互いを知らぬ英雄と白鳥は… (ミドリン)
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1通目(ハリー⇄フラー)
なにかご意見等ありましたらお気軽に感想の方までよろしくお願いします。
はじめまして、フラー・イザベル・デラクールさん。僕はハリー・ジェームズ・ポッターと言います。ハリーと呼んでいただけると嬉しいです。
日刊預言者新聞で、英語の勉強の為にペンパルを募集しているという広告を見て手紙を書かせてもらっています。
フランスに行ったこともありませんし、こういったものを書くのは初めてなので、失礼があったらすみません。
僕はホグワーツ魔法学校に通い始めたばかりの1年生です。自分自身が魔法使いだということを全く知らず、つい先日知らされたばかりです。
この世界では驚くことばかりで、多くの授業ではついていくことに必死です。
呪文学と変身術は理論も実技も難しく、うまく呪文を唱えることが出来ません。それでも呪文学のフリットウィック先生は優しく分かりやすく教えてくださって、変身術のマクゴナガル先生は厳しいながらも丁寧に教えてくださります。
一番大変なのは魔法薬学です。スリザリンとの合同授業というだけでも最悪なのですが、先生であるスネイプも嫌がらせとしか思えないことばかりしてきます。
それとは逆に箒に乗ることはとても楽しいです。ホグワーツではクィディッチの選手になることができるのは2年生からですが、寮監であるマクゴナガル先生に実力を認められてシーカーになることができました。
自己紹介とばかりに長々と自分のことばかり書いてしまってすみません。
フラー・デラクールさんは僕よりも年上の方とのことでまだまだ未熟な僕の書く手紙は見苦しい点は多いとは思いますが、これから先僕と文通をしてもらえると嬉しいです。
はじめまして、ハリー。フラー・デラクールです。どうぞ気軽にフラーと呼んでください。年が近く、同じように魔法学校に通っている相手からの手紙、とても嬉しく思います。
こちらこそ、不慣れな英語で手紙を書いているため読みづらいところがあったらごめんなさいね。
フランスはとてもいいところです。もし機会があればハリーも是非足を運んでみてください。
授業の内容については細かく触れることはしませんが、ほとんどの授業で基礎からきっちりと学ぶことでこれから先学ぶことになる多くの魔法の習得に役立つことになると思います。親切な先生や、先輩方…それと私も居ますので、きっとハリーもすぐに魔法を上手く使うことができるようになりますよ。
それからハリー。どれだけ相手が嫌いでも年上…ましてや先生には必ず敬意を払う必要があります。魔法薬学は基礎からきっちりと理解していないと応用が効かない最たる例です。そんな教科の先生を務めていらっしゃる方なので、きっとそのスネイプ先生にも何かしらの理由などがあるのかもしれません。
学校生活で楽しみがあることはとてもいいことだと思います。けれど、特例というものは良くも悪くも注目を浴びやすいものです。それだけは留意しておいてくださいね。
それでも、クィディッチのシーカーに選ばれたというのはとても素晴らしいことです。是非その腕を磨き続けてください。
長々とハリーの手紙に対する返答を書き綴ってしまいましたが、きっとこちらのことを聞くよりもまだこの魔法界に来たばかりのハリーの悩み事を解決する方がいいと思ったのでそうさせてもらいました。また、なにか聞きたいことがあればいつでも聞いてくださいね。
今回は往復分まとめましたが、この先どうなるかわかりません…
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2通目(ハリー→フラー)
今回はハリーからの手紙のみです。相変わらず短いですがどうぞ。
返事をいただいてありがとうございます、フラーさん。不慣れとは思えないほど立派な英語で、驚いています。今すぐには行けないですが、必ずフランスに行ってみたいと思っています。
魔法学校が僕の想像を超える数存在していると知って、今まで知らなかった魔法界がとても広い世界だということを改めて実感しています。
もうすぐハロウィンですね。先輩達から聞く話だとホグワーツではカボチャ尽くしのパーティが開かれるようです。今までハロウィンを楽しむことがなかったのでとても楽しみです。
フランスでは、どのようにハロウィンを迎えるのでしょうか?
フラーさんのアドバイスのおかげで、魔法が少しだけ上達した…気がします。変身術の授業では、焦らずに基礎から一つずつ仕組みを理解していくことで無事にマッチ棒を綺麗な針に変えることが出来ました。最初の授業ではうんともすんとも言わなかったのに、ほんの少し意識を変えるだけでこんなに結果が変わるとは思ってもみませんでした。
あとスネイプ…先生に対しても一方的にこちらからも嫌な態度を取るのではなく、よく考えてみれば理不尽な点が多いのは確かなのですが間違ったことは殆ど言っていないと気づきました。
また、魔法史の授業で教わったのですがフランスだけでなく多くの国でゲラート・グリンデルバルドという闇の魔法使いが猛威を振るっていたようですね。どのような国や魔法界でもそういうのが居ると知り恐ろしさを感じました。
そんな悪い魔法使いに対処できるようにこれからも基礎からしっかりと学んでいきたいと思います。
フラーさんは三頭犬はご存じですか?僕たちは学校内でそれと遭遇するという機会に恵まれ…恵まれてはないですね……とにかく僕たちは学校内で三頭犬に遭遇してしまい、命からがら逃げ出すことになってしまいました。そもそも校則を破って夜間に寮の外を出歩いたのが悪いのですが、まさか学校内にあのような恐ろしい存在がいるとは思ってもみませんでした。
同じ寮の女の子は「仕掛け扉があったから、きっと何かを守っていた」と言っていて、あれほど恐ろしい魔法生物を用意してまで守ろうとするものが何なのかとても気になってしまいます。
最近あったり考えたりしたことを取り止めもなく書き連ねるだけになってしまいましたが、手紙で書きたい内容が定まっていなくて自分でも何を書いていいのか悩んでいる状態です。見苦しい内容でしたら言ってもらえればなんとかするので、気軽に言ってください。
次回投稿は1週間を目処に投稿したいと思います。が、未だに執筆に慣れてないので予定は恐らくブレると思います。書けたら投稿するスタイルでやらせてもらうので…どうかご容赦を。
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