愛国心の強い大統領が転生先のジャパリパークで旅をする (あるありある)
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大統領のご来園

ヴァレンタイン大統領について書くのが初めてなので、口調がそれっぽく無いと思われるかもしれません。


視界が暗転し、周りの音は瞬時に聞こえなくなる。

死という体験の最中、ヴァレンタインの心に後悔の文字なんて全く無かった。

 

(『後悔』も『未練』も無い…………。私は愛する国の為に尽くしたまでだ……。

ジョニィ・ジョースターは………既に『ディエゴ・ブランドー』の手を打ってある。別次元の彼のスタンド能力は全く別の物であるはずだ)

(我が行動と心に一点の曇り無し…………!全てが『正義』だ─────)

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、彼は違和感を感じた。既に死体となった筈の彼の耳に────音が飛び込んで来たのだ。

 

(───…!?………これは………『音』か?なぜ音が聞こえる?私は既に死んでいる筈だッ……)

 

一瞬戸惑ったが、彼は直ぐに音の正体を掴んだ。今まで何回も感じて来た、己の心臓の鼓動音。

その次に彼が聞こえた音は、風で揺れる草木の音────彼は一つの結論に辿り着くいた。

 

(生きている────という事か?私は?…信じられない事ではあるが………!)

「────……はッ!!」

 

開かれた彼の視界にまず見えた景色────それは、晴天の空模様だった。立派な青空だ。

空気も澄んでいて、呼吸する度にその良質さを感じさせられる。

 

「………」

 

未だ戸惑いは隠せないが、今の自分が仰向けで倒れていたことはわかった。

咄嗟に上体を起こし、周りを見渡す。

 

「何処なのだこの『世界』は…………?」

 

彼の目に映る世界は、全く知らない土地────しかしどこか、アフリカのサバンナと似たような雰囲気を感じる。

その場から立ち上がり、更によく、周りを見渡す。

 

「『D4C』のスタンド能力を身につけて以降、様々な『次元』を行き来したが……この私も初めて見る世界だ………。」

 

何故死んだはずの自分が生きている?という疑問に対する答えは依然として見つかっていないが、それは少し置いておく事にしよう。とりあえず今は、自分がこうして生きているという『奇跡』────ヴァレンタインはそれに感謝する事にした。

当初は困惑していたが、少しずつ落ち着き、冷静さを取り戻して来た。

 

「──ふむ。……この世界の正体についてはゆくゆく追い求めるとして、だ。今この私が知りたい事柄は、『この世界ではD4Cが使えるのか?』……という一点のみだ。」

 

「使える」という可能性に賭けたヴァレンタインは、自身の精神の片割れ───彼の名を口にする。

 

「───『Dirty deeds done dirt cheap(ディーフォーシー)』ッ!」

 

ヴァレンタインの願いに応えるように、彼は出現した。

ピンと直立するウサ耳の様な物が生えた顔立ちに、球体状の肩。ヴァレンタインのスタンド、「Dirty deeds done dirt cheap」──略称「D4C」──である。

 

「──うむ…。『D4C』は使える、と。」

 

ヴァレンタインは少し安堵した。非常事態に遭遇したとしても、対処する事が可能になったからだ。

 

「ともかく、これで危機は対処できるな…。この世界に『スタンド使い』や、私の敵となる人物が居るかはわからないが、護身はできる。……行動するとしよう。なるべく日没までに、人間の住む街や村を見つけたいところだ。」

 

ヴァレンタインは足を動かし、歩き始める。

────その時の事だった。

 

バオォォ──────ッ

 

ヴァレンタインの視界の端で、何かが動いた。というより、高く跳躍したのだ。

ヴァレンタインはその「何か」の動きを感じた方向へ顔を向ける。

高く跳躍したそれは、タッ…と、ヴァレンタインから十メートル以上離れた地面に着地し───

 

「わあぁ───────ィッ!」

「はッ!!」

 

その生物は歓喜の感情を感じるような叫びをあげながら、ヴァレンタインに一直線に向かってくる。

──その最中、ヴァレンタインは集中していた。集中して、自分に向かってくるその生き物に対して「観て」いたのだ。

 

(……人間…か?顔や身体を観るに女……だが、さっきの跳躍力に滞空時間!…とてもじゃあないが、人間技とは思えない……だがッ!

明らかに『こいつは私を狙っている』───それは間違いない、と見ていいだろうッ)

「『D4C』ィィッ!」

 

ヴァレンタインに飛びかかる彼女の顔の目の前で、D4Cは大振りな拳を振るう。

 

「み゛ッ!?」

 

寸前で彼女の顔には当たらなかったものの、かなりの風圧を顔面に受けた彼女の顔は歪む。

この隙に──と、ヴァレンタインは彼女の傍に移動し、軌道から逸れる。

やっと視界が開けたと思った彼女が見た光景は────目の前に迫る地面。

 

(あれっ?いなっ……)

「ぶギャァアッ!」

 

思考の余裕もままならぬまま、彼女の顔は地面に激突する。

 

「う゛ミャ゛アァ゛アアアアァァ〜〜〜〜〜ッ!?」

 

顔を上げた際の彼女の顔は、血で真っ赤に塗れている。思いっきり鼻をぶつけた為、鼻血が止まらなくなっている。

────そんな涙を流し、激痛に襲われ、叫び声を上げている真っ只中の彼女を、ヴァレンタインは静かに見下ろしている。

 

(こいつのこの様子じゃあ、落ち着いて話ができるまでに時間がかかるな……落ち着きを取り戻したらすぐにでもこの場所の事を聞くとしよう。それが終わったらもう用はないがな……)

 

 

 

 


 

 

 

 

 

都合の良い展開で顔面の傷が回復し、落ち着きを取り戻した彼女に、ヴァレンタインは質問をした。

質問の答えによると、彼女の名前はサーバルと言い、この辺りは彼女の縄張りなのだそう。

 

「────ごッ……ごめんね?わたしっ、『狩りごっこ』が大好きで………」

「君は相手の合否を聞きもしないでムリヤリ遊びに誘うのか?サーバル。」

「ご、ごめん………。」

 

まさに「青菜に塩」という言葉通り、彼女はシュンとする。

だがわざわざ私が気を使って優しく接する義理はない。こちらの質問には答えて貰おう。

 

「サーバル。この『世界』は一体どこなんだ?

できれば私が倒れていた理由も知りたいのだが。」

「んぅ?ここはジャパリパークだよ!あなたがなんで居たのかはちょっとわかんないや……ごめんね?」

「────……『ジャパリパーク』……?」

「ねえねえ!あなたは何の『フレンズ』なの?」

 

すっかり元の元気を取り戻したサーバルは、ヴァレンタインにそう質問した。

 

 

 

 

 

To be continued…。




うわあああああヴァレンタインの喋り方のコレジャナイ感がやばいいいいい


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