クロスレイズレーン ーThe Gandamuー (Abe)
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第1話 ゼロ始動

皆さん明けましておめでとうございます。今年がよい年になるといいですね。(ちなみに私は編集用のパソコンが壊れました。)←聞いてない。

諸事情により、4日に出せなくなったので投稿します。まだまだ雑な部分もあるからそれでもいいよっていう方はどうぞ。


「ねぇ、お母さん。」

 

「どうしたの?」

 

まだ幼い子供が母親らしき人と話している。

 

「お父さんまだ帰ってこないの?」

 

「いつも遅いからね。さあ、もう寝なさい。」

 

「えぇー。お父さんに会いたいー!」

 

「明日は休みだからすぐに会えるよ。」

 

「うーん。……じゃあまたお父さんのお話聞かせて!」

 

「また?…それを聞いたらすぐに寝る?」

 

「うん!」

 

その女性は諦めに近いため息を出しながら話し始めた。

 

「昔々あるところに一人の少女がいました。」

 

これは、この世界を守る為に戦った、英雄たちの物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニオン本国近海

 

そこには一隻の空母が目的地に向かうべく航路を進んでいた。空母には二人の少女の姿が見える。

 

ヴェスタル「いよいよ、出発ですね。」

 

幼さを持った白髪の少女は、ユニオン所属の工作艦 ヴェスタルだ。

 

ヴェスタル「大きな戦いになるかも……気を付けてね」

 

ヴェスタルはもう一人の少女を心配そうに見ている。

 

エンタープライズ「ああ。……そうだな。」

 

声をかけられた少女は右腕に鷹を乗せながら真剣な表情をしている。

 

この少女はの名は、エンタープライズ。

 

グレイゴーストの異名を持つ、ユニオン最強の空母である。

 

彼女たちは対セイレーンの為に造り出された存在、Kinetic Artifactual Navy Self-regulative En-lore Node。通称KAN-SEN。この技術を用いてセイレーンから制海権を奪還し、再び平和が訪れたと思ったが、敵は内部から現れた。それはアズールレーンからの重桜と鉄血の脱退。そこから重桜と鉄血は同盟を結び、レッドアクシズを結成。こうして再びアズールレーンとレッドアクシズ、そしてセイレーンとの三つ巴の戦争に向かっていた。今向かっているのはレッドアクシズに対抗するための基地の内の一つ。その船は止まることなく、航路を進む。

 

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戦い、そう……戦いはいつの世も変わることはない。

 

              エンタープライズ

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アズールレーン新設基地

 

一人の少女が木の上から基地を見下ろしている。誰かと話しているようだ。

 

綾波「はい。こちら綾波。」

 

???「作戦中だぞ。コードネームを使え。」

 

綾波「あ。ごめんなさい。こちら、柚。……基地の構造はだいたい把握した、です。」

 

???「よし。こちらもそろそろ仕掛ける。状況を見て合流しろ。」

 

綾波「了解。」

 

綾波は先程会った少女たちの姿が思い出されるがそれを振り切り、合流ポイントへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アズールレーン新設基地近くの海域

 

二人の少女がアズールレーンの基地を眺めている。

 

???「いつでも行けるぞ、大鳥。」

 

???「加賀。戦いの本質はなんだと思う?」

 

加賀「あの、赤城ねえ様。コードネームを。」

 

赤城「戦いとは傷つけること。戦いとは傷つけられること。戦いとは、痛みを交換することよ。」

 

赤城が加賀を抱きしめる。

 

赤城「痛みを通じて、互いの思いに触れあうの。すなわち、愛に他ならないわ。」

 

しかし、加賀がその手を払う。

 

加賀「加賀には、ねえ様の言うことがよくわかりません。私はただ、討ち滅ぼすだけ。」

 

風向きが急に変わり、黒い雲が近付いてくる。

 

赤城「うふ。釣れない子ねぇー。」

 

赤城が黒いメンタルキューブを手に持つと、それに呼応するようにセイレーンの大艦隊がどこからともなく現れる。

 

赤城「さあ、戦争を始めましょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘開始から数十分後

 

状況から言うに、見事に重桜の作戦ははまり、赤城と加賀の息の合った攻撃に、アズールレーン側の艦船たちも疲弊しきっていた。そして唯一その場にいた軽空母のユニコーンも、加賀の船が獣のような姿に変化した巨体の獣の攻撃に被弾してしまう。海に落ちたユニコーンを殺そうと大型艦が口を開けた……その時だった。何処からともなく現れる一機の艦載機が巨体の獣の体内をつき抜ける。

 

赤城「なに!?」

 

赤城が艦載機が飛んできた方向に目を向ける。セイレーンの艦隊よりもさらに奥。一隻の空母が佇んでいる。

 

クリーブランド「あの船は!?」

 

その船はグレイゴーストの異名を持つ、ユニオン最強空母エンタープライズ。

 

赤城「ユニオンの空母ね。もしかしてあいつが……。」

 

クリーブランド「間違いない。あれこそ私たちユニオンの最強空母!」

 

赤城「灰色の亡霊。大いなるE。まさか!?」

 

加賀「そうか。貴様が!」

 

 

 

エンタープライズ「エンタープライズ、エンゲージ!」

 

エンタープライズが叫ぶと艦がキューブ化し、それがエンタープライズの体に集まっていく。それは艦載機を射出する滑走路と長い弓に変化した。

 

エンタープライズ「行くぞ。」

 

エンタープライズが海面を勢いよく蹴り、赤城と加賀のもとへと高速で接近する。しかし、正面はセイレーンの艦隊が行く手を阻むように道をふさぐ。エンタープライズは飛翔し、艦載機の上に乗る。セイレーンの艦隊がビーム兵器で艦載機を撃墜させようとするが、それを巧みに避け、即座に反撃の機銃をお見舞いした。セイレーンの包囲網を抜ければ赤城と加賀はすぐそこだ。

 

加賀「面白い!」

 

加賀の後ろから青白い炎が展開し、それをエンタープライズに向けて発射させる。

 

エンタープライズ「はぁ!」

 

エンタープライズがそれを見て即座に弓を放つ。それはある所で分裂し、加賀が放った炎を消し去る。消し去れなかった炎は、エンタープライズが弓の先端を使い、振り払っていく。

 

エンタープライズ「ツッ!?」

 

大型の獣がその鋭い爪で襲いかかるが、艦載機から飛び降りすぐさま弓を構えて発射する。魚雷の形をした矢が大型の艦載機に命中し、獣が悲鳴をあげる。海に崩れていく巨体の獣の背に乗り、加賀の近くまで駆け抜ける。

 

加賀「私を楽しませる、亡霊よ!」

 

再び加賀の後ろに炎が展開される。

 

赤城「待ちなさい!加賀!」

 

赤城が止めるがもはや聞く耳を持たない。その炎をエンタープライズに向けて、すべて射出させる。しかし、すべての炎を華麗に躱し、弓を構えた状態で加賀に詰め寄る。

 

加賀「貴様!?」

 

エンタープライズ「とったぞ。」

 

エンタープライズの矢が加賀の胸に突き刺さり加賀が悲鳴をあげる。

 

加賀「ぐわぁー!?」

 

加賀は青白い炎を全身に出して燃えている。エンタープライズが海面に着地すると、それと同時に加賀が召還していた大型の獣が完全に消滅する。

 

加賀「クッ!?私の体に傷を!……この体はねえ様の!」

 

加賀はもう一度換装を展開し、それをエンタープライズに向ける。エンタープライズはただ無言で加賀を見上げている。

 

赤城「そこまでよ。加賀。」

 

加賀「!?、ねえ様!加賀はまだ戦えます!」

 

赤城「わかっているわ。でも、そろそろ潮時よ。」

 

セイレーンの艦隊がアズールレーンの砲撃や艦載機の魚雷で攻撃されている。すでに沈んだものもいるようだ。

 

赤城「目的もおおむね果たしたわ。上々な戦果よ?」

 

赤城が黒いメンタルキューブを手に持つ。

 

加賀「はい。ねえ様がそう言うのでしたら。」

 

エンタープライズ「逃がすと思うか?」

 

エンタープライズが弓を二人に向ける。

 

赤城「あーら、怖い怖い。そんな目で見つめられたら私どうにかなってしまいそう。」

 

その時、何処からともなく赤い紙がエンタープライズの腕にぶつかる。それが水に落ちると炎を出して消滅する。エンタープライズが目を向けるとそこには一隻の艦船、瑞鶴が佇んでいる。

 

瑞鶴「先輩方、そろそろ時間です。」

 

赤城「ええ。おいとましましょう。」

 

赤城と加賀は瑞鶴のもとへと飛翔する。

 

エンタープライズ「待て!」

 

しかし、もうかなり遠くなってしまった二人を追いかけるのは容易ではない。

 

赤城「さてと、後はここを去るだけ……あら?」

 

加賀「どうかしましたか?ねえ様。」

 

赤城「セイレーンの格納庫の中に……なにかしら?」

 

セイレーンの戦艦の格納庫から姿を見せている不気味な存在、汎用量産型モビルスーツ リーオーが起動の時を静かに待ち続けている。その存在はレッドアクシズにもアズールレーンのどちらとも知らない、未知との遭遇であった。それと同時に別方向から落ちてきている謎の物体を加賀は静かに見上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

???

 

家具がソファーしかない無機質な部屋で一人の男が座っている。その男は薄い緑の髪を持ち、白を基調とした服を着ており、紫色の瞳をしている。

 

???「もう、重桜はなくなっても問題無いだろう。大蛇が起動すると厄介だからね。」

 

???「……これでまた計画が進むだろう。…………さて。」

 

???「さあ、始めようか!」

 

その男はどこかに向かって声をあげた。

 

???「きたるべき未来の為に!」

 

謎の男の前に置かれたコンピューターが物凄い速度で何かに情報を送っている。内容は読解不能な語源の為、何を送られているのかかわからない。はたして、彼がやっていることは正義なのか?それともすべてを破壊する悪そのものなのか。?それはまだ、誰にもわからない。

 

???side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

宇宙空間

 

無重力空間の中、一機のスペースシャトルが飛んでいる。いや、それはスペースシャトルではない。スペースシャトルの外装をしたモビルスーツ(MS)、ウィングガンダムゼロだ。ウィングゼロはネオバード形態に変形させることが可能で、そこにスペースシャトルの外装を取り付け偽装している。ウィングゼロのパイロット、ヒイロ・ユイは真下にそびえる地球と似たような惑星を見つめていた。

 

ヒイロ「……これは。……驚いたな。これほどまで地球と似た星があるとは。」

 

ヒイロは自分たちの世界を守りきった後、流浪の旅に出た。様々な人や自然にふれあい、誰もが悲しまない世界を目指すため彼は今も戦い続けている。

 

ー文明はどれほど進んでいるのだろうか。降りてみたいが……。ー

 

その時、ウィングゼロのレーダーに数十人の生体反応と数えきれない程の数のモビルスーツの反応が出る。

 

ヒイロ「なに?このモビルスーツの反応は、リーオーだと?!………どうやら考える時間は無さそうだ。」

 

両手で握る操縦桿を素早く倒し、白い翼を広げメインスラスターから大出力の推進力を生み出し、空気を切るようにその場所へと加速する。接触までにかかる時間は200秒。一瞬の迷いもなくヒイロのウィングゼロは、戦場へと高速で迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加賀「ねえ様。もう行きますが?」

 

赤城「ちょっと待って加賀。」

 

リーオーのツインアイに明かりが灯る。それは続々と他のセイレーンか艦船から出てくる。

 

クリーブランド「……すっごく嫌な予感がするなあ。」

 

クリーブランドのフラグは見事に当たり、105mmマシンガンをアズールレーン、重桜に構える。

 

エンタープライズ「なっ!?まずい!、逃げろ!」

 

エンタープライズが声をあげる頃にはリーオーがマシンガンを周りに発泡していた。

 

ジャベリン「ひぃー?!」

 

ラフィー「た、助けてー。」

 

エンタープライズ「クッ!?……フッ!」

 

エンタープライズは怯むがすぐに体勢を立て直し、矢を放つが、リーオーの装甲にはその攻撃では傷一つつかない。そのうちに一機のリーオーがビームーサーベルを引き抜き、エンタープライズに突き刺そうとする。

 

エンタープライズ「こんなところで……せめて、一矢報いる!」

 

最後の抵抗を見せ、戦闘体勢に入るエンタープライズだが、いつの間にかリーオーは空を見上げていた。エンタープライズも空を見上げると、それは白い装甲を赤く燃やしながらも、こちら側に高速で迫ってきている。一機のリーオーがスペースシャトルがこちらに近づいてきていると感知するとそれに反応し、全機のリーオーが105mmマシンガンを発泡。105mmマシンガンの集中砲火がスペースシャトルを襲う。スペースシャトルにマシンガンの集中砲火が当たり、木っ端微塵になる、誰もがそう思ったがそれは違った。それは自分から白い装甲を吹き飛ばす。

 

エンタープライズ「あれは、鳥?」

 

鳥のようなシルエットをした何かがこちらに迫ってくる。しかし、鳥にしてはずいぶん大きい。

 

エンタープライズ「あれは一体?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒイロ「……あれか。全機破壊する。」

 

ヒイロは上にあるレバーを引く。すると機体がネオバード形態から、人型へと変形する。リーオーの大群を過ぎたところで反転し、ツインバスターライフルを前方に構える。ゼロシステムとヒイロの技量により、一寸の狂いもなく照準を合わせる。

 

ヒイロ「ターゲットロックオン。……そこだ!」

 

ヒイロがトリガーを引く。大出力のビームを発射される。それはリーオーの大群をたちまち飲み込んでいく。とてつもなく激しい衝撃波が押し寄せる。艦船たちは皆、吹き飛ばされないように必死に海面に踏みとどまる。エンタープライズは、衝撃波がおさまると目を開けてその光景に驚愕した。数秒前までいたリーオーの大部隊のほとんどか消滅していた。エンタープライズはもう一度降りてきたモビルスーツを見る。それは、トルコロールのカラーリングの装甲と、背部に背負う羽と大型のバーニアを持っている。

 

 

 

その名はガンダム。ゼロの名前を持った、世界を変える力を持ったガンダムである。その機体を操り、ヒイロは一体どんな未来を掴むのだろうか。

 

 

 

ヒイロ「残敵残り10か。……すべて片付ける!」

 

ペダルを踏み込み、バーニアからの推進力でリーオーに接近する。接近するウィングゼロを打ち落とそうとリーオーがマシンガンを乱射するが、それを巧な操縦桿捌きで避けていく。リーオーが接近された為、肩に設置されたシールド裏からビームサーベルを引き抜こうとするが

 

ヒイロ「遅い!」

 

ウィングゼロがすでに右肩からビームーサーベルを引き抜いていた。そのままリーオーに向かってビームーサーベルが振り下ろされる。リーオーは為す術もなく袈裟斬りされ、機体が真っ二つに切断される。巨大な爆発に飲み込まれるが、ウィングゼロは次のターゲットを探すべくペダルを踏み込む。黒煙が晴れ、その中からウィングゼロが現れる。その隙をつこうと、リーオーが三機で突貫するが、

 

ヒイロ「邪魔だ!」

 

ウィングのビームーサーベルがリーオーに横一閃切り裂く。リーオーの胴体が宙を舞う。さらに爆音が辺りに響く。黒煙の中から無傷で出てくるウィングゼロ。一瞬にして三機のリーオーがやられたのを目の当たりにした残りのリーオーが戦線を離脱していくが

 

ヒイロ「逃しはしない。……沈め!」

 

ウィングゼロがそれを許さない。ツインバスターライフルの照準がリーオーに定まる。

 

ヒイロ「俺を敵に回したのが運の尽きだ。」

 

ヒイロがトリガーを引く。大出力のビームがリーオーを消し飛ばしていく。それが止んだときには数分前に居たリーオーの大部隊は一機も見当たらなかった。

 

 

 

 

 

加賀「……すべてを蹂躙するか。……面白い!」

 

加賀がウィングゼロの強さを目の当たりにして、換装を展開して勝負を挑もうとするが

 

赤城「無駄よ加賀。手痛い反撃を食らうだけよ。」

 

加賀「しかし、ねえ様!」

 

ウィングゼロが加賀の存在に気付き、そちらを向く。しかし、武装を使うようすはない。

 

赤城「いい?加賀。……相手に攻撃の意志がないならそれでいいじゃない。今は一刻も早くここを離脱することが最優先よ。」

 

加賀「………はい。わかりました、ねえ様。」

 

重桜の艦隊が退いていく。それが見えなくなるまで見届けると、ヒイロはパイロットスーツのヘルメットを外した。

 

ヒイロ「なんとかなったか。しかし、リーオーがこの星にいる。……先程のリーオーはおそらく無人機。誰かが遠隔で操作していたということか。」

 

ヒイロはリーオーの残骸を見る。その残骸からはとても機体のデータが取れるとは思わない。

 

ヒイロ「駄目か。……やはり情報が少ないか。ここにリーオーが来ているのも気になる。……一体誰が?それにしても、兵器との一体化か。……酷いものだ。だが……これが戦争か。」

 

バーニアに火が付き、今まさに飛び立とうとした時

 

エンタープライズ「待て!」

 

輪とした声が響く。ウィングゼロがツインアイがそちらを向くと

 

エンタープライズ「お前は一体なんだ?何を目的としている?」

 

エンタープライズは恐怖していた。その圧倒的な力があれば、すべての艦船を。さらにはセイレーンをもすべて絶滅させる力があると確信したからだった。しかし、その機体から発せられた言葉はエンタープライズの予想を大きく上回るものだった。

 

ヒイロ「気の効いた言葉は言えないが、誰もが笑っていられる世界を求める。……ただ、それだけだ。」

 

エンタープライズ「そんな力がありながら笑顔を求めるだと!?笑わせるな。」

 

ヒイロ「出来るさ。世界を変えるのは、絶対的な力を持った強者ではないからだ。」

 

エンタープライズは改めてその機体を見る。彼が言った言葉には嘘偽りが一切含まれていないと感じていた。

 

エンタープライズ「なら、なぜ戦争は続いていく?」

 

エンタープライズがその機体に問いかけたその時

 

 

完全に破壊されなかった一機のリーオーが4連発バズーカを二人に構え、狙いを定めてロケットが打ち放つ。。轟音が辺りに響きわたる。リーオーはバズーカを打った反動で水面に叩きつけられる。それにより限界を迎えたリーオーは、海中へと沈んでいった。

 

 

 

ヒイロはリーオーからのロケットの存在に気づいていた。避けようと思えば避けられるのだが、目の前のエンタープライズはウィングゼロの巨体な体のせいでちょうどロケットを隠しているのだ。それに、もう当たるまで時間があまりない。だが、ヒイロは自分が決断したことをやめようとはしなかった。ヒイロの強い意志が、恐れを吹き飛ばす。

 

 

 

「答えろ!」

 

エンタープライズがその機体に詰め寄る、その時だった。

 

ウィングゼロのシールドがエンタープライズの髪を掠める。一瞬何がおこったかわからなかったようだが、自分の上にシールドを展開しているのは理解したようだ。エンタープライズばその意図がわからない行動に疑問を口にするため声を出そうとしたが、それはロケットがウィングゼロに当たる爆音でかき消された。

 

 

 

一発目は右側の大型バーニアに被弾。出力が25%ダウン。

 

機体はエンタープライズから退く様子はない。コックピットルームにもその衝撃が伝わる。いくら厚い装甲を持っているとしても、動力源を狙われては出力が下がる一方 だ。しかし、ヒイロは一歩も退かない。

 

 

 

二発目が右側のバーニアの制御装置に直撃する。さらに出力が50%ダウン。

 

もはや移動することもこの出力ではままならないが、ヒイロの意志は変わることはない。目の前の命を助けるために、姿勢を維持させることをやめない。

 

 

 

三発目がウィングゼロの左後頭部に直撃。ヒイロにモニターが見せていた景色がブラックアウトする。しかし、かろうじて右目のツインアイが生き残る。ヒイロは衝撃で頭を打ち、血が流れるがそれでもなおウィングゼロを動かそうと必死に操縦桿を握る。

 

 

 

 

四発目がコックピットルームの背面に被弾。衝撃で体がハッチに何度もぶつかる。右腕などの各所の骨が折れたのをヒイロは感じる。しかし、ヒイロは満足そうな感情をうかべていた。

 

「……任務……完…了。」

 

 

 

 

 

エンタープライズは数秒間に一体何がおこったのかまるでわからなかった。爆音が止むと頭上に構えられたシールドから出る。

 

 

そこにある機体は酷かった。ウィングゼロの要でもあるバーニアは右側が50%ほど消し飛び、左肩もバーニアが付いているが機能が完全に停止した状態になっている。ウィングゼロの頭の部分も半分ほど消失している。かろうじて右目のツインアイが残っているだけだ。コックピットの背面は装甲がへこみ、痛々しい姿となっていた。

 

「……なぜ。……なぜ私を助けたのだ?」

 

ウィングゼロが姿勢の維持が出来なくなり、海へと倒れていく。ヒイロは意識が途切れながらも、少女の問いかけに答えようとする。

 

「……死んで…いい…人間など、この…世には存在し…ない。……行き続けろ。それが……命ある…生命…の…義務…だ。」

 

言葉が途切れ途切れになりながらも、ヒイロはなんとか話しきる。

 

ウィングゼロは主の意識がなくなったのを確認して、完全に機能を停止した。ツインアイの光がなくなる。

 

その光景を、完全に破壊されなかったリーオーの正方形のモノアイが静かに眺めていた。それを誰が見ているのか、その時そこに居合わせた者は誰一人として知ることはなかった。

 

 

ヒイロ side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??? side

 

???「さっきの別次元から出したリーオーって機体。すべて破壊されたようだよ?リボンズ。」

 

紫色の髪を持ち、眼鏡を掛けた中性的な顔立ちをした者がソファーにいるリボンズという男に向かって話しかている。

 

リボンズ「なに?艦船たちにそのような力があるとは考えにくい。……どういうことだリジェネ・レジェッタ。」

 

リジェネ「ガンダム、と言ったらわかるだろう?」

 

リボンズ「そんなことがまさか………別次元からか?」

 

リジェネ「ああ、おそらくあのリーオーがいる次元から来たんだろうね。」

 

リボンズ「だとしても旧型機。それにも関わらずあの数を倒すガンダムか。……少し興味が出るね。」

 

リジェネ「そうだろう?だとしたら戦わせてみないかい?君のお気に入りの傭兵君を。」

 

リボンズ「アリー・アル・サーシェスか。……だがガンダムがどこにいるかわからないでか?」

 

リジェネ「その点は問題ないよ。リーオーの目から直接見たからね。」

 

リボンズ「そうか。……もし、サーシェスが倒されることがあったら……それは面白い余興だがね。」

 

リジェネ「旧型機は新型機には倒せない。それは君も知っているだろ?そんなことはあるわけないよ。……さてと、彼にその事を伝えてくるよ。」

 

リジェネが部屋を出ていく。一人残されたリボンズ。

 

リボンズ「リジェネ・レジェッタ。君が僕からベーダを奪おうとしているのは知っている。……時期に始末してやるさ。せいぜい今を楽しむといい。」

 

リジェネは自分の計画がリボンズの手の上で転がされているのを知るよしもなく、破滅へと進んでいく。

 

ーリジェネ、使いやすい駒としての役割を果たすんだよ。ー

 

リボンズがほくそ笑みを浮かべていた。

 

リボンズ side out

 

 

 

           ーto be countedー

 

 

 

次回予告

     BGM ーコードネームはヒイロ・ユイー

 

ヒイロ

 大損害を受けたアズールレーンは急ピッチで艦船の復興を急ぐが、帰還中の部隊が五航戦の空母の翔鶴、瑞鶴の攻撃を受ける。急いで援護に出るエンタープライズたちだが、そこにヤークトアルケーガンダムを操るアリー・アル・サーシェスが現れる。サーシェスの無差別攻撃に、どちらの陣営も壊滅寸前まで追い込まれる。しかし、雲の影から一つのG(ガンダム)の影が現れる。 

 

 

 

次回 クロスレイズレーン 第二話 対話を求めるガンダム

 




4日から一週間の間に2話投稿予定。なるはやでがんばります。


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独自設定1

独自設定パート1

 用語とかこの世界のヒイロとかの設定です。

謝罪 予告の時に別の題名だったんですけど変えたことについて深く謝罪したい。本当に申し訳ない。


用語

 

・新型機

ガンダム00に出てくる太陽炉を持った機体を指す。

ー例ー

・ELSクアンタ

・ヤークトアルケーガンダム

 

・旧型機

おおよその作品の機体が当てはまる。動力源が炎や核のエネルギーのものを指す。

ー例ー

・ウィングガンダムゼロ

・リーオー

 

 

 

キャラクター設定

ーヒイロ・ユイー

アニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する主人公の一人。

 

ー本作ではー

 

・年齢 21歳

 

・身長 174cm

 

ー乗機ー

 

・ウィングガンダムゼロ

 

ーメインヒロインー

 

・現段階では公開不可

 

 

本作では新機動戦記ガンダムW Endless Waltz終了後、流浪の旅に出た設定。年齢、身長を共に高くしました。クロスレイズレーンでの乗機はウィングゼロです。メインヒロインほ話が進まないと公開できないので。まあ、察しがいい方はわかってるとは思いますが。

 

 

ーリボンズ・アルマークー

アニメ機動戦士ガンダム00の登場人物の一人。

 

ー本作ではー

 

・年齢 不明

 

・身長 165~170?

 

ー乗機ー

 

・不明

 

ーメインヒロインー

 

・居るわけがない。(彼は主人公たちサイドではありません。)

 

 

 

リボンズにヒロインは不要です。最終決戦て刹那たち率いるソレスタルビーイングを一人残らず壊滅させた。ヴェーダを完全に手中に納め、世界の神をも越える存在になっている。ヴェーダの技術で過去や未来、または平行世界の物体、人をリボンズから作り出される割れ目から様々な世界の物をアズールレーンの世界に召喚している。リボンズの企みは一切不明。(現時点)リボンズは一体なぜアズールレーンの世界に居るのだろうか?

 

 

ーリジェネ・レジェッター

同じくガンダム00の登場人物。

 

ー本作ではー

 

・年齢 不明

 

・身長 163~167?

 

ー乗機ー

 

・不明

 

ーメインヒロインー

 

・現時点で不明(ごめん。まだわかんない。でも、もしかしたら……ちょっとわかんないんで保留で。)

 

 

 

結構最後の方はいい奴だったんだよ。最終決戦の時にティエリアを助けられなかったことをいつも悔やんでいる。代わりにヴェーダを奪い返すために日々、奮闘しているがリボンズに気づかれている。使い勝手のいい駒としてまだ生かされている。リジェネさんはいい奴ポジションです。彼は生きれるんですかね?個人的には生きて欲しい。

 

 

 

 

ーウィングガンダムゼロの機体説明ー

 

・ネオバードモード

 

「ネオバードモード」と呼ばれる戦闘機形態に変形することで、単独での大気圏突入や長距離の高速巡航を可能としている。

変形方法は背部のウイングのカバーを平行に展開させ、頭部・下半身を180度回転、両膝・肩アーマーを折り畳み、足首収納と同時にゼロバーニアを露出、フロントスカートとサイドアーマーを副翼の如く立たせた後ウイングシールドとツインバスターライフルを背部ジョイントにマウントして変形を完了する。

 

ー登場武装ー

 

・ツインバスターライフル

 

2挺のバスターライフルを平行連結した大型ビームライフル。最大出力ではスペースコロニーを一撃で破壊可能。機体から直接エネルギー供給されるため機体のエネルギーが続く限り発射可能。2挺に分割する事で別方向への同時射撃や、出力を調整する事で低出力で通常のビームライフルのように連射する事も可能な柔軟性も持つ。

 

ネオバード形態時はグリップを収納し分割した状態でシールド側面に設置され、そのままでの発射も可能。

 

・ビームサーベル

 

接近戦用の斬撃武装。形状は一般の量産機が装備するサーベルと大差ないがビーム表面に形成される電離層により水分子とビームが分離され水中でも使用可能。通常時は開閉式の肩アーマーに収納されている。

 

・マシンキャノン

 

両肩に内蔵された4銃身式機関砲。発砲時は肩口の装甲が回転し銃身が露出する。基本的に牽制や近接防御が主用途だが、標準的なチタニュウム合金製MSであれば数秒の速射で破壊可能。

 

 

           To be counted




なぜジョジョネタ?と思った方。まじで気にしなくていいです。ちょっとセリフとかに使いたいなーって思ってるだけなんで。リボンズにヒロインは不要!これ絶対!リジェネさん、……頑張って。

第2話 4日から一週間の間に投稿予定。


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第2話 対話を求めるガンダム

以外と遅くなってしまった。本当に申し訳ない。AGEを現在、もう勉強中です。ヴェイガン抹殺おじいちゃんが面白かった。やっぱりショートヘアスタイルのヒロインは死亡確率が高すぎると思うのだが……。


リーオーを動かす謎の男リボンズ・アルマーク。しかし、彼の企みをヒイロ・ユイのウィングガンダムゼロが打ち倒す。アズールレーンとレッドアクシズとの戦争が激化する中、本来なら存在しない者たちが与える変化は彼女たちにどのような影響を与えるのか。

 

 

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強者など何処にもいない!人類全てが弱者なんだ!

俺もお前も弱者なんだ!

               ヒイロ・ユイ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

♦️

 

アズールレーン基地

 

黄色の毛を持った生き物が動いている。見た目はひよこなのだが、様々なサイズの者がおり、中には帽子を被った者まで居るようだ。彼らの名前は饅頭。アズールレーンの雑用から整備までを担当する優れ者だ。小型のボートから負傷者の捜索作業にあたっている。

重桜からの攻撃をなんとか退けたアズールレーンを襲った謎の存在。ウィングゼロの回収を小型の船がロープを5隻に繋げてドックまでの移動作業をおこなっている。

それを遠くから見守るウェールズとイラストリアス。

 

ウェールズ「やられたよ。重桜に先手を打たれるとは。」

 

イラストリアス「重桜が鉄血と組むことは予想されていました。でも……。」

 

イラストリアスが見ている先はセイレーンの残骸。セイレーンたちは重桜に攻撃せず、アズールレーンだけ攻撃してきたのだ。つまり重桜を含むレッドアクシズはセイレーンをも取り込んでいることになる。

 

ウェールズ「セイレーンの力。それがどれほど危険なものか、わかっているのか?」

 

イラストリアス「復旧を急ぎましょう。私たちロイヤルの主力も直に到着します。二度と、こんな不覚をとらないように。」

 

ウェールズ「…ユニオンのエンタープライズ。今回は彼女に救われたな。」

 

イラストリアス「ええ。ですが、彼女は危ういです。」

 

ウェールズ「あいつは強い。まっすぐに放たれた矢のように迷いがない。だが……。」

 

イラストリアス「強く張り詰めた矢は、簡単に切れてしまいます。」

 

ウェールズ「それに、問題はそれだけではないからな。」

 

ちょうどドックの中に運び込まれていくウィングゼロをチラリと見ながら

 

ウェールズ「イラストリアス。……あれをどう見る?」

 

イラストリアス「………わかりません。でも、あれは彼女のことを守っているように見えました。敵として見るのはまだ早いのかもしれません。」

 

ウェールズ「あれに乗っている者に話を聞くしかないだろう。それにしても、あれは一体なんなのだろうか?」

 

イラストリアス「今は、敵ではないことを祈るしかないですね。」

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 ドック内

 

???「慎重に固定しろよー!」

 

ウィングゼロをドック内の壁に固定するように饅頭に指示を飛ばしている男が一人。肌の色は日焼けして黒く、身長は180もある40歳ほどの大男だ。名前をウルド・シバ。このアズールレーンの新設基地に派遣された整備担当である。

 

ウルド「ったく。まさか派遣一日目で基地が襲撃されるとは、ついてねぇーなあ。……それにしても、いったいなんなんだこりぁ?」

 

ウルドは壁に固定されたウィングゼロを見る。機体は損傷がひどく、至るところに様々な傷が付いている。

 

ウルド「どっから手をつけるべきだ?」

 

ウルドはウィングゼロをじっくりと眺めていく。すると

 

ウルド「お?ありゃあ、もしかして操縦室か?」

 

コックピットを発見する。すぐに上下移動式のリフトをウィングゼロの下に持ってくる。ウルドと数人の饅頭がプラットホーム型の乗る部分に乗り、コックピット前に到着する。

 

ウルド「……しっかし、こんなもん開くのか?…ん?もしかしてこれか?」

 

ウルドが発見したのはコックピットの開閉装置だ。コックピットは暗証番号でしっかりとロックされている……が

 

ウルド「…適当に押してみっか。……これと、これと……お!開いたぜ!」

 

ウルドの驚愕するほどの強運で暗証番号を一発で引き当てる。コックピットハッチがゆっくりと開いていく。

 

ウルド「……誰か中に居るのか?」

 

コックピットの中を警戒しながら恐る恐る見ていくと

 

ウルド「お、おい!大丈夫か?」

 

中には頭から血を流している青年が気を失っている。体には至るところに傷があり、かなりの重症のようだ。

 

ウルド「誰か!医療スタッフ呼んでこい!」

 

ウルドか叫ぶと、下から見守ったいた饅頭たちが医療スタッフを呼ぶためにドックを飛び出していく。

 

ウルド「…とりあえずこの中から出すか。」

 

ウルドは饅頭たちと協力して青年を操縦席からプラットホームまで運び、リフトを下へと降ろしていく。運んだウルドは青年を見て驚く。

 

ウルド「こんな若いのがこれを動かしてんのか?……すげぇな。」

 

ウルドが感心していると後ろから医療スタッフが数人走ってくる。

 

医療スタッフ「ウルドさん。その方ですか?」

 

ウルド「ん?ああ。こいつだ、こいつ。ずいぶんと傷がひでぇから急いでくれ。」

 

医療スタッフ「わかりました。」

 

医療スタッフたちは慣れた手つきで青年をストレッチャーに乗せ、医療病棟へと運んで行く。

 

ウルド「さてと、もうこれに構わなくてもいいか。よし、お前ら!今から艦の修復作業に戻るぞ!持ち場もどれよー!」

 

ウルドが叫ぶと一目散に持ち場えと戻る饅頭たち。そこえ、

 

イラストリアス「あら?ウルドさんですか?」

 

ウルド「ん?おお!イラストリアスの嬢ちゃんか。本国以来だな。」

 

イラストリアス「やっぱりウルドさんでしたか。お久しぶりですね。」

 

ウェールズ「おや?ウルドではないか。久しぶりだな。」

 

ウルド「ん?ウェールズか。つーことは女王様も直に来んのか?」

 

ウェールズ「ああ。もちろんだ。」

 

ウルド「………前線に来る女王って今考えたら駄目だろ。」

 

ウェールズ「……まあ、本人もやる気が出ているのだからいいだろう。」

 

イラストリアス「そういえばウルドさん。修復作業は順調ですか?」

 

ウルド「いや。こっちも手が追い付いてねぇーよ。なんたってドック内に入りきらなくて外でも整備してるんだぜ?」

 

イラストリアス「そうですか。……やはり痛い攻撃でしたね。」

 

ウェールズ「ああ。だが今回は完全に私たちの落ち度だ。主力艦も揃っていない状態で追い返せたのはやはり奇跡だな。」

 

ウルド「……というかあれは一体なんなんだ?セイレーンがあんなもん作ってたら一瞬で国が滅んじまうぞ。」

 

イラストリアス「……あれについては私たちにもまだわかりません。」

 

ウェールズ「そもそもセイレーンか、と言われるとまた違う気もするが。……それにしても大きいな。何メートルあるんだ?」

 

ウルド「だいたい17メートルぐらいあんなぁ。そういやーあれを動かしてたと思う奴なら怪我してたから病院に運んどいたぜ。」

 

ウェールズ「本当か?すまない、忙しいときに。」

 

ウルド「ま、いいってことよ!くれぐれも怪我すんなよ!」

 

ウェールズ「その言葉。そっくりそのままお返しさせてもらう。」

 

イラストリアス「ウルドさんもお体にお気をつけてくださいね?」

 

ウルド「おうよ!」

 

ウルドが駆け出すと二人もドックを後にした。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 近海

 

二隻の空母が500メートルほどの位置に居るアズールレーンの艦たちに迫っていた。重桜の五航戦、瑞鶴と翔鶴だ。

 

翔鶴「ああ、可愛そうな私。意地悪な先輩に目を付けられるなんて。そう思わない?瑞鶴?」

 

瑞鶴「……真面目にやろうよ翔鶴ねえ。この戦いで一航戦の先輩に、私たちの実力を認めさせなくっちゃ。」

 

翔鶴「もー。本当に瑞鶴は素直なんだから。大丈夫よ瑞鶴。お姉ちゃんが守ってあげる!」

 

瑞鶴「うん!お姉ちゃんがいれば、何も怖くない!」

 

 

 

 

 

 

ー同時刻 アズールレーン基地指令室ー

 

ウェールズ「ホーネットたちの援護に向かうぞ。誰か動ける船は居るか?」

 

その時指令室の扉が開き、イラストリアスが入ってくる。

 

イラストリアス「ウェールズ!エンタープライズ様が…。」

 

ウェールズ「なに?」

 

 

 

 

 

 

クリーブランド「エンタープライズ!先走るなってば!」

 

エンタープライズ「事態は一刻も争う!グッ!?」

 

いきなりエンタープライズが体制を崩す。それをなんとか支えるクリーブランド。

 

クリーブランド「やっぱりダメージが残ってるじゃないか!こんなの無茶だよ!」

 

エンタープライズ「……ホーネットは私の妹だ。」

 

クリーブランド「!………エンタープライズ。……なんだ。人間らしいところ、あるじゃないか。仕方ない、付き合うよ。」

 

クリーブランド「……私も、妹がたくさん居るんだ。気持ちはわかるよ。でもせめて、護衛艦が居てくれればなぁー。」

 

ラフィー「ラフィー居る。」

 

ジャベリン「みんなを助けに行きましょう!」

 

エンタープライズとクリーブランドの後ろに現れるラフィーとジャベリン。

 

クリーブランド「…オーケー!」

 

 

 

 

一方その頃、ホーネットは五航戦の翔鶴の航空機から落とされる魚雷を必死に避け続けていた。

 

翔鶴「この笛のしらべは、亡者も沈める鎮魂曲。」

 

翔鶴の笛に合わせて多量の航空機が射出されていく。すでにホーネット以外の艦は攻撃をくらい、沈没仕掛けている者がほとんどだった。

 

ホーネット「防戦一方ってのは性に合わないんだけどな!」

 

ホーネットが魚雷を避けるため、わずかな隙ができる。

 

瑞鶴「もらったぁ!」

 

そのわずかな隙を付いてホーネットに迫る瑞鶴。

 

ホーネット「しまった!?」

 

瑞鶴の刀がホーネットを切り裂こうとしたその時、何処からか現れた航空機が瑞鶴に機銃を発泡する。

 

瑞鶴「なに!?」

 

しかし、優れた反射神経で銃弾を刀ですべて弾き返す。瑞鶴が航空機が来た方向を見ると銀髪の長い髪を持つ艦が一隻、こちらに迫っている。エンタープライズだ。

 

ホーネット「姉ちゃん!」

 

エンタープライズ「行け!」

 

エンタープライズがホーネットの撤退のために前に出る。

 

ホーネット「ありがとう姉ちゃん!」

 

緑と青の航空機が入り乱れる。

 

瑞鶴「来たかグレイゴースト!……ハァ!」

 

瑞鶴がエンタープライズに急速に迫り、刀を振り下ろす。

 

エンタープライズ「フッ!」

 

エンタープライズもそれに反応し、弓を構えて防御し、つばぜり合いの形になる。

 

瑞鶴「ユニオン最強空母、エンタープライズ!相手にとって不足なし!」

 

瑞鶴が刀をエンタープライズの弓へと押し込む。しかし、その力を利用して一気に瑞鶴を弓で吹き飛ばす。瑞鶴はすぐさま体勢を立て直し、エンタープライズとの距離を開ける。

 

瑞鶴「いざ!尋常に勝負!」

 

瑞鶴が刀を構え、エンタープライズも弓をすぐさま射出が出来るように構える。今、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

クリーブランド「おーい、ホーネット!助けに来たよー!」

 

ホーネットが呼ばれた方を見ると、クリーブランド、ジャベリン、ラフィーが他の艦の救助にあたっていた。

 

ホーネット「ナイスタイミング。間一髪だったよ。」

 

ホーネットが近くによると安心したのか体勢が崩れそうになるが、クリーブランドがすぐさまそれをおさえる。

 

クリーブランド「よっと。今のうちに撤退しよう。待ってて。今、船を出すから。」

 

キュィーンというエネルギーのチャージ音。

 

???「そいやー!」

 

新たな艦からの攻撃を全員がすぐさま避ける。空中に浮遊している少女から発射された砲撃が水柱をあげる。

 

???「ウフフフ。」

 

クリーブランド「今度はなんだよ!」

 

???「グーテンターク。私たちとも遊んでよ?アズールレーン。」

 

少女の後ろから船が数十隻も現れる。赤が特徴的な船だ。セイレーンとはまた違う。

 

ホーネット「お前たち鉄血か。」

 

???「任せてもいいかしら?ニーミ?」

 

また新たな少女が現れる。ニーミと呼ばれた少女は身長が他と比べると低い。どうやら鉄血の駆逐艦のようだ。少女が換装をアズールレーンに構える。

 

Z23「鉄血、駆逐艦。Z23と申します。貴方たちをここで倒します。」

 

それと同時にもう一人少女が出てくる。今度の少女は鉄血よりも重桜の艦にも見えるが。

 

ジャベリン「あ!綾波ちゃん………。」

 

綾波と呼ばれた少女はジャベリンとラフィーの存在に気付くが、すぐに目をそらされる。そんな中、ラフィーが前に出る。

 

ラフィー「みんなを連れて撤退して。」

 

ジャベリン「な!?ラフィーちゃん!?」

 

Z23「自分から殿をかって出ますか。敵ながら敬意に値します!」

 

 

♦️

 

???

 

リジェネ「この座標だ。くれぐれもガンダムのパイロット以外は殺すなよ。」

 

サーシェス「おう。殺さなきゃいいんだろう?殺さない程度にしときますよ。………それに、ガンダムのパイロットは殺していーんだろ?」

 

リジェネ「ああ。出来れば機体の完全な破壊ではなく部品の回収ができる程度に抑えてくれよ?」

 

サーシェス「はいはい。リジェネの旦那からの任務ならいくらでも!」

 

ヤークトアルケーガンダムのコックピットが閉まる。それと同時にサーシェスとの通信を切る。

 

リジェネ「狂人め。野垂れ死にでもすればいいのに。」

 

サーシェスに聞こえないように悪態をついた。

 

 

 

サーシェス「さーて。久々に暴れられるぜ!やっぱ、ガンダムとじゃねーとな!」

 

目の前のゲートが開き、真っ青な空が現れる。

 

サーシェス「ヤークトアルケー。出るぜぇ!」

 

機体色が真っ赤に染め上げられたヤークトアルケーが擬似改良型太陽炉の粒子の赤い光と合わさり、まさにそれは命を刈り取る真っ赤な死神のようだった。ヤークトアルケーはガンダムを破壊するためにアズールレーンの基地へとトップスーピードにて突き進む。その航路に戦闘中のアズールレーンとレッドアクシズが居ることなど誰も予想は出来なかった。

 

 

 

 

ーアズールレーン基地指令室ー

 

机に置かれている備え付けの電話が鳴る。

 

ウェールズ「アズールレーン基地指令の…」

???「久しぶりね!ウェールズ。」

 

ウェールズ「陛下!?」

 

ウェールズの言葉を遮ったのはロイヤルの戦艦にして、艦隊を束ねる高貴なる女王、クイーン・エリザベスだ。

 

エリザベス「待たせたわね。このクイーンエリザベスの高貴なる艦隊が到着よ!」

 

アズールレーンとレッドアクシズの交戦地点から数キロ離れた地点にいるのは、フッドやウォースパイトなどのいるロイヤルの主力艦隊だ。

 

ウェールズ「助かりました陛下。実は今、友軍が敵襲を受け…。」

 

エリザベス「もちろんお見通しよ!すでに手は打ってあるわ。」

 

 

 

ロイヤルの主力艦隊から先行して進んでいる艦が一隻。白い髪を揺らす少女だ。服は……メイド服?

 

 

 

 

エンタープライズの弓から矢が発射される。

 

瑞鶴「クゥ!?」

 

しかし、瑞鶴も刀で矢を横に受け流す。受け流された矢が海中て爆発し、巨大な水柱を上げる。すぐさま次の矢を放つため、弓を構えるが

 

瑞鶴「させるかぁー!」

 

瑞鶴が打たせまいとエンタープライズに接近する。すぐさま弓で刀をガードするエンタープライズ。

 

瑞鶴「まだまだぁー!」

 

ガードを崩すため怒涛のラッシュでエンタープライズを追い詰め、再びつばぜり合いになる。

 

瑞鶴「この程度か、グレイゴースト!」

 

瑞鶴の怒涛のラッシュで体勢が崩れたエンタープライズ。それを逃すまいと、瑞鶴が迫る。

 

翔鶴「駄目!瑞鶴!」

 

瑞鶴はエンタープライズが倒れながらも弓を構えている姿を見る。

 

瑞鶴「クッ!?」

 

瑞鶴はなんとか刀で矢を頭上に受け流す。しかし、その矢は一機の航空機へと変化し、二人に向かって魚雷を落とす。

 

瑞鶴「なっ!?無茶苦茶だー!?」

 

巨大な水柱が発生し、煙が蔓延する。すぐに瑞鶴は煙から出るが、エンタープライズの蹴りを食らって海面を転がる。

 

瑞鶴「な、なんて奴なんだ。」

 

なんとか体勢を立て直す瑞鶴だが、すでに立て直しているエンタープライズが正面に立っている。

 

瑞鶴「ま、まだ……。せめて………一太刀!」

 

エンタープライズ「無理だ。諦めろ。」

 

瑞鶴がなんとか力を入れて立ち上がろうとするが、エンタープライズが弓を構える。しかし、その弓がダメージを受けていたこともあり、壊れてしまう。

 

瑞鶴「今だ!」

 

それを見た瑞鶴は力を振り絞って立ち上がり、全力で刀を振るう。それを迎撃しようと航空機を射出しようとするが、蓄積したダメージがあるためそれが出来ない。

 

瑞鶴「もらったぁー!」

 

瑞鶴の刀がエンタープライズを切りつける、はずだった

 

???「失礼いたします。」

 

メイド服を着た少女が腕に付けた換装で、瑞鶴の刀を止める。

 

瑞鶴「な!?なんなのーあんたは!」

 

???「通りすがりの、メイドでございます。」

 

すぐさま翔鶴が瑞鶴の隣に降り立つ。翔鶴が瑞鶴を心配しているが

 

瑞鶴「メイド!なんの冗談だ!」

 

???「大真面目なのよそいつは。ロイヤル、エディンバラ級軽巡洋艦ベルファスト。こんなふざけた格好してても歴戦の強者よ。甘く見ないことね。」

 

ベルファスト「ご機嫌麗しゅうございます。鉄血のプリンツオイゲン様。このような場所で会うとは奇遇でございますね。」

 

オイゲン「そうね。鉄血とロイヤル。遠く離れたこの場所で決着をつけるのも悪くないわね。」

 

ベルファスト「私は一向に構いませんが。」

 

ベルファストの後方からロイヤルの主力艦隊が到着する。

 

ベルファスト「その分、こちらも全力でお相手させていただきます。」

 

エンタープライズ「あれは、ロイヤルの主力艦隊。」

 

今、ロイヤルと鉄血の総力戦が始まるのを赤いガンダムが上空から見つめていた。

 

 

♦️

 

ロイヤル対鉄血 海域上空

 

サーシェス「おいおい、こんなところで戦争やってんのか!いいーねぇ、楽しそうじゃねぇーか!」

 

サーシェスの操るヤークトアルケーガンダムが上空からロイヤルと鉄血との戦闘を眺めていた。

 

サーシェス「そういやーリジェネの旦那からはガンダムのパイロット以外は殺すなって言われてたな。………別に殺さなきゃいいんだろ?怪我はさせるなとは言われてねぇーよな。」

 

サーシェスの顔が笑顔に変わる。

 

サーシェス「任務とちげーが……まあいいだろ。いい声で泣けよ?女ども。」

 

その笑顔はまるで残忍な殺人鬼のような顔だった。

 

 

 

 

 

オイゲン「準備はいいかしら?ベルファスト?」

 

ベルファスト「ええ。もちろんでございます。」

 

戦いが始まる、その時だった。

 

サーシェス「行けよ!ファング!」

 

ヤークトアルケーのスカート内に搭載されているGNファングが空を舞う。12基のファングが先端から艦たちに向かってビームの刃が牙を剥く。ロイヤルや鉄血の艦たちはほとんどが避けるがエンタープライズはダメージの蓄積により、すぐには動けなかった。それを見逃すはずもなくファングがエンタープライズに接近する。エンタープライズがファングの存在を気付いたときにはすぐそこまで迫ってきていた。それを見てエンタープライズは死を悟った。

 

ー………ここまでか。ー

 

せめて、潔く死のう。そう思っていたその時

 

ベルファスト「エンタープライズ様!」

 

ベルファストがエンタープライズを突き飛ばす。

 

エンタープライズ「なっ!?」

 

エンタープライズは突き飛ばされ海面を転がる。数秒後、ベルファストが先程いた場所で爆発が起こる。すぐさまエンタープライズはベルファストが居ると思われる方向を見る。煙が少しずつ晴れていく中からベルファストが現れ る。

 

エンタープライズ「お、おい。大丈夫か?」

 

エンタープライズが声をかけるが反応がない。エンタープライズが立ち上がりそれに近づく。それはとても痛々しい姿になっていた。GNファングに貫かれた部分は肉が抉られ、そのあとの爆発による火傷などもひどい状態だった。

 

エンタープライズ「ッツ!?また、私をかばって?」

 

ヒイロ。ウィングゼロにも助けられベルファストにも助けられた。しかし、自分はなにも出来ない。エンタープライズは膝をついてしまう。そんな姿を見て、ヤークトアルケーからのスピーカー

 

サーシェス「クハハハッ、どうしたどうしたぁ!?もしかしてお前、助けてもらったのかぁ?そりゃー良かったなぁー!……もしかしてお前、怖じ気づいたのか?……プッ!クハハハハっ!そうそかそうか、怖いもんなぁ。自分は助けてもらったが、なにも出来ない出来損ないじゃねぇーかよ。」

 

エンタープライズ「……貴様に。貴様に何がわかる!?」

 

サーシェス「わかる?わからないねぇなぁーそりゃあ。でも、おめぇは自分の命すらも自分で守れねぇーんだよなぁ?」

 

エンタープライズ「……仕方ないだろ!こんな状態で来たのだから。」

 

サーシェス「でも、ここにそんな状態で来たのは誰かのせいかぁー?」

 

エンタープライズ「…………。」

 

サーシェスに問われた質問に答えることが出来ずに下を向いてしまうエンタープライズ。しかし、その回答をサーシェスが変わりに話した。

 

サーシェス「結局のところ全部自分のせいなんだよ。そんな状態だから自分も守れず、誰かを犠牲にしてんだよ。」

 

サーシェスがひどく冷淡な声でエンタープライズのプライドを引き裂く。

 

サーシェス「そこの女も可愛そうだなー?こんな出来損ないのために命を落とすなんてよー。」

 

エンタープライズは自分はこんな男よりはましだと勝手に思っていただけだった。仲間が自分を助ける理由を作ったのはエンタープライズ自身。そうーーーーもとからこの男に優れているところなど、どこにも存在しなかったのだ。

 

サーシェス「こんな出来損ない、神にかわって罰を執行する。」

 

ヤークトアルケーの背中に設置されたGNバスターソードを引き抜き、エンタープライズに構える。

 

ベルファスト「出来損ないでは……ございません。」

 

エンタープライズの前に立ったのはベルファストだ。

 

ベルファスト「というか、なぜ貴方に決められないといけないのでしょうか?」

 

ベルファストは先程の傷を感じさせない振る舞いだが、体はやはり先程の攻撃でかなりのダメージを受けているため、立っているのがやっとの状態だ。だが、それでもエンタープライズの前に立っている。

 

ベルファスト「エンタープライズ様、あなた様は出来損ないではございません。」

 

エンタープライズ「どうして……どうしてそんなことが言えるんだ?」

 

ベルファスト「価値は自分で決めるものではないからでございます。」

 

サーシェス「女。悪いことは言わねぇ……そこをどけ。」

 

ベルファスト「断じてお断りさせていただきます。」

 

サーシェス「そうか……じゃあ、とっとと死ね。」

 

ヤークトアルケーのバスターソードがベルファストに向かって振り下ろされる。エンタープライズが後ろから手を伸ばすが、届くはずもない。ベルファストは目を閉じてその時を待った。しかし、いつまで待っても攻撃がこない。ベルファストはゆっくりと目を開ける。

 

サーシェス「なんだぁー、てめぇ?」

 

ベルファストが見たのはヤークトアルケーのバスターソードを片手で止めているELSクアンタの姿だった。

 

 

 

刹那 side

 

ヤークトアルケーのバスターソードを片手で止めながら、刹那は後ろに立っている少女を見ていた。

 

刹那「……ひどい傷だ。……人の命は、失えばもう、戻りはしないとゆうのに。」

 

サーシェス「まさかお前さんが目標のガンダムか!壊しがいがありそうだぜ!」

 

ー……話すだけ無駄か。ー

 

刹那は無線通信をきる。

 

刹那「力を持った人間はまだ、このような争いを、繰り返すつもりなのか……。」

 

刹那は目の前のヤークトアルケーを見る。

 

刹那「そんなこと、絶対にやらせはしない。……今再び、武力介入を行う……!」

 

クアンタの目が力強く光り、辺りに緑色のGN粒子が放出される。対話を求めるために生まれたガンダム。ELSクアンタは刹那とともに、武力介入を開始する。……そう、あの頃存在した、ソレスタルビーイングのように。

 

 

 

 

 

 

サーシェス「……何処かで見たような機体だと思ったら、まさかクルジスのガキだとは思わなかったぜ!ハハハハ!また、説教でもしてみたらどうだぁ?あぁ?」

 

しかし、サーシェスの煽りに微動だにしない。それもそのはず、先程に刹那は無線通信をきってしまったためサーシェスの声が中に居る刹那に届くことはないのだ。さらに、サーシェスは煽るのに夢中だったためクアンタの目が光るのを見落としていた。

 

サーシェス「おいおいおい!だんまりかぁー?クルジスのガ……。」

 

その瞬間、クアンタの鋭い蹴りがヤークトアルケーを蹴りあげる。

 

サーシェス「グホォ!?」

 

サーシェスでも反応出来ないほどの蹴りが炸裂する。上に飛ばされたサーシェスは自分に一体何がおこったのかもわからないまま上へと飛ばされる。だが、すでにクアンタは次の攻撃に入っており、強烈な右腕のパンチにより今度は横へと吹っ飛ばされる。

 

サーシェス「ゲバァ!?」

 

海面を転がるヤークトアルケー。クアンタから少し離れたところまで転がるが、そこは流石と言うべきかGN粒子を放出させすぐに機体の体勢を立て直す。

 

サーシェス「…てめぇ、クルジスのガキじゃねぇな。あのガキの動きじゃねぇ。」

 

本当は刹那が乗っているのだが、長い年月をかけて精練された戦闘技術は、サーシェスを遥かに凌駕していた。

 

サーシェス「ならこいつはどうだぁ!行けよ、ファング!」

 

ヤークトアルケーは再びGNファングを発射。ビームの威力を最大に上げたファングがクアンタに向かって高速で迫るが……。

 

刹那「……見えている。」

 

クアンタが手を前に出すとGNソードビットが後ろから召喚される。その数はヤークトアルケーの発射してきたファング11基の数を凌駕する驚異の30基。

 

サーシェス「おいおいまじかよ!?」

 

刹那「……目標を、駆逐する。」

 

クアンタの後ろにテレポートされたソードビットが一斉に発射される。赤と緑の光がぶつかり合う。それに打ち勝つのは緑。クアンタのソードビットがその数で押しきる。

 

サーシェス「チッ。舐めんじゃねぇーぞ!俺の方が上なんだよ!」

 

ヤークトアルケーの背部の右側に設置されたGNランチャーで迎撃を試みるが間に合わない。捌ききれなかったソードビットがヤークトアルケーに突き刺さる。両腕と両足を素早く切断され、胴体部分しか残っていない無惨なヤークトアルケーが出来上がる。

 

サーシェス「糞がぁー!?うぜぇーんだよ、ガンダム!」

 

これ以上の戦闘は不利だと判断したサーシェスは戦闘から離脱しようとするが……。

 

刹那「……逃しはしない。」

 

クアンタの手がELSに包まれる。その中から形成されるのはGNソード。GNソードをライフルモード切り替えてヤークトアルケーを狙う。刹那の射撃技術も合わさり、ヤークトアルケーに照準を合わせる。

 

刹那「……必ず当てる。……そこだ。」

 

刹那は静かに引き金を引いた。ヤークトアルケーの動力源である擬似改良型太陽炉を正確に撃ち抜く。

 

サーシェス「糞がぁー。覚えてろよ、ガンダムゥ!」

 

捨て台詞を吐いて空中で爆発。黒い黒煙が空に広がっていく。そのなかを突き破ってくるのは脱出用のコアファイターだ。それは空へと向かって飛び去っていく。

 

刹那「ああ、そうだ。かつて俺も、このように武力介入を行っていたんだ……。」

 

刹那 side out

 

 

 

 

 

クリーブランド「おーい!二人とも、怪我はない?」

 

エンタープライズ「私よりも彼女を。ひどい怪我なんだ。」

 

クリーブランド「こ、この傷は……こんな場所で治療できるものじゃないよ。」

 

エンタープライズ「そんな……じゃあ、彼女を見捨てるのか!?」

 

クリーブランド「……でも、どうすることも出来ないじゃないか!」

 

クリーブランドに最もな意見を言われ、エンタープライズが押し黙る。

 

クリーブランド「応急処置しても基地まで体が持つかどうか……て、うわぁー!?」

 

いつの間にかクアンタが音もなくクリーブランドのすぐ横に居た。中腰になったクアンタのコックピットハッチが開く。その中から出てくるのは青いパイロットスーツを着た男だ。顔の部分は外からは見えない仕様なのか曇ったように見える。

 

エンタープライズ「彼女に近づくな!」

 

刹那「……信用出来ないかもしれないが攻撃の意思はない。」

 

その男はクアンタの腕の上に乗っている。どうやらタブレットで腕を操作しているようだ。

 

刹那「……頼む。彼女を助けたい。」

 

エンタープライズ「あなたがどうにか出来るのか?」

 

刹那「ああ。そのために俺はここに居る。……それに、今は一刻も争う。そこを退いてくれ。」

 

刹那の目の前に立ち塞がるエンタープライズはいまだに信用しきれていないが、エンタープライズを見つめる瞳に嘘偽りは一切ないと感じられた。エンタープライズが道を開ける。

 

刹那「感謝する。」

 

エンタープライズ「余計なことでもしてみろ。その首を跳ねるぞ。」

 

クリーブランド「エンタープライズ、流石にそれは言い過ぎじゃない?……というか、一体なにをしようとしてるの?」

 

刹那「まあ見ていろ。」

 

刹那がベルファストの肉が抉れている部分に手を当てる。すると、刹那の手からELSの結晶が生まれ、それが透明の液体に変化させる。その液体がベルファストの傷をとんでもない速度で癒していく。ものの10秒程で傷がふさがり、火傷の後も跡形もなく消えていた。

 

クリーブランド「……凄い。」

 

エンタープライズ「……良かった…。」

 

そう呟くとエンタープライズは限界がきてしまったのか倒れしまうがすぐにクリーブランドの肩に担がれる。

 

クリーブランド「まったく。無茶するから。それと、本当にありがとう。」

 

刹那「気にするな。俺が正しいと思ったことを勝手にしたまでだ。」

 

それだけを話すと、すぐさまコックピットへと戻っていく。そんな中、ベルファストの意識が回復する。

 

ベルファスト「ここは?……!?、傷が治っている?」

 

クリーブランド「ええっとたしか……ベルファスト、であってるよね?」

 

ベルファスト「は、はい。ベルファストと申します。」

 

クリーブランド「あれに乗ってた人が助けてくれたんだよ。……もういっちゃうけどね。」

 

ベルファストは今まさに飛び去り始めたクアンタを見る。

 

ベルファスト「……あの暖かい包まれる感覚……。いったいどのような方なのでしょうか?……また会えることがありますように。」

 

ベルファストが小さく呟いた言葉に答える者はいない。

 

 

♦️

 

???

 

リボンズ「なんなんだ。あのガンダムは!」

 

リジェネ「ヴェーダにも該当する機体は無いね。僕たちとは異なる時間軸の世界から来たのだろう。」

 

リボンズ「目障りだ。今すぐ抹殺しろ!」

 

リジェネ「リボンズ、無茶言うなよ。作戦を考えないとサーシェスの二の舞になるよ?」

 

リボンズ「……あれを操縦しているのは刹那・F・セイエイだと思うかい?」

 

リジェネ「なんとも言えないね。確かにエクシアとダブルオーがベースの機体だとは思うけど戦い方がデータと比べてもだいぶ違う。」

 

リボンズ「……今は戦力の増加を急がせるしかないか。」

 

リジェネ「また新しい世界に割れ目を作るのかい?」

 

リボンズ「僕が直接手を出せない時なのだから仕方ないさ。準備を頼むよ、リジェネ。」

 

リジェネ「やれやれ。わかったよリボンズ。」

 

リジェネが部屋を出ていく。

 

リボンズ「僕の邪魔をする者は誰であろうと抹殺する。首を取られる覚悟をしておけよ、ガンダム。」

 

刹那とリボンズ。まったく違う世界を求めて、彼らは激突し始める。その先に見せる未来は一体どのような世界なのか?物語は加速する。更なる未来へと……。

 

 

 

               To be counted

 

 

次回予告

      BGM ーPOWERー

 

自分の過ちを正すことは出来ない。エンタープライズはどうすることの出来ない思いをヒイロに問う。暗躍するリボンズから真っ向で対立する刹那。二人の次なる一手とは?そして刹那はなぜまだ戦うのか。誰もが理由を探していた。

 

 

 

次回 クロスレイズレーン 第三話 戦う理由  

しかし、罪は消えず。

 

 




やっぱりせっさんはチートにしないとと思っていたのでこんな感じにしてます。うーん。やっぱり文章下手じゃないか私?もっと勉強しときます。次回の更新は11から18の間になります。アニメ版まったく変わらないなら11話から放送しろ!


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独自設定2

せっさんとオリキャラのウルドさんについての説明です。……あ!サーシェスもいたわ。


用語

 

・本国

 

アズールレーンからなるロイヤル領とユニオン領がある。人間と艦が共存している。(ウルドとイラストリアスが言っていた本国はロイヤル領)

 

 

 

キャラクター設定

 

ー刹那・F・セイエイー

機動戦士ガンダム00の登場人物。同作品の主人公。

 

ー本作ではー

 

・年齢22歳

 

・身長175cm

 

ー乗機ー

 

ELSクアンタ

 

・ベルファスト(予定)

 

本作ではELSとの対話に成功し、完全にチートのせっさんになっています。基本的にハイスペック。だけどやっぱり鈍感。ベルファストを治療するときに見せた力は普通だとないです。勘違いしないでください。

 

 

 

ーアリー・アル・サーシェスー

機動戦士ガンダム00の登場人物の一人。中の人はヒロシの声優の人。

 

 

ー本作ではー

 

・年齢 39歳

 

・身長 176cm

 

ー乗機ー

・ヤークトアルケーガンダム

 

ーメインヒロインー

・いると思うかい?

 

 

やっぱりどの世界に行ってもこいつは「戦争屋」。ロックオンを射殺したあとなんとか生き残り、リボンズのもとで雇われの傭兵をしている。パイロットとしての腕は超一流であり、すぐれた状況判断や予測能力を持ち合わせてい る。……ホントにこの人性格が悪いよね。

 

 

 

 

ーウルド・シバー

本作のオリキャラ。イメージキャラクターとしては鉄血のオルフェンズのおやっさん。

 

・年齢 43歳

 

・身長 184cm

 

 

ロイヤル所属の軍人。結婚していて妻と子供を持つ。頼れる整備能力。彼に頼めば機体は元通りだ。本作のオリキャラです。どうですかね?以外と関わってくるキャラクターとして作りました。どうかウルドさんを応援してあげて。

 

 

 

ーELSクアンタ 登場武装ー

特殊機能

 

・量子テレポート

長距離の空間跳躍を可能とする機能。GNソードビット【ELS】をテレポートで呼び出し、そのソードビットをリング状に展開して量子ゲートを形成してそこに飛び込んで跳躍している。

 

武装

 

・触手

触手を伸ばし、刺突攻撃を行なっている。

武装というわけではないが推進時に光を放出していることから推進器としての機能もあるとも思われる。

 

・GNソード【ELS】

両腕を変化させて使用する武装。

 

直剣型 剣先を展開することでビームを放つことが可能。

 

折畳み型 ガンダムエクシアのGNソードやダブルオーライザーのGNソードIIIのようにライフルモードとソードモードに切り替え可能。

 

・GNソードビット【ELS】

ELSが変化した武装で、原型機と異なり左右対称となっている。テレポートで呼び出して使用する。剣先からはビームを撃つことが可能で、突撃して侵食することも可能。

 

 

 

 




これ書くのに結構時間がかかったって言うね。ストックにこれ入れるの忘れてたから以外と遅くなった原因だったりもする。それでは次回もお楽しみに!次回はヒイロとエンタープライズと絡みを入れます。


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第3話 戦う理由

本当に、申し訳ございませんでした!
理由はいろいろあるので察してください。
ちょっと一週間投稿は3月まで止めます。
誠に勝手ながらご了承ください。
それに加えて今回ゴミカスなので「は?ゴミやん。」って思った方。最後だけ見てってください。この作品に出す機体についての最後の募集みたいな質問にがあります。

本当に、申し訳ございませんでした!!!!!


争いが続く中、息を潜めていたリジェネが動き出す。いつまでも続く戦いの中に、彼らの目指すべき未来はあるのだろうか?そんな中、ヒイロの意識が覚醒する…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は…俺たちは、戦う。世界に変革を促したことが

俺たちの罪ならば、その罪は再び世界を変えることで

しか償えない。

             刹那・F・セイエイ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 医療病棟

 

ヒイロside

 

誰かに呼ばれた気がした。……遠い記憶過ぎて顔も名前もわからない。でも声は覚えている。……とても優しい声だ。

 

ヒイロ「……夢か。」

 

ヒイロは誰かに呼ばれ、静かに目を開ける。しかし、辺りには誰もいない。ヒイロはベッドから起き上がろうとするが、その時左足に激痛が走った。

 

ー……そうか。足を折っていたのか。ー

 

ヒイロは自分の左足を掴み、力づくで繋げ直す。ゴキッ、と音が鳴るが骨を繋げることに成功する。

 

ー……ドアの前に一人か。ー

 

ヒイロの卓越した感覚でドアの前に一人の見張りが居ることに気付く。

 

ー正面は危険だ。別のルートを探すか。ー

 

ヒイロはまだ、この基地に居る人物を完全には信用していなかった。さらに、ウィングゼロを解析されれば余計な戦力を与えかねない。そのため一刻も早くウィングゼロを回収しなければならなかった。

 

ー窓からなら問題なさそうだな。ー

 

ヒイロは音をたてないように窓を開けると、夜風が頬を撫でる。窓から地面までは三階ほどの高さがある。下を眺めていくと、クッションがわりになりそうな木を発見する。それを見ると躊躇なく窓から飛び降りた。ガサッ、と音をたてるが最低限に音を抑えたため、だれにも気付かれることはなかった。体勢を低くしたまま、辺りを眺める。

 

ー外にないということはどこかに格納できる建物があるはずだ。……あれか。ー

 

ヒイロが見つめる先にはドックがある。ヒイロはその建物を目指して走り始めた。だが、そんなヒイロの姿を、目を金色に光らせた青年が静かに眺めていた。

 

 

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 ドック内

 

ウルド「ふぅー。おおかた片付いたか。」

 

ドックの中ではウルドたちが換装の修理をおこなっていた。そんな中、ドックの扉が勢いよく開き、一人の青年が入ってくる。

 

???「缶コーヒー買ってきました!」

 

青年の手には抱えきれないほどの缶コーヒーで埋め尽くされていた。

 

ウルド「おー!サンキューな、ルイン。」

 

青年の名前はルイン・エイテル。ウルドと同じロイヤルの軍人で修繕のために派遣された。紫色の髪を持ち、人懐っこい性格の明るい青年である。

 

ルイン「いえいえ。これぐらい平気ですよ!」

 

ルインが手に抱えている缶コーヒーを他の作業員や饅頭たちに配っていく。

 

ウルド「ふぅー。……これ飲んで今日はあがるか。」

 

思えば今日は半日も修理のために働いていたのだ。そろそろ切り上げ時だろうと判断したウルドは全作業員、饅頭に声をかけた。

 

ウルド「おし!今日はこれで終わりにすっぞ!飲んだらドックから出ろよ!」

 

ウルドが叫ぶと缶コーヒーを飲み終わったメンバーからドックを出ていく。

 

ルイン「お疲れさまです!お先に失礼します!」

 

ウルド「おう!帰ってさっさと寝ろよ!」

 

続々とメンバーが出ていき、最後にウルドが出てドックの出入口を鍵で施錠する。

 

ウルド「ふわぁー。……さっさと寝るか。」

 

ウルドが扉から離れていく。その光景をドックの近くに生えていた木の上からヒイロは眺めていた。念のため少し時間をおくが誰一人として帰ってくる者はいない。

 

ー……行くか。ー

 

木の上から飛び降りる。音を殺して着地し、ドアにかかっている鍵を見る。

 

ーこの程度のドアなら開けられるな。ー

 

ヒイロは鍵の差し込み口に細長いゴムのようなものを入れる。そのゴムは鍵穴で変化し、鍵と全く同じ形で固まる。ゴムで出来た鍵を回すと鍵穴が回り、ドアを開ける。ドックの中に入るとす正面の壁にウィングゼロが設置されていた。

 

ー……コックピットが開いている?……そのような技術があるとは思わながな。ー

 

ヒイロはウィングゼロのコックピットが開いていることに疑問を覚えたが、今はそんなことを考えている時間はない。

 

ーおそらくここに作業員が戻ってくるのは朝までか。あまり時間もないようだ。ー

 

ヒイロがウィングゼロを修理するために近づいていく……が。

 

ウルド「止まれ!」

 

ヒイロが後ろを見るとそこには拳銃を持ったウルドの姿があった。

 

ウルド「俺だって撃ちたくねぇんだ。手を上げろ!」

 

ヒイロはここで抵抗するのは無意味だと判断し、おとなしく手を上げる。

 

ウルド「よし。今度はこっちにゆっくりと歩いてこい。」

 

ヒイロは言われたとうりにゆっくりとウルドに近づいていく。ヒイロとウルドの距離が1mをきる。すると、ヒイロが姿勢を低くしてウルドへと突撃してくる。

 

ウルド「!……あんま恨むなよ。」

 

しかし、ウルドも軍人のため多少の迷いはあったもののヒイロの足に向けて拳銃を発泡する。だが、ヒイロは空中で体をねじり銃弾を華麗に避ける。

 

ウルド「な!?まじかよ!?」

 

ウルドが驚いて構えようとするが時すでに遅し。ヒイロが飛びかかり、組技でウルドを拘束して拳銃を取り上げる。ヒイロは拳銃をポケットへとしまって立ち上がる。

 

ヒイロ「悪い。抵抗する気はなかったんだがとっさに体が動いてしまってな。」

 

ウルド「はぁー。やっぱ若い奴らにはもう勝てねぇーなあ。……って、お前は!怪我はもういいのか?えーと……そういえば名前を聞いてなかったな。俺はウルド・シバだ。お前は?」

 

ヒイロ「…ヒイロ。……ヒイロ・ユイ。」

 

ウルド「そうか。んでヒイロ。お前はドックで何をしようとしたんだ?」

 

ヒイロ「ウィングゼロの修理をするためだ。修理道具を貸してくれないか?」

 

ウルド「そうだなぁー。ただじゃ貸せねぇから換装の修理を手伝ってくれよ。修理の腕はどんくらいだ?」

 

ヒイロ「特に出来ないことはない。」

 

ウルド「ほーう。そりゃあお手並み拝見といこうじゃねえか。」

 

 

 

 

ウルド「う、うめぇ。下手したら俺よりもうまいぞ!?ヒイロ、おめぇいくつだ?」

 

ヒイロ「21だ。」

 

ウルド「21だと!?俺は20も下に技術で負けてるのかよ。」

 

はぁー。と、深いため息を吐くウルド。それを見かねたヒイロは……。

 

ヒイロ「確かに全てにおいて平均ほどは出来るが、お前のように一つのことに特化した技術では俺の負けだろう。」

 

ヒイロに誉められたことに、ウルドは一旦固まるが……。

 

ウルド「そ、そうだよなぁー!よし!ここは俺も頑張ってやるか!」

 

ー……バカ正直で助かった。ー

 

二人は手を止めることなく換装の修理を進めた。

 

 

 

 

ヒイロが残っている換装の修理を終えてウルドを探す。換装を背もたれにして豪快にいびきをかいているウルドがそこには居た。ヒイロは近くにある仮眠室から毛布を取ってくると、それをウルドにかける。

 

ヒイロ「ありがとう。」

 

それだけを言うと、ヒイロはウィングゼロの修理するべく歩き始めた。

 

 

♦️

 

???

 

外を眺めることが出来るデッキに腰を掛けながら独り言?をリジェネが話している。いや、それは独り言ではない。脳量子波を用いて他のイノベイドと遠距離でも表層意識を共有出来るのだ。リジェネはそれを用いて誰かと会話していた。

 

リジェネ「それで?そのヒイロ・ユイは真の意味のイノベイターになる可能性を秘めていると?」

 

???「可能性はとてもあります。彼自身が変化を求めるのであれば。」

 

リジェネ「なるほど。……ヒイロ・ユイの監視を続行してくれ。」

 

???「了解しました。それでは。」

 

脳量子波の接続が途切れる。リジェネは昇ってくる朝日を眺めながら呟いた。

 

リジェネ「ヒイロ・ユイ。君の覚醒に僕は期待しよう。」

 

リジェネは不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 ドック内

 

ピピピピと電子音がコックピットに響く。ウィングゼロのパイロット、ヒイロ・ユイは目を開ける。

 

ー……2時間はやはりあっという間だな。ー

 

コックピットに再度ロックをかけてウィングゼロから飛び降りる。

 

ー……これからどうするべきか。……ウルド。奴は信頼出来るが……この基地に居るのがあいつのような奴であればいいがな。ー

 

淡い期待を秘めながらドックから出ていく。ドックの外から入ってくる光に目を細目ながらヒイロは歩き始めた。

 

ヒイロ side out

 

♦️

 

アズールレーン基地 寮舎

 

カモメの鳴き声が朝の訪れを告げる。そんなときガチャリとドアが開き、誰かが部屋へと入ってくる。

 

エンタープライズ「……ヨークタウン姉さん。」

 

ベルファスト「あら?かわいい寝言ですね。」

 

エンタープライズは自分の独り言が返されたことに驚き、ベットから飛び起きる。独り言を返した人物は部屋のカーテンを開ける。カーテンから入ってくるまぶしい日差しに目を細める。

 

ベルファスト「おはようございます。ゆっくりとお休みになられましたか?」

 

エンタープライズの前には見覚えのある少女が一人。

 

エンタープライズ「…あなたは?」

 

その少女はエンタープライズに振り返り、自分の名前を言った。

 

ベルファスト「メイドの、ベルファストでございます。」

 

 

 

 

エンタープライズ「そうか。あなたに助けられたのか。すまない。迷惑をかけた。」

 

ベルファストからことの顛末を聞き、ベルファストに謝罪をする。

 

ベルファスト「大事がなくてなによりでございます。」

 

机に置かれたカロリーメイトを二つほどポケットの中にしまう。そのままドアを開け、部屋をを出ていこうとする。それを追いかけるようにベルファストが続く。

 

ベルファスト「安静にしていたほうがよろしいのでは?」

 

エンタープライズ「この程度の怪我は戦場では常だ。」

 

ベルファスト「……危ないところだったのですよ。」

 

エンタープライズ「そうだな。貴艦に感謝する。」

 

全く話を聞く様子がないエンタープライズを見て、ベルファストは小さくため息をついた。そのままドアの開けて寮舎からてでいこうとする。

 

ベルファスト「朝食のお時間ですが。」

 

エンタープライズは一度立ち止まり、先ほどポケットの中に入れたカロリーメイトを見せながら……。

 

エンタープライズ「これで十分だ。」

 

寮舎の扉が閉まっていく。パタンと音をたてて完全にドアが閉まったのを見て、再度ベルファストは小さなため息を漏らした。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 車両内

 

一台の小型車両が二つの島を繋ぐ大型の橋を通っている。その中には二人の少女の姿。ウェールズとイラストリアスだ。

 

ウェールズ「基地に引き続き、ホーネット艦隊も救われた。彼女の力は疑いようもない。」

 

イラストリアス「でも、悪い予感は当たりました。ベルファストが居なかったらどうなっていたか。」

 

ウェールズ「気になるか?彼女のことが。」

 

ウェールズの問いにイラストリアスが小さく頷きながら……。

 

イラストリアス「彼女はユニコーンちゃんを助けてくれました。このまま戦いですり減っていく姿を、見たくはありません。」

 

ウェールズ「……ならば、陛下に掛け合ってみるか。」

 

小型車両はエリザベスたちの居る庭園へと向かって走り続ける。

 

 

 

ヒイロ side

 

ーこの島に車両……か。……重役が乗っている可能性があるな。あれを追いかけた方が良さそうだ。ー

 

相手の本陣に直接入り込むのは危険と判断したヒイロは、この島の代表と直接会話するため、その人物の居場所を探していた。そして、ヒイロはウェールズとイラストリアスの乗っている小型車両に当たりをつけて追跡を始める。ヒイロは走り始めようとするが……。

 

ー……あいつは。ー

 

ヒイロの見る先にはまだ修復作業が終わっていない船とその船の航空機の翼の部分に座っているエンタープライズが

見えた。

 

ー……本当にあいつは、昔の俺に似ているな。ー

 

そう思いながら小型車両が行った道を再び走り始めた。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 庭園

 

庭園の中央で小さな茶会が開かれている。イラストリアス、ウェールズはエリザベス、ウォースパイト、フッドと向かい合う。エリザベスは二人からことの顛末を聞くが……。

 

エリザベス「話はわかったけど、それってユニオンの問題じゃなくて?私たちが口を挟むことじゃないでしょ?」

 

ウェールズ「そ、それは……。」

 

そんな中、地面にいるアリにパンをあげていたユニコーンが口を開いた。

 

ユニコーン「でもエンタープライズさん、ユニコーンのこと助けてくれたよ。」

 

イラストリアス「彼女の力はきっと、これからの戦いに必要になります。こんなところで終わっていい方ではありません。」

 

フッド「断言するのですね。理由を聞いても?」

 

イラストリアス「聖なる光のお導きですわ。」

 

その理由を聞いてウォースパイトは諦めに近い顔をしながら…。

 

ウォースパイト「あなたはいっつもそれねえー。」

 

フッド「けれど彼女の勘はなかなか侮れませんわ。そう思わなくって?」

 

ウォースパイトはどうしたものかと考えているようだが……。

 

ウェールズ「戦力的にもエンタープライズは、この基地の主力となる船です。彼女が抱える問題を、見過ごすわけにはいきません。」

 

エリザベスは少し考えながら……。

 

エリザベス「ウォースパイト。あなたはどう思う?」

 

ウォースパイト「陛下の判断を信じます。」

 

エリザベス「……そこまで言うなら見定めてあげるわ。エンタープライズ、彼女がどんな船なのかをね?ベル!」

 

ベルファスト「かしこまりました。女王陛下。」

 

話がまとまったその時、庭園の警備をしていた女性がこちらに向かって走ってくる。

 

警備兵「陛下!」

 

エリザベス「どうしたの?そんな慌てて。」

 

その警備兵は息を切らしながら……。

 

警備兵「病院から男がいなくなりました。1日前にあれをを動かしていたものです。」

 

その言葉に一同が驚愕した。一番に冷静を取り戻したエリザベスは……。

 

エリザベス「……総力をあげて捜索して。ここで彼の情報を逃すのは不味いわ。」

 

警備兵「了解しました!」

 

警備兵がもと来た道を戻っていく。

 

エリザベス「……まさか逃げ出されるとはね。」

 

ウォースパイト「陛下。もしそうだとしてもあれが置いてあるドック内には入れません。いつかは話を聞ける機会がありますよ。」

 

エリザベス「そうね。……それと、そこにいるのは誰かしら?」

 

ヒイロ「そうか。これではさすがにばれるな。」

 

全員の視線が声がした方に向く。そこには5メートルほどの鉄柵の上に立つ、青年がいた。

 

エリザベス「貴方は!?まさか!?」

 

ヒイロ「今話していた病院から逃げた男、になるな。……まあ、そんなことはどうだっていい。単刀直入に言おう。少し、話がしたい。お前はこの島の代表、とやらなのだろう

?」

 

エリザベス「……そうね。暫定的にそうなるわ。……なら、それでいいわよ。自己紹介がまだだったわね。私はクイーン・エリザベスよ。あなたは?」

 

ヒイロ「……ヒイロ。ヒイロ・ユイ。」

 

 

 

 

 

 

エリザベス「なるほどね。今あなたが話してくれたことが本当なら、あなたは本当はここにはいてはいけない存在、なのね?」

 

ヒイロ「ああ。本来ならな。しかし、誰かがリーオー、いや、モビルスーツをこの世界で操っている奴が居る。」

 

イラストリアス「そのモビルスーツ、というのはいったいなんのために生まれたのですか?」

 

ヒイロ「人間は誰かに勝つためには手段を選ばない。そして、戦争に技術力を注ぎ込んだ結果、あのような兵器が生まれた。」

 

ウェールズ「……酷い話だな。」

 

イラストリアス「結局のところ、人を滅ぼすのは人自身なのですね。」

 

ヒイロ「……話してほしいことはだいだい言っただろ。そろそろ俺の要望に答えてくれないか?」

 

エリザベス「ええ。あまり無理なお願いじゃないならいいけど。」

 

ヒイロ「機体の修理をするために修理道具を数日貸してほしい。

 

ウェールズ「修理道具……。ウルドに頼めばどうにかなりそうだが……それだけでいいのか?」

 

ヒイロ「ああ。」

 

エリザベス「そう。……そうだわ!あなた、アズールレーンに入らない?」

 

ヒイロ「アズールレーン?……この世界には派閥のようなものがあるのか?」

 

フッド「ええ。大きく分けて二つありますわ。私たちが所属しているアズールレーン。元はアズールレーンに居たのですが、そこから脱退して新たに作られたのがレッドアクシズ。その二つがありますわ。」

 

フッドの説明を聞いて少し考えるヒイロ。

 

ヒイロ「……俺を入れる理由は?」

 

エリザベス「あなたのモビルスーツ、それがあればレッドアクシズとの戦いを止めることが出来るわ。あなたも戦争が嫌いなのでしょう?」

 

エリザベスはヒイロがこの提案に乗ってくれると思っていた、が……。

 

ヒイロ「断る。この世界のことはお前たちでどうにかしろ。」

 

ウォースパイト「貴様!陛下の提案を無下にするつもりか

!」

 

ヒイロ「圧倒的な力で世界を抑えることは出来ない。」

 

ウォースパイト「そうか。残念だ。素直に陛下の提案にどういておけばいいものを!」

 

エリザベス「待ちなさいウォースパイト!」

 

エリザベスが止めるが、すでにヒイロのすぐ近くまで迫っていたウォースパイトを止めることは出来ない。

 

ウォースパイト「ハッ!」

 

ウォースパイトの手刀がヒイロの頭に襲いかかる。艦船は人間よりもはるかに優れているため人間が彼女たちの速度を捉えることは出来ない。……普通の人間ならば。ヒイロはそれを冷静に見切り、体を低くしてウォースパイトの足を右手で払う。

 

ウォースパイト「なっ!?」

 

これにはウォースパイトだけでなく他の艦船たちも驚く。ウォースパイトは空中で体勢を崩されたがなんとかたち直し、地面に着地する。

 

ヒイロ「落ち着け。別に、入らないと言った訳じゃない。」

 

エリザベス「……どういうこと?」

 

提案には却下されたが、入らないわけではないヒイロの答えに困惑するエリザベス。

 

ヒイロ「これから出現するかもしれないモビルスーツの撃退のためなら、俺は力を貸す……と言うわけだ。」

 

エリザベス「…なるほどね。」

 

現時点ではモビルスーツに対抗する手段がアズールレーンにはないのだ。ヒイロの協力の申し出を理解したエリザベスは……。

 

エリザベス「だとしても協力してくれるだけでもありがたいわ。決まりね!ようこそアズールレーンへ。歓迎するわ、ヒイロ・ユイ。」

 

エリザベスが不敵な笑みを浮かべながら手を差し出してくる。ヒイロはその手をしっかりと握り返した。

 

 

 

 

 

ヒイロが庭園を後にした数分後……。

 

ウォースパイト「申し訳ありません陛下。私が余計なことをしなければ……。」

 

エリザベス「結果的に彼をアズールレーンに取り込めたののだからいいわ。」

 

フッド「しかし、人間でありながらあの反射神経……。あれはあきらかに人間の域を超えおりますわ。」

 

エリザベス「きっと彼も、私たちのように戦争のために生み出された存在、なのかもね。」

 

ヒイロの所属処理をするためにウェールズたちを乗せた車両のエンジン音が離れていく。

 

エリザベス「頼んだわよ、二人とも。」

 

そう、エリザベスが小さく呟いた。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 車両内

 

4人乗りの小型車両にイラストリアス、ユニコーンとウェールズ、ヒイロが向かい合うように座る。まだユニコーンは

、ヒイロに対して怖がっているようだ。

 

ヒイロ「それで、これはどこに向かっているんだ。」

 

ウェールズ「基地の指令室だ。そこに所属関係の書類があるからな。」

 

ヒイロは自分から話すことが極端に少ないため、会話がすぐに途切れてしまう。それを見かねたイラストリアスが……。

 

イラストリアス「ヒイロ様は、あの時助けたエンタープライズ様を覚えていますか?」

 

ヒイロ「エンタープライズ?誰だそれは。」

 

当然、名前を聞いたこともない人物を知るわけもないヒイロ。

 

イラストリアス「モビルスーツの攻撃から防いだ方なのですが……覚えていませんか?」

 

ヒイロ「リーオーから……あの白髪の女か。」

 

リーオーのミサイルから一人の少女を守ったことを思い出す。

 

ヒイロ「それで、その女がどうかしたのか?」

 

イラストリアス「ヒイロ様はエンタープライズ様をどう思いですか?」

 

少しの静寂。やがて答えを見つけたヒイロが口を開いた。

 

ヒイロ「あいつは……昔の俺と似てるなと。」

 

イラストリアス「似ている……ですか?」

 

ヒイロ「誰かを頼らない……自分ですべてを解決しようと思っていた時の俺とそっくりだな。」

 

イラストリアス「エンタープライズ様はとてもお強いです。しかし、あのような戦いを続けようものならいつかは壊れてしまうでしょう。」

 

ヒイロ「……なぜそんな話を俺に?」

 

イラストリアス「ヒイロ様はエンタープライズ様を救えると、私は信じています。」

 

ヒイロ「……なぜ、そんなことが言える?」

 

イラストリアス「勘ですよ?」

 

ヒイロ「……なんだと?」

 

イラストリアスの理由が勘だと聞きヒイロは耳を疑う。

 

ウェールズ「よくわからないとは思うが、イラストリアスの勘はよく当たるんだ。」

 

ヒイロ「まあ……俺に出来る範囲なら。」

 

イラストリアス「ありがとうございます!」

 

イラストリアスがヒイロの答えを聞き、満面の笑みを浮かべている。そんな中、ヒイロは車の窓から外の景色に目を向けていた。

 

ー……エンタープライズ……か。ー

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 指令室

 

鎮静府に着くとイラストリアス、ユニコーンとは別れた。結局、ヒイロとユニコーンが話すことはなかったのだが……。

 

ウェールズ「あとは書類が受理されれば完了だ。それと、この基地を案内したかったのだが……生憎まだやらなければいけないことがあってな。ベルファストがいればよかったのだが……。」

 

ヒイロ「問題ない。それぐらいは出来る。」

 

ウェールズ「悪いな。一通り見てきたら戻って来てくれ。……それと、あまり他の艦船たちと話すなよ?まだ正式に加入を発表していないのだからな。」

 

ヒイロ「了解した。」

 

ヒイロは扉を開けて外へと出ていく。その後ろ姿が少しエンタープライズと重なったように見えた。ウェールズが驚き、もう一度ヒイロを見ようとしたがその時には扉がしまってしまう。

 

ウェールズ「……気のせいだといいのだが。」

 

そんなウェールズの呟きは空気に消えた。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 海沿いの道

 

ウェールズと別れてから1時間後。ヒイロは一通りアズールレーンの基地を見てきた。見てきた情報を整理しようとしたところ、海沿いの一本道にポツンとベンチが一つあるのを発見する。そこに腰を降ろしたヒイロ。

 

ヒイロ「……綺麗だな。」

 

目の前に広がる広大な海に圧巻される。戦いの中で生きてきたヒイロは、海がこんなにも美しいことにただ言葉を失っていた。……少しの時間が流れていく。その時、誰かの足音が響いた。

 

ー!……足音からして女のようだが……話すのは危険か?ー

 

足音はこちらに来るにつれ大きくなる。ウェールズから言われたように、他の艦船からとは接触を控えていたところなのだ。

 

ー…ここから隠れることは出来ないか。……知っている奴ならいいがな。ー

 

そんな淡い期待を持ちながらこちらに歩いてくる者を。腕の隙間から盗み見る。

 

ー……あの女は…。ー

 

風になびく真っ白な髪。その見た目には見覚えがあった。先程のイラストリアスたちとの会話が思い出される。

 

ーエンタープライズ…か。ー

 

 

ヒイロ side out

 

 

 

 

 

 

エンタープライズ side

 

エンタープライズは海沿いの道をただ歩いていた。その内に一つのベンチに差し掛かる。そのベンチには一人の男が座っていた。だが、エンタープライズはそんなものに興味はなく、そのまま通り過ぎようとした……。

 

ヒイロ「戦いこそがすべてと考えている奴は、いつかは朽ち果てる。」

 

エンタープライズ「…それは私に向かって言っているのか?」

 

エンタープライズは自分に向けてだと思い、少し口調が強くなりながらその男に振り向く。

 

ヒイロ「たった一人で死ぬのは勝手だ。……だが、自分のために他者を傷つけてまで戦おうとする奴になにが守れる?

 

エンタープライズ「私たちは兵器だ。私や他の誰かが死のうとまた新しい者が戦うだろう。」

 

ヒイロ「本当にそうか?お前は本当にそう思ってるのか?」

 

エンタープライズ「……それは。」

 

エンタープライズの脳裏に、ホーネットや、ヨークタウンなどの家族の顔が掠める。

 

ー……そうだ。私は死んでほしくない者だけを守ればいいと思っていたんだ。……そのために、私を頼ってくれている者たちと関わりもせずに……。ー

 

エンタープライズの頭にサーシェスに言われた言葉がよみがえってくる。

 

サーシェス『……もしかしてお前、怖じ気づいたのか?……プッ!クハハハハっ!そうそかそうか、怖いもんなぁ。自分は助けてもらったが、なにも出来ない出来損ないじゃねぇーかよ。』

 

ー私は……誰かに迷惑ばかりを……。ー

 

エンタープライズその男の言葉に耐えられなくなり下を向いてしまう。そんな姿を見て、男は優しく声をかける。

 

ヒイロ「……少なくとも俺はお前を兵器とは思っていないぞ。」

 

エンタープライズ「……え?」

 

エンタープライズが驚きのあまりその男に顔を向ける。

 

ヒイロ「人と話すことが出来るのだから、それだけで人だと俺は思っている。……それに、それを否定する絶対的根拠は、存在しないだろ?」

 

エンタープライズ「私が……人だと?」

 

ヒイロ「ああ。……だからこそ、人を信じろ。エンタープライズ。お前ならできるはずだ。」

 

エンタープライズ「!?、どうして私の名前を!?」

 

エンタープライズは男の居るベンチに目を向けるてが、すでにそこには誰もいなかった。エンタープライズは辺りを見渡すと、かなり離れた場所にその男の後ろ姿を発見する

。少しの間、その後ろ姿を見ていたが、その姿が途切れると冷静を取り戻す。

 

ーあの男は一体何者だったのだろうか?ー

 

エンタープライズは必死に考えるが答えは出そうにない。エンタープライズの頭の中には先程の男に言われた言葉が巡り回っている。

 

エンタープライズ「……人を信じること……か。」

 

エンタープライズは少し迷いながらも、その道を再び歩き始めた。その瞳は、新たな可能性を秘めて……。

 

ーそれにしても、どこかで聞いた声だったな。……いったい何処で?ー

 

エンタープライズ side out

 

 

 

アズールレーン基地 桜並木

 

ヒイロ side

 

ー……さて、これからどうするか。ー

 

先ほど居たベンチから少し離れた桜並木の道でこれからのことをヒイロは考えていた。

 

ーやはりゼロの修理が一番現段階で最も意味のあることか

。ー

 

ヒイロはドックに向けて歩き出す。しかし、平穏の終わりはすぐそこまで迫っていた。黒い雲が、戦いを呼ぶように……。

 

 

♦️ 

 

アズールレーン基地 指令室

 

ヒイロは扉の前で服についた水気を払っていた。理由はドックに付く前に、豪雨が降ってきてしまったのだ。ウェールズに戻ってこいと言われたことを思いだし、全速力で指令室の前まで戻ってきたのだが服はかなり濡れてしまった。

 

ーやれやれ。こんなことになるとは、俺もついてないな。

 

そんなことを思いながらヒイロは指令室を開ける。

 

ウェールズ「ヒイロか!急いでドックに行ってくれ!」

 

ウェールズの必死のような気迫に押され、少し後退するが理由が聞きたかったため、そこにとどまる。

 

ヒイロ「落ち着け。何をそんなに焦っているんだ。」

 

ウェールズ「……救助信号が出た位置にセイレーンを発見したそうなんだが……。……しかもその内の1隻に格納庫つきのものが……

。」

 

ヒイロ「行こう。」

 

ヒイロはウェールズが話そうとした意図に気づき、すぐさま来た道をかけ戻る。

 

ー俺と同じような存在か。どうやらセイレーンとやらにも話を聞かないといけないな。ー

 

ヒイロはただ駆け走る。その身を雨で濡らしながら……。

 

 

♦️

 

アズールレーン基地 ドック内

 

ウルド「お!ヒイロか!こっちだ!」

 

ヒイロがドック内に入るとあわただしく動いている作業員一同が目に入る。

 

ウルド「おめぇーにゃあ、救助信号を出したポイントに向かってもらうぜ。」

 

ヒイロ「無理だ。まだウィングゼロは直っていない。」

 

ウルド「おいおいヒイロ。あれ見てまだそんなこと言えんのか?

 

ヒイロはウルドに指差された所を見る。そこには、朝に見たときはまだ半分も修復されていなかったが、目の前にあるウィングゼロは完全に修復が終わっているようだ。

 

ヒイロ「こんな短時間で……これは感謝しきれないな。」

 

ウルド「ま、今はそんなことを話してる時間がねぇーんだ。いそいでリフトから上がるぞ!」

 

すぐさま二人はリフトに乗り、コックピットへと上がっていく。

 

ヒイロ「……なぜコックピットが開いているんだ。」

 

ウルド「番号いれたら空いたぜ。って、今はそれよりもこっちだ。」

 

ヒイロ「……そうか。」

 

次から指紋認証に変えようとヒイロは心に誓ったのだった

 

ウルド「悪いが武装関係はあんまなおってねぇーんだ。サーベルとシールドしか使えねぇーけどよ。」

 

ーウィングゼロの内部にあるデータを見たのか。……もういいか。ー

 

ウルドに勝手にデータを見たことを注意しようとするが、もうどうでもよくなる。

 

「ツインバスターライフルはあるか?」

 

「あるけどよ……使えねぇーぞ?」

 

「それで十分だ。」

 

ヒイロはコックピットに入り、ハッチを閉じる。機体のシステムを起動させると、ディスプレイが外の光景を映し出す。手早く上部のレバーを引くと、頭や足などの部分が折り畳まれる。さらに、シールドとツインバスターライフルを背部に接続され、。そこにはネオバード形態となったウィングゼロが出来上がった。すでにハッチの入り口までの間には昨日まであったはずの換装などが綺麗にどかされていた。

 

ー機体の状態は良好。行けるな、ゼロ。ー

 

ヒイロがペダルを踏み込むと、ウィングゼロのバーニアに火が付く。

 

ヒイロ「出撃する。」

 

ウィングゼロが物凄いスピードで加速する。ドックを出た辺りで速度は100キロを超えていた。そのまま教えられたポイントまで飛翔する。

 

ヒイロ「到達時間はおよそ2分。モビルスーツがいなければいいが……。」

 

基地からはすでにウィングゼロは見えなくなっていた。たった30秒ほどの時間で……。

 

 

♦️

 

救助信号海域

 

ベルファスト、エンタープライズの前には先ほど破壊したセイレーンの格納庫から出てくる二機体のモビルスーツ。

 

エンタープライズ「…不味いな。」

 

ベルファスト「ええ。彼女たちが撤退するまでの時間を稼がないといけません。エンタープライズ様、貴方も撤退を。」

 

エンタープライズ「……どうやら、退く時間は無さそうだ。」

 

水の上にホバリング状態でこちらを眺めるモビルスーツ。少しの間見つめあっていたが、モビルスーツがマシンガンを取り出して構える。

 

ベルファスト「……申し訳ありませんが一体をお願いします。」

 

ベルファストが申し訳なさそうに話す。

 

エンタープライズ「ああ、任された。」

 

ベルファスト「それと、あまり無理をせずに。」

 

二人で言葉を交わした後、左右に展開する。それを見ると

、モビルスーツがマシンガンを乱射してくる。ベルファストは先ほどと変わらず軽々と避けていくが、エンタープライズはそうはいかない。換装がまだ不完全な状態であるためいつ被弾するかわからない。その状態は30秒ほど続いたがついにその均衡が崩れた。。エンタープライズが波に足をとられ、一瞬だが動きが止まってしまう。それを逃すまいとモビルスーツがエンタープライズにマシンガンの照準を合わせる。それは全くの隙も与えずに、マシンガンが発射される……はずだった。エンタープライズはいつまでたっても攻撃されないのを不振に思い、目を開ける。そこには……。

 

ヒイロ「間に合ったか。」

 

そこには空中からビームサーベルを突き刺したウィングゼロの姿があった。

 

ーこの数ならビームサーベルで充分だな。ー

 

ビームサーベルを引き抜くとすぐさまバーニアを吹かせて飛び上がる。轟音が鳴り響き、一機のモビルスーツはあっけなく散る。

 

ヒイロ「次だ!」

 

ヒイロはすぐさまもう一機のモビルスーツを見る。モビルスーツはヒイロに気づき、マシンガンを乱射してくるが……

 

ヒイロ「お前の動きはすでに見切っている。」

 

素早い動きでマシンガンの銃弾を避けて接近する。そのまま懐に入りビームサーベルを横一線で切り裂く。

 

ヒイロ「終わりだ!」

 

モビルスーツはビームサーベルで体を真っ二つに切断される。そして、そのままセイレーンの船と大爆発を起こす。炎の中からバーニアからの炎で煙を吹き飛ばしながらウィングゼロが姿を表した。

 

ヒイロ「戦闘終了。これより帰還する。」

 

ー見たことのない機体か。……どうやら一筋縄ではいきそうにないな。ー

 

ヒイロはこれから激化するであろう戦いに改めて身を引き締めたのであった。

 

ヒイロ side out

 

 

♦️

 

???

 

リジェネ side

 

リボンズ「さて、これで手筈は整ったようだ。」

 

リボンズの目の前にあるのは100を超えるグレイズが立ち並んでいる。

 

リジェネ「これが出来たのはおよそ400年前か。それにしてもそんな昔からモビルスーツはあったんだね。」

 

リジェネが目の前のグレイズたちに熱心に見いっている。

 

リボンズ「そんなことはどうでもいいよ。それより重桜に他のモビルスーツは確認されていないな?」

 

リジェネ「ああ。それにしても本当にいいのかい?重桜を消して。」

 

リボンズ「あの国にはすでに価値がない。利用するだけしたさ。」

 

リジェネ「そうか。君らしいね。」

 

リボンズ「さあ、終わりの時間だよ。重桜。」

 

 

 

 

 

リジェネ「リボンズ。君は神じゃない。君は強い力を持っただけで、神ではないからね。」

 

リジェネが少し前に開かれた次元の裂け目を眺めている。かし、それは徐々に小さくなっていき、数分後には完全に消滅する。

 

リジェネ「これでこの世界の裂け目は使えない。……また新しい時代も作らないと。」

 

リジェネの前には先程の裂け目から呼び寄せた機体を海に流させた排水ゲートが見える。

 

ー重桜を救うにはガンダムしかない。おそらくは大丈夫だとは思うけど。……それにしても、あの見た目はまるで………悪魔だね。ー

 

リジェネの言う悪魔とは一体!?物語は新たな出会いへと加速する。

 

リジェネ side out

 

 

 

 

               To Be Counted

 

 

 

次回予告

                                       BgmーFIGHTー

 

グレイズの大群で破壊されていく重桜。弱者は強者に虐げられるしかないのか。そして、新たに現れたガンダム。否

、悪魔はそれを見て何を思うのか?

 

次回 クロスレイズレーン 第四話 悪魔にも心はある

 

その悪魔は優しく罪深い

 

 

 

 




はい。次回は早く書けるといいな。

登場キャラクター(確定)一覧

・刹那
・ヒイロ
・三日月
・ベルリ

・バナージ
・フォン
・ロラン

・キラ

の総勢8人となっています。

ちなみにAGEからはだれがいいですか?
やっぱり2か3ですかね?…個人的には3がいいと思っている自分がいる。

ということで残りは3人(もしかしたら2人になります。)なんですがだれがいいですか?
これに関しては皆さんの意見を知りたいのですが…。
もしよかったら募集お待ちしてます。

(ガンダムWより前は自分が出来ないんでやめてください。)
(サブキャラもアリにします。あまりにもサブの方はやめてください。)
(重桜2人。アズールレーン1人。って感じです。)
(もう出ている作品でも大丈夫です。)


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第4話 悪魔にも心はある

どうもAbeです。更新遅れて大変申し訳ございませんでした!次から更新頻度あがるので許してください。
はい。それと、皆さんのご意見ありがとうございました。おかげで登場キャラクターが決まったので最後に載せときますね。
ということで本編です。
アニメ始まるのに4話までしか進んでない。(;゜0゜)
(ヤバい)
一週間投稿になれるようがんばります。
なんか話の流れがやっぱり雑なんだよなぁー。


ついに動き出したリボンズ。グレイズの大群が重桜へと迫る。もはやそれを止められるのはリジェネの出現させた一機のモビルスーツにすべてが託された。皆から悪魔という異名を名付けられたモビルスーツを操る青年は、一体何を求めるのか?運命のタイムリミットはすぐそこまでへとと迫っていた。

 

 

 

ーねえオルガ。…次は何をすればいい?

             三日月・オーガスー

 

 

♦️

 

???side

 

この救ってもらった命は、オルガがいないと意味がないと思ってた。でも、よくオルガが言ってたんだ。「死んだやつらは俺らが死んだらいつでも会えるんだ。だからよぉ、そいつらのためにも精一杯生きてやろうぜ。」って。俺は仲間に、オルガたちに何度も命を救ってもらった。だから

……俺は生きるよ。精一杯生き続ける。……だから、見ててくれ……オルガ。俺は……進み続ける。

 

???side out

 

 

♦️

 

 

アズールレーン基地 ドック内

 

ヒイロside

 

ドック内では前日に引き続きウィングゼロの修理が進められていた。その中でも、まだ一回も休憩をとらなく手を動かす者がいた。ヒイロだ。

腕に掴んでいたレンチが落ちる。そんな様子を見たウルドが声をかける。

 

ウルド「ヒイロ。さすがにそろそろ休んだほうが良いんじゃねーのか?」

 

ヒイロ「大丈夫だ。」

 

ウルド「大丈夫だってヒイロ……お前がぶっ倒れたら誰がこれを動かすんだ?」

 

ヒイロ「……そうだな。なら、少し休ませてもらおう。」

 

ウルド「おう!……あ、そうだヒイロ!」

 

ヒイロ「どうかしたか?」

 

ウルドはポケットから一つの紙を取り出し、ヒイロに手渡す。

 

ヒイロ「これは?」

 

ウルド「それに書いてあんのは食堂の場所だ。たいした飯も食ってねぇーだろ?」

 

ヒイロ「すまないな。」

 

ヒイロはその紙を見ながら目的の場所へと目指し始めた。

 

 

♦️

 

 

アズールレーン基地 食堂

 

ヒイロ「……これか。」

 

ヒイロはウルドに渡された紙を頼りにしながら食堂の前まで来ていた。紙を再度確認しながらヒイロは目の前にあるドアを開けた。

 

???「ヒイロ様、お待ちしておりました。」

 

ドアを開けると目の前にはメイドがいた。

 

ー見たことがあるが……名前はなんだったか。ー

 

ベルファスト「私はメイドのベルファストでございます。以後、お見知りおきください。」

 

ヒイロ「ベルファストか。わかった。……なぜ俺が来ているのがわかったんだ?」

 

ベルファスト「ウルド様から連絡がありましたので。」

 

ヒイロ「ウルドか。本当にあいつには頭が上がらないな。」

 

ベルファストは料理の準備のため厨房へと戻っていく。

 

ー席は……あそこでいいか。ー

 

ヒイロは席に近づく。そして…。

 

ヒイロ「座ってもいいか?」

 

エンタープライズ「好きにすればいい。」

 

そのテーブルには白髪の少女が座っていた。

 

ヒイロ「また会ったな。エンタープライズ。」

 

エンタープライズ「お前は……。」

 

ヒイロ「…俺はヒイロ・ユイだ。これからよろしく頼む。」

 

ヒイロはエンタープライズに向けて手を差し出す。エンタープライズはその手をどうしたらいいのかという目で見ている。

 

ヒイロ「手を握り返せばいい。……少しはお前も、誰かを頼れ。」

 

エンタープライズ「……何故そこまでする?」

 

ヒイロ「決まっている。……仲間だからな。」

 

エンタープライズ「仲間など……意味の無いことだ。」

 

ヒイロ「……確かに仲間は意味の無いことかもしれない。裏切られることもあるかもしれないからな。」

 

エンタープライズ「そうだろう。だから私は間違っていない。」

 

ヒイロ「だが、裏切られることを恐れて先へ進めないやつに、俺は戦場で肩を並べたいとは思わない。」

 

エンタープライズはヒイロの言葉を静かに聞いている。

 

ヒイロ「これはお前一人の戦いじゃない。一人では出来ないことでも、仲間がいれば乗り越えられることもある。……もし、裏切られることが怖いのなら、俺を頼れば良い。」

 

エンタープライズ「……君を?」

 

ヒイロ「おれは絶対に誰かを裏切らない。誰も頼れないなら、少し位は話を聞いてやる。だからエンタープライズ。この手をとってみないか?」

 

エンタープライズ「……私にも出来るだろうか?」

 

ヒイロ「ああ。俺が出来たのだから、お前も出来ないことはない。」

 

エンタープライズ「そうか。……なら、よろしく頼む。」

 

エンタープライズは手をしっかりと握り返した。

 

ベルファスト「お話はその辺りにして、そろそろ朝食にしましょう。」

 

いつのまにかワゴンの上に色とりどりの食事を乗せたベルファストがテーブルの隣で待機していた。

 

エンタープライズ「食事ならとっている。」

 

エンタープライズがポケットから取り出したカロリーメイトを見せているが……。

 

ベルファスト「論外です。」

 

それはベルファストに一瞬にして取り上げられてしまう。

 

ヒイロ「そうだな。食事は体を作るために必要なことだ。確かにそれでも必要最低限のエネルギーはとれるが、俺もあまりおすすめはしない。」

 

エンタープライズとベルファストは食事のことでまだもめているようだが、ヒイロはそんなことはお構いなしに食事をすすめている。

 

ヒイロ「喧嘩をするほど仲が良いと言うわけか。……フッ。面白い奴らだ。」

 

ヒイロはあっという間に朝食を食べきると席を立つ。

 

ベルファスト「そういえばヒイロ様。ウェールズ様がお呼びでしたよ。」

 

ヒイロ「そうか。……ベルファスト。なかなか美味しかったよ。ご馳走さま。」

 

ヒイロはそのまま食堂を後にしようとする。

 

エンタープライズ「私はまだ聞きたいことが…。」

 

ヒイロ「時間がある時にいつでも聞いてやる。また後でな。」

 

そのままウェールズとの合流のため食堂を後にした。

 

 

♦️

 

 

アズールレーン基地 鎮静府内

 

ヒイロ「セイレーンの量産型を操る技術に加えてモビルスーツか。一体奴らはどこからそれらを操る力を手にいれたのか……。」

 

ヒイロ、エンタープライズ、ベルファストの三人は鎮静府の長い廊下を歩いてた。先程のウェールズたちから聞いた情報をもとに考えるが答えは出ない。

 

エンタープライズ「レッドアクシズ。そしてセイレーンを遥かに越える何かが後ろについているのかもしれないな。となると、調べる必要がある。」

 

ベルファスト「それは我々ロイヤルが、得意とするところでございます

。」

 

エンタープライズ「なに?」

ヒイロ「……どういうことだ?」

 

ベルファスト「すでに私どもメイド隊が、新しい任務に就いております。」

 

エンタープライズ「メイドが?任務だって?」

 

ベルファストはスカートの裾を軽く持ち上げる。

 

ベルファスト「クローク&ダガー。外套と短剣でございます。」

 

エンタープライズは首をかしげているがヒイロはその意味を理解する。

 

ヒイロ「なら、お手並み拝見しようか。」

 

 

♦️

 

 

横須賀鎮静府 地下通路

 

暗い一本道の通路を重桜所属の工作艦、明石が歩いている

 

明石「不知火の奴、人使いが荒いにゃ。ゆってられないにゃ。

 

明石は特に何も考えずに道を進んでいく。すると長い地下通路が終わり、ドックのような大きな施設の後が目に入る

 

明石「……ここはどこにゃ?」

 

辺りを見回すとさらに道が続いている。明石はその道をさらに進んでいく。

 

明石「迷子になってしまったにゃ。」

 

すると、やがて整備された道に突き当たる。そこから見えるのはセイレーンと酷似している大きな船だった

 

明石「もしかして大蛇計画の船かにゃ?でも、セイレーンにそっくりにゃ。こんなもの作って本当に大丈夫かにゃ。」

 

船の全容を眺めていくと見覚えのある人物を発見する。

 

明石「あっ。赤城にゃ。こんなところで何をしてるにゃ?」

 

赤城は手に持った黒いメンタルキューブを掲げる。すると

、それは浮かび上がり辺りに紫色の閃光を撒き散らす。その光が収まると、メンタルキューブはその船に吸い込まれていった。

 

???「これ程のエネルギーが集まれば、大蛇計画発動は目前よ。」

 

明石「にゃ!?あれは……。」

 

人と異形が合わさった奇妙な生き物。いや、それは違う。セイレーンの上位個体。レッドアクシズに黒いメンタルキューブを渡した張本人。オブザーバーだ。

 

オブザーバー「この調子なら……そうね、あと一つといったところかしら。」

 

するとオブザーバーは手を合わせるとそこからまた一つ、黒いメンタルキューブを作り出す。

 

オブザーバー「大蛇計画が作り出すのは、ただの船じゃない。ゆうなればこれは、あらゆる思いをのせて海を渡る方舟よ。」

 

オブザーバーは赤城に近づき、耳元で声を囁く。

 

オブザーバー「もうすぐ会えるわよ。」

 

赤城「失せなさい。誰かに見つかれば面倒よ。」

 

明石「…ハワワ。とんでもないものを見てしまったにゃ。」

 

明石はすぐにその場を離れようとする……が。

 

加賀「貴様、ここで何をしている。」

 

明石は後ろを振り向くと、そこには加賀の姿があった。そして…。

 

加賀「…見たな?」

 

明石「なななんのことかにゃ。明石、道に迷っただけだにゃ。

ギャァーー。」

 

明石の体はオブザーバーの触手によって拘束される。

 

オブザーバー「あらー。見られちゃったわね。仕方ないわね。」

 

オブザーバーの4つの銃身が明石に牙を向く。

 

オブザーバー「好奇心は猫を殺す、なんてね?」

 

明石「にゃー!助けてにゃー!」

 

赤城「待ちなさい。重桜の中で勝手な真似は許さないわよ。」

 

オブザーバー「そんなこと言われてもねぇ。放っておくわけにはいかないでしょ?」

 

その時、突然の発泡。オブザーバーの触手がほどけ、明石が下へと落ちていく。

 

加賀「何者だ!」

 

加賀はすぐさま換装を展開させ、銃声の方向に飛ばす。しかし相手は素早い動きでそれを回避し、さらに発泡。それを加賀の展開された換装で弾き返す。ようやく相手の姿を確認すると、まるで潜入には向かないようなメイド服を着た少女が2丁拳銃を構えていた。

 

加賀「そのふざけた格好……ロイヤルか!」

 

そのメイド服を着た少女は素早い動きで壁を走り加賀を飛び越える。その先にいるのは……赤城。空中から繰り出される蹴りを、まるでわかっているかのように余裕でかわす。しかし、すぐさまもう一度蹴りが赤城の黒いメンタルキューブを弾き飛ばす。黒いメンタルキューブは空を飛ぶ。赤城はそれに向かって手を伸ばすが……発泡。黒いメンタルキューブは下へと落ちていく。

 

加賀「ねえ様!」

 

赤城は下を見るが想像以上に暗いためどこに落ちたかわからない。

 

シェフィールド「エディンバラ!」

 

実はロイヤルから潜入したのは一人ではなかった。ロイヤルのメイド隊、エディンバラ。エディンバラは落ちてくる黒いメンタルキューブをとるために落下地点へと入る。

 

エディンバラ「お、おお、お?お!とりましたシェフィールドー!」

 

残念ながら手では掴むことは出来なかったがそれを顔面で受け止める。

 

シェフィールド「撤退します。」

 

スモークグレネードの栓を口で引き抜き、それを三人のほうへと投げる。すると、すぐさま白い煙が辺りを充満する。

 

加賀「クッ!?小癪な……。」

 

加賀が煙を吹き飛ばすがそこには先ほどまでにいたメイド服の女は姿を消していた。

 

オブザーバー「まあ~大変!失態ね、赤城?」

 

赤城はオブザーバーを睨み付けることしかできなかった。

 

 

♦️

 

 

横須賀鎮静府基地 港前

 

騒がしいほどのサイレンが鳴り響く。重桜の艦船たちはなにごとかと困惑しているようだ。そんななか、場違いの格好をさらしながらシェフィールド、エディンバラ、明石の三人はひたすら海を目指して走っていた。

 

エディンバラ「運ぶなら金塊がいいのに~!」

 

シェフィールド「泣き言は後です。それよりなんですか、そのオマケは。」

 

明石「明石を置いていかないでにゃ!」

 

エディンバラ「何でついてきちゃったんですか?」

 

明石「あのままじゃ明石消されるにゃ!口封じにゃ!死人にくちなしにゃー!」

 

シェフィールド「仕方ありません。このまま海に出ますよ。」

 

シェフィールド、エディンバラは換装を展開。そして明石はエディンバラにしがみつく。二人は速度を上げながら重桜の基地を離れていく。

 

エディンバラ「あの小島まで行ければ……!」

 

エディンバラが指差す方向には小さな島があった。しかし

、その時シェフィールドはなにかを察知する。

 

シェフィールド「危ない!」

 

エディンバラの目の前に砲弾が着水する。シェフィールドが砲弾を発射した者の位置を探す。そして、赤い鳥居の上に立っている女を発見する。重桜の艦船、高雄だ。

 

高雄「逃がさん!」

 

シェフィールド「ここは私が引き受けます。先におゆきなさい、エディンバラ!」

 

エディンバラ「で、でもシェフィー……。」

 

シェフィールドはエディンバラの制止を無視して高雄との戦闘を開始した。

 

 

 

数分後

 

シェフィールド「……不味いですね。」

 

戦闘開始からわずか数分しかたっていないのにもかかわらず、シェフィールドは高雄に追い詰められていた。さらにそこに加わる重桜の艦船、綾波の加勢で流れは完全に重桜へと来ていた。

 

高雄「おとなしく投降したらどうだ?」

 

シェフィールド「…………。」

 

シェフィールドは次の一手を考えるので精一杯だった。距離を詰められれば高雄のほうが接近戦は上手だ。この状況では離脱することも困難だった。だが、シェフィールドは決して諦めることなく高雄を見ていた。

 

高雄「……どうやらまだ諦めていないらしいな。なら、一度倒したほうが良さそうだ。」

 

 

 

 

 

自立式AI「目標の重桜の基地を捕捉。これより速やかに破壊します。」

 

無機質な音声。三人から一キロほど離れた地点で、そのモビルスーツの大群はついに重桜を目視する。リボンズから与えられた命令。破壊を行うために。モビルスーツの大群は重桜へと進み始めた。

 

 

 

高雄「これで……終わりだ!」

 

高雄がシェフィールドに刀を振り下ろす……その時、高速で弾丸が……二人目掛けて迫ってきたいた。

 

シェフィールド「!?」

高雄「クッ!?…ハァー!」

 

だが、高雄が刀でその弾丸を一刀両断する。弾丸は真っ二つに割れて大きな爆発をおこした。

 

高雄「新手か!?」

 

そして、高雄の目には写った。大群で、体の何十倍も大きく、破壊のみを求める、凶悪な機械。モビルスーツを。

 

シェフィールド「あれは……報告にあったモビルスーツ!?」

 

高雄「モビルスーツ?それは一体なんなのだ?」

 

シェフィールド「……あまり詳しく知らされていないので。それとここは速く退避したほうが良いですよ。こちらの攻撃はあれには効かないようなので。」

 

高雄「敵を前にして私に逃がせと言うのか!」

 

シェフィールド「今はそんなこと言ってる場合じゃないぐらいわからないんですか?」

 

綾波「来ます!」

 

綾波の声で二人は我に帰る。すでに先陣を切った一機のモビルスーツがバトルアックスを大きく振り上げている。バックパックからの炎で加速された機体は二人目掛けてバトルアックスを振り下ろした。二人は互いに違う方向に避ける。

 

高雄「なんだあの速度は!?」

 

綾波「ここは一旦下がった方がいい、です。」

 

高雄「しかし!?」

 

高雄は綾波に詰め寄るが綾波は高雄を行かせまいとスカートの裾を掴んでいる。

 

綾波「あの人が言っていたことが正しいなら攻撃が効かないんです。ここは抑えて。」

 

高雄「……そうだな。今は、危ない!」

 

その時、高雄が綾波を抱き抱え、横へと飛び退く。わずかに遅れてバトルアックスが先ほどまでにいた場所に振り下ろされる

。高雄はそのまま綾波を抱き抱えながら横須賀鎮静府へと全速力で駆け始めた。もちろんそれを逃すわけもなく、グレイズの大群は横須賀鎮静府に攻め始めこみ始めた。

 

 

♦️

 

 

横須賀鎮静府 地下ドック出入口

 

シェフィールドはなんとかエディンバラと明石に合流後、

ひとまず攻撃されない場所へと避難していた。

 

エディンバラ「シェフィールドー。待ってくださいー。」

 

息をきらしたエディンバラが最後に地下ドックへと到着する。

 

明石「それにしても……さっきのはなんだったのかにゃ?」

 

シェフィールド「…ベルファストから話されたことから考えるにおそらくモビルスーツ……というかあなたはいつまでついてくるのですか?」

 

明石「だって、あそこにいたら明石は消されるにゃ!」

 

シェフィールド「はぁー。……はやく帰還しましょう。ここからなら海に出られますからね。」

 

エディンバラ「でも……もしモビルスーツに見つかったら私たちが消されませんか?」

 

シェフィールド「……そうですね。せめてあれがどこかに行ってくれれば…

。」

 

明石「……皆……大丈夫かにゃ…。」

 

三人の間には沈黙が流れる。シェフィールドは出入口からモビルスーツがどの辺りにいるかの確認をしようとするが…

…。

 

シェフィールド「これは……。」

 

ドックの壁にもたれかかっているため影で隠れていたが、そこには先ほど重桜を襲ったものとはまた違う形状のモビルスーツが置かれていた。

 

シェフィールド「早く離れないと……!」

 

シェフィールドは気付いた。機体の左肩に誰かが座っているのだ。すぐさまシェフィールドは銃を構えた……が。構えたはずの銃は地面に落ちていく。

シェフィールドは一体何がおこったのか認識するのに数秒をついやす。機体の肩に座っている誰かが発泡したのだ。それも艦船の反応速度よりもはるかに速く、とんでもなく正確な射撃技術でだ。

 

???「ねぇ、あんたってここがどこかわかる?」

 

シェフィールド「……は?……重桜ですが。」

 

その男はシェフィールドに止めを指すこともせず、ここがどこかという質問をしてきたのだ。

 

ー嘘をついているようでもないですし……いったい何者?ー

 

謎の男「重桜……聞いたことないな。」

 

シェフィールド「あの、あなたは重桜を襲いに来たのではないのですか?」

 

謎の男「……なんで知らないところを襲わないといけないの?」

 

シェフィールド「そ、そうですね。」

 

謎の男「…あ。さっきはとっさに撃っちゃったけど怪我してないよね?体には当てないように撃ったと思うけど…。」

 

シェフィールド「え、ええ。大丈夫ですが……。」

 

シェフィールドは驚愕した。先程の射撃は偶然ではなく体に当たらないように撃ったということになる。

 

ーこの男、本当に人間なのですか?ー

 

シェフィールド「こちらもご無礼を失礼しました。」

 

 

 

謎の男とシェフィールドの会話を、岩影からエディンバラと明石は聞いていた。

 

エディンバラ「……今のを聞いていると敵ではなさそうですけどねぇー。」

 

明石「……どうなのかにゃ~。」

 

謎の男「あれ?他にも誰かいるの?」

 

その男は再び拳銃を構える。

 

シェフィールド「彼女たちは私の仲間です。」

 

謎の男「そっか。ごめん。」

 

男はシェフィールドの言葉ですぐに拳銃をしまう。その時外から轟音が響き渡った。

 

明石「な、なんにゃ!?」

 

エディンバラ「すっごい揺れてます~!?」

 

それは地形を揺らすほどのなにかだった。

 

謎の男「この音……ここでも戦ってるんだ。」

 

シェフィールド「戦いよりは…一方的な虐殺ですが。」

 

謎の男「……どういうこと?」

 

シェフィールド「それは、モビルスーツですよね?」

 

謎の男「うん。そうだけど。」

 

シェフィールド「重桜はおそらくですがモビルスーツを保有していません。…アズールレーンですら、一機しかありません。」

 

謎の男「…だから救えってこと?」

 

シェフィールド「いえ、重桜とは敵対関係なので私たちが気にすることはありませんが。」

 

謎の男「……そっか。」

 

エディンバラ「あ、明石ちゃん?どうかしたの?」

 

エディンバラに抱きついている明石は…泣いているようだ。

 

明石「…怖いにゃ。みんながいなくなっちゃいそうで、怖いんだにゃ。」

 

エディンバラ「明石ちゃん…。」

 

エディンバラはなんとか明石を慰めようとするが涙は止まらない。

 

エディンバラ「ど、どうしよう。」

 

男は明石に近づいていく。

 

エディンバラ「え?ちょ、ちょ!?」

 

その男の手が明石の頭に置かれる。男は反対の手でポケットからなにかを取り出した。

 

謎の男「はい。」

 

明石「……にゃ?」

 

謎の男「ああ。これ、火星ヤシ。あと一つしかないけどあげるよ。だからそれ食べて泣き止んで。」

 

そのまま明石の手に火星ヤシを握らせると自分の機体へと歩いていった。

 

シェフィールド「あなた、何をするつもりで?」

 

シェフィールドの言葉に男は立ち止まる。そして、言った

 

謎の男「邪魔なやつらを潰しに行くんだよ。」

 

それだけを言うと、男は機体に乗り込んでいく。初めてその機体に乗った気持ちを思い出しながら…。

 

 

 

 

すぐさま機体のシステムを起動させ、阿頼耶識を体の背中にある突起に繋げる。

従来の阿頼耶識システム専用の突起はとても目立つものだった。しかし、その男の背部にある突起は従来のものより小さく、普通では気づかないほどの小ささだった。

 

謎の男「初めてバルバトスに乗った時みたいだな。お前もそう思うだろう?バルバトス。」

 

その男が呟くと機体はそれに答えるように緑色の光を目に灯していた。

 

謎の男「じゃあ、行くか。バルバトス。」

 

 

♦️

 

 

横須賀鎮静府 

 

一方、高雄と綾波はなんとかグレイズの攻撃を回避し港前まで避難していた。

 

綾波「早くみんなを避難させないと、です。」

 

高雄「しかしどうする?敵は待ってくれないぞ?」

 

綾波「とにかくここからは避難したほうがいい、です。」

 

高雄「片っ端から声をかけて避難させるか。そうと決まれば急ぐそ!」

 

高雄と綾波は港から近いところにいる艦船たちに避難を促す。

 

 

 

 

 

グレイズはライフルの照準を横須賀鎮静府に合わせる。

 

自立式AI「攻撃開始。」

 

グレイズの大群は一斉に引き金を引く。発射された弾丸は横須賀鎮静府へと降り注ぐ。それはすべてを破壊していく

。ちりも残さずに…。

 

 

 

 

 

 

綾波は一体何が起こったか理解できなかった。銃弾が発射され、建物が崩れてきて……それで……。

 

綾波「高雄さん!」

 

綾波は思い出した。建物が崩れてきたところを高雄につき飛ばされたのだ。綾波が先程いた場所は建材として使われた木材が大量に積もっている。その中を綾波は探し、そして高雄を見つけ出した。だが……。

 

高雄「…綾波……無事か?」

 

高雄の体は落ちてきた建材に挟まれ、身動きがとれなくなっていた。

 

綾波「はい!綾波は大丈夫です!でも、どうして?」

 

高雄「……何故だろうな。拙者にもわからん。さあ!早く行け!」

 

綾波「そんな……高雄さんを置いていけないです!」

 

高雄「今はそんな甘ったれたことを言っている場合じゃないぞ!早く行け!」

 

高雄はなんとか綾波だけは避難させたかった。だが、そんなことを待つ敵はいない。

一機のグレイズが二人に近づいていく。そして、外さぬようにライフルの狙いを定める。その光景を高雄は見る。

 

高雄「拙者もまだまだだな。」

 

綾波の頭を優しく撫でながら、目を閉じた。その時、音が聞こえた。金属が千切れるような音が。

 

 

 

 

翔鶴「どうしたの?瑞鶴。」

 

瑞鶴「お姉ちゃん。あれ、なに?」

 

瑞鶴の指差す場所に、それは居た。体よりも大きいメイスを持ち、両腕は鋭く、鋭い尻尾を持つ、かの悪魔バルバトスの名を持ったモビルスーツ。その名は、バルバトスルプスレクス。

その力を、今振るう。

 

 

 

 

自立式AI「エイハブリアクターの反応をか……。」

 

高雄と綾波に止めを指そうとしたグレイズは、エイハブリアクターの反応を確認したときはメイスで装甲を破壊され

、すでに機能を停止してい

 

謎の男「あれ?なんか見たことあるな……まあいっか。こいつらは…死んでいいやつだから。」

 

バルバトスのパイロット。三日月オーガス。彼は進む。居場所を求めて。

 

 

♦️

 

 

???

 

小さな質素の部屋に一人の男が椅子に座っている。髪は金髪で青い瞳の長身の男だ。

その時、部屋のドアが開き黒いフードを被った男が入ってくる。

 

???「気分はどうだ、マクギリス。」

 

マクギリス「上々だな。それで、どうかしたのか?」

 

???「ガンダムが出たそうだ。お前に出撃が許可されたが、どうする?」

 

マクギリス「その言葉を待っていた。」

 

???「三番ドックだ。そこにバエルがある。……くれぐれも死ぬなよ?」

 

マクギリス「ということは……強いのか?そのガンダムは?」

 

???「さあな。一応の忠告だ。」

 

マクギリス「そうか、感謝する。…名前はなんだったかな。」

 

???「言っただろ。俺に名前はない。どうしても呼びたいならゼロでいい。」

 

マクギリス「では、リボンズによろしく頼むよ。ゼロ。」

 

マクギリスはその部屋から出ていく。ゼロは窓から見える海を眺めながら呟いた。

 

ゼロ「力を求める者ほど、おろかな奴はいないな。」

 

 

♦️

 

 

横須賀鎮静府 港前

 

三日月が操るバルバトスはグレイズをメイスで横にふっ飛ばす。

 

三日月「これ、何体居るんだ?……まあ、全部壊せばいいか。」

 

メイスを肩に担ぎ上げ、近くに居る突撃部隊のグレイズたちを見る。グレイズの操縦はAIのため、感情というものが存在しない。だが、そんなAIでもバルバトスに攻撃することを躊躇っていた。

 

三日月「そっちから来ないんだったら、こっちからいくよ。」

 

バルバトスはメイスをグレイズ目掛けて放り投げた

 

自立式AI「!?」

 

反応したときにはすでに遅く、頭部がメイスで抉られていた。別のグレイズたちはバルバトスに照準を会わせようとするが……。

 

自立式AI「……対象が消失。」

 

グレイズは辺りを見渡すがバルバトスらしき機体の影すら見つからない。

 

自立式AI「……上空!」

 

一機のグレイズがバルバトスが空から降ってくるのに反応するが……。

 

三日月「遅い。」

 

バルバトスのメイスの一撃で、グレイズは原型が失くなるほど押し潰される。近くにいたグレイズはライフルをバルバトスに構える。

 

自立式AI「対象に照準……。」

 

三日月「他に武器がないと思った?」

 

すぐさまメイスを掴んでいる反対側の腕を相手に向ける。バルバトスの腕には内蔵型の200mm砲のバルカンが備え付けられている。それはグレイズ目掛けて火を吹いた。それはグレイズの装甲を簡単に貫通し、機体を破壊するまでに5秒もかからなかった。

 

三日月「つまんないなぁー。あれ?もう最後か。」

 

突撃部隊最後のグレイズはバトルアックスを持ってバルバトスへとスラスターの加速を利用し、一気に近づきバトルアックスを振り落とす。バルバトスはそれをメイスで防ぎつばぜり合いのような状態になる。

 

三日月「あんたの味方もたくさん居るようだし、早く終わらせてもらうね。」

 

バルバトスのメイスを使っていない側の手をグレイズの胴体に突き刺す。バルバトスの両腕にはレクスネイルという鋭い爪が付いている。それをグレイズの胴体に突き刺し、蹴り飛ばした。グレイズは海へと沈んでいった。

 

三日月「ふぅー。次は……お前か。」

 

バルバトスは次の獲物を探す。その姿はまさに悪魔そのものだった。

 

高雄「……凄い。」

 

高雄はバルバトスを見て、それしか言葉が出てこなかった。

 

三日月「さっさと潰すか……。」

???「申し訳ないが、お止まりいただこう。」

 

上から剣を振り下ろしながら接近してくるモビルスーツをメイスで防ぐ。

 

???「グッ!?上空から加速した重さがあるのに、片手で防ぐとは……やるな。」

 

三日月「なんだ?お前。」

 

マクギリス「私か?私はマクギリス・ファリド。君のような強者との戦い、嬉しく思うぞ。」

 

三日月「ごちゃごちゃうるさいな。他でやってくんない?」

 

バルバトスはバエルをメイスと反対側の手で掴み、地面に叩きつける。

 

マクギリス「がはぁ!?」

 

三日月「つまんないから……早く死ねよ。」

 

バルバトスの足をバエル目掛けて振り下ろす。

 

マクギリス「まだだ!」

 

バエルはスラスターを吹かして足を回避し、そのまま回転しながら剣を振るう。

 

三日月「あ。」

 

回避されると思っていなかったため、仕方なくメイスで防ぐが勢いでメイスは手から吹き飛んでしまう。

 

マクギリス「貰ったぁ!」

 

その隙を突き、剣を突き刺す……はずだった。

 

三日月「…やっぱこれ、使いやすいな。」

 

バルバトスには尻尾のように見えるテイルブレードがつけられている。それは、三日月の感覚どうりに動くため避けようとしても予測が難しい代物なのだ。テイルブレードはバエルの両腕を切断し、そのあとも各部に傷をつけていく

。バエルはバルバトスから離れたところまで吹き飛ばされる。

 

マクギリス「まさか、これほどとは…な。……ずいぶん若いパイロットのようだが、名はなんというのだ?」

 

三日月「俺?三日月オーガスだけど、何で?」

 

マクギリス「三日月オーガスか……君は、私とともに来る気はないか?」

 

三日月「…それついていって何かなるの?」

 

マクギリス「富、権力、それ以外のすべて。力あるもは、すべてを支配できる。君の力もそのためにあるのだろう?

 

三日月「俺、バカだからよくわからないけどさ。俺がバルバトスを動かすのは仲間のためだから。」

 

マクギリス「そうか。君の強さとは理想も目的も、たどり着く場所さえも違うようだ。だが、一つだけ言っておこう。そんな強さで、たどり着く場所はどこにもないぞ。」

 

マクギリスはそれだけを言うとスラスターの推進力ですぐさまバルバトスから離れていく。

 

三日月「……面倒だしもういいや。」

 

追いかけようとしたがスラスターのガスがあまりないのを見て、追跡を諦める。そして、バエルが離れていくと同時にグレイズの大群も重桜から遠ざかっていった。

 

三日月「あの声…チョコレートの人?……いや、違うか。」

 

阿頼耶識システムの接続を離し、コックピットハッチを開ける。

 

三日月「よっと。」

 

地面から10mほどあるコックピットから躊躇なく飛びおりる。しっかりと地面に着地すると、辺りを見回す。

 

ー……うん。やっぱり見たことないな。ー

 

三日月はこれからどうするべきか悩んでいた。すると、なにかを発見する。

 

ーん?なにやってんだ、あれ?ー

 

三日月の見ている先には建材に押し潰されている少女がいた。

 

三日月「……。」

 

三日月はそれに近づいていく。だが、三日月の前にもう一人少女が立ちふさがる。

 

綾波「こっちに来ないでください、です。」

 

その少女の手には鋭利な剣が構えられている。しかし、それを見ても三日月は少し止まった程度だった。

 

綾波「…あなたは、何者です?」

 

三日月「何者って言われても…ただの人だけど。」

 

三日月はその少女のの横を通り抜けようとした。だが、三日月の首筋に冷たい刃が当たる。

 

綾波「何をする、です。」

 

三日月「なにって、助けないと。」

 

三日月の先には建材に押し潰された少女がいる。

 

綾波「今助けを呼んでいるんです。余計なことをするな、です。」

 

三日月「別に早く助けたほうがいいだろ?」

 

綾波「……余計なことをしたら切る、です。」

 

三日月「分かった。」

 

三日月はなんとかその少女からの許可を貰い、目の前までたどり着く。

 

綾波「ただの人間に持ち開けられない、です。」

 

三日月「やってみなきゃわかんないだろ。…。ほら。」

 

三日月は建材を軽々と持ち上げる。これには二人の少女も驚きを隠せないでいた。

 

綾波「本当に人間なんです?」

 

三日月「あたりまえじゃん。」

 

三日月は建材に押し潰されていた少女に手を伸ばす。

 

三日月「立てる?」

 

高雄「あ、少し足をひねってな…たいしたことではないのだが…

。」

 

綾波「また建物が崩れてくる可能性もありますので安全なところに運びたい、です。」

 

三日月「そっか。じゃあ俺が運ぶよ。」

 

高雄「ど、どうしてそうなるのだ!」

 

綾波「だって、どう考えてもこいつはあんたを運べないだろ?」

 

三日月は綾波を指差している。

 

高雄「こ、これくらいの怪我などたいしたこと…。」

 

高雄はその場で立とうとするがすぐに体勢を崩す。三日月と綾波がすぐに体を支えることでなんとか転倒を防ぐ。

 

綾波「高雄さん。ここはこの人に運んでもらう、です。」

 

高雄「な、なぜこんな敵かもわからないやつを信じるのだ!?

 

綾波「この人からは殺意が感じられないです。だから多分大丈夫、です。」

 

三日月「じゃあ、持つね。」

 

高雄「ちょ、ちょっも待ってくれ!?心の準備が…。」

 

高雄がまだ反論しているが三日月はそれに構うことなく高雄の体を抱き抱える。

 

綾波「綾波が案内するです。こっちです。」

 

綾波の先導で高雄を抱えながら三日月はついていく。

 

高雄「そ、そんなところをさわるな!」

 

三日月「さわるわけないだろ。」

 

高雄「いいや、さわったぞ!」

 

三日月「さわってない。」

 

高雄「さわった!」

 

三日月「さわってない。」

 

綾波は二人の言い争いを聞きながら思った。

 

ー先が思いやられる、です。ー

 

 

♦️

 

 

???

 

ゼロ「阿頼耶識システム?なんだそれは?」

 

ゼロの前には機体の整備士がタブレットを操作している。二人の前にはバエルが固定されている。

 

整備士「どうやらこの機体の性能を引き出すためにはそのシステムを導入しなければならないようです。ただ、この阿頼耶識システムについての情報がまったくないので、しばらくは今の性能で戦ってもらうしかないですね。」

 

ゼロ「まああいつのことだ。そんなシステムがなくてもそれなりに使いこなせるだろう。」

 

整備士「自分はリボンズ殿になにかを言うつもりではないですが、あの技術は好きではないですね。」

 

ゼロ「まあ、死者を蘇らすようなものだからな。しかし、イレギュラーがいる以上、仕方ないことかもしれん。」

 

整備士「そういえばイレギュラーと言えばあのクアンタでしたか

?あれの殲滅作戦が明日にあるようですよ。」

 

ゼロ「位置の特定が終わったのか?」

 

整備士「そうなんじゃないですか?しかもその作戦にもあの技術で蘇ったような人が出るとか…。」

 

ゼロ「ほう。して誰が?」

 

整備士「えーと、たしかロックオンとか言ってたかな。」

 

ゼロ「…なるほど。リボンズもなかなか酷なことを考えるもんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

そのドックの中では緑がメインカラーの機体が固定されている。

 

???「まさか最初の任務がガンダムとは。お偉いさんは何を考えてんだか。」

 

その男のコードネームはロックオン・ストラトス。本名はニール・ディランディ。その男が操るモビルスーツ、ケルディムガンダム。

 

ロックオン「ま、俺は狙い打つ、だけだがよ。」

 

刹那、そしてニール。二人が交わるとき、その真実は絶望へと変わるだろう。

 

 

 

 

 

           To Be Counted

 

 

 

次回予告

 

BGMーCrescent-Moon Mobile-suitー

 

次回 クロスレイズレーン 第5話 残酷な真実

                      三日月「死んだ奴が生き返るのは、なんか嫌だな。」

 

 

 

 

 

 

 




次回はちゃんと早く更新するつもりなのでするしてくだせぇー。
登場決定キャラクター

ガンダムXからガロード&ティファ

AGE-3からキオ・アスノ

サブのほうで活躍する方

ガンダムUC リディ・マーセナス(もしかしたら変更するかも)

鉄血のオルフェンズ 昭弘・アルトランド

本当に皆さんの意見ありがとうごさいました。それとキャラクター設定はそのうち投稿します。(今はこれを投稿するだけでしんどい。)


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独自設定3

三日月、マクギリス、ロックオンについての設定がのっています。



キャラクター設定

ー三日月・オーガスー

TVアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の登場人物。同作の主人公。

 

ー本作ではー

 

・年齢19歳

 

・身長169cm

 

ー乗機ー

 

・バルバトスルプスレクス

 

 

 

アリアンロッドとの最終決戦で保護された設定。

その後は裁判にかけられたが未成年であることと、年齢に対して知識があまりにもないことの点などから完全の自由の身ではないがアリアンロッド内で教育を受けることに決まった。

バルバトスとのリミッター解除によって失われた部位を活性化させる治療を受け、身体的には完全に問題ないがまた阿頼耶識システムを使った場合は完全に活性化させるのは現在の技術では不可能なため阿頼耶識システムの脊髄にあるナノマシンを取り除く治療を受けさせるが完全に取り除くことが出来ないため、ナノマシンを極端に小さくしている。

三日月はアリアンロッド内で三年間暮らすがその中でもガエリオ・ボードウィン、ジュリエッタ・ジュリスの二人からの影響が強く、現在の三日月の行動原理はオルガのためではなく二人から教えられた自分で考えるに強く影響している。

アリアンロッド内の誰かによって三日月の存在が世間に出回ってしまったため、三日月はアリアンロッドを自分から去る。

三日月は破壊されたバルバトスを農業用に改造させて地球

、火星以外の星に身を寄せる。

しかし、そこで親切にしてくれた人物などを宇宙海賊に殺されバルバトスでそれをすべて破壊する。

そのため現在のバルバトスは戦闘用の機能でAIが搭載されているが、それによってバルバトスに擬似的な命が存在しており三日月の行動を抑制などをしてくれる。

ある日に宇宙を移動中に次元の割れ目が発生し、それに巻き込まれてアズールレーンの世界に来てしまった。

 

 

三日月生存ルート作るのって大変だと思いました。本作の三日月は仲間思いのいいやつなので。それと三日月はモビルスーツの修復が出来るっていう設定だけ入れてます。それ以外は特に変更はないです。

 

 

 

 

ーマクギリス・ファリドー

同じくTVアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の登場人物。

 

ー本作ではー

 

・年齢25歳

 

・身長182cm

 

ー乗機ー

 

・ガンダムバエル

 

 

 

バエル単騎でアリアンロッド艦隊に対峙するがガエリオとの一騎打ちで敗北し、最後はガエリオに首を絞められて事切れた…はずだったがなぜかリボンズとともにアズールレーンの世界に生存している。どうやら三日月のことを覚えていないようだが……。

 

 

 

 

 

 

ーロックオン・ストラトス(ニール・ディランディ)ー

「機動戦士ガンダム00」の登場人物。

 

ー本作ではー

 

・年齢24歳

 

・身長185cm

 

ー乗機ー

 

・ガンダムデュナメス

 

 

 

 

国連軍のフォーリン・エンジェル作戦で家族の仇であるアリー・アル・サーシェスと相対するが相討ちになりGNアームズの爆発に巻き込まれて死亡した……はずだかなぜかマクギリスと同じようにリボンズとともにアズールレーン世界に生存している。刹那はニール・ディランディが死ぬのを自身の目で見ているためこれではあきらかにおかしいのだが……。

 

 

 

 

 

                To Be Counted




次回の投稿は17日までに投稿します。……終わるかな。


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