ストライクウィッチーズ 扶桑のトップガン (レオパルト)
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恩師との別れ

3度目の正直で始めました。今度こそ失踪しないように頑張ります。


この世界にはトップガンウィッチーズと呼ばれる部隊がある。扶桑海軍第19機動戦闘航空団という最新鋭航空母艦「雲龍」を母艦とする精鋭部隊だ。この部隊は世界で唯一、一つの国のパイロットのみで構成され扶桑皇国が単独で指揮権を持つ508とならぶ空母機動部隊として名を馳せていた。そんな中、一際目立つ航空歩兵がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1944年ドーバー海峡を航行中の空母「雲龍」の飛行甲板上にその少年は立っていた。甲板上には多数の帰還して来たウィッチたちが次々と着艦する。一足早く着艦していた少年は着艦には邪魔にならない甲板の端で海風を浴びていた。

 

「神浦一飛曹!」

 

「瀬戸教官!なんでしょう!」

 

「貴官に転属命令が連合国軍司令本部から出ている!」

 

「連合国軍司令本部ですか?」

 

「ああ、本部隊から第501統合戦闘航空団、通称「ストライクウィッチーズ」に転属だ。追加で貴官は二階級特進で海軍中尉になる。今日にも移動を始めるようにとのことだ」

 

「・・・・・・つまり男の機械化航空歩兵の俺はトップガンには必要ではないということですか?」

 

「まあ上層部はそう判断したんだろうな。だがそう悲観するな、501には世界中の精鋭が集まる空の特殊部隊みたいな所だ。神浦の戦闘技術なら埋もれることはないだろう。それに501にはこの部隊の設立メンバーの坂本少佐がいるらしい」

 

「ですが・・・・・・俺は瀬戸教官にまだ教わりたいことが多くあります!俺はまだ独り立ちできるような航空歩兵ではありません!」

 

「すまないな、これは上からのお達しだ。私にはどうすることも出来ない」

 

「そんな・・・・・・いえ、分かりました。瀬戸教官、本日まで数々のご指導ありがとうございました。自分は移動の準備があるので失礼します」

 

少年の名は神浦勇一、現在確認されている唯一の男の航空歩兵、つまりウィザードである。トップガンウィッチーズで一番の成績で数々の実戦や演習をクリアした実力が拮抗しやすいトップガンウィッチーズでは設立以来稀に見る航空歩兵だ。そんな彼についた渾名は「扶桑のトップガン」。だが今まで女の独壇場だった航空歩兵の兵科に彼が戦列に加わることを望む者などほとんどいなかった。そんな彼は孤高の存在だった。だが、トップガンウィッチーズのかつての大エースの瀬戸香織教官は違った。女だけが空を生身で飛ぶ、このことが瀬戸の中では不平等そのものだと思っていた。故に彼の魔力のことが耳に入ると必死にスカウトした。この世界を変えるチャンスだと思った。だから、瀬戸は彼の存在を受け入れ、時に厳しく時に優しく接した。このことで彼は瀬戸を恩師だと思っている。だからこそ、瀬戸は彼が独り立ち出来るように自ら上層部に彼を推薦した。

 

「瀬戸教官!ではさようなら!」

 

「ああ、元気でな!」

 

こうして彼、神浦勇一は「雲龍」から飛び立って第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」の基地に向かった。




次回から恐らく501が出てきます。


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501JFWとの邂逅

作品に対する情熱が冷める前に書き終えました。


「雲龍」を飛び立って基地まであと数分というところで耳に非常用に付けていたインカムにわずかな声が聞こえてきた。

 

『・・・・・・退・・・・・・て・・・・・・早く・・・・・・全員・・・・・・逃げ・・・・・・早・・・・・・』

 

ネウロイの発する妨害電波の影響だろうか。だが、「雲龍」を飛び立つ時に周囲の空域にネウロイが居たのか確認したが、それらしき反応の情報は入っていなかった。インカムに手を当て呼び掛ける。

 

「こちら、神浦勇一中尉!そちらの状況を教えて下さい!」

 

『・・・・・・ちら・・・・・・カール・・・・・・ラ・・・・・・ト海軍・・・・・・三艦隊・・・・・・艦ニュル・・・・・・ルク・・・・・・在ネウ・・・・・・を受・・・・・・炎上・・・・・・』

 

「今すぐそちらに向かいます!それまで耐えて下さい!」

 

さっきよりは通信が繋がっていたので距離が近づいたのだろう。水平線の先にも黒煙が数本見え始めた。しかし、辺りを見渡すがネウロイらしき物体は近くの空域にはいない。黒煙の近くまで来ると、帝政カールスラントのニュルンベルク級が一隻、爆炎をあげて辛うじて浮かんでいた。

 

「マジか・・・・・・ネウロイはどこだ?」

 

ネウロイを探すがやはり見つからない。すると一瞬、太陽が遮られるのが見えた。

 

「そうか!」

 

瀬戸教官からの餞別で貰った五式30mm機関砲の銃口を太陽に向けて、トリガーを引く。

 

「死ねネウロイ!」

 

すると爆撃型のネウロイが数機が煙を噴いて墜落する。見た感じで後、四機ほどが残ってこちらに向かってくる。

 

「面白え!大型ネウロイ迎撃は十八番なんだよ!」

 

固有魔法の一つのソニック・バレットを発動し弾速と貫徹力あげて残りの四機に向けて30mm弾をばらまく。すると、残りの四機も火を噴いて墜落していく。撃破を確認した後は、武装を背中に担ぎ直す。

 

「さてと、燃料も少ないし基地へ向かうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トゥルーデ、救難信号が出た場所まであと何分?」

 

「もうすぐ着くはずだ。連絡によると大型ネウロイが五機がいるらしい」

 

「えー、大型が五機もいるのー」

 

「真面目にやれ、ハルトマン。もうすぐ戦闘だ」

 

「でも何も見えないよー」

 

ハルトマンの言う通り救難信号が出た地点の空には何もいない。

 

「おかしい、確かにレーダーには映っていた・・・・・・」

 

辺りを見渡すとそこには飛び去ろうとする人影が目に入った。

 

「まさか・・・・・・ハルトマン!着いてこい!」

 

「ちょっとトゥルーデ!どこ行くのー」

 

「あのウィッチが大型ネウロイを撃墜したのかもしれない」

 

全速力でハルトマンと共に人影を追う。すると向こうがこちらに気付いたのかその場でホバリングしてこちらを待っていた。

 

「申し訳ない。もしかして貴方がこの辺りにいたネウロイを撃墜したのではないのか?」

 

すると反対側を向いていたウィッチがこちらに顔を向けた。そして、その姿に私は驚いた。

 

「お、男だと!」




因みにヒロインは他作品同様、アンケートで決める予定ですが個人的にはバルクホルンで書きたいです。


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