貴方は今日から家族です (AO.K)
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1話 親戚
碧side
月城碧、20歳。一人暮らし。男なし。
バイトはかけ持ちの20歳の中では結構な金持ち。(のつもり)
親戚付き合いなんてクソ喰らえ。
そもそも顔すら覚えてない。
周りからのあだ名。特になし。(友達がいないわけじゃない)
昔から女子にモテる。付き合ったためしはないけど。
洗濯、掃除。あんましてない。掃除に関してはそもそも何もしてないから汚れない。←
料理だってほぼ皆無。多分ダークマター作れる。
けれど勘違いしないでほしい。
あたしは自宅警備員じゃない(キリッ)←
仕事だけは出来る。(と信じたい)
バイトは4つかけ持ちしてるからなァ。
「あれ、もしかして碧ちゃん?」
碧「え?」
え、誰この人……。新手のナンパ?
いやでもじゃあ何で名前知ってんだ…?
「久しぶりだね。覚えてるかな?」
いや、覚えてないっす。
……買い物袋…、帰りなのかな…
「良かったら上がっていって。碧ちゃんの好きな秋刀魚あるよ」
こ、この人…あたしの好きな物まで!
正直行きたい!でも誰だか分かんないから危ないと思う!
え、つーか家ここなの?……ん?黒尾……?
黒尾……どっかで聞いた事あるような……あ、親戚や。←
昔1回だけ家に言ったことあるな。忘れとったわ。
碧「あーー、クロおじさん…?」
「はは、懐かしいね、その呼び方。碧ちゃんは大きくなったね。今何歳?」
碧「20歳。ちなみに彼氏とかいないよ。バイト一筋っす」
「変わらないなぁ。あんまり物欲がないというか…。」
碧「クロおじさん…確かァあぁあ………息子!いなかったっけ」
「あぁ。碧ちゃんの2歳下が1人ね。」
碧「へー、じゃあ今18か。青春じゃん。」
「あぁ…」
?なんか元気ないな。
ハッ、まさか女を取っかえ引っ変えとか!?←失礼
碧「どうしたの?」
「碧ちゃん…実はね、」
クロおじさんが言うには仕事の都合で他の県に行くことになったけど
息子は今の仲間と青春してるからそれを取り上げたくない、と…。
小さい頃にもそういう事があったから余計に思うらしい。…いやでもさ、
碧「18でしょ?一人暮らしできんじゃない?」
「心配なんだよ…」
あ、過保護タイプでしたか。
……そりゃそうか。大事な一人息子な上に男手ひとつで育てたわけだし。
可哀想……いやまぁ、あたしには関係ないんだけど…そう、関係、ない……
………いや良心にくるわ!!
碧「……あたしが面倒見ようか?」
言っちまったよ。←
「え、でも…」
碧「大学ここからでも近いし。その代わり仕事代として帰ってきたらお駄賃500円ね」ニッ
「碧ちゃん……!ありがとう!早速鉄朗に話さなきゃな!」
碧「そーだねー」
作者です!
実は私もう1つ作品を書かせてもらっているのですが
その小説とオリ主の名前が同じです。
ですが同一人物ではないので!
イメ画を載せます!
リア友のどらごんフルーツ君が描きました!
【挿絵表示】
月城 碧(つきしろ あお)という名前です。
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2話 美人
黒尾side
部活が終わり、家へ帰る。
確か今日秋刀魚っつってたよな…。
秋刀魚は俺の好物でもあり、自然と足取りが軽くなる。
黒尾「ただいまー」
「おかえり鉄朗」
碧「おかえり鉄朗ー」
黒尾「…………いや誰!?」
すげーナチュラルに言ってきたけどこの美女誰!?
親父の女!?←
つーか何で名前知ってんだよ!
「実はね…仕事で他の県に行くことになったんだ。」
黒尾「え…」
じゃあ引っ越すってことだよな…
俺は今の仲間で春高に行きたい、けど…
「そこでね、親戚の碧ちゃんに頼もうと思うんだ」
黒尾「碧ちゃん…?」
碧「碧ちゃんでーす」
「鉄朗は今の仲間とやりたい事があるんだろう?
碧ちゃんは20歳だし元々一人暮らしだからね。」
黒尾「え、でも…」
碧「酷いわ!!あたしを1人にするのね!!」
黒尾「はい!?」
碧「趣味もない男もいない仕事しかないあたしを!!
貴方人助けも出来ないの!?寂しい女を放っておくの!?」
黒尾「分かった!分かったから!!」
碧「だって、おじさん。任せといて。」
なんかこの人に上手く乗せられてるような…
ていうか自分の事言ってっけど虚しくねぇのかな…
碧「じゃ、あたし今から母親だから。マームと呼びな」
黒尾「呼び方独特すぎるだろ!つーか2歳しか変わらないし背の方が俺の何倍も…」
そう言って気づいた。この人背が高ぇ…。
今まで女子と話す時は首が痛くなってたけどほぼ目の前。
碧「碧様は184.7センチぞ。」
黒尾「3センチ差だ」
碧「あ、忘れとった。あたし月城碧ね。ん?いや、今は黒尾碧か?」
「結婚はしてないからねぇ」
黒尾「してたら怖いっつの。黒尾鉄朗、よろしく」
「仲が良さそうで良かった!早速だけど明日から行くから!」
そんなに悩んでたのかよ!
仕事忘れかねなかったぞ親父なら!
碧「じゃああたし家の荷物取ってくる〜」
黒尾「あ、俺も着替えたら一緒に行く。」
碧「興味あるの?←」
黒尾「荷物運ぶの手伝う、っつってんの!」
碧「別に少ないしいらないけど…」
黒尾「外暗いし、危ねーだろ」
碧「…確かに魔除けになりそう。」
黒尾「髪を見て言うな、髪を見て!」グリグリ!
碧「頭潰れるァあぁあ、おい、マミーだぞ!」
黒尾「一人称視点ブレブレだろ!」
何だかんだでついて行けばホントに運ぶものが少なかった。
ダンボール1個で済むレベル。
この人生活感ねぇんだな…
碧「ご苦労息子よ。」
黒尾「どこに2歳差の親子がいんだよ。」
碧「ここ。」
黒尾「もーいいデス」
俺明日からこの人と一緒なのか……?
顔だけ詐欺じゃん←
碧「一緒に寝るか息子よ。」
黒尾「寝ません!」
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3話 ヤバいぞ
碧side
朝4時。おじさん、もういねぇ。はっや。
よし、じゃあ…作ったこともない朝飯作るか。←
碧「やっぱ朝は米か…?」
米を洗う……。指で数える程しかやってねぇ。
はんっ!だがあたしは洗剤で洗うなんてバカはしねぇ!
もちろんキレ○キレイで洗う!←
碧「泡がとれない…いーや、1回ザルに移しちゃえ。」
ジャー、と大体泡が取れるまで洗う。こんなもんか…?
次…米と言ったら…卵焼き!…は諦めて、←
いや、諦めんな!あたしなら出来る!
碧「卵を割って…(メショッ)……まぁ、大丈夫だろ。」
焼いて……巻く…巻く?
え、そんな高等なことやった事ないんすけど…
そもそも卵とかここ最近見たこともなかったし。
買い物もしないからなぁ…。
碧「っふん!」
はーいスクランブルエッグのかぁんせぇでーす♡
まぁ、焼いてるし。同じ同じ。
何かちょっと白いかたそうなもの飛び出てるけど、まぁ、大丈夫!
碧「なっ、もう4時半、だと!?」
黒尾「ふぁ〜…はよー」
碧「おはよう息子よ。」
黒尾「…朝飯?」
碧「こんな早く起きてくるとは…まだ卵焼きしか出来てない…」
黒尾「……卵焼き?これが?」
碧「卵を焼くって書いて卵焼きなの!」
黒尾「さいデスか。米よそうから、茶碗貸して。」
親思いやのぅ…。
茶碗をあげれば炊飯器を開けてキ○イキレイのいい匂いが…
黒尾「……何か米からスッゲェ、キレイ○レイの匂いすんだけど…」
碧「……ちゃんと洗ったけど」
黒尾「……何で?」
碧「キレイキレ○」
黒尾「何の少女漫画だよ!!今どき洗剤で米洗うとかよ!」
碧「洗剤じゃないよキレイキレイ!」
黒尾「最早伏せてもねーだろ!!」
碧「た、卵焼きは上手くできたし!」
黒尾「……パクッ(ジャリ、ボリ)ッゴク!殻入りすぎだろ!」
碧「何でも皮には栄養あるでしょ!」
黒尾「俺が言ってんの殻な!?」
碧「うぅ…」
黒尾「料理苦手なの…?」
碧「料理洗濯掃除は全くやったことがございません」
黒尾「母親を名乗るな!←」
碧「お、お義母様!そんな!←」
黒尾「俺息子じゃねーのかよ!!」
黒尾side
料理洗濯掃除出来ないで良く母親引き受けたな!?
今どき洗剤で米洗うとか何!?
卵の殻はまだ分かるけど!
黒尾「今までどうしてたわけ?」
碧「朝昼は買い食い、夜はコンビニかカップラーメンか誰か奢ってくれる←」
黒尾「魔性の女め←」
碧「えへ♡」
黒尾「褒めてねぇ!」
碧「これどーしよ。」
黒尾「……処分だな。」
碧「なんと!?」
黒尾「当たり前だろ!こんな米食ったら腹壊すわ!」
こんなんで大丈夫なのかよ…!?
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4話 若すぎるお母さん
碧side
結局ご飯はごめんなさいしてカップ麺買いに走った。(鉄朗が)
いやぁ、料理がここまで出来ぬとは…精進せねば。
黒尾「俺朝練行くから」
碧「おー、アオハル〜。どこの部活?」
黒尾「バレー部」
碧「珍しー。男バレある高校ってそーそーないっしょ。」
黒尾「音駒は強いです〜」
碧「何も言ってねーしw」
黒尾「んじゃ行って来る」
碧「行ってらー」
……あたしも大学に行かねば。
いやまぁほぼ寝るのがオチだけど。
碧「よーし気合いを入れて行…ドガッ 気合いを入れて足の小指ぶつけたあたし最&高…ッ」
なんだよ!!なんなのよ!!泣くわよ!?
……スクバ?え、これって鉄朗のじゃね?
まさかのスポーツバッグだけ持ってってスクバ忘れてったの?やっばww
碧「カップ麺買ってきて貰ったし、届けてやるかぁ。」
oh....コーコーセーのバッグおもい…
つーか高校どこ通ってんの?……さっき音駒?とか言ってたっけ?
碧「よっしゃ、Go○gle使うべし。」
………ちょびーーっと遠い…まぁ、バイトばっかで金はあるから
電車だろうがバスだろうが乗れるから良いんですけどねー。
さ、のろのろと行きますか。٩(.^∀^.)งLet's NEKOMA
黒尾side
黒尾「うっそだろ…」
海「どうした?」
黒尾「……スクバ忘れた」
夜久「は?ww授業どーすんだよwww」
黒尾「ケンメァ!なんで言ってくんなかったんだよ!!」
研磨「別にクロの方見てなかったし…」(ずっとゲームしてた人)
黒尾「そーでしたネ!!あ"〜マジかよー!!」
カップ麺買って疲れきって忘れてたぁ〜……
何か軽いとは思ってたけど…今から戻るわけにも行かねーし…
黒尾「もー諦めるか…」
忘れたショックを忘れさせるように朝練をし、教室へ行く。
はーー、コレ俺今日皆に笑われるやつじゃね…?
夜久「おい、センセー来たぞww」
黒尾「面白がってるだろ!はー…センセー ガラッ 碧「しつれーシャース」……は?」
碧「あ、やっと見っけた。はい、スクバ忘れてくとかマジ草なんですけどww」
黒尾「元はと言えばカップ麺買いに走らせたお前のせい!
つーかなんでいんだよ!!」
碧「はーー??慈悲深いお母様が届けてやったんでしょー?」
黒尾「ばっ 「黒尾のお母さんんん!!?!?」ほらぁ…」
頭はアレだけど顔はスゲー整ってて美人。
見るからに若い。コレが母親ってバレたらそうなるだろ…
義理だけど。
碧「え、怖。今時のコーコーセーやば。」
黒尾「2歳しか違わねーだろ…」
碧「もー今日大学行くのダルいから休んだ。ここで授業受けよーかな。」
黒尾「帰れ!!今すぐに!!つーか受けれるわけねーだろ!!」
碧「そんなん顔パスだって。」
黒尾「あぁ、その整った顔じゃなきゃ門前払いだったろーな!!」
碧「色仕掛けって便利♡」
黒尾「したのかよ!?!」
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5話 はちゃめちゃ
黒尾side
碧「つーことでココで授業受けていーすか」
先生「え!?い、やぁ~、ダメでしょ」
そうだそうだ!帰れ帰れ!
先生!アンタは正しい!自信をもて!!
碧「…分かりました。家に帰ってもお父さんもお母さんもいなくて私1人で…っ、うぅ…
ご飯を1人で寂しく食べて路頭に迷うしかないんだわ…っ」
黒尾「飯食って路頭に迷うとか聞いた事ねぇから!」
「黒尾てめぇええ!!母ちゃん泣かせんなよ!!!」(号泣)
黒尾「なんでお前らが泣くんだよ!!どこに泣く要素があった!」
先生「黒尾…お前の隣の席、空いてたよな…」
黒尾「そんな優しそうな顔しないで先生!皆コイツに騙されてる!!」
碧「あ、ありがとうございます…っ!う、うぅ…う、うふふふ」←
黒尾「目を覚ませぇええぇえぇえ!!」
~~そ ん な こ ん な で~~
碧「うわぁ〜懐い〜。」
黒尾「ヨカッタネ」
何で許可降りてんの??え、許可降りんの普通なの??俺がおかしいの??
コイツも何でココで授業受けよーとか思いつくの!?
大学生だろ!?
碧「おいおい青春かよコーコーセー」
黒尾「やめろ小突くな、つーか何が青春だよ」
碧「いやぁ、席が1番後ろで隣りいないって…新手のイジメだろ?」
黒尾「イジメじゃねーし仮にイジメとしてもそれは青春とは言わねーよ!」
碧「も〜、そんな怒鳴んなって。血管キレるぞ」
黒尾「誰のせいだよ…」
ふざけた感じで授業聞くのかと思えば意外にも真剣に聞いている。
大学用なのかノートも出して板書をしてる。
………髪染めてねぇんだな。真っ黒…。
先生「これ解ける人ー」
うっげぇ…あんなん分かるかよ。
数字多すぎだろ。ホントこの先生難しいの作るよな…
f(x)=x^3+x^2-6x-7 が 1111111111111111111(1が19個) で割り切れるような整数xは
0≦x<1111111111111111111 の範囲に3つ存在します。
そのうち1つは私が上げた1000001100110000010ですが、
それでは残りの2つを答えてください。
碧「はーい!」
黒尾「はぁ!?」
自信満々に手を挙げて黒板の前まで行ってチョークを持つその顔はニコニコ笑顔。
ホントに解けんのかよ…!?
碧「(カキカキ…)はい!」
x=1000001100110000010
x=110100000000101100
x=1010011001010000
碧「1と0しかないのは偶然じゃなくて、x^3+x^2-6x-7=0 というのはx^18+x^17+x^16+x^15+...+x^3+x^2+x+1=0 の解をαとして
x=α+α^7+α^8+α^11+α^12+α^18が満たす3次方程式であり、残りの2つの解は
x=α^2+α^3+α^5+α^14+α^16+α^17
x=α^4+α^6+α^9+α^10+α^13+α^15
これに形式的にα=10とすると上の数字を得る!」
先生「か、完璧だ……」
「すっげーー!!!」
黒尾「まさかの勉強出来んの!?」
碧「シツレーすぎねぇ!?」
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