ナギの親友物語 (バター)
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1話

「いい加減にせんか!」

「嫌だね!」

「俺は悪くない!」

 

ここはイギリスのウェールズにある魔法学校、そこで二人の子供が校長怒られていた。

一人は凄まじい魔力を持ってるが魔法の呪文を一向に覚えようとしない、赤毛の男の子。その名もナギ・スプリングフィールド

 

もう一人は此方も凄まじい魔力を持っている、此方は一生懸命呪文を覚え様としているが覚えられないと言う不憫な男の子、その名もアレン

 

この二人、いやもっぱらナギは何時も問題を起すのでよく校長に怒れれている

まぁアレンの方も呪文を覚えられなくてバカにされた腹いせに色々やってるのだが、だからこの二人は校長の有り難いお説教中に仲良くなったのだ。

 

「お前達二人はどうしてちゃんと勉強しない?お前達は普通の魔法使いでは絶対に手に入らないほどの魔力があると言うのに」

「覚えたくて覚えられない」

「アレンに同意」

「うぅぅ~」

 

二人のあんまりな返答に思わず校長も頭を抱えるしまつ

「だがナギどうして先生を殴ったのじゃ!」

そう、こんかい校長が呼んだのはこの事である、なんとナギ君アレン君魔法先生を思い切り殴り飛ばしたのである。

だが之には理由がある、二人がいつもの用に模擬戦をしてると一人の先生がこう言って来た。

 

「ふん、呪文もろくに覚えてないゴミ共が」

この先生何時も何かと二人に嫌味な事を言ってるのだが、適当に無視して来た、だが偶々二人の機嫌が悪かったそして先生は全治半年と言う大怪我を負う事になった

 

「「あいつが、アレン・ナギを馬鹿にした!」」

「お前達の言い分はよく分る、だが今回はやり過ぎだ。下手をしたらお前達二人とも停学、悪くて退学だぞ?」

いくら向こうが先生とも言えないような奴でも全治半年はやり過ぎた普通ならそく退学なのだが、学校側もこの二人も手放したくないのか停学に留め様としている。

 

「なら」

「俺達が止めます」

そんな学校の思惑も無視して、二人は辞めると決意した。

もともとナギ君は学校で勉強するより、魔法をバンバン打ったりする方が好きであまり学校は好きではなかった。アレン君の方は半分やけくそと気分とナギ君に付いて行くと言う理由がある。どちらも中々の不良生徒である。

 

此処からの行動は早かった校長の止める間もなく二人は校長室を飛び出した。

目指すは面白い所、そして呪文を書いておける紙を入手する事の二つである、ではそろそろアレン君の視点で話を進めよう

 

 

「と学校を飛び出したのは良いけどどうする?」

校長室を飛び出して早半日現在森の中で動物を食べながらの作戦会議中

「う~ん、どうしよ?」

やつぱり、何も考えてなかった、いや俺も考えてなかったけど、だが折角あの学校から出れたのだ、色んな所を見て色んな魔法を覚えたい

「あ!“魔法世界”だ!」

俺がこれからの道筋にワクワクしてるとナギが思い出したようにそう言った、“魔法世界”此処とは別の場所にある世界そこではドラゴン、亜人、魔法使い、とありとあらゆる生物がいるとか。

 

「確かにそこなら良いかもな」

「だろ!そうと決れば早速明日の朝から出発だ!」

ナギがうれしそうな顔で言うのだが問題が多々あるまず一つ

「お前行き方知ってるか?」

「へ?」

「分った何も言うな」

幾らなんでも行き成りすぎたか?なんにも考えて無かった・・・はっ!

「思い出した!あの校長の友人が日本とか言う場所で学校やってるんだ!」

「また学校に行くのか!?」

ナギが嫌そうな顔で聞いてきた

「違う違う、その校長なら魔法世界への行き方知ってるかも知れないだろ?」

「おお!流石アレン!そんじゃ明日はその学校に行こう!場所とか分るのか?」

「場所は分らないけど名前は確か・・・“麻帆良”だ!」

名前さえ分っとけば後は人に聞くなりして何とかなるだろ

「麻帆良行くぞ!」

「おおお!!」

これから何にも分らない場所に行くのに不思議と不安は無かった、いやあったのかも知れない、でもナギと一緒に行く冒険が楽しみすぎて考えてなっかた。

 

 

 

 そんなこんなで時間は飛んで魔法世界の何処か、俺とナギは仲間が出来ました。ついでにお師匠様も出来ました。

 剣術の達人、青山詠春、重力魔法が得意なアルビオン・イマ、この4人で俺達は魔法世界で起こってる戦争に参加している。

 

「くっそ!」

 「遅かったか」

 今魔法世界はヘラス帝国とその他の連合の戦いの真っ最中、始めこそは小さな紛争だったのが。今や魔法世界全土の大戦争!しかしなぜ小さな小国であるヘラス帝国がこんなに強いかと言うと。

 「黄昏の姫御子・・・なんだってそんなもん!?」

 今ナギが言った「黄昏の姫御子」この子の能力が強い。「魔法無力化能力」自分に有利な魔法以外全て消す。この能力のおかげでヘラス帝国は連合と戦ってるのだ。

 「歴史と伝統だけが売りの小国に他の手は無いでしょう」

 「手は無いからって!いいのかよ!?」

「そうだ!しかも王族だろ!?まだ小さな女の子だって話も聞くぜ」

「小さな女の子を戦争の道具に利用しるなんて可笑しいだろ!?」

「冷静になれ、ナギ、アレン」

俺達の態度を見て詠春が声をかけてくる。

 「戦争ですからね・・・向こうの真の目的も恐らく、少女の年齢も私同様見た目道理とは・・・」

「くそっ!」

「可笑しいだろ!!戦争だから許されるのかよ!!ふざけんな!!」

俺達が飛んでいると建物が見えた、あそこに「黄昏の姫御子」がいるんだな。って!やばい!鬼神兵が!

「あっ!おい!アレン!」

間に合え!!鬼神兵が建物に手を駆ける寸前、鬼神兵の手を吹き飛ばす!!

「じゃまなんだよ!消えろ!契約に従い(ト・シユンボライオン)、我に従え、炎の覇王《ディアーコネート・モイホ・テユラネ・フロゴス》。来たれ、浄化の炎《エビゲネ-テートーフロクス・カタルセオース》、燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)。燃える天空《ウーラニア・フロゴーシス》!」

 手を吹き飛ばされた鬼神兵と周りに居た奴もまとめて消すズミにしてやった。それにしても

「・・・ひでぇことしやがる」

俺の目の前には手を鎖で縛られた女の子がいた。

「おいアレン!先に行くなよ!」

「お・・・お前達は!紅い翼!・・・・千の呪文の!」

「そう!!ナギ・スプリングフィールド!!またの名をサウザンドマスター!!!」

俺達に気付いたのかフードを被ったおさっさんが慌ててる。ナギはカッコよく良く名乗ってるが・・・

「え~と,百重千重と重なりて走れよ稲妻《ヘカトンタキス・カイキーリアキス・アストラブサート》千の雷《キーリプル・アストラペー》!!」

ナギがアンチョコを懐から取り出して雷系最大の魔法を放った。ナギの放った間魔法はこちらに近づいている敵を薙ぎ払った。他の敵も詠春に斬られたり、アルの重力魔法で薙ぎ払われた。

「おお・・・」

俺達の活躍を見ておさっさんがおどろいている。

「安心しな、俺達が全て終らせてやる」

「敵に数を見たのか!!たかが4人で何が出来る!!?」

「俺を誰だと思ってやがる!俺は最強の魔法使いだぞ!」

「本当は俺のほうが強いけどな」

ここはナギに花を持たせてもいいが、やはりここは譲れない。

「何だと!アレン!もう一度いってみろ!」

「あんちょこ見ながら呪文唱えてるのですから仕方ありませんね」

どこからからか現れたアルがそんな事言ってきた。そうだぞ!ナギ!俺なんて頑張って二、三個は覚えたぞ!

「あーあーるせーよ。中退なんだから仕方ないだろ」

「俺も中退だぞ?」

「それに・・・あなた個人の力がいかに強大であろうと世界を変えることなど到底・・・」    

「るせーっつってんだろ、アル、俺は俺のやりたいよーにやってるだけだバーカ」

「それにナギ一人じゃないぜ!俺もいるし」

「頼むぜ、アレン!」

「おう!まかしとけ!」

「まったくお前らは・・・」

詠春が頭を抱えて戻ってきた。

「それにしても・・・名前言えるか?」

「ナ・・ナマ・・・?」

女の子の手に縛り付けられている鎖を壊さして、女の子に顔が見えるように屈み込むとますます嫌な気持ちになった。女の子の目はなにも写して無かったのだ。口からは血が流れてる・・・

「おい、アレン・・・漏れてるぞ」

「ああ、悪い」

どうやら殺気がもれてた様だ。

「アスナ・・・アスナ・ウェスペリーナ・テオタナシア・エンテイフュシア」

「な・長い名前だな・・・アスナちゃんでいいか?」

アスナちゃんは気に入ってくれたのか、小さく頷いた。

「いくぞ!アル!詠春!ナギ!相手は雑魚だ!さっさと終らすぞ!」

「はいはい」

「おい!俺がリーダーだぞ!アレン!聞いてんのか、おい!」

「雑魚でも数はシャレにならんぞ」

 



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2話

戦争介入をして早数ヶ月アスナちゃんと会ってからまたまた時がたった。

「お――い!詠春~まだ食えないのか?」

今晩の晩御飯は詠春が居た旧世界の故郷料理“鍋”である

「うん?ああもう良いぞ」

「じゃ、早速肉を~~♪」

ナギが待ってましたとばかりに肉を入れだした。

「あ!?お前・・・ナギなんで先に肉を入れてるんだよ!?」

「トカゲ肉は旨いかの?」

「いや、流石に不味いでしょ」

ナギの行動に詠春が文句をつける中、お師匠様が凄い事を言ってたので取り合えずツッコンでおく

「ふふふ、詠春知ってますよ、日本では貴方のような人を“鍋将軍“と呼ぶんですよね」

ナ、ナベショウグン!?なっ!なんてカッコいいんだ!!そしてなんて強そうなんだ!!

「詠春!お前凄いな!ナギここは詠春に任せよう!」

「おう、そうだな」

「ふむ、同意じゃ」

俺の意見にナギもお師匠様も快く了承してくれた

「う、う~ん、なんだか違うような気がするが」

なんだか詠春が嬉しそうじゃないが、気のせいだろ

「よし!出来たぞ!」

「「よっしゃ~!!」」

俺とナギは待ってましたとばかりに鍋の中の肉を食べた

「うめぇ!なんだこのソース!?」

「うむ、本当にうまい」

「これは日本が誇るソース!その名もしょうゆだ!」

しょうゆ?ああ確か日本でも食べたな。だがナギは覚えて無いらしく詠春にツッコミまれてた。

 

「姫子ちゃんにも食わしてやりたいな」

・・・・アスナちゃん

「あの子どうしてるかな・・・」

「姫子ちゃん・・・?ああ、オスティアの姫御子のことじゃな?」

「まぁ、この戦争が終れば彼女を自由に出来ますよ」

「終ればか・・・」

「その戦だが・・・やはりどうにも不自然に思えてならん」

「詠春の言葉には俺も同意意見だ」

「何が?」

俺と詠春がシリアスモードで話しているとナギがバカ顔で聞いてきた。

「なにもかもだよ、お前が言い出したんだろが、鳥頭」

「違うぞ詠春!ナギは覚えるのが苦手なだけだ!そして馬鹿なだけだ!」

「アレン、あなたの方が酷いこと言ってますよ~?」

 

!?俺達が鍋を楽しく食べていると、行き成り剣が突っ込んできた!?あっ!でも具は勿体無いので全部落ちる前に回収しますた。詠春以外は・・・

詠春は鍋を気にしていて剣に気付かず鍋を頭から被ってしまった。あれ絶対熱いよな?

「食事中失礼~~~~!!!俺の名前はジャック・ラカン!!やろうぜ!!」

ラカンと名乗る男は開口一番そんな事をほざいて来やがった。

「何じゃ?あのバカ」

「帝国のって分けじゃなさそーだな」

「おい!ナギ、お前肉取りすぎだぞ!少し分けろ!」

取る速さは負けなかったのに、野菜も取った性で肉をあんまり取れなかった。

 

「詠春~大丈夫かぁ~?」

普段の詠春なら大丈夫そうだが、この攻撃はなんだか精神的に来てそうだ。なにより完璧油断してたから大変だろ?

「ふ・・・フフフ・・・」

うっ、うわぁ~凄い怒ってるよ、鍋被りながら笑ってるよ!?これはあの筋肉死んだか?

「詠春――!!鍋早くしたいから早く倒せ!!」

「ああ、任しとけ」

「いっ!?」

気付いた時には詠春はラカンと剣の打ち合いをしていた。

「おお!詠春と打ち合ってるぞ!?」

「思い出しました、彼は確か最近名前が売れ出した傭兵でしたね」

ふ~んまぁ詠春には勝てないだろ、詠春なんか凄く怒ってるし、あっ!すげぇ~可愛い女の子達が出てきた!もしやお色気カプセル!

「やばいぞアル!」

「ええ、彼はどうやら詠私達の弱点を知ってるようですね」

って!負けたぁぁぁ!!お色気に惑わされない様に目を瞑った、その隙に狸の置物で!いくらなんでも目を瞑ったら駄目だろ。

 

「なぁ次は誰が行くナギ?ってあれ?」

さっきまで俺の隣で鍋を食っていたはずのナギが居ない

「ナギならあそこですよ」

「あ、れぇ~」

なんといつの間にかナギがラカンと戦っていた。

「出たな。情報その④.赤毛の魔法使いは弱点なし。特徴 無敵」

弱点無しとか。アンチョコ奪えば良いんだよ。たぶん

「おめぇた、こいつは俺がやる」

ナギがすごく良い笑顔でそんなことを言ってきた。またしても出遅れてしまった!俺もあの筋肉と戦いたかったのに!

「奇遇だな、俺も南じゃ無敵と滅法の噂の男だ」

会話もそこそこ当等戦いは始まった。まず先手を取ったのはナギだ!と思ったけどクロスカウンターでお互いの顔面を殴りお互い吹っ飛んだ。

だが直ぐ体勢を立て直しナギお得意の呪文を使った!

 

「百重千重と重なりて走れよ稲妻」

「大呪文かっ!」

筋肉もそれに気付いたのか防御に入るがナギのあれはどう考えても無理だろ?

と思っていた時期がありました。

「・・・・気合だけで受け止めたよ・・・しかもピンピンしてるし。どう考えても人間じゃないだろ」

「なるほど彼も貴方達と一緒でバグキャラでしたか」

「よせよ、アル照れるだろ」

「これでアンチョコ無しならどれだけいいか」

「確かに」

お師匠様は相変わらず厳しい、でも!ナギだって頑張ってるのだ!そこだけは分ってくれ!!

「さて、あの二人の戦いは時間がかかりそうので、詠春を回収して鍋の続きでもしますか」

「おっ!いいね~」

俺 も正直筋肉と戦いたいが今は鍋だな

 

 

 

爽やかな朝を告げる鳥の鳴き声が聴こえる早朝。ふぅ~やっと終ったか、なんとあの二人半日以上も戦っていたのだ!!半日も戦って引き分けとは中々タフじゃねぇか、あの筋肉

「終ったようですし、ナギを回収しますか」

「まったく時間を駆け寄って」

「何してる、早く行くぞ?」

「ちょっ!置いて行くなよ!

ナギ達が戦った場所は緑豊かな場所から焦土と見事な変身を遂げていた。

「フ、フフ、やるじゃねぇか小僧」

「あんたこそな」

何か友情が出来てるんだけど

「いや、4対1でこの有様じゃ俺様の負けだ」

「どんまい、筋肉ゴリラ」

「俺は・・・アレン以外に俺と互角に戦えるやつが居ただけで満足だ」

ああ、俺の言葉も無視されるし・・・俺も混ざれば良かった!悔しいです!

「そうか、お前は情報その⑤だな、今度はお前と戦いたいぜ」

「俺もお前と戦いたいぜ!」

最近は殲滅ばっかりで対等に戦える奴が居なかったから、こう言う奴が居るのは素直に嬉しい,

あっ、ナギが歩けないからアルに背負われてる。

「おい!ナギ・スプリングフィールド!!てめぇにも絶対リベンジするからな!!決着・・・つけてやる!!」

「おう!待ってるぜ!筋肉ダルマ!!」

 

そんなこんなでラカンが仲間になった、意味が分らないだろ?俺もなんだ、あの後ラカンは何かと俺達に絡んで来た。それで俺とナギが何時も相手にしてたんだが、いつの間にかラカンが俺達と行動を共にする様になって気がついたら・・・ラカンが仲間になった!!

びっくりしたので最後にも言っといた。

 



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3話

 ラカンが仲間になって少しして戦争が大きく動いた!帝国は痺れを切らしたのかとうとう大規模転移魔法を使って、連合の喉元全長二百キロに亘って屹立する巨大要塞「グレート=ブリッジ」をついに落としたのだ。これは流石に連合の負けかと思われたがそうは行かない!俺達が居るぜ!

「俺達をあんな辺境に追いやるからこんな事に成るんだよ」

「へっ!まぁそう言うなや」

俺の愚痴にラカンが答えてくるが、あのまま俺達が残っていればこんな事には成らなかったはずだ。

「アレン!始めにデカイの行くぜ!!」

ナギの言葉に俺は意識を切り替える。今はそんなこと如何でも良い。今大事なのは此処を取り戻す事!

「おう!合わせろよ!ナギ!」

「「千の雷/燃える天空!!」

俺とナギの魔法は帝国の敵兵を薙ぎ払った!!

「行くぜ!!野郎共!!」

 

 「グレート=ブリッジ奪還作戦」と呼ばれたこの戦いで<紅き翼>の知名度は更に大きくなった。

ナギは「連合の赤毛の悪魔」と恐れられ、味方には「千の呪文の男」と讃えられた。

あっ!ナギと俺のファンクラブが出来た!仲間も出来た!名前は何時もタバコは欠かせない、クールで渋い男。ガトウ、そのガトウの弟子のタカミチ。タカミチは俺達みたいに強くないがタカミチ少年探偵団なる物を作っていて、情報収集がすごい。

 

 

 

 「なぁアレン」

 「うん?どうした」

 丘の端から夕日を見ていたナギが話かけて来た。なんだか今のナギは様子が変だ。アル達もそれに気付いたのか黙っている。

 「俺達の故郷の旧世界じゃこんな大戦はもう起こらねぇそうだ。強力な科学爆弾が開発されてて、始まったら最後みんな滅んじまかららしい。」

 「あ~なんかそんなこと聞いたような」

 俺がまたまたボケ~と考えてるとナギがまた話し出した。

 「だが、こっちの戦争は何時終る?どっちかが滅びるまでか?やる気になりゃこの世界だって旧世界以上の大魔法はある!こんな事続ける意味無いぜッ!!これじゃまるで・・・」

 「まるで誰かがこの世界を滅ぼそうとしているかのようだ?・・・ですか?」

 アルがそんな事を言ってくる。世界を滅ぼそうなんて。なんて笑い飛ばす事が俺には出来なかった・・・俺もこの戦争はいくらか可笑しいと思っていたからだ。

 「アルの予想はそのとおりかも知れない」

 「ガトウ」

 「俺とタカミチ少年探偵団の成果が出たぜ、奴らは帝国・連合双方のかなり奥まで入り込んでいる。秘密結社「完全なる世界」だ」

 

 ところ変わって俺達が今居るのは本国首都なんでもガトウが合わせたい協力者が居るようだ。

 「良いかナギ!アレン!カラン!くれぐれも失礼の無い様にするんだぞ!」

 詠春が必死に言ってくる、俺は問題ない。問題があるのは、ラカンとナギだ!俺は関係ねぇ!

 「貴方もあの二人と大して変わりませんよ」

 俺の考えてる事が分ったのか、アルがそんな事を言ってくる。此処はぜひ否定したいが、よく考えてみると確かに変わらなかった。

 「アレン悲しい」

 「貴方がそんな事言っても気持ち悪いですよ?」

 「さっきから酷くね!?」

 なんだかアルが酷い・・・いや何時もか。

 「そろそろ時間だ」

 ガトウがそんな事を言うのと部屋のドアが開いたのはほぼ同時だった。そして入ってきたのは、渋い顔をした人だった・・・

 「誰?」

 「俺に聞くなよ」

 どうやらナギも知らないようだ、ラカンは当然知らないとして、詠春、アル、お師匠様は知ってるかな?あ、驚いた顔してる、これは知ってるな。

 「協力者は貴方だったのですか!?マ、マクギル元老員議員!?」

 嫌だからだれだよ!でも老員議員は知ってるぞ。確か偉い人だ!

 「いや、わしちゃう」

 じゃあ、本当に誰だよ!?ガトウも「えっ!違うの!?」みたいな顔してるし!

 「今回はあちらのお方だ」

 そう言ってマクギルが顔向けた方向にはフードを被った人がいた。また誰だよ・・・

 「ウェスペルタティア王国・・・アリカ王女」

 「まじかよ・・・」

 流石の俺も知ってる、本名アリカ・アナルキア・エンテオフュシア、ウェスペルタティア王国の王女だ。予想外の登場人物にアル達も驚いている。流石のラカンとナギもこの人は知ってるだろ。

 あ!ラカンが話しかけた。女王に話しかかえるなんて中々勇気があるな。

 「気安く話しかけるな下衆が」

 之はキツイ!流石のラカンもこれは落ち込むかな?アルに慰めて貰ってるし。

 「なぁ、アル、下衆ってなんだ?」

 まさかの下衆の意味が理解できないとは!恐れ入ったぜ!

 「こりはまた面度な人だな、ナギ。」

 「・・・」

 「ナギ?」

 ナギが俺の話を無視するので隣のナギの顔を見てみたらナギはアリカ姫の方を見て固まっていた。どうしたんだ?なんかラカンはその姿を見てニヤニヤしてるし。

 あ!ナギが話しかけに行った!おい!ナギ止めとけ!俺の願い空しくナギはアリカ姫に話しかけた。

 あれ?なんだ普通に話してるじゃん。なんだよラカンが失礼だっただけか?

 「しかしよ、ウェスペルタティアの王女ってことは」

 「アスナちゃんの姉ってことだろ」

 ラカンが言おうとしてる事は俺も予想が付いてる。

 「姫子ちゃんのことは・・・話しにくいみたいだった。」

 アリカ姫・・・巨大勢力に挟まれて翻弄された哀れな女王・・・自ら戦争を止めようとして、力及ばず俺達に助けを求めにきた。

 「俺はてっきりマフィアかなんかかが作った組織だと思ってたんだがな」

 「ええ、私もそう思ってましたよ、ですがこれは思った以上に根が深い・・・」

 流石のアルもお手上げの様だ。だが此処で諦める俺達じゃない!!休暇中に「完全なる世界」についてアル達が独自の内定を開始した。

 悔しいが俺とあのバカ二人は調査とか出来ないから、俺とラカンはバカンスを楽しんだ。

 ナギはナギで何時の間にかアリカ姫と首都で楽しんでいた。

 「まさか・・・こんな・・・」

 ガトウがなにやら資料を見て信じられないと言うような顔で頭を抱えていた。

 「よぉ、ガトウどうした?」

 「殲滅戦は任せろ」

 「完全なる世界」の数が多くて頭を抱えているなら任しとけ、そお言う時の為に俺達三人が居るんだ!

 「ああ、ラカン、アレン。ついに奴らの真相に迫るファイルを手に入れたんだが・・・」

 「おお!すげぇ!俺にも見せてくれよ」

 「いや、まだ確証が無い」

 「なんだ、そんな変なとこから手に入れた情報なのか?」

 「いや、情報ソースは確かなんだが・・・う~ん。信じていいんだか、悪いんだか」

 「んだよ!はっきり言えよ!」

 じれったくなったのかラカンがガトウに迫る。俺も同じだ!はっきり言えよ!気になるだろ!

 「それより今はこっちの方が深刻だ。この男にも「完全なる世界」との関連が出てきた・・・大物だぞ」

 そう言ってガトウが一枚の資料を出して来た。ラカンが先に資料を取ったのでラカンの背後から盗み見る。

 って!まじかよ!

 「今の執行官じゃねーか!!メガロメセンブリアのナンバー2までが手先なのか!?」

 こ、これは想像以上にやばい敵だぞ・・・

 「確証はないから外で話すなよ」

 俺達が思考の渦に入ろうとしたその時、町が大爆発をした!!

 「何だ!?」

 「まずいぞ!あの方向はナギとアリカ姫が居る!」

 

 

 

 「大丈夫か姫さん!」

 俺と姫さんが買い物をしていると行き成り敵が魔法を放って来やがった!なんとか姫さんは守ったが。

 「こんな町の中でデカイ魔法使いやがって!死人とか出てねぇよな!?」

とっさの事で町の人を守る余裕は無かった。くそっ

 「やはり今のは・・・」

 「やつらの刺客だろうぜ、アンタか俺どっちを狙ったかはしらねぇけど」

 反撃は出来なかったが追跡魔法をかけてやった。あとはそこに行って拠点を潰すだけだ!「姫さんは皆のトコ帰ってろ」

 行くぜ!ぐぇっ!な、なんだ!?飛ぼうとしたら姫さんが俺のマントの袖を掴んできやがった。

 「・・・私も行こう」

 ああ?なに言ってんだ?

 「ここに一人私を残すほうが危険だと分らぬか愚か者が、それに私の魔法は役に立つぞ?」

 「ハッ・・・いいぜ着いてきな!!」

 

 

 「・・・で、貴様はアリカ王女殿下を連れ回した挙句、敵本拠地を壊滅させて来たのか!!」

 ナギ達が襲撃された翌朝ナギは詠春にお説教されている、いいぞ!詠春!もっと怒れ!流石のナギも詠春の説教はキツイのか詠春と目を合わせ様としない。

 「姫さんだってノリノリだったぜ?」

 「嘘をつけっ!」

 「詠春さーん」

 詠春の怒りが当等限界を超えようとしたその時、タカミチが扉を開けて入ってきた。おっ、ナギが助かった。って顔してる。

 「あの冷血お姫様が今廊下でニッコリ笑って、ナギさんにお礼を伝えて、だそうです!確かに笑いましたよね?」

 「うむ、驚いた」

 タカミチが少し顔を赤くしながら言ってきた、お師匠様もじゃっかん驚いてるし。

 「な?」

 これでは詠春は何も言えないな。

 「それに・・・ちゃんと証拠を見つけてきたぜ」

 ナギが出した資料にはナンバー2が「完全なる世界」と関連があると言う決定的な証拠だった。



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4話

 「あんたもよくやるぜ。戦火の中こんなオンボロ船で帝国の第三皇女に会いにいくなんてよ」

 ここは首都にある船着き場、ここではあらゆる船が色んな場所に飛んで行っている。そして今回なんとアリカ姫が帝国の皇女と会う事になった!しかも俺達含めナギさえ連れて行かないらしい。

  ほんとに大丈夫か?アリカ姫は強い事は強いが、待ち伏せされてたら終わりだぞ。

 「心配しておるのか?」

 「?何の心配だ?」

 アリカ姫を乗せた船は皇女と会う場所まで飛んで行った。ナギの頬に大きな紅葉を残して・・・ラカン笑いすぎ。

 「これであいつらに迫れるか」

 「どうでしょうね」

  俺達はナギが見つけた証拠を持ってマクギル元老院議員との待ち合わせの場所に居た。ここでナンバー2に証拠を叩きつけて戦争拡大を止めて。あいつらとの決着を着けてやる!

 「お待たせしました。マクギル元老院議員」

 「ご苦労、証拠品は本物だろうね?」

 「ハ・・・法務官はいらっしゃいませんか?」

 なんだ・・・何か変だ。敵が何処かに居るのか?いや、紅き翼が4人も居る中仕掛けて来る様なバカじゃいはずだ。

 「法務官は来られぬ・・・」

 「は・・・?」

  マグギルの言葉にガトウ含めて全員の顔が歪んだ。話が違うぞ!ガトウを見るがガトウも分らないと言う顔をしている。

 「せっかくの勝ち戦だ。水を差すのもどうかと思ってね」

 「ハア」

 「おい、ナギ」

 「ああ、分ってる」

 ナギも分ってるのか・・・あれは偽者だ。そして恐らく本物のマグギル元老院議員はもう・・・

 「君たちも無念だろうが、今回は手を引いてくれ・・・」

 「待ちな!あんたマグギル議員じゃねぇな」

 その言葉と共にナギが偽者に向かって「炎の矢」を撃った。

 「ぶ!?」

  そして相手が怯んだ隙に俺は腹に向かって拳をぶつけた。クリーンヒットだ!反撃を喰らわない様にすぐさまナギ達が居るところまで交代する。

 「ちょ―――っ!?お前ら何やってんの!?元老院議員の頭燃やして、その後に腹殴るって!おまっ・・・」

 「ガトウ落ち着けよ」

 「そうだぜ、おっさん」

 ナギと俺の攻撃を無防備で喰らっておいて、そいつは涼しい顔で炎払って話しかけて来た。

 「よく分ったね」

 白髪の髪に無表情な顔。身長はナギと同じくらいか?そんな事よりあいつ俺とナギの攻撃が全く効いてない。

 「こんな簡単に見破られるなんてもう少し調整が必要だね。ちなみに本物のマグギル元老院議員にはご退場願ったよ」

 「てめぇっ」

  ナギが白髪に向って殴りかかった!すると何所に隠れていたのか左右に二人敵が現れた!

 「ナギ避けろ!」

  敵兵は両側から炎と水の攻撃を仕掛けた。それを寸前で避けたナギが此方に戻ってきた。

 「強いぞ、やつら!」

 「ハッ、生身の敵だ!政治家だ何だとより万倍!戦いやすいぜ!」

 「油断すんなよ」

  俺達があいつらに攻撃を仕掛ける少し前白髪が耳元の手を当てた!まさか!

 「止めろ!ナギ!ラカン!」

 「わ、わしだ!マグギル議員だ!紅き翼は反逆者だ!奴らに殺される!は、早く救援を頼むッ。軍に連絡をッ・・・」

 「おおお!!」

 ラカンとナギが慌てて突っ込むが、その行動は致命的に遅すぎた・・・

 「君たちは少しやり過ぎた、退場してもろらよ」

  白髪が余裕の笑みで攻撃を仕掛けてくる。それを寸前で避けたが、俺達はそのまま湖に落ちてしまった。

 「くっそ!完璧にやられた!」

 「昨日まで英雄呼ばわりが行き成り反逆者。人生は波乱万丈でなくちゃな♪」

 「・・・・姫さんがやべぇ」

  シリアスな中ラカンだけは何時も道理だった・・・その図太い性格がたまに羨ましいよ。

  白髪の罠にまんまと嵌った俺達<赤き翼>は連合、帝国両方から追われる立場になった、しかも悪い事にアリカ姫が古代遺跡が立ち並ぶ「夜の迷宮」に捕まってしまった!

 「来たぜ、姫さん」

 「遅いぞ、我が騎士」

 とかなりヤバイ状況なのだが正直この面子が居れば連合、帝国両方相手にしても案外なんとかなるもんで余裕でアリカ姫を救出できた。

 「なんじゃこの掘立小屋ではないか!こんな物が<赤き翼>の秘密基地か!」

 今俺達が居るのは、この俺が一生懸命作った我等が<赤き翼>の隠れ家である。うんでこの失礼な幼女は、なんとヘラス帝国の第三皇女である・・・

 「ラカン、あの幼女燃やしも良いか?」

 「落ち着けよ、アレン」

 「誰が幼女じゃ!貴様無礼だぞ!」

 「うるせぇ!人が頑張って作った家を掘立小屋とか言う方が失礼だろうが!」

 俺達が激しい口論を行ってる中、ナギ達がなにやら話していた。

 「姫さん、助けたはいいが、こっからは大変だぜ?連合、帝国・・・あんたの国にも味方はいねぇ」

 「残念ですが事実です。殿下のオスティアも・・・いや、最新の調査ではオスティアの上層部が最も黒可能性も・・・」

 まじかよ・・・アリカ姫の国がこの騒動の主犯格かもしれないって・・・じゃあアリカ姫は自分の国の人達に捕まったのか・・・。

 「なぁ」

 「なんじゃ」

 「お前何時まで人の上に居る気だ?」

 この幼女俺が話しに気を取られている隙に勝手に肩車を強行してきた。

 「妾が満足するまでじゃ!」

 「まじかよ・・・」

 これは厄介な奴に目を付けられたかもしれない・・・

 「やはりそうか・・・我が騎士よ」

 「その我が騎士ってなんだよ!俺は魔法使いだぜ?」

 「連合の兵ではないのじゃろ?ならば主は私のものじゃ」

 「な」

 それはまたビックリ理論だな、流石のナギも驚いて言葉が出ない。

 「連合、帝国、我がオスティア。世界全てが敵と言うわけじゃな。じゃが・・・主と主の<赤き翼>は無敵なのじゃろ?こちらの兵はたった八人だが最強の八人じゃ。我が騎士ナギよ!我が盾となり剣となれ」

 「やれやれ、おっかねぇ姫さんだ。いいぜ。俺の杖と翼あんたに預けよう」

 二人の儀式を祝福するかのように、夕日が二人を照らす。そしてナギたちを囲む仲間達・・・良い絵なんだが、俺の上には幼女が一人・・・絞まらないよ!

 

 その後は色々有ったのだが、そこは大きく割愛して、ラカン曰く映画なら3部作単行本なら14巻の死闘の末俺達は何とか敵の本拠地である。その場所はなんと・・・オスティア空中王宮最奥部である「墓守り人の宮殿」だ!そして俺達はそこに敵を追い詰めた!

 「不気味なくらい静かだな。奴ら」

  現在俺達は本拠地に突入する為の最終準備が終るのを待ってる。

 「なめてんだろ。悪の組織なんて大概そんなもんだ」

 「確かに雑魚の敵を幾ら出したって高が知れてるのによくやるよ」

 「墓守り人の宮殿」の前には凄まじい数の敵が召還されている、混戦部隊の面々はそれを見て強張った顔を浮べている。

 「ナギ殿!混戦部隊、準備完了しました」

 「おう」

 「あんたらは外の人形や召還魔を抑えてくれれば、後は俺達がなんとかする。」

 「頼んだぜ?」

 「ハッ!それで・・・その・・・」

 うん?なんだか様子が変だぞ?顔が赤い。熱でもあるのか?

 「ナギ殿、アレン殿。ササ、サインをお願い出来ないでしょうか!」

 「「おういいぜ/任せろ」」

 ナギが色紙にサインして俺に回してきた。折角だし名前も書いてやるか。

 「名前は?」

 「ハ?」

 「お前の名前だよ」

 「せッ、セラスです」

 「セラスね・・・ほい」

  俺の名前の横に名前を書いて渡すと嬉しそうに帰っていった。おっ、ガトウから連絡が来た。連合は間に合うか?

 「連合の正規軍は間に合わない。帝国も同じだろ。決戦は遅らせる事は出来ないか?」

  世界が滅びるかも知れないのに何やってんだよ!

 「無理ですね。彼らはもう始めてます・・・「世界を無に帰す儀式」  を・・・そして「黄昏の姫御子」は彼らの手にあります。私達がやるしかありません」

 「ナギ、俺はアスナちゃんを助けに行く、他は任せられるか?」

 「ああ、任せろ。野郎ども、行くぜ!!!」

 ナギの掛け声と共に俺達は飛び立った。途中雑魚が邪魔をしてくるが、全て片付けて俺達は敵の内部に突入した。



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5話

 「やあ、「千の呪文の男」また会ったね。僕達も随分君たちに数を減らされてしまったよ。そろそろケリにしよう」

 アーウェルンクスが待ち構えている。こいつらも相当しぶといな。

 「どこえ行くんだい?「紅蓮の男」」

 俺がアスナちゃんを助けるために奥へ行こうとするとアーウェルンクスが攻撃してきた!だがその攻撃は俺に当たる事ない。

 「てめぇの相手は俺だ!!」

  なぜなら俺に迫ってきた攻撃は全てナギが魔法で破壊したからだ。そしてそのままナギがアーウェンルンクスと戦った、ほかの奴らももう戦っている。

 「急いでアスナちゃんを見つけないと!」

 背後で爆発音を聞きながら俺は今までの空間より大きな部屋に出た。

  「ッ!?」

  そいつは黒いマントを全身に被っていた。

  (なんだよ・・・あれ・・・)

  そいつは一歩も動いていないのに放たれるプレッシャーは俺を後退させるのに十分だった・・・。

(引くな!こいつがどんな奴だろうと倒してアスナちゃんを助けるんだ!)

 一瞬・・・そう一瞬思考の渦に沈んだその瞬間そいつは黒い閃光を放ってきた!なんとか寸前で避ける。

「マンテ・デルタ・ランペルダ 炎の精霊千一柱集い来たりて敵を討て!魔法の射手連弾・炎の10001矢!!」

 

 

 

「見事・・・理不尽なまでの強さだ」

「てめぇらの負けだ、ハァ、ハァ。黄昏の姫御子はアレンが助けに行った」

  俺はアーウェルンクスの首を絞めながら諦めを促す。他の奴らも傷は負ってるがなんとか勝った様だ。あとはアレンだな・・・

「フ・・・フフフ、そうか「紅蓮の男」は彼女を助けに行ったのか、じゃあ彼はもう死んでるね」

 「なに?」

「君は僕が全ての黒幕だと思っているのかい?」

「なん・・・だと?」

アーウェルンクスの言葉を来た瞬間。爆発と共にアレンが飛び出してきた。って!あいつ!

「落ちてるじゃねぇか!!」

俺が居た場所からアレンの高さまで優に20~30mはある、あんな高さから無防備で落ちたら幾らなんでも死ぬぞ!

「間に合えぇぇっ!」

なんとかアレンの手を掴んで降りる事ができた。

「うっ・・・ナ、ナギか?」

「目が覚めたか?」

「ツ!?やばい!逃げろ!!」

「なに?・・・ガハッ!?」

 

 

 

アレンが爆発と共に外に飛び出してきたと同時に、恐らくアレンと戦ってい者がナギに攻撃し、第二波の攻撃で<赤き翼>はほぼ壊滅状態に陥った

「ぐつ・・・バカな」

ラカンは両手を吹き飛ばされ、ナギは穴が開いている。アレンも何時死んでも可笑しくない位の攻撃を受けている。瀕死状態だ。その状況を見てこれ以上は攻撃の必要がないと思ったのか消えていく。黒マント

「待てコラてめぇ!!」

「任せな、ジャック」

ナギはそんな中黒マントと戦う為に血だらけの右手を垂らしながら立ち上がった。

「ナギ!その身体では」

「アル、お前の魔力で傷を治せ!30分で充分だ」

「ふふ、わしもいくぞ。ナギ」

ゼクトも立ち上がる。浅いとはいえ、ゼクトも無理をすれば死ぬような怪我を負っている。

「ゼクト!たった二人では!」

「俺も居る!!あいつは元々俺の敵だ!」

本来なら動けない筈の身体に魔力を流し込んで無理やり動かしているのか、傷口から血を流しながら立ち上がるアレン。

「待て!奴はマズイ。死ぬぞッ!」

「俺は無敵の千の呪文の男だぜ?俺は勝つ!

「俺のほうが強い」

そんな何時もどうりの事を言いながら飛んでいく三人、本来なら一緒に戦いたいが、今はナギの怪我を治すほうが先決と思い動かないでいる。アル

「アレは・・・マズイ・・全身の細胞が逃げろってな」

止血をしなんとか歩いてくるラカン。

「さすが最強の剣闘士ラカン。アレのマズさを肌で感じ取りましたか」

その時、気を失っていた詠春が目を覚ました。ナギを庇って詠春も死んでも可笑しくない傷を負っている。

「た、助けにいかねば・・・」

「動いてはいけません!死んでいてもおかしく傷のですよ!」

ナギを助けに行こうとする詠春をなんとか食い止めるアル。

「どういうことだ。アル」

アルの言い方が気になったラカンは更なる追求をアルにする。それに対して深刻顔で答えるアル

「私の推測が正しければ・・・あの化け物に勝つことはこの世界の誰にも不可能」

アルのこの言葉を最後に場面は戦いの場面に移る。

 

 

幾多の魔方陣があらゆる空間に埋め尽くされ、そこから放たれる攻撃は人など容易く消せるだけの威力がある。その証拠に俺達に当たらなかった攻撃が地面を抉り、大小様々な岩が宙に舞い、そして次の瞬間には粉々に砕け斬る。

「反則だろ!その強さよ!ものみな焼き尽くす浄化の炎、破壊の主にして再生の微よ、我が手に宿りて敵を喰らえ。紅き焔!」

俺が放った魔法は爆発後と魔法陣に止められる!さっきからこんな事続いている。

(お師匠様!あんたの敵は俺が討つ!)

「はっははっははははは、私を倒すか人間ども!それもよかろう!だが忘れるな!全てを見た満たす解はない、彼等には絶望の帳が下りる、お前達も例外だ経ない」

「それがどうした!分けのかんねぇこといってんじゃ・・・・ねぇぇぇ!!」

魔法が駄目なら素手の攻撃だ!壁の様に攻めてくる魔法を全て避け今お師匠様の分まで力いっぱい殴る!ナギも続いて殴った!

「たとえ、今日明日世界が滅ぶと知っても!!」

「あきらめないのが!!」

ナギが殴り俺も殴る。だが黒マント変わらず笑い続けている。

「くっくく、いずれ「永遠」こそが「全ての魂」を救う事が出来ると知るだろう」

ナギが全魔力を込めた「雷の槍」を構える。俺も「燃え盛る炎の神剣」を作り出す。その大きさは俺の身長の5倍は有る。

「「人間!なめんなぁぁぁぁぁ!!!!」

俺とナギの攻撃が同時に当たった瞬間、大爆発を起こした。

「ハァ、ハァ・・・お、終った」

「俺はアスナちゃんを探す。お前はアル達のとこに戻れ、死ぬぞ」

幾らアルの魔力で傷を治してるとは言えこのままでは本当に死んでしまう。

「へっ!それはアレンだっておんなじだろ!俺も姫ちゃんを助け、ガハァ!」

「ツッ!?ナギ!?ガッ!?」

な、なんだ・・・敵は全部倒したはずだ・・・・や、やばい・・・俺もナギも正直もう基本魔法を撃つ魔力も残ってない・・・

「貴様らにはなにも変えられない。自らに問うがいい、ひととは身を捨ててまで救う価値があるのか?」

「どうして・・・おししょう・・・」

俺とナギを攻撃したのは、残党でも黒マントでもなく。仲間であり師匠でもある。ゼクトだった。

「人間は度し難い・英雄よ我が2600年の絶望を知れ」

その言葉を最後にお師匠様は消えて行った・・・

「グッ・・・お、お師匠。師匠!!!」

ナギの叫びを聞きながら俺は意識を手放した。

 

 

 「あぁぁぁ~だるぃ~ネムイィ~俺まだ傷治ってなんだぞ。なんでこんな状態で飲み会なんて出ないといけないんだよ」

 「愚痴を言いながらラカンと殴りあうな!また倒れるぞ!」

 重態だった詠春もすっかり良くなり、ビール片手に談笑してた。なんでも俺が一番重傷で式典は俺が寝てる内に終わってしまったらしい・・・出たかった!

 あっ!でも俺が寝てるところにテオドラが来てた。その様子を見てアルがニヤニヤしていた、ムカつくので殴っておいた。

 「ワァァァァ!!!」

 「な、なんだ!?」

 酔った客また一段と盛りやがった、どうした?ああ、ナギが来たのか・・・あっ!ナギもラカンと殴り合ってる!やっぱりやるよな、うん。

 「ゼクト殿が逝ってしまわれるとは・・・」

 「なー-?妖怪じじぃ殺しても死なねぇと思ってたが。戦争だしな。他にも大勢死んだ」

ああ、そんな風になってるのか・・・

 「お師匠は・・・」

 「ナギ」

 ナギが真実を言おうとするのをアルが止めた。あいつも知ってるのか?

 「死んだ奴らと世界平和に」

 「平和に」

 ラカンがジョッキを掲げたので、俺も掲げた・・・この戦争では本当に大勢しんだ・・・俺の知り合いも、全然知らない奴も大勢・・・

とそれはそうと俺が気絶したとの事ナギから聞かないと。

 「ナギ、なんかあったのか?俺最後の最後で気絶して覚えてないんだ」

 「うん?ああ、あの後な」

 

 

 アレンが気絶してから直ぐ、ナギはアルに連絡を行った。

 「アル!聞こえるか!アル!」

 「やあ、ナギ。貴方達には何時も驚かされます」

 「そんな事より姫子ちゃんが!ヤロウ既に儀式を完成させちまってた!アレンも気絶しててやべぇッ!」

「何ですって!?このままでは」

 いくらナギとアレンが死ぬ気でボスを倒したとしても世界が終わって仕舞っては元も子もない!いくら<紅き翼>が最強でも「世界を無に帰す儀式」が始まってはおしまいだ。

 「あきらめるな!愚か者が!」

 そうこの場に<紅き翼>しか居なかった場合はである。アリカ姫率いるメガロメセンブリアの艦隊帰艦が到着したのだ。

 「広域魔力減衰現象確認!世界を飲み込む勢いです!」

 「世界のピンチだ敵も味方も関係ねぇぜッ!!」

 メガロだけでは無い、次に出てきたのは帝国軍も現れた。

 「皆の者あの光の光球を止めるのじゃ!」

 「ハハっ 姫様!」

 「全艦艇光球を押さえ込め!魔道兵団大規模反転封印術式展開!各員全力を尽くせ後はなにぞ!」

 

 

 なるほど、そんなことがあったのか。それにしてもあれだけの物をしたとしてもあれを止められるのか?いや、仮に止められたとしてもなんらかの代償があるんじゃ無いのか?

 じゃあそれはなんだ・・・・クソッ!わからねぇ!なんで最後の最後で気絶するかな俺は

 「陛下!」

 うん?なんだ俺は今飲み会の場所を離れて広場みたいな場所に居る。こんな所に人が?今はどこもお祭りムードでわざわざこんな場所に来るなんて・・・いや、まて今陛下って言わなかったか?

 「なんでアリカ姫が一人で?あっ、ガトウとクルトも居る!何やってんだ?」

 気になってこっそり見てみるとなにやら深刻そうな顔でガトウがなにか言っている。

 「まもなく崩落の第一段階が」

 「進行状況は?」

 「全艦艇全力であって。現在37%。今現在は式典と称してこの場所に市民を誘導しております。混乱もありませんが崩落が始まれば・・・全市民の救出は困難かと・・・」

 「妾も指揮にあたる!!」

 かなりやばい事になってるじゃねぇか!どうする!ナギ達に知らせて全員でやれば・・・駄目だ!俺達がそんなことをすれば間違いなく不振がられる。それにアリカ姫がこの事を言わなかったんだ。なにか理由があるはずだ・・・

 「ああ!考えてもわからねぇ!とりあえず俺一人だけでも居ないよりはマシな筈だ!」



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6話

 「もう始まってる!?」

 どうする!?魔法が使えないと俺もたいした事が出来ない。・・・いや、待てよ。魔力が無いから皆苦戦してるんだよな・・・この空間に一時的に魔力が戻れば・・・

 「ナギ!聞こえるか」

 「ッ!アレンお前今何所に」

 「そこは頑張って探してくれ!それより今からこの空間に魔力を満たすからその間に救える限り救えよ!」」

 「おい!ちょ!」

 ナギに伝える事は伝えた・・・あとは俺の魔力がどこまで持つか・・・

「死ぬまでやってやるよ」

 空中王都の石畳に手を当てそこに魔力を流し込む!頼む!少しだけで良いから!俺の願いが届いたのか王都は崩落を止めた。だが俺の体から凄まじい速さで魔力が無くなっていく。

「っ!?や、やばいぞ、これは案外直ぐ無くなるかも」

 

 

 「陛下!」

 「泣き言をなどもういらんぞ!」

 崩落が始まってからアリカ姫の迅速な対応で住民の避難は遅いとはいえ進んでいた。このまま行けば、被害は最小限に抑えられる。だがその最小限はあまりに大きい。少なくともこの国は粉々になるだろう。分っていた事だ。それしか手が無かった。必死に自分の中で抑えてきた。

 だが実際目の当たりにしてしまうと心が砕けそうに成るほど辛い。

 「王都の崩落が止まりました!!」

 「なに!?」

 

 

 

 「なるほど、王都全体に魔力を満たす事で一時的に崩落を止める・・・いやはさ、本当にアレンには驚かされる」

 ナギたちはその状況を船の中から見ていた、ナギ達も出来る事ならば救出に向かいたかったが、魔法が使えないならば非難した人達の頭上に落下する岩を壊せと言われてたのだ。

 「あの野郎、こんなことするなら俺も呼べよ」

 ナギの顔は笑っていた。アレンが必死に止めている間に俺達もやるべき事をやる。そう決めたのだ。

「感謝するぞ・・・アレン。なにをしておる!この間に最大効率で船を回せ!!誰一人捨てるな!」

 

 

 

 「はっ!ここはどこ?」

 気付けば俺はボロイ小屋で寝ていた・・・ん?なんで俺こんな所いるんだ?確か俺は・・・崩落を止めるために魔力を流して・・・

 「そうだ!王都は!?」

 「目が覚めたようですね」

 何時の間にかアルがドアの前に居た。

 「アル。なにがあった、なんで俺達はこんな場所に居るんだ?」

 「アレンのおかげで、オスティア崩落による犠牲者は人口の2%を下回ったそうです。あの状況を考えれば。奇跡的な数字ですが・・・」

 「なんだよその含みの有る言い方は」

 「アリカ姫は「反魔法場」を姫御子ごと封印する事で世界を救いました。その代償に王都を中心に半径50キロ圏内は以後20年魔法が使えない大地を化しました。」

 「しかも災害復興支援の名目でメガロメセンブリア軍によって王国は実効支配されることに。数百万の民は周辺各国へ流出。そしてアリカ姫は戦争の責任を全て背負わされ、処 刑される事に」

は?

 「なんでアリカ姫が捕まるんだよ!アリカ姫は世界を救ったんだぞ!?」

 そりゃ自分の国を滅ぼしたのは責められるかも知れない!でもそれだって仕方なかった事だ。感謝すれど捕まるなんて

 「父親殺し、自らの国を亡ぼし、奴隷公認法を通した事など。これらの事から戦争に疲れていた人々の不満と憎しみの象徴にされたのです。」

 「・・・助けには」

 「・・・・行けば間違いなく戦争になります」

 「・・・・ナギは何所にいる」

 あいつがこんなこと黙って見過ごすなんて有り得ない。

 「外に居ます」

 

 

 

 「ナギ」

 「・・・アレン、もう大丈夫なのか?」

 「ああ、俺はもう大丈夫だ。それより」

 ナギはずっと空を見ていた・・・ただじっと・・・

 「アリカ姫は助けないのか?」

 「・・・」

 「・・・戦争になるもんな」

 「・・・ああ」

 「難しいな」

 

 

 

 「どうしてナギさんはなにも行動しないんですか!?アリカ姫の処刑が10日後に決ったんですよ!?アレンさんからもなにか言ってください!」

 あれから俺達は各地の紛争地帯を回り「完全なる世界」の残党狩りや、傷ついた人達の治療と地道ながら活躍していた。クルトはそんな俺達が気に入らないらしい

 「ナギにも考えが有るんだよ」

 「その考えってなんですか!?あなた達の力と名声が有れば!アリカ姫救う事は出来るんじゃないんですか!?」

 「それだと意味無いんだよ・・・」

 「ッッッ!?」

 話に成らないと思ったのか、最後にナギの姿を睨みクルトは通信を切った。あれはそうとう怒ってるな

 「なぁ、アレン」

 「どうした?」

 「敵を倒しても戦争は終わらねぇな」

 さっきまでナギの腕に抱かれていた子は治療され。別の人に運ばれていった。

 「終わわねぇな」

 「でも今日は一人救ったぜ・・・」

 「そうだな」

 

 

 

 「もう待てません!あなた達が動かないんだったら、僕だけでも!」

 とうとうアリカ姫の処刑の日になった。でも俺達はボロ小屋の中で座っていた。そこにクルトから通信が入り。さっさとアリカ姫を助けろ!と怒鳴られている。

 「ナギがまだ動かないんだよ」

 「じゃあせめてそれ以外のメンバーで!」

 「心配しなくても大丈夫だよ。いいから待ってろ」

 「・・・分りました」

 諦めたのか、クルトは通信を切った。さてどうする。ナギ

 

 

 「ケルベロス渓谷、魔法を一切使えぬ谷底は魔法使いには「死の谷」よ。いささか残虐な   処刑法ですが、魔法全土の民も溜飲をさげることになりましょう」

谷の端から伸ばされる板は先が無く、その下には無数の魔獣たちが餌を寄越せと。唸り声を上げている。その様子をアリカは無感情に見ていた。

 「歩け!」

 「触れるな、言わずとも歩く」

 歩きながらアリカは過去を振り返っていた。

 (冷たい王宮に生れ、それからは奪い奪わる日々だった・・・終着がここだというなら・・・それもいい。死が人々の安寧にとって意味のあること。・・・ただひとつ・・・心残り・・・ナギ・・・主らと過ごした戦いの日々はなぜか、暖かかった。亡き父王は人の生もこの世界も全て儚い夢に過ぎぬと・・・これもきっと悪い夢)

 アリカはそのまま暗い闇えと落ちていった

 (アリカ様ッ!)

 その様子をクルトはただ見ることしか出来なかった

 「クックッ・・・魔法も使えぬ谷底で幾百の肉片をなって魔獣の腹に収まれば・・・」

 「よぉーっしこんなモンだろ♪」

 アリカが谷底に落ちたのを確認した後、引き上げようとした時一人の兵士が威勢よく声をあげ周りに確認し始めた。

 「撮れたか?これ生放送とかねぇよな?」

 「無礼者!」

 その兵士に向かって、偉いさんが声を荒げる。だが兵士はその偉いさんの頭を掴んだ。

 「録画はここで終わりだ。今からここで起こる事は「なかった」ことになる」

その言葉と共に兵士の鎧が砕けた。砕けた鎧の中に居たのは

 「せ、千の刃のジジャ・・ジャック・ラカン――!!」

 ラカンの登場と共に青山詠春、アルビオン・イマ、ガトウ。<紅き翼>勢揃いである。二人を除いて。

 「赤き翼!では谷底の女王は!?いや、いくら千の呪文の男と言えど・・・あの谷底では」

 「バーカ、もう一人忘れんなよ」

 

 

 (うむ・・・ここが地獄か?もっとお恐ろしいモノかと思うておったが・・)

 「え・・」

 アリカは気付けば魔獣等に食われておらず、ナギの腕に抱かれていた。

 「ナ・・・ギ?えなぜお主が地獄に?」

 「バーカ、あんたを助けに来たんだよ。アリカ」

 「いくら主でも自殺行為じゃ!魔法の使えぬこの場所では、主も普通人じゃろ!!無謀にも程が有る」

 「確かにな・・・でも俺一人じゃねぇぜ」

 ナギの言葉が終わる直前。一匹の魔獣がナギに襲い掛かった。

 「ッ!?ナギ!?」

 「心配しらねぇよ」

 魔獣が大きく口を開けたその口になんと大岩が突っ込んできた。

 「ガァツ!?」

 思わぬ攻撃に魔獣が声を漏らす。飛んできた方向を見てると谷の対岸からアレンが魔力で強化した体で岩を投げていた。

 

 「あぁ!あんな良い雰囲気出しやがって!なんで俺がこんな対岸から岩投げないといけないんだよ!」

 暴れるのはラカン達、アリカ姫の救出はもちろんナギ。ここで俺の出番が無くなった。暴れるのは幾らなんでもオーバーキルだ。と言うわけで俺はナギの補佐役に任命された訳だが、谷底では俺も魔法が使えない。ならば魔法を使える場所から岩を投げたら良いんじゃね?なんて馬鹿筋肉が言いやがるから俺がこんな事を!

 「って!キスしてやがる!?あああ!」

 夕日をバックにキスする二人は殺意が沸くほど美しかった・・・俺帰って良い?

 



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7話

「はぁ~ここは良い場所だなぁ~」

現在俺達は詠春の故郷である京都に骨休めアンド逃亡しに来たのだが、なんとも良い場所である。料理は上手いし、建物は何か凄い。ほんとに良い場所である。

散々京都を満喫した俺達は詠春の家で飲め食えやの大騒ぎを行いしばしの落ち着きを見せていた。

「ナギ、お前これからどうするんだ?」

「俺はアリカと一緒に世界を見るぜ、アレンお前は?」

「あ~まぁとりあえず旧世界を見てアスナちゃんと一緒に行動するよ」

「俺はこのままここに残る」

悲しい事に詠春はこのまま実家を継ぐんだとか、まぁでも会えないことは良いし詠春結婚するし・・・

「グワァァァァx!!!!!!」

「な、なんだ!?」

耳を劈くような大声と共に湖の方から光の柱が立ち上がった!俺達は窓からその方向に向かって飛んで行く!!

「なんだこの魔力!?」

「ま、まさか!?あの方向は・・・」

詠春がその方向を見て動揺してる。向かってる間にも魔力はどんどん大きく膨れ上がって行く!!

「知ってんのか!?」

「リョウメンスクナノカミ・・・大昔にご先祖様が封印したと言う・・・」

「グガァァァァァガギャァァァァァ!!!」

「でっけぇ~」

何メートルか分らない位の巨体に二つの顔、そして四の腕がある。巨大な鬼は俺達を敵と見なしたのか、巨大な腕を振るってくる!

「俺達でやつしかないな!」

その腕は俺に当たる事はない、詠春がその腕を切り落としたからだ。

(やっぱり剣の腕なら詠春が最強だな)

「グワァァァァァオァァァ!!!」

腕を切られた怒りと痛みで頭に来たのか、口からビームを吐こうとする。

「へっ!詠春だけに良いカッコさせるかよッ!来たれ雷精、風の精。雷を纏いて吹きすさべ南洋の風。雷の暴風!!」

鬼のビームと当たった雷の暴風は一瞬の拮抗と共にビームを貫き鬼の顔を消し飛ばした。

「てめぇら俺の出番残しとけよ!」

顔を吹き飛ばされたにも関わらず正確に俺達の居る場所に攻撃を仕掛けてくる。

「今回は大サービスだ!フル呪文いくぜ!契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎、燃え盛る大剣。ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を、死の塵に。燃える天空!!」

 「グガギャヴァヴァヴァヴァ!!!」

 燃える天空は鬼の全身を焼く所か半身を灰に変えた。

 「なんだよ、詠春そんな強くねぇじゃねぇか」

 どうやら鬼はこのままやっても倒せないらしく専門の奴らが封印してしまった。たぶん勝てただろ。

 「俺は何だか鬼が可哀想だったよ・・・」

 詠春のそんな言葉と共に俺達の京都観光は終わった。

 

 

 「あ~ゲートが開くまで暫く日が開いてるな~アスナちゃんに会いたいよ~」

 鬼を倒して早数日ナギ達とも離れて俺は一人ブラブラと旧世界を見ていた。アスナちゃんとガトウ達がこっちに来るまでじかんが余ってるのだ。

 「それにしても・・・・ここどこだ?」

 旅をした始めの方は有名な都市とかを回っていたのだが、飽きて適当に飛んでいたらなんと、大自然に辿り着いた・・・

 「追い詰めたぞ!真祖の吸血鬼。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル!」

 「ふっ、人間如きが私を追い詰めただと?逆だ。お前が私に追い詰められたんだ」

 「な、なに?」

 その言葉を最後に恐らく魔法使いだと思われる男は死んだ。真祖だと?俺は現在茂みの中から見てるのだが、あの金髪の女がそうなのか?たしかに魔力は凄まじいが。

 「ふん、いつまで見てる気だ?」

 「あ~なんだ・・・気付いてたのか」

 すごい殺気で睨みつけてくるので、逃げる訳にも行かず、茂みから出て行く。目の前には金髪の女と恐らく人形だろう二頭身の生物?が立っていた。

 「貴様も私を狙う者か?」

 「いや~、たまたまここを通りかかった者なんですけど~」

 「そうか、だったら行け」

 どうやら見逃してくれる様だ。と言う事で後ろを振り返って飛んで帰ろうとした瞬間、殺気!?攻撃を確認するより先に背後に全力で障壁を展開!!

 「あの攻撃を障壁だけで受けきるとわな」

 「不意打ちは卑怯だろ・・・」

 「まあ、そういうな。「紅蓮の男」」

 「・・・知ってたのか」

 俺の動揺が嬉しいのか、笑みを浮べる金髪。すっげぇームカつく!

 「わざわざ、世界を救った英雄様が討伐しに来るとは、悪の魔法使いとしては光栄でな」

 「俺はお前を殺すつもりは無いぞ?」

 なんで平和なこの旧世界で殺し合いなどしなと行けないんだ。めんどくせぇ

 「お前になくてもこちらには有るんだ!行けチャチャゼロ!」

 「ケケケッ!」

 チャチャゼロと言われた人形は大きな刃物を持って此方に飛んでくる!それを強化した拳で打ち払う。だが打ち払った場所には人形の姿は無い!

「シメェダ」

「お前がな」

 後ろから斬りかかろうとした人形を回し蹴りで吹き飛ばす。人形はそのまま5mほど飛んで木にぶつかった。

 「そいつばかりに目を向けていて良いのか?「氷神の戦槌」」

 「マジかよ!「魔法の射手・分散・炎の101矢!」

 金髪の周りから放たれる強大な氷群の塊を全て破壊する。ばらばらになった氷が太陽の光に照らされる。・・・すこし寒い・・・

 「基本魔法でその威力とわな!リク・ラクラ・ラックライラック 来たれ氷精、闇の精闇を従え吹雪けよ常夜の吹雪「闇の暴風」

 「ッ!?速い!」

 闇の吹雪を障壁で何とかガードする。だがとっさにはった障壁で受け止められる物ではなくあっさり吹き飛ばされる。

 「もう頭来た!」

 今まで戦う気が無かったから手加減してたが、本気でやってやる!

 「ほぉ~これは凄まじい魔力だな」

 全身に魔力を流す。

 「取り合えず一発!「焔の暴風」

 俺が考えたオリジナル魔法。雷の暴風の焔バージョンだ。俺が放った魔法は周りの氷を湯気に変えながらまっすぐ敵に向かって行った。

 「甘い!」

 それを飛んで避ける敵。でもその行動は読めてるんだよ!

 「喰らえ」

 「なにっ!?ガハァッ!」

 敵の顔を殴る。女性の顔を殴るのはあれとか・・・そんな考えは知らん!

 「女性の顔を殴るなんてな!」

 「ヘッ!不意討ちする奴に言われたくないぜ!」

 そのまま俺達は肉弾戦に移って行った。敵はさすが真祖、なんと自分の爪を伸ばして攻撃してくる。爪だと侮るなかれ込めてる魔力量から察するに人の肉など簡単に切り裂ける。

 「ウッ、アッ危ない!これはマジで死ぬ!」

 「ええい!真面目にやれ!「氷爆」」

 「甘ぇぇ!」

 俺の回りに出現した氷を背中の杖で全て粉々に砕く!その勢いのまま杖を振り落とす!

「ハァァ!!」

 「ま、まじか・・・」

 なんと俺が振り落とした杖は、腕で受け止められた。杖とはいえ炎で強化した物だぞ!?

 「フッ、不死を舐めるな!!「凍てつく氷棺」」

 「そっちこそ英雄なめるな!!」

 俺の周囲を氷が埋め尽くそうとした瞬間全身から魔力をだして防ぐ。

「グググッ!負けるかぁぁぁ」

「こっちこそぉぉ!!」

 鬩ぎ合いもそこそこお互い後ろに飛んだ。決着の時だ!

「リク・ラクラ・ラックライラック 契約に従い我に従え 氷の女王とこしえのやみ」

「マンテ・デルタ・ランペルダ 契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎

燃え盛る大剣。ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を、死の塵に」

 「悪いがお前の魔法は放て無いぞ」

 「な、うっ、動けない!・・・むむむっ!」

 な、なにが行き成り体が動かなく無くなった!しかも声が声も出せない!うん?糸?や、やられた!糸に魔力を流して動きを止められた!や、やばいぞ!あいつが放つのは恐らく「えいえんのひょうが」・・・これは死んだか?

 「なに殺しはしないさ「えいえんのひょうが」」

 絶対零度が俺の周りを埋め尽くしていく。そのころに俺を縛っていた糸は無くなっていた。俺の命もこの糸のように無くなりそうだ。今は何とか障壁で耐えてるが、流石の俺もこの攻撃を何時までもレギスト出来ないなんとかしないと!

 「グッ、グギィィ!!」

 「この私の「えいえんのひょうが」を防ぐとは、だが何時までもつかな」

 ・・・・仕方ない・・・奥の手を使うか。こればっかりはしんどいからあんまり使いたくなかったんだが。

 「マンテ・デルタ・ランペルタ 来たれ深淵の闇燃え盛る大剣 闇と影の憎悪と破壊 復讐の大焔 我を焼け彼を焼け 此処はただ焼き尽くす者 「奈落の業火」 固定 右腕武装」

 俺の右腕に黒い炎が、燃え出した。

 「な、ま、まさかそれは「闇の魔法」!?」

 「壊れろぉぉぉ!!!」

 俺の周囲の魔法を殴りつける。一気に燃え広がる黒い炎は周りの氷を水蒸気に変える。急激な変化により爆発を起こした水蒸気は、周りの景色を破壊しながら敵に襲い掛かる。

 「クッ!?なぜやつが「闇の魔法」を!?」

 「残念ながら違うんだな」

 「なっ!?後ろ、ガッ!?」

 爆破に紛れて後ろからの攻撃は成功だ。気絶して落ちて行こうとするのを手だ支える。

 「殺す気でやったのに気絶で済むなんてな・・・」

はぁ~疲れた・・・今日はここで野宿だな。

 



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8話

今回は少し短いです。すみません


 (吸血鬼になって600年・・・「闇の福音」悪の魔法使いとして賞金稼ぎ共に命を狙われる日々。その最後が英雄に殺されるのならそれもまた良し・・・うん?なんだ暖かい?ああ、燃やされているのか・・・初めて殺された時と同じだな、なんだ良い匂いがするぞ?)

 「おっ!焼けたかな?」

 (なんだ生きてるのか・・・)

 「なぜ殺さない?」

 「・・・殺す気でやったぜ」

 どうやら目を覚ましたのか、起き上がり此方を見つめている。取り合えず魚が焼けたので渡してやる。受けってそのまま見つめる事暫く少しずつ食べ始めた。俺も食べるか。

 それにしてもまさか大人の姿が偽者だったなんてな・・・俺の目の前には10歳位の女の子が魚を食べてる姿だ。まさか10歳で吸血鬼になったのか?それともこれも偽者?だったら相当の変態だな。

 「どれ位気絶していた?」

 「あ~一時間ぐらいか?」

 「・・・・貴様なら殺すなり封印するなり出来たはずだ、なぜそうしなかった?」

 「殺して欲しかったのか?」

 「・・・貴様は私をどういたいんだ?」

 焚き火の日が小さくなったので、薪を入れる。・・・どうしたいも何も・・・特に何もしたくないのだが。

 「俺はお前が攻撃して来たから反撃しただけでお前を殺す気は無いよ」

 「・・・私は悪の魔法使いで吸血鬼だぞ?」

 「悪ってなんだ、吸血鬼だからか?人を殺したからか?俺だって人を殺した。俺はお前を悪とは思わないよ」

 「・・・・可笑しい奴だな」

 「酷くね?」

 「ふん、こんな者を助ける奴なんて可笑しい奴だ。」

 「・・・そんなモンか?」

 「それより!最後に使った魔法は何だ!?」

 「ちょ!?いきなりなんだよ!?」

 さっきまで焚き火の向こうでおとなしく魚を食ってたのにジャンプして来やがった。ビックリするだろ!

 「教えろ~!なんで貴様があの魔法を使えるんだぁ~!」

 「や、やめろ~、頭を掴むな~シェイクするなぁぁ!!」

 人が座ってるからって頭を掴みやがって。軽く酔ったじゃねぇか。

 「最後に使った魔法は俺のオリジナル魔法だ。俺は炎魔法が得意でな?その魔法を腕や足に装備する事で爆発的に威力を上げる事ができると言う凄い技だ!」

 もっとも俺はそんな事しなくても強いし、なにより魔力消費が激しいからあまり使わないのだ。今回は久々に使ったな。

 「だからそれが「闇の魔法」だと言ってるんだ!」

 「いや、だからその「闇の魔法」ってなんだよ!」

 「お前が言ったのと概ね同じ様な魔法だ」

 「ぱくったな?」

 「貴様がぱくったんだ!」

 またまた頭を振られる!あぁ~そういえばどっかの凄い吸血鬼が魔法をとりこむ魔法を開発したとか何とか昔本で読んだな。・・・うん?

 「あ~そろそろ頭を振るの止めてくれよ~」

 「ふん!良いだろ、だが次言ったら殺すからな」

 そう言って、またまた魚を食べる幼女・・・

 「お前、名前教えてくんね?」

 「こんな幼子をナンパか?ロリコン」

 「俺的には大人の姿いいのだが・・・」

 いくら目の前の幼女が可愛くても流石にそれは無い・・・無いはずだ。

 「・・・エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル」

 「な、なにぃぃ!?あのエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ とぉ!・・長いからエヴァっての呼んでいい?」

 「ふん、好きにしろ」

 俺の驚き様が気に入ったのか、満足そうに魚を食べ始めるエヴァ・・・普通に可愛いよな?

 だがまさかあの「闇の福音」その他諸々で有名な「真祖の吸血鬼」がまさかこんな幼女とは。

 「貴様には悪の素質が有るようだ」

 「どうした行き成り」

 これまた笑顔で言って来るエヴァさん。

 「闇の魔法を使える様になるには色々有るんだよ・・・私の物にならないか?」

 「・・・・・は?」

 「うん、そうだな・・・それが良い!」

 「お、お~い、エヴァさーん!」

 一人で元気よく頷くエヴァ・・・なんだか凄く嫌な予感がする・・・逃げる準備しよう

 「アレン!私はお前が気に入った!私の下僕になれ!」

 「ごめんこうむる!」

 俺の答えを聞いた瞬間エヴァの体から溢れ出す膨大な魔力!?なんか凄い良い笑顔してるよ!怖いよ!?

 「ふふふ、貴様が断る事など予想済みだ!力づくで下僕にしてやる!」

 「俺は逃げる!」

  言うが早いか、全力で浮遊術で飛んで逃げる!なんでこんな事なになるんだよぉぉぉぉ!!

 

 

 エヴァから逃げること数ヶ月、俺は今魔法世界と旧世界を繋げるゲートポートに来ている。今日は待ちに待ったアスナちゃんとの合流日なのだ!もちろん目立たない様に変装は完璧だ!

 「あ~まだかな~」

 ゲートポートで待つ事数分ゲートが開いた!そして出てきたのは・・・

 「なんで一番最初がアルなんだよ・・・」

 「フフッ、久しぶりに会ってその言い方は酷いですねぇ~」

 何時もの嫌味な笑みで答えて来るアル。こっちとらアスナちゃんに会いに来たんだよ!

 「そんな顔しなくても直ぐに来ますよ。私は敵が居ないか確認で来たんですよ」

 「・・・まだ居るのか?」

 「黄昏の姫御子」を狙う者はアスナちゃんの存在を隠すと同時に潰しまくったはずだが。

 「そんな怖い顔しないで、襲って来るのは、私達の方を狙ってる方ですから。あの子の事は気付いてないですよ」

 それは良かった・・・いや、良くは無いか。このままアスナちゃんと一緒に旅してたら何時バレルか分らないな。かと言って何処かに預けるのも難しい。

 「アレン」

 人込みから走って来る栗色髪の女の子。アスナちゃんだ!俺の胸に突っ込んで来るアスナちゃんを俺の目線まで持ち上げる。

 「いや~アスナちゃん久しぶりだなぁ~少し身長伸びた?」

 「あんまり変わらない」

 「そうか、そうか」

 そのままアスナちゃんの頭を撫で回す。撫でられるアスナちゃんは目を細めて気持ち良さそうにされるがままだ。

 はぁ~癒される。最近幼女は幼女でもあれはなんだか違うもんな。

 「なんだ譲ちゃん。俺達と居た時より機嫌良いじゃねぇか」

 続いてゲートを抜けて来たのは、ガトウ、なんとナギも一緒だ!あれ?ナギはこっちに居たよな?

 「なんだナギ、お前何時の間に魔法世界行ってんだよ」

 「ふん!」

 「うおっ!?てめぇ行き成りなにしやがる!」

 ナギの野郎俺を見つけるなり思いっきり殴って来やがった!?なんとか避けたが、アスナちゃんが居るのに何考えてんだ!

 「るっせ!お前のせいで俺がどれだけ迷惑したか分るか!」

 「何言ってんだよ!」

 「お前を探してたエヴァが全然お前を見付けられなくて偶然見かけた俺だったら知ってる!なんて言いやがって俺のことずっと追ってたんだぞ!」

 「お、おお、それは悪かったな」

 言い返そうと思ったが、100%俺が悪かったので謝る。

 「それにしてもどうやってエヴァを撒いたんだ?」

 エヴァの探索術は追われた俺だからわかるが、あれはそう簡単に逃れれる代物じゃねい。

 「罠に嵌めた」

 「どんな?」

 罠に嵌めた位じゃあのエヴァはどうこう出来ないぞ?俺なんて何回エヴァに罠を仕掛けようとして失敗いしたことか

 「アレンが居るって嘘ついて、落とし穴掘って、にんにくその他撒いた」

 「ふむふむ、それで」

 俺が思ったほど食いつて来たので、機嫌を直したのか何時もの様に得意げに話すナギ。

 「その後は丁度麻帆良のじじいが警備に人が欲しいって言ってたから「登校地獄」で中学生にした」

 「そんな事したらエヴァすっげ怒ってるよな?」

 あのプライドの高いエヴァのことだ、自分を罠に嵌めただけでも許せないのに、中学生にされたんだ次ぎ会ったらナギ死ぬんじゃね?

 「あっ!因みにお前が封印解く事になってるから」

 「・・・はっ?え、ちょ!どう言う事だよ!?待てよ!ナギ!」

 



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9話

 はぁ~マジかよ~なんで

 「元気出して、アレン?」

 「うぅ~アスナちゃん~」

 可愛らしく服の袖を掴んでくるアスナちゃんの可愛さで癒された!でも思い出しまて凹む・・・絶対怒ってるじゃんエヴァ。会ったら絶対殺されるじゃん!嫌だよ!怖いよ!しかもよくよく話を聞けばナギの野郎力尽くで魔法駆けたかだろうから普通の方法で解けないじゃん!

 「どうすんだよ!ナギ!俺は唯でさえこう言う解除魔法とか苦手なのにお前のせいで!!」

 「うるせぇ!そもそもの問題はてめぇじゃねぇか!」

 「あぁ!やんのか!?」

 「上等だ!表でろ!」

 「止めろ!こんなとこで!」

 現在俺達は真帆良学園の学園長室ここでもう直ぐ中学を卒業をするタカミチを回収するのだ。

どうしてタカミチを回収するかって?そんなもん俺が知りたい

 「タカミチです」

 「うむ、入りなさい」

 そんなこんなでタカミチがやって来た。学園長の許可を貰い入ってくるタカミチ。

おっ!すっげぇ驚いてる。

 「ど、どどうしてあなた達がここに!!?あっ!アスナちゃんまで!?なにか有ったんですか!?」

 さっきまでのクールタカミチは何所えやら、俺達と旅をしていた子供タカミチに戻ってしまった。なんか懐かしいな、クルトは何してるだろ?

 「まぁまぁ、取りえず座りなさい」

 そんなタカミチの姿を見ても動揺しない学園長・・・だてに歳を重ねてる分けじゃないな。

 「は、はい」

 「ははは、タカミチお前全然変わんねぇな」

 「う、うぅ~」

 自分の失態が恥かしいのか、ガトウの言葉に顔を赤くするタカミチ・・・可愛いくねぇからな!

 「そっ!そんな事よりどうして此処へ?」

 慌てて話を変えるタカミチ、本当はもう少し弄っても良いが俺も気に成ってるので、そのまま流す。

 「タカミチ、お前ガトウの弟子に成りたがってただろ?うんでガトウもお前を弟子にするのに賛成しるから。ここらでお前を回収して旅に出るんだよ」

 「な、なんじゃと!?」

 その言葉に一番反応したのは、何故か学園長。そして俺・・・なんでアスナちゃんにも教えてる事を俺に教えてくれ無かったんだよ・・・・あとでオボエテロヨ

 「な、ナギよ、タカミチは中三じゃ何も今すぐしなくても」

 「何言ってんだよ。タカミチに教えるのは高度な技なんだぜ?俺様みたいな天才なら。すぐ覚えれるが、そうじゃねぇ奴は早くからやらねぇと!」

 「し、しかしじゃの~」

 「おいおい、なんでそこまで渋るんだよ」

 必死にとめようとする姿に全員が疑問符を浮かべる。やっぱり教育者としては中退は許せないとかだろうか?俺とナギ思いっきり中退だZE!

 「たしかにお主らからすればタカミチ君はそこまでの人物では無いかもしれんが、今の真帆良ではタカミチ君重要な戦力なんじゃ」

「タカミチが?」

 タカミチには悪いがタカミチはそこまで強かったか?魔法が使えない代わりに気を頑張って練習してたみたいだが・・・

 「タカミチ君は「居合い拳」を使っておるのは知ってるな?」

 「「「「はぁぁ!???」

 「・・・・知らなかったのか・・・」

 「マジかよ!タカミチお前!」

 「俺は信じてたぞ!」

 「へっ!さすが俺達の仲間だ!」

 「タカミチ凄い」

 「ふふふ」

 じじいの言葉など聞かずにタカミチを褒めまくる!あたりまえだ俺達はガトウにから教わった「居合い拳」を練習してたのは知ってる。

いや~感慨深いねぇ~

 「あ、ありがとうございます!!こっちに移ってからも練習して一年ほど前にやっと使えるように成ったんです!!」

 俺達全員に褒められたのが、よっぽど嬉しかったのか笑顔で言って来る。

 「じゃから今連れて行かれたら困るんじゃ!」

 「なんだよじじい、こんな時の為のエヴァだろうが!わりぃが時間がねぇんだ。おい、タカミチ直ぐ出るから用意しな」

 「は、はい!すみません!学園長、必ず戻って来ますから。行かせて下さい!」

 学園長必死に頭を下げるタカミチ、それの姿に観念したのか、ため息を吐く

 「・・・・・仕方ないの。分った!行くが良い!」

 「ありがとうございます!すぐ準備しますから。まっててください!」

 そのまま走って部屋を出て行くタカミチ。

 「ところでアレン」

 「んあ?」

 「エヴァのことはいいのか?」

 「・・・・・」

 「ど、どうしたんじゃ!いきなりこの世の終わり!見たい顔して!?」

 「いまのアレンじゃ呪い解けない」

 「な、なるほど」

 アスナちゃんの言葉と俺の顔を見て全てを察する学園長・・・どうか!どうか!今この時エヴァがここに着ませんように!タカミチがここに戻ってくる。ほんの僅かな時間俺は生きた心地がしなかった。・・・・いやマジで!

 

 

 

 

 「タカミチの準備も出来た事だし早く行こう!今すぐ行こう!」

 「いやいや、折角ですし、噂のエヴァに会いに行きませんか?」

 「よし、分った。アル。お前はここで死ね」

 「だから止めろ!」

 「離せ!詠春!こいつ殺せない!」

 詠瞬が俺を止めるが、違うんだ!詠春!俺は!俺の命の為にもこいつを殺さないと!

 「なにバカやってんだよ。早く行くぞ」

 「・・・分った」

 そんなこんなんで俺達のミニ旅行は始まった。詠瞬は来ないけどね。俺にも良い人居ないかな・・・

 

 

 

 

 「釣れねぇな~」

 「アレン下手」

 「いいか?左腕に気、右腕に魔力だ」

 「左腕に・・・うわっ!」

 「向こうは一向に上達しねぇな~」

 「アレンの釣り技術と同じ」

 タカミチを拾って早数年現在俺達はアル港町でナギ達が来るのを待っている。待ってる間に俺は釣りをタカミチは修行をしてるのだがこれがどっちも全然上手くいかない

 「なぁ、アスナちゃん」

 「なに?」

 「どうして俺の膝の上にいるんだい?」

 俺は釣りをする為に座ってるのだが、アスナちゃんはなぜか俺の上に座って釣竿を見てる。

 「いいか、タカミチ自分を無にしろ?こんなんじゃあと5年はかかるぞ?」

 タカミチは何とかか「感卦法」を物にしようと頑張ってるが・・・いやいや!あいつなら出来る!

 「頑張れ!タカミチ!俺は応援してるぞ!」

 「アレン、引いてる」

 「な、なにぃいぃぃ!で、でかいぞ!これええで!アスナちゃん!今夜は魚、だぁぁぁ!!!」

 「・・・逃げた」

 ・・・・こ、こう言う時もあるさ

 「よぉ♪姫様は今日も元気か?」

 そんなこんなでナギ達が来た。

 「あっ、ナギさん、皆さんおはようございます!」

 「だから、ナギさんはやめろってんだろ。ナギでいーっての」

 「そうだ、そうだこんな奴呼び捨てで良い!親友を見捨てる奴なんてな!」

 「てめぇは何時まで根に持ってんだよ!?」

 ふん!俺の命が補償されるまでだ!・・・うん?さっきまで俺の膝にいたアスナちゃんが何やらやってる?

 「何やっててんだ?」

 「左手に魔力・・・右手に気・・・」

 ははは、タカミチの真似か?可愛いな。まぁ、流石に無理だろ?と思って瞬間アスナちゃんの体が光りだした!?えっ!?ま、マジで!?

「お、おおおっ!!??」

 「ハッハッハ、抜かれたな、タカミチ君」

 「スゲースゲーさすが姫様」

 他の奴も驚いてる。あ~タカミチがすげぇ~驚いてる。

 「これは将来良い魔法使いの従者になれますね」

 「ハハハ、嬢ちゃんおじさんのパートナーにならない?」

 「・・・・・アレンがいるから」

 「あ、アスナちゃん!」

 おれはあまりの嬉しさに俺はアスナちゃんに抱きついた。ううぅぅ~アスナちゃんがこんな事言ってくれたの始めたてだ!

 「アレン・・お前」

 「嬉しいか?ナギ?」

 「・・・幼女ばっかりにモテモテだな」

 瞬間全てのときが止まった。

 「・・・ふ、フフフフフフフ、ナ~ギ~。コロス」

 「げ・・・」

 「だから止めろ!?」

 「どいて詠春!そいつ殺せない!」

 「やっぱおっちゃんはダメか!!」

 「アスナちゃんタバコ嫌うんですよ。師匠」

 



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10話

 「ほらほら!タカミチ頑張れよ!」

 「くっ!分ってはいたけどなんて強さなんだ!?」

 ナギ達との再会から少しした、現在俺とアスナちゃん、ガトウ、タカミチは森の中にいる。俺達は旅をしながらタカミチの修行をしてるのだが・・・もう無理じゃね?

 「魔法の射手・分散・炎の矢百一!」

 「う、うわぁ~」

 俺とタカミチは現在模擬戦中・・・いや、タカミチが俺の攻撃で吹っ飛んだからもう終わりか。

 「お~い、タカミチ~生きてるか?」

 たく、たかが百一の矢位で気絶するなよ、情けねぇ~ああ、大の字で寝てやがる。こりゃ~しばらく目覚まさないな。

 「アレンやり過ぎ・・・」

 「うっ」

 端っこで見ていたアスナちゃんが歩きながらそんな事を言ってきた。  はぁ~ガトウの所まで背負って行くか。

 

 

 「おーい、ガトウぉ~」

 「おっ!戻ってきたかって・・・なにが有ったんだ?」

 ガトウが俺達を見るなり聞いてきた。まぁ確かに行きは元気よく二人で歩って行ったのに帰りは背負われてるもんな。

 「アレンが」

 「まぁ、見て分ったが・・・少しは加減をだな」

 「いや~ハハハ」

 「うっ・・・ここは?」

 おっ!起きたか?タカミチをそのまま焚き火の近くに下ろしやる。下ろされたことで完全に目が覚めたタカミチ。

 「修行お願いしといてなんですが、その~もう少し手加減して頂けると有りがたいのですが・・・・」

 「・・・・それは散々言われたから言うな」

 当事者のタカミチにまで言われて少し落ち込む・・・うん?・・・   はぁ~人が折角良い気分でいるのに、いやな奴らがきやがった・・・ガトウもその気配を察知したのか臨戦態勢に入る。タカミチとアスナちゃんははてなマークを出している。

 「敵は・・・500人か・・・・これだけなら楽勝だな」

 「これだけだったらな」

 「ど、どうしたんですか!?いきなり!?」

 「アレン?」

 「ガトウ二人を頼む」

 「・・・・分った」

 慌てている二人を囲むように立つ俺とガトウ・・・敵は俺の真正面から歩いて出て来た。     

 フードを被って顔はよく分らない。そんな奴らが500人。タカミチの顔は見る見るうちに強張っていく、アスナちゃんは俺の服の袖を掴んでくる。

 「心配すんな、こんなやつら楽勝だ」

 アスナちゃんの頭を撫でる。

 「おい!てめぇら!今すぐここから去るなら俺達はなにもしない!」

 俺の採集警告を無視して突っ込んで来る。

 「無視かよ」!分ってたけどな!ガトウ行くぜ!」

 俺は敵陣に突っ込み近くにいた奴の腹を殴りつける。そしつはそのまま光の粒子に成って消えていく。

 「シネぇぇ!」

 「甘めぇ!」

 四方から飛んでくる奴らを杖の薙ぎ払いで消し去る。その瞬間大砲の様な音と共に此方に吹っ飛んで来る敵。その方向を見てみるとガトウが「感卦法」をで敵を吹っ飛ばしていた。

 「俺も一発行くか!マンテ・デルタ・ランペルダ 来たれ深淵の闇燃え盛る大剣 闇と影の憎悪と破壊 復讐の大焔 我を焼け彼を焼け 此処はただ焼き尽くす者 「奈落の業火」!!」

 「はでにやるじゃねぇか!」

 「ツ!?」

 背後からの攻撃を咄嗟にガードする。衝撃を完全に殺し切れずに手が若干痺れる。俺に攻撃した奴は体調3m以上背中に羽根があり、顔は凡そ人ではない顔していた。・・・悪魔だ

 「じゃまだ!」

 「おっと」

 お返しに蹴りを入れようとしたのだが回避されてしまう!今までの奴とは違う・・・

 「高位の悪魔か?おまえみたいなのが召還されるなんてな」

 俺と互角に戦える悪魔なんて召還するなんてそれこそ召還者の命をかけるぐらいしないと無理だ。

 「おかげ様で、完全召還だ!」

 「なっ!?か、完全召還だと!?」

 本来悪魔、いや、こちら側に召還される者は、力を何割か制限される代わりに仮初の体をえれる。その体が消えればもと場所に帰る・・・それが100%の肉体で此方に来る。そして殺せばこいつは本当に死ぬ。

 「ガトウ!雑魚は任せるぞ!」

 「分った!」

 俺に敵はガトウの攻撃で吹き飛ばされていく。今のこいつはそこいらの悪魔とは分けが違う。

 「俺様の相手がてめぇ一人で勤まるかよ!!」

 「どうかな?」

 「へぇ~」

 そいつが飛ばして来た攻撃を弾き返す。軌道を外れた攻撃は遠く離れた地面に着弾し爆発を起こした。着弾した場所から此処まで随分距離かあるのに爆風がここまで来る。

 「あんまり英雄舐めるなよ?」

 「上等!!」

 俺と悪魔の拳がぶつかり合う!衝撃波が周りの景色を破壊する。俺達は音速で移動しながら格闘戦を繰り広げる。

 「悪魔チョップ!」

 ふざけた名前だが威力は地面に極大の地割れを作った時点で言う及ばず、受けようとせずに魔法障壁で受け流す。

 「マンテ・デルタ・ランペルダ 炎の暴風!!」

 炎の暴風は数分狂わず奴の腹にのめり込んだ!

 「ぐぅぅぅぅ!!人間如きがちゃらくせぇ!!」

 だが悪魔はそれを簡単に搔き消してしまう。だったら物量だ!

 「マンテ・デルタ・ランペルダ 炎の精霊 1001柱 集い来たりて敵を射て 魔法の射手・連弾・炎の1001矢」

 「今更そんなもん聞くかよぉぉぉぉ!!!」

 その攻撃すらも全て弾き飛ばされる。

 くっそ!早く終わらせてガトウの援護に行かないと!幾らガトウでも二人を庇いながらじゃ・・・

 「戦ってる時に考え事は偉く余裕だな」

 「ツッ!」

 咄嗟にしゃがむ、するとすぐ上で何かが通し過ぎる。あのチョップか。こいつ相手に他の事は考えてる暇ないか。

 「オラオラ!さっさとシネよ!!」

 「グッ!グハぁっ!!?」

 飛んできた攻撃を避け様とした瞬間、背後からの攻撃で肩が切られた!やられた!あのチョップ、ブーメランみたいに戻って来るのか!

 「はぁ、はぁ、てめぇ今まで隠してやがったな」

 「いやいや、お前ガ隙を見得ただけだろ?そしてその代償が右腕使用不可だ」

 歪んだ顔を見せてくる悪魔・・・やばい、ちゃんとした場所なら治せるが、この戦闘に関しては右手は使えない。こいつ相手に片手か・・・

 「はぁ、はぁ、ふぅ~少したるんでたな・・・」

 「あぁ?なにごちゃごちゃいってんだ!さっさとシネよ!!ゲホォォォx!!!???」

 悪魔が攻撃を仕掛け様とした瞬間俺は悪魔の頭を蹴りとばしていた。

「魔法の射手・連弾・炎の矢1001 圧縮」

 千一本分の威力を込めた矢が悪魔の右の羽を貫く。そして爆発。

 「ぐががあgぁぁぁっぁ!!???」

 声に成らない悲鳴を出しながら飛び出してくる悪魔。・・・流石にしぶといな

 「て、てめぇ、てめぇだけは!」

 「おいおい、その前に自分の格好治せよ」

 今のこいつは体の半分を無くしている、残った部分も黒く焼け爛れている。

 「コロスコロス」

 だがそれは直ぐに無くなった。魔力を使えば悪魔はある程度の回復は可能で見た目だけは全快だ。

 「さてあれで殺せないと成ると・・・マンテ・デルタ・ランペルダ」

 「呪文詠唱ねんてもうさせねぇよ!」

 凄まじい速さで飛んでくる悪魔の攻撃を受け流しながら俺は更に呪文を重ねていく

 「契約に従い、我に従え、炎の覇王。来たれ、浄化の炎

燃え盛る大剣。ほとばしれよ、ソドムを焼きし火と硫黄。罪ありし者を、死の塵に「燃える天空」圧縮 左手武装 」

 「な、感触が無くなっただと!?」

 「燃える天空」を武装した事により体の一部を炎に変えることが出来る。そして俺の変化に動揺した今の奴は隙だらけだ!

 「何時までも人の体に手入れてんじゃねぇよ!」

 「グハァァ!!!」

 カウンターのようにがら空きだった顔を殴りつける!でもこれではやつを倒せない!故に更なる呪文を重ねる!正直魔力がそろそろ限界だ。これで決める!

 「マンテ・デルタ・ランペルダ 九つの鍵を開きてレーギャルンの筺より出て来たれ「燃え盛る炎の神剣」」

神剣に今の俺の全魔力を叩き込む!

 「これで終わりだぁぁぁ!!」

  剣はそのまま悪魔の腹に突き刺さり遥か上空まで連れて行った。

 「俺が、人間如きにぃぃぃ!!!」

  そして大爆発・・・これであの悪魔はもう死んだだろ。

 「油断すんなよ」

 「ッ!?ガァァァァァアx!!!!!」

「ハャハハハハハハハハカアア!!!!オワリオワリダ!!オマエハモウオワリダ!オマエニノロイヲカケタ!オマエノニクタイハ、トシヲトラズニダンダンニゲンカラハナレテイク!エイユウが化け物になって人間に殺されるがいい!!ギャャャや!!!」

最後の力で蹴りを入れる!そしれあいつは今度こそ完全に死んだ

「アレン!」

ガトウの方も終わったのか此方に走って来る。だが俺の意識はそこで途切れた。

 



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11話

 「あ~ここどこだ?」

 「おっ、やっと起きたか?」

 俺はベットに寝かされていた、その横でタバコを吸っているガトウがいる。

 「病人の横でタバコなんて吸うなよ・・・」

 「タバコぐらい吸わせろ、お前が寝てる間にどれだけ苦労した事か・・・」

 「は?」

 「お前、自分がどれだけ寝てたと思う?」

 ガトウが真剣言ってくる・・・どれだけって。外を見てみると日が沈み掛けている。俺が悪魔と戦ってた時に太陽は真上位だったから

 「5,6時間位か?」

 「プラス3日だ」

 「・・・・は?」

 「だから、お前が寝てた時間は3日と6時間だ。そのあいだ寝ずにお前を看病する、て言って寝ようとしない嬢ちゃんをなんとか寝かせたんだぞ」

 「あ~それは~なんかすまん・・・」

 アスナちゃんは中々頑固な所が有るからガトウそうとう苦労しただろうな。

 「別に気にすんな、・・・それより体は如何だ?」

 「・・・・悪くは無い・・・けど」

 「なにがあった?」

 

 

 「・・・・ふぅ~不老ね・・・だからか」

 「なにがだから、なんだ?」

 「お前ガ寝てる間に体を調べたら魔力が以前のお前と違っていた」

 「アスナちゃん達は気付いてるのか?」

 「心配すんなこの事を知ってるのは俺だけだ」

 それは良かった・・・優しいあの二人の事だきっと気にするもな、若いあの二人にそんな重荷を背負わす必要なんてないし。

 それにしても俺の今の年齢が26だからこれが一生の姿か・・・

 「お前は・・・こんな時ぐらい自分の心配しろよ!」

 「なんだよ行き成り・・・」

 「言いか今のお前は魔法世界にいる亜人達とは違うんだぞ!悪魔の呪いを受けて今は不死ですんでるが、何時それがお前の命を奪うか分らないんだぞ!?」

 「・・・・あ~え~」

 「・・・・悪い・・・お前が寝てる間にアスナちゃんがずっと泣きそうな顔してたからな・・・つい」

 「はぁ~俺が油断したからだよ、タカミチはどうだ?」

 「ああ、今は一人で修行してるぞ、あの戦いに参加できなかったのが悔しかったんだろうな」

 俺達を目標にしてるタカミチだ、足手まといになるのは、嫌なんだろうな。若いんだからもう少しゆっくりすれば良いのに。それにしても逃げ続けるのも限界か。何処かでアスナちゃんを保護して貰える場所は無いものか・・・

 「なぁ、ガトウ」

 「分ってる、そろそろ真帆良に戻るか・・・ナギの情報も有るかも知れないしな」

 「なんでナギが出てくるんだ?」

 あいつはアリカ姫と新婚旅行中だろ?わざわざ探すような事はどうよ、折角の新婚旅行だぞ?「千の雷」打たれても俺は知らないぞ?

 「お前は気絶して知らないか」

 「ないがだよ」

 「ナギは・・・死んだ」

 「いやいや!あのナギが死ぬわけないだろ?」

 「正確には行方不明だ」

 「んなもんラカンだって何所にいるか分らねぇじゃねぇか」

 紅き翼で居場所が正確な奴なんて今は、え~とクルト、詠春位なもんだ。ラカンの場合はそこ等辺の辺境で飲んだぐれてるだろうし・・・確かにナギだけはよくわかんねぇな、いや、でもあのナギだぞ?あいつを殺せる奴なんて俺ぐらいなもんだろ。俺だって危ないのに

 「まぁ、ナギの行くをあそこが知ってるはずは無いが、アスナちゃんもそろそろ学校に通い始める歳だし」

 「アスナちゃんの感情を戻すのも俺達と居るより良いかも」

 学校は勉強以外にも学べる事が多いのだ、中学で退学した俺だが、ナギとと言う親友を作れたのもなんだかんだ言って、学校の御蔭だし。

 「それに、あれだ、お前そろそろエヴァの呪い解かないと不味くないか?」

 「は!」

 「忘れてたんだな・・・」

 ま、まずいぞ!これは本格的に俺の死亡が確定じゃないだろうか!?い、いや待て!帰ってる間に考えればいいんだ!どうせナギだ力任せにかけた呪いだ、同じく力任せにやれば上手くいくだろ!うん!そうだ!

 「・・・明日の朝から出るから涙拭いとけよ」

 「・・・・うん」

 世界救った英雄でも怖い事はあるんだよ!悪いか!

 

 

 

 「とうとう着いてしまった・・・ここが悪魔の城か・・・ガトウ、タカミチ、俺を守れ、アスナちゃんは大丈夫だ」

「如何見ても平和な学園だが?」

 ガトウ達が呆れた目で見てくるが、そんなことは無いぞ!俺にはナギとラカン並の強さを持った悪魔が待ち構えているラストダンジョンにしか見えないぞ!?なんだあのダークオーラは!?

 「人間が放って良いもんじゃねぇぜ・・・」

 「吸血鬼ですからね・・・」

 タカミチの冷静なツッコミ・・・すっかりたくましくなったもんだ。

 「ま、まずは学園長に挨拶だな・・・全員魔力、気を極限まで抑えろよ?そうだ、ガトウ、学園長には俺達が今日来る事伝えてるよな?万が一この結果に引っかかった日には、お前!」

 「落ち着け、学園長には伝えてる」

 「あの~」

 「どうした、タカミチ」

 「幾らなんでも怖がりすぎでは?」

 「なに?」

 「幾ら最強の吸血鬼でも魔力を封印されている状態で、アレンさんに勝てるとは思えなんですが?」

「ふむ、タカミチ君の意見はよく分った。だがね?相手は600年も生きているロリババだ。いいか?600年だぞ?其れだけ期間あいつは戦って来たんだ。そして生き残っている。魔力が封印されてるからと甘く見ていたら死ぬぞ?」

 「わ、分りました!」

 俺の何時に無く真剣な態度で分ったのか、神妙な顔で頷くタカミチ。また若者命を救ったぜ。

 「アホらしい」

 「ほらさっさと行くぞ」

 それに比べてあの二人は冷たいとです・・・

 

 

 「ホッホッホ、良くぞ来てくれた、まぁお茶でも飲んでゆっくりしてくれ」

 「茶より呪いをとく為のなにかをくれ」

 「・・・・アスナちゃんまた少し大きくなったかい?」

 「少しだけ」

 「なぁ、頼むよ!俺まだ26だぜ?死ぬには早いだろ?」

 「・・・・タカミチ修行はどうじゃ?」

 「は、はい、まだ「咸卦法」はまだ使えませんが、以前より格段に強くなったと思います!」

 「ホッホ、それは良かったワイ」

  学園長の顔の数cm手前まで顔を近づける

 「た・の・む・よ!」

 「ところでがガトウや、行き成り度したんじゃ?」

 「無理じゃね?この距離での無視はむりあるよね?」

 「その事を話す前にアレンを元に戻します」

 「今床で頭を抱えてるが何が有ったんじゃ?変なもんでも食べたか?」

 「エヴァの呪いを解く魔法が分らずに、朝からこんな感じです」

 「俺に時間をくれぇ~たのむよ~」

 俺だって頑張ったんだよ!でもな?解除魔法って攻撃魔法より数段難しいんだぜ?しかもあのナギが真祖の吸血鬼を封印するためにやったもんだぜ?全力だぜ?無理だろ?

 「取り合えず真面目な話です」

 「そうなんだよ、じいさん」

 「ホォッ!?行き成りなんじゃ!情緒不安定にも程があるぞい!?」

 「俺の事は良いんだよ」

 「触れないでください・・・」

 なんとか落ち着いた。じいさんいは若干引かれてるがそれは良い。

 「話の続きですが、タカミチを此方に戻そうかと」

 「本当か!ちょうど人手が足らずにことまっておったんじゃ」

 「それと、嬢ちゃんを此処の小学校に入れてください」

 「ふむ、それは別に構わんがアレンはそれで良いのか?」

 「仕方ないだろ、何時までも逃げ続ける訳には行かないんだ」

 ナギの話によれば俺が3年で時に来るたそうだ、いくら俺がその約束をしてないにしろ元々の原因は俺の方にある。男なら責任を取らないと。

 「まぁ、アスナちゃんの学校はまだ先に成るだろうし、タカミチもこっちでもう少し修行するしな」

 「ふむ、おぬし等はどうするんじゃ?ここに残るなら真帆良学園の警備をして欲しいんじゃが」

 「悪いけど、俺は今から一人で行くところがあるんだ」

 「俺もタカミチを少し指導して魔法世界に行こうと思います」

 これは此処に来る前に話し合った結果である。これからアスナちゃんは名前を変えて別人として生きていく事になるかも知れない。そんな時に俺たち二人の影がチラつけば、また面倒ごとに巻き込まれう可能性がある。

 だから暫くはアスナちゃんは学園長に引き取って貰い、何も無ければ俺がこっそり戻って来て、アスナちゃんと暮らす。ガトウは魔法世界でクルトと協力して色々頑張るらしい

 「アスナちゃんは之から神楽坂 明日菜として 生きていく」

 「・・・辛いの」

 アスナちゃんにとっては辛い事だがこうでもしないと何時までたっても追っては止まないのだ。エヴァにももう少し待ってもらうか・・・悪いな、

 「明日菜ちゃんはそれで良いのかいの?」

 じいさんがアスナちゃんに確認する。もしもアスナちゃんが嫌がれば俺達一人を残すつもりの様だ。じいさんからしたらまだ幼い女の子一人残して俺達が居なくなるのは考えられないのか。

 「・・・少し寂しいけど、すこし我慢したらアレンが迎えに来てくれるから大丈夫・・・」

 「悪いな・・アスナちゃん」

 「何時までお主達はここにおるんじゃ?」

 ふむ、何時までここに居ようか・・・アスナちゃんが此処になれるまで居たほうが良いよな。

 「う~ん、一ヶ月位か」

 



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12話

 「ふぁ~まさに旅日和だな」

 空はこれでもかと言う位の青空、アスナちゃんと一ヶ月真帆良で過ごしたのだが、中々面白い日々だった。この学園の結界の作用もあると思うが、此処に住んでる人達は陽気で気さくな面白い人達ばかりで、アスナちゃんにも良い影響が望めそうだ。

 「ねぇ、アレン」

 「どうした?」

 俺の見送りに着てくれたアスナちゃんが話し掛けてくる。表情がよく動いた様に見えるのは少し気が早すぎかな?

 「ちゃんと帰ってくるよね?・・・絶対帰ってくるのね?」

 「アスナちゃん?」

 「・・・私嫌だよ・・・ナギもアレンも居なくなるなんて!私!」

 「心配すんな」

 今にも泣き出しそうなアスナちゃんの撫でてやる、アスナちゃんの目線の高にまでしゃがむ。

 「この俺がアスナちゃんを置いて居なくなるわけ無いだろ?」

 「でも!ナギは死んじゃったよ!?アレンまで死んだら!?」

 「俺がそこらの奴に負けるわけ無いだろ?ナギだって同じだ。どうせそこらでフラフラしてるに決ってる。だから心配するな?」

 「・・・お土産・・」

 「うん?」

 「絶対お土産買ってきてね!アレンが場所全部のお土産買ってきて!」

 やっぱり泣きそうな顔のアスナちゃん。でもその目は確かな覚悟があった。だから俺もそれに答えないとな。

 「任せとけ!なんでもアスナちゃんが喜ぶならなんでも持って帰って来てやるよ!」

 「絶対だよ!?」

 「おう!絶対だ!」

 そろそろ出る時間だな

 「ツッ!?あ、アレン!?」

 にアスナちゃんを精一杯に抱きしめる。ごめん、アスナちゃん・・・俺達が情けないばっかりに・・・

 「待ってるからね、アレン」

 アスナちゃんのその言葉と共に俺は真帆良と去った。

 

 

 「まずは詠春の所だな」

 詠春の所に行くのは幾つかの理由があるが、一つはあそこには俺達の秘密基地があり、ナギがそこに立ち寄ってるかを確かめるため、それともう一つは・・・なんとあの詠春に子供が出来たらしい!こらは是非おめどうを言いに行こうと思ったわけだ。

 転移魔法で詠春の元に行ってもいいが、此処はゆっくり行くか

 

 「詠春く~ん!遊びましょ~~~」

 やって来ました。詠春家取り合えず呼んで見たのだが・・・・誰も出て来ない・・・可笑しいな家は此処で有ってるし、

 「詠春く~ん!早く出てこないと君の恥かしい過去を言っちゃうぞ!」

 「人の家で何をしてるんだ!」

 気付けば後ろに詠春と幼い女の子二人が立っていた。二人?あれ、確か一人だった様な気がする。詠春がすげぇ呆れた目で見てくる。

 「この俺が背後に立たれるとは、腕は落ちてないようだな」

 「私というよりお前のほうに問題があるんだよ」

 「・・・それよりだ!詠春」

 「誤魔化したな・・・はぁ~とりあえず入るぞ」

 「おう!」

 詠春と女の子達が入って行く。なんだろ凄い警戒されてる・・・少し悲しいです。

 

 「なるほど、わざわざお祝いに来てくれたのか」

 「そうなんだよ~あ、これお土産」

 「すまないな、ほら、木乃香、刹那、挨拶しなさい」

 「近衛 木乃香です~」

 「さ、桜咲 刹那です!」

 可愛らしく頭を下げる木乃香ちゃと刹那ちゃん、よく見れば木乃香ちゃんは詠春奥さんによく似てる。醸し出す雰囲気なんてそっくりだ

 「なぁなぁ、この人だれ?」

 「うん?あぁお父さんの友人だよ」

 「俺も自己紹介しないとな、アレンだ、よろしく、木乃香ちゃん、刹那ちゃん」

 「よろしくです~」

 「よ、よろしくです」

 「すまいが、木乃香と刹那は向こうで遊んで来てくれるかい?」

 「は~い、行こ、せっちゃん!」

 「ちょ、まってこのちゃん!しつれいしました!」

 そう言って元気に部屋を出て行く、二人、元気だな~

 「あの堅物男がまさか娘を持つお父さんになるとはわねぇ~、随分時間があったもんだ、よく見ればお前老けたな」

 「お前が変わらないだけだ、後俺は堅物なんかじゃない!お前達の常識が無さ過ぎるんだ!」

 「まぁまぁそう声を荒げるなよ。でもまさか二人も娘が居たなんてな、俺はてっきり一人かと」

 「その事なんだが実は、刹那は私の娘なんじゃないだ」

 詠春が神妙な顔で言ってくる。そお言えば刹那ちゃんは苗字が桜咲だったな。

 「木乃香ちゃんの護衛か?幾らなんでも大袈裟だろ、此処に襲ってくる奴なんて・・・居ない事は無いか、こっちもやっぱり物騒なのか?」

 「ええ、そうですね、・・・大抵の者は私の言う事を聞いてくれるのですが、中には木乃香を誘拐しそれを気に関東のものと戦をし様とするものが居るので・・・」

 「サムライマスター詠春の娘を誘拐するなんて自殺行為だろ・・・」

 「組織の長になると貴方みたいに何事も力付くとはいかないんですよ・・・・それに刹那の場合は少し事情が有りまして・・・・」

 疲れた顔をしてお茶を飲む詠春・・・何か随分老けたな。苦労してるんだな。刹那ちゃんの事情?う~ん、なんだろ、詠春の隠れ子か?いや、でも何時だ・・・俺達と出会った時点で婚約は決ってたし・・・大戦時なんてそりゃ俺やラカンはとも角、詠春はむっつりだしな・・・

 「何時の子だ?」

 「なんとなくそんな事だろうろとは思ってたよ!!」

 どうやら違うみたいだ、じゃあなんだよ!俺はこう言うの苦手なんだよ!

 「あの子はハーフなんだ・・・」

 「・・・で?」

 「鳥族とのハーフで翼が白なんだ」

 「だから?あれか白だから皇女かなにかか?なんで俺達の女性人はそんな人ばっかりなんだよ」

 「違う、お前はやっぱりなにも思わないんだな」

 「そりゃ~お前こっち側に関わる者として、たかがハーフで騒いでる様じゃモグリだろ?」

 100歩譲って旧世界ならあまり出会わないかもしれないが、魔法世界に行こう物ならお前、ハーフは勿論100%もいるじゃねぇか。そんな世界で生きて来た俺らが今更鳥族とのハーフで動揺なんて100年遅い!

 「それはそうなんだが・・・鳥族の羽は黒いんだ。そして白は人間との間でそうなるんだ」

 「あ~だいたい分った。あれか鳥族はそれを認めてないんだろ?それで差別を受けていてお前が何とか引き取ったと」

 魔法世界でも偶に有る事だ自分達の種族こそが一番で混合なんて断じて認めないと言う。魔法世界なら逃げ場は有るが・・・旧世界だと難しいのか。

 「今は大分笑顔も見せる様になったが・・・」

 なんで何時も何時も子供が犠牲になるんだよ・・・可笑しいだろ!

 「まぁ~あれだ、俺も暫く此処にお世話になるから何か有れば言えよ?難しい事は無理だが、木乃香ちゃんと刹那ちゃんの護衛権遊び相手権お前の愚痴位ならお安い御用だ!それとあれだ!一度だけ刹那ちゃんと話す機会をくれ!」

 「アレン・・・そうだな!此処に止まるのに私の了解を得ないのは相変らずとして、刹那の件は頼りにするぞ」

 「じゃああれか?刹那は護衛とかじゃなにのか?」

 「当初のその積もりだっんだが、本人の強い希望で始めたばかりだが、神鳴流の修行をしている」

 「へぇ~、じゃあやっぱり将来的には木乃香の相棒か?」

 「その事なんだが・・・」

 これまた行き成りシリアスになる詠春、本当に色々大変だな

 「木乃香には魔法の存在を教えない積りなんだ・・・」

 「あ~それは無理だろ?」

 「ッ!だが!」

 「そりゃ、かりにだ普通の魔力だったら、それも行けるかも知れないぞ?でもな木乃香ちゃんの場合は・・・」

 「・・・お前も気付いていたのか・・・」

 「そりゃな、あの魔力量はヤバイだろ?俺やナギより多いじゃん。あの魔力量で関西のお偉いさんの娘で魔法は無関係に生活さるののは無理だろ」

 「・・・それでも・・私は木乃香には危険な目に会って欲しくないんだ・・・」

 確かに木乃香ちゃんにはキツイかもな、まだ会って間もないが彼女が優しくていい子なのは分る・・・だからこそあの子は魔法に関われば後悔する。

 「・・・これはあくまで俺の意見だが。魔法の事は教えた方が良いんじゃねぇか?それで危険を説明すれば或は・・・な?」

 「・・・それしかないか」

 詠春自信もそれが分っていた筈だ、でもそれでも気持ちの問題なのだろうな、俺もアスナちゃんにはもう魔法に関わって欲しくないし・・・

 「木乃香ちゃんに何時魔法を教えるかは、お前が決めろ」

 「・・・分った」

 「よし!湿っぽいう話は此処までだ!今日は飲むぞ!」

 「ふん、そうだな・・・今は飲むか!」

 さっそく巫女さんにお酒を持ってきて貰い昼から大人二人の酒盛りが始まった。いろいろ有るのだよ!大人は!昼から飲みたい時が有るんだよ!!

 



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13話

 詠春と酒を飲み交わして早一日現在俺達は朝ごはんを食べております。

 「せっちゃん、今日何時までお稽古なん?」

 「え~と、今日は午後までだったかな」

 「ほんならお昼から遊べるな!」

 「う、うん!」

 と朝ごはんを食べながら楽しそうに話をする二人を見るのは中々如何して此方も平和な気持ちになるな。詠春何てさっきからその風景をみて箸と止まってるもんん。

 「やはり、木乃香は可愛いなぁ~」

 とそんな事を言いながらしきりに頷く詠春・・・これは俗に言う親バカと言うものだろうか?いや、あの堅物詠春に限ってそれは・・・いや、どうだろうか。

 「ごちそうさまでした!じゃあ、せっちゃん何時もの場所で待ってるな!」

 「木乃香ちゃんは何時も元気だな」

 「はい、私と遊んでる時も何時も笑顔で、見てる方も笑顔になります」

 なぜか嬉しそうに語る刹那ちゃん。その顔は自分の大切な人を褒められた誇らしさと、すこしの陰を含んでいた。

 「きっと刹那ちゃんのことが好きなんだな」

 「・・・わ、私なんて!そんな!」

 「いやいや、絶対そうだよ。詠春もそう思うだろ?」

 「え?え、ええ私と二人で居る時も大抵は刹那の話で此方がすこし妬いて仕舞うほどですよ」

 「男の焼もちなんて気持ち悪いぞ!」

 「うるさい」

 「・・・私なんて・・・化け物の私なんて・・・失礼します!」

 刹那はそのまま出て行ってしまった。

 「・・・追わないんですか?」

 「うん?あぁ、今じゃないかな~」

 「・・・上手くいくか?」

 「まずは信用をえないとよね」

 何所の馬の骨かも分らない奴に言われても意味無い様な気がするし、はぁ~任せろとは言ったけど上手く行くかね。

 

 「はぁ、はぁ、」

 所変わって今は刹那ちゃんの修行場所と言っても道場だけど、なんとなく刹那ちゃんの修業を見ているのだが、まだやって間もないのか、刹那ちゃんはあっという間に息が絶え絶えだ。

 「今日は此処までだ」

 「は、はい!ありがとうございました!」

 指導の人が道場を後にする。だが刹那ちゃんは息を整えると、一人で黙々と木刀を振るう。

 「お~い、刹那ちゃん」

 「えっ?あ、アレンさん!?何時の間に!?って木刀が!?」

 そうとう慌てたのか木刀が手からすっぽ抜けてどこか何故か俺の方に飛んでくる!?

 「だが甘い」

 木刀如きで俺が慌てるとでも思ったか!飛んでくる木刀を右手で受け止める。

 「す、すみませんでした!怪我とか・・・ありませんね」

 「まぁ~ね」

 刹那ちゃんが此方に歩いてくる。立ち話もなんなんで壁際に座ると刹那ちゃんも少し距離を置いて座る。

 「い、何時から道場に居たんですか?」

 「うん?刹那ちゃんがあの人にお願いします!と元気よく頭を下げた所からだよ」

 「初めから!?・・・全然気付かなかった」

 「ハハ、まぁ~刹那ちゃん達に気配を悟られる程俺も弱く無いからね」

 「さ、流石長の盟友だけはある!・・・私など全然で・・・」

 何故か落ち込む刹那ちゃん。

 「そりゃ刹那ちゃんはまだ子供だし、修行だって始めたばかりだろ?そんなんで俺や詠春に追い着こう何て50年早い」

 「・・・・それでも私は強くならないと・・・失礼します!」

 もう話す事は無いのか、木刀を拾いまたまた振るう刹那ちゃん。その姿は何かに焦ってる様に見える。どうして其処まで急ぐんだ?まだ10歳にも満たないのにどうして?

 「刹那ちゃんはどうじて強く成りたいんだ?」

 「・・・・長にはお世話になっています・・・そのお嬢様であるこのちゃんをお守りしなければ」

 「それだけか?」

 俺のその一言で刹那ちゃんの纏う雰囲気が一変した。さっきまでの必死な雰囲気から、何かに怯えた物に変わった。

 「・・・知ってるんですか?」

 「・・・・あ~え~悪い」

 なんで俺は話しちゃうんだよ!朝の詠春との話し合いをしたばかりだろうが!だがもう良い!あんな姿見たら誰だってなんとかしたいと思うよ! 俺は少なくともそう思ったもん!

 俺の心情をしってか知らずか刹那ちゃんは俺の隣に座った。心なしかさっきより距離が近いような気がする。気がするだけかな?

 「・・・アレンさんは私のこと如何思いますか?」

 「どうって?」

 「・・・長から聞いてるんでしょ?・・・私は人間じゃない」

 「まぁ~人間ではなにな」

 「ツッッ!?」

 俺の言葉に体を強張らせる刹那ちゃん

 「だけど化け物でもなにだろ」

 「・・・へ?」

 「刹那ちゃんは人間と鳥族のハーフで詠春の娘の友達だ。なんにも可笑しいところは無い。可愛い女の子じゃにか」

 「・・・でも私は!」

 それでもなお刹那ちゃんは自分は化け物だと言う。鳥族にも認められず人間の世界でも認められない。罪深き化け物だと・・・本当に災厄な気分だ

 「・・・私は・・・生きてきたら行けなかったんです」

 「・・生れてきたらいけない奴なんていねぇよ。どんなに悪い奴だろうとな・・・少なくても俺はそう思う。詠春だって同じだ」

 「・・・でも」

 「木乃香ちゃんもな」

 「・・・そんな言葉いりません」

 「その場凌ぎじゃねぇよ。そんなことお前が一番分ってるはずだろ?」

 「・・・・・」

 「俺なんかより付き合いが長いお前なら自分の友達に羽が生えてる位で化け物呼ばわりする奴かどうかなんてな」

 「・・・そんな事!あなたに言われなくても分ってる!長が良い人だってことも!このかちゃんが良い人だなんて!分ってる!でも!だからこそ!こんな私と一緒に居たら不幸に成る!後悔する・・・」

 目に涙を浮べながら俺の方を見つめる刹那ちゃん・・・どうして、いったいこの子はどれだけの事をされたんだ・・・どれだけの罵倒罵声を浴びせられた・・・。

 「・・・だったら・・・俺が守ってやる」

 「へ?」

 「木乃香ちゃんも刹那ちゃんも俺が守ってやる!刹那ちゃんを化け物だと言う奴が居るなら俺がそいつに言ってやるよ!それがそうしたってな!この英雄アレン様がお前ら二人とも幸せにしてやるよ!だから・・・」

 そっと刹那ちゃんの抱きしめる。

「もう自分の事化け物なんていうな。生れてきた駄目なんていうな」

「・・・・うっ、」

 




今回は短いです。申し訳ありません


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14話

 「あの~すみませんでした、つい取り乱してしまって・・・」

 刹那ちゃんが泣き始めて数十分落ち着いたのか、顔を紅くして謝って来た。

 「うん?別にいいよ、それより木乃香ちゃんとの待ち合わせ時間だろ?早く行って上げたら?」

 「は、はい!有難う御座いました!!」

 そう言って勢いよく道場を出て行く。殆ど初対面の俺の言葉なんて大して意味が無いかも知れない・・・でも今の刹那ちゃんは凄い幸せそうだった

 「だったら別に良いか」

 「なにが、良いか、だ」

 「・・・やぁ、詠春奇遇だな!」

 刹那ちゃんが出て行った直ぐ詠春が入って来た。

 「お前、朝言ってた事違うくないか?」

 「い、いや~俺もそれ思ったんだけどね?でも何ていうか・・・ね?」

 「まぁ、それは良いが・・・あの子はあれで楽になっただろうか」

 刹那ちゃんが出て行ったほうを見つめる詠春

 「・・・あとは木乃香ちゃんがなんとかするさ」

 「結局人任せか?」

 「うるせぇ~」

 俺達大人が如何こうする子供たちの方が何とかするんだよ、逆に大人が介入したほうが、ややこしくなるし。

 「はぁ~ま、お前の言いたい事も分るし、あとは木乃香に任せるか」

 そんな事を言っている詠春の顔は笑顔だった。

( お前も分ってるじゃネぇか)

 木乃香ちゃんがそんな事ぐらいでどうこうなる子じゃないって、刹那ちゃんは何時話すだろうか?案外話さないかもな・・・いや、こんな事考えるのはあの子に対する侮辱だな。

 「さて、詠春お前今暇?」

 「う~ん、30分ぐらい時間があるが、それがどうした?」

 「いやね?せっかくだし、お前と試合でもしようかと」

 俺の言葉を聞いた詠春は呆れた顔で言ってきた。

 「お前と私が戦ったらここら一体が焦土に成るだろう・・・」

 「いや、だから能力は強化だけ、武器も俺は杖、お前は木刀これでどうだ?お前もこんな所じゃ体が鈍ってるだろ?」

 「う~ん、まぁ体が鈍ってるのはたしかだが・・・ええい!分った!一回だけだからな!」

 「おう!」

 

 

 「いいか!くれぐれも本気でやるなよ!」

 お互いの武器を持った俺達は距離を保っている。

 「分ってるよ!お前もしつこいな」

 強化はすんだ、・・・詠春も準備が出来てるよな?出来て無くても関係ないけどね

 「いくぜ!!!」

 魔法が使えないので杖を詠春に叩きつける!だが詠春も木刀で防ぐ!詠春に左のストレートを浴びせるがそれも防がれる。

 「お前少しは手加減しろ!衝撃波で壊れるだろうが!」

 言ってる事、詠春の攻撃も避けるたびに周りの板が剝がれていく!上段切り、返す刃での攻撃、その攻撃はどんどん鋭さをましていく。

 (くっそ、やっぱまっこう勝負での打ち合いだと俺に分が悪い!)

 「お前こそ言ってる事とやってること違うだろうがぁぁ!!」

 「くっ!?」

 杖に魔力を込め薙ぎ払う!詠春はそれを受け後ろに飛ばされる、だが詠春も負けじと板を剥がして飛ばして来る!

 「てめぇ!板は駄目だろ!自ら壊してるじゃねぇか!」

 「俺の道場だから良いんだよ!」

 「んなもんありかよぉぉぉ!」

 なんかムカつくので、杖に魔力を乗せて斬撃の様に飛ばす。

 「貴様こそ人の道場でそんなもの飛ばすなぁぁぁ!!」

 それを全て打ち払い木刀を叩きつけて来る!それを振り上げる杖で防ぐが、溜まらず後ろに飛ばされる!距離を取らせまいと追ってくる詠春

 「あめぇ!」

 体制を建て直し木刀に杖を叩き付ける!

 「腕が落ちてなくて安心したぜ・・・だからもう負けろ」

 「ふん、お前との戦いで勘を取り戻した・・・もう負けて良いぞ?」

 「「フッ!」」

 距離を取り笑いあう二人・・・

 「「勝つのは!俺だぁぁぁぁ!!!」

 お互いの武器を叩きつけた瞬間、詠春の木刀が根元から折れた。幾ら強化しても所詮木刀、俺達との戦いに耐えられなかった様だ・・・ふっ、勝った

 「と思ってるだろ?」

 「なっ!?」

 気がついたら俺は地面に倒されていた。

 「あ~イッテェ~」

 「俺の勝ちだろ?」

 倒れてる俺を上から見ながら言ってくる。確かに負けでも良いのだが、詠春の顔がムカつく。

 「炎の矢・1矢」

 「ちょっ!?おまっ!?アブな!」

 それをギリギリで回避する詠春。

 「ちっ」

 「お前殺す気か!?」

 「ムカついたからやった、反省はしてるが、後悔はなに」

 「おまっ!・・・何か焦げ臭くないか?」

 「クンクン・・・確かに何か燃えてる様な・・・はっ!」

 詠春も分ったのか冷や汗を垂らし始めた。俺の放った炎の矢は、詠春には当たらずそのまま・・・

 「い、イヤイヤ!んなバカな!お前」

 「そ、そそそうだよな?」

 「「ハハハハハ」」

 そうだよ、そんな事ある訳・・・なんだろ心なしか室内が暑いな~まるで何かに焼かれてるみたいな・・・イヤイヤ!運動したからだよ!うん!

 「な、なぁ、なんだか息苦しくないか?それと天井が崩れてるんだが・・・って!もう完全に燃えてるじゃないか!お前の性だぞ!アレン!なんとかしろ!」

 「なんとかってなんだよ!水の魔法なんて俺しらねぇよ!ああ!入り口が崩れて無くなってる!?これしんだ!?英雄二人死んだ?」

 「おおお落ち着け!先ずはタイムマシンを探すんだ!」

 「お前が落ち着け!」

 どうする、此処から出るのは簡単だが、この火を消さないと後で詠春に殺されるぞ・・・水の魔法・・・いや、待てよ。この火を消せば良いんだろ・・・やっぱ思いつかない。之詰んだ?

 「えええい!仕方ない!此処を吹き飛ばすぞ!」

 「詠春さん!?貴方行き成りなに言い出すの!?」

 「ここは山の中にあるんだぞ?もし火が移って山火事なんてなったら、それこそ大惨事だ!」

 「な、なるほど。してどのように?」

 「俺とお前が同時に気と魔力を同時に放つ。あくまで純粋な魔力として放て」

 「OK、任せろ」

 「せ~の、今だ!」

 「スー――――パー――――!!!」

 俺と詠春の気と魔力は炎を建物ごと吹き飛ばした・・・・

 「・・・・帰ろう」

 「・・・・おう」

 人生何事もやり過ぎはよくないね、うん

 




リアルの方が忙しく、更新が遅く。一話の文字数も少なく申し訳ありません。


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15話

 「よぉ~し!これまた旅日和のいい天気だ!」

 詠春との模擬戦から幾分かが過ぎた。え?あのと如何なったかだって?どうもこうも無いさ・・・もうね、あれだよ奥さんが怖いのなんのって、正座で5時間淡々と起こられ次の日の朝に詠瞬と二人で修復したさ。本当に怖かった・・・

 「アレンお兄ちゃんもう言っちゃうの?」

 玄関の前で可愛らしく聞いてくる木乃香ちゃん。もうすっかり懐かれました!その度に詠瞬の目が怖いけど、そこは木乃香ちゃんパワーで一発さ!

 「ごめんな~、もう少し居てやりたいんだけど、ちょっと用事ができちゃって行かないと行けないんよ」

 「うぅぅぅ~」

 俺の言葉に泣きそうになる木乃香ちゃん、可愛すぎだろ!

 「このちゃん泣いたらあかんよ。アレンさんだって仕事やし・・・ぐす」

 そう言う刹那ちゃんも泣きそうである。本当は持っていてあえげたいんだけど、之ばっかりは、そうは行かない。ガトウとクルトからの連絡が来て。

 なんでも俺の故郷が襲われるらしい。その理由がなんとナギの息子が居るかだそうだ!なんか色々びっくりだ!

 「まあまあ、二人ともそう悲しむ事はないですよ、アレンは凄い魔法使いですから。二人が危険な目に合った時は凄いですから」

 詠春が笑顔で言って来る。心なしか凄い嬉しそうだ。そんなに木乃香ちゃんに懐かれてるのが気に食わないのか。それと木乃香ちゃんには、魔法教えました。でも存在を教えただけで教えては無いみたい。まぁ、それでいいだろ。

 「ほんまに?」

 「うん?もちろん!木乃香ちゃん、刹那ちゃんが危険な目に合った時は直ぐに駆けるよ?」

 二人の頭を撫でながら言ってあげる。子供をあやす行動なんだからそんな怖い顔で睨むなよ、詠春すげぇ怖いじゃん。

 「ところで二人はそろそろ幼稚園入学だろ?此処の所にするのか?」

 「いや、真帆良にしようと思ってるんだ、あそこなら御爺さんも居るし、安全だしな」

 真帆良か確かにあそこは安全だな、まぁそれ以外にも有るんだろうけど・・・関西の長の娘が関東の領地に入る。これはきっとすごい・・・事なんだろうな。自分の娘も交渉材料にしないといけないか。はぁ~

 「辛いな」

 「これで・・・良いんだ」

 辛い顔をして言うなよ・・・こう言うとき何もできない自分が嫌いだ。でもこの二人なら・・・アスナちゃんとも友達に成れる・・・かな?

「なぁ、木乃香ちゃん、刹那ちゃんお兄ちゃんのお願い聞いてくれる?」

「ええよ~」

「はい!」

 「真帆良の幼稚園にアスナちゃんって子が居るんだ。歳は二人と同じで髪は茶髪の女の子なんだけどね?その子と友達に成ってあげて欲しいんだ。その子は始めの方はそっけない態度かも知れないけど、根はいい子なんだ。だからお願い」

 「分った!なぁ、せっちゃん!」

 「はい!任せてください!」

 元気よく挨拶してくれる二人、きっとこの二人ならアスナちゃんの最高の友達に成ってくれる。根拠なんて無いけどそんな気がする。

 「・・・さて、そろそろ行くかな、じゃあまたね」

 「うん!絶対またね、やから!」

 木乃香ちゃんの言葉を聞き俺は転移魔法でウェールズの学院に飛んだ。

 

 

 「ふぅ~、疲れたのぉ~」

 メルディアナ魔法学校の校長室。今しがた大量の資料を片付けリアックスタイムの至福のひと時を過ごしている最中である。そんな時間に現れる魔法陣

 「む!誰じゃ!」

 すかさず杖を構える校長流石は関西の長、右衛門と同等の力が在るだけの事はある、室内に流れる緊張感、そして魔法陣の光が止み現れたのは。

 「俺は帰って来たぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 「ファァァァァ!!????」

 まぁ、アレンである。そりゃそうだ

 

 

「まったくお主は、数十年ぶりに顔を見せにこればいきなり校長室に来る奴があるか!」

 「あ~!うせさい、うるさい!そう怒るなよ、俺だってここの来たくてきた訳じゃ任だから」

 久々の再開なのにこの態度・・・ナンと言うか。俺が英雄になっても変わらない・・・

 「俺は村に飛びたかったんだよ!」

 「なおさら可笑しいじゃろ!お前さんの村から此処までどれ位距離があると思っとるんじゃ!」

 「んなこと言ったって、飛ぶ間に思った場所が此処なんだから仕方ないだろ!ここから直ぐ村に飛ぶさ!」

 俺の転移魔法は思った場所に飛ぶ仕組みなのだ、まぁそんな色んな場所には飛べないけど、旧世界なら自由自在だ!ここにとんだ原因は昔ナギと起こられたせいか。村よりこっちの方がよく覚えてるのもなんだか悲しい物があるな。

 「はぁ~まあ良い。お主らがはちゃめちゃなのは昔からだ、そんで行き成りどうした?ただの里帰りなんてするはず無かろう?」

 「んな決め付けんなよ、違うけどさ。ほらナギの息子供居るだろ?あの子に会いに着たんだよ」

 「ネギにか?」

 ネギって言う名前なのか、どんな子だろ。村滅んでじゃねぇか・・・・いや、流石にないか

 「そうそう!ネギネギ!今何所に居るんだ?こっち来てんのか?」

 「いや、お前さんの村に居るぞ?」

 「そうか!サンキュウな!」

 そうと分ればもう一回転移すれば付くだろ。

 「あっ!こらまたんか!」

 爺さんの声など無視だ無視

 

 

「う~ん、ひまだなぁ~」

僕の名前は、ネギ。スプリングフィールド!僕のお父さんは、凄い魔法使いなんだ!だけど、僕はお父さんの事良く知らない。お父さんは生れて直ぐの僕を村に残して、どっか行っちゃった・・・でも!ネカネお姉ちゃんがいるからさみしくないよ!むらのひとも優しいしね!でもアーニャは何時も僕のこといじめる。でも!すき!

「ネギー!晩御飯出来たわよー!」

「わかたったー!」

ネカネお姉ちゃんは、僕が寂しくないように遠くから来てくれるんだ!早く行かないと!

僕が二階の部屋から降りて行くと部屋の中央に大きな模様が浮かんできた。

 「つっ!転移魔法!?ネギ早くこっち来なさい!」

 お姉ちゃんが叫ぶのと同時に模様から人が出てきた!

 「ネギ!・・・ってあれ?」

 「あれなんだ別の家に飛んできたのか」

 銀髪の人は周りを見ながらそんな事を言ってきた、誰だろ?

 「アレン・・・さん?」

 お姉ちゃんは知ってるみたいだ!

 

 

 

「いや~、まさかナギの家に飛んだと思ったら間違いだったとは!いやはや悪かったよ。驚かせてごめんな?」

 俺としたことがなんと言う間違いを!目の前の子は驚いて動かないし、赤毛の男の子は状況が飲め込めないのか?マークを浮べてる。うん?この男の子・・・気のせいか?いやでも、まさか、じゃ逆にここまで似てるもんか?

 「あの~家は有ってます。ここはナギ・スプリングフィールドの家です」

 「え?でも」

 「わっ!私!ナギ・スプリングフィールの親戚のネカネ・スプリングフィールです!でこっちの子が「ネギか!」・・・そっそうです」

 「いや~そうかな~思ったんだよ!そうかそうか!本当に似てるな!」

 「うわっ!頭クラクラするぅぅ」

 「わりぃわりぃ」

 いや~、なんていうか本当に似てるよな~ナギの幼少その物じゃねぇか、でも正確はズ分大人しいな。まぁ、それはそれで面白いか良いけど。

 「あの~アレンさん?」

 「ネカネちゃんも目元とかナギによく似てるな~」

 金髪だから分かり難いが俺には分る!

 「アレンさん、どうしてネギのこと知ってるんですか?」

 「うん?メルディアナの爺さんに聞いた」

 「校長にですか!?」

 「そうだけど?」

 なんだそんな驚く事か?親友の子供に会いに来るのは、当然なだろ?なぁ~ネギィ~?

ネギの頭を撫でると不思議そうに此方を見る、可愛いぜ!

 「ねぇ、ネカネお姉ちゃんこの人だれ?」

 「え?ああ、そうね。ネギは知らないか。この人はアレンさんって言って、お父さんの一番のお友達よ」

 「お父さんの!?」

 おお、すげぇ驚いてる。

「ねぇ!お父さんの事教えて!凄いんだよね!」

 「聞きたいか?」

 「聞きたい!」

 「よし!教えてやろう!」

 「じゃあ、アレンさも一緒に晩御飯食べながら聴こうね?」

 「うん!」

 ああ~、詠春の所もそうだけどっこっちは本当に平和だ、ネカネちゃんもいい子だし、ネギもいい子。村だってさっち見たけどなんにも変わっていなかった。こんな平和な村を襲おう何てなに考えてんだ!そんな事絶対させない!

 




本当に申し訳ありません!


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16話

 「よーし!ではネギ少年のナギのなにが聞きたいかね?」

 「うーんとね、うーん?」

 「そんな悩まなくて何でも答えてやるぞ~」

 それでも尚頭を悩ますネギ・・・可愛い奴め、まったくあのナギからこの子が生れるとは、世界と言うのは摩訶不思議である。

 「あの~アレンさん?」

 「うん?なに」

 俺が悩むネギを見てると横からネカネちゃんが小声で話しかけて来た。

 「やっぱり昔のナギさんて、何て言うか、その~結構な問題児でしたよね?」

 「そりゃ、俺と二人でよく口にも言えないような子としたもんさ」

 あの比は二人とも子供だったからな~まぁ今でもやる時はするけどね!反省なんぞするか!

 「それでですね、ネギは自分のお父さんは賢くて真面目な人だと思ってるんです。だから、その~」

 「OK把握した。任しとけ」

 「すいません」

 「気にすんな、仕方ないさ」

 そりゃあ、憧れのお父さんが、札付きの割るんなんて子供からしたら堪ったもんじゃないよな、この性でネギがグレるのも嫌だし。ここは俺とナギは凄い奴だって嘘をつこうじゃないか!

 「じゃあね!」

 そんなこんなで俺たち三人は朝までナギと俺の粗大でスペシャルな昔話をしたのだった。めでたしめでたし

 

 

「わはぁ~よく寝た~おーい、ネギ朝だぞ~」

「う~ん、眠い~」

 俺が村に帰って来てからもう半年が経とうとしている。なんとも早いもんだ、ネギ会ったのがついこないだの様な気がする・・・いや、普通に長かったな。アーニャちゃんにも会ったぞ!まさか俺と同じ炎魔法を使うとは思いもよらなかったぜな!それもこれも俺の隣で寝ているネギの性だ。大人しそうに見えてやる事が、めんどくさすぎる!大型犬に戦いを挑んだり、真冬の湖に落ちたりと、肉体と精神でも鍛えてるのかと思うぐらい凄いのだ。まぁ、さすがにあれだったので訳を聞いたら、「危なくなったら、お父さんが助けに来てくれるから」

「だもな~」

はぁ~、何だかんだ言ってやはり寂しいのだ。

 なぁ、ナギ、お前の事だからナンか訳があって、ネギを村に預けたんだろ?自分の息子を危険にさらさない為とか、それでも一度で良いからネギにあってやれよ

 「う~ん、おはよお~アレン」

 「ああ、おはよう」

 俺じゃ父親の変わりは無理なんだよ。ナギ

 

 

「ネギ今日はなにをするの?」

もうすっかり習慣になったネカネちゃんの朝ごはんタイム、朝ごはんを頬張っているネギにそんな事を聞いている姿はもう完全にお母さんである。

 「今日は夜まで湖で魚を釣るんだ!大物釣るぜ!」

 「んじゃ今日の晩御飯は、ネギが釣ってきた魚だな」

 「ふふ、じゃあお弁当作らないとね」

 「うん!任せて」

 元気よく返事をするネギ、それを優しく見守るネカネちゃん、本当に平和である。ただ気がかりなのは、ガトウ達からあった襲撃者の事だ。俺が此処に居て半年、襲撃者所か、よそ者一人見かけない。森なども探って見たが、特に何が有る訳でもなかった・・・俺が来たから辞めたのか?ガトウ達もあれから情報が掴みにくらしく分らないしな・・・これじゃここを離れようにも離れられない・・・

 

 「アレンさんは如何するんですか?」 

「う~ん、特に無いかな~」

  此処らへんの見回りはすんだし。

 「じゃ、じゃあですね、わ、私と森のほうに行きませんか?近くに綺麗な場所がるんです!ど、如何ですか?」

 「良いよ~」

 油断は出来ないけど少し位なら良いよね?位置を保険はしとくし。

 「本当ですか!?じゃ、直ぐ準備しないと!ネギのお弁当も直ぐ作るわね!」

 「えっ?あ、うん?」

 何かスッゴイ速さで台所に行っただけど、なんとか矢の如しなんだけど・・・なんだっけ?

 「なんか、ネカネお姉ちゃん凄い嬉しそうだったね?」

 「あれじゃね?ずっと行きたかったんじゃね?どこか分るか?」

 「ううん、よく分んない」

 「ふ~ん」

 ネギも知らないのか、そんな場所何時見つけたんだ?まぁ、そんな事如何でもいいか。

 

 

 

「なんか俺が何かするときは何時も晴れてるな・・・はっ!俺はまさか晴れ男なのか!?やはり俺は凄い!」

 「アレンは凄い!」

 朝ごはんから数時間朝ごはんも無事済ませ。ネカネちゃんも昼ご飯を作り、俺も保険を仕掛け準備万端である。ネギはこれから池の主を連れに、俺とネカネちゃんは秘境スポットへお互いなんか楽しである!

 「楽しんで行こぉぉぉぉ!!」

 「行こお!」

 「じゃあ、はいネギお弁当。あんまり遅くなったら駄目よ?ああそれと寒くなったらこの中に毛布入れといたからそろ着るのよ?分かった?」」

 「うん!じゃあ行ってくる!」

 ネカネちゃんにお弁当を貰い元気に駆けて行くネギ。あれは多分釣れないな。俺のシックスセンスが囁いてる!

 「じゃ、じゃあ私達も行きましょか?」

 「おお~お?」

 「な、なんですか、あんまり見ないで下さい」

 「えっ?ああ、ごめんごめん。じゃあ行こうか!」

 「場所分るんですか~?」

 「俺に不可能は無い」

 なにあれ。ネカネちゃんってあんなに可愛かったっけ?女の子って服装とかであんなに変わるもんか?何時も見慣れてるはずの金髪の髪が、何時もより輝いて見える。

 

 

「迷った・・・だと」

「だから道分るんですか?。聞いたのに」

ネカネちゃんがそんな事を言ってるが、俺だって此処らへんは組まなく調べたんだ。それなりの自信はあったなのに、ネカネちゃんが言うような場所は見付からない・・・

「何故だ!」

「そんな簡単に見付けられませんよ~私だって見つけたの偶然なんですから」

得意げに大きな胸を張るネカネちゃん、悔しいが俺の負けか・・・悔しいです!

「はぁ~降参。場所教えて?」

「ふふ、分かればいいんです。じゃあ付いてきてください!」

「OK任せろ」

 

「ジョニィ!何て素敵な景色なの!私こんな所初めて!」

「何で行き成り通販番組の女の人が出てくるんですか?」

「気にするな」

「はぁ~」

なんでため息吐くかな~なんかアスナちゃんも俺がこういう事したらため息吐くんだよな~。まぁ、それはそれとして冗談抜きして俺が今いる所は本当に綺麗だ。

 その場所は小さな広場みたいに成っており。中心には湖がある。今は冬なので花は咲いてないが、咲いたら凄いんだろうな~。でも今の景色も雪が良い感じに積もっていて綺麗だ。

「すげぇ、な」

 「そうでょ?私も此処に長いこと住んでるんですけど、つい最近まで知らなかったんです。」

 近くの岩に座りながらそんな事を言ってくるネカネちゃん、俺もここには10歳ぐらいまでは住んでたんだけどな全然知らなかった。あの頃はナギと二人で森を破壊してたもんだ。多分上手い事木々とかに紛れて認識障害魔法見たいに隠れてたんだろうな~

 「でもどうして俺と二人なんだ?こんな良い所じゃネギもつれて来た方が絶対良いだろ?」

 「まぁ、そうなんですけど・・・今回はお礼も兼ねて二人で来たかったんです・・・」

 「??」

 湖の方に歩いて行くネカネちゃん、なんだろうなんか凄く寂し方に見える。今にも泣き出して程に・・・

 

 「私ねアレンさんに感謝してるんです。でもそれと同じぐらい嫉妬してるんです・・・だってアレンさん行き成りネギの前に現れてナギさんの親友だからって直ぐネギと仲良くなって!ネギの悩みとか聞いたり。そんな二人を見てると・・・」

 「私なんか・・必要じゃな無いような気がして・・・はは、可笑しいですよね!・・忘れてくださっ!?えっ!?」

 「はぁ~なに言ってんだよ」

 ネカネちゃんが後ろ向く前に抱きしめて上げる・・・この子は・・・はぁ~なんて言うか

 「バカだなぁ~」

 「だって!だって!私といる時嫌な事とかあっても絶対言わないのに!アレンさんには、言ってるじゃないですか!!湖に落ちた時だって!あの子・・・私じゃなくてナギさんを見てた・・・もん」

 「そんなことないよ、ネギは知ってるよ。ネカネちゃんがあの時泣きながら自分を看病してくれた事も、どれだけ自分の事を心配してくれてるのかもどれだけ愛してくれてるかも」

 「じゃあなんで!」

 「だからだよ」

 ネカネちゃんの足元に水滴が落ちる。

 「ネギは男の子だから、ネカネちゃんには言えないんだよ。まだ幼いけどそれでも小さな意地があるんだよ。ネギだって俺だってネカネちゃんが居なくて良いなんて思わないよ・・それに」

 「・・・それに?」

 「・・・ネカネちゃんが居なくなったら、ご飯が食べられない」

 ネギはもちろん俺も料理なんて殆ど出来ない・・・龍の丸焼きは出来るけど

 「・・・ぷっ、なんですかそれ。それじゃまるで私は専属のコックみたいじゃないですか」

 「あっ!いや、それは言葉のあやで!?」

 「分ってますよ・・・ありがとうございます」

 人をからかう位元気になった様だ。良かった良かった。んじゃ、抱き付いているのもあれだしそろそろ離れるか

 「あの~もう少しだけ・・・このままで良いですか」

 「・・・良いよ」

こっちの方があったかいし良いよね。色んな意味で



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17話

ずっと抱きついてるのも恥かしいので、あれから数10分で離れて今はネカネちゃんお手製のお弁当タイムです!

 「いや~やっぱりこういう所で食べるお弁当は最高ですなぁ~俺殆どこう言う場所でしか食べた事無いけど」

 「そ、そうですかそれはよ、良かったです・・・」

 なんかあれからネカネちゃんの反応がよそよそしいとです。やはり行き成り抱きついたのが不味かったのか!?いや、でもじゃあ離れるよな・・・はっ!怖かったのか!?あ~いや、でも

 「う~ん、ん~」

 「さん・・・アレンさん!」

 「はっ!?」

 「なした!?」

気付けばネカネちゃんが至近距離から俺の名前を連呼していた。

 「アレンさんさっきからずっと湖見たままで私の話聞いてました?」

 「え?ああ、もちろん。あれだ?あの、ビックバンが起こる前の宇宙はないがあったかだろ?いや~、難しいな」

 「そんな壮大な話だれもしてませんよ!」

 まじかよ、すこしだけ考えてしまったじゃないか。でもなにが有るんだろ・・・・なんでもいいや

 「はぁ~聞いて無かったならそう言ってください。別に怒りませんから」

 「ok、任せろ」

 そうならそうと言ってくれたら俺もよく分らない事を考えずに済んだのに、でもその原因を使ったのは俺か、因果応報か

 「今度はネギをつれて三人で来たいですねぇ~って話してたんですよ」

 「なほどねぇ~確かに喜ぶだろうな、あっ!アーニャちゃんも連れてこよう。あの子ネギに気が有るみたいだし!いい考えだろ?」

 「それはいいですね!でもどうしてそう他人の恋心はすぐ気付くのに自分に向けられるのは気付かないの?」

 「なんか言ったか?」

小声でよく聞こえなかったけど、理不尽に攻められた様な気がする、よく理不尽男ラカンに喧嘩吹っかけられる時に似てる感じだ

 「えっ!?べ、別になにもないですよ?」

 「じゃあいけど」

 どうやろ気のせいの様だ。まぁここにラカンがいる訳無いか。あいつ今なにしてんだろ?魔法世界にでも行って見るか。テオドラにも久しぶりに会いたいし

 「そういえば、どうしてアレンさんネギの事知ってたんですか?」

 「だからそれは、学校のジジイに聞いたんだよ」

 「いや、そうじゃなくてどうしてネギの存在を知ってたんですか?アレンさんだってナギさんに会ってないんですよね?」

 そういえば、ガトウ達から聞いたって話してなかったな。・・・・つっ!?

 「このタイミングでか!?」

 「えっ?どうしたんですか?わ、私変な事聞いちゃいました!?」

 「いや、ネカネちゃんは何も悪くないよだから、少しだけ寝てて」

 「え?」

眠りの霧で気絶するネカネちゃん、行き成りで悪いけど説明する時間もないし、少しだけで寝ててね。後で謝るから

 「認識障害と防御結界を張ってと」

今現在俺の村は悪魔に襲われてる。でも俺の分身が防いで村人を非難させてるから少しだけ時間が稼げるから大丈夫!

「だと思ったに!」

 なんたいか上級悪魔が紛れてやがる。俺の分身は流石に勝てずどんどんやられてる!英雄の息子って言ってもまだ全然子供だぞ!?村一つ消すまでやろうなんて頭可笑しいだろ!

 「ぐげぇ?」

 「じゃまだ!」

 村の端にいた悪魔数十匹を吹き飛ばす!だが数が尋常じゃない空一面が黒に染まってる。幾らなんでも数寄越しすぎだろ!

 「魔法の射手・拡散10001矢。悪魔どもを蹴散らせ!」

魔法の矢は悪魔に触れた瞬間爆発を起こし周りにいた悪魔も蹴散らす!これでまた数は減ったが状況は災厄だ。村は炎に包まれ人々は石になってる。しかもこれ俺じゃどうにもならない奴だ。

「なんで!俺が此処に残っていれば!ああもう!」

暴れ回る悪魔どもを蹴散らす。後悔は後だ今は此処に居るこのゴミ共を一掃する。悪魔どもは俺に標的を変えたのか、俺に群がってくる。好都合だ。この間にまだ石になって無い。村の人たちを逃がす。

「てめぇらは、俺の八つ当たりに付き合ってもらうぜ!」

「コロセェェェェェェェェェェ!!!」

一番最初に突っ込んできた悪魔の顔を殴り、向かって来ようとする悪魔の群れに投げつける。

“弾けろ”

瞬間吹っ飛ばされた悪魔の体が爆発し周りの悪魔もろとも消滅する。だがそんな事には目もくれず突っ込んで来る悪魔ども

「杖よ」

手元に移動させた杖に魔力を纏わせ、杖を一振り、蹴り。殴り。悪魔どもは何も出来ずにただ俺に消されて行くだけ、届いたものが居ても魔法障壁で防がれ次の瞬間には消える。

「之で終わりだ!“炎の暴風”消し飛べ!」

取り合え、ここら一体は大丈夫だろ、ネギは何所だ?俺の分身もまだ見つけられないし!くそ!

 「ああ!?」

別の場所で起こる大爆発、いやそれはたいした問題じゃない。いや、問題なんだけど。それより爆発の場所にある魔力は

 「ナギィィィィィ!?あっ!ネギの魔力も感じる!」

何かよく分んないけど、取り合えず行くか!

 

 

「お前等本当に邪魔なんだよ!」

向かってくる悪魔どもを蹴散らしながす。どこだ?どこにいる。ネギ?ナギの魔力はあるのだが、ネギの魔力が一向に見付からない。しかも最後に感知したナギの近くから離れてる。ああ!くそ!視界も悪魔だらけで全然見えねぇし!

「何所だぁぁぁぁ!ネギィィィィィ!!・・・ん?」

周りにいる悪魔どもを一掃した時。一瞬視界の端に何か居たような?・・・・なんだまた悪魔か。ってネギも居た!

 「取り合えず邪魔」

近くに居た悪魔を消しさりネギの近くに行く。良かった・・・怪我は無いみたいだ。おお、スタンの爺さんも無事だったか。

「アレン・・・」

 「久しぶりだな・・・ナギ」

 悪魔を倒し終えたのか空からネギが降りて来た。ネギは顔が分らないのか俺の後ろに隠れるスタン爺さんは驚いてる。

 「死んだんじゃないのか?」

 「へっ、俺がそう簡単に死ぬかよ」

 ああ、そんな事分ってるよ・・・

 「お互いなんか大変だな・・・」

 「ああ」

 今目の前に居るナギが普通じゃないのは直ぐ分った。それはナギも分ったのか、なにも言わない。ああ、時間が無いのか・・・

 「ネギ、お前の父さんだ」

 後ろに居るネギをナギの前に押し出す。ネギは俺達の反応で誰か分ったのかゆっくりとナギに近づ居て行く。

 「お・・・おとう・・・さん?」

 「・・・そうか、お前が・・・ネギか・・・大きくなったな。お前にはなんにもしてやれなかったもんな」

 お父さんに会えた嬉しさなのか、ネギの顔は涙で濡れていた。良かったな、ネギ。ずっと会いたかったもんな。でもそんな時間は長くは続かない・・・なんで

 「お前には・・・この杖をやろう、俺の形見だ」

 「形見って・・・お前」

 「分ってんだろ」

 「お・・・お父さん?」

 不安そうにナギを見つめるネギ、ずっとずっと会いたかった父親に会えたのに、数分でお別れは嫌だよな・・・

 「アレン・・・ネギの事頼めるか?」

 「・・・分ったよ。少しだけな」

 「少しかよ」

 お互い笑い合う、少しだけ昔のナギの笑顔だった。そしてナギゆっくりと宙に浮き出した。

 「ネギ!お前にはこんなこと言えた義理じゃねぇが・・・元気に育て!幸せにな!」

 「おとうさぁぁぁぁん!!!」

そしてナギは姿を消した。俺はそれをただ見つめる事しか出来なかった。

 



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