本音は専用機となった打鉄を纏っていた

本音の乗る打鉄は銀とオレンジのカラーチェンジが施され両肩の盾は小型化されている

 

「打鉄一型……しののんの一型の名前を借りたよ♪」

「わ、私のか?」

「うん♪」

 

打鉄一型に乗る本音と01に変身した一夏、お互い視線を交わし……戦闘が始まった

 

 

 


 

 

戦闘が始まり一夏が最初から押していた

 

「ちゃ〜んすっ!」

「させないぜ!」

 

本音の攻撃はシューティングウルフとなった一夏によりアタッシュショットガンを用い上手く牽制と回避をされ、逆に一夏はアタッシュカリバーによる斬撃飛ばしを使い回避先にも攻撃、上手く攻撃を命中させていた

 

「一夏は流石だね」

「プログライズキーの特性を活かして上手く立ち回れてるな。一夏自体もかなり強くなっているのか?」

「かもね……でもそろそろヤバいかも」

「「「「?」」」」

 

簪がそう呟き、箒達が困惑していた時、アリーナ内では本音がまたも斬撃飛ばしに命中する

 

「きゃっ…!」

「よし…!」

 

このままなら行ける、そう一夏が思った時

 

「あの武器、邪魔だな〜……」

 

本音はそう呟き、動きは止まっていた

 

「……?(どういう事だ?……でも、この隙に!)」

 

アタッシュショットガンを放つ、その弾丸は……

 

「あはっ♪」

 

身体を後ろに反らせた本音により回避された

 

「なっ!?」

「「「「っ!?」」」」

 

そこ姿に一夏は勿論の事、観客席で見ていた箒達をも驚愕させた

 

「よし……」

 

ゆらりと身体を動かし、地上に着地、一夏の斬撃飛ばしを不規則な動きで回避され、飛ばされた斬撃は壁や地面に着弾し爆発する

 

「やっべ……!」

 

煙により視界が安定しない、ハイパーセンサーを使うよりも先に気配を察知、折りたたんだアタッシュカリバーを背後に向けて盾のように構える

瞬間、()()()()()()()()()()本音が何かを一夏のアタッシュカリバーに向けて叩き付けた

 

「──あはっ」

 

ドガァァァァァッ!!!

 

強烈な爆発が起き、周囲が爆煙で見えなくなる

 

 

「「「……は?」」」

「……」

 

何をしたのかわからない箒達は困惑し、簪は頭を抱える。しかし滅には見えていた、本音が何を叩きつけたのかを

 

「……()()()()()()()()

「プラスチック爆弾?それがどうしたの?」

 

滅が呟いた言葉に鈴が反応し、尋ねる

 

「一夏様に投げつけたものプラスチック爆弾です。恐らく防御する事まで想定済みでしょう……これでアタッシュカリバーは使えなくなりました」

「なっ……」

「た、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()!?」

 

プラスチック爆弾自体は試合での使用も許可されている。しかし威力を考慮し1つのみとなっている

そのプラスチック爆弾をアタッシュカリバーをぶち壊す為だけに使った……セシリア達はそれに驚愕していた

 

「やったー…─それでその剣は使えないね〜」

「……何?」

「アハッ♪」

 

アサルトライフルを一夏に向け乱射し始める本音

先程までとは打って変わり、不規則な攻撃で一夏を攻撃し始め、一夏は回避に徹する事となってしまう

 

「(クソッ!動きが読めねぇ!行動の予測が出来ねぇ!()()()()()()()()()()()()()()!?)」

 

高速戦闘に特化したライジングホッパーになれば接近攻撃も出来る、しかしそのことを知る本音はその隙を与えない、プログライズキーを取り出そうものならグレネードランチャーでも使い妨害するだろう。()()()()()()()()()()()()、そう感じさせるからだ

 

アタッシュショットガンを展開し、向けようとした瞬間、《ポンッ》と何かを打ち出した音が鳴る

嫌な予感がし、反射的に上に跳ぶと地面が爆発した

 

「クソッタレ……牽制の仕返しかよ!」

 

そう言い、壁を思いっきり蹴り──

 

「頭冷やせッ!!」

 

ゴスッ!!

 

全力で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「は?」」」」

「……」

 

今度は簪も困惑し、滅が頭を抱えてしまう

 

「いった〜……もー!女子にすることじゃないで……しょッ!」

 

本音自身も笑顔で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「はぁぁ!?」」」

 

「アサルトライフルで殴る女子がどこにいやがんだ……よッ!」

 

何処の誰がISの試合で本来の用途とは違う武器で殴り合いを繰り広げるなど予想出来るだろうか

殴り合いが続く内にアタッシュカリバーもアサルトライフルも殴り合いに使われ、ひしゃげ、折れ曲がり、原型も無くなっていく

お互いに使い物になら無くなった武器を投げ捨て、お互いの拳で殴り合う

 

「ハァァァッ!」

「ヤァァァッ!」

 

お互いの拳が頬に命中、2人とも吹っ飛ぶ

 

「私ね〜、この試合で絶対勝ちたいんだ〜……だから」

 

吹っ飛んでいく本音が握っていたのはグレネードランチャー、銃口は一夏を向いている

 

()()()()〜」

 

本音の目に映るのは()()()()()()()()()()、それを見た時、一夏は拡張領域から引き出した()()()を展開し叫んだ

 

()()()()()!」

 

()()()()()()()()()()()、咄嗟に拡張領域にしまったその武器を再度召喚、本音と同時に放つ

そして───

 

()()()、ですか」

 

滅が伝えた通り、相打ちに終わった──

 

「いや、こんなの()()だ」

「?」

「後半全力で飛ばしてこの体たらく……なんとか相打ちに持ち込めただけ……こんなんじゃダメだ」

 

変身を解除した一夏が悔しそうにそう呟く

実際中盤、本気を出してきた本音に対して一夏は防戦一方で後半ですらも殴り合いに持ち込んだ事で相打ちに引き出せたのだ、一夏からすれば到底相打ちとも呼べないものだろう

しかし、滅は「そんな事はありません」と、否定する

 

「あそこで殴り合いに持ち込んだ事で一夏様は相打ちとなりました、その選択をした事により()()()()()()()()()()()のです。次は、勝ちましょう」

「……勿論だ」

 

次こそは勝つ、そう一夏は誓った

 

……一方の本音も簪に支えられて立っていた

 

「物理的に殴り合うなんて誰が予想するの?こんな壊し方整備の人に怒られるよ」

「や〜。いっちーが殴り合いをしてこようとしたからついね〜。なんて言うんだろ〜、とうそうほんのーって言うのかな?そんな感じ〜」

「本音は何処かの戦闘民族なの?」

「ううん?」

「……あと、いつの間にか一夏に対していっちー呼びになったね」

「ん〜、こう呼ばなきゃ失礼な気がしてね〜」

 

「……想定外のところでフラグが立ってしまいました」

「滅、どうした?」

「いえ、なんでもないです」

 

こうして試合は終了し、一夏の疲れが2割増しした



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閑話 とある生徒の入学前

田村英子が作り上げた擬似ISライダーシステム、その制作に関わった残党達は様々なゼツメライズキーを製作し、不法に売り捌いていた

 

……その日までは

 

ゴールデンウィーク目前のとある日、その廃ビル──の形をした工場に2人の人間が入った

片方は眼帯をした銀髪の少女、もう片方はオレンジ色の髪に水色の瞳の少女だった

銀髪の少女がオレンジ髪の少女に尋ねる

 

「……ここで会っているのか?」

「あってるはずだよ、間違ってたら大恥だね」

「だな」

 

ビルの地下に入り、扉を蹴破ると腰に着けていた銃を抜いた

 

I().()S().()M().()S()だ!手を上げろ!」

「なっ!?なぜここが分かった!」

「何ででしょうね〜」

 

銃を構える2人に対し、後退りながらも何かを握る

 

「貴様、今何を取った」

「うるさい!貴様らに捕まるくらいなら……こうしてやる!」

 

MAMMOTH…!

 

「ぐぅ……!実装!

 

ゼツメライズ……!

MAMMOTH MAGIA……!

 

「あれがマギア?デザインが如何にも悪役だねぇ」

「田村英子のデザインセンスの無さがよく分かるな」

「うるさい!今からあんた達を殺す、土下座すれは許すわよ?」

 

マンモスゼツメライズキーを使いマンモスマギアになったが、少女達にボロクソな評価を受けキレるが優位に立っているのは自分だと思っており、油断丸出しで煽る

しかし、少女達はバックルを飛び出して腰に巻くと腕輪に語りかける

 

()、戦闘サポートを始めてくれ」

()、アシスタントよろしく!」

 

腕輪が返事する訳ない、そうマンモスマギアが思っていると

 

『了解しました、戦闘サポートを開始します』

『しくるんじゃねーぞ?』

 

銀髪の少女の腕輪からは落ち着いた女性らしい声が、オレンジ髪の少女の腕輪からは煽るような男性の声が出てきた

 

「頼んだぞ」

「しくじらないよ!」

「「さて、行こうか!」」

 

少女達が銃をドライバーに取り付けるとプログライズキーを取り出す

 

JUMP!

DASH!

 

「ふんぬ……っ!」

「ね、ねぇ……それいつもするの?」

「当たり前だ……!らぁっ!」

 

銀髪の少女が無理矢理こじ開けて居るのをドン引きしながら見るオレンジ髪の少女、お互い同時にドライバーと化した銃に装填する

 

AUTHORIZE!

 

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

 

待機音が流れると銀髪の少女は銃を抜き、上に銃を向けると下げ始める

オレンジ髪の少女はオーソライズと同時にプログライズキーを展開し、トリガーに指をかける

 

「「変身!」」

 

SHOT RIZE!

 

弾丸が放たれると不規則な軌道でマギアを撹乱し、少女達に迫る

銀髪の少女は裏拳で殴り、オレンジ髪の少女は何もしない

そして弾丸がバラバラになり、装甲になり装着される

 

KICKING RABBIT!

RUSHING CHEETAH!

The kick breaks even the giant rock

Try to outrun this demon to get left in the dust.

 

銀髪の少女は背に兎の耳らしき物が付いた兎のような黒い戦士に、オレンジ髪の少女は髪色と同じのオレンジの戦士になった

 

「な、なに!?ISライダー!?」

「そうだけど?」

「なら貰おうか!その技術!」

 

マンモスマギアは突進をするが、2人とも横に飛んで回避し、銃──I.S.M.Sショットライザーを抜き、マギアに銃撃する

 

『効いていません、装甲が固いと思われます』

『アタッシュショットガンの使い所だな!』

「わかった!」

 

SHOT GUN RIZE!

 

アタッシュショットガンを展開し、オレンジの戦士は突進攻撃を回避すると無防備な背中に撃ち込むが、反動で戦士も吹っ飛んでしまう

 

「ぐぇっ!」

「大丈夫か?」

「やー……アタッシュショットガンはダメだね、反動がえげつないや……でも結構効いてるね」

 

マンモスマギアの装甲が抉れ前方に吹っ飛んでいく

 

「ぐっ……お前ェ!」

 

マンモスマギアの余裕は完全に消えうせ、焦るように突進を繰り返す

 

「当たりなさいよォ!」

「ダメが好き好んで当たるか!」

 

しかし我武者羅な突進が当たるはずもなく難なく回避され、2人のISライダーはショットライザーに装着されたプログライズキーのスイッチを押す

 

JUMP!

DASH!

 

待機音が流れるとオレンジのライダーはマギアの周りを走り、黒いライダーが跳躍するとショットライザーを抜きトリガーを引く

 

RUSHING BLAST!

KICKING BLAST!

 

ラッシングブラスト

 

キッキングブラスト

 

黒いライダーはマンモスマギアを蹴りながらショットライザーを撃ち、オレンジのライダーはマギアを囲うように走りながら連射しする

 

「「ハァァァァッ!」」

 

黒いライダーの蹴りとオレンジのライダーの最後の弾丸が同時に命中し、マンモスマギアは爆発した

そして変身者だった女性を拘束したライダー達は変身を解除し、工場の捜索を始めた

資料を手に取った銀髪の少女がオレンジ髪の少女に尋ねる

 

()()、この資料なんだが……」

「ん?……うわ、これ全部契約リスト?ざっと見ただけで100はあるよ……()()()ちゃんのお手柄だね」

「そうか?……だが、100も居るとIS委員会の上層部も絡んでそうだな」

『だろうね。女権といい腐った組織だなァおい』

「いずれはIS委員会も一新されるだろうね。腐った奴らが多過ぎる」

「それにしても…ん?」

「この【R】って組織なんだが……」

「ん?……うわっ、他の契約先と数が全然違うね、10倍?20倍くらい?なんなのこれ……」

「わからんが、この組織は要注意だな」

「間違いないね」

 

オレンジ髪の少女……未来と銀髪の少女……ラウラは証拠となり得るものを回収し、去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

「所で今日は()()()ちゃんが実家に帰る日らしいけど見送った?」

「聞いてすらないんだが!?」

「ありゃりゃ」

『クロエ様のスケジュールに載ってはいませんでした』

「くそう……」

『ま、次回こそもっと長くいれるように言っとこうぜ』

「そうだよー」

 

いつの間にか帰っていた姉にショックを受けたラウラを未来と雷がラウラを慰めていた

 

そして帰ると直属の上司から「2人ともIS学園に入れ」と言われるのは別の話……




用語解説

I.S.M.S

INFINITE STRATOS MANAGEMENT STATIONの略
不法なISやそれに付随するものを取り締まる機関、ラウラと未来はとある経緯により束からISライダーを渡されている
また、世界でもトップクラスの権限を所有しており、場合によっては国家より優先される場合すらある

構成員

【戦闘部隊】
・刃未来/ISライダーバルキリー
・ラウラ・ボーデヴィッヒ/ISライダーバルカン

【IS研究所最高責任者】
・刃唯阿(未来の姉でありラウラと未来の直属の上司)



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Ep:20.5

ゴールデンウィーク編前日譚、はーじまーるよー


三人称side

 

「ああもう!ムカツクムカツクムカツク!」

 

女性権利団体本部、幹部である女性が苛立ちの声を上げる

 

「織斑一夏のヤツ……今も悠々と学園生活を送りやがってェ……!」

「機動部隊も()()()()()()()()()()()()()()()上に訳の分からないISモドキまで現れて……!」

「あの擬似ISもI.S.M.Sのせいで製造工場が抑えられた…!」

 

織斑一夏のこと、海上で消えたIS機動部隊の事、I.S.M.Sの事……それらが積もり積もった苛立ちであり、その苛立ちが爆発して、会議中にも関わらず苛立ちをぶちまけていた

 

「くそっ、どうすれば…!」

『迷っているね』

「だ、誰よ!」

 

男性に似た声が部屋に響き、咄嗟に全員そちらを向く

そこには白とライトグリーンで、【ライダー】という文字の複眼を付けたISライダーがいた

 

『私はウォズ、『R』の構成員と言えば……わかるかい?』

「R!?」

 

Rとは擬似ISを1番多く買っている組織であり、擬似IS産業の収入源だった存在だった

 

「Rの構成員がなんの用よ……」

『私達にとっても織斑一夏……いや、ISライダーゼロワンの存在はうっとおしくてね。君達に『処理』を依頼しに来た』

「幾ら払う」

『こんな時でも金か……まあ、そちらの言い値で構わないよ。それとコレは報酬の前払いさ』

 

そういうとウォズはストップウォッチに似たアイテムをテーブルに置く

その時計のディスプレイ部分には5本の角と紫のゴーグル、その奥には瞳があり、口は笑みを浮かべているかのように歪んでいた顔が描かれていた

その不気味なアイテムに気圧された幹部達は冷や汗を流した

 

「こ、これ、どう使えばいいのよ」

『上部のボタンを押して起動すればいい。あとは自然と力を使えるはずだ』

「そ、そう……」

 

恐る恐る、幹部の1人がアイテムを起動する

 

THOUSER……!

 

「え、な、なによ!?きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

アイテム…アナザーウォッチは幹部の手を離れ、独りでに中を浮き、起動した幹部の身体に入った

 

「な、なによこれ……!」

 

THOUSER……!

 

幹部は顔に5本の欠けた角の様なモノと見開いた目、胸部には青い装甲、背中には蛍光イエローのカブトムシの羽の様なものがあり、右腕は大きな槍と剣が一体化したような武器と一体化しており、左腕は千に近い数のプログライズキーの様なものが着いており右脚の太ももには【THOUSER】左脚の太ももには【20──】の文字がついた怪人になった

 

『素晴らしい、その力さえあれば織斑一夏など楽に殲滅出来るはずさ』

「これが、私…キャハハハハハ!」

 

完全に力に呑まれた幹部の狂喜の声が幹部達の耳に響いた



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Ep:21

三人称side

 

織斑家に帰宅した一夏と滅、滅は帰るなり掃除機を取り出す

 

「たでーまー」

「誰も居ませんね、千冬様もいらっしゃらないようですが……」

「千冬姉仕事あるらしいしな、しゃあないよ」

「なるほど……しかし結構汚いですね」

「時折掃除に来てもらってるらしいけど…やっぱ溜まるか……」

「では仕事に入ります」

「おうよ。じゃあ昼飯は任せろ」

 

一夏はキッチンを少し掃除した後に道中で買ってきた食材を使って料理をし始め、滅も掃除を始める

 

「よし、出来たぞー」

「こちらも終わりました」

「相変わらずはやいな」

「ありがとうございます」

 

一夏と滅は食事をし始め、完食すると一夏が皿洗いを始める

 

「ちょっち後で弾の所に行ってくる」

「何かあったのですか?」

「貸してた漫画返してもらってないから」

「なるほど」

 

そう言って一夏が五反田食堂に行くのを見送り、お茶でも淹れようかと思ったその時、呼び鈴がなる

 

「……誰でしょうか」

 

滅が扉を開けると一人の女性が居た

 

「あら……?」

「誰ですか」

「女性権利団体の久保よ。織斑一夏は居るかしら?」

「居ないですが」

「そう……じゃあ今織斑一夏が居る場所に案内してもらえる?」

「お断りします……アナタ、碌な事考えてないでしょう?」

「なんの事かしら?」

「大方一夏様の抹殺でもしに来たのかもしれませんが……残念な事に教えるつもりは無いですから」

「残念……なら」

 

THOUSER……!

 

久保はアナザーウォッチを起動した自らの体に埋め込む

 

「貴方自身に聞こうかしら!」

 

アナザーサウザーに変身した久保は腕の剣を振りかぶるが咄嗟に滅が後ろ回し蹴りを喰らわせ、仰け反ってしまう

 

「全く……碌な人間じゃないですね」

「うっさいわね……!」

「その力の出所は聞かなければなりませんが……」

 

STRONG!

 

「……変身

 

FORCE RISE

AMAZING HERCULES!

BREAK DOWN……

 

仮面ライダー滅 アメイジングヘラクレスになった滅は即座に掌底を久保に打ち込み、仰け反った所にヘラクレスの角を模したエネルギーのついた拳を叩き込む

 

「がはっ!?」

「如何なる理由があっても、貴方達の身勝手な価値観で私の主を測らないで頂きたい……!」

 

AMAZING DYSTOPIA

 

短期決戦で決めるつもり黄緑のエネルギーの溜まったかかかと落としを喰らわせる

 

滅  殲

 

アナザーサウザーの装甲が簡単にひしゃげるほどの威力の蹴りであり、そのダメージに耐えきれず爆散する……筈だったが

 

「……く、キャハハハ!凄いわ!効いてないわ!これなら勝てる!」

「なんてすって……?」

 

何故か撃破されず、久保はゼツメライズキーを取り出し、右腕の一体化した武器に翳す

 

BEROTHR……

Zestumerize key confirmed. Ready to break!

HACK RISE!

 

久保は大剣を振り下ろすと緑のエネルギー刃が飛んでくる

 

H A C K I N G

 

B R E A K!

    ©女性権利団体

 

滅は腕にエネルギーを纏わせエネルギー刃を撃ち落とし、アタッシュアローを構えたが……久保はいつの間にか居なくなっていた

 

「一夏様に警戒するように連絡をしなくては……。それと、あの怪人を倒す為のプログライズキーが必要です」

 

一夏に連絡をした滅は衛星ゼアにアクセスする

 

「あの怪人を撃破する為の力が必要です」

『わかりました。────検索、完了。新たなプログライズキー構築の為にアメイジングヘラクレスプログライズキーが必要です』

「アメイジングヘラクレスが?……わかりました。どうぞ」

 

衛星ゼアにアメイジングヘラクレスを渡した滅は一夏の元へと向かう

…その様子をウォズが見ていた

 

「アナザーサウザーの弱点になり得るアメイジングヘラクレスプログライズキーをどこかに預けた……。ふむ、外側に協力者が居る可能性がある……少し調べた方がいいかもしれない」

 

ウォズも白と黒の本を取り出し、ペラペラと捲る

そこからストールのような物が飛び出してウォズを包み、ストールが消えると忽然と姿を消していた

 

 

 

 

 



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Ep:22

三人称side

 

五反田食堂を後にした一夏は滅からアナザーサウザーの事を知り、警戒しつつ織斑家に帰ろうとする

 

「……怪人、か」

 

ISライダーも十分怪人寄りじゃないか……等と考えつつ歩を進めていると、不思議な感覚に襲われる

近くに無いはずのものが接近しているような…若しくは危険が迫っているような……

その感覚を不思議に思いつつ後ろを振り向くとそこにはアナザーサウザーが武器を構えており、咄嗟に横に飛んで回避する

 

「よけんじゃないわよ!」

「……なるほどな、お前が怪人か」

「怪人?……あぁ、この力の事ね?素晴らしいわよ……この力で殺される事を光栄に思いなさい!」

「お断りだ!」

 

何度も切り掛るアナザーサウザーの攻撃をひたすら避け、ゼロワンドライバーを装着、人気の少ない川の近くにまで走りライジングホッパーになる

 

プログライズ!

RISING HOPPER!

A jump to the sky turns to a rider kick

 

アタッシュカリバーを展開しアナザーサウザーの武器を防ぎ、バイティングシャークプログライズキーを装填する

 

FANG!

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

SHARKS ABILITY!

 

ライトブルーの鋸状のエネルギーがアタッシュカリバーの刀身に装着される

 

バイティングカバンストラッシュ!

 

「ハァァッ!」

「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」

 

一夏はアタッシュカリバーでアナザーサウザーをすれ違いざまに切り裂き、爆散した……が、まだも撃破されず、武器が爆炎を吸収する

よく見ると武器にはゼツメライズキーが装填されており、それを使い爆炎を吸収したと思われる

 

MAMMOTH……

Zestumerize key confirmed. Ready to break!

HACK RIZE!

 

そしてその火炎を一夏に打ち出す

 

H A C K I N G

 

B R E A K!

    ©女性権利団体

 

「なっ……アッツ!」

 

咄嗟に後ろに飛ぶが火炎を突っ切り、アナザーサウザーが突進してくる

 

ARSINO……

Zestumerize key confirmed. Ready to break!

HACK RIZE!

 

「また……!」

 

H A C K I N G

 

B R E A K!

    ©女性権利団体

 

「これでも喰らえッ!」

「ガハァッ!」

 

一夏は武器から生えてきたV字型のエネルギーをまとった武器による突進に跳ね飛ばされ、手摺に身体を打ち付ける

一夏はゼツメライズキーを使い戦うアナザーサウザーを見て思わず呟いてしまった

 

「なんだよそれ……まるでゼロワンみてえじゃなねえか……!」

 

外見こそサウザーであるが、ゼツメライズキーを使い多彩な技を発動する様は一夏や滅に近く、ゼロワン系列の力を流用して作ったのではないか……とすら考えてしまう

 

「ふん、織斑一夏のゴミとこの力を一緒にされるなど屈辱だな……!」

 

そう言い、武器を振り上げるアナザーサウザーだが、咄嗟に一夏はゼロワンドライバーに装着されたプログライズキーを再度押す

 

RISING IMPACT!

 

そして振り下ろされる武器に向かって不安定な1からだが、蹴りを放つ

 

インパクト!

 

しかし不安定でこそあるが命中、武器に装着されたゼツメライズキーが抜け、一夏の手元に転がる

 

「これでなら……!」

 

一夏は咄嗟にゼツメライズキーをアタッシュカリバーに装填する

 

ARSINO……

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

ZESTUMETSU ABILITY!

 

そのテクノロジー自体は束由来のプログライズキーに近い物となっている為か、アタッシュカリバーがプログライズキーと誤認し、V字型エネルギーがアタッシュカリバーに装着される

 

「これで、どうだ!」

 

ゼツメツカバンストラッシュ!

 

「あぁぁぁぁっ!?」

 

振り下ろされた斬撃はアナザーサウザーを爆散させるには至らなかったモノの、1番手応えがあり、アナザーサウザーをぶっ飛ばすことに成功する

 

「な、なめるな!まだゼツメライズキーはあ……ん?」

 

アナザーサウザーが叫ぼうとした時、なにか違和感を感じたのか自らの胸あたりを触り始める

 

「な、なによ…?……ああもう!なんなのよ!」

 

違和感の正体は不明であるが、それにすら憤りを感じ、適当に選んだゼツメライズキーを装填する

 

KUENEO……

Zestumerize key confirmed. Ready to break!

HACK RIZE!

 

「さっさと死になさいよォォォォッ!!!」

 

H A C K I N G

 

B R E A K!

    ©女性権利団体

 

半ば錯乱したようにも見えるアナザーサウザーが、武器を振るうと、剣にもブーメランにも見える武器型エネルギーが飛ばされ、不規則な動きで一夏を攻撃する

 

「ぐはぁっ!」

 

3発目となれば流石に耐えきれず変身解除してしまい、アナザーサウザーは一夏を突き殺そうとするように突進する

 

「くっ……!」

 

しかし

 

「我が主に何をするつもりだ……!」

「ガハァッ!?」

 

アナザーサウザーを横から弓が攻撃し、横転させる

 

「一夏様、遅れました」

「いや、すまない。ありがとう」

「いいえ、私は織斑家の家政婦です。主に何かあってはなりません。なったとしたら私の責任ですので」

「そ、そうか?」

 

困惑する一夏を下がらせ、フォースライザーを装着、新たなプログライズキーを取り出す

独自の形をしており、金色のコーカサスが描かれている

 

BREAK HORN!

 

そしてフォースライザーに装填すると金色のコーカサス型ライダモデルが現れ、空中を飛びまわる

 

FORCE RIZE

the golden soldier HOROBI is born

BREAK DOWN……

 

アメイジングヘラクレスのようにライザモデルが背中に止まり、アーマになって装着される

基本的な姿はアメイジングヘラクレスに告示しているが、色が金になっており、両腕の角の長さが均一になり、右脚にも角が生え、頭の角も3本に増える

 

「なっ、なによそれ!」

「さぁ?なんでしょうね?……私もわかりませんが」

「ふ、ふざけんな!」

 

アナザーサウザーの斬撃を素手で掴む滅、そのまま拳をアナザーサウザーを叩き込む

仰け反るアナザーサウザー、だが両拳を連続で叩き込み追撃したあと、右脚で飛び蹴りを放つ

 

「ぐはっ!な、なんで!なんでこんなに痛いの!?なんなのよ!」

「別に知る必要は無いですよ……ここで負ける貴方には」

 

そう言うと一瞬で背後に回った滅が掌底を打ち込む

 

「げばっ!」

「では……ハァァァッ!」

 

フォースライザーを再展開する

 

AMAZING DYSTOPIA!

 

アナザーサウザーを両拳で殴りつけ、左アッパーを叩き込むと一夏が使っていたアタッシュカリバーを手に取り、全力投球、胸部に刺さったアタッシュカリバー目掛けて飛翔し、落下の勢いを使いライダーキックを叩き込む

 

滅  殲

 

「ま、まだよ……ッ!?」

 

その衝撃で地面に叩きつけられたアナザーサウザーだが、爆散せずに立ち上がろうとする

しかき突然苦しみ、悶え始める

 

「おやおや、ついに限界が来たみたいだ」

「がはっ、ぎゃぁぁぁぁっ!ぁぁぁぁっ!!!」

「残念ながら君に与えたアナザーウォッチは壊れてしまいそうだ」

 

突然現れそう言い放つウォズ

 

「どういう事よ……!」

「アメイジングヘラクレス、アルシノの力を直接受けてアナザーウォッチに罅が入っていた……そこにアナザーサウザーの片割れとも言えるアメイジングコーカサスの力を直接受けたせいでアナザーウォッチが壊れるんだよ。安心したまえ、君の組織は無事さ……いや、無事()()()さ」

「お前誰だ!何を言ってる!?」

「失礼、織斑一夏。私はウォズ……彼等に君の抹殺を依頼したものさ、結果はこのザマだがね」

「なっ……!」

「ペナルティとして女性権利団体は私の組織が壊す。そのパーティがテレビに放映されるはずだ。楽しみにしたまえ!ハハハハハハッ!」

「ふ、ふざけんな!」

 

一夏が殴り掛かるがストールがウォズを包み消え、一夏の拳は空を切る

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

その直後、アナザーサウザーは爆散し久保は気絶、罅が入ったアナザーウォッチも地面に落ちると粉々に砕けてしまった

 

 

 

その夜、いきなりテレビがジャックされ、全世界に女性権利団体が壊される様が描かれていった

 

惑星のようなエネルギーが建物に墜落し、サメやクジラ、オオカミウオのようなエネルギーが辺りを食い散らかす。

キカイの軍団がISを破壊し、胸部にドーベルマンのようなモノが意匠として着いたISライダーが球状のバリアを貼り攻撃を防ぎながら赤と青のエネルギー弾がISを蹴散らす

 

そうして1つの建物が原型すら保てずに廃墟と化し、辺りには重傷のIS乗り達が横たわっていた

 

この事件はニュースで連日放映され、ゴールデンウィークが明けてもなお、議論されて言った




アナザーサウザー

身長 204.2cm
体重 99.1kg
特色/力 サウザントジャッカーに似た武器の使用/ゼツメライズキーを使った技の使用

備考 01 STRATOS世界には存在しない仮面ライダーサウザーの力を使ったイレギュラーなアナザーライダー




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Ep:23

書き溜めなくなったんで更新速度落ちまーす


IS学園に繋がる橋を渡る護送車が居た

中では1人の少年と複数人の警護がおり、警備対象である少年は車の中ビクビクしながら辺りを伺っている

 

「(どうしてこんなことに……)」

 

少年は2()()()()()()I()S()()()としてIS学園に入学する事になっており、彼の役割は自分の所属する企業の為に一夏のISライダーの技術を手に入れる事だった

男性として入学する事で一夏と接近しやすく、迅速にISライダーのデータを入手することが出来ると踏んだからである

実際その通りではありそうだが、少年には気が進まない理由があった

 

「(よりによって……I.S.M.Sの人達と一緒に入学なんて……!)」

 

最悪にも程がある

I.S.M.SはISテロの鎮圧やIS関係の不法行為を取り締まる組織ではあるが、個人個人の戦力が可笑しく、今の少年が勝てるはずのない組織である

IS学園でバレれば企業も一緒にに死ぬというのに何故入学させたのか、それがわからなかった

 

「(どうしよう……)」

 

どう転んでもいい未来など来ない、迫り来る絶望に顔を青ざめさせていた

 

 


 

 

IS学園1年1組の専用機持ちを除く生徒達はGWも明けてISに関係する会話をするかといえばそうではなく、微妙な表情である一点を見つめていた

 

「一夏様、転入生の話ですが……」

「ねーねーおりむー♪」

「わるい本音さん、少し滅と話をしてからでいいか?」

「いいよー?」

「ありがと。で、なんだ?」

「実は──」

 

そこに居るのは一夏と、一夏にべったりな本音であり、何故か一夏は本音を下の名前で呼んでいた。専用機持ちはそんな一夏達に特に何かを言う様子もなく一夏と会話をしている

GWに入る前までそんな雰囲気を出していなかっただけに生徒達を困惑させていた

 

「ね、ねぇ……」

 

そんな生徒達を代表してか鷹月が一夏達に話しかけた

 

「鷹月さん、どうかしたか?」

「そ、その……のほほんさんと織斑君、明らかに距離近付いてるよね?」

「そんな事ないよー?」

「いやそんなことあるって!GW前と比べて明らかにくっついてるじゃん!」

「ほろほろ、そう思う〜?」

「いえ、別にそうは思いませんが、でしょう?箒様」

「いつも通りだろ。膝に乗らないだけマシだ」

「えぇ!?」

 

実はゴールデンウィーク中、箒、本音、簪は一夏家に2日ほどお泊まりという形で来ており、その際に本音がベッタリだった為慣れたのである

 

「ふ、普通ってなに……?」

 

混乱する鷹月達……しかしすぐにチャイムが鳴り、真耶と千冬が教室に来た

 

「皆さんおはようございます。早速ですが本日から3人転入生が来ます!」

「内一人は男子生徒だ。仲良くするように」

 

叫びそうな予兆を見せたクラスメイト達を見た滅が机を強く叩く

 

「静かに、進行が遅れます」

「あ、はい」

「では3人共来てください!」

 

滅の言うことが最もだと黙るクラスメイト達、真耶が転入生達が教室に入ることを促すと未来とラウラ、そして金髪の中性的な男子生徒が入ってくる

 

「自己紹介をお願いします!」

「それじゃあ私から、いい?」

「いいぞ」

「大丈夫だよ……」

「よし、じゃあI.S.M.S(イスムズ)から来ました。刃未来です。ISライダー持ちなので織斑君や亡雷さんとは仲良くなりたいですね」

「ISライダー持ち!?」

 

クラスメイト達が驚く中、滅は冷静に未来に返した

 

「貴方が束様の言っていたバルキリーですか?」

「That's Right♪

 あと銀髪の子……ラウラ・ボーデヴィッヒさんとは恋人なので宜しくお願いします♪」

「「「えぇぇ!?」」」

 

驚くクラスメイトを他所にラウラも自己紹介を始める

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。I.S.M.Sに所属している。……これ以外には特にないな。ISライダーバルカンを持っている。織斑と亡雷とは是非とも戦いたい」

「んじゃあ金髪さんどうぞー♪」

「あ、うん……シャルル・デュノアです。2番目のIS乗りです。みんなとは仲良くなりたいから宜しくお願いします!」

 

返って来たのは沈黙で2泊置いてクラスメイトの歓喜の悲鳴が響く

 

「……お静かに」

 

滅は2度目という事で先程より強く机を殴り黙らせ、シャルルをじっと見た

 

「(ほっそりとした男性らしからぬ体付き、女性権利団体の崩壊が起きたことを考えてもニュースに1回も出てなかった事を考えると……女性ですね)」

 

と、ほぼ答えを得ていたが……

 

「(自分を男性だと思い込んでるタイプの方ですか……)」

 

ここに来て痛恨のミス、スパイではなく男性だと思い込んでるタイプの人だと解釈してしまう

しかし千冬達教師達も同様の解釈をしており、生徒を下手に傷付ける訳には行かない為、シャルルを男性として扱っていた

 

「(ば、バレてない……良かったぁ)」

 

滅どころか教師達にもバレている事を知らないシャルルは1人安心していた

 

 



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Ep:24

一夏side

 

ISライダー持ちか……滅は知ってるみたいだけど後で聞くべきだな……

 

「織斑、デュノアの面倒を見ろ」

「わかりました」

 

まあ男子生徒は俺しかいないしな、しゃあないか

 

「デュノア、とりあえずアリーナ行くぞ」

「あ、うん。わかった」

 

うわっ……

廊下がデュノア見たさで生徒が集まってる

ここまで人だかりが多いと苦労しそうだ……!

 

「織斑君にデュノア君だ!出会え出会えー!」

「やっば……とりあえずこっちこい!」

「えっ!?…きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

俺は素早く生徒達をすり抜け階段でデュノアをお姫様抱っこして手摺を滑り、生徒たちから大きく距離を取る

 

「デュノア、怪我とかはないか?」

「だ、大丈夫だよ!」

「んじゃ着替えるか」

「き、着替えるの!?」

「そりゃISスーツ着なきゃダメだからな。とはいえ俺はほぼ必要ないようなもんだけど」

「え?なんで?」

コイツ(ゼロワンドライバー)にはISスーツなしでもISスーツを着てるのと同じ状態で戦えるらしい」

「え、そうなの!?」

「そうらしいぞ。まあその代わりに基本的に飛行機能がオミットされてるらしいが」

 

まあ飛行機能はフライングファルコン、ヒッティングホーク、アメイジングヘラクレスで補ってるが……箒はどうするんだ?

 

「俺は先にアリーナで待ってるぜ」

「あ、うん。案内ありがと」

「気にすんなって、流石に右も左もわからない状態でほっぽり出すとかただの外道だろ」

「だ、だよね」

 

俺が先にアリーナに入ると滅が俺の方に来た

 

「一夏様」

「ん?なんだ?」

シャルル・デュノアは女性です

「は!?」

「お静かに、恐らくは自分が男性だと思い込んでる人です」

「お、おう……」

 

え、じゃあ俺女性の着替えを見かけたってことか?

 

「ですので教師達も気付いた上で男性として扱っていると思われます。じゃなきゃあんなおそま……いえ、下手な男装で騙せるとは思えないので」

「お、おう……」

「ですので一夏様もデュノア様を男性として扱って頂きたいです」

「わかった」

 

デュノアは男じゃなかったのか……同性の友達が出来ると思ったが、残念だな……

チャイムがなる少し前にデュノアがアリーナに入り、俺の隣に並ぶ

 

「織斑君」

「ん?」

「一夏って、呼んでいい?」

「……いいぞ?俺もシャルルって呼ぶけど良いか?」

「ッ!うん!」

 

一夏side end

 

 

三人称side

 

 

そして授業が始まり、千冬が1組の、真耶が2組の点呼を取る

 

「……全員居るな。これより1組と2組の合同授業を始める。オルコット、凰、刃、ボーデヴィッヒ。前に出ろ」

「わかりましたー」

「わかりました」

「えっと…」

「何をするのですか?」

 

緩い雰囲気の未来とラウラ、困惑したセシリアと鈴が前に出る

 

「凰とボーデヴィッヒ、オルコットと刃のペアで戦闘をしてもらう」

「なるほど……」

「まあISライダー2人って言うのはアレですもんね、わかりました。オルコットさん、どう動こう?」

 

作戦を立て始める2人、2分ほどして決まったのかセシリアと鈴はISを展開し、未来とラウラはショットライザーを装着する

するとラウラのみが強引にプログライズキーのロックを解除しようとする

 

「ふんぬぅぅぅ……あぁぁぁぁっ!」

「ちょ、アンタ何してんのよ!?」

ロッグを解除ずるんだ……!

「はぁ……?」

 

ラウラの奇行に未来を除く全員がドン引きしてしまう

 

「あー……ラウラちゃんは脳筋だからゴリライズしてからショットライザーに入れるの、少し付き合って?」

誰がゴリライズだ……!

「ラウラちゃんだよ」

 

しかし引いてない未来も呆れており、プログライズキーを掌でクルクルと回転させながら顔の横に持っていく

 

「あの、刃さん?」

「ん?どしたの?」

「ソレ、どうやってするんですか?」

「別にクルクル回転させるだけだよ?」

「え、えぇ?」

「I.S.M.Sには変人しか居ないのか……」

 

クセの強い2人に対して遂に千冬から変人認定をされてしまう

 

「「誰が変人ですか!?」」

「お前達だ!」

 

思わず叫んでしまう千冬だが、さっさとやれと促す

 

「それじゃ、いきますかー」

「久しいな、こうやってやり合うのは」

 

JUMP!

DASH!

AUTHORIZE!

 

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

KAMEN RIDER……

 

何時ものように待機音が流れるとラウラは銃を抜き、上に銃を向けると下げ始める

未来はオーソライズと同時にプログライズキーを展開し、トリガーに指をかける

 

「「変身!」」

 

SHOT RIZE!

 

弾丸が放たれると不規則な軌道で飛翔し、2人に迫ると前回同様にラウラは弾丸を裏拳で殴り、未来は弾丸が来るのを待つ

そして弾丸がバラバラになり、装甲になり装着される

 

KICKING RABBIT!

RUSHING CHEETAH!

The kick breaks even the giant rock

Try to outrun this demon to get left in the dust.

 

「ホントにISライダーなんだ……」

「銃を使って変身するのですか……」

「(どうしよう……な、なんで転校生がISライダーなの!?)」

 

バルカンとバルキリーになった2人を見て2人は感想を呟き、シャルルは顔を青ざめさせる

 

「それでは模擬試合……はじめ!」

 

ここで奇妙な組み合わせの戦闘が始まった

 

 

 



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Ep:25

三人称side

 

龍砲の砲撃音とショットライザーの銃声、この2つが戦闘の始まりを告げた

ラウラは自分目掛けて飛んでくる弾丸をラウラはライジングホッパーと同レベルの跳躍力で回避し、未来もまた並外れた脚力を利用し龍砲の攻撃を避けた

 

「避けられた!?」

()()()()!」

 

ラウラの一言は未来が龍砲を回避出来た理由を的確に当てていた

龍砲は空気を圧縮して放つ空気砲の様なもので、故に弾丸は不可視、通常ならば回避は出来ない

しかし鈴は視線の対象に向けて攻撃を発動する為、未来の事を見ていたので攻撃をするであろう事は容易に想像が出来た未来は開始と同時に回避をしたのだ

 

「なるほど!」

 

再度砲撃をしようとした鈴だがセシリアのBTによる攻撃に阻まれ回避に徹する

しかしビームBTは2つ、残りの2つは何処かと探っているとラウラの方へと向かっていた

 

「逃げて!」

「大丈夫だ」

 

空中にいる為回避不能なラウラをビームBTが狙い撃つ

 

SHOT GUN RIZE!

 

が、ラウラも黙って喰らう筈もなくアタッシュショットガンを展開し銃撃を叩き落とした

 

「そんな!?」

「やるだろうとは思ってたけどね!」

 

未来が落下するラウラ目掛け超速で蹴りを放つ

咄嗟にアタッシュモードで蹴りを防ぐも弾丸の如き速度で飛んできた未来の勢いには押し勝てず、壁めがけて吹っ飛んでいく

 

「このまま──」

「させないわよ!スピードモード!

 

追い討ちを仕掛ける未来を翔龍となった鈴が防ぐも、スターライトMarkⅡを構えたセシリアがラウラに向かって銃撃を放つ

 

「ボーデヴィッヒさんはこちらに任せてください!」

「オーケイ!」

 

鈴の龍砲と双天牙月によるラッシュ攻撃をショットライザーで弾き、いなして行く

 

「中々当たらないわね………!」

「鍛えてるからねぇ」

「こっちはどうかしら?」

「あっ……くっ!」

 

十数回切り結び、未来が双天牙月を蹴り上げて銃撃をしようとすると鈴の龍砲が火を噴く

咄嗟にガードし防いだ未来だが二門の龍砲から放たれる攻撃を防ぎ切る事は出来ず土煙を上げながら後退していく

 

「完全に注意の外だった……」

「ようやく当てられた……」

 

漸く与えられた一撃だがそれ以上の決定打を与えられない

未来は横に移動しながらショットライザーを鈴に向け乱射する

双天牙月で致命打になり得る攻撃は叩き落とし、反撃で龍砲を放つが走力に優れた未来のサイドステップを前には命中しない

 

「はやっ…」

「さっきの1発以外貰ってないよ?」

「言ってくれるじゃない……!」

 

未来の挑発に乗った鈴が双天牙月を大きく振りかぶるが、それを狙っていた未来は鈴に近付くと何かを装甲の厚い部分に押し当てる

 

Progrise key comfirmed. Ready to utilize

CHEETAHS ABILITY!

ラッシングカバンショット!

 

「ぐはっ!?」

「ぐぅ……!」

 

ゼロ距離でアタッシュショットガンのエネルギー弾を諸に喰らった鈴はSEが一瞬で枯渇してしまった、が、未来もその反動で10数メートルほど吹っ飛んでしまった

 

「いったぁ……つかアンタもアンタで吹っ飛んでんじゃない…」

「そーゆー武器だしねぇ……頭悪い火力だよ……」

 

未来がそう言った時、セシリアとラウラの戦闘も終わっていた

 

 


 

 

4つのBTを使って優位にたっているように見えたセシリアだが、すぐに不利になった

ラウラはその並外れた……ライジングホッパーと同レベルの跳躍力によりBTの攻撃を受けながらも突っ切り、ゼロ距離にまで接近した

 

「くっ…」

 

この距離での銃撃は無意味だと確信したセシリアはスターライトMarkⅡを仕舞いインターセプターを取り出し袈裟斬りを放つ

 

「ふん!」

「なっ!?」

 

しかしラウラは空中で体を捻ることによって斬撃を躱し、更にセシリアに向けて蹴りを放つ

 

「ぐぅ……!?」

 

一夏と同レベルの跳躍力、つまり、一夏と同レベルのキック力を保有するラウラの蹴りはセシリアに突き刺さり大きく後ろにぶっ飛ばされてしまう

しかし地面に追突する寸前に急ブレーキをかけ、地面に上手く着地をする

ラウラも空中で姿勢を整えて着地し、

 

「この蹴り、一夏さんと同じ……!」

「ほう?織斑一夏とか……。なるほど、ライジングホッパーと同威力というわけか」

「えぇ……。ん?一夏さんのキック力をご存知で?」

「I.S.M.Sの情報網を舐めるなよ?」

「なるほど!」

 

セシリアはBTを仕舞いスターライトMarkⅡを取り出す

 

「その攻撃は効かない!」

「えぇ、ですわね……だから!」

「な……ぐぅっ!?」

 

再度跳躍したラウラをスターライトMarkⅡをバットのように振るう事で顔面から横殴りし、墜落させる

 

「ライフル使いがそんな事するか!?」

「ちょっと常識外れな真似をしようと思っただけですわ!」

「イカレ貴族め!」

「お互い様ですわ!」

 

そしてショットライザーのプログライズキーのボタンを押そうとした瞬間、セシリアがラウラの腕を掴む

 

「なにを!?」

「一夏さん達もそうですが技を使うには特定のプロセスを挟む必要があります。あなたの場合はその武器に装填されているプログライズキーのボタンを押すこと!」

「ちぃっ!」

 

なんとか振りほどこうとするラウラを抑えつつ6基のBTがラウラを狙う

 

「自分も巻き込むなんて正気か!?」

「いいえ!()()()()()()()()()()!」

 

その鋭い言葉と共にセシリアが離れ、瞬間全BTが火を噴く

 

「ぐぉ…ぐぅぅぅ!!」

 

余りの火力にラウラのSEは目に見える速度で減少していく

 

「堕ちなさい!」

「お断りだ!」

 

そしてBTからの猛撃を受けていたが、セシリアは情け容赦なくBTを撃ち続ける

 

パンチングカバンショット!

 

ビームの中から放たれたゴリラの腕のようなエネルギー弾を喰らいBTが止まる

 

「ぐぁっ!?」

 

その隙を逃さずラウラは爆煙を突っ切るように現れショットライザーに装填されているプログライズキーのボタンを押す

 

JUMP!

 

「ハァァァ!」

 

KICKING BLAST FEVER!

 

そしてライフルのような速度でスターライトMarkⅡを構えようとするセシリアに蹴りをお見舞した

 

キッキングブラストフィーバー!

 

セシリアのSEは完全になくなり、地面に転がる

 

「あ、貴方もアタッシュウェポンを……?」

「まあ、な」

「……お疲れ様、ラウラちゃん。織斑先生、試合続けます?」

「いや、結構だ。時間も少し押してきてる」

「わかりましたー。それじゃあ凰さんとオルコットさんはSEを補給してね?」

「わかったわ」

「わかりましたわ」

 

2人がSEを補給し戻った後に千冬が話し始める

 

「では今から専用機持ちをリーダーにして、ISに実際に乗って貰う。織斑、亡雷、篠ノ之は今回打鉄を使ってもらう「織斑先生」なんだ?篠ノ之」

「まだ私は未熟故、一般生徒に教える事は出来ないです。一般生徒と同じ扱いにして下さい」

「わかった。それと……織斑とデュノアの所に集まったら、わかっているよな?

「『わ、わかりました!』」

 

そして各々が専用機持ちをリーダーとして授業を始めた

 

 

 




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鈴は弱くないです
ISライダーで頭脳派の未来とは極端に相性が悪いだけで


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