ゲートに巫女さん (ソウクイ)
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ゲートに巫女さん

 

 

私は気付くと生まれ変わってた。 

 

 

たぶん。

 

 

まぁ事故ぽい衝撃を受けたみたいな記憶を最後に、記憶が途切れて、途切れて?あー体が根本から違う状態になってたからそうとしか言えないでしょ。それで生まれ変わると言えば死んだ後、未来とか想像するけど…まさかの過去への転生。現在地、地球の日本。

 

どこぞの小説みたいに異世界に転生なんてするのは嫌だけど、また地球に産まれたのは良かったけど過去なら知識チートできる!と言えるぐらいの大昔な過去でなかったのが残念。

前に生きてた時代から10何年前ぐらい前の過去。前に生きてた時と同じ。微妙、ネットもない様な時代に転生するよりは遥かにマシだけど……地味に困った問題があるのよね。

 

十年分の未来の知識があるなら少しぐらい役立つと思えばほぼ役立たず。わりかし邪魔な時もある。だって歴史も人も微妙に違うし。記憶違いとかじゃなくて本当に違う。平行世界って言うの。産まれたのは前と歴史の大筋は同じだけどちょっと違う世界。このちょっと違うのが面倒くさい。

 

ほら、歴史とか重要な所はほぼ前と同じなのに、微妙に違ってたらどうなると思う?歴史の年号とか人物の名前とか。例えば別にこれがこの世界の歴史って訳じゃないけど、1192(良い国)造ろう鎌倉幕府が鎌倉幕府が出来たのが1191年みたいな。

 

些細な違いでお陰さまで社会の成績が最悪。二回目なのに微妙な成績という、悲しい二度目の学校生活を過ごしてる。ただでさえ容姿と名前でイヤな事に成ってたのに…え?前と変わらない数学とか他の教科の成績?……まぁそれは置いときましょう。

 

歴史やら人物やら細かいところが微妙に違うって問題、他にも問題がある。

今度は世界的な話でなくて私個人の範囲。

 

両親が不明で保護者が怪しい。

名前と容姿

 

両親は知らないし保護者は表に出てこないから良いんだけど、二つ目がどうしようもない問題なのよねぇ。

 

私の名前があるキャラクターと同じ。前世に存在した作品のキャラと同じ。名前だけでなくて容姿も他人から見て似てるらしい。

 

そう他人から見て、この世界にその作品がなきゃ問題はないけど……面倒なことにこの世界にもその作品がそのまんま存在してる。だからその作品を知ってそうな輩の視線が鬱陶しい。

 

まぁそんな感じで前と同じ作品があったり無かったり違ってる所が色々とあったりするこの世界。私は前の世界と少しだけ面倒な平行世界に産まれ変わったと、思ってた。視線が鬱陶しいぐらいの問題しかない平和な世界と思っていた。

 

間違ってたみたい。

 

新しい人生14年目ぐらい。だいぶこの世界への認識を間違ってたと気付けた。

 

この世界への認識を大幅に訂正する事になった。この世界は微妙に違ってる過去世界でなく…致命的に違う世界だった模様。

もしかしてこの世界ってアニメとかゲームの世界?と思い中。イヤだって、さっき体験したこと何だけどね。

 

今日私は銀座に遊びに来てたの。銀座で案内役を頼んだ直に会うのは初めての友人と合流して暫くすると、銀座で信じられないモノを見ることになった…とても驚くモノを見ることになった…端的に言えば銀座を襲ったファンタジーな集団。

 

銀座に私が来たときに来襲した馬鹿、もといファンタジー集団、竜とか中世風の騎士とか魔物とか。そんな集団をリアルに見たらこの世界への認識は一瞬で変わるわよ。転生したのはアニメかゲームの世界とね。アニメかゲーム世界でなくてもファンタジー世界でしょ。

 

現実世界カンバーク……って言いたいけど、前世持ちな自分もファンタジー陣営に分類されるわ。"今の身体と力も合わせて考えたら無数に飛んでた竜よりも現実に喧嘩を売るファンタジー陣営よりなのよねー……。

 

はぁぁファンタジー陣営だから"こうなってるのよね"参ったわー。

 

いやはや本当にまいったわー

 

 

 

 

 

 

まさか私が警察の人とか自衛隊の人達に囲まれるとか。

 

 

 

 

 

 

大雑把に説明してくと

 

1今日、私はネト友の誘いでコミケの為に電車に乗って始めて東京に到着。

 

東京銀座にて自称自衛官のネット友と合流して見掛けに驚かれる。

 

3私を連れて歩いた事でネト友職質を受ける。

 

4謎の建造物から魔物とか兵隊が突然でてきて周りの人を含め襲われる。私も襲われる。

 

5襲われて反撃じゃああーー(^q^)

 

6被害者の供養をする

 

7警察の人やら自衛隊の人に囲まれふ。

 

8タスケテ。←今ここ。

 

 

これで大体の状況がわかる?

私はわかんない。

 

まぁ肝心なのはエイト、8だけ認識しといてくれたらいいわ。3辺りで爆笑した記憶で心を落ち着けるのもあり。…行動として間違ったの5よねー。銀座で兵隊やら竜やら魔物に襲われたからって反撃したの。其処までは良いけど、勢い余って相手が全滅するぐらいにしたのが不味かった。これは今も地面に転がってる兵隊とか魔物とかの死屍累々を見れば嫌でもわかるわよね。あ、死屍累々とか思ったけど死んで…ない!たぶん。おそらく…

 

派手にやり過ぎた。

無双しちゃったぜって所。

 

なんで私が兵隊とか魔物相手にやり過ぎるぐらいに、反撃じゃああーー(^q^)から無双出来てたかといえば、転生の転生者にはまぁ所謂、不思議パワーが憑き物というお約束から私も外れてなかったから。で、不思議パワーで反撃して色々見られた結果、今囲まれてると。やっちまったぜ☆って感じ……。

 

面倒くさいことにはなりそう。

もう面倒くさいんだった。

 

逃げ帰りたい。今から帰っても意味ない。身元とか簡単に特定されて逃げても家に来そう。家は無理でも学校に来る。覆面くらいしとけば良かった。……覆面してもこんな特徴的な服装でダメだ。こんな格好してこなきゃよかった。

 

「あー最悪」

 

事件が終息したからって私を囲むの止めなさいよ。自衛隊とか警察の人達、あなた達の代わりに、善意で民間人の私が襲撃犯を倒したんだからせめて感謝するべきよねー。その感謝の証として金一封はくれるべきよね!真面目に金一封ぐらい貰えなきゃやってられない。

 

「そう思わない自衛官の人?助けたお礼に金一封ぐらいくれても良いんじゃない?高く売れる物品のお礼でもいいけど?」

 

「そう言う話は別部署にどうぞ」

 

「別部署ってどこよ」

 

隣に居るのは自衛官なネット友。包囲されてる所に来てくれてたのはありがたい。…考えてみたら今回銀座に来ることになった切っ掛けだし。悪く言えば私の今のこの状況の元凶だし感謝しなくていいか。

 

立場とかも腹立つし。

 

私が銀座をおそってきてたの相手に無双してたときに、このネト友は避難誘導で活躍してたそう、それでネト友は遠目で見たけどちょっとばかりヒーロー扱いされてる空気。羨ましい事にね。わたしも人助けしたのに扱いは危険物扱い。なにこの差は?

 

「妬ましい」

 

「あー……パルパルパルてか?」

 

「オッサンがパルパルとか言うのは気持ち悪い」

 

「気持ち悪い言うなし」

 

ネト友と普通に会話してても周りの人達の反応は思わしくない。爆発物を扱うように盾を構えて遠巻きにしてるのまで居るし。幾らなんでもそれは酷くない?

 

「あー面倒くさい」 

 

「その台詞すごい似合うなぁ……"外見的に"」

 

外見って、言いそうな【キャラクター】の外見って意味よね。…只でさえ前からアレだったのに今回のことで外見が本格的に面倒な事になる。絶対の運命ってぐらい避けられると思えない。だって現状でも……スマホで何か検索して驚いてる顔が見えるし。

 

今の服装は悪乗りした服装。今回やった反撃の手段…前々から外見と名前で中学だと、冗談混じりにでも"本物"かもみたいな扱いに成ってたのに、それにプラスして今回は力を使ったの目撃されたら、容姿に名前でアウト二つ…今回のことで力も追加……。

 

スリーアウト、ゲームセット?

 

冗談にならなそうなのが最悪。

 

此れからどうなるか考えただけで心底面倒くさくなる。全くなんでこうなったか。やっぱり元凶のせい…落ちてる魔物やらも元凶ではあるけど、根本的な元凶と言えば、此処に誘った…この怨みはさずにいられるかって話よ…

 

「その意味深な視線なんだ…」

 

「ただ此処に来なきゃよかったと思ってね。このおじさんの(コミケで)良いもの見せてくれるって言葉を信じたばかりに……」

 

「い、いや、うん、その外見からその台詞は少し犯罪臭がするから、お言葉を選ぼうかな?」

 

因みに私は中学生ぐらいの女の子。身体は純正の中学生女子。ただしネットでは40代男と名乗ってたんでその体で伊丹って名前のネット友と下ネタふんだんの会話をしていた。兄貴分的な感じで、実際に会った時のネト友の反応は面白かった。

 

「言葉を選ぶ?………この人、此処に来る前に(ネットで)私を(コミケの)18禁の世界に連れていってくれると言ってたことをマイルドにしろと?」

 

キチンと周りに聞こえるように言ってやる。

 

「最悪な選び方ぁぁ!!?いやいや!!なに言ってくれちゃってんの!?」

 

「え?ネットデ言ってたのは本当なのに?嘘をつくの」

 

不安そうな声音でネットの部分は誰にも聞こえないようにした。特に意図とかは無い。

 

「いやぁぁ!!!い、言ったと言えば本当に言ったけどねぇ!?ほら!その時はネットで年齢も容姿も性別も知らなかった時で!同じ男と思ってて、ちょ!ロリコンとか聞こえた!?」

 

「ねぇ向こう見て」(小声)

 

「向こうって……性的な犯罪者を見る目で見られてますねぇえ!!ちょっ!ホントまった!落ち着こう!この子と何かしてたとかないですからねーー!!!なにもしてないですからねぇ!!!」

 

そんな必死に反応したら逆に事実って感じるんじゃない?実に愉快。

 

「なにもしてない?そんな嘘をつくなんて酷い、私と何時も何度も深夜に(ネットで)あんなに熱くエロトークをしてたのに……」

 

見かけだけなら清楚系の美少女と言われるこの容姿で、頬に手を置いてモジモジしながら言ってみる。(手で隠れてる顔は真顔)

 

「おおい!!?それ!!それネットの中だけ!成人男とか大嘘言われてたからアレなトークしてただけだから!?演技止めろ!お前絶対モジモジとかするキャラじゃねーだろ!!」

 

「嘘ってなんのこと?」

 

「いや年齢と性別!ネットで40代の男とか名乗ってたろ!!これは大嘘だろうが!どこをどう見て40代男になるんだよ!」

 

「………ああ、ふふ、この姿を本当のモノだと思ってるの」

 

「ほ、本当の姿、それって!」

 

「ふふ、ふふふ……地面に倒れてる人たちを倒した"力"を思えば、姿ぐらい簡単に化けることができると思わない」

 

「つまりその姿は偽りの…」ゴクリ

 

ゴクリとか息をのむの初めて見た。

 

まーーー……実際のところスッピンな本当の姿なんだけどね!別人って事にしたら一時逃げれるかもと思って言ってみた。

後から追求されても姿を借りられただけで私は無関係と言い張って、それでなんとか…なんとか……なるわけないか。本当に姿を変えられるなら、ネット友の姿になっておいて生け贄にするとか出来たのに」

 

「……おいこら姿を変える力があるならおれ生け贄にされてたのか」

 

「それは巻き込んだ元凶だし私の面倒をのしつけて押し付け……て…」

 

あれ?

 

さっきまで危険物扱いしてた周りを見たら生温い視線。ネット友はひくついた目で見てきてる。もしかして声に出してた?

 

訂正しないと

 

「と言うのは冗談、生け贄じゃなくて身代わりにしようとしか思ってないから」

 

 

「同じじゃねーか!!」

 

 

 

 

それから紆余曲折、銀座の近くの無駄にいい感じのホテルの部屋に……軟禁されてる中なう。

 

やっぱり面倒くさいことになった。

 

要求して用意された漫画を読みついでに冷たいジュースを飲みながら、高級なお菓子もモグモグ、フカフカなソファーに寝転がりながら此れからどうなるか思い悩む。この環境ひどいは、まさに極楽。身も心も堕落させる罠を仕掛けてくるなんて…

 

ふとスマホのテレビを見ると、どのトップニュースもあの銀座の事件が扱われてる。事件当時の映像が流れてるけどなんでか私は出てない。結構目立ってたと思うのにテレビでは出てない。少し安心してたらYO○Tubeに銀座関係の動画がアップされてて、その動画だと私が普通に出てた。モザイクなし。肖像権が守られてない。オノレ

 

タイトルは銀座事件にて戦う美少女巫女?なんて捻りの無いド直球なタイトル。間違いなく自分の出てる動画。美少女巫女の前に?が付けられてるのは腹立つ。美少女はともかく一応巫女なのは本当なのに。毎日神社で仕事してるし…参拝客とかまるで来ないけど

 

動画を見てみると戦闘シーン、私の戦闘シーンって外から見るとアレね。なんと言うか酷い。"弾幕"って第三者視線だとこう見えるんだ。弾幕の雨、綺麗だけど、攻撃されるがわには……例えるなら弾切れのない空で高速で動く連装のバルカンの砲台? 何発出てるのこれ。よく途中で弾切れに成らないと自分でも思う。

 

あー鬼とか悪魔を見るような目で見られてる。こうして戦闘シーンも含めて客観的に見るとまんま……私ってあのキャラねぇ。違うんだけど信じてもらえるこれ?

 

オープン○ちゃんの動画に関するスレは多い。コメントは……まぁ正常運転。

 

 

ふおおおおおおお!!!!

 

おれ……神の存在を信じるかもしれない。

 

( ; ゜Д゜)( ; ゜Д゜)( ; ゜Д゜)( ; ゜Д゜)

 

コレマ?

 

ま、ま、まつりじゃぁあ!!!!

 

嘘だろ。嘘だろ。嘘だろ!!現実には希望が溢れてた!?

 

なに祭りとかいってんだよ。

 

希望って絶望だろう、

 

喜んでる奴等はなんだよ。不謹慎なやつ多すぎ!犠牲者が出てるのにこんなCG映像出すとか!!

 

え?。

 

まだ銀座事件から一日経ってない。一日未満でこんなCG映像造れるもんか考えろバカ。

 

無理無理。

 

いや!CGだよ!!オレ現場で生で見てるけど…!!(;゜∀゜)

 

見てんのかよ!

 

現実逃避ですかねぇ。

 

いや、けど…本当なのか。

 

現地の目撃者とか他に居る?

あの門の向こうどうなってんの幻想なの

 

銀座みたいな大都市なら目撃者とか五万と居るだろ。なら此処にも他に居るんでない。

 

即売会の日だから此処に来るようなのなら結構居るだろ。

 

……偶々今年は忙しくて行けなかった。事件に巻き込まれなくて良かったと言うべきなのか。生で見れなかったの悲しむべきか

 

銀座に居たけどさ、場所が離れてて見れなかったわ!てか!逃げるのに必死で周りを見る余裕なんてねーわな!!

 

われ!現地目撃者!長い黒髪で頭にリボンを付けた巫女服の綺麗な女の子が生身で飛んでて、その娘が光る玉を一杯出してたの!どうなってるの!巫女さんって飛べたの!魔法が使えたの!今からでも巫女を目指すべき!?

 

どうどう落ち着け。

 

使ってるの魔法じゃないだろ巫女さんだし霊力だろJK

 

常識ってなんだ?

 

脇が見えるのエロい。

 

女の子の服の話だよな。エロいとかは置いとくとして……動画の女の子の服って、これ巫女服なん?

 

巫女服だろ…

 

巫女服?としたらだいぶ普通のとは違うね。まるでアニメ向けに改造された様な。

 

いやこの場合は実写版というべき。

 

クオリティがスゴいけど何処の監督が撮ったんだ。あとテレビもお仲間か。銀座事件なんて大掛かりな嘘ニュースまで流すって

 

え?

 

やっぱり光る玉って弾幕?この女の子はやっぱりさ、わ、脇巫女さまだよな?楽園の素敵な巫女の、リアルに体が震えてるんだけど

 

弾幕?

 

変なコメントしてるヤツ等がムカつく

 

変なコメント…(´・ω・`)

 

ウザイ。

 

変なコメントもそうだけどコメント延びすぎ。なんで事件そのものより巫女さん関連のスレが多いんだ?何かおかしくないか?

 

いや変じゃないだろ

 

あんな戦闘シーンあったら伸びるわ

 

あの作品そんな知名度低かったかな。

 

そもそもこの少女って日本側なん?

 

当然日本側だろ!門から来た奴を叩きのめして助けてくれたし!綺麗な黒髪に黒目だし見掛けは日本風ぽいし!

 

まぁ確かに魔物とか兵士を倒してくれてるし少なくとも敵じゃない…?。

 

いや、敵味方とかでなくて……

 

なんだね

 

上のコメントは、日本側から来たのか、変な奴等が現れた門の向こう側から来たかどうかってことだろ。

 

は??

 

ど、どっちなんだろ

 

ちょっとは門や事件についても話そーや。

巫女さんの話ばかり過ぎんだよ

 

オレ今は巫女の少女の事しか考えられない。知らん人が居るだろ!巫女さんについては東方projectと検索!! 

 

だよな!俺も銀座の門の事とか頭から吹っ飛んだ。

 

なんで吹っ飛ぶんよ、確かに気になるのは解るけど人が沢山死んでるんだぞ。

 

真面目か

 

わからんやつならそんな反応するよな、ぺっ

 

喧嘩売るなアホ

 

なぁ質問なんだけど……本物だと思うか。

 

映像が?

 

映像じゃなくて女の子が!!

 

女の子って、なんの本物だよ。

 

CGかまだ疑ってンの

 

違う!そうでなくて!!あの少女の姿見てそんな反応するやつは直ぐに東方project検索しろ!!ニコニコで東方MAD見るのでも良いぞ!!

 

またそれか

 

そこまで言うならちょっと調べてくるわ。

 

偽物だ!ただのコスプレだろ!

 

そうだ!そうだ?

 

ボケか!巫女コスプレで空を飛んだりできるか!!出来るなら今オレも飛んでるわ!

 

今なんて

 

上の奴の格好を想像して吐き気が。

 

 

 

 

「う、吐き気がする」

 

メイドガ○なんてコテハン付けてるし。想像するじゃない……じゃなくて、やっぱり、東方projectって絶対にあのキャラクター。けど名前はなぜか出てきてない。あ、新着のコメント。IDはさっき東方projectの事を調べるとか言ってた人……あ、ようやく名前出た

 

 

 

ちょ!東方しらべたけど!【博麗霊夢】ってキャラ!!!あ!あの銀座で暴れてた女の子まんま!!??どういうことだよ!!

 

 

 

 



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2話

 

居並ぶ政府の要人が其々の険しい顔で会議室の大型のプロジェクター。其処に映るのは全て銀座で撮られた映像。プロジェクターに謎の建造物、門が突如れた所で映像が停止した。

 

「此方が近隣の防犯カメラに撮影された門が現れた当時の映像です」

 

「ふぅぅ…これを見ると頭が……頭痛薬を貰えるか」

 

「まだ触りだぞ大丈夫か…気持ちは痛いほどわかるが。頭痛薬を私にも頼む」

 

「君も含めて大丈夫じゃないな」

 

「あんな物がいきなり現れるのを見ると頭がどうにかなるだろう」

 

「とても現実の光景を見ていると思えんよな」

 

「映画でも見ている気分になるか?」

 

「犠牲者が出てるんだぞ映画などと不謹慎だ!…と世間様から言われそうだが、出てきた相手がアレではな。映画でも見てる心地で居ないと正気が壊れる」

 

「頭が堅いモノは頭を痛めるしかない」

 

「我々みたいに頭が固い年寄りは特にだね?」

 

「はは、そうですな……」

 

「御臨終なんて事は勘弁してくれよ」

 

「頭痛薬の他に胃薬と血圧を下げる薬も用意してあります。医者も」

 

「準備万端か」

 

「……葬式も用意してないだろうね?」

 

「常識とは儚い。この建造物は突然現れていて、門の向こうが地球ではないのが確認されたのだろう。相手はSFにあるワープ技術でも持っているのか」

 

「門の事はまだ詳しく解析出来てないが、相手の装備を見る限り文明は中世相当。科学技術の類いとは考えにくい」

 

「科学でないとなると…」

 

「魔法のようなオカルトですかね。現に魔法の様な現象が確認されていますし。あの門は科学でなく魔法の類いなんでしょうね」

 

「あわせて考えれば銀座は魔法が存在する世界から攻めてこられた?荒唐無稽と切り捨てられないのが最悪だな」

 

「門の先は別の世界のようだが、それでも現実に魔法が有るとはね…魔法の様な力が実在するなら此までの日本も含めた地球の歴史もどうなるんだ」

 

「あるかも知れませんね。いえ、あると考えるべきなんでしょうか」

 

「過去は歴史家が解釈することだが…今も有るなら…無関係でいられないか」

 

「そちらも気になりますが、先ずは門についてでしょう」

 

「まず門の向こうについてか」

 

「門の向こうの話か?」

 

「あの門の向こう側はゲームにあるようなファンタジー世界と思えばいいのかな」

 

「そうだと思われます。まだ確実にとは言えませんが」

 

「門の向こう側の近辺は開始したばかりでしたか」

 

「調査の結果次第だが、現状だとファンタジーの世界だと覚悟しておくべきだろう」

 

「覚悟か…覚悟かぁ」

 

「なんだろうな。ほんと理不尽っていうのか。なんで私達の時代にこんなのがくるんだ……」

 

「例えると我々の立場は宇宙人が攻めてくる映画の政治家ですかね」

 

「…モンスターやらエイリアンの様に話が絶対に通じない相手が来なかっただけマシと思いましょう」

 

「相手の武力自体も理解できない面はありますが、格上どころか相当に格下ですよ」

 

「マシなのかな。対話できるならただ勝てば良いという話でもない。相手と和睦しないといけないぞ……」

 

「和睦な…侵略する様な国ならどこぞの国のように和睦を結ぶのも危険な様な気がするが」

 

「……それでも和睦を目指するしかありませんよ」

 

「国民も諸外国が見てますからね……」

 

「日本として和睦以外の方向に向けばどういう反応をするか」

 

「下手をして日本が悪役とされる訳にはいきません。他国が介入してきますよ」

 

「侵略した国が素直に和睦に応じてくれたらいいが」

 

「今は自衛隊を派遣して向こうの調査をしていくしかない」

 

「向こうの調査も大事だがもう一つ大事な事がある」

 

「と、いいますと…」

 

「魔法の様なオカルトがあるのは、門の向こうだけか?あの『例の少女』の事も考えると…現代にも関わるかもしれない…… 過去の事だけでもない。現在の政治家としても相応の対処が必要だろう」 

 

「その話題は避けられませんか……門だけでも余裕がないんだが、放置もできない」

 

「はぁ…下手をすれば門の事よりも厄介かもしれないんだよな」

 

「既に調査はしているのだろう。進歩はどうなんだね」

 

「例の少女に関連する事については…」

 

「皆さま方、例の少女の事でしたら映像にもありますので、議論は出来れば映像を見てからでお願いします…」

 

「ああ、すまない」

 

「映像を再開させてくれ」

 

「ありがとうございます、では此処から先は…相当にショッキングな映像になるので御注意ください」

 

「年寄りにショッキングな映像を見せるなよ」

 

「医者がきてくれてるよ」

 

「…医者が待機してるのが見えるのがイヤだな」

 

映像が再開される。

 

『な、なんだあれ門か。あれ突然でたよな。手品、なわけないよな。マジで突然でたべ。これ絶対これ世界的なニュースになんべ…なぁ撮影したか』

 

『ああ撮った!こ、これスゲェ価値でるんでね』

 

『なるなる!間違いなくなる!なる!いや!他のヤツも撮ってる!はやく映像投稿しようぜ。他の奴が流す前に』

 

『そうだな。一番に投稿して…に、ん?なんか門から出てきてね』

 

『うん?確かに……なんだあれ兵士?デカイ鳥…え、竜?』

 

まるで危機感を感じていない男二人の声が聞こえる。門から続々と現れる兵士、魔物、ワイバーンが遠くに映される。一頭のワイバーンが撮影者の方を向く。ドンドンと近付くワイバーンの映像が映されていた。

 

『あれ、あの竜きてね』

 

『きてんな。に、逃げた方がいいよな』

 

『そ、そうだな。おい、おいおい!きて!!

 

『ぎゃあああ!!!』

 

肉が裂ける音がして悲鳴、持ち主が手放したのか地面に落ちる画面。赤い液体が画面を汚した。

 

『うわぁぁーー!!やめ、やめ…ゃぁあ!?』

 

血で汚れた画面と断末魔の叫び。

見ている人間の血の気を引かせていた。

 

「このあとです」

 

先程の竜らしき巨体が兵士ごと吹き飛ばされる姿が一瞬だけ映る。映像に空を滑空する紅の服を着た少女が少しだけ映った。

 

「例の少女…か?」

 

「恐らくそうだろうが…一瞬過ぎるな」

 

「今度は此方のモニターを、同時刻の別角度になります」

 

今度は全体がハッキリ映り空を飛ぶ少女が映されている。赤い服は何処か巫女服の様、長い黒髪に大きな赤いリボン、整った顔立ちの動画越しにも目の離せない不思議な魅力を感じる綺麗な少女だ。

 

「………やはり完全に生身で飛行しているな」 

 

「この時点の映像だけでも地球の常識を逸脱してると判るのだが……あの竜などはともかく…この少女は門の内でなく此方の住人なのだったか」 

 

「はい、現在判っている範囲ですが…ある自衛官の証言からたどり、彼女の日本での戸籍も確認され、通っていた小中の学校にも確認がとれています。近隣住民からの目撃情報から、最低でも10年前から日本に住んでいた事も確認がとれています。出産届けが確認できず両親については不明ですが……この世界の日本で住んでいたのは確実です」

 

「そうなのか」 

 

少女を襲おうとする兵士を乗せた竜。少女は鋭い竜の攻撃を避ける。少女の手の先から現れた光る弾。少女が竜を避けざま光弾を当てると兵士を乗せた竜は地面に墜落した。

 

「おお…まるで映画のワンシーンだな」

 

「言いたい気持ちはわかるが」

 

「随分と簡単に落とされた様に見えるが、竜に見えるあれの皮膚は銃の弾も防いでたんじゃないのか」

 

「たしか警官の拳銃なら皮膚で弾くと聞いたぞ。そう考えると拳銃以上の威力になるのか」

 

「いやしかし当たった部分が破壊された様にも見えない」

 

少女の手から光弾の様なモノが連続で撃ち出され始める。その光弾が当たった竜は同乗者を乗せながら墜落していく。余りに簡単に落とされた仲間を見て竜に乗った兵士達は少女から逃げようとするが、少女は逃がさず。粗方の空の竜を片付けると少女は地面を見下ろし人を襲う兵士達を見る。光弾の雨が降り始めた。

 

「…凄まじいな」

 

「言ってはなんだが綺麗の光だな」

 

「美しいがあの光の雨は受ける側としたら恐怖でしかないぞ」

 

まるで光の流星の様に地面に光弾は地面に落ちていき兵士やゴブリン、オークなど銀座を攻めていた者達に当たっていく。肉体的な損傷は竜同様にあまり見えないが光弾に当たると続々と気絶していた。瞬く間に少女の見える範囲からは敵は居なくなる。静かになった映像の中に一つの声が。

 

『……あ、アレッて博麗霊夢!?』  

 

その声を最後に映像は少女と門を拡大した映像で静止。

 

「これより銀座に現れた門及び、多大な戦果を上げた少女『博麗霊夢』について議論を始めたいと思います。先ずは配られた資料をご覧ください」

 

資料には銀座に現れた少女に似た可愛い女の子のイラスト、そして表紙に書かれた文字は"東方project"。中身は硬い文章もあるが絵は少女ばかり、真面目に見るにはあれだ……良い年齢の大人しかいないので皆が微妙な表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

銀座が襲われー

私は無双したー

捕まったーー

 

私、絶賛後悔中

 

今なら絶対にあんなことをしないと思う。勢いってあれね。ダメね。軟禁されるし。

 

銀座で無双後、自衛隊ぽい人達によくわからないまま軟禁されて何日も経過。軟禁場所が豪華過ぎるホテル。環境は極楽だけど流石に飽きてきた。無理矢理帰ろうかなって…まぁ無理矢理帰ると後からもっと面倒な事になると予感できるから大人しくするしかない。

 

「」

 

自衛隊員だった我がネット友の伊丹が護衛役、頼んだ買い物を受け取りにいった伊丹氏が戻ってきた。一人でない。ビシッとしたスーツ姿のエリートそうな男性達も一緒に来た。うん、伊丹氏は良いけど後ろの人は誰

 

「おかえりー…後ろの人達、どなたがた?」

 

エリートって空気を纏ってる。エリートと一緒に来て居心地悪そうな我がネト友。同じ小市民として気持ちは良くわかる。何かエリートって嫌なイメージがある。特にこの人たちの私を見る視線は何かイヤだし。向けられてるのどういう目線。

 

「失礼します。私は政府から派遣されました真萩と言います」

 

挨拶のあとに形式的な感じの軟禁してる事への謝罪をされた。で、このあとが本題だと思う。なに聞かれるのやら。

 

銀座でやった力の事とか聞かれたら大変困る。別に話せない事じゃないんだけどー…ほぼ話すことがない。私の使ったの親代わりの人に修行させられて身に付けさせられた力。これしか答えがない。適当に修行しただけだし詳しくなんも聞いてない。他の人が使えるのとかも知らない。なんも情報ない。

 

覚えた時も霊力は巫女に必須な力と騙されてたし。そのせいで霊力みたいな力が普通にある世界に転生したとか勘違いしてて、他の巫女も同じ力が使えるとか思ってた。勘違い消えるまで巫女さんの能力バトルモノの世界だと思った私を笑うが良い。笑ったら許さないけど。

 

「戸籍から確認をとれていますが、改めて訊ねさせて下さい。貴女の名前が博麗霊夢というのは間違ってないですよね」

 

「ええ間違いないですよ」

 

先ず名前をこんなしっかり聞いてくるって事は、エリートそうなのに東方関係の知識がある。もしくは知識を仕入れてきたか。調べたなら無駄な努力をご苦労様。

 

「えぇ…本当に博麗霊夢なのか」ボソッ 

 

伊丹氏が何かショック受けてる。名前を肯定した後にその反応はどうよ?今まで偽名とか思ってたのかコラ。

 

趣味で名乗った偽名とかでなく本当に今世での名前が博麗霊夢。別に自分で決めてない。親でないけど保護者みたいな人が名付けた。その保護者がそう名付けるのも納得出来る相手なんだけど、保護者の事とか向こうって知ってる?知らない可能性もあるし育てて貰った恩は一応あるし聞かれない限りは黙っとこ。

 

「そして貴女の現住所は博麗神社」

 

これも本当、名前と神社の組み合わせにドン引きした事を今でも覚えてる。 まぁ幻想郷にあるあの神社じゃないけどね。それにしても遠回りしてる感じが面倒くさい。伊丹氏も驚いてるしやっぱ博麗神社って名前は気になると……同じ名前ってだけで人が来そうとか思った。東方好きとかうちの神社わりと人が来そうと期待した。けど実際は、参拝の人が来たりとか全くなかったのよね。宣伝とかした方がよかった?…今なら私が有名になった反響で参拝の人とか来てくれない?もう人が行ってるかも、いつも空だった賽銭箱の中が気になる。

 

「何が聞きたいの?」

 

流れ的に東方関係しかない。なら聞かれても答えられる事とかない。むしろ私が聞きたい。私と神社と保護者の事を考えると日本には他にも東方関係の何か有ったりする気もするし。無いなら…うん

 

「では率直に聞きます。あの銀座にでた門の向こうには幻想郷が有るのですか?」

 

予想外な質問来た。

 

動画のコメントとかではそういう疑惑あったけど、まさか政府の人に聞かれるの。

え、政府が本気でド真面目に幻想郷が門の向こうに有るとか思ってるの?エリートそうなスーツ姿の男性はド真剣な顔。

 

私の返答は……

 

「大丈夫ですか?」

 

頬がピクピクしてる。暗に秘めた大丈夫の前に付いた頭はって部分も無事に伝わった。別にこの人が悪くないけど私を強制的に軟禁してる側だし少しぐらいは意趣返ししても問題ない。

 

幻想郷が有るのみたいな感じで興味津々そうな伊丹氏にはなにも言わない。なんでだみたいな目を向けられた。最初から頭が大丈夫でないのわかってるから

 

「違うのですか、あの門の向こう側は幻想郷じゃないと?」

 

「門の事を聞かれても知りません。私はあの門の事とか何も知りませんし。事件の時に見ただけで後はテレビとネット情報ぐらいしか知らないです」

 

ほんと門の向こう側の事は何も知らない。知らないけど門の向こう側が幻想郷の可能性は……考えられない。出てきた相手を考えれば向こう側は幻想郷じゃないと思う。どう見ても東方風でなくて西洋風だったし。この話をふられたの根本的な面で誤解してるからよね。

 

「そうですか。次の質問ですが…」

 

「次の質問の前に、私の事で勘違いしてそうですから訂正を」 

 

「なにをですか」

 

「私は東方projectの【博麗霊夢】とかじゃないですからね?力と名前が偶然同じなだけで私はただの一般人で幻想郷がどうとか知らないですから」

 

一つも嘘じゃないけど自分でもどんな偶然だよと思ってしまう。けど本当に全くの別人の一般人だし。

 

「……そうですか。あの門の先は幻想郷でないですか」 

 

なんとも引っ掛かる言い方してくる。

 

「東方projectの霊夢じゃないって言ったのスルーしてないです?」

 

「申し訳ありません。私の立場ですと本物かどうか判断することもできないのです。どうご理解ください」

 

「面倒くさい」

 

相手と状況で二重の意味で

 

「私はいつ帰れます。一時帰宅でも良いんですが」

 

私の事で賽銭箱がどうなってるか見ないと

 

「それも申し訳ありませんが、私からは何とも、今の段階では相当に難しいとだけは言えます……」 

 

「へーそうですか」

 

一時帰宅ぐらいなら認めてくれると思ったんだけどそれもダメと……あんまり離れてると賽銭箱の中身とられない?

 

「本当に申し訳ございません。しかし此方の事情抜きにも帰るのはやめた方がいいですよ。スマホなどで情報を見てる様ですから判られると思いますが、銀座事件での映像で貴女を東方の博麗霊夢と見ている人間が沢山居ますからね。もし帰ったらどうなるか、他人事ですが想像をするだけでも恐ろしい……………それでも帰られます?」

 

無言で首を振った。

 

予想してたけどハッキリ言ってほしくなかった。発言をオブラートに包むとか気を使えと思う。優しさがない。きっとモテない。あと何年かしたらきっと禿げる。

 

外に出たいのに出れないこの現実。人助けしたのに不幸になるってなんなのよね。身を護るだけにしとけば良かった?無理かぁ。あの時はあのまま他を見捨てるのも無理……って気持ちもない。他の人とか関係なく勢いでやっただけだし。

 

酒飲まずにはいられないってね。私は伊丹氏がさっき買って持ってきてくれたお酒の瓶を開ける。お酒を飲むのは何年ぶりだったか。前世からだから10年以上ぶり。十年ぶりの感動の再会ってヤツね。

 

「…!!」

 

ん、伊丹氏がなんかヤベェッて顔をしてる。何か目で訴えかけてる。止めろ?それを片付けろみたいな?

 

あぁエリートさん達の前で飲むの態度悪いって?帰れない理由あるとしても、保護されてるとも言えるけど、軟禁してる相手だし少しぐらい不満を示さないと、従順とか思われたら厄介そうだし。

 

と言うわけでお酒さまをお久しぶりに私のお腹の中に入っていただかないと…プシューーと蓋あけた。

 

「は?ちょっとその手を止めてください博麗さん」

 

なに、私とお酒さまの感動の再会を止めるなんて無粋な

 

「………………1つ聴きたいのですが、それは伊丹二尉が貴女に頼まれた買い物の品ですよね」

 

買い物袋渡すのさっき見てたのになに言ってんのと思いながら私が頷くと、無言だった後ろの人達も含めて伊丹氏を責めるように見てる。なんで?

 

「彼が間違えて買ったモノですね。そのお酒は」

 

「別に間違えられたりはしてないけど」

 

「…………間違えてないと?」

 

え、なに?

 

「貴女は戸籍上14のはずですよね」

 

 

あーうん今の年齢忘れてた。

 

それは普通年齢的に止められる。お酒様飲むのなんて認められない。お酒さまを飲めない。ここまできてお預け!?

 

年齢的にお酒はアウトって正論には反論が難しい。伊丹は説得できたけどこの人達は難しそう。ここは冷静に…何か言い訳しないと、お酒さまがお預けになる。 

 

「…………………実は4年ほど保護者が出生届を出すのを忘れてて私の実年齢は18ですんで」

 

嘘だけど精神年齢だと40越えだしセーフ。中学通ってたけどセーフ。セーフにして

 

「……戸籍が14なら14です。あとお酒は二十歳になってからです。回収します」

 

ああ!お酒さまに魔の手が、いやぁぁ。その子を返してぇ。人でなしーー。あくまー。

 

「少しだけでも」

 

「ダメです」

 

あぁ後ろから来た人が全部お酒をテキパキ回収してる。

 

「それでは失礼します……それと伊丹二尉には後程話すことがあります」

 

「は、はい」

 

帰っていった。

 

奴らは大変なモノを盗んでいきました。それはうん十年ぶりのお酒さまです。それから特に実もない事を話してようやく帰っていった。お酒は置いてけ。いや本当にちょっとだけでも…一滴も飲めなかった。

 

「お酒さま…」

 

「いや、そんな切なそうな目で見るな。なんであんな堂々と飲もうとしてんだよ…俺呼び出し受けてるし…てか、なんで買ってんだ俺、霊夢なら酒飲むのも普通だってなんでか思ったんだよ俺…」

 

伊丹氏が頭を抱えてるけど気にしてられない。寸前で飲めなくなったら余計に飲みたくなる。

 

こうなったら帰った後に自分で買って飲むしかない。いつ帰れるんだろ。騒ぎが修まったらだろうけど……人の噂は75日みたいに終わるけど、二ヶ月半で済むと思えない…数年ぐらい覚悟しないとダメ?

 

 

まさか帰れないとかないわよね?

 

 

賽銭箱、もとい神社の管理は誰がするの

 



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3話

 

コレから先の人生、この数週間を忘れられないだろうな。脳髄に直撃するようなインパクトがあって忘れられるわけがない。それも多段式のインパクトをうけさせられた。

 

先ず初めが、コミケに誘った40代のダメ大人と思ってたネットの友人が……博麗霊夢にソックリな美少女だったと言う意味不明な事実。オッサンと思ってた相手が美少女ってそれ何てエロ同人?ゴルゴ◯の仕業か!?と混乱してる内に職質も受けた。

 

で、こんな事があった後に…銀座に異世界への門と兵士が現れた。

 

博麗霊夢が博麗霊夢で大暴れ。終わった後に警察やら自衛隊に取り囲まれた霊夢に呼び出しを受けて、事実無根の風評被害を流された。

 

霊夢と会ってからろくなことがない。霊夢のインパクトで銀座の英雄(笑)の報道が少しは軽い扱いになった。そこら辺しかありがたい事はない。

 

現実ってなんだろなぁ。

 

銀座事件から数週間、博麗霊夢(?)はホテルで軟禁生活をしている。で、俺も知り合いって事で、同じホテルで生活して博麗霊夢のパシリ兼護衛役の任を受けさせられてる。割合としてはパシり3割。7割暇潰しの相手。ホテルの中の売店ぐらいしかいけねぇし俺も軟禁されてるな。

 

霊夢と同じ部屋で軟禁生活。

 

軟禁でも霊夢のずっと傍にいるなんて全国の博麗霊夢ファンが羨む立場!そんな風に思うなら今すぐにでも変わってやる。文句無しに変わってやる。むしろ変わってくれるならお金払ってもいいぞ。

 

現実知らないって羨ましいよ。羨むやつには是非ともジャージ姿でゴロゴロして休日のオッサン化してるコレを見てもらいたい。くそ!日本の変態紳士どもならこれでも喜びそうか!

 

「あ、伊丹おはよう」

 

軟禁から数週間、最初はほんの少しは緊張してる様子はあったのに、もう完全に慣れたのかジャージ姿でグータラ博麗霊夢。肥えるぞと心配したら体重は変わらない。これが若さか……と、俺じゃなく。監視のおねーさんが嘆いてた。

 

この博麗霊夢は、現代風博麗霊夢って感じか?もしくはギャグ系東方mmdの残念な感じの博麗霊夢か……。霊夢の外見は原作の可愛いのでなくて、綺麗系美少女、外見だけで言えばな。ホント顔は綺麗なんだよなぉ。

 

本人は全く外見を気にしてない。政府からの御機嫌とりにか化粧やら服とか頼めるって伝えたら…。

 

「ん?いや、そういうのどうでもいいんだけど…服なんかよりゲームとか漫画を貰えない?フィギュ…プラモデルでも可」

 

だとよ。

 

お前本当に女の子?

 

化粧品の類い渡しても未使用だ。顔は水で洗うだけ、服は安さ重視、お洒落力は30代のオッサン並み。なのに隙なく外見は美少女。趣味は俺と同じオタク趣味。中身が顔面の綺麗さを此でもかと裏切る。中身と外見で断崖みたいな高低さあるなんてヒドイよな。

 

何処かの湖にこの霊夢を落としたら女神様が金と銀の斧の伝説みたいに、俺が落としたのなオッサンの心の霊夢ですとか言えば、正直者って褒められて(心が)綺麗な霊夢と取り替えてくれないかな。

 

まぁそんなパーフェクト博麗霊夢が来ても困るか。超然としてて怖かろう。近くに居るのが辛い。仕方ないしこんな博麗霊夢で我慢するか。

 

「伊丹なんか変なこと考えてない?」 

 

無駄に勘がいいな。

博麗霊夢だからか。

 

因みに俺が伊丹って呼び捨てで呼ばれてるのは俺からの要望だ。外見だけなら中学生の女の子に呼び捨てにされて喜ぶ性癖とか無いぞ。呼び捨て前がネト友か伊丹氏だったからだよ。流石に博麗霊夢が氏とか言うのは嫌だわ。

 

 

今でも信じられない、信じたくない事だが。この博麗霊夢とはネットだと数年来の付き合いなんだよな。ネット越しに此にずっと伊丹氏と呼ばれてたと思うと頭が痛い。ガチな相談にも乗って貰った覚えがある兄貴分って感じで……思い出すと胃がキリキリする……。

 

リアルに初めて会ったのは銀座事件直前……ネットのコメント的に、どんなドギツイオッサンが出てくるかと思えば、これだぞ?14歳の美少女が登場したんだぞ!?普通逆だろ!オッサンが美少女に擬態するならあり得るがな!なんで美少女がオッサンに擬態してんだよ!!

いや擬態は違うか。中身はほぼそのままなオッサンやし、酷い外見詐欺を味会わされたぜ。今も味わってるわ。

 

今見てるテレビ

 

日曜朝アニメ。燃えじゃなくて萌えのアニメ。某美少女の戦士が戦う長寿シリーズアニメ。子供は純粋にヒーローを見る目で楽しみ一部は思いっきり不純な目で見るアニメ。付き合いで見てるけど、30オーバーな俺が見るの厳しいんだよ。寝転がって見てるコレ(オッサン霊夢)は、ぎりぎり見てても可笑しくない見掛けはしているけどな……ホント見かけだけだ。中身がダメ過ぎる。

 

「なんであの角度で見えないのよ。いつも思うけどこのシリーズって毎回スカートで格闘戦してパンチラ一つしないの腹立つ。完全に物理法則無視して見せないの腹立つ。スパッツは良いけど、あのモコモコはなに?アニメのエロ規制いい加減にしろ。パンチラどころかお風呂サービスまでするしず○ちゃんを改めて見習えってのよね。伝統が大事ってならアニメのエロい伝統も大事にしろ」

 

やーめーろーー。そんな美少女が言ったらダメな台詞をオンパレードするな!見掛けだけなら最高の美少女が日曜アニメを不純な目で見るなや!

 

ッチ

 

変身シーンで舌打ちすんな!!謎の発光がご不満か!!信じられるか?これネットの一部で女神みたいな扱いになってるんだぜ?ホント酷い詐欺もあったもんだ。

 

「やっぱり変身シーンはセーラーな戦士とかリリなのみたいなのが素晴らしいわよね。伊丹もそう思うでしょ」

 

声に出すな!!俺に同意求めるなぁあ!!この部屋女性職員の監視有るの知ってるだろ!因みに霊夢の監視1割以下であと9割以上は俺が霊夢に何かしないかの警戒って理不尽割合!!あの銀座の時の霊夢の発言がマジで後を引いてるんだよ。監視なんてされなくても!こんな中身オッサンになにもしねーよ!

 

「ど、どうだろうな。俺的には見えなくても良いと思うな」

 

無視するのも其れはそれで怒られるし。無難な発言でスルーする。ネットでしてたエロ議論は勘弁してつかーさい。今はリアルで見掛けだけなら中学生なんだからな。見掛けだけならな。大事な事なので二度言ったぞ!心の中だけで。口に出したら本人は気にしないけど監視のおねーさんに怒られるんだよ!!

 

「見えない方が?あぁ伊丹はチラリズムが好物だっけ、見えそうで見えない方が萌えるって言ってたの忘れてた。確かに見えないからこそグッとくるのも理解できるけど…」

 

あぁ!!!過去の俺のばか野郎!何を言ってんだよ。無難な発言したのにエロトークに完全に乗ったみたいな事になったじゃねーか。過去の俺はネットで40代の歳上のオッサンと思っていた相手が、実は年齢半分以下な美少女とか思うわけねーだろ!!って言うんだろうな。今のオレもそうだよなって頷く。過去の俺今の俺と変わってくれとか思ったらおもっくそ首を振ってる。

 

「そう言えば伊丹が好きな女の子で上げたキャラって、大体このアニメみたいに女子中学生キャラだったけ」

 

あかーーん!!違うのや。ネットのノリで言ってただけなんや……へへ絶対に後から世話役兼監視の美人なオネーさんに汚物を見る目で見られるんだ。汚物扱いだけで済めば御の字か…

 

この前言われたんだぁ。中学生の女の子(博麗霊夢)に何かしたらタマは無いってな!チラって見えた拳銃が怖かった。タマって命ですよね。男の玉じゃないですよね。言われたときの視線が下の方でしたが(震え声)

 

冗談抜きに危機感が……ただでさえ博麗霊夢好きな知り合いのお偉いさんから、数年来のネットの友人と知られてて、コイツがこんなのに成ったのお前のせいかとか詰め寄られたのに……博麗霊夢の安全のために俺の下のを切り取ろうか検討されたとか嘘っすよね??

 

去勢された猫を見たら仲間だと思う未来なんて想像するだけでも恐ろしい…!

 

「あくまでアニメキャラならその年齢もありって話で、現実のロリには興味ない無いからな」

 

真顔で訂正する。本音だぞ?現実までセーフなら目の前のコレも対象だって言うようなもんだろ!例え見かけが良くてもコレはない。監視の有無関係なく本当にない。本気で大切なことなので(心の中で)二度いった!去勢されたくないからな!!!!少し前監視のおねーさんにネコちゃんの写真見せられたんだ。

猫は可愛いナーー、けど何か元気なさそうな猫だなと思ってたら……手術して子孫を作る部位を失くしたばかりのネコだって教えられてヒュンとした……

 

「アニメキャラだけって……それ2次元じゃないとアレが反応しないって話?」

 

んなこと言ってねー!!言ってねーー!!

 

「んなわけあるか!!あと女の子がそんな言葉を口に出すんじゃありません。あと憐れみの目で見るな!」

 

コイツ一体どっちどうなんだろうな。

 

博麗霊夢に似てるだけの別人か。それか……本人は東方の博麗霊夢と全く関係ない別人って断言してんだよな。嘘をついてる感じは無かった。けどなぁ…………名前に姿に力を考えると、関係ない別人って無理あるよな。下ネタも東方MMDの霊夢のせいでコイツみたいな台詞も、本物でもあり得そうと思えんだよなぁ。

 

コイツの事は政府はこの数ヵ月色々と調べてるらしい。オレが教えられてる範囲で言えば、政府が調べても両親は不明、本人も両親知らないらしい。保護者は居るそうだけど、何処にいるのか不明、今の保護者も記録的には存在するのに接触すら出来なかったそうだ。聞き込みしても目撃者すらゼロだったらしい。霊夢の証言で霊力の使い方とか保護者に習ったとか言ってたから、保護者探しには相当な人数動かしたのに手懸かりすら無かったそうだ。…霊夢の保護者ヤバイな。関わりたくないな。

 

そう言えばコイツの家は神社で博麗神社って名前。もろにあれだ。そんな神社があって巫女に霊夢とかよく今まで有名になってなかったな!!

 

国にはだいぶ昔から神社の名前は登録されてたらしい。登録されてた記録しかないそうだ。霊夢は普通の神社とか言ってたけど絶対にない。普通とかあり得ん。普通は普通でも霊夢基準の普通だろう。

 

博麗神社なんてモノも見付かって、噂だと政府は幻想郷関連で色々と必死に調べてるそうだ。東方projectを作った作者やら関係者は拘束されたり、日本の歴史とか調べて幻想郷の外で幻想郷に関連する可能性のある場所を調べたりしてるんだと。

 

あるのか幻想郷。霊夢は知らないって言ってるけど……銀座の門を思えば存在してても驚くだろうけどやっぱりあったんだって納得しそう。

 

そう言えば不確かな情報だけど、東方projectに関係ありそうな誰かが見付かったとか言ってたな。これはどうなんだろうな。

 

根本的に嘘の噂って可能性もあるんだよな。門の事もあるけど霊夢から関わる幻想郷の事で、ただでさえ多い国外の工作員が増員されてるらしい。そんな状態だから、関係者を発見したって情報は工作員へ流すための虚報ってのもあり得そうだ。囮で集めて捕獲…捕獲できないから監視か。

 

工作員といえば博麗霊夢の居るこのホテルも、工作員が可能性のある所をしらみ潰しに探してるらしいから危ないそう。… もう発見されてて今直ぐにて、突撃されるなんて可能性もある。

 

今まで何も起きてないのがスゴい幸運だ。幸運が何時まで続くか。何時強行な事をしてくるか判らない。此のままだと近い内に下手しなくても俺含めた護衛+霊夢VS 工作員になんて事になりそうだ。……霊夢一人で勝ちそうだな。

 

見付かってなくても、政府の方がヤバイらしい。掛けられてる圧力がシャレにならないそうだ。門の事もあるしどうにもならないらしい。此のままだと旅行か。霊夢を誘拐されたって建前で他国に送る可能性も出てきそうだって……あり得ないって言いたいけど……そう言うことに協力しそうな政治屋の顔が何人も浮かぶわぁ。

 

とにかくこのまま此処に居られないって上から判断をされた。だから……

 

 

「明後日にはここでるから」

 

「ここを?……一時帰宅ようやく認められた」

 

テレビを見ながら返答するなよ。

 

残念ながら違うんだよなぁ。てかわかってるだろ。一時帰宅も今はダメなの

 

「いやここを出るだけだ」

 

「……」

 

こう言っても特に反応はない。

やっぱ判ってたか。

まぁいく場所については…わからないよな

 

「何処にいくの。ネットも繋がらないような離島とかなら流石に勘弁してほしいんだけど」

 

そう言う場所も検討されたらしいけど違う。むしろそんな場所の方が危ないし。…霊夢ならそんな生活するなら逃亡しそうだし。

 

「こらから行く場所は銀座のあの門、ゲートの向こう側だ」

 

「ふーん……………え?」

 

 

 

 

 

こちら博麗霊夢、ぽいと思われてる同姓同名で見掛けそっくりで力があるだけの無関係な別人。ただのいたいけな一般人。

 

現在地は銀座に出てきた門の向こう側。私が大変な事になった元凶の門の入った先。軟禁から数ヵ月待って家に帰れるどころか強制的に海外旅行、異世界旅行って言う方が正解?

 

此処に来る前に異世界の言語が書かれた単語帳渡された。英語とか外国語とか嫌い。日本から出るつもり無いから日本語だけで良いと思ってた。門が繋がったままだと学校の必修科目に此方の言語が増えそう。

 

勉強といえば中学ってどうなるのかしらね。もう数ヵ月は行ってないし。一向に戻れる感じがしないし。小卒、現実味を帯びてきてない?流石に中学ぐらいは卒業したい

 

将来どうなるのか。

 

私はハリウッドクラスのスーパースターより人気者らしい。某国からは私への招待状。某国からは私の引き渡し要求。某国からは工作員による拉致。某国からは私が某国人だと返還要求。マスコミからは私の記者会見要望、連日の私を出せって市民()のデモ行進、と私は本人が現実逃避したくなるぐらい人気者。気持ちとしたら…ストーカーに人気だとして人気があるって嬉しい?

 

大人気の私関連で干渉を受けてもう政府も限界らしいから、お前ほとぼりが冷めるまで門側に行っとけとね。まぁ向こうにあのまま居るのも厄介な事になりそうだし良かったと思う。

 

「そろそろこの服着替えていい?」

 

隣の伊丹に聞いた。

 

「……」

 

なんで無言。

 

今着てるの紅白の博麗霊夢のあの服装。あの銀座の時に着てたのと違う巫女服。コスプレの安いのじゃなくて肌触り的に布地がものすごく上等。作りも確りしてるし。値段を想像するの怖いんだけど。値段もそうだけど私は博麗霊夢(本物)って主張するみたいなこの服が用意された意味って一体、別に私は頼んでない。銀座の時とか着てたの伊丹を驚かせる為で…保護者が用意したから神社の仕事をする時だけは着てたけど、普段は着ようと思わない。

 

用意された理由で考えられるのは…

 

「この格好の理由って私が門の向こう側に行ったって宣伝するため?」

 

私の居場所が門の向こう側って教えて、騒がれるの少なくするのが狙い。そう思ったから大人しく着といた。けど…

 

「うん、そう言う理由もあるのかな」

 

やっぱ伊丹の反応的に他にも理由があるわこれ。

 

「別の理由はなに」

 

「……」

 

「なに?」

 

「いやなぁ…ある偉いお人がその巫女服を用意してくれたんだよ。博麗霊夢ならこの格好だろうって」

 

「…へー……………私たちの同類みたいな人がお偉い人に居たんだ。博麗霊夢(本物)じゃないからコスプレにしかならないんだけどね」

 

「中身はとかくその見掛けのクオリティーならコスプレとか思えないぞ。中身とか知らなきゃな」 

 

なんで中身を二度言った。しかも中身だけ無駄に力強く。まぁとにかく門を抜けたしもう着てる理由がない

 

「ジャージはどこ」 

 

この服を着てつくづく思う。

私のベストな服装はやっぱりジャージだとね。

神社での仕事も出来たらジャージがいいんだけど保護者が…

 

「いやいやジャージはダメだって」

 

「なんでよ」

 

門の向こう側はコンクリートの地面なんてない自然のままな状態。それなら動きやすくて汚れても問題ないジャージの方がいいわよね。こんな高そうな服を汚すのいやだし。何よりずっと本物(博麗霊夢)ですよって宣伝する様な服は着てたくない。銀座で巫女服着てた時もそうだけど視線がうっとうしいし。

 

「とあるお偉いさんがジャージはダメだって言ってな。ジャージは着せるなって命令が来てるんだよ 

 

「は?そんなバカな命令ないでしょ、そんな命令するってどんなお偉いさんよ。アホらしい。そんな適当な嘘…………え、マジな命令なの?」

 

神妙な顔で頷かれた。本気でそんな偉い人が……いえ、まぁ本当に存在する命令だとしても。

 

「そんな命令こっちには関係ないから」

 

私は自衛隊じゃないし。理由あるモノならともかく、その誰か知らないお偉いさんの私情しか無いなら着てる理由はない。私とジャージの絆を断ち切ろうとする権力なんかに屈しない。 

 

「そのな、もしジャージを着たいとか本人が強硬に言うなら、某お偉いさんは強行手段に出るって言ってたんだ……」

 

なに権力にモノをいわせるつもり?

 

「その某お偉いさんは土下座してでも説得するとマジ顔で言ってたんだけど……着たい?そのお偉いさん50越えてる現職大臣だけど」

 

「…」

 

マジでと視線で聞いてみた。

 

普通に考えて冗談に決まって……伊丹が目でマジだよって返答をしてきた。

 

マジなの?今回のは嘘とは思えない。えぇ強行手段過ぎるでしょ。50越えの現職大臣の土下座…着替えたいけど…勘弁してほしい…これ権力に屈したと言うの。

 

いったいなに?土下座してまで趣味に走るなんて流石に思えないけど…そんな人が居るの?ある意味で凄いと思う。尊敬はしない。

 

 

因みに私が巫女服の理由は門の向こうの自衛隊だと伊丹の趣味ってことになった。

 



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4話

 

私が送られた門の向こう側に送られた。地球とは違う未知の世界、銀座を攻めてきた軍隊が来た世界、平和で危険がない場所だって聞いてた。実際にはのどかな丘………砲撃音が其処らに響いて、火薬の匂いが立ちこめて人体がバランバラン。異世界来訪数時間で見ることになったのは末尾にGが付くR18な有り様。

 

 

どんな運なのか。ちょうど私が送られた頃に門の向こう側の現地人の軍隊が来て問答無用に自衛隊相手に戦闘を仕掛けてきた。

 

 

私が地球側に戻って避難する前に見た時には、門の向こう側の兵数は何万と居たと思う。数で言えば自衛隊の倍は居たと思う。数は自衛隊が圧倒的に不利、そんな数の差でたぶん真っ正面から戦闘を開始。数時間ぐらいで決着がついて結果を教えられた。

 

結果は自衛隊の圧勝。

 

銀座の時には被害はあったそうだけど今回の自衛隊の被害ゼロ、時間にしたら長く苦しい戦いだった(棒)って言葉が出るぐらい。戦いは数だよアニキ!の真逆の結果。MSのじゃくて武器の性能差が決定的な戦力の差だったそう。

 

圧勝したって結果を聞いてそりゃそうだって思う。

 

だって自衛隊側は持ち込んだの旧式の装備らしいけど、それでもアレ。銀座で見た限り相手は魔法もあったけど遠距離が石とか弓のレベル。巻き込む民間人も建物みたいな障害物もない所、真正面からの戦闘、なら重火器で砲撃で向こうが攻撃前に終わるの軍事のド素人でもわかる。たぶん虐殺みたいな事になった。

 

まぁそれで自衛隊が加害者って意味不明な視点はもつわけない。自衛隊の方がやったの正当防衛。やらなきゃ殺されてるの自衛隊の人達になるだけだし。報道があったら何故か自衛隊が悪いみたいな報道されてそう。

 

私は戦闘の途中で日本に送り返されて戦闘が決着してから直ぐに戻される。戦闘終わって直ぐに戻すなって話だけど銀座で居る時に気付かれて騒ぎになって、戦闘が終わったの確認されたら直ぐに戻された。

 

で、戻ると戦場跡を見る事になる。

うん、まぁ、穴のあいた焼け焦げた地面に色々と人の"残り"が見えた。

 

「……大丈夫か?」

 

伊丹に心配された。

 

されたんだけど、普通なら中身が大人でも一般人なら精神的にキツいのが普通だってのはわかるんだけど……銀座の時もだけど気持ち的に平常と変わらないのよね。感情が無いとか薄い訳じゃないわよ。あるんだけど平常心の範疇でしか動かないみたいな感じ。

 

そんな私だから戦場痕の"アレ"を見ても平然としてるんであって、たぶん本来なら地球に逃げ帰ってるのが普通かも?

 

凄い量の"アレ"が居る。向こうでも慣れるぐらい見てるけど流石に彼処まで大量なの初めての量。万人分だし当然か。見てると少し気になることがあった。

 

「ほら、部屋を用意して貰ってるらしいから其処に向かおう」

 

移動する前に伊丹に聞いてみた。

 

「今回攻めてきたのって銀座の時と同じ勢力なの?」

 

「は、どうしていきなりそんな事を聞くんだ」 

 

どうしてって装備が違うし。銀座の時に見てない鎧やら旗が多いし。同じ所属に見えない……あー、"見えない"伊丹に聞いてもしかたなかった。

 

「そりゃあ同じ勢力だろ?あの銀座を襲撃した勢力以外にあんな数で攻めてくるとか考えづらいし」

 

「………まぁ、そうね」

私は話を終わろうとした。

そしたら何故か逆に興味をひいたみたいに伊丹が気にしだした。

 

「……銀座の時と別の勢力だって思ったんだよな?ちょっと連絡して確認してもらうか」

 

「え、なんで連絡するの」

 

「いや、気になるだろ」

 

気になるって…過剰に反応し過ぎでない?冗談かと思えば本気で無線で連絡してる。まぁ連絡されたなら仕方ない。用意された部屋、コンテナに入って結果が出るまで此方の言語が書かれたメモ張を見ながら待つしかない。待つの面倒くさい、ちょっと気になっただけで別勢力でもどうでもいいんだけど

 

大して興味もない返答がくる前に……別勢力なの確定な情報がそこら辺で聞こえてきた。待つ時間が余計に無駄に感じるという苦行。

 

しばらくすると伊丹の無線に返信がきた。

返答の情報を伊丹が教えてくれた、

もう答え聞いた後なんだけど…

 

「霊夢の勘が当たってた、のかな?それとも此処から見えたのか?彼処の残骸を調べたら銀座に攻めてきた奴等と同じ旗と鎧もあったらしいけど、殆んど絵柄の違う旗に型のバラついてた鎧だったそうだ」

 

「そうなの」

 

「部隊部隊で何もかも違うなんて事がなければ、襲ってきた国に雇われた傭兵団みたいな軍勢だったか、銀座を襲った国と同盟関係の国が集まった多国籍軍だったんじゃないか。

 

傭兵なら良いけど、あの銀座を襲ってきた国に同盟国が多いとしたら厄介だわ。そこら辺、捕まえた捕虜から詳しく話を聞くそうだ」

 

同盟国ねぇ、

うるさい。

伊丹の言葉に反応したみたい。

伊丹の言葉わかるの?

 

言語が書かれたメモを確認しながら何を言ってるか聞いてみると…

 

「帝国は自分達が返り討ちにあったのを隠して、日本がこの世界に侵略者してきたと嘘をついて他の国、自分達の属国を騙して戦力を集めてぶつけてきた。敵の日本の戦力を減らして反乱しないように属国の弱体化もさせる一石二鳥狙い」  

 

聞こえてくる内容的にこんな感じ。

 

「……随分と具体的過ぎな内容だけど、それ勘なのか?」

 

「どういう勘よ」

 

博霊霊夢だから勘?

そんな具体的な内容までわかる意味不明な勘なんて持ってないわよ

 

「じゃあその話ってどこから来たんだ。言い方が憶測って感じでも無かったぞ。何か隠してないか……さっきから渡したメモで確認してるみたいだったけど、まさか、誰かに聞いてた?いや誰の声もしなかったか…」

おしい。

正解だしたのに自分で否定した。

 

伊丹ならこのまま悩ますのも良いけど、まぁ教えてもいいか。前ならともかく、今のこんな別世界に来るような時なら頭が可笑しいなんて扱いも無いだろうし。

 

「向こうの人達の会話が嫌でも聞こえるのよ」

 

私は外に出て戦場後に沢山いる彼等を指差しながらいった。此処に居るのには此方に居るな向こうに戻れって意味も込めて

 

「…なんで誰もいない所を指指してんの」

 

「居るけど」

 

「いや誰も居ないだろ。あそこ仏さんぐらいしか、仏さん…?ちょっと、ちょっと霊夢さんや」

 

「なに」

 

「そのいる人って……その…そう言うこと?」

 

「さっき自衛隊が吹き飛ばした人達」

 

「……………………霊夢さん、もしかしてだけど、もしかしてだけど……ゆ、幽霊とか見えちゃったりしますのかな」

 

「みえる」

 

さっきから続々と吹き飛ばした所から団体で来てる。墓場とかでもないわよこんな数の幽霊。吹き飛ばされた数万人分の幽霊。なんか私の所に来てない。巫女だから?成仏させて欲しいとか?認識してるから?面倒くさい。

 

「…………」

 

あれ?伊丹が幽霊の人達と顔色が同じになってない。え、伊丹って幽霊嫌なの?信じたとしても伊丹なら幽霊がいても平然とすると思ってた。むしろ幽霊がいて喜ぶかと思ってた。

「れ、霊夢さん、ゆ、ユーレイから話を聞いたと?」    

 

「だからそう言ってるでしょ」

 

「……幽霊って存在するのです?しかも周りにいらっしゃる」

 

「そんな変?こんな世界に来といて幽霊が居ないと思う方が不思議だけど、あと私がいて幻想郷が有るとか聞いてきたのに、幽霊ぐらい居ると思ってなかったの」

 

「……………………………………ごもっとも」

 

伊丹の顔色が悪い。本当に幽霊イヤなんだ。伊丹の性癖的な守備範囲に入ってると思ってた。良くも悪くも伊丹は完全に幽霊が居るって信じてる様子。こんな世界に来てても、伊丹は見えないんだしもう少し疑われると思ってた。

 

「私が言うの何だけど、本当に幽霊が居るって信じられるの?」

 

「……霊夢から言われたら信じるしかないだろ」

 

それ私が本物の博麗霊夢みたいな認識だからでない?擬きだからね。似てるだけだからね。

 

キョロキョロして落ち着きない。なんでそんな不安そうな顔してるのか。そんなに幽霊って怖い?幽霊が怖いのかわからないのよね。

ずっと前から見えてたけど、鬱陶しいだけだし幽霊が怖いってのが理解出来ない。

 

「な、なぁ、霊夢……その…幽霊が居るって事はあれもあるのか?」

 

「あれって?」

 

「ほ…ほら!あれだよ!幽霊が居るなら…さ……お、恐ろしい、の、呪いとかも?」

 

「恐ろしいノロイ?イタチの?」

 

頑張るネズミの作品はこの世界にもある。

 

「ちゃうわ!!!幾つだよお前!じゃなくて、それは確かに恐ろしいけど!話の流れから判るだろ!俺が聞きたいのは幽霊に呪われるとかの方の呪いだよ!」

 

「そんなの有るに決まってるじゃない」

 

「なんだ有るに決まってるのかぁ。……ん……あるのか!?え、マジでか!?呪いあるのか!?」

 

「冗談、冗談。本当は呪いが有るかどうかなんて知らないし」

 

呪いってあるのかしらね。某赤い目の探偵に言わせたら呪いなんて有るわけないって言いそうだけど……あの作品て普通に呪いあるわよね。小説の事は置いとくとして本当に呪いとか見たことない

 

「なんだよそれ。呪いあるのか知らないって、巫女なのに知らないのか?」

 

「巫女が呪いとか知らないの普通だと思うけど?アニメとかゲームの巫女じゃあるまいし」

 

なにその何か言いたげな顔は。

 

「…………幽霊とか見えるなら呪いとかも見えるんじゃないのか」

 

「どういう理屈」

 

「…………幽霊ってどんな感じに見えるんだ」

 

「どんな感じって…全体的にボヤけてて、特に足がボヤけてて此処にいるのは黒いモヤを全身に纏った感じ?」

 

周りを見ながら言った。

 

「周り見ながら言われると怖いぞ。ボヤけててるのか。外見は典型的な幽霊な…おい」

 

「どうかした」

 

「黒いモヤに包まれてるの…幽霊さん達?」

 

「そうだけど」

 

「それ……あから様に呪いそうな幽霊じゃない?」

 

「幽霊に黒いのが見えるの普通だから」

 

ただここの人達のは黒いのが濃く見えて、浮かべてる形相が誰かを強烈に怨んでそうな感じなのは言わないでおこうと思う。

 

「そ、そう…なのか?黒いのが有るのは幽霊の普通なのか。呪いとか関係ないのか…大丈夫なのか」

 

「大丈夫じゃない?」

 

どっちとも取れる言い方にしておく。

責任なんてとりたくない

 

「………大丈夫と思う根拠はなんだよ博麗さんや。呪いがあるか知らないんだろ」

 

「此まで幽霊が居ても何も起きてないでしょ?気にしなきゃ問題ないと言うか気にしたら不味いと思う。ほら病は気からっていうし」

 

あんな大量にいるなら呪いが無い方が不思議だって思うことはお口にチャック。私は気づかいできるから

 

「知ったら気にしないの無理だろぉ……知ったら…なぁ、俺は知らなかった方が良かったことを教えられたって話じゃ?」

 

「………」

 

「おい目を逸らすな」

 

 

 

 

 

 

で、翌日の朝、そう言えば攻めてきた人達の遺体とかどうなってるんだろ。疫病対策に焼いたりするの。私は知りたくもないので聞いてない。どうなったか見たいモノじゃないと思うから部屋に引きこもった。呼びだしうけた。

 

ちょっと人口密集し過ぎな部屋。

 

顔色悪い人が多い。

お偉いさんが多い感じ。

一体なに?

 

「博霊霊夢さん、朝早くから呼び出してすまない。昨日君が幽霊や呪いについて話していたと聞いてね。……幽霊などについて詳しく聞きたいんだよ」

 

それ伊丹が話した?それか盗み聞き…って無くても…あの時近くに人が居たんだった。普通に聞こえるわ。

 

「興味本位のつもりではない。昨日君が幽霊や呪いの話をしているのを聞いた隊員が話を広めてしまってね。放置できないほどに隊員達が動揺しているのだよ。特に……今はタイミングが悪いからね」 

 

タイミング……戦闘終わって直ぐ。普通でも実戦後だと精神的にちょっと不味そう。

 

「配慮が足りませんでした」

 

勝手に聞いた輩が悪い気もするけど謝っておく

 

「いや聞かない方が問題が有ることかも知れない。中学生の君に話すのは心苦しいが聞いてもらいたい。昨日の戦闘で相手に多くの死者が出た。唯でさえ戦闘行為で精神的な負担があるのに、君の話で自分達が幽霊に祟られたり呪われたりしてないかと不安を感じたようで………」

 

普通だとそういう風になるの

 

「精神面の話だけでなく、別世界で魔法もある世界だ。呪いなども実在していれば現実的な脅威となる。我々としては早急に対策をとりたいので君にご足労願ったと言うわけだ」

 

「私に幽霊や呪いについて聞きたいと?」

 

「その通りだ」

 

そんな力強く頷かれても…

 

「それで失礼だが本当に君は幽霊が見えるのかね」

 

見た感じ幽霊云々を信じてる人は半分ぐらい。意外と多い。まぁ伊丹にも言ったけど別世界に来て幽霊が居ないと思うのも変よね。不本意だけど私の事もあるし。

 

「見えますけど、証拠はだせないですね。それと昨日伊丹にも言った事ですけど私は幽霊は見えるだけで、知識とかないですよ?呪いが有るかどうかも知らないですから」

 

「……ああ、それも聞いているんだが、我々は君と違って幽霊も見えないからね」

 

「……」

 

幽霊を見えるだけで頼られてもどうにも出来ないんだけど。まぁ幽霊の退治とかは一応出来るけど、ホント数が多すぎて面倒、じゃなくてなにもしてないのに退治するのは良心が咎めるし。鎮魂の舞いでいける?あれは人前でしたくない。

 

「普通に向こうの神社とかお寺の人達を呼べば良いんじゃないです。お経でも唱えて貰えば何とかなるんじゃないです」

 

言葉も違う所のお経って意味があるのか知らないけど、此方の世界のお坊さんとか探すとか?

 

「それは……呼ぶにしても時間が掛かるからね。こう…幽霊等から身を守る手段は無いかね」

 

「身を守る手段…御守りとか?」

 

「御守りなどを持ってないかね。気休めでも良いんだが」

 

「持ってますけど自分の分しかないです」

 

「その御守りを見せて貰えるかね」

 

何でと思いながら私は懐から此処に来る前に作った長方形の御札を取り出した。

 

「それが御守りかね…紙に見えるが」

 

「ええ紙で作りましたから」

 

これの正体は、正体ってほど大層なモノでもないけど保護者に作り方を教えられた護符、込めた霊力が全身を覆って身を守れる。門の向こうは物騒とか思って作って念の為に身につけてた。霊力で身体を覆うから幽霊対策にもなってる感じ。ある一定範囲から幽霊が近付かないし。

 

「作ったと言うことは君の自作か、それは効果は有るのかね」

 

反応はよろしくない。まぁ適当な紙と筆ペンで書いた即席の護符だから効果有りそうに見えるわけない。あると思われた方が驚ける。簡単に信じるなら詐欺に引っ掛かりそう。仮に渡しても気休めにもならなそう。てか、私を頼ろうとするのが可笑しい。私作の適当な御守りを見せて私は頼れないと判らせた。

 

「大して無いです。神社とかお寺とかにあるちゃんとした御守りの方が効果は有ると思うので取り寄せた方がいいですね」

 

普通に売ってるのが効果あるか知らないけど、お守りで守られてるって思えれば幽霊やら呪いが怖いなんて話も収まるでしょ。

 

「確かに、それがいいかな」

 

納得してくれたみたいだし片付けて戻ろう。

 

「あぁ待ってくれ、少しその護符を持たせて貰っても?」

 

「え」

 

「ダメなのかね」

 

「いえ別に良いですけど」

 

なんで持とうと思った?

 

意味はないと思うけど別に困ることもない。ちゃんも幽霊が避けるけど彼等の目には効果が見えない。持っても幽霊を見えなきゃ効果とかわからない。

 

机の上に置いたけど誰が持つんだ的に目線が行き交った。危険物みたいな扱いって失礼な。持っても何も起きないし肩透かし食らうだけなのに……あ、中学生の女子が懐から出した物を持つってのが不味いのか。それは良い大人にとっては危険物だわ。

 

で、一人に視線が集まった。この場で一番階級が低そうな人に

 

「伊丹二尉…」 

 

「あ、ハイ、俺が持つんですね。」

 

私は空気ですという感じで後ろにいた伊丹がもつ事に、世知辛い上下関係みせられた。かわいそーに。

 

「嫌な予感するんだけど……」

 

なんで警戒してる。

 

「別に持っても害とかは無いから」

 

霊力で身体を覆うからむしろ安全になる。そう言えば他人の霊力って人体に悪影響は……たぶんないはず。

 

「…それなら良いけど…」

 

伊丹が護符の御札を持った。

護符から霊力が流れて伊丹の身体を覆った。

幽霊が虫よけスプレーされたみたいに伊丹の近くから離れてく。

 

「ぶぅ!??」

 

と思ったら捨てた。

護符地面に落ちた。

 

「人のものを捨てるとか酷い」

 

「は、ふざ、ふざけなですよ!?あ、あんなの見たら捨てるに決まってるだろがぁ!?」

 

え、なにその反応?

見たらって…なにを?

息荒らげてどうしたの。

 

息を整えて伊丹が嫌そうに護符を見た。

あ、また護符持った

 

「う、うわぁ…マジかよ。マジで居たのかよ……」

 

視線の先は…これ伊丹見えてる?幽霊。

見えてるぽい。

なんで見えてんの?

タイミング的には私の護符の影響??

 

あーそう言えば…霊力の修行後の方が幽霊がハッキリ見えたような。護符に込めた霊力はバリアみたいに持ち主の全身を覆う。霊力で目も覆われる。その影響で幽霊が見えるようになったとか?…たぶん大雑把にはこれが正解なんだと思う。他に理由もないし。

 

それは良いとして早く回収しないと、面倒な事になる。

 

「い、伊丹二尉、なにが、あったんだね」

 

「それが「伊丹はその御守りのせいで幻覚でも見えてるみたいですね。伊丹、それ返して、幻覚見えてるみたいだから」

 

幻覚だと二回言った。

大切な事だから伝わったわよね??

いい笑顔を向けられた。

伝わったみたいだとホッとした。

 

「此方の護符の影響で幽霊が見えるようになったようです。ええ、幻覚とかでは有りませんね!」

 

「おいこら」

 

「幽霊が見えたのか…」

 

「伊丹二尉、そうなのかね。本当に見えたのかね?」

 

「ええ、はい……見えます。幽霊が見えます……ギッシリと居るのが」 

 

「見えた…の…か………………ギッシリと?」

 

「ギッシリと……います」

 

「……ギッシリ」

 

あちこちでギッシリ、ギッシリと言い出した。シュール。一通り済むとなんでか皆が無言になる。他の人も護符を無言で持って確認した。野太い悲鳴があがった。男しかいないから耳苦しい。

 

私が頼られたの幽霊が見えたから……護符で他の人も幽霊が見えた。幽霊が見えたんだし私はお役ごめんでオッケイ。後は何処かの御守りとか買えばいい。問題なし。よし。(現場猫)

 

「後はごゆっくり」小声

 

私はちゃんと(混乱してる内に)声を掛けてからそそくさと外に出た。

 

後日、お札やら御守りを付ける自衛隊の人を見かけるようになった。…別にそれは良いけど私に大量の護符の注文は止めて……



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5話

 

自衛隊VS異世界の悲しい一方的な戦争が起きた翌日、漫画やらゲームしたり此方がわの世界の言語を暇潰しに覚えたりしてたら、お仕事がきできた。

 

 

思考が真っ白

 

お高い紙に墨汁を付けた筆に霊力を乗せて文字を書く。書き終えたモノを台にズラッと並んだ同じ護符の列の中に入れる。数にして百枚を軽く越えてるのが見えた。

 

残りの白紙は二枚。

 

「あと少し、あと少しで終わる…」

 

ノックの音?

 

「…博麗さん失礼します」

 

伊丹の代わりの護衛の人、飲み物でも持ってきてくれ………なんで白紙のアレを持ってるの??

 

「博麗さん追加の要請が300枚分ほどの……」

 

なるほど追加…

 

「うがあぁああ!!ファァアック!!いい加減にしろおおおお!!」

 

絶叫した。

 

「ああ!博麗さん!?落ち着いてください!」

 

幽霊が居ると自衛隊の人が認識した。あのゴミみたいな護符で幽霊が見えてマジで居るんだと認識された。それで本気で幽霊を怖がる隊員の人達がいた。私の護符が欲しいって話に…

 

大まかには伊丹のアホのせいだけど私にも責任がある。だから護符を造るの頼まれても仕方ないと頑張って作ってきた。時給でなくて製作数に応じて代金貰えるとか聞いたし。

けど…けど…作成数に限度がある!!四桁って!!本当に限度ってものがあるでしょ!?なんで異世界に来て一人モクモクと内職しなきゃいかんのか!ただ書くだけ?霊力を込めなきゃいけないから普通に書くのより何倍もつかれる!それを数百枚、普通なら1日で多くても十枚しか作ったことないって聞いたら可笑しさわかる??

 

お金に目が眩んで最初に作りすぎた!

 

「もう無理!」

 

変に高級な和紙を用意されるから勿体無くて手抜きもそんなに出来ないし!貧乏性な自分が憎い!

 

てか

 

「昨日、これ以上は狭間陸将は注文しないって言ってたと思うんだけど?」

 

まさか昨日の記憶は私の願望の記憶?まだまだ注文が来る?それなら真面目にこの異世界で旅する家出も検討しないと…

 

「それが…大変言いにくい事なのですが…約束は確かにされたのですよ。しかし陸将が後程謝罪に来るとき説明が有ると思いますが、陸将も断れないクラスの方から要求がきたようで…」

 

断れない偉い人って軍の上の人。

それとも政治家?

何れにしても…

 

「それ頼んだの日本に居る人よね?なんで私に注文するの。偉い人なら格式高い神社とかの御守りを買えばいいのに」

 

買う場所がもっと近場にあるんだし態々異世界にいる私に注文とかすんなアホ!なに私が作ったモノの方が希少価値があるから!?プレミア品になってるの?売買とかされてるなら売上げの何割かを要求してみせる!……じゃない!!

 

「他の御守りなどの効果については何も言えませんが、アレが見えたりするのは博麗さんの護符だけですし……」 

 

遠くの方で歩いてる半透明な人、幽霊を指差した。アレが見えるから護符が欲しいって?まるで意味がわからない。

 

「…幽霊とか見えない方が良いと思うんだけど」

 

私は幽霊は鬱陶しいとしか思わないけど他の人には怖いのよね。怖いものなら見えないほうが良いわよね。

 

「それにその注文した偉い人の居るの日本?それなら幽霊が見える効果とかあんまり意味ないと思いますよ」

 

「なんでですか?」

 

「日本の方であんまり幽霊とか見ること無かったですし。お墓とかの近くぐらいしか」

 

私が知ってる範囲だと此処みたいに何処でも幽霊が居るみたいな事はない。日本で大量に人死にが出るような事がないから

 

「日本では幽霊はあまり居ないんですか」

 

はじめて聞いたような反応された。アレ?これ言ったの初めてだっけ?違う確かに話した覚えがある。あぁ話したのは陸将の前でこの人は居ないときにだっけ。

 

「陸将の人に説明した事なんですけど…殺人鬼とか凶悪犯罪者とか、幽霊から酷く恨まれてる理由のある人の周りぐらしいしか幽霊は居ないって、だから持ってても意味はないって」

 

「そう、なんですか」

 

凶悪犯罪者の近くにしか幽霊をいないとか嘘八百な説明をした。必要ってことは極悪人って事で注文しにくくなるとおもって……なのに日本の方から注文がきた。

 

「私が説明した事ってちゃんと上の人にも隠さずに報告しますよね?」

 

「え、ええ」

 

「なら聞いた上で護符がほしいって注文してる人は……」 

 

「「…………」」

 

少し無言になった。

 

「………幽霊が近くに居る覚えがある極悪人?欲しいって人は捕まえた方が良くない?今なら苦労のお礼もかねて捕まえるの手伝いに行きますよ」

 

わりとマジな目で言ってみる

 

「い、いえいえ!!いえいえ!!!ほ、ほ、ほら!博麗さんの護符なら凶悪犯じゃなくても欲しいですよ。例えば幽霊が見たいだけの無類の幽霊好きと言う可能性も有りますよ!!」

 

それ理由としてどうよ。あと仮に正解だとしたらそんな目的で追加で作らされるのすごく嫌なんだけど。

 

「自衛隊の人に渡した護符を渡せばいいんじゃないです?」

 

私はあくまで幽霊関係の話を広める事になって悪いと思ったから(後お金)護符を作っただけ、責任の範疇は此処にいる自衛隊の人達まで、地球に居る人達の分までは知らん!!どうしても欲しいなら自衛隊の人の分を回したらいい。

 

「止めてくださいよ!?ほんと!それはダメですから!!無理ですから!いまさらこの護符無しは無理です!!幽霊がいるのを知って何人ノイローゼになったか知ってます? 幽霊から身を守る護符があるから何とか精神が安定してるですよ!本当に効果があるか怪しい他のモノなんて代わりになりませんよ!」    

 

そんな半泣きで必死に言うほど?大の大人が中学生に泣きつかないで欲しいんだけど。

 

「本当に精神的に辛いんです…」

 

「精神的に不味いのは知ってますよ…結構な人が呪われたやら取り憑かれたやら私に沢山相談しにきましたしね…ホント沢山」

 

幽霊が憑いてないかとか呪われてないかとかの相談。呪いなんて知らん。カウンセラーの人にパスした。しつこく私に何とかして欲しいってのは、祓い棒(ぽいの)でぶっ叩いてこれで悪いものは祓ったから大丈夫と適当に言って対処した。……ぶっ叩いて感謝されたのは気持ち悪かった。変な宗教に嵌まる人ってあんな感じ?賽銭箱でも用意したら入れてくれそうと思った。うちの神社の賽銭箱大丈夫なのか心配。

 

それにしても私の護符が無くなると不安って、下手に幽霊が見えたから見えなくなるのがダメみたいな感じとか。幽霊が見えるなんて判明しなきゃこんな事にならなかったと、本当にあの時、伊丹が幻覚って話であわせてくれたらと思うと……後で伊丹の髪の毛に脱毛の呪いがとか言ってやろう。

 

「…そのせつはご迷惑をかけました」

 

え、何が…相談のこと?この人も相談にきた人?

 

「お、覚えてませんか……それなら良かったんです」

 

あのとき数が多すぎて流れ作業やってたから覚えてない。つまりぶっ叩いて喜んだ人の中に居…思い出すの止めよう。誰も幸せにならない。

 

気まずそうに目で紙をチラチラと見て「……あの……作業」と言っている。これが伊丹なら一欠片の罪悪感もなく平然と無視できるけど…この人の視線って無視したら罪悪感がわく。たゆんたゆんで可愛い感じの人だし。……まさか私に仕事をさせるのにこの人を担当にしたんじゃ。正解なら孔明なみの策士が居る。伊丹が怪しい。

 

まぁ罪悪感あっても作業はもう嫌だけどね。

 

「あのどちらに」

 

「伊丹がソロソロ帰ってくると勘が囁いてるの。出迎えの準備をしてあげないと」

 

「え、待ってください!」

 

伊丹は隊を率いて近場の調査とかしにいってる。私も護符造りから逃げたくて行きたかったけどいけなかった。

 

私は伊丹が帰るまでまつ。

断固として待つ。 

何時間でもゴロゴロしながら待つ

 

「あれ霊夢なんで此処に、出迎えしてくれたのか?」

 

なんで伊丹いるの?。

待とうとしたばかりなのに。

 

「ほ、本当に博麗さんの言う通りに帰ってきましたね」

 

本気で勘で予想して当てたみたいな視線向けられてる。うん予想なんぞしてない。予想してたら伊丹を待つとか言わない。

 

それはそれとして、伊丹、行った時より人が増えてない?。

 

それも美少女…

 

「まさか伊丹が可愛い女の子をお持ち帰りするなんて…」 

 

「は??」

 

銀座の時はロリコンとか冗談だったけど…これは…伊丹の後ろにビクビクしてるエルフさんにゴスロリさん、ゴスロリさん、蒼い髪の女の子、エルフさんが高校生ぐらい、他二人は中学生ぐらい。

 

「待てや博麗の霊夢さんや。その言い方だとオレ誘拐犯か変態みたいやん」

 

「ロリコンギルティ」

 

「ロリコンちゃう!!よくみろ女の子以外も居るだろうが」

 

「確かに女の子以外も沢山いる ………どうしたのこの人たち?ロリコンなのを隠す隠れ蓑にしても何処から連れてきた人達?」

 

「だから悪質な予想を立てるな!?…話すと長い、って事もないか」

 

伊丹によると…伊丹率いる第三なんちゃら隊が予定の調査地点近くに着くと、ドラゴンを発見したそう。あのワイバーンと比べ物にならないぐらいデカいゴジラみたいな赤いドラゴンだったそう。特撮で戦えそうなサイズだったらしい。怪獣としか思えないドラゴンね。ちょっと見てみたかった。

 

そのドラゴンが森を燃やしていたのがエルフさんの村。エルフの村とか行きたい!と思ってたら、ドラゴンにやられて村は壊滅で残ったのはそこのエルフさんのみと……

 

それで唯一の生き残りのエルフの女の子を保護して近場の村に行くことに、その村の人たちが近場にドラゴンが出た事を教えたらドラゴンから逃げる事にしたんだって…伊丹が難民を連れてくことにした。

 

伊丹率いる隊が女の子含めた避難民を沢山連れ、途中でドラゴンに襲われながらも帰ってきた。

 

なんか凄い体験ね

 

伊丹ってこの世界の偵察行くの今回が初だったんじゃ。初でドラゴン。

 

銀座の時もそうだけど何か伊丹って真面目に呪われてても驚けない。呪いとか関係なくて単に運が悪いか、運が悪い方が正解としか思えない。私がこんな所に要るのも伊丹の巻き添えって疑惑が出てきた。。

 

 

 

 

とにかく来た人達は伊丹達の善意で連れてきた避難民。こう言う善意の結果とか大体ろくな事に成らないと思うけど、現在進行形の私の実体験。

 

それにしても…

 

「難民って、連れてくる許可とか良く取れたわね」

 

少し前に軍勢に攻められたばかり、こんな敵地みたいな所で避難民を抱えるの避けたいと思うんだけど。避難民に紛れて内部に入り込まれるとか有りそう。内部から攻撃されたら圧勝も出来ないし銀座の時みたいに大惨事になるんじゃ。あとバレたときにマスコミとか政治家とか煩そう。

 

本当、伊丹よく連れて戻れたわよね。

 

「ははは、実は連れてくる許可とってない。黙って連れてきた」 

 

「え」

 

なにしてんの。隊員の人達から笑い事じゃねーよみたいな目で見られてる。伊丹って事件のときに皇居に避難させるとかしてたしわりとブッ飛んでるわ。

 

伊丹の上官の人は苦労しそう。

伊丹の上官?

なら問題なかったわ

 

「それはそれは…こうして連れてきたら今さら返すの無理だし。仕方ないわね。上官の人達には悪いけど苦労してもらわないと」

 

「霊夢さん、良い顔してらっしゃるね」

 

「いえいえ、それは伊丹さんの気のせいですわ」

 

「………初めてみる綺麗な笑顔だー。胡散臭い」

 

笑顔を胡散臭いいうな。どこぞの保護者を思い出す。べ、別に護符造りやらせた責任者たちにお前も苦労するんだよ!とか思ってる訳じゃないからね!

 

「まぁ、避難民の人達が来た理由はわかったけど……あそこのゴスロリさんの視線はなに?」 

 

 

不気味なモノか猛獣を見つけた様な目で見てくるんだけど、伊丹が連れて帰ってきたし此方の人よね。此方の人でゴスロリの服って貴族とか偉い立場?

 

何か背中に斧みたいなの持ってる。あれ鉄で出来てるわよね?ちょっと待って、あれ見掛け通り鉄製ならあの娘って凄い怪力なんじゃ。怪力ロリータよね。どこぞのゲームキャラ?

 

「さぁ?よくわからんけどついてきたんだよ。女の勘で危険物と思われたんじゃないか。ゴスロリの濃厚なエロを語った博麗霊夢さんだからなぁ」

 

「それなら伊丹も同じ目線を向けられるわよね。伊丹の買った本の趣向がゴスロリに加えてエルフの淫「ハハハ!!この話題止めようか!!発禁だから!!」」

 

外見少女と中年のエロ話どちらが不味いと?自分の方が不利な勝負をしかけてくるとは迂闊な。更に悪評が増えることになるわよ。

 

まぁ今回は

 

「止めといてあげる。伊丹これから大変そうだし」

 

「え?大変て……わぁ」

 

屈強な感じの自衛官の人が何人かきてた。

沢山の避難民を見て誰も目が笑ってない。

 

「第3偵察隊、ただいま偵察から戻って参りました!」

 

「伊丹二尉、無事に帰還したのは喜ばしいが、そちらの、連れてきた人達の事を教えていただけるかな……早急に」

 

「は!勿論ご説明いたします!」

 

伊丹が私に教えてくれた話を詳細にした話をしてる。話すごとに怒りゲージが上がってく様が見えた。うーん血管が浮き上がってる。

 

「と言うわけで連れてきた避難民の人達です

 

伊丹、よく言い切れるわ。空気とか顔とかみてたら私なら逃げる。笑顔のまま青筋が出るの始めてみた。ラリアットかドロップキックぐらいかまされても伊丹が悪いと断言できる。

 

「色々と、色々と、言いたいことは有りますが…………先ず一番に確認したいことは、そちらの人達を連れてくるという連絡を一切受けていないのはどういう事でしょうね」

 

「其につきましては大変に不幸な事に、通信機に不調が起きまして、今は大丈夫ですが!ここに来るまで連絡出来なくてですね!直るまで待つのは避難民の人達に悪いですし!いやぁ!!本当に連絡したかったんですが機材のせいで無理でした!不幸な事故なんですよ!」

 

「なるほど……わかりました。それは災難でしたね。陸将の所に行きましょうか。ジックリと話したいことがありますのでね。さぁ伊丹二尉来てもらおうか」

 

「あのーそれは良いんですが、掴む手が凄く強くて痛いんですが」

 

ガッシリ捕まれた伊丹がドナドナされてく。

あれ完全に言い訳の適当さにキレてたわ。

盛大なイタズラをして職員室に連行されるワルガキに見えた。

 

それにしても

 

「………」ジーーーーーー

 

行く前にゴスロリさんの視線をどうにしかしてから行ってほしかった。なんかゴスロリさんが近付いてきてる。ゴスロリさんが恐る恐るって感じで話しかけてくる。何を聞かれるの…この中で私に…私だけの特徴、巫女服?

 

貴族とか関係なくあの服装は趣味なんてことは?ゴスロリが彼女の異端なファッションとかだったら、巫女服みたいな異質な服について聞いてくるのもわかる。いや、これ、私の趣味でないし。質問されても…私のファッションセンス、オシャレ力だとジャージの素晴らしさしか伝えられない。ファッショントークなんてされたら精神的にボコボコにされる。どうしよう。

 

 

 

 

「…アナタは別の地の神でしょうか」

 

 

 

…………?? 

 

 



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6話

『スタジオの奥田さん!!こちら○○神宮前ですが、ご覧ください!見渡す限り人人人!モノすごい人の数です!人が多すぎて進めません!例年の数十倍と関係者の方が言うほど、多くの人が詰めかけると言う珍しい現象が日本各地で起きているようです!あ、どうやら進めそうです。これから移動しますのでスタジオに一時お返しします!』

 

『中継ありがとうございます。但馬さん、やはりこれは……銀座の人々を救った東方projectと言う作品の博麗霊夢に良く似た少女の影響でしょうか』

 

『それも大いに理由として有るでしょうが……数日前にありました国会審議中に起きた怪奇現象も大いに関係あるでしょうねぇ』 

 

『ああ、あれですね。国会会議中に幽霊のようなモノが現れ議会で大混乱を巻き起こした…』 

 

『ええそれです』

 

『やはりあれですかぁ…。いえ、正直言いますと私、幽霊なんて存在しないと思っていたのですが……あれを見ると、信じざるえないですよねぇ』

 

『私も同じくですよ』

 

『お二人のように!あの映像を見て幽霊が本当に存在すると多くの人が思ったのでしょう!その証拠として先程の中継の映像の様に多くの人が神社やお寺等に訪れているのですね。幽霊から身を守るお守りが欲しいと!』

 

『お守りなど生産が追い付かないほど売れているようです。かくいう私も有名な○○のお守りを購入しました!…仕事を休んで買いにいきました』

 

『仕事を休むのはよろしくないですね…』

 

『お守りと言えばなのですが…』

 

『なんでしょうか』

 

『この度の騒ぎの元凶である先日の国会審議中に起きた怪奇現象について、当番組は独自に重大な新情報を独自に入手しました。どうやら御守りが事件の発端だという話なのです』

 

『御守りがですか…どういうことでしょう』

 

『匿名の政府関係者が話してくれた事なのですが、特別な御守りを与党関係者が入手していたという話があるのです』

 

『特別なですな』

 

『はい、政府に保護されている博麗霊夢に似た少女の作製した御守りです』

 

『ええ!!それは、お、驚きの事実ですね』

 

『情報提供者によりますと…その特別に作成されたお守りを持てば基本的に誰でも幽霊が見えるようになるそうです』

 

『幽霊が見えるお守りですか!…まさか!!』

 

『はい、情報提供者がお守りを使い実際に幽霊を見たそうです。さらに情報提供者によれば、そのお守りの力により国会会議中にテレビを通して幽霊が見えたという話です』

 

『なるほどぉ…つまりあの国会での事件は、特別な御守りを政治家が持っていた事で起きた事件なんですね。なぜあの様な事が起きたのか納得できました』

 

『文字通り目に見える形でお守りに効果があったんですねぇ』

 

『しかし、政府発表では博麗霊夢さん似の彼女は特地に特別顧問として随行しているとの事ですのですが、政治家達だけがお守りを貰っていたのですか……』

 

『…いえ、正確には与党の議員だけのようです』

 

『庶民には内緒で特別なお守りを権力がある者だけが取得していた!これが事実ならけしからん事ですね!』

 

 

 

 

「随分と露骨だな。持っていたのは与党議員だけでも無かったのにな」

 

「先日の国会での騒ぎについて彼女に聞いてきたのか」 

 

「はい。製作をした彼女に聞いた所、議員の皆様が持った護符が一ヶ所に集まりすぎた事から、護符同士の共鳴で力が増して件の現象が起きたのかもと」

 

「かも?作った本人にもわからないのか?」

 

「はい。護符等自分が持つ分だけしか持った事がなかったそうで、先日の議会での現象を伝えると本人も驚いていたようです」

 

「本人もか?」

 

「そもそも他人に護符を渡した経験など無かったそうです」

 

「本人も他人が使った場合に起こる事を知らないと言うことか。確か幽霊が見えることも知らなかったのだろう。なら他にも護符で不具合が起こるかもしれないぞ。」

 

「はい、ですので護符の調査を依頼した研究室に、さらに詳しい調査をするように頼んでおります」

 

「そうか」

 

「魔法みたいなもんだろ…科学的に解ることなのか?」

 

「発動のプロセスは難しいだろうが、何が起きるかだけなら調べられるだろう」

 

「今わかってることは、議場等集まる場所に護符を持っていくのはダメたと言うことか」

 

「いやどの程度集まればアウトなんだ。議員が集まる会合も不味いかもしれんだろ」

 

「…護符を一時的に回収するしかないか。他にも何かあるかもしれないしな」

 

「素直に返してくれるか?」

 

「反発もあるでしょうがあの幽霊騒ぎのような事があったんです、問題がないか確認するためなら納得してもらえるでしょう」

 

「次は…あの議会の時に複数の議員に対して騒いだ事についてか……幽霊がアイツに殺されたとか裏切られた騙されたと騒いでいたのを放置は無理だろう。世間の反応は」

 

「なぜ犯罪者を逮捕しないのかと連日に渡って、関係省庁等に対応困難なほど電話が来ているそうです…海外でも大手のニュースに…」  

 

「あんなハッキリ幽霊が見えたとなると海外のニュースにもなるよな…事実虚構どちらにしても幽霊が騒いだ件は放置はできない。幽霊の証言としてもあんなにハッキリと公に放送されたんだ。名指しされた議員はどうしてる?まぁわかりきっているが」 

 

「はい、件の議員の方々は其々全員が幽霊が話した事について否定しています」

 

「どう思う」

 

「…答えられないことを聞かないでください。 まぁ感想で言うなら怪しいですね」

 

「幽霊に告発された議員の顔色を見ただろう?完全に有罪の顔色をしていたよ。国民も有罪と認識している。今は日本は世界中から注目されている。……対応を間違える訳にはいかない。今は多少強行に動いても…」

 

「下手すればクーデターに成りますよ」

「難しいだろうが、せめて幽霊騒ぎで告発された議員については出来れば早急に拘束したい……」

 

「しかし物的な証拠がないと…」

 

「幽霊の告発だけでは弱いかな」

 

「難しいでしょう」

 

「議会に現れた幽霊の身元については?国会の放送のあとで知人や家族を名乗る人物から多数連絡がきたんだろう」

 

「はい、連絡があった人物を確認したところ…放送された幽霊と酷似した人物が確認されています」

 

「その酷似した人物の現状は…」

 

「全員が行方不明、又は亡くなっています…」

 

「事件性はどうなんだ」

 

「行方不明については突然消息を絶っているようです。亡くなって居る場合は殺人自殺や事故など。それと犯人不明の殺人事件………対象の議員とトラブルが起きていたという話も出ています」

 

「当然だが警察が捜査を開始しているのだな?」

 

「はい。公安も動いています」

 

「何が出てくるか……恐ろしいな」

 

「印象としてはパンドラの箱ですね。開いて良いものなのか」

 

「与野党関係なく対象の議員が多く、特に特定の国と関係が噂される議員が多かったからな……」

 

「マスコミが幽霊について報道しても、幽霊が騒いだ内容について触れてるのは殆ど見たことがない。笑えるよ」

 

「ふん、結構な事じゃないか。素知らぬ顔を全国民に見せておいて後から擁護しようモノならマスコミの自殺行為だ」

 

「今の時点では公安と警察の捜査結果待ちだな」

 

「それなのですが公安と警察関係から護符の配給の要望が来ています」

 

「警察がなんで必要なんだ」

 

「捜査に使えるか調べたいと」

 

「捜査に使うのか…随分と思いきった事を言うな」

 

「本当に捜査目的か?欲しいのはわかるが…」

 

「警察から来たのなら他からも要求が来るんじゃないか」

 

「はい、今回の騒ぎで野党ら海外政府、研究機関、宗教関係、様々な所から要望や要求が来ています」

 

「そうなるだろうな」

 

「宗教や野党などに……海外政府か」

 

「今の日本は味方をしてくれる国は一つでも欲しい。どのみちアメリカなどの国には渡さない訳にはいかない」

 

「それはそうだが、配るとすると数が足りない」

 

「増産してもらいたいが、今時点でも護符造りにだいぶ彼女に無理をさせたのだろ」

 

「そうだが現状の数でやりくりするのは…」

 

「……彼女以外で護符作製は無理なのかね?」

 

「博麗女子の護符で幽霊の反応を見ているのですが、各地で取り揃えた御守り等、幽霊などに大きく効果があると確認されたモノは現状では…」

 

「博麗霊夢、彼女の護符だけが特別か」

 

「彼女個人だけが特別であれば良いんだが」

 

「幻想郷と、その関係者やらか。いるのか?有ればとんでもないが、彼女本人が幻想郷については否定しているんだろ」

 

「有ったとすれば彼女は隠す側だろう」

 

「資料でみた設定としては幻想郷は日本の隠れ里の様な場所として有るのだよな。有り得ないとは思うが……あんな門が現実に存在するとなると、国内の調査の進展はないのか。博麗霊夢の保護者についても」

 

「保護者は未だに接触できていません、それと博麗神社の他には関連するモノは見付かってもいないそうです。怪しいと思える場所があると報告は有るのですが」

 

「先日報告にあった少女は?」  

 

「はい、現時点では、少し変わっている様ですが、ただの一般人の少女だと報告を受けています」 

 

「博麗霊夢と違いその少女は同姓同名の別人ということか?」

 

「いえ、容姿なども含めてただの偶然とは……その少女の件なのですが、彼女の監視の者から他国の工作員の様な者が目撃されたと報告も上がっています」

 

「それは…」

 

「不審者が居るとして少女の近辺に警察の巡回を増やすように要請しましたが、安全だとはとても言えません。近日中に保護すべきかと」

 

「…そう…だな。早急に保護してくれ。もちろん事情を話して本人と家族の了承をえてからな。話が拗れては不味い」

 

「了解しました」  

 

 

 

「まだ途上ですが護符の調査結果の資料になります」

 

「どれ…」

 

「うむ、これは……」

 

「伊丹二尉が本人から護符は元々は防弾チョッキ代わりだと聞いていたそうだが、本当に実弾も防いだのか…それもライフル弾クラスも…」

 

「何度も受けていると効果は薄れるようですが、万全の護符であれば相当な爆発にも耐えられるようですね」

 

「これは…護符はさらに必要とされるぞ」

 

「戦場で使うのにですか」

 

「いや戦場でなく要人が欲しがるだろう」

 

「護衛SP等も持っていたいよな」

 

「………彼女には悪いが護符の増産を頼めないだろうか」

 

「あの、それが」

 

「どうした」

 

「博麗霊夢女子が偵察部隊に紛れ込み…現在駐屯地に居ないと…」

 

「!?」

 

 

 

 

 

「……なんかスゴい此方に来たの正解と思う」  

 

「なんだ突然」

 

「何故か唐突にそう感じた」

 

私はいま門のある丘を離れて自衛隊の車にのって移動してる。行き先はイタリアとか言う町。イタリアと間違えそう。なんか陽気な女の子好きが多そうな気がしてきた。イタリカは伊丹と避難民の人がその町に物を売りに行くと聞いて、快く同意してもらってついていくことにした。関係ないけど伊丹の髪を使って呪いが本当にあるか調べようかどうか話してた

 

町に自衛隊が行く理由は情報収集だけど、町に行くってのは避難民の人の要望、避難民の人は物を売りに行くそう。そこは良いけど、町に物を売りに行く避難民の代表が私と同年ぐらいの女の子ってどういうことなのか。

 

 

避難民は女子供と怪我人が多かったけど男がいなかった訳でないのになんで?避難民の代表みたいなのは私と同年代ぐらいの女の子。せめて女の子の先生みたいな扱いのあのじいさんとかが来るべきだったんじゃ。亀仙人を思い出す爺さんだし来てたら車から蹴落としてそうな気がするけど。

 

若い女の子の方が自衛官の対応が優しいと気が付いて?

 

自衛隊の人以外の現地人は三人、

 

何故か居るゴスロリ、代表の女の子、エルフさん。一部年齢が怪しいけど三人とも可愛い女の子ばかり。

 

隊長は伊丹。

 

「やっぱり伊丹はロリコン確定と」

 

「俺が来てくれって頼んでないぞ!?」

 

選んでなくても隊長だし。女の子ばかりのメンバーを受け入れただけでもアウトじゃない?

例えば…オンラインゲームでほぼ女の子パーティー組んでるリーダーが男、リーダーの趣味嗜好が無いとか無理があるみたいな。

 

「うぅ」

 

「人をロリコンとか言う前にソコの巫女擬き、テュカに抱きつくのやめろ」

 

「擬きいうな。何か怖がられてるから慣れて貰おうとしてるだけなんだけど?」 

 

このエルフの娘、なにもしてないのに初対面から怖がられてて何度か会っても治らない。いい加減にどうにかしたいだけだし。決して不純な意思はない(キリッ) 

 

「補食者に抱きつかれて慣れるの死ぬ覚悟が出来た時だけだと思うぞ」

 

「私は熊か何かか」

 

「…正直……ライオンに捕まってるシマウマと同じにしか見えないし」

 

マジな顔で言うな。

私はそんな肉食系でないわよ

 

「感覚が鋭いみたいだし仕方ないわぁ」

 

呆れた声で黒ゴスロリがなんか言ってきた。

 

感覚が鋭いと仕方ないって、此方の人って何か変なモノでも私から感じてる?変な対応をしてきたのはまだ二人だけ、片方はエルフの娘。もう一人は黒ゴスロリさん。

 

ゴスロリさんはロゥリィと言う名前の人で亜神。亜神と言うのは人と神の中間の神になる前段階なそう。東方で言えば守矢みたいなの。この世界の神様は元は人ばかり。人から神、不老不死……凄く厄介そう。会いたくない。

 

因みに初対面の時にロゥリィが私の事を神とか言ってたのは、周りの魂が私の影響受けてたり、私から感じるものが神様みたいなモノだかららしい。私が神様に見えるってこの世界の神様……私と似てるなら人とそんなに変わらない?

 

神とか誤解された私はちゃんとただの一般人だと訂正してる。物凄い胡散臭げな視線を向けられた。本当に私みたいなふつうの人をどういう風に見えてるのか。

 

 

車に乗ってるのは私、伊丹。ゴスロリさんエルフさん、自衛隊の人。あとアニメキャラみたいな名前と髪の毛の蒼い髪の女の子。難民の代表。外見的に無口無表情キャラだと思ってた。

 

「この車と言うのはガソリンというので動いている。ガソリンは化石燃料、化石燃料とはなに?」

 

無口は違った。

 

質問好きな無表情娘のレレイ。無表情で青い髪にレレイ…プラグスーツ着せたいと思った私は間違ってないと思う。レレイは魔法使いというか学者さんらしい。知識欲旺盛。早々に日本語を覚えたりと頭いい。それで日本の色んなモノに興味津々なのは良いけど、 武器にも興味示すのにはアウトでしょうよ。

 

銃についても聞いてるの見たことある。民間人でも日本からしたら侵略してきた世界の住民。武器の事とか調べてたら過剰な反応する人が居ても可笑しくないんじゃない。連れてきた伊丹が注意しろと思う。

 

現地人がその三人で、他の車には自衛隊の人が栗林さんという小柄巨乳。清楚美人ぽい黒川さん。あと他男。

 

「黒ゴスロリ、エルフ、ロリ、小柄巨乳、清楚美人…………ねぇギャルゲーみたいな状況と思わない?もちろん主人公は伊丹」 

 

「誰もそんなこと思わねーよ!」

 

「じゃあ試しに伊丹の状況詳しく書いてネットで聞いていい?」

 

「社会的に殺すきか」

 

「伊丹を題材にギャルゲー作られたりして。やったね伊丹ちゃん!前髪で目が見えない系の主人公になれるよ!」

 

「そんなゲーム開発されるか!」

 

「わりとマジに銀座の英雄のネームバリューで真面目に開発されそうな可能性ありそうと思う」

 

是非とも友人としてプレイしたい。爆笑できそうだし。

 

「知名度でゲームできるならお前の方が可能性あるだろ…いや、もうあるのか」

 

「それ私が出てるゲームでない」

 

「知名度アップで作品が増えそうだよな」

 

「…ギャルゲーも出たら伊丹にやらしてあげるわ」

 

「精神的に死ぬから止めて」

 

「外見は黒髪の正統派ヒロイン……なのになんで中身が」 

 

ん?私にサインをねだってきた運転手の倉田って人が泣いてる。黒髪って、此処にいない黒川さんのこと?

 

「倉田、泣くなよ」

 

「だって博麗霊夢がこんななんて!!ギャルゲーとか言うなんて!」

 

こんなって言うな。

エロゲーって言わない配慮をしたのに。

 

「コイツは博麗霊夢は博麗霊夢でも、MADの中身が綺麗じゃないゲスな博麗霊夢の方なんだと思え」

 

「そ、そんな、そんなのあんまりです」

 

悔し涙みたいなのを流して抱き合う二人。失礼な。演技とわかりやすくて腹立つ。スマホで動画をコッソリと撮影。ネットの通じる所で某BLサイトにでも送っとこう。

 

「お取り込み中悪いですけど隊長、前の方に黒煙が出てます」

 

煙…確かに出てるわ。

 

「またか!!」

 

またって、そう言えば伊丹が前に偵察した時に黒煙が出てたって話しがあった、確かその時には、森が焼かれてて、森を焼いてたドラゴンが見付かった……って

 

ん?

 

つまり前方にドラゴンいんの?

 

ドラゴンにテュカ除いてエルフの村潰されてたのよね。この世界の人ってドラゴンに対抗とか出来ないのよね。ドラゴン居るなら此れから行く町が滅びてるんじゃ。

 

 

ドラゴンでなくて賊だった。賊に町が滅ぼされかけてるだけだった。ドラゴンは居なくて目的地の町は"辛うじて"残ってる

 

良かった良かった。

 

 

 

 

 

 

 



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7話

遠くから黒煙を見て町がドラゴンに襲われてるとかなかった。まぁある意味でもっと酷かった。なんか伊丹と居ると絶対に何か起きてない?伊丹単独の時もドラゴンとか出たらしいし。伊丹はやっぱりトラブルメーカー。

 

目的の町のイタリカ、帝国所属の町が沢山の賊に襲われていた。

 

この襲ってきた賊がただの賊なら町は被害者だけど……そのイタリカを襲ってるのは門で自衛隊に戦闘を仕掛けてきて返り討ちにあった軍隊の残党。つまり帝国に騙されて連れて来られてほぼ壊滅した人達の残り。その人達に襲われた帝国側の町……、更にこの町を護る騎士と領主は自衛隊を襲撃した時にいて全滅してた。

 

「で、これに間違いないです?」

 

「う、うむ……」

 

是非ともくっころと言わせたい感じのお姫様、初っぱなから悪意なく扉のドアで伊丹をコントみたいな気絶をさせたお姫様。助けを求めるのに色々と隠したお姫様。速攻でバラされて口ごもるお姫様。

 

襲われてる最中のイタリカに居た帝国のお姫様。伊丹と話してたんだけどちょっとイラッと来て口を挟んだ。でしゃばるのどうかと思うけど、他は立場的に言えないだろうからただの民間人の私が言っとく事にした。事件の時から続いてる恨みの発散もかねて。

 

「あーー霊夢…」

 

ホドホドになって伊丹が目で言ってきてる。しょうがないから手加減して…

 

「私達が帝国が侵略しようとした国の人間ってわかってますよね?この町が襲われてるの見も蓋もない言い方をしたら、此方側としたら自業自得で敵同士が勝手に潰しあってるだけ。それで私達の国を攻めてきた帝国のお姫様が私達に助けを?」 

 

バッサリいっておいた。

 

「は…恥知らずな申し出だと思うが…協力を頼みたい…どうか…民を助けて貰えないだろうか」

 

民を助けてほしいねー。少し前に銀座の人達って帝国の人間に虐殺されたんだけどね。私も力が無かったら殺されてた。

 

別にこの人はそんな酷い悪人って感じは……結構悪どいことしてる?悪霊みたいな幽霊が沢山いて、情報過多なぐらいにお姫様の悪行を聞かされる。お姫様の赤裸々ぽい恥部やらプライバシー情報を幽霊たちが言ってる。ロゥリィが幽霊を見て首を振ってる。幽霊が居るのがイヤなんだっけ?

 

「お姫様はおねしょは○才まで……」

 

しまった。

お姫様の赤裸々話を口に出してしまった(棒)。

 

「な、なな!!お、おね…なぜそれを!!?」

 

「姫様!?」

 

反応しなきゃ本当のことだってバレないのに残念なお姫様。騎士の人もそんな大きく反応したら、あーあ、その年までしてたんだみたいな周りの反応見て顔を真っ赤にしてる。

 

「だ!誰がそんな話を!?」

 

「…誰か知りたいんです?」

 

「教えろ!誰なのだ!!」

 

「知りたいなら、これを持てばわかりますよ」

 

「お、おい霊夢」

 

お姫様の目の前に護符を差し出す。

 

「これは…」

 

「その…持たない方が良いですよ。きっと後悔します」

 

「ひ、姫様危険では」

 

伊丹が止めようとして騎士ぽい人も止めようとしてる。護符を掴んだ。

 

「へ、下手な脅しだろう。なんだこれは、後悔するとはなんだ、こんなモノを持っただけで私が後悔する訳がないだろう。それより持ったぞ。犯人を…………を?……」

 

護符を持った。

 

お姫様の真ん前に幽霊の集団が集まってる。私から見たら面白いけどお姫様から見たら……

 

 

「霊夢、これ、お姫様気絶してない?」

 

「ひめさまぁぁ!?」

 

そんなまさか本当ぽい。

 

「なんで護符持たせた!!さっき護符を持って確認したら幽霊むちゃくちゃ居たぞ!!」

 

伊丹が護符を持って文句を言ってきた。

 

自衛隊の人達、効果時間を節約するのに護符を身につけない。実際は幽霊とか四六時中見てたくないからだそう。何の為に護符を作って渡したのかわからなくなる。

 

「こっち側の人ってロゥリィとか普通に幽霊を見えてたりするから、そんな気絶するぐらい過剰な反応するとは思わなかった」

 

「(棒)って付きそうな言い方だな!!」

 

「幽霊なんて普通は見えるわけないわよー。見える見えない以前に魂は直ぐにあの方の元に送られるから…………」

 

ロゥリが批難してる感じの視線を向けてくる。私の近くだと魂が神の元に行けてないとか文句を言われたっけ。干渉を阻んでるとかなんとか、なにもしてないし文句言われても知らんがな。

 

「あとお姫様に言い過ぎてたぞ」

 

それなりに正論だったような。

八つ当たりと言われると反論できないけどね。

 

「まさか……お姫様を苛めるのが楽しかったとかじゃないよな」

 

「……」

 

「おいこら無言で目を逸らすな」 

 

別にそんな思惑はない。是非ともくっころさせたいお姫様と思ったけど、私が大変なことになってる元凶の国のお姫様だし少し仕返ししたかっただけだから。

 

「やったものは仕方ないとして、お姫様が気絶してる内に俺達はどうするか考えるか」 

 

「考えるって、お姫様の救援要請をどうするかですよね」

 

不満そうな口調の栗林さん、

小柄なのに胸大きい。

オタク嫌いだと聞いてるから関わってない。

 

「我々にこの町を助ける義理はありませんし。この町から離脱すべきでは……」

 

この中では一番に軍人という感じの冨田さんがそう言った。全員がその意見に反論はなし。

 

なんかみどりの人とか町の人に助けてくれるみたいな期待はされてたけど、敵国の人達だし撤退するのも選択肢にはあると思う。

 

ただ言った本人含めて全員が浮かない顔をしてる。敵国相手でも民間人を見捨てるのもどうかって感じてそう。倫理抜きに考えたら、襲われる前に敵国のお姫様捕獲して町から出るのが最善…自衛隊が町を壊滅させたとか誤解されそうだしダメ?

 

「あー要請を受けるしかない」

 

「隊長……」

 

倉田さんは驚いたように伊丹を見てる。伊丹を見る部下の人達に悪い感情は見えない。結局の所は伊丹の部下の人たちはお人好し

 

けど伊丹もお人好しで民間人を助けたいこともあるんだろうけど、別の思惑も有るような気がする。助ける理由に善意以外に考えられるのは……利益、利益、この町を救って得られる利益は……は、あった。

 

「え、なに霊夢驚いてんの」

 

伊丹なんて奴なのか。なんて策士なのか。この領主の家のメイドさんたち、リアルなケモミミを生やしたメイドさん達を見て気づいた。

 

「なるほど、この町を救ってケモミミメイドさん達の好感度を稼ぐのが伊丹の本命…」

 

「なにいってんの???」

 

今いるのはイタリカの町の領主の人の邸宅、邸宅には普通のメイドさんも居たけどケモミミメイドさんが働いている。そんな獣メイドさんも居る町を助けたら感謝されるのが当然。ご奉仕してもらえるかも?

 

「流石隊長……」

 

伊丹を見る目は軽蔑と尊敬になった。

 

軽蔑が圧倒的、尊敬してるの私と来る途上でケモミミ好きと性癖を公言した倉田さんだけ。此方の言葉で話したから聞こえたメイドさんたちが覚悟を決めたみたいな顔をしてる。身体を差し出すみたいな覚悟?

 

「ちげーーわぁぁ!!」

 

「え、メイドさんじゃないんですか、それじゃあ、まさか!りょ領主さま狙いですか!?」

 

親の領主が亡くなったばかりなそうで領主さまは若い。本当に若くて十才ぐらいの女の子。メイドさんたちが悲壮な顔をしてる。

 

「伊丹……流石にそれは…」

 

「俺を性癖の暗黒面に落とそうとするな!!イエスロリータノータッチだバカ野郎!!アレだ。お姫様みたいな王族が居るなら、盗賊殲滅した事も帝国の上に伝わるだろ!帝国に俺達と仲良くした方が得だって思わせたいんだよ!」

 

「あらそれはいい理由ね、ふふ、あなた達の力を帝国の心胆に刻み付つけるのね」

 

「隊長って意外と怖いこと考えてるんですね」

 

たぶん誉められてるのに何故か伊丹ががっくりと肩を落としてため息を吐く。そんな伊丹をフォローするようにレレイが口を開いた。

 

「力を見せる他にイタリカを帝国からジエイタイの陣営に引き入れられるかもしれない」

 

「うん…レレイの言う理由もあるかな」

 

「話は判りますが、しかし隊長、うちの部隊だけでは足りませんよ」

 

相手は何百人も居るんだっけ、銃が有るからって数で押し負けて全滅もありそう。

 

「ああそれは勿論わかってる。だから足りないなら救援を呼べばいい。交渉相手に良さそうな王族と繋がりが出来るなら上も攻撃ヘリぐらい出してくれるだろう」

 

「ヘリですか。ヘリの速度なら再度の襲撃にもきっと間に合いますね」

 

ヘリ、ヘリ、どうしても墜落するイメージが。おのれカプ○ン製。カ○コン除いても落とされるイメージがあった。

 

「一応聞くけど霊夢はやる気とかは…」

 

伊丹が聞いてきた。

 

「働くのイヤでござる」

 

と言っておいた。

なにその生温い顔

 

「う…は!私は気絶して…、ひぃ!?」

 

「ヒメサマ!!」

 

お姫様が目覚めた。

人を見て悲鳴をあげるとか失礼な。

 

「えーと…救援の依頼についての返答よろしいでしょうか」

 

「う、うむ、どうなんだろうか」

 

伊丹が助力する事を伝えると感謝してた。で、感謝した後に私をチラチラ見てる。気絶する前に見えた幽霊について聞きたいだと思う。無視する事にした。

 

伊丹達は町の防衛をする準備に取り掛かる事になる。伊丹と自衛隊の人達は町の人達から別れて、お姫様から指示された東門の入り口の前で待機することになった。伊丹が一番手薄で狙われやすいとか言ってる。

 

予想では一番大変な所らしい。一番大変と予想される所を押し付けるとかあのお姫様中々図々しい。まぁけどお姫様の思惑通りになるか怪しい。攻めてきた兵士の幽霊ぽいのが笑ってたし。伊丹がヘリの救援を要請したら無事に通ったらしい。あとは襲来が来るまで待つだけ。日が暮れてきた。

 

「ふぁぁ」

 

欠伸が出た。

 

「……霊夢、お前なぁ。戦えなんて言わないけど、何時敵襲があるかわからない所でだらけるなよ」

 

伊丹が呆れた様な視線を向けてきてた。

 

「そう言われても眠いし」

 

「………………まさか此処に敵は来ないのか?」

 

なーんで私が眠いってだけでそう思うのか。

 

「もし此処が襲撃を受けるポイントになると思ってたら、働く気がミジンコ並みにしか無い霊夢が、巻き込まれるかもしれない所に大人しく来るとかないしな……(あと……民間人が襲われるって時にマジにダラけるほど酷いヤツでもない。素直に言うヤツでもないから俺に遠回しに攻めてくるのは別口だって伝えてるんだよ)」

 

「「「……なるほど」」」

 

顔を寄せあって何を話してたのか。

私に対して酷いことを言ってそう。

 

「何がなるほど」

 

「霊夢なら敵襲が無いことを勘で察知していても可笑しくないだろ?」

 

「ないからそんな勘」

 

そんな勘があるならあんな事件の起きる銀座とか行ってない。てかここにも来てない。

 

「じゃあ幽霊の情報か?」

 

「そう思うなら伊丹たちも護符を持ってそこら辺の幽霊を見れば、何で持ってきてるのに皆で外してるの?」

 

「…………さっき見たら物凄い居たから…」

 

それは襲われたばかりだから沢山居るのも仕方ない。

 

「私が知ってるのは、兵士ぽい幽霊はお姫様が私達を此方に送る話をしてた時に笑ってた事ぐらいだから」

 

「……兵士って襲ってきた賊だよな。」

 

「あーそう言えばお姫様を馬鹿にした様に笑ってた…此処に敵は来ないのかも」

 

なんで残念そうなの彼処のゴスロリ、 

 

「来ないのか…」

 

「隊長どうしますか?此処に来ないなら敵が来るのは、此処から反対側の入り口になると思いますが……あちらの戦力では」

 

「防御が突破されて街中に入られるかもしれないな」

 

「げ、民間人の混じった街中での戦闘なんて、銀座の時みたいな事に成りますし勘弁して貰いたいですよ」

 

「けどな。幽霊が笑ってたこと以外に根拠はない。まだ此方に来ないと決まった訳じゃない、持ち場を離れるわけにいかないんだよなぁ…」

 

「来なかった場合はどうします」

 

「そうだな。此方に敵襲がなく向こうに敵襲があれば…救援に向かうことにする。時間差で此方にも攻めてくる伏兵なんて流石にないだよな?」

 

「伏兵を作れるほど戦力が潤沢なら一回目の襲撃で落ちてるのでは…」

 

「……無いって判断で良いか?伏兵を警戒して向こう側が落ちる方が不味いし……よし!向こうに襲撃があったら直ぐに救援に向かう。ただ此方に襲撃がある可能性は無くなってないんだ油断はするなよ」

 

「了解しました」

 

「霊夢もそれで良いな」

 

「なんで私に言うの?別にいいんじゃないそれで」

 

なにその面倒くせー奴だなみたいな視線は

始まるまで仮眠しとこう。

ん?誰か近付いてきた。

 

「……働くのイヤ?」

 

レレイが話し掛けてきて驚いた。

 

話し掛けられたの初めてかも、同年代だからか私に興味があった感じ何だけどね。私が思うのも何だけど盗賊が襲ってくるって状況で落ち着いてる。

 

「此処にくるまで嫌になるぐらい働かされたしね」

 

「…………働くと思うからいけない。ストレス解消をすると思えばいい」

 

「スゴいこと言うわね」

 

盗賊退治でストレス解消って私そんな物騒な人間と思われてんの。某スレイヤーな貧乳の魔法使いみたいな認識持たれてる?

 

「 まぁ遭遇したらストレス解消の的にするかもね」 

 

適当に流しとく事にした。

 

「……そう」

 

結構対応が酷いと思うのにレレイはどっか行かずに私の隣に座った。なにかようなの?

 

「…………」

 

無言で言われると困るんだけど

 

「……霊夢の事を教えて欲しい」

 

暫く沈黙してから言ったのがこれ。私の事を知りたい?知識欲って感じでもない…純粋に私を知りたいって感じで…歩み寄られてるって感じがする……………伊丹がキマシタワーーとかボソッと言ってきたから弱めの弾幕をぶちこんだ。

 

 

 

 

それからーー。

 

 

別のところに賊が来た。無関係決め込もうとした。だけど伊丹達が移動したからついていった。賊の集団に栗林さんとロゥリィが突撃。まぁ私も目の前に居るなら攻撃するみたいな事を言ったし。仕方なく適当に弾幕をばらまいた。最後にはへリが仕留めに来て賊の人達はミンチになり町の救援に成功。終わった後に…伊丹が騎士の女性達とSM プレイ。伊丹が国会に呼び出された。ついでに私も行くことになった。

 

 

 

もう何か考えるの面倒くさい。

 

 

 

 



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8話

 

国会実況スレ

 

名無しさん

まだかいな。まだかいなぁああ。

 

名無し

開始まで後30分、ワクワクが止まらない。

 

名無し

全裸で寒いし早くしてくれ!

 

名無し

服着ろ

 

名無し

全裸でもちゃんと俺みたいに録画の準備は完了してるか!

 

名無し 

へへ、もちろん全裸になる前に録画の準備は完了してるさ!…寒い

 

名無し

服着ろ

 

名無し

国会の実況スレが開始数分でこのスレ他にも何十個も出来てる謎現象。……なんで全裸待機者が居るの。

 

名無し

わかってる癖にー。あの噂のせいにきまってるだろ!!博麗霊夢さまが国会にサプライズ出廷!!。全裸の奴等は知らん

 

名無し

全裸待機者はただの変態です。

 

名無し

話の出所不明だけどな

 

名無し

確かに話の出所は不明なのだ(棒)

けどきっと来てくれるのだ!!

 

名無し 

特地に行かれてた霊夢さまがようやく帰ってこられると聞いたら、会社もぶっちぎって行くしかねー。この日の為に買ったカメラが火をふくぜ。  

 

名無し   

お前会社も休んで現場に居るのかよ。

 

名無し

火が吹くカメラ、ぶっ壊れてるよ?(比喩とか知らん)

 

名無し 

カメラと言えば霊夢さまが学校に通ってる写真が見つかったんだよな。セーラー服の博麗霊夢さまのお姿が……尊い。

 

名無し

歩いてる女子中学生の写真がなんであるんですかねぇ。

 

名無し

テレビでも使われてるけど、どうみても本人に許可無しな盗な撮…

 

名無し

普通に犯罪ですねぇ。テレビで使ってだめですねぇ

 

名無し

真っ当なの物凄い小さい集合写真のしかない。それより写真が有るってことは、普通に霊夢さまは此方の学校に通ってたのか?

 

名無し 

マスコミの取材で霊夢さまの中学の同級生とかの証言もあったし通ってたんだぜ?その中学生の証言で本名も本当に博麗霊夢だって事が判明したんだよな。

 

名無し

やっぱり博麗霊夢でないか!(歓喜)

 

名無し

友人はゼロっていう悲しい証言が。

 

名無し

俺さ…有名人とか有名になった人には自称友人がワラワラ出てくるのが自然だと思ってたんだよ。霊夢さまこんなに有名になったのに自称友人すら出てこない……

 

名無し

は、博麗さまは孤高なんやし(震え声)

 

名無し

ほ、ほら!映像で見ても現実離れした綺麗さだったしね!関わるの避けても仕方ない…。あの容姿と名前で良く銀座事件前によく有名にならなかったな。

 

名無し 

銀座前は似てるだけの中学生だし

 

名無し

名前と容姿だけでなく家が博麗神社で似てるだけで済みますかねぇ?

 

名無し

すまないな

 

名無し

え、博麗神社あったのか!?

 

名無し

あんだけテレビ報道されて知らんかったのか

 

名無し

博麗神社がある場所も放送されてたろ。

 

名無し

本当に放送されてたのか?検索したけど神社の画像でてこないぞ?東方のと別の神社なら出てきたけど

 

名無し

あーーー…

 

名無し

そら行こうとしても行けないから……。

 

名無し

なんでよ?

 

名無し

神社に続く階段を登っても博麗神社には行け無いんだな。(体験談)

 

名無し

いやだからどういうこと?

 

名無し

わかんねーよ!!

 

名無し

山の入り口に博麗神社の看板と長い階段が有るんだけど、その先が無いんよ。

 

名無し

普通に何にもないんだろ。

 

名無し

階段を登ってたら山の入り口に戻ってる。なんも見付からない

 

名無し

ヘリから上から撮影しても山の映像だけしかない。

 

名無し

入り口の所に小さい賽銭箱はあった

 

名無し

賽銭箱だけなのか。

 

名無し

賽銭入れろ

 

名無し

それ神社はないってことじゃ

 

名無し

地元の人は博麗神社を見たことが有るらしいぞ。

 

名無し

目撃証言の数的にただの嘘とも思えないらしい。

 

名無し

どういうことやねん

 

名無し

あるの?無いの?

 

名無し

神社には辿り着ける人と辿り着けない人がいるってこと?

 

名無し

なにそれトト○の家みたいなの

 

名無し

人によって辿り着ける。どういう人が行けるのね……トトロって事は子供だけとか?

 

名無し

行った事のある人に老人もいたよ

 

名無し

小さい賽銭箱にお金を沢山いれてくれる人にきまってる

 

名無し

ありそうと思えた

 

名無し

今度の休みにその博麗神社に行ってみよう。賽銭箱に幾ら入れればええんかな。

 

名無し

五円

 

名無し

霊夢「たったの五(円)か。ゴミめ」

 

名無し

なら100べぇえ界王拳だ!!

 

つ500円

 

名無し

霊夢「もう一声」

 

名無し

万札だぁあ!!!!

 

名無し

霊夢「毎度あり!!」

 

名無し

毎度ありだけかww

 

名無し

ヤメトケ

 

名無し

万札はなぁ。

 

名無し

いや違くて昨日博麗神社があるって山に行った知り合いが居るんだけど、今は博麗神社近くを国が立ち入り禁止にしてるらしい。

 

名無し

立ち入り禁止かぁ

 

名無し

それと他国の人間が色々と調査に来てて色々とヤバイそうだ。

 

名無し

俺が行ったとき怖そうな外国人のお兄さん居たなぁ。

 

名無し

それって…。

 

名無し

日本ぇ、スパイ活動を堂々とやられてるのか。

 

名無し

博麗神社を調べるとかガチで恐ろしい事がありそうなのによくやるよな。前の幽霊騒ぎ知らないのか?

 

名無し

天罰とか呪いとかあんのかな。

 

名無し

幽霊からの暴露はあるね

 

名無し

と、ソロソロ時間だ。  

 

名無し

霊夢さままだかなー。

 

名無し

いや、本当に現れるか不明なんだよな……

 

名無し

まぁ最悪特地から人が来るそうだし…その人たちだけでも…

 

名無し

普通メインはそっちなんだけどな!

 

名無し

政府が霊夢さま隠すから悪い!

 

名無し

あ、開会するぞ

 

名無し 

早くしろよ。はやく!

 

名無し

き、キターーーーーーーーー!!!

 

名無し

きた!マジできた!!

 

名無し

おっしやぁあ!!!

 

名無し

な、なんと有り難いことか。

 

名無し 

うおおお!マジで博麗さまが降臨なされた!

 

名無し

…スゴい面倒そうな顔をしてらっしゃる。

 

名無し

あの口の動き!帰りたいって呟いたぞ!

 

名無し

帰らないで。博麗さまが居なくなったら放送に価値がない。

 

名無し

いやいや博麗さまには劣るけど特地の面々もスゴい綺麗どころだしいるだろ。ゴスロリにエルフぽい女の子に蒼い髪のロリータさん、特地スゲー。博麗様もあわせて目のパラダイスか桃源郷です。ありがとうございます

 

名無し

なぁそんな目のパラダイスの邪魔物、霊夢さまたちのあの隣の男の自衛官ってさ銀座の英雄の伊丹二尉だろ。なにアイツ?英雄色を好むってことか。

 

名無し

え、連れてきた女の子はみんなお手付きだって?(難聴)

 

名無し

いやいや無いだろ。ナイヨナ?

 

名無し

ただ一緒に居るだけでお手付きとか想像するな童貞ども。

 

名無し

ど、童貞、ち、違うし

 

名無し

美少女三人と御近づきなれてるだけでも極刑だろ。

 

名無し

博麗さま博麗さま、どうか羨ま死刑な男に天罰を!!  

 

名無し

その博麗さまが隣にいるよ……距離感的に仲が結構良そうに見えるのは気のせいですかねぇ(震え声)

 

名無し

なんだ。野党のオバハンがネチネチ言い出したぞ。自衛隊が保護した難民に犠牲者を出したとかで。

 

名無し

犠牲者のでる危険な所で難民を助けてるだけ立派と思うけどな。

 

名無し

難民を何で保護してんのさ。

 

名無し

英雄どの配備されてた武器じゃ火力不足だったて。

 

名無し

襲ってきたのドラゴン!??

 

名無し

どんなドラゴンだろ。自衛隊の装備で火力不足って事は銀座に出てきた竜よりはデカイんだろうな。

 

名無し

霊夢さまが捕捉、霊夢さまが聞いた話を纏めると。

 

特撮に出そうな怪獣サイズ、戦車みたいな皮膚、火を吹く…モンハンの祖龍みたいなの…

 

名無し

難民の被害以前に良く生きてたなぁ。

 

名無し

オバサンそれで怠慢って、お前の所が普段から自衛隊を弱体化させようとしてたのに良く言えるよな。

 

名無し

で、こんな事を言いながら自衛隊の強化には反対なんだろ。

 

名無し

軍国主義がーー、軍靴がーー……銀座で民間人が襲われた後にも言ってるもんな。

 

名無し

俺が自衛官ならぶん殴る

 

名無し

民間人でも石投げる

 

名無し 

それにしても何時もにまして野党のガヤが酷いな。

 

名無し

アピールじゃね?ほら与党にも居るけど野党は致命的なメンツがこの前の幽霊騒ぎで色々ヤバイし。挽回しようと必死なんだろ。

 

名無し

これだと汚名挽回にしかならないよな。

 

名無し

ジェリド「……」

 

名無し

幽霊騒ぎと言えばこのオバハンもこの前の国会の幽霊騒ぎで名指しされてたよな。なんで逮捕されてないんだ?まさか警察動いてない。

 

名無し

警察は動いてるはず(願望)

 

名無し

あの幽霊に名指しされた議員は既に何人か逮捕されてるんだし。今回は議員だから遠慮って事はないだろうな。

 

名無し

まだ証拠固め中で逮捕できないだけかね?

 

名無し

単に他にも大物が居るから後回しにしてるだけじゃね。

 

名無し

そうであって欲しいけどなぁ

 

名無し

さっさと逮捕されて欲しい。

 

名無し

野党の黒い奴等がちゃんと逮捕されるって少し前はあり得なかったよな。

 

名無し

自民も本当の意味で黒いのは…

 

名無し

幽霊騒ぎを起こした霊夢さまの護符のお陰さま

 

名無し

外国から注目されてるお陰でもある。……海外でブログやらニュースで幽霊に騒がれた議員の事が日本より詳しく特集されてるのみると…。

 

名無し

海外のは疑惑とかすっ飛ばして完全に犯罪者扱いだったなぁ。

 

名無し

幽霊に名指しされた議員が霊夢さまの前で騒ぐのアホじゃないか。セカンドステージ体験したいのか。

 

名無し

どうでも良いことだけど、博麗霊夢さまを博麗さまか霊夢さまって呼ぶの増えてきたな。

 

名無し

元ネタは宗教関係の偉い人がテレビで博麗霊夢様って呼んでからだったか?

 

名無し  

あーアレは驚いた。

 

名無し

霊夢さまならこのご時世でもリアルに信仰もされるしな。看板としては最高だから宗教関係に狙われてるんだろう

 

名無し

守矢…

 

名無し

霊夢さま欠伸してる(笑) 

 

名無し

聞く価値無いって感じかな。

 

名無し

おい、カメラマン!野党のオバハンが話してるときに欠伸してる霊夢様をドアップにしてたら、野党のオバハンの台詞がより馬鹿らしい感じになるぞ!良いぞもっとやれ!!

 

名無し

もうこのまま霊夢さまのアップシーンだけで終わってもいい。

 

名無し

あ、ちょっと画面が退いた。博麗さまの近くの野党の言う被害者(?)の特地の面々が伊丹の悪口聞いて不機嫌な顔をしてる。オバハンの発言の的外れ感がさらに高まるww。

 

名無し

公開処刑だな(野党おばはんの)

 

名無し

此処からテレビでは自衛隊が悪いって放送にするのがマスコミさんですよ

 

名無し

お、ゴスロリ女子が動く。

 

名無し

あ、アナタおばかぁwwww

 

名無し

お、お嬢ちゃん!?

 

名無し 

霊夢さまが爆笑してる。

 

名無し

ゴスロリさまからの無慈悲な正論&正論!発言全否定!

 

名無し

難民の被害者からこう言われたら何も言えないよな。普通は

 

名無し

うわぁ反論できずに年上に対して礼儀知らずと怒ってらっしゃる。あのオバサン何時も年上の議員相手に何を言ってたか記憶してない?

 

名無し 

霊夢さまがさらに爆笑してる。

年上って笑ってる。どういうこと?

 

名無し

…ゴスロリさん年齢幾つ。

 

名無し

ゴスロリさんはどうみても十代だろ…

 

名無し

伊丹が説明してる。ゴスロリさんのお名前はロゥリイ・マーキュリー、お年は961歳?……え?

 

名無し

なるほど900は年上ですね!!(思考停止)

 

名無し

お隣のエルフさんは165歳……

 

名無し

う、家のバアちゃんの二倍……

 

名無し 

蒼い髪の娘は……15(ホッ)

 

名無し

ついでに言えば霊夢さまは14。

 

名無し

上と下の差が酷すぎませんかね!!

 

名無し

霊夢さまが一番年下なのに大物感は一番という……

 

 

 

ーーー

 

 

名無し

はぁぁ濃厚な国会だったな。

 

名無し

国会が最高のエンターテイメントって思ったの初めてだわ。

 

名無し 

だけどさ、霊夢さまへの質問が無かったのが悔やまれるよな。野党の奴等なんでこんな時に限って遠慮したみたいに霊夢さまに質問をしないんだよ。

 

名無し

まぁ弱い立場の奴なら好き勝手に質問できるんだろうけど…。

 

名無し

あの霊夢さま製の護符で幽霊が出たなら霊夢さま怒らせたら幽霊騒ぎが…ね。

 

名無し

チッ役立たずが

 

名無し

結局霊夢さまのお言葉殆ど聞けなかったなぁ。霊夢さま単独で記者会見とか開いてくれないかなぁ。

 

名無し

政府に嘆願メールを送ろう(名案)。

 

名無し 

送るか?

 

名無し

送るしかねーな。

 

名無し

やめた方がいい

 

名無し

合法ロリなゴスロリにエルフさん、特地には他にどんな夢のある存在が居るのか。

 

獣娘はいましたわ。猫耳はいい

 

名無し

獣娘は………見た?

 

名無し

んん?どういことだね。

 

特地について質問ありますか?

 

名無し

え、質問?

 

名無し

……もしかしてR氏は特地に行った事があるお人?自衛隊関係者さん?

 

名無し

また釣りだろ

 

名無し

特地に入れる人間の情報漏洩は下手しなくても仕事が首だぞ。

 

名無し

クビになる覚悟で情報漏洩なんてないよな

 

名無し

クビにならない立場とか?

 

名無し

イニシャル…もしかして…!?

 

※関係者じゃありませんわよ。ここに答えることは全部妄想なので本気にしたらダメです( ・∇・)

 

名無し

…今のタイミングで言う?

 

名無し

そ、そうですかい妄想ですかい

 

名無し

ネタか!ソッカー!

 

名無し

(これはどう判断すれば??)

 

名無し

妄想だって前提に聞けばいいんだよ!

 

名無し

Rさん特地の人達で何か面白い裏話ある?博麗さまの話しでもいいのよ。

 

R

オッケーオッケー

もう一度言いますけどネタですので

 

名無し

わかってます!!

 

名無し

オッケイ!ズドン

 

博麗霊夢さんは政府からブラック業務を請け負わされてた模様。幽霊騒ぎを起こしたお守りの作成で。

 

名無し

ブラック業務…

 

名無し

あの幽霊騒ぎの護符ね

 

名無し

与党分だけとしても相当な数、海外とかにも渡してるみたいな話もある…量はどれだけになるか。

 

名無し

作成者が霊夢さまだけだと……

 

名無し

ワンオペ…納期……ぅ頭が

 

名無し

政府の奴等!霊夢さまに何てことを!

一般売買は何時ですか!

 

名無し

おい。

 

R  

博麗さんはお守り欲しがる人を呪ってますわ。

 

名無し

の、呪ってるのかぁ

 

名無し

お守りの守りを貫通しそうな呪いが来そう。

 

名無し

本末転倒…

 

名無し

そ、それでも欲しいような……

 

R

求められたら真逆のお札を造りそうなので本気で止めといた方がいいですわ。

 

名無し

そ、そうなんすか

 

ブラック業務止めさせろって懇願メールを官邸に送ったら霊夢さんは感謝してくれるかも。 

 

名無し

ネタとわかってるけど……R氏、霊夢さまと結構近い位置に居る人?

 

名無し

この話題はやめよ。

あの三人の女の子についてに。

 

名無し

上のID がRと同じ

 

名無し

しっ!其処はスルーしろ

 

あの三人ともある自衛官のお手付きという噂が……

 

名無し

志ねええぇ伊丹いぃ!!!

 

名無し

イタミィ!!きさまは俺を怒らせた!

 

名無し

ゴートゥーヘル

 

名無し

はんのうしすぎww

 

名無し

は!!まさか博麗さまも!

 

名無し

そ、そんなことあるわけないだろ

 

名無し

な、ないない

 

名無し

ハハハ…あるなら自爆テロも辞さない

 

大丈夫、博麗さんは女の子好きですわ。

 

名無し

ほっ

 

名無し

ホッ

 

名無し

ほっ……いや!としていいのかwww

 

名無し

百合とかヤダパァーー

 

名無し

素敵…

 

名無し

これも発狂しそうな人も居るし深く掘り下げない。

 

R 

黒ゴスロリさんは地下鉄を怖がってる

 

名無し

あら可愛い 

 

名無し

あら可愛い……けど話題がいきなり変わったな。なんの話だ?黒いゴスロリって、ロゥリィってbb、娘の話?。

 

名無し

特地にたぶん電車なんて無いだろうし。初めて乗った地下鉄なら怖がっても仕方ない。

 

怖がってる理由は地下に自分を狙うガチ百合な人が居たから…。

 

名無し

電車関係ねー!!

また百合ネタか!

話題変わってないな!

 

名無し  

R氏、他のネタはない?

ヘヴィだから軽いのでもいい

 

R  

博麗さん+特地さんご一行、複数の国から狙われてる模様。少し前に起きた火災は特地さんご一行の行動を制限するための某国の仕業。

 

名無し 

軽いのって言ったろおお!?

 

 

名無し

?…じゃないから(震え声)

 

名無し

工作員の破壊テロ活動が軽い分けねーんだよなーー(白目)

 

名無し

ガチにヤバそうなネタをぶっ混むなよ!?いやネタなのわかってるけどね!

 

名無し

ちょ!本当に東京の駅近くで火災起きてんぞ!不謹慎なネタ、ネタだよな!?

 

R 

※私の発言は全部適当です。現実のこととは一切関係ありません。

 

名無し  

そっかーなら安心だな!!    

 

名無し

うんうん

 

名無し 

通報した……

 

妄想なので通報とかダメですわ!まぁこのスマホは別の人のなんで通報されても大丈夫何だけど

 

名無し

なんか怖さが余計に増してるんですが。

 

 

 

 

名無し 

R氏の最後のレスからわりと経ったけど大丈夫なのか?あれネタでなかったらヤバそうなんだけど。

 

名無し

関係者ならガチなお説教…。

 

名無し

説教で済むわけねぇ

 

霊夢さん+特地ご一行さま何を考えてるのか温泉旅館にてお泊まり。山奥とか他国に襲撃されやすいシュチュエーションのお泊まりが始まりますわー!

 

名無し

おおRはご無事で……ってまたスゴいのぶっ混んだ!  

 

名無し 

お、温泉かー。(ゴクリ)

 

妄想だけど温泉街とかに行くときは巻き添えに気を付けてくださいまし、銃撃戦とありそうですから

 

名無し 

え、銃撃?

 

名無し

日本で銃撃戦が起きんの?

 

名無し

深夜のドライブとかしたかったけど温泉街近くだから止めとこ。

 

特地の女の子が温泉に入ってゆったりタイム。綺麗どころばかりの貸し切り温泉タイム。BBAはいない!(肉体年齢的には)BBAはいない。見掛けは10代から20代のピチピチギャル(死語)ばかりですわ

 

名無し

おいごらぁぁ!行くなとか書いといてそんな事を書くなオラァ!その温泉地探しに旅立ったアホが絶対に居るぞ!死語の意味ってそう言う意味か!?

 

名無し

覗きは巻き添えになって氏ねって事では?

 

名無し

別に行っても良いんじゃね。どうせ日本でガチな襲撃とかないだろし。

 

名無し

フラグ立てんな

 

名無し

フラグ立ってもねぇよ(笑)

 

名無し

無ければいいんだけど…

 

 

 

R

少し前のコメントは見事にフラグとなりましたわ。お外から虫の音とパパパって銃声らしきものが聞こえますねー。

 

名無し

銃撃戦…?

 

名無し

ネタとしてもわりとこわいぞ!

 

警備の自衛隊の人達ガンバと遠くから応援しておきますわ

 

名無し

あんたの立場なんだよ

 

名無し

自衛隊の部隊VS 所属不明の武装勢力?

 

名無し

所属不明…所属不明(にしとかないといけない)

 

R 

あらあら警備が抜かれましたわ。

抜かれたというより見逃したと言うべきですわね

 

名無し

見逃した?

 

名無し

ネタにしても露骨すぎ。途中まで少しはリアル感もあったのに残念だよ  

 

名無し

ネタって認識でも怖いよ。

 

ロゥリイさん大ハッスル、敵を千切っては投げ千切っては投げ。斧でバッサバッサ無双。

 

名無し

は?なんで斧…?

 

名無し

ハイハイ、ネタ確定だな。あのゴスロリさんが無双ってゲームじゃ無いんだから。

 

 

金髪が煩いですわ。

 

 



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9話

 

休暇のつもりで観光気分で行ったイタリカでは色々あった。

そこは割愛して…

 

イタリカから戻ると伊丹が国会に呼び出された、護衛に伊丹の部下の人達と、参考人に特地の三人と、なんか着いてきたお姫様とその御付きの人、あと何故か私、日本にいるとわりと不味いって話で特地に送られたのに、自衛隊以外は女性ばかりな面子で特地から日本に戻ってきた。

 

三人は向こうでの証人、何で女の子ばかりって思ったけど、向こうの世界でもなんか女性ばっかりと会ってたような…う~ん普通に男も居たのにレレイの師匠のエロそうな爺以外に会話をした覚えが……あの師匠なんで連れてこないの?

 

国会に呼ばれた伊丹と証人の三人娘、私はなんで私も日本に戻るのかわからない。日本に帰るとどんな反応されるか嫌な予感はしたけど、護符作りから逃げられるって喜んだ。だってイタリカから帰ったら追加の紙が山ほどあったし。護符の代金貰えるみたいだし日本に戻ったらネットも繋がるだろうし買い物を…その前に最近どうなってるかも調べたりも…

 

国会に私も参加するとか聞いてないぞ伊丹のアホ

 

議会に一般人行くの辛い。

緊張でガチガチになった。

凄く暇だった。

 

国会に行くと最初は真面目に聞いたけど長々とつまらない話を聞かされて、昼寝をする議員の気持ちが実感としてよくわかった。

内容は右から左に聞き流して、野党のオバサンが盛大に自爆してたのしか思い出せない。

 

来れなかったお姫様が羨ましい。てか……私って国会に私が居た意味が無い。本当にない。質問も一つも来なかった。質問来るんだろうなって身構えてたのに私は何の話も振られなかった。質問責めは嫌だけど放置プレイも酷い。一緒にきた三人娘は名乗ったのに、私は自己紹介すらない。良いんだけど、なんの為に呼んだのか。

 

少なくとも国会で私の護符のせいで幽霊が見えたとか騒ぎが起きたとか聞いてたし、追及されたりすると思ってたのに、そんなに大した問題扱いでない?後でネットで調べようと思う。

 

国会の後はお姫様と合流して移動。

地下鉄で…他のお客さんも普通に乗ってる…普通護送の車とかじゃ。別に行くときも何も問題なんて起きたりはしてないのに何で地下鉄。

 

国会で私達が此方に来てるの確認できたから、工作員が本格的に動き出したんだって……。

 

これ私が狙われてる割合ってどれぐらい?

 

 

地下鉄の移動は途中下車。電車の行き先が燃えた。偶然の事故なんてあるわけない。素人でもわかるぐらい工作員がやらかした+内部の情報が漏れてる。だって行き先とか知ってる内部の人だけだし。で、何故か内部情報流したの私とか意味不明な疑い持たれた。

 

ネットに書き込みがあったって何のこと?ネットはやったけど、スマホ借りてネットはしてたけど買いたいもののリストとか、国会での幽霊騒ぎの時の反応とか情報収集するので手一杯で書き込みとかする余裕とかなかったし。そもそも根本的な話だけど目的地聞いてない。どうやって知らない情報漏らすのよ。

 

無実なのに泊まるところが燃やされたのとか私のせいにされかけた。で、実際には私でないから情報が何処からか漏れてる。残念だけど日本だと情報を隠せる方が驚ける。漏れてるなら他の所も危険。 なんで日本でこんな目に

日本に戻ってきたら今日泊まる所にも困る状態に成る。帰って来て直ぐ、良く日本に居たとき私は襲われずに無事だったんと思う。

 

余裕が出来たら神社に戻りたかったのに無理そう。お賽銭箱溢れてたらどうしよう。

 

「そう言えばなんで此方で泊まる必要があるの。国会終わったんなら直ぐに向こうに帰ればいいんじゃ?まだ残る理由ってなにかある」

 

「さぁ…向こうの皆とか特にお姫様に日本を体験させて友好的にさせたいとか?」

 

それ予想よね。まぁ伊丹(下っぱ)が知ってる訳もない。三人の方は良いけど、工作員に平然と活動されてる日本の弱味とか敵国のお姫様に知られるの良いの?あと泊まるとこどうすんの?

 

伊丹に当てがあるらしい。

 

そうしてきたのは……マンション。

 

どう見ても普通のマンション。

自衛隊の秘密の部屋とかあるの?

ちょっとワクワクする

 

ノックした。

 

 

「先輩!?」

 

中から出てきたの女性。

どう見ても一般人にしか見えない。

先輩って……学校のとか?

 

まさかの伊丹の元奥さん。

伊丹バツイチ。いや、ネットで知ってたけど見栄でなくて嘘でなかったんだ。元奥さんに先輩って呼ばれてるってなんだろう。生々しい。いかがわしい。

 

泊まる所をどうするのと思っていたら、伊丹の出した対策はまさかの伊丹の元奥さんの居るマンションにお泊まり。元でも奥さんいたの驚きだけど、厄介ごとに元奥さんを頼るのもあれだけど、マンションの一室にお姫様含めて多人数で泊まるのもだけど…

 

「おお!!モノホンの博麗霊夢!!」

 

すぐにわかるオタクらしい反応、オタクなら初めは伊丹みたいに話は合いそうな気はしたけど無理。オタクはオタクだけど腐海の方の婦人で無理。腐海だけは無理。

 

一番驚いたのまさかのオタク趣味の奥さん……泊まる代金に写真を散々に撮られた…伊丹の元奥さんだと納得できた。…わりと命の危険あると思うけど本当にそれで良いの?伊丹元奥さん巻き込んで良かったの?元奥さん全く危機感無さそうなんだけど…私は知らない。

 

「あ!それ見るのは!!」

 

作品を置いてあるのを見てしまった。漫画を描いてた博麗霊夢やら東方キャラを男性化…百合じゃなくてウッホな薔薇の楽園な幻想郷。博麗霊夢が良い男に改編されて、アベさんにしか見えなかった……ソッとその作品の横に私の撮影したばかりの写真を置いた腐人、サインをねだってきた…腐人の腹を叩いた私は悪くない。

 

泊めて貰った翌朝

「せ、先輩…お腹痛いんですけど…昨日いったい何が?」

 

「謝れと言うべきか自業自得と言うべきか悩む」

 

「なんですかそれ!」

 

一晩泊まらせてもらい腐った奥さんの宅を出た後、バラバラに行動、私は買い物行こうとしたけどダメだって仕方ないから買いたい物のリストを渡した。お金については護符の代金からさっ引くそう。安い中古品買いたかった

 

それから山奥な温泉旅館へ宿泊。

 

「おお!豪華な旅館だ」

 

人が一人増えてる。腐海の権化、じゃなくて伊丹の元奥さん。

 

「なんでこんな危ない所に来てるの?」

 

「え、危ないってなに!?危ないの!?」

 

本気で危険って認識なかったの。

そっちに驚ける。

 

「面子見て安全に見える」

 

異世界の女の子三人。

三人の内二人は権力者の夢の不老みたいなの。

 

魔法使いもいる。

 

異世界のお姫様とその従者

交渉相手として欲しい。

 

最後に私を見た。

 

「…おおふ。全く安全に思えない。というか!昨日も泊めたの相当に危なかったんじゃ。私ヤバイことに巻き込まれてた。先輩私ってここにいて大丈夫じゃないですか!?」

 

「大丈夫だろ…護衛も居るしここ人気が少ない山奥だし」

 

…ここって良いの?

 

昨日は普通に人気がある一般人の部屋で大丈夫だったけど、政府の紹介してくれた宿なのにむしろ昨日より危険なような、情報漏れとか一日で解決すると思えないし、襲撃しやすい場所に送られただけの様な…襲撃する側にとってありがたいんじゃ。人が居ない場所の方が堂々と襲えるし。

 

 

「先輩…帰っていいですか?」

 

「あーー…今帰る方がたぶん危ない」

 

まぁ腐人の部屋にガサ入れぐらい入ってても不思議でない。下手したら伊丹相手の人質、因みにガックリして崩れ落ちたのにその直ぐ後に旅館で温泉にゆったりと入ったり。豪華なご飯も食べたりと楽しんでた。神経が図太い。自棄?

 

 

宿でもう一人、私と同年代の驚く相手と合流して、ソロソロ寝ようとしたんだけど……案の定…襲撃されてるみたい。

 

「帰ればよかった…!!」

 

襲撃の音を聴いて奥さん項垂れてるのに何か余裕そうにみえる。流石は伊丹の元奥さんと褒め称えよう。

 

外の部隊の人が応戦中らしき音が聞こえる。襲撃で部屋の空気が重たい。すぐ動ける様に浴衣から巫女服に着替えることにした。それにしてもとっくに寝てる時間に襲われたから眠い。アクビが出た。

 

「神経がワイヤーロープで出きてるのかこの似非巫女は……」

 

伊丹が酷い。呆れた視線も腹立つけどお姫様と御付きの人の戦慄してるって感じなのちょっと腹立つ。外の人たちにこの二人を渡そうか少し考えてしまう。どうせ狙いは特地の人だろうし。まぁ私と宿で新しく合流したこの娘も狙われてるか。ホント割合にしたら何割ぐらい私なんだろ。

 

「あースゴいところに来てしまった…」

 

温泉で合流したある意味私のせいで此処に来た金髪。私と同じく東方projectのキャラと同姓同名の女の子。

 

『霧雨魔理沙』…に似てる女の子。

 

染めてない金髪なのに日本人だそう。純粋な日本人で東方なんて知らない。本人の話だと魔法も使えない。レレイもだけど年齢が近いせいか距離感が近い。まぁ他は年齢が離れすぎてるから消去法的に私の近くにいるんだと思う。

 

「な、なぁ霊夢これ大丈夫なのか?」

 

「なんで私に聞くの。戦闘の専門家が居るんだけど」

 

「それは、ほら…専門家の人達には聞きにくいし」

 

あてにならないって副音声が聞こえた。

此処に来るまでに充てに出来ないって何かがあった?

 

「な、何となくでも良いから大丈夫かどうか教えて欲しいな!」

 

元奥さんも加わってきて聞いてくる。元旦那さんに聞けばいいのになんで素人の意見を聞きたがるのか。まぁ他はピリピリしてるし聞きにくいか。

 

「まぁ大丈夫じゃない。護ってくれてる自衛隊の人達に任せとけ……………ロゥリィ辺りが頑張ってくれたら何とか成るわよ」

 

楽観的に言おうとしたけどダメそう。

 

「私が頑張るのぉ?」

 

「おい待て。自衛隊の人達どうなった!?」

 

魔理沙が揺さぶってきた。

元奥さんも魔理沙の発言に激しく頷いてる。

 

「突破されたぽいわねぇ」

 

「マジかぁぁ…」

 

私とゴスロリ以外の全員が固まった。

伊丹がすごく嫌そうな顔で溜め息をはいた。

 

何となくで言ったんでなくて銃撃が突然止んで人が近付いてる気配はあるからね。どう考えても自衛隊の人達の防衛が無くなって敵が近付いてるとしか思えない。

 

防衛してた自衛隊の人達全滅した…?

けど一斉に銃撃の音が無くなった様に聞こえたし。全滅と言うより、退避したって感じが……また銃撃の音がしてきた。

 

これ自衛隊の人が戦ってる訳でもなさそう。

 

「なんか色んな言語が少し聞こえてくるな」

 

「あー襲撃に来てるの1つの国だけって事は無いだろうからなぁ」

 

全世界から来てても可笑しくないからね。

つまり襲ってきた相手が鉢合わせ。

私たちという獲物の取り合い。

 

「各国入り交じった大乱闘?」

 

「私らその大乱闘の景品か優勝トロフィーかぁ…」

 

このまま他国同士で勝手に潰しあって全滅してくれたら良いんだけど。其処までは都合よく成らないか。上手いことタイミングを見て逃げないと…って思ったのに

 

「うふふふ……もう我慢できなぁい!!」

 

「あ、ロゥリィ」

 

ハルバートを持って突撃してった。イタリカが襲われてた時もそうだけど、ロゥリィって性癖なのか亜神の特性のせいなのか戦闘が起こるとバーサーカみたいな暴走モードになる。一人で突撃してく……不死身らしいし身の安全は心配する必要もないんだけど。

 

隠れながら外の様子を見てみると…別ゲーしてる。

 

ロゥリィが一人だけ別世界な戦闘をしてる。相手がヤラレ雑魚みたいに蹴散らされてる。無双してるし銃弾がたまに当たっても効いてない。ロゥリィに任せとけば何とかなりそう。

 

「一人では無理」

 

ロゥリィ一人に任せたら大丈夫と言ったらレレイがそう言った。

 

「来るぞ!」

 

ロゥリィ普通に抜かれてる。まぁロゥリィへの対策って相手にしないだけでも何とかなるわ。抜けた工作員には伊丹たちが応戦。銃弾がたまに私の近くにまで飛んできたりしてる。人数的に向こうが有利、そのわりには攻撃が少ない。遠慮がち。まぁ此方を生きて捕獲しなきゃいけないから向こうも盛大にはできない。全滅させて良いならロケットランチャーとか撃ち込んできそう。けど時間を掛けたら包囲されて捕獲されそう。

 

袖を引っ張られた。

 

「……な、なぁ……そんなのんびりしてて大丈夫なのか。霊夢も戦った方がいいんじゃないか?」

 

私が戦うの?

 

「一般人に戦闘とか無理」

 

「…霊夢さんや、銀座事件でなにやってたのか覚えてないのかな」

 

伊丹の元奥さんがなんか言ってる。

 

「…其処の心臓に毛でも生えてそうなの、のんびり喋ってないで逃げる準備をしてくれ。完全に包囲される前に急いで突破するぞ」

 

外に向けて銃を身構えてる伊丹がそう言った。神経の図太さなら冗談抜きに伊丹がナンバーワンだと思う。

 

「了解、じゃあ私とコイツは空から逃げるから後で合流しましょう」

 

この金髪については此処にいるのは一応は私の責任みたいだしね。優先的に助けておきたい。レレイと元奥さんも連れていきたいけど…

 

持って飛んで運ぶとしたら…

 

「レレイはともかく元奥さんは体重が…」

 

私より何十上?

 

「え、なに何でいきなり私の体重の話??あ、言わないで心が死ぬこと言われそうだから!」

 

さっき成り立ての幽霊の人から聞いた情報。不幸中の幸いな情報と普通に不幸な情報。敵の数が予想より多そう。オソロシア…特ア…やっぱり1つの国でなく複数の国から工作員が来てる。沢山の国の工作員が此処に結集してる。言い換えると日本の防諜はガバガバ。まったく私達隠せてない。やっぱり私達襲われるために此処に送られたんじゃ?

 

それと工作員同士で大乱闘してるのも間違いでなかった。

 

此処までは予想通りだけど……日本政府が私達を見捨ててる。政府取引で自衛隊を撤退させたのに他の工作員に殺されたと怒ってる某お米の国兵士の幽霊がいた。突破されたと思ってたら日本は政治的な取引で防衛部隊を撤退させてた。ファッ◯ユー。教えてくれたアメリ◯ンな幽霊の言葉が移ってしまってた。

 

味方が後退したって事は日本なのに孤立無援、伊丹にも連絡はあったみたい。

 

「はぁ……閣下の話通りになったか」

 

ん?もしかして防衛してた人達の撤退も元からの予定通りだったの。

 

「俺たちだけで突破する。準備は良いか」

 

「準備はできてます。既に全員に配ってあります」

 

全員に配ってる?

奥さんとか魔理沙も頷いてる。

頷いてないの私だけ…

私なにももらってない。

 

「伊丹、私何も貰ってないんだけど」

 

「霊夢は持ってるだろ自分の護符なんだし」

 

「護符?」

 

それって私の作った護符?。

レレイと魔理沙が護符を見せてる。

 

「うん護符でどうするの」

 

「どうするって普通に正面突破するだけだけど…」

 

シレッと凄いことを言ってる。

伊丹って頭バーサーカだった。

 

「伊丹、神風特攻とか見たくないんだけど」

 

「いやいや!!なんでそうなるんだよ!」

 

「護符頼りに突破するってそうとしか聞こえないんだけど?」

 

「護符の守りがあるから並大抵の武器なら大丈夫なんだよ」

 

「大丈夫って、現代兵器相手だと護符なんて紙ぐらいの役にしか立たないとおもうんだけど」

 

剣とか槍とかなら何とかなったけど銃とかは無理でしょ。

 

「作った本人が過小評価しすぎてる……」

 

なんで私が呆れた顔をされなきゃならんのか。

 

「実際に実験した事だけどな、手持ちの兵器ぐらいの攻撃なら霊夢の護符で大抵防げるの確認されてる。直近で手榴弾の爆発を受けても無傷で済むそうだ」

 

「嘘でしょ」

 

「こんな時に嘘つかねーよ」

 

手榴弾いけるの。それならなんとかなる?生け捕り目的だろうから大火力なんて先ず無さそうだし………まぁ何とかなりそう?本当に私の護符がそんな強力で護符の効力とかが途中で切れたりしなきゃ。効力ってどれぐらい続くんだろ。調べた側が大丈夫だと思ってるなら切り抜ける時間ぐらいは大丈夫なの?

本当にそんな護符って効果そんな高いのか半信半疑。私責任とかとらないわよ。

 

此方の戦力は無双キャラな不死身のロゥリィと、もし話が本当なら護符を装備して無敵モードな自衛隊。本気で危ない場合は私も出るつもりがある。……向こうが完全に殺すきにでもなるか人質でもとられなきゃ大丈夫、大丈夫?私は知らない。

 

「納得したか。なら行くぞー」

 

伊丹の声におーっと返事をして出発。敵の包囲から抜ける号令と返答。すごくユルい。

 

で、どうなったか。

 

本当にほぼ正面突破しただけで特に印象的な事も残ってない。ヘリが来たりしたっけ…

 

温泉旅館があった方を向き朝日がのぼる空を見ながら、綺麗な景色に余計なモノ(襲撃者の幽霊が来てるの)も見えた。無駄死にって感じで逝ってしまった襲撃犯の為に祈る。怨霊退散。悪霊退散。大人しく逝け。襲ってきた相手の文句とか遺言なんてどうでもいい。今回は明確に襲われたから厳しいめの対応をした。

 

「さてと」

 

「霊夢、朝ごはんらしいぞ」

 

魔理沙が呼んでる。

服が浴衣から変わってる。着替えた服を見て……

 

「うわぁー……」

 

「ドン引きした声って酷くないか!?そんなに似合ってないか」

 

「むしろ似合い過ぎてる?」

 

黒と白のエプロンドレスに大きな黒い帽子。

魔女の宅急便に出てきそうな箒。

 

「その服と箒って」

 

「政府のお偉いさんがくれたんだぜ」

 

それ私の服を巫女服に強制した変態大臣よね?そう言えば伊丹の話し方的に知り合いって感じだったような……知り合い…類は友を呼ぶ。

 

 

この服装になったら完璧に【霧雨魔理沙】に見えて似合いすぎてて不気味。

 

どうでもいいことだけど此処は風が強い。

 

ビュオオオ!!

 

一際大きな突風みたいな風が吹いた。

私は押さえれた。

魔理沙は間にあわなかった。

 

盛大にスカートが捲れ上がった。

 

「……」

 

中は……ドロワーズでない。

真っ赤な顔をした魔理沙は乙女だと思った。

 

 

 

 

 



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10話

 

 

私は日本人だ。両親も黒髪黒目の純日本人、けど何代も前の父親の血筋に外国産が混ざってて私の容姿はアレだ。金髪に琥珀色の瞳、容姿は日本人の遺伝子が頑張らなくて日本人要素が無い。まぁこんな特徴だからオヤジは母さんの浮気を疑って遺伝子鑑定までした。遺伝子鑑定付きの日本人である保証が私にはある。

 

保証があっても他と同じ日本人と思われないけどな。

 

容姿でイヤなことはまだある。容姿が違うから仲間外れにされたり嫌がらせされたりもした。苛めもあったりした。反撃したりもした。反撃しただけなのに不良みたいな扱いで遠巻きにされて親しい友人も出来ない。まぁ小さい頃からそんなだから嫌でも慣れる。両親も家庭も普通、容姿であれなぐらいで特別不幸って言う程でもないと思う。退屈に思うぐらい普通に暮らせてきた。

 

扱いが他と違うのは慣れたけど謎な事もある。

 

なにもしてないのに泥棒扱いとか、

魔法使いとか、

 

容姿と名前のせいだけど意味が解ったのは

私が中学も二年になった頃。

 

日本で起きた世界的な大事件、

 

銀座事件が起きた後だ。

 

銀座事件、最初は事件のニュースを見て映画の宣伝だって誤解した。そら映画と思うだろ。

 

本当に起きた事件だと判ると私は現実をぶっ飛ばしたこの事件に…すっげーー不謹慎なんだけど、正直言えば興奮した。ワクワクした。嫌なことが多い退屈な世界が変わりそうな気がして。野次馬みたいに他人事として楽しめると思ってたんだよな。

 

他人事でなかった

事件以降に何故か私を見る鬱陶しいイヤな視線が増えた。

 

何でだと思った。

 

 

顔色を悪くした両親が教えてくれた。

ニュースで流してない銀座事件で映ってた英雄のせいだ。英雄は二人いて一人は中年の伊丹って自衛官、もう一人が私と大体同年代ぐらいの女子。

 

両親が私が見られてる原因と言ったのはその少女の英雄。

 

その少女の事は映像は見たことがある。生身で空を飛んだり光の珠で襲ってる奴等を倒したり、銀座事件の映像では一番凄かった。

 

聞いて私に何の関係があるんだ?って思った。

 

何の関係が有るんだって首を傾げるしかないよな。次にネット検索である作品を見せられた。

 

東方projectって作品。

 

その作品の博麗霊夢ってのが銀座の英雄の少女と特徴が同じ。で、その東方の登場キャラに…

 

『霧雨魔理沙』

 

初めて両親に見せられた時は、肌がゾワッてくるぐらい私と同姓同名で容姿の特徴が一緒。魔法使いで泥棒みたいな事をしてるキャラ。泥棒とか魔法使いとか言われてた理由はこれか!!って思わず叫んでしまった。

 

うん、初めは両親がこのキャラを真似て名付けたと思ったよ。けど東方projectの霧雨魔理沙は、銀座事件の後でオヤジの会社で私の事が騒がれて知ったんだと。

 

嘘ついてるとも思えない。

けど偶然なのか?

どんな偶然だ。

 

容姿に名前の漢字まで偶然同じって何桁の確率になるんだ。日本人で金髪なの遺伝子のイタズラなのか。なにか得たいの知れない恐怖を感じた。

 

恐怖は感じた。

それより腹が立った。

 

『霧雨魔理沙』コイツのせいで最近の被害は被ったって思うとな。泥棒とか魔法使いとかの頃はまだ良いよ。銀座事件の後は吐くぐらい気持ち悪い視線を向けられたのは我慢できるか!!……あと、嫉妬だよ。羨ましいと思って腹が立った。

 

『霧雨魔理沙』ってキャラはあの銀座事件で活躍した博麗霊夢の隣に居られる様なキャラだ。

 

『霧雨魔理沙』と名前は同じ。容姿も同じ。なのに『霧雨魔理沙』の様に魔法なんて使える訳がない。前はそれについて思うことなんてなった。思うことがあるわけない。私は特別じゃない普通なんだって

 

銀座事件の博麗霊夢が『博麗霊夢』みたいに力を使える。私も霧雨魔理沙なら『霧雨魔理沙』みたいに魔法が使えるんじゃないかと思ってしまうよな?

 

使えないなら…まるで私が擬きやら劣化品の様な感じに思えるし嫌だよな。

 

魔法を使いたい。魔法が使えないなんて理屈はあの門が出てから消えてる。それで魔法が使える様になる為に、手始めに魔法の使い方をネットで調べた。主に海外の魔法を調べて頑張って翻訳した。

 

まぁどれも使えなかった。

 

いや!当然だよな!!ネットで調べられるレベルで魔法が使えるなら世界中で魔法使いが現れてるよなって、気付いてから自分のバカさ加減に頭を抱えたなぁ。

 

魔法を知る宛が無い。早々に手詰まりになった。魔法使いなんて身近に居るわけないし。どうやったら魔法が使えるんだろうって悩んだ。

 

それでふと思った。 

 

地球で学べるって考えがダメなのか。そもそも魔法が有るって根拠は、あの門の向こう側の特地と博麗霊夢なんだ。博麗霊夢も特地に行ったって報道があったしどっちも特地の側だ。なら魔法を覚えるには門の向こう側に行くべきだろ。思いったったら吉日って言うよな。両親に魔法を学びに特地に行ってくるって伝えた

 

うん精神病院に連れてかれた。

 

精神病院にぶちこまれかけて冷静になった。身の危険を感じてたからってもう少し冷静になるべきだったな。

 

身の危険をヒシヒシ感じてた。

 

銀座事件以降にさ…ヤバそうなヤツが近くに現れるようになった。誘拐されかけたなんて事も何度もあった。防犯ブザーか痴漢対策のスプレーがなかったらどうなってたか。

 

博麗霊夢が現れて、私が『霧雨魔理沙』に似てるからだよな。

 

魔法が使いたいって思った理由の半分は霧雨魔理沙なら魔法が使える様に成りたいってものあるけど、大半は自己防衛の為だ。

本当に切実に魔法が使えるようになりたいと思ってる。変態とかじゃなくて本職みたいな人間を見掛ける様になったからだよ!

 

 

そんな時に政府の人が声をかけてきた。政府の人も監視してたらしくて、他国の工作員が誘拐に動くかもしれないから国が私を保護してくれるんだってな。

 

まー拒否って選択はないよな。

…断ったら拉致される未来しか見えないしよ。

ありがたく保護を受ける事にした。

 

それから少しの間は政府の用意してくれた隠れ家で大丈夫だったんだけど、私の隠れ家に用意された所の情報がバレたりして、短い間に何度も住む場所が変えるはめになったりした。

 

毎日が誘拐されるかもしれない恐怖との隣り合わせだ。そんな神経をすり減らした生活にまいってると、温泉旅館に行き着くことになった。

 

其処で……まさか、国会で久し振りに映ったアイツ、博麗霊夢と合流するなんて夢にも思っても見なかったよ。

 

 

博麗霊夢、悪く言えば私の生活を壊した元凶で、少しも恨んでないと言ったら嘘になる。本人に会えば恨み言の1つや二つは言いたいと思っていた。だけど実際に会うと不思議と…恨み言は思い浮かばなかった。

 

アイツは博麗霊夢は霊夢は、動画で見るよりなんと言うか綺麗で存在感もデカくてもうなんか凄かった。これが本物だって思ったけど、本人は私みたいに東方projectの『博麗霊夢』と別人だってさ…別人か…別人だと思えないけど……もし本当に別人なら嬉しい。  

 

別人なら私と同じってことだしな。同類に会えたような気がして、一人じゃないって思えて、色々と不安な状態だったから、その、思わず泣いて抱き付いちまった。 

 

で!!霊夢はそんな私を心底鬱陶しそうに扱った。扱いが雑、雑に扱われてる感じだけど気遣いされてる感じもあって霊夢は優しいと思えた。合流してから私は霊夢の傍にずっと居た。霊夢と仲良くしたいってのもあるけど……他の奴等が怖いって理由もあった。

 

自衛隊の人達はまぁいいよ。なんで居るのかわからない銀座の英雄の奥さんは…普通かな、だけど銀座であんな虐殺した世界の奴等を平然と受け入れられるか。特に襲ってきた国の皇女さまが居るってなんだ!霊夢から教えられてビビったぞ!

 

皇女さま含めて特地の奴は女が五人。しかも若い綺麗所ばかり。なぁこれ。懐柔狙いかハニートラップだろ。まさか特地には男が居ないとか偶然綺麗な女だけになったなんて無いよな?

 

霊夢が言うには、皇女さまと女騎士はどうか判らないけど、他の三人は敵側じゃないらしい。

 

信じられるか?

 

皇女さまとかは論外として、他の三人もな。霊夢の言葉は信じたいけど信用とか直ぐには無理かな。私と同年代ぽい蒼い髪のヤツが霊夢と話してると割り込んできて気に食わないし。

 

信用できるなら魔法とか教えてもらいたいんだけどなー。エルフ、黒ゴスロリ、青髪のペッタン子、三人とも魔法使いぽいよなー。

 

エルフはまんま魔法使いの定番。蒼髪も…まぁ魔法使いぽいな。そして黒いゴスロリはデカい得物、アレをあの体格で振り回すの無理だろうし魔法使いの杖みたいな物と見た。

 

黒ゴスロリは国会で年齢とか凄い。長命そうなエルフは種族的なモノとしてゴスロリの方は人間にしか見えない。魔法で不老になってるとかだよな?私の推測では黒ゴスロリが一番魔法使いの可能性が高い。私の鋭い観察眼が間違いないと言っていた。ホント信用出来たら魔法について聞きたい。魔法使いたい。身の安全ほしい。

 

けど霊夢の傍だと危険を感じないな。霊夢の傍だと何か安心する。安心できる。安心すると温泉に入ったり食事をしたり久し振りに心から楽しめて、ゆっくりと出来た。霊夢みたいに安心させてくれる奴が隣に居るって本当にありがたいよな。…安心してるのに…なんかドキドキというか変な緊張をしてるような。

 

ただそんなのんびりする時間も数時間で終了。霊夢の言葉でな。

 

「伊丹、面倒なお客さんが来てるみたいなんだけど?」

 

軽い感じの口調で危険なんてまるで感じなかった。伊丹の旦那の次の言葉を聞くまでな。

 

「お客、なんの…襲撃来たのか!」

 

「「襲撃!?」」

 

私と伊丹の奥さんだけ声に出して驚いてた。

他のヤツは大体困惑してた。

ゴスロリだけ笑ってて怖かった。

 

襲撃きてるのか?

霊夢ってどうやって気づけたんだ。

 

霊夢の発言を信じたみたいに自衛官の人達やら全員が周りを警戒してる。何か信用できる実績でもあるのか?

 

襲撃なんてたるのかね。宿の外は虫の音が聞こえるぐらいに静かだし。襲撃されてるって言った当人の霊夢が平然としてるし。襲撃なんて本当なのかって疑ったけど……銃声が聞こえた。

 

「確実に来てるなぁ…総員戦闘用意」

 

「了解」

 

自衛隊の人等がテキパキ動いて戦闘が起きるんだって実感ができた。体が震えた。

 

「ふぁーー…」

 

間近に聴こえた欠伸に体からドッと何かが抜けた。伊丹の旦那が神経がワイヤーロープとか言ってたのには頷くしかない。

 

いや仮に私に霊夢みたいな力があっても欠伸とか無理だ。感性から常人と違うって感じた。私と同じただの中学生とかないだろ。まぁそんな霊夢が傍に居るお陰で危機感はあんま感じなかったけど…感謝した方が良いのか?

 

外から聞こえてた銃声が止んだ。

安全になったのかと思ったら

 

霊夢とロゥリィって奴が護衛が突破されたって最悪の現実を教えてくれたな!!

 

ロゥリィが飛び出して外に突撃していった。なにしてんの!?って思ってたら、悲鳴が聞こえて暗くてよく見えないけど木が倒れてるのが見えた。それとアイツがあの得物を振り回りしてるの少し見えた。

 

いや、なにあれ…アイツ人力で木を切ってんだけど!!魔法タイプじゃなくて物理タイプかよ!!エルフもアーチェリーでヘッドショットとか決めるしコワ。エルフで弓は変じゃないけど此方も物理タイプか!!魔法、魔法は??

 

護衛の自衛官の人達は撤退したらしい。

笑えないよな!

 

始めさ…守ってた自衛隊が退却したってなんだよ。私たちは見捨てられて絶体絶命のピンチに陥ったと思ったんだよ…後の光景を見たら…自衛隊の人等も退却して問題ないと思ったんだな!襲ってきた側に同情することに成るなんて思いもしなかった。

 

自衛隊の人達可笑しかった。

私も渡された霊夢の護符。

 

護符で国会で幽霊騒ぎを起こしてたのはニュースで見たけど、霊夢本人は護符なんて宛に成らないとか言ってたのに、銃撃されてる所を真っ正面から突撃して無傷で勝ってやんの。どうみても銃弾が当たってたぞ。霊夢がドン引きしてた。そら効かないって思ったとしても自分から突っ込むのは可笑しいだろ。いや霊夢の護符のせいだよな?

 

私も腕とか足に当たった感じがしたのに無傷だった。

 

敵中突破で完全に相手が逃げてた。少なくとも霊夢が飛んできたヘリを撃ち落とした時には完全に逃げてた。ヘリ襲ってきてヤバイって無双してた自衛隊の人も騒いでたのに……打ち落とすって

 

現代兵器相手でもヤバイよな霊夢。

『博麗霊夢』ってこんな凄かったのか?

…比較されるかもしれない立場の私

 

襲ってきた側が悲鳴を上げて逃げてた。モンスターパニック映画のモンスターに襲われる犠牲者みたいになってたぞ。ヘリも撃退して真っ直ぐに包囲を抜けた。わりと絶望的な状況だったと思えたのにアッサリと…。

 

包囲を抜けた後に朝になると政府の人達がきた。アッサリと抜けれたけど…一時は見捨てられたんだよなぁ。ロゥリィが居て幾ら銃弾が無意味な護符があってヘリを軽く打ち落とせる霊夢が居たとしても………見捨てられたって思えなくなるな。過剰戦力だから放置されたって感じになるな。

 

浴衣だし自衛官の人が持ってきた服に着替えることにしたんだけど、この着替えを用意した奴はなんだ?アホか?バカか?変態か?偉い人が用意したって何だよ。霊夢と有る意味でお揃いだからって文句を言わずに着た私も馬鹿だぜ…。

 

安全のために特地に行くことになった。銀座を襲ってきた奴等の世界に安全の為に行くってなんだろうな。

 

異世界とか恐ろしい。

けどドキドキもする

 

世界中で注目されてる謎の世界に行けるんだから仕方ないだろ!

 

ん?自衛官の人がきた。

胸大きいな。

 

「博麗さん、頼まれてた荷物届いたみたいです」

 

霊夢は何か注文してたのか。何を頼んだんだろ。代金はあの…素人目にもヤバい護符の代金で頼んだそうだけど、物欲とか薄いイメージを勝手にしてたのに荷物が大量だ。なんなんだ?霊夢は何を買ったんだ。護符みたいな凄い何かを作る材料とかか。

 

「なぁ霊夢どんな荷物頼んだか見ていいか?」

 

「別に構わないけど」

 

良いのか。本人の許可も貰ったし遠慮無く見させてもらおうか。

 

「ん?霊夢に霧雨ちゃんか」

 

何でか疲れた様子の伊丹の旦那がいた。

 

この人って銀座の英雄。なのに霊夢が言うには重度のオタクらしい。ロリコンかもしれないから気を付ける様に言われた。…私の事をジッと見てきた。防犯ブザーを使うべき時か。

 

「俺を見て握りしめられた防犯ブザーは心にグッサてくるから止めてな!その服注目しないの難しいだろうが」

 

あーこの服装見てたのか。

それは仕方ないか。

 

「で、なにしにきたの」

 

「霊夢の買った荷物を見せてもらうだけだよ」

 

「そっか、霊夢の荷物を……霊夢の?……え、ちょ!待て止め!止めるのだ!」

 

伊丹の旦那は何をあんなに焦ってるんだ?ヤバイのか。そんなヤバイ物なのか?余計に興味が湧いてきた!

 

ドレドレ何を霊夢は買ったの……か……な?

 

 

…………え?

 

 

え?る??!!!!???????

 

 

 

「マリサァァォちゃーん!!れ、霊夢、お前、18禁モノは駄目だろ!!」

 

 



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11話

名無し

……

 

名無し

…………

 

名無し

………

 

名無し

………(/ω・\)チラッ

 

名無し

初手無言の始まり

 

名無し

絶句してるって事だぞ!

 

名無し

少し前に…特地の御一行が銀座の門を通ったよな。帰っていったよな

 

名無し

なんか……えっと……書き込む言葉が見付からないと言うのか。特地に帰る霊夢様は本当に現れたけど………とんでもなかった。とんでもなかった…あかんねん。あんなん。あれはモザイク必至やねん。

 

名無し

うえぁぁああ!!霊夢様を見れるって折角全裸待機してたのにぃ!!!なんか変なの見たぁぁ!!

 

名無し

鏡に写った自分でも見たの。

 

名無し

ネットでだよな?現場でないよな?全身コートで足元が生の怪しい奴が居たけどお前じゃないよな?

 

名無し 

まだ全裸者の方がマシだーー!!何なんだ先頭きってたあの二人は!

 

名無し

まさか自衛官が特地の人達よりも目立つとは…

 

名無し

勇気ある二人に敬礼した。

 

名無し

勇気ってなにさ

 

名無し

大事な何かを捨てること

 

名無し

そんな勇気いらん

 

名無し

あの二人の内の片方って銀座の英雄の伊丹二尉その人だよな。なにしてんだアレ……まさか趣味で

 

名無し

いやいや、いやいや

 

名無し 

伊丹二尉って、オタク自衛官ってのは有名だけど…本人の荷物?

 

名無し

無いだろ!自衛官としての仕事中だろうし!!

 

名無し

あんな私物を仕事中に持ってたら問答無用に首にされるわ

 

名無し

実はプライベートだった?

 

名無し

し、仕事中でなくてもあれは…隠さな…

 

名無し

晒し者…

 

名無し

くそ!何にしても伊丹のせいで霊夢さまの生写真が汚された!!何でどうやっても写る所に居るんだ!可愛い猫柄の箱を持ってて脳汁出るぐらい可愛かったのに!!

 

名無し

なんやねんあの二人は自衛官が公にあんなの持っていいんか。

 

名無し

どう考えても批判とか抗議が行くよな。誰も止めないっての不自然過ぎる。なにか意図があるのか?

 

名無し

どんな意図があってもあんなの許されんわ!

 

名無し

野次馬を遠ざけるために……

 

名無し

数時間前のRの証言かよ

 

名無し

証言?

 

名無し

妄言はどうでもいい

 

名無し  

Rってどなた。

 

名無し

Rってアレだろ工作員の話とか、博麗さま達が温泉街に行ったとか妄言を流したヤツ。

 

名無し

妄言…

 

名無し

あれって地元住民の証言もあってガチぽいんだけど、また何か言ってたのか?

 

名無し

霊夢さま達があの日にあの門の向こうに帰る情報あっただろ。

 

名無し

あったな。ネットの色んな所で情報書き込まれてたな

 

名無し

変だとは思わなかったか?

 

名無し

なにが?

 

名無し

政府が秘匿する必要のある情報が出たの普通じゃないだろ。

 

名無し

政府の情報漏れる…普通では?

 

名無し

お漏らししてない方が驚ける

 

名無し

悲しいけど情報管理がガバガバだもんよ

 

名無し

スパイが国会までフリーパスやで

 

名無し

い、いや!アレッて某国の工作員が意図的に広めた情報らしい。

 

名無し

なんで工作員が漏らす必要があるのか

 

名無し

人込みを意図的に造って誘拐…とか?

 

名無し

いやいや人込み出来てもあんな所で誘拐って相当に無茶あるだろ

 

名無し  

無茶やる国がお隣に…民間人巻き添えにして大混乱を起こして誘拐ぐらいは平然とするぞ。

 

名無し

お隣の国がやった事にして、ってパターンもあんな。

 

名無し

うぇ日にちが出てたの外国の思惑だったか。

 

名無し

下手したら騒ぎのために氏んでたんだぞ

 

名無し

ニュースでやってたし政府からマスコミに漏れたと思ってた。

 

名無し

政府からマスコミに漏れたでも正解かもよ。政府からマスコミに漏れたら工作員に漏れたも同然……

 

名無し

それマスコミがアレッて意味ですね

 

名無し

よけい最悪じゃねぇか!!

 

名無し

人混みの中で誘拐される可能性がある。

自衛隊も可能性を把握してたはず。

誘拐犯が紛れてるかもしれない野次馬は絶対に近寄らせたくない。

 

名無し

話を戻して伊丹の荷物。

 

名無し

まさかあの二人の荷物は人避け!??

 

名無し

いや、警護を強化して野次馬を近寄らせない様にしたら良いだろ

 

名無し

あの時の野次馬の数とか知ってるか?

 

名無し

警察とか道を確保しようと頑張ってたけど無理だったよ。

 

名無し

強硬にやれよ。要人を守る気ないのか

 

名無し

で、強硬にやったらバッシングすんだろクソヤ○ウ

 

名無し

野次馬の人等から自発的に避けて貰うのにあんな荷物持ってたってことなんか?いや確かに効果はあったんやけど……

 

名無し

あんな荷物を持ってた理由は一応はわかったけど手段が酷すぎ(笑)銃を向けたりとかするよりはマシだけど。 

 

名無し

確か…に?銃よりはマシ…マシなのか?

 

名無し

あの二人…あの荷物を持てとか命令されたんかな。公衆の面前であんな荷物を持って歩かされるって…

 

名無し

あんなモロに18禁みたいな作戦より他に手段あったろ!?上手くいかない可能性もあっただろうし。 

 

名無し

一か八かやってみた。

 

名無し

もしかして伊丹氏って嫌われてる?

 

名無し

銀座事件で一人だけ英雄扱いされてるの不満もたれてんのかな。

 

名無し

それありそう

 

名無し

国会で霊夢様筆頭に可愛い女の子たちが傍にってのも…

 

名無し

銀座事件でだけど、目撃者の話だと元から霊夢様と伊丹は知り合いだったみたいな話も有るんだよな

 

名無し

マジで

 

名無し

それは嫉妬される

 

名無し

嫌がらせ受けるなんて可哀想…(ざまぁ) 

 

名無し  

苛めいくない(笑)

 

名無し

本音漏れてるぞ。まぁ状態が主人公ハーレムだし妬みも仕方ない。

 

名無し

妬んでも嫌がらせは良くない。

 

名無し

命令した側は後で怒られそう。

 

名無し

なぁそれよりさ、なんであの話題出さないん?

 

名無し

あの話題?

 

名無し

いやほら!!霧雨魔理沙ぽい娘が居たの!

 

名無し

ん?…え?。

 

名無し

霧雨魔理沙はいたね。たぶん

 

名無し

何人か見たな。

 

名無し

うん現場に東方コスプレのヤツがいっぱいたし別に居ても言うことでない。

 

名無し

いや違うって!博麗霊夢のうしろに居たしただのコスプレイヤーと絶対に違う!

 

名無し

博麗さまの後ろに??

 

名無し

あーホントだ!

 

名無し

なんで気づかなかったんだろ

 

名無し

れ、霊夢さまに眼が釘付けになってたから

 

名無し

これ、一緒に居るってことは… 

 

 

 

 

 

「ようやく帰って……戻ってきた」

 

特地の方に戻ってきた。

 

はー疲れた。日本だと伊丹の奥さんからの撮影会やら国会に出たり、襲撃されたり、変な冤罪掛けられたり大変だった。

 

あの温泉の後は特地に出戻り。家に一回も帰れず。ご機嫌とりの為か買ってきてくれると言われた。遠慮なく代わりに護符の代金として色々と注文した。一部年齢的に駄目だとか文句もあったけど……温泉宿で一時見捨てた事についてと…アメリカンな人による幽霊騒ぎリターンとか言うと速攻で買ってきてくれた。

 

「……もう自分の荷物を持てよ」

 

伊丹が紙袋を首と腕に下げながらそう言った。袋の絵柄は……袋から飛び出す女の子のフィギュア。あんなの頼んだっけ?というか何で剥き出しの状態で?

 

「別に私が持ってもいいんだけど……」

 

元から自分のその手の荷物を人に持たせたくないし持つつもりはあった。 

 

「ダメです。こんなの持ってる博麗霊夢の姿とか見たくないです」

 

って伊丹と同じく荷物を抱えた倉田さんがいう。等身大の女の子のフィギュアを持つ姿がダメな意味でよく似合う。因みに私はこの倉田さんから小さな猫の絵柄の可愛い包みを持たされてた。

 

「……俺も自分がこんなの持ってる姿とかイヤなんだけど?なんでこんな事に?俺のハートがブロークン」

 

「隊長、台詞が気持ち悪いです。ただでさえ見かけでキツいのに」

 

栗林さんが容赦なく言った。

無慈悲な追い討ちに伊丹の目尻に光るものが。

倉田さんは家族とか見てたかなーと遠い目をしてる。家族…

 

「ま、まぁ二人のその姿のお陰で……門に続く人だかりがモーゼの様に開きましたしね。安全に門まで抜けられたので結果オーライでしょう。過激な行動も予見されてましたし本当によかった」

 

とフォローする桑原さん。言葉は良いけど目を逸らしてたらダメだと思う。モーゼって随分と良いように、ヤバい物から離れるって感じだった、黒い虫をみて避けるみたいな

 

物凄い人だかりだったのに、伊丹と倉田さんが前を歩くとサァァって人が離れっていった。

死んだ魚の目をして等身大の女の子のフィギュア等を持った自衛官二人が向かってきたら逃げるわ。私でも逃げて通報する

 

それにしても

 

「…………」

 

魔理沙がフリーズしたみたいに放心したまま。伊丹のせいか。それかいきなり未開の世界に送られる事になったショックで…

 

「お前の如何わしい買い物を見てだろ……」

 

 

 

 

俺は泣きそうだ。

人の視線って物理的に痛いんだな。

実体験でよくわかった。

 

「お前…もう少し買うもの選べよ」

 

買うもので趣味を隠そうともしなかった霊夢に文句をいう。やっぱ中身オッサンだろコイツ

 

「普通に段ボールとかに入れて運べば良かったのに、変な利用をしたのそっちなのに文句言われても知らんがな」

 

「……」

 

霊夢の言い分は言い方は腹立つけど霧雨ちゃんについてはともかく、少しは正論か……一番悪いの持たせたヤツだよな。

 

霊夢の買い物を俺と倉田に持たせるのはまだ良いよ。けどなんでアレな荷物を隠さず前面に出て人避けになれって命令されるんだよ。酷すぎるだろうが!!!皆でドン引きするなよ。恨むぞこんな作戦を提案して命令したヤツ…誰だよ命令したの!…って流石に上の命令でも文句をいうつもりで聞いたら、命令した人が何で不明なの?なに、俺が勝手にしたことになるの??吐くぞ??

 

俺ネットでなんて言われるんだろうなぁ。銀座の英雄の次は銀座のド変態とかか?英雄は地に落ちたとかって言われるか?ほんと誰だよあんな命令したの!

 

口から乾いた笑いが出た。横を見ると『博麗霊夢』と『霧雨魔理沙』が並んでるのが見えた。乾いた笑いが深い深い溜め息に変わった。

 

やっぱ俺はもうダメかも。 

 

この二人が並んでると…フラグにしか見えない…トラブルがやって来こないほうが驚ける。それもヤバイレベルの、無いと思いたいけど……閣下の事を思い出した。

 

これは国会前に俺が、自衛隊のトップ、立場的には天と地ほど差のある嘉納太郎、知人の防衛大臣閣下と会った時の話だ。

 

国会の前、公園で大臣閣下と出会っていた。

 

そして大臣から伝えられた事で俺は頭を抱えた。いや、国会質問で野党が何かしてくるつもりとかはまぁいいよ。

 

「……あー伊丹、大丈夫か?」

 

「明日…博麗霊夢の次は『霧雨魔理沙』と合流するとか言われて閣下、大丈夫と思いますかね?」

 

なんで合流させんの。俺は霊夢どころか銀座の英雄(笑)でもお腹一杯なんすよ。なのに此方での滞在が終わったら霧雨魔理沙も連れて特地に戻れって、別口に先に向こうに送ればいいやん。

 

「……伊丹すまねぇな。詳しくは言えねぇ」

 

卑怯だわー。

そうやって頭を下げられたら何も言えない。

 

「はぁぁ……その霧雨魔理沙って霊夢みたいな感じなんですか。それとも…」

 

「安心しろ…とも言えないが幻想郷から来た訳じゃない…と判断してる。此まで日本で暮らしてた奴だ。霧雨魔理沙についちゃあ、博麗霊夢と比べたら普通の女子中学生の範囲らしい。力もまだ何も使えないそうだからよ。だから博麗霊夢と違ってただ名前が同じで容姿が似てるだけって話もある」

 

「…そうなんですか」

 

似てるだけで巻き込まれただけってなら気の毒だな。…言い方に引っ掛かる部分があるけど

 

「それとこれを」

 

俺は棒が飛び出た紙袋を渡された。中身は大きい帽子とエプロンドレス、帽子と棒と思った箒が入っていた。霧雨魔理沙と合流でこれって……。

 

「あの……これを着てほしいって俺がまた言えと。勘弁してください。霊夢の巫女服でも苦情が来たんですよ。なんでか俺に」

 

霊夢の巫女服が俺が原因って事で、霊夢本人は面倒と思ってる位だけど、女性陣から俺の評価が地を這う事になってるんだ。大臣とか命令云々嘘だと思われてな。服装は俺の趣味だってな。誰もそれについて疑わない。部下からの信頼度に涙が出るわ

 

「頼むよ伊丹」

 

閣下は真っ直ぐな真剣な目で見てからまた頭を下げた。霊夢の服を渡すときもそうだったけど反則だ。断れないだろ。

 

「……はぁぁわかりました」

 

一体なんなんだろうな狙いは。少なくとも単なる趣味が目的じゃないのはわかる。オタク趣味があるからって流石に仕事に持ち込むような人じゃないしな。……何かあったんだろうな。

 

服を頼むのかぁ。霧雨魔理沙はどんな反応するのか。普通の女子中学生の範囲なんだよな。オッサン的に普通の女子中学生って怖いんだけど。既に同じく中学生の霊夢に頼んだ?アレの本性はオッサンだし。…ちょっと女の子成分もあるか。

 

「本当にすまねぇな。それと渡す時の説明は博麗嬢の時と同じで良いからよ」

 

大臣が土下座とかの設定の説明をまたしろと。

 

いいのかな。霊夢が完全に閣下のことを困った変態だって認識してるのに、スキャンダルに成ったりする可能性もある。閣下の事だから俺にだけ嫌な役を押し付けないってことだろうな。

 

「はぁ了解しました……話は別なんですけど、あの霊夢の護符の事なんですけど。なんとか要望の数を減らしてもらえません?」

 

霊夢がキレかけてる様子を何度か見掛けてる。不満をこのまま溜めたら霊夢が一人暴動を起こして自衛隊壊滅なんて事も………いや、やらないだろうけど実行は可能そうでコワ。

まぁキレたら家出成らぬ駐屯地からの脱走とかならやるよな。

 

「それは………善処はしてぇが、難しいだろうなぁ。国会で大々的に広まってしまって他国が要望してくる外交案件にもなってるからな」

 

閣下がゲンナリした顔をしてる。話に聞いてたけど予想よりすごいことに成ってるのか。

 

「俺から無理させないように指示はしとくが…………まぁ博麗嬢にはどんなに要望が来ても無理をしない範囲の数で良いって伝えといてくれや」

 

「……判りましたそう伝えときます」

 

それから国会で崖っぷちの議員達が張り切ってて、俺の証人喚問が大変なことになるとか、胃にまたドカリと来る事を教えられた。幽霊騒ぎの元凶とも言える霊夢を連れてけば災難を恐れて自重するかもって頼りない保証は貰えた。

 

で、閣下と別れる前に最後に話した事が意味不明。

 

「なぁ伊丹……スーパーヒーローって居るだろ」 

 

突然なんの話だって思った。

スーパーヒーローってアメコミの話か?

 

「そのだな。例えばの話だ。そのスーパーヒーローが活躍する世界でスーパーヒーローが居なきゃどうなると思う?スーパーヒーローが居ないだけで……スーパーヒーローの解決する世界の危機とかはそのままでと考えてくれ」

 

「それは…ウルトラ○ンがいないウル○ラマン世界とかみたいな感じですか?」

 

「怪獣はそのままでな」

 

「それはまぁ……ウルトラマ○の代わりに国か軍隊が代わり解決しなきゃいけないですかね?」

 

門の事とかこれに当てはまるか?別に向こうでも世界の危機みたいなモノなんて無かったよな。怪獣ってなら赤龍てドラゴンはまんま怪獣か…あの赤龍はともかく、ウルトラマ○の怪獣なら自衛隊の装備でダメージ与えられのか?

 

「……それじゃあよ。どんな兵器の攻撃の効かない軍隊じゃどうしようもない相手かモノならどうする?」

 

「それは……ご都合主義の科学か。人類の知恵と勇気でなんとかするか。それでダメならそれこそヒーローでも現れてくれないとダメですね」

 

一体何が言いたいんだ。

 

「もしだ。その危険をどうにかできるスーパーヒーローの代わりに成れる一般人が居たらどうする」

 

「あの閣下、なんの話ですか」

 

なんなんだ。この話は

 

「それは………あーいや…何でもない、すまねぇな。ちょっと疲れて変な話をしてたわ。伊丹、今の話は忘れてくれ」

 

いやそんな意味深な話をされて忘れられませんって

 

何の話なんだ。こんな時に脈絡なく意味の無い話をする人じゃないよな。スーパーヒーローが必要な何かあるのか。特地なら一番の脅威は赤龍?……恐ろしいけどあれで世界の危機って言わないよな。こっちでなにか?

 

それと一般人でヒーローになるってどう考えても………止めよ。考えただけで胃が痛くなる。たぶん考えたらダメな類いの話だ。マジな話だとしても俺が悩んでどうにかなるレベルじゃないだろう!

 

そんな事を思い出しながら隣の外見詐欺を見る。

 

「ネットが繋がらない。伊丹がどんな扱いなのかわからない」

 

博麗霊夢…そっくりな何か。

閣下の話に……関係してるよな

 

いや現実に主人公補正みたいな運命(トラブル引き寄せ)力とかないよな!無いと思いたいなぁ。なにも起きないとか無いよなぁ。せめて何か起きるにしても暫く後にしてもらいたいなぁ

 

帰還の報告をして荷物の事で怒られた後の話だ。柳田さんが誰かを連れてきた。連れてきた相手を見た。

 

「おいこら伊丹、どこに行く」

 

思わず足がバックしてた。

 

魔理沙とは違った東方project関係にしかみえない金髪の少女が見えたんだぞ。特地の人間は無反応、東方projectを元から知ってる倉田は驚愕の顔。東方projectを資料として見せられた他の部下はまたかよみたいな顔。霊夢は…

 

「伊丹、私達は何も見てないオッケー?」

 

「……オッケーだ」

 

俺たちの意思は同じだ。御互いに静かに強く頷きあった。そして柳田さんを見て強く訴えかけた。ソッチで何とかしてね!

 

「伊丹二尉わかるよな?諦めろ」

 

目がまるで笑ってない。俺に向ける優しさはないのかぁ!!再び霊夢と目を合わせると……霊夢は倉田を見た。そうだな。良いよな。東方project好きだろうし。

 

「「倉田(さん)、後は任せた」」

 

「は!ちょ!?」

 

俺と霊夢は倉田を前に押し出した。

 

「いや、それはダメだろ」

 

魔理沙がいつの間にか復活して突っ込みを入れてきた。

 

『アナタ達、何してるの……』

 

不思議な国から来たぽい少女は呆れた様な目で見ていた。此方の世界の言語、…此方に居るのかぁ。また面倒な

 

 

 



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12話

 

国会が終わり俺達はファンタジーな世界に戻ってきた。法律もない世界、日本に居るより安全だと思うのは何でだろうなー。と、帰ってきた直後には思ってた。

 

少女と引き合わされた。

 

一目見て逃げたくなって自分の思い違いだと思いながら、周りの反応を見て自分だけ"そう"見えてる訳じゃないんだと理解する。恐る恐る名前を聞いて外見だけじゃねぇと思う。地球と此方、どっちが安全なのかわかんねぇなと思った。

 

霧雨魔理沙…ちゃんとまた違う金髪の少女。

俺達が国会に行って少しした後に来たレレイの知り合い。

 

レレイの居るところに赤龍の襲撃されたのを知ってレレイが無事かどうか確認しに来たそうだ。別のところに行った避難民からレレイが此処にいると聞いて来たそうだ。そう其だけなら、レレイと合わせて放置で良いんだけどな!。

 

容姿がもう、アレなんだよ。

人形は持ってないけど…

 

…似すぎてるよなぁぁぁ。

 

疑惑の人物はレレイの知り合い。

完全に此方の住民らしい。

 

そして名前

 

「レレイさん、そっちの人のお名前をもう一度教えて貰えるかな」

 

知り合いと話してるレレイにもう一度名前を聞いた。

 

「……彼女の名前はアリスだけど、彼女がどうかした?伊丹達の反応が変」

 

「…まぁ少し…」

 

「?」

 

服装は違うけど、人形も無いけど、容姿の特徴がアリス・マーガトロイドと同じ人の名前がアリスかぁ。

 

……どう思って良いんだこれ。

 

霊夢の事で門の向こう、此処、特地にも東方関係の存在が居る可能性は自衛隊でも噂はあった。だから事前に全員が此処に来る前に東方projectの資料を持ち込んでる。けど、此方が資料でみた幻想郷とまるで違って東方キャラは居ないと思われてた。

 

アリスのそっくりさんいたなぁ。

 

魔理沙みたいに現状なら東方キャラに似てるだけ、けど霊夢と同じならやべぇくね。

霊夢って戦力にしたら、軽く見ても人サイズの炎龍みたいなもんだよなぁ。向こうで戦闘ヘリを撃墜してたし……

 

「レレイ、話の邪魔してすまないけど、。アリスさんとレレイはどういう知り合いか教えてくれる?」

 

「数年前に魔法研究をしてる時に知り合った知り合い。私は友人だと思っている」

 

「強さとかはわかる?」

 

野盗とか居るような所だし1人で来たなら戦闘は出来るよな。問題は何処まで強いのか

 

「強さ?…戦う所を見たことがないから正確にはわからない。ただ魔法使いとしての技量は私とおなじぐらいだと判断している」

 

…レレイってどれぐらいなんだろ。まぁ温泉の襲撃の時に攻撃魔法みたいなの見たけど、俺とか丸腰で襲われたら勝ち目無いさそうだけど、ソコまで規格外って程でもなかった。霊夢みたいなのとは違うと思って良いのかな。肝心の人形もないし。人形無いとか別物だろ。

 

『レレイ』

 

「もういい?」

 

「ああ邪魔してすまない」

 

アリスそっくりさんが俺達に向ける視線は、会話を邪魔されたのが少し不快ってぐらい。後ろ暗そうな様子もないし攻めてきた国とは関係ないと思って良いのかな。

 

此れからもし東方projectキャラに似た相手を見つけたら、見付かる度に敵対的でないか、敵対しても魔理沙みたいに力が無きゃ安心できないな。まさか閣下の言ってた世界の危機ってこれなのか?いや東方キャラは恐ろしいのは居るけど、流石に世界をなんかする様なのは居ないよな?…たぶん居ないよな。わりと不味そうなの居なかった?

 

「……そう言えば、今回はレレイに会いに来たから、俺達に対応が任されたんだよな?これからも東方関係者ぽいのが見つかる度に率先して任されるとか無いよな?」

 

何故か俺をみてる部下の皆さんに聞いてみた。

 

「「「……」」」

 

嫌そうな顔をしてちょっと離れるな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「く!着地狙いか!霊夢、援護頼む!!」

 

無防備に後ろを向けている魔理沙。味方だから私に背中を見せてる。信頼されてるのがわかる。その気持ちに答えて援護……なんてせずに!後ろからバッサリ行かせてもらう!!油断したあなたが馬鹿なのよ!!

 

「え……な、なんで!なんで私を裏切った霊夢ぅ!!」

 

信じらないと言った顔で叫ぶ魔理沙。

 

「なにを言ってるの。戦場で裏切られる方が間抜けというものじゃない?」 

 

「霊夢ぅう!」

 

ちょ!直接揺さぶるのは反則!

 

「汚い。霊夢汚い」

 

「戦場で綺麗も汚いもないって言うのよ。頂点はただ一人この博麗霊夢、あ」  

 

私のピンクの悪魔が吹き飛ばされた。

 

「ゴメンね霊夢、隙だらけだったから」

 

「く、喋ってる時に不意打ちなんて卑怯な」

 

「「「よく貴女(お前)が言えるな(わね)?!」」」

 

魔理沙が変に警戒してるから、向こうで買ってきたゲームで親睦として大乱闘中。特地チームと日本チームで正々堂々と和気あいあいと楽しんだ。

 

ただ最下位に優勝者が好きな罰ゲームを命じれるなんて魔理沙の余計な提案で…親睦会は戦場となった。反対はしなかった。もうその時には親睦会としては成功してると思ったから。

特地側への魔理沙の警戒は表向きには見えないし。親睦会としての目的を達したなら、あとは私が優勝者として勝つのみ。一番手強い魔理沙は葬った。私の勝ちは揺るぎない!最下位の魔理沙に何を命令しようか今から楽しみ

 

と思っていた時もありました。

 

魔理沙(バナナゴリラ)が敗れて、ロゥリィ(魔王)とテュカ(勇者)に挟まれる私のピンクの悪魔。素人は無視してキノコな配管工かバナナコングでパワープレイしてる経験者を潰すのを優先しすぎた。あと初めてゲームやった二人の成長率が高過ぎる。2対1とはいえ互角に攻めてくるとは…

 

 

私は残機0。

テュカ同じく残機0。

ロゥリィは残機1

 

「うふふ、この状態なら諸ともの飲み込んで自爆も狙えないでしょー。あの時の恨む晴らさせてもらうわぁ」

 

「魔理沙の仇は私がうつよ!」

 

「やっちまえ!テュカ!!」

 

「私も手を貸すわー」

 

チーム戦なのに何故に全員が敵に回ってるのか。まったくわからない

 

「待ってテュカ、此処は残機の多いロゥリィを倒すのに手を組んで……あああ」

 

また話してる時に私のピンクボールが一切の遠慮なく容赦なく切られた。そして惜しくも私は3位と言うことに、魔理沙は最下位。二位はテュカ、一位はロゥリィ。罰はチームでなくて最下位。チームとしては負けたけど最下位は免れて良かった。

 

とりあえず魔理沙、

 

「ひゃふふぁたひファひょくひゃい。ひほのほへったひっぱるひゃ(八つ当たりは良くない。人の頬っぺたを引っ張っるな)」

「くそ!肌がすべすべで腹立つ!」

 

「えっと魔理沙、罰ゲームどうする。一位のロゥリィが決めるそうだけど」

 

「ふふふ…」

 

「はぁぁ……まぁ負けは負けだし。私が提案した事なんだよなぁ。覚悟決めてやってやるよ!!…ロゥリィお手柔らかに頼む」

 

男らしい。チーム戦前の勝負中にスカート捲り(盤外妨害)したら真っ赤になった癖に。

 

「と本人が男らしくこう言ってるし、一位のロゥリィは最下位に好きな罰を言って」

 

「魔理沙は女の子でしょう?罰ねー…………じゃあ、魔理沙の事を教えてほしいわぁ」

 

「私のこと?いや、そんなのが罰で良いなら有りがたいけど……面白い事とかないぞ?」 

 

「あら、そんな事はないと思うわ」

 

なんで私をみる?

 

「いや本当に話す事とかないしなぁ。普通の家に生まれて普通に暮らしてただけだし」

 

「ふふ、あるでしょー。そんな普通に暮らしてた貴女が、此処にいる理由とか、ジエイタイの人達から霊夢を見るような目を向けられてる理由とかね」

 

魔理沙に聞いてるのにロゥリィは私の方を見てる。魔理沙への質問なのに私の事もついでに探られてそう。自分の情報は隠す事も…あんまりないし。聞かれたら大抵の事は答えるんだけど……。

 

「向けられてる視線気のせいじゃ無かったか………なんて言えば良いんだろうな。うーんホント此方だとなんて言えば良いのか……えっとな、ある作品のキャラ、登場人物に似てるんだよ霊夢と私はな…あともう一人」

 

「…作品?」

 

「えーーと、漫画とか…知らないよなぁ」

 

「あの伊丹の元奥さんが描いてたの?」

 

「知ってるのかよ?旦那の奥さんってあの温泉にいた人だよな。何かあの人の漫画ってジャンルは違いそうだけど大まかに言えば同じだ」

 

「漫画って紙に書いた物語という事で良いかしら」

 

「そうそうな感じ。その漫画で東方projectって言う作品で『博麗霊夢』と『霧雨魔理沙』って登場人物が出てくるんだよ」

 

「同じ名前だね」

 

「名前もだけど…容姿の特徴も気持ち悪いぐらい同じなんだよ。これその動画」

 

気持ち悪い言うな。あとなんでギャグ系の東方MAD見せてるのか。しかもMADでは常識人の魔理沙にゲス霊夢って配役。魔理沙はともかく私は全く性格が違うの選んだわね。真面目系なの選んだ方が同じってわかりやすいでない?

 

「うわぁ本当に似てる」

 

「特に霊夢はまんま霊夢ね」

 

そのMADの博麗霊夢、鬼畜最低系のゲスキャラなんだけど??腐れ外道って感じなんだけど?

 

「物語の登場人物になるなんて霊夢と魔理沙に似た人達は何をした人達なの?」 

 

「いや、実際には居なくて、人の想像から産まれた物語りの登場人物って感じで……これ、なんて言えばいいんだ?」

 

ゲームの画面を見た。

 

「ほら、このゲームで操作したキャラクター居るだろ。コイツらと同じだ。コイツ等も一人一人別の物語りの主人公とか英雄とか重要な立ち位置のキャラなんだけど、その物語は妄想とか想像から生まれてて、実際には存在しないんだよ」

 

「んー?つまり、魔理沙たちは本当は存在しない筈の物語りの英雄のソックリさんだからあんな扱いなの?」

 

「……流石にそっくりなだけであの扱いはないんだよなぁ」

 

私をジッと見てきたからソッと目を逸らした。抗議する様に抱きついて絞めてきた。ちょい苦しい。反撃に脇を突いた。

 

「じゃあどうしてなのー?」

 

「れ、霊夢のせいなんだけどな!…数ヵ月前にこの世界の軍隊から銀座が襲われる銀座事件があったんだよ」

 

銀座事件…あれから面倒な事になったのよね。

 

「銀座ってあのゲートがあったところね」

 

「その銀座事件の時の話なんだけど、霊夢がその襲撃してきた奴等を物語りの主人公と同じ特殊な力を使って倒したんだよ。そんな事をしたから、その主人公の物語りは本当だみたいな事になって、名前も同じで似てた私も巻き添えで本物みたいな扱いになったんだ」 

 

苦笑しながら私の頬っぺを引っ張る霧雨魔理沙に少し罪悪感が沸いてくる。私のせいで巻き込まれたようなモノだし怒るのはわかる。けど頬っぺたを引っ張られて許すつもりもない。

 

「大体は判ったわ。つまり貴方たちは、空想の英雄が現実に居たみたいな事なのね……それは色々と注目されても仕方ないわねぇ」 

 

ロゥリィの顔には面白いって書いてある。スカート捲ってやろうか。…900歳こえのスカートを捲ると考えたらキツイから止めとこ。テュカなら捲りたいんだけど

 

「まぁけど、私はホント物語りの登場人物に似てるだけで霊夢みたいに力とか無いんだけどな」

 

「物語りでの貴女は、どんな感じだったの」

 

「【普通の魔法使い】だ」 

 

「魔法使い…………ほんと普通ね」

 

「いや普通じゃないぞ!?普通ってそのまんまの意味の普通でなくて…此方だと魔法使いが普通かもしれないけど、私達の所だと魔法使いってだけで特別なんだよ」

 

「魔法使いが特別なの?」

 

「私達の住んでる所だと魔法使いは…夢や幻の類いって言えば良いのかな」

 

「夢か幻って存在しないって意味ね」

 

「魔理沙が居るところだと魔法使いが居ないから普通じゃないってこと?」

 

「そうだ。魔法を使えるヤツなんて居ない」

 

「ふーん改めて向こうは不思議なところね」

 

「私としたら此方が不思議だけどな。で、霊夢の力も魔法と同じ様なモノなのに普通に使ってたんだよ。だから…」

 

「もしかして、霊夢が使えるなら同じ作品の登場人物に似てる貴女も本当なら使えない魔法を使えるみたいに思われたの」

 

「正解だよ!使えないってのに使えるみたいに疑われるんだよ。使えないのにな!お陰で身の危険を感じる毎日だった…なんで霊夢は力が使えたんだ」

 

「なんでって…教えてもらって練習したから使えただけなんだけど」

 

素直に答えたらなんか凝視してきた。

 

「…誰に教えて貰ったんだよ…教えてもらったらあんな力が使えるものなのか?」

 

「実際に使えるようになったし」

 

「それなら………私も此方で魔法を学んだら、魔法使いになれるかな」

 

「私に聞かれても」

 

「可能性ぐらいはあるよな!」

 

「だから私はわからないわよ。そっちの二人の方が魔法について知ってるでしょ」

 

「私のは人が使う魔法と違うからちょっとわからない。魔理沙の才能次第だと思う」

 

「そうね。私も詳しくは知らないけど魔法使いになるには才能が必要ね」

 

「才能かぁ…あるのかな」

 

「あ、才能とか関係なく魔法使いに確実に成れる方法はあるわよ」

 

「本当か!確実なのか!」

 

「30歳になれば自動的になれる魔法使い」

 

「それは男が清いまま30迎えた時になるのだろ!?魔理沙さん乙女ぞ!?」

 

女性の場合だと未使用だとなんて言うんだろ。

 

「テュカとロゥリィが魔法を教えてくれたりは…」

 

「むりよー」

 

そんな格好で魔法と関係ないパワーファイターだもんね。

 

「ゴメンね。私が使えるの精霊魔法だから…」

 

魔法の種類が違うみたいな感じ?

 

「……そっかー」

 

「そんな残念がらなくても魔法使える人ならいるよ。レレイに魔法について聞かけばいいよ」

 

「レレイ………レレイかぁ」

 

なにその嫌そうな反応。性格的に合いそうに無いと思ったのか、自分の同年代から教えて貰うのが引っ掛かるとか?

 

「レレイと言えばレレイの師匠の人もいたんたじゃ」

 

「お!そんな人がいるのか!」

 

「あのジジイのこと?」

 

「霊夢、知ってるなら紹介してくれよ」

 

「あの爺は紹介するのはちょっと」

 

「なんでだよ」

 

「なんでって、テュカ、例えば貴女ならあのお爺さんに魔法を教えてもらいたい。二人きりとかで」

 

「え……考えてみたらちょっとイヤかな」

 

「ど、どんな人なんだレレイの師匠って」

 

「エロ爺」

 

レレイにセクハラ発言をかましてたのを何度か聞いた事がある。地球ならお巡りさん呼ばれても可笑しくないレベルの

 

「ドラゴンボールで言えば亀仙人にブルマを弟子入りさせるみたいな不安はあるけど、紹介してくほしい」

 

「何となくわかった。紹介して貰いたくない………誰か他に魔法使いとか知らないか?」

 

「他って言われても……」

 

新しく来た金髪が魔法使いの可能性有りそうだけど、魔理沙に紹介ってジジイより危なそうな感じが…似てるキャラ的に、他の心当たりは…うーん、考えてると外に追い出した幽霊の事を思い出した。

 

「お、誰か宛を思い付いたのか」

 

「ええ、魔法使いの幽霊でも探してみる?」

 

結構な数の幽霊が居るんだし魔法使いの一人や二人は居ても可笑しくないとおもって聞いてみた。

 

「は、……幽霊を探す!?え、あ、そ、そう言えば幽霊が見えるとか言ってたっけ……!?」

 

動揺した様な反応してる。

 

「この近くに戦死した人達の幽霊がだいぶ残ってるから、たぶんその中に魔法使いの幽霊も居るかも。上手くすれば魔理沙に憑きっきりで教えて貰えると思うわよ」

 

「いや、いやいや!!それは止めてくれ!!」

 

「別に遠慮なんてしなくても大丈夫だけど、人に認識されるの嬉しくて憑きっきりで教えてくれるのいると思うわよ」

 

「それとりつかれてる……ああ!!れ、レレイに魔法を教えて貰えるか聞いてみてくる!!」

 

魔理沙は急いで部屋から出てった。

 

「霊夢……貴女なんで首を傾げてるのぉ?」

 

「うん、魔理沙が逃げるの当然だと思うよ」

 

テュカとロゥリィが呆れた目で見てる。なんとなく魔理沙って幽霊が師匠で良いような気がしたんだけど……。

 

そうだ幽霊と言えば、

 

「言うの忘れてたけど、エルフぽい幽霊の人がまた来てたから、テュカの知り合いかも」

 

テュカが来た後ぐらい、攻めてきた軍隊と関係なさそうなエルフの幽霊も此方にちょくちょく流れてくる様になった。同じエルフなら知り合いかもって事でテュカに来たら伝えてる。

 

「え、う、うん……そうなんだ。教えてくれてありがとう。また護符を貸してくれる。もし知り合いならお別れしたいから」

 

「わかった」

 

ロゥリィが渋い顔をしてる。 

 

「霊夢…生者と死者との会話って良くないんだけどー………あとなんで此方にエルフの魂が流れて来てるのよぉ。それなりに離れた所なのに、霊夢の影響としたらどこまで…」

 

ロゥリィが何故か深い溜め息を吐いた。

 

何となく言いたいことは判る気がするけど、本当に私は何もしてないし私のせいにされても困る。あと最期のお別れぐらい良いんじゃないって視線を向けとこう。

 

「…………テュカ、最後の言葉だけよー?死者は終わった者なの。死者に引っ張られて亡者の様になる人も居るからそれ以上はダメだから…」

 

「亡者ってあの部屋の隅に居る人とかみたいな?」

 

「アレは亡者じゃなくて腐ってる人よー」

 

銀座から帰る前に頼んで買ってきて貰ったんだけど……中に間違えたのか、吐き気を催す邪悪な腐れ汚物作品もあった。ベーコンレタスなんてこの世から消えればいい。後で焼却すると汚物は部屋の隅に置いといたんだけど……

 

「おおお、これは……男にも穴が……」  

 

「…………男同士の裸の戦い。……お、女騎士を認めないのは……男の秘密の花園だったから…」

 

皇女さま情報収集の為に来たと思えば、情報収集は情報収集でも腐った情報収集してる。間違えられたモノとはいえ一応私のモノを勝手に見られてる感じだけど、止めるきはない。あんなの読んでる人に関わりたくない。敵側なの関係なく関わりたくない。

 

「伊丹の奥さんの所で怪しいと思ってたら……完全に感染してる」

 

まるで病原菌ね。

状態収集に此方の知識を学ぼうとしたのよね。日本こんな所ですって国に報告されるわよね。どうするの日本が変態国家と思われるわよ。何で日本が変態国家扱いなのか。何処とは言わないけど日本より高度な性癖の坩堝な国家あるのに…エイリアンでも対象にしてるとか

 

てかお姫様こんな有り様のまま送り返すの?

…わりと本気で不味くない

 

「………これこのまま返したら戦争の理由になるんじゃないかな」

 

「戦争より帝国に帰ったお姫様から汚染が拡散した方が恐ろしいわぁ」

 

そんなお姫様が生物兵器みたいな…腐れた薔薇の文化が花開くなんて……不味い。面白そうだし直ぐにでも帝国に送り返したいと強く思う暗黒面の誘いが。

 

 

 

あの時は、冗談でおもっていた。

まさか…あんな悲劇が起きるなんて!!

 

お姫様とその手下1が帝国に帰った後に感染が、バイオハザードのゾンビが拡大するが如く急速に増えるなんて未来は予想もしてなかった………

 

しかもその感染の旗印が!私が流石に某サイトに流そうか迷って放置してた、伊丹と倉田さんが抱き合う姿を撮影してた画像なんて!!伊丹と倉田さんが、帝国のお姫様が発信源で、この世界で…男同士のカップルの象徴と崇められるなんて!!予想だにしてなかった!!

 

「何となく思い付いた未来だけど起きるわけないわよね」

 

「どんな想像だよ起きるわけ………なぁ手に持ってるスマホの画像…伊丹の旦那と、倉田さんのなんだけど、なんで男同士でくっついてんの?何でお姫様に見せてんの?」

 

 

 

 

 

 

 



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13話

 

日本から門の向こうに出戻った翌日。

 

此方に戻る前に色々買って貰ったんだけど、実は必要だったのゲームとか漫画だけで、女の子のフィギュアとか抱き枕カバーやらエログッズを買いものリストに入れてた。入れてたけど…ツッコミ待ちで…エロ系とか本気で買ってくるとか思わなかった。エロ系のはネタというか酷使されてた事への嫌がらせみたいな感じで……買ってこられて困った。お酒はNGなら買ってくるとか思わないでしょう。こんな人目がある所でこんなのあってどうしろと?

 

正直、趣味でもない。だってエロいというよりエグいのは流石にね。伊丹、銀座の人前で持って歩くとか良くできたわね。

 

今さら実はフィギュアやらはネタ目的でした!なんて言えるわけもない。エゲつないエロフィギュアも含めてフィギュアとか私用に用意されてるコテージに荷物として置かれてる。どうしよう。

 

封印しときたいフィギュアが鑑賞されてる。

 

『これが向こうの人形、量産品と聞いたけど造形が細かい…人の手でこんな細かい造形を大量に再現できるの……材質も何なのかまるでわからない。この人形にいったい何れだけの未知の技術が詰め込まれてるのか………』

 

東方のアリスぽい娘がフィギュアを細かく観察。エロい様子なんて欠片もなく。学者が真面目に考案してるみたいな顔をしてる。スカートの下を覗き見してる。マジマジと…何か見てる方が居たたまれない。

 

「魔理沙…」

 

アリスを連れてきた魔理沙を見る。封印されてたフィギュアをご紹介した黒幕。

 

「い、いやな…魔法を教えて貰いたいって頼んだらさ…対価に未知のモノをみたいって条件を出されてな……見掛けて的に人形見せるのがいいかなーーって思って…霊夢の買い物思い出して……」

 

それで私の許可なく連れてきたと…私は段ボールに手を突っ込んであるモノを取り出した。

 

「東方の魔理沙のフィギュアーー」

 

ダミ声で出した。

 

「なんでそんなのあるんだ!?」

 

「なぜか頼んでないのに入ってた」

 

本人がいる魔理沙のフィギュアをなんで用意したのか。博麗霊夢のフィギュアまであったし。

 

「魔理沙の(フィギュアの)身柄は私の手の内。魔理沙の(フィギュアの)生殺与奪の権利は私の自由」

 

「そ、それをどうするつもりだ霊夢…」

 

「渡す」

 

きっと魔理沙のフィギュアをアリスのそっくりさんがジックリと見てくれるはず。魔理沙はアリスを見た。美少女なのにフィギュアオタクと化してるように見える。じっくり観察される自分のフィギュアで想像したのか鳥肌がブワッと現れてた。

 

魔理沙は私に向き直って正座して…

ノックがした。

 

「どうぞ」

 

入ってきたのは伊丹だった。

 

「お邪魔するぞ…って魔理沙なんで土下座してるんだ!?」

 

「趣味なんじゃない「趣味じゃねーよ!」…それよりなにかよう」

 

「え、いや、帝国に行くけど来るかって誘い。なんで魔理沙のフィギュアもってんの?」

 

「気にしないで、帝国に何しに行くの?」

 

「気にしないの無理だけど、何しにって帝国にはお姫様送りに…あと出来たら交渉するつもりだな」

 

銀座を一方的に襲撃した犯人は帝国。交渉の為にお姫様を連れて伊丹が向かうのは帝国の首都の帝都。敵の本拠地見たいなモノ。普通に考えて危険度が激高い。帝国って此れまでのイメージ的に…交渉の使者に行くと使者の首だけ返すとか普通に有りそう。

 

間違いなく危険任務よね。伊丹なんか上のひとに嫌われてない?たんにお姫様、ピニャ王女と一番関わりが有るからって理由で押し付けられたなら、ある意味嫌われてるより同情する。

 

「伊丹の旦那、帝国には私も行くの?」

 

「いや霧雨ちゃんとかは留守番だ」

 

あとロゥリィ、テュカ、レレイは留守番、行かないなら魔理沙はアリスぽいのとレレイから魔法を教えて貰うらしい。魔法覚えたら弾幕はパワー!とか言い出しそう。

 

女の子は行かない。

メンバーは自衛隊オンリー。

 

「行ってらっしゃい」

 

「軽いなぁ。来ないのか?」

 

「行かない」

 

そもそもなんで私だけ誘われたのか。

 

「……じゃあ俺は行ってくる。霊夢も頑張れよ」

 

「行ってらっしゃ……頑張れってなに?」

 

「失礼します」

 

伊丹を見送った後にだれか来た。

何度も見たことある。

護符を書く紙を持ってる…

 

「スミマセン」

 

「追加?」

 

護符の

 

「はい…」

 

なるほど

 

「伊丹、やっぱり私も行くことにする!」

 

「霊夢!私のフィギュアは置いてけよ!?」

 

「え!ちょ!!博麗さん!?」

 

呼び止める声を背に私は伊丹においついた。

 

「なんだ霊夢も来るのか」

 

「怨敵のお膝元と言っていい帝都に行くという伊丹達が心配だからね。友人として見捨てられるわけがない」

 

「ウソくさい。あとお前を連れていくなら許可が必要なんだけど…誘っといて何だけど許可とれるか?」

 

許可とか居るの

 

無事に許可を得た。

伊丹がちょっと驚くぐらいアッサリ。

上の方からなるべく私を自由にってお願いがあったらしい。…護符造りを散々させたからご機嫌とり?

 

私も乗り込んで車での移動、結構帝都は遠いらしい。暇な時間、お姫様に帝国について聞いてみた。

 

「て、帝国についてですか…」

 

雑談のつもりで聞いたのに声が固い。

 

この前、お姫様に対して個人的な恨みは晴らしたから別に悪意とかない。くっころさせたいけど、お姫様でなくてお姫様に憑いてきてる幽霊が帝国について話し出した。

 

小さな集落出身の獣人の幽霊さんの証言。

 

獣人とかを差別してる帝国が獣人の集落を襲ったんだって。勝ち目がないと集落の族長が仲間を護るために帝国の王子の性奴隷になったそう。仲間を守ることを条件にね。案の定というか帝国が約束を破って仲間も皆奴隷にされたそう。止めに族長が裏切ったとして怨みの矛先を帝国から族長にされた。族長が自分達の為に性奴隷になったのは族長を恨んで幽霊になった後に知った事実だって。

 

「うわぁ…」

 

で、他の幽霊達からも似たような話を聞かされた。こんな時に限って護符をみんな持って幽霊の発言を聞いてる。お姫様とお付きの人にも護符を貸してた。

 

「……」

 

お姫様と騎士の人の顔色が酷いの車酔いのせいではなさそう。帝国に交渉に行くご一行の私達、交渉への意欲が下がってる。交渉纏めなきゃと意気込んでたお姫様が絶望してる。交渉しても裏切られそう。

 

まぁ正直…他人事。

それより気になるのは奴隷にされた。

つまり奴隷制度がある。

 

「奴隷ねぇ…」 

 

「霊夢もリアル奴隷とか嫌か」

 

って伊丹がお姫様に聞こえないぐらいの声で聞いてきた。

 

「伊丹、帝国なら奴隷が買えるようだけど、もし奴隷が買えるなら、どんな娘がいい?」

 

「それはー…って!!霊夢!?なに言っちゃてんの!?奴隷買いたいのか!?」

 

「冗談にしても、そう言うの不謹慎…」

 

伊丹が大きな声を出すからガチ目の批難された目を向けられた。

 

「郷に入っては郷に従えと言うし帝国で売ってるなら奴隷を買ってもいいと思うけど……って言うのは半分冗談な話しで」

 

「半分って何処の半分だよ」

 

「奴隷を買うってのはわりと真面目な話し」

 

「そう言うのは二次元だけで我慢しとけ霊夢」

 

周りから呆れた感じで見られてる。私の評価が無駄に下がってる。本題さっさと言っとこう。

 

「そうじゃなくて、さっきの獣人の人の話だと帝国が侵略した相手を捕虜にしたら奴隷にしたりするのよね?」

 

侵略して奴隷にする。帝国の、もとい人権が安い時代だと酷いことでないみたいらしいけど、此方が奴隷に不快な態度を見せてるからお姫様は気まずそう。

 

「霊夢、可哀想だから奴隷を買って解放したいのか……無いな」

 

何でそんな事をせにゃ成らんのか。頭がお花畑なぐらい優しいならしそう。けど伊丹、話ながら霊夢がそんな優しいわけ無いなみたいな顔をしたのは腹立つ。

 

「可哀想とかじゃなくて…買っても取り戻さないとダメな奴隷とかいるかもって話」

 

「取り戻すって…どういうことだ?」

 

伊丹の察しが悪…くもない?

口調が固いし気付いてそう。

 

「どういうことって帝国に銀座が襲撃されたんだけど?」

 

「銀座事件………霊夢、霊夢が言いたいことって、そう言うことか?」

 

「隊長、どういうことですか」

 

「奴隷にされてるのに日本人が居るかも知れないって話だろ霊夢」

 

「は…」

 

自衛隊の人達が空気が変わった。今さらって思ったけど無意識に日本人が奴隷にされてるなんて可能性を排除してた?何人かは元から想定してたみたいな反応してるけど。

 

「銀座が襲撃された時ですか…」

 

「銀座事件の時に日本人が拉致されてるって言うんですか!?」

 

あり得ないって声色してるけど、銀座事件の前でも日本って南北の国に日本人が拉致されてたりしてる。

 

「……銀座の事件では死者は勿論ですが行方不明者も多数でています。身元不明の遺体の少なくなった現在も見付からない行方不明者が居ると聞きます……その中に居ないとも限りませんね」

 

空気が重い。

 

「よく霊夢気付けたな」

 

「気づいたというか。銀座の時に女の人が誘拐され掛けてたの未遂で止めた覚えがあるし。成功した例も有るかもって思っただけなんだけど」

 

「それ聞いた覚えない!そう言う話はちゃんとしといてくれ!」

 

「……他の人も普通に目撃してると思ってた。それと軟禁されてる時も含めて事件の時の話とか一度も聞かれなかったし?其処のところどうなのずっと居た伊丹隊長」

 

おいこら目を逸らすな。

 

「てか銀座事件の前に拉致がされてた可能性ってないの?」

 

伊丹が顔に手を置いた。

 

「それも無いとも言えないなー…」

 

「どいうことですか?銀座の事件前って」

 

「ほら…帝国だって何もわからない所をいきなり攻めるなんて事ないだろ」

 

「あ…」

 

「襲撃前に情報の為に拉致をされていた…むしろ無い方が可笑しいですね」

 

「事前に拉致してたとなると地球への移動方法は……」

 

「……銀座の門が銀座事件の前に目撃された話はないよな。あの大きさの門が現れて目撃されないなんて無いだろう」

 

「門を使わない移動が出来るとかじゃないですか?」

 

「いきなり大規模に一気に軍勢が来るとか無いよな…先ずは小規模で試すよな…偵察がないとか有り得ないよな…」

 

「ピニャ王女、お聞きしても」

 

皆の視線が汗を掻いてる王女さまにむかった。

 

「ピニャ殿下」

 

「す、すまないが、門を使わない移動や、事前に偵察をしていたか日本人の捕虜をとっているのかなど…どれも私は知らない。知らないが、日本人の捕虜が居た可能性は無いと否定はできない……」 

 

まぁ王女さまが軍事的な行動を全て知ってる方が驚ける。従者の人も知らないって感じで首を振った。

 

「そうですか…」

 

「伊丹隊長、此所は誘拐された人が居ると考えた方が良いですね」

 

伊丹達が頷いた。

 

「探さなければいけないですが……どこに居るんでしょうね」

 

「仮にもし日本人が拉致され捕虜にされた場合どうなるんです?殿下、どこに連れて行かれるかわかりませんか」

 

「…すまないがわからない」

 

ピニャ王女が汗をかきながらそう言った。

 

「そうですか…」

 

「牢のような所で捕まっているんでしょうか」

 

「いや民間人相手なら情報とった後に霊夢の予想通り奴隷にされてるだろ…最悪は…」

 

用済みでもう生きてないのが最悪になる?もっと最悪もあるかも、某赤い国並みに酷かったら死ぬまで働かされて食品になってる可能性も…。

 

「奴隷を買う云々は日本人が奴隷にされてるという話でしたか…」

 

「博麗嬢の言う通り奴隷として売られてるならば、買ってでも救出する必要がありますね」

 

私の発言は見直されたようで良かった。

 

「人を買うというのには抵抗は有りますが、資金はどうなんです」

 

「資金についてはイタリカで手に入れたモノが其なりにあります」

 

「足りるんですかね?」

 

「奴隷市場の相場が判りませんので足りるかはわかりません。…人数もわかりませんしね」

 

「人数か…日本人が何十人も拉致されて売られてるとか想像するのも最悪だな」

 

「日本人の容姿が珍しいって理由で高く売られてる場合ありますかね……」

 

「資金で足りなければ此方の物資を売るか交換するかして工面するしかないでしょうね…それでも足りなければ…既に売られている場合の対応も含めて考えないと…」

 

「最悪、力づくか…」

 

剣呑な物騒な感じの空気になってる。

力ずくとか物騒な話ね。

自衛隊の人達の話にオドオドしてるお姫様をみた。

 

「お姫様を人質にして交換とかは?」

 

「ふぁ!??」

 

これが一番手っ取り早いと思いますってね。日本人の奴隷が何人居てもお姫様と交換なら全員一括で交換できそうだしね!まぁ半分冗談なんだけど、お姫様を人質にしたら帝国と交渉するのが難しくなる。…交渉も人質を盾にしてやる?

 

自衛隊の人達は顔を見合わせた。

 

「………………………………いや、うん、霊夢ダメだから、その手は」

 

「い、い、伊丹殿、凄く悩んでませんでしたか!?」

 

「…ソンナコトナイデスヨ」

 

「伊丹どの…」

 

「お姫様は帰ったらどうするつもり。拉致された日本人が居るかもしれないけど…」

 

「に、日本人が拉致されてないか調べる様に父上、陛下に進言しよう!もし居たらすぐに戻れるように取り計らいをさする!!」

 

お姫様がそう言ったけど…

 

「向こうに教えたら人質にされない?交渉の材料にするとか」

 

「………」

 

お姫様、この場合の沈黙ってありそうって言ってるのと同じなんだけど、車の中の沈黙が居心地悪い。自衛隊の人達は何か言いたげなのに何も言わない。この話題の切っ掛けが私だし適当に良い事でも言っとこう。

 

「そう言えばピニャ王女、関係ない話なんだけど、ただの一般人のどうでも良い話なんだけど聞きます?」

 

なんで皆が胡散臭そうに私を見てるんだろう。

 

「……博麗さま聞かせてください」

 

一般人の話と言ったのになんで顔が青ざめてるのか。自衛隊より私に怯えてない?さまとか敬称をつけてるし。お姫様の前で何かした覚えとか無いんだけど

 

「地球だとテロリストって犯罪組織が居るんですけどね……」

 

「犯罪組織…それがどうかしたのですか」

 

「テロリストが人質をもって交渉しようとしたら、被害が余計に増えるって事で交渉を一切せずに人質の救出を後回しにテロリストを殲滅するそうです。二度と人質なんてとらない様にする為に」

 

少し違う気がするけど何処かの国だとこんな感じだったはず。自衛隊の人達が何か言いたげにしてる。

 

「それは、つ…つまり…その…日本人を人質に取れば、その時点で……交渉は無くなり…………が殲滅されると」

 

「何が殲滅されるのか知りませんけど、まぁそんな(テロリストへの)対応、平和主義な日本の自衛隊がするわけないので関係ない話なんですけどね。ねぇ伊丹隊長」

 

「ぇ、ああ!そうだな!我々は平和主義なので、霊夢の話した様な対応はしませんので関係ありませんよ」

 

日本を知らない。何万って軍勢が返り討ちになってる帝国のお姫様側が聞けばどうおもうかは知らない。このタイミングで話して無関係と思えるかとかも知らない。詐欺師を見るような視線がくる。

 

「………………か……か、必ず、人質になぞせずに無事にそちらに返すように努力する」

 

顔色が悪い王女が約束すると話は終了。

って、肝心の話をしてない

 

「話は戻して……奴隷を買うならどんな娘が良い?」

 

「霊夢、お前話もどすなよ。マジで奴隷を買う気あるんじゃないよな……」

 

違う違う。たんに伊丹がどんな奴隷買うかで性癖暴露をして貰いたいだけだから、と言う本音を隠して建前を言う。

 

「違う違う空気が重たいから軽くしたいだけだから」

 

「なんで奴隷を買う話で空気が軽くなると思ったんですかねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ピニャ王女と御付きの人が何故か悲壮な顔をしてるけど、無事に帝国首都の帝都についた。

 

敵国の本拠地なのにアッサリ。

お姫様のお陰があってもアッサリ。

此方の人からしたら銀座の報復しないってのが不思議そう。。

 

帝都は立派な街並みにお城。

まさに中世って感じ。

私は辺りを見渡してポツリと呟いた。

 

「私一人でも占領できそう」

 

なんちゃって

 

「霊夢……マジで止めろよ?」

 

「いやどう聞いても冗談なのにそんなヤバイって顔をするの失礼でない?」

 

 

 

「殿下…」

 

「な、なんとしても父上を説得せねば」

 

王女さまは国の存亡を背負ってるとか思ってそうな顔をしてる。そんな帝国を背負う覚悟のお姫様は、腐った作品を御守りの様に胸に抱いてるから帝国だめそう。

 

お姫様にはお城に戻ってもらい交渉の足掛かりになってもらうそう。

 

その間に自衛隊は人が売られたりしてる区画に行く事に、悪所、所謂スラム。うん、スラムに女子中学生連れてくのに誰かツッコミとかは?

 

売り物の奴隷をみて自衛隊の人は此所を見て初めは同情してる感じだったけど、今はもし此所に日本人が来てたらみたいな会話をして、とくに女性陣の顔がコワイ。ピニャ王女が居たらお腹が痛くなってそう。

 

スラムの中では立地が良い看板のある店に入った。言葉はソコソコ話せるけど此処の文字はまだ読めない。亜人の女性や女の子が多い。男も一杯いる。肉体労働の奴隷なのか男の奴隷の方が多い。

 

「日本人は居ない…いたよ」

 

伊丹が頭を抱えてた。

 

居たって日本人を見つけたんだと思って見たけど黒髪、黒目の人とか居ない…って居た。

 

日本人ではない。

 

 

ピンク髪に羽の生えた娘……東方キャラぽい。

 

 



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14話

帝国にきてお姫様と別れたあと、日本人が捕まって奴隷にされてないか奴隷売り場に確認に向かった。中学生の私も連れてね。

 

帝都の悪所とか言うらしいスラムみたいな所の奴隷売り場、日本人の捕虜は居なかったけど羽の生えた女の子がいた。ピンク髪、ピンク髪は淫乱という有力な説が、じゃない。

 

その娘を見付けて自衛隊の人達はザワザワして、恐る恐るって感じで伊丹が名前を聞いた。

 

『君の名前は?』

 

『は、はいミスチィです』

 

「そっかーー……」

 

ミスチィ…名前が…念の為に聞いたけど、妖怪とかで無いそう。帝国に滅ぼされた集落出身のただの一般人だそう。…ミスティアって東方のキャラにとてもにてる。伊丹は天を見上げてる。現地の人からは変人を見る目で見られてた。まぁこれはどうでもいい。

 

名前は違うけど…ソックリさんはこの世界でこれで二人目。

 

お姫様も含めて東方キャラ情報は無いけど、レレイの知り合いでアリスみたいなのが居たし帝国の方にも居ても可笑しくない。この子も力は無いけど、もし力があった場合、私は自衛隊の人からたぶん東方関係の対抗相手として勝手に期待されてる。

 

帝国にも東方キャラに似てる存在が居るかもと思ってた。だからって奴隷として売られてるなんて予想外すぎる。絶対に日本で知られてはいけない。薄い本が厚くなるから…今の『博麗霊夢』の薄い本がどうなってるのか知りたくもない

 

で、ミスチィ()はどうするか。

 

ただ東方キャラに似てるだけ力もない一般人。別に無視しても問題ないと思ったけど伊丹たちが放置しなかった。購入することになった。もちろん奴隷として……自衛隊が人身売買は不味くない?って事で、資金は自衛隊持ちで…なーんで私が購入したって事になるのか。

 

「どいうことでしょうかね伊丹さん」

 

民間人だから?こんな時ばっか民間人扱いした?ここに来る前に私が奴隷を買うとか言ったら批難してた記憶があるんだけど?

 

「ほら奴隷買いたいとか言ってたろ。可愛い奴隷ができて良かったじゃないか!」

 

「……私が本気で奴隷を買いたいと思ってると思った?」

 

「思ってた」

 

「…………」

 

「は、ははは、霊夢さんや、覇王さまみたいに怖い顔をしてたらミスティも怖がるからスマイル、スマイル」

 

「伊丹に笑顔でコブラツイストしろって?」

 

「コブラツイストとか止めてね!」

 

結局押しきられた。買われた鳥な女の子は私のお世話役みたいな事になった。冗談で奴隷を買うとか言っただけでマジな意味では奴隷なんていらないんだけど。二次のエロは好きだけど現実のはそんな興味ないし。

 

だから奴隷から解放しようとしたんだけど、捨てないで下さいと泣かれる。考えたらこんな所で女の子が一人で放り出されたらどうなるか想像すると放り出せもしない。良くファンタジー小説で現代から転移した主人公が奴隷とか買うけど…現代のマトモな倫理観があったら精神ガリゴリ削られるわこれ。

 

『あ、あの御主人様、ミスチィは何をすれば良いですか』

 

私は特に頼みとかない。そういったら絶望した顔する。とりあえず御主人さまってのは止めて貰ってから考えてみた。

 

何かないか考えてみて伊丹の奨めで料理の手伝いをすることになった。手伝いで料理を教えて働ける技能を教えてあげようって善意……ミスチィが似てるキャラに更に似せようとかそんな意図がない?

 

それか

 

「伊丹が可愛い女の子の手料理を食べたいってだけか…」

 

「霊夢さん?人聞き悪いことを呟くの止めてくれませんかねぇ。俺のロリコン疑惑が再燃しかねないんで!マジで発言に気を付けてな!」

 

発言に気を付ければ良いの?

なら今度カメラで撮られる時があったら伊丹に抱き付いてみよう。いや私はイヤだし。魔理沙辺りを

 

それにしても私、魔理沙、ミスチィ、アリスこれで東方キャラ擬きは四人目。一人忘れてた五人目だった。此まで会ってきた全員が東方キャラと似てるけど、私と一人除いて力は特にない、偶然にしては変…………何かモヤモヤする。

 

帝都に滞在して伊丹とか自衛隊の人と色んな所を回ってる最中、管原さんって政府の人がお姫様経由で講和派と接触していた。上手くお姫様が交渉したみたいで講和派の貴族と園遊会が開かれることになった。

 

私とミスチィも来ることになった。

ミスチィは出される料理のお手伝い。

私はなんもやることない。

暇潰しにスマホはあるけど敵の近くでスマホゲームをするほど図太くない

 

そもそも、だけど…

 

「別に私が来る必要ないと思うんだけど伊丹隊長」

 

「霊夢を一人で放置したら心配だろ。帝都がどうなるか」

 

「心配するところが可笑しいぞロリコン」

 

「ロリコンは止めろ」

 

貴族らしい人達が来て園遊会では食事の他に銃の体験もさせていた。技術の差っていうか力の差を教えてるってのはわかるけど…。

 

銃の概念教えるの良いの?

 

偉い人に銃のスゴさを教えたら帝国全体で銃の再現を目指すんじゃ。中世ぐらいの世界だし火縄銃でも造れるのか怪しいけど……地球じゃ再現なんて不可能な門とか造れる謎技量がある世界だし。魔法もあるし。地球では無理な方法で銃みたいなのが造られたりして…。そうしたら帝国が更にやらかすんじゃ。

 

まぁ今だけで言えば悪くない結果?

 

お姫様の連れてきた講和の為にやって来た貴族の人達は自衛隊ヤバイって認識の人達、銀座で捕虜になった兵士の親族とかが主だそう。銀座事件の時にぶちのめした兵士の中の親とか結構居そう。銃をみて力の差を実感して講和に前向きって感じの空気。平穏無事に終わりそうな空気。

 

そんな園遊会の空気はぶち壊されたんだけどね。帝国の王子がきた。

 

行動が演技臭い。王子さまは何となく馬鹿のフリをやる真性の馬鹿って感じがする。イメージとしては織田信長から能力を引いた感じ?

 

やってきて早々に料理を食い散らかした。ついでに私はナンパする感じに絡まれた。ホント演技臭い。見事なまでにバカ王子を体現する王子さまに関わらない様に無視した。ちょっとしつこく絡んでくる。そろそろ蹴り飛ばしたいと思ってるとお姫様がきた。

 

「兄上だめです!!」

 

「ピニャかどうしたというのだ?」

 

「は、博麗霊夢さま!兄上がた、たいへん失礼な真似をし申し訳ありません!!ど、どうかお許しください」

 

帝国の貴族の人達が居るところで帝国のお姫様に謝罪されてる方が気まずいんだけど…気にしてないと言っておいた。

 

「そ、そうですか」

 

露骨にホッとした顔された。

命拾いしたみたいなぐらい。

……お姫様に私って何だと思われてるの?

 

「ぴ、ピニャ?」

 

「兄上!此方に来てください!」

 

王子を連れてった。コソコソと話してて全部は聞こえないけどロゥリィの名前が出てる。王子さまがちょっと怖がってる感じで見てくるってどんな説明した。

 

王子さまも帰って園遊会は終わった。

 

「いや霊夢があの王子さまにキレなくてよかった」

 

園遊会終わった後に伊丹がそんな事をいった。

 

「ナンパされたぐらいでキレないわよ」

 

ちょっと蹴り飛ばそうか悩んだけどキレるほど気は短くない。気が短いなら私がナンパされてる時に王子さまに心配する目を向けてた今話してる誰かを蹴ってる。

 

「ん?…あの王子の話を覚えてないのか」

 

覚えてない?

 

「ほらピニャ王女についてた幽霊から聞いた話だよ」

 

ピニャ王女…幽霊…そういえば幽霊から聞いた話で族長を騙して性奴隷にしたの王子とか言ってたような?

 

「今思い出したのかよ。いや覚えてなくて良かったか。霊夢が覚えてたら王子をぶちのめしてたかもしれないしな。交渉してるのに外交問題に成ることが起きなくてよかった良かった」

 

何でか伊丹の言葉にお前が良く言えるなって気持ちになった。特にそんな事を思う理由はない。伊丹まだなにもしてない。なんでそんな気持ちになったんだろ。

 

で、園遊会の後もまだ講和の話し合いの為に暫く滞在することに。それでミスティの友人の別種の羽の生えたハーピィの女の子とも知り合う。また東方のキャラに似てる娘とかじゃない。その娘が地震が起きると伝えてきた。

 

火山帯で住んでたらしくて地震の前兆を予知できるそう。羽が生えてるけど動物的な本能みたいなの?伊丹たちにも教えておいた。教えてるときにお姫様は居た。地震について信じてるか怪しい。

 

で、本当に地震が起きた。

 

「おお本当に地震がきたな」

 

呑気な声が出てた。

 

揺れたけど震度にしたら3とか、ソコソコの揺れで倒れてくる建物も物も無い。大したことないなーと日本勢は平常運転、だけど偶々一緒だったお姫様やら現地の人は相当混乱してた。ミスチィは怯えて抱きついてきた。身長はミスチィと大して差はないのに胸の装甲で圧倒的に負けてる事を教えられた。揉んでやろうかこの野郎。

 

地震の揺れよりミスチィの胸の大きさと周りの反応の大きさに驚かされた。たった此だけの揺れでこの反応って帝国の人って地震を体験した事がない?

 

「此方ではこの様に地面が揺れることはないのですか?」

 

お姫様に聞いた。

 

「あ、あるわけないだろう!?」

 

やっぱり地震初体験。島国の日本みたいに地震と人生で何度も遭遇する国の方が珍しいんだっけ。地震が無い所だと、地球基準で言えば地震なんて百年、数百年に一度とか…とにかく人生で一度でも地震に遭遇しない事が普通な地域ぽい。

 

そんな地震と…

 

「偶々来てる時に遭遇…」

 

どんな確率?

やっぱ伊丹と居ると結構なにか起きる。

 

「なんで俺を見てるのかねぇ」

 

「伊丹が居ると何かしら起きると思ったからだけど」

 

「いやいや、いやいや、それは霊夢だろ。銀座事件に遭遇したの霊夢と出会った後だし。その後もトラブルと遭遇する時は何時も霊夢が居るときだし!」

 

「トラブルの内でドラゴンと会ったの伊丹だけなんだけど?そのドラゴンもテュカ達の居る所に来ることなんて初だったらしいし」

 

「…」

 

「私は伊丹と居ない時は何か起きた試しがない…で、どちらがトラブルを引き寄せてる可能性あると思う?」

 

伊丹が黙った。心なしか隊長から離れる自衛隊組。伊丹の部下との信頼関係にホロリと涙が出る。

 

「それにしてもこの地震…」

 

何でか判らないけど、嫌な予感というのか気にしないと不味い感じがした。とは言え具体的にどう不味いのかわからない。なにか私達にも関係してるような。

 

「揺れがおさまったな」

 

「隊長、また揺れる前に移動しておきましょうか」

 

「え、ああ余震か…一応移動しとくか」

 

前の揺れがあれなら余震も大して揺れるとは思わないけど、パニックが起きるかもしれないから安全な所に移動しといた方がいいかもね。

 

「なに!?また揺れるのか!!!」

 

揺れるって発現にお姫様が叫んだ。ビクッとしたミスチィが私にまた抱き着いてきた。また胸の負けぐあいを直に感じさせられた。

 

「えぇピニャ殿下、地震には余震が付き物で、先程より小さいでしょうが何度か揺れは起きる筈です」

 

「な、ま、誠か。な、ならば急いで城にいき父に、陛下に知らせねば!」

 

別に知らせても大して意味はないと思うけどね。知らせに行く前に余震がくるんでない?まぁ別に止める理由もない。お姫様がお城に行くのを見送ろう。

 

……何で動かない?

 

「…い、伊丹どの一緒に来てもらえないだろうか」

 

お姫様がすがるように伊丹を見てる。説明役に来てほしい。それかまさか怖いから一緒に来てほしいなんて事?……伊丹って連れ帰った三人娘もそうだけど女の子にモテてるのか。厄ネタにモテてるのか。

 

「え!?いや不味いですってピニャ殿下、俺達の立場的に」

 

「う!…それは、そうなんだが」

 

それからどうなったか。伊丹はお姫様に押し負けて行くことになった。ハニートラップに伊丹は絶対に弱いと確信した。

 

「じゃあ行きますか」

 

流石に伊丹一人で行かせるわけにもいかないし皆で行くことになった。敵対してる軍隊の部隊が混乱に乗じて交渉してる一番偉い人の所に入り込むのって良いの?お姫様的に良いの?

 

「あ、博麗さまも…くるのですか…い、いえ、文句などありませんよ!」

 

なんで悲痛な顔、真面目にお姫様に私がどういう認識してるか聞いてみたい。

 

それはともかく皇帝に会いにいく。

銀座襲撃の最大の責任者。

 

「私を面倒な状況にさせた元凶……」

 

「霊夢、暴れたりするなよ」

 

「するわけないでしょ。人を暴れん坊みたいに言わないで欲しいんだけど?」

 

銀座事件を含めても暴れた事なんて2、3回しかない。余程アレな事でも無いと暴れるわけない………何でか伊丹を見て嫌な予感がした。

 

お城に入った。地震のせいか混乱しててお姫様とか関係なくスンナリとお城に入れた。そのまま王様が居そうな所まで行けた。近衛兵すら働いてないとピニャ王女オコ。これ、後で警備の人達が首が物理的に危ないぐらいの責任問題にならない?

 

わりと真面目に私一人でも占領出来たとか冗談にならない状態。

 

謁見の間って言うのかだだっ広い。其所にお姫様に連れられた皇帝が居た。皇帝ってゲームとかだとラスボス、ファンタジー世界だしラスボスみたいなのが居ると思えば…ただのオッサンにしか見えない。まぁ明らかに正体不明な集団が来て冷静に見えるしスゴいような?

 

 

「お初にお目にかかれて光栄です皇帝陛下」

 

政府代表の管原さんの挨拶。

今さらだけど管原さんの役職とかなんだろ。

 

「ふむ、そなたがピニャの言っていたニホンからの特使の管原か。それに……」

 

伊丹たちを見た。おもいっきり混乱に乗じて交渉中の敵の部隊に入り込まれてる。それも自分の娘さんが引き連れて…お姫様の立場大丈夫?

 

皇帝の生死の与奪が日本の出方次第。混乱状態だし皇帝やった後でも逃げることも出来ないとも言い切れない。現時点でも帝国の面子はズタボロ。それでも平静な顔をしてるのわりとスゴい。

 

皇帝は焦って兵士を呼ぼうって様子もない。

何事もなく平和に終わりそう。

平和に終わるの無理そう。

 

「父上!!また揺れが来ます!」

 

ピニャ姫が揺り返しの事を伝えてると園遊会に突撃してきた王子さまも入ってきた。しかも揺り返しの事について発言した。王子さまは馬鹿と思ったけど博識だった?なんて事もなく、教えた相手がいた。

 

女性に教えてもらったみたい。その女性が連れてきの、鎖で繋がれた女性達を引きずって現れた。どう見ても性的な奴隷を引き連れて登場って、しかも悪所で奴隷とか見たけど、まだスラムの方が遥かに真っ当な扱いしてたと思えるぐらいボロボロ。やっぱり暴行エロは二次元だけに限るわぁ。リアルに見れば嫌悪感しか感じない。……奴隷の立場のミスチィが引っ付いてるとお前が言う資格はねぇ!って言われそう。この子どうしたら良いの?私の養子とか?

 

それにしてもあの王子…またの名を塵は、園遊会では愛嬌のあるバカと思ってたけど不快感のあるバカだった。

 

「また揺れが来るとのりこが言ってました!」

 

のりこ?

 

獣人とかエルフとか色々な種族が居る中に…黒髪黒目、日本人女性としか見えない人もいた。名前はノリコ。ガンバ◯ター?…じゃなくてどう考えてもノリコって日本人名。ノリコさんが地震の揺れ戻しも教えた。そら日本人なら知ってる。

 

つまり…

 

マジで日本人誘拐されてた。

しかも格好的にあれな奴隷扱い。

 

ん?伊丹が勢いよく走り出して拳を振りかぶって

 

「ヌグァァア!??」

 

伊丹が拳を塵王子さまの顔面にシュウウウウ!!超エキサイティィィング!!

 

って何してんの伊丹さんや。

 

暴れるなとかキレるなとか人に言ってた三十路超えが、真っ先に不味そうな相手に手を出した。追撃のおかわりも入れだした。君が泣くまで殴るのを止めない!やめて王子のライフは0よ!もっとやれ!…って良いの?

 

誰か止めるとか思えば、栗林さんとかは王子を助けに向かった兵士をぶちのしてる。他の自衛隊の人はノリコさんを救助してるし。ついでに他の奴隷の女性も助けてる。伊丹の暴走に便乗して周りが嬉々として暴走してない?

 

乗り遅れた…もとい、これ不味くない?

 

講和の交渉に来てるのに皇帝の前で息子ぶちのめして、ノリコさんはともかく関係ない奴隷も救助してるけど良いのこれ?管原さんが皇帝と話してる。フォローするどころか皇帝にやんわり脅迫染みた事を言ってるし。

 

まぁ一般人の私が悩むことじゃない。今さらどうしようもない。巻き込まれるのもイヤだし空気でいよう。騒ぎを聞きつけたのか追加の兵士がやってきた。乱戦になっても困るし手早く追加でやって来た兵士に弾幕をシュート、エキサイティングしてはいけない。数十人の兵士が吹っ飛ぶと静かになった。注目集めてる。もう何もしない。私は空気…空気…エアー…エアーマン…三沢……

 

「…っ!!」

 

ピニャ姫さまなんで空気になってる此方に…もしや唯一冷静そうな私に他を止めて欲しいって頼みにきた?

 

「…れ、霊夢さま!ど、どうかどうか怒りをおおさめください!!帝国を滅ぼすのは、どうか、それだけはお許しください…!!」

 

「は??」

 

ピニャ姫さま、なに人聞き悪いことを?。

 

滅ぼすってなんの……まさか来る途中で言ってたテロリスト云々の対応を話したせい?それか一人でも占領できるとかの冗談真に受けた?あの話のせいで本気で私が帝国を滅ぼすみたいな誤解をした?

 

皇帝が此方を見てた。

誤解されないように愛想笑いをしとこ。

なんで顔色悪くする。

ピニャ姫、どんな誤解を植え付けた。

 

伊丹殴るの止めて見てるし。

自衛隊の人達も見てる。

助けた奴隷とか兵士とかも見てるし

ピニャ王女真っ青通り越して白い

いや伊丹と自衛隊の人達が此方を見ると可笑しい。暴れたのアンタ等でしょ。

 

 

 

 

 

あ、また揺れがきた。

 

余震が遅すぎない?

 



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15話

 

余震のどさくさに紛れて帝国のお城を後にした。

 

「ふぅ…何だかんだあったけど…交渉が何とかなりそうでよかったな!!」

 

伊丹がそんな事をのたまった。

現実逃避してんでない。

 

「ビック○ーを呼び出した後のロジャーさんばりに見事な交渉だったわ」

 

「霊夢さんそれ交渉ちゃう。交渉不可になった後や」

 

「状況的に伊丹がビッ○オーポジションでやっちゃったじゃない」

 

王子さまな顔面にサドンインパクトばりに拳を撃ち込んでたしょ。

 

「帝国とこのあとも交渉できるの?」

 

「で、出来ると思う?」

 

自信無いんじゃない。

 

「まったく伊丹が奴隷の人を見た後にゴミ…じゃなくて王子様を殴りに行くから」

 

「いや、その、あの時は日本人が奴隷にされてるの見て頭に血が登って、気づいたら、やっちゃってたぜ。はは…ヤベェよな」

 

「まぁ殴ったのは仕方ないとして、日本人の奴隷の人も救出って事で連れ帰るのも問題ないと思うけど…なんで日本人と関係ない王子さまの他の奴隷も全員連れ帰ってんの?奴隷の人達、この世界だと所有物とか財産扱いだし強奪じゃない」

 

「そこは、向こうから差し出した感じだし。許可貰ったし、少なくともおれたち要求してない」

 

「要求してないけど暴行したあとで財産を渡されるって…強盗でない?」

「そうとも取れちゃうな」

 

「大丈夫これ?帰ったら罰とかない?」

 

「……大丈夫だと思いたい」

 

「功績もあるし罰は無いと思いましょう、まぁ今度は奴隷の女の子を持って帰ってきたと思われて伊丹の評判が死ぬ未来は変わらないけど」

 

「あの子達俺の奴隷ちゃう!?」

 

「あの場の隊長は伊丹だし。伊丹に奴隷が譲渡された感じにはなるでしょ」

 

「ミスチィをそっちの奴隷に押し付けた意趣返ですかねぇ!と、ミスチィと言えば、ミスチィに…ロリコンさまって言われたんだけど?ロリコンが俺の名前だって認識されてたんだけど、霊夢」

 

「何を人のせいみたいな視線を向けてくんの」

 

「どう考えても霊夢のせいだからだよ!霊夢が俺をロリコンとか呼んでるからだろ。だからミスチィも俺の事をロリコンって覚えたんだろ!」

 

「ん?ミスチィの前で伊丹をロリコンって呼んだことあった?」

 

たぶん無かった筈。

 

「じゃあなんでだよ。他に原因思い付かないぞ」

 

「私でなくても部隊の人に影で伊丹はロリコンって呼ばれてるからそっちじゃない」

 

「…嘘いうなよ」

 

「別に嘘じゃないけど、本人にどっちなのか聞く?」

 

「うん…そうだな。聞かない方が俺の精神的に助かりそうだから良いわ。話は変わるけど霊夢さん、なんでそんな不機嫌そうな顔をしてるん」

 

「向こうで私が化物みたいな扱いされてたらそら不機嫌にもなる。暴れたの伊丹達だけなのに」

 

「………沢山来た兵士の人ら吹っ飛ばしたの暴れた内に入りませんか。そうですか」

 

「あれは、王子さまの上に乗って顔面をオラオラ!してた危険人物に近付かない様にやむを得ずよ」

 

「嘘つけ!王子さまが殴られるの邪魔させない為に吹っ飛ばしたんだろ!!だいたい危険人物って俺こそ霊夢が王子さまに酷いことをすると思ったから、先手をとってやむを得ず殴ってたんだぞ?」

 

「私に責任転嫁するな。大体さっき頭に血が登ってとか言ってた癖に、あと万一私がやっても精々股間に弾幕を撃ち込むぐらいで済んだんだけど」

 

「うわ…俺が殴ってなきゃヘリの装甲も貫通してた弾幕を股間に撃ち込んでたのかよ……殴っといてよかった。やっぱあの王子さま、俺に感謝しないといけないな」

 

「顔面ボコボコにされて顔がアンパンマンになってそうな王子さまに感謝を要求するなんて伊丹酷い。本人に伝えてどんな反応をするか是非とも見たい。戻って伝えてみる?」

 

「はは冗談にしても酷いな……あれ、霊夢の目が本気に見える」

 

という、とても心が暖まる和やかな会話をしながらアヌルスの丘に帰ていった。

 

 

 

帝国の皇女を送り伊丹たちは帝国から駐屯地のある丘に無事に帰った。

 

伊丹は無事に連行された。

 

皇女を送り人が減ってる筈なのに戻ってきた時の人員は逆に増えていた。ミスチィ含めた奴隷の女性たち、明らかに日本人ぽい女性もいたらそれはドナドナされる。何が起きたか情報を知ると、伊丹を見る目が何人かわりと真剣に理解不能の生き物を見る目になっているのも仕方ないことか。

 

 

帝国まで交渉しにいったのに伊丹が、地震のどさくさ紛れ皇帝の所まで行き、帝国のお城の中で皇帝の前で息子さんを公衆の面前で暴行。王子様を護ろうとした兵士もぶちのめし、暴行した王子さまの奴隷、私財までかっさらってきた。帰る時にも帝国から攻撃とか全く受けず。交渉も一応成立した扱いらしい。

 

日本で言えば…戦争中の外国の使者が地震の混乱に乗じて官邸どころか皇居に来て、天皇陛下の前でご子息を暴行、ご子息の私財を奪っていったのに……天皇陛下との交渉という名の何かは成功、拘束もなく帰ってきたと言うところ?

 

「……何で無事に帰って来れてんの?」

 

軽めに何があったか教えられた魔理沙の心底不思議そうな問いに…私、霊夢は首を傾げた

 

ほんと何でだろ

 

 

 

 

帰ってきて数日、日本から誘拐され奴隷になっていた女性は日本に送られた。日本人が奴隷にされてて日本の方がどんな反応するのかちょっと気になる。あと他の連れ帰ってしまった奴隷は伊丹の奴隷には成らずに解放される。と言っても行く宛も無いからこの近くで働いてる…ミスチィは扱いは保留、私の御付きみたいなまま。

 

私は帰ってきてから相変わらず護符造り。なんて真面目にやるわけもなくゲームをしていた。

 

「今度はなにやるんだ」

 

ゲーム機での交流会をもう一度やることになる。前回と同じメンバーに今回は前回参加してなかったレレイもいる。ミスチィとアリスも居るけど少し離れた所で日本語を勉強してる。…あのアリスって娘はなんだろう。一人忘れてた。女の子ばかりの所に参加した伊丹という英雄とロリコンの称号を待った自衛官もいる。最近他の人の視線が更に辛いらしい。

 

平均年齢、可笑しいのを除いたら中学生ぐらい。年齢が倍な伊丹。よく居られる。ここの空気に耐えられるなら他でも大丈夫でしょ

「…俺は様子を見るように命令されて居るんだよ?だから空気が読めないオッサンを見る目で見てくんな!マジで泣くぞオラ」

 

皆で出来るゲームとして今回用意したのは、前回はキューブ、次は64で0○7かマリ○なパーティ………と、思ったけど此にした。

 

「今回やるのはこれ」

 

「なんだこのゲーム…この前のキューブより古そうなゲーム機だな」

 

魔理沙はこの名機を知らないと。

 

「まったく最近の若い者はこれだから」

 

「同い年の相手が言う台詞じゃない!」

 

そこは精神年齢は年上だし…私の精神年齢って幾つだっけ?前世の自分て…幾つだった?…前の事はあんま思い出せないのよね。

 

「おいおいスーファミか、しかも新しくつくられた本体じゃなくて旧式のかよ!」

 

そう電源のアダプターが壊れやすい旧式のスーファミ!…スーファミ頼んで買ってきて貰ったんだけど、なんでリニューアルしたのじゃないのか。ダウンロード版?こう実機でやらないダウンロードしてやるのは何かこう違うみたいな。

 

「古いの?」

 

「古いのだけどスーファミは今でも通じる至高のゲーム機だから問題ない」

 

3Dよりレトロな平面の絵のキャラとかが味があって良い。ゴエモ○とかスーファミ時代の方が良い。

 

「は?至高のゲーム機はプレステだろ。所詮スーファミは先の時代の敗北者じゃけー」

 

伊丹がネタフリ、じゃない絡んできた。

 

「はぁぁ…敗北者だと…取り消せよ今の言葉!プレステなんて所詮はスーファミの周辺機器…って、ゲーム機大戦で言ってた」

 

他が知らないだろうからネタフリには乗らない。

 

「自分の意見じゃないねーのかよ!」

 

別に個人的にはスーファミもプレステもどっちも好きだし。

 

「少なくとも大人数でやるなら、プレステより任天堂系の方が確実に上ってのには異論はないでしょ」

 

PSPだと通信協力で出来るけど人数分の本体が必要になる。

 

「……それは、まぁ…プレステ二人対戦しか出来ないから大人数向けのゲームって事なら異論は無い…いや、待て!任天堂でもスーファミだと二人しか出来ないぞ!?どうするんだ!」

 

さて伊丹がちゃんと振ってくれたから此を取り出す。

 

「これがあれば四人でもいける」

 

これが無きゃ64の方にするしかない。

 

「おお!そ、それは!」

 

白い爆弾男の頭のコントローラー増設装置。

 

「その特徴的なコントローラーが用意されてるって事は、やるのはあのゲームか!!」

 

伊丹、今日は無駄にテンション高くない?

テンションを上げて女子だけの空間を乗り切ろうと…痛々しい。

 

「そうボ○バーマン3」

 

バイハドソン。ボンバーマ○はスーファミが一番。64のもあれはあれで面白いけどなんか違う。…64以降ってボンバー○ンの続編ってどうなったんだっけ?

 

「ボン○ーマンか懐かしいな。スーファミなら桃○を出してくると思った」

 

「あるけど…桃○の場合は普通に新しい方が良いから」

 

あと何故か私が○鉄をやると資産が酷いことに成りそうな気もするからやりたくない。マイナス資産で競う方が勝てそうって悲しいことに成りそう。

 

「桃○あるのか、他にもソフトあるな…箱入りかぁ」

 

そう数百円の中古のを買ってきて貰うつもりだったのに、頼んだら本体含めて箱入りの良品ばかり。前世でスーファミやったのスーファミが時代遅れの時で売ってるの箱無しソフトばかりで、箱無しで買ってたから箱入りとか知らない。こんな箱だったんだ。

ゲームは大抵古い世代のを買っててらゲームとか新しいのは高いから買わなかった。スーファミとか古いゲームを買ってたの数百円ぐらいで安かったから、箱入りの良品とか高くて買うわけない。何が言いたいかと言うと……頼んだら良品買ってくる事を想定してなかった!普通に新作のゲーム買ってた方が安くすんだと後悔してる!!

 

「あ、このカー○ィって言うの前のゲームで霊夢が使ってたのだ」

 

「ドンキー○ング……」

 

「これまた懐かしいラインナップ!マリオカー○、ぷよぷ○、F-ZER○にスト○ァイにゴエモ○とか二人プレイが出来るゲームも用意してあるな。本当に懐かしいのばかりが……しかし霊夢……此処まで複数でやれるゲームの王道のを用意しておいてあれが無いのは片手落ちだな」

 

「あれって?」

 

大体王道なのは用意してあると思う。伊丹が片手落ちって言うぐらいのゲームって思い付かない。

 

「南国少年パプ○くんの絵柄のゲーム…知らないわけないよな?」

 

パ○ワくんの絵柄のゲーム、スーファミにパプワくんのゲームはあったような?絵柄って事はそれとは違って…あー、思い出した。聞いたことある。

 

「伊丹、あなた…まさか、あのゲームの事を言ってるの」

 

「…あぁそうだ。…ドカポ○だ」

 

お互いが無駄に深刻な空気をだして話してる。伊丹の口から出たのはゲームの名前に私は、まるで体内に氷柱を入れられた様な寒気を感じている……って感じの身震いをしておいた。

 

「れ、霊夢が震えてる!?ねぇ魔理沙、そのドカ○ンってゲームはスゴく怖いの?」

 

「いや、知らないゲームだからわからん。…霊夢どんなゲームなんだ?」

 

「私もド○ポンをやった事はないんだけど…知ってるのはあのゲームをやった知り合いがどうなったかだけ…」

 

悲痛といった顔で俯いた。

ネットでの話だけどね

 

「どうなったかだけねぇ」

 

「し、知り合いの人はどうなったの?」

 

「………私の知り合いが知り合いの友人とドカポ○をやった翌日……翌日の学校で知人は……全身包帯に松葉杖をついた姿になっていて…死にかけてた」

 

痛ましいことを思い出したみたいに首を振った。ネットで見た話だけだ、まさか罰ゲームであんな姿で登校させられるなんて……しかも何処をどう間違ったのか嘘の怪我とバレて全校集会で校長に盛大に怒られて…あれには投稿者は大笑いして死にかけたらしい。

 

「しにかけ!?ドカポ○ってそんな危険なゲーム!?」

 

「…霊夢が震えるようなゲームはやりたくない」

 

「うーん」

 

「いや嘘だろ」

 

テュカ、レレイは信じた反応をしている。ロゥリィは不明。魔理沙は信じてない。魔理沙を見つめた。

 

「なんだよ。嘘だろ」

 

「………………」

 

私は沈黙した。

 

「霊夢、嘘なんだよな」

 

「……」

 

「あの、霊夢?」

 

魔理沙が焦った顔をしだした。

 

「よーしボンバー○ンやろうか」

 

伊丹が自分が言い出したドカ○ンについてはシレッと放棄してそう言ったから、私はボ○バーマンをやる準備をする事にした。

 

「嘘なんだよな!??」

 

私は無言を貫く。

伊丹が黙ってろみたいな目をするから!

 

ゲーム初のレレイは先ずはゲームの見学、魔理沙は魔法を教えて貰ってる御返しにゲームの説明をレレイにするという事で見学。テュカは女の子だからか赤ボン、ロゥリィは服の趣味からか黒ボン。伊丹はカレーなイエロー。私は清廉潔白だから白ボン。

 

さて、壁は殆んど壊れてる。置けるボムの数も火力も十分。リモコン…

 

「そう言えば伊丹、この前、ミスチィがここら辺の見学をしてた時なんだけど…」

 

「なんだ…」

 

皆の意識がそれた。画面から目を逸らしてるふりをして、指だけ素早く動かしドムドムとボムを連続して置いていく。

 

「ダークエルフぽい人を見掛けたそうなんだけど」

 

盛大な花火をあげる下準備は出来た。

白いボンバー男は安全地帯。

爆破!

 

「エルフってことはテュカのお知り合い…あぶね!」

 

「え、私?ダークエルフの人は知らない…ああ!」

 

「ダークエルフね。お隣の国にダークエルフの集落が確かあったかしら……彼処のダークエルフが信仰してるのは……ふふ甘い」

 

テュカの赤ボンは意識がそれてる内に爆破された。伊丹のイエローとロゥリィの黒ボンは避けた。

 

「レレイさっきのが会話をしてゲームから意識を逸らさせるセコくて小狡いテクニックだ。霊夢が多用してくるから気を付けろ。あと…ゲームだと仲間になっても普通に裏切ってくるから気を付けろ」

 

「わかった」

 

わざわざ後ろの方で人のゲームスタイルを言うのはどうかと思う。

 

「そういえば伊丹、さっきの話の続きなんだけど…」

 

「なんだ…」

 

「「……」」

 

何でそんな皆して私が話し出したら警戒してくるのか。魔理沙が余計な事をいうから

 

「ここら辺て性的な商売って問題ない扱いなの?」

 

「「ぶふ!!?」」

 

伊丹と魔理沙が吹いた。

 

レレイとか此方の人間は大した反応はしてない。まぁ此方では普通に堂々とやってる商売だしね。本人達にもし自衛隊の保護が無ければ身体を売ってたとか教えられた時は今の伊丹と同じ反応させられた。

 

よし今のうちに

 

「さっきの話からどうしてそんな発言が出てきた!!?」

 

「ミスチィがダークエルフぽい人が、建物の影に男と一緒にいって男がズボンを脱いで…って現場を目撃したそうなのよ」

 

周囲の見物から帰ってきた後にミスチィから報告された。驚いて報告したとかじゃなくて、ダークエルフが珍しかっただけで、熊(ダークエルフ)が犬の散歩()をしてるのを見掛けましたみたいな。熊が珍しいと思っただけで行為については犬の散歩みたいな軽い扱い。聞いてるこっちは困った。

 

「で、性的な商売ってどうなの」

 

さて若い女の子だけの空間で性的な商売が問題ないか聞かれた伊丹はどう答えるか。因みに此処での会話は外に伝わる可能性が大きい。

 

「…………」

 

よし伊丹が返答に困って固まった。さぁ爆破されイエローは消しとん…は、私の白ボンがボムに囲まれてる!?キックで…キックはなかった!?ガッテム!

 

「く、人が話してる時に爆弾置くなんて卑怯な!」

 

「…なんでゲームをしてる時の霊夢って毎度ブーメラン発言するんだ」

 

しめやかに白いのは爆殺された。

ルーイ

 

 

 

 

 

「…あの、何で呼び出し受けたんでしょうか」

 

ゲームやってた事についてかな。それか面倒な事を言ってきそうな感じか。また東方キャラでも見付かって俺に預けるとかじゃ。

 

「上司を前に逃げ腰な態度は失礼だな。伊丹二尉、君を呼び出した理由は最近やってきたダークエルフの女性についてだ」

 

「ダークエルフの女性……ああ」

 

霊夢、いやミスチィからの情報的に性的な商売をしにやってきたダークエルフか。他にダークエルフが来てたとかないよな。ダークエルフ、見たことないけど、ダークエルフみたいな東方キャラなんて居ないよな…

 

「心当たりがあるようだな。彼女に少々困った頼みごとをされてね」

 

そのこの先は判るだろみたいな視線を向けるの嫌なんですがね。

 

「……その頼みとやらにおれですか?」

 

「そうだ。その頼みごとについての対処を君に頼みたい」

 

頼みの中身は何ですかねぇ…。

何で言わないんですかねぇ。

 

俺が対処しなきゃいけない頼みってなんだ。絶対に面倒な頼みだから俺に投げるんだろ。性的な商売してる女性からの困った頼み。考えられるのは……そう言う仕事をする場所が欲しいとか?用意しろとか?いや…もっとあれな仕事か。ゴクッ…ま、まさかな。無いよな。

 

「あのー…その頼みって……表に出せない感じのですか」

 

「まぁ……声を大にして言って良いものではないな」

 

「……あのですね…今でも女性の同僚からの視線が凍えるぐらい厳しいんで、そう言う類いの仕事は勘弁してもらえませんか」

 

「…なにか違う誤解をしてないか?」

 

「そういう頼みじゃない?」

 

「内容は判らないが君が考えているのは違うだろう」

 

じゃあ頼みってなんですかね。さっきから心の声が聞かずに全力で逃げろって心が轟叫んでる気がする。けど聞かないのも無理だし聞いてみた。

 

「…炎龍退治…?」

 

なになに、炎龍にダークエルフの里が襲われてる。…助けにいくって事に?

 

なるほど

 

頼みって…炎龍退治の部隊に参加って事ですか。え、違う。良かっ………ぇ、その里があるのお隣の国、場所がデリケートで、炎龍退治に行けるのは俺たちの部隊だけ……

 

なるほど

 

ゴジラみたいなあの怪物を手持ちでいける装備で何とかしなきゃいけない。

 

なるほど

 

ドラゴンの攻撃なんて霊夢の護符でも防げるか怪しいな。

 

なるほど

 

初期装備で高易度のミッションを受けるEDFの隊員になれって事かな?

 

 

なるほど…

 

 

……なるほど………

 

 



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16話

 

 

何だか様子の可笑しい伊丹。

 

何か命令をされた事が原因らしい。内容が気になって伊丹が拝命した命令を聞き出した。伊丹は簡単に口を割った。

 

命令がどんなモノか聞いた後になるほどと頷いて笑みを浮かべた。

 

 

「伊丹、逝ってらっしゃい」

 

 

私は優しい言葉をかける。溢れる優しさを乗せた渾身の綺麗な微笑みまでつけてる。最後に涙が流れるように頑張ってみる。ちっともでない。

 

「……」

 

とても怨みがましい目線を向けてきた

スマイルゼロ円だと不満だと

涙(目薬)を用意しないと…

もっと具体的にモノじゃないとダメ?

 

「えっと伊丹の宗教ってなんだっけ」

 

友人として暗にお葬式をあげてあげるととても気のきいたことをいう。仏教で良い?香典って幾らぐらい?友人だから奮発するわよ。仏教でなく神道ならウチの神社で格安でやるわよ。初めてだからやり方わかんないけど

 

「俺の人生が終わった後の想定は止めてくれませんかねぇ」

 

「そうは言うけど…今回の任務って遺書が必要な任務なような…真面目に伊丹って自衛隊での立場大丈夫なの?」

 

命令の内容はダークエルフからの救難要請を受けて伊丹が救いに行くことらしい。

 

相手はドラゴン。

 

この世界では地震、雷、火事、ドラゴン(オヤジ)みたいに理不尽な相手らしい。

 

もっと詳しく言えば性的なお仕事に来てると思ってたダークエルフさんからきた要請、ダークエルフの里が伊丹も出会ったドラゴンに襲われてるらしい。この世界でドラゴン此れまでどうにもならない災害扱い。なのに伊丹がドラゴンを撃退しちゃった。だからドラゴンを撃退したって噂の自衛隊の駐屯地まできたそう。報酬は大きいダイヤモンド。 テュカの里もドラゴンにやられたそうだけどエルフってドラゴンの怨みでも買ってない?それか好まれてる?

 

ダークエルフの里こ場所も不味くて自衛隊の軍備でも危ない相手で最初、自衛隊は依頼を受ける気はなかったそう。けど何かメリットが出来て自衛隊は要請を受けることにしたそう。けどダークエルフの里がある場所が国境の関係で少数しか送れないから、怪獣みたいなドラゴン討伐に支援無しで伊丹達だけ行かせる。聞いた感想としては謀殺狙いか懲罰任務?

 

「俺って立場大丈夫…じゃない?」

 

「…王子さまの顔面クラッシュ事件がヤバかった?」

 

「それかなぁ」

 

「それかダークエルフの人が来た噂の根本が伊丹だからって自業自得な理由か」

 

「ぁぁそれかなぁぁ」

 

それか功績?を上げてる事への妬みか。

 

考えてみたら思い当たる節しかない。

伊丹、真面目に戦死して欲しいとか思われてない?

 

「断ることって出来ない」

 

「無理かなぁ」

 

まぁそらそうよね。

 

「なら残念だけどモンスターハンター伊丹としての伝説の始まりだと思って行くしかない」

 

「伝説の始まり?それ仮に炎龍討伐しても後で他の何かとも戦わされるって希望のない話か???」

 

冗談だけどあったりして。

 

他の生き物の生態調査とかで有り得るかも、龍が居るなら他の野生の生き物とかわりと気になるでしょう。ゴブリンとかオークとかファンタジー生物居るみたいだし。危険がなく簡単なら他の人で、危険か困難なら伊丹に、そんな未来が見えた。流石に可愛そうだから口には出さない」

 

「なぁ銀座の時もだけどわざと口に出してね??」

 

 

そんな事実無根な疑惑は丁重に無視してもう一度詳しくドラゴン、炎龍について聞いた。判明してるスペックを聞く。巨体なのに空を飛行する。銃が効かない戦車並な皮膚、森一つを焼く火炎放射、圧倒的な質量、それから伊丹達の戦力を確認した。伊丹たちは歩兵部隊みたいなもん。これは…

 

「EDF隊員になりに行くの?」

 

「…俺も思った。此処だと地球の防衛と関係ないけどな」

 

「命のお値段は隊員と等価ぐらいでない?」

 

「激安で売りに出されるのは勘弁してほしいなー」

 

さて…まぁ…炎龍っての気になるしちょっと私も見学に行かせて貰お。カメラも用意して、モンスターハンター伊丹の勇姿を激写しないと、どうせモンスターハンターならコスプレ衣裳も強制するのもいいかも。人に巫女服強制してるんだし拒否権はない。伊丹のモンスターハンター姿想像したら微妙なコスプレそうで笑える。伊丹はそれでいいとして、栗林さんにも頼んでみよう。麒麟装備…

 

……コスプレでも護符を張り付けたらハンター装備わりといいんじゃない。栗林さん近接戦闘得意とか聞いたこともあるし。え?近接戦闘の装備ならロゥリー?

 

それは、ほら…胸部の辺りがね。モンスターハンターの装備って"膨らみが"有ること前提みたいな感じだし。残念ながら圧倒的に足りないというか、もし装備を着たらそう…

 

「ろくなこと考えてない顔をしてるな」

 

「……伊丹、特に意味はないけど向こうをみてスッカスカって言ってくれない」

 

ロゥリーが居るけど何の意図もない。

 

「なんか知らんけど、断固拒否する!」

危険回避能力がたまに高い。

 

「なら別の事を頼むわ。伊丹隊長に協力して欲しいことが有るの」

 

「お前の隊長になった覚えはない。あと協力ってなんだ?何だか嫌な予感がするぞ」

 

「いやいや炎龍退治にもしかしたら役立つかも知れないから良い話よ」

 

デメリットは伊丹の評判が更に死んじゃうかも知れない事だけど…うん、デメリットは無いようなもんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では出発」

 

俺達は炎龍討伐に向かう事にな駐屯地のあるアルヌスの丘を出る。部下と厄介ごとを持ってきたダークエルフのヤオ、あとテュカ、ロゥリーがついてきてくれた。……テュカは仲間の敵討ちでもある。霊夢の護符でお別れをして少しは心情の整理はついたみたいだけど、それでもまだ危うそうに見えるな。

 

「あれ?」

 

テュカは誰か探してるみたいだな。

誰か居ないのか?

誰か居ないのか確認したけどもう全員のってるぞ。レレイか。

 

「…霊夢は来ないの?」

 

そっちかぁ。

 

テュカって最初あんな怖がってたのにいつの間にか霊夢と仲が改善されてるな。

結構セクハラされてたのに…同族とお別れさせてくれた恩からかね。

 

「そう言えば居ませんね……炎龍退治に関係あるものとかで何か用意してましたし来ると思ったんですが」

 

確かに用意してたな。

栗林のスリーサイズ調べたりして……

調べるの俺に頼むな!

 

「…霊夢ちゃんに黙って出てきたのよ」

 

そう、魔理沙とミスチィとレレイと人形の観察でまだ残ってるアリスには言ったけど、霊夢だけには隠して出てきた。

 

「え、なんで!?」

 

「イタミが魔理沙とミスチィとレレイとアリスに霊夢の相手を頼んでたわね」

 

普通に行くだけなら感づくだろうからな。魔理沙、ミスチィ、レレイ、アリスには俺達が出ていくまで霊夢の足止めを頼んだ。

 

アリスは知らんけど、魔理沙とミスチィ、レレイにはわりと甘いから足止めしたとわかっても二人は大丈夫だ。因みに俺にはまったく優しくない。同じ友人枠なのに、オッサンか俺だけオッサンだからか。オッサン差別良くない!

 

「な、なんで黙って出てきたのイタミ」

 

俺も連れてって炎龍退治に協力させたかったよ。けどさぁ、炎龍退治の命令を受けた時に…

 

「上から直々に霊夢を同乗させるなと言われたんだよ」

 

命令だけじゃなくて出発する時に監視されてたし。霊夢が同行しようとしたら止められてたろな。止められたら同行がダメなことが霊夢が知ることになる。だから面倒な手を使ってまで霊夢に気付かれずに出てきた。

 

なんで連れてくの今回に限ってダメだったんだろうな。討伐で危険だと解ってるからか…護符造りを霊夢がサボり過ぎたせいか。

 

「来れない理由は…察っせますが、戦力半減どころでないっすよ」

 

「戦力扱いするな。俺達が戦力扱いするなんて外聞が悪すぎるし。本人も戦力として宛にするなとか文句言うぞ」

 

戦力扱いは出来ない……今回は完全に頼ろうと思ったし建前にしか過ぎないけど。

 

「言いそうねぇ」

 

「で、でも霊夢って…戦ってくれるよね」

 

テュカの言うとおり戦ってはくれれるよ。盗賊の時も温泉の時も文句言いながら戦ってるし。…戦うまでやる気ない台詞を散々に言うけどな!素直に人を助けるのそんなにイヤか。

 

「けど今回の炎龍相手だとそんなに頼れないんじゃないです」

 

「なんでだ?」

 

「だって銀座の時もこの前の盗賊の時もだけど相手が気絶するぐらいの攻撃しかできなかったですよね。人が気絶するぐらいの攻撃なら炎龍に効くと思えませんよ」

 

「いやあれ手加減してただけだよ。弾幕でヘリの防弾ガラスぶち抜いてるの見てたろ」

東方の霊夢ってそんな物理的な攻撃力高いイメージ無いけど此方の霊夢は攻撃力ある。飛行にしても護符にしてもスペック高過ぎない?って何度思わされたか。博麗霊夢に似てるだけの別の何かに思えてくる。手加減抜きならスプラッタ待った無しだろ。

容赦なく人を射的の的にしてる様な攻撃してたけど霊夢ってあれで人道的だった。

 

ちゃんと前に本人に手加減してたか聞いたことある。それで息の根を止めない程度には手加減はしてると怖い答えを聞いてる。その時に俺は霊夢の優しさ一厘、あとの九分九厘割は下手にやって幽霊になった時にストーカーに成られるの嫌なんだろう…と手加減の理由を推理した。

 

本人からは優しさ1.2倍は有るって訂正された。誤差にしか成らない優しさだな。お前の優しさそれで良いのか

「そう言えばやってましたね。やろうと思えば威力は上げられるんですか。威力を上げれば炎龍にも攻撃は通せるんです?」

 

「いけるんじゃないか…たぶん」

 

何とか炎龍と戦える位の力はあると信じたい。

 

「博麗さんって実際のところ何れぐらい強いんでしょう」

 

「どれぐらいだろうな」

 

誰も知らないだろ。

 

霊夢ってこれまで相手が人だから手加減してるだろ。本気ならどうなるんだ?

 

 

予想だと帝国って霊夢一人で落とせるんでね?

最低でも帝国の城は落とせてたろ。

 

この前、帝都に行った時に一人でも占領出来そうとか不穏すぎる事を呟いてた。あれ本人は冗談のつもりだとかほざいてたけど、占領しようと思えばマジで出来たんでないか。少なくともお姫様には出きると思われてたな。お姫さまにイタリカの活躍を見られたせいで。何だと思われてたんだろな霊夢。

 

俺の予想だと炎龍と同じぐらい危険物、ぶっちゃけアイツ此方の世界じゃ炎龍(災害)と同じカテゴリーの生き物扱いされるんじゃないか。違うのか聞かれたら友人として悲しいが否定はできない!とても悔しいけどな!!

 

「……霊夢なら炎龍を一人で倒せそうな気がする」

「いやいや」

 

炎龍って霊夢なら戦えはしそうだけど流石に倒すっては難しいだろ。テュカの霊夢の評価は相当に高いな。

 

「…できるわねぇ」

 

ロゥリーさんや。なんで遠い目をしてるんだろね。…今断言しなかった?

 

「言っちゃダメなんですが、こういう時には頼りたいですよね…」

 

「けど今回は来るの禁止された」

 

「あんなのでも民間人だからな。確実に危険だと解ってる討伐には送れないんだろ」

 

…理由が護符造りをサボり過ぎたせいとは思わないでおこう。危険だから来れないんだ。此れまで霊夢が同行した所でも危険な目にあってる?いや前までは本来なら危険な行き先ではなかったから、毎度襲撃されただけで…ん?…帝都とか素で危険でなかったか?

 

「そんな危険な討伐に俺達命令されて行くんですがね」

 

「俺達だっけって可笑しいですよー…」

 

そうだよなぁー。炎龍って本来は巨大ヒーローか戦闘ヘリとか戦闘機で相手にするのだろうよぉ。俺達みたいな少数部隊を送る相手でねー。霊夢が言ってた通りEDF隊員扱いみたいにしか思えねぇよ。普通に考えて俺たちなら炎龍をやれる!と信じられたより…あーーやっぱ嫌われてるのかねぇ。

 

「こ、コッソリ霊夢を連れてきたらダメだったの?」

 

「命令無視はいけないんだよ。命令無視は…命令を守るためにも霊夢は連れてけないんだ!」

 

俺は力強く断言する。なんだその胡散臭い物を見る目は、俺は命令は無視してないぞ。ちゃんと霊夢を連れてきてない。ちゃんと置いてく努力もした。誠心誠意命令を遵守したんだぞ。ちゃんと皆知ったよな?俺が命令を忠実に守ったの

 

何故か不信を感じられるから別の話をしよう。

 

「モンスターハンターってあるよな」

 

霊夢が最近矢鱈話題にするから俺も話題にしてみた。

 

「突然なんです?勿論やったこと有りますがどうしました」

 

「こうして討伐に向かうって立場になると思うよな。モンハンのハンターって頭可笑しい」

 

リアルに例えると初期の相手でも熊やらトラ相手、此方でいえばオークとかを刀で?…無理だわ。古龍とかなるとそらもう炎龍クラスかそれ以上なの相手になんだろ。武器はお手製で生身であの炎龍みたいなのと対決するんだろ。自殺志願者かな。

 

「俺達も頭可笑しいって事になりません?」

 

「モンスターハンターのハンターの方がマトモでは?ちゃんと相手に効く装備で戦うんですから」

 

炎龍に効く攻撃力が欲しいな。

そういや国会で炎龍相手に武装の火力足りないって言ったよな。言ったよなぁ…。なのに火力不足のまま送り出されるって…

 

って

 

「え?栗林もモンハンやったことあるのか」

 

オタク嫌いだしゲームなんてするタイプでないと思ってたな。モンハンみたいなアクションゲームならやるのか?

 

「なんでか霊夢ちゃんにやらされたんですよ」

 

なんだと、霊夢のヤツめ、オタク嫌いな栗林にまでモンハンやらせてたのか。…絶対にあれの為だな。

 

「モンスターハンターの話をしてるとハンターの装備が欲しくなりますね…」

 

ロゥリーのハルバート見てる。装備に興味を持つとか霊夢の思惑通りだな。ロゥリーのハルバートって少しハンターの装備ぽいか?…ぽいどころかロゥリーってリアルモンスターハンターみたいなもんだな。炎龍と普通に接近戦で戦ってたりするし。これで凄いのはハンターみたいに戦えるロゥリーなのか、不死身のロゥリー並な事をしてるハンターなのか。

 

「モンハンのハンターと言えば、ゲームの耐久力可笑しいですよね。攻撃を喰らっても生きてるって……俺達だと一発食らえば終わりですよね」

 

「それは軽く当たるだけでトラック衝突するぐらいの威力は食らうだろうから…バラバラになるんじゃない」

 

トラックは例えには生易しいだろなぁ。特撮怪獣と同じと思ったら何万トンとかだろ。低く見ても数千トンは有りそう。バラバラどころかミンチ、すり身?霊夢葬式上げてくれるにしても原形が残りそうでないぞ。

 

「えっと、博麗さんの護符は…今回はあてにしない方がいいです?」

 

「そらしない方が良いだろ」

 

少し位なら防げそうなって思うのはダメだ。もしかしたら防げる?なんて期待するのは危なすぎる。攻撃範囲に入ったらアウトと思って対処した方が良い。攻撃範囲に入らないで済むと思えんけど……

 

「持ってきた装備は使えますかね…」

 

「道中で盗賊でも襲ってきたら使えるぞ」

 

「あの龍には意味ないと…」

 

「以前に銃弾が皮膚で弾かれてましたもんね」

 

弾かれなくてもサイズ差的に蚊に刺された位の損傷しか無理だろー。やれても注意を逸らせられるぐらいか。

 

銃弾でも片目は矢でやられてたし眼とか柔らかい所なら潰せるだろうけど、両目を潰したら無茶苦茶に暴れそう…。

 

「頼れるのは手榴弾か…あれの腕を吹き飛ばしたコイツ位ですかね」

 

ポンポンと持ってきた切り札の一つを叩いた。

それが効くことは既に腕を吹き飛ばして実証されてるしな。ただ効くだけで倒しきれるかは別問題。普通に当てるだけなら数が足りない。頭とか心臓当たったらいけるだろうけど、当てる難易度が高いよな。

 

高いよなぁ…

 

前に一発ぶち当てて腕を吹き飛ばしてるんだし、知能があるなら警戒するだろ。これは罰ゲームありの対戦ゲームで魔理沙に盤外の不意討ちを食らわせて、二度目の不意討ちは学習されて避けられて復讐されてる霊夢を見たの思い出して思う。……なんで思い出した。あれを思い出す必要ないな。普通に警戒されてると思えば良いだけだな。

 

霊夢といえば来る前に、寝床を探して爆弾仕掛けて吹き飛ばすとか卑劣なアイデア布教してきたな。他にも幾つか姑息な手ばかり提案してきたな。リアルな戦闘では真正面から突っ込む脳筋戦法な癖に

 

脳筋ってより霊夢みたいに正面からやれるなら態々作戦考える必要も無いからか。

 

…霊夢には正面から何とか出きる力があるから正攻法ができる。けど俺みたいな非力な一般人には正面から戦うなんて出来ない。これでも部隊の隊長で責任もある。俺が原因なら俺が巻き込んだようなモノでもある。ならアウトな事でもやんなきゃいけない。例え卑怯でも反則でも後が怖くても!

 

…なんで俺がこんな至極真面目な事を考えなきゃいけないんだろうなー。真面目に考えないと後悔する事に成ったり人生の終わりを迎えるからだよなぁ。なんで俺ってこんな立場に成ってんの?出世なんて興味なかったのに隊長なんて。

 

「……」

 

ダークエルフ(厄介ごとを持ってきた犯人)のヤオが不安そうに見てきてるな。日本語で話してて理解してないけど、さっきまでの会話の不穏さを感じるみたいだ。なんか見てるととても不安に成るなぁ。だって…

 

「…霊夢が見た時に悪運は有りそうだけど、普段は運が悪くて幸が薄そうって言ってたのが不吉なんだよなぁ」

 

実際、一族の存亡をかけて助けを求めてきてたのに、美人局して強盗したとか誤解を受けて捕まってたりしてたし、霊夢の感想だけでなくて現実に運の悪さがまったく否定できないのが…

 

そう言えば、あの時に霊夢が憐れんだ感じで俺を見てきたの何だったんだろうな?初めはそんな相手と関わらなきゃいけないからって思ったけど…何か違うような。

 

なんだ??皆して俺を見て

 

 

 

 

 

「イタミどの、彼処が私の故郷になります」

 

どうやら到着したみたいだ

…到着しちゃったみたいだ。



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