Vampire&Coffin (蓬莱人形)
しおりを挟む

プロローグ 二人の便利屋
第一話 少女と青年


この小説は、本当は短編として投稿予定でした。
しかし、設定を練っているうちに長編小説として投稿することになりました。

『そんなん知るか!!』と思うかと思いますが。

暖かい目で読んでいただけると幸いです!!


19世紀後半のとある町で、白いワンピースを来た少女が金髪をたなびかせながらとあるレストランに入った。

レストランと言うより酒場と言った方が良い様なそこにはランチタイムだからなのだろう、町の住人だけで無く旅の人間も同様に食事を取っている。見るからに大繁盛である。

「おっ、エリーちゃん。いつものかい?」

カウンターの方に歩いて行った少女はレストランの店主と思われる男に声を掛けられる。

「うん!!おじさん、いつものお願い!!」

花のような笑顔でエリーは答える、エリーはふと隣で食事を取っている二人の人物に目が行った。

 

一人は黒いショートカットにコートを羽織っている青年

 

もう一人は左側に赤黒いリボンを結び降ろした赤い髪に、黒いフリルが三つスカート部分に刺繍されている赤い肩紐ワンピース、その上から先ほどの青年と同ように茶色いコートを羽織っている少女

 

「ほらよ、いつもの。」

店主がエリーにいつものを渡す、エリーは二人に集中していたため一瞬受け取るのが遅れてしまいよろけてしまう。

「うわっ…とと…」

そこへ先ほどの少女が支えて助けた。

「大丈夫?」

「うん!!有難う!!」

エリーがお礼を言うと少女は何処かへ歩いて行く。

 

「大丈夫かい、エリーちゃん。」

「うん、ちょっとよろけただけ、はいっこれお代!!」

「おう、毎度あり。」

 

そのままエリーがレストランを出ようとした。

 

「な…なんだよアンタ!!」

 

店の隅から男の怒鳴る声がした、エリーを含めたほとんどの客が声のした方を向く、そこには先ほどエリーを助け起こした少女が男と揉めていた。いや、今にも揉めだしそうな雰囲気だった。

「ねぇ、貴方…狼男でしょ…」

「なっ…何を言ってるんだ!!そんな訳無いだろう!!」

少女の問いに怒鳴るように答える男…

その瞬間、少女は『何言ってんだコイツ…』と言わんばかりに冷たい顔をした。

 

次の瞬間

 

少女は男にヒールタイプのブーツを履いた足を振り上げ、男に踵落としを見舞い、そのまま言い放った。

「アンタ…さっきから狼《イヌ》臭いのよ…」

その瞬間、エリーはあの少女に背筋が凍る程の恐怖を覚えた。

そして少女に踵落としを食らった男は鼻から血を流しながら頭を上げ、少女を睨み両手の爪を鋭くし襲いかかった。

少女は爪による攻撃を躱すと男の腹に数発、打撃を叩き込んだ。

「オごッ!?ガハッ!!」

鳩尾に入ったのか男は苦しそうに腹を押さえながら悶えている。少女はその隙を見逃さず男の右腕を掴むとそのまま綺麗な一本背負いを決めた。

エリー達客はその一瞬と言っても過言でもない程の短い時間で起こった戦闘をポカンと眺めていた。

 

     ――――――――――――――――――――

 

少女はふぅと息を付いた…

少女がカウンター席に目をやるとコートを来た青年が少女の方を向いている。

「終わったかい?ヘレナ。」

「えぇ、これで今回の依頼は完了かしら…?」

ヘレナと呼ばれた少女は髪をかき上げながら青年に答えた。

 

ヘレナは青年の元に歩いて行こうとする…しかし

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

聞いた事のある声がレストランに響く。

 

 

その場にいた全員が声のした方を向くと金髪の少女が先ほどヘレナに取り押さえられたはずの男に取り押さえられていた。

「おぃ!!そこの女!!動くなよ、このガキがどうなっても良いのか!!」

ヘレナはそれを見るとため息を付いた

「貴方…外道ね…」

そういうとヘレナは、にやりと笑い、言い放った。

「でも此処までね…貴方は決定的な勘違いをしている…」

「は…ははは、何を言ってるんだお前は…勘違い…?笑わせるな!!」

男はエリーを取り押さえながら高笑いを上げた。

「…クロウ。」

ヘレナは呆れながら呟いた。

 

「何時私が一人だけだと言ったのかしら?」

 

次の瞬間狼男の脇腹を数発の銃弾が襲った。

「…っガぁッ!?」

「え…?」

エリーは銃弾の来た方向を向くと黒い髪の青年が男に拳銃を向けていた。




感想どしどし待ってます!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話 少女の願い

一話の修正リストです。

ヘレナと男の戦闘描写に男の悶絶などを追加
勘違いのところを含めたラストの細部を追加

ってなわけでどうぞ!!


「はぁ~…ヘレナ…油断しないでって何時も言ってるよね…」

クロウと呼ばれた青年は呆れながらも未だ脇腹を押さえて悶絶している狼男から銃口を外さずに呟く

「え?ああ、そういえばそうだったわね…」

ヘレナはクロウから目をそらしながらバツが悪そうに返事をする。

「っがぁ!?何故だ…何故…」

男は脇腹を押さえながらうわごとのように呟いている。

クロウは男に近づき

「銀の弾丸だ、俺たちはアンタを狩りに来たんだよ。"路地裏の狼"…」

路地裏の狼、この単語を聞くと男は目を見開い驚愕の表情を浮かべる

「何故俺が路地裏の狼だと解った!?…何故だ!?」

男は訳が分からないと喚きだす。

それは今まで上手く隠してきたのによそ者に一目でばれるなんてありえない

まるでだ れ か の 手 ま わ し が あ る よ う に し か お も え な い

まさかと男は顔を青くする

クロウはそれを察したのかにやりと笑い言った。

「そう、俺らはこの町のお偉いさんの依頼でアンタを狩りに来たんだ、依頼主さんたちがいろいろ調べてくれたおかげで簡単にあんただって解ったぜ。おまけにヘレナはちょっと特殊だからな、アンタから漏れてる魔力で何処にいるかも解った…」

男はハハハと笑いながら銀の弾丸の魔力で灰になった…その笑いはなんの意味を持たない空虚な笑いだった…

 

            ―――――――――――――

 

「はぁ…なんであそこで縄なりなんなりで縛って無かったのさ…」

クロウは先ほどからの不満をヘレナに愚痴っている、先ほど依頼主に完了の報告を入れて来たところである。

「別に良いじゃない、こうして依頼をちゃんと終えられたんだし。」

対するヘレナはまるで意に介さず軽い口調でクロウの愚痴を流している。

「良いわけないだろ、相手がヘレナにばっかり気が行って俺に気付かなかったから良かったものの、下手したらあのまま逃げられるか、こっちがやられてたんだぞ!!」

クロウはヘレナの言葉に多少キツイ口調で返す、そこに一人の少女が目に入った。

それは先刻、レストランで狼男に捕まっていた少女…エリーであった。

「あっ…あのー…」

エリーはクロウたちに声を掛ける、それは緊張しているのかポツリポツリと言った口調だった

「ん…何だい…」

クロウは笑顔を作りエリーに返事をする、それを見たエリーは緊張が少し解れたようで

「さっきは有難うございました!!」

ぺこりと可愛らしくお辞儀をした、その姿を見た人のほとんどはエリーを可愛いと思っているだろう。

現にヘレナは半分メロメロになっていた

「か…可愛い…連れて帰りたい…かわいすぎる…」

もはやレストランで見せた威圧感たっぷりの彼女は何処へやら、クロウはヘレナに軽くチョップをかます。

「どう致しまして。」

クロウはエリーにお辞儀で返す、エリーはその様子を見た後にある質問を投げかけてきた。

「そういえばさっき依頼がどうとか…って言ってましたけどお仕事で来たんですか…?」

「うん、便利屋さんって言ったらわかるかな…いろんな人の依頼を聞いてそれで代金を貰ってるんだ。」

クロウはエリーの問いに優しく答えた、するとエリーはたちまち改まった態度になってクロウ達に言った

「お願いがあります…」

俯きながら投げかけられた言葉にクロウは真剣な顔立ちになる

「私の住んでいる町を助けて下さいッ!!」

エリーは大粒の涙を瞳にためてクロウとヘレナに縋るような声で言った。

 

 




やっと…やっと次回からちゃんとした話が出来る…


頑張ります…


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 町の異常

なんだかんだでまた投稿…

始まります…


「…つまり町の様子がおかしいって事か…」

クロウ達はエリーの話を聞きながら宿に向かっていた。

荷物の回収と宿のチェックアウトを済ませるためである、宿に着くとクロウ達はチェックアウトを済ませ、ヘレナが二人分の鞄を持って出てきた

ニ人はエリーの案内でエリーの住む町に向かう馬車に乗り込んだ。

ヘレナはエリーがお辞儀をした時こそメロメロ状態で話に参加していなかったがちゃんと聞いてはいたようでクロウが始めるより一言早くエリーに

事情を聞き始めた

 

「それで、何で貴女じゃ無くて"貴女が住んでいる町"なのかしら…?」

ヘレナの質問に対してエリーは思いつめた顔をしながら話を始めた。

曰く、エリーの住んでいる町は教会が収めている町である。

ある日、そこ教会で一番偉い神父が亡くなった、そのせいで町は荒れて教会側は慌てて新しい神父を用意しようとした。

そこに、何でも大教会の方から来たという神父がやってきた、彼は素晴らしい実力で町を立て直し町で一番偉くなった。

町の様子が可笑しくなったのはそこからだった。

度々、町の住人が突如失踪したり、教会の人がやってきていきなり子供を連れて行ったりするようになった。

そして、少しでも教会に反発しようとすると異端として教会に連れていかれてしまう…

 

ヘレナとクロウはこの話を聞いて疑問に思った…

いや、疑問の塊が話の中に転がり過ぎているのに疑問を覚えるほど疑問しか浮かばなかった。

まず、教会からやってきたという神父、本当に教会からやって来たのか…

そもそも本当に神父なのか…

そして失踪事件や子供の誘拐、あえて誘拐と言ったのは教会側は最近協力的な人間にはたとえ異端であっても寛容であるため絶対に子供を連れ去ったりしない。

これはクロウに教会側の知人おり、教えてもらったため知っている。

唯一まともな…いや、この教会のやっている事にまともな事なんてあっただろうか…

少なくとも今のこの少女の住んでいる町の教会はまともな事をやっているとは思えない。

 

「そんなことは"ありえない"…」

「え…」

口を開いたのはクロウだった…

「俺は教会側に知人がいて、ソイツから聞いたんだが、今の時代ではそんなことをしてないし、しようものならそれこそ異端として宗教裁判ものだぞ。」

「そう…なの…」

クロウはエリーに説明を始めた…

 

     ~説明中~

 

エリーには驚愕の事実だった、自分の町の教会は間違ったことをやっている…?

 

「それに、そんなことやってるなんて…"あの子"が聞いたら神速でそこに行って見敵必殺<<サーチアンドデストロイ>>しそうね…」

ヘレナが呟くように言った、エリーは"あの子"って?と思いながらエリーはヘレナに目を向ける。

それは今言う事か?とクロウがヘレナに聞くのを聞き流し、エリーと目が合うとヘレナは優しい笑顔をエリーに向けて言った

「大丈夫よ、私達に任せなさい。」

まるで吸い寄せられるような笑顔だった、まるで見るものすべてを魅了するような…

エリーは笑顔を見ながら"この二人なら大丈夫だ"と思った…

確信は無かったが、そんな気がした。

 

「そろそろ町に着きますよ。」

馬車を操る人の声が聞こえるとヘレナは真剣な顔立ちになり窓の外を眺めた…

その目はまるで鮮血の如く赤い瞳だった…

その目は見えてきた町に立っている教会の十字架を見据えていた…




なんかフラグやらなんやらが数本たった気がします…

感想、誤字報告どんと来です、

次回もお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。