マスターとシャルロットの気ままなFGO生活 (焼き鳥タレ派)
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1:6面からいきなりムズくなって泣ける

「シャルロット君、ただいま。やっぱりカルデア全部のトイレ掃除はきついよ~」

 

「お疲れ様です。こっちもお部屋の掃除を済ませておきましたから。

と言っても毎日同じところばかり拭いているので大してやることもないんですけどね。

時々ここが個室か牢獄かわからなくなります」

 

「ごめんよシャルロット君……。もっと俺に力があればマシュさん達と大冒険に行けるのに」

 

「確かマスターはバカだから令呪が一画しかなくて戦力外通告されてるんでしたね。

気にしないでください。それについてはとっくの昔に諦めてますから」

 

「しかしだぁ!アプリの中では話は別!FGOを立ち上げれば俺が手塩にかけた精鋭達が

手ぐすね引いて出撃の時を今や遅しと待っているのだ!」

 

「はいはい。……そんじゃ、ま」

 

「今日も始めますか。アイコンポチッとな」

 

アーアー

 

「思うんだが、この毎回微妙に待たされるロードはどうにかならんのかな。

俺はゲームオプションで“一括ダウンロード”をしたんだよ。結構な量のデータだったと思うよ?

だけど体感的には大して早くなった気がしないんだ。

前と変わらないタイミングでロードは入るし時々動作もカクつく」

 

「スマホのスペックが足りてないんじゃないですか?

あと、指紋と油だらけになってますからそろそろメガネ拭きで掃除したほうがいいです。

あんまり不潔にしてるとナイチンゲールさんが飛んできますよ」

 

「明日から俺のスマホも拭いといてくれないか」

 

「真っ平御免です。触りたくもない」

 

「うん……。しかしスペック不足と来たか。あるいはそうかもしれん。

あえて機種名は書かないが。

おっと、始まった始まった。バビロニアの続きに取り掛かるとしよう。

エルキドゥに裏切られたところで中断してたな。

この間死ぬ思いをしてようやくキャメロットをクリアしたんだ」

 

「何回コンティニューしたか数え切れない、みっともない勝利でしたね」

 

「しょうがないだろう!?なんだよ“ギフト”って!

問答無用でダメージ減らすわ、一瞬でチャージ増やすわやりたい放題しやがって!」

 

「わかりましたからいい大人が喚かないでください。

……あらー?お正月イベントなんてものがアップデートされてますね」

 

「おおうっ!?なんんじゃこりゃあ!!

3が日にログインすれば大量の聖晶石のみならず聖杯までもらえるという大盤振る舞い!

危ないところだった、ナイチンゲール・サンタLv100への近道を

みすみす見逃すところだったよ!」

 

「本当お気に入りなんですね、ナイチンゲール・サンタさん」

 

「もちろんだとも。星4の強力なアーチャーでスキルはどれも優秀。

見た目も美人さんだしCVも俺の好きな沢城みゆきさんだからな!

……あ、もしかして妬いてるのかい?心配すんなよぅ!ボクの一番は君だけさ!うりうり」

 

「ふざけたことほざいてると“故国に愛を、溺れるような夢を(ラ・レーヴ・アンソレイエ)”ぶっ刺しますよ?」

 

「やめろお!俺に包丁を向けるんじゃない!

ガチな話、君とはFGO開始直後にフレンドポイントガチャで出会ってからの付き合いじゃないか。

バトルでの使用頻度はともかく、シャルロット君は俺の一番大切なサーヴァントなんだよ、

本当だって!」

 

「ふん、どうせ私は星1ですよーだ。

誰かさんがさっさとNPを貯めてくれれば私だってそれなりにやれるんですけど。

……それと、お正月ミッションなんてのもありますね。なんかやるとなんかもらえるみたいです」

 

「そう投げやりにならなくてもいいじゃないか。

だが、どのミッション内容も指示が曖昧だな。

“小さいサーヴァント(身長150cm以下)を倒せ”?

どこに身長なんか書いてるんだよわかるかそんなもん。

とりあえずメインクエスト進めれば何かの条件には引っかかるだろう。

あと、遅くなったけどあけましておめでとう」

 

「はい。おめでとうございます。

この雪山じゃ、初日の出どころかろくに太陽も見えないんで全く実感はありませんけど」

 

「おおっとう!ドロップした蛇の宝玉が“『玉』のアイテムを1個集めろ”にヒットしたぞ!

よーし、マシュさん交換オネシャス!」

 

「娘くらい年の離れた女の子に敬語使ってる時点で

マスターのカルデアにおける地位の低さが伺い知れますね」

 

「なになに?聖晶石1個と、概念礼装の経験値になる概念礼装か。

HPもATKも0だから一瞬バグかと思っちゃったよ。

いやぁ、以前別のゲームでそんなことがあってさ。あっはっは」

 

「笑ってないでお気に入りの概念礼装に使ったらどうですか?」

 

「いや!これは貴重な物資だからここぞという時まで取っておく。

今の所最有力候補は初期NPを60%チャージしてくれるアレだが、

いつかこいつを上回る概念礼装が手に入るかもしれん」

 

「とことん貧乏性ですね。

何かのゲームで言われませんでしたか?“武器は装備しないと意味がありませんよ”。

これは今の状況にもあてはまるんです。武器に限らず物資はお守りじゃない。

便利なカードでも死蔵していては持っていないのと変わらないんですよ!?」

 

「待ってくれ、待ってくれ、シャルロット君!

とにかく他のミッションもこなしてもらえるだけもらってから考えるから!」

 

「条件がわからんだのぼやいてた癖にクリアできるんですか?」

 

「攻略wikiを見る」

 

「最初から素直にそうすればよかったのに」

 

続くかも

 



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2:ボーナスチャンス

「やあ。更新しといてなんだけど、今回報告できることはそれほどないんだ。

メインストーリーの進捗は、バビロニアでイシュタルを味方にしたところ。

大して進んでない足踏み状態だよ。じゃあ何をしてるのかって?それはね……」

 

「マスター、部屋の窓拭き終わりました。3秒で。あれ、またFGOに熱中してるんですか?

それでよくカルデアから月給がもらえますね。

フランスではマスターのような人を給料泥棒って言うんですよ?」

 

実際どうかは知りません

 

「奇遇だな!日本でもそうなんだ!それはそうと俺は今マナプリズム集めに勤しんでるから

バビロニアの方は一時休止状態なんだよ!」

 

「うわー、都合の悪いことは華麗にスルーですか。将来リストラ候補確定ですね。

あと無駄に声がでかいです」

 

「聞いてくれたまえ!なんと今(20/01/06現在)、カルデアゲートの種火集めクエストが

AP半額キャンペーン中なんだ!いつもは30APも消費する上級が15で回せるんだよ。

つまり、効率よく銀の種火を回収・売却してマナプリズムを収集できるというわけだよ!

俺のペースだと1日100個くらい手に入る。笑いが止まらん。あっはっは!」

 

「それでダ・ヴィンチさんが“うちをハードオフ扱いするな”ってぼやいてたんですね。

……で、そんなにマナプリズムを集めて何が欲しいんです?

全く興味はありませんが話が進まないからどうぞ気が済むまで喋ってください。

向こうで紅茶飲んでますんで。リ○トンの安物」

 

「もちろん!『カルデア・ランチタイム』を5枚集めて限界突破させるのさ!

既に俺は2枚持ってるから、あと3枚購入して合成すれば

入手絆ポイントが10%もアップする超レアカードに大変身するんだよ!

だから今は全APを種火クエストにつぎ込んでいるというわけだ」

 

「そんなに必死こいてゲームのキャラと仲良くなってどうするんですか。

現実(カルデア)の同僚やサーヴァント達との絆を優先してくださいよ。

ただでさえぼっちなんですから」

 

「無論、その一環だとも!見てくれ、このメンバーの中で絆Lv10に一番近いのはだーれだ!」

 

「ああ……私です。残念ながら」

 

「君とは長い付き合いだからな!しかし絆の上がらなさ加減には参ったものだよ。

Lv5くらいまではすぐに上がるんだが、それ以降になるとぱったり音沙汰なしだ。

メインクエストの強敵と何度も戦ってるうちに

気づいたら菱形マークの隅っちょに1ドットくらい色がつくくらいの牛歩ペース。

これがようやくLv10になろうとしてるんだ。一体その時には何が起こるというのか!?

確か今までは聖晶石がおまけでもらえたが、

もしかすると某艦○れみたいに、け、けけけけっこn」

 

「殺しますね」

 

「やめろお!俺に包丁を向けるんじゃあない!謝るから!明日から頑張るから!」

 

「……私より愚かな人間が存在すると召喚されて初めて知りました。

セクハラ発言はともかく、二度と別ゲーを引き合いに出さないでください。

チラシの裏とは言え、これはFGOのプレイ日記なんですから」

 

「わかったよぅ。でも実際楽しみじゃないか。

楽しみだからこそこれに関しては攻略サイトを見ていない。ひたすらマナプリズムを稼ぐ毎日さ」

 

「はぁ。いいことあるといいですね。

馬鹿話に付き合ってたら紅茶が冷めてしまいました。入れ直してきます」

 

「俺にも一杯くださいな」

 

「私はマスターの家政婦じゃありません。ご自分でどうぞ」

 

「けちー」

 

「さっさと私を最終再臨させてくれたら考えます」

 

「釘が手に入るステージがまだまだ先なんだよ……」

 

「あーあ!安物の紅茶がおいしいなー!」

 

続くといいな

 

 



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3:そもそもFateとは

「今日はFGOやらないんですか?日曜だから気兼ねなくプレイしていいんですよ?」

 

「ああ、シャルロット君……。実は俺、FGOブルーなんだよ」

 

「FGOブルー?あんまり興味ないですけど聞くだけ聞いてあげます」

 

「AP半額キャンペーンが終わってマナプリズムもそこそこ貯まったから、

バビロニアの攻略に戻ろうかと思ったんだが……。なんか憂鬱なんだよ。

あの強敵だらけの章をまだまだたくさんクリアしなきゃいけないと思うとね。

話の続きは気になるんだが、今は毎朝ログインボーナスをもらうだけの毎日だ」

 

「丁度いい機会じゃないですか。

ゲームなんかやめて英検のひとつでも取れっていう主のお言葉ですよ。

4級からチャレンジしてみましょう」

 

「君はそれでいいのか!?

俺がFGOをやめたらサーヴァントである君の存在も消えてなくなるんだぞ!」

 

「時々消えてなくなりたいとは思っていたので別に」

 

「大体、FGO以外に娯楽なんてないじゃないか。この山奥に」

 

「読書なんかはどうですか?よろしければ、マスターにぴったりの本を朗読して差し上げますよ。

太宰治の“人間失格”」

 

「絶対タイトルだけで選んだだろう……。

やる気が戻るまで、今日は俺とFateの関係について再確認しようと思う」

 

「無理をしてまでやらなければならないゲームは存在しないんですよ?」

 

「まず俺がFGOの大元であるFateシリーズについて知っていること」

 

「相変わらず人の話を聞かないんですね。はぁ、もう勝手にすればいいじゃないですか」

 

「箇条書きにしてみた」

 

1・セイバーという女騎士が可愛い

2・なんかみんな聖杯の取り合いをしてる

3・「体は剣でできている」というセリフ

4・YouTubeで見た“タイムアルター”っていう能力を使う渋いおじさん

5・2chでライダーっていう人がいるという情報を見かけた

 

「こんな断片的な知識だけでよくFGOに手を出す気になりましたね」

 

「流行ってるからなんとなく。それぞれについて分析してみるよ?

まず1番だけど、彼女はゲーム内でちょくちょく見かけるんだが、

どういうわけか何種類もいるんだよ。白いのとか黒いのとか子供だったり。性格も全然違う。

話はそれるがジャンヌ・ダルクはその傾向が特に顕著だ。

なぜ同一人物が何パターンも存在しているんだ?」

 

「さあ」

 

「つづいて2番だが、聖杯って1個しかないから取り合いになってるんだよね?

FGOでは1ステージクリアするごとにもらえる、

というより正月では特に何もしてないのに1個もらえたんだがなんでたくさんあるんだ?

ナイチンゲール・サンタさんをLv100にして鈴鹿御前くんをLv90にできた上に

手持ちがひとつある」

 

「よかったじゃないですか。もらえるものは何も考えずにもらっておけばいいんです」

 

「3番については何もわからん。ググったら負けな気がしてな」

 

「知らないことを調べることの何が負けなんですか?

くだらない見栄にしがみついてるからいつまで経ってもバカなんですよ」

 

「4番は少し知ってる。概念礼装の“起源弾”に彼が描かれている。俺も1枚持っている。

イマイチ使い所を見定めることができてないから未使用だが」

 

「それで知ってるうちに入るとでも?」

 

「最後の5番。2chが5chになる前の昔の情報だが、

当時検索をしたところ目隠しをした美女がでてきた。知っているのはそれだけだ」

 

「さっきググるのは負けだって言いませんでしたか?」

 

「当時はこれほどFateに入れ込むとは思ってなかったんだよ!」

 

「その程度のやる気で入れ込んでるとかほざいたら古参の方に怒られますよ。

気が済んだら続きをやるかFGOを削除するかさっさと決めてください」

 

「ま、待て!待つんだシャルロット君!早まった真似をすれば本当に君とお別れになってしまう!

それでいいのか、よく考えるんだ」

 

「マスターこそ自分の人生これでいいのか真剣に考えてください。

サーヴァントとして最後のアドバイスです」

 

「わかったって……。しばらく充電したら再開するから。まだエルキドゥに仕返ししてないし」

 

「結局やめられないんですね。

悩むのは勝手ですが、これからはワーワー騒ぐのはやめてください」

 

「そうそう、昔Vita版の原作をプレイしたんだがテキストの多さに挫折したんだ。

今と同じくFateブルーに陥ってな。決して面白くなかったわけじゃないけど、

フローチャートで結末までの道のりを見て落ち込んでそれきりだ」

 

「Fate舐めるのもいい加減にしてください」

 

続かないかも

 



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4:緊急事態発生

「なんじゃあこりゃあ!!」

 

「静かにしてください、ご近所さんに迷惑じゃないですか!

大体、太陽にほえろパロなんて散々使い古されたネタじゃつかみにならないんです。

もっとひねってください、頭を使ってください、センスを見せてください、

前にも言いましたがここはチラシの裏ですけど

このゴミ日記をクリックしてくださった

461名の方々に感謝の気持ちを込めてもっと工夫をしてください!!」

 

「カルデアの近所に誰が住んでるっていうんだい……。

見てくれたまえ、こんなのひでえや、人間のやることじゃねえ……」

 

「確か隣にイエティ狩りをしている猟師さんが。

……え、またFGOですか?見事に皆さんお亡くなりになられてますね。

さっさとコンティニューかリタイアを選んでください」

 

「君はこの惨状を見てなんとも思わないのか!?

君はいつから仲間の骸を見て眉ひとつ動かさぬ冷血女になったんだい!」

 

「サーヴァントは所詮サーヴァントですから。いつかは戦いの果てに散る運命なんです。

私だって、そのくらいの覚悟はできてます」

 

「……キャメロットでダ・ヴィンチさんも言ってたけど、

サーヴァントが使い捨てだとか寂しいこと言うなよぅ。生死を共にする仲間じゃあないか」

 

「マスターはろくに戦いもしないでスマホいじってるだけじゃないですか!

今回は何の文句です?

敵が硬すぎ?フレンドになってくれない?それともロードが待てない?」

 

「前回俺がFGOブルーになったことは話したね。

だが、ようやくやる気を取り戻してバビロニアのメインクエストを進めたはいいが、

そこに崖から這い上がった俺を蹴落とすような仕打ちが待っていたんだ!」

 

「負けるのはいつものことじゃないですか」

 

「違う!悪魔が現れたんだ!奴は順調に旅路を進むかと思われた俺達の前に立ちはだかり、

高笑いを上げながら俺が育て上げた精鋭部隊の命を惨たらしく奪っていった!」

 

「もうすぐ相棒の再放送が始まるんでもったいつけずにさっさとお願いします」

 

「奴の名はケツァル・コアトル!びっくりするぞ、こいつの凶暴さは!」

 

「はいはい、どんだけこっぴどくやられたんです?」

 

「単に攻撃力が高いとか、HPが多いとかならまだ納得も行くさ!

しかし!奴は事もあろうに善属性サーヴァントの攻撃を無効化し、

中庸・悪もダメージを半分にするという反則行為とも言える所業をやりやがったんだよ!」

 

「マスター、リモコンどこですか」

 

「聞きたまえ!君とて無関係ではないのだ!

アサシンだから大丈夫だろうと思った君の攻撃もゼロにされたんだぞ!

よく見たら君は“善”じゃないか。暗殺者だし俺に厳しいからてっきり悪だと思ってたが」

 

「あなたに言われたくはないですよ!

トイレ掃除サボってカルデアのwi-fiでゲームしてる悪いマスターにだけは!」

 

「攻略サイトには悪・中庸属性のアサシンならダメージを与えやすいと書いてあったんだが、

正直うちには奴に対抗できるような悪いアサシンがいない。

呪腕のハサンの宝具がかろうじてLv5になっているくらいだ。

彼を育てようと思うのだが今度は素材が足りない。凶骨がないんだ。

冬木のX-Gでドロップしやすいらしいが何周しても落ちる気配がない。

忘れた頃にようやく1個出てくるくらいさ。なんでだろう」

 

「やっぱり話も聞いちゃいない!ただマスターの運が悪いだけですよ!」

 

「でも、ハサンを一人前にしたってケツァル・コアトルを倒すにはまだまだメンバーが足りない。

優秀なアタッカーをもうひとり、欲を言えば控えにあとひとり欲しい。

この2人に関しては全く当てがない。

ついでに言うと、ある珍しいサーヴァント達は“花嫁”や“水着”と言った

特殊な性質を持っていて、これは奴の防御にひっかからないらしい。

あるわけないだろう。ないないづくしで嫌になるよ」

 

「私もゲーヲタマスターの世話が嫌に……あ、6チャン始まりました」

 

「あいつは人間を愛してるとかのたまっているが、絶対嘘だね。

昔、某ドラマで聞いたんだ。ラテンのリズムは怒りと憎しみのリズムだって。

俺達を殺したいだけに決まってる。

もうどうすればいいのかわからない。途方に暮れてるよ。

あの化物を殺す部隊を育て上げるには膨大な時間がかかりそうだ。

攻略サイトで紹介されていたおすすめサーヴァントは誰もいないし

これからも当たらないだろうからね」

 

「右京さんも紅茶がお好きなんですよね。わかります」

 

「早くも4回目にして心が折れようとしている。

とりあえず明日からわずかな望みを信じてハサン育成に勤しむよ。

シャルロット君ではダメージを与えられないし、

我が部隊最強のナイチンゲール・サンタさん(Lv100)ですら手も足も出ない状況だ。

それでは優秀なマスターの皆さん、しばらくの間さようなら……」

 

「もう、またCM」

 

終わるかな



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5:魂なぞ飴細工

「やあ。みんな久しぶり。

“みんな”っていうほど読んでる人なんていやしないけど、とにかく元気だったかい?

前回はケツァル・コアトルの悪魔的妨害に絶望したところで終わったね」

 

「あら?まだこの企画続いてたんですね。

ずっと暗い顔で便器を磨いていらしたので挫折したものだと思っていたんですけど」

 

「ところがどっこい。まず、結論から言うよ?俺は、ヤツを、倒せたんだよ!

呪腕のハサンを最終再臨させて、それだけじゃ人手が足りないから

何故か持ってた星4のアタランテ〔オルタ〕やらメフィストフェレスやら、

マシュさんを除く悪い奴らを総動員して猛攻撃を行った!」

 

「それで?石いくつ割ったんです?」

 

「……1個だけ」

 

「コンティニューありじゃ自慢にもなりませんね」

 

「仕方がないだろう!みんな宝具を一回撃ったくらいのタイミングで死んでしまうんだから!

むしろ復帰一回でHP40万の牙城を崩したのだから俺のマスターとしての腕を称賛すべき!」

 

「しかも開戦前の選択肢簡単な方じゃないですか。

マスターのような攻略法を何というか知ってますか?ゴリ押しです」

 

「やめたまえ!あの激闘を乗り越えたハサン君達に失礼だろう!?

いやしかし、皆もそうだが、彼は星2つにもかかわらずあの強敵相手によく頑張ってくれたよ。

それに運も味方してくれた。敵の意外とダメージの小さい多段ヒット。

それに回避発動や防御アップのタイミングがうまく噛み合って、

少ないダメージでスムーズにNP上昇してくれた。

おかげで妄想心音 (ザバーニーヤ)で3度もケツァル・コアトルを握りつぶすことができたよ。

ウヒャヒャ」

 

「気色の悪い笑い方はやめてくれませんか?まぁ、勝てたならいいじゃないですか。

これからは真面目にトイレ掃除に勤しんでグランドオーダーを影から支えてくださいよ」

 

「しかーし、話はこれで終わらない!」

 

「往生際悪いですよ。

マスターから仕事を取ったら何も残らないんですからもう少し危機感を抱いてください」

 

「実はね、そのまま勢いでバビロニアをクリアしてしまった。

というか、第一部をクリアしてしまった」

 

「お互い話を聞く気がないので、

今日はマグカップ5つを何秒で磨けるかチャレンジすることにします」

 

「こうして定礎修正の旅を振り返ってみたが、

7つの時代でもバビロニアは特に長丁場でしんどかった。

ケツァル・コアトルの後にもやたら硬い化け物がワラワラと出てくるし、

牛若丸のゾンビが大量発生するし。彼女達が八艘飛びを連発してくる連戦は悪夢の一言だった。

それにはっきり言うとストーリーを完全に理解できていたかと言われるとそうではない」

 

「まるで他の世界は理解できてたような口ぶりですね。

オルレアンに行ったのはなぜでしたっけ?」

 

「……オホン。それでバビロニアで四苦八苦した経験からか、

ソロモンでは大して苦労した記憶がないんだ。魔神柱の戦いではコンティニューしなかった」

 

「ラスボスではしたと?」

 

「何度か……」

 

「やっぱりゴリ押しじゃないですか。自慢気に語ることじゃないです。

何をそんなに急いでたんです?慌てなくてもFGOは逃げませんから。残念ながら」

 

「おっと、よくぞ聞いてくれた。実はストーリークエストAP75%オフのキャンペーンが

1月いっぱいで終わるから手早く片付ける必要があったんだよ。

APが足りなくてこの後はお預け、なんて事態はまっぴらだったからね。あともう一つ」

 

「4.27秒。前回の記録を0.11秒更新です」

 

「イベントだよ!アマゾネスドットコム!これは楽しかった。

1回バトルをクリアするごとに貴重な素材を山程もらえるし、

5階層ごとに特別ボーナスも出るんだ!

それが1回1APでチャレンジできるんだから夢中にならずにはいられないだろう」

 

「カルデアを首になったらバイトとして雇ってもらえそうですね」

 

「俺は極63階までとクレーマー2体を撃退したところで満足した。

クレーマーは“推し/本能寺/死ぬ”と“注文の多い魔神柱”だ。

前者はいくらあっても困らないお金1500万と後者はマナプリズム300個。

どちらも喉から手が出るほど欲しいから頑張ったさ。

一度出撃したら再出撃には実時間で数時間取られるから、

寝る間も惜しんでメンバー育成とスケジュール管理とHP削りに精を出したのだ!」

 

「最近昼間にボーッとしてると思ってたら、それで昼夜逆転してたんですね。

てっきり早めの認知症が来てるのかと思いました」

 

「それでね。各階のクリア報酬で集まったんだ。例のものが」

 

「もったいぶらずに言ってください。どうせ黙れっていっても喋るんですから」

 

「“宵哭きの鉄杭”だよ。とうとう集まったんだよ」

 

「……そうですか」

 

「わかってるだろうけど、シャルロット君にも決して無関係じゃない。

というより、君のために探し求めていたものをようやく手に入れたんだよ。

そう、最終再臨の素材さ。

10本手に入った時点で即座にダ・ヴィンチ工房に駆け込んだ」

 

「今度は花瓶を磨きましょうか……」

 

「最後のセイントグラフを見たよ。生前の君がそこにいた。

とても穏やかな表情で笑っている君が」

 

「スマホの中の私におめでとうと言っておいてください」

 

「俺は、今、目の前にいる君に敬意を評したいよ。

最期の時を間近に控えながらも、動じることなく書物のページをめくる君の覚悟に」

 

「……0点評価入れられたからって今更シリアスっぽいこと言っても焼け石に水ですから」

 

「ああ。そうだな……

だが、これからもFGOをプレイし続けることと、

時々このセリフしかないSSを書くことには変わりない。これからも、ずっと」

 

「仕事も忘れないでくださいね。便所掃除も誰かがやらなきゃ施設が運用できないんですから」

 

「わかってるとも。さあ、タイトル画面も様変わりしたところで、次はどこを冒険しようかな」

 

とりあえず新宿に行こうかなと

 

 



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