捏造日本召喚 (あまの)
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承前(歴史改竄)

突然、召喚されて今のサプライチェーンが破綻して数ヶ月で立ちなおっる訳がないと。欧州の実験用原子炉停止しただけで医療崩壊が起きかねなかった。

まずは歴史捏造部分
召喚というか転移前後の大建設ラッシュの労働者人口を確保するため
第2次大戦から改変する羽目になった。

現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 作者:二日市とふろう

の影響を多分に受けています。


1944年6月 ノルマンディー上陸作戦失敗 

        ロンメルに正面に進出され海へとたたき返された。

        太平洋では海戦のため集結していた米国艦隊が台風に

        遭い大被害を被る。

        日本国内ではミッドウェーの敗戦から講和派によるクーデター勃発。

        強硬派を講和派が人事で海外に追い出したことから成功する。

        戦争資源を一気に失った連合国も、

        ドイツを主敵としてとらえ講和に同意する。

        条件はとりあえず対中戦争前まで戻す。

        満州は継続協議。日本は連合国占領下に置く。

1944年8月 日本講和。枢軸国への戦線布告

        エジプトに陸軍を集結させるが、途中でUボートに狙われ

        6割程度しか到着しなかった。

        イギリスとアメリカの指導で護衛艦隊術を学び徐々に改善。

        日本陸軍の装備ではとてもドイツ軍には敵わないため、

        米国製装備へ変更慣熟訓練を受けイタリア戦線へ。

1945年8月 ドイツへの原爆投下

        ドイツ降伏

        日本陸軍は投入兵力の3割まで減らし壊滅状態だった。

        古来からの伝統 権威と権力の分離天皇制の再定義が行われる。

        内閣による軍統制 地方自治を中心とした法改正。

        空の所管を争い陸海の泥沼となり、連合国の介入を受ける。

        陸軍はあまりの損害もあり解体。武装警察として警察予備隊発足。 

        空軍は独立して航空自衛隊へ。

        海軍も一部大型艦艇以外は壊滅状態であり海上保安庁になり

        海上警察としての任務を担う。

        民間徴用船の賠償は一括でなく債権として分割返済となった。

        #史実では保証金に100%課税など行われた

        (海軍との仲違い防止)

        一部は供与物資のリバティー船の無償譲渡で行われた。

        残存鑑定一覧

        戦艦

        長門:記念館としてコンクリート埋め 

           原爆標的艦として連れて行かれそうになったので

           身代わりを差し出して動かせないようにコンクリ漬け

        金剛->米国の核実験台に

        榛名:廃艦

        扶桑:廃艦

        山城:廃艦

        伊勢->米国の核実験台に

        日向:廃艦

        大和:保管艦に

        武蔵:保管艦に

        Uボートでは戦艦を沈めるのは困難なのと上陸支援位しか

        仕事がなかったので残存

        航空母艦

        瑞鶴:廃艦

        大鳳:ベトナム戦争までにジェット化改装

        雲龍:ジェット化に際し揚陸母艦へ 代艦として魔改造エセックス級を受領

        天城:ジェット化に際し揚陸母艦へ 代艦として魔改造エセックス級を受領

        信濃:ベトナム戦争までにジェット化改装

        航空支援や船団護衛のためかなりボカチン

        巡洋艦

        愛宕

        最上

        利根

        大井

        大淀

        五十鈴

        船団指令だったこともあり 重点的に狙われた 

        駆逐艦27隻

        戦時量産型の松級の方が生存率は高かった

        陽炎級以前は雪風を除いて全没艦隊型駆逐艦は護衛では的だった

        秋月級4隻 戦艦空母と一緒なのであまり狙われなかった

        松級 15隻  戦訓と米国改修

        2等駆逐艦7隻 戦訓と米国改修

        その他艦艇21隻

 

        建造中 秋月級 4隻 継続建造 空母機動部隊直衛

        建造中 松級  22隻 継続建造 護衛艦として

        2等駆逐艦 武装削減 居住性向上 巡視船として改装

        ミサイル駆逐艦の時代になってから新規建造は再開される

        リバティー船では担えない貨物船の新規建造で手一杯となる  

   

 

 

1945    中国国内の国共内戦激化

        大慶油田発見(日米共同事業 3:7)

        ソビエト樺太千島侵攻

        北日本人民共和国成立

1950    国民党満州に逃れる。日米国軍による反撃が行われるが国境を

        超えたあたりでソビエトから原爆を借りた共産中国が自軍ごと

        原爆を起爆。戦線は膠着状態に。

        朝鮮半島も含んで満州国成立。

        チベットに油田発見。

        チベットに中国共産党の進出を防ぐため米軍派遣。

        軍主力が機甲師団となり、

        狭軌の鉄道では輸送できないことから侵攻の可能性の有る

        北海道から標準軌への改軌、路盤強化立体交差化が始まる。

1952    日本、占領下から一部を除き独立。

        日米同盟成立

        内閣府配下に防衛庁設置 

        警察予備隊が陸上自衛隊に。

        海上保安庁のうち戦闘艦艇は海上自衛隊として再組織化、

        警察権を持って軍事行動できるようになる。

        海上保安庁は 観測 漁船の監視 密輸の摘発 事故の救助となる。

        この世界の海自は海保の子供のようなのでわりと仲が良く、

        船舶情報などはだいたい共有。(米軍の秘密行動なんかは削除)

        日満同盟成立

        台湾独立

        米台同盟締結 

1953    米チ同盟成立

        満チ同盟成立

        中央アジアはモザイク模様となる。

1955    ベトナム戦争開戦 

        共産中国が自国の防衛で手一杯でありソビエトからも切り離

        されていることから、南ベトナムが勝ってしまうが汚職の巣窟に。

        北ベトナムで戦艦の砲撃によるナガシマドクトリンが初運用され 

        自衛隊エリアでは損害はほとんど出なかった。

        チベットへの補給線が細いことからヒマラヤ山脈をぶち抜く

        トンネルの建設が始まる。複雑な断層帯による難工事に慣れた

        鉄建公団が投入される。貴重な外貨収入源となる。 

1964    首都圏輸送力強化通勤5方面作戦に合わせ改軌立体交差化実施。

        (複々線または復々々線)

        改軌にリソースを食われて我田引鉄も強くはない。

        新規路線建設に手が回っていない。

        東京オリンピック 東名高速 東海道新幹線開業

        モータリゼーションの普及で我田引道の方が盛んになり始めるが、

        軍事費の問題で進捗ははかばかしくない。

        東西分断で国内総生産の3%が持っていかれている。

1965    軌道改修工事費積立金制度発足 

        輸送力増強・改軌・立体交差化に必要な費用を運賃に課して

        一部事前積み立てを可能とする。

        鉄道会社がポッポに入れないために外部の金融機関での運用が求められた。

1970    ヒマラヤ鉄道トンネル開通

1972    沖縄返還 沖縄県設置 

        札幌オリンピック

1975    山陽新幹線全通

1980    ヒマラヤ利水トンネル開通 太平洋岸の水を内陸に引っ張れるようになる。

1982    新幹線:大宮―盛岡開通

1985    首都通勤5方面作戦終了

        東北新幹線:新宿―大宮開通

        大鳴門橋が鉄道併用橋として開通

        青函トンネル完成

1988    明石大橋鉄道併用橋として開通

1989    四国新幹線と 改軌された在来線の混合運用 

        大鳴門駅 淡路駅開業 この世界には瀬戸大橋はない。

1990    新幹線:新宿―品川 東海道新幹線品川新駅開業 

        東京駅にスペースがないことから品川がハブターミナルに。

        東西対立の場所の違いはあれ西側が勝利する。

1991    湾岸戦争に自衛隊が出ていたにもかかわらず手も足も出なかったことから

        北日本人民共和国崩壊。

1992    北日本人民共和国併合 

        樺太道 千島県 樺太・千島復興庁 設置 3000万人編入

2001    全国の標準軌化終了

        タクラマカン砂漠塩湖化防止地下排水路建設開始 

        2世紀程度かかる見込み。チベットのオイルマネーはすべてここに。

        主に共産中国に売りつけている。

        買わないと言うと鉄路で東南アジアに持っていかれる。

2002    新幹線:盛岡―八戸

2008    豊予海峡大橋鉄道併用橋で開通

        四国新幹線:香川ー愛知 四国在来線が九州とつながる。

        徳島ー高知ー愛知は高速道路で結ばれ豊予海峡大橋を使っている。

        新幹線が徳島ルートを通らなかったのは南海トラフ地震の影響である。

2010    新幹線:大分―新鹿児島開通

2011    新幹線:新函館―八戸

2012    新幹線:熊本―鹿児島開通

2013    新幹線:熊本―博多開通

        札幌までの延伸は決まってるが旭川経由。

        樺太の豊原までの延伸は検討されているものの 

        宗谷海峡トンネルの費用負担でもめている。

        宗谷海峡トンネル 鉄道トンネルを主とした複合トンネル。

        樺太油田からの石油天然ガスパイプライン、

        電気・通信の補助トンネル、排水トンネルからなる。

        樺太の天然ガス輸送を目的としている。

        宗谷海峡トンネルに合わせ

        青函トンネルのパイプライン用トンネル追加も

        検討課題に挙がっている。

 

 

#311はわずかなずれで起きていません むしろ転移後に圧力が消えた事による内陸部の中小地震が問題になっています




2020/02/13 台湾の記述追加 原爆の表現変更


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異変

なんかしら前兆現象がないと備えられないので適当な研究を設定。
文字数的に実は一番書きたかったのはここではないかと疑い中


「よう、浅沼。おまえのとこのボスやたら荒れてるじゃないか」

「前田か。篠原さんやたらあれてるんんだよな 結果がおかしくて」

「結果がおかしいって? う~あいかわらずここのコーヒーは泥みたいだ」

「物性研究で素粒子ビームをターゲットに当てようとしても計算値や、過去の実績補正でやってもうまくいかないんだよ」

「結果が出ないと?」

「結果が出ないだけなら試験系の組み立てにどっかミスがあるのだから、再検証すればいいだけさ。あれてるのは同じ実験をワトソンがやると期待値が帰ることだよ。ちなみに俺がやってもダメ。研究材料を固定している台に当たった結果しか返らん」

「ふーむ。実験者で結果が異なるのはおかしいな。実験に人が介入する要素はないんだろ」

「無いな。同じ研究系でセット値も一緒。でも結果が異なる」

うぃーん うぃーん うぃーん 危険区域の人は緊急脱出手順により・・・

「なぁ前田。この音まずい警報じゃなかったか」

「ああ、放射線漏れの検出警報のはずだ」

「とりあえず集合場所にいそごう」

 

「斎藤所長。全員の脱出を確認しました。加速器区画にいた3名が軽度の被爆。装置は緊急停止しています」

「うむ。原因を突き止めるように」

 

「問題処理委員会をはじめます」

「概要の説明から。篠原主任の加速機の使用中に事故は起きました。 

 加速器の焦点がターゲットとして指定した部分に集まらないことから装置を起動して各部の動作状況を確認している最中に起きました。装置各部の動作値は正常値だったのですが、粒子の収束に異常がおきて加速器の壁面に接触γ線が発生。放射線警報となりました」

「各部の値は正常なのに粒子収束に異常というのはおかしいな」

「斉藤所長、各研究所員の協力を得て追試を実施したところ奇妙な傾向が検出され困惑しています」

「奇妙とは?」

「実験の実施者により事象が起きたり起きなかったりするのです」

「動作のパラメーター変更はなくてかい」

「はい パラメーターはすべて一緒で試験しています」

「でどのような傾向になったのかい」

「日本人研究員が実施すると100%壁面衝突が起き放射線事故になっています。海外の研究員が行うと理論値通りとなります」

「実験者によって変わるというのはおかしいな」

「はい おかしいです。何か未知の力が働いてるのかもしれますん」

「とりあえず日本人の使用は禁止だな」

「はい その線で通達を出します。研究は海外の研究所と使用者を交換する方向で調整しています」

「費用がかさむな 実験で放射化してしまった部分も交換しないといけないだろう?」

「その辺は追加予算が下りるまでいじれません。当面は休眠ですね」

「未知の何かを見つけたのかもしれん ビームが壁面に当たらない範囲で実験してもいいだろう」

「本来の研究は装置修理後に海外と連携して運用でカバー。それまではこの未知の現象について研究と考察を」

「「「「はい」」」」

 

2013年2月号 学会誌 レター 「使用者による 粒子ビームの加速方向に関する異常の報告」

 

2013年5月

国土地理院 観測所

「玉置さん。更改になる測定器の状況どうです?」

「新原さん。グラビティ本社の方であらかた調整すましてますし、以前の測定値と同じ値出してますよ。」

「んーん現用系老朽化かなー?3ヶ月位前から測定値に微妙な変化出てるんですよね」

「測定器の密閉状況に異常を示す物は表示されてませんし酸化でおもりが変わったりしてはいないと思うんですがどんな異常ですか?」

「微妙に加速度が増してるんですよ」

「加速度が変わるって地下で何かあったわけではないんでしょう」

「質量体が移動すれば地震動検出するはずだし、更改間近だったから劣化かと思ってたんですけどね」

「これで大丈夫です。校正値もとれましたし、新原さんしばらく並走して問題なければ受領お願いしますね」

 

 各所の観測所の集計して観測値のWEB更新すると、全国の測定点で加速度が増している異常が観測された。

 

 

2013年6月

『新原さん玉置さんから電話ですよ』

『もしもし』

『新原さんこんにちは。今日は何の件です?』

『玉置さんこんにちは。ちょっと来てもらえるかな?先月納入になった加速度測定計の件』

 

「新原さん何があったっていうんですか?いきなり来いって」

「いらしゃい。測定機部屋に行きましょう」

 

「玉置さん観測基の値、旧系と新期系見比べてもらえるかな?

「あれ同じ値ですね」

「そう同じ値なんだ。ちなみにこれが納入時にもらった校正結果表」

「あれ?違いますね」

「併走して問題ないようだから昨日受領の処理したら測定値が変わったんだ。もちろん測定器はいじってない。故障かもしれないから不良で交換してもらえないかな」

「いや納入前の値は正常でしたからそれは無理ですよ」

「全国の測定点で同じ異常が出てるんだ」

「それは地球加速度に異常があると認めるしかないんではないですかね?コアのあたりで動きがあったとか」

「海外の測定点では異常出てないからそれもね考えにくいんだ」

「わかりました自社にもどって問い合わせてみます」

 

『新原さんこんばんわ玉置です』

『こんばんわ』

『うちが国内に設置してる測定器では変化がないそうですよ。発表値に変動があったんでうちのが故障したかと疑ってるみたいですけど』

『事務処理しただけで測定値に変化があるなんて』

『謎な現象と言えばこのまえの学会誌に出てた素粒子研のレター見ました?』

『いや見てないけど』 

『日本人が実験すると粒子に謎な力が加わって加速器から飛び出しちゃうそうですよ。外国人だと問題が起きない』

『そういや受領処理で測定器の所有者日本になったのと似てるな。グラビティ本社はドイツだし。

 事務処理だけ返品してみちゃいけないかい』

『うーん。面倒ですけど、現物を返品される前にやってみますか』

 

数日後

「とりあえず測定値に異常があるので返品交換しますとの決裁は取ったと。帳簿を修正と。ダミーで引き取り日を設定。これで明日には返品で所有者がグラビティーィ社に戻ると。明日どうなるかな」

 

翌日

「さーてと変わってるわけ・・・え 測定値に変化が出てる。 あーこれ納入時の校正表の値だ。所有者で観測値に変化出るなんて。なんなんだ うわー、説明できんが報告書を書かなくちゃ」

 

報告書を書いて、検証のために受領と返品の処理が何回か行われますと決裁権者には説明する。

3回受領と返品を繰り返してみる

「玉置さんなんなんだろうね」

「事務処理しかしてないですしねー。所有権の移転だけ」

「院の本部にも報告はしたけど信じてもらえない」

「社の測定器には全く変動ないですよ」

「最初に見つけたんだから新原おまえに任せたと押しつけられた。加速度異常特命班だそうだ」

「どういった力加わってるかしらべて見ますか?本社から3次元精密加速度計送ってもらいますね。検出作業のために売却と返品しますけど貸すだけですからね」

「機器管理もあるから玉置さんもよろしく」

 

 

2013年8月から9月

新原と玉置は届いた3次元精密加速度計をもって地域をまわる。

設置して0調整が終わったら受領処理をアシスタントにやってもらい翌日測定値の変化を記録。大体1カ所1週間。戻ることのできない遠征である。

 

「玉置さん。大体方向求められそうだ」

「南海上ですね」

「3D-MAPで方向求めると三宅島の西方海上100Mほどで交差だな。なんかあるのかな?とりあえず報告だ」

 

2013年9月

「本部長。測地部加速度異常特命班からの報告です。」

「加速度が加わっているのは特定の点に向かってか。力の向きが横に近い東京では小さく見えると。下の成分の出る樺太と石垣では大きめか」

「ええ、最近の測定値の変動を説明できますね。海の上に特命班行かせるわけにも行かないですし、後で補正予算もらわないときついですね」

「予算要求するにも、もう少し詳しいこと判らないともならんな」

「変動値は大きくなってますから放置するわけには行きませんよ」

「どうやって現場に行くかだ」

「本部長良いですか?」

「ん。何かいい話でもあるのかい」

「秘書仲間の情報だと東京測地部から、鳥島の機器メンテに来週船を出すらしいですよ」

「加速度異常は洋上で検出するのは波があって揺れてるから無理だな。該当地点の目視観測位しかできることはないな。ついでに特命班に小笠原からの異常も調べさせるか。東京測地部長に話をして寄り道してもらおう」

 

「ふぎゃ」

「どうしました?新原さん」

「メールが来てる。来週、鳥島の機器メンテの船が出るから同乗して該当地点の目視観測と、父島からの異常を観測して来いだそうだ」

「うへ、船旅ですか」

「違う方向になるだろうから父島の測定は良いんだけど、目視観測って何だよ」

「何が起きてるか判らないですから、なんか見つかったらめっけもん位なんじゃないですか」

「海原で点を見つけろって。D-GPSが有るとは言え、むちゃくちゃだ」

 

「船長。測地部特命班の新原です。予定外の寄り道させてすいません」

「新原さん船長の竹澤です。上の命令では仕方ないですね。ご苦労様です。

今の予定だと、明日出港。あさって該当海域につくので1日停泊。その後父島に立ち寄って、送り届けた後、鳥島に向かいます。天候の問題もありそうなので最大2週間、鳥島付近で上陸班の支援。終わったらまた父島に寄って新原さんたちを回収して帰港です」

「よろしくお願いします」

 

 

「新原、なにやってんだ」

「あ、遠藤さん。重力加速度の最近の異常値の調査ですよ」

「ドサ回りしてるとは聞いてたけど、ここまで来るか」

「文句は本部長に」

「あんまりこっちの邪魔するなよ」

 

 

「新原さん。ほぼ真下になる場所につきました」

「あ、連絡ありがとうございます」

デッキに寝っ転がって双眼鏡で見てるけど、何も見えんな。1時間おきに観測で良いだろう。

 

日没後の観測

「玉置さん。青い点が見えないか?」

「見えますね。ほぼ真上」

「遠藤さん呼んでくるわ」

 

「星にしては色が違うな」

「100m位船を動かして、45度になれば探していた点が見えたことになる」

 

「船が動くと角度変わりますね」

「低いところに有るなにかだな」

「確かになにか見えてる」

 

「赤っぽくなってきましたね」

「夕焼けみたいな色だ」

「新原運が良いな」

「遠藤さん見えても何か判ったわけじゃなく、空中に光る点が有るってのは不思議ですけど。よけいわからなくなりました」

 

「とうとう見えなくなりましたね」

 

「結局朝まで何も見えなったですね」

 

「新原、同乗してる広報部が鳥島の活動撮影するためのD-GPS付きでプログラム飛行できるラジコンヘリ持ってたんで借りてきたぞ」

「あ、遠藤さんどうも」

 

高度70Mからカメラを座標の中心に向けて旋回飛行

 

「モニターに黒い点うつりましたね」

「写ったな100mちょい切ったあたりだ」

エンジンに給油を繰り返しつつ 見つけた場所へ飛行させること5時間目

「遠藤さん、黒い点、あかっぽくなってきましたね」

「大分青くなって周囲と見分けがつかなくなったな」

「とうとう見えなくなった」

「夜も撮ってみたいな」

「遠藤さん。機体見えないけど大丈夫です?」

「今回のプログラムに船への接近を自動にできればいけるだろう。とりあえず面白そうだから数日延長を船長に言ってくる」

「ありがたいですけど、鳥島は大丈夫ですか」

「悪天候に備えて相当余裕見てるから3日位なら問題ない」

 

「暗くなった。近寄るなよ。ペラは危険だからな」

 

「あー黒いと同じ位のおおきさで青い点が見えますね」

 

「5時間で赤くなって消滅か」

 

「こっちと6時間位ずれてる光源ですね」

 

翌朝

「黒い向こうに何か見えないかな?ちょっち手動操作」

 

「近づきすぎ」

「あ 落ちた」

「点に突っ込んじゃったら破壊された」

「広報部へのわびはいじった遠藤さんしてくださいよ」

「とりあえずボート出してもらって引き上げるか」

 

「見事に穴が開いてますね」

「わびはいれておくけどもうできること無いから移動開始で良いよな」

「ごまかさなでください」

 

父島で下ろされた二人はいつもの測定。該当点を通過する線が一本増えた

 

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/26 ロデニウス大陸への距離1000km->1400km 修正もれ


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異変2

長すぎるので分割


「遠藤さん 物性研へようこそ」

「田家先輩こんにちは。ここX線CTスキャナー有りましたよね」

「あるけどどうしたの?」

「ちょっと物壊しちゃったんだけど、特殊な状況だったんでどう壊れてるか見てほしいんですよ」

「特殊って?」

「いや予断になるといけないから終わってから話しますよ」

「物は」

「ラジコンヘリ」

「うーん エンジンとか金属部分は無理だけど良いかい」

「ええ、とっかかりがほしいんで」

 

 

「機体正面から1mm程度の穴がきれいに開いてるね。エンジンに突っ込んだ後上に向かったみたいだけど、ドリル開けたにしては曲がってるし、周辺に圧力かけた様子もないし、どうやって開けたんだい?」

「そこに有った物が無くなったみたいですか?」

「そう言われればそんな感じだね」

「話すとちょっと長いんですが・・・<省略>」

「光ってる点に突っ込んだら中がなくなたと」

「どっかに転送されて穴が開いたというのが。考えてるんですけど荒唐無稽で」

「面白いね 物預けてくれれば 走査型電子顕微鏡で分解して見える範囲撮影するよ」

「あ お願いします」

「半月位いいかい」

「報告書と始末書出さなきゃいけないんでできるだけ早めに」

「ん、わかった」

 

 

 

「遠藤さん。物性研から宅配届いてますよ」

「ありがとう」

さてさて、梱包されたへりの部品と分厚い報告書だな。あ、こっちが報告書を書くって言うんで写真の電子データもつけてくれたか。結論はっと、吸い込まれて引きちぎられて開いた穴のようであるか。予想したとおりだけど、にわかには信じがたいな。

光が見えるのも光子が中に居る1ピコ秒以下で入れ替わりを繰り返してるというシミュレーション結果も出てるしこれで報告書を書くか。

 

 

 

 

国土地理院はうちの管轄ではないと科学技術庁に投げようとし気象庁・海上保安庁・他・他・他でどこが主幹になるかで壮絶にもめる。  

まだなんなのか判らないので引き受けたくないのだ。

 

転移らしいということで科学技術庁の下に転移情報室が設けられ、場所が海上ということで海上保安庁の巡視船がプラットホームとして協力となるまでに数ヶ月が浪費された。

点だったものは数十センチの球状の空間となり、光がもれるのは入れ替わる一瞬になった。入れ替わりの時間は10分間隔程度。

 

 

事務方の混乱をよそに研究者たちはノリノリである。SFかファンタジーお約束の空間転移らしき事が起きてるのだから当然である。噂を嗅ぎつけたあっちこっちの大学の研究室も次々参戦。

転移する範囲をレーザースキャンしていると入れ替わった一瞬、屈折が変わることからサイズを測れるようになった。

「滝沢さん穴の向こう見てみたくはないですか?」

「梅木。見れれば見たいけどま、まだラジコンヘリの入れるサイズじゃないだろ」

「こんなのがアメリカではやってるらしいんですよ。ほら」

「マルチプタードローン。面白そうだな。でも入るのか」

「小型のやつならいけますね」

「制御どうするんだ」

「D-GPSの受信機つんでこっちでは位置特定。向こうでは加速度センサーで位置固定を考えてます。でGPSのログとってみようかと。 

向こうでGPSとれれば地球上のどこかですし、違ったらもっと面白い」

「ペイロードなさそうだけどそれだけ積めるのか」

「積めるように作ります」

「次の連絡便で研究室戻って工作してきます。こっちじゃ色々足りないので」

 

 

「滝沢さんたいま。できました陸上での試験は成功しました D-GPSの補正電波入らなくなったら慣性制御」

「ペイロードは残ったか」

「無理でした。もう少し大型のを投入できるようになってからですね」

「海の上で少し実験したらやってみるか」

 

「梅木どうだった?」

「向こうに行ってる時間の間はGPSアンロックですね。GPSがいないか時間がとんでもなくずれてるかですね」

「今の地球ではないと見て良いな」

「とりあえず制御系に問題はないみたいんで、また研究室戻って大型のドローンに組み込んで来ますね」

「おつかれ、こっちでも観測機器用意したいんだがどれくらいまでならいける

「1kgでぎりぎり」

「わかったできるだけ軽く作る」

 

 

「フィルムカメラのジャンク、軽そうなのいくつか見てきた」

「自動巻きと シャッターの開放時間いじれるのか」

「一眼レフなら自由なんだがペイロードに乗らないからな」

「フィルムは?」

「驚くな 不良在庫で眠ってたASA1600を何本か本番用に実験用は400だな」

「向こうの天候はどうするんだい」

「モノクロビデオカメラで予備撮影して判断だなぁ」

「その辺は映像班と共同か」

「向こうはカラーで撮りたいだろうからカメラもジュー-ルが変更にはなるだろうけど他は一緒だ」

 

「映像班の準備状況はどうだ」

「1kgってきついねー 市販品は乗っからん。パソコン用カメラをばらして信号横取りメモリーにべた書きな。レンズは携帯電話用アクセサリーから望遠を選んだ」

「動画がほしいわけじゃないからそれでいいのか」

「天文班のカメラ使っても良いんだけど、本土送って現像して、印画紙に焼いてだと即応性に欠けるからな。精密撮影が要るようなら借りる」

 

「進捗会議を始めます」

「まずは穴観測班」

「レーザーでの測定結果を見ると2m近くなってます。D-GPSの誤差考えても1m程度のドローンは送れるんじゃないかな」

「ドローン班」

「1mのドローンをコンピューター制御で送り込める準備が整いました。試験飛行は陸上とここでやって問題は起きてません」

「映像班」

「準備できてます。低レートですが望遠の撮影ができます」

「天測班」

「夜間で月とかの障害がないことが確認できたら送り込める準備できてます。予備観測は映像班のカメラモジュールをモノクロ高感度に変えた物を準備してます」

「自然測定班」

「電波がペイロードでまだ無理ですが、気温・気圧・湿度・放射線・地磁気は測定できます。

「電波の目処はどうですか」

「汎用測定器を乗っけるんでペイロードが10kg近くなるまで無理ですね」

「ドローン班ですが次の機体はそえくらいまでいけそうです。2mちかいですけど」

「では各班大体準備できたと言うことで。明日から始めましょう」

「「「「了解」」」」

 

第2世代ドローンによる観測結果概要

・映像班によると2点

  ・穴の向こうは浅い海と思われる緑色をしている。 

   こちら側はマリンブルーで同じ場夜ではない。

  ・水平線が地球より長大である。地球より大きい惑星の可能性がある。

・自然測定班

  海の上であるなら特に問題の無い値である。 

  気温・気圧・湿度・放射線 

  天気で変動はあるもののこの辺の平均にと大体一致する。

  地磁気も南北を示しているか判らないが観測できた。

  これ以上は固定した点でないと無理。

  サンプル採取した大気を研究所に送って分析。

  酸素濃度高め 二酸化炭素低め 汚染微粒子等無し。 

  むしろこっちより清浄。

天文班

  夜空の撮影には成功。しかし星の配置がまるで異なる。 

  天文シミュレーションソフトを使って同じ配置が発生しないか

  やっているが結果ははかばかしくない。

  映像班の情報からも別の天体である可能性が大きい。

穴測定班

  範囲の拡大と入れ替わる時間の長さに相関が見られる。

  広がるほど入れ替わりの間隔が長くなる。

 

第3世代ドローンによる観測結果概要

 変更がない物は記載していない

・自然測定班・天文班

  地磁気は南北を示している。 

  地球と同じく自転軸とは少しずれているようだ。

  人工的な電波は検出できない。ノイズのみが観測される。

穴測定班

 ・範囲の拡大と入れ替わる時間の長さに相関から2013年中には、海面まで達する球状になる。

  2014年には伊豆諸島北部160km圏が半年は転移が予想される。

  2019年には加速度異常を起こしている全域の転移。最短で数年が予想される。

 

ここで科学技術庁は科学的知見の範囲を超えていると手を上げた。 

内閣府の下に転移問題は移動して、転移した際の影響から検討することになった。

別の惑星のようだと言うことでJAXAも巻き込まれた。

とにもかくにも、伊豆諸島転移までにある程度情報を集めたいからだ。

いくつかの観測準備が並行して進められるようになった。

・台船を用意してヘリによる周辺の観測

 当初は台船が流されるという失敗があった。

 浅いのだが海流がわりと強いのである。エンジンとモーターで位置を制御できるようにした台船が用意され、ヘリで飛び回ったが、安心して移動できる100km圏はいくつかの小島と海ばかりであった。

・小島に定点観測所開設。移動物の上では難しかった重力加速度を含め無人観測施設を用意 

・海外研究者の転移不能

 どうしてもというので加速度異常を検出できない海外の研究者を

 台船に乗せて居る間に転移が発生。海外研究者は取り残されて海に落ちた。

 研究者は境界監視船に救助されると言うことが起きた。

 これから転移範囲が広がっても加速度異常が検出できていない人・物は転移しないと判断された。

・竜としか呼べない生物の襲来

 プラットホームに竜としか呼べない生物が襲来。

 クレーンを頭に当てて海に落として撃退したが重傷者3名軽傷者7名。

 死体を引き上げ本土の研究所で解剖。

  ・皮膚はきわめて硬く自衛隊の銃でも抜けない。

  ・耐火性能が高くセラミックのようである。

   HEAT弾頭でも抜けるか判らない。

  ・空飛ぶ戦車だが航空力学的になぜ飛べるか判らない。

・JAXAがロケットを準備

国産機を発注からしてると時間が無いので海外からICBMベースのロケットと衛星ベンチャーが作った撮影衛星を買ってきた。

最適化はされてないが数打ちゃ動く。お金や精度より時間が重視された。

海上プラットホームから、低軌道にのせ地表を撮影させる。 

いくつもの大陸と文明らしきものが確認できた。

 

 

 

転移情報室も転移の科学的調査より、発生するだろう転移の際に発生する問題の解決方法の模索の側面が強くなり転移問題庁として改組された。

転移を防げないのであれば。転移した先で国民の生活を保障しなくてはならない。

全員避難とすると1億5千万もの難民を出すことになる。

しかしそんな人数の引き受け手がいないので避難は論外とされた。

1万人ほどが国籍離脱で対象外にならないか試したが加速度異常は消えず駄目であった。

 

 

伊豆大島東岸にもロケット打ち上げ設備の整備が突貫ですすめられる。

組み立て施設、発射台、管制施設ならともかく、長期切り離されるため、ロケットの燃料生産プラントも居るのだ。

 

転移後、情報収拾衛星、資源探査衛星、気象衛星を打ち上げるスケジュールを立て大工事。

打ち上げ設備を運ぶための港湾設備も作られていく。

 

西暦2014年1月

<施政方針演説で転移について触れられたこと>

・転移現象が発見されて2年。範囲は拡大傾向のままである。

・転移先にも文明らしきものは存在するようであるが詳細は不明である。

・次の転移では伊豆諸島が転移してしまうと考えられているので全島避難を自治体には要請する。

・転移に関する問題を一元的に管理するため転移問題庁を内閣府配下に設置した。

・転移先で食糧などの資源が確保できるかの調査隊を伊豆諸島の転移にあわせて派遣する。

・最悪の予想では日本全土が対象であるので心に留めておいてほしい。

 

西暦2014年8月

 

全島避難

噴火による緊急避難と違ってある程度スケジュールが読めるため、引っ越しに近い感覚で避難が進められる。特に若い世代がどれだけ島に戻るか心配されている。大体再転移してくるまで約半年の予想だ。

 

 

 

残存するのは

志願した研究者、インフラ保守要員、JAXAの打ち上げ関係者とその資材運搬船の要員

1400kmほど離れた場所にある島への観測班の上陸と護衛に強襲揚陸艦、護衛艦、補給艦各1隻

 

頑として避難しなかった人たちにはくさやの業者が多かった。

過去の全島避難でくさや汁が駄目になったのが忘れられないのだ 

かといって避難先にもっていくわけにもいかない。

彼等は漁師がいなくなるので1年分の魚を冷凍庫にため込んだ。

 

 

電話は本土にシステムの本体があり島にはないため、切り離された時点で使えない。業務用無線機による連絡網を整備する。

空港には航空偵察用にP-3Cが2機配備された。

 



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接触

地図を作るくらいの情報は衛星写真でもってるということで哨戒機侵入は無くなりました。


西暦 2014年8月29日

中央歴1635年8月29日

 

 

強襲揚陸艦「あまぎ」

「とりあえず、船で行って接触してこいとの指示だが、飛行機で接触するよりは良いんだろうな」

「沖合1kmで停泊します。護衛の『みつづき』はさらに3km沖合で待機中」

 

○マイ・ハーク港

「なんだ、あの巨大船」

「港湾長。とにかく臨検しませんと」

「船の準備は?」

「指示をいただければいつでも」

「よし、いって話を聞いてこい」

 

「船の後ろがせり上がってるぞ」

「船尾から発光信号。意味は不明です」

「船の中に港がある」

「中に入らんと話しもできないか。入るぞ。オール漕げー」

 

「あそこから浅くなってるな。船を着けろ」

 

「ことばわかりますか」

「言葉わかると聞かれたのは判る」

「よかった。一等海尉の山本といいます。この港の管理をされている方ですか」

「そうだ。巡査長のサンだ」

 

「艦長。モニターしてると意味不明ですけど、山本さんとは会話が成立してるみたいですよ」

「そうだな、山本に指示、警備の人を残して第3会議室へ」

 

「サンさん警備の方を残して、来ていただけませんか?艦長がお話したいそうです」

「エウリーの分隊は残って警備。後は来い」

「艦長。こちらが港湾の警備をされているサンさんだそうです」

「サンさん。艦長の佐々木です」

「巨大な船ですな。こちらにこられたのはなんの用ですかな?それとどちらの船でしょう」

「色々と調べに。日本国に属しています」

「日本国。聞いたことが無いですね」

「しばらく前から日本国近海からこちらに来れる穴が出現するようになり、穴の向こうに何があるかの調査ですね」

「ほう調査と」

「これからご説明をしますのでお座りください」

 

「あ 戻ってこられた」

「港湾本部へ魔信を」

「魔信準備できました」

「よし

サンより港湾本部へ以下は聞き取りの結果である

・しばらく前からこちらと入れ替わってしまう穴のような物が発生するようになった

・だんだんと穴は大きくなり、島を飲み込んで入れ替わるようになった

・このままだと日本国全土が入れ替わる予想がされたので先遣隊として調査に来た。

・滞在して調査を行いたい。

・調査の内容については、調査隊の責任者がこちらに出向いて説明する。

・一旦帰還する。

 

クワ・トイネ政治部会

「巨大船で、鉄でできている上に船の中に港。突っ込みどころが多いな」

「首相、でも現実にマイ・ハークに来てるんですよ」

「まぁ、説明したいというのだから『内務相』話を聞いてもらえるかね」

「秘書官でなく私ですか?」

「調査の責任者が来ると言うから、調査の許可も含めて決めてしまってほしい」

「わかりました」

 

 

「内務相のウルハです」

「調査隊の責任者。坂本です」

「どのような調査に」

「まずは食料の調達ができるかですね。あとこの周辺の国の情報」

「我が国は家畜でさえうまい穀物を食べると言うことで有名ですから、それなりに輸出できますが」

「まずその前の段階からの調査になりますね。食べれるのかから始まります」

「いいでしょう。若手の官僚つけますので実務はそちらと」

「ありがとうございます。あ、あと公王に献上品を用意してきたのですが、失礼な物が無いか事前に見ていただけますか?」

「それも官僚と相談してください」

 

 

「内務相どうだったかね」

「貢ぎ物を公王に用意してきたそうですが、失礼がないか気にしていましたね。調査の実務といっしょに若手に任せてきました。しかし食べれるかから調査というのはびっくりです」

「農業国の我が国にはちょっと失礼だな」

 

 

「あかぎ」第1会議室

「団長。全班の代表そろったので進捗会議を始めます。まずは団長から」

「内務相との会談後に若手にチェックしてもらった宝飾品と金塊は問題なく受け取ってもらい調査には全面協力するとの言葉を頂きました。既に各班動き出してますがトラブルだけは引き起こさないように」

「では、各班から現状報告お願いします。言語班から」

「言語班です。直接会話すれば意味が通じるのに、機械を通すと意味不明になります。会話で理解した内容を繰り返してもらってAIに送り込んでいます。挨拶位はネイティブでできるようになりましたがサンプル不足です」

「時間をかければ解決しそうですね。では生活班」

「はい 生活班です。あちこちの生活を見せてもらっていますが、16世紀位のヨーロッパの農村が近い感じですね。人類種としては、エルフとかドワーフみたいな人たちがいる多民族国家の様です。

地図を見せて情報を聞きましたけど、多民族国家で土地が痩せてるのが、クイラ王国で同盟関係にあり、ホモサピエンス単一国家で多種族の絶滅を国是にしているロウリア王国と対立してるそうです」

「民族浄化が国是の国とはあまり近寄りたくないですね。クワ・トイネにはクイラ王国との仲介してもらいましょうか。」

「あー資源班ですけど良いですか」

「どうぞ」

「資源探査衛星が稼働状態に入ってますが、クイラ王国には各種資源が埋まっているようです」

「そうですか。ますますクイラ王国とは接触が要りますね。ロウリア王国とは接触せずとしましょう。動物班どうぞ」

「動物班です。家畜を売ってもらって分析していますが、まずタンパク質は鏡像体ではないので我々でも吸収できます。持ち込んだラット類に食べさせてますが問題はなさそうです。」

「引き続きサンプルを集めてください。野生動物もいいですね。サンプルは凍結保存してください。次、植物班」

「びっくりするような状態です。麦の系統なんですが根粒菌らしきものと共生していて、豆類でないのに窒素固定を行ってるようです」

「それはびっくりですね。是非サンプルを持って帰らないと。資源班は他に何かありますか」

「クイラ王国と早期に接触かと」

「官僚の方と話してみます。次、微生物班」

「沼とか森の中とか、あっちこっちの土を集めているんで不思議に思われてますが、特に何も言われてないのでこのままでいいかと」

「サンプルはきちんと保管してください。できれば倍量」

「なぜ倍量です」

「いや、もし本当に転移となったら、アメリカとかが抱え込んでるノウハウもらうのに丁度良い取引材料じゃないですか」

「わかりました」

「次設備班」

「町の中の空き地をわけてもらって、衛星の管制センターの準備と残留職員の住居兼職場を用意しています。2ヶ月位で完全稼働状態になるかと」

「再転移まで4ヶ月はありますから大丈夫ですね。全体通してなにか」

「・・・・。」

「今週の進捗会議終わります。次回の議事録担当は植物班です」

 

 

クイラ王国とも接触し、窓口の開設をおねがいする。

飛龍で先に伝えてあったとは言えヘリには驚かれた。その後地中探査レーダー積んで飛び回ったら驚かれなくなったっが、資源はあらかたクイラ王国で手に入りそうである。

作物の育成状況から多少援助すれば(未開拓地の農地化)クワ・トイネ公国だけで食糧の供給はなんとかなりそうである

 

西暦 2014年12月18日

中央歴1635年12月18日

4ヶ月後残留する5人を除いて伊豆諸島海域へと引き上げる。次来るとしたら4年後といいのこして

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日挿入 出->で
2020/02/28 マイハーク->マイ・ハーク


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先遣隊調査報告概要

報告書概要だけで1話
クイラ王国の食糧生産に変更
クワ・トイネから輸入するにしても対価がない。傭兵とかと外伝に記述があった。
読み飛ばしてた外伝にクイラに石油石炭があるとの記述修正


1994年12月

転移対策庁 長官

先遣調査隊隊団長 坂本一郎
        

先遣隊調査概要報告

 

伊豆諸島から西に1400kmほど離れた「ロデニウス大陸」には国家が3つ有り、次のような特徴を持つ。転移が現在の位置関係のままなら

沖縄の南500kmほどになる。

人口については統計の概念がないため不明。

国土の広さも国境線が曖昧なため不明。

・クワ・トイネ公国 

  首都はクワ・トイネ

  経済的な中心は港を有するマイ・ハーク。

  人間種として、エルフ・ドワーフが混ざって生活している多民族国家。

  農業国であり、広大な農地を持っている。 

  家畜にさえうまい穀物を食べさせられるのが彼等の自慢である。

  他国に食料を輸出している。

  文化レベルは16世紀ヨーロッパを連想させる。

  現在の余剰生産量では日本国全部をまかなうのは無理だが、未開墾地の農地化、農業の機械化による人員の確保で大幅な食糧増産が可能であり、有望な食料供給元である。

  クイラ王国とは同盟関係にあるがロウリア王国とは対立している

・クイラ王国

  首都は王都バルラート 

  人間種として エルフ・ドワーフが混ざって生活している多民族国家。

  土地が痩せており クワ・トイネへの出稼ぎで食料を購入している。

  燃える水・燃える石という認識で石油石炭がある

  文化レベルは16世紀ヨーロッパを連想させる

  クワ・トイネ公国とは同盟関係にあるがロウリア王国とは敵対関係

・ロウリア王国

  首都はジン・ハーク

  接触を行わなかったがホモサピエンスによる単一民族国家のようである。

  接触を行わなかったのはホモサピエンス以外の人間種は絶滅させなければならない。

  という主張の軍事国家であるという情報があったためだ。

  民族浄化を主張する国に我々の情報を漏らすのは不用意と判断した。

  高空からの観測では文化レベルは16世紀ヨーロッパを連想させる。

 

その他の地域

  主にクワ・トイネ公国での聞き取りの結果である。

  朝鮮半島に当たるあたりに存在する勾玉のような島は

  「ガハラ神国」「フェン王国」というらしい。

  中国大陸に当たる場所にある国「パーパルディア皇国」は属領を多数抱える覇権国家のようであり、度々侵略戦争を行っている。

  竜を船に乗せ転用する竜母というものをもっているらしい。。

  それ以外にも多数の大砲を乗せた戦列艦を実用化している模様である

  第3文明地域の明主を名乗っている。

  外交的接触には注意が必要と思われる。

  それ以外について機械文明は「ムー」と言われる国が行っているようであるが遠方すぎて情報がすくない。

主に魔法というものが世界の共通基盤であり、これの利用で社会を成り立たせている。

 

収拾したサンプルについて

 より詳しい分析は各機関で行われると思うが特筆すべき点としては。

 麦の近縁種にもかかわらず、窒素固定をおこなっている品種が発見された。

 連作障害という概念も存在しないようである。 

この辺についてはより詳細な分析が待たれる。

 

軍事について 

ワイバーンという生物で航空戦力化をしている。

ペイロードが少ないので空爆という概念はないが、ファイヤーブレスによる歩兵支援がおこなわれている。

それ以外は剣・弓矢によるものである。

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/13 隊が余計なところがあったので削除


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準備

ほんとはここが一番書きたかったはずなのにあっさり風味。
この世界原爆を食らっていないので原子力アレルギーがない。


2014年12月

 

戻った先遣隊の報告から色々動き出す

転移問題庁での会話

「報告書読んだか?」

「ああ、とりあえず近くで食糧と資源は調達できそうだ。ただすぐに増産や採掘ともいかないだろうから備蓄の増加は必須だな。石炭と石油が見つかったのは幸いだ」

「食料は3年分くらいためておかないと。港湾整備と新規農地開拓で1年、生育に1年、予備1年か」

「石油も港湾整備からだと時間がかかるぞ」

「とりあえず日本船籍にしたタンカーは原油満載で転移させようかと」

「それでも半年分ぐらいじゃないのか?」

「備蓄基地を日本海側にも整備の予定だ」

 

 

次の転移は4年後だがそれに向けて動き出す必要がある。

記者

「林会長。2019ラグビーワルドカップと2020五輪どうされるんですか」

「検討中だ」

「国立競技場の解体進んでますし、どうされるんですか」

「それも含めて検討中だ」

 

結局、もし転移しては競技開催などできないので開催権の返上になり。次期開催都市の繰り上げ開催となった。

国立競技場は急がなくてよくなったので更地にした後 落ち着くまで仮設倉庫の場所の一つになった。

 

 

 

転移対策庁と経済産業省、厚生労働省は情報の海に埋もれていた。

国際的サプライチェーンから切り離される前提で4年以内に準備しなくてはならない。

どの会社がどの会社から何を買っていて消費してるか、調べれば調べるほど泥沼にはまっていくのだ。当初は政府の統制でと考えていたのだが、多岐にわたりすぎ収拾がつかないのだ。

ここで政策を転換することにした。自分で必要な物は自力で何とか調達しろ。必要なら支援を求めろと。これでやっと回りだした。

 

「転移問題連絡会議を始めます。経済産業省から」

「海外企業にパテント、ノウハウのある物の購入があまり進んでいません。開示してしまうと転移がなかった場合 ライバルになると心配してるようです」

「合弁会社を作ってそこに生産設備を持たるのはどうかね」

「設備投資になるので嫌がっていますね」

「財務省的には転移までの予想期間特別立法で非課税にするとかできないのかね」

「財政の公平からすると難しいです」

「財政の公平より国民の生活の保障が先だろ」

「政治決断がいりそうだから、総理に報告する」

「あー総務省ですが、情報開示の方法で一つ提案が」

「ん?」

「情報金庫というものがありまして、一定の要件を満たさないと中が読めないというセキュリティーをかけたサーバーですね」

「あー転移が起きなかったら全消去されるようにするのか」

「そうです」

「パテントが有効なものはそこに収めるという方向で交渉するか」

 

政治決断で生産設備の国内誘致費用の政府負担と税金大幅控除、転移が起きなかった際には安価で払い下げるここまでやって生産設備の国内誘致が始まった。樺太千島では低賃金労働者を求めて大建設ラッシュである。20%超えていた失業率も2%まで落ち込む始末。本土では人の奪い合いで仁義なき戦いが勃発する。

 

防衛に関しては判明している文明のレベルでは圧倒的優位に立てると判断された。

追加生産が必要に備えて製造・整備ラインを作ることになる。米国から買いたたくネタになったのは微生物班や植物班のサンプルである。

米国は遺伝情報や種子の重要性については判っている。

F18EJ/FJ 空母艦載機・空自もF2の後継で採用

         各部構造強化でASM2を4発運用できる

         対空ミサイルはAAM4/5の運用能力付与

F15XJ    米軍の新規採用機種にAAM4/5の運用能力付与

C17 グローブマスター

         大きな惑星であるため遠距離輸送が発生すると

         C2では不足するので採用。

AH1Z     既存機種古いから最新鋭機。

UH60Z    既存機種古いから最新鋭機。

V22オスプレイ CH47の置き換え。

A10E/F   竜が20mmミニガンではうろこが抜けない。

         耐火性能も極めて高いとの分析結果から。

         ミサイルのHEAT弾頭が有効か判らない。

         既存の航空機出最大の重火器を持つのでC/D型の

         近代化改修機をベースに空戦モード付与して新規製造

B767     民間もエアバス社の機体は売却。

B777     ボーイングに統一する。

B787

ボーイング社にはため込んだUS$債で支払い。

消耗品を含めた設計製造情報ノウハウを買い込んでいく。

転移まで国外に出さない転移中に生産した物のライセンス費は戻れたら清算するで妥結。

 

エネルギーを確保するためにも原発が建設ラッシュである。

水力1 火力3 原発6 揚水3が目標とされた。

出力調整が難しい原発は揚水発電所で出力コントロールである。

 

インターネットは政府主導のアーカイブプロジェクトが実施され、あちこちのサーバーのコピーを保管していく。

 

 

伊豆諸島の転移での打ち上げは既存の衛星の設計をそのまま流用したが、本転移してしまうとなると色々いじらなくてはならない。GPSも電離層での電波の遅延量が測定できていないので、運用データが作れない。まず地道な学術観測からし直さなくてはならないのだ。

そのためには頻繁なロケット打ち上げがいる。HⅡAでは打ち上げチェックに時間がかかりすぎる。最新のイプシロンロケットでは大幅に改善している部分だ。そこでHⅡAの設計を再度見直し センサーネットワークを構築することと、3Dプリンターの活用で製造を簡素化し、打ち上げコストをさらに削減したHⅡCが設計されテストされ、イプシロンロケットとHⅡCの量産が行われる。量産により価格が下がったことから、最後の2年間は衛星ビジネスが成立する。

衛星も科学観測衛星が多数制作され、ストックされる。

 

 

 

 

4年後

かなり突貫だが一応国内でサプライチェーンが回り出した2018年末日本は転移した。

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入 改行位置他修正


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再接触

食料資源確保編です
数字入れてみたら怖い結果になってしまった


中央歴1639年1月10日

 

強襲揚陸艦「あまぎ」

「艦長、マイ・バーク港沖合1kmです」

「さてと こっちは人が入れ替わってるがむこうはどうだろう」

「ボートが出ましたね」

「4年ぶりとは言え そうそう手順は変わらんだろう」

「山本さんではないのですか」

「山本はべつの船に今乗ってますね。高橋と言います」

「巡査長のサンです。」

「とりあえず艦長にご案内します」

「佐々木さんですか」

「いえ、異動でいまは菊池というものが務めてます」

 

「菊池艦長。初めまして。巡査長のサンです」

「起こらなければよかったんですが、日本全土転移してしまいましたので」

「転移がおきたら説明するとぼかされた部分についてもご説明いただけますかな」

「国と国とのおつきあいをしないといけないようなので、権限のある外務省の人間を連れてきています」

「ほう、お隣の方々ですか」

「はじめまして 外務省新世界局大洋州部ロデニウス大陸課クワ・トイネ国担当の田中です。こっちが補佐の苗田」

「田中さん苗田さんこんにちは」

「それではぼかしていた部分について説明します」

 

 

 

「港湾長戻りました」

「どうだったかい」

「とにかく大量の食糧が欲しいので外務部の方と話がしたいそうです」

「大量とは」

「年3500万トンそうです」

「いくらわが国でもそれだけの余剰はないぞ」

「ええ、新規農地の開拓とかいろいろ支援するので、外務部と話がしたいそうで」

「とりあえず報告だ」

 

マイ・ハーク港湾長より 外交部へ至急電

・日本国の船が再び現れた

・外務省の人間を連れてきている

・日本国の人口は1億5千万人 南北4000kmの島国とのこと

・ほぼすべての島が転移してきた

・食糧が不足しているので年3500万トンは欲しい

・わが国でもそんな余剰はないと伝えると 判っている 農地の拡大などいろいろ支援する

・外交官らを鉄竜で公都に送り届けたい

 

外交部より港湾長へ

・飛竜隊で護衛して使者を誘導するように

 

交渉結果

・日本国は年3500万トンを上限としてクワ・トイネ公国の余剰生産品を買い取る

・生産高向上のための技術支援、農地開拓を日本側が行う

・輸出に必要なマイ・ハーク港の港湾改修は食料の代金として日本側が負担する

・運送網の整備は食料の代金で行う

・為替レートを早急に決定する

・各種条約の締結に向けて作業チームを設け交渉を行う

 

「あまぎ」は外交官たちを送り届けると駐在チームと連絡を取る。通信衛星が壊れていたため後回しになった感じだ。もしかしたらこのまま連絡が取れないのではと心配していた駐在チームの喜びようはすごかった。

情報を聞き取ると結構物騒な状況になりつつあるようだ。

ロウリアが大軍拡を行っていると。攻め込むとしたらクワ・トイネだろう。これについては転移問題庁と外務省 防衛省間で情報共有をすることし、クワ・トイネが言い出すまで知らぬ顔をすることとした。

 

その後「あまぎ」はクイラ国へ向かい

交渉結果

・日本国はクイラ国の資源を買い取る

・採掘に必要なのための技術支援を日本側が行う

・輸出に必要なクイラ港の港湾改修は資源の代金として日本側が負担する

・運送網の整備は資源の代金で行う

・為替レートを早急に決定する

・各種条約の締結に向けて作業チームを設け交渉を行う

 

 

その後ロウリアに向かうも追い返された

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 クワトイネ->クワ・トイネ 月を入れるように
2020/02/13 日本の距離に千島が入ってなかったので訂正
2020/02/28 マイハーク->マイ・ハーク


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侵略

まぁ 外交ってそれなりに汚いもんだよね


延岡二尉はRF15(F15複座型に偵察ポッドを付けたもの)で後席の国方二尉と会話していた。

「ギム周辺には大軍が集結してるな」

「地を埋め尽くすとはこういうことを言うんですかね」

「数えるのは情報部の連中に任せて撮影して次行くか」

「ロウリア北部の港でしたっけ」

「大船団がいるとの情報だ」

「ここで仕掛ければ町に被害が出ないと分かっていても 見逃さざる得ないのが心苦しいですね」

「仕方あるまい まだクワ・トイネとは防衛条約締結してないんだから。正義の味方と違って、ただやたらと力使えるわけじゃないんだ」

「撮影終わりました」

「よし」

 

中央歴1639年4月

 

外務省の田中は今日も外務部で交渉にあたっていた。締結すべき条約・協定は多岐にわたりクワ・トイネ側にそういう概念の無いものも多かった。

だいたいの素案は各省庁で作ってきてくれて居るものの、日本国にとって利益が出るように、そして相手を不快にさせずに結果を出さなければならないのだから気を遣う。

本来補佐二人と数人の事務官でやる仕事量ではないのだ。多方面に外交使節団を派遣しておりブラック労働が常態化していた。そんな中、使いが来て首相カナタが会いに来てるというのだ。

 

「田中さんこんにちは」

「カナタ首相こんにちは。急にどうされました?」

「武器を譲っていただきたい」

「それはまた急に」

田中にはすでにギム近郊でのロウリア軍の集結状況などが伝えられていた。

「ロウリア王国との国境の町ギムのそばに何万もの軍が集結してきています。魔信で解散を呼び掛けてはいますが応答がありません。」

「ほう、でも武器を渡してもすぐに使えるようになるわけじゃありませんよ」

「無いよりましです」

「防衛協定の交渉が暗礁に乗り上げてますからね。こういうものは双方に利益がないと長続きはしません」

「で、譲っていただけますか」

「訓練していない人間使えるようなものではないですよ。それより暗礁に乗り上げている防衛協定を進めた方が直接介入ができます」

「負担が一方的であるというのが問題でしたね」

「武器を使うにしてもただではありませんから」

「何をお求めで?お金ですか」

「傭兵じゃないですからそれはありませんよ。本来は相互に戦線布告があった場合自動参加というのが定番なんですか、貴国にそれを求めるのは酷ですな。そうですね、食糧の輸出量の最低保証と、上限に達するまでの期間を決めるというところでどうでしょう」

「どの程度の水準をお望みで」

「最低年1000万トン 三年で3000万トン生産できるようにする でいかがです」

「技術協力はしていただけるのですかな」

「もちろん」

「それで手を打ちましょう」

「首相 大変です ギムの町が落ちました。暴行されてから解き放されたものが騒ぎを伝えてます」

「遅かったか」

「本国に自衛隊の出動を要請します」

 

少し時間はさかのぼる

クイラ王国から傭兵として出稼ぎに来ている。ソノラは魔信兵とペアを組んで日本製の双眼鏡で国境線を監視していた。食い物を食べさせるには出稼ぎは必須なのだ。しかも日本の買い付けが始まってから価格が高騰し始めている。もっと稼がねばと思いつつ監視をしていると、国境線ぎりぎりに終結したロウリア軍が動いた。

「ギムの町に緊急電。侵略を受けり」

直後にワイバーンからのブレスで絶命した。

 

合意に達したとの報告を受けた首相は自衛隊の緊急派遣を命じた。

国会でクワ・トイネ防衛特別措置法について審議する準備も命じた。

那覇軍港で補給を終えていた、第二護衛隊群は出撃した。

佐世保に集結していた、即応部隊の機械化一個大隊と砲兵大隊、攻撃ヘリ部隊も強襲揚陸艦とフェリーに分乗し第五護衛隊群とともにマイハーク港を目指す。

那覇空港からは直接偵察を行うRF15が離陸した

 

 




2020/02/07 改行位置 句点句読点修正
2020/02/08 日付挿入
2020/03/09 RORO船->フェリー


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海戦

この世界の日本はクラスター弾禁止条約には加盟していません。
満州において人海戦術をとるソビエト・共産中国を少数で足止めする必要があるため技術を縛る軍縮には消極的です。




中央歴1639年4月25日

 

 

第2護衛総隊あたごCIC

「4000隻を超える帆船が東進中だと」

「空自の偵察結果を幕僚本部が送ってきました」

「全弾当てても弾足りないですね」

「即応弾40発打ち尽くしたらいった一反離脱して装填。全部で200発 8隻で1600発か」

「こっちは人の命安いですから30%の損害では引いてくれるか微妙ですね」

「第5護衛総隊に応援来てもらって、それでも引かないようなら機銃掃射でもしてもらいますか」

「ここまで来ると数は力ですね」

「交戦規則に従って警告。威嚇射撃。そのあとは引き返すまで艦砲射撃。装填時間を稼ぐために1隻づつ前に出て行う、それでも引かないようであるのならクラスター爆弾で空爆。全弾射耗してもダメなら第5護衛隊に応援依頼だ。あ、護衛の仕事があるから即応少しは残しておけよ」

 

「統幕より観戦武官を迎えに行くよう指示が出ています」

 

「『あたご』の中央指揮所にようこそ 護衛総隊指令の川崎です」

「ブルーアイです この度は観戦を受け入れていただきありがとうございます」

「敵船団は5ノットで東進中。ちょうど領海の境を超えたあたりですね」

「え、そんなことがわかるのですか」

「出航してから監視は継続しています。明日の朝に出撃して警告し、引き返さないようであるなら攻撃開始です」

「はぁ そうですか」

「明日まで船室でお休みください」

ブルーアイは船室におさまってここまでを思い出す。

 

王宮からの伝令

日本と防衛協力協定締結。海戦に向けて1個機動部隊10隻を出す

また、公都防衛の戦力輸送の船団が向かっている。観戦武官を派遣せよ。

 

「10隻? 100隻や1000隻の間違いではないのか?死ねと命じなくてはならないではないか」

「私が行きます」

 ブルーアイが発言する。

「私は剣術ではNo1です。一番生存率が高いのは私です」

「すまない」

 

箱形の鉄竜が迎えに来て、護衛総隊旗艦戦闘指揮所とやらに案内され、挨拶した後に船室に案内される。切り込みを行う戦士の姿はどこにもなかった。

 

中央歴1639年4月26日

 

ロウリア王国東方討伐海軍

「シャクーン将軍。壮観ですな」

「ザイルか。そうだな。4400隻とはロデニア大陸始まって以来の規模だな」

「まったくです。海が見えませんな」

「この船団だけクワ・トイネ公国を落とせるだろう」

「ザイル副官、空飛ぶ何かが近づいてきます。」

「ワイバーンか?」

 

箱のような物の上で何かが回っているものはクワトイネ語で引き返すよう繰り返す。将軍も副官も既に開戦しているのだからと無視を決め込んでいると、しばらくすると再び見張りより。

「前方より 超大型の船接近」

100mほど離れたところで方向を変え併走し始める。

「帆がない。魔導船と言うやつかな?ザイルよ」

「パーパルディア皇国でも帆のある船ですな。どこの所属でしょう」

 

「こちらは日本国。海上自衛隊である。船団に繰り返す。戻りなさい。戻らなければ攻撃する」

「日本国ってしってるか」

「2ヶ月ほど前に一度訪ねてきましたが、クワ・トイネやクイラと仲が良さそうなので追い返したと聞いたことがありますな」

「まぁ1隻だけだ。バリスタをお見舞いしてやれ」

 

攻撃すると船は3kmほどはなれて再び併走し始めた

船団の前方に巨大な水柱が立つ。

それも無視していると、端の船が突然爆発したように吹き飛ぶ。ドンという音が送れて聞こえる。

船が爆発するたびに「ドン」という音が遅れて聞こえる。

「ザイル、大砲ってああいうものか」

「将軍。船の上の大砲は当たらない物です

パーパルディア皇国でも当てるために100門級の戦列艦を導入してます

 しかし、1回撃ったと思えるたびに船が吹き飛んでいます。あの大砲による物かと」

「ワイバーン隊に応援要請。敵主力と交戦中」

「ワイバーン隊本部より入電。全力出撃する」

 

 

40隻沈めると、別の船が現れて繰り返す。

「あれだけの魔導連射は利かないようだな」

 

ワイバーン隊350騎が現れる時間になると魔導船の後方から白い煙をふいてなにかがワイバーン隊が来る方向に向かっていく。魔導船の反対側の船団の端では爆発するたびににワイバーンや人だった物が降り注ぎ混乱が広がっていく。ワイバーンが無事だった物も騎士がいなくなり生きのこったワイバーンはバラバラに逃げていく。

 

船団から離れていた船らが「砲撃」を始める。一発につき1騎ワイバーンが仕留められていく。船団を横断し終えた頃には3騎まで減っていた。

砲撃が止む。

「仲間たちの恨みはらさせてもらう」

ブレスをあてようとすると、ブーンと音がしてバラバラになる。

それが3回。

ワイバーン隊は消滅した。

 

「ザイル、何が起きたんだ」

「シャクーン将軍。ワイバーン隊が全滅したのかと」

「そんなばかな」

「ワイバーンのような物、高速で船団上空に接近中」

「ような物とは何だ」

「羽ばたいてないのに飛んでいるんです。将軍」

「上空で何かを切り離しました」

「途中でバラバラになって、当たった船が爆発しています」

密集体制だった船団中央部は壊滅的損害を受けていた

「魔導船再び接近。今度は8隻です」

船団の端から爆発して沈んでいく。連絡網が混乱しているが、既に5割は沈められただろうか。

「これ以上進んでも消滅させられるだけだ。責は私にある撤退を」

マストに撤退旗を掲げるとともに。混乱している魔導通信で撤退を命じる

 

シャクーンの乗る船が爆発して放り投げ出された。

ザイルとかが沈んでいく。

 

少し時間は遡る

 

「ブルーアイさんそろそろ会敵ですのでCICにいらしてください」

 

「『かつらぎ』からヘリが出てクワ・トイネ語で引き返すように伝えるも反応なし」

「『きりしま』が出て再び警告するもバリスタを撃ってきました」

「警告への反応なしと認める」

「砲撃許可」

「きりしま威嚇射撃」

「反応無し」

「きりしま砲撃開始」

1発撃つごとに点が1つづつ消える。

ブルーアイは一つ消えるごとに何人死ぬんだろうとぼんやりと考える。

 

「対空反応ありです」

「ワイバーンとかいうのが来たのかな」

「数は350」

「下手に手加減はできんな。ESSMで迎撃後、艦砲射撃で落とすぞ」

「VLSよりESSM発射中」

「逃げ出しているのも結構いますね」

「直撃は落ちてますが、近接信管作動と思われるのはバラバラに逃げてます」

「艦砲の範囲内に入りました」

「射撃開始」

「さすがに127mm当たると消滅してますね」

「みょうこうに3騎ほど突破して接近。CIWS作動。撃墜」

「逃げた物を除き、撃墜完了」

 

 

 

 

「初計画通りに1隻づつ3kmまで出て、即応弾損耗まで射撃。損耗後は10㎞離れて補充」

「『かつらぎ』にクラスター弾での爆撃要請。さすがに数が多い」

 

 

 

「かつらぎ隊爆撃。船団中央に大穴があいたようです、5割程度まで減りました」

 

 

 

 

「全艦で砲撃再開」

 

「敵に動き、あ、ありました引き上げ始めました」

「救助せずに引き上げか。命が安いな。ボート出して救える限り救助を」

 

 

ワイバーン隊本陣

ワイバーン隊が帰還しない。

正確には数騎帰ってきたが竜騎士が乗っていない。背中には竜騎士だったであろう血と肉の塊がこびりついてる。ワイバーンがおびえてそれを確認するのも大事だったのだ。

 

 

「船団に連絡を」

「混乱しているようで、安定して通信ができません」

「シャクーン将軍の船が沈没したようです」

「副将より連絡。ワイバーン隊全滅。船団も5割以上消滅 

シャクーン将軍撤退命令の後戦死」

 

沈黙が場を支配する

 

「本隊のエアカバーがない。先遣隊より半数のワイバーンを呼び戻せ」

「わかりました」

「我々はなにと戦っているんだ?」

 

 

クワ・トイネ公国の観戦武官ブルーアイは、CICでのやりとりに正直実感が無かった。

点が消えるごとに人が死んでいるのは理屈ではわかっていたが

救助された者を見ると恐怖がわいてくる 

海戦を決めるのは切り込みだと思っていたが、そうではないことを理解する。

 

パーパルディア皇国の観戦武官ヴァルハルは震えていた。運よく撃沈されなかった。

ロウリアの艦隊が切り込みとバリスタという手段で、どのようにクワ・トイネ公国を消滅させるか、記録することが彼の任務だった。

100発100中の大砲って何の冗談なのだろう。海の上での大砲は基本当たらない物だ

 

それをカバーするためパーパルディア皇国も100門級のフェルナンデス級を配備している

これは伝えないと大変なことになると報告書をまとめ始めるのであった。

 




ワイバーンの堅さに補正が入っています
近接信管で竜は落ちないよね
非装甲物の竜騎士はバラバラになるだろうけど



2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/07 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入


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蠢動

海戦の結果は隠蔽された。引き返した船団が港に係留している夜間に攻撃を受けて全滅したことを含めて。

 

中央歴1639年6月19日

 

 

ホーク騎士団の所属するロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊では衝撃が走っていた。

 威力偵察に出たホーク騎士団第15騎馬隊の約100名が、ギムの東方で消息を絶った。エルフの集団を発見したので突入するという連絡を最後に。エルフの集団はそれほど強いわけではない。なぜ一人も戻らず連絡も無いのか?

「何かおかしいとは思わないか?我々は、本当にクワトイネの亜人と戦っているのだろうか、導師ワッシューナよ、どう思う?意見をもらいたい」

「騎士団が壊滅するような魔導が使われたのであればここでもさすがに判ります。原因不明としかわかりません。竜騎士で消息をたったあたりを捜索させていますがこれといった報告はありません。導師仲間で連絡用の掲示板を開いているのですが、海軍に同行した先輩から気になる書き込みが」

「なんだ」

「仲間内だから話せるだけ話すとの前置きで、船団が壊滅したというのです。応援に来たワイバーンとともに」

「荒唐無稽とは思っていましたが、先頃ワイバーン本陣から半数を戻すよう指示があり、船団はともかくワイバーン本隊に何かあったのではと」

 

「本体に残留していたワイバーンは350騎 それが全滅すると」

「細かいことを聞こうとすると、信じられないことばかりで混乱している 箝口令も出てるし待ってほしいと」

 

「ホーク騎士団の連絡のたったあたりに出していたワイバーンが帰還しました」

「報告を」

「地面が焼け焦げたあたりに 鎧や人馬の破片が散らばっていたそうです」

「そうです?」

「偵察に行った人間は帰るなり吐き、報告を一言とした後、意識を失いました」

「そのような魔導が使われたのであれば気がつかないはずがない」

「意識が戻ったら詳細な報告をさせるように」

 

ロウリア王国東部諸侯団クワ・トイネ先遣隊の将たちを悩ませる事態があと一つある。本隊からの指令書、指令主は主将名だが、問い合わせは恐怖の副将アデムである。

 

指令書にはこうある。

 

「城塞都市エジェイの西側3km先まで兵を集めよ。そこで、本隊合流まで待て」

 

ジューンフィルアは、指令書を読んで、ますます胃が痛くなる。

 

城塞都市エジェイ、これまでの街や村と違い、クワ・トイネ公国がその生存を賭け、来るべき対ロウリア王国戦のために作り出した要塞である。ギムとは防御力の次元がちがう。

 

城塞都市エジェイはギムから東に約50kmだが偵察隊が全連絡を絶ったのは、現在地から東に約20km行った場所である。

つまり、エジェイへ行くための途中で騎馬隊を全滅させるほど強力な敵がいる。

 

しかし、アデムの指令に逆らったら、自分が死ぬのはもちろんのこと、家族も恐らく惨たらしい死を遂げる事になるだろう。それだけは避けなければならない。

 

ロウリア王国東部諸侯団クワ・トイネ先遣隊約2万名の兵は、東へ兵を進め始めた。

ロウリア王国軍本位38万は国境に向かっていた。

 

 

中央歴1639年6月30日

 

城塞都市エジェイ

 

 

 城塞都市エジェイには、クワ・トイネ公国軍西部方面師団約3万人が駐屯しており、クワ・トイネの主力と言ってよかった。

 

 内訳は、ワイバーン50騎、騎兵3000人、弓兵7千人、歩兵2万人という大部隊である。

現在ロウリアに近づいてるのは2万将軍ノウは今回のロウリアの進攻をこの城塞都市エジェイで跳ね返せると思っていた。

城塞都市とは守る側が圧倒的に優位なのである。

 まさに鉄壁、まさに完璧、すくなくとも今来ているロウリア軍であれば被害無く追い返せると思っていた

 

 「ノウ将軍、日本国陸上自衛隊の方々が来られました。」

 

 政府から協力するよう言われているため協力しているが、彼は正直自国にのり込んで来た日本軍が気に入らなかった。

 

信じてはいないが、ロウリアの4400隻の船の進行も、たった10隻でくいとめたという。

 

 しかし、陸戦は何といっても、数がものをいう。今回、日本が送り込んで来たのは、陸上自衛隊第18旅団かいう、3千名弱の兵力だ。

 

 奴らはエジェイの東側約5kmのところに基地を作って駐屯している。

巨大な鉄竜が走り回り何か平らな物を作ろうとしているようだ。

 

 政府が許可を与えたらしいが、国土に他国の軍がいるのは良い気分ではない。

 

 3千名という数も、伝え聞いている日本の人口1億5千万人という人口からすると、巨大な鉄竜がたくさんいるらしいがずいぶんやる気の無い兵力だ。

 

コンコン

 

「日本の方が見えました」

「お通ししろ」

 

「始めましてノウ将軍。陸上自衛隊、クワ・トイネ派遣18旅団長、渡辺2将です」

自分の着ている気品のある服とは違い、一般兵と変わらぬ服を着た人物、こやつが今回の日本の派遣軍の将軍というのが、ノウには信じられなかった。

 

 

「これはこれは、良くおいで下さいました。私はクワトイネ公国西部方面師団将軍ノウといいます。このたびは、援軍ありがとうございます。感謝いたします」

 

 

 まずは社交辞令から入る

 

 

「日本の旅団長殿、ロウリア軍はギムを落とし、まもなくこちらエジェイへ向かって来るでしょう。しかし、見てお解かりと思うが、エジェイは鉄壁の城塞都市、これを抜く事はいかに大軍をもってしても無理でしょう」

 ノウは続ける

「我が国は侵略され、ロウリアに一矢報いようと国の存亡をかけ、立ち向かおうと思います」

「日本の方々は、東側5kmの位置にある、あなた方が作った基地から出ることなく、後方支援をしていただきたい。ロウリアは我々が退けます」

 

 

 ノウは(邪魔者はひっこんでいろ)という意味を込め、このような発言を行った。

「解りました。我々は基地から後方支援を行います。ただ、お願いがあるのですが・・。」

「なんでしょうか」

「敵の位置、戦局を伝える必要があるので、連絡要員と機材を50名ほどエジェイに置かせてもらえませんか?」

「わかりました」

「しかし将軍とは思えない服装ですな」と挑発する

答えは思いもかけない物だった

「一般兵と違うと一目で目につくようでは狙われてしまい指揮系統に支障を来しますから」

「なっ・・・・」

「それでは失礼します」

 

将らしくないのも、まぁからくりがあって本来の階級は1佐なのだが、複数の大隊 空自・海自との連携クワ・トイネから舐められないために野戦任官してるのだ。

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/07 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/11 師団長->旅団長
2020/04/14 待ち->街


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ロウリア王国の終焉

火炎王の宴と文字数バランスが悪いんでくっつけちゃった


中央歴1639年6月30日

 

陸自基地

「司令おかえりなさい」

「ずいぶん偉そうな人でしたね。司令」

「そらそうだろう。方面軍の指揮者何だからプライドもあるだろうし、他国の兵がいるのも面白くないだろう」

「統幕から最新の偵察結果来てますよ」

「どんな状態か?」

「先遣隊がそろそれエイジェイの視界に入るかと」

 

ロウリア王国東部諸侯団クワトイネ先遣隊約2万の兵は、特に障害を受ける事なく、城塞都市エジェイの西側約5kmの位置まで進軍した。いやな予感がする。彼らはこの場所で1週間とどまる事を決めた。

 

 

中央歴1639年7月2日

 

 

ノウはあせっていた。敵兵2万が、エジェイから西側5kmの位置に布陣している。

 

ロウリアの兵力からすれば明らかに先遣隊であり、こちらから撃って出ると、ロウリア軍本隊が到着する前に、戦力をすり減らしてしまう。攻めてくれればまだしもやりようがあるのだが、問題は敵騎兵が城の外で怒声をあげ、去っていく事をくり返している。本格的進攻かどうかの判断がつかず、兵が神経をすり減らす。

 

このままでは、敵本隊が着くころには、兵はヘトヘトになってしまう恐れがあった。

伝令兵が駆け寄ってくる。

 

 

「日本軍から連絡が入りました」

「読め!」

「はっっ!エジェイ西側5km付近に布陣する軍は、ロウリア軍で間違いないか?ロウリアであるなら、支援攻撃を行ってよろしいか?又、攻撃にクワ・トイネ兵を巻き込んではいけないため、ロウリア軍から半径2km以内にクワ・トイネ軍はいないか確認したいとの事であります」

「基地から出るなと言っているのに・・・。まあ良い。日本軍がどんな戦いをするか、高みの見物をするとするか・・・。許可する旨伝えろ!」

「はっ!!」

 

自衛隊基地 砲兵陣地

「弾道分析して打ち返すやつもいないから、陣地転換は要らないんだが教本通りやるか」

「攻撃許可来ました」

「向こうからこっちに届く攻撃はワイバーン位だが、空自のF15が上空で戦闘哨戒中だ。準備が整い次第始めろ」

「観測ヘリ上がります」

 

ロウリア軍陣地

「あそこに飛んでるのは何だ」

「わかりません」

「ワイバーン隊で落としてしまえ」

次々ワイバーンが離陸すると、光の矢が突き刺さって爆散したり竜騎士が吹っ飛んでワイバーンが逃げていく。

「な 何が起きている」

「わかりません。ワイバーン隊消滅」

 

「陣地前方で爆発」

 

ヘリ

「あと100m 左右問題なし 効力射開始」

 

ロウリア軍陣地で巨大な爆発が続く。半径100mの範囲の兵が次々倒れていくのだ。

 

 クワトイネの将軍、城から遠見の魔法で見ていたノウは、その光景が信じられなかった。

「なんだ?これは・・・?」

爆散し、煙に包まれる敵、次々と大爆発し、敵がなぎ倒される。

敵は錬度も高く、隊列も極めて整っていた。整然と整列していた敵の姿が掻き消える。文字どおり消滅する。小さな範囲で爆発が起こるのではない。広く、広大な範囲で展開していた敵が!強敵が・・・己の人生をかけ、長い時間をかけ、鍛えあげてきたであろう武技を発揮する事無く、一方的に虫のように殺される。そこに、華やかな戦いや騎士道は無く、ただただ効率的に殺処分される敵の姿だった。

 

ロウリア軍陣地

ジューンフィルアは効率的に殺処分される大量の部下を見て絶望していた。

気を失った竜騎士はこれをみたのだなと悟る

すべてが・・・虚しくなるほど、泣きたくなるほど、あまりにもあっさり死ぬ。

死神は、だれひとり逃がそうとはしなかっった

衝撃とともに、自分の体がバラバラになって飛んでいく姿、それが彼の人生最後の記憶になった。

 

観測ヘリ

「動くもの無し。効力射終了」

 

 

空自F15

観測ヘリを守るために、後方のE767の指示に従って攻撃を加え全滅させた。ミサイルがほぼ射耗したので前線基地に着陸する。

燃料の補給施設はないので、整備員がミサイルをつけていく。ロウリア軍本体がギムを出るまで基本的に仕事はない。

小隊単位で戦闘哨戒しつつ空中給油機から燃料を受け取って交代で地上で休むのだ。

 

陸自司令部

「訓練にしかならなかったな」

「全滅させておいてそれはひどいですよ。司令」

「まぁそうなんだが。この後どうするのかな」

「統幕の方でなんか考えてるみたいで、1600通信結んで会議やりたいそうです」

「参加は?」

「相手が多いですから、陸海空全部」

「うへー、気を遣う会議になりそうだ」

「資料は1530までに送るそうです」

「一休みするか」

「いや、指令たくさん弾使ったんで、事務処理がいっぱい」

「あー いやだ」

「司令の決裁ないと補給の申請もできないじゃないですか」

「んー砲兵隊のほうには、弾以外に交換必要な物ないか確認入れておくように。それ終わってからまとめてやる」

「通知します」

「俺は一休みする」

 

1530陸自司令部

「いくら敵さんが多いからって、派手なこと考えたなー。防衛の主役はクワ・トイネ軍だぞ」

「30万から40万いますからかなり減らさないと主役に出てもらうわけにも行かないでしょ」

「だからって、空自・海自混成部隊で燃料気化爆弾で殲滅かけるのか」

「色々こっちにも要求有るようですね」

 

「通信会議を始めます。出席者確認」

「・・・

「出席者の確認とれました」

「お手元に資料は既に届いてるとは思いますが、ロウリア軍主力を燃料気化爆弾で殲滅し、クワ・イトネ軍より規模を削ったところでクワ・イトネ軍に出てもらい、ギムを奪還します。」

「そもそも殲滅してしまって良いのかい? 貴重なロウリアの労働者層だろ」

「エルフ・ドワーフを殲滅すべき対象と教え込まれている層には消えていたほうが 後の統治がやりやすいかと」

「統治ってどうするんだい」

「クワ・トイネとの交渉次第ですが,ロウリアを併合してもらってしまおうかと。軍人という非生産人口を数十万規模で維持できる食料生産能力は魅力です」

「意図は了解した。で、何で燃料気化爆なんだい?クラスター爆弾や、 60ポンド爆弾でもいいではないか」

「最大の理由は在庫調整です。クラスター爆弾は船団攻撃に使ってしまい残量が不足しています。60ポンド爆弾はそんなに使わないので在庫があまりありませんし、第一、4発をひとまとめにしてぶら下げるんですが、そのアダプターが圧倒的に不足しています。

もう一つは満州防衛用にため込んでいた燃料気化爆弾の消費期限が来るので使ってしまいたいです。使用しないで解体に回すと費用がかさみますので」

「気化爆弾で殲滅できなかった分はどうするんだ」

「それは 不足気味ですが60ポンド爆弾で個別に撃破かと」

「現地だが、前線滑走路に全機着陸とあるが」

「本土まで戻るには空中給油が必要なのですが、今回用意する機数に給油できるほどの給油機がないので、三々五々もどってもらおうかと」

「そんな機数を駐機できる場所はないぞ」

「まだ クワ・トイネ政府との交渉から始まりますのでその間に拡張をお願いします」

「いつ頃を考えてるのか」

「ロウリア軍主力はまだロウリア国内にあり国境を越えるには10日ほどかかるかと」

「外務省との調整は」

「取り得るオプションとして提示します」

「乙案として主力を無視してへりボーンを実施とあるが、甲案でもおなじだな」

「そうです」

「使用するへりは本土より、強襲揚陸艦で給油中継して派遣します」

「現地だが、拡張に必要な資材や機材は送ってもらえるのか」

「最優先で輸送します」

 

 

中央歴1639年7月3日

 

クワ・トイネ公国政治部会

「・・・・以上が日本軍と、ロウリア軍のエジェイ西方の戦いの報告になります」

「では、誰も日本がどうやって高威力爆裂魔法を使用したか、見ていないのか?」

「はい、報告書のとおり、日本は駐屯地から攻撃を行ったとの事であります」

「何を言っている!日本の駐屯地からで、13kmは離れているのだぞ!!13kmも!そんな魔法は古代魔法帝国の御伽噺でしか聞いたことが無いわ!!」

場がざわつく。

 手を挙げて、首相カナタが会場を静まらせる。

「日本側から手元の資料の通り提案が来ている

甲) 主力がギムを出た後 鉄竜を使った高爆裂魔法で殲滅。その後鉄竜で首都へ行って首脳部を捕縛

乙) 主力を無視して首都を急襲。首脳部を捕縛

どらも首脳部を捕縛した後はクワ・トイネの占領下におくというものだ」

「ほんとにできるのか」

「後のことを考えれば甲の方が良いが、ほんとにできるのか」

「やらせてみても損はないんじゃないかな」

全会一致で甲案を支持することとなった。

 

 

エイジェイ駐留機械化歩兵大隊

「まったく訓練以外で戦車ドーザーやる羽目になるとは思わなかった」

「施設科もここまで大規模になるとは思ってなかっただろうな」

「300機から駐機できる場所作れなんて」

「応援も順次来てますしなんとかなるんじゃ」

「まぁ ロウリア軍の動き次第だな」

 

中央歴1639年7月5日

 

ロウリア軍本陣

「先遣隊が連絡を絶って2日になるのに何も判らんとは何事だ」

「飛龍12騎を向かわせましたが、すべて連絡を絶ちました。火炎弾が追いかけてくるというのが唯一の通信です」

「飛龍が駄目ならと騎馬で偵察させています」

 

 

「先遣隊が全滅?」

「はい。先ほど騎馬偵察隊の者がもどりました」

「どんなだったのだ」

「土を耕したようの中に人の破片や鎧の破片が散らばっていたそうです 鎧の破片の中に東方派遣軍の印がついた物があったとか」

「高爆裂魔法が使える魔道士でもいるのか?近づかせなければ良いな 警戒を厳重にして進撃を再開する」

 

中央歴1639年7月8日

 

陸自現地司令部

「司令、ロウリア軍のワイバーン落としてから5日ほど動きが止まりましたね」

「先遣隊と連絡が取れなければ慎重にもなるさ。準備の方はどうだ」

「止まってくれたおかげでなんとか。駐機場はできました。追加攻撃用の60ポンド爆弾とヘリに使う燃料を輸送中です」

「ロウリア軍がギムの町に入るまで4日程度かと」

「ギムの町でどれだけとどまるか次第だが準備は間に合いそうだな」

 

 

中央歴1639年7月18日

 

 

那覇空港は喧噪状態だった。海自の8個飛行隊と空自の4個飛行隊が集結してるのだ

海自の8個と空自の3個飛行隊が爆撃任務 空自の1個飛行隊が制空任務だ

現地に既に展開している空自の1個飛行隊と合わせれば250機近い

ほぼ全力出撃と言って良い。

30万から40万というちょっとした都市一個分の人数が相手である。気は抜けない。ロウリア軍主力がギムの町を出て1日頃合いである

 

 

ロウリア軍本隊

上空哨戒を行っていたワイバーンが爆散する。

何かの接近に気がついて避けた者も騎士がバラバラになってワイバーンが逃げ出す。密集隊形で移動していただけに、ワイバーンのような物が落とした物に直撃されてて倒れる者が出たがそれだけだった。

「ん 敵は何がしたかったのだ?」

副将アデムが首をかしげた途端意識が途絶えた。

 

 

 

エイジェイ

将軍ノウ

ギムの町の方から建物を震わす爆発音がした。

「何が起きた」

「ギムの町の方で炎が立ち上がっています」

報告を受け、城を駆け上がりギムの町の方角を見ると、天に届く炎が上がっていた

炎に向かって強風が吹き始める。

政治部会からの指示を思い出す。

・鉄竜を使用した大規模殲滅魔法を日本が使う。 

・日本の地上部隊と協力してギムを奪還せよ。

 

「出撃!」

ギムの町に向かって進むも生きている敵は居なかった。

ノウは一人敗北感をかみしめていた。

ギムの町では少数の警備兵がいたが追い払い、被害の確認を始めたがエルフやドワーフそして混血の者は誰一人生き残っていなかった。

知人たちを売った者が居るとしか思えないので捜査を始めるのだった。

 

 

中央歴1639年7月28日

 

ロウリア王国の終焉

 

 

 

 ロウリア王国首都 ジン・ハーク ハーク城

ギムの町が奪還されたとの早馬が来て8日。空には箱形の鉄竜が乱舞し、武器を持つ者は次々と射貫かれてバラバラになって絶命している。

ギムの町からは鉄製の地竜が来て、抵抗する者を魔導の光で射貫いていた

 

6年もの歳月をかけ、列強の支援と、服従と言っていいほどの屈辱的なまでの条件を飲み、ようやく実現したロデニウス大陸統一軍、念には念を入れ、石橋を叩いて渡るかのごとく軍事力に差をつけた。重税で国民が疲弊しようとも統一までだと言い聞かせた。圧倒的勝利で勝つはずだった。

 これが、日本とかいうデタラメな強さを持つ国の参戦により、保有している軍事力のほとんどを失った。

「タタタ」「タタタ」と音がするたびに悲鳴が聞こえだんだんと近づいてくる

「ダン」と謁見の間の扉が吹き飛ぶと数人のまだら服の男たちがなだれ込んできた

指揮官らしき男が

「ハーク・ロウリア王ですかな」

「ちが・・」

「影武者か。ころ・・」

「本物だ。殺さないでくれ」

「素直に認めれば良い物を」

まだら服の者はドアの方へ「居たぞ」と声をかける

青い服を着た数人の男が現れ、あなたにはギムの町での殺戮を指示した容疑で逮捕状が出ています」見ても判らない書類を示された後、後ろ手に手錠をかけられた。

王城にはクワ・トイネの旗が上り、抵抗していた者もそれを見て投降するのであった。

 

 




気化爆弾投下本体が落としてるのは割れやすいガスボンベみたいな物で爆発範囲の広く空気と比重があまり変わらないアセチレンベースに数種の液化ガスを混ぜた物です。適当に広がった頃を狙って点火弾を落としてます。
効果について
爆発もソフトターゲットなので有効ですが一番は酸素を使っちゃうことによる窒息死です。

2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/07 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/25 誤字修正


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戦後処理

戦後処理です


中央歴1639年9月20日

 

占領地の治安回復は急務とは言え、クワ・トイネ日本大使館の田中は困惑していた。

 首相のカナタから

 ・自衛隊の恒久基地をおいてほしい。

 ・ロウリア方面の治安回復に協力してほしい。

という申し入れがあった。

他国に攻めたら中立、攻められたら自動参戦ということでまとまって事務官らが文言の最終調整を行っているのに、新たな負担の増加は避けたい。

本国の人手不足は深刻でロウリア侵攻軍結成のため即応予備自衛官を一部招集しただけで経済界から大クレームになったのだ。

 恒久基地は海自の補給港くらいなら良いかとも思っているが、問題は治安回復への協力である。それなりに部隊を展開すると言うことは頭数が要るのだ。それは正直できない。

 

首相府にでかけ要請の理由を聞き出す。

一つは敗残兵が武器を持ったまま野盗と化しているので取り締まりたいがクワ・トイネの部隊だと練度不足、武器の違いで逃げられるらしいのだ。

もう一つはミサイルが直撃せず竜騎士だけが倒されたワイバーンが野良ワイバーンとなって人を襲っているという。

クワ・トイネのワイバーン隊も壊滅しており再建には時間がかかりそうだ。

人の味を覚えたワイバーンは駆除しないと被害が出続けるから事態は深刻だ。

 

 

ここでカナタ首相と面談する。

社交辞令の後本論に入るのだが 部隊を常駐させてほしいという話がうまく折り合わない。

それではせめて武器の供与を求められたが戻れる可能性があるので武器の供与は設計元との契約が自国用途に限る契約なので供与はできない。

 

 一旦会談を終了し大使館に戻りで八方塞がりだなーと 考えていると先日新聞で読んだ人手不足による経営不振が思い起こされる。

民間軍事会社が人手不足で倒産の危機だというのだ。

民間軍事会社の所属は日本。日本の会社が武器を使う分には問題が無いのではと思いつく。それをクワ・トイネが雇い警備に回すだ。

法務省にこのアイディアの照会をかける。

かなり黒いが言い逃れできない範囲ではないし、民間軍事会社への供与装備ということで威力に制限もかけられるとのこと。

クワ・トイネの現役軍人以外を雇って訓練をして警備任務に就けるのだ

これで日本からの持ち出しは武器だけになる。

渡す装備も考えた。

対人には機関短銃。

対ワイバーンには設計だけ買ってあったNTW-20南アフリカ共和国アエロテクCSIR社のボルトアクション対物ライフルを渡すことにした。

 

この案を持って首相と会談したところ歓迎してくれた。

日本が人が足りなくて渋っていたのは判っていたのだ。

弾の供給は日本が握るので乱用されるのは防げるだろう。

これで協定と契約が結ばれ。

クワ・トイネの退役した元軍人が訓練を受け半年後に戻ったあたりから治安は改善に向かうのであった。

 

 

ロウリアの民は屈強な軍を支えるため重税にあえいでいた。

農地も疲弊し生産高も減少傾向にある。クワ・トイネに占領されたことにエルフやドワーフから復讐を受けるのではと心配する向きもあったが、

派遣された人員はホモサピエンスが中心でロウリア側も安堵した。

また、税率を当面クワ・トイネ本国より軽減し、日本の技術支援で立ち直るのであった。

クワ・トイネとしても最低1000万トン 3年で3000万トンの枠にロウリアでの生産分を混ぜられて開発が楽になった。

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/11 居る->要る 日本の会社武器が使う分->日本の会社が武器を使う分
2020/02/25 誤字修正


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外交官

外交官が保護される仕組みが居るよね
グラ・パスカルはその辺を知らなかったと


少し時間は遡る

 

西暦 2019年2月5日

中央歴1639年2月5日

 

 

外務省 新世界局 定期部長会議

「ロデニウス大陸部は欠席か」

「大騒ぎの真最中ですし」

「議事録だけ回しておこう」

「それでは、今後の外交方針について議論を行います。企画課より

ロデニウス大陸については伊豆諸島転移の調査で既に接触してましたので先行しましたが他国の接触方法について議論を行いたいと思います、ある程度 重要な国に関してはこちらから接触を行い、その他については手が回らないので、向こうからの接触を待つ方向で行きたいと思います」

「重要な国とは?」

「まずは資源の調達先になる国・・・

次に交易の相手になりそうな国・・・

最後は近隣諸国です」

「近隣諸国の方が先ではないか」

「近隣諸国の中にパーパルディア皇国というのがあるのですが、侵略戦争を繰り返し領土を広げているようなのです。この世界で資源が安定的に入手できるようになってから接触したいので、後回しにしています」

「ではどこから?」

「中央世界 『第1文明圏 神聖ミリシアル帝国』『第2文明圏のムー』 でしょうか」

「揚陸艦で訪ねるのかね」

「どちらも港は数万トンクラスの船が入れるよう整備されているようです」

「護衛隊に補給艦つけて派遣を防衛省に要請するのか」

 「そうなります。海上保安庁の船で行くのは治安的に不安が残ります」

「最近名前を聞く、クラ・バルカス帝国とかはどうするんだ」

「第2文明圏すべてに戦線布告したそうです。戦争を仕掛ける国とはパーパルディアと一緒で後にしたいですね」

「組織もこちらの国々の分類に併せて変更が要りそうです」

「組織をいじるとは」

「文明圏という概念が有り、その下に列強・文明国・非文明国となっているのでそれに合わせる必要があるかと」

「これから検討を始めるとしても 早くても再来年の定期人事になるな」

「まぁ、そうですね。素案は企画課で作成しますので部長会議でもんでいただければと」

「人事部とは話をしたのかい」

「局長。今回が初めてです。まずは必要性の説明からと」

「局そのものの変更にもなるかもしれんな。局長会議にかけたいので資料を用意するように」

 

 

 

 

「局長、神聖ミリシアル帝国とムーと接触しましたが、多数の国が存在するため神聖ミリシアル帝国に申請することによって外交官として地位の保全をする慣習法があるようです」

「どんな内容だい」

「神聖ミリシアル帝国の外交部に保証金を納めどの国の外交官にあてるか申請すると審査の後保証書が発行されるようです。これを持っている者は外交官として命の保全をうけるそうです。受け入れられない場合は追放が最大の措置だそうで」

「ウィーン条約と似てるな」

「まぁ、やりたいことは一緒ですから似てくるのかと。神聖ミリシアル帝国が保証する点だけが違うのかなと思いますね」

「それでは申請する人選を」

「あ、保証書の発行は各相手国あたり2名までだそうです」

「どっちにしても大臣決裁だ。準備するように」

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入


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フェン国軍祭

あれー なんであっさり殲滅する流れになったんだ


西暦 2019年9月19日

中央歴1639年9月19日

 

「今日も今日とて外務省のお使いか」

「司令、大型艦が入れるような港持ってる国の方が少ないから 揚陸艦で来るしかないですね」

「外交官を小型艇で外洋に出すわけ行かないからわかっちゃ居るんだがこれだけの大型艦で来ると威嚇にならないか心配になる」

「それもあって 直衛艦のふゆつきだけつれて第12護衛隊は視界の外に居てもらっていますし」

「艦長。揚陸艇から帰還すると連絡がありました」

「ドックの口開けるように」

 

 

「おかえりなさい。島田さん、会談はどうでした?」

「堀谷司令、外交関係を結んでも良いけど結ぶに値する力を持つか示せと」

「はぁ、ガハラ神国で聞いたとおり、武を貴ぶですな」

「とりあえず本省に報告して判断を仰ぎます」

 

 

「指令、統幕からは協力しろと来ましたよ」

「本省からもやるように降りてきました」

「島田さん、武を示すってどうして欲しいとの要望はあったのか」

「堀谷指令、来週 5年に一度のフェン王国主催の軍祭があるから そこで用意する標的を破壊して欲しいと」

「首都の目の前で砲撃させるってのは剛毅だね」

「とりあえず『やります』と回答してスケジュール等決めてきます」

「よろしく。艦長、揚陸艇用意」

 

 

 

「日本国の軍船がどのような動きをするのか楽しみだな」

「フェン王、パーパルディアでも当てるために100門の砲をもつとか 大砲が一つだけとはずいぶんいびつな発達をした船ですな」

「もう一隻も小さな砲が2つか」

「揚陸艦とかいうらしいです。陸上部隊を運ぶのが目的とか。今回は外交官を港に届けるのが目的で部隊はつれてきてないとのこと」

「陸上部隊はどのような剣術をつかうのであろうな」

「楽しみですな」

 

 

 

中央歴1639年9月25日

 

上空をガハラ神国の風竜が飛び 各会場では各国の武官らが優劣を置き沿い合っている

ガハラ神国の風竜とスサノウの間ではこんな会話

「まぶしいな」

「今日は天気も良いしな」

「そうではない、下に居る2隻の船が人には見えない光を使って周囲を探ってるのだ」

「どれくらい見えるのかい」

「個体差がある。わしは120kmほど見えるが下の船はもっと鋭く強い光を出している 沖合いにいる4隻もだな」

「日本国とやらの船だな。そんなにすごいのか」

「ああ、すごいな」

 

くらまCIC 

上空の竜から原始的なレーダー波を感知し他にも使っている国の可能性が出たので騒ぎになっていた。

後日報告書が上がり、空自がF/A18EJとF15XJへの更改を始めたばかりのことも有り、情報金庫のF35をあけるかどうか議論になるのであった。

 

日本の順番が来た。

剣王シハンが観覧席に着く。

先週から港に居る船のうち小さい方が動き出す。とはいえ城が動いているようだ。沖合いにフェン国の廃船4隻が浮かべてある。

タンと音がすると沖合いの標的が吹き飛ぶ。

都合4回。

 

フェン王国の中枢は、自分たちの攻撃概念とかけ離れた威力を目の当たりにし、唖然としていた。

 

4回の砲撃で、4隻をあっさり沈める。しかも、とてつもない速さの連続攻撃で沈めた。列強パーパルディア皇国でも、そんな芸当は出来ない事をここにいる誰もが理解している。

 

 

「すぐにでも、日本と国交を開設する準備に採りかかろう、不可侵条約はもちろん、出来れば安全保障条約も取り付けたいな・・・。」

 

くらまCIC

西から20機ほどの機影が探知される

「フェン王国に確認。西から来る予定の客はいるか」

 

「予定はないとの回答」

「厭な予感がするな。ファランクス使えるようにしておけ」

 

ワイバーンロード部隊

風竜が皇国ワイバーンロードを見ると、ワイバーンロードは、不良に睨まれた気の弱い男のように、風竜から目を逸らす。

「ガハラの民には、構うな。フェン王城と、そうだな・・・あの大きな船に攻撃を加えろ!!」

 ワイバーンロードは上空で散開した。

飛行体10機急降下してきます

「ふゆつきピケット位置に移動」

「ワッチから報告。火球形成しながら急降下 攻撃行動」

「防御行動許可」

「ふゆつき 主砲 ファランクス射撃開始」

「当艦もファランクス射撃中」

「敵3機火球発射」

「甲板に着弾。燃えてます。消火班急げ」

「ふゆつき。王城側の部隊にESSM発射」

「敵殲滅」

 

「燃焼物が燃え尽きて鎮火」

「被害報告」

「甲板の耐熱コンクリートに変成 応急処置では無理です」

 

 

剣王シハン及びその側近たちは、開いた口が塞がらなかった。

ワイバーンロードは、間違いなくパーパルディア皇国のものだろう。

文明圏外の国で、1騎でもワイバーンロードを落とすことが出来れば、国として世界に誇れる。それを日本は各国武官の前であっさりたたき落とした。

間違いなく領土割譲を断ったことに対する報復であろう。

日本をこの紛争に巻き込めたのは、天運ではなかろうか・・・。

 

 

『すごいものだな・・・あの船は・・・』

 風竜は感嘆の声をあげる。

『あの船から、トカゲどもに、人間にとっては不可視の光を浴びせ、船の砲はそこから反射する光の方向を向き、トカゲどもの飛行する未来位置に向かって撃っている・・・あの船は、見た目以上の技術の塊だな』

「そ・・・そうなのか?そんなにすごいのか!?」

『古の魔法帝国の伝承にある、対空魔船みたいなものだろう』

「ゲ・・・そんなにすごいのか・・・。帰ったら報告書が大変だな」

上空では、ガハラ神国の風竜騎士団長スサノウと風竜の間で、そんな会話が行われていた。

 

 

パーパルディア皇国、皇国監査軍東洋艦隊

「竜騎士隊との通信が途絶しました」

「いったい何があった・・・。」

 

提督ポクトアールは嘆きたくなった。いやな予感がする・・・。

皇国監査軍東洋艦隊22隻は、フェン王国へ懲罰を加え、今回ワイバーンロードを倒した皇国にたてつく者に対し、各国武官の前で滅するため、風神の涙を使用し、帆をいっぱいに張り、東へ向かった。

 

 

くらまCIC

「第12護衛隊に西より22隻接近中」

「はぐろ前進。警告行動に出ます」

 

パーパルディア皇国、皇国監査軍東洋艦隊

「巨大船接近1kmで併走中」

「巨大船がなまりはひどいですが停船せよと言ってます」

「パーパルディア皇国に停船しろだと 砲撃せよ」

 

 

 

くらまCIC

「砲撃してきました」

 

「反撃許可」

 

パーパルディア皇国、皇国監査軍東洋艦隊

「戦列艦パオス」撃沈

「戦列艦ガリアス」撃沈

「戦列艦マミズ」撃沈

「戦列艦クマシロ」撃沈

ポクトアールは自分の体が中に舞ったところで意識を閉じた

 

 

くらまCIC

「即応弾射耗 20隻撃沈 2隻逃亡」

「下手に返すと面倒だなSSM使用」

「SSM発射」

 

 

「全艦撃沈」

 

「島田さんおかえりなさい」

「堀谷指令、被害は?」

「たいしたことは無いですけど、一応ドック入りですね。護衛隊にもつっかかってきたんで殲滅しておきました」

「思い切りましたね」

「予備命令でてましたから。パーパルディア皇国がつっかかってきたら全力で殴り返せと」

「外務省での分析でもあそこと円満にやってくのは困難と出てましたしね」

「国籍も確認しないで攻撃してくるとは思いませんでしたよ」

「ワイバーンの撃墜は隠せませんけど艦隊については知らぬ存ぜぬで良いでしょうね」

 




15年に1回位 アメリカの戦争に引っ張り出されています
だいたい後始末役


2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入


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ニシノミヤコ陥落

ネタ話になるとあっさりかける


中央歴1639年9月30日

 

パーパルディア皇国 第3外務局

局長のカイオスは困惑していた

フェン王国攻撃に向かわせたワイバーンロート20騎 東洋艦隊22隻と連絡がぷっつり切れたのだ。

他国に忍ばせた者からは信じがたい噂が報告されている「ワイバーンロードが一方的に撃墜された」「落としたのは新興国の日本国というらしい」

艦隊についてはアマノキに着きもしなかったようだ うわさにさえならない。

もし艦隊についても日本国が係わっているのなら大々的に公表するような内容だ。

ワイバーンロードについても各国の武官経由からしか情報が入ってこない。

当事者たる「フェン王国」も「日本国」とやらも沈黙しているのだ。

「日本国について調べろ」

やがて集まってきた情報は信じがたい物だった

・初接触は5年前

・転移現象を確認したので調査に来た

・昨年全土の転移があった

・ロウリアのクワ・トイネ先遣隊2万を3000人で殲滅した

・ロウリアの本軍40万を大規模殲滅魔法で全滅させた

・王都ジン・ハークを鉄竜らで急襲しロウリア王を捕縛した

・ロウリア王国はクワ・トイネの占領下にある

辺境の蛮族にできることではない。しかし皇国に泥を塗った敵がいるのは事実であり、ふざけた敵を殲滅する必要がある。しかし、敵が誰か知らなければ、攻めようが無い。

今回は負けている。皇帝の耳にも入るだろう。どこかの列強がバックについている可能性も高い。信じられる情報を得るため第3外務局は動き出すのであった。

 

 

 

「もうしわけありませんが、今日課長と会う事は出来ません。」

日本国外務省の浅田は、約束したパーパルディア皇国外務局の課長と会議のためやってきたが、窓口で再度足止めをくらう。

「何故ですか?約束したではないですか!!」

「ちょっと込み入った事情が発生いたしまして・・・。申し訳ありませんが、文明圏外の新興国と会議をしている状況ではないのです。予定は未定です。また1ヶ月以上後に連絡を下さい」

この日も重要人物とは面会できなかった。日本国外務省の浅田は、多分うちが原因なんだろうなと通達を思い出しつつ帰るのであった。

入国には気を遣って護衛艦で乗り付けたりせず第3国で商船に乗り換えていたため全く気にとめられていなかった。

フェン王国の軍祭の後、日本は文明圏に属さない国々と、次々と国交を結んでいった。

 今までは、日本から出て行き、調査して国交を申し込んでいたが、フェン沖海戦の後はレトロな船にのって次々とやってくる国が増えた。

 海保・海自・外務省は忙しくなったが、日本と国交を結んだ国は22カ国に増え、通商が始まった。

 

 

 

 

 

某電機メーカーでの会話

「太陽電池の受注がウナギの登りで供給がおいつかん」

「シリコン鉱山有望なとことは通商できそうだそうだが」

「材料が入っても加工が追いつかん」

「第2工場作るのか」

「作りたいんだが建設業界もいっぱいいっぱいで何時になるやら」

「事前に転移をつかんで準備しててこれだもんなぁ」

「いきなり転移だったらどうにもならんぞ」

「人手が足りないから技術管理法も緩和しないと無理だろうな」

「そうだな、一次加工くらいまでは出さざる得ないだろう」

 

 

中央歴1639年11月21日

 

パーパルディア皇国 皇都エストシラント 第1外務局

第3外務局長のカイオスは第1外務局に呼び出されていた。

部屋の中には、第1外務局長エルト、次長ハンス、下位列強担当部長シラン、そして見たことの無い20代後半の美しい女性が1人座っていた。

 カイオスは面々に1礼する。

「皇帝陛下命での、第1外務局からの呼び出しとは・・・。どういった御用件ですかな?」

 

「解らぬのか?身に覚えが無い訳ではなかろう」

 座っていた美しい女性がトゲのある言葉を発す。

「失礼ですが・・・どちら様ですかな?」

カイオスが問う。

外務局監査室のレミールだ」

 外務局監査室、各外務局の不正や国への対応がまずい状況になった場合を考慮し設置された組織であり、同監査室によって監査を行い、場合によっては担当者を処分もしくは同外交案件について、同部署が担当する場合もある。

 なお、エリート集団である外務局を監査するため、監査室の構成員はすべて皇族である。

 つまり、眼前のレミールと名乗る女性は皇族という事になる。

 カイオスはレミールに頭を下げる。

「して、いったい何の事でしょうか」 カイオスはゆっくりと問う。

「日本の件だ。確かに、文明圏外国の担当は第3外務局で間違いは無く、局長はカイオス、お前だ。

皇帝陛下に日本にやられたことを報告していないであろう

 列強たる皇国の担当が、隠蔽を行うとは情けないかぎりだ。カイオスよ」

 カイオスは額に汗を浮かべる。

 レミールは続ける。

「カイオスよ、今後日本との外交は、第3外務局ではなく、第1外務局が行う事とする。

 外務局監査室から私が第1外務局へ出向するという形をとり、今後日本国への外交担当は私が行う事とする」

カイオスは屈辱とともに安堵も感じていた。

負けたのは事実だが、入ってくる情報が荒唐無稽な物ばかりであり、手に余ると感じ始めていたのだ。第一外務局と監査室がババ引いてくれるなら屈辱位安い物である。

 

中央歴1640年1月18日

 

フェン王国ニシノミヤコ

ニシノミヤコには日本人がうろうろするようになっていた。

携帯電話も移動基地局車が出、静止衛星経由で狭いながらもサービスを行っていた。

外務省的には渡航自粛勧告は出しているのだが、SNSで江戸と明治が融合したような町と有名になってしまい、ガハラ神国経由で観光客が来ているのだ。

 

エリア内の携帯が一斉に緊急速報を流す

退避命令だった パーパルディア皇国軍が迫っているという。

エリア内に居た人はニシノミヤコで知った顔を見かけるとアマノキへの待避を伝えながら逃げるのだが、緊急警報非対応端末だったり圏外に出ていた人が取り残されるのであった。

 

日本国政府

「まだ、フェン国と防衛協定は結んでいなかったな」

「いつもの負担割合でもめてます」

「で、今どれくらいフェン王国に入るんだい」

「総理、ニシノミヤコに1000人アマノギに2000人の3000人ほどです。」

「展開してるキャリアには緊急速報出させました」

「避難の足は?」

「日本近海に居た強襲揚陸艦2隻に即応機械化歩兵大隊乗せて出します 帰りに乗っけてきます」

「乗り切れるのかい」

「定員からすると1000人ほど溢れますので、1回では無理ですね その防護にも自衛隊だします」

「外務大臣、フェン王国への通知は」

「大使に訓令を出しました」

「フェン王国特措法の準備を」

 

 

「ニシノミヤコ落ちました」

 

 

「浅田大使から入電 逃げ遅れが50人ほど居たようです。

皇族のレミールが皇帝陛下の名で斬首を命じ殺されたようです」

「確認したのかい」

「魔信とかで中継映像を見させられながら列強のパーパルディアに泥を塗ったのだから当然の処置だ、日本人は殲滅すると断言したそうです」

「こっちの人間は野蛮だね」

「人の命が安すぎますな」

「防衛大臣 対応策の作成を統幕に命じて作成させるように」

「わかりました」

「フェン王国特措法案は無駄になったなパーパルディアへの全力攻撃の内容で。こっちでは舐めた対応をすると余計やけどするようだ」

 

 

 

中央歴1640年1月22日

総理官邸

「首相の記者会見が始まります」

「皆さん、また残念なお知らせです。

こっちの世界に来て1年と少し、もう2回目のお知らせです。

フェン王国のニシノミヤコが昨日陥落しました。

避難警報は出していたのですが、圏外に居た等の理由により逃げ遅れた人たちがでました。

約50名。彼等はパーパルディア皇国軍に捕らえられ、処刑されました。

我が国は 第2次大戦以後自分たちからは手を出さない。手を出されたら思い切り報復することを信条としています。

今回皇国が泥を塗ったと言っているのも、フェン王国の軍祭にいたというだけで国籍も確認せずに火炎弾を撃ってきたワイバーンを打ち落としたことです。

ここにパーパルディア特措法を提出し審議をお願いするとともに

陸海空自衛隊に全力反撃の準備を命じます。」

 

フェン王国首都 アマノキ

 剣王シハンは上機嫌だった。

日本国が対パーパルディア皇国戦を決断したのだ。単独では絶対勝てないと思っていただけに朗報である。全軍に日本軍への協力を指示ずるのであった。

 

 

統合幕僚本部

今回の作戦について幹部を集めて説明会が行われていた

・日本人救出までの時間を稼ぐためニシノミヤコをでた地上部隊に遅滞攻撃をかける 殲滅させられればなお良い

・航空優勢を確保するため最初に空自のF2戦闘攻撃機1個飛行隊で竜母部隊を殲滅し

F15で上空に居るワイバーンを殲滅する 筑紫基地からの戦闘半径内なので給油機はでない戦闘終了まで上空哨戒を交代で行う

E767は後方より情報収集

・コウテ平野にてA10Eの教導部隊により敵地竜の殲滅を行う

30mmバルカン砲が効かない場合 上陸した部隊より90式戦車1個小隊が前進して排除する

・周囲から包み込むようにFH70による砲撃を行い陸上部隊を攻撃する

・第1護衛総隊、第5護衛総隊、第6護衛隊の20隻が敵戦列艦を処理する。うち漏らしは即応弾補充後に追尾して排除

若干の質疑応答はあったが原案で了承された。

 




2020/02/08 日付挿入
2020/02/11 閉会中審査->審議 1/22なら通常国会が召集されてますね
2020/02/25 クワ・イネト->クワ・トイネ
2020/02/26 強襲揚陸艦に乗りきれない説明を追加


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フェン王国の戦い

中央歴1640年1月29日朝

筑紫基地をE767が護衛のF15をつれて出て行く

次にF2部隊 陸上からなのでASM2を4発に大型フェリータンクという満載構成だ

A10Eがあがり

最後に制空部隊のF15だ

 

フェン国西海上 パーパルディア軍 竜母艦隊

上空にあげていた警戒隊から急に列を乱すのが出た

避けたのは竜騎士がバラバラとなり逃げ出した。それ以外は爆散した。

「敵襲!」

「前方から何かが」

非常に見えにくいが、青く塗られた2本の大きな矢が、超高速で旗艦ミールに向かっていく。

「は、速い」

海上スレスレを飛んで来た『それ』は艦の前方で1度大きく上昇し、斜め上方から旗艦ミールに突入し爆発した。

「旗艦ミール消滅」

「次々 超高速の物が接近中」

各竜母艦隊は隊列を崩し、各々が勝手に動き始める。

閃光、そして轟音。

「フィシャヌス消滅」

「竜母ガナム消滅 竜母マサーラ消滅」

悲劇が報告され続ける。

連続して飛来する謎の物体はただの1発も外す事無く命中した竜母を消滅させる。

今までの戦闘の知識、経験では考えられない現実が眼前にあった。

「馬鹿な 何が起こっているんだ?」

「この艦に向かって来るぞ!」

「うわぁぁぁぁぁ!」

乗組員が絶叫する。

艦隊副司令アルモスの考察は途中で強制的に切断された。

日本国航空自衛隊によるF2戦闘機を使用した対艦ミサイルの飽和攻撃はパーパルディア皇国海上竜母艦隊とその護衛の砲艦、計20隻を全艦撃沈した。

 

 

パーパルディア皇国艦隊旗艦

シウスは西を見たまま動けずにいた。

その体は震えている。

西の方角で猛烈な爆発が連続してあった。

その後、皇国竜母艦隊、計20隻と全く連絡が取れなくなっている。

すべての艦が魔通信に応答せず、そして信じられない事に、全ての艦の魔力反応が消えている。

非常に短期間で20隻もの艦隊が通信を発する暇も無く沈む原因は、将軍シウスには想像できなかった。

艦隊はすでに戦闘態勢に入っており、確認のために砲艦4隻が現場海域に向かい始めている。

 

フェン王国首都 アマノキ 東海岸

強襲揚陸艦あまぎとつるぎが即応第1師団から抽出された兵力を荷揚げしている

第5護衛総隊が周辺でピケットラインを引いている

ホバークラフト艇を使っての荷揚げだ

・兵員約1600名

・装甲車80輛

・トラック20台

・FH70 12門

・90式戦車4両

・支援車両10輛

引き上げる観光客は舟艇をアマノギの港に出して行っている

近距離なので車両スペースに毛布を敷いて1回で運んでしまうことにした

「指令 揚陸終わりました」

「わかった 計画に従い行動開始」

 

フェン王国 コウテ平野 パーパルディア軍

布陣を終え 近くには支援の砲艦20隻も来ている

ドルボはいやらしい笑みを浮かべる。

「フ……これでいかなる戦力が来ようとも、負けるはずがない」

一呼吸おいて、彼は命令を下す。

「よし、進軍するぞ」

上空にワイバーンロードが12騎舞い上がり、進軍進路上の偵察を開始する。

横1列に並んだ地竜の先頭に、隊は進む。

ワイバーンが突然乱れたと思ったら次々爆散していく 

「何が起きた」

「ゴー」という音ともに4機の鉄竜が空から接近してくる

地竜隊に頭を向けて

騒音とともに地竜がミンチになっていく

「敵襲!」

鉄竜が通り過ぎた後に生きている地竜は居なかった

 

パーパルディア支援艦隊

「何が起きている」

「通信が混乱しています」

「敵艦発見 大きいです でも2隻」

 

ときつかぜCIC

ムーの技術士官マイラスと戦術士官ラッサンは支援艦隊攻撃に向けられたときつかぜのCICにいた、

乗船直後各部尾案内されたが砲が1門 というのは頼りなく感じていた。

 

第5護衛総隊からときつかぜ あかつきが分離して陸上部隊支援が任務と思われる砲艦20隻に向かっていく。7kmで転舵反航し砲撃を開始する

砲撃1書いてCICで一つ点が消える。それごとに何百人と死んでいるのに現実感が無い。

5分後すべての砲艦が爆散していた

マイラスとラッサンは生存者救助を行うときつかぜ あかつきを見て現実だと理解し恐怖すると共に、科学文明も極めればこうなるのかと力が入るのであった。

 

 

 

陸上自衛隊砲兵陣地

「前線観測班、位置につきました」

「試射開始」

 

『オンターゲット』

「効力射開始」

 

コウテ平野パーパルディア軍

ドルボは混乱していた 地竜が爆散したかとおもうと支援の砲艦も爆散したのだ

そして自軍でも巨大な爆発が起き兵が次々倒れている

光ったと感じた後、至近弾を浴びたドルボはバラバラになった

 

陸上自衛隊砲兵陣地

『目標消失』

「効力射終了」

 

 

 

 

第1護衛総隊、第5護衛総隊、第6護衛隊 旗艦たかお

「敵 284隻 先頭の船まで13km」

「10kmになったら射撃開始、以降7kmを切らないように転舵すること」

 

パーパルディア皇国 皇軍艦隊旗艦

超F級戦列艦パールの艦上で、なぜまだ戦いが続いていると将軍シウスは悩んでいた。

当初の予測ではあっさりとフェン王国を支配できていたはずだった。

現にニシノミヤコはすぐに落ちた。

第1外務局の皇族レミールの命令により、日本人観光客を処刑してから何かが変わり始めた。

先ほど竜母艦隊のあった所に偵察に行った砲艦4隻から竜母艦隊壊滅の報が来た。

壊滅的被害ではなく、壊滅である。

そろそろ魔信不感地帯から出るはずの陸戦隊とも、支援攻撃のための戦列艦とも連絡が取れない。

「まさか……全滅か?」

いや、そんなハズは無いと否定したいのだが、現に竜母は壊滅している

「南西方に未確認艦20」

見張り員から報告があがる。

「来たか」

将軍シウスは皇軍に戦闘を指示する。

列強たる皇国の技術とプライドの結晶たる100門級戦列艦隊が接近する艦隊側に出る。

旗艦は艦隊中央部に位置し、指揮をとる。

「ダルダ君、君は勝てると思うか?」

隣に立つ艦長ダルダに尋ねる。

「これほどの大艦隊と、最新の戦列艦をもってすれば、神聖ミリシアル帝国の有名な第零魔道艦隊を相手にしても負けますまい。

もし仮に、日本軍の艦の性能が我が方を凌駕していたとしても、砲も少数、そしてたったの20隻ではどうにもなりますまい」

艦長ダルダは絶対の自信を見せる。

敵艦の砲塔から光と煙が上がる

「まだ10kmはあるぞ」

轟音が響く

「戦列艦ロプーレ轟沈」

連続して光る

そのたびに味方の艦隊で轟音が響く

「戦列艦ミシュラ、レシーン、クション、パーズ轟沈」

沈み行く船が多すぎて、報告が間に合わない。

敵船は未だ我が方の射程距離のはるか先にいる。

「敵艦、進路を変えます。同航戦」

砲を放ち続ける敵は後続の艦も攻撃に加わり、射撃密度が増加する。

全弾命中し、砲の発光の数だけ沈み行く味方の船。

「全弾当たるとは、どんな魔法だ」

「こんな……こんな現実があってたまるかぁ」

将軍シウスは閃光と共に、船から放り出された。

信じられないほどの短時間で、第3文明圏最強の国、列強パーパルディア皇国の大艦隊は1隻も残らず、海の藻屑と消えた。

パーパルディア皇国皇軍284隻は日本国海上自衛隊の護衛艦20隻と交戦、284隻全てを失い全滅した。

 




2020/02/08 日付挿入
2020/02/27 マイラスとラッサンの観戦武官を飛ばしていたんで追記。
2020/03/16 ときつかぜがつきつかぜになってたところを見つけたので修正
2020/03/17 かが->つるぎへ艦名変更


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アルタラス王国の戦い

アルタラス奪還まで


中央歴1640年1月27日

日本国 外務省

アルタラス王国の王女ルミエスは、日本国外務省を訪れていた。

挨拶が行われ、会議に入る。

「外務省の柳田です。単刀直入にお伝えします。安全保障条約を結ぶとして何を対価に出せますかな?」

「今は何も」

「ふむ、そうでしょうな 安全保障条約は継続協議とし、現在アルタラス王国を占領しているパーパルディア軍の排除をお手伝いする代わりに、ムーが作った空港の使用権を頂くというのはどうでしょう? 必要な工事はこちらでおこないます」

「それで力を貸していただけるのですか」

「はい。現在パーパルディア皇国とは戦争状態にあります。この基地が使えればパーパルディア皇国の皇都エストシラントまでが我が国の攻撃範囲に加わります」

「我が国の独立に繋がるのであればかまいません」

「契約成立と言うことで」

 

日本国 防衛省

「意外と簡単に落ちるかもな」

アルタラス王国を撮影した衛星写真を見ながら、担当者は分析する。

現在アルタラス王国内のパーパルディア皇国軍は、

・首都ル・ブリエスから少し離れた場所にワイバーンロード用の滑走路を置き、基地を建設している。

・首都ル・ブリエスの港に戦列艦が20隻停泊している。

・首都から北方約40kmの位置に基地のようなものがある。

アルタラス王国内でのパーパルディア皇国軍は、この3箇所に集中しており、幸運な事に、人口密集地に基地は無い。

 

この3箇所はすべて艦砲の届く位置でもあり、皇国の主力をこの射撃により消滅させれば、アルタラス王国自身の手で王国を取り戻せるのではないか?戦争の準備は着々と進んでいた。

 

 

中央歴1640年5月15日

 

ロデニウス大陸方向から強い魔信が流れた

通常の国がそれを傍受した場合、何を言っているのか良く解らないだう。

しかし、アルタラス王国の者たちにとってそれは強烈な意味を持つ内容だった。

「長い夜にも必ず朝は来る。東方より日はまた昇る。

 苦しみの期間が長いほど、太陽はより輝く。

 良運はタスの日」

単なる詩にしか見えない。しかし、アルタラスの民にとっては強烈な意味を持つ。

救国の英雄が詠んだもので一週間後である。各組織員は1週間後に向けて備えるのであった。

 

 

中央歴1640年5月22日

 

アルタラス王国首都ル・ブリアス北東上空~

パーパルディア皇国、アルタラス王国派遣部隊所属の竜騎士アビスは、王国北東の哨戒任務に就いていた。遠くで光がしたなと思ったらバラバラになって吹き飛んだ

 

たかおCIC

「航空脅威排除」

第一護衛隊群はアルタトラス首都ル・ブリエスに向け進んでいた

那覇空港ではまた大騒ぎの後でほっとした雰囲気になっていた

空自のF2 3個航空隊が給油して出って行ったのだ

今回は対艦番長ではなく500ポンド爆弾4発ぶるさげていたが

目標は、アルタトラス首都から北方約40kmの位置にある基地である

パーパルディア皇国アルタラス王国派遣部隊の戦列艦5隻は付近近海を哨戒活動中だった。

艦長ダーズは通信員に尋ねる。

先ほど哨戒中の竜騎士が、魔力探知レーダーからも反応が消えた。

竜騎士の消息を絶った場所は現在の艦の位置から近く、緊張が走る。

「艦影確認。こちらに向かってくる。」

水平線に城のような船が見え始める。

国籍不明船は、艦長ダーズの常識からかけ離れた船速でこちらに向かってくる。

「総員、戦闘配置に就け」

パーパルディア皇国の軍船が戦闘態勢に移行する。

「国籍不明船発砲」

敵艦前方から光が見える。

その数5発。

艦長ダーズは、乗船する艦が僅かに揺れ動いたように感じた。

次の瞬間、ダーズの乗艦する50門級戦列艦は大きな火柱と共に、海上から消えた。

 

たかおCIC

「はたかぜ砲撃。全艦撃沈」

接近を探知したので艦列から外れ、国籍確認をしていたのである。

「マストの上に国旗掲げてあると遠くから確認できて良い」

 

 

パーパルディア皇国 アルタラス王国派遣部隊

アルタラス王国を攻めていた皇軍は、王国を占領後、東を攻めにむかった。

武装解除され、時々起こる小規模な反乱を鎮圧、統治するためだけの小規模の軍が残されている。

首都ル・ブリアスの軍港には戦列艦20隻が配備されて交代で巡視に当たっている。

5隻は巡視に出かけているようだ。

そのため今停泊しているのは15隻だ。

そして少し離れた所に陸軍の基地、人員2千名とワイバーンロード20騎、そして首都から北へ約40kmの位置に人員2千名の陸軍基地がある。

陸軍大将リージャックは首都ル・ブリアスを基地から港を眺めていた。

港で煙が上がったかと思うと爆発音が響く。

「事故か?」

次々爆発するのを見て、管制室への電話をあげ「敵襲 総員戦闘配置」とどなる。既に停泊していた船はすべてやられたようである。

そして基地に砲弾の雨が降り始める

ワイバーンロードも離陸しようとするのだが、爆風で竜騎士が死亡してしまう。

 

100発以上降った後には穴だらけに基地が残った

 

北方陸軍基地

F2戦闘機が殺到していた 

500ポンド爆弾を雨あられと降らされ穴だらけの基地が残った

攻撃の開始から20分以内に、アルタラス王国内のパーパルディア皇国軍は、その機能のほぼ全てを失った。

作戦を終えた護衛艦及び航空機は一切の損害も出す事無く、帰路についた。

 

 

 

アルタラス王国首都ル・ブリアスの塔の上

アルタラス王国首都ル・ブリアスの地下組織に属する軍長ライアル。

彼は民間人の格好をして、塔の上から港に停泊してある列強の戦列艦約15隻、かの国の戦列艦の強さは身を持って感じていた。

たったの15隻程度である。しかし、アルタラス王国軍が全盛期の戦力をもって戦ったとしても、勝てないかもしれない。

自分たちの敵は列強、彼らにとっては僅かに残していった軍だろうが、強力である。

そんな、強いと思っていた彼らの船が、猛烈な爆裂魔法を受け、なす術も無く連続して大きな火柱を上げ、沈んでいく。

軍長ライアルは眼前の光景があまりにも現実離れしており、唖然とする。

後ろから大きな炸裂音が次々鳴り響く。

彼が振り返ると、パーパルディア皇国軍基地で煙が上がっていた。ふと我に返る。

彼は魔信機を取り出し、叫ぶ。

「時は来た!アルタラス王国を取り戻すぞ! 全軍作戦開始!」

後刻、軍事力のほとんどを失っていたパーパルディア皇国アルタラス統治機構は、一斉蜂起したアルタラス王国地下組織を前に降伏。

アルタラス王国は、その統治権を取り戻した。

 

 

中央歴1640年5月29日

 

第六護衛隊群 強襲揚陸艦くらまCIC

司令がまたふてていた。部隊の運搬は本業だが今回は工兵隊である。

ムーがアルタラス王国に作った空港の整備と港湾改修の部隊の運搬である。

港湾改修は急がないので測量隊ぐらいだが空港組用のは、つめる限りの建設資材と重機だ

車両甲板は重機でいっぱいのため、ヘリ格納庫に資材を詰め込んでる始末だ

ここの改修速度でパーパルディアへの攻撃スケジュールが決まると言って良い

「戦闘部隊を運ぶのがお仕事なのに 外交官とか工兵隊とか、ちょっと変わった依頼が多くて」

「インフラがないんですから しかながないでしょ 指令」

艦長があきれかえす。「RORO船が入れるほどの港って列強でも全部が持ってるわけじゃないんですよ。衛星偵察からすると具体的には神聖ミシリア帝国とムー位。当面港湾が期待できないからLOLO船生産して艀に積み替えるのもなんなんでLST生産しようかとなる位には深刻なんですよ」

「あの船としてかっこよくないやつ?」

「そうです」

司令はますますいじけてしまった。

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入


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パーパルディアの乱

ぐだぐだ書いても仕方が無いので議事メモ的にまとめてみた


第3外務局長カイオス邸~

パーパルディア皇国第3外務局長カイオスは、アルタラス陥落の報を受け、恐怖にふるえていた。

しかし、日本に対する外交権は、皇帝陛下の意思もあり、狂犬、皇族レミールに移管されてしまい、レミールはいつものように、文明圏外国の民、日本国民を殺してしまった。

日本国は、当然これに激怒した。

カイオスはこの時、フェン王国の戦いで皇国も多少ダメージを負うと分析していたが、あろう事か皇国のフェン王国派遣海軍は全滅し、日本の船の撃沈確認はとれていない。

第3国経由の商人達の情報によれば、日本国軍の被害者数はゼロという信じられない情報を得る。

カイオスはこの時、可能性の1つとして、日本を正確に認識した。

ムーを遥かに超える超科学文明国家。

そして、皇帝陛下は日本に宣戦布告し、殲滅戦を指示してしまった。

カイオスは日本国外務省の朝田大使を、帰国寸前に呼び止め、日本との窓口となる通信機器を自宅に設置させる事に成功し、今に至る。

今回のアルタラス陥落により、自分の日本に対する認識は間違っていなかったと確信を持つ。

「このままでは!このままでは!!」

誰もいない自室でカイオスはつぶやく。

「このままでは皇国が……これほどの国力を誇った列強たるパーパルディア皇国が消滅してしまう!!!」

当初、日本を政争道具としか見ていなかった第3外務局長カイオスは、皇国消滅の危機を正しく認識し、命をかけて皇国を救うために動くと決意するのだった。

 

 

 

日本国首都 東京

 総理官邸の一室で、日本国内閣総理大臣は、防衛省と外務省合同でのパーパルディア皇国戦に関する今後の作戦概要について、ブリーフィングを受けていた。

                                         

議事メモ

場所: 総理公邸 第1会議室

出席者:総理大臣 外務大臣 防衛大臣 各組織長 

日時:中央歴1640年6月9日 14:20~

 

・パーパルディアの戦力は5カ所に集中している

 皇都の港に数百隻の戦列艦

 皇都近郊の基地に陸軍兵力と航空兵力

 東の工業都市、デュロの北にある陸軍基地

 デュロの港に戦列艦

 皇都の北の基地に陸軍兵力と航空基地

・空自からは制空部隊としてF15 6個航空隊 爆撃にF2 3個航空隊を出す・

・海自から港の攻撃に4個護衛総隊 基地攻撃にはF/A18EJを空母配備の8個航空隊を投入

・デュロの基地と工場群と皇都の基地、艦隊を攻撃する

・誘導爆弾がないので無誘導での攻撃になる

・整備スケジュールが逼迫するのでこの規模が行えるのは1回のみである

Q&A

Q:誘導爆弾でないのはどうして

A:GPS誘導爆弾しかないので使えない レーザー誘導は機材を持っていない

Q:橋などを落としたい場合は

A:高いけどASM2が使えるかも 他に良い機材がない

C:本件収束後機材の見直しを進めること

Q:P3Cは丸腰か

A;護衛をつける

                                         

 

 

                                         

攻撃結果ブリーフィング

議事メモ

場所: 総理公邸 第1会議室

出席者:総理大臣 外務大臣 防衛大臣 各組織長 

日時:中央歴1640年8月14日 13:30~

・港に居た敵戦列艦はすべて砲撃で破壊。残存は十数隻と思われる。

・皇都の基地、デュロの基地、デュロの工場地帯は完全破壊

・敵は属領の治安維持部隊を撤収させている。皇都の防衛にあてるようだ。

Q:残存隻数を正確に

A:偵察を急いでいる

Q:デュロの工業地帯破壊で再建は遅れそうか?

A:他に目立つ工業都市がないから遅れるだろう。

Q:今後の予定は?

A:ルミエス女王に属領の反乱を扇動してもらう。

  また属領の反乱が起きたところで内通者にクーデターをそそのかし

  日本人惨殺容疑者の捕縛を依頼する。

  容疑者の引き渡しが講和交渉開始の条件とする。

                                         

 

 

                                         

扇動後経過ブリーフィング

議事メモ

場所: 総理公邸 第1会議室

出席者:総理大臣 外務大臣 防衛大臣 各組織長 

日時:中央歴1640年8月25日 15:15~

・すべての属領で反乱が起きた。

・属領の統治機構はすべて降伏。

・属領だった国が連合を組んで攻め込んでいる。

・リーム王国が支援しているようだ。

・パーパルディア皇国北の地方都市アルーニは反パーパルディア皇国73ヵ国連合軍によって陥落。

Q:クーデターは起きるのか?

A:今日と返事が来ている。

Q:クーデターが成功したらどうするのか?

A:属領軍に講和を勧める 我が国は犯罪者の捕縛があれば講和交渉に応じる。

Q:クーデターに失敗したら?

A:犯罪者を差し出すまで空爆を続ける。

Q:戦勝国の権利賠償の要求は?

A:金銭でとるのは好ましくないので資源の採掘権を考えている 探査衛星の結果待ち。

                                         

 

 

                                         

クーデター成功後のブリーフィング

議事メモ

場所: 総理公邸 第1会議室

出席者:総理大臣 外務大臣 防衛大臣 各組織長 

日時:中央歴1640年9月15日 10:00~

・内通者は第3外務局長 カイオス氏  臨時首班になった。

・クーデターは成功 皇帝は実権を失った。

・レミールの身柄確保との連絡。浅田大使に確認させる予定。

・73カ国連合に講和を勧告。

・73カ国連合は講和交渉開始で合意 占領地から撤収 リーム王国も撤収。

Q&A

Q:レミールの罪は?

A:軍法における民間人の虐殺になると考えられる。

Q:量刑は?

A:多分銃殺刑。

Q:もっと重い量刑はないのか?

A:我が国は法治国家であり死刑より重い罪は規定されていない。

  これから制定しても事後立法となりレミールには適用されない。

Q:今後のパーパルディアの扱いは?

A:反日教育をしないよう誘導する。

Q:どのようにするのか?

A:多岐にわたるため別途報告書を提出する。

Q:73カ国連合はどうするのか?

A:国交を結びパーパルディア皇国への重しにする。

C:神聖ミシリアル帝国より先進11カ国会議についての説明をしたいと接触。

C:どのような意図か?

C:パーパルディア皇国の代わりに第3文明圏代表で出て欲しいので色々説明したいと。

C:受け入れるように(総理)

                                         

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入


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神聖ミシリアル帝国訪日

中央歴1641年1月16日

 神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス

「それでは、これより出発します。」

 世界最強と言われし、最大の列強国、神聖ミリシアル帝国は、第3文明圏よりもさらに東にある文明圏外国家、日本国に対し、世界の先進11ヵ国会議への出席要望と、国交開設の事前準備のため、30名にも及ぶ先遣使節団を派遣しようとしていた。

 

 代表的な人物は

○外交官フィアーム

○情報局員ライドルカ

○武官 アルパナ

○技官 ベルーノ

である。

 

一行は空港の駐機場へと向かう。

駐機場には、白色に塗られた翼の付いた人工的な乗り物が駐機している。

彼らは『天の浮舟』と呼ばれる航空機に乗り込む。

日本国の西の地方都市、鹿児島市へ向かう。

観光を兼ねながら日本を体感し、首都東京で会合。

情報局員ライドルカは、天の浮舟に乗り、大きなイスに深く腰掛ける。 ふと右側を見ると、先に乗り込んだ外交官フィアームがおり、その顔は優れない。「フィアームさん、どうかしましたか?」

話しかけられたフィアームはライドルカの方向を向く。

「事前に説明は受けましたが……我々、中央世界の、しかも世界ナンバーワンの国が、わざわざ自分から、第3文明圏のさらに東の文明圏外国家に足を運ぶ行為が気に入らないのです。実質的にパーパルディア皇国に勝ったと説明を受けたが、元々恐怖による支配があり、国内に不満を多く抱えてきた。日本はそこを上手くついただけではないのか?だいたい、第3文明圏は、文明圏と呼んでいいものかと私は思っている。独自の文明は持ってはいるが、未だにワイバーン以外の飛行方法すら確立されていない。

私から見れば、第3文明圏そのものが、土地だけは広く、文明レベルの低い集合体にしか見えない。今から行く国は、そんな第3文明圏からもさらに外れているというじゃないか。

第3文明圏はレベルが低く、さらにそこから外れると、レベルの低さに拍車がかかる「今回の派遣は、あなた方情報局が主体となって提案したらしいな。まずは情報局だけで情報を集めてくるべきなのでは? 国交を結ぶにしても、まずは日本から来させるように工作くらいはしてほしかったものだ。」

「申し訳ありません。接触した結果として行った方が得られる物が多いと判断しました 文明圏の端であるにもかかわらずというのは ムーの神話にある転移国家というやつです」

「他の星から突然あらわれるというやつですか?」

「そうですね ムーの技術体系が魔法と外れている理由です」

「信じがたいな」

「それもあって行った方が良いという判断です 動かせない物を見るのが一番ですから」

 

アトラタラスの空港で一泊して一行は九州地方に近づいていた。

 

「船長からです まもなく日本の防空識別圏とやらに入ります。戦闘機が2機来るそうですが護衛と先導ですので気にしないようにとのことです」

 

ライドルカが荷物をごそごそ探し始める。何か箱形の物を取り出して操作し始める

「これでいいはず」

フィアームが「それは何です」

「魔信機みたいなものらしいですよ 空港と天の浮舟と戦闘機の通信がこれで聞けるはずです」

「それがですか」

「アトラタスで一人操縦室に知らない人が入ったのはこれの操作員です 機械を通すとなぜか言葉が伝わらないとかで」

『44Gr44G744KT44G444KI44GG44GT44Gdにほんへようこそ』

「後半だけわかりましたな」

「中央世界語を勉強してるそうですよ」

「それくらい当然ですな」

「最初は九州地方の基幹空港という話もあったのですが 誘導がうまくいかないと大混乱になるとかで 全員で見学する施設に一番近い 地方空港に決まりました」

「われわれを地方空港?」

「基幹空港だと2分に1回離発着があるそうで 誘導する装置をつんでないと事故の元だそうです」

「2分・・・ 信じがたいですな」

「今回行くところは1時間1本程度なので余裕があるそうです」

『6K236KGb5qmf44KI44KK6KaW6KqN護衛機より視認』

「いやぁ、私も日本国がどのような航空機で来るのか、非常に興味がありますね。」

技官ベルーノも話に入ってくる。

突如として、2機の機体とすれ違う。遅れて轟音。

2機の機体は、遥か後方で向きを変え、あっという間に天の浮舟に追いつき、1機が先導し、もう1機が横につく。

「なっ……何?速すぎる!」

「ムーの飛行機に使用しているプロペラが無いぞ!はっ!機の前方に空気取入口がある!まさか、日本国も、魔光呪発式空気圧縮放射エンジンを実用化しているのか!」

技官ベルーノは、驚愕する。

「しかし、なんて速さだ!制空型の天の浮舟の速度を凌駕している!」

武官アルパナが話に割って入る。

「あの翼型は……なんと!後退翼か!速度が音速を超えた場合に翼端が超音速流に触れないために考えられた翼型!我が国ではまだ、理論の段階だが、実物がまさか見られるとは!

アルパナ殿、あの戦闘機は少なくとも音速を超えますぞ!」

技官ベルーノは興奮気味に話す。ベルーノは後退翼の特性を見抜く。

外交官フィアームは、ワナワナと震え、話始める。

「バカな!!文明圏外国が、我が国を凌駕する航空機を持つはずがない!

あってはならない事だ!!」

「しかし、あの機体は明らかに音速越えを想定している。無意味な形の航空機は作らないでしょう。」

「我が国は、先進的な学問体系もさることながら、古の魔法帝国の遺産を多数研究出来るという、他国に比べても大きなアドバンテージがある。にも関わらず、航空機技術という、最も重要な一分野において、負けるとは!いったいどういう事だ!」

外交官フィアームは、困惑しながら日本国航空自衛隊の主力戦闘機、F15を眺めるのだった。

「44GT44Gh44KJ56m65riv566h5Yi244CA5YWI5bCO5qmf44Gr44GX44Gf44GM44Gj44Gm56m65riv44KS6KaW6KqN44GX44Gm5ZGo5Zue44GX44Gm44GL44KJ552A6Zm444GX44Gm44GP44Gg44GV44GEこちら空港管制 先導機にしたがって空港を視認して周回してから着陸してください」

「44KK44KH44GG44GL44GE44CA6KaW6KqN5b6M44CA552A6Zm444KS6KGM44GG了解視認後 着陸を行う」

「56m65riv6KaW6KqN44CA552A6Zm444KS6KGM44GG空港視認 着陸を行う」

「56m65riv566h5Yi244KI44KK44CA552A6Zm444Gp44GG44Ge空港管制より 着陸どうぞ」

着陸を確認すると 戦闘機は飛び去って行った。

空港の建物の前に来ると天の浮舟より巨大な機体が駐機していた」

「あれも魔光呪発式空気圧縮放射エンジンか」

後方で1機轟音を響かせて飛び上がっていく。やはり魔光呪発式空気圧縮放射エンジンのように見える」

フィアームは「ずいぶん山の中だな」

ライドルカ「さっきのように轟音を立てるので新しいところほど山の中だそうです」

機を降りた使節団は、日本国の出迎えと挨拶を交わし、彼らの用意した移動手段、バスで鹿児島市内のホテルに向かう。

一行は、旅の疲れを癒すため、ホテルに直行した。

車窓より都市が見えてくるが、これほどの大都市が文明圏外にあり、かつそれが1地方都市に過ぎないという事に、全員が衝撃を受ける。

 

その日の外交官フィアームの日記より

 私は今日、人生で最も衝撃を受け、最も疲れた一日であった。

ライドルカの言うとおり来て良かった。日本の使節団が来て説明しても「嘘だ」と決めつけていたであろう。

 

翌日 説明会が開かれる

7年前に転移の予兆をつかみ なぜ起きるかわからないものの起きた場合に備えてきたそうだ

明日、内之浦宇宙空間観測所とかで打ち上げとやらの説明と見学 その後複数班にわかれて行動とのこと

 

バスとやらでずいぶん揺られてついたところはまた山と海に挟まれた辺鄙なところだった

「内之浦宇宙空間観測所へようこそ ここでは主に科学観測衛星の打ち上げと管制をやっています」

「衛星?」

「星の周りをぐるぐる回る 小さな人工の月みたいな物ですね」

「僕の星というものか」

「まぁ 星と言えば星です」

「・・・」

 

「皆様には 今の予定ですと明日 イプシロンロケット157号機の打ち上げを見学していただきます 何しろ100年近い観測の結果が無駄になってしまいましたので 今必死にこの世界は何なのかを探っています。 明日打ち上げるのは太陽風観測衛星です」

「太陽風?」

「ええ われわれは魔法でなく科学を基本にしています。その中に魔力ではなく電気というものが根幹に存在します。太陽から打ち出される微粒子が電気を使ったいろんな物に影響します。 その基礎データー集めですね」

 

「3・2・1・発射」

轟音とともに何かが空に駆け上がっていった

 

「打ち上げも無事見られましたし 今日はここにもう一泊して 明日また鹿児島で一泊 その後2班に分かれていただいて 新幹線の九州―山陽ルートと九州―四国ルートで大阪へ向かいます」

「どっちの方が見応えがありますか」

「九州―四国ルートですかね 開業も新しいので高速化されていますし、海峡を3つも渡るので絶景ですよ」

「海峡を橋で渡るのですか?」

「ええ 最初に渡る豊予海峡大橋は世界一の吊り橋だったこともあります」

「・・・。」

「なにしろ島国で山国なので橋とトンネルの技術は世界一だとおもっています」

 

1週間後 外務省

○先進11ヵ国会議は2年に1度開催される。

○次回開催は、およそ1年後である。

○参加国は、世界に多大な影響力を及ぼす事の出来る大国のみで構成され、今後の世界の運営方針について、会議を行う。

○世界中(彼らの把握している範囲の世界)の国々が、同会議には注目しており、日本国が出席すれば、世界に大国として認識され、国益にもかなうと思慮される。

○参加国は、世界運営について、新たな意見を述べる事ができる。

○第3文明圏については、今まで固定参加1か国、持ち回り参加1ヵ国の計2か国であったが、今後は固定参加国を日本国にしたい。

 

日本は参加することとし、色々と会議について聞き出すのであった。

 

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/25 人名間違い ファイアーム->ライドルカ


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大和級改装

年表弄って大和級残したのはこれを書くため


中央歴1641年2月18日

防衛装備庁

「小山課長、回覧で回ってきたミリシアでの先進11カ国会議の資料読みました?

「この世界、まだ武力恫喝外交が全盛みたいだね。11カ国会議には護衛がいっぱいついてくるって」

「まだ大艦巨砲の時代ですね」

「大和と武蔵は長期保存処理してしまってありますけど結構手を入れないと駄目だなぁ、色々寿命が近い」

「転移騒ぎがなかったら廃艦だったはずですもんね」

「ソマリアではやり過ぎた。政府に恫喝外交には効果的だけど使うなら手を入れないと駄目ですと出しておく」

 

後日

「使うかどうか費用対効果で考える。まぁ当たり前の返事だな。補正予算で調査費上げられるかやってみるんで、久住見積もりとって」

「はーい」

 

 

「2億の調査費下りるなんて、結構使う気かな?」

「どうでしょう?いじりだしたら金食い虫ですよ。第2次大改装も装備共用化がメインで根幹はいじってないですからね」

「レイフォリア滅ぼしたグレード・アトラクターは大和そっくりですけど」

「恐怖の代名詞になってるようだな」

「でも、あれ30ノットは出てたらしいですよ。富士宮の乾ドックにある大和と武蔵引っ張りだしても逃げられちゃいますよ。あれ27ノットですし、もう機関寿命が見えてますしね」

「あっちこっちがた来てるからな- 70年だし」

「アイオワ級は機関交換してまで使う価値はないと記念艦としてはらいさげられたが」

「護衛艦の砲じゃ豆鉄砲となめられてるらしいですし、この後使うとなると大規模な補修要りますよ。機関の入れ替えからの」

「まー最近じゃゲリラ掃討の艦砲射撃位しか用事がなかったからだましだましでいけたしな」

「砲もそろそろ外筒も命数ですし」

「かといって戦艦新造するのはちょっと 30年使う 20年使う 10年使う 位で調査見積もりするか」

 

機関は取り替えないと長期運用は無理 第一蒸気タービンの機関員なんて希少種 

艦体ばらさないと機関交換はできない 

リベット工が絶滅してるので逆に溶接

は基本だな

しかし内筒作成のために大口径砲の制作ノウハウ残っててよかった。

大体引っ張り出されると内筒命数いっぱいまで艦砲射撃だもんなぁ。

 

○30年案

・砲身交換 軽量化した49口径46cm砲に

・射撃完成盤はコンピューター化

・イージス化

・副砲廃止

・MK12連装砲10基をMK45Mod4 12基にイージスとは別にイルミネーター設置 第1副砲の位置のMK45のみイージスと連携

 

・航空甲板廃止してVLSセル8×8セル×5ユニット設置

・機関デーゼルガスタービンエレクトロック式

・リベットから溶接への変更

・1900億工期5年

・将来的にはすべての砲をイージスの配下に入れるべくソフト開発を行う。

 

 

○20年案

・砲身交換 軽量化した45口径46cm砲に

・現在の射撃管制盤が使えない場合はコンピューター化

・MK12連装砲10基をMK45Mod4 10基にイルミネーターは個別設置

・機関デーゼルガスタービンエレクトロック式

・リベットから溶接への変更

・700億工期4年

 

○10年案

・機関デーゼルガスタービンエレクトロック式

・リベットから溶接への変更

・500億工期3年

 

中央歴1641年5月18日

どうせやるならと30年案で行くこととなった

こうして試製49口径46センチ砲1門が作られ鳥取試射場に設置され

基礎データー集めが始まった

 




武蔵はおまけで生き残っただけなんだよね
ロンメルの反撃から逆算してたら生きのこちゃった
交互に改装も考えたけどいっぺんにやった方が安くつくと

2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/07 グラ・バルカス表記ミス修正
2020/02/08 表現ダブってたの整理 完成->管制 日付挿入
2020/02/10 人物に名字入れてみた
2020/02/13 少し加筆
2020/04/07 価格改定 まやの価格が1800憶だったため


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先進11ヵ国会議

開催日ギリギリについたわけでは無いと言うことで
そうりゅうの移動


中央歴1642年4月15日

 

1年後 神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス 港湾事務所

広大な港湾施設を持つ港町カルトアルパス、先進11ヵ国会議には、各国の軍が大使を護衛し、やってくるため、すべてが収容できるよう、開催地には、この港町カルトアルパスが選ばれた

港湾管理者の元には、続々と到着する各国の軍の情報が集約される。

「第1文明圏 トルキア王国軍、到着しました!戦列艦7、使節船1計8隻」

「了解、第1文明圏エリアへ誘導せよ。」

港に着いた船を、適切に誘導していく。

「第1文明圏 アガルタ法国、到着、魔法船団6、民間船2」

「了解」

港湾管理責任者、ブロンズは、この先進11ヵ国会議が好きだった。

各国が、使者を護衛するという名目で、最新式の軍艦を艦隊ごと送り込んでくるため、軍事の大好きな彼にとって、このイベントは仕事であると同時に、お祭りのような気分となる。

港湾管理者ブロンズは、ワクワクしながら待つ。

今回開催の国の中で、どんな軍隊を送り込んでくるのか楽しみな国が2つある。

1つは、西の列強国、レイフォルをあっさりと落とした新興軍事国家グラ・バルカス帝国。

そして、もう一つは、第3文明圏の列強国パーパルディア皇国を、74ヵ国に分裂させた、日本国、いったいどんな艦隊が来るのか、彼のドキドキは止まらない。

その時だった。

監視員が急にざわつき始める。

あまりにも、大きく、城のような船が水平線に見える。

その姿は、船が近づくにつれ、さらに大きくなり、やがて神聖ミリシアル帝国の魔導戦艦を見慣れた彼でさえ、絶句し、その雄々しさに見とれてしまうほど美しく、力強い艦が近づいてくる。

「グラ・バルカス帝国到着、戦艦1隻のみ」

「おお!!」

それを見た者すべてが感嘆する。

グラ・バルカス帝国の誇る、全世界最大最強の戦艦。

港町カルトアルパスの住人は、その雄々しい姿に圧倒される。

「なんてでかい砲を積んでやがるんだ!!!」

45口径46cm3連装砲を3基、世界最大の砲は、誇らしげに水平線を向く。

グラ・バルカス帝国超大型戦艦グレードアトラスターは、神聖ミリシアル帝国港町カルトアルパスに入港した。

グラ・バルカス帝国の戦艦は、あまりにも大きく、強烈であり、近くに見える第1文明圏、トルキア王国の戦列艦や、アガルタ法国の魔法船団がおもちゃに見える。

港湾管理者ブロンズは、唖然としてその威容を見つめていた。

「……長!!ブロンズ所長!!!」

第8帝国の戦艦に見とれていたブロンズは、部下からの問いかけで我に返る。

「ああ、何だ!?」

「日本国が到着しました!竜母1 巡洋艦5、民間船4計9隻です!」

「竜母はでかいなー」

「他は砲1門だけか」

「ずいぶんいびつですね」

「申請じゃ巡洋艦9隻じゃなかったか?」

「半分は 演習するとかで遅れるそうです」

実は民間船外務相が乗った飛鳥Ⅱのみだったりする。

民間船に数えられたのは固有武装が見えないからで、音響測定艦はりま、海洋観測艦にちなん、補給艦いなわいろだったりするのだ。隠れて着底しているが、そうりゅうもついてきているというか、先行して情報収集に当たっていた。

 

かつらぎCIC

「司令 ミリシアルからどんな使節が来るか聞き出しておいて良かったですね」

「ここまで見事な砲艦外交とは大和と武蔵連れてきても良かったな」

「無理ですよ。どっちも、こっちの砲艦外交知った政府が、長期延命工事に入れちゃいましたから」

「まぁな。あと4年か」

「工期5年と発表されていますからそうですね」

「半分ばらして機関とりかえからだそうだな」

「イージス艦作っておつりが来る位かかるらしいですよ」

「大艦巨砲ってのは、わかりやすいからなぁ」

「グラ・バルカスのは、わかりやすいですよね」

「1隻だけで来たりな」

「まぁ艦隊伏せているのがばれてるとは思いませんよ」

「衝突起きると思うかい?」

「ミシリアルの警戒網に引っかかれば確実に起きるでしょう。どっちが勝つかは両方とも情報不足で判りませんが」

「音紋とる必要があるのは大体終わったな そうりゅうとは通信できるか」

「通信ブイあげて着底しています」

「グラ・バルカスが伏せている艦隊のデーター取りに向かわせてくれ」

「補給してからで良いですか ここでしばらく着底していたんで」

「今晩か。良いぞ」

「いなわしろとそうりゅうに通知します」

「他から作業が見えないように、ピケライン張れ」

「他艦にも通知します」

○いなわしろ

 惑星が大きいことから艦隊の行動距離が大きくなると考えられたため新規建造された補給艦

 船殻は6万トン級量産型貨物船(排水量では35000トン)

 量産型貨物船最大の船殻が選ばれた

 全長:199.99メートル

 幅(型):32.25m

 82,000馬力ディーゼル2機 (3450馬力24気筒) 24ノット(常用)  

 エンジンも量産型貨物船で採用されている物

 1500馬力の電動スラスターを前後に装備

 補給物資の搭載量以外はましゅう級と共通

 

そうりゅうブリッジ

「かつらぎといなわしろの作ってくれた間に侵入して停泊」

「停泊したら護衛隊で目隠しして補給だそうで」

「とりあえず食い物が増えるのは良いことだ」

「真水と燃料もちょっと心細かったですしね」

「停泊中はエンジン回して充電な」

「了解」

 

かつらぎ

「司令、いなわしろから補給終了と」

「そうりゅうのほうはどうだ」

「まだ若干艦外に積んであるのをしまう必要があるようです」

「終了したらいなわしろからの照明消して出発させろ」

 

 

中央歴1642年4月24日

 

 

そうりゅうブリッジ

「遠方の音紋は以前採取したミリシアルの第零魔導艦隊と一致します」

「派手に音を立てて加速してると思ったらミシリアルの艦隊と1戦交える気か」

「巡航と全力、両方とれましたね」

「距離を置いて様子見だ」

 

 

かつらぎCIC

「ミリシアルとグラ・バルカス衝突しそうだって?」

「演習中だったらしいミリシアルの第零魔導艦隊に30ノットで突っ込んでいますね」

「ホークアイには島が邪魔にならないよう位置取りして観測」

「予備あげますか?」

「そうだな。やってくれ。万一があるといけないから護衛を2機づつ」

「飛行隊に連絡します」

「そうりゅうとは通信できるか」

「今は無理ですね。ブイあげるよう長長波通信出しときます」

「ついたら機動部隊の情報教えてそっちの情報とるように」

「了解」

 

 

大型機用3番カタパルトを使って追加のホークアイが上がる。

遅れて空戦装備のF/A18EJ 4機が上がっていく。

 

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス 

「ブロンズ所長、日本国の竜母と思っていたの航空機積んでますよ」

「大型機が上がったな。不思議な形だ」

「次もあげていますけどプロペラが無いですね」

「魔光呪発式空気圧縮放射エンジン実用化して船で運用しているのか。すごいな」

 

かつらぎCIC

「ミシリアル側が航空機呼んだようですね。反応25、400km/h」

「先制攻撃か」

「やる気満々で突っ込んできているから防衛の一部で良いでしょう」

「グラ・バルカス側の防空はわかるか。機銃や高角砲いっぱい乗っけていたな」

「ほんとは高空から観測したいところですけど、そこまでの許可は出ていませんから」

「万一撃墜されたら大騒ぎになるからな」

「ミシリアル側急降下開始」

「ミシリアル側撃墜機発生。5機」

「対空砲火ってそんなに当たるものだったか?」

「近接信管ならあり得ますね」

「ふーむ。船の設計は大日本帝国に似ているのに装備は米国並みか。やっかいだな」

「機動部隊から発艦、数200」

「そうりゅう連絡つきました。現在戦艦部隊と機動部隊の中間点。戦艦部隊には引き離されたので機動部隊に向かうとのこと」

「ミシリアル艦隊の上空の航空機11機。エアカバーかな?」

「9機はどうなった?」

「引き返しました。損傷でも受けたのでしょうか?」

「艦隊間距離35km。砲戦始まったようです」

 

「グラ・バルカス側で撃沈2」

「グラ・バルカス艦隊反転」

「砲戦ではミシリアル側がやや有利か」

 

「足が遅くなっているの居ますから損害は受けているようです」

「ミシリアル側で戦艦クラス反応消えました」

「損害が限界に達したかな」

 

 

「機動部隊からの攻撃隊ミシリアル艦隊に接近。40機が上昇してエアカバー機に向かいました」

「戦闘機部隊かな」

「82機が低空飛行に向かいました。78機そのまま前進」

「低空飛行はミサイルか雷撃か。直進は爆撃かな?」

「上昇した部隊をミシリアルが通過。直進した部隊は急降下」

「あー、爆撃隊か」

「ミシリアル側急降下部隊を狙っていたようですが降下速度に差があって追いつけない」

「沈んだ船は無いようです」

「低空飛行の一団横一列に展開」

「この距離で撃ってないってのはミサイルでは無いな」

「800mほどで旋回して離脱」

 

「ミシリアル艦隊側、次々反応消失」

「あー、雷撃かー」

「全艦沈没した模様」

 

「時系列と考察をまとめてレポートに。3時間後にブリーフィング室で議論」

 

議論の結果

・グラ・バルカスの機体はこれまでの目撃情報も合わせるとレシプロ戦闘機・爆撃機・雷撃機。

・第2次大戦初期の日本軍並の航空攻撃能力と練度なので結構難敵。

・砲戦能力はミシリアル側が有利だが絶対的では無い。

・今の装備だと巡洋艦以下は沈められるが 戦艦は微妙。 

追加情報

・ミシリアルの基地らしき場所を攻撃後こっちに向かってきている。

・11カ国会議でのデモンストレーションでもやる気か?

司令が外務省の居る飛鳥Ⅱに赴いて説明することに統幕にも報告を入れる

 

飛鳥Ⅱの前で

「近藤さんこんばんは」

「司令こんばんは どうされました」

「外ではちょっと 船に行ってから説明します」

「こっちも伝えておいた方が良さそうなことが」

「えー近藤さんのほうでもなんかあったんですか」

「ええ まぁ」

 

会議室

「うちは長くなるんで近藤さんのほうから」

「まぁ グラ・バルカスが事実上の戦線布告して退席したんですよ」

「事実上?」

「『我に降伏せよ』かな」

「あちゃー、こっちもその流れですね」

「グラ・バルカスがなんかやらかしたんですか」

「早期警戒機いつも上げるようにしていたんですけど、それにミシリアルの第零魔導艦隊とグラ・バルカスの艦隊の衝突がとらえられたんですよ」

「ミシリアルの誇る第零魔導艦隊が勝ったんですよね」

「いえ 最初の艦隊戦ではややミシリアル優勢で引き分け。その後200機からなる機動部隊の攻撃で第零魔導艦隊は全滅。近所の基地もやられたみたいです。で、その艦隊がこっち向かってきています」

「砲艦外交またですか」

「当初案のしきしまだけだったら手に負えなかったでしょうね。フェン国軍祭の例を出して押し切ってくれた外務副大臣に感謝しないと」

「で、統合幕僚本部は」

「報告してこっち来ちゃいましたから、返事はまだ」

「こっちも外務省に報告入れておきます」

「これ報告書入ったメモリーカード」

「あ、添付させてもらいます」

 

 

かつらぎCIC

「あ。司令。おかえりなさい。統幕から指示来ていますよ」

「なんだって」

「えーと

・第2護衛総隊待機

・グラ・バルカスとは戦争状態に無い。攻撃への反撃のみ許可」

だそうです」

「あー、外務省からの連絡行ってないのか。まだ近藤さんも報告してないかな?」

「なんかあったんです?」

「グラ・バルカスが『我にくだれ』と言って会議退席したそうだ。事実上の戦線布告だな」

「あちゃー」

「戦争なんて儲からないのに」

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/07 グラ・バルカス表記間違い
2020/02/08 日付挿入


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カルトアルパス迎撃戦

たぶん連合軍は日本艦隊のしたことを理解できてません


中央歴1642年4月25日

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス 帝国文化館

 

「これより、先進11ヵ国会議実務者協議を開催いたします。」

司会進行の言葉と共に、本日の会議が始まる。

「本日は、議長国の神聖ミリシアル帝国から、皆さまへ連絡がございます。先日、現在グラ・バルカス帝国の艦隊が我が国の西の群島に奇襲攻撃を行い、地方隊が被害を受けました。」

{近藤:地方隊とごまかしたか}

迎撃すべきだの声が上がる。

アニュンリール皇国は退席を宣言する。

かつらぎからはトランシーバーを渡され随時重要な内容は伝わってくる。

「日本国はどうされるのですかな?先ほどから黙っておられるが」

「現場に来ている我々では直接攻撃を受けた後の反撃しか許されていません。退席して本国と連絡を取りたいのですが?」

「良い返事を期待する」

 

 

 

総理官邸 第1会議室

外務省から11カ国会議での公的な説明について報告が行われる。

防衛省から昨日のレーダーで観ていた結果についてと直近の状況について報告が行われる。

論点はグラ・バルカスの宣言を戦線布告ととるかどうか。

結論は戦線布告ととるには弱い。攻撃を受けたら全力反撃可というものだった。

 

かつらぎCIC

・他国と行動を共にしても良いが、攻撃をうけるまで反撃を許可しない。

・反撃は全力を可とする。

「多少積極的になったか」

「でも一回は攻撃受けないといけないんですよね」

「被害が出る前になんとかしたいなー」

「1個艦隊と単艦の大型艦がこっちに向かっているのはたぶん戦艦混じりでしょう?当てられたら轟沈ですよ」

「雷撃とか急降下爆撃くらうよりはましじゃ無いかな」

 

神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス 帝国文化館

近藤が戻っても会議はまだ紛糾していた。4時間はたっている。

近藤が発言しようとしたら、

「先ほど、我が国の哨戒機がカルトアルパス南方約150km地点を北上するグラ・バルカス帝国の戦艦群を発見いたしました。

なお、空母はまだ発見出来ておりません。

これより航空戦力で攻撃を行う予定ですが、このままでは、カルトアルパス南方60kmの海峡に至ります。グラ・バルカス帝国の船速と、ここから海峡までの距離を考えると、もう避難は間に合わないでしょう。皆さまの案、急遽連合軍を組織し、迎え撃つ事になってしまいましたが、あなた方外交官と外務大臣の身の安全だけは、我が国の義務として身の安全を確保させていただく。早急に鉄道で北に避難していただきます。」

近藤はなし崩しで参加かと頭を抱えた。

 

かつらぎCIC

「かつらぎを中央に いつもの護衛隊形で 非武装船は警備の最低限の人員残して待避

そうりゅう呼び出しておいて 多分艦隊をゆっくり追いかけていると思うから。あ、航空指令全部上げて」

「航空指令より飛行甲板・格納庫 攻撃隊全機発艦 予定通り第2は対空 第11は対艦装備で 発艦後は1万m以上を保って待機」

 

 

外務省 近藤

待避する乗組員を引き連れて駅へ。特に大きい大所帯にびっくりされるが、「人は作れないので」と流す。

第一便の列車には乗りきれないので 次を待つことにする。

 

かつらぎCIC

「海峡入り口に大型船」

「海峡から30kmと200kmに艦隊。航空反応接近200機」

エアカバー部隊と交戦が始まる。

「40機が交戦中 82機が低空飛行に向かいました78機そのまま前進 前回と同じ構成」

他国の艦が次々撃沈している。

 

「2機がきりしまに向けて急降下」

「爆弾放したら反撃許可」

「放しました。きりしま回避行動。あたりません」

「オールウェポンフリー」

「各艦ESSM発射」

「各艦主砲射撃開始」

 

 

「敵機全機撃墜」

 

 

グラ・バルカス帝国 帝国監査軍 超大型戦艦グレード・アトラスター

神聖ミリシアル帝国で開催された、先進11ヵ国会議、その会議に、帝国の意志を伝えるために乗り込んでいた美しき女性、外務省東部異界担当課長のシエリアは、艦橋で艦長と共に、戦況を眺めていた。

世界の歴史上最大最強の戦艦を前にして、次々と沈んでいく異界の蛮族どもの船、彼女は圧倒的な差を見て、グラ・バルカス帝国の世界統治は確実なものとなる事を確信する

突然味方の航空攻撃が途絶えた

「どうした?」

「全機撃墜されたようです」

「ばかな 200機からだぞ」

「レーダーには敵の航空反応らしき物しかありません」

「なにがおきたんだ」

 

かつらぎCIC

「第2次攻撃隊らしき反応60機 70kmまで接近」」

「エアカバー隊に対応させろ」

「航空司令より 第2航空隊 接近中の敵機60機 撃墜しろ」

12機が降下しつつAAMを放つ

 

「全機撃墜」

 

「海峡を封鎖しようとしているのにSSMお見舞いしてやれ」

「戦艦でしょうから沈みませんよ」

「主砲が打てない位傾いてくれればめっけもの」

SSM-1Bが 次々発射され グレード・アトラクターに向かう

「そうりゅうと連絡取れました 海峡まで100kmの地点」

「うーん 間に合わないか」

「何する気だったんです?」

「近くだったら戦艦に魚雷撃ってもらおうと思ったんだが」

「さすがに位置的に無理ですね」

「そのまま海峡に進んで 撤退する戦艦の反応あったら魚雷お見舞いしろと」

 

 

グラ・バルカス帝国 帝国監査軍 超大型戦艦グレード・アトラスター

超高速で海面すれすれを何かが飛んでくる。ホップアップしたかと思ったら突っ込んで爆発する。重防御区画は無事だが、煙突に穴が開き煙が横に吹き出している。高角砲が吹き飛び、船首と艦尾に破口があき浸水している、沈みはしないだろうが速力の低下は免れない。

第2波、第3波がやってくる10発を超える。

その中の2発が艦橋と第一副砲塔に突っ込んで爆発した。

艦橋に居た首脳部は壊滅。装甲司令塔にいた副長が指揮を執る事態になる。

グレード・アトラクターの数少ない欠点に副砲塔の装甲が薄いというものがあった。

そこから炎が爆薬庫に迫る

副砲弾薬庫に注水を命じ 片弦に被弾が集中したため傾き、また測距所との連絡が取れないことから砲戦が難しくなったので副長は撤退を命じる。

 

かつらぎCIC

「敵艦反転」

「SSMつるべ打ちでも沈まないか」

「自艦との砲戦で沈まないが条件らしいですしね」

「グラ・バルカス語の解析は?」

「突然なんです?」

「降伏勧告しようかと」

「あーそこまでの解析はできてないですね」

「仕方が無い 11航空隊に 機動部隊沈めてこいと」

 

「1隻残りましたね」

「戦艦かな?」

「航空司令より11航空隊へ 残艦の艦種を目視確認」

「11航空隊リーダーより航空司令 たぶん 戦艦 上部構造物はかなり破壊、漂流中」

「海峡封鎖狙ってたと思われる戦艦隊とおぼしき反応は?」

「司令 引き返し始めました」

「とりあえず危機は去ったか」

「味方の反応もかなり少なくなってますね。報告が間に合わない勢いだったんでしませんでしたが」

 

 

そうりゅうブリッジ

「音紋採取した敵艦隊近づいてます」

「沈められたら沈めろとの指示だができるかい?」

「全艦となるとハプーンだと大型艦が無理ですね。殺ります?」

「大型艦に長魚雷 大型艦撃沈後、小型艦にハプーンで」

「長魚雷スイムアウト」

 

 

かつらぎCIC

「あれー 封鎖艦隊 数減ってますね」

「ほんとだ 大型艦いなくなって小型艦は静止中」

「そうりゅう居るところに近いな」

「殺ったんですかね?」

「かもしれないな。そのうち報告が入るだろう」

「航空司令より司令へ 攻撃隊収容終了」

「よし、カルトアルパスの港に戻るぞ」

 

 

そうりゅうブリッジ

「全艦撃沈」

「カルトアルパスの港に戻るぞ ここから離れたら通信ブイ上げて報告」

 

 

カルトアルパスの港で停泊中のかつらぎCIC

「そうりゅうから入電 殺ったみたいです」

「帰りの脅威はほぼ無くなったか」

「おうちに帰るまでが遠足ですしね」

「非武装船の乗員が帰ってきたらとっとと帰ろう」

 




2020/02/06 誤字修正
2020/02/07 短魚雷をハプーンにグラ・バルカス修正
2020/02/08 長魚雷よりハプーンの方が遠くまで届くの指摘で表現変更
      日付挿入


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ムーへの技術移転

原作とは乖離し始めます


中央歴1642年4月28日

総理官邸

閣議でいくつかの議題の議論が行われていた。

なし崩しに開戦状態になったグラ・バルカス戦に対する法整備だ。

今までの局地戦と違い、全面対決なので特別措置法一本でまとめるのは戦局が流動的だけに難しい。結局戦争状態にあることを示すグラ・バルカス特別措置基本法を作り、反撃に対する基本指針をまとめるとともに、こちらから攻勢に出る場合は作戦ごとに特別措置法を提出することとなった。

もう一つ大きな議題は新世界技術管理法についてだった。

圧倒的優位を維持するために厳しく管理を行ってきたが、あまりの受注状況に国内だけでは対応しきれないのがはっきりしてきた。

また、グラ・バルカスの問題もある。

今までは圧倒的技術格差で数の不利を補ってきたが、第2次大戦レベルの敵に数で押されると対応しきれない恐れがある。

とにかく何をやろうとしても「人員不足」という問題が発生する。

「人材不足」なんてとっても贅沢だ。

生めよ増やせよやっても結果が出るのは20年後

政府は頭を抱えていた。

一番手っ取り早いのは同盟国を巻き込むこと。主にムーが対象になるが、だいたい1960年代までは開示。1970年前半はブラックボックスでの装備供与を行うこととした。

具体的な内容は通商産業省の外局として設置された新世界技術管理庁で個別審査していくこととなった。

○新世界技術管理庁の仕事は大きく2つ 

・技術流出の防止 開示する技術の個別審査、ちまたに溢れる新しい技術書籍の回収なども行っている。新しい技術は電子書籍での発行に絞らせている。

・魔法という技術の体系的取得、魔法をどのように技術体系に組み込むかの研究を行っている。

 

 

中央歴1642年6月1日

新世界技術管理庁

「ムーに開示する航空技術どうする?」

「課長、レシプロ機の最終形を渡しちゃったらどうです?」

「具体的には?」

「A1スカイレーダー、戦闘機ならF8Fベアキャット」

「スカイレーダーはオーバースペックすぎないか?」

「インターネットアーカイブプロジェクトでコピーした中に設計図あるんですよ」

「まぁどっちの第2次大戦最終機といえば最終機だなぁ」

「どっちも重防御だし、ゼロ戦や97式艦攻の世代には負けないと思うんですよね」

「どうやってわたす?」

「まずはこっちで試作して、よければ量産ラインの設計して構築、問題なければラインごと持って行くが技術流出は抑えられると思うんですよね」

「それで企画書を書いてくれ。上に説明する」

 

 

 

 

M社

「とんでもない依頼が来たもんだ」

「なんです?」

「A1スカイレーダーとF8Fベアキャットの試作と量産ラインの構築 最終的にはムーに持ってくそうだ」

「エンジン違うじゃ無いですか。せめてどっちかに統一して欲しいですね」

「そうだなぁ F8Fは無理ですと返しておくか」

「強力なエンジンさえ確保できれば後はなんとかムーでするんじゃ無いんですか」

「完成形を渡すことでノウハウの流出を避けたいそうだ」

「排気タービンだけはこっちから供給にした方が良いですね。それだと」

「そうだな、逆提案してみる」

 

後日M社

「とりあえずスカイレーダー一本で行くことになった。これアーカイブプロジェクトでコピーされてた設計資料」

「ヤード・ポンドだから若干の再設計は要りそうですね」

「まずはエンジンの試作からだな。結構冷却に苦労したと資料にある」

「レシプロエンジンだと自動車の協力もらった方が良いですね」

 

 

中央歴1642年8月2日

新世界技術管理庁での会談

「マイラスさんこんにちは。新世界技術管理庁技術供与課課長の光末です」

「光末課長こんにちは。今日は何用です」

「ムーに供与する航空機技術の選定が済んだのでこれでいいかどうかの確認をと」

「ほう」

「最後の戦闘用レシプロ機といわれたやつをお渡しすることに」

「え、そこまで出していただけるんですか」

「これで良ければ試作・量産ラインの設計・製作をして動くことを確認したら量産ラインをムーに持って行って作っていただく 一部管理対象品が含まれていますのでそれはこっちで生産して完成品をお渡しするということでどうでしょう」

「どういう機体でしょう?」

「スペックはこのように」

・全長:11.84m

・全幅:15.25m

・エンジン:ライト R-3350-26WA レシプロ(2,700馬力)

・最大速度: 518km/h=M0.42

・航続距離: 2,115km

・乗員:1名

・ 武装

・ 固定武装:イスパノ・スイザM2 20mm機関砲x4

・ 胴体下部武装:魚雷または増槽

・ 翼面下部武装:2,000ポンド爆弾x2または増槽x2、ロケット弾・爆弾パイロンx12

・ 機体両側面・底面に急降下爆撃制御用ブレーキ板装備

「速度が遅いことを除けば文句ありませんね」

「マイラスさん。戦闘機では無いんですよ。攻撃機といわれるジャンルですね」

「戦闘機は無いんでしょうか」

「試作をお願いしたところが人手不足で1つにしてくれと」

「わかりました。戦闘機も期待します」

「検討はします」

 

 

 

 

日本と国交を結んだ国

大体共通する話題

「本を手に入れても理解できんな」

「本を理解できる人材の育成からかと」

「どっから手をつけるのかね」

「義務教育制度の導入と、子供に勉強させることが必要であるという親の教育からですね」

「成果が出始めるまで40年位かかりそうだな」

「そうですね」

 

 

 

 

呉J社修理ドック

大破したラ・サカミが横たわっていた

工廠責任者の東は先日の新世界技術管理庁の説明を思い出していた。

「新造した方が早く 強力になるのは判っていますがあくまでも修理の名目で第2次大戦型の艦艇と渡り合えるようにしていただきたい」

「技術管理法はどうなるのですか」

「ムーに対しては大幅な緩和が認められます 詳細は後日書類でお送りします」

ミサイル以外はブラックボックスすればかまわないというのだから。30.5cm砲を高初速化するために試製砲の発注はしてある。

大和と武蔵が出るたびに砲身命数いっぱいの艦砲射撃をかますので制作技術は細々ながら残っているのだ。これでデーター集めてFCSを設計しなくてはならない。

 

ラ・サカミの修理ドックで

「戦艦はいつ見ても良いですよね」

「おまえ去年も聖地巡りとかしてなかったか?

横須賀の三笠、呉の長門、改装に入るんで当分公開日がないとか有給取って富士宮の大和と」

「三笠と長門はコンクリ埋めで動けないですけど、象徴的船ですからね。長門は埋めておかねば原爆実験に引っ張ってくつもりだったらしいです。代わりに金剛と伊勢が持ってかられましたけど」

「へー日本にも戦艦有るんですか」

「マイラスさん。ええ、艦隊決戦に参加したことはないですけど、2隻保管艦状態であります。世界最大の戦艦なんですよ。グラ・バルカス帝国のグレード・アトラスターが第一時代改装後の姿はそっくりです。第2次改装は弾薬共通化するための変更と対空ミサイルの追加とか機銃の整理でゴテゴテしていたのが少しすっきりしたかなー?今第3次大改装に入っています。長期延命化とかで半分ばらすらしいですよ」

「ばらすって?」

「ほぼ作り直しするレベルでバラバラにして各部交換するそうです。この世界に来なければ多分このまま廃艦だったんじゃないかな?おっきい大砲って示威には有効ですから」

「おっきいてどんなの積んでいるんですか?」

「今が46cm45口径3連奏3基です 外筒寿命なので交換。機関も蒸気タービンメンテできる人が減っているので、ディーゼルエレクトリック式。対空砲も自動砲にというところは公表されています。噂じゃ金額的にイージス化とか、ミサイル戦艦化という話も出ていますね。主砲は対地射撃にしか使われたことがないのが残念ですけど」

「対地射撃ってそんな用途にしか使わないのですか?」

「ええ、完成した頃には空母が主力でしたし、今は対艦ミサイルの時代ですから。戦艦を航空機で撃沈できると証明したのも我が国ですし、空母は攻められるともろいので艦隊防空が重要と証明しちゃったのも。一気に7隻沈められて講和派の暗躍の原因になりましたね。敵だった国もこれから反攻作戦だと集めていた艦隊が台風の直撃食らって大被害。戦線整理のタイミングで講和派がクーデター起こして降伏。それまでの同盟国に宣戦布告して、ボロボロになるまで戦いました。終わったときには、投入戦力の3割まで減っちゃいました。海上護衛で空母が必要だったので3番艦は途中で設計変更されて空母として完成。ジェット対応改装とかして40年以上現役 30年位前に退役して廃艦になりましたね」

「若槻、軍事になると饒舌だな。この軍事オタクめ」

「北澤先輩ひどいですよ。近代史真面目に受けてればやる内容ですよ」

「対地射撃ってどういうふうに使われたんですか?」

「マイラスさん。レイフォルが更地になったのと同じですよ。上陸地点を耕しちゃって罠を破壊するとか、ゲリラを掃討するために住民ごと海岸まで押し込んでの殲滅射撃とか悪名も結構響いているんですよ。この前、出撃したのがソマリア戦役にPMCにレンタルされても参加でしたからすごかったですね。ゲリラが反抗する気力が無くなるまで艦砲射撃。戦役全体で300万人位死んだのかな?隣国も難民に来られるのは困るから国境線で殲滅戦していましたし。この辺の戦術ってナガシマドクトリンて言われています。500年前我が国が壮絶な内乱状態だったときに宗教勢力が住民巻き込んで立てこもってナガシマという土地で反乱起こしたときに、一番天下統一にそのとき最も近い位置にいた武将が取った戦術です。この武将、宗教が現世勢力と結びつくのが嫌いで大抵殲滅戦したんですよ。この一連の働きで、宗教は現世権力とは距離を置くという掟ができましたね。」

「結構この国も戦乱の中を通っているんですね」

「長く平和だったのは鎖国していた江戸時代位かな」

「若槻さんPMCって何です?」

「マイラスさん。うーん ぶっちゃけると傭兵会社」

 




2020/02/07 グラ・バルカス表記ミス修正 対戦->大戦 誤字脱字修正
2020/02/08 日付挿入
2020/02/12 膨らませて26話にした部分削除
2020/02/25 誤字修正


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航空機の準備

独立させました
大戦末期の日本機作るよりは色々現実的かなぁと


A1スカイレーダー。設計図が残っていると言っても、実際にどういう部材をどう加工したかの情報までは記載されていない。自動車の方からエンジン設計の人を呼び必要な情報を逆算していく。部材の情報、加工方法まで含めた設計書(初版)ができるのに初めてのこともあり半年かかった。

自動車用の負荷試験機では圧倒的に能力が不足している。

交流発電機を設置してで電力を測定することで計ることにした。折角、電気起こしてるのに熱に変えるのももったいない。エンジンの回転で周波数が変わってしまうので冗長ではあるがこのような構成にした。

「試作エンジン」ー「減速機」―「発電機」―「負荷制御」ー「交流直流変換(周波数のばらつきを吸収)―「バッテリ」ー「直流交流変換機」―商用網に接続だ。

 

『落合主任試作一号機のテストベンチへの設置終わりました」

「よーし実験室から待避」

「待避終わりました」

「最初のエンジン 点火はうずうずするな 各所につけたセンサーは?」

「正常です」

「ほんじゃ行くっとな」

「セルモーター始動 規定回転値へ」

「よしエンジン点火」

「動かないわけでないが振動がすごい」

30分ほどで壊れた

振動の原因と壊れた部分の原因追求を 明日1500~会議」

 

「問題処理委員会始めます」「全員いるから出席者確認は要らない」

「昨日の1号機では異常振動と30分で故障でした」

「振動問題破綻解決できます。ヤードポンドからの計算ミスのようです 試作2号機には反映させます」

「30分で壊れた理由は クランクが破断してるとしか今わかりません。

同一ロットの予備部品を破壊検査して見るのと共にシミュレーターを使って力学計算をやり直します」

「廃熱ですが、やはり後段のシリンダーの温度がかなり上がっています」

「良い方法がないか考えてください」

「ではクランク対策できてからら会議で」

「議事録担当は総括がやります」

 

試作17号機では地上での運転が問題ないとされた

 

高空環境試験室が稼働状態になったので高空を想定した試験をするが廃熱問題が最後までのこった。

また進捗会議に機体担当も混じるようになる。低空ならば連続稼働時間に難はあるもの実機が用意できるのでる。無線局の特別免許をとってラジコンで試験飛行を繰り返す。

一定時間でエンジンはすげ替えられ解析に回される。試作57号機で耐久性も含めたスペックが満たされる

既に機体の量産設備は準備され、エンジンもほぼ固まった時点で生産ラインが準備される。量産設備の試験とムーより呼び寄せた工員の慣熟訓練を行っていく。

量産型のロールアウトは10ヶ月目 

 

中央歴1643年7月末

一旦量産設備は解体され梱包されムーへと送り出された

 

少し時間が遡る

新世界技術管理庁での会談

「マイラスさんこんにちは。」

「光末課長こんにちは。今日はお願いがあってきました」

「ほう」

「A1スカイレーダーは進んでいますが やっぱり戦闘機なんとかなりませんか?」

「まぁ当たり前の要求ですね。これで良ければ続けて取りかからせますよ」

機体名  F8F-2

全長   8.43m 全幅 10.82m → 7.25m ※主翼折り畳み時 全高 4.17m

プロペラ ブレード4枚 直径3.84m

エンジン Pratt & Whitney R-2800-30W (2,250Bhp 最大:2,500Bhp)

空虚重量 3,322kg 戦闘重量4,387kg 最大離陸重量5,779kg

燃料700ℓ

最高速度 622km/h 海面高度719km/h 高度8,534m

上昇能力 22.68m/s 海面高度 6,000m まで5分30秒

航続距離 1,954km 150galタンク搭載時 2,954km 150gal + 2×100galタンク搭載時

武装   AN-M3 20mm機関砲×4 (弾数計820発)

爆装   最大1,633kg

「これなら十分です」

「ではそういうことで」

その頃既に、エンジンの試作組はベアキャット用のPratt & Whitney R-2800-30Wに格闘していた。どうせ要求があるに違いないからとやらせていたのだ。気難しいライト R-3350-26WA を先にやったおかげでわりと順調といえた。

「3ヶ月で設計書を仕上げ 半年目にはエンジンもほぼ目処が立った」

また無人機での試験が繰り返されスカイレーダーに遅れること8ヶ月で量産型ロールアウト。

中央歴1644年4月末

量産設備は解体され梱包されムーへと送り出されるた




2020/02/10 牽引追求->原因追及


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護衛船増産

原作でも足りないと騒いでるので
短かったんで話し継ぎ足しました。


防衛装備庁 

「無茶ぶりが降ってきたぞ」

「小山課長なんです?」

「イージス艦の倍増について調べろと」

「船は時間かければできますけど今の人手不足じゃ乗員集まりませんよ」

「そうなんだな」

「まぁ期間だけだから妥当な数字返しておけば良いか」

「若菜ところで久住最近見かけないけどどうした」

「政府の無茶ぶりで駆けづり回ってますよ 大和と武蔵の工期を大幅に短縮しろで」

「最初からならともかく今からだからなぁ」

 

 

「イージス艦やらねばならぬでまた来た」

「どうしてです?」

「西南諸島沖で潜水艦が攻撃して来たので反撃して沈めたのサルベージしたらグラ・バルカスのだったとか、商船が行方不明になる前にグラ・バルカスの航空機の攻撃を受けていると通信してきたとか通商破壊の前兆があるので護衛艦がいるとか

「朝鮮戦争レベルの護衛艦作って各国から乗員を集めて連合護衛隊つくったらどうです?箱は作れても乗員が足りないんですから」

「提案してみる」

 

閣議にて

「防衛装備庁から護衛艦増産に逆提案が来ている。護衛艦増やすのはできるが、多分乗員が集まらないので朝鮮戦争レベル+αの護衛艦作って各国から乗員集めて連合護衛隊作ったらどうだと 各省持ち帰って検討すること」

 

新世界技術管理庁

「うちの立場的には ムーなら良いけど 他はちょっとね」

「通商破壊されたらそんなことも言っていられないでしょう」

「確かに。同一国の出身者で船の乗員を固めないこと エンジニアはチェンジニアまでかな」

「そんなところだろうな」

 

閣議にて

「明確な反対は法務省 条件付きは新世界技術管理庁か」

「法務省としては自国の使用に限るという装備が含まれるなら反対です」

「技術管理庁としては同一国の出身者で船の乗員を固めないこと エンジニアはチェンジニアまでが満たされれば賛成します」

「では 組織については防衛省を主幹として外務省と通産省で素案を作ること

装備に関しては法務省の意見を留意しつつ防衛装備庁で行うこと」

 

 

防衛装備庁

「うーん 秋月級に近い作りになるのかな」

「酸素魚雷の代わりに短魚雷積むのとレーダー周りが着くの以外は多分一緒」

○護衛船(案)

対水上・対空レーダー

魔力感知レーダー

MK12連装砲    前1機 後2機 各個にイルミネーター

ボフォース40mm  連奏4機8門

対潜水艦用短魚雷 4門x2

艦首聴音装置

13000馬力 V8ディーゼル 2機 シフト配置

2700トン

26ノット

 

文明圏連合護衛艦隊司令部-+―第1文明圏護衛艦隊司令部―各護衛隊

             +―第2文明圏護衛艦隊司令部―各護衛隊

             +―第3文明圏護衛艦隊司令部―各護衛隊

 

 

ムーと日本が中心となって第2文明圏第3文明圏から構築を始める

第1文明圏には神聖ミリシアル帝国には通商破壊戦をグラ・バルカスやりそうなので対処しますと話だけ通しとく

 

中央歴1643年1月5日

「通商破壊戦始まっちまったなぁ」

「どうしたんです小山課長?」

「神聖ミシリアル帝国に護衛依頼が殺到しているそうだ」

「決戦もうすぐじゃなかったでしたっけ?」

「そのはず。国内で珍しくもめている間に来ないで良いと言われちゃったがな」

「今は神聖ミシリアル帝国に向かっている船に限られているが、いつ他に広がるかわからん」

「護衛隊はそれで手一杯になるかなぁ」

「決戦に参加しなくて良かったかもしれん。国内の護衛で手一杯になる」

「国際護衛隊の話は通ったんですよね」

「国内的には通った、各国に要請中。最大の難関は船をどうやって作るかだ」

「国内の造船所は10年先までいっぱいですよ」

「小山課長そこはアイディアがあります」

「寺井か。どうするんだ」

「かなり量産しますよね」

「三桁は行くかな?」

「ならば造船所から作ってしまえば良いのです」

「人員どうするんだ? 建設業も 造船業も過労死が問題になっているのに」

「今、審議会に送られようとしている新技能育成者制度使うのですよ」

「ああ、貿易相手国に産業が無くて奴隷を輸出して外貨稼いでうちへの支払いに充てているのがばれて問題になったやつか」

「モノカルチャーで良いから何かしらの産業を各貿易相手国に育成しようってやつです」

「で、どうつながるんだ」

「既存の会社に育成者を送り込んで、一部の基幹要員をもらって、こっちも育成者ともらった基幹要員で造船所の建設から始めるのですよ」

「なんとなく判ったから提案のメモ作ってくれ」

 

                        中央歴1643年1月5日

     護衛船の確保方法について

                              防衛装備庁

前提

1.国内の造船所は10年先までいっぱいである。

2.技能者は慢性的に不足している。

3.護衛船は3桁の数必要であるので既存の造船所に割り込ませるわけに行かない。

4.貿易相手国に何かしらの産業を育てないといけない。

結論

○専用の造船所を貿易相手国の技能者育成を兼ねて作ってしまう。

手法

1.既存の会社に育成者を送り込み、技能者を譲ってもらう。

2.技能者と育成者で造船所を建設から始めることで技能の育成を図る・

3.必要な人員の頭数をそろえることができる。

4.育成者を入れ替えることにより国別に育成する技能を選択する。

 

新技能育成者制度

1.受け入れ団体に任せきりで事実上の奴隷売買としていた旧技能実習者制度を国が関与することにより防止する。

2.育成方針・育成状況の確認は国が行う。

3.実技のみであった物を半分は座学とする。

 

「小山課長こんなところですけど」

「寺井、今一でき悪いな。まぁ根回しの前のあたりに使うんだからこんなもんでいいか」

「まぁでき悪いのは自覚しています。聞かれたことは教えてくださいね。盛り込みます」

「うんじゃ、関係しそうなところに顔を出してくるわ。新年の挨拶かねて」

 

 

「小山課長どうでした」

「寺井か。悪くはないがかかる時間を気にしていたところ多かったぞ。それと質問メモこれ」

「では真面目な資料作りますね」

「頼む」

 

この問題は先行生産型を既存の造船スケジュールに割り込ませ、問題点の確認と初期の戦力確保を行い、中期以降は専用造船所を作っていくことで決着した。

育成の主幹は通商産業省だと文句を言われたが、もっともであるので謝った。

 

閣議にて

「主要航路の船団護衛を始めようと思う」

「どうやって民間に強制しますか」

「護衛船団が運航している航路で船団に参加せず撃沈されても戦時特約で保険金を支払わないよう金融庁に指導してもらおうかと」

「たしかに。このままだと戦時特約を全面適用していっさい払わないと言い出しそうですから調整してみます」

 

 

ムーの船舶設計技師ウェルテは同僚3人らとJ社に派遣された。設計を見てこいと。そこで見たのは魔信で使う画面に似た物に図面らしき物が引かれているのだった。

「今はCAD(computer-aided design)電子計算機による設計支援が主ですね」

案内の人間が言う

「電子計算機って計算するんですよね 足し算引き算・・・」

「ええそうですね中では全部座標で管理されています。それを人間にわかりやすく可視化しています」

「・・・。」

「いきなりこれというのも難しいので日本で一般的な図面の書き方からやりましょう。日本企業の仕事を皆さんも受けるようになると必須ですよ」

「そうですか」

「こちらへどうぞ」

別室に案内される。

「CADになる前は製図台という物が一般的に使われていました。この部屋は新入社員で設計を学んだことが無い人間がいるときだけ研修で使います。皆さんは経験はあると思うので一月もあれば違いが分かると思いますよ」

「そうですか」

「実践に入る前に基本を講義しますので会議室へどうぞ」

 

その日のウェルテの日記より抜粋

やはり違いはあるものだ。図面を読めるようになって仕事を受注できるようになろう。

 

半年の研修のあと、ムーの企業が日本の仕事を受けられるよう、あちこち奔走する羽目になる。

 

A国の作業員Bはドックの工事現場で日本人作業員が土木技師に設計がおかしいと抗議しているのを見て驚いた。結果は作業員の方が正しかった。自分たちでは言われるがまま作業して、うまくいかなくなってから作業のやり直しになるのに。今は1日おきに基礎教養として日本人の子供がやる内容をやっている。技師の間違いを指摘できるような一流の作業員になりたいと思った。

 




2020/02/10 通商破壊線->通商破壊戦 若干加筆 増産してないのでタイトル変えました
2020/02/11 ボフォーズ->ボフォース
2020/02/11 人or中->乗員
2020/02/12 話継ぎ足し それに伴いタイトル再変更 馬力変更
2020/03/26 表記変更


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ラ・サカミ プロジェクト室にて

無茶振りに応える人たち

前話書き足してます


時間は溯る

 

中央歴1642年7月24日

 

J社ラ・サカミ プロジェクト室

「5ヶ月弱で仕上げろって無茶言うなぁ」

「いくら技術管理が甘くなったって時間が要る物は要るんだが」

「愚痴言っても始まらない できるところから手をつけよう」

「東課長 30.5cmの高初速化は間に合いませんね。試作砲ができるのがそれくらいになりそう」

「あれ、もうちょっと早くなかった?」

「政府の無茶振りの影響ですよ。大和・武蔵の長期延命化工事を大幅前倒ししろってので室蘭製鋼所がパニックになっています」

「そりゃ無理だな」

「まぁ当初予定でも本番用の作成は5ヶ月ではできませんね。既存の砲を改修して乗っけるしかないですね」

「既存だと陸自の155mm砲が最大だな」

「FH70なら機材管理師団から譲ってもらえるんじゃ無いかな?後で新品返すと言うことで。」

「射程30km39口径か。弾が軽くなって射程も短いんじゃ許してもらえないだろう」

「これ以上だと自走榴弾砲しかないですよ。99式 52口径射程が30km ロケット弾使って40km 即応師団の借りるわけ行かないし。借りられますかね? 室蘭が落ち着いたら返すで」

「借りられるか交渉だな。政府の無茶振りが原因だしいけるかも」

 

 

「現場は渋ったが、防衛省から貸すように指示が出て貸してくれた。3輛」

「スタビライザーは10式のをベースに作成できるか聞いてみる」

「後部砲塔用には海自がMK45を1門くれるそうだ」

「巡洋艦以下には負けないと思うけど戦艦相手にはまだきつい」

「魚雷位しか無いな。ミサイルは禁止だし。無誘導のロケット弾は良いと言っていたな」

「また東課長、陸自を脅すんですか」

「仕方あるまい。今の舷側砲塔は役に立たないからな。舷側にこそMK45持ってきたいんだが」

「即納品が無い状態ですね 5ヶ月縛りがなければ色々やれるんですが 」

「そういうのは2次改装で盛り込もう。後なんかあるか」

「対空砲ですね ボフォース40mm 4連2機かな?」

「それしか乗っけないのかい」

「場所がおそらくないかと」

「エンジンどうしましょう?」

「艦体ばらしてる余裕は無いから今のエンジンの改造で行くしか無いな」

「三笠と違って自然吸気のディーゼルだからスーパーチャージャーとターボで5割増し位か」

「艦首の造波抵抗低減図って低抵抗になる塗料塗って22-23ノットかね」

「ガスタービン使って良いとは言っていたけど 機関室に入れる方法がないな」

「中で組み立てるのはちょっと勘辨です。入れるだけなら主砲パーヘッドから入れて弾薬庫の壁ぶち抜けばいけますが今のディーゼルを解体して運びだすだけで期限来てしまいます」

「これで詳細設計に入ろう」

 

 

中央歴1643年2月8日

 

「オタハイト沖海戦で10対1で辛勝したそうだ でも大破」

「巡洋艦以下は砲撃で 戦艦はロケット弾で上部構造物破壊した後、魚雷で残二隻まで 残りはマイカル襲撃艦隊をかだつけた第4護衛総隊の航空隊がASM2の飽和攻撃が沈めたそうな」

「まぁがんばったんじゃない」

「頑張ったんだ」

「応急修理が終わったらまた来るだろう。現在の進捗確認」

「主砲の30,5cm砲は、55口径高初速砲がこの前納品になって、鳥取試射場に設置しました 45km位はいきそうです」

「マスト高くしてレーダー設置しないといけないな」

「人間が居る必要は無いので簡単なので良いと思います」

「射撃管制盤どうする?」

「コンピューターが使え無いの痛いです。真空官式アナログコンピューターかなぁ? この辺は電気の人と話さないと。」

「他は?」

「室蘭の混乱が収まったんでMK45作ってもらえそうです。舷側に1機づつロケット砲は効果があったみたいなので残して 魚雷も残す」

「エンジンはどうする?」

「使って良いならガスタービンですね。今のエンジン出す方が大変ですよ」

「そういや、電源の多重化の要望は来そうだぞ。残り二隻で全電源喪失で反撃できなかったらしいからな」

「どこに置けるか検討します」

「ま、生き残ってくれて良かった」

「そうですね」

「まったくです」

 

 

 


     

電気の人たちの愚痴

 

「砲戦用アナログコンピューター設計する羽目になるとは。しかも真空管で。歴史ではやりましたし、オペアンプでの信号処理は学校で習いましたけどね。処理する情報的にはパソコンでスクリプト書く位で規模はいけるんだが新世界技術管理法に引っかかるからな」

「真空管の新規製造からですしねぇ。ギターアンプメーカーが『音がちがーう』と、とち狂って生産してくれてるのが救いですね」

「信号処理系はそれで頑張るとして、レーダーと連動させる部分や値を伝える部分にはパワーを扱える球つくらないとなぁ」

「地味に痛いのはダイオードですよ。普段気楽に使っていますけど、これ使えないと処理が面倒ですよねぇ」

「あーー 整流管とかギャップ管もか」

「近接信管用のメタル管も。国会図書館に追加資料の請求をしないといけないですねぇ」

「せめてセレン整流素子は許可して欲しいなぁ」




課長と兵装担当と機関担当のつもりだが書き分けられてる気がしない。
原作ではガスタービン入れてるのでアンチかなー。
ギターアンプの話は実話です。
2020/02/12 ちょっと挿入 さらに追加 書きため分から電気屋さんの愚痴を追加
2020/02/13 マイカルに空母機動部隊いたの思い出して首都航空隊から空母機動部隊の艦載機に変更


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ムーについて(歴史捏造)

一万二千年も進歩が無い理由をこじつけてみた。


      かつて、地球の太平洋上に昔存在した大陸国家

      アトランティスと地球上の覇権を争っていた。

      アトランティスは南極大陸になっている。

      現在の日本との距離は二万キロ。航路では二万四千キロになる。

      日本との関係は非常に友好である。

      同じ科学文明国。

      第二文明圏の盟主といわれている。

      世界各地に航空機用滑走路を建設し、外交に活用している。

      ムー大陸には現在

       ムー国の他に 

       グラ・バルカスのレイフォル地区(旧レイフォル国ヒノマワリ王国)

       ソナル王国

       ニグラート連合

       マギカライヒ共同体 

      が存在している。      

 

歴史

一万二千年前唐突に現在の星に転移。 

      サプライチェーン破綻による産業クラッシュが起きる。

      文明機器が再生産ができないことによる文明後退が起きる。

      魔法文明国との接触がある。

      ムー大陸全土で一国であったのだが、  

      剣と魔法を使う魔法文明国に剣のみのムーは敗退をし続ける。

      結果、次々と国土を切り取られる。

      この時点のムー人は魔法が使えなかった。

      絶望から終末教が蔓延する。

      結果、暗黒の一万年といわれる時代に突入する。

      何度も過去の遺産を発掘しては再起を図るも、     

      本土の地下資源は使い尽くしているために、

      薪の利用までしか文明が戻らない。

      燃料である森を切りきって、衰退に入ることを繰り返す。

      地球上でもギリシャ文明・ローマ帝国などなどで起きたことだ。

      イギリスの産業革命は、石炭という化石燃料手に入れたせいで成功した。

      混血が原因なのかムー人にも魔法が使える者がふえる。

      魔法による資源リサイクルというブレークスルーが発生する。

      これにより、産廃遺跡という低密度資源からの資源獲得が始まる。

1000年前  オタハイト沖に新油田発見されれる。

      魔法で採掘が行えるようになる。 

      新たなエネルギー源を得たことにより産業革命が発生する。

      一カ国でのんびりと技術進歩をしている。

      産業遺跡から技術の再興が始まる。

      数学・物理学・化学の再発見。

      魔法に頼らない武器を手に入れるようになる。

      奪われていた国土を不可侵条約の無い周辺諸国を攻めることにより奪還。

      (アルー・マイカルなど)    

      復刻した技術製品により交易が盛んになる。

      交易により魔法で産廃遺跡から細々と得ていた資源が鉱石からの

      大量生産が可能になる。

      蒸気ボイラー世代の近代軍艦と小銃が使われるようになる。

      発掘から内燃機関を手に入れる。

      ディーゼルエンジン再発明。

      近代軍艦が製造できるようになったことにより二世代前の戦列艦の輸出

      それを対価とした資源輸入拡大へ。

      世界第二位の大国へ

      ムー大陸の再統一は悲願であるが、敗退期に結んだ不可侵条約で

      領土の半分は回復できていない。

 

 




ろくに情報がない物から1kバイト作るのは大変
現代文明が何かで失われた後再起できるかという問いに無理となっていた文の内容を思い出しつつイベントを入れていった。
他の国の主力が戦列艦である理由もムーに押しつけた

2020/02/14 誤字修正 魔法が使えるようになった理由修正
2020/02/15 誤字修正 日本国召喚Wikiに書いてあったのであわせるよう修正
2020/02/18 6巻でヒマワリ国の位置が確定したので修正
2020/02/19 ヒマワリ国->ヒノマワリ王国


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小話

どうやっても1話にならないのを繋いでみた


護衛隊訓練学校

グラ・バルカスの通商破壊とやらが始まって急遽護衛の部隊を作ることになったらしいんだが足りないのは人。日本国が国交のある国全部に呼びかけて募集された1期生の一人が俺だ。

給料の良さに目がくらんだ、乗る船は今作っているそうだが、できたらすぐ乗り込めるよう基礎訓練。体力には自信があったが教官たちは化け物か?こっちがヘトヘトになるまで走り込んでも汗一つない。

同じ人間だ。そのうち追いつくだろうと思っている。

午前中は座学。一番のネックは中央標準語を覚えることだ。顔をつきあわせて話していれば使ってる言語が違っても意味が通じてしまうのが、機械を通すと通じないので標準語を理解する必要があるのだ。

当初1000名は居たのが700人位 だいたい下げ止まった感じだ

2ヶ月ごとに募集しているようで次の1000人が先日入ってきて絞られている。

こっちも、基礎体力と常識を覚える訓練から機械を操作する訓練が加わった。

俺の専門は主砲砲術員。12.7cm砲を操作して、弾を込め、打つのが仕事だ。

とはいえ、甲板上の作業は一通り学ばさせられる。

投錨、抜錨。

ボフォース40mmの射撃・給弾。

短魚雷の発射シーケンス。

普通は二年かけるところを4ヶ月でやるというのだからめちゃくちゃだ。

来月末には配属されて実際の船での訓練 1~2ヶ月で実戦投入だそうだ。

そうしないと、現在護衛を引き受けている日本国の海上自衛隊が大規模メンテナンスに次々入らないといけなくて、船団護衛に穴が空いてしまうそうな。

これまで航空機で大体押さえ込んでるからとはいえ油断は禁物だ。

 

 

 


 

学会発表

 

「(仮称)魔法子について」

 

 

素粒子研 篠原研究室

 

 

 

この世界に魔法という物があることは周知のことと思います。

どのような物か物性面から研究した結果です。

<略>

粒子としての性質は中性子と同じ重さであり、電気的には中性ただ魔力という物を放出したい蓄積する性質がある点が違います。

<略>

 

質疑応答

「はい」

どうぞ

「この分野は専門でないので・・・」

 

 

「浅沼。手ひどくいじめられたな」

「前田か。しょっぱなから『この分野は専門でないので』が来るとは思わなかった」

「変わった発表すれば重鎮からくらう定番のお約束だからな」

「叩きのめすという宣言だからな-」

「まぁ おつかれ」

 

 


 

E2乗りの不安

 

米国に代わり世界の守護者的立場に立たされた以上 同盟国位は守らなくてはいけない。

P-1哨戒機を新規製造してるとは言え、グラ・バスカルの通商破壊は脅威だ。とりあえず護衛艦をやりくりして、日本ーミシリアルームーの船団護衛は始めた。

商船を守るに特化した護衛船の量産準備も進めている。とはいえ海は誇大すぎる。退役しスクラップになるはずだった艦載機部隊のE2C 32機も再整備し、空母の予備部隊のE2Eを動員して海上警戒に当たっている。

E2で浮上潜水艦を発見したら各地に派遣したP3CかP1で張り付いて撃沈するのがルーティンになっている。

静音性に欠けるので、E2で発見すればまず撃沈できている。

撃沈数も二桁になったはずだ。ミシリアル向けの損害は2桁の上の方で増加が止まっていない。護衛船団が通ってる国は守れるがそれ以外は正直難しい。E2早期警戒機が不足してるのが理由だ。

E2Eは設計情報やライセンスを買ってないのだ。

E2Eの代わりにV22にレーダーを載せた物を開発しようと考えていたからだ。

10年後を目処に機体各所にフェーズドアレイレーダーを設置し情報を統合させようというわりと野心的な物であった。これで強襲揚陸艦にも早期警戒網を持たせようという物だ。

しかし、今すぐには野心的すぎて無理だ。

とりあえず既存の早期警戒装置をV22に乗せるプロジェクトは始まったがE2の消耗前に間に合うのだろうか。

不安だ

 


 

 

先進11カ国会合の後  外務省情報分析室

 

「アニュンリール皇国はどうもおかしいと思わないか?」

「衛星から見る限りは神聖ミリシアル皇国をしのぐ発展具合なのに、砲艦外交の見せ場である11カ国会合にはぼろ船で現れたり、さっさと逃げ出したり変ですね」

「回ってきたレポートだと、外交の窓となるところは ぼろ船にふさわしい建物だが、道路の広さや何かが馬車を想定するには広すぎる。要警戒となってたな」

「11カ国の参加経緯調べてもらっいましたが『わからない』という回答でした」

「わからないか・・・ 他の国はわかってるのにな」

「人族に対する隠しきれない侮蔑感ももってるみたいでだったらしいですよ。話をするのも厭だけど目立ちたくないから会話してるって感じだそうで」

「正体を隠さなければならない、実力を隠さなければならない。まるでスパイだな」

「スパイだとすると、どこと通じてるかですね」

「まぁ、スパイとして扱っておけば良いんじゃ無いですかね 向こうも話したくないみたいだし」

「そうですね」

 

 


 

鉄道工兵隊の日記

 

俺はムー国営鉄道 オタハイト拠点の保線員だ。今日軍から手紙がきちまった。

 

                          5月10日

 

オイゲン殿

                           ムー国軍

 

以下の日付までにキールセキの第3鉄道工兵大隊に曹長として出頭する事

 

       5月20日

 

 

 

 

 

切った張ったの歩兵よりましだが、召集令状とは本気で反撃に出る気かね

 

 

出頭すると 班を一つ預けさせられた 一部は同じ国鉄の人間だが半数は新兵。工兵教育からしろとの指示だ。

 

キールセキからアルーへの鉄道を引きながら研修をおこなっていく。

教室なんてないので実地教育一本である。

 

6月2日

アルーが襲われた。日本国の踏ん張りで民間人は避難でいたようだが、軍は駄目だめだったようだ。空洞山脈の中アルー奪還に向けて鉄道を引く

 

6月10日

日本の鉄道技術者と保線機器到着。ムーの鉄道規格に合わせて改造してきたそうだ。

半分線路の敷設が自動化されている楽になった。直線部分は線路まで繋いでくれる

曲線は砂利まで 枕木と線路は自分たちでやらないといけない

一緒に届いた重機もすごい。あっというまに地面をほり、埋め平らにしていく。

 

7月5日

空洞山脈出口まで敷設。試験車両でも問題は起きてない。反攻作戦までに時間がありそうなので複線化をしていく。

 

7月27日

アルー奪還。空洞山脈出口からアルー経由でノマワリ王国王都のマノワリまで引いてレイフォリア-マノワリの路線と接続しなくてはいけない

 

8月20日

キールセキーアルー館開通

 

9月15日

接続は終わった

 

10月1日

マノワリーシャルナンは徹底的に破壊されている。

結局トラップは戦後処理にしてアルーシャルナンの短絡線を引いてしまうことにする。

 

10月26日

ショートカット線開通。

日本国の指揮官は慎重なようだ二つ都市を落としては三つ目の直前で止まる。

補給が切れるのが怖いそうだ。

第一大隊は仮設ホーム構築とトラップ外しで忙しいらしい。

 

 

10月28日

グラ・バスカルの軍が壊滅している。

トラップも大幅に減っている。

 

12月5日

車両基地を無傷で確保。運行がこれでだいぶ楽になる。複線化をを担当していた第2大隊と役割交代だ。

 

1月15日

レイフォリア包囲。敵軍立てこもって出てこない。

レイフォリアの車両基地も軽微な損害で確保大量の車両を手に入れる。

すじ屋さんが喜びそうだ

 

2月10日

人が足りないとかで住民の収容施設の警備が回ってくる。

災害復興用仮設住宅というが、蛇口をひねればお湯がでるなんてムーの一般家庭より良い生活だ。

 

3月28日

レイフォリア陥落 沿岸線との接続工事開始。終わったら、北端に移動してレイフォル沿岸線とムー北方線と接続工事だ。

やたら上官が士官学校受験を勧めるが元の職場に戻りたいのだ。

 

 




車両数の計算が途中でおかしくなって放り投げたのは秘密だ
2020/02/23 E2乗りの不安追記
2020/02/25 アニュンリール皇国の項追記
2020/02/28 戦訓改修を追記 誤字修正
2020/02/29 鉄道工兵隊員の日記追記  戦車関連の2話独立したので削除
2020/03/03 鉄道工兵隊員の日記誤字修正


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戦乱への準備

5巻でスケジュールの読み間違いやっちゃった
修正が難しいので突っ走る。どうせここから解離だし



中央歴1643年2月8日

 

強襲揚陸艦四隻 フェリー8隻の船団を第5護衛総隊が護衛している。

輸送しているのは即応第七機甲師団から一個連隊と二個大隊約4500名と戦車・装甲車550輛 重砲120門 その他120輛 戦闘ヘリ32機だ。

機甲師団なので車両数が人数に対して多い。

第七機甲師団は北海道か満州でソビエト軍と殴り合うことを想定した約三万名の大型師団だが、さすがにそれだけの輸送船はすぐには確保できない。優先レンタル契約をしている船舶で第1陣の輸送だ。

既にマイカル沖では機動部隊との衝突があり、旧ヒノマワリ王国には大規模な基地建設が進められている。二個師団相当の兵力が集中してきている。マイカルの港まであと2日 

第2陣か来るまで追加の二個大隊を指揮下とする増強連隊長に任命された浪江一等陸佐は焦りを感じていた。グラ・バルカスの陸戦能力がよく判らないのだ。高空からの偵察結果による解析だと第二次大戦の日本陸軍よりは強いが1944年のドイツ軍よりは弱いと言われているが、安心はできない。

航空優勢だけは確保できそうではあるのは救いだ。ムーの前線となると思われる空洞山脈東側には航空基地が次々建設されている。できあがった基地から各地の空港で補給を繰り返しつつ航空部隊が進出している。

空自は本土防衛が主任務で大規模に引きはがすわけにはいかない。制空任務のF15が中心になる。対竜戦闘用に組織されたA10E/F 1個航空隊20機も進出してきている。ワイバーンではミサイルが直撃すれば撃墜でききるので、まだ教導部隊のみの編成だ。海上プラットフォームを襲った竜はその後発見されていない。

攻撃の主力は海自の空母予備部隊のF/A18EJ 8個航空隊160機が中心になる。

予備部隊なので攻勢に出るときは便利に使われるのだ。

 

中央歴1643年2月10日

マイカル着ここからは大陸横断鉄道でキールセキまで1500kmの移動だ。

一方日本では第2陣がTM01船団として出発。LSTを含むため40日の行程だ。

ラ・サカミを呉に連れ戻すタグボートも同行している。

護送船団の編成には産業界から船舶の運用効率が下がると猛反発があったが、保険の戦時免責条項の適用除外。つまり船団に参加していれば撃沈されても保険は下りますと黙らせた。

 

中央歴1643年2月13日 

キールセキ展開開始  大隊単位で仮設駐屯地を作っていく。

 

中央歴1643年3月3日

TM02船団日本出発 第3陣として出発

 

 

中央歴1643年3月8日

神聖ミシリアル帝国 ルーンポリス アルビオン城

ミシリアル8世は執務室の空気を冷やつかせる怒号を上げていた。

「日本から来ていた護衛船の増産計画と乗員の募集を断っていただと」

「あんな文明圏外の船に臣民を乗せるわけにはいきかせん」

「グラ・バルカスも文明圏外であったな」

内務長官は固まる。

「性能は確認したのか」

「いえ 必要性を感じませんでした」

「ムーが日本国に非常に接近している。この書状を連名で送ってきたわ。見てみい」

・レイフォルからグラ・バルカスを追い出すので追い出した後の警戒艦隊を置いて欲しい

・制空権・制海権は保障する。

・オタハイト沖とマイカル沖でグラ・バルカスの艦隊を撃滅した。

・改めて護衛船の増産計画に参加して欲しい。

「この撃滅したというのは」

「文字通り1隻残らず沈めたそうだ」

絶句した。内務長官だけで無く同席していた国防長官、外務長官もだ。

「詳細資料は外務に渡すが概略はこういうことだ。

バチルス沖海戦の準備で手薄となっていた際に、オタハイト沖に大型戦艦を含む8隻。マイカル沖に16隻の艦隊が接近したので殲滅したと。

オタハイト沖はムーが技術評価用に貸し出し改装されたラ・サカミ1隻で6隻。残り2隻は マイカル沖の16隻をかだつけた日本の艦載機部隊が沈めたそうだ」

「そんなばかな」

「敵の性能評価も的確だぞ。この性能ならバチルス沖海戦の結果も納得できる」

「文明圏外なのに」

「たわけっ グラ・バルカスも文明圏外であったな。今までの基準が当てはまらなくなっていることに気づけ」

「いや、しかし」

「2年前視察に行った者の報告の通りなら納得できるわ。誰も信じなかったが。彼等も抗議しなかった。諦めていたのだろう。信じてくれないと。我が国に向かう輸送船を次々沈めている兵器の情報も来ている。潜水艦というものと、魚雷というものだそうだ」

「え?」

「水中で鐘を叩き 反射する音の違いを聞けば近くに居れば判るそうだ」

「はぁ」

「そういう類いの物を開発するまでは、その装置を持った小艦隊を封鎖艦隊に同行させるそうだ。というわけで地方隊で封鎖艦隊を編成すること。日本とムーに協力すること。レイフォルの戦線に観戦武官を送るように。そして装置の開発を急ぐように。視察に行った者が情報を持ってるかもしれん」

「わ、わかりました」

 

中央歴1643年3月10日

神聖ミシリアル帝国 ルーンポリス ミシリアル情報局

「ライドルカ、内務局から2年前の報告書に質問が来た。書いてないことについても質問が来てるぞ」

「え。今頃ですか?誰も信じなかったのに?」

「潜水艦・魚雷とその探知についてだそうだ。 どういう意味だ」

「書いてないですね 探知については」

「陛下にも写し出せと書いてある」

「気をつけて書きます」

 

中央歴1643年3月21日

TM01船団マイカル到着 第2陣キールセキへ

日本では折り返した 強襲揚陸艦船団に第4陣と優秀コンテナ船6隻に補給物資を満載した船団が出発

 

中央歴1643年3月25日

神聖ミシリアル帝国 ムーと日本に対し申し出を受諾と返事

 

中央歴1643年4月5日

第7師団の仮設駐屯地の一つ

「いらしゃいませ」

神性ミシリアル帝国の観戦武官として派遣されているディグレはあっけにとられていた、

浪江連隊長が案内するのだが、戦車という兵器に驚き、装甲兵員輸送車でびっくりし、自走榴弾砲であきれていた、陸戦の概念を変えかねない兵器群。ディグレはレポートを書きムーの神性ミシリア大使館に送るのであった

 

 

中央歴1643年4月11日

強襲揚陸艦船団 マイカル着 第4陣と大量の補給物資の内陸への輸送が開始される。

 

中央歴1643年4月12日

TM02船団マイカル着 抜かれてしまった第3陣も展開準備

マイカルで荷物の塞滞状況が起きる

MT01船団マイカル出発 ラ・サカミ修理へ TM04船団と第5陣 日本出発

 

中央歴1643年5月2日

TM03船団マイカル着  MT02船団マイカル出発 TM05船団と第6陣 日本出発

後続が来たので、浪江一佐に2個連隊が預けられ アルーへ移動

 

中央歴1643年5月22日

TM04船団マイカル着 MT01船団日本到着 TM06船団と最終陣日本出発 MT03船団マイカル出発 

ラ・サカミ呉のドックへ

 

中央歴1643年6月2日

グラ・バルカス 第4機甲師団 アルー侵攻

 

中央歴1643年6月11日

TM05船団マイカル着 MT02船団日本到着 TM07船団 日本出発 MT04船団マイカル出発 

 

中央歴1643年7月1日

TM06船団マイカル着 MT03船団日本到着 TM08船団 日本出発 MT05船団マイカル出発 

 

中央歴1643年7月21日

TM07船団マイカル着 MT04船団 日本到着 TM09船団 日本出発 MT06船団マイカル出発 

第7機甲師団 キールセキ展開終了




護送船団のスケジュール組もうとすると死ぬ なので修正しない
2020/02/19 マイカルーキールセキの距離を修正 誤字修正 追記
2020/02/27 神聖ミシリアル帝国からの観戦武官を追記
2020/03/01 誤字修正
2020/03/03 誤字修正


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誤算の連鎖

中央歴1643年6月2日 国境の街 アルー

 

まだ日本としては反攻作戦には出たくない。海上護衛に手を取られすぎていて余力が無いのだ。かといって、同盟国人を見捨てるのは無理である。それが師団集結前の浪江1佐のアルー配備である。指令内容は「遅滞防御を行い 民間人を避難させよ。」

「防げると思うかい?」

「向こうは3万弱 機甲師団らしいのが半分 歩兵師団が半分って感じですから航空優勢を確保できればできるかと」

「司令 早期警戒機から 敵航空基地より大部隊出撃 空自からは防空部隊出撃と入りました」

「仮設基地を潰して 侵攻するつもりでしょうね」

「よし、総員出撃 迎撃点で遅滞防御を行う。町長には避難勧告を」

 

グラ・バルカス航空隊 アンタレス戦闘機

今回はムーを攻めるにあたって陸軍の天敵な航空部隊を排除することだ。ムーの兵器では装甲車両には効果がないだろうが、トラックには致命的だ。

何かが光ったと思ったら僚機が次々爆散していく。そこで意識がなくなった。

 

自衛隊E2E

「監視者より 騎兵隊 全機撃墜 アルーからの避難民の上空哨戒を」

「騎兵隊了解」

 

グラ・バルカス 陸軍 第4師団

「前進」

戦車・装甲車が前進を始める。 ムーの陣地には後方の砲兵陣地から射撃が行われ頭を出せない状態にしている。塹壕を乗り越え、ムーの兵士をつぶしていく。砲兵陣地もつぶし。街の手前の森が見え始めた。

「ちか」

何かが光ったと思ったら僚車が次々止まっていく。

「司令部より 止まった車両の応答がない 確認を」

「こちら第3中隊指揮車より司令部へ 大穴が開いて貫ガ・・・」

「何があった指揮車」

「司令部 全車動けず 森の中から砲げ・・・」

「今のは誰だ」

 

陸上自衛隊10式戦車

「思ったよりもろいですね」

「最弱の予想と合うな 多分2個連隊あれば全部つぶせるぞ」

「とはいえこの森から出ることは禁じられていますしね」

「榴弾に切り替えて新たな目標が現れたら砲撃」

 

陸自連隊司令部

「思ったよりもろいなぁ」

「どうします?」

「一時的には落とせるだろうけど後詰がいない。なし崩しはまずいな。アルーの避難民が空洞山脈に入ったら、駐屯地を砲撃で耕して証拠隠滅してから撤収」

 

グラ・バルカス 第4師団司令部

「どうしたんだ どの部隊も陣地を超え、森が見えたところで連絡途絶だ」

「偵察小隊戻りました」

「森の手前で前方からの砲撃と思われるもので貫通しています。 小隊の一部が近づこうとしたら砲撃され全滅しました」

「森の中に何かいるかわかるか?」

「いえ 近づくと砲撃されるので」

「敵基地が砲撃されています」

「どこの部隊だ?」

「いえ、敵が自基地を砲撃しているようです」

「司令。敵は撤収しようといているのでは?」

「撤収してくれれば、アルーの街は落とせるな。暁闇に偵察に変更だ。何もいなければ歩兵部隊で街を落とす」

 

陸自連隊司令部

「先に撤収した砲兵隊が駐屯地耕し終えました」

「よし、撤収」

 

中央歴1643年6月3日 グラ・バルカス 第4師団司令部

「偵察隊戻りました」

「多数の装機車両の跡はありましたが今はいません。」

「よし道路を補修して アルーの街を歩兵で落とす」

「敵の正体がわからないのが不安ですな」

「仕方あるまい 壊滅状態になるとは思わなかったな」

 

アルーの街は陥落し、グラ・バルカス第4師団は再編のため後方に下がり、第6歩兵師団が警戒に当たるのであった。

 

 




作者の「誤算の連鎖」です。
原作6巻では市街地に砲撃かましてますけど支配したいんで焼け野原が欲しい訳では無いと思い変更です。
2020/02/25 誤字修正


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ラ・サカミ プロジェクト室の懲りない面々

原作とは人名位しか共通点が無い


中央歴1643年5月22日

MT01船団と一緒にラ・サカミがタグボートに引かれてやってきた。応急修理で穴こそ塞いであるが 被弾が激しい。とりあえずドックに入れて調査からだ。

 

「艦体中央部に被弾してキールに損害出ていますね よくたどり着いたと」

「直せるのかい?」

「作り直しレベルですね」

「絶対直してくれという要望だしな。どうする?」

「キールの損傷部分交換から要りますから、艦体ばらす必要があります」

「キールつなぐ必要があるんだろ?」

「ええ」

「それならストレッチして武装増やしちゃうか? どうせ繋ぐんだし」

「何する気です?」

「30.5cm連装4基にして準弩級艦にしちゃおうかな」

「それ、部品を使った別物ですよ」

「期間かわるかい?」

「1-2ヶ月伸びるかな?てところでしょう」

「やっちゃう方向で強化策考えよう」

「先に話し通して来てください」

「わかった。上京してマイラスさんと話つけてくるわ」

 

中央歴1643年6月20日 ムー大使館にて

「マイラスさんこんにちは」

「東課長こんにちは」

「やっと捕まえられた ムーと東京行ったり来たりされているから」

「東課長が来られたって事はラ・サカミの件ですよね」

「そうです。調査してよく戻って来られたなぁというレベルで被害受けています」

「そんなに酷いんですか」

『被弾で武装が飛んでいたり、大穴があいているのは軽傷で、船として致命的な部分に損害が出ています。船の背骨 キールにひずみが出ちゃっているので艦体を一旦解体 損傷部分を切断して新しい部材で作り直す必要があります」

「オタハイト沖海戦の英雄です。なんとしてでも直してください」

「そういうと思いましたよ。で、訪ねたのは、そこまでやるならもっと強化しちゃおうかというご相談に伺いました」

「ちょっと聞くのは怖いですね」

「今回の海戦の被害が無くても、第2次改装で主砲を30.5cm 55口径 高初速砲に載せ替えるつもりだったんですが、つなぎ直すなら船体を継ぎ足して連装砲塔4基にしてしまおうかと」

「期間は変わりますか?」

「変わりませんね 1年半です 切断した部分と同じ長さの物を継ぎ足すか 長いものを継ぎ足すかの違いなので」

「艦姿が変わるとなると一存では答えられないので本国に問い合わせます」

「返事 お待ちしています」

 

 

中央歴1643年6月27日

『東課長こんにちは』

『マイラスさんこんにちは』

『やっちゃってください。どこまでできるか見てみたいそうです』

『わかりました。改装内容がまとまりましたらご連絡します』

 

ラ・サカミプロジェクト室

「ムー政府からも『いじれるだけ弄って良い」の許可はもらいました。ストレッチで行きたいので他の部分考えてください」

「機関担当としては機関室がむき出しになるので、メンテのたびに日本に来なくて良いよう高出力ディーゼルで行こうかとなぁ」

「量産型貨物船で使っているエンジンか。補修部品は手に入れやすいだろうな」

「8万馬 2軸4機かなぁ 巡航時は半分止められるようにして」

「ふむ」

「あと前回は時間が無くていじれなかったスクリューの可変ピッチ化も」

「武装の方は?」

「主砲は課長案で、ロケット砲は 無茶な使い方だったらしいから採用辞めて MK45 4基と対空砲 と魚雷は艦首から艦尾にして、2基づつ」

「どうして後ろに?」 

「速力が上がるから 前だと圧力が怖いし 横だと射出時に折れるかも 誘導魚雷前提だからどこで撃っても変わんないし」

「対空砲は?」

「ボフォース40mm 4連2基をイルミネーター付きに ブラックボックスでバルカンファランクス2基」

「それでいけるか概略設計して マイラスさんに報告だ」

 

ラ・サカミ改2要目

二万一千トン

全長190m

全幅23.2m

 

武装

30,5cm 55口径 高初速砲 連装4基 8門

MK45 5インチ自動砲 4門 イルミネーター付

ボフォース40mm 4連2基 イルミネーター付

バルカンファランクス 2基

89式魚雷 艦尾発射管2基×2 

対水上 対空 射撃用レーダー装備

 

8万馬力ディーゼル 4基 二軸 可変ピッチスクリュー

29ノット

 

中央歴1644年12月10日

「この街も二年ぶりか」

ミニラルは配属されていた海軍学校からラ・サカミの艦長へ戻るべく呉の街を訪れていた。海軍全体が壊滅的な被害を受けた後だけに4/5は新兵だ。彼等は先に到着して座学を行っている。前回受け取ってすぐに壊してしまっただけに陸に上がろうかと思っていたのだが、乗り比べて新兵育成してからと説き伏せられての赴任だ。

明日からは実際に動かさないと判らない部分の確認と試験と調整になる。

徹底的に弄ったと聞かされているだけにかなり不安だ。

 

「ミニラル艦長お久しぶりです」

「東さんお久しぶりです。 お手数かけました」

「オタハイトを守った結果じゃ無いですか」

「あまり自慢できないですが」

「まぁ、その話はやめて何をやったか説明しますね

 機関室への直撃弾でキールが折れかけていたので上部構造物をすべて撤去して艦体を分解。曲がったキールを切断して、新しいキールを繋がないといけないので、どうせなら延長。して主砲を2基増やしました・・・」

「まるで別物ですね」

「まぁ後は試験しながら説明します」

 

中央歴1644年12月15日

土佐沖 ラ・サカミ 艦橋

「東さん艦橋が露天でなくなったのは良いですね」

「艦長、水を嫌いますから電子機械は 船としての動きはだいたい確認できましたから武装をしましょう。対空砲火の方は標的の準備があるので 主砲から 一発づつ」

 

「結構まだばらつきますね」

「試作砲での測定値を標準として入れてありますから 訓練しながら管制盤の調整をしてください

 

中央歴1644年12月27日

「ミニラル艦長これで公試終了です」

「東さんありがとうございました」

 

一月上旬の護送船団と同行してムーに向かうことになる。

 



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ヒノマワリ王国解放戦

解放しても独立させるとは言わない


中央歴1643年7月22日 キールセキ 日本国陸上自衛隊第7師団司令部

「すべての部隊が仮設駐屯地に入って待機に入りました」

大内田師団長は頷く。

「アルーの襲撃には焦ったが浪江連隊長がうまく誘導してくれた。民間人はうまく待避させられたし。心配はこっちの情報がどれだけもれたかだが。そうすぐに対策できる物では無い。統幕に報告。展開終了、以後の指示を待つ」

 

市ヶ谷防衛省

「幕僚本部定期連絡会議を始めます」

「出席者確認・・・

「全員出席と。今回はムー大陸からグラ・バルカスを追い出す作戦の進捗確認です。陸自から」

「第7機甲師団すべてがキールセキの仮設駐屯地に入りいつでも作戦可能です。後詰めの第5師団を輸送中。一部は既にキールセキに着いています。いつでも作戦開始可能です」

「空自は?」

「制空の F15イーグル5個航空隊が展開しています。いつでも可能です」

「海自は?」

「護衛隊を 船団護衛に回しているため 空母4隻に直衛艦と第1護衛隊で臨時の空母打撃軍を編成 ニグラート連邦沖を航行中。増援の排除に当たります。強襲揚陸艦はこちらも護衛隊をとられてしまっているため直衛艦と第5護衛隊、優秀商船と共に陸自の第5師団の輸送任務中 空母打撃軍の予備航空隊8個航空隊はムー大陸に展開済み。潜水艦8隻はムー大陸に向けて移動中。作戦前半に必要な配置は終了しています」

「各軍問題は無いようですね 26日を作戦開始日としたいのですがいかがでしょう」

「「「問題ありません」」」

「作戦内容を確認します。

26日暁暗に夜間行軍で移動した砲兵隊がバルクルスの基地を砲撃。第7師団で制圧、ヒノマワリ王国から追い出します。レイフォルへの侵攻に備えて、キールセキからアルーを経由、ヒノマワリ王国王都マノワリを通る鉄道をムーの鉄道工兵隊に引いてもらいます。すでにキールセキー空洞山脈出口までは敷設積みです。マノワリーレイフォリアの鉄道のうちヒノマワリ王国分を確保。ここまでを第1段階とします。第2段階は補給線確保後、レイフォル内のグラ・バルカスの排除になります。それまでのレイフォルへの増援は機動部隊と潜水艦隊で洋上撃破をおねがいします」

 

キールセキ 第7師団司令部

「26日開始になったか」

「師団長。今月中開始が目標でしたからかなり順調では?」

「まぁそうだな、全部うちらでやってしまうわけにも行かんし良いとこだろう」

「そうですね」

「第2次湾岸戦争以来の侵攻作戦だ きばっていこう」

 

中央歴1643年7月25日 キールセキ 日本国陸上自衛隊駐屯地

「出発」

戦車・兵員輸送車・自走砲 約3000輛が空洞山脈に向けて移動を開始する

伊達にソビエト軍と、がちで殴り合うために整備されてきた部隊では無い。赤外線モニターを持つ戦車を先頭にわずかな尾灯頼りの無灯火行軍も問題が無い。

 

中央歴1643年7月26日暁暗 バルクルス基地東30km

戦車 兵員輸送車は前進を続ける。

砲兵隊は展開し、前線観測班が配置につくのを待っている。

「前線観測班配置につきました」

「試射開始」

 

中央歴1643年7月26日暁暗 バルクルス基地

突然基地の中で爆発が生じる。

滑走路に穴が空き、兵舎が吹き飛び、掩体壕に入っていた一部の航空機を除きスクラップにしていく。「敵襲!」

習志野から派遣された特殊作戦隊が司令部の建物を制圧してく。

掩体壕は戦車の直射で吹き飛んでいく

3時間ほどでバルクルスの基地は制圧された。

 

中央歴1643年7月26日午前中

ヒノマワリ王国内の占領部隊を次々制圧していく。

 

中央歴1643年7月26日

海上自衛隊F/A18EJがレーザー誘導爆弾を使ってヒノマワリ王国付近のグラ・バスカル基地を潰していく。わずかに飛び上がることに成功した機体はF15により撃墜される。

 

中央歴1643年7月27日

ヒノマワリ王国解放

ムー軍進出

王国は復活させずムー領ヒノマワリ地区として編入予定。不可侵条約を結んだヒノマワリ王国は存在せず、グラ・バスカルの占領地であるというこじつけだ。ムーとしては大陸再統一の機会だけに譲れないのだ。

 

中央歴1643年7月30日

機動部隊 レイフォリア沖300kmに展開

 

中央歴1643年8月2日 レイフォリア沖 E2E

「グラ・パスカル方面からの船舶反応4隻」

 

中央歴1643年8月2日 レイフォリア沖 機動部隊

「航空司令より格納庫。偵察装備で1機あげろ」

 

「偵察機より入電。グラ・バルカスの国籍旗を掲げた輸送船4隻」

「輸送船なら誘導爆弾で十分だな。航空司令より格納庫、爆装で2機上げろ」

 

「攻撃隊より航空司令。4隻とも撃沈」

 

中央歴1643年8月3日 レイフォリア港

「港湾長 昨日入るはずの輸送船まだ来ないかね?うちの補充部隊積んでるんだが?」

「これはボーグ少将。そうですね。昨日夕刻は入るはずの船がまだ来ていませんね。来たらご連絡します」

「頼む」 

 

中央歴1643年8月5日 レイフォリア港

「港湾長 おかしいですね。本土からの船が遅れるなんて」

「出港の確認は?」

「予定通りに出ていますし、2日の定時通信までは問題ありませんでした」

「海軍に見てきてもらうか」

 

中央歴1643年8月5日 レイフォリア沖 E2E

「レイフォリア港より小型船反応1隻。グラ・バルカス方面へ」

 

中央歴1643年8月5日 レイフォリア沖 機動部隊

「司令どうします? 沈めます?」

「沈めたら通商破壊がばれるな。騒ぎ出すまで見逃そう」

 

しばらく捜索していたようだが引き返していった。

 

 

中央歴1643年8月7日 レイフォリア沖 E2E

「グラ・パスカル方面からの船舶反応3隻」

 

中央歴1643年8月7日 レイフォリア沖 機動部隊

「航空司令より格納庫。偵察装備で1機あげろ」

 

「偵察機より入電。グラ・バルカスの国籍旗を掲げた輸送船3隻」

「輸送船なら誘導爆弾で十分だな。航空司令より格納庫。爆装で2機上げろ」

 

「攻撃隊より航空司令。3隻とも撃沈」

 

中央歴1643年8月9日 レイフォリア港

「港湾長 おかしいですね 本土からの船が2便とも来ないなんて」

「出港の確認は?」

「予定通りに出ていますし、7日の定時通信までは問題ありませんでした」

「海軍に見てきてもらうか」

 

中央歴1643年8月9日 レイフォリア沖 E2E

「レイフォリア港より小型船反応1隻 グラ・バルカス方面へ」

 

中央歴1643年8月9日 レイフォリア沖 機動部隊

「輸送船沈めたあたりで電波反応増大」

「ばれたか、1機上げて沈めてこい」

「航空司令より 格納庫 ASM2二発で上げて小型艦沈めてこい」

 

中央歴1643年8月9日 レイフォリア港

「港湾長、船の破片を発見したそうです。」

「2便続けてだと事故は考えにくいな」

「通信位あるはずです」

「海軍司令部行ってくるわ」

 

中央歴1643年8月9日 レイフォリア港 海軍司令部

「駆逐艦と連絡が取れない」

「破片発見の通報のあと連絡が取れなくなった」

「空軍に偵察要請」

 

以後航空機も船も到着しなくなった。

 

 

中央歴1643年8月20日

キールセキ ー アルー間鉄道開通

 

輸送船16隻 駆逐艦4隻からなる船団も行方不明になった。

 

中央歴1643年9月15日

アルー ー ヒノマワリ王国王都間鉄道開通 レイフォリアーヒノマワリ王国鉄道と接続

 

中央歴1643年9月25日

バルクルス基地再整備終了

第5師団キールセキ展開終了

 




キールセキからの補給線がトラックでは細すぎるので、鉄道引いてしまうことにした。
元ヒノマワリ王国のムーによる統治にも必要だし。
内陸の首都であるヒノマワリ王国に鉄道が来てないわけ無いと勝手に決めた

2020/02/21 封鎖艦隊に潜水艦隊を追加 誤字修正
2020/02/22 ムー鉄道工兵隊の作戦開始後の仕事量を減らした(500km->250kmほどに) 王都の名前決めたマノワリ


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レイフォル打通作戦

いうは簡単やるは大変


中央歴1643年10月1日 王都マノワリ

「補給の鉄道もできた。後詰めの第5師団もキールセキに着いた。準備は整ったな」

「司令、敵に時間を与えましたから色々仕掛けてそうです」

「補給が無いまま突っ込むよりましだ。次の都市シャルナンまで落とすぞ」

 

中央歴1643年10月1日 夕刻 シャルナン

「色々やっていましたね 地雷原に鉄道の徹底破壊」

「鉄道のトラップ外すだけで一苦労だな アルーからシャルナンへのショートカット建設してもらった方が良いかもしれない」

「ムーの鉄道工兵隊と相談します」

「鉄道を破壊されないために今晩中に次のファビアンの手前まで落とそう」

「なぜ手前まで?」

「ファビアン落としてなければ維持に鉄道要るから破壊できないだろ」

「そううまくいきますかね?」

「ダメ元だよ」

「後詰めの第5師団とムーの増援は?」

「アルーに来ています」

「追いつくのを待たないと周辺地域の平定の兵力が足りない」

 

「司令。鉄道工兵隊と話してきましたが、トラップが多すぎるのでアルーからシャルナンのショートカットを建設するそうです。約一か月」

「補給線できるまでにらみ合いだな」

 

中央歴1643年10月26日  第7師団司令部

「司令、ショートカット路線 できたそうです。今夕から補給物資積んだ列車が来ます」

「補給切れで撤退なんてみっともない真似せずに済んだか」

 

レイフォル沖機動部隊

「護衛の規模がだんだん大きくなるな」

「そらそうでしょう、行方不明になっちゃうんですから」

「今回は戦艦と空母含む16隻の護衛に30隻の輸送船か」

「戦艦はASM2では沈みませんね」

「在庫も心許ないし今回出たら1回マイカルで補給と休養だな。潜水隊呼び出して作戦伝えておくように」

 

 

潜水艦 こうりゅう

「艦長、今回全力出撃したら一度マイカルに機動部隊は戻るそうです」

「戦艦居るんだろ?」

「沈めてくれと」

「タイミングはどうするんだ」

「2分前にt超長波通信で伝えるそうです」

「わかった。艦隊追尾継続」

 

「航空司令より格納庫 当艦は対空装備で出る」

 

グラ・バルカス護衛隊

「レーダーが使えなくなりました」

「無線も通じません」

「空母に制空隊上げるように発光信号。レイフォリアまで連絡機を出させろ」

 

こうりゅう

「超長波通信受信」

「1分後に長魚雷発射。目標戦艦」

 

F/A18EJ

「ASM2全弾発射。制空隊はそのまま前進。敵機を落とす」

 

こうりゅう

「長魚雷戦艦に命中。他艦にはミサイルが着弾しているようです」

 

F/A18EJ

「全艦撃沈 航空機を撃墜 帰還する」

 

E2E

「艦隊司令へ 1機レイフォリア方面に飛行中」

 

機動部隊

「今から落とせるか?」

「見つかっても良いのなら」

「よし落とせ」

「航空司令より制空隊。1機レイフォリア方面に向かっている落とせ」

「了解」

 

「航空司令より艦隊司令。全機帰還。収容終了」

「よしマイカルに戻るぞ」

 

中央歴1643年10月27日 

ファビアン、マリユーグを落としたところで再編途中のグラ・バルカス 第4機甲師団がやってきた。第7機甲師団はアンブッシュ体制に入った。

 

グラ・バルカス 第4機甲師団

「ボーグ少将そろそろマリユーグです。」

「敵は戦車以上の情報は無いのかね?」

「それ以上を探ろうとした部隊はすべて連絡途絶しています」

「再編が終わってから来たかったが、最近輸送船が全く来ない。何が起きているんだ?」

 

10式戦車

「最後尾がまもなく射程に入ります」

 

「ぅてっ」

 

機甲第4師団はレイフォリアに残置されていた歩兵部隊を除き全滅した。

 

中央歴1643年10月28日

第7機甲師団はドミニコラの手前でまた進軍を止める。200km以上移動したのでそろそろ整備が必要だ。大陸打通作戦とは気楽に言ってくれるが現場は大変なのだ。

 

レイフォリア グラ・バルカス 第11歩兵師団

「舵4機甲師団司令部が連絡を絶っただと?これで、第4機甲師団、第5歩兵師団、第6歩兵師団が連絡を絶っている。ムー大陸に残るのは占領地警備部隊を除くと、わが第11歩兵師団だけだ」

「増援や、補充で来るはずの部隊を積んだ船もすべて連絡を絶っていますし」

「レイフォリア防衛のために動けんな」

 

中央歴1643年11月5日

ドミニコラ、ヴァレッド

クシミールの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

機動部隊マイカル着

 

神性ミシリアル帝国の観戦武官ディグレは戦いのやり方の違いに困惑していた。戦車、装甲兵員輸送車であっという間に敵を蹴散らし後続が来るのを待つ。列車で移動してきた部隊が周辺地域の平定と前線警備に回り、蹴散らした部隊は整備を始める、

「機甲師団の車両は色々技重的に難しいので、定期的に大整備が要るんです」

装備の整備という概念、補給が追いつくまで待つという姿勢、何もかもが興味深い。

 

 

中央歴1643年11月12日

クシミール、アルノエ

クリスタンの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

 

中央歴1643年11月19日

クリスタン、バスチアン

ジョフレッドの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

 

中央歴1643年11月26日

ジョフレッド、ジェロイス

ロスペールの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

機動部隊レイフォリア沖に再展開。潜水隊の半数マイカルへ補給と休養へ

 

中央歴1643年12月5日

ロスペール、エルネスト

ティストフの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

車両基地無傷で接収 運行が楽になる。

 

中央歴1643年12月12日

ティストフ、ボドワーヌ

オポルシスの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

 

中央歴1643年12月19日

オポルシス、レリアラン

オーレッドの手前で停止 

鉄道で移動した部隊で周辺地域の平定を進めると共に自走した部隊は大整備

潜水隊マイカルで補給と休養

 

中央歴1643年12月25日

オーレッド

 

中央歴1644年1月10日

休養した潜水隊再展開 残りの艦マイカルへ

 

中央歴1644年1月15日  レイフォリア  グラ・バスカル  第11歩兵師団

「司令、完全に包囲されましたな」

「かといって降伏はできん。市街戦に持ち込むぞ」

 

第7機甲師団

「市街戦に持ち込む気ですね」

「機甲師団の苦手な戦い方だよなぁ 更地にして良いならともかく」

「グラ・パスカルの本領ではないから更地にするわけにいきませんね。頭数がとにかく要るから、増援が追いつくのを包囲して待ちましょう」

後詰めの第5機械化歩兵師団と、さらに増派された第3機械化歩兵師団で、建物を一つずつ潰していく地味だがひたすら手間のかかる作戦にもつれ込むことになる。

 

中央歴1644年1月24日

潜水隊補給と休養

 

中央歴1644年2月10日

潜水隊マイカル出発

 

 

レイフォリアの住民のほとんどが、グラ・バルカスからの移民であった。元の住民はグレード・アトラスターの艦砲射撃で死亡していた。グラ・バルカスの住民は日本の災害仮設住宅を利用して作った収容所に隔離された。都市ゲリラ戦のため、巻き込む心配と第5列の心配が半々。2ヶ月かかりグラ・バスカル歩兵第11師団の消滅で幕を閉じた。

 

中央歴1644年3月25日

作戦終了 

 

中央歴1644年3月22日

マイカルよりの支援部隊

補給艦いなわしろ級もとす

コンテナヤード建設のための港湾建設業者と機材や資材を積んだ強襲揚陸艦

到着

港湾整備が始まる。

いなわしろは洋上で潜水隊や護衛艦への燃料補給 そろそろからになるのでマイカルに戻る予定。

 

中央歴1644年4月1日

ムーによる植民地警備部隊の排除が終わり。ムー領レイフォル地区として編入される

 

 




地図見ると2000km位あるんだよね マイカルーキールセキよりは遠い
その間都市が無いとは思えないので捏造。
都市名ジェネレーターのお世話になりました。
2020/02/22 レイフォルも編入すると書いてなかったと思い出し追記
2020/02/26 描写の変更 一時停止中に何してるか追記
2020/02/27 神性ミシリアルの観戦武官を追記


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護衛艦のやりくり

ひたすら間違い探しの回 絶対どっか間違えてると思うんだ
分量的にはくっつけても良いんだけど毛色が違うので33話と2話投稿


中央歴1643年10月1日

護衛船第1陣1-4号船の着任  1ヶ月様子を見て護衛艦4隻がメンテナンスに入る予定。

 

中央歴1643年11月1日

護衛船第2陣5-8号船の着任  1-4号船と行動を共にしていた第2護衛隊が一か月のメンテに入る

 

中央歴1643年12月1日

護衛船第3陣9-12号船の着任  5-8号船と行動を共にしていた第3護衛隊が一か月のメンテに入る 第2護衛隊は最近できていなかった訓練に入る

 

中央歴1644年1月4日

護衛船第4陣13-16号船の着任  9-12号船と行動を共にしていた第4護衛隊が一か月のメンテに入る 第3護衛隊は最近できていなかった訓練に入る

 

中央歴1644年2月1日

護衛船第5陣17-20号船の着任  13-16号船と行動を共にしていた第6護衛隊が一か月のメンテに入る 第4護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 第2護衛隊と揚陸艦を警備していた第5護衛隊交代

 

中央歴1644年3月2日

護衛船第6陣21-24号船の着任  17-20号船と行動を共にしていた第5護衛隊が一か月のメンテに入る 第6護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 第3護衛隊と空母を警備していた第1護衛隊交代

 

中央歴1644年4月1日

護衛船第7陣25-28号船の着任  21-24号船と行動を共にしていた第7護衛隊が一か月のメンテに入る 第5護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 空母2隻と直営艦2隻メンテに入る 第4護衛隊がバックアップに入る

 

中央歴1644年5月1日

護衛船第8陣29-32号船の着任  25-28号船と行動を共にしていた第8護衛隊が一か月のメンテに入る 空母2隻と直営艦2隻第7護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 空母2隻と直営艦2隻メンテに入る 第6護衛隊がバックアップに入る

レオイフォリアの空港一部稼働 予備のF/A18EJ一部進出 空母が居ない封鎖艦隊の支援を行う

 

中央歴1644年6月1日

護衛船第9陣33-36号船の着任  29-32号船と行動を共にしていた第9護衛隊が一か月のメンテに入る 空母2隻と直営艦2隻第8護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 空母2隻と直営艦2塞きメンテに入る 第5護衛隊がバックアップに入る

 

中央歴1644年6月1日

護衛船第10陣37-40号船の着任  33-36号船と行動を共にしていた第10護衛隊が一か月のメンテに入る 第9護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 空母2隻と直営艦2隻封鎖任務に戻る 第6護衛隊は第6護衛総隊に戻る

 

中央歴1644年7月1日

護衛船第11陣41-48号船の着任  37-40号船と行動を共にしていた第11護衛隊が一か月のメンテに入る 第10護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 空母2隻と直営艦2隻封鎖任務に戻る 第5護衛隊は第5護衛総隊に戻る

 

中央歴1644年7月1日

護衛船第12陣49-56号船の着任  41-44号船と行動を共にしていた第12護衛隊が一か月のメンテに入る  第11護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 第9護衛隊と第1護衛隊交代 護衛範囲拡大

 

中央歴1644年8月1日

護衛船第13陣57-64号船の着任  第1護衛隊が一か月のメンテに入る 

第12護衛隊は最近できていなかった訓練に入る 

 

中央歴1644年8月

大和・武蔵近代化改修終了 工期1年半短縮

 

中央歴1644年9月1日

護衛船第14陣65-72号船の着任  強襲揚陸艦2隻と直営艦2隻が一か月のメンテに入る 1護衛隊、衛隊は最近できていなかった訓練に入る 

 

 

中央歴1644年9月1日

護衛船第15陣73-80号船の着任  強襲揚陸艦2隻と直営艦2隻が一か月のメンテに入る 強襲揚陸艦2隻と直営艦2隻は最近できていなかった訓練に入る 

 

中央歴1644年10月1日

護衛船第16陣81-88号船の着任  1護衛隊は任務に戻る

 

中央歴1644年11月1日

護衛船第6陣89-96号船の着任  

大和・武蔵 第5護衛艦隊群に編入 強襲揚陸艦2隻と直営艦2隻は任務に戻る

 

 

中央歴1644年12月1日

護衛船第17陣97-104号船の着任  強襲揚陸艦2隻と直営艦2隻は任務に戻る 

シャッフルされていた護衛隊の配置し直し

艦隊群での行動訓練一か月

 

中央歴1645年1月4日

護衛船第18陣105-112号船の着任  全護衛艦隊群のメンテナンス終了

 

 

 

護衛船の建造 1~8号ドックを一か月おきに竣工しています。将来使い回すため大型船が建造できるドックです。そこで護衛船を4隻ずつ 4ヶ月で建造しています。

なので、13ヶ月目からは月8隻竣工しています。訓練期間は一か月実際に護衛しながらです。(鬼)

日付は書類上の日付で着任日というやつです。着地が遠方の場合は訓練しながら移動してます。

 

 




苦労した割には内容はない


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戦略爆撃機

あ、日本戦略爆撃くらってないんだった


中央歴1643年11月 ムー国技術室

 

「マイラス君からの要請でこの打ち合わせを開いたわけだがどういう内容だい?」

「グラ・バルカスは本国より5000km離れているため効果的な攻撃手段がありません。が、先日私宛に日本国内で使用されている記憶メディアが届きました。」

「ほう」

「内容は、ドイツを灰燼にさせた戦略爆撃機B29/B32に関する設計資料です 5000kmの航続距離9tの爆弾を運べます」

「それでも距離は足りないではないか」

「ええ付いていた計画書だと 空中給油装置というものを使って燃料だけ運ぶ機体から途中で給油 帰りにも途中で給油することで距離の問題を解決するというものです」

「エンジンはどうするんだい そんな巨大機のエンジンなんて無いぞ」

「そこがこの計画書の狙ってるところでA1スカイレーダー用に製造しているR3350エンジンが採用されています。この資料の出所は多分日本国政府内部で、反対に遭って潰された物を横流ししたのではと考えています」

「そんな物を作って大丈夫かい」

「試作位まではばれないでしょう。艦隊の再建は進めているとは言え、グラ・バルカス帝国に効果的な攻撃手段というにはちょっと不安が残るのでこの計画を進めてみるのは良いと思います」

「日本国は反対しないかね」

「ええこの計画書にはその辺も書いてあります。まずは機械水雷による海上封鎖で植民地と切り離します。いきなり都市攻撃でない限り日本は反対しないでしょう。今も機動部隊を貼り付けて海上封鎖を行っていますから、負担が減ることをむしろ本音では喜ぶのではないかと思います」

「まずは作れるか検討してみよう そのために設計図と生産に必要な設計書を作るところまではやってみよう」

 


中央歴1644年5月

 

「あれだけ資料があると意外にできるものだね マイラス君」

「こんなに順調に設計ができるとは思いませんでした」

「B32と 燃料輸送機のB32-Lを試作して空中給油ができるかやって見よう」

 


 

中央歴1644年9月

 

「破壊試験用の0号機は期待通りの強度をしめした。試作1号機も地上試験では問題は出ていない。今日は実際に飛ぶかの試験だな」

「全長:25.32m 全幅:41.15m 全高:10.06m 自重:27t などというムー始まって以来の巨大機ですしね 部長」

「お、滑走が始まったぞ マイラス君」

「どきどきしますね」

「大きいのに軽々飛び上がるもんだなぁ」

「今は燃料と乗員だけですし」

「1周して戻ってきたぞ」

「ええ、今日はそれだけの予定です」

 


 

中央歴1644年11月

 

「問題は出尽くした感じかな」

「エンジンの大整備の間隔が結構短いのは気になりますが 元の資料でも短いですし 」

「空中給油は盲点だったな 単発機では難しいが双発や四発機だったら問題ない。

「ええ、まったくです」

「それと、日本国の内部に内々で当たったら 『作っちゃったんですか』と言われたぞ やはり日本国政府内部で検討して没にした案らしい。理由は『高くなりすぎる』だそうだ」

「あれ そういう理由だったんですか 部長」

「らしいな『艦隊再建で多額の出費をしてるムーにこれ以上は負担かけられない』だそうだ」「じゃぁ生産に対して反対は?」

「とくにしないそうだ 技術支援もしないそうだが」

「反対がないならやりましょう」

 


 

中央歴1645年1月

 

量産開始 4日で1機ペースでスタート

量産で問題が出なくなるのを見ながら 第2~第4工場を建設

量産による慣れも有 2機/日となった。

 


 

中央歴1645年3月

 

機雷投下による航路封鎖始まる

 

 




2020/02/23 生産機数がへんだなーと思ったら EXCELの式が間違ってたので変更
2020/02/25 日本を灰燼->ドイツを灰燼 日本早期講和したから戦略爆撃はくらってないわ


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鋼鉄の咆哮

某作品からタイトルパクりました



中央歴1644年8月

鋼鉄の怪獣たちに2つの動きがあった。

まずは日本国

3年半前から行われていた大和と武蔵の長期延命化工事が1年半短縮して竣工したのだ。

ソフトウェアーの改修が暫定版ですべての砲がイージスの配下にいるわけではないが

・砲身交換 軽量化した49口径46cm砲に

 水平線の距離が伸びたこともあり より長射程な主砲に変更された。

・射撃完成盤はコンピューター化

 今まで機械式計算機であった射撃管制盤をコンピューターで行うようにした。

 より多数の変数を入力でき、飛翔中の砲弾の誤差までフィードバックするものだ。イージスの配下に入っていない。

・副砲廃止、MK12連装砲10基をMK45Mod4 12基にイージスとは別にイルミネーター設置

  対空砲のMK12をMK45mod4に変更した

  副砲より弾薬投射量が多いのと第1副砲の場所に設置したMK45mod4のみイージスの配下でそれ以外はまだイージスの配下に居ない。ソフトウェアの開発がまだのためだ。

・航空甲板廃止してVLSセルを8×8セル×5ユニット設置

 戦艦に航空機を乗せる時代ではない。弾着観測はレーダで十分ということから廃止。

 空いたスペースにはVLSをのせて8×8セル×5ユニット設置された。  ESSMが半数を占めるが残りは各種弾頭が入っている。

・機関デーゼルガスタービンエレクトロック式へ機関更改にともなう速力増強

 蒸気タービンの寿命が来たので巡航用のディーゼルと急加速用のガスタービンで発電したものをモーターに供給するデーゼル・ガスタービンエレクトロ方式となっている。速力は32ノットまで上昇した。

 電力用発電室は機関室以外に2つ用意されている。ラ・カサミの被弾の教訓である

・リベットから溶接への変更

 装甲を止めていたリベットは作業員が絶滅種のため溶接とされた。被弾時の堪航性が上昇したと見られる。

・イージス化は多数のミサイルを積んでいるため行われたがソフトウェアーが暫定版である。戦艦の巨体に乗せた武装を制御するには10目標では少なすぎた。64目標への攻撃が改修の目標である。

 

日本においてはこれであった。

 

 

一方グラ・バスカルでも動きがあった。

日本に、グレード・アトラクターと同クラスが2隻あることを危惧し2番艦グレード・コロソゾの建造に踏み切って竣工したのだ。基本スペックは一緒だが、最初から副砲を配置してないことによる装甲板の配置の変更。最初から長10cm高初速対空砲という違いがある。

 

どちらも公試と慣熟訓練に出かけていった。

 

大和と武蔵は上陸支援の艦砲射撃を行うことから第5護衛総隊に配属された。

グレード・コロソゾはグレード・アトラクターと同じ監察軍に配備され戦隊を組んだ。

 

両者の激突は少し先になる

 

 

中央歴1645年2月上旬 第5護衛総隊 旗艦 あかぎ

 

「レイフォリア港の整備も終わったなぁ」

「ええ6万トンクラスの高速コンテナ船が接岸できるようになって補給が楽になりました」

「グラ・バルカス封鎖艦隊の根城になってるからな」

「司令、ここの整備が終わったということは、植民地解放作戦の開始ですかね」

「一々、マイカル戻りじゃ効率悪かったからな」

「大和・武蔵もうちの護衛総隊に編入されましたし」

「イージスの多目標処理能力が武器の数に見合わないからな。見合えば最強の対空艦として空母部隊にいったんだろうが、今のだと一番使うのが強襲揚陸前の艦砲射撃だからな」

「どこからでしょうね」

「ニューランド島のチエイズ王国、グルート騎国、イルネティア島のイルネティア王国かなぁ」

「チエイズ王国、グルート騎国に居た艦隊は封鎖線突破狙って撃破されてますし」

「衛星偵察ではグラ・パルカス本国も封鎖線突破艦隊用意してるようだぞ よっぽど資源に恵まれてるんだな」

停泊中のあかぎでは護衛総隊司令と艦長の会話が続く 第5護衛隊が半舷上陸中だけにのんびりとした物だ。

 

 

 

中央歴1645年2月中旬 第5護衛総隊 旗艦 あかぎ

 

「ニューランド島のチエイズ王国からに決まった。港湾が整備されているので封鎖艦隊の強化につかうようだ」

「どこの部隊でやるんです?」

「第3機械化歩兵師団と交代でこっちに出てきている第1機械化歩兵師団で行うそうだ。ムーに展開しっぱなしの第5は戦略予備だそうだ。第7は機甲師団が展開できるほどの戦場は無いと帰り始めてるしな。港湾整備が進んで浮いてきているLSTも結構投入するそうだLST70隻で1個連隊規模。うちらで2個大隊の強襲揚陸。港湾確保して、フェリーで1個連隊あげるとのことだ」

「半個旅団ですか、大抵の国は落ちますよそれ」

「レイフォリアであった潰し合いは避けたいんだろうな。あれは酷かったそうだから」

「建物一つずつ潰していくのはちょっと手間かかりすぎて」

「第1は各地の駐屯地からレイフォリアに向け移動中。LSTも3上には集結するそうだ」

「久しぶりの強襲任務ですね。輸送任務ばっかでしたから」

 

中央歴1645年3月上旬 チエイズ王国沖 第5護衛総隊 旗艦 あかぎ

「大和と武蔵の艦砲射撃で終わっちゃったな。後は占領部隊上陸させただけで」

「第3護衛総隊から至急電です『グラ・バルカスの封鎖突破艦隊に突破される 残 超大型戦艦2 大型戦艦2 空母1 巡洋艦6 駆逐艦多数 我に残弾無し』」

「第1がレイフォリアで補給中だったな問い合わせを。第6護衛隊にも応援要請。第5と第11と併せて臨時の任務群を組んで迎撃する。第12護衛隊は揚陸艦群の最終護衛を司令部は 大和に移動する」

 

臨時護衛隊旗艦 大和

「第1より返信『出航まで1日 攻撃範囲まで2日』」

「航空支援無しかきついな」

 

「第3の早期警戒機からの情報です。弾は無くても追尾してくれてます。敵艦隊SSM1Bの範囲の入りました。」

「空母、巡洋艦、駆逐艦へ一発づつ攻撃」

 

「航空機襲撃」

「大和・武蔵に迎撃させろ」

 

「反転して反対側のSSM1B撃ってた護衛隊より『SSM全弾射耗。戦艦が居るため砲戦距離に近づけず。残超大型戦艦2 大型戦艦2 駆逐艦4』」

「最後は砲戦か」

「超大型戦艦について情報はあるか」

「衛星情報だとグレード・アトラスターと同級艦ですね」

「こっちの方が若干射程は長いはずだ。遠距離砲戦をする」

 

グレード・アトラスター 司令塔 

「敵奮進弾攻撃止みました」

「撃ち尽くしたかな?」

「かなりやられましたな。敵超大型戦艦が大和・武蔵でしょう。砲戦を挑みます」

「頼む。事前の情報では砲力は同等 若干こちらが優速なはずだ」

「敵艦発砲」

「まだこちらは届かないぞ」

 

「すべて遠弾」

「こちらより射距離が長いだと」

「距離を縮めろ」

「駆逐艦には雷撃を」

 

「距離が縮まりません」

「改装とやらで速度上げてきたのか」

 

「駆逐艦、雷撃距離の前に沈められました」

「主砲でか?」

「両用砲のようです 思ったより遠くまで届くようです」

「戦艦アルデバランとデネブに接近して砲戦。足を止めろ」

 

臨時任務隊旗艦 大和

「敵大型戦艦接近します」

「砲戦を挑んできたか」

「大型戦艦へ目標変更。統制射撃」

 

「武蔵後部に被弾。速力落ちます」

 

「敵大型戦艦1隻撃沈 もう一隻に統制射撃変更」

 

「敵大型戦艦 挟叉」

 

「敵大型戦艦 命中」

 

「敵大型戦艦 傾斜 乗員脱出」

 

「超大型戦艦接近します」

「超大型戦艦へ統制射撃」

 

「超大型戦艦挟叉」

 

「超大型戦艦命中2」

 

ひたすら殴り合いとなった

 

被弾している武蔵が狙われ、敵は後ろの艦に命中が集中した

 

「敵後続艦傾斜」

 

「敵後続艦転覆」

 

「武蔵被弾増加。すべてのミサイル投棄」

 

「武蔵の投棄したミサイル、何発かグレード・アトラスターに命中」

 

「グレード・アトラスター 狭叉」

 

「グレード・アトラスター 命中1」

 

「グレード・アトラスター 命中4」

 

「本艦敵弾挟叉」

 

「グレード・アトラスター 速力落ちました」

 

ゴーンー

「本艦 装甲帯に命中1」

 

「グレード・アトラスター 命中2」

 

ゴグシャー

「本艦に命中2 主砲装甲で跳ね返しました MK45何機か吹き飛びました」

 

「グレード・アトラスター 命中5 艦橋崩れました」

 

グレード・アトラスターからの命中弾は出なくなった

 

「グレード・アトラスター 命中5」

 

「グレード・アトラスター 傾斜します」

 

「グレード・アトラスター 命中3」

 

「グレード・アトラスター 転覆 爆沈」

 

臨時旗艦 大和

「転覆した艦艇や撃沈した場所へ護衛艦派遣。生存者救助」

「ドック送りですね 武蔵は結構長期になりそうです」

「グレード・アトラスターと同級艦沈めたから、後は艦砲射撃位だ。大和だけでもなんとかなる」

 

一方陸ではグラ・バスカル歩兵33連隊が降伏し占領が終わっていた。

 

海では数の暴力に苦戦し、陸では数の暴力で勝利した。部隊はそのままグルート騎国を攻め占領下に置いた。

 

レイフォリアからは港湾工事関係者がやってきて工事が始まるのだった。

 

 

イルネティア島のイルネティア王国には引き上げた揚陸艦部隊と追加のLSTで第5師団から抽出された3個連隊で占領が行われた

 

日本に亡命していた第一王子エイテスが王位につき王国を復興させる。

 

降伏した陸兵や救出された水兵はムー国にもうけられた捕虜収容所におくられるのであった。

 




殴り合いかけてるかなぁ?
封鎖突破艦隊は死ぬほど沈んでます ASM2(4発X40機x3回分+SSM)/2
5インチ砲の弾は対空で使ってます
多分在庫はAAMが少々

2020/02/24 誤字と描写微変更
2020/02/25 大和武蔵の改装内容が2度書いてありくどいので整理
      グラパカスになってるところ見つけたのでグラ・パルカスに修正


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密談

北日本人民共和国の設定がここにも顔を出す。


エモール王国 竜都ドラグスマキラ

 

「モーリアウル様 日本の荒尾大使が会談を行いたいと申し込んできました」

「どういう内容だ」

「会談を行う地ならしのための準備会談という非常に曖昧な内容でした」

「まぁいい 明日来るように伝えろ」

「ははぁっ」

 

「この度は急にもかかわらず会談を受け入れていただきありがとうございます」

「『会談を行う地ならしのための準備会談』とはなんだ」

「端的に言ってしまえば、日本国首相がワグドラーン竜王様と会談を行いに来たいと申してるのです」

「内容は何だ」

「想像はできますが伝える権限は私にはないですね」

「それでは会談を行うか判断ができない」

「では大使としての発言ではないと言うことで『古代帝国の兵器に関する相談』だとおもいます」

「わかった 上に伝えよう」

 

「竜王様 外務部から報告です。日本国首相が会談を行いに来たいと申し込んできています。内容は大使としての発言ではないが『古代帝国の兵器に関する相談』だと向こうの大使は言っているそうです」

「わりと重要そうだな 外務担当者とスケジュールを詰めさせるように」

 

日本側は可能なら鉄竜で竜港への着陸を申し込んできたがそれはかなわず国境の砂漠の端まで鉄竜で来てそこからは徒歩という形で決着が付いた。

 

日本の先遣隊がパムナ砂漠の端にヘリポートを建設

砂によるエンジン破損を防ぐためエモール王国から大量の水を買い込んでため込んでいる。

 

中央歴1644年11月

日本国首相が最も近いムーの空港に政府専用機でやってきて、そこからV22オスプレイに乗り換えパムナ砂漠のヘリポートまでやってきた。

着陸前には水が撒かれ砂の飛散を防ぐ。

そこから4時間かかって国境の門にたどり着いた。

「老人に山登りはきつい」と言いながら。

 

事前に話を通してあっただけに、国境の門で待たされる事は無く竜宮へと案内された。

「竜王様 この度は会談を受け入れていただきありがとうございます」

「挨拶は良い『古代帝国の兵器に関する相談』とはなんだ」

「そうですね。結論から言いましょう。インフィドラグーンを滅ぼしたコア魔法と同じ系統の兵器を我が国も持っていて、それを防ぐ手段も持っているということです」

「そ、それはどういうことだ」

「説明します。文明圏外で孤立した島にカルアミーク王国と言う国が発見されて国交を結びました。その国の遺跡を調査していた学者がコア魔法の原理を書いた石板を発見しました。そこに記されていた内容は我が国の高等教育を受けた者にはなじみ深い物でした。我々は『核兵器』と呼んでいましたが。70年ほど前の世界大戦末期に開発され、大国と言われる国は主義主張の異なる国同士何千発単位で向け合い、世界を何百回滅ぼせると言われていました。使ったら最後ということで恫喝用の兵器として使われていました。この兵器、原理は簡単作るには国を傾けるほどの費用が必要なので持っている国は限られていました」

「それで」

「我が国が先の大戦の後始末的な戦争で南北に主義主張の違いで分割されていたのはご存じですかな?」

「いや、知らぬ」

「我が国の歴史に相当興味持たなければ知らないことですから。その戦争で主義主張の違いで南北に別れたのですが、北は分割時は1/10の人口。その後の政策で1/4ほどまで発展しましたが、なぜ我が国が手を出せなかったかと言えば、彼等が『核兵器』を所持し、こちらに向けていたからです」

「ほう」

「我が国と同じ主義主張の我々の陣営では宗主国が一括管理していたので我が国は持つことがありませんでした。北の属していた東側陣営は各国でもとうとし、『核兵器』の維持コストで崩壊しました。北は核兵器を持ったまま我が国に併合されたのです」

「で所持していると」

「もう少し事情は複雑です。宗主国は廃棄を命じ、我々も同意したのですが、解体に必要な施設をどこに作るかで揉め、解体した後に出るゴミの処分 現在の技術では数億年単位で安全に保管しなければならないものの処分をどうするかで揉めている間に今度は転移騒ぎで完全に忘れられていました」

「ふむ」

「運搬手段の部分はそんなことはないのでさっさと解体し、爆発する弾頭部だけで保管されていました。コア魔法の石板の発見で思い出され、整備され、動くかどうかを先日、最も劣化の激しいと思われる弾頭で実験を行い動くことを確認しました」

「我が国を恫喝するのかな」

「いえ、そういう世界でしたから防御手段も発達するわけです。石板に記されていたのはごく初期の物で、『核兵器』を宇宙に持ち上げ自由落下させて敵国に落として爆発させる物です。ならば自由落下している間に破壊してしまえば良いとなり、そういう兵器が開発されました。人工衛星こちらでは僕の星といわれるもので発射を探知、経路を予想して撃墜するという物です。これは我が国も持っていますし、転移持に設計製造に必要な情報も買ってきました」

「ほう」

「だいたい1000kmの範囲を一カ所の基地で防衛できますので、エモール王国にもその基地を置かせていただきたいというのが一つ」

「一つ まだあるのか?」

「兵器の悲惨さは使われた国が積極的に広めないと忘れられると言うことで、使っても文句を言われそうにない大国である、グラ・バスカルの懲罰につかってしまいませんかという相談が二つ目です」

「なぜ使おうとする」

「古代帝国がためらいなく使ったのは 報復されない自信があったからでしょう。復活した古代帝国が報復される状況をつくり、列強共同管理としたいのと、防御手段の普及のためですね」

「すぐには返事をできかねる」

「ええ、すぐに返事できるような内容ではありません」

「なぜ我が国に?」

「つかわれたという伝承が残っているのは人族の国ではありませんから、まず話しておくべきかと思いました。エモール王国と話がまとまらないうちは広めるつもりはありません」

「感謝する」

「では、私は大使館で休んだ後、明日下山します」

「返事の方法は」

「大使は気がついてますが、第1案 第2案に 同意 不同意 再度相談程度の返事をしてください」

「わかった」

「それでは失礼します」

 

 

 

「アレースルよ聞いていたか?これが逃れる手段か」

「可能性は高いですな。他の者交えて検討が要るかと」

 

 

エモール王国は第1案 同意 第2案 再度相談と返事をし日本国首相はスケジュールを調整して再度訪問し第2案にも同意を得る。

 

 




現実の日本では絶対やりませんが、この日本は核攻撃を受けたのは満州の荒野で軍のみ。強力なな爆弾程度の認識でしかありません。そして地域覇権国家をやってるのでやるでしょう。
文句は他人の感想につけないように
自分の言葉で作者に抗議してください

2020/02/24 言いそうにない->言われそうにない
2020/02/25 使ってもでも文句->使っても文句
2020/03/02 誤字修正


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戦略攻撃

攻守逆転です。


中央歴1645年9月

 

レイフォルのグラ・バスカル出張所は占領後も維持を許されていた。立場は逆転したが。

「無条件降伏を受け入れる気になったか?」

「無条件というのは受け入れられない」

「ならば作戦を継続するまでだ」

「せめて何か花を持たして欲しい」

「ふむ。帝室の保持だけは約束しよう。他は約束できない。それが最大限の譲歩だ」

「現皇帝の責任を問わないでいただきたい」

「それはできない。捜査の上決定することだ」

「話にならん。帰らせてもらう」

「お客様のお帰りだ。まだ無条件降伏が条件だ」

 

ムーによる攻撃か続く。グラ・バルカス近海はムーのB32の投下した機雷堰で封鎖されている状態。昼は近海に展開した空母機動部隊からのF8FベアキャットとA1スカイレーダーによる航空撃滅戦と精密爆撃。

夜はB32(空中給油ができるようになっている)による戦略爆撃。次々と都市は瓦礫に変わっていく。

 

何度かの交渉が行われるが物別れである。

 

話は変わるが、核攻撃。それは死者のレートを決めることでもある。

「軍人」を「戦場」でいくら殺しても軍事国家の場合「死ぬこと」が仕事のためレートが上がらない。民間人を各国でなぶりたい放題なぶった報復が必要なのだ。

陸上自衛隊がそれなりならばグラ・バスカル本土侵攻とかもオプションに入るのだが、一部即応自衛官招集しただけでも産業界から大クレームに発展する状態。とても本土侵攻軍など組織できない。他の国では兵器のレベルが違いすぎて本土侵攻など無理だ。

古代帝国がICBMを躊躇無く使っていたことも有り、ここで味方に防御手段の普及をさせるためにも使ってみせる必要がある。

多弾頭ICBMを解体して取り出した弾頭10発を再突入カプセルに入れてH2Cで持ち上げ、使用することにした。

目標は

アーレリッツ 湾の奥 大規模な海軍基地と海軍工廠がある 四発

ルレベルク  内陸  大規模な陸軍工廠がある      二発

フスハイム  内陸  大規模な航空産業都市       二発

ロルバッハ  内陸  工業都市 鉱山を抱える      二発

を攻撃することとする。

中軌道に持ち上げられたカプセルはヒドラジンモーターで再突入コースへ誘導される。

 

中央歴1645年12月

 

神聖ミシリアル帝国 日本大使館 会議室

「我ら首脳部に極秘で見せたい物があると召集が来たが何を見せたいのかな?」

「伝説の復活ですかね」

「どの伝説かね」

「竜人たちの祖先の国、インフィドラグーンを焼いたコア魔法というやつです」

「なっ」

「古代帝国の遺跡で原理が書かれていた石盤が見つかっていましたが、その時点で我々も持っていたんです。綺麗に忘れていましたが」

「忘れていた?」

「我が国が前世界大戦の後、主義主張の違いで分断国家になってしまいましたが、分断した片方の国が規模が小さいにもかかわらず、我々が攻め込めなかったのは、それを持っていたからです。私たちの主義主著の国たちは宗主国に管理を集中させることで効率化し,負担を減らしていました。この兵器の性格は原理は簡単、作るには国を傾けるほどの資金が居るというものです。もう一方の主義主張の国たちは各国で持とうとし、管理コストで国家崩壊になりました。わたしたちの分断先もです。崩壊した後に併合し、宗主国とこの兵器の廃棄には同意しては居たんですが、廃棄施設の建設場所や廃棄した後出るゴミの処理先を巡ってトラブルに。なんせ何億年単位で安全に管理する必要が現在の技術ではあるので。そして転移騒ぎで忘れられてしまったと」

「でそれが今回の極秘招集と」

「復活した古代帝国は問答無用で使ってくると思うので、こっちももって居る事を示しておこうかと言うのと、同じレベルであれば防げることをお伝えしようかと」

「ふむ。で、どこで示すのだ」

「グラ・バルカスの都市の内いくつかは意図的に攻撃しないでおいたので、そこに使って映像中継をします。交渉も進んでいないのでちょっと押してみようかと」

「いつ頃だね」

「もう最終段階に入っていますので5分以内には。この映像をご覧ください」

4分割された中継画面が表示される。

「光りながら落ちてくる物があるな」

「宇宙から再突入させた弾頭ですね」

 

「町が一撃で吹き飛んだぞ」

 

「前の世界ではこれを何千発単位でお互いの国に向け合っていたんですよ」

「なんという世界だ」

「相互確証破壊による平和と言われていました」

「防ぐ手があるといっていたな」

「お互いに向け合っていますから、防御兵器も発達するわけで飽和攻撃されない限りは防げますね」

「そうか」

「これでグラ・バルカスも折れてくれば良いんですが」

「どうする気だ」

「戦後処理と古代帝国戦に向けた組織構築でこの兵器を我が国から切り離してしまおうと思っています」

「これで世界を脅さないのか」

「我々は商売がしたいんで、戦争したいわけじゃ無いんですよ。まぁ今日はここまでです」

 

 

 

数週間後条件付き降伏をグラ・バルカスは受け入れた。

 




使ってしまいました。
現実の日本では絶対あり得ないオプションです。
この世界線だから使ってしまったということです。
まぁ誰かさんたちに見せつける意図もあるかと。
2020/03/01 必要・・・必要 になっていたので 必要・・・あるのでに修正


文句は他人の感想につけないように 自分の言葉で作者にしてください。


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平和憲法

もちろん日本国憲法が下敷き。米国は日本さえおとなしくしとけば大丈夫だと本気で信じていて中国に甘かったという噂。


中央歴1646年1月

神聖ミシリアル帝国 帝都ルーンポリス

 

神聖ミシリアル帝国、エモール王国、ムー、日本の4カ国の首脳が集まって密談をしていた。討議内容は『コア魔法』『核兵器』の国際管理組織の立ち上げである。先進11カ国会合でいいだろうという意見もあったが日本が押し切った。

・4カ国で資金を出し合い組織をたちあげ、古代帝国の復活に備える。

・主司令部は神聖ミシリアル帝国に置く。

・予備司令部をムーと日本に置く。

・ミサイル早期警戒衛星と偵察衛星の管理を行い4カ国で情報を共有する。

・攻撃対象は古代帝国とその属国とする。

で合意した。

4番目の属国は日本が固執した。何やら含むところがありそうだ。

 

ちなみにムーはB32旅客型試作機で飛んできた。日本が新世界技術管理法でジェット機を売り込めない国に売り込むつもりらしい。

 

司令部設立後、日本国以外は始めて惑星全土の地図を得、未接触文明の多さに驚く

 

中央歴1646年4月

 

グラ・バルカス占領軍司令部

「シチリエ内務次官どの良くいらっしゃいました」

「呼び出しておいて何を言う」

「礼儀ぐらいは良いでしょう」

「で何用だ」

「戦争を起こさない憲法を作ってくれとお願いしてだいぶたちますが、中間報告で頂いてる案はすべて駄目ですな」

「なぁっ」

「待ちきれないのでこちらで用意しました」

 


 

グラ・バルカス憲法草案

 

前文

 

グラ・バルカス国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 グラ・バルカス国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するものであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たとうとする各国の責務であると信ずる。

 グラ・バルカスの国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。

 

 

第1章 皇帝

 

第1条 皇帝は、グラ・バルカスの国の象徴でありグラ・バルカスの国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存するグラ・バルカスの国民の総意に基づく。

第2条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した帝室典範の定めるところにより、これを継承する。

第3条 皇帝の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負う。

第4条 皇帝は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。

2 皇帝は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 

<省略>

 

第2章 戦争の放棄

 

第9条 グラ・バルカスの国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する。

  2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は類似組織を含め、これを保持しない。自国による国の交戦権・自衛権を認めない。

  3 なお、国際社会が認めた警備組織に、自衛を委託することはできる。

 

<省略>

 

9章 改正

 

第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の五分の四以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、全有権者の三分二の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、皇帝は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 

<省略>

 


 

「なんなんだこれは」

「見ての通りです。あなた方はやり過ぎた。ここまでしなければ信用されない位に」

「持ち帰って検討する」

「『はい』以外の答えはありませんよ ちゃんと約束通り帝室残したじゃ無いですか」

 

中央歴1646年5月

 

グラ・バルカス占領軍司令部

「シチリエ内務次官どの良くいらっしゃいました」

「憲法草案受け入れても良いが現皇帝の責任は問わないでいただきたい」

「捜査機関が決めることだと何度も説明してますが?我々で決めて良いならとっくに処刑されてますよ」

「それでもだ」

「グラ・バルカスが前の世界で守るべきだった戦時国際法・日本国の常識としての戦時国際法・この世界での戦時国際法から守るべきであった線を決めるところからやっていますから時間はかかると思いますよ」

「だからそれに盛り込んで」

「わからない方ですね。独立した機関で審議されてます。占領軍司令部は口を挟めません」

「なんとかそこを」

「おかえりください」

 

中央歴1646年6月~

グラ・パルカスは憲法草案の受け入れを決めた。

現皇帝が「全責任は自分にある。部下の罪を問わないで欲しい」といっていることから、政治決断で現皇帝の責任は曖昧なまま部下に重罪をということになった。

戦争裁判が開かれ部下の処刑が次次決まっていった。

現皇帝は自分の責を引き受けて処刑されていった、部下たちの喪に服すのが日常となった。

 

国際社会が認めた警備組織は先進11カ国連合で審議された結果。ムーが元請けとなり、海上護衛隊の一部が海上をクイラの兵を雇っている日本のPMCが陸上を空はムーが新規に組織する航空PMCが実働部隊となることとなった。

残った海上護衛隊の船は海軍が壊滅した国に払い下げされた。

そして、すべての軍需企業は解散させられ、占領軍司令部による強力な銃刀狩りが行われることとなる。

 

グラ・バスカルには憲法改正阻止を狙って、先進各国から国内への干渉が影から行われる。それにより、一つに纏まらないように常にされていくのだった。

 

グラ・バスカルは戦略攻撃の悲惨さを世界に訴え続け、話し合いによる解決を模索するようになる。

 

(とりあえず終了)

 




極悪非道仕様です。どう極悪非道は日本国憲法と見比べてください。酷いです。
憲法全文張っても意味が無いので抜粋です。省略したところは現日本国憲法をほぼ踏襲していますので日本をグラ・バルカスに読み替えてください。現実日本の役割をグラ・バルカスに引き受けてもらいます。
魔法帝国がICBMぶちかます世界ですから防御手段の普及には生け贄が居るのですが、わざわざ日本が生け贄になる必要は無いのです。
グラ・パスカルは戦争にすぐ役に立つ物には投資を惜しみませんが、基礎技術には案外渋いのです。原作日本国召喚の世界で核兵器を作れるのは実は日本国だけだったりする。
書籍版6巻だと魔法帝国の影がチラチラしてますが見えなすぎて書けないですね。アニュンリール皇国あたりが

2020/02/26 誤字修正 呼びでして->呼び出して 現帝->現皇帝 送りがな 司令部設立後の話を追記


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設定メモ

移動しました
ちょこまか履歴に出さずに加筆してたりする。



○海自

通常形攻撃空母を4隻持っています 各50機程度

この世界のF2は戦闘攻撃機(艦載機)として誕生します。空母が一回り小さいので攻撃機と戦闘機を分ける余裕がないのです。艦載ではASM2が要求の4発積めない(通常2発 フェリータンクを外して3発)

艦載機使用では寿命が想定より短かったのと、エンジンロストによる損失が相次いだことから、双発派が盛り返しまた。

結果F/A18EJの導入が決まります。

F/A18EJ 20機からなる16個飛行隊が交代で任につきます

E2E早期警戒機4機とヘリ数機で積載量いっぱいになります。

訓練部隊としてF/A18FJ1個飛行隊がいます

ドイツ戦では船はあってもパイロットと飛行機がない地獄を経験してるので倍確保しています。

地上配備中は経営の苦しい地方空港に分註して経営支援しています。

F/A18EとEJの違い AAM4/5 ASM2の運用能力付与 機体構造の強化(ASM2を満載したまま空母離発着のため) 偵察ポッドからのコックピットへの情報表示

 

 

強襲揚陸艦4隻と優先レンタル権のあるフェリー船を8隻確保

満州有事には即応3個師団を鉄道で北九州または佐世保に集結させ、釜山との間をピストン輸送する計画でした。フェリー船の建造費は国が出しており各フェリー会社にレンタルされています

東京ー苫小牧        3隻中2隻がレンタル船

東京ー那覇ー高雄(台湾国) 4隻中3隻がレンタル船 現在は東京ー那覇そのうちル・ブリアス

東京ー高知ー大連(満州国) 4隻中3隻がレンタル船 現在は東京ー高知ーマイ・ハーク

を結んでいます。

基本仕様は6万トン 27ノット 300両の車両 1000名の乗客を運べます。

 

第一から第四護衛隊群は 空母随伴の護衛隊群

第五、第六が強襲揚陸艦2隻と他輸送船を守る護衛隊群

空母と強襲揚陸艦には1隻づつの護衛艦が専属で着きます。

 

命名で混乱してきたので現実の編成表からパクってきて足りない船を追加

直衛艦はよほどのことがない限り護衛対象の空母・揚陸艦からはなれません。護衛隊は任務によっていたりいなかったりします。

護衛艦は基本アーレイバーグ級の互換艦です。

護衛隊旗艦はフライトⅡAベースになってます。

 

空母   直衛艦 

第一護衛隊群

          第1護衛隊

かささぎ あきづき たかお  はたかぜ むらさめ  いかづち

          第7護衛隊

          こんごう あけぼの ありあけ  みねかぜ

第二護衛隊群

          第2護衛隊

かつらぎ わかつき あたご  あしがら はるさめ あさひ 

          第8護衛隊

          きりしま たかなみ おおなみ てるづき

第三護衛隊群

          第3護衛隊

ひゅうが はるづき まや   みょうこう あたご  はつかぜ

          第9護衛隊

          ゆうだち まきなみ  すずなみ しらぬい

第四護衛隊群

          第4護衛隊

いせ   なつづき あおば  いなづま  さみだれ さざなみ

          第10護衛隊

          しまかぜ ちょうかい きりさめ すずつき

第五護衛隊群

揚陸艦  直衛艦  第5護衛隊

あかぎ  はなづき 大和  武蔵  ときつかぜ あかつき はなづき みくま

          第11護衛隊

あまき  みつづき もがみ   よしの  しぐれ  まつしま

第六護衛隊群

          第6護衛隊

つるぎ  よいづき すずや   たかちほ はつしも たまなみ

          第12護衛隊

くらま  ふゆづき はぐろ   かこ   うずき  ゆきかぜ

 

空母4隻 16年ごとに2隻ずつ

強襲揚陸艦4隻 16年ごとに2隻ずつ

交互になるようにしているので。8年ごとに大型艦の建造が入ります

イージス54隻 4隻/年で建造。55隻目からは古い方から瀬戸内艦船保管所でモスボール

 

現実よりほぼ倍増

転移により警備範囲が増えたため増やしたいとは思っていますが人員難という壁にぶつかっています。

とりあえず箱だけは継続建造中。

 

大鵬・信濃の代わりに入ったかつらぎ・かささぎが20年を超えることから次世代をどうするかで議論が始まっています。警備範囲が増えたのだから艦数を増やすべきかより大型化すべきかで真っ二つです。

好調な経済でお金だけなら大型化して艦数を増やすができるのですが、人が雇えるかが議論の焦点になっています。特に大和・武蔵の現役復帰でごっそり予備人員を持って行かれた後だけに、事態は深刻です。

大和・武蔵も改装時にかなり省力化をしましたが護衛艦よりは1桁多いです。自動化できなかった主砲周りがかなりの大所帯です。

1200名ほど

1/3は砲術科 大半は主砲要員 両用砲は応急科と兼務

 

○陸自

有事の本土防衛は即応予備自衛官の招集で通常師団を戦時編成に機材管理師団は通常師団に再編されます。

即応予備自衛官は給与の一部を国が負担してるので出頭義務があります。

勤務先が出頭を妨害した場合も罰則があります。

予備自衛官は出頭義務はありませんが、応召して勤務先に欠員が出た場合国が人件費を補填します。

通常30万名

即応予備自衛官70万名

予備自衛官40万名

戦時即応部隊

4単位制の重量級師団 北海道・東部・西部に各1個師団

北海道は機甲師団 東部・西部は機械化歩兵師団

通常師団

2~3単位制で装備だけ4単位分持っています。当番部隊が普段未使用な機材を管理しています。

機材管理師団

1~2単位制装備だけ4単位分持っており即使えるように整備と訓練をしています。

自衛隊という名称は隣接並行世界からの影響でしょう。

即応もしくは通常師団1個に機材管理師団1個の構成

 

第一機械化歩兵師団 (即応)  東部方面隊  3万人->2

第二機械化歩兵師団 (機材管理)東部方面隊  1万人

第三機械化歩兵師団 (即応)  西部方面隊  3万人->4

第四機械化歩兵師団 (機材管理)西部方面隊  1万人

(四は死の験担ぎで長らく欠番 電算化で飛んでるのが面倒の声で新設)

第五機械化歩兵師団 (通常)  中部方面隊  2万人->6

第六機械化歩兵師団 (機材管理)中部方面隊  1万人

第七機甲師団    (即応)  北海道方面隊 3万人->14

第八機械化歩兵師団 (機材管理)北海道方面隊 1万人

第九機械化歩兵師団 (通常)  北海道方面隊 2万人->8

第十機械化歩兵師団 (機材管理)九州方面隊  1万人

第一一機械化歩兵師団(通常)  九州方面隊  2万人->10

第一二機械化歩兵師団(通常)  四国方面隊  2万人->15

第一三歩兵師団   (通常)  千島方面隊  2万人 転用無し

第一四機甲師団   (機材管理)西部方面隊  1万人

第一五機械化歩兵師団(機材管理)西部方面隊  1万人(第四とセットで新設)

近衛歩兵師団    (通常) 警護・首都防衛 2万人

 

第一三歩兵師団に対応する機材管理師団が無いのは島嶼部配備のため塩害により機材の劣化が激しいからです。

米軍がいなくなったことから沖縄付近を防衛する歩兵師団の設立が要請されていますが人手不足です。現在は独立部隊の短期派遣でなんとかしています。

近衛歩兵師団の機材は機材管理師団に回った機材のうち交換が必要な物に充当されます。

近衛師団はクーデター側についたため潰されずに残っています。

師団増刷は北日本軍吸収によるもの

機械化歩兵師団

戦車 350

装甲車 2100

重砲 260

その他 620

 

機甲師団

戦車 2150

装甲車 640

重砲 600

その他 620

 

歩兵師団

戦車 100

装甲車 210

重砲 80

その他 2700

独立部隊等等を合計すると

 

総計

戦車 9000

装甲車 28000

重砲 4200

その他 10000

 

その他は主にトラック それ以外に特殊装備車両が含まれる。

装甲車は吸収した旧北日本人民共和国の車両が機材管理師団を中心にまだかなり残っています。

10式への更改に資源を集中したため装甲車の更改が遅れているせいです。

 

現在第三師団が10式の受領中 機材管理機甲師団である第四師団に90式は移動中。留守している時は配達だけされます。

 

他国では非常事態宣言がでるような災害がスナック菓子感覚で起きる国なので先進国の中では米軍に次いで死体を見る機会が多いです。

 

 

○空自

転移でステルスが要らなそうなことからF15XJとF/A18EJの導入を決定します。F35は一応設計生産情報とプログラムは情報金庫にしまわれています。

F-15J 254機(52機がF-15XJ F4ファントム部隊が更改され慣熟訓練中)

F-2 76機

F/A18EJ 16機(F2からの更改が始まった 慣熟訓練中)

生産ラインがF15/18共用のためF2の更改が終わるとF15の更改が再開されます。

異動訓練のF/A18FJは現在海自から借用中。生産が終わるまでにはそろえる予定です。

 

○予備自衛官(陸自)

 兵士は3-6年の現役の後 即応予備自衛官として社会に散ります。

 ガテン系の職種がやはり多いです。

 予備士官は大学は軍に係わるずからずなどというイデオロギーがないので

 各大学に予備士官コースの単位が設定されてます。

 

○台湾国について

 沖縄の日本帰属も認めなかったんだから台湾も無理だなと

 文化的には政経の中心を日本人教育を受けた層が握っているので

 日本語圏です。気楽に行ける海外No1です。

 人種的には台湾族6 中華系3 日本混血1です。

 純粋な日本人は原則本土へ送り返されています。

 

○北日本人民共和国

 首都は樺太の豊原 

 人口3000万人 内2000万が豊原周辺という超過密状態

 日系4 ロシア系3 中華系3

 転移に伴う工場進出で人口は分散傾向。本土への出稼ぎも盛ん

 陸軍は併合後10年ちょっとかけ陸自に吸収された。

 海軍はインド・南米に艦艇を売却 人員は海自に吸収された。

 空軍は第3世界に機体を売却 人員は空自に吸収された。

 

 国共内戦の支援で日本を釘付けにしようとソビエトが侵攻して独立させます

 日本と圧倒的人口差があっても独立を維持していたのは、核ミサイルの保持があります。

 多弾頭ICBM8基とIRBM37基持っています

 併合後廃棄を約束したのですが解体施設の建設を巡ってトラブルに

 解体後のプルトニュウムの処理方法でもトラブルに

 ドイツ方面から来たお節介が色々と問題を大きくしていました。

 弾頭だけで保管されている状態です 転移騒ぎで完全に忘れられています

 

 

○国の分け方

国は何らかのちがいが許容できなくなると分裂する物であるから、ロデニウス大陸においては次のように設定した。

・ロウリアーとクワ・トイネ間は言語圏の違い(文字)

 直接話すと意思が通じるので意思疎通には問題ない 

・ロウリアもそれなりに穀倉地帯ではあるが軍備に全部持って行かれてる。50万人もの非生産人口を養えるのだから大概である。

・ロウリアーとクイラ&クワ・トイネとクイラ 山による国境

・クイラ側は雨が少ないため食料生産に難がある

 クイラ側で雨が少ないのはクワ・イトネで湿気を雨で落としてしまうため

 常にフェーン現象のような状態になっています。

 

○ムー大陸縦断鉄道 レイフォル側の都市名は次のとおり

マノワリ(ヒノマワリ王国王都)   ↑

シャルナン(車両基地有)     |

ファビアン            |

マリユーグ            |

ドミニコラ           単線区間

ヴァレッド           複線化工事中

クシミール            |

アルノエ             |

クリスタン            |

バスチアン            |

ジョフレッド           |

ジェロイス            |

ロスペール            ↓

エルネスト(車両基地有)     ↑

ティストフ            |

ボドワーヌ            |

オポルシス           複線区間

レリアラン            | 

オーレッド            |

レイフォリア(車両基地有)    ↓

 

レイフォルの鉄道はムーの技術と資本が入っています。

国境で接続していなかったのはレイフォル側が嫌がったため

レイフォリアーマノワリ以外に

湾岸沿いに北に延びる路線があります。

軌道サイズは広軌といわれる物 元となった馬車が地球より一回り大きかっただけのせいですが。そのため戦車が積めてます。

 

○グラ・バスカルの都市名設定

アーレリッツ 湾の奥 大規模な海軍基地海軍工廠がある

ルレベルク  内陸  大規模な陸軍工廠がある

ロルバッハ  内陸  工業都市 鉱山を抱える

フスハイム  内陸  大規模な航空産業都市

 

○グラ・バスカルの物流

鉄道は狭軌です。おかげで戦車の開発に支障を来しています。

敵も狭軌だったためこれまで表面化しませんでしたが

ムーの場合と逆で標準となった馬車が小ぶりでした。

鉄道網が弱いため内陸河川交通(運河による船舶交通)が盛んです。

運河橋や高低差を吸収する水門などをスカイレーダーに狙われてずたずたです。

道路は鉄道よりも貧弱で都市間道路は未舗装です。

 

○設定房敵にこだわった点

・ワイバーン 近接信管の破片では落ちないよね

 一応竜の眷属だし固い鱗に覆われているから

 竜騎士が死ぬので 戦力外にはなります

 異変で出てきた竜は再発見されてないのでA10は教導部隊だけ居ます

・言語が違っても会話が成立する

 近距離テレパシーみたいな物と設定 

 機械を通すと自動言語翻訳ができないことに

 

○技術移転について

現時点は基本真空管まで 半導体はブラックボックスとして

魔帝戦の頃には開示するつもり。

 

○平和憲法について

自衛権を認めないなら国家解体すれば良いという意見が来ましたが

国家を解体するというのは文化を根こそぎ破壊する必要があるので非常に面倒です。旧世界(現実)でやろうとしたのは大抵失敗しています。

また認めないのは自組織による自衛権の行使であって外部委託はできます。委託であるので直接命令権はありません。ムーが設立する司令部をかならず経由する必要があります。業務委託と派遣の違いを調べればわかりやすいでしょう

 

○東側国家解体の理由

核兵器の維持コストというのはホントの理由を説明するのが面倒だからです。官僚専制による組織硬直化と非効率で倒れたというより面倒が少ないからです。ほんとの理由は日本学でもやる学者がゆっくり伝えれば良いのです。技術資料の流出は気をつけてますが歴史や政治、文化は統制していないので

 

○グラ・バスカルへ原爆症の専門医をすぐに送らなかったか?

赤十字条約も講和条約も結んでないので人を送り込めません

また、日本は都市部へ原爆攻撃を受けてないので専門医自体がたいしていません。ドイツがこの世界線では放射線医学の中心です。

 

○資源について

プレートの1枚目位までは転移してるでしょう

力のかかりかたの変わった事による中規模地震は頻発してるかとおもいます。

ガス田や石油の層は多分転移してます。

 

 

○掃海艇について

 磁性体を極力使用しないために日本車のスポーツカーのエンジンが転用されてます。わざわざ開発するほどのこともないので。アルミダイキャスト製

グラ・バスカルではメンテできないため一定期間ごとにパワーユニットとして(エンジン+トルコン)ごと交換されムーにメンテナンスに送られます。全部を入れた箱にはpowerd by mu と刻印されてるので中身が日本製だとは知りません。

釘・スクリューシャフトはチタン合金製 水面下に磁性体は存在していません。

 

○グラ・バスカルの航空機産業

禁止はされてません。ただくってけるかどうかは別

軍用に転用可能な物は禁止です。

爆撃機ベースの旅客機ぐらいです。B32旅客型では採算の合わないローカル線を狙ってますがどうだろう?

戦闘機の発達を見るとまだ1000馬力級 2000馬力級のエンジン手に入れてればDC-3の換わり位できそうですが、この時期の火星系列でも2000馬力は行ってないような?

より技術の要るDB601系の彗星艦爆は実用化してるようなのでエンジン技術は読みにくいです。

 

○グラ・バスカルの残存艦艇と設計資料

全部ムーが押さえました。

日本的には前世代の艦艇になりますから魅力は無いですし、到達点とも言える大和・,武蔵の大改装してますので必要性が無い。

神聖ミシリアル帝国は技術ベースが違いすぎて参考にならなかったということです。

 

○日本の気候

大体同じような気候になる場所に転移していますが。朝鮮半島が無いことによる裏日本側への暖流の流れ込みの増加、大陸との距離の増加で水蒸気量が増し、冬のドカ雪が酷くなっています。

 

グラ・バスカルの婚姻制度

基本一夫多妻である。

理由は単純で生まれたときの男女比は10対9くらいだが

結婚適齢期になると3対10くらいになる

女性が大量にあぶれるのだ

男の死因は戦死がほとんど

長年の戦時下から脱したが、多婦多産が奨励されてきたのに今産まれた子が適齢期になるまで人口爆発が続くことになる

植民地を失った今、この人口増をどう処遇するかが問題となっている

 




2020/02/06 改行句読点誤字修正
2020/02/13 台湾国と北日本人民共和国、クイラの気候の記述を追加
2020/02/22 レイフォルの都市名決定
2020/02/23 グラ・バスカルの都市設定
2020/02/26 設定房的なこだわり追記 陸自・空自の詳細追記
2020/02/29 計算したら第7師団10式への更改終わってるということで第3に変更
2020/03/02 平和憲法と東側崩壊の項追加 誤字修正
2020/03/04 なんとなく追記
2020/03/07 グラ・バスカル 掃海艇と航空機と艦船追記 他細々修正
2020/03/08 鉄道工兵隊が複線化に投入されてる理由のため単線区間設定
2020/03/09 北日本人民共和国の項加筆
2020/03/10 第一二機械化歩兵師団の受け皿が無いのに気がついて新設ということに
2020/03/12 空母の後継について 自衛隊の死体慣れ 加筆
2020/03/17 グラバスカルの物流について ちょこまか加筆
       命名ルールと外れるなと後で思いついた「かが」を「つるぎ」に
       日本の気候追記
       方面第になってたのを方面隊に師団の配置を見直し
2020/03/19 水星艦爆->彗星艦爆
2020/05/20 グラ・バスカルの婚姻制度加筆 もうちょっと寝かせたら1話になるかな?


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艦隊再建

ネタが降ってきたのと あっちこっち細々手を入れたので更新


バチルス沖海戦

オタハイト沖海戦

この二つでムーの海軍は壊滅的な打撃を受けた

ほぼ、すべての戦艦は沈み

港湾警備をしていた2線級の巡洋艦 駆逐艦が残るのみである

「どこから手をつけたら良いのだ」

海軍大臣は頭を抱える。

「当面は、日本の艦載機部隊の予備部隊が基地を提供してくれれば、訓練をかねて防衛してくれるというのでその間になんとかするのではないのでしょうか?」

「マイラス君・ウェルテ君どうおもうかね」

「まずは防衛用の駆逐艦を急いでそろえてから、機動部隊の再建、最後に戦艦の再建で良いと思います」

「マイラス君。戦艦を後回しにするのは?」

「まず時間がかかる。次にラ・サカミの修理結果を待って次世代艦の設計に入るべきかと」

「ふむ、現在の世代の戦艦は役に立たないのはわかったからな」

「作る人の問題もあります。日本に新技能育成者制度で新しい造船技術を学びにいっています。彼らの力があればより強くできるかと」

「ウェルテ君。なるほど」

「船団護衛用に建造している、護衛船は駆逐艦のスペックダウンモデルだそうなので、ここを元に戻せば艦隊用として通用するそうです」

「どの辺かね」

「ほぼエンジンだけらしいです」

「設計図の横流しを日本国に依頼しよう」

「乗員の育成もです。日本も護衛船の乗員育成に大規模な学校を開いています。真似をするべきかと」

「そうだな、陸に上がっている者を教員にして始めないといけないな」

「機動部隊はどうする?」

「2段階に分けるべきかと まずはとりあえずの物を その間に正規空母を」

「マイラス君。航空機は技術移転してもらえるんだったな」

「日本から見れば前世代ですが、グラ・バルカスよりは良い物をもらえることになりました」

「空母もそれに合わせなければならないか 当座についてはアイディアはあるのかね」

「ええ、日本が先の大戦で戦った国はとんでもないことをやりましたね。技術情報ではないので隠すこと無く持ち出せたのですが」

「ウェルテ君。どんな内容だい」

「多少大げさですが、月刊正規空母、週刊護衛空母、日刊駆逐艦、時刊輸送船だそうです」

「すごいな。護衛空母から始めようと言うことだね」

「ええ、そうです。どんなものかと言えば輸送船や油送船に飛行甲板をもうけただけのものらしいです」

「でも時間はかかるな」

「ええ、日本には転移の際に買い込んで今は不用になった油送船が余っているそうです。これを譲ってもらって当座の防衛に充て、その後正規空母などをつくるべきだと」

「それは期間短縮になるな」

「内々ですが、護衛船の戦後メンテナンスはムーにお願いしたいという話も来てます 不用になった護衛船はバチルス沖海戦で海軍が壊滅した国に払い下げるらしいので」

「マイラス君、それはどういう意味かね」

「単純に手が回らないだそうで」

「なるほど」

「新世界技術管理法に引っかからない物は積極的にムーに移すそうです」

「それはいいことだ」

 

駆逐艦は主要コンポーネントを日本から輸入し

エンジンを2万馬力2軸4基にし

無誘導の魚雷発射管五門1基をつけた秋月級に近いもとして

護衛空母はエンジンを8万馬力2軸4基に改装

B32完成後はスカイレーダーとヘルキャットを乗せてグラ・バルカス攻撃を行うのであった。

この後、超サ級といわれる戦艦が建造されることになる。

 

 




設定メモにかなり手を加えた 
観戦武官でフェン王国の戦いとレイフォリア打通作戦
設定メモの修正で小話を修正
異変は長すぎるので2分割
かな?

2020/03/08 誤字修正


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戦車小話

小話ネタを会話形式にして独立


「10式戦車の生産も軌道にのったなぁ」

「蓮田先輩、本来なら次のが設計される頃の15年くらいかけて更改してくはずでしたもんね」

「戦車ラインの維持という意味ではそれが正解なんだが、こっち来てからずっと戦時みたいなもんだからどこも最新が欲しいよな」

「クワ・トイネ戦での第一、フェン王国でのパーパルディア戦での第三、今度のムー大陸は機甲部隊向けの戦場だからと第七が行ってますね」

「即応部隊は一応全部動員されているか。今回は局地戦で無く大陸戦なので全動員だが。それでも足りないか第五を招集かけて送ってる訳か」

「まだ足りないんで第三にかかりそうという噂ですよ」

「大陸を突き抜けるだけで無く、制圧しながらだもんな」

「ムーでは予備役の非常動員かけてるらしいです」

「領土奪還のチャンスだもんな」

「高畑、ところで、ラインの増設も無しに10式の生産量どうやって三倍にしたんだ?」

「そりゃ四シフト3交代ってやつでラインフル稼働ですよ」

「日勤・日勤・夜勤・夜勤・深夜勤・深夜勤・休み・休みってやつか」

「食事の時間はさすがに止めますがその分を前後に30分ずつ引き継ぎにしてるとのこと」

「なるほど」

「10式は即応師団から入って機材管理師団が74式から90式にかわるわえか」

「4500台位かな?」

「高畑、第7機甲師団と第14機甲師団は終わったんだっけ?」

「この前セレモニーやってましたよ。広報に出てました引退式。今は第3と第4の機械化歩兵師団ですね」

「74式はこの後、電子指揮装備を剥ぎ取って整備の後ムーへ売却か」

「メンテに必要な設備とか全部だそうです」

「74式でも主力戦車と言われるようになって2世代目だもんな ムーの持つ歩兵直協戦車とは違うものな。74式といえば最後の改修がエアコンの導入だと知ってたか?」

「いえ エアコンですか 戦車兵に配慮してでは無いですよね」

「違うな。元々74式は北海道や満州の寒いところで使うことを考えていたんで暖房はそこそこだったんだ」

「へー」

「で91年の第1次湾岸に動員されたんだけど砂漠だから暑い。人も熱中症で倒れるのが続出したんだが、問題になったのは電子装備」

「何が起きたんです?」

「熱で機器内温度が100度超えちゃってコンデンサーが次々破裂したそうだ」

「あちゃー」

「壊れたユニットを修理に出したら、一発でメーカーにばれて使用条件は守ってくださいと苦情が出て、車内温度を下げる多ためにエアコンが入ったそうだ。人間はついでだ」

「90式ではNBC戦も想定に入ってたから弱いエアコンはついてたんだが、強化型に改修することに。第2次湾岸は90式がつれてかれたんで役に立ったそうだ」

「戦訓で重要ですね」

「まったくだ」

 


 

#この世界の90式 74式は戦闘証明済みです。

 




小話は随時ネタを思いつくと更新です。
同系の話で1k超えると独立させます。


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グラ・バルカス海上警察 爆発物処理係

戦後処理ネタ


俺はヘニング グラ・バルカス海軍で駆逐艦で曹長をしていた。

グラ・バルカスは壮絶な不況にに襲われている。最大の顧客だった軍が解体され、人があふれ出し、軍需企業も解体されて作る物が無い。そんなとき先輩と安酒場で出会った。

「よう、ヘニングその後どうしてる」

「ああ、先輩 再就職もままならず安酒場に来る位ですね」

「ふぅむ、ちょっと危険はあるけど仕事紹介できるが」

「え。本当ですか是非お願いします」

「中身も聞かずに良いのか?」

「手当が打ち切られるまでそうはないですから贅沢言えません」

「明日、昼に海上警察の前で待っててくれ」

「警察の仕事ですか?」

「色々あってな警察が引き受けることになった」

仕事の内容に触れない程度の近況報告をしあって別れた。

翌日海上警察の前で、まっていると中から警官の制服を着た先輩が出てきた。

「よくきた 仕事の内容について説明するから中へ」

「はい」

会議室に通される。

「昔なら軍がやる仕事なんだな」

「なら 自衛組織とやらにやってもらえば良いじゃ無いですか」

「自衛ではないので契約外だと断られた」

「自衛では無い軍の仕事?なんです」

「ゴミ掃除だよ」

「ゴミなら清掃業者に・・・?」

「ムーがばらまいた機雷の除去というやつだ」

「ムーはやってくれないんですか?」

「支援物資の搬入路はやってくれたがそれ以外は自国領土でもないのでやらないそうだ」

「後始末しないんですか」

「それなりに危険があるからな。命令系統が残っていて、危険手当をつけても文句が出ないということで警察に回ってきた」

「そうなんですか」

「陸上の不発弾は所轄の扱いだ」

「時々規制線張って爆弾処理してたのそういえば警察でしたね」

「その海上版だな」

「具体的にはどうやるんですか」

「小型のボートで前方の浅いところに機雷が無いことを確認したら漁船に毛の生えた掃海艇で掃海具を引っ張って航行。浮き上がってきた機雷を機銃で撃って爆破処理だな」

「ああ、だから危険手当ですか」

「引き受けるか」

「もう後が無いんで是非」

「よし、採用だ」

「え?そんなに簡単に?」

「人がたらんのだ ベテランは封鎖突破作戦でほとんど海の藻屑と化してるしな 掃海艇の建造費くらいはムーも出してくれるがそれ以上は自分でなんとかしろと」

「じゃぁ最初の仕事は」

「人集めだ」

街に繰り出し、昔の部下や同僚に誘いをかけるところからスタートだった。で、部下がそろったら模擬機雷で訓練。手順がなじんだら、実践で学んでこいと放り出された。

前後に20mm単相機銃がついた漁船みたいな船だ。木造なのはばらまいた中には磁気感知の物もまじっているからだそうだ。

 

ん? 前方のボートが旗を立てて引き返してきたな。

あそこの浅いところに機雷があるのか。

待避を確認した後、機銃掃射。

「ど-ん」

 

俺はこうやって再就職できたが、治安は悪い。失業率も高止まりだ。軍事だけでくってきたのをいきなり民需でなんとかしろと言っても難しい。

10年以内に民需体制への移行と独立をといわれてるができるのかね?

 




2020/03/08 人が足りない理由を封鎖突破作戦と絡めた


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