これはとあるマスターの物語 (メルトソニア)
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人見知りマスターの冒険譚 0-1

初投稿でつたない文ではありますが、楽しんでいただけたら幸いです。

注意!
1、これはとあるマスターの自己満足で描かれております。
2、キャラ崩壊する危険性大
3、更新速度は...まぁ...うん。出来るだけ頑張る。
4、Fate特有の戦闘描写の為、残酷な描写が含まれる場合があります。



 

 

私はメルトソニア。とあるカルデアと言う施設に務める最後のマスターである。...カルデア爆破事件から長い月日がたった今も、他のマスターは凍結から目覚めることが無く、後輩のマシュと一緒に人理修復を目指してカルデアスで時を超えた旅をしている。

 

...ここまで聞けば聞こえはいいと思う。ただ肝心のマスターである私は...

 

「人見知りがあって召喚に応じてくれたサーヴァント達とまともに喋れないなんて...。」

「大丈夫です。英霊の皆様はクーフーリンさんみたいに優しい方々が多いので、先輩も直ぐに喋れる様になりますよ。」

...マシュはそう言ってくれたけど、ほぼほぼ毎日食堂に行く時以外はマイルームに籠る生活をしている私にとって、マシュ以外の人と話す事は到底出来なかった。事務的なお話を職員の人とする位が精一杯である。

 

 

そんな日々が続いたある日、私にとって大きな転機が訪れる...。

 

「今日は英霊召喚する日かぁ...、どんな英霊が来るのかな...。(まぁ、どうせ話せなくて直ぐに部屋に逃げ込むんだろうけど...)」

ちょっとした憂鬱で足取りは重たくなる一方だけど、ダ・ヴィンチちゃんとの約束を今日こそはきちんと守らないと...。ダ・ヴィンチちゃんは私の事を考えて、英霊召喚の日を後回しにしてくれていたのだ。ここで部屋に篭ったらマスター失格だ...。そんな事を考えていると召喚用の部屋の前にいつの間にか着いてしまっていた。

 

中は人払いをしてもらっており、普段マシュが持っている盾とその盾を触媒として英霊を呼ぶ魔法陣が書いてあるだけの少しもの寂しい部屋だ。

 

「えっと...抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

私が呪文を告げると左手に刻まれた令呪が輝き出した。

そして魔法陣に魔力が集まり1つの光となった...。

その光が人の形となり私に声をかけた。

 

「サーヴァント、召喚に応じ参上したっす......じゃねーよ、しました。ライダー、マンドリカルド。まぁ適当によろしくっす。」

 

その瞬間私はほんの小さな声で

「よろしく...ライダー...。じゃあまた後で...。」

と告げると一目散にマイルームに向けて駆け出していた...。

 

1人部屋に取り残されたマンドリカルドは、

「...やべぇ、俺最初から何かやらかしたのか...?」

そう独り言を言い、その後マスターの様子がおかしいことに気づいたダ・ヴィンチちゃんがマシュや職員を送るまでずっと部屋で考えていた...。

これが私の最初の召喚したサーヴァントとの出会いだった...。

 

 

 

 




という訳の初投稿。まぁ、ぼちぼち頑張らせていただきます。たまに覗く位な小説になれば嬉しいですね。
(タグは...気づいたら増えるかなぁ...。)


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人見知りマスターの冒険譚 0-2

導入が長くなってしまい申し訳ない...。
タグも少なくて申し訳ない...。
すまない。本当にすまない...。


...ライダーの召喚が終わり、案の定マイルームに逃げてしまった私はベットに横たわっていた。

「召喚に応じてくれた彼には悪いけど...、やっぱり急に話しかけられるなんて無理...。」

そんな独り言を言っていると、マイルームの扉がノックされる。

ライダーが部屋まで追いかけて来たのかな...と少し焦りが出てきた。

しかしそんな予想は外れ、

「先輩、私です。今大丈夫でしょうか。」

(...マシュで良かった...。)

そんな事を思いながらマイルームの扉を開けた。

「先輩。さっきダ・ヴィンチちゃんから連絡があったんですが、どうしたんですか?」

「...大丈夫、何でもないよ。ちょっとビックリしちゃっただけ...。」

「そうですか...。あ、先輩がさっき召喚したサーヴァントの方は...。」

マシュは彼を部屋で一人に取り残されていて、ぶつぶつ悩んでいた事を告げた。...当たり前だ、この場所の事も含めて何も教えずに逃げてしまったのだから...。

...不審なマスターとでも思っていたのだろう...。

「取り敢えず彼を部屋に案内しておいたので、後で先輩もちゃんと挨拶に言ってくださいね。」

...マシュにちゃんとするように釘を刺されてしまった。こんな調子でこれからもやっていけるのか不安になってしまったが、マシュを呼び出すアナウンスが流れた為、一旦マシュと別れた。

 

 

何とか持ち直した私はライダーがいる部屋の前で立たずんでいた...。

「なんて話せば良いんだろう...。どうやって謝ろう...。」

そんな独り言を呟いて、悩む度にマイルームに戻りたいと思う私はがいた。

このままでは拉致があかないと、勇気を振り絞って扉をノックする。

 

「...ラ、ライダー。今大丈夫...?」

「ひゃい...!?だ、大丈夫っすよ。」

 

そう言って彼は扉を開けた。扉の先にはさっき見た顔が出てきたが、今の私にはまともに喋れる事は出来なかった...。

ライダーの部屋に入って約5分。お互いに話す事が出来ずに部屋に沈黙が流れている...。

先に声を出したのは私だった。

 

「...ライダー。さっきは何も言わずに出ていっちゃってごめんなさい.. .。」

「だ、大丈夫っすよ。...なんなら俺の方が不手際があって...。」

「そんな事...無いよ。私がただ怖くなって...。」

「...その気持ちは分かるっすよ。...俺だって3流サーヴァントで、真名も聞いた事の無いような知名度で。...陰キャっすからね。」

私はそんな彼の言葉を聞いて耳を疑った。彼は自分の事を陰キャと言ったのだ...。

「...サーヴァントにも陰キャとか陽キャとかあるんだね...。」

私がぽつりと思った事が私の気づかぬ間に声になっていた。

「...英霊もそんなもんっすよ。特に、俺なんていうドマイナーなサーヴァントは。」

...彼は私と似ていたのだ...。でも似ているだけで根本的には違う物。けれど私にとってそんな事は些細な事だった。初めて似たような境遇の彼に出会えて、私は何故か少し嬉しかった...。

「...ところでマスター。マスターの名前を聞かせて貰ってもいいっすか...?」

...ライダーの言葉を聞いて私はまた、マイルームに篭もりた気分になった。...そう、彼にまだ名前を教えていなかったのだ。...恥ずかし過ぎて何も考えれずに、真っ赤になった顔を見られないようにそっぽを向いて答えた。

「...私の名前はメルトソニア。...改めてよろしく、ライダー。」

「こちらこそ、よろしくっす。マスター。」

 

 

そう言って彼と握手して私は部屋へと戻った..。

 

...マスターが部屋から出た後にライダーが一人部屋で悶絶している事も知らずに...。

 

 

 

 

 




ライダー視点も死ぬ程書きたいぃぃ...。


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人見知りマスターの冒険譚 0-3

と言うわけでライダー視点です。0-2からはちょっと遡ります。


時は少し遡り、マスターが召喚部屋から逃げてマイルームに篭った頃。マンドリカルドは一人部屋の中に取り残され、一人落ち着かない様子で部屋を右往左往していた。

(何となくだが...あのマスター(?)は俺と似たような雰囲気があったような気が...いやいや、気のせいっしょ。)

こんな事を思っていると、部屋の扉をノックした音が聞こえた。

(さっきのマスター(?)が戻ってきたのか...?)

開いた扉の先にいたのはマスターではなく、ピンクの髪色をした少女がいた。

 

「私はマシュ・キリエライトと申します。先輩...いえ、マスターのデミ・サーヴァントです。」

「...どうも、ライダー。マンドリカルドっす。...マスターってのはあのオレンジ色の髪の...。」

「はい。私の先輩であり、この世界に残された最後のマスターです。」

 

...今最後のマスターって言ったのか...。

(そうか...。...ん!?最後??)

「最後って言うのは一体...。」

「その様子だと、先輩は何も話せていないようですね...。」

 

それからマシュは、今カルデアが置かれている状況・マスターに託された使命について教えてくれた。

「...大体把握したっすが、これはまた難儀な事になってるっすね...。...そんな中最初に召喚されたのが俺みたいな3流サーヴァントなんて...。マスターともまともに話さず逃げられる訳っすか...。」

そんな事を呟くと、マシュはマスターの事について話し始めた。

 

「マスターは...いいえ、先輩はこのカルデアに来るまで一人で生きていらっしゃったと聞きました。先輩はあまり過去の話をして頂けないので、詳しい話はあまり知りませんが...。先輩は他人と話す事を恐れ、一人閉じ篭もる日々を過ごしています...。」

(...まぁ誰にだって隠したい過去はあるよな...)

マシュの話を聞いて気付いたらマスターに共感している俺がいた。

(もしかしてさっき似た雰囲気って...まさかマスターも陰キャなのか...。いや、それ以上にもっと...。)

「...もっとちゃんとマスターと話したいっす...。まだ名前すら聞いてないっすからね...。(いやいや何言ってんだ俺...)」

「分かりました。私も頑張って先輩に話してみます...。ここにずっといるのも何ですし、部屋に案内しますね。」

「...お願いするっす。」

(...今思うとめっちゃ恥ずかしいっすね。)

 

マシュに連れられて部屋を出ると、俺がいた建物がどれだけ大きいかが分かった...。さっきから廊下を歩いているのにいくら歩いても殆ど見栄えが変わらないのである。

 

道に迷いそうな不思議な感覚で歩いていると、マシュがこの部屋です。と言って数多くあった部屋の1室に案内してくれた。

...俺の部屋は案外大きくて、ベットに仕切りにトイレやお風呂も付いていてここで生活すると思うと、本当に俺みたいなサーヴァントが使ってもいいのかと不安になったが、マシュは遠慮なく使って下さいと言ってくれた。

 

一通りの施設の場所が書いてある地図を貰い、マシュは今からマスターの部屋に行くと言って部屋から出ていった。

(...取り敢えず、少し休むか...。もうちょっと俺も今の状況を考えたいっすからね...。)

そんな事を思いながらも、いざマスターと話す時どうすればいいのかを一人悩み続けるライダーであった...。

 

 

 

 

 

 

 

 




...マンドリカルド君好き。(次回までに導入を終わらしたい。)R-15タグ追加しました...。(一様保険の為)


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人見知りマスターの冒険譚 0-4

導入ラストと書いたな...あれは嘘です。(入り切らなかった...。)という訳で次回にはかならず導入終わらせてオルレアン編を書くんだ...。


ライダーと話をして部屋に戻った私は、ライダーに抱いた不思議な感覚に頭を悩ませつつ今日はもう寝る事にした...。

「...握手なんて何時ぶりだったかな...。」

そんな事を呟いて...。

「フォウ」

「うわっ、びっくりした...。フォウ君、居たんだね...。」

部屋にある椅子の上にフォウと呼ばれている、不思議な生物が居た。

「...ごめんね今日はもう寝るから、ドクターの所でも行っておいで。」

そう言うとフォウ君は短く「フォウ」と言うと私が開けた扉から外へ出ていった...。

 

(...相変わらずフォウ君は可愛いなぁ...。)

そんな事を考えていたら、私はいつの間にかベットの上で意識を手放していた...。

 

「あれ...私いつの間に寝ちゃってたの...。もう朝...

?」

机の上に置いてある時計で時間を確認する...。

午前7時、これならもう起きていいかな...。重たい体を起こして、何時もの様に支給されている端末で今日の予定を確認する。

「えっと...今日もまだ新しい特異点が確認出来ていない為、今日はシミュレーションを使用した戦闘訓練...」

...私は何かを気付いてしまったかのように、シミュレーション参加メンバーを確認した。

「やっぱり...ライダーも参加に入ってる...。」

今までだったら私とマシュの2人だけで参加していたが、ライダーも参加するとなると今までと違う戦闘方法が必要になるし、マシュ以外の人と咄嗟に指示が出せる自信がなかった...。

 

...作戦を考えていると、私の近くに置いていた端末からシミュレーションルームに来るようにダ・ヴィンチちゃんから連絡が入っていた。

急いで支度をして廊下や階段をかけ登り、カルデアスがある中央管制室まで移動した。

 

(...相変わらず何度も見ても綺麗だなぁ...)

そんな事を思いながら、ドクターとダ・ヴィンチちゃんに話しかけた。

「...おはようございます。ドクター、ダ・ヴィンチちゃん。」

「やぁ、おはようだね。マスター君。」

彼女は、ダ・ヴィンチちゃん。真名はレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼女のサーヴァントではあるが私が召喚した訳ではなく、カルデアでの3番目の召喚に応じてくれた言わばカルデアと契約したサーヴァントである。

生前から設計図や機械制作などをしており、世界的に有名な絵画、「モナリザ」を描いたのも彼女である。

このカルデアでは、彼女はオペレーターやサーヴァントの霊基の担当である。

「おはよう、マスター君。今日の体調は...良さそうだね。」

彼はドクターロマニ。カルデアで医者をしており、私のバイタルチェックや体調管理等をしてくれている。ただ、私と同じようにあまり過去の事は教えてくれない。

 

2人とも私が喋れる数少ない職員である...。

 

そんな挨拶をしているとマシュとライダーが一緒に入ってきた。

 

「おはようございます、先輩。」

「...おはようっす、マスター。」

 

「...お、おはよ...う。」

(やっぱり無理...)

そう思いながらも何とか挨拶は声になってくれた。

 

それからダ・ヴィンチちゃんから戦闘シミュレーションの説明を聞いて、シミュレーションルームに移動した。

そこまでの移動の間に何か喋ろうとも思ったけど、私の口がゆう事を聞いてくれなかった...。

 

「今日は私達も見ておくから、安心して戦闘してくれたまえ。ではいくよ。」

 

ダ・ヴィンチちゃんがそう言うと私達の周りの風景は、緑豊かな平原へと変わっていた...。

 

 

 

 

 

 

 



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人見知りマスターの冒険譚 0-5

導入編ラストです。次回からネタバレ注意です。


それは何処までも広がっていて、空も晴れ晴れとしていた。

周りの地形把握を一通り終わらせると、ライダーが索敵を開始した。

 

「...今回のシュミレートの目的は、マスターを守りつつ攻める実践練習だと思ってくれて結構だよ。今までのシミュレーションだとマシュがマスターを守りつつ戦ってきたけど、いざ実践となるともしかしたら守りきれない事があるかも知れない。だから、もしそうなっても大丈夫な様にマシュがマスターを守りライダーが敵の迎撃に当たる、そんなシミュレーションにして欲しい。」

ダ・ヴィンチちゃんからはそんな事を言われた。

 

「...マスター、北の方からワイバーンが3匹こっちに来るのを確認したっす。」

「...了解...。」

「先輩、どうしますか?」

「...ライダー。先手を...お願いしていい...?」

「了解っす。...そんじゃまー、やりますかっと。」

ライダーは木刀を手に取り、ワイバーン達に対して突撃を開始した。

ライダーが木刀でワイバーンの翼を切り抜くと、バランスの取れなくなったワイバーンが地面へ激突した。

...私はライダーが戦っているのを初めて見て、木刀がたまに青白く光輝いているように見えた...。

「先輩、危ない!!」

私の視界が急に真っ暗になった。それはマシュが大盾で私を守ってくれたからだ。

「...ごめん、ありがとう。マシュ」

「...先輩も気をつけて下さいね。」

そう言うとマシュはまたライダーの援護へと向かった。

ライダーの様子を確認すると多少傷ついてしまっているようだが、まだ問題ない位だろう。微量だか私自身の魔力を使って、応急治療をしライダーの傷を直していく。

回復が終わった頃とほぼ同時に最後のワイバーンが消滅した...。

そこから先は特に危なげな事も無く、無事にシミュレーションは終わった...。

 

「各自反省点を考えて、次の戦闘に活かしてくれたまへ。本番の戦闘になると敵は勿論手加減なんてしてくれないからね。それでは私は特異点の観測を急がないと...。」

そう言いながらダ・ヴィンチちゃんはシミュレーションルームの制御室から出ていった。

 

「...マスター、ちょっといいっすか。」

「...何?ライダー。」

「...応急治療、感謝っす。...でも周りもちゃんと見ながら指揮をしなきゃ駄目っすよ。」

(本当はマスターの所に行かせないように、俺が倒し切れれば良かったんすがね...。)

「...わかった...。ありがとう、ライダー。出来るだけ...気をつけてみる...。」

私は途切れ途切れになった言葉をなんとか伝えようと、

なんとか声にする事が出来た...。

「じゃあなマスター、マシュ。また明日っすね...。」

(うわっ、めっちゃカッコつけてるように見える...このセイフ考えるのにめちゃくちゃ考えたのに...。)

「うん...じゃあねライダー、マシュ。」

そう言って各自の部屋に戻っていった...。

 

 

(..,誰かに怒られるなんて久々...。)

マイルームに戻ってからはそんな事を思いながら、今日の反省をレポートにまとめた。

「これで...よしっと...。」

(..,やっぱり一人でいる方が気楽で昔を思い出さなくていい...。)

 

心に浮かんだソレを考えない様にしつつ、今日は眠りについた...。

 

 




次回は..,オルレアン編で会いましょう。
...現在アマゾネスイベントの為更新速度が遅くなる危険性がありますが、私も楽しんでくるので皆様もイベント楽しんで下さいね!


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人見知りマスターの冒険譚 1-1

「あぁ...何故神は人々を真に平等にしなかったのでしょう。...このわたしに秘められた憎悪は何故あるのでしょう...。」


...これはとある物語。


「…貴方なんていなければ良かったのに…。」

 

私は急に目が覚めて、辺りを見渡した。...時計の針は7時をさしていて、ベットは汗でびっしょり濡れていた...。..,まるで悪夢でも見ていたかのように...。

(...切り替えなきゃ。)

気持ちが引きずられないようにシャワーを浴びていつもの服に着替え終わった頃、私達に緊急招集がかかった。

 

中央管制室に到着すると、ライダー 、マシュは先に来ていた。

「...おはようっす、マスター...。」

「おはようございます、先輩。」

「...2人とも、おはよう...」

...挨拶位ならまともに出来るようには頑張った...。

まだぎこちない感じは変わらないし、声も大きくは出ないけれどね...。

 

挨拶が終わるとダ・ヴィンチちゃんとドクターが降りてきた。

「やぁ、皆揃ってるかな。」

「はい、先輩やライダーさんも揃っています。」

「よろしい。今日は遂に特異点を観測する事が出来た。特異点の場所は現代で言うところのフランスで、規模はちょっと大きいかな...。正直あまり詳しい事は現地に行かないと分からないんだ、済まないね。」

「...それで今回の目的は、特異点の修復と聖杯の入手ですね。」

「あぁ、観測は基本安定してるけど何が起きるかが分からないのが特異点だ、注意してくれたまえ。」

「...分かりました...。行ってきます...。」

...こうは言ったものの本当は凄く怖い...。私は気付かぬ間に手が震えていた。本当は部屋に篭もりたい、何もしたくない。

「マスター、大丈夫っすよ。...なんかあった時は俺とマシュで守ってみせるっす。」

「はい。先輩には傷1つつけさせません。」

...私が怖がったのに気付いたのだろう。ライダーのマシュがそう言ってくれた。

...2人がそう言ってくれたお陰で何とか私は頑張ろうと少し思えた...。

 

「準備出来たかな?じゃあカルデアスの前のコクピットに移動してくれ。」

ドクターにそう言われて、改めて気持ちを入れなおす。

...コクピット内はあまり広い訳ではないがこれくらいのスペースの方が私にとっては幸せだった。

 

「じゃあいくよ。カルデアス起動、レイシフト開始」

そう聞こえると世界は青い光に包まれた。

 

...コクピットの床を踏む感覚が無くなり、世界が青い光の色から明るい太陽の光に変わり私は目を開けた。

 

周りは緑豊かな草原でシミュレーションルームでも良く見るような光景だった...。しかしその光景は足が地面についていないことを表していた。...そう私はいや、私達は空から落下していた...。

 

「...っっ。マスター!」

そう言ってライダーが必死に手を伸ばす。

私はライダーの手に掴まって地面が近くなるとお姫様抱っこの形になってライダーが落下の衝撃を抑えてくれようとした。

「先輩、ライダーさん!」

マシュは地面落下するギリギリに仮想宝具を展開する。

「擬似展開/人理の礎!」

...正直、この宝具が無ければライダーとマシュは満身創痍になっていたかもしれない...。

マシュの宝具とライダーによって、着地の襲撃はほぼ無くなっていた。

 

...その後、周りの安全を確保してからダ・ヴィンチちゃんに片言になりつつも必死に怒るマスターの姿があった...。

 




オルレアン編、始めました。大分ストーリーとは異なる可能性が出てきたけど大筋は変える気なしです。

アマゾネスイベントは一段落するまでもうちょっと時間かかりそうです。(現状更新速度は問題なし。)


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人見知りマスターの冒険譚 1-2

...一通りマスターがダ・ヴィンチちゃんとの通信を終え、霊脈を探しつつ街を目指す事になった。

 

「霊脈は魔力の通り道で、その魔力を使ってサーヴァントを召喚することが出来るよ。」

...そんな事をダ・ヴィンチちゃんに教えて貰った。

..,正直まだ落ち着いていないけどこんな所でゆっくりしてる暇もないと切り替えて、霊脈を探知しながら平原を歩き始めた。

 

歩きながら、マシュがこの特異点について説明してくれた。

「この特異点は時系列検索した所、1431年。丁度百年戦争の休止期ですね。」

(...戦争に休止期なんてあるんだ...。)

...そんな事を初めて知った...。

マシュの話を聞いているとライダーが急に話しかけてきた。

「...お話中、失礼するっす...。空の゛アレ゛って何っすかね...。」

ライダーに言われて、私とマシュは空を見る...。

「...なに...あれ...。」

私は思わず声が出てしまった...。気付いたら足も止まっていた。

空にはある筈もない光の輪があった...。

ドクターに通信を繋げた。

「...ドクター、今カメラから見えてる...?」

「あぁ、見えてるよ。あれは...一種の魔術式...?でもあの規模になると相当だぞ...。」

「...今は...何もして来なさそうっすね...。下手に心配させてすみませんっす...。」

「...大丈夫、大丈夫だから...。」

(あんなものを展開出来るような奴と戦っていかないといけないと思うと、また少し震えが出てきた...。)

「...取り敢えず、街を目指しましょう。情報が欲しいです。」

そう言うとまた私達は歩き始めた。

 

歩き始めて3分程がたった頃だろう。ライダーが急に木刀を構えた。

「...前方にフランスの斥候部隊らしき人達がいるっす。どうしあしょうか、マスター。」

「...取り敢えず、話しかけ...。」

私は思わず口をつぐむ。急に目の前に多くの人が居るのだ。人見知りの私にとってこの状況は物凄く辛い、直ぐにこの場所を離れたいくらいだ...。でもそんな事を言っている暇なんてない...。

「ごめん、マシュ。話しかけてきて貰っていい...?」

「分かりました。先輩。」

...私は出来るだけマシュの影に隠れるように後ろをついて行く。

ライダーはそれを静かに見守る。(やっぱり俺も話かけに行った方が良い奴かな...?でも下手に行動すると...。)こんなジレンマに気付いたらハマっていたが...。

 

「すみません。私達は旅のものですが...。」

「ヒィ...て、敵襲ー!」

「...すみません、先輩。何やらやらかしたみたいです。」

「貴重な情報源だ、倒さないように峰打ちでお願いする。」

(...盾で峰打ちってどうするのかな...?)

凄く真っ当な疑問が出てきたけど、ライダーも居るし大丈夫だろう...。

「峰打ちっすね...、了解っす。じゃ、行くっすよ!」

 

槍の攻撃を避けて木刀で反撃をする。...盾で攻撃を防ぎつつ盾でアッパーする...。

だんだんと追い詰めているものの、敵は突然撤退をはじめた。

 

「先輩、部隊の方々が撤退を始めました。」

「...分かった。追撃は無しで...逃げた方角に建物があるかも...。」

「...了解っす。ふぅ...取り敢えず何とかなったみたいっすね。」

 

戦闘を終え、兵士達が逃げた方向に向けてまた再び歩き始めた...。

 

 

 




思ったよりも長くなりそう...。短くて数多くか、長くて数少なくか、どっちがいいのかなぁ...。


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人見知りマスターの冒険譚 1-3

兵士達を追いかけるように歩くと、少し...いやかなり傷がついた砦にたどり着いた...。

「これは...マシュこれは本当に休止期なんだよね...。...この傷つき方は...最近...何かに攻撃された...?」

 

周りから砦を見ていると中から逃げてきた斥候部隊の1人が出てきた。

「...お前達は...味方なのか...?」

「先程はすみません。私達は唯の旅のものです。少しお聞きしたいことがあるのですが良いですか?」

「あ、あぁ。俺が答えられる範囲なら...。」

「シャルル王はこの地を統治していないのですか...?」

(シャルル王...?)

あまり歴史に詳しくない私はこっそりドクターに連絡を入れる。

「...シャルル王って誰ですか...?」

「ええとシャルル王はシャルル7世と呼ばれていて、ジャンヌ・ダルクに私兵を貸したり、その後彼女を処刑する事を決定した百年戦争を実質的に終わらせた人だよ。 」

「...そうなんですね...。ドクター、教えてくれてありがとう...。」

 

「なんだ、お前達、本当に知らないみたいだな。シャルル王なら魔女に燃やされたよ...。」

「魔女、ですか...。」

「ジャンヌ・ダルクが、最近火炙りの刑になったのは知ってるか?彼女は火炙りの最中、竜の魔女になってそのままシャルル王を殺していった...。俺はあの光景を目の前で見ていたんだ...。」

「...っ。敵襲!敵襲!奴らが来たぞ!」

砦の屋上で見守っていた兵士が皆に声をかける。

「クソっ...、噂をすれば...。」

「マスター、ワイバーン種の群れがこっちに来てるのを確認知ったっす...。少なくともこの時代にワイバーン種なんて普通いる訳ぬぇーすけどね。」

若干驚きの含んだライダーの声が聞こえた。

「...皆、臨戦態勢用...。」

そう言いかけた時だった。

「皆さんここは私も手伝います。部隊の人達は水を被っておいて下さい。これで少しでもワイバーンの火を防げるはずです。」

...私の知らない人が、いやこの感じはサーヴァントなのかな...。まぁ、どっちでも結局は変わらない...。

私は大混乱した。それはそうだ、私の知らない人が急に指揮を取り始めたのだこんな事に慣れている訳でもなく、私はとにかくライダーの後ろに隠れた。

 

...その時ライダーも出来るだけ見知らぬサーヴァントから離れようとしていた...。(...なんだ。あのThe陽キャみたいなサーヴァント...。俺なんか横に並んだら駄目なような気がする...。)

 

取り敢えず迫ってくるワイバーンを撃退しない事には何も解決しない...、そんな事は分かっているのだが声にならない...。私はありもしない勇気を振り絞って声を出す.,.。

「...ワイバーンを撃退して...ライダー、マシュ。」

その一言を待っていたかの様に戦闘がはじまった。

 

マシュもライダーも戦闘訓練の際に良くワイバーン種とは戦っていたため、手際良く仕留めていく。

...良く分からないサーヴァントは若干苦戦を強いられているようだ...。武器と言うよりかは旗に見える槍がワイバーンを落とそうと必死に振るわれていたが、戦闘に慣れていないためかあまり上手く当たっていない。

ライダー側のワイバーン撃破が終わり、謎のサーヴァントの援護を行う。

 

「ぶっ飛べ!」「退いてください!」

少し傷ついていたワイバーンを見事に倒し切った...。

 

「...すみません、感謝致します。」

「貴方はサーヴァントですか...?」

上手く話せないマスターの代わりにマシュが話しかけてくれた...。

「はい。私のサーヴァントクラスはルーラー。真名をジャンヌ・ダルクと申します。」

 

私は、いや私達の間に流れる時が一回止まった...。

「魔、魔女だ!退避ーー!」

砦から出ていた兵士は砦に籠城し始めた...。

「...ここでは話しにくいですね...。少しついてきてもらってもよろしいでしょうか。」

...確かにまだこの特異点に来てからあまり時間は経っていない様な感じはしたが、このサーヴァントを信用してもいいのか少し戸惑ってしまった...。

(でも実際に、少し助けてもらったし...。)

「...分かったよ..。」

物凄く小さな声で返事をした...。

その後、マシュとライダーを連れてジャンヌ・ダルクの後ろについて行く事になった...。

 

(...ジャンヌ・ダルクって言うとあのオルレアンでの英雄の...だからあんなに陽キャで明るいのか...)そんな事をライダーは考えながらついて行った...。

 

 

 

 

 

 

 




...あれ?ライダー要素薄い。...薄くない?もっと詰め込まなきゃ。それがライダー視点のおまけ回を書くのもありかなぁ...。そのうち書くかどうかアンケートとるかも...?


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人見知りマスターの冒険譚 1-4

ジャンヌについて行き、たどり着いたのは木々が生い茂る森だった...。

「ここならばあまり迷惑を掛けずに話す事が出来ますかね。」

 

(足が...痛い...)

そんな事を思うが声には出さなかった...。

「...じゃあ、俺から質問してもいいっすか...?」

「ええ、構いませんよ。」

「あんたさっきルーラーって言ってたが、だいぶ力弱ってるんじゃないか...?」

「はい。まずはそこから説明しましょうか...。先程も申しましたか、私のクラスはルーラーつまり本来天秤を持つものとして、聖杯戦争を見守る立場にあります...。しかし、今の私には他のサーヴァントを操る事のできる2画の令呪も、真名看破も出来ません...。

それにこの時代はまだ私が火炙りにされてからあまり日が経っていない為、サーヴァントとしての知識もまだまだ足りないのです。」

「...そう聞くと弱ってる、じゃなくてまだまだサーヴァントとして出てきたばっかりってことっすね。」

「はい。面目ないですが、それが今の私の現状です。」

そういった意見交換をしていると辺りは暗くなり、薪を起こして火を確保すると少し眠気が出てきた。

「マスターは人間ですから、そろそろお休みになって下さい。私は今はデミ・サーヴァントの状態なので寝なくても大丈夫です、火の番は任せてください。」

「マシュがそう言ってくれるなら...。」

マシュがそう言ってくれるならと寝る準備をした。

...野宿なんかした事が無いので若干手間取っていると、ライダーが手伝ってくれた。

「...まぁ、生前は旅ばっかりしてたんで。このくらいお安い御用っす。」

「あ、ありがとう...。」

少し噛んでしまったが、最初の頃に比べたらだいずんマシな方だろう...。

そうしてマスターはゆっくりと深い眠りについた...。

 

 

「...ジャンヌさんは、生前の世界に対してどういう思いがありますか...?」

「そうですね.,.。特に憎んでいるわけではありません。私は神のお言葉にしたがっただけですし、実際戦地にもたちましたが私だけの力ではありませんでした。...私と共に戦ってくれた兵士達。私を信じてついてきてくれたジル。様々な人の支えがあって今の私があるのです...。」

「そうなんっすね。俺には生前そんな誇れるような話は無かったので羨ましいっす...。」

「そんな事はありませんよ。私にも是非聞かせてください。」

「...まぁ、ホントに誇れるような話じゃないっすからね...。聞いて後悔しなっすね...?」

「はい、勿論です。」

「じゃあ、何処から話せばいいっすかね.,.。取り敢えず俺はある国の王様で...」

 

 

...すっかり夜が明けて、辺りに小鳥の綺麗な鳴き声が響いていた...。

「...おはようっす、マスター。」

「おはようございます、先輩。」

「2人ともおはよう...。」

 

「...朝食は俺が作ってたっす。お口に合えば幸いっす...。」

「...うん。ありがとう」

 

「あぁ、マスター。おはようございます。」

「...お、おはよ...う。...なんて呼べばいいの...?」

「私の事はジャンヌと言うと他の兵士の方々に警戒されると思うので、私の事はルーラーと呼んでください。」

「...分かった。おはよう、ルーラー。」

 

朝の挨拶を済ませ、朝食を食べて今日はオルレアンにある大きな街に向かうそうだ...。

「...これから多分戦闘が多くなると思うっす...。マスターもあまり無理しないように。」

「... 言われなくても...分かってるよ...。」

「では出発しましょう。今日で出来るだけ情報を集められるように頑張りましょう。」

 

そう言って私達は森から抜けた...。

 

 

 

 




ライダーの宝具解放のお話はまた今度に...。(マスターはまだライダーの過去話を知らないためまだ宝具は打てません。)
ライダーの話を聞いたのはマシュとジャンヌだからね。仕方ないね。

明日の投稿はお休みします。明後日を楽しみに待っていて下さい。


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人見知りマスターの冒険譚 1-5

街へ向かい歩き始めた私達は、道中にワイバーンの群れに遭遇した...。

 

「...結構数多そうっすね...。これはちょっと辛いかもしれないっす...。」

「どうしましょうか、先輩。少し遠いですが回り道をしますか...?」

「...あまり消耗したくないけど...。このまま放っておいたら、多分...街まで来る...。」

「分かりました。では私達の手で先に倒してしまいましょうか。」

「...お願い、みんな。」

 

「では、行きます。私達に主の御加護を...。」

ジャンヌがそう言うと戦闘が始まった。

 

ジャンヌとライダーが前線で戦い、マシュとマスターは後ろでカバーする。...はずだった...。

 

4〜5匹倒した辺りだろうか、敵の数が減り前線を押し上げ始めた頃、ライダーが急にこちらを向いて叫んだ。

 

「マスター!危ねぇ!!」

 

...後ろから別のワイバーンの群れが飛んできていた...。

その中の1匹が後ろから鉤爪を立てて私に飛びかかってくる。マシュはその時前線の押し上げの支援をしていたため私の近くにいなかった...。

 

「...うっっ...。」

私は避けようと必死に体を捻った...。しかし完璧には避けられず、服ごと腕に爪による切れあとが残る...。

「...っっ...。い、痛い...。」

腕から血が滴り、マスターは地面に倒れ込むような形になってしまった...。

 

地面に倒れたマスターを狙ってワイバーンが再び急降下し始める...。

またあの爪が私を切り裂こうとした時、

 

「爬虫類どもが、マスターを傷付けるんじゃぬぇーよ。」

キレた様子のライダーが私とワイバーンの間に入ったかと思うと、光り輝く木刀でワイバーンを斬り捨てていた。

 

...出血腕を抑えつつ、立ち上がりライダーの支援をする。ライダーの踏め込みに合わせて、魔力を流して瞬間強化をする。...若干視界がぐらついて来た気がする...多分血や魔力を流し過ぎたのだろう...。

 

「...ふぅ...。」

 

最後の一匹を倒し終わったのを確認しようと、前に歩こうとすると上手く足に力が入らずに倒れかけてしまった。...マシュが咄嗟に支えてくれて、地面に衝突することは無かった...。

「先輩!大丈夫ですか?今止血します。」

マシュが腰のポーチから綺麗な布を取り出し、私の傷跡を隠すような形で止血する。

「...っっ...。」

止血する時に若干の痛みがあったものの、まだ我慢できるくらいには痛みは収まった...。

 

「私達がいながら、本当にごめんなさい、マスター。」

「私も先輩から離れずに、もっと後ろを観察するべきでした...。ごめんなさい、先輩。」

「...咄嗟に助けに行けなくて申し訳ないっす...。」

 

各々マスターに謝罪の言葉を言った...。

そんなサーヴァント達に対して、

「だ、大丈夫、...私がもっと気をつけなくちゃね...。」

 

そんな言葉をかけた...。

(傷口はまだ痛むし、本当に泣きたいほど痛かったど...。)

 

こんな気持ちを声にしないのは強味でもあり弱味でもある...。そんなマスターを見てライダーは少し不信感を抱いたけれども、マスターを守れずに傷付けてしまった事を反省して、次こそは守りきろうと心に誓ったのであった...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




投稿が遅くなって本当に申し訳ない。明日からまた高速更新目指して頑張らせていただきます。

追記(2/12)あぁ、もう。バレンタインイベント用のイラスト書いてたら進まなぃぃ。読者様ー、すみません。もうちょっとだけ待ってくださぃぃ...。


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人見知りマスターの冒険譚 1-6

遅くなって申し訳ない...。今日はもう1本投稿出来るように頑張らせていただきます!


...周りは暗く何も無い、そんな中真ん中に1つ浮かぶ何かを見た...。暖かい光の様な、でも決して強く光を放っている訳では無い...。何気無い風でも消えてしまいそうな「何か」を...。

 

 

「大丈夫でしょうか、先輩...。あれから目を覚まさないですが...。」

...ワイバーンの襲撃後マスターは何とか意識を保っていたけれど、今は気絶してしまっている...。

「きっと大丈夫っすよ、ちゃんと消毒も止血もしましたし...。それに何より俺が消えてないなら大丈夫っす。」

(...きっとマスターも相当痛かったんだろうな...。くそっ...、やっぱりもう少しちゃんと守れていれば...。)

そんな後悔を繰り返していたライダーだったが、背中にせよっているマスターの顔を見るとそんな気持ちは次第に落ち着いていった...。

 

「街が見えてきました。街についたらマスターを一旦医者に見せた方が良さそうですね...。」

「そうですね、そうしましょう。先輩、もう少しで着きますからね。」

 

マスターは未だに目を覚まさないが、サーヴァント達が交代で見張りをする事にし、ジャンヌは街に家を確保しするため仲間のサーヴァントに連絡を取りに先に街へ向かった。

 

...この光に近づくだけで、心が暖まるような気がした...。まるで何か私が大切な事を忘れてしまっていた事に気付いたかのように...、でもそれは何か私には分からない。...少なくとも今の私には...。

 

 

街に到着したライダー達はとある旅人として街に入り、空き家を1つ貸してもらって、そこにマスターを休ませる事にした。あれからマスターの様子は落ち着いていて

すうっと軽く寝息をたてていた。

(...クソっ、やっぱり俺なんかじゃマスターを守れないのか...。)

ライダーは1人、ボソッと呟いた...。

 

「...うぅん...。あれ...ここは...?」

「マスター!目が覚めたっすか...。...良かったっす...。少なくともここは安全な場所っすから、安心して欲しいっす...。」

「...う、うん。...分かった...。」

 

それからマスターが落ち着いた頃を見計らって今の状況を伝えた。マシュは建物の周りを監視しつつ、情報収集。ルーラーは他の味方サーヴァントを探して街を散策している。そしてライダーはマスターの容態が悪化した時や、敵襲を受けた際の撃退役をしていたと。

 

「...大体はわかった...。でも...何が大切な事を忘れて...いる気がする...。」

「まだ少し体調が良くないんすかね...。取り敢えずマスターは今は安静にしておいて欲しいっす...。」

「...うん。そうさせて...もらうね。」

そう言うとマスターはまた横になり、すぅすぅと寝息をたてはじめた。

 

「...今度こそ、絶対に守りきるっすよ...。マスター、この木刀に誓って...。」

ライダーはそう溜息を零すように呟いた。

 

 

 

 

 

 

 



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とあるマスターの冒険譚1-7

今回は、マイフレンド要素薄め。


マスター達に訪れていた一時の平穏は、街に溢れた悲鳴で掻き消えてしまった...。

 

「...んん...。」

周りが騒がしい気がする...。いつの間にかに寝てしまっていた体を起こして、意識を覚醒させていく...。

(...あれ?なんで近くにライダーがいないの...?)

そう思った時だった。

 

ドォォン...。

 

建物の崩れる音、聞こえ始めた街の人々の悲鳴、直ぐに周りの状況がおかしい事に気づいたマスターは急いで建物の外に出た。

 

外はまるで最初から人がいなかったかのような廃墟が並んでいた。空にはワイバーンやドラゴンといった神話に出てくる様な生物が溢れていた。

 

「先輩!大丈夫ですか!」

「ふぅ...とりあえず建物の周りの奴は倒しておいたっす、マスター。」

「...う、うん。大丈夫...。...とりあえずルーラーと合流を目指そうか。」

「了解っす。」「了解です。」

 

そう言って、マスター達は周りを警戒しつつ広場の方へ歩き出した。

 

「私達が来るまではあんなに綺麗な街でしたが、ワイバーンやドラゴンだけではこんな風にはならないはず...。もしかしたら、サーヴァントが絡んでいるかもしれないですね...。」

「そうっすね...。その時はまぁ、出来るだけは頑張るっす...。」

 

ピピッ...。支給されていた通信機器が鳴る。

「前方にサーヴァント反応!反応数6。その中の1人はルーラーの反応が出てるよ。その他5人は未確認サーヴァント、敵か味方かは分からないから注意してほしい!」

「...了解。」

「敵サーヴァントだと、ルーラーがヤバそうっすね、出来るだけ急ぐっすよ!」

そう言ってボロボロになった街を横目に広場に向けて駆け出した。

 

.,.広場ではルーラーと向かい合っているジャンヌらしき人物の後ろに4人の人が立っていた...。

 

「貴方は...そう。どうしようもなく愚かなのですね。そうやってサーヴァントになってでも、貴方を...いいえ、私達を裏切った国の為に戦うのですね...。」

「...やはりですか...、貴方はルーラーでは無いのですか?ジルは、ジルは近くにいるのですか...?」

「ふっ...。教えてあげる義理はありませんが、まぁ少し位は良いでしょう...。私は黒化(オルタ化)しているのでルーラーとしては顕現していません...、ジルは今追加のサーヴァントを呼ぶ儀式の用意をしています...。これくらいでいいでしよう?」

「待って下さい...何故このような事を...」

「何故?何故ですって?...あはは、ホントに馬鹿なんですね...。...全ては私を裏切ったこの国への復讐しです...。例え私自身が敵であっても容赦はしませんよ?」

「...っ。私がこの国を恨んでも、復讐しても、何も変わらないんですよ...。」

「そうかもしれませんが、それでも私はただ復讐するだけです。ランサー アサシン、貴方達にこの場を任せます。ルーラーと...今、こちらに向かってきている他のマスター、サーヴァントも処理しておいて下さい。」

「了解だ、マスター」「ふふふ、了解よ、マスター」

 

そうして、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 




遅くなってすまねぇ...インフルエンザになったり、アイアイエー島に囚われたり...続き...何時になるかな...。気長にお待ちください。


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