私が考えた新サクラ大戦 (高木 勇一)
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第七話 花の運命の1シーン

新サクラ大戦発売おめでとうございます。

楽しくプレイできました。

続編にも期待しています。

今回はこうだったら「燃えた!」と思う要素を追加したものを書かせていただきました。

第七話「花の運命」の1シーンになります。


戦艦ミカサを襲う砲撃が納まる。

 

こまち「砲撃がやんだ?」

 

指令室の空間が歪み闇が広がる。

 

その闇から幻庵葬徹が禍々しい気配とともに姿を現した。

 

神山「貴様は……幻庵 葬徹!」

 

すみれ「落ち着きなさい!幻ですわ。」

 

幻庵「すでに幻都の封印は解かれた。」

 

幻庵「幻都が完全に解き放たれるまでもう時間の問題だ。今さら貴様達になにができる。」

 

神山「俺達は諦めない!」

 

幻庵は視線を司令官である、すみれにうつす。

 

幻庵「お前達はそうかもしれん。……が、貴様はどうかな?」

 

司令官、神崎すみれは俯き歯を食いしばっている。

 

その手は強く握られ小刻みに震えている。

 

ただごとではない。

 

幻庵「幻都が復活すれば降魔皇様は復活される。だがそれは旧華撃団の者どもも同じことだ。」

 

神山「……なんだと!」

 

幻庵「旧華撃団の解放。お前は今までそれを望んできたのではないのか?それを願って生きてきたのだろう?」

 

幻庵「我と貴様の願いは同じなのだ。」

 

幻庵「分かっただろう。今すぐこの場を去れ。そして旧華撃団を待つがいい。」

 

すみれ「……っ!」

 

すみれは俯いたまま何も発さない。

 

神山「華撃団を舐めるな!神崎司令は伝説の華撃団員だ!」

 

すみれ「!!!」

 

神山「俺が旧華撃団を救い降魔皇も倒す!」

 

幻庵「威勢がいいな。すみれがお前の言葉に耳を貸すかな?」

 

幻庵「さぁ、この場を去れ。すみれよ。」

 

俯いていた、すみれが顔を上げる。

 

すみれ「あの戦いでわたくしの霊力は尽きてしまった。」

 

すみれ「わたくしは、一人残されたのです。わたくしは……一緒に行くことができなかった。」

 

すみれ「わたくしは……みんなが消えていくのをただ見つめることしかできなかった。」

 

すみれ「みんなに会いたい。」

すみれ「それだけを思い続けて……眠れぬ夜を何度過ごしたでしょう。それだけを願い……わたくしは生きてきました。」

 

幻庵「ならばこそ大人しく去るがよい。」

 

すみれ「おだまりなさい!」

 

 

幻庵「なに!?」

すみれ「さくらさんは……消える前にわたくしを見ながら笑いました。」

 

すみれ「ああ、良かった……。すみれさんがいるなら……帝都は安心だ……。そう言ってくれました。」

 

すみれ「帝都を任された、わたくしが帝都を危険に晒す?」

 

すみれ「そんなことをしたらみんなに顔向けできませんわ!」

 

すみれ「悪を倒して正義を示す……。それが華撃団です!」

 

幻庵「……貴様!その言葉覚えておけ。必ず後悔することになるぞ!」

 

その言葉と共に幻庵は闇に消えた。

 

扇子を取り出し笑顔を浮かべる、すみれ。

 

神山「司令!」

 

すみれ「オホホホ……。」

 

照れ隠しのように笑う。

 

初穂「あのバケモノ相手にすげぇな、指令。」

 

クラリス「これが……トップスタァ。」

 

あざみ「里の掟、109条。神崎指令は怒らせるな。今作った。」

 

アナスタシア「……負けたわ。」

 

すみれの迫力に言葉を漏らす花組。

 

カオル「……すみれ様。」

 

心配そうにカオルが声をかける。

 

すみれ「ありがとう。わたくしは大丈夫ですわ。……それに神山くんが何とかしてくれるみたいですし。」

 

すみれが神山に笑顔を投げかける。

 

すみれ「何か作戦があるのかしら?」

 

神山「残存する他の華撃団に声をかけましょう!華撃団同士で協力して幻庵を倒します!」

 

男性「良く言った!それでこそ花組隊長だ!」

 

女性「それでこそムッシュの後継者だよ。」

 

男性「素晴らしい。我々も協力を惜しまないよ。」

 

すみれの後方にある通信装置の画面から複数の男女の声が聞こえる。

 

通信画面が光り映像が映し出された。

 

米田「久しぶりだな。すみれ。……本当に頑張ったな。」

 

藤枝「すみれ。遅くなったけど協力するわ。」

 

すみれ「米田指令!かえでさん!」

 

すみれの瞳に涙が滲む。

 

グラン・マ「久しぶりだね。お嬢ちゃん。アタシ達も協力するよ。」

 

すみれ「お久しぶりです。感謝いたしますわ。」

 

サニーサイド「すみれくん。うちも混ぜてくれよ。」

 

神山「神崎指令。……この方々は?」

 

すみれ「こちらは元帝国華撃団の米田司令と藤枝副司令ですわ。」

 

すみれ「こちらは巴里華撃団のグラン・マ司令ですわ。」

 

すみれ「こちらは紐育華撃団のサニーサイド司令ですわ。」

 

米田「すみれ。いい隊長を迎えたな。」

 

すみれ「はい。」

 

藤枝「新しい花組の隊長がそう言うと思って上海、倫敦、巴里、紐育、元帝国華撃団と連携し、新帝国華撃団を援護します。」

 

神山「ありがとうございます!」

 

こまちとカオリが声をあげる。

 

こまち「また砲撃が来るで!戦闘準備や!」

 

カオリ「すみれ様、空中戦艦が後方に迫っています。これは……友軍です。上海、倫敦、巴里、紐育、旧帝国華撃団の翔鯨丸です。」

 

すみれ「神山くん!」

 

神山「各華撃団、出撃せよ!」

 

一同「了解!!!」

 

幻庵との最後の戦いが今始まる。

 




本当は同人ノベルゲームを作ろうと思ったのですが我慢できず書きました。



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